JP2018015432A - 大腿骨骨折用の治療器具及び固定プレート - Google Patents

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Abstract

【課題】大腿骨骨折を良好に治療することができる治療器具を提供する。【解決手段】大腿骨骨折用の治療器具1は、長手形状の固定プレート2と、固定プレート2に着脱自在に設けられ、固定プレート2から斜め上方に延びる2つの近位接続具3と、固定プレート2の2つの近位接続具3よりも下方に設けられ、固定プレート2から斜め上方に延びる遠位接続具5とを備え、遠位接続具5及び2つの近位接続具3は、遠位接続具3を下側の頂点とする逆三角形をなすように配置される。固定プレート2は、遠位接続具5よりも下方に延びて大腿骨10の骨幹部14にあてられる延長部20を有する。延長部20には、固定プレート2を大腿骨10の骨幹部14に固定する1又は複数の固定具4が着脱自在に取り付けられる。【選択図】図2

Description

本発明は、大腿骨頸部あるいは大腿骨頸基部などの大腿骨骨折を治療するための治療器具及び固定プレートに関する。
大腿骨頸部あるいは大腿骨頸基部の骨折の治療の際に、骨折により分離した骨頭部などの骨片を骨接合するための治療器具として、例えば特許文献1に記載の治療器具が提案されている。特許文献1に記載の治療器具は、ネジにより大腿骨に固定される固定プレートと、固定プレートのスクリュー孔を介して骨頭部に打ち込まれる複数本のスクリューとを備えており、複数本のスクリューにより分離した骨片を固定するものである。
特開2012−165976号公報
上述した特許文献1に記載の治療器具では、大腿骨の骨頭部に打ち込まれる複数のスクリューが固定プレートの幅方向に沿って配置されている。ここで、スクリューは、大腿骨の骨幹部から頸部を貫通して骨頭部まで打ち込まれるが、特許文献1に記載の治療器具のように、複数のスクリューが固定プレートの幅方向に沿って横並びであると、複数のスクリューを良好に大腿骨の頸部を貫通させて骨頭部まで到達させることが容易ではなく、施術が困難となる。また、複数のスクリューが固定プレートの幅方向に沿って横並びであると、あらゆる患者に対して大腿骨の頚部を良好に貫通させることができないため、患者によっては好適に適用できない場合もある。当該治療器具においては、骨接合時に骨頭部が回転するいわゆるChop Stick Phenomenonを防止するために、スクリューが3本以上有することが好ましいが、多くの患者に好適に適用可能な治療器具が存在しないのが現状である。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、施術を容易に行うことができ、多くの患者に好適に適用可能な治療器具及び固定プレートを提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、大腿骨骨折用の治療器具であって、長手形状の固定プレートと、前記固定プレートに着脱自在に設けられ、前記固定プレートから斜め上方に延びる2つの近位接続具と、前記固定プレートの2つの前記近位接続具よりも下方に設けられ、前記固定プレートから斜め上方に延びる遠位接続具と、を備え、前記遠位接続具及び2つの前記近位接続具は、前記遠位接続具を下側の頂点とする逆三角形をなすように配置され、前記固定プレートは、前記遠位接続具よりも下方に延びて大腿骨の骨幹部にあてられる延長部を有する治療器具により達成される。
上記構成の治療器具においては、2つの前記近位接続具は、軸線方向から視て、前方の近位接続具の中心と前記遠位接続具の中心とを結ぶ第1線分の長さをL1とし、前記遠位接続具の前記中心を通る縦断面に対する前記第1線分の前方への傾斜角度をθ1とし、後方の近位接続具の中心と前記遠位接続具の前記中心とを結ぶ第2線分の長さをL2とし、かつ、前記遠位接続具の前記中心を通る縦断面に対する前記第2線分の後方への傾斜角度をθ2としたときに、(1)L1≧L2及び(2)θ1≧θ2の関係を満たすように配置されていることが好ましい。この場合には、前記前方の近位接続具は、前記第1線分の長さL1が10mm以上30mm以下であり、前記傾斜角度θ1が20°以上40°以下となるように配置され、前記後方の近位接続具は、前記第2線分の長さL2が10mm以上20mm以下であり、前記傾斜角度θ2が10°以上30°以下となるように配置されていることがさらに好ましい。
上記構成の治療器具においては、前記遠位接続具は、前記固定プレートに一体に設けられることが好ましい。
上記構成の治療器具においては、前記遠位接続具及び2つの前記近位接続具は、先端が軸線方向に変位可能であることが好ましい。
上記構成の治療器具においては、前記固定プレートの前記延長部には、前記固定プレートを大腿骨の骨幹部に固定する1又は複数の固定具が着脱自在に取り付けられることが好ましい。
上記構成の治療器具においては、前記固定プレートの上端縁は、前方から後方に向けて低く傾斜しているとともに、2つの前記近位接続具の間で凹状に湾曲していることが好ましい。
上記構成の治療器具においては、前記固定プレートの前記延長部の下端部分は、厚み及び幅が次第に小さくなるテーパ状をなしていることが好ましい。
また、本発明の上記目的は、大腿骨骨折用の固定プレートであって、当該固定プレートは、当該固定プレートから斜め上方に延びる近位接続具を着脱自在に取り付けるための2つの貫通孔と、前記2つの貫通孔よりも下方において、当該固定プレートから斜め上方に延びる遠位接続具が設けられる設置部と、前記設置部よりも下方に延びて大腿骨の骨幹部にあてられる延長部と、を備え、前記設置部及び2つの前記貫通孔は、前記設置部を下側の頂点とする逆三角形をなすように配置される固定プレートにより達成される。
上記構成の固定プレートにおいては、2つの前記貫通孔は、前方の貫通孔の中心と前記設置部の中心とを結ぶ第3線分の長さをL3とし、前記設置部の前記中心を通る縦断面に対する前記第3線分の前方への傾斜角度をθ3とし、後方の貫通孔の中心と前記設置部の前記中心とを結ぶ第4線分の長さをL4とし、かつ、前記設置部の前記中心を通る縦断面に対する前記第4線分の後方への傾斜角度をθ4としたときに、(1)L3≧L4及び(2)θ3≧θ4の関係を満たすように配置されていることが好ましい。この場合には、前記前方の貫通孔は、前記第3線分の長さL3が10mm以上30mm以下であり、前記傾斜角度θ3が20°以上40°以下となるように配置され、前記後方の貫通孔は、前記第4線分の長さL4が10mm以上20mm以下であり、前記傾斜角度θ4が10°以上30°以下となるように配置されていることがさらに好ましい。
上記構成の固定プレートにおいては、前記遠位接続具が当該固定プレートに一体に設けられることが好ましい。
上記構成の固定プレートにおいては、前記延長部には、当該固定プレートを大腿骨の骨幹部に固定する1又は複数の固定具を挿入可能な挿入孔が設けられていることが好ましい。
上記構成の固定プレートにおいては、前記固定プレートの上端縁は、前方から後方に向けて低く傾斜しているとともに、2つの前記貫通孔の間で凹状に湾曲していることが好ましい。
上記構成の固定プレートにおいては、前記延長部の下端部分は、厚み及び幅が次第に小さくなるテーパ状をなしていることが好ましい。
本発明によれば、大腿骨骨折により分離した骨頭部を含む骨片を3つの接続具により捕捉して大腿骨の骨幹部に固定しているので、骨片を強固に固定できるうえ、2つの接続具により骨頭部を捕捉すると、骨頭部が回転するいわゆるChop Stick Phenomenonを起こして骨の接合破綻につながるおそれがあるが、3つの接続具により骨頭部を捕捉することで、Chop Stick Phenomenonが生じることなく、効果的に大腿骨骨折の骨接合治療を行うことができる。
また、固定プレートを用いて3つの接続具を斜め上方に向けて延ばしているので、固定プレートの延長部を大腿骨の骨幹部にあてるだけで、施術の際に、3つの接続具を角度調整の必要がなく容易に骨頭部にねじ込むことができる。よって、施術を容易に行うことができる。
また、3つの接続具は、大腿骨頸部内側の海綿骨を貫通するように、海綿骨の断面視略三角形状に合わせた解剖学的な位置決めがなされている。よって、施術の際に、3つの接続具を容易に骨頭部に到達させて打ち込むことができるので、施術を容易に行うことができるうえ、単一の形状の治療器具を多くの患者に対して好適に適用することができる。
本発明の一実施形態に係る治療器具が左大腿骨に適用された状態を示す背面図である。 本発明の一実施形態に係る治療器具が左大腿骨に適用された状態を示す左上側から視た斜視図である。 治療器具の断面図(図2のB−B線から視た断面図)である。 固定プレートの背面図である。 固定プレートの左側面図である。 固定プレートの右側面図である。 固定プレートを各接続具の軸線方向から視た斜視図である。 図5のC−C断面図である。 近位接続具の平面図である。 図1のA−A断面図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。図1及び図2は、本発明の一実施形態に係る治療器具1が大腿骨(図示例では左大腿骨)10に適用された状態を示している。なお、本発明においては、図1の上側を近位側、下側を遠位側とし、図2の左側を前方側、右側を後方側とする。
治療器具1は、大腿骨10の頸部12あるいは頸基部13の骨折の治療に用いられるものであり、図1及び図2の骨折線Bに示すように、骨折により分離した骨頭部11を含む骨片の骨接合治療を行うためのものである。治療器具1は、大腿骨10の骨幹部14の側面にあてがわれる長手形状の固定プレート2と、固定プレート2に着脱自在に設けられる2つの近位接続具3と、固定プレート2の2つの近位接続具3よりも下方(遠位側)に設けられる遠位接続具5とを備えている。さらに、治療器具1は、固定プレート2を大腿骨10の骨幹部14に固定するための1又は複数の固定具4を備えている。治療器具1の各構成部材は、例えばチタン合金やステンレスなどの生体親和性を有する金属材料により形成されている。
固定プレート2は、図4〜図8に示すように、細長い帯板状に形成されており、長手方向の近位端側に、長手方向に直交する幅方向の寸法が大きい幅広部21が形成された構成のものである。この幅広部21には、近位接続具3を着脱自在に取り付けるための貫通孔22が2つ形成されている。各貫通孔22は、軸線a4が斜め上方に向けて延びるように幅広部21を貫通しており、これにより、近位接続具3は、大腿骨10の骨頭部11に向かって斜め上方に延びるようにして、固定プレート2に取り付けられる。幅広部21の幅方向の前方端側は大腿骨10の骨幹部14の側面に沿うように屈曲している。
なお、以下の説明では、固定プレート2の2つの貫通孔22のうち、前方側の貫通孔22を「前方の貫通孔22X」と称し、後方側の貫通孔22を「後方の貫通孔22Y」と称することがある。
近位接続具3は、骨折により分離した骨頭部11などの骨片を大腿骨10の骨幹部14に接続するためのものである。近位接続具3は、図3及び図9に示すように、外形は細長い略円柱状に形成されている。近位接続具3の外径は、全体として貫通孔22の径よりも僅かに小さく、近位接続具3は貫通孔22内に挿通可能となっている。近位接続部3の基端側の一部30の外周面には雄ねじ(図示は省略)が形成されている。一方、固定プレート2の貫通孔22を形作る内壁面の一部には、雌ねじ(図示せず)が形成されており、近位接続部3は前記雄ねじ及び前記雌ねじの締結により、固定プレート2の貫通孔22に固定される。また、近位接続具3の先端側の一部の外周面には、スクリュー31が形成されている。このスクリュー31により近位接続具3の先端部が骨幹部14及び頸部12を貫通して骨頭部11までねじ込まれることで、骨頭部11が近位接続具3に捕捉されて、骨頭部11を含む骨片が大腿骨10の骨幹部14に接続される。
近位接続具3は、本実施形態では、先端が軸線方向に変位可能である。なお、軸線方向とは、物(ここでは近位接続部3)の中心を通る軸が延びる方向であり、近位接続具3の軸線は固定プレート2の貫通孔22の軸線a4と一致する。本実施形態では、近位接続具3は、略円筒状の外筒3X内に略円筒状の内筒3Yが軸線方向にスライド可能に設けられている。外筒3Xは前記雄ねじを有しており、固定プレート2の貫通孔22に固定される。内筒3Yはスクリュー31を有しており、骨頭部11にねじ込まれる。本実施形態では、内筒3Yが外筒3X内を軸線方向にスライドすることで、近位接続具3は軸線方向に伸縮し、これにより先端が軸線方向に変位することで、骨折により分離した骨片が大腿骨10の骨幹部14に対して接近及び離反するように構成されている。なお、近位接続具3としては、固定プレート2の貫通孔22に対して軸線方向にスライド可能に取り付けられることでも、先端が軸線方向に変位するように構成されていてもよい。また、近位接続具3は、必ずしも先端が軸線方向に変位可能となるように構成されている必要はない。
なお、以下の説明では、2つの近位接続具3のうち、前方側の近位接続具3を「前方の近位接続具3X」と称し、後方側の近位接続具3を「後方の近位接続具3Y」と称することがある。
図4〜図8に戻って、固定プレート2の上端縁は、前方から後方に向けて低く(下方に)傾斜しているとともに、2つの貫通孔22(近位接続具3)の間で凹状に湾曲している。このように、固定プレート2の上端部分において余剰部分を極力なくすことにより、固定プレート2を大腿骨10の骨幹部14に固定した際に、固定プレート2が体内組織に干渉することが抑制される。よって、治療器具1の装着時に感じる患者の痛みや違和感を軽減することができる。
固定プレート2の貫通孔22(近位接続具3)よりも下方には、遠位接続具5が設けられている。本実施形態では、遠位接続具5が固定プレート2に一体に設けられており、固定プレート2上には遠位接続具5が設置される設置部24が存在している。遠位接続具5は、骨折により分離した骨頭部11を含む骨片を大腿骨10の骨幹部14に接続するためのものであり、大腿骨10の骨頭部11に向かって斜め上方に延びている。
遠位接続具5は、外形が細長い略円柱状に形成されており、近位接続具3と並行して固定プレート2から斜め上方に向けて延びている。遠位接続具5の先端側の一部の外周面には、スクリュー50が形成されている。このスクリュー50により遠位接続具5の先端部が骨幹部14及び頸部11を貫通して骨頭部11までねじ込まれることで、骨頭部11が遠位接続具5に捕捉されて、骨頭部11を含む骨片が大腿骨10の骨幹部14に接続される。
遠位接続具5は、本実施形態では、先端が軸線方向a1に変位可能である。本実施形態では、遠位接続具5は、略円筒状の外筒5A内に略円筒状の内筒5Bが軸線方向a1にスライド可能に設けられている。外筒5Aは固定プレート2に一体に設けられている。内筒5Bはスクリュー50を有しており、骨頭部11にねじ込まれる。本実施形態では、内筒5Bが外筒5A内を軸線方向a1にスライドすることで、遠位接続具5は軸線方向a1に伸縮し、これにより先端が軸線方向a1に変位することで、骨折により分離した骨片が大腿骨10の骨幹部14に対して接近及び離反するように構成されている。なお、遠位接続具5は、必ずしも先端が軸線方向a1に変位可能となるように構成されている必要はない。
遠位接続具5は、固定プレート2の本体部20から斜め上方に延びているが、遠位接続具5の固定プレート2に対する傾斜角度θ5、具体的には、遠位接続具5の軸線方向a1と固定プレート2の鉛直方向a2とのなす角度は、図1に示す大腿骨10の頸部12の軸(頸部軸)A1と骨幹部14の軸(骨幹部軸)A2とのなす角度(頸体角)に対応している。そのため、この傾斜角度θ5としては、120°以上160°以下であることが好ましく、成人の頸体角の平均である125°以上135°以下であることがさらに好ましい。なお、固定プレート2の鉛直方向a2とは、固定プレート2を水平方向に延びて貫通する挿入孔23の水平な軸a3に対して垂直をなす方向を言う。
なお、遠位接続具5は、本実施形態では、固定プレート2に一体に設けられているが、固定プレート2に着脱自在に設けられるように構成してもよい。この場合には、固定プレート2に、設置部24として、近位接続具3と同様に、遠位接続具5を着脱自在に取り付けるための貫通孔が形成される。当該貫通孔は、軸線が斜め上方に向けて延びるように固定プレート2を貫通し、これにより、遠位接続具5は、大腿骨10の骨頭部11に向かって斜め上方に延びるようにして固定プレート2に取り付けられる。ただし、遠位接続具5は治療器具1の装着時に近位接続具3よりも負荷を大きく受けることから、遠位接続具5が固定プレート2に一体に設けられていると、遠位接続具3の当該負荷に対する強度が向上するため、強度的に安定した状態で骨折により分離した骨片を大腿骨10の骨幹部14に接続できる。
上述した遠位接続具5及び2つの近位接続具3は、遠位接続具5を下側の頂点とする逆三角形をなすように配置されている。3つの接続具3,5により、大腿骨10に分離した骨頭部11を接続するためには、3つの接続具3,5を骨幹部14から頸部12を通って骨頭部11まで貫通させる必要があるが、大腿骨10は、外側の硬い皮質骨と、皮質骨の内側の網目状(スポンジ状)の海綿骨から成り立っており、治療器具1を患者に好適に適用するに当たっては、3つの接続具3,5を、骨幹部14から頸部12、骨頭部11に亘るまで内側の海綿骨を貫通させることが好ましい。そして、3つの接続具3,5を骨幹部14から骨頭部11まで内側の海綿骨を貫通させるには、何より外形が他と比較して小さい頸部12において内側の海綿骨を貫通させる必要がある。ここで、大腿骨10の頚部12においては、皮質骨15の内側の海綿骨16は、図10に示すように、断面視で略逆三角形状をなしている。そこで、本実施形態では、3つの接続具3,5が大腿骨10の頸部12において海綿骨16を良好に貫通するように、遠位接続具5を下側の頂点とする逆三角形をなすように配置されている。
また、大腿骨10の頚部12は、頸部軸A1に沿った中ほどで細く狭まっている。治療器具1を患者に好適に適用するためには、この大腿骨頚部12の最狭部(括れ部)においても、3つの接続具3,5を頸部12内側の海綿骨を貫通させる必要があるが、各接続具3,5を何のガイドもなしに大腿骨頚部12の最狭部(括れ部)についても内側の海綿骨を貫通させるのには熟練の技術を要する。そこで、本実施形態では、単に固定プレート2を大腿骨10の骨幹部14の所定箇所に配置するだけで、3つの接続具3,5が大腿骨頚部12の最狭部(括れ部)についても内側の海綿骨を貫通するように、3つの接続具3,5の固定プレート2における配置が決められている。具体的には、多数人(特に大腿骨骨折を起こしやすい高齢者)の大腿骨頚部12の最狭部(括れ部)における断面画像を撮影し、この画像データから最狭部(括れ部)における海綿骨16の断面形状を解剖学的に算出して、この算出した最狭部(括れ部)における海綿骨16の断面形状に合致するように3つの接続具3,5の配置を決められている。これにより、多くの人(特に大腿骨骨折を起こしやすい高齢者)の骨格に適合した治療器具1を創作している。以下、3つの接続具3,5の位置関係について説明する。
図10は、頸部12の最狭部(括れ部)における頸部軸A1に垂直な断面図(軸線方向a1から視た断面図)を模式的に示している。まず、基準位置として、固定プレート2上の遠位接続具5の位置を設定する。遠位接続具5は、大腿骨頚部12の最狭部(括れ部)における断面画像において、逆三角形の下の頂点付近を貫通する、つまりは、軸線方向a1から視た中心(軸)O1が、骨幹部軸A2を含む仮想平面のうち骨頭部10の中心を通る仮想平面Pを通りかつカルカー17に隣接するように、その位置が設定される。
次に、固定プレート2上の2つの近位接続具3の位置を設定するに、2つの近位接続具3は、軸線方向より視て、前方の近位接続具3Xの中心(軸)O2と遠位接続具5の中心(軸)O1とを結ぶ第1線分の長さをL1とし、遠位接続具5の中心(軸)O1を通る縦断面に対する前記第1線分の前方への前方傾斜角度をθ1とし、後方の近位接続具3Yの中心(軸)O3と遠位接続具5の中心(軸)O1とを結ぶ第2線分の長さをL2とし、かつ、遠位接続具5の中心(軸)O1を通る縦断面に対する前記第2線分の後方への後方傾斜角度をθ2としたときに、(1)L1≧L2及び(2)θ1≧θ2の関係を満たすように配置されている。なお、望ましくは、L1はL2より長く設定されており、θ1はθ2より大きく設定されている。
ここで、2つの近位接続具3の位置については、まず、前方の近位接続具3Xは、大腿骨頚部12の最狭部(括れ部)における断面画像において、逆三角形の上前方の頂点付近を貫通することがより好ましい。大腿骨頚部12の最狭部(括れ部)における断面画像を用いて海綿骨の断面形状を解析した結果、前方の近位接続具3Xが上述した逆三角形の上前方の頂点付近を貫通するためには、前方の近位接続具3Xは、軸線方向より視て、その中心(軸)O2と遠位接続具5の中心(軸)O1とを結ぶ前記第1線分が、仮想平面Pに対して前方に20°以上40°以下、好ましくは20°以上37°以下、さらに好ましくは24°以上30°以下の傾斜角度θ1で傾いている必要があることが確認された。また、前方の近位接続具3Xは、軸線方向より視て、遠位接続具5との中心間距離(前記第1線分の長さ)L1が10mm以上30mm以下、好ましくは12mm以上25mm以下、さらに好ましくは14mm以上18mm以下である必要があることも確認された。ここで、仮想平面Pは、遠位接続具5の中心(軸)O1を通る縦断面(鉛直方向に延びる断面)Sに相当する。そのため、前方の近位接続具3Xは、軸線方向より視て、前記第1線分の長さL1が10mm以上30mm以下、好ましくは12mm以上25mm以下、さらに好ましくは14mm以上18mm以下であり、かつ、遠位接続具5の中心(軸)O1を通る縦断面に対する前記第1線分の前方への傾斜角度θ1が20°以上40°以下、好ましくは20°以上37°以下、さらに好ましくは24°以上30°以下となるように配置されている。また、以上の設定から、前方の近位接続具3Xの中心(軸)O2から仮想平面P(遠位接続具5の中心(軸)O1を通る縦断面)に下ろした垂線の長さ(以下、「近位前方オフセット」という。)l1は、計算により、3.4mm以上19.3mm以下となる。
次に、後方の近位接続具3Yについては、大腿骨頚部12の最狭部(括れ部)における断面画像において、逆三角形の上後方の頂点付近を貫通することがより好ましい。大腿骨頚部12の最狭部(括れ部)における断面画像を用いて海綿骨の断面形状を解析した結果、後方の近位接続具3Yが上述した逆三角形の上後方の頂点付近を貫通するためには、後方の近位接続具3Yは、軸線方向より視て、その中心(軸)O3と遠位接続具5の中心(軸)O1とを結ぶ前記第2線分が、仮想平面Pに対して後方に10°以上30°以下、好ましくは10°以上26°以下、さらに好ましくは11.5°以上17.5°以下の傾斜角度θ2で傾いている必要があることが確認された。また、後方の近位接続具3Yは、軸線方向より視て、遠位接続具5との中心間距離(前記第2線分の長さ)L2が10mm以上20mm以下、好ましくは10mm以上18mm以下、さらに好ましくは10mm以上14mm以下である必要があることも確認された。そのため、後方の近位接続具3Yは、軸線方向より視て、前記第2線分の長さL2が10mm以上20mm以下、好ましくは10mm以上18mm以下、さらに好ましくは10mm以上14mm以下であり、かつ、遠位接続具5の中心(軸)O1を通る縦断面に対する前記第2線分の後方への傾斜角度θ2が10°以上30°以下、好ましくは10°以上26°以下、さらに好ましくは11.5°以上17.5°以下となるように配置されている。また、以上の設定から、後方の近位接続具3Yの中心(軸)O3から仮想平面P(遠位接続具5の中心(軸)O1を通る縦断面)に下ろした垂線の長さ(以下、「近位後方オフセット」という。)l2は、計算により、1.7mm以上10mm以下となる。
なお、上述した遠位接続具5及び2つの近位接続具3と同様に、固定プレート2の2つの貫通孔22も遠位接続具5の設置部24と、遠位接続具5の設置部24を下側の頂点とする逆三角形をなすように配置されている。また、上記配置について好ましくは、図7に示されているように、2つの貫通孔22の位置については、固定プレート2を遠位接続具5の軸線方向a1より視て、前方の貫通孔22Xの中心(軸)o1と遠位接続具5の中心(軸)O1とを結ぶ第3線分の長さをL3とし、遠位接続具5の中心(軸)O1を通る縦断面に対する前記第3線分の前方への前方傾斜角度をθ3とし、後方の貫通孔22Yの中心(軸)O3と遠位接続具5の中心(軸)O1とを結ぶ第4線分の長さをL4とし、かつ、遠位接続具5の中心(軸)O1を通る縦断面に対する前記第4線分の後方への後方傾斜角度をθ4としたときに、(1)L3≧L4及び(2)θ3≧θ4の関係を満たすように配置されている。なお、望ましくは、L3はL4より長く設定されており、θ3はθ4より大きく設定されている。
さらに好ましくは、前方の貫通孔22Xは、固定プレート2を遠位接続具5の軸線方向a1より視て、その中心(軸)o1と遠位接続具5の中心(軸)O1とを結ぶ前記第3線分の長さ(中心間距離)L3が10mm以上30mm以下、好ましくは12mm以上25mm以下、さらに好ましくは14mm以上18mm以下であり、かつ、遠位接続具5の中心(軸)O1を通る縦断面Sに対する前記第3線分の前方への傾斜角度θ3が20°以上40°以下、好ましくは20°以上37°以下、さらに好ましくは24°以上30°以下となるように配置されている。一方、後方の貫通孔22Yは、固定プレート2を遠位接続具5の軸線方向a1より視て、その中心(軸)o2と遠位接続具5の中心(軸)O1とを結ぶ前記第4線分の長さ(中心間距離)L4が10mm以上20mm以下、好ましくは10mm以上18mm以下、さらに好ましくは10mm以上14mm以下であり、かつ、遠位接続具5の中心(軸)O1を通る縦断面Sに対する前記第4線分の後方への傾斜角度θ4が10°以上30°以下、好ましくは10°以上26°以下、さらに好ましくは11.5°以上17.5°以下となるように配置されている。
このように、本実施形態では、遠位接続具5を基準にして、遠位接続具5が大腿骨頚部12の最狭部(括れ部)においてカルカー17に隣接する位置を貫通すると、2つの近位接続具5が確実に海綿骨を貫通するように位置決めされているので、遠位接続具5が上述したカルカー17に隣接する位置を貫通するように固定プレート2を大腿骨骨幹部14に配置すれば、治療器具1を容易かつ適正に大腿骨10に適用することができる。
図4〜図8に戻って、固定プレート2の遠位接続具5よりも下方には、遠位接続具よりも下方に延びて大腿骨10の骨幹部14にあてられる延長部20が設けられている。この延長部20が大腿骨10の骨幹部14に長手方向に沿って当てられることで、各接続具3,5を大腿骨10に対して上下方向にブレることなく予め決められた所定角度で打ち込むことができるため、各接続具3,5の角度安定性を確保することができる。
固定プレート2の延長部20には、固定具4が着脱自在に取り付けられる挿入孔23が1つ又は複数(本実施形態では2つ)形成されている。挿入孔23は、軸a3が水平方向a3となるように延長部20を貫通しており、これにより、固定具4は大腿骨10の骨幹部14に水平方向に打ち込まれる。固定具4としては、例えばコーティカルロッキングスクリューやコーティカルスクリューを例示することができ、固定プレート2を挟んで大腿骨10の骨幹部14にねじ込まれることで、固定プレート2が骨幹部14に固定される。本実施形態では、挿入孔23を形作る内壁面には、雌ねじ(図示せず)が形成されており、固定具4のねじ頭部40の外周面に形成された雄ねじ(図示せず)が前記雌ねじに締結することにより、固定具4が固定プレート2の挿入孔23に固定されている。なお、本実施形態では、固定具4(固定プレート2の挿入孔23)は、遠位接続具5の直下に配置されている、つまりは、遠位接続具5の中心(軸)O1を通る縦断面Sが固定具4(固定プレート2の挿入孔23)の中心を通るように配置されている。
固定プレート2の延長部20の挿入孔23よりも下方の下端部分は、厚み及び幅が次第に小さくなるテーパ状をなすように形成されている。固定プレート2は、施術の際に、大腿骨10の骨幹部14近傍の皮膚を小さく切開し、この小さな切開部を広げて体内に挿入して骨幹部14に固定されるが、このとき、固定プレート2の下端部分がテーパ状をなすことにより、固定プレート2を切開部から体内に挿入しやすくすることができる。そのうえ、固定プレート2の下端部分において余剰部分が極力なくされることにより、固定プレート2を大腿骨10の骨幹部14に固定した際に、固定プレート2が体内組織に干渉することが抑制される。よって、治療器具1の装着時に感じる患者の痛みや違和感を軽減することができる。
次に、本実施形態に係る治療器具1を大腿骨骨折の治療のために適用するには、大腿骨10の骨幹部14近傍の皮膚を切開し、骨幹部14に固定プレート2をあてがいながら、遠位接続具5を大腿骨10の骨幹部14から、骨折により分離した骨頭部13に向けてねじ込むとともに、固定具4を挿入孔23を介して骨幹部14にねじ込むことで、固定プレート2を骨幹部14に固定する。そして、少なくとも2つの近位接続具3を固定プレート2の貫通孔22を介して骨幹部14から骨頭部13に向けてねじ込む。これにより、骨折により分離した骨頭部13を含む骨片が大腿骨10の骨幹部14に接続された状態で固定される。
本実施形態に係る治療器具1によると、まず、骨折により分離した骨頭部13を含む骨片を3つの接続具3,5により捕捉して大腿骨10の骨幹部14に固定しているので、骨頭部13を含む骨片を強固に固定できるうえ、2つの接続具により骨頭部13を捕捉すると、骨頭部13が回転するいわゆるChop Stick Phenomenonを起こして骨の接合破綻につながるおそれがあるが、3つの接続具3,5により骨頭部13を捕捉することで、Chop Stick Phenomenonが生じることなく、効果的に大腿骨骨折の接合の治療を行うことができる。
また、固定プレート2を用いて3つの接続具3,5を斜め上方に向けて延ばしているので、固定プレート2の延長部20を大腿骨10の骨幹部14にあてるだけで、3つの接続具を患者の頸体角にほぼ沿わせて延ばすことができる。よって、施術の際に、3つの接続具3,5を角度調整の必要がなく容易かつ確実に骨頭部13にねじ込むことができるので、容易に施術を行うことができる。
また、3つの接続具3,5は、大腿骨頸部12の最狭部(括れ部)においても良好に内側の海綿骨を貫通するように、海綿骨の断面視略三角形状に合わせた解剖学的な位置決めがなされているので、施術の際に、3つの接続具3,5を容易に骨頭部13までねじ込むことができ、容易に施術を行うことができる。そのうえ、3つの接続具3,5が、多数の患者に対しても上述した海綿骨を確実に貫通するよう適正な位置関係に設定されているので、単一の形状の治療器具1を多数の患者に好適に適用することができる。
また、3つの接続具3,5は、先端が軸線方向に変位可能であり、骨折により分離した骨片が大腿骨10の骨幹部14に対して常時接近及び離反するように構成されているので、骨片及び骨幹部14の間には持続的に圧迫力が作用する。この持続的な圧迫力により、骨片及び骨幹部14の接合が良好に行われるので、大腿骨骨折を効果的に治療することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態の治療器具1では、固定プレート2は長手方向の近位端側に幅広部21を有する形状に形成されているが、これに限定されるものではなく、幅広部21を有さない形状など、種々の形状に形成することができる。
また、上記実施形態の治療器具1は、2つの近位接続具3及び1つの遠位接続具5以外にも、骨折により分離した骨片を大腿骨10の骨幹部14に接続する接続具を備えていてもよい。この場合には、接続具を上述した2つの近位接続具3及び1つの遠位接続具5の逆三角形内に入るように配置することが好ましい。
また、上記実施形態の治療器具1は、固定具4を2つ備えているが、1つあるいは3つ以上備えていてもよい。また、固定具4(固定プレート2の2つの貫通孔22)は遠位接続具5の直下に配置されているが、必ずしも直下に配置されている必要はなく、固定プレート2の幅方向にズレていてもよい。
また、上記実施形態では、左大腿骨に適用する治療器具1について説明しているが、治療器具1は右大腿骨に適用することもできる。なお、右大腿骨に適用する場合には、固定プレート2の形状は、図4〜図8に示す左大腿骨用のものと左右を逆にした形状(左大腿骨用のものを鏡に映した形状)となる。
1 治療器具
2 固定プレート
3 近位接続具
4 固定具
5 遠位接続具
22 貫通孔
23 挿入孔

Claims (15)

  1. 大腿骨骨折用の治療器具であって、
    長手形状の固定プレートと、
    前記固定プレートに着脱自在に設けられ、前記固定プレートから斜め上方に延びる2つの近位接続具と、
    前記固定プレートの2つの前記近位接続具よりも下方に設けられ、前記固定プレートから斜め上方に延びる遠位接続具と、を備え、
    前記遠位接続具及び2つの前記近位接続具は、前記遠位接続具を下側の頂点とする逆三角形をなすように配置され、
    前記固定プレートは、前記遠位接続具よりも下方に延びて大腿骨の骨幹部にあてられる延長部を有する治療器具。
  2. 2つの前記近位接続具は、軸線方向から視て、前方の近位接続具の中心と前記遠位接続具の中心とを結ぶ第1線分の長さをL1とし、前記遠位接続具の前記中心を通る縦断面に対する前記第1線分の前方への傾斜角度をθ1とし、後方の近位接続具の中心と前記遠位接続具の前記中心とを結ぶ第2線分の長さをL2とし、かつ、前記遠位接続具の前記中心を通る縦断面に対する前記第2線分の後方への傾斜角度をθ2としたときに、
    (1)L1≧L2
    (2)θ1≧θ2
    の関係を満たすように配置されている請求項1に記載の治療器具。
  3. 前記前方の近位接続具は、前記第1線分の長さL1が10mm以上30mm以下であり、前記傾斜角度θ1が20°以上40°以下となるように配置され、
    前記後方の近位接続具は、前記第2線分の長さL2が10mm以上20mm以下であり、前記傾斜角度θ2が10°以上30°以下となるように配置されている請求項2に記載の治療器具。
  4. 前記遠位接続具は、前記固定プレートに一体に設けられる請求項1〜3のいずれかに記載の治療器具。
  5. 前記遠位接続具及び2つの前記近位接続具は、先端が軸線方向に変位可能である請求項1〜4のいずれかに記載の治療器具。
  6. 前記固定プレートの前記延長部には、前記固定プレートを大腿骨の骨幹部に固定する1又は複数の固定具が着脱自在に取り付けられる請求項1〜5のいずれかに記載の治療器具。
  7. 前記固定プレートの上端縁は、前方から後方に向けて低く傾斜しているとともに、2つの前記近位接続具の間で凹状に湾曲している請求項1〜6のいずれかに記載の治療器具。
  8. 前記固定プレートの前記延長部の下端部分は、厚み及び幅が次第に小さくなるテーパ状をなしている請求項1〜7のいずれかに記載の治療器具。
  9. 大腿骨骨折用の固定プレートであって、
    当該固定プレートは、
    当該固定プレートから斜め上方に延びる近位接続具を着脱自在に取り付けるための2つの貫通孔と、
    前記2つの貫通孔よりも下方において、当該固定プレートから斜め上方に延びる遠位接続具が設けられる設置部と、
    前記設置部よりも下方に延びて大腿骨の骨幹部にあてられる延長部と、を備え、
    前記設置部及び2つの前記貫通孔は、前記設置部を下側の頂点とする逆三角形をなすように配置される固定プレート。
  10. 2つの前記貫通孔は、前方の貫通孔の中心と前記設置部の中心とを結ぶ第3線分の長さをL3とし、前記設置部の前記中心を通る縦断面に対する前記第3線分の前方への傾斜角度をθ3とし、後方の貫通孔の中心と前記設置部の前記中心とを結ぶ第4線分の長さをL4とし、かつ、前記設置部の前記中心を通る縦断面に対する前記第4線分の後方への傾斜角度をθ4としたときに、
    (1)L3≧L4
    (2)θ3≧θ4
    の関係を満たすように配置されている請求項9に記載の固定プレート。
  11. 前記前方の貫通孔は、前記第3線分の長さL3が10mm以上30mm以下であり、前記傾斜角度θ3が20°以上40°以下となるように配置され、
    前記後方の貫通孔は、前記第4線分の長さL4が10mm以上20mm以下であり、前記傾斜角度θ4が10°以上30°以下となるように配置されている請求項10に記載の固定プレート。
  12. 前記遠位接続具が当該固定プレートに一体に設けられる請求項9〜11のいずれかに記載の固定プレート。
  13. 前記延長部には、当該固定プレートを大腿骨の骨幹部に固定する1又は複数の固定具を挿入可能な挿入孔が設けられている請求項9〜12のいずれかに記載の固定プレート。
  14. 前記固定プレートの上端縁は、前方から後方に向けて低く傾斜しているとともに、2つの前記貫通孔の間で凹状に湾曲している請求項9〜13のいずれかに記載の固定プレート。
  15. 前記延長部の下端部分は、厚み及び幅が次第に小さくなるテーパ状をなしている請求項9〜14のいずれかに記載の固定プレート。
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