JP2018010515A - メッシュ作成装置、メッシュ作成方法およびメッシュ作成プログラム - Google Patents

メッシュ作成装置、メッシュ作成方法およびメッシュ作成プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】分布が不均一な点群で表される表面形状の再現性を向上させる【解決手段】メッシュ作成装置1は、座標点群を構成する複数の座標点のそれぞれを選択し、選択した座標点を対象頂点として、対象頂点を内部に含む抽出領域を作成する。抽出領域は、対象頂点から対象頂点の法線ベクトルの方向へ向かって境界まで延びる距離よりも、対象頂点から対象頂点の法線ベクトルに直交する方向へ向かって境界まで延びる距離が長くなるように設定される。メッシュ作成装置1は、複数の四面体メッシュのそれぞれを選択し、選択した四面体メッシュを対象四面体メッシュとして、対象四面体メッシュの四面体の面を構成する4つの面メッシュのそれぞれについて、面メッシュの頂点を構成する座標点の抽出領域の内部に全体が含まれる面メッシュを抽出する。【選択図】図1

Description

本開示は、物体の表面の三次元形状を示す座標点群のデータからメッシュを作成するメッシュ作成装置、方法およびプログラムに関する。
特許文献1のように、レーザスキャナを搭載した計測車両で対象道路を走行することにより対象道路の座標点群データを計測するモービルマッピングシステムが知られている。近年、3Dレーザースキャナ、UAVおよびモービルマッピングシステム等のように三次元点群データを生成するデバイスの普及により、大量の点群データを利用する状況が増えてきている。UAVは、Unmanned Aerial Vehicleの略である。
従来、3次元点群から形状表面を知る方法として、Marching Cubes法と3次元Delaunay四面体分割がよく用いられてきた。これらの手法の多くは、点群が表す形状が単純であり、点群の密度が高く、点群の分布が均一であることを想定してメッシュを作成している。しかし、上記のデバイスは、得られる3次元点群の性質において、従来の点群生成デバイスと大きな相違がある。具体的には、上記のデバイスで得られる三次元点群データは、3次元点群を構成する点の数が大規模であり、3次元点群が表す形状が複雑であり、点群の密度が低く、点群の分布が不均一である。また、上記のデバイスでは、物体の一部分の点群データしか得られない場合がほとんどである。
特開2013−232241号公報
Marching Cubes法では、2つの問題点が指摘されている。1つ目の問題は、密度が不均一な点群では最も密度が低いところに合わせて格子間隔を広げなければならず、詳細な形状表面を生成できないことである。2つ目の問題は、ある特定のパターン下では、位相的な穴があいてしまうことである。また、3次元Delaunay四面体分割は、そのまま用いただけでは、凸な形状しか表現できない。非凸形状を表現するための方法として、コピー点を用いる方法があるが、複雑な形状に対してのコピー点の生成は非常に困難である。
本開示は、分布が不均一な点群で表される表面形状の再現性を向上させることを目的とする。
本開示の一態様は、座標点群のデータからメッシュを作成するメッシュ作成装置であって、法線ベクトル算出部と、領域作成部と、メッシュ作成部と、抽出部とを備える。座標点群は、三次元座標で表される座標点の集合により少なくとも1つの対象物における表面の三次元形状を示す。
法線ベクトル算出部は、座標点群を構成する複数の座標点のそれぞれについて、座標点の位置における表面の法線ベクトルを算出するように構成される。領域作成部は、座標点群を構成する複数の座標点のそれぞれを選択し、選択した座標点を対象点として、対象点を内部に含み、且つ、対象点から対象点の法線ベクトルの方向へ向かって境界まで延びる距離よりも、対象点から対象点の法線ベクトルに直交する方向へ向かって境界まで延びる距離が長くなるように設定された抽出領域を作成するように構成される。
メッシュ作成部は、座標点群を頂点とした複数の四面体で表面の三次元形状を分割した複数の四面体メッシュを作成するように構成される。抽出部は、複数の四面体メッシュのそれぞれを選択し、選択した四面体メッシュを対象四面体メッシュとして、対象四面体メッシュの四面体の面を構成する4つの面メッシュのそれぞれについて、面メッシュの頂点を構成する座標点の抽出領域の内部に全体が含まれる面メッシュを抽出するように構成される。
このように構成された本開示のメッシュ作成装置は、複数の四面体で表面の三次元形状を分割した複数の四面体メッシュを作成するために、座標点群の分布が不均一であっても、座標点群の密度に応じた大きさのメッシュで、表面の三次元形状を再現することができる。そして、本開示のメッシュ作成装置は、上記の抽出領域の内部に全体が含まれる面メッシュを抽出するため、対象物における表面を表していない面メッシュが除外され易くなり、メッシュによる表面形状の再現性を向上させることができる。
本開示の一態様では、法線ベクトル算出部は、領域設定部と、表面判断部と、拡張部と、固有ベクトル算出部とを備えるようにしてもよい。
領域設定部は、座標点群を構成する複数の座標点のそれぞれを選択し、選択した座標点を対象点として、対象点を含むベクトル算出領域を設定するように構成される。表面判断部は、ベクトル算出領域に含まれる複数の座標点が表面を表していることを示す予め設定された表面判断条件が成立しているか否かを判断するように構成される。拡張部は、表面判断条件が成立していないと表面判断部が判断した場合に、ベクトル算出領域を拡張するように構成される。固有ベクトル算出部は、表面判断条件が成立していると表面判断部が判断した場合に、ベクトル算出領域に含まれる複数の座標点のデータから、少なくとも3つの固有ベクトルを算出し、少なくとも3つの固有ベクトルの中から、3番目に長い固有ベクトルを、対象点の法線ベクトルとして設定するように構成される。
このように構成された本開示のメッシュ作成装置は、表面判断条件に基づいてベクトル算出領域を拡張するため、座標点群の分布が不均一であっても、座標点群の密度に応じて適切に対象点の法線ベクトルを算出することができる。
本開示の一態様では、表面判断条件は、少なくとも3つの固有ベクトルのうち、1番目に長い固有ベクトルを第1固有ベクトルとし、2番目に長い固有ベクトルを第2固有ベクトルとして、第1固有ベクトルの固有値と、第2固有ベクトルの固有値とを用いて設定されるようにしてもよい。
ベクトル算出領域に含まれる複数の座標点が表面を表す場合には、第1固有ベクトルの固有値と第2固有ベクトルの固有値との差が小さくなるため、第1固有ベクトルと第2固有ベクトルとの固有値の比較により、ベクトル算出領域に含まれる複数の座標点が表面を表しているか否かの判断が可能であるからである。
本開示の一態様では、面メッシュは、3つの頂点により構成された三角形状であり、抽出部は、面メッシュの頂点を構成する3つの座標点のそれぞれを選択し、選択した座標点を対象頂点として、対象頂点以外の残りの2つの頂点が抽出領域の内部に含まれている場合に、面メッシュの全体が抽出領域の内部に含まれていると判断するようにしてもよい。
このように構成された本開示のメッシュ作成装置は、2つの頂点が抽出領域の内部に含まれているか否かという簡便な方法で、面メッシュを抽出するか否かを判断することができるため、メッシュ作成装置の処理負荷を軽減することができる。
本開示の別の態様は、座標点群のデータからメッシュを作成するメッシュ作成方法であって、法線ベクトル算出手順と、領域作成手順と、メッシュ作成手順と、抽出手順とを備える。
法線ベクトル算出手順は、座標点群を構成する複数の座標点のそれぞれについて、座標点の位置における表面の法線ベクトルを算出する。領域作成手順は、座標点群を構成する複数の座標点のそれぞれを選択し、選択した座標点を対象点として、対象点を内部に含み、且つ、対象点から対象点の法線ベクトルの方向へ向かって境界まで延びる距離よりも、対象点から対象点の法線ベクトルに直交する方向へ向かって境界まで延びる距離が長くなるように設定された抽出領域を作成する。
メッシュ作成手順は、座標点群を頂点とした複数の四面体で表面の三次元形状を分割した複数の四面体メッシュを作成する。抽出手順は、複数の四面体メッシュのそれぞれを選択し、選択した四面体メッシュを対象四面体メッシュとして、対象四面体メッシュの四面体の面を構成する4つの面メッシュのそれぞれについて、面メッシュの頂点を構成する座標点の抽出領域の内部に全体が含まれる面メッシュを抽出する。
本開示のメッシュ作成方法は、本開示のメッシュ作成装置にて実行される方法であり、当該方法を実行することで、本開示のメッシュ作成装置と同様の効果を得ることができる。
本開示の更に別の態様は、三次元座標で表される座標点の集合により少なくとも1つの対象物における表面の三次元形状を示す座標点群のデータからメッシュを作成するために、コンピュータを、法線ベクトル算出部、領域作成部、メッシュ作成部、及び、抽出部として機能させるためのメッシュ作成プログラムである。
本開示のメッシュ作成プログラムによって制御されるコンピュータは、本開示のメッシュ作成装置の一部を構成することができ、本開示のメッシュ作成装置と同様の効果を得ることができる。
メッシュ作成装置1の構成を示すブロック図である。 メッシュ作成処理を示すフローチャートである。 法線ベクトル算出処理を示すフローチャートである。 固有ベクトルv,v,vを示す図である。 表面抽出処理を示すフローチャートである。 ベクトル算出領域と抽出領域を説明する図である。 不要面除外前後のメッシュ作成結果を示す自動車の斜視図である。 不要面除外前後のメッシュ作成結果を示す建造物の斜視図である。 メッシュ作成装置1によるメッシュ作成結果とMarching Cubes法によるメッシュ作成結果を示す図である。 座標点群の分布に応じた固有ベクトルv,vの相違を示す図である。
以下に本開示の実施形態を図面とともに説明する。
本実施形態のメッシュ作成装置1は、図1に示すように、表示部11と、操作入力部12と、データ記憶部13と、データ入出力部14と、制御部15とを備える。
表示部11は、図示しない表示装置を備え、表示装置の表示画面に各種画像を表示する。
操作入力部12は、図示しないキーボードおよびマウスを介して使用者が行った入力操作を特定するための入力操作情報を出力する。
データ記憶部13は、各種データを記憶するための記憶装置である。
データ入出力部14は、有線または無線で接続された外部機器との間でデータの入出力を行う。
制御部15は、CPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されている。マイクロコンピュータの各種機能は、CPUが非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、ROMが、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。また、このプログラムの実行により、プログラムに対応する方法が実行される。そして制御部15は、操作入力部12およびデータ入出力部14からの入力に基づいて各種処理を実行し、表示部11、データ記憶部13およびデータ入出力部14を制御する。
このように構成されたメッシュ作成装置1において、制御部15は、メッシュ作成処理を実行する。なお、制御部15が実行する機能の一部または全部を、一つあるいは複数のIC等によりハードウェア的に構成してもよい。
ここで、制御部15が実行するメッシュ作成処理の手順を説明する。メッシュ作成処理は、メッシュ作成処理を実行するために制御部15に記憶されたメッシュ作成プログラム20を使用者の入力操作により起動することで実行される。なおメッシュ作成プログラム20は、メッシュ作成装置1に予めインストールされていてもよいし、記録媒体またはネットワークを介してインストールされるようにしてもよい。記録媒体としては、例えば光ディスク、磁気ディスクおよび半導体メモリなどが挙げられる。
メッシュ作成処理が実行されると、制御部15は、図2に示すように、まず、S10にて、道路地図データを作成する対象となる道路(以下、対象道路という)を選択するための画像(以下、対象道路選択画像という)を表示部11の表示画面に表示する。
その後S20にて、使用者により選択された対象道路を特定する対象道路特定情報が操作入力部12から入力されたか否かを判断する。ここで、対象道路特定情報が入力されていない場合には、S20の処理を繰り返すことにより、対象道路特定情報が入力するまで待機する。そして、対象道路特定情報が入力されると、S30にて、対象道路特定情報により特定される対象道路とその周辺の座標点群データをデータ記憶部13から取得する。なお、対象道路とその周辺の座標点群データは、メッシュ作成処理を開始する前に予めデータ記憶部13に記憶される。
対象道路とその周辺の座標点群データは、対象道路の三次元形状を表す複数地点の三次元座標の集合であり、例えばモービルマッピングシステム(以下、MMS)を利用して取得される。MMSは、Mobile Mapping Systemの略である。MMSでは、レーザスキャナを搭載した計測車両で対象道路を走行することにより、対象道路とその周辺の座標点群データを計測する。対象道路とその周辺の座標点群データは、計測車両の現在位置と、レーザスキャナがパルスレーザ光を照射した方向と、パルスレーザ光を照射してから反射レーザ光を検出するまでの時間に基づいて、レーザ光を反射した地点の三次元座標を計測することにより取得される。座標点群データのデータ構造は、テキスト形式でもよいし、既に流通している一般的な点群フォーマット(例えば、LAS形式)を用いたものでもよく、その形式を問わない。以下、S30で取得した座標点群データにより表される座標点群を構成する複数の点のそれぞれを座標点という。
そしてS40にて、法線ベクトル算出処理を実行する。ここで、S40の法線ベクトル算出処理の手順を説明する。本実施形態の法線ベクトル算出処理では、例えば主成分分析を用いた手法の一つを採用して法線ベクトルを算出する。主成分分析を用いた手法では、後述する対象点と、対象点の付近に位置する1または複数の座標点とを平面に近似し、その平面の法線ベクトルを対象点の法線ベクトルとみなす。
法線ベクトル算出処理が実行されると、制御部15は、図3に示すように、まずS210にて、座標点群を構成する複数の座標点の中から、法線ベクトルが算出されていない座標点を1つ選択する。以下、S210で選択された座標点を対象点という。またS220にて、S210で選択した対象点を中心として予め設定された領域設定半径を有する球状のベクトル算出領域を設定する。なお、処理の高速化のために、点群の密度、傾向およびノイズの程度等を考慮した上で、ある程度余裕を持たせた領域設定半径を設定することにより、後述するS280における拡張回数を減らしている。
そしてS230にて、ベクトル算出領域内に含まれる座標点の数が予め設定された算出判定値(例えば、10)以上であるか否かを判断する。ここで、含まれる座標点の数が算出判定値未満である場合には、280に移行する。一方、含まれる座標点の数が算出判定値以上である場合には、S240にて、S220で設定されたベクトル算出領域内に含まれる全ての座標点に対して、下式(1),(2),(3)に示す分散V(x),V(y),V(z)と、下式(4),(5),(6)に示す共分散Cov(x,y),Cov(y,z),Cov(z,x)を算出する。なお、下式(1)〜(6)におけるx,y,zはそれぞれ、座標点のX,Y,Z座標の値である。下式(1)〜(6)におけるnは、ベクトル算出領域内に含まれる座標点の数である。

さらにS250にて、S240で算出した分散V(x),V(y),V(z)と共分散Cov(x,y),Cov(y,z),Cov(z,x)を用いて、下式(7)に示す分散共分散行列Aを作成する。

そしてS260にて、下式(8)を用いて、分散共分散行列Aの固有値λ,λ,λを算出する。但し、λ≧λ≧λである。なお、下式(8)における行列Eは、下式(9)で表される。

次にS270にて、λ/(λ+λ)が予め設定された算出領域判定値より大きいか否かを判断する。
固有値λ,λ,λは、それぞれに対応する固有ベクトルの方向についての偏り度合いを表している。一般的には、これら3つの固有値を正規化することにより、それぞれの方向の偏り度合いを評価する。これを寄与率という。しかし、本実施形態では、最小の固有値を評価に用いず、その他の2つの固有値を正規化した値により偏り度合いを評価する。これは、表面の特徴を十分に表しているか否かの判定には、厚み方向の偏りの情報は不要であるためである。
ここで、λ/(λ+λ)が算出領域判定値以下である場合には、S280に移行する。
そしてS280に移行すると、ベクトル算出領域を拡張し、S230に移行する。具体的には、現時点におけるベクトル算出領域の2倍の半径を有する球状の領域を新たなベクトル算出領域として設定する。
一方、λ/(λ+λ)が算出領域判定値より大きい場合には、S290にて、固有値λ,λ,λのそれぞれに対応する固有ベクトルv,v,vを算出する。分散共分散行列の性質により、この3つの固有ベクトルv,v,vはそれぞれ直交しており、ベクトル算出領域内に含まれる全ての座標点の形状的な傾向により方向付けられている。さらに、固有値により各固有ベクトルの方向の相関の強さがわかる。つまり、最も相関の弱い固有ベクトルは法線ベクトルとみなすことができる。例えば、図4に示すように、複数の座標点の形状的な傾向が平面PLにより表されているとすると、固有ベクトルv,vは平面PLに対して平行となり、固有ベクトルvは平面PLに対して垂直となる。
そして、S290の処理が終了すると、図3に示すように、S300にて、固有ベクトルvを、S210で選択された対象点の法線ベクトルとして登録する。さらにS310にて、現時点におけるベクトル算出領域を、S210で選択された対象点の特徴領域として登録する。その後S320にて、座標点群を構成する全ての座標点が対象点として選択されたか否かを判断する。ここで、全ての座標点が選択されていない場合には、S210に移行する。一方、全ての座標点が選択された場合には、法線ベクトル算出処理を終了する。
そして、法線ベクトル算出処理が終了すると、図2に示すように、S50にて、S30で取得した座標点群データを用いて、四面体メッシュを作成する。本実施形態では、3次元Delaunay四面体分割の手法を用いて、四面体メッシュを作成する。
そしてS50の処理が終了すると、S60にて、表面抽出処理を実行する。ここで、S60の表面抽出処理の手順を説明する。
表面抽出処理が実行されると、制御部15は、図5に示すように、まずS410にて、S50で作成された複数の四面体メッシュの中から四面体メッシュを1つ選択する。以下、S410で選択された四面体メッシュを対象四面体メッシュという。そしてS420にて、S410で選択した対象四面体メッシュを構成する4つの面メッシュの中から面メッシュを1つ選択する。以下、S420で選択された面メッシュを対象面メッシュという。なお、四面体メッシュを構成する面メッシュは三角形である。
さらにS430にて、S420で選択した対象面メッシュを構成する3つの頂点の中から頂点を1つ選択する。以下、S430で選択された頂点を対象頂点という。
そしてS440にて、S430で選択された対象頂点の特徴領域を変形して、抽出領域を作成する。具体的には、図6に示すように、対象頂点Ptの特徴領域Rfは、対象頂点Ptを中心とする球体である。この特徴領域Rfを、対象頂点Ptの法線ベクトルVnの方向に沿って押し潰すようにして、楕円体状に変形して、抽出領域Rxを作成する。
正確には、対象頂点Ptを原点とし、法線ベクトルVnの方向をZ軸とし、法線ベクトルVnに直交する平面上にX軸とY軸が設定され三次元直交座標系において、特徴領域Rfの境界面が、(x+y+z=A)で表されるとする。この場合において、抽出領域Rxの境界面は、(x/A+y/A+z/C=1)で表される。但し、A>Cである。
図6では、対象頂点Ptの付近で段差が形成されており、対象頂点Ptと近傍点Pn1,Pn2,Pn3,Pn4が垂直面PL1上に位置している。近傍点Pn1は、垂直面PL1における下側の端部に位置し、近傍点Pn4は、垂直面PL1における上側の端部に位置している。近傍点Pn1,Pn5,Pn6は、垂直面PL1の下側で垂直面PL1と接続される水平面PL2上に位置している。垂直面PL1と水平面PL2は、近傍点Pn1を共有している。近傍点Pn4,Pn7,Pn8は、垂直面PL1の上側で垂直面PL1と接続される水平面PL3上に位置している。垂直面PL1と水平面PL3は、近傍点Pn4を共有している。
このように座標点が配置されている場合に、特徴領域Rfは、対象頂点Ptと同一の平面PL1上に配置されている近傍点Pn1,Pn2と、対象頂点Ptと異なる平面PL2上に配置されている近傍点Pn5とを含む。これに対し、抽出領域Rxは、対象頂点Ptと同一の平面PL1上に配置されている近傍点Pn1,Pn2を含み、対象頂点Ptと異なる平面PL2上に配置されている近傍点Pn5を含まない。
S440の処理が終了すると、図5に示すように、S450にて、S440で作成した抽出領域内に、S420で選択した対象面メッシュを構成する他の2つの頂点が含まれているか否かを判断する。ここで、抽出領域内に他の2つの頂点が含まれていない場合には、S460にて、S420で選択した対象面メッシュを不要面メッシュとして除外し、S480に移行する。例えば、図6に示すように、頂点Ptと頂点Pn1と頂点Pn5とで構成される面メッシュは、頂点Pn5が抽出領域Rx内に含まれていないため、不要面メッシュとして除外される。
一方、抽出領域内に他の2つの頂点が含まれている場合には、図5に示すように、S470にて、S420で選択した対象面メッシュを構成する全ての頂点が対象頂点として選択されたか否かを判断する。ここで、全ての頂点が選択されていない場合には、S430に移行する。一方、全ての頂点が選択された場合には、S480に移行する。
そしてS480に移行すると、S410で選択した対象四面体メッシュを構成する全ての面メッシュが対象面メッシュとして選択されたか否かを判断する。ここで、全ての面メッシュが選択されていない場合には、S420に移行する。一方、全ての面メッシュが選択された場合には、S490にて、不要面メッシュとして除外されなかった面メッシュを形状表面として登録する。
そしてS500にて、S50で作成された全ての四面体メッシュが対象四面体メッシュとして選択されたか否かを判断する。ここで、全ての四面体メッシュが選択されていない場合には、S410に移行する。一方、全ての四面体メッシュが選択された場合には、表面抽出処理を終了する。
そして、表面抽出処理が終了すると、図2に示すように、S70にて、S50で作成された四面体メッシュを構成する全ての面メッシュのうち、形状表面として登録されている面メッシュのデータをデータ記憶部13に記憶し、メッシュ作成処理を終了する。
このように構成されたメッシュ作成装置1は、座標点群のデータからメッシュを作成する。座標点群は、三次元座標で表される座標点の集合により対象道路における表面の三次元形状を示す。
メッシュ作成装置1は、座標点群を構成する複数の座標点のそれぞれについて、座標点の位置における表面の法線ベクトルを算出する。
メッシュ作成装置1は、座標点群を頂点とした複数の四面体で表面の三次元形状を分割した複数の四面体メッシュを作成する。
メッシュ作成装置1は、座標点群を構成する複数の座標点のそれぞれを選択し、選択した座標点を対象頂点として、対象頂点を内部に含む抽出領域を作成する。抽出領域は、対象頂点から対象頂点の法線ベクトルの方向へ向かって境界まで延びる距離よりも、対象頂点から対象頂点の法線ベクトルに直交する方向へ向かって境界まで延びる距離が長くなるように設定される。
メッシュ作成装置1は、複数の四面体メッシュのそれぞれを選択し、選択した四面体メッシュを対象四面体メッシュとして、対象四面体メッシュの四面体の面を構成する4つの面メッシュのそれぞれについて、面メッシュの頂点を構成する座標点の抽出領域の内部に全体が含まれる面メッシュを抽出する。
このようにメッシュ作成装置1は、複数の四面体で表面の三次元形状を分割した複数の四面体メッシュを作成するために、座標点群の分布が不均一であっても、座標点群の密度に応じた大きさのメッシュで、表面の三次元形状を再現することができる。そして、メッシュ作成装置1は、上記の抽出領域の内部に全体が含まれる面メッシュを抽出するため、対象道路における表面を表していない面メッシュが除外され易くなり、メッシュによる表面形状の再現性を向上させることができる。
例えば図7に示すように、画像GR1および画像GR2は、自動車の三次元形状を示す座標点群を用いてメッシュを作成した結果を示している。画像GR1は、不要面メッシュを除外する前の結果であり、画像GR2は、不要面メッシュを除外した後の結果である。
また図8に示すように、画像GR3および画像GR4は、建造物の三次元形状を示す座標点群を用いてメッシュを作成した結果を示している。画像GR3は、不要面メッシュを除外する前の結果であり、画像GR4は、不要面メッシュを除外した後の結果である。
このようにメッシュ作成装置1は、対象物における表面を表していない面メッシュを除外し、メッシュによる表面形状の再現性を向上させることができる。
例えば図9に示すように、画像GR11は、対象道路と対象道路周辺の構造物の三次元形状を示す座標点群を示している。画像GR12および画像GR13はそれぞれ、画像GR11内における領域R11および領域R12の座標点群を用いて、本実施形態のメッシュ作成装置1でメッシュを作成した結果を示している。画像GR14および画像GR15はそれぞれ、画像GR11内における領域R11および領域R12の座標点群を用いて、Marching Cubes法でメッシュを作成した結果を示している。
このようにメッシュ作成装置1は、座標点群の分布が不均一であっても、座標点群の密度に応じた大きさのメッシュで、表面の三次元形状を再現することができる。
またメッシュ作成装置1は、座標点群を構成する複数の座標点のそれぞれを選択し、選択した座標点を対象点として、対象点を含むベクトル算出領域を設定する。メッシュ作成装置1は、λ/(λ+λ)が予め設定された算出領域判定値より大きいか否かを判断する。メッシュ作成装置1は、λ/(λ+λ)が算出領域判定値以下であると判断した場合に、ベクトル算出領域を拡張する。メッシュ作成装置1は、λ/(λ+λ)が算出領域判定値より大きいと判断した場合に、ベクトル算出領域に含まれる複数の座標点のデータから、3つの固有ベクトルv,v,vを算出し、3つの固有ベクトルv,v,vの中から、3番目に長い固有ベクトルvを、対象点の法線ベクトルとして設定する。
このようにメッシュ作成装置1は、λ/(λ+λ)が予め設定された算出領域判定値より大きいという表面判断条件に基づいてベクトル算出領域を拡張するため、座標点群の分布が不均一であっても、座標点群の密度に応じて適切に対象点の法線ベクトルを算出することができる。
なお、上記のように表面判断条件は、固有ベクトルvの固有値λと、固有ベクトルvの固有値λとを用いて設定される。図10の分布D1に示すように、複数の座標点の分布が一方向に偏っている場合には、固有ベクトルvの大きさ(すなわち、固有値λ)と固有ベクトルvの大きさ(すなわち、固有値λ)と差が大きい。一方、図10の分布D2に示すように、複数の座標点の分布が一方向に偏っていない場合には、固有ベクトルvの大きさと固有ベクトルvの大きさと差が小さい。このため、固有ベクトルvと固有ベクトルvとの固有値の比較により、ベクトル算出領域に含まれる複数の座標点が表面を表しているか否かの判断が可能である。
またメッシュ作成装置1では、面メッシュは、3つの頂点により構成された三角形状である。そしてメッシュ作成装置1は、面メッシュの頂点を構成する3つの座標点のそれぞれを選択し、選択した座標点を対象頂点として、対象頂点以外の残りの2つの頂点が抽出領域の内部に含まれている場合に、面メッシュの全体が抽出領域の内部に含まれていると判断する。
このようにメッシュ作成装置1は、2つの頂点が抽出領域の内部に含まれているか否かという簡便な方法で、面メッシュを抽出するか否かを判断することができるため、メッシュ作成装置1の処理負荷を軽減することができる。
以上説明した実施形態において、対象道路は対象物の一例に相当し、S40が法線ベクトル算出部および法線ベクトル算出手順としての処理に相当し、S440が領域作成部および領域作成手順としての処理に相当する。
また、S50がメッシュ作成部およびメッシュ作成手順としての処理に相当し、S60が抽出部および抽出手順としての処理に相当する。
また、S210,S220が領域設定部としての処理に相当し、S230〜S270が表面判断部としての処理に相当し、S280が拡張部としての処理に相当し、S290,S300が固有ベクトル算出部としての処理に相当し、S270の判断条件が表面判断条件に相当する。
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、種々変形して実施することができる。
例えば上記実施形態では、対象道路とその周辺の座標点群データからメッシュを作成するものを示したが、座標点群データは、道路の形状を示すものに限定されない。例えば建築物のように、座標点群データにより形状を表すことができるものであればよい。そして、メッシュ作成装置1が作成したメッシュは、地物認識、土量計算および応力計算を行ったり、メッシュに沿って線を作成したりするために利用することができる。
また上記実施形態では、3次元Delaunay四面体分割の手法を用いて四面体メッシュを作成するものを示したが、四面体メッシュを作成する手法は3次元Delaunay四面体分割に限定されるものではない。
また上記実施形態では、対象道路特定情報により特定される対象道路の座標点群データからメッシュを作成するものを示したが、使用者に対象道路を選択させる処理を行うことなく、データ記憶部13に記憶されている全ての座標点群データからメッシュを作成するようにしてもよい。
上記各実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、上記各実施形態の構成の一部を、課題を解決できる限りにおいて省略してもよい。また、上記各実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
なお、前述したメッシュ作成装置の他、当該メッシュ作成装置を構成要素とするシステム、当該メッシュ作成装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体、メッシュ作成方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
1…メッシュ作成装置、13…データ記憶部、15…制御部、20…メッシュ作成プログラム

Claims (6)

  1. 座標点群のデータからメッシュを作成するメッシュ作成装置であって、
    前記座標点群は、三次元座標で表される座標点の集合により少なくとも1つの対象物における表面の三次元形状を示し、
    前記座標点群を構成する複数の前記座標点のそれぞれについて、前記座標点の位置における前記表面の法線ベクトルを算出するように構成された法線ベクトル算出部と、
    前記座標点群を構成する複数の前記座標点のそれぞれを選択し、選択した前記座標点を対象点として、前記対象点を内部に含み、且つ、前記対象点から前記対象点の前記法線ベクトルの方向へ向かって境界まで延びる距離よりも、前記対象点から前記対象点の前記法線ベクトルに直交する方向へ向かって境界まで延びる距離が長くなるように設定された抽出領域を作成するように構成された領域作成部と、
    前記座標点群を頂点とした複数の四面体で前記表面の三次元形状を分割した複数の四面体メッシュを作成するように構成されたメッシュ作成部と、
    複数の前記四面体メッシュのそれぞれを選択し、選択した前記四面体メッシュを対象四面体メッシュとして、前記対象四面体メッシュの四面体の面を構成する4つの面メッシュのそれぞれについて、前記面メッシュの頂点を構成する前記座標点の前記抽出領域の内部に全体が含まれる前記面メッシュを抽出するように構成された抽出部と
    を備えるメッシュ作成装置。
  2. 請求項1に記載のメッシュ作成装置であって、
    前記法線ベクトル算出部は、
    前記座標点群を構成する複数の前記座標点のそれぞれを選択し、選択した前記座標点を対象点として、前記対象点を含むベクトル算出領域を設定するように構成された領域設定部と、
    前記ベクトル算出領域に含まれる複数の前記座標点が前記表面を表していることを示す予め設定された表面判断条件が成立しているか否かを判断するように構成された表面判断部と、
    前記表面判断条件が成立していないと前記表面判断部が判断した場合に、前記ベクトル算出領域を拡張するように構成された拡張部と、
    前記表面判断条件が成立していると前記表面判断部が判断した場合に、前記ベクトル算出領域に含まれる複数の前記座標点のデータから、少なくとも3つの固有ベクトルを算出し、少なくとも3つの前記固有ベクトルの中から、3番目に長い前記固有ベクトルを、前記対象点の前記法線ベクトルとして設定するように構成された固有ベクトル算出部と
    を備えるメッシュ作成装置。
  3. 請求項2に記載のメッシュ作成装置であって、
    前記表面判断条件は、少なくとも3つの前記固有ベクトルのうち、1番目に長い前記固有ベクトルを第1固有ベクトルとし、2番目に長い前記固有ベクトルを第2固有ベクトルとして、前記第1固有ベクトルの固有値と、前記第2固有ベクトルの固有値とを用いて設定されるメッシュ作成装置。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のメッシュ作成装置であって、
    前記面メッシュは、3つの頂点により構成された三角形状であり、
    前記抽出部は、
    前記面メッシュの頂点を構成する3つの前記座標点のそれぞれを選択し、選択した前記座標点を対象頂点として、前記対象頂点以外の残りの2つの頂点が前記抽出領域の内部に含まれている場合に、前記面メッシュの全体が前記抽出領域の内部に含まれていると判断するメッシュ作成装置。
  5. 座標点群のデータからメッシュを作成するメッシュ作成方法であって、
    前記座標点群は、三次元座標で表される座標点の集合により少なくとも1つの対象物における表面の三次元形状を示し、
    前記座標点群を構成する複数の前記座標点のそれぞれについて、前記座標点の位置における前記表面の法線ベクトルを算出する法線ベクトル算出手順と、
    前記座標点群を構成する複数の前記座標点のそれぞれを選択し、選択した前記座標点を対象点として、前記対象点を内部に含み、且つ、前記対象点から前記対象点の前記法線ベクトルの方向へ向かって境界まで延びる距離よりも、前記対象点から前記対象点の前記法線ベクトルに直交する方向へ向かって境界まで延びる距離が長くなるように設定された抽出領域を作成する領域作成手順と、
    前記座標点群を頂点とした複数の四面体で前記表面の三次元形状を分割した複数の四面体メッシュを作成するメッシュ作成手順と、
    複数の前記四面体メッシュのそれぞれを選択し、選択した前記四面体メッシュを対象四面体メッシュとして、前記対象四面体メッシュの四面体の面を構成する4つの面メッシュのそれぞれについて、前記面メッシュの頂点を構成する前記座標点の前記抽出領域の内部に全体が含まれる前記面メッシュを抽出する抽出手順と
    を備えるメッシュ作成方法。
  6. 三次元座標で表される座標点の集合により少なくとも1つの対象物における表面の三次元形状を示す座標点群のデータからメッシュを作成するために、コンピュータを、
    前記座標点群を構成する複数の前記座標点のそれぞれについて、前記座標点の位置における前記表面の法線ベクトルを算出するように構成された法線ベクトル算出部、
    前記座標点群を構成する複数の前記座標点のそれぞれを選択し、選択した前記座標点を対象点として、前記対象点を内部に含み、且つ、前記対象点から前記対象点の前記法線ベクトルの方向へ向かって境界まで延びる距離よりも、前記対象点から前記対象点の前記法線ベクトルに直交する方向へ向かって境界まで延びる距離が長くなるように設定された抽出領域を作成するように構成された領域作成部、
    前記座標点群を頂点とした複数の四面体で前記表面の三次元形状を分割した複数の四面体メッシュを作成するように構成されたメッシュ作成部、及び、
    複数の前記四面体メッシュのそれぞれを選択し、選択した前記四面体メッシュを対象四面体メッシュとして、前記対象四面体メッシュの四面体の面を構成する4つの面メッシュのそれぞれについて、前記面メッシュの頂点を構成する前記座標点の前記抽出領域の内部に全体が含まれる前記面メッシュを抽出するように構成された抽出部
    として機能させるためのメッシュ作成プログラム。
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