JP2017535255A - 滅菌剤耐性モジュレータを有する生物学的滅菌インジケータ - Google Patents

滅菌剤耐性モジュレータを有する生物学的滅菌インジケータ Download PDF

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Abstract

内蔵型生物学的滅菌インジケータが提供される。内蔵型生物学的滅菌インジケータは、少なくとも1つの液体不浸透性の壁及び内部容積を有する外側容器と、所定の体積の水性媒体を封入する、密閉されているが開放可能かつ液体不浸透性の内側容器と、i)酸化滅菌剤への暴露を検出するのに有用な複数の生存能力のある試験微生物、及びii)有効量の滅菌剤耐性モジュレータを含む乾燥コーティングと、内部容積と外側容器の外部の雰囲気との間の蒸気連通を可能にする通路とを含む。内側容器及び乾燥コーティングは、内部容積内に配置される。モジュレータはアミノ酸を含む。有効量によって、試験微生物の酸化滅菌剤に対する感度が、有効量を欠くが他の点では同じである乾燥コーティングに比べて高められる。

Description

関連出願に対する相互対照
本出願は、その開示が参照によって完全に本明細書に組み込まれている、2014年10月10日出願の米国仮特許出願第62/062,285号の優先権を主張するものである。
滅菌インジケータ(生物学的滅菌インジケータとも呼ばれる)は、病院で外科用器具を滅菌するために使用されるものなどの滅菌装置が滅菌処置中に適切に機能して滅菌チャンバ内に存在する微生物を死滅させているかどうかを判定する手段を提供する。
内蔵型滅菌インジケータを含む滅菌インジケータは、当技術分野において、滅菌処置の有効性を試験する正確かつ精密な手段を提供するものとして認識されている。従来型の滅菌インジケータは、滅菌インジケータの中に収容された試験用微生物の残存を監視することによって滅菌処置の有効性を測定するが、試験用微生物は、自然な汚染によって通常存在するほとんどの微生物の何倍も滅菌工程に対する耐性が高い。滅菌インジケータは滅菌サイクルにかけられ、次いで残存する試験微生物の増殖を促進する条件下でインキュベートされる。滅菌サイクルが失敗である場合、滅菌インジケータは、生物学的試料が残存したことを示す検出可能なシグナルを発生させる。検出可能なシグナルは、一般的に色の変化、又は発光若しくは蛍光シグナルの放射などの指標である。
内蔵型滅菌インジケータのよく知られている1つのタイプは、滅菌処置の有効性を試験するために、滅菌に対してきわめて耐性が高い細菌又は真菌からの芽胞を使用する。通常の内蔵型滅菌インジケータは、外側容器及び密閉された内側容器を有する。外側容器上の細菌不浸透性かつ気体透過性の覆いによって、滅菌処置の間に滅菌剤が外側容器に入ることが可能になる。キャリア上の生きた芽胞は、外側容器と内側容器の壁の間に配置される。内側容器は、生きた芽胞の増殖を刺激する増殖培地を含む。滅菌処置の間、滅菌剤はキャップを通って外側容器に入り、キャリア内の芽胞と接触する。滅菌処置の後、内側容器を押し潰して、増殖培地を放出し、それを芽胞と接触させる。次いでインジケータは、芽胞の増殖を刺激する条件下でインキュベートされる。滅菌処置が無効である場合、残存する芽胞は、発芽して増殖培地中のpHインジケータの色の変化を引き起こし、滅菌サイクルが微生物の試験集合を死滅させることに失敗したこと、及び滅菌器装填時に存在した汚染微生物を死滅させることに失敗した可能性があることを示す。芽胞の増殖に依存する滅菌インジケータは正確であるが、時間がかかり、最終的な結果をもたらすのに一般的に1〜7日を要する。
芽胞の増殖のみを測定する殺菌インジケータと異なり、酵素インジケータは、しばしば数時間足らずで短時間の応答を与える。そのようなインジケータは、滅菌処置中の汚染微生物の破壊とその活性が相関している酵素の活性を測定することによって滅菌処置の有効性を測定する。殺菌処置が適切に作用している場合には、酵素は処置の間に不活性化され、インキュベーション後に検出可能な変化はない。しかし、滅菌処置が無効である場合には、酵素は不活性化されず、基質と反応して検出可能な生成物を形成する。酵素−基質生成物は、色の変化として、又は蛍光若しくは発光シグナルとして検出できるようにすることが可能である。
二重短時間読み出し式インジケータ(dual rapid-readout indicator)は、滅菌処置にかけた後の酵素活性と芽胞の増殖の両方を測定することによって滅菌処置の有効性を試験する内蔵型滅菌インジケータである。酵素システムが滅菌サイクルの有効性について短時間で指標を与え、更に長期間にわたる芽胞生長の測定によって、それが確かめられる。二重短時間読み出し式インジケータでは、インジケータの芽胞生長部に利用される生きた芽胞は、アッセイの酵素活性部用の活性酵素の供給源としても働くことができる。短時間の酵素試験は、芽胞に関連付けられた酵素の活性を測定し、次いで芽胞自体は、滅菌処置を生き延びた芽胞の生長を促すためにインキュベートされる。3M Company(ミネソタ州セントポール)から入手可能な3M ATTEST(商標)1291及び1292 Rapid−readout Biological indicatorは、インジケータ内のゲオバチルスステアロサーモフィルス(以前はバチルススセテアロサーモフィリスとして知られていた)に関連付けられた酵素の活性と芽胞自体の残存の両方を測定することによって滅菌サイクルの有効性を試験する、二重短時間読み出し式インジケータである。
本開示は、滅菌工程の有効性を判定する物品及び方法を提供する。この物品は、i)酸化滅菌剤への暴露を検出するのに有用な複数の生存能力のある試験微生物、及びii)有効量の滅菌剤耐性モジュレータを含む乾燥コーティングを含む。有効量の滅菌剤耐性モジュレータによって、生物学的インジケータの酸化滅菌剤に対する感度が、有効量を欠くが他の点では同じである乾燥コーティングに比べて高められる。有利には、本開示の滅菌剤耐性モジュレータは、試験微生物に関連付けられた酵素活性の短時間の検出に実質的に悪い影響を及ぼすことなく(たとえば、滅菌剤耐性モジュレータにより、酵素活性を検出する能力に実質的な遅延は生じない)、生物学的インジケータの酸化滅菌剤に対する耐性を下げることが可能である。
有利には、モジュレータは、生物学的インジケータの酸化滅菌剤に対する耐性を調整することを可能にする。
一態様において、本開示は内蔵型生物学的滅菌インジケータを提供する。内蔵型生物学的滅菌インジケータは、液体不浸透性の壁及び内部容積を有する外側容器と、所定の体積の水性媒体を封入する、密閉されているが開放可能かつ液体不浸透性の内側容器と、i)酸化滅菌剤への暴露を検出するのに有用な複数の生存能力のある試験微生物、及びii)有効量の滅菌剤耐性モジュレータを含む乾燥コーティングと、内部容積と外側容器の外部の雰囲気との間の蒸気連通を可能にする通路とを含むことができる。有効量によって、生物学的インジケータの酸化滅菌剤に対する感度が、有効量を欠くが他の点では同じである乾燥コーティングに比べて高められる。
他の態様において、本開示は生物学的滅菌インジケータを提供する。生物学的滅菌インジケータは、キャリア及びキャリアの上に配置された乾燥コーティングを含むことができる。乾燥コーティングは、i)酸化滅菌剤への暴露を検出するのに有用な複数の生存能力のある試験微生物、及びii)有効量の滅菌剤耐性モジュレータを含む。有効量によって、生物学的インジケータの酸化滅菌剤に対する感度が、有効量を欠くが他の点では同じである乾燥コーティングに比べて高められる。
前述の実施形態の任意のものにおいて、滅菌剤耐性モジュレータは、L−ホモシステイン、L−アルギニン、及びL−ヒスチジンからなる群から選択することができる。前述の実施形態の任意のものにおいて、滅菌剤耐性モジュレータは、過酸化水素、過酢酸、オゾン、二酸化塩素若しくはそれらの組み合わせを含む酸化滅菌剤又は消毒剤に対する生物学的インジケータの耐性を調節する。
更に他の態様において、本開示は、滅菌工程の有効性を判定する方法を提供する。この方法は、前述の実施形態のいずれか1つの生物学的滅菌インジケータを準備すること、滅菌工程において、酸化滅菌剤である滅菌剤に生物学的滅菌インジケータを暴露すること、及び複数の試験微生物のうちの少なくとも1つが滅菌工程を生き延びたかどうかの指標を検出することを含むことができる。
更に他の態様において、本開示は、滅菌工程の有効性を判定する方法を提供する。この方法は、前述の実施形態のいずれか1つの内蔵型生物学的滅菌インジケータを準備すること、滅菌工程において、酸化滅菌剤である滅菌剤に内蔵型生物学的滅菌インジケータを暴露すること、及び複数の試験微生物のうちの少なくとも1つが滅菌工程を生き延びたかどうかの指標を検出することを含むことができる。
方法に関する前述の実施形態の任意のものにおいて、複数の試験微生物のうちの少なくとも1つの微生物が滅菌工程を生き延びたかどうかの指標を検出することは、試験微生物の増殖を検出することを含むことができる。方法に関する前述の実施形態の任意のものにおいて、複数の試験微生物のうちの少なくとも1つの微生物が滅菌工程を生き延びたかどうかの指標を検出することは、試験微生物に関連付けられた所定の酵素活性を検出することを含むことができる。
本明細書において、「生物学的滅菌インジケータ」という用語は、所定量の試験微生物を含む液量をその上に被覆し、その後実質的に水を含まない状態まで乾燥させた(たとえば、脱水した)基質(たとえば、キャリア又は容器の壁)を指す。「実質的に水を含まない」という表現は、コーティングを周囲環境と平衡させた後、脱水されたコーティングのおよその含水量を超えない含水量を有するコーティングを意味する。
本明細書において、「内蔵型生物学的滅菌インジケータ」という用語は、試験微生物の供給源(たとえば、生物学的滅菌インジケータ)と、培養培地と、滅菌処置の失敗を示す検出可能な指標を形成する手段とを含む、それらが容器の中に一緒にパッケージ化されたデバイスを指し、その容器により、デバイスの内容物を非滅菌環境に暴露することなく、試験微生物の供給源と、培養培地と、滅菌処置の失敗を示す検出可能な指標を形成する手段とを組み合わせることが可能になる。
本明細書において、「多孔質」キャリアとは、滅菌の標準的な条件下で(そうした条件は特定の滅菌処置によって決まる)滅菌剤がキャリアを通過できることを意味する。
本明細書において、キャリア「によって支持される」とは、試験微生物をキャリア(特にそれが多孔質でない場合)の表面上に配置すること、又は多孔質キャリア内に分布させることが可能であることを意味する。
本明細書において、多孔質キャリア「内に分布させる」とは、試験微生物を、多孔質キャリアの体積の少なくとも一部にわたって(すなわち、その表面上だけでなく)一様に又は非一様に分布させることが可能であることを意味する。「内に分布させる」は、多孔質キャリアの全体積にわたって分布させる(かつ多孔質キャリアの全体積にわたって一様に分布させる)ことを含む。
本明細書において、「試験微生物」とは、滅菌処置の有効性を監視するために一般的に用いられる、ゲオバチルスステアロサーモフィルスなどの微生物を指す。
本明細書のキャリアを作製する材料に関する文脈において、「親水性」という用語は、接触角がゼロである(すなわち、水で湿らせた状態である)ことを意味する。この疎水性材料は、無機、有機又はそれらの組み合わせとすることができる。
「好ましい」及び「好ましくは」という語は、特定の状況下で特定の利益をもたらすことができる本発明の実施形態を指す。しかしながら、同じ又は他の状況下で他の実施形態も好ましい場合もある。更に、1つ以上の好ましい実施形態の記載は、他の実施形態が有用でないことを含意するものではなく、他の実施形態を本発明の範囲内から排除することを意図するものではない。
「備える(comprise)」という用語及びその変形は、こうした用語が説明及び特許請求の範囲に見られる場合、限定の意味を有するものではない。
本明細書において使用するとき、「1つ(a、an)」、「その(the)」、「少なくとも1つ(at least one)」及び「1つ以上(one or more)」は、互換的に使用される。したがって、たとえば「1つ」の試験微生物は、「1つ以上」の試験微生物を意味すると解釈することができる。
「及び/又は」という用語は、列挙される要素のうちの1つ若しくはすべて、又は列挙される要素のうちの任意の2つ以上の組み合わせを意味する。
また本明細書において、端点による数の範囲の記載は、その範囲内に包含されるすべての数を含む(たとえば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5などを含む)。
前述の本発明の概要は、本発明の開示される各実施形態又はすべての実装形態を記載するものではない。以下の説明は、例証となる実施形態をより詳細に示す。本出願を通していくつかの箇所において、例のリストによって指針が示されるが、それらの例は様々な組み合わせで使用することができる。各事例において、列挙されるリストは代表的な群として役立つだけであり、排他的なリストと解釈されるべきではない。
これら及び他の実施形態の更なる詳細については、添付図面及び以下の説明において述べる。他の特徴、目的及び利点は、説明及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
本開示による内蔵型生物学的滅菌インジケータの一実施形態の分解図である。
図1に示すデバイスの断面図である。
本開示による内蔵型滅菌インジケータの代替実施形態の分解図である。
図3に示すデバイスの断面図である。
本開示による生物学的滅菌インジケータの一実施形態の斜視図である。
図5に示すデバイスの分解図である。
本開示による内蔵型生物学的滅菌インジケータの代替的実施形態の斜視図である。
図7のデバイスの分解図である。
本開示の任意の実施形態を詳しく説明する前に、本発明はその適用において、以下の説明に述べる又は以下の図面に例示する構成の細部及び構成成分の配置に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施又は実行することができる。また、本明細書において使用される語句及び専門用語は説明を目的としたものであり、限定するものとみなすべきではないことを理解されたい。本明細書における「含む(including)」、「備える(comprising)」又は「有する(having)」、及びこれらの変形の使用は、以下に挙げる品目及びその等価物、並びに付加的な品目を包含するものである。本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用すること、及び構造的又は論理的な変更を行うことが可能であることを理解されたい。
本開示は、概ね滅菌工程の有効性を試験するデバイス及び方法に関する。特に、本開示はコーティングを含むデバイスに関し、このコーティングは、複数の試験微生物と、生物学的インジケータの酸化滅菌剤に対する耐性を低下させるように機能する滅菌剤耐性モジュレータとを含む。
滅菌処置の有効性を試験するために、内蔵型生物学的滅菌インジケータを含む生物学的滅菌インジケータが提供され、生物学的滅菌インジケータは、1つ以上の滅菌剤耐性モジュレータを染み込ませた、酸化滅菌剤への暴露を検出するのに有用な複数の実質的に乾燥した生存能力のある試験微生物を含み、滅菌剤耐性モジュレータはアミノ酸を含む。
生物学的滅菌インジケータは、滅菌システムの有効性を監視するためにこれまでも用いられてきた。生物学的滅菌インジケータは、通常はキャリア上に乾燥させた所定の濃度の生きた試験微生物を含んでいる微生物の供給源を含む。微生物を含浸させたキャリアは、装填された滅菌システムの中に定置され、十分な滅菌工程にかけられる。その後、キャリアを滅菌した培養培地と接触させ、生存能力のある微生物の有無を示す手段(たとえばpHインジケータ、又は酵素と反応して検出可能な生成物を形成する酵素基質)と共に、所定の時間にわたり適切な温度においてインキュベートされる。インキュベーション段階の最後に、試験微生物が滅菌工程を生き延びたかどうかを判定するために、培養培地が調べられる。微生物の残存は、滅菌工程が無効であったことを意味する。
内蔵型生物学的滅菌インジケータは、微生物の供給源と、培養培地と、生存能力のある微生物の有無を示す手段とを含み、それらは、前述の構成成分のいずれをも非滅菌環境に暴露することなく、試験微生物と、培養培地と、生存能力のある微生物の有無を示す手段とを組み合わせることを可能にするような形で一緒にパッケージ化される。内蔵型生物学的滅菌インジケータの例が、Falkowski等(米国特許第5,801,010号)及びSmith(米国特許第5,552,320号)によって開示されている。微生物の供給源は、微生物が生存可能な状態にあるときに、微生物に関連付けられた検出可能な(活性の)酵素を産生する可能性がある。反対に、微生物が微生物を生存不能にするのに十分な滅菌工程にかけられると、酵素は不活性になる可能性がある。
概ね、本明細書では、滅菌処置の有効性を試験するための内蔵型生物学的滅菌インジケータは、滅菌剤が滅菌処置中に容器に入ることを可能にする少なくとも1つの通路(たとえば、開口部)を有する容器(たとえば、管、スリーブ又はアンプル)と、この容器内に含まれる任意選択のキャリアと、滅菌処置の有効性を監視するために一般的に用いられる微生物である(たとえば、任意選択のキャリアによって支持された)試験微生物と、滅菌処置の失敗を示す検出可能な指標を形成する手段とを含む。試験微生物及び対応する本開示の滅菌剤耐性モジュレータを用いることができる内蔵型生物学的滅菌インジケータの例には、国際公開第2012/061227号(Chandrapati等)又は国際公開第2012/061226号(Smith等)に記載されるものが挙げられる。
本開示の生物学的滅菌インジケータを用いて、滅菌処置にかけた後に、芽胞の増殖のみ、酵素活性のみ、又は酵素活性と芽胞の増殖の両方を測定することができる。好ましい生物学的滅菌インジケータは、活性を試験微生物の残存と相関させた活性酵素の活性を測定する。
キャリアによって支持された試験微生物は、その試験微生物に対して致死的である滅菌処置によって不活性化される(たとえば、死滅する)が、試験微生物がその試験微生物に対して亜致死的である滅菌処置によっては不活性化されないように選択される。したがって、有効な滅菌処置の結果、試験微生物は不活性化される。反対に、滅菌処置によって不活性化されない試験微生物は、無効な滅菌処置の結果として検出可能な指標を与える。検出可能な指標は、試験微生物によって産生される酵素を含むことができ、この酵素は、少なくとも1つの試験微生物の残存と相関させた酵素活性を有する。活性酵素は、試験微生物に対して致死的である滅菌処置によって不活性化される。反対に、酵素は、試験微生物に対して亜致死的である滅菌処置によっては不活性化されない。
芽胞生長インジケータに有用な試験微生物は、芽胞又は生長能力のある状態の細菌又は真菌を含む。短時間の酵素ベースの読み出しを含む生物学的滅菌インジケータの場合、試験微生物は、微生物に固有に存在するか又は遺伝子工学によって微生物に加えられる活性酵素の供給源を含む。本開示の生物学的滅菌インジケータでは、試験微生物は、試験微生物に対して致死的である滅菌処置によって不活性化されるが、試験微生物に対して亜致死的である滅菌処置によっては不活性化できないように選択される。
試験微生物用のキャリアは、存在する場合には、疎水性又は親水性の材料で作製することができる。そのような材料は、無機、有機又はそれらの組み合わせとすることができる。疎水性材料を含む(又は疎水性材料から調製された)キャリアは、任意のインジケータと共に使用できるのに対し、親水性材料を含む(又は親水性材料から調製された)キャリアは、過酸化水素の蒸気相を用いる滅菌処置を監視するために使用することが好ましい。好適な疎水性材料の例としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、PET、ポリウレタン、ナイロン、これらのポリマーのうちの1つ以上を(たとえば、他の疎水性ポリマーと共に)含むポリマーブレンド、又はそれらの組み合わせが挙げられる。好適な親水性材料の例としては、ガラスが挙げられる。キャリアとしての使用に好適な他の材料としては、滅菌剤と実質的に反応しないガラス繊維及び金属(たとえば、ステンレス鋼片)が挙げられる。
本開示の(内蔵型生物学的滅菌インジケータを含む)生物学的滅菌インジケータは、過酸化水素の蒸気相(過酸化水素プラズマを含んでも含まなくてもよい)を使用する滅菌処置の有効性を監視するために好適に用いることができる。たとえば、本開示の生物学的滅菌インジケータは、たとえば米国特許第4,643,876号(Jacobs等)及び米国特許第4,756,882号(Jacobs等)に記載される処置を含む、当技術分野において知られている過酸化水素プラズマの滅菌処置の任意のものの有効性を監視するために用いることができる。好ましくは、この生物学的滅菌インジケータは、過酸化水素蒸気相の滅菌処置の有効性を監視するために用いることができる。
水性過酸化水素(H)は滅菌剤としての使用に長い歴史があるが、蒸気相過酸化水素(vapor-phase hydrogen peroxide、VPHP)滅菌の概念は最近になって発展したものである。この工程は、病院内の滅菌サイクルの有効性を評価及び検証するための攻撃微生物(challenge organism)として一般的に使用される細菌性内生胞子形成細菌を含む、広範囲の微生物を死滅させる低温滅菌工程である。過酸化水素の主な利点は、物体を滅菌するために、過酸化水素への比較的短い暴露(数分)しか必要としないことである。更に、過酸化水素滅菌工程の終了時に、チャンバ内には空気と水しか残らない。重要なこととして、本明細書に記載の生物学的滅菌インジケータの新規な特徴によって、短時間読み出し式の過酸化水素生物学的滅菌インジケータの開発が可能になる。
本開示による生物学的滅菌インジケータ又は内蔵型生物学的滅菌インジケータの任意の実施形態では、試験微生物のきわめて近くに(たとえば、キャリア上に)1つ以上の滅菌剤耐性モジュレータが配置される。
滅菌剤耐性モジュレータの好適な例には、L−ホモシステイン、L−アルギニン、L−ヒスチジンなどのアミノ酸、及び前述のアミノ酸のうちの任意の2つ以上の混合物が挙げられる。
1つ以上のそうした滅菌剤耐性モジュレータは、試験微生物又は生物学的滅菌インジケータの構成成分と共に、工程の滅菌段階の間に試験微生物と滅菌剤耐性モジュレータの両方が滅菌剤に暴露されるように配置することができる。
ある特定の実施形態において、本開示は、滅菌処置の有効性を試験するための内蔵型生物学的滅菌インジケータを提供し、このインジケータは、外側容器であって、液体不浸透性の壁及び内部容積を有する外側容器と、外側容器の中に含まれる所定の体積の水性媒体を封入する、密閉されているが開放可能かつ液体不浸透性の内側容器と、i)酸化滅菌剤への暴露を検出するのに有用な複数の生存能力のある試験微生物、及びii)有効量の滅菌剤耐性モジュレータを含む実質的に乾燥したコーティングであって、有効量によって、生物学的インジケータの酸化滅菌剤に対する感度が、有効量を欠くが他の点では同じである乾燥コーティングに比べて高められるコーティングと、内部容積と外側容器の外部の雰囲気との間の蒸気連通を可能にする通路とを含み、モジュレータはアミノ酸を含む。
任意の実施形態において、本開示による内蔵型生物学的滅菌インジケータは、滅菌処置の失敗を示す検出可能な指標を形成する手段を含む。検出可能な指標を形成する例示的な手段が、本明細書に記載される。任意の実施形態において、試験微生物は、キャリアの上及び/又は中に(好ましくは均一に)分布させることができる。
本開示の(内蔵型生物学的滅菌インジケータを含む)滅菌インジケータでは、キャリアは、多孔質であれ非多孔質であれ、シート形態の材料を含むことができる。任意の実施形態において、試験微生物は、3次元多孔質キャリア内に分布させることができる。この文脈において、3次元多孔質キャリア「内に分布させる」とは、試験微生物を、3次元多孔質キャリアの(その表面上だけではなく)体積の少なくとも一部にわたって一様に又は非一様に分布させることが可能であることを意味する。任意の実施形態において、試験微生物は、3次元多孔質キャリアの体積全体にわたって分布させる(より好ましくは一様に分布させる)。これは、たとえば3次元多孔質の構成を形成するために(たとえば、実験室のブレンダーで)シート材料を配合し、配合の前、間、又は後に試験微生物を混合することによって実施することができる。
通常、従来型の2次元及び/又は非多孔質キャリア上に配置された試験微生物の量と比較されたとき、本開示の3次元多孔質キャリア内には同量の試験微生物が分布している。これによって、試験微生物(たとえば、芽胞)のより均一な分布を得ることができ、それにより、滅菌剤が3次元多孔質キャリア内により完全に浸透し、従来型のキャリア上のより密に詰め込まれ密集した試験微生物と比べて、試験微生物とより一様に接触することが可能になる。
多孔質キャリアは、様々な方法で調製し、試験微生物を染み込ませることが可能であり、その方法のいくつかが、参照によって完全に本明細書に組み込まれる国際公開第2012/088064号に記載されている。1つの例示的な方法では、不織材シート材料を、実験室のブレンダーで配合することによって3次元構造に変えて、より体積の大きい構造(たとえば、脱脂綿の構造に似た3次元構造)を得る。あるいは、それを、細断すること、メルトブローすること、又は不織材料を調製するための標準的な技術を用いて調製することが可能である。次いで、3次元多孔質キャリアをブレンダーから取り出し、多孔質キャリアに所望の試験微生物(たとえば、芽胞)を付着させる。
本開示の内蔵型生物学的滅菌インジケータは、滅菌処置の失敗を示す検出可能な指標を形成する手段を含む。たとえば、本開示の内蔵型生物学的滅菌インジケータは、滅菌処置の失敗を示す検出可能な指標を与える酵素修飾生成物(たとえば、酵素基質と試験微生物に関連付けられた活性酵素との反応から形成される)を形成する手段を含むことができる。これは通常、酵素活性試験と呼ばれる。滅菌処置の失敗を示すこの検出可能な指標は、検出可能な蛍光、発光及び/又は発色性の指標を含むことが好ましい。これらの指標は、短時間読み出し式生物学的滅菌インジケータ内の迅速な酵素応答に関して用いることが好ましい。この文脈において、「短時間読み出し」とは、検出可能なシグナルを24時間未満、好ましくは8時間以内に生じさせることを意味する。
任意の実施形態において、本開示の内蔵型生物学的滅菌インジケータは、微生物の代謝の副生成物に関連付けられた検出可能な指標を形成する手段を含むことができる。こうした実施形態(たとえば、二重読み出し式生物学的滅菌インジケータ、及び芽胞の増殖のみに基づく生物学的滅菌インジケータ)では、滅菌処置の失敗を示す検出可能な指標は、たとえば検出可能なpH指標を含むことができる。pH指標の使用は、通常は24時間後、しばしば7日後、芽胞の増殖に対して行われる。二重読み出し式生物学的滅菌インジケータでは、これによって短時間読み出しの信頼性を検証する機構が提供される。概ね、pHインジケータは、たとえばブロモクレゾールパープルなど、酸形成の識別に適したものである。これにより、迅速な酵素応答に用いられる蛍光、発光及び/又は発色性の指標から得られる読み出しの安定性及び/又は信頼性の証拠が得られる。これは、芽胞生長試験と呼ばれる。
(たとえば芽胞生長インジケータで)芽胞の生長を評価するそのような実施形態では、滅菌処置の後、芽胞を増殖培地(たとえば、任意にpHインジケータを伴うソイビーンカゼインダイジェスト)と接触させる。たとえば、外側容器を圧縮することによって、増殖培地を含む、密閉されているが開放可能かつ液体不浸透性の内側容器が押し潰され、増殖培地を放出し、それを外側容器内の(任意にキャリアによって支持された)試験微生物と接触させる。次いで、内蔵型生物学的滅菌インジケータは、試験微生物の増殖を刺激する条件下でインキュベートされる。滅菌処置が無効である場合、残存する試験微生物が増殖し、その代謝活性によって(たとえば、増殖する試験微生物から形成された酸性副産物の結果として)増殖培地中のpHインジケータの色を変化させることができる。これは、滅菌サイクルが微生物の試験集合を死滅させることに失敗したこと、及び滅菌器の装填の際に存在する汚染微生物を死滅させることに失敗した可能性があることを示す。試験微生物(たとえば、芽胞)の増殖に依存する内蔵型生物学的滅菌インジケータは正確であるが、時間がかかり、最終的な結果をもたらすのに一般的に1〜7日を要する。
これまでに論じた内蔵型生物学的滅菌インジケータを製造する方法の任意の実施形態において、滅菌処置の失敗を示す検出可能な指標を形成する1つ以上の構成成分を外側容器内に定置する工程は、生きた試験微生物(たとえば、芽胞)の増殖を容易にする増殖培地及びpHインジケータを含む内側容器を定置することを含むことができる。
これまでに論じた内蔵型生物学的滅菌インジケータを製造する方法のある特定の実施形態において、滅菌処置の失敗を示す検出可能な指標を形成する1つ以上の構成成分を外側容器に定置する工程は、試験微生物に関連付けられた活性酵素と反応して検出可能な酵素−基質生成物を形成する酵素基質を含む内側容器を定置することを含む。
任意の実施形態において、本開示の内蔵型生物学的滅菌インジケータは、少なくとも1つの液体不浸透性の壁及び内部容積を有する外側容器と、所定の体積の水性媒体を封入する、密閉されているが開放可能かつ液体不浸透性の内側容器と、i)酸化滅菌剤への暴露を検出するのに有用な複数の生存能力のある試験微生物、及びii)有効量の滅菌剤耐性モジュレータを含む実質的に乾燥したコーティングと、内部容積と外側容器の外部の雰囲気との間の蒸気連通を可能にする通路とを含み、内側容器及び乾燥コーティングは、内部容積内に配置され、モジュレータはアミノ酸を含み、有効量によって、生物学的インジケータの酸化滅菌剤に対する感度が、有効量を欠くが他の点では同じである乾燥コーティングに比べて高められる。
任意の実施形態において、開放可能な内側容器(たとえば、管、スリーブ又はアンプル)は、滅菌処置に用いられる条件下で滅菌剤(蒸気相過酸化水素及び/又はプラズマ相過酸化水素)に対して不浸透性である。滅菌工程にかけた後、残存する試験微生物の増殖に関して試験微生物の残存を評価する任意の実施形態において、内側容器は、生存能力のある試験微生物の増殖を容易にする増殖培地を含む。内側容器は、増殖培地と試験微生物の接触を可能にするために開放できるようになっている(たとえば、脆い材料を用いて製造される)。
任意の実施形態では、滅菌工程にかけた後、活性酵素(たとえば、生存能力のある試験微生物によって合成された酵素)の存在について試験微生物を分析することによって、試験微生物の残存が判定される。たとえば、こうした実施形態では、内側容器は活性酵素と反応する基質を含む。こうした実施形態において、内蔵型生物学的滅菌インジケータの内側容器は、酵素基質が活性酵素と反応し、滅菌処置の失敗を示す検出可能な指標を与える酵素修飾生成物を形成することを可能にするために、壊すことができるようになっている(たとえば、脆い材料を用いて製造される)。
本開示の内蔵型生物学的滅菌インジケータの任意の実施形態では、好ましくは外側容器は圧縮可能であり、内側容器は外側容器を圧縮することによって壊すことができるようになっている。あるいは、外側容器は圧縮可能でも圧縮可能でなくてもよく、内側容器は、キャップを押し下げ、内側容器が突起に押し込まれる際に壊れるような突起を有する要素(たとえば、スリーブ)に内側容器を押し付けることによって壊すことができるようになっている。
本開示の例示的な内蔵型生物学的滅菌インジケータの一実施形態が、図1及び図2に示されている。内蔵型生物学的滅菌インジケータ10は、滅菌サイクルが完了した後までシステムの様々な構成成分を互いに分離する入れ子式の容器を含む。内蔵型生物学的滅菌インジケータ10は、(当業者には理解されるように他のタイプの容器を用いることもできるが、ここでは開放端14を有する管の形態で示される)外側容器12と、(当業者は理解されるように他のタイプの密閉された容器を用いることもできるが、ここでは密閉された管又はアンプルの形態で示される)密閉された内側容器18と、ベントされたキャップ26とを含む。外側容器12は、内部容積を画成し、塑性材料(たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン)で作製されることが好ましい。内側容器18は、ガラス又はいくつかの他の液体不浸透性の脆い材料で作製される。任意選択の閉鎖部材22は、外側容器12の開放端14の上に収まる、細菌不浸透性かつ気体透過性のバリアであることが好ましい。
任意選択のキャリア16は、実質的に水分を含まない乾燥コーティング(図示せず)を含み(すなわち、支持し)、この乾燥コーティングは、複数の試験微生物及び1つ以上の本開示による滅菌剤耐性モジュレータを含む。キャリア16は、外側容器12の内部の容積(たとえば、内側容器18と外側容器12の間の空間)内に配置される。図1及び図2において、キャリア16は材料のストリップ(たとえば、たとえばポリマーフィルムなどで作製された平坦なキャリアストリップ)である。滅菌処置の失敗を示す検出可能な指標を形成する手段が酵素基質を含む任意の実施形態において、内側容器18は、滅菌処置が無効である場合、試験微生物に関連付けられた活性酵素と反応して検出可能なシグナルを生成する酵素基質を含むことができる。滅菌処置の失敗を示す検出可能な指標を形成する手段が微生物の増殖を検出するインジケータを含む任意の実施形態において、内側容器18は、キャリア16によって支持され残存する試験微生物のための増殖培地も含み、滅菌処置が無効である場合には、芽胞の生長によって検出可能なシグナル(たとえば、濁り、pHの変化)が生成される。
図3及び図4は、内蔵型生物学的滅菌インジケータ30が、容器の閉鎖端に近接した外側容器12の内部容積内に配置されたキャリア36を含み、バリア38がキャリア36と内側容器18の間に位置する、代替的実施形態を示している。
図3及び図4において、キャリア36は、材料(たとえば、ポリマーフィルム)のストリップである。図1及び図2の実施形態において記載したように、滅菌処置の失敗を示す検出可能な指標を形成する手段が酵素基質を含む任意の実施形態において、内側容器18は、滅菌処置が無効である場合、試験微生物に関連付けられた活性酵素と反応して検出可能なシグナルを生成する酵素基質を含むことができる。更に、滅菌処置の失敗を示す検出可能な指標を形成する手段が微生物の増殖を検出するインジケータを含む任意の実施形態において、内側容器18は、キャリア16によって支持され残存する試験微生物のための増殖培地も含み、滅菌処置が無効である場合には、芽胞の生長により、検出可能なシグナル(たとえば、濁り、pHの変化)が生成される。
あるいは、任意の実施形態において、本明細書に記載されるキャリアは、有利にはバリアなしで用いることができる。たとえば、疎水性材料(たとえば、疎水性ポリマーフィルム又は不織布ウェブ)を含むキャリアは、キャリアとバリアの両方として機能することができる。
バリア38は、キャリア36を内側容器18から隔離する働きをする。(試験微生物によって産生された)活性酵素と対応する酵素基質との間の反応の生成物が、たとえば多孔質キャリアのすぐ近くに集中し、外側容器12の内部容積全体に急速に拡散することがないように、バリア38は疎水性材料から作製されることが好ましい。内蔵型生物学的滅菌インジケータのより小さい部分でより高い濃度の酵素活性の生成物を維持することによって、たとえば生成物が発光性のものであれ着色したものであれ、生成物を外側容器12の内部容積全体に拡散させた場合よりも短いインキュベーション時間の後に生成物を検出することができる。バリア38を組み込んだ好ましいデバイスは、滅菌の有効性に関する信頼できる情報を約10分以内にもたらす。
図3及び図4に示す、バリア38を有する内蔵型生物学的滅菌インジケータの構成は、過酸化水素蒸気滅菌処置においてしばしば用いられる。バリア38は、3M Company(ミネソタ州セントポール)から「THINSULATE200−B brand Thermal Insulation」として市販されている、200g/平方メートルの重量を有するポリプロピレンのブローンマイクロファイバー材料のディスクであることが好ましい。しかしながら、やはりキャリアが本明細書に記載される疎水性材料である場合には、過酸化水素滅菌処置でもバリアは不要である。また、内蔵型生物学的滅菌インジケータが過酸化水素処置を監視するために用いられるときには(図1及び図2に示す実施形態を使用するか、図3及び図4に示す実施形態を使用するかにかかわらず)、閉鎖部材22は、E.I.du Pont de NeMours and Co.(デラウェア州ウィルミントン)から市販されているTYVEK高密度ポリエチレン繊維材料などの高密度繊維材料で作製されることが好ましい。
再度図1及び図2の内蔵型生物学的滅菌インジケータを参照すると、通常の滅菌処置の間、滅菌剤は、キャップ26(126)上のベント28を通って外側容器12に入り、キャリア16によって支持された試験微生物(図示せず)と接触するが、密閉された内側容器18の内容物(たとえば、酵素基質溶液及び/又は増殖培地)とは接触しない。したがって、ベント28は、内部容積と外側容器12の外部の雰囲気との間の蒸気連通を可能にする通路を形成する。
本開示の任意の実施形態の内蔵型生物学的滅菌インジケータが滅菌工程にかけられた後、外側容器12の側面を圧縮して内側容器18を壊し、内側容器18の内容物とキャリア16によって支持された試験微生物とを互いに接触させることができる。次いで、内蔵型生物学的滅菌インジケータは、残存する試験微生物が検出可能な指標を形成するのに十分な期間にわたってインキュベートされる。たとえば、試験微生物が活性酵素を産生する場合、インキュベーションは、活性酵素が酵素基質と反応して、滅菌処置が無効であった可能性があることを示す発光、蛍光、又は色の変化などの検出可能なシグナルを発生させる生成物を形成するのに十分な時間にわたって行われる。
本開示の生物学的滅菌インジケータ10の好ましい実施形態では、キャリア16によって支持された試験微生物が活性酵素の供給源である。好ましくは、活性酵素の供給源は、細菌又は真菌の芽胞などの生きた試験微生物である。最も好ましい実施形態では、芽胞が活性酵素の供給源であり、生物学的滅菌インジケータ10は、酵素活性と試験微生物の生長の両方を測定することによって滅菌処置の有効性を監視する二重短時間読み出し式インジケータである。この実施形態において、内側容器18は、試験微生物の増殖を容易にする栄養培地及び酵素基質を含む。内蔵型生物学的滅菌インジケータが滅菌工程にかけられた後、内側容器18が壊され、それによって、キャリア16(及びその上の試験微生物)をその内容物と接触させ、内蔵型生物学的滅菌インジケータがある期間にわたってインキュベートされる。酵素反応の生成物は、インキュベーション後に存在する場合には、数時間以内に観察可能な(たとえば、視覚的な)結果をもたらし、試験微生物の増殖は、通常は7日以内に観察可能になる。
酵素インジケータの動作の基礎をなす理論は、酵素の不活性化を生物学的滅菌インジケータ内の試験微生物の死滅と相関させることにある。生物学的滅菌インジケータで使用するために選択される酵素は、滅菌処置に対する耐性が、汚染物質として存在する可能性がある微生物と少なくとも同程度でなければならず、好ましくは、そのような微生物よりも耐性が高い。酵素は、汚染微生物を死滅させることに失敗した滅菌サイクルの後には、対応する酵素基質と反応して検出可能な生成物を形成する活性を十分に維持するが、汚染微生物を死滅させる滅菌サイクルによって不活性化されるはずである。
本開示の生物学的滅菌インジケータにおける使用に好適な酵素は、米国特許第5,252,484号(Matner等)及び米国特許第5,073,488号(Matner等)に記載されている。好適な酵素としては、ゲオバチルスステロサーモフィラス及びバチルスアトロフェウス(以前はバチルスサブチリスとして知られていた)などの芽胞形成微生物由来の酵素が挙げられる。本開示の生物学的滅菌インジケータにおいて有用な芽胞形成微生物からの酵素としては、芽胞形成微生物由来の、β−D−グルコシダーゼ、α−D−グルコシダーゼ、アルカリホスファターゼ、酸性ホスファターゼ、酪酸エステラーゼ、カプリル酸エステラーゼリパーゼ、ミリスチン酸リパーゼ、ロイシンアミノペプチダーゼ、バリンアミノペプチダーゼ、キモトリプシン、ホスホヒドロラーゼ、α−D−ガラクトシダーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、チロシンアミノペプチダーゼ、フェニルアラニンアミノペプチダーゼ、β−D−グルクロニダーゼ、α−L−アラビノフラノシダーゼ、N−アセチル−B−グルコサミノダーゼ、β−D−セロビオシダーゼ、アラニンアミノペプチダーゼ、プロリンアミノペプチダーゼ、及び脂肪酸エステラーゼが挙げられる。
試験微生物が活性酵素の供給源として使用されるとき、本開示の方法は、滅菌サイクルの完了後に依然として生存能力のある微生物を水性栄養培地を用いてインキュベートする工程を含むことができる。この工程を含むことにより、滅菌条件がインジケータ内の微生物のすべてを死滅させる(滅菌条件がインジケータ内の品目のすべてを滅菌するのに十分であったことを示す)のに十分であったかどうかが従来の技術によって確認される。酵素試験の結果を確認する従来の方法において微生物の増殖を用いる場合には、微生物は、滅菌条件を監視するために従来から用いられているものとすべきである。こうした従来から用いられている微生物は、概ね自然汚染において見られるほとんどの微生物よりも、使用される滅菌工程に対して何倍も高い耐性をもつ。
試験微生物として利用可能な好ましい微生物は、芽胞又は生長能力がある状態の細菌又は真菌である。細菌の芽胞は、微生物生命体の最も耐性の高い形態として認識されている。それは、デバイス、化学物質、及び工程の滅菌の有効性を判定するすべての試験において一般的に好まれる生物形態である。特に好ましい試験微生物としては、微生物のバチルス種、クロストリジウム種、ニューロスポラ種、及びカンジダ種が挙げられる。バチルス種及びクロストリジウム種からの芽胞は、飽和蒸気、乾熱、ガンマ線照射及びエチレンオキシドを利用する滅菌工程を監視するために最も一般的に用いられる。
滅菌条件を監視するために一般的に用いられる特に好ましい微生物としては、ゲオバチルスステロサーモフィラス及びバチルスアトロフェウスが挙げられる。ゲオバチルスステロサーモフィラスは、蒸気滅菌条件下での滅菌及び酸化滅菌剤を用いる滅菌を監視するために特に有用である。酵素α−D−グルコシダーゼは、American Type Culture Collection(メリーランド州ロックビル)から「ATCC7953」として市販されているものなど、ゲオバチルスステロサーモフィラスの芽胞において確認されている。バチルスアトロフェウスは、気体及び乾熱滅菌の条件を監視するために特に有用である。酵素β−D−グルコシダーゼは、バチルスアトロフェウス(たとえば、American Type Culture Collectionから「ATCC9372」として市販されている)に見出されている。
二重短時間読み出し式インジケータを使用する場合、これらの微生物は、短時間の酵素試験における活性酵素の供給源としても、微生物生長試験用の試験微生物としても働くことができる。ゲオバチルスステロサーモフィラスは、蒸気滅菌処置と過酸化水素プラズマ滅菌処置の両方を監視するために特に好ましい。バチルスアトロフェウスは、エチレンオキシド滅菌処置を監視するために特に好ましく、過酸化水素プラズマ滅菌処置の監視に用いることができる。
本明細書では主に単一の試験微生物種に関して記載するが、本開示は、複数の試験微生物種の使用にもあてはまることを理解すべきである。たとえば、単一の滅菌インジケータが、2種以上の試験微生物を含むことも可能であり、1つの種は酸化滅菌剤の蒸気に耐性があり、少なくとも1つの種は、熱に耐性のある種、気体の滅菌媒体に耐性のある種、及び放射線に耐性のある種からなる群から選択される。
本開示の生物学的滅菌性インジケータで使用するのに好適な酵素基質は、米国特許第5,252,484号(Matner等)、及び米国特許第5,073,488号(Matner等)に記載されている。酵素と反応して検出可能な生成物を形成し、本開示の生物学的滅菌インジケータで使用するのに好適である発色性及び蛍光性の基質は、当技術分野においてよく知られている。こうした基質は、それらが視覚的に検出可能なシグナルを生成する方法を基準として、2つの群に分類することができる。第1の群の基質は、酵素と反応して、それ自体が発色性又は蛍光性である酵素修飾生成物を形成する。第2の群の基質は、色シグナル又は蛍光シグナルを発生させるために更に追加の化合物と反応しなければならない酵素修飾生成物を形成する。
本開示は、内蔵型生物学的滅菌インジケータの使用方法も提供する。一般的に本開示は、滅菌処置の有効性を試験する方法を提供し、この方法は、本開示による任意の実施形態の内蔵型生物学的滅菌インジケータを準備すること、試験微生物を含む内蔵型生物学的滅菌インジケータを滅菌処置にかけること、滅菌後、内蔵型生物学的滅菌インジケータを発生処置にかけ、検出可能な指標が存在するか不在であるかを判定すること、及び検出可能な指標の存在を滅菌処置の失敗と相関させ、検出可能な指標の不在を滅菌処置の成功と相関させることを含む。
例示的な芽胞生長の内蔵型生物学的滅菌インジケータを用いると、滅菌処置の有効性を試験する方法は、少なくとも1つの液体不浸透性の壁及び内部容積を有する外側容器と、所定の体積の水性媒体を封入する、密閉されているが開放可能かつ液体不浸透性の内側容器と、i)酸化滅菌剤への暴露を検出するのに有用な複数の生存能力のある試験微生物、及びii)有効量の滅菌剤耐性モジュレータを含む乾燥コーティングと、内部容積と外側容器の外部の雰囲気との間の蒸気連通を可能にする通路とを含む生物学的滅菌インジケータを準備することを含み、内側容器及び乾燥コーティングは、内部容積内に配置され、モジュレータはアミノ酸を含み、有効量によって、生物学的インジケータの酸化滅菌剤に対する感度が、有効量を欠くが他の点では同じである乾燥コーティングに比べて高められる。この方法は、生物学的滅菌インジケータを滅菌処置にかけること、生物学的滅菌インジケータを滅菌処置にかけた後、試験微生物を、滅菌処置の失敗を示す検出可能な指標を形成する手段と接触させること、試験微生物と検出可能な指標を形成する手段との混合物を、試験微生物の増殖を容易にする条件下でインキュベートすること、検出可能な指標の存在又は不在を観察すること、及び検出可能な指標の存在を滅菌処置の失敗と相関させる、又は検出可能な指標の不在を滅菌処置の成功と相関させることを更に含む。
特に好ましい実施形態において、生物学的滅菌インジケータは二重短時間読み出し式インジケータであり、試験微生物は、酵素活性試験用の活性酵素の供給源としても、微生物生長試験用の試験微生物としても働く。好適な微生物としては、ゲオバチルスステロサーモフィラス及びバチルスアトロフェウスが挙げられる。最も好ましい実施形態では、生物学的滅菌インジケータにゲオバチルスステロサーモフィラスの芽胞が用いられる。
図1及び図2を参照すると、試験微生物が芽胞を含む例示的な使用では、内蔵型生物学的滅菌インジケータ10は滅菌チャンバの中に定置され、過酸化水素蒸気滅菌処置にかけられる。滅菌剤は、ベント28及び閉鎖部材22を通って内蔵型生物学的滅菌インジケータ10に入り、キャリア16によって支持された試験微生物と接触する。処置が完了した後、内蔵型生物学的滅菌インジケータ10が滅菌チャンバから取り出され、外側容器12の側面が圧縮され、脆い内側容器18を壊し、pHインジケータを含む栄養培地を放出して、培地がキャリア16によって支持された試験微生物と接触できるようにする。次いで、内蔵型生物学的滅菌インジケータ10は、インジケータ内にとどまっている残存する試験微生物が増殖し、滅菌処置の失敗を示す検出可能な指標を与えるpHインジケータの色の変化を引き起こすのに十分な時間にわたり(たとえば、好適な温度(たとえば55〜60℃)において)インキュベートされる。滅菌処置が有効であり、すべての芽胞が不活性化されている場合には、インキュベーション段階後に色の変化は観察されない。
図1及び図2を参照すると、試験微生物が活性酵素を産生する例示的な使用では、内蔵型生物学的滅菌インジケータ10は滅菌チャンバの中に定置され、過酸化水素蒸気滅菌処置にかけられる。滅菌剤は、ベント28及び閉鎖部材22を通ってインジケータ10に入り、キャリア16によって支持された試験微生物の供給源と接触する。処置が完了した後、内蔵型生物学的滅菌インジケータ10が滅菌チャンバから取り出され、外側容器12の側面が圧縮されて脆い内側容器18を壊し、酵素基質を放出して、酵素基質が試験微生物によって産生された活性酵素と接触できるようにする。次いで、内蔵型生物学的滅菌インジケータ10は、試験微生物によって産生された活性酵素が基質と反応し、滅菌処置の失敗を示す検出可能な指標を与える検出可能な生成物を形成するのに十分な時間にわたりインキュベートされる。検出可能な生成物は、たとえばその特徴的な蛍光、発光、又はその吸光度スペクトル(たとえば、色)によって検出することができる。滅菌処置が有効であり、すべての試験微生物が不活性化されている場合には、インキュベーション段階後に観察可能である検出可能なシグナルは生成されない。
本開示の他の例示的な内蔵型生物学的滅菌インジケータが、図3〜図4に示されている。内蔵型生物学的滅菌インジケータ200は、ハウジング202を含み、ハウジング202は、内蔵型生物学的滅菌インジケータを提供するために互いに連結された第1の部分204(たとえば、中空管)及び第2の部分206(たとえば、キャップ)を含む。キャップは、おおよそ長さ21mm×直径14mmの全体的な寸法を有する、成形されたポリプロピレンとすることができる。第1の部分204(中空管)は、長さ約52mm及び上部直径12mmの全体的な寸法を有する、図3〜図4に示す形状の成形されたポリカーボネート部品とすることができる。第1の部分204(たとえば、中空管)の総容量は、たとえば約3mLである。
ハウジング202は、第1の部分204の壁208、及び/又は第2の部分206の壁210など、少なくとも1つの液体不透過性の壁によって画定することができる。本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、一体の分割できないハウジング202を使用することも可能であること、又は第1の部分204及び第2の部分206が、他の形状、寸法、若しくは相対的構造をとることが可能であることを理解すべきである。ハウジング202(たとえば、壁208及び210)に好適な材料としては、ガラス、金属(たとえば、箔)、ポリマー(たとえば、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレン(PPE)、ポリエチレン、ポリスチレン(PS)、ポリエステル(たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET))、ポリメチルメタクリレート(PMMA若しくはアクリル)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ポリスルフォン(PSU)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリブチレンテレフタレート(PBT))、セラミック、陶材、又はそれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。
任意の実施形態において、ハウジング202の第2の部分(キャップ)206は、ハウジング202の内部(たとえば、収容容器203)と環境の間の流体連通を可能にする1つ以上のアパーチャ又は開口部207を含むことができる。任意の実施形態において、ハウジング202の第2の部分206は、複数(たとえば、6つ)の開口部207を含むことができる。微生物バリアとして作用する濾紙材料(図示せず)が、開口部207の上の滅菌剤の通路内に位置決めされ、感圧性接着剤で裏打ちされた紙ラベルと共に適所に保持される。この濾紙材料は、現在入手可能な蒸気滅菌器用の3M ATTEST 1291 Rapid Readout Biological indicator(3M Company(ミネソタ州セントポール)から入手可能)のキャップに存在するものと同じ材料である。
内蔵型生物学的滅菌インジケータ200は、液体栄養培地222を収容する脆い容器220を更に含む。脆い容器220は、たとえばホウケイ酸ガラスで作製され、芽胞の増殖を容易にする栄養培地を収容する。この培地は、pHインジケータであるブロモクレゾールパープル、及び蛍光性酵素基質である4−メチルウンベリフェリル−α−D−グルコシドを含む修飾されたトリプチックソイブロス(TSB)からなる。アンプルは、たとえば長さ約40mm×直径約4mmであり、たとえば約500μLの液体栄養培地を保持する。好適な液体栄養培地222の例は、3M Companyから蒸気滅菌器用の3M ATTEST 1292 Rapid Readout Biological indicatorとして現在入手可能な製品に使用されている培地である。
液体培地容器220は、インサート230によって内蔵型生物学的滅菌インジケータ200内の適所に保持することができる。インサート(ブレーカーとも呼ばれる)230は、容器220を適所に保持し、また容器220の制御された破壊を容易にするように機能する。制御された破壊は、内蔵型生物学的滅菌インジケータの活性化段階の間に、第2の部分(キャップ)206を下方へ(すなわち、ハウジングの第1の部分204に向かって)動かし、容器220を壊すときに行われる。インサート230は、たとえば長さ22mm×幅9mmのおおよその寸法を有する、成形されたポリカーボネート構造体とすることができる。
第2の部分206は、活性化の後に、内蔵型生物学的滅菌インジケータ200を閉じる又は密閉する(たとえば、気密密閉する)ために、第1の部分204の開放された上端で第1の部分204の第1の端部201と接触するように位置決めされた封止部を有する。
内蔵型生物学的滅菌インジケータ200は、G.ステアロサーモフィルス芽胞(ATCC7953)などの好適な滅菌剤耐性芽胞と有効量の本開示による滅菌剤耐性モジュレータとを含む乾燥コーティング292を更に含み、乾燥コーティング292は、第1の部分204と流体連通するように位置決めされる。図3〜図4の例示される実施形態の乾燥コーティング392は、キャリア116上に配置されている。
ハウジング202は、(第1のチャンバ209を少なくとも部分的に画定する)下側部分214、及び(第2のチャンバ211を少なくとも部分的に画定する)上側部分216を含み、それらは、内側の部分的な壁又はレッジ218によって部分的に分離され、壁又はレッジ218の中に、第1のチャンバ209と第2のチャンバ211の間の流体連通を可能にする開口部217が形成される。第2のチャンバ211は、芽胞キャリア116を収容するようになっている。第1のチャンバ209は、特に活性化の前に、脆い容器220を収容するようになっている。壁218は、ハウジング202の長手方向Dに対してゼロでも直角でもない角度をなすか、又はそうした角度で傾斜している。
「試験微生物増殖チャンバ」又は「検出チャンバ」と呼ばれることもある第2のチャンバ211は、滅菌工程の有効性を判定するために試験微生物の生存能力が調べられる容積を含む。
液体培地容器220は、第1チャンバ209内のインサート230によって位置決めされ、適所に保持される。試験微生物及び滅菌剤耐性モジュレータを含む乾燥コーティング292は、キャリア116上に位置決めされ、第2のチャンバ211の中に収容され、滅菌中に環境と流体連通する。滅菌中、滅菌剤は(たとえば、第1のチャンバ209を介して)第2のチャンバ211の中へ移る。滅菌工程にかけられた後、内蔵型生物学的滅菌インジケータは意図的に活性化され、容器220が破砕されて液体培地222がハウジング202の内部に放出されると、液体培地222は(たとえば、第1のチャンバ209から)第2のチャンバ211の中へ移る。
第1のチャンバ209は、たとえば(すべての内部構成成分を含まない状態で)約2800マイクロリットルの容量を有する。壁218のすぐ上の第1のチャンバ209の断面積は、たとえば約50mmである。第2のチャンバ211は、たとえば約210マイクロリットルの容量を有する。壁218のすぐ下の第2のチャンバ211の断面積は、たとえば約20mmである。
ハウジング202は、ハウジング202の断面積が、概ね長手方向Dに沿って第1の部分204の第1の端部201からハウジング202の閉鎖端205へ向かって減少するようにテーパ状になっている(たとえば、テーパ状部分246を参照されたい)。
他の態様において、本開示は生物学的滅菌インジケータを提供する。図4及び図5は、本開示による生物学的滅菌インジケータ300の一実施形態に関する2つの図を示している。生物学的滅菌インジケータ300は、乾燥コーティング392がその上に配置されたキャリア390を含む。
キャリア390は、疎水性又は親水性の材料で作製することができる。そのような材料は、無機、有機又はそれらの組み合わせとすることができる。疎水性材料を含む(又は疎水性材料から調製された)キャリアは、任意のインジケータと共に使用することができるのに対し、親水性材料を含む(又は親水性材料から調製された)キャリアは、過酸化水素の蒸気相を用いる滅菌処置を監視するために使用することが好ましい。好適な疎水性材料の例としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、PET、ポリウレタン、ナイロン、これらのポリマーのうちの1つ以上を(たとえば、他の疎水性ポリマーと共に)含むポリマーブレンド、又はそれらの組み合わせが挙げられる。好適な親水性材料の例としては、ガラスが挙げられる。キャリアとしての使用に好適な他の材料としては、滅菌剤と実質的に反応しないガラス繊維及び金属(たとえば、ステンレス鋼片)が挙げられる。
キャリア390は、任意の様々な形状及びサイズで提供することができる。比較的薄い可撓性シート状材料(たとえば、ポリマーフィルム)から作製されたキャリアが特に好適であるが、金属、ガラス又はセラミック片を用いることもできる。任意の実施形態において、キャリア390は、可視波長及び/又は紫外波長の電磁放射に対して実質的に透過性とすることができる(たとえば、キャリアは透明又は半透明とすることができる)。別法として又は追加として、キャリアの各部分(又はすべて)を、可視及び/又は紫外波長の電磁放射に対して実質的に非透過性(たとえば、不透明)とすることができる。任意の実施形態において、キャリアは、可視波長及び/又は紫外波長の電磁放射を実質的に反射することができる。
再度図5及び図6を参照すると、キャリア390の上にコーティング392が配置されている。コーティング392は乾燥している(すなわち、本明細書において定義されるように実質的に水分を含まない)。任意の実施形態において、コーティング392は複数の試験微生物を含む。試験微生物は、滅菌処置の有効性を監視するために一般的に用いられる微生物である。任意の実施形態において、試験微生物は、滅菌工程において滅菌剤に暴露された後、(たとえば、芽胞形成又は増殖の間に)その活性を試験微生物の残存と相関させた活性酵素を産生することができる。
キャリア390によって支持された試験微生物は、試験微生物に対して致死的である滅菌処置によって不活性化される(たとえば、死滅する)ように選択される。試験微生物が試験微生物に対して亜致死的である滅菌処置によって不活性化されない対照において、試験微生物は、無効な滅菌処置の結果、検出可能な指標(たとえば、増殖)をもたらす。好ましくは、酵素ベースの検出の場合、試験微生物は活性酵素を産生し、この酵素は、少なくとも1つの試験微生物の残存と相関させた酵素活性を有する。したがって、活性酵素は、試験微生物に対して致死的である滅菌処置によって不活性化されるが、試験微生物に対して亜致死的である滅菌処置によっては不活性化されない。
本開示の生物学的滅菌インジケータで使用するのに好適な試験微生物としては、たとえばバチルス属、ゲオバチルス属、クロストリジウム属、ニューロスポラ属、及びカンジダ属からの微生物種が挙げられる。前述の種からの微生物は、滅菌工程において滅菌剤に暴露した後の試験微生物の残存を検出するために用いることが可能な活性酵素を産生することが知られている。
任意の実施形態において、乾燥コーティング392は、所定量の生存能力のある試験微生物を含む。その量は、通常、当技術分野においてよく知られているプレートカウント法を用いてコロニー形成単位(CFU)として定量化される。任意の実施形態において、乾燥コーティングは、約10の生存能力のある試験微生物〜約10の生存能力のある試験微生物を含む。任意の実施形態において、乾燥コーティングは、約10の生存能力のある試験微生物〜約10の生存能力のある試験微生物を含む。任意の実施形態において、乾燥コーティングは、約10の生存能力のある試験微生物〜約10の生存能力のある試験微生物を含む。任意の実施形態において、乾燥コーティングは、約10の生存能力のある試験微生物〜約10の生存能力のある試験微生物を含む。
乾燥コーティング392は、有効量の滅菌剤耐性モジュレータを更に含む。乾燥コーティング392中の有効量の滅菌剤耐性モジュレータによって、生物学的インジケータの酸化滅菌剤(たとえば、蒸気相過酸化水素)に対する感度が、有効量を欠くが他の点では同じである乾燥コーティングに比べて高められる。滅菌剤耐性モジュレータはアミノ酸を含む。任意の実施形態において、アミノ酸は、L−ホモシステイン、L−アルギニン、L−ヒスチジン又は前述のアミノ酸のうちの任意の2つ以上の組み合わせからなる群から選択される。
任意の実施形態において、乾燥コーティング392は、所定量の滅菌剤耐性モジュレータを含む。その所定量は、生物学的インジケータの酸化滅菌剤に対する感度を、有効量を欠くが他の点では同じである乾燥コーティングに比べて高めるのに有効な量である。生物学的インジケータの酸化滅菌剤に対する感度、及び生物学的インジケータの滅菌剤に対する感度へのモジュレータの影響は、実施例に記載するように簡単に判定することができる。実施例によって明示されるように、滅菌剤に対する感度は、滅菌剤への暴露後の試験微生物の増殖によって、及び/又は微生物が滅菌剤に暴露された後、試験微生物に関連付けられた酵素活性を検出することによって測定することができる。
乾燥コーティング392が約10の試験微生物を含むとき、有効量の滅菌剤耐性モジュレータは、約2〜約20マイクログラム(たとえば、約11.5〜約150ナノモル)である。有効量の滅菌剤耐性モジュレータは、生存能力のある試験微生物あたりの滅菌剤耐性モジュレータの量に換算して表すこともできる。任意の実施形態において、有効量の滅菌剤耐性モジュレータは、約0.1フェムトモル/生存能力のある試験微生物〜約1.5フェムトモル/生存能力のある試験微生物である。
本開示は、生物学的滅菌インジケータの使用方法も提供する。一般的に、本開示は滅菌処置の有効性を試験する方法を提供し、この方法は、本開示による任意の実施形態の生物学的滅菌インジケータを準備すること、試験微生物を含む生物学的滅菌インジケータを滅菌処置にかけること、滅菌後、生物学的滅菌インジケータを発生処置にかけ、検出可能な指標が存在するか不在であるかを判定すること、及び検出可能な指標の存在を滅菌処置の失敗と相関させ、検出可能な指標の不在を滅菌処置の成功と相関させることを含む。
例示的な芽胞生長の生物学的滅菌インジケータを用いるとき、滅菌処置の有効性を試験する方法は、乾燥コーティングがその上に配置されたキャリアを含む、任意の実施形態の生物学的滅菌インジケータを準備することを含み、この乾燥コーティングは、i)酸化滅菌剤への暴露を検出するのに有用な複数の生存能力のある試験微生物、及びii)本明細書において記載される有効量の滅菌剤耐性モジュレータを含む。この方法は、生物学的滅菌インジケータを滅菌処置にかけること、生物学的滅菌インジケータを滅菌処置にかけた後、試験微生物を、滅菌処置の失敗を示す検出可能な指標を形成する手段と接触させること、試験微生物と検出可能な指標を形成する手段との混合物を、試験微生物の増殖を容易にする条件下でインキュベートすること、検出可能な指標の存在又は不在を観察すること、及び検出可能な指標の存在を滅菌処置の失敗と相関させる、又は検出可能な指標の不在を滅菌処置の成功と相関させることを更に含む。
任意の実施形態において、試験微生物を滅菌処置の失敗を示す検出可能な指標を形成する手段と接触させることは、たとえば生物学的滅菌インジケータを栄養培地と接触させること(すなわち、キャリアをブロス培地の管の中に定置することによる)を含むことができる。キャリア上の試験微生物は、滅菌処置を生き延びた場合、栄養培地内で増殖することができ、増殖は、懸濁度によって及び/又は検出可能なpHの変化によって検出することができる。別法として又は追加として、酵素基質を含む培地の中にキャリアを定置することが可能であり、これまでに記載したように、酵素基質は、残存する試験微生物によって産生された酵素と反応する際に、検出可能な生成物を産生することができる。
本開示の生物学的滅菌インジケータの任意のものを、試験パックの一部として使用することができる。本開示の一実施形態において、本開示の非攻撃試験パック(non-challenge test pack)は、生物学滅菌インジケータ単独の抵抗を上回る滅菌処置に対する付加的抵抗を与えない。非攻撃試験パックは、滅菌処置の間、ただ1箇所で生物学的滅菌インジケータをしっかりと保持するという点において、試験パックを伴わないインジケータの使用に勝る利点をもたらす。したがって、非攻撃試験パックは、通常は小さく転がりやすい生物学的滅菌インジケータが滅菌処置中の材料の装填の際に変位したとき、又は置き違えた状態になったときに生じる問題を軽減する。
代替的な試験パックは、内腔−攻撃試験パックと呼ばれるものであり、決められた断面積及び長さを有する内腔内に定置された場合にインジケータが受ける抵抗と同等の付加的抵抗を生物学的滅菌インジケータに与える。内腔−攻撃試験パックは、管状の装置の内部の深い所に位置する可能性がある微生物を死滅させる際に滅菌処置が有効であるかどうかを判定する正確な方法を提供する。例示的な非攻撃滅菌試験パック及び内腔−攻撃滅菌試験パックは、米国特許第6,897,059号(Foltz等)に記載されている。
本開示の方法、組成物、物品及びキットのある特定の実施形態を、以下の実施形態のリストにおいて述べる。
例示的な実施形態
実施形態Aは、内蔵型生物学的滅菌インジケータであって、
液体不浸透性の壁及び内部容積を有する外側容器と、
所定の体積の水性媒体を封入する、密閉されているが開放可能かつ液体不浸透性の内側容器と、
i)酸化滅菌剤への暴露を検出するのに有用な複数の生存能力のある試験微生物、及びii)有効量の滅菌剤耐性モジュレータを含む乾燥コーティングと、
内部容積と外側容器の外部の雰囲気との間の蒸気連通を可能にする通路とを備え、
内側容器及び乾燥コーティングが、内部容積内に配置され、
モジュレータがアミノ酸を含み、
有効量によって、生物学的インジケータの酸化滅菌剤に対する感度が、有効量を欠くが他の点では同じである乾燥コーティングに比べて高められる、内蔵型生物学的滅菌インジケータである。
実施形態Bは、外側容器が少なくとも1つの壁を含み、乾燥コーティングの少なくとも一部が内部容積内でこの少なくとも1つの壁の上に配置された、実施形態Aの内蔵型生物学的滅菌インジケータである。
実施形態Cは、キャリアを更に含み、乾燥コーティングの少なくとも一部がこのキャリアの上に配置された、実施形態Aの内蔵型生物学的滅菌インジケータである。
実施形態Dは、キャリアが、ガラス、金属、非セルロースポリマー又はそれらの組み合わせを含む、実施形態Cの内蔵型生物学的滅菌インジケータである。
実施形態Eは、乾燥コーティングが容器の外部の雰囲気と蒸気連通するように配置された、前述の実施形態のいずれか1つの内蔵型生物学的滅菌インジケータである。
実施形態Fは、滅菌処置の失敗を示す検出可能な指標を形成する手段を更に含む、前述の実施形態のいずれか1つの内蔵型生物学的滅菌インジケータである。
実施形態Gは、モジュレータが、L−ホモシステイン、L−アルギニン、及びL−ヒスチジンからなる群から選択される、前述の請求項のいずれか1つの内蔵型生物学的滅菌インジケータである。
実施形態Hは、乾燥コーティングが約10の生存能力のある試験微生物〜約10の生存能力のある試験微生物を含む、前述の実施形態のいずれか1つの内蔵型生物学的滅菌インジケータである。
実施形態Iは、乾燥コーティングが約10の生存能力のある試験微生物〜約10の生存能力のある試験微生物を含む、実施形態Gの内蔵型生物学的滅菌インジケータである。
実施形態Jは、有効量が約2マイクログラム〜約20マイクログラムである、前述の実施形態のいずれか1つの内蔵型生物学的滅菌インジケータである。
実施形態Kは、有効量が約11.5ナノモル〜約150ナノモルである、前述の実施形態のいずれか1つの内蔵型生物学的滅菌インジケータである。
実施形態Lは、有効量が約0.02ナノグラム/生存能力のある試験微生物〜約0.2ナノグラム/生存能力のある試験微生物である、前述の実施形態のいずれか1つの内蔵型生物学的滅菌インジケータである。
実施形態Mは、有効量が約0.1フェムトモル/生存能力のある試験微生物〜約1.5フェムトモル/生存能力のある試験微生物である、前述の実施形態のいずれか1つの内蔵型生物学的滅菌インジケータである。
実施形態Nは、試験微生物が芽胞である、前述の実施形態のいずれか1つの内蔵型生物学的滅菌インジケータである。
実施形態Oは、芽胞がゲオバチルスステロサーモフィラスの芽胞である、実施形態Nの内蔵型生物学的滅菌インジケータである。
実施形態Pは、滅菌剤耐性モジュレータが、過酸化水素、過酢酸、オゾン、若しくは二酸化塩素を含む酸化滅菌剤又は消毒剤に対する試験微生物の耐性を調節する、前述の実施形態のいずれか1つの内蔵型生物学的滅菌インジケータである。
実施形態Qは、通路が微生物のこの通路の通過を妨げるように構成された、前述の実施形態のいずれか1つの内蔵型生物学的滅菌インジケータである。
実施形態Rは、通路が微生物のこの通路の通過を妨げるように構成された、前述の実施形態のいずれか1つの内蔵型生物学的滅菌インジケータである。
実施形態Sは、
キャリアと、
キャリアの上に配置された乾燥コーティングとを備え、
乾燥コーティングが、i)酸化滅菌剤への暴露を検出するのに有用な複数の生存能力のある試験微生物、及びii)有効量の滅菌剤耐性モジュレータを含み、
有効量によって、生物学的インジケータの酸化滅菌剤に対する感度が、有効量を欠くが他の点では同じである乾燥コーティングに比べて高められる、生物学的滅菌インジケータである。
実施形態Tは、モジュレータが、L−ホモシステイン、L−アルギニン、L−ヒスチジン及びそれらの混合物からなる群から選択される、実施形態Sの生物学的滅菌インジケータである。
実施形態Uは、有効量が約2マイクログラム〜約20マイクログラムである、実施形態S又は実施形態Tの生物学的滅菌インジケータである。
実施形態Vは、有効量が約11.5ナノモル〜約150ナノモルである、実施形態S〜Uのいずれか1つの生物学的滅菌インジケータである。
実施形態Wは、有効量が約0.02ナノグラム/生存能力のある試験微生物〜約0.2ナノグラム/生存能力のある試験微生物である、実施形態S〜Vのいずれか1つの生物学的滅菌インジケータである。
実施形態Xは、有効量が約0.1フェムトモル/生存能力のある試験微生物〜約1.5フェムトモル/生存能力のある試験微生物である、実施形態S〜Wのいずれか1つの内蔵型生物学的滅菌インジケータである。
実施形態Yは、試験微生物が芽胞である、実施形態S〜Xのいずれか1つの生物学的滅菌インジケータである。
実施形態Zは、芽胞がゲオバチルスステロサーモフィラスの芽胞である、実施形態Yの生物学的滅菌インジケータである。
実施形態AAは、滅菌剤耐性モジュレータが、過酸化水素、過酢酸、オゾン、二酸化塩素を含む酸化滅菌剤又は消毒剤、及び前述の酸化滅菌剤のうちの任意の2つ以上の組み合わせに対する試験微生物の耐性を調節する、実施形態S〜Zのいずれか1つの生物学的滅菌インジケータである。
実施形態ABは、キャリアが、ガラス、金属、非セルロースポリマー又はそれらの組み合わせを含む、実施形態S〜AAのいずれか1つの生物学的滅菌インジケータである。
実施形態ACは、
実施形態A〜Rのいずれか1つの内蔵型生物学的滅菌インジケータを準備すること、
内蔵型生物学的滅菌インジケータを、滅菌工程において、酸化滅菌剤である滅菌剤に暴露すること、及び
複数の試験微生物のうちの少なくとも1つの微生物が滅菌工程を生き延びたかどうかの指標を検出することを含む方法である。
実施形態ADは、
実施形態S〜ABのいずれか1つの生物学的滅菌インジケータを準備すること、
内蔵型生物学的滅菌インジケータ又は生物学的滅菌インジケータを、滅菌工程において、酸化滅菌剤である滅菌剤に暴露すること、及び
複数の試験微生物のうちの少なくとも1つの微生物が滅菌工程を生き延びたかどうかの指標を検出することを含む方法である。
実施形態AEは、複数の試験微生物のうちの少なくとも1つが滅菌工程を生き延びたかどうかの指標を検出することが、試験微生物の増殖を検出することを含む、実施形態AC又は実施形態ADの方法である。
実施形態AFは、複数の試験微生物のうちの少なくとも1つが滅菌工程を生き延びたかどうかの指標を検出することが、試験微生物に関連付けられた所定の酵素活性を検出することを含む、実施形態AC又は実施形態ADの方法である。
以下の実施例によって本発明の目的及び利点を更に例示するが、これらの実施例において詳述する特定の材料及びその量、並びに他の条件及び細部は、本発明を不当に限定するものと解釈されるべきではない。
実施例
材料
Figure 2017535255
滅菌器システム及び滅菌工程のパラメータ
以下の実施例に記載する内蔵型生物学的インジケータ(biological indicator、BI)を、STERRAD(登録商標)NX(登録商標)滅菌器(Advanced Sterilization Products(ASP、カリフォルニア州アービン)より入手可能)による過酸化水素滅菌を用いる滅菌工程にかけた。暴露時間は、標準的な暴露時間としたか、又は以下の実施例に更に詳細に記載するように変更した。各滅菌工程に関する詳細な説明を表2に示す。
Figure 2017535255
実施例1
L−ホモシステインによる過酸化水素滅菌工程に対する芽胞の耐性の調節
コロイド状のナノ粒子で被覆しないことを除き、国際公開第2014/189716号に記載されるものと同様の桶形の芽胞キャリア(ポリプロピレン)を用いた。液体培養したゲオバチルスステロサーモフィラスの芽胞(>10)を滅菌水中に懸濁させた。約10μLの芽胞懸濁液を芽胞キャリアの上に配置し、室温において乾燥させた。L−ホモシステインの0.5M滅菌溶液のアリコート(それぞれ0μL、5μL又は10μL)を、乾燥させ芽胞で被覆した桶形の芽胞キャリアの中に配置した。ホモシステインで被覆した桶状体を室温において乾燥させた。したがって、キャリア上の最終的な乾燥コーティングは、それぞれ0、2.5又は5マイクロモルのL−ホモシステインと共に、少なくとも10の芽胞を含んでいた。
桶形の芽胞キャリアを外側容器12の底部に定置した後、内側容器18を外側容器の中に定置すること、及びベントされたキャップ26が、図1のキャップ26の湾曲面上に示す矩形の開口部28ではなく、キャップの頂部の(平坦な)面上に配置されたただ1つの円形の開口部(直径2.3mm)を有することを除き、図1及び図2に示すものと同様に内蔵型生物学的インジケータを組み立てた。外側容器12は、3M ATTEST 1292 Rapid Biological Indicator(3M Company(ミネソタ州セントポール)から入手可能)から得た。キャップは、3M ATTEST 1261 Biological Indicator(3M Company)から得た。栄養培地は、3M ATTEST 1292のアンプルからのものにメチオニン(5g/L)を加えた。培地を密閉したガラスアンプル内で滅菌し、それを図2に示すように外側容器の中に定置した。5つの別個の内蔵型生物学的インジケータを、STERRAD NX滅菌器で2分間、(表3に記載した)異なる濃度の過酸化水素に暴露した。それらを滅菌工程にかけた後、外側容器内部のアンプルを押し潰すことによって、すべての内蔵型生物学的インジケータを活性化した。内蔵型生物学的インジケータを56℃において最長7日間インキュベートし、培地中のpHインジケータを観察して芽胞が滅菌工程を生き延びたかどうかを判定した。結果を表3に示す。ポジティブコントロールはすべて、増殖の指標を示した(データ示さず)。
Figure 2017535255
暴露しない内蔵型BIのポジティブコントロールはすべて、24時間のインキュベーションの範囲内で増殖陽性であった。2.5マイクロモルのL−ホモシステインを用いて調製した内蔵型生物学的インジケータは、それぞれ0.6ml及び0.8mlの59%Hの場合に増殖陽性のBIの数が減少していることによって理解されるように、0マイクロモルのL−ホモシステインを用いたものと比べて芽胞の耐性の低下を示した。5.0マイクロモルの量のL−ホモシステインは、0.4mlの59%Hの場合にすべて死滅していることによって理解されるように、芽胞の耐性を著しく低下させた。
実施例2
L−アルギニン及びL−ヒスチジンによる過酸化水素滅菌工程に対する芽胞の耐性の調節
内蔵型生物学的インジケータの調製
参照によって完全に本明細書に組み込まれている国際公開第2014/189716号に記載されるように、PETフィルム(厚さ.09mm)をコロイド状のシリカで被覆した。液体培養したゲオバチルスステロサーモフィラスの芽胞クロップを滅菌した蒸留水中で洗浄し、滅菌水中に懸濁させ、芽胞懸濁液の1:1000の希釈物(水中)が37%の光透過率(625nm波長)を有するような濃度にした。実施例1に記載したように別個の水性芽胞コーティング溶液を調製したが、コーティング溶液中に存在するアミノ酸を表4に示す。シリカで被覆したPETフィルムの上に、それぞれの芽胞コーティング溶液の(少なくとも10の芽胞を含む)2マイクロリットルのアリコートを配置し、フィルム上に間隔を置いて配置された一連のスポットを形成した。芽胞で被覆したフィルムを60℃のインキュベータで12分間乾燥させた。乾燥したスポットのうちの1つをそれぞれが含むPETフィルムの円形ディスク(以下、「被覆キャリア」)を打ち抜き、それらを用いて国際公開第2014/189716号の図1に示されるものと同様の内蔵型生物学的インジケータ(BI)を組み立てた。前述の被覆キャリアを、国際公開第2014/189716号の図1に示される「芽胞キャリア135」の中に定置した。内蔵型BIそれぞれが、ポリカーボネートの外側容器、ブレーカー、キャップ、及びキャップフィルタを含んでいた。3M ATTEST 1292 Rapid Readout Biological Indicatorからの栄養培地に(実施例1に記載したように)5g/Lのメチオニンを加えたものを含むアンプル培地と共に、被覆キャリアを外側容器の内部に配置した。
過酸化水素滅菌
異なる濃度の添加剤(表4)を伴う内蔵型生物学的インジケータを、STERRAD NX滅菌器で過酸化水素滅菌にかけた。滅菌工程は、特に明記しない限り、ロードあたり1.0mlの59%過酸化水素を手動で注入することによって実施した。暴露時間を変えて、異なる添加剤配合物を伴う内蔵型BIの耐性プロファイルを決定した。キャップを押し下げて媒体アンプルを壊すことによってBIを活性化した。活性化したBIをベンチトップ型蛍光計(3M Company(ミネソタ州セントポール))の中に定置して蛍光を検出した。
残存する芽胞に関する内蔵型生物学的インジケータの監視
完全に不活性化されていない(すなわち、滅菌工程によってすべての芽胞が死滅していない)内蔵型BIは、BIの活性化の際に細胞機能を回復する。残存する芽胞によるグルコシダーゼ酵素の産生は、芽胞のうちの少なくとも1つが滅菌工程によって不活性化されていない(死滅していない)という指標である。グルコシダーゼ酵素は、4−メチルウンベリフェリル−グルコシド(MUG)を切断して蛍光性のメチルウンベリフェロンを放出するが、それをベンチトップ型蛍光計を用いて検出する。内蔵型生物学的インジケータにおける芽胞の増殖及び繁殖をpHの変化によって検出することも可能であり、pHの変化は、増殖培地中のpHインジケータの色の変化によって検出することができる。
異なる添加剤の生物学的インジケータの過酸化水素滅菌に対する耐性への影響
この実施例では、前述のように(表4に記載した様々な添加剤を用いて)内蔵型生物学的インジケータを調製した。芽胞の滅菌剤に対する耐性を調節した添加剤を確認するために、試験を行った各添加剤に対して、予備スクリーンとして低レンジ及び高レンジを用いた。各条件を代表する5つの内蔵型BIをSTERRAD NX滅菌器で過酸化水素滅菌にかけた。滅菌工程は、一定の注入容量(1.0mlの59%過酸化水素)及び過酸化水素への様々な暴露時間(たとえば、20秒〜7分)を用いた。滅菌工程にかけた後に内蔵型BIを活性化し、ベンチトップ型蛍光計を用いて蛍光を、また(視覚的に)pHに基づく色の変化を監視した。蛍光及び増殖の読み出しの結果を表4に示す。
比較例1
L−プロリンによる過酸化水素滅菌工程に対する芽胞の耐性を調節しない場合
L−プロリンを伴う内蔵型生物学的インジケータを調製し、滅菌器で処理し、実施例2に記載したように分析した。滅菌工程にかけた後に内蔵型BIを活性化し、ベンチトップ型蛍光計を用いて蛍光を、また(視覚的に)pHに基づく色の変化を監視した。蛍光及び増殖の読み出しの結果を表4に示す。
Figure 2017535255
データは、芽胞コーティング溶液中にL−アルギニン及びL−ヒスチジンが存在すると、添加剤なしの管理に比べて、生物学的インジケータの滅菌工程の効果に対する感度が高まった(耐性が減少した)ことを示している。対照的に、L−プロリンが存在しても、添加剤なしの管理に比べて、生物学的インジケータの滅菌工程の効果に対する感度は高まらなかった。
実施例3
L−アルギニン及びL−ヒスチジンによる過酸化水素滅菌工程に対する芽胞の耐性を調節する場合
(表5に記載した様々な添加剤を伴う)内蔵型生物学的インジケータを実施例2に記載したように調製した。内蔵型生物学的インジケータを、実施例2に記載したようにSTERRAD NX滅菌器で過酸化水素に暴露した。滅菌工程にかけた後に内蔵型BIを活性化し、ベンチトップ型蛍光計を用いて蛍光を、また(視覚的に)色の変化に基づいてpHを監視した。蛍光及び増殖の読み出しの結果を表5に示す。
Figure 2017535255
データは、芽胞コーティング溶液中にL−アルギニン及びL−ヒスチジンが存在すると、添加剤なしの管理に比べて、芽胞の滅菌工程の損傷/致死的効果に対する感度が高まったことを示している。
本明細書において引用したすべての特許、特許出願及び公報、並びに電子的に入手可能な資料の全開示が参照によって組み込まれる。本出願の開示と参照によって本明細書に組み込まれている文書の開示との間に矛盾が存在する場合には、本出願の開示が優先するものとする。上記の詳細な説明及び実施例は、理解しやすいように示したものにすぎない。それによって不要な限定がなされるものではない。本発明は図示及び記載された細部そのものに限定されず、当業者に明白な変形形態は、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれる。
すべての見出しは読者の便宜のためのものであり、明記しない限り、見出しに続く文の意味を限定するために使用されるものではない。
本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な修正を行うことが可能である。これらの及び他の実施形態は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。

Claims (20)

  1. 少なくとも1つの液体不浸透性の壁及び内部容積を有する外側容器と、
    所定の体積の水性媒体を封入する、密閉されているが開放可能かつ液体不浸透性の内側容器と、
    i)酸化滅菌剤への暴露を検出するのに有用な複数の生存能力のある試験微生物、及びii)有効量の滅菌剤耐性モジュレータを含む乾燥コーティングと、
    前記内部容積と前記外側容器の外部の雰囲気との間の蒸気連通を可能にする通路とを備え、
    前記内側容器及び前記乾燥コーティングが、前記内部容積内に配置され、
    前記モジュレータがアミノ酸を含み、
    前記有効量によって、前記試験微生物の前記酸化滅菌剤に対する感度が、前記有効量を欠くが他の点では同じである乾燥コーティングに比べて高められる、内蔵型生物学的滅菌インジケータ。
  2. 前記外側容器が少なくとも1つの壁を含み、前記乾燥コーティングの少なくとも一部が前記内部容積内で前記少なくとも1つの壁の上に配置された、請求項1に記載の内蔵型生物学的滅菌インジケータ。
  3. キャリアを更に含み、前記乾燥コーティングの少なくとも一部が前記キャリアの上に配置された、請求項1に記載の内蔵型生物学的滅菌インジケータ。
  4. 前記乾燥コーティングが、前記容器の外部の前記雰囲気と蒸気連通するように配置された、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内蔵型生物学的滅菌インジケータ。
  5. 滅菌処置の失敗を示す検出可能な指標を形成する手段を更に含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の内蔵型生物学的滅菌インジケータ。
  6. 前記モジュレータが、L−ホモシステイン、L−アルギニン、及びL−ヒスチジンからなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の内蔵型生物学的滅菌インジケータ。
  7. 前記乾燥コーティングが、約10の生存能力のある試験微生物〜約10の生存能力のある試験微生物を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の内蔵型生物学的滅菌インジケータ。
  8. 前記有効量が、約2マイクログラム〜約20マイクログラムである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の内蔵型生物学的滅菌インジケータ。
  9. 前記有効量が、約0.02ナノグラム/生存能力のある試験微生物〜約0.2ナノグラム/生存能力のある試験微生物である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の内蔵型生物学的滅菌インジケータ。
  10. 前記滅菌剤耐性モジュレータが、過酸化水素を含む酸化滅菌剤又は消毒剤に対する前記試験微生物の耐性を調節する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の内蔵型生物学的滅菌インジケータ。
  11. 前記通路が微生物の前記通路の通過を妨げるように構成された、請求項1〜10のいずれか一項に記載の内蔵型生物学的滅菌インジケータ。
  12. キャリアと、
    キャリアの上に配置された乾燥コーティングとを備え、
    前記乾燥コーティングが、i)酸化滅菌剤への暴露を検出するのに有用な複数の生存能力のある試験微生物、及びii)有効量の滅菌剤耐性モジュレータを含み、
    前記有効量によって、前記生物学的インジケータの前記酸化滅菌剤に対する感度が、前記有効量を欠くが他の点では同じである乾燥コーティングに比べて高められる、生物学的滅菌インジケータ。
  13. 前記モジュレータが、L−ホモシステイン、L−アルギニン、L−ヒスチジン、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項12に記載の生物学的滅菌インジケータ。
  14. 前記有効量が、約2マイクログラム〜約20マイクログラムである、請求項12又は請求項13に記載の生物学的滅菌インジケータ。
  15. 前記有効量が、約0.02ナノグラム/生存能力のある試験微生物〜約0.2ナノグラム/生存能力のある試験微生物である、請求項12〜14のいずれか一項に記載の生物学的滅菌インジケータ。
  16. 前記滅菌剤耐性モジュレータが、過酸化水素を含む酸化滅菌剤又は消毒剤に対する前記試験微生物の耐性を調節する、請求項12〜15のいずれか一項に記載の生物学的滅菌インジケータ。
  17. 滅菌工程の有効性を判定する方法であって、
    請求項1〜11のいずれか一項に記載の内蔵型生物学的滅菌インジケータを準備すること、
    前記内蔵型生物学的滅菌インジケータを、滅菌工程において、酸化滅菌剤である滅菌剤に暴露すること、及び
    複数の試験微生物のうちの少なくとも1つが前記滅菌工程を生き延びたかどうかの指標を検出することを含む、方法。
  18. 滅菌工程の有効性を判定する方法であって、
    請求項12〜16のいずれか一項に記載の生物学的滅菌インジケータを準備すること、
    前記生物学的滅菌インジケータを、滅菌工程において酸化滅菌剤である滅菌剤に暴露すること、及び
    複数の試験微生物のうちの少なくとも1つが前記滅菌工程を生き延びたかどうかの指標を検出することを含む、方法。
  19. 前記複数の試験微生物のうちの少なくとも1つが前記滅菌工程を生き延びたかどうかの指標を検出することが、前記試験微生物の増殖を検出することを含む、請求項17又は請求項18に記載の方法。
  20. 前記複数の試験微生物のうちの少なくとも1つが前記滅菌工程を生き延びたかどうかの指標を検出することが、前記試験微生物に関連付けられた所定の酵素活性を検出することを含む、請求項17又は請求項18に記載の方法。
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