実施の形態1.
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と、打球発射装置が遊技球を発射する速さ(すなわち、遊技球を弾くばねの強さ)を調整する打球操作ハンドル(操作ノブ)5とが設けられている。
遊技者は、操作ノブ5を回転させることにより、打球発射装置から発射される遊技球の勢いを調整することができる。具体的には、操作ノブ5を右に回転させていくことにより、打球発射装置から発射される遊技球の速さが徐々に増していき、所定の速さを越えると、発射された遊技球は打球レールを通って上方より遊技領域7の左側領域に入る。さらに操作ノブ5を右に回転させていくと、発射された遊技球は上方より遊技領域7の右側領域に入る。よって、操作ノブ5を右に回転させた状態で回転量を変化させることで、打球発射装置から発射される遊技球の勢いを調整することができ、遊技球を打ち込む領域を調整することができる。
ガラス扉枠2の背面には、遊技盤が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤の前面には誘導レールで区画された遊技領域7が形成されている。
遊技領域7のほぼ中央には、可変入賞球装置20が配置されている。可変入賞球装置20の下方には、第1始動入賞口11と、第2始動入賞口12と、第3始動入賞口13を形成する可変入賞球装置15とが設けられている。第1始動入賞口11に入った入賞球は第1始動口スイッチ11aによって検出され、第2始動入賞口12に入った入賞球は第2始動口スイッチ12aによって検出され、それぞれ、遊技盤の背面に導かれる。また、可変入賞球装置15が開状態になることによって入賞可能になる第3始動入賞口13に入った入賞球は第3始動口スイッチ13aによって検出され、遊技盤の背面に導かれる。可変入賞球装置15は、ソレノイド15aによって開状態にされる。以下、第1始動入賞口11と、第2始動入賞口12と、第3始動入賞口13とを、「始動入賞口」と総称したり、始動入賞口11,12,13と表すことがある。また、第1始動口スイッチ11aと、第2始動口スイッチ12aと、第3始動口スイッチ13aとを、「始動口スイッチ」と総称したり、始動口スイッチ11a,12a,13aと表すことがある。
遊技球が始動入賞口に入賞し始動口スイッチによって検出された場合には、可変入賞球装置20が1回または2回開閉制御される。開閉制御によって、左側の開放扉76Aが初期位置から左方向に移動し、右側の開放扉76Bが初期位置から右方向に移動することによって、可変入賞球装置20は開放状態になり、開放扉76A,76Bが初期位置に戻ることによって可変入賞球装置20は閉鎖状態になる。このように始動口スイッチの入賞検出に応じて可変入賞球装置20が開放動作を行う状態を始動動作状態という。以下、可変入賞球装置20を役物ということがある。また、遊技盤には種々の役物が設けられているが、以下、役物という場合には、可変入賞球装置20を意味する。
可変入賞球装置20の内部における背面側には、演出表示を行うLCDなどによる演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9は、識別情報としての演出図柄を可変表示(変動表示)する。この実施の形態では、演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。
可変入賞球装置20の右方には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8が設けられている。特別図柄表示器8は、例えば、7セグメント表示器によって構成される。
特別図柄表示器8の上方には、始動入賞口に遊技球が入った有効入賞球数すなわち始動記憶数を表示する4つのLEDから成る特別図柄始動記憶表示器18が設けられている。特別図柄始動記憶表示器18は、始動記憶数を入賞順に4個まで表示する。特別図柄始動記憶表示器18は、始動入賞口11,12,13に有効始動入賞がある毎に、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄表示器8で可変表示が開始される毎に、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。この例では、特別図柄始動記憶表示器18は、特別図柄表示器8で可変表示が開始される毎に、点灯状態をシフトする。なお、後述するように、演出表示装置9でも始動記憶数が表示されるので、特別図柄始動記憶表示器18を設けなくてもよい。
可変入賞球装置20の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。遊技領域7の右方に設けられているゲート32を遊技球が通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10において普通図柄(この例では、7セグメントLEDでの数字表示)の可変表示が開始される。この実施の形態では、当りの場合には可変表示の終了時に「7」が停止表示され、はずれの場合には「7」以外が停止表示される。当りの場合には、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。なお、普通図柄の当り確率は、例えば12/13である。普通図柄表示器10の上方には、ゲート32を通過した通過球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32の通過がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
可変入賞球装置15の右方には、特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板16が開状態にされる大入賞口が設けられている。開閉板16は、大入賞口を開閉する手段である。大入賞口に入った入賞球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプが設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を回収するアウト口26がある。
また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(可変入賞球装置20等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を落下する。打球が始動入賞口に入り始動口スイッチで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が可変表示を始めるとともに、演出表示装置9において演出図柄が可変表示を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、特別図柄表示器8での特別図柄の可変表示の保留記憶である始動入賞記憶数が上限数でない場合には、始動入賞記憶数を1増やす。すなわち、特別図柄始動記憶表示器18における点灯するLEDを1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄(「0」〜「9」)の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄が大当り図柄(特定表示結果:具体的には、例えば「3」、「7」)であると、大当り遊技状態のうちの第1大当り遊技状態(始動動作状態を経ずに開始される大当り遊技状態)に移行する。また、小当り図柄(具体的には、「1」、「2」、「4」、「5」、「6」、「8」、「9」)である場合には、始動動作状態に移行する。始動動作状態において、可変入賞球装置20の内部に設けられている特別領域に遊技球が入賞すると、第2大当り遊技状態(始動動作状態を経た後に開始される大当り遊技状態)に移行する。
また、図1に示すように、この実施の形態では、ゲート32は遊技領域7の右方に設けられている。従って、この実施の形態では、時短状態(特別図柄や演出図柄の平均的な変動時間が短縮されることによって可変入賞球装置15が開放されやすくなっている状態)に制御されている場合には、ゲート32に遊技球を通過させるべく、遊技領域7の右方を狙って遊技球を発射(いわゆる右打ち)した方が有利となる。また、図1に示すように、この実施の形態では、大入賞口は遊技領域7の右方に設けられている。従って、この実施の形態では、大当り遊技中は大入賞口に遊技球を入賞させるべく、遊技領域の右方を狙って遊技球を発射(いわゆる右打ち)することになる。一方、この実施の形態では、時短状態でも大当り遊技中でもなければ(通常状態であれば)、遊技領域7の左方を狙って遊技球を発射(いわゆる左打ち)するものとする。
また、遊技領域7の左方には左ゲート17が設けられており、左ゲート17を通過した遊技球は左ゲートスイッチ17aによって検出される。また、遊技領域7の右方には右ゲート19が設けられており、右ゲート19を通過した遊技球は右ゲートスイッチ19aによって検出される。
この実施の形態では、所定の遊技状態の移行が行われる場合には、左ゲート17や右ゲート19を遊技球が通過したことにもとづいて遊技状態を移行する制御が行われる。具体的には、この実施の形態では、大当り図柄が導出表示された場合や、可変入賞球装置20内の特定入賞口66に遊技球が入賞した場合に直ちに大当り遊技が開始されるのではなく、ゲートを遊技球が通過したことにもとづいて大当り遊技が開始される。なお、この実施の形態では、大入賞口が遊技領域7の右方に設けられている(大当り遊技中は右打ちされる)ことから、右ゲート19を遊技球が通過したことにもとづいて大当り遊技が開始される。
また、この実施の形態では、大当り遊技を終了したときにも左ゲート17や右ゲート19を遊技球が通過したことにもとづいて新たな変動表示を開始可能な状態に移行される。具体的には、この実施の形態では、通常状態では左打ちされ時短状態では右打ちされることから、大当り遊技終了後に通常状態に制御される場合には左ゲート17を遊技球が通過したことにもとづいて新たな変動表示を開始可能な状態に移行され、大当り遊技終了後に時短状態に制御される場合には右ゲート19を遊技球が通過したことにもとづいて時短状態に移行され新たな変動表示を開始可能な状態に移行される。
次に、可変入賞球装置20について、図2〜図10を参照して説明する。図2および図3は、遊技盤に設けられている可変入賞球装置20を正面からみた正面図である。図4は、図2および図3に示されている開放扉76A,76Bの裏面側に設けられている遊技球の通過口71,72,73を有する構造物を示す斜視図である。図5は、通過口71から特定領域を形成する特定入賞口66に至る経路を示す斜視図である。図6は、通過口73から特定領域を形成する特定入賞口に至る経路を示す斜視図である。図7(A)、図8(A)および図9は、可変入賞球装置20の下部を上側から見た上面図であり、図7(B)および図8(B)は、可変入賞球装置20の下部を正面側から見た正面図である。図9には、特定入賞口66の直上に設けられている回転体(円盤)86も示されている。図10は、回転体86を上側から見た上面図である。なお、図3、図5〜図9において、矢印は遊技球の進路を示す。
可変入賞装置(役物)20は、開閉モータ75の駆動によって開放扉76A,76Bが開放状態になると、遊技球が進入可能な状態になる。役物20に進入した遊技球は、通過口71,72,73のいずれかを通過して、役物20における下部側に流下する。通過口71を通過した遊技球は、第1役物入賞スイッチ71aで検出され、通過口72を通過した遊技球は、第2役物入賞スイッチ72aで検出され、通過口73を通過した遊技球は、第3役物入賞スイッチ73aで検出される。また、通過口71を通過した遊技球は、誘導樋71Aを通過して役物20内の左方に導かれる。通過口72,73を通過した遊技球は、誘導樋73Aを通過して役物20内の右方に導かれる。なお、図2には、開放扉76A,76Bが閉鎖して遊技球が役物20に進入不能である状態が示され、図3には、開放扉76A,76Bが開放した状態が示されている。また、第1役物入賞スイッチ71aと、第2役物入賞スイッチ72aと、第3役物入賞スイッチ73aとを、「役物入賞スイッチ」と総称することがある。
開放扉76A,76B(図4において図示せず)は、図4に示す構造物の手前側に設けられている。遊技球は、図4に示す構造物における3つの通路(手前側から奥側に向かう経路)のいずれかを通って通過口71,72,73のいずれかに至る。開放扉76A,76Bが閉鎖している状態(完全閉鎖状態)では、遊技球は、3つの通過口71,72,73のいずれにも進入不能である。開放扉76A,76Bが開放状態になると、3つの通過口71,72,73のいずれかに進入できる状態になるが、開放扉76A,76Bが最も開いている状態(完全開放状態)では3つの通過口71,72,73のいずれにも進入可能であるが、開放扉76A,76Bが完全開放状態から完全閉鎖状態に移行する期間では、開放面積が狭くなるにつれて、左右の通過口71,73に比べて、中央の通過口72を通過しやすくなる。また、完全閉鎖状態から完全開放状態に移行する期間では、中央の通過口72に遊技球が進入しやすい状態から、3つの通過口71,72,73のいずれにも進入可能な状態に徐々に移行する。
つまり、開放扉76A,76Bが完全閉鎖状態から開放状態への移行を開始した直後、および完全閉鎖状態に戻る直前では、相対的に、遊技球が中央の通過口72を通過する割合が高くなる。なお、開放扉76A,76Bが開放するということは役物20が開放状態になるということであり、開放扉76A,76Bが閉鎖するということは役物20が閉鎖状態になるということである。また、開放扉76Aと開放扉76Bとは、対象状態で移動する。対象状態で移動するとは、中心(中央の通過口72の中心軸)から開放扉76Aの端部(中央の通過口72寄りの端部)までの距離と、中心から開放扉76Bの端部(中央の通過口72寄りの端部)までの距離とが常に同じであることを意味する。
役物20の左右両側には、可動部材77,78が設けられている。可動部材77において動く部分は可動部77Aであり、可動部材78において動く部分は可動部78Aである。可動部77Aは可動部駆動ソレノイド77Bによって動かされ、可動部78Aは可動部駆動ソレノイド78Bによって動かされる。可動部77Aおよび可動部78Aは、それぞれ、上下方向に動く。役物20における最下部に設けられている特定領域を形成する特定入賞口66に入賞した遊技球は、特定領域スイッチ66Aで検出される。なお、遊技球が特定入賞口66に入賞し特定領域スイッチ66Aで検出されたことをV入賞ともいう。
通過口71を通過し誘導樋71A(図5において図示せず)によって導かれた遊技球は、図5(A)に示すように、特定入賞口66に至る通路71Bを通って、特定領域に到達することが可能である。通路71Bは、中途から、上方が開放している開放部(樋状通路)になり、開放部の始まり部分に、通路71Bに繋がり特定領域に到達不能な通路であるはずれ通路71Cが設けられている。図5(B)に示すように、可動部77Aは、動作時(下位置にあるとき)に通路71Bの開放部の始まり部分において通路71Bの下流への遊技球の通過を阻止し、遊技球をはずれ通路71Cに導く。図5(A)に示すように、可動部77Aが上位置にあるときには、遊技球は、可動部77Aに阻止されず、可動部77Aが設けられている位置から通路71Bの下流側に流下する。
通過口72,73を通過し誘導樋73A(図6において図示せず)によって導かれた遊技球は、図6(A)に示すように、特定入賞口66に至る通路73Bを通って、特定領域に到達することが可能である。通路73Bは、中途から、上方が開放している開放部(樋状通路)になっている。通路73Bの開放部は湾曲し、開放部の始まり部分における湾曲の内側には壁が存在しない。図6(B)に示すように、可動部77Aは、動作時(下位置にあるとき)に通路73Bの開放部の始まり部分において通路73Bの下流への遊技球の通過を阻止し、遊技球を、内壁が存在しない部分から、特定領域に到達不能な通路であるはずれ通路73Cに導く。図6(A)に示すように、可動部78Aが上位置にあるときには、遊技球は、可動部78Aに阻止されず、遠心力によって湾曲の外側の壁に沿うように通路73Bを流れるので、可動部78Aが設けられている位置から通路73Bの下流側に流下する。
通路73Bは、途中穴74に至る。回転体86は、途中穴74の下部に設けられている。途中穴74を通過した遊技球は、回転体86の側に流下する。
図7(A)に示すように、途中穴74を通過した遊技球は、通路74Bを通って特定領域の側に流下する。通路74Bは、回転体86の上部において、通過口71からの経路である通路71Bと合流する。
なお、この実施の形態では、通過口72を通った遊技球と通過口73を通った遊技球とは誘導樋73Aで合流するが、通過口72を通った遊技球と、通過口73を通った遊技球とを合流させず、通過口72から途中穴74に直接到達するような球通路を設けてもよい。
図7(B)に示すように、特定入賞口66に入賞し特定領域スイッチ66Aで検出された遊技球は、さらに役物排出スイッチ85aで検出される。なお、特定入賞口66に入賞しなかった遊技球も、役物排出スイッチ85aで検出される。つまり、この実施の形態では、役物20に進入した全ての遊技球は、役物排出スイッチ85aで検出される。なお、特定入賞口66に入賞した遊技球は役物排出スイッチ85aで検出されず、特定入賞口66に入賞しなかった遊技球のみが役物排出スイッチ85aで検出されるように、球経路を構成してもよい。その場合には、特定領域スイッチ66Aで検出された遊技球の数と役物排出スイッチ85aで検出された遊技球の数との和が、役物20から排出された遊技球の数になる。
図8(A)に示すように、はずれ通路71C,73Cを通った遊技球は、特定入賞口66の直上の近傍に形成されているはずれ口67,68から、特定入賞口66を通らない経路に誘導される。
また、図10に示すように、回転体86の表面には複数の凹部86Cが形成され、回転体86の一部には、切り欠き部86Aが設けられている。図10に示す例では、7個の凹部86Cが設けられている。途中穴74から通路74Bに入った遊技球および通路71Bを通過した遊技球は回転体86に至るが、回転体86の切り欠き部86Aのみから、特定入賞口66に入賞可能である。回転体86における枠領域(ドーナツ部)の表面に形成されている凹部86Cに入った遊技球は、回転体86によって移動され、はずれ口69から、特定入賞口66を通らない経路に誘導される。なお、凹部86Cは底面を有していない連通穴である。よって、凹部86Cに入った遊技球は下部に落下可能であるが、遊技球が入った凹部86Cがはずれ口69の位置に来るまでの間、回転体86の裏面の構造物によって落下は阻止されている。また、凹部86Cの外縁部の壁部によって、凹部86Cから特定入賞口66に向かって落下することも阻止されている。なお、1つの凹部86Cとそれに隣接する凹部86Cとの間(以下、「接続部」ともいう。)は連通穴ではないので、そこから遊技球が下部に落下することはない。
図9に破線矢印で示すように、回転体86は、回転体駆動モータ87(図10参照)の駆動によって回転(この例では、反時計回りに回転)する。回転体86の回転中に、切り欠き部86Aが特定入賞口66の直上に位置したときに回転体86に到達した遊技球は、直ちに特定入賞口66に入賞可能である。また、回転体86におけるドーナツ部の内側の領域(内部領域)は、平面状に形成された領域である。よって、回転体86に到達した遊技球は、内部領域で転動した後に、切り欠き部86Aまたは凹部86Cに入ることもある。
また、図10に示すように、回転体86の近傍には、位置検出のためのセンサが設けられている。センサは、例えば、回転体86を挟むように設置されている発光ダイオード等の発光素子とフォトダイオードやフォトトランジスタ等の受光素子とからなり、回転体86には穴部87cが設けられている。穴部87cは、回転体86の内部領域における所定位置に形成されている。具体的には、回転体86が回転して、穴部を含む領域がセンサ設置位置に対応する位置にくると発光素子からの光を受光素子側に通過させるような位置に形成されている。なお、受光素子を、以下、位置センサ87aという。
途中穴74を通過し通路74Bを通って回転体86に到達した遊技球は、切り欠き部86Aが特定入賞口66の直上に位置しているときには、ほぼ必ず切り欠き部86Aから落下して特定入賞口66に入賞する。しかし、通路71Bから遊技球が回転体86に到達した場合には、切り欠き部86Aが特定入賞口66の直上に位置しているときでも、切り欠き部86Aから落下せず、切り欠き部86Aを渡ってしまうことがある。途中穴74から回転体86へのルートである通路74Bは回転体86の表面に対して急傾斜し、かつ、回転体86に対して上部から流下するように形成されているのに対して、通路71Bは、回転体86に流入する直前において、回転体86の表面に対して横方向から流入するように形成されているからである。
よって、この実施の形態では、遊技球が中央の通過口72または右の通過口73を通過した場合には、遊技球が左の通過口71を通過した場合に比べて、高い確率でV入賞が生ずる。つまり、通過口72および通過口73からの右ルートは、通過口71からの左ルートに対して、遊技球を特定入賞口66に誘導しやすくなっている。また、通過口72から途中穴74に直接到達するような球通路を設けた場合には、遊技球が中央の通過口72を通過したときには、可動部77A,78Aによって阻止されることがないので、左右の通過口71,73を通過した場合に比べて、特定入賞口66に到達しやすい。
なお、この実施の形態では、第2大当り遊技状態において、遊技球が役物入賞スイッチで検出された場合に入賞が生じたとする。すなわち、3つの役物入賞スイッチ71a,72a,73aが設けられている領域が入賞領域に相当する。しかし、可変入賞球装置20の内部において役物入賞スイッチとは別に遊技球を検出するスイッチを設け、遊技球がそのスイッチで検出された場合に入賞が生じたとしてもよい。
図11は、この実施の形態の遊技機の遊技の進み方の一例を示す説明図である。図11に示すように、始動入賞口に遊技球が入賞していずれかの始動口スイッチ11a,12a,13aの検出信号がオン状態になると、すなわち始動入賞が生ずると、遊技の進行を制御する遊技制御手段によって抽選が実行される。この実施の形態では、抽選の結果、大当り、小当りまたははずれに決定される。そして、特別図柄および演出図柄の変動(可変表示)が開始される。特別図柄および演出図柄の変動が終了すると、大当りに決定されている場合には、遊技状態が大当り遊技状態(第1大当り遊技状態)に移行される。大当り遊技状態では、開閉板16による大入賞口が16回(16ラウンド、1ラウンドの開放許容時間は29秒)開閉制御される。なお、この実施の形態では、大当り遊技状態におけるラウンド数は16で一定あるが、ラウンド数(例えば、2ラウンド、7ラウンド、16ラウンドのいずれか)を抽選等によって決定するようにしてもよい。
小当りに決定されている場合には、遊技制御手段は、役物20を開放状態に制御して始動動作を開始させる。始動動作状態において、役物20は、0.9秒間開放状態になる。開放状態になる回数(開放回数)は、1回、2回または3回である。始動動作状態において、遊技球が役物20に入賞し、さらに、遊技球が特定入賞口66に入賞して特定領域スイッチ66Aで検出されるとV入賞が発生する。V入賞が発生すると、遊技状態が大当り遊技状態(第2大当り遊技状態)に移行される。V入賞が発生しなかった場合には、第2大当り遊技状態に移行しない。すなわち、はずれになる。
この実施の形態では、「始動入賞」が生ずると、特別図柄表示器8において特別図柄の変動が行われ、それに同期して演出表示装置9において表示演出が行われる。変動時間が経過すると、特別図柄の停止図柄が導出表示され、停止図柄が小当り図柄である場合には、役物20が開放(羽根開放)し小当り遊技が開始される。
図12は、特別図柄の停止図柄、当りの種類および判定値の関係を示す説明図である。図12に示すように、特別図柄の停止図柄には大当り図柄(この例では、「3」または「7」)、小当り図柄(この例では、「1」、「2」、「4」、「5」、「6」、「8」または「9」)およびはずれ図柄(この例では、「0」)があるが、小当り図柄と始動動作状態における役物20の開放回数は対応している。よって、小当り遊技においてV入賞が生ずる前の段階で遊技者の有利不利(開放回数)に関わる表示がなされ、特定入賞口66に遊技球が入賞するか否かに遊技者の興味を引きつけることができる。
また、図12には、特別図柄の停止図柄ごとの判定値も示されている。ただし、図12には、具体的な判定値ではなく、判定値の個数が示されている。この実施の形態では、大当り判定用乱数(ランダムR)が取り得る数値の範囲は、0〜441であるとする。判定値の総数は、大当り判定用乱数が取り得る数である442個ある。また、442個の判定値は、それぞれが異なる数値である。CPU56は、所定の時期に、乱数回路503からカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数値とするのであるが、大当り判定用乱数値に一致する判定値に対応する大当り、小当りまたははずれとすることに決定する。なお、小当り遊技(始動動作状態に相当。)においてV入賞が生ずると第2大当り遊技が開始されるので、大当りまたは小当りとすることに決定するということは、実質的に、第1大当りとするか第2大当りとするのかを決定するということでもある。
なお、大当りには、非時短大当りと時短大当りとがある。いずれの場合も、特別図柄の変動が終了したら、始動動作状態を経ず、直接、16ラウンドの大当り遊技状態(第1大当り遊技状態)に移行するが、時短大当りの場合には、大当り遊技終了後に遊技状態が時短状態に移行する(一方、非時短大当りの場合には、大当り遊技終了後の遊技状態は通常状態である)。
図12に示すように、この実施の形態では、複数種類の小当りがある。小当りには、始動動作状態において役物20を1回開放する小当りと、始動動作状態において役物20を2回開放する小当りと、始動動作状態において役物20を3回開放する小当りとがある。小当り種類と特別図柄の停止図柄とは対応している。
図12に示すように、特別図柄の停止図柄「0」は、はずれ図柄である。
また、図12に示すように、特別図柄の停止図柄「1」、「4」および「6」は、小当り図柄であり、始動動作状態において役物20が1回開放する。以下、始動動作状態において役物20を1回開放する小当りを小当り1ともいい、小当り1における始動動作状態を小当り1遊技状態ともいう。また、この実施の形態では、始動動作状態において、可動部材77,78が所定の可動パターンに従って可動するのであるが、小当り1遊技状態では、可動パターンAに従って可動部材77,78が可動する。なお、可動パターンについては後述する。
また、この実施の形態では、小当り1遊技後の第2大当り遊技のうち、特別図柄の停止図柄が「1」または「4」となったことにもとづいて移行された小当り1遊技においてV入賞して移行された第2大当り遊技の終了後には通常状態に移行される。一方、特別図柄の停止図柄が「6」となったことにもとづいて移行された小当り1遊技においてV入賞して移行された第2大当り遊技の終了後には時短状態に移行される。なお、この場合、時短状態は、第2大当り遊技の終了後、特別図柄の変動表示を10回実行するまで継続される。
また、図12に示すように、特別図柄の停止図柄「2」、「5」および「8」は、小当り図柄であり、始動動作状態において役物20が2回開放する。以下、始動動作状態において役物20を2回開放する小当りを小当り2ともいい、小当り2における始動動作状態を小当り2遊技状態ともいう。また、小当り2遊技状態では、可動パターンBに従って可動部材77,78が可動する。
また、この実施の形態では、小当り2遊技後の第2大当り遊技のうち、特別図柄の停止図柄が「2」となったことにもとづいて移行された小当り2遊技においてV入賞して移行された第2大当り遊技の終了後には通常状態に移行される。一方、特別図柄の停止図柄が「5」または「8」となったことにもとづいて移行された小当り2遊技においてV入賞して移行された第2大当り遊技の終了後には時短状態に移行される。なお、この場合、時短状態は、第2大当り遊技の終了後、特別図柄の変動表示を20回実行するまで継続される。
このように、この実施の形態では、小当り2遊技が行なわれる場合には小当り1遊技が行なわれる場合と比較して、役物20の開放回数が多いのであるから、V入賞して第2大当りとなる可能性が高められている。また、小当り2遊技が行なわれる場合には小当り1遊技が行なわれる場合と比較して、第2大当り終了後に時短状態に移行される割合が高いのであるから、第2の大当り終了後の遊技価値が高められている。
また、図12に示すように、特別図柄の停止図柄「9」は、小当り図柄であり、始動動作状態において役物20が3回開放する。以下、始動動作状態において役物20を3回開放する小当りを小当り3ともいい、小当り3における始動動作状態を小当り3遊技状態ともいう。また、小当り3遊技状態では、可動パターンCに従って可動部材77,78が可動する。
また、この実施の形態では、小当り3遊技においてV入賞して移行された第2大当り遊技の終了後には時短状態に移行する。なお、この場合、時短状態は、第2大当り遊技の終了後、特別図柄の変動表示を30回実行するまで継続される。
このように、この実施の形態では、小当り3遊技が行なわれる場合には小当り1遊技や小当り2遊技が行なわれる場合と比較して、役物20の開放回数が多いのであるから、V入賞して第2大当りとなる可能性がさらに高められている。また、小当り3遊技が行なわれる場合には小当り1遊技や小当り2遊技が行なわれる場合と比較して、第2大当り終了後に100パーセントの確率で時短状態に移行されるのであるから、第2の大当り終了後の遊技価値がさらに高められている。
また、図12に示すように、特別図柄の停止図柄「3」は、非時短大当り図柄であり、第1大当り遊技状態に移行される。また、第1大当り遊技の終了後には通常状態に移行される。
また、図12に示すように、特別図柄の停止図柄「7」は、時短大当り図柄であり、第1大当り遊技状態に移行される。また、第1大当り遊技の終了後には時短状態に移行される。なお、この場合、時短状態は、第1大当り遊技の終了後、特別図柄の変動表示を100回実行するまで継続される。ただし、特別図柄の変動表示を100回終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも時短状態は終了する。
次に、遊技機における制御手段等の構成および動作を説明する。
図13は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図13には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数を発生する乱数回路503が内蔵されている。乱数回路503は、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されるのではなく、主基板31において、遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部に設けられていてもよい。
RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12a、第3始動口スイッチ13a、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、第3役物入賞スイッチ73a、特定領域スイッチ66A、役物排出スイッチ85a、カウントスイッチ23、左ゲートスイッチ17a、右ゲートスイッチ19a、および位置センサ87aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するためのソレノイド15a、開閉板16を開閉するためのソレノイド21、開閉扉76A,76Bを開閉させる開閉モータ75、可動部77Aを動作させる可動部駆動ソレノイド77B、可動部78Aを動作させる可動部駆動ソレノイド78Bを遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板177を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の表示制御、ランプの点灯制御およびスピーカ27の制御を行う。
図14は、中継基板177、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図14に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板177を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、演出表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板177から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板177への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
さらに、中継基板177には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路177Aが搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図14には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板177から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板177からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図13に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ(図示せず)に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば、演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用CPU101とランプドライバ基板35および音声出力基板70との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
次に、遊技機の動作について説明する。図15は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する処理も実行する。CPU56は、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。乱数回路503は、所定のクロック信号を用いて乱数を発生させる。一例として、乱数回路503は、CPU56から数値が読み出されるときに、0〜598の数値のいずれかの数値をCPU56に出力するように設定される。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S13)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップ監視タイマの値が判定値(例えば2)と同じ値になっているか否かを確認することにより判定できる。なお、そのような態様にかぎらず、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグを設定するように構成し、ステップS7でバックアップフラグがセットされているか否かを判定するように構成してもよい。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS15に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS10〜S12の処理によって、例えば、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値(例えば0)が設定される。
また、CPU56は、初期化処理を実行したことを指定する初期化指定コマンドをサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S13)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、普通図柄の停止図柄を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄の表示結果を当り図柄とするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう。)において、普通図柄当り判定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図16に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源確認信号の出力の停止(オフ状態)を検出したときに電源停止時の処理を実行する電源断処理を実行する(ステップS20)。電源確認信号は、例えば主基板31に搭載されている電源監視回路(図示せず)が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合にオフ状態となる。そして、電源断処理において、CPU56は、電源確認信号の出力の停止を検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。
次いで、CPU56は、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12a、第3始動口スイッチ13a、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、第3役物入賞スイッチ73a、特定領域スイッチ66A、役物排出スイッチ85a、カウントスイッチ23、左ゲートスイッチ17a、右ゲートスイッチ19a、および位置センサ87aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS31,S32で設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次いで、CPU56は、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
図17は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム2:特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(2)ランダム3:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(3)ランダム4:ランダム3の初期値を決定する(ランダム3初期値決定用)
(4)ランダム5:普通図柄の停止図柄を決定する(普通図柄決定用)
なお、大当りにするのか小当りにするのかを決定するための大当り判定用乱数として、乱数回路503が生成する乱数が用いられる。以下、大当り判定用乱数を、ランダム1またはランダムRということがある。また、(1)〜(4)の乱数をソフトウェア乱数ということがある。
図16に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(2)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、普通図柄当り判定用乱数が判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(4)の乱数以外のソフトウェア乱数も用いてもよい。
また、この実施の形態では、ハードウェア乱数であるランダム1(ランダムR)によって大当りまたは小当りを発生させるか否か決定することによって、特別図柄の停止図柄も決定されることになる。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて特別図柄表示器8、大入賞口(開閉板16による大入賞口)を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態および可変入賞球装置15の制御状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、CPU56は、演出表示装置9の表示制御に関する演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12a、第3始動口スイッチ13a、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、第3役物入賞スイッチ73a、およびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS29)。具体的には、第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12a、第3始動口スイッチ13a、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、第3役物入賞スイッチ73a、およびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS30:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS31)。CPU56は、例えば、特別図柄の変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
次いで、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される始動口信号、図柄確定回数1〜2信号、大当り1〜3信号、時短信号、セキュリティ信号などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS33)。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S32(ステップS33を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図18は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8および大入賞口を制御するための処理が実行される。
CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤に設けられている始動入賞口に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ(第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12aまたは第3始動口スイッチ13a)がオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS321)、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS322)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数(始動入賞記憶数)を確認する。保留記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。保留記憶数が0でない場合には、大当りとするか否か決定する。また、特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値(この例では1)に更新する。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測するための変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄変動中処理(ステップS302)に対応した値(この例では2)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄停止処理(ステップS303)に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。特別図柄表示器8における可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、右ゲートスイッチ19aからの検出信号を入力したことにもとづいて、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を大入賞口開放前処理(ステップS307)に対応した値(この例では7)に更新する。小当りフラグ(小当り1フラグ〜小当り3フラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を役物開放前処理(ステップS304)に対応した値(この例では4)に更新する。大当りフラグも小当りフラグもセットされていない場合(はずれである場合)には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値(この例では0)に更新する。ただし、時短状態を終了する変動表示を終了する場合であれば、左ゲートスイッチ17aからの検出信号を入力したことにもとづいて、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄通常処理(ステップS300)または役物開放前処理(ステップS304)に対応した値(この例では0)に更新し、新たな変動表示を開始可能な状態または小当り状態に制御する。なお、時短状態を終了する変動表示を終了した後小当り状態に制御する場合には、変動表示を終了するとそのまま小当り状態に移行するようにし、小当り状態を終了するときに、左ゲートスイッチ17aからの検出信号を入力したことにもとづいて、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値(この例では0)に更新し、新たな変動表示を開始可能な状態に制御するようにしてもよい。すなわち、小当り状態自体は、左ゲート17を遊技球が通過しなくても移行するように構成してもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
役物開放前処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動動作を行わせるための処理を実行して、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を、役物開放中処理(ステップS305)に応じた値(この例では5)に更新する。
役物開放中処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。特定領域スイッチ66Aがオンしたか否か確認するとともに、役物開放時間が経過したか否か確認する。特定領域スイッチ66Aがオンした場合には、V入賞フラグをセットする。役物開放時間が経過した場合には、役物を閉鎖状態にする。そして、役物開放回数カウンタの値を−1し、役物開放回数カウンタの値が0でなければ、再び始動動作を行わせるために役物を開放状態にする。役物開放回数カウンタの値が0であれば、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を役物閉鎖後処理(ステップS306)に対応した値(この例では6)に更新する。
役物閉鎖後処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。V入賞フラグがセットされている場合には、右ゲートスイッチ19aからの検出信号を入力したことにもとづいて、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を大入賞口開放前処理(ステップS307)に対応した値(この例では7)に更新する。V入賞フラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値(この例では0)に更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大入賞口(開閉板16による大入賞口)を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を、大入賞口開放中処理(ステップS308)に応じた値(この例では8)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立した場合には、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を、大入賞口閉鎖後処理(ステップS309)に応じた値(この例では9)に更新する。
大入賞口閉鎖後処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を大入賞口開放前処理(ステップS307)に対応した値(この例では7)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態を大当り終了処理(ステップS310)に対応した値(この例では10)に更新する。
大当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、大当り遊技状態の終了後の遊技状態に応じて左ゲートスイッチ17aまたは右ゲートスイッチ19aからの検出信号を入力したことにもとづいて、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を特別図柄通常処理(ステップS300)に応じた値(この例では0)に更新する。
図19は、演出制御用マイクロコンピュータ100に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図19に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8CXX(H)(XX=0〜9)は、変動パターンコマンドで指定する演出図柄の可変表示の表示結果を特定可能な演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、XXとして設定されるデータは、特別図柄の停止図柄を示すデータである。
コマンド8F00(H)は、特別図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。なお、導出表示とは、図柄を最終的に停止表示させることである。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。コマンドA002(H)は、小当り遊技(始動動作状態)の開始を指定する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、小当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド)である。ただし、小当り終了指定コマンドは、小当り遊技(始動動作状態)においてV入賞しなかった場合に送信される。V入賞した場合には、大当り開始指定コマンドが送信される。
コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態になったことを示す演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が時短状態から通常状態(非時短状態)に戻ったことを示す演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。
コマンドE001(H)は、始動入賞が生じたことを示す演出制御コマンド(始動入賞指定コマンド)である。なお、始動入賞が生じたことを示す演出制御コマンドを、保留記憶数そのものを示す演出制御コマンドにしてもよい。
コマンドE401(H)は、役物20への入賞が生じたことを示す演出制御コマンド(役物入賞指定コマンド)である。コマンドE402(H)は、特定入賞口66への入賞が生じたことを示す演出制御コマンド(V入賞指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図19に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更するとともに、ランプ等の発光体の表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
図20は、ステップS322の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、保留記憶数が上限値である4になっているか否か確認する(ステップS41)。保留記憶数が4になっている場合には、処理を終了する。
保留記憶数が4になっていない場合には、保留記憶数を示す保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS42)。また、CPU56は、乱数を生成するためのカウンタからカウント値を読み出してソフトウェア乱数を抽出するとともに、乱数回路503のカウント値を読み出してランダムR(乱数回路503が生成する大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS43)。ステップ43では、CPU56は、ソフトウェア乱数としてランダム2(図17参照)の値(変動パターン用乱数を生成するためのカウンタの値)を抽出する。また、保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、変動パターン用乱数を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
また、特別図柄保留記憶表示器18の表示を、保留記憶数カウンタの値を示す表示に変更する(ステップS44)。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100に、始動入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS45)。具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する(他の演出制御コマンドについても同様)。
図21および図22は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理が実行される状態は、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合である。なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示がなされていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態である。
特別図柄通常処理において、CPU56は、保留記憶数を確認する(ステップS51)。具体的には、保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。保留記憶数が0であれば処理を終了する。
保留記憶数が0でなければ、RAM55の保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS52)、保留記憶数の値を1減らし(保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS53)。すなわち、RAM55の保留記憶数バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数(ランダムR)を読み出し(ステップS61)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS62)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている判定値(図12参照)と大当り判定用乱数とを比較し、大当りとするか、小当りとするか、またははずれとするかを決定する処理を実行するプログラムである。なお、大当りとするか否かを決定するということは、第1大当り遊技状態に移行させるか否かを決定するということであり、小当りとするかを決定するということは、始動動作状態に移行させるか否か決定するということである。また、大当りとするか、小当りとするか、またははずれとするかを決定するということは、特別図柄表示器8における停止図柄(表示結果)を決定するということでもある(図12参照)。
非時短大当りとすることに決定(言い換えれば、非時短大当り図柄「3」に決定)したときには(ステップS63)、CPU56は、大当りに決定したことを示す大当りフラグをセットする(ステップS64)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS68)。また、時短大当りとすることに決定(言い換えれば、時短大当り図柄「7」に決定)したときには(ステップS65)、CPU56は、大当りフラグおよび時短大当りに決定したことを示す時短大当りフラグをセットする(ステップS66,S67)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS68)。
大当りとすることに決定しなかった場合には、CPU56は、小当り1図柄(具体的には、図柄「1」、「4」または「6」)に決定した場合には(ステップS69)、小当り1に決定したことを示す小当り1フラグをセットする(ステップS70)。また、小当り2図柄(具体的には、図柄「2」、「5」または「8」)に決定した場合には(ステップS71)、小当り2に決定したことを示す小当り2フラグをセットする(ステップS72)。また、小当り3図柄(具体的には、図柄「9」)に決定した場合には(ステップS73)、小当り3に決定したことを示す小当り3フラグをセットする(ステップS74)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS68)。
図23は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、乱数バッファ領域から変動パターン決定用乱数を読み出す(ステップS90)。そして、変動パターン決定用乱数にもとづいて変動パターンテーブルから変動パターンを選択する(ステップS91)。変動パターンテーブルとは、変動パターンと対応させて判定値が設定されているROM54の領域である。
さらに、CPU56は、ステップS91で選択した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS92)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に表示結果指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS93)。
また、特別図柄の変動を開始する(ステップS94)。例えば、ステップS31の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、ステップS91の処理で選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS95)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS96)。
図24は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS121)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS122)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS123)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図25は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、特別図柄の停止図柄を既に導出表示しているか否か確認する(ステップS130)。停止図柄を既に導出表示している場合には、ステップS133に移行する。
特別図柄の停止図柄を導出表示していない場合は、CPU56は、ステップS31の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、特別図柄表示器8に停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。また、図柄確定指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS132)。
大当りフラグがセットされている場合(特別図柄表示器8には特定表示結果としての3または7が導出表示されている。)には(ステップS133のY)、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグや、時短状態移行後の特別図柄の変動表示の実行回数をカウントするための時短回数カウンタがセットされていれば、時短フラグをリセットして時短状態を終了するとともに時短回数カウンタをリセットする(ステップS134)。なお、図25では図示を省略しているが、ステップS134で時短状態を終了して通常状態に移行した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して通常状態指定コマンドを送信する制御も行う。
また、CPU56は、ホールコンピュータなどの外部装置に対して、右ゲート19への遊技球の通過待ち状態であることを示す右ゲート通過待ち信号を外部出力する制御を行う(ステップS135)。なお、この場合、CPU56は、右ゲート19への遊技球の通過待ち状態であることを示すコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、受信したコマンドにもとづいて、演出表示装置9において右ゲート19への通過待ち状態であることを示す表示(例えば、「右ゲートを狙え!」などの文字表示)を表示するようにしてもよい。また、この実施の形態で示した処理態様にかぎらず、例えば、先にステップS136の処理を実行して右ゲートスイッチ19aからの検出信号を入力したか否かを確認し、右ゲートスイッチ19aからの検出信号を入力していないことにもとづいてステップS135の処理を実行して、右ゲート通過待ち信号を外部出力するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、右ゲートスイッチ19aからの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS136)。右ゲートスイッチ19aからの検出信号を入力していなければ(すなわち、未だ右ゲート19を遊技球が通過していなければ)、そのまま処理を終了する。すなわち、ステップS136の判定処理が行われることによって、この実施の形態では、大当り図柄(本例では、「3」、「7」)が導出表示された場合であっても直ちに大当り遊技は開始されず、右ゲート19を遊技球が通過したことにもとづいてステップS137以降の処理に移行して大当り遊技が開始されるように構成されている。
右ゲートスイッチ19aからの検出信号を入力していれば(すなわち、右ゲート19を遊技球が通過していれば)、CPU56は、大当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS137)。また、開放回数カウンタに大当り遊技における大入賞口開放可能回数である開放回数(ラウンド数)をセットし(ステップS138)、ラウンド開始前タイマにラウンド開始前時間(新たなラウンドが開始されることを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS139)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開始前処理(ステップS307)に対応した値に更新する(ステップS140)。なお、開放回数カウンタに設定されるラウンド数は、第1大当りのラウンド数である16ラウンド(16R)に相当する16である。
なお、時短状態中に大当りが発生した場合には、ステップS134で時短状態を終了して通常状態に移行されるとともに大当り遊技が開始されるのであるから、厳密には時短状態から通常状態への移行および大当り遊技状態への移行の2つの状態移行が発生しているのであるが、この実施の形態では、ステップS134〜S140の処理が実行されることによって、時短状態から通常状態への移行については特にゲート通過を条件とせず、大当り遊技状態への移行のみ右ゲート19への遊技球の通過を条件として移行するようにしている(ステップS136参照)。なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、時短状態から通常状態への移行についても、例えば、左ゲート17への遊技球の通過を条件として移行するように構成してもよい。また、例えば、1つのゲートに時短状態から通常状態への移行に対応するセンサと大当り遊技開始に対応するセンサとの2つのセンサを設けるようにし、1つのゲートを遊技球が通過して2つのセンサそれぞれの検出信号を入力したことにもとづいて、時短状態から通常状態に移行させるとともに、大当り遊技を開始するように構成してもよい。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、時短状態移行後の特別図柄の変動表示の実行回数をカウントするための時短回数カウンタの値が0となっているか否かを確認する(ステップS141)。時短回数カウンタの値が0でなければ、CPU56は、時短回数カウンタの値を1減算し(ステップS142)、減算後の時短回数カウンタの値が0となったか否かを確認する(ステップS143)。減算後の時短回数カウンタの値が0となっていれば、ステップS145に移行し、ホールコンピュータなどの外部装置に対して、左ゲート17への遊技球の通過待ち状態であることを示す左ゲート通過待ち信号を外部出力する制御を行う(ステップS145)。減算後の時短回数カウンタの値が0となっていなければ、ステップS148に移行する。
ステップS141で時短回数カウンタの値が0であれば、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS144)。時短フラグがセットされていなければ、ステップS148に移行する。時短フラグがセットされていれば(ステップS144のY)、所定回数(本例では、10回、20回、30回、または100回)の変動表示を終了して時短回数カウンタの値が0となったが未だ左ゲート17を遊技球が通過していない状態である。この場合には、CPU56は、ステップS145に移行し、ホールコンピュータなどの外部装置に対して、左ゲート17への遊技球の通過待ち状態であることを示す左ゲート通過待ち信号を外部出力する制御を行う(ステップS145)。
なお、ステップS145において、CPU56は、左ゲート17への遊技球の通過待ち状態であることを示すコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、受信したコマンドにもとづいて、演出表示装置9において左ゲート17への通過待ち状態であることを示す表示(例えば、「左ゲートを狙え!」などの文字表示)を表示するようにしてもよい。また、この実施の形態で示した処理態様にかぎらず、例えば、先にステップS146の処理を実行して左ゲートスイッチ17aからの検出信号を入力したか否かを確認し、左ゲートスイッチ17aからの検出信号を入力していないことにもとづいてステップS145の処理を実行して、左ゲート通過待ち信号を外部出力するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、左ゲートスイッチ17aからの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS146)。左ゲートスイッチ17aからの検出信号を入力していなければ(すなわち、未だ左ゲート17を遊技球が通過していなければ)、そのまま処理を終了する。すなわち、ステップS146の判定処理が行われることによって、この実施の形態では、時短状態中に時短回数カウンタの値が0となった場合であっても直ちには時短状態が終了されないとともに新たな変動表示を開始できず、左ゲート17を遊技球が通過したことにもとづいてステップS147以降の処理に移行して時短状態が終了されるとともに新たな変動表示を開始可能な状態または小当り遊技状態となるように構成されている。
左ゲートスイッチ17aからの検出信号を入力していれば(すなわち、左ゲート17を遊技球が通過していれば)、CPU56は、時短フラグをリセットし(ステップS147)、時短状態を終了する。なお、図25では図示を省略しているが、ステップS147で時短状態を終了して通常状態に移行した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して通常状態指定コマンドを送信する制御も行う。
次いで、CPU56は、小当りフラグ(具体的には、小当り1フラグ〜小当り3フラグのいずれか)がセットされているか否かを確認する(ステップS148)。セットされていなければ(すなわち、はずれであれば)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS149)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、小当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS150)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を役物開放前処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS151)。
図26は、役物開放前処理(ステップS304)を示すフローチャートである。役物開放前処理において、CPU56は、小当り1フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS411A)。セットされていれば、始動動作における可変入賞球装置20(役物)の開放回数を示す役物開放回数カウンタに1を設定する(ステップS411B)。小当り1フラグがセットされていなければ、CPU56は、小当り2フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS411C)。セットされていれば、役物開放回数カウンタに2を設定する(ステップS411D)。小当り2フラグもセットされていなければ(すなわち、小当り3フラグがセットされている場合)、役物開放回数カウンタに3を設定する(ステップS411E)。
次いで、CPU56は、役物の開放時間を示す役物開放時間タイマに開放時間(例えば0.9秒)に相当する値を設定する(ステップS412)。そして、役物20を開放状態にする(ステップS413)。具体的には、開閉扉76A,76Bを駆動する開閉モータ75の駆動を開始して、役物(可変入賞球装置)20を開放状態にさせる。また、役物20の内部に進入した遊技球を計数する役物内遊技球個数カウンタをクリア(0に初期化)し(ステップS414)、特別図柄プロセスフラグの値を、役物開放中処理(ステップS305)に応じた値に更新する(ステップS415)。
図27は、役物開放中処理(ステップS305)を示すフローチャートである。役物開放中処理において、CPU56は、役物開放時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS420)。タイムアウトしていれば、役物開放回数カウンタの値が0になっているか否か(始動動作状態における最終回の開放が既に終了しているか否か)確認する(ステップS420A)。役物開放回数カウンタの値が0になっている場合には、ステップS434に移行する。役物開放回数カウンタの値が0になっていない場合には、役物開放回数カウンタの値を−1する(ステップS420B)。そして、役物開放回数カウンタの値が0になったか否か確認する(ステップS420C)。そして、役物開放回数カウンタの値が0になったか否か確認する(ステップS420C)。役物開放回数カウンタの値が0になった場合、すなわち、始動動作の終了条件が成立した場合には、ステップS434に移行する。役物開放回数カウンタの値が0になっていない場合には、CPU56は、役物を再度開放するための制御を行う。すなわち、役物開放時間タイマに開放時間(例えば0.9秒)に相当する値を設定する(ステップS420D)。さらに、役物20を開放状態に制御する(ステップS420E)。
ステップS434では、役物内遊技球個数カウンタの値が0になっているか否か確認する。役物内遊技球個数カウンタの値が0になっていない場合には、ステップS424に移行する。役物内遊技球個数カウンタの値が0になった場合には、特別図柄プロセスフラグの値を、役物閉鎖後処理(ステップS306)に応じた値に更新する(ステップS435)。
以上のように、CPU56は、最終回の開放についての役物開放時間(0.9秒)が経過した後、役物内遊技球個数カウンタの値が0になったときに、すなわち全ての遊技球が役物20から排出されたときに、特別図柄プロセスフラグの値を役物閉鎖後処理に応じた値に更新する(ステップSS420,S420A,S420C,S434,S435)。つまり、役物開放中処理において、全ての遊技球が役物20から排出されたことを条件に、遊技状態(この場合には、特別図柄プロセスフラグの値)を変化させる。なお、役物閉鎖後処理において、V入賞が生じなかったことを条件に特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に応じた値に更新する(図32におけるステップS451,S462参照)。
役物開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、役物開放時間タイマの値を−1する(ステップS421)。そして、CPU56は、役物開放時間タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS422)。タイムアウトしていれば、役物20を閉鎖状態に制御する(ステップS432)。具体的には、開閉扉76A,76Bを閉鎖する方向に開閉モータ75を回転させる。また、回転体86を初期位置で停止させるとともに、可動部材77,78における可動部77A,78Aを初期位置(遊技球を阻止しない位置)で停止させる(ステップS433)。
なお、回転体86の初期位置は、位置センサ87aが検出信号を出力したときの回転体86の位置である。つまり、回転体86に設けられている穴部87cがセンサ設置位置に対応する位置にきたときの回転体86の位置である。従って、CPU56は、実際には、ステップS431において、位置センサ87aが検出信号を出力したときに、回転体駆動モータ87の駆動を停止する。また、可動部駆動ソレノイド77B,78Bの駆動を停止することによって、可動部77A,78Aを初期位置に戻す。
役物開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、回転体・可動部制御を実行する(ステップS423)。また、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72aまたは第3役物入賞スイッチ73aがオンしたら、すなわち役物に入賞した遊技球を検出したら(ステップS424)、役物内遊技球個数カウンタの値を+1するとともに(ステップS425)、演出制御用マイクロコンピュータ100に役物入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS426)。また、役物排出スイッチ85aがオンしたら、すなわち役物から排出された遊技球を検出したら(ステップS427)、役物内遊技球個数カウンタの値を−1する(ステップS428)。
遊技球が特定入賞口66に進入したことを示す特定領域スイッチ66Aがオンしたら(ステップS429)、V入賞フラグをセットするとともに(ステップS430)、演出制御用マイクロコンピュータ100にV入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS431)。
図28は、回転体・可動部制御を示すフローチャートである。回転体・可動部制御において、CPUは、回転体86および可動部77A,78Aが動作中(回転体・可動部動作中)であるか否か確認する(ステップS440)。動作中でなければ、役物20が開放したか否か確認する(ステップS441)。オンしたら、回転体86の駆動を開始する(ステップS442)。すなわち、回転体駆動モータ87を回転させる。また、可動部77A,78Aの駆動を開始する(ステップS443)。すなわち、可動部駆動ソレノイド77B,78Bの駆動を開始する。なお、ステップS442,S443の処理を実行すると、CPU56は、回転体・可動部動作中であることを示す内部フラグをセットする。また、役物20が開放したか否かは、例えば、ステップS413の処理の実行時にフラグをセットし、ステップS441の処理でそのフラグがセットされているか否かによって確認される。
回転体・可動部動作中である場合には(ステップS440のY)、CPU56は、小当り1フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS444)。セットされていれば、可動パターンAに従って回転体87および可動部77A,78Aを駆動制御する(ステップS445)。小当り1フラグがセットされていなければ、CPU56は、小当り2フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS446)。セットされていれば、可動パターンBに従って回転体87および可動部77A,78Aを駆動制御する(ステップS447)。小当り2フラグもセットされていなければ(すなわち、小当り3フラグがセットされている場合)、CPU56は、可動パターンCに従って回転体87および可動部77A,78Aを駆動制御する(ステップS448)。
図29〜図31は、役物20の1回の開放における回転体86および可動部77A,78Aの動作例を示すタイミング図である。図29は、可動パターンAに従って回転体86および可動部77A,78Aを動作させた場合を示す。また、図30は、可動パターンBに従って回転体86および可動部77A,78Aを動作させた場合を示す。また、図31は、可動パターンCに従って回転体86および可動部77A,78Aを動作させた場合を示す。
図29〜図31に示すように、回転体86は、0.9秒+αの時間だけ定速回転する。αは、役物20の開放開始時点より0.9秒が経過したときから、役物20に進入した全ての遊技球が排出されるときまでの期間である。
可動パターンAに従って動作させる場合、図29に示すように、可動部77Aを動作させる可動部駆動ソレノイド77Bは、回転体・可動部動作中になったときから0.4秒が経過するまで駆動されて遊技球の通過を阻止する位置に設定される。次いで、0.1秒間だけ駆動が停止されて遊技球の通過を許容する位置に設定される。その後、再び、遊技球の通過を阻止する位置に設定される。また、可動部78Aは、回転体・可動部動作中になったときから0.2秒が経過するまで駆動されて遊技球の通過を阻止する位置に設定される。次いで、0.5秒間だけ駆動が停止されて遊技球の通過を許容する位置に設定される。その後、再び、遊技球の通過を阻止する位置に設定される。
従って、CPU56は、回転体・可動部動作中であって小当り1フラグがセットされている場合には、回転体・可動部動作中になったときから0.4秒が経過すると、0.1秒間だけ可動部駆動ソレノイド77Bの駆動を停止させ、回転体・可動部動作中になったときから0.2秒が経過すると、0.5秒間だけ可動部駆動ソレノイド78Bの駆動を停止させる(ステップS444,S445参照)。なお、具体的には、CPU56は、回転体・可動部動作中であって小当り1フラグがセットされている場合には、回転体・可動部動作中になったときに、値を減算していく第1タイマに0.4秒に相当する値をセットし、値を減算していく第2タイマに0.2秒に相当する値をセットする。そして、第1タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド77Bの駆動を停止するとともに第1タイマに0.1秒に相当する値をセットし、第2タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド78Bの駆動を停止するとともに第2タイマに0.5秒に相当する値をセットする。その後、第1タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド77Bの駆動を再開させ、第2タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド78Bの駆動を再開させる。
可動パターンBに従って動作させる場合、図30に示すように、可動部77Aを動作させる可動部駆動ソレノイド77Bは、回転体・可動部動作中になったときから0.4秒が経過するまで駆動されて遊技球の通過を阻止する位置に設定される。次いで、0.2秒間だけ駆動が停止されて遊技球の通過を許容する位置に設定される。その後、再び、遊技球の通過を阻止する位置に設定される。また、可動部78Aは、回転体・可動部動作中になったときから0.1秒が経過するまで駆動されて遊技球の通過を阻止する位置に設定される。次いで、0.7秒間だけ駆動が停止されて遊技球の通過を許容する位置に設定される。その後、再び、遊技球の通過を阻止する位置に設定される。
従って、CPU56は、回転体・可動部動作中であって小当り2フラグがセットされている場合には、回転体・可動部動作中になったときから0.4秒が経過すると、0.2秒間だけ可動部駆動ソレノイド77Bの駆動を停止させ、回転体・可動部動作中になったときから0.1秒が経過すると、0.7秒間だけ可動部駆動ソレノイド78Bの駆動を停止させる(ステップS446,S447参照)。なお、具体的には、CPU56は、回転体・可動部動作中であって小当り2フラグがセットされている場合には、回転体・可動部動作中になったときに、値を減算していく第1タイマに0.4秒に相当する値をセットし、値を減算していく第2タイマに0.1秒に相当する値をセットする。そして、第1タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド77Bの駆動を停止するとともに第1タイマに0.2秒に相当する値をセットし、第2タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド78Bの駆動を停止するとともに第2タイマに0.7秒に相当する値をセットする。その後、第1タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド77Bの駆動を再開させ、第2タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド78Bの駆動を再開させる。
可動パターンCに従って動作させる場合、図31に示すように、可動部77Aを動作させる可動部駆動ソレノイド77Bは、回転体・可動部動作中になったときから0.2秒が経過するまで駆動されて遊技球の通過を阻止する位置に設定される。次いで、0.5秒間だけ駆動が停止されて遊技球の通過を許容する位置に設定される。その後、再び、遊技球の通過を阻止する位置に設定される。また、可動部78Aは、回転体・可動部動作中になったときから0.1秒が経過するまで駆動されて遊技球の通過を阻止する位置に設定される。次いで、0.7秒間だけ駆動が停止されて遊技球の通過を許容する位置に設定される。その後、再び、遊技球の通過を阻止する位置に設定される。
従って、CPU56は、回転体・可動部動作中であって小当り3フラグがセットされている場合には、回転体・可動部動作中になったときから0.2秒が経過すると、0.5秒間だけ可動部駆動ソレノイド77Bの駆動を停止させ、回転体・可動部動作中になったときから0.1秒が経過すると、0.7秒間だけ可動部駆動ソレノイド78Bの駆動を停止させる(ステップS446,S448参照)。なお、具体的には、CPU56は、回転体・可動部動作中であって小当り3フラグがセットされている場合には、回転体・可動部動作中になったときに、値を減算していく第1タイマに0.2秒に相当する値をセットし、値を減算していく第2タイマに0.1秒に相当する値をセットする。そして、第1タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド77Bの駆動を停止するとともに第1タイマに0.5秒に相当する値をセットし、第2タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド78Bの駆動を停止するとともに第2タイマに0.7秒に相当する値をセットする。その後、第1タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド77Bの駆動を再開させ、第2タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド78Bの駆動を再開させる。
図29〜図31に示すように、可動パターンBに従って回転体86および可動部77A,78Bが動作される場合、可動パターンAに従って回転体86および可動部77A,78Bが動作される場合と比較して、可動部77A,78Aが遊技球の通過を阻止する位置に制御される時間が短くV入賞しやすい。また、可動パターンCに従って回転体86および可動部77A,78Bが動作される場合、可動パターンAや可動パターンBに従って回転体86および可動部77A,78Bが動作される場合と比較して、可動部77A,78Aが遊技球の通過を阻止する位置に制御される時間が短くV入賞しやすい。従って、この実施の形態では、可動パターンA、可動パターンBおよび可動パターンCの順にV入賞しやすくなる。
図32は、役物閉鎖後処理(ステップS307)を示すフローチャートである。役物閉鎖後処理において、CPU56は、V入賞フラグがセットされているか否か確認する(ステップS451)。V入賞フラグがセットされている場合には(ステップS451のY)、CPU56は、時短フラグや時短回数カウンタがセットされていれば、時短フラグをリセットして時短状態を終了するとともに時短回数カウンタをリセットする(ステップS452)。なお、図32では図示を省略しているが、ステップS452で時短状態を終了して通常状態に移行した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して通常状態指定コマンドを送信する制御も行う。
また、CPU56は、ホールコンピュータなどの外部装置に対して、右ゲート通過待ち信号を外部出力する制御を行う(ステップS453)。なお、この場合、CPU56は、右ゲート19への遊技球の通過待ち状態であることを示すコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、受信したコマンドにもとづいて、演出表示装置9において右ゲート19への通過待ち状態であることを示す表示(例えば、「右ゲートを狙え!」などの文字表示)を表示するようにしてもよい。また、この実施の形態で示した処理態様にかぎらず、例えば、先にステップS454の処理を実行して右ゲートスイッチ19aからの検出信号を入力したか否かを確認し、右ゲートスイッチ19aからの検出信号を入力していないことにもとづいてステップS453の処理を実行して、右ゲート通過待ち信号を外部出力するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、右ゲートスイッチ19aからの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS454)。右ゲートスイッチ19aからの検出信号を入力していなければ(すなわち、未だ右ゲート19を遊技球が通過していなければ)、そのまま処理を終了する。すなわち、ステップS454の判定処理が行われることによって、この実施の形態では、小当り遊技において特定入賞口66に遊技球が入賞(V入賞)した場合であっても直ちに大当り遊技は開始されず、右ゲート19を遊技球が通過したことにもとづいてステップS455以降の処理に移行して大当り遊技が開始されるように構成されている。
右ゲートスイッチ19aからの検出信号を入力していれば(すなわち、右ゲート19を遊技球が通過していれば)、CPU56は、V入賞フラグをリセットする(ステップS455)。また、CPU56は、大当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS456)。また、開放回数カウンタに大当り遊技における大入賞口開放可能回数である開放回数(ラウンド数)をセットし(ステップS457)、ラウンド開始前タイマにラウンド開始前時間(新たなラウンドが開始されることを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS458)。また、大当りフラグをセットする(ステップS459)。なお、開放回数カウンタに設定されるラウンド数は、第2大当りのラウンド数である16ラウンド(16R)に相当する16である。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS307)に対応した値に更新する(ステップS460)。
なお、時短状態中にV入賞が発生し大当りが発生した場合には、ステップS452で時短状態を終了して通常状態に移行されるとともに大当り遊技が開始されるのであるから、厳密には時短状態から通常状態への移行および大当り遊技状態への移行の2つの状態移行が発生しているのであるが、この実施の形態では、ステップS452〜S460の処理が実行されることによって、時短状態から通常状態への移行については特にゲート通過を条件とせず、大当り遊技状態への移行のみ右ゲート19への遊技球の通過を条件として移行するようにしている(ステップS454参照)。なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、時短状態から通常状態への移行についても、例えば、左ゲート17への遊技球の通過を条件として移行するように構成してもよい。また、例えば、1つのゲートに時短状態から通常状態への移行に対応するセンサと大当り遊技開始に対応するセンサとの2つのセンサを設けるようにし、1つのゲートを遊技球が通過して2つのセンサそれぞれの検出信号を入力したことにもとづいて、時短状態から通常状態に移行させるとともに、大当り遊技を開始するように構成してもよい。
ステップS451の処理でV入賞フラグがセットされていないことを確認した場合には、CPU56は、小当り終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い(ステップS461)、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(ステップS300)に応じた値に更新する(ステップS462)。
図33は、大当り遊技(第1大当り遊技および第2大当り遊技)における各ラウンドの前に実行される大入賞口開放前処理(ステップS308)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口開放時表示コマンドを送信していなければ大入賞口開放時表示コマンドを送信する制御を行う(ステップS470,S471)。また、ラウンド開始前タイマの値を−1する(ステップS472)。ラウンド開始前タイマがタイムアウト(ラウンド開始前タイマの値が0)したら(ステップS473)、入賞個数カウンタを初期化する(ステップS474)。すなわち、入賞個数カウンタの値を0にする。
そして、開放時間タイマに開放時間(例えば、29秒)に相当する値を設定する(ステップS475)。さらに、大入賞口(役物)を開放状態に制御する。具体的には、大入賞口(開閉板16による大入賞口)を開放するラウンドでは、ソレノイド21を駆動して開閉板16を開状態にする(ステップS477)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放中処理(ステップS309)に応じた値に更新する(ステップS478)。
図34は、大入賞口開放中処理(ステップS309)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、開放時間タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS480)。開放時間タイマがタイムアウトしていたら、ステップS485に移行する。開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、入賞個数カウンタの値が10になったか否か確認する(ステップS481)。入賞個数カウンタの値が10になった場合には、ステップS485に移行する。入賞個数カウンタの値が10になっていない場合には、開放時間タイマの値を−1する(ステップS482)。また、カウントスイッチ23がオンしたら、すなわち大入賞口に入賞した遊技球を検出したら、入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS483,S484)。
ステップS485では、CPU56は、ラウンドを終了させるための処理を行う。具体的には、ソレノイド21の駆動を停止して開閉板16を閉状態にする。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100に大入賞口開放後表示コマンドを送信する制御を行い(ステップS486)、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口閉鎖後処理(ステップS309)に応じた値に更新する(ステップS487)。
図35は、大入賞口閉鎖後処理(ステップS309)を示すフローチャートである。大入賞口閉鎖後処理において、CPU56は、開放回数カウンタの値を−1する(ステップS500)。開放回数カウンタの値が0になっていない場合には(ステップS501のN)、すなわち、大当り遊技における全てのラウンドをまだ終了していない場合には、CPU56は、ラウンド開始前タイマにラウンド開始前時間(新たなラウンドが開始されることを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS502)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS307)に対応した値に更新する(ステップS503)。
開放回数カウンタの値が0になっている場合(ステップS501のY)、すなわち、大当り遊技における全てのラウンドが終了している場合には、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、大当り終了処理(ステップS310)に応じた値に更新する(ステップS504)。
図36は、大当り終了処理(ステップS310)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS531)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS535に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、CPU56は、大当りフラグをリセットし(ステップS532)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS533)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS534)、処理を終了する。
ステップS535では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS536)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間が経過していれば(ステップS536のY)、CPU56は、特別図柄の停止図柄(特別図柄通常処理のステップS62で決定した停止図柄)が「1」〜「4」のいずれかであるか否かを確認する(ステップS537)。停止図柄が「1」〜「4」のいずれかであれば(すなわち、大当り遊技終了後の遊技状態が通常状態となる場合であれば)、CPU56は、ホールコンピュータなどの外部装置に対して、左ゲート通過待ち信号を外部出力する制御を行う(ステップS538)。
なお、ステップS538において、CPU56は、左ゲート17への遊技球の通過待ち状態であることを示すコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、受信したコマンドにもとづいて、演出表示装置9において左ゲート17への通過待ち状態であることを示す表示(例えば、「左ゲートを狙え!」などの文字表示)を表示するようにしてもよい。また、この実施の形態で示した処理態様にかぎらず、例えば、先にステップS539の処理を実行して左ゲートスイッチ17aからの検出信号を入力したか否かを確認し、左ゲートスイッチ17aからの検出信号を入力していないことにもとづいてステップS538の処理を実行して、左ゲート通過待ち信号を外部出力するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、左ゲートスイッチ17aからの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS539)。左ゲートスイッチ17aからの検出信号を入力していなければ(すなわち、未だ左ゲート17を遊技球が通過していなければ)、そのまま処理を終了する。すなわち、ステップS539の判定処理が行われることによって、この実施の形態では、大当り遊技終了後の遊技状態が通常状態となる場合に、たとえ保留記憶があったとしても大当り遊技が終了しても直ちには新たな変動表示を開始できず、左ゲート17を遊技球が通過したことにもとづいてステップS550の処理に移行して新たな変動表示を開始可能な状態となるように構成されている。
左ゲートスイッチ17aからの検出信号を入力していれば(すなわち、左ゲート17を遊技球が通過していれば)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(ステップS300)に応じた値に更新する(ステップS550)。
停止図柄が「1」〜「4」のいずれでもなければ(すなわち、大当り遊技終了後の遊技状態が時短状態となる場合であれば)、CPU56は、ホールコンピュータなどの外部装置に対して、右ゲート通過待ち信号を外部出力する制御を行う(ステップS540)。なお、この場合、CPU56は、右ゲート19への遊技球の通過待ち状態であることを示すコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、受信したコマンドにもとづいて、演出表示装置9において右ゲート19への通過待ち状態であることを示す表示(例えば、「右ゲートを狙え!」などの文字表示)を表示するようにしてもよい。また、この実施の形態で示した処理態様にかぎらず、例えば、先にステップS541の処理を実行して右ゲートスイッチ19aからの検出信号を入力したか否かを確認し、右ゲートスイッチ19aからの検出信号を入力していないことにもとづいてステップS540の処理を実行して、右ゲート通過待ち信号を外部出力するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、右ゲートスイッチ19aからの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS541)。右ゲートスイッチ19aからの検出信号を入力していなければ(すなわち、未だ右ゲート19を遊技球が通過していなければ)、そのまま処理を終了する。すなわち、ステップS541の判定処理が行われることによって、この実施の形態では、大当り遊技終了後の遊技状態が時短状態となる場合に、たとえ保留記憶があったとしても大当り遊技が終了しても直ちには時短状態に移行されないとともに新たな変動表示を開始できず、右ゲート19を遊技球が通過したことにもとづいてステップS542以降の処理に移行して時短状態に移行されるとともに新たな変動表示を開始可能な状態となるように構成されている。
右ゲートスイッチ19aからの検出信号を入力していれば(すなわち、右ゲート19を遊技球が通過していれば)、CPU56は、時短フラグをセットし(ステップS542)、時短状態に移行する。なお、図36では図示を省略しているが、ステップS542で時短状態に移行した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して時短状態指定コマンドを送信する制御も行う。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄(特別図柄通常処理のステップS62で決定した停止図柄)が「6」であるか否かを確認する(ステップS543)。停止図柄が「6」であれば(すなわち、大当り遊技終了後の遊技状態が10回の時短状態となる場合であれば)、CPU56は、時短回数カウンタに10をセットする(ステップS544)。そして、ステップS550に移行し、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(ステップS300)に応じた値に更新する(ステップS550)。
なお、この実施の形態では、ステップS543で特別図柄の停止図柄が「6」であるか否かを確認しているが、小当り1フラグがセットされているか否かを確認し、小当り1フラグがセットされていることにもとづいてステップS544で時短回数カウンタに10をセットするようにしてもよい。
停止図柄が「6」でなければ、CPU56は、特別図柄の停止図柄(特別図柄通常処理のステップS62で決定した停止図柄)が「5」または「8」のいずれかであるか否かを確認する(ステップS545)。停止図柄が「5」または「8」のいずれかであれば(すなわち、大当り遊技終了後の遊技状態が20回の時短状態となる場合であれば)、CPU56は、時短回数カウンタに20をセットする(ステップS546)。そして、ステップS550に移行し、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(ステップS300)に応じた値に更新する(ステップS550)。
なお、この実施の形態では、ステップS545で特別図柄の停止図柄が「5」または「8」のいずれかであるか否かを確認しているが、小当り2フラグがセットされているか否かを確認し、小当り2フラグがセットされていることにもとづいてステップS546で時短回数カウンタに20をセットするようにしてもよい。
停止図柄が「5」および「8」のいずれでもなければ、CPU56は、特別図柄の停止図柄(特別図柄通常処理のステップS62で決定した停止図柄)が「9」であるか否かを確認する(ステップS547)。停止図柄が「9」であれば(すなわち、大当り遊技終了後の遊技状態が30回の時短状態となる場合であれば)、CPU56は、時短回数カウンタに30をセットする(ステップS548)。そして、ステップS550に移行し、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(ステップS300)に応じた値に更新する(ステップS550)。
なお、この実施の形態では、ステップS547で特別図柄の停止図柄が「9」であるか否かを確認しているが、小当り3フラグがセットされているか否かを確認し、小当り3フラグがセットされていることにもとづいてステップS548で時短回数カウンタに30をセットするようにしてもよい。
停止図柄が「9」でもなければ、特別図柄の停止図柄(特別図柄通常処理のステップS62で決定した停止図柄)が「7」であった場合(すなわち、大当り遊技終了後の遊技状態が100回の時短状態となる場合)である。この場合、CPU56は、時短回数カウンタに100をセットする(ステップS549)。そして、ステップS550に移行し、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(ステップS300)に応じた値に更新する(ステップS550)。
なお、この実施の形態で示した処理態様にかぎらず、例えば、特別図柄の停止図柄(特別図柄通常処理のステップS62で決定した停止図柄)が「7」であるか否かを判定する処理も行うようにし、停止図柄が「7」であると判定した場合に時短回数カウンタに100をセットするようにしてもよいし、時短大当りフラグがセットされていることにもとづいて時短回数カウンタに100をセットするようにしてもよい。
また、図36では記載を省略しているが、ステップS500を実行して特別図柄プロセスフラグの値を更新する際に、CPU56は、セットされていれば、時短大当りフラグや、小当り1フラグ、小当り2フラグ、小当り3フラグをリセットする。
なお、この実施の形態では、右ゲート19の通過を条件として時短フラグおよび時短回数カウンタをセットする場合(ステップS542〜S549参照)を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、ステップS541の右ゲートスイッチ19aからの検出信号の入力の判定処理の前にステップS542〜S549を実行して時短フラグおよび時短回数カウンタをセットする(すなわち、右ゲート19の通過を条件とすることなく、時短フラグおよび時短回数カウンタをセットする)ように構成し、右ゲートスイッチ19aからの検出信号を入力していなければ、ステップS550の処理を実行しないようにして新たな変動表示を開始できる状態にしないようにしてもよい。そして、その後、右ゲートスイッチ19aからの検出信号を入力すれば、ステップS550の処理を実行して新たな変動表示を開始できる状態に移行するようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。
図37は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
そして、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を実行する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。また、所定の乱数(例えば、停止図柄を決定するための乱数)を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。さらに、演出表示装置9等の演出装置を用いて報知を行う報知制御処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図38は、図37に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S808のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、大当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に更新する。大当りとすることに決定されていない場合には、演出制御プロセスフラグの値を変動終了後演出処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
変動終了後演出処理(ステップS805):演出図柄の変動終了後に、小当りの種類等を報知するための演出を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り遊技中処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
小当り遊技中処理(ステップS806):小当り遊技中の制御を行う。例えば、演出表示装置9において、小当り遊技に対応した表示演出を行う。そして、小当り終了指定コマンドを受信した場合には、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。そうでない場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS807):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、大当り終了指定コマンドを受信した場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS808)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(ステップS808):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
なお、上記に示した実施の形態において、連比や役比の表示を行うように構成してもよい。以下、連比や役比の表示を行うように構成した変形例について説明する。本変形例では、遊技機1は、2つの始動入賞口を備えるとともに2つの特別図柄表示装置8A,8Bを備え、さらに4つの一般入賞口を備えるものとする。また、本変形例の遊技機1では、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560において、各入賞口(大入賞口、第2始動入賞口、第1始動入賞口、第1〜第4一般入賞口、以下、「進入領域」ともいう)への遊技球の進入数の集計を行っている。さらに、遊技機1では、主基板31に設けられた図39および図40に示す表示モニタ29に連比、役比などの情報が表示可能とされている。
遊技機メーカ側においては、予め定められた頻度で一般入賞領域に遊技媒体が進入するように(試験を通過するように)遊技盤面を設計することが通常である。また、試験を行う際には、あらかじめ定められた頻度で一般入賞領域に遊技媒体が進入しているかが確認される。さらに、遊技機を設置した後においても、どのような調整が行われているか、その調整の結果、設計どおりの頻度で一般入賞領域に遊技媒体が進入しているかが確認される。そこで、本変形例に係る遊技機では、一般入賞領域を有する遊技機において、どのような調整を加えられたかを認識できるようになっている。以下、役物比率等の表示について説明する。以下、主基板31における遊技球の集計および役物比率等の表示について説明する。
図39に示す主基板31は、本変形例における遊技に関する制御を行う基板である。主基板31は、図41に示すように基板ケース201に封入されており、図41(A)に示すように、主基板31の中央には表示モニタ29(例えば、7セグメント)が配置されている。表示モニタ29は、主基板31を視認する際の正面に配置されている。主基板31は、ガラス扉枠2を開放していない状態では視認できないので、主基板31を視認する際の正面とは、ガラス扉枠2を開放した状態における遊技盤の裏面側を視認する際の正面であり、遊技機1の正面とは異なる。ただし、主基板31を視認する際の正面と遊技機1の正面とが共通するようにしてもよい。
主基板31には、遊技の入賞に関する情報、例えば、第1始動口(ヘソ)への入賞による賞球数、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数、大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数、賞球合計数が入力、集計され、表示モニタ29は、賞球合計数のうち大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が占める割合である連比(%)、賞球合計数のうち第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が占める割合である役比(%)を表示するようになっている。連比とは、賞球合計数のうち大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数(下記の連続役物獲得球数)が占める割合である。役比とは、賞球合計数のうち第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数(下記の役物獲得球数)が占める割合である。賞球合計数(下記の総獲得球数)は、大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数と、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と、大入賞口(アタッカー)および第2始動入賞口(電チュー)以外の入賞口(第1始動入賞口、一般入賞口)への入賞による賞球数と、の総和である。なお、大入賞口(アタッカー)および第2始動入賞口(電チュー)は、可変役物であり、遊技球の通過可能幅が変動することで、遊技球の入賞想定割合が変動する役物である。また、大入賞口(アタッカー)および第2始動入賞口(電チュー)以外の入賞口(第1始動入賞口、一般入賞口)は、固定役物であり、遊技球の通過可能幅が固定されており、遊技球の入賞想定割合は一定の役物である。
遊技の入賞に関する情報の集計、計算方法としては、6000個の賞球数における第1始動口(ヘソ)および一般入賞口(ソデ)への入賞による賞球数(一般賞球数)、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数である普通電役賞球数(電チュー賞球数)、大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数である特別電役賞球数(アタッカー賞球数)を集計する。その集計を1セットとし、10セット分、すなわち60000個分の連比(%)、役比(%)を算出する。なお、集計する第1始動口(ヘソ)および一般入賞口(ソデ)への入賞による賞球数(一般賞球数)、普通電役賞球数(電チュー賞球数)、特別電役賞球数(アタッカー賞球数)は、リングバッファに記録されるようになっており、少なくとも11セット分の記録容量があり、1セット毎に更新するようになっている。さらに、6000個の11セット分の記憶を相当数量(例えば、数バイト分)記憶しており、それらの累計の連比(%)、役比(%)を算出することができる。
表示モニタ29は、6000個分の連比(%)、役比(%)、および累計の連比(%)、役比(%)を所定時間(例えば、30秒)毎に切り替えて表示することができる。すなわち、一つの表示手段で4つの表示を切り替えて表示するようになっている。この場合、全て表示を行うのに2分要するが、遊技が進行することで集計される第1始動口(ヘソ)への入賞による賞球数、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数、大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が変化することになる。とすると、例えば、6000個分の連比(%)を表示した後に入賞した賞球数を、その後に表示される6000個分の役比(%)に反映してしまうと、6000個分の連比(%)と6000個分の役比(%)とで食い違いが生じてしまうおそれがある。そこで、第1始動口(ヘソ)への入賞による賞球数、第2始動入賞口(電チュー)の入賞による賞球数、大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数、賞球合計数が入力、集計は、切替表示における所定のタイミング(例えば、6000個分の連比(%)の表示タイミングなど)で行うようにすれば、このような食い違いを防ぐことができる。
以下に計算方法の一例として、賞球合計数が60000個であり、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数との合計である役物獲得球数が42000個である場合の役物比率(役比(%))の計算方法を説明する。なお、以下の説明において、総獲得球数とは、遊技機から払い出された遊技媒体(賞球)の総累計数をいう。また、役物獲得球数とは、アタッカーおよび電チューに遊技媒体が入賞することによって払い出された遊技媒体の累計数をいう。また、連続役物獲得球数とは、アタッカーに遊技媒体が入賞することによって払い出された遊技媒体の累計数をいう。このため、連比は、下記(1)式で求めることができる。また、役比は、下記(2)式で求めることができる。 連比=[連続役物獲得球数/総獲得数]×100 ・・・(1) 役比=[(連続役物獲得球数+役物獲得球数)/総獲得数]×100 ・・・(2)
賞球合計数が60000個であり、役物獲得球数が42000個である場合の役物比率は、42000を60000で除算することにより0.70小数点以下3桁切り捨て)として求められる。 しかしながら、遊技機に用いられるマイクロコンピュータは小数点以下の演算を行うことができないため、以下の手法での演算が必要となる。
まず、第1の演算方法を説明する。第1の演算方法において、まず、役物獲得球数を100倍して4200000とする。そしてこの4200000を60000で除算する。これにより商として70が求められる。ここで求められた70より役物比率が70%として求められる。つまり、被除数を100倍することにより、小数点以下2桁までの演算結果を求められるようにしている。ここで、小数点以下3桁までの演算結果を求める場合1000倍すればよい。
次に、第2の演算方法を説明する。第2の演算方法において、まず、賞球合計数を100で除算して600とする。そしてこの600で42000を除算する。これにより商として70が求められる。ここで求められた70より役物比率が70%として求められる。つまり、除数を100で除算することにより、小数点以下2桁までの演算結果を求められるようにしている。ここで、小数点以下3桁までの演算結果を求める場合1000で除算すればよい。
本例で賞球合計数は60000個であるが、長い期間の役物比率を算出するために、賞球合計数を格納するための領域として3バイトの領域が設けられている。つまり本例では3バイトの格納領域に00EA60hとして格納される。また、同様に役物獲得球数も3バイトの格納領域に00A410hが格納される。
ここで、遊技機に用いられるマイクロコンピュータは最大2バイトの値同士の演算しか行うことができない。従って、演算を容易にするために、下位1バイトについて切り捨てを行ってもよい。
ここで上記第2の演算方法を簡略化して行う第3の演算方法を説明する。第3の演算方法では遊技機に用いられるマイクロコンピュータでの演算が容易になるように、賞球合計数の00EA60hに対し、下位1バイトの60hを切り捨て、賞球合計数を00EAh、つまり10進数表記で234を算出する。同じく、役物獲得球数の00A410hに対し、下位1バイトの10hを切り捨て、役物獲得球数を00A4h、つまり10進数表記で164を算出する。
そして、上記第2の演算方法と同様に、賞球合計数を100で除算(273/100)して2を算出する。そして、この2で156を除算して、商として78が求められる。ここで求められた78より役物比率が78%として求められる。
第3の演算方法では遊技機で用いられるマイクロコンピュータでの演算が容易になる一方、+12%の誤差が生じる。ただし、賞球合計数および役物獲得球数がともに10倍の場合の誤差は+1%となる。つまり、役物比率を算出するための期間が長くなることにより誤差は縮小され、本来の数値に近似する。
また、基板ケース201は、透光性を有する材質で形成されており、主基板31、および表示モニタ29が視認可能になっている。基板ケース201には主基板31に接続される配線コネクタが挿通する図示しない孔部と、主基板31の電気部品の熱を放出するための放熱孔とが形成されている。主基板31に設けられた表示モニタ29は、放熱孔が真正面にはない位置に配置されている。このため放熱孔によって表示モニタ29の視認性が遮られないようにされている。なお、ここでの「真正面」とは、主基板31を視点としての真正面を意味し、主基板31を視認しようとする従業員等と主基板31との間を意味する。
また、基板ケース201には主基板31の種類、機種、スペックなどを表示するためのシールが設けられている。これらの孔部、放熱孔、シールは、表示モニタ29の表示を遮らないように配置されている。具体的には、図40に示すように、主基板31の第1部(例えば、主基板31の中央部)に表示モニタ29を配置した場合に、主基板31における第1部と異なる第2部(例えば、主基板31の周囲部)に他の電気部品などを配置し、主基板31の第2部に対応する基板ケースの部位に孔部、放熱孔、シールを配置するようにしてもよい。特に、放熱孔は、表示モニタ29が発する熱を放出するためには、表示モニタ29の近傍に設けることが好適である。この場合でも、放熱孔は、表示モニタ29の真正面にはない位置に配置されるのが好適である。これによれば、表示モニタ29に視認性を妨げることがないので、入賞に関する情報の確認がしやすい。
また、主基板31の第2部に対応する基板ケース201の部位に配線が重ならないようにすることが好ましい。具体的には、配線の一のコネクタが接続される孔部と、その配線の他のコネクタが接続される接続先に主基板31の第2部に対応する基板ケース201の部位が重ならないようにする。これによれば、配線により表示モニタ29の視認性が妨げられることを防止することができる。
また、主基板31には、遊技機のエラーを表示するための7セグメント表示器が設けられているが、表示モニタ29の7セグメントとの誤認を避けるため、所定距離離すか、他の電子部品を挟んで配置するようにすることが好ましい。ここでいう他の電子部品は、例えば、CPUなどの大型の制御部品であると望ましい。
また、遊技の入賞に関する情報が記憶される記憶領域(リングバッファ、10セット合計バッファ(最大2バイトのカウンタを10個備えるリングバッファに記憶された遊技の入賞に関する情報を合計したもの)、賞球合計数バッファ)はリセットボタンが操作された場合に初期化は行われず、継続して記憶されてもよい。リングバッファについては後にさらに説明する。なお、記憶された値のチェックサムを算出し、異常が検出された場合に初期化を行ったり、記憶された賞球合計数の値よりも役物獲得球数の値が大きかったり、役物獲得球数の値よりも連続役物獲得球数の値が大きかったりした場合など、状況として起こりえない事象が検知された場合などには遊技の入賞に関する情報が記憶される記憶領域の初期化処理を行ってもよい。また、初期化処理を行うことなく、エラー表示や警告表示などを行ってもよいし、エラー表示や警告表示を行うとともに、あるいは行った後に初期化処理を行ってもよい。エラー表示や警告表示については後にさらに説明する。
役比(%)の計算は、例として総獲得球数を34321個、役物獲得球数を19876個とすると、19876個に対して34321個を除数として除算し、割合を計算する。19876/34321=0.57912・・・となり約57.9%の役比(%)であることが算出される。遊技制御用マイクロコンピュータ560において演算を行う場合には小数点での計算を避けなければならないため、以下のような計算式に置き換える。19876/34321の除算において分母の34321を100で除算し、小数点を切り捨て、19876/343=57.9475・・・となる。小数点以下は切り捨てられるため57%の役比(%)であることが算出され、表示モニタ29に表示されることとなり、この例の場合には正確な計算によって算出した値とは表示上では誤差がないものとなる。
16ビットにおける最小値は32768(最上位ビットの値以外が0)で誤差が最大となる値は総獲得球数および役物獲得球数がそれぞれ32799であるときである。これを上記の方法で計算すると、32799/32799=100%、遊技制御用マイクロコンピュータ560での計算に置き換えると32799/327=100.3%で+0.3%の誤差となる。小数点を切り捨てて計算を行った場合に、例えば、正確な値が69.9%、遊技制御用マイクロコンピュータの計算による値が70.1%となった場合に69%→70%で表示上1%の誤差が表示されることが考えられるが、1%の誤差という表示上においても非常に小さい誤差で役比(%)(または連比(%))が表示できる。
また、上記の計算方法を用いる場合に、総獲得球数を100で除算するため、総獲得球数が100未満の場合には計算を行うことができない。さらに、32768未満である場合にも徐々に誤差が大きくなる。10000未満である場合には誤差が1%を超え、さらに大きな誤差となる場合がある。つまり、総獲得球数が少ないほど誤差が大きくなってしまう。このため特定の数以上の総獲得球数(例えば16ビットの最小値である32768)をカウンタによって集計するまでは、表示モニタに役比(%)、連比(%)の表示を行わなかったり、表示を行ったとしても誤差が大きい可能性があることを専用のランプの発光や、報知音を出力したり、表示された値を点滅表示させるなどして報知してもよい。
また、表示モニタ29は役比(%)と、連比(%)とを7セグメント上に表示するものであり、それぞれの値を所定期間毎(例えば30秒毎)に切り替えて表示する。この場合に、例えば役比(%)を30秒間表示している間に、電チューやアタッカーへ新たに遊技媒体が入賞するという事象が発生し、それに従い計算した値を30秒後に連比(%)の値として表示してしまうと、役比(%)と連比(%)との値が乖離してしまう虞がある。このため、役比(%)と連比(%)は同一割込み内で計算し算出された値を順次表示していくことが好ましい。
また、7セグメントに表示可能な数値を2ケタとした場合(例えば7セグメントが2つ設けられている場合)に100%を100として表示ができなくなる。この場合には100の代わりに99を表示するようにしてもよい。図40に示す表示モニタ29では、下位2桁に数値を表示可能としているが、この場合でも、上位2桁を使用することなく、数値を表示してもよい。あるいは、特定の条件の下で、上位2桁の一部に数値を表示してもよい。
また、上記の計算方法においては総獲得球数、役物獲得球数、連続役物獲得球数をカウンタに集計していく例を示したが、集計方法としては、アタッカーと電チューのそれぞれに設けられたセンサによって遊技媒体が入賞したことを検出し、その検出結果にもとづいてそれぞれの賞球数を個別に集計したうえで、役物獲得球数のカウンタ、連続役物獲得球数のカウンタへ集計する値を算出してもよい。また、アタッカーに個別に設けられたセンサと、アタッカーに入賞した遊技媒体と電チューに入賞した遊技媒体とが排出される排出通路が合流した後に設けられたセンサとを使い、その検出結果にもとづいて役物獲得球数のカウンタ、連続役物獲得球数のカウンタへ集計する値を算出してもよい。以下、連比役比の表示について、具体的に説明する。以下の具体例では、アタッカーと電チューのそれぞれに設けられたセンサによって遊技媒体が入賞したことを検出し、その検出結果にもとづいてそれぞれの賞球数を個別に集計する例を説明する。
遊技機1における主基板31には、図39に示すように、表示モニタ29が接続されている。主基板31は、遊技機1において、図40に示すように、遊技機用枠30に設けられた遊技盤の裏面側に設けられている。遊技盤の裏面側には、主基板31以外の他、演出制御基板80、音声制御基板70、ランプ制御基板35X、電源基板、払出制御基板、発射制御基板などの各周辺基板も設けられている。主基板31は、主基板31以外の各周辺基板とは重ならない位置に配置されている。なお、主基板31は、これらの各周辺基板と重なっていてもよい。特に、主基板31は、各周辺基板の上側となるように重なっていてもよい。
主基板31におけるRAM55には、第1ゲート通過数カウンタ、第2ゲート通過数カウンタ、第1始動入賞数カウンタ、第2始動入賞数カウンタ、第1一般入賞数カウンタ,第2一般入賞数カウンタ,第3一般入賞数カウンタ,第4一般入賞数カウンタ、大入賞数カウンタが設けられている。
第1ゲート通過数カウンタは、第1ゲートスイッチ21Aが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第2ゲート通過数カウンタは、第2ゲートスイッチ21Bが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第1始動入賞数カウンタは、第1始動口スイッチ22Aが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第2始動入賞数カウンタは、第2始動口スイッチ22Bが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。
第1一般入賞数カウンタは、第1一般入賞口スイッチ24Aが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第2一般入賞数カウンタは、第2一般入賞口スイッチ24Bが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第3一般入賞数カウンタは、第3一般入賞口スイッチ24Cが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第4一般入賞数カウンタは、第4一般入賞口スイッチ24Dが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。大入賞数カウンタが、カウントスイッチ23が遊技球を検出した数を計数するカウンタである。
また、主基板31には、クリアスイッチが接続されている。クリアスイッチは、遊技盤の裏側面において、従業員等が容易に操作できない位置に配置されている。クリアスイッチを操作することにより、後に説明するRAM55に記憶された連比や役比に用いるデータがクリアされる。クリアスイッチは、連比や役比の算出などに障害が生じた場合など、連比や役比の算出をやり直さざるを得ない状態に陥った時に操作されるスイッチである。このため、通常の連比や役比の算出を行うためのデータの収集を行っている際には、操作する必要がないスイッチである。また、クリアスイッチを操作すると、データのクリアのほかにクリアスイッチ操作信号が主基板31に送信される。
また、主基板31には、RTC106が設けられている。主基板31は、RTC106によって現在時刻を検出できる。RTC106は、初期設定を行うことで所定の時刻や経過時間などを測定できるが、本変形例では、RTC106は、遊技場の営業可能時間を計測可能とされている。
主基板31は、図41(A)に示すように、基板ケース201に収容されている。基板ケース201には、かしめピン31Bが取り付けられている。このかしめピン31Bが設けられていることにより、主基板31が基板ケース201に完全に封入された状態となり、主基板31に対する不正行為を防止するようになっている。基板ケース201は、かしめられた基板ケース(以下「かしめ基板ケース」ともいう)である。
また、表示モニタ29は、主基板31上に設けられている。また、基板ケース201には、主基板31が封入されたことを証明するための封印シール31Sが貼られている。封印シール31Sは例えば基板ケース201における取り外し部分をまたいで貼られている。封印シール31Sは、主基板31からは離れた位置に配置されており、表示モニタ29の真正面など、表示モニタ29の視認性が遮られる位置とは異なる位置に配置されている。このように、表示モニタ29は、封印シール31Sによって隠されない位置に配置されている。
表示モニタ29は、第1表示部29A、第2表示部29B、第3表示部29C、および第4表示部29Dを備えている。第1表示部29A〜第4表示部29Dは、いずれも「8」の字を描く7つのセグメントによって構成される7セグメントと、7セグメントの右側方下部に配置されたドットによって構成されている。これらの第1表示部29A〜第4表示部29Dは、それぞれ種々の色、例えば赤色、青色、緑色、黄色、白色等で点灯、点滅可能とされている。また、これらの色を極短周期で変化させながら異なる色やいわゆるレインボーで表示させることもできる。
表示モニタ29には、図41(B)に示す表示No1〜4の各項目が表示される。上位2桁の第1表示部29Aおよび第2表示部29Bには集計期間が表示され、下位2桁の第3表示部29Cおよび第4表示部29Dには、数値が百分率で表示される。表示No1では、短期の連比が表示され、表示No2では、短期の役比が表示される。表示No3では、総累計の連比が表示され、表示No2では、総累計の役比が表示される。
ここでの短期とは、払い出された賞球数(獲得球数)が60000個であった期間を意味する。総累計を求める期間は、連比、役比の算出を開始してからの通算、または連比、役比の計算を一旦リセットしてからの通算の期間を意味する。
なお、上記の例では、連比や役比は、遊技状態によらずに算出するが、遊技状態を考慮して算出してもよい。例えば、連比は、賞球合計数のうち、大当り遊技状態中の大入賞口への入賞による賞球数が占める割合としてもよい。また、役比は、賞球合計数は、役比は、賞球合計数のうち、高ベース状態中の第2始動入賞口への入賞による賞球数と大当り遊技状態中の大入賞口への入賞による賞球数が占める割合としてもよい。
表示No1の短期連比が表示される場合には、第1表示部29Aおよび第2表示部29Bに「y6.」が表示され、表示No2の短期役比が表示される場合には、第1表示部29Aおよび第2表示部29Bに「y7.」が表示される。また、表示No1の短期連比が表示される場合には、第1表示部29Aおよび第2表示部29Bには、短期連比が百分率表示(%表示)され、表示No2の短期役比が表示される場合には、第1表示部29Aおよび第2表示部29Bには、短期役比が百分率表示(%表示)される。
表示No3の総累計連比が表示される場合には、第1表示部29Aおよび第2表示部29Bに「A6.」が表示され、表示No4の総累計役比が表示される場合には、第1表示部29Aおよび第2表示部29Bに「A7.」が表示される。また、表示No3の総累計連比が表示される場合には、第3表示部29Cおよび第4表示部29Dには、総累計連比が百分率表示(%表示)され、表示No4の総累計役比が表示される場合には、第3表示部29Cおよび第4表示部29Dには、総累計役比が百分率表示(%表示)される。
主基板31は、連比および役比を算出するにあたり、アタッカー、第1始動入賞口、第2始動入賞口、および第1一般入賞口から第4一般入賞口に進入した遊技球の進入数の集計を行っている。CPU56は、メイン処理において、第1ゲートスイッチ21Aおよび第2ゲートスイッチ21B、第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、並びに、第1一般入賞口スイッチ24A〜第4一般入賞口スイッチ24Dの各スイッチの状態(検出信号の有無)を確認する状態確認処理を行っている。
この各スイッチの状態確認処理において、各スイッチから出力される検出信号にもとづいて、いずれの進入領域に遊技球が進入したのかを特定する。そして、第1ゲートスイッチ21A,第2ゲートスイッチ21Bから検出信号が出力された場合には、第1ゲート通過数カウンタ,第2ゲート通過数カウンタの値を加算し、第1始動口スイッチ22A,第2始動口スイッチ22Bから検出信号が出力された場合には、第1始動入賞数カウンタ,第2始動入賞数カウンタの値を加算し、カウントスイッチ23から検出信号が出力された場合には、大入賞数カウンタの値を加算し、第1一般入賞口スイッチ24A,第2一般入賞口スイッチ24B,第3一般入賞口スイッチ24C,第4一般入賞口スイッチ24Dから検出信号が出力された場合には、第1一般入賞数カウンタ,第2一般入賞数カウンタ,第3一般入賞数カウンタ,第4一般入賞数カウンタの値を加算することで、各進入領域への遊技球の進入数(各入賞口への遊技球の入賞数)を集計する。なお、各カウンタの値はRAM55に記憶されている。
このように、各進入領域への遊技球の進入数を集計するためのステップを、各進入領域に対応したスイッチの状態を確認する一連の処理において併せて実行する(スイッチの状態確認処理に含める)ことにより、別途の集計プログラムを実行させることなく、即ち、実行プログラムが増加することによる容量不足という問題を生じさせることなく、各進入領域への遊技球の進入数を集計可能となっている。
主基板31のCPU56は、集計した各入賞口への遊技球の入賞数にもとづいて、各入賞口への入賞による賞球数を算出し、算出した賞球数を入賞口ごとにRAM55に記憶させる。遊技球の入賞による賞球数は、入賞口に対する1回の入賞で払い出される遊技球数と、当該入賞口への入賞回数を乗じた数で算出される。遊技球の入賞による賞球数は、入賞口毎にあらかじめ定められている。
ここで区分される入賞口ごとの賞球数は、図42に示すように、一般入賞口賞球(第1一般入賞口〜第4一般入賞口(ソデ)への入賞による賞球)、第1始動入賞口賞球(第1始動入賞口(ヘソ)への入賞による賞球)、普通電役賞球(電チューへの入賞による賞球)、特別電役賞球(アタッカーへの入賞による賞球)の賞球数である。また、RAM55は、総賞球数も記憶している。なお、CPU56では、一般入賞口への遊技球の入賞数および第1始動口への遊技球入賞数を個別に集計しているが、一般入賞口への遊技球の入賞数および第1始動口への遊技球入賞数をまとめて集計してもよい。また、一般入賞口賞球の賞球数と、第1始動口賞球の賞球数とを個別に算出しているが、一般入賞口賞球の賞球数と、第1始動口賞球の賞球数とをまとめて算出してもよい。
RAM55は、これらの賞球数を記憶するためのリングバッファとアクティブバッファを備えている。リングバッファは、6000個の賞球数ごとの各入賞口への入賞による賞球数を記憶する最大2バイトのカウンタからなる10個の第1記憶領域〜第10記憶領域を備えている。このように、リングバッファでは、所定単位(最大2バイト)の記憶領域を備えている。また、アクティブバッファは、6000個の賞球数ごとの各入賞口への入賞による賞球数を記憶する最大2バイトのカウンタからなる第0記憶領域を備えている。第0記憶領域には、遊技の進行によって増加する入賞口毎の賞球数が加算される。第0記憶領域〜第10記憶領域の11個の記憶領域は、256×256=65536のデータを記憶可能であり、6000個までのデータは余裕をもって記憶できる。
また、RAM55には、入賞口毎に、第1記憶領域〜第10記憶領域に記憶された賞球数(10セット分)の総和と、総累計との記憶領域が設けられている。10セット分の総和および総累計の記憶領域は、最大3バイトのカウンタで構成されている、このため、256×256×256=16777216のデータを記憶可能であり、60000個までのデータは余裕をもって記憶できる。
また、RAM55には、10セット分および総累計の役比および連比を記憶する連比役比記憶領域を備えている。主基板31のCPU56では、10セット分および総累計の各入賞口への遊技球の入賞数にもとづく賞球数によって、10セット分および総累計の役比および連比を算出し、10セット分および総累計の役比および連比を記憶する連比役比記憶領域に記憶させる。10セット分および総累計の役比および連比を記憶する連比役比記憶領域は、いずれも最大1バイトのカウンタで構成されている。10セット分および総累計の役比および連比は、例えば整数で記憶させる場合には、最大1バイトのカウンタで余裕をもって記憶できる。
ここで、主基板31のCPU56のメモリ空間について説明する。図43は主基板におけるCPUのメモリマップを示した図である。CPU56は、上述の内蔵レジスタ、ROM54、RAM55などにアクセスするためのメモリ空間を有している。具体的には、図43のメモリマップに示すように、ROM54のアドレス/データ信号線は、メモリ空間のROM領域(本変形例では、0000H〜2FFFH(Hは16進数を示す。以下、同じ)のうち、0000H〜2FBFH。2FC0H〜2FFFHはプログラム管理エリア)に割り当てられ、CPU56は、このROM領域を指定してROM54からのデータの読み出しを行う。また、本変形例では、ROM領域を第一領域〜第八領域の8つの領域に分けて管理を行っており、第一領域は0000Hから始まる領域としている。
また、内蔵レジスタのアドレス/データ信号線は、メモリ空間のレジスタエリア(本変形例では、FE00H〜FEBFH)に割り当てられ、CPU56は、このレジスタエリアを介して内蔵レジスタからのデータの読み出しやレジスタへのデータの書き込みを行う。
また、RAM55のアドレス/データ信号線は、メモリ空間のRWM領域(本変形例では、F000H〜F3FFH)に割り当てられ、CPU56は、このRWM領域を指定してRAM55からのデータの読み出しやRAM55へのデータの書き込みを行う。なお、メモリ空間の他の領域(本変形例では、3000H〜EFFFH、F400H〜FDFFH、FEC0H〜FFFFH)は非使用領域とされている。
また、RAM55の記憶領域に対応するRAM領域(本変形例では、0000H〜2FFFHの16Kバイト領域)は、図44に示すように、RAM制御領域、非使用領域、RAMデータ領域およびその他領域で構成されている。このRAM制御領域に対応するRAM55の記憶領域には、CPU56が実行する複数種類の命令それぞれに対応する命令データ(オペコード)やCPU56がそれぞれの命令を実行するために必要な補足データ(オペランド)によって構成される制御プログラム用のデータ(単に、制御プログラムデータと称する場合がある)が一時的に記憶され、RAMデータ領域に対応するRAM55の記憶領域には、上記の制御プログラムによって参照される参照データ(例えば、上述の各種抽選データ)が一時的に記憶される。
また、非使用領域に対応するRAM55の記憶領域およびその他領域に対応するRAM55の記憶領域には、連比や役比の表示に用いるデータが一時的記憶される。例えば、非使用領域に対応するRAM55の記憶領域には、入賞口毎の賞球数の総累計を記憶する記憶領域および総累計の連比役比記憶領域が設けられている。またその他領域に対応するRAM55の記憶領域には、入賞口毎の第0記憶領域を備えるアクティブバッファ、第1記憶領域〜第10記憶領域を備えるリングバッファ、入賞口毎の賞球数(10セット分)の総和の記憶領域、および10セット分の連比役比記憶領域が設けられている。なお、非使用領域に対応するRAM55の記憶領域と、その他領域に対応するRAM55の記憶領域とには、サブルーチンの先頭アドレスが互いに異なるデータがそれぞれ記憶されている。
なお、本変形例では、RAM領域の各々のアドレスに対応するRAM55の記憶領域には、1バイト(8ビット)のデータが記憶可能であり、上述の各データ(命令データ、補足データ、参照データ、管理データ)が1バイトを超えるバイト数(例えば、2バイト)のデータである場合には、RAM制御領域の連続する複数のアドレスに対応するRAM55の記憶領域に1バイト毎に分割して記憶している。
また、主基板31は、表示モニタ29に対して、連比および役比を表示する制御を行う。ここで、主基板31は、複数の項目を順次表示する制御を行う。図45(A)は、役物比率表示装置に表示される項目の表示時間を示すタイムチャートである。図45(A)に示すように、表示モニタ29に対する表示を開始すると、まず表示No1の短期連比が表示される。表示No1の短期連比の表示は、緑字で表示される。表示No1の短期連比の表示では、図45(B−1)に示すように、第1表示部29Aに「y」の文字が表示され、第2表示部29Bに「6.」の文字が表示される。また、第3表示部29Cおよび第4表示部29Dには、短期連比が表示される。例えば、短期連比が41%の場合、第3表示部29Cに「4.」の文字が表示され、第4表示部29Dに「1.」の文字が表示される。
表示No1の表示が30秒間継続すると、表示No2の短期役比が表示される。表示No2の短期役比の表示は、赤字で表示される。表示No2の短期役比の表示では、図45(B−2)に示すように、第1表示部29Aに「y」の文字が表示され、第2表示部29Bに「7.」の文字が表示される。また、第3表示部29Cおよび第4表示部29Dには、短期役比が表示される。例えば、短期役比が63%の場合、第3表示部29Cに「4.」の文字が表示され、第4表示部29Dに「3.」の文字が表示される。
表示No2の表示が30秒間継続すると、表示No3の総累計連比が表示される。表示No3の総累計連比の表示は、赤字で表示される。表示No3の総累計連比の表示では、図45(B−3)に示すように、第1表示部29Aに「A」の文字が表示され、第2表示部29Bに「6.」の文字が表示される。また、第3表示部29Cおよび第4表示部29Dには、総累計連比が表示される。例えば、総累計連比が58%の場合、第3表示部29Cに「5.」の文字が表示され、第4表示部29Dに「8.」の文字が表示される。
表示No3の表示が30秒間継続すると、表示No4の総累計役比が表示される。表示No4の総累計役比の表示は、赤字で表示される。表示No4の総累計役比の表示では、図45(B−4)に示すように、第1表示部29Aに「A」の文字が表示され、第2表示部29Bに「7.」の文字が表示される。また、第3表示部29Cおよび第4表示部29Dには、総累計役比が表示される。例えば、総累計役比が68%の場合、第3表示部29Cに「6.」の文字が表示され、第4表示部29Dに「8.」の文字が表示される。
表示No4の表示が30秒間継続すると、図45(B−5)に示すように、表示No1の短期連比が表示される。以後、表示No1の短期連比〜表示No4の総累計役比の表示が30秒毎に順次表示される。また、その表示の色は、表示No1の短期連比のみが緑色とされ、表示No2の短期役比〜表示No4の総累計役比は赤色とされる。このように、表示モニタ29は、短期連比、短期役比、総累計連比、総累計役比を30秒ごとに切り替えて表示する。
また、主基板31では、アクティブバッファにおける第0記憶領域の賞球合計が所定の容量である6000個に到達すると、リングバッファにおける第0記憶領域〜第10記憶領域の記憶を更新する。さらには、10セット分の総和および総累計の記憶領域、10セット分および総累計の役比および連比を記憶する連比役比記憶領域の記憶をそれぞれ更新する。
アクティブバッファおよびリングバッファにおける更新では、アクティブバッファの第0記憶領域に記憶されている数値をリングバッファの第1記憶領域に移動させる。また、リングバッファの第1記憶領域〜第9記憶領域に記憶されている数値をそれぞれ第2記憶領域〜第10記憶領域に移動させる。例えば、図46に示すように、第0記憶領域〜第9記憶領域における一般入賞口賞球の賞球数がそれぞれ「27」「81」「120」「36」「225」「87」「66」「117」「45」「21」であったとする。このときに、アクティブバッファの第0記憶領域における賞球合計が6000個に到達すると、第1憶領域〜第10記憶領域における一般入賞口賞球の賞球数をそれぞれ「27」「81」「120」「36」「225」「87」「66」「117」「45」「21」に更新する。また、第0記憶領域の賞球数を「0」とし、第10記憶領域の賞球数を消去する。
第0記憶領域〜第10記憶領域に記憶される賞球数を更新する際には、記憶している賞球数を一旦消去してから新たな賞球数を記憶させてもよい。あるいは、記憶されている賞球数に上書きする形で新たな賞球数を記憶させてもよい。
また、図39に示す異常検出用センサ群126には、ガラス扉枠2の開放を検出するドア開放センサが含まれている。ガラス扉枠2の開放は、従業員が行う際には異常には相当しないが、従業員以外の者が行うときには、異常に相当することが多い。このため、本変形例では、ガラス扉枠2の開放を検出するドア開放センサを異常検出用センサ群126に含めている。ドア開放センサは、ガラス扉枠2の開放を検出したときに、開放信号を主基板31に送信する。
ドア開放は、従業員による場合の正常なガラス扉枠2の開放と、従業員以外の者等による異常なガラス扉枠2の開放とがある。ここでは、異常なガラス扉枠2の開放を想定してドア開放の検出が行われる。また、従業員がガラス扉枠2を開放した正常なガラス扉枠2の開放であっても、ドア開放は検出されるが、ガラス扉枠2の開放を従業員等が認識していることが多いので、特段の問題は生じないようにすることができる。
続いて、主基板31で実行される連比役比の表示に関する制御について説明する。主基板31では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ560が起動し、CPU56によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU56は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えば、RAM55におけるRAM制御領域およびRAMデータ領域がクリアされる。このため、電源基板からの電力供給が開始されたときには、RAM55の非使用領域およびその他領域に記憶される連比や役比の表示に用いるデータは、クリアされることなく維持される。RAM55の非使用領域およびその他領域に記憶される連比や役比の表示に用いるデータは、クリアスイッチが操作されることでクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたCTCのレジスタ設定を行う。初期設定を行った後、CPU56は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。連比・役比関連処理は、このタイマ割込み処理で実行される。
図47は、連比・役比関連処理の手順を示すフローチャートである。主基板31では、図47に示すように、連比・役比関連処理において、異常操作が検出されたか否か判断する(ステップS101)。異常操作が検出されたか否かは、クリアスイッチからクリアスイッチ操作信号が送信されたか否かで判断する。
その結果、クリアスイッチ操作信号が送信されており、異常操作が検出された場合(ステップS101;YES)には、警告表示準備を行い(ステップS102)、ステップS103に進む。また、クリアスイッチ操作信号が送信されておらず、異常操作が検出されない場合(ステップS101;NO)には、入賞情報を取得する(ステップS103)。入賞情報は、第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、並びに、第1一般入賞口スイッチ24A〜第4一般入賞口スイッチ24Dのいずれかによって遊技球が検出されることによって取得される。
続いて、現在の時刻が営業時間内であるか否かを判断する(ステップS104)。現在の時刻が営業時間内であるか否かは、RTC106によって計測されて判断される。その結果、現在の時刻が営業時間内である場合には(ステップS104;YES)、ガラス扉枠2が閉鎖されているか否かを判断する(ステップS105)。ガラス扉枠2が閉鎖されているか否かは、ドア開放センサから開放信号が送信されたか否かによって判断される。
その結果、ドア開放センサから開放信号が出力されておらず、ガラス扉枠2が閉鎖されている場合には(ステップS105;YES)、単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞しているか否かを判断する(ステップS106)。ここでの単位時間および所定球数は、通常の遊技では入賞し得ない状態を想定した数値が設定される。具体的には、遊技球の発射は、最大1分間100発であるため、例えば、1分間に100個を上限として適宜決定できる。より具体的には、単位時間が1秒間である場合に所定球数が5個、または、単位時間が10秒である場合に所定個数が30個などである。単位時間は、RTC106によって計測される。また、アタッカーへの遊技球の入賞個数は、カウントスイッチ23による遊技球の検出個数によって計測される。
その結果、単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞していない場合(ステップS106;NO)には、ステップS103で取得した入賞情報に応じた賞球数を加算する賞球数加算処理を行う(ステップS107)。なお、賞球数加算処理は、警告表示準備が行われていない場合に行う。ここで、警告表示準備が行われている場合には、そのまま連比・役比関連処理を終了する。賞球数加算処理では、図42に示す第0記憶領域における一般入賞口(ソデ)、一般入賞口(ヘソ)、普通電役賞球(電チュー)、特別電役賞球(アタッカー)の各賞球数を加算する。
また、賞球数加算処理では、アクティブバッファにおける第0記憶領域における一般入賞口(ソデ)、一般入賞口(ヘソ)、普通電役賞球(電チュー)、特別電役賞球(アタッカー)の各賞球数の賞球合計を算出する。ここで、アクティブバッファにおける第0記憶領域の賞球合計が所定の容量である6000となった場合には、アクティブバッファの第0記憶領域に記憶されている数値をリングバッファの第1記憶領域に移動させる。また、リングバッファの第1記憶領域〜第9記憶領域に記憶されている数値をそれぞれ第2記憶領域〜第10記憶領域に移動させる。また、リングバッファにおける第10記憶領域に記憶されていた数値を消去する。
続いて、算出タイマがタイムアップした(算出タイマ=0)か否かを判断する(ステップS108)。その結果、算出タイマがタイムアップしていない場合(ステップS108;NO)には、そのまま連比・役比関連処理を終了する。また、算出タイマがタイムアップしている場合(ステップS108;YES)には、算出タイマをセット(算出タイマ=2000ms)する(ステップS109)。
それから、ステップS107で加算して得られた賞球数(賞球合計)が算出実行数となっているか否かを判断する(ステップS110)。算出実行数は、適宜の数とすることができるが、例えばリングバッファにおける第0記憶領域〜第9記憶領域に記憶されている数値をそれぞれ第1記憶領域〜第10記憶領域に移動させる基準となる賞球合計の6000個よりもわずかに少ない数、例えば5900個とすることができる。また、算出実行数は、6000個から最大払出し球数を減じた数よりもわずかに小さい数とすることが好適である。
その結果、賞球数(賞球合計)が算出実行数となっていない場合には(ステップS110;NO)、そのまま連比・役比関連処理を終了する。また、賞球数が算出実行数となっている場合には(ステップS110;YES)、連比および役比を算出する(ステップS111)。ここでは、短期連比、短期役比、累計連比(総累計連比)、累計役比(総累計役比)をそれぞれ算出する。このため、短期連比、短期役比、累計連比、累計役比は、いずれも同一割込み内で算出される。その後、連比・役比表示処理を行って(ステップS112)、連比・役比関連処理を終了する。
また、ステップS104で営業時間内でないと判断した場合(ステップS104;NO)、ステップS105で扉枠が閉鎖していないと判断した場合(ステップS105;NO)、ステップS106で単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞していると判断した場合(ステップS106;YES)には、エラー表示準備を行う(ステップS113)。その後、連比・役比関連処理を終了する。
次に、連比・役比表示制御処理について説明する。図48は、連比・役比表示制御処理の手順を示すフローチャートである。図48に示すように、連比・役比表示制御処理では、連比・役比表示準備が済んでいるか否かを判断する(ステップS201)。連比・役比表示準備処理が済んでいないと判断した場合(ステップS201;NO)には、エラー表示準備が済んでいるか否かを判断する(ステップS202)。
その結果、エラー表示準備が済んでいると判断した場合(ステップS202;YES)には、エラー表示を行う(ステップS203)。エラー表示は、適宜行うことができる。例えば、表示モニタ29の上位2桁に「E」「R」を表示し、下位2桁に「0」「1」を表示することができる。また、エラー表示を行う際に、他の表示装置、例えば画像表示装置9X、第1特別図柄表示装置8Aに、第2特別図柄表示装置8B等に所定のエラー表示を行ってもよいし、遊技効果ランプ28Xを適宜のパターンで点灯、点滅などさせてもよい。あるいは、スピーカ27から所定の警報音を発生させてもよい。あるいは、主基板31に設けられた遊技機のエラーを表示するための7セグメント表示器に適宜の表示を行ってもよい。また、これらを組み合わせて行ってもよい。
エラー表示を行ったら、警告表示準備が済んでいるか否かを判断する(ステップS204)。また、ステップS202において、エラー表示準備が済んでいるか否かを判断いないと判断した場合(ステップS202;NO)にも、警告表示準備が済んでいるか否かを判断する(ステップS204)。
その結果、警告表示準備が済んでいると判断した場合(ステップS204;YES)には、警告表示を行う(ステップS205)。警告表示は、警告表示以外の表示とは異なるように、適宜行うことができる。例えば、表示モニタ29の上位2桁に「E」「R」を表示し、下位2桁に「0」「6」を表示することができる。このとき、警告がなされる状態であることを示すために、表示モニタ29を点滅させてもよいし、表示モニタ29の表示の色を変化させながら表示させてもよい。あるいは、表示モニタ29の表示の明度を高くして表示を行ってもよい。このように、警告表示は、他の表示よりも目立つようにして行うのが好適である。
また、警告表示を行う際に、他の表示装置、例えば画像表示装置9X、第1特別図柄表示装置8Aに、第2特別図柄表示装置8B等に所定の警告表示を行ってもよいし、遊技効果ランプ28Xを適宜のパターンで点灯、点滅などさせてもよい。あるいは、スピーカ27から所定の警告音を発生させてもよい。あるいは、主基板31に設けられた遊技機のエラーを表示するための7セグメント表示器に適宜の表示を行ってもよい。また、これらを組み合わせて行ってもよい。
警告表示を行ったら、連比・役比制御処理を終了する。また、ステップS204で警告表示準備が済んでいないと判断した場合(ステップS204;NO)にも、連比・役比制御処理を終了する。
また、連比・役比表示準備が済んでいると判断した場合(ステップS201;YES)には、短期連比表示を行う(ステップS206)。続いて、短期連比表示を開始して所定時間(30秒)が経過したか否かを判断する(ステップS207)。ここで、所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS207;NO)には、ステップS206に戻り、短期連比表示を継続する。また、所定時間が経過したと判断した場合(ステップS207;YES)には、ステップS208に進む。こうして、短期連比表示は、30秒(30000ms)間継続して行われる。
続いて、短期役比表示を行い(ステップS208)、短期役比表示を開始して所定時間(30秒)が経過したか否かを判断する(ステップS209)。ここで、所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS209;NO)には、ステップS208に戻り、短期役比表示を継続する。また、所定時間が経過したと判断した場合(ステップS209;YES)には、ステップS210に進む。こうして、短期役比表示は、30秒間継続して行われる。
続いて、累積連比表示を行い(ステップS210)、累積連比表示を開始して所定時間(30秒)が経過したか否かを判断する(ステップS211)。ここで、所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS211;NO)には、ステップS210に戻り、累積連比表示を継続する。また、所定時間が経過したと判断した場合(ステップS211;YES)には、ステップS212に進む。こうして、累積連比表示は、30秒間継続して行われる。
続いて、累積役比表示を行い(ステップS212)、累積役比表示を開始して所定時間(30秒)が経過したか否かを判断する(ステップS213)。ここで、所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS213;NO)には、ステップS212に戻り、累積役比表示を継続する。こうして、短期役比表示は、30秒間継続して行われる。また、所定時間が経過したと判断した場合(ステップS213;YES)には、連比・役比制御処理を終了する。
このように、上記の遊技機1では、主基板31に設けられた表示モニタ29によって短期連比、短期役比、累積連比、累積役比を表示している。また、表示モニタ29は、視認性を妨げられないように、遊技を制御する主基板31上に設けられている。このため、遊技盤に設けられた遊技釘(障害釘)や風車などについてどのような調整が加えられたかを認識できる。
また、表示モニタ29は、主基板31を視認する際の正面に配置されている。このため、表示モニタ29に対する視認性が妨げられることを防止できる。また、主基板31は、基板ケース201に設けられた放熱孔が真正面にはない位置に配置されている。このため、主基板31上に設けられた表示モニタ29が放熱孔によって見にくくならないようにすることができる。したがって、主基板31上に設けられた表示モニタ29に対する視認性が妨げられることを防止できる。
また、主基板31は、主基板31以外の各周辺基板とは重ならない位置に配置されている。このため、主基板31上に設けられた表示モニタ29が演出制御基板80などの周辺基板によって見にくくならないようにすることができる。したがって、主基板31上に設けられた表示モニタ29に対する視認性が妨げられることを防止できる。
また、表示モニタ29には、電チューやアタッカーの通過によって払い出された賞球と、一般入賞口の通過によって払い出された賞球との関係に関する連比や役比を表示することができる。また、表示モニタ29は、短期連比と累計連比など、所定情報を所定期間ごとに切り替えて表示可能である。このため、複数の期間についての情報を表示するための表示器を設ける必要がないので、部品点数の削減に寄与することができる。
また、表示モニタ29には、賞球数が6000個となるごとの連比(短期連比)や役比(短期役比)が表示されるので、総賞球数が6000個となるなど、一定の単位に対応した期間の数値を容易に認識することができる。所定単位に対応した期間は、賞球数が6000個となる以外の期間であってもよい。例えば、賞球数が1000個、10000個となる期間でもよい。あるいは、賞球数ではなく時間を単位としてもよい。例えば、所定単位に対応した期間を1時間、3時間、10時間などの適宜の時間としてもよい。
また、表示モニタ29は、賞球数が6000個となるごとの連比(短期連比)や役比(短期役比)のほか、累計連比および累計役比を切り替えて表示している。このため、所定単位ごとの短期連比や短期役比と累計連比や累計役比などを容易に比較することができる。また、表示モニタ29は、かしめられた基板ケース内に収容された主基板31に設けられている。このため、表示モニタ29における表示を改ざんするなどの不正の防止に寄与することができる。
また、遊技機1は、適正な所定情報が表示できなくなる不正を検知検出する検出手段を備えている。ここでの不正とは、例えば遊技上の営業時間外における賞球数の計数、扉枠の開放中における賞球数の計数、許容入賞数を超えた遊技球の入賞などがある。遊技機1は、遊技場の営業時間内で稼働するものであり、営業時間以外の時間における賞球の計数は、不正行為である蓋然性が高い。また、遊技機1は、扉枠を閉じて遊技を行うものであり、扉枠の開放中の賞球の計数は、不正行為である蓋然性が高い。
また、遊技機1の遊技中、遊技球は、一定の速度を超えて発射させることができない。例えば、遊技球の発射は、最大1分間100発である。このため、1分間での遊技球の入賞の上限数はほぼ100個となる。したがって、例えば1分間に100個、あるいは12秒間に20個を超える遊技球の入賞が検出された場合には、不正行為があった蓋然性が極めて高くなる。
遊技機1では、不正を検知するために、営業時間内でない場合、ガラス扉枠2が閉鎖されていない場合、単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞している場合の賞球数の加算を排除している。したがって、これらの不正による連比、役比の情報などの改ざんを抑制することができる。なお、単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞している場合の賞球数に代えて、単位時間あたりの払出球数にもとづいて不正を検出してもよい。
また、上記の遊技機1では、RAM55が備えるアクティブバッファの第0記憶領域が所定の容量である6000個となった場合に、リングバッファにおける第10記憶領域に記憶されていた数値を消去する。このため、リングバッファが容量不足となることを防ぐことができる。
また、リングバッファでは、第1記憶領域〜第10記憶領域が設けられており、アクティブバッファの第0記憶領域のデータがリングバッファの第1記憶領域に移動する場合、第10記憶領域のデータが消去される。このため、消去されるデータが所定単位ごととされるので、リングバッファの容量不足を防ぐことができる。また、消去されずに残るデータを多くしておくことができる。
なお、アクティブバッファの第0記憶領域のデータをリングバッファの第1記憶領域に移動させる際、リングバッファにおける第9記憶領域のデータを第10記憶領域に移動させる。このとき、第10記憶領域のデータを消去して、第9記憶領域のデータを移動させてもよいし、第10記憶領域のデータに第9記憶領域のデータを上書きしてもよい。この場合でも、リングバッファの容量不足を防ぐことができる。
アクティブバッファの第0記憶領域のデータをリングバッファの第1記憶領域に移動させる際、リングバッファでは、その一部の記憶領域である第10記憶領域のデータが消去される。このため、消去されるデータを少なくすることができるので、リングバッファの容量不足を防ぐことができるとともに、多くのデータで連比や役比を算出できる。
なお、リングバッファのデータを消去する際には、その一部第10記憶領域のデータを消去するのみではなく、第1記憶領域〜第10記憶領域のデータの全てを消去するようにしてもよい。この場合、リングバッファの容量不足をより好適に防ぐことができる。また、所定の条件に応じてリングバッファの一部または全部のデータを消去するようにしてもよい。例えば、営業時間開始時最初には、リングバッファの全部のデータを消去し、以後はリングバッファの一部のデータを消去するようにしてもよい。
また、上記の例では、リングバッファにおけるデータの移動について説明しているが、リングバッファ以外のデータ、例えば総累計を記憶する記憶領域についても、同様に一部や全部のデータを消去するようにしてもよい。
また、上記の遊技機1では、短期連比、短期役比、累計連比、累計役比の各データを30秒の周期ごとに表示している。このため、各データを容易に比較することができる。なお、各データを表示する周期は30秒ではなく、適宜の周期としてもよい。例えば、10秒毎としてもよいし、1分毎としてもよい。または、1時間ごととしてもよい。また、表示されるデータは、短期連比、短期役比、累計連比、累計役比のデータ以外のデータとしてもよいし、これらのデータの一部のみとしてもよい。
また、短期連比、短期役比、累計連比、累計役比の各データを30秒の周期ごとに表示するにあたり、短期連比については、他のデータと異なる表示を行っている。具体的には、短期連比については赤字で表示し、他のデータは緑字で表示している。このため、短期連比から新たなデータを表示することを認識させることができる。
また、上記の遊技機1では、異常操作が行われたときに、警告表示を行うようにしている。具体的に、クリアスイッチが操作された場合に異常操作として警告を表示する。クリアスイッチは、連比や役比の算出などに障害が生じた場合に操作されるいわば非常用のスイッチである。このスイッチが操作されると、連比や役比のデータの改ざんを行うことができるので、クリアスイッチの操作を異常操作として検出する。遊技機1では、この異常操作を警告表示によって警告できるので、データの改ざんなどの不正を抑制することができる。
また、上記の遊技機1では、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、第1一般入賞口スイッチ24A、第2一般入賞口スイッチ24B、第3一般入賞口スイッチ24C、第4一般入賞口スイッチ24Dからの検出信号にもとづいて得られる賞球数にもとづいて、連比や役比を算出している。例えば、アタッカーに個別に設けられたセンサ(カウントスイッチ23)と、アタッカーに入賞した遊技媒体と電チューに入賞した遊技媒体とが排出される排出通路が合流した後に設けられたセンサとを使い、その検出結果にもとづいて役物獲得球数のカウンタ、連続役物獲得球数のカウンタへ集計して連比や役比を算出した場合、どの入賞口からの払い出しなのかを特定しづらく、役比、連比の算出が複雑になってしまう虞がある。この点、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、第1一般入賞口スイッチ24A、第2一般入賞口スイッチ24B、第3一般入賞口スイッチ24C、第4一般入賞口スイッチ24Dによって遊技媒体が入賞したことを検出して、その検出結果から得られる賞球数にもとづいて、連比や役比を算出ことにより、各入賞口への入賞にもとづいて賞球数判断できる。したがって、連比や役比を簡単に算出することができるとともに、精度よく算出することができる。
なお、上記の変形例では、遊技の入賞に関する情報が記憶される記憶領域を最大2バイトのカウンタが10個設けられたリングバッファを用いたが、最大3バイトのカウンタや最大4バイトのカウンタを設けることもできる。このとき、遊技機から払い出された遊技媒体(賞球)の総獲得球数から前述の役比(%)および連比(%)の2種類を上述した表示モニタ29に表示するにあたっての計算方法は前述した方法に限られず以下のようにしてもよい。図49に示すように最大4バイトで構成されたカウンタによって、総獲得球数、役物獲得球数、連続役物獲得球数のそれぞれを集計する場合、その上位16ビットを使用して計算を行ってもよい。ちなみに4バイトのカウンタによって、獲得球数が1日30000個であると仮定した場合に、4294836225(4バイト)/30000(1日あたりの獲得球数)=143161.2075、143161.2075/365日=約392、となり、392年分の集計を賄える計算となる。
また、上記の変形例では、図41(A)に示すように、基板ケース201に収容された主基板31上の中央部に表示モニタ29が設けられた例を説明したが、表示モニタ29は、他の位置に設けられていてもよい。
例えば、図50(A)に示すように、表示モニタが設けられていない主基板31Cと、主基板31Cとは別に表示基板31Dを設け、主基板31Cと表示基板31Dとをハーネス31Eで接続して、表示基板31Dに表示モニタ29を設けてもよい。この場合、表示モニタ29に表示する連比や役比の算出やこれらの算出に用いるためのデータの受信は、主基板31Cで行われる。主基板31Cは、算出した連比や役比、さらにはこれらを表示するための制御に関する情報を表示基板31Dに対してハーネス31Eを介して送信する。表示基板31Dでは、主基板31Cから送信されたデータにもとづいて、表示モニタ29に連比や役比を表示すればよい。
また、主基板31Cおよび表示基板31Dは、かしめ基板ケースである基板ケース201Aに収納されている。基板ケース201Aには、図41(A)に示す基板ケース201と同様、かしめピン31Bが取り付けられている。このかしめピン31Bが設けられていることにより、主基板31Cおよび表示基板31Dが基板ケース201Aに完全に封入された状態となり、主基板31Cに対する不正行為を防止するようになっている。また、基板ケース201Aにおいても、図41(A)に示す基板ケース201と同様、孔部や放熱孔が設けられ、所定のシールが設けられている。これらの孔部、放熱孔、シールは、表示モニタ29の表示を遮らないように配置されている。
また、図50(B)に示すように、表示基板31Dについては、かしめ基板ケースである基板ケース201Bの外側に設け、主基板31Cを基板ケース201Bに封入するようにしてもよい。この例において、表示基板31Dには、ハーネス31Eで主基板31Cに接続されている。
また、図50(C)に示すように、表示基板31Dを基板ケース201Cに封入し、主基板31Cを基板ケース201Bに封入するようにしてもよい。この例において、表示基板31Dには、ハーネス31Eで主基板31Cに接続されている。また、基板ケース201Cにおいても、図41(A)に示す基板ケース201と同様、孔部や放熱孔が設けられ、所定のシールが設けられている。これらの孔部、放熱孔、シールは、表示モニタ29の表示を遮らないように配置されている。なお、表示基板31Dを封入する基板ケース201Cは、かしめ基板ケースでなくてもよいし、かしめ基板ケースであってもよい。
また、図50(D)に示すように、図40(A)に示す基板ケース201の表面にラベルが貼り付けられており、ラベル31Rには、かしめ使用記録が記載されるようになっていてもよい。ここで、ラベル31Rは、表示モニタ29の一部を隠す位置に配置されていてもよい。このように、ラベル31Rによって表示モニタ29の一部が隠されていることにより、例えばガラス扉枠2を開放した際に、遊技者が簡単に連比や役比を視認できないようにできる。また、ラベル31Rを貼り付ける場合でも、表示モニタ29を隠さない位置に貼り付けてもよい。
また、上記の変形例では、可動役物として、ソレノイドによって開閉する大入賞口(アタッカー)や第2始動入賞口(電チュー)といった電動役物が用いられているが、これらの電動役物に代えて、遊技球の自重によって開閉を行ういわゆる機械式役物を可動役物としてもよい。また、表示モニタ29としては、7セグメントのLEDを用いているが、7セグメントに代えてドット表示、表示画面などとしてもよい。また、LEDに代えて、液晶表示装置や、有機EL、蛍光表示管などとしてもよい。
また、上記の変形例では、表示モニタ29に表示する内容、例えば連比や役比の表示等とは無関係にガラス扉枠2を開放させてエラー解除などの対応をすることがある。例えば、遊技球の払出しを行うために、遊技盤3の裏側には、遊技球(補給球)を補給する補給機構が設けられていることがある。この補給機構において、球詰まりが生じた場合などには、ガラス扉枠2を開放させて球詰まりを解消させてエラー解除を行うことがある。このような表示モニタ29に表示する内容とは無関係にガラス扉枠2を開放させてエラー解除を行う場合などには、表示モニタ29に対する連比や役比等の表示を行わないようにしてもよい。
また、このときに表示モニタ29に対する連比や役比等の表示を行わないようにするために、連比や役比等の表示に対するエラーが発生していないことを条件としてもよい。ここでの連比や役比等の表示に対するエラーとは、例えば、図47に示すステップS101で判断される異常操作の検出やステップ104で判断される営業時間内の入賞情報の取得、ステップS106で判断される単位時間当たりにおけるアタッカーに対する所定数以上の入賞の検出としてもよい。このような連比や役比等の表示に対するエラーが発生していないことを条件とすることにより、遊技者に連比や役比等の情報が見られてしまう事態を抑制できる。
また、表示モニタ29に表示する内容とは無関係にガラス扉枠2を開放させてエラー解除を行い、エラー解除が完了した後は、表示モニタ29に対する連比や役比等を表示するまで所定期間例えば1分間待機し、所定時間が経過した後に表示するようにしてもよい。エラーの発生の解除後は、エラー発生の原因を完全に取り除くことができずに、同様のエラーが続いて発生することが少なくない。表示モニタ29に対する連比や役比等の表示を所定時間が経過した後に行うことにより、このようなエラー発生時にも遊技者に連比や役比等の情報が見られてしまう事態を抑制できる。ここでの所定期間は任意に設定することができ、5分や10分等の1分より長い時間としてもよいし、30秒等の1分よりも短い時間としてもよい。また、エラーの原因に応じて所定時間を設定するようにしてもよい。例えば、補給機構における球詰まりの場合と、画像表示装置9Xの故障の場合では、補給機構の球詰まりの方の所定期間を長く設定してもよい。
また、主基板31には、表示モニタ29以外の表示装置、例えばエラーを表示するための7セグメント表示器(以下「エラー表示器」という)が設けられている。このエラー表示器は、表示モニタ29から離れた位置に配置されていることが好適である。具体的には、表示モニタ29が主基板31の右側1/3の位置に配置され、エラー表示器が主基板31の左側1/3の位置に配置されていてもよい。また、表示モニタ29を分かりやすくするために、表示モニタ29が主基板31のどこにあるかを基板ケース201上に文字で印刷しておいてもよいし、基板ケース201にシールを貼り付けたりしておいてもよい。
また、上記の変形例において、パチンコ遊技機を例として役比(%)や連比(%)を算出し、表示モニタにおいて表示することを説明したが、スロットマシンにおいてパチンコ遊技機における役比(%)や連比(%)に相当する値を算出し表示するようにしてもよい。
以下にスロットマシンにおける連比(%)の算出方法について説明する。スロットマシンは、賭数を設定することにより図柄の変動が開始可能となり、図柄の変動の結果に応じて入賞が発生する。スロットマシンにおける入賞には、遊技用価値の付与を伴う付与入賞、賭数を設定することなく図柄の変動が開始可能となる再遊技入賞、付与入賞の発生確率が向上する特別遊技状態に移行させるボーナス入賞がある。ここで、スロットマシンにおける連比(%)は、図柄の変動が所定回数行なわれる期間のうち、図柄の変動の結果による付与入賞が発生して得られた遊技用価値の累計(前述のパチンコ遊技機における総獲得球数に相当)に対して、特別遊技状態に移行している期間において図柄の変動の結果による付与入賞が発生して得られた遊技用価値の累計(前述のパチンコ遊技機における連続役物獲得球数に相当)の比率で表される。例えば、6000回の図柄の変動が行なわれる期間において、該期間に得られた遊技用価値の一例であるメダルの数が16000枚である場合に、特別遊技状態に移行している期間において付与入賞により得られたメダルの数が9000枚である場合、9000を16000で除算して得られる0.56が連比(%)となる。
なお、算出した役比(%)や連比(%)を主基板の中央に設けられた表示モニタ(例えば、7セグメント)において表示する例を示したが、これに限らず、払出制御基板などの他の基板や、遊技盤面、遊技機用枠(台枠)等に表示モニタを設けるようにしてもよい。また、役比(%)や連比(%)を表示するための専用の表示モニタを設けるものに限らず、既存の表示装置(例えば、画像表示装置9X、エラーを表示するための7セグメント表示器、スロットマシンにおけるクレジット表示器や払出数表示器など)を用いて役比(%)や連比(%)を表示するようにしてもよい。
以上に説明したように、上記の実施の形態および変形例によれば、遊技媒体(本例では、遊技球)が通過することによって価値が付与される特定領域(本例では、第1始動入賞口13や、第2始動入賞口、大入賞口、変形例における一般入賞口)と、遊技媒体の特定領域への通過によって付与される価値に関する所定情報(本例では、連比、役比)を表示可能な情報表示手段(本例では、表示モニタ29)とを備える。そして、情報表示手段は、視認性を妨げられないように、遊技を制御する基板上に設けられている(図40参照)。そのため、どのような調整を加えられたかを認識することができる。
なお、上記の実施の形態および変形例では、情報表示手段(本例では、表示モニタ29)が主基板31上に設けられている場合を示したが、そのような態様にかぎれない。例えば、視認性を妨げられないように表示モニタ29が設けられているのであれば、演出制御基板80や払出制御基板37、中継基板177など他の基板に表示モニタ29が設けられていてもよい。
また、上記の実施の形態および変形例によれば、遊技媒体(本例では、遊技球)が所定領域(本例では、右ゲート19)を通過したことにもとづいて有利状態(本例では、大当り遊技状態)への制御を開始し、遊技媒体が所定領域(本例では、左ゲート17、右ゲート19)を通過したことにもとづいて有利状態への制御を終了する。そのため、所定領域に遊技媒体を通過させることによって有利状態を開始または終了させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。また、例えば、所定領域の遊技媒体(本例では、遊技球)の通過を条件として有利状態(本例では、大当り遊技状態)を開始できるので、大当り遊技開始時に打球供給皿(上皿)3に遊技球が溜まっていなかったために、その分大入賞口に遊技球を入賞させることができず、大当り遊技の一部の期間を無駄にしてしまう事態を防止することができる(すなわち、そのような場合には、打球供給皿(上皿)3に遊技球を溜めてから右ゲート19に遊技球を通過させて大当り遊技を開始させることができ、大当り遊技開始までの時間的猶予を得ることができる)。
また、上記の実施の形態および変形例によれば、遊技媒体が所定領域(本例では、左ゲート17、右ゲート19)を通過したことにもとづいて遊技状態を移行可能である(本例では、左ゲート17や右ゲート19に遊技球を通過させたことにもとづいて大当り遊技状態を開始または終了させたり、時短状態を終了させたりすることができる)。そのため、所定領域に遊技媒体を通過させることによって遊技状態を移行させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、上記の実施の形態および変形例では、大当り遊技状態を開始または終了させたり、時短状態を終了して通常状態に移行させたりする場合に、所定領域(本例では、左ゲート17、右ゲート1)に遊技媒体を通過させる場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、小当り遊技についても、ゲートを遊技球が通過したことを条件として小当り遊技を開始するように構成してもよい。この場合、例えば、左ゲート17や右ゲート19を兼用で用いて、左ゲート17や右ゲート19を遊技球が通過したことにもとづいて小当り遊技を開始するように構成してもよい。また、例えば、小当り専用のゲートを設けて、その専用のゲートを遊技球が通過したことにもとづいて小当り遊技を開始するように構成してもよい。そのように構成すれば、小当り遊技開始時に打球供給皿(上皿)3に遊技球が溜まっていなかったために、小当り遊技中にV入賞させて大当りを発生させることができず、小当り遊技を無駄にしてしまう事態を防止することができる(すなわち、そのような場合には、打球供給皿(上皿)3に遊技球を溜めてからゲートに遊技球を通過させて小当り遊技を開始させることができ、小当り遊技開始までの時間的猶予を得ることができる)。
また、例えば、通常状態と比較して大当りとなる確率が高められた高確率状態である確変状態にも制御可能に構成されている場合には、ゲートの遊技球の通過を条件として確変状態に移行するように構成してもよい。
また、上記の実施の形態および変形例では、時短状態に制御されることによって可変入賞球装置15が開放されやすくなる場合を示したが、時短状態以外の高ベース状態(可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められた状態や、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長される状態、普図当りとなる確率が高められた普図確変状態、普通図柄の平均的な変動時間が短縮される普図時短状態など)に制御可能に構成されている場合には、ゲートの遊技球の通過を条件として高ベース状態に移行するように構成してもよい。
また、上記の実施の形態および変形例では、大当り遊技を開始するときには左ゲート17に遊技球を通過させ、大当り遊技を終了するときには左ゲート17または右ゲート19に遊技球を通過させる場合を示したが、遊技球を通過させるゲートとして、大当り遊技を開始するときと終了するときとで共通のゲートを用いてもよいし、別々のゲートを用いてもよい。
また、上記の実施の形態および変形例によれば、可変表示の表示結果として特定表示結果(本例では、大当り図柄「3」や「7」が導出表示されたとき、および可変入賞装置(本例では、可変入賞球装置20)内に設けられた特別領域(本例では、特定入賞口66)に遊技媒体が入賞したときに、有利状態に制御可能であるとともに、特定表示結果が導出表示されたことにもとづいて制御される有利状態において、可変入賞装置(本例では、大入賞口)を所定期間(本例では、16ラウンド)入賞可能状態に変化させ、特別領域に遊技媒体が入賞したことにもとづいて制御される有利状態においても、可変入賞装置を所定期間(本例では、16ラウンド)入賞可能状態に変化させる。そのため、特定表示結果が導出表示されたことにもとづいて有利状態に制御されたときも、特別領域に遊技媒体が入賞したことにもとづいて有利状態に制御されたときも、同じ遊技価値が付与されるので、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、上記の実施の形態および変形例では、小当り遊技状態において開放される可変入賞球装置(役物)20と大当り遊技状態において開放される大入賞口とが別々の可変入賞球装置として設けられている場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、1つの可変入賞球装置のみを設けるようにし、小当り遊技状態においては、その1つの可変入賞球装置を役物として開放状態に制御し、大当り遊技状態においても、その1つの可変入賞球装置を大入賞口として所定ラウンド開放状態に制御するように構成してもよい。
また、上記の実施の形態および変形例では、非時短大当りや時短大当り(大当り図柄「3」や「7」が導出表示)となって大当り遊技状態に制御される場合も、小当り遊技状態からV入賞して大当り遊技状態に制御される場合も、一律に16ラウンドの大当り遊技状態に制御される場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態に制御される場合も、V入賞して大当り遊技状態に制御される場合も、7ラウンドや10ラウンドの大当り遊技など16ラウンド以外の大当り遊技状態に制御される場合があるようにしてもよい。そのように構成する場合であっても、大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態に制御される場合と、V入賞して大当り遊技状態に制御される場合とで、少なくとも同じラウンド数の大当り遊技状態に制御される場合があるように構成されていればよい。
また、上記の実施の形態および変形例によれば、遊技媒体の所定領域の通過に対応した情報(本例では、左ゲート通過待ち信号、右ゲート通過待ち信号)を外部出力する。そのため、外部から遊技機の状態を認識可能にすることができる。
なお、上記の実施の形態および変形例では、大当り遊技を開始するときや終了するとき、時短状態から通常状態に移行するときに、左ゲート通過待ち信号や右ゲート通過待ち信号を外部出力する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、確変状態や高ベース状態に制御可能な遊技機であれば、確変状態や高ベース状態に移行するときに、それに対応したゲートの通過待ち信号を外部出力するように構成してもよい。また、例えば、ゲート通過待ち信号にかぎらず、例えば、左ゲート17や右ゲート19の遊技球の通過を検出したことを示す信号を外部出力するように構成してもよい。
また、上記の実施の形態および変形例によれば、所定領域は、該所定領域を遊技媒体が通過した後に制御される遊技状態において遊技媒体が発射される領域に設けられている(本例では、大当り遊技中は右打ち操作されることから、大当り遊技開始時の右ゲート19は遊技領域7の右方に設けられている。また、本例では、通常状態中は左打ち操作され時短状態中は右打ち操作されることから、大当り遊技終了後に通常状態に制御される場合の左ゲート17は遊技領域7の左方に設けられ、大当り遊技終了後に時短状態に制御される場合の右ゲート19は遊技領域7の右方に設けられている。)。そのため、スムーズに遊技状態を移行させることができる。
なお、上記の実施の形態および変形例では、通常状態中は左打ち操作を行い、時短状態中および大当り遊技中は右打ち操作を行う場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、時短状態中または大当り遊技中のいずれか一方のみ右打ち操作を行う遊技機や、通常状態中、時短状態中および大当り遊技中のいずれであるかに関係なく全て左打ち操作を行うような遊技機であってもよく、いずれの態様であっても、その遊技状態移行後の操作に応じた領域に設けられているゲートに遊技球を通過させるように構成されたものであればよい。
なお、上記の実施の形態および変形例では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態および変形例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図14に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態および変形例における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態および変形例では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連(1回の可変表示中に1回以上の図柄の仮停止と再変動とが実行される演出)の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例が示されたが、2つ以上のコマンドで変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドで通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドとして擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチになる前(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとしてリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチになったとき以降(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止以後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示(可変表示)における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、2つのコマンドのそれぞれで変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100で選択するようにしてもよい。2つのコマンドを送信する場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定の期間が経過してから(例えば、次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はそのような例に限定されず、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ以上のコマンドで変動パターンを通知するようにすることによって、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態および変形例において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態および変形例では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要ななく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
また、上記の実施の形態および変形例では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
また、上記の実施の形態および変形例では、図柄変動を伴う図柄変動遊技(図柄変動を行い、変動表示結果として大当り図柄が停止表示したときに大当り遊技状態に移行して大入賞口を開放するもの)と可変入賞球装置(役物)20を用いた役物遊技とを組み合わせて行う遊技機に適用する場合を示したが、このような態様にかぎられない。例えば、役物遊技のみを行う遊技機に上記の実施の形態および変形例で示した構成を適用し、小当り遊技中にV入賞したことにもとづいて大当り遊技を開始するときや終了するとき、遊技状態を通常状態や時短状態に移行するときに、ゲートへの遊技球の通過を条件とするように構成すればよい。また、例えば、図柄変動遊技のみを行う遊技機に上記の実施の形態および変形例で示した構成を適用し、大当り図柄が導出表示されて大当り遊技を開始するときや終了するとき、遊技状態を通常状態や、時短状態、確変状態に移行するときに、ゲートへの遊技球の通過を条件とするように構成すればよい。
また、例えば、確変状態に制御可能に構成する場合に、大当り遊技終了後に確変状態に移行した後所定回数(例えば、100回)を経過するまで確変状態を継続する遊技機(いわゆるSTタイプの遊技機)や、次の大当りが発生するまで確変状態を継続する遊技機(いわゆるループタイプの遊技機)、抽選処理により確変状態を終了すると判定するまで確変状態を継続する遊技機(いわゆる転落抽選タイプの遊技機)、連続して確変大当りとなる回数に上限(リミット)が設けられた遊技機(いわゆるリミットタイプの遊技機)に上記の実施の形態および変形例で示した構成を適用し、大当り遊技を開始するときや終了するとき、確変状態に移行するときや確変状態を終了するときに、ゲートへの遊技球の通過を条件とするように構成してもよい。
また、確変状態に制御可能に構成する場合に、例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の実施の形態および変形例で示した構成を適用し、大当り遊技を開始するときや終了するとき、確変領域を遊技球が通過して確変状態に移行するときや確変状態を終了するときに、ゲートへの遊技球の通過を条件とするように構成してもよい。