JP2018016364A - キャップ殺菌装置、内容物充填システムおよびキャップ殺菌方法 - Google Patents

キャップ殺菌装置、内容物充填システムおよびキャップ殺菌方法 Download PDF

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Abstract

【課題】キャップの搬送速度を高速化した場合であっても、キャップを確実に殺菌することが可能な、キャップ殺菌装置を提供する。【解決手段】キャップ殺菌装置50は、キャップ33に対して殺菌剤を噴霧する殺菌剤噴霧チャンバー53と、殺菌剤噴霧チャンバー53で殺菌剤が噴霧されたキャップ33をエアリンスするエアリンスチャンバー54とを備えている。エアリンスチャンバー54内において、キャップ33の内面及び外面の両方に無菌ホットエアが吹き付けられる。【選択図】図2

Description

本発明は、キャップ殺菌装置、内容物充填システムおよびキャップ殺菌方法に関する。
殺菌された容器(PETボトル)に殺菌された内容物を無菌環境下で充填し、その後容器をキャップによって閉栓する無菌充填システム(アセプティック充填システム)が知られている。具体的には、無菌充填システムにおいて、成形した容器を無菌充填システムに供給し、無菌充填システム内で、容器に殺菌剤としての過酸化水素水溶液をスプレーする。その後これを乾燥して容器を殺菌し、次いで、容器に内容物を無菌充填する。他の方法としては、容器成形時に容器の内面に少量の殺菌剤を滴下し、口部を密封して気化した殺菌剤(過酸化水素)の蒸気によって容器の内面を殺菌し、この殺菌された容器を無菌充填システムに供給して、無菌充填システム内で容器の外面を殺菌した後、口部を開封して内容物を無菌充填する方法も存在する。
このような無菌充填システムで容器に内容物を充填し、キャップで巻締めを行って製品を製造するにあたっては、容器のみならずキャップの殺菌を行うことも必要となる。このようなキャップの殺菌を行うキャップ殺菌装置としては、例えば特許文献1乃至3に記載されたものが知られている。
しかしながら、従来のキャップ殺菌装置においては、キャップの搬送速度を高速化することが難しいという問題がある。仮に従来のキャップ殺菌装置でキャップの搬送速度を高速化すると、キャップ外面の殺菌効果が低下するおそれがある。また、キャップの搬送速度を高速化しようとすると、装置が大型化し、設備投資コストが上昇したり、殺菌に要する薬剤、熱エネルギー又は洗浄水のコストが増大したりする問題がある。さらに、近年、軽量キャップや炭酸キャップ等、多様なキャップが無菌充填システムで用いられるようになっており、短時間で滅菌することのほか、キャップの巻締め角度やトルクを規定の範囲に抑えること等が求められている。
特開平6−293319号公報 特開2011−11811号公報 特開2012−500759号公報
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、キャップの搬送速度を高速化した場合であっても、キャップを確実に殺菌することが可能な、キャップ殺菌装置、内容物充填システムおよびキャップ殺菌方法を提供することを目的とする。
本発明は、キャップ殺菌装置であって、キャップに対して殺菌剤を噴霧する殺菌剤噴霧チャンバーと、前記殺菌剤噴霧チャンバーで殺菌剤が噴霧された前記キャップをエアリンスするエアリンスチャンバーとを備え、前記エアリンスチャンバー内において、前記キャップの内面及び外面の両方に無菌ホットエアが吹き付けられることを特徴とするキャップ殺菌装置である。
本発明は、前記エアリンスチャンバー内で前記無菌ホットエアが吹き付けられることにより、前記キャップの温度が40℃以上に高められることを特徴とするキャップ殺菌装置である。
本発明は、前記エアリンスチャンバーでエアリンスされた前記キャップを洗浄する洗浄チャンバーを更に備えたことを特徴とするキャップ殺菌装置である。
本発明は、前記キャップの搬送速度が100cpm以上1500cpm以下であることを特徴とするキャップ殺菌装置である。
本発明は、前記キャップ殺菌装置を備えたことを特徴とする内容物充填システムである。
本発明は、キャップ殺菌方法であって、殺菌剤噴霧チャンバーへキャップを供給する工程と、前記殺菌剤噴霧チャンバーで前記キャップに対して殺菌剤を噴霧する工程と、前記殺菌剤噴霧チャンバーで殺菌剤が噴霧された前記キャップを、エアリンスチャンバーでエアリンスする工程とを備え、前記エアリンスチャンバー内において、前記キャップの内面及び外面の両方に無菌ホットエアが吹き付けられることを特徴とするキャップ殺菌方法である。
本発明によれば、キャップの搬送速度を高速化した場合であっても、キャップを確実に殺菌することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態による内容物充填システムを示す概略平面図。 図2は、本発明の第1の実施の形態によるキャップ殺菌装置を示す概略正面図。 図3は、エアリンスチャンバーを示す部分概略断面図。 図4は、本発明の第2の実施の形態によるキャップ殺菌装置を示す概略正面図。 図5は、本発明の第3の実施の形態によるキャップ殺菌装置を示す概略正面図。 図6は、本発明の第4の実施の形態によるキャップ殺菌装置を示す概略正面図。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について、図1および図2を参照して説明する。図1および図2は本発明の一実施の形態を示す図である。なお、以下の各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。
(内容物充填システム)
まず図1により本実施の形態による内容物充填システム(無菌充填システム、アセプティック充填システム)について説明する。
図1に示す内容物充填システム10は、ボトル(容器)30に対して飲料等の内容物を充填するシステムである。ボトル30は、合成樹脂材料を射出成形して製作したプリフォームを二軸延伸ブロー成形することにより作製することができる。ボトル30の材料としては、熱可塑性樹脂、特にPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、又はPEN(ポリエチレンナフタレート)を使用することが好ましい。このほか、容器としては、ガラス、缶、紙、パウチ、またはこれらの複合容器であっても良い。本実施の形態においては、容器としてボトルを用いる場合を例にとって説明する。
図1に示すように、内容物充填システム10は、ボトル供給部21と、殺菌装置11と、エアリンス装置14と、無菌水リンス装置15と、充填装置(フィラー)20と、キャップ装着装置(キャッパー、巻締及び打栓機)16と、製品ボトル搬出部22とを備えている。これらボトル供給部21、殺菌装置11、エアリンス装置14と、無菌水リンス装置15、充填装置20、キャップ装着装置16、および製品ボトル搬出部22は、ボトル30の搬送方向に沿って、上流側から下流側に向けてこの順に配設されている。また、殺菌装置11、エアリンス装置14と、無菌水リンス装置15、充填装置20、およびキャップ装着装置16の間には、これらの装置間でボトル30を搬送する複数の搬送ホイール12が設けられている。
ボトル供給部21は、外部から内容物充填システム10へ空のボトル30を順次受け入れ、受け入れたボトル30を殺菌装置11へ向けて搬送するものである。
なお、ボトル供給部21の上流側に、プリフォームを二軸延伸ブロー成形することによりボトル30の成形を行うボトル成形部(図示せず)が設けられていても良い。このように、プリフォームの供給からボトル30の成形を経て、ボトル30への内容物の充填および閉栓に至る工程を連続して行っても良い。この場合、外部から内容物充填システム10まで、容積の大きいボトル30の形態ではなく容積の小さいプリフォームの形態で運搬することができるので、内容物充填システム10を構成する設備をコンパクトにすることができる。
殺菌装置11は、殺菌剤をボトル30に噴射することにより、ボトル30内を殺菌するものである。殺菌剤としては、例えば過酸化水素水溶液が用いられる。殺菌装置11においては、1重量%以上、好ましくは35重量%の濃度の過酸化水素水溶液を一旦気化させた後に凝縮したミスト又はガスが生成され、このミスト又はガスがボトル30の内外面に噴霧される。このようにボトル30内が過酸化水素水溶液のミスト又はガスで殺菌されるので、ボトル30の内面がムラなく殺菌される。
エアリンス装置14は、ボトル30に無菌の加熱エア又は常温エアを供給することにより、過酸化水素の活性化を行いつつ、ボトル30内から異物、過酸化水素等を除去するものである。
無菌水リンス装置15は、殺菌剤である過酸化水素により殺菌されたボトル30に対して、無菌の15℃〜85℃の水による洗浄を行うものである。これによりボトル30に付着した過酸化水素を洗い流し、且つ異物が除去される。
充填装置20は、ボトル30の口部からボトル30内へ、予め殺菌処理された内容物を充填するものである。この充填装置20において、空の状態のボトル30に対して内容物が充填される。この充填装置20において、複数のボトル30が回転(公転)されながら、ボトル30の内部へ内容物が充填される。この内容物は常温でボトル30内に充填されても良い。内容物は予め加熱等により殺菌処理され、3℃以上かつ40℃以下の常温まで冷まされた上でボトル30内に充填される。なお、充填装置20で充填される内容物としては、例えば茶系飲料、ミルク系飲料等の飲料が挙げられる。
キャップ装着装置16は、ボトル30の口部にキャップ33を装着することにより、ボトル30を閉栓するものである。キャップ装着装置16において、ボトル30の口部はキャップ33により閉じられ、ボトル30内に外部の空気や微生物が侵入しないように密封される。キャップ装着装置16において、内容物が充填された複数のボトル30が回転(公転)しながらその口部にキャップ33が装着される。このようにして、ボトル30の口部にキャップ33を装着することにより、製品ボトル35が得られる。
キャップ33は、予めキャップ殺菌装置50によって殺菌される。キャップ殺菌装置50は、例えば無菌チャンバ13(後述)の外側であってキャップ装着装置16の近傍に配置されている。キャップ殺菌装置50において、外部から搬入されたキャップ33は、予め多数集められ、キャップ装着装置16に向かって列になって搬送される。キャップ33がキャップ装着装置16に向かう途中で、過酸化水素のミスト又はガスがキャップ33の内外面に向かって吹き付けられた後、ホットエアで乾燥し、殺菌処理される。なお、このようなキャップ殺菌装置50の構成については後述する。
製品ボトル搬出部22は、キャップ装着装置16でキャップ33を装着された製品ボトル35を、内容物充填システム10の外部へ向けて連続的に搬出するものである。
なお、内容物充填システム10は、無菌チャンバ13を有している。無菌チャンバ13の内部に、上述した殺菌装置11、エアリンス装置14、無菌水リンス装置15、充填装置20、およびキャップ装着装置16が収容されている。このような内容物充填システム10は、例えば無菌充填システムからなっていても良い。この場合、無菌チャンバ13の内部が無菌状態に保持されている。
あるいは、内容物充填システム10は、85℃以上かつ100℃未満の高温下で内容物を充填する高温充填システムであっても良い。また、55℃以上かつ85℃未満の中温下で内容物を充填する中温充填システムであっても良い。
(キャップ殺菌装置)
次に、図2により、上述したキャップ殺菌装置50の構成について説明する。図2は、本実施の形態によるキャップ殺菌装置50を示す概略正面図である。なお、図2において、紙面上方及び下方が、それぞれ鉛直方向上方及び下方を示している。
図2に示すように、キャップ殺菌装置50は、第1導入チャンバー51と、第2導入チャンバー52と、殺菌剤噴霧チャンバー53と、エアリンスチャンバー54と、洗浄チャンバー55とを備えている。これら、第1導入チャンバー51、第2導入チャンバー52、殺菌剤噴霧チャンバー53、エアリンスチャンバー54、及び洗浄チャンバー55は、キャップ33の搬送方向に沿ってこの順番に配置されている。各チャンバー51、52、53、54、55は、筐体60の内部に配置されている。
第1導入チャンバー51と第2導入チャンバー52とは、間に設けられた隔壁61で分離されている。同様に、第2導入チャンバー52と殺菌剤噴霧チャンバー53とは、隔壁62で分離され、第2導入チャンバー52とエアリンスチャンバー54とは、隔壁63で分離され、殺菌剤噴霧チャンバー53とエアリンスチャンバー54とは、隔壁64で分離されている。さらに、エアリンスチャンバー54と洗浄チャンバー55とは、隔壁65で分離されている。
これら隔壁61、62、63、64、65は、各チャンバー51、52、53、54、55間でガスや水等が流通することを防ぎ、各チャンバー51、52、53、54、55内の圧力を安定させる役割を果たす。但し、隔壁61、62、63、64、65には、それぞれキャップ33等が通過できる程度の隙間が形成されている。この隙間は、各チャンバー51、52、53、54、55内の圧力が変化しないように、最小限、例えば1個分のキャップ33程度の大きさに抑えられている。
第1導入チャンバー51の前工程側であって、筐体60の外部には、ホッパー56、ソーター57、キャップ検査機58がそれぞれ設けられている。このうちホッパー56には、外部から多数のキャップ33が無作為に投入される。ソーター57は、ホッパー56に無作為に投入されたキャップ33を一列又は多列に並べ、鉛直方向下方から上方に向けて搬送する。キャップ検査機58は、各キャップ33の形状等を検査するとともに、検査で不合格となったキャップ33を排出する。検査に合格したキャップ33は、第1導入チャンバー51に向けて一列になって搬送される。
キャップ33は、公知のものであって、内面側に開口を有する平面略円形のものが用いられる。なお、キャップ33としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、生分解性プラスチック等の熱可塑性樹脂製のものを用いることができる。またキャップ33としては、通常のボトルキャップのほか、複合キャップやスポーツキャップを用いても良い。
第1導入チャンバー51及び第2導入チャンバー52内には、複数のキャップ33を一列に搬送する搬送ガイド70が設けられている。搬送ガイド70は、例えば複数本のレールを含んでいても良い。この場合、複数本のレールで囲まれた領域に、キャップ33が脱落しない程度の空間が形成され、この空間にキャップ33が収容されて搬送する。なお、キャップ33は、自重で第1導入チャンバー51側から第2導入チャンバー52に向けて移送される。このような搬送ガイド70を設けたことにより、第1導入チャンバー51から第2導入チャンバー52へ高速でキャップ33を搬送することができる。
第2導入チャンバー52、殺菌剤噴霧チャンバー53、エアリンスチャンバー54、及び洗浄チャンバー55の内部には、それぞれキャップ33を回転搬送する回転搬送機構71〜76が設けられている。このうち第1回転搬送機構71は、第2導入チャンバー52内に設けられ、第2回転搬送機構72は、殺菌剤噴霧チャンバー53内に設けられている。エアリンスチャンバー54及び洗浄チャンバー55の内部には、合計4つの回転搬送機構73〜76(第3回転搬送機構73、第4回転搬送機構74、第5回転搬送機構75、第6回転搬送機構76)が設けられている。このうち3つの回転搬送機構73〜75は、エアリンスチャンバー54の内部に配置され、第6回転搬送機構76は、エアリンスチャンバー54及び洗浄チャンバー55に跨がって配置されている。回転搬送機構71〜76は、それぞれ水平方向に平行な軸に沿って回転(自転)し、これにより複数のキャップ33を回転(公転)搬送する。回転搬送機構71〜76は、それぞれ中央に位置するとともにキャップ33を収容する切欠が設けられたスターホイールと、スターホイールの周囲に配置されキャップ33の脱落を防止する複数本のレールとを有している。キャップ33は、スターホイールが駆動することによって搬送され、レールによって案内されて収容されて回転(公転)する。このような回転搬送機構71〜76を用いることにより、キャップ殺菌装置50内でキャップ33を高速で搬送することができる。
また、筐体60の底面66であって、第2導入チャンバー52の内部に、排液管67が形成されている。また底面66は、洗浄チャンバー55から第2導入チャンバー52に向けて下方に傾斜している。これにより、結露等により筐体60内部に生じた液滴を排液管67から筐体60の外部に排出することができる。排液管67は途中がS字状に湾曲しており、このS字状の部分に排液が滞留しており、これにより、第2導入チャンバー52の内部の圧力が保持されている(水封機構)。
次に、各チャンバー51、52、53、54、55の構成について更に説明する。
第1導入チャンバー51は、キャップ検査機58からのキャップ33が導入されるものであり、第2導入チャンバー52の上方に配置されている。第1導入チャンバー51の内部は、陰圧又は微陽圧(例えば−100Pa以上10Pa以下)に保持されており、殺菌剤を含む蒸気が筐体60の外部に漏れないようになっている。
第2導入チャンバー(導入チャンバー)52には、搬送ガイド70によって第1導入チャンバー51からキャップ33が供給される。第2導入チャンバー52には、第1ホットエア供給機79からの無菌ホットエアが送り込まれている。無菌ホットエアの温度は、例えば40℃以上120℃以下である。このため、第2導入チャンバー52の内部が、例えば30℃以上80℃以下の温度に保持されている。これにより、第2導入チャンバー52の内部で殺菌剤が結露することが抑えられ、キャップ33に液状の殺菌剤が残存することにより複数のキャップ33間で殺菌の程度がばらつくことを防止することができる。さらに、第2導入チャンバー52の内部は、陽圧(例えば0Pa以上200Pa以下)に保持され、この結果、殺菌剤が第2導入チャンバー52内に過度に流入しないようになっている。また、第2導入チャンバー52内において、搬送ガイド70には開閉自在の第1ストッパ77が設けられている。第1ストッパ77を開放した場合、キャップ33が第1回転搬送機構71に送られ、第1ストッパ77を閉鎖した場合、キャップ33がこの位置に滞留するようになっている。なお、第1ホットエア供給機79を第1回転搬送機構71の搬送経路上に配置し、第1ホットエア供給機79からのホットエアによってキャップ33の予備昇温を行っても良い。
殺菌剤噴霧チャンバー53は、第1回転搬送機構71によって第2導入チャンバー52から供給されたキャップ33に対して殺菌剤を噴霧するものである。殺菌剤噴霧チャンバー53は、第2導入チャンバー52の上方に配置されている。なお、第1回転搬送機構71等の位置関係によっては、第2導入チャンバー52が殺菌剤噴霧チャンバー53よりも上方に位置しても良い。ここで殺菌剤は、例えば過酸化水素水である。第1回転搬送機構71から送られたキャップ33は、第2回転搬送機構72に受け渡され、第2回転搬送機構72によって搬送されながら、噴霧ノズル81A、81Bによって殺菌剤が噴霧される。殺菌剤噴霧チャンバー53の上部には、2つの殺菌剤噴霧装置82A、82Bが配置されている。このうち一方の殺菌剤噴霧装置82Aは、キャップ33の外面(天面部)側に殺菌剤を供給する外面用の噴霧ノズル81Aに連結されている。また、他方の殺菌剤噴霧装置82Bは、キャップ33の内面(開口部)側に殺菌剤を供給する内面用の噴霧ノズル81Bに連結されている。なお、第2回転搬送機構72の搬送経路上で、まず噴霧ノズル81Bによってキャップ33の内面に殺菌剤を供給し、その後、噴霧ノズル81Aによってキャップ33の外面に殺菌剤を供給することが好ましい。さらに、第2回転搬送機構72の上部であって噴霧ノズル81A、81Bの周囲には、例えば扇形乃至円弧状のカバー83が配置されている。カバー83は、噴霧ノズル81A、81Bの周囲を覆い、噴霧ノズル81A、81Bからの殺菌剤が周囲に飛散することを防止し、キャップ33に対して効果的に殺菌剤を噴霧することを可能にする。殺菌剤噴霧チャンバー53の内部は、陽圧(例えば0Pa以上50Pa以下)に維持され、これにより、殺菌剤が過度に殺菌剤噴霧チャンバー53の外部に流出しないようになっている。キャップ33を殺菌するために必要な過酸化水素の付着量は、35%重量換算で0.6μL/cm以上4.7μL/cm以下(好ましくは1.2μL/cm以上2.4μL/cm以下)である。この範囲であれば、キャップ33を高速で殺菌でき、後述のエアリンスで薬剤を確実に除去できる。
なお、殺菌剤としては、過酸化水素のほか、過酢酸、硝酸、塩素系殺菌剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、二酸化塩素、オゾン水、酸性水、界面活性剤を単体で用いても良く、これらのうち2種以上を任意の割合で組み合わせて用いても良い。
エアリンスチャンバー54は、殺菌剤噴霧チャンバー53で殺菌剤が噴霧されたキャップ33をエアリンスするものである。キャップ33は、エアリンスチャンバー54内で回転搬送機構73〜76によって順次搬送され、この間、キャップ33の内面及び外面の両方に無菌ホットエアが吹き付けられる。エアリンスチャンバー54には、第2ホットエア供給機80からの無菌ホットエアが送り込まれる。この場合、無菌ホットエアは、第4回転搬送機構74を通過するキャップ33に対して吹き付けられる。無菌ホットエアは、第5回転搬送機構75及び/又は第6回転搬送機構76を通過するキャップ33に対して吹き付けられても良い。無菌ホットエアの温度は、例えば80℃以上140℃以下、好ましくは90℃以上120℃以下である。無菌ホットエアの風量は、例えば5m/分以上20m/分以下である。また、無菌ホットエアのブロー時間は、1秒以上20秒以下、好ましくは3秒以上14秒以下である。無菌ホットエアが吹き付けられることにより、キャップ33の温度が40℃以上、好ましくは50℃以上に高められる。これにより、キャップ33に付着した殺菌剤が除去される。エアリンスチャンバー54の内部は、陽圧(例えば30Pa以上200Pa以下、好ましくは50Pa以上150Pa以下)に保持されている。なお、無菌ホットエアには、過酸化水素等、殺菌剤の成分が微量に含まれていても良い。
図3は、エアリンスチャンバー54の内部の垂直断面を示している。図3に示すように、エアリンスチャンバー54の内部に、エアリンスノズル94A、94Bが配置されている。エアリンスノズル94A、94Bは、第2ホットエア供給機80に接続されており、それぞれ第2ホットエア供給機80から供給された無菌ホットエアを吹き出すようになっている。このうちエアリンスノズル94Aは、キャップ33の外面に無菌ホットエアを吹き付けるものであり、エアリンスノズル94Bは、キャップ33の内面に無菌ホットエアを吹き付けるものである。エアリンスノズル94A、94Bは、正面側(図3の左側)から見て略同一の位置に配置されている。この場合、エアリンスノズル94A、94Bにより、キャップ33の内面及び外面に対して略同一のタイミングで無菌ホットエアが噴霧される。このように、エアリンスチャンバー54によって取り囲まれた空間内で、エアリンスノズル94A、94Bからキャップ33の内面及び外面の両方に無菌ホットエアが吹き付けられる。このため、殺菌剤噴霧チャンバー53でキャップ33の内面及び外面に付着した殺菌剤を確実に取り除くことができる。
再度図2を参照すると、洗浄チャンバー55は、エアリンスチャンバー54でエアリンスされたキャップ33を洗浄するものである。キャップ33は、洗浄チャンバー55内で、第6回転搬送機構76によって搬送される。この間、まず洗浄ノズル84によって、キャップ33の内面及び外面に無菌水が吹き付けられる。これにより、キャップ33に異物が付着している場合であっても、異物を確実に除去することができ、かつ無菌ホットエアで加熱されたキャップ33を冷却することができる。次いで、エアブローノズル85によって、キャップ33の内面及び外面に無菌エアが吹き付けられ、無菌水が除去される。なお、無菌エアが吹き付けられた後も、キャップ33に無菌水が若干残存している。これにより、後述するシュート59によってキャップ33が搬送される間、キャップ33とシュート59との間の潤滑を良好にし、シュート59との摩擦熱によってキャップ33の温度が上昇することを防止することができる。このようにキャップ33の温度上昇が抑えられることにより、キャップ装着装置16におけるキャップ33の巻締め作業を安定して行うことができる。洗浄チャンバー55の内部は、陽圧(例えば50Pa以上200Pa以下)に保持されている。これにより、殺菌剤を含む雰囲気がキャップ装着装置16側に流出することを防止している。なお、本実施の形態において、洗浄チャンバー55は必ずしも設けられていなくても良い。
洗浄チャンバー55には、キャップ33をキャップ装着装置16側に搬送するシュート59が連結されている。シュート59は、例えば複数本のレールを含んでいても良い。この場合、複数本のレールで囲まれた領域に、キャップ33が脱落しない程度の空間が形成され、この空間にキャップ33が収容されて搬送される。なお、洗浄チャンバー55内において、シュート59には開閉自在の第2ストッパ78が設けられている。第2ストッパ78を開放した場合、キャップ33がシュート59によりキャップ装着装置16に送られる。一方、第2ストッパ78を閉鎖した場合、キャップ33がこの位置に滞留するようになっている。あるいは、第2ストッパ78は、シュート59上であって、キャップ装着装置16の近傍に設けられていても良い。
本実施の形態において、第1導入チャンバー51、第2導入チャンバー52、殺菌剤噴霧チャンバー53、エアリンスチャンバー54、及び洗浄チャンバー55には、それぞれ排気管86A〜86Eが接続されている。そして各排気管86A〜86Eを介して、第1導入チャンバー51、第2導入チャンバー52、殺菌剤噴霧チャンバー53、エアリンスチャンバー54、及び洗浄チャンバー55が、それぞれ排気されている。排気管86A〜86Eには、排気管86A〜86E内のガスを引き込むブロア68が接続され、ブロア68には、ガスのうち殺菌剤の成分を処理するスクラバー69が接続されている。
なお、キャップ殺菌装置50の全体を通じて、キャップ33の搬送速度は、100cpm以上1500cpm以下であり、好ましくは、500cpm以上1000cpm以下である。本実施の形態によるキャップ殺菌装置50によれば、このように高速でキャップ33を搬送した場合であっても、キャップ33を確実に殺菌することができる。なお、cpm(cap per minute)とは、所定の位置を1分間あたりに通過するキャップ33の個数をいう。なお、例えばボトル30が大型(内容量1L以上)のボトルである場合等、ボトル30の充填速度が遅い場合には、この充填速度に合わせてキャップ33の搬送速度を上記速度よりも遅くしても良い。この場合、キャップ33の温度が上昇しないように、第2導入チャンバー52やエアリンスチャンバー54におけるホットエアの供給条件(温度、流量等)を調整しても良い。
本実施の形態において、導入チャンバーとして、第1導入チャンバー51と第2導入チャンバー52との2つのチャンバーが設けられる場合を例にとって説明したが、これに限られるものではない。第1導入チャンバー51と第2導入チャンバー52とを合わせて1つの導入チャンバーが設けられていても良い。また、本実施の形態において、回転搬送機構71〜76の回転軸が水平方向を向いており、キャップ33が略鉛直面内で搬送される場合を例にとって説明した。しかしながら、これに限らず、回転搬送機構71〜76の回転軸が鉛直方向を向き、キャップ33が略水平面内で搬送されるようにしても良い。
(内容物充填方法)
次に、上述した内容物充填システム10(図1)を用いた内容物充填方法について説明する。なお、以下において、通常時における充填方法、すなわち飲料等の内容物をボトル30に充填して製品ボトル35を製造する内容物充填方法について説明する。
まず複数の空のボトル30が、内容物充填システム10の外部からボトル供給部21へ順次供給される。このボトル30は、搬送ホイール12によってボトル供給部21から殺菌装置11へ送られる(容器供給工程)。
次に、殺菌装置11において、ボトル30に対して殺菌剤である過酸化水素水溶液を用いて殺菌処理が行われる(殺菌工程)。このとき、過酸化水素水溶液は、1重量%以上、好ましくは35重量%の濃度の過酸化水素水溶液を一旦気化させた後に凝縮したガス又はミストであり、このガス又はミストがボトル30に向かって供給される。
続いて、ボトル30は、搬送ホイール12によってエアリンス装置14に送られ、エアリンス装置14において、無菌の加熱エア又は常温エアを供給することにより、過酸化水素の活性化を行いつつ、ボトル30から異物、過酸化水素等が除去される。次いで、ボトル30は、搬送ホイール12によって無菌水リンス装置15に搬送される。この無菌水リンス装置15において、無菌の15℃〜85℃の水による洗浄が施される(リンス工程)。具体的には、無菌の15℃〜85℃の水が、5L/min以上かつ15L/min以下の流量でボトル30内に供給される。その際、好ましくはボトル30は倒立状態とされ、下向きになった口部からボトル30内へ無菌水が供給され、この無菌水は口部からボトル30の外方に流出する。この無菌水によって、ボトル30に付着した過酸化水素を洗い流し、且つ異物が除去される。なお、ボトル30内へ無菌水が供給される工程は必ずしも設けられていなくても良い。
続いて、ボトル30は、搬送ホイール12によって充填装置20に搬送される。この充填装置20において、ボトル30は回転(公転)されながら、その口部からボトル30内へ内容物が充填される(充填工程)。充填装置20においては、殺菌されたボトル30に、予め内容物が調合され、加熱殺菌処理され常温まで冷やされた内容物が常温で充填される。
続いて、内容物が充填されたボトル30は、搬送ホイール12によってキャップ装着装置16に搬送される。
一方、キャップ33は、予め図2に示すキャップ殺菌装置50によって殺菌処理される(キャップ殺菌工程)。この間、まず多数のキャップ33が、キャップ殺菌装置50の外部からホッパー56に無作為に投入される。次に、ホッパー56に無作為に投入されたキャップ33は、ソーター57によって整列され、その後キャップ検査機58に搬送される。次にキャップ検査機58において、各キャップ33の形状等が検査され、検査に合格したキャップ33は、第1導入チャンバー51に向けて一列になって搬送される。
第1導入チャンバー51に導入されたキャップ33は、搬送ガイド70によって第2導入チャンバー52に送られる。上述したように第2導入チャンバー52の内部は、無菌ホットエアにより例えば30℃以上80℃以下に保持されている。次に、キャップ33は、第2導入チャンバー52内で第1回転搬送機構71によって搬送され、殺菌剤噴霧チャンバー53に送られる。次いで、殺菌剤噴霧チャンバー53内で、キャップ33は、第2回転搬送機構72によって搬送されながら、噴霧ノズル81A、81Bから過酸化水素水等の殺菌剤が噴霧され、その内面及び外面が殺菌される。
続いて、殺菌剤が噴霧されたキャップ33は、エアリンスチャンバー54に送られる。このエアリンスチャンバー54において、キャップ33は、回転搬送機構73〜76によって順次搬送され、この間キャップ33の内面及び外面に無菌ホットエアが吹き付けられる。これにより、キャップ33に付着した殺菌剤がエアリンスされる。
次に、キャップ33は、エアリンスチャンバー54から洗浄チャンバー55に送られる。この洗浄チャンバー55内で、キャップ33は、第6回転搬送機構76によって搬送されながら、洗浄ノズル84によって無菌水を吹き付けられ、付着した異物等が除去されるとともに冷却される。続いて、キャップ33は、エアブローノズル85によって無菌エアが吹き付けられ、無菌水が除去される。
その後、キャップ33は、洗浄チャンバー55から搬出され、シュート59によってキャップ装着装置16に送られる。
再度図1を参照すると、このようにしてキャップ殺菌装置50で殺菌されたキャップ33は、キャップ装着装置16において、充填装置20から搬送されてきたボトル30の口部に装着される。これにより、ボトル30とキャップ33とを有する製品ボトル35が得られる(キャップ装着工程)。
その後、製品ボトル35は、キャップ装着装置16から製品ボトル搬出部22へ搬送され、内容物充填システム10の外部へ向けて搬出される。
なお、上記殺菌工程からキャップ装着工程に至る各工程は、無菌チャンバ13で囲まれた無菌の雰囲気内すなわち無菌の環境下で行われる。殺菌処理後は無菌エアが常時無菌チャンバ13外に向かって吹き出るように、無菌チャンバ13内に陽圧の無菌エアが供給される。
なお、内容物充填システム10におけるボトル30の生産(搬送)速度は、100bpm以上かつ1500bpm以下とすることが好ましい。ここでbpm(bottle per minute)とは、1分間当たりのボトル30の搬送速度をいう。
以上のように本実施の形態によれば、エアリンスチャンバー54内において、エアリンスノズル94A、94Bによってキャップ33の内面及び外面の両方に無菌ホットエアが吹き付けられる。これにより、殺菌剤噴霧チャンバー53で噴霧ノズル81A、81Bによってキャップ33の内面及び外面に付着した殺菌剤を確実に取り除くことができる。したがって、噴霧ノズル81A、81Bによってキャップ33に対して高濃度の殺菌剤を吹き付けることが可能となり、この結果、キャップ33の搬送速度を高速化することができる。
とりわけ、エアリンスノズル94A、94Bによって無菌ホットエアが吹き付けられることにより、キャップ33の温度が40℃以上に上昇するので、キャップ33の殺菌剤を確実に除去することができる。
さらに、エアリンスノズル94A、94Bによってエアリンスされたキャップ33を洗浄する洗浄ノズル84を設けたことにより、キャップ33に異物が付着している場合であっても、異物を確実に除去することができ、かつ無菌ホットエアで加熱されたキャップ33を冷却することができる。
さらにまた、本実施の形態によれば、各チャンバー51、52、53、54、55を排気することにより、各チャンバー51、52、53、54、55内部の圧力が高くなりすぎることを防止している。これにより、キャップ33が各チャンバー51、52、53、54、55内に確実に導入することができる。他方、仮に各チャンバー51、52、53、54、55の排気が十分に行われない場合、各チャンバー51、52、53、54、55の内圧が高くなりすぎて、キャップ33が各チャンバー51、52、53、54、55内に進入できないおそれがある。
このように、キャップ殺菌装置50内でのキャップ33の搬送速度を100cpm以上1500cpmと高速にした場合であっても、筐体60から殺菌剤が漏れることを防止しつつ、キャップ33を確実に殺菌することができる。
(第2の実施の形態)
次に、図4を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。図4は本発明の第2の実施の形態によるキャップ殺菌装置を示す概略正面図である。図4に示す第2の実施の形態は、エアリンスチャンバー54内の回転搬送機構の構成が異なるものであり、他の構成は上述した第1の実施の形態と略同一である。図4において、第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図4に示すキャップ殺菌装置50Aにおいて、エアリンスチャンバー54内に、回転搬送機構71、72、76よりも大きい大型回転搬送機構87が設けられている。大型回転搬送機構87は、水平方向に平行な軸に沿って回転(自転)し、これにより、第2回転搬送機構72から第6回転搬送機構76に直接キャップ33を搬送する。大型回転搬送機構87は、回転搬送機構71、72、76と同様、キャップ33を収容する切欠が設けられたスターホイールと、スターホイールの周囲に配置された複数本のレールとを有していても良い。あるいは、大型回転搬送機構87は、ロータリージョイントからなっていても良い。
本実施の形態によれば、キャップ殺菌装置50Aをコンパクトに構成することができる。また、本実施の形態によれば、エアリンスチャンバー54内で、無菌ホットエアをロータリージョイント等の大型回転搬送機構87に追従しながら供給させることができるので、大型のキャップ33であっても確実に温度を上昇させることができる。
(第3の実施の形態)
次に、図5を参照して本発明の第3の実施の形態について説明する。図5は本発明の第3の実施の形態によるキャップ殺菌装置を示す概略正面図である。図5に示す第3の実施の形態は、主にシュート88によりキャップ33を搬送する点が、第1の実施の形態と異なるものである。図5において、第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図5に示すように、キャップ殺菌装置50Bは、上方から下方に向かって、第1導入チャンバー51と、第2導入チャンバー52と、殺菌剤噴霧チャンバー53と、エアリンスチャンバー54と、洗浄チャンバー55とを備えている。各チャンバー51、52、53、54、55は、筒状体89の内部に配置されている。
チャンバー51、52、53、54、55内には、複数のキャップ33を一列に搬送するシュート88が設けられている。シュート88は、例えば複数本のレールを含んでいても良い。この場合、複数本のレールで囲まれた領域に、キャップ33が脱落しない程度の空間が形成され、この空間にキャップ33が収容されて搬送する。なお図5においてシュート88は略直線状に延びているが、これに限らず、螺旋状に延びていても良い。
第1導入チャンバー51と第2導入チャンバー52とは、隔壁61で分離され、第2導入チャンバー52と殺菌剤噴霧チャンバー53とは、隔壁62で分離されている。また、殺菌剤噴霧チャンバー53とエアリンスチャンバー54とは、隔壁64で分離され、エアリンスチャンバー54と洗浄チャンバー55とは、隔壁65で分離されている。さらに、洗浄チャンバー55の下流側(キャップ装着装置16側)には、隔壁91が設けられている。
第1導入チャンバー51は、キャップ検査機58からのキャップ33が導入されるものである。第1導入チャンバー51からのキャップ33は、第2導入チャンバー52に供給される。第2導入チャンバー52には、第1ホットエア供給機79からの無菌ホットエアが送り込まれている。
殺菌剤噴霧チャンバー53は、第2導入チャンバー52から供給されたキャップ33に対して殺菌剤を噴霧するものである。第2導入チャンバー52内で、キャップ33には、シュート88によって搬送されながら殺菌剤が噴霧される。エアリンスチャンバー54は、殺菌剤噴霧チャンバー53で殺菌剤が噴霧されたキャップ33をエアリンスするものである。キャップ33は、エアリンスチャンバー54内で、シュート88によって搬送され、この間キャップ33の内面及び外面に無菌ホットエアが吹き付けられる。
洗浄チャンバー55は、エアリンスチャンバー54でエアリンスされたキャップ33を洗浄するものである。キャップ33は、洗浄チャンバー55内で、まず洗浄ノズル84によって、無菌水が吹き付けられ、次いで、エアブローノズル85によって無菌エアが吹き付けられて無菌水が除去される。なお、洗浄チャンバー55は設けなくてもよい。
洗浄チャンバー55から搬出されたキャップ33は、シュート88によってキャップ装着装置16に送られる。
本実施の形態によれば、既存の設備(シュート88等)を用い、これを改造することによってキャップ33の殺菌を行うことができるので、既存の設備を効率良く使用することができる。
(第4の実施の形態)
次に、図6を参照して本発明の第4の実施の形態について説明する。図6は本発明の第4の実施の形態によるキャップ殺菌装置を示す概略正面図である。図6に示す第4の実施の形態は、ソーター57を用いてキャップ33の殺菌を行う点が、第1の実施の形態と異なるものである。図6において、第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図6に示すように、キャップ殺菌装置50Cは、ソーター57内に設けられている。このようなキャップ殺菌装置50Cは、下方から上方に向かって、第1導入チャンバー51と、第2導入チャンバー52と、殺菌剤噴霧チャンバー53と、エアリンスチャンバー54とを備えている。
チャンバー51、52、53、54内には、複数のキャップ33を下方から上方に向けて搬送するコンベア92が設けられている。コンベア92は、例えば無端状のものであり、上下に循環しながら、ホッパー56からのキャップ33をソーター57を介してシュート59へと搬送する。シュート59には、洗浄チャンバー55が設けられており、洗浄チャンバー55には排液管67が連結されている。なお、必ずしも洗浄チャンバー55は設けられていなくてもよい。
第1導入チャンバー51は、ホッパー56からのキャップ33が導入されるものである。第1導入チャンバー51からのキャップ33は、第2導入チャンバー52に供給される。第2導入チャンバー52には、第1ホットエア供給機79からの無菌ホットエアが送り込まれている。
殺菌剤噴霧チャンバー53は、第2導入チャンバー52から供給されたキャップ33に対して殺菌剤を噴霧するものである。第2導入チャンバー52内で、コンベア92によって上昇しているキャップ33に対して殺菌剤が噴霧される。エアリンスチャンバー54は、殺菌剤噴霧チャンバー53で殺菌剤が噴霧されたキャップ33をエアリンスするものである。キャップ33は、エアリンスチャンバー54内で、コンベア92によって搬送され、この間キャップ33の内面及び外面に無菌ホットエアが吹き付けられる。
エアリンスチャンバー54から搬出されたキャップ33は、シュート59によって、洗浄チャンバー55を介してキャップ装着装置16に送られる。
洗浄チャンバー55は、エアリンスチャンバー54でエアリンスされたキャップ33を洗浄するものである。キャップ33は、洗浄チャンバー55内で、まず洗浄ノズル84によって、無菌水が吹き付けられ、次いで、エアブローノズル85によって無菌エアが吹き付けられて無菌水が除去される。
本実施の形態によれば、キャップ殺菌装置50Cをコンパクトに構成することができる。
なお、上述したキャップ殺菌装置(キャップ搬送・殺菌装置)50A、50B、50Cは、実際にキャップ33を用いた製造を行う前に過酸化水素や過酢酸洗浄剤で殺菌することが好ましい。
10 内容物充填システム
30 ボトル
33 キャップ
50 キャップ殺菌装置
51 第1導入チャンバー
52 第2導入チャンバー
53 殺菌剤噴霧チャンバー
54 エアリンスチャンバー
55 洗浄チャンバー
81A、81B 噴霧ノズル
94A、94B エアリンスノズル

Claims (6)

  1. キャップ殺菌装置であって、
    キャップに対して殺菌剤を噴霧する殺菌剤噴霧チャンバーと、
    前記殺菌剤噴霧チャンバーで殺菌剤が噴霧された前記キャップをエアリンスするエアリンスチャンバーとを備え、
    前記エアリンスチャンバー内において、前記キャップの内面及び外面の両方に無菌ホットエアが吹き付けられることを特徴とするキャップ殺菌装置。
  2. 前記エアリンスチャンバー内で前記無菌ホットエアが吹き付けられることにより、前記キャップの温度が40℃以上に高められることを特徴とする請求項1記載のキャップ殺菌装置。
  3. 前記エアリンスチャンバーでエアリンスされた前記キャップを洗浄する洗浄チャンバーを更に備えたことを特徴とする請求項1又は2記載のキャップ殺菌装置。
  4. 前記キャップの搬送速度が100cpm以上1500cpm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載のキャップ殺菌装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項記載のキャップ殺菌装置を備えたことを特徴とする内容物充填システム。
  6. キャップ殺菌方法であって、
    殺菌剤噴霧チャンバーへキャップを供給する工程と、
    前記殺菌剤噴霧チャンバーで前記キャップに対して殺菌剤を噴霧する工程と、
    前記殺菌剤噴霧チャンバーで殺菌剤が噴霧された前記キャップを、エアリンスチャンバーでエアリンスする工程とを備え、
    前記エアリンスチャンバー内において、前記キャップの内面及び外面の両方に無菌ホットエアが吹き付けられることを特徴とするキャップ殺菌方法。
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