JP2017523148A - 骨形成不全症の治療に使用するための抗Siglec−15抗体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、抗Siglec−15抗体またはその抗原結合断片による骨形成不全症の治療に関する。骨形成不全症VI型の治療が特に企図される。【選択図】図1

Description

本発明は、抗Siglec−15抗体またはその抗原結合断片による骨形成不全症の治療に関する。骨形成不全症VI型の治療が特に企図される。
骨は、骨の構造的、機械的および生化学的完全性ならびに人体のミネラル恒常性を支えるのに必要とされる、機能的に異なる細胞集団からなる動的な結合組織である。関与する主な細胞の種類には、骨形成および骨量維持を担う骨芽細胞、骨吸収を担う破骨細胞、ならびに骨芽細胞および破骨細胞の活性を調節する機械的センサー細胞と考えられている骨細胞が含まれる。動的プロセスでの骨芽細胞および破骨細胞の機能は、骨リモデリングと呼ばれる。前駆細胞からのこれらの細胞の発生および増殖は、骨の微小環境において産生される増殖因子およびサイトカインのネットワーク、ならびに全身ホルモンにより支配されている。骨リモデリングは個体の生涯にわたって継続し、健康な骨組織およびミネラルの恒常性の維持に必要である。プロセスはおおむね平衡のままであり、全身ホルモン、ペプチドおよび下流のシグナル伝達経路タンパク質、局所転写因子、サイトカイン、増殖因子、ならびにマトリックスリモデリング遺伝子の複雑な相互作用により支配されている。
骨リモデリングプロセスで生じる障害または不均衡は骨格疾患を引き起こす可能性があり、最も一般的な骨格障害は骨量の正味の減少を特徴とする。この骨量低下の主な原因は、破骨細胞の数および/または活性の増加である。
骨リモデリングは骨格全体にわたって個別のパケットで起こるため、局所的に産生されるホルモンおよび酵素が、骨吸収の開始および正常なリモデリングプロセスにとって全身ホルモンより重要となり得る。そのような局所調節は、これらが機能する微小環境において骨芽細胞および破骨細胞により媒介される。例えば、破骨細胞は骨基質に結合し、破骨細胞自体と、波状縁を取り囲むアクチンの環により形成されるシーリングゾーンにより区切られた骨表面との間に別個のコンパートメントを形成する。複数の小さな小胞が酵素を骨基質へ輸送し、部分的に消化された骨基質を自らの中に取り込む。シーリングゾーン内の微小環境はリソソーム酵素の存在が豊富で、身体の正常な生理的pHと比べて高度に酸性である。波状縁膜は、RANKLの受容体であるRANK、およびマクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)受容体(これらは両方とも、破骨細胞分化を担う)、ならびに破骨細胞を迅速に不活性化することが可能であるカルシトニン受容体も発現する(Baron,R. 2003)。
故に、これらの特殊化細胞により創出される固有の局所環境が、他の組織では発現されない固有の遺伝子配列ならびに/または他の組織で発現されるポリヌクレオチドおよびポリペプチドのスプライスバリアントのどちらかの発現に起因していることは理にかなっている。
骨リモデリングに関連する多くの疾患はほとんど解明されておらず、一般的に治療不可能であり、または限られた範囲でのみ治療可能である。例えば、骨形成不全症(OI)の治療に関する選択肢は極めて限られている。
骨形成不全症は、骨折に対する高い感受性を示す骨脆弱性を特徴とし、I型コラーゲンをコードする遺伝子の変異に起因した結合組織障害の一群を包含する。劣性OI VI型は、未石灰化類骨量の増加を特徴とし、これにより明白な疾患機序を示唆する点でOIの種類の中でも独特である。色素上皮由来因子(PEDF)をコードするSERPINF1遺伝子における変異が、OIのこの独特の形態をもたらすことが近年示された(Homanら、2011)。OI VI型は非常に稀であるが、重症度は中程度と見なされており、幼年期に骨形成異常および骨折を引き起こし、青年期までに可動性の重度の障害をもたらす。この脆い骨の疾患は、類骨の肥厚および血清アルカリホスファターゼ値の上昇を特徴とする骨の石灰化の遅延に起因する。OIに対する現在の治療には、成長ホルモンおよびビスホスフォネートが含まれるが、OI VI型患者はビスホスフォネートに同様にうまく反応しない。OI VI型に対する新規の治療がそれ故に必要とされている(Homanら 2011)。
本出願人は、シアル酸結合免疫グロブリン様レクチン−15(Siglec−15)が破骨細胞分化に必要とされることを示し、骨疾患の治療および骨吸収の阻害のためのSiglec−15を標的にする抗体を記載した。
抗Siglec−15抗体による骨形成不全症VI型の治療が、本明細書に特に開示される。
本発明は、PEDFまたはPEDF経路の不均衡または制御異常に関連する骨疾患の治療における抗Siglec−15抗体またはその抗原結合断片の使用に関する。
より詳細には、本発明は、PEDFの不活性化、機能の喪失、発現の喪失、分泌の喪失、または変異に関連する骨疾患の治療に関する。
本発明はまた、PEDFの下流のエフェクター(例えば、例えば血管内皮増殖因子(VEGF)等の、骨細胞または組織に対するPEDF媒介生物学的作用に関与する下流のエフェクター)の不活性化、機能の喪失、発現の喪失、分泌の喪失、または変異に関連する骨疾患の治療にも関する。
さらに、本発明は、PEDFの発現または分泌に正に影響する制御因子(例えば、アンジオスタチン、クリングル5ドメイン)の機能の喪失、発現の喪失、分泌の喪失、または変異に関連する骨疾患の治療に関する。
本発明はさらに、PEDFの発現または分泌に負に影響する制御因子の機能、発現、分泌の増大に関連する骨疾患の治療に関係する。
治療から恩恵を受け得る個体には、SERPINF1遺伝子に変異を有する者が含まれる。そのような個体には特に、SERPINF1遺伝子変異がPEDFタンパク質の不活性化、機能の喪失または発現の喪失をもたらす者が含まれる。そのような個体は、(例えば、インビトロまたはインビボ試験で)SERPINF1遺伝子もしくはPEDFタンパク質における変異について試験することおよび/またはそのような個体から得られたPEDFタンパク質の活性を試験することにより同定することができる。SERPINF1変異の例示的な実施形態については、Homanら、2011を参照のこと。必要としている個体は、特に小児または幼児を包含する。
本発明は特に、抗Siglec−15抗体またはその抗原結合断片による骨形成不全症VI型の治療に関する。
本明細書に開示された治療は、ヒトSiglec−15(配列番号2)および/またはそのバリアントもしくは天然バリアントに結合することが可能である抗体またはその抗原結合断片の投与を含む。
本発明によれば、適切な抗Siglec−15抗体またはその抗原結合断片には、破骨細胞分化、形成および/または破骨細胞の活性をインビトロおよび/またはインビボで阻害することが可能であり得るものが含まれてもよい。
ビヒクル(PBS)、3mg/kg(3)および10mg/kg(10)抗Siglec−15抗体で治療されたオスのSERPINF1ヌルマウスの、二重エネルギーX線吸収(DEXA)を用いた大腿骨(A)、脛骨(B)、および脊椎(C)の骨塩量(BMD)分析を示す図である。*、p<0.05。10mg/kg抗Siglec−15による治療は、大腿骨(パネルA)および脛骨(パネルB)におけるBMDの増加をもたらした。脊椎(パネルC)において、同じ傾向が観察されたが、効果はより軽度であった。 ビヒクル(PBS)、3mg/kg(3)および10mg/kg(10)抗Siglec−15抗体で治療されたオスのSERPINF1ヌルマウスの大腿骨遠位における骨体積(BV/TV%)および結合密度(Conn.Dn/mm3)のマイクロCT分析を示す図である。*、p<0.05。大腿骨遠位の代表的なマイクロCT画像(パネルA)。骨体積(パネルB)は、10mg/kg抗Siglec−15で治療された動物において増加した。結合密度(パネルC)は、3mg/kgおよび10mg/kgの両方での抗Siglec−15抗体治療により増大した。 ビヒクル(PBS)、3mg/kg(3)および10mg/kg(10)抗Siglec−15抗体で治療されたオスのSERPINF1ヌルマウスの大腿骨遠位における骨梁数(TbN 1/mm;パネルA)、骨梁間隙(TbSp. mm;パネルB)、および骨梁幅(TbTh mm;パネルC)のマイクロCT分析を示す図である。*、p<0.05。骨梁数は10mg/kgの抗Siglec−15で治療された動物において増加し、骨梁間隙はビヒクル対照と比べてこの群において相応に減少した。骨梁幅は治療により影響されなかった。 ビヒクル(PBS)、3mg/kg(3)および10mg/kg(10)抗Siglec−15抗体で治療されたオスのSERPINF1ヌルマウスの大腿骨遠位における皮質幅(CtTh mm;パネルA)および皮質骨体積(BV/TV%;パネルB)のマイクロCT分析を示す図である。皮質幅および骨体積は、抗Siglec−15による治療により影響されなかった。
本発明のさらなる範囲、適用性および利点は、以下に示される非限定的な詳細な説明から明らかとなろう。しかし、この詳細な説明は、本発明の例示的な実施形態を示しながら、添付図面を参照して単なる例として示されると理解されるべきである。
本発明は、抗Siglec−15抗体またはその抗原結合断片による骨形成不全症の治療に関する。骨形成不全症VI型の治療が特に企図される。
本発明によれば、抗Siglec−15抗体またはその抗原結合断片は、破骨細胞分化、形成および/または破骨細胞の活性をインビトロおよび/またはインビボで阻害することが可能であり得る。
そのような抗体またはその抗原結合断片には、例えば、ヒトSiglec−15(配列番号2)またはそのバリアントもしくは天然バリアントに結合することが可能であるものが含まれてもよい。
そのような抗体またはその抗原結合断片には、Siglec−15(配列番号2)のアミノ酸20から259、および/またはSiglec−15バリアント(例えば、配列番号4を含む配列番号2と少なくとも80%の配列同一性を有するバリアント)の対応する領域に結合することが可能であり得るものも含まれる。より具体的には、本発明の抗体または抗原結合断片は、Siglec−15(配列番号2)のアミノ酸49から165および/またはSiglec−15バリアント(例えば、例えば配列番号4を含む配列番号12と少なくとも80%の配列同一性を有するバリアント)の対応する領域に結合し得る。本発明の抗体または抗原結合断片には、例えば配列番号2の99位に位置するアルギニン(R99)を含むエピトープを含む、ヒトSiglec−15に固有のエピトープに結合することが可能であるものも含まれ得る。
マウスSiglec−15(配列番号4)よりヒトSiglec−15(配列番号2)に好ましくは結合する抗体は、マウス破骨細胞よりヒト破骨細胞の分化または活性の阻害に効果があり得ると本明細書では理解されるべきである。ヒトSiglec−15で見出され、マウスSiglec−15では見出されないエピトープに結合する抗体は、ヒト破骨細胞の分化または活性を阻害し得、マウス破骨細胞の分化または活性は阻害し得ない。故に、抗Siglec−15抗体の効力は、サルにおいて、またはサルから単離された細胞を用いて試験することができる。実際に、カニクイザルおよびアカゲザルのSiglec−15タンパク質は、ヒトSiglec−15アミノ酸配列のそれと極めて類似しており、抗Siglec−15抗体はこれらの動物種において既に試験することができる。したがって、効力アッセイは、(例えば、ヒト、サルおよび/またはマウスSiglec−15に対する)抗体の特異性に応じて適合され得る。
効力は、以下に示されているようにインビトロで測定することができる。適切な抗体は、その基準で、または適切な動物モデルにおけるその効力に基づき選択することができる(例えば、米国特許第8,575,316号の実施例15、またはStuibleら、J. Biol. Chem 289(10)、6498〜6512頁、2014を参照のこと)。
例示的な実施形態において、抗体または断片は、破骨細胞の骨分解活性の増加がある状態等の骨疾患に関連する骨量減少において治療的に使用され得る。特定の例において、抗体または抗原結合断片は、配列番号2を発現し、ADCCを媒介して免疫学的反応を誘導する細胞と相互作用し得る。他の例において、抗体および断片は、配列番号2とこの天然のリガンドとの相互作用をブロックし得る。さらに他の例において、抗体および断片は、タンパク質の内在化および/またはタンパク質の分解を誘導し得る。さらなる例において、抗体および断片は、配列番号2を標的にして骨細胞に薬物(例えば、毒素)を送達し得る。
本発明の抗体または抗原結合断片は、骨量減少、骨吸収の治療に有用な別の薬物(骨吸収抑制剤)、または骨量減少もしくは骨吸収に関連する疾患の治療に有用な別の薬物と共に(例えば、同時に、連続的に)投与されてもよい。
骨量減少を阻害することが可能である抗体および抗原結合断片は本明細書に記載され、ならびに/またはWO2014/012165の下、2014年1月23日に公開された国際出願PCT/CA2013/000646、WO2011/041894の下、2011年4月14日に公開されたPCT/CA2010/001586、およびWO2007/093042の下、2007年2月13日に公開されたPCT/CA2007/000210に記載されており、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。そのような抗体が、本発明において使用するために特に企図される。特に適切な抗体種には、25E9抗体のCDRを有するもの、および特にヒト化フレームワークを有するものが含まれる。他の特定の適切な抗体種には、25B8抗体のCDRを有するもの、または#32A1抗体のCDRを有するものが含まれる。
したがって、米国特許第8,575,316号に開示された#32A1抗体と同一のCDR(米国特許第8,575,316号における配列番号44、配列番号45(または配列番号97)、配列番号46、配列番号47、配列番号48、および配列番号49に対応)を有する抗体(例えば、ラット、キメラまたはヒト化)、または米国特許第8,546,540号における寄託アクセッション番号FERM BP−10999もしくはFERM BP−11000を有する抗体と同一のCDRを有する抗体(上記の抗体のヒト化バージョンを含む)の使用も特に企図される。#32A1抗体のCDRの配列は、配列番号103から108に提供され、CDRH2のより短い形態が配列番号109に提供されている。Hirumaら(米国特許第8,546,540号)によれば、#32A1抗体はヒトおよびマウスSiglec−15の両方に結合し、マウスおよびヒト破骨細胞の分化を阻害する。
著者らはまた、#32A1抗体がマウスにおけるインビボ試験で活性および適切であることも示した(米国特許第8,575,316号)。他の特定の抗Siglec−15抗体種は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、2010年8月19日に公開されたUS2010/0209428A1、2011年11月3日に公開されたUS2011/0268733A1、WO/2013/147212の下、2013年10月13日に公開されたPCT/JP2013/059653、WO/2013/147213の下、2013年10月13日に公開されたPCT/JP2013/059654、およびWO2012/045481A2の下、2012年4月12日に公開されたPCT/EP2011/005219に開示されている。
破骨細胞分化、形成および/または活性をインビトロおよび/またはインビボで阻害することが可能であるそれらの抗体およびその抗原結合断片は、療法的治療に適切であり得る。そのため、破骨細胞または破骨細胞前駆細胞に対して望ましい活性を有する抗体および抗体バリアントは、本発明により包含され、特に企図される。
例えば、本発明の抗体または抗原結合断片は、分化した破骨細胞への破骨細胞前駆細胞の分化を妨げる(阻害する)ことが可能であり得る。
本発明によれば、抗体または抗原結合断片は、例えば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、ハイブリッド抗体、またはそれらの断片であってもよい。
本発明により包含されるハイブリッド抗体には、他の可変ドメインが非ヒト化(例えば、マウス可変ドメイン)であり得る一方、ヒト化可変ドメインを含む少なくとも1つの免疫グロブリン鎖(軽鎖または重鎖)を有する抗体が含まれる。
定常領域またはその断片は、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4由来、特にヒトIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4由来であってもよい。より具体的な実施形態において、定常領域はIgG2(例えば、ヒトIgG2)由来であってもよい。特定の実施形態において、定常領域はIgG1(例えば、ヒトIgG1)であってもよい。
軽鎖の定常領域は、ラムダ定常領域またはカッパ定常領域であってもよい。
特に有用となり得る抗原結合断片には、例えば、FV(scFv)、Fab、Fab’または(Fab’)2が含まれる。
抗体または抗原結合断片は、(ハイブリドーマ細胞以外の)単離哺乳動物細胞からもしくは該細胞において、またはハイブリドーマ細胞において産生されてもよい。単離哺乳動物細胞の例示的な実施形態は、動物細胞(例えば、CHO、NSO等)ヒト細胞(例えば、PER.C6(商標)等)である(例えば、Li、F.ら、Mabs 2(5):466〜477頁、2010を参照のこと)。
本発明の態様において、本発明の抗体または抗原結合断片は、分化したヒト破骨細胞へのヒト破骨細胞前駆細胞の分化を妨げ(阻害し)得る。
用語「抗体」は、インタクトな抗体、モノクローナル、またはポリクローナル抗体を指す。用語「抗体」は、二重特異性抗体等の多特異性抗体も包含する。ヒト抗体は通常、それぞれが可変領域および定常領域を含む2本の軽鎖および2本の重鎖でできている。軽鎖可変領域は、フレームワーク領域に隣接された本明細書でCDRL1、CDRL2、およびCDRL3として特定される3つのCDRを含む。重鎖可変領域は、フレームワーク領域に隣接された本明細書でCDRH1、CDRH2、およびCDRH3として特定される3つのCDRを含む。
用語「抗原結合断片」は本明細書で使用されるとき、抗原(例えば、配列番号2またはそのバリアント)に結合する能力を保持する抗体の1つまたは複数の断片を指す。抗体の抗原結合機能は、インタクトな抗体の断片により果たされ得ることが示されている。抗体の「抗原結合断片」という用語の範囲内に包含される結合断片の例には、(i)VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる一価の断片であるFab断片、(ii)ヒンジ領域でジスルフィド架橋により連結された2つのFab断片を含む二価の断片であるF(ab’)2断片、(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFd断片、(iv)抗体の単腕のVLおよびVHドメインからなるFv断片、(v)VHドメインからなるdAb断片(Wardら、(1989)Nature 341:544〜546頁)、ならびに(vi)単離された相補性決定領域(CDR)、例えば、VH CDR3が含まれる。さらに、Fv断片の2つのドメイン、VLおよびVHは、別個の遺伝子によりコードされているが、これらをVLおよびVH領域が対合して一価の分子を形成する一本のポリペプチド鎖(一本鎖Fv(scFv)として知られる)として作製できるようにする合成リンカーにより、組換え方法を用いてつなぐことができる(例えば、Birdら(1988)Science 242:423〜426頁;およびHustonら(1988)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879〜5883頁を参照のこと)。そのような一本鎖抗体が、抗体の「抗原結合断片」という用語の範囲内に包含されることも意図される。さらに、抗原結合断片には、(i)免疫グロブリンヒンジ領域ポリペプチドに融合された結合ドメインポリペプチド(重鎖可変領域、軽鎖可変領域、またはリンカーペプチドを介して軽鎖可変領域に融合された重鎖可変領域等)、(ii)ヒンジ領域に融合された免疫グロブリン重鎖CH2定常領域、および(iii)CH2定常領域に融合された免疫グロブリン重鎖CH3定常領域を含む、結合ドメイン免疫グロブリン融合タンパク質が含まれる。ヒンジ領域は、二量体化を防ぐために1つまたは複数のシステイン残基をセリン残基と置き換えることによって修飾することができる。そのような結合ドメイン免疫グロブリン融合タンパク質は、US2003/0118592およびUS2003/0133939にさらに開示されている。これらの抗体断片は、当業者に知られている従来技術を用いて得られ、断片はインタクトな抗体と同じように有用性についてスクリーニングされる。
典型的な抗原結合部位は、軽鎖免疫グロブリンおよび重鎖免疫グロブリンの対合により形成される可変領域からなる。抗体可変領域の構造は極めて一致しており、極めて類似した構造を示す。これらの可変領域は典型的には、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる3つの超可変領域が間を占める比較的相同なフレームワーク領域(FR)からなる。抗原結合断片の全体的な結合活性は、多くの場合CDRの配列により決定される。FRは多くの場合、最適な抗原結合にとってCDRの三次元における適切な位置決めおよびアライメントに役割を果たしている。
本発明の抗体および/または抗原結合断片は、例えばマウス、ラットもしくは任意の他の哺乳動物、または他の供給源が起源であってもよく、組換えDNA技術を含む種々の手段により製造されてもよい。
抗体または抗原結合断片は、骨量減少の治療において治療的に使用され得る。
例示的なインビトロ効力アッセイ
効力アッセイに使用される細胞培養
破骨細胞分化を誘導するために、10%ウシ胎仔血清(Gibco)および1mMピルビン酸ナトリウムを含有するDMEMで増殖されたマウスRAW264.7細胞(ATCC、マナッサス、VA)を擦り取り、PBSに再懸濁する。細胞を、100ng/mlマウスRANKL(R&D Systems、ミネアポリス、MN)を含有する培地に2×104細胞/cm2で播種する。細胞を(免疫蛍光顕微鏡検査については)3日間、または(全ての他の実験については)4日間分化させる。ヒト破骨細胞前駆細胞(CD14+末梢血単核細胞(PBMC))を、正常なヒトPBMC(AllCells、エメリービル、CA)からCD14マイクロビーズおよびMSカラム(Miltenyi Biotec、ケルン、Germany)を用いて、製造者の指示に従って単離する。細胞を、10%ウシ胎仔血清(HyClone)、1mMピルビン酸ナトリウム(HyClone)、25ng/mlヒトMCSFおよび30ng/mlヒトRANKL(R&D Systems)を含有するAlpha−MEM(Gibco)に3.1×105細胞/cm2で播種する。培地の半分を4日目に交換して細胞を7日間分化させる。
破骨細胞TRAP染色およびインビトロ機能アッセイ
破骨細胞分化および機能に対する抗体の効果を試験するために、所望の濃度の抗体(例えば、0.01から10μg/ml)を含有する培地で上記に記載されている通り、細胞を分化するように誘導する。破骨細胞を4日後に、培養下でTRAP染色により可視化する。簡単には、細胞を3.7%ホルムアルデヒドで固定し、0.2%トリトンX−100/PBSで透過処理し、TRAP染色緩衝液(100mM酢酸ナトリウム、pH5.2、50mM酒石酸ナトリウム、0.01%ナフトールASMX、および0.06% Fast Red Violet)中で、37℃、約30分間インキュベートする。TRAP酵素は、破骨細胞中に赤色反応生成物を生成する。破骨細胞吸収活性を試験するために、細胞をリン酸カルシウム基質でコーティングされたウェル(Osteologic、BD BioSciencesまたはOsteoアッセイ、Corning)に播き、分化するように上記の通り誘導する。7日後、ウェルを漂白剤で処理して細胞を除去し、基質吸収の面積を光学顕微鏡検査により観察する。(破骨細胞または破骨細胞前駆細胞における)Siglec−15の活性をブロックすることができる抗体は、対照抗体と比較して、例えば、TRAP陽性多核細胞が少なくなり得、またはTRAP陽性多核細胞の形態の変化をもたらし得る。破骨細胞は石灰化基質を積極的に消化することから、(破骨細胞または破骨細胞前駆細胞における)Siglec−15の活性をブロックすることができる抗体は、対照(例えば、Siglec−15に結合しない抗体、抗体がない等)と比較して、例えば、カルシウム基質が消化されている面積(露出面積)が少なくなる。ヒト破骨細胞が、骨様表面として作用するリン酸カルシウム基質において分化される場合、対照抗体で処理された細胞は、通常、広い面積の露出したリン酸カルシウムを生成する。これは、破骨細胞が吸収活性を示したことを示すものである。一方、適切な抗Siglec−15抗体で処理された細胞は基質を吸収せず、時として未分化前駆細胞に匹敵し得る。
別の手法は、破骨細胞に分化され、ウシ皮質骨スライスに播種されるCD14+ PBMCを必要とする(分化は播種前、播種時または播種後に行われてもよい)。抗Siglec−15が添加され、骨スライス表面に生成された吸収窩が反射光顕微鏡検査により観察される。(破骨細胞または破骨細胞前駆細胞における)Siglec−15の活性をブロックすることができる抗体は、例えば、より少ないまたはより小さい吸収窩をもたらし得る。
抗体および抗体バリアント
PEDFまたはPEDF経路の不均衡または制御異常に関連する骨疾患の治療に適切であり得る抗Siglec−15抗体またはその抗原結合断片には、破骨細胞分化、形成および/または活性を阻害することが可能であるものが含まれてもよい。阻害抗体の特定の実施形態には、例えば、本明細書に開示されているものが含まれる。阻害抗体の他の特定の実施形態には、国際出願PCT/CA2013/000646、PCT/CA2010/001586、PCT/CA2007/000210、PCT/JP2013/059653、PCT/JP2013/059654、PCT/EP2011/005219、US2010/0209428A1、もしくはUS2011/0268733に開示されているもの、またはそのような抗体に由来する抗体バリアントが含まれる。
特に適切な抗体種には、25E9抗体のCDRを有するもの、および特にヒト化フレームワーク領域を有するものが含まれる。他の適切な抗体種には、#32A1抗体のCDRを有するもの、および特にヒト化フレームワーク領域を有するものが含まれてもよい。
本発明によれば、適切な抗体またはその抗原結合断片は、特に破骨細胞分化を阻害でき得る。
さらに本発明によれば、適切な抗体またはその抗原結合断片は、破骨細胞形成を阻害でき得る。
また本発明によれば、適切な抗体またはその抗原結合断片は、破骨細胞活性も阻害でき得る。
化合物(例えば、抗Siglec−15抗体またはその抗原結合断片)の阻害活性を特徴付けるためのアッセイはWO2007/093042に開示されており、および/または当業者に知られている(例えば、Buckley K.A.ら 2005;Collin−Osdoby P.ら、2003)。そのようなアッセイには、例えば、破骨細胞分化プロセス(例えば、RANKLの存在下)に対する抗Siglec−15抗体の効果を試験することが含まれる。アッセイには、分化した破骨細胞の数の決定、これらの多核細胞化レベルの決定、分化した破骨細胞の特異的マーカー(例えば、TRAP)の試験、および/または化合物の存在下または非存在下、骨基質における破骨細胞の吸収活性の試験が含まれてもよい。そのような試験の実施に適した破骨細胞前駆細胞は入手可能であり、これらには例えば、RAW 264.7細胞または末梢血単球から単離されたヒト破骨細胞が含まれる(例えば、Buckley K.A.ら 2005;Collin−Osdoby P.ら、2003)。
さらに本発明によれば、抗体またはその抗原結合断片は、骨吸収(例えば、破骨細胞の骨吸収活性)を阻害でき得る。
したがって、本発明は、1つの態様において、配列番号6と少なくとも80%同一である軽鎖可変領域、および/または配列番号12と少なくとも80%同一である重鎖可変領域を有し得る、Siglec−15との特異的結合が可能である抗体またはその抗原結合断片を提供する。抗体またはその抗原結合断片は、配列番号6または配列番号12と比較して少なくとも1個のアミノ酸置換を含むこともできる。
本発明はまた、別の態様において、配列番号22と少なくとも80%同一である軽鎖可変領域、および/または配列番号26と少なくとも80%同一である重鎖可変領域を有し得る抗体またはその抗原結合断片も提供する。抗体またはその抗原結合断片は、配列番号22または配列番号26と比較して少なくとも1個のアミノ酸置換を含むこともできる。
本発明によれば、アミノ酸置換は、天然のヒト抗体における対応する位置に現れるアミノ酸であってもよい。
本発明の実施形態によれば、アミノ酸置換は、相補性決定領域(CDR)の外側であってもよい。
本発明の実施形態によれば、アミノ酸置換は、例えば軽鎖可変領域に位置してもよい。
本発明の追加の実施形態によれば、抗体またはその抗原結合断片は、少なくとも2個または少なくとも3個のアミノ酸置換を含んでもよい。そのようなアミノ酸置換は、同じ可変領域に位置してもよく、または異なる可変領域に位置してもよい。
さらに本発明によれば、抗体またはその抗原結合断片は、例えば、1から25個のアミノ酸置換を軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域に含んでもよい。より具体的には、抗体またはその抗原結合断片は、例えば、1から22個のアミノ酸置換をこの軽鎖可変領域、および1から25個のアミノ酸置換をこの重鎖可変領域に有してもよい。
配列番号6の相補性決定領域および配列番号12の相補性決定領域を含む抗体または抗原結合断片が、特に企図される。配列番号6および配列番号12の相補性決定領域は、配列番号47から52に記載されてもよい。
抗体または抗原結合断片の他の例示的な実施形態には、配列番号95の相補性決定領域および配列番号96の相補性決定領域を有するものが含まれる。配列番号95および配列番号96の相補性決定領域は、配列番号97から102に記載されてもよい。
マウス25E9抗体可変ドメインとマウス25B8抗体可変ドメインの間の唯一の違いは、CDRH3にあることが特に留意されるべきである。両方の抗体は、破骨細胞分化のインビトロでの阻害に機能的である。したがって、25E9 CDRH3は、このインビトロでの活性を喪失することなくある程度のアミノ酸置換(1、2、3または4個の置換)を容認し得るように思われる。置換は、例えば保存的アミノ酸置換であってもよい。
配列番号22の相補性決定領域および配列番号26の相補性決定領域を含む抗体または抗原結合断片も企図される。配列番号22および配列番号26の相補性決定領域は、配列番号53から58に記載されてもよい。
#32A1抗体の相補性決定領域を含む抗体または抗原結合断片も企図される(例えば、配列番号103〜109)。
そのような抗体または抗原結合断片は、ヒト抗体のフレームワークアミノ酸を含んでもよく、故に特に上記抗体のヒト化形態を含んでもよい。
したがって、本発明に適し得る抗体には、
a)配列番号47、配列番号48、および配列番号49に記載された相補性決定領域アミノ酸配列を含む軽鎖、ならびに配列番号50、配列番号51および配列番号52に記載された相補性決定領域アミノ酸配列を含む重鎖、
b)配列番号53、配列番号54、および配列番号55に記載された相補性決定領域アミノ酸配列を含む軽鎖、ならびに配列番号56、配列番号57、および配列番号58に記載された相補性決定領域アミノ酸配列を含む重鎖、
c)配列番号97、配列番号98、および配列番号99に記載された相補性決定領域アミノ酸配列を含む軽鎖、ならびに配列番号100、配列番号101、および配列番号102に記載された相補性決定領域アミノ酸配列を含む重鎖、または
d)配列番号103、配列番号104(または配列番号109)、および配列番号105に記載された相補性決定領域アミノ酸配列を含む軽鎖、ならびに配列番号106、配列番号107、および配列番号108に記載された相補性決定領域アミノ酸配列を含む重鎖を有するものが含まれる。
本発明の他の例示的な実施形態は、例えば、配列番号33に記載された軽鎖可変ドメイン(Generic 25E9軽鎖可変ドメイン(コンセンサス1))を有する抗体またはその抗原結合断片を含む。
DIVMTQXXXSXPVTPGEXXSISCRSTKSLLHSNGNTYLYWXLQXPGQSPQLLIYRMSNLASGVPDRFSGSGSGTXFTLXISRVEAEDVGVYYCMQHLEYPFTFGGGTKXEIK(配列番号33);
ここで、Xにより特定されるアミノ酸の少なくとも1個は、配列番号6(マウスVL)に記載されたポリペプチドの対応するアミノ酸と比較して、アミノ酸置換であってもよい。アミノ酸置換は、例えば保存的または非保存的であってもよい。本発明によれば、アミノ酸置換は保存的であってもよい。
本発明の別の例示的な実施形態は、例えば、配列番号34に記載された軽鎖可変ドメイン(Generic 25E9軽鎖可変ドメイン(コンセンサス2))を有する抗体またはその抗原結合断片を含む。
DIVMTQXa1Xa2Xa3SXa4PVTPGEXa5Xa6SISCRSTKSLLHSNGNTYLYWXa7LQXa8PGQSPQLLIYRMSNLASGVPDRFSGSGSGTXa9FTLXa10ISRVEAEDVGVYYCMQHLEYPFTFGGGTKXa11EIK(配列番号34);
ここで、Xにより特定されるアミノ酸の少なくとも1個は、配列番号6(マウスVL)に記載されたポリペプチドの対応するアミノ酸と比較して、アミノ酸置換であってもよく、
Xa1、Xa4、Xa7、Xa8、Xa10およびXa11は、配列番号6と比較してそれぞれ独立に保存的アミノ酸置換であってもよく、
Xa2、Xa5、Xa6は、配列番号6と比較してそれぞれ独立に半保存的アミノ酸置換であってもよく、
Xa3は、PまたはLであってもよく、
Xa9は、AまたはDであってもよい。
本発明のさらに別の例示的な実施形態は、例えば、配列番号35に記載された軽鎖可変ドメイン(Generic 25E9 軽鎖可変ドメイン(コンセンサス3))を有する抗体またはその抗原結合断片を含む。
DIVMTQXa1Xa2Xa3SXa4PVTPGEXa5Xa6SISCRSTKSLLHSNGNTYLYWXa7LQXa8PGQSPQLLIYRMSNLASGVPDRFSGSGSGTXa9FTLXa10ISRVEAEDVGVYYCMQHLEYPFTFGGGTKXa11EIK(配列番号35);
ここで、X(Xa1からXa11を含む)により特定されるアミノ酸の少なくとも1個は、配列番号6(マウスVL)に記載されたポリペプチドの対応するアミノ酸と比較して、アミノ酸置換であってもよく、
Xa1は、AまたはSであってもよく、
Xa2は、AまたはPであってもよく、
Xa3は、PまたはLであってもよく、
Xa4は、疎水性アミノ酸(例えば、VまたはL)であってもよく、
Xa5は、SまたはPであってもよく、
Xa6は、疎水性アミノ酸(例えば、VまたはA)であってもよく、
Xa7は、芳香族アミノ酸(例えば、FまたはY)であってもよく、
Xa8は、塩基性アミノ酸(例えば、RまたはK)であってもよく、
Xa9は、AまたはDであってもよく、
Xa10は、塩基性アミノ酸(例えば、RまたはK)であってもよく、
Xa11は、疎水性アミノ酸(例えば、LまたはV)であってもよい。
さらなる実施形態において、本発明は、例えば、配列番号36に記載された重鎖可変ドメイン(Generic 25E9重鎖可変ドメイン(コンセンサス1))を有する抗体またはその抗原結合断片を含む。
EIQLQQSGXEXXXPGXSVXXSCKASGYTFTDYDMHWVXQXPXXGLEWXGTIDPETGGTAYNQKFKGXXTXTADXSXXTAYMELSSLXSEDXAVYYCTSFYYTYSNYDVGFAYWGQGTLVTVSX(配列番号36);
ここで、Xにより特定されるアミノ酸の少なくとも1個は、配列番号12(マウスVH)に記載されたポリペプチドの対応するアミノ酸と比較して、アミノ酸置換であってもよい。アミノ酸置換は、例えば保存的または非保存的であってもよい。本発明によれば、アミノ酸置換は保存的であってもよい。
本発明のさらなる実施形態は、例えば、配列番号37に記載された重鎖可変ドメイン(Generic 25E9重鎖可変ドメイン(コンセンサス2))を有する抗体またはその抗原結合断片を含む。
EIQLQQSGXb1EXb2Xb3Xb4PGXb5SVXb6Xb7SCKASGYTFTDYDMHWVXb8QXb9PXb10Xb11GLEWXb12GTIDPETGGTAYNQKFKGXb13Xb14TXb15TADXb16SXb17Xb18TAYMELSSLXb19SEDXb20AVYYCTSFYYTYSNYDVGFAYWGQGTLVTVSXb21(配列番号37);
ここで、X(Xb1からXb21を含む)により特定されるアミノ酸の少なくとも1個は、配列番号12(マウスVH)に記載されたポリペプチドの対応するアミノ酸と比較して、アミノ酸置換であってもよく、
Xb2、Xb4、Xb5、Xb7、Xb8、Xb9、Xb11、Xb12、Xb13、Xb15、Xb16、Xb17、Xb18、Xb20およびXb21は、配列番号12と比較してそれぞれ独立に保存的アミノ酸置換であってもよく、
Xb1、Xb6、Xb14は、配列番号12(マウスVH)と比較してそれぞれ独立に半保存アミノ酸置換であってもよく、
Xb3は、VまたはKであってもよく、
Xb10は、VまたはGであってもよく、
Xb19は、TまたはRであってもよい。
本発明の別の実施形態は、例えば、配列番号38に記載された重鎖可変ドメイン(Generic 25E9重鎖可変ドメイン(コンセンサス3))を有する抗体または抗原結合断片を含む。
EIQLQQSGXb1EXb2Xb3Xb4PGXb5SVXb6Xb7SCKASGYTFTDYDMHWVXb8QXb9PXb10Xb11GLEWXb12GTIDPETGGTAYNQKFKGXb13Xb14TXb15TADXb16SXb17Xb18TAYMELSSLXb19SEDXb20AVYYCTSFYYTYSNYDVGFAYWGQGTLVTVSXb21(配列番号38);
ここで、X(Xb1からXb21を含む)により特定されるアミノ酸の少なくとも1個は、配列番号12(マウスVH)に記載されたポリペプチドの対応するアミノ酸と比較して、アミノ酸置換であってもよく、
Xb1は、疎水性アミノ酸(例えば、VまたはA)であってもよく、
Xb2は、疎水性アミノ酸(例えば、LまたはV)であってもよく、
Xb3は、VまたはKであってもよく、
Xb4は、塩基性アミノ酸(例えば、RまたはK)であってもよく、
Xb5は、AまたはSであってもよく、
Xb6は、TまたはKであってもよく、
Xb7は、疎水性アミノ酸(例えば、LまたはV)であってもよく、
Xb8は、塩基性アミノ酸(例えば、KまたはR)であってもよく、
Xb9は、TまたはAであってもよく、
Xb10は、VまたはGであってもよく、
Xb11は、塩基性アミノ酸(例えば、HまたはQ)であってもよく、
Xb12は、疎水性アミノ酸(例えば、IまたはM)であってもよく、
Xb13は、塩基性アミノ酸(例えば、KまたはR)であってもよく、
Xb14は、疎水性アミノ酸(例えば、AまたはV)であってもよく、
Xb15は、疎水性アミノ酸(例えば、LまたはI)であってもよく、
Xb16は、塩基性アミノ酸(例えば、RまたはK)であってもよく、
Xb17は、中性親水性アミノ酸(例えば、SまたはT)であってもよく、
Xb18は、中性親水性アミノ酸(例えば、TまたはS)であってもよく、
Xb19は、TまたはRであってもよく、
Xb20は、中性親水性アミノ酸(例えば、SまたはT)であってもよく、
Xb21は、AまたはSであってもよい。
本発明の他の例示的な実施形態は、例えば、配列番号39に記載された軽鎖可変ドメイン(Generic 25D8軽鎖可変ドメイン(コンセンサス1))を有する抗体またはその抗原結合断片を含む。
DIVMTQXXXSXPVTXGXXASISCRSSKSLLHSNGITYLYWYLQKPGQSPQLLIYQMSNLASGVPDRFSXSGSGTDFTLXISRVEAEDVGVYYCAQNLELPYTFGGGTKXEIK(配列番号39);
ここで、Xにより特定されるアミノ酸の少なくとも1個は、配列番号22(マウスVL)に記載されたポリペプチドの対応するアミノ酸と比較して、アミノ酸置換であってもよい。アミノ酸置換は、例えば保存的または非保存的であってもよい。本発明によれば、アミノ酸置換は保存的であってもよい。
本発明のさらに別の例示的な実施形態は、例えば、配列番号40に記載された軽鎖可変ドメイン(Generic 25D8軽鎖可変ドメイン(コンセンサス2))を有する抗体またはその抗原結合断片を含む。
DIVMTQXc1Xc2Xc3SXc4PVTXc5GXc6Xc7ASISCRSSKSLLHSNGITYLYWYLQKPGQSPQLLIYQMSNLASGVPDRFSXc8SGSGTDFTLXc9ISRVEAEDVGVYYCAQNLELPYTFGGGTKXc10EIK(配列番号40);
ここで、Xにより特定されるアミノ酸の少なくとも1個は、配列番号22(マウスVL)に記載されたポリペプチドの対応するアミノ酸と比較して、アミノ酸置換であってもよく、
Xc1、Xc3、Xc9およびXc10は、配列番号22と比較してそれぞれ独立に保存的アミノ酸置換であってもよく、
Xc2、Xc7、Xc8は、配列番号22と比較してそれぞれ独立に半保存的アミノ酸置換であってもよく、
Xc4は、NまたはLであってもよく、
Xc5は、LまたはPであってもよく、
Xc6は、TまたはEであってもよい。
本発明の追加の実施形態は、例えば、配列番号41に記載された軽鎖可変ドメイン(Generic 25D8軽鎖可変ドメイン(コンセンサス3))を有する抗体またはその抗原結合断片を含む。
DIVMTQXc1Xc2Xc3SXc4PVTXc5GXc6Xc7ASISCRSSKSLLHSNGITYLYWYLQKPGQSPQLLIYQMSNLASGVPDRFSXc8SGSGTDFTLXc9ISRVEAEDVGVYYCAQNLELPYTFGGGTKXc10EIK(配列番号41);
ここで、Xにより特定されるアミノ酸の少なくとも1個は、配列番号22(マウスVL)に記載されたポリペプチドの対応するアミノ酸と比較して、アミノ酸置換であってもよく、
Xc1は、AまたはTであってもよく、
Xc2は、AまたはPであってもよく、
Xc3は、FまたはLであってもよく、
Xc4は、NまたはLであってもよく、
Xc5は、LまたはPであってもよく、
Xc6は、TまたはEであってもよく、
Xc7は、SまたはPであってもよく、
Xc8は、SまたはGであってもよく、
Xc9は、塩基性アミノ酸(例えば、RまたはK)であってもよく、
Xc10は、疎水性アミノ酸(例えば、LまたはV)であってもよい。
本発明のさらに追加の実施形態は、例えば、配列番号42に記載された重鎖可変ドメイン(Generic 25D8重鎖可変ドメイン(コンセンサス1))を有する抗体またはその抗原結合断片を含む。
QVQXQQXGAEXXKPGXSVKXSCKASGYTFTSYWMHWVXQXPGQGLEWXGLINPSNARTNYNEKFNTXXTXTXDKSXSTAYMXLSSLXSEDXAVYYCARGGDGDYFDYWGQGTTXTVSS(配列番号42);
ここで、Xにより特定されるアミノ酸の少なくとも1個は、配列番号26(マウスVH)に記載されたポリペプチドの対応するアミノ酸と比較して、アミノ酸置換であってもよい。アミノ酸置換は、例えば保存的または非保存的であってもよい。本発明によれば、アミノ酸置換は保存的であってもよい。
さらなる実施形態において、本発明は、配列番号43に記載された重鎖可変ドメイン(Generic 25D8重鎖可変ドメイン(コンセンサス2))を有する抗体またはその抗原結合断片を含む。
QVQXd1QQXd2GAEXd3Xd4KPGXd5SVKXd6SCKASGYTFTSYWMHWVXd7QXd8PGQGLEWXd9GLINPSNARTNYNEKFNTXd10Xd11TXd12TXd13DKSXd14STAYMXd15LSSLXd16SEDXd17AVYYCARGGDGDYFDYWGQGTTXd18TVSS(配列番号43);
ここで、Xにより特定されるアミノ酸の少なくとも1個は、配列番号26(マウスVH)に記載されたポリペプチドの対応するアミノ酸と比較して、アミノ酸置換であってもよく、
Xd1、Xd3、Xd5、Xd6、Xd7、Xd9、Xd10、Xd12、Xd14、Xd15、Xd17、Xd18は、配列番号26と比較してそれぞれ独立に保存的アミノ酸置換であってもよく、
Xd2、Xd11、Xd13は、配列番号26と比較してそれぞれ独立に半保存的アミノ酸置換であってもよく、
Xd4は、VまたはKであってもよく、
Xd8は、RまたはAであってもよく、
Xd16は、TまたはRであってもよい。
さらなる実施形態において、本発明は、例えば、配列番号44に記載された重鎖可変ドメイン(Generic 25D8重鎖可変ドメイン(コンセンサス3))を有する抗体またはその抗原結合断片を含む。
QVQXd1QQXd2GAEXd3Xd4KPGXd5SVKXd6SCKASGYTFTSYWMHWVXd7QXd8PGQGLEWXd9GLINPSNARTNYNEKFNTXd10Xd11TXd12TXd13DKSXd14STAYMXd15LSSLXd16SEDXd17AVYYCARGGDGDYFDYWGQGTTXd18TVSS(配列番号44);
ここで、Xにより特定されるアミノ酸の少なくとも1個は、配列番号26(マウスVH)に記載されたポリペプチドの対応するアミノ酸と比較して、アミノ酸置換であってもよく、
Xd1は、疎水性アミノ酸(例えば、VまたはL)であってもよく、
Xd2は、 PまたはSであってもよく、
Xd3は、疎水性アミノ酸(例えば、LまたはV)であってもよく、
Xd4は、VまたはKであってもよく、
Xd5は、AまたはSであってもよく、
Xd6は、疎水性アミノ酸(例えば、LまたはV)であってもよく、
Xd7は、塩基性アミノ酸(例えば、KまたはR)であってもよく、
Xd8は、RまたはAであってもよく、
Xd9は、疎水性アミノ酸(例えば、IまたはM)であってもよく、
Xd10は、塩基性アミノ酸(例えば、KまたはR)であってもよく、
Xd11は、疎水性アミノ酸(例えば、AまたはV)であってもよく、
Xd12は、疎水性アミノ酸(例えば、LまたはI)であってもよく、
Xd13は、疎水性アミノ酸(VまたはA)であってもよく、
Xd14は、中性親水性アミノ酸(例えば、SまたはT)であってもよく、
Xd15は、QまたはEであってもよく、
Xd16は、TまたはRであってもよく、
Xd17は、中性親水性アミノ酸(例えば、SまたはT)であってもよく、
Xd18は、疎水性アミノ酸(LまたはV)であってもよい。
用語「ヒト化抗体」は、完全にヒト化された抗体(すなわち、フレームワークが100%ヒト化されている)、および部分的にヒト化された抗体(例えば、少なくとも1つの可変ドメインはヒト抗体由来の1つまたは複数のアミノ酸を含有するが、他のアミノ酸は非ヒト親抗体のアミノ酸である)を包含する。典型的には「ヒト化抗体」は、非ヒト親抗体(例えば、マウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類等)のCDR、および天然のヒト抗体またはヒト抗体コンセンサスのものと同一であるフレームワークを含有する。そのような場合、それらの「ヒト化抗体」は、完全にヒト化されていると特徴付けられる。「ヒト化抗体」は、ヒト抗体またはヒト抗体コンセンサスのものに対応しない、1つまたは複数のアミノ酸置換も含有することができる。そのような置換には、例えば、抗体特性(例えば、親和性、特異性等)を保存し得る復帰変異(例えば、非ヒトアミノ酸の再導入)が含まれる。そのような置換は通常、フレームワーク領域にある。「ヒト化抗体」は場合により、典型的にはヒト抗体のものである定常領域(Fc)の少なくとも一部も含む。典型的には「ヒト化抗体」の定常領域は、ヒト抗体のものと同一である。
当然ながら、本明細書に記載されたものと同一のアミノ酸配列を有する任意の抗体、その抗原結合断片、または抗体部分(軽鎖または重鎖可変領域)は、これがヒト化技術、ハイブリドーマ技術、トランスジェニックマウス技術(例えば、ヒト免疫グロブリンレパートリーを有する)、またはその他により得られるかどうかに関係なく、本発明により包含される。
本発明の抗体のフレームワークアミノ酸は、天然のヒト抗体のものと80%から100%(例えば、85から100%、90から100%、95から100%)同一であってもよいと本明細書では理解されるべきである。通常、フレームワークアミノ酸が、天然の抗体の対応するアミノ酸と同一でない場合、そのようなアミノ酸は元のアミノ酸(例えば、マウスアミノ酸)と同一のままであってもよい。
本明細書で使用されるとき、用語「1から25」は、例えば、1、2、3、および25まで;1から25;1から24、1から23、1から22、1から21、1から20、1から19;1から18;1から17;1から16;1から15等;2から25、2から24、2から23、2から22、2から21、2から20;2から19;2から18;2から17等;3から25、3から24、3から23、3から22、3から21、3から20;3から19;3から18等;4から25、4から24、4から23、4から22、4から21、4から20;4から19;4から18;4から17;4から16等;5から25、5から24、5から23、5から22、5から21、5から20;5から19;5から18;5から17等のあらゆる個々の値および範囲を含む。
同様に、例えば「1から22」等の他の範囲は、例えば、1、2、3、および22まで;1から22、1から21、1から20、1から19、1から18、1から17、1から16、1から15;1から14;1から13;1から12;1から11;1から10等;2から22、2から21、2から20、2から19、2から18、2から17、2から16、2から15;2から14;2から13;2から12等;3から22、3から21、3から20、3から19、3から18、3から17、3から16、3から15;3から14;3から13等;4から22、4から21、4から20、4から19、4から18、4から17、4から16、4から15;4から14;4から13;4から12;4から11等;5から22、5から21、5から20、5から19、5から18、5から17、5から16、5から15;5から14;5から13;5から12等のあらゆる個々の値および範囲を含む。
本発明のより具体的な実施形態において、配列番号6に由来する軽鎖可変領域に作製され得るアミノ酸置換の数は、例えば1から11個のアミノ酸置換であってもよい。
本発明のさらにより具体的な実施形態において、配列番号12に由来する重鎖可変領域に作製され得るアミノ酸置換の数は、例えば1から21個のアミノ酸置換であってもよい。幾つかの例において、配列番号12を検討する場合、少なくとも3個のアミノ酸置換を有することが有用となり得る。
本発明のさらなるより具体的な実施形態において、配列番号22に由来する軽鎖可変領域に作製され得るアミノ酸置換の数は、例えば1から10個のアミノ酸置換であってもよい。
本発明のさらなるより具体的な実施形態において、配列番号26の重鎖可変領域に作製され得るアミノ酸置換の数は、例えば1から18個のアミノ酸置換であってもよい。
本発明の実施形態によれば、アミノ酸置換は、例えば軽鎖可変領域にあってもよい。
本発明の実施形態によれば、アミノ酸置換は、例えば重鎖可変領域にあってもよい。
本出願に開示されたシグナルペプチドの配列は、例によってのみ提供されることが特に理解される。そのようなシグナルペプチドは、配列表に示されたものとは異なるアミノ酸または核酸配列を有してもよい。タンパク質を分泌経路に誘導するものを含む適切なシグナルペプチドは、当業者に知られている。
抗体または抗原結合断片は、それ故に、配列番号6または配列番号22と比較して最大22個のアミノ酸置換を有する軽鎖可変領域を有してもよく、配列番号12または配列番号26と比較して最大25個のアミノ酸置換を有する重鎖可変領域を有してもよい。抗体または抗原結合断片が2つの軽鎖可変領域および2つの重鎖可変領域を有する場合、軽鎖可変領域の1つ1つは最大20個のアミノ酸置換を独立に有してもよく、重鎖可変領域の1つ1つは最大20個のアミノ酸置換を有してもよいと本明細書では理解されるべきである。
本明細書に論じられているように、アミノ酸置換は保存的または非保存的であってもよい。例示的な実施形態において、アミノ酸置換は保存的であってもよい。
本発明の抗体または抗原結合断片は、所望であれば、配列番号6、配列番号12、配列番号22および/または配列番号26に記載された軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域の一部を有していてもよいと本明細書では理解されるべきである。そのような抗体または抗原結合断片は故に、異なる実体(例えば、異なる抗体)が起源である軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域のアミノ末端またはカルボキシ末端に一部を有してもよい。
本発明の抗体または抗原結合断片の別の例示的な実施形態には、例えば、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号8、または配列番号10のいずれかの少なくとも90個の連続したアミノ酸を含み得る軽鎖可変領域を有する抗体または抗原結合断片が含まれる。
本明細書で使用されるとき、用語「配列番号33の少なくとも90個の連続したアミノ酸」は、用語「少なくとも91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、または少なくとも112個の連続したアミノ酸」も含む。用語「配列番号33の少なくとも90個の連続したアミノ酸」は、配列番号33に見出される少なくとも90個の連続したアミノ酸の任意の可能性のある配列、および特に、例えば配列番号33のアミノ酸6から108、5から109、13から103、14から111等を含む配列等の、配列番号33の3つのCDRを含む配列を包含する。
本明細書で使用されるとき、用語「配列番号34の少なくとも90個の連続したアミノ酸」は、用語「少なくとも91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、または少なくとも112個の連続したアミノ酸」も含む。用語「配列番号34の少なくとも90個の連続したアミノ酸」は、配列番号34に見出される少なくとも90個の連続したアミノ酸の任意の可能性のある配列、および特に、例えば配列番号34のアミノ酸7から109、12から104、22から112、18から112等を含む配列等の、配列番号34の3つのCDRを含む配列を包含する。
用語「配列番号35の少なくとも90個の連続したアミノ酸」、「配列番号8の少なくとも90個の連続したアミノ酸」、または「配列番号10の少なくとも90個の連続したアミノ酸」は、類似した意味を有する。
本発明によれば、本発明の抗体または抗原結合断片は、例えば、配列番号8または配列番号10に記載された軽鎖可変領域を有してもよい。
本発明の抗体または抗原結合断片は、例えば、配列番号36、37、38、14、16、18または20のいずれかの少なくとも90個の連続したアミノ酸を含み得る重鎖可変領域を含む(またはさらに含む)。
本明細書で使用されるとき、用語「配列番号36の少なくとも90個の連続したアミノ酸」は、用語「少なくとも91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、または少なくとも123個の連続したアミノ酸」も含む。用語「配列番号36の少なくとも90個の連続したアミノ酸」は、配列番号36に見出される少なくとも90個の連続したアミノ酸の任意の可能性のある配列、および特に、例えば配列番号36のアミノ酸1から106、2から112、11から113、7から102等を含む配列等の、配列番号36の3つのCDRを含む配列を包含する。
本明細書で使用されるとき、用語「配列番号37の少なくとも90個の連続したアミノ酸」は、用語「少なくとも91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122または少なくとも123個の連続したアミノ酸」も含む。用語「配列番号37の少なくとも90個の連続したアミノ酸」は、配列番号37に見出される少なくとも90個の連続したアミノ酸の任意の可能性のある配列、および特に配列番号37の3つのCDRを含む配列、例えば配列番号37のアミノ酸6から109、8から113、1から102、2から105等を含む配列を包含する。
用語「配列番号38の少なくとも90個の連続したアミノ酸」、「配列番号14の少なくとも90個の連続したアミノ酸」、「配列番号16の少なくとも90個の連続したアミノ酸」、「配列番号18の少なくとも90個の連続したアミノ酸」または「配列番号20の少なくとも90個の連続したアミノ酸」は、類似した意味を有する。
本発明によれば、本発明の抗体または抗原結合断片は、例えば、配列番号14、16、18または20に記載された重鎖可変領域を有してもよい。
本発明によれば、抗体または抗原結合断片は、例えば、
a)配列番号33の少なくとも90個の連続したアミノ酸を含み得る軽鎖可変領域、および配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号14、配列番号16、配列番号18、もしくは配列番号20のいずれかの少なくとも90個の連続したアミノ酸を含み得る重鎖可変領域、
b)配列番号34の少なくとも90個の連続したアミノ酸を含み得る軽鎖可変領域、および配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号14、配列番号16、配列番号18、もしくは配列番号20のいずれかの少なくとも90個の連続したアミノ酸を含み得る重鎖可変領域、
c)配列番号35の少なくとも90個の連続したアミノ酸を含み得る軽鎖可変領域、および配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号14、配列番号16、配列番号18、もしくは配列番号20のいずれかの少なくとも90個の連続したアミノ酸を含み得る重鎖可変領域、
d)配列番号8の少なくとも90個の連続したアミノ酸を含み得る軽鎖可変領域、および配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号14、配列番号16、配列番号18、もしくは配列番号20のいずれかの少なくとも90個の連続したアミノ酸を含み得る重鎖可変領域、または
e)配列番号10の少なくとも90個の連続したアミノ酸を含み得る軽鎖可変領域、および配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号14、配列番号16、配列番号18、もしくは配列番号20のいずれかの少なくとも90個の連続したアミノ酸を含み得る重鎖可変領域を含んでもよい。
本発明のより具体的な実施形態によれば、軽鎖可変領域は、配列番号8または10の少なくとも90個の連続したアミノ酸を含んでもよく、重鎖可変領域は、配列番号14、16、18または20の少なくとも90個の連続したアミノ酸を含んでもよい。
本発明のさらにより具体的な実施形態によれば、軽鎖可変領域は、配列番号8または10に記載されてもよく、重鎖可変領域は、配列番号14、16、18または20に記載されてもよい。
より詳細には、配列番号8に記載された軽鎖可変領域、および配列番号14に記載された重鎖可変領域を含む抗体が企図される。
本発明の抗体または抗原結合断片の他の例示的な実施形態は、配列番号39、40、41、または24のいずれかの少なくとも90個の連続したアミノ酸を含み得る軽鎖可変領域を含み得るものである。
本明細書で使用されるとき、用語「配列番号39の少なくとも90個の連続したアミノ酸」は、用語「少なくとも91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、または少なくとも112個の連続したアミノ酸」も含む。用語「配列番号39の少なくとも90個の連続したアミノ酸」は、配列番号39に見出される少なくとも90個の連続したアミノ酸の任意の可能性のある配列、および特に配列番号39の3つのCDRを含む配列、例えば配列番号39のアミノ酸6から102、11から106、1から106、3から95、5から95等を含む配列を包含する。
本明細書で使用されるとき、用語「配列番号40の少なくとも90個の連続したアミノ酸」は、用語「少なくとも91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、または少なくとも112個の連続したアミノ酸」も含む。用語「配列番号40の少なくとも90個の連続したアミノ酸」は、配列番号40に見出される少なくとも90個の連続したアミノ酸の任意の可能性のある配列、および特に配列番号40の3つのCDRを含む配列、例えば配列番号40のアミノ酸9から106、10から101、1から98、3から99、7から107等を含む配列を包含する。
用語「配列番号41の少なくとも90個の連続したアミノ酸」または「配列番号24の少なくとも90個の連続したアミノ酸」は、類似した意味を有する。
本発明によれば、本発明の抗体または抗原結合断片は、例えば、配列番号24に記載された軽鎖可変領域を有してもよい。
本発明の抗体または抗原結合断片は、例えば、配列番号42、43、44または26のいずれかの少なくとも90個の連続したアミノ酸を含み得る重鎖可変領域を含む(またはさらに含む)。
本明細書で使用されるとき、用語「配列番号42の少なくとも90個の連続したアミノ酸」は、用語「少なくとも91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、または少なくとも118個の連続したアミノ酸」も含む。用語「配列番号42の少なくとも90個の連続したアミノ酸」は、配列番号42に見出される少なくとも90個の連続したアミノ酸の任意の可能性のある配列、および特に、例えば配列番号42のアミノ酸6から111、1から106、2から104、5から106、10から107等を含む配列等の、配列番号42の3つのCDRを含む配列を包含する。
本明細書で使用されるとき、用語「配列番号43の少なくとも90個の連続したアミノ酸」は、用語「少なくとも91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、または少なくとも118個の連続したアミノ酸」も含む。用語「配列番号43の少なくとも90個の連続したアミノ酸」は、配列番号43に見出される少なくとも90個の連続したアミノ酸の任意の可能性のある配列、および特に、例えば配列番号43のアミノ酸3から107、1から115、1から110、22から116、20から115等を含む配列等の、配列番号43の3つのCDRを含む配列を包含する。
用語「配列番号44の少なくとも90個の連続したアミノ酸」または「配列番号26の少なくとも90個の連続したアミノ酸」は、類似した意味を有する。
本発明によれば、本発明の抗体または抗原結合断片は、例えば、配列番号28に記載された重鎖可変領域を有してもよい。
本発明によれば、抗体または抗原結合断片は、例えば、
a)配列番号39の少なくとも90個の連続したアミノ酸を含み得る軽鎖可変領域、および配列番号42、配列番号43、配列番号44、もしくは配列番号28のいずれかの少なくとも90個の連続したアミノ酸を含み得る重鎖可変領域、
b)配列番号40の少なくとも90個の連続したアミノ酸を含み得る軽鎖可変領域、および配列番号42、配列番号43、配列番号44、もしくは配列番号28のいずれかの少なくとも90個の連続したアミノ酸を含み得る重鎖可変領域、
c)配列番号41のアミノ酸少なくとも90個の連続したアミノ酸を含み得る軽鎖可変領域、および配列番号42、配列番号43、配列番号44、もしくは配列番号28のいずれかの少なくとも90個の連続したアミノ酸を含み得る重鎖可変領域、または
d)配列番号24の少なくとも90個の連続したアミノ酸を含み得る軽鎖可変領域、および配列番号42、配列番号43、配列番号44、もしくは配列番号28のいずれかの少なくとも90個の連続したアミノ酸を含み得る重鎖可変領域を含んでもよい。
本発明のより具体的な実施形態によれば、軽鎖可変領域は、配列番号24の少なくとも90個の連続したアミノ酸を含んでもよく、重鎖可変領域は、配列番号28の少なくとも90個の連続したアミノ酸を含んでもよい。
本発明のさらにより具体的な実施形態によれば、軽鎖可変領域は配列番号24に記載されてもよく、重鎖可変領域は配列番号28に記載されてもよい。
本発明の実施形態はより具体的には、
a.配列番号7に記載されたアミノ酸配列を有する軽鎖、および配列番号13に記載されたアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体またはその抗原結合断片、
b.配列番号7に記載されたアミノ酸配列を有する軽鎖、および配列番号15に記載されたアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体またはその抗原結合断片、
c.配列番号7に記載されたアミノ酸配列を有する軽鎖、および配列番号17に記載されたアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体またはその抗原結合断片、
d.配列番号7に記載されたアミノ酸配列を有する軽鎖、および配列番号19に記載されたアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体またはその抗原結合断片、
e.配列番号7に記載されたアミノ酸配列を有する軽鎖、および配列番号29に記載されたアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体またはその抗原結合断片、
f.配列番号7に記載されたアミノ酸配列を有する軽鎖、および配列番号59に記載されたアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体またはその抗原結合断片、
g.配列番号7に記載されたアミノ酸配列を有する軽鎖、および配列番号60に記載されたアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体またはその抗原結合断片、
h.配列番号7に記載されたアミノ酸配列を有する軽鎖、および配列番号61に記載されたアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体またはその抗原結合断片、
i.配列番号9に記載されたアミノ酸配列を有する軽鎖、および配列番号13に記載されたアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体またはその抗原結合断片、
j.配列番号9に記載されたアミノ酸配列を有する軽鎖、および配列番号15に記載されたアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体またはその抗原結合断片、
k.配列番号9に記載されたアミノ酸配列を有する軽鎖、および配列番号17に記載されたアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体またはその抗原結合断片、
l.配列番号9に記載されたアミノ酸配列を有する軽鎖、および配列番号19に記載されたアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体またはその抗原結合断片、
m.配列番号9に記載されたアミノ酸配列を有する軽鎖、および配列番号29に記載されたアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体またはその抗原結合断片、
n.配列番号9に記載されたアミノ酸配列を有する軽鎖、および配列番号59に記載されたアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体またはその抗原結合断片、
o.配列番号9に記載されたアミノ酸配列を有する軽鎖、および配列番号60に記載されたアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体またはその抗原結合断片、
p.配列番号9に記載されたアミノ酸配列を有する軽鎖、および配列番号61に記載されたアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体またはその抗原結合断片、
q.配列番号23に記載されたアミノ酸配列を有する軽鎖、および配列番号27に記載されたアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体またはその抗原結合断片、ならびに
r.配列番号23に記載されたアミノ酸配列を有する軽鎖、および配列番号46に記載されたアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体またはその抗原結合断片
からなる群から選択される抗体または抗原結合断片を含み、a.からr.のいずれか1つまたは全ての軽鎖および/または重鎖のシグナルペプチドのアミノ酸配列は存在している、欠如している、または異なっている。
本発明の他の実施形態は、
a.配列番号5に記載されたアミノ酸配列を有する軽鎖、および配列番号13に記載されたアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体またはその抗原結合断片、
b.配列番号5に記載されたアミノ酸配列を有する軽鎖、および配列番号15に記載されたアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体またはその抗原結合断片、
c.配列番号5に記載されたアミノ酸配列を有する軽鎖、および配列番号17に記載されたアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体またはその抗原結合断片、
d.配列番号5に記載されたアミノ酸配列を有する軽鎖、および配列番号19に記載されたアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体またはその抗原結合断片、
e.配列番号5に記載されたアミノ酸配列を有する軽鎖、および配列番号29に記載されたアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体またはその抗原結合断片、
f.配列番号5に記載されたアミノ酸配列を有する軽鎖、および配列番号59に記載されたアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体またはその抗原結合断片、
g.配列番号5に記載されたアミノ酸配列を有する軽鎖、および配列番号60に記載されたアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体またはその抗原結合断片、
h.配列番号5に記載されたアミノ酸配列を有する軽鎖、および配列番号61に記載されたアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体またはその抗原結合断片、
i.配列番号7に記載されたアミノ酸配列を有する軽鎖、および配列番号11に記載されたアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体またはその抗原結合断片、
j.配列番号7に記載されたアミノ酸配列を有する軽鎖、および配列番号30に記載されたアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体またはその抗原結合断片、
k.配列番号9に記載されたアミノ酸配列を有する軽鎖、および配列番号11に記載されたアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体またはその抗原結合断片、ならびに
l.配列番号9に記載されたアミノ酸配列を有する軽鎖、および配列番号30に記載されたアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体またはその抗原結合断片
からなる群から選択される抗体または抗原結合断片を含み、a.からl.のいずれか1つまたは全ての軽鎖および/または重鎖のシグナルペプチドのアミノ酸配列は存在している、欠如している、または異なっている。
本発明の抗体または抗原結合断片は、上記に記載された軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を有してもよく、ならびに例えばヒト抗体の定常領域のアミノ酸等の定常領域のアミノ酸をさらに含んでもよい。
例示的な実施形態において、本発明の抗体または抗原結合断片は、例えば、ヒトIgG1定常領域を含んでもよい。
例えば、対応するIgG2サブタイプまたは他のサブタイプ)と比較して少なくとも10倍活性が増加する、IgG1サブタイプの抗Siglec−15抗体が特に企図される。
IgG1ベースの抗Siglec−15抗体の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、100倍もしくはこれ以上の効力の増加、または少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、100倍もしくはこれ以上の親和性の増加が特に有用となり得る。
効力または親和性の増加は、同一のまたは実質的に同一のCDRまたは可変領域を有する異なる抗体サブタイプと比較して、破骨細胞分化または破骨細胞活性を阻害するIgG1ベースの抗Siglec−15抗体の能力により測定することができる。幾つかの状況において、破骨細胞分化および/または骨吸収をインビトロで阻害する試みに対して、10ng/mlまたは100ng/mlと低いIgG1抗体濃度を用いて検討することが可能であり得る。例えば、対応するIgG2ベースの抗Siglec−15と比べた場合、より低い投与量のIgG1ベースの抗Siglec−15抗体が所望の治療効果を達成し得ることが本明細書において理解され得る。
特に企図される抗体には、カッパ軽鎖定常領域およびIgG1重鎖定常領域を有するものが含まれる。
本発明の抗体および抗原結合断片には、本明細書に記載されたアミノ酸配列を有する、例えば、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体が含まれる。本明細書に特定されたアミノ酸配列を有するヒト抗体およびヒト化抗体が特に企図される。
a)配列番号6に記載された軽鎖可変領域および配列番号12に記載された重鎖可変領域、またはb)配列番号22に記載された軽鎖可変領域および配列番号26に記載された重鎖可変領域でできた抗体またはその抗原結合断片の配列は、マウス起源(すなわち、非ヒト抗体)と見なされることが本明細書では理解されるべきである。これらの抗体のヒト化が、それ故に有利となろう。
本明細書に示されているように、非ヒト抗体のヒト化は、例えば、天然のヒト抗体の対応するアミノ酸をフレームワークアミノ酸に置換して行うことができる。置換は通常、抗原結合に負に影響しないように行われる。
本発明の別の例示的な実施形態によれば、抗原結合断片は、例えばscFv、Fab、Fab’または(Fab’)2であってもよい。
本発明により包含されるバリアント抗体または抗原結合断片は、挿入、欠失、またはアミノ酸置換(保存的または非保存的)を含んでもよいが、元の抗体と類似した活性を有するものである。これらのバリアントは、このアミノ酸配列中の少なくとも1つのアミノ酸残基が除去され、この場所に異なる残基が挿入されてもよい。
置換変異誘発のための目的とする部位は超可変領域(CDR)を含むが、フレームワーク領域またはさらには定常領域における修飾も企図される。保存的置換は、以下にリストされた群(群1から6)の1つからのアミノ酸(CDR、可変鎖、抗体等の)を同じ群の別のアミノ酸と交換して行うことができる。
一般的に、CDRの変異は、フレームワーク領域の変異より抗体または抗原結合断片の抗原結合活性に大きな影響を与え得る。フレームワーク領域の変異は、抗体の「ヒトらしさ」を高めるように行われてもよい。本発明により包含されるバリアント抗体または抗原結合断片は、本明細書に示されたものと実質的に同一の抗原結合能力(類似の、同一の、またはわずかに劣った抗原結合能力を含む)を有する、または本明細書に示されたものより優れた抗原結合能力を有するものである。
保存的置換の他の例示的な実施形態は、「好ましい置換」の見出しの下、表1Aに示されている。そのような置換が望ましくない特性をもたらす場合、アミノ酸クラスに関して表1Aに「例示的な置換」と表示され、または以下にさらに記載されたより大きな変化が導入され、生成物がスクリーニングされ得る。
バリアントは、置換変異誘発により生成され、本発明のポリペプチドの生物学的活性を保持し得ることが当技術分野において知られている。これらのバリアントは、アミノ酸配列中の少なくとも1つのアミノ酸残基が除去され、この場所に異なる残基が挿入されてもよい。例えば、置換変異誘発のための目的とする1つの部位は、様々な種から得られた特定の残基が同一である部位を含んでもよい。「保存的置換」として特定される置換の例が表1Aに示されている。そのような置換が望ましくない変化をもたらす場合、アミノ酸クラスに関して表1Aに「例示的な置換」と表示され、または本明細書にさらに記載された他のタイプの置換が導入され、生成物がスクリーニングされる。
機能または免疫学的同一性における大幅な修飾は、(a)例えばシートもしくはらせん構造のような置換領域のポリペプチド骨格の構造の維持、(b)標的部位の分子の電荷もしくは疎水性の維持、または(c)側鎖のかさの維持に対する影響が著しく異なる置換を選択して達成される。天然残基は、共通する側鎖特性に基づき群に分けられる:
(群1)疎水性:ノルロイシン、メチオニン(Met)、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)
(群2)中性親水性:システイン(Cys)、セリン(Ser)、スレオニン(Thr)
(群3)酸性:アスパラギン酸(Asp)、グルタミン酸(Glu)
(群4)塩基性:アスパラギン(Asn)、グルタミン(Gln)、ヒスチジン(His)、リジン(Lys)、アルギニン(Arg)
(群5)鎖配向に影響を与える残基:グリシン(Gly)、プロリン(Pro)、および
(群6)芳香族:トリプトファン(Trp)、チロシン(Tyr)、フェニルアラニン(Phe)
非保存的置換は、これらのクラスの1つの一メンバーと別のメンバーとの交換を伴う。
バリアント抗体または抗原結合断片のアミノ酸配列におけるバリエーションには、アミノ酸の付加、欠失、挿入、置換等、1つもしくは複数のアミノ酸の骨格もしくは側鎖における1つもしくは複数の修飾、または1つもしくは複数のアミノ酸(側鎖または骨格)への基もしくは別の分子の付加が含まれ得る。
バリアント抗体または抗原結合断片は、元の抗体または抗原結合断片アミノ酸配列と比較して、アミノ酸配列における実質的な配列類似性および/または配列同一性を有し得る。2つの配列間の類似性の程度は、同一性(同一のアミノ酸)および保存的置換のパーセンテージに基づく。
一般的に、可変鎖間の類似性および同一性の程度は、Blast2配列プログラム(Tatiana A. Tatusova、Thomas L. Madden(1999)、「Blast 2 sequences − a new tool for comparing protein and nucleotide sequences」、FEMS Microbiol Lett. 174:247〜250頁)により、デフォルト設定、すなわち、blastpプログラム、BLOSUM62マトリックス(オープンギャップ11および伸長ギャップペナルティー1;gapxドロップオフ50、期待値10.0、ワードサイズ3)および活性化フィルターを用いて、本明細書では決定された。
同一性パーセントは、それ故に、元のペプチドと比較して同一であり、および同じまたは類似した位置を占め得るアミノ酸を示すことができる。
類似性パーセントは、同じまたは類似した位置の元のペプチドと比較して同一であるアミノ酸、および保存的アミノ酸置換と置き換えられているものを示すことができる。
本発明のバリアント(すなわち、類似体)(VLバリアント、VHバリアント、CDRバリアント、抗体バリアント、ポリペプチドバリアント等を含む)は、それ故に、元の配列または元の配列の一部と少なくとも70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有し得るものを含む。
本発明によれば、配列番号2バリアントは、配列番号2のアミノ酸49〜165またはアミノ酸20から259と少なくとも80%同一の領域を有するポリペプチドを含む。配列番号2のバリアントは、配列番号2と少なくとも80%の配列同一性を有するポリペプチドも含む。配列番号2の好ましいバリアントには、破骨細胞分化および/または骨吸収を阻害することができるものが含まれる。そのようなバリアントは、例えば、この破骨細胞分化活性および/または骨吸収活性をインビトロまたはインビボで試験して同定することができる。Siglec−15バリアントの活性を試験するのに使用することができる方法またはアッセイの例は、本明細書に記載されており、および国際出願PCT/CA2007/001134に示されている。本明細書に記載されたアッセイを行うのに使用される破骨細胞は、例えば、好ましくはヒトが起源であってもよいが、マウス、ラット、またはサル(例えば、カニクイザル)も起源であってもよいことが理解されるべきである。配列番号2の好ましいバリアントには、例えば、配列番号2のアルギニン99(R99)を含むエピトープが保存されているものが含まれ得る。
バリアントの例示的な実施形態は、本明細書に記載された配列に対して少なくとも81%の配列同一性を、元の配列または元の配列の一部と81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列類似性を有するものである。
バリアントの他の例示的な実施形態は、本明細書に記載された配列に対して少なくとも82%の配列同一性を、元の配列または元の配列の一部と82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列類似性を有するものである。
バリアントのさらなる例示的な実施形態は、本明細書に記載された配列に対して少なくとも85%の配列同一性を、元の配列または元の配列の一部と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列類似性を有するものである。
バリアントの他の例示的な実施形態は、本明細書に記載された配列に対して少なくとも90%の配列同一性を、元の配列または元の配列の一部と90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列類似性を有するものである。
バリアントの追加の例示的な実施形態は、本明細書に記載された配列に対して少なくとも95%の配列同一性を、元の配列または元の配列の一部と95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列類似性を有するものである。
バリアントのさらに追加の例示的な実施形態は、本明細書に記載された配列に対して少なくとも97%の配列同一性を、元の配列または元の配列の一部と97%、98%、99%または100%の配列類似性を有するものである。
簡潔にするために、本出願人は、本発明により包含される個々のバリアントの例示的な実施形態を示す、ならびに特定の配列同一性%および配列類似性%を含む表1Bを本明細書に提供する。各「X」は、特定のバリアントを定義すると解釈される。
本明細書で使用されるとき、用語「同一」は、配列が別の配列と100%の配列同一性を共有することを意味する。
本明細書で使用されるとき、用語「実質的に同一」は、配列が別の配列または別の配列の一部と70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の配列同一性を共有することを意味する。
本発明は、本明細書に記載された配列と少なくとも70%の同一性(70%から99%の間のあらゆる範囲を含む)を含むCDR、軽鎖可変ドメイン、重鎖可変ドメイン、軽鎖、重鎖、抗体および/または抗原結合断片を包含する。
抗体コンジュゲート
検出または治療目的では必ずしも必要ではないが、本発明の抗体または抗原結合断片(抗体バリアントを含む)は、検出可能な部分(すなわち、検出または診断目的で)または治療的部分(治療目的で)とコンジュゲートすることができる。
検出目的では、非コンジュゲート抗体(一次抗体)が抗原への結合に使用されてもよく、検出可能な部分を保有し、一次抗体に結合することが可能である二次抗体が付加されてもよい。しかし、上記に示されているように、抗Siglec−15抗体は検出可能な標識とコンジュゲートすることができ、そのため二次抗体は必要でない場合がある。
「検出可能な部分」は、例えば、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、化学的および/または他の物理的手段により検出可能な部分を含むことができる。検出可能な部分は、当技術分野でよく知られた方法を用いて、直接および/または間接的に(例えば、限定するものではないが、DOTAまたはNHS結合等の結合を介して)本発明の抗体およびその抗原結合断片にカップリングすることができる。必要とされる感度、コンジュゲーションの容易さ、安定性要件、および利用可能な器具類に応じた選択により、多種多様の検出可能な部分が使用され得る。適切な検出可能な部分には、蛍光標識、放射性標識(例えば、限定されるものではないが、125I、In111、Tc99、I131、およびPETスキャナー用の陽電子放出同位体等を含む)、核磁気共鳴活性標識、発光標識、化学発光標識、発色団標識、酵素標識(例えばおよび限定するものではないが、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ等)、量子ドットおよび/またはナノ粒子が含まれるが、これらに限定されない。検出可能な部分は、検出可能なシグナルを引き起こすおよび/または生じさせることができ、これにより検出可能な部分からのシグナルが検出されるようにする。
本発明の別の例示的な実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、治療的部分(例えば、薬物、細胞傷害性部分)とカップリング(修飾)されてもよい。
幾つかの例において、治療目的で、非コンジュゲート抗体は、それ自体抗原を隔離することが可能であってもよく、抗原と別の結合パートナーの間の重要な相互作用をブロックしてもよく、エフェクター細胞等を動員してもよい。しかし、上記に示されているように、該抗体は治療的部分とコンジュゲートされてもよい。
例示的な実施形態において、抗体および抗原結合断片は、化学療法剤または細胞傷害剤を含んでもよい。例えば、抗体および抗原結合断片は、化学療法剤または細胞傷害剤にコンジュゲートされてもよい。そのような化学療法剤または細胞傷害剤には、イットリウム90、スカンジウム47、レニウム186、ヨウ素131、ヨウ素125、および当業者により認知されている多くの他のもの(例えば、ルテチウム(例えば、Lu177)、ビスマス(例えば、Bi213)、銅(例えば、Cu67))が含まれるが、これらに限定されない。他の例において、化学療法剤または細胞傷害剤は、とりわけ当業者に知られている、5−フルオロウラシル、アドリアマイシン、イリノテカン、オーリスタチン、タキサン、シュードモナス内毒素、リシン、カリケアマイシン、アマトキシン(例えば、アルファ−アマニチン)、ピロロベンゾジアゼピン(PBD)、および他の毒素からなってもよい。例示的な細胞傷害剤は、特に非増殖細胞を死滅させることが可能である薬剤を含んでもよい。
本発明の抗体または抗原結合断片は、特にDNAを標的にする薬剤とコンジュゲートされてもよい。DNAを標的にする薬剤の例示的な実施形態には、デュオカルマイシン、およびアドゼレシン、ビセレシン、カルゼルシン等のデュオカルマイシン誘導体等のアルキル化剤が含まれる。DNAを標的にする薬剤の他の例示的な実施形態には、例えば、カリケアマイシン、エスペラマイシンおよび誘導体が含まれる(例えば、米国特許第5,264,586号、第5,108,192号、第4,970,198号、第5,037,651号、第5,079,233号、第4,675,187号、第4,539,203号、第4,554,162号、第4,837,206号、およびUS2007213511に開示されている化合物を参照のこと。各文献の内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる)。
本発明の特定の実施形態には、例えば、デュオカルマイシンとコンジュゲートされた本明細書に開示されている抗体または抗原結合断片が含まれる。本発明の別の特定の実施形態には、例えば、カリケアマイシンとコンジュゲートされた本明細書に開示されている抗体または抗原結合断片が含まれる。
あるいは、本発明の方法および当技術分野で知られている方法を実施するために、本発明の抗体または抗原結合断片(コンジュゲートされたまたはされていない)は、本発明の抗体または抗原結合断片に特異的に結合することができ、望ましい検出可能な診断的または治療的部分を保有し得る第2の分子(例えば、二次抗体等)と組み合わせて使用されてもよい。
抗体の医薬組成物およびその使用
抗体の医薬組成物もまた、本発明により包含される。医薬組成物は、抗体または抗原結合断片を含むことができ、薬学的に許容可能な担体を含有することもできる。抗体またはその抗原結合断片は、治療剤(例えば、毒素)とコンジュゲートされてもよく、またはコンジュゲートされなくてもよい(例えば、非コンジュゲート)。
本発明の他の態様は、本明細書に記載された抗体または抗原結合断片および担体を含み得る組成物に関する。
活性成分に加えて、医薬組成物は、水、PBS、食塩水、ゼラチン、油、アルコール、ならびに薬学的に使用することができる製剤への活性化合物の加工を促進する他の賦形剤および助剤を含む、薬学的に許容可能な担体を含有してもよい。他の例において、そのような製剤は滅菌されてもよい。
本明細書で使用されるとき、「医薬組成物」は通常、薬学的に許容可能な希釈剤、防腐剤、可溶化剤、乳剤、アジュバントおよび/または担体と一緒に治療的に有効な量の薬剤を含む。「治療的に有効な量」は本明細書で使用されるとき、所与の条件および投与計画に関して治療効果をもたらす量を指す。そのような組成物は、液体または凍結乾燥製剤もしくはさもなければ乾燥製剤であり、そのような組成物には、様々な緩衝液内容(例えば、Tris−HCl、酢酸塩、リン酸塩)、pH、およびイオン強度の希釈剤、表面への吸着を防ぐアルブミンまたはゼラチン等の添加剤、界面活性剤(例えば、Tween 20、Tween 80、プルロニックF68、胆汁酸塩)が含まれる。可溶化剤(例えば、グリセロール、ポリエチレングリセロール)、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム)、防腐剤(例えば、チメロサール、ベンジルアルコール、パラベン)、増量物質または張度調節剤(例えば、ラクトース、マンニトール)、ポリエチレングリコール等のポリマーのタンパク質との共有結合、金属イオンとの錯体形成、あるいはポリ乳酸、ポリグリコール酸、ヒドロゲル等のポリマー化合物の粒子状製剤中もしくは上への、またはリポソーム、マイクロエマルジョン、ミセル、単層もしくは多層小胞、赤血球ゴースト、またはスフェロプラスト上への材料の取り込み。そのような組成物は、物理的状態、溶解度、安定性、インビボ放出速度、およびインビボクリアランス速度に影響を与え得る。調節または持続放出組成物には、親油性デポ剤(例えば、脂肪酸、ワックス、油)での製剤が含まれる。本発明により同様に包含されるのは、ポリマー(例えば、ポロキサマーまたはポロキサミン)でコーティングされた粒子状組成物である。本発明の組成物の他の実施形態は、非経口、肺、鼻、経口、膣、直腸経路を含む様々な投与経路のための粒子状形態保護コーティング、プロテアーゼ阻害剤、または透過促進剤を取り込む。1つの実施形態において、医薬組成物は、非経口、癌近傍(paracancerally)、経粘膜、経皮、筋肉内、静脈内、皮内、皮下、腹腔内、脳室内、頭蓋内、および腫瘍内投与される。
さらに、本明細書で使用されるとき「薬学的に許容可能な担体」または「薬学的担体」は当技術分野で知られており、0.01〜0.1Mもしくは0.05Mリン酸緩衝液または0.8%生理食塩水を含むが、これらに限定されない。さらに、そのような薬学的に許容可能な担体は、水溶液または非水溶液、懸濁液、およびエマルジョンであってもよい。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油等の植物油、およびオレイン酸エチル等の注射可能な有機エステルである。水性担体には、生理食塩水および緩衝媒体を含む、水、アルコール溶液/水溶液、エマルジョン、または懸濁液が含まれる。非経口ビヒクルには、塩化ナトリウム溶液、リンゲルデキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウム、乳酸リンゲル、または固定油が含まれる。静脈内ビヒクルには、流体および栄養補充液、リンゲルデキストロースに基づくもの等の電解質補充液等が含まれる。例えば、抗菌剤、抗酸化剤、照合剤(collating agent)、不活性ガス等の防腐剤および他の添加剤も存在してもよい。
任意の化合物に関して治療的に有効な用量は、細胞培養アッセイ、またはマウス、ラット、ウサギ、イヌ、もしくはブタ等の動物モデルのどちらかにおいて最初に推定することができる。動物モデルは、濃度範囲および投与経路を決定するのに使用することもできる。そのような情報は、次いでヒトにおける有用な用量および投与経路を決定するのに使用することができる。これらの手法は当業者によく知られており、治療的に有効な用量は、症状または状態を改善する活性成分の量を指す。治療効果および毒性は、ED50(集団の50%で治療的に有効な用量)およびLD50(集団の50%に致死的な用量)統計値を計算および対比することによる等、細胞培養においてまたは実験動物を用いて標準的な薬学的手順により決定することができる。上記に記載された治療的組成物のいずれかが、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ウサギ、サル、およびヒト等の哺乳動物を含むがこれらに限定されない、そのような治療を必要としている任意の被験者に適用され得る。
本発明において利用される医薬組成物は、経口、静脈内、筋肉内、動脈内、脊髄内、髄腔内、脳室内、経皮、皮下、腹腔内、鼻腔内、経腸、局部、舌下、または直腸手段を含むが、これらに限定されない任意の数の経路により投与することができる。
本発明の医薬組成物は、例えば、ビスホスフォネート、活性ビタミンD3、カルシトニンおよびその誘導体、エストラジオール等のホルモン製剤、SERM(選択的エストロゲン受容体調節因子)、イプリフラボン、ビタミンK2(メナテトレノン)、カルシウム製剤、PTH(副甲状腺ホルモン)製剤、非ステロイド抗炎症剤、可溶性TNF受容体製剤、抗TNFアルファ抗体または該抗体の機能的断片、抗PTHrP(副甲状腺ホルモン関連タンパク質)抗体または該抗体の機能的断片、IL−1受容体アンタゴニスト、抗IL−6受容体抗体または該抗体の機能的断片、抗RANKL抗体または該抗体の機能的断片、およびOCIF(破骨細胞形成阻害因子)からなる群から選択される少なくとも1つの薬物メンバーをさらに含んでもよい。
本開示の目的に関して用語「治療」は、目的が、標的にされた病態または障害を防止しまたは遅らせる(軽減する)ことにある、療法的治療および予防または防止対策の両方を指す。治療を必要としている者には、既に障害を有する者のほか、障害を有する傾向がある者、または障害が防止される者が含まれる。
特定の例において、抗Siglec−15抗体およびその抗原結合断片は、同じ状態に対して与えられる他の治療と組み合わせて同時に投与されてもよい。そのため、該抗体は、当業者に知られている骨吸収抑制剤(例えば、ビスホスフォネート)と共に投与されさてもよい。他の例において、抗Siglec−15抗体およびその免疫学的に機能的な断片は、他の治療的抗体(例えば、抗RANKL)と共に投与されてもよい。
抗体は、輸送および/または保管に適したバイアルで提供される、および患者の適切な治療に関する情報を含む添付文書を含むキットで販売することができる。
治療方法
本発明により包含される治療方法は、抗体または抗原結合断片を(例えば、薬学的組成物の形態で)所望の標的集団に投与することを含む。
投与の前に標的集団は、例えば、骨形成不全症VI型に関連する遺伝子変異または機能障害または表現型の存在に関するスクリーニングにより選択することができる。骨形成不全症VI型は、以下に概説される臨床基準に基づき他のタイプの骨形成不全症と区別することができる。
標的集団は、主に小児および幼児からなってもよい。これらの小児または幼児は、脆い骨疾患の診断を受けている可能性がある。
幾つかの例において、患者は別の薬物と共に治療することもできる。そのような薬物には、例えば、ビスホスフォネートが含まれ得る。
骨形成不全症財団によれば、OIのIからVIII型の一般的な特徴は次の通りである:
I型
・OIの最も一般的な最も軽度のタイプ。
・骨折しやすい。ほとんどの骨折が思春期前に起こる。
・正常なまたは正常に近い身長。
・動揺関節および筋力低下。
・強膜(眼の白い部分)は通常、青色、紫色、または灰色がかっている。
・三角顔。
・脊柱湾曲の傾向。
・骨変形がないまたは最小限。
・脆い歯の可能性。
・20代前半または30代前半に始まる場合が多い難聴の可能性。
・コラーゲン構造は正常であるが、量は正常より少ない。
II型
・最も重度の形態。
・多くの場合呼吸障害により、出生時または生後すぐにしばしば死に至る。
・非常に多くの骨折および重度の骨変形。
・低身長で肺が未発達。
・色味がかった強膜。
・不適切に形成されたコラーゲン。
III型
・骨折しやすい。多くの場合、出生時に骨折しており、X線は出生前に生じた治癒した骨折を明らかにすることがある。
・低身長。
・強膜は青色、紫色、または灰色がかっている。
・動揺関節および四肢の筋肉が未発達。
・樽状胸郭。
・三角顔。
・脊柱湾曲。
・呼吸障害の可能性。
・骨変形、多くの場合に重度。
・脆い歯の可能性。
・難聴の可能性。
・不適切に形成されたコラーゲン。
IV型
・I型とIII型の間の重症度。
・骨折しやすい。ほとんどの骨折が思春期前に起こる。
・平均身長より低い。
・強膜は白色または白色に近い(すなわち、色は正常)。
・軽度から中程度の骨変形。
・脊柱湾曲の傾向。
・樽状胸郭。
・三角顔。
・脆い歯の可能性。
・難聴の可能性。
・不適切に形成されたコラーゲン。
OI骨の外観を顕微鏡下で試験することにより、研究者は、臨床的にIV型群にいる人で、骨のパターンが異なる人がいることに気づいた。研究者がこれらの人々の完全な病歴を再調査したところ、その群は他の特徴を共有していることを見出した。研究者は、これらの群をVおよびVI型OIと命名した。これら2つの群の人々は、I型コラーゲン遺伝子に変異がないようである。
V型
・OIの外観および症状がIV型と臨床的に類似。
・X線で見られる長骨の成長板と隣り合った高密な帯。
・骨折または外科手術の部位における異常に大きな仮骨(肥大仮骨)。(仮骨は、治癒プロセスの一環として骨折部位に沈着する新たな骨の領域である。
・橈骨と尺骨(前腕の骨)の間の膜の石灰化。これは、前腕回転の制限をもたらす。
・白色強膜。
・正常な歯。
・顕微鏡下で見た場合、骨は「網様」外観を有する。
・優性遺伝形式
VI型
・OIの外観および症状がIV型と臨床的に類似。
・OI VI型ではアルカリホスファターゼ(骨形成に関係している酵素)活性レベルがやや高い。これは血液検査により決定することができる。
・顕微鏡下で見た場合、骨は際立った「魚鱗」外観を有する。
・骨生検により診断される。
・この形態が優性または劣性形式で遺伝するかどうかは不明であるが、研究者は、遺伝形式は劣性の可能性が最も高いと考えている。
・OIのこの型を有する8名が同定されている。
OIの劣性形態
研究の数年後、劣性形式で遺伝するOIの2つの形態が2006年に発見された。両方の型はコラーゲン形成に影響を与える遺伝子に起因している。これらの形態は、重度または中程度のOIを有するが主要コラーゲン変異がない人に関する情報を提供する。
VII型
・最初に記載された症例は、外観および症状の多くの面でIV型OIと似ている。
・他の症例では外観および症状は、幼児が白色強膜、小頭および丸い顔を有した以外、II型致死性OIに類似している。
・低身長。
・短い上腕(腕の骨)および短い大腿骨(太腿の骨)
・内反股が多い(鋭角の大腿骨頭が寛骨臼に影響を与える)。
・CRTAP(軟骨関連タンパク質)遺伝子に対する変異の劣性遺伝の結果。CRTAPの部分的機能は中程度の症状をもたらすが、CRTAPの完全な欠如は4名の同定された症例全てにおいて致死性であった。
VIII型
・幼児が白色強膜を有すること以外、外観および症状が致死性II型またはIII型OIと似ている。
・重度の成長障害。
・石灰化の下、極端な骨格。
・LEPRE1遺伝子に対する変異によるP3H1(プロリル3−ヒドロキシラーゼ1)の欠乏に起因する。
[実施例1]
この例は、Siglec−15を標的にする抗体の、骨形成不全症VI型のマウスモデルにおいて観察される骨量減少を回復させる能力を記載する。近年、マウスにおけるSERPINF1のノックアウトが記載された。これらの動物で得られた表現型は、ヒトにおける該疾患を著しく模倣するものである(Boganら 2013)。この報告では、骨格表現型が特徴付けられた。成熟Pedfヌル変異体の大腿骨におけるマイクロコンピューター断層撮影(μCT)および定量的骨組織形態計測は、骨梁骨体積の低下および未石灰化骨基質の蓄積を明らかにした。骨が対照より脆いことも見出された。インビトロではPedfヌルマウス由来の骨芽細胞は、アリザリンレッド染色により評価されたミネラル沈着の増大、およびミネラル:基質比の増加を示した。このマウスモデルでの知見は、OI VI型を有するヒトにおいて観察される骨の主な構造的および生化学的特徴を模倣しており、結果として推定上の骨標的剤をさらに調べるのに有用なモデルを提供している。
それぞれ8匹のオスからなる3群のSERPINF1ヌルマウスをこの試験に割り付け、以下のパラグラフおよび表2に記載されているように治療した。群1は、ビヒクルであるPBSの腹腔内(IP)注射を週2回受けた。群2および3は、マウスSiglec−15を標的にするマウスIgG抗体(マウスSiglec−15に結合し、マウス破骨細胞の分化を阻害することが可能である抗Siglec−15)のIP注射により、それぞれ3mg/kgおよび10mg/kgの用量で週2回治療した。
投与日を1日目と定義し、治療は合計8週間施した。50日目、試験終了の6日前に、全ての動物はIP投与された骨標識蛍光色素、カルセイン10mg/kgの初回投与を受けた。3日後、53日目に、カルセインの2回目の投与を行った。全ての動物を、カルセインの2回目の注射の3日後、56日目に屠殺した。左大腿骨、左脛骨およびL1〜L3腰椎を回収し、過ヨード酸塩−リジン−パラホルムアルデヒド溶液(PLP)に4℃で24時間固定し、1×PBS pH7.4で3回すすぎ、PBSに移し、4℃で保管した。骨をPIXImus Densitometer(GE Medical Systems)を用いてスキャンして、大腿骨、脛骨および脊椎の骨塩量(BMD)を決定した。骨微細構造の分析および大腿骨遠位の三次元画像を、SkyScan高解像度マイクロCT(SKyScan Inc.、コンティフ、べルギー)を用いて生成した。図1に示されているように、10mg/kg抗Siglec−15で治療した動物は、長骨、すなわち大腿骨(図1A)および脛骨(図1B)における骨塩量の有意な増加を示したが、腰椎(図1C)では差は観察されなかった。3mg/kg抗Siglec−15によるSERPINF1ヌル動物の治療は、分析した部位のいずれにおいてもBMDに対する効果がほとんどなかった。マイクロCT分析は、10mg/kg抗Siglec−15で治療した動物が、ビヒクル治療動物と比べて大腿骨遠位における骨梁骨体積の増加を示すことを示した(図2A)。しかし、図2Bに示されているように、大腿骨遠位における骨梁結合密度は、3mg/kgおよび10mg/kg抗Siglec−15による治療のいずれによっても増加した。さらに、骨梁数は10mg/kg抗Siglec−15治療により増加し(図3A)、骨梁間隙はビヒクル治療動物と比べて相応におよび有意に低下した(図3B)。骨梁幅は、抗Siglec−15による治療により影響されなかった(図3C)。皮質パラメータは全群で類似しており、皮質幅または皮質骨体積に変化は観察されなかった(図4B)。
まとめると、これらの結果は、患者に選択肢がほとんどない疾患である骨形成不全症VI型の代表的なモデルにおいて、Siglec−15を標的にする抗体の骨体積を増加させる能力を示すものである。
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本出願にリストされた参考文献の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
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[配列]
注:下線が引かれた配列は定常領域を表し、二重線が引かれた配列は任意のシグナルペプチドを表し、太字の配列は相補性決定領域を表す。

Claims (21)

  1. 骨形成不全症VI型を治療する方法であって、Siglec−15との特異的結合が可能である抗体またはその抗原結合断片を、必要としている個体に投与することを含む方法。
  2. PEDFのまたはPEDF経路における不均衡または制御異常に関連する骨疾患を治療する方法であって、Siglec−15との特異的結合が可能である抗体またはその抗原結合断片を、必要としている個体に投与することを含む方法。
  3. 骨疾患がPEDFの不活性化、機能の喪失、発現の喪失、分泌の喪失、または変異に関連する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 骨疾患がPEDFの下流のエフェクターにおける不活性化、機能の喪失、発現の喪失、分泌の喪失、または変異に関連する、請求項1または2に記載の方法。
  5. 骨疾患が、PEDFの発現または分泌に正に影響する制御因子の機能の喪失、発現の喪失、分泌の喪失、または変異に関連する、請求項1または2に記載の方法。
  6. 骨疾患が、PEDFの発現または分泌に負に影響する制御因子の機能、発現、分泌の増大に関連する、請求項1または2に記載の方法。
  7. 必要としている個体が、骨形成不全症を患っているまたは骨形成不全症を患いやすい、請求項2から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 必要としている個体が幼児または小児である、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 必要としている個体がSERPINF1遺伝子に変異を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 抗体またはその抗原結合断片が、破骨細胞分化、破骨細胞形成、または破骨細胞活性を阻害することが可能である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 抗体またはその抗原結合断片が、破骨細胞分化、破骨細胞形成、または破骨細胞活性をインビトロまたはインビボアッセイにおいて阻害することが可能である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  12. 抗体またはその抗原結合断片が、骨吸収を阻害することが可能である、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  13. 抗体またはその抗原結合断片が、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、ハイブリッド抗体、またはそれらの抗原結合断片である、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. PEDFのまたはPEDF経路における不均衡または制御異常に関連する骨疾患の治療のための、抗Siglec−15抗体またはその抗原結合断片の使用。
  15. 疾患が骨形成不全症である、請求項14に記載の使用。
  16. 疾患が骨形成不全症VI型である、請求項14または15に記載の使用。
  17. 抗体またはその抗原結合断片が、破骨細胞分化、破骨細胞形成、または破骨細胞活性を阻害することが可能である、請求項14から16のいずれか一項に記載の使用。
  18. 抗体またはその抗原結合断片が、破骨細胞分化、破骨細胞形成、または破骨細胞活性をインビトロまたはインビボアッセイにおいて阻害することが可能である、請求項14から16のいずれか一項に記載の使用。
  19. 抗体またはその抗原結合断片が、骨吸収を阻害することが可能である、請求項14から16のいずれか一項に記載の使用。
  20. 抗体またはその抗原結合断片が、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、ハイブリッド抗体、またはそれらの抗原結合断片である、請求項14から19のいずれか一項に記載の使用。
  21. 骨形成不全症VI型の治療において使用するための抗Siglec−15抗体。
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