JP2018010129A - 表示装置及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、黒ムラの影響による表示装置の階調の減少を抑制する黒ムラ補正の実現を可能にする表示装置およびその制御方法の提供を目的とする。【解決手段】表示装置は、複数の発光領域を有し、発光領域毎に輝度を制御可能な発光手段と、前記発光手段から照射される光を変調することにより画像データに基づく画像を表示する表示手段と、前記表示手段の複数の表示領域毎の、前記画像データのデータ値と、前記表示手段における光の変調の度合いを示す変調度と、の相関関係に関する情報を記憶する記憶手段と、前記画像データと前記情報とに基づいて前記画像データに基づく画像に表示のムラが現れるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果に応じて、前記発光手段の発光領域の輝度を制御する発光制御手段と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、表示装置及びその制御方法に関する。
近年、表示装置に対して、表示画像(画面に表示された画像)の再現性向上が望まれている。例えば、表示装置の画面内に光量差(たとえば輝度ムラ)が発生すると、同一のデータの画像であっても表示する場所によって異なる輝度に表示されてしまう。このため、輝度ムラの少ない表示装置が求められている。表示装置の代表的な例として、液晶パネルとバックライト(発光部)の構成からなる液晶ディスプレイが挙げられる。しかし、液晶パネルに作用する応力の変化等によって偏光板と液晶との光軸ずれが発生すると、液晶パネルの透過率が部分的に変化してしまう。この変化は、特に液晶に印加される電圧が低い暗部階調で影響が大きいことが知られている。この透過率の変動による表示装置の暗部階調の表示ムラは黒ムラと呼ばれる。
そこで、輝度が低い画像を表示する場合、黒ムラが発生しないよう液晶パネルの透過率を高く補正し、透過率を上げた割合だけ発光部の発光量を減らす制御を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
一方、液晶表示装置に表示する目標表示画像に応じて、バックライトの発光輝度を部分的に変化させ、表示画像に生じる階調段差を改善できる技術が述べられている(例えば、特許文献2)。バックライトの発光輝度を部分的に変更する制御は、ローカルディミング制御などと呼ばれる。
一方、液晶表示装置に表示する目標表示画像に応じて、バックライトの発光輝度を部分的に変化させ、表示画像に生じる階調段差を改善できる技術が述べられている(例えば、特許文献2)。バックライトの発光輝度を部分的に変更する制御は、ローカルディミング制御などと呼ばれる。
しかしながら、輝度が低い画像において、黒ムラが発生しないよう液晶パネルの透過率を高く補正し、透過率を増加させた割合だけ発光部の発光量を一様に減少させる制御を行うと、黒ムラが発生しない領域においても使用できる階調範囲が減少してしまう。これによって、液晶表示装置としての表示階調範囲を減少させてしまうという課題がある。そこで、本発明は、表示ムラの影響による表示装置の階調範囲の減少を抑制する表示ムラ補正の実現を可能にする表示装置およびその制御方法の提供を目的とする。
本発明の第1の態様は、
複数の発光領域を有し、発光領域毎に輝度を制御可能な発光手段と、
前記発光手段から照射される光を変調することにより画像データに基づく画像を表示する表示手段と、
前記表示手段の複数の表示領域毎の、前記画像データのデータ値と、前記表示手段における光の変調の度合いを示す変調度と、の相関関係に関する情報を記憶する記憶手段と、
前記画像データと前記情報とに基づいて前記画像データに基づく画像に表示のムラが現れるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に応じて、前記発光手段の発光領域の輝度を制御する発光制御手段と、
を備えることを特徴とする表示装置である。
複数の発光領域を有し、発光領域毎に輝度を制御可能な発光手段と、
前記発光手段から照射される光を変調することにより画像データに基づく画像を表示する表示手段と、
前記表示手段の複数の表示領域毎の、前記画像データのデータ値と、前記表示手段における光の変調の度合いを示す変調度と、の相関関係に関する情報を記憶する記憶手段と、
前記画像データと前記情報とに基づいて前記画像データに基づく画像に表示のムラが現れるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に応じて、前記発光手段の発光領域の輝度を制御する発光制御手段と、
を備えることを特徴とする表示装置である。
本発明の第2の態様は、
複数の発光領域を有し、発光領域毎に輝度を制御可能な発光手段と、前記発光手段から照射される光を変調することにより画像データに基づく画像を表示する表示手段と、を備える表示装置の制御方法であって、
前記表示手段の複数の表示領域毎の、前記画像データのデータ値と、前記表示手段における光の変調の度合いを示す変調度と、の相関関係に関する情報を記憶する記憶ステップと、
前記画像データと前記情報とに基づいて前記画像データに基づく画像に表示のムラが現れるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおける判定結果に応じて、前記発光手段の発光領域の輝度を制御する発光制御ステップと、
を含むことを特徴とする表示装置の制御方法である。
複数の発光領域を有し、発光領域毎に輝度を制御可能な発光手段と、前記発光手段から照射される光を変調することにより画像データに基づく画像を表示する表示手段と、を備える表示装置の制御方法であって、
前記表示手段の複数の表示領域毎の、前記画像データのデータ値と、前記表示手段における光の変調の度合いを示す変調度と、の相関関係に関する情報を記憶する記憶ステップと、
前記画像データと前記情報とに基づいて前記画像データに基づく画像に表示のムラが現れるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおける判定結果に応じて、前記発光手段の発光領域の輝度を制御する発光制御ステップと、
を含むことを特徴とする表示装置の制御方法である。
本発明の第3の態様は、
上記表示装置の制御方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
上記表示装置の制御方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
本発明によれば、表示ムラの影響による表示装置の階調範囲の減少を抑制する表示ムラ補正の実現を可能にする。
<実施例1>
以下、本発明の実施例1に係る表示装置及びその制御方法について説明する。図1は本実施例に関わる表示装置100の構成の一例を示す図である。表示装置100は、画像表示部110、光量制御部120、画像入力部130、黒ムラ判定部140、記憶部150を備える。
以下、本発明の実施例1に係る表示装置及びその制御方法について説明する。図1は本実施例に関わる表示装置100の構成の一例を示す図である。表示装置100は、画像表示部110、光量制御部120、画像入力部130、黒ムラ判定部140、記憶部150を備える。
画像表示部110はさらに、発光部112と表示部111を備える。本実施例では説明を簡単にするため、画像表示部110は図2(A)のように水平方向に5分割、垂直方向に5分割された合計25領域で光量を制御できる構成として説明する。以後、各領域を左上から順に201から225までの番号を付け区別する。なお、領域の数は本実施例では説明を分かりやすくするため25領域で説明するが、例えば表示部111の画面解像度と同一であってもよい。
表示部111は、後述する発光部112から照射される光を変調することにより画像データに基づく画像を表示する。より具体的には、表示部111は、後述する光量制御部1
20の表示制御部121からの制御により、部分的に光の変調度を変更できる。ここで変調度とは光の変調の度合いを示す量であり、典型的には透過率である。本実施例では透過率の最小値を1%、最大値を100%として説明する。表示部111は変調度を制御可能な構造であればよく、本実施例では複数の液晶素子からなる複数の液晶画素を備える液晶パネルであるものとして説明する。液晶素子としては、IPS(In Plane Switching)方式の液晶素子等を使用できる。他にもVA(Vertical Alignment)方式の液晶素子、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal:高分子分散型液晶)、等を使用してもよい。
20の表示制御部121からの制御により、部分的に光の変調度を変更できる。ここで変調度とは光の変調の度合いを示す量であり、典型的には透過率である。本実施例では透過率の最小値を1%、最大値を100%として説明する。表示部111は変調度を制御可能な構造であればよく、本実施例では複数の液晶素子からなる複数の液晶画素を備える液晶パネルであるものとして説明する。液晶素子としては、IPS(In Plane Switching)方式の液晶素子等を使用できる。他にもVA(Vertical Alignment)方式の液晶素子、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal:高分子分散型液晶)、等を使用してもよい。
次に表示部111の透過率の制御について説明する。前提として、例えば100階調のデータ値(1〜100の値)を有する画像データに基づく画像を液晶パネルに表示させるものとする。この場合、各液晶画素の透過率は、所定のガンマカーブに従って、入力された画像データのデータ値に対応する透過率に制御される。ガンマカーブは、入力画像データの値と液晶画素の透過率との対応関係を表すカーブ(関数)である。例えば、入力画像データ値(x)と透過率(y%)との関係はガンマ値(γ)を用いて、y=xγと表すことができる。本実施例では、説明をわかりやすくするため、正常な液晶画素はガンマ値=1.0のガンマカーブを有するものとする。すなわち、入力画像データのデータ値がXである場合、ガンマ値=1.0より、液晶画素の透過率がX%に制御され、液晶画素に照射された光のX%の光が液晶画素を透過する。液晶画素の透過率が100%に制御された場合には、液晶画素に照射された光が液晶画素を略完全に透過する。また制御される領域内では、透過率が均一に制御されるものとする。なお、液晶画素の特性や液晶画素の透過率の制御方法は特に限定されない。また、表示部111は、液晶画素を有する液晶パネルに限らず、部分的に透過率を制御できるパネルであればMEMS(Micro Electro Mechanical System)シャッターを用いたMEMSシャッター方式パネルであってもよい。
発光部112は、複数の発光領域を有し、発光領域毎に輝度を制御可能である。より具体的には、発光部112はバックライトとも呼ばれ、表示部111に光を照射する。また、発光部112は、光量制御部120の発光制御部122の制御指示により、部分的に異なる強度で光を照射できる。発光部112の構造は、表示部111に照射する光量を部分的に変更できる機能を有すれば、直下型でもよいし、導光板を用いたサイド型の構造等でもよく、方式は問わない。発光部112はこの機能を用いて、画像データに合わせて領域毎に異なる強度で発光する、ローカルディミングと呼ばれる処理を行うことができる。発光部112は、例えば、光源として複数の発光ダイオード(LED)を備え、発光制御部122がLEDの順電流量制御および点灯期間の長短制御することで発光量が制御される。本実施例では、発光部112は、図2(A)の制御領域の単位で発光量を調整でき、表示部111の対応する領域に照射する光量を調整できるものとする。また制御される領域内では照射量が均一に制御されるものとする。
なお、発光部112は、有機EL素子、冷陰極管(CCFL)、等が使用されてもよい。また、発光部112は、液晶パネルに照射する光量を領域毎に制御できるように、発光部112から照射される光を領域毎に変調できる光変調部をさらに備えてもよい。例えば光変調部は、表示部111とは異なる、部分的に透過光量を制御できる液晶パネルによって実現される。この場合、光変調部の変調度は、発光部112の発光光量とともに、後述する発光制御部122によって制御される。光変調部は発光部112の発光量を制御するためのマスクとして働き、より低い輝度を実現することができる。
また、本実施例では、説明をわかりやすくするため、発光光量の単位として%を使用する。具体的には、発光光量の最大値を100%、発光光量の最小値(消灯状態に対応する値)を0%とする。
また、本実施例では説明を簡単にするため、発光部112は単一の白色光を発光するも
のとする。しかし、発光部112が複数の色のLEDを備え、画像表示部110がカラー表示をしてもよい。
また、本実施例では、説明をわかりやすくするため、発光光量の単位として%を使用する。具体的には、発光光量の最大値を100%、発光光量の最小値(消灯状態に対応する値)を0%とする。
また、本実施例では説明を簡単にするため、発光部112は単一の白色光を発光するも
のとする。しかし、発光部112が複数の色のLEDを備え、画像表示部110がカラー表示をしてもよい。
光量制御部120は、表示制御部121と発光制御部122を備える。表示制御部121は、後述する画像入力部130から受信した表示画像を表示するため、表示部111の透過率を制御する。発光制御部122は、発光部112の発光量を制御する。本実施例では、光量制御部120は単一の白色光を発する発光部112を制御するものとして説明するが、カラー表示にも対応が可能である。例えば、発光制御部122は、表示画像のピクセルデータの色情報に応じて、発光部112の図示しない赤、緑、青3色のLEDの光量を調整する。また表示制御部121は、各液晶画素の色を制御できるサブピクセル(不図示)の透過率を決定する。本実施例では、説明を分かりやすくするため、入力画像を色の無い白黒画像として、すなわち輝度に着目し、LEDは白色LEDとし、サブピクセルは考えないものとして説明する。しかしながら、例えば輝度を赤の輝度、緑の輝度、青の輝度と置き換えれば、同様に制御することができる。また、発光部112の発光量制御だけでは目標とする出射光量にできない場合、前述したように光変調部の透過率を変更する制御を行う機能を更に備えてもよい。
画像入力部130は、表示装置に表示させる表示画像を入力し、光量制御部120に送信する。例えば画像入力部130は、画像データをデジタル伝送できるHDMI(High Definition Multimedia Interface、登録商標)等の入力インターフェースを備え、図6のような表示画像を入手する。ここでは説明を分かりやすくするために、表示画像は、最小値である黒の1から最大値である白の100までのデータ値をとるものとする。なお、入手する表示画像はGUI(Graphical User Interface)で使用される図示しない内蔵メモリに記録されている画像などでもよい。
黒ムラ判定部140は、入力された画像データと表示ムラの情報(以下「表示ムラ情報」と呼び、本実施例では特に黒ムラを対象とする)とに基づいて入力画像データに基づく表示画像に黒ムラが現れるか否かを判定する。具体的には、黒ムラ判定部140は画像入力部130から表示画像を、記憶部150から表示ムラ情報を入手し、表示画像が黒ムラの影響を受けるか判定する。ここで、表示ムラ情報とは、表示部111の領域毎の透過率と、表示部111が表示する画像のデータ値との相関関係を定義するものであり、詳細は後述する。本実施例では、表示画像が黒ムラの影響を受ける場合、表示部111の出射光量を画像データに基づく出射光量に近づけるように、黒ムラ判定部140が光量制御部120に指示する。
なお、本実施例で説明する黒ムラとは、前述したように偏光板と液晶との光軸ずれに起因する表示部111の透過率の部分的な変動による表示のムラを意味する。特に、暗部階調での表示ムラが黒ムラと呼ばれる。本実施例では黒ムラを適用対象に説明を進めるが、前述した表示ムラ一般に適用することもできる。なお、表示部111がカラー表示をする場合、表示ムラは表示部111の表色上のムラを意味する。
なお、本実施例で説明する黒ムラとは、前述したように偏光板と液晶との光軸ずれに起因する表示部111の透過率の部分的な変動による表示のムラを意味する。特に、暗部階調での表示ムラが黒ムラと呼ばれる。本実施例では黒ムラを適用対象に説明を進めるが、前述した表示ムラ一般に適用することもできる。なお、表示部111がカラー表示をする場合、表示ムラは表示部111の表色上のムラを意味する。
記憶部150は、表示部111の表示ムラ情報を記憶する。表示ムラ情報は、黒ムラ判定部140によって読み出される。記憶部150は、具体的には、例えば不揮発メモリによって構成される。また、ここでは図示しないが、表示装置の環境情報である温度や湿度ごとに表示ムラ情報を備え、使用する表示ムラ情報を環境毎に使い分けてもよい。これによって、例えば黒ムラの出現の仕方が表示装置の設置環境によって異なる場合でも、精度よく黒ムラを補正することができる。また、表示装置100は、表示部111の光量を計測した結果に基づいて、記憶部150に記憶された表示ムラ情報を更新する更新部を備えてもよい。例えば、表示装置100は図示しない光量計測装置を別途備え、光量計測装置は表示部111の光量を測定する。光量計測装置による測定結果に応じて、更新部は表示
ムラ情報を生成し、記憶部150に記憶される表示ムラ情報を更新する。これによって、必要な都度、表示ムラ情報を更新でき、最適な黒ムラ補正を行うことができる。また、次のような方法で表示ムラ情報を更新してもよい。例えば、ユーザーが表示部111の光量の異なる領域(例えば黒ムラ領域)を選択し、表示装置100はユーザーが選択した領域の光量に近い光量を表示部111の別の領域に表示する。ユーザーは、別の領域に表示する光量が選択した領域の光量に近いことを表示装置100に通知する。このとき、ユーザーは光量計測装置を用いて、別の領域に表示した光量からユーザーが選択した領域の光量を計測する。光量計測装置による計測結果に応じて、更新部は表示ムラ情報を生成、更新する。
ムラ情報を生成し、記憶部150に記憶される表示ムラ情報を更新する。これによって、必要な都度、表示ムラ情報を更新でき、最適な黒ムラ補正を行うことができる。また、次のような方法で表示ムラ情報を更新してもよい。例えば、ユーザーが表示部111の光量の異なる領域(例えば黒ムラ領域)を選択し、表示装置100はユーザーが選択した領域の光量に近い光量を表示部111の別の領域に表示する。ユーザーは、別の領域に表示する光量が選択した領域の光量に近いことを表示装置100に通知する。このとき、ユーザーは光量計測装置を用いて、別の領域に表示した光量からユーザーが選択した領域の光量を計測する。光量計測装置による計測結果に応じて、更新部は表示ムラ情報を生成、更新する。
なお、表示制御部121、発光制御部122、黒ムラ判定部140などの表示装置100が備える各機能は、CPU(Central Processing Unit、不図示)の動作として実現される。具体的には、上述の各機能は、不揮発性メモリ(不図示)に格納されたプログラムがRAM(Random Access Memory)などのワークメモリ(不図示)に展開され、これをCPUが実行することにより実現される。
ここで、図2(B)から図4(C)を用いて、画像表示部110から出射される光量は、表示部111の透過率の制御と発光部112の発光量の制御によって変更できることを説明する。図2(B)、図2(C)、図2(D)の各領域はそれぞれ図2(A)の各領域に対応しており、左上からそれぞれ201から225までの番号で区別することにする。図2(B)は表示部111の各制御領域における透過率を示しており、表示部111の透過率を最大に制御した場合を示した図である。すなわち制御可能な全領域で透過率が100%となっている。図2(C)は発光部112の各制御領域における発光量を示しており、最大発光量の半分、すなわち全領域で50%の発光量となるよう制御した場合を示した図である。図2(D)は表示装置の各制御領域から出射される光量を示しており、図2(B)の透過率と図2(C)の発光量の制御により、全領域で50%の出射光量となるよう制御された場合を示した図である。各領域の数値の関係について詳しく説明する。
図2(D)の画像表示部110から出射される光量について、例えば、図2(A)の202の領域に着目して説明すると、図2(B)の透過率は100%、図2(C)の発光量は50%であるため、図2(D)の出射される光量は積の50%となる。同様に全ての領域201から225では、同じ透過率と発光量であるため出射される光量は同じになる。
なお、本実施例では表示部111の制御領域(以下「表示領域」と呼ぶ)と発光部112の制御領域(以下「発光領域」と呼ぶ)がそれぞれ対応し、同じ大きさであるものとする。しかし、大きさは同一である必要はなく、対応関係があればよい。例えば、表示領域を画素のサイズとして、一つの発光領域に多数の表示領域が対応するものとしてもよい。
なお、本実施例では表示部111の制御領域(以下「表示領域」と呼ぶ)と発光部112の制御領域(以下「発光領域」と呼ぶ)がそれぞれ対応し、同じ大きさであるものとする。しかし、大きさは同一である必要はなく、対応関係があればよい。例えば、表示領域を画素のサイズとして、一つの発光領域に多数の表示領域が対応するものとしてもよい。
図2(B)〜図2(D)の各領域は、他の領域に影響を及ぼさないものとして説明をした。しかし、各領域の発光量の影響が他の領域に及ぶ場合であっても、影響量を考慮し、発光部112の発光量と表示部111の透過率制御を行うことで画像表示部110の出射光量を制御できる。このことを、図3(A)〜図3(C)を用いて説明する。図3(A)は、発光部112の発光によって、表示部111の他の領域にも光が照射される一例である。例えば、領域213の光源を50%の発光量で点灯させた場合、上下左右、つまり表示部111の領域208、212、214、218に発光量25%相当の照射が発生し、他の領域は発光量1%相当の照射が発生している。この発光部112を用いて、図3(B)のように表示装置の領域213のみ出射光量50%となるよう表示装置の出射光量を制御する。このためには、発光部112は領域213のみ発光量50%で発光させ、表示部111の透過率を図3(C)のように、領域208、212、214、218の領域を4%、その他の領域は100%にする必要がある。このように発光量の影響が他の領域に及ぶ場合であっても、発光部112の発光量と、表示部111の透過率を、影響量を考慮し
て制御することで表示装置の出射光量を目標の値に制御できる。
て制御することで表示装置の出射光量を目標の値に制御できる。
次に図4(A)〜図4(C)、図5(A)〜図5(C)を用いて黒ムラの影響について説明する。図4(A)、図4(B)、図4(C)は、画像表示部110に黒の画像(データ値が全て1)を表示させた場合の一例である。図4(A)は、表示部111の透過率を最小に制御した場合を示した図である。すなわち制御可能な全領域で透過率が1%となっている。図4(B)は、最大光量の半分、すなわち全領域で光量が50%となるよう制御した場合を示した図である。図4(C)は、図4(A)の透過率と図4(B)の発光量の制御により表示装置の出射光量が全領域で0.5%となるよう制御された場合を示した図である。
図5(A)〜図5(C)は、表示部111の透過率に黒ムラが発生したとき、画像表示部110の出射光量にムラが発生する例を示した図であり、図4(A)〜図4(C)との違いを中心に説明する。図5(A)は、図4(A)と同様に表示部111の透過率を最小に制御した場合の透過率を示した図であるが、表示部111に作用する応力の変化によって透過率ムラが発生した例である。その透過率ムラのため、図5(B)のように発光部112の発光量が図4(B)と変わらない場合であっても、図5(C)の表示装置の出射光量は、表示部111の透過率ムラの影響が現れる。具体的には、図5(A)のように、表示部111の領域202と203の透過率が部分的に5%となり、表示装置の領域202と203の出射光量が部分的に2.5%となってしまう。このように、表示部111の透過率ムラが、画像表示部110の出射光量に黒ムラを発生させる。
記憶部150が保持する表示ムラ情報について図7(A)〜図7(C)を用いて詳述する。記憶部150には、図7(A)〜図7(C)のように、工場出荷時に測定された発光部112の表示領域毎の表示画像のデータ値及び実際の透過率の関係が記録されている。上述したように、本実施例ではガンマカーブのガンマ値=1.0であり、本来、画像データのデータ値と各発光領域の透過率は比例関係を示すはずである。しかし、発光領域202と203では、データ値6%以上はデータ値と透過率は比例関係になっているが、データ値1〜5%の範囲ではデータ値に依存せず透過率は5%を示す。したがって、図7(A)〜図7(C)より、ガンマカーブの条件を満たさない発光領域202と203は黒ムラ領域であることがわかる。
本実施例に関わるローカルディミング処理によって黒ムラを低減する制御動作について、図8を用いてより詳細に説明する。図8は、本発明の表示装置の処理の一例を説明するフローチャートである。
図8の処理フローは、画像表示部110に表示画像を表示するとき、および表示画像に変化があるとき、開始される。ステップS901では、黒ムラ判定部140が、画像入力部130から入手した表示画像データと、記憶部150から入手した表示ムラ情報とを比較し、表示画像に黒ムラの影響によって表示部111で制御できないデータ値があるかどうかを判定する。具体的には、例えば、黒ムラ判定部140は、図7(A)〜図7(C)の表示ムラ情報を入手した場合、領域202と203が黒ムラ領域であると特定し、図6の表示画像の領域202と203のデータ値を比較対象とする。表示画像の領域202はデータ値100を示している。この値は、表示ムラ情報を示す図7(A)に記録されているデータ値と透過率が比例関係にある範囲にあるため、黒ムラ判定部140は制御できるデータ値であると判定する。一方、表示画像の領域203はデータ値1を示している。この値は、表示ムラ情報を示す図7(B)に記載されているデータ値と透過率が比例関係にない範囲にあるため、黒ムラ判定部140は制御できないデータ値であると判定する。表示画像に黒ムラの影響がない場合、処理は終了する。
ステップS902では、黒ムラ判定部140が、ステップS901の判定結果に基づいて黒ムラの影響により制御できないと判定された表示部111の表示領域について、該表示領域の出射光量を導出する。具体的には、黒ムラの影響があると判定された表示画像の領域203を用いて説明する。この場合、領域203の表示画像のデータ値が1のとき、図7(B)より透過率が5%であることから、そのまま表示部111の透過率を設定すると、図9(A)のように領域203は黒ムラの影響で所望の1%でなく5%に制御されてしまう。したがって、黒ムラ判定部140は、表示領域203において黒ムラの影響を低減させるため、出射光量を減少させる必要がある。本実施例では、ガンマカーブと図7(B)から、出射光量を、表示画像のデータ値(データ値=1)を透過率(透過率=5%)で除した値である1/5倍にする必要性が導出される。
ステップS903では、光量制御部120が、画像入力部130から入手した表示画像データと、黒ムラ判定部140から入手した制御が必要な表示画像の領域と出射光量の情報から、表示装置の出射光量を制御する。具体的には、黒ムラ領域は203で、出射光量を1/5にする必要があることから、表示部111の表示領域203に照射される光量を1/5にするよう、発光制御部122が発光部112の発光領域203の光量を制御する。本実施例では、発光部112の光量を変更しても他の表示領域に影響を与えないとしているので、発光領域203の光量は、例えば図9(B)のように他の領域比の1/5、すなわち20%に制御される。
なお、発光部112の輝度の制御だけでは表示のムラを補正できない場合に、黒ムラ領域の出射光量が画像データに基づく出射光量に近づくように、表示制御部121は表示部111の黒ムラ領域の変調度を制御してもよい。例えば、上述の例で発光部112の発光領域203の輝度の制御だけでは黒ムラの補正ができない場合、表示部111の表示領域203の透過率を制御することによって、黒ムラ領域の出射光量を目的とする画像データに基づく出射光量に近づける。
なお、発光部112の輝度の制御だけでは表示のムラを補正できない場合に、黒ムラ領域の出射光量が画像データに基づく出射光量に近づくように、表示制御部121は表示部111の黒ムラ領域の変調度を制御してもよい。例えば、上述の例で発光部112の発光領域203の輝度の制御だけでは黒ムラの補正ができない場合、表示部111の表示領域203の透過率を制御することによって、黒ムラ領域の出射光量を目的とする画像データに基づく出射光量に近づける。
以上の処理により、画像表示部110の表示部111の透過率は図9(A)、発光部112の発光量は図9(B)、画像表示部110の出射光量は図9(C)のようになる。そして、図6の表示画像のデータと比例関係が保たれる、黒ムラの影響のない所望の画像が表示される。
以上のように、ローカルディミング処理を用いることにより、黒ムラ領域に対応する発光領域の輝度を制御して黒ムラ補正をすることができる。これによって、発光部112全体の発光輝度を一様に制御するグローバルディミングによって黒ムラ補正する場合と異なり、黒ムラが発生しない領域においては使用できる階調範囲は減少しない。また、表示ムラ情報を活用することにより、黒ムラ領域に対応する発光部112発光領域の輝度の制御だけで簡易に黒ムラ補正を実現することができる。
本実施例では、図8の処理フローは、画像表示部110に表示画像を表示するとき、および表示画像に変化があるとき、開始されるとしたが、表示ムラ情報の更新時に実施することで、さらに自動更新できる液晶の階調が減少しない黒ムラ補正方法を提供できる。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100:表示装置
111:表示部
112:発光部
122:発光制御部
140:黒ムラ判定部
150:記憶部
111:表示部
112:発光部
122:発光制御部
140:黒ムラ判定部
150:記憶部
Claims (19)
- 複数の発光領域を有し、発光領域毎に輝度を制御可能な発光手段と、
前記発光手段から照射される光を変調することにより画像データに基づく画像を表示する表示手段と、
前記表示手段の複数の表示領域毎の、前記画像データのデータ値と、前記表示手段における光の変調の度合いを示す変調度と、の相関関係に関する情報を記憶する記憶手段と、
前記画像データと前記情報とに基づいて前記画像データに基づく画像に表示のムラが現れるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に応じて、前記発光手段の発光領域の輝度を制御する発光制御手段と、
を備えることを特徴とする表示装置。 - 前記判定手段が前記画像に前記表示のムラが現れると判定した場合に、前記発光制御手段は、前記表示手段の出射光量が前記画像データに基づく出射光量に近づくように、前記表示のムラが現れる表示領域に対応する発光領域の輝度を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示領域。 - 前記表示手段の前記複数の表示領域のそれぞれは、前記複数の発光領域のそれぞれに対応する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。 - 前記判定手段は、前記画像に前記表示のムラが現れると判定した場合に、前記複数の表示領域のうち前記表示のムラが現れる表示領域であるムラ領域を特定し、
前記発光制御手段は、前記ムラ領域に対応する前記発光手段の発光領域の輝度を制御する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の表示装置。 - 前記発光手段の輝度の制御だけでは前記表示のムラを補正できない場合に、前記ムラ領域の出射光量が前記画像データに基づく出射光量に近づくように、前記ムラ領域の変調度を制御する表示制御手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項4に記載の表示装置。 - 前記発光手段は、前記発光手段から照射される光を領域毎に変調できる光変調手段を備え、
前記判定手段が前記画像に前記表示のムラが現れると判定した場合に、前記発光制御手段は、前記ムラ領域からの出射光量が前記画像データに基づく出射光量に近づくように、前記ムラ領域に対応する前記光変調手段の領域の変調度を制御する
ことを特徴とする請求項4または5に記載の表示装置。 - 前記記憶手段は、表示装置が設置された環境毎の複数の前記情報を記憶する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の表示装置。 - 前記表示手段の光量を計測した結果に基づいて、前記記憶手段に記憶された前記情報を更新する更新手段を備える
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の表示装置。 - 前記発光手段は複数の色からなる光源を備え、
前記表示のムラは、前記表示手段における表色上のムラである
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の表示装置。 - 複数の発光領域を有し、発光領域毎に輝度を制御可能な発光手段と、前記発光手段から照射される光を変調することにより画像データに基づく画像を表示する表示手段と、を備える表示装置の制御方法であって、
前記表示手段の複数の表示領域毎の、前記画像データのデータ値と、前記表示手段における光の変調の度合いを示す変調度と、の相関関係に関する情報を記憶する記憶ステップと、
前記画像データと前記情報とに基づいて前記画像データに基づく画像に表示のムラが現れるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおける判定結果に応じて、前記発光手段の発光領域の輝度を制御する発光制御ステップと、
を含むことを特徴とする表示装置の制御方法。 - 前記判定ステップにおいて前記画像に前記表示のムラが現れると判定された場合に、前記発光制御ステップでは、前記表示手段の出射光量が前記画像データに基づく出射光量に近づくように、前記表示のムラが現れる表示領域に対応する発光領域の輝度が制御されることを特徴とする請求項10に記載の表示装置の制御方法。
- 前記表示手段の前記複数の表示領域のそれぞれは、前記複数の発光領域のそれぞれに対応する
ことを特徴とする請求項10または11に記載の表示装置の制御方法。 - 前記判定ステップでは、前記画像に前記表示のムラが現れると判定された場合に、前記複数の表示領域のうち前記表示のムラが現れる表示領域であるムラ領域が特定され、
前記発光制御ステップでは、前記ムラ領域に対応する前記発光手段の発光領域の輝度が制御される
ことを特徴とする請求項10から12のいずれか1項に記載の表示装置の制御方法。 - 前記発光手段の輝度の制御だけでは前記表示のムラを補正できない場合に、前記ムラ領域の出射光量が前記画像データに基づく出射光量に近づくように、前記ムラ領域の変調度を制御する表示制御ステップをさらに含む
ことを特徴とする請求項13に記載の表示装置の制御方法。 - 前記発光手段は、前記発光手段から照射される光を領域毎に変調できる光変調手段を備え、
前記判定ステップにおいて前記画像に前記表示のムラが現れると判定された場合に、前記発光制御ステップでは、前記ムラ領域からの出射光量が前記画像データに基づく出射光量に近づくように、前記ムラ領域に対応する前記光変調手段の領域の変調度が制御されることを特徴とする請求項13または14に記載の表示装置の制御方法。 - 前記記憶ステップでは、表示装置が設置された環境毎の複数の前記情報を記憶する
ことを特徴とする請求項10から15のいずれか1項に記載の表示装置の制御方法。 - 前記表示手段の光量を計測した結果に基づいて、前記記憶ステップにおいて記憶された前記情報を更新する更新ステップを含む
ことを特徴とする請求項10から16のいずれか1項に記載の表示装置の制御方法。 - 前記発光手段は複数の色からなる光源を備え、
前記表示のムラは、前記表示手段における表色上のムラである
ことを特徴とする請求項10から17のいずれか1項に記載の表示装置の制御方法。 - 請求項10から請求項18のいずれか1項に記載の表示装置の制御方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
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JP2016138557A JP2018010129A (ja) | 2016-07-13 | 2016-07-13 | 表示装置及びその制御方法 |
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CN111788626A (zh) * | 2018-07-27 | 2020-10-16 | 深圳市柔宇科技股份有限公司 | 显示面板与显示面板图像数据补偿方法 |
JP2020173522A (ja) * | 2019-04-09 | 2020-10-22 | アルパイン株式会社 | 電子装置 |
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CN111788626B (zh) * | 2018-07-27 | 2022-03-29 | 深圳市柔宇科技股份有限公司 | 显示面板与显示面板图像数据补偿方法 |
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