JP2017534973A - 個人化された栄養的健康スコアを算出、表示、修正、及び使用するためのシステム及び方法 - Google Patents

個人化された栄養的健康スコアを算出、表示、修正、及び使用するためのシステム及び方法 Download PDF

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Abstract

本システムは、摂取可能物の栄養的健康度を示すその摂取可能物の単一のスコアを算出するものである。栄養的健康度は、摂取可能物内の栄養素が、推奨されるカロリー摂取量に基づいてユーザに特有の健康的な範囲内にあるかどうかの指示である。本システムは、摂取可能物の栄養含有量が個人に合わせてカスタマイズされた範囲内にあるかどうかを判断することによって、個人の栄養的健康への影響を判定する。したがって、本システムは、摂取可能物が個人の個人化された栄養的要求に及ぼす影響を追跡して表示する。本システムはまた、栄養アドバイスを生成し、栄養習慣の変化が個人の全体的な栄養的健康に及ぼす影響を個人が発見することを可能にする。一実施形態では、本システムは、所定の日などの指定の期間にわたって、個人の栄養的健康ニーズを満たすために摂取する必要のある摂取可能物を決定して、表示する。【選択図】 図1

Description

優先権主張
[0001]この出願は、2015年7月6日に出願された米国特許仮出願第62/188,896号及び2014年10月3日に出願された米国特許仮出願第62/059,534号の優先権を主張しており、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
著作権表示
[0001]この特許文書の開示の一部には、著作権保護の対象となる資料が含まれている。著作権者は、特許商標庁の特許ファイル又は記録に記載されている形式で、特許文書又は特許開示を複写複製することに異論を唱えないが、それ以外の場合には、全ての著作権を留保するものである。
[0002]本開示は、概ね、集団の栄養的健康への摂取可能物の影響を算出するためのシステム及び方法に関するものである。より具体的には、本開示は、食材、食品、食事、又は日々の食事などの特定の摂取可能物の栄養含有量又は他の追跡可能な測定値が、個人向けにカスタマイズされた複数のいわゆる健康範囲内に入るかどうかを判定するためのシステム及び方法に関する。開示されたシステムは、摂取された栄養素が所定の期間(例えば、所定の日又は週)にわたって健康な範囲内にあることを確実にすることによって、個人が目標を達成するのを助ける摂取可能物を推奨することができる。
[0001]健康的な食品を選択することは、肥満、心臓血管疾患、糖尿病、一部の癌などの非伝染病の予防に役立つことができる。「米国人のための食生活指針」(Dietary Guidelines for Americans)のような指針は、健康的な食事に関する一般的な人々への助言を提供するものである。かかる指針は、栄養表示、健康強調表示、栄養教育、メニュー計画、並びに食品のマーケティング及び広告に関するコンテンツを推進することができる。しかし、これらの一般化されたガイドラインは、多量栄養素又は微量栄養素レベルで個人化された栄養の助言を提供するようには設計されていない。
[0002]食材、食品、食事、又は日々の食事などの特定の摂取可能物が個人の全体的な健康状態に及ぼす影響を定量化し、追跡するための相当な努力がなされてきた。例えば、米国農務省(USDA)及び保健福祉省(HHS)は、1980年以来5年ごとに、いわゆる「米国人のための食生活指針」を発行している。USDAは、これらの指針が、より少ないカロリーを摂取すること、情報に基づいて食品選択すること、健康的な体重を達成し維持するために身体的に活動的であることに関する助言を提供すると述べている。(http://www.cnpp.usda.gov/DietaryGuidelines).
[0003]「食生活指針」は、個人が自分自身を適合させようとする枠組みを提供しているが、この指針は、個人が全体的な栄養的健康への摂取可能物の実際の影響を追跡するには不十分なツールである。具体的には、この指針は指針に過ぎないため、達成しようとするべき実際の栄養上の目標、及びそれらの目標が達成されたかどうか/いつ達成されたかを決定することは、不可能ではないにしても、困難なことである。つまり、所定の期間にわたって摂取されるべき特定の栄養素の健康的な量を決定し、それらの健康的な量が実際に摂取されたかどうかを追跡することは、個人にとって困難である。
[0004]更に、この指針は、特定の摂取可能物(例えば、食品中の成分又は食事中の食品)が個人の全体的な栄養的健康に及ぼす影響を決定することはできず、すでに摂取された品目に基づいて、個人の栄養的健康目標に到達するのに必要な品目を提案することができるような助言機能を促進するものではない。本指針が助言機能を提供できるのは、「果物や野菜をもっと食べるように」などの経験的な(heuristic)助言を提供するところまでである。
[0005]食品科学者は、栄養士及び個人がより具体的な栄養摂取目標をナビゲートするのを支援するため、食品、食事、日々の食事の健康度又は不健康度を評価するスコア付けシステムを開発しようとしてきた。しかし、これらは方法論的に弱いことが多いと評論家は指摘している。食品にスコアを適用しようとするある種の既存の方式では、単一のスコアが決定され、食品を摂取する個人又は摂取された食品の量を考慮せずに、食品自体に適用される。これは効果的でない。なぜなら、所定の食品の栄養的健康は、食品を摂取する個人(例えば、個人のカロリー又は他の栄養上のニーズ)及び摂取された食品の量(例えば、アイスクリームの半カップ対アイスクリームの半ガロン)の双方に依存するからである。したがって、これらの既知の方式に従って提供される静的で一般的なスコア付け機能は、食品品目の栄養的な影響の真の指標を提供することにおいて効果的ではない。
[0006]栄養的健康は、以前に何が摂取されたかによっても変わる。例えば、単一のクッキーは、本質的に栄養的健康のためには、良いものでも悪いものでもない。実際には、その単一のクッキーは、栄養バランスのとれた日々の食事がすでに摂取されている場合、全体的には健康的な選択になることがある。逆に、クッキー50個を摂取すると栄養的に不健康となる恐れがある。既知のシステムはこの事実を認識しない。代わりに、既知のシステムは一般的に、特定の食品を「良い」、又は「悪い」、のいずれかとして扱う。
[0007]更に、既知の栄養プロファイリングシステムは、一般的な指針に従って、ポイントを算出して、それを食品又は食事に適用しようとするものである。例えば、いくつかの既知のシステムは、飽和脂肪含有量が特定の閾値を上回る場合、食品又は食事に5ポイントを加える。これらのシステムの下では、ユーザは、所定の期間(日、週)にわたってこれらのポイントを合計してスコアを決定する。かかるシステムは、データ主導ではなく、経験的に設定されたポイント/リミットに熟練した栄養士の有識者を必要とするという欠点がある。結果として、これらのシステムでは、最終スコアは、有識者の健康に関する見解の一般概念の反映以外の意味をほとんど持たない。更に、かかるシステムでは、スコア付けシステムをユーザにもっと解釈可能なものにするために、ポイントは通常(常にではないにしても)整数に丸められる。このようにスコアが離散化されているということは、日々の食事の極小の変化から、比較的大きなスコア付けの変化が生じ得ることを意味する。
[0008]他の既知のシステムでは、摂取された栄養素の完全性の指標を推進するために、栄養バランススコアが利用されている。これらのシステムは、DRI値(即ち、ユーザプロフィールに基づく毎日の基準摂取限度)を利用することができるが、所望の最小限度を有する栄養素のサブセット(典型的にはビタミン及びミネラル)のみをスコアする。摂取されるビタミン及びミネラルの全体的な完全性によって、0〜100のスコアが与えられ、全てのビタミンとミネラルが限度以上に摂取された場合に100が与えられ、栄養素の過少摂取に基づいて100の一部が与えられる。これらのスコア付けシステムは健康な範囲を考慮しておらず、それ以上の摂取が健康によくない上限を考慮することができない。多くのビタミンやミネラルには、健康によくない有毒な摂取レベルがあるが、これらのシステムは健康によくない高用量を説明できない。更に制限すると有益であり得る脂肪や糖などの多量栄養素は考慮されていない。最後に、そして重要なことに、下限閾値のみを利用して栄養スコアを生成することは、摂取の関数として最適化することができないスコアをもたらす。なぜなら、摂取が増加するにつれて、スコアが増加するだけだからである。
[0009]既存のシステム及び方式は、通常、栄養素をいわゆる「合格判定する」栄養素又はいわゆる「失格判定する」栄養素のいずれかとして分類しようとしてきた。一般に、「合格判定する」栄養素は、下限を有するものとみなされ、したがって、下限を超えることは「良い」ことと、下限を下回ることは「悪い」ことと、みなされてきた。同様に、「失格判定する」栄養素は、上限を有するものとみなされ、したがって、上限を下回る状態にあるものは一般的に「良い」ことと、上限を超えることは「悪い」ことと、みなされてきた。これらの方式は、適切なところで過剰摂取の原因となり得るあらゆる種類の栄養素(又は食品の測定可能な他の側面)への影響を追跡するための共通の仕組みを提供しないため、不適切である。
[0010]既知のシステム及び方式はまた、不均質な集団又は個人のスコア付けを改善するための適切な粒度レベルで構築されていないため、不十分である。代わりに、1組の値を使用して、集団及び全ての個人について、単一のスコアを規定する。この粒度の不足は、既知のシステム及び方式を、異なる個々の栄養ニーズを有する異なる個々のユーザ向けにカスタマイズすることを妨げている。
[0011]必要とされるのは、栄養素の調節可能なセット及び調節可能な加重/感度値に基づいてカスタマイズされた栄養的健康スコアを算出して、運動競技のパフォーマンスのためなどの特定の使用事例又は目的用のスコアプロファイルを設計するシステムである。
[0012]更に必要とされるものは、特定の個人に特有の栄養要求を考慮して、この栄養的健康スコアについての複数の値を算出し、摂取された食品の異なる量に対してスコアがその個人向けにカスタマイズされるようなシステムである。
[0013]更に必要とされるのは、摂取可能物を追加又は除去することが個人の全体的な栄養的健康スコアに及ぼす影響を算出することができるシステムである。このシステムは、全ての必要な栄養素が特定の日又は週などの一定期間、健全な量で摂取されることを確実にするために、個人の摂取することができる追加の摂取可能物の推奨を行うことができる(又はその個人の食事から削除することができる)。
[0014]本開示は、上記の必要性を満たす栄養的健康スコア付けシステムを記載するものである。したがって、本開示は、上記の従来の栄養管理技術の欠点を克服するシステム及び方法を記載するものである。
[0015]さまざまな実施形態では、本明細書に開示されたシステムは、所定の期間にわたる個人のカロリー摂取範囲及び対応する栄養摂取の健康的な範囲に基づいて、個人に合わせた1つ以上の栄養的健康スコアを算出する。算出されたスコアは、栄養素摂取量が健康的な範囲内にあるかどうかに基づいており、栄養素の過少摂取だけでなく、栄養素の過大摂取によっても影響を受ける。これらのスコアによれば、個人が十分な栄養素を摂取しつつあるのかどうか、そして、そうでない場合には、どの追加の栄養素を摂取する必要があるかをその個人が判断することが可能となる。開示されたシステムはまた、摂取された(又は日々の食事から削除された)場合、その個人にとって健康的な栄養素範囲内にあると決定された量の栄養素を個人に提供する摂取可能物を追加又は除去するための提案をするものである。
[0016]さまざまな実施形態では、開示されたシステムによって算出された栄養的健康スコアは、スコアが算出される対象の個人の栄養的健康を示す。これらの実施形態で使用される栄養的健康とは、個人が摂取した栄養素が、指定の期間にわたり個人の健康的な栄養素の範囲内にある程度を指す。これらの実施形態では、例示的な栄養素は、微量栄養素(例えば、カルシウム、コレステロール、繊維質)及び/又は多量栄養素(例えば、炭水化物、タンパク質及び飽和脂肪)を含み得る。
[0017]開示されたシステムのさまざまな実施形態は、全ての栄養素が摂取の健康的な範囲を有するという前提に基づいている。即ち、開示されたシステムの実施形態は、良い栄養素又は悪い栄養素というものはなく、したがって本質的に良い食品又は悪い食品はないという前提に基づいている。代わりに、各栄養素(又は食品)について、人が、摂取の健康的な範囲内又は範囲外のどちらの量を摂取するかである。これらの実施形態では、栄養素の健康的な範囲は、異なる個人毎に相違し得るものであり、栄養的健康の評価は特定の個人のニーズに依存する。例えば、特定の栄養素の健康的な範囲は、人が糖尿病であるかどうか、肥満であるかどうか、救命治療患者であるかどうか、アレルギーがあるかどうか、又は、運動選手であるかどうか、によって異なる。以下に説明するように、人にカスタマイズされた方法で異なる栄養素の健康な範囲を変えることによって、開示されたシステムによって提供される算出された栄養的健康のスコアも、各個人向けにカスタマイズされる。
[0018]開示されたシステムのさまざまな実施形態では、ユーザのカロリー摂取量又は決定された適用可能なDRI(毎日の基準摂取量)値などのユーザの栄養ニーズに基づいてカスタマイズされたダッシュボード又は他の適切なユーザインターフェースをユーザに表示する。開示されたシステムは、(食材、食品、食事、又は日々の食事などの)摂取可能物の栄養価を示すスコアを算出し、ダッシュボードを介してユーザにそのスコアを表示する。これらの実施形態では、算出されたスコアは、所定の期間にわたって摂取される食品(したがって栄養素)の量の関数であり、スコアはまた、単一の特定の個人に対する摂取可能物の栄養価を示すように、個々のユーザに合わせて調整される。これは、一群の個人に摂取可能物の一般的な栄養価を示すのとは対照的である。かかる実施形態では、開示されたシステムは、摂取可能物に含まれる各栄養素について、摂取可能物の栄養素含有量がユーザに合わせて調製された範囲内にあるかどうかを判定することによって栄養価スコアを算出する。次いで、システムは、各栄養素に起因する個人化された1組の加重パラメータに基づいて、成分スコアを集計スコアに合成又は集計する。加重パラメータは、個人に対する摂取可能物の全体的な栄養的健康への影響を反映する。したがって、さまざまな実施形態において、栄養的健康スコアは、栄養素摂取が定義された栄養的健康範囲内に栄養的健康範囲外の個々の栄養素スコアの加重平均として存在する程度を表すと言える。
[0019]種々の実施形態では、開示されたシステムは、複数の栄養的健康スコアを算出し表示して、特定の摂取可能物を摂取することによる栄養的な影響の完全なイメージを提供するように構成される。一実施形態では、スコアは、所定の期間にわたって摂取された食品の量、及びまたスコアが算出される対象の個人の特性を考慮に入れた式に従って算出される。一実施形態では、特定の個人について、異なる目的のために複数のスコアを与えることができる。一実施形態では、開示されたシステムは、所定の摂取可能物について少なくとも2つの異なるスコア、即ち摂取された食品の現在の量又は実際の量の栄養含有量を示す1つのスコア、及び設定された期間にわたって摂取される食品の量が可変である場合の、その食品の最高可能スコアである1つのスコアを算出する。したがって、例えば、このシステムは、個人が1日に1/4ポンドの鶏肉を摂取したので、この人のスコアはXであるという通知を提供することができる。しかし、その日に追加の鶏肉1/4ポンドを摂取すれば、鶏肉に関するこの人のスコアは、最大値Y>Xになるであろう。言い換えれば、開示されたシステムは、構築された食事のスコアを提供することができ、追加の食品品目が摂取された場合、又は特定の摂取食品が食事から除去又は減らされた場合に達成される最適スコアを提供することができる。
[0020]したがって、摂取される個々の食品は、単一の静的なスコアを有しておらず、むしろ、異なるカロリー摂取量又は食品の異なる摂取量などの異なる条件下での食品のスコアを決定するために使用することができる、個人に合わせたスコア付けプロファイル又は機能を有する、という点において、開示されたシステムは既知のシステムにまさる利点を提供することを理解されたい。
[0021]開示されたシステムのさまざまな実施形態はまた、助言機能も提供する。これらの実施形態では、所定の期間(例えば、所定の日)の個人の栄養及びカロリーニーズを定義する範囲に基づいて特定の個人の栄養的健康スコアを算出した後、開示されたシステムは、その個人が必要とする栄養素を得るために残りの期間にわたって摂取され得る摂取可能物の組み合わせを提案する。例えば、朝食及び昼食について特定の食品を食べたことを個人が示した場合、開示されたシステムによって、個人に適用可能なカロリー摂取量範囲内にあるカロリー量を個人がなお摂取しつつ、個人がその日に必要な栄養素を全て得ることを確実にする夕食メニューを提案することができる。この実施形態では、開示されたシステムによって提供される推奨が最適化される。本システムは、そのデータベースに記憶された複数の食品が全体的な栄養的健康スコアに及ぼす影響を決定し、結果として栄養的健康スコアを最適に増加させる食品を提案する。
[0022]個人によって示された各摂取可能物又は摂取可能物群について、開示されたシステムは、その摂取可能物又は摂取可能物群内に存在する活性栄養素プロファイルを構成する追跡された栄養素が、特定の個人にとって理想的なその栄養素の範囲内又は範囲外にあるかどうかを判定する。一実施形態では、本システムは、各栄養素の栄養素健康スコアを決定する前に、摂取可能物又は摂取可能物群の栄養素総含有量を判定する。この実施形態では、各栄養素の栄養素健康スコアは、栄養素含有量がその個人の範囲外の場合は1(又は何らかの他の最大値)未満であり、栄養素含有量がその個人の範囲内である場合は1(又は何らかの他の最大値)である。栄養的健康スコアが1(又はいくつかの他の最大値)と異なる量は、摂取可能物の栄養素が個人に理想的であると判断された範囲外の範囲を示す。このスコア付け算出はまた、栄養素の摂取が不足している(即ち、栄養素の健康的な範囲よりも少ない量で摂取されている)量、及び、栄養素の摂取が過剰である(即ち、栄養素の健康な範囲よりも多い量で摂取されている)量の双方を考慮に入れている。
[0023]摂取可能物の個々の栄養素の成分栄養的健康スコアが与えられると、開示されたシステムは更に、栄養素のスコアの加重平均を算出することによって、集計栄養的健康スコアを算出する。さまざまな実施形態では、これは、スコア付けプロファイルの各栄養素に加重値を割り当て、その栄養素の栄養的健康スコアにその加重を乗じて、摂取可能物の栄養素の全スコアを合計することによって行われる。一実施形態では、加重スコアは合計100になる。結果として、この実施形態における全体的な栄養的健康スコアは、100以下の数となる。摂取可能物の各栄養素の成分栄養的健康スコアがそれぞれ1(摂取可能物の各栄養素がその個人の健康的範囲内にあることを意味する)である場合、全体の栄養的健康スコアは100となる(即ち、栄養素成分の加重の合計)。したがって、一実施形態では、スコア100は、個人の栄養要求のそれぞれが満たされていることを示し、100未満の数は、栄養要求が満たされていないことを示し、その差は、その量だけ栄養要求が満たされていない量を表す。
[0024]さまざまな実施形態では、開示されたシステムは、特定の個人の各栄養素の範囲を決定する。これらの実施形態では、この範囲は、いわゆる健康範囲下限値及びいわゆる健康範囲上限値によって規定される。これらの値は栄養素の量を示すので、これらの値の決定は、カロリー摂取量によって規定される基準枠内で行われることが必要であることを理解されたい。即ち、1日の期間中の特定の栄養素について、健康範囲下限値及び健康範囲上限値を決定するとしたら、所定の日における個人の最適なカロリー摂取量が、栄養素のこの健康範囲下限値及び健康範囲上限値を決定することになる。
[0025]さまざまな実施形態では、開示されたシステムは、栄養的健康スコアを算出するために必要な値の一部又は全部を1つ以上のデータベースに記憶する。例えば、開示されたシステムは、個人の年齢、性別、体重又は体格指数(BMI)に基づいて、個人のカロリー摂取量範囲のテーブルを記憶してもよい。この実施形態では、所定の期間の個人のカロリー摂取量範囲を決定するために、個人は、年齢、性別、体重又はBMIをシステムに提供しなければならない。したがって、開示されたシステムは、データベースの検索又は計算を実行することによって、所定の個人の所定の期間のカロリー摂取量範囲を決定することができる。
[0026]一実施形態では、開示されたシステムによって、カロリー摂取量範囲に基づいて正規化された栄養素摂取値もまた記憶する。例えば、開示されたシステムによって追跡される各栄養素について、システムでは、基準カロリー摂取値における、健康範囲下限値及び健康範囲上限値の表示を記憶することができ、特定の個人のカロリー摂取量の目標が変化すると、健康範囲下限値及び健康範囲上限値を増加又は減少させることがある。一実施形態では、この増加又は減少は線形であり、カロリー摂取量が例えば25%増加する場合、健康範囲下限値及び健康範囲上限値も同様に25%増加する。他の実施形態では、カロリー摂取値に対する比較的大きな変化が、健康範囲下限値又は健康範囲上限値への比較的小さな変化をもたらし得る(その逆も同じ)ように、健康範囲下限値又は健康範囲上限値の増大は非線形となっている。
[0027]一実施形態では、開示されたシステムによれば、ユーザは、年齢、性別、及び体重/BMIを示すことによって、自分に合うように栄養的健康スコアをカスタマイズすることが可能になる。これは個人のカロリー摂取量範囲に影響を及ぼし、したがって、システムによって追跡される各栄養素の健康範囲下限値及び健康範囲上限値に影響を及ぼす。別の実施形態では、開示されたシステムは、身体タイプ、身体活動レベルなどの追加の情報をユーザが指定できるようにすることによって、更なるカスタマイズを提供する。この実施形態では、開示されたシステムにより、これらの追加の入力を使用して、異なる個人の最適なカロリー摂取量範囲だけでなく、システムによって追跡される栄養素の健康範囲下限値及び健康範囲上限値も調節するものである。例えば、個人が、自分は比較的運動量が多い運動選手であることを示す場合、システムでは、その人の追加の炭水化物の必要性を考慮して、炭水化物の栄養素範囲を上方に調整することができる。
[0028]したがって、開示されたシステムのさまざまな実施形態によれば、有利なことに、以下のステップを実行することによって、個人の栄養的健康スコアを算出することが可能になる。
[0029](1)スコア付けする複数の栄養素の表示を記憶するステップ、
能になる。
[0030](2)保存された栄養素ごとに健康的な範囲の表示を記憶するステップ、
能になる。
[0031](3)各栄養素のスコア感度及びスコア加重値を記憶するステップ、
能になる。
[0032](4)特定の摂取可能物について、成分栄養素ごとに栄養素健康スコアを算出するステップ、
能になる。
[0033](5)各栄養素の加重値を適用して、摂取可能物の集計栄養的健康スコアを算出するステップ。
[0034]開示されたシステムのさまざまな実施形態では、更に有利なことに、算出された栄養的健康スコアに基づいて、ユーザに栄養アドバイスを提供する。例えば、開示されたシステムの実施形態では、個人がそれらの栄養素の健康量範囲に置かれるために必要とされる栄養素の量を決定する。次に、これらの実施形態では、摂取可能物(例えば、食品又は食材)のデータベースを分析して、その個人が最適なカロリー摂取範囲内に留まりつつ、健康的な量の範囲にユーザを置くために必要な量の栄養素を提供する摂取可能物の組み合わせを決定する。
[0035]開示されたシステムのさまざまな実施形態ではまた、それらの栄養素が、いわゆる「合格判定する」栄養素又はいわゆる「失格判定する」栄養素として従来の既知の方式の下で分類されているかどうかに関係なく、単一の方式を使用して、全ての栄養素(及び食品摂取の他の測定可能な特性)をスコア付けすることによって、既知のシステムを改善するものである。本明細書に開示されるシステムの実施形態が、健康範囲下限値より下の範囲も、健康範囲上限値より上の範囲も、共に栄養素摂取の影響を考慮するということにより、共通のスコア付けの仕組みを用いて、栄養素のいかなる摂取量(又は他の測定可能な特性)の影響を有利に追跡する。
[0036]上述のいくつかの実施形態では、摂取可能物(例えば、食品)の人による摂取は、個人の生物学的健康に影響を与えるだけでなく、測定しスコア付けすることができる環境的、経済的、又は他の影響も有する。さまざまな実施形態では、本明細書に記載されるように算出されたスコアは、個人の栄養的健康及び/又は摂取の追跡可能な1つ以上のその他の影響を反映する。他の実施形態では、開示されたシステムは、酸素などの非食品アイテムの摂取を追跡し、個人の健康又は他の個別化されていない要素に対するかかる摂取の影響を示すスコアを生成する。
[0037]一実施形態では、開示されたシステム及び方法は、より強力な計算及び分析システムを構築することができ、既存のシステムにわずかな変更を加えて配置することができる枠組みを表すものである。本明細書に開示された枠組みは、一般に栄養的健康の枠組みと呼ばれ、i)栄養素プロファイリング及び個人化された栄養スコア付けシステムのため、又は他の科学的栄養分析のために使用することができ、(ii)個人又は集団の栄養摂取可能物の一般的な栄養的健康を測定することができ、(iii)個人化された栄養スコア付け/日々の食事の最適化から集団レベルの比較まで複数の階層にわたり使用することができ、(iv)「良い」及び「悪い」栄養素/食品に基づく定性的な設計要素を除去することができ、(v)純粋なデータ主導型アプローチにおける複数の同時の健康測定値との直接的な相関を用いた設計を組み込むことができ、(vi)任意の測定可能な成分を統合して、栄養摂取可能物の完全な全般的健康状態をスコア付けすることができ、及び/又は(vii)経時的な摂取量というコンテキストでの食品、食事、及び日々の食事の影響を理解するために使用することができる。この構想の全体的な目標は、複数の分野、複数の国、栄養学コミュニティ内の複数の使用事例にわたって、より堅牢な共同研究を可能にする統一された枠組みである。
[0038]本開示の更なる利点は、以下の「発明を実施するための形態」及び関連する図面から明らかになるであろう。
本明細書で開示されるコンピュータ化された栄養的健康スコアシステムを実施するのに使用可能なホストデバイスの電気システムの実施例を例示するブロック図である。 本明細書で定義される特定の栄養素の栄養素健康スコアを表す一般的な曲線の概略図である。 本明細書で定義される特定の栄養素の栄養素健康スコアを表す一般的な曲線の概略図である。 特定の使用事例のスコア付けプロファイルを設計するために使用可能な加重及び感度パラメータを含む、開示されたシステムの一実施形態のメモリに記憶されたテーブルの概略図である。 開示されたシステムによって追跡されるさまざまな栄養素の下側及び上側の健康値を含む、開示されたシステムの一実施形態のメモリに記憶されたテーブルの概略図である。 何らかの日々の食事情報が入力される前の一実施形態における、開示されたシステムのユーザに提供されるインターフェースの一実施例を示すスクリーンショットの図である。 1つの品目が日々の食事に追加された後の、一実施形態における、開示されたシステムのユーザに提供されるインターフェースの一実施例を示すスクリーンショットの図である。 複数の品目が日々の食事に追加された後の、一実施形態における、開示されたシステムのユーザに提供されるインターフェースの一実施例を示すスクリーンショットの図である。 システムが個人の栄養的健康ニーズを満たす推奨される日々の食事を生成するために使用された後の、一実施形態における、開示システムのユーザに提供されるインターフェースの一実施例を示すスクリーンショットの図である。 図9に例示された実施形態の代替的実施形態における開示されたシステムのユーザに提供されるインターフェースの一例を示すスクリーンショットの図である。 開示された栄養スコア付けツールのさまざまな実施形態で使用され、測定可能な成分にスコアを付けるスコア付け関数の図である。 開示された栄養スコア付けツールのさまざまな実施形態で使用され、測定可能な成分にスコアを付けるスコア付け関数の図である。 開示された栄養スコア付けツールのさまざまな実施形態で使用され、測定可能な成分にスコアを付けるスコア付け関数の図である。 開示されたシステムのさまざまな実施形態におけるスコアの米国全国健康栄養診断調査(「NHANES」)データにおける臨床的健康尺度の体格指数(「BMI」)との相関及び線形近似の図である。 開示されたシステムのさまざまな実施形態におけるスコアの米国全国健康栄養診断調査(「NHANES」)データにおける臨床的健康尺度の体格指数(「BMI」)との相関及び線形近似の図である。 開示されたシステムのさまざまな実施形態におけるスコアの米国全国健康栄養診断調査(「NHANES」)データにおける臨床的健康尺度の体格指数(「BMI」)との相関及び線形近似の図である。 開示されたシステムのさまざまな実施形態におけるスコアの米国全国健康栄養診断調査(「NHANES」)データにおける臨床的健康尺度の体格指数(「BMI」)との相関及び線形近似の図である。 本明細書に開示されたシステムの一実施形態におけるFNDDSデータベースから選択された5つの食品の健康スコアのセットの図である。 本明細書に開示されたシステムの一実施形態におけるFNDDSデータベースから選択された5つの食品の健康スコアのセットの図である。 スコア付けプロファイルの例によってスコア付けされた「食事に関する研究のための食品栄養データベース」(Food and Nutrient Database for Dietary Studies(「FNDDS」))の食品の図である。 スコア付けプロファイルの例によってスコア付けされた「食事に関する研究のための食品栄養データベース」(Food and Nutrient Database for Dietary Studies(「FNDDS」))の食品の図である。 開示されたシステムの一実施形態によってスコア付けされた全てのFNDDS食品の2次元(「2−D」)プロット図である。 本明細書に開示されたシステム及び方法の栄養的健康スコア及び他の数学的な態様を計算するための式のセットの一実施形態のグラフ表示の図である。 本明細書に開示されたシステム及び方法の栄養的健康スコア及び他の数学的な態様を計算するための式のセットの一実施形態のグラフ表示の図である。 本明細書に開示されたシステム及び方法の栄養的健康スコア及び他の数学的な態様を計算するための式のセットの一実施形態のグラフ表示の図である。 本明細書に開示されたシステムの実施形態に係る、栄養摂取可能物の最適スコアを決定するための4象限グラフィックの簡略化された概略実施形態の図である。
[0055]一般に、本明細書に開示されたシステムは、摂取可能物の摂取の影響を示すスコアを算出して表示する。これらのスコアは、個人の特定のニーズを考慮して摂取の影響を反映するように、摂取可能物を摂取する特定の個人に合わせて調整される。
[0056]より詳細には、さまざまな実施形態において、本明細書に開示されたシステムは、摂取可能物を摂取する個人に対する、食品などの摂取可能物を摂取する栄養的影響を示すスコアを算出して表示する。これらの実施形態では、本システムは、所定の期間にわたる個人の最適なカロリー摂取量範囲を決定することなどにより、スコア算出の対象の個人のニーズの1つ以上の指標を決定し、記憶する。開示されたシステムはまた、個人がその日のカロリー摂取量範囲に基づいて1日に摂取すべきカルシウム量(mg)の範囲を決定し記憶することなどにより、所定の期間のカロリー摂取量範囲を考慮して、個人が摂取すべき栄養素の範囲の指標を決定し、記憶する。続いて、開示されたシステムは、ユーザが、摂取した又は摂取しようとしている摂取可能物(食品品目など)を示すことを可能にする。示された各食品品目について、開示されたシステムのデータベース又はデータストアは、その食品品目の量当たりの栄養素含有量の指標を記憶する。本システムは、栄養含有量情報に、経時的に摂取された食品品目の量を乗じたものを使用して、その特定の食品について経時的な栄養摂取総量を決定する。
[0057]さまざまな実施形態では、特定の時間における特定のカロリー摂取量範囲で特定の個人に最適な栄養素の範囲を決定した後、かつ、その時間内に摂取した又は摂取予定の少なくとも1つの食品を知った後、本システムは個人の1つ以上の栄養的健康スコアを算出するものである。これらの栄養的健康スコアは、示された食品の栄養的影響を示す。概して、これらのスコアは、本システムによって追跡される各栄養素について、食品の栄養素含有量がその栄養素の最適又は健康的な範囲内にあるかどうかを判定することによって算出される。一実施形態では、栄養素健康スコアが、食品品目中に含まれる各栄養素について算出される。その後、本システムは、個人の全体的な栄養的健康に対する各栄養素の相対的重要性を示す加重関数を使用して、栄養素スコアを集計する。一実施形態では、加重関数は、0〜100のスケールで集計栄養的健康スコアを提供し、100に近いスコアは、特定の期間にわたる個人の栄養ニーズのより高い達成度を示す。
[0058]一実施形態では、本システムは、システムに示された各食品品目に関する複数のスコアを算出する。例えば、本システムは、特定の食品品目の示された量が有する影響を示す1つの栄養的健康スコアを算出することができる。システムはまた、特定の食品品目を摂取することによって達成することができる最適なスコアであると判定された栄養的健康スコアを算出してもよい。例えば、示された品目が1日に摂取された1/4ポンドの鶏肉である場合、本システムは、その日の1/4ポンドの鶏肉について栄養的健康スコア56を算出して表示し、もっと多くの鶏肉を摂取することによって最適スコア68を達成できることを更に示すことができる。このスコアは、その日に1/2ポンドの鶏肉を摂取することによって、達成することができるものである。以下に詳細に説明するように、この最適スコアは、1/2ポンドを超える鶏肉を摂取すること(即ち、過剰摂取)が栄養的健康スコアを低下させ、したがって、スコア算出の対象である個人に対するリターンの減少をもたらすことになる。
[0059]更に詳細に後述するように、開示されたシステムはまた、最適な栄養的健康スコアをもたらすであろう食品の組み合わせを提案する助言機能も提供する。例えば、ユーザが朝食後にシステムにアクセスし、自分が朝食で食べた食品を示す場合、開示されたシステムは、朝食用食品の栄養的健康スコアを算出することができるが、その日に追跡された全ての栄養素の最適範囲内の栄養素を個人が摂取するために、その日の残りでどんな栄養素を摂取する必要があるかを決定することもできる。この実施形態では、多くのカロリーをなおその個人の最適なカロリー摂取量範囲内で摂取しつつ、システムは、これらの算出された栄養素の量を使用して、その個人の栄養目標が可能な限り完全に達成されることを確実にするために、その日の残りで摂取可能な食品の組み合わせを決定する。したがって、本明細書に開示されたシステムは、追跡システムとしてだけではなく、個人が栄養目標を達成するのを助けるための摂取可能物を推奨する助言エンジンとしても動作することができる。
[0060]ここで図1を参照すると、本明細書で開示されたコンピュータ化栄養的健康スコア及び推奨システムの少なくとも一部を実装するのに使用可能なホストデバイス100の電気システムの実施例を示すブロック図が例示されている。一実施形態では、図1に例示するデバイス100は、以下の機能の一部又は全部を提供する1つ以上のサーバ及び/又は他のコンピューティングデバイスに対応している。(a)本システムの遠隔ユーザによる、開示されたシステムへのアクセスを可能にすること、(b)遠隔ユーザが、開示されたシステムに接触することを可能にするウェブページを提供すること、(c)開示されたシステムを実装するために必要な、推奨カロリー摂取量範囲、推奨栄養素摂取範囲、及び食品の栄養素含有量などの基礎データを記憶及び/又は算出すること、(d)成分栄養的健康スコア又は集計栄養的健康スコアを算出して表示すること、及び(e)個々人が最適な栄養的健康スコアに到達するのを助けるために摂取され得る食品又は他の摂取可能物の推奨を行うこと。
[0061]図1に示すアーキテクチャの実施例では、デバイス100は、好ましくは、アドレス/データバス113によって1つ以上のメモリデバイス108、他のコンピュータ回路110、及び/又は1つ以上のインターフェース回路112に電気的に連結された1つ以上のプロセッサ106を含むメインユニット104を備えている。1つ以上のプロセッサ106は、INTEL PENTIUM(登録商標)又はINTEL CELERON(登録商標)ファミリのマイクロプロセッサなどの、任意の好適なプロセッサとすることができる。PENTIUM(登録商標)及びCELERON(登録商標)は、Intel Corporationに登録された商標で、市販のマイクロプロセッサのことを言う。他の実施形態では、プロセッサ106として、他の市販の、又は特別に設計されたマイクロプロセッサを使用することができることを理解されたい。一実施形態では、プロセッサ106は、開示されたシステムでの使用のために特別に設計されたシステムオンチップ(「SOC」)である。
[0062]一実施形態では、デバイス100は、メモリ108を更に備える。メモリ108は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリを備えることが好ましい。好ましくは、メモリ108は、以下に説明するように、ホストデバイス100のハードウェア及びシステム内の他のデバイスと相互作用する1つ以上のソフトウェアプログラムを記憶している。加えて、又はこれに代えて、メモリ108に記憶されたプログラムは、(以下で詳細に説明する)クライアントデバイス102などの1つ以上のクライアントデバイスと対話して、デバイス100に記憶されたメディアコンテンツへのアクセスをそれらのデバイスに提供することができる。メモリ108に記憶されたプログラムは、任意の好適な方法でプロセッサ106によって実行されてもよい。
[0063]インターフェース回路112は、イーサネットインターフェース及び/又はユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェースなどの任意の好適なインターフェース規格を使用して実装することができる。1つ以上の入力デバイス114が、データ及び命令をメインユニット104に入力するために、インターフェース回路112に接続されてもよい。例えば、入力デバイス114は、キーボード、マウス、タッチスクリーン、トラックパッド、トラックボール、アイソポイント(isopoint)、及び/又は音声認識システムとすることができる。デバイス100が遠隔デバイスを介してのみ操作又は相互作用されるように設計された一実施形態では、デバイス100は入力デバイス114を含まなくてもよい。他の実施形態では、入力デバイス114には、ホストデバイス100にデータ入力を提供する1つ以上のフラッシュドライブ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、クラウドストレージ、又は他のストレージデバイス又はソリューションなどの1つ以上のストレージデバイスが含まれる。
[0064]1つ以上の記憶デバイス118もまた、インターフェース回路112を介してメインユニット104に接続されてもよい。例えば、ハードドライブ、CDドライブ、DVDドライブ、フラッシュドライブ、及び/又は他の記憶デバイスをメインユニット104に接続することができる。記憶デバイス118は、デバイス100によって使用される任意の種類のデータ(好ましい栄養素範囲に関するデータ、種々の食品品目の栄養素含有量に関するデータ、システムのユーザに関するデータ、以前に生成された栄養的健康スコアに関するデータ、栄養的健康スコアを算出するための加重値を表すデータ、栄養的健康スコアを算出するための感度値、を含む)、及びブロック150によって示されるような、開示されたシステムを実装するために必要な任意の他の適切なデータを記憶することができる。これに代えて又は加えて、記憶デバイス118は、記憶デバイス118へのアクセスがインターネット、又はイーサネット回路112などの他のネットワーク接続回路、を介して行われるように、クラウドベースの記憶デバイスとして実装されてもよい。
[0065]1つ以上のディスプレイ120、及び/又はプリンタ、スピーカ、又は他の出力デバイス119もまた、インターフェース回路112を介してメインユニット104に接続されてもよい。ディスプレイ120は、液晶ディスプレイ(LCD)、好適なプロジェクタ、又は任意の他の好適な種類のディスプレイとすることができる。ディスプレイ120は、ホストデバイス100の動作中に、ホストデバイス100のさまざまなデータ及び機能の視覚的表現を生成する。例えば、ディスプレイ120を使用して、好ましい栄養素範囲のデータベース、さまざまな食品品目の栄養素含有量のデータベース、システムのユーザのデータベース、以前に生成された栄養的健康スコアのデータベース、及び/又は、デバイス100の管理者が上記の他のデータベースと対話できるようにするデータベース、に関する情報を表示することができる。
[0066]図示した実施形態では、コンピュータ化された栄養的健康スコア及び推奨システムのユーザは、クライアントデバイス102などの好適なクライアントデバイスを使用して、デバイス100と対話する。さまざまな実施形態におけるクライアントデバイス102は、ホストデバイス100によって提供又は供給されるコンテンツにアクセスすることができる任意のデバイスである。例えば、クライアントデバイス102は、ホストデバイス100へのウェブベースのインターフェースにアクセスするために好適なウェブブラウザを実行することができる任意のデバイスであってもよい。これに代えて、又はこれに加えて、本明細書で説明される機能のいくつかを提供する1つ以上のアプリケーション又はアプリケーションの部分は、クライアントデバイス102上で動作することができ、この場合、クライアントデバイス102は、ホストデバイス100に記憶されたデータ(健康栄養素範囲又はさまざまな食品の栄養素含有量に関するデータなど)にアクセスするためだけに、ホストデバイス100とインターフェースする必要がある。
[0067]一実施形態では、デバイス(即ち、デバイス100及びクライアントデバイス102)のこの接続は、クラウド116によって図1に例示されるインターネット及び/又は他のネットワーク上のネットワーク接続によって促進されるものである。このネットワーク接続は、イーサネット接続、デジタル加入者回線(DSL)、WiFi接続、セルラーデータネットワーク接続、電話回線ベース接続、同軸ケーブルを介した接続、又は別の好適なネットワーク接続などの任意の好適なネットワーク接続とすることができる。
[0068]一実施形態では、ホストデバイス100は、クラウドベースの認証及びアクセス制御、ストレージ、ストリーミング、及びフィードバックの提供などのクラウドベースのサービスを提供するデバイスである。この実施形態では、ホストデバイス100の特定のハードウェアの詳細は、開示されたシステムの実装者にとって重要ではなく、それよりも、かかる実施形態では、開示されたシステムの実装者は、1つ以上のアプリケーションプログラマインターフェイス(API)を利用して、便利な方法で、ホストデバイス100と対話(健康的な栄養範囲を決定するのに役立つユーザの属性に関する情報を入力すること、摂取される食品に関する情報を入力すること、及び以下でより詳細に説明する他の対話など)する。
[0069]デバイス100及び/又はクライアントデバイス102へのアクセスは、適切なセキュリティソフトウェア又はセキュリティ手段によって制御され得る。個々のユーザのアクセスは、デバイス100によって設定され、個人の身元に応じて、摂取された食品を入力するか、又は算出されたスコアを見る、などの特定のデータ及び/又は動作に制限される。ホストデバイス100又はクライアントデバイス102のいずれかの他のユーザは、それらのユーザの身元に応じて、加重、感度、又は健康的な範囲値などの他のデータを変更することを許可されてもよい。したがって、本システムのユーザは、開示されたシステムによって提供されるコンテンツにアクセスする前に、デバイス100に登録する必要があり得る。
[0070]好ましい実施形態では、各クライアントデバイス102は、デバイス100に関して上述したのと同様の構造的又は設計上の構成を有する。即ち、一実施形態における各クライアントデバイス102は、表示デバイス、少なくとも1つの入力デバイス、少なくとも1つのメモリデバイス、少なくとも1つの記憶デバイス、少なくとも1つのプロセッサ、及び、少なくとも1つのネットワークインターフェースデバイス、を備えている。周知のデスクトップ、ラップトップ、又は(スマートフォン、タブレットコンピュータなどを含む)モバイルコンピュータシステムに共通のこのような構成要素を含めることにより、クライアントデバイス102は、対応するシステムのユーザによる相互間の対話を容易にする。
[0071]さまざまな実施形態では、図1に例示されるようなデバイス100及び/又は102は、実際には、複数の異なるデバイスとして実装することができる。例えば、デバイス100は、実際には、本明細書に記載のメディアコンテンツアクセスシステムを実装するために共に動作する複数のサーバデバイスとして実装されてもよい。さまざまな実施形態では、図1には示されていない1つ以上の追加のデバイスが、本明細書で開示されるシステムへのアクセスを可能にするか、又は容易にするために、デバイス100と対話する。例えば、一実施形態では、ホストデバイス100は、ネットワーク116を介して、1つ以上の公開の、秘密の、又は独占の、情報リポジトリ(栄養情報、栄養素含有量情報、健康的範囲情報、環境影響情報などの公開の、秘密の、又は独占の、情報リポジトリなど)と通信する。
[0072]一実施形態では、開示されたシステムは、クライアントデバイス102を含まない。この実施形態では、本明細書に記載された機能は、ホストデバイス100上で提供され、システムのユーザは、入力デバイス114、表示デバイス120、及び出力デバイス119を使用してホストデバイス100と直接対話する。この実施形態では、ホストデバイス100は、本明細書に記載された機能のうちのいくつか又は全てをユーザ対面機能として提供する。
[0073]上記のように、本明細書に開示されたシステムは、さまざまな実施形態において、栄養的健康を促進するという考えを前提としている。栄養的健康の概念は、全ての栄養素が健康的な摂取範囲を有するという考えに基づいて、構築されている。即ち、栄養的健康の概念は、本質的に良い栄養素はなく、本質的に悪い栄養素はない、という考えに基づいて構築されている。代わりに、任意のあり得る栄養素について、その栄養素の摂取は、健康的範囲内か、健康的範囲外のいずれかである可能性がある。健康的範囲は異なる個人によって相違するが、健康的範囲内の栄養素の摂取は、概ねその栄養素の健康的な摂取であるとみなされ得る。
[0074]この理解を念頭に置いて、開示されたシステムは、指定された期間にわたり個人によって摂取される栄養素(少量栄養素又は多量栄養素)が、それらの栄養素の健康的範囲(範囲はその個人に固有である)内にある場合に、個人が栄養的に健康であるという、栄養的健康の定義に依存する。個人又は個人群の栄養ニーズを確認し、これに依拠することにより、本明細書で開示されたシステムは、個人が栄養摂取を最適化することを可能にする個人化された栄養追跡及び管理システムを提供する。開示されたシステムは、個人が栄養スコア付けに基づいて実行可能な意思決定を行うことを可能にし、個人の栄養要求に基づく食品摂取の個人の柔軟性を可能にする。
[0075]さまざまな実施形態では、本明細書で開示されるシステムは、複数のモジュールとして構成され、各モジュールは特定の機能又は機能のセットを実行する。これらの実施形態におけるモジュールは、汎用プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール、専用プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール、適切な専用ハードウェアデバイス上で実行されるファームウェアモジュール、又は、完全に回路機構によって本明細書に列挙する機能を実行するハードウェアモジュール(特定用途向け集積回路(「ASIC」)など)、とすることができる。本明細書で説明する機能の一部又は全部を実行するために特殊なハードウェアが使用される実施形態では、開示されたシステムは、設定を制御するか、又はかかる特殊なハードウェアの機能を調整するために、1つ以上のレジスタ又は他のデータ入力ピンを使用することができる。例えば、第1のセグメントで増加し、第2のセグメントで平坦であり、第3のセグメントで減少している区分的連続関数に基づいて、栄養素健康スコアを分析するようにプログラムされたハードウェアモジュールを使用することができる。この実施例では、このハードウェアは、関数を評価するようにプログラムされ、ハードウェアへの1つ以上の入力は、例えば、第1のセグメントが第2のセグメントと合流する入力値、第2のセグメントが第3のセグメントと合流する入力値、及び第3のセグメントが減少していく割合を示すパラメータ(例えば、勾配又は第3のセグメントの形状を規定する関数)、の入力を受信するように構成され得る。更に他の実施形態では、本明細書で説明するさまざまな機能を実行するモジュールがハードウェアによって実行可能なソフトウェアモジュールである場合、これらのモジュールは、特定の事前に決められたオペレーティングシステム環境を実行するプロセッサ上で動作するように設計され得るアプリケーション又はアプリケーションのサブセットの形態を取ることができる。
[0076]図2は、栄養素摂取の健康的な範囲の概念をより詳細に表す曲線200の一実施例を例示する。図2の曲線200は、特定の栄養素に関するものである。食品品目は多くの栄養素を含む可能性があり、したがって、それに適用可能な曲線200のような多数の曲線を有し得る。図示した実施形態では、垂直軸202は栄養的健康スコア(以下に詳細に説明する)に関係し、水平軸204は摂取される栄養素の量に関係するものである。
[0077]曲線200を更に参照すると、曲線によって表される栄養素が全く摂取されない場合(即ち、チャートの原点において)、栄養素健康スコアは0であることが分かる。これは、この特定の栄養素の摂取が、全体的な栄養的健康に何の影響も与えないことを意味する。栄養素の摂取が原点から増加するにつれて(即ち、この栄養素がより多く摂取されるにつれて)、栄養的健康スコアは曲線部分202aに示されるように増加し、曲線によって表される栄養素の摂取によって得られる利益が増加することを表している。
[0078]図2のチャートで健康範囲下限(LHR)値と呼ばれる特定の点206において、曲線部分202bに示すように、その栄養素の量を追加で摂取しても、その利益は増加しなくなる。点206と、図2の健康範囲上限(UHR)値として特定される点208と、の間のこの曲線の平坦な形状は、栄養素を追加で摂取しても、栄養素健康スコアは上昇して行かず、したがって、更なる利益は得られていないことを示している。チャートのこの部分では追加の利益は得られていないが、それでも追加のカロリーは摂取されていることを理解されたい。
[0079]健康範囲上限(UHR)値208では、特定の栄養素を追加して摂取すると、実際に、ユーザの栄養的健康に対する正の影響が減少し始める。即ち、栄養素を更に摂取すれば、有害ではないが、曲線202bの平坦部分に対応する範囲でこの栄養素の量を摂取する場合よりも、利益が少なくなり始める。曲線202cの下方に傾斜している部分は、依然として水平軸より上にある(したがって、依然として正の栄養素の健康スコアに対応付けられている)が、栄養素を追加して摂取すると、栄養素健康スコアの形での利益は、正ではあるが減少することを表している。
[0080]ついには、曲線200の部分202dによって示されるように、十分な栄養素が摂取されると、その摂取は単に利益を減少させるだけではなく、実際に個人に有害となり得るも。曲線200が水平軸を横切る点(点210として示されている)は、点210での栄養素の量を超えて更に摂取すると、個人にとって有害となることを示している。以下に説明するように、全体的な栄養的健康スコアは、さまざまな実施形態において、各成分栄養素健康スコアに加重値を乗じてその結果を合計することによって、算出される。摂取された栄養素の量が、図2の部分202dに対応する場合には、その栄養素の栄養的健康スコアの成分部分は実際には負の値である。
[0081]種々の実施形態において、栄養素健康スコアが負であるように曲線200の部分202dを定義することは、個人があるものを全く摂取しないことの悪影響によって制限されるという事実を反映する。換言すれば、ある栄養素を全く摂取しないことの栄養素健康スコアは、その栄養素についてはゼロである。しかし、特定の摂取可能物を過度に摂取することによって生じうる害に制限はないという考えを反映するために、曲線200の区間202dの負の値は、個人がより多くの栄養素を摂取するにつれて、より大きな負の数になり続ける。
[0082]既存の栄養追跡の方式では、栄養素を健康範囲上限(UHR)値を超える量で摂取する影響を考慮していないことを理解されたい。したがって、栄養素の摂取は、既知のシステムでは、栄養的スコアを改善又は増加させる能力しか有しておらず、これらのスコアを低下させることは決してできなかった。既知のシステムでは、スコアへの正の影響が減少すること及びスコアへ最終的に負の影響を及ぼすことはあり得なかったため、これらの既知のシステムは、個人によって摂取された栄養素を十分に考慮するものではなかった。したがって、202c及び202dと表示された曲線200の点での栄養素の摂取を考慮することは、本出願の大きな利点である。
[0083]一実施形態では、開示されたシステムによって追跡される各栄養素に提供される最大栄養素健康スコアは、1の値などの同じ値を有し、栄養素摂取量が健康的な量範囲にある場合に、この最大値は曲線の水平部分に対応することを更に理解されたい。したがって、個人が健康的量範囲内の栄養素の量を摂取している場合、その摂取に対する栄養素健康スコアは1である。各栄養素について同じ最大値を提供することにより、以下でより詳細に説明するように、さまざまな追跡される栄養素に加重値を適用することによって、さまざまな栄養素の相対的重要性を全体的な栄養的健康スコアに反映させることができる。
[0084]さまざまな実施形態では、開示されたシステムは、全体的な栄養的健康スコアの要因となる各栄養素について、曲線200のような曲線の表示を記憶する。一実施形態では、以下でより詳細に説明するが、本システムは、栄養的健康スコアが調整される各個人又は個人の集団の健康範囲下限値、健康範囲上限値、加重値、及び感度値を記憶することによって、曲線の表示を記憶する。この実施形態について、以下でより詳細に説明する。
[0085]他の実施形態では、システムは、各栄養素について3つの値、すなわち、健康範囲下限(LHR)値、健康範囲上限(UHR)値、及び曲線200がUHR値より上で横軸を横切る点を示す値、を記憶することによって、各栄養素の曲線200のような曲線を規定するのに必要な情報の表示を記憶する。一実施形態では、これらの値は絶対値として記憶され、さまざまなカロリー摂取値に基づいて、適宜スケーリングされる。一実施形態では、これらの値は、カロリー量当たりの栄養素摂取量として記憶される。一実施形態では、開示されたシステムは、第3の値(即ち、曲線が横軸を横切る位置に関する値)を勾配として記憶し、したがって記憶されたUHRに基づいてその値を算出する。
[0086]さまざまな実施形態における開示されたシステムは、個々の人々にできるだけ個人化された栄養素範囲摂取値を記憶するものである。医学研究所は、性別及び年齢に基づいた集団に対する特定の栄養素に対する集団レベルの1日基準摂取量(DRI)値の推奨値を公表している。例えば、医学研究所は、0〜6ヶ月の乳児、6〜12ヶ月の乳児、1〜3歳の子供、4〜8歳の子供、9〜13歳の男性、9〜13歳の女性などに関する少数の推奨栄養素の値を指定することがある。しかし、これらの指定された値は、実際に個人に合わせられていないので、個人の全体的な栄養的健康を分析するには不十分である。具体的には、それらは、人の健康レベル(例えば、その人が運動量が多い又は活動的であるか)、健康状態(例えば、肥満、糖尿病、アレルギー)、医学的制限(例えば、その人が救命治療患者であるかどうか)、身体生理(身長及び体重)、又は任意の他の個々の特定の考慮事項、を考慮していない。代わりに、既知の推奨摂取値は、年齢及び性別(特定の年齢の)に基づいている。本明細書に開示されたシステムは、個人が、その個人の特定の状況に応じて、各栄養素に関するその個人の、個人的な、健康的な範囲を有することを可能にする点で、更なる利点を提供する。更なる実施形態では、個人は、自分の個人的健康状態に合わせた加重値及び/又は感度値に関して独自の構成を有することができる。これらの個人化された範囲及び/又は加重/感度の値により、開示されたシステムは、完全に個人化された栄養的健康スコアを算出することができる。実際、一部の人にとっては、特定の栄養素はまったく必要ではないことがあり得るか、あるいは、栄養素の健康的量を下側健康量を超えて摂取しても、悪影響はないことがあり得る。特定の栄養素の健康範囲を規定することにより、開示されたシステムは、既知のシステムではできなかった方法で、栄養素の必要性の無さを説明することができる。
[0087]図2の曲線200は、カルシウムなどの単一の栄養素の健康的な摂取範囲に関するものである。開示されたシステムによって、摂取が追跡される各栄養素について、同様の曲線(ただし、異なる勾配及び横軸との異なる交差点を有する)を規定することができることを理解されたい。更により一般的に言えば、さまざまな実施形態では、曲線200のような曲線が、追跡可能な摂取可能物の各特性に対して規定される。したがって、曲線200のような曲線を、ユーザのエネルギー摂取量について規定することができる。この場合、下側エネルギー摂取値及び上側エネルギー摂取値(例えば、kcal)は、所定の期間にわたる(例えば、所定の日にわたる)個人のエネルギー摂取範囲を規定する。更に、加重パラメータ及び感度パラメータは、特定の人に関するエネルギー摂取量について規定することができる。加重パラメータは、個々のエネルギー健康スコアが全体的な栄養的健康スコアに及ぼす影響を画定し、感度パラメータは、過度に摂取するカロリーに対する特定の個人の感度を規定する。これらのエネルギー摂取に関する4つの値を規定することにより、特定の人に本システムをカスタマイズすることができる。例えば、本システムが比較的運動量が多い人にカスタマイズされている場合、カロリー摂取量はそのユーザの全体的な健康にとって重要であるため、加重値は比較的高く規定され、カロリーの過剰摂取はその個人の全体的な健康に強い影響を与えないであろうため、感度パラメータもまた、比較的高く規定され得る。これらの値は、例えば、減量に関心を持つ個人に適用される場合には、加重パラメータは依然として高い(カロリー摂取量は全体の栄養的健康スコアにとって依然として重要である)が、感度値は低い(カロリーの過剰摂取は全体的なスコアに大きな影響を与えるはずである)ように、調整することができる。
[0088]一実施形態では、開示されたシステムは、食品生成に関連する経済的コスト、CO2排出量などの、食品摂取の他の追跡可能な特性についての曲線200のような曲線もまた記憶するものである。
[0089]次に図3を参照すると、特定の栄養素について、より具体的な曲線300(曲線上の点のより具体的なラベルを含む)が例示されている。図3は、同図でlntとラベル付けされた健康範囲下限値未満において、栄養素の摂取の利益が増加することを示すという点で、図2と同様である。図3はまた、図2と同様に、図3でuntとラベル付けされた健康範囲上限値より上において、栄養素の摂取の利益が減少することを例示している。最後に、図3は、栄養素nを摂取する利益が最終的に負であることを例示している。
[0090]図3において、縦軸はhnftと呼ばれ、時間「t」の単位当たりの食品「f」の単位当たりの栄養素「n」の栄養素健康スコアを示すために使用される。したがって、栄養素健康スコアhnftは、例えば、1日当たりの食品当たりのビタミンAの摂取に関するスコアの表現であり得る。図3は、摂取されている栄養素「n」の量が健康的量範囲にあるとき、栄養素健康値hnftが最大値1を有することを例示する。図3では、横軸はAnftとラベル付けされ、時間単位「t」当たりの食品「f」の単位当たりで摂取される栄養素「n」の量を示すのに使用される。したがって、Anftの量は、例えば、1日あたりの食品1個あたりのビタミンAの量の表現であり得る。
[0091]図3に例示する実施形態では、健康範囲下限はlntとラベル付けされ、健康範囲上限はuntとラベル付けされている。これらの値の各々は、図示された量が栄養素「n」に特有であることを示す下付き文字「n」を含み、健康範囲の下限及び上限が時間「t」あたりの栄養素「n」の量に関して規定されることを示すために値「t」を含んでいる。したがって、lnt及びuntの値は、1日の健康的なビタミンAの摂取量の範囲を規定することができる。
[0092]図3はまた、曲線300がAnft軸を横切る(s+1)untとラベル付けされた点の値を例示する。この実施形態では、sは、いわゆる感度パラメータを表す。一般に、感度パラメータは、特定の栄養素を過度に摂取することの影響の重大度又は程度を表すものである。図示された実施形態では、感度パラメータが1に加えられ、unt値を乗じられて、栄養素の追加の摂取が個人に悪影響を及ぼし始める点を決定する。したがって、感度パラメータが大きいほど、untと(s+1)の積が大きくなり、ゼロ軸を横切り個人に有害になり始める前に摂取される必要のある栄養素「n」の量が多くなる。一実施形態では、曲線300がAnft軸と交差する点が、untよりも少なくとも100%大きく、最大でuntの300%であるように、感度値は0より大きく2より小さい値である。言い換えると、図3に例示する実施形態では、感度パラメータsが1である場合、摂取された量がunt値より100%大きいと、栄養素健康スコアはゼロになる。同様に、感度パラメータsが0.5の場合、摂取された量がunt値より50%大きいと、栄養素健康スコアはゼロになる。この実施形態では、感度スコアが高いほど、栄養素健康スコアは摂取量によって影響を受けにくい。スコアは感度値に反比例する。
[0093]上述の実施形態のような一実施形態では、開示されたシステムは、システムによって追跡される各栄養素と関連して感度値を記憶する。例えば、本システムは、各栄養素についての「感度」値を含む栄養素情報のデータ構造体又は他のデータベースを記憶することができる。かかるデータ構造体に関する表現の例が図4に例示されており、第1の列401は栄養素の名称を示し、第3の列403は栄養素の感度値を示している。図4のテーブル400では、カルシウムの感度は「2」であるのに対して、飽和脂肪の感度は「1」であることを理解されたい。これは、カルシウムが個人の栄養的健康に、悪影響を及ぼし始める(全体の栄養的健康スコアを低下させる)ためには、余分な飽和脂肪よりも、余分なカルシウム(カルシウムのunt値を超える)の方がより多く必要であることを示している。別の言い方をすれば、個人が余分なカルシウムを摂取することは、余分な飽和脂肪を摂取することよりも、不健康の程度はより小さい。
[0094]他の実施形態では、感度値sは、0より大きく3より小さい数にする、などの他の好適な方法で規定してもよく、この場合には、曲線300がAn軸を横切る値が単純にuntにsを乗じることによって算出される。この実施形態では、曲線300は、unt値をuntの100%超えるよりも早くAnft軸を横切る可能性がある。他の実施形態では、sは、勾配、untに加えられるべき値、推奨されるカロリー摂取量によってスケーリングされてuntに加えられる値、推奨されるカロリー摂取量によってスケーリングされる値、又は栄養素の追加摂取が有害になる健康的範囲を超える点を規定するための任意の他の好適な値として、記憶することができる。一実施形態では、いくつかの栄養素については、S値は存在しないが、これは、栄養素の追加摂取は有害ではなく、栄養素の摂取に結びつく悪影響を及ぼすことなく、単にカロリーを加えるだけであることを意味する。別の実施形態では、同じ結果を実現するために、即ち特定の栄養素の過剰摂取が有害でないことを示すために、本システムは、いくつかの栄養素について、無限のs値を割り当てるか、又は無限の健康範囲上限値を規定するかのいずれかを行う。
[0095]さまざまな実施形態において、栄養素の過剰摂取により生じる負のスコアは、潜在的に無限に負の値になる可能性があることを理解されたい。したがって、開示されたシステムのさまざまな実施形態において、比較的低い感度スコア(即ち、図2の曲線200の比較的急峻な傾斜部分202c及び202dを規定するスコア)を有する栄養素の過剰摂取を防止するために下限が規定され、全体的な栄養的健康スコアが過剰の摂取状況により過度に歪曲されないようにする。
[0096]一実施形態では、本明細書に開示されたシステムは、これらの栄養素の類似の感度スコアに基づいて、さまざまな栄養素群の表示を記憶する。例えば、一実施形態では、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB12、ビオチン、パントテン酸、ビタミンK、及びカリウムを含むビタミンの第1群の感度スコアは、ゼロ交差点が健康範囲上限の800%になるように選択される。この実施形態では、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、葉酸塩、ナイアシン、リン、セレン、及びマグネシウムを含むビタミンの第2群の感度スコアは、ゼロ交差点が健康範囲上限の400%になるように選択される。この実施形態では、ビタミンA、カルシウム、ヨウ素、鉄、亜鉛、銅、及びマンガンを含むビタミンの第3群の感度スコアは、ゼロ交差点が健康範囲上限の200%になるように選択される。この実施形態では、これらの相対的なゼロ交差点は、第1群の栄養素に関する健康範囲上限の超過についての健康に対するリスクの根拠が相対的に少ないこと、第2群の栄養素に関する健康範囲上限の超過についての健康に対するリスクが低いこと、及び第3群の栄養素に関する健康範囲上限の超過についての健康リスクの可能性があること、があることを示している。
[0097]開示されたシステムは、さまざまな実施形態において、特定の食品について所定の時間にわたって摂取される各栄養素についての栄養素健康スコアを算出するものである。これらの実施形態では、開示されたシステムのモジュールは、摂取された栄養素の量を決定し、単位時間当たりに摂取される特定の栄養素の所定の量について、図2の曲線200又は図3の曲線300などの曲線を規定する関数の高さ即ち値を決定することによって、これらの値を算出する。このようにして、特定の時間に摂取された特定の食品について、開示されたシステムは、食品中の栄養素に関する複数の栄養素健康値を決定し記憶する。一実施形態では、開示されたシステムは、特定の摂取可能物品目の栄養素健康スコアを集計するための特別に設計されたデータ構造体にこの情報を記憶する。一実施形態では、本システムはまた、以下でより詳細に説明するように、栄養素健康値の一部又は全部をシステムのユーザに表示する。
[0098]再び図3を参照すると、特定の栄養素の栄養素健康スコアは、本明細書において式1と呼ばれる以下の関数に従って算出することができる。
[0099]式1によって定義された関数は、区分的連続関数又は段階的連続関数と呼ぶことができる。いくつかの実施形態では、この関数は、摂取された食品の各量について規定された値を有するが、関数の導関数(勾配)は連続関数ではない。いくつかの実施形態では、たとえ関数の勾配が瞬間的に変化したとしても、その値に大きな瞬間的な変化はない。
[0100]上記の式1において、変数fは、食品を指す(食品は任意のカロリー摂取量で摂取される単一の食品又は食品のセットであり得る)。変数nは、概して、ビタミンA、飽和脂肪、又はカルシウムなどの栄養素を指す。変数tは、概して、値の定量化のために使用される期間を指す。変数lntは、時間t当たりの栄養素nの健康範囲下限を指し、値untは、時間t当たりの栄養素nの健康範囲上限を指す。
[0101]本開示を通じて、変数「n」は、その栄養素の栄養的健康スコアを算出する際に、特定の栄養素の態様を指すために使用される。いくつかの実施形態では、開示されたシステムは、栄養素についてのみ栄養素健康スコアを算出するように構成されているが、本開示は、より広い適用性を考慮するものである。例えば、栄養素摂取のスコアの決定に関する本明細書の説明は、摂取可能物を製造するための環境への影響、摂取可能物を得るためのコスト、摂取可能物を入手することの困難性、及び摂取可能物の保存寿命、などの、摂取可能物の任意の他の測定可能な特性に関するスコアの決定を含むように拡大することができる。測定可能な特性に応じて、範囲下限値及び/又は上限値はゼロ又は無限大であってもよい。例えば、コストが食品の測定され追跡される特性である場合、できるだけコストの低い食品を購入することが「最適」であることを示すために、範囲下限値は0であってもよい。この実施形態では、範囲上限値もまたゼロとしてもよく、0より大きい任意の量に対するスコアが減少することは、一部の摂取者にとって、低コストが最も重要であることを示す。本明細書のシステムによってまた、より裕福な人が高価な食品に対して敏感でないように、加重及び感度の値を調整することによって、全体的なスコアに対する経済的コストの影響を変えることが可能になる。式1を摂取可能物の他の測定可能な態様に適用することにより、開示されたシステムは、例えば、栄養素の摂取だけでなく、日々の食事の構成食品を得るための経済的コスト、又は環境への影響、に最適化された日々の食事を提供するスコアの算出を可能にする。
[0102]食品中の栄養素の量を算出することに関して、本開示は、特定の期間(例えば、ある日)におけるあるカロリー数の摂取に基づくシステムに焦点を当てている。言い換えれば、開示されたシステムによって算出された栄養素健康スコア及び栄養的健康スコアは全て、所定の時間にわたって所与のカロリー摂取量レベルに対して算出される。これを反映するために、変数Anftは、時間t当たりの食品f中の栄養素nの量を指す。
[0103]Anftはδnfにeftを乗じて算出される。ここで、eftは、時間t当たりの特定の食品fのエネルギー摂取量(例えば、kcal)である。例えば、食品fが牛挽肉である場合、所定の日に摂取される牛挽肉のカロリー数を表すためにeftを使用することができる。変数δnfは、食品f中の栄養素nの栄養素密度を表し、食品fの「部分」における栄養素nの量(anfとして表される場合がある)を、食品fの単一の「部分」におけるエネルギー(例えば、kcal)(kとして表される場合がある)で除することによって算出することができる。この除算演算を使用して、分子の「部分」は分母の「部分」と相殺して、その結果は栄養素密度となり、これに摂取された特定の食品のエネルギーを乗じると、時間t当たりの食品f中の栄養素nの量が得られる。
[0104]上述の実施形態では、本システムを用いて、エネルギーに栄養密度を乗じることによって、ANFTを算出する。一実施形態では、本システムを用いて、摂取された食品の量(例えば、グラム数)に、食品の量あたりの栄養素(例えば、1グラムあたりの栄養素)を示す記憶された値を乗じることによって、ANFTを算出する。追跡されるさまざまな摂取可能物について、カロリーは同様の方法(摂取された食品の量に、量に対するカロリーの記憶された比率を乗算する)で決定される。
[0105]いくつかの実施形態では、開示されたシステムは、上記で説明した、量当たりの栄養素の記憶された値を基礎として、標準化団体の公表された栄養素含有量情報に依存している。例えば、一実施形態では、本システムは、特定の量の特定の食品中の栄養素及びカロリーの量を示すUSDAのデータを記憶するものである。
[0106]さまざまな実施形態では、開示されたシステムは、算出の一部を実行するため、かつ、上記の式1を解くため、に必要な値のデータベースを備えている。例えば、一実施形態では、開示されたシステムは、複数の種類の食品に関する食品関連情報のデータベース又は他のデータストアを記憶するものである。この食品関連情報は、食材、食品、食事、又は日々の食事に関する情報を含み、レストランメニュー(例えば、特定のファーストフードチェーンのハンバーガ)から選択された品目に関する情報、又は市販の製品(例えば、ソフトドリンクの特定のブランド)に関する情報を含んでもよい。これらの実施形態では、式1を解くために必要とされる食品関連情報は、以下を含む。
食品fのリスト、
栄養素nのリスト、
本明細書においてanfとして示される、食品fの単一の正規化された部分における栄養素nの量のリスト、及び、
本明細書においてkとして示される、食品fの単一の正規化された部分におけるエネルギー量のリスト。
[0111]いくつかの実施形態では、特定の値(例えば、期間t、及びeftとして示される期間tにおける食品fの摂取されたエネルギー)は、ユーザによって変更可能であり、したがって、以下に詳細に説明するように、ユーザのシステムの使い方に応じて、ユーザによって提供される。例えば、さまざまな実施形態におけるユーザは、スコアが算出されている時間の長さ(例えば、1回の食事に関する1日のうちの0.33などの、日数の何割であるかに関して)、及びその時間内に摂取された食品の量を指定する。入力された量から、本システムは、摂取された食品のエネルギー量(即ち、カロリー)並びにその食品を介して摂取される栄養素の量を決定することができる。
[0112]いくつかの実施形態では、食品f中の栄養素nの栄養素密度(δnfと表示される)などの、上記で列挙値から算出できる特定の値は、記憶された情報に基づいて、開示されたシステムによって必要に応じて算出される。他の実施形態では、これらの値は、その場で算出されるのではなく、対応するさまざまな食品及び/又は栄養素と関連してデータベース又はデータストアに記憶される。
[0113]さまざまな実施形態では、上に示した記憶された、ユーザ入力された、及び算出された値によって、式1の栄養的健康スコアを算出するために必要とされる上記のAnftの値の算出が可能になる。式1によれば、Anftがlntより小さい場合、スコアは、摂取された栄養素の量を、区間202aに対応する上向き傾斜線上の点である健康範囲下限値で除して算出される。Anftがlntとuntとの間にある(即ち、栄養素「n」の摂取量が健康的な範囲にある)場合、スコアは1である。最後に、Anftがuntより大きい場合、摂取された栄養素の量が感度スコアsによって規定されるゼロ交差点よりも小さいなら、スコアは正であり、摂取された栄養素の量が感度スコアsによって規定されるゼロ交差点より大きいなら、負である。
[0114]図示した実施形態では、栄養的健康スコア曲線200又は300の全てのセグメントが線形であると仮定されていることを理解されたい。いくつかの実施形態では、曲線セグメントの1つ以上は線形でなくてもよい。例えば、指数曲線、ガウス曲線、及び他の非線形関数によって規定される曲線などの非線形曲線を使用して、健康範囲下限値よりも小さい栄養素摂取量における曲線の挙動、又は、健康範囲上限値よりも大きい栄養素摂取量における曲線の挙動、のいずれかを規定することができる。開示されたシステムによれば、上記の式において、Anftがlnt未満である領域、又はAnftがuntよりも大きい領域で栄養素健康スコアを示す曲線を規定する複数の関数が可能であることを理解されたい。本明細書での説明に関して、説明と理解を容易にするために、線形セグメントを選択したものである。非線形関数が栄養素健康スコアを規定する曲線の部分を記述するかかる代替的実施形態では、それでもなお、感度値を使用して、ゼロ交差点を記述するか、又は適切なモジュールがそれを算出することが可能になり得る。このゼロ交差点では、過剰摂取によって、その栄養素の栄養素健康スコアが、特定の栄養素を全く摂取しないことに起因する値よりも小さな値を有することになる。
[0115]上述したように、所定の摂取可能物の複数の栄養素に関する栄養素健康スコアを記憶した後、次のステップで、開示されたシステムは、これらの栄養素健康スコアを、本明細書でHftとして示される、摂取可能物の全体的な栄養的健康スコアに集計する。一実施形態では、本システムは、本明細書で式2と呼ばれる以下の式に従って、この集計を実行する。

式2において、hnftは特定の栄養素nの栄養素健康スコアを表し、wは特定の栄養素nの加重値を表し、合計はシステム内で追跡される全ての栄養素にわたって実行される。この実施形態では、特定の摂取可能物がシステム内で追跡される特定の栄養素を含まない場合、その栄養素の栄養素健康スコアはゼロであり、その栄養素は全体的な栄養的健康スコアHftを増加も減少もさせない。Hftは全体的な栄養的健康スコアであるため、特定の栄養素に固有のものではない。したがって、Hftは、特定の時間tにおける特定の食品fの摂取について表される。
[0116]本明細書に開示されるシステムの実施形態によって提供される実質的な利点の1つは、栄養素の健康スコア(したがって栄養的健康スコア)が時間の関数として算出されることである。即ち、ユーザは、指定された期間に関するカロリー摂取範囲を指定することができ、特定の食品が摂取される間の時間量を指定することができる。その成分栄養素に基づいてその食品に割り当てられたスコアは、時間の関数である。既知の方式は、時間の関数として摂取可能物のスコア付けを提供したものとは考えられていない。本開示のこの態様は、1日の残りの部分にわたってなど、ある期間の残りの部分にわたって、栄養目標を満たすためにどんな食品を摂取するかを決定するために時間を使用することができるので、既知のシステムを超える実質的な利点である。例えば、開示されたシステムのユーザが週末の夜に夕食に出かけた場合、本システムのそのユーザは、夕食時に摂取された食品に関して、週末の日々の食事の残りの部分を計画することができ、他の既知のシステムの下では、それ自体では「健康」とはみなされ得なかった食事を取ったとしても、なお、栄養目標を満たすことができる。以下に説明するように、本明細書で開示されるさまざまなユーザインターフェースにより、日数又は日数の部分を示すなどによって、食品が摂取された、又は摂取されるであろう時間の指示をユーザは入力することができるようになる。
[0117]さまざまな実施形態では、開示されたシステムは、栄養的健康スコアHの考慮に入れる各栄養素に対する、「w」として示される複数の加重値を記憶する。特定の栄養素「n」の加重値はwで示され、栄養素「n」の栄養素健康スコアが全体的な栄養的健康スコアに及ぼす影響を示す。一般的に、特定の栄養素の加重値が大きいほど、その栄養素が栄養的健康スコアに与える影響は大きくなる。
[0118]さまざまな実施形態では、開示されたシステムは、図4に示すテーブル400などのテーブルに複数の加重値を記憶する。図4のテーブル400では、列402は、列401にエントリを有する26個の栄養素のそれぞれに関連付けられた加重を含んでいる。さまざまな栄養素の相対加重は、上記の式に従って算出された全体的な栄養的健康スコアに対する各栄養素の相対的な影響を示す。図4の例示された実施形態では、加重を合計すると合計で1となる。したがって、図4のテーブル400の加重を使用して達成することができる最大栄養的健康スコアは1である。このスコアは、図4のテーブル400の各栄養素に関する栄養素健康スコアが1であった場合に達成される。いくつかの実施形態では、栄養的健康スコアHを1〜100の尺度で提供することが有用であり得る。これらの実施形態では、かかる結果は、各加重に100を乗じることによって、又は上記の式に従って算出された全体的な栄養的健康スコアに100を乗じることによって、達成することができる。
[0119]一般に、栄養素の加重値が大きければ大きいほど、その栄養素が全体的な栄養的健康スコアに及ぼす影響は大きくなる。これは、健康的な摂取はもちろん過少/過剰摂取にも当てはまる。換言すれば、栄養素が過小又は過大に摂取されている場合、より大きな加重値は、より小さい加重値よりも、栄養的健康スコアを低下させる程度が大きいことになる。同様に、栄養素が健康的な量で摂取されている場合、より大きな加重値は、より小さな加重値よりも、栄養的健康スコアを増加させる程度が大きいことになる。
[0120]例えば、「糖質」などの栄養素に、ビタミンと比較して、比較的高いスコア付けの加重が与えられた場合、糖質が少ない食品は一般に高い栄養的健康スコアを受ける。全体的な栄養的健康スコアは、糖質スコアに、より依存するので、他の栄養素が少ない食品であっても、これは当てはまるであろう。したがって、開示されたシステムを個人に個人化するときに、異なる栄養素に関する加重の適切なバランス取りが重要である。
[0121]上記のように、一実施形態では、各栄養素スコアについて、4つのパラメータ、即ち、健康範囲下限(LHR)値、健康範囲上限(UHR)値、スコア付け感度(即ち、上側ゼロ交差)、スコア付け加重(全体的スコアに対する栄養素の寄与の相対的な量)、を規定しなければならない。一実施形態では、これらのパラメータは、開示されたシステムで依存されたストレージデバイス又は他のストレージソリューション内の2つの別個のファイル、データベース、又はデータ構造体として記憶される。
[0122]一実施形態では、第1のファイルは、追跡された複数の栄養素のそれぞれについて加重及び感度の値を記憶する。上述の図4は、かかるファイルに含まれるテーブルの例示的な表現である。図4から分かるように、開示されたシステムによって追跡される複数の栄養素のそれぞれについて、加重値及び感度値が、列402及び403にそれぞれ記憶される。上記のように、加重値は、特定の栄養素の栄養素健康スコアが全体的な栄養的健康スコアに及ぼす相対的な重要度又は影響を示すが、感度値は、栄養素健康スコア(したがって全体的な栄養的健康スコア)に対するUHRを超える追加の栄養素の摂取の影響を示す。
[0123]一実施形態では、第2のファイルは、本システムによって追跡された栄養素のそれぞれについてのLHR値及びUHR値を記憶する。この実施形態では、LHR値及びUHR値は、複数の異なる人又は人々のプロファイルのそれぞれについて記憶される。したがって、例えば、LHR/UHRファイルは、複数の栄養素の各々について複数のLHR/UHR対を保存することができ、ある対は180〜220ポンドの体重を有する18〜20歳の男性運動選手に適用され、ある対は体重が250〜300ポンドの20〜25歳のある男性糖尿病患者に、ある対は体重が100〜125ポンドの45〜50歳の女性集中治療患者に、などのように適用される。更なる実施形態では、栄養素の範囲が個人別に個人化される場合、開示されたシステムは、個人Xなどの特定の個人に対する各栄養素のLHR値及びUHR値の対を記憶する。この実施形態では、データベース又は他のデータストアは、開示されたシステムを使用しているか又はこのシステムによって追跡されている各個人の各栄養素のLHR/UHRの対を収容している。
[0124]現在の好ましい実施形態では、開示されたシステムは、栄養素健康スコア及び栄養的健康スコアの算出を可能にするための2つの別個のデータ構造体(テーブルなど)を記憶する。この実施形態では、第1のテーブルは、追跡される栄養素ごとに、健康範囲下限及び健康範囲上限を記憶し、第2のテーブルは、追跡される栄養素についての加重パラメータ及び感度パラメータを記憶する。かかる構成が現在好ましい理由は、それが、個人向けスコア付けプロファイルの作成を最も容易にし、したがってスコアを個人向けにカスタマイズすることが容易になるからである。特定の個人向けにスコアをカスタマイズする1つの方法は、特定の人の健康に対する異なる栄養素の重要性を反映するように加重パラメータを調整し、特定の個人の健康に対するさまざまな栄養素の過剰摂取の影響を反映するように感度パラメータを調整することである。したがって、例えば、比較的若い運動選手は、糖質の過剰摂取が比較的重要でないので、加重値がタンパク質及び単純炭水化物の摂取を強調するテーブルを使用することができる一方、比較的高齢の糖尿病患者は、その人の健康への影響が大きいために糖質が非常に高く加重されるテーブルであって、糖質の過剰摂取による比較的大きな影響を反映する感度値が選択されるテーブルを使用することができる。記憶されたデータを2つのテーブルに分割することにより、相対的により標準的な健康範囲下限値及び上限値を使用しながら、適切な加重パラメータ/感度パラメータを選択することができる。これらの加重パラメータ/感度パラメータのセットは、さまざまな実施形態において「スコア付けプロファイル」と呼ばれ、これによって、個人は、その個人向けに及び日々の食事のニーズ及び目標に向けてカスタマイズされたスコア付けプロファイルを選択することができることになる。
[0125]図5は、年齢に基づく集団に関係するLHR値/UHR値のテーブルからの抜粋500を例示する。抜粋500では、さまざまな栄養素(テーブル抜粋の一番左の列に特定されている)の摂取範囲は、それぞれ、テーブル中の各母集団群(女性31〜50歳及び女性9〜13歳)についての一対の値(図5のテーブルにLHR及びUHRとして例示されている)を含んでいる。もちろん、抜粋500を採取した全テーブルでは、毎日の基準摂取量が記憶されている追跡される各栄養素がDRI_name列に列挙され、推奨摂取量の観点から、異なる個人化を反映するために、いくつかの追加の列の対をDRI_name列の右側に含んでいる。いくつかの実施形態では、人の集団の列の対の粒度がより詳細であり、このテーブルは、体重、活動レベル、健康状態、減量目標などに基づいて、31〜50歳の女性についていくつかの対の列を含むことができる。
[0126]図5の抜粋500に列挙されているいくつかの栄養素については、1つ以上の値が「na」として列挙されていることを理解されたい。図示された実施形態では、これは、栄養素の摂取から得られる健康上の利益がない(健康範囲下限値が規定されていない場合)か、又は栄養素の追加量を摂取しても利益の減少又は害がない(健康範囲上限値が規定されていない場合)ことを意味する。
[0127]図4のテーブル及び図5のテーブルに記憶されたデータを用いれば、上述したように、追跡される各栄養素の栄養素健康スコアの算出、及び、全体の栄養的健康スコアを決定するための、その後の加重栄養素健康スコアの合計、が可能になる。他の実施形態では、2つより多いか又は少ないテーブルを使用することができることを理解されたい。例えば、単一のテーブルをLHR、UHR、加重、及び感度のそれぞれに使用してもよい。あるいは、単一のテーブルをLHR及びUHRに使用してもよく、単一のテーブルを加重に使用してもよく、単一のテーブルを感度に使用してもよい。4つのデータカテゴリ(LHR、UHR、加重パラメータ、感度パラメータ)が何らかの形で記憶されてさえいれば、栄養的健康スコアを算出するのに必要なさまざまなデータを記憶するために使用される特定のデータ構造体は、栄養的健康スコアの算出にとって重要ではないことを理解されたい。
[0128]さまざまな実施形態において、個人化は、特定の人に関するLHR、UHR、加重、及び感度の特定の組み合わせを提供することによって達成される。いくつかのかかる実施形態では、開示されたシステムにこのデータを記憶するテーブルを構築する一部として、個人は、栄養士と相談したり、調査質問に答えたり、あるいは、それ以外では、カスタマイズされた健康範囲、加重、及び感度の作成を可能にするための自分自身に関する情報を提供してもよい。例えば、ある人は、自分が貧血であることを表明してもよい。これは、健康的な鉄の摂取範囲、鉄の摂取に対する感度、及び全体的な栄養的健康スコアに集計される場合の鉄の栄養素健康スコアに与えられる加重、に影響を及ぼし得る。いくつかの実施形態では、開示されたシステムによれば、ユーザが、年齢、体重、体格指数(BMI)、活動レベル、及び性別などの自分に関する特定のパラメータを入力することが可能になる。本システムでは、これらのパラメータを使用して、ユーザの健康範囲がさまざまな追跡される栄養素に関してどんな値であるかを決定するときに、データ構造体のどの部分(図5のテーブルの特定の列など)を使用するかを決定する。他の実施形態では、本システムは、乗数を決定して、範囲のベースラインの組にこの乗数を乗算することなどにより、個人について入力された情報を使用して健康的範囲を算出する。
[0129]種々の実施形態において、加重パラメータ及び感度パラメータに関する図5に記憶されたデータによれば、特定の個人又は個人の集団についてのスコア付けプロファイルの選択及び/又は開発が可能になる。即ち、栄養士又は他の訓練された栄養の専門家との話し合いなどに従って、加重パラメータ/感度パラメータの異なる組み合わせを指定することによって、開示されたシステムを用いて、個人又は集団が、それらの個人又はユーザの集団にとって重要なスコアを強調するプロファイルを作成することが可能になる。種々の実施形態における「スコア付けプロファイル」という語句の使用は、特定の人々の栄養素健康スコア及び栄養的健康スコアをカスタマイズするために記憶することができる値を指す。
[0130]上記の説明の多くは、特定の食品のさまざまなスコアを算出することに焦点を当ててきた。本明細書に開示されるシステムによって提供される実質的な改善のうちの1つは、特定の食材、食品、販売可能な品目、食事、又は日々の食事などの異なる量の摂取可能物の栄養的健康スコアを算出する機能である。したがって、開示されたシステムは、さまざまな量の食品を単一のスコア付け可能な量に合成する機能を有利に提供するものである。
[0131]一実施例では、ベクトルfは、以下のようにM個のサブ食事を表す。

M個のサブ食事の各部分によって摂取されるカロリーエネルギーを、以下のようにベクトルとして表すことができる。

この式では、時間tにわたって摂取される食事efxtからの総エネルギーは、以下の式で表されるように、全てのサブ食事のエネルギーの合計になる。

各食事の栄養素nの栄養密度は、以下のようにベクトルで表すことができる。

栄養素nについては、食品fで摂取される栄養素nの総量は、各サブ食品のカロリーエネルギーと各サブ食品の栄養密度との積の合計であり、以下のように表すことができる。

1つの例示的な実施形態では、エネルギー値はグラムで表され、密度はグラム当たりのエネルギーで表される。したがって、食事に関する栄養素nの栄養素密度は、以下のように算出される。

前述の式1(及び結果的に式2)において、この栄養素密度及び/又は摂取された栄養素の量を使用して、食事f中の各追跡栄養素の栄養素健康スコアを最初に算出し、次いで、各追跡栄養素の加重調整済み栄養素健康スコアを合計することによって食事fの栄養的健康スコアを算出することができる。開示されたシステムは、上記の算出を実行して、食材の組み合わせである食品、食品の組み合わせである食事、及び食事の組み合わせである日々の食事を含む、さまざまな量の食品の栄養的健康スコアを有利に算出することができる。
[0132]さまざまな実施形態では、開示されたシステムでは、ユーザが、サブ食品又は食品の材料から食品又は食事を構築することが可能になる。例えば、開示されたシステムにユーザの「通常の朝食」が何であるかを示すことによって、ユーザは、「朝食」の食事を保存して、自分が食べようとしているか、又はすでに食べた食品の指示を入力するときに、その1つの食事を単に選択することができる。即ち、開示されたシステムでは、ユーザが食品から食事を、又は食事から日々の食事を構築し、後で容易に選択及び入力するために、それらの多要素の摂取可能物を記憶することが可能となる。いくつかの実施形態では、本システムを用いてまた、ユーザが、自分の通常の朝食の半分を食べたことを示すことなどによって、摂取される特定の多要素の摂取可能物の量を調整することも可能になる。
[0133]さまざまな実施形態において、開示されたシステムは、栄養的健康スコア及び栄養素健康スコアを見るため、経時的に栄養素の摂取量を追跡するため、及び栄養的健康目標を達成するためにどんな食品を食べるべきかに関するアドバイスを得るために、ダッシュボード又は他のグラフィカルユーザインターフェースをユーザに提供する。図6は、開示されたシステムの一実施形態によって提供されるダッシュボードインターフェースの一部を例示する画面600である。図示された実施形態では、スクリーン600によって、ユーザが、特定の食品の摂取の影響を調査するため、特定の食品の栄養的健康スコア及び成分栄養素健康スコアを見るため、及び特定の栄養目標を達成するためにどんな食品を食べるべきかに関するアドバイスを得るために、本明細書に記載の栄養的健康評価システムと対話することが可能になる。
[0134]図6の実施形態では、スクリーン600は、本システムのユーザに異なる機能、対話、及び/又は表示を提供する複数の領域を備えている。領域602は栄養的健康スコアの表示領域であり、さまざまな実施形態では、1つ以上の摂取可能物の1つ以上の算出された栄養的健康スコアが領域602に表示される。さまざまな実施形態では、この領域602はまた、ユーザのカロリー摂取量範囲及び選択された食品の組み合わせの異なる量を摂取することによって表される栄養的健康スコアの曲線を表示する。領域604は、ユーザがどのスコアをアクティブにし、したがって画面600に表示すべきかを選択できるようにするための複数の制御部を含む選択領域である。図示された実施形態では、領域604の異なる制御部は異なるタブの形態をとり、それぞれのタブは、開示されたシステムによって追跡される栄養素の全体のうちのサブセットに関する実際のスコア、及び最適値を表示する。領域608は、ユーザが摂取した食品を入力したり、又は、日々の食事を生成することを可能にする複数の制御部を含んでいる。領域610は、ユーザが示した摂取食品によって示されるさまざまな栄養素の量に関する数値情報を表示する。これらの領域の機能については、以下で更に詳しく説明する。
[0135]領域606は、ユーザが性別、年齢、身長、体重、活動レベル、及び適用可能なUSDAプロフィールを含む、ユーザ自身に関する情報を入力することを可能にする個人情報入力領域である。領域606内のさまざまな図示された制御部を介して入力された情報に応じて、開示されたシステムは、健康範囲下限値、健康範囲上限値、加重値及び/又は感度値をできるだけユーザに特有のものに調整することによって、算出された栄養的健康スコアを個人化する。より具体的には、領域606においてユーザによって提供される情報に応じて、適切なデータベース又はデータストアからの使用のために、健康範囲下限/上限値、加重値、及び/又は感度値の特定のセットが算出されるか又は選択される。領域606に入力された情報は、例えば、図5に例示された複数の母集団グループの中から選択するために使用されてもよい。
[0136]図6、特に図6の領域602をなお参照すると、健康スコアが縦軸に示され、かつ、Kcal(即ち、カロリー摂取量)が横軸に沿って示される、チャートが表示される。ブロック「X」が、領域602のチャートの原点に示され、カロリー摂取量0でスコア0を示す。図6に例示された時点では、現在の日々の食事の一部としての食品情報が、開示されたシステムに提供されているため、このポイントが図示されている。領域602のチャートの中央領域には、太い棒が示されている。この棒は、その個人に最適と判断されたカロリー摂取量の範囲を例示しており、この個人の情報は、画面600によって反映される1日の期間にわたって領域606に提供される。具体的には、適度に運動をする31歳で身長172cm、体重60kgの女性の場合、USDAによって提案される最適なカロリー摂取量は2167Kcal/日である。さまざまな実施形態において、提案されたカロリー摂取量のための他の情報源を適宜使用することができることを理解されたい。図6の領域602内の太い棒は、領域606に規定された人のカロリー摂取量の範囲を例示し、この範囲は最適カロリー摂取量プラスマイナス10%として規定される。したがって、図示された棒は、約1950Kcal/日〜約2383Kcal/日にわたる。さまざまな実施形態において、この範囲は、所定の日の目標カロリー摂取範囲を例示する。一実施形態では、開示されたシステムによって、ユーザが太い棒の端を選択してドラッグし、棒の幅を調整することが可能になる。これは、以下に説明するさまざまな機能を実行するのに使用される毎日のカロリー摂取量範囲を拡大又は縮小することのいずれかをユーザが希望することを示す。
[0137]図6の領域604を参照すると、ユーザが複数のスコアから選択して領域602に表示することを可能にする制御部を備えている。図示の実施形態では、「完全」タブが選択されているが、これは、システムによって追跡される全ての栄養素のスコアが現在表示されていることを意味する。図示された実施形態はまた、多量栄養素(例えば、飽和脂肪、コレステロール、糖質、総脂肪、及びナトリウム)のみのスコアが表示されるMacro_nutというタブ、微量栄養素(例えば、カルシウム、炭水化物、繊維質、鉄、ビタミンA、B、C、D、及びEなど)のみのスコアが表示されるMicro_nutというタブ、糖尿病の状態に関係する栄養素(例えば、糖質)のみのスコアが表示される「糖尿病」というタブ、選択された食品の全ての測定可能な態様に関するスコアが表示される「測定可能な全て」というタブ、を選択するためのオプションをユーザに提供する。減量、又はマラソンなどの厳しい運動イベントのためのトレーニング、に関連する目標などの、異なる栄養目標に対処するための追加のタブを提供することができる。更に、いくつかの実施形態では、1つ以上の制御部によって、かかる制御部又は複数の制御部が選択されたときに、どの栄養素を健康スコアに含めるかをユーザは選択することが可能になり得る。
[0138]図6の実施形態では、領域604のさまざまなタブは、実装されたDRI値のデータベースで追跡される異なる栄養素のサブセットを有し、その抜粋を図5に示す。具体的には、「測定可能な全て」タブには、DRIがデータベースに記憶されている全ての栄養素が含まれている。更に、図6の実施形態では、「完全」タブには、範囲値が記憶されている全てのDRIが含まれているが、栄養素が等しく加重されている。他の列(例えば、糖尿病列)では、異なる加重値が適用され、追跡される栄養素の全てより少ない栄養素が、算出される栄養的健康スコアの考慮に入る。したがって、例示された実施形態では、領域604のタブはよって、ユーザが特定の栄養目標又は栄養ニーズに特有のスコア付け方式を選択することが可能になることを理解されたい。
[0139]図6の領域610は、日々の食事の一部として、ユーザによって入力されるか、又はシステムによって提案されるかのいずれかのさまざまな食品の栄養素含有量に関する数値情報を表示する画面600の一部を例示する。図示した実施形態では、ユーザは、食品が摂取されたことを示していないので、領域610の量の列の値は全て0.0である。しかし、後述するように、量の列の数字は、領域610に表示されるさまざまな栄養素を含む食品が領域608に入力されると増加する。
[0140]更に、図6から分かるように、表示された各栄養素について、下側健康量(下限)及び上側健康量(上限)が領域610に示される。図6の実施形態には、列挙されたさまざまな栄養素に起因する加重値及び感度値もまた例示されている。上述したように、これらの値は、さまざまな実施形態において、それらのユーザのニーズに基づいて、特定のユーザ又はユーザ集団向けにカスタマイズされるように決定される。一実施形態では、「より少ない状態の表示」を選択すると、図6の領域610に表示される最後の3つの列が隠される。
[0141]領域610に例示される値は、領域606に提供される個人化情報に基づいて決定される。図6に例示する実施形態では、繊維質の上限は無限大である。これは、追加の繊維質を摂取しても、摂取した量にかかわらず、全体的な栄養的健康スコアに負の即ち下向きの影響を及ぼさないことを意味する。図6の実施形態では、領域610に列挙される特定の栄養素は、領域604においてどのタブが選択されるかに依存することを理解されたい。即ち、図6の領域604でMacro_nutが選択された場合、列挙された栄養素は、それに応じて、例えば、炭水化物、タンパク質、飽和脂肪及び総脂肪を表示することによって変化するであろう。
[0142]一実施形態では、開示されたシステムは、ユーザが図6の領域610に列挙された栄養素のうちの1つの上にカーソルを合わせた時点、その上にマウスを移動させた時点、又は他の方法でそれを選択した時点、を検出する。この実施形態では、ユーザが栄養素のうちの1つを選択したとシステムが判定したとき、開示されたシステムは、ユーザの全体的な栄養的健康スコアを改善するとともに、選択された栄養素の栄養素健康スコアも向上させる食品のセットをランダムに選択する。このようにして、領域610内の情報を見ながら日々の食事がカルシウム不足であるとユーザが認める場合、システムは、カルシウム摂取量を改善するための複数の提案された方法をユーザに提供する。更なる実施形態では、ユーザが特定の栄養素の上にカーソルを合わせるか、又は別の方法でそれを選択するたびに、本システムは、選択された栄養素に富んだ食品の新しいリストをランダムに生成し、ユーザは、その栄養素の摂取量を増加させるのに役立つ異なる食品の提案を繰り返し見ることができる。
[0143]図7は、食品(生のホウレンソウ)が選択され、ユーザによって「1日の食事」に追加された後の、図6の実施形態の画面700を例示する。画面700では、領域602、604、及び608は表示されるが、図6から領域606は隠されていることを理解されたい。一実施形態では、初期設定後に、システムを使用する個人の個人情報の変更(したがって、健康範囲下限及び上限、加重値、及び感度値への変更)は起こりにくいため、開示されたシステムは、ユーザが自分の個人情報を提供した後、領域606を隠すように構成されている。別の実施形態では、システムは、画面700のユーザプロファイル調整領域の表示と非表示とを切り替える制御部(図7の制御部710など)を提供する。別の実施形態では、領域606は、マウスのカーソルを合わせるか、又はユーザが領域606の選択を示すための入力を別の方法で提供することをしなかった場合に、自動的に隠れるプルダウンドロワとして表示される。
[0144]画面700に見られるように、図7のユーザは、自分が10オンスの生のほうれん草を摂取したことを領域608に例示している。領域608は、単位当たりのカロリーの記憶された指示に、示されたホウレンソウの量を乗じることによって、上述のように算出されたホウレンソウの算出されたカロリー量(65Kcal)を表示する。使用時のこの時点で、その人が食べた唯一のものは、10オンス(65Kcal)の生のホウレンソウであるため、この値は「現在の日々食事」として表示される。便宜上、本システムはまた、その人の1日の食事目標を表示する。
[0145]更に図7を参照すると、領域602は、図6のその領域の例示から変更されている。具体的には、領域602において、「X」アイコン702は、原点から、65Kcal及び健康スコア37に対応する点に移動している。この実施形態では、領域602の「X」アイコン702は、1日の期間に摂取された現在の日々の食事(即ち、10オンスの生のホウレンソウ)について算出された栄養的健康スコアを示している。摂取された実際の日々の食事のこの栄養的健康スコアは、上記のように算出される。
[0146]領域602にはまた、領域602の曲線706のピークにある大きな円表示704が含まれる。この実施形態(及び図8、図9、及び図10に関して説明した他の実施形態)では、図示された曲線は、前述の式1を使用して、各成分栄養素の栄養素健康スコアを算出し、そして、栄養素の日々の食事における寄与を前述の式2を用いて集計することによって、決定される。更に、図7、図8、図9及び図10の横軸に沿って例示された異なるカロリー摂取値をもたらすために摂取される構成食品の量を調整することによって、曲線形状が達成される。したがって、さまざまな実施形態において、図7、図8、図9及び図10に例示される曲線は、本明細書の他の箇所に開示されるような栄養的健康スコアを繰り返し算出することによって決定される。更に、図7、図8、図9、及び図10の横軸上の各カロリー摂取値について、開示されたシステムでは、一緒に摂取された場合にその特定のカロリー摂取量をもたらす日々の食事中のさまざまな量の食品に関する結果として生じる最適のスコアを選択することによって、日々の食事中に存在する食品の最適栄養的健康スコアが決定される。例えば、摂取されるとして示される2つの食品がホウレンソウ及びチョコレートであり、曲線上にプロットされる量が1日に摂取される1000カロリーに対応する状況において、本明細書に開示されるシステムは、1000カロリーのホウレンソウ、1000カロリーのチョコレート、及び1000カロリーをもたらすホウレンソウ/チョコレートのあらゆる組み合わせ、を摂取することに対する栄養的健康スコアを決定し、全体的な栄養的健康スコアの最も高い組み合わせをプロットする。ユーザが、摂取したホウレンソウ及びチョコレートの量を示した実施形態においては、一実施形態のシステムは、いずれかの品目の量が示された量より少ないホウレンソウ/チョコレートの組み合わせについて、栄養的健康スコアを算出しない。予期される実施形態では、ユーザがホウレンソウ及びチョコレートの量を摂取する意図を示す場合、開示されたシステムは、ホウレンソウ/チョコレートの全ての組み合わせについての栄養的健康スコアを算出し、示された2つの意図された量のうちの1つを減らすことによって最適スコアが達成され得る場合、スコアを最大にするために、システムは、その食品の摂取量を低減することを提案する。
[0147]再び図7に示す実施形態を参照すると、標識704は、1日の所定の期間に現在の日々の食事をより多く食べることによって達成され得る最大健康スコア/カロリー摂取量を表す。即ち、現在の日々の食事はホウレンソウで構成されているため、一日に約550kcal相当の生のホウレンソウを食べることで最大健康スコア72を達成することができる。その人が最大の健康スコアを提供するとして示される約550kcalの量まで更にほうれん草を食べる場合、健康スコアは増加し続ける。同様に、最大健康スコアを提供するとして示される約550kcalよりも多くのほうれん草を所与の日に食べると、健康スコアは減少し始め、最終的に約3100kcal相当のホウレンソウで0の値に到達する。したがって、図7の実施形態は、最適健康スコアを得るために所定の時間内に摂取される必要のある特定の食品(即ち、現在の日々の食事)の量を例示するという点において、開示されたシステムによって提供される助言機能の1つの態様を例示する。
[0148]領域602のデータはまた、現在の日々の食事(即ち、生のホウレンソウ)の最適量が最適スコアを得るために所定の時間にわたって摂取されたとしても、ユーザの1日のカロリー摂取量は棒708によって示される提案された範囲内にないことをシステムのユーザに示している。したがって、ユーザは、現在の日々の食事の形態で毎日推奨されるカロリー量を摂取しているとすれば、現在の日々の食事を食べて実現することができる最適な栄養的スコアをはるかに下回る栄養的スコアになるであろうことをユーザは一見して知ることができる。
[0149]次に図7の領域604を参照すると、10オンスの生のホウレンソウという現在入力された日々の食事を反映するように、領域604の制御部が図7で更新されていることが分かる。具体的には、図示された実施形態では、アクティブなタブ(即ち、「完全」タブ)は、実際の日々の食事に対する現在のスコア(37という値)及び現在の日々の食事をより多く食べることによって得ることのできる最適な値(72という値)を列挙している。領域602の他のタブも同様に更新され、健康スコアを算出するために各タブの栄養素のサブセットのみが使用された場合の日々の食事のスコア及び最適スコアを示す。一実施形態では、選択されていないタブ(したがって、選択されていないタブの栄養素の組み合わせに関連するスコア)は、どのタブが現在選択されているかを容易に示すために半透明又は退色している。
[0150]図8は、開示されたシステムによって提供される画面800を示しており、ここでは、ユーザは、領域608からわかるように、「日々の食事」にハンバーガーを加えて、現在この「日々の食事」は、10オンスの生のホウレンソウ及び7.6オンスのハンバーガーから構成されている。「X」アイコン802は、その個人の現在の日々の食事に関する栄養的健康スコアが62であり、摂取された総カロリー量が628であることを示している。円形アイコン804は、示された日々の食事を食することによって達成され得る最大健康スコアが87というスコアであり、示された日々の食事の約1500カロリー相当がその結果を達成するために1日に食される必要があることを示している。領域604内のスコアは、それに対応して、新しい日々の食事の日々の食事スコア及び最適スコアを反映するように更新されている。画面800の分析から、ユーザは、自分が1日のカロリー摂取量の範囲内に十分位置しており、かつ、もし自分がその日々の食事の十分な量を所望の毎日のカロリー摂取量範囲内に入るように食べるならば、栄養的健康スコアの点でその日々の食事から得られる利益が減少するのを自分は経験するであろうことを容易に知ることができる。
[0151]図7及び図8を説明したので、開示されたシステムの重要な利点の1つが分かる。即ち、開示されたシステムによって、選択した日々の食事が1日あたりのカロリーに関して栄養要求を満たすかどうか、及び、彼らが選択した日々の食事を異なる量で食したとすれば、追加の栄養上の利益(即ち、より高い健康スコア)を得ることができたかどうか、をユーザは一目で視覚的に認識することが可能になる。一実施形態では、図7及び図8に示す方法論を使用して、ユーザは、日々の食事スコアを提供する食品を選択することによって、日々の食事を最大化しようと試み、最適スコアは同一又はほぼ同一であり、この結果に達するのに摂取されるカロリーの量は、その人の最適なカロリー摂取量の範囲内である。図的には、これは、図8のアイコン802及び804が互いに重なり、それらがその人の理想的なカロリー摂取量を示すバー806内に位置するという形で現れる。
[0152]アイコンが互いに重なるが、棒806の左側にある場合、それは、ユーザが自分の食べ物から最適な栄養価を得ているが、その日に十分なカロリーを食していないということをユーザに示すものである。アイコンが互いに重なるが、棒806の右側にある場合、それは、ユーザが自分の食べ物から最適な栄養価を得ているが、その日に多くのカロリーを摂取し過ぎているということをユーザに示すものである。
[0153]アイコンが互いに重ならない場合、ユーザは、自分の現在の日々の食事を、その日々の食事から最適な栄養価を得るための量を摂取していないことを一目で認識することができる。「X」アイコン802(実際の日々の食事のスコアを表す)が円アイコン804の左側にある場合、これは、同じ日々の食事をより多く取れば、より良い栄養価を得られることをユーザに示している。「X」アイコン802が円アイコン804の右側にある場合、これは、同じ日々の食事をより少なく取れば、より良い栄養価を得られることをユーザに示している。
[0154]したがって、本システムの利点の1つは、ユーザに現在の日々の食事の適正量を摂取しているかどうか、及びユーザが所定の時間内に十分なカロリーを摂取しているかどうかを迅速かつ容易に示す視覚的表示をユーザに提供することである。
[0155]一実施形態では、開示されたシステムによって、ユーザは、他の(実際の日々の食事スコア)アイコンを曲線上の最適アイコン位置に移動させるために、最適なスコアを表すアイコンをクリックするか、又は、別の方法で選択することが可能になる。この実施形態では、本システムは、それに応じて、現在の食事中の食品の量を更新する。このようにして、本システムでは、ユーザが、その日々の食事に最適な栄養的健康スコアを達成するために、与えられた日々の食事のどれだけ多くを食べるべきかを決定することが可能になる。したがって、ある日に、ユーザが卵、サンドウィッチ、鶏肉、及び米を食べたいと思った場合、そのユーザはこれら4つのメニュー品目を入力し、最適な健康スコアを達成するために摂取すべき各量を決定することができる。ユーザはまた、これら最適量が摂取された場合、結果としてその日の最適なカロリー摂取量の範囲内又は範囲外のカロリー摂取量になるかどうかを迅速に認識することもできる。他の実施形態では、ユーザは、実際の日々の食事のスコアを示すアイコンを栄養的健康スコア曲線の任意の点にドラッグすることができ、これによって、曲線に沿ってさまざまなスコアを達成するために摂取する必要のある日々の食事中のさまざまな食品の量をユーザが認識することが可能になる。
[0156]図8を更に参照すると、領域810が、領域602の下に現れるように示されている。図示された実施形態の領域810は、「日々の食事スコアの改善」及び「栄養素スコア」というタイトルの2つの折りたたみ可能なメニューを含んでいる。
[0157]領域810の「日々の食事スコアの改善」メニューに関して、開示されたシステムの一実施形態では、摂取された場合に所定の量だけユーザの栄養的健康スコアを高める1つ以上の食品品目がその領域に表示される。例えば、図8の実施形態では、ビタミンD及びビタミンB5を含有するとして示される推奨魚(イワシ)を摂取すると、ユーザの栄養的健康スコアが9ポイント向上することになる。同様に、炭水化物及びビタミンB5を含むポテトを摂取すると、ユーザのスコアはまた9ポイント向上することになる。一実施形態のシステムでは、領域810に列挙された各食品の隣に「日々の食事に加える」制御部を提供することによって、ユーザが現在のアクティブな日々の食事に品目を追加することを可能にし、それに応じて、領域602及び604に表示されたスコアが更新される。
[0158]一実施形態では、ユーザの入力した日々の食事の現在一部である1つ以上の品目が、領域810の「日々の食事スコアの改善」メニューに列挙される。この実施形態では、現在含まれている品目のリストには、ユーザが日々の食事からその品目を削除することを可能にする制御部が含まれる。この実施形態では、ある品目が「日々の食事スコアの改善」メニューで除去のために列挙されている場合、その品目を除去(又は量の低減)すれば、実際に栄養的健康スコアが高くなるとシステムが判断したことを意味している。別の言い方をすれば、その品目を追加したことにより、全体的な栄養的健康スコアが低下したということである。これにより、ユーザは、これらの品目のカロリーが加えられたが、その品目に含まれる栄養素から得られる対応する利益がなかったため、自分の日々の食事中の1つ以上の品目が実際に日々の食事の栄養的健康を低下させていることの容易な視覚的表示を得ることができる。
[0159]一実施形態において、開示されたシステムは、摂取された特定の食品の量を低減することによって、ユーザが自分の全体的な栄養的健康スコアを改善することをユーザに提案することができる。この実施形態では、開示されたシステムは、摂取される特定の摂取可能物の量をユーザが低減する(しかし除去はしない)ことを可能にする適切な制御部を表示する。
[0160]一実施形態では、ユーザは、「食品グループによるフィルタリング」制御部811などの制御部を選択して、「日々の食事スコアの改善」セクションに表示された提案された食品に対する制御を得ることができる。例えば、ユーザが肉を食べない場合、そのユーザは、「野菜」を選択するために制御部811を選択し、その後、全体的な栄養価スコアを改善するために日々の食事に加えることができる野菜の提案のみを見ることができる。
[0161]画面800の領域810に提供される情報及び制御部は、開示されたシステムによって提供される助言機能の一実施例である。ユーザの栄養的健康スコアを向上させるために追加又は削除することができる食品を提案することによって、システムは、ユーザが既に摂取した食品を単に入力する報告ツールとして単に機能するのではなく、ユーザの食品選択に積極的に影響を及ぼす可能性を備えている。更に、追加されるように提案される食品をユーザがフィルタすることを可能にすることによって、システムは、ユーザが食べることを楽しみながら食品の摂取を補強することを可能にする。
[0162]開示されたシステムによって、有利なことに、ユーザは、領域608から品目を追加及び/又は削除することによって、かつ、それらの追加又は削除の、全体的な健康スコアに及ぼす影響を視覚的な方法で迅速かつ容易に認識することによって、日々の食事の内容を動的に変更することが可能になる。ディスプレイの「日々の食事スコアの改善」セクションから提案された食品を選択することによって、本システムでは、ユーザが必ずしも実現しなかった栄養的健康スコアの増加を最適化することができる食品をユーザに提案することができる。したがって、本システムは、ユーザが現在の日々の食事に自分の好みの食品を追加又は削除することのみに依存しない。
[0163]領域810の「栄養素スコア」メニューに関しては、数字がユーザによって摂取された食品を反映するように更新されるが、図6に関して説明したものと同様の情報が表示されている。例えば、ユーザが入力したホウレンソウ及びハンバーガーの日々の食事では、532.2mgのカルシウムが摂取されたことがわかる。図示の実施形態では、表示された下限及び上限(それぞれ1,000mg及び2,500mg)は、ユーザがまだ健康的なカルシウム摂取範囲にないことをユーザに容易に示すものである。更なる根拠として、一実施形態における開示されたシステムでは、特定の栄養素についての栄養素健康スコア(即ち、加重値が適用される前の特定の栄養素のスコア)を含む栄養素スコアダイヤル812(この場合、カルシウムについては54という値)が表示される。図示した実施形態では、スコアダイヤル812は、前述の式1で説明した方法で算出された値を表示する。
[0164]一実施形態では、スコアダイヤル812はまた色分けされており、例えば、赤色は栄養素健康スコアが比較的低いことを示し、黄色は栄養素健康スコアが中程度であることを示し、そして、緑色は栄養素健康スコアが良好であることを示している。これらの機能全てによって、十分に摂取している栄養素と追加量を摂取する必要がある栄養素とをユーザが一目で識別することが可能になる。
[0165]領域810の「栄養素スコア」メニューに表示される情報によって、どの栄養素が健康的な量で摂取されているのか、そしてどの栄養素が不健康な量で摂取されているのかをユーザが判断可能になるということを理解されたい。特に、本明細書に開示されたシステムの特定の実施形態で提供される栄養素健康スコアによって栄養素を分類する能力が与えられれば、ユーザは、どの栄養素が過小摂取又は過剰摂取であるか、及びどの栄養素がそれらの栄養素の健康範囲内で摂取されているかを容易に認識することができる。
[0166]図6、図7及び図8に例示する実施形態の領域604の異なるタブは、異なる栄養素のセットを集計することによって栄養的健康スコアを算出するため、異なるタブのスコアは相違する可能性があることを理解されたい。更に、栄養素の一部のサブセットでは、実際の日々の食事スコアと最適スコアが比較的接近し、他のサブセットについては、両スコアが非常に離間している可能性がある。例えば、糖質含有率が高い日々の食事では、最適な多量栄養素スコアが実際の多量栄養素スコアに非常に近い可能性があるが、実際の糖尿病スコアは最適な糖尿病スコアと大きく異なる可能性がある。これは、糖質が多い品目を低減することは、実際の糖尿病スコアを改善しながら、実際の多量栄養素スコアを減少させる可能性があるという事実を反映し得る。
[0167]再び図6を参照すると、領域608の図示の実施形態は、複数の制御部を含んでいる。この実施形態のテキスト入力制御部は、ユーザの日々の食事にホウレンソウを加えるために「ホウレンソウ」という単語をユーザが入力できることに関連して、すでに説明したものである。図示された実施形態では、「日々の食事の生成」と題されたボタンの形の別の制御部がまた領域608に設けられている。この実施形態では、「日々の食事の生成」ボタンをクリックするかその他の方法で選択すると、図9の画面900が表示される。他の実施形態では、開示されたシステムでは、食事ごと、毎週、又は毎月など、異なる期間にわたって日々の食事即ち食事プランを生成するための制御部が提供される。
[0168]ユーザが「日々の食事の生成」ボタンを選択すると、開示されたシステムは、所定の期間にわたり個人のカロリー摂取範囲の下端に最適健康スコアが生じる複数の食品を選択する。換言すれば、開示されたシステムは、ユーザが必要以上に多くのカロリーを取る必要なく、最適な栄養的健康スコアを決定するための、食品の組み合わせが選択する。一実施形態では、ユーザが検索制御部に特定の食品の名前を入力するか、又は、「日々の食事に追加」制御部を選択することによって、その特定の食品を既に手作業で追加している場合、開示されたシステムは、選択された量でそれらの食品を維持し、栄養的健康スコアを最大にするために、更なる食品を追加しようとする。別の実施形態では、ユーザが特定の追加食品をまだ食べていないが、むしろそれらを食べようとしていることを示した場合、本システムは、それらの食品を取り除くことができる。追加された食品が食べられるように意図されている場合、システムはそれらの食品の量を減らすか、又はそれらを完全に除去して、推奨される日々の食事を最大にすることができる。一実施形態では、この機能は、特定の食品を取り除くことができない(即ち、ユーザが既にそれを食べてしまった)ことをユーザが示すことを可能にするロックアイコン又は他の類似の制御部を提供することによって、達成される。
[0169]さまざまな実施形態において、開示されたシステムでは、日々の食事を生成する際に、1つ以上の指針が使用される。例えば、一実施形態では、本システムは、ユーザによって提供された1つ以上の嗜好(例えば、牛肉を好むこと)を使用して、その期間の基礎又はベースラインの食事を構築する。その点から、開示されたシステムは、その日の他の食事のためのメインコースを選択し、その後、3つの食事のための副品目で、カロリー及び栄養素の必要を満たすことを試みることができる。
[0170]別の実施形態では、本システムは、1つ以上の食品品目をランダムに選択し、日々の食事はそれらの品目をベースとし、それらの周りを(副品目で)埋める。一実施形態では、本システムは過去の日の食品品目を追跡し、最近食べられた品目を繰り返さないようにする。一実施形態では、本システムは、ユーザの家にある品目の在庫を維持管理し、ユーザが自分で自由にできるもののみに基づいて日々の食事を提案する。一実施形態では、本システムは、日々の食事を準備するために必要な食品の配送のための注文を自動的に行うように構成されている。この実施形態では、システムは、地元の食料品店に在庫として示されているものに基づいて注文を行う。一実施形態では、本システムは、食品品目のコストを追跡し、許容可能なカロリー摂取量で健康スコアを最大にするだけでなく、日々の食事中の材料のコストを最小限に抑えながら、健康スコアを最大にしようとする。
[0171]次に図9を参照すると、(「日々の食事の生成」ボタンを選択することによって生成された)図示の画面900は、上記の図7及び図8に関して説明した曲線と同様の曲線902を含んでいる。更に、図9の画面900には、開示されたシステムによって選択又は提案された複数の食品品目が日々の食事の一部として表示されている。この実施形態では、曲線902は、表示された日々の食事の栄養的健康スコアを、それらの食品の異なる摂取量で反映する。
[0172]図9の領域602に見られるように、日々の食事健康スコアアイコン及び最適健康スコアアイコンは、両方とも曲線902上の同じ点904に示されている。その点904は曲線902の最大値である。更に、図9は、曲線902の最適点904が、カロリー摂取範囲906の下端に位置することを例示している。更に、領域608は、図6の「日々の食事の生成」制御部をユーザが選択したときにシステムによって生成された複数の食品品目を含んでいる。曲線902は、0〜約4500kcal/日のさまざまな異なるカロリー摂取値に対する生成された日々の食事の品目の栄養的健康スコアを示す曲線である。
[0173]したがって、開示されたシステムは、特定のカロリー目標を満たすと同時に、所定の期間にわたる栄養的健康スコアを最適化する食品、食事、又は日々の食事をユーザに提案することによって、更なる助言機能を提供する。これはまた、ユーザが試行錯誤的な使用で食品を選択し、その食品が選択された後にのみ日々の食事に及ぼす影響を調べなければならない既知の方式に対する実質的な改善を示す。
[0174]図9の実施形態では、ユーザが、健康スコアがある日のカロリー摂取量範囲の下端の最適点にある日々の食事を一度生成してしまえば、ユーザは上述のように、本システムと対話することができる。例えば、ユーザが日々の食事の一部として列挙された食品の1つを好まない場合、ユーザはその食品品目を取り除き、かかる除去の健康スコアに及ぼす影響を認識することができる。その時点で、本システムは栄養的健康スコアを更に高めるために加えるべき食品を提案することができる。ユーザはまた、手動で品目をメニューに追加することができ、本システムは、上記のように、所与の期間の、栄養的健康スコア及び実際のカロリー摂取量への影響を表示する。
[0175]一実施形態では、開示されたシステムは、現在選択されている領域604のタブの特定の健康スコアを最適化する日々の食事を生成する。したがって、多量栄養素タブが選択されている場合、他のタブ(完全タブなど)が準最適である栄養的健康スコアを示しているとしても、多量栄養素と考えられる栄養素の栄養的健康スコアを最適化するように日々の食事を選択することができる。
[0176]図10は、本明細書に開示されたシステムによって提供されるユーザインターフェースの別の実施形態を例示するものである。図10の実施形態では、画面1000は、カロリー摂取範囲1012に対してプロットされた曲線1010を表示する領域1002を例示する。これらの特徴は、ユーザインターフェースの前述した実施形態の領域602で説明した特徴と類似している。
[0177]図10の領域1004は、開示されたシステムのユーザインターフェースの前述の実施形態の領域604の説明と同様に、その各々が栄養素の異なる組合せについて算出された1対のスコアを含む複数のタブを例示するものである。
[0178]図10の領域1008は、開示されたシステムが、曲線1010によって示される栄養的健康スコアに寄与している複数の食品を表示するユーザインターフェースの領域である。図示された実施形態では、領域1010にリストされた各食品について、ユーザは、食品の左側に「X」アイコンを選択する選択肢を有し、これによって、開示されたシステムは、その食品を領域1010から除去し、残りの食品に基づいて栄養的健康スコアを再算出する。領域1010はまた、食品を完全に除去することなく、栄養的健康スコアに寄与している特定の食品の量をユーザが調整することを可能にする複数の入力制御部を表示している。
[0179]図10の領域1010は、領域1012に表示された日々の食事構築情報のために、部分的に、前述のダッシュボードユーザインターフェースとは異なる。具体的には、図6〜図9に示す実施形態では、開示されたシステムは、1日に摂取される食品に関する全ての算出及び助言を実行するように構成されている。したがって、図6〜図9のカロリー摂取量範囲は1日について算出され、栄養的健康スコアの算出に追加された各食品は1日で摂取されるとみなされる。したがって、図6〜図9に例示する実施形態では、全てのスコア、カロリー摂取量、及び栄養素量が入力され、操作され、時間の関数として決定される。しかし、図6〜図9のデータが適用される対象の時間は、1日で静的である。
[0180]図10は、領域1010は、ユーザが、画面1000が適用され、日々の食事が構築されるべき対象の期間(即ち、日数)を指定することを可能にするため、図6〜図9の機能からの追加の機能を有する実施形態を部分的に示す。これは、「1日の日々の食事の構築」と呼ばれる、画面1000のセクションの数字「1」によって分かることであり、この数字は、ユーザによって変更可能である。図示の実施形態では、ユーザは、複数日にわたる日々の食事を構築したいという望みを指定するために、数字1を調整することができ、1日未満の日数を指定することもまたできる。例えば、一実施形態では、ユーザが3回の食事の日の1回の食事を構築したい場合、ユーザは、領域1012に0.33という数字を入力することができる。ユーザが1週間全てにわたって食事を構築したい場合、ユーザは領域1012に数字7を入力することができる。
[0181]図示された実施形態では、領域1012に入力された数字は、ユーザが日々の食事を構築しようとする日数(又は日数の分数)と一致するようにカロリー摂取量範囲をスケーリングするために使用される倍率を提供する。このスケーリングは、一実施形態では、領域1002の横軸に亘る尺度をもたらし、更に、入力された時間量を反映するために、棒1012に示される推奨カロリー摂取範囲を変更する結果となる。この実施形態においてもまた、領域1012に入力された数字は、開示されたシステムによって追跡されるさまざまな栄養素の健康範囲下限及び上限の数字をスケーリングするために使用される。一実施形態では、スケーリングは、1日の摂取量を表す記憶された値が単に領域1012に入力された数で乗算されるように、直接的な線形のスケーリングである。別の実施形態では、本システムは、異なる食事の異なる割合のカロリーを摂取するユーザの好みを反映するために、カロリー摂取値などの特定の値を加重するように構成される。例えば、ユーザが朝食及び夕食で自分のカロリーの75%を摂取することを望む場合、本システムは、どの食事を計画したいかをユーザに尋ね、範囲値に適切な加重値を乗じるように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、本システムでは、ユーザが計画又は追跡したい特定の食事を選択することを可能にする選択制御部が、領域1012に設けられる。
[0182]したがって、図10の実施形態では、1日以外の異なる期間を使用することができることを理解されたい。具体的には、図10の実施形態の開示されたシステムは、ユーザが食品摂取を示して栄養的健康スコアを見ることを望む対象の時間量を入力するための1つ以上の制御部をユーザに提供する。これにより、ユーザは、自分が指示した時間量に応じて、食事、毎日のメニュー、又は毎週又は毎月の日々の食事を計画することができる。
[0183]図10を更に参照すると、一実施形態における領域1012の「最適化する」制御部は、食品データベース内の各食品品目の、全体的な栄養的健康スコアへの影響を算出することによってシミュレーションを実行する。一実施形態では、選択される第1の食品はランダムに選択され、食事又は日々の食事が選択された食品に関して構築される。一実施形態では、開示されたシステムは、そのデータベース内のさまざまな食品の共通の1回分分量を示すデータを記憶する。この実施形態では、システムは、所与の食品に対して、例えば、20%より大きく超えるなどの、設定量より大きく、単一の1回分分量を超えないことを確実にする。したがって、一実施形態では、本システムは、特定の食事又は日々の食事のための1つ以上の主要な食品を選択することから始まり、推奨される1回分分量を実質的に超えないで副食品で補足するものである。
[0184]一実施形態では、「最適化する」機能によって、開示されたシステムは、3つの異なる1回分分量でデータベース内の各食品の栄養的健康スコアを算出する。例えば、システムは、1回分分量より少ない分量、1回分分量に等しい量、1回分分量を超える分量、についての栄養的健康スコアへの影響を算出することができる。各食品品目についてのこれらの3つのスコアを使用して、システムは、栄養的健康スコアを最大にすると同時に、ほぼ適切な回数の提供/食事を含む食品の組み合わせを繰り返し探す。
[0185]さまざまな実施形態におけるシステムは、個人に適用される特定のスコア付けプロファイルを考慮すると、完璧な又は最適なスコアに向けて、既存の日々の食事中の食品の量の追加及び削減を介して、既存の日々の食事を最適化することによって、「最適化する」機能を実行する。スコア付けプロファイルは、さまざまな実施形態において、スコア付けプロファイルが適用される個人に応じて、異なる健康範囲、加重パラメータ、及び/又は感度パラメータを適用することができる。したがって、スコア付けプロファイルは、「最適化する」ボタンの異なるクリックごとに相違する場合がある。この状況では、最適化時に適用されるスコア付けプロファイルに応じて、スコアを最適にする推奨が異なる場合がある。
[0186]一実施形態では、開示されたシステムは、USDAによって推奨されるカロリー摂取範囲のデータベース又はデータ構造体を検索することなどにより、データベースの検索を実行することによって、特定の個人に適用するカロリー摂取範囲を決定する。別の実施形態において、開示されるシステムでは、ユーザの年齢、体重、体格指数(BMI)、性別、活動レベル、及び他の適切な考慮事項を考慮する1つ以上の式を適用することによって、カロリー摂取量範囲が算出される。この実施形態では、この式は、USDAなどの政府機関によって提供されるものとすることができる。他の実施形態では、本システムによれば、フィットネストラッカ、アクティビティバンド、運動ログ、又は個人の活動レベルの他の指示などの外部情報源からのデータを考慮することによって、最適なカロリー摂取量範囲が算出されるものである。かかる一実施形態では、これらの他の情報源のうちの1つのデータが、USDAの指針が示すよりも個人が非常に活動的であり、1日により多くのカロリーを摂取していることを示していれば、開示されたシステムはそれに応じて、そのユーザのカロリー摂取量範囲を上向きに調整することができる。同様に、列挙された情報源のうちの1つから得られたデータが、ユーザは比較的座っていることが多いことを示している場合、本システムは、カロリー摂取量範囲を下方に調整することができる。
[0187]一実施形態では、開示されたシステムは、異なる組織又は異なる国から提供される健康範囲下限値及び健康範囲上限値のデータベースを選択することなどにより、ユーザが健康範囲下限値及び健康範囲上限値の複数のデータベースの中から選択することを可能にする。例えば、一実施形態において、開示されたシステムでは、一方でUSDAにより、他方でニュージーランドの政府機関により、提供される健康範囲情報のデータベースからユーザが選択することが可能になる。
[0188]一実施形態では、開示されたシステムによって、実際の日々の食事が適用される日のうちのパーセンテージをユーザが示すことを可能にするスライダ又は他の制御部が表示される。例えば、ユーザの朝食が比較的少なく、昼食が比較的少ない場合、ユーザはそれらの食事の中に食品品目を入力して、その日の食事の66%を摂取したことをスライダによって示してもよい。その指示を使用して、一実施形態のシステムは、1回のみの食事に関する食品を推奨していることを知っているので、比較的高いカロリーの選択肢又はより多くの量の食品を、違ったふうに推奨することができる。あるいは、ユーザが1日のカロリーの25%のみを使用する最適な朝食を構築したいと望む場合、パーセント制御の一実施形態は、ユーザが、自分の1日の総カロリー摂取量の25%になるように最適に構成された朝食を望むことを示すことを可能にする。更に別の実施形態では、ユーザが特に大量に食べた日がある場合、ユーザは、パーセントスライダを介して、ユーザの1日のカロリー摂取量の200%を摂取したことを示すことができる。本システムでは、次に、その余分な摂取を考慮してその週の残りの日々の食事を構築することができる。
[0189]一実施形態では、本明細書で開示されるシステムによれば、ユーザが特定の用途のスコアを設計することが可能になる。この実施形態では、単一のユーザが、同じ食事に関する複数のスコアを有することができる。例えば、開示されたシステムは、食品中の測定可能な全ての特徴(即ち、食品中の全ての栄養素)を最適化しようと試みる「完全な」スコアを算出して表示し、また、最適化されたときに体重減少を促進する、測定可能な特徴のサブセット(例えば、炭水化物及び飽和脂肪の摂取量を最小限にする)又は異なる測定可能な特徴のセットを最適化することを試みる「体重減少」スコアを算出して表示する。この実施形態では、単一の摂取可能物は「完全」スコア95を有することができ、これは全体的な健康に対して比較的良好な貢献因子であることを示すが、目標が減量の場合には、70という「減量」スコアは、それが準最適摂取可能物であることを示す。複数の機能について複数のスコアを生成するこの能力を実装するための1つの仕組みが、追跡された栄養素の異なるサブセットから算出されたスコアを含む、複数の異なるタブの形で図6の領域604に示されている。同様に、図10の領域1004は、複数の異なるタブから選択する能力を提供し、各タブは、全体的なスコアに寄与する栄養素健康スコアの異なるセットに基づいて、及び/又は異なる加重値の適用に基づいて、異なる栄養的健康スコアをもたらす。図10の領域1004において、タブのうちの1つは、「例.糖尿病患者の減量」という名前であることが分かる。このタブを選択すると、糖尿病で減量したい人に最適化されたスコアが表示される。この理由から、糖質の影響が高まり、カロリー摂取量範囲の下限近くに留まることの重要性もまた、強調される可能性がある。
[0190]別の可能な仕組みは、特定の用途のために設計された栄養的健康スコアに含める栄養素のカスタムサブセットをユーザが指定することを可能にする複数のコントロール部を含む。更に他の実施形態では、1人以上の栄養士が開示されたシステムに入力を提供して、減量目標を達成するために特に重要であることが知られている複数の栄養素に対する栄養的健康スコアを算出する「減量」テンプレートを定義することなどにより、異なる個人に有用であり得るさまざまなテンプレートを定義することができる。
[0191]図11(a)は、NCにおける単一の測定可能成分(「MC」)についての栄養的健康の測定可能成分(「MC」)スコア付け機能の一実施形態を図式的に示すものである。この実施形態では、各MCスコアは、MCスコア付け関数の加重平均によって栄養摂取可能物(「NC」)の単一集計スコア付け関数に結合されている。NCの集計スコアは、本明細書のさまざまな実施形態において、健康スコア又は「Hスコア」と呼ばれる。この実施形態では、Hスコアが高いほどGNHが高く、逆にHスコアが低いほどGNHは低くなる。図11(a)に例示する実施形態では、MCスコア付け関数は次の3つのパラメータによって定義される。1)健康範囲下限値(LHR)、2)健康範囲上限値(UHR)、及び、3)許容度ゼロ交差(許容度)。
[0192]図11の実施形態では、個々の測定可能成分の加重を使用して、栄養摂取可能物スコアの合計を生成する。この実施形態では、NHF測定可能成分(MC)スコア付け機能が任意の栄養摂取可能物に使用される。「健康的な食事指数(Healthy Eating Index)」又は「HEI」スコア付け関数は、日々の食事中の食品成分に使用される。いわゆるHEI−2010スコアは、日々の食事に関する関数に沿って1000kcalでスコアを選択することによって、日々の食事について生成されるものである。この実施形態では、NRF9.3、SAIN、LIMによって使用されるような食品中の栄養素に、栄養素プロファイリングスコア機能が使用される。栄養素プロファイリングスコアは、全ての食品の指定された量(100kcal、100g、1回分分量など)でスコアを選択することによって、食品に関して作成されるものである。
[0193]一実施形態では、単一の量(即ち、100kcal、100g、1000kcal、1回の提供分)で単一のスコアのみを有するNCの代わりに、MCスコア(及びそれに対応してNCのスコア)は量の関数である。この実施形態では、所定の量のMCについて全体的な単一スコアが依然として生成されるが、その量は、各食品又は全ての日々の食事について同じである必要はない。この実施形態では、2つの不変のHスコアがNCに関して量の関数として存在する。1)Hmax:達成可能な最大Hスコア、及び、2)Hx:いずれかのMCがUHRのうちの最初のものを横切る場合のHスコア。これらの2つのスコアにおける食品又は日々の食事の量は異なるが、この実施形態におけるスコア自体は同じ意味を有することができる。さまざまな量の食品と日々の食事の重要なスコア付けは、今日の栄養プロファイリングに直面する多くの課題に対処している。
[0194]図11の実施形態では、LHR及びUHRはMCスコアが減少し始める点であり、即ち、スコアはLHRを下回ると減少し、UHRを上回ると減少する。一般に、LHRとUHRの値は適切に規定された値に設定でき、存在しないか不明の場合は、0又は無限大に設定することもできる。理想的には、これらの値は証拠に基づいている。許容度は、UHRを横切った後のスコア付け関数の傾きを規定するものである。許容度が高ければ高いほど、UHRを超えた後にスコアがゆっくりと低下する(全般的健康スコアへの影響が減少)。許容度が小さいほど、UHRを超えた後にスコアが急速に低下する(全般的健康スコアへの影響が増大)。
[0195]NHF MCスコア付け関数は、飽和する図11(b)のDQIスコア付け関数と、無制限の図11(c)の栄養素プロファイリングスコア付け関数と、の間のハイブリッドとして、部分的に見ることができる。図示された実施形態では、NHFは、それぞれの最良のものを、飽和成分及び無制限の成分の両方を伴って単一の関数に結合するが、異なる種類(即ち、正/負)の測定可能成分を区別しない。スコアは、健康範囲内又は範囲外にあるとみなされることによって、重要なことには、全てのMCが、単一のスコア付け関数で同等に扱われることが可能となる。健康な範囲をスコア付けに使用した結果、栄養素又は食品成分の分類の主観を取り除き、分類できないが摂取範囲を有するMCを利用する可能性が開かれる(更なる説明は、補足資料で見ることができる)。
[0196]図11(a)の実施形態では、数学的記法の以下の説明は、特定の個人又は集団のスコアを定義する。さまざまな実施形態では、以下の定義は、本明細書に記載のさまざまな実施形態に適用される。
定義:
・n=栄養摂取可能物
・c=測定可能成分
・t=期間(例えば、t=30分、t=1日、t=1年)
・Ant=期間tにわたって測定した栄養摂取可能物の量(グラム)。
・δcn=栄養摂取可能物n中の測定可能成分cの密度=栄養摂取可能物nの1g当たりの測定可能成分cの量(グラム)(例えば、栄養素重量密度)。
・Acnt=Antδcn=期間tにわたる栄養摂取可能物n中で摂取される測定可能成分cの量(グラム)。
・lct=期間tにわたる測定可能成分cの健康範囲下限
・uct=期間tにわたる測定可能成分cの健康範囲上限
・rct=期間tにわたる測定可能成分cの許容度例示された実施形態における許容度は、hスコアが0に等しくなるときのUHRを超える倍数として定義される。言い換えれば、rct=0.2の場合、AcntがUHRを20%超えるときに(即ち、Acnt=1.2uct)、スコアはゼロになる。
・w=栄養摂取可能物cのスコア付け加重例示された実施形態では、加重は相対的な加重である。したがって、その解釈は、スコアにおける他の規定された加重に対して相対的ということである。例えば、w=2及びw=4はw=1及びw=2とまったく同じであり、これは、「b」は「a」の2倍のスコアの加重を有することを意味する。
式11a:MC hスコア

式11b:NC H−スコア

結果として、スコアは最大スコアが100であり、加重は相対的な観点で指定することができる。
式12a:MC uhr−スコア

式12b:NC UHRスコア

ここで、UHR{0,1}は、健康範囲上限スコアである。更に、UHR0又はUHR1スコアとも呼ばれる。UHR{0,1}は、単に全てのLHRスコアを0又は1に設定しているH−スコアであることに注意されたい。
式13a:MC lhr−スコア。

式13b:NC LHRスコア

ここで、LHR{0,1}は健康範囲下限スコアである。これはまた、LHR0又はLHR1スコアとも呼ばれることがある。LHR{0,1}は、単に全てのUHRスコアを0又は1に設定しているH−スコアであることに留意されたい。
不変のスコア付けポジション

[0197]一定量(即ち、100kcal、100g)でスコア付けされた栄養成分を分析/視覚化する場合に、UHR1/LHR1は、UHR及びLHRを上回る又は下回るある量でのNCの割合を記載するので、UHR1/LHR1を使用することはより適切であり得る。UHR0/LHR0は、他の成分の寄与とは無関係にUHR及びLHRスコアの相対的な大きさを記述するため、Hmax又はHxでスコア付けされるときの栄養成分を分析/視覚化するときに、UHR0/LHR0はより適切であり得る。
[0198]一実施形態では、NHFスコアは、各MCについて規定された対応する加重、許容度、LHR及びUHRとともにMCを選択することによって完全に決定されるH−スコアである。この実施形態におけるNHFスコアの定義は、さまざまな実施形態における有用性を更に改善するために、スコア付けプロファイルと健康範囲プロファイルとに分離される。
[0199]一実施形態では、スコア付けプロファイルは、MC、加重、及び許容度のみを定義している。一実施形態において、健康範囲プロファイルは、各MCのLHR及びUHRを定義している。
[0200]スコア付けプロファイル及び健康範囲プロファイルを分離することによって、本明細書に開示されたシステム及び方法は、単一のスコア付けプロファイルと複数の健康範囲プロファイルとの組み合わせ、及び、複数のスコア付けプロファイルと単一の健康範囲プロファイルとの組合せ使用を可能にする。これらの実施形態におけるスコア付けプロファイル及び健康範囲プロファイルを組み合わせて使用すれば、異なる標的目標/測定値を有する不均質な集団について栄養摂取量をスコア付けする場合に、特に有用となり得る。開示されたシステムの実施形態では、食品データベースに定義された全ての利用可能なMCを、医学研究所(IOM)によって与えられた1日の基準摂取量(DRI)値とともに、含めることができる。これらの実施形態では、LHR値はRDA値に設定され、UHR値は各個人の年齢及び性別に基づいてULに設定されるか、又はそのように指定される場合には範囲に設定される。
[0201]全ての加重と許容度が1に設定されているH−スコア定義のユニークで特殊なケースでは、100からHスコア(上記の式11b)を減じたものは、「栄養摂取可能物中の測定可能成分の健康範囲外の平均パーセンテージ」と解釈することができる。言い換えれば、この実施形態におけるH−スコアは、量の関数としてNCが「平均してどの程度、健康な範囲外に」あるかを表す。このNHF「A」(平均)スコア付けプロファイルは特殊なケースであり、その明確な解釈は、解釈可能性と簡潔さのために栄養団体に大きな利益をもたらすはずである。
[0202]NHFの検証に関して、開示されたシステムの実施形態は、米国全国健康栄養調査(NHANES)2011−2012のデータを拠り所とした。年齢範囲12〜79歳の被験者が、臨床測定値を含む包括的なデータセットを作成するために選択された。NHANESの調査では、全ての参加者に2回の独立した24時間分の食事を思い出してもらい収集した。最初の24時間の思い出しは1人で実施され、2回目の思い出しは3〜10日後に電話で行われた。2回の24時間分の食事の思い出しと、身長、体重、BMI、グリコヘモグロビン%、及びHDLコレステロールの臨床測定値が報告された場合に、被験者が分析に含められた。いずれかの食事の思い出しで8000kcalを超える摂取を報告した被験者は、極端な異常値を制限するために除外された。これらの包括基準により、NHANESの被験者4639人が特定され、そのデータは引き続き分析に使用された。2回の24時間思い出しの食事データは、各参加者について平均化された。
[0203]健康範囲プロファイルは、分析に使用する12〜79歳の男性と女性のDRIの性別/年齢の全ての組み合わせについて作成された。エネルギーに依存する健康範囲のMCについては、年齢、性別、身長及び体重を考慮して、被験者ごとにIOM定義の推定エネルギー必要量(EER)を算出した。エネルギーの目標健康範囲は、EERの+/−5%に設定された。全ての目標多量栄養素(MC)のDRI健康範囲は、EERに対する%で定義された。糖類(total sugar)は、IOMからDRI値が明示されていない唯一のMCである。糖類が添加糖を含むため、添加糖のエネルギー摂取の25%未満のDRIが、糖類のUHRとして用いられた。これは保守的な制限である。
[0204]HEI−2010スコアと栄養素プロファイリングスコアの両方を比較するには、食品成分(HEI用)並びにNHANES食事データに基づく栄養素の双方を含む単一の食事データセットが必要であった。NHANES 2011−2012 24時間思い出しの各食品品目は、食事研究用食品・栄養成分データベース(FNDDS)2011−2012の1つの食品品目に対応している。FNDDSには、多数の栄養素の栄養濃度情報が含まれているが、HEIスコアの算出に使用された食品成分は含まれていない。フードパターン等価データベース(Food Patterns Equivalents Database、FPED)2011−2012は、FNDDS 2011−2012の各食品品目に対応する食品成分を提供したものである。FNDDSデータベースとFPEDデータベースを1つのマスターフードデータベースに統合し、各24時間思い出しにおける個々の食品品目を全ての被験者の24時間の食事に統合した。最終的なデータセットには、各被験者の食事及び臨床データが含まれている。
[0205]本明細書に開示されるシステム及び方法の一実施形態では、一般的かつ強力なデータ主導方法論を使用して、健康性の臨床測定値を最大限に予測することができるNHFスコアを設計した。具体的には、逐次2次計画法(SQP)の形式によって、H−スコア(式11b)と他の測定値の任意のセットとの間の相関の合計が最適化された。SQPの利点は、制約のある非線形最適化問題を解くことができる点である。単一の関数fmin_slsqpは、オープンソースのPython SciPy最適化パッケージに実装された。この最適化は、既存のスコアのパラメータ(加重及び許容度)を変えて、(この場合は)H−スコア(被験者の食事データでスコア付けされた)と臨床測定値との相関を最大にする正式な数学的方法である。最終の加重(0〜50)と許容度(0.2〜100)を制約するようにSQPを利用した。最適化された関数f(x)は、H−スコアと他の測定値との間の出力相関の合計であり、以下のように記述される。

ここで、corr()はPearson相関関数、H()は全ての被験者の食事データに対して生成されたH−スコアの集合、Mは同じ被験者の集合に関する測定値の集合(例えばBMI又はHEIスコア)、及びxは、H−スコアの出力を規定する加重と許容度のベクトルである。
[0206]相関の和を最大にすることによって、単一の測定値M又は複数の測定値Mを同時に最適化することができる。この特定のケースでは、LHRとUHRの値は被験者ごとに一定であるが、実際には、xに含めて同時に最適化することができる。各最適化の後、極めて小さいMC加重(最大加重の1/50未満)は、H−スコアの相関に寄与しないので、ゼロに設定される。このプロセスは、同時にMCを選択し、加重を最適化する。最終的な加重は、残りの最小の加重によって正規化され、その結果として、H−スコアの設計における最小加重が1になる。
[0207]開示されたシステム及び方法を使用して生成されたNHFスコアは、被験者の食事データに対して作成されたNHFスコアと、BMI、グリコヘモグロビン%及びHDLコレステロールの被験者測定値との間の相関(r)及び説明分散(R2%)を測定することによって、検証されたものである。既存のツールとの比較のために、HEI−2010の日々の食事スコアを用いて検証基準を算出した。栄養素プロファイリングツールとしてのNHFの更なる検証として、FNDDSデータベースの全ての食品をスコア付けし、食品ランキングを視覚化するためにプロットした。FNDDS食品のNHF H−スコアは、100kcalで栄養豊富な食品指数(NRF9.3)プロファイリング栄養素を有する同じ食品と比較された。
[0208]2つのNHFスコア付けプロファイル(NHF DRI、及びNHF HEI)を分析及び比較のために手動で作成した。残りのスコア付けプロファイルは全て、NHF DRIからのデータ主導パラメータ最適化によって得られたものである。NHF DRIは、上記のNHF「A」定義で定義されたものである。NHF HEIは、既存のHEI−2010 DQIへの変更を最小限に抑えるために、MC及び健康範囲を選択して定義されたものである。ここで提供される補足的な情報は、これらの結果を更に説明する。
[0209]具体的には、上で参照したデータを生成するために使用されるデータ及びコードは、補足付録Aとしてここに提供される。このデータとコードを使用すると、完全にオープンソースのソフトウェア(Python)で結果を生成し、任意の研究者が単一のコマンドで実行することができる。
[0210]上記の説明(付録Aに提供されるデータ及びコードの使用を含む)に従って生成された結果は、以下の表1及び表2を参照して、より詳細に後述される。
[0211]以下の表1は、NHFスコア付けプロファイルのセット、及びこの研究で作成され、使用された健康範囲プロファイルのサブセットを示す。表1に例示する実施形態では、スコア付けプロファイルは、非ゼロの加重と許容度によって定義される。最適化中に選択されたMC並びに、その加重及び許容度の大きさは、最適化されたプロファイル”DRI_2_...”に提供される。最適化後の値1にとどまる許容度は、許容度の変化が特定のMCについてのHスコアの変化を最小限にする/変化させない場合の構成に大きく起因する。2つの主な原因がこの動作を説明している。(i)UHRは無限大(存在しない)、(ii)被験者のデータの大部分又は全てがUHRより小さい。

[0212]上記の表1において、スコア付けプロファイルは、許容度を有する非ゼロ加重MCのセットからなる。NHF DRI及びNHF HEIは、手動で構築された。他の全てのプロファイルは、NHF DRIの最適化で得られた。また、上の表では、未定義(ブランク)のLHRを0とみなし、未定義のUHRを無限大とみなす。2つのDRI健康範囲プロファイルのみが示されているが、本明細書で説明する健康範囲プロファイルの完全なセットは付録Aに記載されている。上記の表では、測定可能成分には、DRI又はHEI値として健康範囲を定義したFNDDS/FPEDデータベースの共通部分の全ての栄養素/食品成分が含まれている。
[0213]本明細書での図12は、HEI−2010(図12(a))又はNHF DRIのスコア(図12(b))を使用した、さまざまな日々の食事スコア付け方法の、被験者に関するBMIとの、測定された相関の例を示す複数の散布図を例示したものである。HEI−2010及びNHF DRIはともに、BMIとの相関が最小(r<−0.06)であり、分散が0.3%未満であることを説明している。BMIによるNHF DRIスコアの最適化は、NHF DRI_2_BMIスコアをもたらす(図12(c))。改善されたNHF DRI_2_BMIは、日々の食事データだけから被験者のBMIにおいて2.6%の分散(最適化されていないスコアの0.3%から8倍増加)を説明する。図12(d)は、3つの臨床測定値(BMI、グリコヘモグロビン%、HDL)に対して同時に最適化したNHF DRI_2_BGHスコアと、BMIとの相関を示す。説明分散は1.6%に低下する(最適化されていないスコアの0.3%から5倍の増加)。BMI単独との相関の低下は、NHF DRI_2_BGHがグリコヘモグロビン及びHDLと同時に相関する必要があることの結果である。相関関係と説明分散は小さいが、解析では、最適化がBMIの予測力を向上させるよう機能することが実証された。同じ分析を全ての臨床変数について行った。
[0214]以下の表2は、全てのスコアと全ての臨床健康測定値との間の説明分散のマトリックスを示す。説明分散が高いほど、値はより相関性が高く、それによって、異なるスコアを比較するときの類似性の尺度もまた与えられる。個々の臨床測定値の分散を最もよく説明するNHFスコアは、単一の臨床測定値に最適化した場合に発生する。NHF DRI_2_Glycoはグリコヘモグロビンの1.2%(12倍増加)を、NHF DRI_2_HDLはHDLコレステロールの2.6%(13倍増加)を説明した。NHF DRI_2_BGHは、3つの全ての臨床的健康測定値の0.5%を超える分散を説明する唯一のスコアであり(平均6倍の増加)、最適化によって、3つの臨床健康測定値の全てにわたる予測力が同時に改善されることが実証された。
[0215]上記の表で、分散率のR2%は、NHANESデータの4639人の被験者をスコア付けして得られた異なるスコア間の線形近似によって説明されるものである。
[0216]最適化は、臨床健康測定値の予測に最も有用なMCを選択するので、最適化によって特定されたMCは、栄養素と特定の健康測定値との間の情報を提供する。例えば、NHF DRI_2_BMIスコアは(表1におけるNHF DRIの元の36個のうちの)11個のMCで構成されている。NHF DRI_2_Glycoスコアは12個のMCを有し、NHF DRI_2_HDLは11個のMCを有していた。組合せ最適化NHF DRI_2_BGHは、12個のMCから構成される。これらの4つの全体的スコアの最適化によって、わずか4つのMC(α−カロチン、食事性コレステロール、β−クリプトキサンチン、及びビタミンK)しか選択されなかった。固定されたLHR/UHR値が与えられた場合、これらの4つのMCは、同時に3つの臨床測定値にわたって、他の36個のいずれかのMCよりも、日々の食事マーカーとして予測性が高かった。別の5つの栄養素(マグネシウム(DRI_2_BMIにはない)、飽和脂肪(DRI_2_Glycoにはない)、葉酸/ビタミンE/ビタミンC(DRI_2_HDLにはない))がDRI_2_BGHによって選択されたが、1つのスコア付けプロファイルでは除外された。即ち、これらのMCは、3つの臨床健康測定値のうち2つによって、最も予測的なものとして選択される。あるいは、特定の臨床測定値に関してのみ選択されるが、3つの他のスコアでは最適化されない栄養素(総葉酸(DRI_2_BMIにのみ含まれる)、カルシウム/ナトリウム(DRI_2_Glycoにのみ含まれる)、食物繊維/糖類(DRI_2_HDLにのみ含まれる))がある。これらの結果は、最適化、したがってMC及びパラメータの選択に影響を及ぼした健康範囲の設定点による影響を(もちろん)受けるものである。例えば、MCの健康範囲が全協力者の摂取量測定値に及ぶ場合、MCは被験者の日々の食事データのスコアと臨床測定値との間の差異を識別しない。したがって、そのMCは最適化によって削除される。健康範囲を決定するための実験データの改善は、将来の研究にとって有益な主題である。
[0217]開発された栄養素プロファイリングツールとHEIスコアとの相関は、栄養プロファイリングシステムの代表的な検証として使用可能であることが判明している。NHF DRI_2_HEIスコアは、この過去の研究と直接比較するために、HEIスコアとの相関を最大化した。NHF DRI_2_HEIは、日々の食事データに関するHEIスコアの分散の56%を説明した(表2)。また、他のデータは、NRF9.3がHEIの44.5%を説明し、最高の最良適合方法が65%を説明したことを明らかにした。NHFのHEIスコアに対する説明力を更に調べるために、いくつかのLHR/UHR値(例えば総糖分)を手動で微調整することにより、最適化後には、HEIスコアの分散の60%を超える説明が得られた。したがって、LHR/UHR値の選択は、任意の測定値に対する任意のモデルによって説明される最終的な分散において重要であり、将来の研究の方向性となり得る。HEIスコアと他のスコアとの差は、主にHEIスコアを算出する際に生じる飽和度に起因する。図11(b)のHEI飽和関数は、図11(a)及び図11(c)のような無限関数を利用する栄養素プロファイリングツールによって説明できる分散を制限する。
[0218]一実施形態では、開示されたシステム及び方法を使用してNHF HEIスコアを作成し、他の方法のNHFへの移行性を評価した。(表1)。NHF HEIスコアは、HEI−2010仕様から変換された加重、許容度、及び健康範囲を有する、HEIで定義されたのと同じ食品成分を利用したものであるが、NHFスコア付け関数を保持している。加重は、NHFでは相対的であるので、最小加重に正規化された。HEI−2010の仕様を範囲及び許容度に変換する例として、1.1g/1000kcal(最大スコア)〜2.0g/1000kcal(最小スコア)のHEIナトリウム範囲は、UHR=1.1g及び許容度2.0/1.1=1.8、LHR=0に変換された。定義上、ナトリウムのMCスコアは、HEI−2010と全く同じように、1.1gで最大となり、2.0gでゼロになるが、HEIスコア付け方法とは対照的に、NHF HEIでは、2.0gの後も低下し続けるであろう。NHF HEIスコアを1000kcalで分析し、LHR/UHR仕様と1000kcalで一致させた。NHF HEIは、NHANESデータのHEI−2010スコアの分散の92.6%を説明するものである。(表2)。したがって、NHFスコア付け機能は、既存のHEI−2010パラメータを用いて、最小限の変更で利用することができ、ほぼ同じ測定項目に対して、NHFスコア付け機能の全ての利点を提供することができる。
[0219]最終的な最適化は、NHF DRI及びNHF HEIスコア付けプロファイルの共通部分として定義された新しいスコア付けプロファイルから開始して行われたものである。このプロファイルはHEIスコアに最適化され、HEI分散の98.4%を説明した。興味深いことに、この最適化によって、全てのHEI成分並びに以前に同定された4種類の栄養素(アルファ−カロチン、ベータ−クリプトキサンチン、総飽和脂肪、及びカリウム−表の補足資料を参照)が選択された。これらの4種類の栄養素は、HEIによって説明された分散の6%の増加をもたらし、アルファ−カロチン及びベータ−クリプトキサンチンが健康的な日々の食事を測定する際に重要な栄養素であり得るという証拠を増大している。
[0220]NHFスコアのDRI_2_BGHは、測定基準(グラム又はkcals)とは無関係に、栄養素プロファイリングモデルとして不変スコアを生成する能力について試験した。5種類のNCについてのDRI_2_BGH Hスコアが、図13(a)のグラム及び図13(b)のkcalsの両方で量の関数として示されている。各食品は、全ての摂取量でスコアを有している。上のグラフはスコアをグラムの関数として表し、下のグラフはスコアをkcalの関数として表している。図示の実施形態では、OがHmaxスコア(最大達成可能スコア)を表し、XがHxスコア(任意の測定可能成分について、第1のUHRを越えるときのスコア)を表す、量の関数としての2つの有意義な不変スコアがマークされている。
[0221]FNDDSから選択された5種類のNCは、缶詰の低ナトリウムリマ豆(75204120)、生のホウレンソウ(72125100)、チーズの多い標準クラストピザ(58106255)、生オレンジ(61119010)、及びコーラタイプのソフトドリンク(92410310)である。全てのNCを「女性31〜50歳」のDRI値でスコア付けし、個人の栄養素ニーズに基づいて、特定の個人に向けて食品をスコア付けすることができることを実証した。異なる健康範囲プロファイルは、異なる結果を生じる。丸印「o」は、各NCのHmaxスコアの位置を示す。「x」は各NCのHxスコアの位置を示す。これらのスコアが重複する場合も、スコアが重複しない場合もある。結果として得られるHスコア(y軸値)は、グラム(図13(a))又はkcals(図13(b))でスコア付けするかどうかにかかわらず、Hmax又はHxについて同一であり、他の任意の測定量の項目に関しても同一である。図13のグラフは、DRI_2_BGHの定義に特有のものであることを理解されたい。異なるNHFスコア付けプロファイルでスコア付けされた同じ食品が異なる曲線を有することを更に理解されたい。
[0222]さまざまな実施形態では、NHFのグラフを分析することは、ただのスコアよりもかなり多くの、NCの栄養素プロファイルに関する情報を提供するものである。例えば、図13の実施形態では、ホウレンソウは、1000グラムのすぐ下及び200kcalで、Hmax及びHxの双方とも=78.5を達成した。これらの結果は、この食品がより高いエネルギー(kcal)栄養素密度及びより低い重量(グラム)栄養素密度を有することを実証した。対照的に、ピザは、約1300グラム及び3600キロカロリーでHmax=64.4に達するが、約400グラム及び900キロカロリーでHx=41.4に達する。したがって、図13に示す実施形態では、ピザは、より高い重量(グラム)栄養素密度及びより低いエネルギー(kcals)栄養素密度を有する。更に、900kcalのピザは、MCを女性31〜50歳の規定されたUHR未満に保つ健康的な日々の食事の上限と考えられる。図13の実施形態からもまた明らかなように、食品曲線の形状及びHmaxとHxの位置の関係は、食品中の栄養素の正/負の寄与のバランスに関する視覚情報を提供するものである。甘いコーラタイプのソーダは、Hxでのグラム又はkcalに関する最小摂取量が0に近い量であるにもかかわらず、20をわずかに上回るスコアを受けた。同様の分析をどの食品に対しても行うことができる。更に、食品、日々の食事、及び食事は、全てNCであるので、同様の分析は、日々の食事又は食事に関して同様に行うことができる。
[0223]図14は、NRF9.3 100kcalでNHF DRI_2_BGHによってスコア付けされた全てのFNDDS食品の比較を示す。この実施形態では、箱ひげ図は、FNDDSデータベースに列挙された食品群による平均及びノッチ付き四分位範囲を表示するものである。全てのFNDDS食品の図14の実施形態の箱ひげ図は、NHF DRI_2_BGHを用いてスコア付けされ、各食品に与えられたスコアは、NRF9.3 100kcalでスコア付けされた(図14(b))同じ食品と比較したHmax(図14(a))であった。この箱ひげ図は、DRI_2_BGHスコアの最大値から最小値までの平均値で次のような食品群ごとに並べられている。「野菜」、「果物」、「豆類、ナッツ、及び種子」、「穀物製品」、「牛乳及び乳製品」、「脂肪、油及びサラダドレッシング」、「肉、家禽、魚及び混合物」、「糖、菓子及び飲料」、「卵」。図示された実施形態では、野菜のスコアが最も高く、果物、豆類及び穀物は平均スコアが59を超えることが明らかである。牛乳群には低下が起こるが、牛乳群の四分位範囲はまだ60をかなり上回っている。脂肪及び油は肉よりも高い平均値を有するが、脂肪の四分位範囲はその平均より下に偏っている。菓子が平均40.9で続き、卵が、主に最適化によるコレステロールMCの含有のせいで、最も低い。全てのスコアの最小値と最大値の範囲は20〜100である。図14(b)の実施形態のNRF9.3プロットは、以下のように詳述される異なる平均スコア値を有する。野菜[132.4]、果物[70.8]、菓子[41.3]、豆類[30.5]、牛乳[24.8]、肉[24.1]、穀物[20.4]、卵[19.2]及び脂肪[−9.3]。図示された実施形態では、任意の食品の最小値は−737.4であり、最大値は2167.8である。解釈の容易性及び表示目的として、図14(a)のDRI_2_BGHによって生成されたスコアは、はるかにより明瞭でより直感的である。
[0224]更なる実施形態では、図14の全てのFNDDS食品は、食品の色が図15のHmaxスコアを表す2次元グリッド上に再プロットされる。具体的には、図15では、NHF DRI_2_BGHスコア付けプロファイルを用いて、NHF MAXスコアをプロットしている。各食品群の平均がプロットされ、ラベル付けされている。この実施形態では、食品は、「多すぎない」(y軸の下側)及び「少なすぎない」(x軸の左側)に関連する食品成分及びバランスの推定を表すUHR0及びLHR0軸に沿ってプロットされる。各食品群の平均値もまたプロットされ、ラベル付けされている。y軸は各食品のUHR0スコアを表しており、UHRを上回るMCの低いスコアに対する寄与率の推定値が得られる。x軸はLHR0を表し、LHRより低いMCの低いスコアに対する寄与率の推定値が得られる。全ての規定された健康範囲内の完全に均衡の取れたNCは、右上隅にある(多すぎず、かつ、少なすぎない)。左上の象限にあるNCは、UHRを越えることによってスコアが悪くなる原因となる可能性は低いが、LHRを超えてMCを押し上げることによってスコアを向上させる原因とはならない(「多すぎないが、少なすぎる」)。右下の象限にあるNCは、LHRを越えて正の方向にニーズをカバーすることに寄与するが、多くのUHRをもまた越えるようなことになる(「「多すぎるが、少なすぎはしない」」)。左下の象限にあるNCは、UHRを大幅に上回っている間は正の方向にはほとんど寄与しない(「多すぎて、かつ、少なすぎる」)。
[0225]ここで、一般に上に例示した実施形態、特に図11〜図15に例示する実施形態を参照すると、開示されたシステムは、栄養的健康の枠組みと呼ばれる新規の栄養スコア付けの枠組みを表すと考えられる。NHFは、日々の食事の質指標として、又は栄養素プロファイリングツールとして、又は個人のための個人化された栄養的スコア付けシステムとしても同様に良好に使用することができる点で、普遍的である。NHFは、臨床健康測定に直接基づくデータ主導の方法で、主観的な判断なしに設計されたスコア付けシステムの最初の実証であると考えられる。
[0226]開示されたシステム及び方法の開発の結果として、NHANESの24時間の日々の食事摂取量及び血液中の代謝物レベルの母集団レベルのデータを用いて、複数の健康の臨床測定に対する予測力を提供するいくつかの興味深い栄養素が出現した。これらの栄養素のうちの3つは、ビタミンK、β−クリプトキサンチン及びα−カロチンであった。これらの栄養素は、いかなる以前の栄養素プロファイリングシステムにも、含まれていたとは考えられていない。ビタミンKは主に濃い緑の葉野菜にみられ、カルシウムイオンの結合に重要な役割を果たし、骨及び組織に影響を与え、長期的な健康につながるものである。β−クリプトキサンチンは、卵黄やオレンジの野菜によく見られ、体内でビタミンAに変換され、肺癌に対する化学予防剤として直接関連している。黄色及びオレンジ色の野菜に見られるα−カロチンもまた、複数の死亡リスクとは逆方向に直接的に関連している。ビタミンA代謝物(例えば、レチノール、シス−レチノイン酸など)は、多くの異なる生理学的及び健康の過程に関与する。
[0227]データ主導型分析アプローチの使用は、専門家が定義したツールに導入できる主観的に偏った広範な情報源を除去する上で、非常に強力なものである。包括的な枠組みとして、上記のさまざまな実施形態に記載されたNHFは、栄養スコア付け分野における複数の既存の課題に同時に対処することができる。
・栄養素/食品成分などは、正の又は負の別々のカテゴリーに分類する必要はなく、健康範囲の使用によって対処される。
・出力のスコアは、100で直感的な最大値を有するが、更に、全ての日々の食事成分について、連続的な測定値を提供し、これは例えば図11(a)に示されるスコア付け関数によって対処される。
・日々の食事スコア付けパラメータは、任意の数の健康の臨床測定値と相関させることによって、純粋にデータ主導型の方法で、選択することができ、これは、SQP非線形最適化技術を使用することによって対処される。
・食品と日々の食事は、異なる量で比較して有意義にスコア付けすることができ、栄養素密度の単一の量でスコア付けする必要はなく、これは、Hmax及びHx不変スコアの使用によって対処される。
・NHFはNCを普遍的な方法でスコア付けし、同じ方法を用いて個々の食品、食事、及び日々の食事を単一のスコアで分析できるようにする。
・不均質な集団は、それらのニーズ/目標に関連して分析することができ、これは、スコア付けプロファイルと健康範囲プロファイルを使用して対処される。
・食事及び日々の食事のインクリメンタルな改善を、測定し容易に視覚化することができ、これは、図15の2次元グラフで「最適な」右上の位置へ移動する食品の視覚的表示、又は図13の日々の食事曲線の改善によって対処される。
・普遍的な栄養的健康の具体的な定義は、各食品の文献に存在するLHRとUHRの妥当性を考慮して、測定することができる。
・変動する時間枠に対する食品摂取量の影響を分析することができる摂取量対時間が明示的に対処される。
・食事/日々の食事のCO2又は経済的影響(個人及び環境に関して定義可能な健康範囲を有する両MC)などのほかの基準を単一のNHFスコアに融合することができる。本最適化方法は、栄養素の全体的な健康の測定を作成するのと同じ方法で、これらの変数に関して使用することができ、健康範囲の測定可能成分に関する普遍的な概念を使用して対処される。
・既存のスコア付けツールを単一の枠組みに組み込むことで、相互比較を可能にし、現場のツールの多様性を最小限に抑えるのに役立つことができる。
[0228]更に、開示されたシステム及び方法の開発は、臨床健康基準の日々の食事指標として直ちに使用できる複数のスコア付けプロファイルを開発することを含むものであった。しかし、さまざまな実施形態において、NHFの概念は、全ての状況及び目的に適した普遍的な栄養的健康の1つのみの定義は存在しないということである。むしろ、NHFの概念は、所定の目標を達成するために、無制限の数のGNHの定義を定義し得る、厳格な枠組みを提供するものである。したがって、異なる分野で、また国民栄養指針(national nutrition guidelines)を含むさまざまな目的のために、又は個々の個人化された栄養に関して、NHFを適応させ、使用することができる。NHFの適応性は、個々人が異なるライフステージ(乳児から老人への)を通じて成長して異なるニーズ(例えば、糖尿病患者、精鋭の運動選手)を有するにつれて、個人に対する日々の食事の推奨に影響を及ぼす可能性があると考えられている。NHFは栄養摂取量を直接測定し評価する単一の堅牢な枠組みを使用するため、栄養的健康を改善するために、研究者、集団及び個人に役立つことができる。
[0229]上述のさまざまな実施形態は、食品中の栄養素のスコア付けに関連して、栄養的健康スコアを参照するか、又はそれに関係するものである。したがって、上述の大部分の実施形態では、スコアは、食品中に見出される栄養素に基づいて算出される。いくつかの実施形態では、栄養的健康評価の概念はより広範であり、摂取可能物の、個人の健康に対する影響だけではなく、環境の健全性に対する影響も包含する。かかる実施形態では、「栄養的健康」は、個人の健康状態及び惑星の健康状態の双方を含むものと定義することができ、本明細書に開示される概念は、摂取可能物の「栄養素」に対比して、摂取可能物の「測定可能な特徴」に適用される。例えば、測定可能な特徴は、摂取可能物の製造/摂取に関連する二酸化炭素排出のような特徴を含むことができる。かかる一実施例では、開示されたシステムは、摂取された摂取可能物のグラム当たりの二酸化炭素排出量を追跡し、その環境的影響を示すスコアを提供する。したがって、開示されたシステムは、摂取可能物の摂取が個人の栄養的健康に対してだけではなく、環境に対しても影響することを示すスコアを提供することができる。更に、本システムは、全体的なスコアを算出するときに、全ての栄養的因子が等しい場合、環境への影響が比較的大きい食品の摂取は、環境への影響が比較的少ない食品よりも低いスコアを有するように、これらの環境的影響を考慮に入れることができる。
[0230]さまざまな実施形態では、開示されたシステムは、生成された日々の食事にどのような食品を組み込むべきかを推奨するときに、食品の特定の「味」の側面を考慮に入れることができる。例えば、ユーザがディナーにメキシコ料理を食べたいと表明した場合、本システムは、ステーキタコス及びステーキタコスを補うための特定のスパイス入りの米を推奨してもよい。さまざまな実施形態におけるシステムでは、ユーザが食事を楽しんだことを表明した、以前に推奨された食品を記憶し、成分又は味覚プロファイルが同様な食品を推奨しようとする。いくつかの実施形態では、本システムは、まず、鶏の胸肉などの「メインコース」を選択しようとし、次に野菜及び米などの補完的なサイド品目を選択することによって、推奨を行うものである。一実施形態では、1つ以上の食品品目は、それが通常一部をなしている食事の種類によって分類され、その分類に基づいて推奨が行われる。例えば、スクランブルエッグは「朝食」食品として分類され、食事を推奨するときに、本システムは、1つ以上の「朝食」食品を朝食べることを推奨してもよい。
[0231]一実施形態では、本システムは、ユーザが携帯する個人用モバイルデバイスである1つ以上の入力デバイス114と統合するように構成されている。例えば、歩数計又は活動量計を装着しているユーザは、これらのデバイスからのデータをシステムに提供することができ、それに応じてカロリー摂取範囲値を調整することができる。このように、ユーザの1日が特に活動的である場合、本システムでは、カロリー摂取量範囲を上方に調節してもよい。
[0232]別の実施形態では、ユーザが携帯する1つ以上のデバイスは、ユーザが食料品店又はレストランなどの食品購入施設にいるときに、リアルタイム情報を本システムに提供することができる。RFIDリーダ、NFCリーダ、着用可能カメラデバイス、及び携帯電話などのデバイスは、特定の食料品店又はレストランでユーザが利用可能な食品を(RFIDタグのスキャン、バーコードの読み取り、又はユーザの物理的位置の決定などによって)受信し、又は判定することができる。開示されたシステムは、ユーザがどんな食品を直ちに購入又は摂取することができるかを考慮して、推奨を行うことができる。かかる実施形態の1つでは、ユーザがレストランの席に座ったとき、開示されたシステムは、ユーザが所定の期間にユーザの栄養的健康スコアを最適化するために、メニューから特定の品目を選択することを推奨する情報をユーザの携帯電話に送信してもよい。
[0233]一実施形態では、開示されたシステムでは、格納されたデータベース内に完全な栄養素コンテンツデータのない食品を食べるか否かをユーザが決定することが可能になる。例えば、USDAデータベース中のシロップの特定の項目に、シロップ中にどれくらいの糖質が存在するかを示す記憶されたデータが含まれていない場合、本システムは、そのシロップのデータベースにそのデータが存在しないことを示すアイコンを表示する。したがって、本システムでは、明らかにデータが不足していることに基づいて、システムの提供するスコアが不正確であるかどうかをユーザが一目で認識することが可能になる。シロップの例では、ユーザの糖質の栄養素の健康スコアが低い場合、ユーザは、糖質の多い食品であると知っている食品におけるデータの欠如が、スコアを不自然に低く見せていることを知ることができる。
[0234]本明細書で使用される場合、用語「摂取可能物」は、例えば成分、食品、食事又は日々の食事などの、個人の摂取する任意の品目を包含することが意図されている。
[0235]いくつかの実施形態では、本明細書で使用する「栄養素」という用語は、身体に対して有益な、例えば、エネルギー、成長又は健康を提供する効果を有する化合物を指す。この用語は、有機及び無機化合物を含む。本明細書において使用するとき、栄養素という用語とは、例えば、多量栄養素、微量栄養素、必須栄養素、条件付き必須栄養素、及び植物性栄養素が挙げられる。これらの用語は、必ずしも相互に排他的ではない。例えば、いくつかの栄養素は、特定の分類システム、又はリストによって、多量栄養素、又は微量栄養素のいずれかとして定義され得る。「少なくとも1つの栄養素」又は「1つ以上の栄養素」という表現は、例えば、1、2、3、4、5、10、20又はそれを超える栄養素を意味する。
[0236]他の実施形態では、本明細書で使用する「栄養素」という用語は、対象の摂取者にとって望ましい健康の測定の決定を可能にするために、健康範囲下限及び上側側健康限界を設定すること、又は他の方法で定義することができる、摂取可能物中の任意の測定可能な成分をより広く指している。いくつかのかかる実施形態では、用語「栄養素」のこの使用下で、栄養素という用語は、環境への影響、生産コスト、生産困難性、消化困難性、及び食品生産又は摂取の他の測定可能な特性を包含することができる。
[0237]さまざまな実施形態において、用語「多量栄養素」は、生物の正常な成長及び発育のために大量に必要とされる栄養素を通常包含する、当該分野でよく理解されている使用方法に合致して本明細書で使用される。これらの実施形態における多量栄養素には、炭水化物、脂肪、タンパク質、アミノ酸及び水が含まれ得るが、これらに限定されない。例えば、カルシウム、塩化物、又はナトリウムなど、いくつかのミネラルもまた、多量栄養素に分類される。
[0238]さまざまな実施形態において、用語「微量栄養素」は、本明細書では、当該分野でよく理解されている使用方法に合致して使用され、通常身体に有益な効果を有する(例えばエネルギー、成長又は健康を提供するが、軽微又は微量でしか必要とされない)化合物を包含する。かかる実施形態におけるこの用語は、有機化合物及び無機化合物の双方を含むか又は包含し得る。例えば、個々のアミノ酸、ヌクレオチド及び脂肪酸;ビタミン、抗酸化剤、ミネラル、微量元素(例えば、ヨウ素)、及び電解質(例えば、塩化ナトリウム)、及びそれらの塩が挙げられる。
[0239]さまざまな実施形態において、用語「必須栄養素」は、本明細書では、当該分野でよく理解されている使用方法に合致して使用され、これは、通常、個人又は他の対象者が内因的に合成できない、又は健康に必要なレベルには合成できない栄養素を包含する。例えば、必須栄養素は、対象者が日々の食事から得なければならない栄養素であり得る。必須栄養素の例示的な非網羅的リストは、必須脂肪酸、必須アミノ酸、必須ビタミン、及び必須ミネラルが挙げられる。更に、いくつかの実施形態では、栄養素は、例えば、対象者が特定の疾患、状態又は遺伝子型を有するかどうかに応じて、「条件的に必須」と呼ばれ得る。
[0240]さまざまな実施形態において、用語「全般的な栄養的健康」又は「GNH」は、環境健全性、経済的健全性などのような、生物学的健全性に特異的に結びついていない他の定量化可能な基準もまた含めるために、生物学的健全性/健康の概念からの拡大された焦点を示すために使用され得る。かかる実施形態では、開示されたシステム及び方法は、GNHのスコア付け尺度を生成するスコア付けシステムを提供する。かかる実施形態の1つでは、栄養摂取可能物中のあらゆる指定された測定可能な成分が指定された期間にわたり特定の健康範囲内にあるときに、実体(個人、集団など)の最大GNHが存在する。この実施形態では、測定可能な成分は、一定期間にわたり指定された健康範囲外にあればあるほど、その期間にGNHから離れている程度は高い。
[0241]さまざまな実施形態では、本開示は、データベース又はデータストアのいずれかをデータの集合として参照している。所望の実装に応じて、データベース(コンテンツのプロバイダによって操作される記憶デバイスに記憶されたデータベースなど)、データストア(クラウドコンピューティングのデータ記憶リソースなど)、又は他の適切な記憶の仕組みを使用して、本明細書に記載のさまざまなデータを記憶することができることを理解されたい。
[0242]いくつかの実施形態では、摂取される食品の量は、所定の期間にわたって必然的に決定されることを更に理解されたい。例えば、ユーザが1週間にわたって1ポンドの鶏肉を摂取する場合に、栄養的健康スコアは1つの数値となり、そのユーザが1日に1ポンドの鶏肉を摂取する場合には、全く別の数値となり得る。したがって、さまざまな実施形態で摂取される食品の量に対する本明細書の言及は、所定の時間に摂取される食品の量に対するものであるという考えを織り込んでいる。同様に、「食事」及び「日々の食事」への言及は、本質的にそれらに時間的制約を伴うものである。例えば、食事は1日のうちの3分の1で摂取され、日々の食事は1週間又は1ヶ月の時間にわたることがある。
[0243]上述したように、開示されたシステムは、いくつかの実施形態では、上述したさまざまな機能を実行するために、1つ以上のモジュール(ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの組み合わせ)に依存するものである。
[0244]かかる実施形態の1つでは、栄養的健康スコア判定システムは、標準カロリー摂取量範囲に、ユーザの特性によって少なくとも部分的に決定されるカロリー乗数を乗じて、ユーザのカロリー摂取量範囲を算出するように構成されたカロリー摂取量範囲算出モジュールと、少なくとも1つの摂取可能物及び少なくとも1つの摂取可能物についての少なくとも1つの量をユーザが指定することを可能にする摂取可能物入力制御部を少なくとも1つの表示デバイスに表示させるように構成された摂取可能物入力モジュールと、区分的に連続した栄養素健康スコア関数の値を決定することによって、複数の栄養素の各々についての栄養素健康スコアを算出するように構成された栄養素健康スコア算出モジュールであって、複数の栄養素の各々について、その栄養素の栄養素健康スコア関数は、その栄養素のゼロ量に対する第1の値を有し、その栄養素に関する栄養素健康スコア関数は、その栄養素の量が0より大きく健康範囲下限値よりも小さい場合には増加する値を有し、その栄養素の量が健康範囲下限値と健康範囲上限値との間の場合には一定値を有し、その栄養素の量が健康範囲上限値よりも大きい場合には減少する値を有する、栄養素健康スコア算出モジュールと、を備えている。この実施形態では、本システムはまた、複数の栄養素のうちの少なくとも1つについての複数の異なる量に対する栄養素健康スコア及び少なくとも1つの加重値に基づいて、複数の栄養的健康スコアを算出するための栄養的健康スコア算出モジュールと、当該少なくとも1つの摂取可能物の複数の量に対する複数の栄養的健康スコアを表す曲線を少なくとも1つの表示デバイスに表示させるためのユーザインターフェース表示モジュールと、を備えている。
[0245]1つの更なる実施形態では、カロリー摂取量範囲算出モジュールは、少なくとも1つの表示デバイスに、ユーザが自分の特性を示すことを可能にする活動入力制御部を表示させる。
[0246]別の更なる実施形態では、システムは、活動モニタを含み、カロリー摂取量範囲算出モジュールは、ユーザの特性を示す活動モニタからデータを受信する。
[0247]種々の更なる実施形態では、複数の栄養素のうちの少なくとも1つについての栄養素健康スコア関数は、複数の栄養素のうちの少なくとも1つの栄養素のゼロ交差量び対する値を有し、ゼロ交差量に対して栄養素健康スコア関数は上記の第1の値未満であり、ゼロ交差量は、複数の栄養素のうちの少なくとも1つの栄養素に関する感度値に基づいている。かかる実施形態の1つでは、感度値は、複数の栄養素のうちの少なくとも1つの栄養素に対するユーザの感度に逆相関している。
[0248]1つの更なる実施形態では、システムは、それぞれが個人の特定の集団に固有の加重値のテーブルを複数記憶し、栄養的健康スコア算出モジュールは、ユーザの特性に少なくとも部分的に基づいて複数の栄養的健康スコアを算出するために使用するための、加重値の複数のテーブルのうちの1つを決定する。ユーザの特性は、ユーザの活動レベル、ユーザの年齢、ユーザの性別、ユーザの体重、ユーザの体格指数(BMI)、及びユーザの医学的状態、からなる群から選択されてもよい。
[0249]1つの更なる実施形態では、システムは、複数の潜在的摂取可能物に関する複数の潜在的栄養的健康スコアを決定して、最も高い可能性のある栄養的健康スコアをもたらす複数の摂取可能物のうちの少なくとも1つを推奨するべく、栄養的健康スコア算出モジュールと共に動作するように構成された推奨モジュールを備える。推奨モジュールは、少なくとも1つの表示デバイスに、少なくとも1つの推奨された摂取可能物を日々の食事にユーザが加えることを可能にするための少なくとも1つの制御部を表示させるように構成されてもよい。あるいは、推奨モジュールは、少なくとも1つの表示デバイスに、少なくとも1つの推奨された摂取可能物のうちの少なくとも一部をユーザが日々の食事から取り除くことを可能にするための少なくとも1つの制御部を表示するように構成されてもよい。
[0250]1つの更なる実施形態では、栄養的健康スコア算出モジュールは、摂取可能物の指定されたセットに関する最適な栄養的健康スコアを決定するように更に構成されており、ユーザインターフェース表示モジュールは、少なくとも1つの表示デバイスに、少なくとも1つの摂取可能物の複数の量に関する複数の栄養的健康スコアを表す曲線上に最適栄養的健康スコアの表示を表示させるように構成されている。
[0251]別の更なる実施形態では、栄養的健康スコア算出モジュールは、開示されたシステムによって追跡された栄養素の全てよりも少ない栄養素を含むセットの栄養素健康スコアに基づいて、複数の栄養的健康スコアを算出するように構成され、当該セットは、ユーザの所望のスコア付けプロファイルに基づいている。
[0252]1つの更なる実施形態では、システムディスプレイは、栄養素の所望のサブセットをユーザが示すことを可能にする栄養素サブセット制御部を備え、栄養的健康スコア算出モジュールは、栄養素の所望のサブセットに関する栄養素健康スコアに基づいて、複数の栄養的健康スコアを算出するように構成されている。
[0253]別の実施形態では、開示されたシステムは、区分的に連続した栄養素健康スコア関数の値を決定することによって、複数の栄養素の各々についての栄養素健康スコアを算出するように構成されている栄養素健康スコア算出モジュールを備え、複数の栄養素の各々について、栄養素健康スコア関数は、その栄養素に固有であり、その栄養素に関する栄養素健康スコア関数は、経時的に摂取されるその栄養素のゼロ量に対する第1の値を有し、その栄養素の栄養素健康スコア関数は、経時的に摂取されるその栄養素の量が0より大きく健康範囲下限値よりも小さい場合に増加する値を有し、経時的に摂取されるその栄養素の量が健康範囲下限値と健康範囲上限値との間の場合に一定値を有し、経時的に摂取されるその栄養素の量が健康範囲上限値よりも大きい場合に減少する値を有する。この実施形態のシステムはまた、摂取された栄養素の異なる量についての複数の栄養的健康スコアを算出するための栄養的健康スコア算出モジュールであって、各栄養的健康スコアは、複数の栄養素の栄養素健康スコア及び少なくとも1つの加重値に基づく、モジュールと、特定のカロリー摂取量範囲内のカロリー量、及び、特定のカロリー摂取量範囲内の当該カロリー量に対して栄養的健康スコアが最適である栄養素の量、を含む摂取可能物のセットを決定するように構成された摂取可能物最適化モジュールと、を備えている。この実施形態では、本システムは、摂取可能物最適化モジュールによって決定された摂取可能物のセットから摂取可能物のうちの少なくとも1つをユーザが取り除くことを可能にする制御部を少なくとも1つの表示デバイスに表示させるためのユーザインターフェース表示モジュールを更に備えている。
[0254]更なる実施形態では、複数の栄養素の各々について、その栄養素の栄養素健康スコア関数は、ゼロ交差量を超えて経時的に摂取されたその栄養素の量に関して、第1の値よりも小さな減少する値を有し、ゼロ交差量は、その栄養素の感度値から算出可能である。
[0255]一実施形態では、本システムは、複数の追跡された栄養素の各々について複数の加重値/感度値のペアを含む少なくとも1つのテーブルを記憶する少なくとも1つのデータ記憶デバイスを備える。加重値/感度値のペアのうちの1つが、ユーザの特性に基づいて複数の追跡された栄養素の各々について選択されてもよく、ユーザの特性は、年齢、性別、身長、体重、体格指数(BMI)、及び活動レベルからなる群から選択される少なくとも1つとすることができる。
[0256]1つの更なる実施形態では、栄養素健康スコア算出モジュール及び栄養的健康スコア算出は、ある時間にわたる摂取に対するスコアを各々算出する。
[0257]別の更なる実施形態では、摂取可能物最適化モジュールは、少なくとも1つの提案された主要食事品目を選択した後、その主要食事品目に対する複数の補完的な摂取可能物を選択する。
[0258]上述のように、一実施形態では、データを生成し、本明細書で説明した結果を生成するために、本明細書の付録Aには、必要なデータ及びコンピュータコードが含まれている。一実施形態では、付録Aに含まれるスプレッドシートの1つには、完全な値のセット及び健康範囲プロファイルが含まれる。本明細書のさまざまな時点で説明し手作業で定義されたスコア付けプロファイルもまた含まれる。
[0259]上述の式11、12及び13の数学上のグラフ表示の一実施形態を図16に示す。図示の実施形態では、図16(a)は、式11、12、13に対応する。図16(b)はLHR{0,1}のスコア付け関数を示し、図16(c)はUHR{0,1}のスコア付け関数を示す。
[0260]一実施形態では、図15の視覚化は、4つの象限を含むものと考えることが最良であり得、右上角が栄養摂取可能物の最適スコアである。図17は、この4象限の概念の単純化された概略実施形態を示す。
[0261]さまざまな実施形態では、本明細書に開示されるシステム及び方法を用いて、単一の栄養摂取可能物を、スコア付けすることができる。いくつかの実施形態では、開示されたシステム及び方法によれば、食事又は日々の食事(栄養摂取可能物のセット)を複数の食品(栄養摂取可能物でもある)から構成することが可能になる。最終的な栄養摂取可能物は、個々の栄養摂取可能物の合計として見ることができる。したがって、n中のサブ摂取可能物がi=1、2、3、...mの場合には、

及び、

である。
[0262]さまざまな実施形態では、測定可能成分の量は、摂取量と各元になる品目の測定可能成分の密度との積の関数である。したがって、測定可能成分c(例えば、ビタミン)をより多く摂取するためには、そのビタミンを含む食品の量を増加しなければならないか、又は所定の食品においてビタミンの栄養密度を増加しなければならない。
[0263]Hスコアは、グラム量ではなく、カロリーの関数として見ることもまたできる。エネルギー密度に基づく栄養摂取可能物の量とエネルギーとの間には、単純な関係が存在する。
=kcal/gでの栄養摂取可能物nのエネルギー密度。
nt=ent=Antの量に対する時間tにわたる栄養摂取可能物nで摂取されるエネルギー(カロリー)。

ここで、式1へ代入すると、摂取エネルギーkntの関数として全般的健康スコアが与えられる。式2は、エネルギーにも拡張することができることに留意されたい。
[0264]NHF HEIスコア付けプロファイルは、最小限の変更でNHFでHEI−2010を定義するために作成されたものである。NHF HEIは、同じHEI−2010 MCとその加重値を利用している。正規化された加重値が、上述の表1に例示されているが、HEI−2010で使用されたのと全く同じ加重値を、スコアに変更を加えることなく使用できる。更に、NHF HEI許容度は、HEI−2010によって指定された最大及び最小限界から計算されたものであり、許容度は「中程度の」MCに関して、最小限界/最大限界に等しい。NHFは飽和を許容しないので、脂肪酸比は、HEI−2010によって定義される最小限度である0に設定された。NHF HEI健康範囲プロファイルは、各MCの定義された最小及び最大限界に対応するように作成された。したがって、NHF HEIのH−スコアは、NHF HEIスコア付けプロファイルとNHF HEI健康範囲プロファイルとの特定の組み合わせを利用するものである。
[0265]NHF NRF9.3のスコア付けプロファイル及び健康範囲プロファイルでは、NRF9.3で定義された限界を用いて制限するために、9つの正の栄養素と3つの栄養素(実際には4つのMC)を使用した。全ての加重と許容度は、NRF9.3モデルと最もよく一致するように1に設定された。
[0266]2つの集団「女性31〜50歳」及び「男性9〜13歳」について、2つの例示的なDRI健康範囲定義を上述の表1に示す。性別又は年齢の異なる2人の個人は、全く同じ日々の食事又は食品を摂取しても、異なるLHRとUHRの値に基づいて、スコアが異なることがある。同様に、単一の食品でも、異なる個人に対してスコア付けすると、スコアは異なるであろう。しかし、集団のスコアを生成するために単一のDV値セットの使用を妨げることはできないが、変動するLHR値及びUHR値を使用することで、開示されたシステム及び方法は、架空の「平均的な」人のニーズとは対照的に、NCが異質な集団のニーズをどれくらいうまく満たしているかを実際に示している。
[0267]時間の明示的な指定は、LHRとUHRの定義において重要であり、同じ集団の総合栄養的健康スコアを異なる時間スケールで設計する可能性を開く。一例として、運動選手の栄養ニーズは、レース中は数分又は数時間で、トレーニング中は数日又は数週間で指定する必要があることがある。ULを決定する科学はまた、栄養素が摂取される時間枠にも依存する(例えば急性対慢性のビタミンA毒性における)。NHFによれば、この種の情報を含めることが可能になる。
[0268]許容度パラメータはまた、異なる個体/集団のニーズに対するNHFスコアを設計する際の有用な新機能でもある。実用的な例として、糖尿病患者と運動選手について、食品をスコア付けするように設計されたスコア間の相違を想像してみればよい。二人の人が糖質の摂取について同じUHRより下にとどまることを望んでいる場合、短期間の過剰摂取のリスクはより高いので、MC=糖質の許容度は、運動選手に比べて糖尿病患者の方がずっと低い可能性がある。
[0269]図11(a)は、GNHのスコアの区分的線形解釈を示し、簡潔さの利点を有するのに対して、追加の非線形関数もまた使用できるが、解釈可能性を犠牲にすることになる。
[0270]食品の種類に加えて、量(例えば、1口のソーダ対16オンスのソーダ)もまた、身体生理に影響を与えであろうし、スコア付けシステムに影響を与えるはずである。栄養素のプロファイリングは、食品を100g、100kcal、又は1回分でスコア付けすべきかどうかを議論する、この問題に取り組んだ。既存のDQIにも同じ課題がある。HEI−2010は、個人が実際に摂取する量とは無関係に、全ての日々の食事を1000kcalで評価する。エネルギー摂取量には誤差があるため、栄養密度の測定値を捉えることが合理的である。しかし、数学的には、各スコアは「100kcal又は1000kcalで全てをスコア付けする」のと同等に解釈することができる。100kcal又は100gの固定量のいずれかで、生のホウレンソウ(23kcal/100g)及びローストアーモンド(603kcal/100g)の双方をスコア付けすると、比較の問題が生じる。同様に、1000kcal又は4000kcalのいずれかが摂取されたかどうかに関わらず、一定の組み立ての日々の食事について同じスコアを算出すると、生理学的影響の差は反映されない。
[0271]NCのGNHへの影響は、それを摂取する個人、及び、特定の時間枠にわたって摂取される量、の双方に依存する。極端な例として、非糖尿病患者が毎日摂取する甘いソーダは、長期的な糖尿病発症の1つの要因となる可能性がある。低血糖性糖尿病では、甘いソーダは文字通り命を救うことができるのに対して、高血糖性糖尿病では、同じ甘いソーダを摂取すると命を脅かす恐れがある。3つの異なる個々の生理学的状態における個人に関するこれら3つのケースにおいて、甘いソーダを摂取する影響は異なるので、スコアが単一であると、ソーダを摂取するかどうかを決定するのに有用ではないであろう。摂取可能物は、実際的な理由からそれらの本質的な化学組成によってスコア付けされるが、コンテキストが重要であることは明らかである。
[0272]既存のスコア付けツールの定義は、グラフィカルに描かれていないとは考えられていないため、異なる方法間での及びNHFとの、視覚的比較が可能である。健康的な食事指数2010(HEI 2010)に暗黙的に使用されているスコア付け関数は、図11(b)に示されており、NRF9.3などの複数の栄養プロファイリングツールにわたって使用されたスコア付け関数が図11(c)に示されている。これらのツールは、当初は量の関数として定義されてはいなかったが、実際には、これらのグラフ上の特定の量(例えば100kcal、100g、1000kcal)でスコアを生成するものと考えることができる。第一段階として、MCは栄養素プロファイリング及びHEI−2010の2つのカテゴリーに分かれている。これらのカテゴリーは、単一の閾値限界ではなくDRIの範囲が指定されているため、エネルギー又は多量栄養素などのMCのスコアを規定する能力を混乱させる「正の」及び「負の」栄養素とみなされることが多い。栄養ファジィ論理アルゴリズムの中には、この限定を認識したうえで、正の定義及び負の定義に加えて、健康範囲を指定しているものがある。図11(b)の栄養素プロファイリングスコアは無制限であり、それらは任意に大きく又は小さくなることができることを意味する。無制限のスコア付けの利点は、摂取が無制限であるという事実を反映していることである。無制限のスコア付けは、全ての摂取量にわたって連続スコアを提供する。無制限のスコア付けの結果として、量がULを超えるとスコアがますます大きくなるように、「正の」栄養素をスコア付けすることになる。スコア付け関数の無制限な性質に関する結果の一例として、NRF9.3−100kcalは、酸味のピクルスに−355というスコアを与え、高いビタミンCを含む粉末で作られたフルーツ風味の飲料に2167というスコアを与える。食品群の平均値は合理的であるが、個々の食品スコアは混乱させる。
[0273]図11(c)の栄養プロファイリングとは対照的に、HEI2010スコアは負の方向及び正の方向の双方で飽和し、したがって境界で制限される(図11(b))。HEI−2010は、スコア付け関数の勾配(即ち、量の変化の関数としてのスコアの変化)を規定する最大及び最小のスコア付け限界を指定する。これらの最小/最大の限界によって、無制限の栄養素プロファイリング関数(図11(c))のいくつかの特性が除去され、スコアの勾配に対する制御が可能になる。しかし、HEI2010の飽和(即ち、上限を超える)は、日々の食事の増分差を測定するスコアの能力を排除するものである。例えば、空のカロリー80%からなる日々の食事は、空のカロリー50%からなる日々の食事と同じスコアとなるであろう。HEI 2010はまた、(多価不飽和脂肪+モノ不飽和脂肪)と飽和脂肪との比のような適切な食品成分の最小スコアを飽和させるが、これは異なる脂肪酸比を有する日々の食事にある閾値より小さい同じスコアを与える同様の結果となる。飽和の理由は、スコアを0〜100の間の値に制限するためである。ゼロ未満のスコアに対するNHFの最終スコアは、表示目的のために、ゼロに設定される。無制限の連続スコアが、分析と理解の両方の目的のためには、数学的により適切である。
[0274]NHFの枠組み(図11(a))は、飽和及び無限要素の双方を組み合わせて、栄養素プロファイリングとHEI2010(又は他のDQI)との間の混成とみなされ得るスコアを定義する。定義による任意のNCの最小摂取量はゼロであり、ゼロ量(横軸の左)でスコアは0である。これにより、ゼロ摂取量を超える任意の量で、段階的なスコア付け変化が確実になる。HEI 2010と同様に、LHRが摂取された後で、スコアが飽和する。LHRが十分に高く設定されている場合、スコアは決して飽和することはなく、「正の」グラフ(図11(c))と同等である増分的改善を測定することができる。しかし、いずれの栄養素でも利益が摂取量の増加によって増加し続ける可能性は低い。摂取の健康範囲内の摂取レベルは、定義によって摂取量が最適な範囲にあるので、NHFにおいて最大のスコアを生ずる。MCがちょうどの目標摂取量を有する(起こりそうもない)事象では、LHRとUHRは等しく設定することができ、最大のスコアは、1つのちょうどの摂取レベルでのみ生じることになる。摂取がUHRを越えた後、MC関数は無制限に減少し、無制限の摂取による漸進的なスコア付けが可能となる。UHRがゼロに設定されている場合、スコア付け関数は概念的には、図11(c)の無制限の「負の」スコアと同等に減少する。
[0275]NHFでは、それ以上のスコアは取れないため、摂取の健康範囲内の量は最大のスコアになる。ちょうどの量が目標とされている場合、LHRとUHRは等しく設定することができ、1つの正確な量でただ一つの最大のスコアを生じることになる。摂取がUHRを越えた後、MC関数は無制限に減少し、無制限の摂取量で漸進的なスコア付けが可能になる。UHRがゼロに設定されている場合、スコア付け関数は概念的には、図11(c)の無制限の「負の」スコアと同等に減少する。
[0276]NHFの許容度は、HEI 2010と同様の概念で、UHRより上のグラフの勾配を定義するために使用される。したがって、UHRより上の摂取に対する感度は、身体生理に及ぼす高摂取の影響に関する知識に基づいて調整することができ、結果としてスコアが変化する。上で提示した運動選手と糖尿病患者の糖質摂取量の例は、ここで適用できる。摂取の増加に対する感度は、運動選手と比較して、糖尿病患者の方が大きくなる(勾配が大きく、スコアがより影響を受ける)。NHFは、栄養素プロファイリング及びDQIの双方の多くの特徴を、双方の場合に等価に使用できる単一のスコア関数に組み合わせている。重要なことに、NHFはMC間を区別せず、MCを主観的に分類する必要性を排除している。
[0277]種々の実施形態では、NRF_100gスコア並びに100kcalスコアは、正の側で無制限である。これはマグネシウムのような栄養素の上限によれば、望ましくない恐れがある。例えば、FNDDSの「未調理の米ぬか」には781mgのマグネシウムが含まれており、ULは670である。したがって、無限の正の仮定が崩されるが、スコアはこれを考慮に入れることができない。他の例は、ULが3000である場合に3423ugのビタミンAを有する100gの「乾燥したニンジンチップ」である。
[0278]あるいは、100kcal基準を用いて、0カロリーを有するマルチビタミンは、適切にスコア付けできないが、食べられる可能性のある栄養成分に有意に寄与することができる。NRF9.3−100kcalによってスコア付けされた2つの更なる食品である「低カロリーで、高ビタミンCを含む粉末混合物で作ったフルーツ風味の飲料」と「酸味のキュウリのピクルス」は、極端なスコアのために、例として選択されたものである。NRF9.3−100kcalによってスコア付けされた全てのFNDDS食品の値は、添付の補足資料に見出すことができ、また図14の食品群別の箱ひげ図としてプロットされている。これらの極端な値の原因は、無制限のスコア付けシステム及び、100kcalの固定量でのスコア付けの性質の組み合わせにある。100kcalのスコアの場合、低カロリーの強化食品はこれらの問題に遭遇し、NHFのようにさまざまな摂取量で食品をスコア付けする有界スコア付けシステムの必要性が実証されるものである。
[0279]図11(b)のように、HEI閾値はある最大量で0に制限され、これは、許容度をこの量に設定することと等価である。しかし、スコアは、この量を超えると変化しない。結果は以下の説明と同様であるが、漸進的な改善は結果としてなし得ない。例えば、糖質の限界が達成されている場合、HEIスコアを使用すると、純粋な砂糖の複数の包みを食べても、スコアは更には低下しないであろう。
[0280]HEI−2010における脂肪酸スコアの設計によると、摂取が低レベルであってもスコアが飽和する結果が強調される。飽和のせいで、漸進的な日々の食事の改善効果を測定することが妨げられる。HEI−2010では、ポリ不飽和脂肪酸(PUFA)及びモノ不飽和脂肪酸(MUFA)の飽和脂肪酸(SFA)に対する脂肪酸比は、PUFA+MUFA/SFAとして算出され、2.5を超える場合に最大スコアを与えられ、1.5以下の場合に0に固定した最小スコアが与えられるが、最大スコアの方がより望ましい。したがって、HEI−2010では、0.5、1.0及び1.5の脂肪酸比は全て同じように扱われ、スコア0が与えられる。このスコア付けシステムの定義によれば、0.5という比率は1.5よりも良好ではなく、日々の食事中のこの相違は、PUFA及びMUFAと比較してSFAが3倍多いことに相当する。HEI−2010では、1日の摂取量集団分布の15パーセンタイルから、限界1.5値が選択されており、「ゼロというスコアを保証する摂取量の明確な証拠が得られないため、これが必要であった」と述べている。HEIスコア付け法の限界を説明するために、本出願は食事に関する研究のための食品栄養データベース(FNDDS)[http://www.ars.usda.gov/Services/docs.htm?docid=12089]の簡単な例に依拠する。「チーズ詰め生地のピザ、」(148g)は、PUFA=2.3g、MUFA=4.1g、SFA=8.6gを含有し、(PUFA+MUFA)/SFA=0.74となる。このピザの脂肪酸比は、HEI−2010の指定された最小スコア付け限界より2倍低い。論理的には、より高い比率が概してより良く見られ、漸進的改善がスコアに反映されるべきである場合、可能な最低スコアは0でなければならない(絶対的な0が存在しない場合でも)ことを表す。脂肪酸比のHEI尺度は、多くの日々の食事の主要成分であるピザに関して漸増的な改善を捕らえることができない。ほぼ完全にピザからなる日々の食事を改善するにつれて日々の食事を段階的にスコア付けする機能は、可能なはずである。このシナリオは、極端ではあるが、想像も及ばないものではなく、漸進的改善ができないスコア付けシステムは、国内指針を測定するための最も強力な基盤ではない。次世代HEIのためにNHCの枠組みを利用することで、この問題なしにスコア付けの構想を支援し、他の同様の問題の導入を防ぐことができる。
[0281]上記の説明は、本明細書に開示されたシステムの特徴を例示するものである。上述のように、開示されたシステム及び方法は、摂取可能物の任意の適切な測定可能な特性に基づく、個人又は環境要因に対する摂取可能物の摂取の影響を示すスコアを算出するために、使用することができ、栄養価スコアの決定に限定されない。更に、上述のシステムの機能は、本明細書に示す機能に限定されない。現在開示した実施形態に対しては、さまざまな変更及び修正が当業者には明らかであることを理解されたい。かかる変更及び修正は、本発明の主題の主旨及び範囲から逸脱することなく、かつ意図される利点を損なわずに、行うことができる。そのため、そのような変更及び修正は添付の特許請求の範囲に包含されることが意図される。

Claims (20)

  1. 栄養的健康スコア判定システムであって、
    標準カロリー摂取範囲に、ユーザの特性によって少なくとも部分的に決定されるカロリー乗数を乗じて、前記ユーザのカロリー摂取範囲を算出するように構成されたカロリー摂取量範囲算出モジュールと、
    少なくとも1つの摂取可能物及び前記少なくとも1つの摂取可能物についての少なくとも1つの量を前記ユーザが指定することを可能にする摂取可能物入力制御部を、少なくとも1つの表示デバイスに表示させるように構成された、摂取可能物入力モジュールと、
    区分的に連続した栄養素健康スコア関数の値を決定することによって、複数の栄養素の各々に関する栄養素健康スコアを算出するように構成された栄養素健康スコア算出モジュールであって、前記複数の栄養素の各々について、
    (a)その栄養素の前記栄養素健康スコア関数は、その栄養素のゼロ量に対する第1の値を有し、
    (b)その栄養素に関する前記栄養素健康スコア関数は、その栄養素の量が0より大きく健康範囲下限値よりも小さい場合には増加する値を有し、その栄養素の量が前記健康範囲下限値と健康範囲上限値との間の場合には一定値を有し、その栄養素の量が前記健康範囲上限値よりも大きい場合には減少する値を有する、栄養素健康スコア算出モジュールと、
    前記複数の栄養素のうちの少なくとも1つについての複数の異なる量に対する前記栄養素健康スコアと少なくとも1つの加重値とに基づいて、複数の栄養的健康スコアを算出するための栄養的健康スコア算出モジュールと、
    前記少なくとも1つの摂取可能物の複数の量に対する前記複数の栄養的健康スコアを表す曲線を前記少なくとも1つの表示デバイスに表示させるためのユーザインターフェース表示モジュールと、
    を備える、栄養的健康スコア判定システム。
  2. 前記カロリー摂取範囲算出モジュールは、前記少なくとも1つの表示デバイスに、前記ユーザが自分の前記特性を示すことを可能にする活動入力制御部を表示させる、請求項1に記載の栄養的健康スコア判定システム。
  3. 活動モニタを含み、
    前記カロリー摂取範囲算出モジュールは、前記ユーザの前記特性を示す前記活動モニタからのデータを受信する、請求項1に記載の栄養的健康スコア判定システム。
  4. 前記複数の栄養素のうちの少なくとも1つについての前記栄養素健康スコア関数は、前記複数の栄養素のうちの前記少なくとも1つの栄養素のゼロ交差量に対する値を有し、前記ゼロ交差量に対して前記栄養素健康スコア関数は前記第1の値未満であり、前記ゼロ交差量は、前記複数の栄養素のうちの前記少なくとも1つの栄養素に関する感度値に基づいている、請求項1に記載の栄養的健康スコア判定システム。
  5. 前記感度値は、前記複数の栄養素のうちの前記少なくとも1つの栄養素に対する前記ユーザの感度に逆相関している、請求項4に記載の栄養的健康スコア判定システム。
  6. 加重値のテーブルを複数備え、
    前記テーブルの各々は特定の個人の集団に固有であり、前記栄養的健康スコア算出モジュールは、前記ユーザの前記特性に少なくとも部分的に基づいて前記複数の栄養的健康スコアを算出するために使用するための、加重値の前記複数のテーブルのうちの1つを決定する、請求項1に記載の栄養的健康スコア判定システム。
  7. 前記ユーザの前記特性は、前記ユーザの活動レベル、前記ユーザの年齢、前記ユーザの性別、前記ユーザの体重、前記ユーザの体格指数(BMI)、及び前記ユーザの医学的状態からなる群から選択される1つである、請求項6に記載の栄養的健康スコア判定システム。
  8. 複数の潜在的摂取可能物に関する複数の潜在的栄養的健康スコアを決定して、最も高い可能性のある栄養的健康スコアをもたらす前記複数の摂取可能物のうちの少なくとも1つを推奨するべく、前記栄養的健康スコア算出モジュールと共に動作するように構成された推奨モジュールを備える、請求項1に記載の栄養的健康スコア判定システム。
  9. 前記推奨モジュールは、前記少なくとも1つの表示デバイスに、前記少なくとも1つの推奨された摂取可能物を日々の食事に前記ユーザが加えることを可能にするための少なくとも1つの制御部を表示させるように構成されている、請求項8に記載の栄養的健康スコア判定システム。
  10. 前記推奨モジュールは、前記少なくとも1つの表示デバイスに、少なくとも1つの推奨された摂取可能物のうちの少なくとも一部を前記ユーザが日々の食事から取り除くことを可能にするための少なくとも1つの制御部を表示させるように構成されている、請求項8に記載の栄養的健康スコア判定システム。
  11. 前記栄養的健康スコア算出モジュールは、摂取可能物の指定されたセットに関する最適な栄養的健康スコアを決定するように更に構成されており、前記ユーザインターフェース表示モジュールは、前記少なくとも1つの表示デバイスに、前記少なくとも1つの摂取可能物の前記複数の量に関する前記複数の栄養的健康スコアを表す前記曲線上に前記最適栄養的健康スコアの表示を表示させるように構成されている、請求項1に記載の栄養的健康スコア判定システム。
  12. 前記栄養的健康スコア算出モジュールは、前記開示されたシステムによって追跡された前記栄養素の全てよりも少ない栄養素を含むセットの前記栄養素健康スコアに基づいて、前記複数の栄養的健康スコアを算出するように構成され、前記セットは、前記ユーザの所望のスコア付けプロファイルに基づいている、請求項1に記載の栄養的健康スコア判定システム。
  13. 栄養素の所望のサブセットを前記ユーザが示すことを可能にする栄養素サブセット制御部を備え、
    前記栄養的健康スコア算出モジュールは、栄養素の前記所望のサブセットに関する前記栄養素健康スコアに基づいて、前記複数の栄養的健康スコアを算出するように構成されている、請求項1に記載の栄養的健康スコア判定システム。
  14. 栄養的健康スコア判定システムであって、
    区分的に連続した栄養素健康スコア関数の値を決定することによって、複数の栄養素の各々についての栄養素健康スコアを算出するように構成された栄養素健康スコア算出モジュールであって、前記複数の栄養素の各々について、
    (a)前記栄養素健康スコア関数は、その栄養素に固有であり、
    (b)その栄養素に関する前記栄養素健康スコア関数は、経時的に摂取されるその栄養素のゼロ量に対する第1の値を有し、
    (c)その栄養素に対する前記栄養素健康スコア関数は、経時的に摂取された0より大きく健康範囲下限値よりも小さいその栄養素の量に対しては増加する値を有し、経時的に摂取された前記健康範囲下限値と健康範囲上限値との間であるその栄養素の量に対しては一定値を有し、経時的に摂取された前記健康範囲上限値よりも大きいその栄養素の量に対しては減少する値を有する、栄養素健康スコア算出モジュールと、
    摂取される栄養素の異なる量に関する複数の栄養的健康スコアを算出するための栄養的健康スコア算出モジュールであって、各栄養的健康スコアは、前記複数の栄養素の前記栄養素健康スコア及び少なくとも1つの加重値に基づいている、栄養的健康スコア算出モジュールと、
    (1)指定されたカロリー摂取範囲内のカロリー量、及び、
    (2)前記指定されたカロリー摂取範囲内の前記カロリー量に対して前記栄養的健康スコアが最適である栄養素の量
    を含む摂取可能物のセットを決定するように構成された摂取可能物最適化モジュールと、
    少なくとも1つの表示デバイスに、前記摂取可能物最適化モジュールによって決定された摂取可能物の前記セットから前記摂取可能物のうちの少なくとも1つをユーザが取り除くことを可能にする制御部を表示させるためのユーザインターフェース表示モジュールと、
    を備える、栄養的健康スコア判定システム。
  15. 前記複数の栄養素の各々について、その栄養素の前記栄養素健康スコア関数は、ゼロ交差量を超えて経時的に摂取されたその栄養素の量に対して、前記第1の値よりも小さな減少する値を有し、前記ゼロ交差量は、その栄養素の感度値から算出可能である、請求項14に記載の栄養的健康スコア判定システム。
  16. 複数の追跡された栄養素の各々について複数の加重値/感度値のペアを含む少なくとも1つのテーブルを記憶する少なくとも1つのデータ記憶デバイスを備える、請求項15に記載の栄養的健康スコア判定システム。
  17. 前記加重値/感度値のペアのうちの1つが、前記ユーザの特性に基づいて前記複数の追跡された栄養素の各々について選択される、請求項16に記載の栄養的健康スコア判定システム。
  18. 前記ユーザの前記特性は、年齢、性別、身長、体重、体格指数(BMI)、及び活動レベルからなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項17に記載の栄養的健康スコア判定システム。
  19. 前記栄養素健康スコア算出モジュール及び前記栄養的健康スコア算出は、ある時間にわたる摂取に対するスコアを各々算出する、請求項14に記載の栄養的健康スコア判定システム。
  20. 前記摂取可能物最適化モジュールは、少なくとも1つの提案された主要食事品目を選択した後、その主要食事品目に対する複数の補完的な摂取可能物を選択する、請求項14に記載の栄養的健康スコア判定システム。
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