JP2018001193A - 焼入れ部材の製造装置および製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鋼管に対する高周波誘導加熱コイルの位置ズレを安定して抑制し、3DQにおける焼入れ部材の焼き入れ性と加工精度をいずれも安定して向上する【解決手段】鋼管2をその軸方向へ移動自在に位置決めする移動支持部材12と、鋼管2に誘導電流を発生する高周波誘導加熱コイル13と、高周波電力を発生する変成器10と、高周波誘導加熱コイル13と変成器10との間を結んで高周波誘導加熱コイル13を懸垂支持するともに変成器10から高周波誘導加熱コイル13へ高周波電力を供給するブスバー14と備え、鋼管2を焼入れて焼入れ部材9を製造する装置11である。移動支持部材12に固定されるとともに高周波誘導加熱コイル13を固定支持する加熱コイル固定部材15を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、閉じた横断面を有する中空の鋼材、例えば鋼管の焼入装置および焼入れ方法に関する。
特許文献1には、図2に概要を示す熱間三次元曲げ加工装置1(以下、「3DQ装置」という)が開示されている。以下、この3DQ装置1を説明する。
図2に示すように、閉じた横断面を有する中空の鋼材である被加工材2(以降の説明では鋼管を例にとる)を、所定の位置に固定配置された支持ロール3により位置決めしながら、送り装置4により鋼管2の軸方向(図2中の矢印が示す方向)へ送る。なお、3DQ装置1では、鋼管1を軸回りに非回転で軸方向へ送りながら加工を行う。
支持ロール3より鋼管2の送り方向の下流側(以下、単に「下流側」とも称し、反対の位置関係を単に「上流側」とも称する。)には、鋼管2を周囲から加熱する環状の高周波誘導加熱コイル5(以下、単に「コイル」ともいう。)が配置される。コイル5を懸垂支持するブスバー(フィーダ)6からコイル5へ高周波電力を供給して、送られる鋼管2をAc点以上に加熱する。コイル5の下流側に配置された環状の水冷装置7から、加熱された鋼管2の外周に冷却水を噴射して、鋼管2を焼入れる。
そして、コイル5で加熱されてから水冷装置7で冷却されるまでの領域に形成される鋼管2の高温部2aに、水冷装置7よりも下流側に配置された挟持手段または把持手段8と支持ロール3とにより連続的または断続的に曲げモーメントを付与することにより、鋼管2に熱間曲げ加工を行って曲げ部材9を製造する。
なお、高温部2aの軸方向への長さは曲げ加工可能な範囲で短いことが、曲げ部材9の寸法精度を高めるために望ましい。このため、水冷装置7は、コイル5のすぐ近くに配置される。水冷装置7とコイル5とが接続されて一体物とされることも多く、その方が省スペースの面では有利であるが、水冷装置7とコイル5とを一体にする必要はない。
ところで、3DQ装置1により熱間三次元曲げ加工を行われて製造される製品は、主として自動車用部材(例えばドアーインパクトビームやシートクロスメンバー、更にはサスペンションのアッパアーム)であり、製品には、一例として±0.5mmという厳しい寸法精度が求められる。
特許文献2の段落0004には、送り出される鋼管2に僅かな曲がり(反り)が存在することが避けられないため、支持ロール3から出た鋼管2がコイル5の内部を通過する時に、鋼管2の外周とコイル5の内周との隙間が周方向で不均一になり、コイル5の内周との距離が近い部分とこの距離が遠い部分とにおいて鋼管2に温度差が発生して曲げ加工の加工精度が低下する可能性があると記載されている。その対策として、特許文献2においては、コイル5を固定した可動架台を、フローティング支持手段を介して固定架台にフローティング支持し、可動架台に鋼管2の外周面に当接する複数のガイド部材を設けることが記載されている。これにより、鋼管2の曲がり(反り)に応じて可動架台とともにコイル5をセンタリングし、鋼管2の外周とコイル5の内周との隙間を均一化できるため、鋼管2を周方向に均一に加熱できるとしている。
なお、3DQ装置1において、稼働時のコイル5の固定、すなわちコイル5の設置位置の変動の影響は、従来、殆ど問題にされていなかった。従来、コイル5に供給する高周波電力を発生する変成器10とコイル5は、高周波電力を供給するブスバー6で連結されるため、コイル5の固定は、ブスバー6による懸垂支持により行われていた。この支持では、ブスバー6の熱膨張または熱収縮に起因した稼働時のコイル5の位置ズレ、又はコイル5が懸垂支持されて固定されることに起因した稼働時のコイル5の先端の位置ズレが不可避的に生じるものの、これらの位置ズレはこれまで無視されていた。これらの位置ズレがあっても、そのズレの程度が極めて小さいと考えられており、位置ズレによる、鋼管2に発生する誘導電流の偏差も小さく無視できると考えられていたためである。
特開2008−23573号公報 特開2012−55963号公報
しかし、本発明者らが鋭意検討した結果、3DQ装置1により製造される曲げ部材9の焼入れ性には、コイル5の上述の微小な位置ズレが少なからず悪影響を及ぼすことが判明した。すなわち、3DQ装置1では、コイル5やブスバー6や挟持手段または把持手段8といった構成機器との干渉を避けるために、水冷装置7による鋼管2の水冷領域が相当程度制約されるのみならず、鋼管2の送り速度も例えば20〜120mm/秒と比較的速いため、コイル5のわずかな位置ズレにより、鋼管2の断面周方向への温度変化が発生し、鋼管2の冷却特性に大きく影響する。
このため、たとえ、3DQ装置1におけるコイル5の位置ズレが微小であっても、これにより、鋼管2の焼き入れ性が不安定になる。このように、本発明者らは、コイル5の位置ズレは、微小であっても、鋼管2の焼き入れ性を大きく悪化させる要因となることを、初めて知見した。
コイル5を安定的に固定して位置ズレを抑制するには、高い剛性のコイル支持部材を用い、かつできるだけコイル5に近い位置でコイル5を支持すればよいと、一見解される。しかし、このようなコイル支持部材は必然的にコイル5の近くに配置されることになるため、コイル5により誘導加熱され、その結果、コイル支持部材の過加熱や、鋼管2の誘導加熱の効率の低下を招く。このため、稼働時のコイル5を安定的に固定配置して位置ズレを抑制することは、容易なことではない。
本発明者らは、このような状況下にあって鋭意検討を重ねた結果、稼働時のコイル5ができるだけ位置ズレしないようにするためには、
(A)コイル5を、鋼管2をその軸方向へ移動自在に位置決めする移動支持部材(支持ガイド)に例えば締結により固定する構造を採用すること、および
(B)コイル5へ高周波電力を供給するブスバー6が3次元(水平、垂直、進行)方向にブスバー6の熱収縮および熱膨張を吸収できる構造を採用すること
によって、鋼管2とコイル5との間の位置ズレを実質的に解消でき、これにより、上記課題を解決できることを知見し、さらに検討を重ねて本発明を完成した。
本発明は、閉じた横断面を有する中空の鋼材をこの鋼材の軸方向へ移動自在に位置決めする移動支持部材と、鋼材に誘導電流を発生する高周波誘導加熱コイルと、高周波電力を発生する変成器と、高周波誘導加熱コイルと変成器との間を結んで高周波誘導加熱コイルを懸垂支持するともに変成器から高周波誘導加熱コイルへ高周波電力を供給するブスバーと備え、鋼材を焼入れて焼入れ部材を製造する装置において、移動支持部材に固定されるとともに誘導加熱コイルを固定支持する加熱コイル固定部材を備えることを特徴とする焼入れ部材の製造装置である。
別の観点からは、本発明は、閉じた横断面を有する中空の鋼材を、移動支持部材(支持ガイド)によって、位置決めするとともに鋼材の軸方向へ移動させながら、変成器が発生する高周波電力を供給するブスバーにより懸垂支持されるとともに鋼材の周囲を覆って配置される高周波誘導加熱コイルにより鋼材を誘導加熱することにより、焼入れ部材を製造する方法において、高周波誘導加熱コイルを、移動支持部材に固定される加熱コイル固定部材(加熱コイル固定冶具)により、固定支持することを特徴とする焼入れ部材の製造方法である。
これらの本発明における「閉じた横断面」は、例えば長方形、長円形、楕円形、偏平多角形等の偏平な閉じた横断面であってもよい。この横断面の長辺長さと短辺長さの比は1〜7:1であることが例示される。
これらの本発明において、ブスバーは、水平方向、垂直方向および前記鋼材の長手方向の少なくとも一つの方向への変位を吸収可能な屈曲部を少なくとも一つ有することが望ましい。
これらの本発明において、ブスバーは平面視で略L字状および略クランク状の一方または双方であることが望ましい。
これらの本発明において、ブスバーは、変成器に接続される第1の部分と、高周波誘導加熱コイルに接続される第2の部分とを有しており、第1の部分および第2の部分は、第1の部分または第2の部分に穿設された長穴を介してボルトにより締結固定されることが望ましい。
これらの本発明において、加熱コイル固定部材は、外周の一部が離断された略環状の形状を有するとともに移動支持部材に固定される第1の部材と、第1の部材に固定されるとともに高周波誘導加熱コイルを固定して搭載する第2の部材とを有することが望ましい。
これらの本発明において、第1の部材は、移動支持部材に当接するための複数の支柱を有することが望ましい。
これらの本発明において、第2の部材は非磁性材料からなることが望ましい。
これらの本発明において、高周波誘導加熱コイルは、第2の部材に固定されるための複数の足を有することが望ましい。
これらの本発明において、前記鋼材として鋼管が例示され、この鋼管の外径Dは100mm以下、鋼管の肉厚tは1〜4mmであることが例示される。また、比(t/D)の値は0.03〜0.16であることが例示される。
本発明により製造される焼入れ部材としては、自動車用部材が例示され、具体的には例えばドアーインパクトビームやシートクロスメンバー、さらにはサスペンションのアッパアームが例示される。本発明によりドアーインパクトビームを製造する場合には、ドアーインパクトビームの外径は例えば31.8mmであることが例示される。
本発明により製造される焼入れ部材(曲げ部材)の寸法精度は、例えば±0.5mmである。
本発明により、高周波誘導加熱コイルを安定して固定でき、被加熱体である鋼材に対する高周波誘導加熱コイルの位置ズレを安定して抑制でき、これにより、3DQにおける焼入れ部材の焼き入れ性と加工精度をいずれも安定して向上することができる。
図1は、本発明に係る焼入れ部材の製造装置を示す説明図であり、図1(a)は製造装置の全体を一部簡略化して示す説明図、図1(b)は製造装置における高周波誘導加熱コイルの周辺を拡大して示す説明図、図1(c)は図1(b)におけるA−A断面図である。 図2は、特許文献1に開示された3DQ装置を示す説明図である。
添付図面を参照しながら、本発明を説明する。以降の説明では、閉じた横断面を有する中空の鋼材が鋼管である場合を例にとるが、本発明は、鋼管に限定されるものではなく、閉じた横断面を有する中空の鋼材であれば、鋼管と同様に適用可能である。
1.製造装置
図1は、本発明に係る焼入れ部材の製造装置11を示す説明図であり、図1(a)は製造装置11の全体を一部簡略化して概念的に示す説明図、図1(b)は製造装置11における高周波誘導加熱コイル13の周辺を拡大して詳細に示す説明図、図1(c)は図1(b)におけるA−A断面図である。
図1(a)に示すように、本発明に係る製造装置11は、鋼管2を焼入れて焼入れ部材9を製造する装置である。鋼管2の外径Dは100mm以下、鋼管2の肉厚tは1〜4mmであることが例示される。また、比(t/D)の値は0.03〜0.16であることが例示される。
製造装置11は、鋼管2を、所定の位置に固定配置された移動支持部材(支持ガイド)12により位置決めしながら、送り装置4により鋼管2の軸方向(図1中の矢印が示す方向)へ送る。移動支持部材(支持ガイド)12よりも鋼管2の送り方向の下流側には、鋼管2を周囲から加熱する環状の高周波誘導加熱コイル13が配置される。高周波誘導加熱コイル13を懸垂支持するブスバー(フィーダ)14から高周波誘導加熱コイル13へ高周波電力を供給して、送られる鋼管2をAc点以上に加熱する。高周波誘導加熱コイル13の送り方向の下流側に配置された環状の水冷装置7から、加熱された鋼管2の外周に冷却水を噴射して、鋼管2を焼入れる。
そして、高周波誘導加熱コイル13で加熱されてから水冷装置7で冷却されるまでの領域に形成されている鋼管2の高温部2aに、水冷装置7よりも下流側に配置された挟持手段または把持手段8と移動支持部材(支持ガイド)12とにより連続的または断続的に曲げモーメントを付与することにより、鋼管2に熱間曲げ加工を行って焼入れ部材(曲げ部材)9を製造する。
焼入れ部材9としては、自動車用部材が例示され、具体的には例えばドアーインパクトビームやシートクロスメンバー、さらにはサスペンションのアッパーアームが例示される。本発明によりドアーインパクトビームを製造する場合には、ドアーインパクトビームの外径は例えば31.8mmであることが例示される。焼入れ部材(曲げ部材)9の寸法精度は、例えば±0.5mmである。
詳しく説明すると、本発明に係る3DQ装置11は、図1(b)および図1(c)に示すように、移動支持部材(支持ガイド)12と、高周波誘導加熱コイル13と、変成器10と、ブスバー14と、加熱コイル固定部材(加熱コイル固定治具)15とを有するので、これらの構成要素を順次説明する。
[移動支持部材(支持ガイド)12]
移動支持部材(支持ガイド)12は、図1(a)および図1(c)に示すように、その本体12bの内部に、適当な軸支機構により、鋼管2をその軸方向(図1(a)における矢印方向)へ移動自在に支持するための一対の孔型ロール12a,12aを、鋼管2の送り方向へ2組並んで回転自在に支持する。鋼管2は、一対の孔型ロール12a,12aにより、その外面を位置決めされて、軸方向へ送られる。
本体12bは、図示しない適当な位置決め機構により所定の位置に固定配置される。
このように、移動支持部材(支持ガイド)12は、鋼管2をその軸方向へ移動自在に位置決めする。
[高周波誘導加熱コイル13]
高周波誘導加熱コイル13は、移動支持部材(支持ガイド)12よりも下流側の所定の位置に配置される。高周波誘導加熱コイル13は、環状の外形を有し、鋼管2の周囲から所定の距離離れて鋼管2を取り囲んで配置される。高周波誘導加熱コイル13は、高周波磁界を発生して高周波エネルギーを鋼管2に供給することにより、鋼管2をAc点以上に加熱する。高周波誘導加熱コイル13としては、この種のコイルとして周知慣用のものを用いることができる。
高周波誘導加熱コイル13は、後述する第2の部材15−2に固定されるための複数の足13aを有する。
このように、高周波誘導加熱コイル13は、鋼管2に誘導電流を発生する。
[変成器10]
変成器10は、高周波誘導加熱コイル13に供給する高周波電力を発生する。変成器10としては、この種の変成器として周知慣用のものを用いることができる。
[ブスバー14]
ブスバー14は、高周波誘導加熱コイル13と変成器10との間を結んで変成器10から高周波誘導加熱コイル13へ高周波電力を供給する。すなわち、ブスバー14は、高周波誘導加熱コイル13が上述の所定の位置に配置されるように、高周波誘導加熱コイル13を懸垂支持する。また、ブスバー14は、高電圧・高電流にも耐え得る導体(例えば銅製)からなり、高周波誘導加熱コイル13および水冷装置7を確実に保持するため板状に構成されている。ブスバー14は、電流密度が規定値を超えないように所定の断面積を有している。
ブスバー14の上部は、ブスバー14の上部に配置された変成器10に固定されている。このため、ブスバー14は、熱膨張すると、主に反固定側へ向けて変位する。
ブスバー14は、図1(b)に示すように、平面視(B矢視)で略L字状の外形を有するとともに、平面視(C矢視)で略クランク状の外形を有する。ブスバー14は、このような外形を有しており、水平方向、垂直方向および鋼管1の長手方向の少なくとも一つの方向への熱膨張による変位を吸収可能な屈曲部14a,14b、14cを有している。
ブスバー14は、誘導加熱のための大電流を流すため、僅かな電気抵抗から電気エネルギーロスを生じ易いが、略クランク状の外形を有することにより斜めの形状を呈するので、略L字状の外形と比べて電流の経路の長さが短くなり、これにより、電気抵抗を少なくできるとともに電気エネルギーロスを低減できる。このように、ブスバー14は、上述の形状を有することにより、熱膨張を吸収可能であるとともに、電気エネルギーロスを小さくすることができる。
さらに、ブスバー14は、変成器10に接続される第1の部分14−1と、高周波誘導加熱コイル13に接続される第2の部分14−2とを有しており、第1の部分14−1および第2の部分14−2は、第1の部分14−1に穿設された長穴14dを介してボルト14eにより締結固定されている。これにより、誘導加熱を行う前に設置されたブスバー14は、誘導加熱時に熱膨張しても、この長穴14dに存在する隙間により第1の部分14−1および第2の部分14−2の連結部がスライドし、ブスバー14の熱膨張による伸びが吸収される。このため、ブスバー14の固定部に加わる荷重が軽減され、高周波誘導加熱コイル13の位置ズレを抑制することができる。
[加熱コイル固定部材(加熱コイル固定治具)15]
加熱コイル固定部材15は、第1の部材15−1および第2の部材15−2を有する。
第1の部材15−1は、外周の一部が切欠き部16により離断された略環状の形状を有する。第1の部材15−1は、移動支持部材12に当接するための複数の支柱17を有し、これらの支柱17を介して移動支持部材12に固定される。
一方、第2の部材15−2は、例えばグラスファイバ等の非磁性材料からなり、第1の部材15−1に固定されるとともに、複数の足13aを介して高周波誘導加熱コイル13を固定して搭載する。
このように、加熱コイル固定部材(加熱コイル固定治具)15は、移動支持部材12に固定されるとともに、高周波誘導加熱コイル13を固定支持する。
本発明に係る製造装置11は以上のように構成される。次に、この製造装置11を用いて、焼入れ部材(曲げ部材)9を製造する方法を説明する。
2.製造方法
図1(a)に示すように、鋼管2を、移動支持部材(支持ガイド)12によって、位置決めするとともに鋼管2の軸方向へ移動させながら、変成器10が発生する高周波電力を供給するブスバー14により懸垂支持されるとともに鋼管2の周囲を覆って配置される高周波誘導加熱コイル13により鋼管2を誘導加熱することにより、焼入れ部材9を製造する。
本発明では、上述したように、高周波誘導加熱コイル13を、設置位置が不変であるように固定設置された移動支持部材12に固定される加熱コイル固定部材(加熱コイル固定冶具)15により、固定支持する。
すなわち、図1(b)および図1(c)に示すように、高周波誘導加熱コイル13が、鋼管2をその軸方向へ移動自在に位置決めする移動支持部材12に固定される。このため、稼働時の高周波誘導加熱コイル13および加熱コイル固定部材15が、鋼管2に対して変位することが防止される。
また、図1(b)に示すように、ブスバー14は、平面視(B矢視)で略L字状の外形を有するとともに、平面視(C矢視)で略クランク状の外形を有し、水平方向、垂直方向および鋼管2の軸方向の少なくとも一つの方向への変位を吸収可能な屈曲部14a〜14cを少なくとも一つ備える形状を有する。このため、高周波誘導加熱コイル13の稼働時にブスバー14に発生する3次元(水平、垂直、進行)方向への熱膨張および熱収縮による変位を吸収できる。
このため、本発明によれば、鋼管2と高周波誘導加熱コイル13との間の位置ズレを実質的に解消でき、これにより、高周波誘導加熱コイル13を安定して固定でき、鋼管2に対する高周波誘導加熱コイル13の位置ズレを安定して抑制でき、これにより、3DQにおける焼入れ部材9の焼き入れ性と加工精度をいずれも安定して向上することができる。
2 鋼管
9 焼入れ部材
10 変成器
11 本発明に係る製造装置
12 移動支持部材
13 高周波誘導加熱コイル
14 ブスバー
15 加熱コイル固定部材

Claims (10)

  1. 閉じた横断面を有する中空の鋼材を該鋼材の軸方向へ移動自在に位置決めする移動支持部材と、前記鋼材に誘導電流を発生する高周波誘導加熱コイルと、高周波電力を発生する変成器と、前記高周波誘導加熱コイルと前記変成器との間を結んで前記高周波誘導加熱コイルを懸垂支持するともに前記変成器から前記高周波誘導加熱コイルへ前記高周波電力を供給するブスバーと備え、前記鋼材を焼入れて焼入れ部材を製造する装置において、
    前記移動支持部材に固定されるとともに前記誘導加熱コイルを固定支持する加熱コイル固定部材を備えること
    を特徴とする焼入れ部材の製造装置。
  2. 前記ブスバーは、水平方向、垂直方向および前記鋼材の長手方向の少なくとも一つの方向への変位を吸収可能な屈曲部を少なくとも一つ有する請求項1に記載された焼入れ部材の製造装置。
  3. 前記ブスバーは平面視で略L字状である請求項2に記載された焼入れ部材の製造装置。
  4. 前記ブスバーは平面視で略クランク状である請求項2または請求項3に記載された焼入れ部材の製造装置。
  5. 前記ブスバーは、前記変成器に接続される第1の部分と、前記高周波誘導加熱コイルに接続される第2の部分とを有しており、前記第1の部分および前記第2の部分は、前記第1の部分または第2の部分に穿設された長穴を介してボルトにより締結固定される請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された焼入れ部材の製造装置。
  6. 前記加熱コイル固定部材は、外周の一部が離断された略環状の形状を有するとともに前記移動支持部材に固定される第1の部材と、該第1の部材に固定されるとともに前記高周波誘導加熱コイルを固定して搭載する第2の部材とを有する請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載された焼入れ部材の製造装置。
  7. 前記第1の部材は、前記移動支持部材に当接するための複数の支柱を有する請求項6に記載された焼入れ部材の製造装置。
  8. 前記第2の部材は非磁性材料からなる請求項6または請求項7に記載された焼入れ部材の製造装置。
  9. 前記高周波誘導加熱コイルは、前記第2の部材に固定されるための複数の足を有する請求項6から請求項8までのいずれか1項に記載された焼入れ部材の製造装置。
  10. 閉じた横断面を有する中空の鋼材を、移動支持部材によって、位置決めするとともに該鋼材の軸方向へ移動させながら、変成器が発生する高周波電力を供給するブスバーにより懸垂支持されるとともに前記鋼材の周囲を覆って配置される高周波誘導加熱コイルにより前記鋼材を誘導加熱することにより、焼入れ部材を製造する方法において、
    前記高周波誘導加熱コイルを、前記移動支持部材に固定される加熱コイル固定部材により、固定支持すること
    を特徴とする焼入れ部材の製造方法。
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