JP2018015356A - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】超音波測定の測定結果から手ブレや体動による血管の動きを精度良く検出すること。【解決手段】生体内部の画像を処理する処理部を備えた画像処理装置であって、前記処理部は、所定血管を含む生体組織の断面画像を連続的に取得することと、前記断面画像の画像変化に基づいて、前記所定血管を含む前記生体組織の動きを検出することと、前記生体組織の動きの検出結果から前記所定血管の脈動分を除外して、前記所定血管の動きを検出することと、を実行する画像処理装置である。【選択図】図15
Description
本発明は、生体内部の画像を処理する画像処理装置等に関する。
従来から、超音波測定を利用して、被検体である人体の生体情報を取得する技術が知られている。また、この種の技術においては、目的の生体情報を精度良く算出するために、測定結果からノイズを除去する前処理を行うようにしたものもある。例えば、特許文献1には、測定結果から血管の性状を示す弾性指標を求める技術が開示されている。この特許文献1では、オペレータの手ブレや被検体の体動を検出し、これらが発生しているデータを排除することで、弾性指標の信頼性を向上させている。
特許文献1の技術は、血管が脈動(拍動)によって常に動いている一方、超音波プローブと血管との間の生体組織部分(組織部)には動きがないことに着目し、組織部の輝度値変化から手ブレ等を検出するものである。しかし、実際には、血管の脈動と連動してその周辺組織も動いていることから、組織部の輝度値変化が、手ブレ等によるものなのか脈動によるものなのかを判別するのは難しい。そこで本発明は、超音波測定の測定結果から手ブレや体動による血管の動きを精度良く検出可能とする技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための第1の発明は、生体内部の画像を処理する処理部を備えた画像処理装置であって、前記処理部は、所定血管を含む生体組織の断面画像を連続的に取得することと、前記断面画像の画像変化に基づいて、前記所定血管を含む前記生体組織の動きを検出することと、前記生体組織の動きの検出結果から前記所定血管の脈動分を除外して、前記所定血管の動きを検出することと、を実行する画像処理装置である。
また、他の発明として、生体内部の画像を処理する画像処理方法であって、所定血管を含む生体組織の断面画像を連続的に取得することと、前記断面画像の画像変化に基づいて、前記所定血管を含む前記生体組織の動きを検出することと、前記生体組織の動きの検出結果から前記所定血管の脈動分を除外して、前記所定血管の動きを検出することと、を含む画像処理方法を構成してもよい。
第1の発明等によれば、所定血管を含む生体組織の断面画像を連続的に取得し、その画像変化に基づいて生体組織の動きを検出することができる。そして、検出した生体組織の動きから、脈動分を除いた所定血管の動きを検出することができる。これによれば、超音波測定の測定結果から、手ブレや体動による血管の動きを精度良く検出できる。
また、第2の発明として、前記処理部は、前記所定血管の動きの検出結果に基づいて、前記所定血管の中心位置を追跡すること、を更に実行する第1の発明の画像処理装置を構成してもよい。
第2の発明によれば、所定血管の中心位置を追跡することができる。
また、第3の発明として、前記断面画像は、前記所定血管の短軸方向断面を含む超音波画像であり、前記処理部は、前記短軸方向断面における前記中心位置を通る直線部に係るMモード画像を表示制御すること、を更に実行する第2の発明の画像処理装置を構成してもよい。
第3の発明によれば、連続的に取得した所定血管の短軸断面の超音波画像に基づいて、所定血管の中心位置を通る直線部の経時変化を表示制御することができる。
また、第4の発明として、前記表示制御することは、前記中心位置を前記Mモード画像中の所定位置に固定的に定めて、前記直線部のうち、前記所定血管の前壁部および後壁部を含む所定範囲を動的に選択して前記Mモード画像として表示制御することである、第3の発明の画像処理装置を構成してもよい。
第4の発明によれば、所定血管の中心位置を通る直線部のうちの、前壁部および後壁部を含む所定範囲の経時変化を表示制御することができる。
また、第5の発明として、前記処理部は、前記所定血管の血管特徴値を算出すること、を更に実行する第1〜第4の何れかの発明の画像処理装置を構成してもよい。
第5の発明によれば、所定血管の血管特徴値を算出することができる。
また、第6の発明として、前記処理部は、前記中心位置の変動に基づいて、生体情報の算出の好適タイミング又は不適タイミング(以下包括して「タイミング」という。)を判定することと、前記タイミングに基づいて、前記生体情報を算出することと、を更に実行する第2〜第4の何れかの発明の画像処理装置を構成してもよい。
第6の発明によれば、所定血管の中心位置の変動に基づいて、その算出に適したタイミングで生体情報を算出することができる。
また、第7の発明として、前記タイミングを判定することは、前記中心位置のずれ量に基づいて前記タイミングを判定することである、第6の発明の画像処理装置を構成してもよい。
第7の発明によれば、所定血管の中心位置のずれ量に基づいて、生体情報の算出に適したタイミングを判定することができる。
また、第8の発明として、前記処理部は、前記所定血管の血管径を連続的に算出することと、心拍の特徴期に応じた前記中心位置の変動および前記血管径の変動を検出して対応付けることで、前記中心位置の変動と前記血管径の変動との同期を取ることと、を更に実行し、前記生体情報を算出することは、前記タイミングに基づいて前記血管径を選択し、当該選択した血管径を用いて前記生体情報を算出することである、第6又は第7の発明の画像処理装置を構成してもよい。
第8の発明によれば、心拍の特徴期における中心位置の変動と、血管径の変動とを対応付けることができる。そして、中心位置の変動から判定したタイミングに基づき生体情報の算出に適したタイミングの血管径を選択して用い、生体情報を算出することができる。
また、第9の発明として、前記生体組織の動きを検出することは、前記断面画像から、前記生体組織に係る複数の特徴点を抽出することと、前記特徴点毎に、当該特徴点の前記断面画像間の変位方向ベクトルを算出することと、を含み、前記所定血管の動きを検出することは、前記変位方向ベクトルを統計処理して前記所定血管の動きを検出することである、第1〜第8の何れかの発明の画像処理装置を構成してもよい。
第9の発明によれば、断面画像から生体組織に係る複数の特徴点を抽出し、特徴点毎に断面画像間の変位方向ベクトルを算出することができる。そして、変位方向ベクトルを統計処理することで、脈動分を除外した所定血管の動きを検出することができる。
また、第10の発明として、前記統計処理は、互いに逆向きの方向を同一の変位方向とする変位方向別に前記変位方向ベクトルの大きさを方向の正負符号とともに累積することを含み、前記所定血管の動きを検出することは、前記累積した値に基づいて前記所定血管が動いた方向を検出することを含む、第9の発明の画像処理装置を構成してもよい。
第10の発明によれば、特徴点毎の変位方向ベクトルを変位方向別に累積し、所定血管が動いた変位方向を検出することができる。
また、第11の発明として、前記統計処理は、前記所定血管の脈動の周期毎に前記変位方向ベクトルの前記累積を行うことを含む、第10の発明の画像処理装置を構成してもよい。
第11の発明によれば、所定血管の脈動の周期毎に変更方向ベクトルを累積し、当該周期毎に所定血管が動いた変位方向を検出できる。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下説明する実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付す。
図1は、本実施形態における超音波測定装置10のシステム構成例を示す図である。超音波測定装置10は、超音波測定を利用して被検体2の生体情報を取得するためのものであり、測定結果や操作情報を画像表示するための手段および操作入力のための手段を兼ねるタッチパネル12と、操作入力をするためのキーボード14と、超音波プローブ(探触子)16と、画像処理装置30とを備える。
超音波プローブ16は、そのセンサー面側において列状に等間隔で配置された複数の超音波振動子(不図示)を内蔵しており、例えば、超音波振動子の配列方向に超音波ビームの入射位置をずらしながら、互いに平行な複数の走査線に沿って超音波ビームを送受信する、いわゆるリニア走査方式で超音波測定を行う。この超音波プローブ16は、センサー面を被検体2の生体表面に密着させて使用される。
画像処理装置30には、制御基板31が搭載されており、タッチパネル12、キーボード14、超音波プローブ16等の装置各部と信号送受可能に接続されている。制御基板31には、CPU(Central Processing Unit)32や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、各種集積回路の他、IC(Integrated Circuit)メモリーやハードディスク等による記憶媒体33と、外部装置とのデータ通信を実現する通信IC34とが搭載されている。画像処理装置30は、CPU32等が記憶媒体33に記憶されているプログラムを実行することにより、超音波測定をはじめとする生体情報の取得に必要な処理を行う。
具体的には、超音波測定装置10は、画像処理装置30の制御により超音波プローブ16から被検体2へ超音波ビームを送信し、その反射波を受信して超音波測定を行う。そして、反射波の受信信号を増幅・信号処理し、被検体2の生体内構造の位置情報や経時変化等の反射波データを生成する。超音波測定は、所定周期で繰り返し行われる。この所定周期での測定単位を「フレーム」と呼ぶ。
反射波データには、いわゆるAモード、Bモード、Mモード、カラードップラーモード等の各モードの画像が含まれる。Aモードは、第1軸を超音波ビームの送受信方向(走査線)に沿った生体表面からの距離(深さ)とし、第2軸を該当する深さ位置からの反射波の受信信号強度(反射強度)として、所定の走査線上の反射波の振幅(Aモード画像)を表示するモードである。また、Bモードは、超音波ビームを所定の走査範囲内で走査させながら得た反射波振幅(Aモード画像)を輝度値に変換することで可視化した、生体内構造の二次元の超音波画像(Bモード画像)を表示するモードである。Mモードは、Bモード画像内の所定の走査線に係る部分(直線部)における輝度値の経時変化(Mモード画像)を表示するモードである。
本実施形態では、超音波プローブ16は、測定部位である頸部に対し、皮下の血管(例えば頸動脈)21の短軸を描出できる向き(超音波振動子の配列方向が血管21の走行方向と交差する向き)で当てられる。そして、超音波測定装置10は、生成した反射波データから血管位置を検出する。なお、超音波プローブ16が当てられる測定部位は図示した頸部に限らず、手首、腕、腹部等、測定の目的(検出対象の血管)に応じた被検体2の部位とされる。
[原理]
血管21は、脈動により概ね等方的に拡張および収縮を繰り返す。この脈動による血管21の変位は「トラッキング」を行うことで追跡でき、例えば、血管21の直径(血管径)、血管21の中心位置(血管中心)、血管21の血管壁厚等の血管特徴値をフレーム単位で算出することができる。また、得られた血管特徴値からは、様々な生体情報を取得することができる。一例を挙げれば、血管径から血圧を推定的に算出することができる。例えば、血圧変化と血管径変化との相関式を用い、血管の硬さを表すスティフネスパラメータβと血管径とから血圧を算出する手法が知られている。その他にも、動脈硬化の指標値であるFMD(Flow Mediated Dilation:血流依存性血管拡張反応)、IMT(Intima Media Thickness:内膜中膜複合体厚)、血管壁の弾性率等を求めることができ、血管機能の評価・検査に利用されている。
血管21は、脈動により概ね等方的に拡張および収縮を繰り返す。この脈動による血管21の変位は「トラッキング」を行うことで追跡でき、例えば、血管21の直径(血管径)、血管21の中心位置(血管中心)、血管21の血管壁厚等の血管特徴値をフレーム単位で算出することができる。また、得られた血管特徴値からは、様々な生体情報を取得することができる。一例を挙げれば、血管径から血圧を推定的に算出することができる。例えば、血圧変化と血管径変化との相関式を用い、血管の硬さを表すスティフネスパラメータβと血管径とから血圧を算出する手法が知られている。その他にも、動脈硬化の指標値であるFMD(Flow Mediated Dilation:血流依存性血管拡張反応)、IMT(Intima Media Thickness:内膜中膜複合体厚)、血管壁の弾性率等を求めることができ、血管機能の評価・検査に利用されている。
トラッキングは、対象とする反射波データ(例えばAモード画像)に関心領域(トラッキングポイント)を設定することで、異なるフレーム間で関心領域を追跡し変位を算出する処理である。具体的な手順としては、例えば先ず、円形を検出するパターンマッチング等の手法を用いてBモード画像から血管21を検出し、その中心付近を通る走査線(中心走査線)のAモード画像を対象に選ぶ。そして、選んだAモード画像の前壁位置(例えば前壁内腔内膜位置)に関心領域を設定してトラッキングを行い、脈動に伴う前壁位置の生体表面からの深さ方向の変位を算出する。同様に、後壁位置(例えば後壁内腔内膜位置)にも関心領域を設定してトラッキングを行い、前壁内腔内膜位置および後壁内腔内膜位置の変動波形から各位置の距離を血管径とし、中点を血管中心としてフレーム毎に算出する。同様の要領で、前壁外膜位置および後壁外膜位置についても変位を算出し、血管壁厚をフレーム毎に算出する。なお、最初に関心領域を設定する前壁内腔内膜位置、後壁内腔内膜位置、前壁外膜位置、および後壁外膜位置は、Aモード画像から対応する反射波振幅のピークを検出することで特定できる。
図2は、Bモード画像として得られた頸部の断面画像を模式的に示す図である。また、図3は、中心走査線とされた図2に示す走査線Lに係るMモード画像を示す図である。図2において、X方向が生体表面の方向に対応し、Y方向が生体表面からの深さ方向(超音波ビームの送受信方向)に対応している。つまり、超音波測定を行う複数の走査線のそれぞれがBモード画像のピクセルのY方向の各列に対応しており、各列のX位置が対応する走査線番号によって識別される。走査線の本数は、適宜設定できる。また、図3において横軸は測定開始からの経過時間(フレーム番号)を表し、縦軸は生体表面からの深さを表す。
図2に示すように、Bモード画像には、皮下を走行する血管(本実施形態では頸動脈)21の短軸方向断面が描出される。そして、図3に示すように、走査線Lに係るMモード画像を生成することによって、中心走査線上の輝度値の経時変化が画像化される。より詳細には、Mモード画像は、例えば、血管(本実施形態では頸動脈)21の平均的な径変化位置を含む深さ範囲を縦軸(Y方向)の表示範囲として生成される。図2および図3の符号B11は筋繊維、B113は血管21の前壁外膜、B115は前壁内腔内膜をそれぞれ示し、符号B133は血管21の後壁外膜、B135は後壁内腔内膜をそれぞれ示している。Bモード画像によれば、血管21の短軸断面や周辺組織を確認できる。そして、Mモード画像によれば、脈動に伴い血管21が収縮および拡張を繰り返す様子を確認できる。
ただし、内腔内膜B115,B135については、Mモード画像中でところどころ途切れた表示となっている。これは、血管中心が、中心走査線とされた走査線L上から外れたためである。より詳細には、図2からもわかるように、内腔内膜B115,B135は、前壁および後壁のごく一部が描出される。これは、側壁部分からの反射波を受信し難いためで外膜B113,B133も同様であるが、内腔内膜B115,B135と比べると描出されるX方向の範囲が広い。換言すると、内腔内膜B115,B135の描出されるX方向の範囲が狭い。そのため、血管中心がX方向にずれるとMモード画像から内腔内膜B115,B135が消失してしまう。また、途切れた間は、前壁内腔内膜位置および後壁内腔内膜位置の検出が困難となる。一方で、前壁外膜位置および後壁外膜位置についても、血管中心から外れた走査線L上で検出されることとなる。結果、血管特徴値の算出精度が低下するため、問題となることがあった。血管特徴値の算出のため、マイクロメートルオーダーの位置検出精度が要求される場合があるからである。
血管中心の位置ずれの要因としては、手ブレや体動が挙げられる。すなわち、超音波測定は超音波プローブ16を生体表面に設置することで行われることから、手ブレや体動が生じると、超音波プローブ16と血管21との相対的な位置関係が変化してしまう。体動は、測定中に被検体2が動いたことで生じ、例えば歩行や寝返り等の動作によるものの他、唾を飲み込んだり咳をしたこと等でも相対位置関係が変化し得る。また、呼吸によって相対位置関係が変化する場合もある。
そこで本実施形態では、先ず、(1)Bモード画像から血管21を含む生体組織の動きを検出する(動き検出処理)。そして、(2)動き検出処理結果から血管21の脈動分を除外して、超音波プローブ16に対する血管21の相対的な動きを血管21の動きとして検出する(相対移動方向検出処理)。この相対移動方向検出処理により、血管中心が追跡される。
続いて、血管特性値の一例である血管径の変動を算出した上で、(3)血管中心の変動と血管径変動とを同期させて、血管径を算出するタイミングの適否判定を行う(算出タイミング判定処理)。適否判定は、例えば一拍毎に行う。その後は、(4)算出タイミング判定処理の結果好適タイミングとされた拍の血管径変動を用いて血管径を算出し(血管径算出処理)、算出した血管径を用いて生体情報の一例である血圧を算出する(血圧算出処理)。
(1)動き検出処理
動き検出処理では、Bモード画像の画像変化に基づいて、血管21を含む生体組織の動きを検出する。図4〜図6は、動き検出処理を説明する図である。図4は、フレーム毎に繰り返される超音波測定によって連続的に生成されるtフレーム目のBモード画像を示し、図5は、そのΔtフレーム後であるt+Δtフレーム目のBモード画像を示している。また、図6は、図4および図5の各Bモード画像間での動き検出処理結果を示している。
動き検出処理では、Bモード画像の画像変化に基づいて、血管21を含む生体組織の動きを検出する。図4〜図6は、動き検出処理を説明する図である。図4は、フレーム毎に繰り返される超音波測定によって連続的に生成されるtフレーム目のBモード画像を示し、図5は、そのΔtフレーム後であるt+Δtフレーム目のBモード画像を示している。また、図6は、図4および図5の各Bモード画像間での動き検出処理結果を示している。
動き検出処理では先ず、図4に示すように、Bモード画像中の特徴点P(実線丸印の中心位置)を抽出する。なお、理解を容易にするため、図4以降の各図では特徴点Pの数を減らして示しているが、実際には、図示以上の多くの特徴点が抽出される。また、血管21の輪郭を一点鎖線で明示している。
特徴点Pは、周囲と比べて輝度値に変化が生じ、画像中から際立って観測できる点である。特徴点の抽出方法としては、例えば、コーナー検出法(Harris and Stephens)を用いることができる。あるいは、最小固有値法(Shi and Tomasi)やFAST特徴検出等のその他のコーナー検出法を用いてもよいし、SIFT(Scale invariant feature transform)に代表される局所特徴量やSURF(Speeded Up Robust Features)特徴量を用いて特徴点を抽出してもよい。また、走査線毎に反射波振幅(輝度値でもよい)のピークを検出し、そのピーク位置を特徴点として抽出する方法を用いてもよい。超音波の反射強度は媒質が変化する位置で高くなり、Bモード画像において、反射強度が高い位置は高輝度として表される。したがって、特徴点Pは、血管壁の他、筋や腱、脂肪等の輝度変化が生じている部分に多く現れる。
特徴点Pを抽出したならば、各特徴点Pの移動を追跡し、所定フレーム(Δt)後(例えば直後のフレームであってもよいし、数フレーム後であってもよい)の各特徴点Pの移動先(図5)に基づいて、特徴点P毎に変位方向ベクトルを算出する。特徴点Pの追跡は、空間的輝度勾配を利用した勾配法を適用して行うことができる。あるいは、特徴点Pの各々を含む所定サイズの画像ブロックをテンプレートとしたブロックマッチング法等を適用し、Δtフレーム後のBモード画像中から各特徴点Pの移動先を探索するのでもよい。ここでの処理により、tフレーム目の特徴点Pから、t+Δtフレーム目の該当する特徴点Pへの変位方向ベクトルが特徴点P毎に算出される(図6)。
ここで、図6では、特徴点Pのtフレーム目における位置を破線で示し、t+Δtフレーム目の特徴点Pを実線で示している。そして、部分的に拡大した部分において、t+Δtフレーム目の特徴点Pである実線丸印の内側に、その変位方向ベクトルの単位ベクトル(当該特徴点Pの当該フレーム間における変位方向の向き)Vを示している。図示の例では、拡大した画像部分は概ね右方向(つまり生体表面方向)に動いていることがわかる。
(2)相対移動方向検出処理
相対移動方向検出処理では、各特徴点Pの変位方向ベクトルをその変位方向に基づき統計処理し、動き検出結果から脈動分を除外する。図7は、統計処理を説明するための図であり、横軸に変位方向パターンを並べて示している。統計処理では先ず、各特徴点Pについて算出した変位方向ベクトルを、その単位ベクトルに従い、予め定められる複数の変位方向パターンに振り分けて分類する(パターン分類)。
相対移動方向検出処理では、各特徴点Pの変位方向ベクトルをその変位方向に基づき統計処理し、動き検出結果から脈動分を除外する。図7は、統計処理を説明するための図であり、横軸に変位方向パターンを並べて示している。統計処理では先ず、各特徴点Pについて算出した変位方向ベクトルを、その単位ベクトルに従い、予め定められる複数の変位方向パターンに振り分けて分類する(パターン分類)。
変位方向パターンは、互いに逆向きの方向を同一の変位方向とした変位方向別のパターンを定義するものであり、例えば、360°の全方位を15°刻みで分割し、方向が同じ中心対称の角度範囲で規定される変位方向範囲を1個の変位方向パターンとする12パターンP1〜P12とされる。図7では、変位方向パターンP1〜P12の各々を示す実線丸印の内側に、その代表変位方向と、代表変位方向を基準とした変位方向範囲を付記している。ここでの処理により、各特徴点Pの変位方向ベクトルは、その変位方向が属する変位方向範囲の変位方向パターンに振り分けられる。なお、変位方向パターンの数は12パターンに限定されるものではないが、5°刻み以上18°刻み以下で分割した10パターンから36パターンの間の数とすると好ましい。
パターン分類を行ったならば、変位方向パターンP1〜P12毎に、振り分けられた変位方向ベクトルの大きさを累積する。1つの変位方向パターンに着目すると、該当する変位方向パターンに振り分けられた対象の変位方向ベクトルを用い、次式(1)に従って累積値を算出する。式(1)において、分子の総和は、対象の変位方向ベクトルの大きさを、その向きを示す符号付きで累積して求める。すなわち、式(1)で求まる累積値は、互いに逆向きの方向を同一の変位方向とする変位方向別に変位方向ベクトルの大きさを方向の正負符号とともに累積した値であり、これを累積した変位方向ベクトルの数で平均した値となる。累積値は正負どちらも取り得る値であり、正負によって変位方向の正逆(正負)どちらの向きかが定まる。
ここで、変位方向ベクトルは、手ブレや体動による画像間での生体組織(血管21を含む)の動きだけでなく、脈動による画像間の動き(血管21の脈動分)も表している。この脈動分を表す変位方向ベクトルは、脈動により動く血管壁に沿った円周状およびその周辺組織に沿った放射状に分布する。そして、これらの変位方向ベクトルは、血管21の拡張時はその向きが血管中心から見て全て外向きとなり、収縮時は全て内向きとなる。よって、画像間の動きが血管21の脈動分のみの場合、変位方向パターンP1〜P12毎に対象の変位方向ベクトルの大きさを正負符号つきで累積すると、その値はどの変位方向パターンP1〜P12においてもゼロに近い値となる。上記血管壁や周辺組織の全周において変位方向ベクトルが均等に分布していれば、血管中心に対してほぼ点対称の反対側に逆向き(正負が逆)の変位方向ベクトルが存在し、累積値を算出することでそれら変位方向ベクトルに係る特徴点の変位が相殺されるためである。
図8および図9は、tフレーム目とt+Δtフレーム目の画像間の動きが血管21の脈動分のみの場合の累積値の一例を変位方向パターンP7に着目して示した模式図であり、各特徴点Pの変位方向ベクトルの大きさを、その向きを示す正負符号付きの数値で示している。図8および図9の例では、tフレーム目において累積値は「0.16」、t+Δtフレーム目では累積値は「0」となっている。
したがって、変位方向パターンP1〜P12のうち、算出した累積値の絶対値が最大である変位方向パターンの代表変位方向が、脈動分を除いた血管21の動きの方向といえる。そして、当該動きの向きは、累積値の正負符号により特定することができ、移動量は、累積値の絶対値とすることができる。図7の例では、変位方向パターンP1の代表変位方向M1の正方向に、累積値の絶対値の分だけ血管21が移動したことを検出できる。これによれば、脈動分を除いた手ブレや体動による血管21の動きを精度よく検出することができる。
ところで、中心走査線とした走査線上から血管中心が外れる上記の問題は、生体表面方向に沿って血管21が動いたことで起こる。そこで、本実施形態では、生体表面方向を代表変位方向M1とする変位方向パターン(以下、「生体表面方向パターン」ともいう)P1について得られた累積値から、生体表面方向に沿った血管21の移動の向き(相対移動向き)と、その移動量(相対移動量)とを得る。そして、相対移動向きおよび相対移動量に従って中心走査線をフレーム毎に更新していくことで、生体表面方向に沿った血管中心の動きを追跡する。相対移動向きは、累積値の正負符号によって特定できる。また、相対移動量は、累積値の絶対値を用いる。
図10は、相対移動方向検出処理結果の一例を示す図である。図10において横軸は走査線番号を表し、縦軸は経過時間(例えばフレーム番号)を表す。また、図11は、相対移動方向検出処理の結果随時更新される中心走査線に係るMモード画像を示す図である。相対移動方向検出処理によれば、図10に示すように、血管中心の初期位置を起点とした血管中心の生体表面方向への移動(つまり中心走査線の遷移)を得ることができる。血管中心の初期位置は、例えば、上記パターンマッチング等を用いた従来の手法により算出できる。
実際に、図11に示すように、中心走査線に係るMモード画像では、図3とは異なり前壁内腔内膜B115および後壁内腔内膜B135が何れも途切れることなく描出されている。これは、各フレームで中心付近を通る走査線を適正に選択できていることを示している。したがって、中心走査線上で前壁内腔内膜位置や後壁内腔内膜位置、前壁外膜位置、後壁外膜位置を検出できるので、後段の処理において血管径変動を精度よく算出できる。また、各位置から血管中心や血管壁厚の変動についても精度よく算出できる。
(3)算出タイミング判定処理
相対移動方向検出処理の後、血管径変動の算出を経て算出タイミング判定処理を行う。算出タイミング判定処理では、血管径を算出するのに好適なタイミングなのか不適切なタイミングなのかが一拍毎に判定される。
相対移動方向検出処理の後、血管径変動の算出を経て算出タイミング判定処理を行う。算出タイミング判定処理では、血管径を算出するのに好適なタイミングなのか不適切なタイミングなのかが一拍毎に判定される。
先ず、血管中心の変動と、血管径変動とを同期させる。図12は、同期処理を説明する図であり、上段に血管中心の変動を示し、下段に血管径変動を示している。図12では、横軸を経過時間(フレーム番号)としており、上段は、中心走査線の遷移を示す。一方、下段の血管径変動は、対応する中心走査線上で算出された各フレームの血管径変動を示す。中心走査線の遷移と血管径変動との時間的同期は、例えば、フレーム番号を揃えることでとることができる。
続いて、一心拍分の血管径変動から心拍の特徴期を抽出する。所定拍数の同じ特徴期における血管径を平均することで、後段の血管径算出処理を行うためである。
図13は、一心拍期間における血管径変動を示す図である。一心拍期間における血管径の変動は、一心拍期間における血圧の変動と略同一の傾向を示す。すなわち、大動脈弁の開放に伴い心臓から駆出波が送出されることで血圧が上昇し、これに伴い血管径も増加する。時刻t1における血管径A1は、最小血圧(拡張期血圧)に対応する血管径(拡張期血管径)である。
大動脈弁の開放とともに心臓から血液が駆出され、血管径が拡張期血管径A1から急峻に立ち上がる。そして、時刻t2において駆出波(ejection wave)のピークE1が観測される。その後、血管径は僅かに低下した後、再び増加し、動脈分岐部からの反射波である潮浪波の影響によって、時刻t3において潮浪波(tidal wave)のピークT1が観測される。
その後、血管径は低下し、大動脈弁の閉鎖に伴い、時刻t4において切痕N1が観測される。切痕N1は収縮期の終期に相当する。その後、大動脈圧によって大動脈弁に血流が押し寄せた結果として反射振動波である重拍波が生じ、これにより血管径が一時的に増加し、時刻t5において重拍波(dicrotic wave)のピークD1が観測される。その後は、血管径は緩やかに低下し、時刻t6において次拍の拡張期血管径A2に至る。
一般的な定義によれば、大動脈弁の開放から大動脈弁の閉鎖までの期間が「収縮期(或いは心収縮期)」であり、大動脈弁の閉鎖から次の大動脈弁の開放までの期間が「拡張期(或いは心拡張期)」である。そこで、図13では、血管径の変動に対応させて収縮期と拡張期とを図示している。収縮期と拡張期とで一心拍期間が構成される。
このように、一心拍期間中には、いくつかの特徴期がある。どの特徴期について血管径を算出するのかは、測定の目的等による。例えば、最終的に得たい生体情報が血圧であり、上記スティフネスパラメータβを用いて血圧を算出する場合であれば、拡張期の血管径と、収縮期の血管径とが必要となる。収縮期血管径には、例えば、潮浪波のピークT1の血管径を用いることができる。本例の場合では、一心拍期間内の最小ピーク(最小の極小値)を検出し、拡張期血管径とする。また、一心拍期間の最大ピーク(最大の極大値)を潮浪波のピークT1として検出し、その血管径を収縮期血管径とする。例えば、図12の血管径変動からは、一点鎖線で結んだ各点が拡張期血管径として抽出され、二点鎖線で結んだ各点が収縮期血管径として抽出される。
なお、収縮期血管径は、潮浪波のピークT1の血管径とする場合に限らず、切痕N1等の別の特徴期の血管径としてもよい。切痕N1は、潮浪波のピークT1の直後の極小値を検出することで抽出できる。また、一心拍期間は、例えば、図13において拡張期の時刻t6を過ぎ、血管径が増加し始めた時点で、1つ前の拡張期の時刻t1から当該時点t6までの期間として取得できる。あるいは、直前までに得られた所定数拍分の最大ピーク間の時間間隔を平均することで取得してもよいし、外部装置で別途観測される心電波形を入力し、これを用いて一心拍期間を算出するとしてもよい。
拡張期血管径および収縮期血管径を抽出したならば、それらを血管中心と対応付ける。各々の対応関係を図12中では矢印で示している。例えば、図12中の一心拍期間H2を処理する過程では、拡張期血管径A111と、同じフレーム番号の血管中心C21とを対応付けるとともに、収縮期血管径T111と、同じフレーム番号の血管中心C23とを対応付ける。
その後、血管径を算出するタイミングとして好適か否かを判定する。血管径変動は、その全体が呼吸に伴う周期で緩やかに周期変動している。図12ではその一部を示しており、血管径変動は全体として上昇傾向を示している。この呼吸周期による周期変動範囲は、±300μm程度である。したがって、これより大きい変動は、手ブレや体動によるものと考えられる。そして、手ブレや体動が生じたときの値を含めて血管径を算出すると誤差が増大し、算出精度の低下を招く。そこで、血管中心の変動の大小から手ブレや体動の有無を判断し、変動が小さい場合は、血管径を算出するタイミングとして好適と判定する。変動が大きければ、血管径を算出するタイミングとして不適と判定する。
この変動の大小は、例えば、血管中心の初期位置を基準とした当該時点での血管中心のずれ量が、所定の許容ずれ範囲内か否かによって判定する。図14は、図12と同様に血管中心の変動と血管径変動とを上下に並べた図であり、図14では、上段の血管中心の変動について、グラフ化する走査線番号の範囲を広げて示している。例えば、図14中にハッチングを付して示した走査線の範囲を許容ずれ範囲R3とする場合、前段の処理で拡張期血管径および収縮期血管径それぞれに対応付けた血管中心の双方が許容ずれ範囲R3の内側であれば、好適タイミングと判定する。一方でも許容ずれ範囲R3の外側であれば、不適タイミングと判定する。例えば、一心拍期間H31に着目すると、血管中心C311,C313はともに許容ずれ範囲R3内であり、その拍(一心拍期間H31)は好適タイミングと判定される。一方、一心拍期間H33では、血管中心C321,C323はともに許容ずれ範囲R3外であることから、その拍(一心拍期間H33)は不適タイミングと判定される。
なお、許容ずれ範囲R3の内側か外側かによる判定に限らず、該当するフレーム番号において血管中心の変動を時間微分して速度や加速度を算出し、予め定められる閾値以下であれば好適タイミングと判定し、閾値を超えていれば不適タイミングと判定するのでもよい。また、不適タイミングと判定した場合は、手ブレや体動がおさまって安定するのを待つ目的で、その後の所定数拍の間は次の血管径算出処理および血圧算出処理を行わないとしてもよい。
ここで、図14の一心拍期間H33等において血管中心が大きく変動しているのは、被検体2が唾を飲み込んだためと考えらえる。例えば唾を飲み込んだ場合等、体動の種類によっては、走査線の方向が深さ方向に対して傾く事態も生じ得る。すると、超音波ビームが血管21の走行方向に対して垂直に入射されず(斜めに入射され)、血管径が実際よりも大きく算出されてしまう。比較のために、図14の血管径変動から抽出した拡張期血管径のうちの好適タイミングのもののみを選んで平均値を算出するとともに、不適タイミングのものも全て含めた平均値を算出した。収縮期血圧についても同様に、平均値を算出した。その結果、不適タイミングを含めた拡張期血管径の平均値が6.008[mm]であったのに対し、好適タイミングのみの場合の拡張期血管径の平均値は5.960[mm]であった。また、収縮期血管径については、不適タイミングを含めた場合で平均値が6.445[mm]であったのに対し、好適タイミングのみの場合の平均値は6.380[mm]であった。何れも不適タイミングを含めた場合は平均値が大きくなり、マイクロメートルオーダーの精度が要求される場合、要求精度を超える大きな誤差が含まれ得ると言える。
(4)血管径算出処理/血圧算出処理
算出タイミング判定処理で好適タイミングと判定された場合には、好適タイミングと判定された拍のうちの直近のものを当該時点の拍と合わせて所定数拍分(例えば、数拍分であってもよいし、10拍分であってもよい)選び、それらの平均値を算出する処理を拡張期血管径と収縮期血管径とについてそれぞれ行う。また、平均値を算出した拡張期血管径および収縮期血管径を用いて血圧を算出する。算出タイミング判定処理で不適タイミングと判定された場合には各処理は行わない。これによれば、手ブレや体動が生じていない拍の拡張期血管径および収縮期血管径を選択的に用い、当該時点における拡張期血管径や収縮期血管径、血圧とする平均値を算出することができる。したがって、拡張期血管径および収縮期血管径を精度良く算出し、血圧についても高精度に算出できる。
算出タイミング判定処理で好適タイミングと判定された場合には、好適タイミングと判定された拍のうちの直近のものを当該時点の拍と合わせて所定数拍分(例えば、数拍分であってもよいし、10拍分であってもよい)選び、それらの平均値を算出する処理を拡張期血管径と収縮期血管径とについてそれぞれ行う。また、平均値を算出した拡張期血管径および収縮期血管径を用いて血圧を算出する。算出タイミング判定処理で不適タイミングと判定された場合には各処理は行わない。これによれば、手ブレや体動が生じていない拍の拡張期血管径および収縮期血管径を選択的に用い、当該時点における拡張期血管径や収縮期血管径、血圧とする平均値を算出することができる。したがって、拡張期血管径および収縮期血管径を精度良く算出し、血圧についても高精度に算出できる。
[機能構成]
図15は、超音波測定装置10の機能構成例を示すブロック図である。超音波測定装置10は、画像処理装置30と、超音波プローブ16とを備え、画像処理装置30は、操作入力部310と、表示部320と、通信部340と、処理部400と、記憶部500とを備える。
図15は、超音波測定装置10の機能構成例を示すブロック図である。超音波測定装置10は、画像処理装置30と、超音波プローブ16とを備え、画像処理装置30は、操作入力部310と、表示部320と、通信部340と、処理部400と、記憶部500とを備える。
超音波プローブ16は、複数の超音波振動子を備え、画像処理装置30(より詳細には、処理部400の超音波測定制御部410)から出力されるパルス電圧に基づいて超音波を送信する。そして、送信した超音波の反射波を受信し、受信信号を超音波測定制御部410へ出力する。
操作入力部310は、ユーザーによる各種操作入力を受け付け、操作入力に応じた操作入力信号を処理部400へ出力する。ボタンスイッチやレバースイッチ、ダイヤルスイッチ、トラックパッド、マウス等により実現できる。図1ではタッチパネル12やキーボード14がこれに該当する。
表示部320は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置によって実現され、処理部400からの表示信号に基づく各種表示を行う。図1ではタッチパネル12がこれに該当する。
通信部340は、処理部400の制御のもと、外部との間でデータを送受するための通信装置である。この通信部340の通信方式としては、所定の通信規格に準拠したケーブルを介して有線接続する形式や、クレイドル等と呼ばれる充電器と兼用の中間装置を介して接続する形式、無線通信を利用して無線接続する形式等、種々の方式を適用可能である。図1では通信IC34がこれに該当する。
処理部400は、例えば、CPUやGPU(Graphics Processing Unit)等のマイクロプロセッサーや、ASIC、FPGA、ICメモリー等の電子部品によって実現される。そして、処理部400は、各機能部との間でデータの入出力制御を行い、所定のプログラムやデータ、操作入力部310からの操作入力信号、超音波プローブ16からの各超音波振動子の受信信号等に基づき各種の演算処理を実行して、被検体2の生体情報を取得する。図1ではCPU32がこれに該当する。なお、処理部400を構成する各部は、専用のモジュール回路等のハードウェアで構成することとしてもよい。
この処理部400は、超音波測定制御部410と、動き検出部421と、パターン分類部423と、累積部425と、相対移動量算出部427と、中心走査線更新部429と、血管径変動算出部430と、一心拍期間取得部431と、算出タイミング判定部432と、血管径算出部433と、血圧算出部435と、Mモード画像表示制御部437と、警告報知制御部439と、を含む。
超音波測定制御部410は、超音波プローブ16とともに超音波測定部20を構成し、この超音波測定部20によって超音波測定が行われる。超音波測定制御部410は、公知技術により実現できる。例えば、超音波測定制御部410は、駆動制御部411と、送受信制御部413と、受信合成部415とを含み、超音波測定を統合的に制御する。
駆動制御部411は、超音波プローブ16からの超音波パルスの送信タイミングを制御し、送信制御信号を送受信制御部413に出力する。
送受信制御部413は、駆動制御部411からの駆動信号に従い各超音波振動子に対するパルス電圧を発生させて、超音波プローブ16に出力する。また、送受信制御部413は、超音波プローブ16からの各超音波振動子による超音波の受信信号の増幅やフィルター処理等を行い、処理結果を受信合成部415に出力する。
受信合成部415は、必要に応じて遅延処理等を行っていわゆる受信信号のフォーカスに係る処理等を実行し、反射波データを生成する。
動き検出部421は、動き検出処理を行い、Bモード画像中の特徴点を抽出して変位方向ベクトルを算出する。
パターン分類部423は、動き検出部421が検出した各特徴点の変位方向ベクトルをパターン分類する。累積部425は、パターン分類部423がパターン分類した変位方向パターン毎に変位方向ベクトルの大きさを方向の正負符号とともに累積する。相対移動量算出部427は、血管の生体表面方向の相対移動量を算出する。中心走査線更新部429は、血管中心の初期位置に基づき初期設定される中心走査線を、相対移動量算出部427が算出した相対移動量に従ってフレーム毎に更新する。血管径変動算出部430は、中心走査線更新部429がフレーム毎に更新する中心走査線上で、血管径を算出する。
一心拍期間取得部431は、一心拍期間取得処理を行い、一心拍期間を随時取得する。
算出タイミング判定部432は、算出タイミング判定処理を行い、血管径を算出するタイミングとして好適なのか不適なのかの適否判定を拍毎に行う。
血管径算出部433は、血管径算出処理を行い、拡張期血管径と収縮期血管径とを算出する。血圧算出部435は、血圧算出処理を行い、拡張期血管径および収縮期血管径を用いて血圧を算出する。
Mモード画像表示制御部437は、中心走査線に係るMモード画像を生成して表示部320に表示する制御を行う。
警告報知制御部439は、不適タイミングが予め定められる所定の連続拍数(例えば10拍であってもよいし、50拍であってもよい)以上続いた場合に、所定の警告処理を行う。
記憶部500は、ICメモリーやハードディスク、光学ディスク等の記憶媒体により実現されるものである。記憶部500には、超音波測定装置10を動作させ、超音波測定装置10が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、当該プログラムの実行中に使用されるデータ等が事前に記憶され、或いは処理の都度一時的に記憶される。図1では、制御基板31に搭載されている記憶媒体33がこれに該当する。なお、処理部400と記憶部500との接続は、装置内の内部バス回路による接続に限らず、LAN(Local Area Network)やインターネット等の通信回線で実現してもよい。その場合、記憶部500は、超音波測定装置10とは別の外部記憶装置により実現されるとしてもよい。
この記憶部500には、超音波測定プログラム510と、反射波データ520と、中心走査線データ530と、血管径変動データ540と、適否判定結果データ550と、拡張期血管径データ560と、収縮期血管径データ570と、血圧データ580とが格納される。
処理部400は、超音波測定プログラム510を読み出して実行することにより、超音波測定制御部410、動き検出部421、パターン分類部423、累積部425、相対移動量算出部427、中心走査線更新部429、血管径変動算出部430、一心拍期間取得部431、算出タイミング判定部432、血管径算出部433、血圧算出部435、Mモード画像表示制御部437、警告報知制御部439等の機能を実現する。なお、これらの機能部を電子回路等のハードウェアで実現する場合には、当該機能を実現させるためのプログラムの一部を省略することができる。
反射波データ520は、フレーム毎に繰り返される超音波測定で得た反射波データを記憶する。この反射波データ520は、フレーム毎に生成されるAモード画像データ521およびBモード画像データ523と、中心走査線に係るMモード画像のMモード画像データ525とを含む。
中心走査線データ530は、測定開始時に血管中心の初期位置に基づき初期設定され、フレーム毎に更新される中心走査線の走査線番号を、フレーム番号と対応付けて記憶する。血管径変動データ540は、フレーム毎に算出される血管径を、フレーム番号と対応付けて記憶する。
適否判定結果データ550は、拍毎に判定される適否判定結果(好適/不適)を、拍番号と対応付けて記憶する。
拡張期血管径データ560は、好適タイミングと判定された拍で算出される拡張期血管径を、拍番号と対応付けて記憶する。収縮期血管径データ570は、好適タイミングと判定された拍で算出される収縮期血管径を、拍番号と対応付けて記憶する。血圧データ580は、好適タイミングと判定された拍で算出される血圧を、拍番号と対応付けて記憶する。
[処理の流れ]
図16は、超音波測定装置10が行う処理の流れを示すフローチャートである。ここで説明する処理は、処理部400が記憶部500から超音波測定プログラム510を読み出して実行し、超音波測定装置10の各部を動作させることで実現できる。測定に先立ち、超音波プローブ16が被検体2の生体表面に当てられる。
図16は、超音波測定装置10が行う処理の流れを示すフローチャートである。ここで説明する処理は、処理部400が記憶部500から超音波測定プログラム510を読み出して実行し、超音波測定装置10の各部を動作させることで実現できる。測定に先立ち、超音波プローブ16が被検体2の生体表面に当てられる。
先ず、超音波測定部20が、超音波測定を開始する(ステップS101)。ここでの処理により、フレーム毎にAモード画像データ521やBモード画像データ523が生成され、反射波データ520に格納されていく。
続いて、処理部400は、血管中心の初期位置を算出して中心走査線を設定する(ステップS103)。
また、動き検出部421が、動き検出処理を開始する(ステップS105)。図17は、動き検出処理の流れを示すフローチャートである。動き検出処理では、動き検出部421は先ず、初順のフレームのBモード画像から特徴点を抽出する(ステップS21)。その後、所定フレーム数分(Δt)の反射波データが生成されるのを待ってから、フレーム毎にループBの処理を行う(ステップS23〜ステップS29)。すなわち、ループBでは、動き検出部421は、処理対象フレームのBモード画像中で各特徴点の移動先を探索し(ステップS25)、特徴点毎に変位方向ベクトルを算出する(ステップS27)。
図16に戻る。続いて、相対移動方向検出処理を開始する(ステップS107)。図18は、相対移動方向検出処理の流れを示すフローチャートである。相対移動方向検出処理では、動き検出処理においてループBの処理が開始されるのを待ってから、ステップS301〜ステップS313の処理をフレーム毎に繰り返す。すなわち、先ず、パターン分類部423が、各特徴点の変位方向ベクトルを複数の変位方向パターンに振り分ける(ステップS301)。そして、累積部425が、各変位方向パターンに振り分けられた変位方向ベクトルを累積する(ステップS303)。具体的には、変位方向ベクトルの大きさをその正負符号とともに累積する。そして、生体表面方向パターンの累積した値(累積値)の符号から、相対移動向きを特定する(ステップS305)。
続いて、相対移動量算出部427が、生体表面方向パターンに振り分けられた変位方向ベクトルを用いて、相対移動量(脈動分を除いた血管の生体表面方向への移動量)を算出する(ステップS307)。
その後、中心走査線更新部429が、相対移動量に相当する走査線数の分、相対移動向きへと中心走査線をずらして更新(再設定)する(ステップS309)。このとき、更新後の中心走査線を、フレーム番号と対応付けて中心走査線データ530の最後尾に追加する。
そして、血管径変動算出部430が、中心走査線上で前壁内腔内膜位置、後壁内腔内膜位置、前壁外膜位置、および後壁外膜位置を検出し、血管径を算出する(ステップS311)。このとき、算出した血管径を、フレーム番号と対応付けて血管径変動データ540の最後尾に追加する。
また、Mモード画像表示制御部437が、処理対象フレームのBモード画像データ523から中心走査線上の直線部の輝度値を読み出してMモード画像データ525を更新し、Mモード画像を表示部320に表示制御する(ステップS313)。
図16に戻る。続いて、一心拍期間取得部431が、一心拍期間取得処理を開始する(ステップS108)。一心拍期間取得部431は、血管径変動データ540を参照して、一心拍期間を随時取得する。ステップS108で一心拍期間取得処理を開始した後は、一拍毎にループAの処理を行う(ステップS109〜ステップS123)。
すなわち、ループAでは先ず、算出タイミング判定部432が、算出タイミング判定処理を行う(ステップS111)。図19は、算出タイミング判定処理の流れを示すフローチャートである。
算出タイミング判定処理では先ず、算出タイミング判定部432は、中心走査線データ530と、血管径変動データ540とを参照し、血管中心の変動と血管径変動とを同期させる(ステップS401)。
続いて、算出タイミング判定部432は、処理対象の拍に係る一心拍期間の血管径変動から心拍の特徴期を抽出する(ステップS405)。ここでの処理により、例えば、当該一心拍期間における拡張期血管径と収縮期血管径とを得る。
その後、算出タイミング判定部432は、ステップS401での同期結果を用いて、拡張期血管径および収縮期血管径をそれぞれ血管中心と対応付ける(ステップS407)。
続いて、算出タイミング判定部432は、適否判定を行う。例えば、ステップS407で拡張期血管径および収縮期血管径と対応付けた各血管中心の初期位置からのずれ量が許容ずれ範囲内であれば(ステップS409:YES)、好適タイミングと判定する(ステップS411)。許容ずれ範囲外の場合は(ステップS409:NO)、不適タイミングと判定する(ステップS413)。このとき、処理対象の拍に拍番号を割り振り、判定結果(好適/不適)を適否判定結果データ550の最後尾に拍番号と対応付けて追加する。
図16に戻る。続くステップS113では、前段の算出タイミング判定処理での適否判定結果に基づき処理を分岐する。すなわち、好適タイミングと判定された場合は(ステップS113:YES)、血管径算出部433が血管径算出処理を行い、好適タイミングに係る所定数拍分の拡張期血管径の平均値を算出するとともに、当該所定数拍分の収縮期血管径の平均値を算出する(ステップS115)。このとき、算出した拡張期血管径の平均値を拍番号と対応付けて拡張期血管径データ560の最後尾に追加し、収縮期血管径の平均値を拍番号と対応付けて収縮期血管径データ570の最後尾に追加する。
また、血圧算出部435が血圧算出処理を行い、ステップS115で算出した拡張期血管径および収縮期血管径(平均値)を用いて血圧を算出する(ステップS117)。このとき、算出した血圧を拍番号と対応付けて血圧データ580の最後尾に追加する。
一方、不適タイミングと判定された場合は(ステップS113:NO)、過去にさかのぼって連続する不適タイミングの数を計数する(ステップS118)。そして、不適タイミングの連続数が所定の連続拍数以上の場合に(ステップS119:YES)、警告処理を行う(ステップS121)。例えば、手ブレや体動が大きく正常な測定を継続できない旨のメッセージや、超音波プローブ16の当て直しを促すメッセージ等を表示部320に表示する制御を行う。
なお、警告処理は、その他にも、図18のステップS303で計数した最多の計数値の絶対値が予め定められる所定の閾値以上である場合に、手ブレや体動が大きい旨の異常を報知する処理であってもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、脈動分を除いた手ブレや体動による血管の動きを精度よく検出することができ、血管特徴値を高精度に算出できる。また、血管中心の変動と血管径変動とを同期させることで、所望の心拍の特徴期における血管中心の変動を把握できる。そして、対応する血管中心の変動が小さいときの血管径のみを用いて当該特徴期の血管径(例えば拡張期血圧や収縮期血圧)を算出でき、算出精度の向上が図れる。
[変形例1]
上記実施形態では、フレーム毎に相対移動方向検出処理を行うこととした。そして、図7等を参照して説明したように、各フレームにおいて変位方向ベクトルをパターン分類し、変位方向ベクトルの大きさを方向の正負符号とともに累積し、その累積値に基づいて、脈動分を除いた血管21の動きの方向を検出することとした。これに対し、一拍毎に相対移動方向検出処理を行う構成としてもよい。
上記実施形態では、フレーム毎に相対移動方向検出処理を行うこととした。そして、図7等を参照して説明したように、各フレームにおいて変位方向ベクトルをパターン分類し、変位方向ベクトルの大きさを方向の正負符号とともに累積し、その累積値に基づいて、脈動分を除いた血管21の動きの方向を検出することとした。これに対し、一拍毎に相対移動方向検出処理を行う構成としてもよい。
図20は、変形例1において超音波測定装置10が行う処理の流れを示すフローチャートである。図20において、図16と同様の処理工程については、同一の符号を付して説明は省略する。図20に示すように、変形例1では、ステップS105で動き検出処理を開始し、ステップS108で一心拍期間取得処理を開始した後、一拍毎にループCの処理を行う(ステップS501〜ステップS505)。そして、ループCでは先ず、相対移動方向検出処理を行う(ステップS503)。この相対移動方向検出処理は、図18と同様の手順で行うことができる。ただし、図18のステップS301では、処理対象の拍に係る一心拍期間の間に動き検出処理によってフレーム毎に得られた全ての変位方向ベクトルを、複数の変位方向パターンに振り分ける。そして、ステップS303では、変位方向パターン毎に、振り分けられた一心拍分の変位方向ベクトルを累積する。したがって、変形例1では、中心走査線は一拍毎に更新されることとなる。相対移動方向検出処理を行ったならば、算出タイミング判定処理に移る(ステップS111)。
上記実施形態で説明した通り、画像間の動きが血管21の脈動分のみの場合、血管壁や周辺組織に沿って変位方向ベクトル(特徴点)が均等に分布していれば、1フレーム分でみても、各変位方向パターンの累積値はゼロに近い値となる。しかし、変位方向ベクトルは、必ず血管壁等の全周に均等に分布しているとは限らず、円周上の一部分に変位方向ベクトルが存在していなかったり、あるいは、変位方向ベクトルの分布が例えば半円状である等、円周状の一部分に変位方向ベクトルが偏っている等の場合も生じ得る。そして、このような場合、変位方向パターンによっては累積値がゼロに近い値とならず、脈動分を正しく除外できない場合があった。
これに対し、本変形例では、一心拍期間の間各変位方向パターンP1〜P12に振り分けられた変位方向ベクトルを累積することから、各変位方向ベクトルに係る特徴点毎に、その1回の拡張および収縮に伴う変位が相殺される。したがって、変位方向ベクトルが血管壁等の全周に均等に分布していなかったとしても、画像間の動きが血管21の脈動分のみであれば累積値はゼロに近づく。これによれば、脈動分を確実に除外して血管21の動きを検出することが可能となる。
[変形例2]
上記実施形態では、超音波プローブ16に対する血管の生体表面方向(図2におけるX方向)の相対移動量を算出し、血管中心(中心走査線)を追跡する場合について説明した。これに対し、生体表面方向とは別の方向の相対移動量を算出し、当該方向に沿った血管中心の動きを追跡することも可能である。また、相対移動量の算出対象は1つの方向に限らず、2つ以上の方向について算出するとしてもよい。
上記実施形態では、超音波プローブ16に対する血管の生体表面方向(図2におけるX方向)の相対移動量を算出し、血管中心(中心走査線)を追跡する場合について説明した。これに対し、生体表面方向とは別の方向の相対移動量を算出し、当該方向に沿った血管中心の動きを追跡することも可能である。また、相対移動量の算出対象は1つの方向に限らず、2つ以上の方向について算出するとしてもよい。
例えば、呼吸による体動に着目すると、血管中心は、深さ方向(図2におけるY方向)へも頻繁に変動し得る。そのため、図7に示した生体表面方向パターンP1に加えて、深さ方向を代表変位方向M7とする変位方向パターンP7を対象に相対移動量を算出してもよい。追跡した血管中心の深さ位置は、例えばMモード画像の表示制御に用いる。
具体的には、血管中心の深さ方向への動きが大きいと、Y方向の表示範囲から血管が外れてしまう場合がある。そのため、Mモード画像の生成に際し、Bモード画像の中心走査線上の輝度値(直線部)のうち、前壁部および後壁部を含む所定範囲、具体的には、前壁位置から後壁位置までの深さ範囲を含む所定範囲を選択する。そして、追跡した血管中心の深さ位置を表示範囲の中央に定め、選択した所定範囲の輝度値に基づきMモード画像を生成する。図21は、変形例2におけるMモード画像の表示例を示す図である。変形例2によれば、中心走査線上の血管の範囲を確実に表示範囲内におさめたMモード画像表示が実現できる。また、Mモード画像の上下方向において、血管中心位置が固定的に定められた画像となるため、血管の拡縮変化が視認し易くなる。
10…超音波測定装置、16…超音波プローブ、30…処理装置、310…操作入力部、320…表示部、340…通信部、400…処理部、410…超音波測定制御部、411…駆動制御部、413…送受信制御部、415…受信合成部、421…動き検出部、423…パターン分類部、425…累積部、427…相対移動量算出部、429…中心走査線更新部、430…血管径変動算出部、431…一心拍期間取得部、432…算出タイミング判定部、433…血管径算出部、435…血圧算出部、437…Mモード画像表示制御部、439…警告報知制御部、500…記憶部、510…超音波測定プログラム、520…反射波データ、521…Aモード画像データ、523…Bモード画像データ、525…Mモード画像データ、530…中心走査線データ、540…血管径変動データ、550…適否判定結果データ、560…拡張期血管径データ、570…収縮期血管径データ、580…血圧データ、2…被検体、21…血管
Claims (12)
- 生体内部の画像を処理する処理部を備えた画像処理装置であって、
前記処理部は、
所定血管を含む生体組織の断面画像を連続的に取得することと、
前記断面画像の画像変化に基づいて、前記所定血管を含む前記生体組織の動きを検出することと、
前記生体組織の動きの検出結果から前記所定血管の脈動分を除外して、前記所定血管の動きを検出することと、
を実行する画像処理装置。 - 前記処理部は、
前記所定血管の動きの検出結果に基づいて、前記所定血管の中心位置を追跡すること、
を更に実行する請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記断面画像は、前記所定血管の短軸方向断面を含む超音波画像であり、
前記処理部は、前記短軸方向断面における前記中心位置を通る直線部に係るMモード画像を表示制御すること、
を更に実行する請求項2に記載の画像処理装置。 - 前記表示制御することは、前記中心位置を前記Mモード画像中の所定位置に固定的に定めて、前記直線部のうち、前記所定血管の前壁部および後壁部を含む所定範囲を動的に選択して前記Mモード画像として表示制御することである、
請求項3に記載の画像処理装置。 - 前記処理部は、前記所定血管の血管特徴値を算出すること、
を更に実行する請求項1〜4の何れか一項に記載の画像処理装置。 - 前記処理部は、
前記中心位置の変動に基づいて、生体情報の算出の好適タイミング又は不適タイミング(以下包括して「タイミング」という。)を判定することと、
前記タイミングに基づいて、前記生体情報を算出することと、
を更に実行する請求項2〜4の何れか一項に記載の画像処理装置。 - 前記タイミングを判定することは、前記中心位置のずれ量に基づいて前記タイミングを判定することである、
請求項6に記載の画像処理装置。 - 前記処理部は、
前記所定血管の血管径を連続的に算出することと、
心拍の特徴期に応じた前記中心位置の変動および前記血管径の変動を検出して対応付けることで、前記中心位置の変動と前記血管径の変動との同期を取ることと、
を更に実行し、
前記生体情報を算出することは、前記タイミングに基づいて前記血管径を選択し、当該選択した血管径を用いて前記生体情報を算出することである、
請求項6又は7に記載の画像処理装置。 - 前記生体組織の動きを検出することは、前記断面画像から、前記生体組織に係る複数の特徴点を抽出することと、前記特徴点毎に、当該特徴点の前記断面画像間の変位方向ベクトルを算出することと、を含み、
前記所定血管の動きを検出することは、前記変位方向ベクトルを統計処理して前記所定血管の動きを検出することである、
請求項1〜8の何れか一項に記載の画像処理装置。 - 前記統計処理は、互いに逆向きの方向を同一の変位方向とする変位方向別に前記変位方向ベクトルの大きさを方向の正負符号とともに累積することを含み、
前記所定血管の動きを検出することは、前記累積した値に基づいて前記所定血管が動いた方向を検出することを含む、
請求項9に記載の画像処理装置。 - 前記統計処理は、前記所定血管の脈動の周期毎に前記変位方向ベクトルの前記累積を行うことを含む、
請求項10に記載の画像処理装置。 - 生体内部の画像を処理する画像処理方法であって、
所定血管を含む生体組織の断面画像を連続的に取得することと、
前記断面画像の画像変化に基づいて、前記所定血管を含む前記生体組織の動きを検出することと、
前記生体組織の動きの検出結果から前記所定血管の脈動分を除外して、前記所定血管の動きを検出することと、
を含む画像処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016149192A JP2018015356A (ja) | 2016-07-29 | 2016-07-29 | 画像処理装置および画像処理方法 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112862947A (zh) * | 2020-12-22 | 2021-05-28 | 深圳市德力凯医疗设备股份有限公司 | 一种基于三维超声探头的图像扫描方法及系统 |
WO2022226395A1 (en) * | 2021-04-23 | 2022-10-27 | Fujifilm Sonosite, Inc. | Displaying blood vessels in ultrasound images |
US11896425B2 (en) | 2021-04-23 | 2024-02-13 | Fujifilm Sonosite, Inc. | Guiding instrument insertion |
US11900593B2 (en) | 2021-04-23 | 2024-02-13 | Fujifilm Sonosite, Inc. | Identifying blood vessels in ultrasound images |
-
2016
- 2016-07-29 JP JP2016149192A patent/JP2018015356A/ja active Pending
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