JP2018002647A - 耐熱性微生物の不活性化用組成物、耐熱性カビの不活性化前処理用組成物、及び耐熱性微生物の不活性化方法 - Google Patents

耐熱性微生物の不活性化用組成物、耐熱性カビの不活性化前処理用組成物、及び耐熱性微生物の不活性化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性微生物の不活性化の効率化を実現する。【解決手段】本発明に係る耐熱性微生物の不活性化用組成物は、ブロモ酢酸及びヨード酢酸の少なくとも一方を不活性化成分として含む。【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性微生物の不活性化用組成物及びこれを用いた不活性化方法、並びに、耐熱性カビの不活性化前処理用組成物に関する。
耐熱性カビには、強い耐熱性を示す子嚢胞子を形成するものがある。このような耐熱性カビを加熱により不活性化しようとしても、子嚢胞子の状態のカビは熱に耐える。
そのため、加熱処理を行なっても子嚢胞子の状態で生存したカビについては、当該子嚢胞子の発芽後に再度加熱処理をする必要がある。よって、耐熱性カビの不活性化処理は長時間を要する。
また、耐熱性細菌にも、強い耐熱性を示す芽胞を形成するものがあり、このような耐熱性細菌を不活性化するためには、高温で長時間の加熱する必要がある。
非特許文献1には、耐熱性カビを、クロロ酢酸の存在下で加熱することで、カビの子嚢胞子が熱活性化され発芽が促進されることが記載されている。
YUTAKA KIKOKU et. al.,Biocontrol Science,2009, Vol. 14, No. 3, p.87-95
そこで本発明の目的は、耐熱性微生物である耐熱性カビ及び耐熱性細菌の不活性化の効率化を実現することにある。
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた。具体的には、耐熱性のカビの場合、子嚢胞子からの発芽を促進させることができれば、不活性化処理の時間を短時間にすることができるため、発芽を促進させる方法について研究した。また、子嚢胞子から発芽したときにカビが生育できない環境であれば効率的に不活性化処理することができるため、そのような環境を作る方法について研究した。その結果、加熱処理をする際に特定の化合物を含む組成物を用いて加熱すれば、子嚢胞子の発芽を活性化することができること、また、発芽したカビが不活性化することを見出した。また、このような特定の化合物を用いる加熱処理を、耐熱性の細菌に適用したところ、従来よりも低温で短時間の加熱によっても、耐熱性の細菌が不活性化することを見出した。本発明者らは、これらの新たに見出した知見に基づき、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)耐熱性微生物を不活性化するための組成物において、ブロモ酢酸及びヨード酢酸の少なくとも一方を不活性化成分として含み、前記耐熱性微生物は、耐熱性カビ又は耐熱性細菌である、耐熱性微生物の不活性化用組成物。
(2)前記不活性化成分を0.1mM以上、100mM以下含む、(1)の耐熱性微生物の不活性化用組成物。
(3)pHが4、8以下である、(1)又は(2)の耐熱性微生物の不活性化用組成物。
(4)(1)〜(3)のいずれかの耐熱性微生物の不活性化用組成物を被不活性化物と接触させて加熱する不活性化工程を含む耐熱性微生物の不活性化方法。
(5)前記耐熱性微生物は、耐熱性のカビであり、前記不活性化工程において、65℃以上で加熱する、(4)に記載の耐熱性微生物の不活性化方法。
(6)前記耐熱性微生物は、耐熱性の細菌であり、前記不活性化工程において、85℃以上で加熱する、(4)に記載の耐熱性微生物の不活性化方法。
(7)前記耐熱性微生物は、耐熱性のカビであり、モノカルボン酸臭化物、及び、モノカルボン酸ヨウ化物からなる群より選択される少なくとも1種の成分を含む耐熱性カビの不活性化前処理用組成物を被不活性化物と接触させて加熱する前処理工程を含む、(4)に記載の耐熱性微生物の不活性化方法。
(8)前記前処理工程において、65℃以上で加熱する、(7)に記載の耐熱性微生物の不活性化方法。
(9)モノカルボン酸臭化物、及び、モノカルボン酸ヨウ化物からなる群より選択される成分を少なくとも1つ含む耐熱性カビの不活性化前処理用組成物。
(10)前記モノカルボン酸臭化物は、ブロモ酢酸、ブロモプロピオン酸、ブロモ酪酸、又はブロモ吉草酸であり、前記モノカルボン酸ヨウ化物は、ヨード酢酸、ヨードプロピオン酸、ヨード酪酸、又はヨード吉草酸である、(9)に記載の耐熱性カビの不活性化前処理用組成物。
本発明によれば、耐熱性微生物である耐熱性カビ及び耐熱性細菌を効率よく不活性化することができるという効果を奏する。
Talaromayces macrosporus BFF4を、74℃で加熱した場合の加熱時間と出現菌数との関係を示すグラフである。 Talaromayces macrosporus BFF4を、69℃で加熱した場合の加熱時間と出現菌数との関係を示すグラフである。 Talaromayces macrosporus BFF4を、74℃で加熱した場合の活性化速度を示すグラフである。 Neosartorya glabraを、74℃で加熱した場合の加熱時間と出現菌数との関係を示すグラフである。 Neosartorya glabraを、69℃で加熱した場合の加熱時間と出現菌数との関係を示すグラフである。 Neosartorya glabraを、74℃で加熱した場合の活性化速度を示すグラフである。 Eupenicillium terrenumを加熱した場合の加熱時間と出現菌数との関係を示すグラフである。 Clostridium pasteurianumを加熱した場合の加熱時間と出現菌数との関係を示すグラフである。 Bacillus cereusを加熱した場合の加熱時間と出現菌数との関係を示すグラフである。 Bacillus subtilisを加熱した場合の加熱時間と出現菌数との関係を示すグラフである。 Alicyclobacillus acidoterrestorisを加熱した場合の加熱時間と出現菌数との関係を示すグラフである。
<本発明に係る耐熱性微生物の不活性化用組成物の特徴>
本発明に係る耐熱性微生物の不活性化用組成物(以下、単に「本発明に係る不活性化用組成物」という。)は、ブロモ酢酸及びヨード酢酸の少なくとも一方を不活性化成分として含み、耐熱性微生物は、耐熱性カビ又は耐熱性細菌である。ここで、耐熱性カビは、75℃で30分程度の加熱によっても生存するカビを意味している。
<本発明に係る不活性化用組成物の効果>
本発明に係る不活性化用組成物の存在下で耐熱性カビを加熱することにより、当該耐熱性カビの子嚢胞子の発芽が活性化される。よって、加熱をした後に、子嚢胞子が短時間で発芽する。さらに、本発明に係る不活性化用組成物に含まれる成分によって、休眠状態から回復した耐熱性カビが不活性化する。そのため、発芽後の耐熱性カビを不活性化するための処理を簡略化、又は、省略することができる。よって、耐熱性カビを効率よく不活性化することができる。また、本発明に係る不活性化用組成物の存在下で耐熱性細菌を加熱することにより、当該耐熱性細菌が不活性化する。そのため、耐熱性細菌を効率よく不活性化することができる。
<不活性化成分の好ましい濃度>
本発明に係る不活性化用組成物の前記不活性化成分の濃度は、不活性化効果を向上させる観点から、0.1mM以上含むことが好ましく、1mM以上含むことがより好ましい。また、当該濃度は、成分の残留を防ぐ観点から、100mM以下含むことが好ましく、10mM以下含むことがより好ましい。なお、前述した濃度は、ブロモ酢酸又はヨード酢酸のpHがその第一酸解離定数と同一の場合における非解離型の濃度である。
<pH>
本発明に係る不活性化用組成物のpHは、不活性化効果をより高める観点から、4.8以下であることが好ましく、また、ブロモ酢酸又はヨード酢酸の第一酸解離定数よりも低いことがより好ましい。すなわち、本発明に係る不活性化用組成物のpHは、不活性化成分を非解離型に維持するpHであり、不活性化成分の第一酸解離定数と同一か、これより小さいことが好ましい。したがって、本発明に係る不活性化用組成物のpHは、ブロモ酢酸又はヨード酢酸のイオン性分子よりも脂溶性分子が多い状態となるようなpHであることが好ましい。なお、本発明に係る不活性化用組成物のpHは、使用前に使用に適したpHに調整するものであってもよい。
<他の成分>
本発明に係る不活性化用組成物は、上述した不活性化成分以外に、不活性化成分を溶解させる水等の溶媒や、pH調整剤、安定剤、保存料、等の添加剤をさらに含んでいてもよい。
<不活性化用組成物の製造方法>
本発明に係る不活性化用組成物は、前述した成分と、必要に応じて、溶媒及び添加剤とを混合して製造すればよい。例えば、前述した成分を予め溶媒に溶解し、添加剤が溶解した溶媒と混合してもよく、当該成分と添加剤とを混合して溶媒に溶解してもよい。
<不活性化用組成物の形態>
本発明に係る不活性化用組成物の形態は、具体的な使用態様等に応じて適宜選択すればよい。本発明に係る不活性化用組成物は、例えば、前述した成分を所定の容量の水等の溶媒に溶解させた液体形態であってもよく、前述した成分を高濃度で溶媒に溶解した高濃度の溶液の形態であってもよい。本発明に係る不活性化用組成物が高濃度の溶液の形態であれば、使用前に所定の濃度に希釈すればよい。
<不活性化対象の微生物>
本発明に係る不活性化用組成物により不活性化の対象となる微生物は、耐熱性を有する耐熱性カビ及び耐熱性細菌である。本発明に係る不活性化用組成物は、耐熱性カビの内でも、特に耐熱性の高い、子嚢胞子を形成する子嚢菌類に属するカビであっても、好適に不活性化することが可能である。このような耐熱性カビとして、例えば、Talaromyces属、Neosartorya属、Eupenicillium属、Hamigera属が挙げられる。また、本発明に係る不活性化用組成物は、耐熱性細菌の内でも、特に耐熱性の高い、芽胞を形成する芽胞菌であっても、好適に不活性化することができる。このような耐熱性細菌として、例えば、Bacillus属、Clostridium属、Alicyclobacillus属が挙げられる。
<本発明に係る耐熱性カビの不活性化前処理用組成物の特徴>
本発明に係る耐熱性カビの不活性化前処理用組成物(以下、単に「本発明に係る不活性化前処理用組成物」という。)は、モノカルボン酸臭化物、及び、モノカルボン酸ヨウ化物からなる群より選択される少なくとも1種の成分を含む。
<本発明に係る耐熱性カビの不活性化前処理用組成物の効果>
本発明に係る不活性化前処理用組成物によれば、耐熱性カビの子嚢胞子の発芽を促進する。よって、一度加熱をした後に、子嚢胞子が発芽したころに再度加熱をする場合、前回の加熱から次回の加熱までの時間を短縮できる。よって、不活性化処理に要する時間を短縮することができる。
<モノカルボン酸>
モノカルボン酸臭化物及びモノカルボン酸ヨウ化物を構成するモノカルボン酸の具体例としては、様々なモノカルボン酸を採用できる。モノカルボン酸の中でも直鎖のモノカルボン酸がより好ましい。また、モノカルボン酸は、その臭化物及びヨウ化物が水に可溶であるという理由から、側鎖が短く、炭素数の少ないものがより好ましく、酢酸、プロピオン酸、酪酸、又は吉草酸が好ましい。
<モノカルボン酸臭化物>
モノカルボン酸臭化物は、上述したモノカルボン酸の臭化物であればよく、ブロモ酢酸、ブロモプロピオン酸、ブロモ酪酸、又はブロモ吉草酸がより好ましく、最も好ましくは、ブロモプロピオン酸又はブロモ吉草酸である。
<モノカルボン酸ヨウ化物>
モノカルボン酸ヨウ化物は、上述したモノカルボン酸のヨウ化物であればよく、ヨード酢酸、ヨードプロピオン酸、ヨード酪酸、又はヨード吉草酸であることがより好ましく、最も好ましくは、ヨードプロピオン酸又はヨード吉草酸である。
<不活性化前処理用組成物に関する他の説明>
本発明に係る不活性化前処理用組成物に関する他の説明については、上述した本発明に係る不活性化用組成物と同一であるため、その詳細な説明は省略する。
<本発明に係る耐熱性微生物の不活性化方法の特徴>
本発明に係る耐熱性微生物の不活性化方法(以下、単に「本発明に係る不活性化方法」という。)は、上述した本発明に係る不活性化用組成物を被不活性化物と接触させて加熱する不活性化工程を含む。
<本発明に係る不活性化方法の効果>
本発明に係る不活性化方法によれば、発明に係る不活性化用組成物の存在下で耐熱性カビを加熱することにより、当該耐熱性カビの子嚢胞子の発芽が促進される。よって、加熱をした後に、子嚢胞子が短時間で発芽する。さらに、本発明に係る不活性化用組成物に含まれる成分によって休眠状態から回復した耐熱性カビが不活性化する。そのため、発芽後の耐熱性カビを不活性化するための処理を簡略化、又は、省略することができる。よって、耐熱性カビを効率よく不活性化することができる。また、本発明に係る不活性化方法によれば、本発明に係る不活性化用組成物の存在下で耐熱性細菌を加熱することにより、当該耐熱性細菌が不活性化する。そのため、耐熱性細菌を効率よく不活性化することができる。
<不活性化工程>
本発明に係る不活性化方法に含まれる不活性化工程は、本発明に係る不活性化用組成物を被不活性化物と接触させて加熱する工程である。
<不活性化用組成物と被不活性化物との接触方法>
不活性化工程において、被不活性化物を本発明に係る不活性化用組成物と接触させる方法としては、例えば、不活性化用組成物中に被不活性化物を浸漬する、不活性化用組成物を被不活性化物に塗布する、不活性化用組成物をスプレー、シャワー等により被不活性化物に吹き付ける等の方法が挙げられる。
<加熱温度>
耐熱性微生物が耐熱性カビである場合、不活性化工程における加熱温度は、不活性化効率を向上させる観点から、65℃以上が好ましく、その上限は、被不活性化物の熱に対する影響等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、100℃以下が好ましい。また、耐熱性微生物が耐熱性細菌である場合、不活性化工程における加熱温度は、不活性化効率を向上させる観点から、85℃以上が好ましく、その上限は、被不活性化物の熱に対する影響等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、100℃以下が好ましい。
<加熱時間>
耐熱性微生物が耐熱性カビである場合、不活性化工程の加熱時間は50秒以上が好ましく、その上限は、被不活性化物の熱に対する影響等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、5分以下が好ましい。これにより、耐熱性カビの子嚢胞子の発芽を促進すると共に、発芽した耐熱性カビを不活性化することができる。また、耐熱性微生物が耐熱性細菌である場合、不活性化工程の加熱時間は5分以上が好ましく、その上限は、被不活性化物の熱に対する影響等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、10分以下が好ましい。これにより、耐熱性細菌を効率よく不活性化することができる。なお、加熱時間をより長くすれば、耐熱性カビ及び耐熱性細菌をより確実に不活性化することができるためより好ましい。
<前処理工程>
本発明に係る不活性化方法において、耐熱性微生物は、耐熱性カビであり、モノカルボン酸臭化物、及び、モノカルボン酸ヨウ化物からなる群より選択される少なくとも1種の成分を含む耐熱性カビの不活性化前処理用組成物を被不活性化物と接触させて加熱する前処理工程を含んでもよい。
<耐熱性カビの前処理工程の効果>
前処理工程によれば、耐熱性カビの子嚢胞子の発芽を促進する。よって、一度加熱をした後、子嚢胞子が発芽したころに再度加熱をするとき、前回の加熱から次回の加熱までの時間を短縮できる。よって、耐熱性カビの不活性化に要する時間を短縮することができる。
<前処理工程の例>
前処理工程においては、モノカルボン酸臭化物、及び、モノカルボン酸ヨウ化物からなる群より選択される少なくとも1種の成分を含む、耐熱性カビの不活性化前処理用組成物を被不活性化物と接触させて加熱する。なお、不活性化工程と前処理工程とで同一の成分を被不活性化物と接触させることがより好ましい。この場合、前処理工程においても、ブロモ酢酸及びヨード酢酸の少なくとも一方を被不活性化物に接触させればよく、不活性化工程の前の前処理工程から不活性化工程までが一連の工程として実施される。また、前処理工程において、ブロモ酢酸及びヨード酢酸以外のモノカルボン酸臭化物及びモノカルボン酸ヨウ化物を用いる場合には、不活性化工程の前に前処理工程を行い、後の不活性化工程においてブロモ酢酸及びヨード酢酸の少なくとも一方をさらに被不活性化物に接触させればよい。不活性化前処理用組成物と被不活性化物との接触方法は、不活性化工程における不活性化用組成物と被不活性化物との接触方法と同じである。なお、前処理工程においても、子嚢胞子を形成していないカビについては不活性化できる。
<加熱温度>
前処理工程の加熱温度は、子嚢胞子の発芽促進効率を向上させる観点から、65℃以上が好ましく、その上限は、被不活性化物の熱に対する影響等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、90℃以下が好ましい。
<加熱時間>
また、前処理工程の加熱時間は5秒以上が好ましく、15秒以上がより好ましい。また、加熱時間の上限は、被不活性化物の熱に対する影響等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、50秒未満が好ましく、30秒以下がより好ましい。これにより、耐熱性カビの子嚢胞子の発芽を促進することができる。
<他の工程>
本発明に係る不活性化方法は、不活性化工程の前又は後に不活性化成分のpHを調整するpH調整工程、不活性化工程の後に被不活性化物に付着する耐熱性微生物の菌数を計測する計測工程、不活性化工程の後に被不活性化物に残留する不活性化成分を洗い流す洗浄工程、前処理工程の前又は後に不活性化成分のpHを調整するpH調整工程、前処理工程の後に被不活性化物に付着する耐熱性カビの菌数を計測する計測工程等の他の工程をさらに含んでもよい。なお、不活性化前処理用組成物を含む溶液中で被不活性化物を加熱すると、これに付着する耐熱性カビは熱感受性になるため、不活性化工程における加熱により発芽したカビを不活性化することが好ましいが、耐熱性カビには、高圧化で不活性化するものもあるため、カビを加圧する工程をさらに含んでもよい。
<用途>
本発明に係る不活性化用組成物および本発明に係る不活性化前処理用組成物は、耐熱性微生物が付着しているもの又は耐熱性微生物が付着しているおそれのある物に対する、耐熱性微生物の不活性化に利用できる。このような物としては、例えば、食品製造ラインを構成する構成部品等が挙げられるが、これに限定されない。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
<実施例1>
PDA培地(バレイショ−ブドウ糖寒天培地)に、参考文献1(Kikoku, J. Food Science, 68(7), p.2331-2335(2003))に記載の方法にしたがって、冷凍サクランボから分離したTalaromayces macrosporus BFF4を播種し、25℃暗所にて70日間培養した。参考文献1に記載された方法にしたがって、10〜10個/mLの子嚢胞子懸濁液を得た。
得られた子嚢胞子懸濁液と、モノブロモ酢酸(pH2.86)、モノブロモプロピオン酸(pH2.86)、モノブロモ酪酸(pH2.86)、モノブロモ吉草酸(pH2.86)、又はモノヨード酢酸(pH3.12)溶液とを、子嚢胞子濃度10個/mLで、溶液が2mMになるように、瞬時に撹拌及び混合した。これらを74℃又は69℃のウォーターバス中でそれぞれ加熱し、所定時間加熱後に、NaOHにより中和した。
<比較例1>
実施例1と同様に得られた子嚢胞子懸濁液と水とを、子嚢胞子濃度10個/mLなるように混合し、また、実施例1と同様に得られた子嚢胞子懸濁液と、酢酸(pH4.76)、モノクロロ酢酸(pH2.86)、又はジクロロ酢酸(pH1.29)とを、子嚢胞子濃度10個/mLで、酢酸、モノクロロ酢酸又はジクロロ酢酸が2mMになるように、瞬時に撹拌及び混合した。これらを、74℃又は69℃のウォーターバス中でそれぞれ加熱した。水以外を添加した懸濁液は、加熱後に、NaOHにより中和した。
<実施例1と比較例1との比較>
実施例1及び比較例1で得られた各懸濁液を、上記参考文献1に記載された方法にしたがって直ちに冷却し、PDA培地上において、25℃で4〜7日間培養し、懸濁液1mL当たりの出現したコロニー数の計測と、コロニー数からの活性化速度の算出を行った。74℃で加熱した場合の加熱時間と出現菌数との関係を図1に示す。また、水、酢酸、モノクロロ酢酸、モノブロモ酢酸、又はモノヨード酢酸を添加し、69℃で加熱した場合の加熱時間と出現菌数との関係を図2に示す。さらに、水、酢酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、モノブロモ酢酸、又はモノヨード酢酸を添加し、74℃で加熱した懸濁液中の子嚢胞子の活性化速度を図3に示す。
図1〜3に示すように、水又は酢酸を用いた場合、子嚢胞子の発芽の時間は遅かった。一方、モノブロモ酢酸、モノブロモプロピオン酸、モノブロモ酪酸、又はモノブロモ吉草酸、又はモノヨード酢酸を用いた場合、子嚢胞子の発芽が促進された。特に、モノブロモプロピオン酸又はモノブロモ吉草酸を用いた場合には、加熱開始直後に子嚢胞子の発芽が促進された。さらに、モノブロモ酢酸又はモノヨード酢酸を用いた場合には、加熱時間を長くすることで菌数の減少が確認できた。
また、モノブロモ酢酸又はモノヨード酢酸を用いた実施例1の場合、上述のように加熱した子嚢胞子の懸濁液を、PDA培地上において、25℃で通常の培養時間の約2倍(2週間)培養したが、コロニーの形成が無かった。さらに、69℃または74℃で15分加熱した子嚢胞子の懸濁液を、室温で18時間放置したところ、水又は酢酸を用いた比較例1の場合、菌糸の伸長が顕微鏡下で認められたが、モノブロモ酢酸又はモノヨード酢酸を用いた実施例1の場合には、菌糸の伸長は認められなかった。この結果から、モノブロモ酢酸又はモノヨード酢酸を用いた実施例1の場合には、発芽が促進されなかったのではなく、発芽したカビが不活性化していたことを確認できた。
<実施例2>
PDA培地に、Neosartorya glabra(NBRC31355、独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)より入手)を播種し、25℃暗所にて80日間培養した。参考文献1に記載された方法にしたがって、10〜10個/mLの子嚢胞子懸濁液を得た。
得られた子嚢胞子懸濁液と、モノブロモ酢酸(pH2.86)又はモノヨード酢酸(pH3.12)溶液とを、子嚢胞子濃度10個/mLで、モノブロモ酢酸又はモノヨード酢酸が2mMになるように、瞬時に撹拌及び混合した。これらを74℃又は69℃のウォーターバス中でそれぞれ加熱し、所定時間加熱後に、NaOHにより中和した。
<比較例2>
実施例2と同様に得られた子嚢胞子懸濁液と水とを、子嚢胞子濃度10個/mLなるように混合し、また、実施例2と同様に得られた子嚢胞子懸濁液と酢酸(pH4.76)、又はモノクロロ酢酸(pH2.86)とを、子嚢胞子濃度10個/mLで、酢酸又はモノクロロ酢酸が2mMになるように、瞬時に撹拌及び混合した。74℃又は69℃のウォーターバス中でそれぞれ加熱した。酢酸又はモノクロロ酢酸を添加した懸濁液は、加熱後に、NaOHにより中和した。
<実施例2と比較例2との比較>
実施例2及び比較例2で得られた各懸濁液を、上記参考文献1に記載された方法にしたがって直ちに冷却し、PDA培地上において、25℃で4〜7日間培養し、懸濁液1mL当たりの出現したコロニー数を計測と、コロニー数からの活性化速度の算出を行った。74℃で加熱した場合の加熱時間と出現菌数との関係を図4に示し、69℃で加熱した場合の加熱時間と出現菌数との関係を図5に示し、74℃で加熱した懸濁液中の子嚢胞子の活性化速度を図6に示す。
図4〜6に示すように、水又は酢酸を用いた場合、子嚢胞子の発芽の時間は遅かった。一方、モノブロモ酢酸又はモノヨード酢酸を用いた場合、子嚢胞子の発芽が促進された。さらに、モノブロモ酢酸又はモノヨード酢酸を用いた場合には、加熱時間を長くすることで菌数の減少が確認できた。
<実施例3>
PDA培地に、参考文献1に記載の方法にしたがって、冷凍ブルーベリーより分離したEupenicillium terrenumを播種し、25℃暗所にて80日間培養した。参考文献1に記載された方法にしたがって、10〜10個/mLの子嚢胞子懸濁液を得た。
得られた子嚢胞子懸濁液と、モノブロモ酢酸(pH2.86)とを、子嚢胞子濃度10個/mLで、モノブロモ酢酸が2mMになるように、瞬時に撹拌及び混合した。これを74℃のウォーターバス中で加熱した後、NaOHにより中和した。
<比較例3>
実施例3と同様に得られた子嚢胞子懸濁液と水とを、子嚢胞子濃度10個/mLなるように混合し、また、実施例3と同様に得られた子嚢胞子懸濁液と酢酸(pH4.76)とを、子嚢胞子濃度10個/mLで、酢酸が2mMになるように、瞬時に撹拌及び混合した。これを74℃のウォーターバス中で加熱し、酢酸を添加した懸濁液は、加熱後に、NaOHにより中和した。
<実施例3と比較例3との比較>
実施例3及び比較例3で得られた各懸濁液を、上記参考文献1に記載された方法にしたがって直ちに冷却し、PDA培地上において、25℃で4〜7日間培養し、懸濁液1mL当たりの出現したコロニー数を計測した。74℃で加熱した場合の加熱時間と出現菌数との関係を図7に示す。
図7に示すように、水又は酢酸を用いた場合、子嚢胞子の発芽の時間は遅かったが、モノブロモ酢酸を用いた場合、子嚢胞子の発芽が促進された。さらに、モノブロモ酢酸を用いた場合には、加熱時間を長くすることで菌数の減少が確認できた。
<実施例4>
標準液体培地(標準寒天培地より寒天を除いた組成物)に、変敗白桃缶詰より分離したClostridium pasteurianumを接種し、30℃にて10日間、嫌気条件で培養し、芽胞を確認した。培養物を脱イオン水に懸濁し、10個/mLの芽胞懸濁液を得た。
得られた芽胞懸濁液と、モノブロモ酢酸(pH2.86)又はモノヨード酢酸(pH3.12)溶液とを、芽胞濃度10個/mLで、モノブロモ酢酸又はモノヨード酢酸が2mMになるように、瞬時に撹拌及び混合した。これらを82℃のウォーターバス中でそれぞれ所定時間加熱した後に、NaOHにより中和した。
<比較例4>
実施例4と同様に得られた芽胞懸濁液と緩衝液(pH3.50)とを、芽胞濃度10個/mLなるように混合し、また、実施例4と同様に得られた芽胞懸濁液と酢酸(pH4.76)、又はモノクロロ酢酸(pH2.86)とを、芽胞濃度10個/mLで、酢酸又はモノクロロ酢酸が2mMになるように、瞬時に撹拌及び混合した。82℃のウォーターバス中でそれぞれ加熱した。酢酸又はモノクロロ酢酸を添加した懸濁液は、加熱後に、NaOHにより中和した。
<実施例4と比較例4との比較>
実施例4及び比較例4で得られた各懸濁液を、直ちに冷却し、PE−2培地(嫌気)において、30℃で10日間培養し、最確数(MPN)法により懸濁液1mL当たりの生残菌数を計測した。加熱時間と生残菌数との関係を図8に示す。
図8に示すように、緩衝液、酢酸又はモノクロロ酢酸を用いた場合、log(生残菌数)の一桁程度のわずかな減少は確認できたが、緩衝液と他のものとで差はなかった。一方、モノブロモ酢酸又はモノヨード酢酸を用いた場合、明らかな菌数の減少が確認できた。
<実施例5>
土壌エキス標準寒天培地(土壌エキスは赤玉土抽出液を使用)に、市販の惣菜より分離したBacillus cereusを接種し、35℃にて5日間、好気条件で培養し、芽胞を確認した。培養物を脱イオン水に懸濁し、10個/mLの芽胞懸濁液を得た。
得られた芽胞懸濁液と、モノブロモ酢酸(pH2.86)又はモノヨード酢酸(pH3.12)溶液とを、芽胞濃度10個/mLで、モノブロモ酢酸又はモノヨード酢酸が2mMになるように、瞬時に撹拌及び混合した。これらを89℃のウォーターバス中でそれぞれ所定時間加熱した後に、NaOHにより中和した。
<比較例5>
実施例5と同様に得られた芽胞懸濁液と緩衝液(pH2.86)とを、芽胞濃度10個/mLなるように混合し、また、実施例5と同様に得られた芽胞懸濁液と酢酸(pH4.76)、モノクロロ酢酸(pH2.86)、モノブロモプロピオン酸(pH2.86)、モノブロモ酪酸(pH2.86)、又はモノブロモ吉草酸(pH2.86)の溶液とを、芽胞濃度10個/mLで、溶液が2mMになるように、瞬時に撹拌及び混合した。89℃のウォーターバス中でそれぞれ加熱した。緩衝液以外を添加した懸濁液は、加熱後に、NaOHにより中和した。
<実施例5と比較例5との比較>
実施例5及び比較例5で得られた各懸濁液を、直ちに冷却し、PCA培地上において、35℃で48時間培養し、懸濁液1mL当たりの出現したコロニー数を計測した。加熱時間と出現菌数との関係を図9に示す。
図9に示すように、緩衝液、酢酸、モノクロロ酢酸、モノブロモプロピオン酸、モノブロモ酪酸、又はモノブロモ吉草酸を用いた場合、log(出現菌数)の一桁程度のわずかな減少は確認できたが、緩衝液と他のものとで差はなかった。一方、モノブロモ酢酸又はモノヨード酢酸を用いた場合、明らかな菌数の減少が確認できた。
<実施例6>
土壌エキス標準寒天培地(土壌エキスは赤玉土抽出液を使用)に、変敗調理食品より分離したBacillus subtilisを接種し、35℃にて5日間、好気条件で培養し、芽胞を確認した。培養物を脱イオン水に懸濁し、10個/mLの芽胞懸濁液を得た。
得られた芽胞懸濁液と、モノブロモ酢酸(pH2.86)又はモノヨード酢酸(pH3.12)溶液とを、芽胞濃度10個/mLで、モノブロモ酢酸又はモノヨード酢酸が2mMになるように、瞬時に撹拌及び混合した。これらを89℃のウォーターバス中でそれぞれ所定時間加熱した後に、NaOHにより中和した。
<比較例6>
実施例6と同様に得られた芽胞懸濁液と緩衝液(pH3.5)とを、芽胞濃度10個/mLなるように混合し、また、実施例6と同様に得られた芽胞懸濁液と酢酸(pH4.76)、又はモノクロロ酢酸(pH2.86)とを、芽胞濃度10個/mLで、酢酸又はモノクロロ酢酸が2mMになるように、瞬時に撹拌及び混合した。89℃のウォーターバス中でそれぞれ加熱した。酢酸又はモノクロロ酢酸を添加した懸濁液は、加熱後に、NaOHにより中和した。
<実施例6と比較例6との比較>
実施例6及び比較例6で得られた各懸濁液を、直ちに冷却し、PCA培地上において、35℃で48時間培養し、懸濁液1mL当たりの出現したコロニー数を計測した。加熱時間と出現菌数との関係を図10に示す。
図10に示すように、緩衝液、酢酸又はモノクロロ酢酸を用いた場合、log(出現菌数)の0.5桁程度のわずかな減少は確認できたが、緩衝液と他のものとで差はなかった。一方、モノブロモ酢酸又はモノヨード酢酸を用いた場合、明らかな菌数の減少が確認できた。
<実施例7>
YSG培地に、Alicyclobacillus acidoterrestoris(NBRC106287、NITEより入手)を接種し、45℃にて7日間培養し、芽胞を確認した。培養物を脱イオン水に懸濁し、1.6×10個/mlの芽胞懸濁液を得た。
得られた芽胞懸濁液と、モノブロモ酢酸(pH3.0)又はモノヨード酢酸(pH3.0)溶液とを、芽胞濃度10個/mLで、モノブロモ酢酸又はモノヨード酢酸が2mMになるように、瞬時に撹拌及び混合した。これらを90℃のウォーターバス中でそれぞれ所定時間加熱した後に、NaOHにより中和した。
<比較例7>
実施例7と同様に得られた芽胞懸濁液と緩衝液(pH3.0)とを、芽胞濃度10個/mLなるように混合した。次に、実施例7と同様に、得られた芽胞懸濁液と酢酸(pH3.0)とを、芽胞濃度10個/mLで、酢酸が2mMになるように、瞬時に撹拌及び混合して、90℃のウォーターバス中で加熱した。
<実施例7と比較例7との比較>
実施例7及び比較例7で得られた各懸濁液を、直ちに冷却し、YSG培地上において、45℃で48時間培養し、懸濁液1mL当たりの出現したコロニー数を計測した。加熱時間と出現菌数との関係を図11に示す。
図11に示すように、緩衝液及び酢酸を用いた場合、log(出現菌数)の0.5桁程度のわずかな減少は確認できたが、緩衝液と他のものとで差はなかった。一方、モノブロモ酢酸又はモノヨード酢酸を用いた場合、明らかな菌数の減少が確認できた。
本発明は、耐熱性微生物の不活性化を必要とする分野に利用することができる。

Claims (10)

  1. 耐熱性微生物を不活性化するための組成物において、
    ブロモ酢酸及びヨード酢酸の少なくとも一方を不活性化成分として含み、
    前記耐熱性微生物は、耐熱性カビ又は耐熱性細菌である、
    耐熱性微生物の不活性化用組成物。
  2. 請求項1に記載の耐熱性微生物の不活性化用組成物において、
    前記不活性化成分を、0.1mM以上、100mM以下含む、
    耐熱性微生物の不活性化用組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の耐熱性微生物の不活性化用組成物において、
    pHが4.8以下である、
    耐熱性微生物の不活性化用組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐熱性微生物の不活性化用組成物を被不活性化物と接触させて加熱する不活性化工程を含む、
    耐熱性微生物の不活性化方法。
  5. 請求項4に記載の耐熱性微生物の不活性化方法において、
    前記耐熱性微生物は、耐熱性カビであり、
    前記不活性化工程において、65℃以上で加熱する、
    耐熱性微生物の不活性化方法。
  6. 請求項4に記載の耐熱性微生物の不活性化方法において、
    前記耐熱性微生物は、耐熱性細菌であり、
    前記不活性化工程において、85℃以上で加熱する、
    耐熱性微生物の不活性化方法。
  7. 請求項4に記載の耐熱性微生物の不活性化方法において、
    前記耐熱性微生物は、耐熱性カビであり、
    モノカルボン酸臭化物、及び、モノカルボン酸ヨウ化物からなる群より選択される少なくとも1種の成分を含む耐熱性カビの不活性化前処理用組成物を被不活性化物と接触させて加熱する前処理工程を含む、
    耐熱性微生物の不活性化方法。
  8. 請求項7に記載の耐熱性微生物の不活性化方法において、
    前記前処理工程において、65℃以上で加熱する、
    耐熱性微生物の不活性化方法。
  9. モノカルボン酸臭化物、及び、モノカルボン酸ヨウ化物からなる群より選択される少なくとも1種の成分を含む、
    耐熱性カビの不活性化前処理用組成物。
  10. 請求項9に記載の耐熱性カビの不活性化前処理用組成物において、
    前記モノカルボン酸臭化物は、ブロモ酢酸、ブロモプロピオン酸、ブロモ酪酸、又はブロモ吉草酸であり、
    前記モノカルボン酸ヨウ化物は、ヨード酢酸、ヨードプロピオン酸、ヨード酪酸、又はヨード吉草酸である、
    耐熱性カビの不活性化前処理用組成物。
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