JP2018000789A - 遊技機 - Google Patents

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琢磨 平澤
Takuma Hirasawa
琢磨 平澤
信介 稲葉
Shinsuke Inaba
信介 稲葉
正平 小倉
Shohei Ogura
正平 小倉
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Abstract

【課題】演出部を用いて遊技機の興趣性を高める演出を行う。【解決手段】パチンコ遊技機は、移動可能に設けられて演出を行う可動役物115と、可動役物115に対応する画像である可動役物画像43を表示可能な画像表示部114と、を備える。そして、画像表示部114は、可動役物115と重なる位置に可動役物画像43を表示させることを特徴とする。【選択図】図58

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
遊技機においては、演出を行う演出部を用いて、遊技に伴う各種演出が実行される。例えば、特許文献1には、導光板の前面側に装飾用としての所定形状の凸部を形成し、裏面側に他の装飾用の形状を凹部で囲って形成し、この導光板の内部にLEDから出力された光を透過させ、凸部の表面を発光させるとともに、凹部の内側壁を発光させることにより、両装飾部分を強調表示する遊技機の技術が開示されている。
特開2016−005784号公報
ところで、遊技機において遊技に伴って効果的な演出を行うことができれば、遊技の興趣性をより高めることができる。従って、より効果的な演出を実現することが可能な演出部が要求されている。
本発明は、演出部を用いて遊技機の興趣性を高める演出を行うことを目的とする。
上記の目的を達成する本発明は、次のような遊技機として実現される。この遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)は、移動可能に設けられて演出を行う演出部(例えば、可動役物115)と、前記演出部(例えば、可動役物115)に対応する画像である特定演出画像(例えば、可動役物画像43)を表示可能な画像表示部(例えば、画像表示部114)と、を備え、前記画像表示部(例えば、画像表示部114)は、前記演出部(例えば、可動役物115)と重なる位置に前記特定演出画像(例えば、可動役物画像43)を表示させることを特徴とする遊技機である。
なお、本欄における上記符号は、本発明の説明に際して例示的に付したものであり、この符号により本発明が減縮されるものではない。
本発明によれば、演出部を用いて遊技機の興趣性を高める演出を行うことができる。
本実施の形態に係るパチンコ遊技機の概略正面図である。 (a)は遊技盤の左下に配設された表示器の一例を示す拡大図であり、(b)はパチンコ遊技機の部分平面図である。 本実施の形態のパチンコ遊技機の制御ユニットの内部構成を示す図である。 本実施の形態の画像/音響制御部およびランプ制御部の説明図である。 本実施の形態の遊技制御部の機能構成を示すブロック図である。 遊技制御部による基本処理の動作を示すフローチャートである。 遊技制御部による電源遮断時処理の動作を示すフローチャートである。 遊技制御部の主制御処理を示すフローチャートである。 始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。 ゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。 特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。 大当たり判定処理の内容を示すフローチャートである。 変動パターン選択処理の内容を示すフローチャートである。 停止中処理の内容を示すフローチャートである。 客待ち設定処理の内容を示すフローチャートである。 普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。 大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。 遊技状態設定処理の内容を示すフローチャートである。 電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。 本実施の形態で用いられる乱数の構成例を示す図であり、(a)は大当たり乱数の構成例を示す図であり、(b)は大当たり図柄乱数の構成例を示す図であり、(c)はリーチ乱数の構成例を示す図であり、(d)は当たり乱数の構成例を示す図である。 変動パターン選択処理において用いられる変動パターンとテーブルの設定例を示す図である。 遊技制御部のRAMの構成例を説明するブロック図であり、(a)は記憶領域の構成を示すブロック図であり、(b)は(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。 演出制御部のRAMの構成例を説明するブロック図であり、(a)は保留記憶領域の構成を示すブロック図であり、(b)は(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。 事前判定処理の内容を示すフローチャートである。 コマンドの構成を示す図であり、(a)はコマンドのデータ構造を示す図であり、(b)はコマンドのビット列としての構造を示す図である。 RAMにおけるコマンド格納領域の構成例を示す図である。 出力制御部による出力処理の内容を示すフローチャートである。 演出制御部の動作を示すフローチャートであり、(a)はメイン処理を示す図、(b)は割り込み処理を示す図である。 コマンド受信処理の内容を示すフローチャートである。 モードフラグの設定例を示す図である。 図26の事前判定演出選択処理および演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 図26の変動演出終了中処理の内容を示すフローチャートである。 図26の大当たり演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 図26のエンディング演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 図26の客待ちコマンド受信処理の内容を示すフローチャートである。 演出ボタン処理の内容を示すフローチャートである。 本実施の形態の可動役物の動作時の配置の説明図である。 本実施の形態の第1演出部の全体図である。 本実施の形態の顔装飾部の分解斜視図である。 本実施の形態の目透過部の説明図である。 本実施の形態の第1基板の説明図である。 本実施の形態の導光部の説明図である。 本実施の形態の顔透過部における光の動作の説明図である。 本実施の形態の目透過部における光の動作の説明図である。 変形例1の第1演出部の説明図である。 本実施の形態の第2演出部の全体図である。 本実施の形態の第2演出部の機構の説明図である。 本実施の形態の第2演出部の分解斜視図である。 第2演出部における配線部の説明図である。 第2演出部における配線の動きの説明図である。 本実施の形態の発光部の分解斜視図である。 本実施の形態の第1光学部材の説明図である。 図49(a)に示す、第1光学部材のB−B断面図である。 本実施の形態の第1光学部材の説明図である。 図51(a)に示す、第2光学部材のC−C断面図である。 本実施の形態の発光部の作用の説明図である。 可動役物を用いた演出例1の説明図である。 可動役物を用いた演出例2の説明図である。 可動役物を用いた演出例3の説明図である。 可動役物を用いた演出例3の説明図である。 可動役物を用いた演出例3の説明図である。 可動役物を用いた演出例4の説明図である。 可動役物の他の適用例を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[遊技機の基本構成]
図1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100の概略正面図である。
なお、以下の説明において、図1に示すパチンコ遊技機100の紙面手前側(遊技者側)は、「前側」と呼び、紙面奥側(遊技者とは反対側)は、「後側」と呼ぶ。また、図1に示すパチンコ遊技機100の前側および後側の方向は、前後方向と呼ぶ。
さらに、図1に示すパチンコ遊技機100の紙面左側は、「左側」と呼び、紙面右側は、「右側」と呼ぶ。また、図1に示すパチンコ遊技機100の左側および右側の方向は、左右方向と呼ぶ。
さらにまた、図1に示すパチンコ遊技機100の紙面上側は、「上側」と呼び、紙面下側は、「下側」と呼ぶ。また、図1に示すパチンコ遊技機100の上側および下側の方向は、上下方向と呼ぶ。
図1に示すように、遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたものである。このパチンコ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110と、遊技盤110を囲む枠部材150とを備えている。遊技盤110は、枠部材150に着脱自在に取り付けられている。
遊技盤110は、前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域111と、下方から発射された遊技球が上昇して遊技領域111の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材112と、遊技領域111の右側に遊技球を案内する案内部材113とを備えている。
本実施の形態の遊技領域111は、透明な板状の部材である遊技板111dに遊技くぎ等を取り付けることによって形成されている。
本実施の形態では、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部114が配設されている。この画像表示部114は、液晶ディスプレイ等による表示画面を備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による演出画像や後述の保留表示を用いた演出画像を表示したりする。
また、遊技盤110は、前面に、各種の演出に用いられる可動役物115および盤ランプ116を備えている。可動役物115は、遊技盤110上で動作することにより各種の演出を行い、また、盤ランプ116は、発光することで各種の演出を行う。
そして、本実施の形態の可動役物115は、図1に示すように、第1演出部7および第2演出部8を有している。また、可動役物115は、前後方向において、遊技くぎ等が取り付けられて遊技領域111を形成する遊技板111dの後側であって、画像表示部114の前側に配置される。本実施の形態において、第1演出部7は、パチンコ遊技機100の左側中央部に配置される。また、第2演出部8は、パチンコ遊技機100の右側かつ下側に配置される。
なお、画像表示部114は、所謂透過型液晶表示装置によって構成しても良い。この場合、画像表示部114は、映像を表示しない状態、または、画面の位置において映像を表示しない状態などにおいて、画像表示部114の後側に配置される部材を、画像表示部114の画面を通して遊技者に見せることができる。そこで、可動役物115は、画像表示部114の後側に配置する。そして、画像表示部114の画面を通して、後側に配置される可動役物115を遊技者に見せるようにしても良い。さらには、画像表示部114の画面に表示する映像と組み合わせるようにして、可動役物115の形状や動きを見せるようにしても良い。
遊技領域111には、遊技球が落下する方向に変化を与えるための図示しない遊技くぎおよび風車等が配設されている。また、遊技領域111には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。また、遊技領域111には、遊技領域111に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかったものを遊技領域111の外に排出する排出口117が配設されている。
本実施の形態では、入賞や抽選に関する種々の役物として、遊技球が入賞すると特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する第1始動口121および第2始動口122と、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する始動ゲート(以下、単にゲートと呼ぶ)124と、が遊技盤110に配設されている。なお、図1において、ゲート124は、遊技領域111の左右にそれぞれ設けられており、左側のゲート124は124Lと記載し、右側のゲート124は124Rと記載している。また、ここにいう第1始動口121および第2始動口122とは、予め定められた1の特別図柄表示器の作動契機となる入賞口をいう。具体的には、第1始動口121および第2始動口122には、入賞の際に遊技球の通過を検知するスイッチ(後述の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212)が設けられている。そして、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞した際にこのスイッチが遊技球の通過を検知することが、特別図柄表示器を作動させる契機となる。
第2始動口122は、チューリップの花の形をした一対の羽根が電動ソレノイドにより開閉すると共に点灯する普通電動役物としての電動チューリップ(開閉部材)123を備えている。電動チューリップ123は、羽根が閉じていると、遊技球が第2始動口122へ入りにくい一方で、羽根が開くと第2始動口122の入口が拡大して遊技球が第2始動口122へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ123は、普通図柄抽選に当選すると、点灯ないし点滅しながら羽根が規定時間(例えば0.15秒ないし1.8秒間)および規定回数(例えば1回ないし3回)だけ開く。
パチンコ遊技機100は、遊技状態として、大当たり抽選の当選確率に基づき、当選確率の低い低確率状態と、低確率状態よりも当選確率の高い高確率状態とを有している。そして、所定の条件に基づいて低確率状態と高確率状態とのいずれかの状態に制御される。なお、上記の低確率状態と高確率状態の他に、特別図柄抽選の当選確率が低確率状態よりも高く高確率状態よりも低い中確率状態を設定することも可能である。この場合、パチンコ遊技機100は、所定の条件に基づいて低確率状態、中確率状態および高確率状態のいずれかの状態に制御される。
また、パチンコ遊技機100は、第2始動口122への入賞機会が少ない時短無状態と、時短無状態よりも第2始動口122への入賞機会が多い時短状態とを有している。そして、所定の条件において、時短無状態と、時短状態とのいずれかの状態に制御される。時短状態とは、たとえば、特別図柄変動時間および普通図柄変動時間を短縮すること、電動チューリップ123の開時間を延長すること、普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にすること、のいずれか一つまたは複数の組合せによって制御される遊技状態である。
また、本実施の形態では、入賞や抽選に関するその他の役物として、特別図柄抽選の結果に応じて開放する特別電動役物としての大入賞口125と、遊技球が入賞しても抽選を行わない普通入賞口126と、が遊技盤110に配設されている。そして、大入賞口125には、大入賞口125を開閉する大入賞口扉125Dが設けられている。以下の説明において、大入賞口扉125Dの開閉状態や開閉動作のことを、便宜的に、大入賞口125の開閉状態や開閉動作として説明する場合がある。
本実施の形態では、遊技盤110の左下の位置に、抽選結果や保留数に関する表示を行う表示器130が配設されている。
また、遊技盤110の裏面には、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御基板、演出を統括的に制御する演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像制御基板、各種のランプおよび可動役物115による演出を制御するランプ制御基板などの図示しない各種の基板等が取り付けられる。また、遊技盤110の裏面には、供給された24VのAC電源をDC電源に変換して各種の基板等に出力するスイッチング電源(不図示)が配設されている。
枠部材150は、遊技者がハンドル151に触れてレバー152を時計方向に回転させる操作を行うとその操作角度に応じた打球力にて遊技球を所定の時間間隔(例えば1分間に100個)で電動発射する発射装置(不図示)を備えている。また、枠部材150は、遊技者のレバー152による操作と連動したタイミングで発射装置に遊技球を1つずつ順に供給する供給装置(不図示)と、供給装置が発射装置に供給する遊技球を一時的に溜めておく皿153と、を備えている。この皿153には、例えば払い出しユニットによる払出球が払い出される。
なお、本実施の形態では、皿153を上下皿一体で構成しているが、上皿と下皿とを分離する構成例も考えられる。また、発射装置のハンドル151を所定条件下で発光させる構成例も考えられる。
また、枠部材150は、発射装置のハンドル151に遊技者が触れている状態であっても遊技球の発射を一時的に停止させるための停止ボタン154と、皿153に溜まっている遊技球を箱(不図示)に落下させて取り出すための取り出しボタン155と、を備えている。
また、枠部材150は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカ156および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。枠ランプ157は、LED等の発光体で構成され、点灯・点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構成例が考えられる。
また、枠部材150は、遊技盤110を遊技者と隔てるための透明板(不図示)を備えている。
図2は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100を説明する図であり、図2(a)は、遊技盤110の左下に配設された表示器130の一例を示す拡大図であり、図2(b)は、パチンコ遊技機100の部分平面図である。
パチンコ遊技機100の表示器130は、図2(a)に示すように、第1始動口121の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122の入賞に対応して作動する第2特別図柄表示器222と、ゲート124の通過に対応して作動する普通図柄表示器223と、を備えている。第1特別図柄表示器221は、第1始動口121の入賞に基づき、特別図柄を変動表示した後に停止表示させて抽選結果を表示する。第2特別図柄表示器222は、第2始動口122の入賞に基づき、特別図柄を変動表示した後に停止表示させて抽選結果を表示する。普通図柄表示器223は、遊技球がゲート124を通過したことに基づき、普通図柄を変動表示した後に停止表示させて抽選結果を表示する。本実施の形態では、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222は、各々LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって特別図柄抽選の抽選結果が表示される。同様に、普通図柄表示器223も、LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって普通図柄抽選の抽選結果が表示される。
また、表示器130は、第1特別図柄表示器221での保留に対応して作動する第1特別図柄保留表示器218と、第2特別図柄表示器222での保留に対応して作動する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄表示器223での保留に対応して作動する普通図柄保留表示器220と、を備えている。本実施の形態では、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220は、各々LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって保留数が表示される。
ここで、保留について説明する。特別図柄の変動表示動作中(入賞1回分の変動表示が行なわれている間)にさらに第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞した場合、特別図柄が変動中であるために、後の入賞に基づく特別図柄の変動表示動作を開始することができない。そのため、後の入賞は規定個数(例えば4個)を限度に記憶され、その入賞した遊技球に対する特別図柄を始動させるための権利が、先に入賞した遊技球に対する変動表示動作が終了するまで、保留される。
なお、普通図柄に関しても、特別図柄と同様の処理を行う。このような保留がなされていることおよびその保留の数(未変動数)が、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220に表示される。
さらに、表示器130は、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224を備えている。本実施の形態では、状態表示器224は、3個のLEDを配列した表示装置で構成されている。3個のLEDのうち1つは、パチンコ遊技機100の状態が、特別図柄抽選の当選確率が高確率である高確率状態となっているか否かを点灯により報知するものである。また、他の1つは、パチンコ遊技機100の状態が、第2始動口122に入賞しやすい時短状態となっているか否かを点灯により報知するものである。さらに他の1つは、右打ちすることによって(遊技球の打球力を変更することによって)遊技者に有利な状態となっているか否かを点灯により報知するものである。
なお、状態表示器224が表示するパチンコ遊技機100の状態は上記の例に限らず、他の状態を表示することができる。例えばパチンコ遊技機100の状態として低確率状態よりも当選確率が高く高確率状態よりは当選確率が低い中確率状態が設定される場合、状態表示器224は、中確率状態となっているか否かを点灯により報知しても良い。
また、表示器130は、特別図柄抽選の抽選結果に応じて行われる大当たり遊技において大入賞口125が作動される際のラウンド数を表示するラウンド数表示器225を備えている。なお、大当たり遊技については後述する。ラウンド数表示器225は、LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって大当たり遊技における大入賞口125の作動ラウンド数が表示される。
パチンコ遊技機100の枠部材150は、遊技者が演出に対する入力を行うための入力装置を備えている。図2(b)に示すように、本実施の形態では、入力装置の一例として、演出ボタン161と、演出ボタン161に隣接し、略十字に配列された複数のキーからなる演出キー162と、が枠部材150に配設されている。図示の例において、複数の画像の中から1つの画像を選択する操作を受け付ける演出を行う場合を考える。この場合、例えば、遊技者が十字に配列された4つのキーからなる演出キー162を操作することにより、画像表示部114に表示されている複数の画像のいずれかを指示し、演出ボタン161を操作することにより、指示した画像を選択するような演出を行うことができる。また、入力装置の形態としては、図示した演出ボタン161および演出キー162の他、レバーやダイヤル等、演出の内容等に応じて様々な入力形態を採用することができる。
〔制御ユニットの構成〕
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行う制御ユニットについて説明する。
図3は、本実施の形態のパチンコ遊技機の制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。
図4は、本実施の形態の画像/音響制御部およびランプ制御部の説明図である。
図3に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御部200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、払出球の払い出し制御を行う払出制御部330と、を備えている。
〔遊技制御部の構成・機能〕
遊技制御部200は、特別図柄の当選の判定等を行う際の演算処理を行うCPU201と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
遊技制御部200は、パチンコ遊技機100の遊技状態を、高確率状態または低確率状態のいずれか、時短無状態または時短状態のいずれかで制御する。これにより、パチンコ遊技機100の遊技状態は、高確率状態および時短状態である高確率時短遊技状態、低確率状態および時短状態である低確率時短遊技状態、高確率状態および時短無状態である高確率時短無遊技状態、低確率状態および時短無状態である低確率時短無遊技状態のいずれかとなる。そして、遊技制御部200は、所定の条件に基づき、高確率状態と低確率状態とを切り替え、時短無状態と時短状態とを切り替える。また、遊技制御部200は、時短状態において、時短無状態よりも普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にする、普通図柄変動時間を短縮する、電動チューリップ123の開時間を延長する等の制御を行う。
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞したことを契機として特別図柄抽選を行う。そして、特別図柄抽選の判定結果に応じて大当たり遊技等の特別遊技を行う。特別遊技において、遊技制御部200は、特別電動役物である大入賞口125が所定条件(例えば29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態を維持するラウンドを所定回数だけ繰り返すように制御する。そして、遊技制御部200は、大入賞口125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
また、遊技制御部200は、ゲート124を遊技球が通過したことを契機として普通図柄抽選を行う。そして、普通図柄抽選の判定結果に応じて電動チューリップの作動を制御する。
また、遊技制御部200は、特別図柄変動中に遊技球が第1始動口121または第2始動口122へ入賞したことにより発生する保留や、普通図柄変動中に遊技球がゲート124を通過したことにより発生する保留の設定を行う。
さらに、遊技制御部200は、特別図柄抽選および普通図柄抽選の判定結果、高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報、保留の設定情報等の遊技制御に伴う情報を、後述するコマンドにより演出制御部300に送る。
さらに、遊技制御部200は、第1始動口121、第2始動口122、大入賞口125および普通入賞口126に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出制御部330に対する指示を行う。例えば、第1始動口121に遊技球が入賞すると3個の賞球、第2始動口122に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口125に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口126に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ払い出すように、払出制御部330に指示命令(コマンド)を送る。なお、ゲート124を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは払出制御部330に指示しない。
払出制御部330が遊技制御部200の指示に従って賞球の払い出しを行った場合には、遊技制御部200は、払い出した賞球の個数に関する情報を払出制御部330から取得する。それにより、払い出した賞球の個数を管理する。
遊技制御部200には、検知手段として、図3に示すように、第1始動口121への遊技球の入賞を検出する第1始動口検出部(第1始動口スイッチ(SW))211と、第2始動口122への遊技球の入賞を検出する第2始動口検出部(第2始動口スイッチ(SW))212と、電動チューリップ123を開閉する電動チューリップ開閉部213と、ゲート124への遊技球の通過を検出するゲート検出部(ゲートスイッチ(SW))214と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、大入賞口125への遊技球の入賞を検出する大入賞口検出部(大入賞口スイッチ(SW))215と、大入賞口125の大入賞口扉125Dを閉状態と突出傾斜した開状態とに設定する大入賞口扉開閉部216と、普通入賞口126への遊技球の入賞を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口スイッチ(SW))217と、が接続されている。
また、遊技制御部200には、特別図柄の変動中に第1始動口121へ入賞した未変動分の保留個数を表示する第1特別図柄保留表示器218と、特別図柄の変動中に第2始動口122へ入賞した未変動分の保留個数を表示する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄の変動中にゲート124を通過した未変動分の保留個数を表示する普通図柄保留表示器220と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器222と、普通図柄の変動表示および普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器223と、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224と、が接続されている。
そして、第1始動口スイッチ211、第2始動口スイッチ212、ゲートスイッチ214、大入賞口スイッチ215および普通入賞口スイッチ217にて検出された検出信号が、遊技制御部200に送られる。また、遊技制御部200からの制御信号が、電動チューリップ開閉部213、大入賞口扉開閉部216、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222、普通図柄表示器223および状態表示器224に送られる。それにより、遊技制御部200は、上記した払い出し賞球数に関連する各種制御を行う。
さらに、遊技制御部200には、ホールに設置されたホストコンピュータ(不図示)に対して各種の情報を送信する盤用外部情報端子基板350が接続されている。そして、遊技制御部200は、払出制御部330から取得した、払い出した賞球数に関する情報や遊技制御部200の状態等を示す情報を、盤用外部情報端子基板350を介してホストコンピュータに送信する。
〔払出制御部の構成・機能〕
払出制御部330は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行うCPU331と、CPU331にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM332と、CPU331の作業用メモリ等として用いられるRAM333と、を備えている。
そして、払出制御部330は、遊技制御部200から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部330は、遊技制御部200から、遊技球が入賞した場所(第1始動口121等)に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部334を制御する。ここでの払出駆動部334は、遊技球の貯留部から遊技球を送り出す駆動モータで構成される。
また、払出制御部330には、払出駆動部334により遊技球の貯留部から実際に払い出された賞球の数を検出する払出球検出部335と、貯留部(不図示)での遊技球の貯留の有無を検出する球有り検出部336と、遊技者が遊技する際に使用する遊技球や払い出された賞球が保持される皿153が満タン状態に有るか否かを検出する満タン検出部337と、が接続されている。そして、払出制御部330は、払出球検出部335、球有り検出部336および満タン検出部337にて検出された検出信号を受け取り、これらの検出信号に応じた所定の処理を行う。
さらに、払出制御部330には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信する枠用外部情報端子基板340が接続されている。そして、払出制御部330は、例えば払出駆動部334に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や払出球検出部335にて検出された実際に払い出された賞球数に関する情報等を枠用外部情報端子基板340を介してホストコンピュータに送信する。また、遊技制御部200に対しても、同様の情報を送信する。
〔演出制御部の構成・機能〕
演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPU301と、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM302と、CPU301の作業用メモリ等として用いられるRAM303と、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)304と、を備えている。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果および変動パターンに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン161または演出キー162を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。この場合、例えば演出ボタン161等のコントローラ(不図示)から操作に応じた信号(操作信号)を受け付け、この操作信号により識別される操作内容を演出の設定に反映させる。
また、演出制御部300は、遊技が所定期間中断された場合には、演出の一つとして客待ち用の画面表示の設定を指示する。
さらには、演出制御部300は、遊技制御部200より受信した高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報に基づいて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送る。
さらに、演出制御部300には、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、が接続されている。
〔画像/音響制御部の構成・機能〕
画像/音響制御部310は、図4に示すように、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行うCPU311と、CPU311にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM312と、CPU311の作業用メモリ等として用いられるRAM313と、VDP(Video Display Processor)314と、CGROM315と、SNDROM316とを備えている。
そして、画像/音響制御部310は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、画像表示部114に表示する画像およびスピーカ156から出力する音響を制御する。
具体的には、CGROM315には、画像表示部114において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に事前判定演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。また、SNDROM316には、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカ156から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等といった各種音響データが記憶されている。
CPU311は、演出制御部300から送られた保留数コマンドもしくは変動演出開始コマンドに基づいて、アニメーションパターンの解析や、描画に関するコマンドをまとめたディスプレイリストの作成、およびディスプレイリストのVDP314への送信などを行う。
VDP314は、CPU311から受信したディスプレイリストに基づいて、CGROM315やSNDROM316にそれぞれ記憶された画像データや音響データを読み出す。さらには、VDP314は、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための描画処理と、読み出した音響データを用いた音声処理とを行う。そして、VDP314は、描画処理された画像データにより画像表示部114での画面表示を制御する。また、VDP314は、音声処理された音響データによりスピーカ156から出力される音響を制御する。
なお、本実施の形態では、VDP314が描画処理に併せて音声処理も行うよう構成しているが、これに限定されず、音声処理を専用で行うプロセッサを別途設けても構わない。
〔ランプ制御部の構成・機能〕
ランプ制御部320は、盤ランプ116や枠ランプ157の発光、および可動役物115の動作を制御する際の演算処理を行うCPU321と、CPU321にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM322と、CPU321の作業用メモリ等として用いられるRAM323と、を備えている。
そして、ランプ制御部320は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ116や枠ランプ157の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、可動役物115の動作を制御する。
具体的には、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた盤ランプ116や枠ランプ157での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU321は、ROM322に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部320は、読み出した発光パターンデータにより盤ランプ116や枠ランプ157の発光を制御する。
また、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。CPU321は、可動役物115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。
なお、本実施の形態では、遊技制御部200、演出制御部300、画像/音響制御部310、ランプ制御部320、および払出制御部330各々は、遊技盤110の後面に配設されたメイン基板としての遊技制御基板、サブ基板としての演出制御基板、画像制御基板、ランプ制御基板、および払出制御基板において個別に構成されている。
〔遊技制御部の機能構成〕
続いて、遊技制御部200の機能構成を説明する。
図5は、遊技制御部200の機能構成を示すブロック図である。図5に示すように、遊技制御部200は、各種抽選処理を実行する機能部として、乱数取得部231と、普通図柄判定部232と、特別図柄変動制御部233と、特別図柄判定部234と、普通図柄変動制御部236と、を備えている。
また、遊技制御部200は、特別図柄変動に伴う処理を実行する機能部として、変動パターン選択部235を備えている。
さらに、遊技制御部200は、各種役物の動作制御や賞球等に関するデータ処理を実行する機能部として、大入賞口動作制御部237と、電動チューリップ動作制御部238と、賞球処理部239と、出力制御部240と、乱数制御部241と、を備えている。
乱数取得部231は、特別図柄抽選に用いられる乱数値と、普通図柄抽選に用いられる乱数値とを取得する。特別図柄抽選に用いられる乱数値の場合、具体的には、第1始動口121や第2始動口122に遊技球が入賞したことを条件として、乱数の種類ごとに、所定の範囲の数値の中から1つの数値(乱数値)が選択(取得)される。取得された乱数値は、特別図柄判定部234による判定に用いられる。詳しくは後述するが、特別図柄抽選に用いられる乱数としては、大当たりか否かを示す大当たり乱数、大当たりの種類を示す図柄乱数、変動パターン乱数、リーチ乱数等が有る。
また、普通図柄抽選に用いられる乱数値の場合、具体的には、ゲート124を遊技球が通過したことを条件として、所定の範囲の数値の中から1つの数値(乱数値)が選択(取得)される。取得された乱数値は、普通図柄判定部232による判定に用いられる。なお、普通図柄抽選に用いられる乱数としては、当たりか否かを示す当たり乱数の他、当たりの種類を示す図柄乱数や変動パターン乱数等が設定される場合もある。
特別図柄変動制御部233は、特別図柄抽選が行われた場合に、抽選結果に応じて、第1特別図柄表示器221または第2特別図柄表示器222における特別図柄の変動を制御する。
特別図柄判定部234は、特別図柄の変動開始時に、図20に示すような乱数テーブルを用いて、特別図柄抽選の抽選結果が「大当たりか否か」、「大当たりに当選した場合の大当たりの種類」、「大当たりに当選していない場合での小当たりかはずれか」を判定する。すなわち、乱数取得部231は、検知手段である第1始動口スイッチ211または第2始動口スイッチ212により遊技球の通過が検知されたことを契機として特別図柄に関する乱数値を取得し、特別図柄判定部234は、取得した乱数値に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技(大当たり遊技等)を行うか否かを判定する。なお、前述した特別図柄の抽選(大当たり抽選)は、乱数取得部231および特別図柄判定部234における処理のことをいう。
ここで、「大当たり」は、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に応じて複数の種類に分けられる。具体的には、時短無状態か時短状態か、および高確率状態か低確率状態かの組み合わせによって大当たりの種類が決まる。すなわち、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に基づく大当たりの種類としては、大当たり遊技の終了後に、高確率時短遊技状態となる大当たり(以下、高確率時短遊技状態の大当たり)、低確率時短遊技状態となる大当たり(以下、低確率時短遊技状態の大当たり)、高確率時短無遊技状態となる大当たり(以下、高確率時短無遊技状態の大当たり)、低確率時短無遊技状態となる大当たり(以下、低確率時短無遊技状態の大当たり)が有り得る。これらの大当たりは、各々個別の特別図柄に対応付けられており、特別図柄抽選において当選した特別図柄の種類に応じて大当たりの種類が確定する。
また、「大当たり」は、大当たり遊技の時間が長く多量の遊技球の払い出しが期待できる大当たりと、大当たり遊技の時間が短く遊技球の払出がほとんど期待できない大当たりとに分けられる場合がある。前者は「長当たり」と呼ばれ、後者は「短当たり」と呼ばれる。例えば、「長当たり」では、大入賞口125の開状態が所定条件(例えば29.5秒経過または10個の遊技球の入賞)を満たすまで維持されるラウンドが所定回数(例えば15回)繰り返される。また、「短当たり」では、一定時間(例えば0.1秒)だけ大入賞口125が開状態となるラウンドが所定回数(例えば15回)繰り返される。
また、大当たりに当選していない場合の「小当たり」は、例えば0.1秒だけ大入賞口125が開状態となる態様が所定回数(例えば15回)行われる小当たり遊技が行われる。なお、小当たり当選時には、小当たり遊技が終了した後においても小当たり当選前の遊技状態を継続する。すなわち、小当たり当選時の遊技状態が高確率時短遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても高確率時短遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。同様に、小当たりの当選時の遊技状態が低確率時短無遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても低確率時短無遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。
また、「小当たり」は、「はずれ」の一種であり、遊技者に有利となる上記の遊技状態の何れも設定されない。
変動パターン選択部235は、第1特別図柄表示器221や第2特別図柄表示器222にて表示する特別図柄の変動パターン(変動時間)を選択する。具体的には、変動パターン選択部235は、大当たり遊技を行うか否かの判定結果およびリーチを行うか否かの判定結果等に基づいて、変動パターンを決定する。そして、変動パターン選択部235により選択された変動パターンに基づいて、特別図柄変動制御部233が特別図柄の変動を制御する。変動パターン選択部235および特別図柄変動制御部233の動作の詳細については後述する。
ここで、「リーチ」とは、後述する装飾図柄において遊技者に大当たりを期待させるための演出である。
普通図柄判定部232は、普通図柄の変動開始時に、後述する図20(d)に示すような乱数テーブルを用いて、普通図柄の抽選結果が「当たりか否か」を判定する。すなわち、普通図柄判定部232は、乱数取得部231により取得された普通図柄抽選用の乱数値に基づいて、電動チューリップ123を開閉作動させる補助遊技を行うか否かを判定する。また、普通図柄抽選において複数の種類の当たりが設定される場合は、普通図柄判定部232は、判定結果が当たりであった場合の「当たりの種類」を判定する。なお、普通図柄抽選は、乱数取得部231および普通図柄判定部232により行われる処理である。
普通図柄変動制御部236は、普通図柄抽選が行われた場合に、抽選結果に応じて、普通図柄表示器223による普通図柄の変動を制御する。
電動チューリップ動作制御部238は、普通図柄判定部232により普通図柄抽選において「当たり」と判定された場合に、電動チューリップ123を規定時間および規定回数だけ開放し、第2始動口122に遊技球が入賞容易となる状態を発生させる。また、「はずれ」と判定された場合には、電動チューリップ123のこのような開放状態を発生させない。
大入賞口動作制御部237は、特別図柄判定部234により特別図柄抽選において「大当たり」と判定された場合に、大当たり遊技として、当選した大当たりの種類に基づいて特定される作動パターンで大入賞口125の開放動作を制御する。また、大入賞口動作制御部237は、特別図柄判定部234により特別図柄抽選において「小当たり」と判定された場合に、小当たり遊技として、規定時間および規定回数だけ大入賞口125を開放する。
賞球処理部239は、入賞や抽選に関する種々の役物への入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力制御部240は、遊技制御部200から演出制御部300および払出制御部330へ制御用コマンドの出力を制御する。
乱数制御部241は、乱数取得部231が所定のタイミングで取得する各種の乱数値を更新する。
〔遊技機の基本動作〕
次に、パチンコ遊技機100の基本動作を説明する。
パチンコ遊技機100の遊技制御部200は、電源が投入されると、起動時の基本処理として、各種装置の初期化や初期設定を行う。そして、基本処理を行った後、遊技制御部200は、遊技の進行に関する一連の処理である主制御処理を繰り返し実行する。また、電源を遮断する際には、遊技制御部200は、一連の電源遮断時処理を実行する。
図6は、遊技制御部200による基本処理の動作を示すフローチャートである。
遊技制御部200は、パチンコ遊技機100の電源が投入されると、まず、RAM203(図3参照)へのアクセスを許可する(ステップ(以下、ステップを「S」と記載する)601)。そして、遊技制御部200は、RAM203をクリアするためのRAMクリアスイッチがONとなっているか否かを判断する(S602)。
RAMクリアスイッチがOFFである場合(S602でNo)、次に、遊技制御部200は、電源遮断時の動作に関するバックアップフラグがONとなっているか否かを判断する(S603)。
バックアップフラグがONである場合(S603でYes)、次に、遊技制御部200は、電源遮断時に作成されたチェックサムが正常か否かを判断する(S604)。
チェックサムが正常である場合(S604でYes)、次に、遊技制御部200は、復帰処理を実行する(S605)。この復帰処理において、遊技制御部200は、電源が遮断された状態からの復帰に伴う、演出制御部300等のサブ制御手段の設定を行う。具体的には、遊技制御部200は、電源が遮断される際におけるパチンコ遊技機100の遊技状態(大当たり遊技中か否か、高確率状態と低確率状態のいずれか、時短状態と時短無状態のいずれか)を反映させるように、サブ制御手段を設定するためのコマンドを演出制御部300へ出力する。また、この復帰処理において、遊技制御部200は、バックアップフラグをOFFにする。
一方、RAMクリアスイッチがON(S602でYes)、バックアップフラグがOFF(S603でNo)、チェックサムが異常(S604でNo)のいずれかに該当する場合、次に遊技制御部200は、初期化処理として、RAM203の記憶内容をクリアし(S606)、RAM203の作業領域を設定する(S607)。そして、遊技制御部200は、サブ制御手段を設定(初期化)するためのコマンドを演出制御部300へ出力し、サブ基板(サブ制御手段)の設定を行う(S608)。サブ基板の設定には、各サブ基板に搭載されているRAM303、RAM313、RAM323をクリアすること等が含まれる。
復帰処理(S605参照)が終了した後、またはサブ基板の設定(S608参照)が終了した後、遊技制御部200は、遊技制御に用いられる各種のカウンタおよびタイマーを設定する(S609)。そして、遊技制御部200は、割り込み許可(S610)、割り込み禁止(S611)、図柄乱数制御処理(S612)、初期値乱数更新処理(S613)、電源遮断フラグがONとなっているか否かの判断(S614)をループ処理として繰り返し実行する。
ここで、割り込み許可(S610)および割り込み禁止(S611)は、このループ処理(S610〜S614)の実行中に割り込み処理の実行を可能とするために設けられている。本実施の形態では、この割り込み処理により、遊技制御における主制御処理が実行される。主制御処理の詳細については後述する。
図柄乱数制御処理(S612)において、遊技制御部200は、特別図柄抽選で用いられる変動パターン乱数の更新を行う。
初期値乱数更新処理(S613)において、遊技制御部200は、遊技制御において用いられる各種の乱数値の初期値を更新する。
電源遮断フラグの判断において、電源遮断フラグがOFFである場合(S614でNo)、パチンコ遊技機100の電源は遮断されず、遊技制御部200は、ループ処理(S610〜S614)と共に割り込みによる主制御処理を繰り返し実行する。一方、電源遮断フラグがONである場合(S614でYes)、遊技制御部200は、パチンコ遊技機100の電源を遮断するための処理(電源遮断時処理)を開始する。
図7は、遊技制御部200による電源遮断時処理の動作を示すフローチャートである。
電源遮断時処理において、遊技制御部200は、まず、各種の出力を行うための出力ポートの設定をクリアする(S701)。次に、遊技制御部200は、チェックサムを作成し、RAM203に格納する(S702)。次に、遊技制御部200は、バックアップフラグをONにし(S703)、RAM203へのアクセスを禁止して(S704)、無限ループに移行する。
〔遊技機の主制御処理〕
次に、パチンコ遊技機100の主制御処理を説明する。
遊技制御部200は、主制御処理において、パチンコ遊技機100における遊技を制御すると共に、サブ制御手段である演出制御部300に対して演出の制御を指示し、払出制御部330に対して賞球の払い出しの制御を指示する。
図8は、遊技制御部200の主制御処理を示すフローチャートである。
主制御処理は、遊技制御における一連の処理からなり、予め設定された一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行される。本実施の形態において、遊技制御部200は、予め設定された一定時間ごとに割り込みを発生させ、図6に示すループ処理の中で割り込みが許可(S610参照)されると、割り込み処理として主制御処理を実行する。図8に示すように、主制御処理では、乱数更新処理、スイッチ処理、図柄処理、電動役物処理、賞球処理、出力処理が順次実行される(S801〜S806)。
乱数更新処理(S801)では、遊技制御部200は、乱数制御部241の機能(サブルーチン)を呼び出し、遊技制御部200による遊技制御で用いられる各種の乱数の値を更新する。乱数の設定および乱数値の更新の詳細については後述する。
スイッチ処理(S802)としては、始動口スイッチ処理、ゲートスイッチ処理が行われる。
始動口スイッチ処理では、遊技制御部200は、乱数取得部231の機能(サブルーチン)を呼び出し、図3の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、特別図柄抽選のための処理を実行する。また、詳しくは後述するが、第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212において事前判定処理を行う場合は、特別図柄判定部234、変動パターン選択部235の各機能(サブルーチン)を呼び出し、事前判定のための処理を実行する。
ゲートスイッチ処理では、遊技制御部200は、乱数取得部231の機能(サブルーチン)を呼び出し、図3のゲートスイッチ214の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、普通図柄抽選のための処理を実行する。
これらのスイッチ処理の詳細な内容については後述する。
図柄処理(S803)としては、特別図柄処理、普通図柄処理が行われる。
特別図柄処理では、遊技制御部200は、特別図柄変動制御部233、特別図柄判定部234、変動パターン選択部235の各機能(サブルーチン)を呼び出し、特別図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理を実行する。
普通図柄処理では、遊技制御部200は、普通図柄判定部232および普通図柄変動制御部236の機能(サブルーチン)を呼び出し、普通図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理を実行する。
これらの図柄処理の詳細な内容については後述する。
電動役物処理(S804)としては、大入賞口処理および電動チューリップ処理が行われる。
大入賞口処理では、遊技制御部200は、大入賞口動作制御部237の機能(サブルーチン)を呼び出し、所定の条件に基づいて特別電動役物である大入賞口125の開放動作を制御する。
電動チューリップ処理では、遊技制御部200は、電動チューリップ動作制御部238の機能(サブルーチン)を呼び出し、所定の条件に基づいて普通電動役物である電動チューリップ123の開放動作を制御する。
これらの電動役物処理の詳細な内容については後述する。
賞球処理(S805)では、遊技制御部200は、賞球処理部239の機能(サブルーチン)を呼び出し、入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力処理(S806)では、遊技制御部200は、出力制御部240の機能(サブルーチン)を呼び出し、演出制御用のコマンドを演出制御部300へ出力し、払い出し制御用のコマンドを払出制御部330へ出力する。演出制御用コマンドは、S802からS804までの各処理において生成され、RAM203に設けられた制御用コマンドの格納領域に格納(セット)される。払い出し制御用コマンドは、S805の処理において生成され、RAM203に設けられた制御用コマンドの格納領域に格納(セット)される。RAM203には、制御用コマンドの種類ごとに格納領域が設定されている。
出力制御部240は、RAM203の各制御用コマンドの格納領域を順に調べ、個々の格納領域に制御用コマンドが格納されていれば(すなわち、S802〜S805の処理で制御用コマンドが生成されていれば)、その制御用コマンドを読み出し、出力先(演出制御部300または払出制御部330)へ出力する。
本実施の形態では、図8に示したように、一連の主制御処理の最後に出力処理を行う。すなわち、第1の処理手段としての上記各機能によるS802〜S805の各処理において生成されたコマンドを、その各処理においてはRAM203の対応する格納領域に格納しておく。そして、これらの処理の後に、第2の処理手段としての出力制御部240が、RAM203の格納領域に蓄積された、各処理で生成されたコマンドをまとめて出力する。言い換えれば、本実施の形態では、主制御処理を1サイクル実行すると、その1サイクルの実行において生成されたコマンドが、その1サイクルの実行における最後のコマンド生成が行われた後に、出力される。
〔遊技機の基本動作の変形例〕
なお、図6乃至図8を参照して説明した動作例では、基本処理におけるループ処理の部分で割り込みを許可し、割り込み処理として一連の処理からなる主制御処理を実行した。しかしながら、主制御処理は、一定時間ごとに繰り返し実行されるように構成されていれば良く、具体的な実現手段(実行手順)は、図6乃至図8に示した例には限定されない。例えば、基本処理の一連の動作の中に主制御処理を組み入れておき、所定のタイミングで経過時間を計測し、一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに主制御処理へ戻る構成としても良い。また、基本処理の一連の動作の中に主制御処理を組み入れる一方で、図6乃至図8を参照して説明した動作と同様に、一定時間ごとに割り込みを発生させ、割り込みが発生したならば基本処理中に組み入れられた主制御処理へ戻る構成としても良い。
また、基本処理で生成されたコマンドを出力する場合は、原則として、コマンドを生成する度に、RAM203のコマンド格納領域に格納し、第2の処理手段である出力制御部240の機能を呼び出して出力する。基本処理は、遊技の進行に関わる主制御処理とは異なり、電源投入時にのみ行われる初期動作等の特別な処理である。また、基本処理は、電源投入時のパチンコ遊技機100の状態等の条件に基づく分岐により処理手順が変動する場合があるため、出力処理に漏れが無いように、生成したコマンドを速やかに出力する処理である。なお、関連する複数の処理により連続的にコマンドが生成される場合等、具体的な処理の要請に応じて、複数のコマンドをRAM203のコマンド格納領域に格納し、まとめて出力する処理手順を採っても良い。
〔遊技制御部による乱数更新処理〕
特別図柄抽選等の遊技制御における各種の抽選に用いられる判定情報としての乱数値は、カウンタによって計数され、所定の初期値から始まって、図8に示す主制御処理の乱数更新処理(S801)が行われるたびに1ずつ加算される。そして、各抽選が行われた時点の値が始動口スイッチ処理(図9)およびゲートスイッチ処理(図10)で取得され、特別図柄処理(図11)や普通図柄処理(図16)で使用される。この乱数値のカウンタは無限ループカウンタであり、計数された乱数値が、設定されている乱数の最大値(例えば、後述する図20(a)に示した大当たり乱数では299)に達した後は、再び初期値に戻る。また、乱数更新処理は一定時間ごとに行われるため、各乱数の初期値が特定されてしまうと、更新間隔や初期値の情報に基づいて当選値が推定される恐れがある。そこで、主制御処理から図6に示す基本処理に戻った後、S613の初期値乱数更新処理において、各乱数の初期値をランダムに変更する。
〔遊技制御部による始動口スイッチ処理〕
図9は、図8のS802に示したスイッチ処理のうちの始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
この始動口スイッチ処理は、第1始動口121における入賞に対する処理と、第2始動口122における入賞に対する処理とが順次行われる。図9を参照すると、遊技制御部200は、まず、第1始動口121に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211がONとなったか否かを判断する(S901)。第1始動口スイッチ211がONとなったならば、次に遊技制御部200は、第1始動口121の入賞における未変動分の保留数U1が上限値未満か否かを判断する(S902)。図9に示す例では、上限値を4個としている。保留数U1が上限値に達している場合は(S902でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。
一方、保留数U1が上限値未満である場合(S902でYes)、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による判定のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(S903)。ここでは、第1始動口121の入賞なので、特別図柄抽選のための乱数値が取得される。このとき取得される乱数値は、S801の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により、後の特別図柄処理において特別図柄抽選の結果が確定される。ここにいう乱数値としては、大当たり、小当たりまたははずれを決定する大当たり乱数値、大当たりの種類(大当たり遊技の終了後における時短状態か時短無状態、高確率状態と低確率状態、長当たり、短当たり)を決定する図柄乱数値(大当たり図柄乱数値)、図柄変動における変動パターンを特定するための変動パターン乱数値、はずれのときに後述のリーチ有り演出をするか否かを決定するリーチ乱数値、等が含まれる。
次に、遊技制御部200は、事前判定処理を行う(S904)。事前判定処理とは、始動口における入賞により乱数の取得が既に行われているが後述する特別図柄処理によって乱数の判定が未だ行われていない入賞球(保留球)について、特別図柄処理によって乱数が判定されるよりも前にその乱数の判定を行う(事前判定)処理である。
そして、本実施の形態の演出制御部300は、事前判定処理によって判定された乱数の判定結果(事前判定結果)に基づいて、特別図柄処理によって乱数が判定され、その判定結果が報知されるよりも前に、その判定結果を示唆する事前判定演出を行うことができる。この事前判定演出は、例えば、始動口における入賞により乱数の取得が既に行われているが特別図柄処理によって乱数の判定が未だ行われていない入賞球(保留球)の発生に応じて、画像表示部114に表示される保留表示演出(後述)等を用いて行われる。この事前判定に基づく事前判定演出により、事前判定演出に係る事前判定に対応する保留球に関して、その後に特別図柄処理による乱数の判定が行われた際の判定結果が遊技者に示唆される。これによって、遊技者は、保留球に対して期待を抱きながら遊技を行うことができる。事前判定に基づく事前判定演出の詳細については後述する。
そして、遊技制御部200は、保留数U1の値を1加算する(S905)。
この後、遊技制御部200は、事前判定結果を演出制御部300に通知するために、S904の事前判定処理による事前判定情報を含む事前判定結果コマンドをRAM203にセットする(S906)。
さらに、遊技制御部200は、S905による保留数U1の増加を演出制御部300に通知するための保留数増加コマンドをRAM203にセットし(S907)、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。
次に、第2始動口122における入賞に対する処理が行われる。図9を参照すると、次に遊技制御部200は、第2始動口122に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ212がONとなったか否かを判断する(S908)。第2始動口スイッチ212がONとなったならば、次に、遊技制御部200は、第2始動口122の入賞における未変動分の保留数U2が上限値未満か否かを判断する(S909)。図9に示す例では、上限値を4個としている。保留数U2が上限値に達している場合は(S909でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。
一方、保留数U2が上限値未満である場合(S909でYes)、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(S910)。ここでは、第2始動口122の入賞なので、上記のS903と同様に、特別図柄抽選のための乱数値(大当たり乱数値、大当たり図柄乱数値)、リーチ乱数値、変動パターン乱数値など)が取得される。このとき取得される乱数値は、S801の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により後の特別図柄処理において特別図柄抽選の結果が確定される。
次に、遊技制御部200は、事前判定処理を行う(S911)。この事前判定処理の内容は、上記のS904と同様である。
そして、遊技制御部200は、保留数U2の値を1加算する(S912)。
この後、遊技制御部200は、事前判定結果を演出制御部300に通知するために、S911の事前判定処理による事前判定情報を含む事前判定結果コマンドをRAM203にセットする(S913)。
さらに、遊技制御部200は、S912による保留数U2の増加を演出制御部300に通知するための保留数増加コマンドをRAM203にセットし(S914)、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。
〔遊技制御部によるゲートスイッチ処理〕
図10は、ゲート124を遊技球が通過した場合のゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
このゲートスイッチ処理において、遊技制御部200は、まず、ゲート124を遊技球が通過してゲートスイッチ214がONとなったか否かを判断する(S1001)。ゲートスイッチ214がONとなったならば、次に遊技制御部200は、未変動分の保留数Gが上限値未満か否かを判断する(S1002)。図10に示す例では、上限値を4個としている。保留数Gが上限値に達している場合は(S1002でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。
一方、保留数Gが上限値未満である場合(S1002でYes)、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(S1003)。ここでは、ゲート124の入賞なので、普通図柄抽選のための乱数値(当たり乱数値など)が取得される。
次に、遊技制御部200は、保留数Gの値を1加算する(S1004)。
S1004で保留数Gの値が加算された後、遊技制御部200は、S1004による保留数Gの増加を演出制御部300に通知するための保留数G増加コマンドをRAM203にセットし(S1005)、ゲート124における入賞に対する処理を終了する。
〔遊技制御部による特別図柄処理〕
図11は、図8のS803に示した図柄処理のうちの特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この特別図柄処理において、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233は、まず、RAM203においてセットされるフラグの設定(以下、フラグ設定)において大当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1101)。ここで、大当たり遊技フラグは、特別図柄抽選の結果が大当たりであることを識別するためにセットされるフラグである。大当たりの種類に応じて、長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグの何れかがセットされる。本実施の形態では、これらを総称して大当たり遊技フラグと呼ぶ。
大当たり遊技フラグがONである場合、既にパチンコ遊技機100は大当たり中であるので、特別図柄変動を開始することなく特別図柄処理を終了する(S1101でYes)。一方、大当たり遊技フラグがOFFである場合(S1101でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、パチンコ遊技機100の現在の状態が特別図柄変動中か否かを判断する(S1102)。特別図柄変動中でない場合(S1102でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、特別図柄の未変動分の保留数U1、U2(図9参照)に関する処理を行う(S1103〜S1106)。本実施の形態では、第1始動口121の入賞に係る保留数U1と第2始動口122の入賞に係る保留数U2とを区別しているので、この処理も対応する始動口ごとに個別に行う。
具体的には、特別図柄変動制御部233は、まず第2始動口122の入賞に係る保留数U2が1以上か判断する(S1103)。保留数U2が1以上である場合(S1103でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数U2の値を1減算する(S1104)。一方、保留数U2=0である場合は(S1103でNo)、特別図柄変動制御部233は、次に第1始動口121の入賞に係る保留数U1が1以上か判断する(S1105)。保留数U1が1以上である場合(S1105でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数U1の値を1減算する(S1106)。一方、保留数U1=0である場合は(S1105でNo)、特別図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、特別図柄変動を開始せず、別ルーチンの客待ち設定処理を実行して処理を終了する(S1116)。
なお、本実施の形態では、第2始動口122の入賞に係る保留数U2に関する処理を優先させて行った。すなわち、保留数U2が1以上である場合は保留数U2に関する処理を行い、保留数U2=0である場合に保留数U1に関する処理を行っている(S803〜S806参照)。これに対し、第1始動口121と第2始動口122のどちらの入賞かに関わらず、入賞した順に保留数U1、U2を減算していくような制御とすることも可能である。
S1104またはS1106で保留数U1または保留数U2を減算した後、特別図柄変動制御部233は、RAM203のフラグ設定においてセットされた客待ちフラグをOFFとする(S1107)。客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためのフラグであり、客待ち設定処理(S1116、図15参照)においてセットされる。
次に、特別図柄変動制御部233は、別ルーチンによる大当たり判定処理および変動パターン選択処理を実行する(S1108、S1109)。詳しくは後述するが、この大当たり判定処理および変動パターン選択処理によって、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222に変動表示される特別図柄の変動用の設定情報(大当たり図柄、遊技状態、変動パターン等)が決定される。なお、これらの情報は演出制御部300に送られる変動開始コマンドに含まれる。
この後、特別図柄変動制御部233は、大当たり判定処理および変動パターン選択処理で決定された設定内容に基づき、図2に示す第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222により表示される特別図柄の変動を開始する(S1110)。そして、この設定内容を示す設定情報(大当たり図柄、遊技状態、変動パターン等)を含んだ変動開始コマンドを生成し、RAM203にセットする(S1111)。S1111でセットされた変動開始コマンドは、図8のS806に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
S1102で特別図柄変動中と判断された場合(S1102でYes)、またはS1111で変動開始コマンドがセットされた後、特別図柄変動制御部233は、変動時間を経過したか否かを判断する(S1112)。すなわち、S1110で特別図柄の変動を開始してからの経過時間がS1109の変動パターン選択処理で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(S1112でNo)、特別図柄変動が継続されるので、そのまま特別図柄処理が終了する。
一方、変動時間を経過した場合(S1112でYes)、特別図柄変動制御部233は、まず、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222における特別図柄の変動をS1108の大当たり判定処理で決定された図柄で停止する(S1113)。後述する装飾図柄を停止させるための変動停止コマンドをRAM203にセットする(S1114)。そして、別ルーチンの停止中処理を実行する(S1115)。停止中処理の内容については後述する。S1114でセットされた変動停止コマンドは、図8のS806に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による大当たり判定処理〕
図12は、大当たり判定処理(図11のS1108)の内容を示すフローチャートである。
この大当たり判定処理において、遊技制御部200の特別図柄判定部234は、まず、今回の特別図柄抽選における大当たり乱数値の判定を行い(S1201)、大当たりまたは小当たりしたか否かを判断する(S1202、S1205)。大当たりまたは小当たりしたか否かは、図9のS903またはS910で取得した大当たり乱数の値が、大当たりの当選値として設定された値または小当たりの当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図20(a)参照)。
S1201の乱数判定の結果が大当たりだった場合(S1202でYes)、次に特別図柄判定部234は、大当たり図柄乱数値の判定を行う(S1203)。この判定の結果に応じて、大当たりの種類(高確率状態か低確率状態、時短状態か時短無状態、長当たり、短当たり)が決定される。何れの大当たりとなるかは、図9のS903またはS910で取得した大当たり図柄乱数の値が、大当たりの種類ごとに予め設定された値のうちの何れと一致したかによって決定される(図20(b)参照)。
以上の判定の後、特別図柄判定部234は、大当たり図柄乱数の判定により決定された大当たりの種類を表す図柄(大当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(S1204)。
S1201の乱数判定の結果が小当たりだった場合(S1202でNo、S1205でYes)、次に特別図柄判定部234は、小当たりであることを表す図柄(以下、小当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(S1206)。
S1201の乱数判定の結果が大当たりでも小当たりでもない場合(S1202、S1205でNo)、次に特別図柄判定部234は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(S1207)。
〔遊技制御部による変動パターン選択処理〕
図13は、変動パターン選択処理(図11のS1109)の内容を示すフローチャートである。
この変動パターン選択処理において、遊技制御部200の変動パターン選択部235は、まず、パチンコ遊技機100の遊技状態(時短無状態か時短状態か、および高確率状態か低確率状態か)を参照する(S1301)。そして、大当たり判定処理(図12)のS1202の判断結果を用いて今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(S1302)。そして、大当たりだった場合(S1302でYes)、変動パターン選択部235は、大当たり用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(S1303)。
一方、大当たりしなかった場合(S1302でNo)、次に変動パターン選択部235は、遊技者に大当たりを期待させるためのいわゆるリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数値の判定を行う(S1304)。リーチ演出を行うか否かは、図9のS903またはS910で取得したリーチ乱数の値が予め設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図20(c)参照)。
乱数値を用いた判定の結果、リーチ演出を行う場合(S1305でYes)、変動パターン選択部235は、リーチ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(S1306)。また、リーチ演出を行わない場合(S1305でNo)、変動パターン選択部235は、はずれ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(S1307)。
ここで、変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターン(変動時間3秒、7秒、13秒、15秒、30秒、60秒、90秒など)と変動パターン乱数の値とを対応付けたテーブルである。
次に、変動パターン選択部235は、図9のS903またはS910で取得した変動パターン乱数値およびS1303、S1306、S1307でセットされた変動パターンテーブルを用いて、変動パターン乱数値の判定を行う(S1308)。すなわち、変動パターン選択部235は、RAM203にセットされた変動パターンテーブルを参照し、変動パターン乱数の乱数値に応じた変動パターンを選択する。したがって、同じ乱数値が取得された場合でも、パチンコ遊技機100の遊技状態(時短状態か時短無し状態か、および高確率状態か低確率状態か)、特別図柄抽選の結果(大当たりしたか否か、大当たりしていない場合はリーチ演出を行うか否か)等の違いに応じて参照される変動パターンテーブルが異なるので、決定される変動パターンが異なる。
この後、変動パターン選択部235は、S1308で選択した変動パターンを設定情報としてRAM203にセットする(S1309)。S1309でセットされた変動パターンの設定情報は、図11のS1111でセットされる変動開始コマンドに含まれ、図8のS806に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。本実施の形態で選択される変動パターンおよびその設定の詳細については後述する。
〔遊技制御部による停止中処理〕
図14は、停止中処理(図11のS1115)の内容を示すフローチャートである。
この停止中処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において時短状態であることを示すフラグ(以下、時短フラグ)がONになっているか否かを調べる(S1401)。時短フラグがONである場合(S1401でYes)、遊技制御部200は、時短状態での抽選回数(変動回数)Jの値を1減算し(S1402)、抽選回数Jが0になったか否かを調べる(S1403)。そして、抽選回数J=0であれば(S1403でYes)、時短フラグをOFFにする(S1404)。なお、時短フラグをONにする操作と、抽選回数Jの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図17)における遊技状態設定処理(図18)で行われる。
時短フラグがOFFであった場合(S1401でNo)またはS1404で時短フラグをOFFにした後、あるいはS1402で減算した後の抽選回数Jの値が0でない場合(S1403でNo)、次に遊技制御部200は、RAM203のフラグ設定において高確率状態であることを示すフラグ(以下、確変フラグ)がONになっているか否かを調べる(S1405)。なお、この確変フラグと先の時短フラグが共にONである場合は、高確率時短遊技状態であり、確変フラグがONであり時短フラグがOFFである場合は、高確率時短無遊技状態である。
確変フラグがONである場合(S1405でYes)、遊技制御部200は、高確率状態での抽選回数(変動回数)Xの値を1減算し(S1406)、抽選回数Xが0になったか否かを調べる(S1407)。そして、抽選回数X=0であれば(S1407でYes)、確変フラグをOFFにする(S1408)。なお、確変フラグをONにする操作と、抽選回数Xの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図17)における遊技状態設定処理(図18)で行われる。
確変フラグがOFFであった場合(S1405でNo)またはS1408で確変フラグをOFFにした後、あるいはS1406で減算した後の抽選回数Xの値が0でない場合(S1407でNo)、次に遊技制御部200は、今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(S1409)。そして、大当たりだった場合(S1409でYes)、次に遊技制御部200は、大当たりの種類が長当たりか否かを判断する(S1410)。
ここで、大当たりか否かの判断は、大当たり判定処理(図12)の判定結果に基づいて判断することができる。例えば、後述する図20(b)の図表に示す図柄の何れかがセットされているならば、S1409でYesである。大当たり判定処理によりRAM203に、はずれ図柄または小当たり図柄がセットされているならば、S1409でNoである。
大当たりの種類が長当たりであった場合(S1410でYes)、遊技制御部200は、長当たり遊技フラグをONにする(S1411)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、大当たりの種類が長当たりである大当たり遊技状態(長当たり遊技状態)となる。なお、ここでは長当たりにおいて、高確率状態か低確率状態かを区別していない。高確率状態となるか低確率状態となるかは、後述の大入賞口処理(図17)における遊技状態設定処理(図18)で該当するフラグをONにすることによって特定される。
大当たりの種類が長当たりでなかった場合(S1410でNo)、遊技制御部200は、短当たり遊技フラグをONにする(S1412)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、大当たりの種類が短当たりである大当たり遊技状態(短当たり遊技状態)となる。長当たりの場合と同様、短当たりの場合も高確率状態か低確率状態かを区別していない。
S1411またはS1412で大当たり遊技フラグをONにした後、遊技制御部200は、抽選回数J、Xの値を初期化する(S1413)。また、遊技制御部200は、S1401において時短フラグがONであって、S1403において抽選回数Jが0でなかった場合に、時短フラグをOFFにする(S1414)。同様に、S1405において確変フラグがONであって、S1407において抽選回数Xが0でなかった場合に、確変フラグをOFFにする(S1414)。
S1413で抽選回数J、Xの値を初期化した後、遊技制御部200は、オープニング動作を開始する(S1417)。ここで、オープニング動作の内容は、S1411、S1412の何れで当たり遊技フラグがONとなったかに応じて異なる。すなわち、大当たり遊技フラグの状態に応じて、長当たり遊技、短当たり遊技の各遊技状態において設定されたオープニング動作の何れかが行われることとなる。
この後、遊技制御部200は、演出制御部300において大当たり遊技フラグに応じたオープニング動作における演出を行うためのオープニングコマンドをRAM203にセットして(S1418)、停止中処理を終了する。このオープニングコマンドは、図8のS806に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
これに対し、今回の特別図柄抽選の結果が大当たりでなかった場合(S1409でNo)、次に遊技制御部200は、今回の特別図柄抽選の結果が小当たりであったか否かを判断する(S1415)。小当たりでなかった場合は(S1415でNo)、停止中処理を終了する。
一方、小当たりであった場合(S1415でYes)、遊技制御部200は、小当たり遊技を開始する(S1416)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が小当たり遊技状態となる。なお、小当たり遊技では、前述したように、大入賞口125を所定回数開閉し、所定時間経過後に終了する。
〔遊技制御部による客待ち設定処理〕
図15は、客待ち設定処理(図11のS1116)の内容を示すフローチャートである。
この客待ち設定処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において客待ちフラグがONになっているか否かを調べる(S1501)。ここで、客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためにセットされるフラグである。
客待ちフラグがONである場合、パチンコ遊技機100は客待ち状態であるので、そのまま処理を終了する(S1501でYes)。一方、客待ちフラグがOFFである場合、遊技制御部200は、客待ちコマンドを生成してRAM203にセットし(S1502)、客待ちフラグをONにする(S1503)。S1502でセットされた客待ちコマンドは、図8のS806に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。なお、客待ちフラグとは、特別図柄の変動が停止して、保留が無い状態でセットされるものである。
〔遊技制御部による普通図柄処理〕
図16は、図8のS803に示した図柄処理のうちの普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この普通図柄処理において、遊技制御部200の普通図柄変動制御部236は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1601)。ここで、補助遊技フラグは、普通図柄抽選で当選した場合にセットされるフラグである。補助遊技フラグが設定されている状態は、電動チューリップ123が後述の電動チューリップ処理(図19)にしたがって開放され、第2始動口122に入賞し易い状態である(補助遊技状態)。
補助遊技フラグがONである場合、既に補助遊技状態となっており、普通図柄が停止している状態なので、普通図柄変動を開始することなく普通図柄処理を終了する(S1601でYes)。一方、補助遊技フラグがOFFである場合(S1601でNo)、次に普通図柄変動制御部236は、パチンコ遊技機100の現在の状態が普通図柄変動中か否かを判断する(S1602)。普通図柄変動中でない場合(S1602でNo)、次に普通図柄変動制御部236は、普通図柄の未変動分の保留数G(図10参照)が1以上か判断する(S1603)。保留数G=0である場合は(S1603でNo)、普通図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、普通図柄変動を開始せずに処理を終了する。
これに対し、保留数Gが1以上である場合(S1603でYes)、普通図柄変動制御部236は、保留数Gの値を1減算する(S1604)。そして、普通図柄判定部232が、今回の普通図柄抽選における当たり乱数の判定を行って、普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(S1605)。当選したか否かは、図10のS1003で取得した当たり乱数の値が、後述する図20(d)に示すテーブル等において当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される。
次に、普通図柄変動制御部236は、普通図柄抽選の結果に応じて普通図柄の設定を行う(S1606)。すなわち、普通図柄抽選に当選した場合は、当選したことを表す図柄(以下、当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。一方、普通図柄抽選に当選しなかった場合は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。
次に、普通図柄変動制御部236は、普通図柄の変動時間の設定を行う(S1607)。この変動時間は、図14におけるS1404、S1414、後述の図18におけるS1804、S1807等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。すなわち、S1607による設定の際に時短フラグがONである場合は、短時間(例えば1.5秒)に設定され、時短フラグがOFFである場合は、長時間(例えば4.0秒)に設定される。この設定の後、普通図柄変動制御部236は、S1607の設定内容に基づき、図2(a)および図3に示す普通図柄表示器223における普通図柄の変動を開始する(S1608)。なお、普通図柄の変動パターンを抽選により決定することもできる。この場合、例えば、遊技球がゲート124を通過した際に、乱数取得部231が普通図柄の変動パターン乱数値を取得し、S1607において、普通図柄変動制御部236が普通図柄の変動パターン乱数値を判定することにより、変動時間が設定される。
S1608で普通図柄の変動を開始した後、またはS1602で普通図柄変動中と判断された場合(S1602でYes)、普通図柄変動制御部236は、変動時間を経過したか否かを判断する(S1609)。すなわち、S1608で普通図柄の変動を開始してからの経過時間がS1607で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(S1609でNo)、普通図柄変動が継続されるので、そのまま普通図柄処理が終了する。
一方、変動時間が終了した場合(S1609でYes)、普通図柄変動制御部236は、普通図柄表示器223における普通図柄の変動を停止する(S1610)。そして、普通図柄変動制御部236は、S1605の判定結果が当選であったか否かを判断する(S1611)。当選であったならば(S1611でYes)、補助遊技フラグをONにする(S1612)。一方、抽選にはずれたならば(S1611でNo)、補助遊技フラグをONにすること無く普通図柄処理を終了する。
〔遊技制御部による大入賞口処理〕
図17は、図8のS804に示した電動役物処理のうちの大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。
この大入賞口処理において、遊技制御部200の大入賞口動作制御部237は、まず、RAM203のフラグ設定において大当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1701)。大当たり遊技フラグがOFFである場合、大入賞口125への入賞はないので、大入賞口処理を終了する(S1701でNo)。一方、大当たり遊技フラグがONである場合(S1701でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、パチンコ遊技機100が停止中処理(図14)で開始された大当たり時の動作制御におけるオープニング動作の最中か否かを判断する(S1702)。
パチンコ遊技機100がオープニング中である場合(S1702でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、予め設定されたオープニング動作が行われるべき時間(オープニング時間)を経過したか否かを判断する(S1703)。オープニング時間を経過していないならば、大入賞口125でのオープニング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(S1703でNo)。一方、オープニング時間を経過したならば(S1703でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動設定を行い(S1704)、入賞個数Cを初期化(C=0)し(S1705)、大入賞口125の作動のラウンド数Rの値を現在の値から1加算して(S1706)、大入賞口125を作動開始(開放)する(S1707)。
S1704の作動設定では、大入賞口125の作動パターンと、その作動パターンで作動させるラウンド数(作動ラウンド数)とが設定される。大入賞口125が作動する場合としては、特別図柄抽選で、長当たりまたは短当たりの大当たりであった場合と、小当たりであった場合がある。作動パターンおよびラウンド数は、これらの当たりの種類に応じて様々に設定される。なお、大当たり遊技においては、大入賞口125の作動を複数回(複数ラウンド)連続して行うことが規定されている。一例としては、長当たりの場合、例えば、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行う。短当たりの場合、例えば、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは0.1秒の開放を1回行う。小当たりの場合、例えば、1ラウンド(1R)作動させ、この1ラウンドで0.1秒の開放を15回行う。ここで、短当たりでの作動と小当たりでの作動を上記の例で比較すると、共に0.1秒の開放が15回行われることとなる。すなわち、遊技者から見える大入賞口125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同じであり、遊技盤110上の大入賞口125の動作のみから短当たりと小当たりとを区別することはできない。
また、別の例としては、長当たりでは、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行い、短当たりでは、2ラウンド(2R)作動させ、1ラウンドでは0.9秒の開放を2回行い、小当たりでは、1ラウンド(1R)作動させ、この1ラウンドで0.9秒の開放を2回行う。この場合も、短当たりでの作動と小当たりでの作動を比較すると、共に0.9秒の開放が2回行われることとなり、遊技者から見える大入賞口125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同様となる。
なお、小当たりの際には、大入賞口125の開放累積時間が1.8秒以内に設定されなければならないことが法令により定められている。一方で、大当たり(長当たりまたは短当たり)の際には、大入賞口125を複数回連続開放させなければならない。そこで、上記のように小当たりでの作動と短当たりでの作動を外見上区別しがたくしようとする場合、小当たりでは、1作動での開放累積時間が1.8秒以内を満たす範囲で、大入賞口125が2回以上開放する作動形態が設定され、短当たりでは、小当たりの開放回数と同数のラウンド数が設定される。
次に、大入賞口動作制御部237は、S1704で設定された作動パターンにおける開放時間を経過したか否かを判断する(S1708)。大入賞口125での開放状態が開放時間を経過していない場合(S1708でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125への入賞個数Cが規定の個数(例えば9個)以上か否かを判断する(S1709)。開放時間を経過しておらず、かつ入賞個数Cが規定個数未満である場合は、大入賞口125の作動状態(開放状態)が継続されるので、大入賞口処理を終了する(S1709でNo)。一方、開放時間を経過したか(S1708でYes)、または入賞個数Cが規定個数に達した場合(S1709でYes)、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125を作動終了(閉口)する(S1710)。
次に、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動のラウンド数RがS1704で設定された最大値に達したか否かを判断する(S1711)。そして、最大値に達していないならば、残りの作動が行われるため、大入賞口処理を終了する(S1711でNo)。
大入賞口125の作動のラウンド数Rが最大値に達したならば(S1711でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、エンディング動作を開始する(S1712)。ここで、エンディング動作の内容は、長当たり遊技、短当たり遊技の各遊技において設定されたエンディング動作のうち、大当たり遊技フラグの状態に対応するものとなる。
この後、大入賞口動作制御部237は、演出制御部300において大当たり遊技フラグに応じたエンディング動作における演出を行うためのエンディングコマンドをRAM203にセットする(S1713)。このエンディングコマンドは、図8のS806に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
次に、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動のラウンド数Rを0にリセットした後(S1714)、エンディング動作の開始からの経過時間が予め設定されたエンディング動作が行われるべき時間(エンディング時間)を経過したか否かを判断する(S1717)。エンディング時間を経過していないならば、エンディング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(S1717でNo)。一方、エンディング時間を経過したならば(S1717でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、遊技制御部200による遊技状態設定処理を経た後(S1718)、大当たり遊技フラグをOFFにして、大入賞口処理を終了する(S1719)。遊技状態設定処理の内容については後述する。
S1702で、パチンコ遊技機100がオープニング中ではないと判断した場合(S1702でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、エンディング中か否かを判断する(S1715)。そして、エンディング中であるならば(S1715でYes)、上記S1717以降の動作を実行する。
一方、パチンコ遊技機100がエンディング中でもないならば(S1715でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125が作動(開放)中か否かを判断する(S1716)。そして、作動中でないならば(S1716でNo)、上記S1705以降の動作を実行し、作動中であるならば(S1716でYes)、上記S1708以降の動作を実行する。
なお、前述した小当たり遊技で行われる演出は、短当たり遊技で行われる演出と同様であり、演出から短当たりと小当たりとを区別することはできない。
〔遊技状態設定処理〕
エンディング時間が経過した場合(S1717でYes)に実行される、遊技制御部200による遊技状態設定処理(S1718)の内容を図18に示す。
遊技状態設定処理が行われる場合、前提として、図17のS1701で大当たり遊技フラグがONとなっている。そこで、図18に示すように、遊技制御部200は、まず、その大当たりの種類を判断する(S1801、S1802、S1803、S1806)。これらの判断は、例えば大当たり判定処理(図12)でRAM203に設定情報としてセットされた図柄の種類に基づいて判断することができる。なお、これらの判断は大当たり判定処理(図12)のS1202、S1203、S1205と概ね同様であるので、S1202、S1203、S1205の判断結果を用いても良い。
小当たりである場合(S1801でYes)、遊技状態は変更しないので、遊技状態設定処理を終了する。
大当たりの種類が低確率時短遊技状態の大当たりである場合(S1801でNo、S1802、S1803でYes)、遊技制御部200は、時短フラグをONにする(S1804)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が低確率時短遊技状態となる。また、遊技制御部200は、抽選回数Jの初期値を設定し(S1805)、遊技状態設定処理を終了する。抽選回数Jの初期値は、図示の例では100回である。したがって、低確率時短遊技状態における抽選が100回行われたならば、低確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
一方、大当たりの種類が低確率時短無遊技状態の大当たりである場合(S1801でNo、1802でYes、S1803でNo)、遊技制御部200は、時短フラグ、確変フラグともONにせずに処理を終了する。したがって、この大当たりの後の遊技に対するRAM203の遊技状態の設定は、低確率時短無遊技状態となる。
大当たりの種類が高確率時短遊技状態の大当たりである場合(S1801、S1802でNo、S1806でYes)、遊技制御部200は、時短フラグをONにし(S1807)、抽選回数Jの初期値を設定する(S1808)。この場合の抽選回数Jの初期値は、図示の例では10000回である。また、遊技制御部200は、確変フラグをONにし(S1809)、抽選回数Xの初期値を設定する(S1810)。抽選回数Xの初期値は、図示の例では10000回である。これにより、RAM203の遊技状態の設定が高確率時短遊技状態となる。そして、この高確率時短遊技状態における抽選が10000回行われたならば、高確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
一方、大当たりの種類が高確率時短無遊技状態の大当たりである場合(S1801、S1802、S1806でNo)、遊技制御部200は、確変フラグのみをONにし(S1809)、抽選回数Xの初期値(10000回)を設定する(S1810)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が高確率時短無遊技状態となる。そして、この高確率時短無遊技状態における抽選が10000回行われたならば、高確率時短無遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
〔遊技制御部による電動チューリップ処理〕
図19は、図8のS804に示した電動役物処理のうちの電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。
電動チューリップ処理において、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部238は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1901)。補助遊技フラグがOFFである場合、電動チューリップ123は開放しないため、電動チューリップ処理を終了する(S1901でNo)。一方、補助遊技フラグがONである場合(S1901でYes)、次に電動チューリップ動作制御部238は、電動チューリップ123が作動中か否かを判断する(S1902)。
電動チューリップ123が作動中でない場合(S1902でNo)、電動チューリップ動作制御部238は、電動チューリップ123の作動パターンの設定を行い(S1903)、設定した作動パターンで電動チューリップ123を作動させる(S1904)。ここで、作動パターンは、図14におけるS1404、S1414、図18におけるS1804、S1807等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。例えば、S1903による設定の際に時短フラグがOFFである場合は、0.15秒の開放時間で1回開放する作動パターンが設定され、時短フラグがONである場合は、1.80秒の開放時間で3回開放する作動パターンが設定される。このように、通常、時短フラグがONであるとき(時短状態のとき)は、電動チューリップ123が長時間、複数回開放され、第2始動口122に入賞し易くなる入賞サポート(電チューサポート)が行われる。なお、時短フラグがONの場合またはOFFの場合における電動チューリップ123の作動パターン(補助遊技の種類)を複数用意し、普通図柄処理(図16参照)で判定される当たりの種類に応じて、作動パターンを設定するように構成しても良い。
S1902で電動チューリップ123が作動中と判断された場合(S1902でYes)、またはS1904で電動チューリップ123を作動させた後、電動チューリップ動作制御部238は、設定されている作動パターンにおける開放時間が経過したか否かを判断する(S1905)。開放時間を経過していなければ、電動チューリップ123の作動状態(開放状態)が継続されるので、電動チューリップ処理を終了する(S1905でNo)。一方、開放時間を経過したならば(S1905でYes)、電動チューリップ動作制御部238は、補助遊技フラグをOFFとして、電動チューリップ処理を終了する(S1906)。
〔乱数による判定の手法〕
ここで、大当たり判定処理(図12)、変動パターン選択処理(図13)、普通図柄処理(図16)等で行われる、乱数による判定の手法について詳細に説明する。
図20は、本実施の形態において特別図柄抽選および普通図柄抽選で用いられる乱数(判定テーブル)の構成例を示す図である。
図20(a)には特別図柄抽選で用いられる大当たり乱数の構成例、図20(b)には特別図柄抽選で用いられる大当たり図柄乱数の構成例、図20(c)には特別図柄抽選で用いられるリーチ乱数の構成例、図20(d)には普通図柄抽選で用いられる当たり乱数の構成例が、それぞれ示されている。
図20(a)を参照すると、大当たり乱数の判定値として、大当たり判定時のパチンコ遊技機100の遊技状態が低確率状態の場合の大当たりと大当たり判定時の遊技状態が高確率状態の場合の大当たりの2種類と、小当たりとが設定されている。乱数(大当たり乱数)の値の範囲は、何れも0〜299の300個である。低確率状態の特別図柄抽選(大当たり抽選)の場合、当選値は1つだけが設定され、当選確率は1/300である。また高確率状態の特別図柄抽選の場合、当選値は10個設定され、当選確率は10/300(=1/30)である。すなわち図示の例では、高確率状態で始動口121、122に入賞し特別図柄抽選が行われると、低確率状態で特別図柄抽選が行われる場合に比べて、当選確率が10倍となる。また、小当たりの当選値は、低確率状態か高確率状態かに関わらず3個設定され、当選確率は3/300(=1/100)である。
図20(b)を参照すると、大当たり図柄には、低確率図柄A、低確率図柄B、高確率図柄A、高確率図柄B、潜確図柄の5種類が用意されている。ここで、低確率図柄Aおよび低確率図柄Bは、低確率状態の大当たりであることを表す図柄であり、このうち低確率図柄Aは長当たり(低確率時短遊技状態)、低確率図柄Bは短当たり(低確率時短無遊技状態)をそれぞれ表す。高確率図柄Aおよび高確率図柄Bは、高確率状態の大当たりであることを表す図柄であり、このうち高確率図柄Aは長当たり(高確率時短遊技状態)、高確率図柄Bは短当たり(高確率時短無遊技状態)をそれぞれ表す。潜確図柄は、高確率時短無遊技状態の大当たりであることを表す図柄である。したがって、高確率図柄Bと潜確図柄とは大当たり遊技後の遊技状態が同じであるが、潜確図柄は、高確率状態であることを遊技者に明確に報知しない潜伏演出を行う条件とするために高確率図柄Bとは分けて設けられている。乱数の値の範囲は0〜249の250個である。また、大当たり図柄乱数では、特別図柄抽選が行われる契機となる第1始動口121と第2始動口122の各々について当選値が設定される。
低確率図柄Aでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として35個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に低確率図柄Aでの当選となる確率は、35/250(=7/50)である。
低確率図柄Bでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として15個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に低確率図柄Bでの当選となる確率は、15/250(=3/50)である。
高確率図柄Aでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Aでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として175個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Aでの当選となる確率は、175/250(=7/10)である。
高確率図柄Bでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として75個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、75/250(=3/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
潜確図柄では、第1始動口121に入賞した場合の当選値として100個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に潜確図柄での当選となる確率は、100/250(=2/5)である。
一方、第2始動口122には潜確図柄での当選値が割り当てられておらず、第2始動口122に入賞した場合に潜確図柄での当選となることはない。
以上のように、図20(b)に示す例では、第1始動口121に入賞した場合の大当たりは、高確率時短無遊技状態の大当たり(高確率図柄B、潜確図柄)となる確率が高く、第2始動口122に入賞した場合の大当たりは、高確率時短遊技状態の大当たり(高確率図柄A)となる確率が高い。このように、第1始動口121に入賞した場合と第2始動口122に入賞した場合における大当たりの種類の当選確率を相違させることにより、様々な遊技性を持たせることができる。また、遊技盤110における第1始動口121と第2始動口122の配置を工夫し、特定の状態(モード)では第1始動口121と第2始動口122の何れか一方を狙い易くなるように構成することによって、遊技者にさらに積極的な遊技への参加を促すことも可能である。
次に、リーチ乱数の判定について説明する。
図20(c)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜249の250個であり、リーチ演出を行う抽選結果(リーチ有)に22個の乱数値が割り当てられ、リーチ演出を行わない抽選結果(リーチ無)に228個の乱数値が割り当てられている。すなわち図示の例では、特別図柄抽選で大当たりしなかった場合に、22/250(=11/125)の確率でリーチ演出が行われる。ここで、リーチ演出は、特別図柄変動時に画像表示部114において行われる演出である。以下、リーチ演出を行わない特別図柄変動時の演出をリーチ無し演出と呼び、これに対応してリーチ演出をリーチ有り演出とも呼ぶ。
多くの場合、特別図柄変動時には、第1特別図柄表示器221および第2特別図柄表示器222(以下、これらを区別しない場合は特別図柄表示器221、222と記載)の表示制御に連動させて、画像表示部114において装飾図柄を用いた演出が行われる。装飾図柄は、例えば、1〜9の数字が縦方向に連続して記された数列からなる図柄が三列表示されて構成される。そして、特別図柄表示器221、222における特別図柄の変動表示が開始されるのと同時に、画像表示部114に表示された装飾図柄がスクロールを開始する。また、特別図柄の変動表示の開始(装飾図柄のスクロール開始)から所定時間経過後、特別図柄が停止表示されるのと同時に、装飾図柄も停止する。一般に、特別図柄抽選の判定結果が大当たりである場合、装飾図柄の停止表示では、横または斜めにわたる一直線上に同一の数字が三つ揃って並ぶ。この特別図柄の変動表示に伴って行われる装飾図柄を用いた演出を変動演出と呼ぶ。
リーチ有り演出においては、変動演出として、装飾図柄に関して次のような動作が行われる。まず、装飾図柄のスクロールが停止して各図柄を停止表示する際に、まず、いずれか2つの図柄(数列)が先に停止する。このとき、横または斜めにわたる一直線上に同一の数字が停止表示される。次に、最後の一列がスクロール速度を徐々に遅くして、一直線上に同一の数字が三つ揃うのではないかという期待感を遊技者に与える。このようなリーチ有り演出では、最後の1列のスクロールが停止する前に、さまざまなキャラクタが登場したり、ストーリーが展開したりするいわゆるSP(スーパー)リーチ演出やSP・SPリーチ演出が行われる場合がある。また、後述する図21に示すように、本実施の形態では、変動時間がより長い(例えば90秒や60秒)場合に、SPリーチやSP・SPリーチ演出を実行するように設定している。なお、リーチ有り演出と共に行われる上記の変動演出をリーチ時変動演出とも呼ぶ。
一方、リーチ無し演出においては、リーチ有り演出のような遊技者に期待感を与える演出がなされることなく、横または斜めにわたる一直線上に同一の数字が揃わない状態で図柄が停止表示する。
このように、リーチ乱数は、大当たり乱数の判定の結果がハズレであった場合に、画像表示部114においてリーチ有り演出を行うか、リーチ無し演出を行うかを決定するためのもので、所定の確率でリーチ有り演出が出現するようにして、遊技者に対して適度に期待感を与えるようにしている。
付言すると、大当たりに当選した場合には、リーチ有り演出が行われ、最終的に横または斜めにわたる一直線上に、同一の数字が揃った状態で装飾図柄が停止表示する。これに対して、小当たりに当選した場合やハズレの場合のリーチ有り演出は、上記一直線上に、同一の数字が揃わない状態で装飾図柄が停止表示する。
次に、普通図柄抽選に用いられる当たり乱数の判定について説明する。
図20(d)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜9の10個であり、時短フラグOFFのときの当選値として1個の値が割り当てられ、時短フラグONのときの当選値として9個の値が割り当てられている。したがって、時短無状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選が行われると、1/10の確率で当選する。これに対し、時短状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選が行われると、9/10の確率で当選する。
また、特に図示していないが、普通図柄抽選で当たりと判定された場合に行われる補助遊技の内容(電動チューリップ123の開放パターン)が異なる複数の当たりを設定することができる。この場合、例えば、特別図柄抽選における大当たりの種類を特定する大当たり図柄乱数(図17(b)参照)と同様に、普通図柄抽選における当たりの種類を特定するための当たり図柄乱数が設定される。そして、遊技制御部200は、乱数取得部231により、ゲートスイッチ処理(図7参照)で当たり乱数の乱数値と共に、当たり図柄乱数の乱数値を取得し、普通図柄判定部232により、取得された乱数値に基づいて当たりの種類を特定する。
なお、図20の各乱数の構成例に示した乱数の範囲、当選値の割合、当選値の各値は例示に過ぎず、図示の値に限定されるものではない。
〔変動パターンの設定例〕
次に、図13に示した変動パターン選択処理において用いられる変動パターンとテーブルの設定例について説明する。
図21は、図13に示した変動パターン選択処理において用いられる変動パターンとテーブルの設定例を示す図である。なお、図21には、第1始動口121に遊技球が入賞した場合であって、遊技状態が低確率時短無遊技状態もしくは高確率時短無状態の場合に選択される設定例を示している。
なお、本実施の形態では、図示を省略しているが、変動パターン選択処理に用いられる変動パターンの設定として、遊技状態が低確率時短遊技状態もしくは高確率時短遊技状態の場合に選択される変動パターンも存在する。そして、それらの変動パターンを選択する際に参照される時短状態用の変動パターンテーブルが設けられており、時短無状態用の変動パターンテーブルとは異なる設定内容となっている。さらに、第2始動口122に遊技球が入賞する場合に関して、変動パターン選択処理において選択される変動パターンの設定のテーブルが個別に設けられてもよいし、第1始動口121に遊技球が入賞した場合に参照するテーブルを共用して参照するようにしてもよい。
図21に示すように、変動パターンA〜Dは、特別図柄抽選の判定結果が大当たりの場合(図13のS1302でYesの場合)に選択される変動パターンである。また、変動パターンE〜Hは、特別図柄抽選の判定結果がはずれであってリーチ演出が行われる場合(図13のS1305でYesの場合)に選択される変動パターンである。そして、変動パターンI〜Kは、特別図柄抽選の判定結果がはずれであってリーチ演出が行われない場合(図13のS1305でNoの場合)に選択される変動パターンとして設定されている。なお、特別図柄抽選の判定結果が大当たりのときには必ずリーチ演出を行うように構成しているため、変動パターンA〜Dが選択される場合においてリーチ演出の有無は参照されない。
図21に示す例では、特別図柄抽選の判定結果が大当たりであった場合(図13のS1302でYesの場合)の変動パターンとして、4種類の変動パターンA〜Dが設定されている。また、特別図柄抽選の判定結果がはずれ(図13のS1302でNoの場合)であった場合の変動パターンとして、7種類の変動パターンE〜Kが設定されている。変動時間は、変動パターンAが90秒、変動パターンBが60秒、変動パターンCが30秒、
変動パターンDが15秒、変動パターンEが90秒、変動パターンFが60秒、変動パターンGが30秒、変動パターンHが15秒、変動パターンIが13秒、変動パターンJが7秒、変動パターンKが3秒にそれぞれ設定されている。
また、図21に示すように、乱数(変動パターン乱数)の値の範囲は、何れも0〜249の250個である。
そして、特別図柄抽選の判定結果が大当たりであった場合において、変動パターンAには、100個の乱数値が割り当てられ、100/250の確率で90秒の変動時間が設定される。また、変動パターンBには、75個の乱数値が割り当てられ、75/250の確率で60秒の変動時間が設定される。さらに、変動パターンCには、50個の乱数値が割り当てられ、50/250の確率で30秒の変動時間が設定される。そして、変動パターンDには、25個の乱数値が割り当てられ、25/250の確率で15秒の変動時間が設定される。
つまり、特別図柄抽選の判定結果が大当たりであった場合に選択される変動パターンA〜Dのうち、最も高い割合で変動パターンAが選択され、次に高い割合で変動パターンBが選択され、次に高い割合で変動パターンCが選択され、最も低い割合で変動パターンDが選択されるように設定することができる。そして、大当たりに当選した場合、比較的長い時に亘っての変動演出が実行されやすくなっている。
また、特別図柄抽選の判定結果がはずれであってリーチ有り演出が行われる場合、変動パターンEには、25個の乱数値が割り当てられ、25/250の確率で90秒の変動時間が設定される。また、変動パターンFには、50個の乱数値が割り当てられ、50/250の確率で60秒の変動時間が設定される。さらに、変動パターンGには、75個の乱数値が割り当てられ、75/250の確率で30秒の変動時間が設定される。そして、変動パターンHには、100個の乱数値が割り当てられ、100/250の確率で15秒の変動時間が設定される。
つまり、特別図柄抽選の判定結果がはずれであってリーチ有り演出が行われる場合に選択される変動パターンE〜Hのうち、最も高い割合で変動パターンHが選択され、次に高い割合で変動パターンGが選択され、次に高い割合で変動パターンFが選択され、最も低い割合で変動パターンEが選択されるように設定することができる。そして、はずれであってリーチ有り演出が行われる場合には、比較的短い時間に亘っての変動演出が実行されやすくなっている。
そして、特別図柄抽選の判定結果がはずれであってリーチ無し演出が行われる場合、変動パターンI〜Kには、250個の乱数値が割り当てられる。そして、変動パターンIは保留数が0個であるとき、変動パターンJは保留数が1または2個であるとき、変動パターンKは保留数が3個または4個であるときに、それぞれ選択される変動パターンとして設定されている。すなわち、はずれであってリーチ無し演出が行われる場合、特別図柄抽選における判定の保留数が多いほど、図柄変動の平均時間が短くなるように設定されている。
遊技制御部200は、遊技球が始動口121、122に入賞した際に取得した変動パターン乱数値(図9のS903、S910参照)と、パチンコ遊技機100の遊技状態、リーチ演出の有無、保留数等の条件とに基づいて特別図柄の変動パターンを決定する。そして、決定された特別図柄の変動パターンの情報は、変動開始コマンドに含まれて、遊技制御部200から演出制御部300へ送られる。演出制御部300では、後述するように、特別図柄変動時の演出として、変動開始コマンドに含まれる変動パターンの情報に基づいて特定される変動時間に対応する(その変動時間で実行可能な)演出が選択されて実行される。
なお、本実施の形態では、図21を参照しながら説明したように、判定結果が大当たりの場合には、90秒〜15秒の変動時間(変動パターンA〜D)に設定される。さらに、判定結果が大当たりの場合には、変動時間が長い変動パターンが選択される確率が高められている。また、変動時間が長い場合に、演出時間が比較的長いSPリーチ演出やSP・SPリーチ演出が実行可能となる。従って、演出時間が長いSPリーチ演出やSP・SPリーチ演出が行われる場合には、大当たりの期待度が高くなるように設定している。
〔事前判定に基づく事前判定演出を行うための遊技制御部のRAMおよび演出制御部のRAMの構成〕
続いて、事前判定に基づく事前判定演出を実行するための、本実施の形態における遊技制御部200のRAM203および演出制御部300のRAM303の構成について説明する。
図22は、本実施の形態に係る遊技制御部200のRAM203(図3参照)の構成例を説明するブロック図である。図22(a)は、記憶領域204の構成を示すブロック図であり、図22(b)は、図22(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。
図22(a)に示すように、RAM203は、大当たり乱数抽選により取得した大当たり乱数を記憶する特別図柄保留記憶領域としての記憶領域204を備えている。この記憶領域204は、第1始動口121の保留数と第2始動口122の保留数の最大値に対応する8つの記憶部を有している(各保留数の上限値が4の場合)。具体的に説明すると、記憶領域204は、第1記憶部204a、第2記憶部204b、第3記憶部204c、第4記憶部204d、第5記憶部204e、第6記憶部204f、第7記憶部204g、第8記憶部204hを有している。
また、図22(b)に示すように、これらの記憶部204a〜204hの各々は、入賞した始動口(第1始動口121または第2始動口122)の別を表す情報が記憶される領域と、取得された大当たり乱数が記憶される領域と、図柄乱数が記憶される領域と、リーチ乱数が記憶される領域と、変動パターン乱数が記憶される領域と、を有する。すなわち、記憶部204a〜204hの各々には、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数および変動パターン乱数が記憶される。
ここで、各乱数は、第1記憶部204aから順に記憶していく。より具体的に説明すると、例えば、第1記憶部204a〜第8記憶部204hの何れにも乱数が記憶されていないときには、取得した乱数が第1記憶部204aに記憶されることになる。また、例えば、第1記憶部204a〜第4記憶部204dに乱数がすでに記憶されているときには、取得した乱数が第5記憶部204eに記憶されることになる。
図23は、本実施の形態に係る演出制御部300のRAM303(図3参照)の構成例を説明するブロック図である。図23(a)は、保留記憶領域305、306の構成を示すブロック図であり、図23(b)は、図23(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。
図23(a)に示すように、RAM303は、保留球が保留されている状況を記憶する保留状況記憶領域としての第1保留記憶領域305および第2保留記憶領域306を備えている。この第1保留記憶領域305および第2保留記憶領域306は、第1始動口121への入賞に対する保留および第2始動口122への入賞に対する保留にそれぞれ対応しており、各々4つの記憶部を有している。具体的には、第1保留記憶領域305は、第1記憶部305a、第2記憶部305b、第3記憶部305c、第4記憶部305dを有している。また、第2保留記憶領域306は、第1記憶部306a、第2記憶部306b、第3記憶部306c、第4記憶部306dを有している。
また、図23(b)に示すように、これらの記憶部305a〜305d、306a〜306dの各々は、保留フラグをON/OFFする保留フラグ記憶領域と、報知フラグをON/OFFする報知フラグ記憶領域と、を有している。保留フラグは、各記憶部305a〜305d、306a〜306dごとに保留球の有無を識別するためのフラグである。すなわち、例えば第1始動口121への入賞による保留数が3である場合、第1〜3記憶部305a、305b、305cの3つの保留フラグ記憶領域において、保留フラグがONとなる。報知フラグは、個々の保留球に関して事前判定結果に基づいて事前判定演出を行うか否かを設定するためのフラグである。本実施の形態のパチンコ遊技機100では、演出制御部300において、遊技状態や演出の状況に応じて事前判定結果に基づく事前判定演出を行うか否かを設定可能としている。そこで、事前判定演出を行う場合には報知フラグをONとし、事前判定演出を行わない場合には報知フラグをOFFとする。例えば上記3つの保留球のうち3番目の保留球に対して事前判定演出を行う場合は、第3記憶部305cの報知フラグ記憶領域において、報知フラグがONとなる。
すなわち、RAM203およびRAM303は、遊技制御部200および演出制御部300において、所定数を限度として所定の始動条件の成立に基づく始動情報である保留情報を記憶する記憶手段として機能する。また、遊技制御部200は、この始動情報である保留情報に基づいて、この始動情報に対応する前記始動条件の成立を契機とする特別図柄判定部234の判定が行われる前に、特別遊技状態に移行するか否かに関する事前判定処理を行う事前判定手段である。演出制御部300は、事前判定結果を予告(示唆)するための事前判定演出を行う演出制御手段である。
また、特に図示しないが、図22(a)に示した構成とは別に、RAM203は、事前判定情報が記憶される領域(以下、事前判定情報格納領域)を有する。事前判定情報とは、上記の各乱数に基づく事前判定処理(図9のS904、S911参照)によって得られた情報である。事前判定情報の内容は、特別図柄処理(図11参照)における各種の判定結果として得られる情報と同様であり、具体的には、大当たりしたか否か(および小当たりしたか否か)、大当たりであった場合にはその大当たりの種類、演出の内容はリーチ有り演出であるのかリーチ無し演出であるのか、変動パターン(変動時間)の内容といったことを示すための情報である。事前判定情報格納領域に格納された事前判定情報は、事前判定処理が行われた入賞球(保留球)に対応する保留に関する情報(以下、保留情報)と共に、あるいはこの保留情報とは別に独自のタイミングで、事前判定結果コマンドに含められて遊技制御部200から演出制御部300へ送られる。
〔事前判定処理〕
次に、事前判定処理(図9のS904、S911参照)について詳細に説明する。
本実施の形態における事前判定処理では、遊技制御部200では、図20や図21を参照しながら説明した乱数の構成例と同様の乱数テーブルを用いて以下のとおり事前判定を行う。
図24−1は、本実施の形態に係る事前判定処理(図9のS904、S911)の内容を示すフローチャートである。
図24−1に示すように、遊技制御部200は、まず、遊技状態が高確率状態か否かを判断し(S2401)、高確率状態であると判断すると(S2401でYes)、高確率状態用のテーブルを選択して、大当たり乱数および大当たり図柄乱数の事前判定を行う(S2402)。一方、S2401でNoと判断した場合には、低確率状態用のテーブルを選択して、大当たり乱数および大当たり図柄乱数の事前判定を行う(S2403)。
S2402またはS2403の大当たり乱数および大当たり図柄乱数の事前判定の後、遊技制御部200は、遊技状態が時短状態か否かを判断し(S2404)、時短状態であると判断すると(S2404でYes)、時短状態用のテーブルを選択して、リーチ乱数の事前判定を行う(S2405)。さらに、時短状態用のテーブルを選択して、変動パターン乱数の事前判定を行う(S2406)。
一方、S2404でNoと判断した場合には、時短無状態用のテーブルを選択して、リーチ乱数の事前判定を行う(S2407)。さらに、時短無状態用のテーブルを選択して、変動パターン乱数の事前判定を行う(S2408)。
この後、遊技制御部200は、上述のとおり得られた大当たり乱数の事前判定の結果、大当たり図柄乱数の事前判定の結果、リーチ乱数の事前判定の結果、および変動パターンの事前判定の結果を、事前判定情報として事前判定情報格納領域に記憶する(S2409)。さらに、演出制御部300に事前判定情報を送信するために、事前判定情報を含む事前判定結果コマンドをRAM203にセットする(S2410)。
ここで、上述の事前判定は、始動口121、122への遊技球の入賞に応じて取得された乱数値(図9のS903、S910参照)と、大当たり判定処理で用いられる判定テーブル(図20参照)と同様の構成の判定テーブルとを用いて行った。すなわち、使用する判定テーブルを選択した後の判定自体は、大当たり判定処理における判定(図12のS1201参照)と同様である。そこで、本実施の形態では、特別図柄処理(図11参照)で用いた大当たり判定処理のサブルーチン(図11のS1108および図12参照)を呼び出し、上記の事前判定における乱数の判定を行う。
このような構成としたことにより、本実施の形態では、事前判定処理における乱数の判定を行うために、大当たり判定処理とは別に乱数を判定する処理機能(サブルーチン)を用意する必要がない。そのため、制御命令の数を削減し、大当たり判定処理および事前判定処理に関するプログラムのサイズの増大を抑制することができる。また、上記のように、事前判定に用いる判定テーブルを大当たり判定で用いる判定テーブルと同様の構成とする場合には、大当たり判定で用いる判定テーブルを事前判定においても用いるようにしても良い。
また、ここでは特別図柄抽選に関する事前判定(大当たりか否か)についてのみ説明したが、本実施の形態では、特別図柄の変動表示および停止表示を行う際の変動パターンについても、先読み(事前判定)を行う。特別図柄抽選における変動パターンの選択は、始動口121、122への遊技球の入賞に応じて取得された変動パターン選択用の乱数値(図9のS903、S910参照)と変動パターンテーブル(図21参照)とを用いて行われる(図11のS1109および図13参照)。したがって、変動パターンの先読みにおいても、入賞時に取得した変動パターン選択用の乱数値と、特別図柄処理の変動パターン選択処理で用いた変動パターンテーブルと同様の構成の先読みテーブルを用いて、選択される変動パターンを先読みすることができる。
この場合、変動パターン選択処理で選択される変動パターンを先読みするために、特別図柄処理(図11参照)で用いた変動パターン選択処理のサブルーチン(図11のS1109および図13参照)を呼び出して用いることができる。また、変動パターン選択の先読みに用いる先読みテーブルに関しても、特別図柄処理の変動パターン選択処理で用いられる変動パターンテーブルを用いて良い。このように構成すれば、変動パターン選択の先読みに関する制御命令の数を削減し、プログラムのサイズの増大を抑制することができる。
なお、事前判定処理と特別図柄変動時の大当たり判定処理とを、同様の判定テーブル群を用い同じサブルーチンにて行った場合、各処理の実行時が異なるために、事前判定結果と特別図柄変動時の大当たり判定処理による判定結果とが異なる場合があり得る。すなわち、事前判定処理の実行後、特別図柄変動開始時までにパチンコ遊技機100の遊技状態(高確率状態か低確率状態か、時短状態か時短無状態か)が変化した場合である。この場合、判定テーブルは遊技状態に応じて異なる種類のものが用いられるため、事前判定処理の実行時と大当たり判定処理の実行時とでは、判定に用いられる具体的な判定テーブルが異なることになる。そのため、始動口121、122への入賞時に獲得した同一の乱数値を使用しても、事前判定結果と大当たり判定処理の判定結果と異なる場合がある。このような場合、演出制御部300において、事前判定処理の実行後、特別図柄変動の開始時までに遊技状態が変化する場合は、事前判定結果に基づく演出を不実行とする(禁則)制御等を行っても構わない。
〔コマンドの構成および伝送方式〕
ここで、遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマンド(演出制御用コマンドおよび設定用コマンド)の構成および伝送方式について説明する。
図24−2は、コマンドの構成を示す図である。図24−2(a)はコマンドのデータ構造を示し、図24−2(b)はコマンドのビット列としての構造を示す。
図24−2(a)に示すように、遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマンドは、1コマンドが2バイトで構成される。このコマンドは、第1データ部としての1バイトの「コード」と、第2データ部としての1バイトの「データ」で構成されている。「コード」は、コマンドの種類を示し、「データ」は、コマンドの値を示す。このコマンドは、1本のシリアル信号により調歩同期を用いて、遊技制御部200から演出制御部300へ送信される。なお、より一般的には、第1データ部である「コード」は、aビット(aは2以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が1または0の何れか一方に特定され、第2データ部である「データ」は、n×aビット(nは1以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が前記第1データ部の先頭の1ビットの値とは異なる値に特定されている。
調歩同期を用いるため、コマンドを構成する「コード」および「データ」の各々の先頭には1ビットのスタートビット(図中、「S」と記載されたビット)が設けられ、最後尾には1ビットのエンドビット(図中、「E」と記載されたビット)が設けられる。また、コマンドを構成する「コード」および「データ」の各々には1ビットのパリティビット(図中、「P」と記載されたビット)が設けられる。
図24−2(a)に示したように、コマンドを構成する「コード」と「データ」とは、どちらも1バイト(8ビット)のデータサイズを有する。そして、伝送される際、「コード」および「データ」には、それぞれ、スタートビット、エンドビットおよびパリティビットが設けられる。そのため、コマンドを受信する演出制御部300において、受信したデータ列がコマンドの「コード」であるのか「データ」であるのかを、データ列の外形から識別することは容易ではない。そこで、本実施の形態では、「コード」と「データ」とを識別するためのフラグを設定する。具体的には、「コード」を構成する8ビット値の特定箇所の値と、「データ」を構成する8ビット値のうち「コード」の特定箇所に対応する箇所の値とが異なるようにする。
図24−2(b)に示す例では、「コード」および「データ」のそれぞれの先頭の1ビットをフラグとして用いている。すなわち、「コード」を構成する8ビット値においては、先頭の1ビットの値を「1」とし、「データ」を構成する8ビット値においては、先頭の1ビットの値を「0」とする。これにより、演出制御部300は、受信したデータ列のスタートビットに続く先頭の1ビットの値を調べることにより、そのデータ列が「コード」か「データ」かを識別することができる。なお、フラグの具体的な値は例示に過ぎず、「コード」と「データ」とを識別可能であれば、上記に示す値とは異なる値を用いても良い。
ここで、「コード」は先頭の1ビットの値が「1」に特定されているので、「コード」が取り得る値の範囲は、10000000B(=80H)から11111111B(=FFH)までの128個である。なお、各値に付された文字「B」は2進数表記であることを示し、文字「H」は16進数表記であることを示す。また、「データ」は先頭の1ビットの値が「0」に特定されているので、「データ」が取り得る値の範囲は、00000000B(=00H)から01111111B(=7FH)までの128個である。すなわち、図24−2(a)、(b)に示す構成によれば、各々128種類の値を取り得る、128種類のコマンドを設定することができる。
ところで、パチンコ遊技機100では、遊技状態や特別図柄抽選の判定結果等に応じて多くの種類の演出が実行される。そのため、演出制御用のコマンドも多くのコマンド数が用意される。特に、コマンドの具体的な内容を示す値である「データ」は、上記の128個では不足することもあり得る。一方、コマンドの種類を示す「コード」は、通常、上記の128個よりも小さい数で足りる。そこで、「コード」のビット列の一部を、「データ」の値を記述するために用いることが考えられる。
例えば、「コード」の最後尾の1ビットを「データ」の値の記述に用いる場合を考える。以下、「コード」および「データ」を構成する8ビットのビット列における各ビットを、第1ビット〜第8ビットと呼ぶ。また、「コード」を構成するビット列とは別に、実際にコマンドの種類を示す「コード」の値を「コード値」と呼び、「データ」を構成するビット列とは別に、実際にコマンドの値を示す「データ」の値を「データ値」と呼ぶ。すると、コード値は、「コード」のビット列のうち、第1ビットから第7ビットまでを用いて記述され、データ値は、「データ」のビット列の全て(第1ビットから第8ビットまで)と、「コード」の第8ビットとを用いて記述される。
このように構成すれば、コード値の取り得る範囲は、第1ビットの値が「1」に特定されており、全体で7ビットのサイズであるので、1000000B(=40H)から1111111B(=7FH)までの64個である。また、データ値の取り得る範囲は、第1ビットの値が「0」に特定された「データ」の8ビットで表現される128個と「コード」の第8ビットの値「0」、「1」とを合わせて、256個である。したがって、データ値として256種類の値を持つコマンドを設定することが可能となる。
なお、「コード」の一部を用いてデータ値を記述する場合における上記の構成は例示に過ぎず、具体的なビット数や値は上記の構成例には限定されない。例えば、「コード」の第7ビットおよび第8ビットを用いてデータ値を記述するように構成しても良い。より一般的には、第1データ部である「コード」を構成する所定のビットと、第2データ部である「データ」を構成するビットとを用いて、所定の種類のデータ(データ値)が記録される。そして、第1データ部である「コード」における上記の所定のビットを除く残りのビットを用いて、所定の種類のデータ(データ値)とは異なる他の種類のデータ(コード値)が記録される。言い換えると、第2データ部である「データ」を構成するaビットと、第1データ部である「コード」を構成するbビット(bはa−1よりも小さく、1以上の整数)とを用いて、(a+b)ビットのサイズのデータ値が記録される。
また、扱うことができるデータ値の数を増やす手段としては、データ値を記述する「データ」のビット列を増やすことも考えられる。例えば、データ値を記述するビット列として、「第1データ」と「第2データ」とを用意することが考えられる。この場合、各ビット列を8ビットとすれば、合計で16ビットのビット列によりデータ値を記述することが可能となる。「第1データ」と「第2データ」とを識別するために、8ビットのビット列のうち第2ビットをフラグとして用いることにすると、例えば、「第1データ」の第1ビットおよび第2ビットを「00B」とし、「第2データ」の第1ビットおよび第2ビットは「01B」とすることができる。なお、第1ビットは、「コード」と識別するためのフラグとして値「0」となっている。すなわち、第2データ部である「データ」は、個々のデータ値を表すビット列(「第1データ」、「第2データ」、……)のサイズである8ビットごとに(より一般的には、上記aビットごとに)、先頭の1ビットの値と同じ値が設定される。
このように構成すると、「第1データ」の取り得る値の範囲は、00000000B(=00H)から00111111B(=3FH)までの64個であり、「第2データ」の取り得る値の範囲は、01000000B(=40H)から01111111B(=7FH)までの64個であるので、合計で4096(=64×64)個となる。なお、ここでは、「コード」と「データ」(「第1データ」および「第2データ」)を識別するためのフラグとして第1ビットを用い、「第1データ」と「第2データ」とを識別するためのフラグとして第2ビットを用いることとしたが、第1、第2ビットを用いて4種類のビット列を識別するためのフラグを設定しても良い。例えば、「コード」は第1、第2ビットの値を「11B」とし、「データ」は第1、第2ビットの値を「00B」、「01B」、「10B」の何れかとすることが考えられる。
〔遊技制御部のRAMにおけるコマンド出力のための構成例〕
図24−3は、RAM203におけるコマンド格納領域の構成例を示す図である。
図24−3に示すように、遊技制御部200のRAM203は、図8に示した主制御処理等の各種の処理により生成される個々のコマンドが割り当てられたコマンド格納領域(記憶領域)を有する。図24−3に示す例では、領域01から領域031までの31個のコマンド格納領域がRAM203に設定されている。ここで、各コマンド格納領域に対するコマンドの割り当ては、必ずしも1対1の対応関係とはならない。例えば、同時に生成されることがない複数のコマンドを、同一のコマンド格納領域に割り当てることが可能である。図24−3に示す例では、領域01、領域09、領域012、領域019、領域020、領域021、領域022、領域023、領域030に対して複数のコマンドが割り当てられており、その他のコマンド格納領域にはそれぞれ1個ずつのコマンドが割り当てられている。
図24−3に示す例において、領域01には、電源投入に関するコマンドが割り当てられている。電源投入に関するコマンドには、RAMクリア時の電源投入を制御するコマンドと、復旧時の電源投入を制御するコマンドとがある。これらのコマンドは、生成される場面が異なるので同時に生成されることがなく、いずれも領域01に割り当てられている。
領域02〜領域04には、第1始動口121への入賞に関する3つのコマンド(図では「始動口1入賞」と記載)が割り当てられている。第1始動口121への入賞に関するコマンドの一つは、第1始動口121への入賞に基づく事前判定(図9のS904参照)における判定(先読み)結果を示すコマンド(図では「特図1図柄先読み」と記載)であり、領域02に割り当てられている。他の一つは、判定結果と共に特定される変動パターンの先読み(事前判定)結果を示すコマンド(図では「特図1変動パターン先読み」と記載)であり、領域03に割り当てられている。さらに他の一つは、第1始動口121への入賞に基づき特別図柄抽選の保留数を更新(ここでは値を1増加)したことを示すコマンド(図では「特図1保留(+1)」と記載)であり、領域04に割り当てられている。
領域05〜領域07には、第2始動口122への入賞に関する3つのコマンド(図では「始動口2入賞」と記載)が割り当てられている。第2始動口122への入賞に関するコマンドの一つは、第2始動口122への入賞に基づく事前判定(図9のS911参照)における判定結果を示すコマンド(図では「特図2図柄先読み」と記載)であり、領域05に割り当てられている。他の一つは、判定結果と共に特定される変動パターンの先読み結果を示すコマンド(図では「特図2変動パターン先読み」と記載)であり、領域06に割り当てられている。さらに他の一つは、第2始動口122への入賞に基づき特別図柄抽選の保留数を更新(ここでは値を1増加)したことを示すコマンド(図では「特図2保留(+1)」と記載)であり、領域07に割り当てられている。
領域08〜領域010には、普通図柄抽選に関する5つのコマンド(図では、それぞれ「普図保留」、「普図種類」、「普図確定」、「普図開閉」、「普図保留」と記載)が割り当てられている。普通図柄抽選に関するコマンドのうち、「普図保留」コマンドの一つは、遊技球がゲート124を通過したことに基づき普通図柄抽選の保留数を更新(ここでは値を1増加)したことを示すコマンド(図では「普図保留(+1)」と記載)であり、領域08に割り当てられている。「普図種類」コマンドは、普通図柄抽選において、判定結果を表す普通図柄を指定し、普通図柄表示器223の変動表示を開始したことを示すコマンド(図では「普通図柄変動開始」と記載)であり、領域09に割り当てられている。「普図確定」コマンドは、普通図柄抽選において、普通図柄表示器223を停止表示させ、普通図柄抽選の判定結果を表す普通図柄を確定させたことを示すコマンド(図では「普通図柄確定」と記載)であり、領域09に割り当てられている。「普図開閉」コマンドは、普通図柄抽選の判定結果に基づき普通電動役物である電動チューリップ123を作動させること(補助遊技)を示すコマンド(図では「普電開放・閉鎖」と記載)であり、領域09に割り当てられている。「普図保留」コマンドの他の一つは、普通図柄抽選の処理が行われたことにより保留数を更新(ここでは値を1減少)したことを示すコマンド(図では「普図保留(−1)」と記載)であり、領域010に割り当てられている。
ここで、普通図柄抽選の処理において、普通図柄の変動表示、普通図柄の停止表示、補助遊技による電動チューリップ123の作動は、一連の操作として順次実行される。そして、電動チューリップ123の作動中に他の遊技球がゲート124を通過したことに基づく普通図柄の変動表示が開始されることはない(図16参照)。そのため、上記の「普図種類」、「普図確定」、「普電開閉」の3種類のコマンドは、いずれも同時に生成されることはない。そこで、図24−3に示す例では、これら3種類のコマンドを同一のコマンド格納領域(領域09)に割り当てている。
領域011〜領域014には、特別図柄抽選に関する9つのコマンド(図では、「特図変動」、「特図特電」と記載)が割り当てられている。特別図柄抽選に関するコマンドのうち、「特図変動」コマンドの一つは、パチンコ遊技機100の現在の遊技状態(高確率状態か低確率状態か、時短状態か時短無状態か)を示すコマンド(図では「遊技状態」と記載)であり、領域011に割り当てられている。「特図変動」コマンドの他の一つは、特別図柄抽選において、特別図柄抽選の判定結果を表す特別図柄を指定し、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222の変動表示を開始したことを示すコマンド(図では「特図指定」と記載)であり、領域012に割り当てられている。「特図変動」コマンドのさらに他の一つは、特別図柄抽選において行われる特別図柄変動の変動パターンを特定するコマンド(図では「変動パターン」と記載)であり、領域013に割り当てられる。「特図変動」コマンドのさらに他の一つは、特別図柄抽選の処理が行われたことにより保留数を更新(ここでは値を1減少)したことを示すコマンド(図では「特図保留(−1)」と記載)であり、領域014に割り当てられている。
一方、「特図特電」コマンドの一つは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを示すコマンド(図では「客待ち」と記載)であり、領域012に割り当てられている。「特図特電」コマンドの他の一つは、特別図柄抽選の判定結果に基づき特別電動役物である大入賞口125を作動させること(特別遊技、大当たり遊技)を示すコマンド(図では「特電開放」と記載)であり、領域012に割り当てられている。「特図特電」コマンドのさらに他の一つは、大当たり遊技のオープニング動作が開始されたことを示すコマンド(図では「大当たりOP」と記載)であり、領域012に割り当てられている。「特図特電」コマンドのさらに他の一つは、大当たり遊技のエンディング動作が開始されたことを示すコマンド(図では「大当たりED」と記載)であり、領域012に割り当てられている。「特図特電」コマンドのさらに他の一つは、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222を停止表示させ、特別図柄抽選の判定結果を表す特別図柄を確定させたことを示すコマンド(図では「特図確定」と記載)であり、領域012に割り当てられている。
ここで、特別図柄抽選の処理において、特別図柄の変動表示、特別図柄の停止表示、特別遊技による大入賞口125の作動は、一連の操作として順次実行される。そして、特別遊技の実行中に他の遊技球の入賞に基づく特別図柄の変動表示が開始されることはない(図11参照)。また、大当たり遊技では、オープニング動作、大入賞口125の作動、エンディング動作が、一連の操作として順次実行される。そのため、上記の「特図変動」コマンドにおける「特図指定」コマンドおよび5種類の「特図特電」コマンドは、いずれも同時に生成されることはない。そこで、図24−3に示す例では、これら6種類のコマンドを同一のコマンド格納領域(領域012)に割り当てている。
領域015〜領域018には、スイッチ検出に関する4つのコマンド(図では「スイッチ通過」と記載)が割り当てられている。スイッチ検出に関するコマンドの一つは、遊技領域111の左側のゲート124Lを遊技球が通過したことを示すコマンド(図では「左ゲート通過」と記載)であり、領域015に割り当てられている。スイッチ検出に関するコマンドの他の一つは、遊技領域111の右側のゲート124Rを遊技球が通過したことを示すコマンド(図では「右ゲート通過」と記載)であり、領域016に割り当てられている。スイッチ検出に関するコマンドのさらに他の一つは、第2始動口122に遊技球が入賞したことを示すコマンド(図では「始動口SW2通過(電チュー)」と記載)であり、領域017に割り当てられている。スイッチ検出に関するコマンドのさらに他の一つは、大入賞口125に遊技球が入賞したことを示すコマンド(図では「大入賞口入賞」と記載)であり、領域018に割り当てられている。
領域019〜領域030には、エラーに関するコマンド(図では「エラー」と記載)が割り当てられている。パチンコ遊技機100の遊技制御部200が検出するエラーとしては、例えば、払出球が皿153(図1、図2(b)参照)に一杯になったことを示す満タンエラー、枠部材150の前面枠が開状態となっていることを示す扉開放エラー、払い出しユニットによる遊技球の払い出しができなくなったことを示す払い出しエラー、ゲートスイッチ214や始動口スイッチ211、212等の各種の検知スイッチが未接続となっていることを示すスイッチ未接続エラー等がある。図24−3に示す例では、これらのエラーが、それぞれ領域019〜領域023に割り当てられている。また、エラーごとに、各エラーが発生したことを示すコマンド(図では「〜エラー開始」と記載)と、各エラーが解消したことを示すコマンド(図では「〜エラー終了」と記載)とが、同一のコマンド格納領域に割り当てられている。
この他、パチンコ遊技機100の仕様や機能に応じて種々の制御項目やエラー項目を設定し、制御項目に応じたコマンド、エラーが発生したことを示すコマンド、エラーの種類によってはエラーが解消したことを示すコマンド等を生成するように構成して良い。そして、これらのコマンドを、コマンド格納領域に適宜割り当てることができる。図24−3に示す例では、領域024〜領域030に、種々のエラーに関するコマンドが個別に割り当てられている。また、領域031に、特定の入賞を検出して通知するためのコマンド(図では「入賞通知指定」と記載)が割り当てられている。
以上のように、遊技制御部200のRAM203に設けられたコマンド格納領域は、1つのコマンド格納領域に対して一種類または複数種類のコマンドが対応付けられている。そして、図8に示した主制御処理において、遊技制御部200は、生成したコマンドを、そのコマンドに対応付けられているコマンド格納領域に格納していく。
ここで、主制御処理では、1サイクルの処理が実行される度に、必ずしも全てのコマンドが生成される訳ではない。例えば、第1始動口121や第2始動口122への入賞がないときは、上記の始動口121、122への入賞に関するコマンドや「特図変動」コマンドは生成されない。また、普通図柄抽選に関するコマンドのうちの「普図開閉」コマンドや「特図特電」コマンドは、これらの電動役物を作動させるべきタイミングでなければ生成されない。また、エラーの発生に関するコマンドは、そもそもエラーが発生していなければ生成されない。
したがって、主制御処理の出力処理(図8のS806参照)が行われる際には、通常、RAM203に設けられたコマンド格納領域のうち、いくつかのコマンド格納領域にはコマンドが格納されており、他のコマンド格納領域にはコマンドが格納されていない状態となる。
〔コマンドの出力動作〕
図24−4は、出力制御部240による出力処理の内容を示すフローチャートである。
本実施の形態では、出力制御部240は、図24−3に示したRAM203のコマンド格納領域の上から順に(領域番号の順に)着目し、各コマンド格納領域に格納されているコマンドを出力する。
図24−4に示すように、遊技制御部200の出力制御部240は、まず、RAM203に設けられたコマンド格納領域のうち、先頭のコマンド格納領域(図24−3に示す例では領域01)に着目し(S2411)、コマンドが格納されているか否かを調べる(S2412)。そして、コマンドが格納されているならば(S2412でYes)、出力制御部240は、格納されているコマンドを読み出して演出制御部300へ出力する(S2413)。
着目したコマンド格納領域(初期的には領域01)にコマンドが格納されていなかった場合(S2412でNo)、またはS2413でコマンド格納領域に格納されていたコマンドを出力した後、出力制御部240は、次の領域番号のコマンド格納領域が有るか否かを調べる(S2414)。次のコマンド格納領域が有る場合(S2414でYes)、出力制御部240は、そのコマンド格納領域に着目し(S2415)、S2412へ戻って、コマンドの有無の確認(S2412)、出力(S2413)を繰り返す。そして、最後のコマンド格納領域(図24−3に示す例では領域031)に対して処理を行ったならば、次の領域番号のコマンド格納領域が無いので(S2414でNo)、出力処理を終了する。
〔コマンドの出力順の設定〕
主制御処理においては、図9乃至図19を参照して説明した各処理においてコマンドが生成されると、通常、直ちに生成されたコマンドがRAM203の対応するコマンド格納領域に格納される。すなわち、コマンド格納領域へのコマンドの格納は、一般に、コマンドが生成された順に行われる。
一方、図24−4を参照して説明したように、出力制御部240による出力処理では、一定の順序(上記の例では領域番号の順)で各コマンド格納領域に着目し、格納されているコマンドを出力する。すなわち、コマンドの出力は、コマンドが生成された順に関わらず、予め定められた特定の順序で行われる。これは、コマンドに基づく演出制御部300の演出制御において混乱を防ぐために、特定のコマンドに関しては特定の順序で演出制御部300に送信されることが望ましい場合があるためである。すなわち、演出制御部300は遊技制御部200から受信した順にコマンドに基づく演出制御を実行するため、コマンドを受信する順番が異なることによって、演出制御に矛盾が生じる等の混乱が生じる場合があるので、これを防止する必要がある。
〔演出制御部の動作〕
次に、演出制御部300の動作を説明する。
図25は、演出制御部300の動作を示すフローチャートである。
演出制御部300の動作は、図25(a)に示すメイン処理と、図25(b)に示す割り込み処理とからなる。図25(a)を参照すると、演出制御部300は、まず起動時に初期設定を行い(S2501)、CTC(Counter/Timer Circuit)の周期設定を行った後(S2502)、設定された周期にしたがって、演出制御において用いられる乱数を更新しながら(S2503)、割り込み処理を受け付ける。
割り込み処理は、S2502で設定された周期にしたがって定期的に行われる。図25(b)を参照すると、この割り込み処理において、演出制御部300は、遊技制御部200からのコマンドを受信してコマンド受信処理を行う(S2511)。このコマンド受信処理において、演出内容(演出パターン)が選択される。また、演出制御部300は、遊技者による演出ボタン161等の操作を受け付けるための演出ボタン処理を行う(S2512)。この後、演出制御部300は、選択した演出パターンの情報を含むコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信するコマンド送信処理を行う(S2513)。これにより、画像表示部114への画像表示や音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等による演出が行われる。
〔演出制御部によるコマンド受信処理〕
図26は、コマンド受信処理(図25(b)のS2511)の内容を示すフローチャートである。
このコマンド受信処理において、演出制御部300は、まず、事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドを受信したか否かを判断する(S2601)。なお、事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドは、遊技制御部200において、図9に示した始動口スイッチ処理においてセットされ(S906、S907、S913、S914)、図8に示した出力処理(S806)で演出制御部300へ送信されたコマンドである。
そして、演出制御部300は、事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドを受信したと判断した場合(S2601でYes)、RAM303に保持されている保留数の値を1加算する(S2602)。さらに、演出制御部300は、事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドに基づいて、事前判定演出選択処理を行う(S2603)。なお、事前判定演出選択処理の内容については後に説明する。
受信したコマンドが事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドでない場合(S2601でNo)、演出制御部300は、受信したコマンドが変動開始コマンドか否かを判断する(S2604)。この変動開始コマンドは、遊技制御部200において、図11に示した特別図柄処理においてセットされ(S1111)、図8に示した出力処理(S806)で演出制御部300へ送信されたコマンドである。
受信したコマンドが変動開始コマンドであった場合(S2604でYes)、演出制御部300は、演出選択処理を実行する(S2605)。また、変動開始コマンドを受信した際は、演出選択処理において用いられる演出制御用の乱数値が取得される。この乱数値は、図25(a)に示すメイン処理のS2503で定期的に更新される乱数値である。演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが事前判定結果コマンド、保留数増加コマンドおよび変動開始コマンドでない場合(S2601およびS2604でNo)、演出制御部300は、受信したコマンドが変動停止コマンドか否かを判断する(S2606)。この変動停止コマンドは、遊技制御部200において、図11に示した特別図柄処理においてセットされ(S1114)、図8に示した出力処理(S806)で演出制御部300へ送信されたコマンドである。
受信したコマンドが変動停止コマンドであった場合(S2606でYes)、演出制御部300は、変動演出終了中処理を実行する(S2607)。変動演出終了中処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが事前判定結果コマンド、保留数増加コマンド、変動開始コマンドおよび変動停止コマンドでない場合(S2601、S2604およびS2606でNo)、演出制御部300は、受信したコマンドが大当たり遊技のオープニング動作を開始するためのオープニングコマンドか否かを判断する(S2608)。このオープニングコマンドは、図14に示した停止中処理においてセットされ(S1418)、図8に示した出力処理(S806)で演出制御部300へ送信されたコマンドである。
受信したコマンドがオープニングコマンドであった場合(S2608でYes)、演出制御部300は、大当たり演出選択処理を実行する(S2609)。大当たり演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが事前判定結果コマンド、保留数増加コマンド、変動開始コマンド、変動停止コマンドおよびオープニングコマンドでない場合(S2601、S2604、S2606およびS2608でNo)、演出制御部300は、受信したコマンドが大当たり遊技のエンディング動作を開始するためのエンディングコマンドか否かを判断する(S2610)。このエンディングコマンドは、図17に示した大入賞口処理においてセットされ(S1713)、図8に示した出力処理(S806)で演出制御部300へ送信されたコマンドである。
受信したコマンドがエンディングコマンドであった場合(S2610でYes)、演出制御部300は、エンディング演出選択処理を実行する(S2611)。エンディング演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが事前判定結果コマンド、保留数増加コマンド、変動開始コマンド、変動停止コマンド、オープニングコマンドおよびエンディングコマンドでない場合(S2601、S2604、S2606、S2608およびS2610でNo)、次に演出制御部300は、受信したコマンドが客待ち状態に移行するための客待ちコマンド受信処理を実行する(S2612)。客待ちコマンド受信処理の詳細については後述する。
図27は、モードフラグの設定例を示す図である。
演出制御部300により演出が行われる場合、設定される演出モードに基づき、種々の演出パターンが選択されて実行される。この演出モードは、RAM303にセットされるモードフラグによって決定される。ここで、モードフラグは、0〜4の値のいずれかが設定されており、それぞれAモードからEモードまでの5種類の演出モードが割り当てられている。なお、モードフラグは、特別図柄抽選の抽選結果または特別図柄抽選の抽選回数に応じて設定される。
高確率図柄Aの大当たりにはモードフラグ1が、低確率図柄Aの大当たりにはモードフラグ2が、高確率図柄Bおよび低確率図柄Bの大当たりにはモードフラグ3が、潜確図柄の大当たりおよび小当たりにはモードフラグ4が、それぞれ割り当てられている。ここで、これらの図柄の種類は、図20(b)に示したものと同様である。何れの大当たりにもモードフラグ0は割り当てられていない。なお、モードフラグ1〜4において、特別図柄抽選を所定回数実行することでモードフラグ0が設定される。
さらに、図27に示す例では、変動演出終了中処理で用いられるパラメータM(M値)が、Aモードを除く各モードに対して個別に設定されている。後述するように、パラメータMの値は、特別図柄変動が行われ、停止する度に1ずつ減算される。
図28は、図26の事前判定演出選択処理(S2603)および演出選択処理(S2605)の内容を示すフローチャートである。
事前判定演出選択処理において、演出制御部300は、まず、遊技制御部200から受信した事前判定結果コマンドを解析する(S2801)。さらに、演出制御部300は、遊技制御部200から受信した保留数増加コマンドを解析する(S2802)。そして、演出制御部300は、事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドに基づいて、事前判定演出で用いられる演出パターン(事前判定演出パターン)を選択する(S2803)。
ここで、事前判定演出パターンとしては、特別図柄処理による乱数の判定結果に基づく変動の開始以前に、その特別図柄処理による乱数の判定結果を予告するような各種の演出パターンを設けることができる。例えば、保留表示演出や、連続予告演出等の演出を事前判定演出パターンとして設けることができる。本実施の形態では、保留球が発生した際、保留球数を表す表示を、表示器130の第1特別図柄保留表示器218および第2特別図柄保留表示器219に表示する(図2参照)と共に、画像表示部114に保留の発生や保留数を示唆する保留表示を行う(保留表示演出)。そこで、この保留表示演出において、保留表示の表示態様等に事前判定結果を反映させることにより、その保留球に関して、その後に特別図柄処理による乱数の判定が行われた際の判定結果を遊技者に示唆する事前判定演出とすることができる。
なお、ここでは保留表示演出を事前判定演出として用いる場合について説明したが、特別図柄処理による乱数の判定結果に基づく変動の開始以前に行われる各種の演出内容に反映させることで、多様な事前判定演出を行うことが可能になる。例えば、画像表示部114に表示される演出画像を用いた演出、盤ランプ116や枠ランプ157の発光による演出、可動役物の動作による演出、楽曲や効果音等の音響出力による演出等を事前判定演出パターンとして設定することができる。
また、事前判定演出は、事前判定が行われた入賞球(保留球)に対する図柄変動よりも先に行われる他の入賞球に対する図柄変動に伴って実行される。本実施の形態では、保留球は、一つの始動口(第1始動口121または第2始動口122)につき4個を上限としている(図9参照)。また、第2始動口122の保留球の消化を優先するものとする。この場合、例えば、第2始動口122のある保留球について事前判定を行ったならば、その保留球についての図柄変動が行われる前に、現在変動中の変動(当該変動と呼ぶ)を含め、最大で4個の入賞球についての図柄変動が行われることとなる。事前判定が行われた保留球に係る事前判定演出において、その保留球についての図柄変動が行われる前に複数回の図柄変動が行われる場合、その複数回の図柄変動にまたがる事前判定演出(連続予告演出)を行っても良い。
そして、演出制御部300は、加算後の保留数の値と、事前判定演出選択処理において選択された事前判定演出パターンの情報とが含まれる保留数コマンドをRAM303にセットする(S2804)。なお、保留数コマンドには、画像/音響制御部310のCPU311に対して選択された事前判定演出パターンを通知するために、当該パターンを示す情報が含まれる。CPU311は保留数コマンドを受信することで、選択された事前判定演出パターンに対応する画像や音響をVDP314に描画、出力処理させるためのディスプレイリスト等の作成を行う。VDP314は当該ディスプレイリスト等に基づいて、選択された事前判定演出パターンを表すための画像データや音響データをCGROM315やSNDROM316から読み出して、事前判定演出を画像表示部114やスピーカ156を用いて表現する。
演出選択処理において、演出制御部300は、まず、受信した変動開始コマンドを解析する(S2811)。また、演出制御部300は、RAM303の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照し(S2812)、RAM303に保持されている保留数の値を1減算する(S2813)。そして、演出制御部300は、変動開始コマンドの解析結果から得られる各種の設定情報(大当たりの種類、大当たり遊技後の遊技状態、変動パターン等の情報)およびモードフラグにより決定される演出モードに基づき、その演出モードで画像表示部114に表示する画像による図柄変動の変動演出パターンを選択する(S2814)。
最後に、演出制御部300は、選択した演出の実行開始を指示する変動演出開始コマンドをRAM303にセットする(S2815)。なお、変動演出開始コマンドには、CPU311に対して選択された変動演出パターンを通知するために、当該パターンを示す情報が含まれる。CPU311は変動演出開始コマンドを受信することで、選択された変動演出パターンに対応する画像や音響をVDP314に描画、出力処理させるためのディスプレイリスト等の作成を行う。VDP314は当該ディスプレイリスト等に基づいて、選択された変動演出パターンを表すための画像データや音響データをCGROM315やSNDROM316から読み出して、変動演出を画像表示部114やスピーカ156を用いて表現する。
詳述しないが、S2814における図柄変動の変動演出パターンの選択処理では、演出モードと変動パターンと演出乱数(図25(a)のS2503において更新されている乱数の一つであり、変動開始コマンド受信時に演出乱数値を取得している)とに基づいて変動演出パターンが決定される。ここで決定された変動演出パターンに基づいて、装飾図柄の変動表示、背景演出および事前判定演出等が決定される。なお、装飾図柄の変動表示とは、第1特別図柄表示器221または第2特別図柄表示器222で行われる特別図柄の変動表示に伴い、画像表示部114にて行われる演出表示である。この装飾図柄の変動表示において、リーチ演出等が実行される。
図29は、図26の変動演出終了中処理(S2607)の内容を示すフローチャートである。
この変動演出終了中処理において、演出制御部300は、まず受信した変動停止コマンドを解析する(S2901)。また、演出制御部300は、RAM303の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照する(S2902)。そして、演出制御部300は、変動停止コマンドの解析の結果から得られる特別図柄変動が停止した際の図柄の種類を示す情報に基づいて特別図柄抽選の抽選結果が大当たりまたは小当たりか否かを判断する(S2903)。大当たりまたは小当たりである場合は(S2903でYes)、その大当たりの種類または小当たりに応じて、図27に示した設定例に基づきRAM303にセットされているモードフラグを変更する(S2904)。
一方、特別図柄抽選の抽選結果が大当たりまたは小当たりでない場合(S2903でNo)、次に演出制御部300は、モードフラグの値が0か否かを調べる(S2905)。モードフラグが0でない場合(S2905でNo)、演出制御部300は、パラメータMを1減算し(S2906)、Mの値が0になったか否かを調べる(S2907)。すなわち、パラメータMの値は、変動停止コマンドを受信した際に0となっていない限り、変動停止コマンドを受信する度に(すなわち特別図柄変動が停止する度に)1ずつ減算される。Mの値が0になったならば(S2907でYes)、演出制御部300は、モードフラグを0に設定する(S2908)。
S2905でモードフラグが0であった場合(S2905でYes)、S2907でパラメータMの値が0にならなかった場合(S2907でNo)、またはS2908でモードフラグを0に設定した後、あるいはS2904でモードフラグを変更した後、演出制御部300は、図柄変動の演出の終了を指示するための変動演出終了コマンドをRAM303にセットして、変動演出終了中処理を終了する(S2909)。ここで、図27を参照すると、S2904でモードフラグを変更した場合は、変動演出終了後の演出モードは大当たりの種類に応じた演出モードとなる。また、S2905でモードフラグが0であった場合およびS2908でモードフラグを0に設定した場合は、変動演出終了後の演出モードはAモードとなる。また、S2907でパラメータMの値が0にならなかった場合は、これまでの演出モードが継続される。
図30は、図26の大当たり演出選択処理(S2609)の内容を示すフローチャートである。
この大当たり演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したオープニングコマンドを解析し(S3001)、モードフラグに基づく演出モードの内容に応じて演出のパターン(大当たり演出パターン)を選択する(S3002)。そして、演出制御部300は、選択した大当たり演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示する大当たり演出開始コマンドをRAM303にセットして、大当たり演出選択処理を終了する(S3003)。これにより、大当たり中の演出が決定される。なお、大当たり演出パターンの選択(S3002)において、コマンド受信時に取得される乱数値に基づく判定を行っても良い。
図31は、図26のエンディング演出選択処理(S2611)の内容を示すフローチャートである。
このエンディング演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したエンディングコマンドを解析し(S3101)、モードフラグに基づく演出モードの内容に応じて演出のパターン(エンディング演出パターン)を選択する(S3102)。そして、演出制御部300は、選択したエンディング演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示するエンディング演出開始コマンドをRAM303にセットして、エンディング演出選択処理を終了する(S3103)。なお、エンディング演出パターンの選択(S3102)において、コマンド受信時に取得される乱数値に基づく判定を行っても良い。
図32は、図26の客待ちコマンド受信処理(S2612)の内容を示すフローチャートである。
演出制御部300は、客待ち状態に移行するための客待ちコマンドを受信したか否かを判断する(S3201)。客待ちコマンドを受信した場合(S3201でYes)、演出制御部300は、経過時間の計測を開始し(S3202)、RAM303において計測フラグをONにする(S3203)。一方、受信したコマンドが客待ちコマンドでなかった場合(S3201でNo)、演出制御部300は、RAM303に保持されている計測フラグがONになっているか否かを判断する(S3204)。計測フラグがOFFであれば(S3204でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。
計測フラグがONである場合(S3204でYesまたはS3203でONにした後)、次に演出制御部300は、計測時間があらかじめ定められたタイムアップ時間に達したか否かを判断する(S3205)。タイムアップしていない場合(S3205でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。一方、タイムアップした場合(S3205でYes)、演出制御部300は、RAM303に保持されている計測フラグをOFFにし(S3206)、客待ち演出を行うための客待ち演出コマンドをRAM303にセットして客待ちコマンド受信処理を終了する(S3207)。
以上のようにしてコマンド受信処理が完了すると、RAM303には、変動演出開始コマンド、変動演出終了コマンド、大当たり演出開始コマンド、エンディング演出開始コマンド、客待ち演出コマンドの何れかがセットされている。
図33は、演出ボタン処理(図25(b)のS2512)の内容を示すフローチャートである。
この演出ボタン処理において、演出制御部300は、まず遊技者による演出ボタン161等の操作手段が操作されたか否かを判断する(S3301)。ここで、操作手段の操作とは、演出ボタン161が押下されてONとなること、演出キー162の中央キーや周囲キーが押下されてONとなることを含む。また、タッチパネル等、演出ボタン161および演出キー162以外の操作用デバイスがパチンコ遊技機100に設けられている場合は、そのデバイスの操作を検知したことを含む。演出制御部300は、これらのデバイスのコントローラから操作信号を受け付けて、操作が行われたことを検知する。
演出ボタン161等の操作手段が操作されたならば(S3301でYes)、演出制御部300は、操作手段の操作内容を示す情報を含む演出ボタンコマンドをRAM303にセットして演出ボタン処理を終了する(S3302)。
この後、演出制御部300は、図25(b)のコマンド送信処理(S2513)を行って、上記のコマンド受信処理および演出ボタン処理でRAM303にセットされたコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信する。そして、画像/音響制御部310およびランプ制御部320が、受信したコマンドに基づき、画像表示部114への画像表示、音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等を制御して、設定された演出を実行する。
続いて、本実施の形態の可動役物115について詳細に説明する。
図34は、本実施の形態の可動役物115の動作時の配置の説明図である。
図34に示すように、可動役物115は、所定のタイミングにて、図1に示す位置(待機位置)から移動し、パチンコ遊技機100の中央部側である登場位置に位置する。
本実施の形態では、例えば、SPリーチや、SP・SPリーチが選択された場合に実行する演出において、可動役物115を登場位置に位置させるようにしている。上述したとおり、本実施の形態では、SPリーチや、SP・SPリーチが実行される場合には、大当たりの期待度が高くなっている。従って、本実施の形態では、可動役物115が登場位置に位置すると、大当たりの期待度が高くなる。
可動役物115が登場位置に位置する所定のタイミングは、例えば、演出ボタン161(図2(b)参照)が操作されたタイミングでも良い。また、所定のタイミングは、特別図柄抽選において大当たりに当選し、この大当たりの判定に伴う図柄変動において、図柄の停止表示が行われる直前でも良い。また、所定のタイミングは、リーチ演出を行う際に、3つの装飾図柄のうち2つの装飾図柄が揃うタイミングや、リーチ演出中の所定のタイミングでも良い。
このように、本実施の形態では、大当たりに関わる各種演出の実行に伴って、可動役物115を登場位置に位置させる。これによって、本実施の形態のパチンコ遊技機100では、可動役物115を用いて、大当たりを遊技者に期待させる演出を行うことができる。
なお、可動役物115を登場位置に位置させる所定のタイミングは、遊技中に限らず、例えば客待ち演出中であっても良い。また、所定のタイミングは、例えばRTC304(図3参照)などの時間情報に基づいて、予め定められた時刻に、遊技の進行とは別に進行する特別演出を実行するときでも良い。
ここで、本実施の形態では、第1演出部7および第2演出部8は、同じタイミングにて、それぞれ待機位置から登場位置に移動するようにしている。ただし、必ずしも第1演出部7および第2演出部8は、動作が同期していなくても良い。例えば、第1演出部7は、第2演出部8が登場位置に位置した後に、登場位置に登場するように構成しても良い。
さらには、ある一連の演出において、第1演出部7および第2演出部8の両方を登場させる演出を行う場合と、第1演出部7および第2演出部8のうちいずれか一方を登場させる演出を行う場合とを設けても良い。
また、第1演出部7および第2演出部8を動作させる際に、第1演出部7および第2演出部8は、それぞれ登場位置に完全に位置させることに限定されない。すなわち、第1演出部7や第2演出部8は、待機位置にて、登場位置に向けて移動(変形)するように小刻みに振動(揺動)させても良い。本実施の形態では、上述したとおり、第1演出部7や第2演出部8が登場位置に位置することで、大当たりの期待が高くなる。従って、第1演出部7や第2演出部8が移動するかのように動作させることで、遊技者に対して、大当たりの期待を煽ることができる。
<第1演出部7の機能・構成>
図35は、本実施の形態の第1演出部7の全体図である。
図35に示すように、第1演出部7は、顔装飾部70と、固定装飾部7Aと、第1ベース部7Bと、第1駆動部7Cとを有している。
〔顔装飾部70〕
顔装飾部70は、図35に示すように、顔を模した装飾が施された部材である。そして、本実施の形態の顔装飾部70は、左右方向に移動可能になっている。本実施の形態では、顔装飾部70は、左側に移動することで、待機位置に位置した状態になる(図1参照)。一方、顔装飾部70は、右側に移動することで、登場位置に位置した状態になる(図34参照)。
なお、顔装飾部70の構造については、後に詳しく説明する。
〔固定装飾部7A〕
固定装飾部7Aは、顔装飾部70と同様に、顔を模した装飾が施された部材である。固定装飾部7Aは、固定されており移動しない。また、固定装飾部7Aは、前後方向において、顔装飾部70の後側に配置されている。
そして、固定装飾部7Aは、顔装飾部70が待機位置に位置するときには、顔装飾部70に隠れるようになっている(図1参照)。一方、固定装飾部7Aは、顔装飾部70が登場位置に位置するときには、遊技者が視認できるようになる。そして、固定装飾部7Aは、顔装飾部70と一体的に所定の形状(本実施の形態では一つの顔)を描く。
〔第1ベース部7B〕
第1ベース部7Bは、遊技盤110(図34参照)の所定の箇所に固定される。そして、第1ベース部7Bは、上述した顔装飾部70、固定装飾部7Aおよび第1駆動部7Cを支持する。
また、第1ベース部7Bは、図示しない中継基板を有している。そして、中継基板は、ランプ制御部320から後述する第1基板74および第1モータ703までの制御信号や電力を中継する。
〔第1駆動部7C〕
第1駆動部7Cは、ラックギア701と、ピニオンギア列702と、第1モータ703とを有している。
ラックギア701は、左右方向に延びて設けられる。また、ラックギア701は、第1ベース部7Bによって左右方向において移動可能に支持されている。そして、ラックギア701には、顔装飾部70が取り付けられる。ピニオンギア列702は、第1モータ703とラックギア701とを接続する。第1モータ703は、ピニオンギア列702に接続し、ピニオンギア列702を回転させる。そして、第1モータ703は、ラックギア701を介して、顔装飾部70を駆動する。
〔顔装飾部70〕
図36は、本実施の形態の顔装飾部70の分解斜視図である。
顔装飾部70は、図36に示すように、装飾部71と、装飾部71の後側に設けられる顔透過部72と、顔透過部72の中央部に設けられる目透過部73と、顔透過部72および目透過部73の後側に設けられる第1基板74と、第1基板74の後側に設けられる導光部75とを有する。
(装飾部71)
装飾部71は、顔透過部72よりも光の透過度が低い樹脂部材によって構成されている。また、装飾部71は、前側に、金属光沢によるメッキが施されている。従って、装飾部71は、後述の顔照射LED744(図38(b)参照)によって後側から照射された光の一部を、後側に反射したり、左右方向または上下方向に反射させたりする。なお、装飾部71は、少なくとも後述する顔照射LED744によって照らされても、ほとんど光らないようになっている。
(顔透過部72)
顔透過部72は、少なくとも後述の顔照射LED744(図38(b)参照)の光に対して透明である。また、顔透過部72は、有色(本実施の形態では例えば赤色)を呈している。そして、顔透過部72は、顔照射LED744によって照らされることで、全体的に光るようになっている。
また、顔透過部72は、後側の表面粗さが、前側の表面粗さよりも粗くなるようにしている。そして、顔透過部72は、後側の表面の光の拡散度が高く、前側の表面の光の拡散度が低くなっている。本実施の形態では、顔透過部72は、後側に設けられる顔照射LED744によって光が照射される。従って、顔透過部72は、後側から光が入射し易いように、後側の面の光の拡散度が高められている。一方で、顔透過部72の前側の面は、遊技者から見て、光沢のあるきれいな面に見えるようにしている。
また、顔透過部72は、平面状に形成される平面部72Pと、全体として曲面状に形成される曲面部72Rとを有している。
平面部72Pは、図36に示す破線を目安に、破線よりも中央部側に形成される。一方、曲面部72Rは、図36に示す破線を目安に、破線よりも外側に形成される。本実施の形態においては、曲面部72Rは、前側に凸となるように曲面を描いている。
さらに、顔透過部72は、第1保持部721と、第2保持部722と、第3保持部723と、第4保持部724とを有している。
第1保持部721は、顔透過部72の前側であって中央部側に形成される。本実施の形態では、第1保持部721は、平面部72Pに対応して形成される。そして、第1保持部721は、装飾部71を保持する。
第2保持部722は、顔透過部72の中央部に形成される。また、第2保持部722は、複数の開口部722Hを有する。そして、第2保持部722は、目透過部73を保持するとともに、目透過部73の一部を露出させる。
第3保持部723は、顔透過部72の後側であって中央部側に形成される。本実施の形態では、第3保持部723は、平面部72Pに対応して形成される。そして、第3保持部723は、第1基板74を保持する。
第4保持部724は、顔透過部72の後側であって外側に形成される。本実施の形態では、第4保持部724は、主に、曲面部72Rに対応して形成される。そして、第4保持部724は、導光部75を保持する。
(目透過部73)
図37は、本実施の形態の目透過部73の説明図である。なお、図37(a)は、目透過部73を前側から見た図である。また、図37(b)は、目透過部73を後側から見た斜視図である。さらに、図37(c)は、目透過部73を下側から見た図である。
図37(a)に示すように、目透過部73は、右側に形成される右側透過部731と、左側に形成される左側透過部732と、右側透過部731と左側透過部732との間に形成される中央部733とを有する。
さらに、図37(b)に示すように、右側透過部731は、右側透過部731における左側に形成される第1領域731Aと、右側透過部731における右側に形成される第2領域731Bとを有する。
そして、図37(c)に示すように、第1領域731Aの後側は、左右方向において直線状に沿って延びている。また、第1領域731Aの前側は、曲線状に形成される。本実施の形態において、第1領域731Aの前側は、左側から右側に向かうに従って、次第に後側に向かう(突出する)ように形成されている。
第2領域731Bは、後側および前側が、曲線状に形成される。本実施の形態においては、第2領域731Bの前側は、左側から右側に向かうに従って、次第に後側に向かうように形成されている。さらに、第2領域731Bは、第1領域731Aの後側の端部(図37(c)に示す破線)よりも、さらに後側に位置するようになっている。
そして、図37(c)に示すように、右側透過部731の前側は、凹凸のない曲面によって形成される。一方、右側透過部731の後側には、右側光学部731Fが形成される。右側光学部731Fは、第1領域731Aおよび第2領域731Bにわたって形成される。
右側光学部731Fは、断面が略三角形状であって上下方向に沿って延びる筋状の複数の突起によって構成されている。そして、右側光学部731Fは、左右方向に沿って右側光学部731Fに入射した光を、前側に向けて屈折させたり、前側に向けて全反射させたりする。つまり、右側光学部731Fは、左右方向に沿って入射する光を、前側に向けて進行させる。また、本実施の形態の右側光学部731Fは、入射した光を拡散させる。
左側透過部732の後側は、左右方向に沿って直線状に沿って延びている。また、第1領域731Aの前側は、曲線状に形成される。本実施の形態においては、第1領域731Aの前側は、左右方向における右側に向かうに従って、次第に後側に向かうように形成されている。
そして、図37(c)に示すように、左側透過部732の前側は、凹凸のない曲面によって形成される。一方、左側透過部732の後側には、左側光学部732Fが形成される。
左側光学部732Fは、断面が略三角形状であって上下方向に沿って延びる筋状の複数の突起によって構成されている。そして、左側光学部732Fは、左右方向に沿って左側光学部732Fに入射した光を、前側に向けて屈折させたり、前側に向けて全反射させたりする。つまり、左側光学部732Fは、左右方向に沿って入射する光を、前側に向けて進行させる。また、本実施の形態の左側光学部732Fは、入射した光を拡散させる。
図37(b)に示すように、中央部733は、右側透過部731と左側透過部732とを接続する。そして、中央部733は、LED収容部733Hを有している。LED収容部733Hは、後側において、右側光学部731Fよりも前側に窪んで形成される。そして、LED収容部733Hは、後述する右側第1LED741および左側LED742を内側に収容する。
(第1基板74)
図38は、本実施の形態の第1基板74の説明図である。なお、図38(a)は、第1基板74を前側から見た図である。また、図38(b)は、第1基板74を後側から見た図である。
第1基板74は、図38(a)に示すように、前側に形成される第1面部74Aと、図38(b)に示すように、後側に形成される第2面部74Bとを有する。なお、本実施の形態の第1基板74は、第1面部74Aおよび第2面部74Bの両方を含め、表面が白色を呈するように構成されている。つまり、第1面部74Aおよび第2面部74Bは、後述するLED光源(右側第1LED741,左側LED742,右側第2LED743,顔照射LED744)の光を反射可能になっている。
さらに、第1基板74は、第1面部74Aの右側に設けられる右側第1LED741と、第1面部74Aの左側に設けられる左側LED742とを有している。
右側第1LED741および左側LED742とは、それぞれ容器内にLEDチップが樹脂封止されてパッケージ化された所謂LEDパッケージである。そして、本実施の形態では、右側第1LED741および左側LED742の光の照射方向は、主に、第1基板74の第1面部74Aに沿っている。また、右側第1LED741は、左右方向に沿って右側に向けて光を照射する。一方、左側LED742は、左右方向に沿って左側に向けて光を照射する。
第1基板74は、図38(b)に示すように、第2面部74Bの右側に設けられる右側第2LED743と、第2面部74Bの端部に複数設けられる顔照射LED744とを有している。
右側第2LED743および顔照射LED744は、それぞれ容器内にLEDチップが樹脂封止されてパッケージ化された所謂LEDパッケージである。そして、本実施の形態では、右側第2LED743および顔照射LED744の光の照射方向は、主に第1基板74の第2面部74Bに沿っている。
そして、右側第2LED743は、左右方向に沿って右側に向けて光を照射する。また、右側第2LED743は、左右方向において、右側第1LED741とは異なる位置に配置される。
また、顔照射LED744は、図38(b)に示すように、複数設けられる。そして、複数の顔照射LED744は、第2面部74Bの主に右側、上側および下側における端部にそれぞれ配置される。そして、各々の顔照射LED744は、それぞれ第1基板74の外側に向けて光を照射する。
(導光部75)
図39は、本実施の形態の導光部75の説明図である。なお、図39(a)は、導光部75を後側から見た図である。また、図39(b)は、導光部75を左側から見た図である。
導光部75は、少なくとも顔照射LED744(図38(b)参照)が照射する光に対して透明に構成される。そして、導光部75は、反射層751と、端部反射部752と、LED収容部753と、を有する。
反射層751は、導光部75の後側の面に形成される。本実施の形態の反射層751は、白色を呈する塗料を導光部75の後側の表面に塗布することによって形成している。そして、反射層751は、少なくとも顔照射LED744(図38(a)参照)が照射する光を反射可能に構成されている。
また、本実施の形態の反射層751は、図39(a)に示すように、導光部75の内側におけるLED収容部753の周囲を避けるように形成している。すなわち、導光部75は、非反射層形成部751Nを有している。非反射層形成部751Nは、図39(a)に示す破線を境界として、LED収容部753側に形成される。
後述するように、本実施の形態では、LED収容部753において導光部75内部に顔照射LED744の光を入射させる。ここで、例えば、LED収容部753に対して反射層751を形成しようとする場合、LED収容部753における光の入射箇所に対してまで反射層751を形成してしまう可能性が高くなる。そこで、本実施の形態では、反射層751は、LED収容部753の周囲には形成しないようにしている。
なお、本実施の形態では、反射層751は、導光部75に設けているが、この態様に限定されない。例えば、導光部75とは別体の部材として、反射層751と同様に、顔照射LED744の光を反射する反射部材を設けても良い。
端部反射部752は、図39(a)および図39(b)に示すように、導光部75の端部に形成される。本実施の形態の端部反射部752は、白色を呈する塗料を導光部75の端部に塗布することによって形成している。そして、端部反射部752は、少なくとも顔照射LED744が照射する光を反射可能に構成されている。
LED収容部753は、上述した複数の顔照射LED744(図38(b)参照)に対応して形成される。本実施の形態においては、LED収容部753は、導光部75において、矩形状に形成された開口によって形成される。
なお、導光部75は、反射層751とは逆側の面である前側の面(顔透過部72に対向する面)に、光を拡散する拡散部を有していても良い。この拡散部は、例えば導光部75の表面の粗度を大きくすることにより形成することができる。より具体的には、導光部75の前側に形成する拡散部は、顔透過部72の前側の面の光の拡散度よりも高くする。これによって、導光部75内部に入射した光を、導光部75の前側から取り出し(出射し)易くすることができる。
<第1演出部7の動作>
次に、図35を参照しながら、第1演出部7の動作について説明する。
図35に示すように、第1演出部7において、第1駆動部7Cによって顔装飾部70を右側に移動させて、登場位置に位置させる。これによって、顔装飾部70は、固定装飾部7Aと一体的となり、1つの顔を描いた状態になる(図34参照)。
また、顔装飾部70において、右側第1LED741、右側第2LED743および左側LED742(図38参照)をそれぞれ発光させる。そうすると、目透過部73(図36参照)が発光する。また、顔照射LED744(図38(b)参照)を発光させる。そうすると、顔透過部72(図36参照)が発光する。
なお、顔装飾部70は、透明な遊技板111dの後側に配置されている。従って、本実施の形態において、顔装飾部70は、遊技者から常に見えるようになっている(図1および図34参照)。従って、右側第1LED741、右側第2LED743、左側LED742および顔照射LED744を発光させるタイミングは、登場位置や待機位置のいずれに位置した状態であっても、任意のタイミングで光らせて良い。
(顔透過部72の作用)
図40は、本実施の形態の顔透過部72における光の動作の説明図である。なお、図40(a)は、第1演出部7を後側から見た図であり、図40(b)は、図40(a)に示すA−A断面図である。
図40(a)に示すように、第1基板74の顔照射LED744を発光させる。そうすると、顔照射LED744の光は、導光部75に入射する。さらに、図40(b)に示すように、導光部75に入射した光は、導光部75内部を進行する。そして、ある光は、導光部75から顔透過部72に進行する。また、導光部75において後側に向かう光は、反射層751にて反射し、顔透過部72とは逆側には進行しにくい。また、例えば顔透過部72と導光部75との対向面を反射する光は、顔透過部72と反射層751とにて反射しながら、顔透過部72の外側の端部(本実施の形態では右側の端部)まで到達する。そして、この光は、最終的には、顔透過部72に入射する。なお、導光部75の外側の端部に到達した光の一部は、端部反射部752にて反射し顔透過部72に向けて進行する。
そして、顔照射LED744の光は、第1基板74の第2面部74Bに沿って左右方向に光を照射する。そして、左右方向に沿って照射された光は、導光部75によって導かれることで、曲面部72Rも照らすようになっている。このように、本実施の形態では、顔照射LED744によって曲面部72Rが照らされることで、顔透過部72は、全体的に光るようになっている。
(目透過部73の作用)
図41は、本実施の形態の目透過部73における光の動作の説明図である。
図41(a)に示すように、第1基板74に実装された右側第1LED741、左側LED742および右側第2LED743が発光する。
このうち、左側LED742の光は、左右方向の左側に向けて進行し、左側透過部732に達する。そして、光は、左側光学部732Fにて反射または屈折して、前側に向けて進む。
また、右側第1LED741の光は、左右方向の右側に向けて進行し、右側透過部731に達する。そして、光は、第1領域731Aの右側光学部731Fにて反射または屈折して、前側に向けて進む。
さらに、右側第2LED743の光は、左右方向の右側に向けて進行し、右側透過部731に達する。そして、光は、第2領域731Bの右側光学部731Fにて反射または屈折して、前側に向けて進む。
そして、図41(b)に示すように、左側透過部732は、全体的に光る。さらに、右側透過部731においても、第1領域731Aおよび第2領域731Bの両方が光る。その結果、右側透過部731は、全体的に光る。特に、本実施の形態においては、第2領域731Bは、曲線状に形成されている。従って、単一の光源によって、直線状に形成される第1領域731Aに対して光を照射しても、曲線状に形成される第2領域731Bに光が届かない可能性が高い。これに対して、本実施の形態では、右側透過部731を全体的に光らせることができる。
〔変形例1の第1演出部7〕
図42は、変形例1の第1演出部7の説明図である。
図42(a)に示すように、変形例1の第1演出部7では、変形例基板974は、第1面部974Aおよび第2面部974Bが、それぞれ左右方向を向くように設けられる。そして、変形例1において、右側を向く第1面部974Aに、変形例第1LED9741と、変形例第2LED9742とが実装されている。
変形例第1LED9741および変形例第2LED9742は、それぞれ容器内にLEDチップが樹脂封止されてパッケージ化された所謂LEDパッケージである。そして、変形例第1LED9741および変形例第2LED9742の光の照射方向は、主に、変形例基板974の第1面部974Aに略垂直になっている。つまり、変形例第1LED9741および変形例第2LED9742は、左右方向に沿って右側に光を照射する。
また、変形例第1LED9741と変形例第2LED9742とは、前後方向において、互いに異なる位置に配置される。
変形例第1LED9741は、第1領域731Aに対向する。そして、変形例第1LED9741は、第1領域731Aに向けて光を照射する。また、変形例第2LED9742は、第2領域731Bに対向する。そして、変形例第2LED9742は、第2領域731Bに向けて光を照射する。
以上のように構成される右側透過部731においても、図42(b)に示すように、第1領域731Aおよび第2領域731Bの両方が光る。その結果、右側透過部731は、全体的に光るようになっている。また、左側透過部732も、全体的に光る。
なお、本実施の形態の第1演出部7において、単一の基板に、第1領域731Aを照らす右側第1LED741、および第2領域731Bを照らす右側第2LED743の両方を実装しているが、この態様に限定されない。すなわち、複数の基板に、それぞれ右側第1LED741および右側第2LED743を実装するようにしても良い。なお、これは変形例1についても同様である。
<第2演出部8の機能・構成>
図43は、本実施の形態の第2演出部8の全体図である。
第2演出部8は、手装飾部80と、第2ベース部8Aと、第2駆動部8Bと、中継基板8Cと、を有する。
〔手装飾部80〕
手装飾部80は、図43(a)および図43(b)に示すように、手を模した装飾が施された部材である。そして、手装飾部80は、後述する移動側軸部812Sを中心として変形可能になっている。
さらに、手装飾部80は、後述する固定側軸部814を中心として、全体的な位置が、回転移動(スイング)可能になっている。つまり、手装飾部80は、移動側軸部812Sの位置が移動可能に構成されている。そして、本実施の形態では、手装飾部80は、全体的に、右側かつ下側に移動することで、待機位置に位置した状態になる(図1参照)。一方、手装飾部80は、左側かつ上側に移動することで、登場位置に位置した状態になる(図34参照)。
つまり、手装飾部80は、全体としての位置が移動するとともに、手装飾部80自体が変形するようになっている。
なお、手装飾部80については、後に詳しく説明する。
図44は、本実施の形態の第2演出部8の機構の説明図である。
図45は、本実施の形態の第2演出部8の分解斜視図である。図45(a)には、第2ベース部8Aおよび手装飾部80を表示している。また、図45(b)は、図45(a)に示すカバー部材805を矢印Y側から見た図である。
〔第2ベース部8A〕
第2ベース部8Aは、遊技盤110(図34参照)の所定の箇所に固定される。そして、図44に示すように、第2ベース部8Aは、上述した手装飾部80、第2駆動部8Bおよび中継基板8Cを支持する。
また、第2ベース部8Aは、図45(a)に示すように、後述する移動腕81を回転可能に支持するベース軸部801を有している。なお、ベース軸部801については、後に詳しく説明する。
さらに、第2ベース部8Aは、図44に示すように、下側に、軌跡変更部804を有している。軌跡変更部804は、後述する第2支持部材922に接触することで、第2装飾部材921の移動の軌跡を変更する。
〔第2駆動部8B〕
第2駆動部8Bは、図44に示すように、ギア部802と、第2モータ803とを有する。
ギア部802は、第2モータ803と、指装飾部90の後述する移動腕81とに接続する。そして、第2モータ803は、指装飾部90の後述する移動腕81を駆動する。
〔中継基板8C〕
中継基板8Cは、ランプ制御部320(図3参照)から後述する第2基板831および第2モータ803までの制御信号や電力を中継する。詳細には、中継基板8Cには、ランプ制御部320からの配線ケーブルが接続する。さらに、中継基板8Cには、図45(a)に示すように、後述するモータ配線ケーブル821および発光配線ケーブル822が接続する。
〔手装飾部80〕
手装飾部80は、図44に示すように、指装飾部90と、移動腕81と、配線部82と、発光部83を有する。そして、手装飾部80は、回転動作および発光することによって演出を行う。
(指装飾部90)
指装飾部90は、図44に示すように、第1指部91と、第2指部92とを有する。
そして、第1指部91は、第1装飾部材911と、第1支持部材912と、リンク部材913とを有する。
第1装飾部材911は、指の形を模した部材である。そして、第1装飾部材911は、第1支持部材912の前側に固定される。
第1支持部材912は、クランク状に形成された部材である。そして、第1支持部材912は、移動腕81の後述する移動側軸部812Sに対して回転可能に接続する。また、第1支持部材912は、第1装飾部材911を支持する。
リンク部材913は、一方向に延びて形成される板状の部材である。リンク部材913は、長手方向の一端側にて、第2ベース部8Aに対して回転可能に接続する。また、リンク部材913は、長手方向の他端側にて、第1支持部材912に対して回転可能に接続する。
第2指部92は、第2装飾部材921と、第2支持部材922と、第3装飾部材923とを有する。
第2装飾部材921は、指の形を模した部材である。そして、第2装飾部材921は、移動腕81に固定される。
第2支持部材922は、移動腕81に対して回転可能に接続する。また、第2支持部材922は、第3装飾部材923を支持する。さらに、第2支持部材922は、ねじりコイルバネ922Sによって、第2装飾部材921に対して回転方向に離れる方向のバネ力が付与されている。
第3装飾部材923は、指の形を模した部材である。そして、第3装飾部材923は、第2支持部材922に固定される。
また、第2支持部材922は、ベース接触部922Cを有している。ベース接触部922Cは、第3装飾部材923よりも外側に突出している。そして、ベース接触部922Cは、第2ベース部8Aの軌跡変更部804に接触する。なお、ベース接触部922Cが軌跡変更部804に接触しても、第3装飾部材923は、軌跡変更部804には接触しない。
そして、第2演出部8が登場位置から待機位置に移行する際に、第2支持部材922は、軌跡変更部804に接触することで折りたたまれる。すなわち、第3装飾部材923は、第2装飾部材921に接近した状態になる。
(移動腕81)
移動腕81は、図45(a)に示すように、長手方向の一端側に設けられる歯車部811と、長手方向の他端側に設けられる手保持部812と、歯車部811と手保持部812との間に形成される腕部813と、歯車部811の後側に設けられる固定側軸部814と、手保持部812および腕部813の後側に設けられるカバー部815とを有する。
歯車部811は、半月状に形成される歯部811Gを有している。そして、歯車部811の歯部811Gは、ギア部802(図44参照)に噛み合う。
手保持部812は、図44に示すように、略円形状に形成される。そして、手保持部812は、第1支持部材912および第2支持部材922を回転可能に保持する。さらに、手保持部812は、第2装飾部材921および発光部83を固定して保持する。
また、手保持部812は、図45(b)に示すように、移動側軸部812Sとケーブル保持部812Bとを有している。移動側軸部812Sは、前側に向けて突出するピン状の部材である。そして、移動側軸部812Sには、第1支持部材912が回転可能に取り付けられる。また、ケーブル保持部812Bは、手保持部812において腕部813の長手方向に沿った位置に配置されている。そして、ケーブル保持部812Bは、発光配線ケーブル822を保持する(後述する図46参照)。
腕部813は、一方向に長く延びて形成される。そして、腕部813は、歯車部811および手保持部812にそれぞれ接続する。
なお、本実施の形態の移動腕81は、後側にて、さらに後側に向けて突出するとともに、外周に沿って設けられる壁部81Wを有している。
固定側軸部814は、図45(a)に示すように、フランジを有して略円筒状に形成される部材である。そして、固定側軸部814は、歯車部811に固定される。さらに、固定側軸部814は、第2ベース部8Aのベース軸部801に挿入される。そして、固定側軸部814は、ベース軸部801によって回転可能に支持される。
また、固定側軸部814は、貫通孔814Hと、切欠部814Kとを有している。貫通孔814Hは、前後方向に貫通して形成される。本実施の形態の切欠部814Kは、略円弧状に形成される。また、切欠部814Kの円弧の角度は、移動腕81の移動角度に対応している。そして、切欠部814Kは、第2ベース部8Aは、ベース切欠部801Kに対向して設けられる。
そして、固定側軸部814の貫通孔814Hには、後述する発光配線ケーブル822が通される。また、切欠部814Kにも、発光配線ケーブル822が渡される。ここで、固定側軸部814は、移動腕81の回転に伴って回転する。そして、本実施の形態において、切欠部814Kは、モータ配線ケーブル821に負荷を掛けず、かつ、必要以上に大きく開口しないようにしている。具体的には、切欠部814Kの開口幅は、登場位置に位置する状態まで固定側軸部814が回転した場合に、切欠部814Kの一端がモータ配線ケーブル821に接触するように設定されている。一方で、切欠部814Kの開口幅は、待機位置に位置する状態まで固定側軸部814が回転した場合に、切欠部814Kの他端がモータ配線ケーブル821に接触するように設定されている。
図45(a)に示すように、カバー部815は、透明な板状の部材によって形成されている。そして、カバー部815は、発光配線ケーブル822を間に挟んで、腕部813および手保持部812を覆うように設けられる(後述する図46参照)。
まず、第2ベース部8Aのベース軸部801について説明する。
図45(a)に示すように、ベース軸部801は、略円筒状に形成される。そして、ベース軸部801には、固定側軸部814が挿入される。さらに、ベース軸部801は、周方向において円弧状に形成されるベース切欠部801Kを有する。ベース切欠部801Kは、中継基板8C側に向けて所定の開口幅をもって形成される。
さらに、ベース軸部801には、カバー部材805が取り付けられる。カバー部材805は、図45(b)に示すように、有底円筒状に形成される。また、カバー部材805は、円弧状に形成されるカバー切欠部805Kを有している。そして、カバー部材805は、カバー切欠部805Kがベース切欠部801Kに対向するようにして、ベース軸部801の外側に嵌る。
そして、カバー切欠部805Kおよびベース切欠部801Kには、後述する発光配線ケーブル822が通される。
(配線部82)
図46は、第2演出部8における配線部82の説明図である。
図46に示すように、配線部82は、モータ配線ケーブル821と、発光配線ケーブル822とを有する。
モータ配線ケーブル821は、一方が中継基板8Cに接続し、他方が第2モータ803に接続する。
また、発光配線ケーブル822は、一方が中継基板8Cに接続し、他方が後述する第2基板831に接続する。なお、発光配線ケーブル822のコネクタ822Cは、登場位置に位置した状態の移動腕81の長手方向に沿った方向に向いて設けられる(後述する図47(b)参照)。さらに、登場位置に位置した状態において、コネクタ822Cは、ケーブル保持部812Bと固定側軸部814(ベース軸部801)とを結ぶ直線状に沿った位置に配置されている(後述する図47(b)参照)。
そして、発光配線ケーブル822は、中継基板8Cから固定側軸部814(ベース軸部801)に延びて設けられる。さらに、発光配線ケーブル822は、固定側軸部814の内側を通って、固定側軸部814の後側から前側に延びて設けられる。そして、発光配線ケーブル822は、固定側軸部814の前側であって歯車部811の後側との間を通るように設けられる。そして、発光配線ケーブル822は、腕部813に沿って延び、手保持部812まで設けられる。最終的に、発光配線ケーブル822は、発光部83の後述する第2基板831に電気的に接続する。
(発光部83)
発光部83は、図43に示すように、指装飾部90の付け根、すなわち手のひらに設けられる。そして、発光部83は、発光して、手のひらから光が照射されるかのような光の演出を行う。
また、発光部83は、第1指部91および第2指部92が回転方向において離れた状態や、第1指部91および第2指部92が移動しているときや、第1指部91および第2指部92が一体的になったときなど、いずれの状態においても発光することができる。
発光部83の構造については、後に詳しく説明する。
〔第2演出部8の動作〕
以上のように構成される第2演出部8は、図44に示すように、所定のタイミングにて、第2駆動部8Bを駆動し、移動腕81を回転(スイング)させる。そうすると、指装飾部90は、移動腕81の回転に伴って回転しながら上側に移動する。
そして、第1指部91においては、第1支持部材912が移動側軸部812Sにて回転可能に保持されながら、リンク部材913とも回転可能に接続している。従って、第1指部91は、移動腕81の回転に伴って、移動腕81と逆方向に回転しながら、上側に向けて移動する。
また、第2指部92においては、第2支持部材922が移動腕81の手保持部812に固定して保持されている。従って、第2指部92は、移動腕81の回転とは同方向に回転しながら、上側に向けて移動する。
そして、最終的には、第1指部91および第2指部92は、一体的になって手の形を描き(図43(b)参照)、登場位置に位置する(図34参照)。
一方、第2駆動部8Bを駆動し、移動腕81を逆方向に回転(スイング)させる。そうすると、第1指部91は、移動腕81の回転に伴って、移動腕81と逆方向に回転しながら、下側に移動する。また、第2指部92は、移動腕81の回転とは同方向に回転しながら、下側に移動する。
そして、最終的には、第1指部91および第2指部92は、回転方向において離れた状態になって、待機位置に位置する(図1参照)。
なお、図43(a)および図1に示すように、待機位置に位置している第1指部91は、画像表示部114の右側の端部よりも右側に位置する。また待機位置に位置している、第2指部92は、画像表示部114の下側の端部よりも下側に位置する。さらに、本実施の形態では、遊技板111dにおいて、待機位置に位置している第2演出部8に対向する箇所には装飾が施されている。つまり、待機位置に位置している第2演出部8は、遊技板111dのこの箇所においては、後側に位置する部材が見えにくくなっている。
本実施の形態では、第2演出部8を、所定の形状にて登場位置に位置させ、遊技者に見せるようにしている。一方で、第2演出部8を演出に用いないタイミングでは、第2演出部8を待機位置に位置させる。このとき、登場位置に位置するときの形状のままでは、待機位置に位置させるために移動量を大きくせざるを得ない。そこで、本実施の形態では、第2演出部8を変形可能に構成するとともに、待機状態にて、画像表示部114の外側に位置するように構成する。これによって、第2演出部8を大きく移動させなくても、待機位置に位置している第2演出部8を遊技者から見えにくくするようにしている。
なお、第2演出部8は、待機位置に位置した状態で、発光部83を発光させた場合には、発光部83の光を遊技者が視認できるようにしている。
続いて、第2演出部8における配線の動きについて説明する。
図47は、第2演出部8における配線の動きの説明図である。
図47(a)に示す第2演出部8は、待機位置に位置した状態を示している。つまり、移動腕81は、上下方向の下側に位置している。この状態にて、発光配線ケーブル822の発光部83側の部分は、移動腕81に沿って斜め下向きに延びている。一方、発光配線ケーブル822の中継基板8C側は、斜め上向きに延びている。
次に、図47(b)に示す第2演出部8は、登場位置に位置した状態を示している。つまり、移動腕81は、上下方向の上側に位置している。この状態にて、発光配線ケーブル822の発光部83側の部分は、移動腕81に沿って斜め上向きに延びている。一方、発光配線ケーブル822の中継基板8C側は、斜め上向きに延びている。
本実施の形態では、発光配線ケーブル822は、移動する移動腕81の後側にて、移動腕81に沿って設けられる。従って、遊技者側である前側から見て、発光配線ケーブル822は、常に隠された状態になる。従って、本実施の形態では、発光配線ケーブル822が遊技者に対して隠された状態であることによって、第2演出部8としての見栄えが良くなっている。
そして、発光配線ケーブル822は、固定側軸部814(ベース軸部801)の内側を通され、移動腕81に設けられている。これによって、発光配線ケーブル822にかかる負荷は低減される。
ところで、移動腕81が移動する際、移動腕81の回転移動の中心となる固定側軸部814(ベース軸部801)から離れるに従って、回転方向における移動量が大きくなる。一方、移動腕81が移動する際に、移動腕81の回転移動の中心となる固定側軸部814に近づくに従って、回転方向における移動量が小さくなる。
そして、本実施の形態の発光配線ケーブル822は、移動腕81の回転移動の中心である固定側軸部814(ベース軸部801)を通り、この箇所にて曲がるようになっている。この場合に、発光配線ケーブル822の屈曲量は、極めて小さくなる。従って、本実施の形態の発光配線ケーブル822は、移動腕81の動作に伴って変形する際の負荷が小さくなっている。
特に、本実施の形態では、発光配線ケーブル822は、固定側軸部814内においては、前後方向に沿って延びている。従って、固定側軸部814内の発光配線ケーブル822は、ねじれるように変形する。配線ケーブルは、一般的に、ケーブルの軸方向に対して垂直に折り曲げられるほど、ケーブルにかかるストレスが大きくなる。これに対して、本実施の形態では、軸方向にねじれるように変形するため、発光配線ケーブル822にかかるストレスが軽減される。
さらに、本実施の形態では、図47(b)に示すように、登場位置に位置している状態において、発光配線ケーブル822は、直線に沿った形状を描く。これによって、本実施の形態では、発光配線ケーブル822の動作の信頼性をより担保している。
例えば、発光配線ケーブル822内の電気導線に疲労が生じていた場合であって、発光配線ケーブル822が曲がった状態を想定する。発光配線ケーブル822は、曲がった状態になることで、ケーブルの軸方向において引っ張られる部分が生じる。この引っ張られる部分において断線が生じていると、電気が流れなくなる。
これに対して、本実施の形態では、第2演出部8が登場位置に位置した状態で、発光部83を発光させる。このとき、上述のとおり、発光配線ケーブル822は、直線に沿っている。そのため、発光配線ケーブル822は、引っ張られず、逆に圧縮された状態になる。これによって、万が一、ケーブル内の電気導線に疲労が生じている場合であっても、電気が流れ易い状態が形成される。
図48は、本実施の形態の発光部83の分解斜視図である。
図48に示すように、発光部83は、移動腕81の前側に設けられる第2基板831と、第2基板831の前側に設けられる第1光学部材832と、第1光学部材832の前側に設けられる第2光学部材833とを有する。
第2基板831は、半径方向内側に移動側軸部812Sが貫通可能な開口部831Hを有し、略円板状に形成される部材である。そして、第2基板831は、前側に、複数の手LED831Lを有している。本実施の形態の手LED831Lの光の照射方向は、第2基板831の主面に対して略垂直方向である。つまり、手LED831Lの光の照射方向は、前後方向における前側である。
なお、本実施の形態の第2基板831は、白色を呈するソルダレジスト膜が表面に形成されている。従って、第2基板831は、表面にて、手LED831Lの光を反射可能になっている。
図49は、本実施の形態の第1光学部材832の説明図である。なお、図49(a)は、第1光学部材832を前側から見た正面図であり、図49(b)は、第1光学部材832を後側から見た配面図である。
図50は、図49(a)に示す、第1光学部材832のB−B断面図である。
図49(a)に示すように、第1光学部材832は、略円形状に形成される。そして、第1光学部材832は、半径方向における中央部に開口部832Hが形成されている。さらに、第1光学部材832は、前側に、複数の前側フレネルレンズ部832Fを有している。複数の前側フレネルレンズ部832Fは、開口部832Hの半径方向外側において、周方向に略等間隔に配置される。
開口部832Hは、移動側軸部812Sが通される(図48参照)。また、前側フレネルレンズ部832Fは、複数設けられる。各々の前側フレネルレンズ部832Fは、複数の手LED831Lに対応して設けられる。すなわち、前側フレネルレンズ部832Fの半径方向における位置は、手LED831Lの半径方向における位置に対応している。そして、前側フレネルレンズ部832Fは、前後方向において、手LED831Lと対向する。
そして、図50に示すように、前側フレネルレンズ部832Fは、第1中央レンズ要素L11と、複数の第1外側レンズ要素L12とを有している。
第1中央レンズ要素L11は、手LED831Lに対向する位置に形成される。そして、第1中央レンズ要素L11は、後側に向けて凸となる略円錐状の面によって形成される。
第1外側レンズ要素L12は、略円弧状に形成される。また、各々の第1外側レンズ要素L12は、手LED831L側に近い側が前後方向においてより前側に位置し、手LED831Lから遠い側が前後方向においてより後側に位置するように傾斜している。
そして、第1中央レンズ要素L11は、手LED831Lから入射した光を、主に全反射させて、手LED831Lに対して半径方向に遠ざかるように進行させる。また、第1外側レンズ要素L12は、手LED831Lから入射した光を、主に屈折させて、手LED831Lに対して半径方向に遠ざかるように進行させる。特に、第1外側レンズ要素L12の焦点距離よりも手LED831Lが内側に配置されている。そして、前側フレネルレンズ部832Fは、手LED831Lの光を主に発散させる。
なお、本実施の形態において、発散とは、手LED831Lの光軸(手LED831Lの主発光面に対して直角方向)に対して角度を有し、手LED831Lから離れる方向に光が進行することを意味する。
また、図49(b)に示すように、第1光学部材832は、後側に、複数の後側フレネルレンズ部832Bを有している。複数の後側フレネルレンズ部832Bは、開口部832Hの半径方向外側において、周方向に略等間隔に配置される。そして、各々の後側フレネルレンズ部832Bは、複数の手LED831Lに対応して設けられる。すなわち、後側フレネルレンズ部832Bの半径方向における位置は、手LED831Lの半径方向における位置に対応している。
さらに、後側フレネルレンズ部832Bは、前後方向において、前側フレネルレンズ部832Fに対応する位置に設けられる。
そして、図50に示すように、後側フレネルレンズ部832Bは、第2中央レンズ要素L21と、複数の第2外側レンズ要素L22とを有している。
第2中央レンズ要素L21は、手LED831Lに対向する位置に形成される。そして、第2中央レンズ要素L21は、後側に向けて凸となる略円錐状の面によって形成される。
第2外側レンズ要素L22は、後側に突出する山形状に形成される。また、第2外側レンズ要素L22は、手LED831L側に近い側が前後方向においてより後側に位置し、手LED831Lから遠い側が前後方向においてより前側に位置するように傾斜している。
そして、第2中央レンズ要素L21は、手LED831Lから入射した光を、主に全反射させて、手LED831Lに対して半径方向に遠ざかるように進行させる。また、第2外側レンズ要素L22は、手LED831Lから入射した光を、主に屈折させて、手LED831Lに対して半径方向に遠ざかるように進行させる。つまり、後側フレネルレンズ部832Bは、手LED831Lの光を主に発散させる。
図51は、本実施の形態の第1光学部材832の説明図である。なお、図51(a)は、第1光学部材832を前側から見た正面図であり、図51(b)は、第1光学部材832を後側から見た配面図である。
図52は、図51(a)に示す、第2光学部材833のC−C断面図である。
図51(a)に示すように、第2光学部材833は、前側に、半径方向における中央部に形成される円板部833Pと、円板部833Pの半径方向外側に設けられる周方向凹凸部833Rと、円板部833Pの半径方向外側に設けられる半径方向凹凸部833Sとを有している。
図52に示すように、円板部833Pは、平面状に形成される。また、周方向凹凸部833Rは、前側に向けて突出する環状の突起と後側に向けて凹む環状の窪みとによって形成される。そして、周方向凹凸部833Rは、半径方向において複数設けられる。さらに、半径方向凹凸部833Sは、半径方向に沿って延び、前側に向けて突出する複数の筋状の突起部によって形成される。
図51(b)に示すように、第2光学部材833は、後側に、前側の円板部833Pに対応して形成される光拡散部833Fと、光拡散部833Fの半径方向外側に形成される環状突出部833Kとを有する。
光拡散部833Fは、移動側軸部812Sに対向する位置に形成される。そして、光拡散部833Fは、後述する非LED対向領域83Nに設けられる。すなわち、光拡散部833Fは、半径方向において、手LED831Lとは対向せず、手LED831Lとは異なる箇所に形成される。
図52に示すように、本実施の形態の光拡散部833Fは、後側に向けて突出する複数の半円球状の突起の集合によって形成されている。そして、光拡散部833Fは、手LED831Lの光(第1光学部材832を透過した光)を拡散させる。なお、本実施の形態において、拡散とは、第2光学部材833においてLED光が透過する過程で四方八方に散乱する現象(拡散透過)を意味する。
なお、光拡散部833Fの形状は、手LED831Lの光を拡散させることが可能な形状であれば良く、本実施の形態の形状に限定されない。例えば、光拡散部833Fは、例えば平面状に形成された円板部833Pよりも表面の粗度が高められていれば良い。また、光拡散部833Fは、複数の円錐や角錐などの集合によって形成しても良い。
環状突出部833Kは、後側に向けて環状に突出する突起と後側に向けて環状に凹む窪みとによって形成される。そして、環状突出部833Kは、半径方向において複数設けられる。
図53は、本実施の形態の発光部83の作用の説明図である。
図53に示すように、手LED831Lが発光する。そして、後側フレネルレンズ部832Bの第2中央レンズ要素L21に達した光は、全反射して、手LED831Lから半径方向に遠ざかる方向に向けて進行する。
ここで、手LED831Lの輝度は、手LED831Lに近いほど高くなる。そこで、本実施の形態では、手LED831Lとの対向箇所に、第2中央レンズ要素L21を配置する。そして、手LED831Lがスポット的に光る所謂点光りを抑制している。
また、後側フレネルレンズ部832Bの第2外側レンズ要素L22に達した光は、屈折して、手LED831Lから半径方向に遠ざかる方向に向けて進行する。
そして、前側フレネルレンズ部832Fの第1中央レンズ要素L11に達した光は、全反射して、手LED831Lから半径方向に遠ざかる方向に向けて進行する。
第1中央レンズ要素L11においても、第2中央レンズ要素L21と同様に、手LED831Lがスポット的に光る所謂点光りを抑制する。
また、前側フレネルレンズ部832Fの第1外側レンズ要素L12に達した光は、屈折して、手LED831Lから半径方向に遠ざかる方向に向けて主に進行する。
ここで、前後方向において、移動側軸部812Sに対して手LED831Lの光の照射方向の下流側(後側)の領域を、非LED対向領域83Nと呼ぶ。そして、非LED対向領域83Nにおいては、移動側軸部812Sが設けらていることで、手LED831Lを配置することができない。従って、非LED対向領域83Nは、他の領域と比較して、比較的暗くなる領域である。
そして、本実施の形態の第1光学部材832は、上述したとおり、前側フレネルレンズ部832Fおよび後側フレネルレンズ部832Bによって、手LED831Lの光を発散させる。さらに、本実施の形態では、前側フレネルレンズ部832Fは、この非LED対向領域83Nを含めた方向に、手LED831Lの光を発散させる。同様に、後側フレネルレンズ部832Bは、この非LED対向領域83Nを含めた方向に、手LED831Lの光を発散させる。そして、本実施の形態の第1光学部材832は、非LED対向領域83Nに向けて光を進行させる。
さらに、第1光学部材832を透過した光は、第2光学部材833に達する。第2光学部材833においては、半径方向凹凸部833Sや周方向凹凸部833Rが設けられている。従って、半径方向凹凸部833Sや周方向凹凸部833Rは、その形状に沿って光っているように見える。
また、第1光学部材832を透過した光の一部は、光拡散部833Fに到達する。そして、光は、光拡散部833Fにて拡散される。上述したとおり、光拡散部833Fは、非LED対向領域83Nに設けられている。そして、光拡散部833Fにおいては、一様に光っているように見える。そのため、非LED対向領域83Nであっても、非LED対向領域83Nが比較的明るく光っているように見える。
以上説明したとおり、本実施形態では、LED光源の直上における輝度が局地的に高くなることを抑制しつつ、さらに、LED光源を直下に配置することができない領域においても、明るく見えるようになっている。これによって、本実施の形態では、発光部83が全体として一様に光るようにしている。
続いて、本実施の形態の可動役物115を用いた演出の一例を説明する。
〔可動役物115の演出例1〕
図54は、可動役物115を用いた演出例1の説明図である。
図54(a)に示すように、画像表示部114の画面には、変動表示中の装飾図柄41が表示されている。その後、所定のタイミングにて、図54(b)に示すように、画面に、演出ボタン161(図2(b)参照)の操作を遊技者に促す指示画像42を表示する。
そして、図54(c)に示すように、遊技者によって演出ボタン161が操作されたタイミング、あるいは、指示画像42の表示開始から予め定められた時間の経過後に、画面に、可動役物115(第1演出部7,第2演出部8)に対応する画像である可動役物画像43を表示する。
その後、図54(d)に示すように、画面の可動役物画像43と重なるように、可動役物115(第1演出部7および第2演出部8)を登場位置に位置させる。さらに、図54(e)に示すように、画面にて、可動役物115(第1演出部7)から衝撃波が発射されているかのような映像効果の画像であるエフェクト画像44を表示する。すなわち、登場位置に位置している可動役物115と、画像表示部114の画面に表示する画像とを、組み合わせた演出を実行する。
そして、演出例1においては、最終的には、2つの装飾図柄41が揃った状態であるリーチ状態が成立する。
以上のように、所謂リーチ演出を実行する際に、可動役物115および画像表示部114を用いて、効果的な演出を行うことができる。
〔可動役物115の演出例2〕
図55は、可動役物115を用いた演出例2の説明図である。
演出例2においては、図55(a)に示すように、画像表示部114に表示される変動オブジェクト51および保留オブジェクト52を表示させる。そして、演出例2では、これら変動オブジェクト51および保留オブジェクト52と、可動役物115とを組み合わせた演出を行う。
なお、演出例2を説明するにあたって、まず、変動オブジェクト51および保留オブジェクト52について説明する。
保留が無い状態で、第1始動口121に遊技球が最初に入賞すると、即時、その最初の入賞に対する変動表示が開始される。この変動表示中に、第1始動口121に遊技球がさらに入賞することによって保留が発生する。このとき、更なる入賞についての変動表示は、直ぐに開始できないので、大当たり判定の権利として保留される。そして、最初の第1始動口121に基づく一の変動表示が終了すると、保留されていた権利に基づいて他の変動表示が、保留された順で行われていく。
画像表示部114の画面には、特別図柄の図柄変動に基づいて、装飾図柄41の変動表示による変動演出が行われる。そして、画面の下側には、特別図柄が変動中(装飾図柄41の変動表示中)となっていることを示す変動オブジェクト51が表示される。
また、RAM303における保留球に対応する記憶領域の情報に基づいて、画像表示部114の画面には、保留オブジェクト52が表示される。保留オブジェクト52は、大当たり判定の権利が保留されていることを示すオブジェクトである。また、本実施の形態では、画面における保留オブジェクト52の表示態様は、事前判定処理による事前判定結果に基づいて決定される。
そして、演出例2では、例えば保留オブジェクト52の表示態様を変化させて、事前判定結果の内容を示唆または報知する演出を行う。すなわち、保留オブジェクト52の表示態様を、事前判定結果の内容を示唆または報知しない場合の表示態様とは異ならせる。表示態様の変化は、例えば、形状を異ならせたり、表示色を異ならせたりすることができる。そして、表示態様を異ならせることで、遊技者に対して、大当たりを期待させるようにする。また、保留オブジェクト52の表示態様について、複数の表示態様が設けられている。さらに、複数の表示態様は、大当たりの期待度に応じて複数段階に設定されている。
また、変動オブジェクト51についても、表示態様を変化させることで、その変動表示に係る判定結果に関して、判定結果を報知する前に、大当たりを期待させることができる。
そして、演出例2では、図55(a)に示すように、第2演出部8を登場位置に位置させる。さらに、発光部83を光らせる。そして、画像表示部114においては、エフェクト画像44を用いて、第2演出部8から保留オブジェクト52に向けて、衝撃波が発射されているかのような演出を行う。
その後、図55(b)に示すように、保留オブジェクト52の表示態様を変化させる。これによって、可動役物115が保留オブジェクト52の表示態様を変化させたかのような演出を遊技者に見せることができる。
また、図55(c)に示すように、画像表示部114において、エフェクト画像44を用いて、第2演出部8から変動オブジェクト51に向けて、衝撃波が発射されているかのような演出を行う。その後、変動オブジェクト51の表示態様を変化させる。これによって、可動役物115が変動オブジェクト51の表示態様を変化させるかのような演出を遊技者に見せることができる。
なお、演出例2において、変動オブジェクト51や保留オブジェクト52の表示態様を変化させる演出を実行するに際して、遊技者に対して、演出ボタン161の操作を促すようにしても良い。演出ボタン161の操作を促すタイミングは、第2演出部8を待機位置から登場位置に移動させる前であったり、第2演出部8が登場位置に位置した状態で、エフェクト画像44を表示する前(表示態様の変化の直前)のタイミングであったりしても良い。
さらに、位置が移動する保留オブジェクト52に対して、複数回、表示態様を変化させる演出を実行しても良い。また、保留オブジェクト52の表示態様の変化は、段階的に、複数回行っても良い。段階的に表示態様を変化させる場合には、遊技者が、例えば大当たりをより期待が高まる表示態様に向けて順に変化させることができる。
なお、本実施の形態の可動役物115の配置は、例えば図1に示す態様に限定されない。例えば、第1演出部7および第2演出部8は、左右方向において、互いに逆の位置に設けられていても良い。さらに、第1演出部7および第2演出部8は、画像表示部114の上側に配置されていても良い。
さらに、本実施の形態において可動役物115(第1演出部7,第2演出部8)が描く形状や、可動役物115が行う動作に関しては、実際の機械構造物であることに限定されない。可動役物115の形状や動作は、例えば画像表示部114において画像により表示し、可動役物115と同様に演出を行うようにしても良い。さらに、画像表示部114とは別に、第2画像表示部(所謂サブ液晶装置)を設ける。なお、第2画像表示部は、複数設けられていても良い。さらに、第2画像表示部は、位置が移動したり、回転可能に構成したりしても良い。そして、この第2画像表示部に可動役物115の形状と同様な画像を表示したり、第2画像表示部を移動させながら可動役物115と同様な動作を実現したりしても良い。
〔可動役物115の演出例3〕
図56、図57および図58は、可動役物115を用いた演出例3の説明図である。
図56(a)に示すように、画像表示部114の画面には、変動表示中の装飾図柄41が表示されている。また、画面には、変動オブジェクト51および保留オブジェクト52が表示されている。さらに、演出例3では、画面には、可動役物画像43が表示される。なお、演出例3において、可動役物画像43は、第1演出部7および第2演出部8に対応する画像であって、第1演出部7および第2演出部8と少なくとも一部や全部が同一または類似する画像である。
そして、演出例3では、これら変動オブジェクト51および保留オブジェクト52と、可動役物115とを組み合わせた演出を行う。
図56(b)に示すように、第1演出部7および第2演出部8を登場位置に位置させる。このとき、第1演出部7の右側第1LED741、左側LED742、右側第2LED743(図41参照)および顔照射LED744(図40参照)の発光量を、第1演出部7が待機位置に位置している状態よりも大きくする。第2演出部8の発光部83の発光量を、待機位置に位置している状態よりも大きくする。
また、画面において、第1演出部7の背後に、例えば炎をモチーフにした第2エフェクト画像45を表示する。
そして、第1演出部7および第2演出部8が登場位置に位置した後、図56(c)に示すように、画面には、予告画像46が表示される。予告画像46は、後に、変動オブジェクト51の表示態様が変化する変化アクションが行われることを示唆する画像である。この例では、予告画像46として、パラシュートが取り付けられた箱が画面の上側から下側に向けて落下する様子が描画される。
なお、この例では、予告画像46が表示された後、第1演出部7および第2演出部8は、待機位置に戻る。
その後、図57(a)に示すように、予告画像46として表示されていた箱が開いて、アイテム画像47が表示される。この例では、アイテム画像47として、例えば機関銃が表示される。アイテム画像47は、その後に変動オブジェクト51の表示態様が変化するにあたって、変化後の変動オブジェクト51の表示態様が示す大当たりの期待度に応じて、複数のアイテム画像47のうちいずれかのアイテム画像47が表示される。つまり、アイテム画像47は、変動オブジェクト51の表示態様の変化の内容を示唆する。
そして、図57(b)に示すように、キャラクタ画像48が登場し、アイテム画像47を用いて変動オブジェクト51の表示態様を変化させる変化アクションが実行される。また、この例では、変化アクションとともに、第1演出部7および第2演出部8が登場位置に位置する。また、第1演出部7および第2演出部8の発光部の発光量は、待機位置に位置している状態よりも大きくなる。
その後、図57(c)に示すように、変化アクションによって、変動オブジェクト51の表示態様が変化する。この例では、例えば変動オブジェクト51の表示色を、大当たりの期待度がより高い表示色に変化させる。
さらに、図58(a)に示すように、第1演出部7および第2演出部8が登場位置に位置する。さらに、画面には、第1演出部7および第2演出部8に対応する画像である可動役物画像43が表示される。特に、図58(a)に示すように、可動役物画像43は、顔の形をした第1演出部画像61と、手の形をした第2演出部画像62とを含んで構成される。
そして、図58(b)に示すように、第2演出部画像62は、図58(a)に示す状態よりも画像が大きくなるとともに、第2演出部8に近づくように表示される。そして、最終的には、第2演出部画像62は、第2演出部8と重なる位置に表示される。このとき、第2演出部画像62の輪郭と、第2演出部8の輪郭とが同様な位置および大きさになる。すなわち、画像である第2演出部8と、機械構造物である第2演出部8とが一体的になる。
また、本実施の形態において、図58(b)に示すように、第2演出部画像62と第2演出部8とが重なる位置に表示されるタイミングで、発光部83が発光する。
そして、演出例3では、図58(c)に示すように、変動オブジェクト51の表示態様が更に変化する。このとき、変動オブジェクト51の表示色を、大当たりの期待度がさらに高くなる表示色に変化させる。また、この例では、変動オブジェクト51には、第1演出部7、第2演出部8、可動役物画像43に対応するオブジェクト装飾画像53が重畳して表示される。
また、演出例3では、上述した、第2演出部画像62が、第2演出部8と重なる位置に表示されるというアクションが行われた後に、左側の装飾図柄41および右側の装飾図柄41が揃ってリーチ状態になる。
なお、演出例3において、図58(a)に示すように、第2演出部画像62が表示された後、第2演出部画像62が第2演出部8と重なる位置に表示されずに失敗するという演出を行っても良い。そして、この場合には、左側の装飾図柄41および右側の装飾図柄41が揃わずにリーチが不成立になるという演出を行っても良い。
以上のように、演出例3においては、第1演出部7および第2演出部8の動作と、画面に表示される画像との一体的な演出に伴って、変動オブジェクト51の表示態様が変化するという変化アクションが行われる。
なお、上記の例では、変動オブジェクト51を例に用いているが、保留オブジェクト52についても同様な演出を行うことができる。
また、演出例2や演出例3において、変動オブジェクト51や保留オブジェクト52の表示色を変化させる際に、第1演出部7や第2演出部8における発光部の発光色を、変動オブジェクト51および保留オブジェクト52の発光色に対応させても良い。この場合に、第1演出部7や第2演出部8の発光色を特定の色に発光させるタイミングは、変動オブジェクト51や保留オブジェクト52について表示色を変化させる前であったり、実際に表示色を変化させるタイミングであったりすることができる。
また、第1演出部7や第2演出部8の発光部の発光態様によって、変動オブジェクト51および保留オブジェクト52による大当たりの期待度を表すようにしても良い。
〔可動役物115の演出例4〕
図59は、可動役物115を用いた演出例4の説明図である。
なお、演出例4は、単独の演出として実行することが可能なものであるが、本実施の形態においては、上述した演出例3に引き続いて実行されるものである。
図59(a)に示すように、画像表示部114の画面には、変動表示中の装飾図柄41が表示されている。また、画面には、変動オブジェクト51および保留オブジェクト52を表示させる。さらに、画面には、標的画像63が表示されている。そして、演出例3では、標的画像63と可動役物115とを組み合わせた演出を行う。
演出例4において、標的画像63は、第1標的画像631と、第2標的画像632と、第3標的画像633とを含んでいる。そして、後述するように、これらの標的画像63に対して攻撃を行って標的を撃破することができれば、その後、標的画像63が表示する内容の演出が実行される。
第1標的画像631は、大当たりになることを遊技者が確信できる内容を表示する画像である。第2標的画像632は、画面の背景が、大当たりの期待度が高まる背景(ゾーン)に移行することを示す画像である。第3標的画像633は、疑似連演出が実行されることを示す画像である。
ここで、疑似連演出は、特別図柄の一変動分の変動表示において、複数回分の装飾図柄の変動表示が行われているかのように見せる演出である。疑似連演出では、例えば、リーチ状態となる前に、装飾図柄を変動させた後、装飾図柄を一旦、仮停止させた後、その仮停止した装飾図柄を含めて再び装飾図柄の変動表示を開始させる。なお、仮停止とは、装飾図柄が一見すると停止しているように見えるが、完全に停止せず例えば装飾図柄が僅かに動いている状態のことである。
そして、本実施の形態のパチンコ遊技機100においては、疑似連演出が行われる場合には、大当たりの期待度が高まるようになっている。
なお、上述した標的画像63について、大当たりの期待度の観点では、第3標的画像633、第2標的画像632、第1標的画像631の順に、大当たりの期待度が高くなる。このように、標的画像63として、大当たりの期待度が異なる複数の標的画像63が表示される。
そして、演出例4においては、図59(b)に示すように、可動役物画像43が表示され、標的画像63に対して攻撃を行うような表示が行われる。さらに、図59(c)に示すように、本実施の形態においては、第1演出部7から衝撃波が発射されているかのような映像効果の画像であるエフェクト画像44を表示する。そして、この例では、第3標的画像633が撃破される。したがって、その後、疑似連演出が実行される。
図60は、可動役物115の他の適用例を説明するための図である。
なお、図60は、可動役物115が設けられたスロットマシン990の概略側面図である。
例えば、図60に示すように、スロットマシン990に可動役物115が設けられても良い。
具体的には、スロットマシン990は、回転しながら複数種類の図柄を例えば上から下へと循環させるように表示するリール901と、メダルが投入されるメダル投入口903と、リール901の回転を開始させるために操作される操作レバー905と、リール901の回転を停止させるために操作されるストップボタン907と、メダルが払い出されるメダル払出口909と、遊技に応じて表示による演出や情報表示を行う液晶ディスプレイ991と、液晶ディスプレイ991の前面を覆う透明板993とを備える。
また、このスロットマシン990は、液晶ディスプレイ991と透明板993との間の前後方向における空間に可動役物115を備える。そして、この可動役物115は、上記のように、左右方向および上下方向に移動することで、上述した演出を行うことができる。
上述したとおり、本実施の形態においては、遊技機の興趣性を高めることができる演出部を提供することを目的として、以下の構成を採用した。
◆この遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)は、筒状の軸部(例えば、ベース軸部801)を有するベース部材(例えば、第2ベース部8A)と、電子部品(例えば、第2基板831)を有するとともに、前記ベース部材(例えば、第2ベース部8A)の前記軸部(例えば、ベース軸部801)に回転可能に支持されて移動する移動部(例えば、移動腕81)と、前記軸部(例えば、ベース軸部801)の内側に通され、前記移動部(例えば、移動腕81)の前記電子部品(例えば、第2基板831)に電気的に接続する配線(例えば、発光配線ケーブル822)と、を備える遊技機である。
◆この遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)は、演出を行う演出部(例えば、手装飾部80)を有する遊技機であって、前記演出部(例えば、手装飾部80)における所定位置(例えば、移動側軸部812S)の周囲に配置されて発光する発光部(例えば、手LED831L)と、前記発光部(例えば、手LED831L)の発光方向において当該発光部(例えば、手LED831L)よりも下流側に配置されるとともに、当該発光方向の下流側であって前記所定位置(例えば、移動側軸部812S)に対応する所定領域(例えば、非LED対向領域83N)を含めた方向に当該発光部(例えば、手LED831L)の光を発散させる発散部(例えば、前側フレネルレンズ部832F,後側フレネルレンズ部832B)を有する第1光学部(例えば、第1光学部材832)と、前記発光方向において前記第1光学部(例えば、第1光学部材832)よりも下流側に配置されるとともに、少なくとも前記所定領域(例えば、非LED対向領域83N)に設けられて当該第1光学部(例えば、第1光学部材832)を透過した光を拡散させる拡散部(例えば、光拡散部833F)を有する第2光学部(例えば、第2光学部材833)と、を備える遊技機である。
◆この遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)は、発光する発光部(例えば、顔照射LED744)と、前記発光部(例えば、顔照射LED744)の光を透過可能に構成され、当該発光部(例えば、顔照射LED744)の光に照らされて演出を行う演出部(例えば、顔透過部72)と、前記発光部(例えば、顔照射LED744)の光を前記演出部(例えば、顔透過部72)に向けて反射する反射部(例えば、反射層751)と、前記演出部(例えば、顔透過部72)と前記反射部(例えば、反射層751)との間に設けられ、前記発光部(例えば、顔照射LED744)の光を導光する導光部(例えば、導光部75)と、を備える遊技機である。
◆この遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)は、遊技機本体の前後方向と交差する所定方向に沿って光を照射する第1発光部(例えば、右側第1LED741)と、前記所定方向に沿って光を照射する第2発光部(例えば、右側第2LED743)と、前記第1発光部(例えば、右側第1LED741)に対向する第1対向部(例えば、第1領域731A)、および前記所定方向において当該第1発光部(例えば、右側第1LED741)とは異なる位置に形成され前記第2発光部(例えば、右側第2LED743)に対向する第2対向部(例えば、第2領域731B)を有し、当該第1発光部(例えば、右側第1LED741)および当該第2発光部(例えば、右側第2LED743)から入射した光を拡散する拡散部材(例えば、目透過部73)と、を備える遊技機である。
◆上記の目的を達成する本発明は、次のような遊技機として実現される。この遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)は、演出を行う演出部(例えば、顔装飾部70)と、前記演出部(例えば、顔装飾部70)に設けられ、入射する光を遊技者側に向けて進行させる光学部(例えば、目透過部73)と、基板(例えば、第1基板74)の第1面に設けられて当該基板(例えば、第1基板74)に沿った方向に光を照射し、前記光学部(例えば、目透過部73)を照らす第1発光部(例えば、右側第1LED741)と、前記基板(例えば、第1基板74)の第2面に設けられ、当該基板(例えば、第1基板74)に沿った方向に光を照射し、前記光学部(例えば、目透過部73)を照らす第2発光部(例えば、右側第2LED743)と、を備える遊技機である。
◆上記の目的を達成する本発明は、次のような遊技機として実現される。この遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)は、移動可能に設けられて演出を行う演出部(例えば、可動役物115)と、前記演出部(例えば、可動役物115)に対応する画像である特定演出画像(例えば、可動役物画像43)を表示可能な画像表示部(例えば、画像表示部114)と、を備え、前記画像表示部(例えば、画像表示部114)は、前記演出部(例えば、可動役物115)と重なる位置に前記特定演出画像(例えば、可動役物画像43)を表示させることを特徴とする遊技機である。
なお、本実施の形態では、遊技制御部200の主制御処理において、主制御処理の各処理で生成されたコマンドを最後にまとめて演出制御部300へ出力する動作について説明した(図8参照)。
また、本実施の形態では、電源復帰時に、遊技制御部200により初期的に実行される基本処理において、設定の初期化を指示するコマンド等を演出制御部300へ出力するために、主制御処理で用いられる出力制御部240の機能(サブルーチン)を呼び出して実行することについて説明した(図6参照)。
また、本実施の形態では、遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマンドを「コード部」と「データ部」とで構成し、各々の先頭ビットに識別用のフラグを設けることについて説明した(図24−2参照)。
また、本実施の形態では、遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマンドの「コード部」の一部を、データ値を記述するために用いる構成について説明した。
〔本実施の形態の技術的特徴〕
◆上記のように、本実施の形態では、遊技制御手段の動作を制御する制御命令の増加を削減するため、遊技制御部200により所定の時間間隔で繰り返し実行される主制御処理において、1サイクルの主制御処理の最後に、その1サイクルの実行で生成されたコマンドをまとめて、演出制御部300へ出力することとした。すなわち、上記の目的を達成する遊技機は、遊技の進行に応じて演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、遊技の進行に関する一連の処理である主制御処理を所定の条件にしたがって繰り返し実行し、当該主制御処理を実行して得られた遊技に関する情報を含むデータを生成する遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)と、一連の前記主制御処理を1サイクル実行する度に、当該1サイクルの実行により生成された前記データを、当該1サイクルの実行における最後のデータの生成が行われた後に出力する出力手段(例えば、出力制御部240)と、前記出力手段(例えば、出力制御部240)から出力されたデータを受け付け、受け付けたデータに基づき演出を行う演出制御手段(例えば、演出制御部300)と、を備える。
このようにすれば、生成されたデータごとに出力処理を行う必要がないため、出力処理を行うための制御命令を削減し、プログラムサイズの増大を抑制することができる。また、データが生成される度に出力処理を行う必要がないため、出力処理全体に要する時間を短縮することができる。
また、より詳細には、上記の遊技機において、前記主制御処理で生成されたデータを、データごとに設定された記憶領域(例えば、コマンド格納領域)に記憶する記憶手段(例えば、RAM203)をさらに備え、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)は、前記主制御処理において生成した前記データを、生成したデータに対応付けられた前記記憶領域(例えば、コマンド格納領域)に記憶させ、前記出力手段(例えば、出力制御部240)は、前記記憶手段(例えば、RAM203)の各記憶領域に対してデータが記憶されているか否かを調べ、データが記憶されている記憶領域からデータを読み出して出力する。
このようにすれば、出力処理を行う度に、各記憶領域を確認して、記憶されているデータを出力するので、データ出力の漏れを防止することができる。
◆また、上記の目的を達成する他の遊技機は、遊技の進行に応じて演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、遊技の進行に関する一連の処理である主制御処理を所定の条件にしたがって繰り返し実行し、当該主制御処理とは異なる条件にしたがって当該主制御処理とは異なる特別処理を実行する遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)と、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)から出力されたデータを受け付け、前記データに基づき演出に関わる処理を行う演出制御手段(例えば、演出制御部300)と、を備え、前記主制御処理において前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)による処理は、遊技の進行に基づく処理を行うと共に、当該処理を実行して得られた情報を含むデータを生成する1または複数の第1の処理手段(例えば、遊技制御部200)を呼び出して実行する部分と、前記第1の処理手段(例えば、遊技制御部200)の実行により生成されたデータを前記演出制御手段(例えば、演出制御部300)へ出力する第2の処理手段(例えば、出力制御部240)を呼び出して実行する部分と、を含み、前記特別処理において前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)による処理は、遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)の設定を行う設定処理を実行する部分と、前記設定処理において生成されたデータを、前記主制御処理における前記第2の処理手段(例えば、出力制御部240)を呼び出して、前記演出制御手段(例えば、演出制御部300)へ出力する部分と、を含む、構成とすることができる。
このようにすれば、特別処理で生成されたデータの出力処理を行うために個別の制御命令を用意する必要がないため、出力処理を行うための制御命令を削減し、プログラムサイズの増大を抑制することができる。
また、より詳細には、上記の遊技機において、前記主制御処理で生成されたデータを、データごとに設定された記憶領域に記憶する記憶手段(例えば、RAM203)をさらに備え、前記主制御処理における前記第1の処理手段(例えば、遊技制御部200)は、処理の実行により生成した前記データを、生成したデータに対応付けられた前記記憶領域(例えば、コマンド格納領域)に順次記憶させ、前記主制御処理における前記第2の処理手段(例えば、出力制御部240)は、前記記憶手段(例えば、RAM203)の各記憶領域に対してデータが記憶されているか否かを調べ、データが記憶されている記憶領域からデータを読み出して出力し、前記特別処理における前記設定処理では、前記設定処理において生成されたデータを、前記記憶手段(例えば、RAM203)における所定の前記記憶領域に記憶させる。
このようにすれば、出力処理を行う度に、各記憶領域を確認して、記憶されているデータを出力するので、データ出力の漏れを防止することができる。
◆また、本実施の形態では、遊技制御手段から演出制御手段へのデータ伝送の精度を向上させるため、第1データ部である「コード」の所定のビットと、第2データ部である「データ」の所定のビットを、「コード」と「データ」とを識別するためのフラグとして用いた。すなわち、上記の目的を達成する遊技機は、遊技の進行に応じて演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、遊技の進行に関する主制御処理を実行し、当該主制御処理を実行して得られた遊技に関する情報を含むデータを生成して出力する遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)と、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)から出力されたデータを受け付け、受け付けたデータに基づき演出に関わる処理を行う演出制御手段(例えば、演出制御部300)と、を備え、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)により生成される前記データは、aビット(aは2以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が1または0の何れか一方に特定されている第1データ部(例えば、「コード」)と、n×aビット(nは1以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が前記第1データ部(例えば、「コード」)の先頭の1ビットの値とは異なる値に特定されている第2データ部(例えば、「データ」)と、を含む、構成とすることができる。
このようにすれば、先頭の1ビットの値を認識することにより、第1データ部と第2データ部とを明確に区別することができるため、遊技制御手段から演出制御手段へのデータ伝送の精度を向上させることができる。
また、より好ましくは、上記の遊技機において、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)により生成される前記データの前記第2データ部(例えば、「データ」)は、先頭からaビットごとに、先頭の1ビットの値と同じ値が設定される。
このようにすれば、第2データ部のサイズが大きい場合でも、特定のサイズごとに切り分けて、各々が第2データ部であることを識別することが容易となる。
◆また、本実施の形態では、実行対象の変動パターンを特定するコマンドを送信する場合のように、大きなサイズのデータを送る必要がある場合にも、遊技制御手段から演出制御手段へ送られるデータ全体のサイズの増大を抑制するため、第1データ部である「コード」の所定のビットをデータ値を記述するために用い、「コード」の一部と第2データ部である「データ」とでデータ値を記述する手法を提案した。すなわち、上記の目的を達成する遊技機は、遊技の進行に応じて演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、遊技の進行に関する主制御処理を実行し、当該主制御処理を実行して得られた遊技に関する情報を含むデータを生成して出力する遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)と、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)から出力されたデータを受け付け、当該データに基づき演出に関わる処理を行う演出制御手段(例えば、演出制御部300)と、を備え、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)により生成される前記データは、aビット(aは3以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が1または0の何れか一方に特定されている第1データ部(例えば、「コード」)と、n×aビット(nは1以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が前記第1データ部(例えば、「コード」)の先頭の1ビットの値とは異なる値に特定されている第2データ部(例えば、「データ」)と、を含み、前記第1データ部(例えば、「コード」)を構成する所定のビットと、前記第2データ部(例えば、「データ」)を構成するビットとを用いて、所定の種類のデータが記録され、当該第1データ部(例えば、「コード」)における当該所定のビットを除く残りのビットを用いて、当該所定の種類のデータとは異なる他の種類のデータが記録される構成とすることができる。
また、上記の目的を達成する他の本発明による遊技機は、遊技の進行に応じて演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、遊技の進行に関する主制御処理を実行し、当該主制御処理を実行して得られた遊技に関する情報を含むデータを生成して出力する遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)と、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)から出力されたデータを受け付け、当該データに基づき演出に関わる処理を行う演出制御手段(例えば、演出制御部300)と、を備え、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)により生成される前記データは、aビット(aは3以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が1または0の何れか一方に特定されている第1データ部(例えば、「コード」)と、aビットのサイズで、先頭の1ビットの値が前記第1データ部(例えば、「コード」)の先頭の1ビットの値とは異なる値に特定されている第2データ部(例えば、「データ」)と、を含み、前記第1データ部(例えば、「コード」)を構成するbビット(bはa−1よりも小さく、1以上の整数)と、前記第2データ部(例えば、「データ」)を構成するaビットとを用いて、(a+b)ビットのサイズのデータが記録される構成とすることができる。
上記のような構成とすれば、第1データ部および第2データ部の合計サイズを変えることなく、第2データ部に記録されるべきデータのサイズを、より大きくすることが可能となるため、遊技制御手段から演出制御手段へ大きなサイズのデータを送る場合に、伝送されるデータ全体のサイズの増大を抑制することができる。
なお、パチンコ遊技機100(図1参照)は遊技機の一例である。遊技制御部200(図3参照)は遊技制御手段の一例である。演出制御部300(図3参照)は演出制御手段の一例である。出力制御部240(図5参照)は出力手段の一例である。RAM203(図3参照)は記憶手段の一例である。コマンド格納領域は記憶領域の一例である。
43…可動役物画像(特定演出画像の一例)、
100…パチンコ遊技機(遊技機の一例)、
115…可動役物(演出部の一例)
上記の目的を達成する本発明は、次のような遊技機として実現される。この遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)は、移動可能に設けられて演出を行う演出部(第2演出部8)と、前記演出部(第2演出部8)に対応する画像である特定演出画像(第2演出部画像62)を表示可能な画像表示部(例えば、画像表示部114)と、を備え、前記画像表示部(例えば、画像表示部114)に表示される所定方向の前記特定演出画像(第2演出部画像62)の向きに対して前記演出部(第2演出部8)の向きが対応し、前記演出部(第2演出部8)は、前記所定方向の前記特定演出画像(第2演出部画像62)と重なる位置に移動することが可能なことを特徴とする遊技機である。

Claims (1)

  1. 移動可能に設けられて演出を行う演出部と、
    前記演出部に対応する画像である特定演出画像を表示可能な画像表示部と、を備え、
    前記画像表示部は、前記演出部と重なる位置に前記特定演出画像を表示させることを特徴とする遊技機。
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""CR COBRA〜激アツ演出"", YOUTUBE, JPN6017015721, 7 July 2012 (2012-07-07), ISSN: 0003553335 *

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