JP2018008446A - 易接着層付き基材の製造方法、導電性フィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 環状オレフィン系樹脂からなる基材と易接着層との間のドライ密着性及びウェット密着性に優れる易接着層付き基材の製造方法、及び、導電性フィルムの製造方法を提供する。【解決手段】 環状オレフィン系樹脂からなる基材と、上記基材の表面に配置された易接着層とを有する易接着層付き基材の製造方法であって、上記基材上に、易接着層形成用組成物を塗布して易接着層を形成する工程を有し、上記易接着層形成用組成物が、tert−ブチルアルコールを含有する、易接着層付き基材の製造方法。【選択図】なし
Description
本発明は、易接着層付き基材の製造方法、及び、導電性フィルムの製造方法に関する。
液晶表示装置若しくは有機EL(Electro Luminescence)表示装置等の表示装置、又はタッチパネルに使用されるフィルム基材として、光学特性に優れる環状オレフィン系樹脂からなる基材が知られている。
一方、環状オレフィン系樹脂からなる基材は、他の部材との接着性に劣る場合が多く、基材表面には、易接着層を設けることが従来からなされている。
例えば、特許文献1では、「環状オレフィン系樹脂からなる層の少なくとも一方の表面上に下塗り層を有し、上記下塗り層中に、オキサゾリン基含有ポリマーを2〜15質量%含むことを特徴とする環状オレフィン系フィルム。」を開示している。
一方、環状オレフィン系樹脂からなる基材は、他の部材との接着性に劣る場合が多く、基材表面には、易接着層を設けることが従来からなされている。
例えば、特許文献1では、「環状オレフィン系樹脂からなる層の少なくとも一方の表面上に下塗り層を有し、上記下塗り層中に、オキサゾリン基含有ポリマーを2〜15質量%含むことを特徴とする環状オレフィン系フィルム。」を開示している。
本発明者は、特許文献1の記載をもとに環状オレフィン系樹脂からなる層の表面上に下塗り層(易接着層)を配置した環状オレフィン系フィルムを作製して、その特性を検討したところ、易接着層と環状オレフィン系樹脂からなる層との間の密着性、具体的には、乾燥された状態での密着性(以下「ドライ密着性」という。)を更に改善する余地があることを知見した。
ところで、昨今では、液晶表示装置又はタッチパネルが多湿環境で使用されることもある。このため、多湿環境下での密着性(以下「ウェット密着性」という。)の向上も求められている。本発明者は、上記で作製した環状オレフィン系フィルムについて、そのウェット密着性を検討したところ、昨今の要求レベルを満たさない場合があることを知見した。
ところで、昨今では、液晶表示装置又はタッチパネルが多湿環境で使用されることもある。このため、多湿環境下での密着性(以下「ウェット密着性」という。)の向上も求められている。本発明者は、上記で作製した環状オレフィン系フィルムについて、そのウェット密着性を検討したところ、昨今の要求レベルを満たさない場合があることを知見した。
そこで、本発明は、環状オレフィン系樹脂からなる基材と易接着層との間のドライ密着性及びウェット密着性に優れる易接着層付き基材の製造方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、導電性フィルムの製造方法を提供することも課題とする。
また、本発明は、導電性フィルムの製造方法を提供することも課題とする。
本発明者は、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、tert−ブチルアルコールを含有する易接着層形成用組成物を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
(1) 環状オレフィン系樹脂からなる基材と、上記基材の表面に配置された易接着層とを有する易接着層付き基材の製造方法であって、
上記基材上に、易接着層形成用組成物を塗布して易接着層を形成する工程を有し、
上記易接着層形成用組成物が、tert−ブチルアルコールを含有する、易接着層付き基材の製造方法。
(2) 上記tert−ブチルアルコールの含有量が、上記組成物全質量に対して15〜50質量%である、(1)に記載の易接着層付き基材の製造方法。
(3) 上記tert−ブチルアルコールの含有量が、上記組成物全質量に対して20〜40質量%である、(1)又は(2)に記載の易接着層付き基材の製造方法。
(4) 上記易接着層形成用組成物が水系である、(1)〜(3)のいずれかに記載の易接着層付き基材の製造方法。
(5) 上記易接着層形成用組成物がカルボジイミド化合物を含有する、(1)〜(4)のいずれかに記載の易接着層付き基材の製造方法。
(6) 上記環状オレフィン系樹脂が、開環重合により合成された樹脂である、(1)〜(5)のいずれかに記載の易接着層付き基材の製造方法。
(7) 上記環状オレフィン系樹脂が、カルボキシ基及び水酸基をいずれも有さない、(1)〜(6)のいずれかに記載の易接着層付き基材の製造方法。
(8) 環状オレフィン系樹脂からなる基材と、上記基材の表面に配置された易接着層と、上記易接着層上に配置された導電層とを有する導電性フィルムの製造方法であって、
上記基材上に、tert−ブチルアルコールを含有する易接着層形成用組成物を塗布して易接着層を形成する工程と、
上記易接着層上に導電層を形成する工程と、を有する、導電性フィルムの製造方法。
すなわち、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
(1) 環状オレフィン系樹脂からなる基材と、上記基材の表面に配置された易接着層とを有する易接着層付き基材の製造方法であって、
上記基材上に、易接着層形成用組成物を塗布して易接着層を形成する工程を有し、
上記易接着層形成用組成物が、tert−ブチルアルコールを含有する、易接着層付き基材の製造方法。
(2) 上記tert−ブチルアルコールの含有量が、上記組成物全質量に対して15〜50質量%である、(1)に記載の易接着層付き基材の製造方法。
(3) 上記tert−ブチルアルコールの含有量が、上記組成物全質量に対して20〜40質量%である、(1)又は(2)に記載の易接着層付き基材の製造方法。
(4) 上記易接着層形成用組成物が水系である、(1)〜(3)のいずれかに記載の易接着層付き基材の製造方法。
(5) 上記易接着層形成用組成物がカルボジイミド化合物を含有する、(1)〜(4)のいずれかに記載の易接着層付き基材の製造方法。
(6) 上記環状オレフィン系樹脂が、開環重合により合成された樹脂である、(1)〜(5)のいずれかに記載の易接着層付き基材の製造方法。
(7) 上記環状オレフィン系樹脂が、カルボキシ基及び水酸基をいずれも有さない、(1)〜(6)のいずれかに記載の易接着層付き基材の製造方法。
(8) 環状オレフィン系樹脂からなる基材と、上記基材の表面に配置された易接着層と、上記易接着層上に配置された導電層とを有する導電性フィルムの製造方法であって、
上記基材上に、tert−ブチルアルコールを含有する易接着層形成用組成物を塗布して易接着層を形成する工程と、
上記易接着層上に導電層を形成する工程と、を有する、導電性フィルムの製造方法。
本発明によれば、環状オレフィン系樹脂からなる基材と易接着層との間のドライ密着性及びウェット密着性に優れる易接着層付き基材の製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、導電性フィルムの製造方法を提供することもできる。
また、本発明によれば、導電性フィルムの製造方法を提供することもできる。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書における基(原子群)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、本発明の効果を損ねない範囲で、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。このことは、各化合物についても同義である。
また、本明細書において、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルの双方、又は、いずれかを表す。
また、本明細書において、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルの双方、又は、いずれかを表す。
〔易接着層付き基材の製造方法〕
本発明は、環状オレフィン系樹脂からなる基材と、上記基材の表面に配置された易接着層とを有する易接着層付き基材の製造方法に関し、基材上に易接着層形成用組成物を塗布して易接着層を形成する工程において、上記易接着層形成用組成物がtert−ブチルアルコールを含有する点に特徴がある。
本発明の易接着層付き基材の製造方法により形成された易接着層付き基材は、基材と易接着層との間のドライ密着性及びウェット密着性がいずれも優れる。
本発明は、環状オレフィン系樹脂からなる基材と、上記基材の表面に配置された易接着層とを有する易接着層付き基材の製造方法に関し、基材上に易接着層形成用組成物を塗布して易接着層を形成する工程において、上記易接着層形成用組成物がtert−ブチルアルコールを含有する点に特徴がある。
本発明の易接着層付き基材の製造方法により形成された易接着層付き基材は、基材と易接着層との間のドライ密着性及びウェット密着性がいずれも優れる。
環状オレフィン系樹脂からなる基材は、極性基がない、又は、ポリエステル系フィルム等と比較して極性基が極めて少ない特性を有する。このため、特に、易接着層形成用組成物が水系の場合には、易接着層形成用組成物が基材上に塗れ広がらない、又は、基材に対して易接着層形成用組成物がはじかれ易い等の問題がある。
今般、上記のような極性基の少ない環状オレフィン系樹脂からなる基材に対してtert−ブチルアルコールを含有する易接着層形成用組成物を用いた場合、易接着層形成用組成物の表面張力が下がり、易接着層形成用組成物が基材上に良好に塗れ広がることを確認した。詳細は明らかではないが、tert−ブチルアルコールが親水性(水酸基)と親油性(炭化水素基)とのバランスに優れた構造であることにより、上述の効果が得られていると考えられる。この結果、形成される易接着層付き基材は、基材と易接着層との間の相互作用が良好となりドライ密着性及びウェット密着性のいずれにも優れる。なお、tert−ブチルアルコールの大部分は、易接着層形成後には揮発し、層中に残らない。
以下、本発明の易接着層付き基材の製造方法について詳細に説明する。
以下、本発明の易接着層付き基材の製造方法について詳細に説明する。
本発明の易接着層付き基材の製造方法(以下「本発明の製造方法」ともいう。)は、環状オレフィン系樹脂からなる基材の少なくとも一方の表面上に易接着層形成用組成物を塗布して易接着層を形成する工程を有する。
以下、まず、易接着層付き基材の各構成について説明する。
<環状オレフィン系樹脂からなる基材>
環状オレフィン系樹脂としては、環状オレフィンモノマー等を重合させることで得られる樹脂であり、例えば、環状オレフィンモノマーのみを重合させた樹脂、環状オレフィンモノマーと鎖状オレフィンモノマーとを共重合させた樹脂が挙げられる。なかでも、環状オレフィン系樹脂において、環状オレフィンモノマー由来の繰り返し単位が全繰り返し単位に対して50質量%を超えて100質量%以下である態様が好ましい。
環状オレフィン系樹脂としては、以下に記載する飽和ノルボルネン樹脂−Aと飽和ノルボルネン樹脂−Bが好ましい例として挙げられる。これらの飽和ノルボルネン樹脂は、いずれも溶液製膜法又は溶融製膜法により製膜することができるが、飽和ノルボルネン樹脂−Aは溶融製膜法により製膜することがより好ましく、飽和ノルボルネン樹脂−Bは溶融及び溶液製膜法により製膜することがより好ましい。
環状オレフィン系樹脂としては、環状オレフィンモノマー等を重合させることで得られる樹脂であり、例えば、環状オレフィンモノマーのみを重合させた樹脂、環状オレフィンモノマーと鎖状オレフィンモノマーとを共重合させた樹脂が挙げられる。なかでも、環状オレフィン系樹脂において、環状オレフィンモノマー由来の繰り返し単位が全繰り返し単位に対して50質量%を超えて100質量%以下である態様が好ましい。
環状オレフィン系樹脂としては、以下に記載する飽和ノルボルネン樹脂−Aと飽和ノルボルネン樹脂−Bが好ましい例として挙げられる。これらの飽和ノルボルネン樹脂は、いずれも溶液製膜法又は溶融製膜法により製膜することができるが、飽和ノルボルネン樹脂−Aは溶融製膜法により製膜することがより好ましく、飽和ノルボルネン樹脂−Bは溶融及び溶液製膜法により製膜することがより好ましい。
(飽和ノルボルネン樹脂−A)
飽和ノルボルネン樹脂−Aとして、(1)ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体に対して、必要に応じてマレイン酸付加又はシクロペンタジエン付加のようなポリマー変性を行い、その後更に水素添加して得られた樹脂、(2)ノルボルネン系モノマーを付加重合させて得られた樹脂、(3)ノルボルネン系モノマーとエチレン又はα−オレフィン等のオレフィン系モノマーとを付加重合させて得られた樹脂等が挙げられる。重合方法及び水素添加方法は、常法により行うことができる。
飽和ノルボルネン樹脂−Aとして、(1)ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体に対して、必要に応じてマレイン酸付加又はシクロペンタジエン付加のようなポリマー変性を行い、その後更に水素添加して得られた樹脂、(2)ノルボルネン系モノマーを付加重合させて得られた樹脂、(3)ノルボルネン系モノマーとエチレン又はα−オレフィン等のオレフィン系モノマーとを付加重合させて得られた樹脂等が挙げられる。重合方法及び水素添加方法は、常法により行うことができる。
ノルボルネン系モノマーとしては、例えば、ノルボルネン、そのアルキル及び/又はアルキリデン置換体(例えば、5−メチル−2−ノルボルネン、5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、及び5−エチリデン−2−ノルボルネン等が挙げられる。)、並びに、これらのハロゲン原子等の極性基置換体;ジシクロペンタジエン又は2,3−ジヒドロジシクロペンタジエン等;ジメタノオクタヒドロナフタレン、そのアルキル及び/又はアルキリデン置換体、並びに、これらのハロゲン原子等の極性基置換体;シクロペンタジエンとテトラヒドロインデン等との付加物;シクロペンタジエンの3〜4量体等が挙げられる。これらのノルボルネン系モノマーは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(飽和ノルボルネン樹脂−B)
飽和ノルボルネン樹脂−Bとして、下記一般式(1)〜(4)で表わされる繰り返し単位を有する樹脂等が挙げられる。これらのうち、下記一般式(1)で表わされる繰り返し単位を有する樹脂が好ましい。
飽和ノルボルネン樹脂−Bとして、下記一般式(1)〜(4)で表わされる繰り返し単位を有する樹脂等が挙げられる。これらのうち、下記一般式(1)で表わされる繰り返し単位を有する樹脂が好ましい。
一般式(1)〜(4)中、R1〜R12は、各々独立に水素原子又は1価の置換基(好ましくは有機基)を示す。これらの飽和ノルボルネン樹脂の重量平均分子量は、通常5,000〜1,000,000が好ましく、8,000〜200,000がより好ましい。なお、本明細書において、重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法によるポリスチレン換算値として表した値を示す。
飽和ノルボルネン樹脂として、下記一般式(5)で表わされる少なくとも1種のテトラシクロドデセン誘導体を単独で、又は、テトラシクロドデセン誘導体と、これと共重合可能な不飽和環状化合物とをメタセシス重合して得られる重合体を水素添加して得られる水添重合体を用いることもできる。
一般式(5)中、R13〜R16は、各々独立に水素原子又は1価の置換基(好ましくは有機基)を示す。
本発明においては、開環重合可能な他のシクロオレフィン類を併用することができる。このようなシクロオレフィンの具体例としては、例えば、シクロペンテン、シクロオクテン、又は5,6−ジヒドロジシクロペンタジエン等のごとき反応性の二重結合を1個有する化合物が例示される。これらの開環重合可能なシクロオレフィン類の含有量は、上記ノルボルネン系モノマーに対して0〜50モル%であることが好ましく、0.1〜30モル%であることがより好ましく、0.3〜10モル%であることが更に好ましい。
環状オレフィン系樹脂は、エチレン単位とノルボルネン単位を含む環状オレフィン共重合体であってもよい。エチレン単位は、−CH2CH2−で表される繰り返し単位である。エチレン単位が、上述したノルボルネン単位とビニル重合することによって、環状オレフィン共重合体が得られる。
なお、環状オレフィン共重合体は、エチレン単位とノルボルネン単位以外にも他の共重合可能なビニルモノマーからなる繰り返し単位を少量含有していてもよい。他のビニルモノマーとしては、具体的に、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン若しくは1−オクタデセンのような炭素数3〜18のα−オレフィン、又は、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3−メチルシクロヘキセン、若しくはシクロオクテンのようなシクロオレフィン等が挙げられる。
なお、環状オレフィン共重合体は、エチレン単位とノルボルネン単位以外にも他の共重合可能なビニルモノマーからなる繰り返し単位を少量含有していてもよい。他のビニルモノマーとしては、具体的に、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン若しくは1−オクタデセンのような炭素数3〜18のα−オレフィン、又は、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3−メチルシクロヘキセン、若しくはシクロオクテンのようなシクロオレフィン等が挙げられる。
環状オレフィン系樹脂としては、より具体的には、環状オレフィン(例えば、ノルボルネン類)の開環メタセシス重合とそれに続く水素化反応により得られる、シクロオレフィンをモノマーとする主鎖に脂環構造をもつ樹脂(COP:シクロポリオレフィンポリマー)、又は、環状オレフィン(例えば、ノルボルネン類)とα−オレフィン(例えば、エチレン)との付加重合により得られる樹脂(COC:シクロポリオレフィンコポリマー)等が挙げられる。
COPの具体例としては、日本ゼオン(株)の商品名「ZEONOR」で特定されるポリテトラシクロドデセン等が挙げられる。また、COCの具体例としては、TOPAS Advanced Polymers社の商品名「TOPAS」で特定されるエチレン・ノルボルネン・コポリマー、三井化学(株)の商品名「APEL」で特定されるエチレン・テトラシクロドデセン・コポリマー、又は、JSR(株)の商品名「ARTON」で特定されるエチレン・テトラシクロドデセン・メタクリル酸エステル・コポリマー等を挙げられる。
なかでも、基材の強度の観点から、また、基材と易接着層との間のドライ密着性及びウェット密着性がより優れる観点から、環状オレフィン系樹脂は開環重合で合成されたものであることが好ましく、開環重合で合成されたCOP樹脂であることがより好ましい。
COPの具体例としては、日本ゼオン(株)の商品名「ZEONOR」で特定されるポリテトラシクロドデセン等が挙げられる。また、COCの具体例としては、TOPAS Advanced Polymers社の商品名「TOPAS」で特定されるエチレン・ノルボルネン・コポリマー、三井化学(株)の商品名「APEL」で特定されるエチレン・テトラシクロドデセン・コポリマー、又は、JSR(株)の商品名「ARTON」で特定されるエチレン・テトラシクロドデセン・メタクリル酸エステル・コポリマー等を挙げられる。
なかでも、基材の強度の観点から、また、基材と易接着層との間のドライ密着性及びウェット密着性がより優れる観点から、環状オレフィン系樹脂は開環重合で合成されたものであることが好ましく、開環重合で合成されたCOP樹脂であることがより好ましい。
本発明の製造方法で用いられる環状オレフィン系樹脂は、カルボキシ基及び水酸基のいずれも有さないことが好ましい。
従来においては、特に易接着層形成用組成物が水系である場合には、環状オレフィン系樹脂に極性の高いカルボキシ基又は水酸基を付与することで易接着層形成用組成物の塗布性を向上させていた。これに対して、上述のとおり、後述する易接着層形成用組成物は、tert−ブチルアルコールを含有することにより、環状オレフィン系樹脂からなる基材に対しても組成物が適切に塗れ広がる。このため、本発明の製造方法においては、易接着層形成用組成物が水系である場合においても、環状オレフィン系樹脂に極性の高いカルボキシ基又は水酸基を付与する必要がない。
なお、「カルボキシ基及び水酸基のいずれも有さない」とは実質的にカルボキシ基及び水酸基を有さない意図である。実質的にカルボキシ基及び水酸基を有さないとは、カルボキシ基及び水酸基の合計が、環状オレフィン系樹脂の全質量に対して3質量%以下であることを意図し、1質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましい。
従来においては、特に易接着層形成用組成物が水系である場合には、環状オレフィン系樹脂に極性の高いカルボキシ基又は水酸基を付与することで易接着層形成用組成物の塗布性を向上させていた。これに対して、上述のとおり、後述する易接着層形成用組成物は、tert−ブチルアルコールを含有することにより、環状オレフィン系樹脂からなる基材に対しても組成物が適切に塗れ広がる。このため、本発明の製造方法においては、易接着層形成用組成物が水系である場合においても、環状オレフィン系樹脂に極性の高いカルボキシ基又は水酸基を付与する必要がない。
なお、「カルボキシ基及び水酸基のいずれも有さない」とは実質的にカルボキシ基及び水酸基を有さない意図である。実質的にカルボキシ基及び水酸基を有さないとは、カルボキシ基及び水酸基の合計が、環状オレフィン系樹脂の全質量に対して3質量%以下であることを意図し、1質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましい。
基材には、必要に応じて、環状オレフィン系樹脂以外の他の添加剤(例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、易滑剤、又は帯電防止剤等)が含まれていてもよい。
また、基材の易接着層形成用組成物を塗布する塗布面に対し、易接着層との密着性を高める目的で、薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処理又はオゾン酸処理等の表面活性処理を施すことが好ましい。なかでも、易接着層との密着性がより良好となる観点から、コロナ放電処理がより好ましい。
また、基材の易接着層形成用組成物を塗布する塗布面に対し、易接着層との密着性を高める目的で、薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処理又はオゾン酸処理等の表面活性処理を施すことが好ましい。なかでも、易接着層との密着性がより良好となる観点から、コロナ放電処理がより好ましい。
基材の厚みは特に限定されず、取り扱い性の点から、20〜250μmが好ましく、20〜150μmがより好ましく、30〜100μmが更に好ましい。
<易接着層>
易接着層は、上述した基材の表面に配置される層である。
易接着層の厚みは特に限定されないが、10〜600nmが好ましく、25〜400nmがより好ましく、30〜250nmが更に好ましい。なお、上記易接着層の厚みは平均厚みであり、易接着層の任意の5点以上の位置での厚みを測定し、それらを算術平均したものである。
易接着層は単層でもよく2層以上でもよいが、単層であることが好ましい。
以下では、まず、易接着層を形成するための易接着層形成用組成物について説明する。
易接着層は、上述した基材の表面に配置される層である。
易接着層の厚みは特に限定されないが、10〜600nmが好ましく、25〜400nmがより好ましく、30〜250nmが更に好ましい。なお、上記易接着層の厚みは平均厚みであり、易接着層の任意の5点以上の位置での厚みを測定し、それらを算術平均したものである。
易接着層は単層でもよく2層以上でもよいが、単層であることが好ましい。
以下では、まず、易接着層を形成するための易接着層形成用組成物について説明する。
≪易接着層形成用組成物≫
易接着層形成用組成物は、tert−ブチルアルコールのほか、バインダー、微粒子、界面活性剤、脂肪族ワックス(滑り剤)、及び、溶媒の少なくとも1つを含有することが好ましい。
以下、易接着層形成用組成物に含まれ得る各成分について説明する。
易接着層形成用組成物は、tert−ブチルアルコールのほか、バインダー、微粒子、界面活性剤、脂肪族ワックス(滑り剤)、及び、溶媒の少なくとも1つを含有することが好ましい。
以下、易接着層形成用組成物に含まれ得る各成分について説明する。
(tert−ブチルアルコール)
易接着層形成用組成物は、tert−ブチルアルコールを含有する。
易接着層形成用組成物中、tert−ブチルアルコールの含有量は、組成物全質量に対して5〜70質量%であることが好ましい。基材と易接着層との間のドライ密着性及びウェット密着性がより優れる観点から、10〜60質量%がより好ましく、15〜50質量%が更に好ましく、20〜50質量%が更により好ましく、20〜40質量%が特に好ましい。
易接着層形成用組成物は、tert−ブチルアルコールを含有する。
易接着層形成用組成物中、tert−ブチルアルコールの含有量は、組成物全質量に対して5〜70質量%であることが好ましい。基材と易接着層との間のドライ密着性及びウェット密着性がより優れる観点から、10〜60質量%がより好ましく、15〜50質量%が更に好ましく、20〜50質量%が更により好ましく、20〜40質量%が特に好ましい。
(バインダー)
バインダーとしては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、変性シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂及びスチレンブタジエンゴム樹脂等が挙げられる。なかでも、基材と易接着層との間のドライ密着性及びウェット密着性がより優れる観点から、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂又はスチレンブタジエンゴム樹脂が好ましく、(メタ)アクリル樹脂又はポリウレタン樹脂がより好ましい。
バインダーとしては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、変性シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂及びスチレンブタジエンゴム樹脂等が挙げられる。なかでも、基材と易接着層との間のドライ密着性及びウェット密着性がより優れる観点から、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂又はスチレンブタジエンゴム樹脂が好ましく、(メタ)アクリル樹脂又はポリウレタン樹脂がより好ましい。
ポリオレフィン樹脂は、特に限定されないが、例えば、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−ブテン−無水マレイン酸及び/又は(メタ)アクリル酸共重合体、プロピレン−ブテン−無水マレイン酸及び/又は(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、又は、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。
商業的に入手できるポリオレフィン系樹脂としては、例えば、アローベースSE−1010、SE−1013N、SD−1010、TC−4010、若しくはTD−4010(以上ユニチカ(株)製)、ハイテックS3148、S3121、若しくはS8512(以上東邦化学(株)製)、又は、ケミパールS−120、S−75N、V100、若しくはEV210H(以上三井化学(株)製)等が挙げられる。なかでも、アローベースSE−1013N(ユニチカ(株)製)が好ましい。
商業的に入手できるポリオレフィン系樹脂としては、例えば、アローベースSE−1010、SE−1013N、SD−1010、TC−4010、若しくはTD−4010(以上ユニチカ(株)製)、ハイテックS3148、S3121、若しくはS8512(以上東邦化学(株)製)、又は、ケミパールS−120、S−75N、V100、若しくはEV210H(以上三井化学(株)製)等が挙げられる。なかでも、アローベースSE−1013N(ユニチカ(株)製)が好ましい。
(メタ)アクリル樹脂は、特に限定されないが、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、又はポリメチルアクリレート等のアクリルモノマーが重合したポリマーであることが好ましい。また、必要に応じて、これらにアクリル酸又はメタクリル酸等が共重合したものであってもよい。
商業的に入手できる(メタ)アクリル樹脂としては、例えば、AS−563A(ダイセルフアインケム(株)製)、アクリディック52−668−BA(DIC(株)製)、又は、ジュリマーET410、ジュリマーSEK301、若しくはジュリマーFC30(日本純薬(株)製)等が挙げられる。
商業的に入手できる(メタ)アクリル樹脂としては、例えば、AS−563A(ダイセルフアインケム(株)製)、アクリディック52−668−BA(DIC(株)製)、又は、ジュリマーET410、ジュリマーSEK301、若しくはジュリマーFC30(日本純薬(株)製)等が挙げられる。
変性シリコーン樹脂は、特に限定されないが、(メタ)アクリル系樹脂とシリコーンとの複合樹脂が挙げられる。
商業的に入手できる変性シリコーン樹脂としては、例えば、セラネートWSA1060、若しくはWSA1070(ともにDIC(株)製)、又は、H7620、H7630、若しくはH7650(ともに旭化成ケミカルズ(株)製)等が挙げられる。
商業的に入手できる変性シリコーン樹脂としては、例えば、セラネートWSA1060、若しくはWSA1070(ともにDIC(株)製)、又は、H7620、H7630、若しくはH7650(ともに旭化成ケミカルズ(株)製)等が挙げられる。
ポリエステル樹脂は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又は、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)等が挙げられる。
商業的に入手できるポリエステル樹脂としては、例えば、バイロナールMD1400、MD1480、若しくはMD1245(東洋紡(株)製)、又は、プラスコートZ−221、Z−561、Z−730、RZ−142、若しくはZ−687(互応化学工業(株)製)等が挙げられる。
商業的に入手できるポリエステル樹脂としては、例えば、バイロナールMD1400、MD1480、若しくはMD1245(東洋紡(株)製)、又は、プラスコートZ−221、Z−561、Z−730、RZ−142、若しくはZ−687(互応化学工業(株)製)等が挙げられる。
ポリウレタン樹脂は、特に限定されないが、カーボネート系、エーテル系、又は、エステル系のポリウレタン樹脂を用いることができる。なかでも、基材と易接着層との間のドライ密着性及びウェット密着性がより優れる観点から、自己架橋型のポリウレタン樹脂が好ましい。
商業的に入手できるポリウレタン樹脂としては、例えば、スーパフレックス830、460、870、420、若しくは420NS(第一工業製薬(株)製ポリウレタン)、ハイドランAP−40F、WLS−202、若しくはHW−140SF(大日本インキ化学工業(株)製ポリウレタン)、オレスターUD500、若しくはUD350(三井化学(株)製ポリウレタン)、又は、タケラックW−615、W−6010、W−6020、W−6061、W−405、W−5030、W−5661、W−512A−6、W−635、若しくはWPB−6601(DIC(株)製)が挙げられる。また、自己架橋型のポリウレタン樹脂としては、WS−6021、WS−5000、WS−5100、WS−4000、WSA−5920、又はWF−764(三井武田ケミカル(株)製)が挙げられる。
商業的に入手できるポリウレタン樹脂としては、例えば、スーパフレックス830、460、870、420、若しくは420NS(第一工業製薬(株)製ポリウレタン)、ハイドランAP−40F、WLS−202、若しくはHW−140SF(大日本インキ化学工業(株)製ポリウレタン)、オレスターUD500、若しくはUD350(三井化学(株)製ポリウレタン)、又は、タケラックW−615、W−6010、W−6020、W−6061、W−405、W−5030、W−5661、W−512A−6、W−635、若しくはWPB−6601(DIC(株)製)が挙げられる。また、自己架橋型のポリウレタン樹脂としては、WS−6021、WS−5000、WS−5100、WS−4000、WSA−5920、又はWF−764(三井武田ケミカル(株)製)が挙げられる。
スチレンブタジエンゴム樹脂は、特に限定されないが、スチレン、ブタジエン、アクリロニトリル、又はメタクリル酸メチルが挙げられる。
商業的に入手できるスチレンブタジエンゴム樹脂としては、例えば、NIPOL LX415、NIPOL LX407、NIPOL V1004、NIPOL MH8101、又はSX1105(日本ゼオン(株)製)等が挙げられる。
商業的に入手できるスチレンブタジエンゴム樹脂としては、例えば、NIPOL LX415、NIPOL LX407、NIPOL V1004、NIPOL MH8101、又はSX1105(日本ゼオン(株)製)等が挙げられる。
易接着層形成用組成物中、バインダーの含有量は、組成物中の全固形分に対して60〜95質量%であることが好ましく、70〜90質量%であることがより好ましい。
なお、バインダーは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上のバインダーを併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
なお、バインダーは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上のバインダーを併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
(脂肪族ワックス(滑り剤))
易接着層形成用組成物は、脂肪族ワックス(滑り剤)を含有することが好ましい。易接着層形成用組成物に脂肪族ワックスが含まれることで、易接着層付き基材の表面の滑り性が良好となるほか、易接着層付き基材と他の部材との易接着性にも優れる。
脂肪族ワックスとしては、カルナバワックス(市販品としては、例えばセロゾール524、中京油脂(株)製)、キャンデリラワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、パームワックス、ロジン変性ワックス、オウリキュリーワックス、サトウキビワックス、エスバルトワックス、若しくはバークワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン、鯨ロウ、イボタロウ、若しくはセラックワックス等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、若しくはセレシンワックス等の鉱物系ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、若しくはペトロラクタム等の石油系ワックス;フィッシャートロプッシュワックス、ポリエチレンワックス、若しくは酸化ポリエチレンワックス;又は、ポリプロピレンワックス、若しくは酸化ポリフロピレンワックス等の合成炭化水素系ワックス等が挙げられる。なかでも、易接着層付き基材の表面の滑り性、又は易接着層付き基材と他の部材との易接着性により優れる観点から、カルナバワックス、パラフィンワックス、又はポリエチレンワックスが好ましく、カルナバワックスがより好ましい。環境への配慮、又は取り扱いのし易さの観点から、脂肪族ワックスは水分散体であることが好ましい。
易接着層形成用組成物は、脂肪族ワックス(滑り剤)を含有することが好ましい。易接着層形成用組成物に脂肪族ワックスが含まれることで、易接着層付き基材の表面の滑り性が良好となるほか、易接着層付き基材と他の部材との易接着性にも優れる。
脂肪族ワックスとしては、カルナバワックス(市販品としては、例えばセロゾール524、中京油脂(株)製)、キャンデリラワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、パームワックス、ロジン変性ワックス、オウリキュリーワックス、サトウキビワックス、エスバルトワックス、若しくはバークワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン、鯨ロウ、イボタロウ、若しくはセラックワックス等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、若しくはセレシンワックス等の鉱物系ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、若しくはペトロラクタム等の石油系ワックス;フィッシャートロプッシュワックス、ポリエチレンワックス、若しくは酸化ポリエチレンワックス;又は、ポリプロピレンワックス、若しくは酸化ポリフロピレンワックス等の合成炭化水素系ワックス等が挙げられる。なかでも、易接着層付き基材の表面の滑り性、又は易接着層付き基材と他の部材との易接着性により優れる観点から、カルナバワックス、パラフィンワックス、又はポリエチレンワックスが好ましく、カルナバワックスがより好ましい。環境への配慮、又は取り扱いのし易さの観点から、脂肪族ワックスは水分散体であることが好ましい。
易接着層形成用組成物中、脂肪族ワックスの含有量は、組成物中の全固形分に対して1〜10質量%であることが好ましく、2〜6質量%であることがより好ましい。1質量%以上であれば、易接着層付き基材の表面の滑り性により優れる。一方、10質量%以下であれば、易接着層付き基材と他の部材との易接着性により優れる。
なお、脂肪族ワックスは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の脂肪族ワックスを併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
なお、脂肪族ワックスは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の脂肪族ワックスを併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
(微粒子(マット剤))
易接着層形成用組成物は、微粒子(マット剤)を含有することが好ましい。微粒子が用いられることにより、易接着層付き基材の表面の滑り性が良好となり、ロールに巻き取る際に易接着層付き基材同士が接着しにくい。
微粒子としては、例えば、コロイダルシリカ(市販品としては、例えばスノーテックスUP、日産化学(株)製)、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、ケイ酸ソーダ、水酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化錫、三酸化アンチモン、カーボンブラック、若しくは二硫化モリブデン等の無機微粒子:又は、アクリル系架橋重合体、スチレン系架橋重合体、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、ナイロン樹脂、若しくはポリエチレンワックス等の有機微粒子;等が挙げられる。
これらのなかでも、水分散液中で沈降するのを避けるため、比重が3を超えない超微粒子が好ましく、コロイダルシリカがより好ましい。
易接着層形成用組成物は、微粒子(マット剤)を含有することが好ましい。微粒子が用いられることにより、易接着層付き基材の表面の滑り性が良好となり、ロールに巻き取る際に易接着層付き基材同士が接着しにくい。
微粒子としては、例えば、コロイダルシリカ(市販品としては、例えばスノーテックスUP、日産化学(株)製)、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、ケイ酸ソーダ、水酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化錫、三酸化アンチモン、カーボンブラック、若しくは二硫化モリブデン等の無機微粒子:又は、アクリル系架橋重合体、スチレン系架橋重合体、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、ナイロン樹脂、若しくはポリエチレンワックス等の有機微粒子;等が挙げられる。
これらのなかでも、水分散液中で沈降するのを避けるため、比重が3を超えない超微粒子が好ましく、コロイダルシリカがより好ましい。
微粒子の平均粒径は、易接着性、及び、取り扱い性等の点で、10〜600nmが好ましく、40〜200nmがより好ましい。
なお、上記微粒子の平均粒径の測定方法としては、顕微鏡(例えば、走査型電子顕微鏡)を用いて撮影された画像から任意に選択した100個の微粒子の粒子径(円相当径)を測定し、それらを算術平均して求める。なお、円相当径とは、観察時の粒子の投影面積と同じ投影面積をもつ真円を想定したときの円の直径である。
なお、上記微粒子の平均粒径の測定方法としては、顕微鏡(例えば、走査型電子顕微鏡)を用いて撮影された画像から任意に選択した100個の微粒子の粒子径(円相当径)を測定し、それらを算術平均して求める。なお、円相当径とは、観察時の粒子の投影面積と同じ投影面積をもつ真円を想定したときの円の直径である。
易接着層形成用組成物中、微粒子の含有量は、組成物中の全固形分に対して0.5〜5質量%であることが好ましい。微粒子の含有量が0.5質量%以上であれば易接着層付き基材の滑り性が良好となり、ロールに巻き取る際に易接着層付き基材同士が接着しにくい。一方、微粒子の含有量が5質量%以下であれば、易接着層の透明性に優れる。
(界面活性剤)
易接着層形成用組成物は、界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤が使用されることにより、易接着層が基材上に均一に配置されやすくなる。
易接着層形成用組成物は、界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤が使用されることにより、易接着層が基材上に均一に配置されやすくなる。
界面活性剤の種類は特に限定されず、公知の界面活性剤を使用することができ、例えば、イオン性界面活性剤(アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、又は両性界面活性剤)、又は、非イオン性界面活性剤(ノニオン性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、又はフッ素系界面活性剤)が挙げられ、易接着層の表面性状がより優れる点で、イオン性界面活性剤が好ましく、アニオン性界面活性剤がより好ましい。
また、アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤を併用してもよい。
また、アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤を併用してもよい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、若しくはドデシルフェニルエーテルスルホン酸塩等の芳香族スルホン酸系界面活性剤、モノソープ系アニオン性界面活性剤、エーテルサルフェート系界面活性剤、フォスフェート系界面活性剤、又はカルボン酸系界面活性剤等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、又は第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アルキルベタイン系界面活性剤、又はアミンオキサイド系界面活性剤等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤の例としては、ソルビタン脂肪酸エステル、若しくはポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の糖エステル系界面活性剤、ポリオキシエチレン樹脂酸エステル、若しくはポリオキシエチレン脂肪酸ジエチル等の脂肪酸エステル系界面活性剤、又は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、若しくはポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等のエーテル系界面活性剤等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、又は第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アルキルベタイン系界面活性剤、又はアミンオキサイド系界面活性剤等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤の例としては、ソルビタン脂肪酸エステル、若しくはポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の糖エステル系界面活性剤、ポリオキシエチレン樹脂酸エステル、若しくはポリオキシエチレン脂肪酸ジエチル等の脂肪酸エステル系界面活性剤、又は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、若しくはポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等のエーテル系界面活性剤等が挙げられる。
易接着層形成用組成物中、界面活性剤の含有量は、組成物中の全固形分に対して、0.5〜10質量%であることが好ましく、1〜5質量%がより好ましい。界面活性剤の含有量が0.5質量%以上であれば易接着性に優れる。一方、界面活性剤の含有量が10質量%以下であれば、基材と易接着層との間のドライ密着性及びウェット密着性がより優れる。
(架橋剤)
易接着層形成用組成物は、架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤は、上記バインダーを架橋する役割を果たす。架橋剤が使用される場合、形成される易接着層が架橋剤(例えば、後述するカルボジイミド化合物又はオキサゾリジン化合物)由来の架橋構造を有する。
架橋剤としては、例えば、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、又はメラミン化合物(C3N6H6)が好ましく、基材と易接着層との間のドライ密着性及びウェット密着性がより優れる観点から、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、アジリジン化合物、又はエポキシ化合物がより好ましく、カルボジイミド化合物が更に好ましい。
易接着層形成用組成物は、架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤は、上記バインダーを架橋する役割を果たす。架橋剤が使用される場合、形成される易接着層が架橋剤(例えば、後述するカルボジイミド化合物又はオキサゾリジン化合物)由来の架橋構造を有する。
架橋剤としては、例えば、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、又はメラミン化合物(C3N6H6)が好ましく、基材と易接着層との間のドライ密着性及びウェット密着性がより優れる観点から、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、アジリジン化合物、又はエポキシ化合物がより好ましく、カルボジイミド化合物が更に好ましい。
カルボジイミド化合物は、−N=C=N−で示される官能基(カルボジイミド基)をもつ化合物である。
カルボジイミド化合物としては、分子中に1個以上のカルボジイミド基を有する化合物(ポリカルボジイミド化合物を含む)が挙げられる。
モノカルボジイミド化合物としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、t−ブチルイソプロピルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ジ−t−ブチルカルボジイミド、ジ−β−ナフチルカルボジイミド、又は、N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド等が挙げられる。
ポリカルボジイミド化合物としては、その重合度が、下限が通常2以上、好ましくは4以上であり、上限が通常40以下、好ましくは、30以下であるものが使用され、米国特許第2941956号明細書、特公昭47−33279号公報、J.Org.Chem.28巻、p2069−2075(1963)、又はChemical Review 1981、81巻、第4号、p.619−621等に記載された方法により製造されたものが挙げられる。
また、カルボジイミド化合物は、例えば、カルボジライトV−02−L2又はカルボジライトV−05(いずれも日清紡(株)製)等の市販品としても入手可能である。
カルボジイミド化合物としては、分子中に1個以上のカルボジイミド基を有する化合物(ポリカルボジイミド化合物を含む)が挙げられる。
モノカルボジイミド化合物としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、t−ブチルイソプロピルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ジ−t−ブチルカルボジイミド、ジ−β−ナフチルカルボジイミド、又は、N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド等が挙げられる。
ポリカルボジイミド化合物としては、その重合度が、下限が通常2以上、好ましくは4以上であり、上限が通常40以下、好ましくは、30以下であるものが使用され、米国特許第2941956号明細書、特公昭47−33279号公報、J.Org.Chem.28巻、p2069−2075(1963)、又はChemical Review 1981、81巻、第4号、p.619−621等に記載された方法により製造されたものが挙げられる。
また、カルボジイミド化合物は、例えば、カルボジライトV−02−L2又はカルボジライトV−05(いずれも日清紡(株)製)等の市販品としても入手可能である。
オキサゾリン化合物は、分子中に1個以上の下記式(X)で示されるオキサゾリン基を有する化合物が挙げられる。
オキサゾリン化合物としては特に限定されないが、例えば、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン、2,2’−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−メチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−トリメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2、2’−ヘキサメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−オクタメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレン−ビス−(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレン−ビス−(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、ビス−(2−オキサゾリニルシクロヘキサン)スルフィド、又は、ビス−(2−オキサゾリニルノルボルナン)スルフィド等が挙げられる。
更に、これらの化合物の(共)重合体も好ましく用いられる。
また、オキサゾリン化合物は、例えば、エポクロスK−2020E、エポクロスK−2010E、エポクロスK−2020E、エポクロスK−2030E、エポクロスWS−300、エポクロスWS−500、又はエポクロスWS−700等の市販品(日本触媒(株)製)としても入手可能である。
更に、これらの化合物の(共)重合体も好ましく用いられる。
また、オキサゾリン化合物は、例えば、エポクロスK−2020E、エポクロスK−2010E、エポクロスK−2020E、エポクロスK−2030E、エポクロスWS−300、エポクロスWS−500、又はエポクロスWS−700等の市販品(日本触媒(株)製)としても入手可能である。
アジリジン化合物は、分子中に1個以上のアジリジン基を有する化合物であれば、特に限定されるものではない。アジリジン化合物としては、例えば、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、ビスイソフタロイル−1−(2−メチルアジリジン)、トリ−1−アジリジニルホスフィンオキサイド、トリメチロールプロパン−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、トリメチロールプロパン−トリス[3−(1−アジリジニル)ブチレート]、トリメチロールプロパン−トリス[3−(1−(2−メチル)アジリジニル)プロピオネート]、又はトリメチロールプロパン−トリス[3−(1−アジリジニル)−2−メチルプロピオネート]等が挙げられる。
市販品としては、例えば、ケミタイトDZ−22E、又は、ケミタイトPZ−33(日本触媒(株)製)等が挙げられる。
易接着層形成用組成物中、架橋剤の含有量は特に限定されないが、組成物中の全固形分に対して1〜30質量%であることが好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
なお、架橋剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の架橋剤を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
なお、架橋剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の架橋剤を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
≪易接着層の形成方法≫
易接着層の形成方法は、基材上に易接着層形成用組成物を塗布する工程を有していればよく、基材上に易接着層形成用組成物を塗布する工程と、基材上に形成された塗膜を加熱する工程と、を有していることが好ましい。
以下、各工程について説明する。
易接着層の形成方法は、基材上に易接着層形成用組成物を塗布する工程を有していればよく、基材上に易接着層形成用組成物を塗布する工程と、基材上に形成された塗膜を加熱する工程と、を有していることが好ましい。
以下、各工程について説明する。
(基材上に易接着層形成用組成物を塗布する工程)
易接着層形成用組成物の塗布方法としては、例えば、グラビアコーター又はバーコーター等の公知の塗布方法を利用することができる。また、オフラインコート法又はインラインコート法を用いてもよい。
易接着層形成用組成物の塗布方法としては、例えば、グラビアコーター又はバーコーター等の公知の塗布方法を利用することができる。また、オフラインコート法又はインラインコート法を用いてもよい。
易接着層形成用組成物は、必要に応じて、溶媒を含有してもよい。溶媒としては、水、又は、有機溶媒が挙げられ、両者を混合して使用してもよい。
有機溶媒としては、例えば、メタノール等のアルコール類(tert−ブチルアルコールは含まない。)、アセトン等のケトン類、ホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、酢酸ブチル等のエステル類、又はエーテル類等が挙げられる。
なお、溶媒は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ドライ密着性及びウェット密着性がより優れる観点から、易接着層形成用組成物は、水系であることが好ましい。ここで、易接着層形成用組成物が水系であるとは、溶媒中における水の含有量が溶媒全質量に対して50質量%以上であることを意味する。溶媒中における水の含有量は、溶媒全質量に対して40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、70質量%以上が更に好ましい。
有機溶媒としては、例えば、メタノール等のアルコール類(tert−ブチルアルコールは含まない。)、アセトン等のケトン類、ホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、酢酸ブチル等のエステル類、又はエーテル類等が挙げられる。
なお、溶媒は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ドライ密着性及びウェット密着性がより優れる観点から、易接着層形成用組成物は、水系であることが好ましい。ここで、易接着層形成用組成物が水系であるとは、溶媒中における水の含有量が溶媒全質量に対して50質量%以上であることを意味する。溶媒中における水の含有量は、溶媒全質量に対して40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、70質量%以上が更に好ましい。
易接着層形成用組成物が溶媒を含有する場合、塗布性の観点から、溶媒は、組成物全質量に対して5〜80質量%であることが好ましく、5〜70質量%であることがより好ましく、10〜60質量%であることが更に好ましい。
易接着層形成用組成物の塗布量は、0.5g/m2以上が好ましく、3g/m2以上がより好ましい。上限について特に限定はないが、50g/m2以下である。
(基材上に形成された塗膜を加熱する工程)
本発明の製造方法は、易接着層形成用組成物を塗布した後、加熱により易接着層形成用組成物を硬化させる工程を更に有することが好ましい。
加熱方法は特に限定されないが、好ましくは膜面温度50℃〜150℃、より好ましくは60℃〜120℃で、好ましくは30秒間〜5分間、より好ましくは30秒間〜3分間加熱すればよい。
本発明の製造方法は、易接着層形成用組成物を塗布した後、加熱により易接着層形成用組成物を硬化させる工程を更に有することが好ましい。
加熱方法は特に限定されないが、好ましくは膜面温度50℃〜150℃、より好ましくは60℃〜120℃で、好ましくは30秒間〜5分間、より好ましくは30秒間〜3分間加熱すればよい。
〔用途〕
本発明の製造方法により得られた易接着層付き基材は各種用途に使用することができる。具体的には、易接着層上に導電層を配置して導電性フィルムとして使用する態様、反射防止フィルムの支持体として使用する態様、又は表面保護フィルムとして用いる態様等が挙げられる。
また、上記易接着層付き基材は、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、又は陰極管表示装置(CRT)等の各種表示装置に用いることができる。
本発明の製造方法により得られた易接着層付き基材は各種用途に使用することができる。具体的には、易接着層上に導電層を配置して導電性フィルムとして使用する態様、反射防止フィルムの支持体として使用する態様、又は表面保護フィルムとして用いる態様等が挙げられる。
また、上記易接着層付き基材は、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、又は陰極管表示装置(CRT)等の各種表示装置に用いることができる。
以下に実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
〔易接着層形成用組成物1の調製〕
下記の成分を混合し、易接着層形成用組成物を調製した。
・バインダーA 6.53質量部
(アクリル系ポリマー、商品名「AS−563A」、ダイセルファインケム(株)製、固形分:27.5質量%)
・界面活性剤A 2.33質量部
(商品名「ナロアクティーCL95」、三洋化成工業(株)製、固形分:1質量%水溶液)
・界面活性剤B 1.46質量部
(商品名「ラピゾールA−90」、日油(株)製、固形分:1質量%水溶液)
・滑り剤A 2.73質量部
(カルナバワックス、商品名「セロゾール524」、中京油脂(株)製、固形分:3質量%水希釈)
・マット剤A 2.19質量部
(コロイダルシリカ、商品名「スノーテックスXL」、日産化学(株)製、固形分:2質量%水希釈)
・架橋剤A 6.54質量部
(カルボジイミド化合物、商品名「カルボジライトV−02−L2」、日清紡(株)製、固形分:5質量%)
・tert−ブチルアルコール 10.00質量部
・蒸留水 68.22質量部
下記の成分を混合し、易接着層形成用組成物を調製した。
・バインダーA 6.53質量部
(アクリル系ポリマー、商品名「AS−563A」、ダイセルファインケム(株)製、固形分:27.5質量%)
・界面活性剤A 2.33質量部
(商品名「ナロアクティーCL95」、三洋化成工業(株)製、固形分:1質量%水溶液)
・界面活性剤B 1.46質量部
(商品名「ラピゾールA−90」、日油(株)製、固形分:1質量%水溶液)
・滑り剤A 2.73質量部
(カルナバワックス、商品名「セロゾール524」、中京油脂(株)製、固形分:3質量%水希釈)
・マット剤A 2.19質量部
(コロイダルシリカ、商品名「スノーテックスXL」、日産化学(株)製、固形分:2質量%水希釈)
・架橋剤A 6.54質量部
(カルボジイミド化合物、商品名「カルボジライトV−02−L2」、日清紡(株)製、固形分:5質量%)
・tert−ブチルアルコール 10.00質量部
・蒸留水 68.22質量部
〔易接着層形成用組成物2〜17の調製〕
各成分及び含有量を第1表に記載のものに変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、易接着層形成用組成物2〜17を調製した。
各成分及び含有量を第1表に記載のものに変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、易接着層形成用組成物2〜17を調製した。
以下に、第1表に記載される上記以外の成分を示す。
・バインダーB:アクリル系ポリマー
(商品名「アクリディック 52−668−BA」、DIC(株)製、固形分:45質量%)
・架橋剤B:オキサゾリン化合物
(商品名「エポクロスWS−500」、日本触媒(株)製、固形分:5質量%水希釈)
・架橋剤C:アジリジン化合物
(商品名「ケミタイトPZ−33」、日本触媒(株)製、固形分:5質量%水希釈)
・架橋剤D:カルボジイミド化合物
(商品名「カルボジライトV−05」、日清紡(株)製、固形分:100質量%)
・バインダーB:アクリル系ポリマー
(商品名「アクリディック 52−668−BA」、DIC(株)製、固形分:45質量%)
・架橋剤B:オキサゾリン化合物
(商品名「エポクロスWS−500」、日本触媒(株)製、固形分:5質量%水希釈)
・架橋剤C:アジリジン化合物
(商品名「ケミタイトPZ−33」、日本触媒(株)製、固形分:5質量%水希釈)
・架橋剤D:カルボジイミド化合物
(商品名「カルボジライトV−05」、日清紡(株)製、固形分:100質量%)
〔易接着層付き基材の製造〕
<実施例1>
環状オレフィン系樹脂からなる基材(開環重合により合成されたCOPフィルム)である基材A(商品名「ZF14」日本ゼオン(株)製、膜厚40μm)の一方の表面上に、バーコーターを用いて易接着層形成用組成物1を、乾燥後の膜厚が55nmになるように塗布した。その後、易接着層形成用組成物1が塗布された基材Aを60℃で1分間乾燥させて、易接着層付き基材を製造した。なお、基材Aは、カルボキシ基及び水酸基を実質的に有さない。
易接着層の膜厚はアンリツ社製の電子マイクロ膜厚計で測定した。
<実施例1>
環状オレフィン系樹脂からなる基材(開環重合により合成されたCOPフィルム)である基材A(商品名「ZF14」日本ゼオン(株)製、膜厚40μm)の一方の表面上に、バーコーターを用いて易接着層形成用組成物1を、乾燥後の膜厚が55nmになるように塗布した。その後、易接着層形成用組成物1が塗布された基材Aを60℃で1分間乾燥させて、易接着層付き基材を製造した。なお、基材Aは、カルボキシ基及び水酸基を実質的に有さない。
易接着層の膜厚はアンリツ社製の電子マイクロ膜厚計で測定した。
[評価]
実施例1の製造方法により得られた易接着層付き基材に対して下記の評価を行った。
(ドライ密着性評価)
易接着層付き基材の易接着層側の表面にカッターで格子状の切り込みを入れた。具体的には、100個(10個×10個(1個の大きさ:1mm×1mm))の正方形を形成し、切れ込みを入れた易接着層の表面にテープ(ニチバン社製、商品名「セロテープ(登録商標)405」)を貼り合わせた。その後、貼り合せたテープを、易接着層表面に対して垂直方向に剥がし、残った易接着層の正方形の個数を数え、下記の評価基準に従ってドライ時の密着性を評価した。結果を第2表に示す。なお、実用上、評価が「3」以上であることが好ましい。
実施例1の製造方法により得られた易接着層付き基材に対して下記の評価を行った。
(ドライ密着性評価)
易接着層付き基材の易接着層側の表面にカッターで格子状の切り込みを入れた。具体的には、100個(10個×10個(1個の大きさ:1mm×1mm))の正方形を形成し、切れ込みを入れた易接着層の表面にテープ(ニチバン社製、商品名「セロテープ(登録商標)405」)を貼り合わせた。その後、貼り合せたテープを、易接着層表面に対して垂直方向に剥がし、残った易接着層の正方形の個数を数え、下記の評価基準に従ってドライ時の密着性を評価した。結果を第2表に示す。なお、実用上、評価が「3」以上であることが好ましい。
≪評価基準≫
「5」: 90個以上
「4」: 70個以上89個以下
「3」: 50個以上69個以下
「2」: 25個以上49個以下
「1」: 24個以下
「5」: 90個以上
「4」: 70個以上89個以下
「3」: 50個以上69個以下
「2」: 25個以上49個以下
「1」: 24個以下
(ウェット密着性評価)
易接着層付き基材の易接着層側の表面にカッターで格子状の切り込みを入れた。具体的には、100個(10個×10個(1個の大きさ:1mm×1mm))の正方形を形成した。次いで、連続加重式引掻強度試験機(新東科学株式会社製、商品名「Heidon 18S」)を用いて、濡らした布(旭化成社製、商品名「ベンコット」)を使用して、下記の条件で上記易接着層付き基材の易接着層側の表面に擦過試験を施した。
残った易接着層の正方形の個数を数え、下記の評価基準に従って密着性を評価した。結果を第2表に示す。なお、実用上、評価が「3」以上であることが好ましい。
易接着層付き基材の易接着層側の表面にカッターで格子状の切り込みを入れた。具体的には、100個(10個×10個(1個の大きさ:1mm×1mm))の正方形を形成した。次いで、連続加重式引掻強度試験機(新東科学株式会社製、商品名「Heidon 18S」)を用いて、濡らした布(旭化成社製、商品名「ベンコット」)を使用して、下記の条件で上記易接着層付き基材の易接着層側の表面に擦過試験を施した。
残った易接着層の正方形の個数を数え、下記の評価基準に従って密着性を評価した。結果を第2表に示す。なお、実用上、評価が「3」以上であることが好ましい。
≪擦過条件≫
・荷重:100g
・回数:10往復
・速度:1000mm/min
・擦り長さ:50mm、
・荷重:100g
・回数:10往復
・速度:1000mm/min
・擦り長さ:50mm、
≪評価基準≫
「5」: 90個以上
「4」: 70個以上89個以下
「3」: 50個以上69個以下
「2」: 25個以上49個以下
「1」: 24個以下
「5」: 90個以上
「4」: 70個以上89個以下
「3」: 50個以上69個以下
「2」: 25個以上49個以下
「1」: 24個以下
<実施例2〜12、比較例1〜8>
易接着層形成用組成物の種類、又は、基材の種類を第2表に記載のものに変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、実施例2〜12、比較例1〜8の易接着層付き基材を製造した。なお、比較例1の易接着層付き基材の製造においては、易接着層形成用組成物を塗布する側の表面に2kJ/m2の条件でコロナ放電処理を施し、その後、易接着層形成用組成物を塗布した。
易接着層形成用組成物の種類、又は、基材の種類を第2表に記載のものに変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、実施例2〜12、比較例1〜8の易接着層付き基材を製造した。なお、比較例1の易接着層付き基材の製造においては、易接着層形成用組成物を塗布する側の表面に2kJ/m2の条件でコロナ放電処理を施し、その後、易接着層形成用組成物を塗布した。
以下に、実施例9、10で使用される基材を示す。
・基材B:開環重合COCフィルム(商品名「ARTON D4540」、JSR(株)製、膜厚40μm)
基材Bは、水酸基及びカルボキシ基を有する。
・基材C:非開環重合COCフィルム(商品名「TOPAS」、TOPAS ADVANCED POLYMERS社製、膜厚100μm)
基材Cは、水酸基及びカルボキシ基を実質的に有さない。
・基材B:開環重合COCフィルム(商品名「ARTON D4540」、JSR(株)製、膜厚40μm)
基材Bは、水酸基及びカルボキシ基を有する。
・基材C:非開環重合COCフィルム(商品名「TOPAS」、TOPAS ADVANCED POLYMERS社製、膜厚100μm)
基材Cは、水酸基及びカルボキシ基を実質的に有さない。
次いで、実施例2〜12、比較例1〜8の製造方法により得られた易接着層付き基材に対して、実施例1と同様の評価を実施した。結果を第2表に示す。
第2表において、アルコールの含有量は、組成物全質量に対する量(質量%)を意味する。
第2表において、アルコールの含有量は、組成物全質量に対する量(質量%)を意味する。
第2表の結果から、実施例の易接着層付き基材の製造方法によれば、ドライ密着性及びウェット密着性に優れた易接着層付き基材を製造できることが確認された。
実施例1〜7の対比により、tert−ブチルアルコールの含有量が、組成物全質量に対して15〜50質量%(好ましくは20〜50質量%、より好ましくは20〜40質量%)である場合、ドライ密着性及びウェット密着性をより優れた程度で両立できることが確認された。
実施例3と実施例8の対比により、易接着層形成用組成物の溶媒を水系とした場合、ドライ密着性及びウェット密着性をより優れた程度で両立できることが確認された。
実施例3、9及び10の対比により、環状オレフィン系樹脂からなる基材が、開環重合により合成され、カルボキシ基及び水酸基のいずれも有さないシクロオレフィン(COP)フィルムである場合、ドライ密着性及びウェット密着性をより優れた程度で両立できることが確認された。
実施例3、11及び12の対比により、易接着層形成用組成物が架橋剤としてカルボジイミド化合物を含有する場合、ドライ密着性及びウェット密着性をより優れた程度で両立できることが確認された。
実施例1〜7の対比により、tert−ブチルアルコールの含有量が、組成物全質量に対して15〜50質量%(好ましくは20〜50質量%、より好ましくは20〜40質量%)である場合、ドライ密着性及びウェット密着性をより優れた程度で両立できることが確認された。
実施例3と実施例8の対比により、易接着層形成用組成物の溶媒を水系とした場合、ドライ密着性及びウェット密着性をより優れた程度で両立できることが確認された。
実施例3、9及び10の対比により、環状オレフィン系樹脂からなる基材が、開環重合により合成され、カルボキシ基及び水酸基のいずれも有さないシクロオレフィン(COP)フィルムである場合、ドライ密着性及びウェット密着性をより優れた程度で両立できることが確認された。
実施例3、11及び12の対比により、易接着層形成用組成物が架橋剤としてカルボジイミド化合物を含有する場合、ドライ密着性及びウェット密着性をより優れた程度で両立できることが確認された。
一方、比較例の接着層付き基材の製造方法では、ドライ密着性及びウェット密着性を両立できず、特にウェット密着性が所望の要求を満たさなかった。
〔導電性フィルムの製造〕
<アンチハレーション(AH)層及び乳剤層の積層>
(アンチハレーション(AH)層)
ゼラチン100gに対して、下記固体分散染料Aを84g含む塗布液を調製した。
・固体分散染料A
<アンチハレーション(AH)層及び乳剤層の積層>
(アンチハレーション(AH)層)
ゼラチン100gに対して、下記固体分散染料Aを84g含む塗布液を調製した。
・固体分散染料A
(ハロゲン化銀感光材料)
水媒体中のAg(150g)に対してゼラチン10.0gを含む、球相当径平均0.1μmの沃臭塩化銀粒子(I=0.2モル%、Br=40モル%)を含有する透明導電層用の感光材料用の乳剤を調製した。また、この乳剤中にK3Rh2Br9及びK2IrCl6を濃度が10−7(モル/モル銀)になるように添加し、臭化銀粒子にRhイオンとIrイオンをドープした。この乳剤にNa2PdCl4を添加し、更に、塩化金酸とチオ硫酸ナトリウムを用いて金硫黄増感を行い、ハロゲン化銀感光材料を得た。
水媒体中のAg(150g)に対してゼラチン10.0gを含む、球相当径平均0.1μmの沃臭塩化銀粒子(I=0.2モル%、Br=40モル%)を含有する透明導電層用の感光材料用の乳剤を調製した。また、この乳剤中にK3Rh2Br9及びK2IrCl6を濃度が10−7(モル/モル銀)になるように添加し、臭化銀粒子にRhイオンとIrイオンをドープした。この乳剤にNa2PdCl4を添加し、更に、塩化金酸とチオ硫酸ナトリウムを用いて金硫黄増感を行い、ハロゲン化銀感光材料を得た。
(透明導電層用の感光材料付きフィルム)
ゼラチン硬膜剤と共に、ハロゲン化銀感光材料中の銀の塗布量(塗布銀量)を銀で換算して7g/m2となるように、また、AH層の膜厚が1μmとなるように、作製した実施例1の易接着層付き基材上に、環状オレフィン系基材/易接着層/AH層/透明導電層用の感光材料(ハロゲン化銀感光材料)の順になるよう同時重層塗布を行った。この際、透明導電層用の感光材料中のAg/ゼラチン体積比は2/1とした。
その後、高圧水銀ランプを光源とした平行光を用いて、導電性細線(銀像)を与えうるフォトマスクを介して、上記で作製した透明導電層用の感光材料を露光した。次に、下記の現像液で現像し、更に定着液(商品名:CN16X用N3X−R:富士フイルム社製)を用いて現像処理を行った後、純水でリンスし、導電層を有する導電性フィルムを得た。
ゼラチン硬膜剤と共に、ハロゲン化銀感光材料中の銀の塗布量(塗布銀量)を銀で換算して7g/m2となるように、また、AH層の膜厚が1μmとなるように、作製した実施例1の易接着層付き基材上に、環状オレフィン系基材/易接着層/AH層/透明導電層用の感光材料(ハロゲン化銀感光材料)の順になるよう同時重層塗布を行った。この際、透明導電層用の感光材料中のAg/ゼラチン体積比は2/1とした。
その後、高圧水銀ランプを光源とした平行光を用いて、導電性細線(銀像)を与えうるフォトマスクを介して、上記で作製した透明導電層用の感光材料を露光した。次に、下記の現像液で現像し、更に定着液(商品名:CN16X用N3X−R:富士フイルム社製)を用いて現像処理を行った後、純水でリンスし、導電層を有する導電性フィルムを得た。
(現像液の組成)
現像液1リットル(L)中に、以下の化合物が含まれる。現像液は、下記化合物以外に更に水(残量部)を含む。
ハイドロキノン 0.037mol/L
N−メチルアミノフェノール 0.016mol/L
メタホウ酸ナトリウム 0.140mol/L
水酸化ナトリウム 0.360mol/L
臭化ナトリウム 0.031mol/L
メタ重亜硫酸カリウム 0.187mol/L
現像液1リットル(L)中に、以下の化合物が含まれる。現像液は、下記化合物以外に更に水(残量部)を含む。
ハイドロキノン 0.037mol/L
N−メチルアミノフェノール 0.016mol/L
メタホウ酸ナトリウム 0.140mol/L
水酸化ナトリウム 0.360mol/L
臭化ナトリウム 0.031mol/L
メタ重亜硫酸カリウム 0.187mol/L
Claims (8)
- 環状オレフィン系樹脂からなる基材と、前記基材の表面に配置された易接着層とを有する易接着層付き基材の製造方法であって、
前記基材上に、易接着層形成用組成物を塗布して易接着層を形成する工程を有し、
前記易接着層形成用組成物が、tert−ブチルアルコールを含有する、易接着層付き基材の製造方法。 - 前記tert−ブチルアルコールの含有量が、前記組成物全質量に対して15〜50質量%である、請求項1に記載の易接着層付き基材の製造方法。
- 前記tert−ブチルアルコールの含有量が、前記組成物全質量に対して20〜40質量%である、請求項1又は請求項2に記載の易接着層付き基材の製造方法。
- 前記易接着層形成用組成物が水系である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の易接着層付き基材の製造方法。
- 前記易接着層形成用組成物がカルボジイミド化合物を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の易接着層付き基材の製造方法。
- 前記環状オレフィン系樹脂が、開環重合により合成された樹脂である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の易接着層付き基材の製造方法。
- 前記環状オレフィン系樹脂が、カルボキシ基及び水酸基をいずれも有さない、請求項1〜6のいずれか1項に記載の易接着層付き基材の製造方法。
- 環状オレフィン系樹脂からなる基材と、前記基材の表面に配置された易接着層と、前記易接着層上に配置された導電層とを有する導電性フィルムの製造方法であって、
前記基材上に、tert−ブチルアルコールを含有する易接着層形成用組成物を塗布して易接着層を形成する工程と、
前記易接着層上に導電層を形成する工程と、を有する、導電性フィルムの製造方法。
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---|---|---|---|---|
CN112280078A (zh) * | 2019-07-22 | 2021-01-29 | 柯尼卡美能达株式会社 | 层叠膜及其制造方法 |
-
2016
- 2016-07-14 JP JP2016139426A patent/JP2018008446A/ja active Pending
Cited By (2)
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CN112280078A (zh) * | 2019-07-22 | 2021-01-29 | 柯尼卡美能达株式会社 | 层叠膜及其制造方法 |
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