JP2018015359A - 複合線材および手術用ガーゼ - Google Patents
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Abstract
【課題】RFID対応の従来の手術用ガーゼに比べて柔らかな手術用ガーゼを実現することができ、手術用ガーゼ製造時の漂白工程でICチップが侵され難い、RFID対応の複合線材、これを用いた手術用ガーゼを提供する。【解決手段】複合線材1は、線状のベース基材201にICチップ202とアンテナ203とが実装されたインレット20を備えるRFタグ2と、ゴム弾性を有するポリマより一体的に形成されており、RFタグ2の外周を覆う被覆材3とを有している。手術用ガーゼ5は、複合線材1を有している。【選択図】図3
Description
本発明は、複合線材および手術用ガーゼに関する。
近年、ICチップとアンテナとを有するRFタグを用いる無線通信技術であるRFIDの応用開発が種々の分野で行われている。例えば、医療分野では、識別情報を記録したRFタグを手術用ガーゼに取り付けることにより、手術用ガーゼの使用枚数等を正確に把握し、ガーゼ遺残の防止を図ろうとする取り組みがなされている。この種の手術用ガーゼとしては、RFタグを挟み込んだ不織布をガーゼ本体の一方面に溶着により一体化したもの(特許文献1参照)が上市されている。
また、織物の分野では、精錬・染色管理等のために、ICチップに外部アンテナを取り付けたRFタグの一面をポリエステルフィルムで被覆し、他面を樹脂コーティングまたはポリエステルフィルムで被覆した平箔糸を、布帛の経糸または緯糸に沿わせて、布帛の一部に織り込む技術が開示されている(特許文献2参照)。
しかしながら、従来技術は、以下の点で課題がある。すなわち、RFタグを挟み込んだ不織布をガーゼ本体表面に溶着して一体化する技術によれば、RFタグの取り付け部分がその周囲よりも明らかに硬くなる。そのため、デリケートな臓器に触れる手術用ガーゼとしては使いづらい。
一方、ポリエステルフィルムは、不織布に比べ、柔らかさに欠ける。そのため、上記平箔糸を手術用ガーゼに適用した場合には、ガーゼの柔らかさ向上に改良の余地がある。さらに、手術用ガーゼの製造工程には、漂白工程がある。この漂白工程で使用される漂白液は、一般的な織物の精錬・染色工程で使用される薬液に比べ、ICチップを侵しやすい。この点、特許文献2は、手術用ガーゼに関するものではないため、同文献には上記平箔糸の漂白液に対する耐性に関して何ら開示も示唆もなされていない。
本発明は、上記背景に鑑みてなされたものであり、RFID対応の従来の手術用ガーゼに比べて柔らかな手術用ガーゼを実現することができ、手術用ガーゼ製造時の漂白工程でICチップが侵され難い、RFID対応の複合線材、これを用いた手術用ガーゼを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、線状のベース基材にICチップとアンテナとが実装されたインレットを備えるRFタグと、
ゴム弾性を有するポリマより一体的に形成されており、上記RFタグの外周を覆う被覆材と、
を有する、複合線材にある。
ゴム弾性を有するポリマより一体的に形成されており、上記RFタグの外周を覆う被覆材と、
を有する、複合線材にある。
本発明の他の態様は、上記複合線材を有する手術用ガーゼにある。
上記複合線材は、線形状を呈しているため、手術用ガーゼ表面に溶着して一体化する必要がなく、手術用ガーゼを構成する糸として使用することができる。また、上記複合線材は、ゴム弾性を有するポリマより形成される被覆材がRFタグの外周を覆っている。そのため、上記複合線材によれば、RFID対応の従来の手術用ガーゼに比べて柔らかな手術用ガーゼを実現することができる。また、上記複合線材は、RFタグの外周を覆う被覆材がポリマより一体的に形成されている。そのため、上記複合線材は、手術用ガーゼ製造時の漂白工程で漂白液に曝された場合でも、被覆材の内側に漂白液が侵入し難い。それ故、上記複合線材は、ICチップおよびアンテナが漂白液によって侵され難い。さらに、上記複合線材は、被覆材がRFタグの外周を覆っているので、ICチップが外部に露出するのを抑制することができる。
上記手術用ガーゼは、上記複合線材を有している。そのため、上記手術用ガーゼは、RFID対応の従来の手術用ガーゼに比べて柔らかであり、かつ、漂白工程でICチップおよびアンテナが侵され難い。
上記複合線材において、RFタグは、線状のベース基材にICチップとアンテナとが実装されたインレットを備えている。ベース基材は、具体的には、例えば、平線状等の形状を呈することができる。また、ベース基材は、具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリフェニレンサルファイド(PPS);ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリイミド;ポリアミドイミド;ポリアミド等より構成することができる。
上記複合線材において、被覆材は、RFタグの外周を覆っており、ゴム弾性を有するポリマより一体的に形成されている。具体的には、被覆材は、ICチップおよびアンテナの外周部分に貼り合わせ部や積層部等による継ぎ目がない状態で、RFタグの外周を覆う構成とすることができる。一対のポリマフィルム間にRFタグを挟持した線材や、ポリマフィルム表面に配置したRFタグ上に樹脂コーティングした線材などでは、ICチップおよびアンテナの外周部分を覆う被覆部位に、貼り合わせ部や積層部等による継ぎ目が生じる。とりわけ、ICチップは、外部のアンテナに比べて厚みがあるので、ICチップの外周部分には、上記継ぎ目に起因する貼り合わせ不良や剥離等が生じる可能性がある。そのため、上記継ぎ目は、貼り合わせ不良や剥離等を通じて漂白液の侵入原因となる。これに対して、ICチップおよびアンテナの外周部分に継ぎ目がない状態で、被覆材がRFタグの外周を覆っている場合には、ICチップおよびアンテナの漂白液に対する耐性が確実なものとなり、信頼性の高い複合線材が得られる。
被覆材は、具体的には、例えば、押出成形体より構成することができる。この場合には、RFタグの外周に、ゴム弾性を有するポリマを押出成形することによって被覆材を簡単に形成することができるので、生産性に優れた複合線材が得られる。また、被覆材は、具体的には、例えば、管状体などより構成することもできる。この場合には、管内に挿通されたRFタグの両端部よりも長手方向外側で、溶着等により管状体の両端部を液密に封止すればよい。この場合には、被覆材の内周面とRFタグの外周面との間に空隙を介在させることができるので、複合線材の柔軟性向上、被覆材の材料削減などに有利である。
ゴム弾性を有するポリマとしては、例えば、各種の熱可塑性エラストマーや熱硬化性エラストマーなどを用いることができる。上記熱可塑性エラストマーとしては、具体的には、例えば、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、アミド系エラストマー、スチレン系エラストマーなどを例示することができる。上記熱硬化性エラストマーとしては、具体的には、例えば、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム等のジエン系ゴムや、ブチルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の非ジエン系ゴムなどの合成ゴム、天然ゴムなどを例示することができる。
上記複合線材において、ベース基材の長手方向の長さと被覆材の長手方向の長さとは同等であるよい。この構成によれば、例えば、以下のようにして複合線材を連続的に生産することができる。
すなわち、長手方向に延びるベース基材に所定ピッチでICチップおよびアンテナが複数実装されたインレット線材を準備する。このインレット線材の外周に、押出被覆などによって被覆材を形成し、インレット被覆線材とする。次いで、ICチップおよびアンテナが一つずつ含まれるように、ICチップおよびアンテナが実装されていない箇所で、インレット被覆線材における被覆材およびベース基材を同時に切断する。なお、漂白液による漂白が行われる場合には、上記切断前に実施される。また、上記切断長さは、例えば、上記複合線材を手術用ガーゼの経糸に適用する場合には、手術用ガーゼの経糸方向の幅と同じ長さとすることができる。これにより、上記複合線材を連続的に生産することができる。
そのため、上記構成によれば、被覆材の長手方向の長さがベース基材の長手方向の長さよりも長い複合線材に比べ、連続生産性に優れた複合線材が得られる。なお、上記「同等」には、RFタグの収縮または被覆材の伸長等が原因で、ベース基材の長手方向の長さが被覆材の長手方向の長さよりもわずかに短くまたは長くなっているが、被覆材およびベース基材が同時に切断されたものである等の事情から、実質的に両長さが同じであると評価できる場合が含まれる。複合線材の端部で見て、同側にあるベース基材の端面と被覆材の端面との間の距離が5mm以内である場合は、上記「同等」に含まれる。
上記複合線材は、長手方向に垂直な断面視で、円形状、扁平形状、または、角形状の断面を有しているとよい。複合線材の断面が円形状である場合には、丸糸状となるため、手術用ガーゼを構成する糸として使用しやすい。また、複合線材の断面が扁平形状(楕円形状、トラック形状を含む)である場合には、複合線材の断面が円形状である場合に比べ、被覆材を薄肉化しやすく、複合線材の柔軟性向上、これを用いた手術用ガーゼの柔軟性向上に有利である。また、複合線材の断面が角形状である場合には、複合線材の断面が円形状や扁平形状である場合に比べ、被覆材をより薄肉化しやすく、複合線材の柔軟性向上、これを用いた手術用ガーゼの柔軟性向上に特に有利である。また、被覆材料の削減もしやすい。なお、角形状としては、上記効果を確実なものとする観点から、四角形状、より好ましくは、長方形状などの形状を例示することができる。
上記複合線材は、さらに、造影糸を有することができる。この場合、被覆材は、RFタグおよび造影糸の両方の外周を覆っている構成とすることができる。この構成によれば、X線透過装置により上記複合線材の位置を特定することが可能となる。そのため、この構成によれば、従来の手術用ガーゼにおける造影糸を、上記複合線材に代替えするだけで、RFIDに対応した手術用ガーゼが得られる。なお、造影糸は、糸材に硫酸バリウムが練り込まれてなる糸等、公知のものを適用することできる。
上記複合線材において、被覆材は、造影剤を含むことができる。この構成によれば、造影糸を別途用いることなく、X線透過装置により上記複合線材の位置を特定することが可能となる。そのため、この構成によれば、従来の手術用ガーゼにおける造影糸を、上記複合線材に代替えするだけで、RFIDに対応した手術用ガーゼが得られる。なお、造影剤としては、例えば、硫酸バリウム等、公知のものを適用することができる。
上記複合線材は、さらに、被覆材の外周を覆う被覆糸を有していてもよい。この構成によれば、被覆糸によりICチップおよびアンテナが外部から視認し難くなる。また、ゴム弾性を有するポリマよりなる被覆材も外部から視認し難くなる。それ故、上記複合線材を手術用ガーゼに適用した場合に、RFIDに対応していない手術用ガーゼと見た目が同様となり、使用者が大きな違和感を感じることなく使用することが可能となる。また、この構成によれば、ゴム弾性を有するポリマからなる被覆材の表面摩擦抵抗を被覆糸によって小さくしやすくなり、手術用ガーゼの製造性が良くなるなどの利点もある。
被覆糸は、具体的には、例えば、ポリエステル、ポリアミド、綿などより構成することができる。被覆糸は、被覆材の外周に編み込まれていてもよいし、被覆材の外周に巻回されていてもよい。被覆糸は、好ましくは、被覆材の外周に編み込まれているとよい。この構成によれば、被覆糸が被覆材の外周に巻回されている場合に比べ、内部をより視認し難くなる。この際、被覆糸は、具体的には、被覆材の外周に、リリアン編みにて編み込まれた構造とすることができる。なお、被覆糸は、1本、2本、またはそれ以上の本数より構成することができる。
上記複合線材は、手術用ガーゼ以外にも、他の手術用衛生用品の管理などに用いることができる。また、上記複合線材は、他にも例えば、クリーニング等における衣類の管理、在庫管理、入退室管理などに用いることもできる。
上記手術用ガーゼは、具体的には、例えば、経糸と緯糸とが織り込まれて形成されており、経糸の1つに上記複合線材が用いられている構成とすることができる。この場合には、手術用ガーゼ製造時に、緯糸として上記複合線材を飛ばす必要がないので、製造性に優れたRFID対応の手術用ガーゼが得られる。
また、上記手術用ガーゼは、柄のないガーゼであってもよいし、柄付きガーゼであってもよい。また、剥離ガーゼであってもよい。柄付きガーゼは、紐状の柄を有している。上記手術用ガーゼが柄付きガーゼである場合には、経糸や緯糸の一部として上記複合線材を用いてもよいし、柄の部分に上記複合線材を取り付けたり、柄そのものを上記複合線材より構成したりすることができる。柄の部分に上記複合線材を取り付ける方法としては、例えば、柄の部分に上記複合線材を縫い込む方法、柄の部分を構成する糸の一部として上記複合線材を使用する方法などを例示することができる。
上記手術用ガーゼは、上記複合線材以外にも、造影糸を別途有することができる。
なお、上述した各構成は、上述した各作用効果等を得るなどのために必要に応じて任意に組み合わせることができる。
以下、実施例の複合線材および手術用ガーゼについて、図面を用いて説明する。なお、同一部材については同一の符号を用いて説明する。
(実施例1)
実施例1の複合線材について、図1〜図4を用いて説明する。図1〜図4に示されるように、本例の複合線材1は、RFタグ2と、被覆材3とを有する。
実施例1の複合線材について、図1〜図4を用いて説明する。図1〜図4に示されるように、本例の複合線材1は、RFタグ2と、被覆材3とを有する。
RFタグ2は、線状のベース基材201にICチップ202とアンテナ203とが実装されたインレット20を備えている。
本例では、インレット203は、線状のベース基材201の表面に金属(合金含む)箔より形成されたアンテナ203を有している。なお、アンテナ203は、線状のベース基材201の表面に金属を含有する導電性ペーストを印刷して形成することもできる。上記金属としては、例えば、銅、アルミニウム、銀等を用いることができる。本例では、アンテナ203の材質は、具体的には銅とすることができる。アンテナ203は、線状を呈しており、その両端部間の長さは、ベース基材201の長手方向の長さよりも短くされている。ベース基材201は、具体的には、平線状を呈している。ベース基材201の幅は、具体的には、2mmとすることができる。ベース基材201の材質は、具体的には、ポリエステルとすることができる。RFID用のICチップ202は、アンテナ203の長手方向の中央部に実装されている。
被覆材3は、ゴム弾性を有するポリマより一体的に形成されており、RFタグ2の外周を覆っている。
本例では、被覆材3は、少なくともICチップ202およびアンテナ203の外周部分に継ぎ目がない状態で、RFタグ2の外周を覆っている。被覆材3は、RFタグ2の外周にゴム弾性を有するポリマが押し出し被覆されてなる押出被覆体より構成されている。ゴム弾性を有するポリマは、具体的には、熱可塑性エラストマーであり、より具体的には、オレフィン系エラストマーである。また、RFタグ2におけるベース基材201の長手方向の長さと被覆材3の長手方向の長さとは、同等とされている。
また、本例では、複合線材1は、長手方向に垂直な断面視で、円形状の断面を有している。複合線材1では、被覆材3の内周面がRFタグ2の外周面に密着した状態とされている。つまり、複合線材1では、被覆材3の内周面とRFタグ2の外周面とが密着状態にあり、被覆材3の内周面とRFタグ2の外周面との間に、実質的に空隙がない状態とされている。
次に、実施例1の手術用ガーゼについて、図5を用いて説明する。本例の手術用ガーゼ5は、実施例1の複合線材1を有している。本例では、具体的には、手術用ガーゼ5は、経糸51と緯糸52とが織り込まれて形成されており、経糸51の1つに複合線材1が用いられている。
上述した複合線材1および手術用ガーゼ5は、例えば、次のように製造することができる。
長手方向に延びるベース基材201に所定ピッチでICチップ202およびアンテナ203が複数実装されたインレット線材(不図示)を準備する。本例では、具体的には、手術用ガーゼ5の経糸51方向の長さと対応するベース基材201の部分毎にICチップ202およびアンテナ203が一つずつ含まれるように、ICチップ202およびアンテナ203が複数実装されたインレット線材を準備する。
次いで、このインレット線材の外周に、ゴム弾性を有するポリマを押し出し被覆することによって被覆材3を形成し、インレット被覆線材(不図示)とする。なお、このインレット被覆線材は、複数の複合線材1が長手方向に連続的に連なったものであるといえる。なお、インレット被覆線材の外周に被覆糸を被覆することもできる。
次いで、経糸51の1つに、インレット被覆線材を用い、複数の手術用ガーゼ5が連結された反物(不図示)を作製する。なお、反物の作製時に、漂白液による漂白が行われる。
次いで、反物における隣り合うガーゼ間で経糸51を切断する。具体的には、ICチップ202およびアンテナ203が一つずつ含まれるように、ICチップ202およびアンテナ203が実装されていない箇所で、手術用ガーゼ5の経糸51方向の幅と同じ長さを一区切りとして、インレット被覆線材における被覆材3およびベース基材201を同時に切断する。これにより、複合線材1およびこれを有する手術用ガーゼ5が得られる。
複合線材1は、線形状を呈しているため、手術用ガーゼの表面に溶着して一体化する必要がなく、手術用ガーゼ5を構成する糸として使用することができる。また、複合線材1は、ゴム弾性を有するポリマより形成される被覆材3がRFタグ2の外周を覆っている。そのため、複合線材1によれば、RFID対応の従来の手術用ガーゼに比べて柔らかな手術用ガーゼを実現することができる。また、複合線材1は、RFタグ2の外周を覆う被覆材3がポリマより一体的に形成されている。そのため、複合線材1は、手術用ガーゼ製造時の漂白工程で漂白液に曝された場合でも、被覆材3の内側に漂白液が侵入し難い。それ故、複合線材1は、ICチップ202およびアンテナ203が漂白液によって侵され難い。さらに、複合線材1は、被覆材3がRFタグ2の外周を覆っているので、ICチップ202が外部に露出するのを抑制することができる。
また、複合線材1は、断面が円形状であるので、丸糸状となる。そのため、複合線材1は、手術用ガーゼ5を構成する糸として使用しやすく、経糸または緯糸として適用しやすい。
手術用ガーゼ5は、複合線材1を有しているので、RFID対応の従来の手術用ガーゼに比べて柔らかであり、かつ、漂白工程でICチップ202およびアンテナ203が侵され難い。
(実施例2)
実施例2の複合線材および手術用ガーゼについて、図6を用いて説明する。
実施例2の複合線材および手術用ガーゼについて、図6を用いて説明する。
図6に示されるように、本例の複合線材1は、長手方向に垂直な断面視で、扁平形状の断面を有している。
本例の複合線材1は、複合線材1の断面が円形状である場合に比べ、被覆材3を薄肉化しやすく、複合線材1の柔軟性向上、これを用いた手術用ガーゼ5の柔軟性向上に有利である。その他の構成および作用効果は、実施例1の複合線材1と同様である。
また、本例の手術用ガーゼ5は、本例の複合線材1を有している。その他の構成および作用効果は、実施例1の手術用ガーゼ5と同様である。
(実施例3)
実施例3の複合線材および手術用ガーゼについて、図7を用いて説明する。
実施例3の複合線材および手術用ガーゼについて、図7を用いて説明する。
図7に示されるように、本例の複合線材1は、長手方向に垂直な断面視で、角形状の断面を有している。なお、図7では、長方形状の断面が例示されている。
本例の複合線材1は、複合線材1の断面が円形状や扁平形状である場合に比べ、被覆材3をより薄肉化しやすく、複合線材1の柔軟性向上、これを用いた手術用ガーゼ5の柔軟性向上に特に有利である。また、被覆材料の削減もしやすい。その他の構成および作用効果は、実施例1の複合線材1と同様である。
また、本例の手術用ガーゼ5は、本例の複合線材1を有している。その他の構成および作用効果は、実施例1の手術用ガーゼ5と同様である。
(実施例4)
実施例4の複合線材および手術用ガーゼについて、図8を用いて説明する。
実施例4の複合線材および手術用ガーゼについて、図8を用いて説明する。
図8に示されるように、本例の複合線材1は、さらに、造影糸4を有している。図8では、RFタグ2の一方側縁に沿って造影糸4が配置されており、被覆材3が、RFタグ2および造影糸4の両方の外周を一括して覆っている構成が例示されている。なお、造影糸4は、図8に例示される配置に限定されるものではなく、例えば、平線状のRFタグ2における平面に沿って配置することもできる。
本例の複合線材1は、造影糸4を有しているので、X線透過装置により複合線材1の位置を特定することができる。そのため、本例の複合線材1によれば、従来の手術用ガーゼにおける造影糸を、本例の複合線材1に代替えするだけで、RFIDに対応した手術用ガーゼ5が得られる。その他の構成および作用効果は、実施例1の複合線材1と同様である。
また、本例の手術用ガーゼ5は、本例の複合線材1を有している。その他の構成および作用効果は、実施例1の手術用ガーゼ5と同様である。
(実施例5)
実施例5の複合線材および手術用ガーゼについて、図9を用いて説明する。
実施例5の複合線材および手術用ガーゼについて、図9を用いて説明する。
図9に示されるように、本例の複合線材1は、被覆材3の長手方向の長さが、ベース基材201の長手方向の長さよりも長く形成されている。本例では、被覆材3の長手方向の長さは、ベース基材201の長手方向の長さよりも5mm超、具体的には約5cm長く形成されている。本例の複合線材1は、例えば、インサート成型等、型成型などによって製造することができる。その他の構成および作用効果は、実施例1の複合線材1と同様である。
また、本例の手術用ガーゼ5は、本例の複合線材1を有している。その他の構成および作用効果は、実施例1の手術用ガーゼ5と同様である。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲内で種々の変更が可能である。
1 複合線材
2 RFタグ
20 インレット
201 ベース基材
202 ICチップ
203 アンテナ
3 被覆材
5 手術用ガーゼ
2 RFタグ
20 インレット
201 ベース基材
202 ICチップ
203 アンテナ
3 被覆材
5 手術用ガーゼ
Claims (10)
- 線状のベース基材にICチップとアンテナとが実装されたインレットを備えるRFタグと、
ゴム弾性を有するポリマより一体的に形成されており、上記RFタグの外周を覆う被覆材と、
を有する、複合線材。 - 上記被覆材は、上記ICチップおよび上記アンテナの外周部分に継ぎ目がない状態で、上記RFタグの外周を覆っている、請求項1に記載の複合線材。
- 上記ゴム弾性を有するポリマは、熱可塑性エラストマーである、請求項1または2に記載の複合線材。
- 上記ベース基材の長手方向の長さと上記被覆材の長手方向の長さとが同等である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合線材。
- 長手方向に垂直な断面視で、円形状、扁平形状、または、角形状の断面を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合線材。
- 上記被覆材の外周を覆う被覆糸を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合線材。
- さらに、造影糸を有し、
上記被覆材は、上記RFタグおよび上記造影糸の両方の外周を覆っている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合線材。 - 上記被覆材は、造影剤を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合線材。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の複合線材を有する、手術用ガーゼ。
- 経糸と緯糸とを有しており、上記経糸の1つに上記複合線材が用いられている、請求項9に記載の手術用ガーゼ。
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