JP2017536353A - がん治療のための医薬組成物及び薬物スクリーニング用バイオマーカー - Google Patents

がん治療のための医薬組成物及び薬物スクリーニング用バイオマーカー Download PDF

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Abstract

ソラフェニブ及びGW5047(3−(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシベンジリデン)−5−ヨード−1,3−ジヒドロインドール−2−オン)を含む組成物である、がんの治療のための医薬組成物。この併用療法は、臨床症状を模倣するin−vitroモデル又はin−vivo自発転移腎臓がん細胞の動物モデルのいずれかにおいて、c−Raf−PP2A−DAPKシグナル伝達経路を介してがん細胞の増殖を阻害する。GW5074がc−Rafへの結合を形成した後、c−Rafの立体配座が変化し、ソラフェニブとc−Rafとの間の親和性が増加する。この特別に標的化された薬物の併用により、PP2AがDAPKタンパク質のセリン308を脱リン酸化させ、がん細胞を劣化させる。DPTKタンパク質のセリン308は、薬物スクリーニング用のバイオマーカーとすることができる。

Description

本発明は、ソラフェニブ及びGW5074を含む、がんを治療するための医薬組成物に関する。本発明はまた、c−RafとDAPKとからなるタンパク質複合体を薬物で解離させる方法を開示し、次いでこれを新しい薬物を設計するための標的として用いることができる。加えて、本発明は、タンパク質c−Raf及びDAPKならびにDAPKのリン酸化レベルを利用して薬物をスクリーニングする方法をさらに提供する。
がん原遺伝子の活性化又は腫瘍サプレッサー遺伝子の欠損は、しばしばがん細胞の発達を導く。Rasはがん原遺伝子であり、Rasタンパク質の活性化は、通常、細胞膜上の受容体チロシンキナーゼ(TKI)によって引き起こされる。活性化されたRasタンパク質はRAFと結合し、続いてシグナルを下流に伝達してMAPK経路を活性化し、細胞増殖及び細胞分化を調節する。細胞膜上の成長因子受容体への成長因子の結合から生じる活性化されたGrb−sosタンパク質は、下流のRas−GDPタンパク質のリン酸化をもたらし、次いで得られたRas−GTPはRafタンパク質のN末端に結合して、Rafを活性化し、MEKのリン酸化を介したERKの活性化がさらに調節される。次に、活性化したERKは細胞核に入り、がん細胞の増殖を誘導する。したがって、これらのがん原遺伝子に対して特異的に設計された無数の薬物(これらのチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)など)が作り出されてきたが、結局、多くのがん患者が治療中に薬物耐性を発達させただけであった。その結果、チロシンキナーゼのシグナル伝達経路を特異的に標的とする併用療法が一般的な治療法となっている。
血管新生及び細胞増殖は、腫瘍増殖において本質的な役割を果たす。膨大な量の血管内皮増殖因子A(VEGF−A)ががん細胞から放出されると、腫瘍において、腫瘍の内皮細胞の表面上での血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR−2)とのVEGF−Aの結合が、Raf/マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MEK)/細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)のシグナル伝達経路を活性化し、内皮細胞の血管新生を誘導する。一方、Ras−ERK経路は、がん細胞増殖も増強する。加えて、Ras−Raf−ERK経路の制御が失われることが、多くの腫瘍細胞株において示されている。したがって、VEGF及びRafは、腫瘍増殖の阻害のための最良の標的となり得る。
ソラフェニブ(Nexavar(登録商標)、BAY 43−9006、Bayer HealthCare Pharmaceuticals)は、様々ながんの治療に一般的に用いられる経口マルチキナーゼ阻害剤である。ソラフェニブは、Raf、VEGF受容体、血小板由来増殖因子(PDGF)受容体、KIT及びFms様チロシンキナーゼ−3(FLT−3)などのタンパク質を阻害することができる。多くの研究により、ソラフェニブは、種々のがん細胞におけるRafシグナル伝達経路を阻害しつつ、VEGF及びPDGFシグナル伝達経路の阻害によりがん細胞を取り囲む内皮細胞の増殖を抑制し、続いてがん細胞死を誘導することによって腫瘍増殖を阻害することが示されている。これらの薬物の構造及び試験結果は理想的なものである。しかしながら、何年もの臨床応用の後、治療の初期段階の腫瘍サイズがソラフェニブによって効率的に減少したにもかかわらず、このような薬物は腫瘍を完全に根絶するだけでなく、深刻な副作用を引き起こす可能性があることも発見された。さらに、治療を受けたがん細胞は、長期治療後に薬物耐性を発揮した。さらに、近年、がん細胞におけるRafシグナル伝達経路の阻害が、がん細胞における異なる分子による別の規制に起因してソラフェニブによる阻害を低下させることが、いくつかの研究によって示されている。最も重要なことは、ソラフェニブのがん細胞に対する阻害効果が、Raf経路によって制御されない可能性があることを示すいくつかの証拠である。したがって、上記欠点をさらに改善する必要がある。
ソラフェニブは早期に腫瘍サイズを効果的に減少させることができるが、腫瘍を根絶することはできない。さらに、それはしばしば重度の副作用を伴い、治療期間が長くなるとがん細胞はしばしば抵抗性になる。上記を考慮して、ソラフェニブは理想的な治療ではなく、従来技術において改善された治療を提供する必要性が存在する。上記を考慮して、本発明は以下の発明に関する。(1)ソラフェニブとGW5074との新規併用療法、(2)c−Raf及びDAPKの解離を伴い、細胞壊死により細胞を効果的に死滅させる新薬設計の標的、(3)薬物スクリーニングのためのバイオマーカーとして、タンパク質c−Raf及びDAPKならびにDAPKのリン酸化レベルの使用。
一態様では、本発明は、ソラフェニブ及び3−(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシベンジリデン)−5−ヨード−1,3−ジヒドロインドール−2−オン(GW5074)を含む、がんを治療するための医薬組成物を提供する。
本発明の実施形態によれば、組成物の化合物は、別々に、同時に、又は逐次的に投与される。
本発明の実施形態によれば、がんは、腎細胞がん、前立腺がん、乳がん、肺がん、子宮頸がん、口腔がん、神経膠腫、尿路上皮細胞がん、又は黒色腫である。
本発明の実施形態によれば、医薬組成物は、前記化合物の薬学的に許容される塩を含むか、又は前記化合物のための薬学的に許容される塩媒体をさらに含む。上記の媒体としては、賦形剤、希釈剤、増粘剤、充填剤、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、油若しくは非油剤、界面活性剤、懸濁剤、ゲル化剤、アジュバント、防腐剤、酸化防止剤、安定剤、着色剤又はそれらの下位概念が挙げられる。
本発明の実施形態によれば、医薬組成物は、経口投与、浸漬、注射、局所適用又はパッチ投与によって投与される。
本発明の実施形態によれば、化合物GW5074は、c−Rafタンパク質(配列番号1)に結合し、c−Rafの立体配座変化を誘導し、これによりc−Rafのソラフェニブへの結合親和性を増加させ、c−Raf/DAPKタンパク質複合体からのc−Rafの解離を引き起こす。
別の態様では、本発明は、がんを治療するための医薬の製造における、上記医薬組成物のいずれか1つの適用を明らかにする。
別の態様では、本発明はまた、化合物を用いてタンパク質複合体を解離するための医薬の製造方法であって、少なくとも1つの化合物をタンパク質複合体の解離に使用することができ、タンパク質複合体はc−Raf(配列番号1)及びDAPK(配列番号2)からなる。
本発明の実施形態によれば、化合物はソラフェニブ及びGW5074である。
一態様では、本発明は、バイオマーカーを利用する薬物スクリーニングのための方法を開示する。この方法は、検体を提供する工程と、薬物の投与前に検体のバイオマーカーの発現レベル及び/又はリン酸化レベルを検出する工程と、薬物投与後の細胞増殖阻害率を検出する工程を含み、前記発現レベル及び/又は前記リン酸化レベルが細胞増殖阻害率と正の相関を有する場合、その薬物は適切な薬物候補であり、c−Raf(配列番号1)及びDAPK(配列番号2)の一方又は両方のバイオマーカーである。
本発明の実施形態によれば、c−Raf及びDAPKのリン酸化部位は、それぞれ、セリン338(Ser338)及びセリン308(Ser308)である。
本発明の実施形態によれば、検体は、手術後に収集された分離がん組織、腹水、血液、尿、糞便、喀痰、粘膜細胞又は胃液がんである。
本発明の実施形態によれば、薬物はソラフェニブ及びGW5074である。
一態様では、本発明は、薬物スクリーニングのためのバイオマーカーの使用を開示し、前記バイオマーカーが、c−Raf(配列番号1)及びDAPK(配列番号2)の少なくとも1つである。
本発明の実施形態によれば、c−Rafタンパク質及びDAPKタンパク質のリン酸化部位は、それぞれ、セリン338(Ser338)及びセリン308(Ser308)である。
本発明の実施形態によれば、薬物はソラフェニブ及びGW5074である。
本発明の実施形態によれば、前記使用は、薬物投与前の試料のバイオマーカーの発現レベル及び/又はリン酸化レベルを検出する工程と、及び薬物投与後の細胞増殖阻害速度を検出する工程とをさらに含み、発現レベル及び/又はリン酸化レベルが細胞増殖阻害率と正の相関を有する場合、その薬物は適切な薬物候補である。
本開示は、抗血管新生剤であるソラフェニブがc−Raf阻害剤であるGW5074と組み合わせられた併用療法の新規概念を提案した。これらの2つの化合物のいずれも、低用量(5μMのソラフェニブ又は10μMのGW5074)で単独で投与した場合、増殖阻害効果を示さない。しかしながら、単独では細胞毒性を示さないこれら2つの薬物の組み合わせは細胞毒性効果を達成し、それによってがん細胞の増殖を効果的に阻害しながら有効用量のソラフェニブによって引き起こされる副作用を減少させる。本発明によって提案された新規な併用療法は、これらの2つの薬物がc−Rafに結合することによってc−RafとDAPKのタンパク質複合体を破壊し、続いて、細胞アポトーシスを誘導することを示す独特の分子メカニズムを明らかにし、将来の薬物設計のための新たな標的として使用することができる。本発明者によって行われた研究は、併用療法が高度にリン酸化されたc−Raf s338を有するがん細胞において最も有効であり、より低いDAPK発現又はより少ないリン酸化DAPK−s308を有するヒトがん細胞に対してあまり効果的でないことを立証する。
c−Raf及びDAPKタンパク質を解離するための薬物、又は本方法によってスクリーニングされた薬物は、ソラフェニブ及びGW5074の併用である。
「薬学的に許容される賦形剤」という用語は、本明細書において、ソラフェニブ又はGW5074のいずれかと物理的に又は化学的に適合する、当業者に知られている生理学的に不活性又は薬理学的に不活性な材料を指すために使用される。薬学的に許容される賦形剤としては、ポリマー、樹脂、可塑剤、充填剤、潤滑剤、希釈剤、結合剤、崩壊剤、溶媒、共溶媒、界面活性剤、防腐剤、甘味剤、香味剤、薬学的グレードの染料又は顔料、及び粘性剤が挙げられる。
この出願において「医薬組成物」は、固体又は液体組成物であり、その形態、濃度及び純度が患者(ヒト又は動物の患者など)への投与に適しており、その投与後に、所望の生理学的変化を誘導し得る固体又は液体組成物である。医薬組成物は、典型的には滅菌及び/又は非発熱性である。
本明細書で使用される場合、「併用」は、2つ以上の化合物及び/又は薬物(本出願では成分とも呼ばれる)を組み合わせている材料を示す。「組み合わされた」及び「組み合わせる」は同じ意味である。
組成物中の2つ以上の化合物/薬物の併用は、物理的又は非物理的であり得る。物理的に結合した化合物/薬物組成物の例には、2種以上の混合された化合物/薬物を(例えば、同じ単一投与量で)含有する組成物(例えば、単一の混合物)、(例えば、架橋、分子凝集又は共通媒体部分への結合によって)2つ以上の化学的/物理的に結合した化合物/薬物を含む組成物、化学的又は物理的に共にパッケージ化された(例えば、液体媒体、粒子(例えば、マイクロ粒子又はナノ粒子)又はエマルジョン液滴上若しくは内部の材料、医薬品キット、医薬品パック又は患者用パック中に配合された)2つ以上の化合物/薬物を含む組成物を含む。ここで、2つ以上の化合物/薬物は、共にパッケージ化されているか共に表示されている(例えば、投与単位のバッチ)。
非物理的併用での化合物/薬物組成物の例には、少なくとも1つ以上の化合物/薬物を含む材料(例えば、非単一混合物)と、上記2つ以上の化合物/薬物の物理的併用が少なくとも1つ以上のものと新しく作られた物理的併用により形成されることを示す指示書;上記2つ以上の化合物/薬物の少なくとも1つを含む材料(例えば、非単一混合物)と、上記2つ以上の化合物/薬物を利用する併用療法を示す指示書;上記2つ以上の化合物/薬物の少なくとも1つを含む材料と、上記2つ以上の化合物/薬物以外の薬物で治療されている(又は服用している)患者集団への投与のための指示書;及び上記2つ以上の化合物/薬物以外の化合物/薬物と一緒に組成物に使用されるように特別に量又は形態が調製された上記2つ以上の化合物/薬物のうちの少なくとも1つを含む材料が含まれる。
本出願において、「併用療法」という用語は、本明細書では、2以上の化合物/薬物(上記で定義した)を含有する組成物を使用する治療を指すために使用される。したがって、本発明において、化合物/薬物の「併用療法」、「組み合わせ」及び「組成物」は、一連の治療の一部として投与される化合物/薬物を指すために使用される。結果として、2つ以上の化合物/薬物のそれぞれの薬量は、異なる可能性があり、それぞれが同一又は異なる時間に投与され得ることを示唆する。前記組成物の化合物/薬物は、順番に(例えば、前又は後に)、又は同時に(例えば、同一時間に)投与することができ、同じ医薬混合物に(一緒に)又は異なる混合物に(別々に)調製することができる。さらに、同じ混合物での同時投与は、単一の混合物として与えられ、異なる混合物での同時投与は、単一の混合物として与えられない。さらに、併用療法における2種以上の化合物/薬物のそれぞれの投与量は、投与様式に応じて変化し得る。
図1は、c−Raf阻害剤(ソラフェニブ、GW5074、L779450又はPLX4720)の単回投与後24時間におけるACHN細胞の増殖阻害を示す図である。 図2は、c−Raf阻害剤(ソラフェニブ、GW5074、L779450又はPLX4720)の単回投与後の48時間におけるACHN細胞の増殖阻害を示す図である。 図3は、c−Raf阻害剤(ソラフェニブ、GW5074、L779450又はPLX4720)の単回投与後72時間におけるACHN細胞の増殖阻害を示す図である。 図4は、種々のc−Raf阻害剤(Sor:ソラフェニブ、GW:GW5074、L77:L779450、PLX:PLX4720)の併用療法の24、48及び72時間後のACHN細胞の増殖阻害を示す図である。 図5は、単独又は組み合わせて投与されたソラフェニブ及びGW5074処置後の21日までの3日ごとに測定された異種移植腫瘍量を示す。 図6は、種々の薬物の治療後にLuc−ACHN−LL細胞と同所移植された免疫不全マウスから収集された光子信号を示す。身体全体に分布した腫瘍の数を計算するために、各マウスの体全体から放出された全光子を測定し、Xenogen(登録商標)リビングイメージソフトウェアによって定量した。矢印は最初の薬物投与の時間を示す。 図7は、DMSO(対照群)、5μMソラフェニブ及び10μMGW5074又は併用療法の処置後の24時間におけるACHN細胞のアポトーシス又は壊死のレベルを示す。 図8は、DMSO(対照群)、5μMソラフェニブ、及び10μMGW5074、又は併用療法による処置後24時間での、免疫ブロット法によるACTH細胞のpDAPKS308及びDAPKタンパク質発現のリン酸化レベルを示す。 図9は、DMSO(対照群)、5μMソラフェニブ、及び10μMGW5074、又は併用療法による処置後24時間での、特定の抗体を用いて他の関連するタンパク質を染色するための免疫ブロット法によるACHN細胞の内因性DAPKの免疫沈降結果を示す。 図10は、DMSO(対照群)、5μMソラフェニブ及び10μMGW5074又は併用療法の処置の24時間後での、特定の抗体を用いて他の関連するタンパク質を染色するためのACHN細胞の内在性c−Rafの免疫沈降結果を示す。 図11は、PP2A阻害剤であるカンタリジン酸(C.A.)又はオカダ酸(O.A.)の存在下又は非存在下での併用療法後のACHN細胞の増殖阻害を示す。 図12は、併用療法の24時間後での、野生型又はc−Raf変異型を安定に発現するACHN細胞の増殖阻害を示す(野生型c−Rafとの比較において、*:p <0.05、**:p <0.01)。 図13は、DMSO(Ctrl.)処理又は併用療法の24時間後での、Flag−tagged−c−Raf又は示された変異型を発現するACHN細胞のタンパク質発現プロフィールである。Flag−c−Rafを細胞溶解物から免疫沈降させ、続いて、示された抗体にて免疫ブロット法を行った。 図14は、併用療法後の、スクランブルsiRNA(Scr)、DAPK siRNA1(siDAPK−a)、又はDAPK siRNA2(siDAPK−b)でトランスフェクトされたACHN、786−O及びRcc−Sut−002細胞の増殖阻害を示す(上部のパネル)。細胞溶解物のDAPK及びα−カテニン発現を免疫ブロット法によって調べた。 図15は、併用療法の24時間後での、V5−tagged−DAPKを発現するHeLa細胞及び示された変異型を発現するHeLa細胞の増殖阻害を示す。 図16は、併用療法の24時間後での、V5−tagged−DAPKを発現するMDA−MB231細胞及び示された変異型を発現するMDA−MB231細胞の増殖阻害を示す。 図17は、5μMのソラフェニブの処置後24時間における様々ながん細胞又は正常細胞の増殖阻害を示す。 図18は、10μMのGW5074の処理後の24時間における様々ながん細胞又は正常細胞の増殖阻害を示す。 図19は、5μMのソラフェニブと10μMのGW5074との併用療法の24時間後の様々ながん細胞又は正常細胞の増殖阻害を示す。 図20は、対照群と比較した、ACHN群のpDAPKS308のリン酸化レベルを示す図である。免疫ブロット法によってpDAPKS308及びDAPKの発現を検出した。 図21は、pDAPKS308の発現と細胞の増殖阻害との間の相関を示す回帰プロットである。(R=0.4551、R=0.6746、p=0.00001) 図22は、免疫ブロット法による同じ患者の腫瘍(pT)又は正常組織(pN)におけるpDAPKS308及びDAPKの発現レベルを示す図である。 図23は、GAPDH発現に対する正規化後のpDAPKS308の相対強度を示す図である。 図24は、ヒトの正常及び腎がん組織のpDAPKS308発現の免疫組織化学的(IHC)分析である。拡大図の倍率は、40倍(上のパネル)、100倍(下のパネル)であり、スケールバーは100μMである。 図25は、マイクロアレイを用いた定量後のヒトの正常及び腎臓がん組織(正常及び種々のグレード(G))のpDAPKS308の発現を示し、正常と種々のグレード(G)を示している。 図26は、マイクロアレイを用いた定量化後のヒト正常及び腎臓がん組織のpDAPKS308の発現を示し、様々なステージ(T)とがん細胞の転移(meta)を示している。 図27は、ソラフェニブ及びGW5074との相互作用後のc−Rafキナーゼの立体配座を示すコンピュータシミュレーション写真である。緑色はGW5074を表し、赤紫色はソラフェニブを表す。
本発明は、以下の実施形態によりさらに具体的に説明されるが、これらの実施形態は、限定する目的というよりもむしろ実演する目的で提供される。
実施例1−ソラフェニブとGW5074の併用療法 − 細胞での試験
ヒト腎がん(ACHN)細胞を、10%FBS(ウシ胎仔血清)及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを含むイーグルMEM(最小必須培地)中で培養した。スルホローダミンB(SRB)は、スルホン酸基を有する負電荷タンパク質であり、弱酸性条件下で細胞内タンパク質の塩基性アミノ酸に結合する。弱アルカリ性溶液を用いて細胞からSRBタンパク質を抽出し、吸光度測定を行った。細胞生存の指標である細胞内タンパク質の量は、SRBの量から計算することができる。ACHN又はA498細胞を2.5μM、5μM、10μMのソラフェニブ、GW5074、L779450又はPLX4720単独で24時間、48時間及び72時間処理し、続いて細胞生存を評価するためのSRBアッセイを行った。あるいは、ACF細胞を10μMのGW5074,10μMのL779450又は10μMのPLX4720で30分間前処理した後、さらに24時間、48時間及び72時間5μMのソラフェニブ処理を行い、続いてSRBアッセイを行って増殖阻害を評価した。
これらの結果に基づいて、24時間の単一低用量処置(5μMソラフェニブ又は10μMGW5074)後に細胞の増殖阻害を示さなかった(図1~3、平均±S.D.、n=4)c−Raf阻害剤ソラフェニブとGW5074を組み合わせた。しかしながら、これらの2つの薬物の組み合わせは、いずれかの薬物の単独治療では観察されなかった細胞傷害性を誘発しただけでなく、ソラフェニブの有効用量による副作用を効果的に低減し、がん細胞増殖を抑制し、相乗効果を示唆した(図4、平均±S.D.、**P<0.01、n=4)。
実施例2−ソラフェニブとGW5074の併用療法 − 異種移植
平均体重20グラムを有する生後6週間の免疫不全雄マウス(BALB/cAnN.Cg−Foxn1nu/Cr1Nar1)の右側に、1×10個のヒト腎臓がん細胞(ACHN細胞)株を皮下注射(intraperitoneal injection, i.p.)によって異種移植した。マウスを特定の病原体不含(SPF)環境で維持した。腫瘍の大きさは、デジタルキャリパーを用いて週に2回測定し、腫瘍量を長さ×幅×高さ×0.5の式で計算した。腫瘍量が100mmより大きくなったところで、1日1回3週間、5mg/kgのソラフェニブの経口経管投与及び3mg/kgのGW5074の皮下注射を含む薬物投与を開始し、3日ごとに腫瘍の大きさを測定した。媒体(DMSO)のみを投与した対照群、5mg/kgソラフェニブ、25mg/kgGW5074、又は5mg/kgソラフェニブと25mg/kgGW5074の併用療法の合計4つの群があり、各群8匹で実験された。
その結果を図5に示す。5μMのソラフェニブ又は10μMのGW5074のみの処理は、ほとんど阻害効果を示さなかった。一方、5μMソラフェニブと10μMGW5074の併用療法は、ACHN細胞の有意な増殖阻害を示した(t検定、平均±S.D.、**P<0.01、n=8)。
実施例3−ソラフェニブとGW5074の併用療法−同所性モデル
臨床現象をシミュレートするために、我々は、腎がんの転移を研究するための同所自然発生動物モデルを確立した。最初に、ACHN細胞にルシフェラーゼ遺伝子をトランスフェクトし、次いで、種々の発現レベルを有する、得られたLuc−ACHNトランスフェクタント(ルシフェラーゼを発現する安定なトランスフェクタント)を、皮下注射によるマウスでのin vivo培養のために選定した。生後6週間の剃毛したマウスに、0.1mlのPBS中の1×10個のLuc−ACHN細胞を皮下注射した。注射2ヵ月後、マウスを犠牲にし、ヘマトキシリン−エオシン(H&E)染色によって確認された潜在的に転移性の腫瘍細胞を評価するために、腎臓、肝臓、局所リンパ節及び他の器官を収集した。転移性が高い腫瘍細胞株を1mlのPBS中で無菌的に小片に解離し、次いで遠心分離後10%FBS(ウシ胎仔血清)及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを含むMEM培地で培養した。数日後、モノクローナル細胞株をまずトリプシンで処理して細胞を解離させ、次いでin vitroで培養した。肝臓腫瘍組織から得られた細胞をACHN−Lと命名した。種々の器官から集められた種々のモノクローナル細胞株の転移能を、これらの腫瘍細胞をマウスの左腎臓に異種移植することによってさらに分析した。異種移植されたマウスを、腫瘍細胞注入の8週間後に犠牲にし、検査した。各器官で観察された腫瘍増殖を、目視検査及び組織学的手順によって調べた。肝臓に見出された転移性細胞を無菌的に小片に解離し、in vitroで培養した。肝臓腫瘍組織から得られた細胞をACHN−L(皮下注射)細胞と命名し、ACHN−L細胞を左腎臓に注射した後の、肝臓における転移病巣から集めた細胞をACHN−LL細胞と命名した。ACHN−LL細胞及び肝臓転移性細胞の同所移植を使用する同じ手順を、転移性が高い腫瘍を選択するために2回繰り返した。転移性が高く死亡率の高いがん細胞株(Luc−ACHN−LL)を選択した。免疫不全の雄マウスに、50μLのPBS中の3x10Luc−ACHN−LL細胞を右腎嚢に注射した。in vivoでのルシフェラーゼ活性は、注射直後に腎臓にがん細胞が漏れていないことを確認し、これらのがん細胞の転移をモニターするために、3週間まで毎日検査した。IVISXenogenシステムを利用する2~5分前に、PBS中の75mg/kgのD−ルシフェリン(Xenogen)を各マウスの眼窩後洞に注入した。Luc−ACHN−LL細胞の注入2週間後、IVISXenogenシステムを用いて生物学的蛍光画像の移動をモニターし、光子信号の強度(光子/秒/cm/ステラジアン)を計算した。この研究には、媒体のみを投与した対照群と、それぞれ10mg/kgのソラフェニブ、25mg/kgのGW5074、10mg/kgのソラフェニブと25mg/kgのGW5074の併用療法(GWのi.p.注射30分後にソラフェニブを与えた)、又は60mg/kgのソラフェニブの投与を受けた4つの試験群の合計5つの群が含まれていた。
この結果から、対照群、10mg/kgのソラフェニブ群と25mg/kgのGW5074群のマウスは、それぞれがん細胞注射後5,8及び5週間以内に死亡した。同様に、60mg/kgのソラフェニブを投与した高用量試験群においても体重減少が観察され、その後10週間以内に死亡した。驚くべきことに、10mg/kgのソラフェニブと25mg/kgのGW5074の低用量併用療法を受けた群のマウスのみが、他の群と比較して、腫瘍サイズ及び転移の両方の腫瘍抑制ならびに生存期間の延長を示した。図6は、IVIS画像及び光子強度の平均±S.D.、**P<0.01、n=4を示す。さらに、併用療法を受けたマウスの体重及び日常的な動きは、正常マウスで観察されたものと同様であった。併用療法を受けたマウスから採取した腫瘍細胞も、他の群と比較して著しい細胞壊死を示した。
要約すると、低用量ソラフェニブとGW5074との併用療法は、in vitroでのがん細胞の増殖阻害に有効である。また、最も重要なことに、併用療法の有効性は、がん細胞の臨床的転移をシミュレートする状態においてin vivoで調べることができる。
実施例4
ソラフェニブとGW5074との併用療法は、細胞死関連プロテインキナーゼ(DAPK)のセリン308での脱リン酸化、続いてがん原遺伝子c−Rafからの解離により細胞壊死を誘導する。細胞を実施例1に記載したように培養し、リン酸緩衝食塩水(PBS)で洗浄し、アネキシンV−FITC及びヨウ化プロピジウム(PI)で15分間染色した。蛍光アネキシンVならびにヨウ化プロピジウム(PI)の存在を、細胞死がアポトーシス又は壊死によって引き起こされるかどうかを決定するために、フローサイトメトリーによって検出した。c−Raf及びDAPKならびにDAPKのリン酸化レベルの発現を、ウェスタンブロット及び抗体を用いた免疫沈降によって調べた。抗DAPK抗体又は非免疫ウサギIgG(IP:免疫グロブリン)を陰性対照として含み、細胞生存率を実施例1に示す通りSRBアッセイによって測定した。この実施例では、ACHN細胞をDMSO(対照群)、5μMソラフェニブ、10μMGW5074、又は5μMソラフェニブと10μMGW5074との併用療法を別々に用いて24時間処置した。
その結果、DMSO、5μMソラフェニブの単独療法及び10μMGW5074の単独療法で処置したACHN細胞の平均細胞壊死率は、それぞれ0.37、0.77、1.35%であることを示した。しかし、併用療法を受けた細胞は、53.95%までの壊死の有意な増加を示した(図7、t検定、平均±S.D.、***P<0.001、n=4)。腫瘍細胞におけるPP2AによるpDAPKS308の脱リン酸化によるS308のリン酸基の有意な減少は、併用療法で処置した細胞においてのみ観察された(図8)。免疫沈降からの結果は、さらに、c−Raf及びDAPKならびにPP2Aが複合体を形成することを示唆した。併用療法は、PP2A、DAPK及びc−Raf間の相互作用を減少させ、続いてpDAPKS308を減少させた(図9及び10)。併用療法を受けた試験群では、PPD阻害剤(カンタリジン酸、CA及びオカダ酸、OA)の様々な濃度が、投与の30分前に提供された場合にのみ、pDAPKS308の脱リン酸化の阻害及びACHN細胞の増殖に有効であった(図11、*P<0.05、**P<0.01、n=4)。
次に、併用療法がpc−RafS338に対して治療効果を発揮するか否かを試験した。ACHN細胞にc−RafS338D(S338のリン酸化のシミュレーション)をトランスフェクトした場合、pDAPKS308の減少が最も顕著であると認められた。さらに、c−RafS338A(脱リン酸化S338のシミュレーション)は、DAPK S308の脱リン酸化を弱めるだけでなく、併用療法下でのACHN細胞の増殖阻害を減少させた(図12、*P<0.05、**P<0.01、n=3)。さらに、免疫沈降の結果は、c−RafWT(野生型)及びc−RafS338A(S338の非リン酸化シミュレーション)と比較して、c−RafS338D(リン酸化S338のシミュレーション)が明らかにPP2Aとの相互作用を失ったことを示唆した(図13)。したがって、併用療法はpc−RafS338を増加させるだけでなく、PP2AによるpDAPKS308の脱リン酸化を促進し、細胞壊死を増強する。
上記の実施例は、ソラフェニブとGW5074との併用療法が、細胞死関連プロテインキナーゼ(DAPK)のセリン308を脱リン酸化し、続いてがん原遺伝子c−Rafから解離することを介して細胞壊死を誘導することを明らかにする。c−RafとDAPKの解離は、細胞内のDAPKからのc−Rafの解離が細胞を効果的に死滅させる細胞壊死プロセスの開始につながるため、将来の薬物設計の標的としても使用することができる。
実施例5−in vitroバイオマーカーを用いる薬物スクリーニングの方法
上記の研究は、セリン308でのDAPKの脱リン酸化が、がん細胞に対する薬物の抗がん効果の予測バイオマーカーとして使用できることを示した。細胞培養のための方法ならびに増殖阻害を調べるための検出方法は、実施例1に記載した通りである。ACHN、786−OおよびRcc−Sut−002(薬物耐性がん細胞)細胞株を、a型およびb型DAPKのsiRNA(siDAPK−a、センス鎖:5´−CAAGAAACGUUAGCAAAUGUU−3´(配列番号3)およびアンチセンス鎖:5´−CAUUUGCUAACGUUUCUUGUU−3´(配列番号4);siDAPK−b、センス鎖:5´−GGUCAAGGAUCCAAAGAAGUU−3(配列番号5)およびアンチセンス鎖5´−CUUCUUUGGAUCCUUGACCUU−3´(配列番号6))で処理した。各細胞株をsiDAPK−a、siDAPK−b及び対照(Scr)によって分析した。5μMのソラフェニブと10μMのGW5074との併用療法の後、細胞の増殖阻害を24時間観察した。一方、HeLa細胞及びMDA−MB−231細胞に、対照空ベクター(ベクター)、WT(野生型)、DAPKS308D、DAPKS308A又はDAPKK42A(不活性化プロテインキナーゼ)をトランフェクトし、トランスフェクトした細胞の増殖阻害を5μMのソラフェニブと10μMのGW5074との併用療法の24時間後に試験した。
結果は、DAPKタンパク質が、ソラフェニブとGW5074との併用療法によって誘導される細胞毒性にとって不可欠であることを示した。ACHN、786−O及びRCC−SUT−002細胞では、DAPK発現を阻害することができる2つのsiRNAに起因して増殖阻害が約60%低下した(図14)。さらに、S308におけるDAPKのリン酸化は、併用療法によって誘導される細胞傷害性と高度に関連している。通常、より高いpDAPKS308を発現するHeLa細胞におけるDAPKWT及びDAPKS308Dの過剰発現は、併用療法を受けた後の細胞毒性を顕著に増加させたが、DAPKK42A(不活性化DAPキナーゼ)及びDAPKS308A(S308の非リン酸化シミュレーション)では併用療法後に細胞死が増えなかった。DAPKS308Dのみが、併用療法を受けた後、通常はより低いpDAPKS308を発現するMDA−MB−231乳がん細胞における増殖阻害を増加させることが見出された。DAPKWT、DAPKS308A、及びDAPKK42Aを含む残りのものは、増殖阻害の増加を示さなかった(図15及び16、平均±S.D.、**p<0.01、n=3)。結果によると、ソラフェニブとGW5074の併用療法で処置した場合、細胞毒性を誘導する上で重要な役割を果たすのは、DAPKタンパク質そのものではなく、S308がリン酸化されたDAPKである。これは、S308がリン酸化されていないと、より高いDAPK発現であっても、併用療法の下で有効ではないためである。併用療法によって誘発される細胞傷害効果は、活性化されたDAPKを通過しなければならない。したがって、ソラフェニブとGW5074との併用療法は、がん細胞におけるpDAPKS308の存在下でのみ有効である。
c−Rafタンパク質のリン酸化は、がん細胞に対する薬物の抗がん効果を予測するためのバイオマーカーとして使用することができる。pDAPKS308の減少は、c−RafS338D(S388のリン酸化をシミュレートする)でトランスフェクトしたACHN細胞において最も明白である。c−RafS338A(S388の非リン酸化をシミュレートする)は、DAPKS308の脱リン酸化を減少させるだけでなく、併用療法下でのACHN細胞の増殖阻害も低下させる(図12、*P<0.05、**P<0.01、n=3)。したがって、c−RafのS338リン酸化は、より良好な治療効果のために併用療法に有益であり、c−RafS338D(S388のリン酸化をシミュレートする)は、c−RafS338A(S388の非リン酸化をシミュレートする)と比較してより良い効果を有する。
さらに、多数のがん細胞及び正常細胞を試験した。併用療法は、正常な線維芽細胞及び上皮細胞におけるDAPKの低いS308リン酸化のために、上記の細胞において限られた細胞傷害性しか引き起こさないことが見出された。それにもかかわらず、種々の腫瘍細胞において併用療法によって引き起こされる増殖阻害は、DAPKのS308リン酸化のレベルと正の相関がある(図17、18、19、20及び21、平均±S.D.、**p<0.01、n=3)。併用療法が、臨床的症例から得られたソラフェニブ耐性がん細胞(RCC−Sut−001、RCC−Sut−002、RCC−Sor−001)及び動物モデルから得られたソラフェニブ耐性がん細胞(786−OT4、ACHN−T2R)を用いて薬物耐性がん細胞に対する阻害効果を有するかどうかについてさらに調べた。高度にリン酸化されたDAPK S308を有する全ての薬物耐性がん細胞は、併用療法の下で有意に阻害された。さらに、Raf阻害剤耐性であるHT29及びA2058がん細胞株は、DAPKの高いS308リン酸化も示し、併用療法は、有意な阻害ならびに相乗効果を示した(図17,18,19、及び20及び以下の表)。さらに、正常細胞におけるDAPKのS308リン酸化は比較的低いため、ソラフェニブとGW5074の併用療法によって誘導されるがん細胞の増殖阻害は選択的であり、正常細胞に毒性を引き起こさない。
上記表1に示すデータを考慮すると、c−Raf及びDAPKは細胞質及びミトコンドリアに見出され、併用療法は、PP2AによるpDAPKS308の脱リン酸化と共に、細胞質とミトコンドリアとの間のDAPKの再配置をもたらす。脱リン酸化されたDAPKは、細胞質中のc−Rafとのその相互作用を減少させる。さらに、DAPKS308Dのみが、併用療法の下で、ミトコンドリアからMDA−MB−231の細胞質に転位誘導され得る。これは、ROSの産生及びpDAPKS308の低リン酸化をもたらす。しかし、細胞質及びミトコンドリアにおける併用療法によって誘導されたc−Raf及びそのS338のリン酸化の低下は、高度にリン酸化されたpDAPKS308を有するがん細胞においてのみ見出され、低pDAPKS308を有するがん細胞においては見出されなかった。
実施例6
腎細胞がん患者20名から採取した腫瘍試料及び正常組織試料をさらに調査した。ウェスタンブロットの結果に基づいて、20個のサンプルのうち16個は、正常組織サンプルと比較してがん細胞におけるS308でのDAPKのリン酸化の上昇を示した(図22及び23(pDAPKS308/GAPDH、平均±S.D.、**:p<0.005))。免疫組織化学(IHC)分析はまた、DAPKのS308リン酸化が、正常な腎臓組織と比較して181のヒト腎がんサンプルにおいてより高いことを実証した(図24)。一方、DAPKのS308リン酸化は、組織マイクロアレイ(TMA)及び半定量分析を使用して、がんの様々なグレード(G)又はステージ(T)の間に有意差を示さなかった。この結果は、pDAPKS308が予後を決定する因子であるばかりでなく、腎臓がんを治療するための併用療法の予測バイオマーカーでもあることを示唆した。
この結果に基づいて、c−Rafと結合した種々のc−Raf阻害剤の結晶構造を評価するためにコンピュータシミュレーション実験を行った。最大エネルギーは、GW5074とソラフェニブの組み合わせがc−Rafに結合するとき、阻害剤がc−Rafキナーゼの構造領域に結合することによって生成されると予想された(−182kcal/mole)。フロントエンドのGW5074はc−Rafと結合し、Ile355、Val363、Ala373、Leu406、Trp423及びPhe47を介した結合のためのより深い疎水性ポケットを生成する。この状況下では、疎水性ポケットのより多くの領域がGW5074及びソラフェニブによって占有される(図27に示される)。
本発明は、ソラフェニブ及びGW5074を含む組成物を利用することによってがんを治療するための新規併用療法を開示する。併用療法は、がん細胞に対する選択的阻害のために、正常細胞に対して有毒ではない。したがって、この療法は安全であり、将来の適用のために非常に有望である。併用療法の有効性は、不要な治療を避けるために予測バイオマーカーとしてpDAPKS308を使用することによって確認された。本発明の研究は、がん治療のための現在の研究が直面する障害を克服し、前臨床治療のための理想的なモデルの要件を満たす。上記の様々な技術的効果は、新規性と発明性の特許性要件を満たす。この出願は関連する法律に従って提出され、特許の付与は熱心に要請される。

Claims (17)

  1. ソラフェニブ及び3−(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ−ベンジリデン)−5−ヨード−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オンを含む、がんを治療するための医薬組成物。
  2. 前記組成物が、別々に、同時に、又は逐次的に投与される、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 前記がんが、腎細胞がん、前立腺がん、乳がん、肺がん、子宮頸がん、口腔がん、神経膠腫、尿路上皮細胞がん、又は黒色腫である、請求項1に記載の医薬組成物。
  4. 薬学的に許容される化合物の塩又は媒体をさらに含む、請求項1に記載の医薬組成物。
  5. 前記媒体が、賦形剤、希釈剤、増粘剤、充填剤、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、油又は非油剤、界面活性剤、懸濁剤、ゲル化剤、アジュバント、防腐剤、酸化防止剤、安定剤、及び着色剤からなる群から選択される、請求項4に記載の医薬組成物。
  6. 前記医薬組成物が、経口投与、浸漬、注射、局所適用、又はパッチ投与によって投与される、請求項1に記載の医薬組成物。
  7. 前記3−(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ−ベンジリデン)−5−ヨード−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オンが、配列番号1の配列を有するc−Rafタンパク質に結合するとc−Rafタンパク質の立体配座を変化させ、c−Rafタンパク質を前記c−Raf/DAPKタンパク質複合体から解離させるために、前記ソラフェニブの前記c−Rafタンパク質への結合親和性を増加させる、請求項1に記載の医薬組成物。
  8. タンパク質複合体を解離する化合物であって、前記タンパク質複合体がc−Raf/DAPKタンパク質複合体であり、前記c−Rafタンパク質が配列番号1の配列を有し、前記DAPKタンパク質が配列番号2の配列を有する、前記タンパク質複合体を解離するための医薬の製造における前記化合物の使用。
  9. 前記化合物がソラフェニブ及び3−(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ−ベンジリデン)−5−ヨード−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オンである、請求項8に記載の使用。
  10. 検体を提供する工程と、
    薬物の投与前に前記検体中のバイオマーカーのリン酸化レベルを検出する工程と、
    前記バイオマーカーの前記リン酸化レベルが、前記薬物投与後の細胞増殖阻害率と正の相関を有する場合に、前記薬物が候補薬物であると判定する工程とを含み、
    前記バイオマーカーは、配列番号1の配列を有するc−Rafタンパク質及び配列番号2の配列を有するDAPKタンパク質の少なくとも1つである、in vivoバイオマーカーを用いた薬物スクリーニング方法。
  11. 前記c−Rafタンパク質の前記セリン338(Ser338)アミノ酸残基がリン酸化され、前記DAPKタンパク質の前記セリン308(Ser308)アミノ酸残基がリン酸化される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記検体が、手術後に収集された分離がん組織、腹水、血液、尿、糞便、喀痰、粘膜細胞、胃液又は胆汁がんである、請求項10に記載の方法。
  13. 前記候補薬物が、ソラフェニブ及び3−(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ−ベンジリデン)−5−ヨード−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オンである、請求項10に記載の方法。
  14. バイオマーカーが、配列番号1の配列を有するc−Rafタンパク質及び配列番号2の配列を有するDAPKタンパク質である、候補薬物のスクリーニングにおける前記バイオマーカーの使用。
  15. c−Rafタンパク質の前記セリン338(Ser338)アミノ酸残基がリン酸化され、DAPKタンパク質の前記セリン308(Ser308)アミノ酸残基がリン酸化される、請求項14に記載の使用。
  16. 前記候補薬物が、ソラフェニブ及び3−(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ−ベンジリデン)−5−ヨード−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オンを含む、請求項15に記載の使用。
  17. 薬物の投与前に前記バイオマーカーのリン酸化レベルを検出する工程と、
    前記バイオマーカーの前記リン酸化レベルが、前記薬物投与後の細胞増殖阻害率と正の相関関係を有する場合に、前記薬物が候補薬物であると判定する工程とをさらに含む、請求項15に記載の使用。
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