一般的発明概念は、多くの異なる形態での実施形態を可能にするが、それらは図面内に示し、本開示が一般的発明概念の原理の単なる実例として見なされるべきであるという認識の下で、それらの特定の実施形態を本明細書中で詳細に説明する。従って、一般的発明概念は、本明細書中に示す特定の実施形態に限定されることを意図していない。更に、米国特許第5,278,390号及び同第6,441,342号明細書の開示は、それらが一般的発明概念の特定の態様及び/又は進歩のより良好な理解を促進する背景を提供するものとして、その全体を参照により本明細書に組み込む。
以下は、本開示全体を通して用いられる例示的な用語の定義である。全ての用語の単数及び複数形の両方がそれぞれの意味の範囲に入る。
「ロジック」とは、本明細書中で用いるような「回路」と同義であり、関数又は動作を実行するためのハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はそれぞれの組み合わせを含むが、これらに限定されない。例えば、所望の用途又はニーズに基づいて、ロジックは、ソフトウェア制御マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)等の個別ロジック、又は他のプログラムロジックデバイスを含んでいてもよい。いくつかの例において、ロジックはソフトウェアとして完全に具現化されてもよい。
本明細書中で用いるような「ソフトウェア」又は「コンピュータプログラム」は、コンピュータ又は他の電子デバイスに関数、動作を実行させるか、及び/又は所望の方法で動作させる1つ以上のコンピュータ読み取り可能及び/又は実行可能を含むが、これに限定されない。命令は、個別のアプリケーション又は動的にリンクされたライブラリからのコードを含むルーチン、アルゴリズム、モジュール、又はプログラム等の様々な形態で具現化されてもよい。ソフトウェアも、独立型プログラム、関数呼び出し、サーブレット、アプレット、メモリに格納される命令、オペレーティングシステムの一部、又は他の種類の実行可能命令等の様々な形態で実装されてもよい。ソフトウェアの形態は、例えば、所望の用途の要件、それが実行される環境、及び/又は設計者/プログラマの要望等に依存することは、当業者によって正しく認識されよう。
本明細書中で用いるような「コンピュータ」又は「処理ユニット」は、データを格納、検索、及び処理できる任意のプログラム化された又はプログラム可能な電子デバイスを含むが、これらに限定されない。
ここで、一般的発明概念の様々な例示的な実施形態及び一般的発明概念を用いる用途を示す図を参照すると、図1は、電気アーク溶接機10内の標準的な搭載コンピュータによって実装されるブロック図及びフローチャート又はプログラムを示している。例えば、溶接機10は、Cleveland,OhioのThe Lincoln Electric Companyによって販売されるインバータ型電気アーク溶接機、Power Waveであってもよい。標準技術に従って、溶接機10は、電流を電源12用の三相電気入力L1、L2、L3を含んでいる。搭載コンピュータ化コントローラは、インバータ型電源を操作して端子14における正電位と、端子16における負電位とを生成する。
選択的アーク溶接プロセスは、標準平滑化インダクタ18を有するように示される実際の溶接回路に、選択された事前に決定された波形を向けることによって行われる。溶接機10は、モータ26の速度で動作する供給装置24によって所望の速度で運転されるリール22から進む溶接ワイヤ20の間で電気アーク溶接プロセスを行う。アークの熱はワイヤ20及び母材30を溶融してワイヤからの溶融金属を母材上に堆積させる。溶接プロセスの実パラメータを監視するため、分流器32(監視装置)は、ライン34a上のブロック34から出力信号Iaを提供する。この信号は、任意の所定の時間における実際のアーク電流を代表している。同様の方法において、ワイヤ20と母材30との間の電圧は、ブロック36(監視装置)によって検知され、そのため、ライン36a上の出力Vaは、第2の溶接パラメータを構成する瞬時アーク電圧である。図1に示す溶接パラメータは、実アーク電流Ia及び実アーク電圧Vaである。
本発明を実施するために制御される別のパラメータは、モータ26の回転によって生じるワイヤ供給速度(WFS)である。従って、溶接プロセスの3つの外部から読み取り可能な溶接パラメータは、ライン34aにおけるアーク電流Ia、ライン36aにおけるアーク電圧Va、及び後で説明するようなライン46bにおいて読み取り可能なワイヤ供給速度WFSである。ライン46bにおけるWFSは、供給装置変速機の駆動ロール24に接続されるか、又は代替として、ワイヤに取り付けられる受動ホイール上のタコメータ又はエンコーダ46c(監視装置)によって読み取られる。図1において、タコメータは供給ロールによって駆動されるように示している。また、例えば、モータ26の出力シャフトによって駆動されてもよい。
Power Wave電気アーク溶接機は、一連の高速反復波形を生成するための波形発生器を含み、各波形(例えば、電圧/電流波形の単一シーケンス)はサイクル時間を有する溶接サイクルを構成する。これらの溶接サイクルは、溶接プロセス中に繰り返されてサイクル時間を定義する。Power Wave溶接機10の一実施形態は、Blankenshipへの米国特許第5,278,390号明細書に示されており、ここで、溶接機は、コマンドライン42を介して電源12によって出力される個々の波形と、コマンドライン44を介してモータ26の速度とを制御している。コマンドライン44は、モータ26のワイヤ駆動制御46上のマイクロプロセッサによって認識されて、ライン46aにおいてモータ電圧駆動PWMパルスを出力する信号を有する。実際には、ライン44上の情報はデジタルであり、ライン46a上のコマンド信号はアナログである。波形発生器40は、溶接機10によって実行される所望の溶接プロセスを制御するためのライン42、44におけるデジタル信号を生成する。外部パラメータIa、Va、及びWFSは、適切な監視装置によって読み取ることができる。
波形発生器40は、出力波形のそれぞれを一連の時間区分化部分又は状態に分割又は区分化する。1つの例示的な実施形態において、モニターMは、とりわけ、波形の1つの選択区分中にパラメータを読み取るために、溶接機10のコンピュータにロードされるプログラムである。モニターMは、一般的発明概念の趣旨及び範囲から逸脱することなく、ソフトウェア、ハードウェア、及びそれらの組み合わせを用いて実装されてもよい。監視される波形の一部は、波形発生器40によって決定される。実際、モニターMが、発生器40によって出力される波形の様々な時間区分又は状態を監視する。実際には、波形発生器40は、波形を形成する時間区分のうちのいくつかを選択し、様々な状態をコマンドインターフェース70に出力する。従って、コマンドインターフェース70は、発生器による各波形出力の選択時間区分中にパラメータの測定をもたらす。コマンドインターフェース70上の情報又はデータは、監視される状態及び種々のパラメータIa、Va、及び/又はWFSの特定の値又はレベルを含んでいる。
モニターMのインターフェース70は、読み取られる溶接パラメータのための値と共に処理される特定の状態を認識するデータを包含している。インターフェース70内のデータは、レベルステージ81によって解析されてレベル毎にパラメータの関係を決定する。実パラメータは、発生器40の波形の選択状態中に訓練、すなわち測定されたパラメータと比較される。波形の特定区分又は状態中、レベルモニターステージ81は、ライン34a、36a、及び46bにおける実パラメータを読み取る。実パラメータのこれらの瞬時値は、内部メモリに格納され、レポートロジック82として識別される。実パラメータの読み取りは、発振器84によって示すように急速に行われる。1つの例示的な実施形態において、実パラメータの読み取りは、パルス溶接に対して120kHzの速度で行われる。速度は調整されてもよいが、しかし、速度が高いほど、レベル測定の感度は良好となる。レベルモニター81は、また、最低又は最高レベルのいずれか一方からの実溶接パラメータの偏差も決定する。このように、実際値が格納できるだけでなく、最低レベル又は最高レベルと比較して、所定の状態に対するパラメータの実測値の偏差を表すデータも格納される。レポートメモリ又はロジック82は、波形の所定状態中の設定レベルからの偏差及び波形の選択状態中の実レベルを記録する。溶接サイクル全体に対して、これらの読み取り値は、溶接の品質及び溶接欠陥に向かう任意の傾向を決定するように蓄積され、カウントされるか、又は他に処理される。
1つの例示的な実施形態において、読み取り値(例えば、読み取り値の定期的に蓄積されたセット)は、複数の基準に基づいて重み付けされる。読み取り値は、例えば、250ms毎に蓄積されてもよい。1つの例示的な実施形態において、1つのセットは、その期待値(例えば、所定の閾値、平均値)からの偏差の大きさ及び対応する波形に対するその時間区分の時間寄与に基づいて重み付けされる。かかる重み付け方法(例えば、図9に示し、以下で説明する重み付け方法900)は、例えば、レベルモニターステージ81又は任意の類似若しくは関連データ処理ステージにおいて実装されてもよい。
安定性モニターステージ91は、発振器94によって決定される高い速度でライン34a、36a及び46b上の実溶接パラメータを読み取る。1つの例示的な実施形態において、実パラメータの読み取りは、パルス溶接に対して120kHzの速度で行われる。安定性モニターステージ91は、出力される波形の一状態中の標準偏差又は絶対偏差に対して実溶接パラメータを解析する。レポートメモリ又はロジック92は、波形の所定状態中のこの偏差及び波形の選択状態中の実際値を記録する。溶接サイクル全体に対して、これらの読み取り値は、溶接の品質及び溶接欠陥に向かう任意の傾向を決定するように蓄積され、カウントされるか、又は他に処理される。
1つの例示的な実施形態において、読み取り値(例えば、読み取り値の定期的に蓄積されたセット)は、複数の基準に基づいて重み付けされる。読み取り値は、例えば、250ms毎に蓄積されてもよい。1つの例示的な実施形態において、1つのセットは、その期待値(例えば、所定の閾値、平均値)からの偏差の大きさ及び対応する波形に対するその時間区分の時間寄与に基づいて重み付けされる。かかる重み付け方法(例えば、図9に示し、以下で説明する重み付け方法900)は、例えば、安定性モニターステージ91又は任意の類似若しくは関連データ処理ステージにおいて実装されてもよい。
モニターステージ81又はモニターステージ91のいずれか一方を用いる場合、いくつかの波形は省略されてもよい。1つの例示的な実施形態において、開始シーケンス後、波形の全てが波形の様々な選択状態中の実溶接パラメータを解析するために監視される。溶接プロセスにおける所定の波形のいくつかの状態が監視され、レベル適合性、傾向、及び安定性を解析するために、結果が各状態に関して別々に記録される。安定性を測定する場合、標準偏差アルゴリズムが、Ia、Va及び/又はWFSを評価するためにモニターMにおいて用いられる。この情報は、所定のサイクル時間を有する溶接サイクル全体を形成する波形の様々な区分のそれぞれを解析することに利用可能である。実際には、パルス波形中のピーク電流等の特定の状態が、パルス溶接プロセスの安定性及びレベル偏差を決定するために監視される。STT溶接プロセスにおいて、モニターMは、これらの区分が溶接プロセスの外部条件によってやがて変化するため、各波形に対する短絡時間を記録する。短絡時間における変化は、溶接技術者に実施すべき調整を知らせる。
標準波形発生器40によって生成された一連の高速反復波形は、図2及び3に示すように時間状態に分割される。出力電流コマンド波形は、図3に示す時間区分Aの固定持続期間を有するピーク電流102と、図3に示す区分Bの間の可変持続時間を有するバックグラウンド電流104とを有するパルス波形100である。波形は、コマンドインターフェース70が、任意の所定の時間に発生器40によって処理される特定の状態を受信するように、時間t1〜t4における区分に分割される。図3において破線110で示すように、図1における分流器33からの実アーク電流は、波形100のコマンド電流信号から外れている。
状態A又は状態B等の選択された機能状態の間、実アーク電流Iaが発振器84又は発振器94によって決定される速度で読み取られる。実際には、これは単一のソフトウェア発振器である。レベルモニターステージ81は、実パラメータ110と波形100のコマンドレベルとの間の縦座標方向における偏差を記録する。選択状態の間、安定性モニターステージ91は実パラメータの統計標準偏差を読み取る。状態A及びBは、通常、パルス溶接プロセスに関して監視される。しかし、t1〜t2間の上昇状態及び/又はt3〜t4中の下降状態は、波形のこれらの状態中の実パラメータの活動を制御又は少なくとも読み取るように監視されてもよい。図示の通り、バックグラウンド時間区分Bは、時間t1の可変時間部分によって示すような可変時間を有している。従って、監視される状態は、固定持続時間又は可変持続時間を有していてもよい。可変持続時間の場合、状態は、持続時間の最後まで監視される。レポートロジック82は、これを1つの時間、すなわちt4から連続時間、すなわちt1までのレベルとして検知する。時間t1が時間t4に関して変化するにつれて、各波形のこの時間が、発生器40の溶接形態の選択によってインターフェース70から取得される既知の時間と比較されるレベルとして記録される。
モニターMは、波形の特定の選択状態中の実溶接パラメータを監視するが、しかし、モニターは、また、コンピュータを操作して、ライン46a上のモータ26への実際の入力等の内部信号の安定性及び/又はレベル特性を決定するためのプログラミングを有している。ライン46a上の信号のかかる内部監視は、図5に示す信号を用いて図4に示すフローチャートにおいて説明する。
ワイヤ供給装置内のマイクロプロセッサは、誤差増幅器と同様のPID比較ネットワークであるサブルーチンを含んでいる。このPID比較器は、ライン44上のワイヤ供給速度WFS及びコマンド信号である第1の入力46bを有する図4のブロック152として概略的に図示する。ライン46b上の実際のWFSは、供給装置変速機の駆動ロール24に接続されるか、又は代替として、WFSを読み取るようにワイヤに取り付けられる受動ホイール上のタコメータ又はエンコーダによって読み取られる。PIDの出力156は、供給装置のマイクロプロセッサにおいてデジタル化されるパルス幅変調器158の入力における電圧レベルである。パルス幅変調器の出力は、供給装置24のワイヤ供給速度を制御するためのモータ26に対するライン46a上のコマンド信号である。
1つの例示的な実施形態によれば、モニターMは、図4に概略的に図示するようなプロセスプログラムを含んでおり、ここで、ライン156上の信号が処理ブロック160によって読み取られ、結果が、図1に示す実施形態に関して先に検討したように、レベルモニターステージ81及び/又は安定性モニターステージ91の入力へのライン162上に出力される。従って、ライン156上の内部信号が、1kHzを超える高い速度で読み取られて、この内部信号のレベル及び/又はこの信号の安定性をチェックする。
図5に示すように、パルス溶接のための波形100は、発生器40からの波形の連続として延在している。ワイヤ供給速度に関して、ライン44上の発生器40からのコマンド信号は、図5に示す形態を取る。それは、開始上昇部分170と終了下降部分172とを含んでいる。これらの2つの部分は、ライン44上のコマンド信号における急激な増加又は減少の原因となる。ライン44上の信号のこれらの異常コマンド部分の間に、ライン156上のこの内部信号の安定性及び/又はレベル偏差を試験する目的のために用いられる略水平のワイヤ供給速度コマンドが存在する。図5において、速度が安定するまで、ワイヤ加速部分170が保持される。この時間も監視される。他の内部信号が、図4及び5に示すものと同じ概念を用いて監視されてもよい。レベルモニターステージは、ライン156上の信号が長時間にわたり最低又は最高を超えたかどうかを判断する。ワイヤ供給装置に対して、これは、通常、供給システムにおける詰まりを示す。
図6はレベルモニターステージの概念を示し、ここで、閾値180は最高パラメータレベルであり、閾値182は最低パラメータレベルである。アーク電流として示すパラメータが過度部184によって示すような閾値180を超える場合、過電流の記録された事象が存在する。同様の方法において、電流が過度部186によって示すような最低レベル182未満である場合、不足電流事象が記録される。加えて、これらの事象は、複数の基準に基づいて重み付けされてもよい。1つの例示的な実施形態において、各事象は、その期待値(例えば、所定の閾値、平均値)からの偏差の大きさ及び対応する波形に対するその時間区分の時間寄与に基づいて重み付けされる。かかる重み付け方法(例えば、図9に示し、以下で説明する重み付け方法900)は、例えば、レベルモニターステージ81、安定性モニターステージ91、又は任意の類似若しくは関連データ処理ステージにおいて実装されてもよい。
重み付き事象は、図1に示すようなレベルモニターステージ81の出力を提供するように定期的にカウントされるか、又は他に蓄積される。重み付き事象は、例えば、250ms毎に蓄積されてもよい。従って、レベルモニターステージ81は、プリセット閾値より上の逸脱部184とプリセットレベルより下の逸脱部186とを検出する。これらのレベルは、インターフェース70における特定状態によって設定される。波形のいくつかの状態は、閾値と共にレベルモニターステージ81を用い、同じ波形の別の状態は、安定性モニターステージ91を用いてもよい。好ましくは且つ実際には、両モニターステージが、モニターMによって取得される選択状態又は波形の状態に対して用いられる。
図1に示す実施形態は、発生器40からの波形の選択状態の間又は図4及び5における本開示と関連して説明するような溶接全体の間に、内部制御信号に対する実パラメータのレベル及び/又は安定性を監視する。これまでに説明したような図1のモニターMは、作業期間にわたる溶接サイクル又は溶接作業全体を解析することに用いるための重み付きデータを提供する。データが判断され、格納された後、様々な解析プログラムがデータを処理するために用いられる。1つの例示的な実施形態によれば、モニターステージ91からの重み付き安定性データは、図7に示すような2つのプログラムによって解析される。記録、表示、及び処理の介在又は評価のために、様々なコンピュータプログラムにおいて安定性データを解析することは、当業者が備える技能の範囲内である。
図7に示すように、解析プログラム200は、モニターMのモニターステージ91の結果(すなわち、重み付き安定性値)を用いる。実施例として、プログラム200は、図2及び3に示すような波形の電流ピーク部分である時間t2〜t3の時間状態の監視中に動作する。解析プログラム200は、ピーク電流状態中の安定性ステージ91の結果を解析するために用いられる2つのシステムを示すコンピュータフローチャートとして示されており、ここで、ライン34aにおける実電流の統計標準偏差が計算される。実際には、モニターステージ91が計算された偏差をもたらす前に、わずかな遅延が存在する。状態t2〜t3中にIaを読み取るが、そうでなければIaを無視するサンプル選択機能は、サンプルセレクタ又はフィルタ90aとして示されている。フィルタ90aに組み込まれる時間区分t2〜t3の開始時のこのプログラム遅延は、モニターが、出力波形の様々なステージにおける各レベルシフト中に経験する電流の変動を無視することを可能にする。
図7に示すプログラム化されたフローチャートにおいて、モニターステージ91からの安定性出力は、ブロック210として示すコンピュータプログラムによって読み取られ、時間t3の存在によって決定される各波形の端部においてライン210a上のロジックによって示すようにリセットされる。従って、各波形の安定性はブロック210によって取得される。この取得された安定性データは、2つの別個の解析プログラムによって処理される。
第1のプログラムはパス解析ルーチン212を含んでいる。所定の波形に対する安定性がブロック212における所望の閾値設定に合格した場合、この情報がライン214に出力される。特定の波形が所望の閾値未満の安定性を有した場合、ロジック信号がライン216内に現れる。カウンタ220、222は、各溶接サイクル中にライン224上のロジックによってイネーブル化される。従って、溶接サイクル中の各波形に対する安定性パス信号は、カウンタ220又はカウンタ222のいずれか一方においてカウントされる。当然のことながら、各状態t2〜t3の第1の部分は無視されて、パラメータIaが確定することを可能にする。2つのカウンタの結果は、それぞれ、読み取りブロック220a、222aによって示すように読み取られ、格納されるか、又は他に保持される。1つの例示的な実施形態において、カウンタステージ222によって蓄積された不安定性が所望の数を超える場合、溶接サイクルはブロック226によって示すように不合格判定とされる。
図7に示すコンピュータプログラム200の第2の解析実装は、ブロック230として示されている。これは溶接サイクル中にイネーブル化されるプログラムである。全ての波形中に蓄積される溶接サイクルの全体的な不安定性は、100が最も安定したアークである総数として解析される。この安定性アキュムレータ及び解析ステージの出力は、ブロック236によって示すように読み取られ、格納されるか、又は他に保持される。読み取りステージ234が設定安定性よりも下であれば、溶接サイクルはブロック238によって示すように不合格判定とされる。当業者は、モニターMの結果を安定性ステージ91から解析するための他のプログラムを設計してもよい。コンピュータプログラム200は、取得した重み付き安定性データを解析するための2つの実装を呈する。2つの実装は、モニターが検出するように構成されるアーク安定性又は溶接品質問題の性質に応じて、選択的に(一方若しくは他方のいずれか、又は両方)イネーブル化されてもよい。可変パルスに関する安定性は取得できないため、波形の選択状態のみにおける安定性を読み取ることが有利である。
別の例示的な実施形態に従い、モニターMのレベルモニターステージ81の結果(すなわち、重み付き読み取り値)を解析するためのコンピュータプログラムを図8に示す。この図示の実施形態において、レベル解析プログラム250は、フィルタ80cを有する最小モニターステージ81a及びフィルタ80dを有する最大モニターステージ81bとして識別される2つの別個のルーチンにおいてモニターレベルステージ81からの出力を処理する。これらステージのうちのいずれか一方が個別に用いられてもよいか、又は実際には、それらは組み合わせられる。サブセクション81aは、実パラメータが閾値最小182よりも下の事象である図6に示す移行部186の決定に関係している。発生器40からのライン202a上の最低レベルは、ステージ81aがプログラムステップ252によって選択される場合に用いられる。これらの事象は、示すように溶接サイクルのそれぞれに対してブロック254によってカウントされる。カウンタは、ライン254a上のロジックによって溶接サイクル中にイネーブル化される。カウンタ254は、溶接サイクルにおいて用いられる波形の累計である。波形の数は、ライン258によって示すような発生器40の出力から時間t3の発生をカウントすることによって取得される。前に示したように、状態の第1の部分は、任意の特定状態の開始時に通常の不整合を除去するために概して無視される。ブロック260は、カウンタ256からの数Nで除算されたモニターステージ81aからの蓄積最低事象186を除算するためのコンピュータフローチャートサブルーチンである。これは、サブルーチン262に提供される溶接サイクル中の最小移行の平均を提供する。平均最小移行は、ブロック262aによって示すように読み取られ、格納されるか、又は他に出力される。平均が、波形発生器によって、又はプログラムステップ264によって提供される特定の閾値より上である場合、プログラムルーチン266は、溶接サイクルが許容できないことを決定する。許容される場合、何らの動作も行われない。しかし、許容ルーチン266が、平均が数264に単に近づいていると判断した場合、警告信号がブロック266aによって提供される。全体的な不合格により、ルーチン266bによる溶接不合格判定信号が提供される。当業者は、最低電流偏差又は設定閾値に関するような実パラメータの移行の解析を達成するための他のコンピュータプログラムを考案してもよい。
図8において、最大モニターステージ81bは、最小ステージ81aと連動して動作する。最高レベルは、発生器40からのライン202b上であり、ステージ81bがプログラム270によって選択される場合に用いられる。同様のデータ情報及びプログラミングは同じ数を保持する。カウンタ272は、状態t2〜t3中の事象184の数をカウントする。サブルーチン280は、溶接サイクル中に形成される様々な波形中の事象184の平均を提供する。ブロック282におけるこの平均は、ブロック282aによって示すように読み取られ、格納されるか、又は他に使用される。ブロック286において、許容性サブルーチンが処理され、ここで、発生器40から出力されるか、又は他にコンピュータプログラムによって実施されるブロック284によって示される数は、ブロック282からの平均と比較されて、平均がブロック284によって示す設定数に近づいた場合、ブロック286aによって示すような警告信号を提供する。数が達した場合、不合格判定サブルーチンが、ブロック286bによって示すように実施される。
実際には、ステージ81a及びステージ81bは共に実装され、ブロック262及び282からの両移行部の平均は、所定の溶接サイクルの警告及び/又は不合格判定を与えるために読み取られ、許容できる数によって解析される。従って、実際には、最低レベル偏差が解析され、最高レベル偏差が解析され、及び総合的レベル偏差が解析される。これの全てが、図8に概略的に図示するようなコンピュータプログラムによって達成される。レベルステージ81a、81bは、レポートロジック82と共に検討されるように格納及び/又は表示されるレベル条件を出力する。レベルステージ81a、81bによるレベル条件出力は、本明細書中で検討するように重み付けされてもよい。
上記に鑑みて、大きさ及び時間寄与加重の使用は、パラメータ安定性のより正確な測定と、従って、全体の溶接品質とを提供する。このように、数値又はスコアを容易に理解することは、溶接品質全体を定量化するために演算することができる。1つの例示的な実施形態において、0〜100すなわち0%〜100%の溶接スコアは、図1に示す例示的な実施形態によって監視されるもの等の監視された溶接条件又はパラメータに基づいて、溶接に対して計算される。かかる重み付け方法(例えば、図9に示し、以下で説明する重み付け方法900)は、例えば、レベルモニターステージ81、安定性モニターステージ91、又は任意の類似若しくは関連データ処理ステージにおいて実装されてもよい。
1つの例示的な実施形態による重み付け方法900を図9に示す。重み付け方法は、例えば、モニターMにおいて実装されてもよい。重み付け方法900の最初のステップ902において、溶接サイクルの波形は、一連の時間区分化部分又は状態に分割される。次いで、ステップ904において、状態のうちの少なくとも1つに対応する溶接パラメータ(例えば、電圧、アンペア数)が所定の速度でサンプリングされる。1つの例示的な実施形態において、サンプリングレートは120kHzである。1つの例示的な実施形態において、サンプリングレートは120kHz以上である。1つの例示的な実施形態において、サンプリングレートは、割り込みサービスルーチン(ISR)処理のために割り込みを生成するために用いられてもよい。
サンプリングされた溶接パラメータは、溶接データを計算するために用いられる。例示的な重み付け方法900において、溶接データは、実行カウント、電圧合計、電圧二乗合計、アンペア数合計、及びアンペア数二乗合計を含む。実行カウントはゼロから開始し、各サンプリング期間(例えば、120kHz毎)に1ずつ増分する。電圧合計及びアンペア数合計はゼロから開始し、各サンプリング期間においてそれぞれサンプリングされた電圧及びサンプリングされたアンペア数ずつ増加する。同様に、電圧二乗合計及びアンペア数二乗合計はゼロから開始し、各サンプリング期間においてそれぞれサンプリングされた電圧の二乗及びサンプリングされたアンペア数の二乗ずつ増加する。
所定のサンプリング期間後、ステップ906において、サンプリングされた溶接データは、更なる処理(以下で説明するような)に対して渡され、溶接データ値はゼロにリセットされ、サンプリングプロセス(すなわち、ステップ904)が繰り返される。1つの例示的な実施形態において、サンプリング期間は250msである。サンプリングされた溶接データの各コレクションは、解析パケットを形成する。解析パケットの更なる処理後(例えば、250ms毎)、対応する状態のための現在の溶接品質格付けを表す追加溶接データが利用できる。この追加溶接データは、グラフ化及び/又は平均化されてもよい。溶接の長さ(すなわち、溶接サイクル)にわたるこれら格付けの平均は、溶接に対する全体の品質指標を提供する。
サンプリングされた状態のそれぞれに対して、ステップ906において生じる各解析パケットの溶接データの更なる処理は、結果として追加溶接データの計算をもたらす。追加溶接データは、実行カウント、電圧平均、電圧平方自乗平均(RMS)、電圧分散、アンペア数平均、アンペア数RMS、及びアンペア数分散を含む。追加溶接データの実行カウントの値は、溶接データの実行カウントの値からコピーされる。電圧平均は、(溶接データからの)電圧合計を実行カウントで除算して計算される。電圧RMSは、(溶接データからの)電圧二乗合計を実行カウントで除算することによって得られた商の平方根として計算される。電圧分散は、電圧RMSから電圧平均を引いて計算される。アンペア数平均は、(溶接データからの)アンペア数合計を実行カウントで除算して計算される。アンペア数RMSは、(溶接データからの)アンペア数二乗合計を実行カウントで除算することによって得られた商の平方根として計算される。アンペア数分散は、アンペア数RMSからアンペア数平均を引いて計算される。
ステップ906の後、後続の処理は、現在の溶接が溶接品質パラメータを決定することに用いられるべき訓練溶接であるか、又はかかる溶接品質パラメータに対して評価されるべき通常溶接であるかによって決まる。従って、ステップ908において、現在の溶接が訓練溶接であるか、又は通常溶接であるかが判断される。1つの例示的な実施形態において、特に指示のない限り(例えば、ユーザ入力によって)、溶接は通常溶接であることがデフォルト条件である。
現在の溶接が、ステップ908において、訓練溶接であると判断された場合、以下の追加溶接データ値:実行カウント、電圧平均、電圧分散、アンペア数平均、及びアンペア数分散が、訓練溶接の有効部分のために(例えば、20〜30秒)保存される一方で、他の溶接データ値及び追加溶接データ値は無視されてもよい。訓練溶接の有効部分は訓練期間である。1つの例示的な実施形態において、訓練期間は、少なくとも80の連続する解析パケット(すなわち、サンプリング期間)に相当する。
その後、ステップ910において、溶接品質パラメータは、訓練期間中に保存された追加溶接データ値を用いて計算される。例えば、以下の溶接品質パラメータが、サンプリングされた状態のそれぞれに対して計算される:品質実行カウント平均、品質実行カウント標準偏差、品質電圧平均、品質電圧標準偏差、品質アンペア数平均、品質アンペア数標準偏差、品質電圧分散平均、品質電圧分散標準偏差、品質アンペア数分散平均、及び品質アンペア数分散標準偏差。
品質実行カウント平均は、訓練期間中に処理される解析パケットの全てから実行カウントの平均として計算される。実行カウントは整数に丸められてもよい。品質実行カウント標準偏差は、品質実行カウント平均に対する訓練期間中に処理される各解析パケットから実行カウントの標準偏差として計算される。品質電圧平均は、訓練期間中に処理される解析パケットの全てから電圧平均の平均として計算される。品質電圧標準偏差は、品質電圧平均に対する訓練期間中に処理される各解析パケットから電圧平均の標準偏差として計算される。品質アンペア数平均は、訓練期間中に処理される解析パケットの全てからアンペア数平均の平均として計算される。品質アンペア数標準偏差は、品質アンペア数平均に対する訓練期間中に処理される各解析パケットからアンペア数平均の標準偏差として計算される。品質電圧分散平均は、訓練期間中に処理される解析パケットの全てから電圧分散の平均として計算される。品質電圧分散標準偏差は、品質電圧分散に対する訓練期間中に処理される各解析パケットから電圧分散の標準偏差として計算される。品質アンペア数分散平均は、訓練期間中に処理される解析パケットの全てからアンペア数分散の平均として計算される。品質アンペア数分散標準偏差は、品質アンペア数分散に対する訓練期間中に処理される各解析パケットからアンペア数分散の標準偏差として計算される。上で述べたように、これらの品質パラメータは、確認された良好な又は他に許容できる溶接の伝達に基づいた場合、後続の溶接を測定するか、又は他に格付けするためのベンチマークとして用いられてもよい。
現在の溶接が、ステップ908において、訓練溶接とは対照的に、評価溶接(すなわち、その品質の評価を必要とする溶接)であると判断された場合、溶接データ又は追加溶接データを保存する必要はない。代わりに、様々な品質計算の結果が取得され、保存される。これらの品質計算は、ステップ914における、様々な外れ値の存在を初期に検出することを含む。外れ値は、データ点又は値が寄与する平均値からの閾距離よりも大きいデータ点又は値である。1つの例示的な実施形態において、外れ値は、平均値からの3つの標準偏差の限界の外側に入る値である。
重み付け方法900において、ステップ914において求められた外れ値は、実行外れ値、電圧外れ値、電圧分散外れ値、アンペア数外れ値、及びアンペア数分散外れ値を含む。監視された状態のそれぞれに対して、解析パケットのそれぞれは、これら外れ値の任意の存在を検出するように評価される。
解析パケットが以下の関係を満足した場合、それは実行外れ値と見なされる:(実行カウント−品質実行カウント平均)の絶対値>(3×品質実行カウント標準偏差)。解析パケットが以下の関係を満足した場合、それは電圧外れ値と見なされる:(電圧平均−品質電圧平均)の絶対値>(3×品質電圧標準偏差)。解析パケットが以下の関係を満足した場合、それは電圧分散外れ値と見なされる:(電圧分散−品質電圧分散平均)の絶対値>(3×品質電圧分散標準偏差)。解析パケットが以下の関係を満足した場合、それはアンペア数外れ値と見なされる:(アンペア数平均−品質アンペア数平均)の絶対値>(3×品質アンペア数標準偏差)。解析パケットが以下の関係を満足した場合、それはアンペア数分散外れ値と見なされる:(アンペア数分散−品質アンペア数分散平均)の絶対値>(3×品質アンペア数分散標準偏差)。
これらの外れ値の検出後、各外れ値の2ステップ重み付き合計(すなわち、ステップ916及び918から)が、対応する解析パケットのための品質指標を計算することに用いられる。
外れ値のそれぞれを重み付けすることにおける第1のステップ(すなわち、ステップ916)は、3つの標準偏差限界に関する外れ値の大きさによって判断される。一般に、データ点又は値の略0.3%が、3つの標準偏差の限界の外側に入る可能性があり、従って、外れ値と見なされる。外れ値の重み付けは、その値が3つの標準偏差の限界の上に増加するにつれて増加する。外れ値は、4つの標準偏差において完全に100%で重み付けされ、5つの標準偏差において最大の200%で重み付けされる。一般に、通常データセットにおいて発生する完全な(すなわち、100%)重み付き外れ値の確率は15,787分の1である。
従って、ステップ916において、外れ値のそれぞれは、このアプローチに従って重み付けされる。各実行外れ値に適用されるべき重みは、(3つの標準偏差限界の上の量/品質実行カウント標準偏差)の絶対値として計算され、最大重み値は2.0である。各電圧外れ値に適用されるべき重みは、(3つの標準偏差限界の上の量/品質電圧標準偏差)の絶対値として計算され、最大重み値は2.0である。各電圧分散外れ値に適用されるべき重みは、(3つの標準偏差限界の上の量/品質電圧分散標準偏差)の絶対値として計算され、最大重み値は2.0である。各アンペア数外れ値に適用されるべき重みは、(3つの標準偏差限界の上の量/品質アンペア数標準偏差)の絶対値として計算され、最大重み値は2.0である。各アンペア数分散外れ値に適用されるべき重みは、(3つの標準偏差限界の上の量/品質アンペア数分散標準偏差)の絶対値として計算され、最大重み値は2.0である。
外れ値のそれぞれを重み付けすることにおける第2のステップ(すなわち、ステップ918)は、外れ値の状態の実行カウントによって判断される。特に、各外れ値の値は、外れ値の状態の実行カウントと乗算され、それによって、波形全体に関する状態の時間寄与を説明している。このように、大きい実行カウント(すなわち、実行時間)を有する状態は、相応に重い重みを有する外れ値を生成する。従って、特定の外れ値に対する実行時間が増加するにつれて、外れ値の重みも増加する。
ステップ916及び918における外れ値の重み付けは、最終重み付き実行外れ値、最終重み付き電圧外れ値、最終重み付き電圧分散外れ値、最終重み付きアンペア数外れ値、及び最終重み付きアンペア数分散外れ値を含む最終重み付き外れ値のセットを生成する。これらの最終重み付き外れ値は、ステップ920において合計されて、各解析パケットのための最終重み付き外れ値合計を生成する。その後、解析パケットのそれぞれのための品質指標の判断は、完全な品質値から最終重み付き外れ値合計を引いたものを完全な品質値で除算することによって得られる商として、ステップ922において計算される。完全な品質値は、解析パケットのための実行カウントを外れ値カテゴリの数(すなわち、この場合には5)で乗算したものと等しい。
従って、瞬時品質指標(すなわち、現在完了した解析パケットのための)は、溶接プロセス中に判断され、溶接機に伝達されるか、又は他に利用されてもよい。このように、潜在的な問題は、溶接が完了した後のみとは対照的に、任意の是正措置を取るには遅すぎる恐れがある場合に、それらが発生する際、すなわち、溶接プロセス中に検出することができる。
溶接プロセス中に任意の時点まで集計された品質指標の平均は、その時点までの溶接の品質指標を決定するために平均化されてもよい。例えば、溶接プロセスが完了した後、個々の品質指標の全てが、完了した溶接に対する全体の品質指標、スコア、等級、格付け等を得るために平均化されてもよい。溶接に対する全体の品質指標は、許容できる溶接に対する最低品質指標値を反映する(例えば、訓練溶接から導き出される)所定の品質指標に対して比較されてもよい。
このように、溶接の品質は、リアルタイム又はリアルタイムに近い状態で、正確に、効果的に、一貫して、及び/又は自動的に判断することができる。これは、溶接の可視検査がその品質を正確に測定するには必ずしも十分とは限らないため、且つオペレータが全体の溶接品質に悪影響を及ぼす溶接プロセス中の偏差又は他の問題を検出しないか、又は他に肯定するため、特に有利である。
いくつかの例示的な実施形態において、溶接に対する品質指標(すなわち、溶接スコア)は、自動(例えば、ロボット)溶接プロセス中のような略同じ条件下で、略同じアーク溶接プロセスに従って繰り返し生成される溶接を評価するための効果的なツールである。各溶接に対する瞬時の、定期的な、及び/又は全体の溶接スコアを計算することによって、自動品質管理プロセスがアーク溶接プロセスに適応することができる。特に、最低許容溶接スコア又は許容溶接スコアの範囲は、溶接条件及びアーク溶接プロセスに従って、閾値として最初に特定される。その後、各溶接は、溶接を合格にすべきか、又は不合格にすべきかを迅速及び正確に判断するために閾値に対して比較されるその(瞬時の、定期的な、及び/又は全体の)溶接スコアを有する。加えて、生産運用又は一連の運用のために溶接スコア全体にわたる傾向を評価することによって、生産プロセスにおける問題をより容易に特定することができるか、及び/又は生産プロセスをより容易に最適化することができる。
概念的な生産ライン1000を図10に示し、ここで、第1の溶接スコアS1 1002、第2の溶接スコアS2 1004、及び第3の溶接スコアS3 1006は、一体型モニターM 1016を含む溶接機又は溶接ステーション1014によってそれぞれ第1の母材WP1 1008、第2の母材WP2 1010、及び第3の母材WP3 1012上で行われる溶接と関連している。当業者は、異なる溶接が同じ母材上で行われてもよいことを正しく認識するであろう。
溶接スコアは、溶接のそれぞれを合格にすべきか、又は不合格にすべきかを判断するために、所定の許容溶接スコア閾値に対して比較される。この比較は、溶接機/溶接ステーションによって、又は別個の装置によって若しくは別個の位置(例えば、評価ステーション1018)において行われてもよい。1つの例示的な実施形態において、溶接スコアと閾値との間の比較は手動で行われる。1つの例示的な実施形態において、自動及び手動比較が行われる。1つの例示的な実施形態において、溶接スコアは、対応する溶接の手動検査が正当であるかどうかを判断するために用いられる。1つの例示的な実施形態において、溶接スコアは、生産ラインの全体効率を判断するために少なくとも部分的に用いられる。
1つの例示的な実施形態において、1つ以上の評価ステーション1018は、生産プロセスの特定の段階における溶接を測定するために、生産ライン1000に沿って位置している。評価ステーション1018が、溶接に対する溶接スコアが所定の許容溶接スコア閾値に合致するか、又はそれを超えていると判断した場合、評価ステーション1018は、溶接合格コマンド1020を発行することによって溶接を合格にする。溶接合格コマンド1020に応じて、許容できる溶接を含む母材は、更なる処理のために生産ライン1000に沿って進み続けることが許可される。
逆に、評価ステーション1018が、溶接に対する溶接スコアが所定の許容溶接スコア閾値未満に入ると判断した場合、評価ステーション1018は、溶接不合格判定コマンド1022を発行することによって溶接を不合格判定とする。溶接不合格判定コマンド1022に応じて、許容できない溶接を含む母材は、生産ライン1000から外れて送られるか、又は他に生産ライン1000から取り除かれる(例えば、手動で取り除かれる)。その後、不合格判定とされた溶接を有する母材は、更なる処理を施されてもよく、例えば、不合格判定とされた溶接を修復するか、又は他に補修するか若しくは母材全体をリサイクルしてもよい。
1つの例示的な実施形態において、各溶接合格コマンド1020及び/又は溶接不合格判定コマンド1022は、後の再検討及び解析のためにログに記録されるか、又は他に格納される。このように、溶接プロセス及び/又は生産プロセスに関する傾向は、より容易に特定されてもよく、従って、溶接プロセスを用いる生産ラインの全体効率を向上させることを容易にしてもよい。
いくつかの例示的な実施形態において、溶接に対して算出された品質指標(すなわち、溶接スコア)は、指示を提供するか、又は他にオペレータにアーク溶接プロセスを手動で行うことを教示するために革新的なアプローチにおいて用いられてもよい。特に、オペレータが溶接を作成するための溶接機(例えば、電気アーク溶接機10)を使用している際、瞬時の及び/又は定期的な溶接スコアは、溶接機によって(例えば、溶接機のモニターMを介して)溶接に対して決定され、溶接の現在の品質に関してオペレータに直接的なフィードバックを提供するために用いられる。上で述べたように、これらの溶接スコアは、溶接の単なる目視検査と比較して、溶接品質をより正確に反映する重み付き統計的測定に基づいている。特に、溶接スコアは、オペレータによる任意の是正措置が必要かどうかを判断するために、所定の許容溶接スコア又は許容溶接スコアの範囲に対して比較される。加えて、溶接スコアは、許容溶接スコアから離れる任意の傾向(例えば、溶接スコアの継続的な減少からわかるような)が存在するかどうかを判断するために、ある期間にわたって評価される。
1つの例示的な実施形態による指示の方法1100を図11に示す。方法1100は、ステップ1102においてオペレータが溶接プロセスを実行するために開始することから始まる。
溶接プロセス中、溶接スコアは、(1つ以上のサンプリングされたか、又は他に測定されたパラメータに基づいて)ステップ1104において、溶接の現在の状況を反映するために定期的に計算される。溶接スコアは、溶接の現在の状況を反映する瞬時測定値として、又は溶接プロセス中の(測定値に対応する)ある期間にわたる溶接の状況を反映するいくつかの測定値の平均として計算されてもよい。1つの例示的な実施形態において、溶接スコアは、溶接の現在の全体的状況を反映する、溶接プロセスが開始されてから取られた測定値の全てを平均化することによって計算される。
次に、溶接スコアは、ステップ1106において、所定の閾溶接スコアと比較される。閾溶接スコアは、良好又は他に許容できる溶接状況に対する最低溶接スコアである。溶接スコアが閾溶接スコア以上である場合、溶接の現在の状況は、ステップ1108において良好であると判断される。そうでなければ、溶接の現在の状況は、ステップ1108において不良であると判断される。
溶接の現在の状況が良好である場合、オペレータは、ステップ1110において、溶接が良好であるという指摘を提供され、これは、溶接プロセスが適切に行われていることを示唆している。その後、溶接の現在の状況は、ステップ1112において、後の再検討、解析、及び/又は他の使用のためにログに記録される。指示方法1100は、次いで、上で説明したように、オペレータによって実行されている溶接プロセスを監視することを継続する。
溶接の現在の状況が不良である場合、オペレータは、ステップ1114において、溶接が不良であるという指摘を提供され、これは、溶接プロセスが不適切に行われていることを示唆している。その後、溶接の現在の状況は、ステップ1118において、後の再検討、解析、及び/又は他の使用のためにログに記録される。指示方法1100は、次いで、上で説明したように、オペレータによって実行されている溶接プロセスを監視することを継続する。
前述の指摘は、溶接プロセス中にオペレータに通知するために十分な任意の方法で、オペレータに提供されてもよい。1つの例示的な実施形態において、指摘は、溶接機と一体化した又はその最も近傍の表示装置上等、オペレータに対して視覚的に提供される。1つの例示的な実施形態において、指示は、オペレータが着用する保護バイザー又はヘッドギアに視覚的に表示される。1つの例示的な実施形態において、指示は、溶接機と一体化した又はその最も近傍のスピーカを通して等、オペレータに対して聞こえるように提供される。1つの例示的な実施形態において、指示は、オペレータが着用する保護ヘッドギア内で聞こえるように再生される。
1つの例示的な実施形態において、溶接の現在の状況が不良である場合、オペレータは、ステップ1116において、是正措置が取られるべきであることに関する指示を受ける。1つの例示的な実施形態において、指示は溶接プロセス中にリアルタイムで提供される。指示は、例えば、母材に対する電極(すなわち、ワイヤ)の位置の推奨される変更、又は母材に対するワイヤの移動速度の推奨される変更に関係してもよい。
様々な装置及び技法は、検証された良好な溶接をもたらす溶接プロセス中のオペレータ及び/又は溶接条件を手本にすること、並びに同様の条件下で同様の溶接プロセスを実行する他のオペレータを評価するために結果として生じるモデルデータを用いること等の取るべき可能性のある是正措置を決定するために用いられてもよい。人工知能及び関連するシミュレーションも、かかるモデルを構築するために用いられてもよい。更に、センサがかかるモデルを構築するために用いられてもよい。
1つの例示的な実施形態において、1つ以上のセンサが、例えば、母材の現在の温度、送られるシールドガスのレベル、及び/又はシールドガスの組成等の溶接プロセスの態様を判断するために用いられる。1つの例示的な実施形態において、1つ以上のセンサが、例えば、風況及び/又は湿度条件等の溶接プロセスに悪影響を及ぼす可能性のある環境条件を判断するために用いられる。1つの例示的な実施形態において、1つ以上のセンサが、例えば、母材からのオペレータの手の距離及び/又は母材からのオペレータの手の角度等の溶接プロセスに悪影響を及ぼす可能性のあるオペレータ条件を判断するために用いられる。これら又は他のセンサからのデータは、モデルデータと比較されて、是正措置がオペレータによって取られるべきであることに関する指示を特定する。
1つの例示的な実施形態において、是正措置指示は、溶接機と一体化した又はその最も近傍の表示装置上等、オペレータに対して視覚的に提供される。1つの例示的な実施形態において、指示は、オペレータが着用する保護バイザー又はヘッドギアに視覚的に表示される。1つの例示的な実施形態において、指示は、溶接機と一体化した又はその最も近傍のスピーカを通して等、オペレータに対して聞こえるように提供される。1つの例示的な実施形態において、指示は、オペレータが着用する保護ヘッドギア内で聞こえるように再生される。
従って、指示方法1100は、いつ溶接が好調から不調に向かって行ったか、及びいつ溶接が不調から好調に向かって行ったかをオペレータが容易に知るように、溶接プロセス中にオペレータに対してリアルタイムフィードバックを提供する。更に、指示方法1100は、溶接の現在の(及び従って全体の)状態を向上させることを目的とする是正措置を提案できる。溶接条件の変化はしばしばオペレータの行動に起因するため、指示方法1100によって提供されるフィードバック(任意の推奨される是正措置を含む)は、オペレータに良好な溶接技術を教示する。更に、オペレータの良好な溶接技術は、良好な溶接状況の継続した確認によって強化される。
指示方法1100又はその態様は、また、模擬溶接プロセスに容易に適応させるか、又は他に応用することができる。1つの例示的な実施形態において、指示方法1100は、バーチャルリアリティ技術を用いる溶接シミュレータに応用される。
いくつかの例示的な実施形態において、オペレータによって行われた溶接に対して算出された品質指標(すなわち、溶接スコア)は、一般教育において成績が用いられる方法と同様に、特定の溶接機、溶接プロセス、又は溶接講習に関してオペレータを認定することに対する革新的なアプローチにおいて用いられてもよい。例えば、指示方法1100又はその態様に従って計算された溶接スコア(例えば、全体の溶接スコア)は、オペレータを認定するための便利なプラットフォームを提供する。オペレータは、溶接機、溶接プロセス、又は溶接講習に関して認定されるように、所定の閾溶接スコアを超える溶接スコアを取得しなければならない。オペレータが認定を得ることができない場合、指示方法1100は、オペレータに対して改善の必要性がある領域を特定できる。本明細書中で説明するように、追加機能(例えば、溶接機内又は外部で作動するソフトウェアによって提供される)が、オペレータを認定することに役立つであろう他のパラメータを測定するために用いられてもよい。例えば、指示方法1100は、溶接プロセス又は講習中に、どの程度の時間をオペレータが実際に溶接することに費やしたかを追跡することを含むように変更されてもよい。別の実施例として、指示方法1100は、溶接プロセス又は講習中に、オペレータによって用いられた消耗品(例えば、ワイヤ)の量を追跡することを含むように変更されてもよい。
オペレータを認定するために用いられることに加えて、溶接スコア(及び他のパラメータ)は、また、1人のオペレータを別の者から区別するために用いられてもよい。例えば、2人のオペレータが両者とも合格スコアを達成し、特定の溶接機、溶接プロセス、又は溶接講習に関して認定されるにもかかわらず、2人のオペレータのスコアは大幅に異なっている可能性がある。従って、より高いスコアを有する認定オペレータは、低いスコアを有する別の認定作業を超えて選ばれる可能性がある。
いくつかの例示的な実施形態において、溶接に対して算出される品質指標(すなわち、溶接スコア)及び他の関連パラメータ並びに情報は、複数の生徒に溶接技術、プロセス、プログラム、講習等を教える指導員を補助するために用いられてもよい。溶接クラスは、しばしば、理論的な構成部分と実践的な構成部分とを含んでいる。理論的構成部分は、一般に、教室又は類似の場所における講義、議論、又は実証の形態で教えられる。通常、生徒にクラスの実践的構成部分を教示するための溶接スクール又は他の環境は、工場内の溶接ステーションと同様のブース等の個々の場所を含む。各生徒は、講習の実践的構成部分を実行するための生徒自身のブースに割り当てられる。
指導員にとって、例えば、理論的構成部分に関する議論の間に各生徒のクラス出席及び/又は参加を追跡することによって、どの程度の時間を各生徒がクラスの理論的構成部分に費やしているかを見積もることはむしろ容易である。しかし、指導員は常に全てのブースにいることができないため、指導員にとって、どの程度の時間を各生徒がクラスの実践的構成部分に実際に費やしているかを正確に測定することは難しい。例えば、ブースは、指導員の視線が1度に1つのブース、すなわち、指導員が現在いるブースにのみ延びるように構築されるか、及び/又は配置されている可能性がある。他のブースにいる生徒は、指導員が知らずに溶接以外の何か(例えば、食事、睡眠、電話での会話)を行っていることがあり得る。また、指導員にとって、いずれの生徒が、どのような時でも指導員の個人的な配慮から最も恩恵を受けているかを容易に判断することも難しい。従って、指導員は、別の生徒が指導員の個人的な配慮のより大きい必要性を有しているにもかかわらず、1人の生徒に時間を当てる恐れがある。
1つの例示的な実施形態によるアーク溶接プロセス等の溶接技術、プロセス、プログラム、講習等を学習している生徒を監視するためのシステム1200を図12に示す。システム1200は、8つのブース1204、1206、1208、1210、1212、1214、1216、及び1218が位置する教室又は作業室等の指示領域1202を含んでいる。ブースのそれぞれは溶接機を含んでいる。特に、第1の溶接機W1 1220は第1のブース1204に位置し、第2の溶接機W2 1222は第2のブース1206に位置し、第3の溶接機W3 1224は第3のブース1208に位置し、第4の溶接機W4 1226は第4のブース1210に位置し、第5の溶接機W5 1228は第5のブース1212に位置し、第6の溶接機W6 1230は第6のブース1214に位置し、第7の溶接機W7 1232は第7のブース1216に位置し、及び第8の溶接機W8 1234は第8のブース1218に位置している。更に、生徒は各ブースに割り当てられている。特に、第1の生徒S1 1236は第1のブース1204内の作業に割り当てられており、第2の生徒S2 1238は第2のブース1206内の作業に割り当てられており、第3の生徒S3 1240は第3のブース1208内の作業に割り当てられており、第4の生徒S4 1242は第4のブース1210内の作業に割り当てられており、第5の生徒S5 1244は第5のブース1212内の作業に割り当てられており、第6の生徒S6 1246は第6のブース1214内の作業に割り当てられており、第7の生徒S7 1248は第7のブース1216内の作業に割り当てられており、及び第8の生徒S8 1250は第8のブース1218内の作業に割り当てられている。
指示領域1202は、指導員1252が生徒と交流するために、1つのブースから別へ自由に移動できるように位置している。
1つの例示的な実施形態において、溶接機W1、W2、W3、W4、W5、W6、W7、及びW8のそれぞれは、図1に示す溶接機10と同様の一体型モニターMを含んでいる。生徒が溶接を作成するために溶接機を使用している場合、瞬時の及び/又は定期的な溶接スコアは、溶接機によって(モニターMを介して)溶接に対して決定され、溶接の現在の品質に関して生徒に直接的なフィードバックを提供するために用いられる。本明細書中で説明するように、これらの溶接スコアは、溶接の単なる目視検査と比較して、溶接品質をより正確に反映する重み付き統計的測定に基づいている。特に、溶接スコアは、生徒による任意の是正措置が必要かどうかを判断するために、所定の許容溶接スコア又は(例えば、先行の基準となる溶接から突き止められる)許容溶接スコアの範囲に対して比較される。加えて、溶接スコアは、許容溶接スコアから離れる任意の傾向(例えば、溶接スコアの継続的な減少からわかるような)が存在するかどうかを判断するために、ある期間にわたって評価される。
溶接機W1、W2、W3、W4、W5、W6、W7、及びW8のそれぞれは、ネットワーク1256上で生産監視システム(PMS)1254と通信している。ネットワーク1256は有線又はワイヤレスネットワークであってもよい。1つの例示的な実施形態において、ネットワーク1256はイーサネットネットワークである。
PMS1254は、一般的発明概念の趣旨及び範囲から逸脱することなく、ソフトウェア、ハードウェア、及びそれらの組み合わせを用いて実装されてもよい。1つの例示的な実施形態において、PMS1254は、それに接続される表示装置1258及びデータストア1260等の周辺機器を有する汎用コンピュータ(例えば、PC)上で作動するソフトウェアとして実装される。1つの例示的な実施形態において、PMS1254は、モニターMの場合のような溶接機のそれぞれと一体化されたロジックを含んでいてもよい。上で述べたように、PMS1254は、ネットワーク1256上で溶接機W1、W2、W3、W4、W5、W6、W7、及びW8とデータ通信している。
PMS1254は、例えば、それぞれ記録された溶接に対する統計結果を備える短期間及び長期間の溶接ログを収集するように動作可能な溶接データコレクション及び監視ツールである。PMS1254は、ワイヤ消費量等の他の生産関連パラメータ及び条件も追跡できる。システム1200において、PMS1254は、溶接機W1、W2、W3、W4、W5、W6、W7、及びW8のそれぞれからデータを収集して、溶接を作成することにおいてそれぞれの生徒S1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、及びS8が費やした時間を判断する。生徒S1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、及びS8のそれぞれが費やした時間(すなわち、溶接時間)は、後の検索及び使用のために、PMS1254によってデータストア1260に保存されてもよい。加えて、PMS1254は、ネットワーク1256上で溶接機W1、W2、W3、W4、W5、W6、W7、及びW8のそれぞれから溶接スコアを受信し、それは次いで、後の検索及び使用のために、PMS1254によってデータストア1260に保存されてもよい。従って、PMS1254は、複数の評価期間にわたる複数の生徒のための溶接時間及び溶接スコアのログを生成し、格納することができ、それは、指導員1252にとって、生徒に教え、査定することにおける多大な資源となり得る。
加えて、PMS1254は、生徒S1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、及びS8のそれぞれのための現在の溶接時間を、生徒S1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、及びS8のそれぞれのための現在の溶接スコアと組み合わせて、表示装置1258上にリアルタイムで表示できる。このように、指導員1252は、表示装置1258を注視することによって、生徒それぞれの現在の状況及び生徒のそれぞれの溶接の即時で正確な査定を得ることができる。これにより、指導員1252は、最大の必要性を示しているそれらの生徒に関して生徒の時間を良好に配分することが可能となる。
システム1200において、溶接時間及び溶接スコアは、例えば、数値データとして、及び/又はグラフィカルデータとして、任意の方法で表示することができる。1つの例示的な実施形態において、PMS1254は、ウェブブラウザを介して、データへアクセスすること、データを閲覧すること、レポートを生成すること等を支援するウェブベースのユーザーインターフェースを提供する。
システム1200は、任意の数の生徒及び複数の指導員を収容するように容易に大きさの変更が可能である。
1つの例示的な実施形態によるアーク溶接プロセス等の溶接技術、プロセス、プログラム、講習等を学習している生徒を監視する方法1300を図13に示す。方法1300は、ステップ1302においてアーク溶接プロセスを行う複数の生徒に関わる。1つの例示的な実施形態において、生徒は、略同じ条件下で略同じ時間に略同じアーク溶接プロセスを行う。
アーク溶接プロセス中、溶接スコアは、各生徒に対して(1つ以上のサンプリングされたか、又は他に測定されたパラメータに基づいて)ステップ1304において、生徒の溶接の現在の状況を反映するために定期的に計算される。溶接スコアは、生徒の溶接の現在の状況を反映する瞬時測定値として、又はアーク溶接プロセス中の(測定値に対応する)ある期間にわたる生徒の溶接の状況を反映するいくつかの測定値の平均として計算されてもよい。1つの例示的な実施形態において、生徒の溶接スコアは、生徒の溶接の現在の全体的状況を反映する、アーク溶接プロセスが開始されてから取られた測定値の全てを平均化することによって計算される。
方法1300の評価期間中、各生徒がアーク溶接プロセスを行うこと(すなわち、実際に溶接すること)に費やす時間は、ステップ1306において判断される。各生徒の溶接機から収集された作業データは、生徒の溶接時間を判断するために用いられてもよい。
各溶接スコアは、ステップ1308において、その対応する生徒と関連付けられる。同様に、各溶接時間は、ステップ1308において、その対応する生徒と関連付けられる。各生徒に関連付けられた溶接機からの識別情報(例えば、シリアルナンバー)が、溶接機から収集された及び/又はそれによって生成されたデータ(例えば、溶接スコア、溶接時間)をそれぞれの生徒と関連付けるために用いられてもよい。
溶接スコア及び溶接時間がそれぞれの生徒と関連付けられると、この情報は、ステップ1310において任意の方法で出力されてもよい。例えば、全ての生徒のレポート及び生徒のそれぞれの溶接スコア及び溶接時間は、モニター等の表示装置に出力されてもよい。別の実施例として、生徒及び生徒のそれぞれの溶接スコア及び溶接時間に関する情報は、後の検索及び使用のために、ログに記録され、ディスクドライブ又はフラッシュドライブ等のデータストア内に格納される。1つの例示的な実施形態において、情報は定期的に出力される。1つの例示的な実施形態において、情報は評価期間の終了時に出力される。
溶接スコア及び/又は溶接時間は、また、生徒に対する追加識別情報を生成するために用いられてもよい。例えば、生徒の溶接スコア及び/又は溶接時間は、所定の閾値に対して比較されてもよい。このように、生徒の溶接スコア及び/又は溶接時間に基づいて、合格又は不合格判定が生徒の溶接に対して判断されてもよい。
いくつかの例示的な実施形態において、溶接に対して算出された溶接スコアは、溶接プロセスに対する潜在的なコスト節約を特定することに対する革新的なアプローチにおいて用いられてもよい。1つの例示的な実施形態において、コスト分析(例えば、費用効果分析、費用便益分析)が、溶接プロセスに従って行われる溶接列に基づいて、溶接プロセスに対して行われる。図14A〜14Bに示すような例示的な溶接に対応するデータ1400は、コスト分析を行うことに用いられてもよい。
最初に、溶接品質全体に影響を及ぼす複数の溶接条件1402が選択される。例えば、図14A及び14Bにおいて、溶接条件1402は、ワイヤ特性(例えば、ワイヤ組成1404、ワイヤ直径、コーティング)、母材特性(例えば、母材組成1406、母材厚さ)、シールドガス流量1408、シールドガス組成1410、及び/又は母材予熱温度1412を含んでいる。次に、これらの溶接条件1402のうちの1つが、溶接列にわたって、1414に示すように変更される一方で、残りの溶接条件1402の全てが、溶接列にわたって、1414に示すように固定される。
列内の溶接のそれぞれに対して、溶接スコア1416も現在の溶接条件1402、1414に基づいて計算される。溶接スコア1416は、溶接条件下で作成された溶接の全体的な品質の程度を表している。上で述べたように、これらの溶接スコアは、溶接の単なる目視検査と比較して、溶接品質をより正確に反映する重み付き統計的測定に基づいている。
加えて、列内の溶接のそれぞれに対して、溶接を作成するためのコストが決定される。1つの例示的な実施形態において、コストは、溶接を生成することに関する金銭的支出を含み、溶接に対する金銭的コスト1418として表される。1つの例示的な実施形態において、コストは、溶接を完了するために必要とされる合計時間を含み、溶接に対する時間コスト1420として表される。列内の各溶接は、その対応する溶接スコア及びコストと関連付けられる。
図14A及び14Bは、それぞれ、溶接列における2つの溶接のためのデータ1400を含み、ここで、溶接条件1402の中でも、ワイヤ組成1404、母材組成1406、シールドガス組成1410、及び母材予熱温度1412は、溶接列にわたって、1414に示すように固定される一方で、シールドガス流量1408は、溶接列にわたって、1414に示すように変化する(例えば、徐々に増加又は減少される)。
図14Aに対応する溶接に対して、aの金銭的コスト1418、bの時間コスト1420、及びcの溶接スコア1416は計算されるか、又は他に決定される。図14Bに対応する溶接に対して、dの金銭的コスト1418、eの時間コスト1420、及びfの溶接スコア1416は計算されるか、又は他に決定される。従って、a<d、b<e、及びc=fであると判断された場合、コスト及び時間節約の両方が、図14Bのシールドガス流量1408と比較して、図14Aのシールドガス流量1408によって全体的な溶接品質における低下なく達成されるため、図14Aのシールドガス流量1408が図14Bのシールドガス流量1408よりも上であると推定できる。代わりに、a<d、b>>e、及びc=fであると判断された場合、図14Aのシールドガス流量1408は、全体的な溶接品質における低下がないが、図14Bのシールドガス流量1408と比較して実質的に増加した時間コストで、コスト節約を提供すると推定できる。
このように、ユーザは、列内の全体的な溶接品質に関して、従って、対応する溶接プロセスにおいて多様な溶接条件が有する強い影響力を容易に特定することができる。このように、ユーザは、溶接条件を変化させることにより、ユーザが、より所望の溶接品質、より所望のコスト、又は両方を得ることが可能となるかどうかを判断できる。従って、より多くの溶接が実行され、対応するデータが解析されるにつれて、全体的な溶接プロセスに関する任意の1つ以上の溶接条件の強い影響力は、より多くの通知されたコスト節約判断(例えば、金銭、時間、及び品質トレードオフ)を行うことができるように容易に判断及び評価できる。
コスト分析は、追加の溶接列を含むように拡張されてもよく、ここで、異なる溶接条件が異なる列において変化する。このように、ユーザは、所望の成果(例えば、許容溶接品質及び許容コスト)を達成するために、複数の溶接条件に対する所望の値又は設定を特定できる。溶接条件に対するこれら所望の値又は設定は、次いで、同じ溶接機及び溶接プロセスのための後続の検索及び使用のために溶接機及び溶接プロセスと関連付けられたプロフィール内に保存され、それによって、ユーザが再度、所望の成果を達成する可能性を高める。
1つの例示的な実施形態において、複数のかかるプロフィール(すなわち、1セットの選択された溶接パラメータ及び/又は溶接条件)は、プロフィールが溶接プロセスを開始するユーザによってアクセスできるように、すなわち、プリセットとして保存される。1つの例示的な実施形態において、複数のプリセットが、各プリセットに対応する溶接スコアと共にユーザに提示される。各溶接スコアは、プリセットと関連付けられた溶接パラメータ及び溶接条件を用いて事前に得られた溶接の全体的な品質を定量化する。上で述べたように、これらの溶接スコアは、溶接の単なる目視検査と比較して、溶接品質をより正確に反映する重み付き統計的測定に基づいている。ユーザは、次いで、溶接プロセスを行うためにプリセットのうちの1つを選択し、それによって、ユーザが、プリセットと関連付けられた溶接パラメータ及び溶接条件を用いて事前に作成されたものと同じか、又は略同様の溶接を達成する可能性を高めることができる。1つの例示的な実施形態において、ユーザが、例えば、入力された閾値未満の関連する溶接スコアを有するそれらのプリセットをフィルタ除去する等、ユーザによって入力された基準と一致しないプリセットをフィルタ除去できるようにユーザーインターフェースが提供される。
図15は、1つの例示的な実施形態によるプリセット1500を示す。プリセット1500のそれぞれは、識別プリセット番号1502、1セットの溶接条件1504、溶接機情報1506、溶接プロセス情報1508、金銭的コスト1510、時間コスト1512、及び関連する溶接スコア1514を含んでいる。プリセット番号01を有する第1のプリセット1516は、値a、b、c、d、及びeを有する溶接条件1504と溶接機Mとに関連付けられている。第1のプリセット1516は、溶接プロセスOに対応している。ユーザが溶接機Mにより溶接条件a、b、c、d、及びeの下で溶接プロセスOを行うために第1のプリセット1516(すなわち、プリセット01)を選択する場合、ユーザは、約tの金銭的コスト、約vの時間コスト、及び約xの溶接スコアを有するように、溶接プロセスOの結果として生じる溶接を期待してもよい。プリセット1500は、溶接条件1504、溶接機1506、及び/又は溶接プロセス1508の異なる組み合わせと関連付けられる第2のプリセット1518等の追加プリセットを含んでもよい。
既に本明細書中で説明した監視される溶接パラメータに加えて、追加溶接パラメータが波形の1つ以上の状態に対して監視されてもよく、追加品質パラメータが、溶接欠陥をより正確に検出し、特定するために、それらから計算されてもよい。追加の溶接パラメータは、溶接トーチ又はガン位置、アーク溶接プロセスによって生じる音のレベル、アーク溶接プロセスによって生じる音の少なくとも1つの周波数、及びアーク溶接プロセスによって生じる音のパルシングレートを含んでもよい。より追加の溶接パラメータは、アーク溶接プロセスによって生じる可視光線のレベル、アーク溶接プロセスによって生じる可視光線の少なくとも1つの周波数、及びアーク溶接プロセスによって生じる可視光線のパルシングレートを含む。更なる追加の溶接パラメータは、アーク溶接プロセスによって生じる赤外線のレベル、アーク溶接プロセスによって生じる赤外線の少なくとも1つの周波数、アーク溶接プロセスによって生じる赤外線のパルシングレート、及びワイヤ供給モータ電流レベルを含む。
一実施形態によれば、追加溶接パラメータは、かかる溶接パラメータを検出することに適したセンサ又は監視装置によって検知される。例えば、音はマイクロフォンによって検知されてもよく、可視光線は光検出器によって検知されてもよく、赤外線は赤外線検出器によって検知されてもよく、ワイヤ供給モータ電流は電流シャントによって検知されてもよい。トーチ位置は、例えば、画像センサ又は磁気センサを含む1つ以上の種類の検知技術を用いて検知されてもよい。センサは、例えば、溶接トーチ上、溶接ヘルメット上、又は一般的な溶接領域内を含む様々な場所に位置してもよい。追加的に検知される溶接パラメータは、他の溶接パラメータが本明細書中で前に説明したように入力され、処理される方法と同様の方法で、モニターMに入力され、それによって処理されてもよい。監視され、処理されてもよい他の溶接パラメータは、母材の温度、シールドガスのレベル、シールドガスの組成、母材近傍の風速、母材近傍の湿度レベル、及びオペレータ姿勢を含む。
モニターMは、追加的に監視された溶接パラメータに基づいて複数の品質パラメータ統計を計算するために(例えば、図16に示す改良型モニターM’のように)構成されてもよい。「平均」、「標準偏差」、「分散平均」、及び「分散標準偏差」の様々な品質パラメータ統計は、それらの品質パラメータ統計が、本明細書中で前に説明したように、電圧及び電流に対して計算される方法と同様の方法で、波形の1つ以上の状態に対する様々な追加溶接パラメータのために計算されてもよい。すなわち、追加的に監視された溶接パラメータに基づく品質パラメータは、QVA、QVSD、QVVA、及びQVVSDが監視された電圧に対して計算される方法、並びにQIA、QISD、QIVA、及びQIVSDが監視された電流に対して計算される方法と同様の方法で計算されてもよい。
例えば、モニターMは、品質音レベル平均(QSLA)、品質音レベル標準偏差(QSLSD)、品質音レベル分散平均(QSLVA)、及び品質音レベル分散標準偏差(QSLVSD)等、ある期間にわたる1つ以上の状態に対する溶接プロセス中の音レベル品質パラメータを計算するように構成されてもよい。モニターMは、また、品質音周波数平均(QSFA)、品質音周波数標準偏差(QSFSD)、品質音周波数分散平均(QSFVA)、及び品質音周波数分散標準偏差(QSFVSD)等、ある期間にわたる1つ以上の状態に対する音周波数品質パラメータを計算するように構成されてもよい。更に、モニターMは、また、品質音パルスレート平均(QSPRA)、品質音パルスレート標準偏差(QSPRSD)、品質音パルスレート分散平均(QSPRVA)、及び品質音パルスレート分散標準偏差(QSPRVSD)等、ある期間にわたる1つ以上の状態に対する音パルスレート品質パラメータを計算するように構成されてもよい。溶接プロセスの音は、ワイヤ電極と母材との間のアークによって生じる。特定の音特性は、溶接波形の特定の状態中に発生する傾向がある。
モニターMは、品質可視光線レベル平均(QVLLA)、品質可視光線レベル標準偏差(QVLLSD)、品質可視光線レベル分散平均(QVLLVA)、及び品質可視光線レベル分散標準偏差(QVLLVSD)等、ある期間にわたる1つ以上の状態に対する溶接プロセス中の可視光線レベル品質パラメータを計算するように構成されてもよい。モニターMは、また、品質可視光線周波数平均(QVLFA)、品質可視光線周波数標準偏差(QVLFSD)、品質可視光線周波数分散平均(QVLFVA)、及び品質可視光線周波数分散標準偏差(QVLFVSD)等、ある期間にわたる1つ以上の状態に対する可視光線周波数品質パラメータを計算するように構成されてもよい。更に、モニターMは、また、品質可視光線パルスレート平均(QVLPRA)、品質可視光線パルスレート標準偏差(QVLPRSD)、品質可視光線パルスレート分散平均(QVLPRVA)、及び品質可視光線パルスレート分散標準偏差(QVLPRVSD)等、ある期間にわたる1つ以上の状態に対する可視光線パルスレート品質パラメータを計算するように構成されてもよい。溶接プロセスの可視光線は、ワイヤ電極と母材との間のアークによって生じる。
モニターMは、品質赤外線レベル平均(QIRLLA)、品質赤外線レベル標準偏差(QIRLLSD)、品質赤外線レベル分散平均(QIRLLVA)、及び品質赤外線レベル分散標準偏差(QIRLLVSD)等、ある期間にわたる1つ以上の状態に対する溶接プロセス中の赤外線レベル品質パラメータを計算するように構成されてもよい。モニターMは、また、品質赤外線周波数平均(QIRLFA)、品質赤外線周波数標準偏差(QIRLFSD)、品質赤外線周波数分散平均(QIRLFVA)、及び品質赤外線周波数分散標準偏差(QIRLFVSD)等、ある期間にわたる1つ以上の状態に対する赤外線周波数品質パラメータを計算するように構成されてもよい。更に、モニターMは、また、品質赤外線パルスレート平均(QIRLPRA)、品質赤外線パルスレート標準偏差(QIRLPRSD)、品質赤外線パルスレート分散平均(QIRLPRVA)、及び品質赤外線パルスレート分散標準偏差(QIRLPRVSD)等、ある期間にわたる1つ以上の状態に対する赤外線パルスレート品質パラメータを計算するように構成されてもよい。溶接プロセスの赤外線は、ワイヤ電極と母材との間のアークによって生じる。
モニターMは、品質ワイヤ供給モータ電流平均(QWFMIA)、品質ワイヤ供給モータ電流標準偏差(QWFMISD)、品質ワイヤ供給モータ電流分散平均(QWFMIVA)、及び品質ワイヤ供給モータ電流分散標準偏差(QWFMIVSD)等、ある期間にわたる1つ以上の状態に対する溶接プロセス中のワイヤ供給モータ電流品質パラメータを計算するように構成されてもよい。ワイヤ供給モータ電流は、溶接プロセス中のワイヤ供給装置のモータによって生じる。コンタクトチップが消耗した場合、又は消耗したコンタクトチップが使用されている場合、モータ電流のシフト又はスパイクが特定の状態の間に観察される可能性がある。
再度、「平均」、「標準偏差」、「分散平均」、及び「分散標準偏差」の様々な品質パラメータ統計は、それらの品質パラメータ統計が、本明細書中で前に説明したように、電圧及び電流に対して計算される方法と同様の方法で、様々な追加溶接パラメータのために計算されてもよい。更に、実施形態によれば、各期間に計算された品質パラメータのそれぞれの値は、対応する期待品質パラメータ値と比較されて、計算された品質パラメータ値と期待品質パラメータ値との間の差が所定の閾値を超えるかどうかを判断してもよい。差が閾値を超える場合、計算された品質パラメータ値は、差に基づく大きさの重みにより重み付けされるか、及び/又は状態を含む波形に対するその状態の時間寄与に基づく時間寄与重みにより重み付けされてもよい。
本発明の実施形態によれば、品質パラメータ(重み付き又は重みなし)及び/又は溶接パラメータは、アーク溶接プロセスを診断するために用いられてもよい。図16は、アーク溶接プロセスを診断するためのシステム1600の実施形態の概略ブロック図を示している。システム1600は、アーク溶接システムの一部に相当し、モニターMと類似しているが、更に、本明細書中で検討する追加溶接パラメータを監視し、更に、対応する追加品質パラメータを計算するように構成される改良型モニターM’1610を含んでいる。システム1600は、また、改良型モニターM’1610と操作的に通信する診断ロジック回路(DLC)1620も含む。
図16に示すように、計算された品質パラメータ及び/又は監視された溶接パラメータ、若しくはそれらのいくつかのサブセットは、パラメータで作動して診断結果を生成するDLC1620に渡される。実施形態によれば、DLC1620は、最初に、品質パラメータを解析することによって溶接の局部的又は連続的な欠陥を特定する。局部的な欠陥は、溶接プロセス中の比較的短期間(例えば、2秒間)のうちに発生する欠陥である。連続的な欠陥は、本質的に溶接プロセスの間(例えば、20秒間)にわたって発生する欠陥である。欠陥のいくつかの例は、溶接内のガス巻込み(例えば、ポロシティ、ブローホール、ウォームホール)、母材の溶落ち、母材への溶込不良、飛び散り、余盛不足の継手、アンダカット、溶接割れ、溶接内のボイド、及び融合不良を含む。かかる種類の欠陥は当該技術分野において周知である。他の種類の欠陥が同様に可能であり得る。
欠陥の可能性のある原因のいくつかの例は、シールドガス不足、作業距離に対する短いコンタクトチップ、作業距離に対する長いコンタクトチップ、ノズル詰まり、母材表面汚染、遅すぎる移動速度、速すぎる移動速度、遅すぎるワイヤ供給速度、速すぎるワイヤ供給速度、母材又は電極内の硫黄分、電極又は母材からの過湿、及び小さすぎる電極角度を含む。他の種類の欠陥の原因が同様に可能である。
訓練溶接手順中、欠陥は欠陥の原因との相関を示し、DLC1620は、欠陥を1つ以上の可能性のある原因と適切に関連付けるために、それに応じてプログラム化される。従って、通常(非訓練)溶接手順中、DLC1620は、1つ以上の検出された欠陥の1つ以上の可能性のある原因を示唆することができる。欠陥及び1つ以上の原因は、オペレータに報告されて、オペレータが問題を是正することを可能にしてもよい。DLC1620は、例えば、欠陥の原因に対して切り分けするために、ディシジョンツリーとしてプログラム化されてもよい。
一例として、システム1600は、品質パラメータを解析することによって、溶接プロセス中に発生する2つの連続する欠陥として、特定の状態において発生するポロシティと、特定の他の状態において発生する飛び散りとを検出してもよい。DLC1620は、それぞれの状態における2つの連続する欠陥の発生を溶接プロセス全体にわたるシールドガス不足に対して相互に関連付けてもよい。オペレータは、その後、ガスタンクのバルブが溶接プロセス中に閉められていたことに気付き得る。
図17は、溶接機が、溶接を作成するために、前進ワイヤと母材との間の実溶接パラメータを作成することによってアーク溶接プロセスを実行する時に、電気アーク溶接機を監視することにより、図16のシステム1600を用いてアーク溶接プロセスを診断する方法1700のフローチャートである。溶接プロセスは、溶接機の電源に対するコマンド信号によって制御される。方法1700のステップ1710において、一連の高速反復波形が生成され、各波形はサイクル時間を有する溶接サイクルを構成している。ステップ1720において、波形は状態に分割される。ステップ1730において、状態の1つ以上において生じる複数の溶接パラメータは、溶接プロセス中に繰り返してある期間にわたってある質問レートで測定される。
方法1700のステップ1740において、複数の品質パラメータが、溶接プロセス中の溶接パラメータの測定に基づいて、状態のそれぞれに対して計算される。ステップ1750において、複数の品質パラメータ及び複数の溶接パラメータのうちの少なくとも1つは、溶接の1つ以上の局部的又は連続的な欠陥の1つ以上の可能性のある原因を決定することによって、アーク溶接プロセスを診断するために解析される。
要約すれば、アーク溶接システム及び方法が開示される。システムは、波形状態に従って溶接プロセス中に変数を監視し、且つそれに応じて変数を重み付けし、溶接の欠陥を検出し、欠陥の可能性のある原因を診断し、溶接の全体的な品質を定量化し、良好な溶接を示すデータを取得及び使用し、自動化溶接プロセスのための生産及び品質管理を向上させ、適切な溶接技術を教示し、溶接プロセスのためのコスト節約を特定し、並びに異なる溶接プロセス又は用途のためのプリセットとして用いられる最適な溶接設定を導き出すことができる。
前述の実施形態において、溶接パラメータは、溶接品質を定量化するために溶接プロセス中に測定又は監視される。溶接パラメータは、上で説明したように、1つ以上の品質パラメータ、1つ以上の品質指標(例えば、溶接スコア)、又は合格/不合格判定指標を出力するモニターM(又は改良型モニターM’)に入力される。モニターM(又はより詳細には、モニターを実装する回路、ロジック、ソフトウェア等)が、1つ以上の品質パラメータを出力するシングルタスクを実行できる一方で、他の関連し且つ接続される回路又はソフトウェアが品質指標又は合格/不合格判定指標を生成できることは、正しく認識されるべきである。回路、論理素子、コンピュータプロセッサ上で実行するソフトウェア等として実装されてもよいこれらの別個の機能要素は、より大きい機能ブロック及び/又はシステムに結合可能である。従って、かかる機能態様の説明は、便宜上、本明細書中で取りまとめられ、物理的システムにおけるかかる態様の任意の組み合わせは、主張する主題の範囲内にあることを目的としていることは、正しく認識されるべきである。
基準又は訓練溶接プロセスを監視することから生成される品質パラメータは、他の溶接プロセスを評価するために利用されてもよい。これらの品質パラメータは、上で説明したような、他の溶接を評価するために用いられる基準となる品質指標、閾値、又は他の尺度の基礎を形成してもよい。訓練溶接又は評価溶接(すなわち、訓練溶接に対して測定されるべき溶接)に対してであろうとなかろうと、溶接機は、前進ワイヤと母材との間の溶接パラメータを作成することによって溶接プロセスを実行する。溶接プロセスは、溶接機の電源、ワイヤ供給を駆動するモータ等に対するコマンド信号により制御される。例えば、コマンド信号は、図1からの波形発生器40、又は以下で説明するコントローラ1810等の溶接機のコントローラによって送信されてもよい。溶接パラメータは、一連の反復波形を含むことができ、そのそれぞれが、サイクル時間を有する溶接サイクルを構成する波形に従って生成される。各波形は状態に区分化されてもよく、これは上で説明したように、個々の状態、完全な溶接サイクル、又は溶接プロセス全体(すなわち、一連の反復波形)に対する品質パラメータを判断するために、別々に又は集合的に監視されてもよい。監視された溶接プロセスの品質パラメータは、溶接の全体的な品質を許容できる又は許容できないものとして評価するために、参照又は訓練された品質パラメータと比較されてもよい。例えば、一態様において、訓練された品質パラメータは、許容溶接として認定するための最低閾値を示してもよい。かかる監視及び評価は、上で説明した様々なレベルにおいて生じてもよい。すなわち、監視及び評価は、粗いレベルで(すなわち、サンプリング期間にわたって)、1つの波形の1つの状態にわたって、波形全体にわたって、又は一連の波形全体(例えば、溶接プロセス)にわたって行われてもよい。
前述の実施形態において、かかる比較は、訓練溶接と略類似の溶接条件下で概して実行される溶接プロセスにより利用される。コンタクトチップから母材までの距離、溶接ギャップ、及び溶接速度(すなわち、移行速度)等であるが、これらに限定されない溶接条件は、溶接プロセスから溶接プロセスまでの間に変化してもよく、更に、同じ溶接プロセスの連続実行の間に変化してもよい。加えて、変化する溶接条件は、生成される溶接パラメータに影響を及ぼす可能性がある。例えば、アーク溶接機は、例えば溶接機の電源を制御するためのコマンド信号の形態で波形を生成する。波形は、一般に、ワイヤと母材との間の一定の出力電圧を調整するように構成される。しかし、変化する溶接条件に応じて、溶接機のコントローラは調整するように波形を部分的に変更してもよい。一実施例によれば、コントローラは、一定の出力電圧を維持するように波形(すなわち、コマンド信号)を調整する。
溶接条件を変化させること及び相違させること、並びにコントローラによって実施されるその後の変化は、ワイヤと母材との間に生成される溶接パラメータに影響を及ぼす。従って、溶接パラメータを監視し、対応する品質パラメータを決定する場合、ノイズが、溶接パラメータ並びにその後決定される品質パラメータ及び指標に導入される。かかるノイズは、品質指標の信頼性及び異なる溶接条件下で実行された訓練溶接との比較に悪影響を与える。
一態様によれば、波形の非適応部分又は状態は、監視性能を向上させるように活用されてもよい。すなわち、溶接パラメータは効果的に監視されてもよく、溶接品質は、訓練条件と異なる溶接条件において実行されるか、又は更には変化する溶接条件下で実行される溶接プロセスに対して決定されてもよい。波形の非適応部分は、コマンド信号が溶接条件の差により変化しない波形の部分、状態、又は区分を指す。すなわち、異なる又は変化する溶接条件にもかかわらず、溶接機のコントローラは、非適応区分における溶接機の電源に発行されるコマンド信号を部分的に変更しない。更なる実施例によれば、非適応区分は、適応制御が実行されない溶接プロセスの一部を指してもよい。ここで、適応制御は、変更する条件に応じて一定の出力電圧を調整するように波形を変化させるためのコントローラの特性を指す。
実施形態によれば、波形の非適応区分又は状態は、監視のために選択される。従って、コントローラ適応による溶接パラメータの変化は引き起こされない。別の実施形態によれば、非適応区分は、通常の(非訓練)溶接プロセスと訓練溶接プロセスとの間の溶接条件の差を決定するように評価される。監視された溶接パラメータ及び/又は品質パラメータに関する結果として生じる効果は、溶接プロセスのモデルにおけるノイズを除去するように特定され、利用されてもよい。従って、通常の溶接プロセスは、異なる溶接条件にもかかわらず、訓練溶接プロセスに対して評価されてもよい。
図18は、異なる又は変化する溶接条件に応じて監視及び評価する溶接プロセスを調整するためのシステム1800の概略ブロック図を示している。システム1800は、コントローラ1810及び電源1820、並びにワイヤ供給装置1830を含むアーク溶接システムの一部に相当する。システム1800は、更に、溶接パラメータに基づいて品質パラメータを決定するモニター1840を含んでいる。
コントローラ1810は、電源1820及びワイヤ供給装置1830のコントローラによって溶接プロセスを実施する。コントローラ1810は、波形を生成し、波形に従って、電源1820及びワイヤ供給装置1830にコマンド信号を発行する。電源1820及びワイヤ供給装置1830は、溶接プロセスを遂行するために、コマンド信号を適切な出力に変換する。そのうえ、コントローラ1810は、溶接プロセスの適応制御を提供するように構成されてもよい。すなわち、コントローラ1810は、溶接条件に応じて、波形、従ってコマンド信号を調整する。いくつかの溶接条件は、例えば、上で検討したような、センサにより直接測定又は検知されてもよい。溶接条件における他の差又は変化は、例えば、測定された溶接パラメータ(例えば、出力電圧等)における変化を検出することによって間接的に特定される。図18に示すように、先の実施形態において説明したように監視され、検知され、又は測定される溶接パラメータ及び/又は溶接条件は、適応制御をイネーブル化するためにコントローラ1810に入力される。
品質パラメータの決定を容易にするため、モニター1840は、コントローラ1810と通信して、生成された波形の現在部分又は状態を確認し、コントローラ1810によって出力されたコマンド信号を取得し、及び適応制御の場合、いつ適応制御が適用され、どの程度であるかを特定する。例えば、モニター1840の作動を容易にするため、コントローラ1810は、モニター1840によって測定される溶接パラメータにおけるかかる制御の効果を排除するために、適応制御を一時的にディスエーブル化してもよい。図19を見ると、モニター1840に対する例示的な非限定的実施形態の概略ブロック図が示されている。図示の通り、モニター1840は、監視された溶接パラメータ又は検知された溶接条件に関して、溶接プロセスが実行される異なる又は変化する溶接条件の効果を特定するように構成される推定ロジック1842を含んでいる。一実施例において、推定ロジック1842は、溶接パラメータに関して変更する条件の効果を表すノイズパラメータ又はノイズ信号を出力する。例えば、推定ロジック1842は、入力として、コントローラ1810からのコントローラ情報を取得できる。コントローラ情報は、コマンド信号、波形状態又は区分、コントローラ1810によって実施される適応変化を示す信号、コントローラ1810が、波形の非適応部分を出力していることを示す信号、及び/又は適応制御をイネーブル化/ディスエーブル化する信号を含んでもよいが、これらに限定されない。波形の非適応部分は、ピーク電流区分又はバックグラウンド電流周波数区分を含んでもよい。しかし、他の状態又は部分が非適応区分として作成されるか、又は指定されてもよいことは、正しく認識されるべきである。
波形の非適応区分の間、推定ロジック1842は、先に説明したように監視された溶接パラメータにおける偏差、変化、又は変動を特定してもよい。一実施例において、推定ロジック1842は、測定された溶接パラメータとコマンド信号との間の差を特定するために、レベルモニターステージ81及び/又は安定性モニターステージ91(上で説明した)によって用いられたそれらのものと同様の技法を利用してもよい。代替として、推定ロジック1842は、非適応区分にわたって監視された溶接パラメータを、訓練溶接プロセスの対応する区分のために記録された溶接パラメータに対して比較してもよい。更に、両方の実施例において、推定ロジック1842は、先の実施形態において説明したように、通常の溶接プロセスが訓練溶接プロセスと異なる溶接条件下で実行されているかどうかを判断するために、検知された溶接条件を利用してもよい。この判断に基づいて、推定ロジック1842は、監視された溶接パラメータに関して異なる溶接条件の効果のモデルを生成してもよい。このモデルは、従って、ノイズパラメータ又はノイズ信号を出力するために推定ロジック1842によって利用される。別の実施例によれば、推定ロジック1842は、測定された溶接パラメータとコマンド信号との間の特定された偏差に基づいて、ノイズパラメータ又はノイズ信号を出力してもよい。換言すれば、溶接プロセスが訓練溶接と異なる条件下で実行されることを判断すると、推定ロジック1842は、溶接パラメータにおけるかかる偏差をそれらの変化した条件の結果であると考え、従って、偏差の大きさを表すノイズパラメータ、及び/又は測定されたパラメータとコマンド信号との間の差異信号としてのノイズ信号を生成してもよい。
推定ロジック1842は、監視される各溶接パラメータのために、個々にノイズパラメータ又は信号を構成するか、又はモデル化してもよい。従って、各溶接パラメータは、溶接条件を変更することにもかかわらず、溶接プロセスを監視し、評価するために、別個に調整されてもよい。一態様において、図19に示すように、モニター1840は、推定ロジック1842によって提供されるノイズパラメータ又は信号に従って監視される溶接パラメータを調整するように構成されるフィルタロジック1844を含んでもよい。フィルタロジック1844によって調整される溶接パラメータは、適応又は非適応であろうとなかろうと、波形の任意の監視された部分又は区分と関連付けられてもよい。この態様に加えて、フィルタロジック1844は、適応制御の利用により実質的に克服されてもよい変更された溶接条件を説明する調整された又は洗練された溶接パラメータを出力する。従って、変化する条件及び/又は適応制御に起因する溶接パラメータにおける偏差が切り分けられるため、調整された溶接パラメータは、上で説明した技法を用いて溶接品質の決定を容易にする。例えば、調整された溶接パラメータは、先に説明したモニターM又はモニターM’と略同様であってもよい溶接評価ロジック1846に入力されてもよい。すなわち、溶接評価ロジック1846は、調整された溶接パラメータを監視又は測定し、対応する品質パラメータ及び/又は品質指標を計算してもよい。そのうえ、溶接評価ロジック1846は、計算された品質パラメータ及び/又は品質指標を訓練データと比較してもよい。
別の態様によれば、推定ロジック1842は、ノイズパラメータ及びコントローラ1810によって採用される適応性アルゴリズムの知識に基づいて、適応モデルを生成してもよい。適応モデルは、溶接パラメータを監視することに適した調整を与えるために利用されてもよい。例えば、上で説明したように、パラメータを監視し、品質尺度を計算するために利用される溶接評価ロジック1846の閾値又は他の特性は、適応制御のために部分的に変更される溶接パラメータ値を説明するための適応モデルに基づいて構成されてもよい。
図20は、溶接機が、前進ワイヤと母材との間の実溶接パラメータを作成することによって溶接プロセスを実行する時に、溶接機を監視することによって溶接の品質を判断するための方法のフローチャートを示している。図20に示す方法は、例えば、システム1800によって実行されてもよい。ステップ2000において、溶接パラメータが、波形の非適応区分中に取得(すなわち、監視又は測定)される。ステップ2002において、異なる溶接条件に起因する溶接パラメータ内のノイズが特定される。ステップ2004において、測定された溶接パラメータ又は溶接パラメータが測定された方法に対する調整が、特定されたノイズを説明するように判断される。例えば、波形の適応及び非適応部分から測定された溶接パラメータは、ノイズを除去するためにフィルタリングされる。別の実施例において、波形の適応及び非適応部分から溶接パラメータを測定するために用いられる尺度は、溶接条件を変更するために適応的に適用されるコマンド信号を説明するように構成される。ステップ2006において、溶接品質が、調整された溶接パラメータに基づいて判断される。
要約すれば、アーク溶接システム及び方法が開示される。例えば、一実施形態において、溶接機が、前進ワイヤと母材との間の実溶接パラメータを作成することによって溶接プロセスを実行する時に、溶接機を監視することによって溶接の品質を判断する方法が提供される。溶接プロセスは、溶接機の電源に対するコマンド信号によって制御される一連の高速反復波形によって定義される。方法は、サイクル時間を有する溶接サイクルを有する波形を一連の時間区分化状態に区分化することを含む。方法は、また、一連の時間区分化状態から非適応状態を選択することも含む。非適応状態は、コマンド信号が異なる溶接条件下で不変のままである波形の区分を表している。方法は、非適応状態中に、前進ワイヤと母材との間に生成される複数の溶接パラメータを時間間隔にわたって質問レートで測定することを更に含む。加えて、方法は、非適応状態内の時間間隔中に取得される複数の溶接パラメータの測定値に基づいて、非適応状態のための複数の品質パラメータを計算することを含む。
一実施例によれば、方法は、非適応状態で発生する複数の溶接パラメータを複数の時間間隔にわたって質問レートで繰り返し測定することと、複数の時間間隔にわたって取得されたそれぞれの測定値のための複数の品質パラメータを繰り返し計算することとを更に含んでもよい。
別の実施例によれば、複数の品質パラメータのうちの品質パラメータに対して、方法は、時間間隔で計算された品質パラメータのそれぞれの値を、対応する期待品質パラメータ値と比較して、計算された品質パラメータの値と期待品質パラメータ値との間の差が所定の閾値を超えるかどうかを判断することを含んでもよい。差が所定の閾値を超える場合、方法は、差に基づく大きさの重みにより、計算される品質パラメータの値を重み付けすることと、時間間隔を含む波形に対する時間間隔の時間寄与に基づく時間寄与重みにより、計算される品質パラメータの値を重み付けすることとを含んでもよい。方法は、また、品質パラメータの重み付き値に基づいて時間間隔に対する品質指標を計算することも含んでもよい。また更に、方法は、複数の時間間隔とそれぞれ関連付けられる複数の品質指標を集約することと、集約した複数の品質指標に基づいて溶接プロセスに対する全体的な品質指標を計算することとを含んでもよい。
別の態様によれば、方法は、後続の溶接プロセスを評価するために、非適応状態に対して計算された複数の品質パラメータを訓練データとして利用することを含んでもよい。
更に別の態様によれば、方法は、非適応状態中に質問レートで繰り返し複数の時間間隔にわたってコマンド信号のための値を監視することを含んでもよい。この態様に加えて、方法は、少なくとも部分的に、監視されたコマンド信号の値と複数の時間間隔中に取得された複数の溶接パラメータの測定値との間の差に基づいて、ノイズパラメータを計算することを含む。
加えて、方法は、一連の時間区分化状態からの1つ以上の適応状態中に、前進ワイヤと母材との間に生成される複数の溶接パラメータを測定することと、非適応状態に基づいて計算されるノイズパラメータに基づいて、1つ以上の適応状態において測定される複数の溶接パラメータを調整することとを含んでもよい。更に、方法は、1つ以上の適応状態中に取得される複数の溶接パラメータの調整された測定値に基づいて、1つ以上の適応状態のための複数の品質パラメータを計算することを含んでもよい。
代替として、方法は、ノイズパラメータに基づいて適応モデルを計算することを含んでもよく、ここで、適応モデルは、溶接条件を説明するための、溶接機の適応コントローラによるコマンド信号に対する変更を表している。この実施例に加えて、方法は、一連の時間区分化状態からの1つ以上の適応状態中に、前進ワイヤと母材との間に生成される複数の溶接パラメータを測定することと、適応モデルに基づいて1つ以上の適応状態において測定される複数の溶接パラメータを調整することとを含んでもよい。
別の実施例によれば、溶接機が、前進ワイヤと母材との間の実溶接パラメータを作成することによって溶接プロセスを実行する時に、溶接機を監視することによって溶接の品質を判断するためのシステムである。溶接プロセスは、溶接機の電源に対するコマンド信号によって制御される一連の高速反復波形によって定義される。システムは、サイクル時間を有する溶接サイクルを有する波形を一連の時間区分化状態に区分化するためのロジック状態コントローラを含む。システムは、一連の時間区分化状態から非適応状態を選択するための選択回路も更に含む。非適応状態は、コマンド信号が異なる溶接条件下で不変のままである波形の区分を表している。システムは、また、非適応状態中に、前進ワイヤと母材との間に生成される複数の溶接パラメータを時間間隔にわたって質問レートで測定するように構成されるモニター回路も含む。加えて、システムは、非適応状態内の時間間隔中に取得される複数の溶接パラメータの測定値に基づいて、非適応状態のための複数の品質パラメータを計算するための回路を含む。
一態様において、モニター回路は、非適応状態で発生する複数の溶接パラメータを複数の時間間隔にわたって質問レートで繰り返し測定するように更に構成され、複数の品質パラメータを計算するための回路は、複数の時間間隔に取得されたそれぞれの測定値のための複数の品質パラメータを繰り返し計算するように更に構成される。
別の態様によれば、複数の品質パラメータのうちの品質パラメータに対して、システムは、時間間隔で計算された品質パラメータのそれぞれの値を、対応する期待品質パラメータ値と比較して、計算された品質パラメータの値と期待品質パラメータ値との間の差が所定の閾値を超えるかどうかを判断するための回路と、差に基づく大きさの重みにより、計算される品質パラメータの値を重み付けするための回路と、時間間隔を含む波形に対する時間間隔の時間寄与に基づく時間寄与重みにより、計算される品質パラメータの値を重み付けするための回路とを更に含む。
更に別の態様において、システムは、非適応状態中に質問レートで繰り返し複数の時間間隔にわたってコマンド信号の値を監視するため、及び少なくとも部分的に、監視されたコマンド信号の値と複数の時間間隔中に取得された複数の溶接パラメータの測定値との間の差に基づいて、ノイズパラメータを計算するための推定回路を含む。この態様に加えて、モニター回路は、一連の時間区分化状態からの1つ以上の適応状態中に、前進ワイヤと母材との間に生成される複数の溶接パラメータを測定するように更に構成され、システムは、また、非適応状態に基づいて計算されるノイズパラメータに基づいて、1つ以上の適応状態において測定される複数の溶接パラメータを調整するためのフィルタ回路を含んでもよい。複数の品質パラメータを計算するための回路は、1つ以上の適応状態中に取得される複数の溶接パラメータの調整された測定値に基づいて、1つ以上の適応状態のための複数の品質パラメータを計算するように更に構成される。
代替として、システムは、ノイズパラメータに基づいて適応モデルを計算するための回路を含んでもよく、ここで、適応モデルは、溶接条件を説明するための、溶接機の適応コントローラによるコマンド信号に対する変更を表している。この態様に加えて、モニター回路は、一連の時間区分化状態からの1つ以上の適応状態中に、前進ワイヤと母材との間に生成される複数の溶接パラメータを測定し、適応モデルに基づいて1つ以上の適応状態において測定される複数の溶接パラメータを調整するように更に構成される。
特定の実施形態の上記の説明は、一例として与えられている。与えられた本開示から、当業者は、一般的発明概念及び付随する利点を理解するだけでなく、開示した構造及び方法に対する明白で様々な変更形態及び修正形態を見出すであろう。例えば、一般的発明概念は、通常、手動溶接プロセス又は自動(例えば、ロボット)溶接プロセスのうちの1つに限定されないが、代わりに、いずれか一方に容易に適応できる。更に、一般的発明概念は、異なる溶接プロセス及び技法(例えば、被覆アーク溶接及びTIG溶接等のアーク溶接の全てのバリエーション)に容易に適応できる。従って、添付特許請求の範囲及びその均等物によって定義されるように、一般的発明概念の趣旨及び範囲に入るような全てのかかる変更形態及び修正形態を包含することが求められている。