改良された管腔内フィルタデバイス及び方法が臨床で必要とされている。改良された管腔内フィルタデバイスは、様々な管腔サイズにわたって効果的な濾過を提供し、管腔への展開及び管腔からの引戻し(retrieve)が容易である。さらに、改良された管腔内フィルタデバイスは、デバイスでの血栓症の発生又は組織内殖(tissue ingrowth)を最小限に抑え、管腔に沿った移動に対して耐性がある。本発明のフィルタデバイスのいくつかの実施形態は、改良された管腔内フィルタの特徴の多く、いくつかの場合には全てを提供し、限定はしないが、塞栓保護、血栓摘出、血管閉塞、及び繋留(tethered)又は非繋留遠位保護などの多くの用途を有する。
本発明のいくつかの実施形態は、耐久性があり、様々な内腔サイズにわたって効果的でありほぼ一定のフィルタ容量を提供し、デバイスのいずれかの端部を通して内腔への送達及び内腔からの除去を容易に行われる、改良された濾過デバイスを提供する。さらに、本発明のいくつかの実施形態は、最小侵襲性手術技法を使用して内腔へ送達することができ、内腔から引き戻すことができる。本発明の一実施形態の一態様は、形状記憶材料を使用する支持構造要素の構築である。形状記憶材料は、予め形作られた形状を有していてよく、この形状は、支持要素が均一に押潰し可能であることを保証し、展開時にフック又は鉤を使用せずに内腔壁に対して所定範囲の制御可能な力を提供する。代替として、フック、鉤、又は他の固定要素若しくはデバイスが、以下で述べるような濾過デバイスの一実施形態と共に使用されてもよい。
細長い支持構造要素は、血管壁との一定の並置を維持しながら、自然な血管運動と共に押し潰れ(collapse)及び伸張するように構成される。1つの帰結は、支持構造の形状及びサイズが血管の運動まで追跡することである。その結果、本発明のいくつかの実施形態のフィルタの密度及び容量は、血管サイズの変化から比較的独立したままである。さらに、支持構造の自己中心合わせ態様が、濾過デバイスが血管直径にわたって均一な濾過を提供することを保証する。したがって、本発明のいくつかの実施形態は、血管内腔全体にわたって、血管収縮及び伸張中に、デバイスの概して一定の濾過容量が維持されるようにする。
均一なフィルタ容量は、従来のデバイスに勝る大きな改良点である。従来のデバイスは、典型的には、内腔にわたって径方向で変化するフィルタ容量を有する。フィルタ容量の径方向変化は、従来の濾過要素が、内腔の周縁部では概してより広い間隔を有し、中心内腔軸に沿ってより狭い間隔を有することにより生じる。その結果、より大きい塞栓が、内腔周縁部に沿って逃げることがある。従来のデバイスでは、血管伸張及び収縮中、フィルタ容量の径方向変化が悪化される。
本発明のいくつかの実施形態の別の利点は、制約された状態(すなわち送達シース内部)から解放されるときに、デバイスが、細長い支持部材を有する所定の形状を取り、この細長い支持部材が、血管内でデバイスに沿って延在してデバイスを自己中心合わせすることである。これらの細長い支持部材は、血管壁に対して非外傷性の径方向の力を及ぼして、デバイス移動を防止するか、又は最小限に抑える。いくつかの実施形態では、細長い支持部材によって発生される径方向の力は、フック、鉤、又は他の固定デバイスと協働して作用して、デバイスを血管内部に留付ける(secure)。内腔にある間の濾過デバイスの移動のさらなる予防策として、フック、鉤、又は他の固定デバイス若しくは要素が使用されてもよい。デバイスの引戻しが開始されるとき、細長い支持部材の一様に押潰し可能な形状は、デバイスが再び被覆される(re-sheathed)ときに、細長い支持部材が血管壁から引き離されるようにする。血管壁から離れる細長い部材の運動が、血管壁からのデバイスの非外傷性の除去を容易にする。さらに、フック、鉤、又は他の固定デバイス若しくは要素を有するそれらの実施形態では、引戻し中の細長い部材の運動はまた、内腔壁からの固定要素の引出しも容易にする。
本発明のさらなる実施形態は、デバイスの一方又は両方の端部に引戻し機構を含むことがある。デバイスの両端部での引戻し機構の使用は、デバイスのいずれの端部からもデバイスの展開、再位置決め(repositioning)、及び除去が達成されるようにする。その結果、デバイスの両端での引戻し機構の使用は、順行性又は逆行性アプローチの両方を単一のデバイスを用いて使用できるようにする。引戻し機構は、別の構造部材と一体でもよく、又は別個のコンポーネントでもよい。いくつかの実施形態では、引戻し機構は、押潰し可能であり、湾曲形状又は概して正弦波形状を有していてよい。引戻し機構のさらなる態様を以下に述べる。
一般的な原理及び構築
図2Aは、管腔10内部に位置決めされた本発明の濾過デバイス100の一実施形態を示す。管腔10は切り欠かれており、管腔内部に展開されて管腔壁と接触しているフィルタ100の位置を示している。フィルタ100は、第1の細長い部材105及び第2の細長い部材110を含む。細長い部材は、接合されて、端部102、104を形成する。細長い部材は交差するが、交差点106では互いに接合されない。一実施形態では、細長い部材は、第1及び第2のセクションを有する。第1のセクションは、端部102と交差点106との間に延在し、第2のセクションは、交差点106から第2の端部104まで延在する。いくつかの実施形態は異なる方法で管腔に接触するが、図示される実施形態は、管腔内壁の一方の側に接する端部102、104を有し、一方、交差点106は、管腔内壁の他方の側に接触し、細長本体は、端部102、104の間で管腔内壁に沿って一定又はほぼ一定に並置する。
物質捕捉構造115の濾過サイズよりも大きいサイズの、管腔10を通って流れる物質(すなわち血栓及び血小板など)は、フィラメント118間に捕捉されるか、又はフィラメント118によって切断される。図2Aの例示的実施形態では、物質捕捉構造115は、端部102と交差点106との間に形成された細長い部材105、110によって形成された円形フレームによって支持される。また、交差点106と第2の端部104との間に形成された別の円形フレームを使用して、物質捕捉構造115と同じ又は異なる構築及びフィルタ容量の物質捕捉構造を支持することもできる。したがって、一方の円形フレームによって支持される物質除去構造は、第1のサイズの物質を除去するために構成されることがあり、他方の円形フレームによって支持される物質除去構造は、第2のサイズの物質を除去するために構成されることがある。一実施形態では、上流の円形フレームでの物質除去構造は、下流の円形フレームでの物質除去構造よりも大きいサイズのデブリを除去する。また、図2A〜2Cに、物質捕捉構造115を構成するフィルタセル119がそのサイズ及び形状を、血管直径の生理学的な範囲にわたって第1及び第2の構造部材105、110の動きから比較的独立して維持する様子が示されている。
図2B及び2Cは、本発明の実施形態の細長い支持構造要素が、血管壁との一定の並置を維持しながら、自然な血管の動きと共に押し潰れ及び伸張するように構成される様子を示す。また、図2A、2B、及び2Cは、本発明の実施形態によるデバイスが径方向でも軸方向でも弾性である様子を示す。血管サイズの変化に応答して、端部102、104は、血管サイズが減少するにつれて外へ動き(図2B)、次いで血管サイズが増加するにつれて中へ動く(図2C)。さらに、(端部102、104と接触する管腔壁から交差点まで測定された)デバイス高さ「h」も変化する。デバイス高さ「h」は、血管直径の変化に直接関係して変化する(すなわち、血管直径は、デバイス高さ「h」を増加させる)。したがって、図2Cでのデバイス高さ(「h」)は、図2Aでのデバイス高さ(「h」)よりも大きく、図2Aでのデバイス高さ(「h」)は、図2Bでのデバイス高さ(「h」)よりも大きい。
また、図2A、2B、及び2Cは、サイズを定められた単一のデバイスを使用して3つの異なる管腔直径に対処することができる様子を示す。図2Cは、大きな管腔を示し、図2Aは、中サイズの管腔を示し、図2Bは、小サイズの管腔を示す。これらの図が明らかにするように、1つのデバイスが、ある範囲の血管サイズに対処するように適合することができる。約12〜30mmの範囲に及び、20mmの平均内径を有するヒトの大静脈内径範囲を網羅するためには、3つのデバイスサイズがあればよいと考えられる。また、物質捕捉構造115の静的又はほぼ静的なフィルタ容量が示されている。異なる血管サイズそれぞれにおいて、物質捕捉構造115、フィラメント118、及びフィルタセル119は、細長本体によって形成された支持フレーム内部で同じ又はほぼ同じ形状及び向きを維持する。また、これらの図は、デバイスの動的な形状変化の態様を示し、これを使用して、血管の不規則性、蛇行、フレア、及びテーパに対処して合わせると共に、壁に対して並置した状態を保つこともできる。各細長本体は、互いに高い独立性で動くことがあるので、細長本体によって形成されるループ又は支持フレームも、独立して、それが配置される管腔セクションの形状/直径に合致することができる。
図3、3A、及び3Bは、管腔10内に展開されたデバイス100を示す。図3に示されるように、デバイス100は、管腔内で、血管内壁の一方の側に沿って端部102、104を有し、反対側に交差点106を有するように向きを定められる。図3は、管腔を拡張することなく管腔10内部に適合するように形作られた本発明のデバイスの一実施形態を示す。図3Aで、細長本体105、110は接触するが、交差点106で接合されない。図3Bで、細長本体105、110は、交差点106で互いに交差するが、離隔されている(すなわち、ギャップ「g」だけ)。
図4及び5は、デバイス設計の態様を修正して、管腔10の内壁に対して加えられる径方向の力を増加することができる様子を示す。血管閉塞や、多量のデブリが予期されるときの遠位保護のためなど、いくつかの用途では、より高い固定力を有するデバイスが有用であることがある。デバイスが引き戻されることを意図されていない(すなわち管腔内に永久的に設置される)場合、デバイスが所定位置に留まることを保証するために、高い径方向力の設計のデバイスが使用されることがあり、また、管腔での系統的応答(すなわち組織成長応答)をトリガして、管腔内壁へのデバイスの内殖及び組込みを保証するために、拡張が使用されることがある。
低い又は非外傷性の径方向の力を有する本発明のフィルタデバイス実施形態は、引戻し可能なデバイスに特に有用である。本明細書で使用するとき、「非外傷性の径方向の力」は、下記のうちの1つ又は複数を満たす濾過デバイス実施形態によって生成される径方向の力を表す:移動がほとんど又は全くなく、かつ管腔内壁に損傷を及ぼさず又は管腔内壁を過度に拡張せずに、デバイスを所定位置に保持するのに十分に高い径方向の力、デバイスを所定位置に保持するのに十分に高いが、血管壁に関する系統的応答をほとんど又は全くトリガしない径方向の力、又は、低減された系統的応答、若しくは従来のフィルタの系統的応答よりも低い系統的応答をトリガするデバイス操作によって生成される力。
血管拡張を最小限に抑えるために図3でサイズ設定されたデバイスとは対照的に、図4は、より大きい径方向の力を及ぼして、管腔壁をある程度拡張させるように構成されたデバイス100を示す。図4及び5は、端部102による管腔壁拡張(拡張10b)、交差点106による管腔壁拡張(拡張10a)、及び端部104による管腔壁拡張(拡張10c)を示す。これらの図には示されていないが、細長本体も、それらの長さに沿って管腔を拡張することがある。
デバイスの径方向の力は、いくつかの設計因子を使用して増加されることがある。径方向の力は、例えばより大きい直径を有する細長本体を使用することによって、細長本体の剛性を高めることによって増加されることがある。また、径方向の力は、細長本体の形状を形成するとき(すなわち、ニチノールデバイスなどに関する熱処理/設定プロセス中)、及び材料組成及び構成時に増加されることもある。
支持部材105、110の一実施形態のさらなる詳細は、図6A、6B、及び6Cを参照して理解することができる。図6A、6Bは、支持部材を別個に示し、次いで、デバイス軸121周りで一体に組み立てられる(図6C)。一般に、デバイス軸121は、デバイスが中に展開される管腔の中心に沿った軸と同じである。例示の目的で、概して円筒形状を有する想像線で示される区分化された管腔を参照して、支持部材105、110を述べる。支持部材は、想像円筒形内部で展開される、及び/又は想像円筒形の表面に沿って延在すると考えられることもある。
図6A、6B、及び6Cの例示的実施形態では、支持部材105、110は、伸張した所定の形状で示されている。一実施形態では、支持部材は、MRI適合性材料から形成される。支持部材は、応力上昇部を生み出すような鋭利な屈曲部又は角度を含まない。応力上昇部は、疲労の問題や血管侵食をもたらすことがあり、デバイスの押潰れを容易にもたらすことがある。いくつかの実施形態では、各細長い部材は、形状記憶金属合金又は形状記憶ポリマーなどの形状記憶材料を円筒形の整形マンドレルに制約することによって従来的に形成される。マンドレルは、ピンを含んで、材料を所望の形状に制約する。その後、形状を設定するのに適した従来の熱処理プロセスを材料に施すことができる。例えば単一のマンドレルに同時に両方の細長い部材を形成することによって、1つ又は複数の対称面(すなわち、図15)が提供されることがある。対称的な濾過デバイスの実施形態を形成するために他の従来の加工技法が使用されることもある。さらに、(もしあれば)本明細書で述べる引戻し機構が、支持部材の加工中にワイヤ端部に直接形成されることもある。さらに、これらの方法を使用して、長いマンドレルで一列に、複数のデバイスを形成することができる。
適切な形状記憶合金材料の例は、例えば、銅−亜鉛−アルミニウム、銅−アルミニウム−ニッケル、及びニッケル−チタン(NiTi又はニチノール)合金を含む。ニチノール支持構造は、本発明のフィルタデバイスの多くの作業プロトタイプを構築するために使用されており、また進行中の動物実験及びヒトインプラントにおいて使用されている。また、形状記憶ポリマーが、本発明のフィルタデバイス実施形態のコンポーネントを形成するために使用されることもある。一般に、1つの成分、オリゴ(e−カプロラクトン)ジメタクリレートが、結晶化可能な「スイッチング」セグメントを提供し、このセグメントが、ポリマーの一時的な形状と永久的な形状との両方を決定する。ポリマー網目構造中のコモノマーであるn−ブチルアクリレートの量を変えることによって、架橋密度を調節することができる。このようにして、ポリマーの機械的強度及び遷移温度を広い範囲にわたって調整することができる。形状記憶ポリマーのさらなる詳細は、米国特許第6,388,043号に記載されており、その特許文献の全体を本明細書に参照援用する。さらに、形状記憶ポリマーは、分解するように設計することもできる。生分解性の形状記憶ポリマーは、米国特許第6,160,084号に記載されており、その特許文献の全体を本明細書に参照援用する。
生分解性ポリマーも、本発明のフィルタデバイス実施形態のコンポーネントを形成するのに適していることがあると考えられる。例えば、生分解性ポリマーであるポリラクチド(PLA)は、例えば、組織ねじ、鋲、及び縫合糸アンカー(suture anchors)を含む多くの医療デバイス用途、並びに半月板及び軟骨修復のためのシステムで使用されている。ポリラクチド(PLA)、ポリグリコリド(PGA)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)、ポリ(e−カプロラクトン)、ポリジオキサノン、ポリ無水物、トリメチレンカーボネート、ポリ(β−ハイドロキシブチレート)、ポリ(g−エチルグルタメート)、ポリ(DTHイミノカーボネート)、ポリ(ビスフェノールAイミノカーボネート)、ポリ(オルトエステル)、ポリシアノアクリレート、ポリホスファゼンを含めた様々な合成生分解性ポリマーが利用可能である。さらに、変性多糖類(セルロース、キチン、デキストラン)又は変性タンパク質(フィブリン、カゼイン)などの天然源に由来する多くの生分解性ポリマーが利用可能である。商業用途で最も広く使用される化合物は、PGA及びPLA、さらに、PLGA、ポリ(e−カプロラクトン)、ポリジオキサノン、トリメチレンカーボネート、及びポリ無水物を含む。
支持構造を形成するものとして述べてきたが、フィルタデバイスの他の部分が形状記憶合金、形状記憶ポリマー、又は生分解性ポリマーから形成されてもよいことを理解されたい。形状記憶合金、形状記憶ポリマー、又は生分解性ポリマーからやはり形成されることがある他のフィルタデバイスコンポーネントは、例えば、引戻し機構、物質捕捉構造、又は物質捕捉構造と支持構造との間の取付部の全体又は一部を含む。追加として又は代替として、本明細書で述べるデバイスは、それらのコンポーネントの全体又は一部が医療グレードのステンレス鋼から形成されることがある。
図6Aは、端部102から端部104に、管腔内壁(区分化された想像線)及びデバイス軸121周りで時計回りに沿って延びる第1の支持部材105を示す。支持部材105は、6時の位置でのセクション1での端部102から、セクション2での9時の位置、セクション3での12時の位置、セクション4での3時の位置を通って、セクション5での6時の位置での端部104まで延びる。支持部材105は、変曲点124の各側にある2つのセクション120、122を有する。変曲点124は、セクション3内のほぼ12時の位置に位置決めされる。セクション120、122の曲率半径は同じでも異なっていてもよい。支持部材105の断面形状は概して円形であるが、代替実施形態では1つ又は複数の異なる断面形状を有することもある。
図6Bは、端部102’から端部104’に、管腔内壁(区分化された想像線)及びデバイス軸121周りで反時計回りに沿って延びる第2の支持部材110を示す。支持部材110は、6時の位置でのセクション1での端部102’から、セクション2での3時の位置、セクション3での12時の位置、セクション4での9時の位置を通って、セクション5での6時の位置での端部104’まで延びる。支持部材110は、変曲点134の各側にある2つのセクション130、132を有する。変曲点134は、セクション3内のほぼ12時の位置に位置決めされる。セクション120、122の曲率半径は同じでも異なっていてもよい。支持部材105の断面形状は概して円形であるが、代替実施形態では1つ又は複数の異なる断面形状を有することもある。
図6Cは、交差点106と、端部で一体に接合された第1と第2の支持部材105、110とを示す。第1のセクション120、130が円形フレーム126を形成する。角度βは、端部102に接触する管腔壁の一部と、フレーム126を含む平面とによって成され、端部102での細長い部材に関する射出角(take off angle)と呼ばれる。1つの代替形態では、角度βは、端部102に接触する管腔壁の一部と、1つ又は両方のセクション120、130の全体又は一部を含む平面とによって形成される。さらに別の代替形態では、角度βは、端部102に接触する管腔壁の一部と、端部102の全体又は一部、及び交差点106の全体又は一部を含む平面とによって成される。上で論じたように、端部104では別の角度βが成されるが、端部104の文脈では、図7A〜7Cに示されるように、端部104に接触する管腔壁の一部、セクション122、132、及び円形フレーム128である。支持フレーム126、128によって成される角度は、いくつかの実施形態では、概して20度〜160度の間の範囲内であり、いくつかの他の実施形態では、概して45度〜120度の間の範囲内である。
図7Aは、図6Bでのセクション130の側面図であり、図7Bは、図6Bの上面図であり、図7Cは、図6Bでのセクション132の側面図である。角度βは、いくつかの実施形態では、概して20度〜160度の間の範囲内であり、いくつかの他の実施形態では、概して45度〜120度の間の範囲内である。角度αは、セクション120の一部と、セクション130の一部と、端部102とによって成される。代替として、角度αは、端部102と、セクション120、130の一部によって成される接線とによって成される。上で論じたように、端部104では別の角度αが成されるが、端部104の文脈では、端部104に接触する管腔壁の一部、及びセクション122、132である。角度αは、いくつかの実施形態では、概して40度〜170度の間の範囲内であり、いくつかの他の実施形態では、概して70度〜140度の間の範囲内である。
図7Dは、図6Cの上面図を示す。角度σは、一方の側の変曲点124と端部102との間のセクション120の一部と、他方の側の変曲点134と端部102’との間のセクション130の一部との、間の角度として定義される。角度σは、一方の側の変曲点124と端部104との間のセクション122の一部と、他方の側の変曲点134と端部104’との間のセクション132の一部との、間の角度としても定義される。セクション120、130によって定義される角度σは、セクション122、132によって形成される角度σと同じでも、それよりも大きくても、又は小さくてもよい。角度σは、いくつかの実施形態では、概して10度〜180度の間の範囲内であり、いくつかの他の実施形態では、概して45度〜160度の間の範囲内である。
図7Eは、端部102から取られた図6Cの端面図を示す。角度θは、セクション120の一部に正接する平面と、やはりデバイス軸121に概して平行な端部102を含む平面との間の角度として定義される。角度θは、セクション130の一部に正接する平面と、やはりデバイス軸121に概して平行な端部102を含む平面との間の角度としても定義されることがある。セクション120によって定義される角度θは、セクション130によって形成される角度θと同じでも、それよりも大きくても、又は小さくてもよい。同様に、角度θは、上で論じられたように、セクション122又は132の一部に正接する平面と、やはりデバイス軸121に概して平行な端部102を含む平面との間の角度とを使用して定義されることがある。角度θは、いくつかの実施形態では、概して5度〜70度の間の範囲内であり、いくつかの他の実施形態では、概して20度〜55度の間の範囲内である。
図7F及び7Gは、図6Cに示されるデバイスの代替実施形態の斜視図である。図7F及び7Gに示される実施形態では、支持部材110は、下に交差し、交差点106で支持部材105と接触しない。図7Gには、支持部材間のギャップ「g」も示されている。
図8Aは、概して円形の断面を有する細長本体105を示す。しかし、長方形の細長本体105a(図8B)、丸みのある縁部を有する長方形の細長本体(図示せず)、楕円形の細長本体105b(図8C)、及び平坦化された縁部を有する細長本体105c(図8D)など、多くの他の断面形状が可能であり、使用されてよい。いくつかの実施形態では、細長本体は、その長さに沿って同じ断面を有する。他の実施形態では、細長本体は、その長さに沿って異なる断面を有する。別の実施形態では、細長本体はいくつかのセグメントを有し、各セグメントが断面形状を有する。セグメント断面形状は、同じでも異なっていてもよい。細長い部材の断面形状は、細長い部材に沿って所望の径方向の力を得るために使用される因子である。細長本体を形成するために使用される材料(すなわち、ニチノールなど生体適合性の金属合金)は、所望の断面形状を有するように引延ばされることがあり、又はある断面形状に引延ばされ、次いで研磨及びレーザ切断など従来の技法を使用して処理され、所望の断面形状が得られることもある。
図9A、9Bは、支持部材によって形成される概して平面状の円形フレーム126にわたって広げられる物質捕捉構造115の一実施形態を示す。図9Aは、デバイスの側面図をわずかに斜めから見た図である。この実施形態では、支持部材のセクション120、130は、円形フレーム126も保持する単一の平面内にほぼ位置する(すなわち、図9Aの側面図では、セクション110が見え、セクション120を見えなくしている)。図9Bは、円形フレーム126にわたって広げられ、円形フレーム126に取り付けられた物質捕捉構造115を示す斜視図である。この実施形態では、捕捉構造115は、第1のセクション120、130にわたって延在し、第1のセクション120、130に取り付けられる。この実施形態では、物質捕捉構造は、交差するフィラメント118によって形成される複数の概して長方形のフィルタセル119である。他のタイプのフィルタ構造を以下により詳細に述べる。これらのフィルタ構造は、構造部材によって形成された支持フレームによって支持されてもよい。図9A及び9Bなどいくつかの実施形態では、角度βは、デバイス軸と物質捕捉構造を含む平面との間の角度を定義することもある。
フレーム126及び物質捕捉構造115は、平面状の構成に限定されない。図10A及び10Bに示されるように、例えば非平面状の合成構成も可能である。図10Aは、変曲点134と端部102との間に別の変曲点134’を有する非平面状の構造的支持体110’の側面図である。構造的支持体110’は、端部102と交差点106との間で複数の異なる曲率半径を有する。いくつかの実施形態では、端部102と変曲点134’との間に複数の曲率半径があり得て、さらに変曲点134’と変曲点134との間に複数の曲率半径があり得る。その結果、セクション130’は、場合によっては異なる形状、複数の異なる曲率、及び少なくとも1つの変曲点を有するセクションである。図10Bに示されるように、支持構造105’も非平面状であり、端部102と変曲点124との間の複数の異なる曲率半径を有する。いくつかの実施形態では、端部102と変曲点124’との間に複数の曲率半径があり得て、さらに変曲点124’と変曲点124との間に複数の曲率半径があり得る。その結果、セクション120’は、異なる形状、複数の異なる曲率、及び1つ又は複数の変曲点を有するセクションである。同様の非平面状の構成が、端部104で使用されることもある。物質捕捉構造115’は、非平面状のフレーム126’の形状に合うように適合されて、非平面状のフィルタ支持構造を作り出す。
図11は、支持部材105、110の対向する部分の間で概して平面状の配列である物質捕捉構造115を示す。上の図10Bに加えて、支持フレームが概して平面状である場合でさえ、他の代替の非平面状の捕捉構造が可能である。図12Aは、支持部材105、110によって形成される概して平面状の支持フレーム内部の非平面状の捕捉構造245の斜視図である。捕捉構造245は、撚り糸、ファイバ、フィラメント、又は他の適切な細長い材料218を交差させてフィルタセル219を形成することによって形成される。捕捉構造245は、支持フレームの寸法よりもわずかに大きく、図12Bに示されるような支持構造によって形成される平面から外側へ変形されたフィルタ構造を結果としてもたらす。
物質捕捉構造115は、多くの異なる位置及び向きの任意のものでよい。図13Aは、支持部材105、110によって形成された2つの開ループ支持フレームを有する本発明のフィルタの一実施形態を示す。管腔10内の流れが、矢印によって示されている。この実施形態では、物質捕捉構造115は、上流の開ループ支持構造内に配置される。対照的に、物質捕捉構造は、下流の開ループ支持構造内に位置決めされることもある(図13B)。別の代替構成では、上流と下流の支持フレームの両方が、物質捕捉構造115を含む。また、図13Cは、デバイスでのあらゆる支持ループ内に物質捕捉構造が配置される実施形態を示す。
捕捉構造を備えた支持フレームを、捕捉構造を備えない支持フレームと同数有するフィルタデバイス実施形態がある(例えば、図13A及び13B)。捕捉構造を備えない支持フレームを、捕捉構造を備えた支持フレームよりも多く有する他の実施形態もある。図14は、捕捉構造を備えない支持フレームを、捕捉構造を備えた支持フレームよりも多く有するフィルタ実施形態190を示す。フィルタデバイス190は2つの支持部材105、110を有し、これらの支持部材105、110は、互いに隣接して位置決めされて複数の支持フレームを形成し、これらの支持フレームは、管腔10内の流れに対して提示される。代替として、複数の支持フレームが、デバイス190又は管腔10の流れ軸を横切る物質捕捉構造を支持するために位置決めされる。支持部材は、端部192で一体に接合され、端部194で接合される前に2つの変曲点を有する。支持部材105、110は、交差点106及び196で互いに重なって交差する。支持フレーム191は、端部192と交差点106との間にある。支持フレーム193は、交差点106、196の間にある。支持フレーム195は、交差点196と端部194との間にある。
さらに、フィルタデバイス190は、各端部に引戻し機構140を有する。引戻し機構140は、非外傷性の先端部又はボール142で終端する湾曲セクション141を有する。引戻し機構140は、管腔壁から上に立ち上がり、ボール142と湾曲セクション141の全体又は一部とを管腔流路内に配置して、引戻し又は再位置決めのためにデバイス190をスネアリングする(snaring)プロセスを単純化する。デバイスの各端部に引戻し機構を有することは、管腔10内のデバイスへの上流又は下流からのアプローチでデバイス190を回収することを可能にする。本発明の引戻し機構実施形態の様々な態様を、以下により詳細に述べる。
図14Aは、7つのセクションを有する想像円筒体に設けられフィルタ190を示す。見やすくするために、引戻し機構140は省かれている。第1の支持部材105は、デバイス121の軸周りで及び軸に沿って、端部192から時計回りに延在する。第1の支持部材105は、セクション2に9時の位置で交差し、セクション3及び交差点106に12時の位置で交差し、セクション4に3時の位置で交差し、セクション5及び交差点196に6時の位置で交差し、セクション6に9時の位置で交差し、セクション7及び端部194に12時の位置で交差する。第2の支持部材110は、セクション2に3時の位置で交差し、セクション3及び交差点106に12時の位置で交差し、セクション4に9時の位置で交差し、セクション5及び交差点196に6時の位置で交差し、セクション6に3時の位置で交差し、セクション7及び端部194に12時の位置で交差する。図14Bは、デバイス190と同様の代替デバイス実施形態190aを示すが、細長い部材によって形成された全ての支持フレームが物質捕捉構造を支持するために使用される点が異なる。例示的実施形態では、フレーム191、193、及び195はそれぞれ、物質捕捉構造115を支持する。
図14Cは、フィルタ190の代替構成を示す。フィルタデバイス190bは、デバイス190及び190aと同様であり、支持部材105に沿って延在するさらなる支持部材198を含む。一実施形態では、さらなる支持部材198は、デバイス軸121に沿って延在し、第1と第2の支持部材105、110の間に位置決めされ、第1の端部192及び第2の端部194に取り付けられる。例示的実施形態では、第3の支持部材198が、端部192でセクション1での6時の位置で始まり、セクション3及び交差点106に12時の位置で交差し、セクション5及び交差点196に6時の位置で交差し、端部194でセクション7での12時の位置で終了する。
図15は、本発明のいくつかのフィルタデバイス実施形態で見られる対称面を示す。見やすくするために、支持フレームの1つ又は複数によって支持される濾過構造は省略されている。一態様では、図15は、平面182に関して概して対称的な支持構造を有する本発明の管腔内フィルタの一実施形態を示し、平面182は、フィルタ又はフィルタ軸121の流れ方向に直交し、支持構造105、110の2つの構造要素間の交差点106を含む。別の態様では、図15は、平面184に関して概して対称的な支持構造を有する本発明の管腔内フィルタの一実施形態を示し、平面184は、フィルタの流れ方向(すなわち軸121)に平行であり、支持構造102、104の両端を含む。本発明のいくつかのフィルタデバイス実施形態は、上述した対称属性の一方又は両方を有していてよいことを理解されたい。上述した対称属性は、単独での、又はフィルタ内に設置された物質捕捉構造の実施形態の構築にも適用可能であることを理解されたい。
図16A及び16Bは、凝血物質99が物質捕捉構造115に接触したことに応答するフィルタデバイス200の応答を示す。管腔10内での凝血物質99の流れ及び運動の方向は、矢印によって示されている。フィルタデバイス200は、図6A〜7Gに関して上述した実施形態と同様であるが、端部102、104に追加された引戻し機構240の追加を伴う。引戻し機構240は、非外傷性の端部242で終端する複数の湾曲141を有する湾曲セクションを有する。複数の湾曲部141は、有利には、引戻しデバイスの周りで押し潰れるように構成されて(すなわち図71A、71Bでのスネア)、引戻し中のデバイス100の捕捉を容易にする。この例示的実施形態では、複数の湾曲は、概して正弦曲線のような形状にされ、端部242は、ボール又は丸みの付いた先端部のような形状にされる。
塞栓捕集後、凝血物質99に作用する力の流動的な流れが、捕捉構造115から、捕捉構造115を留付ける支持フレーム126に伝達されると考えられる。支持フレーム126、さらには支持部材105、110に作用する力は、端部104を管腔壁内に付勢する。この作用は、第2の支持フレーム128を効果的に固定する。支持フレーム126に作用する力は、支持フレーム126に関連付けられる角度βを増加させて、支持フレーム126が管腔壁内にさらに楔入するようにする。
図17、18、及び19は、異なるサイズであり、管腔壁と接触しないことがある支持構造を有する様々な代替のフィルタデバイス実施形態を示す。図17は、本発明の一実施形態によるフィルタデバイス300の斜視図を示す。この実施形態では、細長い部材305、310は、端部302、304で接合されて、端部302、セクション301、303、及び交差点306からフレーム309を形成し、端部304、セクション307、308、及び交差点306からフレーム311を形成する。フレーム309は、本発明による物質捕捉の別の実施形態を支持する。例示される物質捕捉構造312は、複数のフィルタセル315を形成するために接合された(314)、複数の撚り糸313を含む。撚り糸313は、以下に述べるプロセスを使用して接合されることがあり(例えば図53A〜53D)、又は素材から所望の形状及びサイズのフィルタセル315を押出成形すること(extruding)によって形成されることもある(例えば図56)。
図17は、フレーム311を形成する細長い部材が、フレーム309の変化に応答してフレーム311のサイズ及び形状を伸張し及び収縮するように構成されるので、いわゆるキャパシタ設計を示す。この設計の特徴は、本発明の実施形態が、大きな範囲のサイズ及び直径の変化に対処できるようにする。図18は、交差する撚り糸352によって形成されたフィルタセル354を有する捕捉構造350を有するフィルタデバイス300の一実施形態を示す。図18は、(矢印によって示される)フレーム309の内方向への動きが、フレーム308での(矢印によって示される)外方向への動きに対応する様子を示す。
図19は、第2のフレームが閉じていない代替のフィルタデバイス実施形態を示す。フィルタデバイス340は、物質捕捉デバイス115を支持するために丸みの付いた支持フレーム344を形成する支持部材341、343を含む。支持部材341、343は、交差点342を越えてある距離にわたって延在するが、別の端部を形成するように接合されない。支持部材343の一部346が、交差点342を越えて延在するものとして示されている。支持部材341、343は、交差点342の後にデバイス軸に沿ってある距離にわたって延在することがあり、フレーム309での支持部材の形状と同じ又は異なる形状に従うことがある。支持部材は、前述した2ループの実施形態と同様にデバイス軸に沿って延在するが、第2の端部で接合されずに終端する(例えば図87)。
本発明のフィルタデバイスの端部は、いくつかの方法で形成されることがある。支持構造105、110の一部が、参照番号180のように互いに巻き付けられることがある(図20)。例示的実施形態では、巻き付けられた部分180は、端部102を形成するために使用される。別の代替形態では、濾過デバイスは、単一の支持部材105から形成され、支持部材105はそれ自体にループして戻る。図21の例示的実施形態では、支持部材105は、ループ181として形成されて、端部102を形成する。ループ181に対する代替形態では、ループは、複数の起伏を含むことがあり(すなわち図22でのループ181a)、又はフィルタデバイスの引戻し機構又は他のコンポーネントの形状に形成されることがある。さらなる別の代替形態では、構造部材を一体にクランプし、接合し、又は他の方法で結合するためにカバーが使用される。図23の例示的な例では、部材105、110を一体に接合するために概して円筒形のカバー183が使用される。カバー183は、接着、溶接、及び圧着など、支持部材を一体に留付けるための任意の従来の接合法を使用することがある。代替のテーパ付きカバー185が、図24の実施形態で示されている。テーパ付きカバー185は、円筒形状及びテーパ付き端部186を有する。テーパ付きカバー185を有する端部の周りのテーパ付き端部186は、デバイスの展開及び引戻しを容易にする。一実施形態では、カバー185は、構造部材及び/又は引戻し機構と同じ材料から形成される。
いくつかの実施形態では、円筒形カバー183又はクリンプは、図23x1〜23x4に示されるように、向上されたエコー源性特性を提供するように修正されることがある。図23x1は、カバー又はクリンプのエコー源性特性を向上させるために表面処理を有するカバー又はクリンプの斜視図である。この例示的実施形態では、表面は、レーザドリル穴を含む。図23x2は、カバー又はクリンプのエコー源性特性を向上させるために表面処理を有するカバー又はクリンプの斜視図である。この例示的実施形態では、表面は、持ち上げられた窪み又は隆起部又は稜部を含む。図23x3は、カバー又はクリンプのエコー源性特性を向上させるために表面処理を有するカバー又はクリンプの斜視図である。この例示的実施形態では、表面は、ゴルフボールの表面と同様の凹形の窪みを含む。図23x4は、カバー又はクリンプのエコー源性特性を向上させるために表面処理を有するカバー又はクリンプの斜視図である。この例示的実施形態では、表面は、図23に示される凹みと同様のパターンで複数の凹みを含む。
図2A〜19に関して上述したフィルタ実施形態の様々な態様は、向上されたエコー源性特性、特徴、又は機構を有するフィルタとなるように修正される、又はそのようなフィルタと共に使用されることがある。このフィルタ実施形態は、下記のうち1つ又は複数を含む向上されたエコー源性特性を有するように修正されることがある:(a)コンポーネントのエコー源性特性を向上させるための、フィルタの1つ又は複数のコンポーネントの修正、(b)血管内超音波システムと共に使用するのに適したサイズ、形状、向き、及びパターンにスケール調整された(scaled)、コンポーネントの表面への十分な数の窪みの形成、(c)フィルタ表面に形成、配置、又は接合された突起、(d)例えば化学的プロセス、レーザ、又はビードブラスト技法を使用した、フィルタの1つ又は複数の表面の粗面化(roughening)、並びに(e)フィルタ製造技法の1つ又は複数のステップを変えて、キャビティ、空隙、又はポケットを導入して、1つ又は複数の音響反射特性を局所的に修正又は適合して、フィルタの1つ又は複数の特定の領域でのエコー輝度を改良すること。他の態様では、図2A〜19に図示して説明するフィルタが、図127〜135に従って、又はシステムと共に、又は図136A〜138Bでさらに述べられるように修正されることがある。
本発明のいくつかのフィルタデバイス実施形態は、1つ又は複数の引戻し機構を含むことがあり、展開されたフィルタデバイスを再捕捉して部分的に又は全部回収するのを支援する。引戻し機構は、特定のフィルタデバイス設計に応じて、デバイスでの多くの位置のうちの任意の位置に配置されることがある。一実施形態では、引戻しデバイスは、デバイスの回収を容易にするように位置決めされるだけではなく、さらに、引戻しデバイスを引っ張ることが実際にデバイスの除去を容易にするようにデバイスに取り付けられる。一実施形態では、引戻しデバイスの引張りは、管腔壁から離れるように構造部材を引っ張る。展開及び再捕捉の間の引戻し機構の協働操作のこれら及び他の態様を、図72A〜73Dに関して以下に述べる。
本発明の引戻しデバイスのいくつかの代替実施形態が、図25〜27Cに示されている。図25は、端部に形成された簡素な湾曲部241を有する引戻しデバイス240を示す。図26は、図25での湾曲部241よりも鋭い曲率半径を有する湾曲部244を有する引戻しデバイス240を示す。図27Aは、非外傷性の端部142を有する湾曲セクション141を有する引戻し機構140を示す。例示的実施形態では、非外傷性の端部142は、湾曲部141の端部に追加されることがある、又は機構140を形成するために使用される部材の端部に形成されることがあるボールである。ボール142は、湾曲セクション141の端部をレーザにさらして、端部を溶融してボールにすることによって形成されることがある。図27Bは、複数の湾曲セクション241を有する引戻し機構を示す。一実施形態では、湾曲セクション241は、概して正弦波の形状を有する。別の実施形態では、湾曲セクション241は、スネアなどの引戻しデバイス(すなわち、図71、71B)によって引っ張られたときに押し潰れるように構成される。図27Cは、複数の湾曲セクション241と、端部に形成されたボール142とを有する引戻し機構240を示す。さらなる実施形態では、本発明の引戻し機構は、マーカ又は他の特徴部を含むことがあり、医療撮像を使用してフィルタデバイスの可視性又は画像品質を高める助けをする。図27Cの例示的実施形態では、放射線不透過性マーカ248が、湾曲セクション241に配置される。マーカ248は、白金、タンタル、又は金など、任意の適切な材料から形成されることがある。
図27Cx1、27Cx1a、27Cx1b、及び27Cx2に示されるように、引戻し機構及びボール先端部は、本明細書で述べるような向上されたエコー源性特性のために修正されることがある。
図27Cx1は、本明細書で述べるような向上されたエコー源性特性のために修正されたマーカバンド248x及びボール先端部142xの等角図である。図27CX1aは、図27CX1のエコー源性向上型ボール先端部142xの拡大図である。エコー源性向上型ボール先端部142xは、本明細書で述べるエコー源性特徴部の任意のものを有することがある。例示的実施形態では、エコー源性特徴部は、複数の窪みである。図27CX1bは、図27CX1のエコー源性向上型マーカバンド248xの拡大図である。エコー源性向上型マーカバンド248xは、本明細書で述べるエコー源性特徴部の任意のものを有することがある。例示的実施形態では、マーカバンド248xは、放射線不透過性材料、及びここでは複数の穴パターンとして示される複数のエコー源性特徴部から形成される。示される穴パターンは、マーカバンドに配置された、正方形、三角形、円形、長方形など複数の異なる形状の窪みを含む。代表的な放射線不透過性材料は、例えば、PtIr及びAuを含む。
図27CX2は、本明細書で述べるような向上されたエコー源性特性のために修正された引戻し尾部の等角図を示す。引戻し尾部240xは、本明細書で述べる設計の任意のものでよい。例示的実施形態では、コイルラップ又はコイル巻きが、引戻し尾部の周りに配置される。コイルラップは、金属又はエコー源性ポリマーを含むことがある。エコー源性引戻し尾部240xは、引戻しボール142又はエコー源性向上型引戻しボール142xを含むことがある。
また、引戻し機構を端部又は2つの支持部材に接合するために、端部の周りに配置されたカバーが使用されることもある。引戻し機構240を支持部材105に接合するためにカバー183が使用されることがある(図28A)。この例示的実施形態では、支持構造105と引戻し機構240は、別個の部片である。また、2つの部材110、105を一緒に引戻し機構140に接合するためにカバー183が使用されることもある(図28B)。別の代替実施形態では、引戻し機構は、他の支持部材に接合された支持部材から形成される。図28Cの例示的実施形態では、支持部材105は、テーパ付きカバー185を通って延在し、引戻し機構240を形成するために使用される。テーパ付きカバー185は、第1の支持部材105と第2の支持部材110とを接合するために使用される。図28Cに示される実施形態の一代替形態では、支持部材105の直径は、引戻し機構240の直径よりも大きい。別の実施形態では、引戻し機構240の直径は、支持部材105の直径よりも小さく、支持部材の端部をより小さい直径に加工することによって形成され、次いで、引戻し機構240を形成するように形作られる。別の実施形態では、ボール242又は他の非外傷性の端部は、引戻し機構の端部に形成される。
図29は、管腔10内のフィルタデバイスの部分側面図を示す。この図は、引戻し機構と内側管腔壁とによって成される引戻し機構角度τを示す。引戻し機構角度τは、デバイスの引戻し性を改良するように管腔内部の引戻し湾曲部214及びボール242の高さ及び向きを調節するのに有用である。一般に、引戻し性は、引戻し機構がデバイス軸121(すなわち、同様に管腔軸に対して中心)に近付くにつれて改良される。必要に応じて、追加の湾曲部が支持部材110、105に追加されることがあり、引戻し機構角度の所望の範囲を提供する。一実施形態では、τは、−20度〜90度の範囲内である。別の実施形態では、τは、0度〜30度の範囲内である。
図20〜29に関して上述したフィルタ実施形態の様々な態様は、向上されたエコー源性特性、特徴、又は機構を有するフィルタとなるように修正される、又はそのようなフィルタと共に使用されることがある。このフィルタ実施形態は、下記のうち1つ又は複数を含む向上されたエコー源性特性を有するように修正されることがある:(a)コンポーネントのエコー源性特性を向上させるための、フィルタの1つ又は複数のコンポーネントの修正、(b)血管内超音波システムと共に使用するのに適したサイズ、形状、向き、及びパターンにスケール調整された、コンポーネントの表面への十分な数の窪みの形成、(c)フィルタ表面に形成、配置、又は接合された突起、(d)例えば化学的プロセス、レーザ、又はビードブラスト技法を使用した、フィルタの1つ又は複数の表面の粗面化、並びに(e)フィルタ製造技法の1つ又は複数のステップを変えて、キャビティ、空隙、又はポケットを導入して、1つ又は複数の音響反射特性を局所的に修正又は適合して、フィルタの1つ又は複数の特定の領域でのエコー輝度を改良すること。他の態様では、図20〜29に図示して説明するフィルタが、図127〜135に従って、又はシステムと共に、又は図136A〜138Bでさらに述べるように修正されることがある。
支持構造への物質捕捉構造及び他の濾過構造の取付け
物質捕捉構造を支持部材に取り付けるために多くの異なる技法が使用されることがある。分かりやすくするために、物質捕捉構造は、以下の例では省略されているが、ライン351又はループを使用して適切に留付けられている。図30は、支持部材105の周りにいくつかの変向部353を有するライン351を示す。ライン351は、クリップ351aを使用してそれ自体に留付けられる。図31は、ループ353aを留付けるために支持部材105の周りに複数の変向部353を有するライン351を示し、ループ353aは、物質捕捉構造を結束し又は他の形で留付けるために使用されることがある。また、ライン351は、支持体105に接着剤でつけられる(355)こともある(図32)。別の代替実施形態では、支持部材に形成された穴356が、1つ又は複数のライン351を留付けるために使用され、さらにライン351が、物質捕捉構造を留付けるために使用される。穴356の線形配列に対する代替形態において、図36は、物質捕捉部を支持構造105に留付けるのを支援するように穴356がいくつかの異なる向きで提供されることがある様子を示す。代替として、ライン351は、参照番号355のように穴356に接着剤でつけられることがある(図34A、及び断面図34B)
他の代替実施形態では、穴356は、ライン351を留付けるため、及び支持構造105内に組み込まれるべき別の物質のためのキャビティを提供するために使用される。支持構造105内に組み込まれることがある他の物質は、例えば、薬理剤(pharmacological agent)又は放射線不透過性材料を含む。例えば、形状記憶ポリマーや生分解性ポリマーなど低い撮像可視性を有する材料から支持構造が形成されるとき、放射線不透過性マーカの使用が有用となり得る。図34Cは、一方の穴356がライン351を留付けるために使用され、他方の穴が物質又は化合物357で充填される一実施形態を示す。別の代替形態では、図35におけるように、穴356のいくつか又は全てが、別の物質で充填されることがある。さらに別の代替形態では、穴356は小さな鉤358で満たされ、これらの鉤358が、デバイスを管腔壁に留付けるために使用されることがある。図35xでは、支持部材105にある穴357のいくつか又は何らかのパターンが開いたままにされており、支持部材105のエコー源性品質を向上させる。図37の例示的実施形態では、鉤358は、管腔内壁の表面を破るのに十分な長さにすぎず、管腔壁に穴開けはしない。上記のことはそれぞれ支持部材105に関して述べてきたが、物質捕捉構造を支持するために使用される支持部材110又は他の構造にこれらの同じ技法を適用することができることを理解されたい。フック、鉤、又は他の固定デバイス若しくは要素の追加の代替実施形態を、図88〜126Dに関して以下に述べる。
支持構造実施形態が単一部材構築に限定されないことを理解されたい。図38Aは、代替の編組み支持部材105’を示す。編組み支持構造105’は、4本の撚り糸a、b、c、及びdによって形成される。代替として、図38Axにおいて、編組み構造105x’の撚り糸a、b、c、及びdは異なる特性を有して、構造105x’のエコー源性又は放射線不透過性品質を向上させることがある。1つの例示的実施形態では、撚り糸a及びdは、放射線不透過性ワイヤ又はフィラメントから形成されることがあり、撚り糸bは、支持ワイヤ又は構造でよく、撚り糸dは、エコー源性フィラメントでよい。本明細書で述べる代替のエコー源性の代替形態に基づいて、他の構成も可能である。
図38Bは、別の代替の編組み支持部材105’’を示す。編組み支持構造105’’は、3本の撚り糸a、b、及びcによって形成される。また、図38Bは、ライン351を留付けるために編組み構造が使用されることがある様子を示す。この実施形態で分かるように、ライン351を使用することによって、物質捕捉構造(図示せず)が、編組み構造105’’内部の少なくとも1本の撚り糸に留付けられる。
図39及び40は、フィルタ支持構造を支持部材に留付けるための追加の代替技法を示す。図39に示されるように、支持フレーム105の周りに巻かれた材料481を使用して、物質捕捉構造留付けライン351を支持フレーム105に留付けるための技法が示されている。このようにすると、物質捕捉構造(図示しないが、ライン351に取り付けられている)は、第1の支持構造105を少なくとも部分的に覆う材料481に取り付けられる。ライン351は、材料481とラップ483が支持構造105に沿って形成されるとき、材料481と支持構造105との間に通される。図40に示される実施形態では、材料481がラップ483を形成し、物質捕捉構造(図示せず)を留付けるために使用されるので、ライン351は省略されている。一実施形態では、材料481は、支持構造の少なくとも一部にわたる組織内殖最小化コーティングを形成する。代替として、濾過構造(図示せず)は、組織内殖最小化コーティング481を使用して支持構造105に取り付けられる。
図39xに示されるように、支持フレーム105の周りに巻かれたエコー源性材料483xを使用して物質捕捉構造又は留付けライン351を支持フレーム105に留付けるための技法が示される。また、本明細書で述べる改良形態によれば、留付けライン、又は物質捕捉構造351の部分は、エコー源性フィラメント又は他の修正されたコンポーネントでもよい。エコー源性ラップ材料483xは、第1の支持構造105の一部分を少なくとも部分的に覆うか、又は、本明細書で述べるフィルタの他の部分又は特徴部を覆うために使用されることがある。材料483xが支持構造105の周りに、支持構造105に沿って巻かれるとき、ライン351は、材料483xと支持構造105との間に通される。483xのために使用される材料は、例として、限定はせずに、高密度ラップ、材料に形成された穴(すなわち、自転車ハンドルのラップ材料に形成される穴と同様のもの)、エレクトロスピンマトリックス若しくはエレクトロスピンファイバ、又はラップ内に含まれる気泡を含む。
図41、42、及び43は、支持部材の周りに配設された管腔に物質捕捉構造を留付けることに関する。図41は、距離「d」だけ離隔されたセグメント402a、402b、402cに切り分けられている管腔402を示す。ライン351は、支持部材の周りに、隣接するセグメント間の間隔「d」内に取り付けられる。セグメントは、離れたままにされることも、押し合わされて間隔「d」を低減する若しくはなくすこともある。図41でのセグメントとは対照的に、図42での管腔402は、ライン351を留付けるための切欠き403を提供する。図43は、支持部材105から延在する組織成長阻害特徴部408を有する管腔405を示す。断面図406で見られるように、阻害特徴部408は、支持部材105とは異なる断面形状を有する。さらに、いくつかの実施形態では、管腔405は、適切な組織内殖最小化材料から選択され、したがって管腔405は、支持構造上の組織内殖最小化コーティングのように働く。他の実施形態では、断面形状406は、組織内殖最小化コーティングの上での組織成長を阻害するように構成される。
図44及び45は、デュアル管腔構造を利用するフィルタデバイス実施形態を示す。デュアル管腔構造420は、管腔422及び管腔424を含み、概して涙滴形状の断面領域を有する。この例示的実施形態では、支持構造105は、管腔422内に配設され、第2の管腔424は、ライン351を保持し、物質捕捉デバイス(図示せず)を留付けるために使用される。例示的実施形態では、管腔構造420は、管腔424にいくつかのセグメント420a、b、c、及びdを形成するように切り取られている。必要に応じて、セグメント420a〜dによって形成される接続リングが、ライン351を留付けるために使用される。図45は、管腔構造420に関する代替構成を示す。この代替構成では、解放ライン430が、切り欠かれた管腔424を通って延在する。ライン351は、解放ライン430の周りに延在し、それにより物質捕捉構造(図示せず)を留付ける。解放ラインを使用してライン351が接続されるので、管腔424からの解放ラインの除去は、ライン351を使用して留付けられている物質捕捉構造が、支持構造から解放されて、管腔から除去されるようにする。図45に示される構成などの構成は、濾過構造を提供し、この濾過構造は、開ループ(すなわち、支持構造によって形成された開ループフレーム)に解放可能に取り付けられる。図45に示される実施形態は、(部材105によって形成される)開ループに沿って位置決めされた解放ライン430を提供し、濾過構造(図示せず)が、解放ラインを使用して開ループに取り付けられる。
別の実施形態では、本発明のフィルタデバイスは、コーティングされた管腔内フィルタとなるように構成される。このデバイスの支持構造又はフィルタ要素の全体又は一部をコーティングすることに加えて、支持部材上のコーティングが、濾過構造を支持構造に留付けるために使用されることもある。一実施形態では、コーティングされた管腔内フィルタは、支持構造と、支持構造に取り付けられた濾過構造と、支持構造の少なくとも一部を覆うコーティングとを有する。一態様では、コーティングされた支持構造は、丸みの付いた支持フレーム、開ループ、又は他の構造を形成することがあり、本明細書で述べる濾過構造を支持する。一実施形態では、支持構造の少なくとも一部を覆うコーティングは、複数のループ(すなわち可撓性形態又は剛性形態)を支持構造に留付けるために使用される。このとき、複数のループは、物質捕捉構造などの濾過構造を例えばコーティングされた管腔内フィルタ内部に留付けるために使用される。一実施形態では、コーティングは、組織内殖最小化コーティングである。
濾過構造が、組織内殖最小化コーティングを使用して支持構造に取り付けられることもあることを理解されたい。いくつかの実施形態では、組織内殖最小化コーティングは、支持構造の周りに巻かれ、又は代替として、組織内殖最小化コーティングは、管の形態を取ることがある。管が使用される場合、管は、連続的な管でよく、又は複数の管セグメントを備えていてもよい。管セグメントは、接触していても、離隔されていてもよい。管は、支持部材と同じ断面形状を有していても、異なる断面形状を有していてもよい。別の実施形態では、組織内殖最小化コーティングは管の形状であり、支持構造は管の内部にある。
いくつかの他の実施形態では、結合材料は、組織内殖最小化コーティングと支持構造との間に提供される。結合材料は、支持構造の周りに巻かれることがあり、又は管の形態を取ることがある。管が使用される場合、管は、連続的な管でよく、又は複数の管セグメントを備えていてもよい。管セグメントは、接触していても、離隔されていてもよい。結合材料の管は、支持部材又は結合材料の周りのコーティングと同じ又は異なる断面形状を有することがある。一実施形態では、結合材料は管の形状であり、支持部材が結合材料管内腔を通って延在する。一実施形態では、支持部材の周りの結合材料と結合材料の周りのコーティングとの間でループを形成するために使用されるラインを挟持することによって、複数のループ(すなわち可撓性形態又は剛性形態)が支持構造に留付けられる。一実施形態では、結合材料は、結合材料の周りのコーティングよりも低いリフロー温度を有する。この実施形態では、結合材料をリフローして、結合材料の周りのコーティングと支持構造との間にラインを留付けることによって、ループを形成するために使用されるラインが少なくとも部分的に留付けられる。別の代替形態では、結合材料の周りのコーティングは焼嵌め(shrink fit)コーティングであり、焼嵌めコーティングはまた、結合材料をリフローするプロセス中又はプロセス後に、結合構造及び支持部材の周りで収縮する。上記の代替形態の任意のものにおいて、物質捕捉構造などの濾過構造を例えばコーティングされた管腔内フィルタ内部に留付けるために複数のループが使用されることがある。
コーティングされた管腔内フィルタのいくつかの実施形態は、本明細書で述べた他の特徴部のいくつか又は全てを含み、それらの特徴部は、例えば、支持構造にある引戻し機構、支持構造の各端部にある引戻し機構、円形フレームを形成するように一体に接合された2つの細長本体を有する支持構造、及び2つの螺旋形状の細長本体を有する支持構造などである。さらに、いくつかのコーティングされた管腔内フィルタは、フィルタの流れ方向に直交し交差点を含む平面に関して、概して対称的な支持構造を有する。別の代替のコーティングされた管腔内フィルタの実施形態では、コーティングされた管腔内フィルタの支持構造は、フィルタの流れ方向に平行であって支持構造の両端を含む平面に関して、概して対称的である。
図46〜51Bは、コーティングされた管腔内フィルタの実施形態のいくつかの態様を示す。これらの図は、縮尺通りではなく、特定の詳細を明瞭にするために誇張された寸法を有する。図46は、支持部材105の周りに配置されたコーティングのいくつかのセグメント450を示す。1つ又は複数のライン451が、セグメント450と支持部材105との間に延在し、複数のループ453を形成する。一実施形態では、ライン451は、単一の連続ラインである。形成されると、セグメント450は、適切な加工を受けて、ライン451及び支持部材105の周りでセグメント直径を収縮し、それによりライン451及びループ453を支持構造に対して留付ける(図47)。図51Aの端面図に示されるように、セグメント450は、支持部材105の周りに留付けられる。図47に示される実施形態でのセグメント450は離隔されている。他の実施形態では、セグメント450は、接触していてよく、又は図47に示される間隔とは異なる間隔を有していてよい。図46、47、及び51Aに示される様々なコンポーネントのサイズは、詳細を示すために誇張されている。1つの特定の実施形態の寸法は以下のようである。支持部材105は、0.011”(インチ)〜0.015インチの間の外径を有するNiTiワイヤであり、セグメント450は、0.018インチの予め収縮された外径と0.002インチの壁厚とを有するPTFE熱収縮配管(tubing)から切断された0.2インチの長さであり、ライン451は、0.003インチの外径のモノフィラメントePTFEであり、ループ453は、約0.1インチ〜約0.4インチの間の公称直径を有する。
図48、49、及び51Bは、支持部材105の周りの結合材料456と、結合材料456の周りのいくつかのセグメント455とを示す。1つ又は複数のライン451が、セグメント455と結合材料456との間に延在し、複数のループ453を形成する。一実施形態では、ライン451は、単一の連続ラインである。形成されると、結合材料456及び/又はセグメント450は、適切な加工を受けて、結合材料456とコーティング455との間にライン451を留付け、それによりライン451及びループ453を支持構造に対して留付ける(図49)。図51Bの端面図に示されるように、コーティングセグメント450及び結合材料456は、支持部材105の周りに留付けられる。図48に示される実施形態でのセグメント455は、間隔「d」だけ間隔をあけられている。他の実施形態では、セグメント455は、加工後に接触する(図49)、又は図48に示される間隔とは異なる間隔を有することがある。好ましい一実施形態では、結合材料456の一部が、隣接するセグメント455間に流れてそれらを留付けることによって、セグメント455間の間隔が除去される。図48、49、及び51Bに示される様々なコンポーネントのサイズは、詳細を示すために誇張される。1つの特定の実施形態の寸法は以下のようである。支持部材105は、0.011インチ〜0.016インチの間の外径を有するNiTiワイヤであり、セグメント455は、0.022インチの予め収縮された外径と0.002インチの壁厚とを有するPTFE熱収縮配管から切断された0.3インチの長さであり、結合材料は、0.018インチの予め収縮された外径と0.001インチの壁厚とを有するFEP熱収縮配管の管であり、ライン451は、0.002インチの外径のPETモノフィラメントであり、ループ453は、約0.1インチ〜約0.4インチの間の公称直径を有する。セグメント450、455、及び結合材料456は、例えば、ePTFE、PTFE、PET、PVDF、PFA、FEP、及び他の適切なポリマーから形成されることがあることを理解されたい。さらに、本明細書で述べる撚り糸、ライン、ファイバ、及びフィラメントの実施形態も、ePTFE、PTFE、PET、PVDF、PFA、FEP、及び他の適切なポリマーから形成されることがある。
図50は、連続的なコーティングセグメント450を通過してループ454を形成する連続的な可撓性ライン452の使用を示す。ループ454は、規則的な間隔でコーティング450の長さに沿って配設される。すなわち、連続的なコーティングセグメント450は、0.018インチの予め収縮された直径と0.002インチの壁厚とを有するPTFE熱収縮配管を使用して、支持部材105までの長さが均一である。ライン452は、0.003インチの外径のモノフィラメントePTFEであり、ループ454は、約0.1インチ〜約0.4インチの間の公称直径を有する。
図51Bxは、図50、51A、及び51Bの構造と同様のマルチ管(multi-tubular)構造を示す。図51B1xの例示的実施形態では、支持ワイヤ105の周りに内部エコー源性管状カバー456xが存在する。前述のように、外側管状カバー450/455が、任意選択で、エコー源性配管又はカバー456xの外面の周りに配置されてもよい。エコー源性配管又はカバー456xは、例えば、ガラス又は金属粒子を充填される、気泡を充填される、コイル若しくは編組(braid)を含む、又は複数のレーザドリル穴又はレーザドリル穴のパターンを含むことがある。
図52A〜53Dは、濾過構造を形成する及び/又は支持構造に取り付けるための代替技法を示す。図52Aは、上述したように端部102と交差点106との間に支持部材105、110によって形成された支持フレーム126の一実施形態を示す。ループ453/454は、図46〜51Bに関して上述したようにライン451/452を使用して形成される。その後、図46〜51Bに関して述べた加工ステップ中にフィラメント461を結束する、溶接する、接着剤でつける、又は組み込むことによって、フィラメント461は、ライン451/452に適切に取り付けられる(462)。次に、フィラメントは、フレーム126を横切って、ループ453/454の周りに進む。この実施形態では、ループ間の編み合わせパターンが、端部102と交差点106との間に延在するラインに交差する。一般的なパターンは、フィラメントが、フレーム126を横切り、1つの右側ループを周り(1)、再びフレーム126を横切り(2)、左側ループ453/454を周って(3)、延在するというものである。編み合わせプロセスは、図52B及び52Cに示されるように続く。完了すると、編み合わせプロセスは、支持部材105/110に留付けられたループ451/452に留付けられた1つ又は複数のフィラメントから濾過構造465を作り出す。濾過構造465内のフィラメントは、ループ451/452間で緊張していることがあり、又は(図52Dに示されるように)いくらかの弛みを有することがある。物質捕捉構造を形成するために使用されるフィラメント461又は他の材料が、薬理剤をコーティングされることがある(図58でのコーティング466)。薬理剤は、本発明の様々な濾過デバイス実施形態を使用して行われる手順において、又はそのような実施形態の操作において有用な広範な化合物及び薬物などの任意のものでよい。薬理剤コーティング466は、濾過構造での血栓形成を防止又は低減すること、及び濾過構造内に捕捉されたデブリを化学的に溶解することなどにおいて有用な薬理剤を含むことがある。
図53Aは、上述したように端部102と交差点106との間に支持部材105、110によって形成された支持フレーム126の一実施形態を示す。ループ453/454は、図46〜51Bに関して上述したようにライン451/452を使用して形成される。その後、図46〜51Bに関して述べた加工ステップ中にフィラメント461を結束する、溶接する、接着剤でつける、又は組み込むことによって、フィラメント461は、ライン451/452に適切に接合される(462)。次に、フィラメント461は、ループ453/454の周りで、図52Aに関して上述したように編み合わせられる。しかし、この実施形態では、ループ間の編み合わせパターンは、端部102と交差点106との間に延在するラインに対して概して平行である。完了すると、編み合わせプロセスは、1つ又は複数のフィラメント461から濾過構造を作り出し、この濾過構造は、端部102と交差点106との間のラインに平行に延在し、支持部材105/110に留付けられたループ451/452に留付けられる。この濾過構造(図53A)は、本発明のフィルタデバイス内で使用されることがある。さらに、図53Aでの濾過構造(及び図52Dでの構造)は、さらに加工されることがあり、隣接するフィラメント461を接合して(468)、濾過構造470の一部としてフィルタセル469を形成する。隣接するフィラメント461を接合する(468)ために使用されるプロセスは、結束、溶接、結合、及び接着など、任意の従来の接合技法を含むことがある。さらに、配管のセグメント(すなわち、上述したセグメント450、455、456)を使用して、隣接するフィラメント461の一部を接合する(468)ことができる。1つの特定の実施形態では、フィラメント461は、0.008インチの予め収縮された外径と0.001インチの壁厚とを有する一部片のFEP熱収縮配管を使用して接合された(468)、0.003インチの外径を有するePTFEモノフィラメントである。濾過構造470は、ループ451/452間で緊張していることがあり、又は(図52Dでの濾過構造によって示されるように)いくらかの弛みを有することがある。フィルタセル469は、以下により詳細に述べるように、多くのサイズ及び形状で形成されることがある。
代替として、図53A及び図52Dでの濾過構造は、図57Aに示されるように、フィラメント461をループすることによって形成される追加のループ491を組み込むことがある。
代替の濾過及び/又は物質捕捉構造
いくつかの実施形態では、物質捕捉構造は、いくつかのフィルタセルを含む。フィルタセルは、いくつかの異なる方法で形成されることがあり、いくつかの異なる形状及びサイズを有することがある。特定のフィルタでのフィルタセルの形状、サイズ、及び数は、特定のフィルタの使用に基づいて選択されることがある。例えば、遠位保護のために構成された本発明のフィルタデバイスは、所望の濾過レベルに適した孔サイズを有するフィルタ材料(図63A、63B)を選択することによって形成された、数十から数百ミクロン〜5ミリメートル未満程度のフィルタセルサイズを有することがある。他の用途では、フィルタセルは、2mmのサイズを超える管腔内のデブリをフィルタ除去するセルを形成するためにフィラメントを重畳する(すなわち接合する、又は接合せずに交差させる)ことによって形成されることがある。本明細書で述べるように、様々な他のフィルタサイズ及び濾過容量も可能である。
交差するフィラメント(図54C)が、ダイヤモンド形状のフィルタセル(図54A)、及び長方形状のフィルタセル(図54B、2A、及び9B)を形成するために使用されることがある。図57Bに示される3本の撚り糸461a、461b、及び461cのアレイなど、複数の撚り糸のパターンが使用されることもある。また、交差するフィラメントは、結ぶ、結束する、又は他の形で接合される(468)こともある(図55A及び55E)。
別の実施形態では、フィラメントの交差は、フィルタのエコー源性特性を向上させるために使用されることがある。図55Ax1及び図55AXの拡大図は、エコー源性接合部又は接合器468xの一実施形態を使用して接合された1対の交差するフィラメント461を示す。図55AX1の拡大図で最も良く分かるように、接合部468xは、ワイヤラップ、中空球、又は、穴又は隆起部若しくはディボット若しくは窪みなどの表面特徴部を有する球の、1つ又は複数を含むことがある。図55AX1での図示では、接合部468xは、2本のフィラメント461を有するものとして示されている。接合部468xは、図示されるように、ワイヤラップと、穴及び/又は窪みのアレイとを含む。
交差するフィラメントは、例えば図55Cでの細長い楕円、図55Bにおけるような1つ又は複数の接合されたダイヤモンド、及び図55Dにおけるような接合された多角形のアレイなど、同じ又は異なるフィルタセル形状を形成することがある。また、セルは、図52A〜53Dで上述した技法を使用して形成されることもある。一実施形態では、フィルタセルは、少なくとも3本の交差するフィラメント461によって画定される。フィルタ要素461は、生体適合性であってデブリを濾過する広範な許容できる材料の任意のものから形成されてよい。例えば、本明細書で述べるフィラメント、ライン、及び撚り糸は、マルチフィラメント縫合糸、モノフィラメント縫合糸、リボン、ポリマー撚り糸、金属撚り糸、又は複合撚り糸の形態でよい。さらに、本明細書で述べるフィラメント、ライン、及び撚り糸は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、テトラフルオロエチレン−コ−ヘキサフルオロプロピレン(FEP)、又はポリ(フルオロアルコキシ)(PFA)、他の適切な医療グレードポリマー、及び他の生体適合性ポリマーから形成されることがある。
接合された多角形は、図60A〜60Fに示される形状の任意のものを有することがある。フィルタセルは、例えば、円形(図60A)、多角形(図60B)、楕円形(図60C)、長方形(図60D)、台形の又は切り詰められた円錐(図60E)などの形状のうち任意のもの、1つ若しくは複数、又はハイブリッドの組合せを有していてよいことを理解されたい。
さらに、物質捕捉構造は、材料を物質捕捉構造へ押出成形することによって形成されたフィルタセルを有することがある。図56は、例示的な濾過構造312を示し、ここでは、1つ又は複数のフィルタセル315を形成するように接合され(314)離隔された撚り糸313へ材料が押出成形される。一実施形態では、撚り糸は、ポリプロピレン材料から押出成形され、高さ約4mm及び幅3mmのダイヤモンド形状のフィルタセルを形成する。
図59A〜63Bは、いくつかの異なる濾過構造構成を示す。見やすくするために、濾過材料は、円形フレーム501に取り付けられて示されている。円形フレーム501は、本明細書で述べる様々な開ループ、円形フレーム、又は支持フレームの任意のものを表すことを理解されたい。図59Aは、図52Dと同様のフレームパターンを示す。図59Bは、フィラメント461に対してある角度で、追加の横方向フィラメント461aを追加する。図59Cは、中心フィラメント461cの周りでフレーム底部501aから上に延在する複数のフィラメント461aと、中心フィラメント461cの周りでフレーム上部501bから下に延在する複数のフィラメント461bとを示す。この例示的実施形態では、フィラメント461a、bは、中心フィラメント461cに関して対称的に配置される。他の非対称構成も可能である。様々な異なるサイズ及び形状の多角形フィルタセルを形成するために、2つ以上の中心フィラメント461cが使用されることもある(例えば図59E)。
フィラメントは、様々な径方向パターンを使用して配置されることもある。例えば、複数のフィラメント461が、共通の点509からフレーム501の縁部に延在することがある。いくつかの実施形態では、共通の点は、フレーム501の中心にあり(図59D)、他の実施形態では、共通の点509は、異なる非中心位置にある。複数のフィラメントによって形成される扇状部(図59D)は、セグメントフィラメント461bの周りに、横切るようにフィラメント461aを巻き付けることによって、複数のフィルタセルセグメントにさらに分割されることがある。図59Gにおけるように点509から螺旋状に延びる1本のフィラメントとは対照的に、図59Fでのセグメント化されたフィルタセルは、1本のフィラメント461aをセグメントフィラメント461bに取り付けることによって形成される。
図61A〜C及び図62は、フィルタ構造を形成するための材料520のシートの使用を示す。材料520は、パンチ、穴開け、及びレーザ切断など任意の適切なプロセスを使用して、該材料内に形成される様々な形状のうち任意のものを有していてよい。図61Aは、材料520に形成された円形パターン521を示す。図61Bは、材料520に形成された長方形パターン523を示す。図61Cは、材料522内に切り抜かれた複雑なパターン522を示す。材料520は、任意のパターンなしでフレーム501内に配置されること(図62)もあることを理解されたい。図62の例示的実施形態は、管腔内部の流れを閉塞するのに有用であり得る。閉塞用途のための適切な材料520は、例えば、管腔にわたって広げられるときに管腔内の血流を妨げるのに適したウール、シルク、ポリマーシート、及び他の材料などを含む。さらに、フィルタ材料520は、孔530を有する多孔質材料でよい(図63A)。材料520は、フィルタデバイスの処置又は用法に応じて、個々の孔530(図63B)の平均サイズに基づいて選択されることがある。例えば、材料520は、既存の遠位保護及び塞栓保護デバイスで使用する多孔質材料の任意のものでよい。一般に、広範な孔530のサイズが利用可能であり、0.010インチ〜0.3インチの範囲内でよい。選択される材料520によっては、他の孔サイズも利用可能である。
図64〜65Fは、濾過デバイス内部でのネット又は他のウェブ構造の使用を示す。本明細書で述べる様々なネット構造実施形態は、本発明のフィルタデバイス実施形態内部の物質捕捉構造として使用される。これらの代替形態それぞれが、図2A及び他の箇所でのデバイス100の支持構造と同様の支持構造で示されている。管腔10内部で展開されるとき、物質捕捉構造560は、離れた頂部565(図64A)を有する円錐など所定の形状を有する。この実施形態では、ネット構造は、管腔10内で展開されるときに管腔10の側壁に接触するのに十分な長さである。代替として、頂部565は、端部104に取り付けられることがあり、ネット560を管腔流路内で管腔側壁(図64B)と接触しないように保つ。また、ネット565は、丸みの付いた頂部565(図65A)又は切り詰められた円錐(平坦な底部)(図65D)を有することもある。代替として、ネット560は、展開されたときに管腔側壁に接触しないように短い離れた頂部565を有することがある(図65B)。また、短いネットは、丸みの付いた頂部565(図65B)、平坦頂部(図65E)、又は鋭利な頂部(図65C)を有することもある。さらに、ネット560は、合成頂部565(図65F)を有することもある。
図66及び67は、上述した様々な異なる特徴を組み合わせることができる様子を示す。例えば、図66は、一方の端部のみにある引戻し機構と、開いた(すなわちフィルタ構造を有さない)フレームとを有するマルチ支持フレームデバイス480を示す。図67は、各端部に異なる引戻し機構を有し、各支持構造にフィルタ構造を有し、各フィルタ構造が異なるフィルタ容量を有する代替のマルチ支持フレームデバイス485を示す。本明細書で述べる様々なフィルタデバイス実施形態の構築物、コンポーネント、サイズ、及び他の詳細についての上記の詳細は、多くの異なる形で組み合わされてよく、広範な代替のフィルタデバイス実施形態を生み出すことを理解されたい。
図64〜67に関して上述したフィルタ実施形態の様々な態様は、向上されたエコー源性特性、特徴、又は機構を有するフィルタとなるように修正される、又はそのようなフィルタと共に使用されることがある。このフィルタ実施形態は、下記のうち1つ又は複数を含む向上されたエコー源性特性を有するように修正されることがある:(a)コンポーネントのエコー源性特性を向上させるための、フィルタの1つ又は複数のコンポーネントの修正、(b)血管内超音波システムと共に使用するのに適したサイズ、形状、向き、及びパターンにスケール調整された、コンポーネントの表面への十分な数の窪みの形成、(c)フィルタ表面に形成、配置、又は接合された突起、(d)例えば化学的プロセス、レーザ、又はビードブラスト技法を使用した、フィルタの1つ又は複数の表面の粗面化、並びに(e)フィルタ製造技法の1つ又は複数のステップを変えて、キャビティ、空隙、又はポケットを導入して、1つ又は複数の音響反射特性を局所的に修正又は適合して、フィルタの1つ又は複数の特定の領域でのエコー輝度を改良すること。他の態様では、図64〜67に図示して説明するフィルタが、図127〜135に従って、又はシステムと共に、又は図136A〜138Bでさらに述べられるように修正されることがある。
さらなる他の代替実施形態では、1つ又は複数のエコー源性向上機能を単独で、又は放射線不透過性向上機能と組み合わせて有する物質捕捉構造が提供される。一態様では、フィルタで使用されるフィルタ構造が、エコー源性向上機能と放射線不透過性向上機能との両方を含む。
一態様では、フィルタは、IVCフィルタ内に物質捕捉構造を含み、これは、蛍光透視及び超音波撮像モダリティの下で見ることができ、IVUSを使用しながら物質捕捉構造の状態又は状況の閲覧性を向上させるために適切なエコー源性特性を含む。物質捕捉構造を見えるようにすることは、医師が、フィルタの配置を適切に中心合わせ及び検証することを可能にする。
一態様では、フィルタ要素又は構造は、エコー源性又は放射線不透過性の材料又は処理の1つ又は複数を組み込むようにドープされる。一態様では、フィルタ構造又はフィルタのウェビングを形成するために使用されるフィラメント又は撚り糸又は他の構造は、限定はしないがタングステン又は金など高いエコー源性特性を有する放射線不透過性材料を含む。
他の実施形態では、物質捕捉構造内部の1つ又は複数のフィラメント又はフィラメントの一部は、本明細書の他の箇所で述べるものなど、1つ又は複数の非金属エコー源性特徴部を含む。例えば、フィラメント又はその一部は、材料に追加されたエアポケット、又は使用される同伴空気又はガスを含む材料の使用によるエアポケットを含むことがある。一実施形態では、ePTFE縫合糸は、ePTFE材料の空気含有分に起因して、エコー源性特性を有する。他の態様では、縫合糸材料又はフィラメント又はポリマー撚り糸はまた、窪められた/粗面化された/マトリックス/スポンジの材料、添加剤、又は修正を含むこともあり、縫合糸、フィラメント、物質又は物質捕捉構造の全体的なエコー輝度を全体として又は部分的に提供又は向上する。
一態様では、これらの追加の材料は、血管内部でフィルタを中心合わせ又は配置する際に医師を助けることができる。別の態様では、この改良形態が、IVUSと共に使用されて、フィルタのフィルタ部分の適切な閲覧を可能にし、フィルタのウェビングを通したカテーテルの正確な進入/除去と共に、フィルタ配置の相互位置合わせ(co-registration)を可能にする。
フィルタのこの発明態様の利点は、例えば、限定はしないが、フィルタ配置、フィルタ位置の正確な表現、カテーテルの導入/後退の容易さ、より正確な査定のためのより見やすい空間、IVUSを用いてフィルタ位置を相互位置合わせできる能力、及び/又は所望の位置でのフィルタをより良く配置できる能力を含む。
革新的フィルタの使用のさらなる他の態様は、例えば、フィルタの展開、フィルタの位置決め、フィルタのサイズ設定、及び推定される治療の長さ(treatment lengths)、並びに縫合糸/物質捕捉構造の可視性を含む。革新的フィルタの使用のさらなる他の態様は、例えば、大静脈フィルタの展開、フィルタの位置決め、フィルタのサイズ設定、及び治療の長さの推定、並びに縫合糸の可視性の向上を含む。
一実施形態では、囲われたフィルタを有するフィルタ送達システムが存在する。このフィルタは、予想されるフィルタ用途に適したメッシュ、縫合糸、ウェブ、又は他の物質捕捉構造を有する。メッシュ、縫合糸、ウェブ、又は他の物質捕捉構造は、蛍光下でのより良い可視性とIVUS案内下でより良く見えるための良好なエコー輝度とのための、高い放射線不透過性の材料をドープされた1つ又は複数のコンポーネントを有する。さらなる代替実施形態では、上述した技法は、本明細書で述べる1つ又は複数の物質捕捉構造に適用されることがある。より特定的には、放射線不透過性、エコー源性特性、又は放射線不透過性とエコー源性特性との組合せを示すように物質捕捉構造を修正するための代替形態が、図30〜34B、38A〜38B、39〜67、及び83〜87で図示して説明する様々な実施形態に適用されることがある。1つの特定の態様では、’7111公開の図58に示されるフィラメント/撚り糸/縫合糸461は、上述したように、単独で、又は図示される薬理学的コーティング466と組み合わせてコーティング又はドープされることがある。
濾過デバイスの送達、回収、及び再位置決め
図68Aは、血管内送達シース705内に装填された本発明のフィルタデバイス100の一実施形態を示す。デバイス100は、例えば図16Aに関係して図示して上述した。従来の管腔内及び最小侵襲性手術技法を使用して、デバイスは、シース705を脈管構造内に前進させる前又は前進させた後に、シース705の近位端に装填することができ、次いで従来のプッシュロッドを使用してシースを通して前進させることができる。プッシュロッドは、デバイス100を送達シース管腔を通して前進させるため、及びデバイス展開のために(シース705に対する)デバイスの位置を固定するために使用される。1つの好ましい技法では、デバイスは、脈管構造内の所望の位置に既に前進されている送達シースの近位端に装填される(図68B)。デバイス100は、ポリマー配管の短いセグメント又は他の適切なカートリッジ内に予め装填されることがあり、これは、デバイス100を、止血弁を通してより容易に前進させることを可能にする。
柔軟性送達シース705と共に使用されるとき、デバイス100の予成形された形状は、デバイス形状に適合するようにシースを変形させる(図69A、69B)。したがって、可撓性の柔軟性シース705は、収納されたデバイスの曲率を取る。送達シース705の変形は、脈管構造内でのシース705の位置を安定させる助けとなり、所期の送達部位へのデバイス100の正確な展開を容易にする。対照的に、非柔軟性の送達シース705(すなわち、デバイス100の予成形された形状に適合するように変形されないシース)は、デバイス100がその送達シース705の内部に収納されたとしても、概して円筒形の外観を維持する(図69C)。使用されるシースのタイプに関わらず、デバイス送達は、デバイスの近位側にあるプッシュロッドを使用してシース705内部でのデバイスの位置を固定し、次いでシース705を近位方向に引き出すことによって達成される。デバイス100がシース705の遠位端から出るとき、デバイス100は、予成形されたデバイス形状を取る(図69D)。
対称的なデバイス形状(例えば図15及び16Aでのデバイスを参照)は、脈管構造内の複数のアクセスポイントからのデバイスの展開及び引戻しを容易にする。デバイス100は、腎静脈13の直ぐ下の下大静脈11内部の脈管構造内に位置決めされて示されている(図70)。大腿部のアクセス経路(実線)及び頚部14のアクセス経路(想像線)が示されている。大腿部のアクセス経路(実線)及び頚部のアクセス経路はそれぞれ、デバイス展開、再位置決め、及び引戻しのために使用されることがある。代替として、デバイス展開、再位置決め、及び引戻しのために、上腕又は肘前アクセスによって大静脈にアクセスすることができる。
デバイスの引戻しは、最も好ましくは、本明細書で述べられる引戻し機構(すなわち図27A〜E)の1つを使用して管腔内捕捉によって達成される。本明細書で述べる引戻し機構は、市販のスネアを使用して良好に機能するように設計されており、2つのスネアが図71A及び図71Bに示されている。図71には、単一ループグースネックスネア712が、回収シース710内部に示されている。図71Bには、複数ループエンスネア714が、回収シース710内部に示されている。これらの従来のスネアは、可撓性の一体ワイヤを使用して医師によって制御される。
体腔(ここでは大静脈1)からのデバイス再捕捉及び除去のシーケンスが、図72A〜Cに示されている。これらの図では、実線は大腿部からの回収に関し、想像線は頚部からの回収に関する(例えば図70)。押し潰されたスネアが、送達シースを通して、引戻し機構240の近位に前進される(図72A)。配置されると、スネア712は露出され、所定の伸張されたループ形状を取り、この形状は、図72Bで片側から示されているように、引戻し機構240にわたってループされる。次いで、スネアリングされたデバイス100は、シース710内に引き込むことができ、又は代替として、より好ましくは、回収シース710は、デバイス100に被さるように前進され、シース710がデバイス100に被さって前進するときにスネア712の能動制御を維持する。デバイス100に被さるように回収シース710を前進させることは、デバイス100内又はその周囲に成長している任意の組織からのデバイス100の非外傷性の除去を容易にする。また、デバイスを径方向内側に押し潰す傾向がある引戻し作用(図72D)は、デバイスに形成された任意の組織層からの除去を容易にする。濾過デバイスに取り付けられた可撓性の引戻し機構を引っ張ることによって濾過デバイスが回収される。さらに、フィルタ構造の一部(すなわち引戻し機構)を引っ張ることは、対向する螺旋要素を管腔壁から取り外す。
デバイスがシース710内に引き込まれるとき、デバイスの予成形された形状はまた、管腔壁から離れるように支持部材を付勢し、これはまた、非外傷性のデバイス除去を支援する。
可撓性の引戻し要素240は、図72C及び図72Eに示されるように、引戻し要素240が回収シース内に引き込まれるときに押し潰された構成を取る。デバイスの反対側にある引戻し機構240は、回収シース内に引き込まれるときに直線状の構成を取ることに留意されたい(図72F)。図73Aに示されるように、単一の湾曲した引戻し機構140(図27A)が送達シース710内に引き込まれるさらなる実施形態もある。(スネアに対して)遠位の引戻し機構は、図73Dにおけるようにシース内に完全に引き込まれたときに、図73Bでの湾曲構成から図73Cでの直線状の構成を取る。
さらに、1つの管腔位置から別の管腔位置へのフィルタ100の再位置決めが、図74A〜74Dに示されている。本発明のフィルタデバイスの非外傷性の設計により、フィルタデバイス100の再位置決めは、回収シース710内にデバイス100を完全に再捕捉すること(図74C)又は部分的にのみ再捕捉すること(図74B)によって達成することができる。デバイス100の非外傷性の設計は、デバイスを一端によって単純に留付け(図74B)、管腔壁に沿って所望の位置に引っ張り、次いで解放することを可能にする。本発明のフィルタデバイスは、ほぼ同じサイズのシースを使用して脈管構造内に展開し、脈管構造から回収することができるので、送達シースと回収シースは同じ参照番号を与えられている。したがって、本発明のデバイスは、第1の直径を有する送達シースから脈管構造内に展開されることがある。次いで、デバイスは、第1の直径よりも2Fr以下だけ大きい第2の直径を有する回収シースを使用して脈管構造から引き戻されることがある(1Fr=0.013インチ=1/3mm)。代替として、第2の直径は、第1の直径よりも1Fr以下だけ大きくてよく、又は代替として、第1の直径は第2の直径とほぼ同じである。
完全な回収では、デバイスは、回収シース内に完全に引っ張られ(図74A)、シースは、元の位置(図74A、74C)から第2の位置(図74D)に再位置決めされ、脈管構造内に再び展開される(図69D)。スネアワイヤの柱状強度がデバイスを再展開するのに不十分である場合、スネアは、引戻しシース内の第2の内側シース内で送達することができる。これは、図74Bに示されるように、引戻し機構の能動制御が得られるようにし、デバイスは、引戻しシース内に引き込まれ、次いでプッシュロッドとして作用する内側シースによって再展開される。
濾過デバイスを使用する様々な方法
本発明のフィルタデバイスの実施形態は、例えば血栓摘出術、関節切除術、ステント留置術、血管形成術、及びステントグラフトなどの処置において遠位保護を提供する方法で使用されることがある。本発明のフィルタデバイスの実施形態は静脈及び動脈に使用することができることを理解されたい。例示的な手順を、図75A〜I及び図76A〜Eに示す。各手順において、デバイス100は、治療領域730に隣接して非繋留のやり方で位置決めされる。図75A〜Iのシーケンスは、図75Aでの送達シース710の位置決め、及び図75Bでの管腔10内への完全な展開を示す。機械的、電気エネルギー、又は他の適切な方法を使用する従来の治療デバイス750は、望ましくない物質732を管腔壁から取り除くために使用される(図75C)。治療デバイス750の使用により管腔壁から除去されたいくらかのデブリ734は、その後、血流内に塞栓されて(図75C)、フィルタ100によって捕集される(図75D)。従来の治療デバイス750が除去され(図75E)、その後、再捕捉シース710の前進が、回収位置内に前進される(図75F)。
次いで、捕集されたデブリ734は、例えば吸引、療法剤の送達、又は浸軟などの方法によって、デバイスを再捕捉する前に除去される。さらに、デバイス及び捕集されたデブリは、完全に再捕捉することができ、図75Gで示されるようにデバイスを再捕捉するために使用されるのと同じシースによって除去される。次いで、デバイス100及びデブリ734はシース710内に引き込まれ(図75H)、シースが脈管構造から引き出される(図75I)。
同様に、非繋留式の遠位保護としての本発明のさらなる使用が図76A〜Eに示されており、ここで、バルーン血管形成術の場合などに、病変732を広げるためにバルーン751が使用され、これは、しばしば血管を開いて保つために血管にステントを留置する前に行われる。この処置に関して、バルーンカテーテルが病変部位に前進されて膨らまされ(図76B)、血小板732がバルーンによって外方向に押され(図76C)、それにより通常の血流を再確立する。この手順によって塞栓された任意の微粒物質734が、フィルタによって捕集される(図76D)。次いで、デブリ734は、前述したようなフィルタ引戻しの前に除去することができ、又は捕集されたデブリを伴うデバイスを一緒に除去することができる。
当技術分野で広く実践されているさらなる方法は、前述した処置に対して付属的な繋留式の遠位保護の使用である(すなわち、処置中にデバイス100が繋留されたままである)。また、図77A〜77Eに示されるように、本発明の濾過デバイスの実施形態がこの目的のために使用されることもある。フィルタ100の能動制御は、デバイス100に接続された一体ワイヤ又はスネアによって維持される。一体ワイヤ又はスネアとデバイス100との接続は、処置中に維持され、いくつかの実施形態ではガイドワイヤとして使用されることがある。図77Bに示されるように、位置の近位で脈管構造を治療する(すなわち病変732を治療する)ための処置を行う間、デバイス100への接続は維持される。
繋留式遠位保護法の一例が、図77A〜77Eに示されている。フィルタデバイス100の一実施形態は、治療すべき病変732の遠位で展開され(図77A)、治療が開始され(図77B)、塞栓された物質734がフィルタ100内に捕捉される(図77C)。その後、デブリ734は、前述したように、フィルタ再捕捉の前、又は代替としてフィルタ100での処理と共に、シースを通して除去される。デバイス100は、シース内に回収され(図77D)、管腔10から除去される(図77E)。
また、血栓摘出術の場合などには、血管10から塞栓物質732を機械的に取り除いて除去するために、繋留されたデバイス(図77A、78A)を採用することもできる。これは、デブリを除去及び捕集する単純な手段を提供し、同じ目標を実現するために複数のデバイスを必要としない。この方法に関して、繋留されたデバイスは、病変部位の下流に前進され(図78A)、展開される(図78B)。次いで、繋留されて展開されたフィルタ100が、病変732を横切って引かれ(図78C)、血栓を血管壁からフィルタ100内に引き込む(図78D)。次いで、塞栓物質734は、前述した方法によって除去され(図78E)、繋留されたデバイスは、シース内に引き込まれ、管腔から除去される(図78F)。
図68A〜78Fに関して上述したフィルタ実施形態の様々な態様は、向上されたエコー源性特性、特徴、又は機構を有するフィルタとなるように修正される、又はそのようなフィルタと共に使用されることがある。このフィルタ実施形態は、下記のうち1つ又は複数を含む向上されたエコー源性特性を有するように修正されることがある:(a)コンポーネントのエコー源性特性を向上させるための、フィルタの1つ又は複数のコンポーネントの修正、(b)血管内超音波システムと共に使用するのに適したサイズ、形状、向き、及びパターンにスケール調整された、コンポーネントの表面への十分な数の窪みの形成、(c)フィルタ表面に形成、配置、又は接合された突起、(d)例えば化学的プロセス、レーザ、又はビードブラスト技法を使用した、フィルタの1つ又は複数の表面の粗面化、並びに(e)フィルタ製造技法の1つ又は複数のステップを変えて、キャビティ、空隙、又はポケットを導入して、1つ又は複数の音響反射特性を局所的に修正又は適合して、フィルタの1つ又は複数の特定の領域でのエコー輝度を改良すること。他の態様では、図68A〜78Fに図示して説明するフィルタが、図127〜135に従って、又はシステムと共に、又は図136A〜138Bでさらに述べられるように修正されることがある。
濾過デバイスを使用した薬理剤の送達
本発明のフィルタデバイスの実施形態は、管腔内部に薬理剤を送達するために使用することもできる。管腔内部での薬理剤の送達は、濾過デバイスの任意のコンポーネントを使用して達成されることがある。例えば、フィルタ支持構造が、薬理剤を送達することがある。一代替形態では、支持構造は、マルチ管腔(multi-lumen)構造によって覆われ、マルチ管腔構造は、薬理剤を解放するように構成される。一代替形態では、マルチ管腔構造の管腔は、薬理剤を少なくとも部分的に充填される。別の態様では、マルチ管腔構造内の管腔は、管腔内部に格納されている薬理剤の解放を可能にするポートを有する。一代替形態では、支持部材に形成されるキャビティは、物質を充填される。一態様では、キャビティ内の物質は、薬理剤である。フィルタは、薬理剤を送達することができる。一態様では、物質捕捉構造は、薬理剤でコーティングされる。
本発明のさらなる実施形態は、物質捕捉構造及び支持構造カバーによって療法剤を送達することができる機能を提供する。図79は、フィラメント118/461に取り付けられた療法剤コーティング780を示す。代替として、図79xは、ワイヤ支持体又はフィラメント118/461上の生分解性エコー源性コーティング又はカバー780xを示す。生分解性エコー源性コーティング又はカバー780xは、本明細書で述べる囲われたエコー源性向上機能又は特徴部の任意のものでよい。一態様では、生分解性エコー源性コーティング又はカバーは、分解可能な配管の穴、ディップコートの粗面、又は分解可能な配管に形成された気泡を含むことがある。
図80は、支持構造105に形成された1つ又は複数のキャビティに1つ又は複数の療法剤又は他の材料を充填することによって形成される複合構造789を示す。キャビティは、図33、35、及び36に関して上述したように形成されることがある。これらの複合構造は、フィルタデバイスコンポーネントでの療法剤の厚さ、密度、及び位置を変えることによって特定の溶出曲線によって療法剤を溶出するように設計することができる。この療法剤は、例えば、身体の治療に使用される任意の薬理剤、抗凝固剤コーティング(すなわちヘパリン)、線維性組織の増殖を防止する又は遅らせる抗増殖剤、薬物溶出ステントを含めた血管ステントで使用されるものから選択される他の薬剤でよい。
図81及び図82は、薬理剤を管腔内に提供するための送達手段として、支持構造に被せて位置決めされたカバー420、420aの使用を示す。図81は、図44、45に関して上述したものなど、マルチ管腔構造の管腔424a内の薬理剤782を示す。図82に示されるように、療法剤784は、支持構造105に被さるマルチ管腔カバー420a内の管腔424を充填する。管腔424の側部に形成された解放ポート785が、血液又は組織への薬剤の送達を可能にする。療法剤溶出パラメータの制御は、解放ポート785のサイズ又は間隔によって、及び/又は制御された薬理剤の解放の使用によって制御することができる。
図79〜82に関して上述したフィルタ実施形態の様々な態様は、向上されたエコー源性特性、特徴、又は機構を有するフィルタとなるように修正される、又はそのようなフィルタと共に使用されることがある。このフィルタ実施形態は、下記のうち1つ又は複数を含む向上されたエコー源性特性を有するように修正されることがある:(a)コンポーネントのエコー源性特性を向上させるための、フィルタの1つ又は複数のコンポーネントの修正、(b)血管内超音波システムと共に使用するのに適したサイズ、形状、向き、及びパターンにスケール調整された、コンポーネントの表面への十分な数の窪みの形成、(c)フィルタ表面に形成、配置、又は接合された突起、(d)例えば化学的プロセス、レーザ、又はビードブラスト技法を使用した、フィルタの1つ又は複数の表面の粗面化、並びに(e)フィルタ製造技法の1つ又は複数のステップを変えて、キャビティ、空隙、又はポケットを導入して、1つ又は複数の音響反射特性を局所的に修正又は適合して、フィルタの1つ又は複数の特定の領域でのエコー輝度を改良すること。他の態様では、図79〜82に図示して説明するフィルタが、図127〜135に従って、又はシステムと共に、又は図136A〜138Bでさらに述べられるように修正されることがある。1つの代表的な例では、図81xは、エコー源性材料790又は放射線不透過性材料791が図81のセグメント化されたマルチ管腔構造の穴を充填するために使用される例示的実施形態を示す。
プロトタイプ濾過デバイス
図83A〜83Eは、本発明の一実施形態によるプロトタイプフィルタの斜視図(図83A)、平面図(図83B)、底面図(図83C)、側面図(図83D)、及び端面図(図83E)を示す。プロトタイプは前述の特徴を有し、共通の要素は同じ参照番号を有して、これらの図に組み込まれている。支持構造105、110は、電解研磨された0.015インチODニチノールワイヤを用いて形成し、約1インチの直径の2つの実質的に等しい開いたループ126、128を形成するように形状を定めた。支持構造105のために使用した支持構造ワイヤは、0.010インチのワイヤ直径に研磨し、これを使用して、可撓性の引戻し機構240(すなわち図28C)を各端部に形成した。非外傷性の特徴部(ここではボール242)が、ワイヤをプラズマにさらすことによってワイヤの端部に形成される。放射線不透過性マーカ、ここではタンタルマーカバンド248が、ボール242の下に取り付けられる。物質捕捉構造115は、フィラメント118によって構築されたフィルタセル119を有する。フィラメント118は、ePTFEモノフィラメントである。フィラメントは、図47に示される方法を使用して支持構造に取り付けられる。端部を接合するために使用されるカバー185は、図24に示されるように、支持構造の周りで圧着されたテーパ付きのニチノール管186である。
図83Ax及び83Bxは、図83A及び83Bに基づいており、可能なエコー源性又は放射線不透過性又は他の画像モダリティ向上変化が生じ得る場合を示す。図83Axに示されるように、そのような向上機能を位置決めするための複数の取り得る位置を示すために複数の暗色の円が使用されている。取り得る位置は、先端部242、クリンプ185/186、支持ワイヤ105、110を含み、螺旋経路に沿った、及び物質捕捉構造118の一部に沿った様々な点、物質捕捉構造が支持部材に取り付けられる位置、交差点106、その付近、又はその各サイド、物質捕捉構造を含まない支持フレームに沿った点、並びに遠位端104でのクリンプ及び引戻し尾部248を含む。図83AXの例示的実施形態では、尾部242、近位端102、若しくはクリンプ186、中間ループウェブ捕捉フレーム、ウェブフィラメントの交差部又は交点、支持フレームへのウェブ取付点、交差点、非捕捉構造ループに沿った点、遠位端若しくは遠位引戻し尾部といった位置が示される。
図83Bxは、フィルタの支持フレームを覆う使用時の、本明細書で述べる様々なエコー源性カバーの任意のものの使用を示す。示される領域は、連続的なエコー源性コーティング1001又はカバーを表す。カバーは、いくつかの実施形態では、ワイヤを覆う、ウェブ取付具として使用される、又は終端部/尾部を覆うものでよい。これらの位置は単なる例にすぎず、本明細書で述べるように、エコー源性向上のための他の位置も可能である。
同様に、クリンプ及び固定要素の拡大図(図88x2)を伴って図88x1に示される固定要素を有するフィルタも、上述したように及び本明細書で述べるように同様に修正することができる。図88X1は、固定要素と一致するエコー源性特徴部1002(ここでは実線の円として表されている)の使用を示す。例示的実施形態では、エコー源性特徴部は、本明細書で述べる穴、粗い表面、ワイヤラップ、又は他のエコー源性特徴部を有する。さらに、エコー源性特徴部の配置は、固定要素の位置及び深さを表すために使用されることがある。図88X2は、図88X1に示されるようなエコー源性ラップ又はカバーを有するアンカークリンプ1003の拡大図である。エコー源性ラップは、本明細書の他の箇所で述べる穴又は気泡を有するコイル1004又は配管1005でよい。やはり図88X2に示されるように、アンカー又は固定要素1006は、深さと共に変化して貫入の深さを決定する助けとなるエコー源性カバー又はラップを有することがある。カバー又はラップは、固定要素上のコイルのピッチ、及びカバーに提供される穴のサイズ又は密度の変化を含むことがある。例示的実施形態での他の参照は、組織1007及びワイヤ支持体1008である。また、図88X1及び88X2に関係して述べる固定要素に対する変化は、例えば図119など、他の固定要素実施形態にも適用されることがある。
図84A〜84Eは、本発明の一実施形態によるプロトタイプフィルタの斜視図(図84A)、平面図(図84B)、底面図(図84C)、側面図(図84D)、及び端面図(図84E)を示す。この実施形態は、図83Aの実施形態と同様である。この実施形態では、物質捕捉構造115は、図56に関して上述したような押出成形されたポリマーネットから形成された物質捕捉構造312で置き換えられる。また、この実施形態は、支持構造105、110が交差点106で接触しない(すなわち距離「d」だけ離隔されている)様子も示す。
図85A〜85Eは、本発明の一実施形態によるプロトタイプフィルタの斜視図(図85A)、平面図(図85B)、側面図(図85D)、及び端面図(図85C)を示す。この実施形態は、図14Aで述べたフィルタデバイスと同様であり、共通の参照番号が使用されている。この実施形態では、物質捕捉構造は、ポリマー材料520の連続シートから構築され、その連続シートには、(図61Aに関して上述したように)機械的又はレーザ切断によって円形の穴521が作成されている。
図86A〜86Dは、本発明の別の実施形態によるプロトタイプフィルタの斜視図(図86A)、平面図(図86B)、側面図(図86D)、及び端面図(図86C)を示す。このプロトタイプフィルタでは、物質捕捉構造は、ポリマー材料の連続シート520から構築され、そのシート520には、機械的又はレーザ切断によって空隙のパターン522が作成されて、ネット状の構造を作成する(図61C)。
図87は、図83A〜83Eで述べた実施形態と同様の本発明の一実施形態によるプロトタイプフィルタの斜視図である。この実施形態では、細長い構造部材105、110は、一端(すなわち端部102)のみで接合される。接続されていない端部にある支持構造要素は、プラズマボール242によって完成されて、血管穿孔を防止し、展開及び引戻しを容易にする。
図83A〜87に関して上述したフィルタ実施形態の様々な態様は、向上されたエコー源性特性、特徴、又は機構を有するフィルタとなるように修正される、又はそのようなフィルタと共に使用されることがある。このフィルタ実施形態は、下記のうち1つ又は複数を含む向上されたエコー源性特性を有するように修正されることがある:(a)コンポーネントのエコー源性特性を向上させるための、フィルタの1つ又は複数のコンポーネントの修正、(b)血管内超音波システムと共に使用するのに適したサイズ、形状、向き、及びパターンにスケール調整された、コンポーネントの表面への十分な数の窪みの形成、(c)フィルタ表面に形成、配置、又は接合された突起、(d)例えば化学的プロセス、レーザ、又はビードブラスト技法を使用した、フィルタの1つ又は複数の表面の粗面化、並びに(e)フィルタ製造技法の1つ又は複数のステップを変えて、キャビティ、空隙、又はポケットを導入して、1つ又は複数の音響反射特性を局所的に修正又は適合して、フィルタの1つ又は複数の特定の領域でのエコー輝度を改良すること。他の態様では、図83A〜87に図示して説明するフィルタが、図127〜135に従って、又はシステムと共に、又は図136A〜138Bでさらに述べられるように修正されることがある。
いくつかのフィルタ実施形態は、1つ又は複数の固定要素、組織アンカー、又は組織係合構造を含むことがあり、展開されたときにフィルタの位置を維持する助けとなる。様々な代替の固定要素、組織アンカー、又は組織係合構造を以下に述べる。それらは、様々な組合せ及び構成に適合させることができる。図88は、第1の端部及び第2の端部を有する第1の支持部材105と、第1の支持部材105の第1の端部又は第1の支持部材105の第2の端部に取り付けられた第2の支持部材110とを有する管腔内フィルタの斜視図である。例示的実施形態では、第1の支持部材105及び第2の支持部材110はそれぞれ、少なくとも第1の端部102から第2の端部104に延在する単一のワイヤから形成される。支持部材は、端部102、104を越えて延在し、以下で述べるように、引戻し機構240又はフィルタの他の要素を形成するために使用されることがある。1つの例示的な例では、第1の支持部材105は、組織アンカー内に形成されることがあり、第2の支持部材105は、引戻し機構内に形成されることがある。例示的実施形態は、第1の端部102にある引戻し機構240と、第2の端部104にある引戻し機構240とを有する。第2の支持部材110は、第1の支持部材105との交差点106を形成する。一実施形態では、第2の支持部材110は、第1の支持部材の第1の端部102及び第1の支持部材の第2の端部104に取り付けられる。物質捕捉構造115は、第1及び第2の支持部材105、110と、交差点106と、第1の支持部材105の第1又は第2の端部との間に延在する。例示的実施形態では、物質捕捉構造は、第1及び第2の支持構造105、110、第1の端部102、及び交差点106の間に延在する。少なくとも1つの組織アンカー810が、第1の支持部材105又は第2の支持部材110の上にある。例示的実施形態では、組織アンカーは、本体支持体105、110上に提供される。この実施形態では、固定要素810は、本体814と、管腔10の壁内に又は壁を通って貫入するのに適した先端部812とを有する別個の構造である。固定要素又は組織アンカー810は、適切な取付具805を使用して細長本体に取り付けられる。取付具805は、固定要素810を細長本体に接合するためのクリンプ(図示せず)又は任意の他の適切な技法でよい。適切な技術は、非限定の例として、個別の戻り止めを用いたクリンプ又は他の接合技法、周方向狭窄を用いたかしめ又は他の接合技法、はんだ付け、溶接、ろう付け、焼嵌め配管、エポキシ、マルチ管腔カラー(multi-lumen collar)を含む。マルチ管腔カラーでは、1本のワイヤが各管腔内に配置され、次いで一体に結合又は溶融される。また、図91及び99は、端部で接合された2つの細長い支持部材から形成されたフィルタ構造に関する取り得る構成を示す。
図89A及び89Bは、組み立てて図89Cに示される最終バージョンにすることができる個々のフィルタコンポーネントを示す。図89Aは、フィルタの近位端を示す。細長本体820、822が、交差点106と端部102との間にフィルタ構造115を留付けるために使用される。細長本体820、822は、交差点106を越えて端部826、824まで、ある長さにわたって延在する。引戻し機構240が、端部102に取り付けられ、1つの例示的実施形態では、いずれかの細長本体820、822から形成されることがある。図89Bは、フィルタの遠位端を示す。フィルタの遠位端は、端部104によって接合された細長本体834、830によって形成される。細長本体830、834の長さは、適切なサイズのフィルタを形成するように図89Aでの細長本体820、822と接合するように調節することができる。遠位端も、引戻し機構240及び固定要素810を含む。組み立てられた最終的なフィルタが図89Cに示されており、ここで、フィルタの近位端と遠位端は、適切な接合コネクタ805で接合される。フィルタを構築するために使用される製造手順は、近位端と遠位端の使用によって単純化されると考えられる。各端部は、本出願の他の箇所で述べるほぼ等しい長さの2つの細長本体からフィルタを製作するときよりも比較的より少なくより容易なステップで個別に製作することができる。さらに、近位端と遠位端を結合するために使用される適切な接合コネクタ805が、例えば図91、95、又は99に示されるようなフィルタフレームに固定要素を取り付けるために使用されてもよい。
代替として、細長本体の端部は、固定要素を形成するために使用することができる。図90A及び90Bは、固定要素を形成するために修正された細長い部材の先端部を含むフィルタの近位端及び遠位端を示す。図90Aに示されるフィルタ近位端実施形態は、端部824、826に形成されたフック825を有する。図90Bに示されるフィルタ遠位端実施形態は、端部832、836に形成されたフック835を有する。
図90Aと90Bは、図95、104A、104B、及び104Cに示されるものなど二重フック固定要素を形成するのに適した接合コネクタ805を使用して結合されることがある。代替として、図90Aと90Bでの修正された遠位端と近位端は、任意の組合せで、図89Aと89Bに示される修正されていないフィルタ遠位端と近位端に結合されることがある。図90Cは、図89Aでの近位端を図90Bでの遠位端に接合する1つの結合せの一実施形態を示す。他の組合せも可能である。例えば、組織アンカーが、第1又は第2の取付手段の上にある。追加として又は代替として、第1の支持構造の端部にある引戻し機構と、第2の支持構造の端部にある引戻し機構とが存在してもよい。
これらは、他の実施形態と共に、一端を有する第1の支持部材と、上記端部から延在する第1のセグメントと、上記端部から延在する第2のセグメントとを有するフィルタ支持構造を示す。また、一端と、上記端部から延在する第1のセグメントと、上記端部から延在し、第1のセグメントに交差するが取着はしない第2のセグメントとを有する第2の支持部材も存在する。第1の支持部材の第1のセグメントを第2の支持部材の第1のセグメントに接合するための第1の取付手段と、第1の支持部材の第2のセグメントを第2の支持部材の第2のセグメントに接合するための第2取付手段とが存在する。組織アンカーは、第1又は第2の支持部材の上に、又はそれらと共に提供される。上でさらに詳述したように、物質捕捉構造も存在し、物質捕捉構造は、第2の支持部材の第1及び第2のセグメントに取り付けられ、第2の支持部材の端部と、第1のセグメントが第2のセグメントに交差する場所との間にある。
さらに、図89A〜90Bは、同じ又はほぼ同じ長さを有する細長本体コンポーネントを示すが、設計はそれに限定されない。異なる長さの細長本体の使用は、細長本体に沿ってオフセット位置で固定要素を位置決めするために使用することができる。細長本体の長さ820、822、830、834は、図91に示されるように取り付けられた前の例とは異なる長さでよい。異なる細長本体の長さの使用は、取付具805の間に間隔(図では「s」によって示される)を生み出す。破線は、固定要素が移動されて収納された状態になったときの各固定要素の位置を示す。オフセット間隔「s」は、送達前にフィルタが収納されるときに(図123B)、細長本体820、830間の固定要素810が細長本体822、834間の固定要素810とからまる可能性を低減する。代替として又は追加として、オフセット間隔「s」は、固定要素がからまるのを防止するために所望の量のオフセットをもたらす位置で細長本体に固定要素を配置することによって実現されることがある。
使用されることがあるいくつかの様々な固定要素が存在する。図92に示される固定要素810は、いくつかの屈曲及び形成技法を使用して細長本体の端部(すなわち図90A及び90B)に形成されることがある固定要素を示す。端部は、図92に示されるように細長本体の残りの部分と同じ直径のままでよい。端部は、周囲の管腔と係合するために、本体814と先端部812との間で所望の湾曲に形作られる。一代替実施形態では、細長本体の端部は、切断、研磨、又は他の方法で形作られて、鋭利な先端又は面取りされた先端部812にされる。追加として又は代替として、固定要素は、図93A及び93Bに示されるように、細長本体の残りの部分よりも小さい直径を有することがある。固定要素810aは、移行セクション814aで先端部812aの所望の最終直径まで低減された細長本体の直径を有する。次いで、ここで低減された直径の端部は、固定要素が周囲の組織とどのように係合するかに応じて、所望の曲率に形作られる。代替実施形態では、移行セクション814aは、単独で、又は先端部812aと組み合わせて、本体814とは異なる材料から形成されることがある。材料の相違、又は同じ材料の異なる品質が、可撓性の先端部を有する鉤又は組織アンカーを提供するために使用されることがある。例えば、移行部814aと先端部812aとのいずれか又は両方が、ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、テトラフルオロエチレン−コ−ヘキサフルオロプロピレン(FEP)、又はポリ(フルオロアルコキシ)(PFA)、他の適切な医療グレードポリマー、及び他の生体適合性ポリマーから形成されることがある。
図94は、1本のワイヤ803から形成されたフィルタ構造の近位端102の一実施形態を示す。ワイヤ803は、端部803aで始まり、支持フレームの一方の側へ、次いで引戻し機構240へ湾曲される。ワイヤ803は、逆向きにされて(803c)、引戻し機構240の他方の側、次いで支持フレームの他方の側を、端部803bまで形成する。クリンプ183又は他の適切な締結具は、引戻し機構240の形状及び位置を維持するために使用される。この例示的実施形態は、近位端102のための単一ワイヤ形成技法を述べるが、この技法は、遠位端104の形成にも適用することができる。また、引戻し機構240は、図示される実施形態の形状とは異なる形状を取ることもあり、例えば図20〜22及び25〜28Cに示される引戻し機構に類似するように形成されることがある。図95に示されるように、遠位端240にループ833を形成するために、1本のワイヤ803が使用されることもある。これは、第1の支持部材と第2の支持部材との両方を1本のワイヤから形成するための技法を示す。また、この実施形態は、管腔壁から持ち上げられた位置でコネクタ183を示す。さらに、両頭型の(double ended)固定要素822が示されている。これは、近位開口を有する第1の鉤と、遠位開口を有する第2の鉤とを有する組織アンカーの一例である。両頭型の固定要素は、近位端及び遠位端の縁部を湾曲させることによって形成されることがある(図90A、90B参照)。代替として、図104Aに示されるように、固定要素822は、スタンドアロンコンポーネントでよく、本体814が湾曲されて2つの先端部812が作られる。図104Bに示されるように、固定要素822は、適切な固定手段805を使用して、任意の細長本体に接合されることがある。例示的実施形態では、固定要素822は、細長本体110に取り付けられる。また、端部812は、図104Cに示されるように、異なる方向又は異なる角度で湾曲されることもある。
広範な結合又は接合技法の任意のものが、近位端と遠位端を接合するために使用されることがある。そのような技法は、例えば、はんだ付け、溶接、ろう付け、焼嵌め配管、エポキシ、マルチ管腔カラーである。マルチ管腔カラーでは、1本のワイヤが各管腔内に配置され、次いで一体に結合又は溶融され、ワイヤを一体に撚る。代替として、固定要素の追加を伴って又は伴わずに細長本体を接合するために、1つ又は複数の技法を使用することができる。次いで、表面欠陥を低減させて組織成長を開始するために、接合が行われた領域が、滑らかな材料によって覆われる。接合領域は、エポキシ若しくは医療グレードシリコーンでコーティングすることができ、又は焼嵌め管又はスロット付き管を接合部の上に配置し、次いで所定位置に溶融することができる。接合領域に滑らかな表面を提供するための代替技法の例示的な例において、図89A及び89Bを考察する。まず、熱収縮配管のセグメントは、図89Bの端部832、836それぞれに被さる細長本体830、834に配置された接合プロセスに含まれる細長本体の長さを覆うのに十分に長い。次に、図89Bでの端部832、836は、図89Aでの端部824、826に接合される。その後、熱収縮配管セグメントは、接合された領域に被さるように前進されて、加熱される。熱収縮配管セグメントが加熱されるとき、熱収縮配管セグメントは、接合された領域の周りで溶融し、滑らかな表面を提供し、この表面は、端部826が端部832に接合し、端部824が端部836に接合する領域を封止する。
接合部805は、第1の支持部材を第2の支持部材に接合する取付要素の一例である。接合部805は、図88、89A、89B、90A、90B、94、及び96に示される実施形態によって示唆されるように、細長本体を一体に接合するために使用することができる。代替として、接合部は、固定要素をフィルタフレームに留付けるために使用することができる。さらに別の代替形態では、接合部は、細長本体を一体に接合して単一のフレームにすること、及び細長本体が接合されたのと同じ点で固定要素をフィルタフレームに接合することの両方のための手段を提供することができる。接合部805を作成するために使用される適切な取付け手段及び取付け技法は、非限定の例として、個別の戻り止めを用いたクリンプ又は他の接合技法、周方向狭窄を用いたかしめ又は他の接合技法、はんだ付け、溶接、ろう付け、焼嵌め配管、エポキシ、マルチ管腔カラーを含む。マルチ管腔カラーでは、ここで、1本のワイヤが各管腔内に配置され、次いで一体に結合又は溶融される。
物質捕捉構造115は、多くの異なる位置及び向きの任意のものでよい。図96は、支持部材105、110によって形成された2つの開ループ支持フレームを有する本発明のフィルタの一実施形態を示す。管腔10内の流れが、矢印によって示されている。この実施形態では、物質捕捉構造115は、上流の開ループ支持構造内に配置される。対照的に、物質捕捉構造は、下流の開ループ支持構造内に位置決めされることもある(図97)。別の代替構成では、上流と下流の支持フレームの両方が、物質捕捉構造115を含む。
捕捉構造を有さない支持フレームと同数の捕捉構造を有する支持フレームを有するフィルタデバイス実施形態がある(例えば、図13A、13B、97A、及び97B)。捕捉構造を有さない支持フレームを、捕捉構造を有する支持フレームよりも多く有する他の実施形態もある。例えば、図14は、捕捉構造を有さない支持フレームを、捕捉構造を有する支持フレームよりも多く有するフィルタ実施形態190を示す。フィルタデバイス190は2つの支持部材105、110を有し、これらの支持部材105、110は、互いに隣接して位置決めされて複数の支持フレームを形成し、これらの支持フレームは、管腔10内の流れに対して提供される。また、これらの支持フレームは、本明細書で述べる任意の組合せ又は構成で固定要素を含むように修正することもできる。代替として、複数の支持フレームが、デバイス190又は管腔10の流れ軸を横切る物質捕捉構造を支持するために位置決めされる。支持部材は、端部192で一体に接合され、端部194で接合される前に2つの変曲点を有する。支持部材105、110は、交差点106及び196で互いに重なって交差する。支持フレーム191は、端部192と交差点106との間にある。支持フレーム193は、交差点106、196の間にある。支持フレーム195は、交差点196と端部194との間にある。1つ又は複数の固定要素は、本明細書で述べる支持フレーム191、193、及び195のうち任意のもの又は全てに提供されることがある。
図98は、管腔10の側壁内部に係合される固定要素810を示す。この実施形態では、固定要素の長さ及び曲率は、管腔10の壁内部に残るように選択される。図示されるように、先端部812は、管腔10の側壁内部にある。他の代替構成では、固定要素の長さ及び曲率は、管腔壁を通って穴開けすることによって管腔10と係合するように選択される。
固定要素は、個別の要素でよく、又は細長本体の1つから形成することができる。さらに、固定要素は、いくつかの異なる位置及び向きの任意のもので位置決めされることがある。図88は、端部102、104と交差点106との間の中途付近に位置決めされた固定要素を示す。追加の固定要素が端部104に位置決めされる。固定要素が単一の支持フレーム上にある図88の例示的実施形態とは異なり、図99は、両方の支持フレーム及び端部104、102の上でのさらなる固定要素の位置を示す。図99は、フレーム内部に任意の物質捕捉構造を示さない。図99で、固定要素810は、端部と交差点との間で支持フレームの中間付近に両方の細長本体105、110に沿って位置決めされる。代替の固定要素810の間隔及び向きが、図100及び101に示されている。図100は、端部102、104と交差点106との間の中間距離付近での固定要素810の配置を示す。図101は、交差点106及び端部102又は104付近に位置決めされたさらなる要素を有する図100と同様の固定要素の配置を示す。図102に示されるように、複数の固定要素又は鉤が、構造に沿った各位置に位置決めされることがある。図102は、2つの固定要素810を細長本体105、110に留付ける固定取付点805を示す。固定要素810は個別に提供されることがあり、又は代替として、固定要素810の一方又は両方が細長本体から形成されることがある。フィルタ構造に沿った単一の位置での複数の鉤又は固定要素も、例えば図95、104A、104B、及び104Cに示されている。
図88に戻ると、個々の固定要素810を細長本体に取り付ける又は留付けるために取付具805を使用することもできる。個々の要素に関する図103A、103B、及び103Cは、(図103A)又は側部(103A、103B)に取り付けられることがあり、管腔壁に対する所望の向きを提供し、所望のデバイスプロファイルを提供する。詳細を示すために、固定要素を細長本体に留付けるために使用されるカバー又は接合構造805は省かれている。
固定要素は、複数の取付点で管腔側壁に係合、穴開け、又は他の方法で取着するように設計されることがある。図102は、単一の取付部位で、又は単一のカバー若しくは接合部構造805によって細長本体に取り付けられる複数の固定要素810を示す。図104Aは、2つの固定先端部812を有する本体814を有する両頭型の固定要素822を示す。図104Bは、細長本体110に取り付けられた両頭型の固定要素822を示す。図104Cは、先端部が隣接する管腔壁と係合する仕方を調節するために先端部812が変更されることがある様子を示す。図104Cは、1つの近位開放先端部812及び1つの遠位開放先端部812を示す。
先端部812に関する様々な固定要素本体向き及び固定位置が可能である。一実施形態では、組織アンカーは、第1の支持部材又は第2の支持部材の周りに巻かれたコイルと、第1の支持部材又は第2の支持部材よりも上方に持ち上げられた端部とを備える。1つのそのような組織係合又はアンカーの例示的な例が、図105に示されている。図105は、湾曲ワイヤ817を示し、湾曲ワイヤ817は、細長本体に沿って延在し、細長本体の周りに巻かれ、次いでカールして、固定部105と先端部812との間にカールを配置する。湾曲ワイヤ817の曲率の度合いは、組織に穴開けするために使用される力を制御するため、又は管腔壁に加えられる固定力の量を制御するために調節されることがある。代替として、図106に示されるように、固定要素本体817は、細長本体のある長さの周りに巻き付くことによって細長本体110に取着することがある。また、図105は、組織アンカーが、隆起螺旋形状を備える組織係合面を有するコイル又は開いた管である一例を示す。また、図105は、第1の支持部材又は第2の支持部材に取り付けられる取付セクションと、組織に穴開けするように適合された端部と、取付セクションと端部812との間のコイルとを有する組織アンカーを示す。任意選択のカバー(図示せず)が、コイル状ワイヤ817に被せて配置されることもあり、細長本体110に沿って滑らかなデバイスプロファイルを維持する。
フィルタ構造は、図107A、107Bに示される代替の固定要素を使用して留付けられることもある。いくつかの実施形態では、組織アンカーは、第1の支持部材又は第2の支持部材に取り付けられた管から形成される、又は管に取り付けられる。図107A及び107Bは、細長本体110に被さって嵌まるように適合された管又は支持体821を示す。支持体821での特徴部823は、管腔の側壁に係合するために使用される。図107Aの例示的実施形態では、特徴部は、棘と同様の尖った先端部を有する概して円錐形の形状を有する。図107Bに示されるように、支持体821の1つ又は複数は、細長本体810に沿って配置されることがある。代替として、特徴部823は、支持体821から形成されることがあり、又は支持体821と共に統合された構造の一部として形成されることがある。特徴部823は、図示されるのとは異なる形状で形成されてもよい。特徴部823は、周方向リブ又は空隙/戻り止めの形態を取ってもよい。別の代替実施形態では、支持体821は、図107Bに示される離散したセグメント821ではなく、細長本体110の長さ又は長さの大半に沿って延在する連続する部片である。一実施形態では、セグメント及び特徴部が形成される。特徴部823のサイズ、数、及び間隔は、用途に応じて変えることができる。物質捕捉構造を下大静脈内にアンカーするために、例えば、特徴部823は、約0.5mm〜約3mmの間の高さと、約0.1mm〜約5mmの間隔とを有することがある。
図108及び109は、別の代替固定要素を示す。これらの代替実施形態では、組織アンカーは、第1の支持部材又は第2の支持部材から形成される(図109)か、又は、第1の支持部材若しくは第2の支持部材に取り付けられた構造若しくは管に取り付けられる、若しくはそのような構造若しくは管から形成される(図108)。追加として又は代替として、組織アンカーは、第1の支持部材又は第2の支持部材に取り付けられた管から形成する、又はそのような管に取り付けることができる。図108は、組織係合面を有する管843である組織アンカーを示す。この例示的実施形態では、組織係合面は、三角形の固定要素847を含む。三角形の固定要素847は、図108に示されるように中空管843の側壁に形成されることがある。次いで、中空管843は、細長本体110に被せて配置されて留付けられる。管843に適した材料は、例えば、ニチノール、ステンレス鋼、又は前述したポリマー及び分解可能なポリマーを含む。中空管843の断面は円形として図示されているが、他の断面も可能である。一実施形態では、管843の断面は、細長本体110のサイズ及び断面形状に合うようにサイズ及び形状を定められる。代替として、細長本体に被せて配置される管内に三角形の固定要素847を形成するのではなく、図109に示されるように、三角形の固定部材847が、細長本体110の表面内に、又は細長本体110の表面を使用して形成される。この例示的実施形態では、第1又は第2の支持部材にある組織アンカーは、第1又は第2の支持部材から形成される。例示的実施形態は、概して三角形の形状を有する固定要素847を示すが、他の形状も可能である。例えば、固定要素847は、細長いスパイクとして、又は隣接する管腔又は組織に係合するための任意の他の適切な形状において、形作られることがある。さらに別の実施形態では、固定部材の1つ又は複数は、エコー源性特性を有するように修正されて、図109xに示されるような固定部材847xになることがある。修正された固定要素847xは、エコー源性向上及び修正の有用性を向上させるために、アレイ又は他のパターンでよく、又はフィルタの特定の部分にあってよい。図109xに示される実施形態は、固定要素847との配列で、修正された固定要素847xを示す。固定要素847xは、いくつかの実施形態では、コーティング又はカバーに組み込まれたエコー源性タブでもよい。
図110に示される別の代替実施形態では、管847は、組織係合面を形成するように修正されることがある。この例示的実施形態では、組織係合面は、スパイク又は棘のような形状の表面特徴部862を含む。特徴部862を形成する一方法は、管の表面が粘着性になるまで、ポリマー管を加熱することである。次に、管の表面が引き上げられて(wicked up)、特徴部862の形状になる。図示されるように、管860は、細長本体110の一部のみを覆うようにセグメント化される。別の実施形態では、管は、細長本体110と同じ長さ又はほぼ同じ長さである。管860の表面を修正するのではなく、管860の壁上に、壁内に、又は壁を通して固定特徴部を取り付けることによって組織係合特徴部862が形成されてもよい。
図110Xで最も良く見られる別の例示的実施形態では、組織係合面860は、管860のエコー源性シグネチャを向上させるように修正された表面特徴部862xを含む。表面特徴部862xは、先端、指、又は微絨毛のように構成される。
組織係合特徴部は、図111A及び111Bに示されるようないくつかの異なる形状の任意のものを取ることができる。図111Aは、組織係合特徴部863aを示し、ベース865が、尖った先端部で終端する傾斜付きの本体866を支持する。図111Bは、組織係合特徴部864aを示し、ベース865が、平坦な先端で終端する概して円筒形の本体867を支持する。組織係合特徴部は、該組織係合特徴部を側壁を通して押し込むことによって管860に追加されることがあり、それにより、設置されるとき、図110に示されるように、ベース865は、管860の管腔内部にあり、本体866、867は、側壁を通って延在する。
図112は、管ベースの固定要素の別の代替実施形態を含む。この実施形態では、組織係合面が、隆起した形態を備える。一実施形態では、組織アンカーは、隆起した螺旋形態を備える組織係合面を有する管である。図112に示されるように、管870の表面は、稜部872を有する隆起した螺旋に修正されている。隆起螺旋872は、図示されるようにセグメント内にあってよい。1つ又は複数のセグメントは、細長本体の長さに沿って取り付けられることがある。代替として、セグメントではなく、管870は、該管870が取り付けられる細長本体110と同じ長さ又はほぼ同じ長さでよい。別の代替実施形態では、隆起した部分は、管又はセグメント860の表面の下にばね又は他の構造を挿入することによって形成される。追加として又は代替として、組織アンカーは、第1又は第2の支持部材の周りに巻かれたコイルを備える。図106に示されるように、この代替形態は、1本のワイヤ(細長本体110)に別のワイヤ又はばね(巻付きワイヤ817)を巻くことによって形成することができる。次いで、ワイヤ110及び巻付きワイヤ817は、別の材料によってコーティングされることがあり、又は適切な収縮配管内に配置されることがある。材料又は熱収縮がワイヤに適合するように処理されると、得られる構造は、図112に示される構造と類似しており、追加として、先端部812(図106参照)が、材料を通って延在して、管腔への追加の取付点を提供する。
図112のデバイスの改良実施形態が、図112xに示されている。図112xの実施形態は、管ベース固定要素である。この実施形態では、組織係合面は、隆起した形態を備える。一実施形態では、組織アンカーは、隆起螺旋形状を備える組織係合面を有する管である。図112xに示されるように、管870xの表面は、稜部872xを有する隆起螺旋に修正されることがあり、それらのいずれか又は両方が、管870xのエコー源性特性又は特徴を向上させるように修正されることがある。一実施形態では、872xの特徴部は、エコー源性コイルによって提供される。
代替の態様では、図106xは、アンカー1010を有する組み合わせられたエコー源性特徴部を示し、巻かれた固定要素817が、ラップ817x及び一端812xの全体又は一部に対するエコー源性修正機能を有する。別の態様では、エコー源性修正機能を有するために、両端が修正された端部812xであり、中間部は修正されていないことがあり、又は、中間部817xは修正されているが、端部812は修正されていない。
組織係合構造の形態は、単独で、又は任意の組合せで、いくつかの代替形態の任意のものを取ることがあることを理解されたい。図109に図示して上述したように、特徴部847は、細長本体の表面に切り込まれることがある。図108は、同様の特徴部が管843の壁に切り込まれることがある様子を示す。さらに、組織係合面は、図106、112に示されるような管での隆起したプロファイル表面の形態を取ることがある。追加として又は代替として、組織係合面は、組織に係合する管又は構造の表面を粗面化し、それによりフィルタと該フィルタが接触する組織との間の摩擦係数を高めることによって形成されることがある。いくつかの実施形態では、粗面化は、機械的手段(サンディング、ビードブラスト刻み付け、切断、スコアリング)、化学的手段(酸エッチング)、若しくはレーザ切断によって、又は押出成形若しくは成形プロセスの一部として、表面テクスチャ化の形態を取ることがある。
固定又は組織係合構造を細長本体に追加することに加えて、引戻し機構が、細長本体に取り付けられることがあり、又はいくつかの異なる方法で細長本体から形成されることがあり、細長本体は、やはり固定要素を含むことがある。一実施形態では、図113に示されるように、第1の支持部材の第1の端部又は第2の端部に接合された、組み合わせられた組織アンカー及び引戻し機構が存在する。図113は、遠位端104を示し、ここで、細長本体105、110は、取付要素又は留付け特徴部183の内部で終端する。留付け特徴部は、細長本体を一体に接合するためのクリンプ183又は任意の他の適切な技法でよい。取付要素又は留付け特徴部183を作成するために使用される適切な取付け手段及び取付け技法は、非限定の例として、個別の戻り止めを用いたクリンプ又は他の接合技法、周方向狭窄を用いたかしめ又は他の接合技法、はんだ付け、溶接、ろう付け、焼嵌め配管、エポキシ、マルチ管腔カラーを含む。マルチ管腔カラーでは、1本のワイヤが各管腔内に配置され、次いで一体に結合又は溶融される。
この例示的実施形態では、引戻し機構240は、1本のワイヤ811から形成され、このワイヤ811は、引戻し機構240の湾曲部241、及び組織と係合するための先端部812を有する組織係合構造810に形作られる。
この例示的実施形態では、細長本体105、110と引戻し機構240のために使用されるワイヤの直径はほぼ同じであり、したがって、ワイヤの圧着が適切な接合法である。他の接合方法は、非限定の例として、個別の戻り止めを用いたクリンプ又は他の接合技法、周方向狭窄を用いたかしめ又は他の接合技法、はんだ付け、溶接、ろう付け、焼嵌め配管、エポキシ、マルチ管腔カラーを含む。マルチ管腔カラーでは、1本のワイヤが各管腔内に配置され、次いで一体に結合又は溶融される。
図114に示される実施形態では、図113に示される実施形態とは対照的に、引戻し機構240を形成するために使用されるワイヤは、留付け特徴部又は取付要素183の内部で終端する。図113、114に示されるように個別のワイヤを使用するのではなく、引戻し機構240及び固定要素810を形成するために細長本体105、110の端部が使用されることもある。これは、第1の支持部材の一端が組織アンカーを形成し、第2の支持部材の一端が引戻し機構を形成する一例である。追加として又は代替として、第1の支持構造の端部に形成された引戻し機構は、第1の支持構造から形成され、又は第2の支持構造の端部に形成された引戻し機構は、第2の支持構造から形成される。いくつかの実施形態では、組織アンカーは、第1の支持構造の一端又は第2の支持構造の一端にある。図115は、クリンプ183を通過し、次いで引戻し機構240として形作られた細長本体105を示す。細長本体110は、クリンプ183を通過し、次いで先端部812を有する遠位開放固定要素810として形作られる。図116Aは、図115と同様であるが、ここでは、細長本体110が引戻し機構240を形成するために使用され、細長本体105がクリンプ183を通過し、次いで近位開放固定要素810として形作られる。図116Bは、クリンプ183を通る断面図である。図116Cは、図116Aの断面図であり、スペーサ831がクリンプ183内に挿入されており、圧着力を分散し、より確実な接合部を提供する助けとなる。
固定要素を一端に追加するのではなく、固定又は組織係合要素を形成するために端部が使用されることもある。図117A及び117Bは、細長本体105、110を保持するために使用されるクリンプ183から固定要素852が形成される斜視図及び底面図を示す。いずれかの細長本体105、110を使用して、引戻し機構240を形成することができる。図118は、細長本体105、110とは別個のワイヤ814を有する代替実施形態を示す。ワイヤ814は、固定要素810a内に形成され、ここで、ボール811は、ワイヤ814がクリンプ183を通して引かれるのを防止する。固定要素810aは、フック812で終端する。
図88、89B、90B、96、99、113、114、115、116〜118に関して述べたような固定要素を含むように引戻し機構を修正することを使用して、1つ又は複数の固定要素を、図20〜29に関して述べた引戻し機構実施形態に提供することもできる。さらに、例示的実施形態の多くを細長本体105、110に関連して述べてきたが、本発明はそれに限定されない。本明細書で述べる他の細長本体及び/又は支持構造を、細長本体105、110と交換可能に使用することもできる。
他の代替実施形態では、固定要素の全体又は一部が、薬理剤を含むように修正されることがある。薬理剤の包含は、フィルタ又は組織係合構造の全体又は一部を薬理剤でコーティングすることを含むことがある。追加として又は代替として、組織係合特徴部は、時間と共に又はいくらかの初期時間遅延後に解放される薬物、又は薬物若しくは薬理剤の組合せを含むように適合及び構成されることがある。図119は、中空端部812cを有する図98での固定要素812の代替実施形態を示す。薬物溶出固定要素814aが、望みの曲率に形作られた皮下注射器様の針を使用して形成され得る。代替として、キャビティ812cは、ワイヤ内部の一部を中空にすることによって、又は固定要素812を管から形成することによって形成されることがある。同様に、図93A、93Bでの固定要素の先端部も、図120に示されるように中空にされることがある。図120は、固定要素812の遠位端にあるキャビティ812cを示す。また、図110、111A、及び111Bのピン867及びスパイク866が、図121及び122に示されるように薬物キャビティを含むように修正されることもある。図121は、組織係合特徴部863bを示し、ベース865が、尖った先端部で終端する傾斜付きの本体866’を支持する。キャビティ812cは、先端部から本体866’内に延在する。図122は、組織係合特徴部864bを示し、ベース865が、平坦な先端で終端する概して円筒形の本体867’を支持する。キャビティ812cは、平坦な先端部から本体867’内に延在する。キャビティ812cは、広範な薬理剤の任意のもので充填することができる。例としては、抗増殖剤又は抗血栓剤がある。さらに、これら又は任意の他の固定要素又は組織係合構造の実施形態は、薬理剤でコーティングされてもよい。
図88〜122に関して上述したフィルタ実施形態の様々な態様は、向上されたエコー源性特性、特徴、又は機構を有するフィルタとなるように修正される、又はそのようなフィルタと共に使用されることがある。このフィルタ実施形態は、下記のうち1つ又は複数を含む向上されたエコー源性特性を有するように修正されることがある:(a)コンポーネントのエコー源性特性を向上させるための、フィルタの1つ又は複数のコンポーネントの修正、(b)血管内超音波システムと共に使用するのに適したサイズ、形状、向き、及びパターンにスケール調整された、コンポーネントの表面への十分な数の窪みの形成、(c)フィルタ表面に形成、配置、又は接合された突起、(d)例えば化学的プロセス、レーザ、又はビードブラスト技法を使用した、フィルタの1つ又は複数の表面の粗面化、並びに(e)フィルタ製造技法の1つ又は複数のステップを変えて、キャビティ、空隙、又はポケットを導入して、1つ又は複数の音響反射特性を局所的に修正又は適合して、フィルタの1つ又は複数の特定の領域でのエコー輝度を改良すること。他の態様では、図88〜122に図示して説明するフィルタが、図127〜135に従って、又はシステムと共に、又は図136A〜138Bでさらに述べられるように修正されることがある。
図123A、123B、及び124Aは、1つ又は複数の固定又は組織係合特徴部810を有する本発明のフィルタデバイス900の一実施形態の位置決め及び展開を示す。フィルタデバイス900は、組織係合又は固定要素を有する本明細書で述べる任意の代替フィルタ構造実施形態の例示的実施形態である。
本発明の実施形態は、デバイスをターゲット管腔内に完全に展開させる前に部分的に展開されることがあり、ユーザがフィルタの位置を確認することができるようにする。部分的展開は、1つ又は複数の固定要素の制御された可逆の展開及び係合を含む。係合は可逆であり、なぜなら、フィルタを管腔内に配置した後、フィルタは、本明細書で述べるシース内に部分的又は完全に引かれることがあるからである。フィルタは、再位置決めされ、次いで管腔内に再展開されることがあり、それにより固定要素が管腔壁に係合する。さらに、本発明のフィルタの実施形態の設計は、展開のために使用されるのと同じ方向からフィルタに近付くことによって引戻し作用が達成されるようにする。位置決め、展開、及び回収のステップ全てを単一のアクセス部位から行うことができる。
デバイス900は、図123A、123Bに示されるように、及び図69に関して上述したように、血管内送達シース705内に装填されることがある。従来の管腔内及び最小侵襲性手術技法を使用して、デバイス900は、シース705を脈管構造内に前進させる前又は前進させた後に、シース705の近位端に装填することができ、次いで従来のプッシュロッドを使用してシースを通して前進させることができる。プッシュロッド707は、デバイス900を送達シース705管腔を通して前進させるため、及びデバイス展開のために(シース705に対する)デバイスの位置を固定するために使用される。1つの好ましい技法では、デバイス900は、脈管構造内の所望の位置に既に前進されている送達シースの近位端に装填される(図123B)。デバイス900は、ポリマー配管の短いセグメント又は他の適切なカートリッジ内に予め装填されることがあり、これは、デバイス900を、止血弁を通してより容易に前進させることを可能にする。
柔軟性送達シース705と共に使用されるとき、デバイス900の予成形された形状は、デバイス形状に合うようにシース705を変形させる(図123A、123B)。したがって、可撓性の柔軟性シース705は、収納されたデバイス900の曲率を取る。送達シース705の変形は、脈管構造内でのシース705の位置を安定させる助けとなり、所期の送達部位へのデバイス900の正確な展開を容易にする。対照的に、非柔軟性の送達シース705(すなわち、デバイス900の予成形された形状に適合するように変形されないシース)は、デバイス900がその送達シース705の内部に収納されたとしても、概して円筒形の外観を保つ(図69C)。使用されるシースのタイプに関わらず、デバイス送達は、デバイス900の近位側にあるプッシュロッド707を使用してシース705内部でのデバイスの位置を固定し、次いでシース705を近位方向に引き出すことによって達成される。デバイス900がシース705の遠位端から出るとき、デバイス900は、予成形されたデバイス形状を取る。
対称的なデバイス形状(例えば図15、16A、96、97、90C、99、及び88でのデバイスを参照)は、脈管構造内の複数のアクセスポイントからのデバイス900の展開及び引戻しを容易にする。本明細書で述べる他の非固定フィルタデバイスと同様に、デバイス900は、図示されるように、腎静脈13の直ぐ下の下大静脈11内部の脈管構造内に位置決めされることがある(図70参照)。大腿部のアクセス経路(図126A)及び頚部のアクセス経路(図125A)が示されている。大腿部のアクセス経路及び頚部のアクセス経路はそれぞれ、デバイス展開、再位置決め、及び引戻しのために使用されることがある。代替として、デバイス展開、再位置決め、及び引戻しのために、上腕又は肘前アクセスによって大静脈にアクセスすることができる。固定要素又は組織係合構造の配置及び向きは、必要に応じて、所望の配置及び引戻し技法を容易にするように修正することができる。
デバイスの引戻しは、最も好ましくは、本明細書で述べられる引戻し機構(すなわち図27A〜E)の1つを使用して管腔内捕捉によって達成される。本明細書で述べる引戻し機構は、市販のスネアを使用して良好に機能するように設計されており、2つのスネアが図71A及び図71Bに示されている。図71には、単一ループグースネックスネア712が、回収シース710内部に示されている。図71Bには、複数ループエンスネア714が、回収シース710内部に示されている。これらの従来のスネアは、可撓性の一体ワイヤを使用して医師によって制御される。
体腔からのデバイス再捕捉及び除去のシーケンスは図示されており、図72A〜Cを参照して上述した。同様の回収シーケンスが、図125A〜125Cに示されるようなフィルタデバイス900の実施形態に関して使用される。この論述では、デバイス900は、大静脈内に位置決めされる。図125A、125B、及び125Cは、例示的な頚部からの回収を示す。デバイス900は血管内に示されており、血管内の流れは、最初に物質捕捉構造を通過し、次いで開いた支持フレームを通過する。図126A〜Cは、例示的な大腿部からの回収を示す。デバイス900は管腔内に示されており、管腔内の流れは、最初に物質捕捉構造を通過し、次いで開いた支持ループを通過する。押し潰されたスネアが、送達シースを通して、引戻し機構240の近位に前進される。配置されると、スネア712は露出され、所定の伸張ループ形状を取る(図125A及び126A)。ループ形状は、図125B及び126Bに示されるように、引戻し機構240に被せて配置される。有利には、本発明の引戻し機構は、管腔壁に対して、及び管腔壁に接触して位置決めされ、それにより、該機構は、スネアなどの引戻しデバイスによってより容易に捕捉することができる。
次いで、スネアリングされたデバイス900は、シース710内に引き込むことができ、又は代替として、より好ましくは、回収シース710は、デバイス900に被さるように前進され、シース710がデバイス900に被さって前進するときにスネア712の能動制御を維持する。デバイス900に被さるように回収シース710を前進させることは、デバイス900内又はその周囲に成長している任意の組織からのデバイス900の非外傷性の除去を容易にする。さらに、デバイスを径方向内側に押し潰す傾向(図125C及び126C)がある引戻し作用は、管腔壁から固定要素を引き出しながら、デバイスに形成された任意の組織層からの除去も容易にする。さらに、フィルタ構造(すなわち引戻し機構)の一部を引っ張ることによって濾過デバイスを回収することが、対向する螺旋要素、及び該螺旋要素に取り付けられた固定要素又は組織係合構造を管腔壁から除去する。デバイス900がシース710内に引き込まれるとき、デバイス900の予成形された形状はまた、管腔壁から離れるように支持部材を付勢し、これはまた、管腔壁から固定要素を後退させ又は外すのを支援する(図126D)。
フィルタを位置決めし、展開し、引き戻すための様々な技法及び代替形態を論じてきたが、次に、管腔内部にフィルタを位置決めする方法を述べる。図123A及び123Bは、フィルタを含むシースを管腔を通して前進させるステップの一実施形態を示す。図124Aは、フィルタの物質捕捉構造の実質的に全体をシース内部に維持しながら管腔壁を固定デバイスに係合するために、フィルタの一部をシースから管腔内に展開するステップの一実施形態を示す。図124Aに示されるように、引戻し機構240及び少なくとも1つの固定要素810は、シース705から出ている。物質捕捉構造を含むフィルタの残りの部分は、依然としてシース705内部にある。次に、図124B及び124Cに、管腔に沿った、管腔と係合される位置にシースから支持フレームを展開するステップの一実施形態が示されている。また、支持フレームは、固定要素を管腔壁と係合するために使用される。支持フレーム自体の形状及び設計が、径方向の力を発生させ、この力も、フィルタを所定位置に留付け、管腔内部でのフィルタの位置を維持する助けとなる。図124Cは、シース705から展開され、管腔10に沿って開かれた支持フレームを示す。2つの固定要素810が、管腔壁に係合されて示されている。交差点106も展開される。また、交差点106に隣接する物質捕捉構造115の一部は、シースから出ているものとして示されている。
以下は、フィルタの物質捕捉構造をシースから管腔を横切る位置に展開するステップである。図124Dは、シースから出ている物質捕捉構造を示す。引戻し機構240は、依然としてシース(想像線で示されている)の内部にある。
図124Eは、完全に展開されたフィルタ900を示す。第2の引戻し機構240は、管腔壁に対して所定位置にあり、物質捕捉構造は、管腔を横切って展開される。また、図124Eは、フィルタの別の部分を展開するステップの後に、シース710からフィルタ引戻し機構240を展開するステップの一実施形態を示す。
一実施形態では、図124Eに示されるフィルタは、両方の引戻し機構240に、又は両方の引戻し機構240の近くに固定要素810を含むように修正することができる。そのような実施形態では、フィルタの最後の部分及び第2の引戻し機構がシース710から出るとき(図124Dから124Eへの動き)、第2の引戻し機構にある又はその付近にある別の固定要素810が管腔壁に係合する。
別の態様では、フィルタを位置決めする方法は、フィルタの物質捕捉構造を展開するステップの前又は後に、フィルタの交差点構造を管腔内に展開するステップを含むことがある。このステップの一態様が、図124B及び124Cに示されている。これら2つの図は、部分的に展開されたフィルタ900を示し、このフィルタ900は、1つの引戻し機構と、3つの係合要素810とを有し、係合要素810は、シース710の外にあり、管腔と接触している。さらに、この図では、交差点106はシース710から出ている。この展開段階で、係合特徴部240が1つの管腔壁に当接し、交差点106が、引戻し機構240と概して反対の別の壁に当接する。展開された開いた支持フレームは、交差点106と係合特徴部240との間で管腔に沿って延在する。
本発明のフィルタの押潰し可能な性質は、フィルタが展開されたのと同じ方向からのフィルタ回収、及びフィルタが展開されたのと反対方向からの回収を可能にする。また、本発明のフィルタのいくつかの実施形態は、容易にスネアリングできる方法で提示するように、引戻し機構を管腔壁に対して確実に位置決めする。フィルタは、大腿部のアクセスルートを使用して、下大静脈内に展開されることがある。次いで、図125Aに示されるように、頸静脈又は上大静脈からのアクセスルートを使用してそのフィルタを回収することができる。同様に、頚部展開ルートを使用して大静脈内に配置されたフィルタは、図126Aに示されるように大腿アプローチを使用して除去することもできる。1つの特定の例では、回収は、上述した前進ステップ中に使用されるのと同じ方向でフィルタに向けてスネアを操縦することによって達成される。次に、スネアを、管腔の壁に対して位置決めされたフィルタ引戻し機構と係合するステップがある。代替技法では、前進ステップ中に使用されるのとは反対方向でフィルタに向けてスネアを操縦するステップがある。次に、スネアを、管腔の壁に対して位置決めされたフィルタ引戻し機構と係合するステップがある。
フィルタ配置及び回収のための技法は、他の方法で修正することもできる。例えば、上述したようなフィルタを位置決めする方法は、フィルタの一部を展開するステップの前に、シースからフィルタ引戻し機構を展開するステップを含むように調節されることがある。別の代替形態では、フィルタ引戻し機構を管腔壁に対して配置するステップは、管腔内部で交差点を位置決めする前又は後に行われることがある。追加として又は代替として、フィルタ引戻し機構を展開するステップはまた、フィルタ引戻し機構を管腔壁に対して配置することを含むこともある。
さらに、1つの管腔位置から別の管腔位置へのフィルタ900の再位置決めは、図74A〜74Dに関して上述したのと同様のやり方で達成される。デバイス900の多くの実施形態は、図90C、91、99、96、97、94、89C、89A、及び88の非限定の例で示されるような少なくとも1つの非外傷性の端部を有する。この文脈で、非外傷性の端部は、任意の固定又は組織係合特徴部を有さない端部である。これらのフィルタデバイス実施形態の非外傷性の設計により、フィルタデバイス900の再位置決めは、回収シース710内にデバイス900を完全に再捕捉する(図74C)、又は部分的にのみ再捕捉する(図74B)ことによって達成することができる。シース710内部に含まれる固定要素を有するデバイス900の部分を維持することによって、非外傷性の端部は、デバイスの残りの部分を展開して固定要素を係合する前に、望みの位置に動かされて、位置を確認されることがある。デバイス900の非外傷性の設計は、非外傷性の端部のみが管腔内にあるようにデバイスが部分的に展開できるようにする。次いで、部分的に展開されたデバイスは、管腔壁に沿って望みの位置に引かれることがある。所定位置にくると、次いで、デバイスの残りの部分がシースから解放され、それにより、固定要素がシースから解放されるときに固定要素が管腔壁と係合できるようにする。本発明のフィルタデバイスは、ほぼ同じサイズのシースを使用して脈管構造内に展開し、脈管構造から回収することができるので、送達シースと回収シースは同じ参照番号を与えられている。したがって、本発明のデバイスは、第1の直径を有する送達シースから脈管構造内に展開されることがある。次いで、デバイスは、第1の直径よりも2Fr以下だけ大きい第2の直径を有する回収シースを使用して脈管構造から引き戻されることがある(1Fr=0.013インチ=1/3mm)。代替として、第2の直径は、第1の直径よりも1Fr以下だけ大きくてよく、又は代替として、第1の直径は第2の直径とほぼ同じである。
図123A〜126Dに関して上述したフィルタ実施形態の、又はフィルタを動かすため若しくはフィルタを再位置決め若しくは再捕捉するための様々な態様は、向上されたエコー源性特性、特徴、又は機構を有するフィルタとなるように修正される、又はそのようなフィルタと共に使用されることがある。このフィルタ実施形態は、下記のうち1つ又は複数を含む向上されたエコー源性特性を有するように修正されることがある:(a)コンポーネントのエコー源性特性を向上させるための、フィルタの1つ又は複数のコンポーネントの修正、(b)血管内超音波システムと共に使用するのに適したサイズ、形状、向き、及びパターンにスケール調整された、コンポーネントの表面への十分な数の窪みの形成、(c)フィルタ表面に形成、配置、又は接合された突起、(d)例えば化学的プロセス、レーザ、又はビードブラスト技法を使用した、フィルタの1つ又は複数の表面の粗面化、並びに(e)フィルタ製造技法の1つ又は複数のステップを変えて、キャビティ、空隙、又はポケットを導入して、1つ又は複数の音響反射特性を局所的に修正又は適合して、フィルタの1つ又は複数の特定の領域でのエコー輝度を改良すること。他の態様では、図123A〜126Dに図示して説明するフィルタが、図127〜135に従って、又はシステムと共に、又は図136A〜138Bでさらに述べられるように修正されることがある。
固定要素及び組織係合構造の特徴及び代替設計の多くを図88〜125に関して図示して説明してきたが、本発明がそれに限定されないことを理解されたい。図83A〜87で説明した特徴及び代替実施形態は、固定要素及び組織係合構造を有する様々なフィルタに適用することもできる。さらに、図2A、2B、2C、6C、7D、7G、9A〜10B、11〜19、64A〜67、69A〜87に関して述べたフィルタ及び実施形態は、図88〜126Dで説明又は図示した固定要素又は組織係合構造の任意のものを含むように適合されてもよい。
フィルタは、カテーテル及び注射針で見られる比較的単純な設計とは対照的に、より複雑な構造である。フィルタなどのより複雑なデバイスでは、何らかの医療処置中にデバイス内部で特定の部分を識別する必要がある。さらに、(展開、引戻し、及び様々な中間段階を決定するために使用される)互いに対するデバイス内部のコンポーネントを含めたデバイスの向き、及び周囲の管腔又は血管に対する全体的なフィルタ向きを決定することも有利である。全長の先端部又は始点又は終点の位置を使用する従来の技法とは対照的に、より複雑な構造、例えばフィルタ位置、向き、又は相対配置の情報が、特定の利益を生み出す。いくつかの場合には、全体的なフィルタ又はフィルタコンポーネント若しくは部分の態様又は部分又は属性は、生理学的環境に対するフィルタに関するより有用な決定を可能にする。一態様では、血管内超音波(IVUS)カテーテル及び処理システム又は信号処理アルゴリズムが使用されて、フィルタサイズ選択、フィルタ配置のための案内、フィルタ移植のステップを確認し、サイズ設定選択及び適合を確認するステップの前、中、及び/又は後のIVUSを使用したフィルタ及び/又は血管の測定は、生理学的環境下に、及び、患者又は医師の医療記録における(もしあれば)固定要素の適切なサイズ選択、配置、係合、又は係合の度合い、凝血負荷、向き、及び/又は展開の、確認及び/又は文書化に適する。
一態様では、本発明の実施形態は、複雑な形状を有する医療デバイス、又は収納された構成から展開された構成に移動するように構成された医療デバイスを対象とし、そのような展開された構成は、管腔、血管、若しくは中空器官内での適切な使用のための特定の向き及び配置の基準を有することもある。1つのそのような複雑なデバイスは、IVCフィルタである。本発明のいくつかの態様は、人体内で採用されるデバイスであって、本明細書で述べる技法の任意のものを単独で又は任意の組合せで使用して、エコー源性材料の組込みにより、向上された超音波可視性を有するデバイスを含む。
一態様では、フィルタのエコー輝度を高めるための様々な代替のフィルタ設計が本明細書で述べられている。向上されたエコー源性特性を有するフィルタは、下記のうち1つ又は複数を含むことがある:(a)コンポーネントのエコー源性特性を向上させるための、フィルタの1つ又は複数のコンポーネントの修正、(b)血管内超音波システムと共に使用するのに適したサイズ、形状、向き、及びパターンにスケール調整された、コンポーネントの表面への十分な数の窪みの形成、(c)フィルタ表面に形成、配置、又は接合された突起、(d)例えば化学的プロセス、レーザ、又はビードブラスト技法を使用した、フィルタの1つ又は複数の表面の粗面化、並びに(e)フィルタ製造技法の1つ又は複数のステップを変えて、キャビティ、空隙、又はポケットを導入して、1つ又は複数の音響反射特性を局所的に修正又は適合して、フィルタの1つ又は複数の特定の領域でのエコー輝度を改良すること。製造変更の一例は、配管又はカバーのセグメント間にギャップを導入することであり、それにより、ギャップは、エコー源性向上を提供する。さらに、キャビティ、空隙、ポケット、窪み、及びギャップなどは、空のままでよく、又は任意選択で、本明細書で述べるエコー源性材料の任意のもので充填、部分的に充填、又は整列されてもよい。
一態様では、以下の少なくとも1つ又は一部での、又はそれに関係付けられる向上されたエコー源性特性を有するフィルタの実施形態が提供される。近位端、遠位端、近位終端、遠位終端、引戻し機構、引戻し機構での非外傷性の先端部、中間ストラット(mid-strut)領域、フィルタの別の部分に対する少なくとも1つの向きの属性を有する脚部又はストラット部分、固定要素又は引戻し機構の位置の指標。さらに、特定の固定要素と共に使用するときに、固定要素が管腔の壁又は血管若しくは中空器官の一部に完全に展開されていることをマーカが示すように選択されたフィルタの部分での位置(すなわち、固定要素が完全に係合されるときに、マーカは、管腔壁に接する、又はほぼ接する。したがって、壁に接してマーカが見えることは、適切な展開を示し、離隔されていること又は見えないことはそれぞれ、完全には係合していない、又は貫入しすぎていることを示す)。さらに、遠位先端の一部及び/又は細長い部分。上述した方法は、本明細書で述べる他の技法及び代替形態にも適用することができる。
さらなる実施形態では、腔内フィルタの一部、コンポーネント、又は態様は、本明細書で開示された若しくは任意の技法に従って製作されたエコー源性材料の1つ若しくは複数を含み、又は本明細書で述べるようなエコー源性品質を向上させるための任意の属性を有するコーティング若しくはスリーブを適用することによって、向上されたエコー源性属性を有することがある。いくつかの態様では、1つ又は複数のエコー源性材料又はエコー源性マーカを、フィルタ上での特定の構成、位置、向き、又はパターンで、フィルタのコンポーネント又は部分内に組み込む、又はその上若しくは内部に適用することによって、向上されたエコー源性属性が提供される。
向上されたエコー源性マーカ又は位置が、個々に又は組み合わせて使用するために考案及び配置されることがあり、それにより、IVUSシステム又は超音波撮像モダリティに対する、フィルタでの特定の位置に関する標示又はシグネチャの識別を容易にする。上記特定の位置は、例えば、引戻し機構、近位終端、遠位終端、固定要素の位置、又は特定のフィルタ設計の特定の態様を識別する何らかの他の指標の位置である。さらに、又は代替として、2つ以上の向上されたエコー源性マーカ又は部分を組み合わせて使用することができ、フィルタに関するさらなる情報を提供する。そのような情報は、例えば、様々なプロセスに従って身体の脈管構造内又は管腔内のフィルタのために使用される、血管内での向き、展開又は展開シーケンスの一部の確認、最終的な配置の確認、移動又は移動がないことの確認、引戻し又は引戻しシーケンスでの進行の確認などである。別の特定の実施形態では、本明細書で述べるエコー源性向上型フィルタの実施形態と共にIVUS技法を使用することは、フィルタの展開又は引戻し中又は後に、エコー源性マーカによって示される特定のデバイス位置で血管の直径を測定するためにも使用することができる。
さらなる態様では、本明細書で述べるエコー源性向上型フィルタの実施形態と共にIVUS技法を使用することは、不適切な膨張、適切な膨張、フィルタ伸張、フィルタ伸張の度合い、フィルタ−血管係合、及び係合の度合い、ストラット/脚部/アンカー位置、及びフィルタと周囲の生理学的環境との相互作用に関する他の属性を決定、検出、又は指示するために使用することもできる。
さらに、エコー源性マーカは、IVUSトランスデューサの取り得る又は計画された位置決め、及び/又は撮像システムによって使用される音響エネルギーに関する取り得る経路に関して位置決めされる。例えば、IVUSトランスデューサが前方視である場合、フィルタの前方視の態様が、向上されたエコー源性の態様を提供される。別の例では、IVUSトランスデューサが円筒形に形作られ、フィルタの内部部分を通して位置決めされる場合、フィルタは、そのような位置でのトランスデューサなどからの音響エネルギーを受け取る内面又は部分に、向上されたエコー源性態様を設けられる。使用されるIVUSトランスデューサの特定のスタイル、フィルタに対する位置、並びにフィルタに組み込まれるエコー源性特徴部の配置及びタイプに基づいて、他の修正形態も本発明の範囲内にある。別の言い方では、本明細書で述べるフィルタのエコー源性向上機能は、IVUSセンサタイプ、獲得モード、及びフィルタに対する位置に関して選択され、設計され、フィルタに位置決めされる。フィルタを有するIVUSの使用におけるさらなる詳細は、米国特許第6,645,152号及び第6,440,077号に記載されており、それらの特許文献の両方の全体を、あらゆる目的で本明細書に参照援用する。
一態様では、そのようなエコー源性向上型マーカの配置及びシグネチャは、単独で、又は組み合わせて、超音波出力を見る人間ユーザには認識可能であり、エコー源性向上型フィルタからのリターンを含む超音波リターンの処理のために構成されたコンピュータシステムには認識可能である。
様々な代替形態において、エコー源性材料は、多くの異なる技法の任意のものにおいて、フィルタの一部又はコンポーネントに適用することができる。
一例では、エコー源性コンポーネント又は添加剤が、フィルタの一部又はコンポーネントに塗布される選択的コーティングとして、フィルタ又はフィルタの一部に適用される、又は組み込まれる。
一例では、エコー源性コンポーネント又は添加剤が、フィルタの一部又はコンポーネントに被せて配置され又はそこに接合されるように形成されたモールドとして、フィルタ又はフィルタの一部に適用される、又は組み込まれる。
一例では、エコー源性コンポーネント又は添加剤が、フィルタの一部又はコンポーネントを覆うように連続的なセグメントとして形成された押出成形スリーブとして、フィルタ又はフィルタの一部に適用される、又は組み込まれる。一実施形態では、内側管状部材又は外側スリーブ若しくはコーティングの一方が、より高いエコー輝度を有する本発明による材料から製作され、内側管状部材の他方が、ポリウレタン又はシリコーンゴムなどの生体適合性ポリマーから製作されることがある。
一例では、エコー源性コンポーネント又は添加剤が、内管と外管又はスリーブとを備える合成物又は2層構造としてフィルタ又はフィルタの一部に適用され、又は組み込まれ、管の一方又は両方が、本明細書で述べる1つ又は複数のエコー源性材料又は修正機能から形成される、又はそれを含む、若しくは組み込む。さらに、又は代替として、本明細書で述べる一方又は両方のスリーブ又は管は、例えば配管の側壁内部にコイル状の構造を有する管構造の場合と同様に、特定の形状又は幾何形状のエコー源性マーカ又はコンポーネントを含む、又はカプセル化することがある。一態様では、コイル状構造は、エコー源性材料から形成され、巻線は、本明細書で述べるフィルタの任意の態様で有用な仕方で提供される。コイルは、特定のサイズ若しくはサイズ変化、ピッチ若しくはピッチ変化、又は、決定されたフィルタ特性のエコー識別可能態様を提供するのに有用な他の属性を有することがある。1つの特定の実施形態では、コイル又は他のエコー源性材料の寸法は、撮像超音波システムで使用される解像度又は処理アルゴリズムに関して音響反射を高めるために選択された寸法を有する。
一例では、エコー源性コンポーネント又は添加剤が、内管と外管又はスリーブとを備える合成物又は2層構造に組み込まれた編組み構造としてフィルタ又はフィルタの一部に適用され、又は組み込まれ、管の一方又は両方が、本明細書で述べるエコー源性材料又は修正機能を備える1つ又は複数の編組から形成される、又はそれを含む、若しくは組み込む。さらに、又は代替として、本明細書で述べる一方又は両方のスリーブ又は管は、例えば配管の側壁内部に編組み構造を有する管構造の場合と同様に、特定の形状又は幾何形状のエコー源性マーカ又はコンポーネントに形成された編組を含む、又はカプセル化することがある。一態様では、編組み構造はエコー源性材料から形成され、編組みは、管若しくはスリーブの周りに、又はフィルタの一部若しくはコンポーネントに直接巻き付けられるときに、小さい直径である。編組み材料の巻付きパターン及び間隔は、本明細書で述べるフィルタの任意の態様で有用な仕方で提供される。編組は、特定の編組撚り糸組成、構造、サイズ若しくはサイズ変化、ピッチ若しくはピッチ変化、又は、決定されたフィルタ特性のエコー識別可能態様を提供するのに有用な他の属性を有することがある。編組での撚り糸の1本又は数本は、エコー源性材料から形成されることがある。撚り糸の1本又は数本は、改良された放射線不透過性特性を有する材料から形成されることがある。撚り糸の1本又は数本は、エコー源性特性と放射線不透過性特性との両方を有する材料から形成されることがある。編組の撚り糸は、上述した撚り糸特性の任意のものを使用して組み合わされることがある。別の代替形態では、図38A及び38Bに図示及び説明されるように、修正された編組み構造が使用されることもある。
別の代替形態では、さらなる別の例において、エコー源性コンポーネント又は添加剤は、密に詰められた又は離隔された配列でフィルタの一部又はコンポーネントに沿って互いに隣接して配置された一連の短いセグメントとして、フィルタ又はフィルタの一部に適用される、又は組み込まれる。別の実施形態では、隣接するセグメント間の間隔又は空隙は、間隔又は空隙によって導入される材料の相違を使用してフィルタのエコー源性能力を向上させるように調節又は選択されることもある。
別の代替形態では、さらなる別の例において、エコー源性コンポーネント又は添加剤は、熱収縮操作に適した配管又はスリーブとしてフィルタ又はフィルタの一部に適用される、又は組み込まれる。一態様では、1つ又は複数のスリーブをフィルタの一部に被せて摺動し、次いで、熱を加えてフィルタの一部の周りでセグメントを収縮させる製造又は組立てステップがある。特に、様々な実施形態が、本明細書で述べる向上されたエコー源性特性を有するそのような焼嵌め配管の特定の配置を提供する。スリーブ、セグメント、又は管は、例えばePTFE、PTFe、PET、PVDF、PFA、FEP、及び他の適切なポリマーなどの適切な材料に組み込まれたエコー源性修正機能又は要素から提供されることがある、又はそれを有することがあることを理解されたい。さらに、これら及び他の材料は、管以外の形状で形成されることもあるが、本明細書で述べるエコー源性向上技法に従って適用される撚り糸、ライン、ファイバ、及びフィラメントの形態を取ることもある。いくつかの実施形態では、フィルタに適用される管又はセグメントは、同じ組成を有していても異なる組成を有していてもよく、同じ幅を有していても異なる幅を有していてもよい。一態様では、複数のバンドの幅又は厚さが、フィルタに関するコード又は情報を提供するために使用される。異なる幅のエコー源性バンドの使用は、抵抗器上の異なるサイズ及び色のリングがパターンとして配列されて抵抗器の値を表すのと同様のマーキング技法である。
別の代替形態では、さらなる別の例において、エコー源性コンポーネント又は添加剤は、フィルタの一部若しくはコンポーネントの上に押出成形されて、フィルタ若しくはフィルタの一部に塗布され、若しくは組み込まれる。
別の代替形態では、さらなる別の例において、エコー源性コンポーネント又は添加剤は、適切な接着剤又は結合技法を使用してエコー源性材料又はコンポーネントをフィルタに結合することによって、フィルタ又はフィルタの一部に塗布される、又は組み込まれる。
上述した構成の任意のものにおいて、フィルタの一部又はコンポーネントは、窪み、溝、ポケット、空隙によって修正されることがある。他の態様では、1つ又は複数の完全な又は部分的な円周凹部、リング、表面回折格子、又は他の表面特徴部が存在することがあり、フィルタのその部分でのエコー源性特性を選択的に向上又は提供して、エコー源性材料の適用を補助又は促進する。さらなる態様では、上述の表面修正形態の任意のものを使用して、フィルタの一部又は上記の任意のものを、任意の組合せで一意に識別することもできる。
上記のエコー源性マーカ又は属性の任意のもののさらなる態様では、スリーブ又はコーティング又はコンポーネントの厚さは、その近位端及び遠位端で減少して、滑らかな外面を提供することがある。さらなる代替形態として、コーティング、マーカ、又は他のエコー源性材料は、フィルタコンポーネント又は濾過デバイスの近位端又は遠位端又は両方の近位に、又は近くに隣接して延在することがある。
さらなる他の代替形態又は組合せでは、いくつかのフィルタ設計実施形態は、例えばエコー源性材料を組み込むような材料選択など、フィルタのコンポーネントを変えてエコー輝度を向上させる。エコー源性材料のいくつかの例は、パラジウム、パラジウム−イリジウム、又はエコー源性材料の他の合金を含む。
いくつかの実施形態では、エコー源性マイクロバブルが、フィルタの一部に提供されて、フィルタのその態様の音響反射を向上させる。エコー源性マイクロバブルは、任意の簡便な手段によって用意して、コンポーネント若しくはその一部に導入することができ、又はコーティング若しくはスリーブ若しくはシェル若しくは他の伝達手段によって用意することができ、又は押出成形、成形キャスティング、若しくは他の技法の延長の前にポリマー若しくは他の適切なベース化合物と混合して用意することができる。エコー源性マイクロバブルは、適宜、コンポーネント又は要素又はマーカ内部に事前準備又は準備されることがある。マイクロバブルの準備又は使用の態様は、米国特許第5,327,891号、第4,265,251号、第4,442,843号、第4,466,442号、第4,276,885号、第4,572,203号、第4,718,433号、及び第4,442,843号に記載されている。例えば、エコー源性マイクロバブルは、ガス、例えば二酸化炭素を、粘性の砂糖溶液中に、砂糖の結晶化温度を超える温度で導入し、その後、冷却し、砂糖結晶中にガスを閉じ込めることによって得ることができる。マイクロバブルは、ゼラチン中に形成して、デバイスのコンポーネント又は一部に導入することができる。また、マイクロバブルは、マイクロバブルが形成される条件下で界面活性剤、粘性の液体、及び気泡又はガス生成化合物、例えば炭酸塩を混合することによって生成することができる。
さらなる代替形態では、また、デュアルモード材料(放射線不透過性及びエコー輝度)をポリマー中に組み込み、次いでそれを使用して、本明細書で述べるフィルタデバイスの一部を形成する、フィルタデバイスに適用する、又は他の方法でフィルタデバイスに組み込む。これらのポリマー化合物のいくつかは、老化特性(aging)及び貯蔵寿命を向上させ、他の有益な属性を有するように製作することができる。一態様では、フィルタ又はその一部は、1つ又は複数の選択されたセグメントを含み、これらのセグメントは、1つ又は複数のポリマー材料と合成された可視性材料を使用して構築され、これは、選択されたセグメントを、蛍光透視及び超音波撮像の両方を使用して見えるようにする。1つの特定の例では、可視性材料は、ポリマー材料中に分散されたタングステン及び/又は炭化タングステン粒子の形態を取ることがある。1つの特定の態様では、放射線不透過性及びエコー源性材料は、ベースポリマー材料中に分散されたタングステン及び/又は炭化タングステン粒子を含む。
一実施形態では、フィルタの一部又はコンポーネントは、放射線不透過性及びエコー源性材料を含む内層を含む、又は内層を有するように修正されている。1つの代替形態では、放射線不透過性及びエコー源性材料は、ポリエーテルブロックアミドを含むベースポリマー材料(すなわち第1のポリマー材料)中に分散された粒子と、さらなるポリマー材料(すなわち第2のポリマー材料)を含む外層とを含む。特定の実施形態では、追加のポリマー材料は、熱可塑性エラストマーである。任意選択で、追加のポリマー材料は、ベースポリマー材料よりも、加水分解及び/又は酸化に対する耐性がある。
さらなる態様では、フィルタに追加されるコンポーネント、一部、又は要素は、音波撮像されるエコー源性フィルタの一部であるエコー源性本体部材とみなすことができる。エコー源性本体部材は、少なくとも部分的に、例えば患者内又は患者外で使用される超音波撮像機器の使用によって、患者内でエコー源性により撮像可能である複合材料から構成される。一態様では、複合材料は、マトリックス材料に埋め込まれた離散音響反射粒子を含むマトリックス材料を含む。一態様では、マトリックス材料は、生体適合性プラスチックである。適切なプラスチックの例は、ウレタン、エチレン、シリコーン、ポリエチレン、テトラフルオロエチレンを含むことがある。一態様では、マトリックスは、形成可能な柔軟な材料であり、特定の用途に応じて様々な形状に成形及び/又は押出成形されることがある。音反射粒子は、マトリックス材料に埋め込まれる。粒子は、例えば小さなガラス粒子などの硬質材料から形成され、これは、中実であるか、又は音響反射媒体で充填されている。一態様では、ガラス微小球を形成する概して球形状を有するガラス粒子である。約5ミクロンの外径を有するガラス微小球が、1つの許容可能なサイズである。例えば1〜50ミクロン以上の範囲にあるものとして他のサイズの粒子を利用することもできる。使用中の撮像超音波システムの解像度サイズ未満のサイズの粒子が、音響波に対して十分なサイズ及び向きのパターンとして配列されることがあり、これは、撮像超音波システムによって認識可能な特徴部となる。さらに、粒子は必ずしも球状である必要はなく、一部球状でもよい。さらに、様々な粒子形状、粒子サイズ、及びそれらの組合せを提供してマトリックス材料の音響特性を修正することによって、音響反射を向上させるように粒子の形状を変更することもできる。例えば、粒子は、「秩序アレイ」として形作られることがある。「秩序アレイ」は、個々の部分からのマクロ構造の形態を取ることができ、これらの部分は、球形、コロイド、ビーズ、楕円形、正方形、長方形、ファイバ、ワイヤ、ロッド、シェル、薄膜、又は平坦面の形態でパターン形成されていることもパターン形成されていないこともある。対照的に、「無秩序アレイ」は、実質的なマクロ構造を有さない。
例えば、エコー源性マーカは、個々には撮像超音波システムの解像度未満である粒子を含むことがある。エコー源性マーカは、組合せでの、1D、2D、若しくは3Dパターンでの、グラフィックアレイでの、又は機械読取可能な組合せでの、撮像超音波解像度未満のこれらの粒子の組合せであり、シグネチャを形成する。粒子の組合せの特定の特徴に基づいて、エコー源性マーカ又はエコー源性マーカの組合せからの音響リターンが、ディスプレイで視覚的に認識可能になることがあり、ユーザが解釈することができ、又は撮像超音波処理システム内部での1つ又は複数の音響反射若しくはスペクトル処理アルゴリズムによって検出されて解釈されることがある。
一態様では、エコー源性材料は、音波反射材料、例えば酸化鉄、酸化チタン、又は酸化亜鉛のナノメートルサイズ粒子を生体適合性ポリマーに組み込むことによって製作される。1つの製作法では、音響反射粒子は、粉末状の熱可塑性又は熱硬化性材料、例えばポリエーテルアミド、ポリウレタン、又はエポキシ、又はポリ塩化ビニルと混合され、その後、混合物の熱処理が行われて、より高い音響反射の材料を提供し、これは、上で論じたタイプの医療デバイスでのコーティングとして適用されることがあるか、又は本明細書で述べる医療デバイスの構造コンポーネントとして組み込まれることがある。
さらなる実施形態及び態様では、エコー源性向上を提供するために含まれる粒子が選択され、配列され、又は組み込まれることがあり、音響的に幾何学的に調整されたナノ構造、マイクロ構造、又はマクロ構造を提供する。本明細書で提供される粒子は、現在知られているか又は音響反射向上のために作成されることになる全ての形状で形成可能である。非限定の例では、ナノ、マイクロ、又はマクロ粒子は、球形、楕円形、円筒形、正方形、長方形、ロッド、星形、管形、ピラミッド形、星形、プリズム形、三角形、分岐、プレートとして形作られ、又は音響反射面から構成され、又は1つ若しくは複数の表面が、粗面化、若しくは窪み形成、若しくは音響反射特性を変えるために使用される他の技法などによって適合される。非限定の例では、粒子は、プレート、中実シェル、中空シェル、ロッド、米粒形、球、ファイバ、ワイヤ、ピラミッド、プリズム、又はそれらの組合せなどの形状及び特性を備える。
1つの特定の態様では、例えば中空球状空間を有する粒子としての粒子の外面及び/又は内面に部分的球面が提供されることがある。粒子は、マトリックスとは異なる材料から構成される。理論に束縛されることを望まずに、球形は、超音波が発せられる方向に関わらずに様々な角度で音反射を提供し、したがって、伝送される信号の少なくとも一部を超音波受信機に反射して戻して画像を生成する可能性がより高いと考えられる。利用可能なマトリックス材料の多くが、患者において比較的に、超音波的に透明であるので、音反射粒子は適切な反射を提供する。溶液ではなく複合材の使用は、マトリックスに埋め込まれた離散粒子からの音響反射に適切なサイズを提供する。示したように、アルミニウム、硬質プラスチックセラミック、並びに金属及び/又は金属合金粒子など音反射粒子のために様々な材料が利用されることがある。さらに、代替として、マトリックス中の液体、気体、ゲル、マイクロカプセル材料、及び/又は懸濁物が、それらが所望の超音波反射特性を有する複合材を形成する限り、単独で又は組み合わせて使用されることがある。
エコー源性特性を向上させるための上記の実施形態、代替形態、又はフィルタ修正形態の任意のものは、エコー源性の識別可能な又は一意の特色又は音響反射シグネチャを提供するように設計又は実装することもできる。このシグネチャは、人間のオペレータがディスプレイを見ることによって記録されることがあり、又は撮像超音波システム内でフィルタからの音響反射を含むリターンの信号処理技法を使用して識別されることがある。一例では、下記のうち1つ又は複数を決定するのに有用な位置に、1つ又は複数のエコー登録可能又は識別可能な特徴、マーク、又は標示を有するフィルタの表面が存在する:フィルタの端部の位置、フィルタでの固定要素の位置、フィルタでの引戻し機構の位置、別の脚、ストラット、フィルタ、若しくは一端に対する脚、ストラット、フィルタ、若しくはフィルタの一端のうち1つ以上の向き、又は体内の管腔、血管、若しくは中空器官に対する全体的なフィルタの向き。さらに、本明細書で述べるフィルタに向上された撮像特性を提供する別の広く適用可能な態様では、フィルタに追加される又は組み込まれる特性又は修正は、フィルタ、フィルタコンポーネント、又はフィルタの特定された部分が、本明細書で述べる血管内超音波によってより容易に撮像されるようにする。さらに別の態様では、フィルタの特性又は修正は、フィルタ展開若しくは引戻しカテーテル、スネア、又は血管内フィルタの使用を容易にするために提供される他の手段によって運ばれるIVUSプローブによるIVUS撮像を容易にするために向きを定められて位置決めされる。
図127は、フィルタのワイヤストラット又は支持要素(w/s/s)の断面図である。この例示的実施形態では、w/s/sは、同心配列で複数のセグメントを有するものとして示されている。この例示的実施形態では、ワイヤは、1つおきの管セグメント内に含まれる。ワイヤに直に隣接する内管(IT)がある。内層に隣接するエコー源性セグメント層(EL)がある。内管は、エコー源性層とフィルタワイヤ、ストラット、又は支持部材との間の接着性を高めるために結合層として作用するように選択されることがある。この実施形態では、エコー源性層に被さる外管(OT)がある。代替構成では、内管又は外管の一方又は両方が省略されてよい。エコー源性層は、本明細書で述べるエコー源性特性の1つ又は複数を有するセグメントである。
図128〜133は、1つ又は複数のタイプのエコー源性特徴、特性、又は特質のうちの1つ又は複数が加えられたセグメント87の様々な例示的実施形態を提供する。セグメント87自体と共にセグメント87に適用される例示されるエコー源性適合形態はそれぞれ、必要に応じて、フィルタの一部の要件及びエコー源性特性に基づいて、本明細書で述べるようにサイズ設定され、スケール調整され、及び/又は形作られることがある。一実施形態では、セグメントは、例えば図41〜53Dで図示及び説明されるようなものでよい。
図128は、形成された1つ又は複数のレーザドリル穴88を有するセグメント87の一実施形態である。穴の直径及び形状は、セグメント87が取り付けられるフィルタ又はフィルタコンポーネントのサイズに基づいて選択されることがある。穴88は、セグメントの壁を貫通していても、壁を部分的にのみ通っていてもよい。穴88は、本明細書で述べる任意のパターン、間隔、又は向きで形成することができる。
図129は、上に形成された1つ又は複数の隆起特徴部又は代替として粗面化された部分を有するセグメント87の一実施形態である。隆起特徴部のサイズ及び形状、又は表面の粗さは、セグメント87が取り付けられるフィルタ又はフィルタコンポーネントのサイズに基づいて選択することができる。隆起特徴部又は粗さ部分89は、本明細書で述べる任意のパターン、間隔、又は向きで形成することができる。
図130は、形成された1つ又は複数の気泡90を有するセグメント87の一実施形態である。1つの気泡90又は複数の気泡90をセグメント87内に組み込むサイズ、形状、パターン、及び仕方は、セグメント87が取り付けられるフィルタ又はフィルタコンポーネントのサイズに基づいて選択することができる。気泡90は、セグメント側壁内、セグメント側壁の表面付近、又は側壁の内面付近に形成されることがある。気泡90は、本明細書で述べる任意のパターン、間隔、又は向きで形成されることがある。
図131は、形成された1つ又は複数の窪みを有するセグメント87の一実施形態である。窪みの直径及び形状は、セグメント87が取り付けられるフィルタ又はフィルタコンポーネントのサイズに基づいて選択されることがある。窪み91は、本明細書で述べる任意のパターン、間隔、又は向きで形成することができる。
図132は、セグメント87の内部又は周りにコイル又は編組み構造92を有するセグメント87の一実施形態である。コイル又は編組92をセグメント87内に組み込むサイズ、形状、パターン、及び仕方は、セグメント87が取り付けられるフィルタ又はフィルタコンポーネントのサイズに基づいて選択することができる。コイル又は編組92は、セグメント側壁内、セグメント側壁の表面付近、又は側壁の内面付近に形成されることがある。コイル又は編組92は、図127に図示して説明するようなサンドイッチ構造の一部でよい。コイル又は編組92は、本明細書で述べる任意のパターン、間隔、又は向きで形成することができ、セグメント87に取り付けられたフィルタ又はフィルタ部分のエコー源性特性を向上させる。コイル又は編組92は、セグメント87の全長に沿って連続的でよく、又は代替として、コイル又は編組92は、複数のコイル又は編組が単一のセグメント87内部に提供されるように選択された短い長さでよい。また、編組は、図38A及び38Bに関して図示して説明したようなものでもよい。
図133は、リング93.1、93.2、及び93.3に配列された複数のエコー源性マーカ93を有するセグメント87の一実施形態である。例示の目的で、リングは、セグメント87の中心長手方向軸に概して直交する向きで示されている。リングの様々な実施形態は、(「測定」によって示されるように)離隔されることがある。例示的実施形態では、リングは、間に1cmのサンプル間隔(すなわち測定)を有して示されている。間隔は、フィルタサイズ及び生理学的環境など、本明細書で述べる因子に基づいて任意の適切な距離でよい。同様に、リングは、セグメントの長手方向軸に対して他の向きに角度を付けられることもある。例えば、いくつかのリングは、1つの角度向きでよく、一方、他のリングは、異なる角度向きでよく、角度向き又は向きのパターンは、本明細書で述べるフィルタ機能又はエコー源性特性の1つ又は複数を提供するために利用される。いくつかの特定の構成では、使用される間隔及びサイズは、ミリメートル範囲内である。いくつかの特定の構成では、間隔及びサイズは、ミクロン範囲内である。いくつかの特定の構成では、リング又は隣接するリング間のサイズ及び/又は間隔は、サイズ、間隔、及び特徴に関してmm及びミクロン範囲の組合せである。エコー源性マーカ93のサイズ及び間隔は、セグメント87が取り付けられるフィルタ又はフィルタコンポーネントのサイズに基づいて選択されることがある。マーカ93は、本明細書で述べる任意のパターン、間隔、又は向きで形成することができ、マーカを使用する測定を容易にする。さらに、マーカ93.1、93.2、及び93.3は、本明細書で述べる他のフィルタ特性を提供するために利用されることもある。
図134は、単独で、又は他のセグメントと共に使用されるセグメントに関する様々な代替構成を示す。セグメントは、濾過デバイスの例示的なワイヤ、ストラット、又はコンポーネントに沿って示されている。セグメントは、様々な特性を有することがあり、外部で、内部で、又は腔内で使用される医療撮像モダリティによってセグメントをより容易に撮像できるようにする。一態様では、セグメント特性は、静脈又は動脈内部で使用されるフィルタに関する撮像向上を提供するように選択される。別の態様では、セグメントは、様々な特性を有することがあり、セグメントを、本明細書で述べる血管内超音波によってより容易に撮像できるようにする。さらに別の態様では、セグメントは、フィルタ展開若しくは引戻しカテーテル、スネア、又は他の手段によって運ばれるIVUSプローブによるIVUS撮像を容易にするように向きを定められて位置決めされる。1つの例示的実施形態では、セグメントは、IVUS及び外部医療撮像モダリティを利用した撮像を容易にするように選択及び配列される。1つの例示的実施形態では、外部撮像モダリティはX線である。
また、図134に、様々なエコー源性特性(符号Eで表される)と放射線不透過性特性(符号ROで表される)との組合せの使用が示される。これらの特性は、任意の組合せでの、本明細書で述べる特性の任意のものでよい。セグメントのエコー源性特性は、Eセグメント87.9及び87.5のように、グループ内の別のセグメントと同じでよい。代替として、セグメントのエコー源性特性は、セグメント87.2、87.5、及び87.7のように、隣接するグループでのセグメントとは異なることがある。
また、図134は、セグメントの異なる特徴及び特性を使用することができるだけでなく、可変セグメント寸法を使用してフィルタのエコー源性向上を助けることができる様子も示す。図示されるように、セグメントは、ワイヤ、ストラット、又はコンポーネントの長手方向軸に沿って、示されるように様々な幅又は厚さを有する。したがって、図134は、異なる幅又は厚さの値t1〜t10を有する一連の仮想の向上セグメント87.1〜87.10を示す。一実施形態では、セグメントは、短いリング又はバンドとして構成される。グループ内のセグメントの厚さは、セグメント87.1、87.2、及び87.3に示されるものと同様でよく、ここで、厚さt1、t2、t3はほぼ同じである。同様に、セグメント87.4、87.5、及び87.6は、同様の幅又は厚さのセグメントを示し、ここで、t4、t5、t6はほぼ同じ値である。同様に、セグメント87.8、87.9、及び87.10は、同様の幅又は厚さのセグメントを示し、ここで、t8、t9、t10はほぼ同じ値である。
図134はまた、セグメントのグループ内のセグメントが、様々な異なる間隔(s1〜s6)を有することがあり、医療撮像モダリティ特性を改良するためのフィルタに向上機能を提供する様子を示す。例えば、87.1、87.2、及び87.3のセグメントグループ化において、セグメント87.1とセグメント87.2との間に間隔s1があるが、セグメント87.2と87.3の間には間隔がない。セグメント87.3と87.4の間に間隔s2が示されているが、セグメント87.4、87.5、及び87.6によって形成される組合せセグメントグループ化には間隔がない。3つのセグメントの組合せ87.4、87.5、及び87.6と単一のセグメント87.7との間に間隔s3が示されている。単一のセグメント87.7は、セグメント87.8、87.9、及び87.10の均等にサイズを定められ(すなわちt8=t9=t10)、均等に間隔を空けられた(すなわちs5=s6)グループから、間隔s4だけ離隔される。様々な代替実施形態において、セグメントのグループ内で、又はセグメントのグループ間で使用される間隔は、同じでも様々でもよいことを理解されたい。
図135は、改良されたエコー源性特性をフィルタに提供する様々な代替態様を示す例示的なフィルタの図である。図示されるフィルタは、円錐フィルタである。図135のフィルタは、1タイプのフィルタを代表するにすぎないことを理解されたい。本明細書で述べる様々な代替の向上、修正、及び処理は、任意の血管内又は腔内フィルタに提供されることがあることを理解されたい。例示的なフィルタは、3つの全般的なセクションA、B、及びCに分割している。セクションA、B、及びCは、同じタイプの向上機能であっても、セクション毎に異なる向上機能を有していてもよい。さらに、各セクションでの向上機能のタイプは、超音波の下での検出、応答、又は見た目に関して、互いに同じでも異なっていてもよい。さらに、タグ、特徴部、又は向上機能は、セクション内で異なっていてもよい。機能向上フィルタ10に対するエコー源性特徴部、タグ、マーカ、又は修正に関する例示的な位置を示すために、円902が使用されている。図135での例示的実施形態も、連続するエコー源性層、特徴部、又は修正、又は処理908を示す。また、図135での例示的実施形態は、向上したフィルタ構造10内の変曲点906上/付近でのエコー源性属性も示す。また、図135での例示的実施形態は、向上したフィルタ構造10上でのセグメント化されたエコー源性層、特徴部、又は修正若しくは処理904も示す。セクションAは、フィルタ構成に応じて頂部、先端部、遠位部、又は終端部とみなされる。セクションBは、特定のフィルタ構成に応じて、中間ストラット、中間部、濾過部分、デブリ捕捉部、又は血栓収集又は溶解部とみなされる。セクションCは、特定のフィルタ構成に応じて、後部、近位部、近位終端部、アンカー、固定又は穿孔部とみなされる。セクションA、B、及び/又はCに関して示されるエコー源性特徴部、タグ、マーカ、又は修正は、そのセクション、グループ若しくは複数セクション、又はフィルタに関して意図されたエコー源性シグネチャ又は属性に応じて、同じタイプであることも異なるタイプであることもあることを理解されたい。したがって、特定のセクションに関するエコー源性特徴部、タグ、マーカ、又は修正は、本明細書で述べる様々な代替形態の任意のものから選択することができる。
エコー源性特性は、測定された又は特徴付けられた機能のタイプに基づいて、各セクションに追加されることがある。例えば、エコー源性マーカ、特徴部、又はタグは、例えば、フィルタの終端部、端部、又は引戻し部分の識別を提供するためにセクションAに追加されることがある。セクションAのエコー源性特性はまた、特にセクションA又は一般にはフィルタに関係付けられるフィルタ位置の決定、位置決め、管腔内部での姿勢、脈管構造内のフィルタの局所化、又は血管内デバイスの特性に共通の他の特色のために使用されることもある。例えば、エコー源性マーカ、特徴部、又はタグは、例えば、中間ストラット部分、中間部、濾過領域、又は捕捉領域の識別を提供するために、セクションBに追加されることがある。セクションBのエコー源性特性は、セクションBに関係付けられる決定に関して使用することもできる。そのような決定は、例えば、インプラント又は移植のサイズ設定、中心合わせ、対称性、血管壁に対するインプラントの配置、並置、凝血負荷、展開状態又は完了、フィルタ容量及び/又はフィルタ含有量の計量、並びに管腔内部でのフィルタ位置、位置決め、姿勢、脈管構造内でのフィルタの局所化、並びに血管内デバイスの特性に共通の他の特色である。例えば、エコー源性マーカ、特徴部、又はタグは、セクションCに追加されることがあり、例えば、後部、終端部、引戻し機構、アンカー、アンカー位置、固定、又は挿入深さ、穿孔標示、又はフィルタの後部若しくは近位部分の他の態様の識別を提供する。セクションCのエコー源性特性はまた、セクションCに関係する決定のために使用されることもある。そのような決定は、例えば、脚及びストラットなどの移植又は配置のサイズ設定、中心合わせ、対称性、並びに壁の並置の決定、アンカー貫入又は穿孔、アンカー挿入又は深さである。さらに、セクションA、B、及び/又はCでのマーカ又はタグを追加することができ、フィルタ位置、位置決め、管腔内部での姿勢、脈管構造内部のフィルタの局所化、又は血管内デバイスの特徴付けに共通の他の特色の決定又は評価を支援する。例示的実施形態での他の言及は、変曲点3706上/付近でのエコー源性属性、特徴部又は修正若しくは処理を通るセグメント化されたエコー源性層3704、特徴部又は修正若しくは処理を通る連続するエコー源性層3708、エコー源性特徴部/タグ/マーカ/修正3702である。
いくつかの実施形態では、圧力センサ及び/又は血管内超音波(IVUS)トランスデューサは、本明細書で述べるフィルタの任意のものと共に使用するための送達システム及び方法に追加する、又は組み込むことができる。圧力センサを使用して、脈管構造内部の様々な位置で圧力を測定することができ、この圧力を使用して血流を決定することができ、一方、血管内超音波(IVUS)トランスデューサを使用して、流体の流れを測定する及び/又は血管内の撮像を提供することができる。これらの活動は、本明細書で述べるフィルタ実施形態の任意のものと共同で行うことができる。いくつかの実施形態では、全体をあらゆる目的で本明細書に参照援用する米国特許第8,277,386号、第6,106,476号、及び第6,780,157号に記載されているように、圧力センサ及び/又はIVUSトランスデューサをガイドワイヤ内に1つ又は複数の位置で、例えばガイドワイヤの遠位端又は遠位部分で組み込むことができ、また、ガイドワイヤの中間及び近位部分に組み込むこともできる。圧力センサ及び/又はIVUSトランスデューサを有するガイドワイヤは、通常のガイドワイヤと同様に使用することができ、脈管構造を通して送達デバイスをナビゲートする助けとなり、さらなる利益として、ナビゲーションの助けとなるように圧力測定及び超音波撮像を提供して、デバイス配置部位を視覚化し、適切なデバイス展開を監視及び保証する。いくつかの実施形態では、IVUSトランスデューサが前進及び後退するときに、IVUSトランスデューサは、画像スライスを生成し、次いで画像スライスは一体に組み立てることができ、脈管構造及び/又は脈管構造内部のデバイスの3次元再構成を生成する。いくつかの実施形態では、圧力センサ及び/又はIVUSトランスデューサを有するガイドワイヤは、別のカテーテルに締結された圧力センサ及び/又はIVUSトランスデューサを有するカテーテルに関して以下に述べるのと同様の仕方でカテーテルに締結することができる。
図136A〜136Cは、ガイドワイヤX100の遠位部に位置された圧力センサX102とIVUSトランスデューサX104との両方を有するガイドワイヤX100の一例を示す。いくつかの実施形態では、圧力センサX102は、シリコンなどの半導体材料から形成することができ、これは、隔膜として形成され、遠位先端部の近位に位置させることができ、一方、IVUSトランスデューサX104は、ガイドワイヤX100の遠位先端部に位置させることができる。
いくつかの実施形態では、圧力センサ及び/又はIVUSトランスデューサは、ガイドワイヤと同様の構成でカテーテルに位置させることができる。例えば、IVUSトランスデューサは、カテーテルの遠位先端部に位置させることができ、一方、圧力センサは、カテーテルの遠位部分から、カテーテルの中間部分へ、さらにはカテーテルの近位部分へとカテーテル本体に沿った1つ又は複数の位置で、IVUSトランスデューサの近位に位置させることができる。圧力及び/又は撮像カテーテルは、送達若しくは引戻しデバイス又は脈管構造に挿入された任意の他のカテーテルと並列で使用することができる。いくつかの実施形態では、圧力及び/又は撮像カテーテルは、例えば、シース又はより大きなカテーテル内に両方のカテーテルを囲うことによって、又は2つのカテーテルを一体に融合することによって、送達若しくは引戻しデバイス又は他のカテーテルに締結することができる。例えば、全体をあらゆる目的で本明細書に参照援用する、どちらもJung他による米国特許第6,645,152号及び第6,440,077号は、大静脈フィルタ送達デバイスと並列に一体に接合された血管内超音波カテーテルを開示して、大静脈内でのフィルタの配置を案内する。圧力及び/又は撮像カテーテルは、圧力及び/又は撮像ガイドワイヤと同じ目的で使用することができる。
図137A〜137Dは、カテーテルX202と並列に一体に接合された血管内超音波カテーテルX200の2つの実施形態を示す。カテーテルX202を使用して、例えば、脈管構造内の位置にデバイスを送達することができ、例えば、大静脈に大静脈フィルタをなどである。血管内超音波カテーテルX200は、IVUSカテーテルX200の遠位部分に位置されたIVUSトランスデューサX204を有することができる。IVUSトランスデューサX204は、ソリッドステートトランスデューサでよく、これは、穴を有するディスク形状又は円筒形状であり、IVUSカテーテルX200を通るガイドワイヤX206又は他のデバイスの通過を可能にする。図137A及び137Bに示されるように、IVUSカテーテルX200及び送達カテーテルX202は、2つのカテーテルを一体に接着又は融合することによって、シースを用いずに並列に一体に接合することができる。図137C及び137Dは、シースX208を使用して一体に固定された同じIVUSカテーテルX200及び送達カテーテルX202を示す。
図138A及び138Bに示されるようないくつかの実施形態では、圧力センサ及び/又はIVUSトランスデューサは、送達若しくは引戻しカテーテルX300又はデバイス自体に統合することができる。一態様では、デバイスは、本明細書で述べる向上された機能を有するフィルタの任意のものである。例えば、IVUSトランスデューサX302は、カテーテルX300又はデバイスの遠位先端部又は端部に統合することができる。圧力センサX304は、IVUSトランスデューサX302の近位で、カテーテルシャフトの遠位部分に位置させることができる。ワイヤは、IVUSトランスデューサX302及び/又は圧力センサX304から、カテーテルX300の近位端に位置された1つ又は複数のコネクタX306に延在することができる。コネクタX306を使用して、IVUSトランスデューサX302及び/又は圧力センサX304を撮像システム及び/又は処理システムに接続することができる。例示的実施形態では、カテーテルX300を使用して、大静脈フィルタX308を大静脈に送達することができる。カテーテルX300は、さらに、入れ子型スリーブ又はプッシャロッドを有して、大静脈フィルタX308を展開することができ、又は代替として、外側カテーテルシースを後退させて、フィルタを展開することができる。IVUSトランスデューサは、カテーテルX300上のIVUSトランスデューサX302を前進及び後退させて複数の画像スライスを生成し、複数の画像スライスを組み立てて3次元画像を再構成することができるようにすることによって、位置決め案内を提供し、フィルタの相対位置を決定することができる。
超音波撮像システムの使用は、オペレータが、蛍光透視法なしで又は蛍光透視法をあまり使用せずにデバイスを送達できるようにし、それにより、患者の放射線被曝を減少すると共に、脈管構造のより正確な評価を可能にし、デバイスの配置を補助し、デバイス配置が適切であったことの確認を可能にする。撮像を使用して、フィルタ又は他のデバイスの展開を補助することができる。脈管構造及びインプラント位置は、展開前、展開後、及び/又は展開中に撮像することができる。撮像を使用して、脈管構造内部でのフィルタ又はデバイスの位置決めを補助することができる。撮像を使用して、展開位置を撮像し、フィルタ又は他のデバイスの適切なサイズ設定を決定することができる。撮像を使用して、治療時間の推定を助けることができる。
撮像システム及びナビゲーション方法
1つ又は複数の撮像モダリティを使用して、脈管構造を通るカテーテルのナビゲーションを支援し、手術部位での手術処置を支援することができる。例えば、蛍光透視法を使用して、脈管構造内のカテーテルの位置を決定し、ナビゲーションを支援することができる。しかし、蛍光透視法は、X線への患者の被曝を伴い、これは、時間と共に、癌などの様々な疾病のリスクを高めることがあり、また皮膚などの組織の熱傷を引き起こすこともある。いくつかの操作に関する長い処置時間は、これらの問題を悪化させることがある。さらに、医療従事者も、付随するX線に晒されることがある。医療従事者の付随的な被曝は、所与の処置中には患者よりもはるかに低いが、蛍光透視法を使用する処置を医療従事者が1年に何回も行うことは、時間と共に、医療従事者の相当なX線被曝をもたらすことがある。
したがって、血管内超音波(IVUS)撮像など追加又は代替の撮像モダリティの使用は、ナビゲーションを支援し、手術部位で手術処置を支援するために使用することができ、これは、蛍光透視法の使用を低減させることを可能にすることがあり、それにより、患者と医療従事者の両方のX線被曝を低める。使用することができる別の撮像モダリティは、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)である。以下の実施形態は主にIVUS撮像を使用して述べているが、光ファイバ要素及び光学センサをカテーテルに追加することによってOCT撮像を使用することもできる。
複数の撮像モダリティは、様々な画像を生成することができ、これらの画像は、個別に1つ又は複数のディスプレイに表示することができ、及び/又は単一の画像にオーバーレイ及び組合せ又は相互位置合わせして、単一のディスプレイに表示することができる。いくつかの実施形態では、撮像デバイスは、命令及びソフトウェアを実行するためのプロセッサ、命令及びソフトウェアを記憶するためのメモリ、キーボード及びマウスなどの1つ又は複数の入力デバイス、及びディスプレイを有するコンピュータシステムと通信することができる。
図139は、挿入部位から宛先部位に送達デバイスをナビゲートする方法の一実施形態を示す。いくつかの実施形態では、この方法は、コンピューティングデバイスで実行されるソフトウェアによって実施することができる。ステップ13900で、ソフトウェア及びコンピューティングデバイスは、挿入部位、インプラント又は療法デバイス、送達デバイス、及び手術処置に関するオペレータからの情報を取得することができる。
例えば、ソフトウェアは、様々な手術処置を支援するために使用するように設計された撮像ソフトウェアでよい。例えば、撮像ソフトウェアは、心臓の全ての血管及び構造を含む心血管系の代表的なデジタルモデルを含むことができる。さらに、ソフトウェアは、標準手術処置のリストを含み、カスタム手術処置の作成を可能にすることができ、これは、標準手術処置の修正でよく、又はゼロ(scratch)から作成することができる。ソフトウェアでの手術処置は、挿入部位、脈管構造を通る進行経路、及び宛先に関する情報、並びに処置自体の実施に関する情報を含む。例えば、手術処置は、処置で使用されるデバイスに関連付けられた様々な使用説明(instructions for use)(IFU)にリンクさせることができる。また、特定の挿入部位及び宛先を仮定して、撮像ソフトウェアは、外科医がナビゲートする可能性が高い脈管構造を通る経路を予想することができ、ステップ13902で示されるように、挿入部位と宛先部位との間の解剖学的標識点(anatomical landmarks)を決定することができる。例えば、ソフトウェアは、ガイドワイヤ、カテーテル、ガイドシース、又は他のデバイスが挿入部位から宛先に前進されるときにそれが当たる及び通過する血管接合部を識別することができる。
また、ソフトウェアは、インプラント、例えばインプラントのサイズ及び形状、インプラント上のエコー源性マーキング、及びインプラント上の蛍光透視マーキングなどに関する情報を有することもできる。一態様では、インプラント上の様々なマーキングは、識別指定として適合及び構成されることがある。一実施形態では、識別指定は、ユーザによって選択された、又はシステムによって提供された色指定を含む。例えば、1つ又は複数のマーカは、その遠位部分では第1の色でよく、中間部分は第2の色でよく、近位部分はさらに第3の色でよい。デバイスの領域の指定とは対照的に、ユーザ又はシステムは、個々のマーカをそれぞれ異なる色で、又は色の区域にグループ化して指定することもできる。さらに別の態様では、インプラント又はデバイスのモデル若しくは表現全体、又はその一部が色付きでもよく、ナビゲーションディスプレイでのより容易な識別を可能にする。さらに他の実施形態では、デバイスの全体若しくは一部の色、又は1つ若しくは複数のマーカに関して示される色は、デバイス又はマーカが適切な若しくは予期される位置であるか、又は不適切な若しくは予期されていない位置であるかによって決定される。一実施形態では、適切な又は予期される位置は緑色として表示することができ、不適切な位置は赤色として表示することができ、予期されない又は不確かな位置は黄色として表示することができる。上記の例それぞれにおいて、色は一種の識別指定の例であり、番号、文字、ピクトグラム(例えばチェックマーク、X印、サムアップ、サムダウンなど)などの他の標識が使用されてもよい。
また、ソフトウェアは、送達デバイスが1つ又は複数のIVUSトランスデューサ及び圧力センサを装備されているかどうかなどを含めた、送達デバイスに関する情報を有することもできる。いくつかの実施形態では、撮像ソフトウェアは、ステップ13904で示されるように、1つ又は複数の撮像モダリティから獲得された撮像データを使用して、患者の脈管構造の2次元及び/又は3次元再構成をリアルタイムで構成することができる。例えば、ステップ13906及び13908で、使用される場合には、蛍光透視法を使用して、少なくとも挿入部位と宛先部位との間での患者の循環系及び脈管構造の初期2次元再構成を構成することができる。さらに、経食道心エコー検査(TEE)及び経胸部心エコー検査(TTE)などの心エコー検査を使用して、画像を生成する、及び/又は血管壁の運動を含めた血液速度及び組織速度を決定することができる。ステップ13910及び13912に示されるように、撮像デバイスが脈管構造を通って移動されるときに、IVUS及び/又はOCTなどの血管内撮像モダリティを使用して、患者の循環系及び脈管構造の2次元及び/又は3次元再構成を生成することができる。画像は、含まれたスケールを有することができ、このスケールは、血管と他の解剖学的マーカとの間の距離を決定できるようにする。撮像デバイスは、長さ又は距離マーキングを有する外面を有することができ、これらの長さ又は距離マーキングは、撮像デバイスのどれほどの長さが患者に挿入されているかを外科医が決定できるようにする。さらに、撮像デバイスの外面は、その長さに沿った長手方向ラインを含むことができ、このラインは、デバイスの回転向きを決定できるようにする。
撮像デバイスが脈管構造を通して前進されるとき、及びまた撮像デバイスが逆に後退される間に、撮像データを獲得することができる。いくつかの実施形態では、再構成された画像の解像度及び/又は精度を向上させるために、1回又は複数回、例えば2回又は3回、脈管構造の一部をスキャンすることが望ましいことがある。
いくつかの実施形態では、撮像ソフトウェアは、血管接合部及び/又は他の標識点の存在を検出することができる。さらに、上述したように、特定の挿入部位及び宛先を仮定して、撮像ソフトウェアは、外科医がナビゲートする可能性が高い脈管構造を通る経路を予想することができ、したがって、ソフトウェアは、ガイドワイヤ、カテーテル、ガイドシース、又は他のデバイスが挿入部位から宛先に前進されるときにそれが当たる及び通過する血管接合部及び/又は他の標識点を識別することができる。いくつかの実施形態では、各々の検出された血管接合部又は他の解剖学的標識点に関して、撮像ソフトウェアは、ステップ13914に示されるように、検出された血管接合部及び/又は他の標識点の名前を予備的にタグ付け、割り当て、又は示唆することができる。外科医は、撮像ソフトウェアの推奨を受け入れることができ、又は、検出された血管接合部及び/又は他の標識点に異なる血管又は標識点名を割り当てることによって、推奨を無効にすることができる。いくつかの実施形態では、ソフトウェアは、検出された血管接合部及び/又は他の標識点に関して、推奨される名前を、1つ又は複数の代替の名前と共に提供することができ、外科医は、推奨された名前又は代替の名前を、1回のマウスクリック又はキーボードクリックで選択することができる。推奨は、検出される血管接合部及び/又は標識点の画像の上に配置することができる。さらに、又は代替として、外科医は、撮像ソフトウェアによって識別される潜在的な名前のリストを提供されることもあり、外科医が名前を選択することができる。外科医は、名前をクリックするか、又は検出された血管接合部及び/又は他の解剖学的標識点の上に名前をドラッグすることができる。さらに、外科医は、例えば名前が推奨又はリスト内に現れない場合には、血管接合部及び/又は解剖学的標識点に関する名前を手動で入力することができる。外科医が、検出された血管接合部及び/又は他の解剖学的標識点それぞれの名前を確認してロックすると、撮像ソフトウェアは、その推奨を再評価して更新することができる。撮像ソフトウェアからの推奨は、挿入部位、宛先、脈管構造を通る予想経路、脈管構造内に挿入されているデバイスの長さ、血流量、血圧、血管直径、他の血管接合部及び/又は解剖学的標識点間の距離、並びに、確認又はロックされた血管接合部及び/又は解剖学的標識点からの距離及び/又はそこに対する相対位置に基づくことができる。
血管接合部及び/又は解剖学的標識点の識別を伴うこの撮像処置は、本明細書で述べる任意のフィルタデバイスを含むことができるカテーテルが挿入される前に予備ステップとして行うことができ、又は撮像デバイスとしての働きも兼ねるカテーテルを用いて同時に行うこともできる。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ及び/又はガイドシース及び/又はカテーテルは、デバイスの遠位部分又は先端部に位置された撮像IVUSトランスデューサなどの撮像デバイスを含むことができる。識別された血管接合部及び/又は解剖学的標識点は、外科医が、脈管構造を通して宛先部位にデバイスをナビゲートするのを支援することができる。
いくつかの実施形態では、1つの宛先部位又は複数の宛先部位を詳細に撮像することもでき、外科医が脈管構造内にデバイスを正確に配置するのを支援する。例えば、下大静脈、上大静脈、又は大静脈に供給する他の静脈を、例えば、ターゲットインプラント展開部位と共に撮像することができる。血管の位置、血管開口のサイズ及び形状、開口の間隔、及び他の血管情報は全て、システム内に記録されており、所望される場合にディスプレイに提供することができる。
ステップ13916で、送達カテーテルの位置を決定することができる。いくつかの実施形態では、システムは、前のステップでの解剖学的標識点の識別、脈管構造内に挿入されている送達デバイスの長さ、及びユーザによる識別の1つ又は複数を使用して、送達カテーテルの位置を決定することができる。送達カテーテルが宛先部位にない場合、システム及びソフトウェアは、オペレータに命令して、送達カテーテルの決定された位置に基づいて、ステップ13920に示されるように送達カテーテルを前進、後退、及び/又は回転させることができる。送達カテーテルが脈管構造を通して移動された後又は移動されるとき、ステップ13910に示されるように、システムは、IVUS撮像データを再び獲得する。図139に示されるように、システム及び方法は、ステップ13918で送達カテーテルが宛先部位にあるとシステム及び方法が判断するまで、ループに入っている。送達カテーテルが宛先部位にあるとシステム及び方法が判断すると、ステップ13922に示されるように、オペレータは、例えば視覚及び/又は可聴通知によって、宛先に達したこと、及びインプラント又はデバイスの展開が開始できることを知らされることがある。
撮像システム及びインプラント展開のための方法
いくつかの実施形態では、ソフトウェアはさらに、インプラントの展開を支援するためのモジュールを含むことができる。上述したように、ユーザは、ソフトウェアのプロンプトで、又はメニューからオプションを手動で選択することによって、リスト又はメニューから医療処置を選択することができる。
各々のプログラムされた医療処置は、例えば、アクセスポイント、典型的なナビゲーションルート、必要な又は推奨される機器を含めた標準の処置ステップに関する情報、及びインプラントのモデル、色セクション、又は上述した他の識別指定を含めたエコー源性インプラントに関する情報を含む。ユーザは、医療処置の一態様をそれぞれ提示する複数のフィールドを提示されることがある。例えば、1つのフィールドは、アクセスポイントを提示することができ、デフォルトとして、医療処置で典型的に使用される最も一般的なアクセスポイントとして提示することができる。ユーザが異なるアクセスポイントを使用することを望む場合、ユーザは、アクセスポイントフィールドをクリックして、複数の異なる所定のアクセスポイントから選択することができ、又は、人体の概略図、又は患者特有の撮像データによって生成される患者の脈管構造の表現の上にマーカをドラッグすることによって、アクセスポイントを手動でカスタマイズすることができる。
所与の処置に関して、一般に宛先が知られており、したがって、脈管構造を通るナビゲーションルートは、上述したように、アクセスポイント及び宛先に基づいてシステムによって決定することができる。
別のフィールドは、ユーザが、医療処置で使用されるインプラントを所定のリストから選択することを可能にする。ソフトウェアは、エコー源性特徴部のサイズ、3次元形状、位置、エコー源性特徴部のパターン、及びエコー源性特徴部の性質を含めた、様々なインプラントの特徴全てを予めプログラムされていることがある。さらに、又は任意選択で、デバイスに関連付けられる識別指定の1つ又は複数は、ユーザによって予めプログラミング又は提供されることがあり、それにより、インプラントの位置、向き、又は配置に関する表示情報は、ユーザの好みの色又は他の識別指定に従って提供される。使用される特定のインプラントが選択されると、システムは、超音波撮像データ内のインプラントの様々な特徴を識別することと、そのデータを、ソフトウェアデータベースに予め記憶されているインプラントのモデルにマッピングすることとによって、IVUS撮像又はFLIVUS撮像など1つ又は複数の撮像モダリティを使用して、上記インプラント、並びに脈管構造内でのその位置及び向きを自動的に識別することが可能である。脈管構造内部のこれらの特徴部それぞれの3次元位置を決定することによって、脈管構造内部のインプラント又はデバイスの位置及び向きを決定することができる。また、ユーザに提示される出力は、デバイス識別指定の1つ又は複数を含むように更新されてもよい。
また、撮像システムは、展開部位を撮像するために使用することもでき、下大静脈、上大静脈、又は大静脈に供給する他の静脈など、関心のある解剖学的構造を自動的に識別することができる。システムは、リアルタイム撮像及びインプラント展開案内を提供することができる。このことは、展開処置全体にわたってインプラントを撮像し、展開部位の再構成並びに展開部位内部の現在のインプラント位置及び向きを含むリアルタイム画像をユーザに表示し、適正なインプラント展開を実現するための命令又は推奨をユーザに提供することによって行われる。また、リアルタイム表示は、処置の段階、ユーザアクション、又は他の因子に応じて、1つ又は複数の識別指定又は識別指定に対する変更を含むように更新されることもある。
例えば、図140は、宛先部位が到達された後に開始することができる展開処置の一実施形態を示す。ステップ14000で、システム及びソフトウェアは、IVUS及び/又は他の撮像モダリティを使用して、展開部位での送達デバイスと1つ又は複数の標識点との間の相対位置を決定することができる。ステップ14002に示されるように、決定された相対位置に基づいて、システム及びソフトウェアは、送達デバイスがターゲット展開位置にあるかどうか判断することができる。送達デバイスがターゲット展開位置にない場合、ステップ14004に示されるように、オペレータは、展開部位での送達デバイスと標識点との間の相対位置に基づいて送達デバイスの位置を調節するように命令されることがある。オペレータが送達デバイスの位置を調節した後、方法は、標識点に対する送達デバイスの相対位置を再び決定することによって、ステップ14000にループして戻る。処置のこの部分は、インプラント又はデバイスの展開前に送達デバイスの位置及び向きを微調整するための反復ループであり、この反復ループは、送達デバイスがターゲット展開位置にあるとシステム及びソフトウェアによって判断されたときに終了する。任意選択で、又は追加として、1つ又は複数の識別指定は、オペレータアクション、デバイスの調節、又はシステムのその後の決定の結果に依存して更新又は変更されることがある。
送達デバイスがターゲット展開位置にあると判断されたとき、ステップ14006に示されるように、オペレータは、デバイス又はインプラントの展開を開始するように命令されることがある。デバイス又はインプラントの展開中、システム及びソフトウェアは、ステップ14008に示されるように、IVUSを使用して、部分的に展開されたインプラント又はデバイスと展開部位との相対位置を決定することができる。次いで、システム及び方法は、ステップ14008での前の決定に基づいて、インプラント又はデバイスが適正に展開されているかどうか判断することができる。インプラント又はデバイスが適正に配置されていないとシステム及び方法が判断した場合、システム及び方法は、ステップ14012に示されるように、展開部位でのインプラント又はデバイスと標識点との間の相対位置に基づいてインプラント又はデバイスの位置を調節するようにユーザに命令することができる。次いで、システム及び方法は、ステップ14008にループして戻る。このループは、インプラント又はデバイスが適正に展開されたとシステム及び方法が判断するまで継続することができ、その後、システム及び方法は、ステップ14014に示されるように、インプラント又はデバイスの展開を完了するようにユーザに命令することができる。任意選択で、又は追加として、1つ又は複数の識別指定は、オペレータアクション、デバイスの調節、又はシステムのその後の決定の結果に依存して更新又は変更されることがある。
上述した撮像システムは超音波ベースのものであるが、代わりに、又は追加として他の撮像システムを使用することもできる。例えば、撮像システムは、血管内超音波(IVUS)、前方視IVUS(FLIVUS)、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)、圧電マイクロマシン(piezoelectric micro-machined)超音波トランスデューサ(PMUT)、及びFACTに基づいていてよい。
本発明の方法は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、ハードワイヤリング、又はこれらの任意のものの組合せを使用して行うことができる。また、機能を実施する特徴部は、機能の一部が異なる物理的位置で実施されるように分散されることも含め、様々な位置に物理的に位置させることができる(例えば無線又は有線接続を用いた、1つの部屋にある撮像装置と別の部屋にあるホストワークステーション、又は、別個のビルディング内にある撮像装置とホストワークステーション)。
いくつかの実施形態では、ユーザは、ユーザインターフェースと対話して、撮像システムからの画像を閲覧する。ユーザからの入力(例えばパラメータ又は選択)は、電子デバイス内のプロセッサによって受信される。選択は、可視表示としてレンダリングすることができる。患者の脈管構造内でのフィルタの配置を案内するための例示的なシステムが、図141に示されている。図141に示されるように、撮像アセンブリの撮像エンジン14120は、ネットワーク14160を介して、ホストワークステーション14130及び任意選択でサーバ14140と通信する。撮像エンジンのデータ獲得要素14121(DAQ)は、1つ又は複数の撮像要素から撮像データを受信する。いくつかの実施形態では、オペレータは、コンピュータ14110又は端末14150を使用して、システム14100を制御し、又は画像を受信する。画像は、モニタを含むこともあるI/O14111、14131、又は14151を使用して表示されることがある。任意のI/Oは、キーボード、マウス、又はタッチスクリーンを含むことがあり、例えば任意のプロセッサ14142、14112、14132、又は14152と通信して、任意の有形の非一時的なメモリ14113、14133、14153、又は14143にデータを記憶する。サーバ14140は、一般にインターフェースモジュールを含み、ネットワーク14160を介する通信を実施し、又はデータをデータファイル14144に書き込む。
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例として、汎用と専用の両方のマイクロプロセッサ、及び任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ又は複数のプロセッサを含む。一般に、プロセッサは、読取専用メモリ又はランダムアクセスメモリ又は両方から命令及びデータを受信する。コンピュータの本質的な要素は、命令を実行するためのプロセッサと、命令及びデータを記憶するための1つ又は複数のメモリデバイスとである。一般に、コンピュータはまた、データを記憶するための1つ又は複数の大容量記憶デバイスを含み、あるいは該大容量記憶デバイスからデータを受信し若しくはそこにデータを送信し又は双方を行うように動作的に結合され、上記大容量記憶デバイスは、例えば磁気ディスク、磁気光ディスク、若しくは光ディスクである。コンピュータプログラム命令及びデータを具現化するのに適した情報担体は、全ての形態の不揮発性メモリを含み、例えば、半導体メモリデバイス(例えばEPROM、EEPROM、ソリッドステートドライブ(SSD)、及びフラッシュメモリデバイス)、磁気ディスク(例えば内部ハードディスク又はリムーバブルディスク)、磁気光ディスク、及び光ディスク(例えばCD及びDVDディスク)を含む。プロセッサ及びメモリは、専用論理回路によって補完する、又は専用論理回路に組み込むことができる。
ユーザとの対話を提供にするために、本明細書で述べる対象事項は、ユーザに情報を表示するためのI/Oデバイス、例えばCRT、LCD、LED、又は投影デバイスと、ユーザがコンピュータに入力を提供することができるための入出力デバイス、例えばキーボード及びポインティングデバイス(例えばマウス又はトラックボール)などとを有するコンピュータ上で実施することができる。ユーザとの対話を提供するために、他の種類のデバイスを使用することもできる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック(例えば視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバック)でよく、ユーザからの入力は、音響、発話、又は触覚入力を含めた任意の形態で受信することができる。
本明細書で述べる対象事項は、バックエンドコンポーネント(例えばデータサーバ14140)、ミドルウェアコンポーネント(例えばアプリケーションサーバ)、又はフロントエンドコンポーネント(例えば、本明細書で述べる対象事項の実装形態とユーザが対話することができるユーザインターフェース14111若しくはウェブブラウザを有するクライアントコンピュータ14110)、又はそのようなバックエンド、ミドルウェア、及びフロントエンドコンポーネントの任意の組合せを含むコンピューティングシステムで実装することができる。システムのコンポーネントは、ネットワーク14160を介して、デジタルデータ通信の任意の形態又は媒体、例えば通信ネットワークによって相互接続することができる。通信ネットワークの例は、セルネットワーク(例えば3G又は4G)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、及びワイドエリアネットワーク(WAN)、例えばインターネットを含む。
本明細書で述べる対象事項は、データ処理装置(例えば、プログラマブルプロセッサ、1つのコンピュータ、又は複数のコンピュータ)によって実行されるように、又は該データ処理装置の動作を制御するために、情報担体(例えば非一時的なコンピュータ読取可能媒体)に有形に具現化された1つ又は複数のコンピュータプログラムなど、1つ又は複数のコンピュータプログラム製品として実装することができる。コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、アプリ、マクロ、又はコードとも呼ばれる)は、コンパイル又は解釈言語を含めた任意の形態のプログラミング言語(例えば、C、C++、Perl)で書くことができ、スタンドアロンプログラムとして、又はコンピューティング環境で使用するのに適したモジュール、コンポーネント、サブルーチン、又は他のユニットとしてを含めた任意の形態で展開することができる。本発明のシステム及び方法は、限定はしないが、C、C++、Perl、Java(登録商標)、ActiveX(登録商標)、HTML5、Visual Basic(登録商標)、又はJavaScript(登録商標)を含めた、当技術分野で知られている任意の適切なプログラミング言語で書かれた命令を含むことができる。
コンピュータプログラムは、必ずしもファイルに対応しない。プログラムは、他のプログラム又はデータを保持するファイル14144の一部に、対象のプログラムに専用の単一のファイルに、又は複数の連携されたファイル(例えば、1つ又は複数のモジュール、サブプログラム、又はコードの一部を記憶するファイル)に記憶することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータで実行されるように、又は、1つの場所にある、若しくは複数の場所に分散されて通信ネットワークによって相互接続されている複数のコンピュータで実行されるように展開することができる。
ファイルは、例えば、ハードドライブ、SSD、CD、又は他の有形の非一時的な媒体に記憶されているデジタルファイルでよい。ファイルは、ネットワーク14160を介して1つのデバイスから別のデバイスに送信することができる(例えば、パケットが、サーバからクライアントに、例えばネットワークインターフェースカード、モデム、又はワイヤレスカードなどを介して送信される)。
本発明によるファイルへの書込みは、例えば、(例えば読出し/書込みヘッドによる磁化のパターンへの正味電荷又は双極子モーメントを用いて)粒子を追加、除去、又は再配列することによって、有形の非一時的なコンピュータ読取可能媒体を変換することを含み、次いで、パターンは、ユーザによって望まれる、ユーザに有用な客観的な物理的現象に関する新たな情報の配列を表す。いくつかの実施形態では、書込みは、有形の非一時的なコンピュータ読取可能媒体での物質の物理的な変換を含む(例えば、特定の光学的特性を用い、それにより光学読出し/書込みデバイスが次いで新規の有用な情報の配列を読み出すことができる。例えばCD−ROMに焼く)。いくつかの実施形態では、ファイルの書込みは、フローティングゲートトランジスタから形成されたメモリセルのアレイ内で物理的素子を変換することによって、NANDフラッシュメモリデバイスなどの物理的なフラッシュメモリ装置を変換し、情報を記憶することを含む。ファイルを書き込む方法は、当技術分野でよく知られており、例えばプログラムによって、又はソフトウェアからの保存コマンド、若しくはプログラミング言語からの書込みコマンドによって手動又は自動で呼び出すことができる。
エコー源性材料の形成及び使用の追加の態様については、以下の米国特許及び特許公開を参照されたい。各特許文献の全体を本明細書に参照援用する。米国特許出願公開第2010/0130963号、米国特許出願公開第2004/0230119号、米国特許第5,327,891号、米国特許第5,921,933号、米国特許第5,081,997号、米国特許第5,289,831号、米国特許第5,201,314号、米国特許第4,276,885号、米国特許第4,572,203号、米国特許第4,718,433号、米国特許第4,442,843号、米国特許第4,401,124号、米国特許第4,265,251号、米国特許第4,466,442号、米国特許第4,718,433号。
本開示は、多くの点で、本発明の多くの代替濾過デバイス実施形態の例示にすぎないことを理解されたい。本発明の様々な実施形態の範囲を超えることなく、様々な濾過デバイスコンポーネントの詳細、特に形状、サイズ、材料、及び構成の面で変更を加えることができる。例示的実施形態及びその説明は全体として本発明を例示するものにすぎないことを当業者は理解されよう。本発明のいくつかの原理が上述した例示的実施形態で明らかになるが、本発明の実践において、構造、構成、比率、要素、材料、及び使用法の修正を利用することができ、それでも、これらの修正は、本発明の範囲から逸脱することなく、特定の環境及び動作要件に特に適合されることを当業者は理解されよう。