JP2017537968A - トリオキサカルシンdc45−a2の全合成及びトリオキサカルシン類似体の調製 - Google Patents

トリオキサカルシンdc45−a2の全合成及びトリオキサカルシン類似体の調製 Download PDF

Info

Publication number
JP2017537968A
JP2017537968A JP2017532666A JP2017532666A JP2017537968A JP 2017537968 A JP2017537968 A JP 2017537968A JP 2017532666 A JP2017532666 A JP 2017532666A JP 2017532666 A JP2017532666 A JP 2017532666A JP 2017537968 A JP2017537968 A JP 2017537968A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substituted
alkoxy
hydrogen
compound
hydroxy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2017532666A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017537968A5 (ja
Inventor
キリアコス シー. ニコラウ
キリアコス シー. ニコラウ
クワン カイ
クワン カイ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
William Marsh Rice University
Original Assignee
William Marsh Rice University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by William Marsh Rice University filed Critical William Marsh Rice University
Publication of JP2017537968A publication Critical patent/JP2017537968A/ja
Publication of JP2017537968A5 publication Critical patent/JP2017537968A5/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D493/00Heterocyclic compounds containing oxygen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system
    • C07D493/22Heterocyclic compounds containing oxygen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system in which the condensed system contains four or more hetero rings
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/335Heterocyclic compounds having oxygen as the only ring hetero atom, e.g. fungichromin
    • A61K31/357Heterocyclic compounds having oxygen as the only ring hetero atom, e.g. fungichromin having two or more oxygen atoms in the same ring, e.g. crown ethers, guanadrel
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D491/00Heterocyclic compounds containing in the condensed ring system both one or more rings having oxygen atoms as the only ring hetero atoms and one or more rings having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by groups C07D451/00 - C07D459/00, C07D463/00, C07D477/00 or C07D489/00
    • C07D491/22Heterocyclic compounds containing in the condensed ring system both one or more rings having oxygen atoms as the only ring hetero atoms and one or more rings having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by groups C07D451/00 - C07D459/00, C07D463/00, C07D477/00 or C07D489/00 in which the condensed system contains four or more hetero rings
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D519/00Heterocyclic compounds containing more than one system of two or more relevant hetero rings condensed among themselves or condensed with a common carbocyclic ring system not provided for in groups C07D453/00 or C07D455/00
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K2300/00Mixtures or combinations of active ingredients, wherein at least one active ingredient is fully defined in groups A61K31/00 - A61K41/00

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

本発明は、一態様において、変数が本明細書で定義されている式(I)のトリオキサカルシン類似体の新規誘導体を提供する。また本出願は、組成物、治療方法及びその合成方法も提供する。【選択図】なし

Description

本出願は、2014年12月19日に出願された米国仮特許出願第62/094,662号及び2015年6月29日に出願された米国仮特許出願第62/186,128号の利益を主張し、これらの内容全体が参照によって本明細書に組み込まれている。
1.分野
本開示は、医学、薬理学、化学、抗菌活性、及び腫瘍学の分野に関する。具体的には、トリオキサカルシンおよびその誘導体に関連する新規の化合物、組成物、治療方法、および合成方法が開示されている。
2.関連技術
抗腫瘍抗生物質として知られている天然生成物及び合成誘導体のグループは、強力な化学療法剤であることが知られている。これらの化合物は、細胞毒性に関する様々な異なるメカニズムを有するが、細胞のDNAの改変に関連することが多い。アクチノマイシン、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ミトキサントロン、及びドキソルビシンを含めたいくつかの市販の化学療法剤は、このクラスの化合物に入る。特定の天然生成物であるトリオキサカルシンDC−45−A2(1、図1)は、天然に存在する抗腫瘍抗生物質であり、高度に強力なDC−45−A1(2)、トリオキサカルシンA(3)、及びLL−D49194α1(4)(図1)を含めた様々な他の生物学的に活性なファミリーメンバーの生合成前駆体として働く(Tomita et al.,1981;Tamaoki et al.,1981;Maiese et al.,1990;Maskey et al.,2004;Shirahata et al.,1984)。複数の酸素含有官能基及び多数の立体中心を有する複雑なアーキテクチャーは、実用化の制約となる困難な合成上の課題を呈している(Cassidy et al.,1993;Sun et al.,1994;Smith et al.,1995;Maskey et al.,2004;Fitzner et al.,2008;Pfoh et al.,2008)。元来これらの化合物は発酵によって得られていたが、いくつかの異なる合成経路が開発されてきた(Gaoni,1968;Waserman et al.,1969;Wasserman et al.,1986a;Wasserman et al.,1986b;Wasserman et al.,1988a;Wasserman et al.,1988b;Naruse et al.,1988a;Naruse et al.,1988b;Evans et al.,1991)。残念ながら、これらの方法は依然として比較的困難であり、他の誘導体にアクセスすることなく所望の最終生成物を得るためには、多数の異なるステップを必要とする。そのため、トリオキサカルシンの類似体、ならびに天然生成物及びその類似体へのアクセスがより容易な改良型のモジュール式合成方法は、商業的関心を引くものである。
従って、式:
Figure 2017537968
の化合物または薬学的に許容されるその塩が提供される
[式中、Rは、アミノ、ヒドロキシ、またはメルカプト;アルコキシ(C≦12)、シクロアルコキシ(C≦12)、アルケニルオキシ(C≦12)、アルキニルオキシ(C≦12)、アシルオキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、シクロアルキルチオ(C≦12)、アルケニルチオ(C≦12)、アルキニルチオ(C≦12)、アシルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、シクロアルキルアミノ(C≦12)、アルケニルアミノ(C≦12)、アルキニルアミノ(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦12)、ジシクロアルキルアミノ(C≦12)、ジアルケニルアミノ(C≦12)、ジアルキニルアミノ(C≦12)、アミド(C≦12)、またはこれらの基のうちいずれかの置換バージョンであり;あるいは、Rは、式:−O−アルカンジイル(C≦8)−アルコキシ(C≦12)、−O−アルカンジイル(C≦8)−アルケニルオキシ(C≦12)、−O−アルカンジイル(C≦8)−アルキニルオキシ(C≦12)、またはその置換バージョンの基であり;あるいは、Rは、式:
Figure 2017537968
の基であり、
式中、R、R’、R、R、R’、R、及びR’は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦8)、アルコキシ(C≦8)、アシルオキシ(C≦8)、置換アルキル(C≦8)、置換アルコキシ(C≦8)、または置換アシルオキシ(C≦8)であり;R10は、水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、アシル(C≦12)、置換アルキル(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、置換アシル(C≦12)、または式:
Figure 2017537968
の基であり、
式中、R11は、水素、アルキル(C≦8)、または置換アルキル(C≦8)であり;R12は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、−O−アルカンジイル(C≦12)−チオール反応性基、または−O−アルカンジイル(C≦12)−チオール反応性基の置換バージョンであり;あるいは、R及びR10は、一緒になって、式:
Figure 2017537968
の複素環式化合物を形成し、
式中、Rは、水素、アルキル(C≦6)、または置換アルキル(C≦6)であり;R及びRは、独立して、水素、アミノ、ヒドロキシ、メルカプト;アルキル(C≦12)、シクロアルキル(C≦12)、アルケニル(C≦12)、アルキニル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、シクロアルコキシ(C≦12)、アルケニルオキシ(C≦12)、アルキニルオキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、シクロアルキルチオ(C≦12)、アルケニルチオ(C≦12)、アルキニルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、シクロアルキルアミノ(C≦12)、アルケニルアミノ(C≦12)、アルキニルアミノ(C≦12)、またはこれらの基のうちいずれかの置換バージョンであり;R及びRは、一緒になって、アルコキシジイル(C≦8)、アルキルアミノジイル(C≦12)、アルキルチオジイル(C≦12)、またはこれらの基のうちいずれかの置換バージョンであり;Rは、水素、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキル(C≦12)または置換アルキル(C≦12)であり;X及びXは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、またはアルコキシ(C≦12)、アルケニルオキシ(C≦12)、アルキニルオキシ(C≦12)、またはこれらの基のうちいずれかの置換バージョンであり;Aは縮合シクロアルカンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し、
式中、Yは、水素、オキソ、アルコキシ(C≦12)、または置換アルコキシ(C≦12)であり、ただし、Yがオキソである場合、Yが結合している原子は二重結合の一部であり、Yが結合している原子が二重結合の一部である場合、Yはオキソであり;Yは、水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦12)、置換アルキル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、または−OX(Xはヒドロキシ保護基である);または式:
Figure 2017537968
の基であり、
式中、R、R’、R、R、R’、R、及びR’は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦8)、アルコキシ(C≦8)、アシルオキシ(C≦8)、置換アルキル(C≦8)、置換アルコキシ(C≦8)、または置換アシルオキシ(C≦8)であり;R10は、水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、アシル(C≦12)、置換アルキル(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、置換アシル(C≦12)、または式:
Figure 2017537968
の基であり、
式中、R11は、水素、アルキル(C≦8)、または置換アルキル(C≦8)であり;R12は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、−O−アルカンジイル(C≦12)−チオール反応性基、または−O−アルカンジイル(C≦12)−チオール反応性基の置換バージョンであり;あるいは、R及びR10は、一緒になって、式:
Figure 2017537968
の複素環式化合物を形成し、
式中、Rは、水素、アルキル(C≦6)、または置換アルキル(C≦6)であり;nは、0、1、2、3、4、5、または6であり;あるいは、Aは縮合アレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し、
式中、Yは、水素、オキソ、アルコキシ(C≦12)、または置換アルコキシ(C≦12)であり、ただし、Yがオキソである場合、Yが結合している原子は二重結合の一部であり、Yが結合している原子が二重結合の一部である場合、Yはオキソであり;Yは、水素、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX(Xはヒドロキシ保護基である)、−SX(Xはチオ保護基である)、または−NX(XまたはXの一方は一価のアミン保護基でありかつもう一方は水素であり、あるいは、X及びXは一緒になって二価のアミン保護基である)であり;nは、0、1、2、または3であり;あるいは、Aは縮合ヘテロシクロアルカンジイルを伴う縮合アレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し、
式中、Yは、水素、オキソ、アルコキシ(C≦12)、または置換アルコキシ(C≦12)であり、ただし、Yがオキソである場合、Yが結合している原子は二重結合の一部であり、Yが結合している原子が二重結合の一部である場合、Yはオキソであり;Yは、水素、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX(Xはヒドロキシ保護基である)、−SX(Xはチオ保護基である)、または−NX(XまたはXの一方は一価のアミン保護基でありかつもう一方は水素であり、あるいは、X及びXは一緒になって二価のアミン保護基である)であり;Yは、水素、アルキル(C≦12)、または置換アルキル(C≦12)であり;nは、0または1であり;xは、1、2、3、または4であり;あるいは、Aは縮合ヘテロアレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し、
式中、Z、Z、及びZは、それぞれ独立して、CR’、NR’’、O、またはSから選択され;R及びR’は、それぞれ独立して、水素、アミノ、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、ニトロ、スルファト、スルファミド;アルキル(C≦6)、アルコキシ(C≦6)、アルキルアミノ(C≦6)、ジアルキルアミノ(C≦12)、アミド(C≦6)、またはこれらの基のうちいずれかの置換バージョンであり;R’’は、水素、アルキル(C≦12)、または置換アルキル(C≦12)であり;ただし、Z、Z、またはZのうちの少なくとも1つが、NR’’、O、またはSであり;nは、1、2、3、または4であり;あるいは、Aは縮合シクロアルカンジイルを伴う縮合アレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し、
式中、Y及びYは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX(Xはヒドロキシ保護基である)、−SX(Xはチオ保護基である)、または−NX(XまたはXの一方は一価のアミン保護基でありもう一方は水素であり、あるいは、X及びXは一緒になって二価のアミン保護基である)から選択され;Y10は、水素、オキソ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX(Xはヒドロキシ保護基である)、−SX(Xはチオ保護基である)、または−NX(XまたはXの一方は一価のアミン保護基でありかつもう一方は水素であり、あるいは、X及びXは一緒になって二価のアミン保護基である)であり、ただし、Yがオキソである場合はYが結合している原子は二重結合の一部であり、Yが結合している原子が二重結合の一部である場合はYはオキソであり;nは、0または1であり;yは、0、1、2、3、4、5、6、7、または8であり;Aは縮合アレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し、
式中、Y11及びY12は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX(Xはヒドロキシ保護基である)、−SX(Xはチオ保護基である)、または−NX(XまたはXの一方は一価のアミン保護基でありもう一方は水素であり、あるいは、X及びXは一緒になって二価のアミン保護基である)から選択され;Y13は、水素、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX(Xはヒドロキシ保護基である)、−SX(Xはチオ保護基である)、または−NX(XまたはXの一方は一価のアミン保護基でありかつもう一方は水素であり、あるいは、X及びXは一緒になって二価のアミン保護基である)であり、ただし、Yがオキソである場合はYが結合している原子は二重結合の一部であり、Yが結合している原子が二重結合の一部である場合はYはオキソであり;nは、0、1、2、3、または4であり;ただし、Aが、式:
Figure 2017537968
の縮合シクロアルカンジイルである場合、Rはヒドロキシではなく、かつRまたはRのいずれかはメトキシである]。一部の実施形態では、これらの化合物は、
Figure 2017537968
または薬学的に許容されるその塩としてさらに定義される
[式中、Rは、アミノ、ヒドロキシ、またはメルカプト;アルコキシ(C≦12)、シクロアルコキシ(C≦12)、アルケニルオキシ(C≦12)、アルキニルオキシ(C≦12)、アシルオキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、シクロアルキルチオ(C≦12)、アルケニルチオ(C≦12)、アルキニルチオ(C≦12)、アシルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、シクロアルキルアミノ(C≦12)、アルケニルアミノ(C≦12)、アルキニルアミノ(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦12)、ジシクロアルキルアミノ(C≦12)、ジアルケニルアミノ(C≦12)、ジアルキニルアミノ(C≦12)、アミド(C≦12)、またはこれらの基のうちいずれかの置換バージョンであり;あるいは、Rは、式:−O−アルカンジイル(C≦8)−アルコキシ(C≦12)、−O−アルカンジイル(C≦8)−アルケニルオキシ(C≦12)、−O−アルカンジイル(C≦8)−アルキニルオキシ(C≦12)、またはその置換バージョンの基であり;あるいは、Rは、式:
Figure 2017537968
の基であり、
式中、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦8)、アルコキシ(C≦8)、置換アルキル(C≦8)、または置換アルコキシ(C≦8)であり;R10は、水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、アシル(C≦12)、置換アルキル(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、置換アシル(C≦12)、または式:
Figure 2017537968
の基であり、
式中、R11は、水素、アルキル(C≦8)、または置換アルキル(C≦8)であり;R12は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、−O−アルカンジイル(C≦12)−チオール反応性基、または−O−アルカンジイル(C≦12)−チオール反応性基の置換バージョンであり;R及びRは、独立して、水素、アミノ、ヒドロキシ、メルカプト;アルキル(C≦12)、シクロアルキル(C≦12)、アルケニル(C≦12)、アルキニル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、シクロアルコキシ(C≦12)、アルケニルオキシ(C≦12)、アルキニルオキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、シクロアルキルチオ(C≦12)、アルケニルチオ(C≦12)、アルキニルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、シクロアルキルアミノ(C≦12)、アルケニルアミノ(C≦12)、アルキニルアミノ(C≦12)、またはこれらの基のうちいずれかの置換バージョンであり;R及びRは、一緒になって、アルコキシジイル(C≦8)、アルキルアミノジイル(C≦12)、アルキルチオジイル(C≦12)、またはこれらの基のうちいずれかの置換バージョンであり;Rは、水素、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキル(C≦12)または置換アルキル(C≦12)であり;X及びXは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、またはアルコキシ(C≦12)、アルケニルオキシ(C≦12)、アルキニルオキシ(C≦12)、またはこれらの基のうちいずれかの置換バージョンであり;Aは縮合シクロアルカンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し、
式中、Yは、水素、オキソ、アルコキシ(C≦12)、または置換アルコキシ(C≦12)であり、ただし、Yがオキソである場合、Yが結合している原子は二重結合の一部であり、Yが結合している原子が二重結合の一部である場合、Yはオキソであり;Yは、水素、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、または−OX(Xはヒドロキシ保護基である)であり;nは、0、1、2、3、4、5、または6であり;あるいは、Aは、縮合アレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し、
式中、Yは、水素、オキソ、アルコキシ(C≦12)、または置換アルコキシ(C≦12)であり、ただし、Yがオキソである場合、Yが結合している原子は二重結合の一部であり、Yが結合している原子が二重結合の一部である場合、Yはオキソであり;Yは、水素、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX(Xはヒドロキシ保護基である)、−SX(Xはチオ保護基である)、または−NX(XまたはXの一方は一価のアミン保護基でありかつもう一方は水素であり、あるいは、X及びXは一緒になって二価のアミン保護基である)であり;nは、0、1、2、または3であり;あるいは、Aは、縮合ヘテロシクロアルカンジイルを伴う縮合アレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し、
式中、Yは、水素、オキソ、アルコキシ(C≦12)、または置換アルコキシ(C≦12)であり、ただし、Yがオキソである場合、Yが結合している原子は二重結合の一部であり、Yが結合している原子が二重結合の一部である場合、Yはオキソであり;Yは、水素、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX(Xはヒドロキシ保護基である)、−SX(Xはチオ保護基である)、または−NX(XまたはXの一方は一価のアミン保護基でありかつもう一方は水素であり、あるいは、X及びXは一緒になって二価のアミン保護基である)であり;Yは、水素、アルキル(C≦12)、または置換アルキル(C≦12)であり;nは、0または1であり;xは、1、2、3、または4であり;あるいは、Aは、縮合ヘテロアレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し、
式中、Z、Z、及びZは、それぞれ独立して、CR’、NR’’、O、またはSから選択され;R及びR’は、それぞれ独立して、水素、アミノ、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、ニトロ、スルファト、スルファミド;アルキル(C≦6)、アルコキシ(C≦6)、アルキルアミノ(C≦6)、ジアルキルアミノ(C≦12)、アミド(C≦6)、またはこれらの基のうちいずれかの置換バージョンであり;R’’は、水素、アルキル(C≦12)、または置換アルキル(C≦12)であり;ただし、Z、Z、またはZのうちの少なくとも1つが、NR’’、O、またはSであり;nは、1、2、3、または4であり;あるいは、Aは縮合シクロアルカンジイルを伴う縮合アレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し、
式中、Y及びYは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX(Xはヒドロキシ保護基である)、−SX(Xはチオ保護基である)、または−NX(XまたはXの一方は一価のアミン保護基でありもう一方は水素であり、あるいは、X及びXは一緒になって二価のアミン保護基である)から選択され;Y10は、水素、オキソ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX(Xはヒドロキシ保護基である)、−SX(Xはチオ保護基である)、または−NX(XまたはXの一方は一価のアミン保護基でありかつもう一方は水素であり、あるいは、X及びXは一緒になって二価のアミン保護基である)であり、ただし、Yがオキソである場合はYが結合している原子は二重結合の一部であり、Yが結合している原子が二重結合の一部である場合はYはオキソであり;nは、0または1であり;yは、0、1、2、3、4、5、6、7、または8であり;Aは、縮合アレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し、
式中、Y11及びY12は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX(Xはヒドロキシ保護基である)、−SX(Xはチオ保護基である)、または−NX(XまたはXの一方は一価のアミン保護基でありもう一方は水素であり、あるいは、X及びXは一緒になって二価のアミン保護基である)から選択され;Y13は、水素、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX(Xはヒドロキシ保護基である)、−SX(Xはチオ保護基である)、または−NX(XまたはXの一方は一価のアミン保護基でありかつもう一方は水素であり、あるいは、X及びXは一緒になって二価のアミン保護基である)であり、ただし、Yがオキソである場合はYが結合している原子は二重結合の一部であり、Yが結合している原子が二重結合の一部である場合はYはオキソであり;nは、0、1、2、3、または4であり;ただし、Aが、式:
Figure 2017537968
の縮合シクロアルカンジイルである場合、Rはヒドロキシではなく、かつRまたはRのいずれかはメトキシである]。
一部の実施形態では、この式は、Iaとしてさらに定義される。一部の実施形態では、この式は、Ibとしてさらに定義される。一部の実施形態では、この式は、Icとしてさらに定義される。一部の実施形態では、この式は、Idとしてさらに定義される。一部の実施形態では、この式は、Ieとしてさらに定義される。一部の実施形態では、この式は、Ifとしてさらに定義される。
が、
Figure 2017537968
である、請求項1から7のいずれか1項に記載の化合物
[式中、R、R’、R、R、R’、R、及びR’は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦8)、アルコキシ(C≦8)、アシルオキシ(C≦8)、置換アルキル(C≦8)、置換アルコキシ(C≦8)、または置換アシルオキシ(C≦8)であり;R10は、水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、アシル(C≦12)、置換アルキル(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、置換アシル(C≦12)、または式:
Figure 2017537968
の基であり、
式中、R11は、水素、アルキル(C≦8)、または置換アルキル(C≦8)であり;R12は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、−O−アルカンジイル(C≦12)−チオール反応性基、または−O−アルカンジイル(C≦12)−チオール反応性基の置換バージョンであり;あるいは、R及びR10は、一緒になって、式:
Figure 2017537968
の複素環式化合物を形成し、
は、水素、アルキル(C≦6)、または置換アルキル(C≦6)である]。一部の実施形態では、Rは、
Figure 2017537968
である
[式中、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して 水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦8)、アルコキシ(C≦8)、置換アルキル(C≦8)、または置換アルコキシ(C≦8)であり;R10は、水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、アシル(C≦12)、置換アルキル(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、置換アシル(C≦12)、または式:
Figure 2017537968
の基であり、
式中、R11は、水素、アルキル(C≦8)、または置換アルキル(C≦8)であり;R12は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、−O−アルカンジイル(C≦12)−チオール反応性基、または−O−アルカンジイル(C≦12)−チオール反応性基の置換バージョンである]。一部の実施形態では、R12のチオール反応性基がマレイミドである。他の実施形態では、Rは、式:−O−アルカンジイル(C≦8)−アルコキシ(C≦12)、−O−アルカンジイル(C≦8)−アルケニルオキシ(C≦12)、−O−アルカンジイル(C≦8)−アルキニルオキシ(C≦12)、またはその置換バージョンである]。一部の実施形態では、Rのアルカンジイル(C≦8)は、−CH−である。他の実施形態では、Rは、アルコキシ(C≦12)または置換アルコキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、Rは、アルコキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、Rは、置換アルコキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、Rは、−O(CHOHまたは−OCHCHSHである。一部の実施形態では、Rは、アルキニルオキシ(C≦12)または置換アルキニルオキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、Rは、アルキニルオキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、Rは、−CHC≡CHである。一部の実施形態では、Rは、アルキルチオ(C≦12)または置換アルキルチオ(C≦12)である。一部の実施形態では、Rは、アルキルチオ(C≦12)である。一部の実施形態では、Rは、−SCHCHである。
一部の実施形態では、Rは、水素である。一部の実施形態では、Rは、アルキル(C≦12)または置換アルキル(C≦12)である。一部の実施形態では、Rは、アルキル(C≦12)である。一部の実施形態では、Rは、メチルである。一部の実施形態では、Rは、アルコキシ(C≦12)または置換アルコキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、Rは、アルコキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、Rは、メトキシである。一部の実施形態では、Rは、アルキルチオ(C≦12)または置換アルキルチオ(C≦12)である。一部の実施形態では、Rは、アルキルチオ(C≦12)である。一部の実施形態では、Rは、−SCHである。
一部の実施形態では、R及びRは、一緒になって、アルコキシジイル(C≦12)または置換アルコキシジイル(C≦12)である。一部の実施形態では、R及びRは、一緒になって、アルコキシジイル(C≦12)である。一部の実施形態では、R及びRは、−OCHCHO−、−OCHCHCHO−、または−OCHC(CHCHO−である。他の実施形態では、R及びRは、一緒になって、アルコキシジイル(C≦12)である。一部の実施形態では、R及びRは、−OCHCH(CHOH)CHO−、−OCHCH(CHSH)CHO−、または−OCHCH(CHNHAc)CHO−である。他の実施形態では、R及びRは、一緒になって、アルキルチオジイル(C≦12)または置換アルキルチオジイル(C≦12)である。一部の実施形態では、R及びRは、一緒になって、アルキルチオジイル(C≦12)である。一部の実施形態では、R及びRが、−SCHCHCHS−または−SCHC(CHCHS−である。
一部の実施形態では、Rは、水素である。一部の実施形態では、Rは、アルキル(C≦12)または置換アルキル(C≦12)である。一部の実施形態では、Rは、アルキル(C≦12)である。一部の実施形態では、Rは、メチルである。一部の実施形態では、Rは、アルコキシ(C≦12)または置換アルコキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、Rは、アルコキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、Rは、メトキシである。一部の実施形態では、Rは、アルキルチオ(C≦12)または置換アルキルチオ(C≦12)である。一部の実施形態では、Rは、アルキルチオ(C≦12)である。一部の実施形態では、Rは、−SCHである。
一部の実施形態では、Rは、ハロである。一部の実施形態では、Rは、フルオロ、クロロ、またはブロモである。一部の実施形態では、Rは、フルオロである。一部の実施形態では、Rは、アルキル(C≦12)または置換アルキル(C≦12)である。一部の実施形態では、Rは、アルキル(C≦12)である。一部の実施形態では、Rは、メチルである。一部の実施形態では、Rは、置換アルキル(C≦12)である。一部の実施形態では、Rは、トリフルオロメチルである。
一部の実施形態では、Xは、水素である。一部の実施形態では、Xは、ヒドロキシである。一部の実施形態では、Xは、アルコキシ(C≦12)または置換アルコキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、Xは、アルコキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、Xは、メトキシである。他の実施形態では、Xは、置換アルコキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、Xは、−O(CHNH、−O(CHC(O)NH、または−O(CHSHである。他の実施形態では、Xは、アルケニルオキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、Xは、−OCHCHCHである。他の実施形態では、Xは、アルキニルオキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、Xは、−OCHCCHである。
一部の実施形態では、Xは、水素である。一部の実施形態では、Xは、ヒドロキシである。一部の実施形態では、Xは、アルコキシ(C≦12)または置換アルコキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、Xは、アルコキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、Xは、メトキシである。
一部の実施形態では、Yは、オキソである。一部の実施形態では、Yは、水素である。一部の実施形態では、Yは、ヒドロキシである。一部の実施形態では、76.1。Yが、
Figure 2017537968
である、請求項1もしくは2、または請求項12から74のいずれか1項に記載の化合物
[式中、R、R’、R、R、R’、R、及びR’は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦8)、アルコキシ(C≦8)、アシルオキシ(C≦8)、置換アルキル(C≦8)、置換アルコキシ(C≦8)、または置換アシルオキシ(C≦8)であり;R10は、水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、アシル(C≦12)、置換アルキル(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、置換アシル(C≦12)、または式:
Figure 2017537968
の基であり、
式中、R11は、水素、アルキル(C≦8)、または置換アルキル(C≦8)であり;R12は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、−O−アルカンジイル(C≦12)−チオール反応性基、または−O−アルカンジイル(C≦12)−チオール反応性基の置換バージョンであり;あるいは、R及びR10は、一緒になって、式:
Figure 2017537968
の複素環式化合物を形成し、
式中、Rは、水素、アルキル(C≦6)、または置換アルキル(C≦6)である]。一部の実施形態では、Yは、
Figure 2017537968
である
[式中、R、R’、R、R、R’、R、及びR’は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦8)、アルコキシ(C≦8)、アシルオキシ(C≦8)、置換アルキル(C≦8)、置換アルコキシ(C≦8)、または置換アシルオキシ(C≦8)であり;R10は、水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、アシルオキシ(C≦12)、アシル(C≦12)、置換アルキル(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、置換アシルオキシ(C≦12)、または置換アシル(C≦12)である]。一部の実施形態では、Yは、
Figure 2017537968
である。一部の実施形態では、nは、0、1、2、または3である。一部の実施形態では、nは、0、1、または2である。
一部の実施形態では、Yは、ヒドロキシである。一部の実施形態では、Yは、アルコキシ(C≦12)または置換アルコキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、Yは、アルコキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、Yは、メトキシである。一部の実施形態では、Yは、置換アルコキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、Yは、メトキシメトキシである。一部の実施形態では、Yは、水素である。一部の実施形態では、Yは、ヒドロキシである。一部の実施形態では、Yは、アルコキシ(C≦12)または置換アルコキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、Yは、アルコキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、Yは、メトキシである。一部の実施形態では、Yは、アルキルアミノ(C≦12)または置換アルキルアミノ(C≦12)である。一部の実施形態では、Yは、アルキルアミノ(C≦12)である。一部の実施形態では、Yは、メチルアミノである。一部の実施形態では、nは、1、2、または3である。
一部の実施形態では、Yは、ヒドロキシである。一部の実施形態では、Yは、アルコキシ(C≦12)または置換アルコキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、Yは、アルコキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、Yは、メトキシである。一部の実施形態では、Yは、水素である。一部の実施形態では、Yは、ヒドロキシである。一部の実施形態では、Yは、アルコキシ(C≦12)または置換アルコキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、Yは、アルコキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、Yは、メトキシである。一部の実施形態では、Yは、水素である。一部の実施形態では、Yは、アルキル(C≦6)または置換アルキル(C≦6)である。一部の実施形態では、xは、2または3である。一部の実施形態では、xは、2である。一部の実施形態では、xは、3である。一部の実施形態では、nは、0である。一部の実施形態では、nは、1である。
一部の実施形態では、Zは、Sである。一部の実施形態では、Zは、Nである。一部の実施形態では、Zは、Oである。一部の実施形態では、Zは、Sである。一部の実施形態では、Zは、Nである。一部の実施形態では、Zは、Oである。一部の実施形態では、Zは、CR’’である。一部の実施形態では、R’’は、水素、ヒドロキシ、ハロ、アルキル(C≦12)、置換アルキル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、または置換アルコキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、R’’は、水素である。一部の実施形態では、R’’は、アルコキシ(C≦12)または置換アルコキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、R’’は、メトキシである。一部の実施形態では、R’’は、アルキル(C≦12)または置換アルキル(C≦12)である。一部の実施形態では、R’’は、メチルである。一部の実施形態では、Zは、Sである。一部の実施形態では、Zは、Nである。一部の実施形態では、Zは、Oである。一部の実施形態では、Zは、CR’’である。一部の実施形態では、R’’は、水素、ヒドロキシ、ハロ、アルキル(C≦12)、置換アルキル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、または置換アルコキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、R’’は、水素である。一部の実施形態では、R’’は、アルコキシ(C≦12)または置換アルコキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、R’’は、メトキシである。一部の実施形態では、R’’は、アルキル(C≦12)または置換アルキル(C≦12)である。一部の実施形態では、R’’は、メチルである。一部の実施形態では、nは、1、2、または3である。
一部の実施形態では、Yは、水素である。一部の実施形態では、Yは、ヒドロキシである。一部の実施形態では、Yは、アルコキシ(C≦12)または置換アルコキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、Yは、アルコキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、Yは、メトキシである。一部の実施形態では、Yは、水素である。一部の実施形態では、Yは、ヒドロキシである。一部の実施形態では、Yは、アルコキシ(C≦12)または置換アルコキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、Yは、アルコキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、Yは、メトキシである。一部の実施形態では、Y10は、水素である。一部の実施形態では、Y10は、ヒドロキシである。一部の実施形態では、Y10は、オキソである。一部の実施形態では、Y10は、アルコキシ(C≦12)または置換アルコキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、Y10は、アルコキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、Y10は、メトキシである。一部の実施形態では、Y10は、アルキルアミノ(C≦12)または置換アルキルアミノ(C≦12)である。一部の実施形態では、Y10は、アルキルアミノ(C≦12)である。一部の実施形態では、Y10は、メチルアミノである。一部の実施形態では、nは、1である。一部の実施形態では、yは、1、2、3、4、5、または6である。
一部の実施形態では、Y11は、水素である。一部の実施形態では、Y11は、ヒドロキシである。一部の実施形態では、Y11は、アルコキシ(C≦12)または置換アルコキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、Y11は、アルコキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、Y11は、メトキシである。一部の実施形態では、Y12は、水素である。一部の実施形態では、Y12は、ヒドロキシである。一部の実施形態では、Y12は、アルコキシ(C≦12)または置換アルコキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、Y12は、アルコキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、Y12は、メトキシである。一部の実施形態では、Y13は、水素である。一部の実施形態では、Y13は、ヒドロキシである。一部の実施形態では、Y13は、オキソである。一部の実施形態では、Y13は、アルコキシ(C≦12)または置換アルコキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、Y13は、アルコキシ(C≦12)である。一部の実施形態では、Y13は、メトキシである。一部の実施形態では、Y13は、アルキルアミノ(C≦12)または置換アルキルアミノ(C≦12)である。 一部の実施形態では、Y13は、アルキルアミノ(C≦12)である。一部の実施形態では、Y13は、メチルアミノである。一部の実施形態では、nは、1、2、または3である。一部の実施形態では、nは、2または3である。
一部の実施形態では、この化合物は、
Figure 2017537968
Figure 2017537968
Figure 2017537968
Figure 2017537968
Figure 2017537968
Figure 2017537968
Figure 2017537968
あるいは薬学的に許容されるそれらの塩として、さらに定義される。
さらに別の態様では、本開示は、本開示に記載の化合物及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。一部の実施形態では、この組成物は、経口的に、脂肪内に、動脈内に、関節内に、脳内に、皮内に、病巣内に、筋肉内に、鼻腔内に、眼内に、心膜内に、腹腔内に、胸膜内に、前立腺内に、直腸内に、くも膜下腔内に、気管内に、腫瘍内に、臍帯内に、腟内に、静脈内に、小胞内に、硝子体内に、リポソームに、局在的に、粘膜に、非経口的に、直腸に、結膜下に、皮下に、舌下に、局所的に、経頬側で、経皮的に、腟に、クリームで、脂質組成物で、カテーテル経由で、洗浄経由で、持続注入経由で、注入経由で、吸入経由で、注射経由で、局在的送達経由で、または局在化灌流経由で、投与するために配合される。
さらに別の態様では、本開示は、それを必要とする患者の疾患または障害を治療する方法であって、この患者に、薬学的有効量の、本開示に記載の化合物または組成物を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、この疾患または障害は、がんである。一部の実施形態では、このがんは、がん腫、肉腫、リンパ腫、白血病、黒色腫、中皮腫、多発骨髄腫、または精上皮腫である。一部の実施形態では、このがんは、膀胱、血液、骨、脳、乳房、中枢神経系、頚部、結腸、子宮内膜、食道、胆嚢、消化管、生殖器、尿生殖路、頭部、腎臓、喉頭、肝臓、肺、筋肉組織、首、口内または鼻粘膜、卵巣、すい臓、前立腺、皮膚、脾臓、小腸、大腸、胃、精巣、または甲状腺のがんである。一部の実施形態では、この方法は、第2の治療薬剤または治療様式をさらに含む。一部の実施形態では、この化合物は、1回投与される。一部の実施形態では、この化合物は、2回以上投与される。
さらに別の態様では、本開示は、それを必要とする患者の疾患または障害を治療する方法であって、この患者に、薬学的有効量の、本開示に記載の化合物または組成物を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、この疾患または障害は、細菌感染、寄生虫感染、またはウイルス感染である。一部の実施形態では、この疾患または障害は細菌感染であり、この細菌はグラム陽性細菌である。他の実施形態では、この疾患または障害は細菌感染であり、この細菌はグラム陰性細菌である。一部の実施形態では、この疾患は、寄生虫感染である。一部の実施形態では、この寄生虫感染は、マラリアを引き起こす。
さらに別の態様では、本開示は、化合物を調製する方法であって、式:
Figure 2017537968
の化合物またはその塩を反応させることを含む方法を提供する
[式中、Rは、アミノ、ヒドロキシ、またはメルカプト;または−OX(Xはヒドロキシ保護基である)、−SX(Xはチオ保護基である)、または−NX(XまたはXの一方は一価のアミン保護基でありかつもう一方は水素であり、あるいは、X及びXは一緒になって二価のアミン保護基である)であり;R及びRは、独立して、水素、アミノ、ヒドロキシ、メルカプト;アルキル(C≦12)、シクロアルキル(C≦12)、アルケニル(C≦12)、アルキニル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、シクロアルコキシ(C≦12)、アルケニルオキシ(C≦12)、アルキニルオキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、シクロアルキルチオ(C≦12)、アルケニルチオ(C≦12)、アルキニルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、シクロアルキルアミノ(C≦12)、アルケニルアミノ(C≦12)、アルキニルアミノ(C≦12)、またはこれらの基のうちいずれかの置換バージョン、または−OX(Xはヒドロキシ保護基である)、−SX(Xはチオ保護基である)、または−NX10(XまたはX10の一方は一価のアミン保護基でありかつもう一方は水素であり、あるいは、X及びX10は一緒になって二価のアミン保護基である)から選択され;R及びRは、一緒になって、アルコキシジイル(C≦8)、アルキルアミノジイル(C≦12)、アルキルチオジイル(C≦12)、またはこれらの基のうちいずれかの置換バージョンであり;Rは、水素、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキル(C≦12)もしくは置換アルキル(C≦12)、または−OX11(X11はヒドロキシ保護基である)、−SX12(X12はチオ保護基である)、または−NX1314(X13またはX14の一方は一価のアミン保護基でありかつもう一方は水素であり、あるいは、X13及びX14は一緒になって二価のアミン保護基である)であり;Rは、水素またはヒドロキシ保護基であり;Rは、水素またはアルキリデン(C≦12)、アルキル(C≦12)、シクロアルキル(C≦12)、アルケニル(C≦12)、アルキニル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、シクロアルコキシ(C≦12)、アルケニルオキシ(C≦12)、アルキニルオキシ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦12)、またはこれらの基のうちいずれかの置換バージョンであり、X及びXは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、または−OX15(X15はヒドロキシ保護基である)であり;またはX15及びRは、一緒になって、二価のジオール保護基であり;Aは、縮合シクロアルカンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し、
式中、Yは、水素、オキソ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、または−OX16(X16はヒドロキシ保護基である)であり;ただし、Yがオキソである場合、Yが結合している原子は二重結合の一部であり、Yが結合している原子が二重結合の一部である場合、Yはオキソであり;Yは、水素、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、または−OX17(X17はヒドロキシ保護基である)であり;nは、0、1、2、3、4、5、または6であり;あるいは、Aは、縮合アレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し、
式中、Yは、水素、オキソ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、または−OX18(X18はヒドロキシ保護基である)であり;ただし、Yがオキソである場合、Yが結合している原子は二重結合の一部であり、Yが結合している原子が二重結合の一部である場合、Yはオキソであり;Yは、水素、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX19(X19はヒドロキシ保護基である)、−SX20(X20はチオ保護基である)、または−NX2122(X21またはX22の一方は一価のアミン保護基でありかつもう一方は水素であり、あるいは、X21及びX22は一緒になって二価のアミン保護基である)であり;nは、0、1、2、または3であり;あるいは、Aは、縮合ヘテロシクロアルカンジイルを伴う縮合アレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し、
式中、Yは、水素、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、または−OX23(X23はヒドロキシ保護基である)であり;Yは、水素、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX24(X24はヒドロキシ保護基である)、−SX25(X25はチオ保護基である)、または−NX2627(X26またはX27の一方は一価のアミン保護基でありかつもう一方は水素であり、あるいは、X26及びX27は一緒になって二価のアミン保護基である)であり;Yは、水素、アルキル(C≦12)、または置換アルキル(C≦12)であり;nは、0または1であり;xは、1、2、3、または4であり;あるいは、Aは、縮合ヘテロアレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し、
式中、Z、Z、及びZは、それぞれ独立して、CR’、NR、O、またはSから選択され;R及びR’は、それぞれ独立して、水素、アミノ、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、ニトロ、スルファト、スルファミド;アルキル(C≦6)、アルコキシ(C≦6)、アルキルアミノ(C≦6)、ジアルキルアミノ(C≦12)、アミド(C≦6)、またはこれらの基のうちいずれかの置換バージョンであり;Rは、水素、アルキル(C≦12)、または置換アルキル(C≦12)であり;ただし、Z、Z、またはZのうちの少なくとも1つが、NR、O、またはSであり;nは、1、2、3、または4であり;あるいは、Aは縮合シクロアルカンジイルを伴う縮合アレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し、
式中、Y及びYは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX28(X28はヒドロキシ保護基である)、−SX29(X29はチオ保護基である)、または−NX3031(X30またはX31の一方は一価のアミン保護基でありもう一方は水素であり、あるいは、X30及びX31は一緒になって二価のアミン保護基である)から選択され;Y10は、水素、オキソ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX32(式中、X32はヒドロキシ保護基である)、−SX33(式中、X33はチオ保護基である)、または−NX3435(式中、X34またはX35の一方は一価のアミン保護基でありかつもう一方は水素であり、あるいは、X34及びX35は一緒になって二価のアミン保護基である)であり、ただし、Y10がオキソである場合はY10が結合している原子は二重結合の一部であり、Y10が結合している原子が二重結合の一部である場合はY10はオキソであり;nは、0または1であり;yは、0、1、2、3、4、5、6、7、または8であり;Aは、縮合アレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し、
式中、Y11及びY12は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX36(X36はヒドロキシ保護基である)、−SX37(X37はチオ保護基である)、または−NX3839(X38またはX39の一方は一価のアミン保護基でありもう一方は水素であり、あるいは、X38及びX39は一緒になって二価のアミン保護基である)から選択され;Y13は、水素、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX40(X40はヒドロキシ保護基である)、−SX41(X41はチオ保護基である)、または−NX4243(X42またはX43の一方は一価のアミン保護基でありかつもう一方は水素であり、あるいは、X42及びX43は一緒になって二価のアミン保護基である)であり;nは、0、1、2、3、または4であり;ルイス酸は、式:
Figure 2017537968
の化合物を生成するのに十分な状態下にあり、
式中、R、R、R、R、R、R、X、及びXは上で定義された通りであり、Aは縮合シクロアルカンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し(式中、Y、Y、及びnは上で定義された通りである);
Aは縮合アレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し(式中、Y、Y、及びnは上で定義された通りである);
Aは縮合ヘテロシクロアルカンジイルを伴う縮合アレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し(式中、Y、Y、Y、x、及びnは上で定義された通りである);
Aは縮合ヘテロアレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し(式中、Z、Z、Z、及びnは上で定義された通りである);
Aは縮合シクロアルカンジイルを伴う縮合アレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し(式中、Y、Y、及びnは上で定義された通りである)、あるいは;Aは縮合アレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
(式中、Y11、Y12、Y13、及びnは上で定義された通りである)を有する]。一部の実施形態では、ルイス酸は、遷移金属またはホウ素錯体である。一部の実施形態では、ルイス酸は、ホウ素錯体である。一部の実施形態では、ルイス酸は、三フッ化ホウ素エーテラートである。一部の実施形態では、ルイス酸は、遷移金属である。一部の実施形態では、ルイス酸は、SnClである。一部の実施形態では、この方法は、溶媒をさらに含む。一部の実施形態では、この溶媒は、クロロアルカン(C≦12)である。一部の実施形態では、この溶媒は、ジクロロメタンである。一部の実施形態では、Rは、アルキリデン(C≦12)または置換アルキリデン(C≦12)である。一部の実施形態では、この方法は、当該化合物を、式:
Figure 2017537968
の化合物を生成するのに十分な条件下で、エポキシ化剤と反応させることを、さらに含む
[式中、R、R、R、R、R、X、及びXは上で定義された通りであり、Aは縮合シクロアルカンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し(式中、Y、Y、及びnは上で定義された通りである);
Aは、縮合アレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し(式中、Y、Y、及びnは上で定義された通りである);
Aは、縮合ヘテロシクロアルカンジイルを伴う縮合アレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し(式中、Y、Y、Y、x、及びnは上で定義された通りである);
Aは、縮合ヘテロアレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し(式中、Z、Z、Z、及びnは上で定義された通りである);
Aは縮合シクロアルカンジイルを伴う縮合アレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し(式中、Y、Y、及びnは上で定義された通りである);あるいは、
Aは、縮合アレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有する(式中、Y11、Y12、Y13、及びnは上で定義された通りである)];一部の実施形態では、このエポキシ化剤は、塩化トシル及び塩基を伴う四酸化オスミウムである。一部の実施形態では、四酸化オスミウムが当該化合物に添加され、約1時間から約24時間の期間後に、塩化トシル及び塩基が添加される。一部の実施形態では、この方法は、当該化合物を、式:
Figure 2017537968
の化合物またはその塩を生成するのに十分な条件下で、酸化剤と反応させることを、さらに含む
[式中、R、R、R、R、X、及びXは上で定義された通りであり;Rは、O、S、またはNHであり;Aは縮合シクロアルカンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し(式中、Y、Y、及びnは上で定義された通りである);
Aは、縮合アレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し(式中、Y、Y、及びnは上で定義された通りである);
Aは、縮合ヘテロシクロアルカンジイルを伴う縮合アレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し(式中、Y、Y、Y、x、及びnは上で定義された通りである);
Aは、縮合ヘテロアレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し(式中、Z、Z、Z、及びnは上で定義された通りである);
Aは縮合シクロアルカンジイルを伴う縮合アレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し(式中、Y、Y、及びnは上で定義された通りである);あるいは、
Aは、縮合アレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有する(式中、Y11、Y12、Y13、及びnは上で定義された通りである)]。一部の実施形態では、酸化剤は、過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム及びN−メチルモルホリンN−オキシドである。一部の実施形態では、この方法は、当該化合物を、式:
Figure 2017537968
の化合物またはその塩を生成するのに十分な条件下で、フッ化物源と反応させることを、さらに含む
[式中、R、R、R、X、及びXは上で定義された通りであり;Rは、アミノ、ヒドロキシ、またはメルカプト;アルコキシ(C≦12)、シクロアルコキシ(C≦12)、アルケニルオキシ(C≦12)、アルキニルオキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、シクロアルキルチオ(C≦12)、アルケニルチオ(C≦12)、アルキニルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、シクロアルキルアミノ(C≦12)、アルケニルアミノ(C≦12)、アルキニルアミノ(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦12)、ジシクロアルキルアミノ(C≦12)、ジアルケニルアミノ(C≦12)、ジアルキニルアミノ(C≦12)、またはこれらの基のうちいずれかの置換バージョンであり;Aは縮合シクロアルカンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し(式中、Y、Y、及びnは上で定義された通りである);
Aは、縮合アレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し(式中、Y、Y、及びnは上で定義された通りである);Aは、縮合ヘテロシクロアルカンジイルを伴う縮合アレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し(式中、Y、Y、Y、x、及びnは上で定義された通りである);
Aは、縮合ヘテロアレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し(式中、Z、Z、Z、及びnは上で定義された通りである);
Aは縮合シクロアルカンジイルを伴う縮合アレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し(式中、Y、Y、及びnは上で定義された通りである);
Aは、縮合アレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有する(式中、Y11、Y12、Y13、及びnは上で定義された通りである)]。一部の実施形態では、フッ化物源は、EtN・3HFである。一部の実施形態では、この方法は、1つまたは複数の脱保護ステップをさらに含む。
別の態様では、本開示は、式:
(A−L)−X(VI)
の結合体を提供する
[式中、Aは、本明細書に記載の化合物であり;Lは、共有結合またはリンカーであり;nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12であり、Xは、細胞標的部分である]。
一部の実施形態では、この反応の1つまたは複数のステップは、精製ステップにおいて反応物を精製することをさらに含む。一部の実施形態では、この精製方法はクロマトグラフィーである。一部の実施形態では、この精製方法は、カラムクロマトグラフィーまたは高速液体クロマトグラフィーである。
本明細書に記載の任意の方法または組成物は、本明細書に記載の任意の他の方法または組成物に対して実装され得ることが考慮されている。例えば、ある方法によって合成されたアルデヒドは、他の方法による最終化合物の調製で使用してもよい。
「1つの(a)」または「1つの(an)」という単語の使用は、請求項及び/または明細書で「(含む」という用語と共に使用される際には「1つ(one)」を意味し得るが、「1つまたは複数の」、「少なくとも1つの」、及び「1つまたは2つ以上の」という意味とも一致する。「約」は、示された数字のプラスマイナス5%を意味する。
本開示の他の目的、特徴及び利点は、以下の発明を実施するための形態から明らかとなるであろう。ただし、発明を実施するための形態及び特定の例は本開示の特定の実施形態を示す一方で、例示として与えられるものに過ぎないということが理解されるべきである。というのも、本開示の趣旨及び範囲内の様々な変化及び変更は、当業者にとってはこの発明を実施するための形態から明らかとなるであろうからである。
以下の図面は、本明細書の一部を形成するものであり、本発明におけるある特定の態様をさらに示すために含まれている。本発明は、これらの図面のうちの1つまたは複数を、発明を実施するための形態と組み合わせて参照することにより、よりよく理解することができる。
トリオキサカルシン:DC−45−A2(1)、DC−45−A1(2)、A(3)及びLL−D49194α1(4)の分子構造である。 トリオキサカルシンDC−45−A2(1)の逆合成分析である。TBS=tert−ブチルジメチルシリル、PMB=p−メトキシベンジル、TMS=トリメチルシリル、MOM=メトキシメチル。 MES SA(図3A)、MES SA DX(図3B)、及び293T(図3C)についての細胞毒性アッセイにおける、Trox4〜Trox9の化合物濃度の関数としての発光のグラフである。 MES SA(図4A)、MES SA DX(図4B)、及び293T(図4C)についての細胞毒性アッセイにおける、Trox12〜Trox16の化合物濃度の関数としての発光のグラフである。
例示的な態様の説明
本開示は、トリオキサカルシンDC−45−A2のモジュラー合成及びトリオキサカルシン類似体の開発に関する。一部の態様では、本開示は、がんなどの増殖性疾患の治療に有用であり得る新規のトリオキサカルシン類似体を提供する。いかなる理論に拘泥することも望まないが、トリオキサカルシンは、抗腫瘍性抗生物質である。さらに別の態様では、本開示は、ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタンを構築する大環状再配列を組み込むモジュラー合成に関する。本開示のこうした態様及び他の態様は、以下でより詳細に説明する。
I.化合物とその配合
A.化合物
一態様では、本開示は、式:
Figure 2017537968
の化合物または薬学的に許容されるその塩を提供する
[式中、
は、アミノ、ヒドロキシ、またはメルカプト;
アルコキシ(C≦12)、シクロアルコキシ(C≦12)、アルケニルオキシ(C≦12)、アルキニルオキシ(C≦12)、アシルオキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、シクロアルキルチオ(C≦12)、アルケニルチオ(C≦12)、アルキニルチオ(C≦12)、アシルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、シクロアルキルアミノ(C≦12)、アルケニルアミノ(C≦12)、アルキニルアミノ(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦12)、ジシクロアルキルアミノ(C≦12)、ジアルケニルアミノ(C≦12)、ジアルキニルアミノ(C≦12)、アミド(C≦12)、またはこれらの基のうちいずれかの置換バージョンであり;あるいは、
は、式:−O−アルカンジイル(C≦8)−アルコキシ(C≦12)、−O−アルカンジイル(C≦8)−アルケニルオキシ(C≦12)、−O−アルカンジイル(C≦8)−アルキニルオキシ(C≦12)の基であり、またはその置換バージョンであり;あるいは、
は、式:
Figure 2017537968
の基であり、
式中、
、R’、R、R、R’、R、及びR’は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦8)、アルコキシ(C≦8)、アシルオキシ(C≦8)、置換アルキル(C≦8)、置換アルコキシ(C≦8)、または置換アシルオキシ(C≦8)であり;
10は、水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、アシル(C≦12)、置換アルキル(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、置換アシル(C≦12)、または式:
Figure 2017537968
の基であり、
式中、
11は、水素、アルキル(C≦8)、または置換アルキル(C≦8)であり;
12は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、−O−アルカンジイル(C≦12)−チオール反応性基、または−O−アルカンジイル(C≦12)−チオール反応性基の置換バージョンであり;あるいは、
及びR10は、一緒になって、式:
Figure 2017537968
の複素環式化合物を形成し、
式中、
は、水素、アルキル(C≦6)、または置換アルキル(C≦6)であり;
及びRは、独立して、水素、アミノ、ヒドロキシ、メルカプト;
アルキル(C≦12)、シクロアルキル(C≦12)、アルケニル(C≦12)、アルキニル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、シクロアルコキシ(C≦12)、アルケニルオキシ(C≦12)、アルキニルオキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、シクロアルキルチオ(C≦12)、アルケニルチオ(C≦12)、アルキニルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、シクロアルキルアミノ(C≦12)、アルケニルアミノ(C≦12)、アルキニルアミノ(C≦12)、またはこれらの基のうちいずれかの置換バージョンであり;
及びRは、一緒になって、アルコキシジイル(C≦8)、アルキルアミノジイル(C≦12)、アルキルチオジイル(C≦12)、またはこれらの基のうちいずれかの置換バージョンであり;
は、水素、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキル(C≦12)または置換アルキル(C≦12)であり;
及びXはそれぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、または
アルコキシ(C≦12)、アルケニルオキシ(C≦12)、アルキニルオキシ(C≦12)、またはこれらの基のうちいずれかの置換バージョンであり;
Aは縮合シクロアルカンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し、
式中、
は、水素、オキソ、アルコキシ(C≦12)、または置換アルコキシ(C≦12)であり、ただし、Yがオキソである場合、Yが結合している原子は二重結合の一部であり、Yが結合している原子が二重結合の一部である場合、Yはオキソであり;
は、水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦12)、置換アルキル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、または−OX(Xはヒドロキシ保護基である);または式:
Figure 2017537968
の基であり、
式中、
、R’、R、R、R’、R、及びR’は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦8)、アルコキシ(C≦8)、アシルオキシ(C≦8)、置換アルキル(C≦8)、置換アルコキシ(C≦8)、または置換アシルオキシ(C≦8)であり;
10は、水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、アシル(C≦12)、置換アルキル(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、置換アシル(C≦12)、または式:
Figure 2017537968
の基であり、
式中、
11は、水素、アルキル(C≦8)、または置換アルキル(C≦8)であり;
12は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、−O−アルカンジイル(C≦12)−チオール反応性基、または−O−アルカンジイル(C≦12)−チオール反応性基の置換バージョンであり;あるいは、
及びR10は、一緒になって、式:
Figure 2017537968
の複素環式化合物を形成し、
式中、
は、水素、アルキル(C≦6)、または置換アルキル(C≦6)であり;
は、0、1、2、3、4、5、または6であり;あるいは、
Aは、縮合アレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し、
式中、
は、水素、オキソ、アルコキシ(C≦12)、または置換アルコキシ(C≦12)であり、ただし、Yがオキソである場合、Yが結合している原子は二重結合の一部であり、Yが結合している原子が二重結合の一部である場合、Yはオキソであり;
は、水素、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX(Xはヒドロキシ保護基である)、−SX(Xはチオ保護基である)、または−NX(XまたはXの一方は一価のアミン保護基でありかつもう一方は水素であり、あるいは、X及びXは一緒になって二価のアミン保護基である)であり;
は、0、1、2、または3であり;あるいは、
Aは、縮合ヘテロシクロアルカンジイルを伴う縮合アレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し、
式中、
は、水素、オキソ、アルコキシ(C≦12)、または置換アルコキシ(C≦12)であり、ただし、Yがオキソである場合、Yが結合している原子は二重結合の一部であり、Yが結合している原子が二重結合の一部である場合、Yはオキソであり;
は、水素、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX(Xはヒドロキシ保護基である)、−SX(Xはチオ保護基である)、または−NX(XまたはXの一方は一価のアミン保護基でありかつもう一方は水素であり、あるいは、X及びXは一緒になって二価のアミン保護基である)であり;
は、水素、アルキル(C≦12)、または置換アルキル(C≦12)であり;
は、0または1であり;
xは、1、2、3、または4であり;あるいは、
Aは縮合ヘテロアレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し、
式中、
、Z、及びZは、それぞれ独立して、CR’、NR’’、O、またはSから選択され;
及びR’は、それぞれ独立して、水素、アミノ、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、ニトロ、スルファト、スルファミド;
アルキル(C≦6)、アルコキシ(C≦6)、アルキルアミノ(C≦6)、ジアルキルアミノ(C≦12)、アミド(C≦6)、またはこれらの基のうちいずれかの置換バージョンであり;
’’は、水素、アルキル(C≦12)、または置換アルキル(C≦12)であり;
ただし、Z、Z、またはZのうちの少なくとも1つが、NR’’、O、またはSであり;
は、1、2、3、または4であり;あるいは、
Aは縮合シクロアルカンジイルを伴う縮合アレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し、
式中、
及びYは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX(Xはヒドロキシ保護基である)、−SX(Xはチオ保護基である)、または−NX(XまたはXの一方は一価のアミン保護基でありもう一方は水素であり、あるいは、X及びXは一緒になって二価のアミン保護基である)から選択され;
10は、水素、オキソ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX(Xはヒドロキシ保護基である)、−SX(Xはチオ保護基である)、または−NX(XまたはXの一方は一価のアミン保護基でありかつもう一方は水素であり、あるいは、X及びXは一緒になって二価のアミン保護基である)であり、ただし、Yがオキソである場合はYが結合している原子は二重結合の一部であり、Yが結合している原子が二重結合の一部である場合はYはオキソであり;
は、0または1であり;
yは、0、1、2、3、4、5、6、7、または8であり;
Aは、縮合アレーンジイルであり、構造:
Figure 2017537968
を有し、
式中、
11及びY12は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX(Xはヒドロキシ保護基である)、−SX(Xはチオ保護基である)、または−NX(XまたはXの一方は一価のアミン保護基でありもう一方は水素であり、あるいは、X及びXは一緒になって二価のアミン保護基である)から選択され;
13は、水素、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX(Xはヒドロキシ保護基である)、−SX(Xはチオ保護基である)、または−NX(XまたはXの一方は一価のアミン保護基でありかつもう一方は水素であり、あるいは、X及びXは一緒になって二価のアミン保護基である)であり、ただし、Yがオキソである場合はYが結合している原子は二重結合の一部であり、Yが結合している原子が二重結合の一部である場合はYはオキソであり;
は、0、1、2、3、または4であり;
ただし、Aが、式:
Figure 2017537968
の縮合シクロアルカンジイルである場合、Rはヒドロキシではなく、かつRまたはRのいずれかはメトキシである]。
加えて、本開示で提供される化合物は、例えば、上記の発明の概要の項ならびに、下記の実施例及び請求項に示されている。化合物は、実施例の項に概説されている方法を用いて作製することができる。トリオキサカルシン及びその誘導体は、例えば、下記の実施例に記載されている方法に従って合成することができる。こうした方法は、当業者によって適用される有機化学の原理及び手法を用いて、さらに修正して最適化することができる。このような原理及び手法は、例えば、参照によって本明細書に組み込まれているMarch’s Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure(2007)に教示されている。
本開示のトリオキサカルシン及び誘導体は、1つまたは複数の非対称置換炭素または窒素原子を含有してもよく、また光学的活性形態またはラセミ形態で単離されてもよい。したがって、特定の立体化学または異性体形態が具体的に示されない限り、全てのキラル、ジアステレオマー、ラセミ形態、エピマー形態及び、1つの化学式における全ての幾何学的異性体形態が意図されている。化合物は、ラセミ体及びラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物及び個々のジアステレオマーとして生じ得る。一部の実施形態では、単一のジアステレオマーが得られる。本発明の化合物のキラル中心は、S立体配置を有してもR立体配置を有してもよい。
本開示のトリオキサカルシン及びその誘導体を表すために用いられる化学式は、通常は、考えられるいくつかの異なる互変異性体のうちの1つを示しているに過ぎない。例えば、多くの型のケトン基が、対応するエノール基と平衡状態で存在することが知られている。同様に、多くの型のイミン基が、エナミン基と平衡状態で存在することが知られている。所与の化合物についてどの互変異性体が記述されているかにかかわらず、そしてどの互変異性体が最も優勢であるかにかかわらず、所与の化学式の全ての互変異性体が意図されている。
本開示のトリオキサカルシン及びその誘導体は、本明細書に記述の適応症で使用するためかそうでないかにかかわらず、従来技術において公知の化合物よりも、効果的であり、毒性が少なく、長く作用し、強力であり、副作用が少なく、容易に吸収され、かつ/または良好な薬物動態プロファイル(例えば、経口での高い生体利用能及び/または低いクリアランス)を有し、かつ/または他の有用な薬理学的、物理的、または化学的性質を有する、といった利点も有し得る。
加えて、本開示のトリオキサカルシン及びその誘導体を構成する原子については、このような原子の全ての同位体形態が含まれることが意図されている。本明細書で使用される場合、同位体には、同じ原子番号だが異なった質量数を有する原子が含まれる。一般的な例としては、ただし限定するものではないが、水素の同位体には三重水素及び重水素が含まれ、炭素の同位体には13C及び14Cが含まれる。
また、本開示のトリオキサカルシン及び誘導体は、プロドラッグ形態でも存在し得る。プロドラッグは、医薬品における多くの所望の品質(例えば、可溶性、生体利用能、製造など)を強化することが知られているため、本開示の一部の方法で用いられる化合物は、所望の場合、プロドラッグ形態で送達することができる。よって、本発明では、本発明の化合物のプロドラッグに加えて、プロドラッグを送達する方法も企図されている。本開示で用いられているトリオキサカルシンのプロドラッグ及びその誘導体は、化合物に存在する官能基を修飾し、この修飾を通例の操作またはインビボで親化合物から切断するといった方法で調製することができる。従って、プロドラッグには、例えば、本明細書に記載の化合物が含まれ、プロドラッグが対象に投与されるときに切断する任意の基は、ヒドロキシ基、アミノ基、またはカルボキシ基と結合して、それぞれヒドロキシ酸、アミノ酸、またはカルボキシ酸を形成する。
本明細書で提供される化合物の任意の塩形態の一部を形成する特定のアニオンまたはカチオンは、その塩が全体として薬理学的に許容される限りにおいては、不可欠なものではない。薬学的に許容される塩ならびにその調製及び使用方法についてのさらなる例は、参照によって本明細書に組み込まれている、Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,and Use(2002)に示されている。
有機化学分野の当業者であれば、多くの有機化合物は、自らの反応または沈殿もしくは結晶化が行われる溶媒と錯体を形成し得ることを理解するであろう。これらの錯体は、「溶媒和物」として知られている。例えば、水との錯体は、「水和物」として知られている。本明細書で提供されるトリオキサカルシンの溶媒和物及びその誘導体は、本発明の範囲内である。また、有機化学分野の当業者であれば、多くの有機化合物が2つ以上の結晶形態で存在し得ることも理解するであろう。例えば、結晶形態は、溶媒和物によって様々であり得る。従って、トリオキサカルシン及びその誘導体の全ての結晶形態、またはその薬学的に許容される溶媒和物は、本発明の範囲内である。
B.製剤
本開示の一部の実施形態では、化合物は医薬製剤に含まれる。マイクロスフェア及び/またはマイクロカプセルの調製で使用するための材料は、例えば、ポリガラクチン、ポリ(イソブチルシアノアクリレート)、ポリ(2−ヒドロキシエチル−L−グルタミン)及びポリ(乳酸)などの、生分解性/生体浸食性ポリマーである。徐放性の非経口製剤を配合する際に使用することができる生体適合性担体は、炭水化物(例えば、デキストラン)、タンパク質(例えば、アルブミン)、リポタンパク質、または抗体である。移植で使用する材料は、非生分解性(例えば、ポリジメチルシロキサン)または生分解性(例えば、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)もしくはポリ(オルトエステル)またはこれらの組合せ)であり得る。
経口使用のための製剤には、無毒の薬学的に許容される賦形剤との混合物に活性成分(複数可)(例えば、トリオキサカルシンとその誘導体)を含有する錠剤が含まれる。このような製剤は、当業者に公知である。賦形剤は、例えば、以下のものであり得る:不活性希釈剤または充填剤(例えば、スクロース、ソルビトール、糖、マンニトール、微晶質セルロース、ジャガイモデンプンを含めたデンプン、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、またはリン酸ナトリウム);造粒剤及び崩壊剤(微晶質セルロースを含めたセルロース誘導体、ジャガイモデンプンを含めたデンプン、クロスカルメロースナトリウム、アルギネート、またはアルギン酸);結合剤(例えば、スクロース、グルコース、ソルビトール、アラビアゴム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、デンプン、アルファ化デンプン、微晶質セルロース、ケイ酸アルミウニムマグネシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、またはポリエチレングリコール);ならびに、潤滑剤、滑剤及び反接着剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、シリカ、水素化植物油、またはタルク)。他の薬学的に許容される賦形剤は、着色剤、着香剤、可塑剤、湿潤剤、緩衝剤、などであり得る。
錠剤は、コーティングされていなくてもよく、公知の手法によってコーティングされていてもよく、また任意選択で、消化管内の分解及び吸収を遅延させて長期間にわたる持続作用を提供するためにコーティングされていてもよい。コーティングは、(例えば、徐放性製剤を達成するために)所定のパターンで活性薬物を放出するように適合させてもよく、または、胃を通過するまで活性薬物を放出しないように適合させてもよい(腸溶コーティング)。コーティングは、以下のものであり得る:糖衣、フィルムコーティング(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アクリレートコポリマー、ポリエチレングリコール及び/またはポリビニルピロリドン系)、または腸溶コーティング(例えば、メタクリル酸コポリマー、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、ポリ酢酸ビニルフタレート、シェラック、及び/またはエチルセルロース系)。さらに、遅延材料、例えば、モノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリルなどを用いてもよい。
II.細菌感染
現開示の一部の態様では、本明細書に開示の化合物は、細菌感染を治療するために使用することができる。ヒトは、体内外に多数の異なる細菌を含有するが、細菌レベルの不平衡または病原細菌の導入によって症候性細菌感染が引き起こされ得る。病原細菌は、以下に限定されないが、多数の食物経由の病気、腸チフス熱、結核、肺炎、梅毒およびハンセン病を含めた、様々な異なる疾患を引き起こす。
加えて、種々の細菌は身体との広範囲の相互作用を備え、こうした相互作用が細菌の感染を引き起こす能力を調節し得る。例えば、細菌は条件付きで病原体となり得るものであり、特定の条件下でしか感染を引き起こさない。例えば、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)及びストレプトコッカス属(Streptococcus)の細菌は、正常なヒトの細菌生物群系に存在するが、これらの細菌が身体の他の部分でコロニー形成できるようになると、皮膚感染症、肺炎、またはセプシスを引き起こす。日和見病原体として知られている他の細菌は、免疫系が弱まっているかまたは別の疾患もしくは障害にかかっている患者にのみ疾患を引き起こす。
細菌は、宿主生物の細胞内で成長及び繁殖することができる細胞内病原体でもあり得る。このような細菌は、2つの主要なカテゴリー、偏性細胞内寄生体または通性細胞内寄生体のいずれかとして分類することができる。偏性細胞内寄生体は、繁殖するために宿主細胞を必要とし、以下に限定されないが、クラミドフィラ属(Chlamydophila)、リケッチア属(Rickettsia)、及びエールリキア属(Ehrlichia)が含まれ、これらは、肺炎、尿路感染症、チフス、及びロッキー山熱を引き起こすことで知られる。通性細胞内寄生体は、細胞内でも細胞外でも繁殖することができる。偏性細胞内寄生体のいくつかの非限定的例としては、サルモネラ属(Salmonella)、リステリア属(Listeria)、レジオネラ属(Legionella)、マイコバクテリウム属(Mycobacterium)、及びブルセラ属(Brucella)が挙げられ、これらは食中毒、腸チフス熱、セプシス、髄膜炎、レジオネラ症、結核、ハンセン病およびブルセラ症を引き起こすことで知られる。
最終的に、細菌感染は、身体内または身体上の特定の位置を標的に定め得る。例えば、単に細菌が特定の器官に曝露される場合は無害であり得るが、細菌が特定の器官または組織に接触すると、自己複製を始めて細菌感染を引き起こす恐れがある。
A.グラム陽性細菌
本開示の一部の態様では、本明細書に開示の化合物は、グラム陽性細菌による細菌感染を治療するために使用することができる。グラム陽性細菌は、細胞壁内に厚いペプチドグリカン層を含有し、これは、クリスタルバイオレットで染色したときに細菌による染色の放出を妨げる。理論に拘束されるものではないが、グラム陽性細菌は、抗生物質に比較的感受性が高いことが多い。概して、グラム陽性細菌は、厚いペプチドグリカン層に加えて脂質の単層も含み、また脂質に反応してリポタイコ酸を形成するタイコ酸を含有する。リポタイコ酸はキレート剤として作用することができる。さらに、グラム陽性細菌において、ペプチドグリカン層は細菌の外表面である。多くのグラム陽性細菌は、以下に限定されないが、ストレプトコッカス属、スタフィロコッカス属、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、リステリア属、バシラス属(Bacillus)、クロストリジウム属(Clostridium)、ラサイバクター属(Rathybacter)、レイフソニア属(Leifsonia)、及びクラビバクター属(Clavibacter)を含み、疾患を引き起こすことが知られている。
B.グラム陰性細菌
本開示の一部の態様では、本明細書に開示の化合物は、グラム陰性細菌による細菌感染を治療するために使用することができる。グラム陰性細菌は、アルコールで洗浄した後は、クリスタルバイオレットの染色を保持しない。一方、グラム陰性細菌は、リポ多糖とリン脂質の外膜を伴う薄いペプチドグリカン層を有し、それに加えてペプチドグリカンと細胞外膜との間にペリプラズム間隙と呼ばれる間隙を有する。概して、グラム陰性細菌は、外膜内にタイコ酸もリポタイコ酸も有しない。概して、グラム陰性細菌はいくらかの内毒素も放出し、特定の化合物用の分子輸送単位として作用するプリオンを含有する。ほとんどの細菌がグラム陰性である。グラム陰性細菌のいくつかの非限定的例としては、ボルデテラ属(Bordetella)、ボレリア属(Borrelia)、ブルセラ属(Burcelia)、カンピロバクター属(Campylobacteria)、エスケリキア属(Escherichia)、フランシセラ属(Francisella)、ヘモフィラス属(Haemophilus)、ヘリコバクター属(Helicobacter)、レジオネラ属、レプトスピラ属(Leptospira)、ナイセリア属(Neisseria)、シュードモナス属(Pseudomonas)、リケッチア属、サルモネラ属、シゲラ属(Shigella)、トレポネーマ属(Treponema)、ビブリオ属(Vibrio)、及びエルシニア属(Yersinia)が挙げられる。
C.グラム不定型細菌
本開示の一部の態様では、本明細書に開示の化合物は、グラム不定型細菌による細菌感染を治療するために使用することができる。グラム不定型細菌は、クリスタルバイオレットに曝露されたときに、完全にも部分的にも染色しない。理論に拘束されるものではないが、グラム不定型細菌は、グラム陽性細菌の一部の性質とグラム陰性細菌の一部の性質とを示し得る。グラム不定型細菌の非限定的例としては、ヒト型結核菌(mycobacterium tuberculosis)またはマイコバクテリウム・レプラエ(mycobacterium leprae)が挙げられる。
III.過剰増殖性疾患
A.がん及び他の過剰増殖性疾患
過剰増殖性疾患は、細胞に制御不能な繁殖を開始させる任意の疾患と関連し得るが、その典型的な例はがんである。がんの重要な要素の1つは、細胞の正常なアポトーシスサイクルが妨げられることであり、従って、細胞の成長を妨げる薬剤はこれらの疾患を治療するための治療薬剤として重要である。本開示では、トリオキサカルシン及びその誘導体は、細胞数の減少をもたらすために使用することができ、そのため様々な型のがん系統の治療に使用することができる可能性を備えている。一部の態様では、本開示のトリオキサカルシン及びその誘導体は、実質的に任意の悪性腫瘍の治療に使用することができる。
本開示の化合物で治療することができるがん細胞としては、以下に限定されないが、膀胱、血液、骨、骨髄、脳、乳房、結腸、食道、胃腸、歯茎、頭部、腎臓、肝臓、肺、鼻咽頭、首、卵巣、前立腺、皮膚、胃、膵臓、精巣、舌、頚部、または子宮からの細胞が挙げられる。加えて、がんは、具体的には以下の組織学的型であり得るが、これらに限定されない:悪性新生物;がん腫;未分化がん腫;巨細胞と紡錘細胞がん;小細胞がん;乳頭状がん;扁平上皮がん;リンパ上皮がん;基底細胞がん;石灰化上皮がん;移行上皮がん;乳頭状移行上皮がん;腺がん;悪性ガストリン産生腫瘍;肝内胆管がん;肝細胞がん及び肝内胆管がんの合併症;小柱状腺がん;腺様嚢胞がん;腺腫性ポリープにおける腺がん;腺がん;家族性大腸腺腫症による腺がん;固形がん;悪性カルチノイド腫瘍;細気管支肺胞性腺がん;乳頭状腺がん;嫌色素性がん;好酸性がん;好酸素性腺がん;好塩基性がん;明細胞腺がん;顆粒細胞がん;濾胞性腺がん;乳頭状及び濾胞性腺がん;非被包性硬化性がん;副腎皮質がん;類内膜がん;皮膚付属器がん;アポクリン腺がん;皮脂腺がん;耳垢腺がん;粘膜表皮がん;嚢胞腺がん;乳頭状嚢胞腺がん;乳頭状漿液性嚢胞腺がん;ムチン性嚢胞腺がん;膠様腺がん;印環細胞がん;浸潤性腺管がん;髄様がん;小葉がん;炎症性がん;乳房パジェット病;腺房細胞がん;腺扁平上皮がん;扁平上皮化生を伴う腺がん;悪性胸腺腫;悪性卵巣間質腫瘍;悪性莢膜腫;悪性顆粒膜細胞腫;悪性男性ホルモン産生細胞腫;セルトリ細胞がん;悪性ライディッヒ細胞腫瘍;悪性脂質細胞腫瘍;悪性傍神経節腫;悪性乳房外傍神経節腫;褐色細胞腫;グロムス血管肉腫;悪性黒色腫;無色素性黒色腫;表在性拡大黒色腫;巨大色素性母斑における黒色腫;類上皮細胞黒色腫;悪性青色母斑; 肉腫;線維肉腫;悪性線維性組織球腫;粘液肉腫;脂肪肉腫;平滑筋肉腫;横紋筋肉腫;胎児性横紋筋肉間質肉腫;胞巣状横紋筋肉腫;間質肉腫;悪性混合腫瘍;ミュラー管混合腫瘍;腎芽腫;肝芽腫;がん肉腫;悪性間葉腫;悪性ブレンネル腫瘍;悪性葉状腫瘍;滑膜肉腫;悪性中皮腫;卵巣精上皮腫;胎生期がん;悪性テラトーマ;悪性卵巣甲状腺腫;絨毛がん;悪性中腎腫;血管肉腫;悪性血管内皮腫;カポジ肉腫;悪性血管周皮腫;リンパ管肉腫;骨肉腫;傍骨性骨肉腫;軟骨肉腫;悪性軟骨芽腫;間葉性軟骨肉腫;骨の巨細胞腫;ユーイング肉腫;悪性歯原性腫瘍;エナメル芽細胞歯芽肉腫;悪性エナメル上皮腫;エナメル芽細胞線維肉腫;悪性の松果体腫;脊索腫;悪性膠腫;脳室上衣腫;星状細胞腫;原形質性星状細胞腫;原線維性星状細胞腫;星状芽細胞腫;膠芽腫;乏突起膠腫;希突起膠芽腫;原始神経外胚葉性(primitive neuroectodermal);小脳肉腫;節芽細胞腫;神経芽細胞腫;網膜芽腫;嗅覚神経原性腫瘍;悪性髄膜腫;神経線維肉腫;悪性神経鞘肉腫;悪性顆粒細胞腫瘍;悪性リンパ腫;ホジキン病;傍肉芽腫;悪性リンパ腫(小リンパ球性);悪性リンパ腫(大細胞型びまん性);悪性リンパ腫、濾胞性;菌状息肉症;他の特定の非ホジキンリンパ腫;悪性組織球症;多発骨髄腫;マスト細胞肉腫;免疫増殖性小腸疾患;白血病;リンパ性白血病;形質細胞白血病;赤白血病;リンパ肉腫細胞性白血病;骨髄性白血病;好塩基性白血病;好酸球性白血病;単球性白血病;マスト細胞白血病;巨核芽球性白血病;骨髄様肉腫;及び有毛細胞白血病。ある特定の態様では、腫瘍は、骨肉腫、血管肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、ユーイング肉腫、膠芽腫、神経芽細胞腫、または白血病を含み得る。
IV.細胞標的部分
一部の態様では、本開示は細胞標的部分に直接結合しているかまたはリンカーを通じて結合している化合物を提供する。一部の実施形態では、化合物の細胞標的部分に対する結合は、疾患または障害の治療における化合物の有効性を増大させる。実施形態による細胞標的部分は、例えば、抗体、増殖因子、ホルモン、ペプチド、アプタマー、小分子(例えば、ホルモン、画像診断剤、または補因子など)、またはサイトカインであり得る。例えば、実施形態による細胞標的部分は、Hep3B細胞などの肝臓がん細胞に結びつくことができる。このgp240抗原は、様々な黒色腫内で発現されるが正常組織内では発現されないことが実証されている。従って、一部の実施形態では、本開示の化合物は、がん細胞によって発現されるが正常な組織内では発現されない特定の抗原のための抗体と共に使用することができる。
ある特定のさらなる実施形態では、がん細胞標的部分が複数の型のがん細胞と結びつくことが想定されている。例えば、8H9モノクローナル抗体及びそれに由来する単鎖抗体は、乳がん、肉腫及び神経芽細胞腫上に発現される糖タンパク質に結びつく(Onda et al.,2004)。別の例は、米国特許公開第2004/005647号及びWinthrop et al.(2003)に記載されている細胞標的剤であり、これは、様々な型のがん上に発現される抗原MUC−1に結びつく。従って、ある特定の実施形態では、実施形態による細胞標的コンストラクトが複数の型のがんまたは腫瘍を標的にし得ることが理解されるであろう。
加えて、ある特定の細胞表面分子は、ホルモン受容体(例えば、ヒトの絨毛膜性腺刺激ホルモン受容体および性腺刺激ホルモン放出ホルモン受容体)を含めた腫瘍細胞内に高度に発現される(Nechushtan et al.,1997)。そのために、対応するホルモンは、細胞特異的標的部分としてがん療法で使用することができる。さらに、使用することができる細胞標的部分としては、補因子、糖、薬物分子、画像診断剤、または螢光色素が挙げられる。多くのがん性細胞が葉酸塩受容体を過剰発現することが知られているため、葉酸または他の葉酸塩誘導体を結合体として使用して、本開示の結合体と細胞との間の細胞特異的相互作用を作動させることができる(Campbell,et al.,1991;Weitman,et al.,1992)。
様々な系統の造血細胞において多数の細胞表面受容体が同定されているので、これらの受容体に特異的なリガンドまたは抗体を細胞特異的標的部分として使用することができる。IL−2は、キメラタンパク質内の細胞特異的標的部分として使用してIL−2R+細胞を標的にすることもできる。あるいは、B7−1、B7−2及びCD40などの他の分子を使用して、活性化T細胞を特異的に標的にすることができる(The Leucocyte Antigen Facts Book,1993,Barclay et al.(eds.),Academic Press)。さらに、B細胞はCD19、CD40およびIL−4受容体を発現するので、これらの受容体に結びつく部分、例えば、CD40リガンド、IL−4、IL−5、IL−6及びCD28などによる標的対象となり得る。T細胞及びB細胞などの免疫細胞の排除は、リンパ系腫瘍の治療に特に有用である。
特定の細胞サブセットを標的とするために使用することができる他のサイトカインとしては、インターロイキン(IL−1〜IL−15)、顆粒球コロニー刺激因子、マクロファージコロニー刺激因子、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、白血病抑制因子、腫瘍壊死因子、形質転換成長因子、上皮成長因子、インスリン様細胞成長因子、及び/または線維芽細胞成長因子が挙げられる(Thompson(ed.),1994,The Cytokine Handbook,Academic Press,San Diego)。一部の態様では、標的ポリペプチドは、TWEAKなどのFn14受容体に結びつくサイトカインである(例えば、参照により本明細書に組み込まれているWinkles,2008;Zhou et al.,2011及びBurkly et al.,2007を参照)。
当業者は、以下を含めた様々な公知のサイトカインが存在することを認識している:ヘマトポエチン(4ヘリックス束)(例えば、EPO(エリスロポエチン)など)、IL−2(T細胞成長因子)、IL−3(マルチコロニーCSF)、IL−4(BCGF−1、BSF−1)、IL−5(BCGF−2)、IL−6 IL−4(IFN−β2、BSF−2、BCDF)、IL−7、IL−8、IL−9、IL−11、IL−13(P600)、G−CSF、IL−15(T細胞成長因子)、GM−CSF(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子)、OSM(OM、オンコスタチンM)、及びLIF(白血病抑制因子));インターフェロン(例えば、IFN−γ、IFN−α、及びIFN−βなど);免疫グロブリンスーパーファミリー(例えば、B7.1(CD80)、及びB7.2(B70、CD86)など); TNFファミリー(例えば、TNF−α(カケクチン)、TNF−β(リンホトキシン、LT、LT−α)、LT−β、CD40リガンド(CD40L)、Fasリガンド(FasL)、CD27リガンド(CD27L)、CD30リガンド(CD30L)、及び4−1BBLなど);ならびに特定のファミリーに割り当てられていないサイトカイン(例えば、TGF−β、IL 1α、IL−1β、IL−1 Ra、IL−10(サイトカイン合成阻害剤F)、IL−12(NK細胞刺激性因子)、MIF、IL−16、IL−17(mCTLA−8)、及び/またはIL−18(IGIF、インターフェロン−γ誘導因子)など)。さらに、抗体の重鎖のFc部分を、Fc受容体発現細胞を標的にするために使用することができ、例えばIgE抗体のFc部分をマスト細胞及び好塩基球を標的にするために使用することができる。
さらに、一部の態様では、細胞標的部分はペプチド配列あるいは環状ペプチドであってもよい。実施形態に従って使用することができる細胞または組織標的ペプチドの例は、例えば、米国特許第6,232,287号、同第6,528,481号、同第7,452,964号、同第7,671,010号、同第7,781,565号、同第8,507,445、及び同第8,450,278号で提供されており、これらの各々が参照によって本明細書に組み込まれている。
従って、一部の実施形態では、細胞標的部分は抗体またはアビマー(avimer)である。抗体及びアビマーは、実質的に任意の細胞表面マーカーに対して産生することができ、よって、対象となる実質的に任意の細胞集団に対するGrBの送達を目標とする方法が提供される。細胞標的部分として使用することができる抗体の産生方法は、以下に詳述する。所与の細胞表面マーカーに結びつくアビマーを産生するための方法は、米国特許公開第2006/0234299号及び同第2006/0223114号に詳述されており、各々が参照によって本明細書に組み込まれている。
V.療法
A.医薬製剤及び投与経路
臨床応用が考慮されている場合、意図された用途に適切な形態での医薬組成物の調製が必要ということになる。一部の実施形態では、本開示の化合物を有するこのような製剤が考慮されている。概して、このためには、本質的に発熱物質が存在せず、加えて人または動物に有害であり得る他の不純物も存在しない組成物の調製が必要ということになる。
送達ベクターを安定させ、標的細胞による取り込みを可能にするための適切な塩及び緩衝液を用いることが概して望まれる。緩衝液は、組換え型細胞が患者の中に導入される際にも用いられることになる。本発明の水性組成物は、薬学的に許容される担体または水性媒体中に溶解または分散している、細胞に対するベクターを有効量で含む。このような組成物は、接種物とも呼ばれる。「薬学的にまたは薬理学的に許容される」というフレーズは、動物またはヒトに投与される際に、有害反応、アレルギー反応、または他の副作用を生じない分子実体及び組成物を指す。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」には、任意かつ全ての溶媒、分散媒、コーティング、抗細菌性剤及び抗真菌性剤、等張剤及び吸収遅延剤などが含まれる。薬学的活性物質のためのこのような媒体および薬剤の使用は当技術分野で周知である。任意の従来の媒体または薬剤が本発明のベクターまたは細胞と互換性がない場合を除き、治療用組成物におけるその使用が考慮されている。付加的な活性成分もこの組成物に組み込むことができる。
本発明の活性組成物には、代表的な医薬品調製が含まれ得る。本発明によるこれらの組成物の投与は、標的組織がその経路を介して利用可能である限り、任意の一般的経路を介して行われることになる。このような経路には、経口、鼻、頬側、直腸、腟または局所の経路が含まれる。あるいは、投与は、同所、皮内、皮下、筋肉内、腫瘍内、腹腔内、または静脈内の注射によって行うことができる。このような組成物は、通常、上記に記載される薬学的に許容される組成物として投与されるであろう。
活性化合物は、非経口で投与することも腹腔内に投与することもできる。遊離塩基としての活性化合物または薬理学的に許容される塩の溶液は、ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤と好適に混合した水中で調製することができる。また、分散液は、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、及びこれらの混合物中ならびに油中でも調製することができる。通常の貯蔵条件及び使用条件下では、これらの調製物は微生物の成長を防ぐために保存剤を含有する。
注射用に好適な医薬品形態には、無菌水溶液または分散液、及び無菌注射溶液または分散液を即時調製するための無菌散剤が含まれる。全ての場合において、この形態は、無菌でなければならず、かつ注射の容易さを損ねない程度の流体でなければならない。この形態は、製造条件及び貯蔵条件下で安定性でなければならず、かつ細菌及び真菌などの微生物の汚染作用から守られなければならない。担体は、溶媒であっても分散媒であってもよく、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコールなど)、これらの好適な混合物ならびに植物油を含有する。適正な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用、分散させる場合には必要な粒径の維持、及び界面活性剤の使用によって維持され得る。微生物作用の予防は、様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどによってもたらされ得る。多くの場合、好ましくは等張剤(例えば、糖または塩化ナトリウム)を含ませることになる。注射用組成物の持続的吸収は、吸収を遅らせる薬剤の組成物、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを使用することによってもたらされ得る。
無菌注射溶液は、必要な量の活性化合物を、必要に応じ上に列挙された様々な他の成分と共に、適切な溶媒中に組み込み、次に濾過滅菌を行うことによって調製される。概して、分散液は、様々な無菌化された活性成分を、塩基性分散媒を含有する無菌ビヒクル及び上に列挙されたうちの必要な成分に組み込むことによって調製される。無菌注射溶液の調製用の無菌散剤の場合には、好ましい調製方法は、真空乾燥および冷凍乾燥手法であり、これにより、先に滅菌濾過された溶液から活性成分に任意のさらなる所望の成分を加えた散剤がもたらされる。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」には、任意かつ全ての溶媒、分散媒、コーティング、抗細菌性剤及び抗真菌性剤、等張剤及び吸収遅延剤などが含まれる。薬学的活性物質のためのこのような媒体および薬剤の使用は当技術分野で周知である。任意の従来の媒体または薬剤は、活性成分と不適合である場合を除き、医薬組成物における使用が考慮されている。付加的な活性成分もこの組成物に組み込むことができる。
経口投与については、本開示のトリオキサカルシン及びその誘導体を賦形剤に組み込み、非経口摂取型の洗口剤及び歯磨き剤の形態で使用することができる。洗口剤は、必要な量の活性成分を、ホウ酸ナトリウム(ドーベル液)などの適切な溶媒中に組み込むことによって調製される。あるいは、活性成分は、ホウ酸ナトリウム、グリセリン及び炭酸水素カリウムを含有する殺菌洗浄液に組み込んでもよい。また活性成分は、ゲル、ペースト、散剤及びスラリーを含めた歯磨き剤中に分散させてもよい。活性成分は、治療有効量を、水、結合剤、研磨材、着香剤、発泡剤及び湿潤剤を含み得る歯磨きペーストに添加してもよい。
本開示の組成物は、中性形態または塩形態で配合することができる。薬学的に許容される塩には、(タンパク質の遊離アミノ基で形成された)酸付加塩が含まれ、これは、例えば塩酸もしくはリン酸などの無機酸、または酢酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸などの有機酸で形成される。遊離カルボキシル基で形成された塩は、無機塩基(例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、または水酸化鉄など)、及び有機塩基(例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジン、プロカインなど)に由来し得る。
製剤において、溶液は、投薬製剤に互換性がある方法でかつ治療有効量で投与されることになる。製剤は、注射溶液、薬物放出カプセルなどの様々な剤形で容易に投与される。水溶液における非経口投与については、例えば、溶液は必要な場合緩衝すべきであり、液体希釈剤はまず十分な生理的食塩水またはグルコースで等張にする。これらの特定の水溶液は、静脈内、筋肉内、皮下、及び腹腔内の投与に特に好適である。これに関連し、用いることができる無菌水性媒体は、本開示に照らして当業者にとって公知であろう。例えば、1投薬量を1mlの等張NaCl溶液に溶解させ、1000mlの皮下注入流体に添加するか、または提案された注入部位に注射することができるであろう(例えば、「Remington’s Pharmaceutical Sciences,”15th Edition」1035−1038頁及び1570−1580頁を参照)。治療を受けている対象の状態によっては、投薬量の変動が必然的に生じることになる。投与の担当者は、いずれの場合においても、個々の対象に適切な用量を決定することになる。さらに、ヒトへの投与については、調製物は、FDAのOffice of Biologicsの基準で要求される無菌性、発熱原性、一般的安全性および純度の基準を満たすべきである。
B.治療方法
特に、対象(例えば、ヒト対象)における微生物感染及びがんの治療に使用することができる組成物が本明細書に開示されている。上記の組成物は、好ましくは哺乳類(例えば、齧歯類、ヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ウシ、ヒツジ、ウマ、ネコなど)に有効量で、すなわち、治療対象に所望の結果をもたらす(例えば、がん性細胞のアポトーシスを引き起こすかまたは細菌細胞を死滅させる)ことが可能な量で、投与される。本発明の方法で利用されている組成物の毒性及び治療有効性は、標準的な製薬手順によって決定することができる。医学及び獣医学の技術分野において周知のように、任意の動物1頭のための投薬量は、対象のサイズ、体表面積、体重、年齢、投与される特定の組成物、投与の時間及び経路、全体的健康状態、感染またはがんによる臨床的症状、及び同時に投与される他の薬物を含めて、多くの因子に依存する。本明細書に記載の組成物は、典型的には、細菌細胞の成長または増殖を阻害する投薬量、バイオフィルムの成長を阻害する投薬量、またはがん性細胞の死滅を誘導する(例えば、がん細胞のアポトーシスを誘導する)投薬量で投与され、これは、血液学的パラメーター(全血球計算(CBC))における低下、またはがん細胞の成長もしくは増殖の低下を確認することによりアッセイされる。一部の実施形態では、細菌の成長阻害またはがん細胞のアポトーシス誘導に使用されるトリオキサカルシン誘導体の量は、約0.01mg〜約10,000mg/日と算定される。一部の実施形態では、その量は、約1mg〜約1,000mg/日である。一部の実施形態では、特定の患者の生物学的因子(例えば、薬物の代謝的分解の増加または減少、または経口投与の場合における、消化管による摂取の増加または減少、など)に基づいて、これらの投薬を減らすかまたは増やすことができる。加えて、トリオキサカルシンの新規誘導体は、より有効であり得るため、同様の効果を達成するために必要な用量がより少量となる。この用量での投与は、典型的には1日に1回であり、数週間かまたはがん細胞の十分な低減が達成されるまで行われる。
概して、本発明の治療方法(予防的治療を含む)には、治療有効量の本明細書に記載の組成物を、それを必要とする対象(哺乳類、特にヒトを含む)に投与することが含まれる。このような治療は、疾患、障害、またはこれらの症状を患っている、有する、それにかかりやすい、またはそうなる危険がある対象、特にヒトに、好適に投与されるであろう。こうした対象が「そうなる危険がある」かの判定は、対象または医療提供者の診断検査または所見(例えば、遺伝子検査、酵素またはタンパク質マーカー、(本明細書で定義される)マーカー、家族歴など)による客観的または主観的判定によってなされ得る。
一実施形態では、本発明は治療経過をモニターする方法を提供する。この方法には、がん(例えば、白血病)に関連する障害またはその症状を患っているかまたはそれにかかりやすい対象であって、その障害またはその症状において本明細書に記載の組成物を投与されている対象における、血液学的パラメーターにおける変化レベル、及び/または、細胞表面タンパク質を診断マーカーとして用いるがん幹細胞(CSC)分析(例えば、以下に限定されないが、CD34、CD38、CD90、及びCD117が含まれ得る)における変化レベル、または診断的測定(例えば、スクリーニング、アッセイ)における変化レベル、を判定するステップが含まれる。この方法で判定されるマーカーレベルは、健康な正常対照または他の罹患している患者のいずれかのマーカーレベルと比較して、対象の疾患状態を確立させることができる。好ましい実施形態では、対象の第2のマーカーレベルを第1のレベルの判定よりも後の時点で判定し、これら2つのレベルを比較して疾患の過程または療法の有効性をモニターする。ある特定の好ましい実施形態では、本明細書に記載の方法による治療を開始する前に、対象の治療前のマーカーレベルを判定し、次に、この治療前のマーカーレベルを治療開始後の対象のマーカーレベルと比較して、治療の有効性を判定する。
C.併用療法
本明細書に記載のトリオキサカルシン誘導体は、併用療法で追加の抗菌剤(例えば、患者が経験する副作用のうちの1つまたは複数を緩和する抗生物質または化合物など)と共に使用され得ることが考慮されている。
さらに、がん療法の分野では、療法様式を組み合わせることが非常に一般的である。以下は、本開示の療法と共に使用され得る療法の全般的考察である。
本開示の方法及び組成物を用いてがんを治療するためには、概して、腫瘍細胞または対象を化合物及び少なくとも1つの他の療法に接触させることになるであろう。これらの療法は、1つまたは複数の疾患パラメーターの低減の達成に有効な合計量で提供されるであろう。このプロセスは、細胞/対象を、同時に両方の薬剤/療法に接触させることを伴い、これは例えば、両方の薬剤を含む単一の組成物または薬理学的製剤を用いるか、または細胞/対象を、2つの別々の組成物または製剤(一方の組成物が本化合物を含み、もう一方が他の薬剤を含む)に接触させることによって行われる。
あるいは、本開示のトリオキサカルシン誘導体は、分単位から週単位の範囲の間隔で、他の治療に先行するかまたは追従してもよい。これらの療法が依然有利な併用効果を細胞/対象に発揮できるように、概して、各々の送達時間の間に著しい時間期間が過ぎないよう注意を払うことになるであろう。このような場合、両方の様式を、相互に約12〜24時間以内、相互に約6〜12時間、または単に約12時間の遅延時間で、細胞に接触させることが考慮されている。ただし、一部の状況では、治療の時間期間を著しく延長することが望ましい場合もあり、その場合、それぞれの投与間の経過時間は、数日(2、3、4、5、6または7日)〜数週間(1、2、3、4、5、6、7または8週間)となる。
また、本化合物またはもう一方の療法のいずれかの投与を2回以上行うことが望ましくなる場合も考えられる。以下に例示するように、本開示の化合物を「A」、もう一方の療法を「B」とした様々な組合せが用いられ得る。
Figure 2017537968
感染症に対して、本開示による薬剤との併用療法で使用するのに好適な薬剤または因子としては、ペニシリン、セファロスポリン、カルバペネム、マクロライド、アミノグリコシド、キノロン(フルオロキノロンを含む)、スルホンアミド及びテトラサイクリンなどの抗生物質が挙げられる。他の組合せも考慮されている。以下は、本開示の化合物との組合せで使用され得る抗生物質、抗ウイルス剤及びがん療法の全般的考察である。
1.抗生物質
用語「抗生物質」は、細菌の成長を阻害するかまたは細菌を死滅させることを通じて細菌感染の治療に使用され得る薬物である。いかなる理論にも拘泥するものではないが、抗生物質は、細菌を死滅させる殺菌剤、または細菌の成長を遅くするもしくは妨げる静菌剤、という2つの主要なクラスに分類することができる。
最初の市販の抗生物質は、1930年代に発売された。それ以来、多くの異なる抗生物質が開発され、広く処方されてきた。2010年には、平均で米国人の5人に4人が毎年抗生物質を処方されている。抗生物質の普及に対し、細菌は特定の抗生物質及び抗生物質機序に対する耐性を発達させるようになった。いかなる理論にも拘泥するものではないが、抗生物質を別の抗生物質と組み合わせて使用することで、耐性を調節し一方または両方の薬剤の有効性を強化することができる。
一部の実施形態では、抗生物質は広範囲のクラスに分類される。一部の実施形態では、本開示の化合物を別の抗生物質と共に使用することができる。一部の実施形態では、本化合物を、特定の細菌型を標的とする狭域性抗生物質と共に使用することができる。殺菌性抗生物質のいくつかの非限定的例としては、ペニシリン、セファロスポリン、ポリミキシン、リファマイシン、リピアルマイシン、キノロン、及びスルホンアミドが挙げられる。静菌性抗生物質のいくつかの非限定的例としては、マクロライド、リンコサミド、またはテトラサイクリンが挙げられる。一部の実施形態では、抗生物質は、以下のものである:カナマイシン及びストレプトマイシンなどのアミノグリコシド、リファキシミン及びゲルダナマイシンなどのアンサマイシン、ロラカルベフなどのカルバセフェム、エルタペネム、イミペネムなどのカルバペネム、セファレキシン、セフィキシム、セフェピム及びセフトビプロールなどのセファロスポリン、バンコマイシンまたはテイコプラニンなどのグリコペプチド、リンコマイシン及びクリンダマイシンなどのリンコサミド、ダプトマイシンなどのリポペプチド、クラリスロマイシン、スピラマイシン、アジスロマイシン及びテリスロマイシンなどのマクロライド、アズトレオナムなどのモノバクタム、フラゾリドン及びニトロフラントインなどのニトロフラン、リネゾリドなどのオキサゾリジノン、アモキシシリン、アズロシリン、フルクロキサシリン及びペニシリンGなどのペニシリン、バシトラシン、ポリミキシンB及びコリスチンなどの抗生物質ポリペプチド、シプロフロキサシン、レポフロキサシン及びガチフロキサシンなどのキノロン、スルファジアジン銀、マフェニド、スルファジメトキシン、またはスルファサラジンなどのスルホンアミド、あるいはデメクロサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、またはテトラサイクリンなどのテトラサイクリン。一部の実施形態では、本化合物は、マイコバクテリアに対して作用する薬物、例えば、シクロセリン、カプレオマイシン、エチオナミド、リファンピシン、リファブチン、リファペンチン及びストレプトマイシンなどと組み合わせることもできるであろう。併用療法用に考慮されている他の抗生物質としては、アルスフェナミン、クロラムフェニコール、ホスホマイシン、フシジン酸、メトロニダゾール、ムピロシン、プラテンシマイシン、キヌプリスチン、ダルホプリスチン、チアンフェニコール、チゲサイクリン、チニダゾール、またはトリメトプリムが挙げられ得る。
2.化学療法
用語「化学療法」は、がんを治療するための薬物使用を指す。「化学療法剤」は、がんの治療で投与される化合物または組成物を暗示するために使用される。これらの薬剤及び薬物は、細胞内における活動方式、例えば、細胞周期に影響を与えるかどうか、及びどの段階で細胞周期に影響を与えるかによって、カテゴリー分けされる。あるいは、薬剤は、DNAに直接架橋する能力、DNAにインターカレートする能力、または核酸合成に影響を与えることによって染色体及び有糸分裂の異常を誘導する能力に基づいて特徴づけることができる。ほとんどの化学療法剤は、以下のカテゴリーに分類される:アルキル化剤、代謝拮抗薬、抗腫瘍抗生物質、有糸分裂阻害剤、及びニトロソ尿素。
化学療法剤の例としては、以下のものが挙げられる:チオテパ及びシクロホスファミドなどのアルキル化剤;ブスルファン、イムプロスルファンおよびピポスルファンなどのアルキルスルホネート;ベンゾドパ、カルボコン、メツレドパ、およびウレドパなどのアジリジン; エチレンイミン及びメチラメラミン(methylamelamine)(アルトレタミン(altretamine)、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミド、及びトリメチルオロメラミン(trimethylolomelamine)を含む);アセトゲニン(特に、ブラタシン及びブラタシノン);カンプトセシン(その合成類似体トポテカンを含む);ブリオスタチン;カリスタチン;CC−1065(そのアドゼレシン、カルゼレシン及びビゼレシン合成類似体を含む);クリプトフィシン(特にクリプトフィシン1及びクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(その合成類似体、KW−2189及びCB1−TM1を含む);エレウテロビン;パンクラチスタチン;サルコジクチン(sarcodictyin);スポンジスタチン;ニトロジェンマスタード、例えば、クロランブシル、クロルナファジン、コロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、塩酸メクロレタミンオキシド、メルファラン、ノブエンビキン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタードなど;ニトロソ尿素、例えば、カルムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチン及びラニムスチンなど;エンジイン抗生物質などの抗生物質(例えば、カリチアマイシン、特にカリチアマイシンガンマlI及びカリチアマイシンオメガI1);ダイネミシン(ダイネミシンAウンシアラマイシン及びその誘導体を含む);クロドロネートなどのビスホスホネート;エスペラミシン;加えて、ネオカルチノスタチン発色団に関連する色素蛋白質エンジイン抗生物質発色団、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オースラルナイシン(authrarnycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ドキソルビシン(モルホリノ−ドキソルビシン、シアノモルホリノ−ドキソルビシン、2−ピロリノ−ドキソルビシン及びデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルチェロマイシン、マイトマイシンCなどのマイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラルマイシン(nogalarnycin)、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiromycin)、ピューロマイシン、クエラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;メトトレキセート及び5−フルオロウラシルなどの代謝拮抗薬(5−FU);葉酸類似体、例えば、デノプテリン、メトトレキセート、プテロプテリン、トリメトレキセートなど;プリン類似体、例えば、フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニンなど;ピリミジン類似体、例えば、アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジンなど;カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンなどのアンドロゲン;アミノグルテチミド、マイトテイン、トリロスタンなどの抗副腎剤;フォリン酸などの葉酸補充物;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラクセート(edatraxate);デホファミン(defofamine);デメコルチン;ジアジクオン;エルホルミチン(elformithine);酢酸エリプチニウム;エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダイニン(lonidainine);マイタンシン及びアンサマイトシンなどのマイタンシノイド;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダンモル(mopidanmol);ニトラエリン(nitraerine);ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ロソキサントロン;ポドフィリン酸;2−エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK多糖複合体);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジクオン;2,2’,2’’−トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(特にT−2トキシン、ベラクリン(verracurin)A、ロリジンA及びアングイジン);ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara−C」);シクロホスファミド;チオテパ;パクリタキセル及びドセタキセルなどのタキソイド;クロランブシル;ゲミシタビン;6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキセート;シスプラチン、オキサリプラチン及びカルボプラチンなどの白金配位錯体;ビンブラスチン;白金;エトポシド(VP−16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ノバントロン;テニポシド;エダトレキセート;ダウノマイシン;アミノプテリン;ゼローダ;イバンドロネート;イリノテカン(例えば、CPT−11);トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000; ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイン酸などのレチノイド;カペシタビン;シスプラチン(CDDP)、カルボプラチン、プロカルバジン、メクロレタミン、シクロホスファミド、カンプトセシン、イホスファミド、メルファラン、クロランブシル、ブスルファン、ニトロソ尿素、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、プリカマイシン、マイトマイシン、エトポシド(VP16)、タモキシフェン、ラロキシフェン、エストロゲン受容体結着剤、タクソール、パクリタキセル、ドセタキセル、ゲムシタビン、ナベルビン、ファルネシル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、トランス白金、5−フルオロウラシル、ビンクリスチン、ビンブラスチン及びメトトレキセート、並びに上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸または誘導体。
3.照射療法
放射線療法とも呼ばれる照射療法は、電離放射線を用いたがん及び他の疾患の治療法である。電離放射線は、遺伝物質にダメージを与えることによって治療部位の細胞を損傷するかまたは破壊するエネルギーを付与し、これらの細胞の成長が継続できないようにする。放射線は、がん細胞及び正常細胞の両方にダメージを与えるが、後者は自己修復し適正に機能することができる。
本発明に従って使用される放射線療法としては、以下に限定されないが、γ光線、X線、及び/または腫瘍細胞に対する放射性同位体の指定送達が挙げられる。マイクロ波および紫外線照射などの、他の形態のDNA傷害因子も考慮されている。これらの因子の全ては、DNA、DNAの前駆体、DNAの複製及び修復、ならびに染色体の組み立て及び維持に対して、広範囲のダメージを誘導する可能性が非常に高い。X線の線量範囲は、一日量の50レントゲンから長期の時間期間(3〜4週間)のための200レントゲン、単回線量の2000〜6000レントゲンに及ぶ。放射性同位体についての線量範囲はばらつきが大きく、同位体の半減期、放出される放射線の強さ及び型、ならびに新生物細胞の吸収量に依存する。
照射療法は、がん部位に直接放射線を送達するための放射標識された抗体の使用(放射免疫治療)を含む。抗体は、抗原(免疫系によって異物として認識された物質)の存在に反応して身体で作られる、高度に特異性のタンパク質である。一部の腫瘍細胞は、腫瘍に特異的な抗体を生成するトリガーとなる特定の抗原を含有する。これらの抗体は実験室で大量に作製し、放射性物質に付ける(放射標識として知られるプロセス)ことができる。抗体は身体に注入されると活発にがん細胞を探し出し、がん細胞は放射線の細胞殺傷(細胞毒性)作用によって破壊される。このアプローチは健康な細胞に対する放射線ダメージのリスクを最小化することができる。
原体照射療法は通常の放射線療法と同じ照射療法機器、すなわち線形加速器を使用するが、x線ビームの進路上に金属ブロックを置いて、x線の形状をがんの形状と整合させるように変更する。これによって、確実に高線量の放射線を腫瘍に当てられるようにする。健康な周囲細胞及び付近の構造が受ける放射線線量は低くなるため、副作用の可能性が低減される。マルチリーフコリメーターと呼ばれるデバイスが開発され、これは金属ブロックの代替として使用することができる。マルチリーフコリメーターは、直線加速装置に固定された複数の金属シートからなる。各層は、照射療法のビームが金属ブロックなしで治療部位に形状を合わせられるように調整することができる。正確に照射療法機器を配置することは原体照射療法の治療にとって非常に重要であり、特別な走査用機器を使用して各治療の開始時に内部臓器の位置をチェックしてもよい。
高精度強度変調照射療法でもマルチリーフコリメーターが使用される。この治療中に、治療が行われている間、マルチリーフコリメーターの層は移動される。この方法によって、さらにより正確に治療ビームの形状合わせが達成される可能性があり、また照射療法の線量を治療部位全体にわたって一定にすることができる。
調査研究によって、原体照射療法及び強度変調照射療法が照射療法治療の副作用を低減し得ることが示されたが、非常に正確な治療エリアの形状合わせによって、治療部位のすぐ外側にある微視的がん細胞が破壊されなくなる可能性がある。これは、これらの特化された照射療法の手法によって、将来再発するがんのリスクが高まる恐れがあることを意味する。
科学者も、放射線療法の効力を増大させる方法を模索している。2つの型の治験薬物が、それらが放射線を受けている細胞に及ぼす効果について研究されている。放射線増感剤は腫瘍細胞が損傷される可能性を高め、放射線防護剤は正常な組織を放射線の効果から保護する。温熱療法、すなわち熱の使用も、放射線に対する組織の感受性を高める効果について研究されている。
4.免疫療法
がん治療の文脈における免疫療法は、概して、がん細胞を標的化し破壊するための免疫エフェクター細胞及び分子の使用に依存している。トラスツズマブ(Herceptin(商標))は、このような例の1つである。免疫エフェクターは、例えば、腫瘍細胞の表面上の何らかのマーカーに特異的な抗体であり得る。抗体は単体で療法のエフェクターとして働くことができ、あるいは実際に細胞死滅に影響を与えるために他の細胞を動員することができる。また、抗体は薬物または毒素(化学療法、放射性核種、リシンA鎖、コレラ毒素、百日咳毒素など)と結合して、単に標的化剤として働くこともできる。あるいは、エフェクターは、直接的にまたは間接的に腫瘍細胞標的と相互作用する表面分子を運ぶリンパ球であり得る。様々なエフェクター細胞には、細胞毒性T細胞及びNK細胞が含まれる。療法様式の組合せ、すなわち、直接の細胞毒性活性と、ErbB2の阻害または低減との組合せは、ErbB2過剰発現がんの治療に療法的利益をもたらすであろう。
免疫療法の一態様では、腫瘍細胞は標的化を受け入れられる何らかのマーカー(すなわち、多くの他の細胞には存在しないマーカー)を有しなければならない。腫瘍マーカーは多数存在し、これらのいずれも、本発明の文脈における標的化に好適であり得る。一般的な腫瘍マーカーとしては、がん胎児性抗原、前立腺特異的抗原、尿路腫瘍関連抗原、胎児抗原、チロシナーゼ(p97)、gp68、TAG−72、HMFG、シアリルルイス抗原、MucA、MucB、PLAP、エストロゲン受容体、ラミニン受容体、erbB及びp155が挙げられる。免疫療法の代替態様は、抗がん効果を免疫刺激効果と組み合わせることである。免疫刺激分子も、以下を含めて存在する:IL−2、IL−4、IL−12、GM−CSF、γ−IFNなどのサイトカイン、MIP−1、MCP−1、IL−8などのケモカイン、ならびにFLT3リガンドなどの成長因子。免疫刺激分子(タンパク質として、または腫瘍抑制物質と組み合わせた遺伝子送達を用いて)を組み合わせることは、抗腫瘍効果を強化することが示された(Ju et al.,2000)。さらに、これらの化合物のいずれに対する抗体も、本明細書で論じられている抗がん剤を標的化するために使用することができる。
現在治験中または使用されている免疫療法の例は、以下のものである:免疫アジュバント、例えば、ウシ型結核菌(Mycobacterium bovis)、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)、ジニトロクロロベンゼン及び芳香属化合物(米国特許第5,801,005号及び第5,739,169号;Hui and Hashimoto,1998;Christodoulides et al.,1998)、サイトカイン療法、例えば、インタ−フェロンα、β、及びγ;IL−1,GM−CSF及びTNF(Bukowski et al.,1998;Davidson et al.,1998;Hellstrand et al.,1998) 遺伝子療法、例えば、TNF、IL−1、IL−2、p53(Qin et al.,1998;Austin−Ward and Villaseca,1998;米国特許第5,830,880号及び第5,846,945号)ならびにモノクローナル抗体、例えば、抗ガングリオシドGM2、抗HER−2、抗p185(Pietras et al.,1998;Hanibuchi et al.,1998;米国特許第5,824,311号)。1つまたは複数の抗がん療法が、本明細書に記載の遺伝子サイレンシング療法と共に用いられ得ることが考慮されている。
活性免疫療法では、抗原性ペプチド、ポリペプチドもしくはタンパク質、または同原もしくは異質の腫瘍細胞組成物もしくは「ワクチン」が、概して別の細菌アジュバントと共に投与される(Ravindranath and Morton,1991;Morton et al.,1992;Mitchell et al.,1990;Mitchell et al.,1993)。
養子免疫療法では、患者の循環リンパ球または腫瘍浸潤リンパ球を、インビトロで単離し、IL−2などのリンホカインによって活性化するかまたは腫瘍ネクローシスのための遺伝子を形質導入し、再投与される(Rosenberg et al.,1988;1989)。
5.手術
がんにかかっている人の約60%が、予防手術、診断またはステージ分類のための手術、治癒手術、及び緩和手術を含めた何らかの型の手術を受けることになる。治癒手術は、他の療法、例えば本発明の治療、化学療法、照射療法、ホルモン療法、遺伝子療法、免疫療法及び/または代替療法など、と共に使用することができるがん治療である。
治癒手術には、がん性組織の全部または一部を物理的に除去、切除、及び/または破壊する摘出術が含まれる。腫瘍摘出術は、腫瘍の少なくとも一部の物理的除去を指す。腫瘍摘出術に加えて、手術による治療には、レーザー手術、凍結手術、電気手術、及び顕微鏡下手術(モース手術)が含まれる。本発明が、表在がん、前がん、または偶発的量の正常組織の除去と共に用いられ得ることがさらに考慮されている。
がん性細胞、組織、または腫瘍の一部または全部が切除されると、身体に空洞が形成され得る。灌流、直接注入、または追加の抗がん療法をその部位に局所適用することによって治療を遂行してもよい。このような治療は、例えば、1、2、3、4、5、6、または7日ごと、あるいは1、2、3、4、及び5週間ごと、あるいは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12か月ごとに繰り返してもよい。これらの治療も様々な投薬量となり得る。
一部の特定の実施形態では、腫瘍の除去後、本開示の化合物を用いたアジュバント治療を行うことが腫瘍再発の低減に特に有効であると考えられている。加えて、本開示の化合物はネオアジュバント設定で使用することもできる。
6.他の薬剤
他の薬剤が本発明と共に使用され得ることが考慮されている。これらの追加の薬剤としては、免疫調節剤、細胞表面受容体およびGAPジャンクションの上方制御に影響を与える薬剤、細胞分裂停止剤及び分化剤、細胞接着の阻害剤、過剰増殖性細胞のアポトーシス誘導物質に対する感受性を増大させる薬剤、または他の生物学的薬剤が挙げられる。免疫調節剤としては、腫瘍ネクローシス因子;インターフェロンアルファ、ベータ、及びガンマ;IL−2及び他のサイトカイン;F42K及び他のサイトカイン類似体;またはMIP−1、MIP−1β、MCP−1、RANTES、及び他のケモカインが挙げられる。細胞表面受容体またはそのリガンド(例えば、Fas/Fasリガンド、DR4またはDR5/TRAIL(Apo−2リガンド)など)の上方制御が、過剰増殖性細胞に対するオートクリンまたはパラクリン効果の確立によって本発明のアポトーシス誘導能力を増強するであろうことも、さらに考慮されている。GAPジャンクションの数の増加による細胞間シグナリングの増大は、隣接する過剰増殖性細胞集団に及ぼす抗過剰増殖効果を増大させるであろう。他の実施形態では、細胞分裂停止剤または分化剤は、本発明と組み合わせて使用して治療の抗過剰増殖有効性を向上させることができる。細胞接着の阻害剤が本発明の有効性を向上させることが考慮されている。細胞接着阻害剤の例として、接着班キナーゼ(FAK)阻害剤及びロバスタチンがある。過剰増殖性細胞のアポトーシスに対する感受性を増大させる他の薬剤、例えば抗体c225など、を本発明と組み合わせて使用して治療有効性を向上させ得ることがさらに考慮されている。
細胞毒性の化学療法薬物が導入されてから、がんの療法における多くの進歩が見られた。しかし、化学療法の結果の1つに、薬物抵抗性の表現型の発達/獲得及び多剤耐性の発達がある。薬物抵抗性の発達はこのような腫瘍の治療における大きな障害としてとどまっており、そのため、遺伝子治療などの代替的アプローチに対する明白な必要性が存在する。
化学療法、放射線療法または生物学的療法と共に使用する別の形態の療法には温熱療法が含まれ、これは患者の組織を高温(106°F以下)に曝露する手続きである。外部または内部加熱デバイスは、局所的、領域的、または全身的温熱療法の適用を伴い得る。局所的温熱療法は、腫瘍などの狭い部位に対する熱の適用を伴う。熱は、高周波によって外部から産生され、身体の外にあるデバイスから腫瘍を標的化している。内部の熱は、加熱された細いワイヤまたは温水を満たした中空チューブ、埋め込み型のマイクロ波アンテナ、または高周波電極を含めた無菌プローブを伴う。
領域的療法では患者の臓器または手足を加温するが、これは磁石のような高エネルギーを生成するデバイスを用いて遂行される。あるいは、患者の血液の一部を採取して加温し、それから内部加温する部位に灌流させてもよい。全身の加温は、がんが全身に広がった場合においても実行することができる。温水ブランケット、熱ワックス、誘導コイル及びサーマルチャンバーをこの目的に使用することができる。
当業者は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」15th Edition,chapter 33、特に624〜652頁を対象にする。治療を受けている対象の状態によっては、投薬量の変動が必然的に生じることになる。投与の担当者は、いずれの場合においても、個々の対象に適切な用量を決定することになる。さらに、ヒトへの投与については、調製物は、FDAのOffice of Biologicsの基準で要求される無菌性、発熱原性、一般的安全性および純度の基準を満たすべきである。
前述の療法のいずれかが、単独でがんの治療に有用と判明し得ることも指摘されるべきである。
VI.合成方法
一部の態様では、本発明の化合物は、本出願に記載されている有機化学の方法を用いて合成することができる。こうした方法は、当業者によって適用される有機化学の原理及び手法を用いて、さらに修正して最適化することができる。このような原理及び手法は、例えば、参照によって本明細書に組み込まれているMarch’s Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure(2007)に教示されている。
A.プロセスのスケールアップ
本明細書に記載の合成方法は、予備生産、パイロット生産または大規模生産のいずれの継続的な処理単位用にも、当業者によって適用されるプロセス化学の原理及び手法を用いてさらに変更及び最適化することができる。このような原理及び手法は、例えば、参照によって本明細書に組み込まれているPractical Process Research&Development(2000)に教示されている。本明細書に記載の合成方法は、予備的規模の量のトリオキサカルシン及びその誘導体を生産するために使用することができる。
B.化学的定義
化学基の文脈で使用される場合、「水素」は−Hを意味し、「ヒドロキシ」は−OHを意味し、「オキソ」は=Oを意味し、「カルボニル」は−C(=O)−を意味し、「カルボキシ」は−C(=O)OH(−COOHまたは−COHとも表記する)を意味し、「ハロ」は別個に−F、−Cl、−Brまたは−Iを意味し、「アミノ」は−NHを意味し、「ヒドロキシアミノ」は−NHOHを意味し、「ニトロ」は−NOを意味し、イミノは=NHを意味し、「シアノ」は−CNを意味し、「イソシアネート」は−N=C=Oを意味し、「アジド」は−Nを意味する。一価の文脈では、「ホスフェート」は、−OP(O)(OH)またはこの脱プロトン化形態を意味し、二価の文脈では、「ホスフェート」は、−OP(O)(OH)O−またはこの脱プロトン化形態を意味し、「メルカプト」は−SHを意味し、「チオ」は=Sを意味し、「スルファト」は−SOHを意味し、「スルファミド」は−S(O)NHを意味し、「スルホニル」は−S(O)−を意味し、「スルフィニル」は−S(O)−を意味する。
化学式の文脈において、記号「−」は単結合を意味し、「=」は二重結合を意味し、「≡」は三重結合を意味する。記号「----」は任意選択による結合を表し、存在する場合、単結合または二重結合のいずれかである。記号
Figure 2017537968
は、単結合または二重結合を表す。従って、例えば、式
Figure 2017537968
には、
Figure 2017537968
が含まれる。そして、このような環の原子は、いずれも2つ以上の二重結合の一部を形成しないことが理解される。さらに、共有結合の記号「−」は、1つまたは2つの不斉中心原子に接続している場合、いかなる好ましい立体化学も示さないことに留意されたい。代わりに、これは全ての立体異性体及びその混合物を網羅する。記号
Figure 2017537968
は、結合に直交して描かれている場合(例えばメチルの場合、
Figure 2017537968
)、その基の付着点を示す。典型的には、読者が明確に付着点を特定する助けにする目的で、比較的大きな基に対してのみ付着点がこのようにして特定されることに留意されたい。記号
Figure 2017537968
は、くさびの太い側に付いている基が「ページの外」にある単結合を意味する。記号
Figure 2017537968
は、くさびの太い側に付いている基が「ページの奥」にある単結合を意味する。記号
Figure 2017537968
は、二重結合の周りの幾何学的配置(例えば、EであるかZであるか)が未定義の単結合を意味する。そのため、両方のオプションに加えてそれらの組合せも意図されている。本出願に示すある構造の原子上にある未定義の原子価は、その原子に結合する水素原子を暗黙的に表す。炭素原子上にある太い点(bold dot)は、その炭素に付いている水素が紙面の外に向いていることを示す。
「R」基が、例えば式:
Figure 2017537968
において、環系上に「浮動的な基」として示されている場合、
Rは、安定した構造が形成される限りにおいて、示された水素、暗示された水素、または明確に定義された水素を含めた、環原子のいずれかに付いている任意の水素原子に置き換わることができる。「R」基が、例えば式:
Figure 2017537968
において、縮合環系上に「浮動的な基」として示されている場合、
Rは、別段の指定がない限り、いずれの縮合環についてもいずれかの環原子についている任意の水素に置き換わることができる。置き換え可能な水素としては、安定した構造が形成される限りにおいて、示された水素(例えば、上式における窒素に付いている水素)、暗示された水素(例えば、示されていないが存在していることが理解される上式の水素)、明確に定義された水素、及び、環原子の本性によって存在が左右される任意選択による水素(例えば、Xが−CH−に等しい場合のX基に付いている水素)が挙げられる。示された例において、Rは、縮合環系の5員環、6員環のいずれにも属することができる。上式において、丸括弧で囲まれた「R」基の直後にある下付き文字「y」は、数字の変数を表す。別段の指定がない限り、この変数は0、1、2、または2を超える任意の整数とすることができ、環または環系の置き換え可能な水素原子の最大数によってのみ制限される。
下にある基及びクラスについて、以下の括弧付きの下付き文字列は、以下のように基/クラスをさらに定義している:「(Cn)」は、その基/クラスにおける炭素原子の正確な数(n)を定義している。「(C≦n)」は、その基/クラスにおいてあり得る炭素原子の最大数(n)を定義し、対象の基における可能な限り小さい最小数については、例えば、アルケニル(C≦8)基またはアルケン(C≦8)クラスにおける炭素の最小数は2であることが理解される。例えば、「アルコキシ(C≦10)」は、1〜10の炭素原子を有するアルコキシ基を示す。(Cn〜n’)は、その基における炭素原子の最小数(n)及び最大数(n’)の両方を定義している。同様に、「アルキル(C2〜10)」は、2〜10の炭素原子を有するアルキル基を示す。
本明細書で使用される場合、用語「飽和」は、下記の場合を除いて、そのように修飾された化合物または基が、炭素−炭素二重結合も炭素−炭素三重結合も有しないことを意味する。飽和基の置換バージョンの場合には、1つまたは複数の炭素・酸素二重結合または炭素・窒素二重結合が存在し得る。このような結合が存在する場合、ケト−エノール互変異性またはイミン/エナミン互変異性の一部として生じ得る炭素−炭素二重結合は妨げられなくなる。
用語「脂肪族」が「置換」という修飾語なしに使用される場合、そのように修飾された化合物/基は、非環状または環状の非芳香族炭化水素化合物または基であることを示す。脂肪族化合物/基では、炭素原子は共に連結して、直鎖、分枝鎖、または非芳香族環(脂環式)となり得る。脂肪族化合物/基は、飽和(すなわち単結合によって連結している(アルカン/アルキル))、または不飽和(1つまたは複数の二重結合を有する(アルケン/アルケニル)か、もしくは1つまたは複数の三重結合を有する(アルキン/アルキニル))であり得る。
用語「アルキル」が「置換」という修飾語なしで使用される場合、付着点としての炭素原子を有し、直鎖状または分枝状の非環状構造を有し、炭素及び水素以外の原子を有しない、一価の飽和脂肪族基を指す。以下の基、−CH(Me)、−CHCH(Et)、−CHCHCH(n−Prまたはプロピル)、−CH(CH(i−Pr、Prまたはイソプロピル)、−CHCHCHCH(n−Bu)、−CH(CH)CHCH(sec−ブチル)、−CHCH(CH(イソブチル)、−C(CH(tert−ブチル、t−ブチル、t−BuまたはBu)、及び−CHC(CH(ネオ−ペンチル)は、アルキル基の非限定的例である。用語「アルカンジイル」が「置換」という修飾語なしで使用される場合、付着点(複数可)としての1つまたは2つの飽和炭素原子(複数可)を有し、直鎖状または分枝状の非環状構造を有し、炭素−炭素二重結合または三重結合を有さず、炭素及び水素以外の原子を有しない、二価の飽和脂肪族基を指す。以下の基、−CH−(メチレン)、−CHCH−、−CHC(CHCH−、及び−CHCHCH−は、アルカンジイル基の非限定的例である。用語「アルキリデン」が「置換」という修飾語なしで使用される場合、二価の基=CRR’(式中、R及びR’は、独立して水素またはアルキルである)を指す。アルキリデン基の非限定的例としては、以下のものが挙げられる:=CH、=CH(CHCH)、及び=C(CH。「アルカン」は、化合物H−R(式中、Rは、上で用語定義されているアルキルである)を指す。これらの用語のいずれかが「置換」という修飾語と共に使用される場合、1つまたは複数の水素原子は独立して、−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−NH、−NO、−COH、−COCH、−CN、−SH、−OCH、−OCHCH、−C(O)CH、−NHCH、−NHCHCH、−N(CH、−C(O)NH、−OC(O)CH、または−S(O)NHによって置き換えられている。以下の基は、置換アルキル基の非限定的例である:−CHOH、−CHCl、−CF、−CHCN、−CHC(O)OH、−CHC(O)OCH、−CHC(O)NH、−CHC(O)CH、−CHOCH、−CHOC(O)CH、−CHNH、−CHN(CH、及び−CHCHCl。用語「ハロアルキル」は置換アルキルのサブセットであり、1つまたは複数の水素原子がハロ基で置換されており、炭素、水素及びハロゲン以外の原子が存在しない。−CHCl基は、ハロアルキルの非限定的例である。用語「フルオロアルキル」は置換アルキルのサブセットであり、1つまたは複数の水素原子がフルオロ基で置換されており、炭素、水素及びフッ素以外の原子が存在しない。以下の基、−CHF、−CF、及び−CHCFは、フルオロアルキル基の非限定的例である。
用語「シクロアルキル」が「置換」という修飾語なしで使用される場合、付着点としての炭素原子であって1つまたは複数の非芳香族環構造の一部を形成する炭素原子を有し、シクロまたは環状構造を有し、炭素−炭素二重結合または三重結合を有さず、炭素及び水素以外の原子を有しない、一価の飽和脂肪族基を指す。シクロアルキル基の非限定的例としては、以下のものが挙げられる:−CH(CH(シクロプロピル)、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシル。用語「シクロアルカンジイル」が「置換」という修飾語なしで使用される場合、付着点(複数可)としての1つまたは2つの炭素原子(複数可)であって1つまたは複数の非芳香族環構造の一部を形成する炭素原子を有し、シクロまたは環状構造を有し、炭素−炭素二重結合または三重結合を有さず、炭素及び水素以外の原子を有しない、二価の飽和脂肪族基を指す。
Figure 2017537968
は、シクロアルカンジイル基の非限定的例である。「シクロアルカン」は、化合物H−R(式中、Rは、上で用語定義されているシクロアルキルである)を指す。これらの用語のいずれかが「置換」という修飾語と共に使用される場合、1つまたは複数の水素原子は独立して、−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−NH、−NO、−N、−COH、−COCH、−CN、−SH、−OCH、−OCHCH、−C(O)CH、−NHCH、−NHCHCH、−N(CH、−C(O)NH、−OC(O)CH、または−S(O)NHによって置き換えられている。以下の基は、置換シクロアルキル基の非限定的例である:−C(OH)(CH
Figure 2017537968
用語「アルケニル」が「置換」という修飾語なしで使用される場合、付着点としての炭素原子を有し、直鎖状または分枝状の非環状構造を有し、少なくとも1つの非芳香族炭素−炭素二重結合を有し、炭素−炭素三重結合を有さず、炭素及び水素以外の原子を有しない、一価の不飽和脂肪族基を指す。アルケニル基の非限定的例としては、以下のものが挙げられる:−CH=CH (ビニル)、−CH=CHCH、−CH=CHCHCH、−CHCH=CH(アリル)、−CHCH=CHCH、及び−CH=CHCH=CH。用語「アルケンジイル」が「置換」という修飾語なしで使用される場合、付着点としての2つの炭素原子を有し、直鎖状もしくは分枝状、シクロ、環状または非環状構造を有し、少なくとも1つの非芳香族炭素−炭素二重結合を有し、炭素−炭素三重結合を有さず、炭素及び水素以外の原子を有しない、二価の不飽和脂肪族基を指す。以下の基、−CH=CH−、−CH=C(CH)CH−、及び−CH=CHCH−は、アルケンジイル基の非限定的例である。アルケンジイル基は脂肪族であるが、ひとたび両端が接続されると、この基が芳香族構造の一部を形成することが妨げられなくなることに留意されたい。用語「アルケン」及びは、式H−R(式中、Rは、上で用語定義されているアルケニルである)を有する化合物を指す。「末端アルケン」は、ただ1つの炭素−炭素二重結合を有するアルケンを指し、この結合は、分子の一端でビニル基を形成する。これらの用語のいずれかが「置換」という修飾語と共に使用される場合、1つまたは複数の水素原子は独立して、−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−NH、−NO、−N、−COH、−COCH、−CN、−SH、−OCH、−OCHCH、−C(O)CH、−NHCH、−NHCHCH、−N(CH、−C(O)NH、−OC(O)CH、または−S(O)NHによって置き換えられている。以下の基、−CH=CHF、−CH=CHCl及び−CH=CHBrは、置換アルケニル基の非限定的例である。
用語「シクロアルケニル」が「置換」という修飾語なしで使用される場合、付着点としての炭素原子であって1つまたは複数の非芳香族環構造の一部を形成する炭素原子を有し、シクロまたは環状構造を有し、少なくとも1つの非芳香族炭素−炭素二重結合を有し、炭素−炭素三重結合を有さず、炭素及び水素以外の原子を有しない、一価の不飽和脂肪族基を指す。シクロアルケニル基の非限定的例の一部には、
Figure 2017537968
が含まれる。用語「シクロアルケンジイル」が「置換」という修飾語なしで使用される場合、付着点(複数可)としての1つまたは2つの炭素原子(複数可)であって1つまたは複数の非芳香族環構造の一部を形成する炭素原子を有し、シクロまたは環状構造を有し、少なくとも1つの非芳香族炭素−炭素二重結合を有し、炭素−炭素三重結合を有さず、炭素及び水素以外の原子を有しない、二価の不飽和脂肪族基を指す。シクロアルケンジイルの非限定的例は、
Figure 2017537968
である。シクロアルケンジイル基は脂肪族であるが、ひとたび両端が接続されると、この基が芳香族構造の一部を形成することが妨げられなくなることに留意されたい。用語「シクロアルケン」及びは、式H−R(式中、Rは、上で用語定義されているシクロアルケニルである)を有する化合物を指す。用語「オレフィン」は、上で用語定義されている用語「アルケン」または「シクロアルカン」と同義である。これらの用語のいずれかが「置換」という修飾語と共に使用される場合、1つまたは複数の水素原子は独立して、−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−NH、−NO、−N、−COH、−COCH、−CN、−SH、−OCH、−OCHCH、−C(O)CH、−NHCH、−NHCHCH、−N(CH、−C(O)NH、−OC(O)CH、または−S(O)NHによって置き換えられている。置換シクロアルケニルの非限定的例の一部には、
Figure 2017537968
が含まれる。
用語「アルキニル」が「置換」という修飾語なしで使用される場合、付着点としての炭素原子を有し、直鎖状または分枝状の非環状構造を有し、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有し、炭素及び水素以外の原子を有しない、一価の不飽和脂肪族基を指す。本明細書で使用される場合、アルキニルという用語は、1つまたは複数の非芳香族炭素−炭素二重結合の存在を妨げない。以下の基、−C≡CH、−C≡CCH、及び−CHC≡CCHは、アルキニル基の非限定的例である。「アルキン」は、化合物H−R(式中、Rはアルキニルである)を指す。これらの用語のいずれかが「置換」という修飾語と共に使用される場合、1つまたは複数の水素原子は独立して、−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−NH、−NO、−N、−COH、−COCH、−CN、−SH、−OCH、−OCHCH、−C(O)CH、−NHCH、−NHCHCH、−N(CH、−C(O)NH、−OC(O)CH、または−S(O)NHによって置き換えられている。
用語「アリール」が「置換」という修飾語なしで使用される場合、付着点としての芳香族炭素原子であって1つまたは複数の6員芳香族環構造の一部を形成する炭素原子を有し、環原子が全て炭素であり、炭素及び水素以外の原子から構成されない、一価の不飽和芳香族基を指す。2つ以上の環が存在する場合、これらの環は縮合されていても非縮合であってもよい。本明細書で使用される場合、この用語は、第1の芳香族環または存在する任意の追加の芳香族環に付いている1つまたは複数のアルキル基又はアラルキル基の存在を妨げない(炭素数制限上許容される場合)。アリール基の非限定的例としては、フェニル(Ph)、メチルフェニル、(ジメチル)フェニル、−CCHCH(エチルフェニル)、ナフチル、及びビフェニルに由来する一価の基が挙げられる。用語「アレーンジイル」が「置換」という修飾語なしで使用される場合、付着点としての2つの芳香族炭素原子であって1つまたは複数の6員芳香族環構造(複数可)の一部を形成する炭素原子を有し、環原子が全て炭素であり、一価の基が炭素及び水素以外の原子から構成されない、二価の芳香族基を指す。本明細書で使用される場合、この用語は、第1の芳香族環または存在する任意の追加の芳香族環に付いている1つまたは複数のアルキル基、アリール基またはアラルキル基の存在を妨げない(炭素数制限上許容される場合)。2つ以上の環が存在する場合、これらの環は縮合されていても非縮合であってもよい。非縮合環は、以下のうちの1つまたは複数を介して接続され得る:共有結合、アルカンジイル基、またはアルケンジイル基(炭素数制限上許容される場合)。アレーンジイル基の非限定的例としては、
Figure 2017537968
が挙げられる。
「アレーン」は、化合物H−R(式中、Rは、上で用語定義されているアレーンである)を指す。アレーンの非限定的例は、ベンゼン及びトルエンである。これらの用語のいずれかが「置換」という修飾語と共に使用される場合、1つまたは複数の水素原子は独立して、−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−NH、−NO、−N、−COH、−COCH、−CN、−SH、−OCH、−OCHCH、−C(O)CH、−NHCH、−NHCHCH、−N(CH、−C(O)NH、−OC(O)CH、または−S(O)NHによって置き換えられている。
用語「アラルキル」が「置換」という修飾語なしで使用される場合、−アルカンジイル−アリールという一価の基を指し、アルカンジイル及びアリールという用語は、上で提供されている定義と一致した形でそれぞれ使用されている。アラルキルの非限定的例は、フェニルメチル(ベンジル、Bn)及び2−フェニル−エチルである。アラルキルという用語が「置換」という修飾語と共に使用される場合、アルカンジイル及び/またはアリール基からの1つまたは複数の水素原子は独立して、−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−NH、−NO、−N、−COH、−COCH、−CN、−SH、−OCH、−OCHCH、−C(O)CH、−NHCH、−NHCHCH、−N(CH、−C(O)NH、−OC(O)CH、または−S(O)NHによって置き換えられている。置換アラルキルの非限定的例は、(3−クロロフェニル)−メチル、及び2−クロロ−2−フェニル−エタ−1−イルである。
用語「ヘテロアリール」が「置換」という修飾語なしで使用される場合、付着点としての芳香族炭素原子または窒素原子を有する一価の芳香族基を指し、ここで炭素原子または窒素原子は、1つまたは複数の芳香族環構造の一部を形成し、環原子の少なくとも1つが窒素、酸素、または硫黄であり、ヘテロアリール基は、炭素、水素、芳香族窒素、芳香族酸素、及び芳香族硫黄以外の原子から構成されない。2つ以上の環が存在する場合、これらの環は縮合されていても非縮合であってもよい。本明細書で使用される場合、この用語は、芳香族環または芳香族環系に付いている1つまたは複数のアルキル基、アリール基及び/またはアラルキル基の存在を妨げない(炭素数制限上許容される場合)。ヘテロアリール基の非限定的例としては、フラニル、イミダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソオキサゾリル、メチルピリジニル、オキサゾリル、フェニルピリジニル、ピリジニル、ピロリル、ピリミジニル、ピラジニル、キノリル、キナゾリル、キノキサリニル、トリアジニル、テトラゾリル、チアゾリル、チエニル、及びトリアゾリルが挙げられる。用語「N−ヘテロアリール」は、付着点としての窒素原子を有するヘテロアリール基を指す。用語「ヘテロアレーンジイル」が「置換」という修飾語なしで使用される場合、2つの付着点としての2つの芳香族炭素原子、2つの芳香族窒素原子、または1つの芳香族炭素原子及び1つの芳香族窒素原子を有する二価の芳香族基を指し、ここでこれらの原子は、1つまたは複数の芳香族環構造の一部を形成し、環原子の少なくとも1つが窒素、酸素、または硫黄であり、二価の芳香族基は、炭素、水素、芳香族窒素、芳香族酸素、及び芳香族硫黄以外の原子から構成されない。2つ以上の環が存在する場合、これらの環は縮合されていても非縮合であってもよい。非縮合環は、以下のうちの1つまたは複数を介して接続され得る:共有結合、アルカンジイル基、またはアルケンジイル基(炭素数制限上許容される場合)。本明細書で使用される場合、この用語は、芳香族環または芳香族環系に付いている1つまたは複数のアルキル基、アリール基及び/またはアラルキル基の存在を妨げない(炭素数制限上許容される場合)。ヘテロアレーンジイル基の非限定的例としては、
Figure 2017537968
が挙げられる。
「ヘテロアレーン」は、化合物H−R(式中、Rはヘテロアリールである)を指す。ヘテロアレーンの非限定的例は、ピリジン及びキノリンである。これらの用語が「置換」という修飾語と共に使用される場合、1つまたは複数の水素原子は独立して、−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−NH、−NO、−N、−COH、−COCH、−CN、−SH、−OCH、−OCHCH、−C(O)CH、−NHCH、−NHCHCH、−N(CH、−C(O)NH、−OC(O)CH、または−S(O)NHによって置き換えられている。
用語「ヘテロアラルキル」が「置換」という修飾語なしで使用される場合、−アルカンジイル−ヘテロアリールという一価の基を指し、アルカンジイル及びヘテロアリールという用語は、上で提供されている定義と一致した形でそれぞれ使用されている。ヘテロアラルキルの非限定的例は、2−ピリジルメチル及び2−インダゾリル−エチルである。ヘテロアラルキルという用語が「置換」という修飾語と共に使用される場合、アルカンジイル及び/またはヘテロアリール基からの1つまたは複数の水素原子は独立して、−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−NH、−N、−NO、−COH、−COCH、−CN、−SH、−OCH、−OCHCH、−C(O)CH、−NHCH、−NHCHCH、−N(CH、−C(O)NH、−OC(O)CH、または−S(O)NHによって置き換えられている。置換ヘテロアラルキルの非限定的例は、(3−クロロキノリル)−メチル、及び2−クロロ−2−チエニル−エタ−1−イルである。
用語「ヘテロシクロアルキル」が「置換」という修飾語なしで使用される場合、付着点としての炭素原子または窒素原子を有する一価の非芳香族基を指し、ここで炭素原子または窒素原子が、1つまたは複数の非芳香族環構造の一部を形成し、環原子の少なくとも1つが窒素、酸素、または硫黄であり、ヘテロシクロアルキル基は、炭素、水素、窒素、酸素、及び硫黄以外の原子から構成されない。2つ以上の環が存在する場合、これらの環は縮合されていても非縮合であってもよい。本明細書で使用される場合、この用語は、環または環系に付いている1つまたは複数のアルキル基の存在を妨げない(炭素数制限上許容される場合)。また、この用語は、得られる基が非芳香族である場合、環または環系における1つまたは複数の二重結合の存在を妨げない。ヘテロシクロアルキル基の非限定的例としては、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、テトラヒドロピラニル、ピラニル、オキシラニル及びオキセタニルが挙げられる。用語「N−ヘテロシクロアルキル」は、付着点としての窒素原子を有するヘテロシクロアルキル基を指す。用語「ヘテロシクロアルカンジイル」が「置換」という修飾語なしで使用される場合、2つの付着点としての2つの炭素原子、2つの窒素原子、または1つの炭素原子及び1つの窒素原子を有する二価の環式基を指し、ここでこれらの原子は、1つまたは複数の環構造の一部を形成し、環原子の少なくとも1つが窒素、酸素、または硫黄であり、二価の環式基は、炭素、水素、窒素、酸素、及び硫黄以外の原子から構成されない。2つ以上の環が存在する場合、これらの環は縮合されていても非縮合であってもよい。非縮合環は、以下のうちの1つまたは複数を介して接続され得る:共有結合、アルカンジイル基、またはアルケンジイル基(炭素数制限上許容される場合)。本明細書で使用される場合、この用語は、環または環系に付いている1つまたは複数のアルキル基の存在を妨げない(炭素数制限上許容される場合)。また、この用語は、得られる基が非芳香族である場合、環または環系における1つまたは複数の二重結合の存在を妨げない。ヘテロシクロアルカンジイル基の非限定的例としては、
Figure 2017537968
が挙げられる。
これらの用語が「置換」という修飾語と共に使用される場合、1つまたは複数の水素原子は独立して、−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−NH、−NO、−N、−COH、−COCH、−CN、−SH、−OCH、−OCHCH、−C(O)CH、−NHCH、−NHCHCH、−N(CH、−C(O)NH、−OC(O)CH、−S(O)NH、または−C(O)OC(CH(tert−ブチルオキシカルボニル、BOC)によって置き換えられている。
用語「アシル」が「置換」という修飾語なしで使用される場合、−C(O)Rという基を指す(式中、Rは、上で用語定義されている水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキルまたはヘテロアリールである)。以下の基、−CHO、−C(O)CH(アセチル、Ac)、−C(O)CHCH、−C(O)CHCHCH、−C(O)CH(CH、−C(O)CH(CH、−C(O)C、−C(O)CCH、−C(O)CH、−C(O)(イミダゾリル)は、アシル基の非限定的例である。「チオアシル」は、−C(O)R基の酸素原子が硫黄原子に置き換えられていることを除いて、類似の形で定義される、−C(S)R。用語「アルデヒド」は、上で定義されているアルカンに対応し、水素原子のうちの少なくとも1つが−CHO基に置き換えられている。これらの用語のいずれかが「置換」という修飾語と共に使用される場合、1つまたは複数の水素原子(存在する場合、カルボニル基またはチオカルボニル基に直接付いている水素原子を含む)は独立して、−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−NH、−NO、−N、−COH、−COCH、−CN、−SH、−OCH、−OCHCH、−C(O)CH、−NHCH、−NHCHCH、−N(CH、−C(O)NH、−OC(O)CH、または−S(O)NHによって置き換えられている。以下の基、−C(O)CHCF、−COH(カルボキシル)、−COCH(メチルカルボキシル)、−COCHCH、−C(O)NH(カルバモイル)、及び−CON(CHは、置換アシル基の非限定的例である。
用語「アルキルアミノ」が「置換」という修飾語なしで使用される場合、−NHRという基を指す(式中、Rは、上で用語定義されているアルキルである)。アルキルアミノ基の非限定的例としては、−NHCH及び−NHCHCHが挙げられる。用語「ジアルキルアミノ」が「置換」という修飾語なしで使用される場合、−NRR’という基を指す(式中、R及びR’は、それぞれ独立して同じであるかまたは異なるアルキル基とすることができ、R及びR’は一緒になってアルカンジイルを表すことができる)。ジアルキルアミノ基の非限定的例としては、−N(CH、−N(CH)(CHCH)、及びN−ピロリジニルが挙げられる。用語「アルコキシアミノ」、「シクロアルキルアミノ」、「アルケニルアミノ」、「シクロアルケニルアミノ」、「アルキニルアミノ」、「アリールアミノ」、「アラルキルアミノ」、「ヘテロアリールアミノ」、「ヘテロシクロアルキルアミノ」及び「アルキルスルホニルアミノ」が「置換の」という修飾語なしで使用される場合、−NHRとして定義される基を指す(式中、Rはそれぞれ、アルコキシ、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル及びアルキルスルホニルである)。アリールアミノ基の非限定的例は、−NHCである。用語「アミド」(アシルアミノ)が「置換」という修飾語なしで使用される場合、−NHRという基を指す(式中、Rは、上で用語定義されているアシルである)。アミド基の非限定的例は、−NHC(O)CHである。用語「アルキルイミノ」が「置換」という修飾語なしで使用される場合、=NRという二価の基を指す(式中、Rは、上で用語定義されているアルキルである)。用語「アルキルアミノジイル」は、二価の基である−NH−アルカンジイル−、−NH−アルカンジイル−NH−、または−アルカンジイル−NH−アルカンジイル−を指す。これらの用語のいずれかが「置換」という修飾語と共に使用される場合、1つまたは複数の水素原子は独立して、−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−NH、−NO、−N、−COH、−COCH、−CN、−SH、−OCH、−OCHCH、−C(O)CH、−NHCH、−NHCHCH、−N(CH、−C(O)NH、−OC(O)CH、または−S(O)NHによって置き換えられている。以下の基、−NHC(O)OCH及び−NHC(O)NHCHは、置換アミド基の非限定的例である。
用語「アルコキシ」が「置換」という修飾語なしで使用される場合、−ORという基を指す(式中、Rは、上で用語定義されているアルキルである)。非限定的例としては、以下のものが挙げられる:−OCH(メトキシ)、−OCHCH(エトキシ)、−OCHCHCH、−OCH(CH(イソプロポキシ)、及び−OC(CH(tert−ブトキシ)。用語「シクロアルコキシ」、「アルケニルオキシ」、「アルキニルオキシ」、「アリールオキシ」、「アラルコキシ」、「ヘテロアリールオキシ」、「ヘテロシクロアルコキシ」、及び「アシルオキシ」が「置換の」という修飾語なしで使用される場合、−ORとして定義される基を指す(式中、Rはそれぞれ、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル及びアシルである)。用語「アルコキシジイル」は、二価の基である−O−アルカンジイル−、−O−アルカンジイル−O−、または−アルカンジイル−O−アルカンジイル−を指す。用語「アルキルチオ」及び「アシルチオ」が「置換」という修飾語なしで使用される場合、−SRという基を指す(式中、Rは、それぞれアルキル及びアシルである)。用語「アルコール」は、上で定義されているアルカンに対応し、水素原子のうちの少なくとも1つがヒドロキシ基に置き換えられている。用語「エーテル」は、上で定義されているアルカンまたはシクロアルカンに対応し、水素原子のうちの少なくとも1つがアルコキシ基またはシクロアルコキシ基に置き換えられている。これらの用語のいずれかが「置換」という修飾語と共に使用される場合、1つまたは複数の水素原子は独立して、−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−NH、−NO、−N、−COH、−COCH、−CN、−SH、−OCH、−OCHCH、−C(O)CH、−NHCH、−NHCHCH、−N(CH、−C(O)NH、−OC(O)CH、または−S(O)NHによって置き換えられている。
本出願の文脈における「塩基」は、プロトンを受け入れることができる孤立電子対を有する化合物である。塩基の非限定的例としては、トリエチルアミン、金属水酸化物、金属アルコキシド、金属水素化物、または金属アルカンが挙げられる。アルキルリチウムまたはオルガノリチウムは、アルキル(c≦12)−Liという式の化合物である。窒素含有塩基は、アルキルアミン、ジアルキルアミノ、トリアルキルアミン、窒素含有ヘテロシクロアルカンまたはヘテロアレーンであり、この塩基はプロトンを受け入れて正に帯電した種を形成することができる。例えば、以下に限定されないが、窒素含有塩基は、4,4−ジメチルピリジン、ピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、ジイソプロピルエチルアミン、またはトリエチルアミンであり得る。金属アルコキシドは、接続点だった酸素原子が余分な電子を有するために帯電した負電荷を有し、それが金属イオンによって平衡を保たれているアルコキシ基である。例えば、金属アルコキシドは、ナトリウムtert−ブトキシドまたはカリウムメトキシドであり得る。
本出願の文脈における「酸化剤」は、電子を受け入れることによって化合物の酸化を引き起こす化合物である。酸化剤のいくつかの非限定的例としては、酸素ガス、ペルオキシド、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩、またはクロム化合物(例えば、クロロクロム酸ピリジニウムまたはヒドロクロム酸(hydrochromic acid)など)が挙げられる。
本出願の文脈における「金属」は、遷移金属またはI族もしくはII族の金属である。また、13族の元素(例えば、以下に限定されないが、ホウ素及びアルミニウムなど)でもあり得る。
「ルイス酸」は、電子対を受け入れることができる原子または官能基である。一部の実施形態では、ルイス酸は、金属原子である。いかなる理論にも拘泥するものではないが、ルイス酸は、結合の分極を増大させることによって、自らが付いている1つまたは複数の基の反応性を増大させる。
本出願の文脈における「リンカー」は、1つまたは複数の分子を本開示の化合物に連結させるために使用することができる、二価の化学基である。一部の実施形態では、リンカーは反応性の官能基(例えば、カルボキシル、アミド、アミン、ヒドロキシ、メルカプト、アルデヒド、またはケトンなど)を各末端に含有し、これは、1つまたは複数の電子を本開示の化合物に連結させるために使用される。いくつかの非限定的例では、−CHCHCHCH−、−C(O)CHCHCH−、−OCHCHNH−、−NHCHCHNH−、及び−(OCHCH−(nは1〜1000である)がリンカーである。
「アミン保護基」は、当技術分野で十分に理解されている。アミン保護基は、何らかの他の分子部分を修飾する反応中にアミン基の反応性を妨害する基であり、これは容易に除去して所望のアミンを産生することができる。アミン保護基については、少なくともGreene and Wuts,1999に見出すことができ、これは参照によって本明細書に組み込まれている。アミノ保護基のいくつかの非限定的例としては、以下のものが挙げられる:ホルミル、アセチル、プロピオニル、ピバロイル、t−ブチルアセチル、2−クロロアセチル、2−ブロモアセチル、トリフルオロアセチル、トリクロロアセチル、o−ニトロフェノキシアセチル、α−クロロブチリル、ベンゾイル、4−クロロベンゾイル、4−ブロモベンゾイル、4−ニトロベンゾイルなど;スルホニル基、例えば、ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニルなど;(保護アミンと共にウレタンを形成する)アルコキシ−またはアリール−オキシカルボニル基、例えば、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、p−クロロベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、2−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ブロモベンジルオキシカルボニル、3,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、2,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、2−ニトロ−4,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、3,4,5−トリメトキシベンジルオキシカルボニル、1−(p−ビフェニリル)−1−メチルエトキシカルボニル、α,α−−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、ベンズヒドリルオキシカルボニル、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)、ジイソプロピルメトキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、エトキシカルボニル、メトキシカルボニル、アリルオキシカルボニル(Alloc)、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、2−トリメチルシリルエチルオキシカルボニル(Teoc)、フェノキシカルボニル、4−ニトロフェノキシカルボニル、フルオレニル−9−メトキシカルボニル(Fmoc)、シクロペンチルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、フェニルチオカルボニルなど;アラルキル基、例えば、ベンジル、トリフェニルメチル、ベンジルオキシメチルなど;及び、シリル基、例えば、トリメチルシリルなど。加えて、「アミン保護基」は二価の保護基とすることができ、それによって一級アミン上の両方の水素原子が単一の保護基に置き換えられる。このような状況において、アミン保護基はフタルイミド(phth)またはその置換誘導体とすることができる(用語「置換」は、上で定義された通りである)。一部の実施形態では、ハロゲン化フタルイミド誘導体は、テトラクロロフタルイミド(TCphth)であってもよい。
「ヒドロキシル保護基」は、当技術分野で十分に理解されている。ヒドロキシル保護基は、何らかの他の分子部分を修飾する反応中にヒドロキシル基の反応性を妨害する基であり、これは容易に除去して所望のヒドロキシルを産生することができる。ヒドロキシル保護基については、少なくともGreene and Wuts,1999に見出すことができ、これは参照によって本明細書に組み込まれている。ヒドロキシ保護基のいくつかの非限定的例としては、以下のものが挙げられる:アシル基、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ピバロイル、t−ブチルアセチル、2−クロロアセチル、2−ブロモアセチル、トリフルオロアセチル、トリクロロアセチル、o−ニトロフェノキシアセチル、α−クロロブチリル、ベンゾイル、4−クロロベンゾイル、4−ブロモベンゾイル、4−ニトロベンゾイルなど;スルホニル基、例えば、ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニルなど;アシルオキシ基、例えば、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、p−クロロベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、2−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ブロモベンジルオキシカルボニル、3,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、2,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、2−ニトロ−4,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、3,4,5−トリメトキシベンジルオキシカルボニル、1−(p−ビフェニリル)−1−メチルエトキシカルボニル、α,α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、ベンズヒドリルオキシカルボニル、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)、ジイソプロピルメトキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、エトキシカルボニル、メトキシカルボニル、アリルオキシカルボニル(Alloc)、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、2−トリメチルシリルエチルオキシカルボニル(Teoc)、フェノキシカルボニル、4−ニトロフェノキシカルボニル、フルオレニル−9−メトキシカルボニル(Fmoc)、シクロペンチルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、フェニルチオカルボニルなど;アラルキル基、例えば、ベンジル、トリフェニルメチル、ベンジルオキシメチルなど;及びシリル基、例えば、トリメチルシリルなど。
「チオール保護基」は、当技術分野で十分に理解されている。チオール保護基は、何らかの他の分子部分を修飾する反応中にメルカプト基の反応性を妨害する基であり、これは容易に除去して所望のメルカプト基を産生することができる。チオール保護基については、少なくともGreene and Wuts,1999に見出すことができ、これは参照によって本明細書に組み込まれている。チオール保護基のいくつかの非限定的例としては、以下のものが挙げられる:アシル基、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ピバロイル、t−ブチルアセチル、2−クロロアセチル、2−ブロモアセチル、トリフルオロアセチル、トリクロロアセチル、o−ニトロフェノキシアセチル、α−クロロブチリル、ベンゾイル、4−クロロベンゾイル、4−ブロモベンゾイル、4−ニトロベンゾイルなど;スルホニル基、例えば、ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニルなど;アシルオキシ基、例えば、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、p−クロロベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、2−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ブロモベンジルオキシカルボニル、3,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、2,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、2−ニトロ−4,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、3,4,5−トリメトキシベンジルオキシカルボニル、1−(p−ビフェニリル)−1−メチルエトキシカルボニル、α,α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、ベンズヒドリルオキシカルボニル、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)、ジイソプロピルメトキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、エトキシカルボニル、メトキシカルボニル、アリルオキシカルボニル(Alloc)、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、2−トリメチルシリルエチルオキシカルボニル(Teoc)、フェノキシカルボニル、4−ニトロフェノキシカルボニル、フルオレニル−9−メトキシカルボニル(Fmoc)、シクロペンチルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、フェニルチオカルボニルなど;アラルキル基、例えば、ベンジル、トリフェニルメチル、ベンジルオキシメチルなど;及びシリル基、例えば、トリメチルシリルなど。
「立体異性体」または「光学異性体」は、同じ原子が同じ他の原子と結合しているがこれらの原子の三次元上の配置が異なる、所与の化合物の異性体である。「エナンチオマー」は、左右の手のように互いの鏡像となっている、所与の化合物の立体異性体である。「ジアステレオマー」は、エナンチオマーではない、所与の化合物の立体異性体である。キラル分子はキラル中心(立体中心または不斉中心とも呼ばれる)を含有し、これは、任意の2つの基を入れ替えると立体異性体となるような、分子内の基を有する任意の点(ただし必ずしも原子ではない)である。通常、有機化合物におけるキラル中心は、炭素、リンまたは硫黄原子であるが、有機及び無機化合物において他の原子が立体中心となる可能性もある。1つの分子は複数の立体中心を有することができ、これにより多くの立体異性体がもたらされる。四面体不斉中心による立体異性を有する化合物(例えば、四面体炭素)において、仮説上考えられ得る立体異性体の総数は、2(nは、四面体の不斉中心の数である)を超えないことになる。対称性を有する分子は、立体異性体の考えられ得る最大数より少ないことが多い。エナンチオマーの50:50混合物は、ラセミ混合物と呼ばれる。あるいは、エナンチオマーの混合物は、1つのエナンチオマーが50%超の量で存在するようにエナンチオマーリッチにすることができる。通常は、エナンチオマー及び/またはジアステレオマーは、当技術分野で公知の手法を用いて分解または分離することができる。立体化学が定義されていないキラリティーの任意の立体中心または軸については、キラリティーの立体中心または軸は、そのR形態、S形態、またはR形態とS形態との混合物(ラセミと非ラセミとの混合物を含む)で存在し得ることが考慮されている。本明細書で使用される場合、「他の立体異性体を実質的に含まない」というフレーズは、組成物が≦15%、より好ましくは≦10%、さらにより好ましくは≦5%、または最も好ましくは≦1%の別の立体異性体を含有することを意味する。
VII.実施例
本発明の好ましい実施形態を示すために、以下の実施例が含まれている。当業者は、次の実施例に開示されている手法が、発明者によって発見された、本発明の実施で十分に機能するための手法を表し、従ってこの手法が本発明を実施するための好ましい様式を構成するものとみなされ得ることを、理解するはずである。ただし、当業者は、本開示に照らして、開示されている特定の実施形態に多くの変更がなされ得て、それでもなお、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、類似のまたは同様の結果が得られ得ることも理解するはずである。
実施例1:トリオキサカルシン及びその類似体の合成
トリオキサカルシンのポリ酸素化2,7−ジオキサビシクロ[2,2,1]ヘプタン系は、最も興味深い構造モチーフだが、その構造が原因で方策及び実験に関しては特別な注意が必要とされる。図2は、一実施形態における、逆合成形式のDC−45−A2(1)に対する方策設計を示している。従って、官能基変換前に行う1のヘミアセタール部分の切断によって、進行した前駆体5をもたらし、この前駆体は順次かつ選択的な脱保護/酸化を通じた目的の分子への変換が想定されている。エポキシケトン再配列(Gaoni,1968;Waserman et al.,1969;Wasserman et al.,1986a;Wasserman et al.,1986b;Wasserman et al.,1988a;Wasserman et al.,1988b;Naruse et al.,1988a;Naruse et al.,1988b;Evans et al.,1991)を通じた5内のビシクロ[2.2.1]ヘプタン系の分解は、エポキシケトン6を前駆体として示し、その起源は、図2に示されている切断[例えば、a)ハウザー・クラウス環形成反応;b)スティル反応;c)非対称ヨルゲンセンエポキシ化;及びd)ベイリス・ヒルマン反応]を通じた主要構成単位7〜10に由来し得る。主要なエポキシケトン再配列(6→5、図2)は、図2に示されるような(構造6の矢印を参照)C6における立体配置の反転を伴う好適な単座ルイス酸の作用を通じて、立体選択的または位置選択的な方法で誘導可能であると推定された。
Figure 2017537968
スキーム1.主要構成単位10の合成。試薬及び条件:a)OsO(4%w/v水溶液、0.02当量)、NMO(1.0当量)、アセトン、25℃、72時間、50%;b)TBSCl(2.4当量)、イミダゾール(5.0当量)、CHCl、25℃、48時間、92%;c)mCPBA(1.4当量)、NaHCO(2.0当量)、シクロヘキサン、25℃、17時間、89%;d)15(2.0当量)、nBuLi(2.0当量)、THF、0→25℃、18時間、94%、89%ee;e)PMBTCA(2.5当量)、TrBF(0.05当量)、THF、25℃、1時間;次に、TBAF(7.0当量)、THF、66℃、4時間、84%;f)TEMPO(3.0当量)、pTSA(3.0当量)、CHCl、0℃、45分、74%;g)TBSCl(1.8当量)、イミダゾール(3.0当量)、CHCl、25℃、1.5時間、99%。NMO=N−メチルモルホリン−N−オキシド、TBSCl=t−ブチルジメチルシリルクロリド、mCPBA=メタ−クロロペルオキシ安息香酸、PMBTCA=4−メトキシベンジル−2,2,2−トリクロロアセトアミデート、TrBF=トリチルテトラフルオロボレート、TBAF=テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオライド、TEMPO=2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ、pTSA=パラ−トルエンスルホン酸、THF=テトラヒドロフラン。
所望のシクロヘキサノン10を、スキーム1で概括されているように、シクロヘキサジエン11からエナンチオ選択的に調製した。従って、11をアップジョンジヒドロキシル化(OsO触媒、NMO、50%収率)に供し、得られたジオール12をシリル化してビス−TBSエーテル13(TBSCl、収率92%)を得た。後者(mCPBA、収率89%)のエポキシ化はエポキシド14を選択的にもたらし、nBuLiの存在下での(−)ノルエフェドリン由来アミン15によるエポキシド14の位置選択的開放によって、アリルアルコール16を収率94%及びee89%で得た(Maras et al.,1998;O’Brien et al.,1998;Coleman et al.,1999;deSousa et al.,2002)。このアルコールの4−メトキシベンジル−2,2,2−トリクロロアセトイミデート(PMBTCA)による保護及びその後のTBAF誘導脱シリル化によって、PMB−エーテルジオール17が収率84%でもたらされた。後者(TEMPO、pTSA、収率74%)のアリルアルコールの選択的酸化(Banwell et al.,1994)によってヒドロキシエノン18がもたらされ、ヒドロキシエノン18のシリル化(TBSCl、収率99%)によって、目的の主要構成単位エノン10がもたらされた。
Figure 2017537968
スキーム2.主要構成単位21の合成。試薬及び条件:a)NIS(1.4当量)、DCE、−10℃、6時間;b)MOMCl(1.3当量)、DIPEA(3.0当量)、CHCl、25℃、6時間、50%(2ステップ);c)9(1.0当量)、10(1.0当量) tBuOLi(3.0当量)、THF、−78℃、0.5時間;次に、MeSO(10当量)、0℃、5時間、69%;d)MgBr・OEt(3.0当量)、THF、0℃、15分;e)tBuSi(OTf)(1.2当量)、2,6−ルチジン(2.5当量)、DMF、0℃、0.5時間、85%(2ステップ)。NIS=N−ヨードスクシンイミド、DCE=1,2−ジクロロエタン、DIPEA=N,N−ジイソプロピルエチルアミン、DMF=N,N−ジメチルホルムアミド。
エノン10を、ハウザー・クラウス環形成反応(Hauser et al.,1978;Kraus et al.,1978)により、アクセスが容易なヨードシアノフタリド誘導体9とカップリングさせ、生成物からスキーム2に示す中間体21を産生した。従って、ヨードシアノフタリド9[公知のシアノフタリド19(Nicolaou et al.,2009)から順次的なヨード化(NIS)及びMOM保護によって調製したもの(MOMCl、DIPEA、全収率50%)]をtBuOLi(−78℃)の存在下でエノン10と反応させ(Svenda et al.,2011;Magauer et al.,2013;Nicolaou et al.,2009)、得られたp−ジヒドロキノン誘導体をMeSOで選択的にメチル化して、三環系20を全収率69%で得た。後者の中間体からMOM基をMgBr・OEtで除去し(Yang et al.,2009)、次にtBuSi(OTf)及び2,6−ルチジンで処理し、そしてシリル化生成物21を全収率85%で得た。
Figure 2017537968
スキーム3.ビス−環化前駆体エポキシケトン6の合成。試薬及び条件:a)Pd(PPh(0.2当量)、8(3.0当量)、CuTC(1.2当量)、DMF:THF 1:1、85℃、12時間、74%;b)TEMPO(0.1当量)、PIDA(1.3当量)、CHCl、25℃、4時間、89%;c)24(0.2当量)、尿素・H(7.0当量)、CHCl:HO 20:1、25℃、7時間;d)7(10当量)、DABCO(0.5当量)、4−ニトロフェノール(0.5当量)、THF、25℃、12時間;e)TMS−imid(1.0当量)、CHCl、25℃、0.5時間、36%(3ステップ)、C4におけるd.r.約3:1。CuTC=銅(I)−チオフェン−2−カルボキシレート、PIDA=ヨードベンゼンジアセテート、DABCO=1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、TMS−imid=N−トリメチルシリルイミダゾール。
スキーム3に概括されているように、中間体21を主要環化前駆体6に進行させた。従って、スタナン8によるアリールヨージド21のスティルカップリング(Pilli et al., 1998)をCuTC及び触媒量のPd(PPh(Pulukuri et al.,2012)の存在下で進めてアリルアルコール22(収率74%)を得、TEMPO及びPIDAによるアリルアルコール22の酸化によってアルデヒド23(収率89%)を得た。α,β−不飽和アルデヒド23(24触媒、尿素・H)(Marigo et al.,2005)のヨルゲンセン非対称エポキシ化によってエポキシアルデヒド25がもたらされ、これを精製せずにエノン7によるベイリス・ヒルマン反応(Edwards et al.,2003)(DABCO、4−ニトロフェノール)に供して、不安定なヒドロキシエポキシド26を得た。後者を直ちにN−トリメチルシリルイミダゾール(TMS−imid)で保護して、目的の前駆体6(+C4−epi−6、d.r.約3:1)を収率36%で3ステップで得た。
Figure 2017537968
スキーム4.前駆体エポキシケトン6のビス−環化。試薬及び条件:a)SnCl(0.05当量)、CHCl、−78℃、1時間、C4におけるd.r.約13:1、37%;b)BF・OEt(0.3当量)、CHCl、−78℃、3時間、54%(5a)、18%(5b)。
最後から2番目のビス−環化前駆体6を得て、目標とされる増大分子の2,7−ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン系を構築するための所望のカスケード閉環の段階が整った。この目標に向けて、スキーム4に示すように、エポキシケトン6(C4−ジアステレオ異性体の約3:1混合物)をCHCl中の触媒量のBF・OEt(単座ルイス酸)と−78℃で反応させ、所望の生成物をC4−ジアステレオ異性体の混合物(d.r.約3:1)として得た(5a、C4−α−ジアステレオ異性体、収率54%;5b、C4−β−ジアステレオ異性体、収率18%)。ジアステレオ異性体5a及び5bにおけるC4及びC6の立体配置割り当ては、H4、H5、H6カップリング定数に基づくものであった(5a:J4,5=4.8Hz、J5,6=3.0Hz;5b:J4,5=0Hz、J5,6=3.6Hz)。(Padwa et al.,1991;Kraehenbuehl et al.,1995;Kraehenbuehl et al.,1998;Muthusamy et al.,2002)。両方の化合物が、C6における単一のジアステレオ異性体(逆転した立体配置)として得られた。この反応は、スキーム4に示す遷移状態TS−6・B及びTS’−6・Bを通じて進むものと推定される。対照的に、基体6をCHCl中の触媒量の二座ルイス酸SnClと−78℃で反応させると、C6において逆のジアステレオ異性体27(J5,6=0Hz)(+C4−epi−27)がもたらされた(収率37%、d.r.約13:1)。この反応は、遷移状態TS−6・Sn及びTS’−6・Snを通じて進むものと推定され、後者は、C6における立体配置の反転をもたらすことになるであろう、立体的により過密な代替的配座異性体TS’’−6・Snよりも好ましい(スキーム4参照)。これらの結果は、提案されている、単座ルイス酸に触媒されたエポキシケトン再配列を支持するものであり、所望の立体配置を所持するジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン構造上モチーフを構築するための方策は、このエポキシケトン再配列に基づいている。
Figure 2017537968
スキーム5.トリオキサカルシンDC−45−A2(1)の全合成の完了。試薬及び条件:a)TFA(0.1M、10当量)、THF:HO 5:1、25℃、6時間、65%、5aを回収、24%;b)OsO(4%w/v、水溶液、0.2当量)、NMO(0.48M水溶液、4.0当量)、アセトン、25℃、12時間;c)TsCl(5.0当量)、EtN(10当量)、DMAP(0.2当量)、CHCl、0→25℃、5時間;d)KCO(2.0当量)、MeOH、0℃、3時間、82%(3ステップ);e)TPAP(0.2当量)、NMO・HO(3.0当量)、CHCl、0℃、2時間、93%;f)EtN・3HF(3.0当量)、CHCN、25℃、15分、88%;g) DDQ(2.0当量)、CHCl:HO 10:1、25℃、1時間、93%;h)EtN・3HF(20当量)、CHCN、25℃、13時間、86%。TFA=トリフルオロ酢酸、TsCl=4−トルエンスルホニルクロリド、DMAP=4−ジメチル−アミノピリジン、TPAP=過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム、DDQ=2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン。
最も難易度の高い、目的の分子の構造上ドメインの構築に成功したので、エポキシド部分の設置、C4における酸化、及び脱保護を含めた残りの合成タスクが完了した。従って、進行した中間体5a(主ジアステレオ異性体)を、スキーム5に示す目的の天然生成物(1)に変換した。よって、5aのTMS−エーテルの選択的切断によってアリルアルコール28(TFA、65%)を得て5a(収率24%)を回収した。mCPBAまたはtBuOOH/VO(acac)エポキシ化を通じて28から所望のエポキシド29を得るのは困難であるため、28内のオレフィン結合におけるジアステレオ選択的アップジョンジヒドロキシル化(OsO触媒、NMO)を伴う3ステッププロセスを使用し、次に、得られたトリオールの選択的モノトシル化(TsCl、EtN、DMAP触媒)及びエポキシド形成(KCO、MeOH、全収率82%)を行った。TPAPで触媒されたヒドロキシエポキシド29の酸化によってケトエポキシド30(収率93%)がもたらされ、これを順次及び選択的に脱保護してトリオキサカルシン誘導体31(EtN・3HF、3.0当量、15分、収率88%)及び32(DDQ、収率93%)を得ることができた。最後に、トリオキサカルシンDC−45−A2(1)をEtN・3HFに曝露することにより、TBS−エーテル32から遊離させた(過剰、13時間、収率86%)。合成1では、文献(Shirahata et al.,1984;Svenda et al.,2011)で報告されたものと同一の物理的性質(すなわち、H及び13C NMRならびに質量スペクトル)が示された。
実施例2:一般的な方法及び材料
別段の記載がない限り、全ての反応は、アルゴン雰囲気下で、無水条件下の乾燥溶媒を用いて行われた。市販されている予備乾燥された無酸素の製剤を活性アルミナカラムに通すことによって、乾燥したアセトニトリル(CHCN)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、メタノール、ジクロロメタン(CHCl)、トリエチルアミン(EtN)及びテトラヒドロフラン(THF)を得た。無水のアセトン、シクロヘキサン、クロロホルム(CHCl)及び1,2−ジクロロエタン(DCE)を、市販の供給業者から購入し、アルゴン下で保管した。別段の明記がない限り、収率は、クロマトグラフィー的及び分光学的(H NMR)に同質の材料を指す。別段の記載がない限り、試薬は最高の業務用品質のものを購入し、さらなる精製なしで使用した。反応を、薄層クロマトグラフィー(TLC)によってモニターした。TLCは、E.Merck製0.25mmシリカゲルプレート(60F254)上で、UV光を可視化剤として用いるか、あるいはリンモリブデン酸及び硫酸セリウムの水溶液または過マンガン酸カリウムの塩基水溶液ならびに熱を現像剤として用いて、実施した。Acros Organics製シリカゲル(60、粒径0.035〜0.070mm)をフラッシュカラムクロマトグラフィーに使用した。
NMRスペクトルを、5mm DCH凍結探針を装備したBruker製Avance III HD 600MHz装置上で記録し、残存非重水素化溶媒(CDCl,δ=7.26ppm,δ=77.00ppm)を298Kにおける内部基準として用いて較正した。多重度を称するために以下の省略形を使用した:s=単一線、d=二重線、t=三重線、q=四重線、m=多重線、br=広幅線。赤外線(IR)スペクトルをPerkin−Elmer100 FT−IR分光計上で記録した。高分解能質量スペクトル(HRMS)を、ESIソースインターフェースで作動するイオントラップ−飛行時間型質量分析計(Shimadzu,Columbia,MD)及びVG ZAB−ZSE質量分析計上に、MALDI(マトリックス支援レーザー脱離イオン化)またはESI(エレクトロスプレーイオン化)を用いて記録した。旋光度を、Schmidt+Haensch製Polartronic M100旋光計上で、100mmセルならびに指示された溶媒及び濃度を用いて589.44nmにて記録した。
実施例3:化合物の特性決定
Figure 2017537968
ジオール12:25℃のアセトン(780mL)中N−メチルモルホリン−N−オキシド(42.2g、312mmol)の攪拌溶液に、1,4−シクロヘキサジエン(25.0g、312mmol、1.0当量)及びOsO(4%w/v水溶液、39.7mL、6.24mmol、0.02当量)を添加し、得られた黒色の懸濁液をこの温度で72時間攪拌した。次にNaSO(25.0g)を添加し、得られた混合物を25℃でさらに1時間攪拌した。混合物を無水MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルのショートパッドを通して濾過し、EtOAcですすいで濃縮して標題化合物(12、17.9g、157mmol、50%)を無色の固体として得た。12: R = 0.23 (シリカゲル, EtOAc); m.p. 71 − 72 ℃ (EtOAc); FT−IR (neat):
Figure 2017537968
。全ての分光学的データは、文献にあるデータと一致していた。(Mara et al.,1998)
Figure 2017537968
Bis−TBSエーテル13:25℃のCHCl中ジオール12(6.27g、54.9mmol)の攪拌溶液に、イミダゾール(18.7g、274mmol、5.0当量)及びTBSCl(19.9g、132mmol、2.4当量)を添加した。この温度で48時間攪拌した後、反応混合物を水(2×100mL)で洗浄し、それから合わせた水層をCHCl(5×100mL)で抽出した。合わせた有機相を無水MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc:ヘキサン 1:200)によって精製し、標題化合物(13、17.4g、50.7mmol、92%)を無色の油として得た。13: R = 0.37 (シリカゲル, EtOAc:ヘキサン 1:100); FT−IR (neat):
Figure 2017537968
。全ての分光学的データは、文献にあるデータと一致していた。(O’Brien et al.,1998)
Figure 2017537968
エポキシド14:25℃のシクロヘキサン(500mL)中bis−TBSエーテル13(16.7g、48.8mmol)の攪拌溶液に、NaHCO(8.19g、97.5mmol、2.0当量)及びmCPBA(11.8g、約30%の含水率、68.3mmol、1.4当量)を複数回で順次添加した。反応混合物をこの温度で17時間攪拌した。NaSO(10%水溶液、300mL)で反応をクエンチした後、水層をCHCl(2×400mL)で抽出し、合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAC:ヘキサン 1:30)によって精製し、標題化合物(14、15.5g、43.2mmol、89%)を無色の油として得た。14: R = 0.32 (シリカゲル, EtOAc:ヘキサン 1:30);FT−IR(neat):
Figure 2017537968
。全ての分光学的データは、文献にあるデータと一致していた。(O’Brien et al.,1998)
Figure 2017537968
(−)−ノルエフェドリン由来アミン15:アミン15を原典の手順に従って調製した。(Colman et al.,1999)15: R = 0.10 (シリカゲル, CHCl中10% MeOH);
Figure 2017537968
。全ての分光学的データは、文献にあるデータと一致していた。(Colman et al.,1999)
Figure 2017537968
アリルアルコール16:−78℃のTHF(14mL)中(−)−ノルエフェドリン由来アミン15(4.4g、20.2mmol、2.0当量)の攪拌溶液に、nBuLi(ヘキサン中2.1M、9.6mL、20.2mmol、2.0当量)を20分にわたって滴下添加した。反応混合物を0℃に温め、この温度で30分間攪拌した後、反応物を再び−78℃に冷却し、THF(14mL)中エポキシド14(3.6g、10.1mmol)を−78℃で20分にわたって滴下添加した。反応混合物を25℃に温め、この温度で18時間攪拌し、次にNHCl(飽和水溶液、25mL)でクエンチした。得られた混合物をEtO(2×40mL)で抽出し、合わせた有機相をHCl(2%水溶液、3×40mL)、NaHCO(飽和水溶液、2×40mL)及びブライン(25mL)で順次洗浄し、次に無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc:ヘキサン 1:5)によって精製し、標題化合物(16、3.4g、9.5mmol、94%、モッシャーエステル分析(Hoye et al., 2007)によるe.r. 19:1)を白色の固体として得た。16: R = 0.34 (シリカゲル, EtOAc:ヘキサン 1:4); m.p. 56 − 57 ℃ (EtOAc, ヘキサン); [α]25 = −96.3 (c = 1.0, CHCl); FT−IR (neat):
Figure 2017537968
。全ての分光学的データは、文献にあるデータと一致していた。(de Sousa et al.,2002)
Figure 2017537968
PMB−エーテルジオール17:25℃のTHF(500mL)中アリルアルコール16(17.0g、47.4mmol)の攪拌溶液に、トリチルテトラフルオロボレート(0.782g、2.37mmol、0.05当量)及び新たに調製した4−メトキシベンジル−2,2,2−トリクロロアセトアミデート(PMB−TCA;33.5g、118mmol、2.5当量)を添加した。この温度で1時間攪拌した後、TBAF(THF中1.0M、332mL、7.0当量)を添加し、反応混合物を4時間加熱還流し、次に25℃に冷却し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、アセトン:ペンタン 1:3→3:2)によって精製し、標題化合物(17、10.0g、40.0mmol、84%)を灰白色の固体として得た。17: R = 0.38 (シリカゲル, アセトン:ペンタン 2:3); m.p. 84 − 85 ℃ (アセトン, ペンタン); [α]25 = −135.3 (c = 1.0, CHCl); FT−IR (neat):
Figure 2017537968
Figure 2017537968
ヒドロキシエノン18:25℃のCHCl(290mL)中PMB−エーテルジオール17(6.09g、24.3mmol)の攪拌溶液に、p−トルエンスルホン酸一水和物(13.9g、72.9mmol、3.0当量)を添加した。次に、CHCl(30mL)中TEMPO(11.4g、72.9mmol、3.0当量)の溶液を、シリンジポンプを介して0℃で30分にわたって添加した。この温度でさらに15分間攪拌した後、NaHCO(飽和水溶液、150mL)で反応をクエンチした。得られた混合物をCHCl(2×100mL)で抽出し、合わせた有機相をブライン(200mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc:ヘキサン 1:3→1:1)によって精製し、標題化合物(18、4.47g、18.0mmol、74%)をオレンジ色の油として得た。18: R = 0.40 (シリカゲル, EtOAc:ヘキサン 1:1); [α]25 = −158.8 (c = 1.0, CHCl); FT−IR (neat):
Figure 2017537968
。全ての分光学的データは、文献にあるデータと一致していた。(Kato et al.,2006;Myers et al.,2011)
Figure 2017537968
エノン10:25℃のCHCl(90mL)中ヒドロキシエノン18(4.47g、18.0mmol)の攪拌溶液に、イミダゾール(3.67g、54.0mmol、3.0当量)及びTBSCl(4.88g、32.4mmol、1.8当量)を添加した。この温度で1.5時間攪拌した後、NHCl(飽和水溶液、100mL)で反応をクエンチした。得られた混合物をCHCl(2×50mL)で抽出し、合わせた有機相をブライン(200mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc:ヘキサン 1:3)によって精製し、標題化合物(10、6.45g、17.8mmol、99%)を無色の油として得た。10: R = 0.54 (シリカゲル, EtOAc:ヘキサン 1:4); [α]25 = −119.5 (c = 1.0, CHCl); FT−IR (neat):
Figure 2017537968
。全ての分光学的データは、文献にあるデータと一致していた。(Kato et al.,2006;Myers et al.,2011)
Figure 2017537968
シアノフタリド19:シアノフタリド19を、報告されている手順に従って調製した。(Nicolaou et al.,2009)19: R = 0.52 (シリカゲル, EtOAc:ヘキサン 1:1);
Figure 2017537968
。全ての分光学的データは、文献で報告されたデータと一致していた。(Nicolaou et al.,2009)
Figure 2017537968
ヨードシアノフタリド9:−10℃のDCE(100mL)中シアノフタリド19(1.04g、5.46mmol)の攪拌溶液に、NIS(1.61g、7.11mmol、1.3当量)を添加した。反応フラスコをアルミニウム箔で覆って光を排除した。この温度で6時間攪拌した後、NaSO(10%水溶液、100mL)で反応をクエンチした。得られた混合物をCHCl(2×50mL)で抽出し、合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc:ヘキサン 1:1)に供して、非保護ヨードシアノフタリド中間体を若干量の出発材料19との混合物(10:1の比)として得た。
25℃のCHCl(50mL)中上記混合物の溶液に、クロロメチルメチルエーテル(376mg、4.64mmol、0.85当量)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(478mg、3.71mmol、0.68当量)を添加した。この温度で6時間攪拌した後、NaHCO(5%水溶液、100mL)で反応をクエンチした。得られた混合物をCHCl(2×50mL)で抽出し、合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc:ヘキサン 1:6)によって精製し、標題化合物(9、984mg、2.73mmol、50%、2ステップ)を黄色の固体として得た。9: R = 0.33 (シリカゲル, EtOAc:ヘキサン 1:4); m.p. 117 − 118 ℃ (EtOAc:ヘキサン); FT−IR (neat):
Figure 2017537968
Figure 2017537968
アリールヨージド20:−78℃のTHF(27mL)中ヨードシアノフタリド9(889mg、2.46mmol)の攪拌溶液に、tBuOLi(THF中1.0M、7.40mL、0.740mmol、3.0当量)を添加した。この温度で10分間攪拌した後、THF(27mL)中エノン10(889mg、2.46mmol、1.0当量)の溶液を滴下添加した。得られた反応混合物を−78℃で30分間攪拌し、その後にMeSO(3.05g、24.6mmol、10当量)を滴下添加した。得られた混合物を−5℃に温め、この温度で5時間攪拌し、その後にNHCl(飽和水溶液、150mL)でクエンチした。得られた混合物をEtOAc(3×80mL)で抽出し、合わせた有機相をブライン(150mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc:ヘキサン 1:50)によって精製し、標題化合物20(1.24g、1.70mmol、69%)をオレンジ色の油として得た。20: R = 0.62 (シリカゲル, EtOAc:ヘキサン 1:8); [α]25 = +37.0 (c = 1.0, CHCl); FT−IR (neat):
Figure 2017537968
Figure 2017537968
アリールヨージド21:0℃のTHF(35mL)中アリールヨージド20(1.24g、1.70mmol)の攪拌溶液に、MgBr・OEt(1.32g、5.10mmol、3.0当量)を1回で添加した。この温度で10分間攪拌した後、HO(50mL)で反応をクエンチした。得られた混合物をEtOAc(3×50mL)で抽出し、合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗残渣をさらなる精製なしで次のステップに使用した。0℃のDMF(17mL)中上記粗製物の攪拌溶液に、2,6−ルチジン(546mg、5.10mmol、3.0当量)を添加し、次にtBuSi(OTf)(896mg、2.04mmol、1.2当量)を10分の期間にわたって滴下添加した。この温度でさらに10分間攪拌した後、NHCl(飽和水溶液、50mL)で反応をクエンチし、EtOAc(100mL)で希釈した。得られた混合物をブライン(3×100mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc:ヘキサン 1:50)によって精製し、標題化合物(21、1.16g、1.45mmol、85%、2ステップ)をオレンジ色の油として得た。21: R = 0.54 (シリカゲル, EtOAc:ヘキサン 1:4); [α]25 = +31.7 (c = 1.0, CHCl); FT−IR (neat):
Figure 2017537968
Figure 2017537968
スタナン8:スタナン8を、原典の手順に従って調製した。(Philli et al.,1998)8: R = 0.51 (シリカゲル, EtOAc:ヘキサン 1:8);
Figure 2017537968
。全ての分光学的データは、文献で報告されたデータと一致していた。(Pilli et al.,1998)
Figure 2017537968
アリルアルコール22:DMF(26mL)中アリールヨージド21(1.06g、1.32mmol)、CuTC(302mg、1.58mmol、1.2当量)及びPd(PPh(305mg、0.264mmol、0.2当量)の攪拌混合物に、スタナン8(642mg、1.85mmol、1.4当量)を添加した。110℃で12時間攪拌した後、反応物を25℃に冷却し、次に水(40mL)でクエンチし、EtOAc(50mL)で希釈した。得られた混合物をブライン(3×50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc:ヘキサン 1:4)によって精製し、標題化合物(22、718mg、0.977mmol、74%)を黄色の泡沫として得た。22: R = 0.23 (シリカゲル, EtOAc:ヘキサン 1:4); [α]25 = +26.8 (c = 0.85, CHCl); FT−IR (neat):
Figure 2017537968
Figure 2017537968
アルデヒド23:25℃のCHCl(8mL)中アリルアルコール22(600mg、0.799mmol)の攪拌溶液に、TEMPO(12.5mg、0.08mmol、0.1当量)及びPhI(OAc)(334mg、1.04mmol、1.3当量)を添加した。この温度で4時間攪拌した後、NaSO(10%水溶液、20mL)で反応をクエンチした。得られた混合物をCHCl(3×10mL)で抽出し、合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc:ヘキサン 1:11)によって精製し、標題化合物(23、539mg、0.720mmol、89%)を黄色の泡沫として得た。23: R = 0.55 (シリカゲル, EtOAc:ヘキサン 1:4); [α]25 = +18.4 (c = 1.0, CHCl); FT−IR (neat):
Figure 2017537968
Figure 2017537968
エポキシケトン6(プラス4−epi−6):25℃のCHCl(21mL)及びHO(1.1mL)中アルデヒド23(800mg、1.07mmol)の攪拌溶液に、尿素・H(706mg、7.49mmol、7.0当量)及び(S)−(−)−α,α−ジフェニル−2−ピロリジンメタノールトリメチルシリルエーテル(24、70.2mg、0.218mmol、0.2当量)を添加した。この温度で7時間攪拌した後、反応混合物をEtOAc(100mL)で希釈した。得られた混合物をHO(2×50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して粗製エポキシド25を得、これをさらなる精製なしで次のステップに使用した。
25℃のTHF(21mL)中上記粗製エポキシド25の溶液に、DABCO(60.0mg、0.535mmol、0.5当量)、4−ニトロフェノール(74.8mg、0.535mmol、0.5当量)及びエノン7(Edwards et al.,2003)(1.39g、10.7mmol、10当量)を添加した。この温度で12時間攪拌した後、EtOAc(100mL)で反応物を希釈した。得られた混合物をブライン(2×50mL)で洗浄し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc:ヘキサン 1:4→1:2)によって精製して、複数の未知の副生成物を含有する粗製アルコール26を得た。
上記で得られた粗製アルコール26をCHCl(10mL)に溶解させ、N−トリメチルシリルイミダゾール(120mg、0.856mmol、0.8当量)を攪拌下0℃で添加した。得られた反応混合物をこの温度で30分間攪拌し、次に減圧下で2mLに濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc:CHCl:ヘキサン 1:1:12)によって精製し、標題化合物6(プラスC4−epi−6)(355mg、0.373mmol、d.r.約3:1、36%、3ステップ)を黄色の泡沫として得た。6 (プラスC4−epi−6): R = 0.56 (シリカゲル, EtOAc:ヘキサン 1:4); [α]25 = +16.8 (c = 1.0, CHCl); FT−IR (neat): νmax = 2934, 2898, 2859, 1696, 1614, 1560, 1514, 1471, 1445, 1371, 1250, 1158, 1055, 1010, 938, 879, 829, 780, 662 cm−1H NMR (CDCl, 600 MHz) δ = 7.36 (s, 1 H, 主), 7.32 − 7.30 (m, 5 H, 主 + 副), 6.87 − 6.84 (m, 4 H, 主 + 副), 6.66 (s, 1 H, 主), 6.63 (s, 1 H, 副), 6.48 (s, 1 H, 主), 6.45 (s, 1 H, 副), 5.17 − 5.16 (m, 2 H, 主 + 副), 5.11 (d, J = 2.0 Hz, 1 H, 主), 5.08 (d, J = 2.4 Hz, 1 H, 副), 5.06 (s, 1 H, 主), 5.01 (s, 1 H, 副), 4.86 (dd, J = 12.4, 5.0 Hz, 2 H, 主 + 副), 4.71 (d, J = 10.9 Hz, 2 H, 主 + 副), 4.61 (d, J = 10.8 Hz, 2 H, 主 + 副), 4.11 (d, J = 2.2 Hz, 1 H, 主), 3.89 (d, J = 2.2 Hz, 1 H, 副), 3.86 (s, 6 H, 主 + 副), 3.79 (s, 6 H, 主 + 副), 3.54 (t, J = 2.5 Hz, 1 H, 副), 3.50 (t, J = 2.4 Hz, 1 H, 主), 3.42 (s, 6 H, 副), 3.40 (s, 3 H, 主), 3.39 (s, 3 H, 主), 2.71 (ddd, J = 13.5, 4.9, 3.1 Hz, 2 H, 主 + 副), 2.58 (s, 3 H, 主), 2.48 (s, 3 H, 副), 2.17 − 2.12 (m, 2 H, 主 + 副), 1.18 (s, 9 H, 主), 1.15 (s, 9 H, 副), 1.10 (s, 9 H, 副), 1.10 (s, 9 H, 主), 0.95 (s, 18 H, 主 + 副), 0.24 (s, 6 H, 主 + 副), 0.15 (s, 9 H, 主), 0.14 (s, 9 H, 副), 0.14 (s, 6 H, 主 + 副) ppm; 13C NMR (CDCl, 150 MHz) δ = 194.4 (主 + 副), 193.8 (副), 193.8 (主), 159.3 (主 + 副), 152.1 (副), 151.4 (主), 149.8 (主 + 副), 146.1 (主), 146.1 (副), 144.2 (主), 144.0 (副), 141.4 (主), 140.5 (副), 131.4 (主), 131.3 (副), 130.4 (副), 130.3 (主), 130.3 (副), 130.1 (主), 129.7 (主 + 副), 129.3 (主), 129.3 (副), 119.7 (主), 119.6 (副), 115.7 (副), 115.7 (主), 115.4 (主), 115.4 (副), 114.3 (主), 114.2 (副), 113.8 (主 + 副), 102.7 (副), 102.1 (主), 71.3 (主 + 副), 71.2 (主 + 副), 69.9 (副), 69.8 (主), 67.8 (副), 67.1 (主), 62.6 (主 + 副), 61.6 (主), 61.0 (副), 55.3 (主 + 副), 54.6 (副), 54.4 (副), 54.3 (主), 54.1 (主), 52.4 (主), 51.5 (副), 36.5 (主), 36.5 (副), 26.4 (主 + 副), 26.2 (副), 26.2 (主), 26.0 (主 + 副), 21.2 (主), 21.2 (副), 21.1 (副), 21.1 (主), 21.0 (主), 20.9 (副), 18.7 (主 + 副), 0.1 (主), 0.0 (副), −4.3 (主 + 副), −5.4 (主 + 副) ppm; HRMS (ESI−TOF) C507512Si [M+H] 計算値951.4561, 実測値951.4581.
Figure 2017537968
アセタール27(カップリング定数研究[11]により割り当てられた立体化学):−78℃のCHCl(0.8mL)中エポキシケトン6(プラスC4−epi−6)(20.1mg、0.021mmol)の攪拌溶液に、SnCl(CHCl中0.01M、21μL、0.021mmol、0.1当量)を滴下添加した。この温度で2時間攪拌した後、NaHCO(飽和水溶液、2mL)で反応をクエンチした。得られた混合物をCHCl(3×2mL)で抽出し、合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc:ヘキサン 1:13)によって精製し、標題化合物(27、プラスC4−epi−27)(7.3mg、0.0076mmol、d.r.約13:1、37%)を黄色の油として得た。R = 0.58 (シリカゲル, EtOAc:ヘキサン 1:4); 27 (+ C4−epi−27): R = 0.63 (シリカゲル, EtOAc:ヘキサン 1:4); [α]25 = +30.4 (c = 0.45, CHCl); FT−IR (neat):
Figure 2017537968
Figure 2017537968
アセタール5a及び5b:−78℃のCHCl(4.4mL)中エポキシケトン6(プラス4−epi−6)(140mg、0.147mmol)の攪拌溶液に、BF・OEt(CHCl中0.1M、440μL、0.044mmol、0.3当量)を滴下添加した。この温度で6時間攪拌した後、EtN(40μL)及びNaHCO(飽和水溶液、10mL)で順次反応をクエンチした。得られた混合物をCHCl(3×10mL)で抽出し、合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc:ヘキサン 1:20)によって精製し、標題化合物(5a、75.0mg、0.079mmol、54%;5b、25.0mg、0.026mmol、18%)を黄色の泡沫として得た。
5a(カップリング定数研究により割り当てられた立体化学[Padwa et al.,1991;Kraehenbuehl et al.,1995;Kraehenbuehl et al.,1998;Muthusamy et al.,2002]):R = 0.68 (シリカゲル, EtOAc:ヘキサン 1:4); [α]25 = +168.8 (c = 1.0, CHCl); FT−IR (neat):
Figure 2017537968
5b(カップリング定数研究により割り当てられた立体化学[Padwa et al.,1991;Kraehenbuehl et al.,1995;Kraehenbuehl et al.,1998;Muthusamy et al.,2002]):R = 0.65 (シリカゲル, EtOAc:ヘキサン 1:4); [α]25 = +165.8 (c = 1.0, CHCl); FT−IR (neat):
Figure 2017537968
Figure 2017537968
アリルアルコール28:アセタール5a(52.2mg、0.548mmol)をTFAの溶液(THF:HO 5:1中0.1M、5.5mL)に溶解させた。25℃で5時間攪拌した後、NaHCO(飽和水溶液、10mL)で反応をクエンチした。得られた混合物をCHCl(3×5mL)で抽出し、合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc:ヘキサン 1:10→1:4)によって精製し、標題化合物(28、31.0mg、0.035mmol、65%)を黄色の泡沫として得、出発材料(5a、12.5mg、0.013mmol、24%)を回収した。28: R = 0.61 (シリカゲル, EtOAc:ヘキサン 1:2); [α]25 = +134.5 (c = 1.0, CHCl); FT−IR (neat):
Figure 2017537968
Figure 2017537968
エポキシアルコール29:25℃のアセトン(1.0mL)中アリルアルコール28(30.1mg、0.034mmol)の攪拌溶液に、OsO(0.08M水溶液、85μL、0.068mmol、0.2当量)及びNMO(0.48M水溶液、283μL、0.136mmol、4.0当量)を順次添加した。この温度で12時間攪拌した後、NaSO(10%水溶液、10mL)で反応をクエンチした。得られた混合物をさらに30分攪拌し、次にCHCl(3×5mL)で抽出し、合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc:ヘキサン 1:2)によって精製し、トリオール中間体(26.3mg、0.029mmol)を黄色の泡沫として得た。25℃のCHCl(1.0mL)中上記トリオール中間体(26.3mg、0.029mmol)の攪拌溶液に、EtN(14.6mg、0.144mmol、5.0当量)、DMAP(2.0mg、0.0144mmol、0.5当量)及びTsCl(16.4mg、0.144mmol、5.0当量)を順次添加した。この温度で5時間攪拌した後、NHCl(飽和水溶液、5mL)で反応をクエンチした。得られた混合物をCHCl(3×5mL)で抽出し、合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc:ヘキサン 1:2)によって精製し、対応する一級トシレート中間体(31.0mg、0.029mmol)を黄色の泡沫として得た。
25℃のMeOH(1.0mL)中上記トシレート中間体(31.0mg、0.029mmol)の攪拌溶液に、KCO(8.0mg、0.058mmol、2.0当量)を添加した。得られた反応混合物をこの温度で1時間攪拌し、次に直ちにフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc:ヘキサン 4:1)に供して標題化合物(29、25.0mg、0.028mmol、82%、3ステップ)を黄色の泡沫として得た。29: R = 0.52 (シリカゲル, EtOAc:ヘキサン 1:2); [α]25 = +106.5 (c = 1.0, CHCl); FT−IR (neat):
Figure 2017537968
Figure 2017537968
ケトエポキシド30:25℃のCHCl中エポキシアルコール29(30.0mg、0.034mmol)の攪拌溶液に、NMO・HO(13.6mg、0.101mmol、3.0当量)及びTPAP(2.4mg、0.007mmol、0.2当量)を添加した。得られた反応混合物をこの温度で1時間攪拌し、次に直ちにフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc:ヘキサン 1:4)に供して標題化合物(30、27.8mg、0.031mmol、93%)を黄色の泡沫として得た。30: R = 0.51 (シリカゲル, EtOAc:ヘキサン 1:4); [α]25 = +192.9 (c = 1.0, CHCl); FT−IR (neat):
Figure 2017537968
。全ての分光学的データは、文献で報告されたデータと一致していた。(Svenda et al.,2011)
Figure 2017537968
ヘミアセタール31:25℃のCHCN(1.0mL)中ケトエポキシド30(20.1mg、0.0225mmol)の攪拌溶液に、EtN・3HF(10.0mg、0.061mmol、3.0当量)を添加した。この温度で15分間攪拌した後、NaHCO(5%水溶液、5mL)で反応をクエンチし、EtOAc(10mL)で希釈した。得られた混合物をHO(5mL)及びブライン(5mL)で順次洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc:ヘキサン 2:1)によって精製し、標題化合物(31、15.0mg、0.0199mmol、88%)をオレンジ色の泡沫として得た。31: R = 0.42 (シリカゲル, EtOAc:ヘキサン 2:1); [α]25 = +200.3 (c = 1.0, CHCl); FT−IR (neat):
Figure 2017537968
。全ての分光学的データは、文献で報告されたデータと一致していた。(Svenda et al.,2011)
Figure 2017537968
ヒドロキシヘミアセタール32:アルミニウム箔を用いて光を遮蔽した反応フラスコ内の25℃のCHCl(1.0mL)及びHO(0.1mL)中ヘミアセタール31(15.2mg、0.0202mmol)の攪拌溶液に、DDQ(6.9mg、0.0303mmol、1.5当量)を添加した。この温度で3時間攪拌した後、ブライン(5mL)で反応をクエンチした。得られた混合物をCHCl(3×5mL)で抽出し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc:ヘキサン 3:1)によって精製し、標題化合物(31、11.9mg、0.0187mmol、93%)をオレンジ色の泡沫として得た。32: R = 0.70 (シリカゲル, EtOAc); [α]25 = +131.5 (c = 0.2, CHCl); FT−IR (neat):
Figure 2017537968
Figure 2017537968
DC−45−A2(1):アルミニウム箔を用いて光を遮蔽した反応フラスコ内の25℃のCHCN(1.0mL)中ケトン31(10.2mg、0.0161mmol)の攪拌溶液に、EtN・3HF(49.0mg、0.30mmol、20当量)を添加した。この温度で12時間攪拌した後、NaHCO(5%水溶液、5mL)で反応をクエンチし、EtOAc(10mL)で希釈した。得られた混合物を水(5mL)及びブライン(5mL)で順次洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLC(Atlantis Prep T3 OBDカラム、5μm、19×150mm、UV検出271nm、HO中20%MeCNによるイソクラティック溶離、流量:10mL/分、32→34分)によって精製して、DC−45−A2(1、7.2mg、0.0138mmol、86%)をオレンジ色の固体として得た。1: R = 0.21 − 0.62 (テーリング, シリカゲル, EtOAc); [α]25 = +182 (c = 0.3, CHCl); FT−IR (neat):
Figure 2017537968
。全ての分光学的データは、文献で報告されたデータと一致していた。(Svenda et al.,2011)
Figure 2017537968
KCN−Trox5: [α]25 = +190.9 (c = 0.23, CHCl); FT−IR (neat):
Figure 2017537968
Figure 2017537968
KCN−Trox6: [α]25 = +201.7 (c = 0.18, CHCl); FT−IR (neat):
Figure 2017537968
Figure 2017537968
KCN−Trox8: R = 0.77 (シリカゲル, EtOAc:ヘキサン 1:1); [α]25 = +268.8 (c = 0.08, CHCl); FT−IR (neat):
Figure 2017537968
Figure 2017537968
KCN−Trox9: [α]25 = +181.8 (c = 0.11, CHCl); FT−IR (neat):
Figure 2017537968
実施例4:Svenda, et al.とのH及び13C NMRの構造比較
ケトエポキシド30(Svenda, et al.及び本明細書)におけるH及び13C NMR分光学的データの比較
Figure 2017537968
(表1a)H NMR分光学的データの比較
Figure 2017537968
(表1b)13C NMR分光学的データの比較
Figure 2017537968
ヘミアセタール31(Svenda, et al.及び本明細書)におけるH及び13C NMR分光学的データの比較
Figure 2017537968
(表2a)H NMR分光学的データの比較
Figure 2017537968
(表2b)13C NMR分光学的データの比較
Figure 2017537968
DC−45−A2(Svenda, et al.及び本明細書)におけるH及び13C NMR分光学的データの比較
Figure 2017537968
(表3a)H NMR分光学的データの比較
Figure 2017537968
(表3b)13C NMR分光学的データの比較
Figure 2017537968
実施例5:生物学的活性
A.細胞毒性アッセイ
細胞をT75フラスコ中で約50〜80%の集密度で培養し、トリプシンで単一細胞の懸濁液に回収した。ウェル当たり500細胞を培地量50μL/ウェルの組織培養プレートに播種し、37℃で18〜24時間インキュベートした。化合物を、DMSO中400×の最終所望濃度で希釈した。次に、DMSO中の段階希釈物を0.25%の最終DMSO濃度で培地中に希釈し、50μL/ウェルの最終希釈物を細胞に添加した(Vf=100μL)。プレーティング及び処理を行ったらすぐに、細胞をインキュベーターに戻してさらに72時間インキュベートした。製造業者の指示に従ってCellTiter−Glo試薬を調製し、100μL/ウェルを培養物に添加した。CellTiter−Gloは、細胞内のATP濃度を定量化することにより、代謝的に活性な細胞の相対的計数を可能にする。CellTiter−Gloを用いたインキュベートを周囲室温で5分行った後、125μL/ウェルのCellTiter−Glo/細胞可溶化物溶液を黒色のアッセイプレートに移し、次に30分以内にルミノメーターで読み取った。いかなる処理も受けなかった培養物(細胞培地のみ)から得られた発光の読み取り値を100%対照として設定し、他の全ての発光値をこれらの対照に正規化した(例えば、正規化RLU(相対発光量))。
B.アッセイで用いた細胞株
MES SA及びMES SA/Dx細胞は、子宮肉腫である。MES SA Dx細胞株は、MDR1の上方制御を達成するためにMES SAから作られた。MES−SA/Dx細胞は、多くの化学療法薬剤(ダウノルビシン、ダクチノマイシン、ビンクリスチン、タクソール、コルヒチンを含む)に対し顕著な交差耐性を示し、マイトマイシンC及びメルファランに対し中程度の交差耐性を示す。293T細胞は、ヒト胚腎細胞株である。
C.活性結果
アッセイの結果を図3A〜3C及び図4A〜4Cならびに表4に示す。これらのアッセイにおいて、Trox8は、MES SAアッセイでは530pMの活性、MES SA DXアッセイでは380pM、293Tアッセイでは550pMの活性を示した。加えて、Trox5、Trox7、及びTrox9も良好なナノモル細胞毒性を示した。
(表4)Trox4−Trox9の生物学的活性
Figure 2017537968
Figure 2017537968
Figure 2017537968
Figure 2017537968
Figure 2017537968
Figure 2017537968
Figure 2017537968
本明細書で開示及び特許請求されている全ての組成物及び/または方法は、本開示を踏まえて過度の実験なしで作成及び実行することができる。本発明の組成物及び方法は、好ましい実施形態の観点から記載されているが、本発明の概念、趣旨及び範囲から逸脱することなく、この組成物及び/または方法、ならびに本明細書に記載の方法のステップまたはステップの順序における変形が適用され得ることは、当業者にとって明らかであろう。より具体的には、化学的かつ生理学的に関連するある特定の薬剤は、同じまたは同様の結果が達成されると考えられる限りにおいて、本明細書に記載の薬剤に置き換えられ得ることが明白となろう。当業者に対して明白な、このような同様の代用及び変更は全て、添付の請求項によって定義される本発明の趣旨、範囲及び概念内にあるものとみなされる。
VIII.参考文献
以下の参考文献は、本明細書の記載内容を補足する例示的な手順上の詳細またはその他の詳細を提供する範囲で、参照によって明確に本明細書に組み込まれている。
Figure 2017537968
Figure 2017537968

Claims (209)

  1. 下記式の化合物、または薬学的に許容されるその塩:
    Figure 2017537968
    式中、
    は、アミノ、ヒドロキシ、またはメルカプト;
    アルコキシ(C≦12)、シクロアルコキシ(C≦12)、アルケニルオキシ(C≦12)、アルキニルオキシ(C≦12)、アシルオキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、シクロアルキルチオ(C≦12)、アルケニルチオ(C≦12)、アルキニルチオ(C≦12)、アシルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、シクロアルキルアミノ(C≦12)、アルケニルアミノ(C≦12)、アルキニルアミノ(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦12)、ジシクロアルキルアミノ(C≦12)、ジアルケニルアミノ(C≦12)、ジアルキニルアミノ(C≦12)、アミド(C≦12)、またはこれらの基のうちいずれかの置換バージョンであり;あるいは、
    は、式:−O−アルカンジイル(C≦8)−アルコキシ(C≦12)、−O−アルカンジイル(C≦8)−アルケニルオキシ(C≦12)、−O−アルカンジイル(C≦8)−アルキニルオキシ(C≦12)、またはその置換バージョンであり;あるいは、
    は、式:
    Figure 2017537968
    の基であり、
    式中、
    、R’、R、R、R’、R、及びR’は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦8)、アルコキシ(C≦8)、アシルオキシ(C≦8)、置換アルキル(C≦8)、置換アルコキシ(C≦8)、または置換アシルオキシ(C≦8)であり、
    10は、水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、アシル(C≦12)、置換アルキル(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、置換アシル(C≦12)、または式:
    Figure 2017537968
    の基であり、
    式中、
    11は、水素、アルキル(C≦8)、または置換アルキル(C≦8)であり;
    12は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、−O−アルカンジイル(C≦12)−チオール反応性基、または−O−アルカンジイル(C≦12)−チオール反応性基の置換バージョンであり;あるいは、
    及びR10は、一緒になって、式:
    Figure 2017537968
    の複素環式化合物を形成し、
    式中、
    は、水素、アルキル(C≦6)、または置換アルキル(C≦6)であり;
    及びRは、独立して、水素、アミノ、ヒドロキシ、メルカプト;
    アルキル(C≦12)、シクロアルキル(C≦12)、アルケニル(C≦12)、アルキニル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、シクロアルコキシ(C≦12)、アルケニルオキシ(C≦12)、アルキニルオキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、シクロアルキルチオ(C≦12)、アルケニルチオ(C≦12)、アルキニルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、シクロアルキルアミノ(C≦12)、アルケニルアミノ(C≦12)、アルキニルアミノ(C≦12)、またはこれらの基のうちいずれかの置換バージョンであり;
    及びRは、一緒になって、アルコキシジイル(C≦8)、アルキルアミノジイル(C≦12)、アルキルチオジイル(C≦12)、またはこれらの基のうちいずれかの置換バージョンであり;
    は、水素、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキル(C≦12)または置換アルキル(C≦12)であり;
    及びXはそれぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、または
    アルコキシ(C≦12)、アルケニルオキシ(C≦12)、アルキニルオキシ(C≦12)、またはこれらの基のうちいずれかの置換バージョンであり;
    Aは、縮合シクロアルカンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、
    式中、
    は、水素、オキソ、アルコキシ(C≦12)、または置換アルコキシ(C≦12)であり、ただし、Yがオキソである場合、Yが結合している原子は二重結合の一部であり、Yが結合している原子が二重結合の一部である場合、Yはオキソであり;
    は、水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦12)、置換アルキル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、または−OX(Xはヒドロキシ保護基である);または式:
    Figure 2017537968
    の基であり、
    式中、
    、R’、R、R、R’、R、及びR’は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦8)、アルコキシ(C≦8)、アシルオキシ(C≦8)、置換アルキル(C≦8)、置換アルコキシ(C≦8)、または置換アシルオキシ(C≦8)であり;
    10は、水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、アシル(C≦12)、置換アルキル(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、置換アシル(C≦12)、または式:
    Figure 2017537968
    の基であり、
    式中、
    11は、水素、アルキル(C≦8)、または置換アルキル(C≦8)であり;
    12は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、−O−アルカンジイル(C≦12)−チオール反応性基、または−O−アルカンジイル(C≦12)−チオール反応性基の置換バージョンであり;または、
    及びR10は、一緒になって、式:
    Figure 2017537968
    の複素環式化合物を形成し、
    式中、
    は、水素、アルキル(C≦6)、または置換アルキル(C≦6)であり;
    は、0、1、2、3、4、5、または6であり;あるいは、
    Aは、縮合アレーンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、
    式中、
    は、水素、オキソ、アルコキシ(C≦12)、または置換アルコキシ(C≦12)であり、ただし、Yがオキソである場合、Yが結合している原子は二重結合の一部であり、Yが結合している原子が二重結合の一部である場合、Yはオキソであり;
    は、水素、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX(Xはヒドロキシ保護基である)、−SX(Xはチオ保護基である)、または−NX(XまたはXの一方は一価のアミン保護基でありかつもう一方は水素であり、あるいは、X及びXは一緒になって二価のアミン保護基である)であり;
    は、0、1、2、または3であり;あるいは、
    Aは、縮合ヘテロシクロアルカンジイルを伴う縮合アレーンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、
    式中、
    は、水素、オキソ、アルコキシ(C≦12)、または置換アルコキシ(C≦12)であり、ただし、Yがオキソである場合、Yが結合している原子は二重結合の一部であり、Yが結合している原子が二重結合の一部である場合、Yはオキソであり;
    は、水素、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX(Xはヒドロキシ保護基である)、−SX(Xはチオ保護基である)、または−NX(XまたはXの一方は一価のアミン保護基でありかつもう一方は水素であり、あるいは、X及びXは一緒になって二価のアミン保護基である)であり;
    は、水素、アルキル(C≦12)、または置換アルキル(C≦12)であり;
    は、0または1であり;
    xは、1、2、3、または4であり;あるいは、
    Aは、縮合ヘテロアレーンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、
    式中、
    、Z、及びZは、それぞれ独立して、CR’、NR’’、O、またはSから選択され;
    及びR’は、それぞれ独立して、水素、アミノ、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、ニトロ、スルファト、スルファミド;
    アルキル(C≦6)、アルコキシ(C≦6)、アルキルアミノ(C≦6)、ジアルキルアミノ(C≦12)、アミド(C≦6)、またはこれらの基のうちいずれかの置換バージョンであり;
    ’’は、水素、アルキル(C≦12)、または置換アルキル(C≦12)であり;
    ただし、Z、Z、またはZのうちの少なくとも1つが、NR’’、O、またはSであり;
    は、1、2、3、または4であり;あるいは、
    Aは、縮合シクロアルカンジイルを伴う縮合アレーンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、
    式中、
    及びYは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX(Xはヒドロキシ保護基である)、−SX(Xはチオ保護基である)、または−NX(XまたはXの一方は一価のアミン保護基でありもう一方は水素であり、あるいは、X及びXは一緒になって二価のアミン保護基である)から選択され;
    10は、水素、オキソ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX(Xはヒドロキシ保護基である)、−SX(Xはチオ保護基である)、または−NX(XまたはXの一方は一価のアミン保護基でありかつもう一方は水素であり、あるいは、X及びXは一緒になって二価のアミン保護基である)であり、ただし、Yがオキソである場合はYが結合している原子は二重結合の一部であり、Yが結合している原子が二重結合の一部である場合はYはオキソであり;
    は、0または1であり;
    yは、0、1、2、3、4、5、6、7、または8であり;
    Aは、縮合アレーンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、
    式中、
    11及びY12は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX(Xはヒドロキシ保護基である)、−SX(Xはチオ保護基である)、または−NX(XまたはXの一方は一価のアミン保護基でありもう一方は水素であり、あるいは、X及びXは一緒になって二価のアミン保護基である)から選択され;
    13は、水素、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX(Xはヒドロキシ保護基である)、−SX(Xはチオ保護基である)、または−NX(XまたはXの一方は一価のアミン保護基でありかつもう一方は水素であり、あるいは、X及びXは一緒になって二価のアミン保護基である)であり、ただし、Yがオキソである場合はYが結合している原子は二重結合の一部であり、Yが結合している原子が二重結合の一部である場合はYはオキソであり;
    は、0、1、2、3、または4であり;
    ただし、Aが、式:
    Figure 2017537968
    の縮合シクロアルカンジイルである場合、Rはヒドロキシではなく、かつRまたはRのいずれかはメトキシである。
  2. 下記式としてさらに定義される、請求項1の化合物、または薬学的に許容されるその塩:
    Figure 2017537968
    式中、
    は、アミノ、ヒドロキシ、またはメルカプト;
    アルコキシ(C≦12)、シクロアルコキシ(C≦12)、アルケニルオキシ(C≦12)、アルキニルオキシ(C≦12)、アシルオキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、シクロアルキルチオ(C≦12)、アルケニルチオ(C≦12)、アルキニルチオ(C≦12)、アシルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、シクロアルキルアミノ(C≦12)、アルケニルアミノ(C≦12)、アルキニルアミノ(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦12)、ジシクロアルキルアミノ(C≦12)、ジアルケニルアミノ(C≦12)、ジアルキニルアミノ(C≦12)、アミド(C≦12)、またはこれらの基のいずれかの置換バージョンであり;あるいは、
    は、式:−O−アルカンジイル(C≦8)−アルコキシ(C≦12)、−O−アルカンジイル(C≦8)−アルケニルオキシ(C≦12)、−O−アルカンジイル(C≦8)−アルキニルオキシ(C≦12)、またはその置換バージョンであり;あるいは、
    は、式:
    Figure 2017537968
    の基であり、
    式中、
    、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦8)、アルコキシ(C≦8)、置換アルキル(C≦8)、または置換アルコキシ(C≦8)であり;
    10は、水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、アシル(C≦12)、置換アルキル(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、置換アシル(C≦12)、または式:
    Figure 2017537968
    の基であり、
    式中、
    11は、水素、アルキル(C≦8)、または置換アルキル(C≦8)であり;
    12は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、−O−アルカンジイル(C≦12)−チオール反応性基、または−O−アルカンジイル(C≦12)−チオール反応性基の置換バージョンであり;
    及びRは、独立して、水素、アミノ、ヒドロキシ、メルカプト;
    アルキル(C≦12)、シクロアルキル(C≦12)、アルケニル(C≦12)、アルキニル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、シクロアルコキシ(C≦12)、アルケニルオキシ(C≦12)、アルキニルオキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、シクロアルキルチオ(C≦12)、アルケニルチオ(C≦12)、アルキニルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、シクロアルキルアミノ(C≦12)、アルケニルアミノ(C≦12)、アルキニルアミノ(C≦12)、またはこれらの基のうちいずれかの置換バージョンであり;
    及びRは、一緒になって、アルコキシジイル(C≦8)、アルキルアミノジイル(C≦12)、アルキルチオジイル(C≦12)、またはこれらの基のうちいずれかの置換バージョンであり;
    は、水素、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキル(C≦12)または置換アルキル(C≦12)であり;
    及びXはそれぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、または
    アルコキシ(C≦12)、アルケニルオキシ(C≦12)、アルキニルオキシ(C≦12)、またはこれらの基のうちいずれかの置換バージョンであり;
    Aは、縮合シクロアルカンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、
    式中、
    は、水素、オキソ、アルコキシ(C≦12)、または置換アルコキシ(C≦12)であり、ただし、Yがオキソである場合、Yが結合している原子は二重結合の一部であり、Yが結合している原子が二重結合の一部である場合、Yはオキソであり;
    は、水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦12)、置換アルキル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、または−OXであり、式中、Xは、ヒドロキシ保護基であり;
    は、0、1、2、3、4、5、または6であり;あるいは、
    Aは、縮合アレーンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、
    式中、
    は、水素、オキソ、アルコキシ(C≦12)、または置換アルコキシ(C≦12)であり、ただし、Yがオキソである場合、Yが結合している原子は二重結合の一部であり、Yが結合している原子が二重結合の一部である場合、Yはオキソであり;
    は、水素、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX(Xはヒドロキシ保護基である)、−SX(Xはチオ保護基である)、または−NX(XまたはXの一方は一価のアミン保護基でありかつもう一方は水素であり、あるいは、X及びXは一緒になって二価のアミン保護基である)であり;
    は、0、1、2、または3であり;あるいは、
    Aは、縮合ヘテロシクロアルカンジイルを伴う縮合アレーンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、
    式中、
    は、水素、オキソ、アルコキシ(C≦12)、または置換アルコキシ(C≦12)であり、ただし、Yがオキソである場合、Yが結合している原子は二重結合の一部であり、Yが結合している原子が二重結合の一部である場合、Yはオキソであり;
    は、水素、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX(Xはヒドロキシ保護基である)、−SX(Xはチオ保護基である)、または−NX(XまたはXの一方は一価のアミン保護基でありかつもう一方は水素であり、あるいは、X及びXは一緒になって二価のアミン保護基である)であり;
    は、水素、アルキル(C≦12)、または置換アルキル(C≦12)であり;
    は、0または1であり;
    xは、1、2、3、または4であり;あるいは、
    Aは、縮合ヘテロアレーンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、
    式中、
    、Z、及びZは、それぞれ独立して、CR’、NR’’、O、またはSから選択され;
    及びR’は、それぞれ独立して、水素、アミノ、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、ニトロ、スルファト、スルファミド;
    アルキル(C≦6)、アルコキシ(C≦6)、アルキルアミノ(C≦6)、ジアルキルアミノ(C≦12)、アミド(C≦6)、またはこれらの基のうちいずれかの置換バージョンであり;
    ’’は、水素、アルキル(C≦12)、または置換アルキル(C≦12)であり;
    ただし、Z、Z、またはZのうちの少なくとも1つが、NR’’、O、またはSであり;
    は、1、2、3、または4であり;あるいは、
    Aは、縮合シクロアルカンジイルを伴う縮合アレーンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、
    式中、
    及びYは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX(Xはヒドロキシ保護基である)、−SX(Xはチオ保護基である)、または−NX(XまたはXの一方は一価のアミン保護基でありもう一方は水素であり、あるいは、X及びXは一緒になって二価のアミン保護基である)から選択され;
    10は、水素、オキソ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX(Xはヒドロキシ保護基である)、−SX(Xはチオ保護基である)、または−NX(XまたはXの一方は一価のアミン保護基でありかつもう一方は水素であり、あるいは、X及びXは一緒になって二価のアミン保護基である)であり、ただし、Yがオキソである場合はYが結合している原子は二重結合の一部であり、Yが結合している原子が二重結合の一部である場合はYはオキソであり;
    は、0または1であり;
    yは、0、1、2、3、4、5、6、7、または8であり;
    Aは、縮合アレーンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、
    式中、
    11及びY12は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX(Xはヒドロキシ保護基である)、−SX(Xはチオ保護基である)、または−NX(XまたはXの一方は一価のアミン保護基でありもう一方は水素であり、あるいは、X及びXは一緒になって二価のアミン保護基である)から選択され;
    13は、水素、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX(Xはヒドロキシ保護基である)、−SX(Xはチオ保護基である)、または−NX(XまたはXの一方は一価のアミン保護基でありかつもう一方は水素であり、あるいは、X及びXは一緒になって二価のアミン保護基である)であり、ただし、Yがオキソである場合はYが結合している原子は二重結合の一部であり、Yが結合している原子が二重結合の一部である場合はYはオキソであり;
    は、0、1、2、3、または4であり;
    ただし、Aが、式:
    Figure 2017537968
    の縮合シクロアルカンジイルである場合、Rはヒドロキシではなく、かつRまたはRのいずれかはメトキシである。
  3. 前記式がIaとしてさらに定義される、請求項1または請求項2に記載の化合物。
  4. 前記式がIbとしてさらに定義される、請求項1または請求項2に記載の化合物。
  5. 前記式がIcとしてさらに定義される、請求項1または請求項2に記載の化合物。
  6. 前記式がIdとしてさらに定義される、請求項1または請求項2に記載の化合物。
  7. 前記式がIeとしてさらに定義される、請求項1または請求項2に記載の化合物。
  8. 前記式がIfとしてさらに定義される、請求項1または請求項2に記載の化合物。
  9. が、
    Figure 2017537968
    であり、
    式中、
    、R’、R、R、R’、R、及びR’は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦8)、アルコキシ(C≦8)、アシルオキシ(C≦8)、置換アルキル(C≦8)、置換アルコキシ(C≦8)、または置換アシルオキシ(C≦8)であり、
    10は、水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、アシル(C≦12)、置換アルキル(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、置換アシル(C≦12)、または式:
    Figure 2017537968
    の基であり、
    式中、
    11は、水素、アルキル(C≦8)、または置換アルキル(C≦8)であり;
    12は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、−O−アルカンジイル(C≦12)−チオール反応性基、または−O−アルカンジイル(C≦12)−チオール反応性基の置換バージョンであり;または、
    及びR10は、一緒になって、式:
    Figure 2017537968
    の複素環式化合物を形成し、
    式中、
    は、水素、アルキル(C≦6)、または置換アルキル(C≦6)である、
    請求項1、または請求項3から8のいずれか1項に記載の化合物。
  10. が、
    Figure 2017537968
    であり、
    式中、
    、R、R、及びRは、それぞれ独立して 水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦8)、アルコキシ(C≦8)、置換アルキル(C≦8)、または置換アルコキシ(C≦8)であり;
    10は、水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、アシル(C≦12)、置換アルキル(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、置換アシル(C≦12)、または式:
    Figure 2017537968
    の基であり、
    式中、
    11は、水素、アルキル(C≦8)、または置換アルキル(C≦8)であり;
    12は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、−O−アルカンジイル(C≦12)−チオール反応性基、または−O−アルカンジイル(C≦12)−チオール反応性基の置換バージョンである、
    請求項9に記載の化合物。
  11. 12の前記チオール反応性基がマレイミドである、請求項10に記載の化合物。
  12. が、式:−O−アルカンジイル(C≦8)−アルコキシ(C≦12)、−O−アルカンジイル(C≦8)−アルケニルオキシ(C≦12)、−O−アルカンジイル(C≦8)−アルキニルオキシ(C≦12)の基、またはこれらの置換バージョンである、請求項1から8のいずれか1項に記載の化合物。
  13. の前記アルカンジイル(C≦8)が−CH−である、請求項12に記載の化合物。
  14. がアルコキシ(C≦12)または置換アルコキシ(C≦12)である、請求項1から8のいずれか1項に記載の化合物。
  15. がアルコキシ(C≦12)である、請求項14に記載の化合物。
  16. が置換アルコキシ(C≦12)である、請求項14に記載の化合物。
  17. が−O(CHOHまたは−OCHCHSHである、請求項15に記載の化合物。
  18. がアルキニルオキシ(C≦12)または置換アルキニルオキシ(C≦12)である、請求項1から8のいずれか1項に記載の化合物。
  19. がアルキニルオキシ(C≦12)である、請求項18に記載の化合物。
  20. が−CHC≡CHである、請求項19に記載の化合物。
  21. がアルキルチオ(C≦12)または置換アルキルチオ(C≦12)である、請求項1から7のいずれか1項に記載の化合物。
  22. がアルキルチオ(C≦12)である、請求項21に記載の化合物。
  23. が−SCHCHである、請求項22に記載の化合物。
  24. が水素である、請求項1から23のいずれか1項に記載の化合物。
  25. がアルキル(C≦12)または置換アルキル(C≦12)である、請求項1から23のいずれか1項に記載の化合物。
  26. がアルキル(C≦12)である、請求項25に記載の化合物。
  27. がメチルである、請求項26に記載の化合物。
  28. がアルコキシ(C≦12)または置換アルコキシ(C≦12)である、請求項1から23のいずれか1項に記載の化合物。
  29. がアルコキシ(C≦12)である、請求項28に記載の化合物。
  30. がメトキシである、請求項29に記載の化合物。
  31. がアルキルチオ(C≦12)または置換アルキルチオ(C≦12)である、請求項1から23のいずれか1項に記載の化合物。
  32. がアルキルチオ(C≦12)である、請求項31に記載の化合物。
  33. が−SCHである、請求項32に記載の化合物。
  34. 及びRが、一緒になって、アルコキシジイル(C≦12)または置換アルコキシジイル(C≦12)である、請求項1から23のいずれか1項に記載の化合物。
  35. 及びRが、一緒になって、アルコキシジイル(C≦12)である、請求項34に記載の化合物。
  36. 及びRが、−OCHCHO−、−OCHCHCHO−、または−OCHC(CHCHO−である、請求項35に記載の化合物。
  37. 及びRが、一緒になって、アルコキシジイル(C≦12)である、請求項34に記載の化合物。
  38. 及びRが、−OCHCH(CHOH)CHO−、−OCHCH(CHSH)CHO−、または−OCHCH(CHNHAc)CHO−である、請求項35に記載の化合物。
  39. 及びRが、一緒になって、アルキルチオジイル(C≦12)または置換アルキルチオジイル(C≦12)である、請求項1から23のいずれか1項に記載の化合物。
  40. 及びRが、一緒になって、アルキルチオジイル(C≦12)である、請求項39に記載の化合物。
  41. 及びRが、−SCHCHCHS−または−SCHC(CHCHS−である、請求項40に記載の化合物。
  42. が水素である、請求項1から33のいずれか1項に記載の化合物。
  43. がアルキル(C≦12)または置換アルキル(C≦12)である、請求項1から33のいずれか1項に記載の化合物。
  44. がアルキル(C≦12)である、請求項43に記載の化合物。
  45. がメチルである、請求項44に記載の化合物。
  46. がアルコキシ(C≦12)または置換アルコキシ(C≦12)である、請求項1から33のいずれか1項に記載の化合物。
  47. がアルコキシ(C≦12)である、請求項46に記載の化合物。
  48. がメトキシである、請求項47に記載の化合物。
  49. がアルキルチオ(C≦12)または置換アルキルチオ(C≦12)である、請求項1から33のいずれか1項に記載の化合物。
  50. がアルキルチオ(C≦12)である、請求項49に記載の化合物。
  51. が−SCHである、請求項50に記載の化合物。
  52. がハロである、請求項1から51のいずれか1項に記載の化合物。
  53. がフルオロ、クロロ、またはブロモである、請求項52に記載の化合物。
  54. がフルオロである、請求項53に記載の化合物。
  55. がアルキル(C≦12)または置換アルキル(C≦12)である、請求項1から51のいずれか1項に記載の化合物。
  56. がアルキル(C≦12)である、請求項55に記載の化合物。
  57. がメチルである、請求項56に記載の化合物。
  58. が置換アルキル(C≦12)である、請求項55に記載の化合物。
  59. がトリフルオロメチルである、請求項58に記載の化合物。
  60. が水素である、請求項1から59のいずれか1項に記載の化合物。
  61. がヒドロキシである、請求項1から59のいずれか1項に記載の化合物。
  62. がアルコキシ(C≦12)または置換アルコキシ(C≦12)である、請求項1から59のいずれか1項に記載の化合物。
  63. がアルコキシ(C≦12)である、請求項62に記載の化合物。
  64. がメトキシである、請求項63に記載の化合物。
  65. が置換アルコキシ(C≦12)である、請求項62に記載の化合物。
  66. が−O(CHNH、−O(CHC(O)NH、または−O(CHSHである、請求項65に記載の化合物。
  67. がアルケニルオキシ(C≦12)である、請求項1から59のいずれか1項に記載の化合物。
  68. が−OCHCHCHである、請求項67に記載の化合物。
  69. がアルキニルオキシ(C≦12)である、請求項1から59のいずれか1項に記載の化合物。
  70. が−OCHCCHである、請求項69に記載の化合物。
  71. が水素である、請求項1から64のいずれか1項に記載の化合物。
  72. がヒドロキシである、請求項1から64のいずれか1項に記載の化合物。
  73. がアルコキシ(C≦12)または置換アルコキシ(C≦12)である、請求項1から64のいずれか1項に記載の化合物。
  74. がアルコキシ(C≦12)である、請求項73に記載の化合物。
  75. がメトキシである、請求項74に記載の化合物。
  76. がオキソである、請求項1から3または請求項14から75のいずれか1項に記載の化合物。
  77. が水素である、請求項1から3または請求項14から76のいずれか1項に記載の化合物。
  78. がヒドロキシである、請求項1から3または請求項14から76のいずれか1項に記載の化合物。
  79. が、
    Figure 2017537968
    であり、
    式中、
    、R’、R、R、R’、R、及びR’は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦8)、アルコキシ(C≦8)、アシルオキシ(C≦8)、置換アルキル(C≦8)、置換アルコキシ(C≦8)、または置換アシルオキシ(C≦8)であり;
    10は、水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、アシル(C≦12)、置換アルキル(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、置換アシル(C≦12)、または式:
    Figure 2017537968
    の基であり、
    式中、
    11は、水素、アルキル(C≦8)、または置換アルキル(C≦8)であり;
    12は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、−O−アルカンジイル(C≦12)−チオール反応性基、または−O−アルカンジイル(C≦12)−チオール反応性基の置換バージョンであり;あるいは、
    及びR10は、一緒になって、式:
    Figure 2017537968
    の複素環式化合物を形成し、
    式中、
    は、水素、アルキル(C≦6)、または置換アルキル(C≦6)である、
    請求項1から3または請求項14から76のいずれか1項に記載の化合物。
  80. が、
    Figure 2017537968
    であり、
    式中、
    、R’、R、R、R’、R、及びR’は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦8)、アルコキシ(C≦8)、アシルオキシ(C≦8)、置換アルキル(C≦8)、置換アルコキシ(C≦8)、または置換アシルオキシ(C≦8)であり;
    10は、水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、アシルオキシ(C≦12)、アシル(C≦12)、置換アルキル(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、置換アシルオキシ(C≦12)、または置換アシル(C≦12)である、
    請求項79に記載の化合物。
  81. が、
    Figure 2017537968
    である、請求項79または80に記載の化合物。
  82. が0、1、2、または3である、請求項1から3または請求項14から81のいずれか1項に記載の化合物。
  83. が0、1、または2である、請求項82に記載の化合物。
  84. がヒドロキシである、請求項1、請求項4、または請求項14から75のいずれか1項に記載の化合物。
  85. がアルコキシ(C≦12)または置換アルコキシ(C≦12)である、請求項1、請求項4、または請求項14から75のいずれか1項に記載の化合物。
  86. がアルコキシ(C≦12)である、請求項85に記載の化合物。
  87. がメトキシである、請求項86に記載の化合物。
  88. が置換アルコキシ(C≦12)である、請求項85に記載の化合物。
  89. がメトキシメトキシである、請求項88に記載の化合物。
  90. が水素である、請求項1、請求項4、請求項14から75、または請求項84から89のいずれか1項に記載の化合物。
  91. がヒドロキシである、請求項1、請求項4、請求項14から75、または請求項84から89のいずれか1項に記載の化合物。
  92. がアルコキシ(C≦12)または置換アルコキシ(C≦12)である、請求項1、請求項4、請求項14から75、または請求項84から89のいずれか1項に記載の化合物。
  93. がアルコキシ(C≦12)である、請求項92に記載の化合物。
  94. がメトキシである、請求項93に記載の化合物。
  95. がアルキルアミノ(C≦12)または置換アルキルアミノ(C≦12)である、請求項1、請求項4、請求項14から75、または請求項84から89のいずれか1項に記載の化合物。
  96. がアルキルアミノ(C≦12)である、請求項95に記載の化合物。
  97. がメチルアミノである、請求項96に記載の化合物。
  98. が1、2、または3である、請求項1、請求項4、請求項14から75、または請求項84から97のいずれか1項に記載の化合物。
  99. がヒドロキシである、請求項1、請求項5、または請求項14から75のいずれか1項に記載の化合物。
  100. がアルコキシ(C≦12)または置換アルコキシ(C≦12)である、請求項1、請求項5、または請求項14から75のいずれか1項に記載の化合物。
  101. がアルコキシ(C≦12)である、請求項100に記載の化合物。
  102. がメトキシである、請求項101に記載の化合物。
  103. が水素である、請求項1、請求項5、請求項14から75、または請求項99から102のいずれか1項に記載の化合物。
  104. がヒドロキシである、請求項1、請求項5、請求項14から75、または請求項99から102のいずれか1項に記載の化合物。
  105. がアルコキシ(C≦12)または置換アルコキシ(C≦12)である、請求項1、請求項5、請求項14から75、または請求項99から102のいずれか1項に記載の化合物。
  106. がアルコキシ(C≦12)である、請求項105に記載の化合物。
  107. がメトキシである、請求項106に記載の化合物。
  108. が水素である、請求項1、請求項5、請求項14から75、または請求項99から107のいずれか1項に記載の化合物。
  109. がアルキル(C≦6)または置換アルキル(C≦6)である、請求項1、請求項5、請求項14から75、または請求項99から107のいずれか1項に記載の化合物。
  110. xが2または3である、請求項1、請求項5、請求項14から75、または請求項99から109のいずれか1項に記載の化合物。
  111. xが2である、請求項110に記載の化合物。
  112. xが3である、請求項110に記載の化合物。
  113. が0である、請求項1、請求項5、請求項14から75、または請求項99から109のいずれか1項に記載の化合物。
  114. が1である、請求項1、請求項5、請求項14から75、または請求項99から109のいずれか1項に記載の化合物。
  115. がSである、請求項1、請求項6、または請求項14から75のいずれか1項に記載の化合物。
  116. がNである、請求項1、請求項6、または請求項14から75のいずれか1項に記載の化合物。
  117. がOである、請求項1、請求項6、または請求項14から75のいずれか1項に記載の化合物。
  118. がSである、請求項1、請求項6、請求項14から75、または請求項115から117のいずれか1項に記載の化合物。
  119. がNである、請求項1、請求項6、請求項14から75、または請求項115から117のいずれか1項に記載の化合物。
  120. がOである、請求項1、請求項6、請求項14から75、または請求項115から117のいずれか1項に記載の化合物。
  121. がCR5’’である、請求項1、請求項6、請求項14から75、または請求項115から117のいずれか1項に記載の化合物。
  122. ’’が水素、ヒドロキシ、ハロ、アルキル(C≦12)、置換アルキル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、または置換アルコキシ(C≦12)である、請求項121に記載の化合物。
  123. ’’が水素である、請求項122に記載の化合物。
  124. ’’がアルコキシ(C≦12)または置換アルコキシ(C≦12)である、請求項122に記載の化合物。
  125. ’’がメトキシである、請求項124に記載の化合物。
  126. ’’がアルキル(C≦12)または置換アルキル(C≦12)である、請求項122に記載の化合物。
  127. ’’がメチルである、請求項126に記載の化合物。
  128. がSである、請求項1、請求項6、請求項14から75、または請求項115から128のいずれか1項に記載の化合物。
  129. がNである、請求項1、請求項6、請求項14から75、または請求項115から128のいずれか1項に記載の化合物。
  130. がOである、請求項1、請求項6、請求項14から75、または請求項115から128のいずれか1項に記載の化合物。
  131. がCR’’である、請求項1、請求項6、請求項14から75、または請求項115から128のいずれか1項に記載の化合物。
  132. ’’が水素、ヒドロキシ、ハロ、アルキル(C≦12)、置換アルキル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、または置換アルコキシ(C≦12)である、請求項131に記載の化合物。
  133. ’’が水素である、請求項131に記載の化合物。
  134. ’’がアルコキシ(C≦12)または置換アルコキシ(C≦12)である、請求項132に記載の化合物。
  135. ’’がメトキシである、請求項134に記載の化合物。
  136. ’’がアルキル(C≦12)または置換アルキル(C≦12)である、請求項132に記載の化合物。
  137. ’’がメチルである、請求項136に記載の化合物。
  138. が1、2、または3である、請求項1、請求項6、請求項14から75、または請求項115から137のいずれか1項に記載の化合物。
  139. が水素である、請求項1、請求項7、請求項14から75のいずれか1項に記載の化合物。
  140. がヒドロキシである、請求項1、請求項7、請求項14から75のいずれか1項に記載の化合物。
  141. がアルコキシ(C≦12)または置換アルコキシ(C≦12)である、請求項1、請求項7、請求項14から75のいずれか1項に記載の化合物。
  142. がアルコキシ(C≦12)である、請求項141に記載の化合物。
  143. がメトキシである、請求項142に記載の化合物。
  144. が水素である、請求項1、請求項7、請求項14から75、または請求項139から143のいずれか1項に記載の化合物。
  145. がヒドロキシである、請求項1、請求項7、請求項14から75、または請求項139から143のいずれか1項に記載の化合物。
  146. がアルコキシ(C≦12)または置換アルコキシ(C≦12)である、請求項1、請求項7、請求項14から75、または請求項139から143のいずれか1項に記載の化合物。
  147. がアルコキシ(C≦12)である、請求項146に記載の化合物。
  148. がメトキシである、請求項147に記載の化合物。
  149. 10が水素である、請求項1、請求項7、請求項14から75、または請求項139から148のいずれか1項に記載の化合物。
  150. 10がヒドロキシである、請求項1、請求項7、請求項14から75、または請求項139から148のいずれか1項に記載の化合物。
  151. 10がオキソである、請求項1、請求項7、請求項14から75、または請求項139から148のいずれか1項に記載の化合物。
  152. 10がアルコキシ(C≦12)または置換アルコキシ(C≦12)である、請求項1、請求項7、請求項14から75、または請求項139から148のいずれか1項に記載の化合物。
  153. 10がアルコキシ(C≦12)である、請求項152に記載の化合物。
  154. 10がメトキシである、請求項153に記載の化合物。
  155. 10がアルキルアミノ(C≦12)または置換アルキルアミノ(C≦12)である、請求項1、請求項8、請求項14から75、または請求項139から148のいずれか1項に記載の化合物。
  156. 10がアルキルアミノ(C≦12)である、請求項146に記載の化合物。
  157. 10がメチルアミノである、請求項147に記載の化合物。
  158. が1である、請求項1、請求項7、請求項14から75、または請求項139から154のいずれか1項に記載の化合物。
  159. yが1、2、3、4、5、または6である、請求項1、請求項7、請求項14から75、または請求項139から158のいずれか1項に記載の化合物。
  160. 11が水素である、請求項1、請求項8、請求項14から75のいずれか1項に記載の化合物。
  161. 11がヒドロキシである、請求項1、請求項8、請求項14から75のいずれか1項に記載の化合物。
  162. 11がアルコキシ(C≦12)または置換アルコキシ(C≦12)である、請求項1、請求項8、請求項14から75のいずれか1項に記載の化合物。
  163. 11がアルコキシ(C≦12)である、請求項141に記載の化合物。
  164. 11がメトキシである、請求項142に記載の化合物。
  165. 12が水素である、請求項1、請求項8、請求項14から75、または請求項160から164のいずれか1項に記載の化合物。
  166. 12がヒドロキシである、請求項1、請求項8、請求項14から75、または請求項160から164のいずれか1項に記載の化合物。
  167. 12がアルコキシ(C≦12)または置換アルコキシ(C≦12)である、請求項1、請求項8、請求項14から75、または請求項160から164のいずれか1項に記載の化合物。
  168. 12がアルコキシ(C≦12)である、請求項146に記載の化合物。
  169. 12がメトキシである、請求項147に記載の化合物。
  170. 13が水素である、請求項1、請求項8、請求項14から75、または請求項160から169のいずれか1項に記載の化合物。
  171. 13がヒドロキシである、請求項1、請求項8、請求項14から75、または請求項160から169のいずれか1項に記載の化合物。
  172. 13がオキソである、請求項1、請求項8、請求項14から75、または請求項160から169のいずれか1項に記載の化合物。
  173. 13がアルコキシ(C≦12)または置換アルコキシ(C≦12)である、請求項1、請求項8、請求項14から75、または請求項160から169のいずれか1項に記載の化合物。
  174. 13がアルコキシ(C≦12)である、請求項152に記載の化合物。
  175. 13がメトキシである、請求項153に記載の化合物。
  176. 13がアルキルアミノ(C≦12)または置換アルキルアミノ(C≦12)である、請求項1、請求項8、請求項14から75、または請求項160から169のいずれか1項に記載の化合物。
  177. 13がアルキルアミノ(C≦12)である、請求項146に記載の化合物。
  178. 13がメチルアミノである、請求項147に記載の化合物。
  179. が1、2、または3である、請求項1、請求項8、請求項14から75、または請求項160から154のいずれか1項に記載の化合物。
  180. が2または3である、請求項179に記載の化合物。
  181. 前記化合物が、
    Figure 2017537968
    Figure 2017537968
    Figure 2017537968
    Figure 2017537968
    Figure 2017537968
    Figure 2017537968
    Figure 2017537968
    Figure 2017537968
    としてさらに定義される、請求項1から180のいずれか1項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  182. 請求項1から181のいずれか1項に記載の化合物及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
  183. 経口的に、脂肪内に、動脈内に、関節内に、脳内に、皮内に、病巣内に、筋肉内に、鼻腔内に、眼内に、心膜内に、腹腔内に、胸膜内に、前立腺内に、直腸内に、くも膜下腔内に、気管内に、腫瘍内に、臍帯内に、腟内に、静脈内に、小胞内に、硝子体内に、リポソームに、局在的に、粘膜に、非経口的に、直腸に、結膜下に、皮下に、舌下に、局所的に、経頬側で、経皮的に、腟に、クリームで、脂質組成物で、カテーテル経由で、洗浄経由で、持続注入経由で、注入経由で、吸入経由で、注射経由で、局在的送達経由で、または局在化灌流経由で、投与するために配合される、請求項182に記載の医薬組成物。
  184. それを必要とする患者の疾患または障害を治療する方法であって、前記患者に、薬学的有効量の、請求項1から183のいずれか1項に記載の化合物または組成物を投与する段階を含む、前記方法。
  185. 前記疾患または障害ががんである、請求項184に記載の方法。
  186. 前記がんが、がん腫、肉腫、リンパ腫、白血病、黒色腫、中皮腫、多発骨髄腫、または精上皮腫である、請求項185に記載の方法。
  187. 前記がんが、膀胱、血液、骨、脳、乳房、中枢神経系、頚部、結腸、子宮内膜、食道、胆嚢、消化管、生殖器、尿生殖路、頭部、腎臓、喉頭、肝臓、肺、筋肉組織、首、口内または鼻粘膜、卵巣、すい臓、前立腺、皮膚、脾臓、小腸、大腸、胃、精巣、または甲状腺のがんである、請求項185に記載の方法。
  188. 第2の治療薬剤または治療様式をさらに含む、請求項184から187のいずれか1項に記載の方法。
  189. 前記化合物が1回投与される、請求項184から188のいずれか1項に記載の方法。
  190. 前記化合物が2回以上投与される、請求項184から188のいずれか1項に記載の方法。
  191. 下記式の化合物またはその塩を反応させる段階を含む、化合物を調製する方法:
    Figure 2017537968

    式中、
    は、アミノ、ヒドロキシ、またはメルカプト;または−OX(Xはヒドロキシ保護基である)、−SX(Xはチオ保護基である)、または−NX(XまたはXの一方は一価のアミン保護基でありかつもう一方は水素であり、あるいは、X及びXは一緒になって二価のアミン保護基である)であり;
    及びRは、独立して、水素、アミノ、ヒドロキシ、メルカプト;
    アルキル(C≦12)、シクロアルキル(C≦12)、アルケニル(C≦12)、アルキニル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、シクロアルコキシ(C≦12)、アルケニルオキシ(C≦12)、アルキニルオキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、シクロアルキルチオ(C≦12)、アルケニルチオ(C≦12)、アルキニルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、シクロアルキルアミノ(C≦12)、アルケニルアミノ(C≦12)、アルキニルアミノ(C≦12)、またはこれらの基のうちいずれかの置換バージョン、または−OX(Xはヒドロキシ保護基である)、−SX(Xはチオ保護基である)、または−NX10(XまたはX10の一方は一価のアミン保護基でありかつもう一方は水素であり、あるいは、X及びX10は一緒になって二価のアミン保護基である)から選択され;
    及びRは、一緒になって、アルコキシジイル(C≦8)、アルキルアミノジイル(C≦12)、アルキルチオジイル(C≦12)、またはこれらの基のうちいずれかの置換バージョンであり;
    は、水素、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキル(C≦12)もしくは置換アルキル(C≦12)、または−OX11(X11はヒドロキシ保護基である)、−SX12(X12はチオ保護基である)、または−NX1314(X13またはX14の一方は一価のアミン保護基でありかつもう一方は水素であり、あるいは、X13及びX14は一緒になって二価のアミン保護基である)であり;
    は、水素またはヒドロキシ保護基であり;
    は、水素またはアルキリデン(C≦12)、アルキル(C≦12)、シクロアルキル(C≦12)、アルケニル(C≦12)、アルキニル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、シクロアルコキシ(C≦12)、アルケニルオキシ(C≦12)、アルキニルオキシ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦12)、またはこれらの基のうちいずれかの置換バージョンであり;
    及びXは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、または−OX15(X15はヒドロキシ保護基である)であり;またはX15及びRは、一緒になって、二価のジオール保護基であり;
    Aは、縮合シクロアルカンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、
    式中、
    は、水素、オキソ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、または−OX16(X16はヒドロキシ保護基である)であり;ただし、Yがオキソである場合、Yが結合している原子は二重結合の一部であり、Yが結合している原子が二重結合の一部である場合、Yはオキソであり;
    は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、または−OX17(X17はヒドロキシ保護基である)であり;
    は、0、1、2、3、4、5、または6であり;あるいは、
    Aは、縮合アレーンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、
    式中、
    は、水素、オキソ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、または−OX18(X18はヒドロキシ保護基である)であり;ただし、Yがオキソである場合、Yが結合している原子は二重結合の一部であり、Yが結合している原子が二重結合の一部である場合、Yはオキソであり;
    は、水素、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX19(X19はヒドロキシ保護基である)、−SX20(X20はチオ保護基である)、または−NX2122(X21またはX22の一方は一価のアミン保護基でありかつもう一方は水素であり、あるいは、X21及びX22は一緒になって二価のアミン保護基である)であり;
    は、0、1、2、または3であり;あるいは、
    Aは、縮合ヘテロシクロアルカンジイルを伴う縮合アレーンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、
    式中、
    は、水素、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、または−OX23(X23はヒドロキシ保護基である)であり;
    は、水素、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX24(X24はヒドロキシ保護基である)、−SX25(X25はチオ保護基である)、または−NX2627(X26またはX27の一方は一価のアミン保護基でありかつもう一方は水素であり、あるいは、X26及びX27は一緒になって二価のアミン保護基である)であり;
    は、水素、アルキル(C≦12)、または置換アルキル(C≦12)であり;
    は、0または1であり;
    xは、1、2、3、または4であり;あるいは、
    Aは、縮合ヘテロアレーンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、
    式中、
    、Z、及びZは、それぞれ独立して、CR’、NR、O、またはSから選択され;
    及びR’は、それぞれ独立して、水素、アミノ、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、ニトロ、スルファト、スルファミド;
    アルキル(C≦6)、アルコキシ(C≦6)、アルキルアミノ(C≦6)、ジアルキルアミノ(C≦12)、アミド(C≦6)、またはこれらの基のうちいずれかの置換バージョンであり;
    は、水素、アルキル(C≦12)、または置換アルキル(C≦12)であり;
    ただし、Z、Z、またはZのうちの少なくとも1つが、NR、O、またはSであり;
    は、1、2、3、または4であり;あるいは、
    Aは、縮合シクロアルカンジイルを伴う縮合アレーンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、
    式中、
    及びYは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX28(X28はヒドロキシ保護基である)、−SX29(X29はチオ保護基である)、または−NX3031(X30またはX31の一方は一価のアミン保護基でありもう一方は水素であり、あるいは、X30及びX31は一緒になって二価のアミン保護基である)から選択され;
    10は、水素、オキソ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX32(式中、X32はヒドロキシ保護基である)、−SX33(式中、X33はチオ保護基である)、または−NX3435(式中、X34またはX35の一方は一価のアミン保護基でありかつもう一方は水素であり、あるいは、X34及びX35は一緒になって二価のアミン保護基である)であり、ただし、Y10がオキソである場合はY10が結合している原子は二重結合の一部であり、Y10が結合している原子が二重結合の一部である場合はY10はオキソであり、
    は、0または1であり;
    yは、0、1、2、3、4、5、6、7、または8であり;
    Aは、縮合アレーンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、
    式中、
    11及びY12は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX36(X36はヒドロキシ保護基である)、−SX37(X37はチオ保護基である)、または−NX3839(X38またはX39の一方は一価のアミン保護基でありもう一方は水素であり、あるいは、X38及びX39は一緒になって二価のアミン保護基である)から選択され;
    13は、水素、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、置換アルキルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、置換アルキルアミノ(C≦12)、−OX40(X40はヒドロキシ保護基である)、−SX41(X41はチオ保護基である)、または−NX4243(X42またはX43の一方は一価のアミン保護基でありかつもう一方は水素であり、あるいは、X42及びX43は一緒になって二価のアミン保護基である)であり;
    は、0、1、2、3、または4であり;
    ルイス酸は、式:
    Figure 2017537968
    の化合物を生成するのに十分な状態下にあり、
    式中、R、R、R、R、R、X、及びXは上で定義された通りであり;
    Aは、縮合シクロアルカンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、式中、Y、Y、及びnは上で定義された通りであり、;
    Aは、縮合アレーンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、式中、Y、Y、及びnは上で定義された通りであり、;
    Aは、縮合ヘテロシクロアルカンジイルを伴う縮合アレーンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、式中、Y、Y、Y、x、及びnは上で定義された通りであり、;
    Aは、縮合ヘテロアレーンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、式中、Z、Z、Z、及びnは上で定義された通りであり、;
    Aは、縮合シクロアルカンジイルを伴う縮合アレーンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、式中、Y、Y、及びnは上で定義された通りであり、;あるいは、
    Aは、縮合アレーンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、式中、Y11、Y12、Y13、及びnは上で定義された通りである。
  192. 前記ルイス酸が遷移金属またはホウ素錯体である、請求項191に記載の方法。
  193. 前記ルイス酸がホウ素錯体である、請求項191または請求項192に記載の方法。
  194. 前記ルイス酸が三フッ化ホウ素エーテラートである、請求項191から193のいずれか1項に記載の方法。
  195. 前記ルイス酸が遷移金属錯体である、請求項191または請求項192に記載の方法。
  196. 前記ルイス酸がSnClである、請求項191、192、または195のいずれか1項に記載の方法。
  197. 溶媒をさらに含む、請求項191から196のいずれか1項に記載の方法。
  198. 前記溶媒がクロロアルカン(C≦12)である、請求項197に記載の方法。
  199. 前記溶媒がジクロロメタンである、請求項198に記載の方法。
  200. がアルキリデン(C≦12)または置換アルキルジエン(C≦12)である、請求項191から196のいずれか1項に記載の方法。
  201. 前記化合物を、下記式の化合物またはその塩を生成するのに十分な条件下で、エポキシ化剤と反応させる段階をさらに含む、請求項191から199のいずれか1項に記載の方法:
    Figure 2017537968
    式中、
    、R、R、R、R、X、及びXは上で定義された通りであり、
    Aは、縮合シクロアルカンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、式中、Y、Y、及びnは上で定義された通りであり;
    Aは、縮合アレーンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、式中、Y、Y、及びnは上で定義された通りであり;
    Aは、縮合ヘテロシクロアルカンジイルを伴う縮合アレーンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、式中、Y、Y、Y、x、及びnは上で定義された通りであり;
    Aは、縮合ヘテロアレーンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、式中、Z、Z、Z、及びnは上で定義された通りであり;
    Aは、縮合シクロアルカンジイルを伴う縮合アレーンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、式中、Y、Y、及びnは上で定義された通りであるり;あるいは、
    Aは、縮合アレーンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、式中、Y11、Y12、Y13、及びnは上で定義された通りである。
  202. 前記エポキシ化剤が、塩化トシル及び塩基を伴う四酸化オスミウムである、請求項201に記載の方法。
  203. 前記四酸化オスミウムが前記化合物に添加され、約1時間から約24時間の期間後に、前記塩化トシル及び前記塩基が添加される、請求項202に記載の方法。
  204. 前記化合物を、下記式の化合物またはその塩を生成するのに十分な条件下で、酸化剤と反応させる段階をさらに含む、請求項191から203のいずれか1項に記載の方法:
    Figure 2017537968
    式中、
    、R、R、R、X、及びXは上で定義された通りであり;
    は、O、S、またはNHであり;かつ
    Aは、縮合シクロアルカンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、式中、Y、Y、及びnは上で定義された通りであり;
    Aは、縮合アレーンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、式中、Y、Y、及びnは上で定義された通りであり;
    Aは、縮合ヘテロシクロアルカンジイルを伴う縮合アレーンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、式中、Y、Y、Y、x、及びnは上で定義された通りであり;
    Aは、縮合ヘテロアレーンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、式中、Z、Z、Z、及びnは上で定義された通りであり;
    Aは、縮合シクロアルカンジイルを伴う縮合アレーンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、式中、Y、Y、及びnは上で定義された通りであり;あるいは、
    Aは、縮合アレーンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、式中、Y11、Y12、Y13、及びnは上で定義された通りである。
  205. 前記酸化剤が、過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム及びN−メチルモルホリンN−オキシドである、請求項204に記載の方法。
  206. 前記化合物を、下記式の化合物またはその塩を生成するのに十分な条件下で、フッ化物源と反応させる段階をさらに含む、請求項191から205のいずれか1項に記載の方法:
    Figure 2017537968
    式中、
    、R、R、X、及びXは上で定義された通りであり;
    は、アミノ、ヒドロキシ、またはメルカプト;
    アルコキシ(C≦12)、シクロアルコキシ(C≦12)、アルケニルオキシ(C≦12)、アルキニルオキシ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、シクロアルキルチオ(C≦12)、アルケニルチオ(C≦12)、アルキニルチオ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、シクロアルキルアミノ(C≦12)、アルケニルアミノ(C≦12)、アルキニルアミノ(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦12)、ジシクロアルキルアミノ(C≦12)、ジアルケニルアミノ(C≦12)、ジアルキニルアミノ(C≦12)、またはこれらの基のうちいずれかの置換バージョンであり;
    Aは、縮合シクロアルカンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、式中、Y、Y、及びnは上で定義された通りであり;
    Aは、縮合アレーンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、式中、Y、Y、及びnは上で定義された通りであり;
    Aは、縮合ヘテロシクロアルカンジイルを伴う縮合アレーンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、式中、Y、Y、Y、x、及びnは上で定義された通りであり;
    Aは、縮合ヘテロアレーンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、式中、Z、Z、Z、及びnは上で定義された通りであり;
    Aは、縮合シクロアルカンジイルを伴う縮合アレーンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、式中、Y、Y、及びnは上で定義された通りであり;
    Aは、縮合アレーンジイルであり、構造:
    Figure 2017537968
    を有し、式中、Y11、Y12、Y13、及びnは上で定義された通りである。
  207. 前記フッ化物源がEtN・3HFである、請求項206に記載の方法。
  208. 1つまたは複数の脱保護ステップをさらに含む、請求項191から207のいずれか1項に記載の方法。
  209. 下記式の結合体:
    (A−L)−X(VI)
    式中、
    Aは、請求項1から181のいずれか1項に記載の化合物であり、
    Lは、共有結合またはリンカーであり、
    nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12であり、
    Xは、細胞標的部分である。
JP2017532666A 2014-12-19 2015-12-18 トリオキサカルシンdc45−a2の全合成及びトリオキサカルシン類似体の調製 Withdrawn JP2017537968A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201462094662P 2014-12-19 2014-12-19
US62/094,662 2014-12-19
US201562186128P 2015-06-29 2015-06-29
US62/186,128 2015-06-29
PCT/US2015/066703 WO2016100833A2 (en) 2014-12-19 2015-12-18 Total synthesis of trioxacarcin dc-45-a2 and preparation of trioxacarcin analogs

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017537968A true JP2017537968A (ja) 2017-12-21
JP2017537968A5 JP2017537968A5 (ja) 2019-01-31

Family

ID=56127867

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017532666A Withdrawn JP2017537968A (ja) 2014-12-19 2015-12-18 トリオキサカルシンdc45−a2の全合成及びトリオキサカルシン類似体の調製

Country Status (23)

Country Link
US (1) US10899773B2 (ja)
EP (1) EP3233877A4 (ja)
JP (1) JP2017537968A (ja)
KR (1) KR20170122718A (ja)
CN (1) CN107250144A (ja)
AU (1) AU2015364347A1 (ja)
BR (1) BR112017013194A2 (ja)
CA (1) CA2970955A1 (ja)
CL (1) CL2017001599A1 (ja)
CO (1) CO2017007074A2 (ja)
CR (1) CR20170331A (ja)
DO (1) DOP2017000144A (ja)
EA (1) EA201791388A1 (ja)
EC (1) ECSP17046657A (ja)
GT (1) GT201700139A (ja)
HK (1) HK1243422A1 (ja)
IL (1) IL252947A0 (ja)
MA (1) MA41216A (ja)
MX (1) MX2017008162A (ja)
PE (1) PE20171787A1 (ja)
PH (1) PH12017501147A1 (ja)
SG (1) SG11201704935XA (ja)
WO (1) WO2016100833A2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20210230178A1 (en) * 2017-08-17 2021-07-29 William Marsh Rice University Trioxacarcin analogs and dimers as potent anticancer agents

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5815995A (ja) 1981-07-22 1983-01-29 Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd Dc−45−a↓1およびdc−45−a↓2ならびにそれらの製造法
EP0157203A3 (en) 1984-04-04 1986-10-01 American Cyanamid Company Antitumor agents ll-d49194 alpha 1, ll-d49194 beta, ll-d49194 beta 2, ll-d49194 upsilon, ll-d49194 delta, ll-d49194 epsilon, ll-d49194 zeta, and ll-d49194 eta
JPS63135389A (ja) 1986-11-26 1988-06-07 Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd Dc−45類の誘導体
US9102697B2 (en) 2010-03-22 2015-08-11 President And Fellows Of Harvard College Trioxacarcins and uses thereof
JP6408478B2 (ja) 2012-11-26 2018-10-17 プレジデント アンド フェローズ オブ ハーバード カレッジ トリオキサカルシン、トリオキサカルシン−抗体複合体、およびその用途

Also Published As

Publication number Publication date
HK1243422A1 (zh) 2018-07-13
ECSP17046657A (es) 2019-03-29
IL252947A0 (en) 2017-08-31
CO2017007074A2 (es) 2017-10-20
WO2016100833A3 (en) 2017-01-05
BR112017013194A2 (pt) 2018-01-02
EA201791388A1 (ru) 2017-11-30
US10899773B2 (en) 2021-01-26
GT201700139A (es) 2018-10-24
AU2015364347A1 (en) 2017-07-13
MX2017008162A (es) 2018-03-06
CL2017001599A1 (es) 2018-11-09
DOP2017000144A (es) 2017-09-29
CN107250144A (zh) 2017-10-13
CA2970955A1 (en) 2016-06-23
PE20171787A1 (es) 2017-12-28
EP3233877A2 (en) 2017-10-25
PH12017501147A1 (en) 2018-03-05
SG11201704935XA (en) 2017-07-28
KR20170122718A (ko) 2017-11-06
CR20170331A (es) 2017-11-17
MA41216A (fr) 2017-10-24
US20190023717A1 (en) 2019-01-24
WO2016100833A2 (en) 2016-06-23
EP3233877A4 (en) 2018-10-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10889590B2 (en) Derivatives of uncialamycin, methods of synthesis and their use as antitumor agents
US11465997B2 (en) Synthesis of disorazoles and analogs thereof as potent anticancer agents
US10874646B2 (en) Epothilone analogs, methods of synthesis, methods of treatment, and drug conjugates thereof
US11584754B2 (en) Derivatives of thailanstatin A, methods of treatment and methods of synthesis thereof
JP2017537968A (ja) トリオキサカルシンdc45−a2の全合成及びトリオキサカルシン類似体の調製
US10590158B2 (en) Total synthesis of shishijimicin A and analogs thereof
US10065924B2 (en) Preparation and biological evaluation of viridicatumtoxin analogs
US20160185745A1 (en) Analogs of vinaxanthone and xanthofulvin, methods of synthesis, and methods of treatments thereof
US20210230178A1 (en) Trioxacarcin analogs and dimers as potent anticancer agents
NICOLAOU et al. Patent 3002027 Summary
WO2017180248A1 (en) Enantioenriched viridicatumtoxin b analogs

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170818

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181217

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181217

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20190708