JP2017524922A - オイルの劣化の程度の検出方法 - Google Patents

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Abstract

オイルの劣化の程度の検出法
オイルの劣化の程度を検出する方法が提供された。該方法は;
新油と使用済みオイルのサンプルを分析するステップと;
新しいエンジンオイルおよび使用したエンジンオイルの電気化学的特性のデータを計算するステップと;
該電気化学的特性のデータが劣化マーカデータと相関しているかどうかを決定するステップと、そして
オイルの使用されたサンプルの劣化の程度を検出する電気化学的特性を使用するステップを含む。該方法は、鉱油、合成油およびブレンド(別称準合成)を含む任意の適切なオイルに使用できる。該方法は、使用されたオイルの品質を時間と共にモニターして、必要になれば交換しそれ以前には交換せず、オイルの使用を最大限に延ばすのに使用できる。該方法は、オイルの劣化の傾向の確認にも使用できる。

Description

本開示は一般にエンジンオイルの劣化の程度の検出方法に関する。詳細には本開示は、新油および使用済みオイルのサンプルを分析して劣化マーカまたはその他のデータを取得し、新油および使用済みオイルの電気化学的特性のデータを計算し、電気化学的特性のデータが劣化マーカまたはその他のデータに相関しているかどうか決定し、そして電気化学的特性のデータを使用してエンジンオイルの劣化の程度を検出する方法に関する。
エンジン潤滑油は一般に基油および添加物を含む。基油は鉱油(石油ベースのオイル)、合成油(非石油ベースのオイル)または鉱油と合成油のブレンドであり得る。添加物はオイルの性能を高めるために基油に添加される化合物で、酸化防止剤、洗剤、摩擦防止剤、防錆剤および消泡剤のような添加物を含んでよい。
潤滑油はエンジンの燃焼副生成物およびエンジンのコンポーネンツと接触すると時間と共に劣化する。この劣化は多くの物理的現象の結果である。添加物は減耗する。異物と可溶性成分はオイルと溶け合い、オイルを汚染する。基油の分子は反応し、組み合わされてより重い分子を形成し、しばしばオイルが黒ずむおよび/または濃厚になる。オイルの分子は酸化され窒化されて酸性化合物を形成する。
鉱油、合成油またはブレンド油(別称準合成)のようなエンジンオイルのタイプは、これら化合物の形成及びその後の変更に重要な影響を及ぼすことがある。周囲温度、湿度、使用率及び劣化プロセスにおいて役割を演じる塵およびよごれの存在のような環境条件のような追加的な要素があります。
現在、エンジンオイルの状態は、すなわちエンジンオイルの有用寿命が尽きたとき、オイルの使用時間または車両または機械の走行距離をモニタリングしてしばしば推定されており、エンジンが運転されていた条件を考慮して推定を修正している。この推定を使用して、オイル交換の間の時間またはマイル距離を予想している。しかしながらエンジンオイルの劣化の程度、すなわちある時間におけるオイルの状態はこの方法では確実に予想できないことがある。
使用済みオイルにおけるオイルの劣化の程度を検出できることは有用である。本開示はこの必要性に取り組む。
本開示はオイルの劣化の程度を検出する方法を対象とするものである。必要性次第で、先を見越した行動でエンジンの損傷または故障を回避できる。
本開示はオイルの劣化の程度を検出する方法に関する。本開示の1つの態様においてこの方法はオイルが新しいときとオイルを使用した時のサンプルを、分析技法を用いて解析し劣化マーカまたはその他のデータを取得するステップと新しいエンジンオイルおよび使用したエンジンオイルの電気化学的特性のデータを計算するステップと該電気化学的特性のデータが劣化マーカまたはその他のデータと相関しているかどうかを決定するステップを含み、そして電気化学的特性のデータが劣化マーカまたはその他のデータと相関しておれば、オイルの使用したサンプルの電気化学的特性のデータを使用してオイルの劣化の程度を検出する。
該方法は、鉱油、合成油およびブレンド(別称準合成)を含み任意の適当なオイルに使用できる。該方法は、エンジンの潤滑油、ギアオイル、トランスミッション・オイルおよび油圧オイルの劣化の程度の検出に使用できる。
該方法は、使用済みオイルの品質の経時変化をモニタリングして、必要になれば交換しそれ以前には交換せず、オイルの使用を最大限に伸ばすのに使用できる。該方法は、オイルがまだ使用に適しているかどうかの決定に使用でき、このようにしてオイルの使用を節約する。該方法は、オイルの劣化の傾向の確認にも使用できる。
は、選択された使用済みオイルサンプル中の5つの官能基を、時間の経過と共に測定したものである。 は、使用したエンジンオイル中のさまざまな官能基に属する化合物のガスクロマトグラフのプリントアウトおよびそれらのピーク強度を示す質量分析(GCおよびMS)を示す。 は、選択したオイルに対する老化したオイルサンプルの電気的特性を時間の経過と共に示す。 は、選択したオイルに対する酸化、硫酸化および窒化のレベルを誘電率に対してプロットしたものである。 は、選択したオイルに対する誘電率を時間の経過と共に示す。 は、本開示による方法の系統図である。
発明の詳細な説明
本開示は多くの形態で具体化でき、図面に示されかつ本明細書で1つまたはそれ以上の実施例と共に詳細に記述されるが、本開示はその原理の例示であり、例示された実施例に開示を制限する意図はないことを理解されたい。
例えば、以下の議論は一般に鉱油を参照するが、本開示は鉱油、合成油およびそれらのブレンドを含む任意の適当なオイルの適用も考慮していることを理解されたい。さらに以下の議論は一般にエンジン潤滑油を参照するが、本開示はギアオイル、トランスミッション・オイルおよび油圧オイルを含め、ただしこれらに限定されることなく、添加物を含むその他のオイルに関連することを理解されたい。
エンジン潤滑油は劣化し、オイルがエンジンの燃焼副生成物およびエンジンのコンポーネンツと接触すると劣化する。オイル分子は(酸化、硫酸化、窒化およびその他の化学プロセスを経て)反応し、組み合わされて酸性化合物を形成し、より重い分子を形成し、オイルが黒ずみかつ濃厚になる。
劣化はエンジンの通常の使用、エンジンの故障による劣化、水質汚濁、燃料汚染、普通ではない燃焼生成物による汚染およびその他のタイプの結果であり得る。
本開示は、(1)新油および使用済みオイルを分析して劣化マーカデータを取得するステップと、(2)新油および使用済みオイルの(ハンセン極性パラメータ(δ)およびモル分極(P))のような電気化学的特性データを計算するステップと、(3)電気化学的特性データが劣化マーカまたはその他のデータと相関しているかどうか決定するステップと、もしそうであれば、(4)電気化学的特性データを使用してエンジンオイルの劣化の程度を検出するステップによりオイルの劣化の程度を検出する方法に関する。
ステップ1−新油および使用済みオイルのサンプルを分析して劣化マーカデータを取得する。
オイルの劣化の程度を検出する第1のステップは、新油と使用済みオイルのサンプルを分析して、劣化マーカおよびオイルの選択された電気的特性を計算するのに必要なその他のデータを取得することである。劣化マーカは、エンジンオイルの劣化の程度の検出に使用できるパラメータである。劣化マーカまたはその他のデータは、ある化合物の存在と濃度、物理的データおよび電気的データであり得る。
エンジン潤滑油が劣化すると、エンジンオイルの分子が反応して結合する。すなわち(酸化、硫酸化、窒化およびその他の化学プロセスを経て)重質炭化水素、アルコール、エーテル、エステル、ケトンおよびジケトン、アルデヒドおよびジスルヒドおよびエンジンオイルの劣化の状態を検出する目的の劣化マーカとして使用できるその他の官能基を含め、その他の化合物に転換される。これらの転換は、例えばエンジンが埃っぽい状態で運転されているようなある環境条件では悪化することがある。
例えば、新油中のエーテルの転換生成物である化合物は、アセトニル−デシルおよびヘキシル−オクチルエーテルを含むことがある。新油中のジスルヒドの転換生成物である化合物は、ジヘキシルスルヒドおよびスルフィオン酸の種を含むジオクチルジスルヒドを含むことができる。新油中のアルコールの転換生成物である化合物は、オクチルドデカン−1−オール、エチル−1−デカノール、2−プロピル−1−1デカノールおよび1−ペンタコンタノールのようなアルコール種を含むことができる。
劣化マーカは化学的パラメータ、物理的パラメータおよび/または電気的パラメータを含むがこれらに限定されない。化学的パラメータは、炭化水素、アルコール、エーテル、エステル、ケトンおよびジケトン、アルデヒドおよびジスルヒドのような化合物の1つまたはそれ以上の官能基の存在および濃度を含む。物理的パラメータは粘度、全酸価(TAN)、全塩基価(TBN)および使用済みオイル中の窒化、硫酸化、酸化および水和のレベルを含む。
関連の官能基は例えば、選択されたオイルサンプル中のどの化合物が時間と共に変化するか決定する質量分析または赤外線分光法を使用して識別可能である。
図1は、選択したオイルサンプル中の5つの官能基の濃度の経時変化を示すグラフである。この特定のサンプルにおいて炭化水素の濃度はほんのわずかしか変化していない。アルコールの濃度は低下している。エーテルとジスルフィド(ジヘキシルスルフィドとジオクチルスルフィド)の濃度は時間の経過と共に増加しているのが見られる。エステル、ケトン、アルデヒドおよびジケトンの総濃度は、あったとしても僅か変化している。このデータは、この特定のオイルサンプルについては少なくとも3つの官能基(アルコール、エーテルおよびジスルフィド)が、エンジンオイルの劣化の程度を決定する劣化マーカとして使用できることを示している。
図2は、エンジンオイルの使用済みオイルで見付かったさまざまな官能基に属する化合物のガスクロマトグラフのプリントアウトと“ピーク強度”を示す質量分析(GCおよびMS)データである。この方法では、これらの化合物の僅かいくつかをエンジンオイル劣化マーカとして選択できる。
要約すれば、さまざまに“転換された”官能基の存在と濃度は、エンジンオイルの劣化の程度を示すマーカとして使用できる。実際の官能基(マーカ)は、オイルのタイプとそれが使用される環境次第で変わる。
使用済みオイルの粘度、TAN、TBNおよび窒化、硫酸化、酸化および水和のレベルのような物理的パラメータを含め、その他のタイプの劣化マーカを使用できる。
ステップ2−新油と使用済みオイルの電気化学的特性のデータ(極性(δ)およびモル分離(P)のような)の計算。
このステップには、ステップ1で収集した分析データに基づく新油と使用済みオイルの(ハンセン極性パラメータ(δ)およびモル分極(P)のような)電気化学的特性のデータの計算が含まれる。例えば、ハンセン極性パラメータ(δ)は次のグループ加法の式を使用して計算できる:
ここに、δ,i=極性種iのハンセン極性パラメータ
およびφi=種iの相対体積
オイルの劣化の間に形成する様々な有機化合物に対するハンセン極性パラメータ(δ)は次の通りである:
代案として、モル分極(P)は次式を使用して計算できる:
ここに、
=モル分極/電気的双極子モーメント密度、cc/mol
MW=オイルの平均分子量、g/mol
ε=オイルの誘電率
ρ=オイルの密度、g/cc
ε=自由空間誘電率、8.85418×10−12/m−j
=アボガドロ数,6.023×1023mol−1
α=分極率(c/J)
μ=オイル中の極性種による双極子モーメント、デバイ
=ボルツマン定数、1.131×10−23J/K
T=温度、K
ステップ3−電気化学的特性データが劣化マーカまたはその他のデータに相関するかどうかを決定する。
図3は、オイルサンプルのハンセン極性パラメータ(δ)とモル分極(P)の経時変化を示し、(極性(δ)のような)ある電気的特性が劣化マーカまたは(TANのような)その他のデータとよく相関することを実証している。老化したオイルに存在する酸、スルヒドおよびジケトンのようなある化学的種のために、TANの増加が極性の増加に相関していると理論化できる。このように、極性を使用してオイルの劣化の程度を検出できる。
図4は誘電率(ε)に対してプロットした酸化、硫酸化および窒化のレベルを示す。このデータからオイルの誘電率は劣化と共に上昇し、酸化、硫酸化および窒化のレベルの上昇とよく相関していると言える。このように誘電率はオイルの劣化の程度の検出に使用できる。
同じ電気化学的特性パラメータは、すべてのオイルにおけるエンジンオイルの劣化の検出に使用するのは適していないかもしれない。図5は3つの選択したオイルサンプルの誘電率の経時変化を示し、それぞれのデータセットは幾何学記号の三角、四角およびひし形で示されている。ひし形で表されたデータセットの誘電率は時間と共に変化するが、ほかの2つのデータセットはそうでないことが容易にわかる。このようにひし形のセットで表されたオイルに対してエンジンオイルの劣化の程度を検出するのに誘電率は適しているが、ほかの2つのオイルに対しては適していない。
ステップ4−電気化学的特性データを使用してエンジンオイルの劣化の程度を検出する。
ある電気化学的特性データが劣化マーカまたはその他のデータに相関していることが判明すれば、その電気化学的特性データを使用してオイルの劣化の程度を検出できる。例えば、使用済みオイルのサンプルを現場で採取しあるパラメータについて分析でき、次いでそのパラメータを使用して1つまたはそれ以上の電気的特性を計算する。次にこの電気的特性を使用してオイルの劣化の程度を検出できる。
方法の要約
図6は本開示によるオイルの劣化の程度を検出する方法を示す系統図である。この方法は次のステップから成る。
ステップ100:エンジンオイルの新油および使用済みオイルを分析技法を使用して分析し、劣化マーカまたはその他のデータを取得する。分析技法は下記から成るグループから選択できる:(1)GC/MS(ガスクロマトグラフィーおよび/または質量分析)、ここに劣化マーカデータはオイルの組成データを含む、(2)TGA/DSC(熱重量分析/示差走査熱量測定)、ここに劣化マーカデータは熱安定データを含む、(3)FT−IR(フーリエ変換赤外分光)、ここに劣化マーカデータは構造解析データを含む、(4)潤滑油分析、ここに劣化マーカデータはTBN、窒化、硫酸化、含水率および/またはグリコール含有量データを含む、(5)電位差滴定、ここに劣化マーカデータはTANデータを含む、(6)摩耗金属分析、ここに劣化マーカデータは添加物減耗データを含む、(7)粘度および密度アナライザー、ここに劣化マーカデータは粘度、密度および/または粘度指数を含む。
ステップ200:エンジンオイルの新油と使用済みオイルの電気化学的特性データ(例えば、極性またはモル分極)を計算する。
ステップ300:電気化学的特性データが劣化マーカまたはその他のデータと相関しているかどうか決定する(そして電気化学的特性を劣化マーカの新しいタイプとして使用できる)。
ステップ400:電気化学的特性データが劣化マーカデータと相関しておれば、エンジンオイルの使用済みオイルのサンプルの電気化学的特性を使用してエンジンオイルの劣化の程度を検出する。このステップは現場で機械からオイルのサンプルを採取し、関心のある電気化学的特性の計算に必要とされるものを含みさまざまな特性についてオイルのサンプルを分析し、関心のある電気化学的特性を計算し、その電気化学的特性を使用して機械の中のオイルを交換すべきかどうか決定する。
その他の所見と結論
老化したオイルの動粘度の上昇は、劣化の見掛けの活性化エネルギーの上昇と相関している。オイルが劣化すると長鎖炭化水素が形成され、これが動粘度を上昇させる。
劣化するとアルコール濃度が低下し、エーテルとスルフィド濃度が上昇し、さまざまな範囲の(ジ)エステル、カルボン酸およびジカルボニル化合物が観察される。
全酸価(TAN)の増加は、老化したオイル中の酸、スルフィドおよびジケトンのような種のイオン性の増加と相関している。
オイルの(δ)の全体的な傾向は劣化時間と共に増加した。(δ)はオイルの双極子モーメントおよび分極率体積の検出にも使用された。
オイルのモル分極(誘導+電荷)も120から133cc/molに上昇するのが分かった。これは誘電率が、劣化のあるエンジンオイルの偏光を検出する検出変数として使用できることを明確に示している。
本開示の方法は、オイルの劣化が問題になる場合は何時でもまたどこでも使用できる。該方法はオイルの劣化が発生する建設業界、鉱業界、宇宙航空業界、化学業界、機関車業界または任意の業界に適用できる。例えば、建設業界ではオイルの劣化が大型オフロード機械で生じ、乾燥した埃っぽい環境で問題が増悪する。
該方法はオイルの品質を時間と共にモニターして、必要になれば交換しそれ以前には交換せず、エンジンオイルの使用を最大限に伸ばすのに使用できる。該方法は使用済みオイルがまだ使用に適しているかどうかの決定に使用でき、このようにしてオイルの使用を節約する。該方法は、オイルの劣化の傾向の確認にも使用できる。
上記の開示の実施例は、本開示の原理を例示する単なる特定の例であることを理解されたい。本開示の修正および代案の実施例が、上記の教示および付属の請求項で定義される本開示の範囲から逸脱しない範囲で企図される。請求項は、それらの範囲内のこのようなすべての修正および代案の実施例を含むことが意図される。
本開示は一般にエンジンオイルの劣化の程度の検出方法に関する。詳細には本開示は、新油および使用済みオイルのサンプルを分析して劣化マーカまたはその他のデータを取得し、新油および使用済みオイルの電気化学的特性のデータを計算し、電気化学的特性のデータが劣化マーカまたはその他のデータに相関しているかどうか決定し、そして電気化学的特性のデータを使用してエンジンオイルの劣化の程度を検出する方法に関する。
エンジン潤滑油は一般に基油および添加物を含む。基油は鉱油(石油ベースのオイル)、合成油(非石油ベースのオイル)または鉱油と合成油のブレンドであり得る。添加物はオイルの性能を高めるために基油に添加される化合物で、酸化防止剤、洗剤、摩擦防止剤、防錆剤および消泡剤のような添加物を含んでよい。
潤滑油はエンジンの燃焼副生成物およびエンジンのコンポーネンツと接触すると時間と共に劣化する。この劣化は多くの物理的現象の結果である。添加物は減耗する。異物と可溶性成分はオイルと溶け合い、オイルを汚染する。基油の分子は反応し、組み合わされてより重い分子を形成し、しばしばオイルが黒ずむおよび/または濃厚になる。オイルの分子は酸化され窒化されて酸性化合物を形成する。
鉱油、合成油またはブレンド油(別称準合成)のようなエンジンオイルのタイプは、これら化合物の形成及びその後の変更に重要な影響を及ぼすことがある。周囲温度、湿度、使用率及び劣化プロセスにおいて役割を演じる塵およびよごれの存在のような環境条件のような追加的な要素があります。
現在、エンジンオイルの状態は、すなわちエンジンオイルの有用寿命が尽きたとき、オイルの使用時間または車両または機械の走行距離をモニタリングしてしばしば推定されており、エンジンが運転されていた条件を考慮して推定を修正している。この推定を使用して、オイル交換の間の時間またはマイル距離を予想している。しかしながらエンジンオイルの劣化の程度、すなわちある時間におけるオイルの状態はこの方法では確実に予想できないことがある。
使用済みオイルにおけるオイルの劣化の程度を検出できることは有用である。本開示はこの必要性に取り組む。
本開示はオイルの劣化の程度を検出する方法を対象とするものである。必要性次第で、先を見越した行動でエンジンの損傷または故障を回避できる。
本開示はオイルの劣化の程度を検出する方法に関する。本開示の1つの態様においてこの方法はオイルが新しいときとオイルを使用した時のサンプルを、分析技法を用いて解析し劣化マーカまたはその他のデータを取得するステップと新しいエンジンオイルおよび使用したエンジンオイルの電気化学的特性のデータを計算するステップと該電気化学的特性のデータが劣化マーカまたはその他のデータと相関しているかどうかを決定するステップを含み、そして電気化学的特性のデータが劣化マーカまたはその他のデータと相関しておれば、オイルの使用したサンプルの電気化学的特性のデータを使用してオイルの劣化の程度を検出する。
該方法は、鉱油、合成油およびブレンド(別称準合成)を含み任意の適当なオイルに使用できる。該方法は、エンジンの潤滑油、ギアオイル、トランスミッション・オイルおよび油圧オイルの劣化の程度の検出に使用できる。
該方法は、使用済みオイルの品質の経時変化をモニタリングして、必要になれば交換しそれ以前には交換せず、オイルの使用を最大限に伸ばすのに使用できる。該方法は、オイルがまだ使用に適しているかどうかの決定に使用でき、このようにしてオイルの使用を節約する。該方法は、オイルの劣化の傾向の確認にも使用できる。
は、選択された使用済みオイルサンプル中の5つの官能基を、時間の経過と共に測定したものである。 は、使用したエンジンオイル中のさまざまな官能基に属する化合物のガスクロマトグラフのプリントアウトおよびそれらのピーク強度を示す質量分析(GCおよびMS)を示す。 は、選択したオイルに対する老化したオイルサンプルの電気的特性を時間の経過と共に示す。 は、選択したオイルに対する酸化、硫酸化および窒化のレベルを誘電率に対してプロットしたものである。 は、選択したオイルに対する誘電率を時間の経過と共に示す。 は、本開示による方法の系統図である。
発明の詳細な説明
本開示は多くの形態で具体化でき、図面に示されかつ本明細書で1つまたはそれ以上の実施例と共に詳細に記述されるが、本開示はその原理の例示であり、例示された実施例に開示を制限する意図はないことを理解されたい。
例えば、以下の議論は一般に鉱油を参照するが、本開示は鉱油、合成油およびそれらのブレンドを含む任意の適当なオイルの適用も考慮していることを理解されたい。さらに以下の議論は一般にエンジン潤滑油を参照するが、本開示はギアオイル、トランスミッション・オイルおよび油圧オイルを含め、ただしこれらに限定されることなく、添加物を含むその他のオイルに関連することを理解されたい。
エンジン潤滑油は劣化し、オイルがエンジンの燃焼副生成物およびエンジンのコンポーネンツと接触すると劣化する。オイル分子は(酸化、硫酸化、窒化およびその他の化学プロセスを経て)反応し、組み合わされて酸性化合物を形成し、より重い分子を形成し、オイルが黒ずみかつ濃厚になる。
劣化はエンジンの通常の使用、エンジンの故障による劣化、水質汚濁、燃料汚染、普通ではない燃焼生成物による汚染およびその他のタイプの結果であり得る。
本開示は、(1)新油および使用済みオイルを分析して劣化マーカデータを取得するステップと、(2)新油および使用済みオイルの(ハンセン極性パラメータ(δ)およびモル分極(P))のような電気化学的特性データを計算するステップと、(3)電気化学的特性データが劣化マーカまたはその他のデータと相関しているかどうか決定するステップと、もしそうであれば、(4)電気化学的特性データを使用してエンジンオイルの劣化の程度を検出するステップによりオイルの劣化の程度を検出する方法に関する。
ステップ1−新油および使用済みオイルのサンプルを分析して劣化マーカーデータを取得する。
オイルの劣化の程度を検出する第1のステップは、新油と使用済みオイルのサンプルを分析して、劣化マーカーおよびオイルの選択された電気的特性を計算するのに必要なその他のデータを取得することである。劣化マーカは、エンジンオイルの劣化の程度の検出に使用できるパラメータである。劣化マーカまたはその他のデータは、ある化合物の存在と濃度、物理的データおよび電気的データであり得る。
エンジン潤滑油が劣化すると、エンジンオイルの分子が反応して結合する。すなわち(酸化、硫酸化、窒化およびその他の化学プロセスを経て)重質炭化水素、アルコール、エーテル、エステル、ケトンおよびジケトン、アルデヒドおよびジスルヒドおよびエンジンオイルの劣化の状態を検出する目的の劣化マーカとして使用できるその他の官能基を含め、その他の化合物に転換される。これらの転換は、例えばエンジンが埃っぽい状態で運転されているようなある環境条件では悪化することがある。
例えば、新油中のエーテルの転換生成物である化合物は、アセトニル−デシルおよびヘキシル−オクチルエーテルを含むことがある。新油中のジスルヒドの転換生成物である化合物は、ジヘキシルスルヒドおよびスルフィオン酸の種を含むジオクチルジスルヒドを含むことができる。新油中のアルコールの転換生成物である化合物は、オクチルドデカン-1-オール、エチル−1−デカノール、2−プロピル−1−1デカノールおよび1−ペンタコンタノールのようなアルコール種を含むことができる。
劣化マーカは化学的パラメータ、物理的パラメータおよび/または電気的パラメータを含むがこれらに限定されない。化学的パラメータは、炭化水素、アルコール、エーテル、エステル、ケトンおよびジケトン、アルデヒドおよびジスルヒドのような化合物の1つまたはそれ以上の官能基の存在および濃度を含む。物理的パラメータは粘度、全酸価(TAN)、全塩基価(TBN)および使用済みオイル中の窒化、硫酸化、酸化および水和のレベルを含む。
関連の官能基は例えば、選択されたオイルサンプル中のどの化合物が時間と共に変化するか決定する質量分析または赤外線分光法を使用して識別可能である。
図1は、選択したオイルサンプル中の5つの官能基の濃度の経時変化を示すグラフである。この特定のサンプルにおいて炭化水素の濃度はほんのわずかしか変化していない。アルコールの濃度は低下している。エーテルとジスルフィド(ジヘキシルスルフィドとジオクチルスルフィド)の濃度は時間の経過と共に増加しているのが見られる。エステル、ケトン、アルデヒドおよびジケトンの総濃度は、あったとしても僅か変化している。このデータは、この特定のオイルサンプルについては少なくとも3つの官能基(アルコール、エーテルおよびジスルヒド)が、エンジンオイルの劣化の程度を決定する劣化マーカとして使用できることを示している。
図2は、エンジンオイルの使用済みオイルで見付かったさまざまな官能基に属する化合物のガスクロマトグラフのプリントアウトと“ピーク強度”を示す質量分析(GCおよびMS)データである。この方法では、これらの化合物の僅かいくつかをエンジンオイル劣化マーカとして選択できる。
要約すれば、さまざまに“転換された”官能基の存在と濃度は、エンジンオイルの劣化の程度を示すマーカとして使用できる。実際の官能基(マーカ)は、オイルのタイプとそれが使用される環境次第で変わる。
使用済みオイルの粘度、TAN、TBNおよび窒化、硫酸化、酸化および水和のレベルのような物理的パラメータを含め、その他のタイプの劣化マーカーを使用できる。
ステップ2−新油と使用済みオイルの電気化学的特性のデータ(極性(δ)およびモル分離(P)のような)の計算。
このステップには、ステップ1で収集した分析データに基づく新油と使用済みオイルの(ハンセン極性パラメータ(δ)およびモル分極(P)のような)電気化学的特性のデータの計算が含まれる。例えば、ハンセン極性パラメータ(δ)は次のグループ加法の式を使用して計算できる:
ここに、δ,i=極性種iのハンセン極性パラメータ
およびφi=種iの相対体積
オイルの劣化の間に形成する様々な有機化合物に対するハンセン極性パラメータ(δ)は次の通りである:
代案として、モル分極(P)は次式を使用して計算できる:
ここに、
=モル分極/電気的双極子モーメント密度、cc/mol
MW=オイルの平均分子量、g/mol
ε=オイルの誘電率
ρ=オイルの密度、g/cc
ε=自由空間誘電率、8.85418×10−12/m−j
=アボガドロ数,6.023×1023mol−1
α=分極率(c/J)
μ=オイル中の極性種による双極子モーメント、デバイ
=ボルツマン定数、1.131×10−23J/K
T=温度、K
ステップ3−電気化学的特性データが劣化マーカまたはその他のデータに相関するかどうかを決定する。
図3は、オイルサンプルのハンセン極性パラメータ(δ)とモル分極(P)の経時変化を示し、(極性(δ)のような)ある電気的特性が劣化マーカまたは(TANのような)その他のデータとよく相関することを実証している。老化したオイルに存在する酸、スルヒドおよびジケトンのようなある化学的種のために、TANの増加が極性の増加に相関していると理論化できる。このように、極性を使用してオイルの劣化の程度を検出できる。
図4は誘電率(ε)に対してプロットした酸化、硫酸化および窒化のレベルを示す。このデータからオイルの誘電率は劣化と共に上昇し、酸化、硫酸化および窒化のレベルの上昇とよく相関していると言える。このように誘電率はオイルの劣化の程度の検出に使用できる。
同じ電気化学的特性パラメータは、すべてのオイルにおけるエンジンオイルの劣化の検出に使用するのは適していないかもしれない。図5は3つの選択したオイルサンプルの誘電率の経時変化を示し、それぞれのデータセットは幾何学記号の三角、四角およびひし形で示されている。ひし形で表されたデータセットの誘電率は時間と共に変化するが、ほかの2つのデータセットはそうでないことが容易にわかる。このようにひし形のセットで表されたオイルに対してエンジンオイルの劣化の程度を検出するのに誘電率は適しているが、ほかの2つのオイルに対しては適していない。
ステップ4−電気化学的特性データを使用してエンジンオイルの劣化の程度を検出する。
ある電気化学的特性データが劣化マーカまたはその他のデータに相関していることが判明すれば、その電気化学的特性データを使用してオイルの劣化の程度を検出できる。例えば、使用済みオイルのサンプルを現場で採取しあるパラメータについて分析でき、次いでそのパラメータを使用して1つまたはそれ以上の電気的特性を計算する。次にこの電気的特性を使用してオイルの劣化の程度を検出できる。
方法の要約
図6は本開示によるオイルの劣化の程度を検出する方法を示す系統図である。この方法は次のステップから成る。
ステップ100:エンジンオイルの新油および使用済みオイルを分析技法を使用して分析し、劣化マーカまたはその他のデータを取得する。分析技法は下記から成るグループから選択できる:(1)GC/MS(ガスクロマトグラフィーおよび/または質量分析)、ここに劣化マーカデータはオイルの組成データを含む、(2)TGA/DSC(熱重量分析/示差走査熱量測定)、ここに劣化マーカデータは熱安定データを含む、(3)FT−IR(フーリエ変換赤外分光)、ここに劣化マーカデータは構造解析データを含む、(4)潤滑油分析、ここに劣化マーカデータはTBN、窒化、硫酸化、含水率および/またはグリコール含有量データを含む、(5)電位差滴定、ここに劣化マーカデータはTANデータを含む、(6)摩耗金属分析、ここに劣化マーカデータは添加物減耗データを含む、(7)粘度および密度アナライザー、ここに劣化マーカデータは粘度、密度および/または粘度指数を含む。
ステップ200:エンジンオイルの新油と使用済みオイルの電気化学的特性データ(例えば、極性またはモル分極)を計算する。
ステップ300:電気化学的特性データが劣化マーカまたはその他のデータと相関しているかどうか決定する(そして電気化学的特性を劣化マーカの新しいタイプとして使用できる)。
ステップ400:電気化学的特性データが劣化マーカデータと相関しておれば、エンジンオイルの使用済みオイルのサンプルの電気化学的特性を使用してエンジンオイルの劣化の程度を検出する。このステップは現場で機械からオイルのサンプルを採取し、関心のある電気化学的特性の計算に必要とされるものを含みさまざまな特性についてオイルのサンプルを分析し、関心のある電気化学的特性を計算し、その電気化学的特性を使用して機械の中のオイルを交換すべきかどうか決定する。
その他の所見と結論
老化したオイルの動粘度の上昇は、劣化の見掛けの活性化エネルギーの上昇と相関している。オイルが劣化すると長鎖炭化水素が形成され、これが動粘度を上昇させる。
劣化するとアルコール濃度が低下し、エーテルとスルフィド濃度が上昇し、さまざまな範囲の(ジ)エステル、カルボン酸およびジカルボニル化合物が観察される。
全酸価(TAN)の増加は、老化したオイル中の酸、スルフィドおよびジケトンのような種のイオン性の増加と相関している。
オイルの(δ)の全体的な傾向は劣化時間と共に増加した。(δ)はオイルの双極子モーメントおよび分極率体積の検出にも使用された。
オイルのモル分極(誘導+電荷)も120から133cc/molに上昇するのが分かった。これは誘電率が、劣化のあるエンジンオイルの偏光を検出する検出変数として使用できることを明確に示している。
本開示の方法は、オイルの劣化が問題になる場合は何時でもまたどこでも使用できる。該方法はオイルの劣化が発生する建設業界、鉱業界、宇宙航空業界、化学業界、機関車業界または任意の業界に適用できる。例えば、建設業界ではオイルの劣化が大型オフロード機械で生じ、乾燥した埃っぽい環境で問題が増悪する。
該方法はオイルの品質を時間と共にモニターして、必要になれば交換しそれ以前には交換せず、エンジンオイルの使用を最大限に伸ばすのに使用できる。該方法は使用済みオイルがまだ使用に適しているかどうかの決定に使用でき、このようにしてオイルの使用を節約する。該方法は、オイルの劣化の傾向の確認にも使用できる。
上記の開示の実施例は、本開示の原理を例示する単なる特定の例であることを理解されたい。本開示の修正および代案の実施例が、上記の教示および付属の請求項で定義される本開示の範囲から逸脱しない範囲で企図される。請求項は、それらの範囲内のこのようなすべての修正および代案の実施例を含むことが意図される。

Claims (15)

  1. オイルの劣化の程度を検出する方法であって、該方法は:
    オイルが新しい時とオイルを使用した時のサンプルを、分析技法を用いて分析し劣化マーカまたはその他のデータを取得するステップと;
    新しいエンジンオイルおよび使用したエンジンオイルの電気化学的特性のデータを計算するステップと;
    該電気化学的特性のデータが劣化マーカまたはその他のデータと相関しているかどうかを決定するステップを含み、そして
    電気化学的特性のデータが劣化マーカまたはその他のデータと相関しておれば、オイルの使用したサンプルの電気化学的特性のデータを使用してオイルの劣化の程度を検出する
    ことを特徴とする方法。
  2. 該分析技法が、ガスクロマトグラフィー、質量分析、熱重量分析、示差走査熱量測定、フーリエ変換赤外分光、潤滑油分析、電位差滴定、摩耗金属分析および粘度および密度分析から成るグループから選択される請求項1に記載の方法。
  3. 劣化マーカまたはその他のデータが、オイルの組成データを含む請求項2に記載の方法。
  4. 劣化マーカまたはその他のデータが熱安定データを含む請求項2に記載の方法。
  5. 劣化マーカまたはその他のデータが構造解析データを含む請求項2に記載の方法。
  6. 劣化マーカまたはその他のデータがTBN、窒化、硫酸化、酸化、含水率および/またはグリコール含有量データを含む請求項2に記載の方法。
  7. 劣化マーカまたはその他のデータがTANデータを含む請求項2に記載の方法。
  8. 劣化マーカまたはその他のデータが添加物減耗データを含む請求項2に記載の方法。
  9. 劣化マーカまたはその他のデータが粘度、密度および/または粘度指数を含む請求項2に記載の方法。
  10. 電気化学的特性データがハンセン極性パラメータ(δ)である請求項1に記載の方法。
  11. ハンセン極性パラメータ(δ)が次式で計算される請求項10に記載の方法:
  12. 電気化学的特性データがモル分極(P)である請求項1に記載の方法。
  13. モル分極(P)が次式で計算される請求項1に記載の方法:
  14. オイルの劣化の程度を検出するためにオイルの使用されたサンプルの電気化学的特性データを使用することが:
    オイルサンプルを現場で機械から採取するステップと;
    電気化学的特性データの計算に必要なこれらの特性についてオイルサンプルを分析するステップと;
    電気化学的特性データを計算するステップと;および
    機械の中のオイルを交換すべきかどうか決定するために電気化学的特性データを使用するステップを含む請求項1に記載の方法。
  15. オイルがエンジン潤滑油であり;そして機械が大型オフロード機械である請求項14に記載の方法。
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