JP2018002774A - 架橋フルオロポリマー、テープ、パイプ、ライザー管及びフローライン - Google Patents

架橋フルオロポリマー、テープ、パイプ、ライザー管及びフローライン Download PDF

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Hiroki Kuwajima
祐己 桑嶋
景子 古賀
Keiko Koga
景子 古賀
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Hayato Tsuda
早登 津田
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Abstract

【課題】金属に対する耐摩耗性に優れる架橋フッ素樹脂を提供する。【解決手段】フッ素樹脂を架橋して得られる架橋フッ素樹脂であって、前記フッ素樹脂は、テトラフルオロエチレン単位及びビニリデンフルオライド単位を含み、前記フッ素樹脂を構成する全モノマー単位に対し、テトラフルオロエチレン単位が50.0モル%以上であることを特徴とする架橋フッ素樹脂。【選択図】なし

Description

本発明は、架橋フルオロポリマー、テープ、パイプ、ライザー管及びフローラインに関する。
海底油田で使用されるパイプには、ライザー(原油汲み上げ)、ウンビリカル(汲み上げのコントロール用で原油粘度低下用の薬液の仕込み用の配管やパワーケーブル等を一つのパイプにまとめたもの)、フローライン(汲み上げた原油を海底に這わせて移送する配管)等がある。いずれも構造は一様でなく、金属のみの配管、金属/樹脂ハイブリッドの配管等が知られているが、軽量化のために金属のみの配管は減少の傾向にあり、金属/樹脂ハイブリッドが主流になってきている。
特許文献1では、胴体(カーカス)/パイプ/金属製補強層/耐摩擦層/金属製補強層/外層樹脂層の構成を有するライザー管等において、上記パイプを、テトラフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、及び、エチレン性不飽和単量体の共重合単位を含む共重合体であり、動的粘弾性測定による170℃における貯蔵弾性率(E’)が60〜400MPaであることを特徴とするフッ素樹脂により形成することが提案された。
国際公開第2010/110129号
特許文献1では、樹脂製パイプが上記フッ素樹脂からなるので、樹脂製パイプが金属製補強層に食い込んだり、変形したり、クラックが発生したりといった問題が解決し得る。
一方、上記耐摩擦層のように、金属層に挟まれ、金属同士の擦れを防止するために使用される層には、金属に対する耐摩耗性に優れる材料を使用する必要がある。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、金属に対する耐摩耗性に優れる架橋フッ素樹脂を提供することを目的とする。
本発明は、フッ素樹脂を架橋して得られる架橋フッ素樹脂であって、
前記フッ素樹脂は、テトラフルオロエチレン単位及びビニリデンフルオライド単位を含み、
前記フッ素樹脂を構成する全モノマー単位に対し、テトラフルオロエチレン単位が50.0モル%以上であることを特徴とする架橋フッ素樹脂である。
上記フッ素樹脂を放射線架橋して得られることが好ましい。
上記フッ素樹脂は、更に、式(1)及び式(2)で表されるエチレン性不飽和モノマーからなる群より選択される少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマー単位を含むことが好ましい。
式(1): CX1112=CX13(CX1415n1116
(式中、X11〜X16は同一または異なってH、F又はClを表し、n11は0〜8の整数を表す。但し、テトラフルオロエチレン及びビニリデンフルオライドを除く。)
式(2): CX2122=CX23−O(CX2425n2126
(式中、X21〜X26は同一または異なってH、F又はClを表し、n21は0〜8の整数を表す。)
上記架橋フッ素樹脂は、メルトフローレートが0〜1g/10minであることが好ましい。
本発明は、上記架橋フッ素樹脂からなるテープでもある。
本発明は、第1層と、第1層の上に形成された第2層と、第2層の上に形成された第3層と、を含むパイプであって、第1層、第2層及び第3層が、上記パイプの内側からこの順に積層され、第2層が、第1層の外周に上記テープを巻き付けることにより形成されていることを特徴とするパイプでもある。
本発明は、上記パイプを備えるライザー管でもある。
本発明は、上記パイプを備えるフローラインでもある。
本発明によれば、金属に対する耐摩耗性に優れる架橋フッ素樹脂を提供することができる。
図1(a)〜(c)は、それぞれ、テープの形状を示す一例の模式図である。 図2は、パイプの構成を示す一例の模式図である。 図3は、テープの巻き付け方法を示す一例の模式図である。 図4(a)〜(e)は、それぞれ、テープの巻き付け状態を示す一例の模式図である。 図5は、パイプの構成を示す他の一例の模式図である。 図6は、ライザー管(又はフローライン)の構成を示す一例の模式図である。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明の架橋フッ素樹脂に使用されるフッ素樹脂は、テトラフルオロエチレン単位及びビニリデンフルオライド単位を含み、該フッ素樹脂を構成する全モノマー単位に対して、50.0モル%以上のテトラフルオロエチレン単位を含む。上記フッ素樹脂を使用することにより、金属に対する耐摩耗性に優れる架橋フッ素樹脂が得られる。また、耐急減圧性(耐RDG性)や耐薬品性にも優れる架橋フッ素樹脂が得られる。
好ましくは、テトラフルオロエチレン単位が上記フッ素樹脂を構成する全モノマー単位の50.0〜95.0モル%であり、ビニリデンフルオライド単位が上記フッ素樹脂を構成する全モノマー単位の50.0〜5.0モル%のフッ素樹脂である。
より好ましくは、テトラフルオロエチレン単位が上記フッ素樹脂を構成する全モノマー単位の55.0〜95.0モル%であり、ビニリデンフルオライド単位が上記フッ素樹脂を構成する全モノマー単位の45.0〜5.0モル%のフッ素樹脂である。
更に好ましくは、テトラフルオロエチレン単位が上記フッ素樹脂を構成する全モノマー単位の55.0〜90.0モル%であり、ビニリデンフルオライド単位が上記フッ素樹脂を構成する全モノマー単位の45.0〜10.0モル%のフッ素樹脂である。
更により好ましくは、テトラフルオロエチレン単位が上記フッ素樹脂を構成する全モノマー単位の55.0〜85.0モル%であり、ビニリデンフルオライド単位が上記フッ素樹脂を構成する全モノマー単位の45.0〜15.0モル%のフッ素樹脂である。
特に好ましくは、テトラフルオロエチレン単位が上記フッ素樹脂を構成する全モノマー単位の55.0〜80.0モル%であり、ビニリデンフルオライド単位が上記フッ素樹脂を構成する全モノマー単位の45.0〜20.0モル%のフッ素樹脂である。
最も好ましくは、テトラフルオロエチレン単位が上記フッ素樹脂を構成する全モノマー単位の55.0〜70.0モル%であり、ビニリデンフルオライド単位が上記フッ素樹脂を構成する全モノマー単位の45.0〜30.0モル%のフッ素樹脂である。
上記フッ素樹脂は、更に、式(1)及び式(2)で表されるエチレン性不飽和モノマーからなる群より選択される少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマー単位を含むことが好ましい。
式(1): CX1112=CX13(CX1415n1116
(式中、X11〜X16は同一または異なってH、F又はClを表し、n11は0〜8の整数を表す。但し、テトラフルオロエチレン及びビニリデンフルオライドを除く。)
式(2): CX2122=CX23−O(CX2425n2126
(式中、X21〜X26は同一または異なってH、F又はClを表し、n21は0〜8の整数を表す。)
式(1)で表されるエチレン性不飽和単量体としては、CF=CFCl、CF=CFCF、下記式(3):
CH=CF−(CFn1116 (3)
(式中、X16及びn11は上記と同じ。)、及び、下記式(4):
CH=CH−(CFn1116 (4)
(式中、X16及びn11は上記と同じ。)
からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、CF=CFCl、CH=CFCF、CH=CH−C、CH=CH−C13、CH=CF−CH及びCF=CFCFからなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましく、CF=CFCl及びCH=CFCFから選択される少なくとも1種であることが更に好ましい。
式(2)で表されるエチレン性不飽和単量体としては、CF=CF−OCF、CF=CF−OCFCF及びCF=CF−OCFCFCFからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記フッ素樹脂が更に上記エチレン性不飽和モノマーを有する場合、テトラフルオロエチレン単位が上記フッ素樹脂を構成する全モノマー単位の50.0〜94.9モル%であり、ビニリデンフルオライド単位が上記フッ素樹脂を構成する全モノマー単位の5.0〜49.9モル%であり、エチレン性不飽和モノマー単位が上記フッ素樹脂を構成する全モノマー単位の0.1〜5.0モル%であることが好ましい。
より好ましくは、テトラフルオロエチレン単位が上記フッ素樹脂を構成する全モノマー単位の55.0〜94.9モル%であり、ビニリデンフルオライド単位が上記フッ素樹脂を構成する全モノマー単位の5.0〜44.9モル%であり、エチレン性不飽和モノマー単位が上記フッ素樹脂を構成する全モノマー単位の0.1〜5.0モル%である。
更に好ましくは、テトラフルオロエチレン単位が上記フッ素樹脂を構成する全モノマー単位の55.0〜90.0モル%であり、ビニリデンフルオライド単位が上記フッ素樹脂を構成する全モノマー単位の5.0〜44.9モル%であり、エチレン性不飽和モノマー単位が上記フッ素樹脂を構成する全モノマー単位の0.1〜5.0モル%である。
更により好ましくは、テトラフルオロエチレン単位が上記フッ素樹脂を構成する全モノマー単位の55.0〜85.0モル%であり、ビニリデンフルオライド単位が上記フッ素樹脂を構成する全モノマー単位の10.0〜44.9モル%であり、エチレン性不飽和モノマー単位が上記フッ素樹脂を構成する全モノマー単位の0.1〜5.0モル%である。
特に好ましくは、テトラフルオロエチレン単位が上記フッ素樹脂を構成する全モノマー単位の55.0〜80.0モル%であり、ビニリデンフルオライド単位が上記フッ素樹脂を構成する全モノマー単位の15.0〜44.9モル%であり、エチレン性不飽和モノマー単位が上記フッ素樹脂を構成する全モノマー単位の0.1〜5.0モル%である。
最も好ましくは、テトラフルオロエチレン単位が上記フッ素樹脂を構成する全モノマー単位の55.0〜70.0モル%であり、ビニリデンフルオライド単位が上記フッ素樹脂を構成する全モノマー単位の25.0〜44.9モル%であり、エチレン性不飽和モノマー単位が上記フッ素樹脂を構成する全モノマー単位の0.1〜5.0モル%である。
上記フッ素樹脂は、
50.0〜90.0モル%のテトラフルオロエチレン、
5.0〜49.9モル%のビニリデンフルオライド、及び、
0.1〜10.0モル%の式(1)で表されるエチレン性不飽和単量体、
の共重合単位を含む共重合体であることが好ましい。
より好ましくは、
55.0〜90.0モル%のテトラフルオロエチレン、
5.0〜44.9モル%のビニリデンフルオライド、及び、
0.1〜10.0モル%の式(1)で表されるエチレン性不飽和単量体、
の共重合単位を含む共重合体である。
更に好ましくは、
55.0〜85.0モル%のテトラフルオロエチレン、
10.0〜44.9モル%のビニリデンフルオライド、及び、
0.1〜5.0モル%の式(1)で表されるエチレン性不飽和単量体、
の共重合単位を含む共重合体である。
更により好ましくは、
55.0〜85.0モル%のテトラフルオロエチレン、
13.0〜44.9モル%のビニリデンフルオライド、及び、
0.1〜2.0モル%の式(1)で表されるエチレン性不飽和単量体、
の共重合単位を含む共重合体である。
フッ素樹脂の高温での機械的強度を向上させる観点に加えて、フッ素樹脂の低透過性が特に優れることから、式(1)で表されるエチレン性不飽和単量体がCH=CH−C、CH=CH−C13及びCH=CF−CHからなる群より選択される少なくとも1種の単量体であることが好ましい。より好ましくは、式(1)で表されるエチレン性不飽和単量体がCH=CH−C、CH=CH−C13及びCH=CF−CHからなる群より選択される少なくとも1種の単量体であり、かつ、フッ素樹脂が
50.0〜80.0モル%のテトラフルオロエチレン、
19.5〜49.9モル%のビニリデンフルオライド、及び、
0.1〜0.6モル%の式(1)で表されるエチレン性不飽和単量体、
の共重合単位を含む共重合体であることである。更に好ましくは、式(1)で表されるエチレン性不飽和単量体がCH=CH−C、CH=CH−C13及びCH=CF−CHからなる群より選択される少なくとも1種の単量体であり、かつ、フッ素樹脂が
55.0〜80.0モル%のテトラフルオロエチレン、
19.5〜44.9モル%のビニリデンフルオライド、及び、
0.1〜0.6モル%の式(1)で表されるエチレン性不飽和単量体、
の共重合単位を含む共重合体であることである。
上記フッ素樹脂は、
58.0〜85.0モル%のテトラフルオロエチレン、
10.0〜41.9モル%のビニリデンフルオライド、及び、
0.1〜5.0モル%の式(1)で表されるエチレン性不飽和単量体、
の共重合単位を含む共重合体であってもよい。
上記フッ素樹脂は、
50.0〜90.0モル%のテトラフルオロエチレン、
9.2〜49.2モル%のビニリデンフルオライド、及び、
0.1〜0.8モル%の式(2)で表されるエチレン性不飽和単量体、
の共重合単位を含む共重合体であることも好ましい。
より好ましくは、
55.0〜90.0モル%のテトラフルオロエチレン、
9.2〜44.2モル%のビニリデンフルオライド、及び、
0.1〜0.8モル%の式(2)で表されるエチレン性不飽和単量体、
の共重合単位を含む共重合体である。
更に好ましくは、
58.0〜85.0モル%のテトラフルオロエチレン、
14.5〜39.9モル%のビニリデンフルオライド、及び、
0.1〜0.5モル%の式(2)で表されるエチレン性不飽和単量体、
の共重合単位を含む共重合体である。
上記フッ素樹脂は、
50.0〜90.0モル%のテトラフルオロエチレン、
5.0〜49.8モル%のビニリデンフルオライド、
0.1〜10.0モル%の式(1)で表されるエチレン性不飽和単量体、及び、
0.1〜0.8モル%の式(2)で表されるエチレン性不飽和単量体、
の共重合単位を含む共重合体であることも好ましい。
より好ましくは、
55.0〜90.0モル%のテトラフルオロエチレン、
5.0〜44.8モル%のビニリデンフルオライド、
0.1〜10.0モル%の式(1)で表されるエチレン性不飽和単量体、及び、
0.1〜0.8モル%の式(2)で表されるエチレン性不飽和単量体、
の共重合単位を含む共重合体である。
更に好ましくは、
55.0〜85.0モル%のテトラフルオロエチレン、
9.5〜44.8モル%のビニリデンフルオライド、
0.1〜5.0モル%の式(1)で表されるエチレン性不飽和単量体、及び、
0.1〜0.5モル%の式(2)で表されるエチレン性不飽和単量体、
の共重合単位を含む共重合体である。
更により好ましくは
55.0〜80.0モル%のテトラフルオロエチレン、
19.8〜44.8モル%のビニリデンフルオライド、
0.1〜2.0モル%の式(1)で表されるエチレン性不飽和単量体、及び、
0.1〜0.3モル%の式(2)で表されるエチレン性不飽和単量体、
の共重合単位を含む共重合体である。上記フッ素樹脂がこの組成を有する場合、低透過性に特に優れる。
上記フッ素樹脂は、
58.0〜85.0モル%のテトラフルオロエチレン、
9.5〜39.8モル%のビニリデンフルオライド、
0.1〜5.0モル%の式(1)で表されるエチレン性不飽和単量体、及び、
0.1〜0.5モル%の式(2)で表されるエチレン性不飽和単量体、
の共重合単位を含む共重合体であってもよい。
上記フッ素樹脂は、各単量体の含有量が上述の範囲内にあると、テトラフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド及び第3成分からなる従来公知の共重合体と比べて結晶性が高くかつ170℃でも貯蔵弾性率が高いので、高温での機械的強度、耐薬品性及び低透過性に優れる。高温での低透過性とは、例えばメタン、硫化水素、CO、メタノール、塩酸等に対する低透過性である。
共重合体の各単量体の含有量は、NMR、元素分析を単量体の種類によって適宜組み合わせることで単量体単位の含有量を算出できる。
上記フッ素樹脂は、メルトフローレート(MFR)が0.1〜500g/10minであることが好ましく、メルトフローレート(MFR)が1〜100g/10minであることがより好ましい。
上記MFRは、ASTM D3307−01に準拠し、メルトインデクサー(東洋精機社製)を用いて、297℃、5kg荷重下で内径2mm、長さ8mmのノズルから10分間あたりに流出するポリマーの質量(g/10分)である。
上記フッ素樹脂は、融点が180℃以上であることが好ましく、上限は290℃であってよい。より好ましい下限は200℃であり、上限は270℃である。
上記融点は、示差走査熱量計RDC220(Seiko Instruments製)を用い、ASTM D−4591に準拠して、昇温速度10℃/分にて熱測定を行い、得られる吸熱曲線のピークにあたる温度を融点とする。
上記フッ素樹脂は、熱分解開始温度(1%質量減温度)が360℃以上であるものが好ましい。より好ましい下限は370℃である。上記熱分解開始温度は、上記範囲内であれば、上限を例えば450℃とすることができる。
上記熱分解開始温度は、加熱試験に供したフッ素樹脂の1質量%が分解する温度であり、示差熱・熱重量測定装置〔TG−DTA〕を用いて加熱試験に供したフッ素樹脂の質量が1質量%減少する時の温度を測定することにより得られる値である。
上記フッ素樹脂は、動的粘弾性測定による170℃における貯蔵弾性率(E’)が60〜400MPaであることが好ましい。
上記貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定により170℃で測定する値であり、より具体的には、アイティ−計測制御社製動的粘弾性装置DVA220で長さ30mm、巾5mm、厚み0.25mmのサンプルを引張モード、つかみ巾20mm、測定温度25℃から250℃、昇温速度2℃/min、周波数1Hzの条件で測定する値である。170℃におけるより好ましい貯蔵弾性率(E’)は80〜350MPaであり、更に好ましい貯蔵弾性率(E’)は100〜350MPaである。
測定サンプルは、例えば、成形温度をフッ素樹脂の融点より50〜100℃高い温度に設定し、3MPaの圧力で厚さ0.25mmに成形したフィルムを、長さ30mm、巾5mmにカットすることで作成することができる。
上記フッ素樹脂は、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合等の重合方法によっても製造することができるが、工業的に実施が容易である点で、乳化重合又は懸濁重合により製造することが好ましい。
上記の重合においては、重合開始剤、界面活性剤、連鎖移動剤、及び、溶媒を使用することができ、それぞれ従来公知のものを使用することができる。
上記重合開始剤としては、油溶性ラジカル重合開始剤、又は水溶性ラジカル重合開始剤を使用できる。
油溶性ラジカル重合開始剤としては、公知の油溶性の過酸化物であってよく、例えばジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジsec−ブチルパーオキシジカーボネート等のジアルキルパーオキシカーボネート類、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレート等のパーオキシエステル類、ジt−ブチルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類等が、また、ジ(ω−ハイドロ−ドデカフルオロヘプタノイル)パーオキサイド、ジ(ω−ハイドロ−テトラデカフルオロヘプタノイル)パーオキサイド、ジ(ω−ハイドロ−ヘキサデカフルオロノナノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロブチリル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロバレリル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロヘキサノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロヘプタノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロオクタノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロノナノイル)パーオキサイド、ジ(ω−クロロ−ヘキサフルオロブチリル)パーオキサイド、ジ(ω−クロロ−デカフルオロヘキサノイル)パーオキサイド、ジ(ω−クロロ−テトラデカフルオロオクタノイル)パーオキサイド、ω−ハイドロ−ドデカフルオロヘプタノイル−ω−ハイドロヘキサデカフルオロノナノイル−パーオキサイド、ω−クロロ−ヘキサフルオロブチリル−ω−クロロ−デカフルオロヘキサノイル−パーオキサイド、ω−ハイドロドデカフルオロヘプタノイル−パーフルオロブチリル−パーオキサイド、ジ(ジクロロペンタフルオロブタノイル)パーオキサイド、ジ(トリクロロオクタフルオロヘキサノイル)パーオキサイド、ジ(テトラクロロウンデカフルオロオクタノイル)パーオキサイド、ジ(ペンタクロロテトラデカフルオロデカノイル)パーオキサイド、ジ(ウンデカクロロドトリアコンタフルオロドコサノイル)パーオキサイドのジ[パーフロロ(又はフルオロクロロ)アシル]パーオキサイド類等が代表的なものとして挙げられる。
水溶性ラジカル重合開始剤としては、公知の水溶性過酸化物であってよく、例えば、過硫酸、過ホウ酸、過塩素酸、過リン酸、過炭酸等のアンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、t−ブチルパーマレート、t−ブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。サルファイト類、亜硫酸塩類のような還元剤を過酸化物に組み合わせて使用してもよく、その使用量は過酸化物に対して0.1〜20倍であってよい。
上記界面活性剤としては、公知の界面活性剤が使用でき、例えば、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤等が使用できる。なかでも、含フッ素アニオン性界面活性剤が好ましく、エーテル結合性酸素を含んでもよい(すなわち、炭素原子間に酸素原子が挿入されていてもよい)、炭素数4〜20の直鎖又は分岐した含フッ素アニオン性界面活性剤がより好ましい。添加量(対重合水)は、好ましくは50〜5000ppmである。
上記連鎖移動剤としては、例えば、エタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類;トルエン、キシレン等の芳香族類;アセトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;メタノール、エタノール等のアルコール類;メチルメルカプタン等のメルカプタン類;四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、塩化メチル等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。添加量は用いる化合物の連鎖移動定数の大きさにより変わりうるが、通常重合溶媒に対して0.01〜20質量%の範囲で使用される。
上記溶媒としては、水、水とアルコールとの混合溶媒等が挙げられる。
上記懸濁重合では、水に加えて、フッ素系溶媒を使用してもよい。フッ素系溶媒としては、CHCClF、CHCClF、CFCFCClH、CFClCFCFHCl等のハイドロクロロフルオロアルカン類;CFClCFClCFCF、CFCFClCFClCF等のクロロフルオロアルカン類;パーフルオロシクロブタン、CFCFCFCF、CFCFCFCFCF、CFCFCFCFCFCF等のパーフルオロアルカン類等が挙げられ、なかでも、パーフルオロアルカン類が好ましい。フッ素系溶媒の使用量は、懸濁性及び経済性の面から、水性媒体に対して10〜100質量%が好ましい。
重合温度としては特に限定されず、0〜100℃であってよい。重合圧力は、用いる溶媒の種類、量及び蒸気圧、重合温度等の他の重合条件に応じて適宜定められるが、通常、0〜9.8MPaGであってよい。
本発明の架橋フッ素樹脂は、上記フッ素樹脂を架橋することにより得られる。これにより、金属に対する耐摩耗性に優れる架橋フッ素樹脂が得られる。また、耐急減圧性や耐薬品性にも優れる架橋フッ素樹脂が得られる。
架橋方法としては、金属に対する耐摩耗性に一層優れる架橋フッ素樹脂が得られる点で、放射線架橋法が好ましい。
放射線架橋法においては、上記フッ素樹脂に放射線を照射することにより、上記フッ素樹脂を架橋することができる。放射線としては、電子線、紫外線、ガンマ線、X線、中性子線、あるいは高エネルギーイオン等が挙げられる。なかでも、透過力が優れており、線量率が高く、工業的生産に好適である点で電子線が好ましい。
放射線を照射する方法としては、特に限定されず、従来公知の放射線照射装置を用いて行う方法等が挙げられる。
放射線の照射環境としては、特に制限されないが、酸素濃度が1000ppm以下であることが好ましく、酸素不存在下であることがより好ましく、真空中、又は、窒素、ヘリウム若しくはアルゴン等の不活性ガス雰囲気中であることが更に好ましい。
放射線の照射温度は、0℃〜300℃であることが好ましい。より好ましくは、5℃以上であり、更に好ましくは、10℃以上であり、特に好ましくは、20℃以上であり、より好ましくは、100℃以下である。放射線の照射温度はまた、フッ素樹脂のガラス転移温度以下であることが好ましく、フッ素樹脂の融点以下であることがより好ましい。照射温度が高すぎると、樹脂が分解するおそれがある。照射温度が低すぎると、架橋が不十分になるおそれがある。
上記照射温度は、上記数値範囲内であって、かつ、フッ素樹脂の融点未満であることが好ましい。
上記照射温度の調整は、特に限定されず、公知の方法で行うことができる。具体的には、上記フッ素樹脂を所定の温度に維持した加熱炉内で保持する方法や、ホットプレート上に載せて、ホットプレートに内蔵した加熱ヒータに通電するか、外部の加熱手段によってホットプレートを加熱する等の方法が挙げられる。
放射線の照射線量は、10〜500kGyであることが好ましい。より好ましくは、15〜400kGyであり、更に好ましくは、20〜300kGyであり、特に好ましくは、30〜250kGyであり、最も好ましくは、30〜150kGyである。照射線量が大きすぎても、小さすぎても、架橋が不十分になるおそれがある。
上記架橋フッ素樹脂は、メルトフローレート(MFR)が0〜1g/10minであることが好ましく、メルトフローレート(MFR)が0〜0.1g/10minであることがより好ましい。
本発明の架橋フッ素樹脂は、上記フッ素樹脂及び上記フッ素樹脂以外の他の成分を含むフッ素樹脂組成物を架橋することによっても得られる。上記他の成分としては、強化繊維、充填剤、可塑剤、加工助剤、離型剤、顔料、難燃剤、滑剤、光安定剤、耐候安定剤、導電剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、発泡剤、香料、オイル、柔軟化剤、脱フッ化水素剤、核剤等が挙げられる。
強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、バサルト繊維、金属繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリアミド繊維、炭化ケイ素繊維、ポリエステル繊維、セラミック繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、鉱物繊維、岩石繊維、スラッグ繊維、植物繊維、ポリオキシメチレン繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、セルロース繊維及びリグニン繊維等が挙げられる。充填剤としては、ポリテトラフルオロエチレン、マイカ、シリカ、タルク、セライト、クレー、酸化チタン、硫酸バリウム等が挙げられる。導電剤としてはカーボンブラック等が挙げられる。可塑剤としては、ジオクチルフタル酸、ペンタエリスリトール等が挙げられる。加工助剤としては、カルナバワックス、スルホン化合物、低分子量ポリエチレン、フッ素系助剤等が挙げられる。脱フッ化水素剤としては有機オニウム、アミジン類等が挙げられる。
上記他の成分の中でも、金属に対する耐摩耗性に一層優れる架橋フッ素樹脂が得られる点で、強化繊維が好ましい。
また、上記他の成分として、上記フッ素樹脂以外の他の樹脂がブレンドされてもよいし、他のゴムがブレンドされてもよい。中でも、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる群より選択される少なくとも1種とのブレンドが好ましい。
本発明は、上述した架橋フッ素樹脂からなるテープでもある。上記テープは、巻き取り(又は巻き付け)可能な柔軟性を有する帯状体であることが好ましい。本発明のテープは、金属に対する耐摩耗性に優れる。また、本発明のテープは、耐急減圧性や耐薬品性にも優れる。
本発明のテープの形状は、略帯状であれば特に限定されないが、以下のものが例示できる。
(1)横断面の形状が矩形状であるもの
態様(1)のテープは、単純な形状であり、製造が容易である。
図1(a)に、態様(1)のテープの一例の横断面を示す。
(2)幅方向の両端に肉薄部を有するもの
態様(2)のテープは、巻き付け時に、隣り合うテープの肉薄部を重ねるように巻き付けることにより、対象物に隙間なく巻き付けることができるため、高温の流体を流通させる可撓管類を構成するテープ層に適用した場合であっても、高温の流体の外部への透過を容易に抑制することができる。また、肉薄部同士を重ねることにより、得られるテープ層の厚みを容易に均一にすることができる。
上記幅方向の両端の肉薄部は、厚さ方向の互いに反対の端側に設けられていることが好ましい。すなわち、一方の肉薄部が厚さ方向の上端側に、他方が下端側に設けられていることが好ましい。
図1(b)に、態様(2)のテープの一例の横断面を示す。
テープ1bの幅方向の両端に、中央部2と比較して肉薄な肉薄部3が設けられている。一方の肉薄部3はテープ1bの厚さ方向の上端側に、他方の肉薄部3は下端側に設けられている。
なお、態様(2)には、後述する態様(3)は含まれないものとする。
(3)巻き付け時に、幅方向の端部を、隣り合うテープの幅方向の端部と互いにロックし得る形状を有するもの
態様(3)のテープとしては、例えば、横断面の形状が略Z字状、略U字状、略S字状、略T字状、略I字状等であるものを挙げることができるが、これらの形状に限定されない。
態様(3)のテープは、巻き付け時に、隣り合うテープの幅方向の端部同士をかみ合わせるように巻き付けることにより、テープ同士が互いにロックされたテープ層を得ることができる。したがって、当該テープを高温の流体を流通させる可撓管類を構成するテープ層に適用した場合、当該可撓管類が撓んだりねじれたりした際のテープのズレを防止することができる。その結果、可撓管類の内部を流通する流体の流出を、より確実に防止することができる。
態様(3)のテープとしては、中でも、横断面の形状が略Z字状であるものが好ましい。より具体的には、幅方向の両端に肉薄部を有し、当該幅方向の両端の肉薄部から厚さ方向に互いに反対向き(対向する向き)に突出する凸部を有していることが好ましい。
このテープは、幅方向の両端にカギ状構造の部位(カギ部)を有しているため、巻き付け時に、隣り合うテープのカギ部同士をかみ合わせるように、すなわち、一方のテープの凸部及び肉薄部から構成される凹部に、他方のテープの凸部をはめ込むように巻き付けることにより、テープ同士が互いにロックされたテープ層を得ることができる。
図1(c)に、態様(3)のテープの一例の横断面を示す。
テープ1cは、横断面の形状が略Z字状である。テープ1cの幅方向の両端に肉薄部5が設けられ、更に、2つの当該肉薄部5から厚さ方向に互いに反対向き(対向する向き)に突出する凸部4が設けられている。
本発明のテープは、上記態様(3)のテープであることが特に好ましい。
本発明のテープは、上記フッ素樹脂を、要すれば上記他の成分とともに、押出成形、引抜成形、プレス成型、溶融含侵成形、押出ラミネート成形、ドライパウダーコーティング成形等の方法によって成形した後、架橋することにより、製造することができる。また、これらの成形方法を組み合わせてもよい。また、上記フッ素樹脂を、要すれば上記他の成分とともに、糸状に加工し、それを所望の形状に織ることにより、織物テープとしてもよい。この場合、架橋処理は、糸状に加工したフッ素樹脂を織る前に行ってもよく、織った後に行ってもよい。
本発明のテープは、用途に応じて幅、厚さ、長さを適宜設定することができる。本発明のテープを、ライザー管等の、高温の流体を流通させる可撓管類に適用する場合は、例えば、幅を1mm〜10m、厚さを10μm〜5cmとすることができる。長さは、テープの使用量等に応じて決定すればよいが、高温の流体を流通させる可撓管類に適用する場合は、1m〜1000km程度とすることができる。
本発明の架橋フッ素樹脂は、積層体を構成することもできる。当該積層体としては、第1層と、第1層の上に形成された、上述した架橋フッ素樹脂からなる第2層と、第2層の上に形成された第3層と、を含む積層体が好ましい。第2層が上述した架橋フッ素樹脂からなるので、第1層と第3層との間の摩擦を低減することができる。特に、第1層及び第3層が金属層であっても、第2層が摩耗しにくく、第1層と第3層との間の摩擦を長期にわたって低減することができる。第1層と第2層、及び、第3層と第2層とは、それぞれ接着していてもよく、接着していなくてもよい。
上記積層体においては、第1層、第2層及び第3層以外の他の層が更に設けられてもよい。例えば、用途に応じて、第1層の第2層と反対側の面上、及び/又は、第3層の第2層と反対側の面上に、他の層が更に設けられてもよい。
第1層及び第3層は、同じ材料からなる層であってもよく、互いに異なる材料からなる層であってもよい。第1層及び第3層に使用可能な材料としては、金属、樹脂、ゴム等が挙げられる。中でも金属が好ましい。第1層と第3層との間に強化糸が使用されてもよい。
第1層及び第3層は、ともに金属からなることが特に好ましい。この態様においては、第1層と第3層との摩擦が大きくなるため、第2層が介在することによる摩擦低減効果が顕著になる。また、金属は高温の流体との接触により腐食しやすいので、第2層が介在することによる第3層の腐食防止効果が顕著になる。
上記積層体はパイプであることが好ましい。上記積層体がパイプである場合、上記第2層は、上記架橋フッ素樹脂からなるテープにより形成されることが好ましい。
本発明は、第1層と、第1層の上に形成された第2層と、第2層の上に形成された第3層と、を含むパイプであって、第1層、第2層及び第3層が、当該パイプの内側からこの順に積層され、第2層が、第1層の外周に上述したテープを巻き付けることにより形成されていることを特徴とするパイプでもある。第1層と第2層、及び、第3層と第2層とは、それぞれ接着していてもよく、接着していなくてもよい。
第2層においては、上記テープが、幅方向に隣り合うように配置されていることが好ましい。更に、隣り合う上記テープの幅方向の端部同士が互いにロックされていることが好ましい。この態様は、例えば、上記態様(3)のテープを使用することにより実現される。
上記第2層においては、上記テープが複数層積層されていてもよい。
本発明のパイプにおいては、第1層、第2層及び第3層がそれぞれ管状体を構成し、第1層の上に第2層が形成され、第2層の上に第3層が形成されている。図2に、本発明のパイプの構成の一例を模式的に示す。
本発明のパイプにおいては、第2層が上述したテープからなるので、第1層と第3層との間の摩擦を低減することができる。特に、第1層及び第3層が金属層であっても、第2層が摩耗しにくく、第1層と第3層との間の摩擦を長期にわたって低減することができる。また、上記パイプは、高温環境下で使用しても、機械的強度が低下しにくい。また、上記パイプを、ライザー管等の、高温の流体を流通させる可撓管類に適用した場合、第2層の外側の層への高温の流体の透過を抑制することができ、第2層の外側の層の腐食を防止することができる。また、当該可撓管類の強度の低下を防止することができる。
本発明のパイプにおいては、樹脂から成るテープ層(第2層)は金属層と比べて高い断熱効果を持つため、パイプ内部(第2層より内側の部分)の温度低下を低減する事ができる。温度が低下する事によって粘度が急激に上昇し、パイプ内部で流動しなくなるような材料を輸送する場合に特に有効である。発泡させる等の手法でテープに空洞部分を作る事によって更に断熱効果を高める事もできる。
本発明のパイプにおいて、第2層は、第1層の外周に上記テープを巻き付けることにより形成される。このように、第2層を、第1層の外周に上記テープを巻き付けたテープ巻き層とすると、テープ間に遊びがあるため、パイプが屈曲した際にテープが伸びる事が無いため、パイプが元の状態に戻った際にテープ層の物性の低下や変形が起こらないという効果が得られる。
上記テープを巻き付ける方法は、特に限定されないが、例えば、第1層の外周に上記テープを螺旋状に巻き付ける方法が好ましい。図3に、上記テープの巻き付け方法の一例を模式的に示す。テープ14(本発明のテープ)は、管状の第1層11の外周に、図中の矢印の方向に螺旋状に巻き付けられる。
巻き付け時には、上記テープを、隣り合うテープの幅方向端部が互いに重なり合わないように第1層の外周に巻き付けてもよい(例えば、図4(a)参照。)。更に、得られたテープ巻き層の外周に、既に巻き付けられたテープの境界部を覆うように、巻き付け位置をずらして上記テープを同様の方法で巻き付けてもよい(例えば、図4(b)参照。)。このようにすれば、高温の流体の透過をより確実に抑制することができる。この場合のテープの巻き付けは、下層(内層側)のテープと上層(外層側)のテープを同一方向に巻き付けてもよいが、互いに反対方向に巻き付けるほうが、巻き付け時のパイプにかかる張力がバランスするので、巻き付けやすく好ましい。
また、上記テープを、隣り合うテープの幅方向端部が互いに重なり合うように巻き付けてもよい(例えば、図4(c)参照。)。このようにすれば、高温の流体の透過をより確実に抑制することができる。この態様においても、上記テープを、同一方向又は反対方向に複数層巻き付けてよい。
また、上記テープが幅方向の両端に肉薄部を有する場合は、隣り合うテープの肉薄部が互いに重なり合うように巻き付けることが好ましい(例えば、図4(d)参照。)。このようにすれば、高温の流体の透過をより確実に抑制することができる。また、得られるテープ巻き層の厚みを容易に均一にすることができる。この態様においても、上記テープを、同一方向又は反対方向に複数層巻き付けてよい。
また、上記テープが互いにロック可能な形状を有する場合は、隣り合うテープの幅方向の端部同士をかみ合わせるように巻き付けることが好ましい(例えば、図4(e)参照。)。このようにすれば、テープ同士が互いにロックされたテープ巻き層を得ることができるため、パイプが撓んだりねじれたりした場合に、テープのズレを防止することができる。その結果、高温の流体の透過をより確実に抑制することができる。また、得られるテープ巻き層の厚みを容易に均一にすることができる。この態様においても、上記テープを、同一方向又は反対方向に複数層巻き付けてよい。
上記テープの巻き付けは、公知のテープ巻き装置を使用して行ってよい。
第2層においては、隣り合う上記テープの幅方向の端部同士が互いにロックされていることが好ましい。この態様は、例えば、上記態様(3)のテープを、隣り合うテープの幅方向の端部同士をかみ合わせるように第1層の外周に巻き付けることにより実現される。
第3層は、第2層の外周を、例えば公知の方法により必要な材料で被覆することにより、形成することができる。
本発明のパイプは、更に、可撓性を有する管体を備え、第1層が、当該管体の外周に形成され、第2層が、第1層の外周に上記テープを巻き付けることにより形成され、第3層が、第2層の外周に形成されていることが好ましい。図5に、この態様に係るパイプの構成の一例を模式的に示す。パイプ20は、内層側から順に可撓性を有する管体21、第1層22、第2層23及び第3層24が積層されてなる。
この態様においては、可撓性を有する管体の外層側に、第1層、第2層及び第3層からなる3層構造の積層体が設けられるので、当該管体を補強することができる。特に、第1層及び第3層を金属からなる層とすれば、上記管体をより充分に補強することができる。また、第2層が上述したテープからなるので、第1層と第3層との摩擦を低減できる。特に、第1層及び第3層が金属層であっても、第2層が摩耗しにくく、第1層と第3層との間の摩擦を長期にわたって低減することができる。また、上記管体に高温の流体を流通させた場合であっても、第2層より第3層への高温の流体の透過を抑制することができ、第3層の腐食を防止することができる。また、高温条件下でも、上記管体の補強効果の低下を防止することができる。
上記可撓性を有する管体は、単層構造であっても多層構造であってもよい。多層構造の作成方法は特に限定されるものではないが、公知の逐次押出成形や共押出成形等が好ましい。
上記管体を構成するための材料は、当該管体に可撓性を付与し得るものであれば特に限定されず、例えば、各種可撓管類に使用される公知の材料を用途に応じて選択することができる。上記材料としては、ポリマーが挙げられ、より具体的には、フルオロポリマー、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン、ポリアミド等や、それらの混合物を挙げることができる。
上記フルオロポリマーとしては、上述したフッ素樹脂、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)等が挙げられる。
本発明のパイプにおいては、用途に応じて、上記第3層の外周に更に他の層が設けられてもよいし、上記管体の内周に更に他の層が設けられてもよい。
本発明のパイプは、上述した優れた特性を有しているので、例えば、特開平7−276523号公報に記載されるたわみ金属管、特開昭61−6485号公報に記載される高温流体用輸送管、米国特許出願公開第2008/0314471号明細書に記載される多層柔軟性パイプ等に好適に使用できる。
上述した本発明のパイプを備えるライザー管及びフローラインも本発明の1つである。上記ライザー管及びフローラインは、海底油田又はガス田において海底から海面上に物資を輸送するライザー管及びフローラインとして好適に利用できる。物資としては、原油、石油ガス、天然ガス等の流体が挙げられる。
本発明のライザー管(又はフローライン)の1つの態様を図6に例示する。但し、本発明のライザー管及びフローラインはこれに限定されるものではない。
最内層として胴体(カーカス)31が配置され、ライザー管(又はフローライン)30が深海で使用される場合でも高い圧力に耐えて、パイプ形状を保つことができる。胴体31の外周には、流体バリア層として可撓性を有する管体32が配置されている。管体32は、ライザー管(又はフローライン)内部を流通する物資が外部に漏洩することを防ぐ。
管体32の外周には補強層として第1層33及び第3層35が配置され、第1層33と第3層35の間には摩擦を防ぐため耐摩擦層として第2層34が配置される。第1層33及び第3層35は、内部を流通する物資の圧力によりライザー管(又はフローライン)が破裂することを防止する作用を持つ。第1層33及び第3層35は金属製であってよく、異なる方向に作用する応力に耐えることができるように、相互に逆向きに巻き上げられた金属条により構成できる。第2層34は、第1層33の外周に本発明のテープを巻き付けることによって形成される層であり、第1層33と第3層35の間の摩擦を低減する作用を持つ。第2層は本発明のテープからなるので、金属層である第1層33及び第3層35に対する耐摩耗性に優れ、第1層33と第3層35との間の摩擦を長期にわたって低減することができる。また、本発明のテープは高温環境下でも低透過性に優れることから、第2層34の存在により、第3層35への高温の流体(ライザー管(又はフローライン)内部を流通する物資)の透過を抑制することができ、その結果、第3層35の腐食を防止することができる。また、本発明のテープは高温環境下でも機械的強度に優れることから、第2層34の強度低下を抑制することができ、その結果、ライザー管(又はフローライン)全体の強度の低下を防止することができる。
金属製の補強層と接触することにより生じ得る管体32の損傷を防止するために管体32と胴体31又は第1層33との間に熱可塑性樹脂層を設けてもよい。外層樹脂36は第3層35の外周に位置し、ライザー管(又はフローライン)の内外を仕切る役目をもつ。外層樹脂36はポリエチレンやポリアミドから形成できる。
本発明の架橋フッ素樹脂又はテープは、ライザー管及びフローライン以外の用途でも使用することができ、例えば、地中、地上、海底を問わず、原油や天然ガスの流体移送金属配管の耐摩擦層を形成するための材料としても好適に使用できる。原油や天然ガス中には金属配管の腐食の原因となる二酸化炭素や硫化水素が含まれており、これをバリアし、金属配管の腐食を抑制したり、高粘度の原油の流体摩擦を低減したりすることもできる。上記用途に使用する際には耐摩擦層の剛性や強度を更に向上させるために、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド樹脂、マイカ、シリカ、タルク、セライト、クレー、酸化チタン等を充填してもよい。また、金属と接着させるため接着剤を使用したり金属表面を粗す処理を施してもよい。また、本発明の架橋フッ素樹脂又はテープは、自動車用エンジン周辺の高温部、若しくは、耐薬品性が求められる部位、例えば、自動車用エンジンのエンジン本体、主運動系、動弁系、潤滑・冷却系、燃料系、吸気・排気系等、駆動系のトランスミッション系等、シャーシのステアリング系、ブレーキ系等、電装品の基本電装部品、制御系電装部品、装備電装部品等における、耐熱性・耐油性・耐燃料油性・耐LLC性・耐スチーム性が要求されるガスケットや非接触型及び接触型のパッキン類(セルフシールパッキン、ピストンリング、割リング形パッキン、メカニカルシール、オイルシール等)等のシール、ベローズ、ダイヤフラム、ホース、チューブ、電線等として好適な特性を備えている。また自動車用以外では、例えば、船舶、航空機等の輸送機関における耐油、耐薬品、耐熱、耐スチーム、あるいは耐候用のパッキン、O−リング、ホース、その他のシール材、ダイヤフラム、バルブに、また化学プラントにおける同様のパッキン、O−リング、シール材、ダイヤフラム、バルブ、ホース、ロール、チューブ、耐薬品用コーティング、ライニングに、食品プラント機器及び食品機器(家庭用品を含む)における同様のパッキン、O−リング、ホース、シール材、ベルト、ダイヤフラム、バルブ、ロール、チューブに、原子力プラント機器における同様のパッキン、O−リング、ホース、シール材、ダイヤフラム、バルブ、チューブに、一般工業部品における同様のパッキン、O−リング、ホース、シール材、ダイヤフラム、バルブ、ロール、チューブ、ライニング、マンドレル、電線、フレキシブルジョイント、ベルト、ゴム板、ウエザーストリップ、PPC複写機のロールブレード等への用途に好適である。また、本発明のテープは、耐薬品性、低溶出性及び低着香性を有するため、医療・ケミカル分野においては、耐油、耐薬品、耐熱、耐スチームあるいは耐候用のシール材、蓋材、ベルト、ロール、ホース、チューブ、フィルム、コーティング、ライニング、ジョイント、容器等に適用できる。
本発明の架橋フッ素樹脂又はテープはまた、以下の用途にも使用できる。
水中構造物(船舶、ブイ、港湾設備、海上油田設備、発電所冷却水用の水路、工場冷却水用の水路、水上浮遊通路等)に水中生物が付着して繁殖することを防止するための、水生生物付着防止部材。
光学装置、フィルム・樹脂・ガラス・金属等からなる板状又は曲面を有する製品等の様々な部材。
半導体プロセスにおけるウェハ等の固定用、半導体バックグラインド用、半導体ダイシング用、半導体パッケージ・ガラス・セラミックス等のダイシング用、これらプロセス時の回路面等の保護用に貼着(更に再剥離)するテープ。
携帯電話・PDA等の携帯端末機器、デジタルカメラ・デジタルビデオカメラ等の電子・光学部品の部材固定用のテープ。
塗装マスキング用テープ。
サーバー・サーバー用パソコン・デスクトップパソコン・ワードプロセッサ・キーボード・ゲーム等の電子機器、ノートパソコン・電子辞書・PDA・携帯電話・携帯ゲーム機器・ポータブル音楽プレイヤー等の携帯電子機器。
液晶ディスプレイ、透過型液晶表示装置、反射型LCDパネル、プラズマディスプレイ、SED、LED、有機EL、無機EL、液晶プロジェクター、リアプロジェクター、液晶パネル、バックライト装置(ばらつき防止、温度ムラ改善)、TFT基板、電子放出素子、電子源基板とフェースプレート(軽量化)と表示パネルフレームとの複合品、発光素子、電荷注入型発光素子、時計等の、光学・表示機器及びその部品。
レーザー、半導体レーザー、発光ダイオード、蛍光灯、白熱電球、発光ドット、発行素子アレー、照明ユニット、平面発光装置、原稿照明装置等の発光・照明装置。
インクジェット(熱エネルギーを利用してインクを吐出する)用の単体若しくは複数からなる記録ヘッド(ヒーター、断熱材、蓄熱層等)、ラインヘッド、長尺インクヘッド、固体インクジェット装置、インクジェットヘッド用放熱板、インクカートリッジ、インクジェットヘッド用シリコン基板、インクジェット駆動ドライバ、インクジェット記録紙を加熱するための加熱源(ハロゲンランプヒータ)等の、インクジェットプリンタ(インクヘッド)装置及びその部品。
トナーカートリッジ、レーザー光源を有する装置、走査光学装置(光線出射ユニット、偏向走査ポリゴンミラー、ポリゴンミラー回転駆動モーター、感光体ドラムへ導く光学部品)、露光装置、現像装置(感光ドラム、光受容部材、現像ローラー、現像スリーブ、クリーニング装置)、転写装置(転写ロール、転写ベルト、中間転写ベルト等)、定着装置(定着ロール(芯、外周部材、ハロゲンヒーター等)、サーフヒーター、電磁誘導加熱ヒーター、セラミックヒーター、定着フィルム、フィルム加熱装置、加熱ローラー、加圧ローラー・加熱体、加圧部材、ベルトニップ)、シート冷却装置、シート載置装置、シート排出装置、シート処理装置等からなる電子写真装置・画像形成装置及びその部品。
熱転写式記録装置(リボン)、ドットプリンタ、昇華プリンタ等のその他記録装置。
半導体素子、半導体パッケージ、半導体封止ケース、半導体ダイボンディング、液晶表示素子駆動用半導体チップ、CPU、MPU、メモリ、パワートランジスタ、パワートランジスタケース等の半導体関連部品。
プリント基板、リジッド配線板、フレキシブル配線板、セラミック配線板、ビルドアップ配線板、実装基板、高密度実装プリント基板、(テープキャリアパッケージ)、TAB、ヒンジ機構、摺動機構、スルーホール、樹脂パッケージング、封止材、多層樹脂成形体、多層基板等の配線基板。
CD、DVD(光ピックアップ、レーザー発生装置、レーザー受光装置)、ブルーレイディスク、DRAM、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ、光記録再生装置、磁気記録再生装置、光磁気記録再生装置、情報記録媒体、光記録ディスク、光磁気記録媒体(透光性基板、光干渉層、磁壁移動層、中間層、記録層、保護層、放熱層、情報トラック)、受光素子、光検出素子、光ピックアップ装置、磁気ヘッド、光磁気記録用磁気ヘッド、半導体レーザチップ、レーザダイオード、レーザー駆動IC等の、記録装置、記録再生装置及びその部品。
デジタルカメラ、アナログカメラ、デジタル一眼レフカメラ、アナログ一眼レフカメラ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、カメラ一体型VTR用、カメラ一体型VTR用IC、ビデオカメラ用ライト、電子閃光装置、撮像装置、撮像管冷却装置、撮像装置、撮像素子、CCD素子、レンズ鏡筒、イメージセンサ及びそれを用いた情報処理装置、X線吸収体パターン、X線マスク構造体、X線撮影装置、X線露光装置、X線平面検出器、X線デジタル撮影装置、X線エリアセンサー基板、電子顕微鏡用試料冷却ホルダ、電子ビーム描画装置(電子銃、電子銃、電子ビーム描画装置)、放射線検出装置及び放射線撮像システム、スキャナー、画像読取装置、動画用撮像素子と静止画用撮像素子、顕微鏡等の、画像記録装置及びその部品。
アルカリ電池・マンガン電池等の一次電池、リチウムイオン電池・ニッケル水素・鉛蓄電池等の二次電池、電気二重層キャパシタ、電解コンデンサ、組電池、太陽電池、太陽電池モジュール設置構造体、光電変換基板、光起電力素子アレー、発電素子、燃料電池(発電セル、筐体外部、燃料タンク内部)等の、バッテリー機器等の放熱材料に使用するテープ。
電源(整流ダイオード、トランス)、DC/DCコンバータ、スイッチング電源装置(フォワード型)、電流リ−ド、超電導装置システム等の、電源及びその部品。
モーター、リニアモーター、平面モーター、振動波モーター、モーターコイル、回転制御駆動用の回路ユニット、モータドライバ、インナーロータモーター、振動波アクチュエーター等の、モーター及びその部品。
真空処理装置、半導体製造装置、蒸着装置、薄膜単結晶半導体層製造装置、プラズマCVD、マイクロ波プラズマCVD、スパッタリング装置、減圧チャンバー、真空ポンプ、クライオトラップ・クライオポンプ等の真空排気装置、静電チャック、真空バキュームチャック、ピンチャック型ウエハチャック、スパッタリング用ターゲット、半導体露光装置、レンズ保持装置及び投影露光装置、フォトマスク、等の堆積膜製造装置(温度一定、品質安定)及びその部品。
抵抗加熱・誘導加熱・赤外線加熱による熱処理装置、乾燥機、アニール装置、ラミネート装置、リフロー装置、加熱接着(圧着)装置、射出成型装置(ノズル・加熱部)、樹脂成形金型、LIM成型、ローラー成型装置改質ガス製造(改質部、触媒部、加熱部等)スタンパ、(フィルム状、ロール状、記録媒体用)、ボンディングツール、触媒反応器、チラー、カラーフィルタ基板の着色装置、レジストの加熱冷却装置、溶接機器、磁気誘導加熱用フィルム、結露防止ガラス、液体残量検知装置、熱交換装置等の、種々製造装置及びその部品。
断熱材、真空断熱材、輻射断熱材等の断熱装置。
各種電子・電気機器、製造装置のシャーシ、筐体、外装カバー。
放熱器、開口部、ヒートパイプ、ヒートシンク、フィン、ファン、放熱用コネクタ等の放熱部品。
ペルチェ素子、電気熱変換素子、水冷部品等の冷却部品。
温度調節装置、温度制御装置、温度検出装置及び部品。
サーミスタ、サーモスイッチ、サーモスタット、温度ヒューズ、過電圧防止素子、サーモプロテクタ、セラミックヒーター、フレキシブルヒーター、ヒーターと熱伝導板と断熱材の複合品、ヒーターコネクタ、電極端子部品等の発熱体関連部品。
高放射率を有する放射部品、電磁波遮蔽、電磁波吸収体等の電磁シールド部品。
スマートフォンやタブレット型パソコン等の携帯電子機器の製造や、液晶表示モジュール、有機ELモジュール等の画像表示モジュールの固定に使用するテープ。
電子手帳、携帯電話、PHS、デジタルカメラ、音楽プレーヤー、テレビ、ノート型パソコン、スマートフォン、タブレット型パソコン、ゲーム機等の携帯電子機器や、壁掛けタイプのテレビやモニター、パソコン等の電子機器等の製造場面に使用する各種物品。
スマートフォンやタブレット型パソコン等の携帯電子機器の画像表示部の保護パネルや、表層部にガラスが設けられた液晶表示モジュール、有機ELモジュール等の画像表示モジュールの固定に使用するテープ。
保護パネルと画像表示モジュールの貼り合わせや、貼り付け部分が平板状の筐体や支持体への画像表示モジュールの固定に使用するテープ(剛体部材同士の接着性にも優れることから)。
上述した積層体は、配管に適用することもできる。この場合、上記積層体からなる配管は通常の方法によって製造することができ、特に制限されることはない。また、上記配管には、コルゲートチューブも含まれる。
高温環境における上記テープ、積層体、パイプ、ライザー管又はフローラインの使用も本発明の1つである。なお、高温とは、100℃以上をいい、好ましくは130℃以上、より好ましくは150℃以上をいう。上限は、例えば200℃である。
次に本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例の各数値は以下の方法により測定した。
フッ素樹脂の組成
核磁気共鳴装置AC300(Bruker−Biospin社製)を用い、測定温度を(ポリマーの融点+20)℃として19F−NMR測定を行い、各ピークの積分値およびモノマーの種類によっては元素分析を適宜組み合わせて求めた。
フッ素樹脂の融点(℃)
示差走査熱量計RDC220(Seiko Instruments社製)を用い、ASTM D−4591に準拠して、昇温速度10℃/分にて熱測定を行い、得られた吸熱曲線のピークから融点を求めた。
フッ素樹脂のメルトフローレート(MFR)
ASTM D3307−01に準拠し、メルトインデクサー(東洋精機社製)を用いて、297℃、5kg荷重下で内径2mm、長さ8mmのノズルから10分間あたりに流出するポリマーの質量(g/10分)をMFRとした。
実施例及び比較例では、表1に記載のフッ素樹脂のフィルムを準備した。
Figure 2018002774
実施例1
上記フッ素樹脂(1)の厚さ2mmの成形体を電子線照射装置(NHVコーポレーション社製)の電子線照射容器に収容し、その後窒素ガスを加えて容器内を窒素雰囲気にした。容器内の温度を120℃まで昇温し温度が安定した後、電子線加速電圧が3000kV、照射線量の強度が20kGy/5minの条件で、上記厚さ2mmの成形体に80kGyの電子線を照射することにより、電子線架橋を行った。
得られた架橋成形体について、スラスト試験機を用いて表2に示す条件で摩耗試験を行い、摩耗量を測定した。結果を表3に示す。
比較例1
電子線架橋を行わない点以外は実施例1と同様にして摩耗試験を行い、摩耗量を測定した。結果を表3に示す。
実施例2〜5
電子線架橋の条件を表3に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして架橋成形体を得、摩耗試験を行った。結果を表3に示す。
Figure 2018002774
Figure 2018002774
1a、1b、1c:テープ
2:中央部
3:肉薄部
4:凸部
5:肉薄部
10:パイプ
11:第1層
12:第2層
13:第3層
14、15、16:テープ
20:パイプ
21:可撓性を有する管体
22:第1層
23:第2層
24:第3層
30:ライザー管又はフローライン
31:胴体(カーカス)
32:可撓性を有する管体
33:第1層
34:第2層
35:第3層
36:外層樹脂

Claims (8)

  1. フッ素樹脂を架橋して得られる架橋フッ素樹脂であって、
    前記フッ素樹脂は、テトラフルオロエチレン単位及びビニリデンフルオライド単位を含み、
    前記フッ素樹脂を構成する全モノマー単位に対し、テトラフルオロエチレン単位が50.0モル%以上である
    ことを特徴とする架橋フッ素樹脂。
  2. 前記フッ素樹脂を放射線架橋して得られる請求項1記載の架橋フッ素樹脂。
  3. 前記フッ素樹脂は、更に、式(1)及び式(2)で表されるエチレン性不飽和モノマーからなる群より選択される少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマー単位を含む請求項1又は2記載の架橋フッ素樹脂。
    式(1): CX1112=CX13(CX1415n1116
    (式中、X11〜X16は同一または異なってH、F又はClを表し、n11は0〜8の整数を表す。但し、テトラフルオロエチレン及びビニリデンフルオライドを除く。)
    式(2): CX2122=CX23−O(CX2425n2126
    (式中、X21〜X26は同一または異なってH、F又はClを表し、n21は0〜8の整数を表す。)
  4. メルトフローレートが0〜1g/10minである請求項1、2又は3記載の架橋フッ素樹脂。
  5. 請求項1、2、3又は4記載の架橋フッ素樹脂からなるテープ。
  6. 第1層と、
    第1層の上に形成された第2層と、
    第2層の上に形成された第3層と、を含むパイプであって、
    第1層、第2層及び第3層が、前記パイプの内側からこの順に積層され、
    第2層が、第1層の外周に請求項5記載のテープを巻き付けることにより形成されている
    ことを特徴とするパイプ。
  7. 請求項6記載のパイプを備えるライザー管。
  8. 請求項6記載のパイプを備えるフローライン。
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