JP2018009873A - 探触子およびこれを備えた漏洩磁束探傷装置 - Google Patents

探触子およびこれを備えた漏洩磁束探傷装置 Download PDF

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宏明 畠中
寛記 河井
Hiroki Kawai
寛記 河井
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Hiroyuki Hishida
寛之 菱田
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誉寿 大島
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Abstract

【課題】コンパクトな探触子によって、漏洩磁束探傷法による検査を簡便に実施することができる探触子およびこれを備えた漏洩磁束探傷装置を提供する。【解決手段】探触子4は、対象物Oの探傷面E上を磁気センサ12が走査することにより探傷面Eを含む表層のきずXを探傷する漏洩磁束探傷装置1の探触子4であって、磁気センサ12と、磁気センサ12が取り付けられたフレキシブル基板10aと、フレキシブル基板10aの表面10bに沿う方向において磁気センサ12の両側に配置された第1磁場発生部21および第2磁場発生部22と、を備える。第1磁場発生部21および第2磁場発生部22は、第1磁場発生部21および第2磁場発生部22の間において対象物Oを局所的に磁化するように構成されている。【選択図】図3

Description

本発明は、探触子およびこれを備えた漏洩磁束探傷装置に関する。
従来、対象物の表層のきず(JIS Z 2300:2009)を検出するための磁気を利用した非破壊検査として、漏洩磁束探傷法(Magnetic Flux Leakage:MFL)が知られている。漏洩磁束探傷法は、対象物の探傷面を磁化し、きずから漏洩する磁束の有無等を測定することにより、きずを探傷する。たとえば、特許文献1に示される漏洩磁束探傷装置は、磁化器と、磁化器に対向して配置された磁気センサとを備える。この漏洩磁束探傷装置は、一定速度で搬送される鋼板を磁化器によって磁化するとともに、鋼板の表面近傍に配置された磁気センサにより、鋼板に存在する微少欠陥を探傷する。
特許第3271246号公報
特許文献1に記載の装置では、様々な磁化条件で磁化を行っている。しかし、特許文献1に記載の装置では、鋼板の第1の面側に磁化器が配置され、鋼板の第2の面側に磁気センサが配置されるため、装置が大がかりになる。本発明は、コンパクトな探触子によって、漏洩磁束探傷法による検査を簡便に実施することができる探触子およびこれを備えた漏洩磁束探傷装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る探触子は、対象物の探傷面上を磁気センサが走査することにより探傷面を含む表層のきずを探傷する漏洩磁束探傷装置の探触子であって、磁気センサと、磁気センサが取り付けられたフレキシブル基板と、フレキシブル基板の表面に沿う方向において磁気センサの両側に配置された第1磁場発生部および第2磁場発生部と、を備え、第1磁場発生部および第2磁場発生部は、第1磁場発生部および第2磁場発生部の間において対象物を局所的に磁化するように構成されている。
この探触子によれば、第1磁場発生部および第2磁場発生部によって、対象物が局所的に磁化される。第1磁場発生部および第2磁場発生部の間に配置された磁気センサでは、第1磁場発生部および第2磁場発生部の間に形成された磁束に基づく磁界が検出される。このように、フレキシブル基板上に、磁気センサと磁化のための機構とが設けられているため、コンパクトな探触子によって磁化および磁界の検出が可能になっている。よって、漏洩磁束探傷法による検査を簡便に実施することができる。フレキシブル基板は柔軟性を有するので、凹凸部や狭隘部にも探触子を挿入することができ、あらゆる形状の探傷面に適用可能である。
いくつかの態様において、磁気センサは、第1磁場発生部および第2磁場発生部の中間位置に配置されている。この場合、磁気センサの位置においては、第1磁場発生部による磁場と第2磁場発生部による磁場とが打ち消し合う。よって、磁気センサに対する、第1磁場発生部および第2磁場発生部に由来する磁場の影響が低減され、対象物における磁束(その磁束に基づく磁界)をより正確に測定することができる。
いくつかの態様において、第1磁場発生部および第2磁場発生部は、それぞれ永久磁石である。この場合、永久磁石による磁場の安定性により、磁力センター部に安定的な磁場が形成される。これにより、ノイズの発生が低減され得る。さらに、電源等が不要であって、しかも磁気センサと永久磁石とがユニット化されており、探触子の小型化が図られる。
いくつかの態様において、第1磁場発生部および第2磁場発生部は、それぞれ電磁石である。この場合も、電磁石によって、対象物が局所的に磁化され、コンパクトな探触子によって磁化および磁界の検出が可能である。
いくつかの態様において、磁気センサと、第1磁場発生部および第2磁場発生部との間には磁場遮蔽材が設けられている。この場合、磁場遮蔽材によって、外部からの影響(たとえば地磁気等による影響)が低減される。これにより、対象物における磁束(その磁束に基づく磁界)をより正確に測定することができる。
本発明の一態様に係る漏洩磁束探傷装置は、上記のいずれかの探触子と、磁気センサにおいて検出された磁界を示す信号を入力して処理する処理部と、を備える。この漏洩磁束探傷装置によれば、コンパクトな探触子によって磁化および磁界の検出が可能であり、漏洩磁束探傷法による検査を簡便に実施することができる。
本発明のいくつかの態様によれば、コンパクトな探触子によって、漏洩磁束探傷法による検査を簡便に実施することができる。
図1(A)は本発明の一実施形態に係る漏洩磁束探傷装置の概略構成を示す図であり、図1(B)は図1(A)中の探触子を示す平面図である。 図2(A)は漏洩磁束探傷法による検査の対象物の断面図であり、図2(B)は漏洩磁束探傷法による検査の原理を示す図である。 図1中の探触子の磁気センサおよび磁化部を示す断面図である。 図3の探触子の底面図である。 他の実施形態に係る探触子の磁気センサおよび磁化部を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1(A)に示されるように、漏洩磁束探傷装置1は、探触子4を用いて検査対象である対象物Oの探傷面Eを走査し、探傷面Eを含む表層のきずXを探傷するための装置である。対象物Oは、たとえば航空機のジェットエンジンのシャフト等であるが、これに限られない。対象物Oは、磁性体であれば何であってもよい。
漏洩磁束探傷法の原理について説明する。漏洩磁束探傷法とは、図2(A)に示されるように、強磁性体からなる対象物Oの表面を含む表層に存在し得るきずXを、磁気センサTを用いて探索する検査法である。図2(B)に示されるように、漏洩磁束探傷法では、種々の方法により対象物Oを磁化することにより、対象物Oに所定方向の磁束Fを発生させる。磁束Fを遮るきずXがある場合には、そのきずXに起因して漏洩磁束Faが発生する。対象物Oの探傷面E上で磁気センサTを走査方向Dに走査させることにより、漏洩磁束Faが検出される。磁気センサTからの信号を用いる漏洩磁束探傷法は、従来採用されてきた磁粉探傷法に比して、探傷の自動化と結果のデジタル化とが容易であるという利点を有する。
図1(A)に示されるように、漏洩磁束探傷装置1は、対象物Oの探傷面Eを走査するための探触子4と、探触子4からの信号を入力して所定の処理を行い、探傷試験の結果を出力するパーソナルコンピュータ(処理部。以下、PCという)20とを備える。探触子4には複数のリード線14が設けられており、これらのリード線14が、たとえばAD変換器15に接続される。AD変換器15とPC20とは、USBケーブル等のケーブル16によって接続される。探触子4は、走査方向Dに走査させられる。この走査は、手動で行われてもよく、自動で行われてもよい。探触子4を保持するアーム等が走査方向Dに移動することで走査が行われてもよいし、探触子4を固定した状態で、対象物Oを保持したステージ等が走査方向Dと逆方向に移動することで走査が行われてもよい。
図1(B)に示されるように、探触子4は、計装アンプ基板11と、計装アンプ基板11に取り付けられたセンサモジュール10とを含む。計装アンプ基板11は、探触子4から出力される信号を増幅させる。センサモジュール10は、フレキシブル基板10aと、フレキシブル基板10aに搭載された複数の磁気センサ12(図2(B)に示される磁気センサTに相当)と、を含む。フレキシブル基板10aは、計装アンプ基板11に対して差し込まれ、コネクタ接続されている。探触子4において、センサモジュール10のみを交換することが可能になっている。漏洩磁束探傷装置1は、探触子4の位置情報を取得するためのエンコーダ13を備えており、エンコーダ13のワイヤの端部がフレキシブル基板10aに連結されている。
PC20は、探触子4から出力される、磁束に基づく磁界を示す信号と、エンコーダ13から出力される探触子4の位置情報とを入力し、対象物Oの探傷面(表面)Eを含む表層におけるきずXの有無判定のための探傷試験結果を出力する。きずXが存在する場合には、探傷試験結果において、きず指示が表れる。探傷試験結果に表れるきず指示に基づいて、きずXの有無だけでなく、きずXの幅や長さを推定することも可能である。
以下、図3および図4を参照して、一実施形態に係る探触子4について説明する。漏洩磁束探傷装置1の探触子4は、小型の磁気センサ12が柔軟なフレキシブル基板10aに保持された構成を有することにより、探傷面Eの形状を問わず、漏洩磁束探傷法による対象物Oの検査を可能とする。探触子4の適用対象とされ得る対象物Oとしては、たとえば、ギア、ねじ、タップ等の部品が挙げられる。探触子4は、ギアの歯部分や、ねじのねじ山部分等におけるきずXの検査を可能とする。
特に、探触子4では、磁気センサ12と共に、磁化のための機構がフレキシブル基板10aに搭載されている。言い換えれば、磁気センサ12と磁化のための機構とがセットになってフレキシブル基板10a上に設けられている。探触子4のセンサモジュール10は、柔軟性を有するフレキシブル基板10aを含む。フレキシブル基板10aは、主として高分子材料からなるシート状の基材である。フレキシブル基板10aには、配線パターンが形成されている。これらの配線パターンは、各磁気センサ12と、上記の計装アンプ基板11の回路とを電気的に接続する。計装アンプ基板11は、柔軟性を有しておらず、定形性を有する。すなわち、探触子4では、柔軟性を有するフレキシブル基板10aからセンサ部が構成され、定形性を有する計装アンプ基板11から信号出力部が構成される。
フレキシブル基板10aには、たとえば1つの磁気センサ12が取り付けられている。磁気センサ12は、探傷面Eの近傍において磁界の大きさを測定可能なセンサである。磁気センサ12は、磁界検出部(図示せず)を含む。磁気センサ12としては、MI(Magneto-Impedance)センサ、GMR(Giant Magneto Resistive effect)センサ、TMR(Tunnel Magneto-Resistance)センサ、AMR(Anisotropic Magneto-Resistance)センサ、FG(Flux-Gate)センサ、ホール素子、SQUID(Superconducting QUantum Interference Device)センサ、コイル等が用いられ得る。
フレキシブル基板10aに実装される磁気センサ12としては、非常に小型の磁気センサが用いられ得る。磁気センサ12は、一辺の長さが1mm以下の磁気センサであってもよい。磁気センサ12は、一辺の長さが2mm以下の磁気センサであってもよく、一辺の長さが4mm以下の磁気センサであってもよい。
磁気センサ12は、図示しない導通部を介して、フレキシブル基板10aの第1面10bに搭載されている。磁気センサ12は、公知の手段を用いて、フレキシブル基板10aに搭載され得る。磁気センサ12は、フレキシブル基板10aの第1面10b側に埋設されてもよいし、フレキシブル基板10aに内蔵されてもよい。磁気センサ12は、フレキシブル基板10aの第1面10bとは反対の第2面10c側に搭載されてもよい。磁気センサ12は、フレキシブル基板10aの第2面10c側に埋設されてもよい。磁気センサ12の個数は、特に限定されない。複数の磁気センサ12が設けられてもよい。複数の磁気センサ12が設けられる場合、磁気センサ12は、一列に配列されてもよいし、複数列に配列されてもよい。磁気センサ12が複数列に配列される場合、複数の磁気センサ12が千鳥状に配置されてもよい。
フレキシブル基板10aに対する磁気センサ12の接合部の周囲には、樹脂等による封入部19が形成されてもよい。封入部19によって、フレキシブル基板10aに対する磁気センサ12の固定強度が高められている。
センサモジュール10は、磁気センサ12の両側に配置された第1永久磁石(第1磁場発生部)21および第2永久磁石(第2磁場発生部)22を備える。第1永久磁石21および第2永久磁石22は、それぞれ、円柱状をなす。第1永久磁石21および第2永久磁石22は、他の形状、たとえば角柱状などをなしてもよい。
第1永久磁石21および第2永久磁石22は、第1面10bに沿う方向において、磁気センサ12と並ぶように配置されている。言い換えれば、第1永久磁石21および第2永久磁石22は、磁気センサ12を挟むように配置されている。より詳細には、磁気センサ12は、第1永久磁石21および第2永久磁石22の中間位置に配置されている。第1永久磁石21から磁気センサ12までの距離と、第2永久磁石22から磁気センサ12までの距離は、等しい。
第1永久磁石21および第2永久磁石22は、たとえば接着等により、フレキシブル基板10aの第1面10bに固定され得る。第1永久磁石21および第2永久磁石22は、フレキシブル基板10aの第1面10b側に埋設されてもよいし、フレキシブル基板10aに内蔵されてもよい。第1永久磁石21および第2永久磁石22は、フレキシブル基板10aの第1面10bとは反対の第2面10c側に搭載されてもよい。第1永久磁石21および第2永久磁石22は、フレキシブル基板10aの第2面10c側に埋設されてもよい。
複数の磁気センサ12が設けられる場合、複数の磁気センサ12の両側に一対の第1永久磁石21および第2永久磁石22が設けられてもよいし、個々の磁気センサ12の両側に、それぞれ第1永久磁石21および第2永久磁石22が設けられてもよい。その場合、それぞれの第1永久磁石21および第2永久磁石22が並ぶ方向は同一とされる(平行に揃えられる)。
フレキシブル基板10aに対する第1永久磁石21の接合部の周囲には、樹脂等による封入部23が形成されてもよい。フレキシブル基板10aに対する第2永久磁石22の接合部の周囲には、樹脂等による封入部24が形成されてもよい。封入部23および封入部24によって、フレキシブル基板10aに対する第1永久磁石21および第2永久磁石22の固定強度が高められている。
第1永久磁石21および第2永久磁石22は、これらの間において対象物Oを局所的に磁化するように構成されている。より詳細には、第1永久磁石21には、フレキシブル基板10aに近い側に、S極が形成されている。第1永久磁石21のS極側が、フレキシブル基板10aに取り付けられている。第2永久磁石22には、フレキシブル基板10aに近い側に、N極が形成されている。第2永久磁石22のN極側が、フレキシブル基板10aに取り付けられている。これにより、対象物Oには、第1永久磁石21から第2永久磁石22へと向かう磁束が形成されている。すなわち、局所的に磁化された対象物Oにおいて、磁化方向は、第1永久磁石21から第2永久磁石22へと向かう向きである。
第1永久磁石21および第2永久磁石22としては、公知の永久磁石が用いられ得る。第1永久磁石21および第2永久磁石22は、同一の永久磁石であって、配置のみが逆とされてもよい。第1永久磁石21および第2永久磁石22に用いられる材料は、求められる磁化の強度に応じて、適宜設定され得る。適切な磁化強度については、後述する。
磁気センサ12の周囲には、磁場遮蔽材25が設けられている。言い換えれば、磁気センサ12と、第1永久磁石21および第2永久磁石22との間には、矩形環状の磁場遮蔽材25が設けられている。磁場遮蔽材25は、フレキシブル基板10aの第1面10bに立設されており、磁気センサ12に略等しい高さを有する。磁場遮蔽材25は、たとえば銅箔からなる。磁場遮蔽材25は、外部からの影響(たとえば地磁気等による影響)を低減する。
上記した探触子4を用いて走査が行われる際には、図3に示されるように、第1面10bが対象物Oの探傷面Eに対面するように、センサモジュール10が対象物Oに置かれる。磁気センサ12と探傷面Eとは当接していてもよいし、磁気センサ12と探傷面Eとは離間していてもよい。磁気センサ12と探傷面Eとが離間している場合には、これらの距離を一定に保つ(リフトオフを一定にする)ことが好ましい。
第1永久磁石21および第2永久磁石22によって、これらの間が局所的に磁化される。センサモジュール10は、第1永久磁石21および第2永久磁石22による磁化方向に沿って移動され得る。すなわち、第1永久磁石21および第2永久磁石22による磁化方向と、磁気センサ12の走査方向Dとは略等しい。
ここで、第1永久磁石21および第2永久磁石22による磁化は、従来の漏洩磁束探傷法における磁化に比して、弱くなっている。第1永久磁石21および第2永久磁石22による磁化は、一時的に磁区方向を揃える程度の比較的弱い磁化であり、残留磁化ではない。この点、本明細書における「磁化」は、残留磁化を意味するのではなく、残留磁化を生じさせないような一時的な磁化である。しかしながら、第1永久磁石21および第2永久磁石22による磁化は、漏洩磁束探傷法による検査を行うには十分な程度に設定されている。
センサモジュール10による走査の結果、凹部表面E2の近傍における磁気センサ12が検出する磁界の大きさに応じた電気信号が、磁気センサ12からPC20に対して出力される。探触子4によれば、磁化方向(すなわち走査方向D)に探触子4を移動させて走査を行うことにより、順次、対象物Oの脱磁が行われ得る。言い換えれば、探触子4による走査が行われている間、第1永久磁石21と第2永久磁石22との間では対象物Oは磁化されているが、探触子4が通過した領域では、対象物Oは磁化されていない。
本実施形態の探触子4によれば、第1永久磁石21および第2永久磁石22によって、対象物Oが局所的に磁化される。第1永久磁石21および第2永久磁石22の間に配置された磁気センサ12では、第1永久磁石21および第2永久磁石22の間に形成された磁束に基づく磁界が検出される。このように、フレキシブル基板10a上に、磁気センサ12と磁化のための機構とが設けられているため、コンパクトな探触子4によって磁化および磁界の検出が可能になっている。よって、大がかりな磁化機構は不要になっており、漏洩磁束探傷法による検査を簡便に実施することができる。フレキシブル基板10aは柔軟性を有するので、対象物Oの凹凸部や狭隘部にも探触子4を挿入することができ、あらゆる形状の探傷面Eに適用可能である。
従来、たとえば凹凸部を探傷する場合に、凹凸部に起因する漏洩磁束により誤ったきず指示が与えられることがあったが、本実施形態の探触子4によれば、局所的な磁化により、磁束が漏洩し得る箇所はきずXの部分に限定されている。これにより、凹凸部の探傷が可能になっている。また、第1永久磁石21および第2永久磁石22による磁化は、一時的に磁区方向を揃える程度の比較的弱い磁化であり、残留磁化ではない。磁化方向に探触子4を移動させて走査を行うことにより、順次、脱磁が行われ得る。すなわち、走査に伴って、自動的な脱磁が行われる。これにより、対象物Oの全面を測定できると同時に、走査後に、脱磁工程を別途実施する必要がない。時間や手間を要する脱磁工程が省かれることにより、漏洩磁束探傷法による検査をより一層簡便に実施することができる。
磁気センサ12は、第1永久磁石21および第2永久磁石22の中間位置に配置されている。これにより、磁気センサ12の位置においては、第1永久磁石21による磁場と第2永久磁石22による磁場とが打ち消し合う。よって、磁気センサ12に対する、第1永久磁石21および第2永久磁石22に由来する磁場の影響が低減され、対象物Oにおける磁束(その磁束に基づく磁界)をより正確に測定することができる。
第1永久磁石21および第2永久磁石22では、永久磁石による磁場の安定性により、磁力センター部に安定的な磁場が形成される。これにより、ノイズの発生が低減されている。さらに、電源等が不要であって、しかも磁気センサ12と永久磁石とがユニット化されており、探触子4の小型化が図られている。
また、磁場遮蔽材25によって、外部からの影響(たとえば地磁気等による影響)が低減されている。これにより、対象物Oにおける磁束(その磁束に基づく磁界)をより正確に測定することができる。
小型の磁気センサ12を用いた探触子4によれば、従来の磁気センサでは入ることのできなかった狭隘部にも、磁気センサ12が挿入され得るので、あらゆる複雑な形状に対して、汎用性が高められている。
また、計装アンプ基板11に対してフレキシブル基板10aが差し込まれ、コネクタ接続されることにより、センサモジュール10のみの交換が可能となっている。また、センサモジュール10と計装アンプ基板11が至近距離に設けられている。これにより、ノイズが混入しやすい配線部が短くなり、計装アンプ基板11によってノイズが増幅されることを防ぐことにより、ノイズが低減される。
上記のセンサモジュール10を含む探触子4を備えた漏洩磁束探傷装置1によれば、コンパクトな探触子4によって磁化および磁界の検出が可能であり、漏洩磁束探傷法による検査を簡便に実施することができる。
図5を参照して、の実施形態に係る探触子4のセンサモジュール10Aについて説明する。センサモジュール10Aでは、第1磁場発生部および第2磁場発生部として、それぞれ電磁石が用いられている。センサモジュール10Aは、第1磁場発生部である第1電磁石31と、第2磁場発生部である第2電磁石32とを備える。第1電磁石31は、第1面10bに立設されたコア部31aと、コア部31aの周囲に形成された巻線部31bとを含む。第2電磁石32は、第1面10bに立設されたコア部32aと、コア部32aの周囲に形成された巻線部32bとを含む。コア部31aおよびコア部32aは磁性材料からなる。第1電磁石31の巻線部31bと、第2電磁石32の巻線部32bとには、それぞれ直流電源が接続される。第1電磁石31および第2電磁石32の配置と、第1電磁石31および第2電磁石32による磁化に関しては、先の実施形態における第1永久磁石21および第2永久磁石22と同様である。
第1電磁石31および第2電磁石32を含むセンサモジュール10Aを備えた探触子4によっても、対象物Oが局所的に磁化され、コンパクトな探触子4によって磁化および磁界の検出が可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。たとえば、第1永久磁石21および第2永久磁石22を備えるセンサモジュール10において、磁場遮蔽材25を省略することもできる。第1永久磁石21および第2永久磁石22によれば、上記したように安定的な磁場が形成されるため、第1永久磁石21による磁場と第2永久磁石22による磁場とを確実に打ち消すことができる。たとえば、第1永久磁石21と第2永久磁石22とに同一の永久磁石を用い、第1永久磁石21および第2永久磁石22の中間位置に磁気センサ12を配置することにより、磁場遮蔽材25は省略され得る。磁場遮蔽材25が不要である分、部品点数の削減が図られる。
第1磁場発生部および第2磁場発生部とは別に、第3磁場発生部および第4磁場発生部が設けられてもよい。この場合、第3磁場発生部および第4磁場発生部は、第1磁場発生部および第2磁場発生部とは異なる位置に配置されると共に、第3磁場発生部および第4磁場発生部の間に磁気センサ12が配置される。磁気センサ12を中心にして、十字の位置に4つの磁場発生部が設けられることで、磁化方向を自在に調整することができる。たとえば、第1磁場発生部および第2磁場発生部が並ぶ方向と、第3磁場発生部および第4磁場発生部が並ぶ方向とが直交するように配置し、2つの方向に対して45°の角度をなすような磁化方向を形成することができる。その場合でも、走査が行われる際には、磁化方向と走査方向Dとが一致させられる。
第1磁場発生部および第2磁場発生部は、別体ではなく、一体の永久磁石または電磁石の、第1部分および第2部分であってもよい。この場合、第1部分と第2部分とは、異なる磁極を有するように構成される。
計装アンプ基板11が省略されてもよい。
1 漏洩磁束探傷装置
4 探触子
10 センサモジュール
10A センサモジュール
10a フレキシブル基板
11 計装アンプ基板
12 磁気センサ
20 PC(処理部)
21 第1永久磁石(第1磁場発生部)
22 第2永久磁石(第2磁場発生部)
31 第1電磁石(第1磁場発生部)
32 第2電磁石(第2磁場発生部)
D 走査方向
E 探傷面
F 磁束
Fa 漏洩磁束
O 対象物
T 磁気センサ
X きず

Claims (6)

  1. 対象物の探傷面上を磁気センサが走査することにより探傷面を含む表層のきずを探傷する漏洩磁束探傷装置の探触子であって、
    前記磁気センサと、
    前記磁気センサが取り付けられたフレキシブル基板と、
    前記フレキシブル基板の表面に沿う方向において前記磁気センサの両側に配置された第1磁場発生部および第2磁場発生部と、を備え、
    前記第1磁場発生部および前記第2磁場発生部は、前記第1磁場発生部および前記第2磁場発生部の間において前記対象物を局所的に磁化するように構成されている、探触子。
  2. 前記磁気センサは、前記第1磁場発生部および前記第2磁場発生部の中間位置に配置されている、請求項1に記載の探触子。
  3. 前記第1磁場発生部および前記第2磁場発生部は、それぞれ永久磁石である、請求項1または2に記載の探触子。
  4. 前記第1磁場発生部および前記第2磁場発生部は、それぞれ電磁石である、請求項1または2に記載の探触子。
  5. 前記磁気センサと、前記第1磁場発生部および前記第2磁場発生部との間には磁場遮蔽材が設けられている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の探触子。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の探触子と、
    前記磁気センサにおいて検出された磁界を示す信号を入力して処理する処理部と、
    を備える漏洩磁束探傷装置。
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