JP2018009506A - エンジン制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】登坂状態での発進時にエンジンストールの発生を抑止すること。【解決手段】エンジンの動力を駆動輪に伝達又は遮断するクラッチ機構を備える車両のエンジン制御装置であって、車両が登坂状態にあることを検出する加速度センサ(106)と、車両が登坂状態である場合に、クラッチ断状態から半クラッチ状態に移行するまでの区間にて、目標エンジン回転数及びPID制御における比例制御値を登坂状態に対応する値に調整するエンジン調整部(108)と、を備える構成とした。【選択図】図1
Description
本発明は、エンジン制御装置に関する。
従来、運転者の発進意思を反映したエンジン回転数制御を行う自動車の発進制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この自動車の発進制御装置においては、手動変速機及びクラッチの操作状態により運転者の発進要求を検知すると、クラッチのストローク位置に基づく目標回転数と、クラッチのストローク速度に基づく目標回転数とをそれぞれ算出する。そして、クラッチ断状態から半クラッチに至るまでの所定の制御区間にて、クラッチのストローク速度が所定の速度領域に入ったことを検知すると、ストローク位置に応じて補正した目標回転数と、ストローク速度に応じて補正した目標回転数のうち、いずれか大きい方の目標回転数を採用する。
しかしながら、特許文献1に記載の自動車の発進制御装置においては、実際のエンジン回転数が、クラッチストローク速度等に基づいて補正された目標回転数に至るまでにクラッチが急速に接続されてしまうと、エンジンストールが発生し得るという問題がある。
このような急速なクラッチの接続に伴うエンジンストールは、登坂状態における発進時に発生し易い。登坂時にエンジンストールが発生する場合には、自重によって車両が後退する事態も想定される。このため、登坂状態での発進時には、このようなエンジンストールの発生を抑止することが要請される。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、登坂状態での発進時にエンジンストールの発生を抑止することができるエンジン制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係るエンジン制御装置は、エンジンの動力を駆動輪に伝達又は遮断するクラッチ機構を備える車両のエンジン制御装置であって、前記車両が登坂状態にあることを検出する検出手段と、前記車両が登坂状態である場合に、クラッチ断状態から半クラッチ状態に移行するまでの区間にて、目標エンジン回転数及びPID制御における比例制御値を登坂状態に対応する値に調整する調整手段と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、車両が登坂状態である場合、クラッチ断状態から半クラッチ状態に移行するまでの区間にて、登坂状態に対応した目標エンジン回転数及びPID制御における比例制御値に調整されることから、登坂状態における発進時に必要なエンジントルク及びPID制御の比例制御値を得ることができ、早期に目標とするエンジン回転数とすることができる。これにより、急速にクラッチが接続される場合であっても、エンジンストールを発生し難くでき、登坂状態での発進時にエンジンストールの発生を抑止することができる。
例えば、本発明に係るエンジン制御装置において、前記調整手段は、クラッチストローク速度が所定速度以上である場合、前記クラッチストローク速度が所定速度未満である場合に設定される第1の目標エンジン回転数及びPID制御における比例制御値よりも大きい第2の目標エンジン回転数及びPID制御における比例制御値を選択する。この構成によれば、車両が登板状態であって、クラッチストローク速度が所定速度以上である場合に相対的に大きな目標エンジン回転数及びPID制御における比例制御値が選択される。これにより、クラッチストローク速度が所定速度以上である場合に確実にエンジントルクを増大させると共に、目標エンジン回転数に変更するためのPID制御の比例制御値を高めることができる。この結果、急速にクラッチが接続される場合であっても、効果的にエンジンストールを発生し難くでき、登坂状態での発進時にエンジンストールの発生を抑止することができる。
特に、本発明に係るエンジン制御装置において、前記調整手段は、前記車両の傾斜角度又は前記クラッチストローク速度の増加に応じて、前記第2の目標エンジン回転数及びPID制御における比例制御値の少なくとも一方を増大させることが好ましい。この構成によれば、車両の傾斜角度又はクラッチストローク速度の増加に応じて目標エンジン回転数及び/又はPID制御における比例制御値が増大される。これにより、車両が登坂する傾斜角度やクラッチストローク速度に応じてエンジンストールを発生し難くでき、車両の傾斜状態やクラッチの操作状態に対応して、登坂状態での発進時におけるエンジンストールの発生を抑止することができる。
本発明によれば、登坂状態での発進時にエンジンストールの発生を抑止することができる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。以下において、本実施の形態に係るエンジン制御装置は、エンジンの動力を駆動輪に伝達又は遮断するクラッチ機構と、変速段を手動で切り替えるマニュアルトランスミッション(MT)を備えた車両に搭載される。上記車両においては、クラッチ機構でエンジンの動力を遮断した状態で変速操作が実行される。
(第1の実施の形態)
図1は、第1実施の形態に係るエンジン制御装置100の構成を示す機能ブロック図である。なお、図1においては、説明の便宜上、本発明を説明するために必要な構成要素のみを示している。図1では省略しているが、エンジン制御装置100は、車両に搭載されたエンジンを制御するために必要な構成要素を備えている。
図1は、第1実施の形態に係るエンジン制御装置100の構成を示す機能ブロック図である。なお、図1においては、説明の便宜上、本発明を説明するために必要な構成要素のみを示している。図1では省略しているが、エンジン制御装置100は、車両に搭載されたエンジンを制御するために必要な構成要素を備えている。
図1に示すように、エンジン制御装置100は、図示しないエンジンを制御するECU(Engine Control Unit)101を備えている。ECU101は、車両の所定位置に配備された各種センサで検出された情報に基づいてエンジンの燃料噴射量や噴射時間を制御する。例えば、ECU101には、車速センサ102、エンジン回転数センサ(回転数センサ)103、ブレーキスイッチセンサ104、クラッチスイッチセンサ105及び加速度センサ106が接続されている。
車速センサ102は、エンジン制御装置100が搭載される車両の速度を検出する。回転数センサ103は、エンジンの回転数を検出する。ブレーキスイッチセンサ104は、ブレーキペダルの踏み込みに応じて切り替えられるブレーキスイッチのオン/オフ状態を検出する。ここで、ブレーキスイッチは、ブレーキペダルが踏み込まれた場合にオン状態となる一方、ブレーキペダルが踏み込まれていない場合にオフ状態となる。
クラッチスイッチセンサ105は、クラッチペダルの踏み込みに応じて切り替えられるクラッチスイッチのオン/オフ状態を検出する。ここで、クラッチスイッチは、クラッチペダルが踏み込まれた場合にオン状態となる一方、クラッチペダルが踏み込まれていない場合にオフ状態となる。加速度センサ106は、検出手段を構成するものであり、車両に作用する加速度を検出する。なお、加速度センサ106は、Gセンサと呼ぶことができる。
また、ECU101には、エンジン内の燃焼室等に燃料噴射を行う燃料噴射装置107が接続される。燃料噴射装置107は、ECU101の制御の下、燃料噴射量や燃料噴射時間を切り替えて燃料噴射を行う。詳細について後述するように、本実施の形態に係るエンジン制御装置100においては、燃料噴射量や燃料噴射時間を切り替えることにより、目標とするエンジン回転数(目標エンジン回転数)や、エンジン回転数のフィードバック制御に利用されるPID制御における比例制御値(P成分値)が調整される。なお、PID制御における比例制御値は、エンジン回転数の上昇に寄与するものである。この比例制御値を大きく設定することで、早期にエンジン回転数を上昇させることができる。
ECU101は、エンジン調整部108及び判定部109を有する。エンジン調整部108は、調整手段を構成するものであり、エンジンの燃焼の最適化に必要な各種装置の作動量を調整する。特に、本実施の形態において、エンジン調整部108は、燃焼噴射装置107における燃料噴射量及び燃料噴射時間を調整する。
判定部109は、登坂状態判定部109a及び車両状態判定部109bを有する。登坂状態判定部109aは、車両が登坂状態にあるかを判定する。登坂状態判定部109aは、加速度センサ106で検出された加速度に基づいて、車両が登坂状態にあるか判定する。例えば、登坂状態判定部109aは、加速度センサ106で検出された加速度の値が所定値以上であった場合に、車両が登坂状態にあると判定することができる。
車両状態判定部109bは、走行に関する車両の状態を判定する。車両状態判定部109bは、車両が停車しているか、発進準備中であるか、発進しているか、車速がどの程度かを判定する。例えば、車両状態判定部109bは、車速センサ102及びブレーキスイッチセンサ104の検出結果に基づいて停車を判定する。また、車両状態判定部109bは、ブレーキスイッチセンサ104及びクラッチスイッチセンサ105の検出結果に基づいて発進準備を判定する。さらに、車両状態判定部109bは、ブレーキスイッチセンサ104の検出結果に基づいて発進を判定する。さらに、車両状態判定部109bは、車速センサ102の検出結果に基づいて車速を判定する。
ところで、運転者の発進意思を反映したエンジン回転数制御を行うべく、クラッチのストローク速度等に基づいて目標エンジン回転数を調整する発進制御装置が知られている。このような発進制御装置では、発進時のエンジン回転数を大きくでき、発進性能を改善することができる。しかしながら、目標エンジン回転数に至るまでにクラッチが急速に接続される場合にはエンジンストールが発生する事態が想定される。そして、このような急速なクラッチ接続に伴うエンジンストールは、登坂状態における発進時に発生し易い。
本発明者は、登坂状態における発進時には、単に発進時の目標エンジン回転数を大きく設定するエンジン回転数制御では、エンジンストールの発生抑止に不十分であることに着目した。そして、登坂状態における発進時には、その状況に適したエンジン回転数を早期に確保することがエンジンストールの発生の抑止に寄与することを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の骨子は、車両が登坂状態である場合に、クラッチ断状態から半クラッチ状態に移行するまでの区間にて、目標エンジン回転数及びPID制御における比例制御値を登坂状態に対応する値に調整することである。本発明によれば、登坂状態における発進時に必要なエンジントルク及びPID制御の比例制御値を得ることができ、早期に目標とするエンジン回転数とすることができる。これにより、急速にクラッチが接続される場合であっても、エンジンストールを発生し難くでき、登坂状態での発進時にエンジンストールの発生を抑止することができる。
以下、第1の実施の形態に係るエンジン制御装置100における登坂時の発進制御について説明する。図2は、第1の実施の形態に係るエンジン制御装置における登坂時の発進制御を説明するためのフロー図である。図2に示すフローは、ECU101(エンジン調整部108及び判定部109)にて実行される。なお、図2においては、説明の便宜上、制御の開始時及び終了時に車両が通常状態(登坂状態にない状態)にある場合について説明するものとする。
図2に示すように、車両が通常状態(登坂状態にない状態)では、エンジン調整部108は、通常のアイドルエンジン回転数(通常アイドル回転数)にエンジン回転数を設定し、この通常アイドル回転数にてアイドル制御(通常アイドル制御)を行う(ステップST201)。ステップST201における通常アイドル制御では、PID制御における比例制御値(P成分値)は、通常の比例制御値(通常比例制御値)に設定されている。例えば、通常比例制御値は、車両が通常状態にて、正常なエンジン駆動を確保可能なタイミングでエンジン回転数を設定できる比例制御値が想定される。なお、これらの通常アイドル回転数及び通常比例制御値は、第1の目標エンジン回転数及び比例制御値の一例を構成する。
通常アイドル制御を実行しながら、登坂状態判定部109aは、車両が登坂状態にあるかを判定する(ステップST202)。登坂状態判定部109aは、加速度センサ106で検出された加速度の値が所定値以上であった場合に、車両が登坂状態にあると判定する。
登坂状態であると判定すると(ステップST202:Yes)、車両状態判定部109bは、車両が停車状態であるかを判定する(ステップST203)。車両状態判定部109bは、車速センサ102で検出された車速が「0」であり、ブレーキスイッチセンサ104でブレーキスイッチのオン状態が検出された場合に、車両が停車状態であると判定する。このステップST203の判定により、登坂状態にて停車しているか否かが特定される。
停車状態であると判定すると(ステップST203:Yes)、車両状態判定部109bは、車両が発進準備状態であるかを判定する(ステップST204)。車両状態判定部109bは、クラッチスイッチセンサ105でクラッチスイッチのオン状態が検出され、且つ、ブレーキスイッチセンサ104でブレーキスイッチのオン状態が検出された場合に、車両が発進準備状態であると判定する。このステップST204の判定により、登坂状態での発進の準備の有無が特定される。
発進準備状態であると判定すると(ステップST204:Yes)、車両状態判定部109bは、車両が発進したかを判定する(ステップST205)。車両状態判定部109bは、ブレーキスイッチセンサ104でブレーキスイッチのオフ状態が検出された場合に、車両が発進したと判定する。このステップST205の判定により、登坂状態での発進の有無が特定される。
車両が発進したと判定すると(ステップST205:Yes)、エンジン調整部109aは、登坂発進用のアイドルエンジン回転数(登坂発進用アイドル回転数)にエンジン回転数を調整し、この登坂発進用アイドル回転数にてアイドル制御(登坂発進用アイドル制御)を行う(ステップST206)。ステップST206における登坂発進用アイドル制御では、PID制御における比例制御値(P成分値)が、上述した通常比例制御値よりも大きな登坂発進用の比例制御値(登坂発進用比例制御値)に設定される。例えば、登坂発進用比例制御値は、登坂状態における発進時に、エンジンストールが発生し難い程度に早期にエンジン回転数を上昇できる比例制御値が想定される。なお、これらの登坂発進用アイドル回転数及び登坂発進用比例制御値は、第2の目標エンジン回転数及び比例制御値の一例を構成する。
一方、ステップST202にて登坂状態でないと判定された場合(ステップST202:No)、ステップST203にて停車状態でないと判定された場合(ステップST203:No)、ステップST204にて発進準備状態でないと判定された場合(ステップST204:No)、ステップST205にて車両が発進していないと判定された場合(ステップST205:No)、処理がステップST201に戻され、通常アイドル制御が継続される。
登坂発進用アイドル制御を実行しながら、車両状態判定部109bは、発進後の車速が所定速度(Zkm)以上であるかを判定する(ステップST207)。車両状態判定部109bは、車速センサ102で検出された車速に基づいて、ステップST207の判定を行う。
ここで、車速が所定速度以上である場合(ステップST207:Yes)、エンジン調整部108は、登坂発進用アイドル制御から切り替えて、通常アイドル回転数にて通常アイドル制御を行う(ステップST208)。一方、車速が所定速度未満である場合、(ステップST207:No)、処理がステップST206に戻され、登坂発進用アイドル制御が継続される。
このような一連の処理により、登坂時の発進制御が行われる。そして、図2に示すステップST202〜ST205にて、全ての判定結果が肯定されると、ステップST206にて、通常アイドル制御から登坂発進用アイドル制御に切り替えられる。この登坂発進用アイドル制御では、目標エンジン回転数が、通常アイドル回転数よりも大きい登坂発進用アイドル回転数に設定されると共に、PID制御の比例制御値(P成分値)が、通常アイドル制御時よりも大きい登坂発進用比例制御値に設定される。
図3は、第1の実施の形態に係るエンジン制御装置100における登坂状態での発進制御時のタイムチャート図である。図3においては、車両が登坂状態で停車中である場合において、ブレーキスイッチがオフ状態に切り替えられる時点t1と、クラッチスイッチがオフ状態に切り替えられた時点t2とを示している。なお、図3においては、エンジン回転数として、実線にて目標エンジン回転数を示し、破線にて実際のエンジン回転数を示している。
図3においては、加速度センサ(Gセンサ)106の検出結果に基づいて、車両が登坂状態にあると判定されている(Gセンサ登坂判定ON)。時点t1より前においては、ブレーキスイッチがオン状態とされると共に、クラッチスイッチがオン状態とされている。また、車速及びアクセルペダル開度が「0」である。すなわち、時点t1より前の状態は、登坂状態における停車状態にて、発進準備状態であることが分かる(図2に示すステップST202〜ST204:Yes)。このとき、クラッチ機構は、クラッチ断状態とされている。
この場合、エンジン回転数(目標エンジン回転数)は、相対的に低い通常アイドル回転数に設定される。また、PID制御における比例制御値(P成分値)は、通常アイドル制御における通常比例制御値に設定される。なお、図3においては、PID制御における比例制御値(P成分値)を「アイドルPIDゲイン」として示している。
時点t1にて、ブレーキスイッチがオフ状態に切り替えられると、図2に示すステップST205にて車両が発進したと判定される。これに伴い、通常アイドル制御から登坂発進用アイドル制御に切り替えられる(図2に示すステップST206)。登坂発進用アイドル制御においては、エンジン回転数(目標エンジン回転数)が、通常アイドル回転数から登坂発進用アイドル回転数に切り替えられる。また、PID制御における比例制御値(P成分値)が、通常比例制御値から登坂発進用比例制御値に切り替えられる。このため、時点t1以降は、時点t1前に比べ、エンジン回転数及びアイドルPIDゲインが大きく設定される。
時点t2にて、クラッチスイッチがオフ状態に切り替えられるまでは、クラッチ機構は、半クラッチ状態とされる。時点t2以降において、クラッチスイッチがオフ状態に切り替えられた状態でアクセルペダル開度が漸次大きくなると、車速が漸次早くなる。なお、実際のエンジン回転数は、時点t1以降、緩やかに登坂発進用アイドル回転数に至る。また、実際のエンジン回転数は、時点t2にて、クラッチが接続されることで一旦低下した後、反転して登坂発進用アイドル回転数を上回る回転数に至る。
以上説明したように、第1の実施の形態に係るエンジン制御装置100においては、車両が登坂状態である場合、クラッチ断状態から半クラッチ状態に移行するまでの区間にて、登坂状態に対応した目標エンジン回転数(登坂発進用アイドル回転数)及びPID制御における比例制御値(登坂発進用比例制御値)に調整されることから、登坂状態における発進時に必要なエンジントルク及びPID制御の比例制御値を得ることができ、早期に目標とするエンジン回転数とすることができる。これにより、急速にクラッチが接続される場合であっても、エンジンストールを発生し難くでき、登坂状態での発進時にエンジンストールの発生を抑止することができる。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、車両が登坂状態で発進する場合に、通常アイドル制御から切り替えて登坂発進用アイドル制御を行う場合について説明している。第2の実施の形態においては、登坂状態で発進する際のクラッチストローク速度(以下、「クラッチ速度」という)を更に判定する点で、第1の実施の形態と相違する。以下、第2の実施の形態に係るエンジン制御装置100について、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
第1の実施の形態では、車両が登坂状態で発進する場合に、通常アイドル制御から切り替えて登坂発進用アイドル制御を行う場合について説明している。第2の実施の形態においては、登坂状態で発進する際のクラッチストローク速度(以下、「クラッチ速度」という)を更に判定する点で、第1の実施の形態と相違する。以下、第2の実施の形態に係るエンジン制御装置100について、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
なお、第2の実施の形態に係るエンジン制御装置100の構成は、クラッチスイッチセンサ105が検出する対象を除き、第1の実施の形態と共通するため、その説明を省略する。第2の実施の形態において、クラッチスイッチセンサ105は、クラッチスイッチのオン/オフ状態に加え、クラッチ速度を検出する。
以下、第2の実施の形態に係るエンジン制御装置100における登坂時の発進制御について説明する。図4は、第2の実施の形態に係るエンジン制御装置における登坂時の発進制御を説明するためのフロー図である。図4において、図2と共通の制御については、同一の符号を付与し、その説明を省略する。
図4に示すように、第2の実施の形態に係るエンジン制御装置100は、ステップST205における車両の発進状況を判定した後、ステップST206における登坂発進用アイドル制御を実行する前に、ステップST401を実行する点で、第1の実施の形態に係るエンジン制御装置100と相違する。
ステップST401においては、クラッチ速度が所定速度X以上であるかを判定する。この判定は、車両状態判定部109bで行われる。車両状態判定部109bは、クラッチスイッチセンサ105で検出されたクラッチ速度に基づいて、現在のクラッチ速度が所定速度X以上であるかを判定する。
クラッチ速度が所定速度X以上である場合には(ステップST401:Yes)、ステップST206に進み、登坂発進用アイドル制御を行う。すなわち、第2の実施の形態においては、登坂状態での発進時に所定速度X以上のクラッチ速度で発進動作が行われた場合に登坂発進用アイドル制御を行う。なお、ステップST207以降の処理は、第1の実施の形態と同様である。
このように第2の実施の形態に係るエンジン制御装置100において、エンジン調整部108は、クラッチ速度が所定速度X以上である場合、クラッチ速度が所定速度未満である場合に設定される通常アイドル回転数及び通常比例制御値よりも大きい登坂発進用アイドル回転数及び登坂発進用比例制御値を選択する。これにより、クラッチ速度が所定速度X以上である場合に確実にエンジントルクを増大させると共に、目標エンジン回転数に変更するためのPID制御の比例制御値(P成分値)を高めることができる。この結果、急速にクラッチが接続される場合であっても、エンジンストールを発生し難くでき、登坂状態での発進時にエンジンストールの発生を効果的に抑止することができる。
ここで、第2の実施の形態に係るエンジン制御装置100におけるクラッチ速度と目標エンジン回転数及びPID制御における比例制御値(P成分値)との関係について、図5を参照して説明する。図5は、第2の実施の形態に係るエンジン制御装置100におけるクラッチ速度と目標エンジン回転数及びPID制御における比例制御値(P成分値)との関係の説明図である。図5Aにおいては、クラッチ速度と目標エンジン回転数との関係を示し、図5Bにおいては、クラッチ速度とPID制御における比例制御値(P成分値)との関係を示している。なお、図5においては、図4に示すステップST202〜ST205の判定結果が全て肯定されているものとする。
目標エンジン回転数は、図5Aに示すように、クラッチ速度が所定速度X未満である場合に通常アイドル回転数に設定される一方、クラッチ速度が所定速度X以上である場合に登坂発進用アイドル回転数に設定される。ここで、登坂発進用アイドル回転数は、クラッチ速度の増加に伴い、大きくなるように設定されている。これにより、クラッチ速度に応じてエンジン回転数を大きく設定でき、クラッチの操作状態に対応して、登坂状態での発進時におけるエンジンストールの発生を抑止することができる。
PID制御における比例制御値(P成分値)は、図5Bに示すように、クラッチ速度が所定速度X未満である場合に通常比例制御値に設定される一方、クラッチ速度が所定速度X以上である場合に登坂発進用比例制御値に設定される。ここで、登坂発進用比例制御値は、クラッチ速度の増加に伴い、大きくなるように設定されている。これにより、クラッチ速度に応じて比例制御値を大きく設定でき、クラッチの操作状態に対応して、登坂状態での発進時におけるエンジンストールの発生を抑止することができる。
なお、図5A及び図5Bにおいては、通常アイドル回転数及び通常比例制御値は、クラッチ速度の増加に伴って緩やかに大きくなるように設定される場合について説明している。しかしながら、これらの通常アイドル回転数及び通常比例制御値については、登坂発進用アイドル回転数及び登坂発進用比例制御値より小さく設定されることを条件として任意に設定することが可能である。例えば、クラッチ速度が所定速度X未満の場合には、一定の値に設定することができる。
また、図5においては、クラッチ速度が所定速度X以上である場合に、クラッチ速度の増加に伴い、登坂発進用アイドル回転数及び登坂発進用比例制御値が大きくなるように設定する場合について説明している。しかしながら、登坂発進用アイドル回転数及び登坂発進用比例制御値については、クラッチ速度が所定速度X以上である場合に、登坂状態にある車両の傾斜角度の増加に伴って大きくなるようにしてもよい。この場合には、登坂する傾斜角度の大きさに応じてエンジン回転数及び比例制御値を大きく設定でき、車両の傾斜状態に対応して、登坂状態での発進時におけるエンジンストールの発生を抑止することができる。なお、クラッチ速度が所定速度X以上である場合に、クラッチ速度及び車両の傾斜角度の増加に伴って登坂発進用アイドル回転数及び登坂発進用比例制御値が大きくなるようにしてもよい。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、図1に示す機能ブロック図の構成や、図2、図4に示すフローチャートのステップについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
以上説明したように、本発明は、登坂状態での発進時にエンジンストールの発生を抑止することができるという効果を有し、特に、エンジンの動力を駆動輪に伝達又は遮断するクラッチ機構を備える任意の車両に有用である。
100 エンジン制御装置
101 ECU
102 車速センサ
103 エンジン回転数センサ(回転数センサ)
104 ブレーキスイッチセンサ
105 クラッチスイッチセンサ
106 加速度センサ
107 燃料噴射装置
108 エンジン調整部
109 判定部
109a 登坂状態判定部
109b 車両状態判定部
101 ECU
102 車速センサ
103 エンジン回転数センサ(回転数センサ)
104 ブレーキスイッチセンサ
105 クラッチスイッチセンサ
106 加速度センサ
107 燃料噴射装置
108 エンジン調整部
109 判定部
109a 登坂状態判定部
109b 車両状態判定部
Claims (3)
- エンジンの動力を駆動輪に伝達又は遮断するクラッチ機構を備える車両のエンジン制御装置であって、
前記車両が登坂状態にあることを検出する検出手段と、
前記車両が登坂状態である場合に、クラッチ断状態から半クラッチ状態に移行するまでの区間にて、目標エンジン回転数及びPID制御における比例制御値を登坂状態に対応した値に調整する調整手段と、を備えることを特徴とするエンジン制御装置。 - 前記調整手段は、クラッチストローク速度が所定速度以上である場合、前記クラッチストローク速度が所定速度未満である場合に設定される第1の目標エンジン回転数及びPID制御における比例制御値よりも大きい第2の目標エンジン回転数及びPID制御における比例制御値を選択することを特徴とする請求項1に記載のエンジン制御装置。
- 前記調整手段は、前記車両の傾斜角度又は前記クラッチストローク速度の増加に応じて、前記第2の目標エンジン回転数及びPID制御における比例制御値の少なくとも一方を増大させることを特徴とする請求項2に記載のエンジン制御装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016139036A JP2018009506A (ja) | 2016-07-14 | 2016-07-14 | エンジン制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2016139036A JP2018009506A (ja) | 2016-07-14 | 2016-07-14 | エンジン制御装置 |
Publications (1)
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JP2016139036A Pending JP2018009506A (ja) | 2016-07-14 | 2016-07-14 | エンジン制御装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021010289A1 (ja) * | 2019-07-12 | 2021-01-21 | いすゞ自動車株式会社 | 車両の発進制御装置及び、発進制御方法 |
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2016
- 2016-07-14 JP JP2016139036A patent/JP2018009506A/ja active Pending
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