JP2018000065A - 水耕栽培用育成ボード - Google Patents
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Abstract
【課題】潅水式水耕栽培において用いる水耕栽培用育成ボードであり、水耕栽培用育成ボードと養液が接している面に藻が発生することを抑制し、栽培植物の生長を阻害しない水耕栽培用育成ボードを提供する。【解決手段】苗を保持するための定植孔を有する水耕栽培用育成ボードであって、算出した反射率が30%以上であり、光透過率が1%以下であることを特徴とする水耕栽培用育成ボード。または、苗を保持するための定植孔を有する水耕栽培用育成ボードであって、第1層および第2層を有する積層構造であり、前記第1層は前記第2層よりも明度が高いことを特徴とする水耕栽培用育成ボード。【選択図】図1
Description
本発明は水耕栽培用育成ボードに関するものであり、詳細には潅水式水耕栽培において水耕栽培用育成ボードの下方に藻が発生することを防止する手段が設けられた水耕栽培用育成ボードに関するものである。
近年、農産物の天候や虫害、病害に左右されない計画的な生産や安定供給、無農薬や低農薬化による食品の安全性向上、消費地に近い地域での生産による流通コストダウン、農業用水や肥料の有効活用、路地では栽培の難しい希少な品種を管理された環境下で育成することによる高付加価化等の目的のために、種々の方式の植物工場が稼動している。
従来の露地栽培では、栽培地の気候、土壌、生物、周辺環境等が変化し、その結果として、農作物の収量や品質は予期しがたく、不作による市場への供給不良や、逆に豊作による価格低下や出荷制限等、生産者および消費者の共に不利益になる事態が発生している。一方、植物工場では、栽培環境を工場内で制御することにより、不安定な要素を取り除くことができ、安定供給が可能となり、かつ栽培環境の要因(例えば、光、水、二酸化炭素、肥料、温度、湿度、風向等)と、栽培植物の生長、栄養素、収量、味等との関係が定性的および定量的に関係づけられ、投入資源の有効活用、希少な植物の栽培、機能性のある植物の栽培、食味に特化した植物栽培等、付加価値のある植物栽培が研究され、事業化されている。
植物工場は、大きく分けて、天然光型植物工場と人工光型植物工場があり、天然光型は太陽光を利用するため、日中は透明や半透明のガラス、樹脂等を通して日光を工場内に取り込み、植物に光合成を行わせる。人工光型は太陽光を利用せず、太陽光の替わりにLEDランプ等の光源を用いて栽培する。人工光型では、光を当てる時間や光の波長を制御し、栽培植物に合った条件で育成を行うことが可能である。
天然光型および人工光型を問わず、多くの植物工場では、不純物、異物、有害生物等の混入の懸念から土を使わず、土の代わりに根を保持する役割としてロックウールや椰子殻繊維等を処理した固形培地を用いた固形培地方法や、固形培地を用いずに養液の中や表層で根を育て、葉や茎は空気中で育てる水耕栽培が一般的に行われている。
水耕栽培では、栄養成分やpHを調整した養液に植物の根を漬けて育成する。根の養液への接触付与方式としては、霧状または水滴状の養液を根に噴霧または滴下する噴射式、養液を浅い水深で流す薄膜流水式(Nutrient Film Technique)や、養液を浴槽に貯め、より深い水深に根を漬ける潅水式(Deep Flow Technique)があり、多くの植物工場では、植物生産管理のしやすさから潅水式が採用されている。
潅水式では、養液上に浮力があり苗を保持できる構造を有した水耕栽培用育成ボードと呼ばれる資材を用いて植物の育成を行う。具体的には、水耕栽培用育成ボードに空けられた孔に苗をセットして定植し、養液の満たされた浴槽上にて日光または人工光、場合によっては室温、空気中の炭酸ガス濃度等を調整した環境下で数日〜数十日の栽培を行い収穫する。葉物栽培植物を例にとると、可食部分である葉は水耕栽培用育成ボードの養液に触れない表面部分で育ち、植物の根は水耕栽培用育成ボードの裏面部分で養液に漬かり、栄養を吸収し植物を生長させる。収穫時は水耕栽培用育成ボードごと養液から引き上げ、可食部分の葉を収穫する。収穫の終わった水耕栽培用育成ボードは、主に根からなる可食部以外の部分を除去し、洗浄して再び使用する。
水耕栽培用育成ボードの定植用の孔は、水耕栽培用育成ボードの大きさや栽培する植物の種類等により、形状、大きさ、数が異なるが、葉物野菜用水耕栽培用ボードの寸法が880mm×580mmの場合、形状は円形でありφ20mm以上φ30mm以下の孔が16個以上24個以下空いているものが一般的である。
このような栽培形式と作業性から、水耕栽培用育成ボードは軽量であることが要求され、一般的に厚さ20mm以上40mm以下、幅500mm以上700mm以下、長さ450mm以上1000mm以下程度の大きさであり、密度0.015g/cm3以上0.03g/cm3以下の白色発泡スチロール成形物が使用されている。
本発明に使用する水耕栽培用育成ボードの母材は、成形性に優れ、かつ構造体としてある程度の剛性を持ち、軽量で水に浮き、養液に接触しても形状変化が少なく、水切り性のよいものであることが重要である。素材としては発泡樹脂、加工された木材、成形された合成樹脂などが適しており、特に、軽量であり、成形性、剛性に優れることから発泡スチロールが使用されている。また、一部には水面に浮かせず、養液水槽側面にラック等を設置し、物理的に保持する機能を持たせたものも存在する。
前述のような潅水式水耕栽培を実施すると、水耕栽培用育成ボードの養液に触れている面で藻が発生する。発生した藻が植物の可食部分に付着すると商品価値が落ちるため、出荷前に収穫した植物を洗浄する手間を生じる。また、養液の成分が藻の発芽や生長に消費されるため、養液の成分が栽培植物の育成に供給されず、養液に無駄が生じる。さらに、藻が養液層内を循環し、いたるところで生長し、種類によってはコロニーを形成し球状や糸状に生長するため、養液の流れを阻害し、淀み部分で腐敗を起こして栽培環境を悪くする等の悪影響を与える。これらを防止するためには、定期的な養液の交換、ろ過、浴槽の清掃等が必要となる。また、水耕栽培用育成ボードの清掃も必要となり、手間がかかることによって、総じて栽培植物の生産コスト高につながってしまう。発生する藻の胞子等は、植物工場内で使用する水、栽培植物の種、空気、作業員に付着して進入するため、工場内への持込を防ぐことは困難である。
この問題に対して、従来から種々のアプローチが検討されており、水耕栽培用育成ボードの表面を平滑に加工し、藻の付着を阻害する効果を狙ったものや、水耕栽培用育成ボードの表面に防藻剤を塗布したもの、水耕栽培用育成ボードの素材に防藻剤を添加したもの等が検討されており、例えば、特許文献1には、少なくとも表裏面と定植孔内壁面に平滑な表皮層が形成されている水耕栽培用育成ボードが記載されている。
しかし、特許文献1のような水耕栽培用育成ボードは、初期使用時は若干効果を示すものの、水耕栽培用育成ボードは繰り返し使用するものであるため、定植時、育成時、収穫時の取り扱いや、収穫後の清掃時に表面に傷がつき、その効果は低下してしまう。また、防藻剤を使用する方法では、塗布する防藻剤や使用濃度の選定が難しく、防藻効果は認められるものの栽培する作物の生長を阻害する恐れや、栽培植物種と防藻剤との組み合わせにより栽培植物の受ける影響が様々であることより、安定的な収穫を目的とする植物工場においては使用することが難しい。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、水耕栽培用育成ボードにおいて養液面に藻が発生することを抑制し、栽培植物の生長を阻害しない水耕栽培用育成ボードを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために、藻および栽培植物を含む植物の生育に必要な要素である光をコントロールすることによって上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。具体的には、育成する作物には、光合成に必要な光を水耕栽培用育成ボードからの反射光を利用し増加させることにより育成を促進させ、養液面に発生する藻は、水耕栽培用育成ボードからの透過光を減少させることにより育成を阻害し、発生を抑制する。
前記課題を解決することができた本発明の水耕栽培用育成ボードは、苗を保持するための定植孔を有する水耕栽培用育成ボードであって、以下の計算式で算出した反射率が30%以上であり、光透過率が1%以下であることを特徴とするものである。
(計算式)
反射率 = b/a ×100 (%)
光透過率 = c/a ×100 (%)
(測定条件)
基準位置(L1):直方体の箱形容器であり、前面に開口部を形成しており、前面以外からの外光を遮断し、D65標準光源を備えた標準光源装置において、標準光源装置底面の中心部の上方位置であって、かつ、D65標準光源による照度(a)が855lx以上875lx以下となる位置
照度(b):基準位置(L1)に水耕栽培用育成ボードを設置し、基準位置(L1)から150mmD65標準光源側の位置における、水耕栽培用育成ボードからの反射光の照度
照度(c):前記D65標準光源から150mm標準光源装置底面側の位置に水耕栽培用育成ボードを設置し、基準位置(L1)における水耕栽培用育成ボードの透過光の照度
(計算式)
反射率 = b/a ×100 (%)
光透過率 = c/a ×100 (%)
(測定条件)
基準位置(L1):直方体の箱形容器であり、前面に開口部を形成しており、前面以外からの外光を遮断し、D65標準光源を備えた標準光源装置において、標準光源装置底面の中心部の上方位置であって、かつ、D65標準光源による照度(a)が855lx以上875lx以下となる位置
照度(b):基準位置(L1)に水耕栽培用育成ボードを設置し、基準位置(L1)から150mmD65標準光源側の位置における、水耕栽培用育成ボードからの反射光の照度
照度(c):前記D65標準光源から150mm標準光源装置底面側の位置に水耕栽培用育成ボードを設置し、基準位置(L1)における水耕栽培用育成ボードの透過光の照度
また、本発明の水耕栽培用育成ボードは、苗を保持するための定植孔を有する水耕栽培用育成ボードであって、第1層および第2層を有する積層構造であり、第1層は第2層よりも明度が高いことを特徴とするものである。
本発明の水耕栽培用育成ボードは、水耕栽培用育成ボードからの反射光を利用し農作物の光合成に必要な光を増加させることによって農作物の育成を促進させ、また、水耕栽培用育成ボードからの透過光を減少させることで水耕栽培用育成ボードの養液と接する面に藻が発生することを抑制している。
上記発明の水耕栽培用育成ボードにおいて、密度が0.03g/cm3以下であり、厚みが35mm以下であることが好ましい。このような構成とすることにより、水耕栽培用育成ボードが軽量となり、定植時や育成時、収穫時、清掃時等での作業性がよくなる。
上記発明の水耕栽培用育成ボードにおいて、第1層のL*値が80以上であり、第2層のL*値が40以下であることが好ましい。このような構成とすることで、水耕栽培用育成ボードからの反射光を増加させることができ、また、透過光を減少させることができる。
上記発明の水耕栽培用育成ボードにおいて、金属を含む第3層を有することが好ましい。このような構成とすることにより、水耕栽培用育成ボードの光透過率を減少させることができ、水耕栽培用育成ボードの養液と接する面に藻が発生することを抑制することができる。
上記発明の水耕栽培用育成ボードにおいて、第1層を複数有する構造であり、第1層と第1層との間に、第2層および/または第3層を有することが好ましい。このような構成とすることにより、農作物の収穫後の清掃時等に第2層や第3層の表面に傷がつくことを防止し、水耕栽培用育成ボードからの透過光を減少させることで水耕栽培用育成ボードの養液と接する面への藻の発生を抑制する効果を長期間にわたって持続させることができる。
上記発明の水耕栽培用育成ボードにおいて、第1層は発泡樹脂を有することが好ましい。このような構成とすることにより、水耕栽培用育成ボードが軽量となり、定植時や育成時、収穫時、清掃時等での作業性がよくなる。
上記発明の水耕栽培用育成ボードにおいて、第2層の光透過率は1%以下であることが好ましい。このような構成とすることにより、水耕栽培用育成ボードの光透過率を減少させることができ、水耕栽培用育成ボードの養液と接する面に藻が発生することを抑制することができる。
上記発明の水耕栽培用育成ボードにおいて、第2層はアクリル塗料にて着色されていることが好ましい。このような構成とすることにより、第2層の作製が容易となり、水耕栽培用育成ボードの製造コストを抑えることができる。
上記発明の水耕栽培用育成ボードにおいて、第3層は金属蒸着フィルムまたは金属箔のいずれかを含むことが好ましい。このような構成とすることにより、第3層の作製が容易となり、水耕栽培用育成ボードの製造コストを抑えることができる。
上記発明の水耕栽培用育成ボードにおいて、第3層に用いられている金属は、アルミニウムであることが好ましい。このような構成とすることにより、第3層の製造コストを抑えることができ、水耕栽培用育成ボードの製造コストの低減につながる。
上記発明の水耕栽培用育成ボードにおいて、定植孔は複数存在し、定植孔の大きさはφ10mm以上φ40mm以下であり、定植孔の中心間距離は150mm以上であることが好ましい。このような構成とすることにより、水耕栽培用育成ボードの反射率および光透過率を十分なものとすることができる。
本発明の水耕栽培用育成ボードは、苗を保持するための定植孔を有しており、反射率が30%以上であり、光透過率が1%以下であることにより、水耕栽培用育成ボードの養液面における藻の発生を抑制することができ、かつ栽培植物の育成には悪影響を与えないことができる。
以下、本発明に係る水耕栽培用育成ボードに関して、図面を参照しつつ具体的に説明するが、本発明はもとより図示例に限定される訳ではなく、前、後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
図1〜図9には、本発明の実施の形態に係る水耕栽培用育成ボードの一例を示した。図1は実施の形態1における水耕栽培用育成ボードの斜視図であり、図2は実施の形態2における水耕栽培用育成ボードの斜視図であり、図3は実施の形態3における水耕栽培用育成ボードの斜視図であり、図4は実施の形態4における水耕栽培用育成ボードの斜視図であり、図5は実施の形態における水耕栽培用育成ボードを用いた水耕栽培の略図であり、図6は水耕栽培用育成ボードの反射率および光透過率の測定について基準位置(L1)を定める方法の略図であり、図7は水耕栽培用育成ボードの照度(b)の測定方法の略図であり、図8は水耕栽培用育成ボードの照度(c)の測定方法の略図であり、図9は実施の形態における水耕栽培用育成ボードの効果例を示す写真である。
本発明に係る水耕栽培用育成ボードは、農作物の栽培環境の要因を工場内で制御した植物工場において潅水式水耕栽培に使用される、苗の定植および栽培に用いられるものである。一般的に、水耕栽培用育成ボードは養液に浮き、苗をセットするための孔空け加工や成形が容易であること、取り扱い時に軽量であること、安価であることが望まれることから、白色発泡スチロールが素材として使用されている。
藻を含む植物が生長するには、光合成を行うための日光、水分、二酸化炭素、温度、湿度、栄養素である窒素、リン酸、カリウム等、種々の要素が必要であるが、植物工場では栽培植物を効率的に育成するため、植物にとって理想的な環境に保たれている。水耕栽培用育成ボードと養液との接触面で藻の発生を抑制するためには、透過する光を減少させることが必要である。また、栽培植物は葉緑素を含む部分に多くの光が必要であり、水耕栽培用育成ボードからの反射光も光合成に利用されるため、水耕栽培用育成ボードからの反射光が少ないと収量が下がってしまう。よって、透過光は減少させ、反射光は増加させることが必要であり、かつ資材として繰り返しの使用に耐える構造であることが必要である。透過する光を減少させるためには、光吸収材あるいは光反射材を用いることが必要となる。
本発明の水耕栽培用育成ボードを構成する材料は、成形性に優れ、かつ構造体としてある程度の剛性を持ち、軽量で水に浮くこと、養液に接触しても形状変化が少なく、水切り性のよいものが適している。本発明の水耕栽培用育成ボードを構成する材料の具体例としては、発泡樹脂、防水防腐処理および加工された木材、中空や箱型に成形された合成樹脂等が挙げられる。中でも、軽量であることと成形性から、発泡スチロールが好ましい。
本発明の水耕栽培用育成ボードの底面形状は、長方形、正方形、円形等であってもよく、特に限定されないが、長方形であることが好ましい。水耕栽培用育成ボードの底面形状が長方形であれば、潅水式水耕栽培の浴槽に適した形状となり、取り扱いが簡便となる。
本発明の水耕栽培用育成ボード1の密度は、0.03g/cm3以下であることが好ましく、0.028g/cm3以下であることがより好ましく、0.025g/cm3以下であることがさらに好ましい。水耕栽培用育成ボード1の密度がこのようになっていることにより、水耕栽培用育成ボード1が軽量となり、取り扱いやすくなる。
水耕栽培用育成ボード1の密度の測定は、水耕栽培用育成ボード1の長さおよび幅を金尺等によって、厚みをノギス等によってそれぞれ測定して体積を算出し、電子天秤等で測定した水耕栽培用育成ボード1の質量で体積を割ることによって算出する。なお、水耕栽培用育成ボード1の密度は、定植孔2を有する状態で測定する。
本発明の水耕栽培用育成ボード1の厚みは、35mm以下であることが好ましく、33mm以下であることがより好ましく、31mm以下であることがさらに好ましい。水耕栽培用育成ボード1の厚みがこのようになっていることにより、水耕栽培用育成ボード1が軽量となり、取り扱いやすくなる。
本発明の図1に示すように、水耕栽培用育成ボード1は苗をセットするための定植孔2を有している。定植孔2の数は単数であっても、複数であってもよいが、効率よく植物を栽培するためには、定植孔2が複数存在していることが好ましい。
定植孔2の形状は、例えば円形、楕円形、三角形、四角形等であってもよく、特に限定されないが、円形であることが好ましい。定植孔2の形状が円形であれば、苗を水耕栽培用育成ボード1に十分保持することができる。
定植孔2の大きさは、セットする苗の大きさに合わせた大きさとすればよく、特に限定されないが、φ10mm以上であることが好ましく、また、φ40mm以下であることが好ましい。定植孔2の大きさがこのようになっていれば、水耕栽培用育成ボード1に苗を十分保持することができ、また、水耕栽培用育成ボード1の反射率を上げることができ、光透過率を下げることができる。
定植孔2の中心間距離は、特に限定されないが、150mm以上であることが好ましい。定植孔2の中心間距離がこのようになっていれば、定植孔2にセットした苗の生長を妨げず、効率よく植物が栽培できる。
本発明において、水耕栽培用育成ボード1の反射率は30%以上であり、光透過率は1%以下である。反射率は、照度(b)/照度(a)×100の式で算出し、光透過率は、照度(c)/照度(a)×100の式で算出する。照度(a)〜(c)の測定には、本発明の図6〜図8に示すように、前面に開口部を形成しており、前面以外からの外光を遮断し、D65標準光源12を備えた標準光源装置11を使用する。なお、水耕栽培用育成ボード1の反射率および光透過率は、定植孔2が存在しない状態で測定する。測定用サンプルの水耕栽培用育成ボード1に定植孔2が存在している場合は、水耕栽培用育成ボード1と同材料および同構成のもので定植孔2を埋めたうえで反射率および光透過率を測定する。
本発明の図6に示すように、標準光源装置11の内部にある、サンプル設置のためのブース底面14の中心部上方位置であって、かつ、D65標準光源12を用いた照度の測定値が855lx以上875lx以下である位置を基準位置(L1)とし、基準位置(L1)における照度を照度(a)とする。
本発明の図7に示すように、基準位置(L1)に水耕栽培用育成ボード1を設置し、基準位置(L1)からD65標準光源12側へ150mmの位置における水耕栽培用育成ボード1からの反射光の照度を照度(b)とする。
本発明の図8に示すように、D65標準光源12からブース底面14側へ150mmの位置に水耕栽培用育成ボード1を設置し、基準位置(L1)における水耕栽培用育成ボード1の透過光の照度を照度(c)とする。
本発明の図1および図2に示すように、水耕栽培用育成ボード1は第1層3および第2層4を有する積層構造であり、第1層3は第2層4よりも明度が高い。ここで、明度はJIS Z8721の規定による値である。第1層3の明度が高いことにより、水耕栽培用育成ボード1に照射している光を第1層3が反射し、栽培植物の生長を促進させることができる。第2層4の明度が低いことにより、水耕栽培用育成ボード1に照射している光が水耕栽培用育成ボード1を透過することを第2層4が妨げ、水耕栽培用育成ボード1の養液と接する面に藻が発生することを抑制することができる。
第1層のL*値は80以上であることが好ましく、85以上であることがより好ましく、90以上であることがさらに好ましく、また、第2層のL*値は45以下であることが好ましく、40以下であることがより好ましく、35以下であることがさらに好ましい。ここで、L*値はJIS Z8781−4の規定による値であり、明度指数を指す。このような構成とすることで、水耕栽培用育成ボードからの反射光を増加させることができ、また、透過光を減少させることができる。
第1層3の材料は、例えば、発泡樹脂、防水防腐処理および加工された木材、中空や箱型に成形された合成樹脂等が挙げられるが、発泡樹脂を有することが好ましい。第1層3が発泡樹脂を含んでいることにより、水耕栽培用育成ボード1が軽量となり、取り扱い性がよくなる。
第1層3の明度を高くするためには、第1層3を白色等の明度の高い色である材料によって構成してもよく、第1層3に明度の高い色の塗料を用いて印刷、筆塗り、スプレー等によって塗装してもよく、第1層3の材料に明度の高い色の顔料や染料を素材へ練り込む原着方式によって成形してもよく、第1層3を明度の高い色の包装材等で包み込んでもよい。中でも、第1層3を白色等の明度の高い色である材料によって構成することが好ましく、このように構成することにより、水耕栽培用育成ボード1が光を反射する効果を長期間持続することができ、また、水耕栽培用育成ボード1を軽量化することができる。
第1層3は、単数であってもよく、複数であってもよい。第1層3が単数である場合は、図2に示すように、水耕栽培用育成ボード1の最表面が第1層3であることが好ましい。このように構成されていれば、水耕栽培用育成ボード1に照射している光を第1層3が反射し、栽培植物の生長を促進させることができる。また、第1層3が複数存在している場合は、本発明の図1および図3に示すように、水耕栽培用育成ボード1の最表面と最裏面が第1層3であることが好ましい。このように構成されていれば、水耕栽培用育成ボード1に照射している光を第1層3が反射し、栽培植物の生長を促進させることができることに加え、水耕栽培用育成ボード1の中間層部が保護され、光が水耕栽培用育成ボード1を透過することを妨げる効果を長期間持続することができる。中でも、第1層3が複数存在し、水耕栽培用育成ボード1の最表面と最裏面が第1層3であることが、水耕栽培用育成ボード1の光透過率を低減させる効果を長期にわたらせることができるため、より好ましい。
第2層4の材料は、第1層3と同じ、例えば、発泡樹脂、防水防腐処理および加工された木材、中空や箱型に成形された合成樹脂等が挙げられるが、発泡樹脂を有することが好ましい。第2層4が発泡樹脂を含んでいることにより、水耕栽培用育成ボード1が軽量となり、取り扱い性がよくなる。
第2層4は、植物の生長に必要な光の波長とされている400nm以上700nm以下の波長の光を吸収すればよく、可視光を吸収する黒色等の明度の低い色にすることがよい。第2層4の明度を低くするためには、第2層4に明度の低い色の塗料を用いて印刷、筆塗り、スプレー等によって塗装してもよく、第2層4の材料にカーボンブラックや明度の低い色の顔料や染料を素材へ練り込む現着方式によって成形してもよく、第2層4を明度の低い色の包装材等で包み込んでもよい。中でも、第2層4を黒色等の明度の低い色であるアクリル塗料を用いて塗装することが好ましく、このように構成することにより、水耕栽培用育成ボード1を軽量化することができる。
第2層4は、単数であってもよく、複数であってもよいが、水耕栽培用育成ボード1の軽量化のためには、単数であることが好ましい。また、本発明の図2に示すように、水耕栽培用育成ボード1の最裏面に存在していることが好ましく、図1に示すように、水耕栽培用育成ボード1の中間層部に存在していることがさらに好ましい。このように構成されていれば、光が水耕栽培用育成ボード1を透過することを妨げ、かつ、第2層4の表面および裏面が異なる層により保護されるため、該効果を長期間にわたって持続させることができる。
第2層4の光透過率は、1%以下であることが好ましく、0.6%以下であることがより好ましく、0.2%以下であることがさらに好ましい。なお、第2層4の光透過率は、定植孔2が存在しない状態で測定する。測定用サンプルの第2層4に定植孔2が存在している場合は、第2層4と同材料および同構成のもので定植孔2を埋めたうえで光透過率を測定する。
本発明の図3および図4に示すように、水耕栽培用育成ボード1は、第3層5を有することが好ましい。第3層5は、光の反射率が高く軽量であるものが好ましく、例えば、ポリエステルフィルム等の樹脂の表面を平滑にして光沢をもたせたものや、不織布に金属を蒸着させたもの、発泡樹脂に可視光を反射する塗料等を塗装したもの、光の波長あるいはそれ以下の微細構造によって光が干渉し発色現象が現れる、いわゆる構造色を有するもの等が挙げられる。中でも、金属を含むものがより好ましく、金属蒸着フィルムや金属箔がさらに好ましい。第3層5がこのような構成であれば、耐久性を上げることができ、また、反射率を高め、かつ、光透過率を低くすることができる。
第3層5に用いる金属の種類は、特に限定されないが、アルミニウムであることが好ましい。第3層5に用いられる金属がアルミニウムであれば、第3層5の製造コストを抑えることが可能となる。
第3層5は、単数であってもよく、複数であってもよいが、水耕栽培用育成ボード1の軽量化のためには、単数であることが好ましい。また、本発明の図4に示すように、第3層5は、水耕栽培用育成ボード1の最表面に存在していることが好ましい。第3層5がこのように構成されていれば、水耕栽培用育成ボード1に照射している光を反射することができ、かつ、光が水耕栽培用育成ボード1を透過することを妨げることができる。なお、図3に示すように、第3層5は、水耕栽培用育成ボード1の中間層部に存在していることがさらに好ましい。第3層5がこのように構成されていれば、光が水耕栽培用育成ボード1を透過することを妨げ、かつ、第3層5の耐久性を高めることができる。
第3層5の反射率は、40%以上であることが好ましく、42%以上であることがより好ましく、45%以上であることがさらに好ましい。なお、第3層5の反射率は、定植孔2が存在しない状態で測定する。測定用サンプルの第3層5に定植孔2が存在している場合は、第3層5と同材料および同構成のもので定植孔2を埋めたうえで反射率を測定する。
第1層、第2層、第3層のうち少なくとも2種類を積層する方法としては、例えば、ねじ、釘、アンカー等の部材を用いて一体化する方法、糸や鋼線等を用いて縫い付ける方法、室温硬化型、加熱硬化型、熱溶融型、再湿型等の接着剤を使用する方法、熱により部材同士を溶かして融着する方法、各層をオス型、メス型のような構造とし嵌め合わせる方法、少なくとも2種類の層を同時成形によって一体に成形する方法等が挙げられる。中でも、接着剤を用いて各層を接着することが好ましく、このように積層されていれば水耕栽培用育成ボード1の耐久性が十分となり、繰り返しの使用が可能となる。より好ましくは、少なくとも2種類の層を同時成形(二色成形)によって一体に成形する方法であり、このように成形されていれば水耕栽培用育成ボード1の耐久性がさらに増す。
本発明の水耕栽培用育成ボードを満たす要件は、反射率が30%以上、光透過率が1%以下にすることである。実際に栽培現場で使用する際には、厚みの制限、質量の制限が発生する。一般的な水耕栽培用育成ボードは厚さ20mm以上40mm以下、幅500mm以上700mm以下、長さ450mm以上1000mm以下程度の大きさで、密度0.015g/cm3以上0.03g/cm3以下である白色発泡スチロール成形物が使用されている。この素材である白色発泡スチロールは、反射率は要件を満たせるが、光透過率の要件を満たすためには、厚さを増加させる必要があり、その結果、質量が増え、実用に耐えられないものとなってしまう。また、カーボンブラック等を添加し、黒色とした発泡スチロールが梱包材等の用途で利用されているが、このものを水耕栽培用育成ボードに転用しても、反射率の要件を満たすことができない。
上記のことより、水耕栽培用育成ボードとして要求される形状と質量の均衡および光の反射率や透過率の光特性を満足するためには、各種特性を持つ部材を組み合わせることが好ましく、その組み合わせ例としては以下のものが挙げられる。
1.第1層−第2層−第1層
2.第1層−第3層−第1層
3.第1層または第3層−第2層
1.第1層−第2層−第1層
2.第1層−第3層−第1層
3.第1層または第3層−第2層
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるもので
はない。
はない。
(作物の収穫量)
東洋紡株式会社富山事業所内HAL(北陸農業試験場)にて実施。
作物:フリルアイス(雪印種苗株式会社)
溶液:C処方(OATアグリオ株式会社製ハウス1号を1500g/1000L、ハウス2号を800g/1000L、ハウス8号を200g/1000Lの割合で配合し、水に溶解して使用)
室内温度:23℃
日照時間:7時〜22時の15時間
使用照明:フィリップス社製Green Power LED DR/W/FR 120 200V
育成期間:21日(育苗期間14日を含めると35日)
収穫量:根の部分を切除して、可食部分の質量を計量機によって1g単位で測定。20個を測定して平均質量で表し、以下の通り判定する。
○:白色発泡スチロール製の一般的な水耕栽培用育成ボードと同等の収穫量
×:白色発泡スチロール製の一般的な水耕栽培用育成ボード使用時よりも収穫量が15%以上減少
東洋紡株式会社富山事業所内HAL(北陸農業試験場)にて実施。
作物:フリルアイス(雪印種苗株式会社)
溶液:C処方(OATアグリオ株式会社製ハウス1号を1500g/1000L、ハウス2号を800g/1000L、ハウス8号を200g/1000Lの割合で配合し、水に溶解して使用)
室内温度:23℃
日照時間:7時〜22時の15時間
使用照明:フィリップス社製Green Power LED DR/W/FR 120 200V
育成期間:21日(育苗期間14日を含めると35日)
収穫量:根の部分を切除して、可食部分の質量を計量機によって1g単位で測定。20個を測定して平均質量で表し、以下の通り判定する。
○:白色発泡スチロール製の一般的な水耕栽培用育成ボードと同等の収穫量
×:白色発泡スチロール製の一般的な水耕栽培用育成ボード使用時よりも収穫量が15%以上減少
(藻の繁殖の判定)
21日育成後の水耕栽培用育成ボード養液面の藻の発生具合を判定する方法として、養液接触面が白色であるものは、使用前のサンプルの白色の面と比較し、JIS L0805準拠の日本検査協会 汚染用グレースケールに当てはめ、等級を決定する。養液接触面が黒色であるものは、使用前のサンプルの黒色の面と比較し、JIS L0804準拠の日本検査協会 変退色用グレースケールに当てはめて等級を決定し、以下の通り判定する。
◎:グレースケール値 5級、4−5級、4級
〇:グレースケール値 3−4級、3級、2−3級
×:グレースケール値 2級、1−2級、1級
21日育成後の水耕栽培用育成ボード養液面の藻の発生具合を判定する方法として、養液接触面が白色であるものは、使用前のサンプルの白色の面と比較し、JIS L0805準拠の日本検査協会 汚染用グレースケールに当てはめ、等級を決定する。養液接触面が黒色であるものは、使用前のサンプルの黒色の面と比較し、JIS L0804準拠の日本検査協会 変退色用グレースケールに当てはめて等級を決定し、以下の通り判定する。
◎:グレースケール値 5級、4−5級、4級
〇:グレースケール値 3−4級、3級、2−3級
×:グレースケール値 2級、1−2級、1級
(密度の測定)
サンプルの質量を、エー・アンド・デイ社製電子計量機(GR−120)を用いて0.01g単位で測定する。サンプルの長さおよび幅を、金尺等を用いて1mm単位で測定し、サンプルの厚みを、ミツトヨ社製電子ノギス(デジマチック・キャリパ 500−303)を用いて、サンプルが変形しないようにしながら1mm単位で測定し、体積を算出する。その後、質量を体積で割り、密度(g/cm3)を算出する。
サンプルの質量を、エー・アンド・デイ社製電子計量機(GR−120)を用いて0.01g単位で測定する。サンプルの長さおよび幅を、金尺等を用いて1mm単位で測定し、サンプルの厚みを、ミツトヨ社製電子ノギス(デジマチック・キャリパ 500−303)を用いて、サンプルが変形しないようにしながら1mm単位で測定し、体積を算出する。その後、質量を体積で割り、密度(g/cm3)を算出する。
(反射率および光透過率の測定)
D65標準光源を光源に用いる、ハッブル社製光源ボックス(VeriVide)内のブース底面の中心部上方位置であって、かつ、D65標準光源を用いた照度の測定値が855lx以上875lx以下である位置を基準位置(L1)とし、基準位置における照度を照度(a)とする。基準位置にサンプルを設置し、基準位置からD65標準光源側へ150mmの位置におけるサンプルからの反射光の照度を照度(b)とする。D65標準光源からブース底面側へ150mmの位置にサンプルを設置し、基準位置におけるサンプルの透過光の照度を照度(c)とする。なお、照度はトプコン社製デジタル照度計(IM−600)を用いて測定する。測定した照度(a)〜(c)を以下の計算式に当てはめて、反射率および光透過率を算出する。
反射率:照度(b)/照度(a)×100
光透過率:照度(c)/照度(a)×100
D65標準光源を光源に用いる、ハッブル社製光源ボックス(VeriVide)内のブース底面の中心部上方位置であって、かつ、D65標準光源を用いた照度の測定値が855lx以上875lx以下である位置を基準位置(L1)とし、基準位置における照度を照度(a)とする。基準位置にサンプルを設置し、基準位置からD65標準光源側へ150mmの位置におけるサンプルからの反射光の照度を照度(b)とする。D65標準光源からブース底面側へ150mmの位置にサンプルを設置し、基準位置におけるサンプルの透過光の照度を照度(c)とする。なお、照度はトプコン社製デジタル照度計(IM−600)を用いて測定する。測定した照度(a)〜(c)を以下の計算式に当てはめて、反射率および光透過率を算出する。
反射率:照度(b)/照度(a)×100
光透過率:照度(c)/照度(a)×100
(実施例1)
厚み30mm、幅600mm、長さ900mm、密度0.02g/cm3、φ20mmの定植孔が20個空いている白色発泡スチロール製ボードを電熱線で各厚み10mmに切断し、厚み10mm、幅600mm、長さ900mmの部材を3枚得た。その内の1枚に、タミヤ模型製アクリル塗料(X−1黒)を用いて全面を黒色に塗装し、無塗装の2枚の間に挟み、定植孔の位置を合わせて、四隅を長さ25mmのステンレス製ねじで固定し、サンプルとした。
厚み30mm、幅600mm、長さ900mm、密度0.02g/cm3、φ20mmの定植孔が20個空いている白色発泡スチロール製ボードを電熱線で各厚み10mmに切断し、厚み10mm、幅600mm、長さ900mmの部材を3枚得た。その内の1枚に、タミヤ模型製アクリル塗料(X−1黒)を用いて全面を黒色に塗装し、無塗装の2枚の間に挟み、定植孔の位置を合わせて、四隅を長さ25mmのステンレス製ねじで固定し、サンプルとした。
(実施例2)
厚み30mm、幅600mm、長さ900mm、密度0.02g/cm3、φ20mmの定植孔が20個空いている白色発泡スチロール製ボードを電熱線で各厚み15mmに切断し、厚み15mm、幅600mm、長さ900mmの部材を2枚得た。その内の1枚に、タミヤ模型製アクリル塗料(X−1黒)を用いて全面を黒色に塗装し、無塗装の1枚と黒く塗装した1枚とを定植孔の位置を合わせて、四隅を長さ25mmのステンレス製ねじで固定し、サンプルとした。
厚み30mm、幅600mm、長さ900mm、密度0.02g/cm3、φ20mmの定植孔が20個空いている白色発泡スチロール製ボードを電熱線で各厚み15mmに切断し、厚み15mm、幅600mm、長さ900mmの部材を2枚得た。その内の1枚に、タミヤ模型製アクリル塗料(X−1黒)を用いて全面を黒色に塗装し、無塗装の1枚と黒く塗装した1枚とを定植孔の位置を合わせて、四隅を長さ25mmのステンレス製ねじで固定し、サンプルとした。
(実施例3)
厚み30mm、幅600mm、長さ900mm、密度0.02g/cm3、φ20mmの定植孔が20個空いている白色発泡スチロール製ボードを電熱線で各厚み15mmに切断し、厚み15mm、幅600mm、長さ900mmの部材を2枚得た。東洋紡製アルミ蒸着PETシート(厚み0.03mm、目付50g/cm2)を幅600mm、長さ900mmに切断し、前述の白色発泡スチロールの定植孔と同じ位置にサークルカッターを用いてφ20mmの孔を開けたものを用意した。前述の2枚の白色発泡スチロール部材の間に、用意したアルミ蒸着PETシートを挟み、それぞれの定植孔の位置を合わせて、四隅を長さ25mmのステンレス製ねじで固定し、サンプルとした。
厚み30mm、幅600mm、長さ900mm、密度0.02g/cm3、φ20mmの定植孔が20個空いている白色発泡スチロール製ボードを電熱線で各厚み15mmに切断し、厚み15mm、幅600mm、長さ900mmの部材を2枚得た。東洋紡製アルミ蒸着PETシート(厚み0.03mm、目付50g/cm2)を幅600mm、長さ900mmに切断し、前述の白色発泡スチロールの定植孔と同じ位置にサークルカッターを用いてφ20mmの孔を開けたものを用意した。前述の2枚の白色発泡スチロール部材の間に、用意したアルミ蒸着PETシートを挟み、それぞれの定植孔の位置を合わせて、四隅を長さ25mmのステンレス製ねじで固定し、サンプルとした。
(実施例4)
厚み30mm、幅600mm、長さ900mm、密度0.02g/cm3、φ20mmの定植孔が20個空いている白色発泡スチロール製ボードに、タミヤ模型製アクリル塗料(X−1黒)を用いて全面を黒色に塗装した部材を得た。東洋紡製白色ポリエステルシート(厚み0.05mm、目付60g/cm2)を幅600mm、長さ900mmに切断し、前述の黒色に塗装した発泡スチロールの定植孔と同じ位置にサークルカッターを用いてφ20mmの孔を開けたものを用意した。前述の黒色に塗装した発泡スチロール部材と、用意した白色ポリエステルシートの定植孔の位置を合わせて、四隅を長さ25mmのステンレス製ねじで固定し、サンプルとした。
厚み30mm、幅600mm、長さ900mm、密度0.02g/cm3、φ20mmの定植孔が20個空いている白色発泡スチロール製ボードに、タミヤ模型製アクリル塗料(X−1黒)を用いて全面を黒色に塗装した部材を得た。東洋紡製白色ポリエステルシート(厚み0.05mm、目付60g/cm2)を幅600mm、長さ900mmに切断し、前述の黒色に塗装した発泡スチロールの定植孔と同じ位置にサークルカッターを用いてφ20mmの孔を開けたものを用意した。前述の黒色に塗装した発泡スチロール部材と、用意した白色ポリエステルシートの定植孔の位置を合わせて、四隅を長さ25mmのステンレス製ねじで固定し、サンプルとした。
(比較例1)
厚み30mm、幅600mm、長さ900mm、密度0.02g/cm3、φ20mmの定植孔が20個空いている一般的な白色発泡スチロール製水耕栽培用育成ボードをサンプルとした。
厚み30mm、幅600mm、長さ900mm、密度0.02g/cm3、φ20mmの定植孔が20個空いている一般的な白色発泡スチロール製水耕栽培用育成ボードをサンプルとした。
(比較例2)
厚み30mm、幅600mm、長さ900mm、密度0.02g/cm3、φ20mmの定植孔が20個空いている白色発泡スチロール製ボードに、タミヤ模型製アクリル塗料(X−1黒)を用いて全面を黒色に塗装したものをサンプルとした。
厚み30mm、幅600mm、長さ900mm、密度0.02g/cm3、φ20mmの定植孔が20個空いている白色発泡スチロール製ボードに、タミヤ模型製アクリル塗料(X−1黒)を用いて全面を黒色に塗装したものをサンプルとした。
(評価結果)
実施例1〜4および比較例1〜2の作物の収穫量、藻の繁殖の判定、各特性を表1に示す。表1の通り、いずれの実施例においても本発明に係る水耕栽培用育成ボードは栽培植物の生長を阻害することなく、良好な防藻性を擁する結果となった。
実施例1〜4および比較例1〜2の作物の収穫量、藻の繁殖の判定、各特性を表1に示す。表1の通り、いずれの実施例においても本発明に係る水耕栽培用育成ボードは栽培植物の生長を阻害することなく、良好な防藻性を擁する結果となった。
表1より、比較例1はサンプルの裏面に藻の繁殖が見られ、比較例2はサンプルの裏面に藻の繁殖は見られなかったが、作物の収穫量が一般的な水耕栽培用育成ボード使用時よりも52%減少したことより、比較例1および比較例2は本発明の課題を解決できていない。実施例1〜4はいずれも作物の収穫量および藻の繁殖の評価結果が良好であり、本発明の課題を解決できている。
藻の繁殖の評価結果の代表例として、実施例1、3および比較例1の水耕栽培用育成ボードの裏面の状態を図9に示す。図9の(a)、(c)、(e)は比較例1であり、(b)は実施例1であり、(d)は実施例3の状態である。比較例1のサンプルにはいずれも藻の繁殖が見られるが、実施例1および実施例3のサンプルには藻の繁殖が見られない。
以上のように、本発明の水耕栽培用育成ボードは、苗を保持するための定植孔を有しており、反射率が30%以上であり、光透過率が1%以下であることにより、藻の発生による工場生産設備や資材の清掃作業の減少や栽培植物への藻の汚染の減少、養液中の養分の有効活用等のために好ましく適用される。
1:水耕栽培用育成ボード
2:定植孔
3:第1層
4:第2層
5:第3層
6:人工光潅水型水耕栽培装置
7:LED光源
8:栽培植物(可食部)
9:栽培植物(根)
10:養液
11:標準光源装置
12:D65標準光源
13:照度計
14:底面
L1:基準位置
2:定植孔
3:第1層
4:第2層
5:第3層
6:人工光潅水型水耕栽培装置
7:LED光源
8:栽培植物(可食部)
9:栽培植物(根)
10:養液
11:標準光源装置
12:D65標準光源
13:照度計
14:底面
L1:基準位置
Claims (12)
- 苗を保持するための定植孔を有する水耕栽培用育成ボードであって、
以下の計算式で算出した反射率が30%以上であり、光透過率が1%以下であることを特徴とする水耕栽培用育成ボード。
(計算式)
反射率 = b/a ×100 (%)
光透過率 = c/a ×100 (%)
(測定条件)
基準位置(L1):直方体の箱形容器であり、前面に開口部を形成しており、前面以外からの外光を遮断し、D65標準光源を備えた標準光源装置において、該標準光源装置底面の中心部の上方位置であって、かつ、前記D65標準光源による照度(a)が855lx以上875lx以下となる位置
照度(b):基準位置(L1)に水耕栽培用育成ボードを設置し、基準位置(L1)から150mm前記D65標準光源側の位置における、前記水耕栽培用育成ボードからの反射光の照度
照度(c):前記D65標準光源から150mm前記標準光源装置底面側の位置に前記水耕栽培用育成ボードを設置し、基準位置(L1)における前記水耕栽培用育成ボードの透過光の照度 - 苗を保持するための定植孔を有する水耕栽培用育成ボードであって、
第1層および第2層を有する積層構造であり、
前記第1層は前記第2層よりも明度が高いことを特徴とする水耕栽培用育成ボード。 - 前記水耕栽培用育成ボードは、密度が0.03g/cm3以下であり、
厚みが35mm以下である請求項1または2に記載の水耕栽培用育成ボード。 - 前記第1層のL*値が80以上であり、
前記第2層のL*値が40以下である請求項2または3に記載の水耕栽培用育成ボード。 - 前記水耕栽培用育成ボードは、金属を含む第3層を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の水耕栽培用育成ボード。
- 前記水耕栽培用育成ボードは、前記第1層を複数有する構造であり、
前記第1層と前記第1層との間に、前記第2層および/または前記第3層を有する請求項2〜5のいずれか一項に記載の水耕栽培用育成ボード。 - 前記第1層は、発泡樹脂を有する請求項2〜6のいずれか一項に記載の水耕栽培用育成ボード。
- 前記第2層の光透過率は、1%以下である請求項2〜7のいずれか一項に記載の水耕栽培用育成ボード。
- 前記第2層は、アクリル塗料にて着色されている請求項2〜8のいずれか一項に記載の水耕栽培用育成ボード。
- 前記第3層は、金属蒸着フィルムまたは金属箔のいずれかを含む請求項5〜9のいずれか一項に記載の水耕栽培用育成ボード。
- 前記第3層に用いられている金属は、アルミニウムである請求項5〜10のいずれか一項に記載の水耕栽培用育成ボード。
- 前記定植孔は、複数存在し、
前記定植孔の大きさは、φ10mm以上φ40mm以下であり、
前記定植孔の中心間距離は、150mm以上である請求項1〜11のいずれか一項に記載の水耕栽培用育成ボード。
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