JP2018003726A - 内燃機関の過給システム - Google Patents
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Abstract
【課題】目的は、簡易な構成でコンプレッサの正逆判別が可能な内燃機関の過給システムを提供すること。【解決手段】過給システムは、コンプレッサに接続されたサンギヤと、エンジンの出力軸に接続されたキャリアと、SCモータの出力軸に接続されたリングギヤと、を備え、これらギヤの各々の回転数が共線関係を有するように構成された遊星歯車機構と、エンジン回転数NEを取得する内燃機関回転数取得手段と、SCモータの回転数NMを取得する電動発電機回転数取得手段と、エンジン回転数NEとモータ回転数NMと共線関係とを用いることによって正転時には正値とし逆転時には負値としたコンプレッサの回転数の推定値NSC_hatを算出する回転数推定手段と、NSC_hatが正である場合にはコンプレッサ4は正転していると判定し、NSC_hatが負である場合にはコンプレッサ4は逆転していると判定する正逆判定手段と、を備える。【選択図】図5
Description
本発明は、内燃機関の過給システムに関する。より詳しくは、コンプレッサに接続された第1回転要素と、内燃機関の出力軸に接続された第2回転要素と、電動発電機の出力軸に接続された第3回転要素と、第2回転要素と内燃機関の出力軸との間で動力を伝達する内燃機関動力伝達機構と、を備えた内燃機関の過給システムに関する。
特許文献1には、遊星歯車機構を備えたスーパチャージャに関する発明が示されている。特許文献1の発明では、コンプレッサの回転数と、電動発電機の回転数と、内燃機関の回転数との間で共線関係が成立するようにコンプレッサと内燃機関及び電動発電機の出力軸とを遊星歯車機構やベルト等を介して接続する。これにより、内燃機関の出力を利用してコンプレッサを回転駆動しつつ、内燃機関の回転数によらず電動発電機によってコンプレッサの回転数を変更することができる。
このようなスーパチャージャを備える過給システムにおいて、安定した過給圧制御を行うためには、コンプレッサの回転数を検出するコンプレッサの回転数センサが必要となる。またこのような回転数センサには、コンプレッサの回転角度に応じてパルス信号を発生する所謂ロータリエンコーダが用いられる場合が多い。
ところでコンプレッサは正転時に吸気を圧縮する機能を発揮するが、正転のみを許容し逆転を阻害するように構成されていない場合が多い。したがってコンプレッサは意図に反して逆転している場合もあることから、適切な過給圧制御を行うためには、コンプレッサの回転数は正逆を区別して把握する必要がある。これを実現するためには、回転数センサとして、コンプレッサの回転数の絶対値を検出する機能だけでなく正転と逆転とを判別する機能を備えたものを用いることが考えられる。しかしながら、上記のようなロータリエンコーダに正逆判別機能を付与すると、装置が大きくかつ高価になるおそれがある。
本発明は、各々の回転数が共線関係を有する第1〜第3回転要素にコンプレッサ、内燃機関、電動発電機が接続されたスーパチャージャを備えるものであって、簡易な構成でコンプレッサの正逆判別が可能な内燃機関の過給システムを提供することを目的とする。
(1)内燃機関の過給システム(例えば、後述の過給システムS)は、内燃機関(例えば、後述のエンジン1)の吸気通路(例えば、後述の吸気管2)に設けられたコンプレッサ(例えば、後述のコンプレッサ4)に接続された第1回転要素(例えば、後述のサンギヤ51)と、前記内燃機関の出力軸(例えば、後述の出力軸1a)に接続された第2回転要素(例えば、後述のキャリア53)と、電動発電機(例えば、後述のSCモータ6)の出力軸(例えば、後述の出力軸6a)に接続された第3回転要素(例えば、後述のリングギヤ54)と、を備え、前記第1、第2、及び第3回転要素の各々の回転数が共線関係を有するように構成されたスーパチャージャ(例えば、後述のスーパチャージャ3)と、前記内燃機関の回転数(NE)を取得する内燃機関回転数取得手段(例えば、後述のクランク角センサ91、及びECU8)と、前記電動発電機の回転数(NM)を取得する電動発電機回転数取得手段(例えば、後述のSCモータ回転数センサ96、及びECU8)と、前記取得した内燃機関回転数と前記取得した電動発電機回転数と前記共線関係とを用いることによって正転時には正値とし逆転時には負値とした前記コンプレッサの回転数の推定値(NSC_hat)を算出する回転数推定手段(例えば、後述のECU8)と、前記推定値が正である場合には前記コンプレッサは正転していると判定し、前記推定値が負である場合には前記コンプレッサは逆転していると判定する正逆判定手段(例えば、後述のECU8)と、を備える。
(2)この場合、前記過給システムは、前記コンプレッサの回転数を正逆区別せずに検出する回転数センサ(例えば、後述のコンプレッサ回転数センサ93)と、前記回転数センサの検出値と前記正逆判定手段による判定結果とを用いることによって、正転時には正値とし逆転時には負値とした前記コンプレッサの回転数の測定値(NSC_det)を算出する回転数測定手段(例えば、後述のECU8)と、を備え、前記回転数測定手段は、前記正逆判定手段によって正転していると判定された場合には前記回転数センサの検出値(NSC_abs)に値“1”を乗じたものを前記測定値とし、前記正逆判定手段によって逆転していると判定された場合には前記回転数センサの検出値に値“−1”を乗じたものを前記測定値とすることが好ましい。
(3)この場合、前記過給システムは、前記第2回転要素と前記内燃機関の出力軸との間で動力を伝達する内燃機関動力伝達機構(例えば、後述のエンジン動力伝達機構7)と、前記回転数測定手段による測定値と前記回転数推定手段による推定値との比又は差を用いることによって前記内燃機関動力伝達機構の劣化度合いを推定する劣化推定手段(例えば、後述のECU8)と、をさらに備えることが好ましい。
(4)この場合、前記過給システムは、前記吸気通路内において前記コンプレッサを回転可能状態又は回転不可能状態にするコンプレッサ制動手段(例えば、後述のSCクラッチ41)をさらに備えることが好ましい。
(5)この場合、前記過給システムは、前記吸気通路内において前記コンプレッサを回転可能状態又は回転不可能状態にするコンプレッサ制動手段と、前記コンプレッサ制動手段によって前記コンプレッサが回転不可能状態になっている間に所定のコンプレッサ予回転実行条件が満たされた場合には、前記コンプレッサ制動手段によって前記コンプレッサを回転可能状態にし、前記測定値が所定の目標回転数になるように前記電動発電機を制御する電動発電機制御手段と、をさらに備えることが好ましい。
(1)本発明では、各々の回転数が共線関係を有する第1〜第3回転要素にコンプレッサ、内燃機関の出力軸、及び電動発電機の出力軸を接続する。このようなスーパチャージャを用いることにより、内燃機関及び電動発電機の出力の両方を用いてコンプレッサの回転数や過給圧を制御することができる。またこのような共線関係が規定されたスーパチャージャを用いると、理論的には内燃機関回転数と電動発電機回転数と共線関係とを用いてコンプレッサの回転数を正逆区別して推定することができる。このようにして得られたコンプレッサの回転数の推定値の絶対値は、実際には様々な機械要素に滑りがあることを考慮すると誤差が大きく信頼性が低い。しかしながらこの推定値の正負、すなわち正逆の区別については、信頼性が高いと考えられる。本発明ではこれを利用して、上記のように算出したコンプレッサの回転数の推定値が正である場合には、コンプレッサは正転していると判定し、負である場合には逆転していると判定する。したがって本発明によれば、内燃機関回転数取得手段や電動発電機回転数取得手段等、通常の車両であれば搭載されている装置を用いた簡易な演算によりコンプレッサの正逆を判定することができる。
(2)上述のように共線関係を用いて算出される回転数の推定値の絶対値は誤差が多く信頼性が低い。そこで本発明では、コンプレッサの回転数を正逆区別せずに検出する回転数センサを設け、この回転数センサの検出値に、正転判定時には値“1”を乗じ、逆転判定時には値“−1”を乗じたものを回転数の測定値とする。これにより、正逆を区別する機能を備えない簡易な回転数センサを用いながら、正転時には正値とし逆転時には負値としたコンプレッサの回転数の測定値を精度良く算出することができる。
(3)上述のように共線関係を用いて算出される回転数の推定値は、様々な機械要素、とりわけ内燃機関の出力軸と第2回転要素との間で動力を伝達する内燃機関動力伝達機構における滑りに起因する誤差が大きい。したがって、内燃機関動力伝達機構が劣化し、滑りが大きくなると、測定値と推定値とのずれも大きくなると考えられる。本発明ではこれを利用して、測定値と推定値との比又は差を用いることによって内燃機関動力伝達機構の劣化度合いを推定する。これにより、簡易な構成で内燃機関動力伝達機構の劣化度合いを推定できる。
(4)コンプレッサ制動手段を用いてコンプレッサを回転不可能状態から回転可能状態に切り替えた直後であって、コンプレッサの回転数が0に近い状態では、コンプレッサは正転又は逆転の何れの状態にも転じ得る。したがって本発明では、このようなコンプレッサ制動手段と正逆判定手段とを組み合わせることにより、コンプレッサを回転不可能状態から回転可能状態に切り替えた直後の低回転領域からコンプレッサの正逆を判定できるので、応答性の高い過給圧制御を実現することができる。
(5)本発明では、コンプレッサが回転不可能状態である間に所定のコンプレッサ予回転実行条件が満たされた場合には、コンプレッサを回転不可能状態から回転可能状態に切り換え、さらに上述のように正逆区別して算出されたコンプレッサ回転数の測定値が所定の目標回転数になるように電動発電機を制御する。上記のようにコンプレッサを回転不可能状態から回転可能状態に切り替えた直後、すなわちコンプレッサの予回転を開始する直後は、コンプレッサは正転又は逆転の何れの状態にも転じ得る。これに対し本発明では、コンプレッサの予回転を実行する際には、正逆区別して算出される測定値を用いて電動発電機を制御することにより、コンプレッサが逆転していた場合であってもコンプレッサの回転数を速やかに上昇させることができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る内燃機関の過給システムSの構成を示す図である。過給システムSは、動力発生源であるエンジン1と、エンジン1の吸気を過給するスーパチャージャ3と、エンジン1及びスーパチャージャ3に設けられる各種装置を電子制御する電子制御ユニット(以下、「ECU」という)8と、を備える。過給システムSは、エンジン1のクランクシャフトと連結された出力軸1aで発生した動力を変速機TMで変速し、駆動輪W,Wを回転することによって走行する車両に搭載される。
図1は、本実施形態に係る内燃機関の過給システムSの構成を示す図である。過給システムSは、動力発生源であるエンジン1と、エンジン1の吸気を過給するスーパチャージャ3と、エンジン1及びスーパチャージャ3に設けられる各種装置を電子制御する電子制御ユニット(以下、「ECU」という)8と、を備える。過給システムSは、エンジン1のクランクシャフトと連結された出力軸1aで発生した動力を変速機TMで変速し、駆動輪W,Wを回転することによって走行する車両に搭載される。
エンジン1は、例えばガソリンを燃料とする多気筒のガソリンエンジンである。エンジン1には、気筒毎に燃料噴射弁及び点火プラグが設けられている。ECU8は、後述の吸気制御を実行することによってエンジン1の吸気管2を介して各気筒に導入される吸気量を制御しつつ、燃料噴射弁による燃料噴射量及び噴射時期並びに点火プラグによる点火時期を制御する。
吸気管2は、上流側であるエアクリーナ21から下流側であるエンジン1の各気筒の吸気ポートに至る配管であり、エアクリーナ21を介して外気を導入し、これを吸気としてエンジン1の各気筒に供給する。この吸気管2には、上流側から下流側へ向かって順に、吸気を過給するスーパチャージャ3のコンプレッサ4と、過給された吸気を冷却するインタークーラ22と、吸気流量を制御するスロットル弁23と、が設けられている。また吸気管2には、コンプレッサ4の入口側である上流側と出口側である下流側とを接続し、コンプレッサ4を迂回する吸気の流路を構成する吸気バイパス管24が設けられている。そしてこの吸気バイパス管24には、吸気バイパス弁25が設けられている。
スロットル弁23は、吸気管2内において開閉自在に設けられている。吸気管2を介してエンジン1に供給される吸気の流量は、このスロットル弁23の開度を調整することによって変化させることができる。スロットル弁23は、これを開閉駆動する図示しないアクチュエータ及びその駆動回路を介してECU8に接続されており、ECU8からの制御信号に応じて開閉する。
吸気バイパス弁25は、吸気バイパス管24内において開閉自在に設けられている。吸気バイパス管24を介してコンプレッサ4の入口側から出口側へ向かって流れる吸気の流量又は吸気バイパス管24を介してコンプレッサ4の出口側から入口側へ還流される吸気の流量は、この吸気バイパス弁25の開度を調整することによって変化させることができる。吸気バイパス弁25は、これを開閉駆動する図示しないアクチュエータ及びその駆動回路を介してECU8に接続されており、ECU8からの制御信号に応じて開閉する。
次に、スーパチャージャ3の構成について説明する。スーパチャージャ3は、コンプレッサ4と、SCクラッチ41と、遊星歯車機構5と、SCモータ6と、PDU61と、バッテリ62と、エンジン動力伝達機構7と、を備える。
コンプレッサ4は、例えば容量式のものであり、吸気管2内において回転軸55を中心として回転自在に設けられている。コンプレッサ4は、エンジン1及びSCモータ6の出力によって回転軸55を中心として回転し、吸気管2を流れる吸気を圧縮する。
SCクラッチ41は、コンプレッサ4の回転軸55と固定壁との接続を断続する。SCクラッチ41は、例えば電磁クラッチであり、図示しない駆動装置を介してECU8に接続されており、ECU8からの制御信号に応じてON/OFFする。SCクラッチ41がONになると、回転軸55と固定壁とが接続され、回転軸55及びコンプレッサ4は回転不可能状態になる。またSCクラッチ41がOFFになると、回転軸55と固定壁とが切断され、回転軸55及びコンプレッサ4は回転可能状態になる。ECU8によって、SCクラッチ41を用いてコンプレッサ4を回転不可能状態又は回転可能状態にする具体的な手順については、後に図4を参照して説明する。
遊星歯車機構5は、例えばシングルプラネタリ式のものが用いられる。遊星歯車機構5は、第1回転要素としてのサンギヤ51と、複数(例えば、3つ)のプラネタリギヤ52と、第2回転要素としてのキャリア53と、第3回転要素としてのリングギヤ54と、を備える。これらサンギヤ51、キャリア53、及びリングギヤ54は、互いに同心に設けられており、各々の回転数は、図3を参照して説明するように共線関係を有する。
サンギヤ51は回転軸55によってコンプレッサ4と接続されている。サンギヤ51はコンプレッサ4と同心である。したがって、サンギヤ51が回転すると、これと同じ速度でコンプレッサ4も回転する。すなわち、コンプレッサ4の回転数をNSCとし、サンギヤ51の回転数をNsとすると、これらの間には等式、NSC=Ns、が成立する。
リングギヤ54は、遊星歯車機構5の外周側に回転自在に設けられており、その内周面及び外周面には、内歯車及び外歯車がそれぞれ形成されている。このリングギヤ54の外歯車は、SCモータ6の出力軸6aに取り付けられたモータギヤ6bと接続されている。すなわち、SCモータ6の回転数をNMとし、モータギヤ6bとリングギヤ54の外歯車とのギヤ比をRG1とし、リングギヤ54の回転数をNrとすると、これらの間には等式、NM=−Nr・RG1、が成立する。
複数のプラネタリギヤ52は、サンギヤ51及びリングギヤ54の内歯車に噛み合っているとともにキャリア53によって回転自在に支持されている。このキャリア53は、エンジン動力伝達機構7を介してエンジン1の出力軸1aと接続されている。
エンジン動力伝達機構7は、エンジン側プーリ71と、キャリア側プーリ72と、これらプーリ71,72の間に巻きかけられた合成ゴム製のエンジンベルト73と、を備える。エンジン側プーリ71は、エンジン1の出力軸1aと同心にして設けられている。キャリア側プーリ72は、例えばエンジン側プーリ71と同径である。キャリア側プーリ72は、回転軸56によってキャリア53と接続されている。エンジン動力伝達機構7は、これらプーリ71,72及びエンジンベルト73によって、エンジン1の出力軸1aとキャリア53との間で動力を伝達する。なお、プーリ71,72を同径とすることにより、ベルト73のスリップを考慮しなければ、キャリア53の回転数とエンジン1の回転数とは同じになる。すなわち、エンジン1の回転数をNEとし、キャリア53の回転数をNcとし、ベルト73のスリップを無視すると、これらの間には等式、NE=Nc、が成立する。
SCモータ6は、電気エネルギーを用いて出力軸6aを回転させる機械エネルギーに変換する電動機の機能と、出力軸6aに作用する機械エネルギーを用いて電気エネルギーに変換する電動機の機能とを兼ね備えた電動発電機であり、PDU61を介してバッテリ62に接続されている。PDU61は、インバータやDC−DCコンバータ等によって構成され、ECU8から送信されるトルク指令信号に応じてSCモータ6とバッテリ62との間の電力の授受を制御する。このトルク指令信号とは、SCモータで発生させるべきトルクに対する指令に相当し、後述のSCモータ駆動制御(図4のS10、S11)において、ECUによって生成される。
図2は、以上のように構成されたスーパチャージャの作動領域を示す図である。図2では、横軸はエンジンの運転状態を特定するパラメータの1つであるエンジン回転数であり、縦軸はエンジンの運転状態を特定するパラメータの1つであるエンジン要求トルクである。図2に示すように、エンジンの運転領域は、負荷が低くスーパチャージャによる過給が要求されていない自然吸気領域と、負荷が高くスーパチャージャによる過給が要求されている過給領域とに分けられる。また過給領域はさらに、相対的に負荷が低くSCモータによる発電が実行可能である過給発電領域と、相対的に負荷が高くSCモータによるアシストが要求される過給アシスト領域と、に分けられる。
図3は、各運転領域において実現される遊星歯車機構の共線関係の典型的な例を示す図である。図3Aは、自然吸気領域において実現される共線関係の例を示し、図3Bは、過給領域中の過給発電領域において実現される共線関係の例を示し、図3Cは、過給領域中の過給アシスト領域において実現される共線関係の例を示す。
図3Aに示すように、自然吸気領域では、スーパチャージャによる過給が要求されていないことから、SCクラッチはONにされ、コンプレッサは回転不可能状態になり、したがってサンギヤの回転数Nsは0になる。この場合、リングギヤの回転数Nrは、キャリアの回転数Nc、すなわちエンジン回転数NEに比例する。したがって自然吸気領域では、SCモータでリングギヤの回転数Nrを減少させる向きのトルクを発生することにより、発電し、バッテリを充電することができる。またこの自然吸気領域では、スロットル弁の開度を調整することにより、過給圧を制御することが可能となっている。
図3Bに示すように、過給発電領域では、スーパチャージャによる過給が要求されていることから、SCクラッチはOFFにされ、コンプレッサは回転可能状態になる。コンプレッサが回転可能状態になると、エンジンの出力がコンプレッサに作用し、コンプレッサの回転数NSC、すなわちサンギヤの回転数Nsが上昇する。なお過給発電領域では、負荷がそれほど高くなく、コンプレッサの回転数NSCをさほど上昇させる必要がないことから、リングギヤの回転数Nrは正である。したがって過給発電領域では、コンプレッサを回転させて過給を実行しながら、自然吸気領域と同様にSCモータでリングギヤの回転数Nrを減少させる向きのトルクを発生することにより、発電し、バッテリを充電することができる。また過給発電領域では、SCモータで適切な向き及び大きさのトルクを発生させることにより、コンプレッサの回転数NSC及び過給圧を制御することが可能となっている。
図3Cに示すように、過給アシスト領域では、スーパチャージャによる過給が要求されていることから、SCクラッチはOFFにされ、コンプレッサは回転可能状態になる。過給アシスト領域は、上記過給発電領域よりも負荷が高く、目標過給圧も高く設定されるため、これを実現するためにコンプレッサ回転数NSCは過給発電領域よりも高くする必要がある。この場合、図3Cに示すように、リングギヤの回転数Nrを反転させる向きのトルクをSCモータで発生させ、リングギヤを反転させることによって実現される。またこの過給アシスト領域においても、SCモータで適切な向き及び大きさのトルクを発生させることにより、コンプレッサの回転数NSC及び過給圧を制御することが可能となっている。
図2に戻り、例えばエンジンの加速時において、エンジンの運転状態が自然吸気領域から過給領域に移行した場合を検討する。上述のように過給領域では、SCモータを用いてコンプレッサの回転数NSC、ひいては過給圧を制御することが可能である。しかしながら過給領域内において過給圧を運転者の要求に応じた大きさにするためには、コンプレッサの回転数をある程度まで上昇させる必要がある。このため、運転状態が過給領域に移行した時からコンプレッサを回転し始めると、過給遅れが生じてしまう。そこで、図2において太線で示す自然吸気領域と過給領域との境界付近には、コンプレッサを予回転させる予回転領域が規定される。このように、スーパチャージャによる過給が行われる蓋然性が高い運転領域に予回転領域を規定し、この予回転領域内ではコンプレッサの予回転を要求することにより、過給遅れを解消することができる。
図1に戻り、ECU8は、各種センサの検出信号をA/D変換するI/Oインターフェース、各種データを記憶するRAMやROM等の記憶装置、及び後述の図4に示す吸気制御や図7のブロック図に示す各種演算処理を実行するCPU等で構成される。
またECU8には、エンジン1やスーパチャージャ3等の状態を検出するための複数のセンサ91〜96が接続されている。
クランク角センサ91は、クランクシャフトに固定された図示しないパルサの回転に応じて、所定のクランク角毎にパルス信号をECU8へ送信する。ECU8では、このクランク角センサ91からのパルス信号に基づいてエンジン回転数NEが算出される。内燃機関回転数取得手段は、クランク角センサ91及びECU8によって構成される。アクセルペダルセンサ92は、車両の運転者が操作するアクセルペダルの操作量APを検出し、これに応じた検出信号をECU8へ送信する。
コンプレッサ回転数センサ93は、コンプレッサ4に固定された図示しないパルサの回転に応じて、所定の回転角毎にパルス信号をECU8へ送信する。なお、コンプレッサ回転数センサ93は、コンプレッサ4の正転時と逆転時とで同じ波形のパルス信号を発生する。すなわち、コンプレッサ回転数センサ93は、コンプレッサ4の回転数を正逆区別せずに検出する。ECU8は、この回転数センサ93からのパルス信号を用いた演算処理によって、コンプレッサ4の正転時には正値とし逆転時には負値としたコンプレッサ回転数を算出する。
過給圧センサ94は、吸気管2のうちコンプレッサ4及びスロットル弁23より下流側のインテークマニホルド内の圧力である過給圧を検出し、検出値に応じた信号をECU8へ送信する。ECU8では、この過給圧センサ94からの検出信号に基づいてエンジン1の過給圧と大気圧との比である圧力比PRが算出される。外気温センサ95は、外気温を検出し、検出値に応じた信号をECU8へ送信する。ECU8では、この外気温センサ95からの検出信号に基づいて外気温TAが算出される。
SCモータ回転数センサ96は、SCモータ6の出力軸6aに固定された図示しないパルサの回転に応じて、所定の回転角毎にパルス信号をECU8へ送信する。ECU8では、このSCモータ回転数センサ96からのパルス信号に基づいてSCモータ6の回転数NMが算出される。なお、SCモータ回転数センサ96から送信されるパルス信号は、SCモータ6の正転時と逆転時とで異なっている。このためECU8では、SCモータ8の正逆を区別してモータ回転数NMを算出することができる。以下では、モータ回転数NMは、SCモータ6の正転時には正値とし、逆転時には負値とする。電動発電機回転数取得手段は、SCモータ回転数センサ96及びECU8によって構成される。
図4は、吸気制御処理の具体的な手順を示すフローチャートである。この吸気制御処理は、ECUにおいて所定の制御周期で実行される。
始めにS1では、ECUは、エンジン回転数NE及びアクセルペダルの操作量APを取得し、これらを用いて図示しないマップを検索することにより、エンジンの要求トルクTRQ_Eを算出する。
次にS2では、ECUは、エンジン回転数NE及び要求トルクTRQ_Eを用いて、図示しない圧力比マップを検索することにより、圧力比PRに対する目標に相当する目標圧力比PR_refを算出する。
次にS3では、ECUは、コンプレッサ回転数の測定値NSC_detを算出する。上述のようにコンプレッサ回転数センサから送信されるパルス信号はコンプレッサの正逆を区別していないため、これをそのまま用いることはできない。そこでS3では、ECUは、コンプレッサ回転数センサから送信されるパルス信号を用いてコンプレッサの正転時には正値となり逆転時には負値となるように定義されたコンプレッサ回転数の測定値NSC_detを算出する。
図5は、測定値NSC_detを算出する手順を示すフローチャートである。
始めにS31では、ECUは、コンプレッサ回転数センサから送信されるパルス信号の単位時間当たりのパルス数を計数することによって、コンプレッサ回転数の絶対値NSC_absを算出する。
始めにS31では、ECUは、コンプレッサ回転数センサから送信されるパルス信号の単位時間当たりのパルス数を計数することによって、コンプレッサ回転数の絶対値NSC_absを算出する。
S32では、ECUは、エンジン回転数NEとSCモータ回転数NMと遊星歯車機構の共線関係とを用いることによって、正転時には正値とし逆転時には負値としたコンプレッサの回転数の推定値NSC_hatを算出する。上述のように、エンジン動力伝達機構におけるスリップを無視するとキャリアの回転数Ncとエンジン回転数NEは等しく、またリングギヤの回転数NrとSCモータ回転数NMとの間には既知の比例関係がある。また、サンギヤ、キャリア、及びリングギヤの各々の回転数の間には既知の共線関係があり、さらにサンギヤの回転数とコンプレッサの回転数とは等しい。したがって、ECUは、エンジン回転数NEとモータ回転数NMと共線関係とを用いることにより、コンプレッサの回転数の推定値NSC_hatを算出することができる。
S33では、ECUは、推定値NSC_hatが正であるか否かを判定する(NSC_hat>0)。S33の判定がYESである場合には、ECUは、コンプレッサは正転していると判定し、コンプレッサ回転数センサからのパルス信号を用いて算出された絶対値NSC_absに値“1”を乗じたものを測定値NSC_detとする(S34参照)。またS33の判定がNOである場合には、ECUは、コンプレッサは逆転していると判定し、絶対値NSC_absに値“−1”を乗じたものを測定値NSC_detとする(S35参照)。
次にS4では、ECUは、コンプレッサを回転させると仮定した場合に、この目標圧力比PR_refを実現するための回転数の測定値NSC_detに対する目標である目標回転数NSC_refを、目標圧力比PR_refに基づいて算出する。
次にS5では、ECUは、目標圧力比PR_ref、目標回転数NSC_ref、及び回転数測定値NSC_detに基づいて、現在のエンジンの運転状態に適した制御モードを決定する。
図6は、ECUにおいて定義されている複数の制御モードと、各制御モード間の移行条件とを示した制御モード遷移図である。図6に示すように、ECUには、自然吸気制御モードと、予回転制御モードと、過給移行モードと、過給制御モードと、自然吸気移行モードと、の5つの制御モードが定義されている。S5では、ECUは、エンジンを始動するイグニッションスイッチがONにされた直後の初期制御モードは自然吸気制御モードであるとして、その後の制御モードを図6の遷移図に従って決定する。
先ず、自然吸気制御モードとは、コンプレッサによる過給を行わず、自然吸気によってエンジンに吸気を供給する制御モードである。エンジンの運転状態が自然吸気領域内である場合には、原則として自然吸気制御モードが選択される。過給制御モードとは、コンプレッサによる過給を実行しながら、エンジンに吸気を供給する制御モードである。エンジンの運転状態が過給領域内である場合には、原則として過給制御モードが選択される。
予回転制御モードとは、過給制御モードへの移行に備えてコンプレッサの予回転を実行する制御モードである。自然吸気制御モードから過給制御モードへ移行する際には、必ず予回転制御モードが実行される。過給移行モードとは、コンプレッサの予回転が実質的に完了した後、過給制御モードへの移行に備えて予回転の状態を維持する制御モードである。過給移行モードは、エンジンの運転状態が自然過給領域内に留まりながら長時間にわたって予回転制御モードが実行された場合に実行される。自然吸気移行モードとは、自然吸気制御モードに移行する前に、回転中のコンプレッサを減速させる制御モードである。過給制御モードから自然吸気制御モードへ移行する際には、必ず自然吸気移行モードが実行される。
自然吸気制御モードから予回転制御モードへの移行条件は、目標圧力比PR_refが過給領域と自然吸気領域とを分ける過給開始閾値PR_ON(例えば、PR_ON=1.0)よりもやや小さな値に設定された予回転開始閾値PR_TR_s(例えば、PR_TR_s=0.9)以上であること(PR_ref≧PR_TR_s)、である。また予回転制御モードから自然吸気制御モードへの移行条件は、目標圧力比PR_refが、予回転開始閾値PR_TR_sよりもやや小さな値に設定された予回転終了閾値PR_TR_e(例えば、PR_TR_e=0.75)以下であること(PR_ref≦PR_TR_e)、である。
次に、予回転制御モードから過給制御モードへの移行条件は、目標圧力比PR_refが過給開始閾値PR_ON以上であり(PR_ref≧PR_ON)、すなわちエンジンの運転状態が過給領域内であり、かつ、回転数測定値NSC_detが目標回転数NSC_refよりも小さな値に設定された予回転終了回転数NSC_TR(例えば、NSC_TR=1000)以上であること、である。なお、過給制御モードから予回転制御モードへ移行することはない。
次に、予回転制御モードから過給移行モードへの移行条件は、目標回転数NSC_refと回転数測定値NSC_detとの差の絶対値が十分に小さな閾値ΔN(例えば、ΔN=500)より小さいこと(|NSC_ref−NSC_det|<ΔN)、である。また過給移行モードから予回転制御モードへの移行条件は、目標回転数NSC_refと回転数測定値NSC_detとの差の絶対値が閾値ΔNより大きいこと(|NSC_ref−NSC_det|>ΔN)、である。
次に、過給移行モードから過給制御モードへの移行条件は、目標圧力比PR_refが過給開始閾値PR_ON以上であること(PR_ref≧PR_ON)、すなわちエンジンの運転状態が過給領域内であること、である。なお、過給制御モードから過給移行モードへ移行することはない。
次に、過給制御モードから自然吸気移行モードへの移行条件は、目標圧力比PR_refが過給開始閾値PR_ONよりも小さな値に設定された過給終了閾値PR_OFF(例えば、PR_OFF=0.75)以下であること(PR_ref≦PR_OFF)、である。また、自然吸気移行モードから過給制御モードへの移行条件は、目標圧力比PR_refが過給開始閾値PR_ONと過給終了閾値PR_OFFとの間に設定された過給再開閾値PR_RST(例えば、PR_RST=0.9)以上であること(PR_ref≧PR_RST)、である。
次に、自然吸気移行モードから自然吸気制御モードへの移行条件は、目標圧力比PR_refが過給終了閾値PR_OFF以下であり、かつ、回転数測定値NSC_detが予回転終了回転数NSC_TR以下であること(NSC_det≦NSC_TR)、である。なお、自然吸気制御モードから自然吸気移行モードへ移行することはない。
図4に戻り、S6では、ECUは、選択されている制御モードに応じたスロットル弁の開度制御を実行する。より具体的には、現在選択されている制御モードが、自然吸気制御モード、予回転制御モード、及び自然過給移行モードのうちの何れかである場合には、ECUは、圧力比PRが目標圧力比PR_refになるように所定のフィードバック制御則に従ってスロットル弁の開度の目標を設定し、この目標が実現されるようにスロットル弁を駆動する。また現在選択されている制御モードが過給制御モード又は過給移行モードである場合には、ECUは、エンジンの運転状態によらず、スロットル弁の開度が全開になるようにスロットル弁を駆動する。
S7では、ECUは、選択されている制御モードに応じた吸気バイパス弁の開度制御を実行する。より具体的には、現在選択されている制御モードが、自然吸気制御モード、予回転制御モード、及び自然吸気移行モードのうちの何れかである場合には、ECUは、エンジンの運転状態によらず、吸気バイパス弁の開度が全開になるように吸気バイパス弁を駆動する。また現在選択されている制御モードが、過給移行モード又は過給制御モードである場合には、ECUは、エンジンの運転状態によらず、吸気バイパス弁の開度が全閉になるように吸気バイパス弁を駆動する。
S8では、ECUは、選択されている制御モードに応じたSCクラッチのON/OFF制御を実行する。より具体的には、現在選択されている制御モードが、自然吸気制御モードである場合、ECUは、SCクラッチをONにし、コンプレッサを回転不可能状態にする。また現在選択されている制御モードが、予回転制御モード、過給移行モード、過給制御モード、及び自然吸気移行モードのうちの何れかである場合、ECUは、SCクラッチをOFFにし、コンプレッサを回転可能状態にする。
S9では、ECUは、現在選択されている制御モードは自然吸気制御モードであるか否かを判定する。S9の判定がYESである場合、すなわち、上述のようにSCクラッチがONになっており、コンプレッサが回転不可能状態である場合には、ECUは、自然吸気時SCモータ駆動制御を実行し(S10参照)、この処理を終了する。図3Aを参照して説明したように、エンジンの運転状態が自然吸気領域内である場合には、SCモータでリングギヤの回転数を減少させる向きのトルクを発生することにより、発電し、バッテリを充電することができる。この自然吸気時SCモータ駆動制御では、ECUは、バッテリの状態に応じて適切なトルク指令信号を生成し、PDUへ入力する。またS9の判定がNOである場合、すなわち、SCクラッチがOFFになっており、コンプレッサが回転可能状態である場合には、ECUは、過給時SCモータ駆動制御を実行し(S11参照)、この処理を終了する。
図7は、S11における過給時SCモータ駆動制御の手順を説明するためのブロック図である。
図7に示す制御系は、ECUからPDUへのトルク指令信号の入力からコンプレッサ回転数センサの出力までのダイナミクスを表した第1プラントPscと、コンプレッサ回転数センサの出力から過給圧センサの出力までのダイナミクスを表した第2プラントPpipeと、コンプレッサ回転数センサの出力に相当する回転数測定値NSC_det及びその目標回転数NSC_refとを用いてモータトルク指令信号を生成するSC回転数制御系81と、過給圧センサの出力である圧力比PR及びその目標圧力比PR_refを用いてモータトルク指令信号を生成する過給圧制御系83と、SC回転数制御系81及び過給圧制御系83の何れかの出力を選択するセレクタ85と、SC回転数制御系81又は過給圧制御系83によって生成されたモータトルク指令信号を所定の上限又は下限で制限し、これをトルク指令信号としてPDUへ入力するリミッタ87と、によって構成される。図7に示す制御系のうち、SC回転数制御系81、過給圧制御系83、セレクタ85、及びリミッタ87は、ECUにおける演算によって実現される。
図7に示す制御系は、ECUからPDUへのトルク指令信号の入力からコンプレッサ回転数センサの出力までのダイナミクスを表した第1プラントPscと、コンプレッサ回転数センサの出力から過給圧センサの出力までのダイナミクスを表した第2プラントPpipeと、コンプレッサ回転数センサの出力に相当する回転数測定値NSC_det及びその目標回転数NSC_refとを用いてモータトルク指令信号を生成するSC回転数制御系81と、過給圧センサの出力である圧力比PR及びその目標圧力比PR_refを用いてモータトルク指令信号を生成する過給圧制御系83と、SC回転数制御系81及び過給圧制御系83の何れかの出力を選択するセレクタ85と、SC回転数制御系81又は過給圧制御系83によって生成されたモータトルク指令信号を所定の上限又は下限で制限し、これをトルク指令信号としてPDUへ入力するリミッタ87と、によって構成される。図7に示す制御系のうち、SC回転数制御系81、過給圧制御系83、セレクタ85、及びリミッタ87は、ECUにおける演算によって実現される。
セレクタ85は、現在選択されている制御モードに応じて、SC回転数制御系81の出力によって算出されるトルク指令信号又は過給圧制御系83によって算出されるモータトルク指令信号を選択し、これをリミッタ87へ入力する。セレクタ85における選択手順については、後に説明する。リミッタ87は、モータトルク指令信号が所定の上限(例えば、30Nm)を超える場合にはこの上限をトルク指令信号としてPDUへ入力し、モータトルク指令信号が所定の下限(例えば、−30Nm)を下回る場合にはこの下限をトルク指令信号としてPDUへ入力し、モータトルク指令信号が上記上限と下限の範囲内である場合にはこのモータトルク指令信号をトルク指令信号としてPDUへ入力する。
過給圧制御系83は、規範モデル演算部831と、FF演算部832と、遅延部833と、PID制御器834と、アンチワインドアップコントローラ835と、加算部836と、を備える。
規範モデル演算部831は、過給システムの現在の状態、特にエンジン動力伝達機構の状態を反映させた規範モデルを用いることによって目標圧力比PR_refを修正し修正目標圧力比PR_ref´を算出する。この規範モデル演算部831における具体的な演算手順については、後に図8を参照して説明する。
FF演算部832は、修正目標圧力比PR_ref´を、予め同定された第1プラントPsc及び第2プラントPpipeの逆モデルに入力し、この逆モデルの出力をFF制御入力とし、これを加算部836へ入力する。
遅延部833は、所定の制御周期分(例えば、第1プラントへの入力から第2プラントにおける出力までの遅れに相当する周期分)だけ修正目標圧力比PR_ref´を遅延させてPID制御器834へ入力する。PID制御器834は、遅延された修正目標圧力比PR_ref´と圧力比PRとの偏差に基づいてPID制御則に従ってこの偏差を無くすようなFB制御入力を算出し、これを加算部836へ入力する。アンチワインドアップコントローラ835は、リミッタ87の出力を用いることによって、PID制御器834の出力を補正する。
加算部836は、以上のようにして算出されたFF制御入力とFB制御入力とを合算することにより、圧力比PRが目標圧力比PR_ref又は修正目標圧力比PR_ref´になるようなモータトルク指令信号を生成し、セレクタ85へ入力する。
図8は、規範モデル演算部831において目標圧力比PR_refから修正目標圧力比PR_ref´を算出する手順を示すフローチャートである。
S21では、ECUは、外気温TAに基づいて、図9に示すような基本マップを検索することによって、基準伝達許容トルクTRQ_tr_bsを算出する。この基準伝達許容トルクTRQ_tr_bsは、エンジン動力伝達機構の2つのプーリ71,72の間で伝達可能なトルクである伝達許容トルクTRQ_trの基準値に相当する。図9の例によれば、基準伝達許容トルクTRQ_tr_bsは、外気温TAが低いほど、より小さな値に設定される。これは、外気温TAが低いほど、合成ゴム製のエンジンベルト73とプーリ71,72との間での摩擦抵抗が小さくなることに伴い、伝達可能なトルクが低下することを反映している。
S22では、ECUは、エンジン回転数NEに基づいて、図10に示すような補正係数マップを検索することにより、補正係数Ktrを算出する。この補正係数Ktrは、エンジン回転数NEの変化に伴う伝達許容トルクTRQ_trの変動を補正するためのものである。図10の例によれば、エンジン回転数NEが高いほど、より小さな値に設定される。これは、エンジン回転数NEが高いほど、エンジンベルト73とプーリ71,72との間で伝達可能なトルクが減少することを反映している。
S23では、ECUは、基準伝達許容トルクTRQ_tr_bsに補正係数Ktrを乗算し、これを伝達許容トルクTRQ_trとする。S24では、ECUは、伝達許容トルクTRQ_trが要求トルクTRQ_Eより大きいか否か(TRQ_tr>TRQ_E)を判定する。S24の判定がYESである場合、要求トルクTRQ_Eをエンジン動力伝達機構で伝達しても、スリップは発生しないと判断し、目標圧力比PR_refをそのまま修正目標圧力比PR_ref´とする(S25参照)。
またS24の判定がNOである場合、要求トルクTRQ_Eをエンジン動力伝達機構で伝達すると、スリップが発生するおそれがあると判断し、エンジン回転数NE及び伝達許容トルクTRQ_trを用いて、図4のS2で参照した圧力比マップを検索することより、修正目標圧力比PR_ref´を算出する(S26参照)。ここで、修正目標圧力比PR_ref´は、目標圧力比PR_refを算出するために用いられた要求トルクTRQ_Eよりも小さい伝達許容トルクTRQ_trを用いて算出されることから、修正目標圧力比PR_ref´は、目標圧力比PR_refよりも小さい。
S27では、ECUは、エンジン動力伝達機構におけるスリップの有無を判定するスリップ判定処理を実行し、図8の処理を終了する。
図11は、図8のS27におけるスリップ判定処理の具体的な手順を示すフローチャートである。
S51では、図5のS34又はS35で算出した回転数測定値NSC_detと図5のS32で算出した回転数推定値NSC_hatとを用いることによって、エンジン動力伝達機構におけるスリップ率を算出する。上述のように推定値NSC_hatは、エンジン動力伝達機構におけるスリップは無く、エンジン回転数NEとキャリアの回転数Ncとが等しいものと仮定して導出されたものである。このため、コンプレッサ回転数センサを用いて算出される測定値NSC_detは推定値NSC_hatよりも小さく、またその差はエンジン動力伝達機構におけるスリップが大きいほど大きくなる。したがって、S51では、ECUは、測定値NSC_detを推定値NSC_hatで除算したものの絶対値を値“1”から減算したものをスリップ率Rslipと定義し、このスリップ率Rslipを算出する(Rslip=1−|NSC_det/NSC_hat|)。
S51では、図5のS34又はS35で算出した回転数測定値NSC_detと図5のS32で算出した回転数推定値NSC_hatとを用いることによって、エンジン動力伝達機構におけるスリップ率を算出する。上述のように推定値NSC_hatは、エンジン動力伝達機構におけるスリップは無く、エンジン回転数NEとキャリアの回転数Ncとが等しいものと仮定して導出されたものである。このため、コンプレッサ回転数センサを用いて算出される測定値NSC_detは推定値NSC_hatよりも小さく、またその差はエンジン動力伝達機構におけるスリップが大きいほど大きくなる。したがって、S51では、ECUは、測定値NSC_detを推定値NSC_hatで除算したものの絶対値を値“1”から減算したものをスリップ率Rslipと定義し、このスリップ率Rslipを算出する(Rslip=1−|NSC_det/NSC_hat|)。
S52では、ECUは、スリップ率Rslipが、0から1の間で設定された所定の劣化判定閾値R_NGよりもより大きいか否かを判定する(Rslip>R_NG)。S52の判定がNOである場合、ECUは、スリップ率は低く、したがってエンジン動力伝達機構は劣化していないと判断し、エンジン動力伝達機構に劣化が生じたことを示すための劣化フラグF_NGを0にし(S53参照)、図11の処理を終了する。
S52の判定がYESである場合、ECUは、スリップ率は高く、したがってエンジン動力伝達機構は劣化していると判断し、劣化フラグF_NGを1にする(S54参照)。またS55では、ECUは、スリップ率Rslipを用いることにより、伝達許容トルクTRQ_trを算出する際に用いられる基本マップ(図9参照)及び補正係数マップ(図10参照)を補正する。
より具体的には、ECUは、スリップ率Rslipを用いて予め定められたマップを検索することによって補正値を算出し、この補正値分だけ基本マップにおける基準伝達許容トルクTRQ_tr_bsを、その勾配を概ね維持しながら下方側へ補正する。また補正係数マップについても同様に、ECUは、スリップ率Rslipを用いて予め定められたマップを検索することによって補正値を算出し、この補正値分だけ補正係数における補正係数を、その勾配を概ね維持しながら下方側へ補正する。これにより、スリップ率Rslipが大きくなるほど、これら基本マップ及び補正係数マップを用いて算出される伝達許容トルクTRQ_trは小さな値に見積もられるため、修正目標圧力比PR_ref´も目標圧力比PR_refに対し小さな値に見積もられる。このため、エンジン動力伝達機構が劣化し、スリップが生じやすくなったとしても、スリップが生じないように目標圧力比PR_refが修正されるため、車両全体でのエネルギー効率を向上することができる。
図7に戻り、SC回転数制御系81は、規範モデル演算部811と、FF演算部812と、遅延部813と、PID制御器814と、加算部815と、を備える。
規範モデル演算部811は、過給圧制御系83の規範モデル演算部831と同様の手順により、目標回転数NSC_refを修正することによって修正目標回転数NSC_ref´を算出する。
FF演算部812は、修正目標回転数NSC_ref´を、予め同定された第1プラントPscの逆モデルに入力し、この逆モデルの出力をFF制御入力とし、これを加算部815へ入力する。
遅延部813は、所定の制御周期分(例えば、第1プラントへの入力から第1プラントにおける出力までの遅れに相当する周期分)だけ修正目標回転数NSC_ref´を遅延させてPID制御器814へ入力する。PID制御器814は、遅延された修正目標回転数NSC_ref´と回転数測定値NSC_detとの偏差に基づいてPID制御則に従ってこの偏差を無くすようなFB制御入力を算出し、これを加算部815へ入力する。
加算部815は、以上のようにして算出されたFF制御入力とFB制御入力とを合算することにより、回転数測定値NSC_detが目標回転数NSC_ref又は修正目標回転数NSC_ref´になるようなモータトルク指令信号を生成し、セレクタ85へ入力する。
セレクタ85は、現在選択されている制御モードが、過給移行モード又は過給制御モードである場合には、圧力比PRが目標圧力比PR_ref(又は修正目標圧力比PR_ref´)になるように過給圧制御系83によって算出されたモータトルク指令信号を選択し、これをリミッタ86へ入力する。
またセレクタ85は、現在選択されている制御モードが、予回転制御モード又は自然吸気移行モードである場合には、回転数測定値NSC_detが目標回転数NSC_ref(又は修正目標回転数NSC_ref´)になるようにSC回転数制御系81によって算出されたモータトルク指令信号を選択し、これをリミッタ86へ入力する。上述のように予回転制御モード又は自然吸気移行モード時には、スロットル弁を用いて圧力比PRを目標圧力比PR_refに制御する過給圧制御が実行される。そこでセレクタ85は、このスロットル弁を用いた過給圧制御と干渉しないようにするため、制御モードが予回転制御モード又は自然吸気移行モードである場合には、SC回転数制御系81を用いてコンプレッサの回転数制御を実行する。
本実施形態の過給システムSによれば、以下の効果を奏する。
(1)過給システムSでは、各々の回転数が共線関係を有するサンギヤ51、キャリア53、及びリングギヤ54にコンプレッサ4、エンジン1の出力軸1a、及びSCモータ6の出力軸6aを接続する。このようなスーパチャージャ3を用いることにより、エンジン1及びSCモータ6の出力の両方を用いてコンプレッサ4の回転数や圧力比を制御することができる。またこのような共線関係が規定されたスーパチャージャ3を用いると、理論的にはエンジン回転数NEとSCモータ回転数NMと共線関係とを用いてコンプレッサ4の回転数を正逆区別して推定することができる。このようにして得られたコンプレッサ4の回転数の推定値NSC_hatの絶対値は、実際には様々な機械要素、特にエンジン動力伝達機構7に大きな滑りがあることを考慮すると誤差が大きく信頼性が低い。しかしながらこの推定値NSC_hatの正負、すなわち正逆の区別については、信頼性が高いと考えられる。過給システムSではこれを利用して、上記のように算出した推定値NSC_hatが正である場合には、コンプレッサ4は正転していると判定し、負である場合には逆転していると判定する。したがって過給システムSによれば、クランク角センサ91やSCモータ回転数センサ96等、通常の車両であれば搭載されている装置を用いた簡易な演算によりコンプレッサ4の正逆を判定することができる。
(1)過給システムSでは、各々の回転数が共線関係を有するサンギヤ51、キャリア53、及びリングギヤ54にコンプレッサ4、エンジン1の出力軸1a、及びSCモータ6の出力軸6aを接続する。このようなスーパチャージャ3を用いることにより、エンジン1及びSCモータ6の出力の両方を用いてコンプレッサ4の回転数や圧力比を制御することができる。またこのような共線関係が規定されたスーパチャージャ3を用いると、理論的にはエンジン回転数NEとSCモータ回転数NMと共線関係とを用いてコンプレッサ4の回転数を正逆区別して推定することができる。このようにして得られたコンプレッサ4の回転数の推定値NSC_hatの絶対値は、実際には様々な機械要素、特にエンジン動力伝達機構7に大きな滑りがあることを考慮すると誤差が大きく信頼性が低い。しかしながらこの推定値NSC_hatの正負、すなわち正逆の区別については、信頼性が高いと考えられる。過給システムSではこれを利用して、上記のように算出した推定値NSC_hatが正である場合には、コンプレッサ4は正転していると判定し、負である場合には逆転していると判定する。したがって過給システムSによれば、クランク角センサ91やSCモータ回転数センサ96等、通常の車両であれば搭載されている装置を用いた簡易な演算によりコンプレッサ4の正逆を判定することができる。
(2)過給システムSでは、コンプレッサ4の回転数を正逆区別せずに検出するコンプレッサ回転数センサ93を設け、このコンプレッサ回転数センサ93の検出値NSC_absに、正転判定時には値“1”を乗じ、逆転判定時には値“−1”を乗じたものを回転数の測定値NSC_detとする。これにより、正逆を区別する機能を備えない簡易なコンプレッサ回転数センサ93を用いながら、正転時には正値とし逆転時には負値としたコンプレッサ4の回転数の測定値NSC_detを精度良く算出することができる。
(3)過給システムSでは、測定値NSC_detと推定値NSC_hatとの比を用いることによってエンジン動力伝達機構7のスリップ率Rslipを算出し、このスリップ率Rslipを用いてエンジン動力伝達機構7の劣化度合いを推定する。これにより、簡易な構成でエンジン動力伝達機構7の劣化度合いを推定できる。
(4)過給システムSでは、SCクラッチ41と、上述のようにコンプレッサ4の正逆判定機能を備えたECU8とを組み合わせることにより、コンプレッサ4を回転不可能状態から回転可能状態に切り替えた直後の低回転領域からコンプレッサ4の正逆を判定できるので、応答性の高い過給圧制御を実現することができる。
(5)過給システムSでは、コンプレッサ4が回転不可能状態である間に所定のコンプレッサ予回転実行条件が満たされたことに応じて制御モードが自然吸気制御モードから予回転制御モードに移行した場合には、SCクラッチ41をOFFにし、コンプレッサ4を回転不可能状態から回転可能状態に切り換え、さらに上述のように正逆区別して算出されたコンプレッサ回転数の測定値NSC_detが所定の目標回転数NSC_refになるようにSC回転数制御系81を利用してSCモータ6を制御する。上記のようにコンプレッサ4を回転不可能状態から回転可能状態に切り替えた直後、すなわち予回転制御モードへの移行直後は、コンプレッサ4は正転又は逆転の何れの状態にも転じ得る。これに対し過給システムSでは、コンプレッサ4の予回転を実行する際には、正逆区別して算出される測定値NSC_detを用いてSCモータ6を制御することにより、コンプレッサ4が逆転していた場合であっても、コンプレッサ4の回転数を速やかに上昇させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限らない。本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜変更してもよい。
例えば上記実施形態では、遊星歯車機構5のサンギヤ51にコンプレッサ4を接続し、キャリア53にエンジン1の出力軸6aを接続し、リングギヤ54にSCモータ6の出力軸6aを接続したが、本発明はこの組み合わせに限らず、他の組み合わせとしてもよい。
S…過給システム
1…エンジン(内燃機関)
1a…出力軸
2…吸気管(吸気通路)
3…スーパチャージャ
4…コンプレッサ
41…SCクラッチ(コンプレッサ制動手段)
51…サンギヤ(第1回転要素)
53…キャリア(第2回転要素)
54…リングギヤ(第3回転要素)
6…SCモータ(電動発電機)
6a…出力軸
7…エンジン動力伝達機構(内燃機関動力伝達機構)
8…ECU(内燃機関回転数取得手段、電動発電機回転数取得手段、回転数推定手段、正逆判定手段、回転数測定手段、劣化推定手段、電動発電機制御手段)
91…クランク角センサ(内燃機関回転数取得手段)
93…コンプレッサ回転数センサ(回転数センサ)
96…SCモータ回転数センサ(電動発電機回転数取得手段)
1…エンジン(内燃機関)
1a…出力軸
2…吸気管(吸気通路)
3…スーパチャージャ
4…コンプレッサ
41…SCクラッチ(コンプレッサ制動手段)
51…サンギヤ(第1回転要素)
53…キャリア(第2回転要素)
54…リングギヤ(第3回転要素)
6…SCモータ(電動発電機)
6a…出力軸
7…エンジン動力伝達機構(内燃機関動力伝達機構)
8…ECU(内燃機関回転数取得手段、電動発電機回転数取得手段、回転数推定手段、正逆判定手段、回転数測定手段、劣化推定手段、電動発電機制御手段)
91…クランク角センサ(内燃機関回転数取得手段)
93…コンプレッサ回転数センサ(回転数センサ)
96…SCモータ回転数センサ(電動発電機回転数取得手段)
Claims (5)
- 内燃機関の吸気通路に設けられたコンプレッサに接続された第1回転要素と、前記内燃機関の出力軸に接続された第2回転要素と、電動発電機の出力軸に接続された第3回転要素と、を備え、前記第1、第2、及び第3回転要素の各々の回転数が共線関係を有するように構成されたスーパチャージャを備えた内燃機関の過給システムであって、
前記内燃機関の回転数を取得する内燃機関回転数取得手段と、
前記電動発電機の回転数を取得する電動発電機回転数取得手段と、
前記取得した内燃機関回転数と前記取得した電動発電機回転数と前記共線関係とを用いることによって正転時には正値とし逆転時には負値とした前記コンプレッサの回転数の推定値を算出する回転数推定手段と、
前記推定値が正である場合には前記コンプレッサは正転していると判定し、前記推定値が負である場合には前記コンプレッサは逆転していると判定する正逆判定手段と、を備えることを特徴とする内燃機関の過給システム。 - 前記コンプレッサの回転数を正逆区別せずに検出する回転数センサと、
前記回転数センサの検出値と前記正逆判定手段による判定結果とを用いることによって、正転時には正値とし逆転時には負値とした前記コンプレッサの回転数の測定値を算出する回転数測定手段と、を備え、
前記回転数測定手段は、前記正逆判定手段によって正転していると判定された場合には前記回転数センサの検出値に値“1”を乗じたものを前記測定値とし、前記正逆判定手段によって逆転していると判定された場合には前記回転数センサの検出値に値“−1”を乗じたものを前記測定値とすることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の過給システム。 - 前記第2回転要素と前記内燃機関の出力軸との間で動力を伝達する内燃機関動力伝達機構と、
前記回転数測定手段による測定値と前記回転数推定手段による推定値との比又は差を用いることによって前記内燃機関動力伝達機構の劣化度合いを推定する劣化推定手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の過給システム。 - 前記吸気通路内において前記コンプレッサを回転可能状態又は回転不可能状態にするコンプレッサ制動手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の内燃機関の過給システム。
- 前記吸気通路内において前記コンプレッサを回転可能状態又は回転不可能状態にするコンプレッサ制動手段と、
前記コンプレッサ制動手段によって前記コンプレッサが回転不可能状態になっている間に所定のコンプレッサ予回転実行条件が満たされた場合には、前記コンプレッサ制動手段によって前記コンプレッサを回転可能状態にし、前記測定値が所定の目標回転数になるように前記電動発電機を制御する電動発電機制御手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の内燃機関の過給システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016132766A JP2018003726A (ja) | 2016-07-04 | 2016-07-04 | 内燃機関の過給システム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2016132766A JP2018003726A (ja) | 2016-07-04 | 2016-07-04 | 内燃機関の過給システム |
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JP2018003726A true JP2018003726A (ja) | 2018-01-11 |
Family
ID=60946068
Family Applications (1)
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JP2016132766A Pending JP2018003726A (ja) | 2016-07-04 | 2016-07-04 | 内燃機関の過給システム |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2018003726A (ja) |
-
2016
- 2016-07-04 JP JP2016132766A patent/JP2018003726A/ja active Pending
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