JP2018011681A - 視線検出装置、視線検出プログラムおよび視線検出方法 - Google Patents

視線検出装置、視線検出プログラムおよび視線検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】撮像装置の撮影動作と光源の点滅動作とタイミングが互いに異なる場合でも、点灯中の画像および消灯中の画像を視線検出に利用可能なフレームレートの低下を抑え、取得することを目的とする。【解決手段】撮像装置が被写体を所定のフレームレートで撮影した動画像を取得し、取得した画像に基づいて被写体の視線を検出する視線検出装置であって、少なくとも2フレーム時間以上の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す光源に照らされた被写体を、所定のフレームレートで撮像装置が撮影した複数の画像のうち、画像の輝度に基づいて光源の点灯中または及び消灯中に撮影された画像を抽出する抽出部と、抽出部により抽出された点灯中の画像と消灯中の画像との組合せを取得する取得部と、取得した各組合せの点灯中の画像と消灯中の画像とが示す情報の差分に基づいて、被写体の眼鏡に映り込む周囲の光による像が除去された画像を生成する除去部とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、視線検出装置、視線検出プログラムおよび視線検出方法に関する。
カメラにより撮影された画像から人物の視線を検出する方法の1つとして、角膜反射法がある。角膜反射法の視線検出では、視線を検出する対象の被験者に向けて、赤外線の光を照射する光源と、赤外線の光を検出するカメラとが用いられる。例えば、角膜反射法により視線を検出する視線検出装置は、カメラにより撮影された画像における輝度値の分布を算出し、被験者の目の瞳孔として、輝度値が周囲の領域の輝度値より小さい円形の領域を検出する。また、視線検出装置は、算出した輝度値の分布に基づいて、光源により照射された赤外線が被験者の目の角膜で反射した箇所を示す輝点を、輝度値が周囲の領域の輝度値より大きい領域として画像から検出する。そして、視線検出装置は、例えば、検出した被験者の瞳孔の中心位置と輝点の位置との間の距離と、予め設定された角膜の曲率半径とに基づいて被験者の視線を検出する。
しかしながら、被験者が眼鏡をかけている場合、カメラにより撮影された画像には、被験者の目の瞳孔および光源の赤外線の輝点の少なくとも一方と、眼鏡のレンズに映り込む周囲の光(以下、“環境光”とも称される)による像とが重畳することがある。環境光による像が画像に重畳する場合、画像において、被験者の目の瞳孔や光源の赤外線の輝点が不鮮明となるため、角膜反射法による視線検出では、視線検出の精度が低下する。
なお、光源が赤外線を照射しない、すなわち光源が消灯している場合、画像には、被験者の目の瞳孔および光源の赤外線の輝点は写らず、被験者の眼鏡に映り込んだ環境光の像が写る。そこで、カメラの撮影動作と光源の点滅動作とを同期させて、点灯中の画像と消灯中の画像とを取得し、点灯中の画像と消灯中の画像と輝度の差分に基づいて、眼鏡等に映り込む環境光の像を画像から除去する技術が提案されている(例えば、特許文献1−3参照)。
同期回路を設けずに行う場合は、照明のON/OFF制御後、確実に照明がON及びOFFになるタイミングを見極めて撮像を行えば、同様に眼鏡等に映り込む環境光の像を画像から除去する事ができる。しかしながら、映り込み除去後の視線検出に利用可能なフレームレートが大幅に低く(フレーム数が少なく)なってしまう。
特開2002−230563号公報 特開2008−276328号公報 特開2008−123137号公報
ところで、視線を正しく、また細かな動きに追従性よく検出するためには、視線検出に使用できるフレーム数(フレームレート)は多い方が望ましい。視線検出に利用できるフレーム数をできる限り多くするために従来技術では、カメラの撮影動作と光源の点滅動作とを同期させるための回路を設ける必要がある。このため、回路規模が増大し、コストが増加することがある。
1つの側面では、本件開示の視線検出装置、視線検出プログラムおよび視線検出方法は、撮像装置の撮影動作と光源の点滅動作とタイミングが互いに異なる場合でも、点灯中の画像および消灯中の画像を視線検出に利用可能なフレームレートの低下を抑え、取得することを目的とする。
一つの観点によれば、視線検出装置は、撮像装置が被写体を所定のフレームレートで撮影した動画像を取得し、取得した画像に基づいて被写体の視線を検出する視線検出装置であって、少なくとも2フレーム時間以上の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す光源に照らされた被写体を、所定のフレームレートで撮像装置が撮影した複数の画像のうち、画像の輝度に基づいて光源の点灯中または及び消灯中に撮影された画像を抽出する抽出部と、抽出部により抽出された点灯中の画像と消灯中の画像との組合せを取得する取得部と、取得した各組合せの点灯中の画像と消灯中の画像とが示す情報の差分に基づいて、被写体の眼鏡に映り込む周囲の光による像が除去された画像を生成する除去部とを有する。
別の観点によれば、視線検出装置は、撮像装置が被写体を所定のフレームレートで撮影した動画像を取得し、取得した画像に基づいて被写体の視線を検出する視線検出装置であって、光源に照らされた被写体を、所定のフレームレートで撮像装置が撮影した画像が、被写体の眼鏡に映り込む周囲の光による像が存在する第1画像か否かを画像の輝度に基づいて判定する判定部と、撮像装置により撮影された画像が第1画像であると判定部により判定された場合、光源を少なくとも2フレーム時間以上の時間消灯させる制御部と、光源の消灯中に撮像装置により撮影された被写体の第2画像と、第1画像とが示す情報の差分に基づいて、被写体の眼鏡に映り込む周囲の光による像が除去された画像を生成する除去部とを有する。
別の観点によれば、視線検出プログラムは、撮像装置が被写体を所定のフレームレートで撮影した動画像を取得し、取得した画像に基づいて被写体の視線を検出する視線検出プログラムであって、少なくとも2フレーム時間以上の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す光源に照らされた被写体を、所定のフレームレートで撮像装置が撮影した複数の画像のうち、画像の輝度に基づいて光源の点灯中または及び消灯中に撮影された画像を抽出し、抽出した点灯中の画像と消灯中の画像との組合せを取得し、取得した各組合せの点灯中の画像と消灯中の画像とが示す情報の差分に基づいて、被写体の眼鏡に映り込む周囲の光による像が除去された画像を生成する処理をコンピュータに実行させる。
別の観点によれば、視線検出プログラムは、撮像装置が被写体を所定のフレームレートで撮影した動画像を取得し、取得した画像に基づいて被写体の視線を検出する視線検出プログラムであって、光源に照らされた被写体を、所定のフレームレートで撮像装置が撮影した画像が、被写体の眼鏡に映り込む周囲の光による像が存在する第1画像か否かを画像の輝度に基づいて判定し、撮像装置により撮影された画像が第1画像であると判定した場合、光源を少なくとも2フレーム時間以上の時間消灯させ、光源の消灯中に撮像装置により撮影された被写体の第2画像と、第1画像とが示す情報の差分に基づいて、被写体の眼鏡に映り込む周囲の光による像が除去された画像を生成する処理をコンピュータに実行させる。
別の観点によれば、視線検出方法は、撮像装置が被写体を所定のフレームレートで撮影した動画像を取得し、取得した画像に基づいて被写体の視線を検出する視線検出方法であって、少なくとも2フレーム時間以上の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す光源に照らされた被写体を、所定のフレームレートで撮像装置が撮影した複数の画像のうち、画像の輝度に基づいて光源の点灯中または及び消灯中に撮影された画像を抽出し、抽出した点灯中の画像と消灯中の画像との組合せを取得し、取得した各組合せの点灯中の画像と消灯中の画像とが示す情報の差分に基づいて、被写体の眼鏡に映り込む周囲の光による像が除去された画像を生成する。
別の観点によれば、視線検出方法は、撮像装置が被写体を所定のフレームレートで撮影した動画像を取得し、取得した画像に基づいて被写体の視線を検出する視線検出方法であって、光源に照らされた被写体を、所定のフレームレートで撮像装置が撮影した画像が、被写体の眼鏡に映り込む周囲の光による像が存在する第1画像か否かを画像の輝度に基づいて判定し、撮像装置により撮影された画像が第1画像であると判定した場合、光源を少なくとも2フレーム時間以上の時間消灯させ、光源の消灯中に撮像装置により撮影された被写体の第2画像と、第1画像とが示す情報の差分に基づいて、被写体の眼鏡に映り込む周囲の光による像が除去された画像を生成する。
本件開示の視線検出装置、視線検出プログラムおよび視線検出方法は、撮像装置の撮影動作と光源の点滅動作とタイミングが互いに異なる場合でも、フレームレートをできる限り落とさずに点灯中の画像および消灯中の画像を取得できる。
視線検出装置、視線検出プログラムおよび視線検出方法の一実施形態を示す図である。 視線検出装置、視線検出プログラムおよび視線検出方法の別の実施形態を示す図である。 視線検出装置の別の実施形態を示す図である。 図3に示した検出部における検出処理の一例を示す図である。 図3に示した視線検出システムのハードウェア構成の一例を示す図である。 図3に示した視線検出装置における視線検出処理の一例を示す図である。 図6に示したステップS140の較正処理の一例を示す図である。 図6に示したステップS150の検出処理の一例を示す図である。 視線検出装置の別の実施形態を示す図である。 図9に示した視線検出装置がHMDに搭載される場合の一例を示す図である。 図10に示したHMDが被験者PAに装着された場合の一例を示す図である。 図9に示した視線検出システムのハードウェア構成の一例を示す図である。 図9に示した判定部における判定処理の一例を示す図である。 図9に示した判定部における判定処理の別例を示す図である。 図9に示した撮像装置の撮影動作と、光源の点滅動作との関係の一例を示す図である。 図9に示した視線検出装置における視線検出処理の一例を示す図である。
以下、図面を用いて実施形態を説明する。
図1は、視線検出装置、視線検出プログラムおよび視線検出方法の一実施形態を示す。
図1(a)に示した視線検出装置100は、例えば、プロセッサ等の演算処理装置と、ハードディスク装置等の記憶装置を有するコンピュータ装置である。視線検出装置100は、有線または無線を介して、撮像装置10に接続され、撮像装置10により撮影された被験者PAの画像のデータを受信する。撮像装置10は、例えば、所定の時間の間隔で点灯と消灯とを繰り返す光源20に照らされ眼鏡をかけた被験者PAを、所定のフレームレートで撮影し、撮影した画像のデータを視線検出装置100に送信する。すなわち、視線検出装置100は、撮像装置10および光源20と協働して視線検出システムとして動作する。
なお、視線検出装置100の構成および動作は、図1に示す例に限定されず、例えば、撮像装置10および光源20が、視線検出装置100内に設けられてもよい。
また、図1(b)に示した括弧内は、撮像装置10の撮影動作と、光源20の点滅動作との関係の一例を示す。
視線検出装置100は、抽出部30、取得部40および除去部50を有する。例えば、視線検出装置100の演算処理装置は、記憶装置に記憶された視線検出プログラムを実行することにより、抽出部30、取得部40および除去部50として機能する。なお、抽出部30、取得部40および除去部50は、視線検出装置100に搭載されるハードウェアにより実現されてもよい。
抽出部30は、撮像装置10により所定のフレームレートで撮影された画像を受信する。抽出部30は、受信した各画像の輝度に基づいて光源20の点灯中に撮影された画像を1つ抽出する。例えば、視線検出装置100が、視線検出装置100に含まれるキーボードやタッチパネル等の入力装置を介して、視線検出処理の実行指示を受けた場合、抽出部30は、撮像装置10により所定のフレームレートで撮影された画像を受ける。図1(b)の括弧内に示すように、抽出部30は、例えば、光源20が点灯と消灯とを一回ずつ実行した期間に撮影された、4フレーム分の画像f(例えば、画像f1−f4)の各々の輝度の総和を算出する。そして、抽出部30は、算出した輝度の総和が最大値となる画像fを、光源20の点灯中に撮像装置10により撮影された画像として抽出する。例えば、画像f1−f4では、光源20が点灯している期間に撮影された画像f2の輝度の総和が最大である。したがって、抽出部30は、画像f2を抽出する。抽出部30は、抽出した画像f2を取得部40に出力する。
なお、抽出部30は、算出した輝度の総和が最小値を示す画像f(例えば、画像f4)を、光源20の消灯中に撮像装置10により撮影された画像として抽出してもよい。
取得部40は、抽出部30により抽出された画像f2を起点にして、撮像装置10により所定のフレームレートで撮影された画像を所定の時間の間隔である2フレーム毎に取得することにより、点灯中の画像と消灯中の画像との組合せを取得する。
除去部50は、取得した各組合せにおける点灯中の画像と消灯中の画像とが示す情報、例えば、輝度等の差分に基づいて、被験者PAの眼鏡に映り込む環境光による像が除去された画像を生成する。
視線検出装置100は、例えば、環境光の像が除去された画像に対して、角膜反射法等の視線検出処理を実行し、被験者PAの視線を検出する。そして、視線検出装置100は、検出した被験者PAの視線を含むデータを、視線検出装置100の記憶装置に記憶し、あるいは視線検出装置100に含まれるディスプレイ等の出力装置に表示する。
なお、視線検出装置100は、眼鏡をかけていない被験者PAを撮像装置10により撮影された画像に対しても、眼鏡をかけた被験者PAの画像に対する同一または同様の処理を実行してもよい。
次に、図1(b)の括弧内に示したタイミング図を用いて、撮像装置10および光源20の動作を説明する。
撮像装置10は、例えば、デジタルカメラであり、レンズと、CCD(Charge-Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の撮像素子とを有する。撮像装置10は、被験者PAの顔を撮影できる場所に配置される。例えば、撮像装置10は、視線検出装置100(コンピュータ装置)の上面等に配置されてもよく、視線検出装置100から離れた場所に配置されてもよい。そして、撮像装置10は、撮像装置10の電源のスイッチが投入された場合、光源20により赤外線で照らされる被験者PAを毎秒30フレーム等の所定のフレームレートで撮影を開始する。例えば、図1の括弧内に示すように、撮像装置10は、所定のフレームレートに基づく時刻t1−t8の各々で被験者PAを撮影し、撮影した画像f1−f8を視線検出装置100に出力する。なお、画像fを示す矩形の横(時刻)方向の長さは、撮像装置10が画像fを撮影した時の露光時間と、画像fが撮像装置10から視線検出装置100に出力されるまでにかかる時間との合計時間を示す。
光源20は、例えば、赤外線LED(Light Emitting Diode)等であり、被験者PAに向けて赤外線を照らす。また、光源20は、例えば、クロック回路等を含み、クロック回路から出力される時刻を示す情報を参照して所定の時間の間隔で点灯と消灯とを繰り返す機能を有する。すなわち、光源20は、光源20の電源のスイッチが投入された場合、所定のフレームレートに基づいた撮像装置10の撮影動作のタイミングと、点滅動作のタイミングとを合わせることなく、クロック回路から出力される時刻の情報に基づいて点滅動作を開始する。このため、撮像装置10の撮影動作のタイミングと、光源20の点滅動作のタイミングとが互いに異なる場合がある。例えば、所定の時間が、撮像装置10が2フレーム分の画像を撮像する時間に設定された場合、図1の括弧内に示すように、白色の矩形で示した所定の時間では、光源20は点灯する。そして、次の網掛けの矩形で示した所定の時間では、光源20は消灯する。
図1(b)の括弧内に示すように、撮像装置10の撮影動作と光源20の点滅動作とは同期していない。このため、画像f1、f5は、光源20が消灯から点灯に切り替わるタイミングを含む期間に撮影され、画像f3、f7は、光源20が点灯から消灯に切り替わるタイミングを含む期間に撮影されている。一方、画像f2、f6は、光源20が点灯している期間に撮影され、画像f4、f8は、光源20が消灯している期間に撮影されている。画像f2、f6は、点灯中の画像の一例であり、画像f4、f8は、消灯中の画像の一例である。
換言すれば、所定の時間が、2フレーム分の画像の撮影時間に設定されているため、2フレーム毎に点灯中と消灯中の画像f2、f4、f6、f8が交互に得られる。このため、所定の時間は、撮像装置10のフレームレートに応じて、適宜設定されることが好ましい。これにより、所定の時間の間隔毎に、光源20が点灯中および消灯中に撮影された被験者PAの画像を交互に取得できる。
また、光源20は、被験者PAの顔に赤外線を照らすことができる場所、例えば、視線検出装置100や撮像装置10等に配置される。あるいは、光源20は、撮像装置10に内蔵されてもよい。
図1に示した実施形態では、光源20の点滅動作における所定の時間は、撮像装置10が被験者PAを撮影するフレームレートに応じて視線検出に必要なフレーム数を満たす値に設定される。このため、光源20が点灯と消灯とを一回ずつ実行した期間において、撮像装置10により所定のフレームレートで撮影された画像には、点灯中の画像と消灯中の画像とが含まれる。すなわち、抽出部30は、光源20が点灯と消灯とを一回ずつ実行した期間に撮影された画像の輝度に基づいて、点灯中の画像または消灯中の画像を抽出できる。そして、取得部40は、抽出された画像を起点にして、撮像装置10により所定のフレームレートで撮影された画像を、2フレーム等の所定の時間の間隔毎に取得することにより、点灯中および消灯中の画像の組合せを取得できる。この結果、視線検出装置100は、撮像装置10の撮影動作と光源20の点滅動作とのタイミングが異なる場合でも、点灯中の画像および消灯中の画像を取得できる。
なお、本実施例では完全な点灯画像と消灯画像を取得するために少なくとも2フレーム分の時間が最低限必要となる。これは、点灯と消灯のタイミングと撮像のタイミングが最大にずれたとしても少なくとも1フレーム分の完全な照明の点灯画像と消灯画像が含まれる時間間隔となる。
また、視線検出装置100は、撮像装置10の撮影動作と光源20の点滅動作とを同期させる回路を設けずに、点灯中の画像および消灯中の画像を取得する。このため、回路規模の増大を抑制することができ、コストを抑制することができる。また、視線検出に利用可能なフレーム数も同期回路を使用した場合に比べ取得可能なフレームの低下を最小限に抑える事ができる。
図2は、視線検出装置、視線検出プログラムおよび視線検出方法の別の実施形態を示す。図1で説明した要素と同一または同様の機能を有する要素については、同一または同様の符号を付し、これらについては、詳細な説明を省略する。
図2に示した視線検出装置100aは、プロセッサ等の演算処理装置と、ハードディスク装置やメモリ等の記憶装置を有するコンピュータ装置である。視線検出装置100aは、有線または無線を介して、撮像装置10に接続され、撮像装置10により所定のフレームレートで撮影された被験者PAの画像のデータを受信する。また、視線検出装置100aは、有線または無線を介して、光源20aに接続され、光源20aの点滅動作を制御する。すなわち、視線検出装置100aは、撮像装置10および光源20aと協働して視線検出システムとして動作する。
なお、視線検出装置100aの構成および動作は、図2に示す例に限定されず、例えば、撮像装置10および光源20aが、視線検出装置100a内に設けられてもよい。
光源20aは、例えば、赤外線LED等であり、視線検出装置100aに含まれる制御部120からの制御指示に基づいて、赤外線を被験者PAに照らす。なお、光源20aは、被験者PAの顔に赤外線を照らすことができる場所、例えば、視線検出装置100aや撮像装置10等に配置される。あるいは、光源20aは、撮像装置10に内蔵されてもよい。
視線検出装置100aは、判定部110、制御部120および除去部130を有する。例えば、視線検出装置100aの演算処理装置は、記憶装置に記憶された視線検出プログラムを実行することにより、判定部110、制御部120および除去部130として機能する。なお、判定部110、制御部120および除去部130は、視線検出装置100aに搭載されるハードウェアにより実現されてもよい。
判定部110は、光源20aにより照らされ眼鏡をかけた被験者PAを撮像装置10が所定のフレームレートで撮影した画像が、被験者PAの眼鏡に映り込む環境光による像が存在する画像か否かを、画像の輝度に基づいて判定する。例えば、視線検出装置100aが角膜反射法を用いて被験者PAの視線を検出する場合、判定部110は、被験者PAの眼鏡の位置で所定の輝度以上の明るさを示す領域(すなわち、環境光の像)を画像から抽出する。そして、判定部110は、抽出した領域の大きさが所定の大きさより大きい場合、眼鏡に映り込む環境光の像が存在する画像と判定する。判定部110は、判定の結果を制御部120に出力する。眼鏡に映り込む環境光の像が存在する画像は、第1画像の一例である。
なお、所定の大きさは、光源20aの赤外線が被験者PAの目の角膜で反射する輝点の大きさに応じて設定されることが好ましい。
制御部120は、視線検出装置100aの動作を制御する。また、制御部120は、光源20aの点滅動作を制御する。例えば、制御部120は、光源20aを連続的に点灯させる。そして、制御部120は、撮像装置10により撮影された画像が眼鏡に映り込む環境光の像が存在する画像と判定部110により判定された場合、光源20aを所定の時間の間消灯させる。また、制御部120は、光源20aが消灯している時に撮像装置10により撮影された被験者PAの画像を除去部130に出力する。消灯している時に撮影された画像は、第2画像の一例である。
そして、制御部120は、例えば、視線検出装置100aに含まれるクロック回路等から出力される時刻の情報を参照し、所定の時間が経過した場合、光源20aを再点灯させる。
なお、光源20aが消灯する所定の時間は、少なくとも2フレーム分の時間より長いことが好ましい。所定の時間は、例えば、図1に示した光源20と同様に、撮像装置10が2フレーム分の画像を撮像する時間に設定されてもよい。この場合、図1(b)の括弧内に示すように、時刻t4、t5を含む時間で、光源20aが消灯する2フレーム分の時間において、撮像装置10は、画像f4、f5をそれぞれ撮影する。そして、図1の括弧内に示すように、撮像装置10が画像f4の撮影を開始した時刻t4から1フレーム分の時間は、光源20aが消灯中の期間に含まれる。そこで、制御部120は、例えば、視線検出装置100aのクロック回路からの時刻の情報を参照し、撮像装置10が撮影を開始した時刻t4から1フレーム分の時間全てが、光源20aが消灯中の期間に含まれる場合、画像f4を消灯中の画像として取得する。これにより、制御部120は、撮像装置10から受ける画像から、画像の輝度を参照することなく、画像f4を消灯中の画像として取得できる。
なお、図1(b)の括弧内に示すように、撮像装置10が画像f5の撮影を開始した時刻t5は、光源20aが消灯中の期間に含まれるが、時刻t5から1フレーム分の時間全ては、光源20aが消灯中の期間に含まれない。すなわち、時刻t5から1フレーム分の時間において、光源20aが消灯から点灯に切り替わる。例えば、光源20aが消灯から点灯に切り替わるタイミングが、画像f5の露光時間中である場合、画像f5は、光源20aからの赤外線の光により影響を受けてしまう。そこで、画像f5を消灯中の画像として取得するには、制御部120は、例えば、画像f5の輝度を測定する必要があり、視線検出装置100aの演算量は、画像f4を消灯中の画像として取得する上記の場合に比べて増える。したがって、制御部120は、撮像装置10が撮影を開始した時刻から1フレーム分の時間全てが、光源20が消灯中の期間に含まれない、画像f5等の画像を消灯中の画像として取得しない。
また、光源20aが消灯される所定の時間は、3フレーム分以上の画像を撮像する時間に設定されてもよい。この場合、光源20aを消灯してから2フレーム目に撮像装置10が撮影する画像は消灯中の画像であることから、制御部120は、消灯中の画像を取得できる。
一方、制御部120は、撮像装置10により撮影された画像が眼鏡に映り込む環境光の像がない画像と判定部110により判定された場合、光源20aの点灯を継続し、撮像装置10から受けた点灯中の画像を除去部130に出力する。
除去部130は、制御部120を介して取得した点灯中の画像と、消灯中の画像とが示す情報、例えば、輝度等の差分に基づいて、被験者PAの眼鏡に映り込む環境光による像が除去された画像を生成する。なお、除去部130は、制御部120より眼鏡に映り込む環境光の像がない画像を受けた場合、受けた画像に除去処理を実行せず、受けた画像をそのまま出力することが好ましい。
視線検出装置100aは、例えば、環境光の像が除去された画像に対して、角膜反射法等の視線検出処理を実行し、被験者PAの視線を検出する。そして、視線検出装置100aは、検出した被験者PAの視線を含むデータを、視線検出装置100aの記憶装置に記憶し、あるいは視線検出装置100aに含まれるディスプレイ等の出力装置に表示する。
なお、視線検出装置100aは、眼鏡をかけていない被験者PAを撮像装置10により撮影された画像に対しても、眼鏡をかけた被験者PAの画像に対する同一または同様の処理を実行してもよい。すなわち、判定部110は、撮像装置10により撮影された画像が眼鏡に映り込む環境光の像がない画像と判定する。そして、制御部120は、光源20aの点灯を継続する。
図2に示した実施形態では、制御部120は、判定部110により被験者PAの眼鏡に映り込む環境光の像が存在すると判定された場合、撮像装置10のフレームレートに応じた所定の時間の間(少なくとも2フレーム時間)、光源20aを消灯させる。これにより、光源20aが消灯している期間に撮像装置10が撮影した画像には、消灯中の画像が必ず含まれることから、制御部120は、消灯中の画像を取得できる。すなわち、視線検出装置100aは、撮像装置10の撮影動作と光源20aの点滅動作とのタイミングが互いに異なる場合でも、点灯中の画像および消灯中の画像を取得できる。
また、視線検出装置100aは、撮像装置10の撮影動作と光源20aの点滅動作とを同期させる回路を設けずに、点灯中の画像および消灯中の画像を取得する。このため、回路規模の増大を抑制することができ、コストを抑制することができる。
また、被験者PAが眼鏡をかけている場合でも、制御部120は、判定部110により被験者PAの眼鏡に映り込む環境光の像がないと連続して判定される場合、点灯中の画像を、撮像装置10のフレームレートと同じ頻度で取得できる。この場合、視線検出装置100aは、従来と比べて時間分解能を高くして、被験者PAの視線を検出することができる。
図3は、視線検出装置の別の実施形態の一例を示す。図1で説明した要素と同一または同様の機能を有する要素については、同一または同様の符号を付し、これらについては、詳細な説明を省略する。
図3に示した視線検出装置100bは、プロセッサ等の演算処理装置と、ハードディスク装置等の記憶装置を有するコンピュータ装置である。視線検出装置100bは、有線または無線を介して、撮像装置10に接続され、撮像装置10により撮影された被験者PAの画像のデータを受信する。また、視線検出装置100bは、キーボードまたはタッチパネル等の入力装置200と、液晶モニタ等の出力装置300とに、有線または無線を介して接続される。すなわち、視線検出装置100は、撮像装置10、光源20b、入力装置200および出力装置300と協働して視線検出システムSYSとして動作する。
なお、視線検出装置100bの構成および動作は、図3に示す例に限定されず、例えば、撮像装置10および光源20bが、視線検出装置100b内に設けられてもよい。
光源20bは、赤外線LED等であり、被験者PAに向けて赤外線を照らす。また、光源20bは、例えば、クロック回路25を含み、クロック回路25から出力される時刻を示す情報を参照し、所定の時間の間隔で点灯と消灯とを繰り返す。なお、所定の時間は、図1に示した光源20と同様に、撮像装置10が2フレーム分の画像を撮像する時間等に設定される。そして、光源20bは、光源20bの電源スイッチが投入された場合、撮像装置10の撮影動作のタイミングと、点滅動作のタイミングとを合わせることなく、クロック回路25からの時刻の情報に基づいて、2フレーム分の時間の間隔毎に点灯と消灯とを繰り返す。このため、撮像装置10の撮影動作のタイミングと、光源20bの点滅動作のタイミングとが互いに異なったとしても確実に1フレーム分の完全な照明の点灯画像と消灯画像が含まれる。
視線検出装置100bは、抽出部30、取得部40、除去部50および検出部60を有する。例えば、視線検出装置100bの演算処理装置は、記憶装置に記憶された視線検出プログラムを実行することにより、抽出部30、取得部40、除去部50および検出部60として機能する。なお、抽出部30、取得部40、除去部50および検出部60は、視線検出装置100bに搭載されるハードウェアにより実現されてもよい。
検出部60は、除去部50により環境光の像が除去された画像を受け、受けた画像に対して角膜反射法の視線検出処理を実行し、被験者PAの視線を検出する。そして、視線検出装置100bは、検出した被験者PAの視線を含むデータを、視線検出装置100bの記憶装置に記憶し、あるいは出力装置300に表示する。検出部60における検出処理については、図4で説明する。
なお、視線検出装置100bは、眼鏡をかけていない被験者PAを撮像装置10により撮影された画像に対しても、眼鏡をかけた被験者PAの画像対する同一または同様の処理を実行してもよい。
図4は、図3に示した検出部60における検出処理の一例を示す。図4(a)は、撮像装置10により撮影され、図3に示した除去部50により眼鏡に映り込んだ環境光の像が除去された被験者PAの画像70の一例を示す。図4(b)は、図4(a)に示した画像70のうち、被験者PAの目(例えば、左目)を含む目領域80の一例を示す。
検出部60は、例えば、図4(a)に示すように、除去部50より受けた画像70から被験者PAの顔を含む顔領域71を検出する。例えば、検出部60は、画像70において、輝度の不連続な変化を示すエッジ等の特徴点を抽出し、抽出した特徴点の分布に基づいて眉、目、鼻、唇等の各端点を特定する。そして、検出部60は、特定した各端点の位置に基づいて顔領域71を検出する。あるいは、検出部60は、顔画像のテンプレートと、除去部50から受けた画像70との相関を求め、求めた相関係数が所定の値以上となる画像の領域を顔領域71として検出してもよい。例えば、顔画像のテンプレートは、視線検出装置100bの記憶装置に予め記憶される。
また、検出部60は、顔領域71の抽出時に特定した目の端点等の情報に基づいて、顔領域71から目を含む目領域80および目の輪郭81を検出する。そして、検出部60は、検出した輪郭81内の画像の領域において、例えば、エッジ等の特徴点が円形状に分布し、円形状の領域の輝度値が周囲の領域の輝度値より低い領域を、瞳孔82および虹彩83を含む領域84として検出する。検出部60は、検出した領域84から瞳孔82の中心位置を求める。また、検出部60は、領域84において所定の閾値以上の輝度値を有し、かつ円形の形状を有する領域を、光源20aにより照射された赤外線が被験者PAの目の角膜で反射した輝点85として検出する。そして、検出部60は、例えば、求めた瞳孔82の中心位置と、輝点85との間の距離と、予め設定された角膜の曲率半径とに基づいて被験者PAの視線方向を検出する。
また、検出部60は、視線検出装置100bの記憶装置に予め記憶された瞳の領域のテンプレートと、検出した輪郭81の画像領域との相関を求め、求めた相関係数が所定の閾値を超える画像領域を領域84として検出してもよい。
また、検出部60は、被験者PAの右目の領域から被験者PAの視線を検出してもよく、左目および右目の両方の領域から被験者PAの視線を検出してもよい。
なお、検出部60は、環境光の像が除去された画像70を用いる代わりに、点灯中の画像を用いて、顔領域71および目領域80を検出してもよい。例えば、検出部60は、点灯中の画像から検出した目領域80の位置を示す位置情報を参照し、消灯中の画像の目領域80を取得する。そして、除去部50は、検出部60により検出された点灯中の画像の目領域80と消灯中の画像の目領域80との輝度の差分に基づいて、環境光の像が除去された目領域80の画像を生成する。検出部60は、生成された目領域80の画像に角膜反射法の視線検出処理を実行し、被験者PAの視線を検出する。
また、検出部60は、眼球半径等の被験者PAの個人差の影響により発生する視線検出処理の誤差を較正する機能を有することが好ましい。例えば、検出部60は、眼球半径等の被験者PAの個人差の影響を較正するために、出力装置300の画面上に、互いに異なる複数の位置のそれぞれに図形等の印を順次に表示する。検出部60は、各位置に表示された印を注視している時に撮像装置10により撮影された被験者PAの画像に、角膜反射法の視線検出処理を実行し、被験者PAの視線を検出する。検出部60は、各位置の印を注視している時の被験者PAの視線が各位置の印の座標と一致するように、被験者PAの個人差を示す較正データ(例えば、ホモグラフィ行列等)を算出する。そして、検出部60は、算出した較正データを視線検出装置100bの記憶装置に記憶し、記憶した較正データを用いて検出した被験者PAの視線を較正する。
図5は、図3に示した視線検出システム(SYS)のハードウェア構成の一例を示す。図3で説明した要素と同一または同様の機能を有する要素については、同一または同様の符号を付し、これらについては、詳細な説明を省略する。
図3に示した視線検出システム(SYS)は、撮像装置10、光源20b、入力装置200、出力装置300およびコンピュータ装置500を有する。コンピュータ装置500は、有線または無線を介して、撮像装置10、入力装置200および出力装置300に接続される。
また、コンピュータ装置500は、プロセッサ510、入出力インタフェース520およびメモリ530を有する。プロセッサ510、入出力インタフェース520およびメモリ530は、バス540に接続される。
プロセッサ510は、入出力インタフェース520を介して、撮像装置10が撮影した被験者PAの画像を受ける。
メモリ530は、コンピュータ装置500のオペレーティングシステムとともに、プロセッサ510が視線検出処理を実行するためのアプリケーションプログラムを格納する。
なお、視線検出処理を実行するためのアプリケーションプログラムは、例えば、光ディスク等に記録して頒布することができる。また、視線検出処理を実行するためのアプリケーションプログラムは、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬型記憶媒体に記録して頒布されてもよい。
そして、コンピュータ装置500は、光ディスクをコンピュータ装置500に含まれる光学ドライブ装置等に装着して読み込み処理を実行し、視線検出処理を実行するためのアプリケーションプログラムを光ディスクから詠み出し、メモリ530に格納する。また、コンピュータ装置500は、視線検出処理を実行するアプリケーションプログラムを、コンピュータ装置500に含まれるネットワークインタフェースを介して、ネットワークを通じてダウンロードし、メモリ530に格納してもよい。
プロセッサ510は、メモリ530に格納された視線検出処理のアプリケーションプログラムを実行することで、図3に示した抽出部30、取得部40、除去部50および検出部60として機能する。すなわち、視線検出装置100bは、プロセッサ510、入出力インタフェース520およびメモリ530の協働によって実現される。
図6は、図3に示した視線検出装置100bにおける視線検出処理の一例を示す。図6に示した処理は、視線検出装置100bの演算処理装置が視線検出プログラムを実行することにより実現される。すなわち、図6は、視線検出プログラムおよび視線検出方法の別の実施形態を示す。なお、図6に示した処理は、視線検出装置100bに搭載されるハードウェアにより実現されてもよい。この場合、図3に示した抽出部30、取得部40、除去部50および検出部60は、視線検出装置100b内に配置される回路により実現される。
なお、図6に示した処理は、視線検出装置100bの演算処理装置が実行する他のアプリケーションプログラムと連動して、実行されてもよい。例えば、他のアプリケーションプログラムがゲームまたは地図を表示する等のソフトウェアの場合、視線検出装置100bが検出した被験者PAの視線に応じて、ディスプレイに表示されるゲームや地図の画面が、上下や左右等の方向にスクロールしてもよい。あるいは、他のアプリケーションプログラムが文章やアニメーション等を作成するソフトウェアの場合、視線検出装置100bが検出した被験者PAの視線に基づいて、文字や図形等を入力されてもよい。
ステップS100では、抽出部30は、所定のフレームレートで撮像装置10が撮影した画像を受信し、受信した各画像の輝度に基づいて光源20の点灯中に撮影された画像を1つ抽出する。例えば、抽出部30は、光源20が点灯と消灯とを一回ずつ実行した期間に撮影された、4フレーム分の画像の各々における輝度の総和を算出する。そして、抽出部30は、算出した輝度の総和が最大値となる画像を、光源20の点灯中に撮像装置10により撮影された画像、すなわち起点となる画像として抽出する。
次に、ステップS110では、取得部40は、ステップS100で抽出された画像を起点にして、撮像装置10により所定のフレームレートで撮影された画像を所定の時間の間隔(例えば、2フレーム)毎に取得する。そして、取得部40は、点灯中の画像と消灯中の画像との組合せを取得する。
次に、ステップS120では、除去部50は、ステップS110で取得された点灯中の画像と消灯中の画像との輝度の差分に基づいて、被験者PAの眼鏡に映り込んだ環境光の像が除去された画像を生成する。
次に、ステップS130では、検出部60は、視線検出装置100bの記憶装置に被験者PAの較正データが記憶されているか否かを判定する。被験者PAの較正データが記憶されている場合、検出部60は、後述するステップS140の較正処理が既に実行され、被験者PAの較正データが算出されたと判定する。この場合、視線検出装置100bの処理は、ステップS150に移る。一方、被験者PAの較正データが記憶されていない場合、視線検出装置100bの処理は、ステップS140に移る。
ステップS140では、検出部60は、眼球半径等の被験者PAの個人差の影響を較正するための較正データを算出する較正処理を実行する。そして、検出部60は、算出した較正データを、視線検出装置100bの記憶装置に記憶する。ステップS140の処理が実行された後、視線検出装置100bの処理は、ステップS150に移る。ステップS140の較正処理については、図7で説明する。
ステップS150では、検出部60は、ステップS140で算出された較正データを用いて、ステップS120で除去された画像から被験者PAの視線を検出する。ステップS150の検出処理については、図8で説明する。
そして、視線検出装置100bは、ステップS100からステップS150の処理を繰り返し実行する。
図7は、図6に示したステップS140の較正処理の一例を示す。
ステップS200では、検出部60は、出力装置300の画面上において、互いに異なる複数の位置のうち、1つの位置に印を表示する。
次に、ステップS210では、検出部60は、ステップS200で表示された位置の印を注視している被験者PAの画像から、被験者PAの顔領域71を検出する。
次に、ステップS220では、検出部60は、ステップS210で検出された顔領域71から、被験者PAの目領域80を検出する。
次に、ステップS230では、検出部60は、ステップS220で検出された目領域80に、角膜反射法の視線検出処理を実行し、ステップS200で表示された印を注視している被験者PAの視線を検出する。
次に、ステップS240では、検出部60は、次の位置に表示する印があるか否かを判定する。次の位置に表示する印がある場合、視線検出装置100bの処理は、ステップS200に戻る。一方、次の位置の表示する印がない場合、視線検出装置100bの処理は、ステップS250に移る。
ステップS250では、検出部60は、ステップS230で検出された各位置の印を注視する被験者PAの視線が、表示した各印の座標となるように、被験者PAの個人差を示す較正データ(ホモグラフィ行列等)を算出する。検出部60は、算出した較正データを、被験者PAに対応付けして視線検出装置100bの記憶装置に記憶する。
そして、視線検出装置100bは、ステップS140の処理を終了し、図6に示したステップS150の処理を実行する。
図8は、図6に示したステップS150の検出処理の一例を示す。なお、図8に示したステップの処理のうち、図7に示したステップと同一または同様の処理を示すものについては、同一のステップ番号を付す。
ステップS215では、検出部60は、ステップS120で環境光の像が除去された画像から、被験者PAの顔領域71を検出する。
次に、ステップS220では、検出部60は、ステップS215で検出された顔領域71から、被験者PAの目領域80を検出する。
次に、ステップS235では、検出部60は、ステップS220で検出された目領域80に、角膜反射法の視線検出処理を実行し、被験者PAの視線を検出する。
次に、ステップS260では、検出部60は、被験者PAの較正データを用いて、ステップS235で検出された被験者PAの視線を補正する。
そして、視線検出装置100bは、ステップS150の処理を終了する。
図3から図8に示した実施形態では、光源20bの点滅動作における所定の時間は、撮像装置10が被験者PAを撮影するフレームレートに応じた値に設定される。このため、光源20bが点灯と消灯とを一回ずつ実行した期間において、撮像装置10により所定のフレームレートで撮影された画像には、点灯中の画像と消灯中の画像とが含まれる。すなわち、抽出部30は、光源20が点灯と消灯とを一回ずつ実行した期間に撮影された画像の輝度に基づいて、点灯中の画像または消灯中の画像を抽出できる。そして、取得部40は、抽出された画像を起点にして、撮像装置10により所定のフレームレートで撮影された画像を、2フレーム等の所定の時間の間隔毎に取得することにより、点灯中および消灯中の画像の組合せを取得できる。この結果、視線検出装置100bは、撮像装置10の撮影動作と光源20bの点滅動作とのタイミングが異なる場合でも、点灯中の画像および消灯中の画像を取得できる。
また、視線検出装置100bは、撮像装置10の撮影動作と光源20bの点滅動作とを同期させる回路を設けずに、点灯中の画像および消灯中の画像を取得する。このため、回路規模の増大を抑制することができ、コストを抑制することができる。
図9は、視線検出装置の別の実施形態を示す。図2および図3で説明した要素と同一または同様の機能を有する要素については、同一または同様の符号を付し、これらについては、詳細な説明を省略する。
図9に示した視線検出装置100cは、プロセッサ等の演算処理装置と、ハードディスク装置やメモリ等の記憶部150を有するコンピュータ装置である。視線検出装置100cは、有線または無線を介して、撮像装置10に接続され、撮像装置10により所定のフレームレートで撮影された被験者PAの画像のデータを受信する。また、視線検出装置100cは、有線または無線を介して、光源20aに接続され、光源20aの点滅動作を制御する。また、視線検出装置100cは、有線または無線を介して、キーボードまたはタッチパネル等の入力装置200、および液晶モニタ等の出力装置300に接続される。
さらに、視線検出装置100cは、有線または無線を介して、撮像装置15に接続され、撮像装置10と同じまたは異なるフレームレートで撮影された画像のデータを受信する。すなわち、視線検出装置100cは、撮像装置10、15、光源20a、入力装置200および出力装置300と協働して視線検出システム(SYS1)として動作する。
撮像装置15は、図1に示した撮像装置10と同一または同様である。例えば、撮像装置15は、デジタルカメラであり、レンズと、CCDまたはCMOS等の撮像素子とを有する。撮像装置15は、例えば、被験者PAに装着されるヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mounted Display)や自動車のフロントガラス等に配置され、被験者PAの視界を撮影する。これにより、視線検出装置100cは、検出した被験者PAの視線と、撮像装置15が撮影した被験者PAの視界を示す画像とを用いることにより、被験者PAがどこを注視しているかを特定できる。
視線検出装置100cは、判定部110a、制御部120a、除去部130a、検出部140および記憶部150を有する。例えば、視線検出装置100cの演算処理装置は、記憶部150に記憶された視線検出プログラムを実行することにより、判定部110a、制御部120a、除去部130aおよび検出部140として機能する。なお、判定部110a、制御部120a、除去部130aおよび検出部140は、視線検出装置100cに搭載されるハードウェアにより実現されてもよい。
判定部110aは、図2に示した判定部110と同様に、光源20aにより照らされ眼鏡をかけた被験者PAを撮像装置10が所定のフレームレートで撮影した画像が、被験者PAの眼鏡に映り込む環境光の像が存在する画像か否かを画像の輝度に基づいて判定する。以下、光源20aにより照らされ眼鏡をかけた被験者PAを撮像装置10が所定のフレームレートで撮影した画像は、判定部110aが実行する判定処理の“対象画像”とも称される。
そして、判定部110aは、対象画像が眼鏡に映り込む環境光の像が存在する画像と判定した場合、対象画像より前に撮影された点灯中の画像と、対象画像とを用いて、環境光の像の形状および位置のいずれかが変化したか否かを判定する。判定部110aは、判定の結果と、対象画像とを制御部120aに出力する。また、判定部110aは、被験者PAの眼鏡に映り込む環境光の像が存在し、かつ環境光の像の形状および位置のいずれかが変化したと判定した対象画像を記憶部150に記憶する。判定部110aの動作については、図13および図14で説明する。
なお、対象画像より前に撮影された点灯中の画像は、例えば、被験者PAの眼鏡に映り込む環境光の像が存在し、かつ環境光の像の形状および位置のいずれかが変化したと、判定部110aにより最後に判定された画像である。そして、対象画像より前に撮影された点灯中の画像は、被験者PAの眼鏡に映り込む環境光の像が存在し、かつ環境光の像の形状および位置のいずれかが変化したと、判定部110aにより新たに判定された対象画像で順次更新される。
制御部120aは、図2に示した制御部120と同様に、視線検出装置100cの動作を制御する。また、制御部120aは、光源20aの点滅動作を制御する。例えば、制御部120aは、光源20aを連続的に点灯させる。そして、制御部120aは、眼鏡に映り込む環境光の像が存在し、かつ環境光の像の形状および位置のいずれかが変化したという判定の結果を、判定部110aから受けた場合、光源20aを所定の時間の間消灯させる。また、制御部120は、光源20aが消灯している時に撮像装置10により撮影された被験者PAの画像を、消灯中の画像として記憶部150に記憶する。なお、光源20aが消灯される所定の時間は、少なくとも2フレーム分の時間より長いことが好ましい。
そして、制御部120aは、例えば、視線検出装置100cに含まれるクロック回路等から出力される時刻の情報を参照し、所定の時間が経過した場合、光源20aを再点灯させる。
一方、制御部120aは、判定部110aにより眼鏡に映り込む環境光の像がないと判定された場合、光源20aを継続して点灯し、撮像装置10から受けた点灯中の画像を除去部130aに出力する。制御部120aの動作および所定の時間については、図15で説明する。
除去部130aは、制御部120aから取得した点灯中の画像と、記憶部150から読み出した消灯中の画像とが示す情報、例えば、輝度等の差分に基づいて、被験者PAの眼鏡に映り込む環境光による像が除去された画像を生成する。なお、除去部130は、制御部120aより眼鏡に映り込む環境光の像がない画像を受けた場合、受けた画像に除去処理を実行せず、受けた画像をそのまま出力する。
検出部140は、図3に示した検出部60と同様に、除去部130aにより環境光の像が除去された画像を受け、受けた画像に対して角膜反射法の視線検出処理を実行し、被験者PAの視線を検出する。
なお、検出部140は、図3に示した検出部60と同様に、眼球半径等の被験者PAの個人差の影響により発生する視線検出処理の誤差を較正する機能を有することが好ましい。そして、検出部140は、較正処理により算出した被験者PAの較正データを記憶部150に記憶し、較正データを用いて検出した被験者PAの視線を較正する。
記憶部150は、ハードディスク装置やメモリ等であり、視線検出装置100cの演算処理装置が実行する視線検出プログラムを記憶する。また、記憶部150は、消灯中の画像を記憶し、記憶する消灯中の画像を除去部130aに出力する。また、記憶部150は、被験者PAの眼鏡に映り込む環境光の像が存在し、かつ環境光の像の形状および位置のいずれかが変化したと、判定部110aにより判定された画像を記憶する。
また、記憶部150は、検出部140により検出された被験者PAの視線を含むデータを、撮像装置15が撮影した画像のデータと対応付けして記憶する。なお、視線検出装置100cは、有線または無線を介して、外部の装置等に接続されている場合、検出した被験者PAの視線を含むデータと、撮像装置15が撮影した画像のデータとを外部の装置に出力してもよい。ここで、外部の装置は、スマートフォンやタブレット型端末等の携帯通信装置、またはコンピュータ装置等である。あるいは、視線検出装置100cは、ネットワークを介して、外部の装置に接続されてもよい。そして、外部の装置は、受信した被験者PAの視線を示すデータと被験者PAの視界の画像のデータとを用いて、例えば、被験者PAがどの商品を注視していたか等を調べるマーケッティングの処理を実行してもよい。あるいは、外部の装置は、被験者PAの視線と被験者PAの視界の画像とのデータを用いて、被験者PAが、工場等の機械を使用した作業において、どの計器や部品等を注視して作業していたか等を調べる処理を実行してもよい。
図10および図11は、図9に示した視線検出装置100cがHMDに搭載される場合の一例を示す。図10(a)は、図9に示した視線検出装置100cが搭載されたHMD400の外観の一例を示す。図10(b)は、HMD400に含まれる筐体部430のうち、被験者PAと対向する側面の一例を示す。図11は、図10に示したHMD400が被験者PAに装着された場合の一例を示す。
図10(a)に示すように、HMD400は、例えば、装着部410、支持アーム420および筐体部430を有する。
装着部410は、被験者PAの視界を撮影する撮像装置15が設けられ、撮像装置15が被験者PAの正面に来るように、被験者PAの頭部に装着される。これにより、HMD400は、被験者PAに固定される。なお、図10(a)に示した装着部410は、円形の形状を有するが、HMD400を被験者PAの頭部に固定できる他の形状であってもよい。
支持アーム420は、図10(a)に示すように、一方の端部が装着部410に接続され、他方の端部が筐体部430に接続される。なお、装着部410と支持アーム420との接続、および支持アーム420と筐体部430との接続は、回転可能に軸支されることが好ましい。これにより、HMD400が被験者PAに装着された時に、被験者PAの左目に対する筐体部430の位置を調整することができる。
なお、支持アーム420は、筐体部430が被験者PAの右目の位置に来るように、一方の端部が装着部410に接続され、他方の端部が筐体部430に接続されてもよい。
筐体部430は、例えば、図9に示した視線検出装置100cが内蔵される。また、筐体部430には、図10(b)に示すように、撮像装置10、光源20aおよび出力装置300が配置される。なお、視線検出装置100cは、装着部410または支持アーム420に内蔵されてもよい。
また、出力装置300の表面に配置されるタッチパネルが、例えば、入力装置200として用いられる。あるいは、視線検出装置100cが検出した被験者PAの視線に応じて出力装置300に表示されるメニュー釦等を操作する機能が、入力装置200として用いられてもよい。
図12は、図9に示した視線検出システム(SYS1)のハードウェア構成の一例を示す。図5および図9で説明した要素と同一または同様の機能を有する要素については、同一または同様の符号を付し、これらについては、詳細な説明を省略する。
図12に示した視線検出システム(SYS1)(すなわち、HMD400)は、撮像装置10、15、光源20a、入力装置200、出力装置300およびコンピュータ装置500を有する。コンピュータ装置500は、有線または無線を介して、撮像装置10、15、光源20a、入力装置200および出力装置300に接続される。
コンピュータ装置500は、プロセッサ510、入出力インタフェース520およびメモリ530を有する。プロセッサ510、入出力インタフェース520およびメモリ530は、バス540に接続される。
プロセッサ510は、メモリ530に格納された視線検出処理のアプリケーションプログラムを実行することで、図9に示した判定部110a、制御部120a、除去部130aおよび検出部140として機能する。すなわち、視線検出装置100cは、プロセッサ510、入出力インタフェース520およびメモリ530の協働によって実現される。
図13および図14は、図9に示した判定部110aにおける判定処理の一例を示す。図13は、被験者PAの眼鏡に映り込む環境光の像の形状および位置が変化しない場合を示し、図14は、環境光の像の位置が変化した場合を示す。なお、図10および図11に示すように、被験者PAの左目と撮像装置10とが互いに接近している。このため、撮像装置10が撮影する被験者PAの画像は、例えば、図4(b)に示したように、被験者PAの目領域80を含んだ点灯中の画像(以下、“目領域80の画像”とも称される)とする。なお、図4で説明した要素と同一または同様の要素については、同一または同様の符号を付し、これらについては、詳細な説明を省略する。
なお、撮像装置10が撮影する被験者PAの画像は、図4(a)に示した被験者PAの画像70のように、被験者PAの顔領域71を含む点灯中の画像でもよい。この場合、判定部110aは、図3に示した検出部60と同様に、被験者PAの顔領域71を含む点灯中の画像から目領域80を検出し、検出した目領域80の画像に対して判定処理を実行する。
図13(a)は、例えば、撮像装置10により撮影され環境光の像90が被験者PAの眼鏡に映り込んだ目領域80の画像(対象画像)の一例を示す。すなわち、判定部110aは、図13(a)に示した対象画像から、所定の輝度以上の明るさを示す領域(すなわち、環境光の像90)を抽出する。そして、判定部110aは、抽出した領域の大きさが所定の大きさ(例えば、輝点85の大きさの2−3倍程度等)より大きい場合、図13(a)に示した対象画像を眼鏡に映り込む環境光の像90が存在する画像と判定する。この場合、判定部110aは、図13(a)に示した対象画像より前に撮影された目領域80の画像を記憶部150から読み出す。そして、判定部110aは、読み出した目領域80の画像と図13(a)に示した対象画像とを比較し、環境光の像90の形状および位置のいずれかが変化したか否かを判定する。
図13(b)は、図13(a)に示した対象画像より前に撮影された目領域80の画像の一例を示す。なお、図13(b)に示した目領域80の画像では、被験者PAが左側に視線を向けたため、被験者PAの瞳孔82、虹彩83および輝点85aは、図13(a)に示した対象画像と比べて、右側にある。また、上述したように、図13(a)に示した対象画像と、図13(b)に示した目領域80の画像との間で、環境光の像90の形状および位置は変化しない。
判定部110aは、図13(a)に示した対象画像と、図13(b)に示した目領域80の画像とを用いて、環境光の像90の形状および位置のいずれかが変化したか否かを判定する。例えば、判定部110aは、図13(a)に示した対象画像に対して、所定の輝度以上の明るさを示す画素値を“1”に、所定の輝度より暗い画素値を“0”にする二値化処理を実行し、図13(c)に示した画像を生成する。すなわち、判定部110aは、図13(c)に示した画像から、輝点85と環境光の像90との領域を抽出する。
また、判定部110aは、図13(b)に示した目領域80の画像に対して二値化処理を実行し、図13(d)に示した画像を生成する。すなわち、判定部110aは、図13(b)に示した図から、輝点85aと環境光の像90との領域を抽出する。判定部110aは、図13(c)に示した画像と、図13(d)に示した画像との差分を求め、求めた差分の絶対値の画素値を有する、図13(e)に示した画像を生成する。図13(e)に示した画像では、環境光の像90は形状および位置が変化しないため、環境光の像90の領域が除去され、輝点85、85aの領域が残留する。そして、判定部110aは、残留した領域の全面積が所定の大きさ(例えば、輝点85の大きさの2−3倍程度等)より大きいか否かを、図13(e)に示した画像に基づいて判定する。例えば、図13(e)に示した画像では、残留した輝点85と輝点85aとの領域の全面積は、所定の大きさと同じ、または所定の大きさより小さい。このため、判定部110aは、図13(a)に示した対象画像の被験者PAの眼鏡に映り込んだ環境光の像90の形状および位置が変化していないと判定する。
この場合、判定部110aは、被験者PAの眼鏡に映り込む環境光の像が存在し、かつ環境光の像の形状および位置のいずれかが変化したと判定した画像として、図13(b)に示した目領域80の画像を記憶部150に保持する。そして、判定部110aは、図13(a)に示した対象画像と、判定の結果とを制御部120aに出力する。制御部120aは、光源20aを継続して点灯する。
次に、図14を用いて、環境光の像の位置(または形状)が変化した場合の判定部110aにおける判定処理を説明する。図14(a)は、撮像装置10により撮影され環境光の像90が被験者PAの眼鏡に映り込んだ目領域80の画像として、図13(a)に示した対象画像を示す。そして、判定部110aは、図13(a)の場合と同様に、図14(a)に示した対象画像が、眼鏡に映り込む環境光の像90が存在する画像と判定する。そして、判定部110aは、例えば、図14(a)に示した対象画像より前に撮影された目領域80の画像を記憶部150から読み出す。そして、判定部110aは、読み出した目領域80の画像と図14(a)に示した対象画像とを比較し、環境光の像90の形状および位置のいずれかが変化したか否かを判定する。
図14(b)は、図14(a)に示した対象画像より前に撮影された目領域80の画像の一例を示す。なお、図14(b)に示した目領域80の画像では、被験者PAの瞳孔82、虹彩83および輝点85の位置は、図14(a)に示した対象画像と同じ位置にある。また、図14(b)に示した目領域80の画像における環境光の像90aは、図14(a)に示した対象画像における環境光の像90と同一または同様の形状を有する。しかしながら、図14(b)に示した環境光の像90aの位置は、図14(a)に示した環境光の像90の位置に比べて右側に移っている。これは、例えば、HMD400を装着した被験者PAが移動したことにより、同じ環境光による像が、環境光の像90aの位置から環境光の像90の位置に目領域80の画像上を移動したことを示す。
そこで、判定部110aは、図13の場合と同様に、図14(a)に示した対象画像に対して二値化処理を実行し、図14(c)に示した画像を生成する。すなわち、判定部110aは、図14(c)に示した画像から、輝点85と環境光の像90との領域を抽出する。また、判定部110aは、図14(b)に示した目領域80の画像に対して二値化処理を実行し、図14(d)に示した画像を生成する。すなわち、判定部110aは、図14(d)に示した図から、輝点85と環境光の像90aとの領域を抽出する。
判定部110aは、図14(c)に示した画像と、図14(d)に示した画像との差分を求め、求めた差分の絶対値の画素値を有する、図14(e)に示した画像を生成する。図14(e)に示した画像では、輝点85の形状および位置が変化しないため、輝点85の領域が除去され、環境光の像90、90aの領域が残留する。そして、判定部110aは、残留した領域の全面積が所定の大きさ(例えば、輝点85の大きさの2−3倍程度等)より大きいか否かを、図14(e)に示した画像に基づいて判定する。図14(e)に示した画像では、残留した環境光の像90と環境光の像90aとの領域の全面積が所定の大きさより大きい。このため、判定部110aは、図14(a)に示した画像の被験者PAの眼鏡に映り込んだ環境光の像90の位置が変化したと判定する。
判定部110aは、図14(a)に示した対象画像と、判定の結果とを制御部120aに出力する。また、判定部110aは、被験者PAの眼鏡に映り込む環境光の像が存在し、かつ環境光の像の形状および位置のいずれかが変化したと判定した画像を、図14(b)に示した目領域80の画像から、図14(a)に示した対象画像に更新する。すなわち、判定部110aは、図14(a)に示した対象画像を記憶部150に記憶する。
制御部120aは、対象画像が被験者PAの眼鏡に映り込む環境光の像90が存在し、環境光の像90の位置が変化したため、光源20aを所定の時間消灯する。そして、制御部120aは、光源20aが消灯している時に撮像装置10により撮影された被験者PAの画像を記憶部150に記憶することにより、消灯中の画像を更新する。
なお、HMD400が加速度センサおよび電子ジャイロ等のいずれかのセンサを有する場合、判定部110aは、センサによる被験者PAの動きの検出結果に基づいて、判定処理を実行してもよい。例えば、判定部110aは、センサが被験者PAの動きを検出した場合、図14(a)に示した対象画像において、少なくとも環境光の像90の位置が変化したと判定してもよい。この場合、判定部110aは、図14(a)に示した対象画像より前に撮影された点灯中の画像を用いずに判定処理を実行できる。このため、判定部110aは、二値化処理等を省略することができ、判定処理の速度向上を図ることができる。
図15は、図9に示した撮像装置10の撮影動作と、光源20aの点滅動作との関係の一例を示す。図15では、光源20aは、例えば、時刻ta1より前に、光源20aの電源のスイッチが投入されることにより点灯する。また、撮像装置10は、時刻ta1より前に、撮像装置10の電源のスイッチが投入されることにより、所定のフレームレートによる被験者PAの撮影を時刻ta1から開始する。そして、撮像装置10は、各時刻ta(ta1−ta12)の各々で撮影した画像fa(画像fa1−fa12)を視線検出装置100cに出力する。
図15では、視線検出装置100cは、撮像装置10から最初の画像fa1を受けた時、消灯中の画像を記憶部150に記憶していない。この場合、制御部120aは、消灯中の画像を取得するために、判定部110aによる画像fa1に対する判定の結果に拘わらず、画像fa1を受けた後、光源20aを所定の時間(例えば、2フレーム分の時間等)の間消灯させる。なお、判定部110aは、被験者PAの眼鏡に映り込む環境光の像が存在し、かつ環境光の像の形状および位置のいずれかが変化したと判定した画像として、画像fa1を記憶部150に記憶することが好ましい。
一方、撮像装置10は、時刻ta3、ta4を含む時間で、光源20aが消灯する2フレーム分の時間において、画像fa3、fa4をそれぞれ撮影する。制御部120aは、図2に示した制御部120と同様に、視線検出装置100cのクロック回路から出力される時刻の情報を参照し、時刻taから1フレーム分の時間全てが光源20aの消灯中の期間に含まれる画像fa3を、消灯中の画像として取得する。そして、制御部120aは、取得した画像fa3を記憶部150に記憶する。
一方、図15に示すように、制御部120aは、視線検出装置100cのクロック回路等から出力される時刻の情報を参照し、所定の時間が経過した場合、光源20aを再点灯させる。そして、制御部120aは、例えば、視線検出装置100cのクロック回路からの時刻の情報を参照し、時刻taから1フレーム分の時間全てが光源20aの点灯中の期間に含まれる画像fa5から点灯中の画像として取得を再開する。
なお、図15では、判定部110aは、例えば、被験者PAの眼鏡に映り込む環境光の像が存在しない、または環境光の像の形状および位置の変化がないと、各画像fa5、fa6に対して判定する。これにより、制御部120aは、光源20aの点灯を継続する。また、図15では、判定部110aは、被験者PAの眼鏡に映り込む環境光の像が存在し、かつ環境光の像の形状および位置のいずれかが変化したと、画像fa7に対して判定する。これにより、制御部120aは、光源20aを所定の時間消灯させる。また、判定部110aは、被験者PAの眼鏡に映り込む環境光の像が存在し、かつ環境光の像の形状および位置のいずれかが変化したと判定した画像を、画像fa1から画像fa7に更新し、記憶部150に画像fa7を記憶する。
そして、制御部120aは、視線検出装置100cのクロック回路から出力される時刻の情報を参照し、時刻taから1フレーム分の時間全てが光源20aの消灯中の期間に含まれる画像fa9を、消灯中の画像として取得する。制御部120aは、取得した画像fa9を記憶部150に記憶し、消灯中の画像を更新する。その後、制御部120aは、視線検出装置100cのクロック回路等から出力される時刻の情報を参照し、所定の時間が経過した場合、光源20aを再点灯させる。図15に示すように、制御部120aは、例えば、視線検出装置100cのクロック回路からの時刻の情報を参照し、時刻taから1フレーム分の時間全てが光源20aの点灯中の期間に含まれる画像fa11から点灯中の画像として取得を再開する。
図16は、図9に示した視線検出装置100cにおける視線検出処理の一例を示す。図16に示した処理は、視線検出装置100cの演算処理装置が視線検出プログラムを実行することにより実現される。すなわち、図16は、視線検出プログラムおよび視線検出方法の別の実施形態を示す。なお、図16に示した処理は、視線検出装置100cに搭載されるハードウェアにより実現されてもよい。この場合、図9に示した判定部110a、制御部120a、除去部130aおよび検出部140は、視線検出装置100c内に配置される回路により実現される。
なお、図16に示した処理を実行する前に、例えば、図10に示したHMD400が被験者PAに装着され、環境光が存在しない環境下において、HMD400に搭載された視線検出装置100cは、図6に示した処理と同一または同様の較正処理を実行する。そして、視線検出装置100cは、算出した被験者PAの較正データを記憶部150に記憶している。
また、撮像装置15の撮影処理は、図16に示した処理と並列に実行される。
ステップS300では、視線検出装置100cは、光源20aが点灯している期間に、撮像装置10により撮影された点灯中の画像(例えば、図15に示した画像fa1等)を取得する。
次に、ステップS310では、制御部120aは、記憶部150が消灯中の画像を記憶しているか否かを判定する。記憶部150が消灯中の画像を記憶している場合、視線検出装置100cの処理は、ステップS320に移る。一方、記憶部150が消灯中の画像を記憶していない場合、視線検出装置100cの処理は、ステップS340に移る。
ステップS320では、判定部110aは、ステップS300で取得された点灯中の画像、すなわち対象画像が、被験者PAの眼鏡に映り込む環境光の像が存在する画像か否かを判定する。対象画像が、被験者PAの眼鏡に映り込む環境光の像が存在する画像の場合、視線検出装置100cの処理は、ステップS330に移る。一方、対象画像が、被験者PAの眼鏡に映り込む環境光の像が存在しない画像の場合、視線検出装置100cの処理は、ステップS380に移る。
ステップS330では、判定部110aは、ステップS320で環境光の像が存在すると判定された対象画像において、映り込んだ環境光の像の形状および位置のいずれかが変化したか否かを判定する。例えば、判定部110aは、対象画像より前に撮影された点灯中の画像を、記憶部150から読み出す。判定部110aは、読み出した点灯中の画像と、対象画像とを比較し、対象画像における映り込んだ環境光の像の形状および位置のいずれかが変化したか否かを判定する。映り込んだ環境光の像の形状および位置のいずれかが変化した場合、視線検出装置100cの処理は、ステップS340に移る。一方、映り込んだ環境光の像の形状および位置が変化していない場合、視線検出装置100cの処理は、ステップS370に移る。
ステップS340では、制御部120aは、光源20aを所定の時間(例えば、2フレーム分の時間)消灯させる制御指示を、光源20aに出力する。そして、制御部120aは、例えば、視線検出装置100cのクロック回路から出力される時刻を示す情報を参照し、経過時間の計測を開始する。
次に、ステップS350では、制御部120aは、光源20aが消灯している期間に撮像装置10により撮影された被験者PAの画像を、消灯中の画像として取得する。制御部120aは、例えば、記憶部150が消灯中の画像を記憶していない場合、取得した画像を記憶部150に消灯中の画像として記憶する。あるいは、制御部120aは、記憶部150が消灯中の画像が既に記憶している場合、取得した画像を記憶部150に記憶し、消灯中の画像を更新する。
次に、ステップS360では、制御部120aは、計測する経過時間が所定の時間となった場合、光源20aを再点灯させる制御指示を光源20aに出力する。そして、制御部120aは、経過時間の計測を終了する。
なお、制御部120aは、ステップS350で消灯中の画像を取得した場合、計測する経過時間が所定の時間より短い場合でも、光源20aを再点灯させる制御指示を光源20aに出力してもよい。このように、光源20aが消灯する期間を短くすることにより、点灯中の画像を取得する頻度の向上を図ることができ、視線検出装置100cは、従来と比べて時間分解能を高くして、被験者PAの視線を検出できる。
ステップS370では、除去部130aは、制御部120aから取得した点灯中の画像と、記憶部150から読み出した消灯中の画像との輝度の差分に基づいて、被験者PAの眼鏡に映り込む環境光の像が除去された画像を生成する。
ステップS380では、検出部140は、予め算出した被験者PAの較正データを用いて、ステップS320で環境光の像が存在しないと判定された画像、またはステップS370で環境光の像が除去された画像から被験者PAの視線を検出する。
次に、ステップS390では、制御部120aは、ステップS380で検出した被験者PAの視線を示すデータを、撮像装置15が撮影した被験者PAの視界の画像のデータと対応付けして、記憶部150あるいは外部の装置に記憶する。
そして、視線検出装置100cは、例えば、ステップS300からステップS390の処理を繰り返し実行する。
図9から図16に示した実施形態では、判定部110aは、取得された点灯中の画像に対して、被験者PAの眼鏡に映り込む環境光の像が存在するか否か、および映り込んだ環境光の像の形状および位置のいずれかが変化したか否かを判定する。点灯中の画像において、眼鏡に映り込む環境光の像が存在し、かつ映り込んだ環境光の像の形状および位置のいずれかが変化したと、判定部110aにより判定された場合、制御部120aは、光源20aを所定の時間消灯させる。これにより、光源20aが消灯している期間に撮像装置10が撮影した画像には、消灯中の画像が含まれることから、制御部120aは、消灯中の画像を取得できる。すなわち、視線検出装置100cは、撮像装置10の撮影動作と光源20aの点滅動作とのタイミングが互いに異なる場合でも、点灯中の画像および消灯中の画像を取得できる。
また、視線検出装置100cは、撮像装置10の撮影動作と光源20aの点滅動作とを同期させる回路を設けずに、点灯中の画像および消灯中の画像を取得する。このため、回路規模の増大を抑制することができ、コストを抑制することができる。
また、被験者PAが眼鏡をかけている場合でも、制御部120aは、判定部110aにより被験者PAの眼鏡に映り込む環境光の像がないと連続して判定される場合、点灯中の画像を、撮像装置10のフレームレートと同じ頻度で取得できる。この場合、視線検出装置100cは、従来と比べて時間分解能を高くして、被験者PAの視線を検出することができる。
以上の詳細な説明により、実施形態の特徴点および利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲が、その精神および権利範囲を逸脱しない範囲で前述のような実施形態の特徴点および利点にまで及ぶことを意図する。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良および変更に容易に想到できるはずであり、発明性を有する実施形態の範囲を前述したものに限定する意図はなく、実施形態に開示された範囲に含まれる適当な改良物および均等物によることも可能である。
以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
撮像装置が被写体を所定のフレームレートで撮影した動画像を取得し、取得した画像に基づいて被写体の視線を検出する視線検出装置であって、
少なくとも2フレーム時間以上の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す光源に照らされた被写体を、所定のフレームレートで撮像装置が撮影した複数の画像のうち、画像の輝度に基づいて前記光源の点灯中または及び消灯中に撮影された画像を抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された点灯中の画像と消灯中の画像との組合せを取得する取得部と、
取得した各組合せの点灯中の画像と消灯中の画像とが示す情報の差分に基づいて、前記被写体の眼鏡に映り込む周囲の光による像が除去された画像を生成する除去部と
を備えることを特徴とする視線検出装置。
(付記2)
付記1に記載の視線検出装置おいて、
前記取得部は、前記抽出部で抽出された前記光源の点灯中または消灯中に撮影された画像を起点として、前記所定のフレームレートで撮影された画像を所定の時間の間隔毎に取得することにより、点灯中の画像と消灯中の画像との組合せを取得することを特徴とする視線検出装置。
(付記3)
撮像装置が被写体を所定のフレームレートで撮影した動画像を取得し、取得した画像に基づいて被写体の視線を検出する視線検出装置であって、
光源に照らされた被写体を、所定のフレームレートで撮像装置が撮影した画像が、前記被写体の眼鏡に映り込む周囲の光による像が存在する第1画像か否かを画像の輝度に基づいて判定する判定部と、
前記撮像装置により撮影された画像が前記第1画像であると前記判定部により判定された場合、前記光源を少なくとも2フレーム時間以上の時間消灯させる制御部と、
前記光源の消灯中に前記撮像装置により撮影された前記被写体の第2画像と、前記第1画像とが示す情報の差分に基づいて、前記被写体の眼鏡に映り込む周囲の光による像が除去された画像を生成する除去部と
を備えることを特徴とする視線検出装置。
(付記4)
付記3に記載の視線検出装置において、
前記第2画像を記憶する記憶部をさらに備え、
前記判定部は、前記撮像装置により撮影された画像が前記第1画像であると判定した場合、前記第1画像より前に撮影された画像と、前記第1画像とを用いて前記周囲の光による像の形状および位置のいずれかが変化したか否かを判定し、
前記制御部は、前記判定部により前記周囲の光による像の形状および位置のいずれかが変化したと判定された場合、前記光源を前記少なくとも2フレーム時間以上の時間消灯し、第2画像を取得して前記記憶部に記憶される前記第2画像を更新する
ことを特徴とする視線検出装置。
(付記5)
付記4に記載の視線検出装置において、
前記制御部は、前記判定部において前記第1画像より前に撮影された画像と、前記第1画像とを用いて前記周囲の光による像の形状および位置のいずれかが変化したか否かの判定結果として変化がないと判定した時に、照明の消灯を一定時間行わないように制御することを特徴とする視線検出装置。
(付記6)
付記1ないし付記5のいずれか1項に記載の視線検出装置において、
前記周囲の光による像が除去された画像を用いて、前記被写体の視線を検出する検出部をさらに備えることを特徴とする視線検出装置。
(付記7)
撮像装置が被写体を所定のフレームレートで撮影した動画像を取得し、取得した画像に基づいて被写体の視線を検出する視線検出プログラムであって、
少なくとも2フレーム時間以上の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す光源に照らされた被写体を、所定のフレームレートで撮像装置が撮影した複数の画像のうち、画像の輝度に基づいて前記光源の点灯中または及び消灯中に撮影された画像を抽出し、
抽出した点灯中の画像と消灯中の画像との組合せを取得し、
取得した各組合せの点灯中の画像と消灯中の画像とが示す情報の差分に基づいて、前記被写体の眼鏡に映り込む周囲の光による像が除去された画像を生成する
処理をコンピュータに実行させる視線検出プログラム。
(付記8)
付記7に記載の視線検出プログラムおいて、
前記点灯中の画像と消灯中の画像との組合せを取得する処理は、抽出した前記光源の点灯中または消灯中に撮影された画像を起点として、前記所定のフレームレートで撮影された画像を所定の時間の間隔毎に取得することにより、点灯中の画像と消灯中の画像との組合せを取得することを特徴とする視線検出プログラム。
(付記9)
撮像装置が被写体を所定のフレームレートで撮影した動画像を取得し、取得した画像に基づいて被写体の視線を検出する視線検出プログラムであって、
光源に照らされた被写体を、所定のフレームレートで撮像装置が撮影した画像が、前記被写体の眼鏡に映り込む周囲の光による像が存在する第1画像か否かを画像の輝度に基づいて判定し、
前記撮像装置により撮影された画像が前記第1画像であると判定した場合、前記光源を少なくとも2フレーム時間以上の時間消灯させ、
前記光源の消灯中に前記撮像装置により撮影された前記被写体の第2画像と、前記第1画像とが示す情報の差分に基づいて、前記被写体の眼鏡に映り込む周囲の光による像が除去された画像を生成する
処理をコンピュータに実行させる視線検出プログラム。
(付記10)
付記9に記載の視線検出プログラムにおいて、
前記第2画像を記憶部に記憶し、
前記第1画像か否かを判定する処理は、前記撮像装置により撮影された画像が前記第1画像であると判定した場合、前記第1画像より前に撮影された画像と、前記第1画像とを用いて前記周囲の光による像の形状および位置のいずれかが変化したか否かを判定し、
前記光源を前記少なくとも2フレーム時間以上の時間消灯させる処理は、前記周囲の光による像の形状および位置のいずれかが変化したと判定した場合、前記光源を前記少なくとも2フレーム時間以上の時間消灯し、第2画像を取得して前記記憶部に記憶される前記第2画像を更新する
ことを特徴とする視線検出プログラム。
(付記11)
付記10に記載の視線検出プログラムにおいて、
前記光源を前記少なくとも2フレーム時間以上の時間消灯させる処理は、前記第1画像より前に撮影された画像と、前記第1画像とを用いて前記周囲の光による像の形状および位置のいずれかが変化したか否かの判定結果として変化がないと判定した時に、照明の消灯を一定時間行わないように制御することを特徴とする視線検出プログラム。
(付記12)
付記7ないし付記11のいずれか1項に記載の視線検出プログラムにおいて、
前記周囲の光による像が除去された画像を用いて、前記被写体の視線を検出することを特徴とする視線検出プログラム。
(付記13)
撮像装置が被写体を所定のフレームレートで撮影した動画像を取得し、取得した画像に基づいて被写体の視線を検出する視線検出方法であって、
少なくとも2フレーム時間以上の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す光源に照らされた被写体を、所定のフレームレートで撮像装置が撮影した複数の画像のうち、画像の輝度に基づいて前記光源の点灯中または及び消灯中に撮影された画像を抽出し、
抽出した点灯中の画像と消灯中の画像との組合せを取得し、
取得した各組合せの点灯中の画像と消灯中の画像とが示す情報の差分に基づいて、前記被写体の眼鏡に映り込む周囲の光による像が除去された画像を生成する
ことを特徴とする視線検出方法。
(付記14)
付記13に記載の視線検出方法おいて、
前記点灯中の画像と消灯中の画像との組合せを取得する処理は、抽出した前記光源の点灯中または消灯中に撮影された画像を起点として、前記所定のフレームレートで撮影された画像を所定の時間の間隔毎に取得することにより、点灯中の画像と消灯中の画像との組合せを取得することを特徴とする視線検出方法。
(付記15)
撮像装置が被写体を所定のフレームレートで撮影した動画像を取得し、取得した画像に基づいて被写体の視線を検出する視線検出方法であって、
光源に照らされた被写体を、所定のフレームレートで撮像装置が撮影した画像が、前記被写体の眼鏡に映り込む周囲の光による像が存在する第1画像か否かを画像の輝度に基づいて判定し、
前記撮像装置により撮影された画像が前記第1画像であると判定した場合、前記光源を少なくとも2フレーム時間以上の時間消灯させ、
前記光源の消灯中に前記撮像装置により撮影された前記被写体の第2画像と、前記第1画像とが示す情報の差分に基づいて、前記被写体の眼鏡に映り込む周囲の光による像が除去された画像を生成する
ことを特徴とする視線検出方法。
(付記16)
付記15に記載の視線検出方法において、
前記第2画像を記憶部に記憶し、
前記第1画像か否かを判定する処理は、前記撮像装置により撮影された画像が前記第1画像であると判定した場合、前記第1画像より前に撮影された画像と、前記第1画像とを用いて前記周囲の光による像の形状および位置のいずれかが変化したか否かを判定し、
前記光源を前記少なくとも2フレーム時間以上の時間消灯させる処理は、前記周囲の光による像の形状および位置のいずれかが変化したと判定した場合、前記光源を前記少なくとも2フレーム時間以上の時間消灯し、第2画像を取得して前記記憶部に記憶される前記第2画像を更新する
ことを特徴とする視線検出方法。
(付記17)
付記16に記載の視線検出方法において、
前記光源を前記少なくとも2フレーム時間以上の時間消灯させる処理は、前記第1画像より前に撮影された画像と、前記第1画像とを用いて前記周囲の光による像の形状および位置のいずれかが変化したか否かの判定結果として変化がないと判定した時に、照明の消灯を一定時間行わないように制御することを特徴とする視線検出方法。
(付記18)
付記13ないし付記17のいずれか1項に記載の視線検出方法において、
前記周囲の光による像が除去された画像を用いて、前記被写体の視線を検出することを特徴とする視線検出方法。
10,15…撮像装置;20,20a,20b…光源;30…抽出部;40…取得部;50,130,130a…除去部;60,140…検出部;70,f1−f8,fa1−fa12…画像;71…顔領域;80…目領域;81…輪郭;82…瞳孔;83…虹彩;84…領域;85,85a…輝点;90,90a…環境光の像;100,100a,100b,100c…視線検出装置;200…入力装置;300…出力装置;400…HMD;410…装着部;420…支持アーム;430…筐体部;500…コンピュータ装置;510…プロセッサ;520…入出力インタフェース;530…メモリ;540…バス;PA…被験者;SYS,SYS1…視線検出システム

Claims (10)

  1. 撮像装置が被写体を所定のフレームレートで撮影した動画像を取得し、取得した画像に基づいて被写体の視線を検出する視線検出装置であって、
    少なくとも2フレーム時間以上の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す光源に照らされた被写体を、所定のフレームレートで撮像装置が撮影した複数の画像のうち、画像の輝度に基づいて前記光源の点灯中または及び消灯中に撮影された画像を抽出する抽出部と、
    前記抽出部により抽出された点灯中の画像と消灯中の画像との組合せを取得する取得部と、
    取得した各組合せの点灯中の画像と消灯中の画像とが示す情報の差分に基づいて、前記被写体の眼鏡に映り込む周囲の光による像が除去された画像を生成する除去部と
    を備えることを特徴とする視線検出装置。
  2. 請求項1に記載の視線検出装置おいて、
    前記取得部は、前記抽出部で抽出された前記光源の点灯中または消灯中に撮影された画像を起点として、前記所定のフレームレートで撮影された画像を所定の時間の間隔毎に取得することにより、点灯中の画像と消灯中の画像との組合せを取得することを特徴とする視線検出装置。
  3. 撮像装置が被写体を所定のフレームレートで撮影した動画像を取得し、取得した画像に基づいて被写体の視線を検出する視線検出装置であって、
    光源に照らされた被写体を、所定のフレームレートで撮像装置が撮影した画像が、前記被写体の眼鏡に映り込む周囲の光による像が存在する第1画像か否かを画像の輝度に基づいて判定する判定部と、
    前記撮像装置により撮影された画像が前記第1画像であると前記判定部により判定された場合、前記光源を少なくとも2フレーム時間以上の時間消灯させる制御部と、
    前記光源の消灯中に前記撮像装置により撮影された前記被写体の第2画像と、前記第1画像とが示す情報の差分に基づいて、前記被写体の眼鏡に映り込む周囲の光による像が除去された画像を生成する除去部と
    を備えることを特徴とする視線検出装置。
  4. 請求項3に記載の視線検出装置において、
    前記第2画像を記憶する記憶部をさらに備え、
    前記判定部は、前記撮像装置により撮影された画像が前記第1画像であると判定した場合、前記第1画像より前に撮影された画像と、前記第1画像とを用いて前記周囲の光による像の形状および位置のいずれかが変化したか否かを判定し、
    前記制御部は、前記判定部により前記周囲の光による像の形状および位置のいずれかが変化したと判定された場合、前記光源を前記少なくとも2フレーム時間以上の時間消灯し、第2画像を取得して前記記憶部に記憶される前記第2画像を更新する
    ことを特徴とする視線検出装置。
  5. 請求項4に記載の視線検出装置において、
    前記制御部は、前記判定部において前記第1画像より前に撮影された画像と、前記第1画像とを用いて前記周囲の光による像の形状および位置のいずれかが変化したか否かの判定結果として変化がないと判定した時に、照明の消灯を一定時間行わないように制御することを特徴とする視線検出装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の視線検出装置において、
    前記周囲の光による像が除去された画像を用いて、前記被写体の視線を検出する検出部をさらに備えることを特徴とする視線検出装置。
  7. 撮像装置が被写体を所定のフレームレートで撮影した動画像を取得し、取得した画像に基づいて被写体の視線を検出する視線検出プログラムであって、
    少なくとも2フレーム時間以上の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す光源に照らされた被写体を、所定のフレームレートで撮像装置が撮影した複数の画像のうち、画像の輝度に基づいて前記光源の点灯中または及び消灯中に撮影された画像を抽出し、
    抽出した点灯中の画像と消灯中の画像との組合せを取得し、
    取得した各組合せの点灯中の画像と消灯中の画像とが示す情報の差分に基づいて、前記被写体の眼鏡に映り込む周囲の光による像が除去された画像を生成する
    処理をコンピュータに実行させる視線検出プログラム。
  8. 撮像装置が被写体を所定のフレームレートで撮影した動画像を取得し、取得した画像に基づいて被写体の視線を検出する視線検出プログラムであって、
    光源に照らされた被写体を、所定のフレームレートで撮像装置が撮影した画像が、前記被写体の眼鏡に映り込む周囲の光による像が存在する第1画像か否かを画像の輝度に基づいて判定し、
    前記撮像装置により撮影された画像が前記第1画像であると判定した場合、前記光源を少なくとも2フレーム時間以上の時間消灯させ、
    前記光源の消灯中に前記撮像装置により撮影された前記被写体の第2画像と、前記第1画像とが示す情報の差分に基づいて、前記被写体の眼鏡に映り込む周囲の光による像が除去された画像を生成する
    処理をコンピュータに実行させる視線検出プログラム。
  9. 撮像装置が被写体を所定のフレームレートで撮影した動画像を取得し、取得した画像に基づいて被写体の視線を検出する視線検出方法であって、
    少なくとも2フレーム時間以上の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す光源に照らされた被写体を、所定のフレームレートで撮像装置が撮影した複数の画像のうち、画像の輝度に基づいて前記光源の点灯中または及び消灯中に撮影された画像を抽出し、
    抽出した点灯中の画像と消灯中の画像との組合せを取得し、
    取得した各組合せの点灯中の画像と消灯中の画像とが示す情報の差分に基づいて、前記被写体の眼鏡に映り込む周囲の光による像が除去された画像を生成する
    ことを特徴とする視線検出方法。
  10. 撮像装置が被写体を所定のフレームレートで撮影した動画像を取得し、取得した画像に基づいて被写体の視線を検出する視線検出方法であって、
    光源に照らされた被写体を、所定のフレームレートで撮像装置が撮影した画像が、前記被写体の眼鏡に映り込む周囲の光による像が存在する第1画像か否かを画像の輝度に基づいて判定し、
    前記撮像装置により撮影された画像が前記第1画像であると判定した場合、前記光源を少なくとも2フレーム時間以上の時間消灯させ、
    前記光源の消灯中に前記撮像装置により撮影された前記被写体の第2画像と、前記第1画像とが示す情報の差分に基づいて、前記被写体の眼鏡に映り込む周囲の光による像が除去された画像を生成する
    ことを特徴とする視線検出方法。
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WO2023160075A1 (zh) * 2022-02-28 2023-08-31 上海商汤智能科技有限公司 图像修复方法、装置、设备和介质
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