JP2018009865A - 回転体試験装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】効率の良い回転体の試験が可能な回転体試験装置を提供する。【解決手段】回転体試験装置1は、ホイール100を保持するチャック3と、ホイール100が取り付けられたチャック3を回転させる回転駆動部4と、不釣り合い力に関する情報を得る計測部6と、ホイール100の動バランスに関する情報を得る処理部7と、を備える。チャック3は、ホイール100を保持する第1の形態と、ホイール100を解放する第2の形態と、を相互に切替可能である。第1の形態は、コーン33が回転軸線A1に沿う一方向に移動することにより、爪部28がホイール100のハブ穴103の内周面に押し当てられた状態である。第2の形態は、コーン33が回転軸線A1に沿う逆方向に移動することにより、爪部28がホイール100のハブ穴103の内周面から離間された形態である。【選択図】図1

Description

本発明は、回転体である被測定物の回転体試験装置に関する。
当該技術の分野において、特許文献1〜7に開示された装置が知られている。特許文献1には、位相及び減算回路を用いて信号ノイズを低減させるフィルタシステムを有するホイールバランサが開示されている。特許文献2には、軽量で、高速回転する回転体の微小不釣り合い量を正確に測定し得る動バランス測定機が開示されている。特許文献3には、摩擦力の影響を受けずに回転体の偏心量と軽点とを精度良く測定し得る回転体の静的バランス測定装置が開示されている。特許文献4には、自動車用ホイールの正確なセンタリングを達成し得るホイールバランス調整装置が開示されている。特許文献5には、複数種類の回転体の偏心量を正確に且つ迅速に測定できる回転体の静的バランス測定装置が開示されている。特許文献6には、タイヤの動バランスを正確且つ容易に計測するためのタイヤ試験装置が開示されている。特許文献7には、タイヤのアンバランス荷重の計測において、駆動ベルトの走行に起因する計測誤差を低減することが可能な動バランス計測装置が開示されている。
特開平6−235674号公報 特開平9−126936号公報 特開2003−106922号公報 特開2004−77489号公報 特開2005−207916号公報 特開2009−300171号公報 特開2011−196836号公報 特開2001−116503号公報 特開2002−331815号公報
回転体の試験は、いくつかの作業工程を要する。例えば、測定の開始前に被測定物を測定装置に取り付ける工程や、測定の終了後に被測定物を取り外す工程がある。例えば、特許文献1の装置では、測定装置の軸端に形成されたねじ山に車輪クランプを螺合させることにより、被測定物である自動車リムを測定装置に取り付ける。当該技術の分野においては、回転体の試験における作業の効率化が望まれている。
そこで、本発明は効率の良い回転体の試験が可能な回転体試験装置を提供することを目的とする。
本発明の一形態は、回転体である被測定物の回転体試験装置であって、被測定物に設けられた取付穴と係合することにより、被測定物を着脱可能に保持するチャックと、チャックを回転軸線のまわりに回転させる回転駆動部と、被測定物を回転させたときに、被測定物の動バランスに基づいて生じる不釣り合い力に関する情報を得る計測部と、不釣り合い力に関する情報を利用して、被測定物の動バランスに関する情報を得る処理部と、を備え、チャックは、回転軸線を中心軸線とする本体部と、本体部上において回転軸線のまわりに等間隔に配置されると共に、回転軸線に向かう方向の付勢力が付与される爪部と、付勢力に抗して、回転軸線から離間する方向に爪部を移動させる押出部と、を有し、被測定物を保持する第1の形態と、被測定物を解放する第2の形態と、を相互に切替可能であり、第1の形態は、押出部が回転軸線に沿う一方向に移動することにより、爪部に対する押出部の押圧力に起因して爪部が回転軸線から離間する方向に移動して、爪部が被測定物の取付穴の内周面に押し当てられた状態であり、第2の形態は、押出部が回転軸線に沿う一方向とは逆の方向に移動することにより、付勢力に起因して爪部が回転軸線に近づく方向に移動して、爪部が被測定物の取付穴の内周面から離間された形態である。
この回転体試験装置は、被測定物がチャックによって保持される。このチャックは、被測定物を保持する第1の形態と被測定物を取り付け及び取り外す第2の形態とを相互に切替可能である。第1の形態と第2の形態とを切り替える作業は、押出部の動作によって行われる。押出部の動作は、回転軸線に沿った移動という単純な動作であり、被測定物を保持又は解放する作業においてボルト締めなどの作業を要することない。従って、被測定物の保持と解放が容易に行えるので、効率よく回転体の試験を行うことができる。
押出部は、爪部に当接する第1の当接面を含む錐台形状であり、爪部は、第1の当接面と接触する第2の当接面を含み、第2の当接面は、回転軸線と交差する方向に延在し、回転軸線側の端部に設けられてもよい。これらの構成によれば、回転軸線の方向に沿った押出部の動作を、回転軸線と交差する方向に沿った爪部の動作に確実に伝達することが可能になる。従って、被測定物の保持及び解放を確実に行うことができる。
上記回転体試験装置は、回転軸線に沿う押出部の位置を制御するための圧力を提供する圧力媒体を供給する圧力発生部をさらに備え、回転駆動部は、チャックに連結され、圧力媒体を導く貫通穴が設けられた主軸を有し、押出部の底部には、貫通穴を介して圧力媒体が供給され、押出部は、圧力媒体から提供される圧力によって回転軸線に沿う位置が制御されてもよい。この構成によれば、確実に押出部を上下動させて、被測定物の保持及び解放をさらに確実に行うことができる。
上記回転体試験装置では、処理部が、不釣り合い力に関する情報を利用して、動バランスに関する情報を得る第1の演算部と、被測定物に追加部品が取り付けられたと仮定したときに生じる仮想不釣り合いに関する情報を保持する第2の演算部と、動バランスに関する情報と仮想不釣り合いに関する情報とを利用して、追加部品が取り付けられていない被測定物の動バランスに関する情報を、追加部品が取り付けられた被測定物の動バランスに関する情報に補正する第3の演算部と、を有してもよい。この構成によれば、実際の使用状態では追加部品が取り付けられて使用される被測定物の特性を、当該追加部品を取り付けることなく得ることが可能になる。従って、試験時においてダミーマスといった一時的な部品を取り付ける必要がない。これにより、作業工程が簡略化されるのでより効率よく回転体の試験を行うことができる。
本発明によれば、効率の良い回転体の試験が可能な回転体試験装置が提供される。
図1は、第1実施形態に係る回転体試験装置を示す斜視図である。 図2は、図1の回転体試験装置のチャックと回転駆動部とを正面視した図である。 図3は、図1の回転試験装置のチャックと回転駆動部とを側面視した図である。 図4は、チャックを拡大して示す斜視図である。 図5の(a)部はチャックの第1の形態における断面を示す図であり、図5の(b)部はチャックの第2の形態における断面を示す図である。 図6の(a)部はホイールの断面を示す図であり、図6の(b)はチャックの爪部の数とホイールのボルト穴の数との関係を説明するための図である。 図7は、処理部の構成を示す機能ブロック図である。 図8は、動バランスを得る原理を説明するためにホイールと圧電素子との位置関係を概略的に示す図である。 図9は、圧電素子とロータリエンコーダとによって得られる不釣り合いに関する情報の一例である。 図10の(a)部、(b)部及び(c)部は、動バランスの結果の補正を説明するための図である。 図11の(a)部及び(b)部は、動バランスの結果の補正を説明するための図である。 図12は、第2実施形態に係る回転体試験装置を示す斜視図である。 図13は、コーンの移動距離とハブ径との関係を概略的に示す図である。 図14は、第3実施形態に係る回転体試験装置を示す斜視図である。 図15の(a)部は、アウターリムの振れを得る構成を説明するための図であり、図15の(b)部は、インナーリムの振れを得る構成を説明するための図である。 図16は、変形例に係るチャックの爪部の数とホイールのボルト穴の数との関係を示す図である。 図17は、参考例に係るチャックの爪部の数とホイールのボルト穴の数との関係を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施するための形態を詳細に説明する。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る回転体試験装置を示す斜視図である。回転体試験装置1は、被測定物を回転させたときに顕在化する動バランスを測定する。すなわち、第1実施形態に係る回転体試験装置は、動バランス測定装置や二面不釣り合い測定装置であるとも言える。被測定物とは、例えば、車両用タイヤのホイールである。回転体試験装置1は、ホイール100(図5参照)を保持し、回転軸線A1のまわりに回転させる。ホイール100が不釣り合いを有する場合、この回転により所定の大きさを有する不釣り合い力が周期的に発生する。回転体試験装置1は、不釣り合い力を取得すると共に、不釣り合い力を利用して動バランスに関する情報を得る。本実施形態でいう動バランスとは、いわゆる二面アンバランスと呼ばれるものであり、第1の面における不釣り合い質量及び基準位置からの位相と、第2の面における不釣り合い質量及び基準位置からの位相と、により示される。動バランスの詳細については後述する。
回転体試験装置1は、筐体2と、チャック3と、回転駆動部4と、計測部6と、処理部7と、コンプレッサ8(圧力発生部)と、を有する。筐体2は、回転駆動部4の一部と、計測部6の一部とを収容する。チャック3は、ホイール100を着脱可能に保持するものであり、筐体2の外部に配置される。回転駆動部4は、チャック3に連結されて、チャック3を回転軸線A1のまわりに回転させる。計測部6は、回転駆動部4に設けられて、不釣り合いを有するホイール100を回転させたときに生じる不釣り合い力に関する情報を取得する。処理部7は、計測部6から不釣り合い力に関する情報を受け取り、当該情報を利用して動バランスに関する情報を算出する。
筐体2は、フレームユニット11と、カバー12とを有する。フレームユニット11は、立方体状の収容空間を画成するように、複数のL型鋼などの構造部材を組み合わせてなる。カバー12は、フレームユニット11にねじ止めされてフレームユニット11が有する開口を覆うように閉鎖する。
図2は、図1の回転体試験装置1のチャック3と回転駆動部4とを正面視した図である。図2に示されるように、回転駆動部4は、主軸ユニット13と、駆動ユニット14と、支持ユニット16とを有する。主軸ユニット13は、駆動ユニット14において発生された駆動力によって回転することにより、上端に取り付けられたチャック3を回転させる。主軸ユニット13及び駆動ユニット14を構成する部品は、それぞれ支持ユニット16に対して固定されることにより、相対的な位置関係を維持する。
主軸ユニット13は、メインシャフト17と、軸受18A,18Bと、プーリ19Aと、ロータリエンコーダ21と、ロータリジョイント22と、を有する。メインシャフト17は、円筒状の部材であり、鉛直方向Zに延び、上端側に配置された軸受18Aと、下側に配置された軸受18Bと、により回転可能に支持されている。メインシャフト17の上端は、チャック3に連結されている。メインシャフト17の下端側には、プーリ19Aとロータリエンコーダ21が取り付けられている。さらに、メインシャフト17の下端面には、ロータリジョイント22が取り付けられている。メインシャフト17の内部には、貫通穴17aが設けられている。
プーリ19Aは、駆動ユニット14において発生される回転力を駆動ベルト25を介して受け入れる部品である。プーリ19Aは、メインシャフト17に対して固定されている。ロータリエンコーダ21は、メインシャフト17の回転数を測定するセンサである。回転数は、処理部7に出力されてもよいし、回転数を示す表示部(不図示)に数値が表示されてもよい。ロータリジョイント22は、メインシャフト17に対して相対的に回転可能に取り付けられている。ロータリジョイント22は、メインシャフト17に対して固定されるシャフト取付部と、シャフト取付部に対して回転自在に連結される自在部とを有する。この自在部には、コンプレッサ8から供給された圧縮空気を導くチューブ22aが接続される。圧縮空気は、自在部とシャフト取付部とを介して、メインシャフト17の貫通穴17aに導かれる。
駆動ユニット14は、被測定物であるホイール100を回転させる力を発生させる。駆動ユニット14は、モータ24と、プーリ19Bとを有する。モータ24において発生された回転力は、プーリ19Bから駆動ベルト25に伝達され、駆動ベルト25から主軸ユニット13のプーリ19Aに伝達される。また、ホイール100の重量に応じた要求トルクを得るために、主軸ユニット13のプーリ19Aの直径と、駆動ユニット14のプーリ19Bの直径と、が適宜調整される。
図3に示されるように、計測部6は、圧電素子26A及び圧電素子26Bと、ロータリエンコーダ21と、を有する。それぞれの圧電素子26A,26Bは、回転軸線A1に対して平行な軸線上において、上下方向に離間して配置される。
次に、チャック3について詳細に説明する。図4は、チャック3を拡大して示す斜視図であり、チャック3の一部を切り欠いて内部構造を示している。
図4に示されるように、チャック3は、メインシャフト17の上端に固定されている。チャック3は、本体部27と、爪部28と、バネ29と、支持板31と、蓋32と、コーン33(押出部)と、を有する。本体部27は、軸部34とフランジ部36とを有する。軸部34は、円筒状を呈し、軸穴34aを有する。軸穴34aには、メインシャフト17の上端側と、コーン33が挿入される。軸穴34aの内周面とメインシャフト17の外周面との間にはOリング23Aが設けられており、気密状態を保つことができる。同様に、軸穴34aの内周面とコーン33の外周面との間にはOリング23Bが設けられており、気密状態を保ちつつ、軸穴34aに沿ってコーン33を上下動させることができる。
フランジ部36は、軸部34よりも大きい外径を有する。フランジ部36は、爪部28を回転軸線A1と直交する方向に案内する案内溝37と、軸部34の軸穴34aと連通するフランジ穴36aと、を有する。案内溝37は、フランジ部36の上面において回転軸線A1のまわりに等間隔に6個設けられている。従って、互いに隣接する案内溝37の配置角度は60°である。案内溝37は、一端がフランジ穴36aに対して開口し、他端がフランジ部36の外周面に対して開口している。案内溝37の他端側には、支持板31が取り付けられている。従って、案内溝37の他端の開口は支持板31によって閉鎖されている。
フランジ穴36aは、フランジ部36の上面において回転軸線A1を中心軸線とする穴である。フランジ穴36aには、コーン33が配置される。フランジ穴36aの深さは、案内溝37の深さよりも大きく、コーン33の高さよりも小さい。フランジ穴36aの内径は、コーン33の外径と略同等である。
爪部28は、角柱状の部材であり、回転軸線A1と直交する第2の方向D2に延びるように放射状に配置される。爪部28は、上述したように案内溝37に配置されるので、爪部28は、フランジ部36の上面において回転軸線A1のまわりに等間隔に6個設けられている。従って、互いに隣接する爪部28の配置角度は60°である。爪部28は、案内溝37によって第2の方向D2に往復移動が可能とされている。
爪部28は、回転軸線A1に近い端部に設けられた起立部38及び第1の当接面39と、回転軸線A1から遠い端部に設けられた後端面41とを有する。起立部38は、蓋32の上面よりも上方に突出する凸部であり、ホイール100のホイールハブ101に設けられたハブ穴103の内部に配置され、ハブ穴103の内周面を外側に向けて押圧する(図5の(b)部、図6等参照)。第1の当接面39は、第1の方向D1及び第2の方向D2に対して傾斜する斜面である。第1の当接面39は、コーン33と接触している。後端面41は、バネ29が当接する平面であり、バネ29から付勢力が付与される。
6個の案内溝37のそれぞれにおいて、爪部28の後端面41と支持板31との間には、圧縮バネであるバネ29が一個ずつ配置されている。バネ29は、爪部28が回転軸線A1に近接するように、第2の方向D2に沿って爪部28を移動させる付勢力を発生する。バネ29の一端は、爪部28の後端面41に当接される。バネ29の他端は、支持板31に当接される。
コーン33は、コンプレッサ8から供給された圧縮空気により回転軸線A1(第1の方向D1)に沿って上下動され、この上下動の運動を爪部28の第2の方向D2へ沿った運動へ変換する。すなわち、コーン33の上下動により、それぞれの爪部28がバネ29の付勢力に抗して第2の方向D2に移動する。従って、爪部28の起立部38が構成する仮想的な保持円の直径が拡大又は縮小される。コーン33は、錐台である円錐形状を有するコーンヘッド42と、コーンヘッド42の底面に設けられたコーンシャフト43とを有する。コーンヘッド42の斜面は、爪部28と当接する第2の当接面42aである。斜面のなす角度は、回転軸線A1の方向へのコーン33の移動量と、爪部28の構成する仮想保持円の直径(すなわち爪部28の移動量)との関係により規定される。
次に、チャック3の動作と爪部28の動作との関係について説明する。図5の(a)部は、第1の形態であるときのチャック3の断面を示す図であり、図5の(b)部は、第2の形態であるときのチャック3の断面を示す図である。
図5の(a)部に示されるように、第1の形態は、ホイール100をチャック3に取り付ける場合の形態である。また、第1の形態は、ホイール100をチャック3から取り外す場合の形態である。第1の形態であるとき、コーンヘッド42の下面は、フランジ穴36aの底面に当接している。このときのコーン33の位置は、回転軸線A1の方向において最も下方である。従って、爪部28は回転軸線A1に最も近い位置にあるので、仮想保持円の直径は最も小さい。
第1の形態から第2の形態へ切り替えるとき、コンプレッサ8は圧縮空気をロータリジョイント22、メインシャフト17の貫通穴17aを介して、コーンシャフト43へ提供する。コーンシャフト43は、爪部28の第2の当接面42aを押圧しながら上方へ移動する。このコーン33の押圧力に起因して爪部28が回転軸線A1から離間する方向(一方向)に移動する。この移動は、爪部28の起立部38がハブ穴103の内周面に当接するまで継続される。
図5の(b)部に示されるように、第2の形態は、ホイール100をチャック3に対して固定した場合の形態である。第2の形態であるとき、コーン33は第1の形態の場合よりも上方に位置する。このコーン33の位置は、メインシャフト17の貫通穴17aから供給される圧縮空気の圧力によって制御される。爪部28は、フランジ穴36aの底面からメインシャフト17の下面までの距離に対応するように、第2の方向D2に移動している。コーンヘッド42は、円錐台状であるので、6個の爪部28のそれぞれ移動距離は互いに等しい。従って、仮想保持円は円形の形状を保ちつつ拡大される。爪部28の起立部38は、ホイール100のハブ穴103の内周面に当接している。
第2の形態から第1の形態へ切り替えるとき、コンプレッサ8は圧縮空気の提供を徐々に減少させる。そうすると、バネ29の付勢力に起因して爪部28が回転軸線A1に近接する方向(一方向とは逆の方向)の力にコーン33が抗しきれなくなり、コーン33が徐々に下方へ移動する。そして、爪部28の起立部38がハブ穴103の内周面から離間した状態となり、再び第1の形態へ切り替えられる。
ここで、爪部28の数とホイール100との関係について説明する。図6の(a)部は、ホイール100の断面を示す図であり、図6の(b)部は、ホイールハブ101を平面視した図である。図6の(b)部に示されるように、ホイールハブ101のパット面102には、1個のハブ穴103(取付穴)と、5個のボルト穴104とが設けられている。ボルト穴104は、ハブ穴103の中心軸線A2の周りに等間隔に設けられている。また、パット面102には、ホイール100の軽量化のためのパット面逃し部106が設けられている。このパット面逃し部106は、溝状であるので水がたまりやすい。そこで、パット面逃し部106に溜まった水を排出させるための排水溝107が設けられている。
上述したように、チャック3は、6個の爪部28を有する。これらの爪部28がハブ穴103の内周面に押し当てられることにより、ホイール100を保持する。このような保持構成は、6点チャック式とも呼ぶことができ、ハブ穴103の形状歪を吸収し、ホイール100とメインシャフト17の回転軸線A1とを正確に一致させることができる。従って、ホイール100を回転させたときの遠心力を計測する動バランス測定にあっては、ホイール100の回転軸線とメインシャフト17の回転軸線A1とを互いに精度良く一致させることができるので、精度の良い動バランスの計測が可能になる。
ここで、爪部28の数は6個であり、パット面逃し部106の数(即ち排水溝107の数)は5個であり、爪部28の数がパット面逃し部106の数より多い。このような爪部28の数とパット面逃し部106の数との関係によれば、それぞれの爪部28が排水溝107に嵌ることなく、全てハブ穴103の内周面に当接させることができる。従って、ハブ穴103の中心軸線A2とチャック3の回転軸線A1とのずれの発生を抑制することができる。要するに、6個の爪部28を有するチャック3は、5個のボルト穴104を有するホイール100の保持に適している。
一方、図17の(a)部及び図17の(b)部は、爪部28の数とホイール200のボルト穴204の数(すなわち排水溝207の数)が一致する構成を示す図である。図17の(a)部に示されるように、爪部28の数とボルト穴204の数が一致する場合であっても、それぞれの爪部28が排水溝207に嵌ることなくハブ穴203の内周面に当接させることができる。しかし、図17の(b)部に示されるように、全ての爪部28が全ての排水溝207に嵌ってしまう場合も生じ得る。この場合には、チャック3がホイール200を好適に保持することが難しい。また、第2実施形態で述べるように、コーンヘッド42の回転軸線A1の方向における位置を利用してハブ穴203のハブ径を得る場合には、信頼できる測定結果が得られにくくなる。これにより、爪部28の数とボルト穴204の数とが同じである場合には、ホイール200をチャック3に取り付ける際に、爪部28と排水溝207との位置とを互いにずらす必要がある。このような工程は、動バランスを測定する作業において、作業効率の向上を妨げる要因になり得る。
さらに図17の(c)部及び図17の(d)部は、爪部28の数がボルト穴304の数(すなわち排水溝307の数)より少ない構成を示す図である。図17の(c)部に示されるように、爪部28の数がボルト穴304の数より少ない場合であっても、それぞれの爪部28が排水溝307に嵌ることなくハブ穴303の内周面に当接させることができる。しかし、図17の(d)に示されるように、1個の爪部28が排水溝307に嵌ってしまうと、回転軸線A1とハブ穴303の中心軸線A2とがずれた状態で保持されてしまう。これにより、爪部28の数がボルト穴304の数より少ない場合にも、ホイール300をチャック3に取り付ける際に、爪部28と排水溝307との位置とを互いにずらす必要がある。このような工程は、動バランスを測定する作業において、作業効率の向上を妨げる要因になり得る。
従って、本実施形態のチャック3のように、ホイール100のボルト穴104の数より、爪部28の数を多くすることにより、爪部28が排水溝107に嵌る状態を回避できるので、爪部28と排水溝107との位置とを互いにずれていることを確認する作業や、爪部28と排水溝107との位置とを互いにずらす作業を排除することが可能になる。従って、動バランスを測定する作業において、作業効率を向上させることができる。
図7は、処理部の構成を示す機能ブロック図である。続いて、図7を参照しつつ、処理部7について説明する。処理部7は、圧電素子26A,26Bから入力される情報と、ロータリエンコーダ21から入力される情報と、を利用して動バランスに関する情報を得る。処理部7は、例えば、パーソナルコンピュータといったコンピュータである。処理部7は、動バランス演算部7a(第1の演算部)と、補正動バランス演算部7b(第3の演算部)と、仮想不釣り合い情報保持部7c(第2の演算部)とを有する。これらの動バランス演算部7a、補正動バランス演算部7b及び仮想不釣り合い情報保持部7cは、機能的構成要素であり、各部の具体的な処理内容を記載したプログラムがメモリ上に展開されてCPUによって実行されることにより実現される。
動バランス演算部7aは、圧電素子26A,26Bから入力される情報と、ロータリエンコーダ21から入力される情報と、を利用して動バランスに関する情報を算出する。ここで、図8を参照しつつ、動バランスについて詳細に説明する。
図8において、ホイール100の回転速度が一定である場合、圧電素子26Aに作用する力(F1)と、圧電素子26Bに作用する力(F2)と、は式(1)により示される。また、力(F1)及び力(F2)は、図9に示されるような波形により示される。図9において、グラフP1は力(F1)を示し、グラフP2は力(F2)を示す。
Figure 2018009865

A1:圧電素子26Aに作用する動バランスによる力の大きさ
A2:圧電素子26Bに作用する動バランスによる力の大きさ
φ1:圧電素子26Aに作用する動バランスによる力の位相
φ2:圧電素子26Bに作用する動バランスによる力の位相
式(1)において、力の大きさ(A1)は、圧電素子26Aにより得られる。力の大きさ(A2)は、圧電素子26Bにより得られる。力の位相(φ1)は、圧電素子26Aとロータリエンコーダ21とにより得られる。力の位相(φ2)は、圧電素子26Bとロータリエンコーダ21とにより得られる。
圧電素子26A,26Bの感度特性と位相特性とを考慮すると、式(1)は、式(2)のように示される。
Figure 2018009865

K1:圧電素子26Aの感度係数
K2:圧電素子26Bの感度係数
θ1:圧電素子26Aの位相係数
θ2:圧電素子26Bの位相係数
そして、動バランスの大きさは、下記式(3)により示される。下記式(3)において、右辺の数値は全て既知である。従って、動バランス(U1,U2)が算出される。
Figure 2018009865

F11:圧電素子26Aに作用する力
F22:圧電素子26Bに作用する力
L1:アウターリムとインナーリムとの回転軸線A1に沿った距離
L2:インナーリムと圧電素子との回転軸線A1に沿った距離
L3:圧電素子間の回転軸線A1に沿った距離
R:回転軸線A1からバランスウエイト取り付け位置U1までの距離
なお、動バランス(U1,U2)は、周期的に変化するので、式(3)は式(4)のように示される。
Figure 2018009865

B1:動バランスの大きさ
B2:動バランスの大きさ
Z1:位相角
Z2:位相角
ところで、近年、ホイールにセンサを取り付けて当該センサによりタイヤ圧をモニタリングするタイヤが普及しつつある。TPMS(Tire Pressure Monitoring System)と呼ばれるセンサは、タイヤ圧を測定する圧力計と圧力計のデータを送信する送信機と有し、バルブホールに取り付けられる追加部品である。このセンサは、ホイールメーカから出荷されるときには、まだホイールには取り付けられていない。一方、ホイールは、センサを取り付けたときに動バランスが仕様を満たすように製造されている。従って、センサを取り付けていないホイールは、所定の動バランスを必ず含んでしまう。そこで、ホイールメーカにおける出荷試験では、センサを模擬したダミーマスをホイールに取り付けて、動バランス試験を行う。そうすると、動バランス試験を行うごとに、ダミーマスの付け外しという作業が発生してしまう。また、ダミーマスの取付精度も動バランスの測定結果に影響を及ぼす。
そこで、本実施形態の処理部7は、ダミーマスの取付を行うことなく、ホイールの動バランス試験を行うための構成として、仮想不釣り合い情報保持部7cと、補正動バランス演算部7bとを有する。具体的には、仮想不釣り合い情報とは、例えば、TPMSの重量やホイール100における取付位置を示す寸法がある。これらのパラメータは、予め予備的な試験を行う、或いは数値計算を行うことにより取得される。
仮想不釣り合い情報保持部7cは、質量(m)を有するセンサが、半径(r)の位置に取り付けられたとしたときの動バランスに関する情報を保持する。補正動バランス演算部7bは、動バランス演算部7aの演算結果と、仮想不釣り合い情報保持部7cの仮想不釣り合い情報とを利用して、補正動バランスを演算する。補正動バランスとは、センサをホイール100に取り付けたと仮定した場合の動バランスである。
動バランスの結果の補正は、具体的には以下の手順に沿って実行される。
図10の(a)部は、補正前におけるホイール100のバランス特性を模式的に示す図である。アウターアンバランスN1、インナーアンバランスN2及び静バランスN3は、回転軸線A1と交差する基準水平軸A3からの角度位置K1(55°),K2(66°),K3(29.76°)と質量M1(35g),M2(15g),M3(30.15g)とにより示される。ここで、例えば角度位置K1(55°)におけるかっこ内の数値55°は具体的な数値の例示である。図10の(b)部は、回転軸線A1の方向からホイール100を平面視した図である。仮想不釣り合い情報保持部7cに保持されたTPMSに関する情報は、TPMSの半径RT(436mm)と質量MT(36g)と角度位置KT(118°)である。
次に、図10の(b)部に示されたTPMSに関する情報を補正する。具体的には、図10の(c)部に示されるように、半径RT(436mm)に配置されている質量MT(36g)であるTPMSが、アウターアンバランスN1が配置されている半径R1(495mm)に配置されたと仮定したときのTPMSの補正質量MTa(31.71g)を得る。
次に、図11の(a)部に示されるように、補正されたTPMSに関する情報と測定により得たアウターアンバランスN1に関する情報とを利用して、TPMSを取り付けたと仮定した時の仮想アウターアンバランスN5を算出する。この算出は、TPMSの補正質量MTa(31.71g)、角度位置KT(118°)、アウターアンバランスN1の質量M1(35g)、角度位置K1(55°)とを用いて、ベクトル内積を求めることによる。この算出によれば、仮想アウターアンバランスN5の質量M5(5.23°)と角度位置K5(26.27°)とが得られる。
次に、図11の(b)部に示されるように、仮想アウターアンバランスN5に関する情報とインナーアンバランスN2に関する情報とを利用して、仮想静アンバランスN6を算出する。仮想静アンバランスN6は、質量M6(19.4g)により示される。仮想静アンバランスN6に関する情報を用いて、ホイール100にTPMSを取り付けたと仮定したときのホイールバランスを評価する。
以下、回転体試験装置1の作用効果について説明する。
この回転体試験装置1は、被測定物であるホイール100がチャック3によって保持される。このチャック3は、ホイール100を保持する第1の形態とホイール100を取り付け及び取り外す第2の形態とを相互に切替可能である。第1の形態と第2の形態とを切り替える作業は、コーン33の動作によって行われる。コーン33の動作は、回転軸線A1に沿った往復移動という単純な動作であり、ホイール100を保持又は解放する作業においてボルト締めなどの作業を要することない。従って、ホイール100の保持と解放が容易に行えるので、効率よくホイール100の試験を行うことができる。
コーン33は、爪部28に当接する第1の当接面39を含む円錐台形状である。爪部28は、第1の当接面39と接触する第2の当接面42aを含み、第2の当接面42aは、回転軸線と交差する方向に延在し、回転軸線A1側の端部に設けられている。これらの構成によれば、回転軸線A1の方向に沿ったコーン33の動作を、回転軸線A1と交差する第2の方向D2に沿った爪部28の動作に確実に伝達することが可能になる。従って、ホイール100の保持及び解放を確実に行うことができる。
回転体試験装置1は、コンプレッサ8をさらに備える。回転駆動部4は、チャック3に連結され、圧力媒体を導く貫通穴17aが設けられたメインシャフト17を有する。コーン33の底部には、17aを介して圧力媒体が供給され、コーン33は、圧力媒体から提供される圧力によって回転軸線A1に沿う位置が制御される。この構成によれば、確実にコーン33を上下動させて、ホイール100の保持及び解放をさらに確実に行うことができる。
回転体試験装置1では、処理部7が、不釣り合い力に関する情報を利用して、動バランスに関する情報を得る動バランス演算部7aと、ホイール100にTPMSが取り付けられたと仮定したときに生じる仮想不釣り合いに関する情報を保持する仮想不釣り合い情報保持部7cと、動バランスに関する情報と仮想不釣り合いに関する情報とを利用して、TPMSが取り付けられていないホイール100の動バランスに関する情報を、TPMSが取り付けられたホイール100の動バランスに関する情報に補正する補正動バランス演算部7bと、を有する。この構成によれば、実際の使用状態ではTPMSが取り付けられて使用されるホイール100の特性を、当該TPMSを取り付けることなく得ることが可能になる。従って、試験時においてダミーマスといった一時的な部品をホイール100に取り付ける必要がない。これにより、作業工程が簡略化されるのでより効率よくホイール100の試験を行うことができる。
<第2実施形態>
第2実施形態に係る回転体試験装置について説明する。図12は、第2実施形態に係る回転体試験装置1Aを示す斜視図である。図12に示されるように、回転体試験装置1Aは、動バランスを測定する機能に加えて、ハブ径を測定するための機能をさらに有する点で、第1実施形態に係る回転体試験装置1と相違する。動バランスを測定するための構成は、第1実施形態に係る回転体試験装置1と同様であるため、詳細な説明は省略する。以下、ハブ径を測定するための構成について、詳細に説明する。
回転体試験装置1Aは、ハブ径測定ユニット51を有する。ハブ径測定ユニット51は、レーザ測距計52と、フレームユニット53と、駆動ユニット54と、を有する。駆動ユニット54によりフレームユニット53の一部が回動されて、フレームユニット53に取り付けられたレーザ測距計52が計測用のレーザSを出射し、コーン33(図13参照)の高さを測定する。具体的には、コーン33の高さとは、コーン33の頂面33a(図13参照)から、レーザ測距計52までの距離をいう。ハブ径測定ユニット51は、このコーン33の高さを利用してハブ径を算出する。
フレームユニット53は、支持フレーム56,57と、ポスト58と、アーム60と、を有する。支持フレーム56,57は、断面コ字状の部材であり、筐体2に固定される。支持フレーム56は、駆動ユニット54を所定の位置に保持する。支持フレーム57は、支持フレーム56よりも上方に配置されて、ポスト58及びアーム60を所定の位置に保持する。ポスト58は、支持フレーム57に対して回動可能に設けられる。ポスト58の上端には、アーム60が固定されている。アーム60の自由端側には、レーザ測距計52が取り付けられている。従って、ポスト58を回転させると、アーム60に取り付けられたレーザ測距計52の位置を所望の位置に移動させることができる。
駆動ユニット54は、モータ59と、プーリ61,62と、駆動ベルト63と、駆動シャフト64とを有する。モータ59は、その回転軸が回転軸線A1と平行となるように支持フレーム56上に取り付けられている。モータ59の回転軸には、プーリ61が取り付けられている。プーリ61は、駆動ベルト63によって別のプーリ62と連動している。別のプーリ62は、駆動シャフト64に取り付けられている。駆動シャフト64の回転軸線は、ポスト58の回転軸線と重複する。
このようなハブ径測定ユニット51によれば、モータ59の回転軸が所定角度だけ回転すると、プーリ61、駆動ベルト63、プーリ62、駆動シャフト64を通じて、ポスト58が所定角度に対応する角度だけ回転させられる。従って、モータ59の回転角度を制御することにより、レーザ測距計52の位置を制御することができる。この構成によれば、ホイール100をチャック3に取り付けるとき及び取り外すときにレーザ測距計52をホイール100の上方から逃すことができる。従って、ホイール100の脱着を容易に行うことができる。
図13は、ハブ径を測定する原理を説明するための図である。前述したように、チャック3は、第1の形態と第2の形態とをとり得る。第1の形態であるときのコーン33と爪部28とを一点鎖線で示している。一点鎖線で示されたコーン33の頂面33aとレーザ測距計52までの距離は距離G1である。この距離G1を式(5)に適用すると、爪部28が形成する仮想保持円の直径C1が得られる。次に、第2の形態であるときのコーン33と爪部28とを実線で示している。第2の形態は、チャック3がホイール100を保持した状態であるので、爪部28がハブ穴103の内周面に当接している。実線で示されたコーン33の頂面33aとレーザ測距計52までの距離は距離G2である。この距離G2を式(5)に適用すると、爪部28が形成する仮想保持円の直径C2が得られる。従って、この直径C2が、ハブ径RHに相当する。この距離G1,G2を直径C1,C2に換算する処理は、処理部7によって行われる。例えば、コーン33の頂角が90度である場合には、下記式(5)が成立する。
G1−G2=(C2−C1)/2…(5)
式(5)によれば、下記式(6)が得られる。
C2=(G1−G2)×2−C1…(6)
式(6)におけるC1をマスターリングなどに置き換えることにより、コーン33の頂面33aとレーザ測距計52までの距離の変化(G1−G2)と、マスターリングの直径C1とを式(6)に代入すればコーン33の頂面33aとレーザ測距計52までの距離G2であるときの直径C2が得られる。
なお、ハブ径RHは、第2の形態における距離G2を利用する算出方法のほかに、第1の形態から第2の形態に変化したときに生じた頂面33aの移動距離(G2−G1)を利用してもよい。また、ハブ径RHの算出には、回転軸線A1に沿ったコーン33の位置(或いは移動距離)を利用する。このコーン33の位置(或いは移動距離)を取得する構成は、レーザ測距計52とは別の手段を用いてもよい。
第2実施形態に係る回転体試験装置1Aによれば、ホイール100の動バランスに加えてホイール100のハブ径RHを測定することができる。従って、ホイール100をチャック3に取り付けた状態において、2個のホイール特性を得ることができる。従って、回転体試験装置1Aによれば、より効率よくホイールの特性試験を行うことができる。
<第3実施形態>
第3実施形態に係る回転体試験装置について説明する。図14は、第3実施形態に係る回転体試験装置1Bを示す斜視図である。図14に示されるように、回転体試験装置1Bは、動バランスを測定する機能と、ハブ径を測定するための機能とに加えて、ホイール100の振れを測定する機能をさらに有する点で、第1実施形態に係る回転体試験装置1及び第2実施形態に係る回転体試験装置1Aと相違する。動バランスを測定するための構成は、第1実施形態に係る回転体試験装置1と同様であるため、詳細な説明は省略する。また、ハブ径を測定するための構成は、第2実施形態に係る回転体試験装置1Aと同様であるため、詳細な説明は省略する。以下、ホイール100の振れを測定するための構成について、詳細に説明する。
回転体試験装置1Bは、第1の振れ測定ユニット71と、第2の振れ測定ユニット81とを有する。第1の振れ測定ユニット71は、ホイール100のアウターリムの振れを測定する。第2の振れ測定ユニット81は、ホイール100のインナーリムの振れを測定する。第1の振れ測定ユニット71と第2の振れ測定ユニット81とは、それぞれ2個のレーザ測距計を有し、回転軸線A1に沿った方向(ホイール100のリム幅方向)への振れと、回転軸線A1に直交する方向(ホイール100のリム径方向)への振れと、を測定する。
第1の振れ測定ユニット71は、横スライダー72と、縦スライダー73と、可動テーブル74と、アウター測距ユニット76と、を有する。横スライダー72は、アウター測距ユニット76を水平方向に移動させる。横スライダー72は、角柱状の部材であり、筐体2に固定される。横スライダー72には、縦スライダー73の下端部を水平方向に案内する水平ガイド部が設けられている。縦スライダー73は、アウター測距ユニット76を鉛直方向に移動させる。縦スライダー73は、角柱状の部材であり、長手方向が鉛直方向と一致するように配置される。縦スライダー73は下端部が水平ガイド部と係合し、水平方向に移動可能とされる。縦スライダー73の上端側には、可動テーブル74を鉛直方向に案内する鉛直ガイド部が設けられている。可動テーブル74は、アウター測距ユニット76を保持すると共に鉛直方向に移動させる。
図15の(a)部に示されるように、アウター測距ユニット76は、第1のレーザ測距計76aと第2のレーザ測距計76bと支持台76cとを有する。アウターリムの縦振れ(リム幅方向への振れ)を測定する第1のレーザ測距計76aは、レーザS1の出射方向が鉛直上向きとなるように支持台76cに固定されている。アウターリムの横振れ(リム径方向への振れ)を測定する第2のレーザ測距計76bは、レーザS2の出射方向が水平方向となるように支持台76cに固定されている。
再び図14に示されるように、第2の振れ測定ユニット81は、横スライダー82と、縦スライダー83と、可動テーブル84と、インナー測距ユニット86と、を有する。横スライダー82、縦スライダー83、可動テーブル84は、第1の振れ測定ユニット71の横スライダー72と、縦スライダー73と、可動テーブル74と、と同様の構成を有するため、詳細な説明は省略する。
図15の(b)部に示されるように、インナー測距ユニット86は、第3のレーザ測距計86aと第4のレーザ測距86bと支持台86cとを有する。インナーリムの縦振れ(リム幅方向への振れ)を測定する第3のレーザ測距計86aは、レーザS3の出射方向が鉛直下向きとなるように支持台86cに固定されている。インナーリムの横振れ(リム径方向への振れ)を測定する第4のレーザ測距計86bは、レーザS4の出射方向が水平方向となるように支持台86cに固定されている。
第3実施形態に係る回転体試験装置1Bによれば、ホイール100の動バランス及びホイール100のハブ径RHに加えて、ホイール100の振れを測定することができる。従って、ホイール100をチャック3に取り付けた状態において、3個のホイール特性を得ることができる。従って、回転体試験装置1Bによれば、さらに効率よくホイールの特性試験を行うことができる。
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
第1実施形態のチャック3は、6個の爪部28を有していたが、爪部の数は6個に限定されることはない。図16の(a)部に示されるように、爪部28Aの数は7個であってもよい。7個の爪部28Aを有するチャックによれば、6個のボルト穴104を有するホイール100Aを好適に保持できる。また、図16の(b)部に示されるように、爪部28の数は5個であってもよい。5個の爪部28Bを有するチャックによれば、4個のボルト穴104を有するホイール100Bを好適に保持できる。
上記実施形態では、被測定物として車両用のホイールを例示した。被測定物は車両用のホイールに限定されることはなく、例えばタイヤ実装後のホイールや、鉄道用車輪、航空機用車輪など高速回転する回転体であってもよい。
例えば、回転体試験装置は、動バランスを測定する構成と、ホイールの振れを測定する構成とを組み合わせた構成であってもよい。
また、コーン33を上下動させる構成は、圧縮空気を提供するコンプレッサ8に限定されない。例えば、コーン33を動作させる構成には、空気圧の他に、水圧又は油圧を利用する構成を利用してもよい。
1,1A,1B…回転体試験装置、2…筐体、3…チャック、4…回転駆動部、6…計測部、7…処理部、8…コンプレッサ、7a…動バランス演算部、7b…補正動バランス演算部、7c…仮想不釣り合い情報保持部、11…フレームユニット、12…カバー、13…主軸ユニット、14…駆動ユニット、16…支持ユニット、17…メインシャフト、17a…貫通穴、18A,18B…軸受、19A,19B…プーリ、21…ロータリエンコーダ、22…ロータリジョイント、25…駆動ベルト、22a…チューブ、24…モータ、23A,23B…Oリング、26A,26B…圧電素子、27…本体部、28,28A,28B…爪部、29…バネ、31…支持板、32…蓋、33…コーン、33a…頂面、34…軸部、34a…軸穴、36…フランジ部、36a…フランジ穴、37…案内溝、38…起立部、39…第1の当接面、41…後端面、42…コーンヘッド、42a…第2の当接面、43…コーンシャフト、51…ハブ径測定ユニット、52…レーザ測距計、53…フレームユニット、54…駆動ユニット、56…支持フレーム、57…支持フレーム、58…ポスト、59…モータ、60…アーム、61,62…プーリ、63…駆動ベルト、64…駆動シャフト、101…ホイールハブ、102…パット面、103…ハブ穴、104…ボルト穴、106…パット面逃し部、107…排水溝、200…ホイール、203…ハブ穴、204…ボルト穴、207…排水溝、304…ボルト穴、307…排水溝、303…ハブ穴、300…ホイール、71…第1の振れ測定ユニット、81…第2の振れ測定ユニット、72,82…横スライダー、73,83…縦スライダー、74,84…可動テーブル、76,86…アウター測距ユニット、76a…第1のレーザ測距計、76b…第2のレーザ測距計、76c,86c…支持台、86a…第3のレーザ測距計、86b…第4のレーザ測距計、S,S1,S2,S3,S4…レーザ、100,100A,100B,200,300…ホイール、A1…回転軸線。

Claims (4)

  1. 回転体である被測定物の回転体試験装置であって、
    前記被測定物に設けられた取付穴と係合することにより、前記被測定物を着脱可能に保持するチャックと、
    前記チャックを回転軸線のまわりに回転させる回転駆動部と、
    前記被測定物を回転させたときに、前記被測定物の動バランスに基づいて生じる不釣り合い力に関する情報を得る計測部と、
    前記不釣り合い力に関する情報を利用して、前記被測定物の動バランスに関する情報を得る処理部と、を備え、
    前記チャックは、
    前記回転軸線を中心軸線とする本体部と、
    前記本体部上において前記回転軸線のまわりに等間隔に配置されると共に、前記回転軸線に向かう方向の付勢力が付与される爪部と、
    前記付勢力に抗して、前記回転軸線から離間する方向に前記爪部を移動させる押出部と、を有し、
    前記被測定物を保持する第1の形態と、前記被測定物を解放する第2の形態と、を相互に切替可能であり、
    前記第1の形態は、前記押出部が前記回転軸線に沿う一方向に移動することにより、前記爪部に対する前記押出部の押圧力に起因して前記爪部が前記回転軸線から離間する方向に移動して、前記爪部が前記被測定物の取付穴の内周面に押し当てられた状態であり、
    前記第2の形態は、前記押出部が前記回転軸線に沿う前記一方向とは逆の方向に移動することにより、前記付勢力に起因して前記爪部が前記回転軸線に近づく方向に移動して、前記爪部が前記被測定物の取付穴の内周面から離間された形態である、回転体試験装置。
  2. 前記押出部は、前記爪部に当接する第1の当接面を含む錐台形状であり、
    前記爪部は、前記第1の当接面と接触する第2の当接面を含み、
    前記第2の当接面は、前記回転軸線と交差する方向に延在し、前記回転軸線側の端部に設けられる、請求項1に記載の回転体試験装置。
  3. 前記回転軸線に沿う前記押出部の位置を制御するための圧力を提供する圧力媒体を供給する圧力発生部をさらに備え、
    前記回転駆動部は、前記チャックに連結され、前記圧力媒体を導く貫通穴が設けられた主軸を有し、
    前記押出部の底部には、前記貫通穴を介して前記圧力媒体が供給され、
    前記押出部は、前記圧力媒体から提供される圧力によって前記回転軸線に沿う位置が制御される、請求項1又は2に記載の回転体試験装置。
  4. 前記処理部は、
    前記不釣り合い力に関する情報を利用して、前記動バランスに関する情報を得る第1の演算部と、
    前記被測定物に追加部品が取り付けられたと仮定したときに生じる仮想不釣り合いに関する情報を保持する第2の演算部と、
    前記動バランスに関する情報と前記仮想不釣り合いに関する情報とを利用して、前記追加部品が取り付けられていない前記被測定物の動バランスに関する情報を、前記追加部品が取り付けられた前記被測定物の動バランスに関する情報に補正する第3の演算部と、を有する、請求項1〜3の何れか一項に記載の回転体試験装置。
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