JP2017538382A - 車内でのステレオ変調の再現性を向上させる新しい方法 - Google Patents
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Abstract
車内でのステレオ変調の再現性を向上させる新しい方法。この方法を使うことにより、第1ステップとして、等圧無相関モードで、最初にレベル歪みがバランス調整で相殺され、第2ステップとして、等圧相関モードで、コンダクタに最も近いラウドスピーカーに繰り出している変調の遅延により、音像の中心が音場の中心と重なり、第3ステップとして、等圧モードで、ステレオ位相の歪みを位相等化器で相殺する。
Description
自動車メーカーが製造するすべての乗用車にはステレオ変調を再現するためのスピーカーシステムが搭載されている。
ステレオ変調は、2つの増幅装置を介して2つのラウドスピーカーで音を拡張させる左右チャンネルと呼ばれる2つの電気信号で構成されている。
ステレオ方法により、聴き手が2つのラウドスピーカーから等距離にいる場合、これら2つのラウドスピーカーから連続的な同質の音像を得ることが可能になる。
しかし、車内で隣同士に座る2人の聴き手は、左右チャンネルを拡散させる2つのラウドスピーカーから等距離の位置に自らを置くことはできない。
車内では、これらのラウドスピーカーと聴き手の間の距離の違いがレベルと位相における歪みを発生させ、これがステレオ変調の再現を深く阻害する。
ステレオでは、音があるように感じる空間のすべてのポイントを「音場」、音場の音オブジェクトの分布を「音像」と呼ぶ。音像の中心は、音場の中心で再現されなければならない。
スピーカーと聴き手の間の距離の違いは音場の調和を崩し、音像を悪化させる。音像の中心は音像の中心ではなくなるが、最も近い場所にあるスピーカーに近くなる。
車内でステレオの再現性を向上させる方法は2つある。1つは、モノステレオ法である。これは、他方の聴き手のヘの影響を考えずに、聴き手、一般的には運転者に対する音の再現性を向上させる。もう1つの方法であるバイステレオ法は、車内で隣同士に座る2人の聴き手に対する音の再現性を向上させる。
モノステレオ法はバイステレオ法よりも実装が簡単であることでバイステレオ法よりも良いとされる。また、運転者は1人で運転していることが多く、運転者が車内で1人であるときの音の再現品質が良いモノステレオ法を設定する方が良いとされる場合もある。
本発明はモノステレオ法に該当するものである。車内の左前の座席に座る運転者に対する音の再現品質の向上を検査した。
以下では、「ステレオ位相」とは、左右チャンネル間の電気的位相差分を、「音響ステレオ位相」とは、音を聴いている地点での左右チャンネルの音響位相差分をそれぞれ意味するものとする。
以下では、<位相歪み>は、ステレオ位相が「0」であるときのリスニングポイントでの左右チャンネルの音響位相差分である。
自由音場では、聴き手が左右のスピーカーから等距離にいるとき、位相歪みは「0」となる。
ステレオでは、主に2つのモードがある。1つは等圧無相関モードで、このモードではチャンネルレベルは等しいが、位相は相関していない。音像の幅全体に均一に分布される合唱を生成する変調は、等圧無相関モードであるときに発生する。もう1つは等圧相関モードで、このモードでは2つのチャンネルは同相で、等しいレベルにあり従って、同じ信号を送信する。
音像の中央で1人の歌手の歌声を生成する変調は等圧相関モードであるときに発生する。
ステレオ装置が適切に動作している場合、聴き手は、等圧無相関モードにあるとき、音場の両端を同じ強度で知覚し、等圧相関モードにあるとき、音像の中心が音場の中心で高い相関性を持って再現されることを知覚する。
音像の中心は、2つのラウドスピーカーにより生成される。位相の歪みがある場合、音像の中心はすべての周波数で同じ位置になく、従って、音像の中心の相関が低くなる。
基本装備されている車内では、等圧無相関モードにあるとき、聴き手は音場の近い端を遠い方にある端よりも強く知覚し、等圧相関モードにあるとき、音像の中心は、音場の中心になく、さらに、相関が極めて低くなる。
従来型のモノステレオ法では、等圧無相関モードにあるとき、優先聴き手が音場の両端を同じ強度で知覚するように、チャンネル間のレベルを最初に調整し、聴き手に最も近いラウドスピーカーに繰り出している信号の遅延により、両耳間の遅延を生み、音像の中心をより遠いラウドスピーカーに移動する。
この方法は音像の中心を音場の中心とするのに効果的であるが、音響ステレオ位相を習得しておらず、従って、音像の中心での低相関を発生させる位相の歪みが出るという欠点がある。
我々は、フランス特許番号2,985,143により、第1ステップとして、ステレオ位相の歪みを相殺し、聴き手の正面で音像の中心を生成し、第2ステップとして、ステレオマトリックスの係数つまり、左右チャンネルの構成率と差分信号に働きかけ、この音像の中心を音場の中心に移動する方法を提案した。
この方法により、高い相関性、音場の中心で、音像の中心を得ることが可能になるが、位相とステレオマトリックスの両方を操作するという手間が発生する。
本発明は、音像の中心を音場の中心に、高い相関性で、より簡単に移動させる。
本発明に従った方法では、従来型の方法同様、第1ステップとして、優先聴き手が、等圧無相関モードにあるとき、音場の両端を同じ強度で知覚するように2つのチャンネル間のレベルバランスを調節し、第2ステップとして、近くにあるラウドスピーカーからの信号を遅延することにより、音像の中心を希望の位置に移動させる両耳間の遅延を発生させる。第3ステップとして、残留する位相の歪みを相殺する。
実際、我々はこの方法を偶然発見した。
位相の歪みを相殺するために必要なステレオ位相の補正を行っても音像の中心を変えないことは、予想外かつ極めて興味深いことだった。これにより、この手順は極めて簡単な上、素晴らしい結果を出すことができる。
位相の歪み効果は約1500Hzまで人の耳で知覚可能であることは一般的に認識されている。我々の検査の中で、30〜1600Hzの帯域幅にある位相の歪みを相殺した。
任意の周波数で位相の歪みを相殺するために、左チャンネルに適用する位相補正の値は、上で定義した位相の歪み「0」を補完する。
たとえば、500Hzで、左のリスニングポイントにおける位相の歪みが[φG−φD]G=30°である場合、左チャンネルの位相を−30°の周波数で変移することにより相殺される。
我々の検査では、サウンドカードの投入口での左右信号間の位相差分を測定するツールである、SPECTRALAB v:4.32.14ソフトウェアを使ってタイムシフトを適用した後の位相の歪みをまず測定した。
リスニングポジションにマイクを設置し、左スピーカーに繰り出している増幅器の入力口にピンクノイズを送信し、サウンドカードの左チャンネルにマイクから受信した信号を、右チャンネルに増幅器が受信したピンクノイズを、それぞれ送信した。
SPECTRALABを使って、Excelに送信した30Hz〜1600Hzの帯域幅の1/3オクターブ帯域ごとの位相差分[φG−φBR]Gを得た。
次に、右スピーカーに繰り出している増幅器の入力口にピンクノイズを送信し、やはりSPECTRALABを使って、Excelに報告した30Hz〜1600Hzの帯域幅の1/3オクターブ帯域ごとの位相差分[φD−φBR]Gを得た。
これをExcelで行うことにより、上記の方法で得た値の差分は次のようになった:[φG−φBR]G−[φD−φBR]G=[φG−φD]Gすなわち、位相の歪み。
電気的なステレオ位相を補正するために、我々は、Cool Edit Pro 2.1ソフトウェアの「GRAPHIC PHASE SHIFTER(グラフィック・フェイズ・シフター)」を使用した。これにより、任意の周波数で、任意の値にある信号の位相を極めて正確に補正することができた。
我々は1/3オクターブ帯域ごとに、Excelで得た値[φG−φD]Gの「0」を補完するのに相当する位相変移を左チャンネルに適用した。
この操作では、希望する結果は得られなかった。その原因を調べると、Cool Edit Pro 2.1ソフトウェアの「GRAPHIC PHASE SHIFTER(グラフィック・フェイズ・シフター)」にバグがあることが分かった。実際、これは、求められた補正に対して、逆符号の位相補正を行っていた。
そこで、位相補正の符号を逆にしたところ、位相の歪みを相殺し、音像の中心の補正が大幅に改善された。
図1の曲線は我々の検査で使用した車両の左側のリスニングポイントにおける補正前の位相の歪み[φG−φD]Gを示したものである。
この曲線は、完全に壊滅的なものであり、補正前の最初に設置した状態での再現品質を反映している。
図2の曲線は、左チャンネルに1.31msの遅延を適用し、同じ車両での残留位相の歪みを示したものである。部分的に改善しているが、残留位相の歪みはまだ極めて大きい。図3の曲線は、位相の歪みを相殺した後の残留位相の歪みを示したものである。
この結果は注目に値する。音響位相が電気的位相の直線関数となっており、目立たなくなっている。狭く閉鎖された場所で音を再現することの複雑さを考えると、このようなきれいな直線とならなかった可能性もあった。
工業で使用される場合、本発明はいくつかの様態で利用することができる。
車両で使用する場合、正規品やアフターマーケット向けには、熟練者が、車両にあったパラメータを入力し、本発明に従う手順で、カーステレオの音再現システムにステレオ変調の変更ができるリアルタイムソフトウェアを実装する必要がある。
本発明の方法は、車載品を変更せずに、信号操作だけであるため、オーディオファイルを変更することにより、従来の車載品を使って希望する結果を得ることができる。
Cool Edit Proを使い、本発明に従いオーディオファイルを変更するには、3つの手順に従う。
単一手順で変更を行うソフトウェアを作成すると便利である。これは、レベルイコライゼーションで強化することができる。これにより、最も要求の高いアマチュア愛好家を満足させる音の再現品質を得ることが可能で、これにより、これらの愛好家は運転している車両に合わせて最適なディスクバージョンを得ることができる。
このソフトウェアでは、車種およびその音響設備を示すサーバー上で、変更設定が必要となる。
また、iTuneなどのオンライン音楽販売サイトは、各車両に合わせて補正したバージョンを提供することで、販売内容を充実させることができる。
Claims (5)
- 第1ステップとして、等圧無相関モードにおいては、同じ強度で、音像の両端を聴き手が知覚するように左右チャンネルのレベルの比率をまず調整し、
第2ステップとして、等圧相関モードにおいては、希望のポジションで音像の中心を聴き手が知覚するように、聴き手に近いラウドスピーカーに送り出される信号を遅延させ、
第3ステップとして、リスニングポジションの位相の歪みを相殺することを特徴とする、車両のリスニングポイントで、ステレオ変調の再現性を向上させる方法。 - 単一手順方式装置が搭載されており、請求項1に記載の調整方法を行えるような装置の設定を特徴とするステレオ再現装置。
- 請求項2に記載の装置を搭載した車両。
- 請求項1に記載の方法により、単一操作で、ステレオ変調の変更が可能であること、および車種とその音響設備に従い、車両のチューニングパラメータをサーバー上でフェッチするように手配することを特徴とするステレオ変調を行うソフトウェア。
- 請求項4に記載の方法によりソフトウェアをインストールし、車種に合わせてメモリ内に補正パラメータがあり、カスタマーが指定した車種に合わせて補正した音楽を提供する音楽サーバー。
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