JP2017529066A - 哺乳動物多能性幹細胞、それらの調製のための方法、およびその使用 - Google Patents

哺乳動物多能性幹細胞、それらの調製のための方法、およびその使用 Download PDF

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Abstract

本開示は、Oct4、Sox2、c−Myc、およびKlf4の発現によって特徴付けられる神経由来成体多能性幹細胞、それらを得るための方法、およびそれらの使用に関する。本開示は、神経由来成体多能性幹細胞(本明細書でNEDAPS細胞と称される)、それらを得るための方法、それから分化した細胞、ならびにNEDAPS細胞およびそれらの分化した子孫の使用を提供する。NEDAPS細胞は、胚性および多能性幹細胞のマーカーである4つの転写因子である、Oct4、Sox2、c−Myc、およびKlf4を発現する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2014年8月4日に提出された米国仮出願第62/032,911号の優先権利益を主張し、その内容は本明細書中への参照によってその全体が本明細書に組み込まれている。
連邦政府資金による研究開発の記載
本発明は、国防省によって与えられたDARPA−11−65−Open−BAA−FP−169の下で政府支援で行われた。政府は、本発明における一定の権利を有する。
配列表
本出願は、ASCIIフォーマットにおいて電子的に提出され、その全体が参照によってここに組み込まれている配列表を含む。2015年7月31日に作成された前記ASCIIコピーは、KNS−001_SL.txtという名前を付けられ、サイズが2,057バイトである。
幹細胞は、全てではないとしても大部分の多細胞生物に見出される部分的または完全に未分化な細胞である。幹細胞は、有糸分裂細胞分裂を通して自己再生し、脳、骨、軟骨、腺、筋肉、肝臓、皮膚、血管、神経、および血液細胞を含むが、これらに限定されない様々な特殊化した細胞型に分化する能力を有する。幹細胞は、細胞の特定の型に発達する可能性を有し、ほぼ無限に増殖することができるまたは長期間、再生を経ることができるので、それらは、治療的用途に関して特定の可能性を保持する。幹細胞は、それらが多能性であろうと多分化能であろうと、器官修復および置換、変性疾患を含めたいろいろな疾患のための細胞療法、遺伝子治療、ならびに毒性または望ましい活性に関する新薬の試験に使用され得る。
しかしながら、実験的および治療的適用に有用な幹細胞およびより分化した細胞の利用可能な供給源は、限定されており、しばしば低品質で、療法に適しておらず、議論の余地がある。例えば、ヒト療法のための胚性幹細胞(ESC)の使用は、倫理的問題、および胚性供給源に由来する細胞が患者の免疫系によって拒絶され得るというリスクによって妨害されている。ESCの使用に関する第3の問題は、ESCが奇形腫と呼ばれる腫瘍を形成する可能性があることである。奇形腫は、いくつかの異なる細胞型を含有し、毛髪、歯、および皮膚をしばしば含む。かかる腫瘍は、技術上は良性であるが、非常に重大な問題を示し得る。ESCの代替物は、誘導多能性幹細胞(iPS細胞またはIPSC)である。iPS細胞は、遺伝的材料を分化した「成体」細胞の核に導入して、胚性表現型を支配する4つの転写因子、すなわち、c−Myc、Klf4、Sox2、およびOct4の発現を強制することによって作り出される。(非特許文献1)これらの遺伝子は、レトロウイルスまたはレンチウイルスベクターを使用してしばしば導入される。細胞をiPS細胞に変化するように誘導するために使用される上記ベクターは、宿主細胞ゲノム中に組み込まれる。これらの事象は、細胞を胚性幹細胞のように挙動させる。iPS細胞も、上で同定した潜在的な問題、最も著しくは、免疫拒絶を有するが、さらに、遺伝子操作のために様々な型の悪性腫瘍に分化する現実のリスクを有する。導入遺伝子は、iPS細胞において大部分がサイレンスされているが、かかる導入遺伝子の後の再活性化が起こり得る。重大な懸念は、c−Mycをコードする導入遺伝子が腫瘍形成につながり得ることである。(非特許文献2)
Takakashi K. and Yamanaka S., Cell (2006) 126(4):663-76;Takahashi et al., Cell (2007) 131 (5): 861-872 Yamanaka S, Cell (2009)137(1):13-17
したがって、ESCおよびiPS細胞の問題を回避する幹細胞が必要とされている。
本開示は、神経由来成体多能性幹細胞(本明細書でNEDAPS細胞と称される)、それらを得るための方法、それから分化した細胞、ならびにNEDAPS細胞およびそれらの分化した子孫の使用を提供する。NEDAPS細胞は、胚性幹細胞および多能性幹細胞のマーカーである4つの転写因子である、Oct4、Sox2、c−Myc、およびKlf4を発現する。ここで記載されたNEDAPS細胞は、末梢神経に由来し得、操作のいかなる特定の理論にも縛られることなく、NEDAPS細胞に形質転換する休眠状態の細胞リザーバーに対する特定の刺激の結果を表す。これらの細胞は、本明細書に記載の多種多様な細胞型に分化し得、胚性供給源由来ではなく、NEDAPS細胞核への新しい遺伝的材料の操作、または導入を必要としない。かかる細胞は、NEDAPS細胞増殖条件に晒された対象からまたはエキソビボでNEDAPS細胞増殖条件に晒された神経から安全に収集され得る。NEDAPS細胞は、インビトロまたはエキソビボで培養し、医学的、獣医学的、または産業的適用における使用のために分化ありまたはなしで増殖させ得る。例えば、対象が幹細胞療法を必要としている場合、NEDAPS細胞を対象から収集し、インビトロで培養かつ増殖させ、次いで、これらの自己由来細胞の免疫拒絶の予期されるリスクなしに、対象に再移植し得る。NEDAPS細胞は、組織修復に使用し得るまたはそれらは、培養において完全にまたは部分的に分化させ得る。完全な分化後に移植された場合、NEDAPS細胞の子孫は、in situで選択された組織または器官(例えば、肝組織)に発達し得る。NEDAPS細胞またはそれらの分化した子孫の自家移植は、胚からESCを収集することに関連する問題を回避し、ドナー組織の移植に関連する免疫拒絶応答を回避する。NEDAPS細胞およびそれらの子孫の使用により、移植または幹細胞療法における奇形腫形成および悪性腫瘍のリスクが排除されるかまたは劇的に低減させることも予期される。
図1Aは、外科的に切除され、ヘマトキシリンおよびエオシンで染色された正常マウス坐骨神経(対照)を示す図である。図1Bは、経皮注入によりBMP2に24時間晒した後に外科的に切除され、ヘマトキシリンおよびエオシンで染色されたマウス坐骨神経を示す図である。細胞の増殖に注目されたい。図1Cは、注入によりBMP2に48時間晒した後のマウス坐骨神経を、H&E染色で染色したものを示す図である。細胞の過剰増殖性の増殖に注目されたい。図1Dは、BMP2に24時間晒した後のマウス坐骨神経を、Oct4に関して染色したものを示す図である。図1Eは、BMP2に24時間晒した後のマウス坐骨神経を、nanogに関して染色したものを示す図である。図1Fは、BMP2に24時間晒した後のマウス坐骨神経を、Sox2に関して染色したものを示す図である。大部分がSox2を発現している細胞の増殖に注目されたい。 図1Gは、BMP2に24時間晒した後のマウス坐骨神経を、Klf4に関して染色したものを示す図である。大部分がKlf4を発現している細胞の増殖に注目されたい。図1Hは、BMP2に24時間晒した後のマウス坐骨神経を、炎症マーカーであるインターロイキン1に関して染色したものを示す図である。図1Iは、BMP2に72時間晒した後のマウス坐骨神経を、Oct4に関して染色したものを示す図である。大部分がOct4を発現している細胞の増殖に注目されたい。図1Jは、BMP2に48時間晒した後のマウス坐骨神経を、Sox2に関して染色したものを示す図である。大部分がSox2を発現している細胞の増殖に注目されたい。図1Kは、BMP2に72時間晒した後のマウス坐骨神経を、Sox2に関して染色したものを示す図である。大部分がSox2を発現している細胞の増殖に注目されたい。図1Lは、BMP2に72時間晒した後のマウス坐骨神経を、Oct4に関して染色したものを示す図である。大部分がOct4を発現している細胞の増殖に注目されたい。 図1Mは、BMP2に72時間晒した後の、c−Mycに関して染色したマウス坐骨神経を示す図である。大部分がc−Mycを発現している細胞の増殖に注目されたい。図1Nは、BMP2に24時間晒した後の、c−Mycに関して染色したマウス坐骨神経を示す図である。その大部分がc−Mycを発現している、細胞の増殖に注目されたい。 図2Aは、Oct4に関して染色された未処置(対照)マウスからの組織標本における正常マウス坐骨神経を示す図である。Oct4は、非刺激神経において発現されていない。図2Bは、筋肉内(IM)注入によってBMP2に24時間直接晒した後のマウス坐骨を、Oct4に関して染色したものを示す図である。過剰増殖性の細胞増殖および著しく異常な神経に注目されたい。増殖細胞の核は、この幹細胞マーカーに関して濃く染色されている。図2Cは未処置(対照)マウスからの組織標本における正常マウス坐骨神経を、c−Mycに関して染色されたものを示す図である。c−Myc発現は、非刺激神経において最小限にのみ発現されている。図2Dは、BMP2注入後24時間のマウス坐骨神経および周囲の組織の組織学的切片を、c−Mycに関して染色したものを示す図である。過剰増殖性の細胞増殖、および増殖細胞におけるc−Mycに関する濃い核ペルオキシダーゼ染色に注目されたい。 図2Eは未処置(対照)マウスからの正常マウス坐骨神経を、Klf4に関して染色したものを示す図である。非刺激は、Klf4の発現を示さない。図2Fは、IM BMP2注入後48hで収集されたマウス大腿屈筋における坐骨神経を通る斜めの切片を、Klf4に関して染色したものを示す図である。過剰増殖性の細胞増殖および組織平面を通る移動、およびKlf4に関する陽性ペルオキシダーゼ染色に注目されたい。図2GはIM注入によりBMP2に72時間晒した後のマウス坐骨神経の残物を、Sox2に関する免疫染色後のものを示す図である。神経の完全性の喪失および濃い核ペルオキシダーゼ染色に注目されたい。 機械的圧迫を使用して調製された培養NEDAPS細胞を、非特異的核染色DAPI(左のパネル)、Sox2(左から2番目のパネル)、およびc−Myc(左から3番目のパネル)に関して染色したものを示す図である。右のパネルは、DAPI、Sox2およびc−Myc画像のオーバーレイである。 機械的圧迫を使用して調製されたNEDAPS細胞を、非特異的核染色DAPI(左のパネル)、Sox2(左から2番目のパネル)、およびOct4(左から3番目のパネル)に関して染色したものを示す図である。右のパネルは、DAPI、Sox2およびOct4画像のオーバーレイである。 機械的圧迫を使用して調製されたNEDAPS細胞を、非特異的核染色DAPI(左のパネル)、Klf4(左から2番目のパネル)、およびc−Myc(左から3番目のパネル)に関して染色したものを示す図である。右のパネルは、DAPI、Klf4およびc−Myc画像のオーバーレイである。 機械的圧迫を使用して調製されたNEDAPS細胞を、非特異的核染色DAPI(左のパネル)、Klf4(左から2番目のパネル)、およびOct4(左から3番目のパネル)に関して染色したものを示す図である。右のパネルは、DAPI、Klf4およびOct4画像のオーバーレイである。 機械的圧迫を使用して調製されたNEDAPS細胞を、非特異的核染色DAPI(左のパネル)、Sox2(左から2番目のパネル)、およびKlf4(左から3番目のパネル)に関して染色したものを示す図である。右のパネルは、DAPI、Sox2およびKlf4画像のオーバーレイである。 機械的圧迫を使用して調製されたNEDAPS細胞を、DAPI(左のパネル)、Oct4(左から2番目のパネル)、およびc−Myc(左から3番目のパネル)に関して染色したものを示す図である。右のパネルは、DAPI、Oct4およびc−Myc画像のオーバーレイである。 NEDAPS細胞におけるOct4、Sox2、c−Myc、およびKlf4の発現を実証しているPCRゲルを示す図である。Mは、分子量マーカーを示し;Oct4、Sox2、c−Myc、およびKlf4のPCR産物がそれぞれパネルA〜Dにおいて示されている。各パネルにおけるレーン1〜2は、単純な機械的圧迫によって刺激され、48時間で収集された神経の二つ組みの調製物からのPCR産物を示し、各パネルにおけるレーン3〜4は、インビボでの直接適用によるrhBMP2に晒され、48時間で収集された神経の二つ組みの調製物からのPCR産物を示す。 制限幹細胞培地において増殖させたNEDAPS細胞に典型的な形態を示す平面の顕微鏡写真(plain micrograph)である。平板化された細胞形状および基板への付着性に注目されたい。この形態は、典型的に円形であり基板に付着性が最小である胚性幹細胞とは明確に異なっている。 骨芽細胞および内皮細胞をそれぞれ誘導するために培地において培養されたNEDAPS細胞における骨芽細胞および内皮分化のマーカーの発現を実証しているPCRゲルを示す図である。Mは、分子量マーカーを示し;パネルAのレーン1〜4は、それぞれ、オステオポンチン、I型コラーゲン、オステオカルシン、および陰性対照PCR産物を示す。パネルBのレーン1〜3は、それぞれ、Flt−1、Flk−1、および陰性対照PCR産物を示す。 NEDAPS細胞のコンフルエントな培養物を、骨芽細胞への分化を誘導するために骨原性培地において培養し、アルカリホスファターゼ活性(骨芽分化のマーカー)に関して染色した後のものを示す図である。骨芽細胞に特徴的である、アルカリホスファターゼ酵素活性の存在を示している色素の蓄積に注目されたい。 骨原性培地において培養されたNEDAPS細胞を示す図である。左上のパネルは、骨芽細胞マーカーI型コラーゲンに関する蛍光免疫染色後の細胞を示す。右上のパネルは、ノマルスキー光学系で画像処理された左上のパネルと同じ視野を示す。左下のパネルは、免疫染色された画像およびノマルスキー画像の複合物を示す。右下のパネルは、ブランクである。 内皮表現型に分化するように誘導されたNEDAPS細胞の平面の顕微鏡写真である。細胞体の円形の外見および細長い突起は、それらがコンフルエントになる前の培養内皮細胞に典型的であり、その後、円形になった細胞体のアレイは、「玉石」外見を示す。 内胚葉分化培地において培養されたNEDAPS細胞の4つの異なる顕微鏡写真である。これらの分化細胞の形態は、それらが由来したNEDAPS細胞とは全く異なっており、より円形になった形状を示し、基板への密接な付着性がより低く、核がより大きいことに注目されたい。 外胚葉分化培地において培養されたNEDEL細胞の4つの異なる顕微鏡写真である。これらの細胞は、それらが由来したNEDAPS細胞とは形態的に全く異なっており、発達中の神経組織と一貫した伸長した細胞形状を示していることに注目されたい。 切除された神経をエキソビボで刺激することによって調製されたNEDAPS細胞を示す図である。上部のパネルは、左から右へ、Klf4、Sox2、Oct4、およびc−Mycに関して免疫染色された細胞を示す。下部のパネルは、同じ細胞の明視野画像上の上部のパネルにおいて示された蛍光シグナルのオーバーレイを示す。 本開示のNEDAPS細胞が分化され得る例示的経路を図解する図である。図解は、省略されており、全ての可能な細胞型も各分化経路に沿った全ての中間の細胞型も示していない。例えば、造血幹細胞は、それぞれ、骨髄系列(図18に示された赤血球および好中球、マスト細胞などを含めた)およびリンパ球系列(リンパ球およびナチュラルキラー細胞を含む)を生じる、骨髄前駆細胞およびリンパ球前駆細胞に分化し得る。
7.1.哺乳動物末梢神経由来幹細胞(NEDAPS細胞)
本開示は、神経由来成体多能性幹細胞(NEDAPS細胞)およびその集団を提供する。「NEDAPS」の文脈で使用する場合、「成体」という用語は、非胚性供給源を表す。したがって、NEDAPS細胞は、若年または成体対象からとすることができ、対象は、哺乳動物、例えば、マウス、ラット、ネコ、イヌ、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ヤギ、もしくはウマなどの家畜化された哺乳動物、またはサルもしくはヒトなどの霊長類とすることができる。
本開示のNEDAPS細胞は、4つの転写因子、Oct4(Oct3/4およびPOU5F1としても既知である)、Sox2、c−Myc、およびKlf4を発現する。これら4つの転写因子の遺伝子配列は、哺乳動物種間で高度に保存されている(Fritz et al., Journal of Biological Chemistry (2004) vol. 279(47): 48950-48958;Frankenberg et al., Developmental Biology (2010) vol. 337: 162-170;Rodda et al., Journal of Biological Chemistry (2005) vol. 280(26): 24731-24737;Flynn et al., Molecular and Cellular Biology (1998) vol. 18(10): 5961-5969;Stewart et al., Virology (1986) 154(1):121-34;Eladari et al., Biochem and Biophysical Res. Communications (1986) vol. 104(1):313-9)。さらに、マウス、ヒト、ラット、およびアカゲザルからの体細胞は、これらの同じ、同一の4つの因子の発現を誘導することによって、3つ全ての胚葉(外胚葉、内胚葉、および中胚葉)に分化する能力があるiPS細胞に初期化することに成功した。Takakashi and Yamanaka, Cell (2006) 126(4):663-76;Takahashi et al., Cell (2007) 131 (5): 861 -872;Liu et al., Cell Stem Cell (2008) 3:587-590;Liao et al., Cell Stem Cell (2009) 4(1):1 1-15。本開示のNEDAPS細胞は、幹細胞マーカーNanogおよびSSEA1も発現し得る。好ましくは、これら転写因子の発現は、組換え型ではない(例えば、転写因子の1つまたは複数をコードする1つまたは複数の発現ベクターの導入によって達成されない)。
本開示のNEDAPS細胞は、適切な分化条件下で培養された場合、中胚葉細胞(例えば、骨芽細胞または内皮細胞などの間葉系細胞)、内胚葉細胞、および外胚葉細胞(例えば、神経幹細胞)に分化する能力がある。NEDAPS細胞が分化され得る細胞型の例は、図18に示されている。様々な細胞型に関する分化条件は、当技術分野で既知であり、分化培地は、市販されている。例示的分化条件は、7.2.3節に記載されている。
ある特定の実施形態では、NEDAPS細胞は、インビボとインビトロの両方で運動性であり(例えば、インビボでの細胞移動およびインビトロでの分裂したばかりの細胞の移動によって証明される)、ガラスまたはプラスチックの基板に容易に付着し、かつ/またはごくまれにコロニーを形成することもある。
本開示のNEDAPS細胞またはそれらの部分的もしくは完全に分化した子孫は、例えば、別の種からの異種遺伝子、同じ種からの相同遺伝子を組み込むために(例えば、NEDAPS細胞が由来する対象においてミュータントである遺伝子を置換するために)、野生型タンパク質と比較して、その機能が改善または改変された操作されたタンパク質を発現させるために、またはマーカー(例えば、検出可能なマーカーまたは核酸タグ)を組み込んで、例えば、移植後のそれらの運命を追跡する目的でNEDAPS細胞もしくはそれらの子孫の同定を可能にするために、組換え型にされ得るかまたは遺伝的に操作され得る。核酸は、当業者に既知の方法を使用して(例えば、その内容が本明細書に参照によって組み込まれている、Wang and Gao, Discov Med. (2014) vol.18 (97):67-77に報告されている方法によって)NEDAPS細胞に導入され得、NEDAPS細胞のゲノムDNAに組み込まれ得るかまたはゲノムDNAに組み込まれ得ない。例えば、核酸は、組換えウイルス(例えば、レトロウイルスまたはレンチウイルス)、ネイキッドDNAの注入、またはトランスフェクション(例えば、リン酸カルシウム、リポソーム、またはエレクトロポレーションを使用した方法によって)によってNEDAPS細胞に導入され得る。
別の態様では、本開示は、NEDAPS細胞、NEDAPS細胞の集団、ならびにそれから分化した細胞および細胞の集団、例えば、中胚葉細胞(間葉系幹細胞、骨芽細胞、および内皮細胞など)、内胚葉細胞、または外胚葉細胞(神経幹細胞など)を提供する。本開示の様々な態様では、集団は、以下の特徴の1つ、2つ、または3つ全てによって特徴付けられる:
(a)それは、単離されている;かつ/または
(b)それは、少なくとも50%均質である;かつ/または
(c)それは、少なくとも10の細胞を含有する。
上記の特徴(b)の特定の実施形態では、上記集団は、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または99%を超えて均質であり、例えば、少なくとも80%均質であるNEDAPS細胞の集団に関して、集団における細胞の少なくとも80%は、NEDAPS細胞である。上記の特徴(c)の特定の実施形態では、上記集団は、少なくとも50の細胞、少なくとも100の細胞、少なくとも200の細胞、少なくとも500、少なくとも1,000の細胞または少なくとも10,000の細胞を含有する。本開示は、特徴(b)および(c)に係る前述の実施形態の任意の入替にも全ての入替にも関し、例えば、集団は、少なくとも75%均質であり、少なくとも200の細胞を含有する、または集団は、少なくとも60%均質であり、少なくとも100の細胞を含有する、または集団は、少なくとも90%均質であり、少なくとも50の細胞を含有する。
7.2.NEDAPS細胞およびNEDAPS細胞から分化した細胞を調製する方法
7.2.1.NEDAPS細胞増殖条件
本開示は、インビボとエキソビボの両方でNEDAPS細胞およびその集団を調製する方法を提供する。NEDAPS細胞およびNEDAPS細胞の集団は、エキソビボでNEDAPS細胞増殖条件に晒された末梢神経を培養することによって、またはインビボで対象においてNEDAPS細胞増殖条件に晒された末梢神経からの細胞を培養することによって調製され得る。NEDAPS細胞のエキソビボ調製の文脈では、「末梢神経」という用語は、本明細書で記載されたように崩した末梢神経を含む。NEDAPS細胞を産出するのに適した神経は、機能的に重要な神経への傷害を被った神経移植対象のために常法に従って外科的に収集された末梢神経を含む。機能の喪失がたとえあるにせよ最小限で収集され得る、容易に入手可能な神経が数種存在する。末梢神経は、例えば、腓腹神経、腓腹神経の枝、手指もしくは足指の固有指神経(proper digital nerve)、閉鎖神経の薄筋枝(gracilis branch)、内側前腕皮神経のセグメント(segment of a medial antebrachial cutaneous nerve)、外側前腕皮神経、近位第3趾間束神経(proximal third webspace fascicle nerve)、後骨内神経(posterior intraosseous nerve)または他の末梢神経とすることができる。
NEDAPS細胞増殖条件は、末梢神経をサイトカインの骨形態形成タンパク質(BMP)ファミリーのメンバーなどのサイトカインに晒すことを含み得る。NEDAPS細胞を調製する場合の使用のための好ましいBMPタンパク質は、組換えヒトBMP2(rhBMP2)などのBMP2である。rhBMP2は、INFUSE(登録商標)としてMedtronicによって販売されており、骨形成を刺激することに関してFDAに認可されている。BMP2が神経炎症を誘導することを示唆する研究があり、この神経炎症がBMP2誘導骨形成のプロセスの基礎となり得ると考えられている。Heggeness, The Spine Journal, (2011) 11 :506。BMP2に晒した後の同様の神経炎症反応がマウス、ラット、およびヒトにおいて観察された。例えば、Carragee et al., The Spine Journal, (2011) 11 :471-491;Dmitriev et al., The Spine Journal, (2011) 11 :500-505;Salisbury et al., Journal of Cellular biochemistry (2011) 112:2748-2758を参照されたい。NEDAPS細胞は、外科的に露出した末梢神経にBMP2の溶液(例えば、BMP2を含有する生理食塩水)を直接適用するかまたは末梢神経近くの部位への筋肉内(IM)注入によって、対象においてインビボで調製され得る。
BMP2は、典型的に10ng〜1mgにわたる量で、露出した神経に直接適用され得るかまたは末梢神経近くの部位に注入され得る。一部の実施形態では、このBMP2の量は、10ng、25ng、40ng、50ng、60ng、75ng、100ng、150ng、200ng、250ng、300ng、400ng、500ng、750ngもしくは1mgであるか、または前述の値の任意の組を境界とする範囲(例えば、10ng〜250ng、40ng〜75ng、50ng〜300ng、60ng〜150ngなど)から選択される。露出した神経に直接適用されるかまたは末梢神経近くの部位に注入されるBMP2の量は、1μl〜10mlにわたる体積を有する溶液で提供され得る。一部の実施形態では、この体積は、0.1ml〜2ml、例えば、0.25ml、0.5ml、0.75ml、1ml、1.25mlである、または前述の値の任意の組を境界とする範囲(例えば、0.1ml〜1ml、0.25ml〜1ml、もしくは0.5ml〜1.5mlなど)から選択される。適用されるBMP2の量および使用されるBMP2溶液の体積は、標的とされた末梢神経のサイズに依存して変動され得る。
代替的に、NEDAPS細胞は、対象を骨折、鈍的傷害、熱傷害、または電気ショックなどのBMP2の局所的産生をもたらす条件に晒することによってインビボで調製され得る。一部の実施形態では、NEDAPS細胞は、骨折、鈍的傷害、熱傷害、または電気ショックを被った対象から得られる。
NEDAPS細胞増殖条件は、末梢神経を、腫瘍壊死因子α、インターロイキン−1β、神経成長因子、ヒスタミン、インターロイキン6もしくはその組合せなどのBMP2以外の神経炎症剤(neuroinflammatory agent)にまたはBMP2に加えた神経炎症剤に晒することも含み得る。
他の実施形態では、NEDAPS細胞増殖条件は、外傷を末梢神経に与える(インビボまたはエキソビボで)ことを含む。外傷は、例えば、機械的外傷、例えば、末梢神経を加圧すること(例えば、1〜2秒間)、末梢神経を切るもしくは切断すること、または末梢神経を刻むこと、電気刺激(例えば、過剰刺激)、超音波衝撃波、または熱損傷とすることができる。そのようなものとして、本開示の一態様では、NEDAPS細胞の調製は、末梢神経組織を物理的傷害に供することによって刺激され得る。
NEDAPS細胞増殖は、BMP2を含む培地において神経を培養することによって末梢神経をエキソビボでBMP2に晒することによっておよび/または神経を機械的外傷(例えば、加圧および/または刻むこと)に供することによっても達成され得る。一部の実施形態では、培地中のBMP2の濃度は、5ng/ml、10ng/ml、25ng/ml、40ng/ml、50ng/ml、60ng/ml、75ng/ml、100ng/ml、150ng/ml、200ng/ml、250ng/ml、300ng/ml、400ng/ml、500ng/ml、750ng/mlもしくは1mg/mlであるか、または前述の値の任意の組を境界とする範囲(例えば、5ng/ml〜50ng/ml、10ng/ml〜250ng/ml、40ng/ml〜75ng/ml、50ng/ml〜300ng/ml、60ng/ml〜150ng/mlなど)から選択される。
本明細書で記載されたNEDAPS細胞増殖条件の組合せもNEDAPS細胞を調製するために使用され得る。例えば、NEDAPS細胞は、末梢神経をBMP2、加圧、および刻むことのうちの2つまたは3つの組合せに晒すことによって調製され得る。一実施形態では、NEDAPS細胞増殖条件は、BMP2に晒すことを用いるかまたは用いずに末梢神経を刻むことを含む。
NEDAPS細胞を調製するための本開示の方法は、病的状態を最小にしたヒト対象および家畜化動物を使用して、適した末梢神経の同定および使用によって実行され得る。ヒトおよび獣医学的適用に適した神経の例は、腓腹神経またはその枝の1つ、手もしくは足における中央の指への固有指神経、および例えば、傷害もしくは疾患によって切断された肢からの神経である。四肢の部分が切断もしくは廃棄されることになるか、または神経が修復を超えて傷ついている重大な外傷の場合、かかる神経は、収集され、NEDAPS細胞を生成するために使用され得、次に、これは、その対象(すなわち、自家移植手順において)のための、または厳密にマッチした対象(すなわち、厳密にマッチしているが、同種移植手順において)のための再生手順およびプロセスに使用され得る。この技法は、ヒトと獣医学的適用の両方における組織操作および他の再生療法のための個々の遺伝的「完全なマッチ」細胞を生成するために特に望ましい。
7.2.2.神経収集およびNEDAPS細胞培養
インビボでNEDAPS細胞増殖条件に晒された対象の末梢神経は、NEDAPS細胞増殖条件に晒した直後に対象から、例えば、外科的切除によって収集され得るかまたはある期間後に収集され得る。一部の実施形態では、末梢神経は、NEDAPS細胞増殖条件に晒した後、最大4日、より好ましくは最大3日で収集される。例えば、末梢神経は、NEDAPS細胞増殖条件に晒した後、例えば約8時間(すなわち1/3日)、約12時間(すなわち半日)、約24時間(すなわち1日)、約48時間(すなわち2日)、もしくは約72時間(すなわち3日)で、または前述の値の任意の組を境界とする範囲(例えば、NEDAPS細胞増殖条件に晒した後8時間〜72時間(すなわち1/3日〜3日)、8〜12時間(すなわち1/3日〜半日)、12〜24時間(すなわち半日〜1日)、24から48時間(すなわち1〜2日)、もしくは48〜72時間(すなわち2〜3日)など)から選択される期間後に収集され得る。収集後、神経は、神経からのNEDAPS細胞の出現を促進するように任意選択で崩され得る。
エキソビボでNEDAPS細胞増殖条件に晒された末梢神経は、NEDAPS細胞増殖条件に晒された後ある期間培養され得、培養前または後に任意選択で乱され得る。一部の実施形態では、エキソビボでNEDAPS細胞増殖条件に晒された末梢神経は、NEDAPS細胞増殖条件に晒した後、最大4日、より好ましくは最大3日、例えば、約8時間(すなわち1/3日)、約12時間(すなわち半日)、約24時間(すなわち1日)、約48時間(すなわち2日)、もしくは約72時間(すなわち3日)、または前述の値の任意の組を境界とする範囲(例えば、8時間〜72時間(すなわち1/3日〜3日)、8〜12時間(すなわち1/3日〜半日)、12〜24時間(すなわち半日〜1日)、24〜48時間(すなわち1〜2日)、または48〜72時間(すなわち2〜3日)など)から選択される期間、エキソビボで培養される。
機械的および/または酵素的手段が末梢神経を崩すために使用され得る。例えば、神経は、刻まれ得、染色され得、かつ/またはトリプシン、コラゲナーゼ(例えば、クロストリジウム・ヒストリチクム(c. histolyticum)コラゲナーゼ)、もしくはマトリックスメタロプロテアーゼなどの1つまたは複数のプロテアーゼでの処置に供され得る。
一部の実施形態では、末梢神経からの細胞は、末梢神経が加圧され、収集され、刻むことおよび/または1つもしくは複数のプロテアーゼでの処置によって崩された後、BMP2を含む培地中で培養される。好ましい実施形態では、末梢神経からの細胞は、末梢神経が加圧され、収集され、刻むことおよび1つまたは複数のプロテアーゼでの処置によって崩された後、BMP2を含む培地中で培養される。
収集された末梢神経、崩された末梢神経からの細胞、および単離されたNEDAPS細胞は、未分化状態でNEDAPS細胞を維持するために非分化培地(non-differentiating medium)において培養され得る。実施例3は、非分化状態でNEDAPS細胞を培養するのに適した培地を記載している。他の適した非分化培地は、当技術分野で既知であり、その多くは、市販されており、例えば、Knockout(商標) DMEM(Gibco,カタログ番号10829−018)およびmTeSR(商標)1培地(Stemcell Technologies,カタログ番号05857)である。NEDAPS細胞は、神経中に存在する他の細胞型からNEDAPS細胞を単離することなく、末梢神経から培養され得る。代替的に、単一または複数のNEDAPS細胞が、例えば、顕微操作、フローサイトメトリー、または当技術分野で既知の細胞を選別もしくは分離するための他の方法によって、1つまたは複数の他の細胞型から分離され、NEDAPS細胞の集団または増殖した集団を生成するために培養され得る。
NEDAPS細胞増殖条件に神経を晒した後、NEDAPS細胞集団は、未分化形態の標準培地において維持され得るか、または例えば、7.2.3節に記載されているようにより低能力(less potent)の細胞型中で分化され得る。分化は、増殖条件に晒した直後または未分化形態でのNEDAPS細胞の維持後に行われ得る。
7.2.3.幹細胞分化
NEDAPS細胞の集団は、例えば、幹細胞が特定の細胞型に分化するように誘導する分化培地において集団を培養することによって、集団を分化条件に晒することによってより低能力の細胞型に分化され得る。本開示のNEDAPS細胞は、内胚葉、中胚葉、および外胚葉系列の細胞に分化され得る。NEDAPS細胞が分化され得る細胞型の特定の例は、図18に示されている。様々な細胞型に関する分化条件が当技術分野で既知であり、ESCまたはiPS細胞を分化させるための分化培地などの分化培地が市販されている。例示的方法および培地は、実施例4〜6に記載されている。例えば、StemXVivo(商標) Ectoderm Kit(R&D Systems,カタログ#SC031)、StemXVivo(商標) Mesoderm Kit(R&D Systems,カタログ#SC030)、およびStemXVivo(商標) Endoderm Kit(R&D Systems,カタログ#SC019)は、それぞれ、NEDAPS細胞を外胚葉、中胚葉、および内胚葉細胞に分化させるために使用され得、実施例4に記載された培地は、NEDAPS細胞の集団を骨芽細胞または内皮細胞(すなわち2つの間葉系細胞型)に分化させるために使用され得、実施例5に記載された培地は、NEDAPS細胞の集団を内胚葉細胞に分化させるために使用され得、実施例6に記載された培地は、NEDAPS細胞の集団を神経幹細胞(すなわち、外胚葉細胞型)に分化させるために使用され得る。
7.3.使用
本明細書で記載された方法は、NEDAPS細胞およびそれから分化した細胞型の集団(例えば、(a)単離されていることおよび/または(b)少なくとも50%均質であることおよび/または(c)少なくとも10の細胞を含有すること、および7節に記載されたその実施形態のいずれかによって特徴付けられる集団)を生成するために使用され得る。これら集団は、自家適用、すなわち、NEDAPS細胞が由来した(ヒトまたは他の動物)対象における移植のための特定の利点を見出す。
NEDAPS細胞およびそれらの分化した子孫は、対象の処置のための細胞を生成するためにエキソビボで操作され得る。この細胞は、細胞再生または器官再生から利益を得る任意の状態に使用され得る。特定の適用としては、器官培養、創傷治癒(例えば、糖尿病性下肢創傷、シャルコー関節症、褥瘡、または骨折を処置するためのもの)、神経再生、免疫機能を回復すること、造血、組織操作、遺伝子治療(例えば、その内容が本明細書に参照によって組み込まれている、Wang and Gao, Discov Med. (2014) vol.18 (98):151-161に報告されているように)、および培養物中で増殖され分化誘導された幹細胞が有用である任意の他の医学的状況が挙げられる。
一実施形態では、未分化NEDAPS細胞またはNEDAPS細胞から分化した骨芽細胞は、インビトロで増殖され、次いで、骨形成が望ましい部位(例えば、骨折部位、部分的骨欠陥部位(例えば腫瘍切除後)または移植片(例えば人工関節構成成分)中への骨内植が望ましい部位など)の中に配置され得る。別の実施形態では、未分化NEDAPS細胞またはNEDAPS細胞から分化された内皮細胞は、培養物中で増殖され、次いで、血液供給不全を有する肢などの、血管形成が望ましい解剖的領域中に外科的に配置または注入され得る。別の実施形態では、NEDAPS細胞から分化した線維芽細胞は、培養物中で増殖され、次いで、例えば糖尿病性足部潰瘍などの治癒が遅い創傷を処置するために、軟部組織治癒が望ましい解剖的領域中に配置され得る。別の実施形態では、NEDAPS細胞から分化した造血細胞は、貧血を有する対象の血流中または骨髄中に注入され得る。次いで、注入された造血細胞は、対象のための血液細胞を生じ得る。
本開示のNEDAPS細胞は、例えば、米国特許第8,703,483号明細書(その内容が本明細書に参照によって組み込まれている)に報告された方法でNEDAPS細胞を使用することによって、医薬品および他の化学物質の毒性を評価するためにも使用され得る。
NEDAPS細胞およびそれから分化した細胞は、例えば、遺伝子治療における使用のために組換え型にされ得る。
対象への移植のために、NEDAPS細胞またはそれから分化した細胞の集団は、薬学的に許容される培地もしくは賦形剤または生体適合性かつ/もしくは生分解性の足場もしくはマトリックス中で製剤化され得る。
8.1.BMP2を使用したNEDAPS細胞の調製
材料および方法:10匹のマウスに麻酔をかけ(IACUC承認プロトコールの下で)、右坐骨神経を標準的方法を使用して露出させた。7匹の動物においては、50ナノグラムのBMP2を神経に直接配置した。3匹の対照動物においては、神経に薬剤を適用しなかった。
動物を12、24または48時間後に人道的に屠殺し、坐骨神経を再び露出させ、収集した。神経をホルムアルデヒド中で固定し、パラフィンに包埋し、標準的方法によって切片にした。
結果:未処置神経は、おそらくは外科的露出のためと考えられるいくらかの軽度の炎症性の所見を例外として、正常に見えた(図1Aを参照されたい)。
BMP2処置神経は、断片化され、崩されていることが見出された(図1を参照されたい)が、細胞の著しい増殖が神経内で注目された。処置神経は、切片化プロセス中またはその後に自発的に断片化することが注目された。BMP2で処置された神経は、異常であり、非常に脆弱であった。
8.2.IM注入BMP2を使用したNEDAPS細胞の調製
材料および方法:20匹のマウスに麻酔をかけ、50ngまたは100ngのBMP2を各マウスの右大腿屈筋中に経皮的に注入した(IM)。このマウスを24、48、または72時間で屠殺した。大腿屈筋を坐骨神経まで解剖せずに収集したが、収集した組織がこの神経の通常の解剖的部位を含有することに気をつけた。反対側の(未処置)大腿屈筋を4匹の動物から収集し、対照組織として利用した。
BMP2をIM注入によって投与したので、組織の収集および処理後に、注入部位が任意の所与の顕微鏡視野にどれだけ近いかを知ることは困難であった。切片を幹細胞マーカーのアレイおよび炎症マーカーのパネルに関して染色した。
結果:BMP2を注入された肢からの神経は、24時間の動物であっても崩されわずかに断片化されているように見えた(図2Bおよび2Dを参照されたい)。処置動物からの神経は、72時間までに著しい異常性を示した(図2Fを参照されたい)。72時間標本は、重度に異常な神経を示した。普遍的に、異常な神経は、4つ全てのESCマーカーOct4、Sox2、c−Myc、およびKlf4を発現する圧倒的多数の細胞を表していた。
神経内の細胞の頑強な増殖が24および48時間で一貫して見られ、大部分のこれらの増殖細胞は、4つ全てのESCマーカーに関して陽性に染色された(図2B、2D、2Fおよび2Gを参照されたい)。
8.3.NEDAPS細胞の調製、単離および培養
インビボでのNEDAPS細胞調製:動物についての活動は全てWichita State University Animal Care Facilityにおいて行い、これは、Wichita State University Institutional Animal Care and Use Committeeによって承認された。8から12週齢メスBALB/cマウスをThe Jackson Laboratory(Bar Harbor,ME)から購入し、研究における使用前に少なくとも1から6週間、施設に順応させた。外科的処置の日に、マウスに、予防的鎮痛のために外科的処置1時間前に皮下注射によって0.05mg/kgのブプレノルフィンを与えた。マウスに、ノーズコーンによって、1〜2%イソフルランを補充した90mg/kgケタミンおよび8mg/kgキシラジンの腹腔内注入によって麻酔をかけた。各動物の右足を剪毛し、外科手術領域をポビドンヨードおよびエタノールで消毒した。切り込みを大腿の外側面に作り、鈍的切開によって坐骨神経を露出させた。露出された神経の全長に沿って4つまたは5つの部位で1mmの幅でピンセットを使用してその本来の直径の約25%まで手動で神経を加圧するか、または10μlの無菌生理食塩水(INFUSE(登録商標) Bone Graft,Medtronic Spinal and Biologies,Memphis,TN)中の60ngのBMP2に晒した。各動物の切り込みを縫合して閉じ、動物をCO吸入による屠殺まで8、24、48、または72時間ケアした。組織学的分析、細胞培養またはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を使用した遺伝子発現に関するスクリーニングのために、屠殺後直ちに神経を収集した。
実験をマウス大腿後部の大腿屈筋塊へのBMP2の経皮注入を使用しても行った。上記のように同一の麻酔、鎮痛および安楽死を用いた。動物を注入後24、48、および72時間で屠殺した。死後直ちに、大腿屈筋塊を鋭的切開によって収集し、標本をホルマリン中で固定し、パラフィンに包埋し、切片にした。合計37匹のマウスを60ngのBMP2を含有する5μlの無菌生理食塩水(INFUSE(登録商標))のIM注入によって処置した。
NEDAPS細胞単離および培養:NEDAPS細胞をマウス坐骨神経から単離し、公開されたプロトコール(Wu et al., Biotechnology letters 2009; 31 :1703-1708)に改変を加えて培養した。簡潔に述べると、坐骨神経セグメントをPBS中で1mmの小片に刻み、600×gでの5分間の遠心分離によってペレット化した。次いで、この神経組織を、無菌DMEM中の0.2%(0.27U/ml)コラゲナーゼ(Worthington Biochemical Corp)0.5ml中で37℃で90分間インキュベートし、その後、撹拌しながら5分間、等体積の0.05%トリプシン−EDTA溶液を追加した。300μlの熱不活化ウシ胎仔血清(FBS)を混合物に加えて、酵素消化を停止した。100μmサイズのメッシュを通したろ過後、単離された細胞を600×gで10分間遠心分離した。細胞ペレットを再懸濁し、20%Knockout serum replacement(KSR,Gibco)、100μM MEM非必須アミノ酸溶液(Gibco)、1×GlutaMAX(商標)−I(Cat.no.35050−079,Gibco);55μM β−メルカプトエタノール(Gibco)、20ng/mlヒト白血病阻害因子(LIF,Gibco)、100U/mlペニシリン(Invitrogen,Grand Island,NY)、および100μg/mlストレプトマイシン(Invitrogen)を補充したDMEM(Gibco,Life Technologies)を入れた、6ウェル培養皿または4ウェルチャンバースライドに分配した。細胞を37℃、5%CO雰囲気で培養した。
NEDAPS細胞の特徴付け:NEDAPS細胞を特徴付けるために、一組のESCマーカー(Klf4、Sox2、Oct4、およびc−Myc)に対する二重染色を行った。簡潔に述べると、チャンバースライドにおいて増殖させた細胞を室温で30分間、4%パラホルムアルデヒドで固定し、PBSで3回洗浄し、3%正常ロバ血清および0.1%Triton X−100でブロッキングした。一次抗体は、ヤギ抗Klf4(R&D)、ヤギ抗Sox2(Santa Cruz Biotechnology)、ヤギおよびウサギ抗Oct4(Abcom)、ならびにウサギ抗c−Myc(Santa Cruz Biotechnology)を含む。使用した二次抗体は、Alexa 488とコンジュゲートしているロバ抗ヤギIgG、およびAlexa Fluor(登録商標) 594を有するロバ抗ウサギIgGであった(Life Technologies)。細胞を37℃で60分間、一次ヤギ抗体およびウサギ抗体の組(Klf−4+c−Myc、Sox2+c−Myc、Klf−4+Oct4、およびSox2+OCT4)で二重染色した。PBSでのリンス後、細胞を37℃で30分間、明瞭な蛍光波長を有する二次抗体(1:200)中でインキュベートし、DAPI Fluoromount G(SouthernBiotech)を有する切片(これも細胞核を対比染色した)上にカバーガラスをマウントした。染色された細胞をTCS SP5 II共焦点レーザー走査顕微鏡(Leica Microsystems)下で視認し、LAS Image Analysis optionalソフトウェアで画像を取得した。0.21μmのピクセルサイズで1024×1024ピクセルの走査モードフォーマットで光学的な単一切片を取得した。チャネル間のスペクトルクロストークを減少させるために多チャネル画像の自動化連続収集を取得して、二重染色シグナルの個々の画像をオーバーレイして、共局在化画像を作成した。
試験群間のKlf−4、c−Myc、Sox2、およびOct4の遺伝子発現プロファイルを以前詳述されたRT−PCR技法(Yang et al., J Bone Joint Surg Am. (2005) 87(5): 1088-97)を使用して決定した。簡潔に述べると、STAT−60(商標)(Tel−Test,Friendswood,TX)溶液中の細胞を5mlのDounceホモジナイザー中でホモジナイズし、全RNAをクロロホルム分離およびイソプロパノール沈殿によって単離した。0.5gの全RNAから、相補的DNA(cDNA)を、25℃で10分間、48℃で25分間、および95℃で5分間、Veriti 96−well Thermal Cycler(Applied Biosystems,Foster City,CA)上で、40μl PCR緩衝液(5.5mM MgCl、500μMの各デオキシヌクレオチド三リン酸、0.5U/μl RNase阻害剤、2.5μMランダムヘキサマー、および1.25U/μl逆転写酵素(Perkin−Elmer Cetus,Norwalk,CT)を含有する)中で逆転写した。SYBR Green PCR Master Mix(Applied Biosystems)、2μl cDNA、および400nM試験遺伝子プライマー対を含有するRT−PCR反応混合物を、、StepOnePlus(登録商標) Real−Time PCR System(Applied Biosystems)において40サイクルの間実行させた。蛍光シグナルを動的に記録した。各標的遺伝子に関するプライマー対をPrimer3プログラム(bioinfo.ut.ee/primer3−0.4.0/primer3)を使用して設計し、Sigma−Genosys(Woodlands,Texas)が構築した。プライマー配列を表1に示す。
結果:培養NEDAPS細胞は、図3〜9に示されたように、Klf4、Sox2、Oct4、およびc−Mycを発現した。細胞は、概して全く平らであり、ガラスまたはプラスチック基板上に広がることが観察され(図10を参照されたい)、これは、細胞が付着性であったことを示している。細胞は、培地を交換した時に「洗い落ち(rinse off)」せず、これも、細胞が基板に付着していたことを示している。細胞を新しいプレートに継代するには、それらをトリプシンに晒して剥離する必要があった。
8.4.骨原性および内皮性細胞分化(中胚葉細胞分化)
細胞培養:NEDAPS細胞を胚性幹細胞培地中で5日間培養した維持した後、細胞を分化のために実験した。骨芽細胞誘導のために、NEDAPS細胞を、DMEM/F12培地中の10mMβ−グリセロリン酸ナトリウム、50μg/mlアスコルビン酸および10nMデキサメタゾンを含み、加えて10%ウシ胎仔血清、100mg/mlストレプトマイシンおよび100U/mlペニシリンを含む骨原性培地で培養した。アルカリホスファターゼ染色およびI型コラーゲン染色を7日後に行って、骨芽細胞の構造特性および機能特性を識別した。内皮細胞分化へと方向づけられたNEDAPS細胞をフィブロネクチンでコーティングされたフラスコ(Sigma−Aldrich,US)上に蒔き、5%FBS、10ng/mlヒト上皮増殖因子(hEGF)、50ng/mlヒト血管内皮増殖因子(VEGF)、50ng/mlヒトインスリン様増殖因子−1(IGF−1)、1μg/mlヒドロコルチゾンならびに100U/mlペニシリン(Invitrogen,US)および100g/mlストレプトマイシン(Invitrogen,US)を含有する、EGM(商標)−2−MV SingleQuots(商標)を補充した内皮細胞基本培地−2(Lonza Walkersville,Inc.Walkersville,MD)中で培養した。
分化細胞の特徴付け:市販のアルカリホスファターゼ(ALP)染色キット(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)を、以前報告されているように、分化骨芽細胞におけるアルカリホスファターゼ活性の半定量的実証に使用した(Jiang et al., J Biomed Mater Res A (2013)101 :2817-2825)。簡潔に述べると、アルカリ−色素混合物を調製して、Fast Violet BカプセルおよびNaphthol AS_MX Alkaline Phosphateを蒸留水に溶解した。クエン酸緩衝アセトン中で30秒間固定した後、細胞を26℃で30分間、アルカリ−色素混合物中でインキュベートし、その後、Mayerのヘマトキシリン対比染色を1分間行った。得られた細胞質内の不溶性の赤色色素の散在性の沈着は、アルカリホスファターゼ活性を示している。併せてI型コラーゲンに関する免疫染色も行った。
骨芽マーカーオステオポンチン、I型コラーゲン、およびオステオカルシンに関する遺伝子発現プロファイル、ならびに内皮マーカーFlt−1およびFlk−1に関する遺伝子発現プロファイルを、実施例3に記載したRT−PCR技法を使用して決定した。使用したプライマーを表2に示す。
結果:骨原性培地において培養された細胞は、骨原性マーカーオステオポンチン、I型コラーゲン、およびオステオカルシンを発現し(図11を参照されたい)、アルカリホスファターゼおよびI型コラーゲンに関して陽性に染色された(図12〜13を参照されたい)。これらはNEDAPS細胞が骨芽細胞に分化したことを示している。内皮培地において培養された細胞は、小さい丸みを帯びた細胞体および複数の長く伸びた突起を有する、内皮細胞に典型的な形態を有し(図14を参照されたい)、内皮マーカーFlt−1およびFlk−1を発現した(図11を参照されたい)。
8.5.胚体内胚葉(Definitive Endoderm)(DE)誘導
細胞培養:NEDAPS細胞をGibco(Life Technologies)製の市販のキットを使用してDE系列に誘導した。簡潔に述べると、NEDAPS細胞をGibco(登録商標)Essential 8(商標)培地を有する12ウェルプレートにおいて37℃、5%COで培養した。第1日に、Essential 8(商標)培地を、24時間予熱したDE誘導培地Aと交換した。第2日に、DE誘導培地Aを完全に吸引し、予熱されたDE誘導培地Bと交換した。プレートを37℃で24時間インキュベートした。細胞の形態変化を倒立顕微鏡下でモニタリングした。
結果:DE誘導培地における培養後、増殖細胞は、誘導前のNEDAPS細胞とは形態的に著しく異なっていた。細胞は、より丸みを帯びて(すなわち、鱗片状がより少ない)、未分化NEDAPS細胞よりも大きな核を示した(図15を参照されたい)。これらは、NEDAPS細胞とはかけ離れた明らかな分化および内胚葉特徴の発達を示している。
8.6.神経幹細胞の分化(外胚葉細胞分化)
細胞培養:NEDAPS細胞を増殖させ、誘導して、神経幹細胞に分化させた。細胞の増殖のために、NEDAPS細胞を、NSC基本培地(Stemcell Technologies,カタログ番号05700)中の10%NeuroCult(商標)NSC Proliferation supplement(v/v)(Stemcell Technologies,カタログ番号05701)を含有するComplete NeuroCult(商標) NSC Proliferation Medium中で培養した。20ng/mlの最終濃度でrhEGFも培養物に含めた。30%細胞コンフルエンスに到達した時、培地を除去し、10%NeuroCult(商標)NSC differentiation supplement(Stemcell Technologies,カタログ番号05703)を含有するComplete NeuroCult(商標) NSC Differentiation Mediumと交換し、培養物を37℃で2日間インキュベートした。細胞の形態変化を倒立顕微鏡下でモニタリングした。
結果:分化培地における培養後、細胞は、分化前のNEDAPS細胞とは著しく異なる形態を有していた。細胞は、元のNEDAPS細胞の全体的に鱗片状の細胞形態とは著しく異なる、非常に伸長した細胞体を有していた(図16を参照されたい)。これらの伸長した細胞は、外胚葉に特徴的である、神経始原細胞の特色を示した。
8.7.NEDAPS細胞の一段階調製
材料および方法:マウス坐骨神経を外科的に露出させ、無菌技法を使用して回収した。身体から解剖して取り出す前に、神経に沿って1〜2秒間、緩やかな加圧を適用した。神経組織を1mmの小片に刻み、実施例3に記載されたようにコラゲナーゼおよびトリプシンで消化した。細胞を遠心分離によって収集し、実施例3に記載された幹細胞培地を入れた12ウェル培養プレートまたは8ウェルチャンバースライド中に入れた。24時間後に750ng/mlの最終濃度でBMP2を培地に加え、24時間培養し、その後、この培地を取り出し、実施例3に記載された幹細胞培地:20%Knockout serum replacement(KSR,Gibco)、100μM MEM可欠アミノ酸溶液(Gibco)、1×GlutaMAX(商標)−I(Cat.no.35050−079,Gibco);55μM β−メルカプトエタノール(Gibco)、20ng/mlヒト白血病阻害因子(LIF,Gibco)、100U/mlペニシリン(Invitrogen,Grand Island,NY)、および100μg/mlストレプトマイシン(Invitrogen)を補充したDMEM(Gibco,Life Technologies)と交換した。全ての段階において、細胞を5%CO雰囲気中で37℃で培養した。
細胞特徴付け:細胞をKlf4、Sox2、Oct4、およびc−Mycに関して染色した。
結果:この方法を使用して作製された細胞は、4つの胚性幹細胞マーカーKlf4、Sox2、Oct4、およびc−Mycを発現する(図17を参照されたい)。
9.特定の実施形態
本開示は、以下の特定の実施形態によって例証される。
1.末梢神経における幹細胞の調製を誘導するための方法であって、
対象を提供すること;
対象の選択された末梢神経を選択された期間、外因的刺激に晒すこと;
選択された期間後、刺激された末梢神経から幹細胞を収集すること;および
非分化培地においてインビトロで胚性幹細胞を培養すること
を含む方法。
2.幹細胞が全能性細胞、多能性細胞、多分化能細胞、オリゴポーテント細胞(oligopotent cell)、単能性細胞、およびその組合せからなる群から選択される、実施形態1に記載の方法。
3.外因的刺激が物理的傷害、機械的操作、撹乱、電気的刺激、またはサイトカインに晒すことの1つまたは複数である、実施形態1に記載の方法。
4.サイトカインがサイトカインの骨形態形成タンパク質(BMP)ファミリーのメンバーである、実施形態3に記載の方法。
5.サイトカインがBMP2である、実施形態4に記載の方法。
6.BMP2をin situで末梢神経に適用して、幹細胞の増殖を刺激すること;
末梢神経を外科的に切除すること、および
幹細胞の増殖を促進するために非分化培地においてインビトロで幹細胞を培養して、幹細胞の集団を作り出すこと
をさらに含む、実施形態5に記載の方法。
7.電気的刺激をin situで末梢神経に適用して、幹細胞の増殖を刺激すること;
末梢神経を外科的に切除すること、および
幹細胞の増殖を促進するために非分化培地においてインビトロで幹細胞を培養して、幹細胞の集団を作り出すこと
をさらに含む、実施形態3に記載の方法。
8.インビトロで幹細胞を1つまたは複数の分化因子に晒して、組織前駆細胞を形成するように幹細胞の分化を引き起こすこと
をさらに含む、実施形態1に記載の方法。
9.組織前駆細胞を対象の身体に再移植することをさらに含む、実施形態8に記載の方法。
10.対象が実施形態1に記載の末梢神経のドナーである、実施形態9に記載の方法。
11.対象から刺激された末梢神経を収集すること;および
培養を開始する前または後に神経を機械的に崩して、末梢神経からの胚性幹細胞の出現を促進すること
をさらに含む、実施形態1に記載の方法。
12.機械的に崩すことが、末梢神経の鞘を刻むことまたは分割することのうちの1つまたは複数を含む、実施形態11に記載の方法。
13.対象から刺激された末梢神経を収集すること;および
培養を開始する前または後に神経を酵素処理して、末梢神経からの幹細胞の出現を促進すること
をさらに含む、実施形態1に記載の方法。
14.酵素的に処置することがプロテアーゼでの処置を含む、実施形態13に記載の方法。
15.プロテアーゼがコラゲナーゼまたはマトリックスメタロプロテイナーゼのうちの少なくとも1つである、実施形態14に記載の方法。
16.対象から末梢神経の少なくとも一部を外科的に切除すること;
外科的に切除された末梢神経を選択された期間、外因的刺激に晒すること;
選択された期間後、刺激された末梢神経から胚性幹細胞を収集すること;および
非分化培地においてインビトロで胚性幹細胞を培養すること
をさらに含む、実施形態1に記載の方法。
様々な特定の実施形態が例証され、記載されたが、様々な変更が本開示の本質および範囲から逸脱することなく、行われ得ることが理解されよう。
10.参考文献の引用
本出願において引用された全ての刊行物、特許、特許出願および他の文書は、各個々の刊行物、特許、特許出願または他の文書が全ての目的のために参照によって組み込まれていると個々に示されている場合と同じ程度まで、全ての目的のためにその全体が参照によってここに組み込まれている。本明細書に組み込まれた参考文献の1つまたは複数の教示と本開示間に矛盾がある場合、本明細書の教示が意図されている。

Claims (19)

  1. Oct4、Sox2、c−Myc、およびKlf4の発現によって特徴付けられる哺乳動物神経由来成体多能性幹細胞(NEDAPS細胞)。
  2. 単離されている、請求項1に記載のNEDAPS細胞。
  3. 以下のうちの1つ、2つ、3つ、4つまたは全てによって特徴付けられる、請求項1または請求項2に記載のNEDAPS細胞:
    (a)中胚葉細胞型、任意選択で、間葉系細胞型に分化する能力;
    (b)内胚葉細胞型に分化する能力;
    (c)外胚葉細胞型、任意選択で、神経幹細胞に分化する能力;
    (d)運動性;および
    (e)培養におけるガラスまたはプラスチック基板への付着性。
  4. 前記間葉系細胞型が(a)骨芽細胞または(b)内皮細胞である、請求項3に記載のNEDAPS細胞。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のNEDAPS細胞の集団。
  6. 単離されており、任意選択で、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%均質である、請求項5に記載の集団。
  7. 請求項6に記載の集団を調製する方法であって、
    (a)エキソビボでNEDAPS細胞増殖条件に晒された末梢神経を培養すること;または
    (b)インビボで対象においてNEDAPS細胞増殖条件に晒された末梢神経からの細胞を培養すること、ならびに
    (i)任意選択で、培養する前に前記末梢神経を収集すること;および
    (ii)任意選択で、収集する前に前記末梢神経を前記NEDAPS細胞増殖条件に晒すこと
    を含む方法。
  8. 前記NEDAPS細胞増殖条件が、
    (a)前記末梢神経をBMP2に晒すこと;
    (b)前記末梢神経をBMP2以外の神経炎症剤に晒すこと;
    (c)外傷を前記末梢神経に与えること;
    (d)(a)〜(c)の2つの組合せ;または
    (e)(a)〜(c)の3つの組合せ
    を含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記NEDAPS細胞増殖条件が前記末梢神経をBMP2に晒すことを含み、
    (a)前記末梢神経がインビボで対象においてBMP2に晒され、任意選択で、
    (i)BMP2が、任意選択で10ng〜1ミリグラムにわたる量で、前記末梢神経に直接適用される;
    (ii)BMP2が、任意選択で10ng〜1ミリグラムにわたる量で、筋肉内注射を通して前記対象に投与される;もしくは
    (iii)前記対象がBMP2の局所的産生をもたらす条件に晒され、任意選択で、前記条件が骨折、鈍的傷害、熱傷害、または電気ショックを含む;または
    (b)前記末梢神経が、任意選択で5ng/ml〜1mg/mlにわたる濃度で、BMP2を含む培地において前記神経を培養することによってエキソビボでBMP2に晒される、
    請求項8に記載の方法。
  10. 前記NEDAPS細胞増殖条件が外傷を前記末梢神経に与えることを含み、任意選択で、前記外傷が機械的外傷、電気刺激、超音波衝撃波、または熱損傷である、請求項8に記載の方法。
  11. 前記NEDAPS細胞増殖条件が前記末梢神経をBMP2以外の神経炎症剤に晒すことを含み、任意選択で、前記神経炎症剤が腫瘍壊死因子α、インターロイキン−1β、神経成長因子、ヒスタミン、インターロイキン6、またはその組合せである、請求項8に記載の方法。
  12. 前記末梢神経が、前記末梢神経または前記末梢神経からの細胞を培養する前に、任意選択でプロテアーゼ(任意選択でコラゲナーゼまたはマトリックスメタロプロテアーゼ)による処置によって、崩されている、請求項7〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記末梢神経が腓腹神経、腓腹神経の枝、手指もしくは足指の固有指神経、閉鎖神経の薄筋枝、内側前腕皮神経のセグメント、外側前腕皮神経、近位第3趾間束神経、または後骨内神経であり、任意選択で前記神経が切断された肢からのものである、請求項7〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 分化細胞の集団を調製するための方法であって、請求項5から6のいずれか1項に記載の集団または請求項7〜13のいずれか1項に記載の方法によって調製された集団を分化条件に晒すことを含む方法。
  15. (a)前記分化細胞が中胚葉細胞であり、前記分化条件が中胚葉分化培地において前記集団を培養することを含む;
    (b)前記分化細胞が内胚葉細胞であり、前記分化条件が内胚葉分化培地において前記集団を培養することを含む;または
    (c)前記分化細胞が外胚葉細胞であり、前記分化条件が外胚葉分化培地において前記集団を培養することを含む、
    請求項14に記載の方法。
  16. (a)前記分化細胞が骨芽細胞であり、前記分化条件が骨原性分化培地において前記集団を培養することを含む;
    (b)前記分化細胞が内皮細胞であり、前記分化条件が内皮分化培地において前記集団を培養することを含む;または
    (c)前記分化細胞が神経幹細胞であり、前記分化条件が神経幹細胞分化培地において前記集団を培養することを含む、
    請求項14に記載の方法。
  17. 請求項14〜16のいずれか1項に記載の方法によって調製された分化細胞の集団。
  18. 組織再生を必要としている対象を処置する方法であって、前記対象に、前記組織再生に適した細胞の集団を移植することを含み、前記細胞の集団が、
    (a)請求項7〜16のいずれか1項に記載の方法によって調製され;または
    (b)請求項5〜6および17のいずれか1項に記載の細胞の集団であり、
    任意選択で、前記細胞の集団が前記対象にとって自家性である、方法。
  19. 遺伝子治療を必要としている対象を処置する方法であって、前記対象に、前記対象が必要としている遺伝子の導入によって組換え型にされた細胞の集団を移植することを含み、前記細胞の集団が、
    (a)請求項7〜16のいずれか1項に記載の方法によって調製され;または
    (b)請求項5〜6および17のいずれか1項に記載の細胞の集団であり、
    任意選択で、前記細胞の集団が前記対象にとって自家性である、方法。
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