JP2015198907A - 超音波測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】超音波測定の対象となる血管の位置を検出する新たな技術の実現。【解決手段】超音波測定によって取得したBモード画像中の3つの特徴点からなる特徴点組を、当該3つの特徴点を通る円の位置が血管壁の位置とみなせるかという基準で評価する。評価項目としては、3つの特徴点を通る円の輪郭上に位置する特徴点の数や、時間経過に伴う特徴点の位置変化、特徴点の輝度、当該円の内側の特徴点の数などがある。評価の結果、所定条件を満たした場合には、選択した3つの特徴点を通る円の位置に、血管壁の位置があると判断して血管位置を検出する。【選択図】図3

Description

本発明は、超音波を用いて血管位置を検出する超音波測定装置に関する。
超音波を用いて生体情報を測定する一例として、血管疾患の判断を含む血管機能の評価が行われている。例えば、動脈硬化の指標となる頸動脈のIMT(Intima Media Thickness:内膜中膜複合体厚)を測定することもその1つである。このような測定では、生体内組織の血管の位置や形状が測定される。
特許文献1には、頸動脈の短軸方向の断面画像であるBモード画像に基づいて、頸動脈の位置や形状を推定してモデル化する技術が開示されている。かかる技術では、心拍動による動脈の動きに着目し、モデルの評価関数を生成し、最適化を行って次フレームの頸動脈の位置や形状を推定しモデル化することを毎フレーム繰り返している。
特開2009−66268号公報
上述の特許文献1に開示されている技術では、フレーム毎に、評価関数の生成、最適化、そしてモデル化を繰り返し行っているため、測定に係る演算処理が煩雑となり、演算量が増加するという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、超音波測定の対象となる血管の位置を検出する新たな技術を提案することである。
上記課題を解決するための第1の発明は、血管に対して超音波を送受信することで、前記血管の短軸方向断面を含む超音波画像を取得する超音波測定部と、前記超音波画像から特徴点を抽出する特徴点抽出部と、前記特徴点の位置が前記血管の短軸方向断面形状に沿った配置関係となる特徴点の組み合わせを選出する組み合わせ選出部と、前記組み合わせを用いて、前記血管の位置を判定する位置判定部と、を備えた超音波測定装置である。
この第1の発明によれば、超音波画像中の特徴点の位置が血管の短軸方向断面形状に沿った配置関係となる特徴点の組み合わせを選出し、選出した組み合わせを用いて血管の位置が判定される。血管の短軸方向断面を含む超音波画像においては、血管の断面形状の輪郭に沿って特徴点が多く現れるという特性がある。これにより、超音波画像中の特徴点の位置の配置関係から血管の位置を検出する新たな技術を実現できる。
第2の発明として、第1の発明の超音波測定装置であって、前記組み合わせに係る前記配置関係に基づいて、前記血管の短軸方向断面に相当する形状の輪郭位置を推定し、当該輪郭位置と前記特徴点とに基づいて、当該輪郭位置が前記血管の血管壁の位置を示す確率を算出して、前記血管の位置を判定する、超音波測定装置を構成しても良い。
この第2の発明によれば、組み合わせに係る特徴点の位置の配置関係に基づいて血管の短軸方向断面に相当する形状の輪郭位置を推定し、この輪郭位置が血管壁の位置を示す確率を用いて、血管の位置が判定される。例えば、超音波画像においては血管壁の画像部分に多くの特徴点が現れることに着目して、血管壁の位置を検出することができる。
第3の発明として、第2の発明の超音波測定装置であって、前記輪郭位置に沿った位置となる前記特徴点の数を用いて第1の前記確率を算出する、超音波測定装置を構成しても良い。
この第3の発明によれば、推定した輪郭位置に沿った位置となる特徴点の数を用いて、当該輪郭位置が血管壁を示す第1の確率が算出される。超音波画像においては、血管壁の画像部分に多数の特徴点が現れる。推定した輪郭位置が血管壁に略一致する場合と略一致しない場合とでは、当該輪郭位置の特徴点の数が大きく異なる。このため、推定した輪郭位置の特徴点数を用いて血管位置を検出することができる。
第4の発明として、第2又は第3の発明の超音波測定装置であって、前記輪郭位置に沿った位置となる前記特徴点の位置変化を用いて第2の前記確率を算出する、超音波測定装置を構成しても良い。
この第4の発明によれば、推定した輪郭位置に沿った位置となる特徴点の位置変化を用いて、当該輪郭位置が血管壁を示す第2の確率が算出される。血管は拍動に伴って周期的に収縮及び拡張を繰り返しており、これに同期して、血管壁に位置する特徴点は周期的な位置変化をしているが、血管以外の生体組織は殆ど動かない。つまり、推定した輪郭位置が血管壁に略一致する場合と略一致しない場合とでは、組み合わせに係る特徴点の位置変化が大きく異なる。このため、特徴点の位置変化を用いて血管位置を判定することができる。
第5の発明として、第2〜第4の何れかの発明の超音波測定装置であって、前記輪郭位置に沿った位置となる前記特徴点の輝度を用いて第3の前記確率を算出する、超音波測定装置を構成しても良い。
この第5の発明によれば、推定した輪郭位置に沿った位置となる特徴点の輝度を用いて、当該輪郭位置が血管壁を示す第3の確率が算出される。超音波の反射率は血管壁で高くなるため、超音波画像においては血管壁の位置の輝度が高輝度となる。そこで、推定した輪郭位置が血管壁に略一致する場合と略一致しない場合とでは、組み合わせに係る特徴点の輝度が大きく異なる。このため、特徴点の輝度を用いて血管位置を判定することができる。
第6の発明として、第2〜第5の何れかの発明の超音波測定装置であって、前記輪郭位置の内側に位置する前記特徴点の数を用いて第4の前記確率を算出する、超音波測定装置を構成しても良い。
この第6の発明によれば、推定した輪郭位置の内側に位置する特徴点の数を用いて、当該輪郭位置が血管壁を示す第4の確率が算出される。血管の内部では超音波の反射率が極端に低くなるため、血管の内側には特徴点が殆ど現れない。このため、推定した輪郭位置の内側の特徴点の数を用いて血管位置を判定することができる。
第7の発明として、第2〜第6の発明の超音波測定装置であって、前記血管の外側に含まれ得る所定の特徴画像と、前記超音波画像の前記輪郭位置の外側画像部分とを比較して第5の前記確率を算出する、超音波測定装置を構成しても良い。
この第7の発明によれば、超音波画像中の推定した輪郭位置の外側画像部分と、血管の外側に含まれ得る所定の特徴画像とを比較して、当該輪郭位置が血管壁を示す第5の確率が算出される。
第8の発明として、第1〜第7の何れかの発明の超音波測定装置であって、前記位置判定部は、前記組み合わせを用いて、前記超音波の送受信に係る複数の走査線のうち、前記血管の中心を通る走査線を判定する、超音波測定装置を構成しても良い。
この第8の発明によれば、選出した特徴点の組み合わせを用いて、超音波の送受信に係る複数の走査線の中から血管の中心を通る走査線を判定することができる。
第9の発明として、第8の発明の超音波測定装置であって、前記組み合わせ選出部は、走査線単位で前記特徴点の組み合わせを選出する、超音波測定装置を構成しても良い。
この第9の発明によれば、血管の中心を通る走査線を判定するのに用いる特徴点の組み合わせを走査線単位で選出することができる。
第10の発明として、第9の発明の超音波測定装置であって、前記特徴点抽出部は、前壁及び外壁それぞれに係る外膜位置及び内腔内膜境界位置を特徴点として抽出し、前記位置判定部は、前記組み合わせに含まれる各特徴点の輝度を所定の評価演算で評価し、最高評価となった組み合わせに係る走査線を、前記血管の中心を通る走査線として特定する、超音波測定装置を構成しても良い。
この第10の発明によれば、血管の前壁及び後壁それぞれに係る外膜位置及び内腔内膜境界位置を組み合わせて用い、その輝度を評価して血管の中心を通る走査線を特定することができる。
第11の発明として、第1〜第10の何れかの発明の超音波測定装置であって、前記血管は動脈である、超音波測定装置を構成しても良い。
この第11の発明によれば、動脈の位置を検出することができる。
第12の発明として、第1〜第11の何れかの発明の超音波測定装置であって、前記血管位置検出装置によって検出された血管の所定の血管機能を計測する計測部、を更に備えた超音波測定装置を構成しても良い。
この第12の発明によれば、血管を自動的に発見し、当該血管を対象として血管機能測定を行う一連の処理を実現できる。
超音波測定装置のシステム構成図。 超音波画像中の特徴点の検出の説明図。 特徴点組の生成の説明図。 第1評価項目についての評価の説明図。 第2評価項目についての評価の説明図。 第3評価項目についての評価の説明図。 Aモードデータの一例。 第4評価項目についての評価の説明図。 第5評価項目についての評価の説明図。 超音波測定装置の機能構成図。 超音波測定装置の記憶部の構成図。 超音波測定処理のフローチャート。 第2実施形態における超音波測定装置の処理部の構成例を示す図。 第2実施形態における超音波測定装置の記憶部の構成例を示す図。 血管位置判定処理の流れを示すフローチャート。 前後壁検出処理の流れを示すフローチャート。 前後壁検出処理を説明する図。 外膜候補点抽出処理を説明する図。 内膜候補点抽出処理を説明する図。 中心走査線判定処理の流れを示すフローチャート。 血管位置決定処理の流れを示すフローチャートである。 外膜候補点抽出処理及び内膜候補点抽出処理の変形例を説明する図。 中心走査線判定処理の変形例を説明する図。
〔第1実施形態〕
[システム構成]
図1は、本実施形態における超音波測定装置10の構成例を示す図である。超音波測定装置10は、超音波を用いて被検者の生体情報を測定する装置である。本実施形態では、測定対象の血管を頸動脈とし、生体情報として、IMT(Intima Media Thickness:血管の内膜中膜複合体厚)といった血管機能情報を測定する。勿論、IMT以外にも、血管径や、血管径から血圧を測定するといった別の血管機能情報を測定することとしても良い。また、測定対象の血管を橈骨動脈等の他の動脈としてもよい。
超音波測定装置10は、タッチパネル12と、キーボード14と、超音波プローブ16と、本体装置20とを備える。本体装置20には、制御基板22が搭載されており、タッチパネル12やキーボード14、超音波プローブ16等の各部と信号送受信可能に接続されている。
制御基板22には、CPU(Central Processing Unit)24や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、各種集積回路の他、ICメモリーやハードディスクによる記憶媒体26と、外部装置とのデータ通信を実現する通信IC28とが搭載されている。本体装置20は、CPU24等が記憶媒体26に記憶されている制御プログラムを実行することにより、超音波測定をはじめとする本実施形態に係る各種機能を実現する。
具体的には、本体装置20は、超音波プローブ16から、被検者2の生体内組織に向けて超音波ビームを送信・照射し、反射波を受信する。そして、反射波の受信信号を増幅・信号処理することにより、被検者2の生体内構造に係る測定データを生成することができる。測定データには、いわゆるAモード、Bモード、Mモード、カラードップラーの各モードの画像がこれに含まれる。超音波を用いた測定は、所定周期で繰り返し実行される。測定単位を「フレーム」と呼ぶ。
超音波プローブ16は、複数の超音波振動子を配列して構成されている。本実施形態では、配列数を一列とするが、複数列として面状の配列構成としてもよい。そして、各超音波振動子からの超音波が被検者2の頸動脈(血管)4の短軸方向に横断する相対姿勢で超音波プローブ16を被検者2の頸部に固定し、血管機能情報の測定が行われる。
[原理]
血管機能情報の測定にあたり、先ずは血管位置の検出が行われる。具体的には、図2に示すように、Bモード画像中の特徴点(図2中の点線丸印の中心位置)を抽出する。なお、理解を容易にするために図2以降の各図面において、特徴点の数を減らして示しているが、実際には図示以上の多くの特徴点が抽出される。また、図2において、血管4の輪郭を破線で明示している。図2に示すBモード画像は血管の短軸方向の断面図であり、X軸は生体表面に沿った方向、Y軸は生体表面からの深さ方向である。図2に示すように、血管4の短軸方向の断面形状は略円形状となっている。また、Bモード画像において、特徴点は、血管壁(詳細には、中膜外膜境界や内腔内膜境界)のほか、筋や腱、脂肪などの輝度変化が生じている部分に多く現れる。超音波の反射率は媒質の変化位置で高くなり、Bモード画像において反射率が高い位置は高輝度として表される。よって、血管壁や筋、腱、脂肪等は周囲組織と媒質が異なるため、輝度変化が生じ、特徴点として抽出されるのである。本実施形態では、特徴点の位置関係を用いて血管位置を検出することを特徴の1つとする。
図3に示すように、Bモード画像中の抽出した特徴点のうちから3つの特徴点(図3中の実線白色丸印の中心位置)を選択し、これら3つの特徴点の組み合わせである特徴点組を生成する。このとき、特徴点組とする3つの特徴点は、ランダムに選択することとしても良いし、或いは、互いの距離が血管壁に沿った配置関係を逸脱しない所定距離以下となるように選択することとしても良い。
続いて、生成した特徴点組について、各特徴点を通る円を求める。すなわち、式(1)で与えられる円の一般式に3つの特徴点それぞれの位置座標p1(x1,y1),p2(x2,y2),p3(x3,y3)を代入して三元連立一次方程式を生成し、この連立方程式を解くことで、これら3つの特徴点p1,p2,p3を通る円を定義するパラメーターl,m,nを求め、当該円の輪郭位置を推定する。
つまり、特徴点組を構成する3つの特徴点の位置は、血管の短軸断面に相当する形状である円50(図3中の一点鎖線の円)の輪郭に沿った配置関係といえる。このように、特徴点組を構成する3つの特徴点p1,p2,p3で輪郭位置が定められる円50を、以下、想定円50という。
そして、特徴点組を、対応する想定円50の輪郭が血管壁の位置とみなせるかという基準で評価する。具体的には、式(2)に示すように、複数の評価項目それぞれによる評価値hiを係数aiによって重み付けをして加算することで、総合評価値Fを算出する。
各評価項目の評価値fiは、想定円50の輪郭が血管壁の位置となる確率(確度とも言える)に相当し、つまり、想定円50が血管壁とみなせる可能性が高いほど、大きな値となるように定められている。そして、総合評価値Fによって特徴点組の想定円50が血管壁とみなせるか否かを判定し、血管位置を決定する。このとき、重み係数aiによって、どの評価項目を重要視して判定するかを設定変更することができる。
本実施形態では、5つの評価項目(第1〜第5評価項目)について評価する。1つ目の評価項目(第1評価項目)は、「特徴点組による想定円50の輪郭上に位置する特徴点の数」である。図4は、第1評価項目についての評価を説明する図である。図4の上側は、Bモード画像中の想定円50や特徴点の概略配置を示し、図4の下側は、評価基準となる特徴点の数の確率密度関数h1(x1)を示している。第1評価項目では、x1は、特徴点の数jとなる。
図4に示すように、一点鎖線で示した想定円50の輪郭からの距離が所定の近距離以下に位置する特徴点を、想定円50の輪郭上の特徴点qとして選択する。ここで選択する特徴点qには、特徴点組を構成する特徴点p1,p2,p3は含まない。そして、選択した特徴点qの数jに基づき、確率密度関数h1(j)から求められる確率密度を、第1評価項目の評価値f1とする。
図4に示す確率密度関数h1(j)は、予め取得した、検出したい血管(例えば、頸動脈)を含む多数のBモード画像について、当該血管の血管壁に位置する特徴点の数を計数することで定義される。上述のように、血管壁の位置には多数の特徴点が存在し、その特徴点の数は、確率密度関数h1(j)に示すように所定数に集中する傾向がある。
2つ目の評価項目(第2評価項目)は、「特徴点組による想定円50の輪郭上に位置する特徴点の変位速度」である。変位速度とは、単位時間当たりの位置の変化のことであり、速さの大きさ(絶対値)のことである。図5は、第2評価項目についての評価を説明する図である。図5の上側は、Bモード画像中の想定円や特徴点の概略配置を示し、図5の下側は、評価基準となる特徴点の平均変位速度の確率密度関数h2(x2)を示している。第2評価項目では、x2は、平均速度vaとなる。
図5に示すように、想定円50の輪郭上の特徴点qそれぞれの変位速度を求め、これらの変位速度を平均した平均速度vaを求める。各特徴点qの変位速度は、例えば、空間的輝度勾配を利用した勾配法や、当該特徴点を含む所定サイズの画像ブロックをテンプレートとしたブロックマッチング法などによって、当該特徴点qの速度ベクトルvを求め、この速度ベクトルvの大きさを所定期間(心拍周期の一拍期間以上。数秒程度)にわたって平均することで求める。そして、求めた平均速度vaに基づき、図5の確率密度関数h2(va)から求められる確率密度を、第2評価項目の評価値f2とする。
図5に示す確率密度関数h2(va)は、予め取得された、検出したい血管(例えば、頸動脈)を含む多数のBモード画像について、当該血管の血管壁に位置する各特徴点の平均速度を求めることで定義される。血管は、心臓の拍動にあわせて概ね等方的に収縮及び拡張を繰り返す。つまり、血管壁に位置する特徴点の変位速度の大きさは、心拍期間を単位として周期的に変化するが、一心拍期間の平均をとると、どの心拍期間であってもほぼ一定となる。このため、一心拍期間の変位速度の大きさの平均値は、確率密度関数h2(va)に示すように、所定の値に集中する傾向がある。
なお、各特徴点の変位速度として、深さ方向の速度成分(すなわち、速度ベクトルvの深さ方向の成分)を用いても良い。また、変位速度ではなく加速度としても良い。
3つ目の評価項目(第3評価項目)は、「特徴点組による想定円50の輪郭上に位置する特徴点の輝度」である。図6は、第3評価項目についての評価を説明する図である。図6の上側は、Bモード画像中の想定円50や特徴点の概略配置を示し、図6の下側は、評価基準となる輝度の確率密度関数h3(x3)を示す図である。第3評価項目では、x3は、平均輝度Laとなる。
図6に示すように、特徴点qそれぞれの輝度Lを平均した平均輝度Laを求める。そして、求めた平均輝度Laに基づき、確率密度関数h3(La)から求められる確率密度を、第3評価項目の評価値f3とする。
図6に示す確率密度関数h3(La)は、予め取得した、検出したい血管(例えば、頸動脈)を含む多数のBモード画像について、当該血管の血管壁に位置する特徴点の輝度の平均値を求めることで定義される。上述のように、血管壁には多数の特徴点が存在し、その特徴点の平均輝度は、確率密度関数h3(La)に示すように、比較的高輝度の所定輝度に集中する傾向がある。
なお、特徴点の輝度そのものではなく、「輝度の傾き」としても良い。すなわち、図7に示すように、Aモードデータ(深さ信号強度グラフ)においては、血管壁の深さ位置において信号強度(すなわち輝度)が大きく変化する。これにより、想定円50の輪郭上に位置する特徴点qの輝度の傾きとして、Aモードデータにおける当該特徴点qの深さ位置での傾き(深さ方向に見た場合の信号強度の変化)を求め、これらの輝度の傾きの平均値に基づき、確率密度を求め、第3評価項目の評価値とすることができる。また、特徴点qの輝度の傾きとして、Bモード画像中の当該特徴点qの輝度と、当該特徴点qと深さ方向に隣接するピクセルの輝度との差としても良い。
4つ目の評価項目(第4評価項目)は、「特徴点組の想定円50の内側の特徴点の数」である。図8は、第4評価項目についての評価を説明する図である。図8の上側は、Bモード画像を示し、図8の下側は、評価基準となる特徴点数の確率密度関数h4(x4)を示す図である。第4評価項目では、x4は、特徴点の数kとなる。
図8に示すように、想定円50の内側に位置する特徴点rを選択する。ここで選択する特徴点rには、特徴点組を構成する特徴点p1,p2,p3と、第1評価項目において評価対象とした想定円の輪郭上の特徴点qとは含まない。そして、選択した特徴点rの数kに基づき、確率密度関数h4(k)から求められる確率密度を、第4評価項目の評価値f4とする。
図8に示す確率密度関数h4(k)は、予め取得した、検出したい血管(例えば、頸動脈)を含む多数のBモード画像について、当該血管内部(血管壁の内側)の特徴点の数を計数することで定義される。血管壁での超音波の反射率は高いが、血管内部の血液での反射率は極めて低く、殆ど反射せずに透過する。つまり、血管内部の特徴点の数は、所定数(ゼロに近い値)に集中する傾向がある。
5つ目の評価項目(第5評価項目)は、「想定円の外部画像の特徴量」である。図9は、第5評価項目についての評価を説明する図である。第5評価項目の評価では、図9の上側に示すように、Bモード画像から想定円50を中心とする所定範囲の部分画像52を評価対象画像として抽出し、この評価対象画像と、予め用意された特徴画像54との特徴量比較処理を行って、両者の画像の近似度を算出する。この近似度を、第5評価項目の評価値f5とする。
より具体的には、部分画像52は、想定円50を所定位置(例えば中心)とし、想定円50のサイズに基づく所定範囲(例えば想定円50の直径を縦方向に1.5倍、横方向に2倍した矩形範囲)をBモード画像から抽出した画像である。特徴画像54は中心に白色の円を有し、特徴画像54全体に対するその円の相対位置および相対サイズは、部分画像52と想定円50との関係と同じである。
特徴画像54は、検出したい血管(例えば、頸動脈)の周囲のBモード画像である。血管の周囲には、周辺組織として筋繊維やリンパ節群が存在し得るため、特徴画像54には、これら周辺組織の模様成分が含まれる。特徴量比較処理では、部分画像52から想定円50の外部をトリミングして(想定円50の内部を除去して)特徴画像54と比較演算して近似度を算出する。近似度の算出は、例えば、画像中の特徴点の配置関係や、輝度の分布、画像のテクスチャ情報等を比較し、いわゆるパターンマッチング法等によって近似度を求めることができる。
[機能構成]
図10は、超音波測定装置10の機能構成図である。図1,10に示すように、超音波測定装置10は、本体装置20と、超音波プローブ16とを備える。本体装置20は、操作入力部110と、表示部120と、音出力部130と、通信部140と、処理部200と、記憶部300とを備えて構成される。
操作入力部110は、ボタンスイッチやタッチパネル、各種センサー等の入力装置によって実現され、なされた操作に応じた操作信号を処理部200に出力する。図1では、タッチパネル12やキーボード14がこれに該当する。
表示部120は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置によって実現され、処理部200からの表示信号に基づく各種表示を行う。図1では、タッチパネル12がこれに該当する。
音出力部130は、スピーカー等の音出力装置によって実現され、処理部200からの音信号に基づく各種音出力を行う。
通信部140は、無線LAN(Local Area Network)やBluetooth(登録商標)等の無線通信装置、モデム、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等の通信装置によって実現され、所与の通信回線と接続して外部装置との通信を行う。図1では、制御基板22に搭載された通信IC28がこれに該当する。
処理部200は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing
Unit)等のマイクロプロセッサー、ASIC(特定用途向け集積回路:Application Specific Integrated Circuit)、IC(Integrated Circuit)メモリー等の電子部品によって実現され、記憶部300に記憶されたプログラムやデータ、操作入力部110からの操作信号等に基づいて各種演算処理を実行して、超音波測定装置10の動作を制御する。また、処理部200は、超音波測定制御部210と、測定データ生成部220と、血管位置検出部230と、血管機能測定部250とを有する。
超音波測定制御部210は、超音波プローブ16における超音波の送受信を制御する。具体的には、所定周期の送信タイミングで超音波プローブ16から超音波を送信させる。また、超音波プローブ16において受信された超音波の反射波の信号の増幅等を行う。
測定データ生成部220は、超音波プローブ16による反射波の受信信号をもとに、AモードやBモード、Mモードといった各モードの画像データを含む測定データを生成する。
血管位置検出部230は、特徴点検出部231と、特徴点組生成部232と、速度ベクトル算出部233と、輪郭位置算出部234と、評価部235と、血管位置判定部241とを有し、測定データ生成部220によって生成された測定データに基づく血管位置の検出を行う。
特徴点検出部231は、Bモード画像中の特徴点を検出する。特徴点の検出は、当該ピクセルの輝度や、当該ピクセルと当該ピクセルの周辺ピクセルとの輝度差等に基づいて、所定条件を満たすピクセルを特徴点として検出する。
特徴点組生成部232は、検出された特徴点のうちから選択した3つの特徴点からなる特徴点組を生成する。
速度ベクトル算出部233は、時間的に隣接するBモード画像を比較し、特徴点の移動量とフレームレートとに基づいて、特徴点それぞれの速度ベクトル(速度の大きさと方向)を算出する。
輪郭位置算出部234は、特徴点組を構成する3つの特徴点を通る円(想定円)の定義式(1)を算出する。具体的には、定義式(1)におけるパラメーターl,m,nを求めることで、当該円の輪郭位置を算出する。
評価部235は、輪郭上特徴点数評価部236と、位置変化評価部237と、輝度評価部238と、輪郭内特徴点数評価部239と、特徴量評価部240とを有し、特徴点組に対応する想定円の位置が血管壁の位置とみなせるかという基準で評価する。具体的には、上式(2)に示したように、複数の評価項目それぞれについて求められた項目評価値fiに所定の重み係数aiを乗じて加算することで、総合評価値Fを算出する。
輪郭上特徴点数評価部236は、第1の評価項目である「想定円の輪郭上に位置する特徴点の数」に基づく評価を行う。すなわち、Bモード画像中の想定円50の輪郭上に位置する特徴点qの数jを求め、求めた特徴点数jに基づき確率密度関数h1(j)から求められる確率密度を、第1の評価項目の評価値fiとする(図4参照)。
位置変化評価部237は、第2の評価項目である「想定円の輪郭上の特徴点の位置変化」に基づく評価を行う。すなわち、Bモード画像中の想定円50の輪郭上に位置する特徴点qそれぞれについて、所定期間(心拍周期の一拍期間以上。数秒程度)にわたる変位速度(単位時間当たりの位置変化)の平均を当該特徴点の変位速度viとし、特徴点qそれぞれの変位速度viを平均した平均速度vaを求める。そして、求めた平均速度vaに基づき、確率密度関数h2(va)から求められる確率密度を、第2評価項目の評価値f2とする(図5参照)。
輝度評価部238は、第3の評価項目である「輪郭上の特徴点の輝度」に基づく評価を行う。すなわち、Bモード画像中の想定円50の輪郭上に位置する特徴点qそれぞれの輝度Lの平均値を求め、求めた平均輝度Laに基づき、確率密度関数h3(La)から求められる確率密度を、第3評価項目の評価値f3とする(図6参照)。
輪郭内特徴点数評価部239は、第4の評価項目である「輪郭内の特徴点の数」に基づく評価を行う。すなわち、Bモード画像中の想定円50の内側に位置する特徴点rの数kを求め、求めた特徴点数kに基づき確率密度関数h4(k)から求められる確率密度を、第4評価項目の評価値f4とする(図8参照)。
特徴量評価部240は、第5の評価項目である「想定円の外部画像の特徴量」に基づく評価を行う。すなわち、Bモード画像中の想定円50の周囲の部分画像52を、予め用意された特徴画像54と比較することで両者の画像の近似度を算出し、算出した近似度を、第5評価項目の評価値f5とする(図9参照)。
血管位置判定部241は、評価部235による特徴点組に対する評価結果を用いて血管位置を判定する。具体的には、総合評価値Fが最大の特徴点組による想定円の輪郭位置に血管壁が存在すると判定し、この想定円の中心C及び半径Rを求め、血管位置として決定する。なおこのとき、より精度良く血管位置を判定するために、Bモード画像中の想定円の輪郭上の特徴点を再選択し、再選択した特徴点に基づき、例えば最小二乗法によって輪郭位置を再算出し、再算出した輪郭位置に基づいて中心C及び半径Rを決定することとしても良い。
血管機能測定部250は、所与の血管機能情報の測定を行う。具体的には、検出された血管位置によって特定された血管の血管径やIMT等を測定したり、血管前壁及び血管後壁をトラッキングすることで血管径変動から血圧を推定演算したり、脈拍数を算出するといった血管機能情報の測定を行う。
記憶部300は、ROMやRAM、ハードディスク等の記憶装置によって実現され、処理部200が超音波測定装置10を統合的に制御するためのプログラムやデータ等を記憶しているとともに、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が実行した演算結果や、操作入力部110からの操作データ等が一時的に格納される。図1では、制御基板22に搭載される記憶媒体26がこれに該当する。本実施形態では、図11に示すように、記憶部300には、超音波測定プログラム310と、Bモード画像データ320と、特徴点データ330と、特徴点組データ340と、評価基準データ350と、血管位置データ360とが記憶される。
Bモード画像データ320は、測定フレーム毎に生成されたBモード画像を、フレームIDと対応付けて格納している。
特徴点データ330は、検出された特徴点毎に生成され、各フレームでのBモード画像中の位置座標と、速度ベクトルとを格納している。
特徴点組データ340は、特徴点組毎に生成され、当該特徴点組を構成する3つの特徴点それぞれの位置座標のリスト341と、これら3つの特徴点を通る想定円の輪郭位置342と、当該特徴点の評価に用いられる評価用データ343を格納している。輪郭位置342は、想定円を定義する式(1)におけるパラメーターl,m,nを格納している。評価用データ343は、複数の評価項目それぞれについての評価対象データ及び評価値と、総合評価値とを格納している。
評価基準データ350は、複数の評価項目それぞれの評価基準(確率密度関数h1〜h5や特徴画像54など)と、重み係数a1〜a5とを格納している。
血管位置データ360は、検出された血管位置のデータであり、例えば、血管の短軸断面の中心Cの位置座標や半径Rなどを格納している。
[処理の流れ]
図12は、超音波測定処理の流れを説明するフローチャートである。この処理は、処理部200が超音波測定プログラム310を実行することで実現される。
処理部200は先ず、超音波プローブ16による超音波測定を開始させる(ステップS1)。次いで、測定データ生成部220が、超音波プローブ16による超音波反射波の受信信号をもとに、Bモード画像を生成する(ステップS3)。続いて、特徴点検出部231が、Bモード画像から特徴点を検出する(ステップS5)。そして、速度ベクトル算出部233が、検出された特徴点それぞれの速度ベクトルを算出する(ステップS7)。
その後、ループAの処理を所定回数だけ繰り返す。ループAでは、特徴点組生成部232が、Bモード画像から検出された特徴点のうちから3つの特徴点を選択し、選択した3つの特徴点からなる特徴点組を生成する(ステップS9)。次いで、輪郭位置算出部234が、生成された特徴点組を構成する3つの特徴点を通る円(想定円)のパラメーターを算出して、当該円の輪郭位置を算出する(ステップS11)。
続いて、評価部235が、当該特徴点組の総合評価値Fを算出する(ステップS13)。総合評価値Fの算出に当たっては、輪郭上特徴点数評価部236が、Bモード画像中の想定円の輪郭上に位置する特徴点の数jを求め、求めた特徴点数jに基づき、確率密度関数h1(j)から求められる確率密度を、第1の評価項目の評価値fiとする。また、位置変化評価部237が、Bモード画像中の想定円の輪郭上に位置する特徴点qそれぞれの変位速度viを平均した平均速度vaを求め、求めた平均速度vaに基づき、確率密度関数h2(va)から求められる確率密度を、第2評価項目の評価値f2とする。また、輝度評価部238が、Bモード画像中の想定円50の輪郭上に位置する特徴点qそれぞれの輝度Lの平均値を求め、求めた平均輝度Laに基づき、確率密度関数h3(La)から求められる確率密度を、第3評価項目の評価値f3とする。また、輪郭内特徴点数評価部239が、Bモード画像中の想定円50の内側に位置する特徴点rの数kを求め、求めた特徴点数kに基づき確率密度関数h4(k)から求められる確率密度を、第4評価項目の評価値f4とする。また、特徴量評価部240が、Bモード画像中の想定円50の周囲の部分画像52を特徴画像54と比較することで両者の画像の近似度を算出し、算出した近似度を、第5評価項目の評価値f5とする。そして、評価部235は、算出された評価項目それぞれの評価値f1〜f5に所定の重み係数a1〜a5を乗じて加算することで、総合評価値Fを算出する。ループAはこのように行われる。
所定回数のループAの処理が終了すると、血管位置判定部241が、全ての特徴点組のうちから、総合評価値Fが最大の特徴点組を判定する(ステップS15)。次いで、判定した特徴点組による想定円の輪郭上に位置する特徴点を再選択し(ステップS17)、再選択した特徴点の位置を用いた最小二乗法によって円のパラメーターを再算出して、当該円の輪郭位置を再算出する(ステップS19)。そして、再算出した輪郭位置から円の中心C及び半径Rを決定し、血管位置とする(ステップS21)。
その後、血管機能測定部250が、超音波プローブ16による超音波の送受信結果を用いた所与の血管機能情報の測定を行い、測定血管の記憶・表示を行う(ステップS23)。以上の処理を行うと、超音波測定処理は終了となる。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態について説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略又は簡略する。
[機能構成]
図13は、第2実施形態における超音波測定装置の処理部200aの構成例を示す図であり、図14は、記憶部300aの構成例を示す図である。第2実施形態の超音波測定装置は、図10に示した第1実施形態の超音波測定装置10において、処理部200を図13の処理部200aに置き換え、記憶部300を図14の記憶部300aに置き換えた構成で実現できる。
図13に示すように、処理部200aは、超音波測定制御部210と、測定データ生成部220と、血管位置検出部230aと、血管機能測定部250とを有する。そして、血管位置検出部230aにおいて、血管位置判定部400は、判定領域設定部410と、前後壁検出部420と、膜候補点抽出部430と、中心走査線判定部440と、血管位置決定部450とを有する。
判定領域設定部410は、評価部235による評価結果を用いてBモード画像中の血管の輪郭位置を求め、求めた輪郭位置に基づいて血管位置の判定領域を設定する。
前後壁検出部420は、判定領域中で血管の前壁及び後壁のY方向(生体表面からの深さ方向)の位置を検出する。
膜候補点抽出部430は、前壁及び後壁のY位置に基づいて外膜の膜候補点(前壁外膜候補点及び後壁外膜候補点)と内腔内膜境界の膜候補点(前壁内膜候補点及び後壁内膜候補点)とをそれぞれ特徴点として抽出する。
中心走査線判定部440は、膜候補点を組み合わせて用い、超音波プローブ16の送受信に係る複数の走査線のうち、血管の中心を通る走査線(以下、「中心走査線」という)を判定する。この中心走査線判定部440は、膜候補点を組み合わせた膜候補点組毎に、当該膜候補点組に含まれる膜候補点の輝度を所定の評価演算で評価する。そして、最高評価となった膜候補点組(以下、「最高評価膜評価点組」という)に係る走査線を中心走査線として特定する。
ここで、走査線は、Bモード画像(本実施形態ではBモード画像中で設定された判定領域)のピクセルのY方向の各列と対応しており、判定領域のX方向の各位置に割り振られた走査線番号によって識別される。
血管位置決定部450は、中心走査線に従い、最高評価膜候補点組を用いて血管の中心及び半径(或いは直径)を血管位置として決定する。
また、記憶部300aには、超音波測定プログラム510と、Bモード画像データ320と、特徴点データ330と、特徴点組データ340と、評価基準データ350と、判定領域データ610と、前後壁Y位置620と、膜候補点リスト630と、膜候補点組データ640と、血管位置データ650とが記憶される。
超音波測定プログラム510は、血管位置判定処理(図15を参照)を実行するための血管位置判定プログラム511を含む。
判定領域データ610は、Bモード画像中で設定された判定領域の設定範囲を格納している。前後壁Y位置620は、判定領域中で検出された前壁及び後壁のY位置を格納している。膜候補点リスト630は、判定領域中で抽出された各膜候補点の位置座標(X,Y)を格納している。膜候補点組データ640は、膜候補点組毎に生成され、当該膜候補点組に含まれる膜候補点に割り振られた膜候補点番号のリスト641と、当該膜候補点組についての走査線毎の評価値642とを格納している。
[処理の流れ]
図15は、血管位置判定処理の流れを示すフローチャートである。第2実施形態では、図12に示した第1実施形態の超音波測定処理において、血管位置判定部400が、ステップS21の処理にかえて図15に示す血管位置判定処理を行う。この処理は、血管位置判定部400が血管位置判定プログラム511を実行することで実現される。
先ず、判定領域設定部410が、前段の図12のステップS19で得られた輪郭位置の中心を含むように、Bモード画像中にY方向に沿う短冊状の判定領域を設定する(ステップS101)。
続いて、前後壁検出部420が、ステップS101で設定した判定領域の例えばBモード画像データを用い、判定領域中の血管の前壁及び後壁のY位置を検出する(ステップS103:前後壁検出処理)。図16は、前後壁検出処理の流れを示すフローチャートである。また、図17は、前後壁検出処理を説明する図である。
前後壁検出部420は先ず、判定領域の輝度をY方向の各位置でX方向(生体表面に沿った方向)に積算してヒストグラムを生成する(ステップS201)。図17(a)の右図は、ヒストグラムG1の一例を示す図であり、判定領域A1のBモード画像を左図として並べて示している。図17(a)の上側が表層側(超音波プローブ16を接触させた生体表面側)であり、判定領域A1中の血管の前壁部分A11及び後壁部分A13をそれぞれ破線で囲って示している。ここで、前段の処理(図15のステップS101)で設定する判定領域A1のX方向の幅は適宜設定してよいが、図17(a)では、X方向のピクセル数(走査線数)を「15」として示しており、図17(a)の判定領域A1は、「1」〜「15」の走査線番号が割り振られた15本の走査線で構成される。この判定領域A1のヒストグラムG1が示すように、輝度をX方向に積算することで、その積算値は、超音波の反射率が高く高輝度となる前壁A1及び後壁A13のY位置で大きな値となる。
次に、前後壁検出部420は、ステップS201で生成したヒストグラムから積算値のピーク値を探索し、そのY位置をピーク位置として抽出する(ステップS203)。図17(b)は、同図(a)のヒストグラムから抽出された複数のピーク位置P11〜P17を示す図である。ここでの処理には、例えば、前後のY位置における積算値との大小関係から積算値の変化が凸形状となっているY位置を抽出する方法を用いることができる。具体的には、その積算値が直前のY位置での積算値と比べて大きく、かつ直後のY位置での積算値と比べても大きいY位置をピーク位置として抽出する。あるいは、一次微分を行って符号の正負が変化するY位置をピーク位置として抽出する方法を用いてもよい。
次に、前後壁検出部420は、ステップS203で抽出したピーク位置を2つずつ組み合わせ、組み合わせた2つのピーク位置が血管の前壁及び後壁である妥当性を評価していく(ステップS205)。組み合わせは、最深部のピーク位置から順に(図17(b)の例ではピーク位置P11から順に)他のピーク位置をそれぞれペアとしていくことで作成する。最深部から評価していくのは、表層側には筋繊維や周辺組織等が存在し、それらが存在すると輝度が大きくなるため、そのピーク位置を前後壁と誤検出しないようにするためである。これによれば、血管の前後壁の誤検出を防ぐことができる。
そして、前後壁検出部420は、組み合わせた2つのピーク位置間の距離を測定対象血管の平均的な径(本実施形態では頚動脈の平均直径値)と照らし合わせ、その組み合わせの各ピーク位置が血管の前壁及び後壁として妥当か否かを評価する。ピーク位置間の間隔が照らし合わせた平均直径値と大きく異なる場合、それらが前壁及び後壁に該当する組み合わせではないと評価できる。加えて、前後壁検出部420は、組み合わせた2つのピーク位置間に別のピーク位置が存在するか否かによる評価を行う。前壁と後壁との間には血液が流れており、輝度の大きな振幅は発生し難い。したがって、間に別のピーク位置が存在する組み合わせは、前壁及び後壁に該当しないと評価できる。組み合わせた2つのピーク位置が前壁及び後壁に該当しないと評価したならば、次の組み合わせの評価に移る。
そして、前後壁検出部420は、前述のようにして最深部から順に2つのピーク位置の組み合わせを評価していくことで、前壁及び後壁に該当するピーク位置を決定する(ステップS207)。例えば、図17(c)の例のように、(b)に示したピーク位置P11〜P17の中から組み合わせた2つのピーク位置P13,P14が前壁及び後壁に該当すると評価した場合、ピーク位置P14が前壁のY位置、ピーク位置P13が後壁のY位置としてそれぞれ決定・検出される。
なお、ステップS205での評価に先立ちステップS203で抽出した各ピーク位置を積算値の降順に並び替える処理を行い、積算値の大きいピーク位置から順番に2つのピーク位置を組み合わせて前後壁の妥当性評価を行うようにしてもよい。ピーク位置の中でも積算値の大きいものがより血管の前壁及び後壁に該当する可能性が高いためである。
図15に戻る。続いて、膜候補点抽出部430が外膜候補点抽出処理を行い、前壁外膜候補点及び後壁外膜候補点を抽出する(ステップS105)。また、膜候補点抽出部430は、内膜候補点抽出処理を行い、前壁内膜候補点及び後壁内膜候補点を抽出する(ステップS107)。
図18は、外膜候補点抽出処理を説明する図である。外膜候補点抽出処理では、膜候補点抽出部430は先ず、図16の前後壁検出処理で検出した前壁及び後壁のY位置に基づいて、判定領域中に外膜探索領域を設定する。例えば、図18(a)中に一点鎖線で囲って示すように、前壁のY位置V21及び後壁のY位置V23をそれぞれ中心とした所定の深さ範囲の領域を外膜探索領域A21,A23として設定する。外膜探索領域A21,A23のY方向の幅をどの程度とするのかは、血管の拡張量及び収縮量と、拍動による血管位置の相対的移動量とを加味して定めておく。次いで、膜候補点抽出部430は、外膜探索領域A21,A23のBモード画像データを用い、外膜探索領域A21,A23のそれぞれから輝度のピーク位置を抽出する。ここでの処理には、例えば、図16のステップS203で説明したY方向の探索を二次元に拡張した方法を用いることができ、各外膜探索領域A21,A23中をY方向に輝度を探索するとともにX方向にも探索し、外膜探索領域A21,A23の全域から輝度が極大となるピーク位置を複数抽出する。そして、膜候補点抽出部430は、図18(b)の例では「〇」印で示すように、前壁の外膜探索領域A21から抽出したピーク位置P211,P212を前壁外膜候補点とし、後壁の外膜探索領域A23から抽出したピーク位置P23を後壁外膜候補点とする。
また、図19は、内膜候補点抽出処理を説明する図である。この内膜候補点抽出処理は、外膜候補点抽出処理と同様の手順で行うことができるが、内膜探索領域の設定に際し、内腔内膜境界が外膜よりも血管の内腔側に存在する条件を加味する。具体的には、図19(a)中に二点鎖線で囲って示すように、前壁のY位置V21から所定距離だけ深部側に離れたY位置を中心とした所定の深さ範囲の領域を内膜探索領域A31とし、後壁のY位置V23から所定距離だけ表層側に離れたY位置を中心とした所定の深さ範囲の領域を内膜探索領域A33とする。所定距離は、標準IMT(壁厚)長を加味して定めておく。内膜探索領域A31,A33のY方向の幅については、外膜探索領域A31,A33と同様に定めておく。その後は、外膜候補点抽出処理と同様の要領で、内膜探索領域A31,A33の全域から輝度が極大となるピーク位置を複数抽出する。そして、膜候補点抽出部430は、図19(b)の例では「●」印で示すように、前壁の内膜探索領域A31から抽出したピーク位置P31を前壁内膜候補点とし、後壁の内膜探索領域A33から抽出したピーク位置P331〜P333を後壁内膜候補点とする。
図15に戻る。続いて、中心走査線判定部440が中心走査線判定処理を行い、中心走査線を判定する(ステップS109)。図20は、中心走査線判定処理の流れを示すフローチャートである。
中心走査線判定処理では、中心走査線判定部440は先ず、図15のステップS105,S107で抽出した膜候補点を複数組み合わせた膜候補点組を作成する(ステップS301)。例えば、前壁外膜候補点、後壁外膜候補点、前壁内膜候補点、及び後壁内膜候補点を1つずつ組み合わせた4つの膜候補点の組み合わせを全通り作成し、それぞれを膜候補点組とする。なお、この膜候補点組は、膜候補点を2つ以上組み合わせたものであればよく、例えば、2つ以上の膜候補点の組み合わせを全通り作成し、それぞれを膜候補点組としてもよい。また、作成した候補点組から所定数の候補点組を選出するようにしてもよい。
次に、中心走査線判定部440は、ステップS301で作成した各候補点組について、当該膜候補点組に含まれる各膜候補点が前壁外膜、後壁外膜、前壁内腔内膜境界、又は後壁内腔内膜境界の各位置である妥当性を評価し、後段のループBで処理対象とする膜候補点組を絞り込む(ステップS303)。例えば、中心走査線判定部440は、前壁外膜候補点と後壁外膜候補点との間の距離を測定対象血管の平均直径値と照らし合わせ、平均直径値と大きく異なる膜候補点組を処理対象から除外する。前壁内膜候補点と後壁内膜候補点との間の距離を平均直径値と照らし合わせて絞り込む構成でもよい。また、前壁外膜候補点と前壁内膜候補点との間の距離と、後壁外膜候補点と後壁内膜候補点との間の距離とをそれぞれIMT長と照らし合わせ、その一方又は両方がIMT長と同程度ではない膜候補点組を処理対象から除外する。また、その膜候補点組に含まれる膜候補点のうち、X方向に最も離れた2つの膜候補点間のX方向の距離が所定距離以上である膜候補点組を処理対象から除外する。
その後、中心走査線判定部440は、ステップS303で除外されずに残った膜候補点組を順次処理対象とし、ループBの処理を行う(ステップS305〜ステップS309)。
すなわち、ループBでは、中心走査線判定部440は、処理対象の膜候補点組を用い、判定領域のBモード画像データに基づいて走査線毎に所定の評価演算を行う(ステップS307)。評価演算は、次式(3)に「1」〜「15」の走査線番号を順番に与え、走査線番号毎に評価値Evalを算出することで行う。次式(3)において、nは膜候補点組の総数を表し、LineNumは走査線番号を表し、(Xanterior,Yanterior)は前壁外膜候補点の位置座標、(Xposterior,Yposterior)は後壁外膜候補点の位置座標、(xanterior,yanterior)は前壁内膜候補点の位置座標、(xposterior,yposterior)は後壁内膜候補点の位置座標をそれぞれ表す。AMPは、その位置座標における輝度を意味している。
そして、全ての膜候補点組を処理対象としてステップS307の評価演算を行ったならば、中心走査線判定部440は、評価値が最も大きい最高評価の走査線を中心走査線として特定し、その評価に用いた膜候補点組を最高評価膜候補点組とする(ステップS311)。
図15に戻る。続いて、血管位置決定部450が血管位置決定処理を行い、血管の位置を決定する(ステップS111)。図21は、血管位置決定処理の流れを示すフローチャートである。
血管位置決定部450は先ず、Bモード画像データ320を参照し、中心走査線上の1列分の輝度を読み出す(ステップS401)。次に、血管位置決定部450は、前壁外膜、後壁外膜、前壁内腔内膜境界、及び後壁内腔内膜境界の各位置を検出する(ステップS403)。具体的には先ず、血管位置決定部450は、ステップS401で読み出した中心走査線上の輝度からそのピーク値を探索し、ピーク位置を抽出する。ここでの処理は、図16のステップS203と同様の方法で行うことができる。そして、血管位置決定部450は、最高評価膜候補点組に含まれる各膜候補点のY位置に基づいて、各Y位置付近のピーク位置をそれぞれ1つずつ選出する。前壁外膜候補点とY位置が最も近いピーク位置を前壁外膜位置とするといった具合である。
なお、ステップS401において、中心走査線と併せてその両隣の各走査線の3列分の輝度を読み出し、Y方向の各位置で3列分の輝度をX方向に積算した積算値を算出するようにしてもよい。そして、積算値を用いてステップS403の処理を行い、積算値のピーク位置から前壁外膜位置、後壁外膜位置、前壁内腔内膜境界位置、及び後壁内腔内膜境界位置を検出してもよい。これによれば、ノイズの影響の低減が図れる。
そして、血管位置決定部450は、ステップS403で検出した前壁外膜位置と後壁外膜位置との中間位置を血管の中心として求め、前壁内腔内膜境界位置と後壁内腔内膜境界位置との間の距離を血管径として血管の半径を求める(ステップS405)。なお、前壁外膜位置と後壁外膜位置との間の距離を血管径として、血管の半径を求めてもよい。また、半径ではなく直径を求めてもよい。
その後は、図12のステップS23に移行し、血管機能測定部250が血管機能情報の測定を行う。
Bモード画像中には必ずしも血管壁の全域が鮮明に現れるとは限らず、同じ走査線上で前壁及び後壁それぞれに係る外膜位置及び内腔内膜境界位置が適正に検出できない場合もあり得る。一方で、Bモード画像中で輝度のピーク位置を抽出する場合、外膜位置や内腔内膜境界位置の他にも、周辺組織の存在やノイズの影響等により高輝度となっている箇所が抽出される場合もある。これに対し、第2実施形態によれば、Bモード画像中で輝度のピーク位置を抽出することで検出した膜候補点を組み合わせて用い、膜候補点組に含まれる膜候補点の相対的な位置関係や、各膜候補点における輝度の大小関係を考慮して膜候補点組毎に各走査線を評価することができる。そして、最高評価となった膜候補点組(最高評価膜候補点組)に係る走査線を中心走査線として特定することができるので、最高評価膜候補点組を用い、中心走査線上で血管の位置を高精度に判定できる。
なお、外膜候補点抽出処理及び内膜候補点抽出処理の手順は、図18及び図19を参照して説明した方法に限定されるものではない。図22は、外膜候補点抽出処理及び内膜候補点抽出処理の変形例を説明する図である。本変形例では、外膜候補点と内膜候補点とを同時に検出する。先ず、図22(a)に示すように、図16の前後壁検出処理で検出した前壁のY位置V21及び後壁のY位置V23に基づいて、判定領域中の血管の領域の全域が含まれるように1つの探索領域A4を設定する。この探索領域A4の設定は、上記した血管の拡張量及び収縮量、拍動による血管位置の相対的移動量等を加味して行う。
次いで、探索領域A4のBモード画像データを用い、図22(b)に示すように、探索領域A4中の複数の特徴点P41を抽出する。特徴点の抽出方法としては、例えば、コーナー検出法(Harris and Stephens)を用いることができる。あるいは、最小固有値法(Shi and Tomasi)やFAST特徴検出等のその他のコーナー検出法を用いてもよいし、SIFT(Scale invariant feature transform)に代表される局所特徴量やSURF(Speeded Up Robust Features)特徴量を用いて特徴点を抽出してもよい。また、図16のステップS203で説明した深さ方向の探索を全ての走査線(X位置)について行い、輝度のピーク位置を特徴点として抽出する方法を用いてもよい。
次いで、抽出した特徴点P41をその輝度を用いて2つのグループに分類し、図22(c)中に「〇」印で示す外膜候補点P431のグループと、「●」印で示す内膜候補点P433のグループとにグループ分けする。分類には、k-means法等のクラスタリングの手法を用いることができる。外膜部分の輝度は、内腔内膜境界部分の輝度と比較して高輝度であることからグループ分けが可能である。なお、各特徴点における輝度の傾きを用いてグループ分けを行ってもよい。
また、本変形例の方法で膜候補点を抽出する場合は、図20のステップS307の処理に変えて以下の処理を行い、中心走査線を判定するようにしてもよい。すなわち先ず、処理対象の膜候補点組に含まれる各膜候補点を、当該膜候補点の周辺領域の輝度を用いて二次元の正規分布でモデリングする。図23(a)は、前壁部分の輝度の分布の一例を示す図であり、(b)は、ある膜候補点の周辺領域の輝度分布をモデル化した二次元正規分布モデルを示す図である。例えば、各膜候補点を、当該膜候補点の位置座標(X,Y)、当該膜候補点を頂点とする輝度分布の広がり(σ,σ)、頂点の高さを表すアンプ振幅値(amp)等によって表現した二次元正規分布モデルを作成する。
次いで、各膜候補点の二次元正規分布モデル(X,Y,σ,σ,amp)を入力とし、事前学習したニューラルネットワークやサポートベクターマシン(Support Vector Machine:SVM)、等機械学習モデル等の統計モデルを用いて中心走査線を判定する。各膜候補点組について判定を行った結果、中心走査線と判定された回数が最も多い走査線を中心走査線とし、その判定に用いた膜候補点組を最高評価膜候補点組とする。なお、本変形例での手法は、上記した第2実施形態での手法に比べて計算量が多いため、本体装置20の処理能力が高い場合に適用するとよい。
本変形例によれば、膜候補点組に含まれる膜候補点の相対的な位置関係や、各膜候補点における輝度の大小関係に加え、各膜候補点を頂点とする周辺領域の輝度分布を考慮して膜候補点組毎に各走査線を評価することができる。したがって、血管の位置をより高精度に判定できる。
また、以上説明した血管位置判定処理でBモード画像データを用いることとして説明した処理は、Bモード画像データにかえて、Aモードデータ(振幅値)、あるいはRF信号を用いて行うこととしてもよい。
また、第2実施形態では、先ず第1実施形態の方法でBモード画像中の血管断面の輪郭位置を求め、求めた輪郭位置の中心を含むように判定領域を設定することとしたが、必ずしも第1実施形態の方法で輪郭位置を求める必要はなく、Bモード画像中で血管の中心を含む短冊状の判定領域が設定できればよい。また、血管の中心直上に超音波プローブ16を位置付けることができ、図12のステップS1で行う1回の超音波測定で血管の中心を含む短冊状のBモード画像が生成できる場合であれば、図12のステップS1の後、輪郭位置を求める処理は行わずに図15のステップS103以降の処理を行えばよい。
[作用効果]
このように、本実施形態によれば、超音波画像中の特徴点の位置が血管の短軸方向断面形状に沿った配置関係となる特徴点の組み合わせを選出し、選出した組み合わせの評価結果を用いて血管の位置が判定される。血管の短軸方向断面を含む超音波画像においては、血管の断面形状の輪郭に沿って特徴点が多く現れるという特性がある。これにより、超音波画像中の特徴点の位置の配置関係から血管の位置を検出する新たな技術を実現できる。
なお、本発明の適用可能な実施形態は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
例えば、特徴点組を、3つの特徴点から構成するとしたが、4以上の特徴点から特徴点組を構成してもよい。
また、特徴点組を評価する評価項目として5つの評価項目を例に挙げて説明したが、全ての評価項目を用いて総合評価値Fを決定する必要はない。5つの評価項目のうち、選択した1以上の評価項目を用いて、総合評価値Fを決定するとしてもよい。また、別の評価項目を用いることとしてもよい。
2 被検者、4 頸動脈、10 超音波測定装置、12 タッチパネル、14 キーボード、16 超音波プローブ、20 本体装置、22 制御基板、24 CPU、26 記憶媒体、28 通信IC、110 操作入力部、120 表示部、130 音出力部、140 通信部、200,200a 処理部、210 超音波測定制御部、220 測定データ生成部、230,230a 血管位置検出部、231 特徴点検出部、232 特徴点組生成部、233 速度ベクトル算出部、234 輪郭位置算出部、235 評価部、236 輪郭上特徴点数評価部、237 位置変化評価部、238 輝度評価部、239 輪郭内特徴点数評価部、240 特徴量評価部、241,400 血管位置判定部、410 判定領域設定部、420 前後壁検出部、430 膜候補点抽出部、440 中心走査線判定部、450 血管位置決定部、250 血管機能測定部、300,300a 記憶部、310,510 超音波測定プログラム、511 血管位置判定プログラム、320 Bモード画像データ、330 特徴点データ、340 特徴点組データ、350 評価基準データ、360,650 血管位置データ、610 判定領域データ、620 前後壁Y位置、630 膜候補点リスト、640 膜候補点組データ

Claims (12)

  1. 血管に対して超音波を送受信することで、前記血管の短軸方向断面を含む超音波画像を取得する超音波測定部と、
    前記超音波画像から特徴点を抽出する特徴点抽出部と、
    前記特徴点の位置が前記血管の短軸方向断面形状に沿った配置関係となる特徴点の組み合わせを選出する組み合わせ選出部と、
    前記組み合わせを用いて、前記血管の位置を判定する位置判定部と、
    を備えた超音波測定装置。
  2. 前記組み合わせに係る前記配置関係に基づいて、前記血管の短軸方向断面に相当する形状の輪郭位置を推定し、当該輪郭位置と前記特徴点とに基づいて、当該輪郭位置が前記血管の血管壁の位置を示す確率を算出して、前記血管の位置を判定する、
    請求項1に記載の超音波測定装置。
  3. 前記輪郭位置に沿った位置となる前記特徴点の数を用いて第1の前記確率を算出する、
    請求項2に記載の超音波測定装置。
  4. 前記輪郭位置に沿った位置となる前記特徴点の位置変化を用いて第2の前記確率を算出する、
    請求項2又は3に記載の超音波測定装置。
  5. 前記輪郭位置に沿った位置となる前記特徴点の輝度を用いて第3の前記確率を算出する、
    請求項2〜4の何れか一項に記載の超音波測定装置。
  6. 前記輪郭位置の内側に位置する前記特徴点の数を用いて第4の前記確率を算出する、
    請求項2〜5の何れか一項に記載の超音波測定装置。
  7. 前記血管の外側に含まれ得る所定の特徴画像と、前記超音波画像の前記輪郭位置の外側画像部分とを比較して第5の前記確率を算出する、
    請求項2〜6の何れか一項に記載の超音波測定装置。
  8. 前記位置判定部は、前記組み合わせを用いて、前記超音波の送受信に係る複数の走査線のうち、前記血管の中心を通る走査線を判定する、
    請求項1〜7の何れか一項に記載の超音波測定装置。
  9. 前記組み合わせ選出部は、走査線単位で前記特徴点の組み合わせを選出する、
    請求項8に記載の超音波測定装置。
  10. 前記特徴点抽出部は、前壁及び外壁それぞれに係る外膜位置及び内腔内膜境界位置を特徴点として抽出し、
    前記位置判定部は、前記組み合わせに含まれる各特徴点の輝度を所定の評価演算で評価し、最高評価となった組み合わせに係る走査線を、前記血管の中心を通る走査線として特定する、
    請求項9に記載の超音波測定装置。
  11. 前記血管は動脈である、
    請求項1〜10の何れか一項に記載の超音波測定装置。
  12. 前記血管位置検出装置によって検出された血管の所定の血管機能を計測する計測部、
    を更に備えた請求項1〜11の何れか一項に記載の超音波測定装置。
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