JP2018003626A - ディーゼルエンジンの排気処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】DOC再生処理が必要な時期を見逃す不具合を抑制することができるディーゼルエンジンの排気処理装置を提供する。【解決手段】DOC再生処理S8では、可燃性ガスの火炎燃焼でエンジン排気が昇温され、このエンジン排気の熱でDOCに詰まっている未燃堆積物が焼却されて、DOCが再生されるように構成された、ディーゼルエンジンの排気処理装置において、DOC再生要求報知部品と、DOC再生開始操作部品を備え、DPF再生処理S2が所定時間経過しても終了しないDPF再生失敗時には、これを検出した電子制御装置の指令により、DOC再生要求報知部品がDOC再生要求を報知S6し、その後、DOC再生開始操作部品が再生開始操作された場合には、これを検出した電子制御装置の指令により、DOC再生処理S8がなされるように構成されている。【選択図】 図2

Description

本発明は、ディーゼルエンジンの排気処理装置に関し、詳しくは、DOC再生時期を見逃す不具合を抑制することができるディーゼルエンジンの排気処理装置に関する。
従来、ディーゼルエンジンの排気処理装置として、次のものがある (例えば、特許文献1参照)。
エンジン排気経路に配置されたDPFと、DPFの排気上流側に配置されたDOCと、電子制御装置を備え、
電子制御手段の指令によりDPF再生処理とDOC再生処理がなされ、
DPF再生処理では、DOCによる可燃性ガスの触媒燃焼でエンジン排気が昇温され、このエンジン排気の熱でDPFに堆積したPMが焼却されて、DPFが再生され、
DOC再生処理では、可燃性ガスの火炎燃焼でエンジン排気が昇温され、このエンジン排気の熱でDOCに詰まっている未燃堆積物が焼却されて、DOCが再生されるように構成された、ディーゼルエンジンの排気処理装置。
この種の排気処理装置では、DPF再生処理により、DPFの継続使用が可能となる利点がある。
特許文献1の発明では、DPF再生時期とDOC再生時期が、再生休止のインターバルによって識別される。
特開2014−196722号公報(図3、図4参照)
《問題点》 DOC再生時期を見逃すおそれがある。
特許文献1の発明では、DPF再生時期とDOC再生時期が、再生休止のインターバルによって識別されるため、正確な識別が困難であり、DOC再生時期を見逃すおそれがある。
本発明の課題は、DOC再生時期を見逃す不具合を抑制することができるディーゼルエンジンの排気処理装置を提供することにある。
(請求項1と請求項2に共通する発明特定事項)
図1に例示するように、エンジン排気経路(2)に配置されたDPF(3)と、DPF(3)の排気上流側に配置されたDOC(16)と、電子制御装置(1)を備え、
図2または図3に例示するように、電子制御手段(1)の指令によりDPF再生処理(S2)とDOC再生処理(S8)がなされ、
図1に例示するように、DPF再生処理(S2)では、DOC(16)による可燃性ガス(8)の触媒燃焼でエンジン排気(9)が昇温され、このエンジン排気(9)の熱でDPF(3)に堆積したPMが焼却されて、DPF(3)が再生され、
DOC再生処理(S8)では、可燃性ガス(8)の火炎燃焼でエンジン排気(9)が昇温され、このエンジン排気(9)の熱でDOC(16)に詰まっている未燃堆積物が焼却されて、DOC(16)が再生されるように構成された、ディーゼルエンジンの排気処理装置。
(請求項1に固有の発明特定事項)
図1に例示するように、DOC再生要求報知部品(10)と、DOC再生開始操作部品(11)を備え、
図2に例示するように、DPF再生処理(S2)が所定時間経過しても終了しないDPF再生失敗時には、DOC再生要求報知部品(10)がDOC再生要求を報知(S6)し、その後、DOC再生開始操作部品(11)が再生開始操作された場合には、DOC再生処理(S8)がなされるように構成されている、ことを特徴とするディーゼルエンジンの排気処理装置。
(請求項2に固有の発明特定事項)
図3に例示するように、DPF再生処理(S2)が所定時間経過しても終了しないDPF再生失敗時には、DOC再生処理(S8)がなされるように構成されている、ことを特徴とするディーゼルエンジンの排気処理装置。
(請求項1に係る発明)
請求項1に係る発明は、次の効果を奏する。
《効果》 DOC再生時期を見逃す不具合を抑制することができる。
図2に例示するように、本発明では、DPF再生失敗時には、DOC(16)の目詰まりに起因する失敗か否かに拘わらず、DOC再生要求報知部品(10)がDOC再生要求を報知(S6)するため、DOC再生時期を見逃す不具合を抑制することができる。
(請求項2に係る発明)
請求項2に係る発明は、次の効果を奏する。
《効果》 DOC再生時期を見逃す不具合を抑制することができる。
図2に例示するように、本発明では、DPF再生失敗時には、DOC(16)の目詰まりに起因する失敗か否かに拘わらず、自動的にDOC再生処理(S8)がなされるため、DOC再生時期を見逃す不具合を抑制することができる。
(請求項3に係る発明)
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 正確な故障診断を行うことができる。
本発明では、DOC再生後の再度のDPF再生失敗の事象が生じた場合には、事後的にこの事象を故障診断コードで確認することができるため、故障診断時にDPF再生失敗がDOCの目詰まりに起因するものでなく、DOCの触媒機能低下等によるものであることを推定することができ、正確な故障診断を行うことができる。
(請求項4に係る発明)
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 簡単な構造の可燃性ガス生成器でDPF再生処理が可能となる。
図1に例示するように、本発明では、可燃性ガス生成触媒(4)を内蔵した可燃性ガス生成器(5)により可燃性ガス(8)を生成することができるため、簡単な構造の可燃性ガス生成器(5)でDPF再生処理(S2)が可能となる。
(請求項5に係る発明)
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 エンジン排気の温度が低い場合でも、DPFの再生処理が可能となる。
本発明では、DPF再生処理(S2)で、DOC(16)の推定温度が所定の活性化温度に至っていない場合には、着火部品(17)で可燃性ガス(8)に着火がなされ、可燃性ガス(8)の火炎燃焼でDOC(16)が昇温されるため、エンジン排気(9)の温度が低い場合でも、DPF(3)の再生処理(S2)(S11)が可能となる。
(請求項6に係る発明)
請求項6に係る発明は、請求項5に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 DOCの活性化と同様にして、DOC再生処理をすることができる。
図1に例示するように、DOC再生処理(S8)では、DPF再生処理(S2)でのDOC(16)の活性化と同様にして、着火部品(17)で可燃性ガス(8)に着火がなされるため、DOC(16)の活性化と同様にして、DOC再生処理(S8)をすることができる。
(請求項7に係る発明)
請求項7に係る発明は、請求項6に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 次回のDPFの再生処理が容易になる。
本発明では、DPF(3)の再生処理(S2)の終了とDOC(16)の再生処理(S8)の終了の後、可燃性ガス生成器(5)に残留した液体燃料(6)がパージされるため、DPF(3)やDOC(16)の正常な再生処理(S2)(S8)の終了がなされた場合には、可燃性ガス生成器(5)に液体燃料(6)が残留せず、次回のDPF(3)やDOC(16)の再生処理(S2)(S8)が容易になる。
《効果》 燃料パージ処理に用いる部品や制御をDPFやDOCの再生処理に用いるものと兼用することができる。
本発明では、燃料パージ処理は、DPF(3)やDOC(16)の再生処理(S2)(S8)と同様にして行われるため、燃料パージ処理に用いる部品や制御をDPF(3)やDOC(16)の再生処理(S2)(S8)に用いるものと兼用することができる。
本発明の第1実施形態に係るディーゼルエンジンの搭載機械の模式図である。 図1の第1実施形態で用いる制御装置によるDPF再生処理とDOC再生処理のフローチャートである。 本発明の第2実施形態の図2相当図である。
図1、図2は本発明の第1実施形態に係るディーゼルエンジンの搭載機械を説明する図、図3は本発明の第2実施形態に係るディーゼルエンジンの搭載機械を説明する図である。
まず、第1実施形態について説明する。
このエンジン搭載機械は、ディーゼルエンジン(15)を搭載している。
このエンジン搭載機械には、農業用トラクタ、田植え機等の農業機械、バックホー等の建設機械、フォークリフト等の運搬機械、エンジン発電機等の定置型機械等の産業用機械を用いることができる。
図1に示すように、このエンジン搭載機械に搭載したディーゼルエンジン(15)は、クランクケース(18)内に架設されたクランク軸(19)と、シリンダ(20)に内嵌されたピストン(21)と、クランク軸(19)とピストン(21)の間に介設されたコンロッド(22)と、シリンダ(20)内に形成された燃焼室(22)と、吸気装置(図示せず)と、燃料供給装置(23)と、電子ガバナ(30)と、排気装置(24)を備えている。
吸気装置は、燃焼室(22)に空気(7)を供給する。
燃料供給装置(23)は、燃料タンク(25)と、燃料フィードポンプ(26)と、燃料噴射ポンプ(27)と、燃料噴射カム軸(28)と、燃焼室(22)に設けられた燃料噴射弁(29)を備え、燃料タンク(25)内の液体燃料(6)は、燃料フィードポンプ(26)で燃料噴射ポンプ(27)に圧送され、燃料噴射カム(28)で駆動される燃料噴射ポンプ(27)で、燃料噴射弁(29)から燃焼室(22)に噴射され、燃焼室(22)内の空気(7)の圧縮熱で燃焼する。液体燃料(6)は、軽油である。
電子ガバナ(30)は、エンジン回転数を制御する。
電子ガバナ(30)は、電子制御装置(1)の調量制御部と、ガバナアクチュエータ(31)と、付勢部品(32)を備え、燃料噴射ポンプ(27)の燃料調量ラック(33)は、付勢部品(32)の付勢力でガバナアクチュエータ(32)に押し付けられ、ガバナアクチュエータ(31)の作動に追従して調量位置が調節される。
電子制御装置(1)には、アクセル操作部品(34)の調速設定位置情報を検出するアクセルセンサ(35)と、クランク軸(19)の回転数情報を検出する実回転数センサ(36)が電気的に接続されている。
電子ガバナ(30)は、アクセル操作位置情報に基づいて検出した目標回転数と実回転数との回転偏差が小さくなるように、電子制御装置(1)の調量制御部でガバナアクチュエータ(31)を駆動し、燃料噴射ポンプ(27)の燃料調量ラック(33)の調量位置を制御し、燃料噴射弁(29)から燃焼室(22)に噴射される液体燃料(6)の噴射量を調節する。
電子制御装置(1)には、エンジンECUが用いられている。エンジンECUは、エンジン電子制御ユニットの略称であり、マイコンである。
ガバナアクチュエータ(31)には、リニアソレノイドが用いられている。
アクセル操作部品(34)には、アクセル操作レバーが用いられている。アクセル操作部品(34)には、アクセル操作ペダルやアクセル操作ボタンやアクセル操作スイッチを用いることができる。
電子制御装置(1)には、バッテリ(37)とキースイッチ(12)が接続され、キースイッチ(12)をエンジン運転位置に投入すると、バッテリ(37)からエンジン各部への通電で、エンジン運転がなされ、キースイッチ(12)をエンジン停止位置に投入すると、バッテリ(37)からエンジン各部への通電が停止され、ガバナアクチュエータ(31)内のエンジン停止スプリング(図示せず)の付勢力で、燃料調量ラック(33)は燃料無噴射位置に押され、燃料噴射弁(29)からの液体燃料(6)の噴射は停止し、ディーゼルエンジン(15)は停止する。
排気装置(24)は、燃焼室(22)からエンジン排気(9)を排出する。
排気装置(24)は、エンジン排気経路(2)を備え、エンジン排気経路(2)は、排気ポート(38)と、排気マニホルド(39)と、排気マニホルド(39)の排気下流側に配置されたエンジン排気処理経路(40)と、エンジン排気処理経路(40)に設けられた排気処理装置(41)を備え、燃焼室(22)から排出されたエンジン排気(9)は、排気処理装置(41)で処理された後、エンジン排気経路(2)から大気に放出される。
図1に示すように、排気処理装置(41)は、エンジン排気経路(2)に配置されたDPF(3)と、DPF(3)の排気上流側に配置されたDOC(16)と、電子制御装置(1)を備えている。
図2に示すように、排気処理装置(41)では、電子制御手段(1)の指令によりDPF再生処理(S2)とDOC再生処理(S8)がなされる。
図1に示すように、DPF再生処理(S2)では、DOC(16)による可燃性ガス(8)の触媒燃焼でエンジン排気(9)が昇温され、このエンジン排気(9)の熱でDPF(3)に堆積したPMが焼却されて、DPF(3)が再生される。
DOC再生処理(S8)では、可燃性ガス(8)の火炎燃焼でエンジン排気(9)が昇温され、このエンジン排気(9)の熱でDOC(16)に詰まっている未燃堆積物が焼却されて、DOC(16)が再生される。
この排気処理装置(41)では、DPF再生処理(S2)により、DPF(3)の継続使用が可能となる利点がある。
DPF(3)は、エンジン排気(9)に含まれるPMを捕捉する。
DPFは、ディーゼル・パティキュレート・フィルタの略称であり、PMは、粒子状物質の略称である。DPF(3)には、内部に軸長方向に沿う多数のセルが並設され、隣り合うセルの入口と出口が交互に目封じされたウォールフロー型のセラミックハニカムが用いられている。
エンジン排気処理経路(40)にDPFケース(42)が配置され、このDPFケース(42)にDPF(3)が収容されている。
電子制御装置(1)は、電子ガバナ(30)との共用品である。
DOCはディーゼル酸化触媒の略称である。
DOC(16)は、円柱形で、内部に軸長方向に沿う多数のセルが貫通状に並設されたフロースルー式のセラミックハニカムで、セル内に白金やパラジウムのロジウム等の酸化触媒成分が担持されている。
DOC(16)は、DPF(3)の排気上流側でDPFケース(42)に収容されている。
DPF(3)の排気上流側で、エンジン排気処理経路(40)に可燃性ガス生成器(5)が設けられている。
可燃性ガス生成器(5)は、混合気ミキサ(43)と、混合気ミキサ(43)の混合気出口に連通する触媒収容室(44)と、触媒収容室(44)に収容されたガス生成触媒(4)と、ガス生成触媒(4)のガス出口に連通する可燃性ガス通路(45)と、可燃性ガス通路(45)のガス出口に連通する二次空気ミキサ(46)と、二次空気ミキサ(46)のガス出口に連通する着火室(47)と、着火室(47)のガス出口に連通する可燃性ガス合流排気通路(48)を備え、可燃性ガス合流排気通路(48)は、DPF(3)の排気上流側でエンジン排気処理経路(40)の一部を構成している。
可燃性ガス生成器(5)は、二次空気通路(66)を備え、その二次空気出口(67)に二次空気ミキサ(46)が連通している。二次空気ミキサ(46)には可燃性ガス通路(45)のガス出口に連通するキャップ状のガスノズル(68)が設けられ、ガスノズル(68)から二次空気ミキサ(46)の径方向に噴出する可燃性ガス(8)がガスノズル(68)の周方向に沿って旋回する二次空気(7)とミキシングされる。
混合気ミキサ(43)には、空気供給ポンプ(49)から導出された空気導入通路(50)と、燃料供給ポンプ(51)から導出された燃料導入通路(52)が接続され、エアクリーナ(53)で浄化された空気(7)と、燃料タンク(25)の液体燃料(6)が混合気ミキサ(43)に導入され、液体燃料(6)と空気(7)の混合気(14)が形成される。
ガス生成触媒(4)は、酸化触媒で、触媒反応により混合気(14)の酸化を促進させ、その反応熱で液体燃料(6)を熱分解させ、低温着火性の可燃性ガス(8)を生成する。ガス生成触媒(4)の触媒担体は、鉄クロム線を織って、円錐台型にしたもので、この触媒担体には触媒成分としてロジウムを担持させている。
二次空気ミキサ(46)には、可燃性ガス通路(45)のガス出口と二次空気通路(66)の二次空気出口(67)が連通し、二次空気通路(66)の二次空気入口には、空気供給ポンプ(51)から導出された二次空気導入通路(55)が接続されている。
二次空気ミキサ(46)には、可燃性ガス(8)と、エアクリーナ(53)で浄化された二次空気(7)が導入され、二次空気ミキサ(46)では、可燃性ガス(8)と二次空気(7)がミキシングされ、二次空気(7)を含む可燃性ガス(8)が二次空気ミキサ(46)から着火室(47)を介して可燃性ガス合流排気通路(48)を通過するエンジン排気(9)と合流し、排気下流側のDPF(3)に送られる。着火室(47)では必要に応じ、可燃性ガス(8)に着火がなされる。
ガス生成触媒(4)の混合気入口には起動触媒(56)が設けられ、起動触媒(56)には電気ヒータ(57)が差し込まれ、ガス生成触媒(4)のガス出口側には触媒温度センサ(58)が差し込まれている。
起動触媒(56)の触媒担体はアルミナ繊維のマットで、この触媒担体には触媒成分としてロジウムを担持させている。起動触媒(56)の触媒担体は、可燃性ガス生成触媒(4)の触媒担体に比べ、組織内の空隙が狭く、液体燃料(6)の保持性が高い。
空気供給ポンプ(49)は電動式ブロワ、燃料供給ポンプ(51)は電動式ポンプである。
空気導入通路(50)と燃料導入通路(52)と二次空気導入通路(55)に電動式の調量弁(50a)(52a)(55a)がそれぞれ設けられている。
空気供給ポンプ(49)、燃料供給ポンプ(51)、各調量弁(50a)(52a)(55a)、電気ヒータ(57)、触媒温度センサ(58)は、いずれも電子制御装置(1)に電気的に接続されている。
DPF(3)の再生処理では、電子制御装置(1)の指令で、電気ヒータ(57)が発熱され、その熱で起動触媒(56)が予熱された後、混合気(14)が起動触媒(56)に供給され、起動触媒(56)の触媒燃焼でガス生成触媒(4)が暖機され、ガス生成触媒(4)の温度が所定の暖機終了温度に達したら、ガス生成触媒(4)への混合気(14)の供給量が増量され、ガス生成触媒(4)全体に混合気(14)が拡散し、触媒反応により可燃性ガス(8)が生成される。
図1に示すように、排気処理装置(41)は、DOC再生要求報知部品(10)と、DOC再生開始操作部品(11)を備えている。
図2に示すように、DPF再生処理(S2)が所定時間経過しても終了しないDPF再生失敗時には、DOC再生要求報知部品(10)がDOC再生要求を報知(S6)し、その後、DOC再生開始操作部品(11)が再生開始操作された場合には、DOC再生処理(S8)がなされる。
図2に示すように、排気処理装置(41)では、DPF再生失敗時には、DOC(16)の目詰まりに起因する失敗か否かに拘わらず、DOC再生要求報知部品(10)がDOC再生要求を報知(S6)するため、DOC再生時期を見逃す不具合を抑制することができる。
図1に示すように、排気処理装置(41)は、DPF再生報知部品(13)を備えている。DPF再生処理(S2)の間は、DPF再生報知部品(13)でその旨を報知する。
DOC再生要求報知部品(10)とDPF再生報知部品(13)には、エンジン搭載機械のダッシュボード(59)に配置されたランプが用いられ、DPF再生処理(S2)中の報知は、DPF再生報知部品(13)のランプの連続的な点灯によりなされ、DOC再生要求の報知(S6)は、DOC再生要求報知部品(10)のランプの点滅によりなされ、DOC再生処理(S8)中の報知は、DOC再生要求報知部品(10)のランプの連続的な点灯によりなされる。DOC再生処理(S8)中は、DPF再生報知部品(13)のランプは消灯される。
DOC再生要求報知部品(10)には、ダッシュボード(59)等に設けた表示灯、LED、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、警報ブザー等を用いることができる。LEDは発光ダイオード、ELはエレクトロルミネッセンスの略称である。
駐車再生開始操作部品(11)には、エンジン搭載機械のダッシュボード(59)に配置された開始操作レバーが用いられ、その停止位置から開始位置への投入の切り替えで、開始操作がなされる。
DOC再生開始操作部品(11)には、ダッシュボード(59)等に配置された開始操作ボタンや運転席に配置された開始操作ペダルを用いることができる。
図1に示すように、排気処理装置(41)は、記憶装置(70)を備えている。
図2に示すように、DOC再生処理(S8)後になされたDPF再生処理(S2)が所定時間経過しても終了しない再度のDPF再生失敗の事象が生じた場合には、これを検出した電子制御装置(1)の指令により故障診断コード記憶処理(S10)がなされ、この故障診断コード記憶処理(S10)では、前記事象を特定可能な故障診断コードが記憶装置(70)に記憶される。
排気処理装置(41)では、DOC再生後の再度のDPF再生失敗の事象が生じた場合には、事後的にこの事象を故障診断コードで確認することができるため、故障診断時にDPF再生失敗がDOCの目詰まりに起因するものでなく、DOCの触媒機能低下等によるものであることを推定することができ、正確な故障診断を行うことができる。
記憶装置(70)には、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを用いる。
故障診断コードは、複数桁の数字や記号で示される。
この排気処理装置(41)は、モニタ(71)とポート(72)を備えている。
モニタ(71)には、故障診断コードが表示される。
ポート(72)には、故障診断ツールのプラグが差し込まれ、故障診断ツールのディスプレイに、故障診断コードが表示される。
モニタ(71)とポート(72)は、エンジン搭載機械のダッシュボード(59)に配置されている。
モニタ(71)には、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等を用いることができる。ELはエレクトロルミネッセンスの略称である。
ポート(72)には、USBポート等を用いることができる。USBは、ユニバーサル・シリアル・バスの略称である。
故障診断ツールには、故障診断プログラムをインストールしたノートパソコンや携帯用端末等を用いることができる。
図1に示すように、排気処理装置(41)は、可燃性ガス生成触媒(4)を内蔵した可燃性ガス生成器(5)を備えている。
DPF再生処理(S2)では、可燃性ガス生成器(5)に液体燃料(6)と空気(7)が供給され、これらの混合気(14)のガス生成触媒(4)による触媒反応で可燃性ガス(8)が生成される。
図1に示すように、排気処理装置(41)では、可燃性ガス生成触媒(4)を内蔵した可燃性ガス生成器(5)により可燃性ガス(8)を生成することができるため、簡単な構造の可燃性ガス生成器(5)でDPF再生処理(S2)が可能となる。
図1に示すように、排気処理装置(41)は、DOC(16)の排気上流側に配置された着火部品(17)を備えている。
DPF再生処理(S2)では、DOC(16)の推定温度が所定の活性化温度に至っていないことに基づいて、着火部品(17)で可燃性ガス(8)に着火がなされ、この可燃性ガス(8)の火炎燃焼でエンジン排気(9)が昇温され、このエンジン排気(9)の熱でDOC(16)が昇温されて、DOC(16)が活性化される。
この排気処理装置(41)では、エンジン排気(9)の温度が低い場合でも、DPF(3)の再生処理(S2)(S11)が可能となる。
図1に示すように、DOC再生処理(S8)では、DPF再生処理(S2)でのDOC(16)の活性化と同様にして、着火部品(17)で可燃性ガス(8)に着火がなされ、DOC(16)が活性化の場合よりもエンジン排気(9)が昇温される。
DOC再生処理(S8)では、DPF再生処理(S2)でのDOC(16)の活性化と同様にして、着火部品(17)で可燃性ガス(8)に着火がなされるため、DOC(16)の活性化と同様にして、DOC再生処理(S8)をすることができる。
着火部品(17)は排気処理装置(41)の着火室(47)に配置され、DOC(3)の排気入口にDOC入口排気温度センサ(62)が配置され、着火部品(17)とDOC入口排気温度センサ(62)が燃料制御装置(1)に電気的に接続され、DOC(3)の入口排気温度がDOC(3)の活性化温度に至っていない場合には、DOC(3)の入口排気温度情報に基づく電子制御装置(1)の指令で、着火部品(17)が発熱され、可燃性ガス(8)に着火がなされる。
着火部品(17)には、グロープラグが用いられている。着火部品(17)には、点火プラグやバーナーを用いることができる。
着火室(47)には着火検出センサ(54)が配置され、この着火検出センサ(54)が電子制御装置(1)に電気的に接続され、着火検出センサ(54)で検出された着火室(47)の温度情報に基づいて電子制御装置(1)が可燃性ガス(8)の着火の有無を判定する。
エンジン排気(9)の温度は、可燃性ガス(8)の生成量の調節により制御される。
DPF(3)の排気入口にDPF入口排気温度センサ(63)が配置され、このセンサ(63)で検出したDPF入口排気温度情報に基づく電子制御装置(1)の指令で、可燃性ガス(8)の生成量が調節され、DPF入口排気温度が所定の再生温度に制御される。
なお、DPF(3)の排気出口にDPF出口排気温度センサ(64)が配置され、このセンサ(64)で検出したDPF出口排気温度情報に基づく電子制御装置(1)の指令で、DPF(3)の再生処理が停止され、DPF(3)でのPMの過剰燃焼が防止される。
この排気処理装置(41)では、DPF(3)の再生処理(S2)の終了とDOC(16)の再生処理(S8)の終了の後、燃料パージ処理がなされる。
燃料パージ処理では、可燃性ガス生成器(5)に空気(7)が供給され、この空気(7)と可燃性ガス生成器(5)に残留した液体燃料(6)の混合気(14)のガス生成触媒(4)による触媒反応で可燃性ガス(8)が生成され、この可燃性ガス(8)がエンジン排気経路(2)内に排出される。
この排気処理装置(41)では、DPF(3)の再生処理(S2)の終了とDOC(16)の再生処理(S8)の終了の後、可燃性ガス生成器(5)に残留した液体燃料(6)がパージされるため、DPF(3)やDOC(16)の正常な再生処理(S2)(S8)の終了がなされた場合には、可燃性ガス生成器(5)に液体燃料(6)が残留せず、次回のDPF(3)やDOC(16)の再生処理(S2)(S8)が容易になる。
この排気処理装置(41)では、燃料パージ処理は、DPF(3)やDOC(16)の再生処理(S2)(S8)と同様にして行われるため、燃料パージ処理に用いる部品や制御をDPF(3)やDOC(16)の再生処理(S2)(S8)に用いるものと兼用することができる。
図2に示す電子制御装置によるDPF再生処理とDOC再生処理の流れは次の通りである。
ステップ(S1)では、DPF(3)の再生開始判定がなされる。DPF(3)に堆積したPMの堆積推定値が所定の再生開始判定値に至っている場合には、判定が肯定され、ステップ(S2)に進む。判定が否定された場合には、判定が肯定されるまでステップ(S1)が繰り返される。PMの堆積推定値は、図1に示す差圧センサ(65)で検出されたDPF(3)の入口と出口の差圧情報に基づいて電子制御装置(1)が推定する。
ステップ(S2)では、DPF再生処理が開始され、ステップ(S3)に進む。
ステップ(S3)では、DPF再生終了判定がなされる。DPF(3)に堆積したPMの堆積推定値が所定の再生終了判定値に至っている場合には、判定が肯定され、DPF再生成功となり、ステップ(S1)に戻る。
ステップ(S3)での判定が否定された場合には、ステップ(S4)に進む。
ステップ(S4)では、DPF再生処理の失敗判定がなされる。DPF再生処理の累積時間が所定の失敗判定時間に至っている場合には、判定が肯定され、DPF再生失敗となり、ステップ(S5)に進む。判定が否定された場合には、ステップ(S2)に戻り、DPF再生処理が継続される。
ステップ(S5)では、DPF再生失敗の種類の判定がなされる。DPF再生失敗がDOC再生後の失敗でない場合には、判定が否定され、ステップ(S6)に進む。
ステップ(S6)では、DOC再生要求の報知がなされ、ステップ(S7)に進む。
ステップ(S7)ではDOC再生開始操作が有ったか否かが判定され、判定が肯定された場合には、ステップ(S8)に進む。判定が否定された場合には、ステップ(S6)に戻る。
ステップ(S8)ではDOC再生処理がなされ、ステップ(S9)に進む。
ステップ(S9)ではDOC再生の終了判定がなされる。DOC再生時間が所定のDOC再生終了判定値に至っている場合には、判定が肯定され、DOC再生処理が終了され、ステップ(S1)に戻る。
ステップ(S5)の判定で、DPF再生失敗がDOC再生後の失敗である場合には、判定が肯定され、ステップ(S10)に進む。ステップ(S10)では、生じた事象が特定される故障診断コードが記憶され、処理は終了する。
次に第2実施形態について説明する。
図3に示すように、第2実施形態では、DPF再生処理(S2)が所定時間経過しても終了しないDPF再生失敗時には、DOC再生処理(S8)がなされるように構成されている。
第2実施形態では、DPF再生失敗時には、DOC(16)の目詰まりに起因する失敗か否かに拘わらず、自動的にDOC再生処理(S8)がなされるため、DOC再生時期を見逃す不具合を抑制することができる。
図3に示す第2実施形態の電子制御装置によるDPF再生処理とDOC再生処理の流れは、図2に示す第1実施形態のフローチャートから、ステップ(S6)とステップ(S7)を削除したものに相当し、ステップ(S5)での判定が否定された場合には、ステップ(S8)に進む。他のステップは、図2に示すフローチャートと同じである。図3中、第1実施形態と同じステップには、図2と同じ符号を付しておく。
(1)…電子制御装置、(2)…エンジン排気経路、(3)…DPF、(4)…ガス生成触媒、(5)…可燃性ス生成器、(6)…液体燃料、(7)…空気、(8)…可燃性ガス、(9)…エンジン排気、(10)…DOC再生要求報知部品、(11)…DOC再生開始操作部品。

Claims (7)

  1. エンジン排気経路(2)に配置されたDPF(3)と、DPF(3)の排気上流側に配置されたDOC(16)と、電子制御装置(1)を備え、
    電子制御手段(1)の指令によりDPF再生処理(S2)とDOC再生処理(S8)がなされ、
    DPF再生処理(S2)では、DOC(16)による可燃性ガス(8)の触媒燃焼でエンジン排気(9)が昇温され、このエンジン排気(9)の熱でDPF(3)に堆積したPMが焼却されて、DPF(3)が再生され、
    DOC再生処理(S8)では、可燃性ガス(8)の火炎燃焼でエンジン排気(9)が昇温され、このエンジン排気(9)の熱でDOC(16)に詰まっている未燃堆積物が焼却されて、DOC(16)が再生されるように構成された、ディーゼルエンジンの排気処理装置において、
    DOC再生要求報知部品(10)と、DOC再生開始操作部品(11)を備え、
    DPF再生処理(S2)が所定時間経過しても終了しないDPF再生失敗時には、DOC再生要求報知部品(10)がDOC再生要求を報知(S6)し、その後、DOC再生開始操作部品(11)が再生開始操作された場合には、DOC再生処理(S8)がなされるように構成されている、ことを特徴とするディーゼルエンジンの排気処理装置。
  2. エンジン排気経路(2)に配置されたDPF(3)と、DPF(3)の排気上流側に配置されたDOC(16)と、電子制御装置(1)を備え、
    電子制御手段(1)の指令によりDPF再生処理(S2)とDOC再生処理(S8)がなされ、
    DPF再生処理(S2)では、DOC(16)による可燃性ガス(8)の触媒燃焼でエンジン排気(9)が昇温され、このエンジン排気(9)の熱でDPF(3)に堆積したPMが焼却されて、DPF(3)が再生され、
    DOC再生処理(S8)では、可燃性ガス(8)の火炎燃焼でエンジン排気(9)が昇温され、このエンジン排気(9)の熱でDOC(16)に詰まっている未燃堆積物が焼却されて、DOC(16)が再生されるように構成された、ディーゼルエンジンの排気処理装置において、
    DPF再生処理(S2)が所定時間経過しても終了しないDPF再生失敗時には、DOC再生処理(S8)がなされるように構成されている、ことを特徴とするディーゼルエンジンの排気処理装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載されたディーゼルエンジンの排気処理装置において、
    記憶装置(70)を備え、
    DOC再生処理(S8)後になされたDPF再生処理(S2)が所定時間経過しても終了しない再度のDPF再生失敗の事象が生じた場合には、これを検出した電子制御装置(1)の指令により故障診断コード記憶処理(S10)がなされ、この故障診断コード記憶処理(S10)では、前記事象を特定可能な故障診断コードが記憶装置(70)に記憶されるように構成されている、ことを特徴とするディーゼルエンジンの排気処理装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載されたディーゼルエンジンの排気処理装置において、
    可燃性ガス生成触媒(4)を内蔵した可燃性ガス生成器(5)を備え、
    DPF再生処理(S2)では、可燃性ガス生成器(5)に液体燃料(6)と空気(7)が供給され、これらの混合気(14)のガス生成触媒(4)による触媒反応で可燃性ガス(8)が生成されるように構成されている、ことを特徴とするディーゼルエンジンの排気処理装置。
  5. 請求項4に記載されたディーゼルエンジンの排気処理装置において、
    DOC(16)の排気上流側に配置された着火部品(17)を備え、
    DPF再生処理(S2)では、DOC(16)の推定温度が所定の活性化温度に至っていないことに基づいて、着火部品(17)で可燃性ガス(8)に着火がなされ、この可燃性ガス(8)の火炎燃焼でエンジン排気(9)が昇温され、このエンジン排気(9)の熱でDOC(16)が昇温されて、DOC(16)が活性化されるように構成されている、ことを特徴とするディーゼルエンジンの排気処理装置。
  6. 請求項5に記載されたディーゼルエンジンの排気処理装置において、
    DOC再生処理(S8)では、DPF再生処理(S2)でのDOC(16)の活性化と同様にして、着火部品(17)で可燃性ガス(8)に着火がなされ、DOC(16)が活性化の場合よりもエンジン排気(9)が昇温されるように構成されている、ことを特徴とするディーゼルエンジンの排気処理装置。
  7. 請求項4から請求項6のいずれかに記載されたディーゼルエンジンの排気処理装置において、
    DPF(3)の再生処理(S2)の終了とDOC(16)の再生処理(S8)の終了の後、燃料パージ処理がなされ、
    燃料パージ処理では、可燃性ガス生成器(5)に空気(7)が供給され、この空気(7)と可燃性ガス生成器(5)に残留した液体燃料(6)の混合気(14)のガス生成触媒(4)による触媒反応で可燃性ガス(8)が生成され、この可燃性ガス(8)がエンジン排気経路(2)内に排出されるように構成されている、ことを特徴とするディーゼルエンジンの排気処理装置。
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