JP2017526390A - バイオリアクター内のブロセス制御のための方法、システムおよび制御装置 - Google Patents

バイオリアクター内のブロセス制御のための方法、システムおよび制御装置 Download PDF

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Abstract

バイオリアクターにおける生物反応中に添加物送達を制御する方法は、間隔を空けられた供給事象中にバイオリアクター内に添加物を添加することを含む、バイオリアクターにおける生物反応を実行させるステップであって、バイオリアクターの内容物は、供給事象後の安定化期間中に平衡化する、ステップと、生物反応中にバイオリアクター内容物のバルク物性のin situ測定を行ってプロセス傾向データを取得するステップと、安定化期間の後に始まる測定期間にわたって取得されたプロセス傾向データの導関数を計算するステップであって、導関数は代謝率指数(MRI)である、ステップと、MRIを使用して、次の供給事象を開始する時間を決定するステップとを含む。バイオリアクター用制御装置およびバイオリアクターシステムは、この方法に従って動作するように構成される。

Description

(発明の背景)
本発明は、バイオリアクター内のプロセス、たとえば、供給プロセスの自動制御のためのシステムおよび方法に関する。
現在の工業的手法において、バイオリアクターは生物学的産物を生産するために広く使用されている。典型的には、これらのバイオリアクターにおいて管理される生物反応は、1つまたは複数の栄養素または供給原料を必要とする。これらの一部、たとえばグルコースやグルタメートなどは、化学的に明確に定義された分子であるが、他のたとえばウシ胎児血清のようなものは、より複雑な供給材料である。栄養素は、目的の生物体の健康な増殖に不可欠であり、それが高品質の力価の大量の生産につながる。単純なバッチバイオリアクタープロセスでは、栄養素の全てがプロセスの開始時に導入され、プロセスは、栄養素の大部分が消費されたとき、またはプロセスが自己終了するときの終点まで実行される。そのようなプロセスの例としてビールまたはワインの醸造がある。しかしながら、より洗練されたバイオリアクタープロセスでは、栄養素の繰返し添加を利用することが、生産を延長することを可能にし細胞をより長く健康に維持するので有利である。
供給方式は様々なプログラムに従うことが可能である。ボーラス供給方式は、ペレットまたは(通常は水に溶解される)所定量の栄養素を使用し、それらは定期的に添加され多くの場合は毎日添加される。連続方式は、バイオリアクターに連続的に供給される液体栄養素を利用する。灌流は、産物除去と関連して供給方式が利用される技術である。
供給方式は、実験的最適化によって、バイオリアクターに適用される供給の予め定義されたプロトコール(供給の速度または頻度、供給物の量など)であるように開発され得る。しかしながら、バイオリアクターから採取された試料を測定して、さらなる供給の要件を評価し、場合によっては供給プロトコールをそれに合うように適応させることが知られている。そのような測定は、しばしば、少量の流体をサンプリングして、化学分析のためにオフライン測定装置へ送ることによって行われる。これらの測定の結果に基づいて、供給プロトコールを熟練したオペレータの裁量で修正することができる。しかしながら、試料の抽出によりバイオリアクター内容物を汚染する可能性があるので、この手法はリスクを伴う。
バイオリアクター内の特定の単一化学パラメータ、たとえば、pHまたはグルコースレベルを測定できるシステムが公知であり、これは供給プロトコールのフィードバック制御のために使用され得る。しかしながら、測定は、単一のパラメータを反映しており、これは、所望の動作方式に間接的にのみ関連する可能性がある。なぜならば、複雑な細胞産物の有用な生産は、実際には、複数の成分の濃度、履歴、および細胞密度などを含む多くの因子に依存し得るからである。また、単一の化学的パラメータの測定は、ウシ胎児血清のような複雑な供給材料を使用する成分反応に対してほとんど意味がない可能性がある。
ある例示的な公知の技術は、バイオリアクター内の生細胞数(VCC)を取得する。これは、オンラインとオフラインの両方で行われるキャパシタンス測定から推測される。VCC値は、現在のグルコース消費量を推定するために、反応に関して前もって決定されたモデル(細胞活性とグルコース消費量の間の化学量論的関係)と一緒に使用され、推定された消費量から次の供給の要件が推測され得る[1]。しかしながら、バイオリアクター内容物のサンプリング、またはVCCを得るためのインダクタンス測定のデコンボリューションは、両方とも必要である。
第2の例は、リアクター内容物の絶対組成を決定するための頻繁なオフラインサンプリングを用いるフィードバックベースのサンプリングプロセスである。これはフィードバックの一部として使用されて、次の供給の時間または量を決定する[1]。このプロセスは効果的であるが、かなりのインフラストラクチャを稼働するために必要とする。制御は、(以前の実験から経験的に決定された)必要な供給成分の予め計算された比を使用し、組成全体の指標として絶対値を使用することによって、いくらか単純化され得る。しかしながら、これもまた、信頼できる制御のためにサンプリングおよびモデル作成を利用する。
プローブ制御を使用する第3の例示的な技術は、酸素がバイオリアクター内に供給されるシステムで動作する。酸素摂取量は、細胞活性の指標として測定され、供給速度の変動を通して、最大酸素摂取量、ひいては理論上の最大値に対するグルコース消費量を観測することが可能である[2、3]。したがって、供給の制御は細胞の呼吸状態のみの考慮に限定されるが、この情報は、複数のプロセスおよび段階での反応の完全な状態を反映しないことがある。
したがって、バイオリアクターにおける供給および他のプロセスを制御するための改良された技術が必要とされる。
(発明の要旨)
したがって、本発明の第1の態様は、バイオリアクターにおける生物反応中に添加物送達を制御する方法であって、間隔を空けられた供給事象中にバイオリアクター内に添加物を添加することを含む、前記バイオリアクターにおける生物反応を実行させるステップであって、前記バイオリアクターの内容物は、供給事象後の安定化期間中に平衡化する、ステップと、前記生物反応中に前記バイオリアクター内容物のバルク物性のin situ測定を行ってプロセス傾向データを取得するステップと、安定化期間の後に始まる測定期間にわたって取得されたプロセス傾向データの導関数を計算するステップであって、前記導関数は代謝率指数(MRI)である、ステップと、前記MRIを使用して、次の供給事象を開始する時間を決定するステップと
を含む方法を指向する。
一部の実施形態では、前記in situ測定によって取得された前記プロセス傾向データは、実際のプロセス傾向データであり、前記方法は、安定化期間の後に始まる測定期間にわたって取得された実際のプロセス傾向データに数学的方法を適用して、前記実際のプロセス傾向データの減衰バージョンを表す計算されたプロセス傾向データを作成するステップをさらに含み、導関数を計算する前記ステップは、前記計算されたプロセス傾向データの導関数を計算することを含む。数学的方法は、実際のプロセス傾向データの平均化、または実際のプロセス傾向データへの二次多項式曲線などの数学的曲線のあてはめを含むことができる。他の数学的方法および曲線が使用されてもよい。
バルク物性は屈折率としてもよい。この場合、屈折率のin situ測定を行うステップは、モード屈折率(modal index)の変化を検出するセンサーおよび/またはブラッグ格子に基づくセンサーなど、伝播するエバネッセント波の変化を検出するように構成されたセンサーを使用することを含む。
あるいは、バルク物性は、密度、導電率、インダクタンス、インピーダンス、粘度、濁度、または単一波長におけるスペクトル吸収であってもよい。
本方法は、MRIを直接的に使用して次の供給事象を開始する時間を決定するステップを含むことができる。あるいは、MRIは間接的に使用されてもよい。例えば、方法は、前記MRIを使用して、前記次の供給事象を開始する時間を決定するステップは、先行の供給事象以来の前記MRIの絶対最大値によって瞬間MRI値を割ることで比を計算すること、前記比を閾値と比較し、前記比が前記閾値を超える場合に前記次の供給事象を開始することを含んでもよい。一部の実施形態では、閾値は0.3から0.9の範囲とすることができる。
前記測定期間は、最小時間窓で始まってもよいし、前記数学的方法を適用することおよび前記導関数を計算することは、前記最小時間窓が満了した後に前記最小時間窓中に収集されたプロセス傾向データに対して始まってもよい。これにより、数学的方法およびMRIの精度を改善することができる。これに関して、前記最小時間窓は、十分なプロセス傾向データが、他の継続時間の場合のエラーまたはノイズ値と比較して最小のエラーまたはノイズ値を有するように対応するMRIについて収集されるような継続時間を有し得る。さらに、最小時間窓の継続時間は、先行のプロセス傾向データに基づいて調整され得る。
安定化期間は、バイオリアクターの較正実行中に取得されたプロセス傾向データの観測によって決定された継続時間を有することができる。しかしながら、安定化期間を設定するための他および自動の技術を除外するものではない。
本方法は、取得されたプロセス傾向データにノイズフィルタリングを適用するステップをさらに含んで、測定の質を改善することができる。バイオリアクターシステムおよびセンサーでは多くの信号ノイズ源があり得るので、可能な場合は信号対ノイズ比を改善することが望ましい。
本方法はまた、MRIに応答して供給事象において送達される添加物の量を変化させるステップを含むことができる。このようにして、供給時間と量の両方が測定値に応答して調整され、反応の詳細な制御を実現する。
一部の実施形態では、添加物は、供給事象間に前記バイオリアクター内に添加されず、別の実施形態では、添加物は、各供給事象中に第1の速度で前記バイオリアクター内に添加され、添加物は、供給事象間に前記第1の速度よりも遅い第2の速度で前記バイオリアクター内に継続的に添加される。第1の速度および第2の速度の一方または両方は経時的に変化し得る。
さらに、異なる添加物が、異なる供給事象中に前記バイオリアクター内に添加され、現行測定時間中の前記MRIが、前記次の供給事象に対する前記添加物を決定するために使用されてもよい。これは、より複雑な生物反応の自動制御を可能にする。
任意の実施形態において、上記または各添加物は、直接的または間接的な供給原料である。生物反応の性質に応じて、他の添加物が利用されてもよい。
本方法は、MRIを使用して、バイオリアクターの1つまたは複数の運転条件、たとえば温度などの値を決定するステップをさらに含むことができる。これにより、より洗練された制御が提供され、場合によっては、バイオリアクターの多くまたは全ての態様の完全な自動制御が提供される。
本発明の第2の態様は、バイオリアクターにおける生物反応中に添加物送達を制御するための制御装置であって、制御が、生物反応中にバイオリアクターの内容物のバルク物性のin situ測定値を受け取り、前記生物反応は、間隔を空けられた供給事象中に前記バイオリアクター内に送達される添加物を含み、前記バイオリアクターの内容物は、供給事象後の安定化期間中に平衡化し、前記受け取られた測定値は、プロセス傾向データであり、安定化期間の後に始まる測定期間にわたって取得されたプロセス傾向データの導関数を計算し、前記導関数は代謝率指数(MRI)であり、前記MRIを使用して、次の供給事象を開始する時間を決定し、添加物支給機構に、前記次の供給事象の前記決定された時間に添加物を前記バイオリアクター内に送達させるように構成された、制御シグナルを生成するように構成される制御装置を指向する。
本発明の第3の態様は、バイオリアクターにおける生物反応中に添加物送達を制御するためのシステムであって、バイオリアクターと、制御シグナルに応答して、供給事象中に前記バイオリアクター内に添加物を送達するように構成された添加物支給機構と、前記バイオリアクターに関連付けられたセンサーであって、生物反応中に前記バイオリアクターの内容物のバルク物性のin situ測定を行い、それによりプロセス傾向データを取得するように構成されたセンサーと、制御装置とを備え、前記制御装置は、前記センサーからプロセス傾向データを受け取り、供給事象後の前記バイオリアクターの内容物が平衡化する安定化期間の後に始まる測定期間にわたって取得されたプロセス傾向データの導関数を計算することであって、前記導関数は代謝率指数MRIであり、前記MRIを使用して、次の供給事象を開始する時間を決定し、制御シグナルを前記添加物支給機構に送って、前記次の供給事象の前記決定された時間に添加物を送達するように構成される、システムを指向する。
本発明をよりよく理解し、どのように実施し得るかを示すために、ここでは添付の図面を例として参照する。
図1は、本発明の実施形態に従って制御され得る第1の例示的なバイオリアクターシステムの概略図を示す。 図2は、本発明の実施形態に従って制御され得る、複数の供給原料を有する第2の例示的なバイオリアクターシステムの概略図を示す。 図3は、図1および図2のシステムで使用するのに適した第1の例示的なバイオリアクターの概略断面図を示す。 図4は、図1および図2のシステムで使用するのに適した第2の例示的なバイオリアクターの概略断面図を示す。 図5は、本発明の実施形態に従って制御され得るバイオリアクターでの第1の例示的な生物反応における2つの供給サイクルの継続時間にわたる非プロセス特異的パラメータの理想化されたin situ測定のグラフを示す。 図6は、バイオリアクターでの第2の例示的な生物反応における2つの供給サイクルの継続時間にわたる非プロセス特異的パラメータの理想化されたin situ測定のグラフを示す。 図7は、実際の生物反応における供給サイクルの継続時間にわたる屈折率の実験的in situ測定のグラフを示す。 図8は、あてはめた多項式曲線(計算されたプロセス傾向)と共に図7のデータを示す。 図9は、計算された導関数曲線(代謝率指数すなわちMRI)と共に実際の生物反応の4つの供給サイクルに関するプロセス傾向データのグラフを示す。 図10は、本発明の実施形態に従って供給事象を制御するために使用され得るMRI曲線から導出されたトリガーデータと共に図9のMRI曲線のグラフを示す。 図11は、供給物が非ゼロのバックグラウンドレベルで送達され、本発明の実施形態に従って制御される、生物反応における供給サイクルにわたる非プロセス特異的パラメータの理想化されたin situ測定のグラフを示す。 図12は、本発明の実施形態に従って制御される変化する非ゼロバックグラウンドレベルおよびピーク供給レベルを有する、生物反応におけるMRIおよび局所的供給消費速度のグラフを示す。 図13は、本発明の実施形態に従って制御される複数の供給原料から供給される生物反応における複数の供給サイクルにわたる理想化されたMRI値を示す。
(詳細な説明)
本発明は、非特異的プロセスパラメータのin situ測定の特定の数学的処理を使用して、次に自動的に送達される供給プロトコールを導出することによって、既存のバイオリアクタープロセスの制御技術の欠点に対処する。プロトコールは、プロセス寿命を通して測定に応答して調整され、したがって、生物反応の制御が開始から完了まで自動化される。
「非特異的プロセスパラメータ」は、生物反応中のバイオリアクターの内容物、典型的には液体内容物のバルク物性またはパラメータを意味するが、加えてまたは代わりに、「ヘッドスペース」として知られる液体上のバイオリアクター容積を占める気体状内容物も意味する。そのような特性は、時間経過と共に、内容物の組成変化によって、たとえば、供給原料が添加されるときおよび供給原料が消費されたときに、変化する瞬間単一値を有する。しかしながら、これらのパラメータは、任意の特定の組成成分(たとえばグルコースの量など)の測定値に分解できないが、その瞬間のバイオリアクター内容物の全体組成の関数であるようなパラメータである。言い換えれば、それらはいずれの生物反応成分に対しても特異的ではなく、すなわち、それらは「非特異的」であり、生物反応組成の個々の成分の値を表さない。このタイプのパラメータには、屈折率、密度、導電率、インダクタンス、インピーダンス、粘度、濁度、および特定の波長におけるスペクトル吸収が含まれる。これらのパラメータは、それらの値がバイオリアクター内の単一の組成成分に支配されないか、または相関されないようなパラメータである。それらのパラメータは、内容物を構成する個々の成分に関してバイオリアクター内容物の実際の組成に関する情報を明らかにできないので、それらのパラメータを、その内容物が対象となるプロセスを制御するのに使用できることは驚くべきことである。それにも関わらず、本発明者らは、これらのパラメータの変動が、供給原料および他の材料の添加および消費ならびに細胞集団の増殖および減退から起きる全体的な内容物組成の変化を反映することを見出した。したがって、1つまたは複数のそのようなパラメータの変化率を監視することにより、供給原料および他の添加物をいつ添加するかなど、プロセスを制御するためのプロトコールの推測が可能になる。
本発明は、供給原料の添加を制御することに限定されず、一次生物または二次反応において、特定の経路またはセットの反応を促進するために使用され得る他の栄養素または添加物にも適用可能である。この一例は、所望の細胞により使用するためのグルタミンを生成するための、グルタメートが添加された混合物へ酵素の添加である。この場合、グルタメートは供給原料とみなされるであろうが、グルタミンシンセターゼ(酵素)は、その役割がグルタメート供給原料を有用なグルタミンに変換することにあるので、供給原料とみなされない可能性がある。さらなる例は、気体アンモニアの添加であり、そこから窒素が細胞により使用するために得られる。測定されたバルク物理パラメータが、生産速度に対する添加成分の作用にも対応するので、本発明は、このタイプの添加物の添加を制御するために使用され得る。そのような非特異的測定を介して制御することにより、本発明は、第1の例では、グルタメート(間接的ではあるが供給原料である)と酵素的促進要素(enzymatic enabler)との両方の添加の制御を可能にして、システム全体の効率を促進する。したがって、本出願では、「添加物」という用語は、生物反応中にバイオリアクターに添加される任意の成分、材料もしくは原料、気体、液体、または固体に対して使用され、直接的供給原料、間接的供給原料、他の原料から使用可能な供給原料を作成する酵素的促進要素などの変換要素またはトランスフォーマー、および生物反応が維持されるのに必要な任意の他の成分を含む。バイオリアクター内への添加物の添加または注入は、(添加物が直接的供給原料物質ではない場合でも)「供給事象」と称され、有限時間にわたって行われる。
本発明によれば、選択された非特異的プロセスパラメータの測定は、サンプルの抽出なしに、in situで、すなわちバイオリアクター内で直接的に、内容物に対して行われる。in situ測定は、生物反応の監視および制御のために特に有益である。なぜならば、そうした反応は、サンプル抽出中に起こり得る汚染に非常に影響されやすいためである。したがって、本発明は、バルクパラメータ測定のために構成された1つまたは複数のセンサーまたはプローブを利用し、そのセンサーまたはプローブは、バイオリアクター容器内に配備され、少なくともそれが内容物と接触しているプロセスの継続時間において所定の位置に置かれることが可能である。有利には、センサーは、リアクターの滅菌中に所定の位置に留まるように構成され、それにより損傷または劣化されない。したがって、プローブの選択が重要であり、バルク容積プロセスを表すポイントでプローブをリアクター容器に挿入すること、およびプローブがバイオリアクターに必要な任意の滅菌または洗浄処理に適合することが望ましい。典型的には金属またはガラスで作られた再使用可能なリアクター容器では、滅菌は、しばしば、いくつかのタイプのセンサーにとって障害またはデバイス劣化を引き起こす厳しい環境をもたらすオートクレーブまたは「定置蒸気滅菌」を使用して実施される。再使用可能なリアクターの滅菌の代替手段は、(たとえば、プラスチックであり得る)使い捨てバイオリアクターの使用であり、それらは、滅菌のために通常ガンマ線照射され、センサーが製造時に中に設置される。
センサーは、変化する物理的パラメータを測定シグナルに変換するための1つまたは複数のトランスデューサ素子と、リアクターからのシグナルをプロセッサに伝達するための送信素子と、シグナルを処理し、そこから添加プロトコールを決定する制御ユニットとを備える。送信素子は、トランスデューサ素子の性質に応じて、電気ケーブルまたは光ファイバ(または光ファイバの束もしくはリボン)であると見込まれるが、シグナルの無線通信を除外するものではない。様々な変換器が、測定されたシグナルと送信されるシグナルとの間の変換のために必要とされ得る。また、センサーは、結果をシステムの次の部分に送信する前に、本発明の実施形態に従って測定シグナルに対して実施されるシグナル処理の一部または全部を行うように構成されてもよい。したがって、プロセッサおよび制御ユニットの機能の一部または全部がセンサーデバイスに組み込まれてもよい。センサーと制御ユニットプロセッサの間のシグナル処理機能の分割は、好都合と考えられる任意の様式で構成され実装されてよい。
本発明の利点は、バイオリアクターの培養基または内容物の特定の栄養素または成分に特異的ではなく、栄養素および産物の濃度、廃棄物および任意の他の組成変化と共に変化する応答を有するセンサー、すなわちバルク物性を測定するセンサーを利用することが可能なことである。たとえば、リアクター内容物の屈折率は、グルコースおよびグルタメートに応じて変わるが、さらに、ラクテートおよびタンパク質産物ならびに公知であるかどうかを問わずプロセスの任意の他の副産物にも応じて変わる。屈折率などの非特異的測定を使用してバイオリアクターシステムの応答を監視し、供給パルスまたは供給速度変化に関する知識を使用することによって、フィードバック手順を介してバイオプロセスの自動制御を可能にするために十分な情報が作成され得る。この制御の詳細については後でより詳細に論じる。
図1は、本発明の実施形態に従って制御され得る例示的なシステムの概略図を示す。様々な構成要素が、(点線で示す)添加物の流れのための管、ならびに測定されたパラメータを表すシグナルの送信およびプロセスを制御する制御シグナルの送信のための(破線で示す)シグナル線によって接続される。バイオリアクター10は、使い捨てまたは再使用可能のいずれでもよく、ガラス、金属、およびプラスチックを含む様々な材料のいずれかで作られてよい。リアクターの容積は、マイクロリアクターのマイクロリットルの容積から大容積の工業生産用リアクターの数万リットルの範囲であり得る。本発明は、リアクターのサイズに関わらず適用可能であるので、リアクター容積は、必要なバイオプロセスが正常に動作され得る任意の容積であってよい。センサー11は、リアクター容器内に配置され、選択されたバルク物性を測定することによってバイオリアクター10の内容物をin situ監視する。これは、液体内容物の特性(たとえばその屈折率)であってよいが、ヘッドスペース内の気体の測定値または他の特性(たとえば誘電特性および質量増加など)を含むことができる。測定値はin situで取得され、電気または光ケーブル11aによって、センサー測定シグナルを受け取る制御装置12に渡される。制御装置12は、受け取ったシグナルを処理し結果のデータを解釈して制御シグナルを生成するようにソフトウェア(または、ハードウェア、ソフトウェアもしくはファームウェアで実装された任意の等価なデータ処理要素またはデバイス)によってプログラムされたマイクロプロセッサ12aを含む。この詳細については後でさらに論じる。たとえばアナログ電圧を使用して電気的またはアナログ的であり得る制御シグナルまたは駆動シグナルが、イーサネット(登録商標)、I2C、USB、RS485、OPCなどのプロトコールを使用して、(ケーブルまたは無線で)ポンプ13に渡されてポンプの動作を制御する。ポンプ13は、添加物リザーバ14から必要な容積または量の添加物(供給原料など)を取得し、この量の流体または固体供給原料を管13aを介してバイオリアクター内に注入するポンプシステムまたはバルブである。添加物リザーバは、添加物を、単一成分として、グルコース溶液などの水溶液として、または多成分溶液もしくは産物(たとえば、混合物としてグルコース、グルタメート、塩、アミノ酸、緩衝剤、および他の成分を含む)として貯蔵する。制御装置12およびポンプシステムは、同じ物理的な筐体またはハウジングに組み込まれてもよい(たとえば、コントロールタワーを形成する)ことに留意されたい。さらにまたは代わりに、マイクロプロセッサ12aが、センサー11のハウジング内に配置されて、センサー11が、別個の制御装置の必要なしに制御シグナルをポンプ13に直接送達するように構成されてもよい。さらなる代替形態として、マイクロプロセッサ機能がセンサー11と制御装置12の間で分割され、両方にマイクロプロセッサ12aが設けられてもよい。また、ポンプ13とリザーバ14は、併せて添加物支給機構とみなされてもよい。そのような機構は、代替的様式で構成されてもよく、機構の要件は、単に、制御シグナルに応答して必要な量の添加物をバイオリアクター容器内に自動的に送達できることである。
バイオリアクター内容物のin situ測定値は、代替的に、リアクター容積内にセンサー自体が配置されずに、リアクター内の内容物の適切な非特異的プロセスパラメータの測定値を取得できる外部センサーを使用して取得されてもよいことに留意されたい。いくつかのセンサーは、「リモート」センシング用に構成され、光ビームなどの検出シグナルがリアクターの壁またはその窓を介して送信される。このようにして、たとえば、屈折率、吸収率、および濁度が測定され得る。したがって、本発明の文脈では、「in situ測定」という語句は、どこか他で試験するためにバイオリアクター内容物の試料の抽出に依存する公知の技術ではなく、バイオリアクター内容物に対してバイオリアクター内でそれが反応している間に測定が行われることを意味すると理解されるべきである。言い換えれば、測定はin situであるが、測定デバイスは、最も厳密な意味でin situでなくてよく、リアクター内の状態を測定するためにリアクターに対して関連付けられる、近接する、または近傍にあってよい。
また、システムは、バイオリアクター内の温度制御のためのフィードバックループを提供するように構成された温度センサー、ヒーター制御装置、およびヒーター要素などの他の構成要素(図示せず)を含むことができる。他のフィードバックループが、酸素レベル、pH、攪拌、および二酸化炭素レベルなどの条件の制御のために設けられてもよい。
図2は、本発明の実施形態に従って制御され得るさらなる例示的なシステムの概略図を示す。このシステムは、図1の等価な構成要素と同じまたは類似したバイオリアクター20と、in situセンサー21と、プロセッサ22aを有する制御装置22とを備える。しかしながら、この例では、制御装置22は、複数のポンプ23、25、28を制御することが可能なように複数の制御シグナル出力を有する。各ポンプは、対応する別個の添加物リザーバ24、26、27に接続される。リザーバ24、26、27内の添加物A、B、およびCは、まったく異なる組成の、または少なくともいくつかの共通成分を有するが異なる比もしくは濃度の、栄養素または供給原料などの原料であり得る。より多くの添加物が所望されることがあり、このシステムは、それに応じて、さらなるポンプおよびリザーバを有するように拡張することができ、各ポンプが制御装置22から制御シグナルを受け取る。図示されるように、各ポンプは、別個の注入口でバイオリアクター20に供給をする。代わりに、混合マニホールドを使用して、様々なポンプからの添加物流をより少ないまたは1つの注入口に統合してもよい。そのような構成では、管内の未使用添加物中への逆流を防止することが望ましく、これは、ガス充填ヘッドスペースに添加物を注入し、逆流を防止する蠕動ポンプを使用することによって達成され得る。
図3は、本発明の実施形態に従って動作されるシステムで使用するために構成されたバイオリアクター容器の概略断面図を示す。バイオリアクター40は、センサー41がリアクター40の液体内容物40aに曝露されるようにバッグの側壁に恒久的に溶接、接着、または他の方法で取り付けられた、バッグ形式(典型的には軟質プラスチックバッグ)の使い捨てバイオリアクターである。したがって、センサー41は、バッグ内部に恒久的に取り付けられたハウジングに収容されたチップの形態であってよく、リアクター40の構造に組み込まれる。センサー41は、リアクターバッグ壁の外側で測定シグナルを中継するためのシグナル線41a(たとえば、電気もしくは光ケーブル、または自由空間シグナル送信機)を有し、これは、図1および図2に示したような制御装置に直接的または間接的に接続される。センサー41は、リアクター40のライフサイクルを通して固定され、バッグの内容物すなわち液体40aのin situ監視を行う。センサー41は、バイオリアクターの残りの部分と同じ滅菌照射(典型的にはガンマ)を受ける。
図4は、本発明の実施形態に従って動作されるシステムで使用するために構成された代替的バイオリアクター容器の概略断面図を示す。この例では、バイオリアクター42は、センサーを収容する挿入プローブと共に動作し、挿入プローブは、流体密封様式でプローブが挿入される貫通口を有する剛性の反応容器で使用するように構成されている。リアクター42は、再使用可能なリアクター容器である。これらは、通常はガラスまたはスチール構造であり、数百サイクルの使用が可能な寿命を有するように設計される。そのようなリアクターは、数百ミリリットルから数万リットルの範囲で容量を有する。製造時に、容器の外皮または壁に製造された多機能ポートが容器に設けられ、それにより、内部の状態を測定するためのプローブをリアクターに取り付けることができる。これらのポートは、通常は一般的形式である(しかしながら、しばしば特定の製造者の設計のものであり、たとえば、特定の設計形式(たとえば直径12mmまたは25mmのシャフトなど)に適合する様々なプローブに使用するIngold(RTM)ポートである)。リアクターは、完全に組み立てられたリアクターが、オートクレーブ内への配置(より小さなリアクターの場合)またはリアクターの内部が過熱蒸気に曝露される定置蒸気滅菌(SIP)(より大きなリアクターの場合)によって、蒸気滅菌されることが可能なように設計される。これら両方の構成において、(容器のポートに対して構成されたプローブに収容された)1つまたは複数のセンサーが、滅菌サイクル中にリアクター内に取り付けられ得る。図示されるように、センサー43が再使用可能なプローブ形式43aに取り付けられている。プローブ43aは、リアクター容器42内の既存の多機能ポートを通して取り付けられるように構成されたステンレス鋼構造であってよい。そして、プローブ43aはリアクター容器42の境界の一部を形成する。ベンチトップバイオリアクター(典型的には<20L)の場合、プローブ43aは、バイオリアクター42のヘッドプレートにおけるポートに便宜的に取り付けられてよく、したがって、測定されるべき培地(バイオリアクター42の内容物42a)にセンサー43が浸されるように下方に到達する必要がある。これは、典型的には、100mm超のより長い形式のプローブを必要とする。代替形態として、センサー44は、内容物42aにセンサーが直接到達するように、リアクター42の側壁に配置されたポートを介して取り付けられたプローブ44aに収容されて示される。より大きいSIPリアクター(>20L)では、リアクター42の底部に向かった側にポートを有することが好都合である。これは、典型的には、より短いプローブ長、たとえば150mm未満のプローブ長を必要とする。それぞれの場合において、プローブ43a、44aは、センサー43、44から制御装置に測定値を伝達するためのシグナル線43b、44bを有する。
さらなる代替的構成では、サンプリングまたはバイパスチューブを提供し、それを通して、流体が反応容器から、in situ測定のための内部または関連センサーを有する測定部位まで移動し、次いで容器の本体内へ再循環されまたは廃棄される。
上述されたように、屈折率は、本発明で有用に利用され得るバルク物理パラメータの例である。液体または気体においてin situで屈折率を直接的または間接的に測定できる任意のセンサー(すなわち、センサーは、屈折率を導くことができる特性を測定する)が使用され得る。適切なセンサーの例は、1つまたは複数のブラッグ格子に基づくセンサーである。このタイプのセンサーは、PCT/GB2005/002680およびPCT/GB2005/002682に説明されている。平面導波路におけるブラッグ格子は、特定のスペクトル応答を有し、流体試料を受け取るための重なる窓を備える。窓内の試料の存在は、格子応答を修正するために、格子内を伝播する光のエバネッセント波が経験する実効モード屈折率に影響を与える。格子応答は流体の屈折率に応じて変わるので、(格子により反射または透過された光を検出することによる)スペクトル応答の測定により、屈折率に関する情報が与えられる。反応が発生するときにバイオリアクターの内容物に生じるような流体屈折率の変化が、反射された光シグナルのスペクトルシフトを引き起こすので、反射された光シグナルの監視により、屈折率の変化するパターンの標識が与えられる。この光の変化は、様々な異なる方法で読み取ることができ、たとえば、広帯域光源を使用して格子およびスペクトル分解検出器(たとえば光スペクトルアナライザー)に光を向けて反射光を収集することによって、または波長可変レーザーおよびパワー検波器を有することによって、または波長可変フィルタに基づく格子インテロゲータなど多くの公知の商業的手法の1つを利用することによって読み取ることができる。そのようなセンサーからの生のシグナルは、ランダムノイズの影響を低減するために平均化およびフィルタリングされ、それ自体が測定される流体の屈折率の関数である記録されたシグナルの精度を改善することができる。
このように動作する市販のブラッグ格子ベースの屈折率センサーが、Stratophase LimitedによりRanger Probeデバイスとして製造されている(http://www.stratophase.com/downloads/Ranger−Probe−Technical−Specification−V2.1.pdf)。
しかしながら、他の屈折率センサー、たとえば、異なる様式でエバネッセント波の変化およびモデル屈折率を検出するように構成されたセンサー(たとえば、マッハツェンダベースのセンサー)、または上記に定義された任意の他の非特異的プロセスパラメータを測定するように構成されたセンサーなどを使用してもよい。任意の適切なタイプのセンサーによる任意のパラメータの測定が、本発明による制御シグナルを得るのと同じやり方で処理され得る。
いずれの非特異的なプロセスパラメータが選択されても、それはバイオリアクター内の生物学的プロセスが進むにつれて変化することになる。供給原料または他の添加物がバイオリアクター内に導入されると、バイオリアクター内容物の組成にかなりの変化が起きて、これがプロセスパラメータの変化する値に反映される。この変化する値を監視することによって、本発明は、いつ添加物の次の用量を注入するのが適切かを決定する方法を提供する。これは、プロセスが所望の終点に達するまで多くの添加サイクルにわたり続けることができ、内容物の組成を参照することなく添加物が所定の規則的間隔で注入される規則的供給方式と比較して改善されたプロセス出力を提供することができる。
バイオリアクター内容物の組成の変化は、供給原料が添加され消費されるときに変化する供給原料のレベルだけに起因するものではない。生物反応は複雑であり、非特異的プロセスパラメータ、たとえば屈折率は、供給材料レベルと細胞代謝の両方(さらに場合によっては他の因子)によって変化する。結果として、選択されたバルクプロセスパラメータの測定値から、グルコースなどの特定成分の基本的濃度を分離することは簡単な問題ではない。本発明によれば、異なる手法が取られ、この手法では、非特異的プロセスパラメータシグナル(たとえば屈折率傾向)が記録され、特定の組成データの値の導出を試みずにリアクター内容物に関する情報を決定するために使用される。
本発明者らは、バルク特性非特異的プロセスパラメータが監視されるとき、単一の添加サイクル(添加物用量の注入から次の用量が必要とされるときまでの時間)が、3つの別個の段階からなると理解され得ることを認識した。サイクルの合計継続時間をt4として指定される場合、サイクルはt4=t1+t2+t3と記述され得る。
図5は、供給事象に対するin situ測定された非特異的プロセスパラメータ(シグナル)の理想化された時間応答のプロットを示す。(生物反応プロセスでの傾向を記述するので)本明細書でプロセス傾向としても説明される時間応答、たとえば屈折率の変動が、時間に対するシグナルレベルのプロットにおける線50として示されている。サイクル長t4は、51として示される期間t1から始まる。これは、供給原料または他の添加物の用量がバイオリアクター内に注入されるときの供給事象または供給パルスの継続時間である。注入は有限時間t1を要し、この時間中に、シグナル50の変化が供給原料の添加の影響を受ける。この例では、添加された材料に対してシグナル応答が大きく増加する。これは、たとえば、グルコースがエタノール生産プロセスに添加された場合に起きる。
供給事象の終了時(t1の終端)に、52として示される次の段階t2が始まる。これは、化学的混合および過渡的な生物学的および代謝的プロセスが平衡化する過渡的な安定化段である。t2の継続時間については以下でさらに論じる。
安定化段の終了時に、53として示される次の段階t3が始まる。この段階は測定段であり、この段において、供給事象中に添加された供給物が消費され、変化する測定シグナル値が、本発明に従って、いつ次の供給事象を始めるかを決定するために使用される。これについては以下でさらに論じる。次の供給事象開始時間が決定されて、その時間が到来すると、測定段t3が停止し、サイクルt4が完了し、時間t1を要する次の供給事象が始まる。したがって、サイクルは、生物反応プロセスが完了するまで、t1、t2およびt3を必要に応じて繰り返す。
この例では、測定段t3中に、たとえば、グルコース濃度が消費されると共に減少して結果としてエタノールが生成されるため、シグナルが低下している。エタノールはバイオリアクター内容物の基本的水性環境と同様の屈折率を有し、したがって屈折率の正味の低下がある。したがって、屈折率を測定している場合、図5に示される形態のシグナル50が期待される。
図6は、供給事象に対する、ただし異なるタイプの生物反応に関するin situ測定された非特異的プロセスパラメータ(シグナル60)の第2の理想化された時間応答のプロットを示す。供給事象t1(61)中の供給物の添加により、この例では測定された屈折率であるシグナル60の比較的小さな変化が発生する。これは、典型的には、生物反応産物が供給材料よりも大きな影響を屈折率に有する場合に発生し、その例は、CHO哺乳類細胞におけるタンパク質産生に対するグルコースの添加であってよく、その場合、タンパク質は屈折率に対してはるかに大きい影響を有する。したがって、測定シグナルは、添加され消費されるときに供給原料ではなく産物の量に影響される。したがって、シグナル60は、供給原料が添加されたときに少量のみ増加する。
供給事象が終了した後、安定化段t2(62)が始まり、前と同様に測定段t3(63)につながる。この例では、t3段階では、供給原料の消費に応答してタンパク質が生成されると、シグナル60(屈折率)の増加が見られる。基礎となる栄養素(供給原料)が枯渇しているので、屈折率に対するグルコース濃度の寄与も低下するが、タンパク質および他の副産物の増加が、この負の寄与を相殺するよりも大きく、したがって、全体的傾向としてt3中にシグナルが増大する。測定段t3は、t3中に行われた測定に応答して次の供給事象がスケジュールされたときに終了する。
このプロセス全体では、供給原料の添加はシグナルの小さな正の変化を発生し、供給原料の消費はシグナルの大きな正の変化を発生するが、これと対照して、図5のプロセスでは、供給原料の添加はシグナルの大きな正の変化を発生し、供給原料の消費はシグナルの大きな負の変化を発生する。他のパターンも可能であり、たとえば、栄養源としてメタノールを使用するプロセスは、希釈効果による屈折率の低下を発生し、したがって、シグナルがt1中に負の変化を示す。サイクル時間t4にわたるシグナルの変化は、生物反応、添加物、および産物の性質に完全に依存するが、サイクル時間t4を段t1、t2、およびt3に分割する概念は依然として成立し、本発明の実施形態による制御方法は、各段のシグナル変化方向に関わらず適用可能である。
安定化段t2は、供給事象の終了と測定段の開始との間の時間である。測定段t3は、シグナルが次の供給事象開始時間を決定するために使用される期間であり、この決定が行われるときにシグナルが特定の様式で挙動しており、それにより有意義な結果が得られることが好ましい。生物反応は、測定期間に適した挙動が始まる前に供給事象後の安定化期間を経るが、この安定化期間の長さはt2が設定され得るように決定されるべきである。一部の実施形態では、t2の継続時間は、各サイクルt4について同じに維持され、他の実施形態では、たとえばリアクター内の成分容積の変化に対処するために、t2は、現在または最近の測定値に応答して動的に調整され得る。t2の長さを決定するために、あり得る手順として、関与する生物反応、供給原料、および細胞型を表すバイオリアクター内で初期較正実行を行い、少なくとも1つの添加サイクルにわたるin situ測定センサーによって測定された結果の非特異的プロセスパラメータシグナル(たとえば屈折率傾向曲線)を観測する。供給事象に関連し、それに従う過渡的応答(たとえば、図5および図6に示される測定シグナルの小さな低下)を観測することにより、過渡的現象が低減または終了するようにt2の継続時間を選択することができ、測定傾向が、必要な挙動(数学的に決定可能であり、以下でさらに論じる)に従って開始するように観測される。この時間は、細胞タイプ、反応タイプ、リアクタータイプに応じて異なり、したがって、このように較正実行の観測によって好都合に決定される。たとえば、最大数週間続くことがある哺乳類細胞プロセスでは、供給後の平衡または安定した挙動を回復する時間(t2)は、15分間から2時間の範囲であってよく、供給事象は(例として)およそ毎日行われ得る。対照的に、大腸菌などの微生物プロセスの場合、プロセス全体は数時間実行され、供給事象がわずか約5分毎であるので、t2は、5秒から30秒の範囲になる可能性がある。t2を設定するための任意選択の技術を以下でさらに論じる。
t2が設定されてサイクル時間中に経過すると、測定段t3が始まる。t3中に測定されたシグナルに対して数学的な曲線あてはめとさらなる処理が行われ、いつ次の添加段t1(供給事象)が始まるべきかを決定する。これについては後でより詳細に論じる。これから得られた結果を改善するために、測定されたシグナルをフィルタリングしてノイズを除去することが可能である。任意の供給事象中およびその後に、信号対ノイズ比が限られており、添加物が注入されるときの内容物の混合、散布状態、および(内部発熱または活性加熱による)温度変動を含む、シグナルを乱す過渡的事象の複数の発生源がある。これらの事象のいくつかは公知の周波数で発生する可能性があり、(たとえばフーリエに基づく手法を使用する)フィルタリングによって除去することが比較的簡単であるが、実際には、複数の寄与が相互作用してノイズを生成することが見出され、有利には、用途に応じて調整されたより頑強な方法が使用され、特に非特異的プロセスパラメータセンサーで有用であることが分かる。非周期的なノイズ寄与の一例は、予期できないシグナル変化(ノイズ)を引き起こすランダムな方法でセンサー表面に着脱する散布プロセスで生成される小さな泡により生じる。
信号対ノイズ比を説明する際に、任意の測定に固有のノイズが存在することを認識することが役立ち、このノイズ源を緩和するために様々な技術が実装され得る。たとえば、屈折率が、選択された非特異的パラメータであり、上述されたようにブラッグ格子ベースのセンサーで測定される場合、ノイズフィルタリングの適切な選択は、スペクトル測定値を記録するのに使用される技術に応じて異なるが、一般的に、格子位置の曲線あてはめを用いる各測定サイクル中の反復スペクトル測定と、時間経過に伴う曲線あてはめの反復測定との両方から利益を得る。移動平均および他のより複雑なフィルタリングなどの手法を利用してもよい。測定されるパラメータおよびセンサーの性質を考慮して、他のノイズ低減技術を使用してもよい。
しかしながら、リアクター内容物(ひいては屈折率などの測定パラメータ)の変化を表すという意味で、真のさらなるノイズのような特徴(またはシグナルの変動)が存在し、それらは、物理的原因(攪拌、温度変化など)、または生物媒質における過渡的変化(たとえば、バックグラウンド流体における変化する濃度に対する細胞の応答)によって駆動される。真のプロセス変動であるこれらのノイズの発生源は、シグナル処理(フィルタリング)によって単純に低減させられないが、生物学的プロセスの文脈で取り扱われる必要がある。
図7は、実際の実験データのグラフを示し、測定されたトレースに対する典型的なノイズおよび変動を例示する。グラフは、測定シグナル70として、時間と共に変化する(バイオリアクター内容物の屈折率の測定値を表す)ブラッグ格子センサーのスペクトルシフトを正規化された単位で示す。バイオリアクタープロセスは、栄養素として水中のグルコースを有する低温で実行される酵母ベース(Saccharomyces cerevisiae)発酵であり、主な産物としてエタノールおよびバイオマスを生産する。このデータは、(適切なノイズフィルタリングが適用された後の)真のプロセス変動を示す。0.5時間目および8時間目に発生するシグナル70におけるほぼ垂直な線71、72は供給事象である。プロセスはグルコースにより供給が支配的であり、したがって、供給事象は、平面ブラッグ格子センサーからの測定された反射波長において有意な正のステップを与える。より小さなステップ形状73は、典型的には、感知領域における(二酸化炭素の泡などの)一時的な変化に関連し得るトレースの可逆的アーチファクトであり、後の小さなピーク形状74は、典型的には、リアクターにおける生物学的産物の流れに関連する。
前述のように、生シグナルデータに対する適切なフィルタリングおよびシグナル処理は、(図7の例のような)生物反応プロセスの実際の傾向を示すデータ、すなわち、たとえば2.5秒毎に1つのデータ値であり得る最高時間周波数プロセス傾向データをもたらす。そして真のプロセス変動を取り扱って、供給事象時間を決定するために真に有用なデータを作成するために、以下のことを行うことができる。
− t2(平衡化が起きたと見込まれる安定化期間またはブランキング)の終了後にフィルタリングされたデータの分析を始める。
− 最小時間窓を定義する。窓の長さはプロセスに応じて変わり、継続時間、たとえば60秒として、または収集された測定値またはデータポイントの数、たとえば約30から40のデータポイントの数として定義され得る。窓の値は、屈折率を測定するためのブラッグ格子センサーの状況で先に説明された生のスペクトルデータに対して行われるデータ平均化および平滑化に関係付けられ得る。最小時間窓は、その間に測定値が蓄積されるバッファと考えられてよく、非常に遅いプロセスについて長時間であり得る。最小時間窓の目的は、数学的曲線あてはめステップである次のステップを正確にできるようにすることであり、変化するシグナルを適切に表すあてはめを達成するために最小限のデータ量が必要となる。
− 最小時間窓全体にわたるシグナルの測定値を記録する。これは実際のプロセス傾向データである。
− 最小時間窓の終了時に、収集された測定値に曲線あてはめ手法を適用して、実際のプロセス傾向データに多項式曲線をあてはめる。最小二乗、絶対偏差、または非凸手法など、任意の曲線あてはめ手法を使用してよい。好ましくは、多項式は低次多項式である。一実施形態では、二次多項式(二次方程式)が使用される。測定値収集および曲線あてはめは、最小時間窓の終了後に実施することができる。本発明者らは、多項式曲線、特に低次多項式が、供給事象の後に内容物が安定化した後の期間においてバイオリアクター内のバルク特性パラメータの変化の優れたモデルを提供すると決定した。
− 多項式(多項式係数)からの補間された値を、現在フィルタリングされ計算されたプロセス傾向を表すものとして記録する。最小時間窓のかなり端で計算された値を使用せず、ことによると窓の開始時の約5個の値を破棄することが有益であり得る。
− 得られる計算されたプロセス傾向を使用して、後述されるように将来の供給事象を決定する。
最小時間窓の長さは、システムの設計者または制御されるプロセスのオペレータによって設定され得る。代わりに、最小時間窓長は、1つまたは複数の先行の完全なt4データサイクルから計算された自動プロセスを使用して制御装置によって最適化および再設定されてもよい。最小時間窓の設定が短すぎると、計算されたプロセス傾向に望ましくない振動が発生する(それにより、制御装置が供給事象を正確に決定するのが難しくなる)。他方で、最小時間窓の設定が長すぎると、フィードバック供給システムの性能を低下させるかなりのタイムラグ、ならびに重要な情報および制御の損失が発生する。したがって、最小時間窓は、好ましくはこれらの極限の間でバランスがとられる。最小時間窓を決定する経路は、低次多項式あてはめとプロセス傾向データの間の符号交差(sign cross−overs)に基づく分析を使用することができる。この情報の分析および最小時間窓長に対するその依存性が、最適な動作を達成するために使用され得る。しかしながら、最小時間窓の正確な長さは重大ではない。
安定化期間t2の長さの設定に手短に戻ると、t2の適切な終了時間は、多項式でモデル化され得る曲線に従うようにシグナルが開始する近似点に注目して、較正測定値の観測から決定されてよい。実際、較正データを使用して、低次多項式をプロセス傾向データにあてはめて、多項式があてはまらなくなる点としてt2とt3の間の接合を識別することによって、逆に作用することができる。たとえば、多項式あてはめからの偏差の閾値が決定され、シグナルがこの閾値を超える時点がt2期間の終点として指定されてもよい。たとえば、終点は、あてはめられた多項式の局所誤差が最小時間窓(または、t3の開始時の他の期間)にわたるあてはめの平均誤差の2倍を超える、t1の最後に最も近いt2の点として決定されてもよい。そうでなければ、終点は、生の測定データが(生データにおけるノイズ変動を受けて、かつ/または考慮に入れて)あてはめられたデータと交差しなくなる点として決定してもよい。あるいは、終点の判断は、単純に目によって行われてもよい。t2の継続時間を設定するための他の方法も適宜に使用されてよい。
図8は、図7の実際のプロセス傾向データ(曲線80)のグラフを示すと共に、計算されたプロセス傾向データである二次多項式曲線(点線の曲線85)も示す。供給事象段t1が時間81として示され、その後に時間82を有する安定化期間t2が続く。84として示される測定段t3が続き、測定段の開始部分で、より短い期間83が示されて、これが最小時間窓である。したがって、データは、期間83にわたって収集され、次いで多項式をあてはめるために使用され、計算されたプロセス傾向データの継続した点線の曲線85によって示されるように、実際のプロセスとのあてはめが最小時間窓の終端を超えてt3の終端まで継続する。
計算されたプロセス傾向データは、曲線あてはめによって使用可能になると、供給または他の添加物注入のためのプロトコールの決定で使用され得る。制御装置は、計算されたプロセス傾向を使用して、以下でさらに説明する様式でプロトコールを導出し、次いで、プロトコールに従って適切な制御シグナルをポンプに送って添加物を送達する。
実施形態において、計算されたプロセス傾向は、たとえば二次多項式であり得る多項式の係数を求めて、それらを使用して計算されたプロセス傾向の導関数(たとえば、図8の曲線85)を計算することによって分析される。計算されたプロセス傾向の導関数は、生物反応プロセスの生物活性または代謝のレベルに関係するので、代謝率指数(MRI)と呼ばれることがある。低次多項式を実際のプロセス傾向データにあてはめ、この多項式の導関数としてMRIを抽出するこの手法の利点は、単純な測定シグナルの導関数が直接取られた場合よりもノイズに対する感度がはるかに小さいことである。これは、システムにおける実際の代謝変化を表し、ノイズよりもしばしば大きい前述した真の変動が存在するためであり、これらの変動の観測が生物反応の制御に役立つことが見出された。
MRIの概念が定義されたので最小時間窓に手短に戻る。この窓は有効に後続の計算の十分な正確さを保証するのに十分な量までデータが収集されるバッファであることを想起すると、最小時間窓期間を用いて決定する例示的な技術は、MRI値が計算された後にMRI値の最小摂動を生成する、長さまたは等価的なバッファサイズを求めることである。MRIの導関数を計算し、曲線あてはめの小さい残差を維持しながら、バッファサイズ/窓長を変化させて最小ピーク間大きさを有する値を求める。次いで、この長さは最小時間窓長として使用される。言い換えれば、窓長は、対応するMRI値における最小ノイズまたは誤差、およびあてはめられたプロセス傾向の良好なR値(たとえば、0.9またはそれ超の値など)を有するものを選択するために、バッファサイズの範囲にわたって既に収集されたデータの計算解析によって遡及的に決定される。しかしながら、十分な精度を与えるとみなされる適切な窓長または長さの範囲を決定するために、他の技術が使用されてもよい。たとえば、較正実行によるデータに基づいて固定窓長を設定することができ、または、選択された数の先行の供給サイクルにわたる平均化の使用を含めて、現在または最近または先行のデータに従って窓長を動的に更新してもよい。
図9は、複数の供給サイクルを含む、Saccharomyces cerevisiae発酵実行の後期のプロセス傾向データのさらなるグラフを示す。実際のプロセス傾向(実線90、左側縦軸でプロットされる)が、4つの供給および消費サイクル(t4)にわたって示される。これらのサイクルについて計算されたリアルタイムMRI値は、右側縦軸でプロットされた点線91として示される。MRI曲線91の不連続性に留意されたい。これは、MRIが、完全なt4サイクル期間でなく、すなわちt1またはt2中でなく、t3測定期間のみにわたって実際のプロセス傾向データ90にあてはめられる計算されたプロセス傾向データから導出されるためである。
MRIは、いくつかの方法で供給条件(添加プロトコール)を決定するために使用され得る第1の例では、MRIの係数の絶対値を使用して供給事象を決定することができる。一例では、システムは、問題の生物反応における細胞型の一般的性能の事前知識に基づいて最小絶対値に関してMRIを監視し、最小値が次の供給事象をトリガーする。しかしながら、絶対MRI値はプロセス間で変動する傾向があり、方法の性能にとって重大ではないが、供給事象の適切な制御を失敗させるおそれがある。したがって、より信頼できる結果を得るために、より洗練された手法が好ましいことがある。このような手法のもとでは、最後の添加物注入(供給事象)以来に発生した最大MRI値が識別され、瞬間MRI値を正規化するために使用される。この正規化された値は比であると考えることができる。次いで、閾値が定義されてよく、供給事象のトリガー(次の期間t1の開始)が、閾値よりも比が低下すると発生するように設定される。閾値の有用な値は、典型的には0.1から0.9の範囲にあり、より有用には0.3から0.9の範囲にあるが、問題の生物反応に応じて異なる。例示的なシステムでは、0.4の閾値が広く利用されている。したがって、現在のt4サイクルにおける期間t3は、t1が開始したとき、次の供給事象で終了し、後続のサイクルにおけるt3の長さは、リアクター内の状態に応答して変わることが見込まれる。結果として、本発明は、最も適切な時間に次の供給事象の自動送達を実現し、生物反応プロセスに対する優れた制御を与える。正規化されたMRI値に基づく比の手法は、生物反応プロセスを開始するのが遅いことがある細胞に適応するが、細胞の性能に応答して供給が適応する場合に回復するという点で有用である。この適応応答は、絶対MRI値が制御に使用される場合に可能でない。比の手法はまた、バイオリアクター内容物にセンサーを長く浸した後に起こり得るセンサー性能の任意のドリフトを補償する。
図10は、図9と同じ実際のプロセス傾向データに基づくグラフを示す。しかしながら、図10は、左側軸でプロットされた点線100としてのMRI曲線と共に、対応するトリガー比(右側軸にプロットされた実線101)を示しており、トリガー比は、最後の供給パルス以来の絶対最大MRIによって割られた現在のMRI値の比である。この例では、トリガー比の閾値が0.4(線102)に設定され、比が0.4を下回るときに供給事象がトリガーされるようにされた。バルクプロセス特性の測定値が供給事象および安定化期間中に無視される事実から起きる、曲線の不連続性に再び留意されたい。
したがって、本発明の実施形態によれば、制御装置は、プロセス全体の一部の間でのみ導関数値(MRI)を決定するようにプログラムされ、これによって、より信頼できる制御を実現することが可能になる。特に、注入および混合が行われている(t1として指定される)各供給事象を起こした直後の期間が存在する。さらに、バイオリアクター内容物が安定して有効な平衡状態に戻る(t2として指定される)連続した期間が存在する。これらの期間の両方が無視されて、(t3として指定される)後続の期間に、実際のプロセス傾向データから導関数のMRI情報が計算される。このサイクルは、サイクル継続時間t4=t1+t2+t3で反復されるが、t3を変更することにより、最適化された供給を提供するようにt4の長さが変更されることに留意されたい。
したがって、本発明は、測定された非特異的プロセスシグナルの時間微分(temporal differentials)を計算するが、各供給事象中およびその直後に発生する応答を無視することを提案する。供給事象間のみに導関数を計算することを選択することにより、有意義な自動供給プロトコールを決定するために十分にリアクターの活動を相関させることが可能である。
ここまで、この方法は、実際のプロセス傾向データに多項式曲線をあてはめることを含むものとして説明している。この曲線あてはめの目的は、大きく減衰されたシステムから取得され得るものに対応するプロセス傾向データを取得することであり、これにより、次いで、バイオリアクター内容物において発生する生物反応のバルク変化をより正確に表すMRIが与えられる。それにより、MRIを使用して行われる供給事象予測が向上される。したがって、本発明は多項式曲線あてはめに限定されず、減衰されたプロセスを同様にモデル化できる他の数学的方法も同等に使用され得る。他の数学的曲線、たとえば、指数曲線または代数的に定義された関数があてはめられてもよいが、他の曲線を除外するものではない。しかしながら、指数曲線または二次多項式曲線が好ましいことがあり、これらは、典型的なプロセス傾向データに対する非常に満足なあてはめを与えており、さらに実装するのが数学的により簡単であることが見出されている。代わりに、曲線あてはめ以外の方法が使用されてもよく、たとえば、実際のプロセスデータを平均化して、特に強く平均化して、計算されたプロセス傾向データを得てもよい。さらに、いくつかのシステムでは、実際のプロセス傾向データの数学的処理がまったく必要ではなく、t2が経過した後に実際のプロセス傾向データの導関数を直接計算することによってMRIが取得され得る。これは、たとえば、ほとんどノイズにさらされない非常に安定したプロセスに適用可能であり得る。
結果として、あてはめられた多項式曲線を参照する本明細書の全ての説明は、減衰されたシステムをモデル化するために同様の数学的方法によって処理されるプロセス傾向データに同様に適用され、さらに、数学的処理なしでMRIがそこから直接導出されるプロセス傾向データにも適用される。
さらなる実施形態では、供給事象中に送達される供給物のサイズは、システムの性能を最適化し、反応において生物学的実体が曝露される供給条件(たとえば、供給原料がグルコースである場合にグルコース濃度など)の範囲を低減するように変更され得る。たとえば、最小時間窓条件(言い換えれば、t3≧最小時間窓)が満たされる前に(通過される比の閾値によって示される)供給の必要が発生しないように、さらに、最小時間窓サイズの約2倍(t3≒2×最小時間窓)の後に次の供給事象が発生すべきように、供給サイズが初期に設定され得る。他の倍数のおそらく1.2から10の時間窓サイズが、この初期設定に使用されてもよいが、低倍数ではノイズからの望ましくない影響を受けることがあり、また、より高い比は、対応して大きな供給量を有し、リアクター内の後続の供給濃度が所望され得るよりも大きな範囲であることは理解されよう。システムが供給事象(t4サイクルの反復実行)を介して循環すると、より小さい極度の倍数の最小時間窓を有するt3の値をおそらく目標にして、供給サイズが調整され得る。供給サイズを決定するためのアルゴリズムは、先行の供給サイズ(たとえば、最後の供給または最後の3つの供給サイズ)に関する情報、先行の供給サイクル中の最大MRIに関する情報、および現在のMRIまたはプロセス傾向に関する情報に依存してもよい。
MRIを使用する多くの制御手法が、上記に対する代替として展開され得ることは理解されよう。制御装置は、計算されたMRIから供給事象時間および供給サイズを決定するための所望のアルゴリズムを実行し、それに応じてポンプを動作させるために対応する制御シグナルを送るように構成されたソフトウェアによってプログラムされ得る。
これまで、本出願では、測定期間中に供給がゼロであり、供給物が注入される時間の別個の期間を有する、本質的にオンオフの性質の供給および添加プロトコールについて論じてきた。代替実施形態では、2つの非ゼロレベル、すなわち(局所的供給消費速度を超える)高レベルと(局所的供給消費速度を下回る)低レベルとの間で切り替わる供給または添加速度を利用することが可能であり、それにより、連続的バックグラウンド供給を低レベルで提供する。高供給レベルが送達される期間は、期間t1にわたる供給事象に対応し、低供給レベルは、期間t2およびt3を占める。高供給レベルおよび連続的バックグラウンドレベル(低供給レベル)は、MRI誘導制御が効果的に動作するために適切な信号対ノイズ比を与えるように選択することができ、また、最適化パラメータとしてプロセス実行中にわたって変更することができる。この方法はまた、多くのサイクルを占有するプロセスの完全な実行における供給レベルの変動を低減する助けとなることができる。
図11は、そのような非ゼロの低レベルベースライン供給手法を有するプロセス中の事象の理想化された例示的なグラフを示す。(期間t4にわたる)供給サイクルは、t3測定段階中にゼロ供給または添加フローを必要としない。測定されたシグナル110(たとえば屈折率)は、図5に示されるのと同様である。バイオリアクター容器内に供給原料または他の添加物を送達するポンプは、2つの流量、すなわち局所的供給消費速度113を下回る低速度111と局所的供給消費速度113を上回る時間t1中の高速度112との間で変化する流量(破線)を有する。これらの値は、(供給事象期間t1中の速度は変化し得るが)相対的段階中は一定であり、局所的平均供給要件を満たすように流量が図示されるようにずれる限り、既に説明された供給計算は同じままである。t3中の非ゼロの供給速度の影響は、任意の所与の供給量の供給頻度の低下であり、これは、たとえば、ポンプ使用量を低減するために、または時間経過と共にリアクター内容物組成をより均一に維持するために望ましい方式であり得る。
図12は、さらなる非ゼロのベースライン供給手法、すなわち、多くのサイクルのプロセス実行中に低速度供給量と高速度供給量の両方を変更することを含む適応供給サイクルを示している例示的なグラフを示す。MRI120は、左手軸に対してプロットされ、平均化された別個の供給事象によって生じるステップを有する。これは、所与のプロセスの全体的な活性プロファイルを表すことができる。局所的供給消費速度121も示されており、これは、プロセスにわたって、その時点でのバイオリアクター内の活性に応じて変化する(これはプロセス傾向およびMRIの両方とは異なるパラメータであり、供給段階を通してのみ得られることに留意されたい)。図11の先の例では固定供給流量を使用していたが、高速度も低速度も固定されたままである必要がない。むしろ図12に示されるように、供給サイクル毎に異なることが可能である。先行のサイクル(t3の期間)のトリガー閾値に達する時間のMRI値および長さに基づいて、図示されるように、おそらく全てのサイクルにおいて、高流量および低流量が変更され得る。これらの変化する速度は、右側軸に対してプロットされた線122および線123としてそれぞれ示されている。これにより、プロセスの変化する性質にわたって、生物体と測定システムの両方について最良の条件を維持することができる。
本発明の実施形態による制御方法およびシステムは、MRIトリガー供給プロトコールがMRI値の符号(sigh)に関わらず機能するという利点を提供し、実際に、この方法において、MRIは、自動制御が継続して動作することを妨げることなく、プロセス実行中の符号を変更することができる。符号変化は、複雑な生物学的増殖プロセス、たとえば、初期細胞コロニーが増殖し、繁殖し、産生し、次いで細胞壊死をするプロセス中に発生し得る。これらの変化のそれぞれは、バイオリアクター内容物の(屈折率などの)基本的バルク物性を複雑な方法で修正させることができ(たとえば、いくつかの段において、屈折率は、供給材料により、また段階的にプロセスの産物により影響され得る)、本発明のさらなる実施形態は、プロセスの寿命を通して制御を維持することができる。
さらなる実施形態では、本発明は、たとえば図2に示されるようなシステムで実施される、複数の供給原料または他の添加物を伴う生物反応に適用され得る。これまで説明した制御方法は、複数の供給原料の制御および送達の最適化に容易に拡張され得る。
これは、一部の実施形態では、所定のパターンまたはシーケンスに従って各供給原料または添加物の注入を個々に制御し、各注入(供給事象)からもたらされた導関数データ(すなわちMRI)を分析し、たとえば供給事象が失敗とみなされた場合に異なる供給原料に切り替えることにより、分析によって示されるように供給プロトコールを修正することによって実施され得る。
図13は、複数の供給原料を有する反応の制御を表す理想化されたデータのプロットを有するグラフを示す。例示的なプロセスに関するMRI130は、第1の図示の期間中に大きな絶対値(図では負の値としてプロットされる)を有する値からより小さい値に変化する。MRIが予め決定されたトリガー閾値を下回って低下すると、供給Aのような一次供給について供給事象がトリガーされる。供給事象時間t1および次の安定化期間t2(131)が経過し、測定期間t3に入った後、この例では、MRI値132が先行の値130から継続しており、(たとえば許容差内で)供給Aの供給事象に応答していないことが明らかとなる。(計算されたMRIが合理的に一定であるように)信頼できる測定のために最小時間窓が経過すると、第2の供給の供給事象、すなわち供給Bがトリガーされ得る。これは、t1中に送達され安定化期間t2(133)を伴う。後続の測定期間におけるMRI134の増加が観測され、供給事象は成功したとみなされる。しかしながら、供給Bの供給事象がMRIの増加で生成されなかった場合、それは不成功とみなされ、第3の供給の供給事象、すなわち供給Cが、先行のサイクルで供給Bが供給Aと置き換わるのに使用されたのと同様にトリガーされ得る。代わりに、オペレータに自動的に通知されてもよい。しかしながら、この成功した場合では、プロセスは続いて、次の供給事象が供給A(135)に戻り、それがMRI136の増加をもたらすが、以前より遅い。供給A(137)を使用するさらなる供給事象は、MRI138を再び増加させることができず、したがって、次の供給事象(139)において、以前のような最小時間窓の後に適用される供給Bに置き換えられる。サイクルは、プロセスが必要な終点に到達して終了されるまで継続される。
要約すると、複数の供給原料の使用の例では、成功した供給事象はMRIを増加させ、測定時間全体の後の一次供給原料を有する供給事象が続けられ、一方、成功しない供給はMRIを増加させず、最小時間窓に限定された測定時間の後の異なる供給原料を有する供給事象が続けられ、全ての使用可能な供給原料が試されるまで行われる。たとえば、自動アラートを介して得られるユーザの介入、または一次供給原料へ戻ることなど、適切な次の段がトリガーされる。
さらに、システムは、各供給原料の有効(成功)および無効(失敗)の供給の数がプロセス内で追跡される、より複雑な複数の供給原料モードで動作してもよい。無効な供給に応答して、対応する供給原料は、供給シーケンスにおけるより低いインデックスまたは順番に移動される。したがって、上記の例に関して、A−B−C供給原料シーケンスは固定されておらず、むしろプロセス実行にわたって動的に変化する。また、各供給原料の総用量が、時間に対してログ記録され、次いで、同じプロセスのその後の実行のための「種」または初期供給原料シーケンスを決定するために使用されてよく、そうすることで、たとえば、最大用量の供給原料が将来の一次供給原料として設定される。この用量情報はまた、通常、同じ細胞株プロセスの非フィードバック制御実行のための供給組成および用量率を推定するために有用に使用され得る。
追加の修正形態として、制御装置は、前述のMRIフィードバックループによって制御されない供給原料または他の添加物を添加するようにプログラムされることが可能である。たとえば、1つまたは複数の追加の添加物は、フィードバック制御によって決定された供給事象時間と独立した固定された速度で周期的な供給サイクルで注入されてもよい。別の例では、制御装置は、フィードバック制御に加えて、予め設定されたサイクルで注入を行うことができるので、設定された時間(ことによると24時間)よりも長く所与の供給が制御アルゴリズムによって要求されていない場合、その供給原料の小さな用量が、自動的にまたはオペレータの要求に応じて追加され得る。加えて、制御装置は、これらまたは他のタイプの任意の供給事象(オペレータによる手動供給物注入など)をt4サイクルの通常の供給事象として扱われるように構成されてよく、したがって、この供給事象の継続時間がt1として扱われ、次の自動供給事象の時間を設定するために使用される次のt4サイクルの開始と捉えられる。これにより、制御装置によって提供される自動プロセス制御を中断することなく、ことによると「1回限りの」事象として、制御されたプロセスの外部での成分、添加物、または供給原料のユーザの裁量による添加が可能になる。
本発明の実施形態は、さらにプロセスの終点を決定するために使用され得る。これは、MRI値を分析して、終点条件をマークするとみなされるある所定の閾値より下に(既に論じられたトリガー比値でない)絶対MRI値が低下する点を決定することによって達成され得る。たとえば、供給事象間の時間(t4の長さ)がある最大値を超えて延長する場合、または(絶対もしくは計算された)プロセス傾向がある所定の制御値を超えて移動する場合、他の手法が採用され得ることは理解されよう。制御装置は、これらの基準の1つまたは複数を監視し、基準が満たされたことに応答して、終点に接近しているという警告をオペレータへ送るなどの適切な処置を取るように構成され得る。プロセス終点を自動的に決定するこの能力は、重要なインフラストラクチャの使用を改善できるので、工業環境において有用であり得る。
同様に、制御装置は、バイオリアクター内容物のバルク特性および/またはMRIに測定可能な影響を有する他の事象を監視することができ、また、供給の適切な発生の失敗、バイオリアクター培地の汚染/感染などの特定の条件をオペレータに警告する情報を送ることができる。供給の失敗は、供給原料が送達されないことを意味する壊れたポンプや空のリザーバなどの実際的な障害、および、供給物の添加がMRIの期待される変化をもたらさないという点で供給事象が無効または不成功とみなされるプロセス内の失敗を含む、ある範囲の「失敗」事象を含み得る。
これまで説明した自動化は、バイオリアクターシステムをユーザの接触を必要としないスタンドアロンシステムにすることを可能にし、さらに、終点が検出された後に次の処理段、たとえば熱停止またはリアクター容器の排水へ自動的に産物を移行するように構成され得る。しかしながら、(無線通信およびインターネットを含む)通信を使用することによって、システムがプロセス状態についてオペレータに警報を出すことが可能である。警報は、警告表示、携帯電話へのテキストメッセージ、および可聴警告などの形態であってよく、これらは全て、特定の検出された条件に応答して制御装置によって作成される。制御装置は、応答をログ記録しエスカレートしてもよい。たとえば、ユーザ入力を要求するように予め決定された事象が発生し、その入力が定義された時間内に発生しない場合、スーパーユーザまたはより高いレベルの管理者に自動的に連絡され得る。そのような状況は、供給原料が使い果たされた、ポンプが故障した、パイプが漏れた、コネクタが破損した、またはオペレータがパイプに乗ったもしくはパイプをねじった場合に、発生する可能性がある。制御装置は、供給事象を提供する際のこれらおよび他の失敗(供給物注入制御シグナルの送信の後にプロセス傾向における認識可能な変化がない場合には明らかとなる)を診断し、適切に警告するようにプログラムされ得る。
図1を参照して述べたように、バイオリアクターシステムは、温度および他の条件の制御のためのフィードバックループを含んでよい。これまで説明した供給制御は、これら他の制御と完全に独立して実装され得る。あるいは、供給制御実装のために計算されたMRIは、動作温度など他の条件を制御するために使用されてもよい。したがって、制御装置は、MRIデータを分析し、それを使用して、ヒーターなどのシステム内の他のデバイスに送られるさらなる制御シグナルを生成するように構成されてもよい。また、制御装置は、温度およびpHセンサーなどの他のセンサーからの入力シグナルを受け取り、これらの測定値に基づいて制御シグナルを生成することができ、したがって、バイオリアクターシステムのほとんどまたは全てが、単一の制御装置によって自動化された動作方式を有する。
上述したように、システムは、無効な供給事象が発生した場合、制御装置はアラームまたは警告シグナルを送るように構成され得る。警報状態が入力された場合にバックアップ供給を推進する補足的構成が提供されてもよい。バックアップ供給は、現在のプロセスのための1つまたは複数の供給原料を送達するように構成され、制御装置がアラームシグナルを送る時間のあたりで制御装置からの制御シグナルによって作動されるバックアップ添加物支給機構によって提供されてもよい。したがって、バックアップ機構からの供給原料は、無効な供給事象を置き換えるためにバイオリアクター内に送達され、したがって、何らかの理由で一次添加物支給機構が有効な供給を提供するのに失敗した場合でもプロセスを継続することができる。したがって、プロセスの産物は失われない。
さらなる実施形態として、バックアップ添加物支給機構は、これまで論じたマイクロプロセッサ(たとえば、図1の構成要素12a)とは独立して、ただし同様に構成され接続された二次マイクロプロセッサの制御を受けることができる。主マイクロプロセッサの障害があると、アラームまたは警告シグナルを送信し、また、システムの制御を引き受けて1または複数の次の供給事象を生成する二次マイクロプロセッサに警報を出して作動させる。したがって、二次マイクロプロセッサは、バックアップ添加物支給機構および/または主添加物支給機構の制御を有し、必要に応じて供給制御シグナルを送ってよく、また、主マイクロプロセッサの障害が電力障害により引き起こされた場合の非常電源を有してもよい。
要約すると、本発明は、バイオリアクターの供給の制御を自動化するための方法およびシステムに関する。実施形態において、システムは、in situ測定センサーデバイス(たとえば、屈折率に応答するセンサーデバイス)と、制御された供給機構(たとえば、栄養素のポンプおよびリザーバなど)と、バイオプロセスの制御を可能にするような方法で栄養素の注入に対する細胞の応答を自動的に分析する処理ユニットを収容する制御ボックスとを備える。注入は、パルスを使用してもよく、連続的に変化する注入量を用いてもよい。制御システムは、注入刺激に対するセンサーの応答の大きさおよびタイミングを分析する。供給に関する決定は、制御システムおよび供給事象に対する予想される応答に関する予めプログラムされた情報に基づいて行われてよい。
参考文献

Claims (65)

  1. バイオリアクターにおける生物反応中に添加物送達を制御する方法であって、
    間隔を空けられた供給事象中にバイオリアクター内に添加物を添加することを含む、前記バイオリアクターにおける生物反応を実行させるステップであって、前記バイオリアクターの内容物は、供給事象後の安定化期間中に平衡化する、ステップと、
    前記生物反応中に前記バイオリアクター内容物のバルク物性のin situ測定を行ってプロセス傾向データを取得するステップと、
    安定化期間の後に始まる測定期間にわたって取得されたプロセス傾向データの導関数を計算するステップであって、前記導関数は代謝率指数(MRI)である、ステップと、
    前記MRIを使用して、次の供給事象を開始する時間を決定するステップと
    を含む方法。
  2. 前記in situ測定によって取得された前記プロセス傾向データは、実際のプロセス傾向データであり、前記方法は、安定化期間の後に始まる測定期間にわたって取得された実際のプロセス傾向データに数学的方法を適用して、前記実際のプロセス傾向データの減衰バージョンを表す計算されたプロセス傾向データを作成するステップをさらに含み、導関数を計算する前記ステップは、前記計算されたプロセス傾向データの導関数を計算することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記数学的方法は、前記実際のプロセス傾向データの平均化、または前記実際のプロセス傾向データへの数学的曲線のあてはめを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記数学的方法は、二次多項式曲線を前記実際のプロセス傾向データにあてはめることを含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記バルク物性は屈折率である、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  6. 屈折率のin situ測定を行うステップは、伝播するエバネッセント波の変化を検出するように構成されたセンサーを使用することを含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記センサーはモード屈折率の変化を検出する、請求項6に記載の方法。
  8. 前記センサーはブラッグ格子に基づく、請求項7に記載の方法。
  9. 前記バルク物性は、密度、導電率、インダクタンス、インピーダンス、粘度、濁度、または単一波長におけるスペクトル吸収である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記MRIを直接的に使用して前記次の供給事象を開始する時間を決定するステップを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記MRIを使用して、前記次の供給事象を開始する時間を決定するステップは、先行の供給事象以来の前記MRIの絶対最大値によって瞬間MRI値を割ることで比を計算すること、前記比を閾値と比較し、前記比が前記閾値を超える場合に前記次の供給事象を開始することを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記閾値は0.3から0.9の範囲にある、請求項11に記載の方法。
  13. 前記測定期間は、最小時間窓で始まり、前記数学的方法を適用することおよび前記導関数を計算することは、前記最小時間窓が満了した後に前記最小時間窓中に収集されたプロセス傾向データに対して始まる、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  14. 前記最小時間窓は、十分なプロセス傾向データが、他の継続時間の場合のエラーまたはノイズ値と比較して最小のエラーまたはノイズ値を有するように対応するMRIについて収集されるような継続時間を有する、請求項13に記載の方法。
  15. 前記最小時間窓の前記継続時間は、先行のプロセス傾向データに基づいて調整される、請求項13または14に記載の方法。
  16. 前記安定化期間は、前記バイオリアクターの較正実行中に取得されたプロセス傾向データの観測によって決定された継続期間を有する、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  17. 前記取得されたプロセス傾向データにノイズフィルタリングを適用するステップをさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  18. 前記MRIに応答して供給事象において送達される添加物の量を変化させるステップをさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  19. 添加物は、供給事象間に前記バイオリアクター内に添加されない、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 添加物は、各供給事象中に第1の速度で前記バイオリアクター内に添加され、添加物は、供給事象間に前記第1の速度よりも遅い第2の速度で前記バイオリアクター内に継続的に添加される、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記第1の速度と前記第2の速度の一方または両方は、時間経過と共に変化する、請求項20に記載の方法。
  22. 異なる添加物が、異なる供給事象中に前記バイオリアクター内に添加され、現行測定時間中の前記MRIが、前記次の供給事象に対する前記添加物を決定するために使用される、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  23. 前記または各添加物は、直接的または間接的な供給原料である、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  24. 前記MRIを使用して、前記バイオリアクターの1つまたは複数の運転条件の値を決定するステップをさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  25. バイオリアクターにおける生物反応中に添加物送達を制御するための制御装置であって、制御が
    生物反応中にバイオリアクターの内容物のバルク物性のin situ測定値を受け取り、前記生物反応は、間隔を空けられた供給事象中に前記バイオリアクター内に送達される添加物を含み、前記バイオリアクターの内容物は、供給事象後の安定化期間中に平衡化し、前記受け取られた測定値は、プロセス傾向データであり、安定化期間の後に始まる測定期間にわたって取得されたプロセス傾向データの導関数を計算し、前記導関数は代謝率指数(MRI)であり、前記MRIを使用して、次の供給事象を開始する時間を決定し、添加物支給機構に、前記次の供給事象の前記決定された時間に添加物を前記バイオリアクター内に送達させるように構成された、制御シグナルを生成するように構成される制御装置。
  26. 前記受け取られたプロセス傾向データは、実際のプロセス傾向データであり、前記制御装置は、安定化期間の後に始まる測定期間にわたって取得された実際のプロセス傾向データに数学的方法を適用して、前記実際のプロセス傾向データの減衰バージョンを表す計算されたプロセス傾向データを作成し、前記計算されたプロセス傾向データの導関数を計算することによって前記導関数を計算するようにさらに構成される、請求項25に記載の制御装置。
  27. 前記数学的方法は、前記実際のプロセス傾向データの平均化、または前記実際のプロセス傾向データへの数学的曲線のあてはめを含む、請求項26に記載の制御装置。
  28. 前記数学的方法は、二次多項式曲線を前記実際のプロセス傾向データにあてはめることを含む、請求項27に記載の制御装置。
  29. 前記制御装置は、前記MRIを直接的に使用して前記次の供給事象を開始する時間を決定する、請求項25から28のいずれか一項に記載の制御装置。
  30. 前記制御装置は、先行の供給事象以来の前記MRIの絶対最大値によって瞬間MRI値を割ることで比を計算し、前記比を閾値と比較し、前記比が前記閾値を超える場合に前記次の供給事象を開始することによって、前記MRIを使用して前記次の供給事象を開始する時間を決定する、請求項25から28のいずれか一項に記載の制御装置。
  31. 前記閾値は0.3から0.9の範囲にある、請求項30に記載の制御装置。
  32. 前記測定期間は、最小時間窓で始まり、前記数学的方法を適用することおよび前記導関数を計算することは、前記最小時間窓が満了した後に前記最小時間窓中に収集されたプロセス傾向データに対して始まる、請求項25から31のいずれか一項に記載の制御装置。
  33. 前記制御装置は、十分なプロセス傾向データが、他の継続時間の場合のエラーまたはノイズ値と比較して最小のエラーまたはノイズ値を有するように対応するMRIについて収集されるような継続時間を有するための前記最小時間窓を設定するように構成される、請求項32に記載の制御装置。
  34. 前記制御装置は、前記最小時間窓の前記継続時間を、先行のプロセス傾向データに基づいて調整するようにさらに構成される、請求項32または33に記載の制御装置。
  35. 前記制御装置は、ユーザが、前記バイオリアクターの較正実行中のプロセス傾向データの観測に従って、前記安定化期間の継続時間を設定することができるように構成される、請求項25から34のいずれか一項に記載の制御装置。
  36. 前記制御装置は、前記受け取られたプロセス傾向データにノイズフィルタリングを適用するように構成される、請求項25から35のいずれか一項に記載の制御装置。
  37. 前記制御装置は、前記添加物支給機構に、前記MRIに応答して前記制御装置によって決定された量の添加物を送達させるように、前記制御シグナルを構成するようにさらに構成される、請求項25から36のいずれか一項に記載の制御装置。
  38. 前記制御装置は、前記添加物支給機構に対する制御シグナルを供給事象間に生成しないようにさらに構成される、請求項25から37のいずれか一項に記載の制御装置。
  39. 前記制御装置は、添加物を、各供給事象中に第1の速度で送達し、供給事象間に前記第1の速度よりも遅い第2の速度で送達するように、前記添加物支給機構に対する制御シグナルを生成するようにさらに構成される、請求項25から37のいずれか一項に記載の制御装置。
  40. 前記制御シグナルは、前記第1の速度と前記第2の速度の一方または両方を時間経過と共に変化させるように構成される、請求項39に記載の制御装置。
  41. 前記制御装置は、前記添加物支給機構に、異なる供給事象中に異なる添加物を送達させるように、前記制御シグナルを構成するようにさらに構成され、前記制御装置は、現行測定時間中の前記MRIを使用して、前記次の供給事象に対する前記添加物を決定する、請求項25から40のいずれか一項に記載の制御装置。
  42. 前記制御装置は、前記MRIを使用して、前記バイオリアクターの1つまたは複数の運転条件の値を決定し、前記決定された値で前記運転条件を制御するようにさらなる制御シグナルを生成するようにさらに構成される、請求項25から41のいずれか一項に記載の制御装置。
  43. バイオリアクターにおける生物反応中に添加物送達を制御するためのシステムであって、
    バイオリアクターと、
    制御シグナルに応答して、供給事象中に前記バイオリアクター内に添加物を送達するように構成された添加物支給機構と、
    前記バイオリアクターに関連付けられたセンサーであって、生物反応中に前記バイオリアクターの内容物のバルク物性のin situ測定を行い、それによりプロセス傾向データを取得するように構成されたセンサーと、
    制御装置と
    を備え、前記制御装置は、
    前記センサーからプロセス傾向データを受け取り、
    供給事象後の前記バイオリアクターの内容物が平衡化する安定化期間の後に始まる測定期間にわたって取得されたプロセス傾向データの導関数を計算することであって、前記導関数は代謝率指数MRIであり、
    前記MRIを使用して、次の供給事象を開始する時間を決定し、
    制御シグナルを前記添加物支給機構に送って、前記次の供給事象の前記決定された時間に添加物を送達するように構成される、システム。
  44. 前記in situ測定によって取得された前記プロセス傾向データは、実際のプロセス傾向データであり、前記制御装置は、安定化期間の後に始まる測定期間にわたって取得された実際のプロセス傾向データに数学的方法を適用して、前記実際のプロセス傾向データの減衰バージョンを表す計算されたプロセス傾向データを作成し、前記計算されたプロセス傾向データの導関数を計算することによって前記導関数を計算するようにさらに構成される、請求項43に記載のシステム。
  45. 前記数学的方法は、前記実際のプロセス傾向データの平均化、または前記実際のプロセス傾向データへの数学的曲線のあてはめを含む、請求項44に記載のシステム。
  46. 前記数学的方法は、二次多項式曲線を前記実際のプロセス傾向データにあてはめることを含む、請求項45に記載のシステム。
  47. 前記バルク物性は屈折率である、請求項43から46のいずれか一項に記載のシステム。
  48. 前記センサーは、伝播するエバネッセント波の変化を検出するように構成される、請求項47に記載のシステム。
  49. 前記センサーはモード屈折率の変化を検出する、請求項48に記載のシステム。
  50. 前記センサーはブラッグ格子に基づく、請求項49に記載のシステム。
  51. 前記バルク物性は、密度、導電率、インダクタンス、インピーダンス、粘度、濁度、または単一波長におけるスペクトル吸収である、請求項43から46のいずれか一項に記載のシステム。
  52. 前記制御装置は、前記MRIを直接的に使用して前記次の供給事象を開始する時間を決定する、請求項43から51のいずれか一項に記載のシステム。
  53. 前記制御装置は、先行の供給事象以来の前記MRIの絶対最大値によって瞬間MRI値を割ることで比を計算し、前記比を閾値と比較し、前記比が前記閾値を超える場合に前記次の供給事象を開始することによって、前記MRIを使用して前記次の供給事象を開始する時間を決定する、請求項43から51のいずれか一項に記載のシステム。
  54. 前記閾値は0.3から0.9の範囲にある、請求項53に記載のシステム。
  55. 前記測定期間は、最小時間窓で始まり、前記数学的方法を適用することおよび前記導関数を計算することは、前記最小時間窓が満了した後に前記最小時間窓中に収集されたプロセス傾向データに対して始まる、請求項43から54のいずれか一項に記載のシステム。
  56. 前記制御装置は、十分なプロセス傾向データが、他の継続時間の場合のエラーまたはノイズ値と比較して最小のエラーまたはノイズ値を有するように対応するMRIについて収集されるような継続時間を有するために前記最小時間窓を設定するように構成される、請求項55に記載のシステム。
  57. 前記制御装置は、前記最小時間窓の前記継続時間を、先行のプロセス傾向データに基づいて調整するようにさらに構成される、請求項55または請求項56に記載のシステム。
  58. 前記制御装置は、ユーザが、前記バイオリアクターの較正実行中に取得されたプロセス傾向データの観測に従って、前記安定化期間の継続時間を設定することができるように構成される、請求項43から57のいずれか一項に記載のシステム。
  59. 前記制御装置は、前記受け取られたプロセス傾向データにノイズフィルタリングを適用するように構成される、請求項43から58のいずれか一項に記載のシステム。
  60. 前記制御装置は、前記添加物支給機構に、前記MRIに応答して前記制御装置によって決定された前記次の供給事象における量の添加物を送達させるように、前記制御シグナルを構成するようにさらに構成される、請求項43から59のいずれか一項に記載のシステム。
  61. 前記制御装置は、供給事象間に前記添加物支給機構へ制御シグナルを送らないようにさらに構成される、請求項43から60のいずれか一項に記載のシステム。
  62. 前記制御装置は、添加物を、各供給事象中に第1の速度で送達し、供給事象間に前記第1の速度よりも遅い第2の速度で送達するように、前記添加物支給機構へ制御シグナルを送るようにさらに構成される、請求項43から60のいずれか一項に記載のシステム。
  63. 前記制御シグナルは、前記第1の速度と前記第2の速度の一方または両方を時間経過と共に変化させるように構成される、請求項62に記載のシステム。
  64. 前記添加物支給機構は、2またはそれ超の異なる添加物を送達するように構成され、前記制御装置は、前記添加物支給機構に、異なる供給事象中に異なる添加物を送達させるように、前記制御シグナルを構成するようにさらに構成され、前記制御装置は、現行測定時間中の前記MRIを使用して、前記次の供給事象に対する前記添加物を決定する、請求項43から63のいずれか一項に記載のシステム。
  65. 前記制御装置は、前記MRIを使用して、前記バイオリアクターの1つまたは複数の運転条件の値を決定し、前記システムの要素に前記1つまたは複数の運転条件の前記決定された値を実施させるように、さらなる制御シグナルを送るようにさらに構成される、請求項43から64のいずれか一項に記載のシステム。
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