JP2018014810A - 三相誘導電動機の起動方法及びデカンタ型遠心分離装置 - Google Patents

三相誘導電動機の起動方法及びデカンタ型遠心分離装置 Download PDF

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    • B04BCENTRIFUGES
    • B04B9/00Drives specially designed for centrifuges; Arrangement or disposition of transmission gearing; Suspending or balancing rotary bowls
    • B04B9/10Control of the drive; Speed regulating

Abstract

【課題】ベース起動方法よりもデカンタ起動中の三相誘導電動機の温度上昇を小さくする。【解決手段】処理物を遠心分離するデカンタ型遠心分離機のボウルを停止状態から目標速度に向かって加速回転させる三相誘導電動機の起動方法であって、電源と前記三相誘導電動機との電気的接続をスター結線にした状態で、前記電源から前記三相誘導電動機に供給される電圧の波形をサイリスタでカットオフしながら前記三相誘導電動機を起動するとともに、起動中に前記三相誘導電動機の電流の実効値が降下した場合には、前記サイリスタの導通角を増大する処理を行うことを特徴とする三相誘導電動機の起動方法。【選択図】図4

Description

本発明は、処理物を遠心分離するデカンタのボウルを停止状態から目標速度に向かって加速回転する三相誘導電動機の起動方法に関するものである。
固液分離に利用される遠心分離装置としてデカンタが知られている。このデカンタは、例えば塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレンなど様々な合成樹脂の脱水処理に用いられる。この種のデカンタは、一般的に、処理物に対して遠心力を付与して固液分離するボウルと、固液分離された固形物を排出口に向けて搬送するスクリューコンベアと、ボウルを回転駆動させるための三相誘導電動機と、三相誘導電動機をインバータ制御するインバータ装置とを有する。
ボウルは慣性モーメントが大きい大型の機械であるため、三相誘導電動機及び起動用インバータのサイズが大型化して、コストが増大する。また、インバータに電力を供給する電源の電流にノイズが混入するため、この電源によって駆動される電気機器が誤動作するおそれがある。インバータのサイズに比例して混入するノイズも大きくなるため、起動用のインバータを省略することは、遠心分離装置の分野において非常に重要な課題である。
ここで、特許文献1は、電動機にスターデルタ起動装置を備えた電動送風機において、電動機の電源ラインの開閉を行う接点と並列に、起動時に電源ラインの供給電圧を低下させるサイリスタ電圧可変装置を設けたことを特徴とする電動送風機の起動電流抑制装置を開示する。
スターデルタ起動は、三相誘導電動機との接続配線を当初スター(Y)結線で始動し、同期回転速度に近づいた段階でデルタ(△)結線に切り替える起動方式であり、始動電流及び始動トルクが直入れの1/3に低減されるため、始動時における負荷を軽減することができる。すなわち、電圧が同じ場合、スター起動は、電流及びトルクがデルタ起動の1/3に低減される。
特開2003−134864号公報
本発明者は、上記特許文献1のスターデルタ起動装置をデカンタの起動装置として活用することを検討した。すなわち、本発明者は、電源と三相誘導電動機との電気的接続をスター結線にした状態で、電源から三相誘導電動機に供給される電圧の波形をサイリスタでカットオフしながら前記三相誘導電動機を起動する(以下、ベース起動方法という)方法を検討した。
近年、処理効率向上のため、デカンタ停止から再起動までの時間を短縮化することが求められている。デカンタは、慣性モーメントが非常に大きい大型の機械設備であるため、起動に際して定格電流よりも高い電流値で三相誘導電動機を動作させる必要があり、三相誘導電動機は過熱状態となり易い。つまり、デカンタ停止直後の三相誘導電動機は温度が高いため、所定の冷却時間が経過してからでないと、三相誘導電動機を再起動することができない。冷却不十分な状態で再起動すると、起動中に三相誘導電動機が焼損するおそれがある。
ベース起動方法では、デカンタ停止から再起動までの時間(つまり、三相誘導電動機の冷却時間)が長いため、デカンタ起動中の三相誘導電動機の温度上昇を、より小さくすることが求められている。
そこで、本発明は、ベース起動方法よりもデカンタ起動中の三相誘導電動機の温度上昇を小さくすることを目的とする。
(本発明を創作するに至った経緯)
本発明者は、ベース起動方法における種々の運転データを取得し、起動中に三相誘導電動機の電流実効値が時々刻々と低下していることを発見した。その原因は明らかではないが、電流実効値が下がると、三相誘導電動機のトルクが低下して、起動時間が長くなるため、起動中に三相誘導電動機が過熱状態になると考えられる。そこで、本発明者は、起動中の電流実効値を監視し、サイリスタの導通角を制御することによって、電流実効値の低下を抑制することを知見した(以下、低温起動方法と称する)。また、低温起動方法によって、ベース起動方法よりも三相誘導電動機の温度上昇を小さくできることを発見した。
つまり、ベース起動方法は、三相誘導電動機を平均的には低い電流実効値で起動し、長時間かけてボウルを目標速度まで加速する方法である。これに対して、低温起動方法は、三相誘導電動機を平均的に高い電流実効値で起動し、短時間でボウルを目標速度まで加速する方法である。
低温起動方法をより具体化すると以下の通りである。
すなわち、(1)処理物を遠心分離するデカンタ型遠心分離機のボウルを停止状態から目標速度に向かって加速回転させる三相誘導電動機の起動方法であって、電源と前記三相誘導電動機との電気的接続をスター結線にした状態で、前記電源から前記三相誘導電動機に供給される電圧の波形をサイリスタでカットオフしながら前記三相誘導電動機を起動するとともに、起動中に前記三相誘導電動機の電流の実効値が降下した場合には、前記サイリスタの導通角を増大する処理を行うことを特徴とする。
(2)起動中における前記三相誘導電動機の電流の実効値は、略一定であることを特徴とする上記(1)に記載の三相誘導電動機の起動方法。
(3)起動中に前記導通角を最大値まで高めることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の三相誘導電動機の起動方法。
(4)前記ボウルが目標速度に到達した際に、前記電気的接続をスター結線からデルタ結線に切り替えることを特徴とする上記(1)乃至(3)のうちいずれか一つに記載の三相誘導電動機の起動方法。
また、本願発明は、別の観点として、(5)処理物を遠心分離するボウルと、前記ボウルを停止状態から目標速度に向かって加速回転させる三相誘導電動機と、電源と前記三相誘導電動機との電気的接続をスター結線とデルタ結線との間で切り替える切替部と、前記電源から前記三相誘導電動機に供給される電圧の波形をカットオフするサイリスタと、前記サイリスタの動作を制御するサイリスタ制御部と、を備え前記三相誘導電動機の起動時に、前記電気的接続をスター結線に設定するとともに、前記サイリスタ制御部は、前記三相誘導電動機の電流の実効値が降下した際に、前記サイリスタの導通角を増大する処理を行うことを特徴とする。
本願発明によれば、ベース起動方法よりもデカンタ起動時の三相誘導電動機の温度上昇を小さくすることができる。
横型式デカンタの概略断面図である。 駆動装置の回路図である。 サイリスタによる位相制御を行う前の電圧波形を模式的に示している。 サイリスタによる位相制御(導通角θ1)を行った後の電圧波形を模式的に示している。 サイリスタによる位相制御(導通角θ2)を行った後の電圧波形を模式的に示している。 三相誘導電動機の起動方法を説明するためのフローチャートである。
図1は横型式デカンタ(デカンタ型遠心分離装置に相当する)の概略断面図である。ただし、本願発明は縦型式のデカンタにも適用することができる。デカンタ100は、ケーシング10と、ケーシング10の内部に収容されるボウル20と、ボウル20の内側に配置されるスクリューコンベア30と、固形物を含む被処理液を供給するための供給ノズル40と、ボウル20を回転させる駆動装置50とを含む。
ケーシング10の下部には、ボウル20の回転軸方向における一端側に重質分出口11が形成されており、他端側に軽質分出口12が形成されている。駆動装置50で生成された動力は回転ベルト51を介してプーリー52に伝達され、プーリー52が回転することによって、ボウル20が回転する。さらに、差速発生機構であるギアボックス53、スプラインシャフト54及びブッシング55を介してスクリューコンベア30に動力が伝達され、ボウル20及びスクリューコンベア30を所定の速度差で回転させることができる。
ボウル20の胴部は、一端側が円筒状に形成され、他端側がコニカル状に形成されている。一端側の開口部は、円形状のフロントハブ21によって閉塞されている。円筒状の部位22によって、ボウル20の内部に供給される被処理液が貯留されるプール(液溜り)部が形成される。一方、コニカル状の部位23は、スクリューコンベア30によってボウル20の他端側に移送される重質分が液から離脱することによって脱水されるビーチ部を形成しており、その端部に重質分排出口24が形成されている。
フロントハブ21には、軽質分を含むスラリー状の液が溢流して排出される軽質分排出口25が形成されている。この軽質分排出口25の内部には、ボウル20の回転軸側に向かって傾斜した傾斜面を備えたダム形成部材26が設けられている。
スクリューコンベア30の胴部には、外周面に沿って延びるスクリュー羽根31が形成されており、内部にはバッファ部32が形成されており、供給ノズル40の先端部はこのバッファ部32の内部に向かって延出している。供給ノズル40から吐出された被処理液は、バッファ部32の内部に供給された後、胴部の中央部付近に形成された供給口33から遠心力の作用によってボウル20の内部に排出される。
次に、図2を参照しながら、駆動装置50の詳細を述べる。図2は、駆動装置の回路図である。駆動装置50は、三相誘導電動機1と、サイリスタ制御部2と、電磁接触器MC1と、電磁接触器MC2と、電磁接触器MC3とを含む。三相誘導電動機1は駆動中に発熱し、この発熱温度が許容温度を超過すると、三相誘導電動機1のコイルが焼損するなどの問題が発生する。三相誘導電動機1の固定子巻線Z1、Z2及びZ3はそれぞれ電源ラインR、S及びTに接続されており、サイリスタ制御部2は三相交流電源3と三相誘導電動機1との間に設けられている。
電磁接触器MC3は、電源ラインR、S及びTそれぞれに対応して設けられており、サイリスタ制御部2をバイパスするバイパス回路を開閉する。電磁接触器MC3を開き状態に設定すると、三相交流電源3から出力される電流はサイリスタ制御部2を介して三相誘導電動機1に供給される。電磁接触器MC3を閉じ状態に設定すると、三相交流電源3から出力される電流はサイリスタ制御部2をバイパスして三相誘導電動機1に供給される。
電磁接触器MC1及びMC2は、固定子巻線Z1、Z2及びZ3をデルタ結線及びスター結線の間で切り替えるために操作される。なお、電磁接触器MC1及びMC2が特許請求の範囲に記載の「切替部」に相当する。電磁接触器MC1が閉じ状態、電磁接触器MC2が開き状態になると、固定子巻線Z1、Z2及びZ3がスター結線され、三相誘導電動機1をスター起動させることができる。電磁接触器MC1が開き状態、電磁接触器MC2が閉じ状態になると、固定子巻線Z1、Z2及びZ3がデルタ結線され、三相誘導電動機1をデルタ起動させることができる。スター結線は、デルタ結線に対して発熱量が1/3となるため、低速回転速度域での高効率が達成できる。
サイリスタ制御部2は、三相交流電源3から供給される電力の電圧を位相制御する。位相制御とは、電圧波形(サイン波)のONとなる時間(導通角θ)を変えることで電圧を調節することである。図3Aはサイリスタによる位相制御を行う前(つまり、導通角θが最大値であるπに設定されている)の電圧波形を模式的に示している。図3Bは導通角をθ1に設定した場合の電圧波形を模式的に示している。図3Cは導通角をθ2に設定した場合の電圧波形を模式的に示している。ただし、導通角θ2は導通角θ1よりも大きい。
導通角をθ1からθ2に増やすことにより、電圧波形(サイン波)のONとなる時間が長くなるため、電圧を増大させることができる。これにより、三相誘導電動機1の電流実効値が上がり、トルクを増大させることができる。反対に、導通角をθ2からθ1に下げることにより、電圧波形(サイン波)のONとなる時間が短くなるため、電圧を降下させることができる。
ここで、三相誘導電動機1の電流実効値は、三相誘導電動機1のU端子から取得することができる。サイリスタ制御部2は、U端子から取得した電流実効値に基づき、導通角θを変更するが、詳細については後述する。なお、V端子又はW端子から取得した電流値を、三相誘導電動機1の電流実効値とすることもできる。
サイリスタは、ゲート(G)からカソード(K)に向かってゲート電流を流すことにより、アノード(A)からカソード(K)間を導通させる半導体整流素子であってもよい。すなわち、ゲート(G)から一定の電流を流すと、アノード(A)とカソード(K)との間が導通(ターン・オン)して、そのまま導通状態が継続する。導通状態が継続している間は、三相交流電源3から供給される交流電力の電圧波形とほぼ等しい電圧波形が、サイリスタ制御部2から出力される。
アノード(A)からカソード(K)に流れる電流が一定値以下に下がると、導通状態が停止する(ターン・オフ)。導通状態が停止すると、サイリスタ制御部2から出力される電圧は0(V)になる。サイリスタを用いて三相誘導電動機1に対する供給電圧を低減することにより、三相誘導電動機1の電流、出力トルクを共に下げることができる。
下記の表1は、デルタ起動時に三相誘導電動機1に流れる電流と三相誘導電動機1の出力トルクとの関係を示している。ただし、起動方法Aではサイリスタによる位相制御を実施していない(つまり、導通角θが最大である)。起動方法Bでは、サイリスタによる位相制御を行うことにより、電圧が起動方法Aの1/√3に低下している。起動方法Cでは、サイリスタによる位相制御を行うことにより、電圧が起動方法Aの1/3に低下している。
表1に示す通り、起動方法Bは、起動方法Aに対して出力トルクが1/3に低下し、起動方法Cは、起動方法Aに対して出力トルクが1/9に低下している。なお、表1は、P=ωTから回転数を一定としたとき、トルクは電圧×電流に比例し、三相誘導電動機の出力トルクは電圧の二乗に比例し、三相誘導電動機を流れる電流は電圧に比例する、という関係から得られる。
下記の表2はスター起動時に三相誘導電動機1に流れる電流と三相誘導電動機1の出力トルクとの関係を示している。起動方法Eでは、サイリスタによる位相制御を行うことにより、電圧を起動方法Dの1/√3に低下させている。
起動方法A及びDを比較して、電圧が同じ場合、スター起動はデルタ起動よりも、電流が1/3、三相誘導電動機1の出力トルクが1/3に軽減される。また、起動方法B及びD(起動方法C及びE)を比較して、スター起動はデルタ起動の1/√3の電流値でデルタ起動と同一の出力トルクを得ることができる。さらに、三相誘導電動機1の発熱量は電流の二乗に比例するから、同一の出力トルクで比較すると、スター起動は発熱量がデルタ起動の1/3に低減される。
上述の知見から、三相誘導電動機1を、固定子巻線Z1、Z2及びZ3をスター結線にした状態で、電圧波形をサイリスタでカットオフしながら起動する(つまり、上述のベース起動方法)ことによって、起動中の三相誘導電動機1の温度上昇を抑制することができる。
三相誘導電動機1の温度上昇を更に抑制するために、本実施形態では、三相誘導電動機1の電流実効値が下降することを抑制する制御を行う。具体的には、三相誘導電動機1の電流実効値を監視しながら、この電流実効値が所定値から低下しないように、導通角θを増大させる制御を行う(つまり、上述の低温起動方法によりデカンタを起動する)。原因は明らかではないが、導通角θを固定したベース起動方法では、起動中に電流実効値が時々刻々と低下する。その結果、トルクが低下し、起動時間が長くなるため、ボウル20を停止状態から目標速度に加速するまでの温度上昇が大きくなる。
図4のフローチャートを参照しながら、低温起動方法について、より詳細に説明する。初期状態において、固定子巻線Z1、Z2及びZ3はスター結線に設定され、かつ、導通角θはπよりも小さい値に設定されているものとする。起動とはボウル20を停止状態(回転速度0(%))から目標速度(回転速度100(%))に向かって加速回転させることを意味する。
ステップS101において、サイリスタ制御部2は、三相誘導電動機1の電流実効値の監視処理を開始する。電流実効値は、三相誘導電動機1のU端子から取得することができる。電流実効値の監視周期は、リアルタイムであってもよいし、或いは所定周期であってもよい。監視周期が短くなるほど、電流実効値を所定値に維持し易くなるため、好ましい。
ステップS102において、サイリスタ制御部2は、電流実効値が低下したか否かを判別する。すなわち、サイリスタ制御部2は、所望の電流実効値に関する情報を記憶しており、取得した電流実効値がこの所望の電流実効値よりも低下したか否かを判別する。なお、所望の電流実効値は特定の値であってもよいし、或いは範囲値であってもよい。
電流実効値が低下した場合(ステップS102 Yes)、処理はステップS103に進む。電流実効値が低下していない場合(ステップS102 No)、処理はステップS104に進む。
ステップS103において、サイリスタ制御部2は、導通角θを増加して、電流実効値を増大させる。電流実効値が増大することにより、三相誘導電動機1のトルクが高まり、ボウル20が目標速度に到達するまでの時間を短くすることができる。ここで、低温起動方法は、導通角θを固定したベース起動方法と比べて、目標速度に到達するまでの電流値の平均値が高くなるが、目標速度に到達するまでの時間が短くなるため、起動中の温度上昇を小さくできる。この点については、後述する実施例で証明する。
ここで、起動開始時の導通角θは、三相誘導電動機1の種類などに応じて適宜定めることができる。ただし、低温起動方法のみによってボウル20を目標速度に到達させることができるように、導通角θを設定するのが好ましい。なお、目標速度に到達する前にボウル20を加速するために必要なトルクが得られなくなる場合には、起動中に、より高トルクが得られる起動方法(例えば、デルタ結線で起動する方法)に変更する必要がある。この場合であっても、デルタ結線に切り替える前は、低温起動方法により起動されているため、総合的には温度上昇の小さい起動方法と評価することができる。
ステップS104において、サイリスタ制御部2は、ボウル20の速度が目標速度に到達したか否かを判別する。ボウル20の速度が目標速度に到達した場合には(ステップS104 Yes)、処理はステップS105に進み、ボウル20の速度が目標速度に到達していない場合には(ステップS104 No)、処理はステップS101に戻る。
ステップS105において、導通角θをπに設定(つまり、電圧波形のカットオフ処理を中止する)するとともに、固定子巻線Z1、Z2及びZ3をスター結線からデルタ結線に切り替える。これにより、ボウル20は、目標速度を維持しながら等速度で回転し、処理物が連続的に処理される。ここで、ボウル20の回転速度が目標速度に到達した後(つまり、起動が完了した後)、インバータで三相誘導電動機1を駆動すると、電力ロスが発生する。本実施形態では、ボウル20の回転速度が目標速度に到達した後、デルタ結線でボウル20を駆動するため、インバータによる電力ロスを無くすことができる。また、インバータを省略することで、駆動装置50を小型化することができる。
(実施例)
ベース起動方法と低温起動方法とによる温度上昇の違いを確認するために、デカンタを実際に起動して、三相誘導電動機1の温度変化を調べた。デカンタには、29インチ径の大型デカンタを使用した。ベース起動方法では、三相誘導電動機1の起動開始時の表面温度は29℃であり、導通角θは(2/5)πに固定した。低温起動方法では、三相誘導電動機1の起動開始時の表面温度は26℃であり、電流実効値を監視しながら導通角θを(2/5)πから徐々に引き上げπまで増加させた。
表3に示す通り、ベース起動方法では、目標速度に到達するまでの時間は約17分であり、目標速度到達時の三相誘導電動機1の表面温度は80℃であった。また、低温起動方法では、目標速度に到達するまでの時間は約6分であり、目標速度到達時の三相誘導電動機1の表面温度は61℃であった。つまり、三相誘導電動機1を起動する際の温度上昇は、ベース起動方法が51℃であり、低温起動方法が35℃であった。したがって、低温起動方法を採用することにより、ベース起動方法よりもデカンタ停止から再起動までの冷却時間が短くなり、デカンタの処理効率を向上させることができる。
1 三相誘導電動機 2 サイリスタ制御部 3 三相交流電源
10 ケーシング 20 ボウル 30 スクリューコンベア
40 供給ノズル 50 駆動装置 MC1〜MC3 電磁接触器
Z1〜Z3 固定子巻線
低温起動方法をより具体化すると以下の通りである。
すなわち、(1)処理物を遠心分離するデカンタ型遠心分離機のボウルを停止状態から目標速度に向かって加速回転させる三相誘導電動機の起動方法であって、電源と前記三相誘導電動機との電気的接続をスター結線にした状態で、前記電源から前記三相誘導電動機に供給される電圧の波形をサイリスタでカットオフしながら前記三相誘導電動機を起動するとともに、起動中に前記三相誘導電動機の電流の実効値が所定値よりも低下した場合には、前記サイリスタの導通角を増大する処理を行うことを特徴とする。
)起動中に前記導通角を最大値まで高めることを特徴とする上記(1)に記載の三相誘導電動機の起動方法。
)前記ボウルが目標速度に到達した際に、前記電気的接続をスター結線からデルタ結線に切り替えることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の三相誘導電動機の起動方法。
また、本願発明は、別の観点として、()処理物を遠心分離するボウルと、前記ボウルを停止状態から目標速度に向かって加速回転させる三相誘導電動機と、電源と前記三相誘導電動機との電気的接続をスター結線とデルタ結線との間で切り替える切替部と、前記電源から前記三相誘導電動機に供給される電圧の波形をカットオフするサイリスタと、前記サイリスタの動作を制御するサイリスタ制御部と、を備え前記三相誘導電動機の起動時に、前記電気的接続をスター結線に設定するとともに、前記サイリスタ制御部は、前記三相誘導電動機の電流の実効値が所定値よりも低下した際に、前記サイリスタの導通角を増大する処理を行うことを特徴とする。



Claims (8)

  1. 処理物を遠心分離するデカンタ型遠心分離機のボウルを停止状態から目標速度に向かって加速回転させる三相誘導電動機の起動方法であって、
    電源と前記三相誘導電動機との電気的接続をスター結線にした状態で、前記電源から前記三相誘導電動機に供給される電圧の波形をサイリスタでカットオフしながら前記三相誘導電動機を起動するとともに、起動中に前記三相誘導電動機の電流の実効値が降下した場合には、前記サイリスタの導通角を増大する処理を行うことを特徴とする三相誘導電動機の起動方法。
  2. 起動中における前記三相誘導電動機の電流の実効値は、略一定であることを特徴とする請求項1に記載の三相誘導電動機の起動方法。
  3. 起動中に前記導通角を最大値まで高めることを特徴とする請求項1又は2に記載の三相誘導電動機の起動方法。
  4. 前記ボウルが目標速度に到達した際に、前記電気的接続をスター結線からデルタ結線に切り替えることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載の三相誘導電動機の起動方法。
  5. 処理物を遠心分離するボウルと、
    前記ボウルを停止状態から目標速度に向かって加速回転させる三相誘導電動機と、
    電源と前記三相誘導電動機との電気的接続をスター結線とデルタ結線との間で切り替える切替部と、
    前記電源から前記三相誘導電動機に供給される電圧の波形をカットオフするサイリスタと、
    前記サイリスタの動作を制御するサイリスタ制御部と、を備え
    前記三相誘導電動機の起動時に、前記電気的接続をスター結線に設定するとともに、前記サイリスタ制御部は、前記三相誘導電動機の電流の実効値が降下した際に、前記サイリスタの導通角を増大する処理を行うことを特徴とするデカンタ型遠心分離装置。
  6. 前記サイリスタ制御部は、起動中における前記三相誘導電動機の電流の実効値が略一定となるように、前記サイリスタの導通角を増大する処理を行うことを特徴とする請求項5に記載のデカンタ型遠心分離装置。
  7. 前記サイリスタ制御部は、起動中に前記導通角を最大値まで高めることを特徴とする請求項5又は6に記載のデカンタ型遠心分離装置。
  8. 前記切替部は、前記ボウルが目標速度に到達した際に、前記電気的接続をスター結線からデルタ結線に切り替えることを特徴とする請求項5乃至7のうちいずれか一つに記載のデカンタ型遠心分離装置。







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