[00104]改良された管腔内フィルタ装置および方法が依然として臨床的に必要とされている。改良された管腔内フィルタ装置は、様々な範囲の管腔サイズにわたって効果的なろ過をもたらし、管腔内への配備およびそこからの取出しが容易である。加えて、改良された管腔内フィルタ装置は、装置上の血栓の形成または組織内成長を最小限に抑え、管腔に沿った移動に対する抵抗性を有する。本発明のフィルタ装置の実施形態は、改良された管腔内フィルタの数多くの形体、また一部の場合ではそのすべての形体を提供し、それだけに限定されないが、塞栓保護、血栓切除、血管閉塞、および繋留された、または繋留されない遠位保護などの多くの用途を有する。
[00105]本発明のいくつかの実施形態は、耐久性があり、様々な範囲の管腔サイズにわたって効果的でほぼ一定のフィルタ能力を提供する改良されたろ過装置であって、装置のいずれかの端部を介して容易に送り出され、管腔から取り外されるろ過装置を提供する。追加的に、本発明の実施形態は、最小侵襲性の外科的技術を用いて管腔内に送り出され、そこから取り出され得る。本発明の実施形態の1つの態様は、形状記憶材料を用いて支持構造要素を構築することである。形状記憶材料は、支持要素が均一に折畳み可能であり、また配備されたとき、フックまたはかかり部を使用することなく管腔壁に対して所定の範囲の制御可能な力を与えることを確実にする、事前成形された形態を有することができる。代替的に、フック、かかり部、または他の固定要素もしくは装置は、以下に説明されるろ過装置の実施形態と併用して使用されてよい。
[00106]細長い支持構造要素は、血管壁と一定の並置状態を維持しながら自然の血管の動きに伴って折り畳まれ拡張するように構成される。1つの結果は、支持構造体の形状およびサイズが、血管の動きを辿ることである。その結果、本発明の実施形態のフィルタ密度および能力は、血管サイズの変化に相対的に影響を受けないままである。さらに、支持構造体の自己中心合わせの態様は、ろ過装置が血管直径にわたって均一なろ過をもたらすことを確実にする。したがって、本発明の実施形態は、装置の概ね一定のろ過能力が、血液管腔全体にわたってかつ血管の収縮および拡張中に維持されることを実現する。
[00106]均一なフィルタ能力は、従来の装置に優る大きな改良である。従来の装置は通常、管腔を横断して径方向に変動するフィルタ能力を有する。フィルタ能力の径方向の変動は、従来のフィルタ要素が、管腔の周囲部では全体的により広い間隔を有し、中央管腔軸に沿ってより密接な間隔を有するという結果から生じることが多い。これは、より大きな塞栓が管腔周囲部に沿って逃げる結果となる。血管の拡張および収縮中、フィルタ能力の径方向の変動は、従来装置ではより悪化する。
[00107]本発明の一部の実施形態の別の利点は、拘束された状態(すなわち送出し鞘内)から解放されたとき、装置が、血管内において装置に沿って延び装置を自己中心合わせさせる細長い支持部材を有する所定の形態をとることである。これらの細長い支持部材は、血管壁に対して無傷性の径方向力を及ぼして装置の移動を防止または軽減する。一部の実施形態では、細長い支持部材によって発生させられた径方向力は、フック、かかり部または他の固定装置と共働作用して装置を血管内に固定する。フック、かかり部または他の固定装置もしくは要素は、管腔内にある間のろ過装置の移動に対する追加の予防策として使用され得る。装置の取出しが開始されると、細長い支持部材の均一に折畳み可能な形態により、細長い支持部材は、装置が鞘に戻されているときに血管壁から引き離される。血管壁から離れる細長い部材の移動は、装置の血管壁からの無傷性の取り外しを容易にする。追加的に、フック、かかり部、または他の固定装置もしくは要素を有するこれらの実施形態では、取出し中の細長い部材の移動はまた、固定要素を管腔壁から引き出すことも可能にする。
[00108]本発明の追加の実施形態は、装置の一方の端部または両方の端部上に取出し形体を含むことができる。装置の両端部における取出し形体の使用により、装置の配備、再配置、および取り外しを装置の両端部から達成することが可能になる。その結果、装置の両端部における取出し形体の使用により、順行性または逆行性の進入路を単一の装置によって使用することが可能になる。取出し形体は、別の構造部材と一体化されても、別個の構成要素でもよい。一部の実施形態では、取出し形体は折畳み可能であり、湾曲した形状または略正弦波形状を有することができる。取出し形体の追加の態様は、以下で説明される。
全般的な原理および構造
[00109]図2Aは、管腔10内に配置された本発明のろ過装置100の実施形態を示す。管腔10は、管腔内に配備され管腔壁と接触するフィルタ100の位置を示すように切断されている。フィルタ100は、第1の細長い部材105および第2の細長い部材110を含む。細長い部材同士は接合されて端部102、104を形成する。細長い部材は交差部106において交差するが、互いに接合されない。1つの実施形態では、細長い部材は、第1および第2の部分を有する。第1の部分は、端部102と交差部106の間を延び、第2の部分は、交差部106から第2の端部104まで延びる。一部の実施形態は異なる方法で管腔と接触するが、図示される実施形態は、管腔内部壁の一方側に対向する端部102、104を有し、交差部106は、管腔内部壁の他方側と接触し、このとき細長い本体は、端部102、104間で管腔内部壁に沿って一定のまたはほぼ一定の並置状態にある。
[00110]材料捕捉構造体115のろ過サイズより大きいサイズの管腔10を流れ抜ける材料(すなわち、血栓、プラークなど)は、繊条118間に捕捉され、または繊条118によって小さくされる。図2Aの図示される実施形態では、材料捕捉構造体115は、端部102と交差部106の間に形成された細長い部材105、110によって形成された曲線的な枠によって支持される。交差部106と第2の端部104の間に形成された別の曲線的な枠もまた、材料捕捉構造体115の同じまたは異なる構造およびフィルタ能力を有する材料捕捉構造体を支持するために使用され得る。したがって、1つの曲線的な枠によって支持された材料除去構造体は、第1のサイズの材料を除去するように構成されてよく、他の曲線的な枠によって支持された材料除去構造体は、第2のサイズの材料を除去するように構成されてよい。1つの実施形態では、上流側の曲線的な枠内の材料除去構造体は、下流側の曲線的な枠内の材料除去構造体より大きいサイズの残屑を除去する。材料捕捉構造体115を構成するフィルタセル119が、そのサイズおよび形状を血管直径の生理学的範囲にわたって第1および第2の構造部材105、110の移動とは相対的に独立的に維持する様子もまた、図2A〜図2Cに示される。
[00111]図2Bおよび図2Cは、本発明の実施形態の細長い支持構造要素が、血管壁との一定の並置状態を維持しながら自然の血管の動きに伴って折り畳まれ拡張されるようにどのように構成されるかを示す。図2A、図2B、および図2Cはまた、本発明の実施形態による装置が、径方向および軸方向の両方に弾性である様子も示す。血管サイズの変化に応じて、端部102、104は、血管サイズが低減するにつれて離れ(図2B)、次いで血管サイズが増大するにつれて近寄る(図2C)。加えて、(端部102、104と接触する管腔壁から交差部まで測定した)装置高さ「h」も変化する。装置高さ「h」は、血管直径の変化に直接関連して変化する(すなわち血管直径の増大は装置高さ「h」を増大させる)。したがって、図2C内の装置高さ(「h」)は図2A内の装置高さ(「h」)より大きく、さらに図2A内の装置高さ(「h」)は、図2B内の装置高さ(「h」)より大きい。
[00112]図2A、図2B、および図2Cはまた、単一サイズの装置が、3つの異なる管腔直径に対応するためにどのように使用され得るかも示す。図2Cは大きい管腔、図2Aは中間サイズの管腔、図2Bは小サイズの管腔を示す。これらの図が明確にするように、1つの装置は、様々な範囲の血管サイズを網羅するように適合され得る。凡そ12〜30mmの範囲であり、平均内径が20mmである人間の大静脈内径の範囲を網羅するには、3サイズの装置だけが必要とされると考えられる。また、材料捕捉構造体115の固定状態のまたはほぼ固定状態のフィルタ能力も示されている。それぞれ異なる血管サイズでは、材料捕捉構造体115、繊条118およびフィルタセル119は、細長い本体によって形成された支持枠内で同じまたはほぼ同じ形状および配向を維持する。これらの図はまた、壁に対して並置状態に留まりながら血管の凹凸、蛇行、広がり、および先細化に対応し適合するために使用され得る装置の動的形状変化の態様も示す。細長い各本体は、他方に対して高い独立性で移動し得るため、細長い本体によって形成された輪状部または支持枠もまた、これが中に置かれる管腔部分の形状/直径に独立的に合致することができる。
[00113]図3、図3A、および図3Bは、管腔10内に配備された装置100を示す。図3に示されるように、装置100は、端部102、104が内部血管壁の一方側に沿い、交差部106が反対側にある状態で管腔内に配向される。図3は、管腔を膨張させることなく管腔10内に嵌合するように成形された本発明の装置の実施形態を示す。図3Aでは、細長い本体105、110は接触しているが、交差部106では接合されない。図3Bでは、細長い本体105、110は、交差部106において互いに交差するが、分離されている(すなわち空隙「g」だけ)。
[00114]図4および図5は、装置設計の態様が、管腔10の内部壁に対してかけられる径方向力を増大させるようにどのように改変され得るかを示す。増大された固定力を有する装置は、血管閉塞などの一部の用途、または大量の残屑が予想される場合の遠位保護に対して有用になり得る。装置が取り出されることが意図されない場合(すなわち管腔内に永久的に設置される場合)、高度な径方向力設計の装置が使用されて、装置が所定位置に留まることを確実にすることができ、また、膨張が使用されて管腔内に全身性反応(すなわち組織成長反応)を引き起こして、装置の内部成長および管腔内部壁との一体化を確実にすることができる。
[00115]低いまたは無傷性の径方向力を有する本発明のフィルタ装置の実施形態は、取出し可能な装置において特に有用である。本明細書では、無傷性の径方向力は、次のうちの1つまたは複数を満たす、ろ過装置の実施形態によって生み出される径方向力を指す:装置を、ほとんどまたは全く移動させずに、かつ管腔内部壁を損傷させずに、または管腔内部壁を過度に膨張させずに所定位置に保持するのに十分な高さの径方向力;装置を所定位置に保持するのに十分な高さであるが、血管壁に対する全身性反応をほとんどまたは全く引き起こさない径方向力;または低減された全身性反応または従来のフィルタのものより低い全身性反応を引き起こす、装置作動によって発生させられる力。
[00116]血管の膨張を最小限に抑えるように寸法設定された図3の装置とは対照的に、図4は、より大きい径方向力を管腔壁を膨張させる程度まで及ぼすように構成された装置100を示す。図4および図5は、端部102(膨張部10b)による、交差部106(膨張部10a)による、および端部104(膨張部10c)による管腔壁の膨張を示す。これらの図には示されないが、細長い本体は、その長さに沿って管腔を膨張させる可能性もある。
[00117]装置の径方向力は、多くの設計要因を用いて増大され得る。径方向力は、細長い本体の剛性を増大させることによって、たとえば、より大きい直径を有する細長い本体を用いることによって増大され得る。径方向力はまた、細長い本体の形状を形成するとき(すなわちニチノール(Nitinol)装置など向けの熱処理/硬化工程中)、ならびに材料組成および構成において増大され得る。
[00118]支持部材105、110の実施形態の追加の詳細が、図6A、図6B、および図6Cを参照して理解され得る。図6A、図6Bは支持部材を別々に示し、また、装置軸121周りで一緒に組み立てられた支持部材(図6C)を示す。通常、装置軸121は、装置が中に配備される管腔の中央に沿った軸と同じである。例示の目的で、支持部材105、110は、略円筒形状を有する、仮想線で示された断面化された管腔を参照して説明される。支持部材はまた、仮想上の円筒形の表面内に配備される、かつ/またはそれに沿って延びるものと考えられてもよい。
[00119]図6A、図6B、および図6Cの例示的な実施形態では、支持部材105、110は、拡張された所定の形状で示される。1つの実施形態では、支持部材は、MRI適合材料から形成される。支持部材は、疲労問題、血管浸食を招き得る応力上昇部を生み出す形状曲がり部または角度を含まず、装置の折畳みを容易にする。一部の実施形態では、細長い各部材は、従来、形状記憶金属合金または形状記憶重合体などの形状記憶材料を、その材料を所望の形状に拘束するピンを含む円筒形状のマンドレル上に拘束することによって形成される。その後、材料は、形状を硬化させるために適切な従来の熱処理工程にかけられ得る。1つまたは複数の対称面(すなわち図15)が、たとえば両方の細長い部材を単一のマンドレル上に同時に形成することによってもたらされ得る。他の従来の加工技術もまた、対称的なろ過装置の実施形態を生み出すために使用されてよい。追加的に、本明細書において説明される取出し形体(存在する場合)は、支持部材加工中にワイヤ端部上に直接的に形成され得る。加えて、長いマンドレル上の連続する複数の装置が、これらの方法を用いて作製され得る。
[00120]適切な形状記憶合金材料の例は、たとえば、銅−亜鉛−アルミニウム、銅−アルミニウム−ニッケル、およびニッケル−チタン(NiTiまたはニチノール)合金を含む。ニチノール支持構造体は、本発明のフィルタ装置の多数の機能試作品を構築するために、ならびに現在進行中の動物調査および人間の移植での用途で使用されている。形状記憶合金はまた、本発明のフィルタ装置の実施形態の構成要素を形成するために使用されてよい。通常、1つの成分、すなわちオリゴ(e−カプロラクトン)ジメタアクリレートは、重合体の一時的および永久的な形状の両方を決定する結晶化可能な「切り替え」分節を装備する。共重合用単量体、すなわちn−ブチルアクリレートの量を重合体網目構造内で変化させることにより、架橋密度が調整され得る。このようにして、重合体の機械的強度および遷移温度が、幅広い範囲にわたって適合され得る。形状記憶重合体の追加の詳細が、参照によって全体的に本明細書に組み込まれる米国特許第6,388,043号に説明される。加えて、形状記憶重合体は、分解するように設計され得る。生分解性の形状記憶重合体は、参照によって全体的に本明細書に組み込まれる米国特許第6,160,084号に説明される。
[00121]生分解性重合体もまた、本発明のフィルタ装置の実施形態の構成要素を形成するように適合されてよいと考えられる。たとえば、生分解性重合体であるポリラクチド(PLA)が、たとえば、組織ねじ、留め金(tack)、および縫合定着装置、ならびに半月板および軟骨の修復のためのシステムを含む、多くの医療装置用途に使用されている。様々な合成生分解型重合体が利用可能であり、これらは、たとえば、ポリラクチド(PLA)、ポリグリコリド(PGA)、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)(PLGA)、ポリ(e−カプロラクトン)、ポリジオキサノン、ポリアンヒドライド、トリメチレンカーボネート、ポリ(β−ヒドロキシ酪酸塩)、ポリ(g−エチルグルタミン酸塩)、ポリ(DTHイミノカーボネート)、ポリ(ビスフェノールAイミノカーボネート)、ポリ(オルトエステル)、ポリシアノアクリレート、およびポリホスファゼンを含む。追加的には、天然源由来の多くの生分解性重合体が利用可能であり、これらはたとえば、変性多糖類(セルロース、キチン、デキストラン)または変性たんぱく質(フィブリン、カゼイン)である。商業用途で最も広く使用されている化合物は、PGAおよびPLA、その次に、PLGA、ポリ(e−カプロラクトン)、ポリジオキサノン、トリメチレンカーボネート、およびポリアンヒドライドを含む。
[00122]支持構造体を形成するものとして説明されてきたが、フィルタ装置の他の部分もまた、形状記憶合金、形状記憶重合体または生分解性重合体から形成されてよいことを理解されよう。これもまた形状記憶合金、形状記憶重合体または生分解性重合体から形成され得る他のフィルタ装置構成要素は、たとえば、取出し形体、材料捕捉構造体、または材料捕捉構造体と支持構造体の間の取付け具のすべてまたは一部分を含む。追加的にまたは代替的に、本明細書において説明される装置は、その構成要素のすべてまたは一部分が医療クラスのステンレス鋼から形成されてもよい。
[00123]図6Aは、第1の支持部材105が、端部102から端部104に、管腔内部壁(断面化された仮想線)および装置軸121の周りを時計周り方向に沿って延びることを示す。支持部材105は、6時の位置で部分1内の端部102から、部分2内の9時の位置、部分3内の12時の位置、部分4内の3時の位置まで延びて部分5内の6時の位置で端部104に至る。支持部材105は、変曲点124の両側に2つの部分120、122を有する。変曲点124は、部分3内の約12時の位置に配置される。部分120、122の曲率半径は同じでも異なっていてもよい。支持部材105の断面形状は略円形であるが、代替の実施形態では1つまたは複数の異なる断面形状を有することもできる。
[00124]図6Bは、第2の支持部材105が、端部102’から端部104’に、管腔内部壁(断面化された仮想線)および装置軸121の周りを反時計周り方向に沿って延びることを示す。支持部材110は、6時の位置にある部分1内の端部102’から、部分2内の3時の位置、部分3内の12時の位置、部分4内の9時の位置まで延びて部分5内の6時の位置で端部104’に至る。支持部材110は、変曲点134の両側に2つの部分130、132を有する。変曲点134は、部分3内の約12時の位置に配置される。部分120、122の曲率半径は同じでも異なっていてもよい。支持部材105の断面形状は略円形であるが、代替の実施形態では1つまたは複数の異なる断面形状を有することもできる。
[00125]図6Cは、交差部106ならびに端部において一緒に接合された第1および第2の支持部材105、110を示す。第1の部分120、130は、曲線的な枠126を形成する。角度βが、管腔壁と接触する端部102の一部分と、枠126を含む平面とによって形成され、端部102における細長い部材の取出し角と称される。1つの代替形態では、角度βは、管腔壁と接触する端部の一部分と、一方または両方の部分120、130のすべてまたは一部分を含む平面とによって形成される。さらに別の代替形態では、角度βは、管腔壁と接触する端部102の一部分と、端部102のすべてまたは一部分および交差部106のすべてまたは一部分を含む平面とによって形成される。別の角度βが、上記で論じられた通りに、但し、図7A〜図7Cに示されるように端部104、管腔壁と接触する端部104の一部分、部分122、132、および曲線的な枠128の文脈で端部104上に形成される。支持枠126、128によって形成される角度は、一部の実施形態では概ね20度から160度の間の範囲であり、一部の他の実施形態では概ね45度から120度の間の範囲である。
[00126]図7Aは、図6Bにおける部分130の側面図であり、図7Bは図6Bの上部から見た図であり、図7Cは図6Bの部分132の側面図である。角度βは、一部の実施形態では概ね20度から160度の間の範囲であり、一部の他の実施形態では概ね45度から120度の間の範囲である。角度αが、部分120の一部分、部分130の一部分、および端部102によって形成される。代替的に、角度αは、端部102、および部分120、130の一部分と共に形成された接線によって形成される。別の角度αが、上記で論じられた通りに、但し端部104、管腔壁と接触する端部104の一部分、および部分122、132の文脈で端部104上に形成される。角度αは、一部の実施形態では概ね40度から170度の間の範囲であり、一部の他の実施形態では概ね70度から140度の間の範囲である。
[00127]図7Dは、図6Cの上部から見た図を示す。角度σが、一方側では変曲点124と端部102の間の部分120の一部分と、他方側では変曲点134と端部102’の間の部分130の一部分との間の角度として規定される。角度σはまた、一方側では変曲点124と端部104の間の部分122の一部分と、他方側では変曲点134と端部104’の間の部分132の一部分との間の角度として規定される。部分120、130によって規定された角度σは、部分122、132によって形成された角度σと同じでも、これより大きくても小さくてもよい。角度σは、一部の実施形態では、概ね10度から180度の間の範囲であり、一部の他の実施形態では、概ね45度から160度の間の範囲である。
[000128]図7Dは、端部102から切り取られた図6Cの端面図を示す。角度θが、部分120の一部分に正接する平面と、装置軸121に概ね平行でもある端部102を含む平面との間の角度として規定される。角度θはまた、部分130の一部分に正接する平面と、装置軸121と概ね平行でもある端部102を含む平面との間の角度として規定されてもよい。部分120によって規定された角度θは、部分130によって形成された角度θと同じでも、これより大きくても小さくてもよい。同様に、角度θは、上記で論じられたように、部分122または132の一部分に正接する平面と、装置軸121と概ね平行でもある端部102を含む平面との間の角度として用いて規定され得る。角度θは、一部の実施形態では概ね5度から70度の間の範囲であり、一部の他の実施形態では概ね20度から55度の間の範囲である。
[00129]図7Fおよび図7Gは、図6Cに示される装置の代替の実施形態の斜視図である。図7Fおよび図7Gに示される実施形態では、支持部材110は、交差部106において支持部材105の下方で交差するが、支持部材105とは接触しない。支持部材間の空隙「g」は、図7Gにも示される。
[00130]図8Aは、略円形断面を有する細長い本体105を示す。しかし、たとえば、矩形の細長い本体105a(図8B)、曲線的な縁を備えた矩形の細長い本体(図示せず)、長円の細長い本体105b(図8C)、および平坦化された縁105cを備えた円形の矩形本体(図8D)などの数多くの断面形状が可能であり、使用されてよい。一部の実施形態では、細長い本体は、その長さに沿って同じ断面を有する。他の実施形態では、細長い本体は、その長さに沿って異なる断面を有する。別の実施形態では、細長い本体は、いくつかの分節を有し、各分節は、一断面形状を有する。分節の断面形状は同じでも異なっていてもよい。細長い部材の断面形状は、細長い部材に沿って所望の径方向力を得るために使用される因子である。細長い本体を形成するために使用される材料(すなわち、ニチノールなどの生分解性金属合金)が、所望の断面形状を有するように引き抜かれてよく、または1つの断面形状で引き抜かれ、次いで、研磨、レーザ切削などの従来の技術を用いて所望の断面形状を得るように処理されてよい。
[00131]図9A、図9Bは、支持部材によって形成された略平面の曲線的な枠126を横断して伸張された材料捕捉構造体115の実施形態を示す。図9Aは、装置の側面図の若干の斜視図である。この実施形態では、支持部材の部分120、130は、曲線的な枠126も保持する単一平面内にそのほとんどが位置する(すなわち、図9Aの側面図では部分110が見えており、部分120の図を遮っている)。図9Bは、曲線的な枠126間に伸張され、これに取り付けられた材料捕捉構造体115を示す斜視図である。この実施形態では、捕捉構造体115は、第1の部分120、130を横断して延び、これに取り付けられる。この実施形態では、材料捕捉構造体は、相互交差する繊条118によって形成された、複数の略矩形フィルタセル119である。フィルタ構造体の他のタイプは、以下でより詳細に説明され、また、構造部材によって形成される支持枠によって支持され得る。図9Aおよび図9Bなどの一部の実施形態では、角度βはまた、装置軸と材料捕捉構造体を含む平面との間の角度を規定することもできる。
[00132]支持部材126および材料捕捉構造体115は、平面構成に限定されない。たとえば、非平面の複合構成もまた、図10Aおよび図10Bに示されるように可能である。図10Aは、変曲点134と端部102の間に別の変曲点134’を有する非平面の構造支持体110’の側面図である。構造支持体110’は、端部102と交差部106の間に2つ以上の異なる曲率半径を有する。一部の実施形態では、端部102と変曲点134’の間に2つ以上の曲率半径、ならびに変曲点134’と変曲点134の間に2つ以上の曲率半径が存在することができる。その結果、部分130’は、異なる形状、多くの異なる曲率、および少なくとも1つの変曲点を場合によっては有する部分となる。図10Bに示されるように、支持構造体105’もまた、端部102と変曲点124の間に2つ以上の異なる曲率半径を有する非平面である。一部の実施形態では、端部102と変曲点124’の間に2つ以上の曲率半径、ならびに変曲点124’と変曲点124の間に2つ以上の曲率半径が存在することができる。その結果、部分120’は、異なる形状、多くの異なる曲率、および少なくとも1つまたは複数の変曲点を有する部分となる。類似の非平面構成は端部104上でも使用され得る。材料捕捉構造体115’は、非平面フィルタ支持構造体を作り出すために非平面枠126’の形状に適合するようにされる。
[00133]図11は、支持部材105、110の対向する部分間に略平面配置に留まる材料捕捉構造体115を示す。上記の図10Bに加えて、他の代替の非平面捕捉構造体が、支持枠が略平面である場合であっても可能である。図12Aは、支持部材105、110によって形成された略平面の支持枠内の非平面捕捉構造体245の斜視図である。捕捉構造体245は、ストランド、繊維、繊条または他の適切な材料218を相互交差させてフィルタセル219を形成することによって形成される。捕捉構造体245は、支持枠寸法よりわずかに大きく、その結果、図12Bに示されるように支持構造体によって形成された面から出るように変形されるフィルタ構造体が得られる。
[00134]材料捕捉構造体115は、多くの異なる位置および配向の任意のものにあることができる。図13Aは、支持部材105、110によって形成された2つの開いた輪状部の支持枠を有する本発明のフィルタの実施形態を示す。管腔10内の流れが矢印によって示される。この実施形態では、材料捕捉構造体115は、上流側の開いた輪状部の支持構造体内に置かれる。これとは対照的に、材料捕捉構造体は、下流側の開いた輪状部の支持構造体内に配置されてよい(図13B)。別の代替の構成では、上流側および下流側の両方の支持枠が、材料捕捉構造体115を含む。図13Cはまた、材料捕捉構造体が装置内のすべての支持輪状部内に置かれる実施形態も示す。
[00135]捕捉構造体を有さない支持枠と等しい数の、捕捉構造体を有する支持枠を有するフィルタ装置の実施形態が存在する(たとえば図13Aおよび図13B)。捕捉構造体を有する支持枠が存在するよりも多い、捕捉構造体を有さない支持枠を有する実施形態が存在する。図14は、捕捉構造体を有する支持枠よりも多い、捕捉構造体を有さない支持枠を有するフィルタの実施形態190を示す。フィルタ装置190は、互いに隣接して配置されて管腔内10の流れに提供される複数の支持枠を形成する、2つの支持部材105、110を有する。代替的に、複数の支持枠が、装置190または管腔10の流れ軸を横断して材料捕捉構造体を支持するように配置される。支持部材は、端部192において一緒に接合され、端部194において接合されるまでに2つの変曲点を有する。支持部材105、110は、交差部106および196において互いに交差する。支持枠191は、端部192と交差部106の間である。支持枠193は、交差部106と196の間である。支持枠195は、交差部196と端部194の間である。
[00136]加えて、フィルタ装置190は、各端部上に取出し形体140を有する。取出し形体140は、無傷性先端部またはボール142で終わる湾曲した部分141を有する。取出し形体140は、管腔壁の上方に立ち上がり、ボール142および湾曲した部分141のすべてまたは一部分を管腔流路内に入れて、取出しまたは再配置のために装置190を捕える工程を簡略化する。装置の各端部上に取出し形体を有することにより、装置190を、管腔10内の装置190の上流側または下流側の進入路から回収することが可能になる。本発明の取出し形体の実施形態の様々な態様が、以下でより詳細に説明される。
[00137]図14Aは、7つの部分を有する仮想上の円筒形上に重ねられたフィルタ190を示す。取出し形体140は、明確にするために省略されている。第1の支持部材105は、端部192から装置軸121の周りをこれに沿って時計周り方向に延びる。第1の支持部材105は、9時の位置で部分2と、12時の位置で部分3および交差部106と、3時の位置で部分4と、6時の位置で部分5および交差部196と、9時の位置で部分6と、そして12時の位置で部分7および端部194と交差する。第2の支持部材110は、3時の位置で部分2と、12時の位置で部分3および交差部106と、9時の位置で部分4と、6時の位置で部分5および交差部196と、3時の位置で部分6と、12時の位置で部分7および端部194と交差する。図14Bは、細長い部材によって形成された支持枠すべてが、材料捕捉構造体を支持するために使用される点を除いて装置190に類似する、代替の装置の実施形態190aを示す。図示される実施形態では、枠191、193、および195の各々は、材料捕捉構造体115において支持する。
[00138]図14Cは、フィルタ190の代替の構成を示す。フィルタ装置190bは、装置190および190aに類似し、支持部材105に沿って延びる追加の支持部材198を含む。1つの実施形態では、追加の支持部材198は、装置軸121に沿って延び、第1と第2の支持部材105、110の間に配置され、第1の端部192および第2の端部194に取り付けられる。一例となる実施形態では、第3の支持部材198は、端部192および部分1内の6時の位置において始まり、12時の位置で部分3および交差部106と交差し、6時の位置で部分5および交差部196と交差し、端部194における部分7内の12時の位置で終了する。
[00139]図15は、本発明の一部のフィルタ装置の実施形態に見出される対称面を示す。支持枠の一方または両方によって支持されるろ過構造体は、明確にするために省略される。1つの態様では、図15は、平面182の周りで概ね対称的である支持構造体を有する本発明の管腔内フィルタの実施形態を示しており、この平面182は、フィルタまたはフィルタ軸121の流れ方向に対して直交しており、支持構造体105、110の2つの構造要素間の交差地点106を含む。別の態様では、図15は、平面184の周りで概ね対称的である支持構造体を有する本発明の管腔内フィルタの実施形態を示しており、この平面184は、フィルタ(すなわち軸121)の流れ方向に対して平行であり、支持構造体の両方の端部102、104を含む。本発明の一部のフィルタ装置の実施形態が、上記で説明された対称的な性質のいずれかまたは両方を有することができることを理解されたい。上記で説明された対称的な性質はまた、単独の、またはフィルタ内に取り付けられた状態の材料捕捉構造体の実施形態の構造にも適用可能であることを理解されたい。
[00140]図16Aおよび図16Bは、材料捕捉構造体115と接触する血塊物質片99に応答するフィルタ装置200の応答を示す。管腔10内の血塊物質99の流れおよび動きの方向は、矢印によって示される。フィルタ装置200は図6A〜図7Gに関して上記で説明された実施形態に類似するが、追加の取出し形体240が端部102、104に付加されている。取出し形体240は、無傷性端部242で終端する複数の湾曲部141を備えた湾曲した部分を有する。複数の湾曲部141は、有利には、取出し装置(すなわち図71A、図71Bにおけるスネア)の周りで折り畳まれるように構成されて、取出し中の装置100の捕捉を容易にする。この一例となる実施形態では、複数の湾曲部は、正弦波のように全体的に成形され、端部242は、ボールまたは曲線的な先端部のように成形される。
[00141]塞栓の取り込み時、血塊物質99上に作用する力となる流体の流れは、捕捉構造体115から捕捉構造体115を固定する支持枠126に伝えられる。支持枠126上、さらに支持部材105、110上に作用する力は、端部104を管腔壁内に押し入れる。この作用は、第2の支持枠128を効果的に固定する。支持枠126上に作用する力により、支持枠126に関連付けられた角度βは、支持枠126の管腔壁内へのさらなる押し込みを増大させる。
[00142]図17、図18、および図19は、異なるサイズの支持構造体を備えた、管腔壁と接触しなくてよい様々な代替のフィルタ装置の実施形態を示す。図17は、本発明の1つの実施形態によるフィルタ装置300の斜視図を示す。この実施形態では、細長い部材305、310は、端部302、304において接合されて、端部302、部分301、303および交差部306から枠309を形成し、端部304、部分307、308、および交差部306から枠311を形成する。枠309は、本発明による材料捕捉体の別の実施形態を支持する。図示される材料捕捉構造体312は、複数のフィルタセル315を形成するために接合された(314)複数のストランド313を含む。ストランド313は、以下で説明される固定を用いて接合されてよく(たとえば図53A〜図53D)、または所望の形状およびサイズのフィルタセル315をある材料から押し出すことによって形成されてもよい(たとえば図56)。
[00143]図17は、枠311を形成する細長い部材が、枠309の変化に応答して枠311のサイズおよび形状を拡張および収縮させるように構成されるという理由で、コンデンサ設計と呼ばれるものを示す。この設計の形体は、本発明の実施形態が大幅な範囲のサイズ設定および直径変更に対応することを可能にする。図18は、ストランド352を相互交差させることによって形成されたフィルタセル354を有する捕捉構造体350を有するフィルタ装置300の実施形態を示す。図18は、(矢印によって示される)枠309の内向きの移動が、枠308内の(矢印によって示される)外向きの移動にどのように対応するかを示す。
[00144]図19は、第2の枠が閉じられない場合の代替のフィルタ装置の実施形態を示す。フィルタ装置340は、材料捕捉装置115を支持するために曲線的な支持枠344を形成する支持部材341、343を含む。支持部材341、343は、交差部342を超えていくらかの距離を延びるが、別の端部を形成するように接合されない。支持部材343の一部分346は、交差部342を超えて延びて示されている。支持部材341、343は、交差部342の後、装置軸に沿っていくらかの距離を延びることができ、枠309内の支持部材の形状と同じまたは異なる形状を辿ることができる。支持部材は、前に説明された2つの輪状部の実施形態に類似して、装置軸に沿って延びることができるが、第2の端部に接合される手前で終了する(たとえば図87)。
[00145]本発明のフィルタ装置の端部は、多くの方法で形成され得る。支持構造体105、110の一部分は、互いの周りに巻かれてよい(180)(図20)。図示される実施形態では、巻かれた部分180は、端部102を形成するために使用される。別の代替形態では、ろ過装置は、それ自体に一巡して戻る単一の支持部材105から形成される。図21の一例となる実施形態では、支持部材105は、輪状部181になるように形成されて端部102を形成する。輪状部181の代替形態では、輪状部は、複数の起伏(すなわち図22の181a)を含むことができ、または取出し形体の形状またはフィルタ装置の他の構成要素になるように形成されてもよい。さらに別の代替形態では、構造部材を一緒に圧着する、接合する、または別の形で結合させるためにカバーが使用される。図23の一例となる例では、略円筒状カバー183が、部材105、110を一緒に接合するために使用される。カバー183は、接着剤、溶接、圧着などの任意の従来の接合方法を用いて支持部材を一緒に固定することができる。代替形態の先細にされたカバー185が、図24の実施形態において示される。先細にされたカバー185は、円筒形状および先細にされた端部186を有する。先細にされたカバー185を有する、端部周りの先細にされた端部186は、装置の配備および取出しを容易にする。1つの実施形態では、カバー185は、構造部材および/または取出し形体と同じ材料から作製される。
[00146]本発明の一部のフィルタ装置の実施形態は、配備されたフィルタ装置を再捕捉し、部分的または完全に回収するのを助ける1つまたは複数の取出し形体を含むことができる。取出し形体は、特有のフィルタ装置設計に応じて装置上の多くの位置の任意のところに置かれてよい。1つの実施形態では、取出し装置は、装置の回収を容易にするために配置されるだけではなく、取出し装置を引っ張ることにより、装置の取り外しが事実上容易になるような方法で装置に取り付けられる。1つの実施形態では、取出し装置を引っ張ることにより、構造部材は管腔壁から引き離される。配備および再捕捉中の取出し形体の共働的作動のこれらおよび他の態様は、図72A〜図73Dに関して以下で説明される。
[00147]本発明の取出し装置のいくつかの代替の実施形態が、図25〜図27Cに示される。図25は、端部内に形成された単一の湾曲部241を有する取出し装置240を示す。図26は、図25の湾曲部241より急な曲率半径を有する湾曲部244を有する取出し装置240を示す。図27Aは、無傷性端部142を備えた湾曲した部分141を有する取出し形体140を示す。一例となる実施形態では、無傷性端部142は、湾曲部141の端部に付加され得る、または形体140を形成するために使用される部材の端部上に形成されるボールである。ボール142は、湾曲した部分141の端部をレーザにさらして端部をボールになるように溶解することによって形成され得る。図27Bは、複数の湾曲した部分241を備えた取出し形体を示す。1つの実施形態では、湾曲した部分241は、略正弦波形状を有する。別の実施形態では、湾曲した部分241は、スネア(すなわち図71A、図71B)のような取出し装置によって引っ張られたときに畳まれるように構成される。図27Cは、複数の湾曲した部分241と、端部上に形成されたボール142とを有する取出し形体240を示す。追加的な実施形態では、本発明の取出し形体は、医用画像法を使用するフィルタ装置の可視性または画像品質を向上させるのに役立つ標識または他の形体を含むことができる。図27Cの一例となる実施形態では、放射線不透過性標識248が、湾曲した部分241上に置かれる。標識248は、プラチナ、タンタル、または金などの任意の適切な材料から作製され得る。
[00148]端部の周りに置かれたカバーはまた、取出し形体を端部または2つの支持部材に接合するために使用されてよい。カバー183は、取出し形体240を支持部材105に接合するために使用され得る(図28A)。この一例となる実施形態では、支持構造体105および取出し形体240は別個の部片である。カバー183はまた、2つの部材110、105を一緒に取出し形体140に接合するために使用されてもよい(図28B)。別の代替の実施形態では、取出し形体は、他方の支持部材に接合された支持部材から形成される。図28Cの一例となる実施形態では、支持部材105は、先細にされたカバー185を貫通して延び、取出し形体240を形成するために使用される。先細にされたカバー185は、第1の支持部材および第2の支持部材105、110を接合させるために使用される。図28Cに示される実施形態の1つの代替形態では、支持部材105の直径は、取出し形体240の直径より大きい。他の実施形態では、取出し形体240の直径は、支持部材105の直径より小さく、支持部材の端部をより小さい直径に減じるように加工することによって形成され、次いで、形体240を形成するように成形される。別の実施形態では、ボール242または他の無傷性端部が、取出し形体の端部上に形成される。
[00149]図29は、管腔10内のフィルタ装置の部分的側面図を示す。この図は、取出し形体と、内部管腔壁とによって形成された取出し形体の角度τを示す。取出し形体の角度τは、装置の取出し性を向上させるために管腔内で取出し湾曲部214およびボール242の高さおよび配向を調整するのに有用である。通常、取出し性は、取出し形体が装置軸121に(すなわち同様に管腔軸へと中央に)近づくにつれて向上する。追加の湾曲部が必要に応じて支持部材110、105に加えられて、取出し形体の角度の所望の範囲を提供することができる。1つの実施形態では、τは−20度から90度の範囲である。別の実施形態では、τは0度から30度の範囲である。
材料捕捉構造体および他のろ過構造体の支持構造体への取付け
[00150]多くの異なる技術が、材料捕捉構造体を支持部材に取り付けるために使用され得る。明確にするために、材料捕捉構造体は以下の図から省略されているが、線351または輪状部を用いて適切に固定される。図30では、支持部材105の周りにいくつかの転回部353を有する線351を示す。線351は、クリップ351aを用いてそれ自体に戻して固定される。図31は、材料捕捉構造体を結び付けるまたは別の形で固定するために使用され得る輪状部353aを固定するために支持部材105の周りのいくつかの転回部353を備えた線351を示している。線351は、支持体105に糊付けされてもよい(355)(図32)。別の代替の実施形態では、支持部材内に形成された穴356が、1本または複数本の線351を固定するために使用され、これらの線は、さらに材料捕捉構造体を固定するために使用される。穴356の線形配置に対する代替形態では、図36は、穴356が、材料捕捉体を支持構造体105に固定するのを助けるためにいくつかの異なる配向にどのように設けられ得るか示す。代替的に、線351は、穴356内に糊付けされてよい(355)(図34Aおよび図34Bの断面図)。
[00151]他の代替の実施形態では、穴356は、線351を固定するだけでなく、支持構造体105内に組み込まれる別の材料のための空洞を提供するためにも使用される。支持構造体105に組み込まれ得る他の材料は、たとえば、薬理作用物質または放射線不透過性材料を含む。放射線不透過性標識の使用により、たとえば、支持構造体が、たとえば形状記憶重合体または生分解性重合体などの低画像可視性を有する材料から形成されるときに有用になり得る。図34Cは、1つの穴356が線351を固定し、他の穴が材料または化合物357によって充填される場合の実施形態を示す。別の代替形態では、穴356の一部またはすべてが、図35のように、別の材料によって充填されてもよい。さらに別の代替形態では、穴356は、装置を管腔壁に固定するために使用され得る小さいかかり部358によって充填される。図37の一例となる実施形態では、かかり部358は、管腔壁を穿孔せず管腔の内部壁の表面を破るだけの十分な長さである。上記の各々は支持部材105に関して説明されてきたが、これらの同じ技術が、材料捕捉構造体を支持するために使用される支持部材110または他の構造体に適用され得ることを理解されたい。フック、かかり部、または他の固定装置もしくは固定要素の追加の代替の実施形態は、図88〜図126Dに関して以下で説明される。
[00152]支持構造体の実施形態は、単一の部材構造に限定されないことを理解されたい。図38Aは、代替の編み組みされた支持部材105’を示す。編み組みされた支持構造体105’は、4本のストランドa、b、c、およびdによって形成される。図38Bは、別の代替の編み組みされた支持部材105”を示す。編み組みされた支持構造体105”は、3本のストランドa、b、およびcによって形成される。図38Bはまた、編み組み構造体が、ライン351を固定するためにどのように使用され得るかも示す。この実施形態で見られ得るように、線351を用いることにより、材料捕捉構造体(図示せず)は、編組みされた構造体105”内の少なくとも1本のストランドに固定される。
[00153]図39および図40は、フィルタ支持構造体を支持部材に固定する追加の代替の技術を示す。図39に示されるように、支持枠105の周りに巻き付けられた材料481を用いて、材料捕捉構造体の固定線351を支持枠105に固定する技術が示される。この方法では、(図示しないが、線351に取り付けられた)材料捕捉構造体は、第1の支持構造体105を少なくとも部分的に覆う材料481に取り付けられる。材料481が巻付け部483として支持構造体に沿って形成されるとき、線351は、材料481と支持構造体105の間を通される。線351は、図40に示される実施形態では省略されるが、その理由は、材料481が巻付け部483を形成し、材料捕捉構造体(図示せず)を固定するために使用されるためである。1つの実施形態では、材料481は、支持構造体の少なくとも一部分を覆って、組織内部成長を最小限に抑える被覆を形成する。代替的に、ろ過構造体(図示せず)は、組織内部成長を最小限に抑える被覆481を用いて支持構造体105に取り付けられる。
[00154]図41、図42、および図43は、材料捕捉構造体を支持部材周りに配設された管腔に固定することに関する。図41は、距離「d」で離間された分節402a、402b、402cになるよう切断された管腔402を示す。線351は、支持部材の周りに、隣接する分節間の空間「d」内に取り付けられる。分節は分離されたままでも、間隔「d」を低減するまたは解消するように互いに押し付けられてもよい。図41の分節とは対照的に、図42の管腔402は、線351を固定するための切欠部403を提供する。図43は、支持部材105から外方に延びる、組織成長を妨げる形体408を有する管腔405を示す。断面図406に見られるように、妨げる形体408は、支持部材105とは異なる断面形状を有する。加えて、一部の実施形態では、管腔405は、支持構造体に対して組織内部成長を最小限に抑える被覆のように働くように、適切な組織内部成長を最小限に抑える材料から選択される。他の実施形態では、断面形状406は、組織内部成長を最小限に抑える被覆上の組織成長を妨げるように構成される。
[00155]図44および図45は、二重の管腔構造体を利用するフィルタ装置の実施形態を示す。二重の管腔構造体420は管腔422および管腔424を含み、概ね涙滴形状の断面領域を有する。この一例となる実施形態では、支持構造体105は管腔422内に配設され、第2の管腔424は線351を保持し、かつ材料捕捉装置(図示せず)を固定するために使用される。一例となる実施形態では、管腔構造体420は、管腔424内にいくつかの分節420a、b、cおよびdを形成するように切断されている。分節420a〜dによって形成された連結リングは、必要に応じてライン351を固定するために使用される。図45は、管腔構造体420の代替構成を示す。この代替構成では、解放線430が、切欠付きの管腔424を通って延びる。線351は解放線430の周りを延び、故に材料捕捉構造体(図示せず)を固定するように延びる。線351は解放線を用いて連結されるため、解放線を管腔424から取り外すことにより、線351を用いて固定された材料捕捉構造体を支持構造体から解放し、管腔から取り外すことが可能になる。図45に示されるものなどの構成は、開いた輪状部(すなわち支持構造体によって形成された開いた輪状部枠)に解放可能に取り付けられるろ過構造体を提供する。図45に示される実施形態は、(部材105によって形成された)開いた輪状部に沿って配置された解放線430を提供し、ろ過構造体(図示せず)は、解放線を用いて開いた輪状部に取り付けられる。
[00156]別の実施形態では、本発明のフィルタ装置は、被覆された管腔内フィルタになるように構成される。この装置の支持構造体またはフィルタ要素のすべてまたは一部分を被覆することに加えて、支持部材上の被覆はまた、ろ過構造体を支持構造体に固定するためにも使用され得る。1つの実施形態では、被覆された管腔内フィルタは、支持構造体と、支持構造体に取り付けられたろ過構造体と、支持構造体の少なくとも一部分を覆う被覆とを有する。1つの態様では、被覆された支持構造体は、曲線的な支持枠、開いた輪状部または他の構造体を形成して、本明細書において説明されるろ過構造体を支持することができる。1つの実施形態では、支持構造体の少なくとも一部分を覆う被覆は、複数の輪状部(すなわち可撓性形態または剛性形態)を支持構造体に固定するために使用される。複数の輪状部は、次いで、たとえば材料捕捉構造体などのろ過構造体を、被覆された管腔内フィルタ内に固定するために使用される。1つの実施形態では、被覆は、組織内部成長を最小限に抑える被覆である。
[00157]ろ過構造体はまた、組織内部成長を最小限に抑える被覆を用いて支持構造体に取り付けられ得ることを理解されたい。一部の実施形態では、組織内部成長を最小限に抑える被覆は、支持構造体の周りに巻き付けられ、または代替的に、管の形態をとることもできる。管が使用される場合、管は連続管でよく、または複数の管分節を備えてもよい。管分節は接触状態でも離間されてもよい。管は、支持部材と同じまたはこれとは異なる断面形状を有することができる。別の実施形態では、組織内部成長を最小限に抑える被覆は管の形状のものであり、支持構造体は管の内部にある。
[00158]一部の他の実施形態では、結合材料が、組織内部成長を最小限に抑える被覆と支持構造体の間に提供される。結合材料は、支持構造体の周りに巻き付けられてよく、または管の形態をとることもできる。管が使用される場合、管は連続管でよく、または複数の管分節を備えてもよい。管分節は接触状態でも離間されてもよい。結合材料管は、支持部材または結合材料周りの被覆と同じまたはこれとは異なる断面形状を有することができる。1つの実施形態では、結合材料は管の形状のものであり、このとき支持部材は、結合材料の管の管腔を通って延びる。1つの実施形態では、複数の輪状部(すなわち可撓性形態または剛性形態)は、輪状部を形成するために使用される線を、支持部材周りの結合材料と結合材料周りの被覆との間に挟むことによって支持構造体に固定される。1つの実施形態では、結合材料は、結合材料周りの被覆より低いリフロー温度を有する。この実施形態では、輪状部を形成するために使用される線は、結合材料をリフローして線を結合材料周りの被覆と支持構造体との間に固定することによって少なくとも部分的に固定される。別の代替形態では、結合材料周りの被覆は締まりばめ被覆であり、この締まりばめ被覆もまた、結合材料をリフローする工程中、またはその後で結合構造体および支持部材の周りで収縮する。上記の代替形態のいずれにおいても、複数の輪状部は、たとえば材料捕捉構造体などのろ過構造体を被覆された管腔内フィルタ内に固定するために使用され得る。
[00159]被覆された管腔内フィルタの一部の実施形態態は、たとえば、支持構造体上の取出し形体、支持構造体の各端部上の取出し形体、曲線的な枠を形成するために一緒に接合された2つの細長い本体を有する支持構造体、および2つのらせん形状の細長い本体を有する支持構造体などの、本明細書において説明される他の特徴形状の一部またはすべてを含む。加えて、一部の被覆された管腔内フィルタは、フィルタの流れ方向に直交し交差点を含む平面周りで全体的に対称的である支持構造体を有する。別の代替の被覆された管腔内フィルタの実施形態では、被覆された管腔内フィルタの支持構造体は、フィルタの流れ方向に平行であり支持構造体の両端部を含む平面周りで全体的に対称的である。
[00160]図46〜図51Bは、被覆された管腔内フィルタの実施形態のいくつかの態様を示す。これらの図は原寸比通りではなく、特定の詳細を明確にするために強調された寸法を有する。図46は、支持部材105周りに置かれた被覆のいくつかの分節450を示す。1本または複数本の線451が、分節450と支持部材105の間を延び、複数の輪状部453を形成する。1つの実施形態では、線451は、単一の連続線である。分節450は、形成された後、適切な処理を経て線451および支持部材105の周りで分節直径を収縮し、それによって線451および輪状部453を支持構造体に対して固定する(図47)。分節450は、図51Aの端面図に示されるように支持部材105の周りに固定される。図47に示される実施形態における分節450は、離間して置かれる。他の実施形態では、分節450は接触状態でも、図47に示されるものとは異なる間隔を有してもよい。図46、図47および図51Aに示される様々な構成要素のサイズは、詳細を示すために強調される。1つの特有の実施形態の寸法は、支持部材105が0.279mm(0.0011インチ)から0.381mm(0.015インチ)の間の外形を有するNiTiワイヤであり、分節450が、事前収縮された0.457mm(0.018インチ)の外径と、0.0508mm(0.002インチ)の壁厚とを有するPTFE熱収縮管から切断された長さ5.08mm(0.2インチ)であり、線451は、0.0762mm(0.003インチ)の外径の単一繊条ePTFEであり、また、輪状部453は、約2.54(0.1インチ)から約10.2mm(0.4インチ)の間の公称直径を有するものである。
[00161]図48、図49、および図51Bは、支持部材105周りの結合材料456および結合材料456周りのいくつかの分節455を示す。1本または複数本の線451が、分節455と結合材料456の間を延び、複数の輪状部453を形成する。1つの実施形態では、線451は単一の連続線である。結合材料456および/または分節450は、形成された後、適切な処理を経て線451を結合材料456と被覆455の間の固定し、それによって線451および輪状部453を支持構造体に対して固定する(図49)。被覆分節450および結合材料456は、図51Bの端面図に示されるように支持部材105の周りに固定される。図48に示される実施形態における分節455は、間隔「d」で離間して置かれる。他の実施形態では、分節455は、処理後、接触状態であっても(図49)、図48に示されるものとは異なる間隔を有してもよい。好ましい実施形態では、分節455間の間隔は、隣接する分節455間を流れこれらを固定する結合材料456の一部によって取り除かれる。図48、図49、および図51Bに示される様々な構成要素のサイズは、詳細を示すために強調される。1つの特有の実施形態の寸法は:支持部材105が、0.279mm(0.011インチ)から0.406mm(0.016インチ)の間の外径を有するNiTiワイヤであり、分節455が、0.559mm(0.022インチ)の事前収縮された外径と、0.0508mm(0.002インチ)の壁厚とを有するPTFE熱収縮管から切断された7.62mm(0.3インチ)の長さであり、結合材料は、0.457mm(0.018インチ)の事前収縮された外径と、0.0254mm(0.001インチ)の壁厚とを有するFEP熱収縮管の管であり、線451は、0.0508mm(0.002インチ)の外径のPET単一繊条であり、輪状部453は、約2.54mm(0.1インチ)から約10.2mm(0.4インチ)の間の公称直径を有するものである。分節450、455および結合材料456は、たとえば、ePTFE、PTFE、PET、PVDF、PFA、FEP、および他の適切な重合体から形成されてよいことを理解されたい。さらに、本明細書において説明されるストランド、線、繊維、および繊条の実施形態もまた、ePTFE、PTFE、PET、PVDF、PFA、FEPおよび他の適切な重合体から形成されてよい。
[00162]図50は、連続被覆分節450に通された連続可撓性線452を使用して輪状部454を形成することを示す。輪状部454は、定間隔で被覆450の長さに沿って配設され、連続の被覆分節450は、0.457mm(0.018インチ)の事前収縮された直径と、0.0508mm(0.002インチ)の壁厚とを有するPTFE熱収縮管を用いる支持部材105に対して長さにおいて均一である。線452は、0.0762mm(0.003インチ)の外径を有する単一繊条ePTFEであり、輪状部454は、約2.54mm(0.1インチ)から約10.2mm(0.4インチ)の間の公称直径を有する。
[00163]図52A〜図53Dは、ろ過構造体を形成し、および/または支持構造体に取り付けるための代替の技術を示す。図52Aは、上記で説明されたように端部102と交差部106の間に支持部材105、110によって形成された支持枠126の実施形態を示す。輪状部453/454が、図46〜図51Bに関して上記で説明されたように線451/452を用いて形成される。その後、繊条461が、図46〜図51Bに関して説明された加工ステップ中、繊条461を結び付ける、溶接する、糊付けする、または組み込むことによって線451/452に適切に取り付けられる(462)。次に、繊条は、枠126を横断して輪状部453/454の周りを横断する。この実施形態では、輪状部間のひも組み模様が、端部102と交差部106の間を延びる線と交差する。通常の模様は、繊条が、枠126を横断して1つの右側輪状部(1)の周りを延び、枠126(2)を横断して戻り左側輪状部453/454の周り(3)に延びるものである。ひも組み工程は、図52Bおよび図52Cに示されるように続く。完了したとき、ひも組み工程は、支持部材105/110に固定された輪状部451/452に固定された1本または複数本の繊条からろ過構造体465を生み出す。ろ過構造体465内の繊条は、輪状部451/452間にピンと張られてよく、または(図52Dに示されるように)いくらかのたるみを有してもよい。材料捕捉構造体を形成するために使用される繊条461または他の材料は、薬理作用物質で被覆されてよい(図58の被覆466)。薬理作用物質は、本発明の様々なろ過装置の実施形態の作動を用いて実施される手技またはその作動に有用な多種多様な化合物、薬物などの任意のものでよい。薬理作用物質被覆466は、ろ過構造体上の血栓形成、ろ過構造体内に捕捉された化学的に溶解する残屑などを防止または低減するのに有用な薬理作用物質を含むことができる。
[00164]図53Aは、上記で説明されたように端部102と交差部106の間に、支持部材105、110によって形成された支持枠126の実施形態を示す。輪状部453/454が、図46〜図51Bに関して上記で説明されたように線451/452を用いて形成される。その後、繊条461は、図46〜図51Bに関して説明された加工ステップ中、繊条461を結び付ける、溶接する、糊付けする、または組み込むことによって線451/452に適切に接合される(462)。次に、繊条461は、図52Aに関して上記で説明されたように輪状部453/454の周りでひも組みされた。しかし、この実施形態では、輪状部間のひも組み模様は、端部102と交差部106の間を延びる線に概ね平行なままである。完了したとき、ひも組み工程は、端部102と交差部106の間の線に平行に延び、かつ支持部材105/110に固定された輪状部451/452に固定された1本または複数本の繊条461からろ過構造体を生み出す。このろ過構造体(図53A)は、本発明のフィルタ装置内で使用され得る。加えて、図53Aのろ過構造体(ならびに図52Dの構造体)は、隣接する繊条461同士を接合して(468)、ろ過構造体470の一部としてのフィルタセル469を形成するようにさらに加工され得る。隣接する繊条461を接合する(468)ために使用される工程は、結び付ける、溶接する、結合する、糊付けするなどの任意の従来の接合技術を含むことができる。加えて、管の分節(すなわち上記で説明された分節450、455、456)が、隣接する繊条461の部分を接合する(468)ために使用され得る。1つの特有の実施形態では、繊条461は、0.203mm(0.008インチ)の事前収縮された外径と、0.0254mm(0.001インチ)の壁厚とを有するFEP熱収縮管の部片を用いて接合される(468)、0.0762mm(0.003インチ)の外径を有するePTFE単一繊条である。ろ過構造体470は、輪状部451/452の間にピンと張られてよく、または(図52Dのろ過構造体によって示されるように)いくらかのたるみを有してもよい。フィルタセル469は、以下でより詳細に説明されるように、数多くのサイズおよび形状で形成され得る。
[00165]代替的に、図53Aおよび図52Dのろ過構造体は、図57Aに示されるように繊条461を輪状にすることによって形成された追加の輪状部491を組み込むことができる。
代替のろ過構造体および/または材料捕捉構造体
[00166]一部の実施形態では、材料捕捉構造体は、多くのフィルタセルを含む。フィルタセルは、多くの異なる方法で形成され、多くの異なる形状およびサイズを有することができる。特有のフィルタ内のフィルタセルの形状、サイズ、および数は、個々のフィルタの用途に基づいて選択され得る。たとえば、遠位保護用に構成された本発明のフィルタ装置は、所望のろ過レベルに適合された細孔サイズ(図63A、図63A)を有するフィルタ材料を選択することによって形成された、数十〜数百ミクロンから5ミリメートル未満程度のフィルタセルを有することができる。他の用途では、フィルタセルは、繊条を重ね合わせて(すなわち接合させまたは接合させずに交差させて)形成されて、2mmのサイズを上回る管腔内の残屑をろ過して除去するセルを形成することができる。様々な他のフィルタサイズおよびろ過能力が、本明細書において説明されるように可能である。
[00167]相互交差する繊条(図54C)は、ダイアモンド形状のフィルタセル(図54A)および矩形形状のフィルタセル(図54B、図2Aおよび図9B)を形成するために使用され得る。図57Bに示される3本のストランド461a、461b、461cの配列などの複数のストランド模様が、使用されてもよい。相互交差する繊条はまた、結び目が付けられ、結び付けられ、または別の形で接合されてよい(468)(図55Aおよび図55E)。相互交差する繊条は、たとえば、図55Cの細長い長円、図55Bのような1つまたは複数の接合されたダイアモンド、および図55Dのような接合された多角体の配列などの同じまたは異なるフィルタセル形状を形成することができる。セルもまた、図52A〜図53Dにおいて上記で説明された技術を用いて形成されてよい。1つの実施形態では、フィルタセルは、少なくとも3本の相互交差する繊条461によって画定される。フィルタ要素461は、生体適合性でありかつ残屑をろ過する多種多様な許容可能な材料の任意のものから形成され得る。たとえば、本明細書において説明される繊条、線、およびストランドは、複合繊条糸、単一繊条縫合糸、リボン、重合体ストランド、金属ストランド、または複合ストランドの形態のものでよい。追加的には、本明細書において説明される繊条、線、およびストランドは、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン−co−ヘキサフルオロプロピレン(FEP)、またはポリ(フルオロアルコキシ)(PFA)、他の適切な医療クラス重合体、他の生体適合性重合体などから形成され得る。
[00168]接合された多角体は、図60A〜図60Fに示された形状のいずれかを有することができる。フィルタセルは、たとえば、円形(図60A)、多角形(図60B)、長円形(図60C)、三角形(図60D)、台形または切頂円錐形(図60E)などの形状の任意のもの、1つまたは複数、またはそれらの複合的組合せを有することができることを理解されたい。
[00169]加えて、材料捕捉構造体は、材料を材料捕捉構造体になるように押し出すことによって形成されたフィルタセルを有することができる。図56は、材料が、ストランド313になるように押し出され、ストランド313が接合され(314)、離間して置かれて1つまたは複数のフィルタセル315を形成する場合の例示的なろ過構造体312を示す。1つの実施形態では、ストランドは、ポリプロピレン材料から押し出されて、凡そ4mmの高さおよび3mmの幅のダイモンド形状のフィルタセルを形成する。
[00170]図59A〜図63Bは、いくつかの異なるろ過構造体構成を示す。説明を簡単にするために、ろ過材料は、円形枠501に取り付けられて示されている。円形枠501は、様々な開いた輪状部、曲線的な枠、または本明細書において説明される他の支持枠の任意のものを表すことを理解されたい。図59Aは、図52Dに類似する枠模様を示す。図59Bは、追加の横断方向の繊条461aを繊条461に対して角度を付けて付加する。図59Cは、中央繊条461cの周りで枠底部501aから上に延びる複数の繊条461aと、中央繊条461cの周りで枠上部501bから下に延びる複数の繊条461bとを示す。この一例となる実施形態では、繊条461a、bは、中央繊条461cの周りに対称的に配置される。他の非対称の構成が可能である。2本以上の中央繊条461cが、多様な異なるサイズおよび形状の多角形フィルタセルを形成するために使用されてよい(たとえば図59E)。
[00171]繊条はまた、多様な径方向模様を用いて配置されてもよい。たとえば、複数繊条461は、共有点509から枠501の縁部を出ることができる。一部の実施形態では、共有点は、枠501の中央にあり(図59D)、他の実施形態では、共有点509は、異なる非中央の位置にある。複数繊条(図59D)によって形成される区域は、繊条461aを分節繊条461bの周りにこれを横断して巻くことによって複数のフィルタセル分節にさらに分割され得る。図59Gのような点509かららせん状に外に出る単一繊条とは対照的に、図59Fの分節化されたフィルタセルは、単一繊条461aを分節繊条461bに取り付けることによって形成される。
[00172]図61A〜図61Cおよび図62は、材料520のシートを使用してフィルタ構造体を形成することを示す。材料520は、パンチング、穿孔、レーザ切断などの任意の適切な工程を用いて、その中に形成される多様な形状の任意のものを有することができる。図61Aは、材料520内に形成された円形模様521を示す。図61Bは、材料520内に形成された矩形模様523を示す。図61Cは、材料522に切断された複合模様522を示す。材料520は、いかなる模様も有さずに枠501内に置かれてもよい(図62)ことを理解されたい。図62の一例となる実施形態は、管腔内で流れを閉塞するのに有用になり得る。閉塞用途に適した材料520は、たとえば、羊毛、絹、重合体シート、管腔を横断して伸張されたときに管腔内の血流を妨げるのに適した他の材料などを含む。追加的に、フィルタ材料520は、細孔530を有する多孔性材料でよい(図63A)。材料520は、手技またはフィルタ装置の用途に応じて個々の細孔530(図63B)の平均サイズに基づいて選択されてよい。たとえば、材料520は、既存の遠位保護および塞栓保護装置において用いる多孔性材料の任意のものでよい。通常、多種多様な細孔530のサイズが利用可能であり、これは0.254mm(0.010インチ)から7.62mm(0.3インチ)の範囲になることができる。他の細孔サイズもまた、選択される材料520に応じて利用可能である。
[00173]図64から図65Fは、ろ過装置内の網状または他のクモの巣状構造体の使用を示している。本明細書において説明される様々な網状構造体の実施形態は、本発明のフィルタ装置の実施形態内で材料捕捉構造体として使用される。これらの代替形態の各々は、図2Aおよび他所の装置100のものに類似する支持構造体において示される。管腔10内に配備されたとき、材料捕捉構造体560は、別の頂点565(図64A)を備えた円錐などの規定された形状を有する。この実施形態では、網状構造体は、管腔10内に配備されたときに管腔10の側壁と接触するのに十分な長さである。代替的に、頂点565は、端部104に取り付けられて、網560を管腔流路内に、かつ管腔側壁とは接触しないように保つことができる(図64B)。網565はまた、曲線的な頂点565(図65A)または切頂円錐(平坦な底部)(図65D)を有することもできる。代替的に、網560は、配備されたときに管腔側壁と接触しないような短さの別個の頂点565を有することもできる。短い網はまた、曲線的な頂点565(図65B)、平坦な頂点(図65E)または鋭敏な頂点(図65C)を有することもできる。加えて、網560は、複合頂点565を有することができる(図65F)。
[00174]図66および図67は、上記で説明された様々な異なる特徴が、どのように組み合わせられ得るかを示す。たとえば、図66は、一方の端部上のみの取出し形体と、開いた枠(すなわちフィルタ構造体を有さない)とを有する多重支持枠装置480を示す。図67は、各端部上の異なる取出し形体と、支持構造体の各々内のフィルタ構造体とを有し、フィルタ構造体の各々が異なるフィルタ能力を有する、代替の多重支持枠装置485を示す。本明細書において説明される様々なフィルタ装置の実施形態の構造、構成要素、サイズの上記で説明された詳細、ならびに他の詳細は、多くの異なる方法で組み合わされて、幅広い代替のフィルタ装置の実施形態を生み出すことができることを理解されたい。
ろ過装置の送出し、回収、および再配置
[00175]図68Aは、脈管内送出し鞘705内に装填された本発明のフィルタ装置100の実施形態を示す。装置100は、たとえば、図16Aに関連して図示され、上記で説明される。従来の管腔内かつ最小侵襲の外科技術を使用して、装置は、鞘705を脈管構造内へと前進させる前または後に鞘705の近位端部内に装填され、次いで、従来の押し出し棒を用いて鞘内で前進され得る。押し出し棒は、装置100を送出し鞘管腔内で前進させると共に装置配備のための(鞘705に対する)装置の位置を固定するために使用される。1つの好ましい技術では、装置は、脈構造内の所望の位置にすでに前進されている送出し鞘の近位端部内に装填される(図68B)。装置100は、重合体細管の短い分節、または装置100をより容易に止血弁内で前進させることを可能にする他の適切なカートリッジ内に事前装填され得る。
[00176]柔軟な送出し鞘705と共に使用されるとき、装置100の事前形成された形状は、鞘を装置形状に適合するように変形させる(図69A、図69B)。それにしたがって、可撓性の柔軟な鞘705は、格納された装置の曲率をとる。送出し鞘705の変形は、脈管構造内の鞘705の位置を安定化するのに役立ち、装置100を意図される送出し部位に正確に配備することを容易にする。これとは対照的に、非柔軟性送出し鞘705(すなわち装置100の事前成形された形状に適合するように変形されない鞘)は、装置100が鞘内に格納されていても略円筒状の外観を維持する(図69C)。使用される鞘のタイプに関係無く、装置の送出しは、装置の近位側の押し出し棒を用いて鞘装置の位置を鞘705内に固定し、次いで鞘705を近位に引き出すことによって達成される。装置100は、鞘705の遠位端部を出るとき、事前形成された装置の形状をとる(図69D)。
[00177]対称的な装置形状(たとえば図15および図16Aの装置を参照)は、脈管構造内の複数の接近点からの装置の配備および取出しを容易にする。装置100は、腎静脈13のすぐ下方の下大静脈11内の脈管構造内に配置されて示される。大腿部接近路(実線)および頸部14の接近路(仮想線)が示される。大腿部接近通路(実線)および頸部接近通路の各々は、装置の配備、再配置、および取出しに使用され得る。代替的に、大静脈は、装置の配備、再配置、および取出しのために上腕または肘前の接近路を介して接近され得る。
[00178]装置の取出しは、最も好ましくは、本明細書において説明される取出し形体(すなわち図27A〜図27E)の1つを用いた管腔内捕捉によって達成される。本明細書において説明される取出し形体は、市販のスネアを用いて良好に機能するように設計されており、このスネアのうち2つが、図71Aおよび図71bに示される。単一の輪状部のグースネック(Gooseneck)スネア712が、図71Aにおいて回収鞘710の内側で示される。複数の輪状部のエンスネア(Ensnare)714は、図71Bにおいて回収鞘710の内側で示される。これらの従来のスネアは、可撓性の一体型ワイヤを用いて医師によって制御される。
[00179]装置の再捕捉および体腔(ここでは大静脈l1)からの取り外しの順序が、図72A〜図72Cに示される。これらの図では、実線は、大腿部からの回収であり、仮想線は、肘前からの回収である。折り畳まれたスネアが、送出し鞘を介して取出し形体240の近位に前進される(図72A)。スネア712は、所定位置に置かれた後、露出され、所定の拡張された輪状部形状をとり、この輪状部形状は、図72Bにおいて両端部から示されるように取出し形体240にかけられる。
[00180]捕えられた装置100は、次いで鞘710内に引っ張られることが可能であり、または代替的にかつより好ましくは、回収鞘710が装置100の上方で前進され、その間、鞘710が装置100の上方を前進するときにスネア712の確実な制御を維持する。回収鞘710を装置100の上方で前進させることにより、装置100を、装置100内またはその周りに成長したあらゆる組織から無傷で取り外すことが容易にされる。装置を径方向内向きに折り畳む傾向がある(図72D)取出し動作はまた、装置上に形成されたあらゆる組織層からの取り外しも容易にする。ろ過装置に取り付けられた可撓性の取出し形体を引っ張ることによってろ過装置を回収する。さらに、フィルタ構造の一部分(すなわち取出し形体)を引っ張ることにより、対向するらせん要素が管腔壁から取り外される。
[00181]装置が鞘710内に引き入れられるとき、装置の事前形成された形状はまた、支持部材を管腔壁から離れるように押し出し、これもまた無傷性の装置の取り外しを助ける。
[00182]可撓性の取出し要素240は、これが図72Cおよび図72Eに示されるように回収鞘内に引き入れられているとき、折り畳まれた形状をとる。装置の反対側端部上の取出し形体240が、回収鞘内に引き入れられるときにまっすぐな形状をとることに留意されたい(図72F)。単一の湾曲した取出し形体140(図27A)が送出し鞘710内に引き込まれる追加の実施形態が、図73Aに示される。(スネアに対して)遠位の取出し形体は、鞘内に完全に引き込まれたとき(図73D)に湾曲した形状(図73B)からまっすぐな形状(図73C)をとる。
[00183]追加的に、フィルタ100を1つの管腔位置から別の管腔位置に再配置することが、図74A〜図74Dに示される。本発明のフィルタ装置は無傷性設計であるため、フィルタ装置100の再配置は、装置100を回収鞘710内に完全に再捕捉する(図74C)または部分的に再捕捉する(図74B)によって達成され得る。装置100の無傷性設計は、装置が、一方の端部によって簡単に固定され(図74B)、管腔壁に沿って所望の位置へと引っ張られ、次いで解放されることを可能にする。本発明のフィルタ装置は、ほぼ同じサイズである鞘を用いて脈管構造内に配備されそこから回収され得るため、送出し鞘および回収鞘には同じ参照番号が与えられる。したがって、本発明の装置は、第1の直径を有する送出し鞘から脈管構造内に配備され得る。次いで、装置は、第1の直径よりも2Frだけ大きい第2の直径を有する回収鞘を用いて脈管構造から取出しされ得る(1Fr=0.013インチ=1/3mm)。代替的に、第2の直径は、第1の直径より1Frだけ大きくてよく、または代替的に、第1の直径は、第2の直径とほぼ同じである。
[00184]完全に回収されたとき、装置は回収鞘(図74A)内に完全に引き入れられ、鞘は元の位置(図74A、図74C)から第2の位置(図74D)に再配置され、再度脈管構造に配備される(図69D)。スネアワイヤの円柱強度が、装置を再配備するのに不十分な場合、スネアは、取出し鞘内の二次内側鞘内に送り出され得る。このため、図74Bに示されるように、取出し形体の確実な制御を得、装置を取出し鞘内に引き込み、次いで、押し出し棒として作用する内側鞘によって再配備することが可能になる。
ろ過装置を用いる様々な方法
[00185]本発明のフィルタ装置の実施形態は、たとえば血栓切除術、関節切除術、ステント挿入術、血管形成術およびステント移植術などの手技において遠位保護をもたらす方法において使用され得る。本発明のフィルタ装置の実施形態は、静脈および動脈内で使用され得ることを理解されたい。例示的な手順が、図75A〜図75Iおよび図76A〜図76Eに示される。各手順において、装置100は、治療領域730に隣接して繋留されない形で配置される。順序(図75A〜図75I)は、送出し鞘710の配置(図75A)、管腔10への完全な配備(図75B)を示す。機械的、電気的エネルギーまたは他の適切な方法を用いる従来の治療装置750が、管腔壁から望ましくない材料732を除去するために使用される(図75C)。治療装置750を用いて管腔壁から除去された何らかの残屑734は、その後血流内に閉塞され(図75C)、フィルタ100によって取り込まれる(図75D)。従来の治療装置750は、取り外され(図75E)、その後再捕捉鞘710の前進により、回収位置へと前進される(図75F)。
[00186]取り込まれた残屑734は、たとえば、治療剤の吸引、送達または冷浸などの方法によって装置を再捕捉する前に除去される。追加的に、装置および取り込まれた残屑は、全体的に再捕捉され、図75Gに示されるように装置を再捕捉するために使用される同じ鞘を介して除去され得る。装置100および残屑734は、次いで、鞘710(図75H)内に引き込まれ、鞘は脈管構造から引き出される(図75I)。
[00187]同様に、繋留されない遠位保護としての本発明の追加の使用が、図76Aから図76Eに示され、この中ではバルーン751が、バルーン血管形成法の場合などにおいて病変732を拡張させるために使用され、これは、しばしば、血管を開いて保つために血管にステント挿入する前に実施される。この手技に関して、バルーンカテーテルは、病変部位まで前進され、膨張され(図76B)、プラーク732がバルーンによって外向きに押し出され(図76C)、したがって正常な血流を再確立する。この手技によって閉塞されたいかなる粒子状物質734もフィルタによって取り込まれる(図76D)。残屑734は、次いで、先に説明されたようにフィルタ取出しの前に除去されることが可能であり、または取り込まれた残屑と共に装置が一緒に取り外され得る。
[00188]当技術分野で広く実践されているさらなる方法は、先に説明された手技に付加する繋留された遠位保護の使用である(すなわち装置100が手技中繋留されたままである)。本発明のろ過装置の実施形態はまた、図77A〜図77Eに示されるようにこの目的のために使用されてよい。フィルタ100の確実な制御は、装置100に連結された一体型ワイヤまたはスネアを介して維持される。一体型ワイヤまたはスネアと装置100の間の連結は、手技中維持され、一部の実施形態では、ガイドワイヤとして使用されてもよい。図77Bに示されるように、装置100との連結は、その場所の近位の脈管構造を治療する(すなわち病変732を治療する)手技を実施する間維持される。
[00189]繋留された遠位保護方法の例が、図77A〜図77Eに示される。フィルタ装置100の実施形態は、治療される病変732の遠位に配備され(図77A)、治療が開始され(図77B)、そして閉塞された材料734がフィルタ100内に捕捉される(図77C)。その後、残屑734はフィルタ再捕捉の前に除去され、または代替的に、先に説明したように鞘を介してフィルタ100内で処理することによって除去される。装置100は、鞘内に回収され(図77D)、管腔10から取り外される(図77E)。
[00190]繋留された装置(図77A、図78A)はまた、血栓切除術の場合などのように、塞栓材料732を機械的に移動させ、血管10から除去するために使用され得る。これは、同じ目的を達成するのに複数の装置を必要とすることなく、残屑を除去し取り込む簡単な手段を提供する。この方法に関しては、繋留された装置は、病変部位の下流側に前進され(図78A)、そして配備される(図78B)。繋留された、展開されたフィルタ100は、次いで、病変732を横断して引かれて(図78C)血栓を血管壁からフィルタ100内に引き入れる(図78D)。塞栓材料734は、次いで、先に説明された方法によって除去され(図78E)、繋留された装置は鞘内に引き込まれ、管腔から取り外される(図78F)。
ろ過装置を用いた薬理作用物質の送達
[00191]本発明のフィルタ装置の実施形態はまた、薬理作用物質を管腔内に送達するために使用され得る。管腔内の薬理作用物質の送達は、ろ過装置の任意の構成要素を用いて達成され得る。たとえば、フィルタ支持構造体が薬理作用物質を送達することができる。1つの代替形態では、支持構造体が、多重管腔構造体によって覆われ、多重管腔構造体は、薬理作用物質を放出するように構成される。1つの代替形態では、多重管腔構造体の管腔が、薬理作用物質によって少なくとも部分的に充填される。別の態様では、多重管腔構造体内の管腔は、管腔内に保存された薬理作用物質の放出を可能にするポートを有する。1つの代替形態では、支持部材内に形成された空洞が、材料によって充填される。1つの態様では、空洞内のこの材料は薬理作用物質である。このフィルタは薬理作用物質を送達することができる。1つの態様では、材料捕捉構造体は薬理作用物質によって被覆される。
[00192]本発明の追加の実施形態は、材料捕捉構造体ならびに支持構造体の覆いを介して治療剤を送達する能力を提供する。図79は、繊条118/461に取り付けられた治療剤被覆780を示す。図80は、1つまたは複数の治療剤または他の材料が充填された、支持構造体105内に形成された1つまたは複数の空洞を有することによって形成された複合構造体789を示す。空洞は、図33、図35、および図36に関して上記で説明されたように形成され得る。これらの複合構造体は、フィルタ装置構成要素上の治療剤の濃度、密度、ならびに場所を変更することにより、特異的溶出曲線を介して治療剤を溶出するように設計され得る。この治療剤は、たとえば、身体の治療に使用される任意の薬理作用物質、抗凝固剤(すなわち、ヘパリン)、線維組織の成長を防止または遅くする抗増殖剤、薬剤の溶出ステントを含む脈管ステント内で使用されるものから選択された他の作用剤になることができる。
[00193]図81および図82は、支持構造体を覆って配置された覆い420、420aを、薬理作用物質を管腔内に供給するための送達手段として使用することを示す。図81は、図44、図45に関して上記で説明されたような多重管腔構造体の管腔424a内の薬理作用物質782を示す。図82に示されるように、治療剤784は、支持構造体105を覆う多重管腔の覆い420a内の管腔424を満たす。管腔424の側部内に形成された放出ポート785は、作用剤を血液または組織に送達することを可能にする。治療剤の溶出パラメータの制御は、放出ポート785のサイズまたは間隔を介して、および/または制御された放出の薬理作用物質の使用によって制御され得る。
ろ過装置試作品
[00194]図83A〜図83Eは、本発明の実施形態によるフィルタ試作品の斜視図(図83A)、平面図(図83B)、底面図(図83C)、側面図(図83D)、および端面図(図83E)を示す。試作品は、先に説明された形体を有し、共通の要素は同じ参照番号を有し、その番号は、これらの図に組み込まれている。支持構造体105、110は、凡そ25.4mm(1インチ)の2つのほぼ等しい開いた輪状部126、128を形成するように設定された形状の、電界研磨された外径0.381mm(0.015インチ)ニチノールワイヤによって形成された。支持構造体105に使用された支持構造体ワイヤは、0.254mm(0.010インチ)のワイヤ直径まで研磨され、各端部上に可撓性の取出し形体240を形成するために使用された(すなわち28C)。無傷性の形体(ここではボール242)が、ワイヤをプラズマにさらすことによってワイヤの端部上に作り出される。放射線不透過性標識、ここではTantalum標識バンド248が、ボール242の下方に取り付けられた。材料捕捉構造体115は、繊条118によって構築されたフィルタセル119を有する。繊条118はePTFE単一繊条である。繊条は、図47に示される方法を用いて支持構造体に取り付けられる。端部同士を接合するために使用されるカバー185は、図24に示されるように、支持構造体の周りに圧着された先細にされたニチノール管186である。
[00195]図84A〜図84Eは、本発明の実施形態によるフィルタ試作品の斜視図(図84A)、平面図(図84B)、底面図(図84C)、側面図(図84D)、および端面図(図84E)を示す。この実施形態は、図83Aの実施形態に類似する。この実施形態では、材料捕捉構造体115は、図56に関して上記で説明されたような押し出しされた重合体網構造から作製された材料捕捉構造体312に置き換えられる。この実施形態はまた、支持構造体105、110が交差部106において接触しない(すなわち距離「d」によって分離されている)様子も示す。
[00196]図85A〜図85Eは、本発明の実施形態によるフィルタ試作品の斜視図(図85A)、平面図(図85B)、側面図(図85D)、および端面図(図85C)を示す。この実施形態は、図14Aに説明されたフィルタ装置に類似しており、共通の参照番号が使用される。この実施形態では、材料捕捉構造体は、重合体材料520の連続シートから構築され、この連続シート内には、円形穴521が、(図61Aに関して上記で説明されたように)機械的またはレーザ切削を介して作り出される。
[00197]図86A〜図86Dは、本発明の別の実施形態によるフィルタ試作品の斜視図(図86A)、平面図(図86B)、側面図(図86D)、および端面図(図85C)を示す。このフィルタ試作品では、材料捕捉構造体は、重合体材料520の連続シートから構築され、この連続シート内には、模様522の孔隙が機械的またはレーザ切削を介して作り出され、網様構造体を作り出す(図61C)。
[00198]図87は、上記の図83A〜83Eに説明された実施形態に類似する、本発明の実施形態によるフィルタ試作品の斜視図である。この実施形態では、細長い構造部材105、110が、一方の端部のみにおいて(すなわち端部102に)接合される。連結されない端部上の支持構造体要素は、血管の貫通を防止し、配備および取出しを容易にするためにプラズマボール242によって仕上げられる。
[00199]一部のフィルタの実施形態は、配備された後のフィルタの位置を維持するのを助けるために、1つまたは複数の固定要素、組織定着装置、または組織係合構造体を含むことができる。様々な代替の固定要素、組織定着装置、または組織係合構造体は、以下で説明され、多様な組合せおよび構成になるように適合されてよい。図88は、第1の端部および第2の端部を有する第1の支持部材105と、第1の支持部材105の第1の端部または第1の支持部材105の第2の端部に取り付けられた第2の支持部材110とを有する管腔内フィルタの斜視図である。図示される実施形態では、第1の支持部材105および第2の支持部材110の各々は、少なくとも第1の端部102から第2の端部104まで延びる単一のワイヤから形成される。支持部材は、端部102、104を超えて延びることができ、以下で説明されるようにフィルタの取出し形体240または他の要素を形成するために使用され得る。1つの一例となる例では、第1の支持部材105は、組織定着装置になるように形成されてよく、第2の支持部材105は、取出し形体になるように形成されてよい。一例となる実施形態は、第1の端部102上に取出し形体240、および第2の端部104上に取出し形体240を有する。第2の支持部材110は、第1の支持部材105と共に交差部106を形成する。1つの実施形態では、第2の支持部材110は、第1の支持部材の第1の端部102および第1の支持部材の第2の端部104に取り付けられる。材料捕捉構造体115は、第1および第2の支持部材105、110と、交差部106と、第1の支持部材105の第1の端部または第2の端部との間を延びる。図示される実施形態では、材料捕捉構造体は、第1および第2の支持構造体105、110と、第1の端部102と交差部106との間を延びる。少なくとも1つの組織定着装置810は、第1の支持部材105または第2の支持部材110上にある。図示される実施形態では、組織定着装置は、本体支持体105、110上に設けられる。この実施形態では、固定要素810は、本体814と、管腔10の壁内にまたはこれを貫通するのに適した先端部812とを有する別個の構造体である。固定要素または組織定着装置810は、適切な取付け具805を用いて細長い本体に取り付けられる。取付け具805は、(図示されるような)圧着具または固定要素810を細長い本体に接合するための任意の他の適切な技術でよい。適切な技術は、非限定的な例として、圧着具または別個の戻り止めを有する他の接合技術、かしめ、または円周方向の拘束を伴う他の接合技術、はんだ付け、溶接、ろう付け、締まりばめ細管、エポキシ、1本のワイヤが各管腔内に置かれ、次いで一緒に結合または溶融される多重管腔カラーを含む。図91および図99もまた、端部において接合された2つの細長い支持部材から形成されたフィルタ構造体の可能な構成を示す。
[00200]図89Aおよび図89Bは、図89Cに示される最終形になるように組み立てられ得る個々のフィルタ構成要素を示す。図89Aはフィルタの近位端部を示す。細長い本体820、822が、フィルタ構造体115を交差部106と端部102の間に固定するために使用される。細長い本体820、822は、交差部106を超えていくらかの長さを延び端部826、824に至る。取出し形体240が端部240に取り付けられ、1つの例示的な実施形態では、両方の細長い本体820、822から形成され得る。図89Bは、フィルタの遠位端部を示す。フィルタの遠位端部は、端部104によって接合された細長い本体834、830によって形成される。細長い本体830、834の長さは、適切にサイズ設定されたフィルタを形成するために図89A内の細長い本体820、822と接合するように調整され得る。遠位端部もまた、取出し形体240および固定要素810を含む。最終的に組み立てられたフィルタが図89C内に示され、ここでは近位および遠位のフィルタ端部は、適切な接合連結器805において接合される。フィルタを構築するために使用される製造手順は、近位および遠位の端部を用いることによって簡略化されると考えられる。端部の各々は、本用途の他所で説明されたようなほぼ等しい長さの2つの細長い本体からフィルタを製作する場合より、相対的に少なくかつ容易なステップで別個に製作され得る。追加的には、近位および遠位の端部を結合させるために使用される適切な接合連結器805はまた、たとえば図91、図95または図99に示されるように、固定要素をフィルタ枠に取り付けるために使用されてもよい。
[00201]代替的に、細長い本体の端部は、固定要素を形成するために使用され得る。図90Aおよび図90Bは、固定要素を形成するように改変された細長い部材の先端部を有する近位および遠位のフィルタ端部を示す。図90Aに示される近位フィルタ端部の実施形態は、端部824、826上に形成されたフック825を有する。図90Bに示される遠位フィルタ端部の実施形態は、端部832、836上に形成されたフック835を有する。
[00202]図90Aおよび図90Bは、適切な接合連結器(複数可)805を用いて組み合わせられて図95、図104A、図104B、および図104Cに示されるような二重フック固定要素を形成することができる。代替的に、図90Aおよび図90Bの改変された遠位および近位の端部は、図89Aおよび図89Bに示される、改変されていない遠位および近位のフィルタ端部との任意の組合せで組み合わせられ得る。図90Cは、図89Aの近位端部を図90Bの遠位端部に接合する1つの組合せの実施形態を示す。他の組合せが可能である。たとえば、組織定着装置が、第1または第2の取付け手段上に存在する。追加的にまたは代替的に、第1の支持構造体の端部上に取出し形体、および第2の支持構造体の端部上に取出し形体が存在することができる。
[00203]これらは、他の実施形態と共に、端部と、端部から延びる第1の分節と、端部から延びる第2の分節とを有する第1の支持部材を有するフィルタ支持構造体を示す。また、端部と、端部から延びる第1の分節と、端部から延び、第1の分節と交差するが、第1の分節に取り付けられない第2の分節とを有する第2の支持部材も存在する。第1の支持部材の第1の分節を第2の支持部材の第1の分節に接合するための第1の取付け手段と、第1の支持部材の第2の分節を第2の支持部材の第2の分節に接合するための第2の取付け手段とが存在する。組織定着装置が、第1または第2の支持部材上にまたはこれによって設けられる。上記でさらに詳細に説明されたように、第2の支持部材の第1および第2の分節に、かつ第2の支持部材の端部と第1の分節が第2の分節と交差する場所との間に取り付けられた材料捕捉構造体も存在する。
[00204]追加的には、図89A〜図90Bは、同じ長さまたはほぼ同じ長さを有する細長い本体構成要素を示すが、その設計は限定されない。異なる長さの細長い本体の使用により、固定要素が細長い本体に沿ってずらした場所に配置するために使用され得る。細長い本体長さ820、822、830、834は、図91に示されるように取り付けられた先の例のものとは異なる長さのものでよい。異なる細長い本体の長さの使用により、取付け具805間に(図では「s」によって示される)間隔が生じる。点線は、固定要素が格納された状態になるように移動されるときの各固定要素の位置を示す。ずれた間隔「s」は、細長い本体820、830間の固定要素810が、フィルタが送出し前に格納されるときに細長い本体822、834間の固定要素810にからまる可能性を低減する(図123Bを参照)。代替的にまたは追加的に、ずれた間隔「s」は、細長い本体上の固定要素を、固定要素がもつれることを防止する所望の量のずれを結果的に生じさせる位置に置くことによって達成され得る。
[00205]使用され得る多くの様々な固定要素が存在する。図92に示される固定要素810は、曲げて形成するいくつかの技術を用いて細長い本体(すなわち図90Aおよび図90B)の端部上に形成され得る固定要素を示す。端部は、図92に示されるように、細長い本体の残りの部分と同じ直径のままになり得る。端部は、周囲の管腔との係合のために、本体814と先端部812の間で所望の湾曲部になるように成形される。1つの代替の実施形態では、細長い本体の端部は、鋭敏にされた先端または斜角付けされた先端部812になるように切断され、研磨され、または別の形で成形される。追加的にまたは代替的に、固定要素は、図93Aおよび図93Bに示されるように、細長い本体の残りの部分より小さい直径を有することができる。固定要素810aは、先端部812aの所望の最終直径まで移行部分814a内で低減される細長い本体の直径を有する。ここで低減された直径端部は、次いで、固定要素が周囲組織とどのように係合すべきかに応じて所望の曲率になるように成形される。代替の実施形態では、移行部分814aは単独で、または先端部812aと組み合わせて、本体814とは異なる材料から形成され得る。材料における相違または同じ材料の異なる品質が使用されて、かかり部または組織定着装置に可撓性先端部を設けることができる。たとえば、移行部814aおよび先端部812aのいずれかまたは両方は、ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン−co−ヘキサフルオロプロピレン(FEP)、またはポリ(フルオロアルコキシ)(PFA)、他の適切な医療クラス重合体、他の生体適合性重合体などの可撓性の生体適合性材料から形成され得る。
[00206]図94は、単一のワイヤ803から形成されたフィルタ構造体の近位端部102の実施形態を示す。ワイヤ803は、端部803aで始まり、湾曲されて支持枠の一方側になり、次いで、取出し形体240になる。ワイヤ803は、逆行して(803c)取出し形体240の他方側を形成し、次いで支持枠の他方側を形成して端部803bに至る。圧着具183または他の適切な締め付け具が、取出し形体240の形状および位置を維持するために使用される。この一例となる実施形態は、近位端部102に対する単一ワイヤの形成技術を説明しているが、この技術はまた、遠位端部104の形成にも適用され得る。取出し形体240はまた、図示される実施形態のもの以外の形状もとることができ、たとえば、図20〜図22および図25〜図28Cに示される取出し形体に類似するように形成されてよい。図95に示されるように、単一のワイヤ803はまた、遠位端部240上に輪状部833を形成するために使用され得る。これは、第1の支持部材および第2の支持部材の両方を単一のワイヤから形成する技術を示す。この実施形態はまた、管腔壁の上方に隆起した位置にある連結器183も示す。追加的に、両頭型固定要素822が示される。これは、近位開口部を備えた第1のかかり部と、遠位開口部を備えた第2のかかり部とを有する組織定着装置の例である。両頭型固定要素は、近位の端部および遠位端部を湾曲させることによって形成され得る(図90A、図90Bを参照)。代替的に、図104Aに示されるように、固定要素822は、本体814が2つの先端部812になるように湾曲された単体の構成要素になり得る。図104Bに示されるように、固定要素822は、適切な固定装置805を用いて任意の細長い本体に接合され得る。図示される実施形態では、固定要素822は、細長い本体110に取り付けられ得る。端部812はまた、図104Cに示されるように異なる方向または異なる角度に湾曲され得る。
[00207]はんだ付け、溶接、ろう付け、締まりばめ細管、エポキシ、1本のワイヤが各管腔内に置かれ、次いで一緒に結合または溶融される多重管腔カラー、ワイヤを一緒に捩るなどの、多種多様な結合または接合技術の任意のものが近位および遠位の端部を接合するために使用され得る。代替的に、1つまたは複数の技術が、固定要素を追加してまたは追加することなく細長い本体同士を接合させるために使用され得る。次いで、組織成長を開始させる表面の欠陥を低減するために、接合が行われた場所が平滑材料によって覆われる。接合された領域は、エポキシもしくは医療クラスのシリコーンで被覆されることが可能であり、または締まりばめ管または溝付き管が、その接合部を覆って置かれ、次いで所定位置に溶融されることも可能である。接合された領域に平滑な表面を与える代替の技術の一例となる例の図89Aおよび図89Bについて考える。最初に、熱収縮細管の分節は、接合工程に含まれる細長い本体の長さを覆うのに十分な長さであり、図89Bの端部832、836それぞれの上方の細長い本体830、834を覆って置かれる。次に、図89Bの端部832、836は、図89Aの端部824、826に接合される。その後、熱収縮細管の分節が、接合された領域の上方に前進され、加熱される。熱収縮細管の分節が加熱されるとき、これは接合された領域の周りで溶融し、端部826が端部832と接合し、端部824が端部836と接合する領域を封止する平滑な表面をもたらす。
[00208]継手805は、第1の支持部材を第2の支持部材に接合する取付け要素の例である。継手805は、図88、図89A、図89B、図90A、図90B、図94および96に示される実施形態によって提案されるように細長い本体を一緒に接合するために使用される。代替的に、継手は、固定要素をフィルタ枠に固定するために使用され得る。さらに別の代替形態では、継手は、細長い本体を一緒に接合して単一の枠にすると共に、細長い本体が接合された同じ地点において固定要素をフィルタ枠に接合させるための手段を提供することができる。取付けの適切な手段および継手805を作り出すために使用される取付け技術は、非限定的な例として、圧着具、または別個の戻り止めを有する他の接合技術、かしめ、または円周方向の拘束を伴う他の接合技術、はんだ付け、溶接、ろう付け、締まりばめ細管、エポキシ、1本のワイヤが各管腔内に置かれ、次いで一緒に結合または溶融される多重管腔カラーを含む。
[00209]材料捕捉構造体115は、多くの異なる位置および配向の任意のものでよい。図96は、支持部材105、110によって形成された2つの開いた輪状部の支持枠を有する本発明のフィルタの実施形態を示す。管腔10内の流れは矢印によって示される。この実施形態では、材料捕捉構造体115は、上流側の開いた輪状部の支持構造体内に置かれる。これとは対照的に、材料捕捉構造体は、下流側の開いた輪状部の支持構造体内に配置されてもよい(図97)。別の代替の構成では、上流側および下流側の両方の支持枠が材料捕捉構造体115を含む。
[00210]捕捉構造体を備えない支持枠と等しい数の、捕捉構造体を備えた支持枠を有するフィルタ装置の実施形態が存在する(たとえば、図13A、図13B、図97A、および図97B)。捕捉構造体を備えた支持枠より多くの、捕捉構造体を備えない支持枠を有する他の実施形態が存在する。たとえば図14は、捕捉構造体を備えた支持枠より多くの、捕捉構造体を備えない支持枠を有するフィルタの実施形態190を示す。フィルタ装置190は、管腔10内の流れに提供される複数の支持枠を形成するために互いに隣接して配置された2つの支持部材105、110を有する。これらの支持枠は、本明細書において説明される任意の組合せまたは構成で固定要素を含むように改変され得る。代替的に、複数の支持枠は、装置190または管腔10の流れ軸を横断して材料捕捉構造体を支持するように配置される。支持部材は、端部192において一緒に接合され、端部194において接合されるまでに2つの変曲点を有する。支持部材105、110は、交差部106および196において互いに交差する。支持枠191は、端部192と交差部106の間にある。支持枠193は、交差部106、196間にある。支持枠195は、交差部196と端部194の間にある。1つまたは複数の固定要素は、本明細書に説明されるように支持枠191、193、および195のいずれかまたはすべてに設けられ得る。
[00211]図98は、管腔10の側壁内に係合された固定要素810を示す。この実施形態では、固定要素の長さおよび曲率は、管腔10の壁内に留まるように選択される。図示されるように、先端部812は、管腔10の側壁内にある。他の代替の構成では、固定要素の長さおよび曲率は、管腔壁を穿孔することによって管腔10と係合するように選択される。
[00212]固定要素は、別個の要素になることができ、または細長い本体の一方から形成され得る。追加的に、固定要素は、多くの異なる配置および配向の任意のものに配置され得る。図88は、端部102、104と交差部106の間の約半分のところに配置された固定要素を示す。追加の固定要素は、端部104上に配置される。固定要素が単一の支持枠上にある図88の一例となる実施形態とは異なり、図99は、両方の支持枠ならびに端部104、102上の追加の固定要素の場所を示す。図99は、枠内の材料捕捉構造体は示していない。図99では、固定要素810は、細長い本体105、110の両方に沿って、端部と交差部の間の、支持枠上の約半分まで進んだところに配置される。代替の固定要素810の間隔および配向が、図100および図101に示される。図100は、端部102、104と交差部106の間の約半分の距離における固定要素810の配置を示す。図101は、追加の要素が交差部106および端部104、104の近くに配置された図100に類似する固定要素の配置を示す。図102に示されるように、2つ以上の固定要素またはかかり部が、構造体に沿って各場所に配置され得る。図102は、2つの固定要素810を細長い本体105、110に固定する固定取付け点805を示す。固定要素810は、別個に設けられてよく、または代替的に、固定要素810の1つまたは複数が、細長い本体から形成されてもよい。たとえば、フィルタ構造体に沿った単一の場所にある2つ以上のかかり部または固定要素は、図95、図104A、図104Bおよび図104Cにも示される。
[00213]図88に戻れば、取付け具805はまた、個々の固定要素810を細長い本体に装着または固定するために使用され得る。個々の要図素に対する図103A、図103Bおよび図103Cは、所望の配向を管腔壁に与えると共に所望の装置外形を与えるために、本体上に取り付けられ(図103A)または側部(図103A、図103B)に取り付けられ得るものである。固定要素を細長い本体に固定するために使用されるカバーまたは接合構造体805は、詳細を示すために取り除かれている。
[00214]固定要素は、2つ以上の取付け点によって管腔の側壁と係合する、これを穿孔するまたは別の形で取り付けるように設計され得る。図102は、単一の取付け部位において、または単一のカバーまたは継手構造体805を用いて細長本体に取り付けられた2つ以上の固定要素810を示す。図104Aは、2つの固定先端部812を備えた本体814を有する両頭型固定要素822を示す。図104Bは、細長い本体110に取り付けられた両頭型固定要素822を示す。図104Cは、先端部812が、隣接する管腔壁と先端部が係合するやり方を調整するためにどのように変更され得るかを示す。図104Cは、1つの近位に開く先端部812および1つの遠位に開く先端部812を示す。
[00215]先端部812に対する異なる固定要素本体の配向および固定位置が可能である。1つの実施形態では、組織定着装置は、第1の支持部材または第2の支持部材の周りに巻き付けられたコイルと、第1の支持部材または第2の支持部材の上方に隆起した端部とを備える。1つのそのような組織係合部または定着装置の一例となる例が、図105に示される。図105は、細長い本体に沿って延び、この周りに巻き付けられ、次いでカールさせて固定部分105と先端部812の間にカール部を置く、湾曲したワイヤ817を示す。湾曲したワイヤ817の曲率度は、組織を穿孔するために使用される力を制御し、または管腔壁にかけられた固定力の量を制御するために調整され得る。代替的に、図106に示されるように、固定要素本体817は、細長い本体の長さの周りに巻き付けることによって細長い本体110に取り付けられ得る。図105はまた、組織定着装置が隆起したらせん形態を含む組織係合表面を有するコイルまたは開いた管である場合の例を示す。図105はまた、第1の支持部材または第2の支持部材に取り付けられた取付け部分と、組織を穿孔するように適合された端部と、取付け部分と端部812の間のコイル817とを有する組織定着装置も示す。任意選択の覆い(図示されず)もまた、コイル式ワイヤ817を覆って置かれて、細長い本体110に沿って平滑な装置外形を維持することができる。
[00216]フィルタ構造体はまた、図107A、図107Bに示される代替の固定要素を用いて固定されてもよい。一部の実施形態では、組織定着装置またはその複数の定着装置は、第1の支持部材または第2の支持部材に取り付けられた管から形成され、またはこれに取り付けられる。図107Aおよび図107Bは、細長い本体110上に嵌合するように適合された管または支持体821を示す。支持体821上の形体823は、管腔の側壁と係合するために使用される。図107Aの図示される実施形態では、形体は、とげに類似する、尖った先端部を備えた略円錐形状を有する。支持体821の1つまたは複数は、図107Bに示されるように細長い本体810に沿って置かれ得る。代替的に、形体823は、支持体821と一体化された構造体から形成されてよく、またはその一部でよい。形体823は、図示されるものとは異なる形状で形成されてよい。形体823は、円周方向畝部または孔隙/戻り止めの形態をとることができる。別の代替の実施形態では、支持体821は、図107Bに示される別個の分節821ではなく、細長い本体110の長さまたはそのほとんどの長さに沿って延びる連続片である。形体823またはその複数の形体823のサイズ、数、および間隔は、用途に応じて変更することができる。たとえば材料捕捉構造体を下大静脈内に定着させる場合、形体823は、約0.5mmから約3mmの間の高さと、約0.1mmから約5mmの間隔とを有することができる。
[00217]図108および図109は、別の代替の固定要素を示す。これらの代替の実施形態では、組織定着装置は、第1の支持部材もしくは第2の支持部材から形成され(図109)、または第1の支持部材もしくは第2の支持部材に取り付けられた構造体もしくは管に取り付けられ、またはこれから形成される(図108)。追加的にまたは代替的に、組織定着装置は、第1の支持部材もしくは第2の支持部材に取り付けられた管から形成されまたはこれに取り付けられ得る。図108は、組織係合表面を有する管843である組織定着装置を示す。この一例となる実施形態では、組織係合表面は、三角形の固定要素847を含む。三角形の固定要素847は、図108に示されるように中空管843の側壁内に形成され得る。その後、中空管843は、次いで、細長い本体110を覆って置かれこれに固定される。管843用の適切な材料は、たとえば、ニチノール、ステンレス鋼または先に説明された重合体および分解可能な重合体を含む。中空管843の断面は、曲線的なものとして示されるが、他の断面も可能である。1つの実施形態では、管843の断面は、細長い本体110のサイズおよび断面形状に適合するようにサイズ設定され成形される。代替的に、細長い本体を覆って置かれた管内に三角形の固定要素(複数可)847を形成する代わりに、三角形の固定部材847が、図109に示されるように細長い本体110内にまたはこれを用いて形成される。この一例となる実施形態では、第1または第2の支持部材上の組織定着装置(複数可)は、第1または第2の支持部材から形成される。図示される実施形態は、略三角形状を有する固定要素847を示すが、他の形状も可能である。たとえば、固定要素847は、細長いスパイクとして、または隣接する管腔または組織と係合するのに適した任意の他の形状で成形されてもよい。
[00218]図110に示される別の代替の実施形態では、管847は、組織係合表面を形成するように改変され得る。この一例となる実施形態では、組織係合表面は、スパイクまたはとげのように成形された表面形体862を含む。形体862を作製する1つの方法は、重合体管をその表面が粘着質になるまで加熱することである。次に、管の表面は、形体862の形状になるように盛り上げられる。図示されるように、管860は、細長い本体110の一部分だけを覆うように分節化される。別の実施形態では、管は、細長い本体110と同じ長さまたはほぼ同じ長さである。管860の表面を改変する代わりに、組織係合形体862は、固定形体を管860の壁上、壁内、または壁を貫通して装着することによって形成されてもよい。組織係合形体は、図111Aおよび図111Bに示されるように多くの異なる形状の任意のものをとることができる。図111Aは、尖った先端部内で終わる傾斜体866を支持する基部865を備えた組織係合形体863aを示す。図111Bは、平坦な先端部内で終わる略円筒状本体867を支持する基部865を備えた組織係合形体864aを示す。組織係合形体は、これらを側壁に押し入れることによって管860に付加されてよく、それにより、図110に示されるように、取り付けられたとき、基部865は管860の管腔内にあり、本体866、867は側壁を貫通して延びるようになる。
[00219]図112は、管ベースの固定要素の別の代替の実施形態を含む。この実施形態では、組織係合表面は、隆起した形態を含む。1つの実施形態では、組織定着装置は、隆起したらせん形態を含む組織係合表面を有する管である。図112に示されるように、管870の表面は、尾根部872を備えた隆起したらせんになるように改変されている。隆起したらせん872は、図示されるように分節内に存在することができる。1つまたは複数の分節が、細長い本体の長さに沿って取り付けられ得る。代替的に、分節の代わりに、管870は、これが取り付けられる細長い本体110と同じ長さまたはほぼ同じ長さでよい。別の代替の実施形態では、隆起した部分は、ばねまたは他の構造体を管または分節860の表面の下方に挿入することによって形成される。追加的または代替的に、組織定着装置は、第1または第2の支持部材の周りに巻き付けられたコイルを備える。図106に示されるように、この代替形態は、1本のワイヤ(細長い本体110)に別のワイヤまたはばねを巻き付けることによって形成され得る(巻き付けられたワイヤ817)。ワイヤ110および巻き付けられたワイヤ817は、次いで、別の材料によって被覆されてよく、または適切な収縮細管内に置かれてもよい。材料または熱収縮が、ワイヤに適合されるように処理されると、結果として生じた構造体は、図112に示されるものに類似するが、先端部812(図106を参照)が材料を貫通して延びて、管腔に対する追加の取付け点を提供することが付加される。
[00220]組織係合構造体の形成は、単独のまたは任意の組合せの多くの代替形態の任意のものをとることができることを理解されたい。図109において上記で示され説明されたように、形体847は、細長い本体の表面内に切り込まれ得る。図108は、類似の形体が、管843の壁内にどのように切り込まれ得るかを示す。追加的に、組織係合表面は、図106、図112に示されるように管上の隆起した外形表面の形態をとることができる。追加的にまたは代替的に、組織係合表面は、組織と係合する管または構造体の表面を粗面化することによって形成されてよく、それによってフィルタとフィルタが接触する組織との間の摩擦係数を増大させる。一部の実施形態では、粗面化は、機械的手段(砂まき、ビード吹付加工、刻み付け、切削、切れ目付け)、化学的手段(酸エッチング)、レーザ切削により、または押し出し工程または成形工程の一体部分とする、粗面仕上げの形態をとることができる。
[00221]固定または組織係合の構造体を細長い本体に付加することに加えて、取出し形体が、固定要素もしくはその複数の要素も含むことができる多くの異なる方法で細長い本体に取り付けられてよく、または細長い本体から形成されてもよい。1つの実施形態では、図113に示されるように、第1の支持部材の第1の端部または第2の端部に接合された組織定着装置および取出し形体の組合せが存在する。図113は、細長い本体105、110が、取付け要素または固定形体183内で終端する遠位端部104を示す。固定形体は、圧着具183、または細長い本体を一緒に接合する任意の他の適切な技術でよい。取付けのための適切な手段および取付け要素または固定形体183を作り出すために使用される取付け技術は、非限定的な例として、圧着具、または別個の戻り止めを有する他の接合技術、かしめ、または円周方向の拘束を伴う他の接合技術、はんだ付け、溶接、ろう付け、締まりばめ細管、エポキシ、1本のワイヤが各管腔内に置かれ、次いで一緒に結合または溶融される多重管腔カラーを含む。
[00222]この一例となる実施形態では、取出し形体240は、単一のワイヤ811から形成され、このワイヤは、取出し形体240の湾曲部241になるように成形されると共に、組織と係合するための先端部812を有する組織係合構造体810になるように成形される。
[00223]この一例となる実施形態では、細長い本体105、110および取出し形体240に使用されるワイヤの直径はほぼ同じであるため、ワイヤを圧着することが適切な接合方法である。他の接合方法は、非限定的な例として、圧着具、または別個の戻り止めを有する他の接合技術、かしめ、または円周方向の拘束を伴う他の接合技術、はんだ付け、溶接、ろう付け、締まりばめ細管、エポキシ、1本のワイヤが各管腔内に置かれ、次いで一緒に結合または溶融される多重管腔カラーを含む。
[00224]図114に示される実施形態では、図113の図示された実施形態とは対照的に、取出し形体240を形成するために使用されるワイヤは、固定形体または取付け要素183内で終端する。図113、図114内に示される別個のワイヤを用いる代わりに、細長い本体105、110の端部が、取出し形体240および固定要素810を形成するために使用され得る。これは、第1の支持部材の端部が組織定着装置を形成し、第2の支持部材の端部が取出し形体を形成する一例である。追加的にまたは代替的に、第1の支持構造体の端部上に形成される取出し形体は、第1の支持構造体から形成され、第2の支持構造体の端部上に形成される取出し形体は、第2の支持構造体から形成される。一部の実施形態では、組織定着装置は、第1の支持構造体の端部上または第2の支持構造体の端部上にある。図115は、圧着具183を通り抜け、その後取出し形体240になるように成形される細長い本体105を示す。細長い本体110は、圧着具183を通り抜け、その後先端部812を備えた遠位の開口する固定要素810になるように成形される。図116Aは、細長い本体110が取出し形体240を形成するために使用され、細長い本体105が圧着具183を通り抜け、その後近位の開口する固定要素810になるように成形される点を除いて、図115に類似する。図116Bは、圧着具183を貫通する断面図である。図116Cは、スペーサ831が圧着具183内に挿入されて圧着力を分散させるのを助け、よりしっかりした継手を提供する、図116Aの断面図である。
[00225]固定要素を端部に付加する代わりに、端部が、固定要素または組織係合要素を形成するために使用されてよい。図117Aおよび図117Bは、固定要素852が、細長い本体105、110を保持するために使用される圧着具183から形成される場合の斜視図および底面図を示す。両方の細長い本体105、110が、取出し形体240を形成するために使用され得る。図118は、細長い本体105、110とは別個のワイヤ814を有する代替の実施形態を示す。ワイヤ814は、固定要素810aになるように形成され、ここではボール811が、ワイヤ814が圧着具183から引き抜かれることを防止する。固定要素810aは、フック812内で終わる。
[00226]図88、図89B、図90B、図96、図99、図113、図114、図115、図116〜図118に関して示されるような、取出し形体が固定要素を含む改変形態はまた、1つまたは複数の固定要素を図20〜図29に関して説明された取出し形体の実施形態に提供するために使用され得る。追加的に、一例となる実施形態の多くが、細長い本体105、110を併用して説明されてきたが、本発明はそのように限定されない。本明細書において説明される他の細長い本体および/または支持構造体はまた、細長い本体105、110と交換可能に使用されてよい。
[00227]他の代替の実施形態では、固定要素のすべてまたは一部分は、薬理作用物質を含むように改変され得る。薬理作用物質を含むことは、フィルタまたは組織係合構造体のすべてまたは一部分を薬理作用物質で被覆することを含むことができる。追加的にまたは代替的に、組織係合形体は、経時的にまたはいくらかの時間遅延後に放出される薬物、薬物の組合せまたは薬理作用物質を含むように適合され構成され得る。図119は、中空の端部部分812cを備えた図98の固定要素812の代替の実施形態を示す。薬物溶出固定要素814aは、所定の曲率になるように成形された皮下注射様針を用いて形成され得る。代替的に、空洞812cが、ワイヤの内部の一部分を中空にすることによって、または固定要素812を管から形成することによって形成され得る。同様に、図93A、図93Bの固定要素の先端部は、図120に示されるように中空にされ得る。図120は、固定要素812の遠位端部内の空洞812cを示す。図110、図111A、および図111Bのピン867およびスパイク866もまた、図121および図122に示されるように薬物空洞を含むように改変され得る。図121は、尖った先端部内で終わる傾斜体866’を支持する基部865を備えた組織係合形体863bを示す。空洞812cは、先端部から本体866’まで延びる。図122は、平坦な先端部内で終わる円筒体867’を全体的に支持する基部865を備えた組織係合形体864bを示す。空洞812cは、平坦な先端部から本体867’まで延びる。空洞812cには、多種多様な薬理作用物質の任意のものによって充填され得る。例としては、増殖防止剤または抗血栓形成剤を含む。追加的に、これらまたは任意の他の固定要素または組織係合構造体の実施形態はまた、薬理作用物質で被覆されてよい。
[00228]図123A、図123Bおよび図124A〜図124Eは、1つまたは複数の固定または組織係合の形体810を有する本発明のフィルタ装置900の実施形態の配置および配備を示す。フィルタ装置900は、組織係合または固定要素を有する本明細書において説明された代替のフィルタ構造体の実施形態の任意の1つの例示的な実施形態である。
[00229]本発明の実施形態は、ユーザが、装置を標的管腔内に完全に配備する前にフィルタの位置を確認することができるように部分的に配備され得る。部分的な配備は、1つまたは複数の固定要素の制御された可逆性の配備および係合を伴う。係合は、フィルタを管腔内に置いた後、フィルタが本明細書に説明されるように部分的にまたは完全に鞘内へと引っ張られ得るため、可逆性のものである。フィルタは、再配置され、次いで固定要素が管腔壁と係合するように管腔内に再配備され得る。追加的に、本発明のフィルタの実施形態の設計は、配備に使用されるのと同じ方向からフィルタに近づくことによって取出し動作を達成することを可能にする。配置、配備、および回収のすべてのステップは、単一の接近路の場所から実施され得る。
[00230]装置900は、図123A、図123Bに示されるように、また図69に関して上記で説明されたように静脈内送出し鞘705内に装填され得る。従来の管腔内かつ最小侵襲の外科的技術を用いて、装置900は、鞘705を脈管構造内へと前進させる前またはその後に鞘705の近位端部内に装填され、次いで従来の押し出し棒を用いて鞘内で前進され得る。押し出し棒707は、装置900を送出し鞘705の管腔内で前進させると共に、装置配備のための(鞘705に対する)装置の位置を固定するために使用される。1つの好ましい技術では、装置900は、脈管構造内の所望の位置へとすでに前進された送出し鞘の近位端部内に装填される(図123B)。装置900は、重合体の細管の短い分節、または装置900を止血弁内でより容易に前進させることを可能にする他の適切なカートリッジ内に事前に装填されてよい。
[00231]柔軟な送出し鞘705と共に使用されるとき、装置900の事前成形された形状は、鞘705を装置形状に適合するように変形させる(図123A、図123B)。したがって、可撓性の柔軟な鞘705は、格納された装置900の曲率をとる。送出し鞘705の変形は、脈管構造内の鞘705の位置を安定化することに役立ち、装置900を意図された送出し部位に正確に配備することを容易にする。これとは対照的に、非柔軟性の送出し鞘705(すなわち装置900の事前形成された形状に適合するように変形されない鞘)は、装置900がその中に格納されていても略円筒状の外観を維持する(図69C)。使用される鞘のタイプに関係無く、装置の送出しは、装置900の近位側の押し出し棒707を用いて装置の位置を鞘705内に固定し、次いで鞘705を近位に引き出すことによって達成される。装置900は、鞘705の遠位端部を出るとき、事前形成された装置の形状をとる。
[00232]対称的な装置形状(たとえば、図15、図16A、図96、図97、図90C、図99、および図88の装置を参照)は、脈管構造内の複数の接近点からの装置900の配備および取出しを容易にする。本明細書において説明される他の非固定フィルタ装置と同様に、装置900は、腎静脈13のすぐ下方の下大静脈11内の脈管組織内に図示されるように配置され得る(図70を参照)。大腿部接近通路(図126A)および頸部接近通路(図125A)が示される。大腿部接近通路および頸部接近通路の各々は、装置の配備、再配置、および取出しに使用され得る。代替的に、大静脈は、装置の配備、再配置、および取出しのために上腕または肘前からの接近路を介して接近され得る。固定要素または組織係合構造体の配置および配向は、必要に応じて、所望の配置および取出し技術を容易にするように改変され得る。
[00233]装置の取出しは、最も好ましくは、本明細書において説明される取出し形体の1つを用いて管腔内で捕捉することによって達成される(すなわち図27A〜図27E)。本明細書において説明される取出し形体は、市販のスネアを用いて良好に作動するように設計されており、このスネアのうち2つが、図71Aおよび図71Bに示される。単一の輪状部のグースネックスネア712が、図71において回収鞘710の内側で示される。複数の輪状部のエンスネア714は、図71Bにおいて回収鞘710の内側で示される。これらの従来のスネアは、可撓性の一体型ワイヤを用いて医師によって制御される。
[00234]装置の再捕捉および体腔からの取り外しの順序が、図72A〜図72Cを参照して図示され、上記で説明される。類似の回収順序が、図125A〜図125Cに示されるようにフィルタ装置900の実施形態に使用される。この論議においては、装置900は大静脈内に配置される。図125A、図125Bおよび図125Cは、例示的な頸部の回収を示す。装置900は、血管内の流れが、最初に材料捕捉構造体を通り抜け、次いで開いた支持枠を通り抜けるように血管内に示される。図126A〜図126Cは、例示的な大腿部からの回収を示す。装置900は、管腔内の流れが、最初に材料捕捉構造体を通り抜け、次いで開いた支持輪状部を通り抜けるように管腔内に示される。折り畳まれたスネアは、送出し鞘を介して取出し形体240の近位まで前進される。スネア712は、所定位置に置かれた後、露出され、所定の拡張された輪状部形状をとる(図125Aおよび図126A)。輪状部形状は、図125Bおよび図126Bに示されるように取出し形体240上に置かれる。有利には、本発明の取出し形体は、この形体がスネアなどの取出し装置によってより容易に捕捉され得るように管腔壁に対してこれと接触して配置される。
[00235]捕えられた装置900は、次いで鞘710内に引っ張られることが可能であり、または代替的にかつより好ましくは、回収鞘710が装置900の上方で前進され、その間、鞘710が装置900の上方を前進するときにスネア712の確実な制御を維持する。回収鞘710を装置900の上方で前進させることにより、装置900を、装置900内またはその周りに成長したあらゆる組織から無傷で取り外すことが容易にされる。追加的に、装置を径方向内向きに折り畳む傾向がある(図125Cおよび図126C)取出し動作はまた、固定要素を管腔壁から引き出しながらも装置上に形成されたあらゆる組織層からの取り外しも容易にする。さらに、フィルタ構造体の一部分(すなわち取出し形体)を引っ張ることによってろ過装置を回収することにより、対向するらせん要素およびこれに取り付けられた固定要素または組織係合構造体が管腔壁から取り外される。装置900が鞘710内に引き込まれるとき、装置900の事前成形された形状はまた、支持部材を管腔壁から離れるように押し出し、これもまた固定要素を管腔壁から後退または係合解除させることを助ける(図126D)。
[00236]フィルタを配置し、配備し、取り出すための様々な技術および代替形態について論じられてきたが、次にフィルタを管腔内に配置する方法が説明される。図123Aおよび図123Bは、フィルタを含む鞘を管腔内で前進させるステップの実施形態を示す。図124Aは、鞘から管腔内にフィルタの一部分を配備してフィルタの材料捕捉構造体のほぼすべてを鞘内に維持しながら固定要素を管腔壁に係合させるステップの実施形態を示す。図124Aに示されるように、取出し形体240および少なくとも1つの固定要素810は、鞘705を出ている。材料捕捉構造体を含むフィルタの残りの部分は、依然として鞘705の内側にある。図124Bおよび図124Cに示される次のものは、支持枠を鞘から管腔に沿って管腔に係合される位置に配備するステップの実施形態である。支持枠はまた、固定要素を管腔壁に係合させるために使用される。支持枠それ自体の形状および設計が、これもまたフィルタを適所に固定し、フィルタの位置を管腔内に維持するのを助ける径方向力を発生させる。図124Cは、鞘705から配備され、管腔10に沿って開いた支持枠を示す。2つの固定要素810が、管腔壁に係合されて示される。交差部106もまた配備される。交差部106に隣接する材料捕捉構造体115の一部分は、鞘を出るように示される。
[00237]次は、フィルタの材料捕捉構造体を鞘から管腔を横断する位置に配備するステップである。図124Dは、鞘を出る材料捕捉構造体を示す。取出し形体240は、鞘の内側に依然としてある(仮想線で示される)。
[00238]図124Eは、完全に配備されたフィルタ900を示す。第2の取出し形体240は、管腔壁に対向する位置にあり、材料捕捉構造体は管腔を横断して配備される。図124Eはまた、フィルタの別の部分を配備するステップ後にフィルタ取出し形体240を鞘710から配備するステップの実施形態を示す。
[00239]1つの実施形態では、図124Eに示されるフィルタは、両方の取出し形体240上にまたはその近くに固定要素810を含むように改変され得る。そのような実施形態では、フィルタの最後の部分および第2の取出し形体が、鞘710を出るとき(図124Dから図124Eへの移動)、第2の取出し形体にあるまたはその近くの別の固定要素810が、管腔壁と係合する。
[00240]別の態様では、フィルタを配置する方法は、フィルタの材料捕捉構造体を配備するステップの前またはその後にフィルタの交差部の構造体を管腔内に配備するステップを含むことができる。このステップの1つの態様が、図124Bおよび図124Cに示される。これらの2つの図は、1つの取出し形体および3つの係合要素810が鞘710を出て管腔と接触状態になる部分的に配備されたフィルタ900を示す。この図において追加的に、交差部106は鞘710を出ている。配備のこの段階では、係合形体240は、一方の管腔壁に対向し、交差部106は、取出し形体240の概ね反対側の別の壁に対向する。配備された、開いた支持枠は、管腔に沿って交差部106と係合形体240の間を延びる。
[00241]本発明のフィルタの折畳み可能な性質は、フィルタが配備された同じ方向からのフィルタの回収、ならびにフィルタが配備された反対方向からの回収を可能にする。本発明のフィルタの実施形態はまた、捕えることが容易なように存在するために取出し形体を管腔壁に対向して確実に配置する。フィルタは、大腿部接近経路を用いて下大静脈内に配備され得る。次いで、この同じフィルタは、図125Aに示されるように頸部または上大静脈からの接近経路を用いて回収され得る。同様に、頸部の配備経路を用いて大静脈内に置かれたフィルタは、図126Aに示されるように大腿部の進入路を用いて取り外され得る。1つの特有の例では、回収は、スネアを上記で説明された前進ステップ中に使用された同じ方向にフィルタに向かって操作することによって達成される。次に、スネアを管腔の壁に対向して配置されたフィルタの取出し形体に係合させるステップが存在する。代替の技術では、スネアを、前進ステップ中に使用された反対方向にフィルタに向かって操作するステップが存在する。次に、スネアを、管腔の壁に対向して配置されたフィルタの取出し形体に係合させるステップが存在する。
[00242]フィルタの配置および回収の技術は、他の方法でも改変され得る。たとえば、上記で説明されたようなフィルタを配置する方法は、フィルタの一部分を配備するステップの前にフィルタ取出し形体を鞘から配備するステップを含むように調整され得る。別の代替形態では、フィルタの取出し形体を管腔壁に対向して配置するステップは、交差部を管腔内に配置する前またはその後に実施されてよい。追加的にまたは代替的に、フィルタの取出し形体を配備するステップはまた、フィルタの取出し形体を管腔壁に対向して配置することを含むこともできる。
[00243]追加的に、フィルタ900を1つの管腔位置から別の位置に再配置することは、図74A〜図74Dに関して上記で説明された類似の形で達成される。装置900の数多くの実施形態は、図90C、図91、図99、図96、図97、図94、図89C、図89Aおよび図88の非限定的な例で示されるものなどの少なくとも1つの無傷性端部を有する。この文脈では、無傷性端部は、任意の固定または組織係合の形体を有さないものである。これらのフィルタ装置の実施形態の無傷性設計により、フィルタ装置900の再配置は、装置900を回収鞘710内に完全に再捕捉することによって(図74Cを参照)、または部分的にだけ再捕捉することによって(図74Bを参照)達成され得る。鞘710内に含まれた固定要素を有する装置900の位置を維持することにより、無傷性端部は所望の位置に移動され、装置の残りの部分を配備し、固定要素を係合させる前に適所にあるかが確認され得る。装置900の無傷性設計は、無傷性端部だけが管腔内にあるように装置を部分的に配備することを可能にする。部分的に配備された装置は、次いで、管腔壁に沿って所望の位置へと引っ張られ得る。適所になった後、次いで、装置の残りの部分は鞘から解放され、それによって固定要素が鞘から自由になるときに管腔壁と係合することが可能になる。本発明のフィルタ装置は、ほぼ同じサイズである鞘を用いて脈管構造内に配備されそこから回収され得るため、送出し鞘および回収鞘には同じ参照番号が与えられる。したがって、本発明の装置は、第1の直径を有する送出し鞘から脈管構造内に配備され得る。次いで、装置は、第1の直径よりも2Frだけ大きい第2の直径を有する回収鞘を用いて脈管構造から取り出され得る(1Fr=0.013インチ=1/3mm)。代替的に、第2の直径は、第1の直径より1Frだけ大きくてよく、または代替的に、第1の直径は、第2の直径とほぼ同じである。
[00244]図127は、2つの異なる構成の固定要素を有するフィルタの実施形態の底部から見た斜視図を示す。図127は、固定要素を組み込む、上記で説明されたフィルタの類似の構造のものである。図127の実施形態は、固定要素の2つの異なる構成の使用を含む。第2の輪状部または枠128は、図98に示され説明されたものならびに他の実施形態に類似する固定要素を含む。第1の輪状部または枠126内の3つの固定要素または定着装置は、図130A〜図130C、131、132、133および134により詳細に説明され示されるタイプのものである。取出し鞘を備えた図130の伸張された定着装置の相互作用が、図138A〜図139Dの様々な図においてさらに示される。図127のフィルタの実施形態はまた、材料捕捉構造体の繊条を支持部材に取り付けるためのオーバーチューブおよびオーバーチューブ分節の使用を示す。ここでは、セルサイズまたはフィルタサイズは、繊条を隣接する支持部材に結合させるために使用されるこれらのオーバーチューブ分節455間のスペーサとして使用されるオーバーチューブ分節455’を用いることによって調整される。
[00245]早期に説明された実施形態と同様に、このフィルタの実施形態は、細長い構造部材105、110が、端部102、104において継手または連結器183を用いて接合されることを含む。支持部材105、110は、らせん形状を有し、交差部106において交差する。上記で論じられたように、支持部材の端部は、起伏241、プラズマボール先端部242および標識バンド248を有する取出し形体240になるように形成される。
[00246]一部のフィルタの実施形態は、フィルタが配備された後のその位置を維持するのを助けるために、1つの輪状部内に2つまたはそれ以上の固定要素、組織定着装置、または組織係合構造体を含むことができる。数多くの様々な代替の固定要素、組織定着装置または組織係合構造体が上記で説明され、後続の実施形態によって様々な組合せおよび構成になるように適合され得る。図127は、(102に隣接し取出し形体240になるように形成された)第1の端部および(104に隣接し、取付け具183内でまっすぐに終わる)第2の端部を有する第1の支持部材105と、第1の支持部材の第1の端部に取り付けられた第2の端部(105においてまっすぐな端部)、および装置の端部104において取出し形体240になるように形成された第1の端部を備えた第2の支持部材110とを有する管腔内フィルタを示す。図示される実施形態では、第1の支持部材105および第2の支持部材110の各々は、少なくとも第1の端部102から第2の端部104まで延びる単一のワイヤから形成される。支持部材は、端部102、104を超えて延びることができ、以下で説明するようにフィルタの取出し形体240または他の要素を形成するために使用され得る。
[00247]図128は、カバーおよび支持部材の略円形断面形状を示す、第1の支持部材、第2の支持部材、およびカバーを貫通する図127の断面図を示す。図129は、圧着点におけるカバーおよび支持部材の楕円の断面形状を示す、第1の支持部材、第2の支持部材、およびカバーを貫通する図127の断面図である。図128および図129から理解されるように、支持部材105、110は類似のサイズのものであり(図128)、圧着(図129)または上記で説明された他の手段によって一緒に接合される。
[00248]図127に戻ると、一例となる実施形態は、第1の端部102上の取出し形体240と、第2の端部104上の取出し形体240とを有する。第2の支持部材110は、第1の支持部材105と共に交差部106を形成する。1つの実施形態では、第2の支持部材110は、第1の支持部材の第1の端部102および第1の支持部材の第2の端部104に取り付けられる。材料捕捉構造体115は、第1および第2の支持部材105、110と、交差部106と、第1の支持部材105の第1の端部または第2の端部との間を延びる。図示される実施形態では、材料捕捉構造体は、第1および第2の支持部材105、110と、第1の端部102と、交差部106との間である第1の輪状部または枠126内に延び、これに位置する。第2の輪状部または枠128は、第1および第2の支持部材105、110と、第2の端部104と、交差部106との間に形成される。
[00249]図127の図示される実施形態では、5つの組織定着装置が、支持部材105、110上に設けられる。詳細には、第1の輪状部内に第1の構成の3つの伸張された組織定着装置、また第2の輪状部内に第2の異なる構成の2つの組織定着装置が存在する。支持部材105上に2つの伸張された組織定着装置、また、支持部材110上に1つの伸張された組織定着装置が存在する。5つすべての定着装置は、配備前または配備後の格納時、定着装置が、隣合わせの代わりに近位および遠位の配向で位置合わせされるようにずらした構成で配置される。ずらした位置合わせは、図91に関して上記でさらに説明される。第1の輪状部内の3つの伸張された組織定着装置は、(支持部材110に取り付けられた)第3の定着装置が、(支持部材105に取り付けられた)第1と第2の定着装置の間に配置されるようにずらされる。同様に、第2の輪状部内の定着装置は、支持部材105上の定着装置が、格納されたときまたは取出し時に交差部106により近くなるようにずらされる。
[00250]図130Aは、図127のフィルタの第1の輪状部内に示された3つの伸張された定着装置の1つの斜視図である。伸張された定着装置は、定着装置が取り付けられる支持部材のサイズおよび形状に類似するサイズおよび形状を備えた本体814を有する。本体の直径は、第1の湾曲した部分804が後に続く先細にされた部分814aにおいて低減される。分節808は、第1の湾曲した部分804から第2の湾曲した部分806まで延びる。先端部812は、二重の小面807を有し、第2の湾曲した部分806から延びる。
[00251]図130B1および図130B2は、図130Aの伸張された定着装置の第2の湾曲した部分806、セグメント808、および先端部812の関係を示す、端面図および斜視図それぞれである。図130Cは、図130Aの伸張された定着装置の端面図である。この図では、定着装置本体814に対する分節808、第2の湾曲した部分806、および先端部812の配向が、より良好に示される。第2の湾曲した部分806は、図130B2に示されるように分節808から先端部812まで約90度の角度を表す。図130B1の端面図は、先端部812の二重の小面807を示す。小面807は、様々な角度に切断され得る。たとえば約15度から約75度などの他の斜角切断が、使用されてよい。斜角小面807および先端部812はまた、図130B2の斜視図でも示される。
[00252]支持部材に取り付けられたとき、伸張された定着装置は、これが取り付けられる輪状部または枠に対して面外に位置する。図134は、支持枠に対する定着装置の面外の配向を含んで、材料捕捉構造体および支持枠を全体的に包含する基準表面を示すように配向された第1の輪状部の斜視図を示す。図134は、第1の輪状部の平面からの伸張された定着装置のずれの程度を示す、伸張された定着装置のずれ角度φ(小文字ファイ)を示す。1つの態様では、角度は、材料捕捉構造体および輪状部と面外の分節808との偏向の量を表す。図示される伸張された定着装置のずれ角度φは約40度である。伸張された定着装置のずれ角度φ(小文字ファイ)は、約20度から約65度の間で変更することができる。
[00253]先の実施形態と同様に、伸張された固定要素810は、本体814と、管腔10の壁内にまたはこれを通って貫通するのに適した先端部812とを有する別個の構造体である。固定要素または組織定着装置810は、適切な取付け具805を用いて細長い本体に取り付けられる。取付け具805は、(図示されるような)圧着具または固定要素810を細長い本体に接合するための任意の他の適切な技術でよい。適切な技術は、非限定的な例として、圧着具、または別個の戻り止めを有する他の接合技術、かしめ、または円周方向の拘束を伴う他の接合技術、はんだ付け、溶接、ろう付け、締まりばめ細管、エポキシ、1本のワイヤが各管腔内に置かれ、次いで一緒に結合または溶融される多重管腔カラーを含む。
[00254]図131は、支持部材に隣接する図130Aの定着装置、および図127に示されるように所定位置に圧着されるカバーの詳細図である。この一例となる実施形態では、定着装置は、支持部材110に取り付けられる(図127のフィルタの右手側にある伸張された定着装置を参照)。定着装置本体814は、支持部材110の一部分に沿って延び(仮想線で示され圧着具付きの)カバー805を用いてこれに取り付けられる。カバー805の定着装置本体への取付けはまた、定着装置の分節808の内部面および外部面を示すために使用される。定着装置の分節808の内部面は、カバー805に最も近い面である。定着装置の分節808の外部面は、カバー805から外方に向けられる面である。図示され以下で説明されるように、鞘は、図138A、138Bでは、定着装置の分節の内部面との相互作用を介して定着装置と接触してこれを折り畳む。これとは対照的に、鞘は、図139A、図139Bでは、定着装置の分節の外部面との相互作用を介して、定着装置と接触して、これを折り畳む。
[00255]次に図131、図132および図133を参照して、定着装置本体が支持部材の内部面に隣接するように、支持部材が定着装置に取り付けられることを理解されたい。別の方法では、支持部材は、定着装置本体の側方にあり、使用時に管腔の壁により近くなる。内部および外部はまた、支持部材によって形成された枠または輪状部に対するものとみなされてもよい。この点において、内部は、枠の内側部分に向かうことを意味し、外側は、輪状部の外側に向かうことを意味する。この意味を念頭において、図132および図133を考える。これらの図は、図127のフィルタ上の図130Aの伸張された定着装置の断面図を示す。図132は、伸張された定着装置本体814および支持部材110(図127の右手側)の相対的配向を示す。図133は、伸張された定着装置本体814および支持部材105(図127の左手側)の相対的配向を示す。これらの例の各々では、支持本体は定着装置本体の外部である。
[00256]支持部材に対する定着装置本体のこの配向の結果、フィルタがより確実に回収される。定着装置が、支持枠の内部面に向けて配向されることにより、取出し鞘は、定着装置本体が支持部材から出るところに形成された接合部に到達した際に引っ掛かりにくくなる。この利点は、図135、図136および図137に示される取出し順序を参照してより良好に理解される。本明細書において論じられるように、フィルタの取出しは、図74Aに示され上記で説明されたスネアによって内側および外側鞘を用いて達成され得る。図135、図136および図137は、図127のフィルタが、捕捉中(図135)、最初の取出し中(図136)、および定着装置の回収(図137)中に配設される、血管10の断面図を示す。
[00257]図135では、外側鞘710、内側鞘710iは、スネアを取出し形体240上にして取出し形体に隣接して配置される。スネア712は、取出し形体240との最初の係合状態で示される。内側鞘710i内から係合するように示されているが、スネア712は(内側鞘と共に)、フィルタ取出しフィルタとの係合の前に外側鞘710の最も遠位の端部を超えて延びることができる。
[00258]次に、図136に示されるように、スネア712は、内側鞘710i内に引き込まれ、この工程において取出し形体240を折り畳む。フィルタが内側鞘710iに対して固定されている状態で、外側鞘710は、図137に示されるようにフィルタの上方で前進される。外側鞘710がフィルタに沿って前進するとき、フィルタの輪状部は折り畳まれ、定着装置は管腔10から引き出される。
[00259]定着装置本体の内部配向の利点は、図138A〜図139Dを参照してより良好に理解される。図138A、図138Bは、鞘による定着装置の平坦化を示す、取出し直前(図138A)および取出し後(138B)の鞘と定着装置の間の相互作用の上部から見た図を示す。鞘710がカバー805に沿って前進されると、前縁が分節808と接触する。そのような接触は、図138Bに最適に見られるように、鞘内の支持部材110に沿った定着装置の円滑な折畳みを導く。これは、図127において第1の輪状部の左側にある伸張された定着装置の鞘および定着装置の一例となる相互作用である。
[00260]図127における第1の輪状部の右側の定着装置の折畳み様態が、図139A、図139Bを参照して示される。図127の左側にある定着装置とは対照的に、この定着装置は、カバー805に向かってこれに沿って畳まれる。図139Aは、取出し直前の鞘および右側の定着装置の上部から見た図を示す。図139Dは、鞘内の畳まれた定着装置を示す、取出し後の鞘と定着装置の間の相互作用の上部から見た図を示す。ここでは、外側鞘の前縁は、定着装置の分節808の反対側に接触している。その結果、鞘は、定着装置が矢印の方向に前進されるときにこれを畳み戻す。前述のように、定着装置の分節と鞘の間のそのような接触は、定着装置本体と支持部材間の接合部に鞘が接触し、場合によって引っ掛かることを回避する。
[00261]図139Cおよび図139Dは、図139A、139Bに示された取出しの直前および取出し後の鞘の関係を示す、端面図および断面図それぞれである。図139Cは、定着装置と鞘の係合直前の図139Aの図に対応する。図139Dは、取出し後の定着装置、鞘、および支持部材の関係に対応する(図139Bを参照)。図139Dは、第1の湾曲した部分804が、定着装置の分節808および先端部812をカバー805に沿って鞘710に戻すためにどのように折戻されるかを示す。
[00262]図140Aおよび図140Bは、図139A、図139Bに類似する配向の、鞘と定着装置の間の相互作用の上部から見た断面図を示す。この図は、取出し直前(図140A)および取出し後(図140B)の定着装置を示す。これは、鞘710が定着装置の分節808の外部面と接触し、湾曲した部分804を変えることによって定着装置を畳む別の例である。この結果、定着装置は上記で示されたように鞘によって平坦化される。
[00263]図140Aおよび図140Bはまた、定着装置の連結点に隣接するオーバーチューブおよびオーバーチューブ分節の相対長さを詳述する断面図を示す。この一例となる実施形態では、オーバーチューブ456は、すぐ隣接するオーバーチューブ分節455より短い。その結果、その後の熱加工中、オーバーチューブ分節455のより長い部分が、その下のより短いオーバーチューブ456上に流れ、図140Aおよび図140Bに示される平滑な外形を生み出す。
[00264]図127および図134の実施形態はまた、材料捕捉構造体の繊条を支持枠またはオーバーチューブ付きの支持枠に取り付けるための代替の技術を示す。これらの一例となる実施形態では、オーバーチューブは、オーバーチューブ分節がオーバーチューブに沿って配置された状態で支持部材を覆って配置される。線または繊条451は、1つの支持部材上のオーバーチューブ分節455とオーバーチューブの間を通り、次いで支持枠を横断して反対側の支持部材に進み、ここで工程は、別のオーバーチューブ分節455とオーバーチューブの間で反復される。オーバーチューブに沿ったオーバーチューブ分節455’も存在する。これらのオーバーチューブ分節は、いかなる線451も受け入れない。その代わり、分節455’が、線451を受け入れるオーバーチューブ分節455間のスペーサとして使用される。1つの態様では、オーバーチューブ分節455、455’は、同じ長さである。他の実施形態では、オーバーチューブ分節455’は、材料捕捉構造体において異なるセルサイズおよび形状を提供するために、オーバーチューブ分節455より短いものであり、または代替的にこれより長いものである。
[00265]線451の終端部の1つの取付け技術もまた、図127に示される。この図示された技術では、線451の終端部は、図示されるようにオーバーチューブの周りに巻き付けられる(端部102の近くかつ交差部106の下にある分節の切断部分を参照)。図127の図は、らせん状の線の分節451上に位置するオーバーチューブ分節455の切断図である。適切な熱処理後、線451は、オーバーチューブとオーバーチューブ分節の間に挟まれた支持部材周りで、らせん巻きの形状になるように硬化される。
[00266]図141は、オーバーチューブおよびオーバーチューブ分節を用いたフィルタの製作のための固定具の上部から見た図を示す。ここでは、ガイドレール895a、895bの対が、オーバーチューブ456に装填される。次に、一連のオーバーチューブ分節455、455’が、ガイドレール895a、895b上に装填される。次いで線451が、分節455内に通される。次に、ガイドレールを引き出し線として用いて、支持部材105、110が固定具内に通され、それによって線、オーバーチューブ、オーバーチューブ分節を支持部材上に移送する。加えて、1つまたは複数の定着装置カバー805が、特定のフィルタ設計に対する定着装置の所望の数および場所に応じて、分節455、455’に組み入れられ得る。支持部材への移送前またはその後に、適切な定着装置がカバー805内に挿入され得る。
[00268]図142は、図141に類似するフィルタの製作のための固定具の上部から見た図を示す。この固定具では、オーバーチューブ分節の単一の長さが提供される。単一のオーバーチューブ分節は、線451が1つの支持部材から別のものまで進むことを可能にする開口を有する。開口の間隔、配向、およびサイズは、上記で説明されたように異なるタイプの材料捕捉構造体を生み出すように線451のタイプ、サイズ、および配向を調整するために使用され得る。同様に、1つまたは複数の定着装置カバー805は、開口オーバーチューブ分節に隣接して配置され得る。
[00269]固定要素および組織係合構造体の形体ならびに代替の設計の多くが、図88〜図140Bに関して示され説明されてきたが、本発明がそのように限定されないことを理解されたい。図83A〜図87に説明される形体および代替の実施形態はまた、固定要素および組織係合構造体を備えた様々なフィルタにも適用され得る。追加的に、図2A、図2B、図2C、図6C、図7D、図7G、図9A〜図10B、図11〜図19、図64A〜図67、図69A〜図87に関して説明されたフィルタおよび実施形態はまた、図88〜図140Bに説明されまたは示された固定要素または組織係合構造体の任意のものを含むように適合され得る。
[00270]さらに、図141および図142に関して説明された固定具および製作技術もまた、たとえば図54A〜図67に関して上記で説明されたものなどの、様々な異なる材料捕捉構造体、配向、構成、または組合せの任意のものの構造に合わせて適合されてよい。繊条のサイズ、間隔および材料選択ならびにフィルタセルサイズは、本明細書において説明されるように変更することができる。裏張りおよび裏張り分節に使用される形状、サイズ、長さ、および材料が、特定のフィルタ、材料捕捉構造体、セルサイズ、またはセル形状の設計要求事項にしたがって調整され得ることを理解されたい。
[00271]様々な鞘およびスネアの組合せを有する様々な実施形態において説明されてきたが、本明細書において説明されたフィルタの課題に合わせてまたは伸張された固定定着装置を備えたフィルタの回収に合わせて特異的に設計された鞘およびスネア設計が、使用されてもよい。鞘、スネア、装置、および技術は、本願の譲受人に譲渡される、同時出願された米国特許仮出願第61/586,683号(整理人番号10253−705.100)に説明され、関連する米国特許非仮出願第13/739,828号が、すべての目的に関して参照によって全体的に本明細書に組み込まれる。
[00272]本発明の1つの実施形態の代替の態様では、たとえば、図1D、図1Eおよび図1Fに関して上記で説明され示されたものなどの他のタイプのフィルタが、たとえば、図37、図88、図89B、図90B、図89C、図90C、図91、図95、図98、図99、図100〜図122におけるものなどの1つまたは複数の定着装置の形体を含むことによって、本明細書に示され説明されたものなどの定着装置要素またはシステムを有するように改変され得る。1つまたは複数の定着装置は、任意の適切な技術を用いてフィルタの1つまたは複数の部分内に形成され、これから一体的に形成され、またはこれに取り付けられてよいことを理解されたい。後続の様々な例示的な実施形態では、複合的に湾曲した定着装置810(たとえば図127〜図140Bを参照)が、フィルタの一部分上に定着装置が圧着される構成(図143A〜図143C)においておよびフィルタの一部分から定着装置が一体的に形成される実施形態(図144A〜図144C)において図示され説明される。
[00272]図143A、図143Bおよび図143Cは、フィルタの1つまたは複数の部分上に圧着された1つまたは複数の定着要素810を有する管腔内フィルタの様々な実施形態を示す。これらのものなどの円錐状フィルタに関して一般的には、各フィルタは複数の脚部を有し、このとき各脚部は、頂端ハブに取り付けられた近位端部と、ハブから外方に長手方向に延びる遠位端部と有する。図示される実施形態では、複数の脚部の各々の脚部上には少なくとも1つの定着装置805が存在する。代替の実施形態では、定着装置を有さないいくつかのフィルタ脚部または2つ以上の定着装置を備えたフィルタ脚部が存在することができる。これらの図示される実施形態において、また上記で説明されたように、定着装置810は、図130〜図133において上記で説明されたように、本体814と、任意選択の先細にされた部分814aと、第1の湾曲した部分804と、第2の湾曲した部分806と、先端部分812とを有する複合定着装置である。様々な長さの分節808が、定着装置の第1の湾曲した部分804と第2の湾曲した部分806とを分離することができる。各定着装置の本体814上には、定着装置810を複数の脚部の1本の脚部の一部分に取り付けるための圧着具805が存在する。1つの態様では、圧着具805は、脚部および本体を受け入れるようにサイズ設定された内径を有する。
[00273]図143Aは、図1Dに関して説明されたものに類似するフィルタである。フィルタは、頂端ハブ914と、卵形状または涙形状の構成の複数の脚部916とを有する。そのようなフィルタの構造および使用の追加の詳細が、すべての目的に関して参照によって全体的に組み込まれる、米国特許第3,952,747号に見出され得る。定着装置810は、上記で説明されたように圧着具805によって脚部916の遠位部分上に保持される。本体814の一部分は、圧着具を超えて頂端ハブ914に向かって延びる。代替の構成では、定着装置本体814は、圧着具の内部にあり、または圧着具と同一の広がりを有する。同様に、脚部916の最も遠位の部分が、圧着具を超えて延びて示される。代替の実施形態では、脚部916の最も遠位の端部は、圧着具と同一の広がりを有し、または圧着具の内部にある。2つ以上の定着装置、圧着具、または異なる配向にある、もしくは図示される定着装置と一体的に形成された、もしくはこれと一体的に形成されない定着装置が、様々な代替の実施形態において提供され得る。
[00274]1つの例示的な実施形態では、少なくとも1つの定着装置は、脚部に取り付けられ、この場合、第1の湾曲した部分、第2の湾曲した部分および先端部分は、頂端ハブ914に向かって開く(図143Aを参照)。別の例示的な実施形態では、少なくとも1つの定着装置は脚部に取り付けられ、この場合、第1の湾曲した部分、第2の湾曲した部分、および先端部分は、頂端ハブ914から外方に開く。さらに別の代替形態では、ハブ914に向かって開く定着装置およびハブ914から外方に開く定着装置が存在する。
[00275]図143Bは、図1Eに関して説明されたものに類似するフィルタである。フィルタは、頂端ハブ924および複数の脚部926および卵形状または涙形状の構成の湾曲した部分925を有する。そのようなフィルタの構造および使用のさらなる詳細は、すべての目的に関して参照によって全体的に本明細書に組み込まれる、米国特許第5,133,733号に見出され得る。定着装置810は、上記で説明されたように圧着具805によって脚部926の遠位部分上に保持される。本体814の一部分は、圧着具を超えて頂端ハブ914に向かって延びる。代替の実施形態では、定着装置本体814は、圧着具内部にあり、または圧着具と同一の広がりを有する。同様に、脚部926の最も遠位の部分は、圧着具を超えて延びて示される。代替の実施形態では、脚部926の最も遠位の端部は、圧着具と同一の広がりを有し、または圧着具の内部にある。2つ以上の定着装置、圧着具、または異なる形状の、もしくは図示される定着装置と一体的に形成された、もしくはこれと一体的に形成されない定着装置が、様々な代替の実施形態において提供され得る。さらに別の実施形態では、1つまたは複数の定着装置が、湾曲した部分925の1つまたは複数の一部分に沿って設けられ得る。
[00276]1つの例示的な実施形態では、少なくとも1つの定着装置は、脚部926に取り付けられ、この場合、第1の湾曲した部分、第2の湾曲した部分、および先端部分は、頂端ハブに向かって開く(図143Bを参照)。別の例示的な実施形態では、少なくとも1つの定着装置は、脚部926に取り付けられ、この場合、第1の湾曲した部分、第2の湾曲した部分、および先端部分は、頂端ハブから外方に開く。さらに別の代替形態では、ハブ924に向かって開く定着装置およびハブ924から外方に開く定着装置が存在する。
[00277]図143Cは、図1Fに関して説明されたものに類似するフィルタである。フィルタは、頂端ハブ934と、第1のフィルタ部分939aおよび第2のフィルタ部分939b内に配置された複数の腕部および脚部とを有する。第1のフィルタ部分は、ハブ934の周りに配列した内側腕部931から形成される。各内側腕部931は、肩部932および外側腕部の部分933を含む。第2のフィルタ部分939bは、ハブ934に取り付けられこの周りに配列した脚部935を含む。そのようなフィルタの構造および用途のさらなる詳細は、すべての目的に関して参照によって全体的に本明細書に組み込まれる、米国特許第6,258,026号に見出され得る。
[00278]第1のフィルタ部分939a内では、定着装置810は、上記で説明されたように圧着具805によって外側腕部の部分933の遠位部分上に保持される。定着装置の配向に応じて、本体814の一部分は、圧着具を超えて頂端ハブ934に向かってまたはこれから外方に延びる。代替の構成では、定着装置本体814は、圧着具内部にあり、または圧着具と同一の広がりを有する。同様に、腕部の脚部933の最も遠位の部分が、圧着具805を超えて延びて示される。代替の実施形態では、腕部933の最も遠位の端部は、圧着具と同一の広がりを有し、または圧着具内部にある。2つ以上の定着装置、圧着具、または異なる形状の、もしくは図示される定着装置と一体的に形成された、もしくはこれと一体的に形成されない定着装置が、様々な代替の実施形態において提供され得る。さらに別の実施形態では、1つまたは複数の定着装置は、腕部931または933の1つまたは複数の一部分に沿って、または肩部932のところに設けられ得る。第1のフィルタ部分939a内の定着装置は、いくつかの定着装置が頂端ハブ934に向かって開き、他のものはハブ934から外方に開いている状態で示される。代替の実施形態では、第1のフィルタ部分内の定着装置のすべては、ハブ934に向かって開くことができる。別の代替の実施形態では、第1のフィルタ部分内の定着装置のすべては、ハブ934から外方に開くことができる。
[00279]第2のフィルタ部分939b内では、定着装置810は、上記で説明されたように圧着具805によって脚部935の遠位部分上に保持される。配向に応じて、本体814の一部分は、圧着具を超えて頂端ハブ934に向かってまたはこれから外方に延びる。代替の構成では、定着装置本体814は、圧着具内部にあり、または圧着具と同一の広がりを有する。同様に、脚部935の最も遠位の部分は、圧着具を超えて延びて示される。代替の実施形態では、脚部935の最も遠位の端部は、圧着具と同一の広がりを有し、または圧着具の内部にある。2つ以上の定着装置、圧着具、または異なる形状の、もしくは図示される定着装置と一体的に形成された、もしくはこれと一体的に形成されない定着装置が、様々な代替の実施形態において提供され得る。さらに別の実施形態では、1つまたは複数の定着装置が、脚部935の1つまたは複数の一部分に沿って設けられ得る。第2のフィルタ部分939b内の定着装置は、いくつかの定着装置が頂端ハブ934に向かって開き、他のものはハブ934から外方に開いている状態で示される。代替の実施形態では、第2のフィルタ部分内の定着装置のすべては、ハブ934に向かって開くことができる。別の代替の実施形態では、第2のフィルタ部分内の定着装置のすべては、ハブ934から外方に開くことができる。
[00280]1つの代替的な実施形態では、第1のフィルタ部分および第2のフィルタ部分内の定着装置のすべてはハブ934に向かって開く。別の代替の実施形態では、第1のフィルタ部分および第2のフィルタ部分内の定着装置のすべては、ハブ934から外方に開く。
[00281]上記で説明された実施形態のいずれにおいても、定着装置本体は、定着装置本体に取り付けられた脚部の部分とほぼ同じ直径を有することができる。さらに、第1の湾曲した部分は、約1mmから3mmの間の間隔で第2の湾曲した部分から分離される。1つの実施形態では、第1の湾曲した部分は、約60度から約120度の範囲である。別の態様では、定着装置本体は、フィルタが管腔内で使用されているとき、先端部が管腔壁に係合され、脚部が定着装置本体を管腔壁から分離するように脚部と位置合わせされる。さらに別の態様では、本体は、脚部の内部面に沿って取り付けられる。1つの態様では、第2の湾曲した部分は、約0.2mmから0.6mmの間の曲率半径を有する。さらに他の実施形態では、先端部分は、第2の湾曲した部分から約1mmずらされる。一部の実施形態では、定着装置の先端部分は斜角付けされる。さらに他の実施形態では、定着装置の先端部分は、少なくとも2つの面上において斜角付けされる。さらに他の態様では、定着装置の先端部は、二重の小面を有する。上記の実施形態のいずれにおいても、斜角部の一部分または先端部の小面は、15度から75度の間で角度付けられた表面を含むことができる。
[00282]図144A、図144Bおよび図144Cは、それぞれ図143A、図143Bおよび図143Cのフィルタに類似する。これらの変形形態は上記で説明されたものに類似するが、主な相違は、定着装置を圧着するまたは定着装置を取り付ける代わりに、一体的に形成された定着装置を使用することである。フィルタの1つまたは複数の部分として一体的に形成される1つまたは複数の定着要素を有する管腔内フィルタが存在する。
[00283]これらのものなどの円錐状フィルタに関して一般的には、各フィルタは複数の脚部を有し、このとき各脚部は、頂端ハブに取り付けられた近位端部と、ハブから外方に長手方向に延びる遠位端部と有する。図示される実施形態では、フィルタの一部分またはフィルタ要素(すなわち、支柱、脚部、腕部またはフィルタ形状に応じたフィルタの他の構成要素)を用いて形成された少なくとも1つの定着装置805が存在する。代替の実施形態では、定着装置を有さないいくつかのフィルタ脚部または2つ以上の定着装置を備えたフィルタ脚部が存在することができる。これらの図示される実施形態において、また上記で説明されたように、定着装置810は、図130〜図133において上記で説明されたように、(ここでは脚部、腕部、支柱などのフィルタの一部から形成された)本体814と、任意選択の先細にされた部分814aと、第1の湾曲した部分804と、第2の湾曲した部分806と、先端部分812とを有する複合定着装置である。様々な長さの分節808が、定着装置の第1の湾曲した部分804と第2の湾曲した部分806とを分離することができる。
[00284]図144Aは、図143Aに関して説明されたものに類似するフィルタである。フィルタは、頂端ハブ914と、卵形状または涙形状の構成の複数の脚部916とを有する。そのようなフィルタの構造および使用の追加の詳細が、すべての目的に関して参照によって全体的に本明細書に組み込まれる、米国特許第3,952,747号に見出され得る。定着装置810は、脚部916の遠位部分の一部として形成される。2つ以上の定着装置、圧着具、または異なる配向の、もしくは図示される定着装置と一体的に形成された、もしくはこれと一体的に形成されない定着装置が、様々な代替の実施形態において提供され得る。
[00285]1つの例示的な実施形態では、少なくとも1つの定着装置は、脚部によって形成され、この場合定着装置の第1の湾曲した部分、第2の湾曲した部分、および先端部分は、頂端ハブ914に向かって開く(図144Aを参照)。別の例示的な実施形態では、少なくとも1つの定着装置は、脚部によって形成され、この場合、第1の湾曲した部分、第2の湾曲した部分、および先端部分は、頂端ハブ914から外方に開く。さらに別の代替形態では、ハブ914に向かって開く定着装置がフィルタ内に形成され、ハブ914から外方に開く他の定着装置が形成される。
[00286]図144Bは、図143Bに関して説明されたものに類似するフィルタである。フィルタは、頂端ハブ924と、卵形状または涙形状の構成の複数の脚部926および湾曲した部分925とを有する。そのようなフィルタの構造および使用の追加の詳細が、すべての目的に関して参照によって全体的に本明細書に組み込まれる、米国特許第5,133,733号に見出され得る。定着装置810は、脚部926の遠位部分内に形成される。2つ以上の定着装置または異なる配向の定着装置が、様々な代替の実施形態において一体的に形成される。さらに別の実施形態では、1つまたは定着装置が、湾曲した部分925の1つまたは複数の一部分に沿ってまたはこれと一体的に設けられ得る。
[00287]1つの例示的な実施形態では、少なくとも1つの定着装置は、脚部926内に形成され、この場合、第1の湾曲した部分、第2の湾曲した部分および先端部分は、頂端ハブに向かって開く(図144Bを参照)。別の例示的な実施形態では、少なくとも1つの定着装置は、脚部926内に形成され、この場合、第1の湾曲した部分、第2の湾曲した部分および先端部分は、頂端ハブ924から外方に開く。さらに別の実施形態では、ハブ924に向かって開く一体的に形成された定着装置、およびハブ924から外方に開く定着装置が存在する。
[00288]図144Cは、図143Cに関して説明されたものに類似するフィルタである。フィルタは、頂端ハブ934と、第1のフィルタ部分939aおよび第2のフィルタ部分939b内に配置された複数の腕部および脚部とを有する。第1のフィルタ部分は、ハブ934の周りに配列した内側腕部931から形成される。各内側腕部931は、肩部932および外側腕部の部分933を含む。第2のフィルタ部分939bは、ハブ934に取り付けられこの周りに配列した脚部935を含む。そのようなフィルタの構造および用途のさらなる詳細は、すべての目的に関して参照によって全体的に本明細書に組み込まれる、米国特許第6,258,026号に見出され得る。
[00289]第1のフィルタ部分939a内では、定着装置810は、外側腕部の部分933の遠位部分上に形成される。2つ以上の定着装置または異なる配向の定着装置が、様々な代替の実施形態において一体的に形成される。さらに別の実施形態では、1つまたは複数の定着装置は、腕部931または933の1つまたは複数の一部分に沿って、または肩部932のところに一体的に設けられ得る。第1のフィルタ部分939a内の定着装置は、いくつかの定着装置が頂端ハブ934に向かって開き、他のものはハブ934から外方に開いている状態で示される。代替の実施形態では、第1のフィルタ部分内の定着装置のすべては、ハブ934に向かって開くことができる。別の代替の実施形態では、第1のフィルタ部分内の定着装置のすべては、ハブ934から外方に開くことができる。
[00290]第2のフィルタ部分939b内では、定着装置810は、脚部935の遠位部分内に形成される。2つ以上の定着装置または異なる配向の定着装置が、様々な代替の実施形態において一体的に形成される。さらに別の実施形態では、1つまたは複数の定着装置は、脚部935の1つまたは複数の一部分に沿って一体的に設けられ得る。第2のフィルタ部分939b内の定着装置は、いくつかの定着装置が頂端ハブ934に向かって開き、他のものはハブ934から外方に開いている状態で示される。代替の実施形態では、第2のフィルタ部分内の定着装置のすべては、ハブ934に向かって開くことができる。別の代替の実施形態では、第2のフィルタ部分内の定着装置のすべては、ハブ934から外方に開くことができる。
[00291]1つの代替的な実施形態では、第1のフィルタ部分および第2のフィルタ部分内の定着装置のすべては、ハブ934に向かって開く。別の代替の実施形態では、第1のフィルタ部分および第2のフィルタ部分内の定着装置のすべては、ハブ934から外方に開く。
[00292]上記で説明された実施形態のいずれにおいても、第1の湾曲した部分は、約1mmから3mmの間の間隔で第2の湾曲した部分から分離される。1つの実施形態では、第1の湾曲した部分は、約60度から約120度の範囲である。別の態様では、定着装置本体は、フィルタが管腔内で使用されているとき、先端部が管腔壁に係合され、脚部が定着装置本体を管腔壁から分離するように脚部と位置合わせされる。さらに別の態様では、本体は、脚部の内部面に沿って取り付けられる。1つの態様では、第2の湾曲した部分は、約0.2mmから0.6mmの間の曲率半径を有する。さらに他の実施形態では、先端部分は、第2の湾曲した部分から約1mmずらされる。一部の実施形態では、定着装置の先端部分は斜角付けされる。さらに他の実施形態では、定着装置の先端部分は、少なくとも2つの面上において斜角付けされる。さらに他の態様では、定着装置の先端部は、二重の小面を有する。上記の実施形態のいずれにおいても、斜角部の一部分または先端部の小面は、15度から75度の間で角度付けられた表面を含むことができる。
[00293]本開示が、多くの点において、本発明の数多くの代替的なろ過装置の実施形態の単なる一例であることが理解される。本発明の様々な実施形態の範囲を超えることなく、詳細な点において、特に、様々なろ過装置の構成要素の形状、サイズ、材料および配置の点において変更が加えられてよい。当業者は、例示的な実施形態およびその説明が、概して本発明の一例に過ぎないことを理解するであろう。本発明のいくつかの原理は、上記で説明された例示的な実施形態において明確にされているが、当業者は、構造、配置、比率、要素、材料および使用方法の改変形態が、本発明の実施に際して利用されてよく、また別の形で、本発明の範囲から逸脱することなく特有の環境および作動上の要求事項に特に適合されることを理解するであろう。