JP2018013763A - 帯電部材、帯電装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents

帯電部材、帯電装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】トナーによる汚染が発生しにくい帯電部材を提供する。【解決手段】支持部材と、前記支持部材上に配置され、外周面の被帯電部材と接触する領域に、軸方向の一端から他端にかけて螺旋状に連続した高さ2μm以上10μm以下の凸部を有する表面層と、を有する帯電部材。【選択図】図2

Description

本発明は、帯電部材、帯電装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置が備える帯電部材としては、支持部材上に導電性層を配置した帯電部材が知られており、具他的には例えば下記が知られている。
特許文献1には、導電性基体と、導電性弾性層と、表面に樹脂粒子に由来する複数の凸部を有する表面層とを備える帯電部材が開示されている。
特開2014−167615号公報
本発明は、表面層がその外周面の被帯電部材と接触する領域に、軸方向の一端から他端にかけて螺旋状に連続した凸部を有しない場合に比べ、トナーによる汚染が発生しにくい帯電部材を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段には、下記の態様が含まれる。
請求項1に係る発明は、
支持部材と、
前記支持部材上に配置され、外周面の被帯電部材と接触する領域に、軸方向の一端から他端にかけて螺旋状に連続した高さ2μm以上10μm以下の凸部を有する表面層と、
を有する帯電部材。
請求項2に係る発明は、
前記凸部の幅が0.1mm以上1mm以下である、請求項1に記載の帯電部材。
請求項3に係る発明は、
前記凸部の螺旋周期が0.5mm以上10mm以下である、請求項1又は請求項2に記載の帯電部材。
請求項4に係る発明は、
前記表面層が前記凸部を2筋以上有し、2筋以上の前記凸部が互いに平行して配置されている、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の帯電部材。
請求項5に係る発明は、
2筋以上の前記凸部は、一筋の前記凸部とこれに最も近い別の一筋の前記凸部との間の距離が0.5mm以上1mm以下である、請求項4に記載の帯電部材。
請求項6に係る発明は、
前記支持部材と、前記支持部材上に配置された導電性弾性層と、前記導電性弾性層上に配置された前記表面層とを有する、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の帯電部材。
請求項7に係る発明は、
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の帯電部材を有し、接触帯電方式により電子写真感光体を帯電させる帯電装置。
請求項8に係る発明は、
電子写真感光体と、
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の帯電部材を有し、接触帯電方式により前記電子写真感光体を帯電させる帯電装置と、
を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
請求項9に係る発明は、
電子写真感光体と、
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の帯電部材を有し、接触帯電方式により前記電子写真感光体を帯電させる帯電装置と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
前記電子写真感光体の表面に形成された潜像を、トナーを含む現像剤により現像して、前記電子写真感光体の表面にトナー像を形成する現像装置と、
前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、
を備える画像形成装置。
請求項1、4及び6に係る発明によれば、表面層がその外周面の被帯電部材と接触する領域に、軸方向の一端から他端にかけて螺旋状に連続した凸部を有しない場合に比べ、トナーによる汚染が発生しにくい帯電部材が提供される。
請求項2に係る発明によれば、凸部の幅が0.1mm未満の場合に比べ、トナーによる汚染が発生しにくい帯電部材が提供され、凸部の幅が1mm超の場合に比べ、感光体帯電の均一性に優れる帯電部材が提供される。
請求項3に係る発明によれば、凸部の螺旋周期が0.5mm未満の場合に比べ、感光体帯電の均一性に優れる帯電部材が提供され、凸部の螺旋周期が10mm超の場合に比べ、トナーによる汚染が発生しにくい帯電部材が提供される。
請求項5に係る発明によれば、一筋の凸部とこれに最も近い別の一筋の凸部との間の距離が0.5mm未満の場合に比べ、感光体帯電の均一性に優れる帯電部材が提供され、一筋の凸部とこれに最も近い別の一筋の凸部との間の距離が1mm超の場合に比べ、トナーによる汚染が発生しにくい帯電部材が提供される。
請求項7に係る発明によれば、帯電部材の表面層がその外周面の被帯電部材と接触する領域に、軸方向の一端から他端にかけて螺旋状に連続した凸部を有しない場合に比べ、トナーによる帯電部材の汚染が発生しにくい帯電装置が提供される。
請求項8に係る発明によれば、帯電部材の表面層がその外周面の被帯電部材と接触する領域に、軸方向の一端から他端にかけて螺旋状に連続した凸部を有しない場合に比べ、トナーによる帯電部材の汚染が発生しにくいプロセスカートリッジが提供される。
請求項9に係る発明によれば、帯電部材の表面層がその外周面の被帯電部材と接触する領域に、軸方向の一端から他端にかけて螺旋状に連続した凸部を有しない場合に比べ、トナーによる帯電部材の汚染が発生しにくい画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る帯電部材の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る帯電部材の別の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る帯電部材の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る帯電部材の別の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る帯電部材の別の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る帯電部材を軸方向に平行且つ表面層の厚さ方向に切断したときに現れる切断面の概略図である。 本実施形態に係る帯電部材の表面層を形成するために用いられる塗布装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置の別の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置の別の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
以下に、発明の実施形態を説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、発明の範囲を制限するものではない。
本明細書において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
本明細書において、「電子写真感光体」を単に「感光体」ともいう。本明細書において、帯電部材の「軸方向」とは、帯電部材の回転軸の方向を意味する。
<帯電部材>
本実施形態に係る帯電部材の一実施形態は、支持部材と、支持部材上に配置された表面層とを有する。本実施形態に係る帯電部材の別の一実施形態は、支持部材と、支持部材上に配置された導電性弾性層と、導電性弾性層上に配置された表面層とを有する。いずれの実施形態でも、本実施形態に係る帯電部材において表面層は、その外周面の被帯電部材と接触する領域に、軸方向の一端から他端にかけて螺旋状に連続した高さ2μm以上10μm以下の凸部を有する。
本実施形態に係る帯電部材の形状は、限定されない。本実施形態に係る帯電部材の形状としては、例えば、図1、図2、図3A、図3B及び図3Cに例示したロール状、ベルト状等が挙げられる。
図1、図2、図3A、図3B及び図3Cはそれぞれ、本実施形態に係る帯電部材の一例を示す概略構成図である。図1に示す帯電部材208Aは、支持部材30と、支持部材30の外周面に配置された表面層32とを有する。図2に示す帯電部材208B、図3Aに示す帯電部材208C、図3Bに示す帯電部材208D、及び図3Cに示す帯電部材208Eは、支持部材30と、支持部材30の外周面に配置された導電性弾性層31と、導電性弾性層31の外周面に配置された表面層32とを有する。
図1に示す帯電部材208A及び図2に示す帯電部材208Bにおいて、表面層32の外周面には、軸方向の一端から他端にかけて螺旋状に連続した凸部36が一筋形成されている。図3Aに示す帯電部材208C及び図3Bに示す帯電部材208Dにおいて、表面層32の外周面には、軸方向の一端から他端にかけて螺旋状に連続した凸部36が2筋形成されている(凸部36Aと凸部36B)。図3Cに示す帯電部材208Eにおいて、表面層32の外周面には、軸方向の一端から他端にかけて螺旋状に連続した凸部36が3筋形成されている(凸部36Aと凸部36Bと凸部36C)。
図3A、図3B及び図3Cに示すように、表面層32の外周面には、螺旋状に連続した凸部36が複数筋(2筋、3筋、又はそれ以上)、離間して形成されていてもよい。表面層32の外周面に凸部36が複数筋形成されている場合は、各凸部36(図3A、図3B及び図3Cにおいては、凸部36A、凸部36B、凸部36Cそれぞれ)が、高さ2μm以上10μm以下である。複数筋の凸部36は、互いに平行に配置されていることが好ましい。
表面層32の外周面には、少なくとも、被帯電部材と接触する領域に、凸部36が螺旋状に連続して形成されていればよい。表面層32の両端に被帯電部材と接触しない領域が有る場合、該接触しない領域には、凸部36が形成されていなくてもよく、被帯電部材と接触する領域から連続して凸部36が形成されていてもよい。
以下、表面層32の外周面に存在する凸部36の幾何学的諸量を、図4を参照しながら説明する。図4は、図1又は図2に示す帯電部材208A又は208B(以下の説明において、帯電部材208と総称する。)を軸方向に平行且つ表面層32の厚さ方向(ロール状の帯電部材208においては径方向と一致する。)に切断したときに現れる切断面の概略図であり、凸部36の断面形状の一例を示す。
本実施形態において、凸部36の高さ、幅、及び螺旋周期とは、帯電部材208を軸方向に平行且つ表面層32の厚さ方向に切断したときに現れる切断面において、少なくとも10個の凸部36の断面について高さH、幅W、及び周期Dを測定し平均した値を意味する。
凸部36の断面の高さHとは、表面層32の厚さを基準(高さゼロ)とし、凸部36の断面の最高点までの高さを意味する。表面層32の厚さは、凸部36が形成されていない部位(非凸部)において、帯電部材208の軸方向に等間隔に10か所および周方向に4等分(90°刻み)の合計40か所において、渦電流膜厚計で層の厚さを測定し平均した値である。
凸部36の断面の幅Wとは、高さHの半値幅を意味する。幅Wの方向は帯電部材208の軸方向に平行である。
凸部36の断面の周期Dとは、幅Wの中央点をPとし、隣り合う2個のP間の距離を意味する。
図3A、図3B及び図3Cに示すように凸部36が複数筋形成されている場合は、各凸部36(図3A、図3B及び図3Cにおいては、凸部36A、凸部36B、凸部36Cそれぞれ)について、高さ、幅、及び螺旋周期を求める。
本実施形態に係る帯電部材は、表面層32の外周面の被帯電部材と接触する領域に、軸方向の一端から他端にかけて螺旋状に連続した高さ2μm以上10μm以下の凸部36が存在することにより、トナーによる汚染が発生しにくい。その機序として、下記が推測される。
感光体(被帯電部材の一例)を接触方式で帯電させる帯電部材の外周面には、感光体の外周面からトナーが移行することがある。帯電部材の外周面に移行したトナーは、帯電部材が感光体に接触して回転する際に帯電部材の外周面上で移動することはあるが、帯電部材の外周面から除去されるまでには至りにくく、帯電部材の外周面に付着し帯電部材を汚染する。
これに対して、本実施形態に係る帯電部材においては、帯電部材が感光体に接触して回転する際に帯電部材の外周面上で移動したトナーが螺旋状の凸部36の側面に集積し、帯電部材が感光体に接触して回転するにつれ、トナーが凸部36の螺旋に沿って帯電部材の端部まで運ばれ、軸方向の外側に向けて押し出されるように排出される。そのため、本実施形態に係る帯電部材は、トナーによる汚染が発生しにくい。
本実施形態に係る帯電部材においては、表面層32の外周面に存在する螺旋状の凸部36の高さが2μm以上であるので、トナーが凸部36を超えにくく凸部36の側面に集積し、トナーが凸部36の螺旋に沿って帯電部材の端部まで運ばれ押し出されるように排出される。この観点から、凸部36の高さは、4μm以上がより好ましく、5μm以上が更に好ましい。
一方、凸部36の高さが10μm以下であるので、感光体外周面と帯電部材外周面との間に形成される電界のムラが抑えられ、帯電部材による感光体帯電の均一性を損ないにくく、その結果、画像に濃度ムラが発生することが抑制される。この観点から、凸部36の高さは、8μm以下がより好ましく、7μm以下が更に好ましい。
凸部36が複数筋形成されている場合は、それぞれの凸部36が上記範囲である。
本実施形態に係る帯電部材は、トナーによる汚染が発生しにくいため、画像形成を繰り返した際において、画像欠陥(例えば、筋状の画像欠陥)を発生させにくい。また、本実施形態に係る帯電部材は、トナーによる汚染が発生しにくいため、画像欠陥を発生させない状態を長期に亘り継続できる。
本実施形態に係る帯電部材において、凸部36の幅は、0.1mm以上1mm以下であることが好ましい。凸部36の幅が0.1mm以上であると、トナーが凸部36を超えにくく、トナーが凸部36の螺旋に沿って帯電部材の端部まで運ばれ排出されやすい。この観点から、凸部36の幅は、0.3mm以上がより好ましく、0.4mm以上が更に好ましい。
一方、凸部36の幅が1mm以下であると、帯電部材による感光体帯電の均一性を損ないにくく、その結果、画像に濃度ムラが発生することが抑制される。この観点から、凸部36の幅は、0.8mm以下がより好ましく、0.6mm以下が更に好ましい。
凸部36が複数筋形成されている場合は、それぞれの凸部36が上記範囲である。
本実施形態に係る帯電部材において、凸部36の螺旋周期は、0.5mm以上10mm以下であることが好ましい。凸部36の螺旋周期が0.5mm以上であると、帯電部材による感光体帯電の均一性を損ないにくく、その結果、画像に濃度ムラが発生することが抑制される。この観点から、凸部36の螺旋周期は、1mm以上がより好ましく、3mm以上が更に好ましい。
一方、凸部36の螺旋周期が10mm以下であると、トナーが凸部36の側面に集積しやすい。この観点から、凸部36の螺旋周期は、8mm以下がより好ましく、6mm以下が更に好ましい。
凸部36が複数筋形成されている場合は、それぞれの凸部36が上記範囲である。
図3A、図3B及び図3Cに示すように、表面層32の外周面に、軸方向の一端から他端にかけて螺旋状に連続した凸部36が複数筋形成されている場合、複数筋の凸部36は互いに平行に配置されていることが好ましく、一筋の凸部36とこれに最も近い別の一筋の凸部36との間の距離が0.5mm以上1mm以下であることが好ましい。
図3Cに示す帯電部材208Eを例にして説明すると、「一筋の凸部36とこれに最も近い別の一筋の凸部36との間の距離」とは、
凸部36Aについては、凸部36B又は凸部36Cのうち近い方との距離、
凸部36Bについては、凸部36A又は凸部36Cのうち近い方との距離、
凸部36Cについては、凸部36A又は凸部36Bのうち近い方との距離である。
凸部36Aと凸部36Bとの距離は、凸部36A及び凸部36Bそれぞれにおいて図4に示す点Pを定め、凸部36Aの点Pと、それに隣り合う凸部36Bの点Pとの距離を少なくとも10個測定し平均した値である。凸部36Bと凸部36Cとの距離、及び、凸部36Aと凸部36Cとの距離についても同様である。
一筋の凸部36とこれに最も近い別の一筋の凸部36との間の距離は、0.5mm以上1mm以下が好ましい。この距離が0.5mm以上であると、帯電部材による感光体帯電の均一性を損ないにくく、その結果、画像に濃度ムラが発生することが抑制される。この観点から、上記距離は0.6mm以上がより好ましく、0.7mm以上が更に好ましい。一方、上記距離が1mm以下であると、2筋の凸部に挟まれた領域の幅が適度に狭く、残留トナーが効率的に運ばれ押し出されやすい。この観点から、上記距離は0.9mm以下がより好ましく、0.8mm以下が更に好ましい。
凸部36が3筋以上形成されている場合は、それぞれの上記距離が上記範囲である。
以下、本実施形態に係る帯電部材の各構成要素について、より具体的に説明する。
[支持部材]
支持部材は、帯電部材の電極及び支持体として機能する導電性部材である。支持部材は、中空状の部材であってもよいし、非中空状の部材であってもよい。
支持部材としては、鉄(快削鋼等)、銅、真鍮、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル等の金属の部材;クロム、ニッケル等で鍍金処理を施した鉄の部材;樹脂製又はセラミック製の部材の外周面にメッキ処理を施した部材;導電剤を含有する、樹脂製又はセラミック製の部材;などが挙げられる。
[表面層]
本実施形態において、表面層は、帯電部材の最外周面を構成する。表面層は、導電性を有し、体積抵抗率が1×10Ωcm以上1×10Ωcm以下であることが好ましい。
表面層の一実施形態は、結着樹脂と、導電性粒子と、その他添加剤とを含む。
表面層の結着樹脂としては、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリウレタン、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリフッ化ビニリデン、4フッ化エチレン共重合体、ポリビニルブチラール、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ素ゴム、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体、セルロース等が挙げられる。結着樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
表面層に含まれる導電性粒子としては、体積抵抗率1×10Ωcm以下の導電性粒子が望ましい。導電性粒子としては、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物;カーボンブラック;などが挙げられる。
表面層に含まれる導電性粒子は、結着樹脂への分散性に優れる観点から、一次粒径が10nm以上20nm以下であることが好ましく、15nm以上18nm以下であることがより好ましい。
表面層における導電性粒子の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、5質量部以上50質量部以下が好ましく、10質量部以上30質量部以下がより好ましい。
表面層は、帯電部材の表面性状を制御する等の目的で、導電性粒子以外の粒子を含んでいてもよい。該粒子としては、ポリアミド粒子、フッ素樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子等の樹脂粒子が挙げられる。これら樹脂粒子は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
表面層に含まれるポリアミド粒子等の樹脂粒子は、結着樹脂への分散性に優れる観点から、一次粒径が5μm以上10μm以下であることが好ましい。
表面層におけるポリアミド粒子等の樹脂粒子の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、5質量部以上50質量部以下が好ましく、10質量部以上30質量部以下がより好ましい。
表面層の厚さは、6μm以上13μm以下が好ましく、7μm以上10μm以下がより好ましい。表面層の厚さは、凸部36が形成されていない部位(非凸部)において、帯電部材の軸方向に等間隔に10か所および周方向に4等分(90°刻み)の合計40か所において、渦電流膜厚計で層の厚さを測定し平均した値である。
表面層を支持部材上又は導電性弾性層上に形成する方法としては、例えば、結着樹脂、導電性粒子、その他添加剤を混合した表面層形成用組成物を、支持部材又は導電性弾性層の外周面に塗布して表面層形成用組成物の層を形成し、次いで、表面層形成用組成物の層を乾燥させる方法が挙げられる。表面層形成用組成物を支持部材又は導電性弾性層の外周面に塗布する方法としては、例えば、浸漬塗布、ロール塗布、ブレード塗布、ワイヤーバー塗布、スプレー塗布、ビード塗布、エアーナイフ塗布、カーテン塗布等が挙げられる。
図5は、表面層を形成するために用いられる塗布装置の一例を示す概略構成図である。塗布装置90は、ブレード塗布を行う装置であり、ノズル92と、タンク94と、ポンプ96と、ブレード98とを備え、ノズル92は配管を通じてタンク94に接続しており、タンク94は別の配管を通じてポンプ96に接続している。ノズル92は、塗布液34(表面層形成用組成物)を支持部材91(又は、導電性弾性層を備えた支持部材91、以下同じ)の外周面上に流下する。タンク96は、塗布液34を貯蔵する。ポンプ96は、ノズル92が支持部材91の外周面に流下する塗布液34の量を制御する。ブレード98は、支持部材91の外周面に供給された塗布液34に接触し、塗布液34を均す。
塗布装置90によって、例えば下記の工程が行われ、支持部材91の外周面に表面層が形成される。
軸方向を水平方向にして設置した支持部材91を、回転装置(不図示)が矢印Aの向きに回転させると共に、ノズル92が矢印Bの向きに移動しながら塗布液34を流下することにより、支持部材91の一端から他端に向かって(図面上の右側から左側に向かって)、支持部材91の外周面に塗布液34の層が形成される。この際に、ブレード98を、塗布液34の層に押し当てながら、ノズル92に追随させて矢印Bの向きに移動させる。塗布液34の層にブレード98を押し当てることにより、ブレード98で掻かれた塗布液34が隆起し、支持部材91の一端から他端に向かって(図面上の右側から左側に向かって)連続した螺旋状の凸部が形成される。次いで、塗布液34の層を加熱乾燥させ、螺旋状の凸部を有する表面層とする。
上記の製造工程においては、例えば下記の操作によって、表面層の外周面に形成する螺旋状の凸部の寸法及び筋数を制御し得る。
凸部の高さは、ブレード98の押圧によって制御し得る。ブレード98の押圧が高いほど、凸部の高さが高くなる。
凸部の幅は、ブレード98で掻かれて隆起する塗布液34の量によって制御し得る。ブレード98で掻かれて隆起する塗布液34の量が多いほど、凸部の幅は広くなる。具体的には、塗布液34の供給量又はブレード98の押圧を調節することで制御し得る。
凸部の螺旋周期は、支持部材91の回転速度又はブレード98の移動速度によって制御し得る。支持部材91の回転速度が遅いほど又はブレード98の移動速度が速いほど、凸部の螺旋周期が長くなる。
凸部の筋数は、例えば、ブレード98の塗布液34の層に接触する部位に凹部を設け、その凹部の個数によって制御し得る。この場合、ブレード98に設けた凹部においては塗布液34がすり抜け表面層に凸部が形成される。一つの凸部と別の凸部との距離は、ブレード98に設ける複数個の凹部間の距離により制御し得る。
凸部の筋数は、ほかに例えば、ブレード98の個数によって制御し得る。この場合、一つの凸部と別の凸部との距離は、複数個のブレード98間の距離により制御し得る。
[導電性弾性層]
本実施形態の一実施形態においては、支持部材と表面層との間に、導電性弾性層が配置されている。導電性弾性層は、支持部材の外周面上に直接配置されていてもよく、接着層を介して支持部材の外周面上に配置されていてもよい。
導電性弾性層は、単層でもよく、複数の層が積層した積層体でもよい。導電性弾性層は、導電性の発泡弾性層でもよく、導電性の非発泡弾性層でもよく、導電性の発泡弾性層と導電性の非発泡弾性層とが積層されていてもよい。
導電性弾性層の体積抵抗率は、1×10Ωcm以上1×1014Ωcm以下が好ましい。
導電性弾性層の一実施形態は、弾性材料と、導電剤と、その他添加剤とを含む。
弾性材料としては、例えば、ポリウレタン、ニトリルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エピクロロヒドリンゴム、エピクロロヒドリン−エチレンオキシドゴム、エピクロロヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、塩素化ポリイソプレン、水素化ポリブタジエン、ブチルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、天然ゴム、及びこれらを混合した弾性材料が挙げられる。これらの弾性材料の中でも、ポリウレタン、シリコーンゴム、ニトリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、エピクロロヒドリン−エチレンオキシドゴム、エピクロロヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテルゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、及びこれらを混合した弾性材料が好ましい。
導電剤としては、電子導電剤とイオン導電剤とが挙げられる。電子導電剤としては、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、カラーブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン;グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の金属又は合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ−酸化アンチモン固溶体、酸化スズ−酸化インジウム固溶体等の金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理した物質;などの粉末が挙げられる。イオン導電剤としては、テトラエチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリアルキルアンモニウム等の過塩素酸塩又は塩素酸塩;リチウム、マグネシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の過塩素酸塩又は塩素酸塩;などが挙げられる。導電剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
導電剤は、一次粒径が1nm以上200nm以下であることが好ましい。
導電性弾性層における電子導電剤の含有量は、弾性材料100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下が好ましく、15質量部以上25質量部以下がより好ましい。導電性弾性層におけるイオン導電剤の含有量は、弾性材料100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下が好ましく、0.5質量部以上3質量部以下がより好ましい。
導電性弾性層に配合されるその他添加剤としては、例えば、軟化剤、可塑剤、硬化剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、酸化防止剤、界面活性剤、カップリング剤、充填剤等が挙げられる。
加硫促進剤としては、チアゾール系、チウラム系、スルフェンアミド系、チオウレア系、ジチオカルバミン酸塩系、グアニジン系、アルデヒド−アンモニア系等が挙げられる。加硫促進剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
導電性弾性層における加硫促進剤の含有量は、弾性材料100質量部に対して、0.01質量部以上10質量部以下が好ましく、0.1質量部以上6質量部以下がより好ましい。
加硫促進助剤としては、酸化亜鉛、ステアリン酸等が挙げられる。加硫促進助剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
導電性弾性層における加硫促進助剤の含有量は、弾性材料100質量部に対して、0.5質量部以上20質量部以下が好ましく、1質量部以上15質量部以下がより好ましい。
導電性弾性層に含まれる充填剤としては、炭酸カルシウム、シリカ、粘土鉱物等が挙げられる。充填剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
導電性弾性層における充填剤の含有量は、弾性材料100質量部に対して、5質量部以上60質量部以下が好ましく、10質量部以上60質量部以下がより好ましい。
導電性弾性層の層厚は、1mm以上10mm以下が好ましく、2mm以上5mm以下がより好ましい。
導電性弾性層と支持部材との間に介在する接着層としては、樹脂層が挙げられ、具体的には、ポリオレフィン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ニトリルゴム、塩素ゴム、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル、フェノール樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂層が挙げられる。接着層は、導電剤(例えば、前述の電子導電剤又はイオン導電剤)を含有していてもよい。
導電性弾性層を支持部材上に形成する方法としては、例えば、弾性材料、導電剤、その他添加剤を混合した導電性弾性層形成用組成物と、円筒状の支持部材とを、共に押出成形機から押出して、支持部材の外周面上に導電性弾性層形成用組成物の層を形成し、次いで、導電性弾性層形成用組成物の層を加熱して架橋反応させ導電性弾性層とする方法;無端ベルト状の支持部材の外周面に、弾性材料、導電剤、その他添加剤を混合した導電性弾性層形成用組成物を押出成形機から押出して、支持部材の外周面上に導電性弾性層形成用組成物の層を形成し、次いで、導電性弾性層形成用組成物の層を加熱して架橋反応させ導電性弾性層とする方法;などが挙げられる。支持部材は、その外周面に接着層を有していてもよい。
<画像形成装置、帯電装置、プロセスカートリッジ>
本実施形態に係る画像形成装置は、感光体と、本実施形態に係る帯電部材を備え、接触帯電方式により感光体を帯電させる帯電装置と、帯電した感光体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、感光体の表面に形成された潜像を、トナーを含む現像剤により現像して、感光体の表面にトナー像を形成する現像装置と、感光体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、を備える。
本実施形態に係る画像形成装置において帯電装置は、帯電部材に直流電圧のみを印加する方式、帯電部材に直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加する方式のいずれでもよい。
本実施形態に係る画像形成装置は、トナー像を記録媒体に定着させる定着装置;トナー像の転写後、帯電前の感光体の表面をクリーニングするクリーニング装置;トナー像の転写後、帯電前に感光体の表面に光を照射して除電する除電装置;から選ばれる少なくとも1つをさらに備えていてもよい。
本実施形態に係る画像形成装置は、感光体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に直接転写する直接転写方式の装置、及び、感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置、のいずれでもよい。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、画像形成装置に着脱されるカートリッジであり、少なくとも、感光体と、本実施形態に係る帯電部材と、を備える。本実施形態に係るプロセスカートリッジは、現像装置、感光体のクリーニング装置、感光体の除電装置、転写装置等から選択される少なくとも一つの装置をさらに備えていてもよい。
以下、本実施形態に係る画像形成装置、帯電装置及びプロセスカートリッジの構成を、図面を参照しながら説明する。
図6は、本実施形態に係る画像形成装置の一例である、直接転写方式の画像形成装置を示す概略図である。図7は、本実施形態に係る画像形成装置の一例である、中間転写方式の画像形成装置を示す概略図である。
図6に示す画像形成装置200は、感光体207と、感光体207表面を帯電させる帯電装置208と、帯電装置208に接続した電源209と、感光体207表面を露光して潜像を形成する露光装置206と、感光体207上の潜像を、トナーを含む現像剤により現像する現像装置211と、感光体207上のトナー像を記録媒体500に転写する転写装置212と、トナー像を記録媒体500に定着させる定着装置215と、感光体207上に残留したトナーを除去するクリーニング装置213と、感光体207表面を除電する除電装置214と、を備える。除電装置214は、備えられていなくてもよい。
図7に示す画像形成装置210は、感光体207と、帯電装置208と、電源209と、露光装置206と、現像装置211と、感光体207上のトナー像を記録媒体500に転写する1次転写部材212a及び2次転写部材212bと、定着装置215と、クリーニング装置213と、を備える。画像形成装置210は、画像形成装置200と同様に除電装置を備えていてもよい。
帯電装置208は、ロール状の帯電部材からなり、感光体207の表面に接触して、感光体207の表面を帯電させる、接触帯電方式の帯電装置である。帯電装置208には、電源209から、直流電圧のみが印加される、又は、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧が印加される。
露光装置206としては、半導体レーザー、LED(light emitting diode)等の光源を備える光学系装置が挙げられる。
現像装置211は、トナーを感光体207に供給する装置である。現像装置211は、例えば、ロール状の現像剤保持体を感光体207に接触又は近接させて、感光体207上の潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する。
転写装置212としては、例えば、コロナ放電発生器、記録媒体500を介して感光体207に押圧する導電性ロールが挙げられる。
1次転写部材212aとしては、例えば、感光体207に接触して回転する導電性ロールが挙げられる。2次転写部材212bとしては、例えば、記録媒体500を介して1次転写部材212aに押圧する導電性ロールが挙げられる。
定着装置215としては、例えば、加熱ロールと、該加熱ロールに押圧する加圧ロールとを備える加熱定着装置が挙げられる。
クリーニング装置213としては、クリーニング部材として、ブレード、ブラシ、ロール等を備える装置が挙げられる。クリーニングブレードの材質としては、ウレタンゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。
除電装置214は、例えば、転写後の感光体207表面に光を照射して、感光体207の残留電位を除電する装置である。除電装置214は、備えられていなくてもよい。
図8は、本実施形態に係る画像形成装置の一例である、4つの画像形成ユニットを並列配置したタンデム方式且つ中間転写方式の画像形成装置を示す概略図である。
画像形成装置220は、ハウジング400内に、各色のトナーに対応する4つの画像形成ユニットと、レーザー光源を備える露光装置403と、中間転写ベルト409と、2次転写ロール413と、定着装置414と、クリーニングブレード416を有するクリーニング装置と、を備える。
4つの画像形成ユニットは同じ構成を有するため、これらを代表して、感光体401aを含む画像形成ユニットの構成を説明する。
感光体401aの周囲には、感光体401aの回転方向に順に、帯電ロール402a、現像装置404a、1次転写ロール410a、クリーニングブレード415aが配置されている。1次転写ロール410aは、中間転写ベルト409を介して感光体401aに押圧している。現像装置404aには、トナーカートリッジ405aに収容されたトナーが供給される。
帯電ロール402aは、感光体401aの表面に接触して、感光体401aの表面を帯電させる、接触帯電方式の帯電装置である。帯電ロール402aには、電源から、直流電圧のみが印加される、又は、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧が印加される。
中間転写ベルト409は、駆動ロール406、張架ロール407及び背面ロール408により張架されており、これらのロールの回転により走行する。
2次転写ロール413は、中間転写ベルト409を介して背面ロール408に押圧するように配置されている。
定着装置414は、例えば、加熱ロールと加圧ロールとを備える加熱定着装置である。
クリーニングブレード416は、中間転写ベルト409上に残留したトナーを除去する部材である。クリーニングブレード416は、背面ロール408の下流に配置されており、転写後の中間転写ベルト409上に残留したトナーを除去する。
ハウジング400内には、記録媒体500を収容するトレイ411が設けられている。トレイ411内の記録媒体500は、搬送ロール412により中間転写ベルト409と2次転写ロール413との接触部に搬送され、さらには定着装置414に搬送され、記録媒体500上に画像が形成される。画像形成後の記録媒体500は、ハウジング400の外部に排出される。
図9は、本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略図である。図9に示すプロセスカートリッジ300は、例えば、露光装置、転写装置及び定着装置を備える画像形成装置本体に着脱される。
プロセスカートリッジ300は、感光体207と、帯電装置208と、現像装置211と、クリーニング装置213とが、ハウジング301によって一体化されている。ハウジング301には、画像形成装置に着脱するための取り付けレール302と、露光のための開口部303と、除電露光のための開口部304とが設けられている。
プロセスカートリッジ300が備える帯電装置208は、ロール状の帯電部材からなり、感光体207の表面に接触して、感光体207の表面を帯電させる、接触帯電方式の帯電装置である。プロセスカートリッジ300が画像形成装置に装着され画像形成を行う際に、帯電装置208には、電源から、直流電圧のみが印加される、又は、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧が印加される。
<現像剤、トナー>
本実施形態に係る画像形成装置に適用される現像剤は、特に限定されない。現像剤は、トナーのみを含む一成分現像剤でもよく、トナーとキャリアとを混合した二成分現像剤でもよい。
現像剤に含まれるトナーは、特に限定されない。トナーは、例えば、結着樹脂、着色剤、離型剤を含む。トナーの結着樹脂としては、例えば、ポリエステル、スチレン−アクリル樹脂が挙げられる。
トナーは、外添剤が外添されていてもよい。トナーの外添剤としては、例えば、シリカ、チタニア、アルミナ等の無機微粒子が挙げられる。
トナーは、トナー粒子を製造し、そのトナー粒子に外添剤を外添して調製する。トナー粒子の製造方法としては、混練粉砕法、凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法などが挙げられる。トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
トナー粒子の体積平均粒径(D50v)は、2μm以上10μm以下が好ましく、4μm以上8μm以下がより好ましい。
二成分現像剤に含まれるキャリアは、特に限定されない。キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に樹脂を被覆した被覆キャリア;マトリックス樹脂中に磁性粉が分散して配合された磁性粉分散型キャリア;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリア;が挙げられる。
二成分現像剤におけるトナーとキャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100が好ましく、3:100乃至20:100がより好ましい。
以下、実施例により発明の実施形態を詳細に説明するが、発明の実施形態は、これら実施例に限定されない。以下の説明において、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
<帯電部材の作製>
[実施例1]
−ゴム組成物の調製−
下記材料の混合物を2.5Lのニーダーで混練りしてゴム組成物を得た。
・ゴム材:エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム(Hydrin T3106、日本ゼオン社製) 100部
・導電剤:カーボンブラック(#3030B、三菱化学社製) 5部
・イオン導電剤:ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド(BTEAC、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製) 1部
・加硫剤:4,4'−ジチオジモルホリン(バルノックR、大内新興化学工業社製)
1.5部
・加硫促進剤:ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド(ノクセラーDM−P、大内新興化学工業社製) 1.5部
・加硫促進剤:テトラエチルチウラムジスルフィド(ノクセラーTET−G、大内新興化学工業社製) 1.8部
・加硫促進助剤:酸化亜鉛(正同化学工業社製) 3部
・ステアリン酸 1部
・重質炭酸カルシウム 40部
−導電性弾性層ロールの作製−
無電解ニッケルメッキ後に6価クロム酸処理を施した、直径8mmのSUM23L製のシャフトの外周面に、接着剤(エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム)を塗布して厚さ5μmの接着層を形成した。ゴム組成物を、接着層を有するシャフトと共に、クロスヘッドダイを備えた1軸ゴム押出し機(シリンダー内径60mm、L/D20、スクリュー回転25rpm、シリンダー部、スクリュー部、ヘッド部及びダイ部の温度80℃)から押出して、シャフトの外周面上にゴム組成物の層を形成し、次いで、空気加熱炉にて165℃で70分間加熱し、導電性弾性層ロール(直径12mm)を得た。
−表面層形成用組成物の調製−
下記材料の混合物をビーズミルにて分散処理し、メタノールで希釈して、表面層形成用組成物とした。
・結着樹脂:N−メトキシメチル化ナイロン(F30K、ナガセケムテックス社製)
100部
・結着樹脂:ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBL−1、積水化学工業社製)
10部
・フィラー:ポリアミド樹脂(Orgasol2001DNat1、一次粒径5μm、アルケマ社製) 20部
・導電性粒子:酸化亜鉛(一次粒径15nm) 20部
・触媒:NACURE4167(楠本化成社製) 4部
・溶剤:メタノール 700部
・溶剤:ブタノール 200部
−表面層の形成−
表面層形成用組成物を、導電性弾性層ロールの外周面にブレード塗布により塗布した。このとき、塗布装置の回転部の回転数(つまり導電性弾性層ロールの回転数)を1000rpmに、塗布装置のノズル及びブレードの移動速度を4mm/secに、ブレードの押圧を1×10−4N/mmに設定し、連続した螺旋状の凸部を1筋塗膜に形成した。塗膜を130℃で30分間加熱乾燥して溶剤を除去し、表面層とした。これにより、実施例1の帯電ロールを得た。表面層の軸方向長さは、310mmとした。
[実施例2〜11]
表面層を形成する際に、表面層形成用組成物の塗布量、塗布装置のノズル及びブレードの移動速度、及びブレードの押圧を制御し、凸部の高さ等を表1の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして帯電ロールを作製した。
[実施例12]
シャフトの外周面に表面層形成用組成物を直接塗布した以外は、実施例1と同様にして帯電ロールを作製した。
[比較例1]
表面層を浸漬塗布により形成した以外は、実施例1と同様にして帯電ロールを作製した。
[比較例2]
表面層を形成する際に、ブレードの押し当て方を変えて、周方向に一周している環状の凸部を離間させて複数筋形成した以外は、実施例1と同様にして帯電ロールを作製した。
[比較例3〜4]
表面層を形成する際に、表面層形成用組成物の塗布量、塗布装置のノズル及びブレードの移動速度、並びにブレードの押圧を制御し、凸部の高さ等を表1の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして帯電ロールを作製した。
[実施例21]
表面層に2筋の凸部を平行して形成するため、塗布装置のブレードの先端に2個の凹部を設け、2個の凹部間の距離、2個の凹部の大きさ、表面層形成用組成物の塗布量、塗布装置のノズル及びブレードの移動速度、及びブレードの押圧を制御し、凸部の高さ等を表2の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして帯電ロールを作製した。
[実施例22〜26、比較例21〜22]
実施例21と同様にして、但し、ブレード先端の2個の凹部間の距離、2個の凹部の大きさ、表面層形成用組成物の塗布量、塗布装置のノズル及びブレードの移動速度、及びブレードの押圧を制御し、凸部の高さ等を表2の通りに変更して、帯電ロールを作製した。
<凸部の測定>
各例の帯電ロールを、軸方向に平行且つ表面層の厚さ方向(帯電ロールの径方向)に切断したときに現われる切断面を、光学顕微鏡(キーエンス社製VHX−200)を用いて倍率1000倍で観察した。凸部の断面10個について高さH、幅W、及び周期Dを測定し平均することにより、凸部の高さ、幅及び螺旋周期を求めた。凸部が2筋形成されている帯電ロールについては、2筋の凸部間の距離も求めた。
<評価>
電子写真方式の画像形成装置として、帯電ロールに直流電圧のみを印加する接触帯電方式の画像形成装置である富士ゼロックス社製DocuCentre SC2021 CPSを用意した。現像剤として、トナー粒子の体積平均粒径が5μmである黒色トナーを用意した。
各例の帯電ロールを、感光体の帯電部材として画像形成装置に装着し、温度23℃且つ相対湿度50%の環境下で、A4紙に画像濃度30%の全面ハーフトーン画像を1万枚連続出力した。
[画像欠陥]
1万枚目の画像を目視で観察し、下記のとおりに分類した。結果を表1に記す。
A:画像欠陥は認められない。
B:トナー汚染に起因する筋状の画像欠陥が1個認められる。
C:トナー汚染に起因する筋状の画像欠陥が2個〜3個認められる。
D:トナー汚染に起因する筋状の画像欠陥が4個以上認められる。
E:トナー汚染に起因する筋状の画像欠陥が全面に認められる。
画像形成後の帯電ロールの外周面を目視で観察した。
比較例1の帯電ロールは、外周面全体にトナー汚染が認められた。
比較例2の帯電ロールは、特に環状の凸部の側面にトナー汚染が認められた。
実施例1〜12及び21〜26の帯電ロールは、螺旋状の凸部の側面にトナーの集積が認められ、螺旋状の凸部の端部からトナーが押し出されるように排出されていた。
[画像の濃度ムラ]
画像濃度計X−Rite938(X−Rite社製)を用いて、1万枚目の画像上を任意に10点測定し、画像濃度の最大値と最小値の差である画像濃度差を求め、下記のとおりに分類した。結果を表1に記す。
A:画像濃度差が0.2以下。
B:画像濃度差が0.2超0.25以下。
C:画像濃度差が0.25超0.3以下。
D:画質濃度差が0.3超。
208A,208B,208C,208D,208E 帯電部材、30 支持部材、31 導電性弾性層、32 表面層、36 凸部
90 塗布装置、92 ノズル、94 タンク、96 ポンプ、98 ブレード、34 塗布液
200,210,220 画像形成装置、206 露光装置、207 感光体、208 帯電装置、209 電源、211 現像装置、212 転写装置、212a 1次転写部材、212b 2次転写部材、213 クリーニング装置、214 除電装置、215 定着装置、500 記録媒体
400 ハウジング、401a,401b,401c,401d 感光体、402a,402b,402c,402d 帯電ロール、403 露光装置、404a,404b,404c,404d 現像装置、405a,405b,405c,405d トナーカートリッジ、406 駆動ロール、407 張架ロール、408 背面ロール、409 中間転写ベルト、410a,410b,410c,410d 1次転写ロール、411 トレイ、412 搬送ロール、413 2次転写ロール、414 定着装置、415a,415b,415c,415d クリーニングブレード、416 クリーニングブレード
300 プロセスカートリッジ、301 ハウジング、302 取り付けレール、303 露光のための開口部、304 除電露光のための開口部

Claims (9)

  1. 支持部材と、
    前記支持部材上に配置され、外周面の被帯電部材と接触する領域に、軸方向の一端から他端にかけて螺旋状に連続した高さ2μm以上10μm以下の凸部を有する表面層と、
    を有する帯電部材。
  2. 前記凸部の幅が0.1mm以上1mm以下である、請求項1に記載の帯電部材。
  3. 前記凸部の螺旋周期が0.5mm以上10mm以下である、請求項1又は請求項2に記載の帯電部材。
  4. 前記表面層が前記凸部を2筋以上有し、2筋以上の前記凸部が互いに平行して配置されている、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の帯電部材。
  5. 2筋以上の前記凸部は、一筋の前記凸部とこれに最も近い別の一筋の前記凸部との間の距離が0.5mm以上1mm以下である、請求項4に記載の帯電部材。
  6. 前記支持部材と、前記支持部材上に配置された導電性弾性層と、前記導電性弾性層上に配置された前記表面層とを有する、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の帯電部材。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の帯電部材を有し、接触帯電方式により電子写真感光体を帯電させる帯電装置。
  8. 電子写真感光体と、
    請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の帯電部材を有し、接触帯電方式により前記電子写真感光体を帯電させる帯電装置と、
    を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
  9. 電子写真感光体と、
    請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の帯電部材を有し、接触帯電方式により前記電子写真感光体を帯電させる帯電装置と、
    帯電した前記電子写真感光体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
    前記電子写真感光体の表面に形成された潜像を、トナーを含む現像剤により現像して、前記電子写真感光体の表面にトナー像を形成する現像装置と、
    前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、
    を備える画像形成装置。
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