図1はタバコ産業製品、例えば喫煙品の包装された束1を示す。本例では、タバコ産業製品は紙巻きタバコである。
包装された束1は、一群の紙巻きタバコ、例えば20本の紙巻きタバコに巻かれた折り曲げ自在なバリア材21を含む。しかしながら、当然のことながら包装された束1が収容する紙巻きタバコの数は問わず、例えば10本または14本の紙巻きタバコであってもよい。紙巻きタバコは長尺の円筒状の物品であって、包装された束1の全体の形状が実質的に立方体または平面6面体になるように何列かに配列される。
包装された束1は正面2、背面3、対向する側面4と側面5、対向する端面6と端面7を有する。添付する図面に示される包装された束1は、方形の縁部を有するが、当然のことながら、縁部は丸まっていてもよいし、包装された束1の中身の形状に沿った形状であってもよい。
図1に示すように包装された束1はバリア材21に開始切れ目8が設けられている。バリア材21は、包装された束1の正面2上で「U字」の形状に少なくとも部分的に切り込みが入れられている。開始切れ目8は、対向する側面4と5の間の方向に包装された束1に亘って延びる第1切り込み線9と、包装された束1の端部6の方向へ第1切り込み線9の端部から延びる第2切り込み線10および第3切り込み線11を有する。従って、開始切れ目8は、第1切り込み線9、第2切り込み線10、第3切り込み線11によって囲まれたタブ材12を画定する。
当然のことながら開始切れ目8は他の形状を含んでもよい。例えば、開始切れ目8は切切れ目の両端部が包装された束1の端面6の方に案内されるような形の単独の湾曲した切り込みであってもよい。
接着ラベル13は、開始切れ目8を覆い、封止するために束の外側に接着される。
図1の接着ラベル13は包装された束1の正面2から延び、包装された束1の正面端縁部14を越え、包装された束1の端面6上に達する。接着ラベル13はまた図1に示すように包装された束1の背面端縁部15を越えて延び、包装された束1の背面3へと達する。
また図1に示すように接着ラベル13はプルタブ16を含む。包装された束1の正面2から離れる方向へ、ユーザーが接着ラベル13のプルタブ16を引っ張ると、包装された束1の正面2から接着ラベル13は剥がれ、開始切れ目8によって形成されたタブ材12を引っ張ることになる。
タブ材12が引っ張られると、裂け目が第2切り込み10および第3切り込み11の端部から始まり、包装された束1の端面6に向かう第2切り込み10および第3切り込み11の方向に伝播しながらバリア材21を通って伝播する。プルタブ16が引っ張られると、裂け目はバリア材21の正面2において伝播し、包装された束1の正面端縁部を越え、包装された束1の端面6を横断する。
接着ラベル13の配置と範囲、およびユーザーが引っ張るプルタブ16の距離によって、裂け目は、包装された束1の端面6のある点まで、または包装された束1の背面端縁部15まで、または背面端縁部15を越えて包装された束1の背面3まで伝播するようにしてもよい。
上述の接着ラベル13を引っ張り、バリア材21を破ることによって、取り出し開口部17が図2に示すように形成される。取り出し開口部17は正面2から正面端縁部14を越え包装された束1の端面6へと延びる。接着ラベル16が持ち上げられた位置にある時、紙巻きタバコ18を取り出し開口部17を介して包装された束1から取り出すことができる。
別の実施態様では、開始切れ目8は上述のように切り込みではなく弱化された線を含む。このようにしてプルタブ16を引っ張ることによって弱化された線に沿ってバリア材21が破れ、これにより開始切れ目を形成し、そこからバリア材21が破れて取り出し開口部17が形成される。
別の実施態様では、バリア材21は上述の開始切れ目を形成する切り込みや弱化された線が設けられていない。この場合、接着ラベル13は、バリア材21の選択された領域に永久的に接着され、接着ラベル13を引っ張ると、バリア材21がいくつかの位置でせん断力を受け、バリア材21が所定の形状に破れるようになる。
接着ラベル13は、包装された束1に少なくとも部分的に粘着剤で接着されてもよい。
図1および図2に示すように接着ラベル13の縁部は開始切れ目8の切り込み線9、10、11からオフセットしており、よって、最初に包装された束1を開封した後、バリア材21の取り出し開口部17の縁部からオフセットしている。
従って、ラベル13は取り出し開口部17を囲む重なり領域19を含む。接着ラベル13の重なり領域19は粘着剤を備えてもよく、これによって、接着ラベル13を取り出し開口部17上の元の位置に戻すことができ、粘着剤はバリア材21に再度接着され、取り出し開口部17上の所定の場所に接着ラベル13を保持することができる。
接着ラベル13に粘着剤が全体的に設けられてもよく、あるいは重なり領域19の粘着剤に加えて、永久接着剤領域を含んでもよい。
取り出し開口部17を形成するために包装された束1から分離されたバリア材21の引きはがされた部分20は、図2に示すように接着ラベル13に接着したままである。
引きはがされた部分20は粘着剤によって、または引きはがされた部分20と接着ラベル13の間にある永久接着剤領域によって、接着ラベル13に接着されてもよい。もし、引きはがされた部分20が粘着剤によって接着ラベル13に接着される場合、使用時に接着ラベル13から引きはがされた部分20が離れないように、引きはがされた部分20の領域での粘着剤のコーティング重量を増やしてもよい。
従って、接着ラベル13およびバリア材21の引きはがされた部分20は、最初に開封した後、取り出し開口部17を閉じるために、繰り返し使用可能なカバーフラップ22を形成する。接着ラベル13の重なり領域19上の粘着剤は、カバーフラップ22とバリア材21を再度接着するために使用される。
別の実施態様では接着ラベル13は重なり領域19上に、1回限定の接着剤が設けられ、これによってカバーフラップ22は取り出し開口部17上の元の位置に戻ることができるが、接着ラベル13はバリア材21に再度接着されることはない。
接着ラベル13の一部は、バリア材21に永久的に接着されていてもよく、これによってカバーフラップ22は、包装された束1上に保持され、完全に取りはずすことができなくなる。別の実施態様では、カバーフラップ22は、接着ラベル13の全体に塗布された1回限定の接着剤を使用することによって、および/または接着ラベル13を通る切り取り線を備えることによって、開封時に完全に包装された束1から取り外されるようにしてもよい。
図1に示すように包装された束1を開封する前は、包装された束1の正面端縁部14の領域のバリア材21は完全な状態である。即ち、バリア材21は破れておらず、取り出し開口部17が形成される場所であるバリア材21の正面端縁部14に亘って全く弱化されてもいない。特に、この領域のバリア材21は切り込みもなく、穴もあいておらず、貫通されてもなく、あるいは、正面端縁部14の領域のバリア材21の封止の強度を減ずるように弱化されてもいない。
従って、最初の開封前に、包装された束1の正面端縁部14の領域のバリア材21は、バリア材21のこの領域が強く耐久性のある封止を供するように破れていない。
開始切れ目8を覆う接着ラベル13と組み合わせて、包装された束1の正面2、端面6および背面3は、従ってプルタブ16を引っ張ることにより最初に開封する前は密閉式に閉じられる。
開始切れ目8は、包装された束1の正面端縁部14から端面6および前面2へと延びた縁部領域23が画定されるように正面端縁部14から間隔が空けられている。この縁部領域23において、バリア材は少なくとも部分的に破れていない。縁部領域23は、正面端縁部14の領域において、包装された束1の幅を横切り、対向する側面4および5の間を延びてもよい。縁部領域23は、正面縁端部13の隣接する各面上、即ち包装された束1の端面6と正面2、を少なくとも5mm幅で延びてもよい。
一方、もしバリア材21が、上述の縁部領域23内のバリア材21を通る切り込みまたは他のミシン目、あるいは正面縁端部14を越えて延びる切り込みを有する場合、正面縁端部14上でバリア材21および接着ラベル13を折り曲げることによる変形によって、上述の構成よりも、より弱い封止になる。即ち、バリア材21および接着ラベル13は、少なくとも部分的にそれらを正面端縁部14上で折り曲げることによって変形するために、接着ラベル13によって供される封止は、強度も耐久性もなくなる。というのも、長期に亘って空気が、接着ラベル13とバリア材21の間を通って漏れ、縁部領域23上の切り込みあるいはミシン目を通って包装された束1に入り込むからである。
包装された束1の正面縁部領域23において破れていないバリア材21を保持することによって封止が改良されることによって、製造後、包装された束1に空気が入り込まないようにし、よって長期に亘って紙巻きタバコ18の鮮度を保つ。
別の例では包装された束1内が減圧されると、即ち不完全真空状態になると、バリア材21および接着ラベル13は、包装された束1の外側からの外気圧によって紙巻きタバコ18の方へと内方に押される。この場合、バリア材21は包装された束1の中身の形に変形し、包装された束1の正面縁部領域23上の接着ラベル13によって供される封止の有効性が減少することがある。正面縁部領域23のバリア材21の完全性を保持することは、バリア材21の変形が長期間の圧力差を保持するのに役立つ封止に悪影響を及ぼすのを防ぐことになる。
上述の各例では包装された束1は、より強く耐久性のある封止にもかかわらず、包装された束1を開封する便利な手段、即ち取り出し開口部17を形成するために最初の開封時にバリア材21が破れるようにする接着ラベル13が設けられている。
上述の包装された束の封止された正面縁部は、それは鮮度を保持するために重要である封止の寿命を保つので、または包装された束1内に正圧または負圧が生じたとしても有利である。ほとんどの場合、紙巻きタバコが包装されてからユーザーが最初に開封するまでには、数週間、おそらく数ヶ月かかる。この間、紙巻きタバコパックは、包装された場所から倉庫へ運ばれ、売り場(または同様の場所)に陳列され、その後、最初に開封される前にユーザーによってしばらく保管される可能性がある。
従って、接着ラベル13とバリア材21の間に空気が進入するのを妨げるために、強く耐久性のある封止を設けることは重要である。
図3は紙巻きタバコ18(図2を参照)を保持する内部フレーム24を示し、図1および図2に示すように、包装された束1を形成するためにバリア材21によって包装されている。言い換えれば、内部フレーム24は、紙巻きタバコ18とバリア材21の間に位置してもよい。
内部フレーム24は、前壁25、後壁26、対向する側壁27、28、底壁29および頂壁30を含み、これらは、内部フレーム24がバリア材21によって包装された際の、包装された束1の正面2、背面3、対向する側面4、5および端面6、7に対応する。また内部フレーム24は、図2に示すように、包装された束1を最初に開封した後の上述の取り出し開口部17と一致する、端壁30および前壁25に形成された開口部31も有する。
この例では、内部フレーム24の開口部31は、内部フレーム24の頂壁30と前壁25、例えば包装された束1の正面縁部領域23を、部分的に延びる。よって、取り出し開口部17が形成されると、内部フレーム24の開口部31と一致する。
内部フレーム24は、さらなる強度を付与し、紙巻きタバコ18を支持する。さらに、もし包装された束1が内部の減圧、例えば部分減圧されている場合、内部フレーム24は、包装された束1の外側に作用する大気圧による押しつぶす力から紙巻きタバコ18を保護することに役立つ。
いくつかの例ではラベル13を引っ張ることによりバリア材21に取り出し開口部17が形成された後で、少なくとも、開口部31のいくつかの縁部は、取り出し開口部17内におさまるように、内部フレーム24の開口部31は大きさと位置が決定される。
図4は前壁25から見た内部フレーム24の例を示す。この例では、内部フレーム24の開口部31は、図示のとおり、バリア材21に開始切れ目8を形成するように配置されている。特に、内部フレーム24の周りをバリア材21が包んだ時に、内部フレーム24の支持部分32が、開始切れ目8の真後ろに位置するように開口部31は形成される。
このようにバリア材21が、例えば包装された束1の内部を減圧することによって変形した場合、大気圧によって内部フレーム24の方向へ押される開始切れ目8が、内部フレーム24の支持部分32によって支持され、折れたり変形したりせず、つまり、接着ラベル13は効果的に開始切れ目8を封止でき、接着ラベル13とバリア材21の間の空気の進入を防ぐ。
内部フレーム24の支持部分32によって設けられる平らな支持面は、開始切れ目8の領域においてバリア材21が変形するのを防ぎ、これによって、図1から図3を参照して説明したように包装された束1を最初に開封する前に供される封止が改良する。
図5で示す別の例では内部フレーム24の開口部31は、取り出し開口部17の境界内、その外周の全てまたはその大半に、開口部31の縁部が収まるように配置される。従って、図5に示すように内部フレーム24の支持部分32は、開始切れ目8の縁部と一致するバリア材21の想定される開封線の真後ろに位置する。このことによって、最初に包装された束1を開封する前に、開始切れ目8の領域においてバリア材21の支持が強力になる。
以下に述べる他の例では、バリア材21は、包装された束1に取り出し開口部17を形成する破線を画定する弱化線33を備える。これらの例では最初に開封する前に、バリア材21の少なくとも一部は、取り出し開口部17が形成される正面縁部領域23において破れていない。よって、接着ラベル13および開始切れ目8による便利な開封構造が供される一方で、バリア材21および包装された束1の封止上の完全性は損なわれない。
弱化線33は、裂け目がバリア材21を介して伝播して取り出し開口部17を形成する際に裂け目が辿る最小抵抗経路を供する。
図6に示すように弱化線33は、開始切れ目8の両端部から端面6の方向へ正面端縁部14を越え、包装された束1の端面6上へと延びている。従って、バリア材21から接着ラベル13を引っ張ると、図2と同じように、取り出し開口部17を形成するために、弱化線33に沿って、開始切れ目8から裂け目が進む。
弱化線33によって、取り出し開口部17を形成するためのユーザーが接着ラベル13に加える力は少なくてすみ、裂け目はより滑らかに真っ直ぐになり、取り出し開口部17はより均一なものとなる。
バリア材21は単一層を含んでもよい。これとは別にバリア材21は2層以上、例えば3層の積層材を含んでもよい。バリア材21の各層は、ポリマー(例えばポリプロピレン)、金属箔、金属化フィルム(例えば、金属化ポリマーフィルム)あるいはその他の包装に適した可撓性材料を含んでもよい。
いくつかの例では、バリア材21は単層である。この例では、バリア材の弱化線33は、線に沿ってバリア材21の厚みを部分的に減らすことによって形成してもよい。バリア材21に、線に沿って切り込みまたはミシン目を入れてもよい。
例えば、切り込み線に沿ってバリア材21を弱化させるためにバリア材21の厚さの20%から80%に部分的な切り込みを入れてもよい。これとは別に線に沿ってバリア材21の厚みを20%から80%に減らすようにデボス加工を施してもよい。この厚みを減らすことによって供されるバリア材21の弱化線33は、ユーザーが接着ラベル13を引っ張ることによって力を加えることで破れるようになる。
それぞれの場合において、バリア材21の残りの破れていない部分は、包装された束1の接着ラベル13とバリア材21の間に空気が入り込まないように、包装された束1の正面縁部領域23を十分に封止する。
他の例ではバリア材21は2層以上の積層体である。この例では、バリア材21の少なくとも1層は、包装された束1の正面縁部領域23を封止するため少なくとも部分的には破れないままで残る。
例えば、2層の積層のバリア材21は、弱化線33を供するために、1つの層は部分的にまたは完全にその厚みを薄くすることができる。バリア材21の第2層もまた部分的に厚みを薄くしてもよいか、正面縁部領域23に亘って破れない部分を残す。
バリア材21が2層以上を含む例では、バリア材の一番外側の層は、バリア材21の両側から厚みを薄くしてもよい。あるいは、上記の弱化をバリア材21の一方の面から行ってもよい。
さらなる例では、バリア材は3層の積層材を含んでもよい。この例では、外側の2層は、例えば切り込み、ミシン目を打つまたはデボス加工によって、完全にあるいは部分的に厚みを薄くしてもよい。この例では、少なくとも真ん中の層部分は、包装された束1の正面縁部領域23に亘って破れないままである。
これとは別に3層の積層が、バリア材の一方から積層の2層まで切り込み、ミシン目を打つまたはデボス加工されていてもよい。この場合、少なくともバリア材21の反対側の最も外側の層の部分が包装された束1の正面縁部領域23を介して破れないまま残る。
より好ましい実施態様ではバリア材21は、3層の積層を含み、外側の層は延伸ポリプロピレンであり、中間層は金属箔例えばアルミニウム箔である。バリア材、またはより具体的にはバリア材の層は、機械的手段例えば歯の深さが固定された回転カッターによって切り込みが入れられてもよい。これとは別にバリア材21は事前に選択された電力および/または波長のレーザーを使って切り込みが入れられてもよく、これによって、バリア材の層の必要な部分だけをレーザーは切ることができる。
別の実施態様では弱化線33は包装された束1の正面縁部領域23の前に形成されなくてもよい。例えば、弱化線33は包装された束1の端面6の方向へ開始切れ目8から延びるが、包装された束1の正面縁部領域23を通らなくてもよい。
弱化線33は、さらにまたは代わりに包装された束1の端面6に形成されてもよいが、包装された束1の正面縁部領域23には形成されない。
上述の各実施態様ではバリア材の少なくとも一部は、包装された束1の正面縁部領域23に亘って破れないままである。このように弱化線33は包装された束1の正面縁部領域23の封止の強度を減じない。
図7Aから図13は、包装された束1を形成するための一群の紙巻きタバコ18を包装する前のバリア材21の様々な例および任意に内部フレーム24を示す。これらの例では、開始切れ目8と弱化線33は上述のいずれかの方法で形成することができる。特に開始切れ目8と弱化線33は、機械的切断、レーザー切断、切り目付け、デボス加工あるいは線に沿ってバリア材を切断または弱化させるその他の好適な方法によって形成されてもよい。
図7Aおよび図7Bはバリア材21の第1の例を示す。バリア材21は、上述のように一群の紙巻きタバコ18を包装する本体部34を含む。図7Aおよび図7Bは、図1および図2と同様に、バリア材21に貼り付けられたプルタブ16を有する接着ラベル13も示す。
図7Aは、包装された束1が最初に開封される前、即ち取り出し開口部17が形成される前のバリア材21を示す。図示のとおり、開始切れ目8があり弱化線33は開始切れ目8の端部から延びている。
図7Bは包装された束1が開封された後のバリア材21を示し、取り出し開口部17を形成するために、弱化線33に沿ってバリア材21が破られている。
この例では上述のとおり、バリア材21は1つ以上の層を有し、開始切れ目8と弱化線33が配置されていて、これによって、図1および図2に示すように、紙巻きタバコ18等をバリア材21で包装すると、包装された束1の正面縁部領域23を横切って、バリア材21の少なくとも一部は破れないまま残ることになる。正面縁部領域23は図7Aで示されている。
ある例ではバリア材21は3層を有し、最も内側の層は、接着ラベル13が引っ張られると、バリア材21の他の層の破断を案内するための弱化線が設けられている。
図8Aおよび図8Bは、一群の紙巻きタバコ18および任意に内部フレーム24を包装して図1および図2を参照して説明したような包装された束1を形成するバリア材21の第2の例を示す。
この例では図8Aに示すように、最初に開封する前のバリア材21を示し、このバリア材21は図7Aの実施態様と同様に、開始切れ目8と開始切れ目8の端部から延びる弱化線33が設けられている。
しかしながら、この例では、バリア材21は、少なくとも2層の積層体である。さらに、以下に説明するように、バリア材21の少なくとも1つの領域35におけるこれらの2つの層の間に粘着剤を有する。
この例では、開始切れ目8はバリア材21の少なくとも最も外側の層を通って切断されて形成されるが、最も内側の層は切断されない。
最も外側の層ではなく、少なくとも最も内側の層の弱化線33は、開始切れ目8の端部から延びる。
加えて、さらなる切断線36がバリア材21の最も内側の層に設けられ、この切断線36は開始切れ目8とさらなる切断線36の間に重なり領域35を区切るために、開始切れ目8からオフセットしている。このさらなる切断線36は、開始切れ目8の両端部で最も内側の層の弱化線33と交差する。
粘着剤は、少なくともこの重なり領域35において、バリア材21の最も内側の層と最も外側の層の間に供される。
図8Bに示すように接着ラベル13のプルタブ16を引っ張ると、重なり領域35においてバリア材21の層は剥離され(即ち、分離される)、そして、取り出し開口部17を形成するために、弱化線33に沿ってバリア材21は破られる。
このように重なり領域35は剥離され、重なり領域35の最も内側と最も外側の層の間の粘着剤は、カバーフラップ22を閉じる時、バリア材21の層を再度接着するために使用することができる。
従って、カバーフラップ22は最初に開封した後、取り出し開口部17を再度閉じるために取り出し開口部17上の位置に戻ることができる。この例では、重なり領域35の粘着剤と、接着ラベル13の粘着剤の両方を取り出し開口部17を再度閉じるために使用することができる。
他の例では、重なり領域35には使い切りの接着剤が設けられ、接着ラベル13は粘着剤が設けられている。従って、接着ラベル13のみが、カバーフラップ22を閉じる際に、バリア材21を再度接着することになる。
これまで説明した例と同様に、図8Aと図8Bの例では、バリア材の少なくとも一部は、最初に開封する前に包装された束1の正面縁部領域23を横断して破れていない。この例では、バリア材21の外側の層は、正面縁部領域23を横断して破れていない。
図9は、図7Aから図8を参照して説明した実施態様の接着ラベル13とバリア材21の間に塗布された接着剤の配置の例を示す。図9は接着ラベル13の下側を示す。
以下に述べる接着剤の配置は接着ラベル13の下側の接着剤に関するが、バリア材21の層の間に供されるいずれの接着剤に関するものではない。既に説明したように、バリア材21はバリア材21の層の間に粘着剤および/または永久接着剤が設けられてもよい。
図9に示すようにプルタブ16にはいかなる接着剤も設けられてなく、よってユーザーは包装された束1を開封する際に容易にプルタブ16を持ち上げ掴むことができる。これとは別にプルタブ16の接着剤は中和されていてもよい。
接着ラベル13の第1面37には永久接着剤が設けられている。この第1面37は接着ラベル13とバリア材21の間に位置し、取り出し開口部(17、図2参照)を形成するために包装された束1から分離されたバリア材21の引きはがされた部分(20、図2参照)におおよそ相当する。カバーフラップ(22、図2参照)を形成するために引きはがされた部分22を接着ラベル13に接着したままにすることを永久接着剤は意味する。
接着ラベル13とバリア材21の間の残りの部分39には粘着剤が設けられている。このように接着ラベル13は、取り出し開口部17上の元の位置に再度戻り、上述のように取り出し開口部17の縁部周りでバリア材21に再び接着される。当然のことながら、残りの部分は、バリア材の引きはがされた部分22の部分によって覆われてもよい。
任意に接着ラベルはさらに第2部分38を含んでもよく、この部分は接着ラベル13とバリア材21の間に使い切りの接着剤が設けられ、開始切れ目(8、例えば図7Aおよび図8A参照)が囲む部分におおよそ相当する。
使い切り接着剤の第2部分38は開始切れ目8に重なり、包装された束1を最初に開封する前に、封止の強度を強くするために開始切れ目8上にガスケットまたはシールを供する。使い切り接着剤の第2部分38は、包装された束16を最初に開封する際に、ユーザーによって簡単に破られ、接着ラベル13を取り出し開口部17上に戻したとき再度接着はしない。
当然のことながら弱化線33、36を含む上記の例では、包装された束1内の内部フレーム24の開口部31は、図4と図5を参照して説明したように開始切れ目8と同様に、弱化線33、36の後で支持するような形であってもよい。
特に内部フレーム24の開口部31は、弱化線33、36が包装された束1の端面6ではなく、正面2で支持されるような形であってもよい。
これとは別に内部フレーム24の開口部31は、弱化線33が包装された束1の正面2ではなく、端面6で支持されるような形であってもよい。あるいは内部フレーム24の開口部31は、弱化線33、36が包装された束1の端面6および正面2の両方で支持されるような形であってもよい。いずれの場合も、内部フレーム24の開口部31は開始切れ目8が支持されるような形であってもよい。
上記の全ての実施態様では、包装された束1の正面縁部領域23は、強く、耐久性のある、封止された封鎖体を供するために、少なくとも一部が破れていないバリア材21を含む。同時に、接着ラベル13は、開始切れ目8や弱化線33のような他の特徴を備えることで、紙巻きタバコ18を取り出すための取り出し開口部17を形成するためにバリア材21を破るための便利で簡単な方法を提供する。
上述のように、バリア材21の破れていない部分は、1つ以上のバリア材の積層であってもよく、あるいは1層しかないバリア材21の破れない層であってもよい。
例えば、保管や運搬の間に、圧力差によって変形したり、押しつぶされることで包装された束1が変形するような状況下であっても、封止が保持されるように、包装された束1の正面縁部領域23の破れていない部分は、十分に強く弾力のある材料で作成されるべきである。
バリア材21の破れない部分は、延伸ポリプロピレンのようなポリマーであることが好ましい。
この場合、ポリマー材の繊維は、延伸されていてもよいし、バリア材21は、繊維が望ましい破れ線の方向へ延伸されるように配置されてもよい。従って、取り出し開口部17を形成するために接着ラベル13が引っ張られると、ポリマー材は、より簡単にそして滑らかに破れる。さもなければ、ポリマーは延び、破れる時に変形し、不揃いな縁部の取り出し開口部17となり、その不揃いな縁部の上では、接着ラベル13は簡単に封止できない場合が生じる。
以下に説明するように包装された束1を形成するために、バリア材21は一群の紙巻きタバコ18の周りに巻かれ、密閉状態に閉じられる。紙巻きタバコ18を支持し保護するための内部フレーム24内に紙巻きタバコ18が最初に置かれ、その後、内部フレーム24および一群の紙巻きタバコ18の周りに、バリア材21を巻いてもよい。
ある例ではバリア材21の縁部は、包装された束1の中身、例えば内部フレーム24、の側部に対して折り曲げることができてもよく、例えば、接着剤、熱封止、誘電封止あるいは超音波溶接によって互いに封止された重なりフラップを形成してもよい。
図10に示す別の例ではバリア材21を内部フレーム24の周りで折り曲げてもよく、バリア材21の端部をフィン封止してもよい。
特に紙巻きタバコ18を例えば一群の紙巻きタバコ18の周りで内部フレーム24を折りたたむことによって、内部フレーム24内に配置することができ、そしてバリア材21を図示のとおり、内部フレーム24の周りに巻くことができる。
最初にバリア材21の縁部は第1フィン封止部45を形成するために、お互いにフィン封止され、これは内部フレーム24の周囲でバリア材21が筒状になることを意味する。その後、図11に示すように筒状のバリア材21の両端部もまた、一緒にフィン封止され、第2フィン封止部46、第3フィン封止部47を形成する。
この例ではフィン封止された包装された束1は、包装された束1の背面3を横切って延びる第1フィン封止部45と、包装された束1の対向する側面4、5に沿って延びる第2フィン封止部46および第3フィン封止部47を有する。
図12に概略的に示す別の例では、第1フィン封止部45は、接着ラベル13を有する端面6と反対側にある、包装された束1の端面7に亘って形成されてもよい。第2フィン封止部46、第3フィン封止部47は包装された束1の対向する側面4、5に沿って形成されてもよい。
別の例では第1フィン封止部45は、接着ラベル13の下にある包装された束1の正面2に亘って形成されてもよい。
図11に示すようにフィン封止部45、46、47は、包装された束1の面に対して平らに折りたたまれてもよい。
バリア材21の部分を押し付ける、加熱するおよび/または接着剤を塗布することによってバリア材21のこれらの部分を接合するフィン封止部を形成することが可能である。熱によって、バリア材21の成分を溶かすおよび/または融着してもよい。
上述のとおり、フィン封止された包装された束1は、圧力差を保持することができる強固な気密封止を供する。例えば、包装された束の内部は、大気圧を上回るまたは下回る圧力であってもよい。
最終的な封止の前に、包装された束1の内部へと空気、または他の気体あるいは液体を加えることによって、包装された束1内の圧力を増加することができる。例えば、低圧力環境下で図10または図12を参照して説明した包装あるいは封止工程を実施することにより、最終的な封止の前に、包装された束1の内部から空気を抜くことによって、例えば部分的な真空状態のように減圧することができる。
これとは別に包装された束1は、空気が一方向にしか流れないようにする一方向バルブを備えてもよい。そして、包装された束1上のバルブに包装された束1の中へあるいは外へと空気を移動させる高圧源あるいは低圧源のどちらかを設けてもよい。
またこれとは別に包装された束1の内部に調整気相、例えば、空気以外の気体、不活性ガスを供してもよい。一例では、包装された束1は、その中に窒素を多く含む気相が供されてもよい。
さらに、例えば包装された束1内の圧力を高めるために、パックの内部に液体のような他の物質を加え、包装された束1内で気化させてもよい。
図13に示すように図1から図12までを参照して説明した包装された束1の種々の例は、紙巻きタバコパックを供するためにヒンジ式蓋付きパック48に収容されてもよい。
これとは別にさらに外容器あるいは蓋を伴わず、包装された束1そのものをパッケージすることによって供されもよい。
図13に示すようにヒンジ式蓋付きパック48は基部49を有し、これは平行六面体の形をし、包装された束1が基部49から突出するように包装された束1を収容するように適合している。この位置において、接着ラベル13、特にプルタブ16は、包装された束1を開封するために触りやすく、その内部の紙巻きタバコにも触れることができる。
蓋50はヒンジ51のところで、基部49に接合している。蓋50が包装された束1を覆っている閉じた位置と、包装された束1が露出されている開いた位置の間で、蓋50は回転可能である。図13は、開いた位置にある蓋50を示し、これによってユーザーは接着ラベル13上のプルタブ16を掴み、引っ張ることでバリア材21を破り、取り出し開口部17を形成することができる。
さらなる実施態様では、接着ラベル13の一部は、蓋50の内部に接着されていてもよく、これによって蓋50を操作すると同時に、包装された束1上のカバーフラップ22を操作することができる。
特に接着ラベル13のタブ16は、蓋50の内部面に接着されてもよく、これによって蓋50がヒンジ51を軸に開いた位置へと動く時に、タブ16も引っ張られることにより、カバーフラップ22が持ち上がり取り出し開口部が形成される。
図14に示すようにタブ16の外表面が蓋正面壁53の内部面52に直接接着されてもよい。あるいは図15に示すようにタブ16は折り返されてから蓋正面壁53の内部面52へ接着されてもよい。
図14および図15の実施態様において、蓋50にプルタブ16を接着することは、蓋50を最初に開ける時に、バリア材21において開封を制御できるように接着ラベル13を均等にかつ円滑に引っ張ることができるという利点がある。
本明細書中の「粘着剤」なる用語は、複数回、再利用が可能な接着剤を意味する。即ち、2つの部材を繰り返し剥がし接着することができるような永久的な粘着力がある接着剤である。
本明細書中の「永久接着剤」なる用語は、通常の使用では剥がれないくらいに、2つの部材を強力に接着するための接着剤を意味する。
当然のことながら、上述の束およびパッケージの例は、紙巻きタバコ以外のタバコ産業製品用のパッケージにも使用してもよい。
タバコ産業製品は、タバコ産業において製造または販売されるいかなる物品も意味し、典型的には、a)紙巻きタバコ、シガリロ、シガー、パイプまたは手巻きタバコ用のタバコ(タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコまたはタバコ代替え品をベースにしているか否かに関係なく)、b)タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコまたはタバコ代替え品を組み込んだ嗅ぎタバコ、スヌース、ハードタバコなどの非喫煙製品およびガラス繊維がチャコール部材で巻かれたタバコ加熱装置などのタバコ加熱装置 およびc)吸入器、電子タバコなどのエアロゾル発生装置、トローチ剤およびガムなどのタバコのニコチン送出システムを含むタバコ産業で製造されるまたは販売されるあらゆる品目を意味する。この例はこれ以外のもの排除するものではなく、単にタバコ産業で製造、販売されている一連の製品を例示しているに過ぎない。
本明細書中の「喫煙品」なる用語はタバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコまたはタバコ代替え品をベースにしているかに関係なく紙巻きタバコ、シガーおよびシガリロなどの喫煙可能な製品、発熱するが燃焼しない製品および電子タバコを含むエアロゾル発生装置のようなニコチン送出製品を含む。喫煙品には喫煙者によって吸引される気体流用のフィルターを設けてもよい。
種々の問題に対処し本技術を発展させるため、本開示全体は種々の実施形態を例示的に示し、その中で特許請求の範囲の発明を実践し、優れたタバコ産業製品の包装された束を提供する。本明細書で説明した利点と特徴は、実施形態の単なる代表的な具体例であって包括的および/または排他的でもない。これら具体例は、特許請求の範囲の特徴の理解を助け、教示するためだけに提示されている。当然だが、本明細書で説明した利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は、本開示を特許請求の範囲で規定されたとおりに制限するものでも、あるいは特許請求の範囲の均等物を制限するものでもなく、本明細書で説明した範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用し、改良を施してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された要素、成分、特徴、部品、工程、手段などの種々の組合せを適切に備えてもよく、あるいはそれらのみで構成されてもよく、あるいは実質的にそれらのみで構成されてもよい。また、本開示には現在特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明も含まれる。