JP2017529222A - 一時的塞栓保護デバイス及びその方法 - Google Patents

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ラビッシュ サッチャー、
ジー. パテル,ウダヤン
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Abstract

経皮経管的な一時的塞栓保護デバイスは、ガイドワイヤの遠位端に近接する位置においてガイドワイヤシャフトに取り付けられた塞栓フィルターを含む。このフィルターは、標的位置における血栓除去処置部位から下流に位置付けることができ、血栓除去処置が実施されると、血流中に放たれ得る塞栓性粒子を捕捉するために適切に位置付けることができる。塞栓フィルターは、通常、デバイスの標的位置への導入及び標的位置からの抜去を容易にするために、ガイドワイヤシャフトに対して非展開である。

Description

(関連出願の相互参照)
本開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「Temporary Embolic Protection Device and Methods Thereof」と題された、2014年9月25日出願の米国特許出願第62/055,226号に対する優先権を主張するものである。
(発明の分野)
本明細書で説明する実施形態は、全般的には外科用デバイスに関し、より具体的には、一時的塞栓保護デバイス及び関連する方法に関する。
深部静脈血栓症(DVT)は、血餅若しくは血栓の主に下肢の深部静脈における形成として説明することができる。同様に、鎖骨下静脈及び腋窩静脈血栓症(ASVT)は、鎖骨と肋骨の間の鎖骨下静脈又は腋窩静脈における血餅若しくは血栓の形成として説明することができる。肺塞栓症は、肺に移動する血餅の剥離又は塞栓によって引き起こされる。DVT、ASVT及び肺塞栓症は一緒になって、静脈血栓塞栓症として知られる単一の疾患過程を構成する。血栓除去は、血餅を分解するために用いられる処置であり、経皮的、カテーテルベースの処置とすることができる。経皮的血栓除去デバイスは、回転、流動力学又は超音波増強デバイスとして分類され得る。作動様式が何であれ、遠位塞栓症は、血栓除去に固有のリスクである。したがって、改善された一時的塞栓保護デバイス及び関連法に対する要求が存在する。
この概要は、本開示の広範囲の概説ではないことを理解するべきである。この概要は、例証であり、限定するものではなく、本開示の主な又は重要な要素を特定することもその範囲を描写することも意図していない。この概要の唯一の目的は、以下の完全かつ広範囲に及ぶ詳細な説明への序論として、本開示のある特定の概念を説明及び例証することである。
全般的に述べると、本開示は、経皮経管的な一時的塞栓フィルターを含み、これは遠位塞栓症がリスクである場合の医療処置への補助として用いることを意図する。
より具体的に述べると、本開示は、細長いシャフト、近位及び遠位端、長手方向軸並びにフィルターを有するカテーテルを含む。このフィルターは、カテーテルシャフトの遠位部分上に同軸状に固定するように取り付けされた第1の環、カテーテルシャフトの遠位部分上に同軸状に摺動可能に取り付けられ、かつ第1の環に向かってまたそれから離れて移動されるように構成された第2の環、及び第1の環と第2の環との間に延在する足場材を含む。足場材は、複数の第1の長手方向接続部材を更に含み、各接続部材は、第1の環に装着された第1の端部と、第2の環に向かって延在する第2の端部とを有する。複数の第2の長手方向接続部材は、それぞれが、第2の環に装着された第1の端部と、第1の環に向かって延在する第2の端部とを有する。フィルターは、少なくとも足場材に接続された膜を更に含む。
追加の態様において、本開示は、ガイドワイヤと、ガイドワイヤに連結した塞栓フィルターとを含むワイヤ・イン・ワイヤ構成を目的とする。塞栓フィルターは、ガイドワイヤの遠位端に近接して位置する第1の環と、ガイドワイヤの遠位端とガイドワイヤの近位端との間に位置する第2の環とを含むことができる。フィルターは、第1及び第2の環に連結したフィルター膜を更に含むことができ、このフィルター膜は、第1及び第2の環が互いに対して変位する際に、非展開構成と展開構成との間を移動可能であり得る。フィルターは、ガイドワイヤ内に設けられた中央チャネルを通って延在するアクチュエータワイヤも含むことができ、アクチュエータワイヤは、ワイヤの作動が第1又は第2の環の対応する変位をもたらすように、第1の環又は第2の環のうちの1つに連結されている。フィルターは、第1の環と第2の環との間で延在しかつこれらに連結する少なくとも1つのストラットを備えるフィルターシャーシ又は足場材を更に含むことができ、これにより、第1と第2の環との間の距離が減少すると、ストラットはガイドワイヤから外側に撓み、フィルター膜を展開させる。
別の態様において、一時的塞栓フィルターは、外側ワイヤを備えるワイヤ・イン・ワイヤ構成を含むことができ、外側ワイヤは、内側ワイヤが移動可能にその中に配設される内腔を有する。この態様において、フィルターは、最も遠位側の第1のカラーが、外側ワイヤの遠位末端を過ぎて延在する内側ワイヤの一部上に位置し、かつ第2のカラーが外側ワイヤの遠位部分上に位置すること以外は、上述したフィルターと実質的に同一に構築される。動作中に、内側ワイヤを外側ワイヤに対して近位に移動させることが、フィルターを非展開構成から展開構成に移動させ、逆もまた同様である。
本開示の例示の実施形態の追加の特徴及び利点は、以下に続く説明に記載され、この説明からある程度は明白であろうが、このような例示の実施形態の実施によって学習してもよい。このような実施形態の特徴及び利点は、機器及び添付の特許請求の範囲で特に指摘された組合せを用いて実現かつ取得されてもよい。これらの及び他の特徴は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲から完全に明白になるであろうが、以降に記載されるこのような例示の実施形態の実施によって学習されてもよい。
本明細書に組み込まれ、また本明細書の一部を構成する添付の図面は、態様を例証し、以下の説明と共に、方法及びシステムの原理を説明するよう機能する。
一時的塞栓フィルターの一態様の側面図を示す。 図1に示した一体型塞栓フィルターを備えたデバイスの近位端の断面を示す。 図1に示したデバイスの遠位端の断面を示す。 非展開位置にあるフィルター足場材を示している、図1の塞栓フィルターデバイスのフィルター足場材の一態様の概略図を示す。 展開位置にあるフィルター足場材を示している、図3Aのフィルター足場材の概略図を示す。 非展開位置にあるフィルター足場材を示している、図1の塞栓フィルターデバイスのフィルター足場材の一態様の概略図を示す。 展開位置にあるフィルター足場材を示している、図4Aのフィルター足場材の概略図を示す。 非展開位置にあるフィルター足場材を示している、図1の塞栓フィルターデバイスのフィルター足場材の別の態様の概略図を示す。 展開位置にあるフィルター足場材を示している、図5のフィルター足場材の概略図を示す。 非展開位置にあるフィルター足場材を示している、図1の塞栓フィルターデバイスのフィルター足場材の第3の態様の概略図を示す。 展開位置にあるフィルター足場材を示している、図7のフィルター足場材の概略図を示す。 ワイヤー・オン・ワイヤ構成を有する一次的血管フィルターの別の実施形態を示す。 外スリーブを含む血栓フィルターの別の例を示す。 図4Aの塞栓フィルターの別の図を示す。 狭窄症を有する血管を示す。 図1の塞栓フィルターデバイスがその中に配置された状態の、図11の狭窄症を有する血管を示す。 一体型塞栓フィルターが拡張している状態の、図11の血管及び血栓フィルターを示す。 一体型塞栓フィルターが展開している状態の、図11の血管及び血栓フィルターを示す。 塞栓フィルターがなおその展開位置にある状態の、狭窄症の処置後の図11の血管及びデバイスを示す。 デバイスの血管からの抜去に備えて、塞栓フィルターが非展開位置にある状態の、狭窄症の処置後の図11の血管及びデバイスを示す。 正弦波フレームを備えるフィルター足場材の代替的な態様を示す。 正弦波フレームの取り付けの一態様を示す。
本発明は、以下の発明を実施するための形態、実施例、図面、及び特許請求の範囲、並びにそれらの前後の説明を参照することによってより容易に理解することができる。しかしながら、本デバイス、システム、及び/又は方法が開示かつ説明される前に、別途記載のない限り、本発明は、開示される特定の本デバイス、システム、及び/又は方法に限定されるものではなく、したがって、当然のことながら変化することができることを理解するべきである。本明細書で使用される専門用語は、特定の態様を説明するための目的のものにすぎず、限定することを意図しないことも理解するべきである。
以下の本発明の説明は、本発明の可能な教示として、その最適な現在既知の態様で提供した。この目的のために、関連技術分野における当業者は、本明細書に記載される有益な結果をなお得つつ、本明細書に記載される本発明の様々な態様に対して多くの変更がなされてもよいことを認識かつ理解するであろう。本明細書に記載される望ましい利益の一部は、他の特徴を利用することなく本明細書に記載される特徴の一部を選択することによって得ることができることも明白であるだろう。したがって、当業者であれば、本発明に対する多くの修正及び適応が可能であり、特定の状況においても望ましく、これら修正及び適応は本明細書に記載されるものの一部であることを認識するであろう。このように、以下の説明は、本明細書に記載される原理の例示として提供され、それらを限定するものとしては提供されない。
本発明の1つ又は2つ以上の実施形態の様々な態様を説明するために、図への参照がなされるであろう。これら図面は、1つ又は2つ以上の実施形態の図式的及び概略的表現であり、本開示を限定するものではない。更に、様々な図面は、1つ又は2つ以上の実施形態にとって機能的と見なされる縮尺で提供されているが、図面は、全ての考えられる実施形態において必ずしも正寸で描かれる必要はない。したがって、図面は、例示的な縮尺を表すが、これら図面をいかなる必須の縮尺としても断定するべきではない。
以下の説明において、本明細書に記載されるものの十分な理解を提供するために、多数の具体的詳細が記載されている。しかしながら、本開示は、これらの具体的詳細なしに実施されてもよいことが、当業者には明らかであろう。他の例では、開示された実施形態の不要な曖昧な態様を回避するために、経皮経管的デバイス及び塞栓フィルターの周知の態様は、特に詳細には説明されていない。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、その内容について別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を包含する。範囲は、「約」1つの特定の値から、及び/又は「約」別の特定の値までとして表されてもよい。このような範囲が表されるとき、別の態様は、1つの特定の値から、及び/又は他の特定の値までを含む。同様に、値が、先行詞「約」の使用によって近似として表されるとき、特定の値は別の態様を形成することが理解されるであろう。範囲のそれぞれの端点が、他の端点に関して及び他の端点とは独立して両方とも有意であると更に理解されるであろう。
「任意の」又は「任意に」は、引き続いて記載された事象又は状況が起こってもよくあるいは起こらなくてもよいこと、及び説明が、該事象又は状況が起こる場合の例及びそれが起こらない場合の例を含むことを意味する。
本明細書の説明及び請求項の全体を通して、単語「含む、comprise」及び「comprising」並びに「comprises」などの単語の変化形は、例えば、他の添加剤、構成成分、整数又はステップが「含まれるが、限定されない」及び「例えば、除外することを意図しない」ことを意味する。「例示的な」は、「の一例」を意味し、好ましい又は理想的な態様の指示を伝えることを意図しない。「などの」は、限定的な意味で使用されるものではなく、説明的な目的で使用される。
様々な図の全体を通して同一の数字が同一の要素を示す図面をここで参照すると、図1は、本発明による一体型塞栓フィルター10を備えるカテーテルの第1の態様を示す。一体型塞栓フィルター10を備えるカテーテルは、近位端16と遠位端18とを備えたシャフト14を有する細長いカテーテル12を含む。本明細書で使用される「近位」とは、処置を実施する医師に最も近い部分を指し、「遠位」とは、処置を実施する医師から最も遠いデバイスの部分を指す。カテーテル12のシャフト14は、血栓除去処置デバイス(例えば、血管形成術バルーン、機械的血栓症用デバイス、アブレーションデバイス、又は血栓症の処置のために当該技術分野において既知の任意の他の器具若しくは外科用デバイス)を摺動可能に受容するようにサイズ調整されかつ構成される。図示するように、また以前の処置用カテーテルと対比して、カテーテル12のシャフト14は、いかなる一体化された処置用特徴部も、例えば、血栓症を治療するためにカテーテルのシャフトに連結した/シャフトから延在する血管形成術バルーンなども含まない。その代わりに、本カテーテル12のシャフト14は、シャフト14に沿って摺動可能な処置デバイスを収容するようにサイズ調整されている。したがって、カテーテル12が、処置デバイスを標的位置に誘導することを可能にする。摺動可能で着脱可能な処置デバイスの使用は、システムがもはやカテーテルの処置様式だけに限定されないために、非常に広範囲の血栓除去処置デバイスも可能にする(例えば、一体型血管形成術バルーンを有するカテーテルでは、バルーン及び/又はバルーンの膨張ポートは、カテーテルシャフトに沿ってのデバイスのアクセス/移動を遮断し得る)。
塞栓フィルター30は、カテーテル12の遠位端18で、又は遠位端18に近接してカテーテルシャフト14に取り付けることができる。追加的な又は代替的な実施形態において、フィルター30は、処置デバイスと対面するか、又はそれに背を向けるように配向され得る。当業者であれば、本開示を考慮すれば、このカテーテルは、例えば、限定されないが、オーバー・ザ・ワイヤカテーテル、ラピッドエクスチェンジカテーテルなどであるように構成され得ることも理解されるであろう。開示の明確性のためだけに、本説明は、オーバー・ザ・ワイヤカテーテル様式を記載する。
ここで図2を参照すると、カテーテルシャフト14は、2つの内腔:主内腔32と、塞栓フィルターアクチュエータワイヤ内腔36とを画定することができる。主内腔32は、カテーテルシャフト14の近位端16から遠位端18まで延びることができる。主内腔32は、任意に、ワーキングチャネルを提供し、カテーテル12の遠位端18を患者の血管構造を通って標的位置まで進めるために、ガイドワイヤをそれを通して受容するように構成することができる。本明細書で使用される用語「標的位置」とは、処置される患者の血管構造内の閉塞に対して下流の位置を指す。アクチュエータワイヤ内腔36は、カテーテル12の近位端16における近位ポート44からカテーテルシャフト14を通って遠位ポート46まで延びることができる。
少なくとも図3A〜4Bに示された本開示の態様を参照すると、塞栓フィルター30は、血液の通過を許容するが、通常の血液粒子よりも大きな粒子を捕捉するように選択的にサイズ調整された孔を有するフィルター膜50と、フィルター膜を支持するためのフィルターシャーシ又は足場材52とを含む。例図を明確にするために、フィルターシャーシ又は足場材を図示するとき、図面の多くはフィルター膜50を省略するが、本出願に開示される全ての塞栓フィルターは、フィルターシャーシ又は足場材によって支持されたフィルター膜を含むことが理解されるであろう。シャーシ又は足場材52は、近位環56と遠位環54とを含むことができると考えられる。動作中に、塞栓フィルター30を開放及び閉鎖するための近位環56の遠位環54に向かうまたはそれから離れる移動は、アクチュエータワイヤ84の操作によって達成することができる。一態様において、アクチュエータワイヤ84の近位端86は、処置を実施する医師によって制御可能となるように、アクチュエータワイヤ内腔36の近位ポート44から外に延びることができる。ここでは、アクチュエータワイヤ84は、アクチュエータワイヤ内腔36を通って延びることができ、アクチュエータワイヤ内腔の遠位ポート46から出ることができる。アクチュエータワイヤ84の遠位端88は、遠位環54又は近位環56のうちの少なくとも1つに装着することができると考えられる。
一態様において、遠位環54は、カテーテルシャフト14上の定位置に固定することができ、近位環56は、近位及び遠位方向の軸方向移動のためにカテーテルシャフトに摺動可能に取り付けることが可能である。一態様において、近位環56は、カテーテルシャフト14上の定位置に固定することができ、遠位環54は、近位及び遠位方向の軸方向移動のためにカテーテルシャフトに摺動可能に取り付けることが可能である。
図3A及び3Bに示した一態様において、フィルターシャーシ52は、近位及び遠位環56及び54のそれぞれの周りで周方向に離間し、またこれらに接続した複数のリブ又はストラット80を備え、各ストラットは、第1及び第2の端部を有する。各ストラット80の第1の端部は、遠位環54に装着することができ、各ストラットの第2の端部は、近位環56に装着することができる。動作中に、遠位環と近位環との間の相対距離が減少するとき、ストラット80は外側に撓み、図3Bに示すようにフィルター膜50をまっすぐに立たせる。1つの例示的な態様において、アクチュエータワイヤ内腔36の遠位ポート46は、近位環56と遠位環54との間に位置する。ここでは、近位環は、カテーテルに対して固定され、アクチュエータワイヤに作動可能に連結している遠位環は、カテーテルの軸に沿って移動可能である。動作中に、アクチュエータワイヤは、近位方向58に引かれ、遠位環を近位環に向かって移動させ、これがストラットを外側に撓ませ、フィルターを非展開位置から展開位置まで移動させる。
図4A及び4Bに示す別の態様では、フィルターシャーシ又は膜は、複数のストラット80を含むことができ、このストラットは、複数の第1のストラット部分60と複数の第2のストラット部分70とを更に含む。複数の第1のストラット部分60のそれぞれは、第1の端部62と第2の端部64とを有することができる。各第1のストラット部分60の第1の端部62は、遠位環54に装着することができ、各第1のストラット部分は、近位方向に延びることができる。対応する複数の第2のストラット部分70のそれぞれは、第1の端部72と第2の端部74とを有することができる。ここでは、各第2のストラット部分70の第1の端部72は、近位環56に装着することができ、各第2のストラット部分もまた、近位方向に延びることができる。各第1のストラット部分60の第2の端部64は、対応する第2のストラット部分70の第2の端部74に装着することができる。当業者であれば理解されるように、複数のストラット80は、近位及び遠位環の周りで周方向に離間し、またこれらに接続して、足場材52を形成することができる。動作中に、また図4A及び4Bで示すように、近位及び遠位環56、54が、互いに隣接するとき、各ストラット80は、それ自体の上に折り畳むように構成することができる。更に、近位環56が遠位環54から近位方向に変位するとき、ストラット80は、傘に似た様式で開くように構成することができる。フィルター膜50は、第1のストラット部60上に支持されることができ、これにより、図4Bに示すように足場材52が開くとき、フィルター膜は、傘布に似た様式で展開することができる。図3Bに描写された塞栓フィルター30と対照的に、図4B(及び図6、8並びに10)に描写した展開されたフィルターは、矢印形の外形を画定する。すなわち、フィルター膜50は、シャフト14に対して鋭角で、第1及び第2のストラット部分60、70の両方に沿って延びる。この構造は、塞栓フィルター30が患者から取り外されるときに、塞栓フィルター30によって捕捉された物質が放たれてしまうことを防止する。例えば、粒子は、第1のストラット60、第2のストラット70及び/又はカテーテルのシャフト14に沿って延在するフィルター膜50によって捕獲され得る。
更に他の態様において、複数の第2のストラット部分70は、図17〜18に示された正弦波環構造55で置き換えることも可能である。この態様において、正弦波環55は、遠位及び近位環の間の相対距離が増大すると径方向内側に収縮し、遠位及び近位環の間の相対距離が減少すると拡張する。
各ストラットは、ストラットが曲がる位置を制御するために、少なくとも1つの「脆弱ゾーン」、すなわち、大部分のストラットよりも物理的に脆弱であるように構成され得るストラットのゾーンを更に含むことができると考えられる。当業者であれば、少なくとも1つの脆弱ゾーンが、多くの方法のいずれかで形成され得ることを理解されるであろう。一態様において、ノッチが、ストラットの片側又は両側に形成され得る。別の態様において、ストラットの上面及び下面のうちの少なくとも1つに刻み目を入れられてもよい。別の態様において、少なくとも1つの脆弱ゾーンは、ストラットの残部を構成する材料よりも構造的に脆弱であり得る材料から形成されてもよい。更に他の態様において、少なくとも1つの脆弱ゾーンは、機械的ヒンジを備えてもよい。更に他の態様において、また図15に示すように、正弦波環55の頂点が、脆弱ゾーンを備える。更に他の態様において、これらのアプローチの少なくとも2つが組み合わされて、少なくとも1つの脆弱ゾーンを形成することができる(例えば、ストラットの幅を切り欠き加工し、ストラットの深さに刻み目を付ける)。加えて、少なくとも1つの脆弱ゾーンは、複数の1種の物理的配置を備えることができる(例えば、単一の脆弱ゾーンは、複数のノッチ又は複数の刻み目を備えることができる)。動作中に、少なくとも1つの脆弱ゾーンは、ストラットのその部分の長手方向軸に対して所定の角度での力に応答してストラットを曲げるように構成さすることができる。
当業者であれば、フィルター足場材52及びアクチュエータワイヤ84が、アクチュエータワイヤの近位端86を移動させることによって、塞栓フィルター30が開放及び閉鎖されることを可能にするように配置され得る様々な方法があることを理解されるであろう。第1の態様において、フィルター足場材52は、通常は、閉鎖又は非展開位置で形成することができる。動作中に、アクチュエータワイヤ84の近位端86を引くことが、近位環56を近位方向に摺動させ、フィルター足場材52を開放させることができる。フィルター足場材は、アクチュエータワイヤ84に対する張力を解くこと及び/又はアクチュエータワイヤ84を遠位に押すことが、フィルター足場材52を非展開位置に折り畳ませることを可能にするように構成することができる。
図5及び6に示される本開示の別の態様において、フィルター足場材152は、カテーテルシャフト114に対して固定され得る近位環156と、近位及び遠位方向にカテーテルシャフトに沿って摺動可能に位置決めされ得る遠位環154とを含むことができる。更なる態様において、アクチュエータワイヤ内腔136の遠位ポート146は、近位環156に対して遠位に位置することができる。ここでは、アクチュエータワイヤ(図示せず)は、アクチュエータワイヤ内腔を通って延びることができ、遠位ポート146から出ることができ、そして遠位環154に装着することができる。フィルター足場材152は、通常は、閉鎖位置で形成することができる。動作中に、アクチュエータワイヤ184を押すことが、遠位環154を近位環156から離れて遠位方向に変位させ、フィルター足場材152を展開させることができる。フィルター足場材は、アクチュエータワイヤ184に対する張力を解くこと及び/又はアクチュエータワイヤ184を遠位に押すことが、フィルター足場材152をその非展開位置に戻すことを可能にするように構成することができる。
図7及び8に示される本開示の更に別の態様において、近位環254は、カテーテルシャフト214に対して固定することができ、遠位環256は、近位及び遠位方向にカテーテルシャフトに沿って摺動可能に位置決めすることができる。更なる態様において、アクチュエータワイヤ内腔236の遠位ポート246は、遠位環256に対して遠位に位置することができる。ここでは、アクチュエータワイヤ284は、アクチュエータワイヤ内腔236を通って延びることができ、遠位ポート246から出ることができ、そして遠位環256に装着することができる。図4〜8に示すように、遠位ポート46、146、246は、カテーテルシャフト14、114、214の遠位端からオフセットされて位置することができる。したがって、アクチュエータワイヤ内腔36、146、246は、カテーテルシャフト14、114、216の遠位端の前で終端することができ、これによって、アクチュエータワイヤ内腔36及び/又は遠位ポート46、146、246の終端から遠位方向に延在する堅いノーズ部を提供する。
フィルター足場材252は、通常は、閉鎖位置で形成することができる。動作中に、アクチュエータワイヤ284を引くことが、遠位環256を近位環156から離れて遠位方向に変位させ、フィルター足場材252を展開させることができる。フィルター足場材は、アクチュエータワイヤ284に対する張力を解くことが、フィルター足場材252をその非展開位置に戻すことを可能にするように構成することができる。
図4A及び4Bに戻って参照すると、フィルター足場材の別の態様は、フィルター足場材が、通常開放又は展開位置で形成され得ること以外は、第1の実施形態52と構造的に同等であり得る。ここでは、アクチュエータワイヤ84の近位端86への遠位方向の力の印加(すなわち、アクチュエータワイヤを押すこと)は、近位環56をその遠位位置に維持することができ、したがって、フィルター足場材52をその非展開位置に維持することができると考えられる。フィルター足場材52は、アクチュエータワイヤ84に印加された力の解放の際に、フィルター膜50を拡張させるその通常の展開位置まで拡張するよう許可され得る。介入医療処置の完了直後に、遠位方向の力が、アクチュエータワイヤ84の近位端86に再び印加されることができ、近位環56を遠位環54に向かって移動させ、フィルター足場材52を折り畳むことができる。
図5及び6に戻って参照すると、第5の態様は、フィルター足場材152が、通常開放位置で形成され得ること以外は、第3の実施形態と構造的に同等であり得る。ここでは、遠位環154が、通常は、カテーテルシャフト114の遠位端18に向かって変位することができると考えられる。動作中に、アクチュエータワイヤ184の遠位端188を引くことは、遠位環154を固定された近位環156に向かって近位に移動させ、フィルター足場材152を折り畳むことができ、一方アクチュエータワイヤ184に対する張力を解くことは、フィルター足場材152がその展開位置まで拡張することを可能にすることができる。
図1〜8は、一体型塞栓フィルター10を含むカテーテルを例示するものとして上で述べられているが、カテーテルは、ガイドワイヤに置き換え得ることも考えられ、これにより装置は、ワイヤ・イン・ワイヤ構成を備え、すなわち、ガイドワイヤが一体型塞栓フィルターを含み、アクチュエータワイヤがガイドワイヤの中心内腔の内部を延在する。したがって、上で提供された図1〜8の説明を繰り返すことなく、これらの図のそれぞれもまた、一体型塞栓フィルター10を含むガイドワイヤを例証する。上述された追加の要素のそれぞれは、同一であると見なされる。例えば、図3A及3Bに示されたシステムは、塞栓フィルター30を含むことができ、塞栓フィルター30は、血液の通過を許容するが、通常の血液粒子よりも大きな粒子を捕捉するように選択的にサイズ調整された孔を有するフィルター膜50と、フィルター膜を支持するためのフィルターシャーシ又は足場材52とを含む。シャーシ/足場材52は、近位環56と遠位環54とを含むことができる。動作中に、塞栓フィルター30を開放及び閉鎖するための近位環56の遠位環54に向かうまたはそれから離れる移動は、アクチュエータワイヤ84の操作によって達成することができる。一態様において、アクチュエータワイヤ84の近位端86は、アクチュエータワイヤ36が処置を実施する医師によって制御可能となるように、ガイドワイヤ上に設けられたアクチュエータワイヤ内腔36の近位ポート44から外に延びることができる。アクチュエータワイヤ84は、アクチュエータワイヤ内腔36を通って延びることができ、アクチュエータワイヤ内腔の遠位ポート46から出ることができる。アクチュエータワイヤ84の遠位端88は、遠位環54又は近位環56のうちの少なくとも1つに装着することができる。遠位環54は、カテーテルシャフト14上の定位置に固定することができ、近位環56は、近位及び遠位方向の軸方向運動のためにカテーテルシャフトに摺動可能に取り付けることが可能である。あるいは、近位環56は、カテーテルシャフト14上の定位置に固定することができ、遠位環54は、近位及び遠位方向の軸方向運動のためにカテーテルシャフトに摺動可能に取り付けることが可能である。
一般に、ガイドワイヤは、カテーテルよりも小さく(直径が)かつより堅い材料から構築される。カテーテルと同様に、ガイドワイヤは、トルク制御、可撓性及びその上にある別の装置又はシステムの通路を支持する能力を提供する。それらの構造のために、ガイドワイヤは、一般的に、良好な血管追従性(血管構造をナビゲートする能力)及び操作のしやすさを提供する。
以下に記載されるように、ガイドワイヤは、カテーテルよりも小さい外径を有するために、多種多様な血栓除去ツール及び処置デバイスを、処置位置にアクセスするためにガイドワイヤの上方に提供することができる。ツール/処置デバイスは、ガイドワイヤ上の多方向において、すなわち、ガイドワイヤの遠位端に向かって/遠位端から離れてガイドワイヤに沿う軸方向で、ガイドワイヤの直径の周りを回転して、ガイドワイヤ上を移動可能である。血栓除去ツール/処置デバイスとしては、血管形成術バルーン、機械的血栓症用デバイス、アブレーションデバイス、又は血栓症の処置のために当該技術分野において既知の任意の他の器具若しくは外科用デバイスを挙げることができる。
カテーテルの寸法(直径)の増大は、入口部の外傷及び血管合併症の可能性を増大させ得る。血管処置のためのカテーテルの直径は、一般的に4F〜25Fの範囲であり(0.140cm〜0.876cm(0.055インチ〜0.345インチ)の範囲の外径)、選択は、患者の年齢及び血管の寸法を含む様々な因子に応じる。対照的に、血管処置のためのガイドワイヤの直径は、一般的に0.025cm〜0.15cm(0.010インチ〜0.060インチ)の範囲である。通常、医師は、処置中の外傷又は合併症のリスクを最小化することを実現可能とする最小径のカテーテルを選択するであろう。対照的に、ガイドワイヤはカテーテルよりも非常に小さい直径を有するために、ガイドワイヤの直径は、選択においてそれほど重要な因子ではない。その代わりに、選択は、血管の解剖学的構造、使用される/ガイドワイヤの上を通過するデバイス、及び医師の嗜好によって導かれる。本システムにおいて、ガイドワイヤは、0.025cm〜0.15cm(0.010インチ〜0.060インチ)の外径を有することができる。別の例において、外径は、0.030cm〜0.114cm(0.012インチ〜0.045インチ)で変化することができる。別の例において、外径は、0.036cm〜0.089cm(0.014インチ〜0.035インチ)で変化することができる。
カテーテルは、一般的には、ガイドワイヤ上で体内、脈管又は血管に挿入される中空の可撓性管として説明される。カテーテルの可撓性は、通常は、ガイドワイヤの使用を必要とする。本例においては、塞栓フィルターがガイドワイヤと一体化しているために、このシステムはフィルターの移動及び位置付けを案内するための追加のガイドワイヤ又は他の誘導デバイスを必要としない。カテーテル又はガイドワイヤの可撓性/剛性は、ワイヤに特徴的なその弾性率の尺度を画定し、その曲げ弾性率に関して測定することができる。可撓性/剛性は、例えば、カテーテル/ガイドワイヤの材料特性、コア径、及び物理構造に関連して変化する。血管処置で用いられるカテーテルの剛性は、3.0g〜50.0gの範囲である。これとは対照的に、血管処置で用いられるガイドワイヤの剛性は、1.5g〜14.0gの範囲であり得る。例えば、Abbott HT Pilot(登録商標)50ガイドワイヤなどのポリマー被覆(親水性)ワイヤは、1.5gの剛性を有することができる。Abbott HT Pilot(登録商標)150及び200は、それぞれ、2.7gと4.1gの剛性を有することができる。Abbott HT Progress(登録商標)40、80、120は、それぞれ、4.8g、9.7g、13.9gの剛性を有することができる。Boston Scientific Choice PT(登録商標)は、1.9gの剛性を有することができる。Abbott HT Cross−IT(登録商標)100XTなどの非被覆(非滑性)コイルガイドワイヤは、1.7gの剛性を有することができる。Abbott Miraclebros(登録商標)は、3.9g、4.4g、8.8g、及び13.0gなどの様々な剛性を有することができる。Confianza Pro(登録商標)は、9.3g及び12.4の剛性を有することができる。また、Medtronic Persuader(登録商標)3、6は、それぞれ5.1及び8.0の剛性を有することができる。同様に、血管処置で用いられるガイドワイヤの曲げ弾性率は、9.5Gpa〜158.4Gpaの範囲とすることができる。例えば、プレーンアンプラッツ(Amplatz)タイプワイヤは、9.5GPaの剛性を有する。「強力」アンプラッツタイプワイヤは、11.4GPA〜14.5GPaの範囲の剛性を有する。例えば、「スティッフ」アンプラッツタイプワイヤは、17GPaの剛性を有する。例えば、「エクストラスティッフ」アンプラッツタイプワイヤは、29.2GPaの剛性を有する。例えば、「スーパースティッフ」アンプラッツタイプワイヤは、60.3GPaの剛性を有する。例えば、「ウルトラスティッフ」アンプラッツタイプワイヤは、65.4GPaの剛性を有する。Backup Meier(登録商標)ワイヤは、139.6GPaの剛性を有する。Lunderquist(登録商標)「エクストラスティッフ」ワイヤは、158.4GPaの剛性を有する。
図9に示された別の態様において、一時的塞栓フィルター100は、外側ワイヤ102を備えるワイヤ・イン・ワイヤ構成を含むことができ、外側ワイヤ102は、内側ワイヤ106が移動可能にその中に配設された内腔104を有する。この態様において、フィルター106は、最も遠位側の第1のカラー108が、外側ワイヤの遠位末端を過ぎて延在する内側ワイヤの一部上に位置し、かつ第2のカラー110が外側ワイヤの遠位部分上に位置すること以外は、上述したフィルターと実質的に同一に構築される。動作中に、外側ワイヤを内側ワイヤに対して近位に移動させることが、フィルターを非展開構成から展開構成に移動させ、逆もまた同様である。
別の態様において、塞栓フィルター及び対応するカテーテル/ガイドワイヤを長期間にわたって、例えば一時的配置/処置のみではなくそれ以上に、患者の体内に留めることが望ましい場合がある。したがって、カテーテル/ガイドワイヤには、患者の体内のより長期の配置を可能にする外側スリーブが設けられてもよい。図10A及び10Bは、外スリーブ390を含む、一体型塞栓フィルター300を備えたガイドワイヤを示す。外スリーブ390は、ガイドワイヤ312を超えて延び、ガイドワイヤ312と患者との間に保護バリアを提供する。
一体型塞栓フィルター300を備えたガイドワイヤは、図1〜9に示されたカテーテル/ガイドワイヤに対して上述されたものと同様な構成成分及び構造を含むことができる。例えば、図1〜9に描写されたカテーテル/ガイドワイヤと同様に、図10A及び10Bで提供される一体型塞栓フィルター300を備えたガイドワイヤは、近位端316と遠位端318とを備えたシャフト314を有する細長いガイドワイヤ312を含むことができる。塞栓フィルター330は、ガイドワイヤ312の遠位端318に近接して、ガイドワイヤシャフト314上に取り付けることができる。塞栓フィルター330は、ガイドワイヤ312に直接連結し、ガイドワイヤ312は、追加の位置決めガイドワイヤの補助なく、患者の血管構造を通って標的位置まで進めることができる。ガイドワイヤ312は、ニチノールなどの高度に血管追従性かつ操作が容易な材料から構成され得る。
上で概説したように、塞栓フィルター330は、フィルター膜350と、この膜を支持するためのフィルターシャーシ又は足場材352とを含む。シャーシ/足場材352は、近位環356と遠位環354とを含むことができる。動作中に、近位環356の遠位環354に向かう、またそれから離れる移動が、塞栓フィルター330を開放及び閉鎖させる。遠位環354又は近位環356のいずれかは、他方の環が、近位及び遠位方向での軸方向移動のためにガイドワイヤシャフト314に摺動可能に取り付けられた状態で、ガイドワイヤシャフト314に固定することができる。上記のように、シャーシ/足場材352は、ガイドワイヤ312の周りで周方向に離間され、かつ近位及び遠位環356、354に連結した複数のリップ又はストラット(及び/又は複数のストラット部分)を含むことができる。各ストラットは、ストラットが曲がる位置を制御するために、「脆弱ゾーン」を更に含むことができる。複数のストラット部分は、図17〜18に示された正弦波環構造で置き換えることも可能である。
動作中に、近位環56/遠位環354の互いに向かうまた互いから離れる移動は、アクチュエータワイヤ384の操作によって達成することができる。ガイドワイヤ312は、ガイドワイヤ312の近位端316から遠位端318に近接する位置まで延びるアクチュエータワイヤ内腔336を含むことができる。アクチュエータワイヤ内腔336は、ガイドワイヤ312の近位端316における近位ポート344からガイドワイヤシャフト314を通って遠位ポート346まで延びることができる。アクチュエータワイヤ384は、ワイヤが近位及び遠位方向に移動することができるように、遠位ポート346でアクセスすることができる。図10Bに示すように、アクチュエータワイヤ384は、近位ポート344の近くに位置するアクチュエータネジ392に連結することができる。アクチュエータネジ392の回転は、近位及び遠位方向でのアクチュエータワイヤ384の対応する軸方向移動をもたらすことができる。アクチュエータワイヤ384は、アクチュエータネジ392を使用することなく操作され得ることも考えられる。例えば、遠位ポート346においてワイヤのアクセスが提供され、ここでアクチュエータワイヤ384が、直接的に又はツールの使用を介してのいずれかで操作される。図10Bに示すように、外スリーブは、外スリーブ309の端部で提供される開口を密閉するための末端キャップ396を含むことができる。アクチュエータネジ392が利用されない場合、アクチュエータワイヤ384は、末端キャップに固定され、これにより、その近位/遠位位置が、末端キャップが閉鎖位置にある状態で固定される。
図10Aに示すように、遠位ポート346は、近位環356と遠位環354との間に位置する。ここでは、近位環356は、ガイドワイヤ312及び遠位環354に対して固定されている。アクチュエータワイヤ内腔336を通って延在するアクチュエータワイヤ384は、ガイドワイヤ312の軸に沿って移動可能である遠位環354に作動可能に連結している。動作中に、アクチュエータワイヤ384は、近位方向に引かれ、遠位環354を近位環356に向かって移動させ、これが塞栓フィルター330を外側に撓ませ、非展開位置から展開位置まで移動させることができる。図示されていない別の例において、アクチュエータワイヤ384は、ガイドワイヤ312の軸に沿って移動可能である近位環356に作動可能に連結している。動作中に、アクチュエータワイヤ384は、近位方向に引かれ、近位環356を遠位環354に向かって移動させ、これが塞栓フィルター330を外側に撓ませ、非展開位置から展開位置まで移動させることができる。
図10Aに示すように、遠位ポート346は、ガイドワイヤ312の遠位端318に近接して位置する。アクチュエータワイヤ384のための遠位ポート346が、ガイドワイヤ312に沿って任意の位置において位置することができることが更に考えられる。例えば、遠位ポート346は、ガイドワイヤ312の最遠位端に、又は近位端316と近位環356との間の位置に位置することができる。図10Aに提供されるように、ガイドワイヤ312は、遠位端318に隣接する小径部394を含む。アクチュエータワイヤ内腔336は、小径部394を通って延びることができるか、又は図10Aに示すように、アクチュエータワイヤ内腔336は、遠位ポート346がガイドワイヤ312の大径部の表面上に位置する状態で、大径部のみを通って延びることができる。小径部394は、ガイドワイヤ312を標的位置までナビゲートする上で補助するために、ガイドワイヤ312の堅いノーズ部を提供することができる。
図10A及び10Bに示すように、一体型塞栓フィルター300を備えたガイドワイヤは、外側スリーブ390を含む。外スリーブ390は、ガイドワイヤ312を超えて延び、ガイドワイヤ312と患者との間に保護バリアを提供する。外スリーブ390の使用は、フィルター300の患者の体内での長期/無期限の配置を可能にする。外スリーブ390は、外スリーブ390とガイドワイヤ312との間の相対移動を可能にするよう構成することができ、これにより、拡張したフィルター330は、患者及び/又は外スリーブ390のガイドワイヤ312に対する移動にも関わらず、患者の体内で静止状態で留まる。例えば、外スリーブ390は、例えば、ステンレス鋼、ニチノール、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリウレタン、フッ素化ポリマー、又は当該技術分野において既知の任意の他の材料などのプラスチック若しくは金属材料を含む半剛性材料及び低摩擦材料から構成することができる。外スリーブ390は、低摩擦材料から構築することができ、及び/又は外スリーブ390、ガイドワイヤ312、及び患者の間の相対移動を可能にするコーティングを含むことができる。例えば、外スリーブ390は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレンフラノエート(PEF)、又は親水性コーティングを有することができる。外スリーブ390はまた、外スリーブ390、ガイドワイヤ312、及び患者の間の相対移動を可能にするようにサイズ調整することも可能である。例えば、外スリーブ390は、ガイドワイヤ312の外径を超える内径を有することができる。一例において、外スリーブ390は、0.089cm(0.035インチ)の外径、0.074cm(0.029インチ)の内径を有し、0.008cm(0.003インチ)の得られる壁厚を伴う。ガイドワイヤ312は、0.069cm(0.027インチ)の外径を有することができ、ガイドワイヤ312の周囲部の0.003(0.001)のクリアランスをもたらす。例示のガイドワイヤ312はまた、0.033cm(0.013インチ)の内径を有することができ、0.018cm(0.007インチ)の得られる壁厚を伴う。
上で概説したように、様々な血栓除去ツール/処置デバイスが、ガイドワイヤ312の上を移動可能であり得る(多方向で)ことが考えられる。同様に、組み合わされた外スリーブ390及びガイドワイヤ312は、カテーテルよりも小さい外径を有するために、様々な血栓除去ツール/処置デバイスを、組み合わされた外スリーブ390/ガイドワイヤ312の上に提供することが可能である。
更に別の態様において、塞栓フィルターは、有棘ニチノール足場材を有することができ、更なる態様において、足場材は、非展開構成においてベースラインメモリを有するように構成することができる。足場材は、微細な有棘ニチノールワイヤを含む膜に連結することができ、更なる態様において、膜は、足場材の内面に連結することができる。更なる態様において、膜は、展開構成においてベースラインメモリを有することができる。動作中に、操作者によって足場材が作動され、展開されるとき、フィルター膜はそのベースラインの展開構成に付勢することになるが、足場材によって制御可能に束縛されるであろう。
アクチュエータに印加された力が、軸方向圧縮力であるように構成されるこのような態様においては、アクチュエータワイヤに印加される力が軸方向引張力であるように構成されるような実施形態と比べて、より堅いワイヤがアクチュエータの座屈を防止するために使用することができることを当業者であれば理解されるであろう。
本開示において、特にアクチュエータワイヤの場合に、用語「ワイヤ」は、例えば、限定されるものではないが金属ワイヤ、ポリマーワイヤ等を含むよう意図される。ポリマーワイヤの場合、使用されるポリマーは、例えば、限定されるものではないが、ナイロン、ポリプロピレン等を含むことができる。
前述の態様において、フィルターシャーシ又は足場材は、形状記憶材料、例えば、限定されるものではないがニチノールなどを含む適切であることが知られている任意の材料から形成することができる。足場材構成要素は、レーザカットされ、編組要素から形成され、または当該技術分野において既知の任意の他の方法で形成することができることも考えられる。
前述の態様において、フィルター膜50は、織物、ポリマー、及びワイヤメッシュ若しくは編組のうちの少なくとも1つから形成することができる。1つの非限定的な態様において、フィルター膜は、有棘ニチノールワイヤから形成することができ、更なる態様においては、展開又は非展開構成のいずれかに対応するベースライン形状を有することができる。別の態様において、フィルター膜50は、細孔を含み、更なる態様において、この細孔は、血液は通過させるが塞栓性粒子は通過させないようにサイズ調整することができる。フィルター膜50は、フレームの頂部又は内部のいずれかに取り付けることができることも考えられる。フィルター膜50及びシャーシ/足場材は、最大50mmまたはおよそ5cm(2インチ)の展開径を有することができると考えられる。
前述の態様において、フィルター膜50は、最も外側のストラット部分、すなわち、第1のストラット部分60、160、及び260の外表面を覆うように構成することができる。任意に、フィルター膜50は、第1のストラット部分60、160、及び260の遠位又は第2の端部64、164、及び264、364を超えて延びるように更に構成することも可能であり、遠位環54、154、254の周径に装着することができる。遠位環が固定され得るこのような態様において、フィルター膜50は、任意に、遠位環の遠位端を超えて延びるように構成することができ、遠位環54、154、254とカテーテル/ガイドワイヤシャフトの遠位端との間の位置において、カテーテル/ガイドワイヤシャフト14、114、314の周径に装着することができる。
開示された実施形態のそれぞれにおけるフィルター膜50は、外面の代わりに第1のストラット部分60、160、及び260の内面に装着することができることも考えられる。
内側又は第2のストラット部分70、170、270もまた、フィルター足場材が展開されるとき、血流に対して凹状で構成され得ることも更に考えられる。更なる又は追加の態様において、フィルター膜50は、第2のストラット部分70、170、270の内面又は外面に装着することができる。フィルター膜50が、第2のストラット部70、170、270の表面に装着されるとき、フィルター膜50は、任意に、第2のストラット部の遠位又は第2の端部74、174、274を超えて延びることができ、近位環56、156、256、356の周径に装着することができる。フィルター膜50は、第2のストラット部70の外面に装着することができ、かつ近位環56、156、256、356が固定することができる場合、フィルター膜は、近位環の遠位端を超えて延びるように構成することができ、かつ近位及び遠位環56、54の間の位置においてカテーテルシャフト14に装着することができることも考えられる。
前述の例の全てにおいて、フィルター足場材は、固定された環及び移動可能な環を含み、フィルターを引き上げることは、環を離して移動させることによって達成することができ、フィルターを折り畳むことは、環を一緒に移動させることによって達成することができ、又は逆もまた同様である。「離して移動させる」及び「一緒に移動させる」は、環を「離して移動させる」又は「一緒に移動させる」ために、2つの環のうちの1つだけが、他の環に対して移動する必要があるように、相対的用語として使用される。
同様に、フィルターをも引き上げること及び折り畳むことのプロセスは、移動可能な環が、固定された環に向かって又はこれから離れて移動することができるように、カテーテルの視点から見るものとして考えることができる。
前述の例の全てにおいて、環を移動させるために力を能動的に印加すること及び環が自発的に移動することを可能にするために力を解放することのどちらも、アクチュエータワイヤを「制御すること」によって、移動可能な環が移動するように「引き起こすこと」のステップを含む。したがって、本明細書に記載される通常展開した及び通常非展開のフィルター足場材のどちらの実施形態においても、その制御がアクチュエータワイヤに対して力を印加する形態か又は開放する形態を取ろうとも、アクチュエータワイヤは、移動可能なワイヤが移動することを「引き起こす」ように「制御される」ことが可能である。
医師にアクチュエータワイヤの近位端を直接把持させるよりはむしろ、制御デバイスを、カテーテルシャフトの近位端においてアクチュエータワイヤの近位端と関連付けることができることも考えられる。制御デバイスは、例えば、限定されるものではないが、ワイヤの移動を容易にするために、レバー、スライダー、回転円筒等を組み込むことができる。このような機械的配置の一例は、米国特許公開第US 2010/0106182号、段落[0079]〜[0090]、及び図29〜33に記載されており、この開示は、参考として本明細書に組み込まれる。
上述された一時的塞栓フィルターの血管における塞栓症を予防するための使用は、図11〜15に示すことができる。図11において、血管500は、それから広がる分岐血管502を有し得る。血管500は、狭窄症504を有し得る。血管500を通る血流の方向を、矢印506で示している。ガイドワイヤ508は、一体型塞栓フィルターを備えたカテーテルを使用するとき、介入医療処置における予備ステップとして、医師が挿入することができる(上述したように、一体型塞栓フィルターを備えたガイドワイヤが使用されるとき、導入用ガイドワイヤは必要とされない)。
図12は、塞栓フィルター30を備えたカテーテル/ガイドワイヤ12が、その非展開位置にあり、カテーテル/ガイドワイヤシャフト14に隣接して置かれていることを示す。カテーテル14の遠位端18は、非展開の塞栓フィルターがその標的場所に置かれるまでガイドワイヤ506の上で進められている。同様に、ガイドワイヤシャフト14の遠位端18は、非展開の塞栓フィルターがその標的場所に置かれるまで血管500を通って進められることができる。
図13において、塞栓フィルター30は、アクチュエータワイヤ84を引くことによって、拡張されている。図14においては、血栓除去デバイス20が展開されている。(本発明を明確にするために、血栓除去デバイスは抽象的に表現されているにすぎない。)血栓除去のプロセスにおいて、塞栓性粒子510が放たれ、血流によって塞栓フィルター30の開放近位端に流され、これらは、フィルター膜50によって捕捉される。
図15において、かつての狭窄症領域が開けられることができ、血栓除去デバイスが取り外される。塞栓フィルター30は、血栓除去デバイスが取り外されるときに放たれるあらゆる塞栓も捕捉するために開いたまま留まる。
図16において、塞栓フィルター30は、閉鎖され、捕捉された塞栓をフィルター内に捕獲することができる。ここでカテーテル12を、血管500から抜去ことができる。
開示された塞栓フィルターのそれぞれの一実施形態は、腸骨大腿(DVT)の処置に対する補助とすることができる。ここでは、血栓除去デバイスの導入の前に、一時的塞栓フィルターが、下第静脈に挿入され、そこで展開され、上述の通りに使用されるであろう。別の実施形態において、開示された塞栓フィルターは、患者を血栓症の動静脈(a−v)アクセスで治療しながら、鎖骨下静脈及び腋窩静脈において使用することが可能である。他の実施形態において、開示された塞栓フィルターは、任意の血管床において使用することができることも考えられる。
したがって、本発明は、その趣旨又は本質的特性から逸脱することなく、他の特定の形態において具体化され得る。記載された態様は、あらゆる点で単に例示的であり、限定的ではないと見なされるべきである。したがって、本発明の範囲は、前述の説明によるよりはむしろ添付の特許請求の範囲に示されている。特許請求の範囲と等価の意味及び範囲内に入る全ての変更もそれらの範囲内に包含されるべきである。

Claims (22)

  1. 細長い誘導可能な血管内部材と、
    前記部材に連結した塞栓フィルターであって、
    前記部材の遠位端に近接して位置する第1の環、
    前記部材の前記遠位端と前記部材の近位端との間に位置する第2の環、
    前記第1及び第2の環に連結したフィルター膜であり、前記フィルター膜が、前記第1及び第2の環が互いに対して変位する際に、非展開構成と展開構成との間を移動可能である、フィルター膜、
    前記部材内に設けられた中央チャネルを通って延在するアクチュエータワイヤであり、前記ワイヤの作動が、前記第1又は第2の環の対応する変位をもたらすように、前記第1の環又は前記第2の環のうちの1つに連結されている、アクチュエータワイヤ、を含む塞栓フィルターと、を備える、装置。
  2. 前記部材がガイドワイヤであり、
    前記ガイドワイヤが、前記ガイドワイヤの外面に連結するか又はそれから延在する任意の一体化処置特徴部を含まず、
    前記ガイドワイヤの前記外面が、処置デバイスを摺動可能に受容するようにサイズ調整かつ構成されている、請求項1に記載の装置。
  3. 前記ガイドワイヤが、0.025cm〜0.15cm(0.010インチ〜0.060インチ)の外径を有する、請求項2に記載の装置。
  4. 前記アクチュエータワイヤが、前記ガイドワイヤに設けられた開口を通って延び、前記第1の環又は前記第2の環のうちの少なくとも1つと係合する、請求項2に記載の装置。
  5. 前記第1の環が、前記ガイドワイヤに固定的に連結し、前記第2の環が、前記ガイドワイヤに摺動可能に連結し、
    前記アクチュエータワイヤが、前記第2の環に連結する、請求項2に記載の装置。
  6. 前記第2の環が、前記ガイドワイヤに固定的に連結し、前記第1の環が、前記ガイドワイヤに摺動可能に連結し、
    前記アクチュエータワイヤが、前記第1の環に連結する、請求項2に記載の装置。
  7. 前記アクチュエータワイヤが、前記ガイドワイヤの前記近位端に向かう方向の前記ワイヤの移動によって作動される、請求項2に記載の装置。
  8. 前記フィルター膜の展開構成への移動が、前記フィルター膜の外径が前記ガイドワイヤの外径を超えるように、フィルター膜を前記ガイドワイヤから離れる方向に延在させる、請求項2に記載の装置。
  9. 前記フィルター膜が、デフォルトでは非展開構成になる、請求項2に記載の装置。
  10. 前記フィルターが、前記第1の環と前記第2の環との間で延在しかつこれらに連結する少なくとも1つのストラットを更に含み、前記第1及び第2の環の間の距離が減少すると、前記少なくとも1つのストラットが、前記ガイドワイヤから外側に撓み、前記フィルター膜を展開させる、請求項2に記載の装置。
  11. 前記フィルターが、
    前記第1の環と前記第2の環との間で延在しかつこれらに連結するストラットを更に含み、前記ストラットが、
    前記第1の環に連結した第1のストラット部分と、
    前記第2の環に連結した第2のストラット部分と、を含み、
    前記第1のストラット部分及び前記第2のストラット部分が、前記対応する第1及び第2の環に連結した端部と反対側の端部でヒンジ式に連結され、
    前記第1及び第2の環の間の距離が減少すると、前記ストラットが、前記ガイドワイヤから外側に撓み、前記フィルター膜を展開させる、請求項2に記載の装置。
  12. 前記展開構成において、前記第2のストラット部分の少なくとも一部が、前記第1のストラット部分と前記ガイドワイヤとの間に位置するように、前記第2のストラット部分が、前記第1のストラット部分の下に少なくとも部分的に延びる、請求項11に記載の装置。
  13. 前記部材がカテーテルであり、
    前記カテーテルが、前記カテーテルの外面に連結するか又はそれから延在する任意の処置特徴部を含まず、
    前記カテーテルの前記外面が、処置デバイスを摺動可能に受容するようにサイズ調整かつ構成されている、請求項1に記載の装置。
  14. 細長い誘導可能な血管内部材と、
    前記部材に連結した塞栓フィルターであって、
    前記部材の遠位端に近接して位置する第1の環、
    前記部材の前記遠位端と前記ガイドワイヤの近位端との間に位置する第2の環、
    前記第1及び第2の環に連結したフィルター膜であり、前記フィルター膜が、前記第1及び第2の環が互いに対して変位する際に、非展開構成と展開構成との間を移動可能である、フィルター膜、
    前記部材内に設けられた中央チャネルを通って延在するアクチュエータワイヤであり、前記ワイヤの作動が、前記第1又は第2の環の対応する変位をもたらすように、前記第1の環又は前記第2の環のうちの1つに連結されている、アクチュエータワイヤ、を含む、塞栓フィルターと、
    前記部材及び前記非展開構成の前記塞栓フィルターの上を摺動可能なスリーブであって、前記スリーブが、前記スリーブと前記部材との間の相対移動を可能にするようにサイズ調製かつ構成されている、スリーブと、を備える、装置。
  15. 前記部材がガイドワイヤであり、
    前記ガイドワイヤの外面が、処置デバイスを摺動可能に受容するようにサイズ調整かつ構成されている、請求項14に記載の装置。
  16. 前記スリーブが、前記部材上に無期限に配置され得るように、前記スリーブの前記近位端に連結するための末端キャップを更に含む、請求項14に記載の装置。
  17. 前記第2の環が、前記部材に固定的に連結し、前記第1の環が、前記部材に摺動可能に連結し、
    前記アクチュエータワイヤが、前記第1の環に連結する、請求項14に記載の装置。
  18. 前記アクチュエータワイヤが、前記部材に設けられた開口を通って延び、前記第1の環又は前記第2の環のうちの少なくとも1つと係合する、請求項14に記載の装置。
  19. 前記開口が、前記部材の長手方向軸を横切って延びる表面上に提供される、請求項18に記載の装置。
  20. 前記部材が、前記アクチュエータワイヤに提供された前記開口に近接する前記部材の一部から遠位方向に延在する堅いノーズ部を含む、請求項18に記載の装置。
  21. 前記部材の上を処置位置まで移動可能な処置デバイスを更に含み、
    前記処置デバイスが、血管形成術バルーン及び機械的血栓症デバイスのうちの1つを含む、請求項14に記載の装置。
  22. 前記フィルターが、前記第1の環と前記第2の環との間で延在しかつこれらに連結する少なくとも1つのストラットを含み、前記第1及び第2の環の間の距離が減少すると、前記少なくとも1つのストラットが、前記部材から外側に延び、前記フィルター膜を展開させる、請求項14に記載の装置。
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