JP2018000512A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】装着補助者が着用者に対して装着するための吸収性物品において、着用者の体位の変更する回数を低減し、装着補助者及び着用者の負担を軽減する。【解決手段】吸収性物品1は、幅方向Wにおける前胴回り域S2の一方側W1の外側縁22E1と、幅方向Wにおける後胴回り域S3の一方側W1の外側縁23E1と、がサイド接合部29によって接合されている。幅方向における後胴回り域S3の他方側W2の外側縁23E2には、前胴回り域S2に止着可能な止着部材27が設けられている。第1弾性部材61は、吸収体の外側縁を跨って配置され、かつ幅方向Wの内側から幅方向の外側に向かって後方に延びる傾斜部61Dを有する。傾斜部61Dは、後胴回り域S3の少なくとも他方側W2に設けられ、前胴回り域に設けられていない。【選択図】図3

Description

本発明は、装着補助者が成人の着用者に対して装着するための吸収性物品に関する。
従来、装着補助者が着用者に対して装着するための吸収性物品は公知である。例えば、特許文献1及び2は、吸収性物品としてのテープタイプの使い捨ておむつを開示している。テープタイプの使い捨ておむつは、着用者の股下に当てられる股下域と、着用者の腹側に当てられる前胴回り域と、着用者の背側に当てられる後胴回り域と、を有する。前胴回り域と後胴回り域のいずれか一方の幅方向の両外側には、前胴回り域と後胴回り域の他方に止着可能な止着部材が設けられている。
このようなテープタイプの使い捨ておむつを装着補助者が着用者に対して装着する際は、例えば、着用者の腰回りを持ち上げて、腰回りの下方に後胴回り域を敷いた後に、前胴回り域によって装着補助者の腹部を覆い、後胴回り域に設けられた止着部材を前胴回り域に止着する。
しかし、例えば、装着補助者としての介護者が成人の着用者に対して吸収性物品を装着する際は、介護者が着用者の腰回りを持ち上げて、腰回りの下方に後胴回り域を敷くことが難しい。そのため、例えば、図9によって示す方法によって、使い捨ておむつ100を装着補助者が仰向けに寝た成人の着用者に対して装着することができる。装着補助者は、まず、着用者の体位を変更する。具体的には、仰向けで寝ている状態(図9(a))から横向きに寝た状態(図9(b))に変更する。装着補助者は、着用者を横向きに寝かせた状態で、使い捨ておむつの幅方向の中心100CLと身体の中心とが合うように使い捨ておむつ100を着用者の背側に敷く。このとき、装着補助者は、使い捨ておむつの幅方向の中心100CLに対して身体が下になっている側の第1領域101を寄せ集めて、身体の下側付近に寄せるとともに、第1領域101と反対側の第2領域102を広げた状態で敷いておく(図9(b))。次いで、装着補助者は、第2領域102上に着用者の身体が乗るように着用者の体位を仰向けに変更する(図9(c))。次いで、装着補助者は、着用者の体位を仰向けの状態から反対側の横向きの状態に変更し(図9(d))、着用者の身体の下から第1領域101を幅方向の外側に引き出す(図9(e))。次いで、装着補助者は、着用者の体位を再度仰向けに変更し、前胴回り域によって装着補助者の腹部を覆い、後胴回り域に設けられた止着部材107を前胴回り域に止着する(図9(f))。
また、特許文献3は、吸収性物品としてのパンツタイプの使い捨ておむつを開示している。パンツタイプの使い捨ておむつは、着用者の股下に当てられる股下域と、着用者の腹側に当てられる前胴回り域と、着用者の背側に当てられる後胴回り域と、を有し、前胴回り域と後胴回り域とは、両外側縁において互いに接合されている。
このようなパンツタイプの使い捨ておむつを装着補助者が着用者に対して装着する際は、例えば、立った状態の着用者に対しては、着用者の両脚をおむつに通し、前胴回り域及び後胴回り域を着用者の腰回りまで引き上げる。また、寝た状態の着用者に対しては、着用者の両脚をおむつに通し、前胴回り域及び後胴回り域を寝た状態の着用者の腰回りの手前側(脚側)まで引き上げる。そして、装着補助者が着用者の両脚をもって着用者の臀部を持ち上げ、寝具に対して身体が浮いた状態を実現し、着用者の腰回りにおむつを引き上げる。
特開2005−287871号公報 特開2009−291236号公報 特許5135379号公報
装着補助者がテープタイプの吸収性物品を仰向けに寝た着用者に装着するためには、仰向けから横向きへの体位の変更、横向きから仰向けへの体位の変更、仰向けから横向きへの体位の変更、及び横向きから仰向けへの体位の変更を行わなければならず、少なくとも4回の体位の変更が必要であった。着用者は、着用者によって可能な動作が異なり、特に成人の着用者においては、寝たきりの状態であって、自力で起き上がることができない者もいる。そのため、装着補助者は、着用者の体位を変える際に装着補助者の力を使って着用者を動かさなければならず、繰り返し体位を変更することによる体力的な負担があった。また、着用者は、繰り返し体位を変更することによって、体力が消耗したり、痛みや不快感が生じたりすることがあり、精神的な負担及び体力的な負担があった。
また、装着時補助者がパンツタイプの吸収性物品を寝た着用者に装着するためには、着用者の腰回りを持ち上げる必要があった。特に成人であって寝たきりの着用者においては、装着補助者の力を使って着用者の腰回りを持ち上げなければならず、体力的な負担があった。
本開示は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、装着補助者が着用者に対して装着するための吸収性物品において、着用者の体位の変更する回数を低減し、装着補助者及び着用者の負担を軽減することを目的とする。
本開示に係る吸収性物品(吸収性物品1)は、互いに直交する前後方向(前後方向L)及び幅方向(幅方向W)と、前記股下域よりも前後方向の外側に位置し、止着部材を有する第1胴回り域(後胴回り域S3)と、前記股下域よりも前後方向の外側に位置し、前記止着部材が止着可能な第2胴回り域(前胴回り域S4)と、前記股下域から前記第1胴回り域及び前記第2胴回り域の少なくとも一方に延びる吸収体(吸収体13)と、前記幅方向に伸縮する弾性部材(第1弾性部材61、第2弾性部材63)と、を備えた吸収性物品であって、前記幅方向における前記第1胴回り域の一方側(一方側W1)の外側縁と、前記幅方向における前記第2胴回り域の一方側の外側縁と、は、サイド接合部によって接合されており、前記幅方向における前記第1胴回り域の他方側の外側縁には、前記止着部材(止着部材27)が設けられており、前記弾性部材は、前記吸収体の外側縁を跨って配置され、かつ前記幅方向の内側から前記幅方向の外側に向かって前記前後方向の外側に延びる傾斜部を有し、前記傾斜部は、前記第1胴回り域の少なくとも前記他方側に設けられ、前記第2胴回り域に設けられていないことを要旨とする。
本発明に係る吸収性物品によれば、装着補助者が着用者に対して装着するための吸収性物品において、着用者の体位の変更する回数を低減し、装着補助者及び着用者の負担を軽減することができる。
実施の形態に係る吸収性物品の斜視イメージ図である。 実施の形態に係る吸収性物品の斜視イメージ図である。 図1に示す吸収性物品の展開状態の平面図である。 図1に示す吸収性物品の展開状態の平面図である。 図1に示すA−A線に沿った吸収性物品の断面図である。 実施の形態に係る吸収性物品の装着態様を説明するための図である。 実施の形態に係る吸収性物品の装着態様を説明するための図である。 実施の形態に係る吸収パッドの交換態様を説明するための図である。 従来に係る吸収性物品の装着態様を説明するための図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
互いに直交する前後方向及び幅方向と、
股下域と、
前記股下域よりも前後方向の外側に位置し、止着部材を有する第1胴回り域と、
前記股下域よりも前後方向の外側に位置し、前記止着部材が止着可能な第2胴回り域と、
前記股下域から前記第1胴回り域及び前記第2胴回り域の少なくとも一方に延びる吸収体と、
前記幅方向に伸縮する弾性部材と、を備えた吸収性物品であって、
前記幅方向における前記第1胴回り域の一方側の外側縁と、前記幅方向における前記第2胴回り域の一方側の外側縁と、は、サイド接合部によって接合されており、
前記幅方向における前記第1胴回り域の他方側の外側縁には、前記止着部材が設けられており、
前記弾性部材は、前記吸収体の外側縁を跨って配置され、かつ前記幅方向の内側から前記幅方向の外側に向かって前記前後方向の外側に延びる傾斜部(傾斜部61D)を有し、
前記傾斜部は、前記第1胴回り域の少なくとも前記他方側に設けられ、前記第2胴回り域に設けられていない、吸収性物品。
かかる吸収性物品によれば、吸収性物品の一方側に着用者の片脚を通した状態で、吸収体の他方側を着用者の身体を覆うように配置して、寝た状態の着用者に対して吸収性物品を装着できる。仰向けから横向きへの体位の変更と横向きから仰向けへの体位の変更との2回の着用者の体位の変更によって、装着補助者が仰向けに寝た状態の着用者に吸収性物品を装着することができる。よって、体位の変更回数を低減し、繰り返し体位を変更することによる装着補助者及び着用者の負担を軽減することができる。
また、吸収性物品の第1胴回り域の他方側には、吸収体の外側縁を跨ぐ傾斜部と、止着部材と、が設けられている。着用者が仰向け寝の状態で装着補助者が止着部材を吸収性物品の他方側の外側に引っ張ることにより、傾斜部も幅方向の外側に引っ張られる。傾斜部によって吸収体の幅を広げることができるとともに、傾斜部を鼠蹊部又は臀部の付け根に沿わせるように当てることができる。また、装着補助者が吸収性物品の他方側を幅方向の外側に引っ張ることにより、傾斜部によって吸収体の縁部を前後方向の外側に引き上げることができる。股下域の吸収体は、着用者の股下側に引き上げられ、身体に密着する。一方、傾斜部は、第2胴回り域に設けられていない。よって、第2胴回り域の吸収体の外側縁は、幅方向の内側かつ股下域側に向かうように収縮力が発生し難い。仮に第2胴回り域に傾斜部が配置されていると、第2胴回り域が斜め方向に伸縮するためと、止着部材を止着する際に、装着補助者が傾斜部を伸ばすように手を添える必要があり、装着補助者の肉体的な負荷が増加することがある。傾斜部は、第2胴回り域に設けられていないことにより、止着部材の止着時に装着補助者が幅方向に延ばす作業が不要となり、肉体的な負荷を最小限に抑えることができる。装着補助者が第2胴回り域を幅方向に引っ張る作業を行うことなく、第2胴回り域の吸収体全体を着用者の身体に沿わせた状態で、吸収性物品を装着できる。
かかる吸収性物品であって、
前記傾斜部は、前記第1胴回り域の前記他方側と前記第1胴回り域の前記一方側とにおいて前記吸収体の外側縁をそれぞれ跨いで配置されていることが望ましい。
かかる吸収性物品によれば、第1胴回り域の一方側の吸収体の外側縁及び他方側の吸収体の外側縁を跨ぐように第1弾性部材が配置されていることにより、吸収性物品の一方側と他方側の両方において吸収体を股下部側から第1胴回り部側に引き上げることができる。また、第1弾性部材によって吸収体の幅方向全域を伸ばし、吸収体の幅方向全域において皺やよれを低減し、平面状態を維持し易い。着用者の股下に対して、平面状態の吸収体を密着させることができる。また、一方側の吸収体も斜め方向に伸ばされることにより、両鼠蹊部又は両臀部の付け根に傾斜部を沿わせることができる。
かかる吸収性物品であって、
前記第1胴回り域の前記弾性部材は、一対の前記傾斜部と、前記一対の傾斜部間を繋ぎ、前記幅方向に沿って伸縮する中央部と、を有し、
前記吸収性物品を伸長した伸長状態における前記傾斜部の伸長倍率は、前記伸長状態における前記中央部の伸長倍率よりも高いことが望ましい。
かかる吸収性物品によれば、中央部の伸長倍率が比較的低いため、第1弾性部材の収縮によって吸収体の幅が短くなることを抑制できる。また、傾斜部の伸長倍率が比較的高いため、第1弾性部材の収縮による吸収体の引き上げ効果をより発揮できる。すなわち、中央部と傾斜部の伸長倍率を異ならせることにより、吸収体の幅が狭くなることを抑制しつつ吸収体の引き上げ効果を得ることができる。また、一方側の吸収体の外側縁及び他方側の吸収体の外側縁の両方を斜め方向に伸ばし、吸収体の幅を広げることができるとともに、両鼠蹊部又は両臀部の付け根に傾斜部を沿わせることができる。
また、傾斜部と中央部とが連続していることにより、左右の傾斜部が連動し、第1弾性部材によって吸収体の幅方向全域を引っ張ることができる。よって、装着補助者が、第1胴回り部の他方側を引っ張った際に、吸収体の他方側の外側縁のみならず吸収体の一方側の外側縁も引っ張りやすくなり、吸収体の幅方向全域の位置を調整し易くなる。第1胴回り域の吸収体の幅方向の全域を平らな状態とし易くなり、吸収体を身体に沿わせて配置し、吸収体よりも幅方向の外側の脚回り開口部周辺を着用者に脚回りに隙間なくフィットさせることができる。
かかる吸収性物品であって、
前記第2胴回り域には、前記止着部材が止着するターゲット部と、前記前後方向に伸縮しない前後非伸縮領域と、が設けられており、
前記前後非伸縮領域は、前記ターゲット部の全域に重なることが望ましい。
かかる吸収性物品によれば、ターゲット部は、前後非伸縮領域に重なっており、前後方向に収縮しない状態を維持できる。よって、止着部材がターゲット部に止着し易い。また、ターゲット部は、前胴回り域に配置された弾性部材によって幅方向に収縮した状態となることがある。止着部材がターゲット部に止着すると、ターゲット部と止着部材には、着用者の腰回りに沿う力がかかる。当該力によって、ターゲット部における幅方向の収縮による皺やよれが解消する。また、ターゲット部には、止着部材が止着した際に幅方向に沿った力のみかかり、前後方向に沿う力や幅方向に対して傾斜する力がかかり難い。よって、止着部材の止着時にターゲット部に意図しない皺やよれが発生することを抑制し、止着部材がフラットな状態のターゲット部に止着し、止着状態を維持し易くなる。また、ターゲット部と止着部材には、着用者の腰回りに沿う力が掛かり、前後方向に沿う力や幅方向に対して傾斜する力がかかり難いため、止着部材がターゲット部に止着した後に、第1胴回り域の弾性応力により、お互いが幅方向に沿った力であって逆方向に向かって引っ張られる。そのため、止着部材の先端がターゲット部に入り込みやすくなり、止着状態を維持しやすくなる。
かかる吸収性物品であって、
前記第2胴回り域には、前記止着部材が止着されるターゲット部が設けられており、
前記吸収性物品の前記一方側に設けられた第1脚回り開口部と、前記止着部材を前記ターゲット部に止着した状態において前記吸収性物品の前記他方側に形成される第2脚回り開口部と、を有し、
前記吸収性物品を伸長した伸長状態において、前記第1脚回り開口部の長さは、前記第2脚回り開口部の長さよりも短いことが望ましい。
吸収性物品の使用態様として、吸収性物品全体を使用後の交換する態様のみならず、吸収性物品の内側に吸収パッドを配置し、使用後に吸収パッドのみを交換することがある。このように吸収パッドのみを交換する際は、止着部材を取り外すことによって他方側に吸収パッドを出し入れするための開口が形成されるため、着用者の片脚を第1脚回り開口部に挿入した状態で吸収パッドの交換作業を行うことができる。
第1脚回り開口部の長さが第2脚回り開口部の長さよりも短いため、第1脚回り開口部が着用者の脚回りに密着し易い。吸収パッドの交換時に着用者が動いたり装着補助者が吸収性物品を移動したりした際に第1脚回り開口部が意図せずに移動することを抑制し、吸収性物品の装着作業や吸収パッドの交換作業を円滑に進めることができる。また、第2脚回り開口部を比較的広いため、吸収パッドを出し入れするための開口を広く形成することができ、吸収パッドの交換作業を円滑に進めることができる。
かかる吸収性物品であって、
前記第1胴回り域には、前記吸収体よりも前記幅方向の外側において前記幅方向に沿って伸縮する第1弾性領域が設けられており、
前記第1弾性領域の前記一方側の外側縁と前記股下域の中心との前記幅方向における距離は、前記第1弾性領域の前記他方側の外側縁と前記股下域の中心との前記幅方向における距離よりも短いことが望ましい。
装着時に、着用者の片脚を第1脚回り開口部に通し、かつ股下域を着用者の身体の中心の位置に合わせた状態で、第1胴回り域の他方側を引っ張ると、第1弾性領域が伸びる。このとき、第1後弾性領域の伸長に伴って股下域が他方側に動くことがある。かかる吸収性物品によれば、その動きを予め見越して、第1弾性領域の一方側の外側縁と股下域の中心との幅方向における距離を第1弾性領域の他方側の外側縁と股下域の中心との幅方向における距離より短くすることで、股下域が他方側に動き過ぎることを抑制し、股下域が着用者の身体の中心からずれてしまうことを抑制することができる。
かかる吸収性物品であって、
前記第1胴回り域には、前記吸収体よりも前記幅方向の外側において前記幅方向に伸縮する第1弾性領域が設けられ、
前記第2胴回り域には、前記吸収体よりも前記幅方向の外側において前記幅方向に伸縮する第2弾性領域が設けられ、
前記第1弾性領域の前記幅方向における伸縮率は、前記第2弾性領域の前記幅方向における伸縮率よりも低いことが望ましい。
かかる吸収性物品によれば、第1弾性領域の伸縮率が比較的低いため、吸収性物品の装着時に第1胴回り域が収縮し過ぎず、第1胴回り域の幅を確保できる。よって、吸収性物品の装着時に着用者の身体の下に、止着部材が設けられた第1胴回り域を配置し易い。また、第1弾性領域の伸縮率が比較的低く、自然状態において着用者の身体に第1胴回り域が密着しない場合であっても、止着部材をターゲット部に止着する際に装着補助者が第1胴回り域を他方側に引っ張ることにより、第1胴回り域を着用者の身体に密着させることができる。一方、第2胴回り域は、伸縮率が比較的高いため、着用者の身体に密着して配置され易い。
かかる吸収性物品であって、
前記第1弾性領域及び前記第2弾性領域は、前記吸収体と重なる吸収体配置領域と離間していることが望ましい。
かかる吸収性物品によれば、第1弾性領域及び第2弾性領域の収縮によって吸収体が収縮することを抑制し、吸収体の幅を確保した状態で着用者に装着することができる。
===本実施の形態に係る吸収性物品について===
以下、図面を参照して、実施形態に係る吸収性物品について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なる場合があることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
(1)吸収性物品の全体概略構成
実施の形態に係る吸収性物品は、高齢者を含む成人を着用対象としている。本実施の形態の吸収性物品は、第1胴回り域としての後胴回り域に止着部材が設けられ、第2胴回り域としての前胴回り域に止着部材が止着可能に構成されている。以下の実施形態においては、第1胴回り域が後胴回り域であり、第2胴回り域が前胴回り域であるとして説明する。なお、本発明に係る吸収性物品は、成人用の吸収性物品に限定されず、乳児用の吸収性物品であってもよいし、ペット用の吸収性物品であってもよい。また、本発明に係る吸収性物品は、第1胴回り域としての前胴回り域に止着部材が設けられ、第2胴回り域としての後胴回り域に止着部材が止着可能に構成されていてもよい。
吸収性物品1は、片開き型の使い捨ておむつである。片開き型の使い捨ておむつとは、着用前の状態において、吸収性物品1の一方側W1に第1脚回り開口部32aが形成され、他方側W2に第2脚回り開口部32bが形成されてないおむつである。片開き型の使い捨ておむつは、後述する止着部材27がターゲット部28に止着した着用状態において、吸収性物品1の他方側W2に第2脚回り開口部32bが設けられる(図2参照)。図1は、吸収性物品1の一方側W1に第1脚回り開口部32aが形成され、他方側W2に第2脚回り開口部32bが形成されてない状態の斜視イメージ図であり、図2は、吸収性物品1の一方側W1に第1脚回り開口部32aが形成され、他方側W2に第2脚回り開口部32bが形成された状態の斜視イメージ図である。図3及び4は、図1に示す吸収性物品の展開状態の平面図である。図3及び4に示す平面図は、吸収性物品1の一方側W1のサイド接合部29の接合を分離し、かつ吸収性物品1を構成する外装体20の皺が形成されなくなるまで弾性部材を伸長した伸長状態の平面図である。なお、本明細書における伸長状態とは、図3及び4に示す展開した吸収性物品の伸長状態である。図5は、図3に示すA−A線に沿った断面図である。
吸収性物品1は、互いに直交する前後方向Lと幅方向Wを有し、かつ着用者の肌対向面側T1から非肌対向面側T2へ延びる厚み方向Tを有する。肌対向面側T1は、使用時に、着用者の肌に面する側に相当する。非肌対向面側T2は、使用時に、肌対向面側T1とは反対側、すなわち着用者の肌とは反対に向けられる側に相当する。また、本明細書においては、吸収体13の幅方向の中心に対するサイド接合部29側(図1及び図2に示す状態における右側、図3及び図4に示す左側)を一方側W1とし、吸収体の幅方向の中心に対する反対側(図1及び図2に示す状態における左側、図3及び図4に示す右側)を他方側W2とする。
吸収性物品1は、股下域S1、前胴回り域S2及び後胴回り域S3を有する。股下域S1は、着用者の股下域に対向して配置される。前胴回り域S2は、股下域S1に隣接し、かつ股下域S1よりも前後方向Lの前側に位置する。後胴回り域S3は、股下域S1に隣接し、股下域S1よりも前後方向Lの後側に位置する。前胴回り域S2は、後述する第2弾性部材63が配置されている領域である。複数の第2弾性部材63のうち最も股下域S1側に位置する前弾性部材の位置は、前胴回り域S2の後端縁となる。後胴回り域S3は、後述する第1弾性部材61及び第3弾性部材62が配置されている領域である。複数の第1弾性部材61のうち最も股下域S1側に位置する第1弾性部材の位置は、後胴回り域の前端縁となる。股下域S1は、第1弾性部材61、第3弾性部材62及び第2弾性部材63が配置されていない領域である。
吸収性物品1は、吸収性本体10と、外装体20と、を備える。吸収性本体10は、股下域S1、前胴回り域S2、及び後胴回り域S3に配置されている。吸収性本体10は、液透過性の本体トップシート11と、液不透過性の本体バックシート12と、本体トップシート11と本体バックシート12との間に配置される吸収体13と、を少なくとも備える。吸収体13は、吸収体13の幅方向の中心を通り、かつ前後方向Lに延びる幅中心線13WLに対して線対称である。また、吸収性本体10は、幅中心線13WLに対して線対称である。
本体トップシート11と本体バックシート12との間には、フィルムからなるサイドシート14が配置されている。サイドシート14の外側縁は、本体トップシート11の肌対向面側に折り返されている。サイドシート14の折り返された部分は、着用者側に起立可能な防漏部15を構成する。防漏部15には、前後方向に伸縮する防漏弾性部材16が設けられている。防漏部15の前後方向の外端縁は、本体トップシート11に接合されている。防漏部15の前後方向の中央は、本体トップシート11に接合されてなく、防漏弾性部材16の収縮によって着用者側に起立可能に構成されている。
外装体20は、股下部21、前胴回り部22及び後胴回り部23を有する。外装体20は、少なくとも前胴回り部22及び後胴回り部23を有する。股下部21は、股下域S1に配置されている。前胴回り部22は、前胴回り域S2に配置されている。後胴回り部23は、後胴回り域S3に配置されている。前胴回り部22及び後胴回り部23は、着用者の腰回りを覆うように構成されており、股下部21よりも幅方向Wの外側に延出している。
幅方向Wにおける前胴回り部22の一方側W1の外側縁22E1と、幅方向Wにおける後胴回り部23の一方側の外側縁23E1と、を接合するサイド接合部29が設けられている。図1に示すように、前胴回り部22の一方側の外側縁22E1と後胴回り部23の一方側の外側縁23E1とがサイド接合部29にて接合された状態で、着用者の片脚が挿入される第1脚回り開口部32aが形成されている。第1脚回り開口部32aは、吸収性物品1の一方側W1に設けられている。また、着用前の状態において、前胴回り部22の他方側W2の外側縁22E2と後胴回り部23の他方側の外側縁23E2とは、接合されていない。
外装体20は、吸収性本体10よりも非肌対向面側T2に配置されている。外装体20は、少なくとも前胴回り域S2及び後胴回り域S3に設けられる外装シートを有する。外装シートは、肌側シート25と非肌側シート26を有する。肌側シート25は、外装シートのうち最も肌対向面側に配置されるシート材である。非肌側シート26は、肌側シート25の非肌対向面側T2に配置されており、外装シートのうち最も非肌対向面側に配置されるシート材である。肌側シート25と非肌側シート26の間には、幅方向に伸縮する複数の弾性部材が設けられている。弾性部材は、幅方向の伸縮性を付与する弾性部材である。弾性部材は、糸ゴムからなり、前後方向に間隔を空けて複数配置されている。弾性部材は、肌側シート25と非肌側シート26の少なくとも一方に接合されている。
弾性部材は、第1弾性部材61と、第3弾性部材62と、第2弾性部材63と、を有する。第1弾性部材61は、本発明における第1弾性部材であり、第1胴回り域としての後胴回り部23に配置されている弾性部材のうち、股下部21側に配置されている3本の弾性部材である。第1弾性部材61は、幅方向Wの内側から幅方向Wの外側に向かって後方に延びる一対の傾斜部61Dと、傾斜部61D間を繋ぎ、かつ幅方向Wに沿って伸縮する中央部61Cと、傾斜部61Dから幅方向Wの外側に延び、かつ幅方向Wに沿って伸縮する側部61Lと、を有する。中央部61C、傾斜部61D及び側部61Lは、連続している。
中央部61Cは、吸収体13の幅中心線13WLを跨ぎ、幅方向Wと平行に配置されている。傾斜部61Dは、吸収体13の外側縁を跨って配置され、かつ幅方向の内側から幅方向の外側に向かって前後方向の外側に延びる。傾斜部61Dは、少なくとも後胴回り部23の他方側W2において吸収体13の外側縁13Eを跨いで配置されている。本実施の形態の傾斜部61Dは、平面視にて、後胴回り部23の一方側W1において吸収体13の外側縁13Eを跨ぎ、かつ後胴回り部23の他方側W2において吸収体13の外側縁13Eを跨いで配置されている。側部61Lは、傾斜部61Dの外側縁と後胴回り部23の外側縁の間において幅方向Wと平行に配置されている。傾斜部は、図1に示す展開状態において、後胴回り域の他方側において吸収体の外側縁を跨ぎ、かつ前胴回り域の吸収体の両外側縁を跨がないように配置されている。
伸長状態における傾斜部61Dの伸長倍率は、伸長状態における中央部61Cの伸長倍率よりも高い。伸長倍率は、自然状態の長さに対する外装シートに接合された状態の長さの比率であり、以下のように測定できる。吸収性物品のサイド接合部29を切断し、吸収性物品1を展開状態とする。展開状態の吸収性物品1を、20℃±2℃、相対湿度60%±5%の雰囲気下に24時間放置する。次いで、吸収性物品1の皺が形成されなくなるまで吸収性物品1を伸長させ、傾斜部61Dの長さ及び中央部61Cの長さを測定し、外装シートに接合された状態の長さとする。次いで、外装シートから第1弾性部材61を取り外し、20℃±2℃、相対湿度60%±5%の雰囲気下に24時間放置する。放置した状態における後傾斜部61Dの長さ及び中央部61Cの長さを測定し、自然状態の長さとする。測定した「外装シートに接合された状態の長さ」と「自然状態の長さ」とに基づいて、伸長倍率を算出する。
第3弾性部材62は、第1弾性部材61よりも前後方向Lの後側に位置する。第3弾性部材62は、幅方向Wと平行に配置されており、幅方向Wに沿って伸縮する。第3弾性部材62は、吸収体13と重なる領域に配置されてなく、吸収体13よりも幅方向Wの外側及び吸収体13よりも前後方向Lの後側に配置されている。第2弾性部材63は、本発明における第2弾性部材であり、第2胴回り域としての前胴回り部22に配置されている。第2弾性部材63は、幅方向Wと平行に配置されており、幅方向Wに沿って伸縮する。第2弾性部材63は、吸収体13と重なる領域に配置されてなく、吸収体13よりも幅方向の外側及び吸収体13よりも前後方向の前側に配置されている。
第1弾性部材61の傾斜部61Dは、幅方向W及び前後方向Lに伸長した状態で設けられている。よって、傾斜部61Dが配置された領域は、幅方向W及び前後方向Lに伸縮する。また、第1弾性部材61の中央部61C、第1弾性部材61の側部61L、第3弾性部材62及び第2弾性部材63は、幅方向Wのみ伸長した状態で設けられている。よって、第1弾性部材61の中央部61C、第1弾性部材61の側部61L、第3弾性部材62及び第2弾性部材63が配置された領域は、幅方向Wに伸縮し、前後方向Lに伸縮せず、前後非伸縮領域を構成する。また、外装体20において第1弾性部材61、第3弾性部材62及び第2弾性部材63が配置されていない領域は、幅方向W及び前後方向Lに伸縮せず、後非伸縮領域を構成する。すなわち、前後非伸縮領域は、外装体20において第1弾性部材61の中央部61C及び第1弾性部材61の側部61Lが配置されていない領域である。前後非伸縮領域は、前胴回り域S2及び後胴回り域S3において吸収体13と重なる領域に少なくとも配置されている。なお、前後非伸縮領域は、外装体に設けられた弾性部材によって前後方向に収縮しない領域であり、吸収性本体10に設けられた防漏弾性部材16が配置された領域を含む概念である。
図4に示すように、後胴回り部23には、吸収体13よりも幅方向の外側において幅方向に伸縮する後弾性領域R62が設けられている。また、前胴回り部22には、吸収体13よりも幅方向の外側において幅方向に伸縮する前弾性領域R63が設けられている。後弾性領域R62及び前弾性領域R63は、幅方向Wに伸縮し、前後方向Lに伸縮しない。よって、着用者の腰回り(腹部及び臀部)を覆う面積を確保し易く、身体を適切に覆うことができ、装着補助者及び着用者に安心感を付与できる。また、装着時に前胴回り部及び後胴回り部が幅方向に引っ張られることにより、後弾性領域R62及び前弾性領域R63は、幅方向Wに伸長し、皺がなくなる。よって、後弾性領域R62及び前弾性領域R63の皺が形成されないように、装着動作以外で皺を伸ばす動作が不要となり、作業効率を向上できる。
後弾性領域R62及び前弾性領域R63は、吸収体13と重なる吸収体配置領域と離間している。すなわち、後弾性領域R62及び前弾性領域R63は、厚み方向Tにおいて吸収体13と重ならない。後弾性領域R62及び前弾性領域R63の収縮によって吸収体13が収縮することを抑制し、吸収体13の幅を確保した状態で着用者に装着することができる。
後弾性領域R62の幅方向Wにおける伸縮率は、前弾性領域R63の幅方向における伸縮率よりも低い。後弾性領域R62の伸縮率が比較的低いため、吸収性物品1の装着時に後胴回り域S3が収縮し過ぎず、後胴回り域S3の幅を確保できる。よって、後胴回り域S3の幅を確保した状態で、装着時に後胴回り域S3を配置できる。装着時に着用者の体位を変更した際に、後胴回り域S3が身体と寝具の間に入り込んでしまうことを防ぐことができる。また、前胴回り域S2は、前弾性領域R63の伸縮率が比較的高いため、装着された状態で前弾性領域R63の収縮によって着用者の身体に密着する。一方、後胴回り域S3は、後弾性領域R62の伸縮率が比較的低く、装着された状態で後弾性領域R62の収縮によって着用者の身体に密着し難い。しかし、装着補助者は、装着時に止着部材27をターゲット部28に止着する際に、後胴回り域S3を幅方向に引っ張る。このとき、後弾性領域R62が伸長するため、着用者の身体を覆い、かつ密着するように後胴回り域S3を配置することができる。
なお、伸縮率とは、前弾性領域及び後弾性領域の幅方向における伸縮の程度を意味し、以下のように規定できる。
前弾性領域の伸縮率=(製品における前弾性領域の伸長状態の長さ)/(製品における前弾性領域の自然状態の長さ)
後弾性領域の伸縮率=(製品における後弾性領域の伸長状態の長さ)/(製品における後弾性領域の自然状態の長さ)
また、伸縮率は、以下のように測定できる。吸収性物品の一方側に形成されたサイド接合部を切断し、吸収性物品を展開状態とする。展開状態の吸収性物品を、20℃±2℃、相対湿度60%±5%の雰囲気下に24時間放置する。放置した状態の吸収性物品を自然状態の吸収性物品として、自然状態における前弾性領域の幅方向の長さ及び自然状態における後弾性領域の幅方向の長さを測定する。次いで、吸収性物品の皺が形成されなくなるまで吸収性物品を伸長させ、伸長状態における前弾性領域の幅方向の長さ及び伸長状態における後弾性領域の幅方向の長さを測定する。測定した「自然状態の長さ」と「伸長状態の長さ」とに基づいて、伸縮率を算出する。
外装体20は、幅中心線13WLに対して非対称である。具体的には、外装体20の一方側W1の幅方向Wの長さは、外装体20の他方側W2の幅方向Wの長さよりも短い。前胴回り部22と後胴回り部23のうち、少なくともいずれか一方が幅中心線13WLに対して非対称である。図4に示すように、後胴回り部23の一方側W1の幅方向Wの長さL11は、後胴回り部23の他方側W2の幅方向Wの長さL12よりも短い。後胴回り部23の一方側W1の幅方向の長さL11は、後胴回り部23の一方側W1の外側縁23E1と幅中心線13WLとの幅方向Wにおける距離である。後胴回り部23の他方側W2の幅方向の長さL12は、後胴回り部23の他方側W2の外側縁23E2と幅中心線13WLとの幅方向Wにおける距離である。また、後弾性領域R62は、幅中心線13WLに対して非対称である。後弾性領域R62の一方側W1の外側縁R62E1と股下域S1の中心との距離L13は、後弾性領域R62の他方側W2の外側縁R62E2と股下域S1の中心との距離L14よりも短い。股下域S1の中心は、幅中心線13WLと一致する。また、後弾性領域R62の一方側W1の外側縁R62E1は、後胴回り部23の一方側W1の外側縁23E1と一致する。後弾性領域R62の他方側W2の外側縁R62E2は、後胴回り部23の他方側W2の外側縁23E2と一致する。
吸収性物品の伸長状態において、第1脚回り開口部32aの長さは、第2脚回り開口部32bの長さよりも短い。伸長状態における第1脚回り開口部32aの長さは、図4に示す展開状態において、前胴回り部22の一方側W1の外側縁22E1における後端縁P1と、後胴回り部23の一方側W1の外側縁23E1における前端縁P4と、の長さである。より詳細には、第1脚回り開口部32aの長さは、前胴回り部22の一方側W1の外側縁における後端縁P1から前胴回り部22と吸収性本体10の交差部P2までの外装体20の外縁の長さと、前胴回り部22と吸収性本体10の交差部P2から後胴回り部23と吸収性本体10の交差部P3までの吸収性本体10の外側縁の長さと、後胴回り部23と吸収性本体10の交差部P3から後胴回り部23の一方側W1の外側縁における前端縁P4までの外装体20の外縁の長さと、を合わせた長さである。また、第2脚回り開口部32bの長さは、前胴回り部22の他方側W2の外側縁22E2における後端縁P5と、後胴回り部23の他方側W2の外側縁23E2における前端縁P8と、の長さである。より詳細には、第2脚回り開口部32bの長さは、前胴回り部22の他方側W2の外側縁における後端縁P5から前胴回り部22と吸収性本体10の交差部P6までの外装体20の外縁の長さと、前胴回り部22と吸収性本体10の交差部P6から後胴回り部23と吸収性本体10の交差部P7までの吸収性本体10の外側縁の長さと、後胴回り部23と吸収性本体10の交差部P7から後胴回り部23の他方側W2の外側縁23E2における前端縁P8までの外装体20の外縁の長さと、を合わせた長さである。
外装体20の後胴回り部23には、外装シートよりも幅方向の外側に延出した止着部材27が設けられている。止着部材27は、前胴回り部22のターゲット部28に止着されるように構成される。止着部材27は、平面視にて略矩形形状であり、基材シート27aと、ターゲット部28と係合可能な係止部27bと、を有する。係止部27bとしては、複数の係止用突起(フック)を備えた面ファスナーを例示できる。ターゲット部28は、外装体20の前胴回り部22の非肌対向面側T2に設けられている。ターゲット部28は、平面視にて略矩形形状である。ターゲット部28としては、フックと係合するループを備えた面ファスナーや不織布を例示できる。
ターゲット部28の少なくとも一部は、厚み方向Tにおいて前後非伸縮領域に重なっている。本実施の形態の前後非伸縮領域は、ターゲット部28の全体に重なっている。ターゲット部28は、前後非伸縮領域に重なっており、前後方向に収縮しない状態を維持できる。よって、止着部材27がターゲット部28に止着し易い。
また、外装シートを構成する肌側シート25及び非肌側シート26は、吸収性物品1の前端縁及び後端縁において前後方向の内側に折り返された折り返し部25a、26aを有する。折り返し部は、吸収性本体10の肌対向面側に配置され、防漏部15に接合されている。折り返し部25a、26aと吸収性本体10とが重なる領域のうち、幅方向における側部は、互いに接合されており、幅方向における中央部は、互いに接合されていない。よって、折り返し部25a、26aと吸収性本体10とが重なる領域の幅方向の中央部は、折り返し部25a、26aと吸収性本体10とが離間可能であり、後述する吸収パッドを挟持することができる。
(2) 吸収性物品の装着態様
次いで、このように構成された吸収性物品1を仰向けに寝た状態の着用者に対して装着補助者(装着者)が装着する際の装着態様の一例について説明する。図6及び図7は、装着態様を説明するための図であり、図6(a)〜(e)は、着用者を上方から視認した状態を示しており、図6(f)は、図6(b)に示すX−X線に沿った断面図である。図7は、着用者を背面側から視認した状態の模式背面図である。
装着補助者は、仰向けに寝た状態の着用者の片脚を第1脚回り開口部32aに挿入する(図6(a))。このとき、第1脚回り開口部32aは、第2脚回り開口部32bよりも狭くなるため、装着補助者が着用者の股間部付近まで使い捨ておむつを押し上げておくことにより、着用者の臀部により近い位置に使い捨ておむつを配置し続けることができ、より簡便に装着させることができる。
次いで、装着補助者は、第1脚回り開口部32aに挿入した側の脚が上になるように着用者を横向きにして、着用者の腰回りの位置まで吸収性物品1を引き上げる(図6(b))。このとき、後胴回り部23の一方側の吸収体13の外側縁13Eを跨ぐように第1弾性部材61が配置されているため、着用者の腰回りの位置まで吸収性物品1を引き上げることにより、一方側W1における吸収体13を股下域S1側から後胴回り域S3側に引き上げ、一方側における吸収体13が着用者の股下に近づく。また、このとき、第1弾性部材61の傾斜部61Dの伸長倍率が第1弾性部材61の中央部61Cの伸長倍率よりも高いため、第1弾性部材61の傾斜部61Dによって吸収体13の外側縁13Eを後方に引き上げる効果を発揮し易い。また、第1弾性部材61の中央部61Cの伸長倍率が比較的低く、第1胴回り域の吸収体の幅方向の中央が縮み難いため、使い捨ておむつを臀部に沿わせ易い。また、第1胴回り域が幅方向に収縮し過ぎないため、止着部材側に位置する第2脚回り開口部32bが幅方向の内側に入り込み過ぎず、次の動作の準備として止着部材27が止着する領域となる第2胴回り域の他方側をできるだけ幅方向の外側に置くことができる。
また、図6(b)に示す状態において、着用者の腰回りの下側(図6に示す例においては、腰回りの右側)は、寝具に接している。装着補助者は、後胴回り部23の他方側W2の外側縁23E2を、着用者の腰回りと寝具とが接する面の近傍に配置する(図6(f))。より詳細には、後胴回り部23の他方側W2の外側縁23E2を、身体の臀部の膨らみよりも寝具側に配置する。このように吸収性物品1を配置することにより、吸収性物品1の前胴回り部22は、着用者の腹側に添い、吸収性物品1の後胴回り部23は、着用者の背側に添って配置される。
次いで、装着補助者は、着用者を仰向けにする(図6(c))。着用者の体位が仰向けに変わると、横向きの状態で背側に添って配置された後胴回り部23上に、着用者の臀部が配置される。後胴回り部23の他方側E2の外側縁23E2は、身体よりも幅方向Wの外側に延出する。このとき、後弾性領域R62の伸縮率が比較的低いため、後胴回り部23が収縮し過ぎず、後胴回り部23の幅を確保できる。よって、後胴回り部23は、着用者と寝具の間に配置され易い。なお、後胴回り部23の他方側W2の外側縁23E2が身体の下に入っている場合には、装着補助者は、身体と寝具の間から後胴回り部23の他方側W2の外側縁23E2を幅方向の外側に引き出す。
吸収体13の幅中心線13WLは、このように着用者の体位が仰向けに変わった状態で、身体の中心よりも第1脚回り開口部32aに通した脚側に位置する(図7(a))。吸収性物品1は、脚が挿入された第1脚回り開口部側に引っ張られているためである。また、股下域S1は、着用者の股下に密着していない。第1脚回り開口部32aに片脚を通した状態で吸収性物品1を引き上げた際に、着用者が横向きになっており、吸収性物品1全体を着用者の腰回りまで引き上げられないためである。
次いで、装着補助者は、後胴回り部23の他方側W2を幅方向の外側に引っ張る(図6(d))。後胴回り部23の他方側W2が幅方向Wの外側に引っ張られることにより、吸収体13も他方側に引っ張られ、吸収体13の幅中心線13WLが身体の中心に合うように吸収体13が配置される。このとき、後胴回り部23の他方側W2において吸収体13の外側縁13Eを跨ぐように第1弾性部材61の傾斜部61Dが配置されているため、吸収体13は、他方側W2かつ後方に引き上げられる。第1弾性部材61の傾斜部61Dが設けられていることにより、股下に配置されている吸収体13を後方に引っ張り上げることができ、股下に配置されている吸収体13の皺や段差を減らし、股下に配置されている吸収体13を身体に密着させることができる。また、このとき、第1弾性部材61の傾斜部61Dの伸長倍率が第1弾性部材61の中央部61Cの伸長倍率よりも高いため、第1弾性部材61の傾斜部61Dによって吸収体13の外側縁13Eを後方に引き上げる効果を発揮し易い。また、傾斜部61Dが吸収体の一方側に外側縁と他方側の外側縁に設けられているため、傾斜部61Dによって吸収体13の幅を広げることができるとともに、傾斜部61Dを左右の臀部の付け根に沿わせるように当てることができる。また、第1弾性部材61の傾斜部61Dと中央部61Cとが連続していることにより、左右の傾斜部61Dが連動し、第1弾性部材61によって吸収体13の幅方向全域を引っ張ることができる。よって、装着補助者が後胴回り部23の他方側を引っ張った際に、吸収体13の他方側の外側縁13Eのみならず吸収体13の一方側の外側縁13Eも引っ張られ易くなり、吸収体13の幅方向全域の位置を調整し易くなる。よって、吸収性物品の幅方向の中心が身体の幅方向の中心と略一致するとともに、吸収性物品の股下部21が着用者の股下に密着する(図7(b))。上述のように、第1脚回り開口部32aに挿入した側の脚が上になるように着用者を横向きにして、着用者の腰回りに吸収性物品を引き上げた際に、吸収体の一方側が後側に引き上げられている。よって、後胴回り部23の他方側W2を幅方向Wの外側に引っ張って、吸収体13の他方側W2を引き上げることより、吸収体13の一方側W1と他方側W2とを着用者の股下に密着させることができる。また、後胴回り域の吸収体の幅方向の全域を平らな状態とし易くなり、吸収体を身体に沿わせて配置し、吸収体よりも幅方向の外側の脚回り開口部周辺を着用者に脚回りに隙間なくフィットさせることができる。
また、装着時に着用者の片脚を第1脚回り開口部32aに通し、かつ股下域S1を着用者の身体の中心の位置に合わせた状態で、後胴回り域S3の他方側を引っ張ると、後弾性領域R62が伸びる。このとき、後弾性領域R62の伸長に伴って股下域S1が他方側W2に動くことがある。かかる吸収性物品1によれば、その動きを予め見越して、後弾性領域R62の一方側の外側縁R62E1と股下域S1の中心との幅方向における距離L13を後弾性領域R62の他方側W2の外側縁R62E2と股下域S1の中心との幅方向における距離L14より短くすることで、股下域S1が他方側W2に動き過ぎることを抑制し、股下域S1が着用者の身体の中心からずれてしまうことを抑制することができる。
吸収性物品1が着用者の股下に密着した状態で、装着補助者は、吸収性物品1の前胴回り部22によって着用者の腹部を覆い、後胴回り部23の止着部材27を前胴回り部22のターゲット部28に止着する(図6(e))。28は、前後非伸縮領域に重なっており、前後方向Lに収縮しない状態を維持できる。よって、止着部材27がターゲット部28に止着し易い。また、ターゲット部28は、第2弾性部材63によって幅方向Wに収縮した状態となることがある。止着部材27がターゲット部28に止着すると、ターゲット部28と止着部材27には、着用者の腰回りに沿う力がかかる。当該力によって、ターゲット部28における幅方向Wの収縮による皺やよれが解消する。ターゲット部28には、止着部材27が止着した際に幅方向Wに沿った力のみかかり、前後方向Lに沿う力や幅方向Wに対して傾斜する力がかかり難い。よって、止着部材27の止着時にターゲット部28に意図しない皺やよれが発生することを抑制し、止着部材27がフラットな状態のターゲット部28に止着し、止着状態を維持し易くなる。また、吸収性物品1は、外装体20の前胴回り部22に前後方向Lに伸縮する弾性部材が設けられていなく、前胴回り部22は、幅方向Wに沿ってのみ伸縮する。よって、装着時に前胴回り部22の前後方向Lの長さが短くなることが抑制され、フラットな状態のターゲット部28に止着部材27を止めることができる。ターゲット部28がフラットな状態を維持することにより、ターゲット部28と止着部材27の接触面積を確保し、接合強度の低下を抑制できる。ターゲット部28と止着部材27の接合強度を確保することにより、意図せずに止着部材27がターゲット部28から外れることを防止できる。また、ターゲット部と止着部材には、着用者の腰回りに沿う力が掛かり、前後方向に沿う力や幅方向に対して傾斜する力がかかり難いため、止着部材がターゲット部に止着した後に、第1胴回り域の弾性応力により、お互いが幅方向に沿った力であって逆方向に向かって引っ張られる。そのため、止着部材の先端がターゲット部に入り込みやすくなり、止着状態を維持しやすくなる。
装着補助者は、止着部材27をターゲット部28に止着する際に後胴回り域S3を他方側に引っ張る。そのため、後弾性領域R62の伸縮率が比較的低く、自然状態において着用者の身体に後胴回り域S3が密着しない場合であっても、後胴回り域S3が着用者の身体に密着する。本実施の形態の使い捨ておむつは、一方側がサイド接合部によって接合され、かつ第1弾性部材及び第2弾性部材を有しているため、装着補助者が止着部材を幅方向に沿って引っ張ることにより、第1弾性部材が連動して他方側のみならず一方側をも引っ張ることができるとともに、後胴回り域のみならず前胴回り域も引っ張ることができる。このように弾性部材の連動性があることにより、着用者の脚回りと腰回りの両方に対して止着部材を引っ張る動作のみで使う捨ておむつを身体に沿わせることができる。
このような装着態様によれば、仰向けから横向きへの体位の変更と横向きから仰向けへの体位の変更との2回の体位の変更によって、装着補助者が吸収性物品を着用者に装着することができる。よって、装着時における着用者の体位の変更回数を低減し、繰り返し体位を変更することによる装着補助者及び着用者の負担を軽減することができる。また、このように装着された吸収性物品1は、後弾性領域R62及び前弾性領域R63が吸収体配置領域と離間し、吸収体13の幅入りを抑制できる。よって、吸収性物品は、吸収体13の幅を確保した状態で着用者に装着される。また、使い捨ておむつの前端縁及び後ろ端縁によって形成されるウエスト開口部から脚回り開口部までの領域の全体に弾性部材が配置されており、腰回りに沿う周状に弾性力が効いているため、着用者が動いたとしても、着用者の脚回りと腰回りの両方に対しても使い捨ておむつが追従することができ、装着時の違和感が小さくできる。
弾性部材の傾斜部は、後胴回り域S3における吸収体13の両外側縁13Eを跨ぐように配置され、前胴回り域S2における吸収体13の両外側縁13Eを跨がないように配置されている。よって、前胴回り域S2の吸収体13の外側縁13Eは、幅方向Wの内側かつ股下域S1側に向かうように収縮力が発生し難い。仮に前胴回り域S2の吸収体13が幅方向Wの内側かつ股下域S1側に向かうように収縮すると、吸収体13の外側縁13Eが身体のそけい部に沿って配置されず、体液の漏れに繋がる。このような漏れを防止するために装着補助者が前胴回り域S2の吸収体13を伸ばした状態で止着部材27を止めることが考えられる。しかし、一般的に止着部材27を止める際は、図6(e)に示すように、着用者が仰向けに寝た状態である。そのため、前胴回り域S2の吸収体13が伸びた状態を維持するためには、装着補助者が前胴回り域S2の吸収体13を幅方向の外側に引っ張り、かつその状態を維持するように引っ張り続ける必要がある。しかし、前胴回り域S2における吸収体13の両外側縁13Eを跨がないように傾斜部が配置されていることにより、装着補助者が吸収体を伸ばし続けることなく、前胴回り域の吸収体の全域を着用者の身体に沿わせた状態で吸収性物品を装着できる。一方、後胴回り域S3は、装着時に吸収性物品1の他方側を引っ張ることにより、後胴回り域S3の吸収体13が伸びた状態となる。このとき、一般的に着用者が仰向けに寝た状態であるため、吸収性物品1は、身体と寝具の間に挟まれ、後胴回り域S3の吸収体13が伸びた状態を維持できる。よって、後胴回り域S3における吸収体13の両外側縁13Eを跨ぐように傾斜部が配置されている構成においても、装着補助者が吸収体13を伸ばし続けることなく、後胴回り域S3の吸収体13の全域を着用者の身体に沿わせた状態で吸収性物品1を装着できる。
また、従来のテープタイプの使い捨ておむつを用いて、テープタイプの使い捨ておむつの一方側の脚回り開口部を形成し、他方側の脚回り開口部を開いた状態で、本実施の形態のように着用者に対して装着補助者が装着することが考えられる。しかし、テープタイプの使い捨ておむつを、本実施の形態に示す片開き型の使い捨ておむつと同様に装着すると、次の問題が発生する。テープ型の使い捨ておむつの一方側に脚回り開口部を形成する際に、当該脚回り開口部の周囲において前胴回り部のターゲット上に後胴回り部の止着部材が止着する。よって、当該脚回り開口部の周囲に前胴回り部と後胴回り部が積層された領域が設けられる。当該脚回り開口部に片脚を通して着用者の腰回りに向かって吸収性物品を引き上げると、前胴回り部と後胴回り部が積層された部分がずれ、前胴回り部及び後胴回り部に皺やよれが発生したり、着用者に対して擦れてしまい違和感が発生したりする。また、前胴回り部と後胴回り部が積層された部分のずれを抑制するために、前胴回り部のターゲットに対する止着部材の止着位置をずらして、着用者の身体に対して吸収性物品を緩めに配置することができる。しかし、着用者の身体に対して吸収性物品を緩めに装着すると、吸収体と着用者の身体との位置がずれたり、サイド接合部の位置がずれたりして、位置ずれを直すために、繰り返し体位を変更する必要がある。繰り返し体位を変更することにより、止着部材を繰り返し止着し直す必要があり、簡便に吸収性物品を装着できず、装着補助者及び着用者の肉体的及び精神的な負荷が増える。さらに、使い捨ておむつを緩めに装着すると、弾性力が作用し難くなり、着用者の脚回り及び腰回りに対して使い捨ておむつが沿わないため、漏れを誘発してしまう。これに対して、本実施の形態に示す片開き型の使い捨ておむつは、一方側にサイド接合部が形成され、一方側において前胴回り部と後胴回り部が積層されないため、円滑に吸収性物品を引き上げることができ、少ない回数の体位の変更によって吸収性物品を交換することができる。
また、吸収性物品の使用態様として、吸収性物品全体を交換する態様のみならず、吸収性物品の内側に吸収パッドを配置し、使用後に吸収パッドのみを交換することができる。図8は、吸収性物品内に配置した吸収パッドの交換態様を説明するための図である。
装着補助者は、第2脚回り開口部32bに挿入した側の脚が上になるように着用者を横向きにして、止着部材をターゲット部から外し、吸収性物品1の他方側を展開する(図8(a))。吸収性物品1の第2脚回り開口部32b側が開口するため、装着補助者は、当該開口を介して吸収パッドを取り出すことができる。次いで、装着補助者は、新しい吸収パッド80を着用者の身体に当てた後に、吸収パッド80を覆うように吸収性物品1を配置する。このとき、装着補助者は、身体の幅方向における中心と吸収体13の幅中心線13WLとが合うように配置する(図8(b))。装着補助者は、着用者の身体に沿って吸収パッド80を配置した状態で、後胴回り部23の他方側W2を幅方向Wの外側に引っ張り、後弾性領域R62を伸長させる(図8(c))。後胴回り域S3の少なくとも他方側W2は、後弾性領域R62が伸長することにより、着用者の身体に密着する。次いで、装着補助者は、着用者を仰向けにする(図8(d))。装着補助者は、前胴回り域S2に配置された吸収パッド80の位置を調整した後に、前胴回り部22の他方側W2を幅方向Wの外側に引っ張り、前弾性領域R63を伸長させる(図8(e))。前胴回り域S2の少なくとも他方側W2は、前弾性領域R63が伸長することにより、着用者の身体に密着する。吸収性物品1が着用者の身体に密着した状態で、装着補助者は、後胴回り部23の止着部材27を前胴回り部22のターゲット部28に止着する(図8(e))。
このような交換態様によれば、吸収パッド80のみを交換する際は、止着部材27を取り外すことによって他方側に吸収パッド80を出し入れするための開口が形成されるため、着用者の片脚を第1脚回り開口部32aに挿入した状態で吸収パッド80の交換作業を行うことができる。また、横向きへの体位の変更と横向きから仰向けへの体位の変更との2回の体位の変更によって、装着補助者が吸収パッドを交換することができる。よって、繰り返し体位を変更することによる装着補助者及び着用者の負担を軽減することができる。
また、第1脚回り開口部32aの長さが第2脚回り開口部32bの長さよりも短いため、第1脚回り開口部32aが着用者の脚回りに密着し易い。交換時に着用者が動いたり吸収性物品1を動かしたりした際に吸収性物品1が意図せずに移動することを抑制し、吸収性物品1の装着作業や吸収パッド80の交換作業を円滑に進めることができる。また、第2脚回り開口部32bが比較的広いため、吸収パッド80を出し入れするための開口を広く形成することができ、吸収パッド80の交換作業を円滑に進めることができる。
(3)変形例
変形例において、第3弾性部材62及び第2弾性部材63は、吸収体と重なる領域に配置されていてもよい。変形例においては、吸収体と重なる領域に配置された第3弾性部材62及び第2弾性部材63の伸長率を、吸収性本体と重ならない領域に配置された第3弾性部材62及び第2弾性部材63よりも低くすることが好ましい。弾性部材の伸長率を低くする構成としては、弾性部材の切断や熱や超音波の付与を例示できる。
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
1 :吸収性物品
13 :吸収体
13E :外側縁
13WL :幅中心線
20 :外装体
21 :股下部
22 :前胴回り部
22E1 :一方側の外側縁
23 :後胴回り部
23E1 :一方側の外側縁
23E2 :他方側の外側縁
27 :止着部材
28 :ターゲット部
29 :サイド接合部
32a :第1脚回り開口部
32b :第2脚回り開口部
61 :第1弾性部材
61C :中央部
61D :傾斜部
62 :第3弾性部材
63 :第2弾性部材
L :前後方向
R62 :後弾性領域
R63 :前弾性領域
S1 :股下域
S2 :前胴回り域
S3 :後胴回り域
W :幅方向
W1 :一方側
W2 :他方側

Claims (8)

  1. 互いに直交する前後方向及び幅方向と、
    股下域と、
    前記股下域よりも前後方向の外側に位置し、止着部材を有する第1胴回り域と、
    前記股下域よりも前後方向の外側に位置し、前記止着部材が止着可能な第2胴回り域と、
    前記股下域から前記第1胴回り域及び前記第2胴回り域の少なくとも一方に延びる吸収体と、
    前記幅方向に伸縮する弾性部材と、を備えた吸収性物品であって、
    前記幅方向における前記第1胴回り域の一方側の外側縁と、前記幅方向における前記第2胴回り域の一方側の外側縁と、は、サイド接合部によって接合されており、
    前記幅方向における前記第1胴回り域の他方側の外側縁には、前記止着部材が設けられており、
    前記弾性部材は、前記吸収体の外側縁を跨って配置され、かつ前記幅方向の内側から前記幅方向の外側に向かって前記前後方向の外側に延びる傾斜部を有し、
    前記傾斜部は、前記第1胴回り域の少なくとも前記他方側に設けられ、前記第2胴回り域に設けられていない、吸収性物品。
  2. 前記傾斜部は、前記第1胴回り域の前記他方側と前記第1胴回り域の前記一方側とにおいて前記吸収体の外側縁をそれぞれ跨いで配置されている、請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記第1胴回り域の前記弾性部材は、一対の前記傾斜部と、前記一対の傾斜部間を繋ぎ、前記幅方向に沿って伸縮する中央部と、を有し、
    前記吸収性物品を伸長した伸長状態における前記傾斜部の伸長倍率は、前記伸長状態における前記中央部の伸長倍率よりも高い、請求項2に記載の吸収性物品。
  4. 前記第2胴回り域には、前記止着部材が止着するターゲット部と、前記前後方向に伸縮しない前後非伸縮領域と、が設けられており、
    前記前後非伸縮領域は、前記ターゲット部の全域に重なる、請求項1から請求項3のいずれかに記載の吸収性物品。
  5. 前記第2胴回り域には、前記止着部材が止着されるターゲット部が設けられており、
    前記吸収性物品の前記一方側に設けられた第1脚回り開口部と、前記止着部材を前記ターゲット部に止着した状態において前記吸収性物品の前記他方側に形成される第2脚回り開口部と、を有し、
    前記吸収性物品を伸長した伸長状態において、前記第1脚回り開口部の長さは、前記第2脚回り開口部の長さよりも短い、請求項1から請求項4のいずれかに記載の吸収性物品。
  6. 前記第1胴回り域には、前記吸収体よりも前記幅方向の外側において前記幅方向に沿って伸縮する第1弾性領域が設けられており、
    前記第1弾性領域の前記一方側の外側縁と前記股下域の中心との前記幅方向における距離は、前記第1弾性領域の前記他方側の外側縁と前記股下域の中心との前記幅方向における距離よりも短い、請求項1から請求項5のいずれかに記載の吸収性物品。
  7. 前記第1胴回り域には、前記吸収体よりも前記幅方向の外側において前記幅方向に伸縮する第1弾性領域が設けられ、
    前記第2胴回り域には、前記吸収体よりも前記幅方向の外側において前記幅方向に伸縮する第2弾性領域が設けられ、
    前記第1弾性領域の前記幅方向における伸縮率は、前記第2弾性領域の前記幅方向における伸縮率よりも低い、請求項1から請求項6のいずれかに記載の吸収性物品。
  8. 前記第1弾性領域及び前記第2弾性領域は、前記吸収体と重なる吸収体配置領域と離間している、請求項7に記載の吸収性物品。
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