JP2003117657A - アーク溶接評価方法及び装置 - Google Patents

アーク溶接評価方法及び装置

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JP2003117657A
JP2003117657A JP2001317182A JP2001317182A JP2003117657A JP 2003117657 A JP2003117657 A JP 2003117657A JP 2001317182 A JP2001317182 A JP 2001317182A JP 2001317182 A JP2001317182 A JP 2001317182A JP 2003117657 A JP2003117657 A JP 2003117657A
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arc
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Keigo Inui
圭吾 乾
Takao Hiyamizu
孝夫 冷水
Hirotaka Namikawa
裕隆 南川
Katsuto Kataoka
克仁 片岡
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Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、従来の溶接電流及びアーク電圧の
みに基づく検査方法における、溶接品質不良の検出率が
低いという問題点を解決し、溶接条件が様々に変化して
も、溶接状態を正確に評価し、前記微小電流変動回数、
前記ワイヤ送給抵抗、前記溶滴大きさバラツキパラメー
タが予め設定した評価基準の許容範囲外の時は、溶接ア
ーク不良と判定し、原因の推定及びトラブルシューティ
ングを容易にし、溶接品質不良の検出率が高い溶接評価
方法及び溶接装置を提供することを目的としている。 【解決手段】上記の課題を解決するために、本発明のア
ーク溶接評価方法は、アーク溶接中の溶接電流、アーク
電圧、ワイヤ送給速度及びワイヤ送給抵抗を測定し、そ
れらと溶接ワイヤ径とに基づいて溶滴大きさ及び溶滴大
きさのバラツキを反映したパラメータ、微小電流変動回
数、を計算し、その計算結果に基づいて、アーク溶接状
態を評価すること及びその評価装置を備える溶接装置と
することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アーク溶接時の評
価方法及び評価装置を備えたアーク溶接装置に関する。
さらに詳しくは、半自動または自動アーク溶接が施され
ている時の溶接時の評価方法及び評価装置を備えたアー
ク溶接装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の方法としては、図2に示すよう
に、溶接ワイヤ101が巻回されたワイヤロール102
から溶接トーチ103へ溶接ワイヤ101を自動送給し
ながらアーク溶接を行う自動または半自動アーク溶接が
広く行われている。かかる自動又は半自動アーク溶接の
安定性は、溶接部の品質に大きく影響するため、安定な
溶接施工が望まれている。
【0003】従来は、ワイヤロール102に巻回された
溶接ワイヤ101の一部について実際にアーク溶接を行
い、アーク溶接中の溶接電流及びアーク電圧をそれぞれ
電流計104及び電圧計105により検出し、その検出
値に基づいて溶接部品質の良否を判定するという方法で
行われている。例えば、所定間隔ごとの平均電流及び平
均電圧の標準偏差を求め、その標準偏差に基づいて溶接
部品質の良否を判定している。なお、図2中、符号10
6はワイヤ送給ローラを示し、107はコンジットケー
ブルを示し、108は溶接電源を示す。
【0004】しかしながら、かかる従来の溶接電流及び
アーク電圧のみに基づく品質評価では、溶接不良の検出
率が低く、さらに溶接工程中に不具合が生じても原因の
推定が難しくトラブルシューティングがしにくいという
問題がある。
【0005】そこで本発明では新たにワイヤ供給速度及
びワイヤ送給抵抗を測定パラメータとして加え、さらに
溶接電流、アーク電圧、ワイヤ送給速度及びワイヤ送給
抵抗を独立してそのまま評価するのではなく、溶接電流
とアーク電圧から、一定の測定時間内に生ずるパルス状
の溶接電流降下のうち、溶滴による短絡に起因したもの
以外の回数(以下、微小電流変動回数と言う)を、溶接
電流、アーク電圧及びワイヤ送給速度から溶滴大きさ及
び溶滴大きさのバラツキを反映したパラメータ(以下、
溶滴大きさバラツキパラメータ)を計算し、3つの計算
結果を独立して又は任意の2つ以上の計算結果を組み合
わせて評価することで、アーク溶接状態の良否を判定し
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の溶接
電流及びアーク電圧のみに基づく評価方法における、溶
接不良品の検出率が低いという問題点を解決し、溶接条
件が様々に変化しても、溶接状態を正確に評価し、前記
微小電流変動回数、前記ワイヤ送給抵抗、前記溶滴大き
さバラツキパラメータが予め設定した評価基準の許容範
囲外の時は、溶接アーク不良と判定し、原因の推定及び
トラブルシューティングを容易にし、精度の高いアーク
溶接評価方法及び評価装置を備えたアーク溶接装置を提
供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記の課
題を解決するために、本発明のアーク溶接評価方法の第
一は、アーク溶接中の溶接電流、アーク電圧、ワイヤ送
給速度及びワイヤ送給抵抗を測定し、それらと溶接ワイ
ヤ径とに基づいて溶滴大きさ及び溶滴大きさのバラツキ
を反映したパラメータを計算し、その計算結果に基づい
て、アーク溶接状態を評価することを特徴とする。
【0008】また、本発明のアーク溶接装置の第一は、
アーク溶接中の溶接電流、アーク電圧、ワイヤ送給速度
及びワイヤ送給抵抗を測定する測定手段と、溶接電流、
アーク電圧及びワイヤ送給速度に基づいて、溶滴大きさ
及び溶滴大きさのバラツキを反映したパラメータ(以
下、溶滴大きさバラツキパラメータと言う)を計算する
溶滴大きさ計算手段と、その算出された溶滴大きさ、及
び溶滴大きさバラツキパラメータを記憶する溶滴計算値
記憶部と、溶滴大きさ及び溶滴大きさバラツキパラメー
タに対する判定基準値を記憶する基準値記憶部と、溶滴
大きさ及び溶滴大きさバラツキパラメータの計算値を、
判定基準値と比較し、その比較結果に基づいて、アーク
溶接状態の良否判定を行う判定手段と、を備えるアーク
溶接評価装置、溶接電源、溶接ワイヤ供給装置及び制御
部を備えることを特徴とする。
【0009】上記本発明の第一によると、溶接電流及び
アーク電圧を単独に評価する従来の方法に比べ、溶滴大
きさバラツキパラメータを評価することにより、コンタ
クトチップ及び溶接ワイヤの表面不良による溶接電流の
変動不良、送給経路の不適合及び溶接ワイヤ表面の摩擦
状態の不良によるワイヤ送給抵抗の乱れ、溶接電流及び
アーク電圧の調整不良という種々の要因を総合的に反映
させた形で良否判定を正確かつ簡便に実施できるという
利点がある。
【0010】上記の課題を解決するために、本発明のア
ーク溶接評価方法の第二は、アーク溶接中の溶接電流、
アーク電圧を測定し、一定の測定時間内に生ずるパルス
状の溶接電流降下のうち、溶滴による短絡に起因したも
の以外の回数(以下、微小電流変動回数と言う)を求
め、その微小電流変動回数の計算に基づいて、アーク溶
接状態を評価することを特徴とする。
【0011】また、本発明のアーク溶接装置の第二は、
アーク溶接中の溶接電流、アーク電圧及びワイヤ送給速
度を測定する測定手段と、一定の測定時間内に生ずるパ
ルス状の溶接電流降下を検出し、その検出された電流降
下のうち、溶滴による短絡に起因したもの以外の回数
(以下、微小電流変動回数と言う)を計数する微小電流
変動回数計数手段と、計数された微小電流変動回数を記
憶する微小電流変動回数記憶部と、該微小電流変動回数
の判定基準値を記憶する基準値記憶部と、前記微小電流
変動回数の計算値を前記判定基準値と比較し、その比較
結果に基づいて、アーク溶接状態の良否判定を行う判定
手段と、を備えるアーク溶接評価装置、溶接電源、溶接
ワイヤ供給装置及び制御部を備えることを特徴とする。
【0012】上記本発明の第二によると、溶接電流及び
アーク電圧を単独に評価する従来の方法では評価不能だ
った、前記微小電流変動回数を評価することにより、コ
ンタクトチップ及び溶接ワイヤの表面不良による溶接電
流値の変動不良という特定の要因によるアーク溶接の良
否判定が、正確かつ簡便に実施できるという利点があ
る。
【0013】上記の課題を解決するために、本発明のア
ーク溶接評価方法の第三は、アーク溶接中のワイヤ送給
速度及びワイヤ送給抵抗を測定し、その計算結果に基づ
いて、アーク溶接状態を評価することを特徴とする。
【0014】また、本発明のアーク溶接装置の第三は、
アーク溶接中のワイヤ送給速度を測定するワイヤ送給速
度測定手段と、ワイヤ送給抵抗を測定するワイヤ送給抵
抗測定手段と、ワイヤ送給抵抗を記憶するワイヤ送給抵
抗記憶部と、該ワイヤ送給抵抗の判定基準値を記憶する
基準値記憶部と、前記ワイヤ送給抵抗の計算値と前記判
定基準値とを比較し、その比較結果に基づいてアーク溶
接状態の良否判定を行う判定手段と、を備えるアーク溶
接評価装置、溶接電源、溶接ワイヤ供給装置及び制御部
を備えることを特徴とする。
【0015】上記本発明の第三によると、溶接電流及び
アーク電圧を単独に評価する従来の方法では評価不能で
あった、ワイヤ送給抵抗を評価することにより、送給経
路の不適合及び溶接ワイヤ表面の摩擦状態の不良による
ワイヤ送給抵抗の乱れという特定の要因によるアーク溶
接の良否判定が、正確かつ簡便に実施できるという利点
がある。という利点がある。
【0016】なお、請求項1、2の評価方法については
任意の2以上のものを組み合わせて実施可能である。ま
た、請求項4、5、6の評価装置についても、任意の2
以上のものを組み合わせて構成可能である。
【0017】上記の課題を解決するために、本発明のア
ーク溶接評価方法の第四は、アーク溶接中の溶接電流、
アーク電圧及びワイヤ送給速度を測定し、それら溶接電
流、アーク電圧及びワイヤ送給速度の測定値と、溶接ワ
イヤ径とに基づいて、溶滴大きさ及び溶滴大きさのバラ
ツキを反映したパラメータ(以下、溶滴大きさバラツキ
パラメータと言う)を算出し、また、一定の測定時間内
に生ずるパルス状の溶接電流降下のうち、溶滴による短
絡に起因したもの以外の回数(以下、微小電流変動回数
と言う)を求め、さらに前記ワイヤ送給速度とワイヤ送
給抵抗を測定し、第一段階として、前記溶滴大きさバラ
ツキパラメータの計算値が許容範囲を逸脱した場合には
アーク不安定と判定し、第二段階として、前記微小電流
変動回数の計算値が許容範囲外である場合にはコンタク
トチップと溶接ワイヤ間の摩耗不良又は溶接ワイヤ表面
不良の問題であると判定し、第三段階としてワイヤ送給
抵抗の計算値が許容範囲を逸脱した場合には送給経路の
不適合又は送給経路と溶接ワイヤ間の摩擦不良の問題で
あると判定し、さらに第四段階として、第一段階でアー
ク不安定と判定され、第二、第三段階で前記微小電流変
動回数及びワイヤ送給抵抗の計算値が共に許容範囲内で
ある場合には、溶接電流及びアーク電圧の調整不良の問
題であると判定することを特徴とする。
【0018】また、本発明のアーク溶接装置の第四は、
アーク溶接中の溶接電流、アーク電圧、ワイヤ送給速度
及び送給抵抗を測定する測定手段と、前記溶接電流、ア
ーク電圧及びワイヤ送給速度に基づいて、溶滴大きさ及
び溶滴大きさのバラツキを反映したパラメータ(以下、
溶滴大きさバラツキパラメータと言う)を計算する溶滴
大きさ計算手段と、一定の測定時間内に生ずるパルス状
の溶接電流降下を検出し、その検出された電流降下のう
ち、溶滴による短絡に起因したもの以外の回数(以下、
微小電流変動回数と言う)を計数する微小電流変動回数
計数手段と、その算出された溶滴大きさ、及び溶滴大き
さバラツキパラメータを記憶する溶滴大きさ計算値記憶
部と、計数された微小電流変動回数を記憶する微小電流
変動回数記憶部と、測定されたワイヤ送給抵抗を記憶す
るワイヤ送給抵抗記憶部と、前記溶滴大きさ、前記溶滴
大きさバラツキパラメータ、前記微小電流変動回数及び
前記ワイヤ送給抵抗の判定基準値を記憶する基準値記憶
部と、前記溶滴大きさバラツキパラメータの計算値が基
準値比較の結果、許容範囲を逸脱した場合にはアーク不
安定と判定と判定する第一の判定手段と、前記微小電流
変動回数の計算値が基準値比較の結果、許容範囲外であ
る場合にはコンタクトチップと溶接ワイヤ間の摩耗不良
又は溶接ワイヤ表面不良の問題であると判定する第二の
判定手段と、前記ワイヤ送給抵抗の測定値が基準値比較
の結果、許容範囲を逸脱した場合には送給経路の不適合
又は送給経路と溶接ワイヤ間の摩擦不良の問題であると
判定する第三の判定手段と、他方、第一段階でアーク不
安定と判定され、第二、第三段階で前記微小電流変動回
数及びワイヤ送給抵抗の計算値が共に許容範囲内である
場合には、溶接電流及びアーク電圧の調整不良の問題で
あると判定する第四の判定手段と、を備えるアーク溶接
評価装置、溶接電源、溶接ワイヤ供給装置及び制御部を
備えることを特徴とする。
【0019】上記本発明の第四によると、溶接電流及び
アーク電圧を単独に評価する従来の方法に比べ、溶滴大
きさバラツキパラメータを評価することにより、コンタ
クトチップ及び溶接ワイヤの表面不良による溶接電流の
変動不良、送給経路の不適合及び溶接ワイヤ表面の摩擦
状態の不良によるワイヤ送給抵抗の乱れ、溶接電流及び
アーク電圧の調整不良というすべての要因を含んだアー
ク溶接の良否判定を行った上で、さらに、前記微小電流
変動回数を評価することにより、コンタクトチップ及び
溶接ワイヤの表面不良による溶接電流値の変動不良とい
う特定の要因によるアーク溶接の良否判定を行い、さら
に、ワイヤ送給抵抗を評価することにより、送給経路の
不適合及び溶接ワイヤ表面の摩擦状態の不良によるワイ
ヤ送給抵抗の乱れという特定の要因によるアーク溶接の
良否判定を行うことで、総合的な良否判定と原因の特定
を同時に行うことを可能とし、トラブルシューティング
をより正確かつ迅速に実施できるという利点がある。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に示す実施例を参照して説明する。ただし本発明は本実
施形態のみに限定されるものではない。
【0021】図1は、本発明の一実施形態に係る溶接評
価方法が適用される溶接評価装置S(以下、単に溶接装
置という)のブロック図である。本実施例の溶接評価方
法においては、ワイヤロール2に巻回されている溶接ワ
イヤ1の一部について実際にアーク溶接を行って品質評
価がなされる。
【0022】この溶接装置Sは、図1に示すように、溶
接ワイヤ1が自動送給されるアーク溶接装置10と、溶
接電流を検出する電流計20と、アーク電圧を検出する
電圧計30と、溶接ワイヤ1の送給速度を検出する速度
センサ40と溶接ワイヤ1の送給抵抗を検出する送給抵
抗測定用荷重測定器45、アーク溶接状態の良否を判定
する判定部50と、溶接トーチ11と、ワイヤロール2
が収納される収納ボックス12と、溶接ワイヤ1を収納
ボックス12から溶接トーチ11まで案内するコンジッ
トケーブル13と、コンジットケーブル13のおよそ中
間部に配設される溶接ワイヤ1を送給させる送給ローラ
14と、溶接ワイヤ1と母材Wとの間にアーク電圧を印
加し、溶接電流を送給する溶接電源15と、送給ローラ
14及び溶接電源15を制御する制御部16とを備え
た、公知のアーク溶接装置を主要構成要素としている。
【0023】電流計20は、前記溶接電流を検出し判定
部50に出力し、電圧部30は、前記アーク電圧を検出
し判定部50に出力する。
【0024】速度センサ40は、例えばコンジットケー
ブル13の終端部に配設されて溶接ワイヤ1の送給速度
を検出し判定部50に出力するものとされる。ここで、
速度センサ40は、接触式エンコーダ等で構成される。
【0025】判定部50は、電流計20及び電圧計30
の出力信号に基づき微小電流変動回数を計数する微小電
流変動回数計数プログラム51と、速度センサ40と送
給抵抗測定用荷重測定器45の出力信号に基づきワイヤ
送給速度とワイヤ送給抵抗を処理する送給速度及び抵抗
処理プログラム52と、計算されたアーク電圧、溶接電
流、ワイヤ送給速度、あらかじめ入力された溶接ワイヤ
径から、実験により求めた計算式(数1)により溶滴大
きさを計算し、溶滴大きさの標準偏差を求める溶滴大き
さ計算プログラム53と、前記微小電流変動回数計数プ
ログラム51、前記送給速度及び送給抵抗処理プログラ
ム52、溶滴大きさ計算プログラム53からの計算結果
に基づいてアーク溶接の良否を判定する良否判定プログ
ラム54、良否判定プログラム54の判定に基づき警報
を報知する警報報知プログラム55、溶接電流及びアー
ク電圧の調整不良と判定された場合に電流電圧を補正す
る電流電圧補正プログラム56とからなる。
【0026】
【数1】
【0027】微小電流変動回数計数プログラム51は、
アーク溶接中に電流計20および電圧計30により検出
される溶接電流及びアーク電圧に対して所定の計算を行
うものである。例えば、溶接電源15として定電圧電源
を用いた場合には、アーク溶接中に電流計20及び電圧
計30により検出される溶接電流及びアーク電圧は、図
3に模式的に示すように、短絡期とアーク期とを1周期
とするサイクルを繰り返す波形となる。また、溶接電源
15としてパルス電圧電源を用いた場合には、アーク溶
接中に電流計20及び電圧計30により検出される溶接
電流及びアーク電圧は、図4に模式的に示すように、パ
ルス期と平坦期を1周期とするサイクルを繰り返す波形
となる。
【0028】微小電流変動回数計数プログラム51は、
1秒間においてパルス状に電流降下した回数全てから実
際に短絡現象が起きた回数を除いた回数を計算してい
る。
【0029】送給速度及び送給抵抗処理プログラム52
は、速度センサ40により検出される溶接ワイヤ1の速
度信号及び送給抵抗測定用荷重測定器45により検出さ
れるワイヤ送給抵抗信号を処理して、ワイヤ送給速度及
び送給抵抗を求めるものである。
【0030】溶滴大きさ計算プログラム53は、前記微
小電流変動回数計数プログラム51、前記送給速度及び
抵抗計算プログラム52、溶滴大きさ計算プログラム5
3からのアーク電圧、溶接電流、ワイヤ送給速度、それ
らと溶接ワイヤ径とから、溶滴大きさを計算し、溶滴大
きさの標準偏差を求めるものである。
【0031】良否判定プログラム54は、前記溶滴大き
さ計算プログラム53により計算された溶滴大きさの標
準偏差により、評価基準値に対し、標準偏差が許容範囲
内であれば適正と判定し、許容範囲外であればアーク不
安定で不良と判定し、警報報知プログラム55により警
報を報知する。
【0032】さらに警報報知プログラム55は、アーク
不安定と判定された場合において、微小電流変動回数が
基準値より大きい場合と、微小電流変動回数が基準値以
下でワイヤ送給抵抗が基準値より大きい場合、微小電流
変動回数及びワイヤ送給抵抗が共に基準値以下である場
合、の3つに場合分けをし、作業者がそれにより適切な
トラブルシューティングができるよう、それぞれに対応
した警報報知を行うことができる。
【0033】前記トラブルシューティングの具体的な内
容としては、以下の通りである。アーク不安定で不良と
判定され、微小電流変動回数が基準値より大きいと判定
された場合は、コンタクトチップと溶接ワイヤ間の摩耗
不良又は溶接ワイヤ表面不良の問題と判断し、溶接ワイ
ヤの交換又はコンタクトチップの交換によりトラブルシ
ューティングを行う。
【0034】また、アーク不安定で不良と判定され、ワ
イヤ送給抵抗が基準値より大きい場合には、送給経路の
不適合又は送給経路と溶接ワイヤ間の摩擦不良の問題と
判断し、送給経路を短くする、または溶接ワイヤ表面に
油を塗布するといったトラブルシューティングを行う。
【0035】さらに、アーク不安定で不良と判定され、
微小電流変動回数及びワイヤ送給抵抗が共に基準値以下
である場合には、溶接電流とアーク電圧の調整不良と判
断し、電圧を上げる等のトラブルシューティングを行
う。
【0036】さらに、微小電流変動回数及びワイヤ送給
抵抗が共に基準値以下である場合には、電流電圧補正プ
ログラム56においては、自動的に電源を調整補正し、
溶滴大きさの標準偏差を基準値以下とし、溶接状態の改
善をする機能を持たせることも可能である。
【0037】
【実施例】本発明の効果を確認するために以下の実験を
行った。
【0038】(実施例)本発明の一実施形態に係る溶接
評価方法が適用される溶接装置Sにより、アーク溶接中
の溶接電流、アーク電圧、ワイヤ送給速度及びワイヤ送
給抵抗を測定し、微小電流変動回数、溶滴大きさ、溶滴
大きさのバラツキを反映したパラメータ(本実施例では
標準偏差)を計算し、溶滴大きさの標準偏差の計算結果
から図6に示す評価基準により溶接状態の良否を判定
し、さらに図6に示す評価基準により原因を場合分けし
て推定しトラブルシューティングを行った例を、表1に
示す。図6に示す評価基準に従い、3つの場合分けに適
した修正を行うことにより、修正後の溶滴大きさは許容
範囲内となり、適正なアーク溶接状態を実現し、原因推
定とトラブルシューティングが適切に実施されているこ
とがわかる。
【0039】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例たる溶接評価方法が適用され
る溶接装置のブロック図。
【図2】従来の溶接評価方法のブロック図。
【図3】溶接装置における溶接電流とアーク電圧の模式
図(定電圧電源)
【図4】溶接装置における溶接電流とアーク電圧の模式
図(パルス電圧電源)
【図5】(a)溶接時の微小電流変動波形の模式図(定
電圧電源) (b)溶接時の微絡電流変動波形の模式図(パルス電圧
電源)
【図6】溶滴大きさによる溶接状態評価のブロック図
【符号の説明】 1 溶接ワイヤ 2 ワイヤロール 10 アーク溶接装置 20 電流計 30 電圧計 40 速度センサ 45 送給抵抗測定用荷重測定器 50 判定部 51 微小電流変動回数計数プログラム 52 送給速度及び送給抵抗処理プログラム 53 溶滴大きさ計算プログラム 54 良否判定プログラム 55 警報報知プログラム 56 電流電圧補正プログラム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 南川 裕隆 愛知県名古屋市南区大同町2丁目30番地大 同特殊鋼株式会社内 (72)発明者 片岡 克仁 愛知県名古屋市南区大同町2丁目30番地大 同特殊鋼株式会社内 Fターム(参考) 4E082 AA01 AB01 EC03 EC13 EC14 EC20

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アーク溶接中の溶接電流、アーク電圧、
    ワイヤ送給速度及びワイヤ送給抵抗を測定し、それらと
    溶接ワイヤ径とに基づいて溶滴大きさ及び溶滴大きさの
    バラツキを反映したパラメータを計算し、その計算結果
    に基づいて、アーク溶接状態を評価することを特徴とす
    るアーク溶接評価方法。
  2. 【請求項2】 アーク溶接中の溶接電流及びアーク電圧
    を測定し、一定の測定時間内に生ずるパルス状の溶接電
    流降下のうち、溶滴による短絡に起因したもの以外の回
    数(以下、微小電流変動回数と言う)を求め、その微小
    電流変動回数の計算結果に基づいてアーク溶接状態を評
    価することを特徴とするアーク溶接評価方法。
  3. 【請求項3】 アーク溶接中の溶接電流、アーク電圧、
    ワイヤ送給速度及びワイヤ送給抵抗を測定し、 それら溶接電流、アーク電圧、ワイヤ送給速度及びワイ
    ヤ送給抵抗の測定値と、溶接ワイヤ径とに基づいて、溶
    滴大きさ及び溶滴大きさのバラツキを反映したパラメー
    タ(以下、溶滴大きさバラツキパラメータと言う)を算
    出し、 また、一定の測定時間内に生ずるパルス状の溶接電流降
    下のうち、溶滴による短絡に起因したもの以外の回数
    (以下、微小電流変動回数と言う)を求め、 第一段階として、前記溶滴大きさバラツキパラメータの
    計算値が許容範囲を逸脱した場合にはアーク不安定と判
    定し、 第二段階として、前記微小電流変動回数の計算値が許容
    範囲外である場合にはコンタクトチップと溶接ワイヤ間
    の摩耗不良又は溶接ワイヤ表面不良の問題であると判定
    し、 第三段階としてワイヤ送給抵抗の値が許容範囲を逸脱し
    た場合には送給経路の不適合(経路の長さや曲率が不適
    切なこと、以下同様)又は送給経路と溶接ワイヤ間の摩
    擦不良の問題であると判定し、さらに第四段階として、
    第一段階でアーク不安定と判定され、第二、第三段階で
    前記微小電流変動回数及びワイヤ送給抵抗の値が共に許
    容範囲内である場合には、溶接電流及びアーク電圧の調
    整不良の問題であると判定することを特徴とするアーク
    溶接評価方法。
  4. 【請求項4】 アーク溶接中の溶接電流、アーク電圧、
    ワイヤ送給速度及びワイヤ送給抵抗を測定する測定手段
    と、 前記溶接電流、アーク電圧、ワイヤ送給速度及びワイヤ
    送給抵抗に基づいて、溶滴大きさ及び溶滴大きさのバラ
    ツキを反映したパラメータ(以下、溶滴大きさバラツキ
    パラメータという)を計算する溶滴大きさ計算手段と、 その算出された溶滴大きさ、及び溶滴大きさバラツキパ
    ラメータを記憶する溶滴計算値記憶部と、 前記溶滴大きさ及び前記溶滴大きさバラツキパラメータ
    に対する判定基準値を記憶する基準値記憶部と、 前記溶滴大きさ及び前記溶滴大きさバラツキパラメータ
    の計算値を、前記判定基準値と比較し、その比較結果に
    基づいて、アーク溶接状態の良否判定を行う判定手段
    と、 を備えるアーク溶接評価装置、溶接電源、溶接ワイヤ供
    給装置及び制御部を備える、 ことを特徴とするアーク溶接装置。
  5. 【請求項5】 アーク溶接中の溶接電流、アーク電圧、
    ワイヤ送給速度及びワイヤ送給抵抗を測定する測定手段
    と、 一定の測定時間内に生ずるパルス状の溶接電流降下を検
    出し、その検出された電流降下のうち、溶滴による短絡
    に起因したもの以外の回数(以下、微小電流変動回数と
    言う)を計数する微小電流変動回数計数手段と、 計数された微小電流変動回数を記憶する微小電流変動回
    数記憶部と、 該微小電流変動回数の判定基準値を記憶する基準値記憶
    部と、 前記微小電流変動回数の計算値を前記判定基準値と比較
    し、その比較結果に基づいて、アーク溶接状態の良否判
    定を行う判定手段と、 を備えるアーク溶接評価装置、溶接電源、溶接ワイヤ供
    給装置及び制御部を備える、 ことを特徴とするアーク溶接装置。
  6. 【請求項6】 アーク溶接中の溶接電流、アーク電圧、
    ワイヤ送給速度及びワイヤ送給抵抗を測定する測定手段
    と、 前記溶接電流、アーク電圧、ワイヤ送給速度及びワイヤ
    送給抵抗に基づいて、溶滴大きさ及び溶滴大きさのバラ
    ツキを反映したパラメータ(以下、溶滴大きさバラツキ
    パラメータと言う)を計算する溶滴大きさ計算手段と、 一定の測定時間内に生ずるパルス状の溶接電流降下を検
    出し、その検出された電流降下のうち、溶滴による短絡
    に起因したもの以外の回数(以下、微小電流変動回数と
    言う)を計数する微小電流変動回数計数手段と、 その算出された溶滴大きさ、及び溶滴大きさバラツキパ
    ラメータを記憶する溶滴大きさ計算値記憶部と、 計数された微小電流変動回数を記憶する微小電流変動回
    数記憶部と、 測定されたワイヤ送給抵抗を記憶するワイヤ送給抵抗記
    憶部と、 前記溶滴大きさ、前記溶滴大きさバラツキパラメータ、
    前記微小電流変動回数及び前記ワイヤ送給抵抗の判定基
    準値を記憶する基準値記憶部と、 前記溶滴大きさバラツキパラメータの計算値が基準値比
    較の結果、許容範囲を逸脱した場合にはアーク不安定と
    判定する第一の判定手段と、 前記微小電流変動回数の計算値が基準値比較の結果、許
    容範囲外である場合にはコンタクトチップと溶接ワイヤ
    間の摩耗不良又は溶接ワイヤ表面不良の問題であると判
    定する第二の判定手段と、 前記ワイヤ送給抵抗の計算値が基準値比較の結果、許容
    範囲を逸脱した場合には送給経路の不適合又は送給経路
    と溶接ワイヤ間の摩擦不良問題であると判定する第三の
    判定手段と、 他方、第一段階でアーク不安定と判定され、第二、第三
    段階で前記微小電流変動回数及びワイヤ送給抵抗の計算
    値が共に許容範囲内である場合には、溶接電流及びアー
    ク電圧の調整不良の問題であると判定する第四の判定手
    段と、 を備えるアーク溶接評価装置、溶接電源、溶接ワイヤ供
    給装置及び制御部を備える、 ことを特徴とするアーク溶接装置。
  7. 【請求項7】 前記第一の判定手段によりアーク不安定
    と判定されたとき第一の警報報知を行い、前記第二の判
    定手段によりコンタクトチップと溶接ワイヤ間の摩耗不
    良又は溶接ワイヤの問題であると判定されたとき第二の
    警報報知を行い、前記第三の判定手段により送給経路の
    不適合又は送給経路と溶接ワイヤ間の摩擦不良の問題で
    あると判定されたとき第三の警報報知を行い、前記第四
    の判定手段により溶接電流及びアーク電圧の調整不良の
    問題であると判定されたとき第四の警報報知を行う警報
    報知手段を有する請求項6記載のアーク溶接装置。
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