JP2017526832A - 幅広の基部開口部を備えた、分離した3次元変形を有する不織布材料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

不織布ウェブ内に変形を形成する方法は、次の工程を含む:a)前駆体不織布ウェブを提供する工程、b)一対の形成部材を提供する工程であって、この一対の形成部材は、複数の個別の離間した雄形成エレメントを含んだ表面を有する第1形成部材と、第2形成部材自体の内部に複数の陥凹を含んだ表面を有する第2形成部材とを含み、この陥凹は、その中に雄形成エレメントを受容するようそれぞれ整列かつ構成されており、この陥凹は、雄エレメントの平面視の外周よりも大きく、かつ完全に周囲を取り巻き得るような、平面視の外周を有する、工程、及び、c)前駆体不織布ウェブを、この形成部材の間に配置し、形成部材によってこの前駆体不織布ウェブを機械的に変形させる工程。この方法は、概ね平坦な第1領域と、複数の分離した変形とを有する、不織布ウェブを形成する。この変形は、不織布ウェブの第1表面から外向きに延出する突出部と、不織布ウェブの第2表面に隣接する基部開口部とを形成する。突出部のキャップ部分の最大内側幅は、基部開口部の幅よりも大きい。

Description

本発明は、幅広の基部開口部を備えた分離した3次元変形を有する不織布材料、その製造方法、及びそのような不織布材料を含む物品を目的とする。
吸収性物品に使用するための様々な材料が特許文献に開示されている。そのような材料及びその製造方法を開示する特許公開には、米国特許第4,323,068号(Aziz)、同第5,518,801号(Chappellら)、同第5,628,097号(Bensonら)、同第5,804,021号(Abutoら)、同第6,440,564 B1号(McLainら)、同第7,172,801号(Hoyingら)、同第7,410,683号(Curroら)、同第7,553,532号(Turnerら)、同第7,648,752 B2号(Hoyingら)、同第7,682,686 B2号(Curroら)、同第8,241,543 B2号(O’Donnellら)、同第8,393,374 B2号(Satoら)、同第8,585,958 B2号(Grayら)、同第8,617,449 B2号(Bakerら)、米国特許出願公開第2006/0286343 A1号、同第2010/0028621 A1号、同第2010/0297377 A1号、同第2012/0064298 A1号、同第2013/0165883 A1号、同第2014/0121621 A1号、同第2014/0121623 A1号、同第2014/0121624 A1号、同第2014/0121625 A1号、同第2014/0121626 A1号、欧州特許第1774940 B1号、同第1787611 B1号、同第1982013 B1号、PCT国際公開第2008/146594 A1号、及び同第2014/084066 A1号(Zuiko)が挙げられる。花王メリーズ(商標)おむつ及びKimberly−Clark HUGGIES(登録商標)おむつは、加熱エンボス加工又は水流交絡によりテクスチャー付きトップシートを別のテクスチャーなしの層に接着した最高級製品である。
米国特許第4,323,068号 米国特許第5,518,801号 米国特許第5,628,097号 米国特許第5,804,021号 米国特許第6,440,564 B1号 米国特許第7,172,801号 米国特許第7,410,683号 米国特許第7,553,532号 米国特許第7,648,752 B2号 米国特許第7,682,686 B2号 米国特許第8,241,543 B2号 米国特許第8,393,374 B2号 米国特許第8,585,958 B2号 米国特許第8,617,449 B2号 米国特許出願公開第2006/0286343 A1号 米国特許出願公開第2010/0028621 A1号 米国特許出願公開第2010/0297377 A1号 米国特許出願公開第2012/0064298 A1号 米国特許出願公開第2013/0165883 A1号 米国特許出願公開第2014/0121621 A1号 米国特許出願公開第2014/0121623 A1号 米国特許出願公開第2014/0121624 A1号 米国特許出願公開第2014/0121625 A1号 米国特許出願公開第2014/0121626 A1号 欧州特許第1774940 B1号 欧州特許第1787611 B1号 欧州特許第1982013 B1号 PCT国際公開第2008/146594 A1号 PCT国際公開第2014/084066 A1号
吸収性物品に使用するための改善された材料と、そのような材料の製造方法に対するニーズが存在する。特定の場合においては、柔らかそうな外観と柔らかな触感を有し、かつ改善された乾燥状態を有する、改善された不織布材料又は不織布材料積層体に対するニーズが存在する。特に、それ自体の中に形成された3次元形状を有し、これにより改善された柔らかさと乾燥状態を提供し、加えて柔らかさと乾燥状態の視覚的シグナルを提供する、改善された不織布材料に対するニーズが存在する。この3次元形状は、材料の一方の側に陥凹を、またその反対側に突出部を形成し得る。一部の場合において、そのような材料を吸収性物品内に配置することにより、陥凹が吸収性物品のトップシート上に見える状態であることが望ましい場合がある。そのような一部の場合において、そのような陥凹は、十分に画定されかつ幅広の開口部を有することが望ましく、これにより液体捕捉が改善され得るだけでなく、消費者に対し、吸収性物品の液体捕捉機能と、排便などの粘稠流体に対処する機能とを伝える「シグナル」をも提供し得る。そのような材料を高速ラインで製造する際は、十分に画定されたままの状態の3次元形状を形成するのが、いっそう困難になる。加えて、材料が、圧縮下で製造又はパッケージングされる製品(例えば使い捨ておむつ)内に組み込まれる場合には、材料がそのような圧縮力にさらされた後に、形状/変形の3次元特性を保持することは困難になる。従来の特定の3次元構造は、圧潰又は塞がる傾向を有し、圧縮されると見えにくくなる。更に、水流交絡及びハイドロ成型などの高エネルギープロセスよりも安価な、機械的変形方法を用いて、そのような特性を提供し得る材料に対するニーズが存在する。
よって、圧縮後であっても十分に画定された3次元形状を提供する、それ自体の中に変形を有するような、材料と、その高速かつ比較的安価な製造方法に対するニーズが存在する。高速の具体的な様相は、吸収性物品の製造ラインとの適合性であり、これが、パターンの柔軟性とゾーン形成における利点を提供し、また、嵩張る材料を輸送する必要性を軽減する。
本発明は、幅広の基部開口部を備えた分離した3次元変形を有する不織布材料、その製造方法、及びそのような不織布材料を含む物品を目的とする。
不織布材料は、その中に形成される変形を有する。この変形は、不織布材料の第1表面から外向きに延出する突出部と、不織布材料の第2表面に隣接した、突出部の最も細い部分内にある基部開口部とを形成する。この突出部は、キャップ部分を含み得る。突出部のキャップ部分の最大内側幅は、基部開口部の幅よりも大きくてよい。この突出部は、突出部の基部から突出部の遠位端まで延在する繊維を含み得、これが、突出部の側面の一部及びキャップを形成するのに寄与し得る。一部の場合において、複数のそのような繊維が、突出部の側面周囲に実質的に完全に取り巻くよう配置され得る。一部の場合において、不織布ウェブに対して圧縮力が印加されたとき、突出部の少なくともいくつかが、制御された態様で圧潰するよう構成されてよく、これにより基部開口部は開いたままになり得る。一部の場合において、突出部の幅は、突出部の長さに沿って変化し得る。一部の場合において、不織布材料は少なくとも2つの層を含み、これらの層は、突出部内及び突出部周囲の様々な地点において、繊維の密度及び/又は熱点接着の存在度が異なっていてよい。一部の場合において、この変形は、隣接する無変形領域よりも高い光透過性を有し得る。本明細書に記述される特性の任意のものが、個別に、又は任意の組み合わせで、不織布材料内に存在し得る。
不織布材料内に変形を形成する方法は、次の工程を含む:a)少なくとも1つの前駆体不織布ウェブを提供する工程、b)一対の形成部材を提供する工程であって、この一対の形成部材は、複数の個別の離間した雄形成エレメントを含んだ表面を有する第1形成部材と、第2形成部材自体の内部に複数の陥凹を含んだ表面を有する第2形成部材とを含み、この陥凹はそれぞれ、その中に雄形成エレメントの少なくとも1つを受容するようそれぞれ整列かつ構成されており、この陥凹は、雄エレメントの平面視の外周よりも大きく、かつ完全に周囲を取り巻き得るような、平面視の外周を有し得る、工程、及び、c)前駆体不織布ウェブを、この形成部材の間に配置し、形成部材によってこの前駆体不織布ウェブを機械的に変形させる工程。この方法は、概ね平坦な第1領域と、複数の分離した変形とを有する、不織布ウェブを形成する。この変形は、不織布ウェブの第1表面から外向きに延出する突出部と、不織布ウェブの第2表面内の開口部とを形成する。
先行技術のタフトの端面図を示す顕微鏡写真である。 圧縮にさらされた後の先行技術のタフトの概略端面図である。 複数の圧潰したタフトを示す、先行技術の不織布ウェブの端面の顕微鏡写真である。 圧縮にさらされる前と圧縮にさらされた後の、先行技術の円錐形構造の概略側面図である。 上向きの突出部を備えた、内部に形成された3次元変形を有する不織布材料の一面を示す平面顕微鏡写真である。 不織布内に上向きの開口部を備えた、図5に示すものと同様の不織布材料の別の面を示す平面顕微鏡写真である。 単層不織布材料の突出部の斜視図を示すマイクロCTスキャン画像である。 単層不織布材料の突出部の側面を示すマイクロCTスキャン画像である。 単層不織布材料の、上向きに開口部を備えた変形の斜視図を示すマイクロCTスキャン画像である。 上向きに開口部を備えた、2層不織布材料の変形の斜視図である。 上向きに開口部を備えた、多層不織布材料の一例を示す、変形の横断方向軸に沿って取られた断面の顕微鏡写真であり、材料の一面に突出部の形態の3次元変形を有し、これが材料の他方の面の広い開口部を提供している。 図11に示される突出部の概略図である。 圧縮にさらされた後の材料の突出部側からの平面顕微鏡写真であり、突出部の外周回りに高密度繊維領域が示されている。 圧縮にさらされた後の突出部を示す、突出部の横断方向軸に沿って取られた突出部の断面の顕微鏡写真である。 上向きの基部開口部を備えて示される、多層不織布ウェブの一実施形態の変形の、横断方向軸に沿って取られた断面図である。 上向きの基部開口部を備えて示される、多層不織布ウェブの別の一実施形態の変形の、横断方向軸に沿って取られた断面図である。 上向きの基部開口部を備えて示される、多層不織布ウェブの別の一実施形態の変形の、横断方向軸に沿って取られた断面図である。 上向きの基部開口部を備えて示される、多層不織布ウェブの別の一実施形態の変形の、横断方向軸に沿って取られた断面図である。 上向きの基部開口部を備えて示される、多層不織布ウェブの別の一実施形態の変形の、横断方向軸に沿って取られた断面図である。 上向きの基部開口部を備えて示される、多層不織布ウェブの別の一実施形態の変形の、横断方向軸に沿って取られた断面図である。 上向きの突出部を備えた不織布ウェブの平面顕微鏡写真であり、2層構造の1層の繊維の密度を示している。 図16に示すものと同様の、斜視顕微鏡写真であり、層内の突出部の側壁内の、低減された繊維密度を示している。 上向きの突出部を備えた不織布ウェブの平面顕微鏡写真であり、2層構造の他方の層(すなわち、図16に示す層ではない層)の突出部のキャップにおける、低減された繊維密度を示している。 図18に示すものと同様の、斜視顕微鏡写真であり、層内の突出部の側壁内の、低減された繊維密度を示している。 突出部が下向きの状態の、単層不織布材料の突出部の側面を示すマイクロCTスキャン画像である。 不織布材料の単層内の変形の基部開口部を示すマイクロCTスキャン平面視の画像である。 形成ロールの表面上の多層不織布材料の1層の斜視顕微鏡写真であり、一部の不織布前駆体ウェブ材料が使用されている場合の、層のうち1層に形成され得る「ぶら下がった穿孔くず」を示す。 本明細書に記述される不織布材料を形成するための装置の一例の斜視図である。 図21に示される雄ロールの一部分の拡大斜視図である。 形成部材にこぶを作ることにより形成された表面テクスチャーの一例を示す、拡大概略側面図である。 先細側壁を備えた雄エレメントの概略側面図である。 アンダーカットされた側壁を備えた雄エレメントの概略側面図である。 別の構成を有する雄ロールの一部分の拡大斜視図である。 丸くなった頂部を備えた雄エレメントの概略側面図である。 サンドブラストにより粗面化された、雄エレメントの上面の拡大写真である。 機械加工により形成された比較的滑らかな表面を有する、雄エレメントの上面の拡大写真である。 雄又は雌形成部材の表面にこぶを作ることにより形成され得る、マクロテクスチャー及びマイクロテクスチャーの一例を示す概略側面図である。 図21に示されるロール間のニップを示す拡大斜視図である。 丸くなった上端又は縁を備えた雌形成部材の陥凹の概略側面図である。 ダイヤモンド型のこぶで粗面化された表面を有する、第2形成部材の写真である。 2つの前駆体材料が使用されている場合の、その中に変形を有する不織布材料の製造方法の一形態の概略斜視図であり、この2つの前駆体材料のうち一方は連続ウェブであり、他方は分離した断片の形状である。 不織布材料を形成するための装置の概略側面図であり、ロール間のニップを通過する前と後に、ウェブがロールの1つを包み込んでいる。 例示的なトップシート/捕捉層複合構造を含むおむつの形態の吸収性物品であり、ここにおいて捕捉層の長さは、トップシートの長さよりも短く、一部の層は部分的に除去されている。 線26−26に沿って取られた図25のおむつの1つの横断面図である。 図25のおむつの別の横断面図である。 多層不織布材料の層を先端接着するための追加のロールを含む、不織布材料を形成するための装置の概略側面図である。 図28に示されている装置により製造された、先端接着された突出部(下向きに示されている)の概略断面図である。 変形した不織布材料を追加層に先端接着するための装置の概略側面図である。 図30に示されている装置により製造された、追加層(追加層の一部分のみが示されている)に先端接着されている、変形した不織布ウェブ突出部の一部分の概略斜視図である。 変形した不織布材料を基部接着するための追加のロールを含む、不織布材料を変形させるための装置の概略側面図である。 図32に示す装置により製造された基部接着された不織布の平面視のである(基部開口部が上向きに示されている)。 図33Aに示す基部接着された不織布の線33B−33Bに沿って取られた概略断面図である。 図32に示した装置により形成された接着を示す平面顕微鏡写真である。 変形した不織布材料を追加層に基部接着するための装置の概略側面図である。 それ自体の表面に複数の分離した接着エレメントを有する雌ロールの一実施形態の一部分の拡大斜視図である。 それ自体の表面に連続した接着エレメントを有する雌ロールの一実施形態の一部分の拡大斜視図である。 それ自体の表面に複数の分離した接着エレメントを備えた接着ロールの一実施形態の表面の一部分の平面図である。 図35に示されている装置により製造された、追加層(追加層の一部分のみが示されている)に基部接着されている、変形した不織布ウェブの一部分の概略斜視図である。 基部開口部が上向きの状態の、本明細書に記述される不織布材料の平面写真である。 有孔不織布材料の平面写真である。 現在市販されているトップシートの平面写真である。 変形した不織布材料を先端接着及び基部接着するための追加のロールを含む、不織布材料を変形させるための装置の概略側面図である。 変形した不織布材料を先端接着し、次いでこの変形した不織布材料を追加層に基部接着するための、追加のロールを含む、不織布材料を変形させるための装置の概略側面図である。 変形した不織布材料を基部接着し、次いでこの変形した不織布材料を追加層に先端接着するための、追加のロールを含む、不織布材料を変形させるための装置の概略側面図である。
図面に示される不織布材料、物品、方法及び装置の実施形態は、本質的に例証となるものであり、特許請求の範囲によって定義された本発明を制限することを意図しない。更に、本発明の各特徴は、発明を実施するための形態に照らし合わせれば、より完全に明確になり理解されるであろう。
I.定義
用語「吸収性物品」は、生理用ナプキン、パンティライナー、タンポン、陰唇間装置、創傷包帯、おむつ、成人失禁用物品、拭き取り用品等の使い捨て物品を含む。かかる吸収性物品の少なくともいくつかは、月経又は血液、膣分泌物、尿、及び便などの体液の吸収を目的としたものである。拭き取り用品は、体液を吸収するために使用されてもよく、又は、表面を清拭するなどの他の目的に使用されてもよい。上記に述べた様々な吸収性物品は通常、液体透過性トップシートと、このトップシートに接合された液体不透過性バックシートと、トップシートとバックシートとの間の吸収性コアと、を備える。本明細書に記述される不織布材料は、研磨パッド、湿潤又は乾燥のモップパッド(例えばSWIFFER(登録商標)パッド)などの他の物品の少なくともいくつかを含み得る。
本明細書で使用するとき、用語「吸収性コア」は、液体の貯蔵に主に関与する吸収性物品の構成要素を指す。そのようなものとして、吸収性コアは通常は、吸収性物品のトップシート又はバックシートを含まない。
用語「孔」は、本明細書で使用するとき、意図的に形成され、かつウェブ又は構造を完全に貫通して延在する(すなわち、貫通穴)、規則的又は実質的に規則的な形状の穴を指す。孔の周囲の材料が、孔の形成前にウェブと同一平面上にあるように、開口部がウェブを通してきれいに穿孔されてもよく(「2次元」孔)、あるいは、開口部の周囲の材料の少なくとも一部がウェブの平面から押し出されるように穴が形成されてもよい。後者の場合、孔は、その中に孔を有する陥凹に似ていてもよく、孔のサブセットである、「3次元」孔として本明細書において称されることがある。
本明細書で使用するとき、吸収性物品の「構成要素」という用語は、トップシート、捕捉層、液体処理層、吸収性コア又は吸収性コアの層、バックシート、並びに障壁層及び障壁カフ等の障壁等、吸収性物品の個々の構成成分を指す。
本明細書で使用するとき、用語「機械横方向」又は「CD」は、ウェブの平面内で機械方向に垂直な経路を意味する。
本明細書で使用するとき、用語「変形可能な材料」は、印加された応力又はひずみに反応して、その形状又は密度を変化させることが可能である材料である。
本明細書で使用するとき、用語「分離した」は、異なること又は接続されていないことを意味する。用語「分離した」が形成部材上の形成エレメントに対して使用されるとき、形成エレメントの遠位(又は放射状に最も外側の)端が、機械及び機械横方向を含む全方向で異なる、又は接続されていないことを意味する(例えば、形成エレメントの基部は、ロールの同一表面中に形成され得るにもかかわらず)。
用語「使い捨て」は、洗濯される、ないしは別の方法で吸収性物品又は製品として復元若しくは再利用されることを意図しない、吸収性物品及び他の製品を説明するために本明細書で使用される(すなわち、それらは、使用後に廃棄される、好ましくはリサイクルされる、堆肥化される、又はそうでなければ環境に適合する方法で処分されることを意図している)。
本明細書で使用するとき、用語「形成エレメント」は、ウェブを変形させることが可能である形成部材の表面上の任意の要素を指す。
突出部を記述するために使用される「一体的延在」として、本明細書で使用される用語「一体的」は、その突出部の繊維が、前駆体ウェブの繊維に由来していることを指す。よって、本明細書で使用するとき、「一体的」は、突出部を作製する目的のために、別個の前駆体ウェブに導入されるか、又は追加される繊維とは区別されるものである。
「接合した」という用語は、ある要素を他の要素に直接固着することによって、要素を別の要素に直接固定する構成;ある要素を中間部材(類)に固着し、次にその中間部材を他の要素に固着することによって、ある要素を他の要素に間接的に固定する構成;ある要素が別の要素と一体化する構成、即ち、ある要素が他の要素の本質的な一部分である構成;を包含する。「接合した」という用語は、要素の1つの面全体にわたり要素が完全に別の要素に固定されている構成に加え、要素が別の要素の選択された位置に固定されている構成を包含する。「接合した」という用語は、機械的もつれが挙げられるがこれに限定されない、要素が固定され得る任意の既知の方法を含む。
「機械方向」又は「MD」は、ウェブ等の材料が製造プロセス中に通って進む経路を意味する。
本明細書で使用するとき、用語「巨視的」は、見る人の目とウェブとの間の垂直距離が約30cm(12インチ)である場合に、20/20の視力を有する人が容易に見ることができ、かつはっきりと識別できる構造的特徴又は要素を指す。反対に、用語「微視的」は、かかる条件下で容易に見ることができず、かつはっきりと識別できないかかる特徴を指す。
本明細書で使用するとき、「機械的な変形」は、材料を永久的に変形させるために、材料に対して機械的な力を印加する工程を指す。
本明細書で使用するとき、用語「永久的に変形した」は、形状又は密度が、印加された応力又はひずみに反応して永久的に変化させられた、変形可能な材料の状態を指す。
用語「SELF」又は「SELF加工」は、Procter & Gamble技術を指し、SELFは、Structural Elastic Like Filmの略である。そのプロセスは元来、有益な構造的特性を有するようにポリマーフィルムを変形するために開発されたが、SELF加工プロセスは、他の材料において有益な構造を作り出すために使用され得ることが見出された。SELFによって作り出されるプロセス、装置、及びパターンは、米国特許第5,518,801号、同第5,691,035号、同第5,723,087号、同第5,891,544号、同第5,916,663号、同第6,027,483号、及び同第7,527,615(B2)号に図示及び記載されている。
本明細書で使用するとき、用語「タフト」は、不織布ウェブ中に形成されてもよい、特定の種類の形状を指す。タフトはトンネル状の構成を有し得、これは、それらの端部の一方又は両方において開いていてもよい。
用語「ウェブ」は、第1次元がX−Yである、即ち、その長さ(又は長手方向)及び幅(又は横方向)に沿っている、材料を指すために本明細書で使用される。用語「ウェブ」が必ずしも材料の単一層又はシートに限定されないことが理解されるべきである。したがって、ウェブは、材料の必要な種類のいくつかのシートの積層体又は組み合わせを含むことができる。
用語「Z次元」とは、ウェブ又は物品の長さ及び幅に直交する次元を指す。Z次元は、通常、ウェブ又は材料の厚さに相当する。本明細書で使用するとき、用語「X−Y次元」は、ウェブ又は材料の厚さに直交する平面を指す。X−Y次元は、通常、ウェブ又は材料の長さ及び幅のそれぞれに対応する。
II.不織布材料
本発明は、分離した3次元変形を有する不織布材料を目的とし、この変形は、この不織布材料の一方の面に突出部を提供し、この不織布材料の他方の面に開口部を提供する。この不織布材料の作製方法も開示される。この不織布材料は、吸収性物品及びその他の物品に使用することができる。
本明細書で使用するとき、用語「不織布」は、個々の繊維又は糸が入り組んではいるものの、織布又は編布(編布の場合はランダムに配向された繊維を典型的には有しない)におけるような繰り返しパターンとして入り組んではいない構造を有するウェブ又は材料のことを指す。不織布ウェブは、ウェブ製造の当該技術分野において既知のような、機械方向(MD)及び幅方向(CD)を有している。「実質的に不規則に配向された」とは、前駆体ウェブのプロセス条件の理由から、CDよりもMDに又はその逆に、より多くの繊維が配向され得ることを意味する。例えば、スパンボンド及びメルトブローンプロセスにおいては、繊維の連続的なストランドが、MDに移動する支持材上に堆積される。スパンボンド又はメルトブローン不織布ウェブの繊維の配向を真に「無作為化」するように試みても、通常はわずかに高い割合の繊維が、CDではなくMDに配向される。
不織布ウェブ及び材料は、しばしば、高速製品製造ラインで、吸収性物品などの製品に組み込まれる。そのような製造工程では、不織布ウェブに圧縮力及び剪断力が印加される可能性があり、これは、そのようなウェブ内に意図的に形成された特定のタイプの3次元形状を損傷し得る。加えて、不織布材料が、圧縮下で製造又はパッケージングされる製品(例えば使い捨ておむつ)内に組み込まれる場合には、材料がそのような圧縮力にさらされた後に、以前の何らかのタイプの3次元形状の3次元特性を保持することは困難になる。
例えば、図1及び2は、タフト構造を備えた先行技術の一例の不織布材料10を示す。不織布材料は、ループ状繊維14から形成されたタフト12を含み、これが、2つの端16を有するトンネル状構造を形成している。タフト12は、不織布材料の面からZ方向に外向きに延出している。このトンネル状構造は、タフトの一方の端から他方の端までと実質的に同じである幅を有する。しばしば、そのようなタフト構造は、両端に穴又は開口部18を有し、それぞれの基部に開口部20を有する。典型的に、タフトの両端の開口部18は、タフトの機械方向(MD)の端にある。タフト端の開口部18は、タフトを形成するのに使用された工程の結果であり得る。タフト12が、比較的小さい先端部と、鋭い先端を形成する垂直の前縁及び後縁とを備えた歯の形態で、要素を形成することによって形成される場合、これらの前縁及び/又は後縁が、タフトの端の少なくとも一方で、不織布ウェブを貫通する穴を開けることがある。その結果、開口部18はタフト12の一端又は両端で形成され得る。
そのような不織布材料10は、良好に画定されたタフト12を提供するが、タフト構造の基部の開口部20は比較的狭くなり、裸眼では見えにくくなり得る。加えて、図2に示すように、この狭い基部開口部20を取り囲むタフト12の材料は、タフトに力が印加されたときに、ヒンジ22又は枢動点を形成する傾向が生じ得る。不織布が圧縮されたとき(例えばZ方向)、多くの場合においてタフト12は片側に圧潰し、開口部20が塞がれ得る。典型的には、そのようなタフト材料におけるタフトの大多数が圧潰し、開口部20を塞ぐ。図2は、圧潰した後のタフト12の一例を示す。図2において、タフト12は左側に折り重なっている。図3は、いくつかの上向きのタフトを備えた不織布材料を示す写真であり、全てのタフトが片側に折り重なっている。しかしながら、全てのタフト12が同じ側に圧潰して折り重なるわけではない。しばしば、一部のタフト12が一方に折り重なり、一部のタフトは別の側に折り重なる。タフト12の圧潰の結果、タフト基部の開口部20はスリット状になり、実質上消滅する。
特定の他のタイプの3次元変形(例えば円錐形構造)を備えた先行技術の不織布材料も、圧縮されたときに圧潰にさらされ得る。図4に示すように、圧縮力Fにさらされたとき、円錐形構造24は、必ずしも特定のタフト構造のようには折り重ならない。しかしながら、円錐形構造24は、比較的広い基部開口部26と、より小さな先端部28により、円錐形構造が不織布材料面に向かって押し戻され、例えば24Aで示される形状になり、圧潰にさらされる可能性がある。
本明細書に記述される本発明の少なくとも一部の実施形態の不織布材料は、圧縮後に、不織布材料の分離した3次元形状の構造をよりよく保持することが意図される。
図5〜14は、中に突出部32を含む3次元変形を備えた不織布材料30の例を示す。不織布材料30は、第1表面34と、第2表面36と、これらの間の厚さT(図12に示す厚さ)とを有する。図5は、突出部32を備えた不織布材料30の第1表面34を示し、この突出部は、不織布材料の第1表面34から上へ外向きに延出している。図6は、図5に示すもののような不織布材料30の第2表面36を示し、これは、その中に形成された3次元変形を有し、下向きの突出部と、上向きの基部開口部44とを備える。図7は、突出部32の斜視図を示すマイクロCTスキャン画像である。図8は、突出部32の側面図を示すマイクロCTスキャン画像である(突出部の長い側の側面)。図9は、上向きの開口部44を備えた変形の斜視図を示すマイクロCTスキャン画像である。不織布材料30は、複数の繊維38を含む(図7〜11及び14に示す)。図7及び9に示すように、一部の場合において、不織布材料30は、繊維38を一緒に保持するために、複数の結合46(例えば熱点接着)を有し得る。いずれのそのような接着46も、典型的に、不織布材料30を形成するための前駆体材料中に存在する。
突出部32は、一部の場合において、ループ状繊維(これは連続的であり得る)38から形成されてよく、これが外向きに押し出されることにより、不織布ウェブの面からZ方向に外向きに延出する。突出部32は典型的に、複数のループ状繊維を含む。一部の場合において、突出部32は、ループ状繊維と、少なくとも何本かの破断繊維とから形成され得る。加えて、一部のタイプの不織布材料の場合(例えば、より短い繊維からなっているカード材料など)、突出部32は、複数の不連続繊維を含むループから形成され得る。ループの形状の、複数の不連続繊維は、図15A〜15Fにおいて層30Aとして示されている。ループ状繊維は、整列していてよく(すなわち、実質的に同じ方向に向いていてよく)、整列していなくてもよく、又は、この繊維は突出部32内の一部の場所で整列していてよく、突出部の別の部分で整列していなくてもよい。
一部の場合において、雄/雌形成エレメントを使用して突出部32が形成され、この雌形成エレメントは実質的に雄形成エレメントを取り囲む場合、前駆体ウェブ内の向きと同様に、突出部32の少なくともいくつかの繊維は、実質的にランダムな向き(整列状態ではなく)のままであってよい。例えば、一部の場合において、繊維は突出部のキャップ内で実質的にランダムな向きのままであってよいが、側壁内ではより整列していてよく、これによって繊維は突出部の基部からキャップに向かうZ方向に延在し得る。加えて、前駆体ウェブが多層不織布材料を含む場合、繊維の整列は層の間で異なっていてよく、また、同じ層内で所与の突出部32の違う部分の間で異なっていてもよい。
不織布材料30は、概ね平坦な第1領域40を含み得、3次元変形は、複数の分離した一体性第2領域42を含み得る。用語「概ね平坦」とは、いかなる特定の平坦度、平滑度又は次元性をも示唆するものではない。よって、第1領域40は、トポグラフィーを備えた第1領域40を提供する他の形状を含み得る。そのような他の形状には、小さな突出部、基部開口部44周囲の隆起した網状領域、及び他のタイプの形状が挙げられるがこれらに限定されない。よって、第1領域40は、第2領域42に比較して考えるとき、概ね平坦である。第1領域40は、任意の好適な平面視の形状を有することができる。一部の場合において、第1領域40は、連続的な相互接続された網状構造の形態であり、これは、変形それぞれを取り囲む部分を含む。
本明細書で使用するとき、用語「変形」は、不織布材料の一面に形成される突出部32と、材料の反対側の面に形成される基部開口部44との両方を含む。基部開口部44は、多くの場合、孔又は貫通穴の形態ではない。基部開口部44は、むしろ、陥凹の外見を呈し得る。基部開口部44は、袋の開口部に例えることができる。袋は、典型的に袋を完全には貫通しない開口部を有する。本例の不織布材料30の場合、図10に示すように、基部開口部44は、突出部32の内部に向かって開いている。
図11は、材料の一面に突出部32の形状の3次元変形を有し、材料の他方の面に広い基部開口部44を提供する、多層不織布材料30の一例を示す。「広い」基部開口部の寸法は、以下で詳しく説明される。この場合において、基部開口部44は図中で上向きである。複数の不織布層がある場合、個々の層は、30A、30B、などと表記され得る。個々の層30A及び30Bはそれぞれ、第1及び第2表面を有し、これらは同様に、不織布材料の第1及び第2表面34及び36に対して同様に表記される(例えば、第1層30Aの第1及び第2表面を34A及び36A、第2層30Bの第1及び第2表面を34B及び36B)。
図11及び12に示すように、突出部32は、不織布材料の第1表面34に隣り合う基部50と、遠位端54まで延在する相対する膨れた遠位部分又はキャップ部分、又は「キャップ」52と、側壁(又は「側面」)56と、内部58と、一対の端60(これは図5に示されている)と、を含む。突出部32の「基部」50は、突出部の一方の端から見たときに、突出部の最も狭い部分を含む。用語「キャップ」は、特定の形状を意味するものではなく、単に、突出部32の遠位端54を含んでこれに隣接する、突出部32のより広い部分を含む。側壁56は、内側表面56A及び外側表面56Bを有する。図11及び12に示すように、側壁56は、キャップ52に移行し、この一部を含み得る。よって、側壁56が終わりキャップ52が始まる場所を正確に画定する必要はない。キャップ52は、相対する側壁56の内側表面56Aの間に、最大内側幅WIを有する。キャップ52は更に、相対する側壁56の外側表面56Bの間に、最大外側幅Wを有する。突出部32の端60は、突出部の長手方向軸Lに沿って最も遠く離間している突出部部分である。
図11及び12に示すように、突出部32の最も狭い部分が、基部開口部44を画定する。基部開口部44は幅WOを有する。基部開口部44は、材料の第2表面36によって画定される面と、突出部の遠位端54との間に位置し得る(Z方向において)。図11及び12に示すように、不織布材料30は、基部開口部44に移行する(又は基部開口部44から移行する)第2表面36内に開口部(「第2表面開口部」64)を有し得、これは、基部開口部44と同じ大きさであるか、又は基部開口部44よりも大きい。しかしながら基部開口部44は、概ね、本明細書においてより頻繁に検討される。これは、不織布材料30が、消費者に視認可能な基部開口部44を備えて物品内に配置される場合、これらの実施形態において、基部開口部のサイズが消費者にとってしばしば視覚的により明らかであるためである。特定の実施形態において、例えば基部開口部44が外側を向いている実施形態において(例えば、吸収性物品において、消費者に向かって面し、吸収性コアとは逆の方向)、基部開口部44が他のウェブによって覆われていないこと、及び/又は塞がれていないことが望まれ得ることが、理解されよう。
図12に示すように、突出部32は、不織布ウェブの第2表面36から、突出部の遠位端54での突出部内側までを測定された、深さDを有する。突出部32は、不織布ウェブの第2表面36から、突出部の遠位端54までを測定された、高さHを有する。多くの場合、突出部32の高さHは、第1領域40の厚さTよりも大きい。この変形の様々な部分の間の関係は、図11に示す通りであってよく、端から見たときに、突出部のキャップ52の最大内側幅WIは、基部開口部44の幅WOよりも広い。
突出部32は、任意の適切な形状であり得る。突出部32は3次元形状であるため、その形状の記述は、見る角度に依存する。図5のように、上から見たときに(すなわち、ウェブ面に対して垂直、又は平面視の)、好適な形状としては、円形、ダイヤモンド形、アメリカンフットボール形、卵形、クローバー形、ハート形、三角形、涙形、及び楕円形が挙げられるがこれらに限定されない。(基部開口部44は典型的に、突出部32の平面視の形状に同様の形状を有する。)他の場合において、突出部32(及び基部開口部44)は非円形であり得る。突出部32は、全ての方向において同様の平面視の寸法を有し得、又は、突出部は一方の寸法が他方よりも長くてもよい。すなわち、突出部32は長さと幅が異なっていてもよい。突出部32の長さと幅が異なる場合、長いほうの寸法が、その突出部の長さとして参照される。よって突出部32は、ある長さ対幅の比、すなわちアスペクト比を有する。アスペクト比は約1:1〜10:1の範囲であり得る。
図5に示すように、突出部32は幅Wを有し得、これは、突出部を平面視で見たときに、一方の端60から相対する端60までで変化する。幅Wは変化してよく、突出部の中央部が突出部の最も広い部分であり、突出部の端60でこれより小さい突出部幅を有する。他の場合において、突出部32は、突出部の中央部よりも、一方又は両方の端60のほうが広くてもよい。更に他の場合において、突出部32は、突出部の一方の端から他方の端まで実質的に同じ幅を有するよう形成することができる。突出部32の幅が、突出部の長さに沿って変化する場合、突出部の幅が最も広い部分が、突出部のアスペクト比を決定するために使用される。
突出部32が、幅Wよりも長い長さLを有するとき、突出部の長さは、不織布材料30に対して任意の好適な方向に向いていてよい。例えば、突出部32の長さ(すなわち、突出部の長手方向軸LA)は、機械方向、機械横方向、又は機械方向と機械横方向との間の任意の望ましい向きであってよい。突出部32は更に、MD−CD面の長手方向軸LAに対して概ね直交する横断方向軸TAを有する。図5及び6に示される実施形態において、長手方向軸LAは、MDに対して平行である。いくつかの実施形態においては、離間した突出部32は全て、概ね平行な長手方向軸LAを有し得る。
突出部32は、側面から見たときに、任意の好適な形状を有し得る。好適な形状には、少なくとも一方から見たときに、膨らんだ寸法を備える遠位部分又は「キャップ」と、基部のより狭い部分とがある形状が挙げられる。用語「キャップ」は、マッシュルームの嵩部分に類似している。(キャップは、必ずしも特定のタイプのマッシュルームの嵩に似ている必要はない。加えて、突出部32は、マッシュルームのような軸部分を有し得るが、必ずしも有する必要はない。)一部の場合において、突出部32は、端60から見たときに、図11に示すように、球根状形状を有するものとして参照され得る。用語「球根状」とは、本明細書で使用するとき、突出部32の少なくとも一方から見たときに(特に、より短い端60の一方から見たときに)、大きくなった寸法を備えるキャップ52と、基部のより狭い部分とを有する、突出部32の形状を指すことが意図される。用語「球根状」は、柱状部分に接合された、円形又は丸い平面形状を有する突出部に限定されるものではない。図示されている実施形態において、球根状形状は(変形32の長手方向軸LAはしばしば機械方向に向いている)、変形の横断方向軸TA(すなわち、機械横方向)に沿って断面を取ったときに、最も明らかであり得る。球根状形状は、図8に示すように、変形の長さ(又は長手方向軸LA)に沿って見た場合に、あまり明らかではない場合がある。
突出部32は、突出部の側面を少なくとも実質的に取り囲んでいる繊維38を含み得る。このことは、突出部32の基部50から、突出部32の遠位端54へと(例えばZ方向に)延在する複数の繊維があり、これが突出部の側面の一部56及びキャップ52を形成するのに寄与していることを示す。一部の場合において、繊維は、突出部32の側面56内でZ方向に互いに実質的に整列していてよい。表現「実質的に取り囲む」は、よって、個々の繊維それぞれが、X−Y平面内において、突出部の側面周囲を、必ずしも実質的又は完全に取り巻く必要はない。繊維38が突出部の側面を完全に取り囲んで配置されている場合、これは、繊維が突出部の周囲360°に配置されていることを意味する。突出部32は、例えば、図1に示すように、タフトの前縁及び後縁での開口部18のように、端60には大きな開口部がなくてもよい。一部の場合において、突出部32は、例えば後縁など、両端のうち一方のみに開口部を有し得る。突出部32は、図4に示すように、エンボス構造とは異なっていてもよい。エンボス構造は典型的に、本例の突出部32のキャップ52場合のように、基部に隣接しているより広い部分である基部から垂直に(すなわち、Z方向に)離間した遠位部分は有していない。
突出部32は、特定の追加の特性を有し得る。図11及び12に示すように、突出部32は実質的に中空であり得る。本明細書で使用するとき、用語「実質的に中空」は、突出部32が、突出部の内部に、繊維を実質的に有さない構造を指す。ただし、用語「実質的に中空」は、突出部内部が繊維を全く含まない状態でなければならないわけではない。よって、突出部内には若干の繊維があってもよい。「実質的に中空」な突出部は、例えば、繊維のレイダウンにより製造されたもの、例えば、内部の陥凹を備えた形成構造に繊維をエアレイイング又はカーディングすることにより製造されたもののような、充填された3次元構造とは区別される。
突出部32の側壁56は、任意の好適な形状を有し得る。側壁56の形状は、図11のように突出部の端から見た場合に、直線又は曲線であってよく、あるいは、側壁は直線部分と曲線部分の組み合わせにより形成され得る。曲線部分は、凹状、凸状、又は両方の組み合わせであり得る。例えば、図11に示す実施形態の側壁56は、突出部の基部近くで内側に曲がった凹状である部分と、突出部のキャップ近くで外側に凸状になった部分とを含む。突出部の側壁56と、基部開口部44周囲の領域は、20倍拡大下で、形成されていない第1領域40の不織布部分に比べ、所与の面積あたりで、視認により明らかに低い繊維密度を有する(これは、より低い坪量又はより低い不透明度の証拠であり得る)。突出部32は更に、側壁56において細くなった繊維を有し得る。この繊維の細化は、存在する場合、倍率200倍で撮影した走査型電子顕微鏡(SEM)画像で見られるように、繊維38における頸状領域の形態で明らかとなる。よって、繊維は、変形されていない不織布前駆体ウェブ内にあるときの第1断面積と、変形された不織布ウェブの突出部32の側壁56内における第2断面積とを有し得、この第1断面積は、第2断面積よりも大きい。側壁56は更に、何本かの破断繊維も含み得る。いくつかの実施形態において、側壁56は、約30%以上、あるいは約50%以上の破断繊維を含み得る。
いくつかの実施形態において、突出部32の遠位端54は、本来の坪量の、細くなっていない、非破断繊維からなっていてよい。基部開口部44が下向きの場合、遠位端54は、突出部により形成される陥凹の底になる。遠位端54は、遠位端を完全に通過して形成される孔はない。よって、不織布材料は非孔性であり得る。用語「孔」は、本明細書で使用するとき、不織布の形成後に不織布内に形成された穴を指し、不織布に典型的に存在する細孔は含まない。用語「孔」は更に、図15D〜15F及び図20に示されるような、不織布材料中に変形を形成する工程中に材料の局所的な破断によって生じた、不織布材料中の不規則な破断(又は分断)を指すものではなく、そのような破断は、前駆体材料中の不均一性によるものであり得る。遠位端54は、突出部を形成する構造の残り部分に比較して、繊維の密度が比較的大きくてよい。繊維密度は、サンプルを顕微鏡下で観察し、ある面積内の繊維の数を数えることにより測定することができる。ただし、以下で詳しく記述されるように、不織布ウェブが複数の層からなる場合、突出部の異なる部分における繊維の密度は、異なる層の間で変化し得る。
突出部32は、任意の好適なサイズであり得る。突出部32のサイズは、突出部の長さ、幅、厚さ、高さ、深さ、キャップサイズ、及び開口部サイズに関して記述することができる。(他に記述がない限り、突出部の長さL及び幅Wは、突出部のキャップ52の外側の長さ及び幅である。)突出部及び開口部の寸法は、試験方法セクションに記述される「加速圧縮方法」に従って、(指定に従い、7kPa又は35kPaのいずれかの圧力下で)、圧縮の前と後に測定することができる。突出部は、「加速圧縮方法」に従い、ただし2kPa負荷で、高さHと同じ点の間で測定される厚さを有する。厚さ以外の、突出部及び開口部の全ての寸法(すなわち、長さ、幅、高さ、深さ、キャップサイズ、及び開口部サイズ)は、倍率20倍の顕微鏡を用いて、測定時点に印加される圧力がない状態で測定される。
いくつかの実施形態において、キャップ52の長さは、約1.5mm〜約10mmの範囲であり得る。いくつかの実施形態において、キャップの幅(幅が最大の箇所で測定される)は、約1.5mm〜約5mmの範囲であり得る。突出部のキャップ部分は、少なくとも約3mm2の平面視の表面積を有し得る。いくつかの実施形態において、突出部は、約1mm〜約10mm、あるいは約1mm〜約6mmの範囲の、圧縮前の高さHを有し得る。いくつかの実施形態において、突出部は、約0.5mm〜約6mm、あるいは約0.5mm〜約1.5mmの範囲の、圧縮後の高さHを有し得る。いくつかの実施形態において、突出部は、約0.5mm〜約9mm、あるいは約0.5mm〜約5mmの範囲の、未圧縮状態の深さDを有し得る。いくつかの実施形態において、突出部は、約0.25mm〜約5mm、あるいは約0.25mm〜約1mmの範囲の、圧縮後の深さDを有し得る。
不織布材料30は、互いに接合される2つ以上の不織布材料の複合体を含み得る。そのような場合において、第1層の繊維及び特性はしかるべく指定され(例えば、第1層は第1の複数の繊維からなる)、第2層及びそれ以降の層の繊維及び特性は、しかるべく指定される(例えば、第2層は第2の複数の繊維からなる)。2層以上の構造において、その中の変形形成に従って取り得る層の可能な形状は、数多くある。これらはしばしば、層に使用される不織布材料の伸展性に依存する。層のうち少なくとも1層が、本明細書に記述されるように突出部32を形成する変形を有し、ここにおいて、少なくとも1つの断面に沿って、突出部のキャップ52の幅は、変形の基部開口部44の幅よりも大きいことが望ましい。例えば、2層構造のうち1層が吸収性物品のトップシートとして用いられ、他方の層が下側層(例えば捕捉層)として用いられる場合、それ自体の中に突出部を有する層は、トップシート層を含み得る。最も典型的に球根状形状を有する層は、ウェブを変形させる工程中に雄形成部材に接触する層となる。図15A〜図15Eは、多層材料における様々な別の実施形態の3次元突出部32を示す。
例えば図11、12、及び15Aに示すもののような特定の実施形態において、同様の形状のループ状繊維が、多層不織布材料の各層に形成されていてよく、これには、それ自体の中に突出部32を形成する工程中に、分離した雄形成エレメントから最も遠く離れている層30Aと、同工程中に雄形成エレメントに最も近い層30Bとが含まれる。突出部32内に、30Bなどの一方の層の一部が、30Aなどの他方の層内にフィットし得る。これらの層は、突出部32内に「入れ子」構造を形成すると称されることがある。入れ子構造の形成には、2つ(又はそれ以上)の伸展性の高い不織布前駆体ウェブを使用することが必要になり得る。2層材料の場合、入れ子構造は、2つの完全なループを形成してよく、又は、(以下の図の一部に示すように)2つの不完全な繊維ループを形成し得る。
図15Aに示すように、3次元突出部32は、第1層30A内に形成された突出部32Aと、第2層30B内に形成された突出部32Bとを含む。一実施形態において、第1層30Aは、捕捉層として吸収性物品内に組み込まれてよく、第2層30Bはトップシートであってよく、これら2層により形成される突出部は、共にフィットし得る(すなわち、入れ子状である)。この実施形態において、第1層30A及び第2層30Bにより形成された突出部32A及び32Bは、共に緊密にフィットしている。3次元突出部32Aは複数の繊維38Aを含み、3次元突出部32Bは複数の繊維38Bを含む。3次元突出部32Bは、3次元突出部32A内に入れ子になっている。図示の実施形態において、第1層30A内の繊維38Aは、第2層30B内の繊維38Bよりも長さが短い。他の実施形態において、層内の繊維の相対的長さは、同じであってよく、あるいは、第1層の繊維が第2層の繊維よりも長いという反対の関係であってもよい。加えて、この実施形態において、及び本明細書に記述される他の実施形態の任意のものにおいて、不織布層は、吸収性物品又は他の物品内に組み込まれるときに裏返しにすることができ、これにより突出部32は上向き(又は外向き)になる。そのような場合において、トップシートに好適な材料が、層30Aに使用され、下側層に好適な材料が、層30Bに使用される。
図15Bは、不織布層が、突出部32全体の中で必ずしも接触関係になっていないことを示す。よって、第1層及び第2層30A及び30Bにより形成された突出部32Aと32Bは、異なる高さ及び/又は幅を有し得る。この2つの材料は、図15Bに示すように、突出部32内で実質的に同じ形状を有し得る(材料の一方が、他方と同じ湾曲を有している)。しかしながら他の実施形態において、層は異なる形状を有し得る。図15Bは、可能な層配置の1つのみを示しており、他の数多くの形態が可能であるが、全ての図の場合において、あらゆる可能な形態の図を提供することは不可能であることが理解されよう。
図15Cに示すように、層の一方、例えば第1層30A(例えば捕捉層)は、3次元突出部32の領域内で破裂していてよい。図15Cに示すように、突出部32は第2層30B(例えばトップシート)で形成されるのみであり、第1層30A内の開口部を通って延在している。すなわち、第2層30B内の3次元突出部32Bは、破裂した第1層30Aに相互貫入している。そのような構造は、下側の分配層又は吸収性コアに直接接触するトップシートを配置することができ、これは、改善された乾燥状態をもたらし得る。そのような一実施形態において、これらの層は、突出部の領域において「入れ子状」とは見なされない。(図15D〜15Fに示す他の実施形態において、層は依然として「入れ子状」であると見なされ得る。)そのような構造は、第2層30Bの材料が、第1層30Aの材料よりも伸展性が高い場合に形成可能である。そのような場合において、開口部は、以下に詳細に記載されるプロセスによって第1前駆体ウェブを局所的に破裂させることにより形成され得る。破裂した層は、突出部32において、任意の好適な形状を有し得る。破裂は、第1前駆体ウェブの単純な離開を伴っていてよく、これにより第1層30Aの開口部は、単純な2次元孔のままである。しかしながら一部の材料については、第1層30Aの一部分を偏向させるか、又は面外(すなわち、第1層30Aの面の外)に付勢することができ、これによりフラップ70を形成することができる。任意のフラップの形状及び構造は、第1層30Aの材料特性に、強く依存する。フラップは、図15Cに示す一般的構造を有し得る。他の実施形態において、フラップ70は、突出部32Bがフラップから噴出するかのように、より火山形の構造を有することができる。
あるいは、図15D〜15Fに示すように、第1層30Aと第2層30Bの一方又は両方が、3次元突出部32の領域において分断していてもよい(又はその中に破断部を有していてもよい)。図15D及び15Eは、第1層30Aの3次元突出部32Aが、その中に分断72Aを有し得ることを示している。分断のない第2層30Bの3次元突出部32Bは、分断した第1層30Aの3次元突出部32Aと一致し、互いにフィットすることができる。あるいは、図15Fは、第1層及び第2層30A及び30Bが両方とも、それ自体の中に分断又は破断(それぞれ72A及び72B)を有する一実施形態を示す。この場合において、層30A及び30B内の分断は、突出部32内の異なる位置にある。図15D〜15Fは、典型的にランダムな繊維破断により形成される、材料中の意図しないランダム又は不均一の破断を示し、これらは典型的に揃ってはおらず、第1層又は第2層中にあり得るが、典型的には、両方の層で揃ってはおらず、貫通してもいない。よって、典型的に、突出部32の遠位端54で、全ての層を完全に貫通して形成されている孔はない。
2層又はその他の多層構造については、変形した材料30中の坪量分布(又は繊維の密度)、並びに任意の熱点接着46の分布は、層によって異なり得る。本明細書で使用するとき、用語「繊維密度」は坪量と同様の意味を有するが、坪量は面積当たりのgであるのに対し、繊維密度は、所与の面積当たりの繊維の数を指す。接着部位46の場合、繊維は溶融されてよく、これにより接着部位46の材料の密度を高めることができるが、繊維の数は典型的に溶融前と同じである。
一部のそのような2層及び多層不織布材料は、層間のそのような違いに関して記述することができ、本明細書に記述される他の特徴(例えば、キャップ部分の特徴、圧縮下での制御された圧潰、突出部の幅の変化)の1つ又は複数についての記述は必要としない。もちろん、そのような2層及び多層不織布材料は、これらの他の特徴の任意のものを有し得る。
そのような2層及び多層不織布材料において、各層は複数の繊維を含み、特定の実施形態において、突出部32は各層内の繊維で形成される。例えば、一方の層(第1層)は、不織布材料30の第1表面34を形成してよく、一方の層(第2層)は、不織布材料30の第2表面36を形成し得る。第1層内の繊維の一部分は、第1領域40、突出部の側壁56、及び突出部32の遠位端54の一部を形成する。第2層内の繊維の一部分は、第1領域40、突出部の側壁56、及び突出部32の遠位端54の一部を形成する。
図16に示すように、雄形成エレメントに接触する不織布層(例えば30B)は、突出部32Bの遠位端54Bで、元の不織布(すなわち、第1領域40)と同様の坪量を備えた大きな部分を有し得る。図17に示すように、突出部32Bの側壁56B内、及び基部開口部44近くの坪量は、不織布層の第1領域40の坪量、及び突出部32Bの遠位端54の坪量よりも小さくなり得る。図18に示すように、雌形成エレメントに接触する不織布層(例えば30A)は、しかしながら、突出部32Aのキャップ52Aで、不織布層の第1領域40に比べて顕著に小さい坪量を有し得る。図19に示すように、突出部32Aの側壁56Aは、不織布の第1領域40よりも小さい坪量を有し得る。図19A及び19Bは、雌形成エレメントに接触している不織布層30Aが、第1領域40(図19Aの写真の上部分)で最も高い繊維密度を有し得、突出部32の遠位端54で最も低い繊維密度を有し得ることを示している。この場合において、側壁56Aの繊維密度は、第1領域40の繊維密度よりも低いが、突出部32の遠位端54の繊維密度よりも高い。
不織布材料における変形の形成は、層(複数可)内の接着46(熱点接着)にも影響し得る。いくつかの実施形態において、突出部32の遠位端54内の接着46は、突出部32を形成する変形工程によっても、無傷のまま(阻害されないまま)であり得る。ただし、突出部32の側壁56において、前駆体ウェブ内に元々存在する接着46は阻害され得る。接着46が阻害され得るという場合、これは、いくつかの形態をとり得る。接着46は、破壊され、接着の残存物が残り得る。他の場合において、例えば不織布前駆体材料が不十分な接着である場合、繊維は、軽度に形成された接着部位からほどけて(ちょうどリボンをほどくように)、接着部位が本質的に消失する。いくつかの場合において、変形工程の後、少なくともいくつかの突出部32の側壁56は、熱点接着を実質的に含まなくてよい(又は完全に含まなくてよい)。
2層及びその他の多層構造の数多くの実施形態が可能である。例えば、図16及び17に示すような不織布層30Bは、基部開口部が上向きであってよく、2層又は多層不織布構造のトップシートとして用いることができる(少なくとも1つの他の層が捕捉層として用いられる)。この実施形態において、不織布層30Bの第1領域40内の接着46と、突出部32の遠位端54は、無傷のままである。しかしながら突出部32の側壁56では、前駆体ウェブ中に元々あった接着46は、阻害され得、これによって側壁56は、実質的に熱点接着を含まない。そのようなトップシートは、捕捉層と組み合わせることができ、ここにおいて、層30Aの第1領域40内、及び突出部32の遠位端54内の繊維密度も、突出部32の側壁56の繊維密度よりも大きくなる。
他の実施形態において、上述の段落に記述されている捕捉層30Aは、不織布層30Bの第1領域40と突出部32の遠位端54内に熱点接着46を有し得る。しかしながら突出部32の側壁56では、捕捉層30Aを含む前駆体ウェブ中に元々あった接着46は、阻害され得、これによって捕捉層30Aの側壁56は、実質的に熱点接着を含まない。他の場合において、突出部32の頂部にある捕捉層30A内の熱点接着も阻害され得、これによって、少なくともいくつかの突出部の遠位端54は、熱点接着を実質的に又は全く含まない。
他の実施形態において、2層又は多層構造は、トップシートと捕捉層とを含み得、この捕捉層は、その基部開口部が上向きであり、各層の遠位端54での繊維密度は(その層の他の部分に比べて)、層間で異なっている。例えば、一実施形態において、トップシートを形成する層(第2層)では、第1領域と突出部の遠位端の繊維密度はそれぞれ、突出部の側壁内の繊維密度よりも大きい。捕捉層を形成する層(第1層)では、捕捉層の第1領域の繊維密度は、突出部の遠位端の繊維密度よりも大きくてよい。この実施形態の変形例において、第1層(捕捉層)の第1領域の繊維密度は、第1層の突出部の側壁の繊維密度よりも大きく、第1層の突出部の側壁の繊維密度は、第1層の突出部の遠位端を形成する繊維密度よりも大きい。第1層がスパンボンド不織布材料(この前駆体材料は、全体にわたってほぼ均一に分布した熱点接着を有する)を含むいくつかの実施形態において、第1層の第1領域を形成する繊維の一部は、熱点接着を含み、少なくともいくつかの突出部の側壁及び遠位端を形成する第1層内の繊維の一部は、熱点接着を実質的に含まなくてよい。これらの実施形態において、少なくともいくつかの突出部において、第1層の繊維の少なくとも一部が、図19に示すように、突出部の側壁と基部との間の移行部で、突出部の外周を取り巻くように巣又は円形を形成し得る(すなわち、取り囲み得る)。
基部開口部44は、任意の好適な形状及びサイズであり得る。基部開口部44の形状は典型的に、対応する突出部32の平面視の形状と同様又は同じであり得る。基部開口部44は、圧縮の前(及び後)に、0.5mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1mm、又は1mmを超えて0.1mm刻みの任意の寸法のいずれかよりも大きい幅を有し得る。基部開口部44の幅は、上述の値の任意のものから、最高約4mm、又はそれ以上までの範囲であり得る。基部開口部44は、約1.5mm以下〜約10mm以上の範囲の長さを有し得る。基部開口部44は、約1:1〜20:1、あるいは約1:1〜10:1の範囲のアスペクト比を有し得る。基部開口部の寸法の測定は、顕微鏡写真上で行うことができる。基部開口部44の幅のサイズが本明細書に指定されている場合、開口部が特定の方向において均一な幅ではない場合、幅WOは、図6に示すように最も広い部分で測定されることが理解されよう。本発明の不織布材料、及びその製造方法は、狭い基部を有する特定の先行技術構造よりも広い開口部を備えた変形を形成し得る。これにより、基部開口部44が、裸眼での視認性がより高くなる。基部開口部44の幅は関心対象である。なぜなら、開口部の最も狭い部分であるため、開口部サイズを最も制約するものとなるからである。この変形は、第1領域40の面に対して垂直な圧縮の後にも、広い基部開口部44を維持する。
変形は、荷重下で圧縮され得る。一部の場合において、荷重が十分に少ないことが望ましい可能性があり、これにより、不織布が着用者の身体に面して着用され、変形が着用者の身体に接触している場合、変形は柔らかいため、よって皮膚に圧痕を形成しない。これは、突出部32又は基部開口部44のいずれかが、着用者の身体に接触するように向けられる場合に該当する。例えば、2kPa以下の圧力で変形を圧縮することが望ましい可能性がある。他の場合において、この変形は、着用者の皮膚に圧痕を形成するかどうかは問題にならない。不織布材料30の突出部32の少なくとも1つについて、下記の試験方法セクションの「加速圧縮方法」に従って試験した場合に、7kPa荷重下で、後述のように制御された態様で圧潰又は崩壊させることが望ましい可能性がある。あるいは、突出部32の少なくともいくつか、又は他の場合において大半が、本明細書に記述される制御された態様で圧潰され得る。あるいは、突出部32のほぼ全てが、本明細書に記述される制御された態様で圧潰され得る。突出部32を圧潰させる能力は、35kPaの荷重下でも測定され得る。7kPa及び35kPaの荷重は、製造及び圧縮パッケージング条件をシミュレーションする。着用条件は、ゼロ又は限定的な圧力(着用者が吸収性物品の上に座っていない場合)から、最高2kPa、7kPa、又はそれ以上の範囲であり得る。
突出部32は、圧縮後にも基部での広い開口部44を維持するため、制御された態様で圧潰され得る。図13は、圧縮にさらされた後の、本発明による不織布材料30の第1表面34を示す。図14は、圧縮にさらされた後の、単一の下向き突出部32の側面図である。図13に示すように、突出部32が圧縮されると、基部開口部44周囲の不透明度増加部分の環80の形状で、繊維密度が高くなっているように見える。圧縮力が不織布材料に印加されると、突出部32の側壁56をより望ましい/制御された態様で圧潰させることができ、これにより側壁56は凹状になり、折り畳まれて、重なり合った層の領域になる(例えば、s字形/アコーディオン形)。不透明度増加部分の環80は、折り畳まれた材料層を示す。換言すれば、突出部32は、Z方向の力が突出部に印加されるとき、X−Y面においてある程度の寸法安定性を有し得る。突出部32の圧潰した形状は対称的である必要はなく、単に、この圧潰した形状は、突出部32が、不織布の元の面に覆い被さるか又は押し戻されるのを防ぎ、基部開口部の顕著なサイズ低減を防ぐ(例えば50%以上)。例えば、図14に示すように、突出部32の左側はz字形折り畳み構造を形成することができ、突出部の右側は形成していないが、依然として、上から見たときに、折り畳まれた部分の材料のある程度の重なり合いにより、高い不透明度を有することがわかる。特定の理論に束縛されるものではないが、広い基部開口部44及び大きなキャップ52(基部開口部44の幅よりも大きい)は、枢動点の欠如と組み合わせることにより、突出部32を制御された態様で圧潰させる(これにより突出部32が覆い被さるのを防ぐ)と考えられる。よって、突出部32は、圧縮されたときに、側方に折り畳まれるのを可能にし得るようなヒンジ構造を有さない。大きなキャップ52はまた、突出部32が不織布の元の面に押し戻されるのを防ぐ。
この変形は、不織布材料30の表面にわたって、任意の好適な密度で配置することができる。この変形は、例えば、面積10cm2あたり、変形約5〜約100個、あるいは約10〜約50個、あるいは約20〜約40個の密度で存在し得る。
この変形は、不織布材料の面にわたって、任意の好適な配列で配置することができる。好適な配列としては、ずれた配置、及びゾーン配置が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に記述される不織布ウェブ30は、吸収性物品の任意の好適な要素(複数可)を含み得る。例えば、不織布ウェブは、吸収性物品のトップシートを含み得、あるいは、図25に示すように、不織布ウェブ30が複数の層を含む場合、不織布ウェブは、吸収性物品(例えばおむつ82)のトップシート84と捕捉層86との組み合わせを含み得る。図25〜27に示すおむつ82は更に、吸収性コア88、バックシート94、及び分配層96を含む。本開示の不織布材料は、更に、吸収性物品の外側カバー(例えばバックシート94)を形成することもできる。不織布ウェブ30は、任意の好適な向きの変形31を備えて、吸収性物品内に配置され得る。例えば、突出部32は、上向き又は下向きであり得る。換言すれば、突出部32は、図26に示すように、吸収性コア88に向かう向きであり得る。よって例えば、突出部32は、おむつ内の吸収性コア88に向かって内向き(すなわち、身体面とは反対側の向きで、衣類に面した側に向かう向き)であることが望ましい可能性がある。あるいは、突出部32は、図27に示すように、吸収性物品の吸収性コアから離れる方向に延出するように向けられてもよい。更に他の実施形態において、不織布ウェブ30は、一部の突出部32が上向きになり、一部が下向きになるように製造することもできる。特定の理論に束縛されるものではないが、そのような構造は、上向きである突出物が、身体の排出物をきれいにするのにより効果的であり得、一方、下向きである突出部が、排出物の吸収性コアへの吸収により効果的であり得るという場合において、有用であり得ると考えられる。ゆえに、理論に束縛されるものではないが、これらの2種類の突出部の組み合わせは、同じ製品で2つの機能を充足し得る利点を提供する。
2層又はそれ以上の多層不織布構造は、流体処理の利点を提供し得る。複数層が合わせて一体化され、突出部32が吸収性コアに向いている場合、これらは更に、乾燥状態の面の利点を提供し得る。他方、湿潤又は乾燥モップ用のパッドにおいては、洗浄面の利点を提供するために、突出部32が外向きであることが望ましい可能性がある。いくつかの実施形態において、不織布ウェブ30が吸収性物品に組み込まれる場合、下側層はトウ繊維を実質的に含まないか、又は完全に含まなくてよい。トウ繊維を含まない好適な下側層は、例えば、架橋されたセルロース繊維の層又はパッチを含み得る。一部の場合において、不織布材料30は、他のウェブと絡んでいない(すなわち、他のウェブとの絡まりがない)ことが望ましい可能性がある。
不織布構造の層(例えば、トップシート及び/又は捕捉層)は、着色できる。色は、着色顔料(これを含むがこれに限定されない)によって、任意の好適な様相で、ウェブに付与され得る。用語「着色顔料」は、非白色をウェブに付与するために好適な任意の顔料を包含する。したがってこの用語は、典型的には、従来の吸収性物品の層に付加されてそれらに白色外観を付与する、TiO2などの「白色」顔料を含まない。顔料は、例えばインク、塗料、プラスチック、又は他のポリマー材料に見られるように、通常は、ビヒクル又は基材中に分散されて適用される。例えば、顔料をポリプロピレンマスターバッチに導入することができる。マスターバッチは、高濃度の顔料及び/又は添加剤を含み、これらは担体媒体中に分散され、次に、未着色のポリマー材料を着色又は変更して、着色された2成分不織布にするのに使用することができる。導入され得る好適な着色マスターバッチ材料の例は、Pantoneカラー270 SanylenバイオレットPP 42000634 ex Clariantであり、これは高濃度のバイオレット顔料を含むPP樹脂である。典型的には、導入される顔料の量は、ウェブの重量に対し、0.3%〜2.5%であり得る。あるいは色は、基材中への着色剤の含浸によってウェブに付与されてもよい。染料、顔料、又は組み合わせなどの着色剤は、ポリマー、樹脂、又は不織布などの基材を形成する際に含浸されてもよい。例えば、着色剤は、繊維、又はフィラメント形成中にポリマーの溶融バッチに添加されてもよい。
前駆体材料。
本発明の不織布材料は、任意の好適な不織布材料(「前駆体材料」)から製造することができる。不織布ウェブは、単層、又は多層(例えば、2層以上の層)で製造することができる。多層が使用される場合、これは同じタイプの不織布材料からなっていてよく、又は異なるタイプの不織布材料からなっていてもよい。一部の場合において、前駆体材料は、フィルム層を含まなくてよい。
不織布前駆体材料の繊維は、天然材料、合成材料、及びこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない、任意の好適な材料から製造することができる。好適な天然材料には、セルロース、綿リンター、バガス、木部繊維、絹繊維などが挙げられるがこれらに限定されない。セルロース繊維は、任意の好適な形態で提供されてよく、例えば個々の繊維、毛羽パルプ、ドライラップ、ライナーボードなどが挙げられるがこれらに限定されない。好適な剛性材料には、ナイロン、レーヨン及びポリマー材料が挙げられるがこれらに限定されない。好適なポリマー材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、及びコポリエステルが挙げられるがこれらに限定されない。ただし、いくつかの実施形態において、不織布前駆体材料は、これらの材料のうち1つ又は2つ以上を実質的に含まないか、又は全く含まなくてよい。例えば、いくつかの実施形態において、前駆体材料は、セルロースを実質的に含まなくてもよく、及び/又は紙材を除外してもよい。いくつかの実施形態において、1つ又は2つ以上の前駆体材料は、最高100%の熱可塑性樹脂繊維を含み得る。よって一部の場合において、繊維は、実質的に非吸収性であり得る。いくつかの実施形態において、不織布前駆体材料は、トウ繊維を実質的に含まないか、又は全く含まなくてよい。
前駆体不織布材料は、任意の好適なタイプの繊維を含み得る。好適なタイプの繊維には、単成分、2要素及び/又は2成分、非丸形(例えば成型繊維(三葉状の断面を有する繊維を含むがこれに限定されない)及び毛細管チャネル繊維)が挙げられるがこれらに限定されない。繊維は、任意の好適なサイズであり得る。繊維は、例えば、0.1〜500マイクロメートルの範囲の、主断面寸法(例えば丸形繊維の場合は直径)を有する。繊維径は、繊維の長さ当たりの重量の単位であるデニールで表すこともできる。構成繊維は、例えば、約0.1デニール〜約100デニールの範囲であり得る。不織布前駆体ウェブの構成繊維は、化学(例えば、PE及びPP)、構成成分(モノ及びバイコンポーネント)、形状(すなわち、毛管チャネル及び円形)等などの特性の点で異なる、様々な繊維タイプの混合物でもあり得る。
不織布前駆体ウェブは、数多くの工程で形成することができ、例えば、エアレイ加工工程、湿式工程、メルトブローン工程、スパンボンド工程、及びカーディング工程で形成することができる。ウェブの繊維は、次に、スパンレース工程、水流交絡工程、カレンダー接着工程、及び樹脂接着工程によって、接着することができる。そのような個々の不織布ウェブの一部は、繊維が共に接着される接着部位46を有し得る。
スパンボンドウェブの場合、このウェブは、裸眼では視認しにくい熱点接着46パターンを有し得る。例えば、等間隔かつ均一な間隔の、密な熱点接着パターンは、通常、見えにくい。雄ロールと雌ロールの嵌合により材料を加工した後にも、熱点接着パターンは依然として見えにくい。あるいは、このウェブは、裸眼で容易に視認可能な熱点接着パターンを有し得る。例えば、マクロパターン(例えばダイヤモンドパターン)に配置された熱点接着は、裸眼でより視認可能になる。雄ロールと雌ロールの嵌合により材料を加工した後にも、この熱点接着パターンは依然として、容易に視認可能であり、材料に副次的な視覚的テクスチャー要素を提供し得る。
不織布材料の坪量は、通常、平方メートル当たりグラム(gsm)で表される。単層不織布材料の坪量は、材料30の最終的な用途に応じて、約8gsm〜約100gsmの範囲であり得る。例えば、トップシート/捕捉層積層体又は複合材料のトップシートは、約8〜約40gsm、又は約8〜約30gsm、又は約8〜約20gsmの坪量を有し得る。捕捉層は、約10〜約120gsm、又は約10〜約100gsm、又は約10〜約80gsmの坪量を有し得る。多層材料の坪量は、構成層及び他の任意の添加成分を合わせた坪量である。本明細書で関心対象の多層材料の坪量は、材料30の最終的な用途に応じて、約20gsm〜約150gsmの範囲であり得る。不織布前駆体ウェブは、2kPa(0.3psi)で測定したとき、約0.01〜約0.4g/cm3の密度を有し得る。
前駆体不織布ウェブは、特定の望ましい特性を有し得る。前駆体不織布ウェブはそれぞれ、第1表面、第2表面、及び厚さを有する。前駆体不織布ウェブの第1及び第2表面は、概ね平坦であり得る。典型的には、前駆体不織布ウェブ材料が、突出部の形態への伸展及び/又は再配置を可能にするような伸展性を有することが、望ましい。不織布ウェブが複数の層を含む場合、全ての層ができる限り伸展性であることが望ましい可能性がある。突出部の周囲の回りの側壁に少なくともいくらかの非破断繊維を維持するために、伸展性が望ましい。前駆体ウェブ、又は、多層構造のうち少なくとも1つの不織布について、ピーク引っ張り力時又はそれに達する前に、100%(これは、未伸展の長さの2倍)、110%、120%、又は130%〜約200%、又はそれ以上の値のうち、少なくとも1つに等しいか又は上回る見掛けの伸び(破断荷重でのひずみであり、この破断荷重はピーク力に等しい)が可能であることが望ましい可能性がある。また、前駆体不織布ウェブは、不織布ウェブが前の形状を回復又はこれに戻る傾向がないようにするため、変形構造が定位置に確実に「固定」されるよう、可塑性変形を進行させる能力があることが望ましい可能性がある。
十分に伸展性でない材料(例えば、非伸展性PP)は、変形の周囲の大半にわたって破断繊維を形成し、「ぶら下がった穿孔くず」90を形成しやすくなり得る(すなわち、突出部32のキャップ52が少なくとも部分的に破断し、突出部の残りの部分から分離する可能性がある(図20を参照))。突出部の、繊維が破断している側面領域は、参照番号92で示されている。例えば図20に示すような材料は、単層構造には好適ではなく、また、使用される場合は、典型的に複合多層構造の一部となり、別の層が本明細書に記述されるような突出部32を有する。
不織布ウェブの繊維があまり伸展性でない場合、この不織布は、最適に接着するのではなく、不十分な接着にすることが望ましい可能性がある。熱接着された不織布ウェブの引張特性は、接着温度を変えることによって調整できる。ウェブは、最適又は理想的な接着、不十分な接着、又は過剰接着にすることができる。最適又は理想的に接着されたウェブは、破断荷重に達した後の強度の急速な低下を伴う、最高の破断荷重と見掛けの伸びによって特性付けられる。ひずみ下では、接着箇所が破断し、少量の繊維が接着箇所から引き出される。よって、最適に接着された不織布では、不織布ウェブがある点を超えて引っ張られたとき、繊維38が伸長され、接着箇所46の周囲で破断する。しばしば、熱点接着箇所46周囲の領域では、繊維直径がわずかに低減している。不十分な接着のウェブは、最適に接着されたウェブに比べ、破断荷重と見掛けの伸びが低減し、破断荷重に達した後の強度低下がゆるやかである。ひずみ下では、一部の繊維が熱点接着箇所46から引き出される。よって、不十分に接着された不織布では、繊維38の少なくとも一部を接着箇所46から容易に分離することができ、繊維38が接着箇所から引き抜かれ、材料がひずんでいるときに再配置され得る。過剰に接着されたウェブも、最適に接着されたウェブに比べて、破断荷重と伸びが低減するが、破断荷重に達した後の強度低下は急速である。この接着箇所はフィルムのような外観であり、ひずみ下では接着箇所の完全破壊を生じる。
不織布ウェブが複数の層を含む場合、異なる層が同じ特性を有し得るか、又は、互いに対して任意の好適な特性の違いを有する。一実施形態において、不織布ウェブ30は、吸収性物品に使用される2層構造を含み得る。便宜上、前駆体ウェブとそれから形成される材料は、本明細書において全般に同じ参照番号で示される。ただし、一部の場合において、より明確にするために、前駆体ウェブは30’として示される。上述のように、層の中の1つである第2層30Bは、吸収性物品のトップシートとして用いることができ、第1層30Aは下側層(又は副層)となって、捕捉層として用いることができる。捕捉層30Aは、トップシートを通過した液体を受容し、これを下の吸収層に分配する。そのような場合において、トップシート30Bは、副層30Aよりも親水性が低く、よって、トップシートのより良い排水をもたらし得る。他の実施形態において、トップシートは副層よりも親水性が高くてよい。一部の場合において、捕捉層の細孔サイズは、例えば、より低デニールの繊維を使用することにより、又は捕捉層材料の密度を増加させることにより、小さくすることができ、これによりトップシートの細孔のより良い排水をもたらし得る。
トップシートとして用いることができる第2の不織布層30Bは、任意の好適な特性を有し得る。第2の不織布層のために関心のある特性は、トップシートとして用いるとき、十分な伸展性と可塑変形性に加えて、均質性と不透明性を含み得る。本明細書で使用するとき、「均質性」とは、不織布ウェブの坪量の微視的な偏差を指す。本明細書で使用するとき、不織布ウェブの「不透明性」とは、可視光の不透過性の測定値であり、微視的スケールでの相対的な繊維密度の視覚的判定として使用される。本明細書で使用するとき、単一の不織布変形の様々な領域の「不透明性」は、その変形を含む不織布部分を、黒色背景に対して倍率20倍で顕微鏡写真を撮影することにより判定される。より暗い領域は、白い領域よりも、相対的に低い不透明性(並びに、低い坪量と低い密度)であることを示す。
第2の不織布層30Bとして使用するのに好適な不織布材料のいくつかの例として挙げられるのは、これらに限定されるものではないが、スパンボンド不織布、カーディング不織布、及びその他の不織布で、高い伸展性(上述の範囲での見かけ上の伸び)と十分な可塑変形性を備えるものであり、これにより構造が確実に固定され、顕著な回復を生じないようにする。トップシート/捕捉層複合材料構造のトップシートとして好適な不織布材料は、ポリプロピレン及びポリエチレンを含む、伸展性スパンボンド不織布であり得る。繊維は、ポリプロピレン及びポリエチレンの混紡を含んでよく、又は2成分繊維(例えば、繊維のシースにポリエチレンを、コアにポリプロピレンを用いたシース・コア繊維)であってもよい。別の好適な材料は、ポリエチレンシースとポリエチレン/ポリプロピレン混紡コアを備えた、2成分繊維スパンボンド不織布である。
例えば捕捉層として用いることができる第1の不織布層30Aは、任意の好適な特性を有し得る。第1の不織布層のために関心のある特性は、十分な伸展性と可塑変形性に加えて、均質性と不透明性を含み得る。第1の不織布層30Aが捕捉層として用いられる場合、その流体処理特性も、この目的のために適切でなければならない。そのような特性には、透過性、多孔性、毛細管圧、厚さ、並びに、間隙容積を維持するための十分な耐圧縮性及び弾力性などの機械的特性が挙げられ得る。捕捉層として用いられる場合の第1の不織布層の好適な不織布材料には、スパンボンド不織布、通気結合(「TAB」)カーディング不織布材料、スパンレース不織布、水流交絡不織布、及び、樹脂接着カーディング不織布材料が挙げられるがこれらに限定されない。もちろん、複合材料構造は、反転させて物品中に組み込むことができ、この場合第1層30Aはトップシートとして用いられ、第2層30Bは捕捉層として用いられる。そのような場合、本明細書に記述される第1層及び第2層の特性及び例示方法は入れ替えることができる。
複数層の不織布ウェブ構造の中の層は、任意の好適な方法で合わせることができる。一部の場合において、層は互いに対して接着されておらず、自己生成的(すなわち、その中の変形生成による)に保持されていてよい。例えば、前駆体ウェブ30A及び30Bの両方が、繊維を「入れ子」関係の変形にするのに寄与し、これが2つの前駆体ウェブを互いに「結合」させて、層間に接着剤又は熱接着の使用や必要なしに、多層ウェブを形成する。他の実施形態において、層は他のメカニズムによって互いに接合され得る。望ましい場合、層間の接着剤、超音波接着、化学接着、樹脂又は粉末接着、熱接着、又は熱と圧力の組み合わせを使用した分離した箇所での接着を、選択的に利用して、前駆体ウェブの特定の領域又は全体を接着することができる。加えて、複数の層を加工処理中に接着することができ、例えば、1層の不織布をスパンボンド不織布の上にカーディングし、組み合わせた層を熱点接着することができる。一部の場合において、層に対する特定のタイプの接着は除外され得る。例えば、本構造の層は、合わせて水流交絡してはならない。
接着剤が使用される場合、任意の好適な方法又はパターンで適用することができ、これにはスロット、スパイラル、スプレー、及びカーテンコーティングが挙げられるがこれらに限定されない。接着剤は任意の好適な量又は坪量で適用することができ、例えば、約0.5〜約30gsm、あるいは約2〜約5gsmが挙げられるがこれらに限定されない。接着剤の例としては、ホットメルト接着剤(例えばポリオレフィンとスチレンのブロックコポリマー)が挙げられ得る。
ある程度のレベルの接着剤は、不織布の表面の毛羽立ちレベルを低減し得る。ただし、変形プロセスの結果、高い割合で破断繊維が生じ得る。本明細書の記述に従って製造された、接着された2層積層体は、毛羽立ちに関して評価される。この方法は、ASTM D4966−98に準拠し、マーチンデール摩耗試験機を利用する。サンプルを摩耗した後、繊維の毛玉生成の度合に基づいて、1〜10のスケールで評価される(1=繊維毛玉がない、10=多量かつ大型の繊維毛玉)。突出部は、摩耗側とは反対側に向けて、陥凹の間のランド区域が、主に摩耗される表面となるようにする。サンプルは、突出部/陥凹部の側壁でかなりの量の繊維破断が生じ得るが(25%超、場合によっては50%超)、毛羽立ち値は、摩耗中に層が剥離しない限り、様々な異なる材料の組み合わせにおいて低くなり得る(約2)。接着剤坪量(例えば3gsmを超える接着剤坪量)と、接着剤被覆により、剥離が最もよく防止される。
前駆体不織布ウェブが複数の層を含む場合、少なくとも一方の層が連続的(例えばロールから解かれたウェブの形態など)であることが望ましい可能性がある。いくつかの実施形態において、各層が連続的であり得る。別の実施形態において、例えば図24に示すように、1層又は複数の層が連続的であり、層のうち1層又は複数の層が分離した長さを有し得る。層は更に、異なる幅を有し得る。例えば、吸収性物品のためにトップシートと捕捉層との組み合わせを製造する際、トップシートとして用いる不織布層は連続ウェブであってよく、捕捉層として用いる不織布層は、連続ウェブの上に配置される分離した長さの断片(例えば、矩形、又はその他の形状)の形態で製造ラインに供給され得る。そのような捕捉層は、例えば、トップシート層よりも狭い幅を有し得る。これらの層は、上述のように合わせることができる。
III.不織布材料の製造方法
不織布材料は、次の工程を含む方法によって製造される:a)少なくとも1つの前駆体不織布ウェブを提供する工程、b)第1形成部材(「雄」形成部材)と第2形成部材(「雌」形成部材)を含む一対の形成部材を含む装置を提供する工程、及び、c)前駆体不織布ウェブを、この形成部材の間に配置し、形成部材によってこの前駆体不織布ウェブを機械的に変形させる工程。形成部材は、機械方向(MD)の向きと、機械横方向(CD)の向きを有する。
第1及び第2形成部材は、プレート、ロール、ベルト、又はその他の好適なタイプの形成部材であり得る。いくつかの実施形態において、Curroらによる米国特許第8,021,591号「Method and Apparatus for Incrementally Stretching a Web」に記述される段階的伸長のための装置を、本明細書に記述されるタイプの形成エレメントを備えた、本明細書に記述される作動部材を提供することにより、改変することが望ましい可能性がある。図21に示す装置100の実施形態において、第1及び第2形成部材102及び104は、非変形性でメッシュ状の逆回転ロール対の形態であり、それらの間にニップ106が形成されている。前駆体ウェブは、ロール102と104の間のニップ106の中に供給される。ロール102及び104の間の隙間は、本明細書においてニップとして記述されるが、下記に詳しく述べるように、一部の場合において、前駆体ウェブの圧縮を可能な限り避けることが望ましい可能性がある。
第1形成部材。
第1形成部材(例えば「雄ロール」)102は、複数の第1の形成エレメントを含む表面を有し、これは、分離し離間した雄形成エレメント112を含む。雄形成エレメントは、機械方向及び機械横方向に離間している。用語「分離した」は、例えば、波形ロール(又は「リングロール」)上の稜線及び溝のような、連続性又は非分離性の形成エレメントを含まない。そのような波形ロールは、機械方向と機械横方向の一方で離間し得る稜線を有するが、両方向では離間していない。
図22に示すように、雄形成エレメント112は、第1形成部材102に接合されている(この場合においては一体形成されている)基部116と、基部から離間している頂面118と、雄形成エレメントの基部116と頂面118との間に延在する側壁(又は「側面」)120とを有する。雄エレメント112は更に、頂面118と側壁120との間に移行部分又は領域122を有し得る。雄エレメント112は更に、平面視の外周と、高さH1(これは基部116から頂面118までで測定される)とを有する。雄ロール上の分離したエレメントは、広面積の変形を形成するために、比較的大きな表面積の頂面118を有し得る(例えば、幅約1mm〜約10mm、長さ約1mm〜約20mm)。雄エレメント112は、よって、約1:1〜約10:1の範囲の平面視のアスペクト比(長さ対幅の比)を有し得る。アスペクト比を決定するために、雄エレメント112のより長い寸法を長さとし、これに垂直な寸法と、その雄エレメントの幅と見なす。雄エレメント112は、任意の好適な形状を有し得る。
雄エレメント112の基部116及び頂面118は、任意の好適な平面視の形状を有し得、これには、図21及び22に示すような丸みを帯びたダイヤモンド形状、アメリカンフットボール形状、三角形、クローバー形、ハート形、涙形、卵形、又は楕円形が挙げられるがこれらに限定されない。雄エレメント112の基部116の形状及び頂面118の形状は、互いに対して、同じ、類似、又は異なる関係のいずれであってもよい。雄エレメント112の頂面118は、平らであってよく、丸くなっていてよく、又はこれらの間の任意の形状であってよい。
雄エレメント112の側壁120は、任意の好適な形状を有し得る。雄エレメント112は、垂直な側壁120、又は先細の側壁120を有し得る。垂直な側壁とは、側壁120が、その側壁の基部116から伸びる垂線に対してゼロ度の側壁角度を有することを意味する。他の実施形態において、図22Aに示すように、側壁120は、基部116から頂面118へと、雄形成エレメント112の中央に向かって内向きに先細になっていてよく、よって側壁120は、ゼロより大きい角Aを形成する。更に他の実施形態において、図22Bに示すように、雄形成エレメント112は、基部より幅広の頂面表面を有し得、これによって、側壁120は、基部116から頂面118へと、雄形成エレメント112の中央から外向きに傾いていてよい(すなわち、側壁はアンダーカットされていてよい)。側壁の角度は、雄エレメント112の全ての側面で同じであり得る。あるいは、雄エレメント112は、1つ又は2つ以上の側面で、異なる側壁角を有し得る。例えば、雄エレメントの前縁(又は「LE」)及び後縁(「TE」)(機械方向に対して)は、等しい側壁角を有し得、雄エレメントの側面は等しい側壁角を有し得るが、LEとTEの側壁角は、側面の側壁角とは異なっていてもよい。特定の実施形態において、例えば、雄エレメント112の側面の側壁角は垂直であってよく、LEとTEの側壁は若干アンダーカットであってよい。
雄エレメント112の頂面118と側壁120との間の移行領域又は「移行部」122も、任意の好適な形状であってよい。移行部122は、鋭角の形態であってよく(図22Cに示すように)、この場合、雄エレメントの側壁120と頂面118とが接合する場所では曲率半径はゼロ又は最小限である。すなわち、移行部122は、実質的に斜めであってよく、鋭角であってよく、曲率半径がなくてもよく、又は丸みを帯びていなくてもよい。他の実施形態において、図22に示すように、雄エレメント112の頂面118と側壁120との間の移行部122は、曲率半径を有していてもよく、又は面取りされていてもよい。好適な曲率半径には、ゼロ(すなわち、移行部は鋭角)、約0.25mm(0.01インチ)、約0.5mm(0.02インチ)、約0.76mm(0.03インチ)、約1mm(0.04インチ)(又は、0.25mm(0.01インチ)を超えて0.25mm(0.01インチ)刻みの任意の値)、及び図22Dに示すように完全に丸みを帯びた雄エレメントが挙げられるが、これらに限定されない。
一部の場合において、雄エレメント112の全体又は一部の表面を粗面化することが望ましい場合がある。雄エレメント112の表面は、任意の好適な方式で粗面化され得る。雄エレメント112の表面は、例えば、メディアブラスト(すなわち、ショット又は「ショットブラスト」で粗面化)、ウェットブラスト(ウォータージェットで粗面化)、プラズマコーティング、機械加工、こぶ付け(すなわち、第1形成部材の表面の圧力エンボス加工)、又はこれらの組み合わせによって、粗面化することができる。雄エレメント112の粗面化形状及び特性は、その粗面化に使用されるプロセスのタイプに依存する。粗面化は典型的に、そこから突出する2つ以上の分離した第1表面テクスチャーの、少なくともいくつかの雄エレメント112の少なくとも頂面118を提供する。
雄エレメント112の表面の粗面化にメディアブラスト又はウェットブラストプロセスが使用される場合、そのようなプロセスは、典型的に、雄エレメント112の表面に複数のランダムに配列されたくぼみ138を形成し、これにより、それらの間に、分離してランダムに配列された隆起エレメント又は「第1表面テクスチャーエレメント」140を形成する。雄エレメント112の表面は、図22Eに示すように、サンドペーパー状であり得る。雄エレメント112の表面は、その表面を粗面化するのに使用したメディアの細かさで、又は面積当たり(例えば平方インチ当たり)の隆起エレメントの数で、記述することができる。例えば、雄エレメント112の表面は、80、120又は150グリットのメディアで粗面化することができる。粗面化下表面は、下記に概説する表面テクスチャー特性付け方法を用いて記述することができる。
雄エレメント112の表面を粗面化するのにこぶ付けが使用される場合、これは典型的に、第1形成部材102を、第1形成部材よりも硬い材料から製造されたパターン付き回転ロールに接触させることにより実施される。図22Gに示すように、こぶ付けは、雄エレメント112の頂面表面118の材料の置換をもたらし、谷144と、その間の隆起領域146とのパターンを形成する。こぶ付けは、同じ又は同様の方法で、雌形成部材の表面を改変することができる。そのようなプロセスは典型的に、雄エレメント112の頂面表面118上に、巨視的テクスチャー(谷144と隆起領域146)を形成する。そのようなパターンは、例えば、複数のダイヤモンド形エレメント、斜線、又は直線(MD又はCD)(例えば約60(粗い)〜約160(非常に細い)の範囲であり得る直径ピッチ)として平面視に現われ得る。巨視的テクスチャーは、例えば、60倍視野の顕微鏡を用いて特性付けることができる。エレメント144及び146のピッチPの間隔は、約0.5〜約2.0mmの範囲であり得る。巨視的テクスチャーエレメントの高さH2は、約0.1〜約2mm、あるいは約0.1〜約0.5mmの範囲であり得る。巨視的テクスチャーを形成することに加えて、こぶ付けプロセスにより、隆起した巨視的テクスチャーエレメント146の頂面表面上に微視的テクスチャー148を形成し、これは、下記の表面テクスチャー特性付け方法を用いて記述することができる。
上述のように、雄エレメント112の任意の好適な部分が粗面化され得る。粗面化され得る雄エレメントの好適な部分には、頂面表面118、側壁120、頂面表面と側壁との間の移行領域122、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられる。例えば、いくつかの実施形態において、頂面表面118と移行領域122が両方とも粗面化され得る。他の実施形態において、移行領域122のみが粗面化され得る。しばしば、粗面化され得る雄エレメント112の部分は、これを粗面化するのに使用されるプロセスに依存する。
上述の技法を用いてテクスチャー化した数本のロールの表面は、下記に示す表面テクスチャー特性付け方法を用いて記述し、粗面化されていない表面と対比させることができる。図22Fに示すように、粗面化されていない表面は、機械加工痕跡(例えば連続的な稜線と溝)を含み得るが、これらは非常に規則的であり、本明細書に記述されるテクスチャー表面に比べると高さがほとんどない。雄ロールについては、雄エレメント112の頂面表面118、及び、頂面表面と側壁との間の移行領域122について、分析が行われる。こぶ付き雌ロールについては、巨視的隆起テクスチャーエレメント146の頂面上にある微視的テクスチャー148について、分析が行われる。下記の表1のデータには、Sq、Sxp、Str、及びVmpを含む様々な表面テクスチャーパラメータの情報が含まれる。表1は、微視的テクスチャー表面のSqが1.7μm超の値を有し得ることを示す。Sqは、約15μm以下又はそれ以上であってもよい。微視的テクスチャー表面のSxpは、3.0μm超の値を有し得、これは約50μm以下又はそれ以上であってもよい。微視的テクスチャー表面のStrは、0.27μm超の値を有し得、これは約1.0μm以下であってもよい。微視的テクスチャー表面のVmpは0.07mL/m2超の値を有し得、これは約1.1mL/m2以下又はそれ以上であってもよい。
Figure 2017526832
雄形成エレメント112には数多くの他の実施形態が可能である。他の実施形態において、雄エレメント112の頂面118は、図に示されているものとは異なる形状であり得る。他の実施形態において、雄形成エレメント112は、機械方向に長さを有するのではなく、第1形成部材102上に別の向きで配置され得る(CD方向、及びMDとCDとの間の方向を含む)。第1形成部材102の雄形成エレメント112は、全てが同じ形状又は特性を有し得るが、必ずしもそうでなくともよい。特定の実施形態において、第1形成部材102は、1つの形状及び/又は特性を有するいくつかの雄形成エレメント112と、1つ又は2つ以上の形状及び/又は特性を有する他の雄形成エレメント112とを含み得る。
不織布材料の製造方法は、第1形成部材102及び雄エレメント112を用いて、室温条件か、第1形成部材102及び/又は雄エレメント112を冷却する条件か、あるいは第1形成部材及び/又は雄エレメントを加熱する条件のうち任意の条件のもとで、実施され得る。一部の場合において、第1形成部材102及び/又は雄エレメント112の加熱は避けることが望ましい場合がある。また、第1形成部材及び/又は雄エレメントを共に加熱することは避けることが望ましい場合がある。あるいは、不織布繊維が融合し得る温度以上に第1形成部材及び/又は雄エレメントを加熱することは避けることが望ましい場合がある。一部の場合において、第1形成部材及び/又は雄エレメントを、130℃、110℃、60℃、又は25℃超のいずれか以上の温度に加熱することは避けることが望ましい場合がある。
第2形成部材。
図21に示すように、第2形成部材104(例えば「雌ロール」)は、その中に複数の空洞又は陥凹114を有する表面124を有する。陥凹114は、その中に雄形成エレメント112を受容するよう整列かつ構成される。よって、雄形成エレメント112は陥凹114と嵌合し、これによって単一の雄形成エレメント112が、単一の陥凹114の外周内にフィットし、Z方向に少なくとも部分的に陥凹114内に収まる。陥凹114は、雄エレメント112の平面視の外周よりも大きい平面視の外周126を有する。その結果、ロール102と104が噛み合ったとき、雌ロール上の陥凹114は、分離した雄エレメント112を完全に包含し得る。陥凹114は、図23に示す深さD1を有する。一部の場合において、陥凹の深さD1は、雄形成エレメント112の高さH1よりも大きい。
陥凹114は、ある平面視の形状と、側壁128と、側壁128が第2形成部材104の表面124に接合する陥凹の上部分を取り巻く上端又は縁134と、側壁128が陥凹の底部132に接合する陥凹の底部132を取り巻く底部縁130とを有する。
陥凹114は、この陥凹がそれ自体の中に雄エレメント112を受容できるよう提供された、任意の好適な平面視の形状を有し得る。陥凹114は、雄エレメント112に類似の平面視の形状を有し得る。他の場合において、陥凹114の一部又は全てが、雄エレメント112とは異なる平面視の形状を有し得る。
陥凹114の側壁128は、任意の好適な角度の向きであり得る。いくつかの場合において、陥凹の側壁128は垂直であり得る。他の場合において、陥凹の側壁128はある角度の向きであり得る。典型的に、これは、陥凹114の頂面134から陥凹の底部132まで内向きに先細となる角度である。陥凹の側壁128の角度は、一部の場合において、雄エレメント112の側壁120の角度と同じであり得る。別の場合において、陥凹の側壁128の角度は、雄エレメント112の側壁120の角度とは異なり得る。
側壁128が第2形成部材104の表面124に接合する、陥凹の上部分を取り巻く上端又は縁134は、任意の好適な形状を有し得る。縁134は、鋭角の形態であってよく(図23に示すように)、この場合、陥凹の側壁128と第2形成部材104の表面とが接合する場所では曲率半径はゼロ又は最小限である。すなわち、縁134は、実質的に斜めであってよく、鋭角であってよく、曲率半径がなくてもよく、又は丸みを帯びていなくてもよい。他の実施形態において、図23Aに示すように、縁134は曲率半径を有していてよく、又は面取りされていてもよい。好適な曲率半径には、ゼロ(すなわち、鋭角を形成する)、約0.25mm(0.01インチ)、約0.5mm(0.02インチ)、約0.76mm(0.03インチ)、約1mm(0.04インチ)(又は0.25mm(0.01インチ)を超えて0.25mm(0.01インチ)刻みの任意の値)、各陥凹114の周囲で側壁128の一部又は全部の間の、完全に丸みを帯びたランド区域までが挙げられるが、これらに限定されない。陥凹114の底縁130は、鋭くても、角が丸くなっていてもよい。
一部の場合において、表面に複数の分離した第2表面テクスチャーエレメント142を備えて提供することにより、第2形成部材104及び/又は陥凹114の全体又は一部の表面を粗面化することが望ましい場合がある。第2形成部材104及び/又は陥凹114の表面は、雄エレメント112の表面を粗面化するための上述した任意の方法で、粗面化することができる。これは、雄エレメント112上の第1表面テクスチャーエレメント140と同じ又は類似の特性を有する、第2表面テクスチャーエレメント142(及び/又は、図22Gに示すように、谷144、隆起領域146、及び微視的テクスチャー148)を備えた、第2形成部材104及び/又は陥凹114の表面を提供し得る。よって、第2表面テクスチャーエレメント142は、規則的パターン又はランダムパターンで、第2形成部材104の表面上に分布させることができる。
第2形成部材104及び/又は陥凹114の任意の好適な部分を粗面化することができる。図23Aに示すように、粗面化され得る第2形成部材104及び/又は陥凹114の好適な部分としては、第2形成部材の表面124、陥凹の側壁128、側壁128が第2形成部材104の表面124に接合する、陥凹114の上部分を取り巻く上端又は縁134、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられ得る。例えば、いくつかの実施形態において、頂面表面124と縁134が両方とも粗面化され得る。他の実施形態において、陥凹114の縁134だけが粗面化され得る。しばしば、粗面化され得る第2形成部材104及び/又は陥凹114の部分は、雄エレメントの場合と同様に、これを粗面化するのに使用されるプロセスに依存する。図23Bは、ダイヤモンド型のこぶで粗面化された表面124を有する、第2形成部材104の写真である。
上述のように、陥凹114は雄エレメント112の高さH1よりも深くてよく、これによって、不織布材料は可能な限り、雄ロール102と雌ロール104の間で挟み切られる(又は押しつぶされる)ことがない。しかしながら、比較的狭い隙間の2つのロールの間に前駆体ウェブを通すことで、ウェブにある程度の剪断力及び圧縮力が印加される傾向にあることが理解されよう。しかしながら本方法は、雄エレメントの頂面が、圧縮される材料を雌エレメントの底面に対して圧縮する一部のエンボス加工工程とは異なっており、これにより、材料が圧縮される領域の密度を増加させる。
係合の深さ(DOE)は、形成部材の噛み合いレベルの測定値である。図23に示すように、DOEは、雄エレメント112の頂面118から、雌形成部材114(例えば、陥凹を備えたロール)の最も外側の表面124までが測定される。DOEは、伸展性不織布材料と組み合わせたときに、最大幅が基部開口部44の幅よりも大きい遠位部分又はキャップ52を有する突出部32を形成するために、十分に大きな値であるべきである。DOEは、例えば、少なくとも約1.5mm以下〜約5mm以上の範囲であり得る。特定の実施形態において、DOEは約2.5mm〜約5mm、あるいは約3mm〜約4mmであり得る。最大幅が基部開口部44の幅よりも大きい遠位部分を有する突出部32の形成は、多くのエンボス加工工程とは異なっていると考えられる。エンボス加工工程では、エンボスが典型的にエンボス加工エレメントの形状をとり、これは、エンボスの他の部分よりも広い基部開口部を有する。
図23に示すように、雄エレメント112の側面120と陥凹114の側面(又は側壁)128との間には、クリアランスCがある。クリアランス及びDOEは、クリアランスが大きいほど、大きなDOEを使用できるようになる、という点で関連している。雄ロールと雌ロールの間のクリアランスCは、雄エレメント112の外周にわたって同じであってよく、又は変化してもよい。例えば、形成部材は、雄エレメント112の側面と、陥凹114の隣接する側壁128との間のクリアランスが、雄エレメント112の末端での側壁と、陥凹114の隣接する側壁との間のクリアランスよりも小さくなるように、設計することができる。別の場合において、形成部材は、雄エレメント112の側面120と、陥凹114の隣接する側壁128との間のクリアランスが、雄エレメント112の末端での側壁と、陥凹の隣接する側壁との間のクリアランスよりも大きくなるように、設計することができる。更に別の場合において、雄エレメント112の一方の側の側壁と、陥凹114の隣接する側壁との間のクリアランスが、同じ雄エレメント112の反対側の側壁と、陥凹の隣接する側壁との間のクリアランスよりも、大きくなり得る。例えば、雄エレメント112の各端で、クリアランスが異なっていてよく、及び/又は、雄エレメント112の各側面でクリアランスが異なっていてもよい。クリアランスは、約0.1mm(約0.005インチ)〜約2.5mm(約0.1インチ)の範囲であり得る。
上述の雄エレメント112の構成のいくつかのみで、又は、第2形成部材104及び/又は陥凹114と組み合わせることで、付加的な利点が得られ得る。これは、雄エレメント112の不織布材料のより強いロックによるものであり得、これによって、不織布前駆体材料に、より均一かつ制御されたひずみが生じ得る。これは、より明確に画定された突出部32と、より強い視覚的シグナルを消費者にもたらすことができ、柔らかさ、吸収性、及び/又は乾燥状態の外観を提供し得る。
前駆体不織布ウェブ30は、形成部材102と104との間に配置される。前駆体不織布ウェブは、形成部材間に配置するとき、第1形成部材(雄形成部材102)側に、前駆体ウェブのいずれの面(第1表面34又は第2表面36)を向けた状態であってもよい。説明の便宜上、前駆体不織布ウェブの第2表面36が、第1形成部材102に接触して配置されるものとして、本明細書では記述される。(もちろん、他の実施形態において、前駆体不織布ウェブの第2表面36が、第2形成部材104に接触するように配置され得る。)
前駆体材料は、形成部材102及び104によって不織布ウェブに力が印加されるとき、形成部材102及び104で機械的に変形される。この力は、任意の好適な方法で印加され得る。形成部材102及び104がプレートの形態である場合、力は、プレートが合わせられたときに印加される。形成部材102及び104が、逆回転ロール(又はベルト、又はロールとベルトの任意の組み合わせ)の形態である場合、力は、前駆体不織布ウェブが、この逆回転エレメントの間を通過する際に印加される。形成部材により印加される力は、前駆体ウェブに衝撃を与え、前駆体不織布ウェブを機械的に変形させる。
数多くの追加の加工パラメータが可能である。望ましい場合、前駆体不織布ウェブは、形成部材102と104との間に配置される前に加熱され得る。前駆体不織布ウェブが多層構造である場合、この任意の層(複数可)は、層を組み合わせる前に加熱することができる。あるいは、多層不織布ウェブ全体が、形成部材102と104との間に配置される前に加熱され得る。前駆体不織布ウェブ、又はこの層(複数可)は、任意の好適な方法で加熱することができ、これには、伝導加熱(例えば、加熱されたロールにウェブを接触させることによる)、又は対流加熱(すなわち、高温エアナイフ下又は炉に通すことによる)が挙げられるがこれらに限定されない。加熱は、標的を絞ったものではなく、薬品の助力を用いないものであるべきである。第1形成部材102及び/又は第2形成部材104(又はその任意の好適な部分)も加熱され得る。望ましい場合は、ウェブは、追加的又は代替的に、機械的に変形された後に加熱することができる。
前駆体材料が、逆回転ロール対を含む形成部材の間に供給される場合、いくつかの加工パラメータが望ましい可能性がある。逆回転ロール対の間に前駆体ウェブが供給される速度に関しては、ロール間のニップ106内にウェブをオーバーフィードする(負の引張力を生じる)ことが望ましい場合がある。形成部材102及び104の直前上流側の計量ロールの表面速度は、形成部材102及び104の表面速度の約1〜1.2倍であり得る。形成部材102及び104の直前の前駆体ウェブの張力は、ウェブ幅が0.17mの場合、約22N(約5重量ポンド)未満、あるいは約9N(約2重量ポンド)未満となるようにすることが望ましい場合がある。変形されたウェブ30が逆回転ロール対の間から除去される速度に関しては、ロール間のニップから出る際の正の引張力を生じることが望ましい場合がある。形成部材102及び104の直後下流側の計量ロールの表面速度は、形成部材102及び104の表面速度の約1〜1.2倍であり得る。形成部材102及び104の直後のウェブの張力は、約22N(約5重量ポンド)未満、あるいは約9N(約2重量ポンド)未満となるようにすることが望ましい場合がある。
図24Aに示すように、ニップの前後で形成部材のいずれかの部分に前駆体ウェブ30’を接触させることのないまま、形成部材102及び104の間のニップ106内に前駆体ウェブ30’を供給するのではなく、ニップ106に入る前にウェブを第2形成部材104に事前巻き付けを行い、ニップを通過した後に第2形成部材104にウェブ30の事後巻き付けを行うことが、望ましい場合がある。
ウェブを変形させる装置100は、例えば米国特許公開第2012/0064298 A1号(Orrら)に記述されているように、同じ場所でウェブ部分を変形させるための複数のニップを含み得る。例えば、装置は、等しいDOEを備えた中央ロールとサテライトロール、又はそれぞれ連続するロールで徐々に大きくなるDOEを備えた中央ロールとサテライトロールを含み得る。これは、例えば、ウェブの損傷を低減する、及び/又は、変形がウェブ内に恒久的に固定されることにより、ウェブが未変形状態に戻るのを防ぐよう、更に確実にするのに役立つ、といった利点を提供し得る。
ウェブを変形するための装置は、更に、ベルト又はその他の機構を含み得、これは、ウェブの長手方向縁部を下向きに押さえて、ウェブが機械横方向に引き込まれるのを防ぎ得る。
接着剤で接合された積層体である多層ウェブを変形する場合、接着剤が形成部材に付着し汚すことを避けるために、形成部材を冷却することが望ましい可能性がある。形成部材は、当該技術分野で周知の工程を用いて冷却することができる。そのような工程の1つは、例えばプロピレングリコールなどの冷媒を利用した産業用冷却機であり得る。一部の場合において、縮合体の層が形成部材上に形成されるようにするために、湿潤環境で工程を行うことが望ましい可能性がある。
ウェブを変形するための装置100は、任意の好適なプロセスにおいて、任意の好適な位置にあってよい。例えば、装置は、不織布ウェブ製造プロセス又は不織布積層体製造プロセスで、インラインに配置され得る。あるいは、装置100は吸収性物品変換プロセスで、インラインに配置され得る(例えば、前駆体ウェブをほどいた後で、これを吸収性物品の一部として組み込む前)。
このプロセスは不織布ウェブ30を形成し、これは、概ね平坦な第1領域40と、複数の分離した一体性第2領域42とを含み、この第2領域は、不織布ウェブの第1表面34から外向きに延出する突出部32と、不織布ウェブの第2表面36内の開口部とを備える変形を含む。(もちろん、前駆体不織布ウェブの第2表面36が第2形成部材104に接触して配置される場合、突出部は、不織布ウェブの第2表面から外向きに延出し、開口部は、不織布ウェブの第1表面内に形成される。)特定の理論に束縛されるものではないが、前駆体ウェブ(又は、その層のうち少なくとも1層)の伸展性は、雄形成エレメント112で、陥凹の深さD1よりも小さい係合DOEの深さを備えた陥凹114内へと押されるとき、不織布ウェブの一部を伸展させて、上述のような大きなキャップと広い基部開口部とを備えた突出部を含む変形を形成すると考えられる。(これは、膨らんでいない風船に指を押し当てた場合に例えることができ、風船の材料を伸展させ、永久的に変形させる。)
前駆体不織布材料30が複数の層を含む場合において、この層のうち1層が、図24に示すように、分離した断片形状の不織布材料である場合、基部開口部44が連続層(例えば30B)にあり、かつ突出部32がこの分離した層(例えば30A)に向かって延出するように、変形を形成することが望ましい可能性がある。もちろん、他の実施形態において、そのような構造の変形は、逆向きであってもよい。変形は、そのような連続層又は分離した層の表面にわたって、任意の好適な様相で分配することができる。例えば、変形は、連続層の全長及び/又は全幅にわたって分配することができ、連続層の幅より狭い領域に分配することができ、又は分離した層の領域に限定することができる。
本明細書に記述される不織布材料の変形方法は、下記の工程を除外し得る(又は区別することができる):ハイドロフォーミング(水流交絡)、ハイドロモールディング、エアジェットの使用、剛性対弾力性(例えば、鋼/ゴム)のエンボス加工、及び、平らなアンビル表面に対するパターン化表面の使用(例えば剛性対剛性エンボス加工)。この方法は更に、Structural Elastic−Like Filmsを製造するためのProcter & Gamble Companyの工程(「SELF」工程)を除外し得る(又は区別することができる)。本明細書で使用される形成部材は、波形構造(及びタフト構造)を形成するSELF工程に使用される形成部材とは異なっている。SELFの歯は典型的に、比較的小さな尖端を有し、嵌合リングロールの稜線は、SELF歯の側面の境界を形成するだけであり、歯の前後の境界は形成しない。
IV.任意のプロセス工程。
それ自体の中に変形を備えた前駆体ウェブ材料30’及び/又は不織布ウェブ材料30は、任意の追加プロセス工程の対象となり得る。追加の工程には、エンボス加工及び/又は接着が含まれ得るがこれらに限定されない。
A.エンボス加工。
それ自体の中に変形を備えた前駆体ウェブ材料30’及び/又は不織布ウェブ材料30は、任意のエンボス加工工程の対象となり得る。前駆体ウェブ材料30’は、それ自体の中に変形を形成する前に、エンボス加工され得る。付加的に、又は代替的に、本明細書に記述される不織布ウェブ材料30は、その中に変形(突出部32及び基部開口部44)を形成した後にエンボス加工され得る。
このエンボスは、任意の好適な方法で提供され得る。好適なエンボス加工方法には、前の項に記述されている剛性対弾力性方法、及び剛性対剛性方法が挙げられるがこれらに限定されない。それ自体の中に変形を備えた前駆体不織布材料又は不織布ウェブ材料30がエンボス加工された場合、そのエンボスは、変形に対して所定の位置に配置され得る。すなわち、エンボスは変形に対して位置合わせされ得る。他の実施形態において、エンボスは変形に対してランダムに配置され得る。
B.任意の接着工程。
1.変形された不織布材料の一部を共に接着する。
a)変形された不織布材料の先端接着。
1つの任意の接着工程は、突出部32の先端又は遠位端54で、変形された不織布材料30の一部を共に接着することを含む(「先端接着」)。変形された不織布材料30が単層材料の場合、この工程は、突出部32の遠位端54で層内の繊維を共に接着する。変形された不織布材料30が2層又は多層不織布材料の場合、この工程は、突出部32の遠位端54で繊維を共に接着し、更に、突出部32の遠位端54で各層内の繊維を共に接着する。
図28は、不織布材料を変形するための装置100の一実施形態を示し、これは、変形された不織布材料30を先端接着するための追加の接着ロール150を含む。図28に示すように、前駆体ウェブ30’は、第1形成ロール102と第2形成ロール104の間の変形ニップ106内に供給される。変形ニップ106を出た後、変形されたウェブ30は、第1形成ロール(雄ロール)102の回りに部分的に巻き付く。真空、押さえベルト、又はその他のメカニズムを使用して、この変形されたウェブ30を第1形成ロール102上に保持することができる。ウェブ30は雄ロール102に接触したまま、雄ロール102と追加の接着ロール150との間の第2ニップ156を通過する。追加の接着ロール150は、この位置で繊維を共に部分的に溶融させ接着させるのに十分な程度、突出部32の遠位端54で繊維を圧縮する。接着ロール150は、接着を促進するために加熱してもよい。あるいは、超音波を使用して接着を促進することができる。本明細書に記述される少なくともいくつかの前駆体材料の場合において、材料は、接着ロール150の表面温度が約50℃(約120°F)〜約130℃(約270°F)の場合に共に接着され得る。第2ニップ156から出ると、ウェブは図28に示すように接着ロール150に巻き付くか、又は雄ロール102に巻き付き得る。
図29に示すように、これで突出部32が形成され、層は突出部32の頂面(又は遠位端54)で共に接着される。これにより先端接着部分152が形成される。先端接着部分152(及び、本明細書に記述される他の任意の事後接着工程で形成される接着)は、しばしば、スパンボンド不織布層に存在し得る熱点接着に比べ、寸法(すなわち、より大きい可能性がある)、形状、及び位置の少なくともいずれかが異なる。事後変形接着部位は典型的に、変形された不織布中の変形に対して位置合わせされ、一方、熱点接着は、スパンボンド前駆体ウェブ中に分離した別のパターンで提供される。この接着は、より半透明な(フィルム状の)接着部分152をもたらし得る。変形された材料30は、主に半透明な接着部分152を通って見える色をもたらし、突出部32を目立たせることができる。
いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、突出部32の遠位端54で層を共に接着することによって、利点がもたらされ得ると考えられ、この利点には、次の点が挙げられる:1)基部開口部44が消費者側に向いているときに、基部開口部の深さの認知が増大すること、2)改善された乾燥状態(基部開口部44が消費者側に向いているときに、突出部の底部での流体の滞りが低減される)、並びに3)2層又は多層前駆体ウェブの層を共に接着剤で接着又は付着させる必要が低減又は排除されること。
b)変形された不織布材料の基部接着。
別の任意の接着工程は、突出部32の基部50の外の、変形されていない第1領域40の基部接着部位で、変形された不織布材料30の一部を共に接着することを含む(「基部接着」)。変形された不織布材料30が単層材料の場合、この工程は、突出部32の基部50の外側の変形されていない第1領域40内の層の繊維を共に接着する。変形された不織布材料30が2層又は多層不織布材料の場合、この工程は、突出部32の基部の外側の変形されていない第1領域40内の繊維を共に接着し、更に、突出部32の基部の外側の変形されていない第1領域40内の各層内の繊維を共に接着する。
図32は、不織布材料を変形するための装置100の一実施形態を示し、これは、変形された不織布材料30を基部接着するための追加の接着ロール160を含む。図32において、第1及び第2形成ロール102及び104の位置が反転し、雌ロール104が雄ロール102の上に配置されている。しかしながら、他の実施形態において、雄ロール102は上記で先端接着ロール配置において示されているように、上側であってもよい。前駆体ウェブ30’は、第1形成ロール102と第2形成ロール104の間の変形ニップ106内に供給される。変形ニップ106を出た後、変形されたウェブ30は、第2形成ロール(雌ロール)104の回りに部分的に巻き付く。真空、押さえベルト、又はその他のメカニズムを使用して、この変形されたウェブ30を第2形成ロール104上に保持することができる。ウェブ30は雌ロール104に接触したまま、雌ロール104と追加の接着ロール160との間の第2ニップ166を通過する。追加の接着ロール160は、この位置で繊維を共に部分的に溶融させ接着させるのに十分な程度、突出部32の基部50の外側の変形されていない第1領域40で繊維を圧縮する。接着ロールは、本明細書に記述される前駆体材料の少なくともいくつかの場合において、接着を促進するために加熱され得る。超音波を使用して接着を促進することもできる。第2ニップ166から出ると、ウェブは図32に示すように接着ロール160に巻き付くか、又は雌ロール104に巻き付き得る。
この接着工程のロール構成には、たくさんの変形がある。接着ロール160の表面は、実質的に滑らかであってもよい。あるいは、図32及び35Cに示すように、表面から突出する、複数の分離し離間した接着エレメント162を有し得る。雌ロール104の陥凹114の外側に位置する雌ロール104の表面124の一部分も、実質的に滑らかであってよく、あるいは、表面124から突出する、複数の分離し離間した接着エレメント164を有し得る。雌ロール104の表面124の接着エレメント164は、図35Aに示すように分離し離間した接着エレメント164であってよく、又は、図35Bに示すように、連続的な接着エレメント164であってもよい。
接着ロール160の表面が実質的に滑らかな場合において、基部接着部位168は少なくとも実質的に連続的であり、ウェブ30の変形を実質的又は完全に包囲し得る。図33Aは、連続的な基部接着部位168を有するウェブを示す。図33Bは、図33Aに示すウェブの断面図である。
図34に示すように、接着ロール160又は雌ロール104がそれぞれ、各表面から突出する複数の分離し離間した接着エレメント162及び164を有する場合において、接着エレメントは、突出部32の基部50の変形されていない第1領域40内の、分離し離間した領域のみを接着する。そのような場合において、基部接着168は、少なくとも一部の変形の外側に隣接して存在する、第1領域40の少なくとも2つの分離した部分に位置し得る。換言すれば、そのような場合において、所与の変形について、少なくとも2つの基部接着部位168が存在し得る。
c)先端及び基部接着。
別の一実施形態において、変形された不織布材料30は、先端と基部の両方が接着され得る。これは、図28及び32に示すプロセスの組み合わせのプロセスで達成することができる。
図40は、そのようなプロセスを実施するための装置100の一実施形態を示す。ロール102、104、及び150は、装置の先端接着部分を構成し、これは図28に示す装置と同様である。図40が異なる点は、前駆体ウェブ30’は図40の左側からではなく右側から変形ニップ106内に供給されており、変形されたウェブ30は、変形ニップ106から出た後、接着ロール150ではなく雄ロール102の回りを包み込んでいるものとして示されていることである。ゆえに、装置のこの部分の記述には、図28に示す装置の上述の記載が組み込まれ、全体を本明細書で繰り返すことはしない。
図40に示す装置は更に、第2雌ロール104A及び基部接着ロール160を含む。雄ロール102、第2雌ロール104A、及び基部接着ロール160は、装置の基部接着部分を構成し、これは図32に示す装置と同様である。図40が異なる点は、変形され接着されたウェブ30が、図40において装置から出た後、基部接着ロール160ではなく第2雌ロール104Aの回りを包み込んでいるものとして示されていることである。ゆえに、装置のこの部分の記述には、図32に示す装置の上述の記載が組み込まれ、全体を本明細書で繰り返すことはしない。
図40に示すように、前駆体ウェブ30’は、第1形成ロール102と第2形成ロール104の間の変形ニップ106内に供給される。変形ニップ106を出た後、変形されたウェブ30は、第1形成ロール(雄ロール)102の回りに部分的に巻き付く。ウェブ30は雄ロール102に接触したまま、雄ロール102と追加の接着ロール150との間の第2ニップ156を通過する。追加の接着ロール150は、この位置で繊維を共に部分的に溶融させ接着させるのに十分な程度、突出部32の遠位端54で繊維を圧縮する。熱及び/又は超音波を使用して接着を促進することもできる。図29に示すように、これで突出部32が形成され、変形された不織布材料30は突出部32の頂面(又は遠位端54)で共に接着される。変形され先端接着されたウェブ30は次に、雄ロール102と第2雌ロール104Aの間を通過する。その後、変形され先端接着されたウェブ30は、第2雌ロール104Aの回りを部分的に包み込む。ウェブ30は第2雌ロール104Aに接触したまま、第2雌ロール104Aと追加の接着ロール160との間の第2ニップ166を通過する。追加の接着ロール160は、この位置で繊維を共に部分的に溶融させ接着させるのに十分な程度、突出部32の基部50の外側の変形されていない第1領域40で繊維を圧縮する。熱及び/又は超音波を使用して接着を促進することもできる。これにより、基部接着168を備えた先端接着ウェブが提供され、これは図33Aに示すように連続的であってよく、又は図34に示すように分離していてもよい。
2.不織布材料を別の層へ接着する。
他の実施形態において、変形された不織布材料は、別の材料に接着して複合ウェブ又はシートを形成することができる。本明細書で使用するとき、用語「シート」は、典型的に製造プロセスの最終工程として、ウェブから個別のピースに切り離された、ウェブの一部(例えば分離した長さ)を指す。よって、本明細書において複合ウェブに存在するものとして記述されている特性は、その複合シートにも存在する。複合シートの構成要素は、共に「部分的に接着されている」ものとして記述され得る。これにより、構成要素はその表面の特定の位置で共に接着されており、表面全体にわたって共に接着されているわけではないことを意味する。本明細書に記述される任意の実施形態における複合シートの構成要素は、任意の好適なタイプの接着プロセスを用いて共に接着することができ、このプロセスには、超音波、接着剤、並びに熱及び/又は圧力、又はこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。
a)先端接着。
いくつかの実施形態において、変形された不織布材料は、別の材料に接着して、その変形された不織布材料の突出部32の頂面又は遠位端54で、層を共に接着することにより、複合ウェブ又はシートを形成することができる。
図30は、図28に示すものに類似の装置100の一実施形態を示す。図30に示す装置は、不織布材料を変形させ、更に追加の接着ロール150を含む。この実施形態において、接着ロール150は、変形された不織布材料30を、変形された不織布材料30の突出部32の遠位端54で、追加層158に接着するために使用される。図30に示すように、追加の接着ロール150は、第1のニップである変形ニップ106の下流側に位置する。接着ロール150は、任意の好適な表面形状を有し得る。いくつかの実施形態において、接着ロール150の表面は、実質的に滑らかであってもよい。他の場合において、接着ロール150は、接着ロール150の表面から突出している複数の接着エレメント154を有し得る。第2ニップ156は、雄ロール102と接着ロール150との間に形成される。
それ自体の中に変形を備えた、第1ウェブ30を含む不織布ウェブと、第2不織布ウェブ170とが、第2ニップ156に供給される。第2ニップ156に移行する際に、真空、押さえベルト、又はその他のメカニズムを使用して、この変形されたウェブ30を第1形成ロール102上に保持することができる。それ自体の中に変形を備えた不織布ウェブ30は、単層不織布ウェブ、又は2層若しくは多層不織布ウェブであり得る。第2不織布ウェブ170は、不織布材料のための前駆体ウェブとして使用するのに好適なものとして指定された、任意のタイプの不織布ウェブを含み得る。しかしながら第2不織布ウェブ170は、第1ウェブ30の場合のように変形される必要はなく、よって実質的に平坦であり得る。いくつかの実施形態において、第1ウェブ30と第2ウェブ170のうち少なくとも1つが、それ自体の中に分離した接着部位46を有するスパンボンド不織布を含む。第1ウェブ30は、本明細書に記述される、変形された不織布材料の任意の特性を有し得る(例えば、1つ又は2つ以上の層、球根状突出部、接着部位、異なる繊維密度を有する領域など)。接着ロール150は、上述の先端接着プロセスにおいて、任意の他の特性(加熱又は非加熱)及び接着様相(圧縮及び/又は溶融)を有し得る。加えて、接着を促進するために、第2ニップ156の前に、接着剤を第2不織布ウェブ170に適用することができる。
第2ニップ156は、第1ウェブ30の突出部の遠位端54の少なくとも一部を第2ウェブ170に接着して、先端接着された複合ウェブ172を形成し、この中で第1及び第2ウェブが、ウェブ間接着部位174で共に接着される。第1ウェブ30は、X方向の向き(機械方向であり得る)、Y方向の向き(機械横方向であり得る)を有すると見なすことができる第1領域40と、そこからZ方向に外向きに延出する突出部32とを有する。ウェブ間接着部位174は、X方向及びY方向に離間しており、これにより複合ウェブ172は、ウェブ間接着部位174のあらゆる方向の間で接着されていない領域を有する。これは、波形材料とは異なっており、波形材料は典型的に、分離した接着部位ではなく、波形の長さに沿って第2層に接触し接着されている。
ウェブ間接着部位174は、突出部32の接着部分を含む。いくつかの実施形態において、突出部32の接着部分174は、第1ウェブ又はシート30の第1領域40の繊維よりも高密度に充填されている繊維を含み得る。一部の場合において、突出部32の接着部分174の繊維の少なくとも一部が、溶融され得る。接着ロール150の表面が実質的に滑らかな場合において、ウェブ間接着部位174は、第1ウェブ30の突出部32の遠位端54の実質的に全体に形成される。接着ロール150が、その接着ロール150の表面から突出している複数の分離し離間した接着エレメント154を有する場合において、接着エレメント154は、第1ウェブ30の突出部32の遠位端54の一部分だけを接着する。一部の場合において、ウェブ間接着部位174は、突出部32の遠位端54面積の25%以下に形成され得る。
変形された不織布材料30を別の層又は材料に接着することで複合シートを形成することにより、変形されたウェブ材料30の圧縮力に対する弾力性を改善すると考えられる。
b)基部接着。
更に別の実施形態において、変形された不織布材料30は、別の材料に接着して、その変形された不織布材料の突出部の基部で、層を共に接着することにより、複合シートを形成することができる。複合シートの層は、任意の好適なタイプの接着プロセスを用いて共に接着することができ、このプロセスには、超音波、接着剤、並びに熱及び/又は圧力、又はこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。
図35は、不織布材料を変形するための装置100の一実施形態を示し、これは、変形された不織布材料30を、その変形された不織布材料30の突出部32の基部50の外側にある追加層に接着するための、追加の接着ロール160を含む。図35に示すように、追加の接着ロール160は、第1ニップ106の下流側に位置する。第2ニップ166は、雌ロール104と接着ロール160との間に形成される。
それ自体の中に変形を備えた、第1シートを含む不織布ウェブ30と、第2不織布ウェブ180とが、第2ニップ166に供給される。第2ニップ166に移行する際に、真空、押さえベルト、又はその他のメカニズムを使用して、この変形されたウェブ30を雌ロール104上に保持することができる。それ自体の中に変形を備えた不織布ウェブ30は、単層不織布ウェブ、又は2層若しくは多層不織布ウェブであり得る。第2不織布ウェブ180は、不織布材料のための前駆体ウェブとして使用するのに好適なものとして指定された、任意のタイプの不織布ウェブを含み得、上述の(追加層に対する変形された不織布の)先端接着プロセスにおける第2不織布ウェブ170の特性の任意のものを有し得る。
第2ニップ166は、第1ウェブ30の突出部32の基部50の外側にある変形された不織布ウェブ30の少なくとも一部を、第2ウェブ180に接着して、基部接着された複合ウェブ又はシート182を形成し、この中で第1及び第2ウェブが、ウェブ間接着部位184で共に接着される。先端接着プロセスの場合と同様に、ウェブ間接着部位184は、X方向及びY方向に離間している。
ウェブ間接着部位184は、変形の外側で第1ウェブ30の第1領域40において、突出部32の基部50での接着部分を含み、基部接着された複合ウェブ182を形成する。いくつかの実施形態において、基部接着部分184は、第1ウェブ30の第1領域40の繊維よりも高密度に充填されている繊維を含み得る。一部の場合において、第1ウェブ30の基部接着部分184の繊維の少なくとも一部が、溶融され得る。
この接着工程のロール構成には、たくさんの変形がある。接着ロール160の表面は、実質的に滑らかであってもよい。あるいは、図35及び35Cに示すように、表面から突出する、複数の分離し離間した接着エレメント162を有し得る。雌ロール104の陥凹114の外側に位置する雌ロール104の表面124の一部分も、実質的に滑らかであってよく、あるいは、表面124から突出する、複数の分離し離間した接着エレメント164を有し得る。雌ロール104の表面124の接着エレメント164は、図35Aに示すように分離し離間した接着エレメント164であってよく、又は、図35Bに示すように、連続的な接着エレメント164であってもよい。
接着ロール160の表面が実質的に滑らかな場合において、ウェブ間接着部位184は少なくとも実質的に連続的であり、図33Aに示す基部接着部位168と同様に、第1ウェブ30の変形を実質的又は完全に包囲し得る。
接着ロール160又は雌ロール104がそれぞれ、各表面から突出する複数の分離し離間した接着エレメント162及び164を有する場合において、接着エレメントは、第1ウェブ30の分離し離間した領域(これは変形の外側にある)のみを、第2ウェブ180に接着する。そのような場合において、ウェブ間接着184は、少なくとも一部の変形の外側に隣接して存在する、第1領域40の少なくとも2つの分離した部分に位置し得る。よって、そのような場合において、図34に示すように、基部接着部位168に類似の所与の変形について、少なくとも2つのウェブ間基部接着部位184が存在し得る。
c)先端及び基部接着。
他の実施形態において、変形された不織布材料30は、上述のように先端接着又は基部接着され得、更に、別の材料に接着されて、複合ウェブ又はシートを形成し得る。
図41は、先端接着プロセスを実施する装置100の一実施形態を示し、この先端接着された変形された不織布ウェブ30は次に、別の材料に基部接着されて、複合ウェブ又はシートを形成する。図41に示す装置100は、図40に示す装置に類似している。図41が、図40の装置と異なる点は、追加層180が装置に供給されて、変形された不織布材料30の突出部32の基部50の外側で、変形された不織布材料30に接着されている点である。図41に示されている装置のこの態様(基部接着のために追加層を供給)は、図35に示すものに類似している。ゆえに、図41に示す装置の記述には、図35及び40に示す装置の上述の記載が組み込まれ、全体を本明細書で繰り返すことはしない。
図41に示すように、前駆体ウェブ30’は、第1形成ロール102と第2形成ロール104の間の変形ニップ106内に供給される。変形ニップ106を出た後、変形されたウェブ30は、第1形成ロール(雄ロール)102の回りに部分的に巻き付く。ウェブ30は雄ロール102に接触したまま、雄ロール102と追加の接着ロール150との間の第2ニップ156を通過する。追加の接着ロール150は、この位置で繊維を共に部分的に溶融させ接着させるのに十分な程度、突出部32の遠位端54で繊維を圧縮する。図29に示すように、これで突出部32が形成され、変形された不織布材料30は突出部32の頂面(又は遠位端54)で共に接着される。変形され先端接着されたウェブ30は次に、雄ロール102と第2雌ロール104Aの間を通過する。その後、変形され先端接着されたウェブ30は、第2雌ロール104Aの回りを部分的に包み込む。ウェブ30は第2雌ロール104Aに接触したまま、第2雌ロール104Aと追加の接着ロール160との間の第2ニップ166を通過する。第2ニップ166は、第1ウェブ30の突出部32の基部50の外側にある変形された不織布ウェブ30の少なくとも一部を、第2ウェブ180に接着して、基部接着された複合ウェブ又はシート182を形成し、この中で第1及び第2ウェブが、ウェブ間接着部位184で共に接着される。ウェブ間基部接着184は、図33Aに示す基部接着168と同様に連続的であってよく、又は図34に示す基部接着168と同様に分離していてよい。
図42は、基部接着プロセスを実施する装置100の一実施形態を示し、この基部接着された変形された不織布ウェブ30は次に、別の材料に先端接着されて、複合ウェブ又はシートを形成する。
図42に示すロール102、104、及び160は、装置の基部接着部分を構成し、これは図32に示す装置と同様である。図42が異なる点は、前駆体ウェブ30’は左側からではなく右側から変形ニップ106内に供給されており、変形されたウェブ30は、変形ニップ106から出た後、接着ロール160ではなく雌ロール102の回りを部分的に包み込んでいるものとして示されていることである。ゆえに、装置のこの部分の記述には、図32に示す装置の上述の記載が組み込まれ、全体を本明細書で繰り返すことはしない。
図42に示す装置は更に、第2雄ロール102A及び先端接着ロール150を含む。雌ロール104、第2雄ロール102A、及び先端接着ロール150は装置の先端接着部分を構成し、これは図30に示す装置と同様である。図42が異なる点は、変形され接着されたウェブ30が、図42において装置から出た後、先端接着ロール150ではなく第2雄ロール102Aの回りを包み込んでいるものとして示されていることである。ゆえに、装置のこの部分の記述には、図30に示す装置の上述の記載が組み込まれ、全体を本明細書で繰り返すことはしない。
図42に示すように、前駆体ウェブ30’は、第1形成ロール102と第2形成ロール104の間の変形ニップ106内に供給される。変形ニップ106を出た後、変形されたウェブ30は、第2形成ロール(雌ロール)104の回りに部分的に巻き付く。変形された不織布材料30を基部接着するために、ウェブ30は雌ロール104に接触したまま、雌ロール104と追加の接着ロール160との間の第2ニップ166を通過する。追加の接着ロール160は、この位置で繊維を共に部分的に溶融させ接着させるのに十分な程度、突出部32の基部50の外側の変形されていない第1領域40で繊維を圧縮する。これにより、基部接着168を備えた基部接着ウェブが提供され、これは図33Aに示すものと同様に連続的であってよく、又は図34に示すものと同様に分離していてもよい。変形され基部接着されたウェブ30は次に、雌ロール104と第2雄ロール102Aの間を通過する。その後、変形され基部接着されたウェブ30は、第2雌ロール104Aの回りを部分的に包み込む。ウェブ30は第2雄ロール102Aに接触したまま、第2雄ロール102Aと追加の接着ロール150との間の第2ニップ156を通過する。
第2ニップ156で、追加層170が装置に供給され、突出部32の頂面(又は遠位端54)で、変形された不織布材料30に接着される。これにより、先端が第2ウェブ170に接着された、基部接着され変形されたウェブ30を含む、図31に示すものに類似の複合ウェブ又はシート172が形成される。
V.試験方法:
A.加速圧縮方法。
1.試験対象の試料サンプル10枚、及びペーパータオル11枚を、7.6cm×7.6cm(3インチ×3インチ)の正方形に切断する。
2.Thwing−Albert ProGage厚さ計、又は50〜60ミリメートル直径の円形脚を備えた同等品を使用して、10枚の試料それぞれの厚さを、2.1kPa、滞留時間2秒で測定する。あるいは、0.5kPaの圧力を使用することができる。圧縮前の厚さを、0.01mm単位で記録する。
3.試験対象の試料と、ペーパータオル片とを交互に重ね、最初と最後がペーパータオルになるようにする。ペーパータオルの選択は問題ではなく、これは、変形下サンプルの突出部が「入れ子」になるのを防ぐために用いられる。サンプルの向きは、各試料と各ペーパータオルの縁が比較的整列し、かつ試料の突出部が全て同じ方向を向くようにすること。
4.サンプルのスタックを、40±2℃、相対湿度25±3%の炉に入れ、スタックの上におもりを置く。このおもりは、厚さ計の底面積よりも大きいものでなければならない。高い圧力、又はバッグ内のスタック高さが低い場合のシミュレーションとして、35kPaを適用する(例えば、70×70mmの面積に対して17.5kgのおもり)。低い圧力、又はバッグ内のスタック高さが高い場合のシミュレーションとして、7.0kPa(例えば、70×70mmの面積に対して3.4kgのおもり)、4.0kPa(例えば、70×70mmの面積に対して1.9kgのおもり)、又は1.0kPa(例えば、70×70mmの面積に対して0.49kgのおもり)を適用する。
5.サンプルを炉内に15時間置く。時間が経過したら、おもりをサンプルから外し、サンプルを炉から取り出す。
6.サンプルを炉から取り出してから30分以内に、上記の工程2に示すように、圧縮後の厚さを測定する。この際、圧縮前の厚さを記録したときと同じ順序を維持するようにする。10枚の試料それぞれの圧縮後の厚さを、0.01mm単位で記録する。
7.サンプルを、おもりのない状態で、23±2℃、相対湿度25±3%に24時間静置する。
8.24時間後、上記の工程2に示すように、10枚の試料それぞれの回復後の厚さを測定する。この際、圧縮前及び圧縮後の厚さを記録したときと同じ順序を維持するようにする。10枚の試料それぞれの回復後の厚さを、0.01mm単位で記録する。回復後の厚さから圧縮後の厚さを差し引くことにより、厚さ回復の量を計算し、0.01mm単位で記録する。
9.望ましい場合、圧縮前、圧縮後、及び回復後の厚さについて、10枚の試料の平均を計算することができる。
B.引張方法
MD及びCD引張特性は、World Strategic Partners(WSP)(INDA(北米)とEDANA(欧州)の2つの不織布組織の協調)の、張力検査方法110.4(05)オプションBを用い、サンプル幅50mm、ゲージ長さ60mm、延伸速度60mm/分で測定される。ゲージ長さ、延伸速度、及び結果として得られるひずみ速度は、この方法に指定されているものとは異なることに注意されたい。
C.表面テクスチャー特性付け方法
雄エレメントの微視的表面テクスチャーが、3Dレーザー走査コンフォーカル顕微鏡(好適な3Dレーザー走査コンフォーカル顕微鏡は、Keyence Corporation of America(Itasca、IL、USA)から市販されるKeyence VK−X210である)を用いて分析される。この顕微鏡は、測定、制御、及び表面テクスチャー分析ソフトウェア(好適なソフトウェアは、Keyence Corporation of America(Itasca、IL、USA)から市販されるKeyence VK Viewerバージョン2.2.0.0及びKeyence VK Analyzerバージョン3.3.0.0である)が動作するコンピュータに接続される。
3D表面レーザー走査コンフォーカル顕微鏡は、試料の表面高さを測定し、X−Y面の変位に対する表面高さ(Z方向又はZ軸)のマップを生成する。表面マップは次に、ISO 25178−2:2012に従って分析され、ここから、面積表面テクスチャーパラメータのSq、Sxp、Str及びVmpが計算される。これらのパラメータは、雄エレメント表面の主要な特性を表す。
20X対物レンズ、1.0Xズームレベル、0.50μmピッチ(Zステップサイズ)を使用して、少なくとも500μm×700μmの視野において、X−Yピクセル解像度約0.7マイクロメートル(μm)/ピクセルで、表面高さ画像を取得するよう、顕微鏡をプログラムする。より大きな視野が必要な場合は、表面全体にわたって、X−Y解像度を維持しながら複数回のスキャンを収集し、画像を共にスティッチングして単一の画像にし、分析に用いることができる。高さ解像度は、十分な高さ範囲にわたって0.1nm/デジットに設定し、視野内にある全てのピークと谷を捕捉する。
メーカーの仕様書に従って試験機を較正する。
雄エレメント試料を、対物レンズの下のステージに載せる。試験機メーカーの推奨測定手順に従って、試料の表面高さ画像(Z方向)を収集する。この手順には、ノイズを最小限に抑え、表面データの品質を最大に高めるために、次の設定を用いることを含み得る:Real Peak Detection、単/二重スキャン、表面形状モード、標準エリア、高精度品質、自動ゲインを用いたレーザー強度(輝度とNDフィルター)設定。表面高さ画像を保存する。
表面テクスチャー分析ソフトウェアで、表面高さ画像を開く。ISO 25178−2:2012は、推奨フィルタプロセスを記述している。したがって、次のフィルタリング手順を、各画像について実施する:1)ガウシアンローパスSフィルタで、ネスティング指数(カットオフ)は2.5μm、2)面傾斜(自動)補正F操作、3)ガウシアンハイパスLフィルタで、ネスティング指数(カットオフ)は0.25mm。ガウシアンフィルタは両方とも、エンドエフェクト補正を用いて実行する。このフィルタリング手順により、SL表面が生成され、ここから面積表面テクスチャーパラメータが計算される。
測定視野全体を選択し、このSL表面の面積表面粗さパラメータを計算する。
表面テクスチャーパラメータSq、Sxp、Str及びVmpについては、ISO 25178−2:2012に記述される。Sqは、粗さ表面の形状高さの2乗平均平方根である。Sqの単位はμmである。パラメータSxpとVmpは、表面に外挿したISO 13565−2:1996標準に記述されている面積材料比(Abbott−Firestone)曲線から導かれ、これは、表面高さ範囲に対する、表面高さ分布ヒストグラムの累積曲線である。材料比は、評価領域の断面積に対する、所与の高さでの表面を通過する面の断面積の比であり、%で表される。ピーク極限高さSxpは、面積材料比値2.5%(最高ピーク、アウトライアーを除く)から面積材料比値50%(平均面)までの表面上の高さの差の測定値である。Sxpの単位はμmである。ピーク材料値Vmpは、材料比値10%に対応する高さから、最高ピーク(材料比0%)までの表面を含む材料の実際の量である。Vmpの単位はmL/m2である。テクスチャーアスペクト比Strは、表面テクスチャーの空間的等方性又は指向性の測定値である。Strは、空間的パラメータであり、自動補正機能の数学的技法の使用を伴う。Strパラメータは0〜1の範囲の値であり、単位はない。等方性表面は1に近いStrを有し、非常に異方性の表面は0に近いStrを有する。Strは、s=0.2の閾値を使用して計算される。Str値が計算できない場合は、試料を30度回転させてスキャンし直し、表面の再分析を行う。
雄エレメントの3つの複製試料について、表面テクスチャーのスキャンと分析を行う。3つのSq値を合わせて平均し、0.01μmの単位で報告する。3つのSxp値を合わせて平均し、0.01μmの単位で報告する。3つのVmp値を合わせて平均し、0.01mL/m2の単位で報告する。3つのStr値を合わせて平均し、0.01の単位で報告する。
D.光透過性。
特徴形状とランド区域の光透過性手法では、試料の特定の領域を透過する光の平均量を測定する。フラットベッドスキャナを用いて、較正された光透過性画像が得られる。対応する表面トポグラフィー画像を用いてバイナリマスクが生成され、これは、分離した特徴形状領域を周辺のランド区域から分離するための所与の高さの閾値である。次にこのバイナリマスクを光透過性画像に位置合わせし、これを使って、光透過性画像中で、分離した特徴形状をランド区域から識別する。これにより、各領域の平均光透過性値を計算することができる。
サンプル調製−トップシート/下側層積層体
吸収性物品を、身体に面する表面を上にして平坦な形状で、剛性の平らな表面にテープ止めする。レッグゴム部分があれば切り取って、物品を平らに伸ばしやすくすることができる。トップシート/下側層(例えば捕捉層)積層体全体の試料を、物品から慎重に取り出す。必要ならば、小刀及び/又は凍結スプレー(例えばControl Company(Houston、TX、USA)製のCyto−Freeze)を使用して、追加の下側層から試料を取り出し、試料が長手方向及び横断方向に伸張されないようにする。トップシート/下側層積層体試料は、周縁部のみをピンセットで取り扱うべきである。トップシートが下側層に接合されていない場合は、試料として、トップシート層のみを慎重に除去する。
試料の長手方向及び横断方向の中央線に対して中央を合わせ、複数の辺に対して平行に、40mm×40mmの正方形を特定する。特定した40mm×40mmの正方形の分析領域の四つ角に、黒いマーカーで小さな点を打つことにより、試料の表面に位置合わせマークをつける。同様に、第2及び第3の40mm×40mm正方形分析領域を特定し、マークをつける。第2の領域は、トップシート/下側層積層体の前縁から内側に、50mm長手方向中央線に沿って中央合わせされ、第3の領域は、トップシート/下側層積層体の後縁から内側に、50mm長手方向中央線に沿って中央合わせされる。試料の長さによっては、特定された領域は互いに重なり合うことがある。その場合は、記述されている手順に従い、3つの領域それぞれの全体を分析する。トップシートが下側層に接合されていない場合は、3つの40mm×40mm分析領域を同様に特定しマークをつけるが、ただし、トップシートの前縁と後縁を使って、第2及び第3の分析領域の位置を特定する。
トップシート/下側層積層体の5つの複製試料を、実質的に同様の5つの吸収性物品から得て、分析のために同様に調製される。約23℃±2℃及び約50%±2%の相対湿度で、試験前に約2時間にわたって、見本を事前に調湿する。
光透過性画像
色差(デルタE*)の測定は、CIE L***表色系(CIELAB)に基づく。800dpiで24ビットカラーの最小値を走査することが可能で、カラーマネジメントの手動制御機能を有する、フラットベッドスキャナ(好適なスキャナは、Epson America Inc.(Long Beach、CA、USA)製のEpson Perfection V750 Proである)を使用して画像を取得する。このスキャナを、コンピュータで動作するカラーマネジメントソフトウェアに接続する(好適なカラーマネジメントソフトウェアは、X−Rite(Grand Rapids、MI、USA)から入手可能なMonacoEZColorである)。このスキャナは、カラーマネジメントソフトウェアを用いて、色透過標的と、ANSIメソッドIT8.7/1−1993に準拠した対応する参照ファイルとに照らして校正し、校正されたカラープロファイルを構築する。校正したスキャナプロファイルを使用して、CIE L***におけるサンプリングをサポートする画像分析プログラム(好適なプログラムは、Adobe Systems Inc.(San Jose、CA、USA)から入手可能なPhotoshop S4である)内で、試験試料から得た画像の色補正を行う。全ての試験は、約23±2℃及び約50±2%の相対湿度に維持された調湿室内で行われる。
校正前の30分間、スキャナの電源をオンにする。スキャナソフトウェアに含まれ得る自動色補正又はカラーマネジメントオプションがある場合は、これらの選択を解除する。自動カラーマネジメントを無効にすることができない場合、そのスキャナは、この用途には不適である。IT8標的をスキャナガラス上に伏せて置き、スキャナの蓋を閉めて、200dpiで24ビットのカラー画像を取得し、IT8標的を除去する。コンピュータのカラーマネジメントソフトウェアで、その画像ファイルを開く。カラーマネジメントソフトウェアで推奨される手順に従って、校正されたカラープロファイルを作成し、エクスポートする。この手順には、スキャンした画像が正しい向きであり正しくクロップされていることを確認することが含まれ得る。校正済みカラープロファイルは、画像分析プログラムと互換性があるものでなければならない。カラーマネジメントソフトウェアはこの取得した画像を使用して、含まれている参照ファイルと比較し、校正済みカラープロファイルを作成し、エクスポートする。プロファイルが作成された後、試験試料のスキャン解像度(dpi)は変更可能であるが、他の全ての設定は、試料の撮像中、一定に保たれる必要がある。
スキャナの蓋を開け、皮膚に面する表面をガラスに対向させて、スキャナガラス上に試料を平らに配置する。試料にマークした40mm×40m領域を、24ビットカラー、800dpi、透明モードで、スキャンを取得し、画像分析ソフトウェアにインポートする。透明モードは、試料をセンサーのある側から照らし、反対側で画像を取得する。4つの位置合わせマークそれぞれが、スキャンされる画像の四つ角に位置するようにする。画像に、校正済みカラープロファイルを割り当て、色空間モードを、CIE L***規格に対応するに対応するL*** Colorに変更する。これにより分析用に色補正された画像が生成される。この色補正された画像を、非圧縮形式(TIFFファイルなど)で保存する。
特徴形状領域とランド区域マスク
分離した特徴形状領域とランド区域の境界は、3D表面トポグラフィー画像を指定された高さの閾値で分けることにより特定して、バイナリ画像を生成し、分離した特徴形状領域と、周辺のランド区域とを区別する。このバイナリ画像を、対応する光透過性画像のマスクとして使用し、周辺のランド区域の平均光透過性値とは別に、分離した特徴形状領域の平均光透過性値を、測定する。
3D表面トポグラフィー画像は、光学的3D表面トポグラフィー測定システムを使用して取得する(好適な光学的3D表面トポグラフィー測定システムは、GFMesstechnik GmbH(Teltow/Berlin、Germany)から市販されているGFM MikroCAD Premium装置である)。このシステムには、次の主要構成要素が含まれている:a)直接デジタル制御マイクロミラーを備えたデジタル光処理(DLP)プロジェクタ、b)解像度1600×1200ピクセル以上のCCDカメラ、c)少なくとも60mm×45mmの測定領域に対応する投影光学系、d)60mm×45mmの測定領域に対応する記録光学系、e)小型硬質ストーンプレートを用いたテーブル三脚、f)青色LED光源、g)測定、制御及び評価用のコンピュータ動作の表面トポグラフィー分析ソフトウェア(好適なソフトウェアは、GFMesstechnik GmbH(Teltow/Berlin、Germany)から市販されているODSCADソフトウェア、バージョン6.2である)。h)供給メーカーから入手可能な、横方向(x−y)及び垂直方向(z)較正用の較正プレート。
光学的3D表面トポグラフィー測定システムは、デジタルマイクロミラーパターンフリンジ投影技術を用いて、試料の表面高さを測定する。分析の結果は、x−y平面内の変位に対する表面高さ(z方向又はz軸)のマップである。このシステムは、x−yピクセル解像度約40マイクロメートルで60×45mmの視野を有する。高さ解像度は0.5マイクロメートル/個、高さ範囲は+/−15mmに設定する。全ての試験は、約23±2℃及び相対湿度約50±2%に維持された調湿室内で行われる。
メーカーの仕様書に従い、販売元から入手可能な較正プレートを使用して、水平(x−y軸)及び垂直(z軸)に対して機器を較正する。
試料を、カメラ下のテーブルに置く。マークを付けた試料の40mm×40mm分析領域を、カメラ視野内で中央位置を合わせ、試料表面のみが画像内に見えるようにする。サンプルの上にスチールフレーム(100mm四方、厚さ1.5mm、開口部70mm四方)を置き、試料のしわを最小限に抑えて平らになるようにし、同時に、スキャンされる表面領域に、障害のないアクセスを提供できるようにする。
機器メーカーの推奨測定手順に従って、試料の高さ画像(Z方向)を収集する。この手順には、測定システムの焦点合わせ、輝度調節の実施が含まれ得る。プレフィルタリングオプションは使用しない。収集した高さ画像ファイルを保存する。
高さ画像を、ソフトウェアの表面分析部分に取り込む。次のフィルタリング手順を、各画像に対して実施する:1)無効な点を除去する、2)3×3ピクセルのメジアンフィルタを用いてノイズを除去する、4)自動平面アライメントを行ってフォームを除去する、3)カットオフ波長10mmのガウシアンハイパスフィルタを適用して、サンプルの大規模な波形を除外する。画像を、位置合わせマークで指定された40mm×40mm正方形領域にクロップし、4つの位置合わせマークそれぞれが、クロップした画像の四隅に位置するようにする。
閾値高さレベルの決定は、表面に外挿したISO 13565−2:1996標準に記述されている面積材料比(Abbott−Firestone)曲線を用いる。これは、表面高さ範囲に対する、表面高さ分布ヒストグラムの累積曲線である。材料比は、評価領域の断面積に対する、所与の高さ(切断深さ)での表面を通過する面の断面積の比であり、%で表される。試料が、身体に面する表面に対して下向きの陥凹である分離した特徴形状を含むか、又は孔を含む場合、表面トポグラフィー画像は、材料比75%となる切断深さで閾値を設定する。材料比75%で、深い谷とランド区域領域とが区分される。試料が、上向きの突出部又はタフトである分離した特徴形状を含む場合、表面トポグラフィー画像は、材料比25%となる切断深さで閾値を設定する。材料比25%で、突出したピークとランド区域領域とが区分される。上述のレベルで閾値を設定することにより、バイナリマスク画像が生成され、分離した特徴形状領域が1つの値に割り当てられ、周辺のランド区域が別の値に割り当てられる。例えば、この分離した特徴形状領域は黒で表示され、周辺のランド区域は白で表示されるようにできる。このバイナリマスク画像を、非圧縮形式(TIFFファイルなど)で保存する。
光透過性画像の分析
光補正した光透過性画像と、対応するバイナリマスク画像の両方を、画像分析ソフトウェアで開く。試料の光透過性画像を分析するには、最初にL*、a*、b*チャンネルを分離し、L*チャンネルのみを分析に選択する。L*チャンネルは画像の「明るさ」を表し、0〜100の範囲の値を有する。光透過性画像とバイナリマスク画像を互いに位置合わせを行い、対応する位置合わせマークが揃うようにする。マスクを使用して、光透過性画像からランド領域を除去し、残った分離した特徴形状について、平均L*値(光透過性値)を計算する。この値を、特徴形状の光透過性値として0.1単位で記録する。次に、バイナリマスクを使用して、光透過性画像から分離した特徴形状領域を除去し、残った周辺のランド区域について、平均L*値(光透過性値)を計算する。この値を、ランド区域の光透過性値として0.1単位で記録する。この手順を、試料の他の2つの領域で繰り返す。単一の試料で、3つの分析領域それぞれについて、特徴形状の光透過性値と、ランド区域の光透過性値との差を計算する。この3つの差を比較し、その40mm×40mm分析領域で、最も大きな差を有する特徴形状の光透過性値及びランド区域の光透過性値を特定し、その値を廃棄して、他の2つの領域を残す。同様に、複製試料全てについてこの手順を繰り返す。5つの個々の特徴形状の光透過性値及びランド区域の光透過性値の平均を計算し、0.1単位で報告する。
比較例1
比較例1において、材料は、2つの材料を接着した複合材料である。接着にはH.B.Fuller(St.Paul,Minnesota,U.S.A.)のD3166ZPホットメルト接着剤を用い、アドオンレベル1gsmで、らせんパターンで適用した。この複合材料は、米国特許第7,410,683 B2号(Curroら)の記述に従い、毎分7.6メートル(25フィート/分(fpm))、DOE 3.43mm(0.135”)で、Procter & Gamble CompanyのSELFロールとリングロールのうち1つによって形成されたニップを通して加工された。SELFロールに接触する材料層は、Fitesa(Simpsonville,SC,U.S.A.)により製造された20gsmのスパンボンド不織布である。そのような材料は、Fitesaの米国特許出願第14/206,699号「Extensible Nonwoven Fabric」に記述されており、PP及びPEの混紡を含む2.5デニールの繊維からなる。リングロールに接触する材料層は、Reicofil(Troisdorf,Germany)により製造された43gsmスパンボンド不織布であり、7デニールのco−PET/PET先端三葉形2成分繊維からなる。
実施例1.単層
実施例1において、材料は、Fitesaから入手した50グラム/m2(gsm)のPE/PPシース/コア2成分スパンボンド不織布である。これを、速度毎分7.6メートル(25fpm)、深さ3.94mm(0.155インチ)の係合(DOE)で、雄/雌成形型(形成部材)に通す。雄成形型の歯は、図21に示すような、丸くなったダイヤモンド形状と、垂直な側壁を有し、雄エレメントの頂面と側壁との間の移行部には角のない丸みをつけた縁を有する。歯は、長さ4.72mm(0.186インチ)、幅3.18mm(0.125インチ)であり、CD間隔は3.81mm(0.150インチ)、MD間隔は8.79mm(0.346インチ)である。嵌合する雌ロールの陥凹も、雄ロールと同様の丸くなったダイヤモンド形状を有し、ロール間のクリアランスは、陥凹の外周回りで若干変動し、0.813〜1.6mm(0.032〜0.063インチ)である。
実施例2.2層
実施例2において、材料は、比較例1に記述したように、らせんパターンで適用される同じホットメルト接着剤を使用することによって共に接着した、2つの材料の複合材料である。これを、毎分24.4メートル(毎分800フィート(fpm))、DOE 3.94mm(0.155インチ)で、実施例1に記述した雄/雌成形型に通して加工する。雄ロールに接触する材料層は、比較例1に記述されたPP及びPEの混紡の2.5デニール繊維からなる、Fitesaにより製造された20gsmスパンボンド不織布である。雌ロールに接触する材料層は、Beijing Dayuan Non−Woven Fabric Co,LTD(Beijing,China)により製造された、5デニールのPE/PETシース/コア2成分繊維からなる、60gsm通気結合カーディング不織布である。
実施例3.2層
実施例3において、材料は、比較例1に記述したように、らせんパターンで適用される同じホットメルト接着剤を使用することによって共に接着した、2つの材料の複合材料である。これを、毎分24.4メートル(800fpm)、DOE 3.94mm(0.155インチ)で、実施例1に記述した雄/雌成形型に通して加工する。雄ロールに接触する材料層は、実施例2に記述されたPP及びPEの混紡の2.5デニール繊維からなる、Fitesaにより製造された20gsmスパンボンド不織布である。雌ロールに接触する材料層は、Reicofilにより製造された86gsmスパンボンド不織布であり、7デニールのco−PET/PET先端三葉形2成分繊維からなる。
サンプルは、「加速圧縮方法」に従い、荷重3.4kg重(7kPa)で15時間圧縮される。サンプルの圧縮前の厚さと圧縮後の厚さは、圧力2.1kPaで「加速圧縮方法」に従って測定される。突出部と開口部の寸法は、倍率20倍の顕微鏡を用いて測定される。キャップの外側寸法は、図5に示すように、突出部を上に向けた斜視図で測定される。突出部深さと内側キャップ幅は、図11に示すように、材料の断面で測定される。
Figure 2017526832
*測定値が小さすぎたため測定困難
実施例4−光透過性値の差。
図37〜40は、異なるプロセスで形成された、いくつかの不織布トップシートの画像を示す。それぞれが、材料内に形成された分離した特徴形状を有する。
図37は、基部開口部44が上向きの(陥凹として見える)、本明細書に記述される不織布材料30を示す。不織布材料30は、互いに接合された2つの層を含み、トップシートと下側の捕捉層とを形成している。これらの層は、25gsmのポリエチレン/ポリプロピレン2成分繊維トップシート層と、43gsmのスパンボンドPET捕捉層からなり、これらが1gsmのらせん状の接着剤パターンで互いに接合され、本明細書に記述される変形プロセスに通された。不織布材料30は、概ね平坦な第1領域40と、複数の分離した一体型の第2領域42とを含み、これは、不織布材料内の離間した変形(陥凹)を含む。第1領域40は、相互接続された連続的な網状構造領域を形成してよく、ここで網状構造の一部が、(陥凹)変形それぞれを取り囲む。
第1領域40は、第1の光透過性値を有し、第2領域42は、第2の透過性値を有する。これらの光透過性値を以下の表3に要約する。変形における第2光透過性値は、第1光透過性値に比べて、少なくとも約5単位大きく、あるいは少なくとも約9単位大きく、あるいは約10単位大きい。この例において、繊維は稠密化又は融合されておらず、これらを行うことにより更に高い光透過性値がもたらされ得る。本明細書に記述される不織布ウェブの製造方法は、ウェブ内の繊維を再配置することによりこの差を生み出し、その結果、より低い繊維密度をもたらし、よって、陥凹の底部においてより高い光透過性値が得られる。変形/第2領域42は、約90単位以下の光透過性値を有し、このことは、変形の底部に貫通穴がないことを示している。(比較のため、図38は有孔の不織布材料の写真である。実質的に繊維がない孔の部分は、95〜100単位の光透過性値を有する)。
本明細書に記述される不織布材料30は、(図38に示すトップシートのように)深さのある孔の「外見」を形成し、吸収性と乾燥性の外観をもたらす一方で、ある種の孔に伴う柔軟性の一部の欠点(技術的及び感覚的)はないという点で、独自性がある。変形部における半透明性の増大により、不織布材料30の下に着色層を置くことで、主に陥凹部を通して色が見えることになり、陥凹部を目立たせ、一部の場合においては、より深い外観をもたらし得る。
図39は、現在市販されているKimberly−Clark HUGGIES(登録商標)おむつのトップシート190の写真であり、これは、上向きの分離した部分又はタフト192を有している。この例において、分離した部分192の光透過性値は、図37の不織布材料での関係とは反対である。分離した部分192の光透過性値は、連続的ランド区域194に比べて、少なくとも約5単位低く、より典型的には少なくとも約7単位低い。
Figure 2017526832
本明細書で開示する寸法及び値を、列挙されているまさにその数値に厳密に限定されるものと解するべきではない。むしろ、別段の指定がない限り、そのような各寸法は、記載の値とその値の周辺の機能的に等価の範囲の両方を意味することを意図したものである。例えば、「90°」として開示された寸法は、「約90°」を意味するものとする。
本明細書を通して与えられるあらゆる最大の数値限定は、あらゆるより小さい数値限界を、あたかもかかるより小さい数値限定が本明細書に明示的に記載されているかのように含むことを理解すべきである。本明細書を通して与えられるあらゆる最小の数値限定は、あらゆるより大きい数値限界を、あたかもかかるより大きい数値限定が本明細書に明示的に記載されているかのように含む。本明細書全体を通して与えられる全ての数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るより狭い全ての数値範囲を、そのような狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように包含する。
「発明の詳細な説明」の中で引用された全ての文献は、関連部分において本明細書に参照により援用されている。いかなる文書の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものとして解釈されるべきではない。本明細書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲においては、本明細書においてその用語に付与した意味又は定義を適用するものとする。
以上、本発明の特定の諸実施形態を図示、説明したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び改変を行いうる点は当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。

Claims (14)

  1. 不織布ウェブに変形を形成する方法であって、前記方法は、
    a)前駆体不織布ウェブを提供する工程であって、前記前駆体ウェブは、繊維を含む不織布材料を含み、前記前駆体ウェブは、第1表面と、第2表面と、ある厚さとを有する、工程と、
    b)機械方向の向き及び機械横方向の向きを有する一対の形成部材を提供する工程であって、前記形成部材は、
    複数の分離し離間した雄形成エレメントを含む表面を有する第1形成部材であって、前記雄形成エレメントは、前記第1形成部材の前記表面に接合している底部と、前記底部から離間している頂面と、前記雄形成エレメントの前記底部と前記頂面との間に延在する複数の側面とを有し、前記雄形成エレメントは、平面視の外周及び高さを有する、第1形成部材と、
    それ自体の中に複数の陥凹を含む表面を有する第2形成部材であって、前記陥凹は、その中に前記雄形成エレメントを受容するよう整列され、かつ構成されており、前記陥凹は、前記雄形成エレメントの平面視の外周よりも大きくかつこれを完全に取り巻く平面視の外周を有し、更に前記陥凹は深さを有する、第2形成部材と、
    を含む、工程と、
    c)前記形成部材の間に前記前駆体不織布ウェブを配置する工程であって、前記前駆体不織布ウェブの前記第2表面が、前記第1形成部材に接触して配置される工程と、前記形成部材により前記前駆体不織布ウェブを機械的に変形する工程であって、前記前駆体不織布ウェブは、概ね平坦な第1領域と、変形を含む複数の分離した一体型の第2領域とを含む不織布ウェブに形成され、前記変形は、前記不織布ウェブの前記第1表面から外向きに延出する突出部と、前記不織布ウェブの前記第2表面内に形成される開口部を形成し、前記突出部は前記繊維からなり、前記突出部は、前記不織布ウェブの前記第1表面に近接する基部と、前記基部からZ方向に外向きに延出する対向する遠位端と、前記基部と前記突出部の前記遠位端との間の複数の側壁と、前記複数の側壁の少なくとも一部分と前記突出部の前記遠位端とを含むキャップとを含み、前記複数の側壁は内部表面を有し、前記複数の側壁の前記内部表面は、前記突出部の前記基部に基部開口部を画定し、前記キャップは、最大内側幅を備える部分を有し、前記基部開口部は幅を有し、前記突出部の前記キャップの前記最大内側幅は、前記基部開口部の前記幅よりも大きい、工程と、
    を含む、方法。
  2. 前記雄形成エレメントの前記複数の側面は、前記雄形成エレメントの前記頂面と、丸みを帯びていない縁で交わる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記雄形成エレメントと前記第2形成部材のうち少なくとも一方は、それ自体の表面に少なくとも2つの分離した表面テクスチャーエレメントを有する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記雄形成エレメントが加熱されていない、請求項3に記載の方法。
  5. 前記陥凹の前記深さは、前記雄形成エレメントの前記高さよりも大きい、請求項1に記載の方法。
  6. 前記第2形成部材の前記陥凹は、前記雄形成エレメントの平面視形状と実質的に同じであるが前記雄形成エレメントの平面視形状よりも大きい平面視形状を有する、請求項1に記載の方法。
  7. 係合深さは、少なくとも1.5mm〜5mmの範囲である、請求項5に記載の方法。
  8. クリアランスは、0.13mm〜1.3mmの範囲である、請求項5に記載の方法。
  9. 前記前駆体不織布ウェブは、2つ以上の不織布材料の層を含み、前記不織布材料のそれぞれが繊維からなる、請求項1に記載の方法。
  10. 前記工程(c)は、突出部内で前記層を合わせて入れ子状にする、請求項9に記載の方法。
  11. 前記工程(c)は、ウェブ内に球根状突出部を形成する、請求項1に記載の方法。
  12. 前記工程(c)は、前記層の少なくとも一方において、前記繊維の少なくとも一部分を薄くする、請求項9に記載の方法。
  13. 前記突出部の少なくともいくつかの前記遠位端において、前記繊維の少なくとも一部を共に接着する工程(d)を更に含む、請求項1に記載の方法。
  14. 前記突出部の少なくともいくつかの前記基部の外側の、前記不織布ウェブの前記第1領域において、前記繊維の少なくとも一部を共に接着する工程(d)を更に含む、請求項1に記載の方法。
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