JP2017537124A - リポソーマルイリノテカンによる乳がんの治療 - Google Patents

リポソーマルイリノテカンによる乳がんの治療 Download PDF

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Abstract

有効量のリポソーマルイリノテカンスクロソファート(MM−398)を投与することによる、患者の乳がんの治療方法が提供される。上記乳がんは、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)、エストロゲン受容体/プロゲステロン受容体(ER/PR)陽性乳がん、ER陽性乳がん、もしくはPR陽性乳がん、または転移性乳がんであってよい。ヒトの患者の乳がんの治療用キットであって、前記キットは、1)少なくとも1回分のリポソーマルイリノテカンが入った第2の容器と、2)本発明の方法に従った、前記リポソーマルイリノテカンの使用説明書とが入った前記容器を備える、前記キット。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は2014年12月9日出願の米国仮特許出願第62/089,685号の優先権を主張し、該出願の全体の内容が参照により本明細書に援用される。
イリノテカン(CPT−11としても知られる)は、塩酸イリノテカンの形態で、20年近く前に大腸がんの治療に対して認可された非常に有効な化学療法剤である。イリノテカンは、カルボキシルエステラーゼ酵素の作用によって、SN−38として知られる格段に活性が高い代謝産物に転化される活性プロドラッグである。腫瘍においては、このカルボキシルエステラーゼの活性が、腫瘍関連マクロファージ(TAM)に局所的に濃縮される。
MM−398は、イリノテカンスクロソファートの新規なリポソーム封入製剤である。MM−398ナノリポソームデリバリーシステムは、浸透性の向上及び腫瘍血管系の無秩序なかつ漏出性の特性に起因する滞留効果によって全身暴露を低減し、腫瘍内への薬物の蓄積を増加させるように設計されている。MM−398リポソームは、リポソームを取り込み、それによって、腫瘍内SN−38を生じるイリノテカンの活性化を最大限に高めるTAMの性質を最適に利用する目的で設計されている。これらの因子は、塩酸イリノテカンと比較して、MM−398の全身暴露及び全身への分布を変化させることに寄与する。したがって、MM−398の投薬の安全性及び有効性は塩酸イリノテカンの投薬の安全性及び有効性と同一ではなく、またその副作用プロファイルは塩酸イリノテカンの副作用プロファイルと異なる。MM−398の全身暴露及び全身への分布の変化は、イリノテカン塩酸塩を、有効な治療を与えるために必要な量で安全に投与することのできないがん患者に対して、イリノテカン療法を施す機会を提供するように設計されている。
イリノテカンの安全かつ有効な投薬から恩恵を受けるであろう一群のがん患者としては乳がん特許(breast cancer patents)が挙げられ、塩酸イリノテカンは、乳がん特許への常用に対して認可されるための、十分な安全性及び有効性が証明されていない。本開示は、乳がんをMM−398によって治療するための、使用、投薬及び投与パラメータ、使用方法ならびに他の因子を提供し、それによって乳がんに対する新規かつ有効な治療の必要性に対処し、更なる利点を提供する。
患者の乳がんの治療方法であって、上記患者に、特定の臨床投薬レジメンに従ってリポソーマルイリノテカン(例えば、イリノテカンスクロースオクタスルファート塩リポソーム注射剤、nal−IRI、PEP02、MM−398、またはオニバイドとも呼ばれる)を投与することを含む上記方法が提供される。乳がんの安全かつ効果的な治療のためのMM−398の使用も提供される。かかる方法における使用に適合させた組成物もまた提供される。
一態様において、患者の乳がん腫の治療(すなわち、有効な治療)方法(換言すると、MM−398の使用)であって、上記患者に有効量の、MM−398の形態のリポソーマルイリノテカンを投与することを含む、上記方法(または使用)が提供される。一実施形態において、上記乳がんは、a)HER2陰性乳がん、またはb)HER2陰性転移性乳がん、c)少なくとも1の脳の病変を伴う、HER2陰性もしくはHER2陽性、かつ転移性の乳がんである。一実施形態において、上記脳の病変は進行性の脳の病変である。別の実施形態において、上記投与は少なくとも1サイクルで行われ、上記サイクルは2週間の期間であり、上記イリノテカンはサイクル当たり1回、各サイクルの1日目に投与され、少なくとも第1のサイクルに対して、上記イリノテカンは、少なくとも60mg/mまたは少なくとも80mg/mの用量で投与される。一実施形態において、上記用量は80mg/mである。別の実施形態において、少なくとも第1のサイクルに対して、上記イリノテカンは、80、100、120、150、180、210、または240mg/mの用量で投与される。特定の実施形態において、少なくとも第1のサイクルに対して、上記イリノテカンは80mg/mの用量で投与される。
一実施形態において、上記投与が少なくとも2サイクルで行われ、上記患者がUGT1Al*28対立遺伝子について陽性(ホモ接合)である場合には、第1のサイクルの後の用量は第1のサイクルで与えられた用量よりも20mg/mまたは40mg/m低く、上記患者がUGT1Al*28対立遺伝子について陰性である場合には、第1のサイクルの後の用量は第1のサイクルで与えられた用量と同一である。
一実施形態において、上記乳がんはトリプルネガティブまたはbasal−like乳がんである。別の実施形態において、上記乳がんはER陽性、PR陽性、またはER/PR陽性乳がんである。更に別の実施形態において、上記乳がんは転移性乳がんである。別の実施形態において、上記患者はいずれの脳の病変も有さず、上記乳がんは、免疫組織学的検査によってHER2 0+もしくは1+、イン・シチュハイブリダイゼーションによってHER2陰性、またはデュアルプローブ・イン・シチュハイブリダイゼーションによってHER2陰性である。別の実施形態において、上記イリノテカンの各投与に先立って、上記患者は、1)デキサメタゾン及び2)5−HT3アンタゴニストもしくは別の制吐剤のいずれかの、いずれかまたは両方の投薬を受ける。一実施形態において、上記イリノテカンは90分間にわたって静脈内投与される。別の実施形態において、上記イリノテカン、有効量の少なくとも1種のイリノテカン以外の抗がん剤の上記投与は上記患者に同時投与される。
一実施形態において、上記治療は上記患者に肯定的な結果をもたらす。一実施形態において、上記肯定的な結果は部分的完全奏効(pCR)、完全奏効(CR)、部分奏効(PR)、または病勢安定(SD)である。別の実施形態において、上記肯定的な結果は、a)腫瘍の大きさ、b)末梢器官中への浸潤、c)腫瘍転移またはd)腫瘍の再発の低減である。一実施形態において、上記イリノテカンによる治療に先立って、上記患者はフェルモキシトールの注入、及びその後にMRIスキャンを受ける。
別の態様において、容器であって、1)少なくとも1回分のMM−398が入った第2の容器と、2)本明細書に開示される方法及び使用に従った、上記イリノテカンの使用説明書とが入った上記容器を備える、ヒトの患者の乳がんの治療用キットが提供される。
I.定義
本明細書では、「患者」とはヒトのがん患者である。
本明細書では、「有効な治療」とは、有益な効果、例えば疾患または障害の少なくとも1の症状の改善を生み出す治療をいう。有益な効果は、ベースラインに対する改善、すなわち、本方法に従った治療の開始に先立って行われた測定または観察に対する改善の形態を取ることができる。有益な効果はまた、がんのマーカーの悪化の阻止、減速、遅延、または安定化の形態を取ることもできる。有効な治療は、がんの少なくとも1つの症状の軽減を指す場合もある。かかる有効な治療は、例えば、患者の疼痛を低減し、病変の大きさ及び/または数を減少させることができ、がん腫の転移を低減しまたは防止することができ、及び/またはがん腫の成長を遅らせることができる。
用語「有効量」とは、所望の生物学的な、治療上の及び/または予防上の結果を与える薬剤の量をいう。この結果は、1もしくは複数の、疾患の徴候、症状または原因の低減、改善、寛解、緩和、遅延及び/または軽減、あるいは任意の他の生物学的系の所望の変化であってよい。がんに関しては、有効量は、腫瘍を収縮させるため、及び/または(腫瘍増殖を抑制するなど)腫瘍の成長速度を低下させるため、または他の望ましからざる細胞増殖を予防するもしくは遅延させるために十分な量を含む。いくつかの実施形態において、有効量は、腫瘍発生を遅延させるために十分な量である。いくつかの実施形態において、有効量は、腫瘍の再発を予防するまたは遅延させるために十分な量である。有効量は1回または複数回の投与で投与することができる。上記薬物または組成物の上記有効量は、以下の(i)〜(vii)、すなわち、(i)がん細胞の数を低減する、(ii)腫瘍の大きさを低減する、(iii)末梢器官へのがん細胞の浸潤を抑制し、遅延させ、ある程度まで減速させ、場合により止める、(iv)腫瘍転移を抑制する(すなわち、ある程度まで減速させ、場合により止める)、(v)腫瘍増殖を抑制する、(vi)腫瘍の発生及び/または再発を予防するまたは遅延させる、及び/または(vii)当該のがんに伴う1または複数の症状をある程度まで緩和する、のいずれか1あるいは任意の組み合わせを行うことができる。
用語「同時投与(co−administration)」、「同時投与された(co−administered)」、「同時投与(concomitant administration)」またはこれらの用語の僅かな変化形は、同時にまたは、2番目に投与される治療薬が投与されたときに、最初に投与された治療薬が患者の体内に依然として存在する期間内に逐次的行われる、患者に対する少なくとも2種の治療薬の投与を指す。
「投薬量」とは、患者に単位時間当たり(例えば、時間当たり、日当たり、週当たり、月当たりなど)に規定量の薬物を投与するためのパラメータをいう。かかるパラメータとしては、例えば、各用量の大きさが挙げられる。かかるパラメータとしてはまた、例えば、経口投与(例えば、1、2、3またはそれを越える丸薬、カプセル等)でまたは注射(例えば、ボーラスとして)で、単回投与で摂取される、1または複数の単位として投与することができる、各投与の構成が挙げられる。投薬量の大きさはまた、(例えば、分単位または時間単位での期間にわたる静脈内注入として)連続的に投与される用量に関係し得る。かかるパラメータとしては、別個の投与の投与頻度が更に挙げられ、該頻度は経時的に変化してもよい。
「用量」とは単回投与で与えられる薬物の量をいう。
「リポソーマルイリノテカン」とは、イリノテカンがリン脂質二重層内に封入された化学療法薬イリノテカンの製剤をいう。リポソーマルイリノテカンの例としては、例えば、MM−398(Merrimack Pharmaceuticals社)及びIHL−305(株式会社ヤクルト本社)が挙げられる。
本明細書では、「がん」とは、異常な、制御されない悪性細胞増殖を特徴とする疾病をいう。一実施形態において、上記がんは、病理学的に、固形腫瘍、例えば、乳がん、例えば、トリプルネガティブ乳がん(TNBC、すなわちエストロゲン受容体陰性かつプロゲステロン受容体陰性かつHER2陰性である乳がん)、エストロゲン受容体/プロゲステロン受容体(ER/PR)陽性乳がん、ER陽性乳がん、またはPR陽性乳がん、または転移性乳がんを特徴とする。本明細書では、「腫瘍」及び「病変」は同義で用いられる。
用語「耐性」及び「難治性」とは、治療薬による治療に対して残存する腫瘍細胞をいう。かかる細胞は、初期には治療薬に対して応答することができたが、その後、治療の間に応答性の低下を示したか、または、該薬剤による治療の過程で当該細胞が増殖し続けたという点で、当該細胞が該治療薬に対して適切な応答を示さなかった。耐性腫瘍または難治性腫瘍の例としては、腫瘍であって、該腫瘍を有する患者に対する治療過程の完了後の無治療期間が(例えば、当該のがんの再発のために)6ヶ月未満であるか、または治療の過程で腫瘍の進行が見られる場合の上記腫瘍がある。
FERAHEME(フェルモキシトール)は、ポリグルコースソルビトールカルボキシメチルエーテルで被覆された非化学量論的マグネタイト(超常磁性酸化鉄)である。総体的なコロイド粒子の大きさは、直径が17〜31nmである。フェルモキシトールの化学式はFe58748752−11719186829933Na414であり、見かけの分子量は750kDaである。慢性腎疾患を有する成人患者の鉄欠乏性貧血の治療に、鉄補充用製品であるフェルモキシトールが必要である。
FERAHEMEは、慢性腎疾患(CKD)の成人患者における鉄欠乏性貧血の治療に必要な鉄補充用製品である。この適応症用のFERAHEMEの推奨用量は、初めに510mg用量であり、3〜8日後に2回目の510mg用量である。この文脈において、FERAHEMEは、最大1mL/秒(30mg/秒)の速度で送達される、無希釈の静脈内注射として投与される。上記投薬量は元素としての鉄のmgで表され、1mLのFERAHEMEは30mgの元素としての鉄を含有する。2回目のFERAHEMEの注射の少なくとも1ヶ月後に、血液学的奏効(ヘモグロビン、フェリチン、鉄及びトランスフェリンの飽和)を評価する必要がある。永続性または再発性の鉄欠乏性貧血の患者には、上記FERAHEMEの推奨用量を再投与してもよい。血液透析を受けている患者に対しては、血圧が安定し、当該患者が少なくとも1時間の血液透析を完了した後にFERAHEMEを投与すること。各FERAHEMEの注射後に、患者の低血圧の徴候及び症状を監視する。FERAHEMEは、鉄過負荷のエビデンス、FERAHEMEまたはそのいずれかの成分に対する既知の過敏症、及び鉄欠乏症に起因しない貧血を有する患者においては禁忌である。
FERAHEMEの投与は磁気共鳴(MR)撮像の診断能力に一過性に影響を及ぼす場合がある。所期のMR画像診断による検査はFERAHEMEの投与の前に行う必要がある。MR画像診断による検査の変化は、直近のFERAHEME投与後最大で3ヶ月間残る場合がある。FERAHEME投与後3ヶ月以内にMR撮像が必要な場合には、FERAHEMEの影響を最小限に抑えるために、T1強調またはプロトン密度強調MRパルスシーケンスを用いる必要があり、FERAHEME投与後4週間より早い時点では、T2強調パルスシーケンスを用いたMR撮像は行わないようにする必要がある。血管MR撮像においては、FERAHEME投与後1〜2日間に最も大きな変化が明確に現れることが予期される。FERAHEMEは、X線、コンピュータ断層撮影(CT)、陽電子放射断層撮影(PET)、単一光子放射型コンピュータ断層撮影(SPECT)、超音波または核医学撮像に干渉することはない。
認可された適応症ではないが、フェルモキシトールは現在、がん患者のTAM及び腫瘍血管系の視覚化のための造影剤として研究されている。かかる造影方法は、例えば、同時係属中の国際公開第WO2014/113167号に開示される。
II.イリノテカンスクロソファートリポソーム注射剤(MM−398)
MM−398はイリノテカンスクロソファート(イリノテカンスクロースオクタスルファート塩)の安定したリポソーム製剤である。MM−398は、一般的には、静脈内注射用の滅菌注射用非経口液として提供される。MM−398の必要量を、例えば500mLの5%デキストロース注射USPで希釈し、90分間にわたって注入することができる。リポソーマルイリノテカンスクロソファートの製剤及び使用に関する更なる情報は、例えば、米国特許第8,147,867号及び第8,658,203号、ならびにWIPO国際出願第PCT/US2013/045495号で見ることができる。
MM−398リポソームは、スクロースオクタスルファートとの塩として、ゲル化したまたは沈殿した状態で錯化したイリノテカンを含む水性空間を封入した、直径が約80〜140nmの一枚膜脂質二重層ベシクルである。このリポソームの脂質膜は、ホスファチジルコリン、コレステロール、及び200のリン脂質分子に対して約1のポリエチレングリコール(PEG)分子の量のポリエチレングリコールで誘導体化されたホスファチジル−エタノールアミンから構成される。
このイリノテカンの安定なリポソーム製剤は、治療指数の改善をもたらすように設計されたいくつかの特性を有する。徐放は、腫瘍組織のイリノテカン及びSN−38への暴露の継続期間を増加させることによって活性を向上させる。MM−398の長期の循環薬物動態及びリポソーム中におけるその高い血管内薬物滞留性は、血管透過性・滞留性亢進(EPR)効果を増進させることができる。EPRは、血管系(特に毛細血管)の正常な健全性が損なわれ、その結果毛細血管内腔からのリポソームなどの微粒子の漏出が生じる、悪性腫瘍などの部位におけるリポソームの堆積を増進させると考えられている。したがって、EPRは、固形腫瘍へのリポソームの部位特異的薬物送達を増進することができる。MM−398のEPRはその後デポー効果をもたらすことができ、該デポー効果において、リポソームが腫瘍関連マクロファージ(TAM)中に蓄積し、TAMがイリノテカンを代謝し、局所的にイリノテカンを細胞傷害性が相当により高いSN−38に転化する。この局所的な生体内活性化は、潜在的な毒性が現れる部位での薬物曝露の低減及び腫瘍内での曝露の増加をもたらすと考えられる。
III.イリノテカンのグルクロン酸抱合
UGT1Al遺伝子によって産生される酵素、UDP−グルクロン酸転移酵素1はビリルビン代謝を担っており、またSN−38のグルクロン酸抱合も媒介し、該グルクロン酸抱合は、イリノテカンのこの活性代謝物の主たる代謝クリアランス経路の初期ステップである。SN−38は、その抗腫瘍活性の他に、時にイリノテカン療法に伴う重篤な毒性の原因ともなる。したがって、SN−38の不活性形態である、SN−38のグルクロン酸抱合物へのSN−38のグルクロン酸抱合は、イリノテカンの毒性の調節における重要なステップである。
様々な数のチミンアデニン(ta)リピートが存在する、UGT1A1遺伝子のプロモータにおける突然変異多型が報告されている。7のチミンアデニン(ta)リピート(UGT1A1*28対立遺伝子に存在する)を含むプロモータは(6のリピートを有する)野生型プロモータよりも活性が低く、UDP−グルクロン酸転移酵素1の発現を低下させることが判明している。UGT1A1の2の欠損対立遺伝子を有する患者は、SN−38のグルクロン酸抱合の低下を示す。
MM−398に封入されたイリノテカンのSN−38への代謝変換は、2つの重要なステップ、すなわち、(1)リポソームからのイリノテカンの放出及び(2)遊離イリノテカンからSN−38への転化を含む。イリノテカン及びMM−398の毒性を予測する、ヒトの遺伝子多型は類似すると考えることができる。それにもかかわらず、遊離イリノテカンと比較して、MM−398製剤の組織分布がより小さく、クリアランスがより小さく、かつSN−38の消失半減期がより長いことに起因して、欠損遺伝子多型は、重度の有害事象及び/または有効性とのより大きな関連を示す可能性がある。
IV.投与
MM−398は、UGT1A1*28対立遺伝子を保有していない患者では、例えば、2週間毎に80mg/mの用量で、90分間にわたって静脈内(IV)注入によって投与される。第1のサイクルの1日目は固定された日であり、その後の投与は各サイクルの1日目±2日で投与する必要がある。本明細書中では、MM−398の用量とは、別段に明確に示されない限り、塩酸イリノテカン三水和物の分子量に基づくイリノテカンの用量をいう。
上記用量はイリノテカン遊離塩基として表すこともできる。イリノテカン塩酸塩三水和物に基づく用量のイリノテカン遊離塩基に基づく用量への変換は、塩酸イリノテカン三水和物に基づく用量に、イリノテカン遊離塩基の分子量(586.68g/mol)とイリノテカンの分子量塩酸塩三水和物(677.19gmol)との比を乗じることによって得られる。換算係数として用いることができるこの比は0.87である。例えば、塩酸イリノテカン三水和物に基づく80mg/mの用量は、イリノテカン遊離塩基に基づく69.60mg/mの用量と等価である(80×0.87)。クリニックにおいては、潜在的な投薬ミスを極力減らすために、これを70mg/mに丸める。同様に、120mg/mの用量のイリノテカン塩酸塩三水和物は100mg/mの用量のイリノテカン遊離塩基と等価である。
V.患者集団
一実施形態において、本明細書に開示される方法及び組成物を用いた治療を受ける患者は、初期の化学療法後に再発性または持続性の乳がんのエビデンスを示している。
別の実施形態において、上記患者は以前に、原発性疾患または再発性疾患の管理のための少なくとも1つの白金をベースとする化学療法レジメン、例えばカルボプラチン、シスプラチン、または別の有機白金化合物を含む化学療法レジメンを受け、該レジメンは不成功であった。
更なる実施形態において、上記患者は以前に、ゲムシタビンによる治療が不成功であったか、またはゲムシタビンに対して耐性になった。
本明細書に開示される方法及び組成物は、他の抗がん治療に対して不応性または耐性である乳がんを含む、全ての乳がんの治療に有用である。
VI.結果
本明細書においては、患者の乳がんの治療方法であって、特定の臨床投薬レジメンに従って、上記患者にリポソーマルイリノテカン(MM−398)を投与することを含む上記方法が提供される。
治療への奏効としては、
病理学的完全奏効(pCR):一次全身治療後の乳房及びリンパ節における浸潤性がんの不存在、
完全応答(CR):全ての標的病変の消失、(標的であってもまたは非標的であっても)いずれもが、短軸が10mm未満に減少した病理学的リンパ節、
部分奏効(PR):ベースラインの径の合計を基準とした、標的病変の寸法の合計の少なくとも30%の減少、
病勢安定(SD):治験期間中、最小の径の合計を基準として、部分奏効の基準を満たすだけの収縮がなく、進行の基準を満たすだけの増加もないこと
を挙げることができ、
一方、非CR/非PDとは、1または複数の非標的病変(複数可)の持続及び/または正常な限度を超える腫瘍マーカーレベルの維持を意味する。
進行(PD)とは、治験における標的病変の寸法の合計の最小値(これは、ベースラインの上記合計が治験において最小であれば、それを含む。)を基準として、前記合計の少なくとも20%の増加を意味する。上記合計は、上記20%の相対的増加に加えて、5mmの絶対的増加も示す必要がある。1または複数の新たな病変の出現もまた進行と見なされる。
例示的な結果において、本明細書に開示される方法に従って治療を受けた患者では、乳がんの少なくとも1の徴候が改善される。
一実施形態において、上記のような治療を受けた患者は、pCR、CR、PR、またはSDを示す。
別の実施形態において、上記のような治療を受けた患者では、腫瘍が収縮する及び/または成長速度が低下する、すなわち腫瘍増殖が抑制される。別の実施形態において、望ましからざる細胞増殖が低減または抑制される。更に別の実施形態において、以下の1または複数が起こり得る。すなわち、がん細胞の数を減少させることができる、腫瘍の大きさを低減することができる、末梢器官へのがん細胞の浸潤を抑制、遅延、減速、または停止させることができる、腫瘍の転移を遅延させるまたは抑制することができる、腫瘍の増殖を抑制することができる、腫瘍の再発を予防または遅延させることができる、がんに伴う1または複数の症状をある程度まで緩和することができる。
他の実施形態において、かかる改善は、測定可能な病変の量及び/または大きさの低減によって計測される。測定可能な病変とは、少なくとも1の寸法(最長径が記録されるべき)が、CTスキャン(CTスキャンスライス厚さが5mm以下)により≧10mm、臨床検査により10mmのノギスでの測定値、または胸部X線により>20mmとして、正確に測定できる病変として定義される。病変を含む非標的部位、例えば病理学的リンパ節の大きさも、改善として測定することができる。一実施形態において、病変は、胸部X線またはCTまたはMRIフィルム上で測定することができる。
他の実施形態において、細胞学または組織学を用いて、治療に対する応答性を評価することができる。上記測定可能な腫瘍が奏効または病勢安定の判定基準を満たしている場合に、治療中に現れるまたは悪化するいずれかの滲出液の腫瘍性起源を細胞学的に確認することによって、奏効または病勢安定(滲出液は当該治療の副作用である場合がある)と進行とを区別することができると考えられる。
いくつかの実施形態において、有効量の、本明細書で提供される方法のいずれかに係るリポソーマルイリノテカンの投与は、乳腺腫の大きさの低減、経時的に現れる転移性病変の数の低減、完全寛解、部分寛解、病勢安定、全体的な奏効率の増加、または病理学的完全奏効からなる群より選択される少なくとも1つの治療効果を生み出す。いくつかの実施形態において、提供される治療方法は、MM−398の同時投与なしに投与される抗がん剤の同一の組み合わせによって達成される臨床的有用性よりも優れた、同等の臨床的有用性(CBR=CR+PR+SD≧6ヶ月)を生み出す。他の実施形態において、臨床的有用性の上記向上は、MM−398の同時投与なしに投与される抗がん剤の同一の組み合わせと比較して、約20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%であるか、またはこれを超える。
以下の実施例は例証のためのものであり、如何なる形態であっても本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではなく、本開示を読むことにより、当業者にとって多くの変化形及び均等物が明らかとなろう。
実施例1:治療プロトコル
A.治験設計
臨床治験においては、3のコホート、すなわち、
コホート1:ER陽性、及びPR陽性、またはER/PR陽性乳がん
コホート2:TNBC
コホート3:活動性脳転移を伴う乳がん
に転移性乳がんの患者を登録することとなる。
この治験には以下の5段階がある。
1 スクリーニング(−28日):患者がスクリーニング評価を受け、患者が本治験に適格であるかを判定する。
2 フェルモキシトール(1日目〜2日目):患者はフェルモキシトール(FMX)の注入を受け、MM−398の投与を受ける前に、必要なMRI(Fe−MRI)スキャン及び治療前生検(該当する場合、コホート要件を参照のこと)を受ける。
3 MM−398治療(C1D1−疾患の進行):患者は2週間毎に80mg/mのMM−398の投与及び他の必要な評価を受ける。
4 経過観察(最終投与から+30日):患者は最終安全性評価のためにMM−398の最終投与から30日後にクリニックを再訪するMM−398が2週間毎に80mg/mの用量で投与され、患者は疾患の進行または容認できない毒性が生じるまで治療を受けることとなる。
5 全生存期間:全生存期間(OS)は、患者が治験終了となってから毎月収集されることとなる。
B.患者の選択と中止
本治験では評価可能な患者を最大30人登録することとなる。
I.組み入れ基準:治験に組み入れられるためには、患者は以下:
a)病理学的に確認された固形腫瘍であって、標準治療後に再発もしくは進行した、または標準治療が奏効しなかった、または当該腫瘍に対して標準治療が存在しない上記腫瘍、または標準治療の候補ではない患者。
1.以下の浸潤性乳がん腫サブタイプが要件である。すなわち、
i.コホート1及びコホート2は、HER2試験に関するASCO/CAP 2013指針に概説されるように、以下:
・0もしくは1+のHER2の免疫組織化学(IHC)染色、
あるいは、HER2のIHCが2+である場合には
・4.0シグナル/細胞未満のシングルプローブの平均HER2コピー数として定義される、イン・シチュハイブリダイゼーション(ISH)による陰性。
・または、2.0を超えるHER2/CEP17比及び4.0シグナル/細胞未満の平均HER2コピー数として定義される、デュアルプローブISHによる陰性
の少なくとも1によって定義される、HER2陰性であることを文書により証明されている必要がある。
ii.更に、患者は、以下のコホート:
・コホート1:ER陰性及び/またはPR陰性及びHER2陰性に対して免疫反応性である≧1%の腫瘍核として定義される、ER陽性及び/またはPR陽性腫瘍を有するホルモン受容体陽性乳がん患者
・コホート2:ER陰性及びPR陰性及びHER2陰性に対して免疫反応性である<1%の腫瘍核として定義される、ER陰性、PR陰性腫瘍を有するトリプルネガティブ乳がん(TNBC)患者
・コホート3:任意のサブタイプの転移性乳がん及び活動性脳転移(下記の追加の判定基準を参照のこと)
の1つに分類することができる必要がある。
b)RECIST v1.1(Eur. Cancer 45(2009)228−247)(コホート3を除く、以下の組み入れ基準を参照のこと。)によって定義される、少なくとも2の、X線検査で判定可能な病変を有する、書面で証明された転移性疾患
c)ECOGパフォーマンスステータス0または1
d)・ANC>1,500細胞/μl(造血成長因子なし)
・血小板数>100,000細胞/μl
・ヘモグロビン>9g/dL
によって証明される骨髄予備能
e)・正常な血清総ビリルビン
・AST及びALT≦2.5×ULN(肝転移が存在する場合は≦5×ULNが許容される)
によって証明される適正な肝機能
f)血清クレアチニン≦1.5×ULNによって証明される適正な腎機能
g)正常なECGまたは臨床的に顕著な所見がないECG
h)いずれかの以前の手術、放射線療法または他の抗腫瘍療法の影響からの回復
i)少なくとも18歳である年齢
j)インフォームドコンセントを理解し署名することができること(またはそうすることが可能な法的代理人が存在すること)
拡大フェーズ(Expansion Phase)追加組み入れ基準:
k)12ヶ月のアジュバント療法中に進行したTNBC患者を除いて、転移性環境で少なくとも1種の細胞傷害性療法を受けたこと
l)転移性環境で受けた化学療法が3系統以下であること(コホート1においては、以前のホルモン療法の系統に制限はない)
m)化学療法の候補者
n)多経路コア生検を受けることが可能な少なくとも1つの病変(コホート3を除く)
登録の基準には明確に従う必要がある。以下の状況にあっては、患者の治験治療を中止することとなる。
拡大フェーズコホート3追加組み入れ基準:
o)ガドリニウム増強MRIにおける最大径の測定値が1cmを超える少なくとも1つの脳転移を伴う、以前の放射線療法後の新たなまたは進行性の脳転移のX線検査でのエビデンス(注:進行性脳病変が適格であるためにRECIST v1.1基準を満たす必要はなく;頭蓋外転移性疾患も許容される)
p)以前の放射線療法後の画像診断が、治療担当医の判断における疑似進行と一致しないこと
q)・治験への参加前の少なくとも7日間に、ステロイド及び抗けいれん薬の用量が安定であるかまたは減少している
・ベースラインの脳画像上で臨床的に顕著なマスエフェクト、出血、正中線偏位、または切迫したヘルニアがないこと
・治療担当医の判断において、放射線療法または外科的減圧を必要とするであろう顕著な局所的神経学的徴候及び/または症状がないこと
によって定義される、神経学的に安定していること
r)脳MRIにおいてまたは以前に書面化された脳脊髄液(CSF)細胞診によって、びまん性脳軟膜疾患のエビデンスがないこと(注:孤立硬膜転移は許容される)
を有する/であることが許可される。
II.除外基準:患者は、上記に列挙した全ての組み入れ基準を満たし、かつ以下の除外基準:
a)臨床的症状、脳浮腫、ステロイドの必要性、または進行によって示される活動性の中枢神経系転移(パイロットフェーズ及び拡大フェーズコホート1〜2のみに適用)
b)肝障害、出血、炎症、閉塞、または下痢を含む臨床的に顕著な胃腸障害>グレード1
c)過去6ヶ月以内にイリノテカンまたはベバシズマブ(または他の抗VEGF療法)療法を受けたこと、及び拡大フェーズの患者に対しては、トポ1阻害剤(イリノテカン由来またはトポテカン)を用いたいずれかの以前の治療を受けたこと
d)過去3年間の第2の悪性腫瘍の既往歴;上皮内がんまたは基底もしくは扁平上皮細胞皮膚がんの既往歴のある患者は適格。他の悪性腫瘍の既往歴のある患者は、少なくとも3年間連続して無病であれば適格。
e)不適合な金属、心臓ペースメーカー、疼痛管理ポンプまたは他のMRIに非適合な装置の存在によりMRIを受けることができない。
f)フェルモキシトール注射剤、非経口鉄、デキストラン、鉄デキストラン、または非経口鉄多糖製剤の全処方情報に記載される、フェルモキシトールに類似の化合物に対するアレルギー反応の病歴
g)MM−398または他のリポソーム製品のいずれかの成分に対する既知の過敏
h)心疾患または肝臓疾患などの、治験への参加に対して相対的禁忌となるであろう併発症。
・治験への参入前6ヶ月以内の重篤な動脈血栓塞栓性事象(心筋梗塞、不安定狭心症、脳卒中)
・NYHA分類III度またはIV度のうっ血性心不全、心室性不整脈または血圧の制御不良
i)スクリーニングのための来院の間または最初の投薬予定日の時点での活動性の感染症または38.5℃を超える原因不明の発熱(腫瘍熱のある患者は、治験責任医師の裁量により登録としてもよい。)であって、治験責任医師の見解において、当該患者の治験への参加に支障をきたすまたは治験の結果に影響を与える可能性のある上記感染症または発熱
j)以前の化学療法剤であって、本治験における最初の投薬予定日の前の3週間以内、または当該薬剤の半減期の5倍未満の時間間隔以内のいずれか長い方に投与された上記化学療法剤
k)直近の14日間に放射線療法を受けた
l)以下によって判定される鉄過負荷のエビデンス
・空腹時トランスフェリン飽和度>45%及び/または
・血清フェリチン濃度>1000ng/ml
m)過去4週間に鉄補給剤による治療を受けた
n)併用抗レトロウィルス療法を受けているHIV陽性の患者またはフェルモキシトールが負の薬物動態上の相互作用を起こす可能性のある治療を必要とする疾病
o)治験責任医師によって、患者が、インフォームドコンセントに署名し、協力し、治験に参加することが可能であることを妨げる、または結果の解釈を妨げるおそれがあると判断される、その他の医学的または社会的条件
p)妊娠または授乳;妊娠の可能性のある女性は、登録時に、尿または血清による妊娠検査に基づいて、妊娠に関して検査が陰性である必要がある。生殖能力のある男性及び女性患者は共に、治験中及び治験薬物の最終投与後3ヶ月間、信頼できる避妊方法を用いることに同意する必要がある。
のいずれにも合致してはならない。
C.患者の中止
いかなる時であってもかついかなる理由であっても、患者は治験を中止することができ、または患者に治験を中止させることができる。いくつかの可能性のある中途での中止の理由としては、以下、すなわち、
・進行性の腫瘍性疾患
・治験責任医師の見解において、患者に、治験にこれ以上参加することを妨げる有害事象が生じる。
・臨床上の及び/または病状悪化
・治験にこれ以上参加することを妨げる、併発する疾病の発症または併用療法の必要性
・プロトコルの非遵守
・同意の撤回
・治験責任医師が患者の最大の利益に基づいて治験から患者を除外する
・後援者による治験の終了
・禁じられた併用薬の使用
・経過観察を自覚していない
が挙げられるが、これらに限定されない。
患者が治験を中止する場合、当該の患者と接触して、中止の理由(複数可)を判定するよう試みる必要がある。患者が中止となった時点で、30日間の経過観察のための来院で必要な全ての手続及び評価を完了させる必要がある。有害事象の結果として治験を中止した全ての患者を、当該の有害事象が解消または安定化するまで追跡する必要がある。
D.MM−398の説明と使用
MM−398は5mg/mLの濃度で9.5mLのMM−398の入った無菌の使い捨てバイアルとして供給される。各10mLバイアルからの表示量の抜き出しを容易にするために、バイアルには0.5mLの過剰量が入っている。
MM−398は遮光し、2〜8℃で冷蔵保存する必要がある。注入の間は遮光の必要はない。MM−398は冷凍してならない。責任者は、この製剤をバイアルからシリンジに取り出す前と後に、粒子状物質に関してバイアルの内容物を検査する必要がある。
MM−398は投与前に希釈する必要がある。希釈溶液は室温(15〜30℃)で6時間、物理的及び化学的に安定であるが、冷蔵温度(2〜8℃)で保存し、遮光することが好ましい。希釈溶液は冷凍してはならない。希釈の際に微生物汚染の可能性があるため、希釈溶液は、冷蔵(2〜8℃)する場合は24時間以内に、室温(15〜30℃)に維持する場合は6時間以内に使用することを推奨する。
20本のバイアル入りのMM−398が段ボール容器に包装されこととなる。個々のバイアルは、段ボール容器の外側と同様に、当地の規制要件に従ってラベル付けがなされることとなる。
投与量及び投与
一実施形態において、MM−398は以下のように用量設定され投与される。
MM−398は、2週間毎に80mg/mの用量で、90分間にわたって静脈内(IV)注入によって投与されることとなる。第1のサイクルの1日目は固定された日であり、その後の投与は各サイクルの1日目±2日で投与する必要がある。
投与前に、適切な用量のMM−398を5%デキストロース注射溶液(D5W)で希釈して500mLの最終容量にする必要がある。インラインフィルタまたはD5W以外の希釈液を使用しないように注意する必要がある。MM−398は、標準的なPVC含有静脈投与バッグ及びチューブを用いて、最大1mL/秒(30mg/秒)の速度で投与することができる。
投与されるMM−398の実際の用量は、各サイクルの開始時に患者の体表面積を計算することによって決定されることとなる。用量の投与を容易にするために、上記算出された総用量には±5%の変動が許容されることとなる。MM−398バイアルは使い捨てバイアルであることから、現場スタッフは、将来の使用のためにバイアルのいかなる未使用分も保存してはならず、同製品の未使用分は廃棄する必要がある。
E.MM−398を用いる治療上の重要な注意
これまでのMM−398の検討のデータは、有効成分であるイリノテカンと比較して予想外の毒性は示しておらず、イリノテカンは広範に検討されている。イリノテカンの使用に関する警告と予防措置、及びこれらの毒性を管理するための治療手順を以下に記載する。
下痢
イリノテカンは、異なる機構によって媒介されると思われる早期型及び後期型の下痢の両方を誘導する場合がある。早期の下痢(イリノテカンの注入中または注入直後に起こる)は本質的にコリン作動性である。この早期の下痢は通常一過性であり、希にしか重篤にはならない。上記早期の下痢は、鼻炎の症状、唾液分泌の増加、縮瞳、涙液分泌、発汗、潮紅、及び腹部けいれんを引き起こす場合がある腸の過蠕動を伴う場合がある。MM−398の以前のサイクルの間に早期のコリン作動性症状が生じた患者に対しては、治験責任医師の裁量により、アトロピンの予防的投与がなされることとなる。
後期の下痢(一般に、イリノテカンの投与後24時間を超えてから起こる)は長期化し、脱水症状、電解質の不均衡、または敗血症につながる場合があることから、生死にかかわる可能性がある。後期の下痢はロペラミドによって速やかに治療する必要があり、ロペラミドの後に下痢が続く場合は、オクトレオチドを検討する必要がある。持続性のまたは重篤な下痢に伴う体液及び電解質の消失は、生死にかかわる脱水症状、腎不全及び電解質の不均衡をもたらし、心血管疾患の病的状態を助長し得る。感染性合併症の危険性が高まり、化学療法誘発性の好中球減少症の患者においては、敗血症に至る可能性がある。下痢の患者を注意深く監視し、脱水症状になった場合には水分及び電解質を補充し、腸閉塞、発熱、重篤な好中球減少症を発症した場合には、抗生物質を投与する必要がある。
好中球減少症
イリノテカンによる治療を受けた患者において、重篤な好中球減少に続く敗血症による死亡が報告されている。好中球減少症の合併症は、抗生物質のサポートにより速やかに管理する必要がある。好中球減少を管理するために、G−CSFを慎重に用いることができる。以前の抗腫瘍薬療法を受けている間にグレード3または4の好中球減少症が起きたことが判っている患者は、注意深く監視し、管理する必要がある。
過敏症
重篤なアナフィラキシー反応またはアナフィラキシー様反応を含む過敏反応が認められている。疑わしい薬物は直ちに使用を控える必要があり、過敏性反応が起こった場合には積極的な治療を行う必要がある。
大腸炎/腸閉塞
潰瘍、出血、腸閉塞、及び感染症を合併した大腸炎の症例が認められている。腸閉塞を起こした患者は迅速に抗生物質のサポートを受ける必要がある。
血栓塞栓症
イリノテカンを含むレジメンを受けている患者において血栓塞栓事象が認められており、これらの事象の具体的な原因は特定されていない。
妊娠
イリノテカンの妊娠の分類はDである。妊娠可能な女性には、イリノテカンによる治療を受けている間に妊娠することは避けるように勧める必要がある。妊娠が報告されている場合は治療を中止する必要がある。患者に治験を中止させ、結果が分かるまで妊娠を見守る必要がある。
静脈内注入部位への注意
溢出を避けるように注意を払う必要があり、注入部位の炎症の徴候を監視する必要がある。血管外遊出が発生した場合は滅菌生理食塩水で洗い流し、氷を宛がうことが推奨される。
特に危険性のある患者
イリノテカンの週単位の計画の臨床治験では、ベースライン血清総ビリルビンレベルが中程度(1.0〜2.0mg/dL)に高い患者は、ビリルビンレベルが1.0mg/dL未満である患者よりも、第1のサイクルでグレード3または4の好中球減少症を起こす可能性が有意に高い(50.0%[19/38]対17.7%[47/226];p<0.001)ことが知られている。ギルバート症候群の患者などの、ビリルビンの異常なグルクロン酸抱合のある患者もまた、イリノテカンによる治療を受けると、骨髄抑制の危険性がより高い場合がある。
注入に伴う急性反応
リポソーム薬による治療を受けた少数の患者において、潮紅、息切れ、顔面腫脹、頭痛、悪寒、背部痛、胸及び喉の圧迫感、血圧低下を特徴とする、注入に伴う急性反応が報告されている。殆どの患者において、これらの反応は一般に、注入が終了した後24時間以内に解消する。一部の患者では、上記反応は注入速度を減速させることによって解消する。リポソーム薬に対する急性注入反応が起きた殆どの患者は、合併症を生じることなく、以降の注入に耐えることができる。
その他の毒性ポテンシャル
イリノテカンの新しいリポソーム製剤であるMM−398は、非封入製剤のイリノテカンとは異なり、したがってイリノテカンによって生じるもの以外の毒性の可能性がある。全ての患者を、特に治療の最初の投与中に、薬物毒性を示す徴候及び症状について注意深く監視する必要がある。
F.用量変更要件
本治験治療に関連する毒性から回復させるために、発生から最大2週間、投薬を保留してもよい。毒性からの回復に要する時間が2週間を超える場合、患者が治験治療の恩恵を受ける場合を除いて当該患者の治験を中止する必要があり、患者が治験治療の恩恵を受ける場合には、治験の継続は治験責任医師と後援者または後援者の指名する者の間で、継続することの危険性と恩恵に関して議論する必要がある。
治験の間に毒性に起因して患者の用量を低減する場合には、治験の継続期間中該容量を低減したまま維持する必要がある。用量の初期用量への再度の増加は許容されない。2回の用量低減を行い、かつ3回目の低減が必要となる有害事象が生じた患者は、治験治療を中止させる必要がある。
注入反応を監視することとなる。注入反応は、以下:
グレード1:一過性の潮紅または発疹、薬物発熱<38℃(<100.4°F);介入不要
グレード2:介入または注入の中断が必要;対症療法(例えば、抗ヒスタミン薬、NSAID、麻薬)に即座に応答;24時間未満の間の治療に適応される予防的薬物投与
グレード3:症候性気管支けいれん(蕁麻疹の有無にかかわらず);非経口介入が必要;アレルギー関連浮腫/血管浮腫;血圧低下
グレード4:生死にかかわる結果;緊急介入が必要
で定義される、国立がん研究所CTCAE(バージョン4.0)のアレルギー反応/注入反応及びアナフィラキシーの定義に従って定義される。
注入反応の管理には、治験現場の方針または以下の治療指針:
グレード1
注入速度を50%減速
状態悪化に対して15分毎に患者を監視
グレード2
注入を停止
ジフェンヒドラミン塩酸塩50mgをIV投与、アセトアミノフェン650mgを経口投与し、酸素を供給
注入反応が解消したならば、事前の速度の50%で注入を再開
状態悪化に対して15分毎に患者を監視
その後の全ての注入に対して、ジフェンヒドラミン塩酸塩25〜50mgを事前にIVで投薬
グレード3
注入を停止し、患者から注入チューブを外す
ジフェンヒドラミン塩酸塩50mgをIVで、デキサメタゾン10mgをIVで、気管支けいれんに対する気管支拡張剤、及び医学的な必要性に応じて他の薬物または酸素を投与または供給
以後のMM−398による治療は許容されないこととなる
グレード4
注入を停止し、患者から輸液チューブを外す
気管支けいれん対して必要なエピネフリン、気管支拡張もしくは酸素を投与または供給
ジフェンヒドラミン塩酸塩50mg、デキサメタゾン10mgをIVで投与
経過観察のための入院を検討
以後のMM−398による治療は許容されないこととなる
を用いるものとする。
グレード1またはグレード2の注入反応を起こした患者に対しては、その後の注入は、速度を減速して(120分にわたり)慎重に行ってもよい。
2回目のグレード1またはグレード2の注入反応を起こした患者に対しては、デキサメタゾン10mgをIV投与する。その後の注入は全て、事前に、ジフェンヒドラミン塩酸塩50mgをIVで、デキサメタゾン10mgをIVで、かつアセトアミノフェン650mgを経口で投薬する必要がある。
G.MM−398血液毒性による用量変更
新たな治療サイクルを開始する前に、患者は以下:
・ANC≧1500/mm
・血小板数≧100,000/mm
を有する必要がある。
回復のための十分な時間が得られるように治療を延期する必要があり、回復時には、以下の表中の指針に従って治療を施す必要がある。当該の患者が発熱性好中球減少症である場合、上記ANCは≧1500/mmになっている必要があり、該患者は感染症から回復している必要がある。
Figure 2017537124
Figure 2017537124
H.非血液毒性によるMM−398用量の変更
下痢が≦グレード1に解消するまで、または他のグレード3もしくは4の非血液毒性については、グレード1もしくはベースラインに解消するまで、治療を延期する必要がある。薬物関連の下痢及び他のグレード3または4の非血液毒性によるMM−398の用量調整のための指針を以下に示す。
Figure 2017537124
Figure 2017537124
I.併用療法
根底にある悪性腫瘍の全ての併発する病状及び合併症を、許容される地域の医療の基準に従って、治験責任医師の裁量で治療が行われることとなる。患者は、必要に応じて鎮痛剤、制吐剤、抗生物質、解熱剤、及び血液製剤の投与を受ける必要がある。ワルファリン型抗凝固治療薬が許可されてはいるが、何らかの可能性のある薬物相互作用の合併症を回避するために、凝固パラメータの注意深い監視が不可欠である。血液製剤の輸血を始めとする全ての併用薬は、適宜の症例報告書に記録されることとなる。
特定の疾病を治療するための指針は以下に説明するが、これらの疾病の治療のための医療機関の指針を用いてもよい。特別な注意を必要とする併用療法は以下で議論する。
制吐剤
デキサメタゾン及び5−HT3遮断薬(例えば、オンダンセトロンまたはグラニセトロン)を、個々の患者に対して禁忌でない限り、前投薬として全ての患者に投与することとなる。治験期間中に臨床上の必要に応じて、制吐剤も処方する。
コロニー刺激因子
好中球減少症または好中球減少性発熱の患者を治療するために、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)の使用が許容され、G−CSFの予防的使用は、治験療法を受けている間に少なくとも1回のグレード3もしくは4の好中球減少症または好中球減少性発熱を起こした患者、あるいは以前の抗腫瘍療法を受けている間に、書面によって証明されたグレード3または4の好中球減少症または好中球減少性発熱を起こした患者においてのみ許容される。
下痢の治療
MM−398投与中または投与後24時間以内に発症する急性の下痢及び腹部けいれんは、コリン作動性症候群の一部として起こる場合がある。該症候群はアトロピンで治療することとなる。本治験中にコリン作動性症候群を起こす患者においては、アトロピンの予防的または治療的な投与を検討する必要がある。下痢は衰弱を起こす場合があり、希に生死にかかわる可能性がある。化学療法誘発性の下痢を治療するためにASCOパネルによって開発された指針を以下に要約する。
Figure 2017537124
合成オクタペプチドであるオクトレオチドを、連続注入または皮下注射による漸増用量として投与した場合に、フルオロピリミジンをベースとする化学療法レジメンによって誘発される下痢の制御に有効であることが明らかになっている。オクトレオチドは、100マイクログラムを毎日2回〜500マイクログラムを毎日3回の範囲の用量で投与することができ、最大耐容用量2000マイクログラムを毎日3回、5日間のレジメンで投与することができる。患者には治療の間を通して水を多量に飲むことを推奨する必要がある。
その他の治療
他の毒性に対する対症療法は医療機関の指針に従う必要がある。コールドキャップを用いた脱毛症の予防または氷冷マウスリンスによる口内炎の予防が可能である。
I.禁止される治療
イリノテカン処方情報には、イリノテカンと相互作用するものとして、以下の薬剤が記載される。すなわち、セイヨウオトギリ(セント・ジョーンズ・ワート)、CYP3A4を誘導する抗けいれん薬(フェニトイン、フェノバルビタール、及びカルバマゼピン)、ケトコナゾール、イトラコナゾール、トロレアンドマイシン、エリスロマイシン、ジルチアゼム及びベラパミルである。これらの薬剤及びイリノテカンと相互作用する他の薬剤による治療は、可能な限り避ける必要がある。5−FUはワルファリンと相互作用するため、併用が必要な場合は注意が必要である。他の薬物相互作用については、5−FU及びロイコボリンの各国特有の添付文書を参照のこと。
本治験において以下の療法は許容されない。
・細胞傷害剤、標的薬剤、内分泌療法または他の抗体を含む他の抗腫瘍療法、
・潜在的に治癒性の放射線療法;緩和的放射線療法は許容される、及び
・その他の治験療法は許容されない。
J.検査手順
全血球数
全血球数(CBC)は現地で実施されることとなり、白血球数(WBC)及び白血球百分率数、ヘモグロビン数、ヘマトクリット数及び血小板数を含む必要がある。
血清化学分析
一連の血清化学分析は中央で実施されることとなる。また、化学分析も局所的に評価され、中央での検査結果が利用できない場合には、現地での検査結果が登録及び治療の判断に用いられてもよい。現地での検査結果を登録に使用する場合、その後の全ての治療判断に現地での検査結果を用いる必要がある。血清化学分析は、電解質(ナトリウム、カリウム、塩化物及び炭酸水素塩)、BUN、血清クレアチニン、グルコース、直接及び総ビリルビン、AST、ALT、アルカリホスファターゼ、LDH、尿酸、総タンパク質、アルブミン、カルシウム、マグネシウム及びリン酸塩を含む。
バイオマーカー試料
腫瘍への奏効、MM−398に対する感受性または耐性、及びMM−398の薬物動態(PK)と相関する場合がある因子を可能性として識別するために、全血及び血漿を採取することとなる。可能性としての分析の非限定的な例としては、サイトカインレベル(例えば、MCSF1及びIL−6)、成長因子(例えば、IGF−1及びEGFRファミリーの受容体及びリガンド)、及び酵素レベル(例えば、MMP9)が挙げられる。
凝固プロファイル
凝固プロファイルは、部分トロンボプラスチン時間及び国際標準比を含むこととなる。
UGT1A1*28対立遺伝子
ベースラインにおいて全ての患者から全血試料を採取し、UGT1A1*28アレルの状態を試験することとなる。この結果はMM−398の初回投与の前には必要ではないが、UGT1A1*28対立遺伝子に関して陽性(ホモ接合性)の患者に対しては、MM−398のその後の投与量を低減する場合がある。
尿または血清による妊娠検査
出産の可能性のある全ての女性は、尿または血清による妊娠検査を受ける必要がある。
薬物動態評価
血漿試料を採取して、MM−398及びSN−38のレベルを測定することとなる。MM−398の薬物動態に影響を与える可能性がある追加の分析対象物もこの試料から測定することができる。以下の表13に概説するPK時点を、サイクル1〜3の間に抜き出すこととなる。
Figure 2017537124
K.疼痛評価及び鎮痛剤消費量
疼痛評価及び鎮痛剤消費量の日誌を患者に渡し、疼痛の強さを毎日視覚的なアナログスケールで記録してもらい、患者の毎日の鎮痛剤消費量用を記録してもらう。
L.EORTC−QLQ−C30
生活の質をEORTC−QLQ−C30の手段によって評価することとなる。EORTC−QLQ−C30は、多文化的臨床研究環境におけるがん患者の生活の質の信頼できる及び妥当な尺度である。EORTC−QLQ−C30には、5つの機能尺度(身体、役割、認知、情緒、社会)、3つの症状尺度(疲労感、疼痛、嘔気/嘔吐)、ならびに全般的な健康及び生活の質尺度を含む9つの多項目尺度が組み込まれている。いくつかの単一項目の症状の尺度も含まれる。
患者は、EORTC−QLQ−C30質問票を、評価スケジュールに概説した時点で全て記入することを求められることとなる。患者が治験薬の投与を受ける日に、治験薬の投与前に評価を完了する必要がある。当該患者に対して有効なEORTC−QLQ−C30質問票の翻訳が利用可能である患者のみが、質問票を全て記入することを求められることとなる。
M.全生存率/治験後経過観察
全生存率データを、患者が30日後の経過観察のための来院を完了した後、上記30日後の経過観察のための来院の日から1ヶ月(±1週間)毎に収集することとなる。収集される中止後のデータには、疾患進行のデータ(まだ書面化されていない場合;患者が客観的な疾患の進行以外の理由で治験治療を中止した場合は、新たな抗腫瘍療法の開始または進行まで、6週間毎に腫瘍の評価を継続して受ける必要がある)、全ての中止後の全身療法、放射線療法、または外科的介入のデータを含む、患者が受けた全ての抗がん治療の文書、及び死亡のデータが含まれることとなる。全ての患者は、死亡または治験の終息のいずれか早い方まで、経過観察を受ける必要がある
N.有害事象の重篤度及び関連性の判定
各有害事象を、NCI CTCAE V4.0に従って等級付けを行うこととなり、NCI CTCAE V4.0はhttp://ctep.cancer.gov/reporting/ctc.htmlに記載されている。CTCAEに掲載されていない事象に関しては、重篤度は、軽度、中程度、重度、または生死にかかわるもしくは致命的として指定することとなり、これらは、以下:
・軽度:障害または機能不全には至らず、介入なしに解消する事象、
・中程度:障害または機能不全には至らないが、介入が必要な事象、
・重度:一時的な障害または機能不全に至り、介入を必要とする事象、
・生死にかかわる:当該事象において、該事象が生じている時に患者が死亡する危険性のある事象、
・致命的:患者の死に至る事象
との定義を有し、NCICTCAEのグレード1、2、3、4及び5にそれぞれ対応する。
治験責任医師は、有害事象が治験薬の使用に関連する合理的な可能性が存在するかどうかを判定する努力をする必要がある。この関連性は、関連ありまたは関連なしとして記録する必要がある。
O.有効性の分析
無増悪生存期間
PFSは、無作為化の日から死亡または進行の日のいずれか早い方までの月数として定義される(RECIST 1.1による)。治験の間に死亡も進行も認められない場合には、PFSデータは最後の有効な腫瘍評価時に打ち切ることとなる。
ペア化した非層別化ログランク検定を用いて、治療群間でPFSを比較することとなる。カプラン−マイヤー推定値を用いてPFS曲線を推定することとなる。Cox比例ハザードモデルを用いて、ハザード比及び対応する95%信頼区間の推定値を得ることとなる。無作為化層化係数を用いて層化解析も行うこととなる。層化変数及び他の予後共変量に合わせて調整する治療効果を探索することとなる。また、種々の打ち切りデータ及び欠損データの補完方法を用いて、PFSに対する感度解析を行うことができる。上記感度解析の方法論を、統計解析計画に十分詳細に記載することとなる。上記解析はITT、PP及びEP集団に対して実施することとなる。
治療不成功に至るまでの時間
治療不成功に至るまでの時間は、無作為化から、疾患の進行、死亡または毒性に起因する治験の中止のいずれかまでの時間として定義される。無増悪生存期間の解析について明示したカプラン−マイヤー解析を、治療不成功に至るまでの時間について実施することとなる。該解析はITT、PP及びEP集団に対して実施することとなる。
客観的奏効率
ORRに関連する腫瘍評価をRECIST v1.1を用いて判定することとなる。後援者が新薬申請をサポートするためまたは何らかの他の理由で、X線画像による評価の独立した見直しを要求する場合、全ての患者の奏効の状況が、独立した臨床医のパネルによって見直され、かつ後援者または後援者の指名する者によって見直される場合がある。上記独立したパネルの評価と治験責任医師の評価との間に相違がある場合には、上記独立したパネルの評価を優先することとなる。
各治療群の客観的奏効率(ORR)は、RECIST v1.1によって確定したCRまたはPRの最良総合効果を示した患者の数を加え合わせて算出することとなる。ORRは、無作為化から進行または治験の終了までに記録された最良効果である。解析の時点での客観的な奏効(確定CR+PR)が生じた患者の数及び比率を提示し、その割合に対する95%信頼区間を算出することとなる。治療群の客観的奏効率を、ペアワイズ フィッシャー正確確率検定を用いて比較することとなる。該解析はITT、PP及びEP集団に対して実施することとなる。
腫瘍マーカーへの奏効解析
CA19−9血清レベルを、治療開始前の7日以内(ベースライン)、その後6週間毎に測定することとなる。CA19−9の腫瘍マーカー奏効は、CA19−9血清レベルの変化によって評価する。奏効は、治療期間中に少なくとも1回、ベースラインレベルに対してCA19−9が50%減少することとして定義される。高いベースラインのCA19−9値(>30U/mL)を有する患者のみを腫瘍マーカーの奏効率の計算に含めることとなる。
患者からの報告結果の解析
EORTC−QLQ−C30質問票の解析をEORTC指針[22]に従って実施することとなる。
安全性解析
治療下で発現した有害事象は、治療群、患者、NCI CTCAEグレード及びMedDRA器官別大分類(system organ class)(SOC)単位で提示することとなる。全有害事象、重篤な有害事象、治験薬に関連する有害事象、及びグレード3及び4の有害事象に関する別個のリストが提示されることとなる。検査データは治療群単位で及び来院単位で提示することとなる。可能な場合には、異常な検査値をNCI CTCAEグレードに従って評価することとなる。QTcの評価はFridericiaの補正方法に基づいて行うこととなる。CTCAE判定基準をQTcに適用することとなる(すなわち、グレード3=QTc>500ミリ秒)。全ての安全性解析は、該当する場合、治療群、治療サイクル及び週単位で実施することとなる。総合的な安全性を、サイクル、SOC及び暴露の程度全体にわたる等級によって評価する。また、安全性解析は、安全性解析対象集団における全ての患者の治療群間の比較、すなわち、
・必要な輸血回数
・G−CSFを必要とする患者の割合
・投与の遅延または変更に繋がる有害事象
を含むこととなる。
薬物動態解析
薬物動態学的データを、いずれかのMM−398群に無作為化された全ての患者に対して収集することとなる。MM−398の血漿濃度−時間データを、母集団薬物動態解析法を用いて解析することとなる。薬物動態パラメータを、NONMEM(登録商標)、バージョン7、レベル1.0(ICON Development Solutions社、アイルランド国ダブリン)を用いた非線形混合効果モデリングによって推定することとなる。PKパラメータとしては、血漿Cmax、Tmax、AUC(濃度曲線下面積)、クリアランス、分布容積、及び終末相消失半減期を含むこととなる。薬物動態パラメータに対する患者固有の因子(年齢、人種、性別、体重、肝機能及び腎機能の尺度、ECOG値など)の影響を評価することとなる。母集団PK/PD解析法を用いて、薬物曝露と有効性及び/または毒性(例えば、好中球減少症、下痢)パラメータとの間の関係を評価することとなる。
PK試料に対して追加の探索的分析を行って、治験の過程で生じるMM−398に関連する何らかの安全性、有効性またはPKの問題を明確にするために役立てることができる。5−FUの濃度レベルを記述的に要約する。
実施例2:フェルモキシトール磁気共鳴画像診断
Fe−MRIシグナルとTAMs、薬力学的マーカーまたは腫瘍への奏効との間の相関を評価するために、治験の開始時及び/または拡大フェーズにおいて登録した患者において、MRIパラメータを最適化する必要があるであろうことが予想される。各患者は、スキャン間の変動性を低減するために、同じスキャナ上で全て各患者のFe−MRIを実施する必要がある。各MRI検査を、T1、T2及びT2*加重シーケンスでの腫瘍及び参照組織の画質及び信号特性について評価することとなる。各患者からの全て揃った画像のセットを受け取った後、画像を閲覧ワークステーションにロードして定性的検討を行い、次いで定量を行う検査室に送って解析を行うこととなる。
拡大フェーズの間において、フェルモキシトールの期間の1日目〜2日目に、当該の患者が割り当てられたスキャン群に応じた種々の時点で、複数のMR画像を収集することとなる。スキャンする体部は当該の患者の疾患の位置によって決定することとなり、詳細な指示は治験の画像診断手引きに記載される。全ての患者は、フェルモキシトール投与の前に得るベースライン画像、及び引き続いて得る第2の画像(ベースラインの繰返し;スキャン群1)またはフェルモキシトール投与の終了後1〜4時間で得る第2の画像(スキャン群2及び3)のいずれかを撮像することとなる。全ての患者は2日目に戻ってきて、1日目と同一のプロトコル及びシーケンスを用いて、24時間のFe−MRIを実施する。スキャン群1及び2に登録された患者は、24時間または2週間のいずれかで1回の更なるスキャンが必要となり、合計4スキャンとなる。スキャン群3への登録を開始する前に、患者をスキャン群1及び2へ交互に割り当てることとなる。
Figure 2017537124
Figure 2017537124
フェルモキシトール(FERAHEME)の投与
1日目にフェルモキシトールの単回投与を静脈内注入によって投与することとなる。用量は患者の体重に基づいて5mg/kgで計算される。総単回投与量は、フェルモキシトールの最大の認可された単回投与量である510mgを超えないこととなる。フェルモキシトールは、過去には、生存徴候の監視しながら、未希釈のIV注射剤として、最大1ml/秒(30mg/秒)の速度で投与されてきた。これに代えて、フェルモキシトールのボーラス注射に伴う何らかの毒性の危険性を軽減するために、登録された全ての患者は、フェルモキシトール期間中の1日目に、5mg/kgのフェルモキシトールの単回投与を、希釈に続いて最短で15分間の期間にわたる、50〜200mLの0.9%塩化ナトリウムまたは5%デキストロース溶液での静脈内注入によって受けることとなる。
この投与スケジュールは認可されたラベル程強力なものではなく、3〜8日間の間隔で510mgの2回の投与を推奨するものであるが、本明細書に開示されるようなフェルモキシトールの使用は、鉄欠乏に対する補充用製品としてではなく造影剤としてのものであるため、より低い用量がより適切である。
フェルモキシトールを、患者が横になったまたは半ば横になった姿勢の状態で投与する。フェルモキシトールのラベルに記載の注意書きに従って、投与中及びそれぞれの注入後少なくとも30分間、血圧及び脈拍を監視することを始めとして、重篤なアレルギー反応の徴候及び症状について患者を注意深く監視する。
フェルモキシトールを投与する際の重要な考慮すべき事項
フェルモキシトール投与の前に血液中の鉄のレベルを測定する。現在米国肝臓病協会によって推奨されているように、鉄過剰症のスクリーニングは、早朝空腹時のトランスフェリン飽和度≧45%(血清鉄を血清総鉄結合容量で除し、百分率で表した比)であることを測定することによって診断される。1000ng/mlのフェリチンレベルもまた、臓器を損傷するレベルの鉄と関連している可能性がある。トランスフェリン飽和度及び血清フェリチンの両方の測定値は、悪性腫瘍で起こる炎症によって変化する場合があり、解釈が難しい場合がある。肝臓の鉄の実際の組織測定は鉄過剰を診断するためのゴールドスタンダードであるが、いくつかの病的状態と関連する。好ましくは専門家による鉄検査の慎重な解釈が推奨される。
実施例3:MM−398の物理的、化学的及び薬学的特性
製剤
MM−398製剤は、5mg/mLの塩酸イリノテカン三水和物に相当する量の原薬イリノテカンを含有する。該製剤のリポソームは、スクロソファート塩としての、ゲル化したまたは沈殿した状態のイリノテカンを含有する水性空間が封入された、直径が約110nmの一枚膜脂質二重層ベシクルである。リポソーム担体は、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DSPC)、6.81mg/mL;コレステロール、2.22mg/mL;及びメトキシ末端ポリエチレングリコール(MW2000)−ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(MPEG−2000−DSPE)、0.12mg/mLから構成される。また、mL当たり、バッファとしての2−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル]エタンスルホン酸(HEPES)、4.05mg/mL;等張性剤としての塩化ナトリウム、8.42mg/mL;及び薬物トラップ剤としてのスクロースオクタスルファート、0.9mg/mLも含有する。この溶液をpH7.25で緩衝化する。バイアルに入れた製品において、薬物の98%超が上記リポソーム担体中に封入されている。MM−398注射剤は、5.0mg/mlのリポソーム中に封入された塩酸イリノテカンを含有する滅菌溶液として供給される。MM−398の外観は白色からやや黄色の不透明な液体である。
添加剤の説明及び一覧
以下の表14は、MM−398注射剤、5.0mg/ml製剤の組成を示す。バイアル中の10mL溶液に対する製剤の組成も含まれる。
Figure 2017537124
貯蔵条件及び貯蔵寿命
MM−398注射液は、投与前に、5%デキストロース注射液または生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム注射液)で、注入のための適宜の容量に希釈する必要がある。上記注入用溶液(MM−398注射液及びその混合物)は冷凍してはならない。冷凍はリポソーム構造を破壊し、遊離イリノテカンの放出に繋がる。希釈の際に微生物汚染の可能性があるため、上記注入用溶液は直ちに使用する必要があるが、注入開始前に最大で4時間、室温(15〜30℃)で保管してもよい。必要な場合には、上記注入用溶液を使用前に24時間を超えない時間冷蔵(2〜8℃)してもよい。MM−398は限定された材料との適合性について試験が行われており、適合性の問題は確認されていない。以下の材料:
・PVC製またはポリエチレンでライニングされた注入セット(インラインフィルタなし)
・PVC製またはポリオレフィン/ポリアミド共押出フィルム製のIVバッグ
・MM−398製剤は2℃〜8℃で保存する必要がある
を試験した。
外来物質の安全性評価
MM−398の唯一の生物起源の成分はコレステロールであり、該コレステロールは羊毛に由来する。MM−398の製造においては、BSE/TSEが報告されていないニュージーランドのヒツジ由来のコレステロールを専ら使用する。この物質は、EU医薬品委員会(CPMP)及び動物用医薬品委員会(CVMP)によって採択された、ヒト及び動物用医薬品を介した動物性海綿状脳症物質の感染の危険性を最小限にするための指導に関する通達{EMA/410/01 Rev.3−2011年3月)に準ずる。MM−398のcGMP製造プロセスは、バイオバーデンの低減及び最小化のために広範に制御され、該製剤は滅菌ろ過された後にバイアルに無菌充填される。製剤のプロセス中の検査及び最終検査により、MM398の無菌性が保証される。
人間における薬物動態及び薬物代謝
6件の治験(治験PEP0201、治験PEP0203、治験PEP0206、治験PIST−CRC−01、治験MM−398−01−01−02、治験MM−398−07−03−01)にわたり、多数の試料(sample−rich)及び少数の試料(sample−sparse)のPKサンプリングを用いて、MM−398の薬物動態を評価した。非コンパートメント解析及び母集団薬物動態解析の両方を行って、MM−398の薬物動態学的特性を評価した。
薬物動態パラメータ
非コンパートメント解析のPKパラメータのまとめを以下の表2に示す。
Figure 2017537124
母集団薬物動態
6件の治験にわたる353名の患者における総イリノテカン及びSN−38について母集団薬物動態解析を行い、患者間の変動性の主要な原因を特定し、MM−398への曝露と奏効との関係を立証した。モデルから、放出されたイリノテカンのイン・ビボでの転化に由来するSN−38が予測され、該SN−38を「転化SN−38」と表示した。
母集団薬物動態解析から、総イリノテカンはSN−38より約3桁高かった。120mg/mのq3wと比較して、80mg/mのq2w MM−398の用量は、同様の平均濃度、1.5分の1の低さのイリノテカン及びSN−38の両方のCmax、及び7倍高い転化SN−38のCminをもたらした。
注釈
本発明をその特定の実施形態に関して説明してきたが、本発明は更なる変更が可能であり、本出願は、概括的に本発明の原理に従う、及び本発明が関連する技術分野内で公知のまたは慣例的な実施法の範囲に入り、本明細書に記載の本質的特徴に適用することができるような本開示からの逸脱を含む、本発明の任意の変化形、使用、または改変に及ぶことが理解されよう。
当業者は、本明細書に記載された特定の実施形態の多くの等価物を認識し、または日常的な実験を超えるものを用いることなく確認及び実施することができよう。かかる等価物は以下の特許請求の範囲に包含されることを意図する。
特許請求の範囲の種々の従属項に開示される実施形態の任意の組み合わせは、本開示の範囲内であることを意図する。
上記で参照したそれぞれの及び全ての米国、国際、もしくは他の特許または特許出願または公開の開示は、その全体が参照により本明細書に援用される。
(項目1)
ヒトの患者の乳がんの治療方法であって、前記患者に有効量のリポソーマルイリノテカンを投与することを含み、前記乳がんが、a)HER2陰性転移性乳がん、またはb)少なくとも1の脳の病変を伴う、HER2陰性もしくはHER2陽性、かつ転移性の乳がんである前記方法。
(項目2)
前記投与が少なくとも1サイクルで行われ、前記サイクルが2週間の期間であり、前記イリノテカンがサイクル当たり1回、各サイクルの1日目に投与され、少なくとも第1のサイクルに対して、前記リポソーマルイリノテカンが、少なくとも60mg/mまたは少なくとも80mg/mの用量で投与される、項目1に記載の方法。
(項目3)
少なくとも第1のサイクルに対して、前記リポソーマルイリノテカンが、80、100、120、150、180、210、または240mg/mの用量で投与される、項目2に記載の方法。
(項目4)
少なくとも第1のサイクルに対して、前記リポソーマルイリノテカンが80mg/mの用量で投与される、項目2または3に記載の方法。
(項目5)
前記投与が少なくとも2サイクルで行われ、前記患者がUGT1Al*28対立遺伝子についてホモ接合である場合には、第1のサイクルの後の用量が第1のサイクルで与えられた用量よりも20mg/mまたは40mg/m低く、前記患者がUGT1Al*28対立遺伝子についてホモ接合ではない場合には、第1のサイクルの後の用量が第1のサイクルで与えられた用量と同一である、項目1〜4のいずれか1項に記載の方法。
(項目6)
第1のサイクルの後の全ての投与が同一の用量である、項目1〜5のいずれか1項に記載の方法。
(項目7)
前記乳がんがトリプルネガティブまたはbasal−like乳がんである、項目1〜6のいずれか1項に記載の方法。
(項目8)
前記乳がんがER/PR陽性乳がんである、項目1〜6のいずれか1項に記載の方法。
(項目9)
前記乳がんがHER2陰性転移性乳がんである、項目1〜8のいずれか1項に記載の方法。
(項目10)
前記乳がんが、少なくとも1の脳の病変を伴う、HER2陰性またはHER2陽性転移性乳がんであり、前記少なくとも1の脳の病変が進行性の病変である、項目1〜8のいずれか1項に記載の方法。
(項目11)
前記患者がいずれの脳の病変も有さず、前記乳がんが、免疫組織学的検査によってHER2 0+もしくは1+、イン・シチュハイブリダイゼーションによってHER2陰性、またはデュアルプローブ・イン・シチュハイブリダイゼーションによってHER2陰性である、項目1〜9のいずれか1項に記載の方法。
(項目12)
前記リポソーマルイリノテカンの各投与に先立って、前記患者が、1)デキサメタゾン及び2)5−HT3アンタゴニストもしくは別の制吐剤のいずれかの、いずれかまたは両方の投薬を受ける、項目1〜11のいずれか1項に記載の方法。
(項目13)
前記リポソーマルイリノテカンが90分間にわたって静脈内投与される、項目1〜12のいずれか1項に記載の方法。
(項目14)
前記リポソーマルイリノテカンの投与と同時に、有効量の少なくとも1種のイリノテカン以外の抗がん剤が前記患者に同時投与される、項目1〜13のいずれか1項に記載の方法。
(項目15)
前記治療が前記患者に肯定的な結果をもたらす、項目1〜14のいずれか1項に記載の方法。
(項目16)
前記肯定的な結果がpCR、CR、PR、またはSDである、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記肯定的な結果が、a)がん細胞の数、b)腫瘍の大きさ、c)末梢器官中への浸潤、d)腫瘍転移またはe)腫瘍の再発の低減である、項目15に記載の方法。
(項目18)
前記リポソーマルイリノテカンによる治療に先立って、前記患者がフェルモキシトールの注入、及びその後にMRIスキャンを受ける、項目1〜17のいずれか1項に記載の方法。
(項目19)
前記リポソーマルイリノテカンがMM−398である、項目1〜17のいずれか1項に記載の方法。
(項目20)
ヒトの患者の乳がんの治療用キットであって、前記キットは、1)少なくとも1回分のリポソーマルイリノテカンが入った第2の容器と、2)項目1〜18のいずれか1項に記載の方法に従った、前記リポソーマルイリノテカンの使用説明書とが入った前記容器を備える、前記キット。
(項目21)
前記リポソーマルイリノテカンがMM−398である、項目20に記載のキット。

Claims (11)

  1. ヒトの患者の乳がんの治療のための、前記ヒトの患者へのフェルモキシトールの投与に続いて、2週間毎に1度投与される80mg/mの単回投与のリポソーマルイリノテカンの使用。
  2. 前記フェルモキシトールの投与に続き、前記リポソーマルイリノテカンの投与に先立って、MRIスキャンによって得られる前記患者内のフェルモキシトールの画像を得る、請求項1に記載の方法。
  3. 前記スキャンされる体部が前記患者の病変の位置によって決定される、請求項3に記載の方法。
  4. 前記フェルモキシトールが乳がん病変中で検出され、該乳がん病変が、ホルモン受容体陽性乳がん病変、ER陽性病変、PR陽性病変、ER陽性/PR陽性病変、トリプルネガティブ乳がん病変、転移性乳がん病変及び活動性脳転移病変からなる群より選択される、請求項3に記載の使用。
  5. 前記乳がん病変が転移性乳がん病変である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。
  6. 前記乳がん病変が活動性脳転移病変である、請求項5に記載の使用。
  7. 前記ヒトの患者がUGT1Al*28対立遺伝子についてホモ接合ではない、請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用。
  8. 前記用量が、5mg/kgの単回用量で、最大で510mgを越えない総単回用量である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の使用。
  9. 前記画像が前記フェルモキシトールの前記投与後1〜4時間で得られる、請求項2〜8のいずれか1項に記載の使用。
  10. 前記画像が前記フェルモキシトールの前記投与後24時間で得られる、請求項2〜8のいずれか1項に記載の使用。
  11. 前記リポソーマルイリノテカンが、リポソーム中に封入されたイリノテカンスクロースオクタスルファートを含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の使用。
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