JP2018009864A - 漏電検知装置および漏電検知システム - Google Patents

漏電検知装置および漏電検知システム Download PDF

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Abstract

【課題】高電圧ノイズの侵入による故障の発生を抑制することができる漏電検知装置および漏電検知システムを提供すること。
【解決手段】実施形態に係る漏電検知装置は、漏電診断部と、リレーとを備える。漏電診断部は、商用電源から供給される交流電力の漏電を検知する漏電検知部を含む交流電力系統との間で電力の授受を行う蓄電池から直流電力が漏電しているか否かの漏電診断を行う。リレーは、蓄電池および漏電診断部の間を離接可能に接続する。
【選択図】図1

Description

本発明は、漏電検知装置および漏電検知システムに関する。
従来、商用電源から供給される交流電力を住宅内の複数の電気製品へ配電する交流電力系統と、太陽光発電装置等によって発電した直流電力を蓄電し、状況に応じて交流電力へ変換して交流電力系統へ供給する直流電力系統とを備える住宅用配電システムがある。
かかる配電システムは、発電した直流電力を蓄電する蓄電池を備える。蓄電池は、漏電した場合に、例えば、ユーザや保守作業者等の人が触れると、感電の原因になることがある。蓄電池の漏電に起因する感電の発生は、蓄電池に漏電検知装置を接続しておくことによって予防することが可能である。
特開2014−161173号公報
しかしながら、漏電検知装置は、蓄電池に接続しておいた場合、何らかの原因で直流電力系統から突発的に侵入する高電圧ノイズによって故障が発生することがある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、高電圧ノイズの侵入による故障の発生を抑制することができる漏電検知装置および漏電検知システムを提供することを目的とする。
実施形態に係る漏電検知装置は、漏電診断部と、リレーとを備える。漏電診断部は、商用電源から供給される交流電力の漏電を検知する漏電検知部を含む交流電力系統との間で電力の授受を行う蓄電池から直流電力が漏電しているか否かの漏電診断を行う。リレーは、前記蓄電池および前記漏電診断部の間を離接可能に接続する。
実施形態に係る漏電検知装置および漏電検知システムは、高電圧ノイズの侵入による故障の発生を抑制することができる。
図1は、実施形態に係る漏電検知システムを含む住宅の電力系統を示す説明図である。 図2は、実施形態に係る漏電検知装置の構成を示す説明図である。 図3は、実施形態に係る漏電検知装置の動作説明図である。 図4は、実施形態に係る漏電検知装置の動作説明図である。 図5は、実施形態に係る漏電検知装置の動作説明図である。 図6は、実施形態に係る漏電検知装置の動作説明図である。 図7は、実施形態に係る漏電検知装置の動作説明図である。 図8は、実施形態に係る漏電検知装置の動作説明図である。 図9は、実施形態に係る漏電検知装置の動作説明図である。
以下に添付図面を参照して、実施形態に係る漏電検知装置および漏電検知システムについて詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。図1は、実施形態に係る漏電検知システム100を含む住宅の電力系統を示す説明図である。
図1に示すように、実施形態に係る住宅は、交流電力系統ACと直流電力系統DCとを備える。さらに、実施形態に係る住宅は、交流電力系統ACおよび直流電力系統DCの双方に属する電力管理部CVを備える。
交流電力系統ACは、住宅分電盤A1と、切替器A4と、バックアップ用分電盤A5とを含む。住宅分電盤A1は、配電部A2と、漏電検知部A3とを含む。配電部A2は、例えば、発電所等の商用電源Eから供給される交流電力を住宅内の複数の電気製品へ配電する。漏電検知部A3は、交流電力系統ACにおける交流電力の漏電を監視し、漏電を検知した場合に、電気製品への交流電力の供給を遮断する。
切替器A4は、バックアップ用分電盤A5の電力供給元を住宅分電盤A1と電力管理部CVとの間で切り替える機器である。切替器A4は、非停電時にバックアップ用分電盤A5の電力供給元を住宅分電盤A1にし、停電時には、バックアップ用分電盤A5の電力供給元を電力管理部CVにする。
バックアップ用分電盤A5は、住宅内の電気製品のうち、停電時にも使用する一部の電気製品へ交流電力を配電する。かかるバックアップ用分電盤A5は、非停電時に、住宅分電盤A1から供給される交流電力を一部の電気製品に配電し、停電時に、電力管理部CVから供給される交流電力を一部の電気製品に配電する。
直流電力系統DCは、太陽光発電システムD1と漏電検知システム100とを含む。太陽光発電システムD1は、受光する太陽光を直流電流に変換して電力管理部CVへ出力する。なお、直流電力系統DCは、例えば、家庭用ガス発電システム等、直流電力を発電する他の発電システムをさらに含んでもよい。かかる構成の場合、他の発電システムは、発電した直流電力を電力管理部CVへ出力する。
漏電検知システム100は、蓄電池D2と、漏電検知装置1とを含む。蓄電池D2は、例えば、リチウムイオンバッテリである。蓄電池D2は、電力管理部CVを介して太陽光発電システムD1から入力される電力を蓄電する。また、蓄電池D2は、電力管理部CVを介して、交流電力系統ACとの間で電力の授受を行う。
電力管理部CVは、非停電時に、太陽光発電システムD1から入力される直流電力を蓄電池D2へ出力して、蓄電池D2に蓄電させる。また、電力管理部CVは、停電時に、蓄電池D2から供給される直流電力を交流電力へ変換し、切替器A4を介してバックアップ用分電盤A5へ供給する。また、電力管理部CVは、蓄電池D2に余剰電力が蓄電されている場合、直流の余剰電力を交流電力に変換し、切替器A4および住宅分電盤A1を介して、売電する処理を行う。
また、電力管理部CVは、商用電源Eから住宅分電盤A1を介して夜間に供給される比較的安価な交流電力を直流電力へ変換して蓄電池D2へ出力し、蓄電池D2に蓄電させる。そして、電力管理部CVは、昼間に蓄電池D2から入力される直流電力を交流電力へ変換し、切替器A4を介して、住宅分電盤A1およびバックアップ用分電盤A5へ供給することもできる。
漏電検知装置1は、リレーSW1と、漏電診断部14とを備える。なお、漏電検知装置1が備える他の構成要素については、図2を参照して後述する。漏電診断部14は、蓄電池D2から直流電力が漏電しているか否かの漏電診断を行う。
かかる漏電診断部14は、例えば、1日に1回5分間以内という比較的短時間で定期的に漏電検知を自動的に行う。また、漏電診断部14は、例えば、作業者等が不定期に漏電検知装置1を手動で操作することにより、5分間以内の短時間で漏電診断を行う。
リレーSW1は、蓄電池D2および漏電診断部14の間を離接可能に接続する。これにより、漏電検知装置1は、蓄電池D2の漏電診断を行う場合に、リレーSW1をON状態にして蓄電池D2と漏電診断部14とを接続させることができる。そして、漏電検知装置1は、漏電診断を行わない期間にはリレーSW1をOFF状態にして、蓄電池D2と漏電診断部14との接続を切断することができる。
したがって、漏電検知装置1は、漏電診断を行う時間に比べて遥かに長い漏電診断を行わない期間に、蓄電池D2との接続を切断状態にすることができるので、直流電力系統DCで突発的に発生する高電圧ノイズが侵入することによる故障の発生を抑制することができる。
次に、図2を参照し、実施形態に係る漏電検知装置1の構成について説明する。図2は、実施形態に係る漏電検知装置1の構成を示す説明図である。図2に示すように、漏電検知装置1は、プロセッサ10と、診断用回路20とを備える。
プロセッサ10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力ポートなどを有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。
プロセッサ10は、CPUがROMに記憶された診断プログラムを、RAMを作業領域として使用して実行することにより機能する矩形波出力部11、固着診断部12、自己診断部13、漏電診断部14、リレー駆動診断部15、およびリレー駆動部16を備える。
なお、矩形波出力部11、固着診断部12、自己診断部13、漏電診断部14、リレー駆動診断部15、およびリレー駆動部16は、それぞれ一部または全部がASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成されてもよい。
矩形波出力部11は、固着診断部12および漏電診断部14によって各診断が行われる場合に、診断用回路20へ矩形波を出力する処理部である。固着診断部12は、矩形波出力部11から出力される矩形波の応答として、診断用回路20から入力される電圧信号に基づいて、前述したリレーSW1がON状態またはOFF状態で固着しているか否かの固着診断を行う処理部である。
自己診断部13は、漏電検知機能が正常に機能するか否かの自己診断を漏電検知装置1が行う場合に、診断用回路20に蓄電池D2が漏電していない状況を再現した模擬回路を形成する処理部である。
漏電診断部14は、矩形波出力部11から出力される矩形波の応答として、診断用回路20から入力される電圧信号に基づいて、蓄電池D2から直流電力が漏電しているか否かの漏電診断を行う処理部である。
リレー駆動部16は、固着診断部12、自己診断部13、および漏電診断部14によって各診断が行われる場合に、リレーSW1をON状態にし、各診断が行われない期間には、リレーSW1をOFF状態にする処理部である。リレー駆動診断部15は、リレー駆動部16がリレーSW1をON状態にした場合に、コイルLから入力される電流の有無に基づいて、リレー駆動回路の診断を行う処理部である。これら矩形波出力部11、固着診断部12、自己診断部13、漏電診断部14、リレー駆動診断部15、およびリレー駆動部16の動作の詳細については、図2〜図8を参照して後述する。
診断用回路20は、矩形波出力部11と蓄電池D2の負極である高圧側グランドHGNDとの間に、矩形波出力部11側から順に直列接続される第1バッファB1、検出抵抗R1、第1カップリングコンデンサC1、およびリレーSW1を備える。また、診断用回路20は、検出抵抗R1および第1カップリングコンデンサC1の接続点(以下、「第1接続点P1」と記載する)と、固着診断部12との間に直列接続される第2バッファB2を備える。
また、診断用回路20は、第1カップリングコンデンサC1およびリレーSW1の接続点(以下、「第2接続点P2」と記載する)と自己診断部13との間に、第2接続点P2側から順に直列接続される第2カップリングコンデンサC2、模擬絶縁抵抗R3、および自己診断用スイッチSW3を備える。また、診断用回路20は、第1接続点P1と漏電診断部14との間に、第1接続点P1側から順に直列接続されるフィルタFおよび第3バッファB3を備える。
また、診断用回路20は、リレー用電源E1を備え、リレー用電源E1とリレー駆動診断部15との間に直列接続されるコイルLを備える。また、診断用回路20は、コイルLと接地電位である低圧側グランドLGNDとの間に直列接続されるリレー用スイッチSW2を備える。
第1バッファB1、第2バッファB2、および第3バッファB3は、入力インピーダンスが高く、出力インピーダンスが低いボルテージフォロワ回路である。検出抵抗R1は、所定の抵抗値に設定され、矩形波出力部11から入力される矩形波の電圧値を蓄電池D2の対地絶縁抵抗R2とにより分圧するために挿入される抵抗である。
模擬絶縁抵抗R3は、蓄電池D2から直流電流が漏電していない場合における蓄電池D2の対地絶縁抵抗R2と同等の絶縁能力になる抵抗値が設定された抵抗である。第1カップリングコンデンサC1および第2カップリングコンデンサC2は、直流電流を遮断する回路素子である。
自己診断用スイッチSW3は、自己診断部13が自己診断を行う場合に、自己診断部13によりONされるスイッチであり、例えば、フォトカプラである。フィルタFは、ハイパスフィルタ、ローパスフィルタ、およびバンドパスフィルタが直列接続されたフィルタ回路であり、第1接続点P1から出力される電圧信号からノイズを除去する。
リレーSW1は、メカニカルリレーである。リレー用電源E1は、リレーSW1をOFF状態からON状態にするための電源である。コイルLは、リレー用電源E1から電流が流れ込むことにより発生する磁界によって、リレーSW1をOFF状態からON状態にする。リレー用スイッチSW2は、リレー駆動部16の制御によってONとOFFとが切り替えられ、ON状態になることによって、リレー用電源E1からコイルLへ電流を流すスイッチである。
なお、図2に示す一点鎖線よりも漏電検知装置1側が低圧側であり、一点鎖線よりも蓄電池D2側が高圧側である。また、高圧側グランドHGNDと低圧側グランドLGNDとの間に接続された抵抗は、実装される抵抗ではなく、蓄電池D2の対地絶縁抵抗R2である。また、高圧側グランドHGNDと低圧側グランドLGNDとの間に接続されたコンデンサは、実装されるコンデンサではなく、寄生容量C3である。
以下、図3〜図9を参照し、図2に示す漏電検知装置1の動作について説明する。図2〜図9は、実施形態に係る漏電検知装置1の動作説明図である。まず、図3および図4を参照して、漏電検知装置1が蓄電池D2の漏電診断を行う場合の動作について説明する。
図3には、漏電診断時の電圧信号の流れを示している。図4には、蓄電池D2からの漏電がない場合に漏電診断部14に入力される電圧信号の波形と、蓄電池D2からの漏電がある場合に漏電診断部14に入力される電圧信号の波形とを示している。なお、図4の縦軸は、電圧値であり、横軸は、時刻である。
図3に示すように、漏電検知装置1が漏電診断を行う場合、まず、リレー駆動部16は、リレー用スイッチSW2をONにして、リレーSW1をOFF状態からON状態にする。その後、矩形波出力部11は、診断用回路20へ矩形波の電圧信号を出力する。
ここで、蓄電池D2が漏電していない場合、対地絶縁抵抗R2の抵抗値が無限大に等しい。このため、診断用回路20へ入力される電圧信号は、図3に太実線矢印で示すように、第1バッファB1、検出抵抗R1、第1接続点P1、フィルタF、および第3バッファB3を経由して漏電診断部14へ入力される。かかる電圧信号は、フィルタFによってノイズが除去されて、矩形波の周波数成分が選択的に抽出される。
ただし、蓄電池D2が漏電している場合には、対地絶縁抵抗R2の抵抗値が低下する状況になる。このため、かかる場合には、図3に太線矢印で示す電圧信号の経路に加えて、図3に太点線矢印で示すように、第1接続点P1から第1カップリングコンデンサC1、第2接続点P2、リレーSW1、および対地絶縁抵抗R2を経由して、低圧側グランドLGNDへ至る電圧信号の経路も形成される。
これにより、第1接続点P1における電圧信号の電圧値は、蓄電池D2が漏電している場合、検出抵抗R1と対地絶縁抵抗R2とによって分圧されるため、漏電していない場合に比べて低い値となる。
そこで、漏電診断部14は、蓄電池D2が漏電していない場合に、入力されることが予測される電圧信号の電圧のピーク値を基準として、予め漏電判定閾値を決定して記憶する。そして、漏電診断部14は、第1接続点P1から入力される電圧信号の電圧値(波高値)に基づいて、蓄電池D2の漏電を診断する。
具体的には、漏電診断部14は、入力される出圧信号をサンプリングすることによって、電圧信号の電圧のピーク値を検出し、検出したピーク値と予め記憶された漏電判定閾値とを比較する。
そして、漏電診断部14は、図4に漏電無と記載された波形のように、サンプリングした電圧信号のピーク値が漏電判定閾値以上である場合に、漏電無と診断する。一方、漏電診断部14は、図4に漏電有と記載された波形のように、サンプリングした電圧信号のピーク値が漏電判定閾値未満である場合に、漏電有と診断する。
そして、漏電診断部14は、漏電診断が終了すると、診断結果を図示しない報知部によって報知する。その後、リレー駆動部16は、リレーSW1をON状態からOFF状態へ切り替える。
これにより、漏電検知装置1は、漏電診断を行う比較的短い期間を除く大半の期間に、リレーSW1との接続が切断される。したがって、漏電検知装置1によれば、直流電力系統DCで突発的に生じる高電圧ノイズの侵入による故障の発生を抑制することができる。
次に、図5〜図7を参照し、漏電検知装置1がリレーSW1の固着診断を行う場合の動作について説明する。図5には、固着診断時の電圧信号の流れを示している。図6には、上から順に、第1接続点P1から入力される固着有時の電圧信号の波形、固着無時の電圧信号の波形、リレーSW1のON/OFFタイミング、電圧信号のサンプリングタイミングを示している。なお、横軸は時刻である。
また、図7には、上から順に、固着診断の再試行を行う場合の電圧信号波形、リレーSW1のON/OFFタイミング、電圧信号のサンプリングタイミングを示している。なお、横軸は時刻である。ここでは、矩形波出力部11が500ms周期の矩形波(山および谷の期間がそれぞれ250msの矩形波)を出力する場合を例に挙げて説明する。
図5に示すように、漏電検知装置1がリレーSW1の固着診断を行う場合、まず、矩形波出力部11は、診断用回路20へ矩形波の電圧信号を出力する。このとき、リレーSW1は、OFF状態にしておく。
これにより、診断用回路20へ入力される電圧信号は、図5に太実線矢印で示すように、第1バッファB1、検出抵抗R1、第1接続点P1、および第2バッファB2を経由して固着診断部12へ入力される。
このように、診断用回路20は、第2バッファB2を介して、固着診断部12へ電圧信号を入力させることにより、固着診断部12へ入力される電圧信号が、プロセッサ10の内部インピーダンスに起因して漏電診断部14の漏電診断に悪影響を及ぼすことを防止する。
その後、リレー駆動部16は、リレー用スイッチSW2をONにして、リレーSW1をOFF状態からON状態にする。これにより、診断用回路20では、例えば、リレーSW1が解放状態のまま固着(OFF固着)していなければ、図5に太点線矢印で示す電圧信号の経路が形成される。
つまり、図5に太線矢印で示す電圧信号の経路に加えて、図5に太点線矢印で示すように、第1接続点P1から第1カップリングコンデンサC1、第2接続点P2、リレーSW1、および寄生容量C3を経由して、低圧側グランドLGNDへ至る電圧信号の経路も形成される。
これにより、第1接続点P1における電圧信号は、リレーSW1がOFF固着していなければ、リレーSW1がOFF状態からON状態に切り替わった場合に、寄生容量C3が充電される期間、瞬間的に電圧値が低下する。
これに対して、第1接続点P1における電圧信号は、リレーSW1がOFF固着していれば、リレーSW1がOFF状態からON状態に切り替わらず、寄生容量C3が充電されないので、電圧値が低下することがない。
そこで、固着診断部12は、事前に電圧信号の電圧のピーク値をサンプリングし、ピーク値の平均値を基準電位として算出して記憶する。そして、固着診断部12は、リレーSW1がON状態になってからOFF状態になるまでの期間に、入力される電圧信号の電圧値が基準電位を下回る期間がない場合、固着有と診断し、入力される電圧信号の電圧値が基準電位を下回る期間がある場合、固着無と診断することができる。
ただし、固着診断部12は、電圧信号の立上りタイミングと同時に、リレーSW1がOFF状態からON状態になると、固着診断の精度が低下する。具体的には、図6に示すように、電圧信号は、診断用回路20の特性上、完全な矩形波とはならず、立上りタイミングから徐々に電圧値が上昇した後にピーク値に達する。
このため、固着診断部12は、電圧信号の立上りタイミングと同時に、リレーSW1がON状態になって固着診断を開始した場合、電圧信号の電圧値がピーク値に達する前の基準電位未満の電圧値を検出して、固着有と誤診断する恐れがある。
そこで、リレー駆動部16は、固着診断が行われる場合、図6に示す時刻t0で電圧信号が立ち上がってから、電圧信号の電圧値が十分にピーク値に達する所定時間(ここでは、140ms)後の時刻t2に、リレーSW1をOFF状態からON状態にする。
そして、固着診断部12は、リレーSW1がON状態になる直前の期間(ここでは、時刻t1から時刻t2までの10msの期間)にサンプリングした電圧信号のピーク値の平均値を基準電位として算出して記憶する。
その後、固着診断部12は、リレーSW1がON状態になってからOFF状態になるまでの期間に、リレーSW1の固着診断を行う。このとき、電圧信号は、電圧値が既にピーク値に達している。これにより、固着診断部12は、高精度にリレーSW1のOFF固着を診断することができる。
なお、固着診断部12は、上記動作と同様の動作を行うことにより、リレーSW1が閉鎖状態のまま固着(ON固着)しているか否かを診断することもできる。具体的には、寄生容量C3は、リレーSW1がON固着している場合に、矩形波出力部11から診断用回路20へ矩形波の電圧信号が入力されると、自然放電する前に矩形波に応じた電圧が順次印加されるので、充電状態が維持される。
このため、第1接続点P1における電圧信号は、リレー駆動部16がリレーSW1をOFF状態からON状態へ切り替える動作を行っても、電圧値が低下することがない。一方、第1接続点P1における電圧信号は、リレーSW1がON固着していなければ、リレー駆動部16がリレーSW1をOFF状態からON状態へ切り替える動作を行った場合、寄生容量C3が充電されるので、電圧値が低下する。
このため、固着診断部12は、リレー駆動部16がリレーSW1をOFF状態からON状態へ切り替える動作を行った場合に、入力される電圧信号の電圧値が基準電位を下回る期間がない場合、ON固着有と診断し、下回る期間がある場合、ON固着無と診断する。
このように、固着診断部12は、リレーSW1のOFF固着およびON固着の区別まではできないが、OFF固着またはON固着の何れかが発生しているか否かについては、診断することができる。固着診断部12は、固着診断が終了すると、診断結果を図示しない報知部によって報知する。その後、リレー駆動部16は、時刻t3でリレーSW1をON状態からOFF状態へ切り替える。
また、固着診断部12は、上記した固着診断を複数回繰り返すことによって、固着診断の精度を向上させる。ここで、図7を参照し、固着診断部12が固着診断を繰り返す場合の動作の一例について説明する。
図7に示すように、ここでは、固着診断部12へ入力される電圧信号が時刻t0で立上り、250ms後の時刻t3で立ち下がり、その250ms後の時刻t4で次に立ち上がる場合、つまり、電圧信号の周期が500msである場合について説明する。
かかる場合、固着診断部12は、1回目の固着診断のためのサンプリングを時刻t3で終了した後、例えば、次に電圧信号が立ち上がっている期間(時刻t4から250ms後までの期間)に、2回目の固着診断のためのサンプリングを行うと診断精度が低下する。
具体的には、固着診断部12は、1回目の固着診断と2回目の固着診断との間の時間間隔が1秒未満の場合、2回目の固着診断を開始するまでに、寄生容量C3の自然放電が完了しないため、正確な固着診断を行うことができない。
そこで、固着診断部12は、1回目の固着診断を行った電圧信号が次に立ち上がる時刻t4から1秒(1000ms)後の時刻t5よりも後に、2回目の固着診断のためのサンプリングを行う。これにより、固着診断部12は、2回目の固着診断を開始する時点で、既に、寄生容量C3の自然放電が完了しているので、正確な固着診断を行うことができる。
次に、図8を参照し、漏電検知装置1が自己診断を行う場合の動作について説明する。図8には、自己診断時の電圧信号の流れを示している。図8に示すように、漏電検知装置1は、リレーSW1をOFF状態にした状態で自己診断を行う。
そして、漏電検知装置1が自己診断を行う場合、自己診断部13は、自己診断用スイッチSW3をOFF状態からON状態にする。その後、矩形波出力部11は、診断用回路20へ矩形波の電圧信号を出力する。
診断用回路20へ入力される電圧信号は、図8に太実線矢印で示すように、第1バッファB1、検出抵抗R1、第1接続点P1、フィルタF、および第3バッファB3を経由して漏電診断部14へ入力される。
このとき、診断用回路20では、第1バッファB1、検出抵抗R1、第1接続点P1、第1カップリングコンデンサC1、第2接続点P2、第2カップリングコンデンサC2、模擬絶縁抵抗R3、および自己診断用スイッチSW3を経由して低圧側グランドLGNDへ至る電圧信号の流れも形成される。
ここで、模擬絶縁抵抗R3は、前述したように、蓄電池D2から直流電流が漏電していない場合における蓄電池D2の対地絶縁抵抗R2と同等の絶縁能力になる抵抗値が設定された抵抗である。したがって、図8に太点線矢印で示す電圧信号の流れは、蓄電池D2が漏電していない場合の図3に太点線矢印で示す電圧信号の流れを模擬した流れとなる。
そこで、漏電診断部14は、入力される電圧信号をサンプリングすることによって、電圧信号の電圧のピーク値を検出し、検出したピーク値と、漏電診断で使用する漏電判定閾値とを比較する。そして、漏電診断部14は、検出したピーク値が漏電判定閾値以上であれば、漏電検知装置1の漏電診断機能を正常と診断し、検出したピーク値が漏電判定閾値未満であれば、故障と診断することができる。
次に、図9を参照し、漏電検知装置1がリレー駆動回路の動作診断を行う場合の動作について説明する。図9には、リレー駆動回路の動作診断時の電圧信号の流れを示している。図9に示すように、漏電検知装置1がリレー駆動回路の動作診断を行う場合、リレー駆動部16は、リレー用スイッチSW2をOFF状態からON状態にする。
これにより、診断用回路20には、リレー駆動回路が故障していなければ、リレー用電源E1からコイルLを経てリレー駆動診断部15へ至る電流の流れと、コイルLからリレー用スイッチSW2を経て低圧側グランドLGNDへ至る電流の流れとが形成される。一方、リレー駆動回路が故障していれば、かかる電流の流れは形成されない。
そこで、リレー駆動診断部15は、リレー駆動部16がリレー用スイッチSW2をOFF状態からON状態にした場合に、コイルLからの電流を検知すれば、リレー駆動回路が故障していないと診断し、電流を検知しなければ、リレー駆動回路が故障していると診断することができる。
上述したように、実施形態に係る漏電検知装置は、漏電診断部と、リレーとを備える。漏電診断部は、商用電源から供給される交流電力の漏電を検知する漏電検知部を含む交流電力系統との間で電力の授受を行う蓄電池から直流電力が漏電しているか否かの漏電診断を行う。リレーは、蓄電池および漏電診断部の間を離接可能に接続する。
これにより、漏電検知装置は、漏電診断を行わない期間にリレーをOFF状態にすることにより、蓄電池と漏電診断部との接続を切断することができるので、漏電診断を行わない期間に高電圧ノイズが侵入することによる故障の発生を抑制することができる。
なお、上述した実施形態では、住宅に設けられる蓄電池の漏電を検知する場合を例に挙げたが、実施形態に係る漏電検知装置が漏電を検知する対象は、これに限定されるものではない。実施形態に係る漏電検知装置は、例えば、電気自動車や、ハイブリットカー等に設けられる蓄電池等、住宅以外に設けられる他の蓄電池の漏電を検知することもできる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 漏電検知装置
10 プロセッサ
11 矩形波出力部
12 固着診断部
13 自己診断部
14 漏電診断部
15 リレー駆動診断部
16 リレー駆動部
20 診断用回路
100 漏電検知システム
A1 住宅分電盤
A2 配電部
A3 漏電検知部
A4 切替器
A5 バックアップ用分電盤
AC 交流電力系統
B1 第1バッファ
B2 第2バッファ
B3 第3バッファ
C1 第1カップリングコンデンサ
C2 第2カップリングコンデンサ
C3 寄生容量
CV 電力管理部
D1 太陽光発電システム
D2 蓄電池
DC 直流電力系統
E 商用電源
E1 リレー用電源
F フィルタ
HGND 高圧側グランド
L コイル
LGND 低圧側グランド
P1 第1接続点
P2 第2接続点
R1 検出抵抗
R2 対地絶縁抵抗
R3 模擬絶縁抵抗
SW1 リレー
SW2 リレー用スイッチ
SW3 自己診断用スイッチ

Claims (6)

  1. 商用電源から供給される交流電力の漏電を検知する漏電検知部を含む交流電力系統との間で電力の授受を行う蓄電池から直流電力が漏電しているか否かの漏電診断を行う漏電診断部と、
    前記蓄電池および前記漏電診断部の間を離接可能に接続するリレーと
    を備えることを特徴とする漏電検知装置。
  2. 前記漏電診断が行われる場合に、前記リレーをON状態にし、前記漏電診断が行われない期間には、前記リレーをOFF状態にするリレー駆動部
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の漏電検知装置。
  3. 検出抵抗とカップリングコンデンサとを介して、前記蓄電池へ矩形波を出力する矩形波出力部と、
    前記検出抵抗および前記カップリングコンデンサの間の接続点から出力される電圧信号からノイズを除去するフィルタと、
    前記リレーが固着しているか否かの固着診断を行う固着診断部と
    を備え、
    前記漏電診断部は、1
    前記接続点から前記フィルタを介して入力される電圧信号に基づいて、前記漏電診断を行い、
    前記固着診断部は、
    前記接続点から前記フィルタを介さず入力される電圧信号に基づいて、前記固着診断を行う
    ことを特徴とする請求項2に記載の漏電検知装置。
  4. 前記リレー駆動部は、
    前記フィルタを介さずに入力される電圧信号の立上りタイミングから所定時間が経過した後に前記リレーをON状態にし、前記電圧信号の立下りタイミングで前記リレーをOFF状態にし、
    前記固着診断部は、
    前記リレーがON状態である期間に前記固着診断を行う
    ことを特徴とする請求項3に記載の漏電検知装置。
  5. 前記固着診断部は、
    前記リレーがON状態になる直前の期間に前記フィルタを介さず入力される電圧信号と、前記リレーがON状態になってからOFF状態になるまでの期間に前記フィルタを介さず入力される電圧信号とに基づいて、前記固着診断を行う
    ことを特徴とする請求項4に記載の漏電検知装置。
  6. 商用電源から供給される交流電力の漏電を検知する漏電検知部を含む交流電力系統との間で電力の授受を行う蓄電池と、
    前記蓄電池から直流電力が漏電しているか否かの漏電診断を行う漏電診断部と、
    前記蓄電池および前記漏電診断部の間を離接可能に接続するリレーと
    を備えることを特徴とする漏電検知システム。
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