ここでは、図面と併せて本開示の実施形態を詳細に説明する。以下の説明では、明確かつ簡潔にするため、公知の機能や構成のいくつかの詳細な説明を省略することができる。
本開示は、制御デバイス(例えば、タブレット、電話、コンピュータおよびラップトップ)によって、ユーザ側で、OTTボックスなどのサービス提供デバイスを構成する方法を開示する。サービス提供デバイスは、1つまたは複数の検出されたWi−Fi APに対するそのWi−Fi構成の利用可能性に基づいて、AP(アクセスポイント)モードとSTA(ステーション)モードとの間で自動的に切り替わる。サービス提供デバイスが、検出されたWi−Fi APに対する有効なWi−Fi構成を有する(すなわち、サービス提供デバイスがWi−Fi APにうまく接続される)場合は、サービス提供デバイスは、STAモードに切り替わる。そうでない場合は、サービス提供デバイスは、APモードに切り替わる。APモードでは、制御デバイスは、サービス提供デバイスに直接接続され、ブラウザ(例えば、Internet Explorer)を使用してブラウズし、サービス提供デバイスのパラメータを構成する。STAモードでは、制御デバイスは、Wi−Fi APを介して、サービス提供デバイスに接続される。言い換えれば、サービス提供デバイスと制御デバイスは両方とも、STAモードで機能し、Wi−Fi APに接続される。ユーザは、サービス提供デバイスを制御または構成するために、制御デバイス上でアクセスされる(ブラウザのURLを介して)HTMLページに提供されるリモートコントロール機能を使用する。図1は、本開示の実施形態による、ユーザにサービスを提供するためのシステムの例を示すブロック図である。
システムは、サービスサーバ101、AP 102、サービス提供デバイス103、制御デバイス104およびディスプレイ105を含む。サービスサーバ101は、サービス(例えば、ビデオオンデマンド(VoD)コンテンツ)を提供する。AP 102、サービス提供デバイス103、制御デバイス104およびディスプレイ105は、地理的な場所の観点から、ユーザ側にある。AP 102は、インターネットを介してサービスサーバ101に接続される。サービス提供デバイス103は、無線方式でAP 102に接続され、サービスおよび他の情報を表示するためにディスプレイ105に接続される。制御デバイス104は、無線方式でAP 102に接続され、サービス提供デバイス103によって提供されるHTMLページを介してサービス提供デバイスを制御する。
以下は、OTTサービスの文脈内で本開示の実施形態を説明する例である。この解決法を実装すると、OTTボックスは、APモードとSTAモードとの間で自動的に切り替わる。そして、関連情報は、OTTボックスが接続されたTVまたはディスプレイ上に表示される。ユーザは、OTTボックスを構成または制御するために、彼らのスマートフォンまたはタブレット上でブラウザを開く(またはURLを得るためにTV画面上のQRコード(登録商標)をスキャンする)。図2は、本開示の実施形態による、OTTボックスのハードウェア構成を示すブロック図である。
OTTボックス200は、wifiインタフェースモジュール201、CPU(中央処理装置)202、メモリ203およびディスプレイインタフェースモジュール204を含む。そして、任意選択により、OTTボックス200は、ユーザインタフェースモジュール205を有し得る。
wifiインタフェースモジュール201は、IEEE 802.11 a/b/g/n機能を実行する(近くのAPをスキャンすることを含む)ためのハードウェアであり、ユニバーサルシリアルバスを介して、CPU 202が設置されるメインボードと通信することができる。wifiインタフェースモジュール201は、APモードおよびSTAモード(インフラモードおよびアドホックモードとも呼ばれる)の両方をサポートし、動作の間、モードを切り替えることができる。STAモードでは、wifiインタフェースモジュール201は、APクライアントとして動作し、APクライアントは、wifi APに接続することができ、既存の無線ネットワークにリンクすることができる。APモードでは、wifiインタフェースモジュール201は、APホストとして動作し、APホストは、他のwifiアダプタ(すなわち、APクライアント)がAPホストに接続できるようにすることができる。モード切替を可能にし、モード切替のためのプログラムインタフェースを提供する既存のwifiチップセットが存在する。
CPU(中央処理装置)202は、メモリ203に格納された命令およびデータに基づいて、動作全体を制御する。
メモリ203は、ランダムアクセスメモリ(RAM)および読み取り専用メモリ(ROM)を含み得る。メモリ203は、データ(例えば、wifi構成パラメータの値)およびコンピュータプログラム命令を格納するために使用される。
ディスプレイインタフェースモジュール204は、ディスプレイ105に接続し、ディスプレイ105にビデオ信号を出力するために使用される。
ユーザインタフェースモジュール205は、a)wifiインタフェースモジュール201がAPモードとSTAモードのどちらのモードで機能しているか、および、b)OTTボックスのwifi接続の状態を示すために使用される。例えば、ユーザインタフェースモジュールは、OTTボックス200のパネル上のLEDインジケータである。
以下では、図2および図3を参照して、OTTボックスを構成するための方法を説明する。図2は、ハードウェア構成図であり、図3は、本開示の実施形態による、CPU 202を示す詳細なブロック図である。CPU 202は、ネットワーク状態マネージャ301、制御モジュール302およびウェブサービスモジュール303を含み得る。
ネットワーク状態マネージャ301は、Wifi接続の状態をモニタし、wifiインタフェースモジュールが動作中のAPに接続されているか否かについて、および、ディスプレイインタフェースモジュール204を介するディスプレイ105上および/またはユーザインタフェースモジュール205上のどの動作中のAPかについての状態情報を表示するために使用される。
制御モジュール302は、wifiインタフェースモジュール201のモードを制御するために使用される。
ウェブサービスモジュール303は、OTTボックスを制御または構成するためのウェブページを生成し、ウェブページ上で入力された要求を受信し、OTTボックスに関する対応する命令を実行するために使用される。ウェブページは、ユーザの制御デバイスのブラウザ上に表示される。
変形実施形態によれば、ウェブサービスモジュール303は、ウェブページを生成しない。ウェブサービスモジュール303は、命令(例えば、制御デバイスからのIPパケットに封入されたメッセージまたは命令)を受信するために使用される。
図4は、本開示の実施形態による、OTTボックスを構成するための方法を示すフローチャートである。
ステップ401では、OTTボックスを起動し、ネットワーク状態マネージャ301、制御モジュール302およびウェブサービスモジュール303は、デーモンプロセスとして機能する。
ステップ402では、wifiインタフェースモジュール201は、STAモードで機能するように構成される。
ステップ403では、ネットワーク状態マネージャ301は、メモリ203に格納された(または、事前に構成された、既存の)wifi構成を決定し、近くの動作中のAPを決定する。ここでは、「動作中の」は、APが機能状態または動作状態であることを意味する。wifi構成は、wifi構成アイテムで構成されている。各アイテムは、SSID(サービスセット識別子)、ネットワークタイプ(WEP、WPA/WPA2および暗号化なしを含む)およびパスワードに対する少なくとも3つのデータフィールドを含む。ネットワークタイプが「暗号化なし」であるアイテムの場合、そのパスワードは空隙である。次いで、wifiインタフェースモジュール201は、格納されたwifi構成を用いて、決定された動作中のAPを接続することを試みる。
ステップ404では、ネットワーク状態マネージャ301は、wifiインタフェースモジュール201が、格納されたwifi構成を用いて、決定された動作中のAPのうちの1つにうまく接続されているかどうかを判断する。言い換えれば、ネットワーク状態マネージャ301は、wifiインタフェースモジュール201が、1つの格納されたwifi構成アイテムを用いて、1つの暗号化された動作中のAPまたは1つの暗号化されていない動作中のAPにうまく接続できるかどうかを判断する。結果が肯定であれば、ステップ405に進む。そして、結果が否定であれば、ステップ406に進む。動作中のAPが存在しない極端な事例では、判断結果は、wifiインタフェースモジュール201がAPに接続されていないというものである。従って、ステップ406に進む。
ステップ405では、wifiインタフェースモジュール201は、STAモードのまま機能し続ける。別の変形形態によれば、OTTボックス200がユーザインタフェースモジュール205を有する場合は、ユーザインタフェースモジュール205は、LEDインジケータを使用して、wifiインタフェースモジュール201がSTAモードで機能していることを示すことができる。実施形態では、OTTボックスを制御するため(例えば、メディアコンテンツを変更するためなど)のウェブページのURL(ユニフォームリソースロケータ)は、ディスプレイ105上のディスプレイインタフェースモジュールによって示される。ウェブページは、ウェブサービスモジュール303によって生成される。別の実施形態では、OTTボックスを制御するためにウェブページにアクセスするためのQRコード(クイックレスポンスコード、それはマトリクスバーコードまたは二次元バーコードの一種である)が使用され、ディスプレイ105上に示される。ユーザは、ウェブページにアクセスするため、制御デバイスを使用してQRコードをスキャンすることができる。本明細書では、QRコードは、何らかのQRコードジェネレータによってURLを符号化することによって生成される。
ステップ406では、wifiインタフェースモジュール201は、APモードでの機能に変更し、制御デバイスからの接続要求を待つ。別の変形形態によれば、OTTボックス200がユーザインタフェースモジュール205を有する場合は、ユーザインタフェースモジュール205は、LEDインジケータを使用して、wifiインタフェースモジュール201がAPモードで機能していることを示すことができる。wifiインタフェースモジュール201に制御デバイスを接続できるようにするため、ディスプレイインタフェースモジュールは、wifiインタフェースモジュールに制御デバイスを接続するための情報を含む信号を出力する。実施形態では、情報は、wifiインタフェースモジュール201がAPモードで暗号化される場合は、OTTボックスのパラメータを構成するためのウェブページのURL(ユニフォームリソースロケータ)(例えば、APのためのwifi構成)、SSID、ネットワークタイプおよびパスワードを含む。情報は、ディスプレイ105上のディスプレイインタフェースモジュールによって示される。ウェブページは、ウェブサービスモジュール303によって生成される。ユーザは、SSID、ネットワークタイプおよびパスワードを使用して、wifiインタフェースモジュール201に制御デバイスを接続し、次いで、APへの接続を可能にする目的で、URLを使用して、パラメータを構成するためのウェブページにアクセスする。別の実施形態では、wifiインタフェースモジュール201に接続するためのQR(クイックレスポンス)コードおよびOTTボックスのパラメータを構成するためのウェブページにアクセスするためのQRコードが使用され、ディスプレイ105上に示される。ユーザは、wifiインタフェースモジュールに接続するためおよびウェブページにアクセスするため、制御デバイスを使用して2つのQRコードを順番にスキャンすることができる。wifiインタフェースモジュール201は、検証後に接続要求を受諾し、構成パラメータの入力の受信を待つ。ユーザが制御デバイスを使用してAPのための構成を終えた後(例えば、ユーザがAPのためのSSID、ネットワークタイプおよびパスワードを入力するためにウェブページの「OK」ボタンをクリックする)、メモリ203は、入力を格納し、wifiインタフェースモジュール201は、STAモードでの機能に変更し、APに接続される。その上、制御デバイスは、wifiインタフェースモジュール201との接続を切断し、APに接続される。次いで、ディスプレイ105上に表示されたURLまたはQRコードを使用して、OTTボックスを制御することができる。
判断に関して、図5は、本開示の実施形態による、判断ステップの第1の実装形態を示すフローチャートである。ステップ501では、ネットワーク状態マネージャは、wifi構成アイテムをメモリ203から得る。ステップ502では、ネットワーク状態マネージャは、動作中のAPを検出する。ステップ503では、検出された暗号化された動作中のAPの各々に対し、ネットワーク状態マネージャは、動作中のAPの接続を試みるために、動作中のAPと同じSSIDを有するwifi構成アイテムを使用する。しかし、動作中のAPに接続できる場合は、反復を中断する。ステップ504では、ネットワーク状態マネージャは、wifiインタフェースモジュールが1つの検出された暗号化された動作中のAPに接続されているかどうかを判断する。肯定の場合は、ステップ405に進む。否定の場合は、ネットワーク状態マネージャは、ステップ505において、検出された暗号化されていないAPに接続することを試みる。ステップ506では、ネットワーク状態マネージャは、wifiインタフェースモジュールが1つの検出された暗号化されていない動作中のAPに接続されているかどうかを判断する。肯定の場合は、ステップ405に進む。否定の場合は、ステップ406に進む。本明細書では、任意選択により、ステップ503および505において、検出されたAPには、信号強度の順番で優先度が割り当てられる。優先度は、接続順番のために使用される。
判断に関して、図6は、本開示の実施形態による、判断ステップの第2の実装形態を示すフローチャートである。ステップ601では、ネットワーク状態マネージャは、暗号化されていない動作中のAPを検出する。ステップ602では、ネットワーク状態マネージャは、検出された暗号化されていないAPに接続することを試みる。ステップ603では、ネットワーク状態マネージャは、wifiインタフェースモジュールが1つの検出された暗号化されていない動作中のAPに接続されているかどうかを判断する。肯定の場合は、ステップ405に進む。否定の場合は、ネットワーク状態マネージャは、ステップ604において、暗号化された動作中のAPを検出する。ステップ605では、ネットワーク状態マネージャは、wifi構成アイテムをメモリ203から得る。ステップ606では、検出された暗号化された動作中のAPの各々に対し、ネットワーク状態マネージャは、動作中のAPの接続を試みるために、動作中のAPと同じSSIDを有するwifi構成アイテムを使用する。ステップ607では、ネットワーク状態マネージャは、wifiインタフェースモジュールが1つの検出された暗号化された動作中のAPに接続されているかどうかを判断する。肯定の場合は、ステップ405に進む。否定の場合は、ステップ406に進む。変形実施形態によれば、ネットワーク状態マネージャは、ステップ601において、すべての動作中のAPを検出することができる。そして、この事例では、ステップ604は不要である。
図5および図6は、単に、判断ステップの2つの実装形態を与えるものであり、当業者は、他の実装形態を得るために2つの実装形態を修正できることに留意するものとする。
通信ネットワークからダウンロード可能な、コンピュータによって読み取り可能な媒体上に記録された、および/または、プロセッサによって実行可能なコンピュータプログラム製品は、上記で説明される方法のステップを実装するためのプログラムコード命令を含む。
その上に記録され、プロセッサによる実行が可能なコンピュータプログラム製品を含む非一時的なコンピュータ可読媒体は、上記で説明される方法のステップを実装するためのプログラムコード命令を含む。
上記の実施形態はサービス提供デバイス(すなわち、OTTボックス)を参照して説明されているが、上記の実施形態は、STAモードとAPモードとの間で切り替わることができ、サービスを提供する際はその機能モードがSTAモードである、他のネットワークデバイスにも適用できることに留意するものとする。
多くの実装形態について説明してきた。それにもかかわらず、様々な変更を行えることが理解されよう。例えば、他の実装形態を生成するために、異なる実装形態の要素を組み合わせることも、補足することも、変更することも、除去することもできる。それに加えて、当業者は、開示されるものの代わりに、他の構造およびプロセスを代用することができ、結果として得られる実装形態は、開示される実装形態と少なくとも実質的に同じ結果を達成するために、少なくとも実質的に同じ方法で、少なくとも実質的に同じ機能を実行することを理解するであろう。それに従って、これらのおよび他の実装形態は、この出願によって企図され、添付の請求項によって定義されるように本発明の範囲内である。