JP2017521499A - 放射線、酸化セリウムナノ粒子、及び化学療法剤の併用によるがんの治療 - Google Patents
放射線、酸化セリウムナノ粒子、及び化学療法剤の併用によるがんの治療 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017521499A JP2017521499A JP2017523191A JP2017523191A JP2017521499A JP 2017521499 A JP2017521499 A JP 2017521499A JP 2017523191 A JP2017523191 A JP 2017523191A JP 2017523191 A JP2017523191 A JP 2017523191A JP 2017521499 A JP2017521499 A JP 2017521499A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cancer
- radiation
- cerium oxide
- conp
- patient
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K33/00—Medicinal preparations containing inorganic active ingredients
- A61K33/24—Heavy metals; Compounds thereof
- A61K33/244—Lanthanides; Compounds thereof
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K9/00—Medicinal preparations characterised by special physical form
- A61K9/14—Particulate form, e.g. powders, Processes for size reducing of pure drugs or the resulting products, Pure drug nanoparticles
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K31/00—Medicinal preparations containing organic active ingredients
- A61K31/33—Heterocyclic compounds
- A61K31/335—Heterocyclic compounds having oxygen as the only ring hetero atom, e.g. fungichromin
- A61K31/337—Heterocyclic compounds having oxygen as the only ring hetero atom, e.g. fungichromin having four-membered rings, e.g. taxol
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K31/00—Medicinal preparations containing organic active ingredients
- A61K31/70—Carbohydrates; Sugars; Derivatives thereof
- A61K31/7042—Compounds having saccharide radicals and heterocyclic rings
- A61K31/7052—Compounds having saccharide radicals and heterocyclic rings having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. nucleosides, nucleotides
- A61K31/706—Compounds having saccharide radicals and heterocyclic rings having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. nucleosides, nucleotides containing six-membered rings with nitrogen as a ring hetero atom
- A61K31/7064—Compounds having saccharide radicals and heterocyclic rings having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. nucleosides, nucleotides containing six-membered rings with nitrogen as a ring hetero atom containing condensed or non-condensed pyrimidines
- A61K31/7068—Compounds having saccharide radicals and heterocyclic rings having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. nucleosides, nucleotides containing six-membered rings with nitrogen as a ring hetero atom containing condensed or non-condensed pyrimidines having oxo groups directly attached to the pyrimidine ring, e.g. cytidine, cytidylic acid
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K33/00—Medicinal preparations containing inorganic active ingredients
- A61K33/24—Heavy metals; Compounds thereof
- A61K33/243—Platinum; Compounds thereof
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K45/00—Medicinal preparations containing active ingredients not provided for in groups A61K31/00 - A61K41/00
- A61K45/06—Mixtures of active ingredients without chemical characterisation, e.g. antiphlogistics and cardiaca
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K9/00—Medicinal preparations characterised by special physical form
- A61K9/0012—Galenical forms characterised by the site of application
- A61K9/0014—Skin, i.e. galenical aspects of topical compositions
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K9/00—Medicinal preparations characterised by special physical form
- A61K9/10—Dispersions; Emulsions
- A61K9/107—Emulsions ; Emulsion preconcentrates; Micelles
- A61K9/1075—Microemulsions or submicron emulsions; Preconcentrates or solids thereof; Micelles, e.g. made of phospholipids or block copolymers
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P35/00—Antineoplastic agents
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Public Health (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- Biophysics (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Dispersion Chemistry (AREA)
- Dermatology (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Medicinal Preparation (AREA)
Abstract
Description
本出願は、参照により全体が本明細書に援用される2015年7月17日出願の米国仮特許出願第62/025861号の利益を主張する。
本発明は、患者のがんの治療方法に関する。より詳細には、本発明は、放射線、酸化セリウムナノ粒子、及び化学療法剤の併用によるがんの治療方法に関する。
(i) 有効量のCONPを患者に投与すること、
(ii) ある線量の放射線及び/又はある用量の少なくとも一の化学療法剤を投与することを含み、
有効量のCONPを投与することが患者に投与される放射線及び/又は少なくとも一の化学療法剤の毒性を低下させる方法を提供する。
(i) 有効量のCONPを患者に投与すること、
(ii) ある線量の放射線及び/又はある用量の少なくとも一の化学療法剤を投与することを含み、
有効量のCONPを投与することががんを効果的に治療するのに必要とされる放射線の線量及び/又は少なくとも一の化学療法剤の用量を低減させる方法を提供する。
用語が単数形で示される場合、本発明者らは、その用語の複数形によって説明される本発明の態様も意図している。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかに他を指さない限り複数形を含み、例えば「チップ(a tip)」は複数のチップ(tips)を含む。したがって、例えば「方法(a method)」への言及は、本明細書に記載した様式の方法及び/若しくは工程の一又は複数並びに/あるいは本開示を読めば当業者に明らかになるであろう方法及び/若しくは工程を含む。
酸化セリウムナノ粒子(CONP)は、酸化セリウムのナノメートルサイズの結晶であり、最長寸法が典型的には約1ナノメートルから約20ナノメートルの範囲である。酸化セリウム結晶は蛍石型の結晶格子を有し、セリウム原子は+3又は+4の価電子状態で存在する。+3又は+4の価電子状態の相対的な出現率は、酸化還元条件及び他の多くの要因に依存し得る。本発明において、CONPは、放射線誘発及び化学療法誘発がん細胞死を増強するために使用される。CONPは、がん細胞中のフリーラジカルレベルを増加させ、放射線単独によって引き起こされるレベルを超えてがん細胞中のフリーラジカルレベルを増加させる。さらに、酸化セリウムナノ粒子と放射線との組み合わせは、動物がん患者の研究において転移指数を制御及び/又は最小限に抑えることも見出されている。転移指数は、患者におけるがんの重篤度の指標であり、その評価は転移巣の同定に基づく転移の数及び大きさを含む。化学療法を併用することで、治療の有効性が増す。
放射線でがんを治療する方法は、当業者に既知である。放射線療法は、一般に悪性細胞を制御又は殺すためのがん治療の一部としての電離放射線の医学的使用である。放射線療法は、身体の一つの領域に限局している場合には、多くの種類のがんにおいて治癒的であり得る。原発悪性腫瘍(例えば早期乳がん)を除去する手術後の腫瘍の再発を防ぐために、アジュバント療法の一環として使用することもできる。放射線療法は、化学療法と相乗的であり、感受性の強いがんの化学療法の前、最中、及び後に使用されている。
本発明のいくつかの実施態様では、抗がん療法を最適化し、化学療法剤による治療されているがん患者に対する副作用を最小限に抑えるために、化学療法薬物送達を制御することができると考えられる。がん腫瘍の治療は、がん細胞集団の殺傷を最適化する必要があり、又はより多くの害を引き起こして、がん細胞増殖を刺激することもできる。薬物投与変数は、(a)化学療法投与のタイミング;(b)薬物投薬量;(c)投与されるがん薬物の種類;及び(d)薬物療法の期間
化学療法剤は、患者のがんを死滅させるためにがん患者が罹患しているがんの種類に基づいて選択することができる。特定の細胞経路標的又は複数の標的を阻害するがん化学療法薬物を選択することができる。本発明のためのがん薬物は、小さな有機分子、塩、イオン、気体、液体、ペプチド、さらには抗体などの大きなタンパク質である分子を含む。
がんを治療するためのmTOR阻害剤が存在する。ラパマイシン複合体(mTOR)阻害剤の哺乳動物標的はmTOR、mTORC1、及び/又はmTORC2を阻害し得る。いくつかのmTOR阻害剤は、例えばPI3K(ホスホイノシトール(phosphoinositiol) 3−キナーゼ)のような他の細胞酵素も阻害する。mTOR複合体1(mTORC1)は、mTOR; mTORの調節関連タンパク質(Raptor);哺乳類致死性SEC13タンパク質8(mammalian lethal with SEC13 protein 8)(MLST8);PRAS40;及びDEPTORから構成される。二の分子複合体mTORC1及びmTORC2の触媒サブユニットは、ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ関連キナーゼタンパク質ファミリーに属するmTORである。mTORC1は、栄養素/エネルギー/レドックスセンサーであり、タンパク質合成を制御する。細胞レベルの十分なエネルギー、栄養素、酸素、及び細胞増殖因子が存在する場合、mTORC1が活性化される。mTORC1活性化は、タンパク質合成を活性化する。いくつかの種類のがん細胞は、異常に機能するmTOR、mTORC1又はmTORC2タンパク質を有する。
RAS−RAF−MEK−ERK(MAPK/ERK)経路は、細胞表面受容体活性を伝達し、細胞核内でDNA活性を誘導してタンパク質を作り、細胞分裂などの細胞変化を促進する相互作用するタンパク質の連鎖である。MAPK(マイトジェン活性化プロテインキナーゼ)は、以前はERK(細胞外シグナル制御キナーゼ)と呼ばれていた。MAPKは、経路RAS−RAF−MEKタンパク質をリン酸化する。また、この変化は本経路を「オン」又は「オフ」に切り替えることができる。Ras−Raf−MEK−ERK経路のタンパク質は、突然変異し、機能的に「オン」又は「オフ」のいずれかで付着している可能性がある。そのような機能不全は、観察されるがん細胞の前兆である。RASは、5つのGTPアーゼのファミリーである。ヒトがんの約20%(特定のがんにおいては90%)が、RAFタンパク質をリン酸化する一定のRasプロテインキナーゼ活性化を引き起こす発がん遺伝子に関連するRasタンパク質突然変異を有する(https://en.wikipedia.org/wiki/Ras_subfamily)。RAFは、三つのセリン−スレオニン特異的プロテインキナーゼA、B、及びCのファミリーを含み、これらはそれぞれ、ARAF、BRAF、CRAFとして知られている。突然変異体BRAFの一つは、V600Eとして知られている。RAFキナーゼ阻害剤の具体例は、ソラフェニブ、RAF265、LGX818、SB590885、PLX4720、XL−281、及びベムラフェニブを含む。ソラフェニブ(ネクサバール、バイエル)は、複数のチロシンタンパク質キナーゼ(VEGFR及びPDGFR)並びにRafキナーゼC−Raf及びB−Rafキナーゼの阻害剤である。RAF265は、B−Raf及びVEGFR2キナーゼの阻害剤である。LGX818、SB590885、PLX4720、XL281、及びベムラフェニブ(PLX−4032、ゼルボラフ)は、B−RAF阻害剤である。
活性化されたRAFキナーゼは、MEKキナーゼ、MEK1及びMEK2をリン酸化及び活性化する。MEKは、MAPKKとしても知られている。MEKは、いったん活性化されるとマイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)をリン酸化及び活性化することができるチロシン/スレオニンキナーゼである。MAPKは、セリン/トレオニン選択的プロテインキナーゼである。MEK阻害剤の具体例は、CI−1040、MEK162、PD035901、セルメチニブ、レファメチニブ、BAY−86−9766、RDEA119、トラメチニブ(GSK1120212)、及びXL518、RG7167、RG7420を含む。
PI3K経路は、増殖制御、代謝、及び翻訳開始等の多くの細胞機能のための重要なシグナル伝達経路である。PI3K阻害剤はしばしば、腫瘍抑制をもたらす。PI3Kには、複数の異なるクラスとアイソフォームがある。クラス1 PI3Kは、四つのタイプ(アイソフォーム)、すなわちp110アルファ、p110ベータ、p110ガンマ、及びp110デルタを有するp110として知られている触媒サブユニットを有する。種々のがんの治療のために研究されている阻害剤は、クラスI PI3Kの一又は複数のアイソフォームを阻害する。PI3K(ホスホイノシトール3−キナーゼ)の具体例は、BEZ235、BYL719、ブパリシブ、BKM120、INC280、RG7440、RG7604、RG7666(GDC−0084)、RG7321、RG7422、PF−05212384(PKI−587)、及びPF−04449913を含む。
線維芽細胞成長因子(FGF)は、血管新生、創傷治癒、及び胚発生に関与する増殖因子のファミリーである。FGFはヘパリン結合タンパク質であり、細胞表面結合ヘパラン硫酸プロテオグリカンとの相互作用は、FGFシグナル伝達に必須であることが示されている。FGFは、多種多様な細胞及び組織の増殖及び分化の過程において重要な役割を果たす。細胞表面の線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)は、細胞中のタンパク質のMAPK/ERK経路を介して、細胞の核内のDNAにシグナル伝達することができる。FGFRファミリーは、四つのメンバー、すなわちFGFR1、FGFR2、FGFR3、及びFGFR4を有する。FGFRは、三つの細胞外免疫グロブリン型ドメイン(D1−D3)、すなわち単スパン膜貫通ドメイン、および細胞内開裂チロシンキナーゼドメインからなる。FGRF阻害剤の例は、BGJ398及びドビチニブである。
チロシンキナーゼは、シグナル伝達カスケードによる多くのタンパク質の活性化に関与する酵素である。タンパク質は、タンパク質にリン酸基を付加することによって活性化される(リン酸化)。チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)は、抗がん薬として一般的に使用される。TKIは四つの異なる機構により作用するが、すなわちTKIは、アデノシン三リン酸(ATP)、リン酸化物質、基質若しくはその両方と競合することができ、又はアロステリック様式で作用することができ、すなわち立体構造変化により活性部位外の部位に結合することができる。TKIは、チロシンリン酸化の低分子量阻害剤であり、セリン又はスレオニン残基をリン酸化するプロテインキナーゼを阻害せず、EGFRのキナーゼドメインとインスリン受容体のキナーゼドメインとを区別することができる。さらに、チロシンキナーゼドメインの保存にもかかわらず、EGFR及びその近くの相対的なHER2のような密接に関連するタンパク質チロシンキナーゼ間を区別するTKIを設計及び合成することが可能であることが示された。
HER2により活性化されるシグナル伝達経路は、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)、ホスホイノシチド3−キナーゼ(PI3K/Akt)、ホスホリパーゼCγ、プロテインキナーゼC(PKC)、及びシグナル伝達性転写因子(STAT)を含む。ErbBファミリーの受容体を介したシグナル伝達は、細胞増殖を促進し、アポトーシスに対抗する。したがって、無制御細胞増殖が起こるのを防ぐために厳密に制御されなければならない。ERBB2遺伝子の増幅又は過剰発現は、疾患再発の増加及び予後不良と強く関連している。過剰発現はまた、乳がん、卵巣がん、胃がん、及び攻撃的な形態の子宮がん、例えば子宮漿液性子宮内膜がんにおいても起こることが知られている。HER2は共局在しており、ほとんどの場合、乳房、精巣生殖細胞、胃、及び食道の腫瘍に関連するがん原遺伝子である遺伝子GRB7と共増幅される。HER2タンパク質は、腫瘍形成に関与する可能性のある細胞膜中にクラスターを形成することが示されている。HER(ヒト上皮増殖因子受容体)阻害剤の具体例は、RG7116、RG1273(ペルツズマブ、パージェタ(登録商標))、RG3502(トラスツズマブエムタンシン(emantasine) 、T−DMI)、RG597(トラスツズマブ、ハーセプチン)、RGA201(RG7160)、エルロチニブ(タルセバ(登録商標))、ダコミチニブ(PF−00299804)、PF−05280014(ファイザーのRG597のバイオミラーmAB)を含む。
腫瘍は、より大きく成長するために、VEGFなどの血管新生促進剤によってつくられる自前の血管を必要とする。腫瘍血管新生過程を妨げる薬物(血管新生阻害剤)は、がんの治療において有望である。一つの血管新生促進剤がブロックされると、がんは、結局は別の血管新生促進剤を用いて血管を成長させる。腫瘍は、急速に分裂し増殖するがん細胞の集団である。突然変異はその集団内で急速に生じる。このような突然変異は、がん細胞、又は腫瘍内のがん細胞の亜集団が薬剤耐性を発達させ、かつ/又は療法を免れることを可能にする機能的変異を提供する。固形がんが小さい場合、付近の血管からの拡散によって栄養物が供給される。腫瘍は、酸素を運び込み、栄養物を運び込み、急速に分裂するがん細胞により分泌される生物学的最終生成物を取り除くための老廃物経路として働く血管新生なしでは、2mmより大きく成長することもできない。血管新生は、腫瘍の伝播又は転移にも必要である。単一のがん細胞は、確立された固形腫瘍から離脱し、血管に入り、遠隔部位に運ばれ、そしてそこで続発性腫瘍を確立し、増殖を開始することができる。所与の固形腫瘍における血管は内皮細胞及び腫瘍細胞から構成されるモザイク血管であり得るというエビデンスがある。モザイク血管は、腫瘍細胞を脈管構造に流し、放射線によって引き起こされる炎症又は虚血を回避することができる。
いくつかの形態の血管新生を阻害し得る他の化合物及びVEGF阻害剤がある。抗血管新生化合物は、カルボキシアミドトリアゾール、TNP−470、CM101、IFN−α、IL−12、血小板第4因子、抗血管新生ステロイド+ハーセプチン、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤、アンジオスタチン、エンドスタチン、2−メトキシエストラジオール、テコガラン、テトラチオモリブデート、サリドマイド、トロンボスポンジン、プロラクチン、αVβ3阻害剤、及びリノミドを含む。カルボキシアミドトリアゾールは、内皮細胞の細胞増殖及び細胞遊走を阻害する。TNP−470及びCM101は、免疫系を活性化する。IFN−αは、血管新生刺激因子をダウンレギュレートし、内皮細胞の細胞遊走を阻害する。IL−12(インターロイキン−12)は、血管新生阻害剤の形成を刺激する。血小板第4因子は、血管新生刺激因子の結合を阻害する。抗血管新生ステロイド+ヘパリン、及びマトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤は、基底膜の分解を阻害する。アンジオスタチンは、細胞増殖を阻害し、内皮細胞のアポトーシスを誘導する。エンドスタチンは、内皮細胞の細胞遊走、細胞増殖、及び生存を阻害する。ステロイド2−メトキシエストラジオールは、内皮細胞の細胞増殖及び細胞遊走を阻害し、アポトーシスを誘導する。テコガランは、内皮細胞の細胞増殖を阻害する。テトラチオモリブデートは、銅のキレート化を引き起こし、血管の成長を阻害する。サリドマイドは、内皮細胞の細胞増殖を阻害する。トロンボスポンジンは、内皮細胞の細胞遊走、細胞増殖、細胞接着、及び生存を阻害する。プロラクチンは、bFGF及びVEGFを阻害する。αVβ3阻害剤は、内皮細胞のアポトーシスを誘導する。リノミドは、内皮細胞の細胞遊走を阻害する。
熱ショックタンパク質90(HspP90)は、多くのタンパク質の折りたたみ及び分解を調節する分子シャペロンである。HSP(熱ショックタンパク質)阻害剤の具体例は、AUY922を含む。
スムーズンド受容体(SMO)は、ヘッジホッグシグナル伝達経路の一部である。SMO阻害は、転写因子GLI1及びGLI2を不活性のままにさせ、ヘッジホッグ経路内の腫瘍媒介遺伝子の発現を妨げる。ソニックヘッジホッグは、ヘッジホッグと呼ばれる哺乳類のシグナル伝達経路ファミリーの三つのタンパク質の1つであり、他はデザートヘッジホッグ(DHH)及びインディアンヘッジホッグ(IHH)である。SHHは、一番研究されているヘッジホッグシグナル伝達経路のリガンドである。それは、四肢の指の成長や脳の組織化など、脊椎動物の器官形成の調節において重要な役割を果たす。ソニックヘッジホッグは、拡散して濃度勾配を形成し、その濃度に応じて発達中の胚の細胞に異なる効果を有する分子であるモルフォゲンである。SHHは、成人においても重要であることに変わりはない。それは、成体幹細胞の細胞分裂を制御し、いくつかのがんの発生に関与している。
CD135は、III型受容体チロシンキナーゼである。Fms様チロシンキナーゼ3(FLT−3)、受容体型チロシンプロテインキナーゼFLT3又は胎児肝臓キナーゼ−2(Flk2)としても知られている分化抗原135(CD135)のクラスターは、ヒトにおいてはFLT3遺伝子によってコードされるタンパク質である。Flt3は、受容体チロシンキナーゼクラスIIIに属するサイトカイン受容体である。CD135は、サイトカインFlt3リガンド(Flt3L)の受容体である。CD135は、多くの造血前駆細胞の表面に発現される。Flt3のシグナル伝達は、造血幹細胞及び前駆細胞の正常な発生にとって重要である。この受容体がFlt3Lに結合すると、それはそれ自身と共にその固有のチロシンキナーゼ活性を活性化する二量体(ホモ二量体)を形成し、これは次に細胞内のシグナルを伝播するシグナル伝達分子をリン酸化して活性化する。CD135を介するシグナル伝達は、細胞生存、増殖、及び分化に関与する。CD135は、リンパ球(B細胞及びT細胞)の発達にとって重要である。FLT−3(チロシンキナーゼ受容体3)阻害剤の具体例は、INC280(INCB028060)及びミドスタウリン(PKC412)を含む。INC280 (INCB028060)は、c−Met(肝細胞増殖因子受容体[HGFR])依存性PI3K及びRASシグナル伝達を阻害する。
アポトーシス阻害剤(IAP)は、プログラム細胞死(アポトーシス)の内因性阻害剤として働く、機能的及び構造的に関連するタンパク質のファミリーである。すべてのIAPに共通する特徴は、1から3コピーのBIR(バキュロウイルスIAPリピート、およそ70アミノ酸ドメイン)の存在である。ヒトIAPファミリーは、8メンバーからなり、多くの生物においてIAPホモログが同定されている。同定されたIAPの最初のメンバーは、宿主におけるその効率的な感染及び複製サイクルに寄与する機構としてカスパーゼに結合し、それを阻害するバキュロウイルスIAP、Cp−IAP、及びOp−IAP由来であった。さらに5つのヒトIAPは、XIAP、c−IAP1、C−IAP2、NAIP、及びサバイビンである。XIAPは、カスパーゼ−9、カスパーゼ−3、及びカスパーゼ7に結合し、それによりそれらの活性化を阻害し、アポトーシスを防止する。注:cIAP1及びcIAP2はカスパーゼに結合するが、IAPがどのように分子レベルで機構的にアポトーシスを阻害するかは不明である。アポトーシスタンパク質阻害剤の例は、LCL161である。
サイクリン依存性キナーゼ(CDK)は、転写、mRNAプロセシング、及び分化の調節に関与するプロテインキナーゼのファミリーである。すべての既知の真核生物に存在するCDKは、サイクリンと呼ばれる制御タンパク質に結合する小さなプロテインキナーゼである。サイクリン−CDK複合体は、セリン及びスレオニン上のそれらの基質をリン酸化する活性セリン−スレオニンキナーゼである。細胞分裂プロテインキナーゼ4としても知られるサイクリン依存性キナーゼ4は、ヒトにおいてはCDK4遺伝子によってコードされる酵素である。この遺伝子並びにD型サイクリン、p16(INK4a)、及びRbを含むその関連タンパク質における突然変異は、すべて種々のがんの腫瘍発生に関連することが判明している。13のCDKが知られており、そのl制御サイクリンタンパク質を括弧書きにしてここに列挙する:CDK1(サイクリンA、サイクリンB); CDK2(サイクリンA、サイクリンE);CDK3(サイクリンC);CDK4(サイクリンD1、サイクリンD2、サイクリンD3);CDK5(CDK5R1、CDK5R2);CDK6(サイクリンD1、サイクリンD2、サイクリンD3);CDK7(サイクリンH);CDK8(サイクリンC);CDK9(サイクリンT1、サイクリンT2a、サイクリンT2b、サイクリンK);CDK10;CDC2L2としても知られるCDK11(サイクリンL):CRKRSとしても知られるCDK12(サイクリンL);及びCDC2L5としても知られるCDK13(サイクリンL)。CDK4/6(サイクリン依存性キナーゼ4及び6)阻害剤の具体例は、LEE011、PD−0332991(パルボシクリブ)、PD−0332991−0054、PD−332991、及びPF−00080665−73を含む。その他のCDK阻害剤は、フラボピリドール(アルボシジブ)[CDK1、2、4、6、7、9を阻害];オロモウシン[CDK1、2、5を阻害];ロスコビチン[CDK1、2、5を阻害];パーバラノール[CDK1、2、5を阻害];パウロン[CDK1、2、5を阻害];ブチロラクトン[CDK1、2、5を阻害]:チオ/オキソフラボピリドール[CDK1を阻害];オキシインドール[CDK2を阻害];アミノチアゾール[CDK4を阻害];ベンゾカルバゾール[CDK4を阻害];ピリミジン[CDK4を阻害];及びセリシクリブを含む。
ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDAC阻害剤、HDI)は、ヒストンデアセチラーゼの機能を妨害する化合物のクラスである。ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、細胞周期停止、分化、及び/又はアポトーシスを誘導することによって、培地及びインビボで腫瘍細胞の増殖を阻害する細胞分裂停止剤の新しいクラスである。遺伝子発現を行うためには、細胞は、ヒストン周囲のDNAの巻きつき及び巻き戻しを制御しなければならない。この制御は、コアヒストンのリシン残基をアセチル化し、比較的緩くて転写的に活性の比較的高いクロマチンに導くヒストンアセチラーゼ(HAT)により達成され、逆にヒストンデアセチラーゼ(HDAC)の作用は、アセチル基をリジン残基から除去し、凝縮して転写的にサイレンシングされた形態のクロマチンに導く。コアヒストンの末端テイルの可逆的修飾は、高次のクロマチン構造を改造し、遺伝子発現を制御するための主要なエピジェネティック機構を構成する。HDAC阻害剤(HDI)はこの作用をブロックし、ヒストンの高アセチル化をもたらし、それにより遺伝子発現に影響を与えることが可能である。
ALKチロシンキナーゼ受容体又はCD246(分化クラスター246)としても知られている未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)は、ヒトにおいてはALK遺伝子によってコードされる酵素である。ALK遺伝子は、3つの方法、すなわち複数の他の任意の遺伝子との融合遺伝子を形成することによって、追加の遺伝子コピーを得ることによって、又は遺伝子そのものの本物のDNAコードの突然変異によってがん化し得る。EML4−ALK融合遺伝子は、約3〜5%の非小細胞肺がん(NSCLC)の原因である。大多数の症例は腺癌である。腎細胞癌は、そのような遺伝子再構成及び過剰発現の結果である。ALK(未分化リンパ腫)阻害剤の具体例は、LDK378、RG7853、クリゾチニブ(ザーコリ)、及びPF−03446962 mABを含む。
がん原遺伝子セリン/スレオニン−プロテインキナーゼPim−1は、ヒトにおいてはPIM1遺伝子によってコードされる酵素である。がん原遺伝子セリン/スレオニン−プロテインキナーゼPim−1は、ヒトにおいては、PIMセリン/スレオニンキナーゼのPIM1遺伝子によってコードされる酵素である。発がん遺伝子は、多数のヒトのがんに関与しており、ヒト腫瘍から単離された細胞培養物中に高度に発現される。Pim−1は、細胞周期の進行、アポトーシス、及び転写活性化並びに比較的一般的なシグナル伝達経路に主に関与し、多くのシグナル伝達経路に関与してきている。Pim−1翻訳はSTAT3及びSTAT5によって開始されるため、その生成は、STAT経路又はSTAT因子を調節するサイトカインによって調節される。このようなサイトカインは、とりわけインターロイキン(IL−2、IL−3、IL−5、IL−6、IL−7、IL12、IL−15)、プロラクチン、TNFα、EGF及びIFNγを含む。PIM(がん原遺伝子セリン/トレオニン−プロテインキナーゼ)阻害剤の具体例は、LGH447を含む。
ポーキュパインは、パルミトイル基をWntタンパク質、Wntタンパク質分泌及びWntシグナル伝達能力に加える膜結合型O−アシルトランスフェラーゼ(MBOAT)ファミリーのメンバーである。乳房の腫瘍も、上皮間葉転換(EMT)へのWntの関与に起因して転移することが分かっている。EMT過程は、上皮細胞が間葉細胞に形質転換し、ラミニンではもはや保持されないようにするものである。それは、細胞がラミニンから離れ、移動することができるようにカドヘリンのダウンレギュレーションを伴う。Wnt/βカテニンシグナル伝達の抑制は、転移を阻害し得るEMTを防ぐことができる。Wntシグナル伝達はまた、乳がん以外の種類のがんの発生にも関与している。β−カテニンをコードする遺伝子であるCTNNB1発現の変化は、乳がんだけでなく、結腸直腸がん、メラノーマ、前立腺がん、肺がん、及びその他複数のがん種においても測定することができる。ポーキュパイン阻害剤の具体例は、LGK974、XAV939、IWR−1、及びIXP−2を含む。BHQ880は、ファージ由来のDKK1中和ヒト免疫グロブリンG1(IgG1)抗体及びWnt経路のアンタゴニストである。
ヘッジホッグ経路の最も一般的な標的は、SMO(スムーズンドと呼ばれる7回膜貫通受容体)を調節する。SMOのアンタゴニスト及びアゴニストは、下流の経路調節に影響を及ぼす。最も臨床的に進んでいるSMO標的剤は、シクロパミン競合的である。イトラコナゾール(スポラノックス)はまた、シクロパミン及びビスモードジブとは異なる機構を介してSMOを標的とすることが示されている。イトラコナゾールは、ビスモデギブ並びにIPI−926及びノバルティスのLDE−225のような他のシクロパミン競合的アンタゴニストに対する耐性を与える突然変異の存在下でSMOを阻害する。PTCH及びGli3(5E1)抗体も、この経路を調節する。ダウンストリームエフェクター及び強力な転写活性化因子siRNA Gli1は、細胞増殖を阻害し、アポトーシスを促進するために使用されている。三酸化ヒ素(トリセノックス)はまた、Gli機能及び転写を妨害することによってヘッジホッグシグナル伝達を阻害することが示されている。
腫瘍プロモーターホルボールエステルによって活性化されるプロテインキナーゼCは、強力な転写活性化因子をリン酸化することができ、それにより発がん遺伝子の発現の増加をもたらし、がんの進行を促進する。プロテインキナーゼCイオタ型は、ヒトにおいてはPRKCI遺伝子によってコードされる酵素である。この遺伝子は、セリン/スレオニンプロテインキナーゼのプロテインキナーゼC(PKC)ファミリーのメンバーをコードする。PKCファミリーは、少なくとも8つのメンバーを含み、それらは差次的に発現され、初期の分泌経路における微小管動態などの多種多様な細胞プロセスに関与する。このキナーゼは、薬物誘発アポトーシスに対するBCL−ABL媒介耐性に必要であることが見出されている。
E3ユビキチンタンパク質リガーゼMdm2としても知られるマウス二重微小染色体2のホモログ(MDM2)は、ヒトにおいてはMDM2遺伝子によってコードされるタンパク質である。Mdm2は、p53腫瘍抑制因子の重要な負の制御因子である。Mdm2タンパク質は、p53腫瘍抑制因子のN末端トランス活性化ドメイン(TAD)を認識するE3ユビキチンリガーゼとp53転写活性化の阻害因子の両方として機能する。MDM2阻害剤の具体例は、RG7112及びRG7388を含む。MDM2−p53相互作用の阻害剤は、シス−イミダゾリンの類似化合物、nutlinを含む。
グリピカン−3は、ヒトにおいてはGPC3遺伝子によりコードされるタンパク質である。この遺伝子によってコードされるタンパク質は、グリピカンファミリーのメンバーである。細胞表面ヘパリン硫酸プロテオグリカンは、可変数のヘパリン硫酸鎖で置換された膜結合タンパク質コアで構成される。グリピカンに関連した膜内在性プロテオグリカンファミリー(GRIPS)のメンバーは、グリコシルホスファチジルイノシトール結合を介して細胞質膜に固定されたコアタンパク質を含有する。これらのタンパク質は、細胞分裂及び成長調節の制御に関与し得る。グリピカン3免疫染色は、硬変肝における肝細胞癌(HCC)と異形成変化を区別するための有用性を有する。それは、異形成変化及び/又は硬化性変化を伴う肝臓は染色されないが、HCCはグリピカン3で染色されるためである。グリピカン阻害剤の具体例は、RG7687を含む。
ヒトチェックポイントキナーゼ1(Chk1)は、ゲノムの安定性を維持するのに必要な必須キナーゼである。Chk1は、DNA複製の異常に増加した開始を避けるために通常のS期の間に必要とされ、それによってDNAを破損から保護する。Chk1の阻害又は枯渇は、DNA複製の開始、一本鎖DNAの大量誘導、及びDNA鎖切断の発生に関連する、S期細胞におけるATR標的の迅速かつ強力なリン酸化を引き起こす。ChK1阻害剤の具体例は、RG7602、RG7741、CEP−3891、及びUCN−01を含む。
c−Met阻害剤は、c−Metチロシンキナーゼの酵素活性を阻害し、様々な種類のがんの治療における治療用途を有する。Metチロシンキナーゼは、肝細胞増殖因子(HGF、別名分散因子、SF)の受容体である。HGFは、大部分が上皮細胞及び間葉細胞(例えば平滑筋細胞及び線維芽細胞)上に発現される。HGFは通常、創傷治癒、肝臓再生、胚及び正常哺乳動物発達、並びに臓器形態形成において活性である。c−Met異常調節は、RTKの過剰発現、遺伝子増幅、突然変異、リガンド依存性自己分泌若しくは傍分泌ループ又は早すぎる活性化によるものであり得る。これらの因子はすべて、細胞の生存、その増殖及び運動性に影響を及ぼす。それらは、がんももたらし、またそれを治療することを目指す療法対する耐性ももたらす。異常なc−Met活性を有する患者は、予後不良、侵襲性jの疾患、転移の増加、及び生存期間の短縮を通常有する。HGF/MET阻害剤の具体例は、RG3638(オナルツズマブ、METMAB)、カボザンチニブ、AM7、SU11274、BMS−777607、PF−02341066、AMG−458、GSK 1363089(XL880、フォレチニブ)、MK−2461、PF−04217903、及びJNJ−38877605を含む。
EGF様ドメイン含有タンパク質7は、ヒトにおいてはEGFL7遺伝子によりコードされるタンパク質である。血管内皮−スタチン(VE−スタチン)としても知られる上皮増殖因子様ドメイン7(Egfl7)は、内皮細胞内で大部分発現する遺伝子をコードする。成長中の腫瘍などの血管リモデリング組織(during vascular remodeling tissues)中の内皮細胞において、egfl7のアップレギュレーションが観察される。egfl7の発現は、生理的条件では内皮細胞特異的であるが、ヒトがんにおいては腫瘍細胞により異常に発現される。結腸直腸がんでは、高レベルのegfl7は、病態ステージが比較的高い腫瘍及びリンパ節転移の存在に対応する。Egfl7もまた、ヒト肝細胞癌の腫瘍細胞によって過剰発現され、過剰発現は、多数の小結節を有し、被膜がなく、かつ静脈浸潤を伴う腫瘍において有意に高い。したがって、egfl7のレベルは、転移マーカー及び予後不良と相関する。egfl7発現の抑制は、EGFR/FAK経路を介する肝細胞癌細胞の遊走を阻害する。インビボで、肝細胞癌細胞におけるノックダウン発現は、肝臓内及び肺転移の数を減少させることが報告されている。マウスでは、肝細胞癌細胞におけるegfl7の阻害は、腫瘍増殖及び微小血管密度を減少させる。マウスに移植された腫瘍細胞におけるEgfl7の過剰発現は、腫瘍増殖及び転移を増加させることが報告されている。腫瘍内で、Egfl7は、微小血管密度、低酸素、壊死、及び血管透過性を増加させる。Egfl7は、腫瘍血管内皮細胞の白血球接着分子を抑制することにより、免疫からの腫瘍逃避を促進する。その結果、Egfl7を過剰発現する腫瘍は、免疫細胞によってはるかに少なく浸潤される。EGFL7(上皮増殖因子ドメイン様7)阻害剤の具体例は、ペルツズマブ(parsatuzumab) (MEGF0444A、RG7414)モノクローナル抗体である。
内皮細胞は、血管新生において生じる血管発芽中の細胞挙動を調整するためにNotchシグナル伝達経路を使用する。Notchの活性化は、主に内皮先端細胞で発現するNotchリガンド、デルタ様リガンド4(Dll4)との直接的な相互作用を介して開存状態が安定している血管を結ぶ細胞および「コネクター」細胞(「connector」cell)で起こる。内皮細胞の遊走及び増殖の重要な因子であるVEGFシグナル伝達は、Notfシグナル伝達を活性化した細胞において、Vegf受容体転写物のレベルを低下させることによってダウンレギュレーションさせることができる。Notch経路阻害剤の具体例は、PF−03084014(Notch受容体のタンパク質分解活性化のガンマセクレターゼ阻害剤)である。経口で生体利用可能で、潜在的な抗腫瘍活性を有する小分子ガンマセクレターゼ(GS)阻害剤は、Notch受容体の活性化をブロックするRO4929097である。
原がん遺伝子c−Src又は単にc−Srcとしても知られる原がん遺伝子チロシンタンパク質キナーゼSrcは、ヒトにおいてSRC遺伝子によってコードされる非受容体タンパク質チロシンキナーゼタンパク質である。このタンパク質は、他のタンパク質の特定のチロシン残基をリン酸化する。c−Srcチロシンキナーゼの活性の上昇レベルは、他のシグナルを促進することによってがんの進行に関連することが示唆されている。c−Srcは、接着受容体、受容体型チロシンキナーゼ、Gタンパク質共役受容体及びサイトカイン受容体を含む多くの膜貫通タンパク質によって活性化され得る。ほとんどの研究で受容体型チロシンキナーゼが検討されており、その例は、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)経路及び上皮増殖因子受容体(EGFR)である。srcが活性化されると、それは生存、血管新生、増殖、及び浸潤経路を促進する。c−Srcの活性は、結腸がんにおいて最もよく特徴付けられている。研究者らは、Srcの発現は正常な粘膜よりも前がん性ポリープにおいて5から8倍高いことを示している。[15][16][17]c−Srcレベル上昇はまた、腫瘍の進行段階、腫瘍の大きさ、及び腫瘍の転移能と相関性を有することが示されている。Srcファミリーキナーゼ阻害剤の具体例は、ボスチニブ(SKI−606)、バフェチニブ、AZD−530、XL1−999、KX01、ダサチニブ、及びXL228を含む。
がんは、エピジェネティックな変化によって引き起こされる。エピジェネティックな変化は、ヌクレオチド配列の変化を伴わない、ゲノムに対する機能的に関連する修飾を指す。そのような修飾の例は、DNAメチル化(高メチル化及び低メチル化)の変化である。DNAメチルトランスフェラーゼ(DNMT)酵素は、メチル基のDNAへの転移を触媒する。DNAメチル化は、多様な生物学的機能を果たす。すべての既知のDNAメチルトランスフェラーゼは、S−アデノシルメチオニン(SAM)をメチル供与体として用いる。このような酵素は、宿主がその制限酵素を介してそれ自身のゲノムを消化するのを防ぐために、特定のDNA配列のメチル化の原因である。腫瘍サプレッサー遺伝子の過剰メチル化されたシトシンは、ヒトのがんの一貫した顕著な特徴である。これまでに検討されたすべての種類のがん細胞において、DNAメチル化のパターンの変化、増加(過剰メチル化)又は減少(低メチル化))のいずれもが確認されている。DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤の具体例は、Dacogen(登録商標)(デシタビン、2`−デオキシ−5−アザシチジン、5−アザ−2`−デオキシシチジン、NSC127716)、5−アザシチジン、ゼブラリン、(−)−エピガロカテキン−3−ガレート、プロカイン、プサマプリン、及びMG98を含む。
分子(リガンドとしても知られる)は、DNAと相互作用することができる。リガンドは、共有的に結合すること、静電的に結合すること又はインターカレートすることによってDNAと相互作用し得る。インターカレーションは、適切なサイズ及び化学的性質のリガンドがDNAの塩基対の間に入るときに生じる。DNAインターカレーターは、急速に増殖するがん細胞におけるDNA複製を阻害するための化学療法処置において用いられる。このようなリガンドは、大部分が多環式芳香族で、平面的である。DNAインターカレーターの具体例は、ベルベリン、臭化エチジウム、プロフラビン、ダウノマイシン、ドキソルビシン(アドリアマイシン、ドキシル)、及びサリドマイドを含む。
チミジル酸シンターゼ阻害剤は、酵素チミジル酸シンターゼを阻害し、抗がん化学療法としての可能性を有する化学物質である。この阻害は、自殺阻害と呼ばれ、不可逆的である。この酵素は、基質類似体に結合し、「通常の」触媒反応の間に共有結合を介して不可逆的な複合体を形成する。チミジンシンターゼを阻害する自殺阻害薬物の具体例は、5−フルオロウラシル(5−FU、Efudex)、ラルチトレキセド、ペメトレキセド、ノラトレキセド、ZD9331、及びGS7904Lを含む。ラルチトレキセド及びフルオロウラシルは、結腸直腸がんを治療するために使用されてきた。
有糸分裂阻害剤は、分裂するときに細胞を構造的に引き離す微小管を破壊することによって細胞分裂をブロックする。がん細胞は連続的な有糸分裂によって増殖し、最終的に体内に伝播(転移)することが可能で、かつ正常細胞よりも有糸分裂の阻害に感受性が高いため、有糸分裂阻害剤ががん治療に使用される。有糸分裂攪乱薬物の具体例は、タキソール(パクリタキセル)、タキソテール(ドセタキセル)、アブラキサン、ハラヴェン、ジェブタナ、ビンブラスチン、ビンクリスチン、及びビノレルビンを含む。
種々の外因性又は内因性薬剤が二つの異なる位置のDNAと反応すると、DNAに架橋が生じる。これは、同じ鎖(鎖内架橋)又はDNAの反対鎖(鎖間架橋)のいずれかに生じ得る。架橋は、DNAとタンパク質との間でも生じる。DNA複製は、架橋によってブロックされ、架橋が修復されなければ複製停止及び細胞死を引き起こす。化学療法で使用される1,3−ビス(2−クロロエチル)−1−ニトロソ尿素(BCNU、カルムスチン)及びナイトロジェンマスタードなどのアルキル化剤は、鎖間架橋を形成する反対鎖上のグアニンのN7位でDNAと架橋することができる。シスプラチン(シス−ジアミンジクロロ白金(II))及びその誘導体は、モノ付加体、鎖間架橋、鎖内架橋又はDNAタンパク質架橋としてDNA架橋を形成する(主に隣接N−7グアニンに1,2鎖内架橋を形成)。マイトマイシンCは、配列特異的グアニン塩基N−アルキル化による強力なDNA架橋剤である。DNA架橋剤の具体例は、パラプラチン及びエロキサチンも含む。
化学療法や放射線療法などのがん治療法は、DNA損傷を修復する細胞の能力を圧倒し、細胞死をもたらす。最も急速に分裂している細胞、すなわちがん細胞は、優先的に影響を受ける。DNA修復過程は、DNA構造の損傷に応答するので、常に活性である。通常の修復過程が失敗し、細胞アポトーシスが起こらない場合、二本鎖切断及びDNA架橋(鎖間架橋すなわちICL)を含む修復不能なDNA損傷が起こり得る。細胞がDNA損傷を保持すると、遺伝子の転写を防ぐことができ、したがってタンパク質への翻訳もブロックされるであろう。複製もブロックされ、細胞が死滅することがあり得る。DNA鎖切断を誘発する薬物の具体例は、ブレオマイシンである。
DNAのアルキル化は、化学療法においてがん細胞のDNAを損傷するために使用される。アルキル化DNAは、巻きついていないかすっかり巻戻っているかのいずれかであり、すなわち情報復元酵素(information-decoding enzyme)によって処理することができない。これは、細胞の増殖の阻害、プログラム細胞死又はアポトーシスの開始の効果を伴う細胞傷害性をもたらす。しかし、発がん性突然変異を含む突然変異も引き起こされ、曝露後のがんの発生率が比較的高いことの説明になる。DNAアルキル化剤の具体例は、メルファラン(アルケラン(Alteran) )である。
多くの酵素及び受容体は、リン酸化及び脱リン酸化によって「オン」又は「オフ」に切り替わる。p53腫瘍抑制タンパク質は、重度に調節され、18超の異なるリン酸化部位を含む。JNK依存性p53 Ser15リン酸化を経て、p53の活性化が細胞周期停止させるアポトーシス細胞死につながる可能性がある。この具体例は、多数のがん細胞株において細胞周期停止及びアポトーシスを誘導することが示されている薬物、プルンバギンである。
イリノテカンは、トポイソメラーゼ1の阻害によってDNAが巻戻るのを防止する。イリノテカン(カンプトサ−ル、CPT−111)は、他の化学療法剤と併用し、特に結腸がんを治療するために使用される。これは、静注の5−フルオロウラシル、ロイコボリン、及びイリノテカンからなるFOLFIRI(フォルフィリ)療法を含む。
BCL2遺伝子によりコードされるBcl−2は、細胞死(アポトーシス)を調節する調節タンパク質であるBcl−2ファミリーの始祖メンバーである。Bcl−2遺伝子の損傷は、複数のがんの原因であり、がん治療に対する耐性の原因でもある。抗アポトーシス遺伝子の過剰発現及びアポトーシス促進遺伝子の低発現は、がんの特徴である細胞死の欠如をもたらし得る。BCl阻害剤の具体例は、RG760(ABT−199、GDC−0199)、オバトクラックス(GX15−070)、ABT−737、RG7601(ABT−199;ABT199;ABT 199;及びGDC−0199)を含む。
いくつかのがん化学療法剤は、フリーラジカルレベルを上昇させる。その例は、ソラフェニブ及びアドリアマイシンを含む。
一実施態様では、任意の化学療法剤又は化学療法剤の活性若しくは有効性を向上させるプロドラッグ剤は、本明細書で提供される方法において有用である。
いかなる特定の機構にも縛られるものではないが、CONPは、患者の正常な非がん性細胞にわずかな害を引き起こすため、抗がん治療に関して特に有用であると考えられる。放射線療法中、CONPは、照射された正常細胞を放射線から防護し、放射線/化学療法併用の有効性を改善することが見出されている。
を含む、方法を提供する。
(i) 有効量のCONPを患者に投与すること、
(ii) ある線量の放射線及び/又はある用量の少なくとも一の化学療法剤を投与することを含み、
有効量のCONPを投与することが患者に投与される放射線及び/又は少なくとも一の化学療法剤の毒性を低下させる方法を提供する。
(i) 有効量のCONPを患者に投与すること、
(ii) ある線量の放射線及び/又はある用量の少なくとも一の化学療法剤を投与することを含み、
有効量のCONPを投与することががんを効果的に治療するのに必要とされる放射線の線量及び/又は少なくとも一の化学療法剤の用量を低減させる方法を提供する。
放射線療法は、治療を必要とする領域に適切な線量の放射線を提供するために適切に分画された適切な用量で、従来の方法及び装置を用いて投与される。
スケジュール例:
化学療法剤#1 − 第1週、第5週の月曜日にIV投与
化学療法剤#2 − 第1週、第3週の火曜日〜金曜日に経口投与
放射線療法 − 第1週、第2週、第3週、第4週、第5週、第6週の月曜日〜金曜日に投与
本発明のいくつかの実施態様において、CONPは、非凝集3から5ナノメートルサイズの結晶であり、当該技術分野で既知のマイクロエマルジョン法により調製され得る。
L3.6plヒト膵臓がん細胞(1×10o)をヌードマウスの膵臓に注射した。10日後、マウス群をビヒクル溶液、5Gy電離放射線週1回(30Gy)、15nM のCONP毎週2回i.p.、および5Gy電離放射線週1回(30Gy)、15nMの酸化セリウムNP週2回i.p. の組み合わせで治療した。すべてのマウスは、45日目に殺処分された。
陽性マウスの数/注射されたマウスの数
対照と比較してP<0.005
対照と比較してP<0.01
A549ヒト肺がん細胞へのCONPの効果を図16に示す。48時間の細胞計数アッセイが細胞傷害性を決定するために行われ、その結果CONPは、高濃度では、この細胞系に対して用量依存的に細胞傷害性である。図17もまた、放射線照射A549ヒト肺がん細胞についての48時間の細胞計数検査の結果を示す。ここでは、これらの細胞について、CONPの効果は15μMで最も有意であり、CONPは用量依存的に放射線誘発死を増加させることが示されている。また、図18は、放射線照射A549ヒト肺がん細胞に対するCONPの効果の結果をさらに示す。48時間の検査は、細胞死をモニターするLDHの存在についての細胞培養上清の試験を含んでいた。ここでもまた、図18に見られるように、15μMのCONPが放射線の存在下で最も有意な濃度であることが見出された。
さらに、フリーラジカルを除去する酸化セリウムナノ粒子(CONP)が、最適な生物学的用量で、膵臓がん細胞の放射線に対する感受性を増大させるかどうかを決定した。放射線誘発H2O2生成は、10μM以下のCONPの存在下では有意に増加したが、20μM(0.013mg/kg)超のCONPの存在下では有意に減少した。放射線誘導ROS生成は、CONPで前処理されたL3.6plがん細胞で増加し、放射線単独と比較して、細胞生存率及びコロニー形成能の有意な減少と相関した。逆に、ROSは、正常なhTERT−HPNE細胞では、細胞生存率に影響を与えずに減少した。併用療法で治療したマウスでは、放射線単独と比較して、膵臓腫瘍の体積は48%減少した。免疫組織化学分析は、併用療法が腫瘍細胞アポトーシスの有意な増加をもたらすことを示した。まとめると、本発明者らの結果は、CONPががん細胞の放射線に対する感受性を増大させ、ヒト膵臓がんの治療のための新規の放射線増感剤を提供し得ることを示す。
先行研究で、マウスモデルにおいて放射線防護を与えるCONPの安全性及び能力を試験している。CONPは、無胸腺ヌードマウスにおいて良好な耐容性を示し、肺炎の発生率を低下させるようである。本開示において、CONPは、放射線誘発損傷からの唾液腺及び皮膚組織の保護に対する新規のアプローチであると仮定され、頭頸部への放射線療法を受けている無胸腺ヌードマウスに対する新しい放射線防護化合物としてのその有効性を試験する。
酸化セリウムナノ粒子は、前述のマイクロエマルジョン法を用いて合成した。合成酸化セリウムを高分解能透過型電子顕微鏡(HRTEM)で調べ、個々の粒子及び凝集体の大きさを決定した。該合成ナノ粒子の物理化学的特性を図28A〜28Cに示す。図28Aは、ナノ粒子の挿入された高倍率画像において、3〜5nmのCeO2ナノ粒子サイズ範囲を示すナノセリア(CONP)のHRTEM画像を示す。図28Bは、A、B、C、及びDがそれぞれ異なる格子パターン111、200、220、及び311に対応する蛍石型結晶構造のSEADパターンを示す。図28A及び28Cはともに、サイズ範囲5ナノメートルから約20ナノメートルまでの半径のCONPを示す。
IC160 X線照射システム(米国コネチカット州ウッドベリーのKimtron Inc.)を用いて、マウスの頭頸部領域に放射線照射した。動物を麻酔し、照射焦点下に仰臥位に置いた。2.74Gy/秒の速度で18.5mAで動作する160kV X線発生装置を用いて室温で照射を行った。既報のとおり、CeO2ナノ粒子を100μLの生理食塩水中で腹腔内(i.p.)注射により送達した。頭頸部への放射線曝露の唾液流量に対する効果を特徴づけるための予備実験が行われた。無胸腺マウスを5群(N=1O/群)に無作為化した。1)放射線照射なし(対照群);2)1回線量12.5Gyの放射線照射;3)1回線量15Gyの放射線照射;4)1回線量17.5Gyの放射線照射;5)1回線量20Gyの放射線照射。放射線照射完了から6週後、唾液測定分析を実施した。
二人の独立した二重盲検研究者が、国立がん研究所(NCI)の共通毒性基準(Common Toxicities Criteria)(CTC v.3.0 表3)に従い、放射線療法の1、4、及び12週間後に放射線誘発皮膚炎及び色素沈着過剰症を評価した。
放射線皮膚炎の評価及び唾液採取の間、ケタミン(100mg/ml)及びキシラジン(20mg/ml)カクテル(1μl/g体重)のi.p. 注射でマウスを麻酔した。
マウスがナノ粒子の投与なしに漸増線量(12.5、15、17.5、及び20Gy)の1回照射放射線を受けた最初の組の実験では、マウスは、放射線照射完了から6週後に殺処分された。ナノ粒子あり及びなしで30Gyの分割照射(5Gy/1回線量)をマウスに与えた次の組の実験では、マウスは、放射線照射完了から90日後に処分された。麻酔をかけた後、マウスを体重測定し、体重1kg当たり2mgのピロカルピン溶液(50mg/ml)の皮下注射を用いて唾液腺機能を刺激した。唾液採取は、ピロカルピン投与の10分後に開始された。動物を仰向けの頭位に置き、予め計量していた75mmヘパリン処理済マイクロヘマトクリット毛細管(ペンシルバニア州ブルームオールのDrummond)を口腔内に入れた。全唾液を10分間採取し、採取した唾液の量を重量測定で測定した。
放射線誘発皮膚炎及び刺激された唾液流量の分析が完了した後、すべてのマウスをCO2チャンバーを用いて殺処分した。動物の体重を殺処分後に記録した。30Gyの分割照射(すなわち15nM(0.00001mg/kg)及び15μM(0.01mg/kg)のCeO2ナノ粒子あり及びなし)を受けたマウスで、組織剖検、ヘマトキシリン及びエオシン(H&E)、並びにTUNEL分析すべてを実施した。 口腔及び頚部から採取した標本は、舌及び隣接する軟組織、耳下腺、舌下腺、顎下腺並びに所属リンパ節を含んでいた。H&E染色のために、これらの組織をホルマリンに固定し、パラフィンに包埋し、200μmで連続的に切片にした。
放射線誘導皮膚炎及び唾液測定実験は、 3重で実施され、データは平均±SEMとして表示された。統計解析は、スチューデントt検定を用いて等分散を仮定して行い、P値は両側検定に基づいて算出した。<0.05のp値は、統計的に有意であると考えられた。
結果は、以下を含む:
放射線誘発口腔乾燥症モデルの検証:
無胸腺ヌードマウスを異なる線量の1回照射放射線(12.5Gy、15Gy、17.5Gy又は20Gy)に曝露し、唾液測定を実施した(図29A〜29C)。結果は、頭頸部への放射線療法を受けているヒト患者について報告された臨床観察と一致する唾液機能の線量依存的低下を示す。
予め15nM (0.00001mg/kg)及び15μM (0.01mg/kg)のCONPをi.p. 注射された非照射無胸腺ヌードマウスの唾液測定分析の結果、対照のナノ粒子なし(生理食塩水)と比較した場合、10分間で採取した平均唾液量に全く統計的差異はなかった[生理食塩水群vs.15nM (0.00001mg/kg)群 − p値:0.1007;生理食塩水群vs.15μM(0.01mg/kg)群− p値:0.9856;15nM (0.00001mg/kg)群vs.15μM (0.01mg/kg)群− p値:0.1159]。生理食塩水対照群は313μL/10分の平均量を有したが、15nM(0.00001mg/kg)及び15μM(0.01mg/kg)のCeO2ナノ粒子に曝露された群は、それぞれ286μL/10分及び312μL/10分の平均量を有した。
耳下、舌下、及び顎下腺を独立して分析し、腺房細胞アポトーシス指標をTUNEL分析を用いて決定した。その結果は、放射線照射後の個々の腺についてのアポトーシス指数の線量依存的な減少を示し、ナノ粒子の放射線防護の性質を示唆する(図31A及び31B参照)。
唾液腺、舌、頸部の所属リンパ節及び軟組織への放射線誘発損傷の程度を決定するために、これらの組織を採取し、H&E染色のために処理した。照射あり対照群(放射線単独)のマウスの前記腺は、広範囲のマクロファージ及びリンパ球浸潤を有し、その形態学的構造に目に見える損傷を示した。対照的に、15nM(0.00001mg/kg)(データは示していない)又は15μM(0.01mg/kg)のCONPを投与された照射マウスからの首標本は、腺房細胞の空胞化を示したが、腺房組織の全体的形態及び腺房細胞核の数は保持されているように見える(図32参照)。図32は、唾液腺実質細胞構造に対する放射線誘発損傷のH&E分析を示す。示したのは、採取した非照射唾液腺標本(A、D、G)[倍率40倍];30Gyを6分割照射した腺標本(B、E)[倍率40倍];及び15μM(0.01mg/kg)のCONPで事前治療し、続いて放射線照射した標本(C、F、I)[倍率40倍].のヘマトキシリン及びエオシン染色を用いた組織学的評価である。耳下腺の形態学的分析(パネルA:治療なし、非照射群[黄色丸])は、漿液性腺房における破壊(黄色矢印)及び肥大を示す放射線照射のみの標本(パネルB、黄色丸)とは対照的に、15μM(0.01mg/kg)のCONP照射群(パネルC、黄色丸)における漿液性腺房構造の保持を示した。舌下腺分析は、放射線照射のみの群(パネルE、黄色丸)で見られる線維性変化である照射後の損傷と比較して、治療なし非照射群と15μM(0.01mg/kg)のCONP照射群(パネルD&F、黄色丸)の粘液性腺房構造には何の変化も示さない。顎下標本において、漿液性腺房構造は保持されたが、放射線のみの群では炎症細胞(黄色の円)の発生率が高かった。一方、小葉内管の数は、治療なし非照射対照群及び15μM(0.01mg/kg)のCeO2照射群(パネルG&I、黄色の矢印)と比較して、放射線照射単独群(パネルH、黄色の矢印)において大幅に減少した。
???上セルと統合(後で削除)15μM(0.00001mg/kg)のCONP治療群において、照射後の平均唾液流量は、非照射対照の65%であったが、一方、15nM(0.00001mg/kg)CONP治療群においては、非照射対照の約50%であった。したがって、CONPは、放射線照射後に刺激による唾液分泌機能のある程度の保存を与えるようである。
放射線及び化学療法剤パクリタキセルと酸化セリウムナノ粒子との併用療法を、肺がん細胞株でアッセイした。
肺がんCRL5803細胞を96ウェルプレートに24時間播いた。(密度〜2000細胞/ウェル)。時間=0で、培養培地を交換し、細胞を以下の処理条件に晒した。
対照
放射線照射 5Gy
パクリタキセル 100μg
放射線及びパクリタキセルと併用の10nMの酸化セリウムナノ粒子
治療の24時間、48時間、72時間、及び96時間後に、Cell−Titer Glo Luminescent Cell Viability Assayを用いて細胞生存率を測定し、Optimaマイクロプレートリーダーを用いてプレートを読み取った。
図33に示す結果は、Optimaでの相対発光量(RLU)によって測定される、肺がん細胞生存率に対する併用療法の有効性を示す。
併用療法(CONP、放射線、化学療法)の効果を肝炎のマウスモデルで試験した。
マウスを以下の治療群に割り当てた。
図34に写真で示すように、以下の組織学的結果が各治療で観察された。
放射線及び化学療法剤ゲムシタビンと酸化セリウムナノ粒子との併用療法を、膵臓がん細胞株でアッセイした。
膵臓がんL3.6PL細胞を96ウェルプレートに24時間播いた。(密度〜2000細胞/ウェル)。時間=0で、培養培地を交換し、細胞を以下の処理条件に晒した。
− 対照
− 放射線照射 5Gy
− 50ng/ml ゲムシタビン
− 様々な濃度の酸化セリウムナノ粒子(0、10nM、100nM、1μM、及び100μM)を、放射線及びゲムシタビンとの併用でアッセイした。
放射線及び化学療法剤パクリタキセルと酸化セリウムナノ粒子との併用療法を、乳がん細胞株MDA−231でアッセイする。他の細胞株MDA−431、MDA−435、A431も使用することができる。これらの細胞株は、ヒト起源であり、化学療法及び放射線あり及びなしで、酸化セリウムナノ粒子の有効性を決定するための細胞ベースの試験に使用される。
乳がんMDA−231細胞を96ウェルプレートに24時間播く。(密度〜2000細胞/ウェル)。時間=0で、培養培地を交換し、細胞を以下の処理条件に晒す。
− 対照
− 放射線照射 5Gy
− パクリタキセル 100μg
− 様々な濃度の酸化セリウムナノ粒子(0、10nM、100nM、1μM、及び100μM)を、放射線及びパクリタキセルとの併用でアッセイする。
放射線及び化学療法剤パクリタキセルと酸化セリウムナノ粒子との併用療法を、肺がん細胞株H226でアッセイする。他の細胞株PC14/PE6、A549又はH441も使用することができる。これらの細胞株は、ヒト起源であり、化学療法及び放射線あり及びなしで、酸化セリウムナノ粒子の有効性を決定するための細胞ベースの試験に使用される。
肺がんH226細胞を96ウェルプレートに24時間播く。(密度〜2000細胞/ウェル)。時間=0で、培養培地を交換し、細胞を以下の処理条件に晒す。
− 対照
− 放射線照射 5Gy
− パクリタキセル 100μg
− 様々な濃度の酸化セリウムナノ粒子(0、10nM、100nM、1μM、及び100μM)を、放射線及びゲムシタビンとの併用でアッセイする。
放射線及び化学療法剤パクリタキセルと酸化セリウムナノ粒子との併用療法を、結腸がん細胞株COLO 320でアッセイする。Caco−2、DLD−1、HCT−15、HCT−116、HT−29、SW620、WiDr、並びにLS174T及びTC71などの他の細胞株も使用することができる。これらの細胞株は、ヒト起源であり、化学療法及び放射線あり及びなしで、酸化セリウムナノ粒子の有効性を決定するための細胞ベースの試験に使用される。
結腸がんCOLO 320細胞を96ウェルプレートに24時間播く。(密度〜2000細胞/ウェル)。時間=0で、培養培地を交換し、細胞を以下の処理条件に晒す。
− 対照
− 放射線照射 5Gy
− 100μM イリノテカン
− 様々な濃度の酸化セリウムナノ粒子(0、10nM、100nM、1μM、及び100μM)を、放射線及びゲムシタビンとの併用でアッセイする。
Claims (33)
- 治療を必要とする患者のがんを治療する方法であって、
有効量の酸化セリウムナノ粒子を患者に投与すること;
治療実効線量の放射線を患者に投与すること;及び
治療的有効量の化学療法剤を患者に投与すること、それによりがんを治療することを含む、方法。 - 放射線の治療実効線量ががん細胞を死滅させる線量である、請求項1に記載の方法。
- 化学療法剤の治療的有効量ががん細胞を死滅させる用量である、請求項1に記載の方法。
- 酸化セリウムナノ粒子の有効量が、該ナノ粒子の非存在下での放射線及び/又は化学療法剤の治療的有効量 と比較して、放射線及び/又は化学療法剤の治療的有効量を低下させる用量である、請求項1に記載の方法。
- 放射線及び/又は化学療法剤の用量が、i)CONPの非存在下で現行の標準治療において用いられる用量又は(ii)CONPの非存在下で腫瘍を治療するための有効量のいずれかの約1%から90%の間、又は約1%から80%の間、又は約1%から70%の間、又は約1%から60%の間、又は約1%から50%の間、又は約1%から40%の間、又は約1%から30%の間、又は約1%から20%の間、又は約1%から10%の間である、請求項1に記載の方法。
- 放射線が酸化セリウムナノ粒子の投与後に投与される、請求項1に記載の方法。
- 放射線が酸化セリウムナノ粒子の投与前に投与される、請求項1に記載の方法。
- 化学療法剤が酸化セリウムナノ粒子及び/又は放射線の前に投与される、請求項1に記載の方法。
- 化学療法剤が酸化セリウムナノ粒子及び/又は放射線と同時に投与される、請求項1に記載の方法。
- 化学療法剤が酸化セリウムナノ粒子及び/又は放射線の後に投与される、請求項1に記載の方法。
- 酸化セリウムナノ粒子が約1ナノメートルから約20ナノメートルの間の粒径を有する、請求項1に記載の方法。
- 酸化セリウムナノ粒子が約1ナノメートルから約15ナノメートルの間の粒径を有する、請求項1に記載の方法。
- 酸化セリウムナノ粒子が約3ナノメートルから約10ナノメートルの間の粒径を有する、請求項1に記載の方法。
- 酸化セリウムナノ粒子が約3ナノメートルから約5ナノメートルの間の粒径を有する、請求項1に記載の方法。
- 酸化セリウムナノ粒子の有効量が患者体重1キログラム当たり約1ナノグラムから患者体重1キログラム当たり約50ミリグラムの間、又は患者体重1キログラム当たり約1ナノグラムから患者体重1キログラム当たり約5ミリグラムの間、又は患者体重1キログラム当たり約1ナノグラムから患者体重1キログラム当たり約0.5ミリグラムの間、又は患者体重1キログラム当たり約10ナノグラムから患者体重1キログラム当たり約0.5ミリグラムの間、又は患者体重1キログラム当たり約20ナノグラムから患者体重1キログラム当たり約100マイクログラムの間、又は患者体重1キログラム当たり約10ナノグラムから患者体重1キログラム当たり約10マイクログラムの間である、請求項1に記載の方法。
- 酸化セリウムナノ粒子が酸化セリウムナノ粒子と薬学的担体とを含む組成物の形態で提供される、請求項1に記載の方法。前記酸化セリウムナノ粒子組成物は、適切に製剤化されており、例えば局所、経口、非経口(例えば静脈内)、頬側、舌下、経鼻、直腸、パッチ、ポンプ又は経皮投与によって投与され得る。
- 酸化セリウムナノ粒子組成物が局所組成物である、請求項1に記載の方法。
- 局所組成物がCONP、界面活性剤、油及び水を含む、請求項17に記載の方法。
- 酸化セリウムナノ粒子組成物がマイクロエマルジョンである、請求項1に記載の方法。
- 投与後の患者の血漿中の酸化セリウムナノ粒子の全濃度が約5ナノモルから約200マイクロモルの間、又は約10ナノモルから約100マイクロモルの間、又は約20ナノモルから約10マイクロモルの間である、請求項1に記載の方法。
- 患者が膵臓がん、肺がん、乳がん、結腸がん、肝臓がん、皮膚がん、脳がん、骨がん、腎臓がん、卵巣がん、子宮がん、前立腺がん又は頭頚部がんと診断される、請求項1に記載の方法。
- 化学療法剤がソラフェニブ、レゴラフェニブ、イマチニブ、エリブリン、ゲムシタビン、カペシタビン、パゾパニブ、ラパチニブ、ダブラフェニブ、リンゴ酸スニチニブ、クリゾチニブ、エベロリムス、トリシロリムス、シロリムス、アキシチニブ、ゲフィチニブ、アナストロゾール、ビカルタミド、フルベストラント、ラルチトレキセド、ペメトレキセド、酢酸ゴセレリン、エルロチニブ、ベムラフェニブ、ビスモデギブ、クエン酸タモキシフェン、パクリタキセル、ドセタキセル、カバジタキセル、オキサリプラチン、ziv−アフリベルセプト、ベバシズマブ、トラスツズマブ、ペルツズマブ、パニツムマブ、タキサン、ブレオマイシン、メルファラン、プルンバギン、カンプトサール、マイトマイシン−C、ミトキサントロン、SMANCS、ドキソルビシン、ペグ化ドキソルビシン、フォルフィリ、5−フルオロウラシル、テモゾロミド、パシレオチド、テガフール、ギメラシル、オテラシル、イトラコナゾール、ボルテゾミブ、レナリドミド、イリノテカン、エピルビシン、及びロミデプシンからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。好ましい化学療法剤は、カルボプラチン、フルオロウラシル、ビンブラスチン、ゲムシタビン、シクロホスファミド、ドキソルビシン、メトトレキセート、パクリタキセル、トポテカン、エトポシド、メトトレキセート、ソラフェニブ、イリノテカン、タルセバ又はそれらの組み合わせである。
- 化学療法剤が低酸素活性化プロドラッグであるエボホスファミド、TH−302、AQN4、バノキサントロン、ナイトロジェンマスタードプロドラッグであるPR−104、アパジコン EO−9、CB1954、5−(アジリジン−1−イル)−4−ヒドロキシルアミノ−2−ニトロベンズアミド、カンホスファミド、TLK286、TER286、JS−K、及びBoc−KAc−Puroからなる群から選択されるプロドラッグ化学療法剤である、請求項1に記載の方法。
- 化学療法剤がGSH又はGHT−πのペプチド模倣阻害剤、例えばγ−グルタミル−S−(ベンジル)システイニル−R−フェニルグリシンジエチルエーテル、TLK199、テリントラ、及びNOV−002から選択されるペプチド模倣阻害剤である、請求項1に記載の方法。GSH又はGHT−πのペプチド模倣阻害剤は、GSH(グルタチオン)のがん細胞レベル又はGHT−π(グルタチオン−S−トランスフェラーゼ−π)の活性を低下させ、その代謝を防止することによって、投与された抗がん薬物の毒性を高めることができる。また、多剤流出液輸送体であることが知られている多剤耐性関連タンパク質の阻害剤でもあるTLK−199でのがん患者の治療は、化学療法剤のがん細胞レベルを増加させるために使用され得る。
- がん化学療法剤がGSHによって活性化されるプロドラッグである、請求項1に記載の方法。一実施態様では、本発明の実施方法は、シス−6−(2−アセチルビニルチオ)プリン(シス−AVTP)及びトランス−6−(2−アセチルビニルチオ)グアニン(トランス−AVTP)からなる群より選択されるGSH活性化プロドラッグを患者に投与することを伴う。この本発明の実施方法は、γ−グルタミル−α−アミノ−β(2−エチル−N,N,N’,N’−テトラキス(2−クロロエチル)ホスホジアミデート)−スルホニル)−プロピオニル−(R)−フェニルグリシン(TLK286)及びO2−[2,4−ジニトロ−5−(N−メチル−N−4−カルボキシフェニルアミノ)フェニル]1−N,N−ジメチルアミノ)ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート(PABA/NO)からなる群より選択されるGST活性化プロドラッグでのがん患者の治療を伴い得る。
- がん治療を受けている患者に投与される放射線及び/又は少なくとも一の化学療法剤の毒性を低減する方法であって、
(i) 有効量のCONPを患者に投与すること、
(ii) ある線量の放射線及び/又はある用量の少なくとも一の化学療法剤を投与することを含み、
有効量のCONPを投与することが患者に投与される放射線及び/又は少なくとも一の化学療法剤の毒性を低下させる、方法。 - がんを効果的に治療するのに必要とされる、患者に投与される放射線の線量及び/又は少なくとも一の化学療法剤の用量を低減させる方法であって、
(i) 有効量のCONPを患者に投与すること、
(ii) ある線量の放射線及び/又はある用量の少なくとも一の化学療法剤を投与することを含み、
有効量のCONPを投与することががんを効果的に治療するのに必要とされる放射線の線量及び/又は少なくとも一の化学療法剤の用量を低減させる、方法。 - 化学療法剤がその特異性及び細胞経路標的の阻害能力に基づいて選択され、前記細胞経路標的は患者のがん細胞が影響されやすく、mTORC、RAFキナーゼ、MEKキナーゼ、ホスホイノシトールキナーゼ3、線維芽細胞増殖因子受容体、多重チロシンキナーゼ、ヒト上皮増殖因子受容体、血管内皮増殖因子、他の血管新生、熱ショックタンパク質;Smo(smooth)受容体、FMS様チロシンキナーゼ3受容体、アポトーシスタンパク質阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ、デアセチラーゼ、ALKチロシンキナーゼ受容体、セリン/スレオニンプロテインキナーゼ Pim−1、ポーキュパインアシルトランスフェラーゼ、ヘッジホッグ経路、プロテインキナーゼC、mDM2、グリピカン3、ChK1、肝細胞増殖因子MET受容体、上皮増殖因子ドメイン様7、Notch経路、Srcファミリーキナーゼ、DNAメチルトランスフェラーゼ、DNAインターカレーター、チミジンシンターゼ、微小管機能攪乱物質、DNA架橋剤、DNA鎖切断剤、DNAアルキル化剤、JNK依存性p53 Ser15リン酸化誘導剤、DNAトポイソメラーゼ阻害剤、Bcl−2、及びフリーラジカル発生剤からなる群より選択される、請求項1、26又は27のいずれか一項に記載の方法。
- がん部位で外科手技を実施することをさらに含む、請求項1、26又は27のいずれか一項に記載の方法。
- 外科手技が放射線の投与前にがん部位で実施される、請求項29に記載の方法。
- 外科手技が放射線の投与後にがん部位で実施される、請求項29に記載の方法。
- 外科手技が化学療法剤の投与前にがん部位で実施される、請求項29に記載の方法。
- 外科手技が化学療法剤の投与後にがん部位で実施される、請求項29に記載の方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US201462025861P | 2014-07-17 | 2014-07-17 | |
US62/025,861 | 2014-07-17 | ||
PCT/US2015/040869 WO2016011328A1 (en) | 2014-07-17 | 2015-07-17 | Treatment of cancer with a combination of radiation, cerium oxide nanoparticles, and a chemotherapeutic agent |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020086617A Division JP2020158507A (ja) | 2014-07-17 | 2020-05-18 | 放射線、酸化セリウムナノ粒子、及び化学療法剤の併用によるがんの治療 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017521499A true JP2017521499A (ja) | 2017-08-03 |
JP2017521499A5 JP2017521499A5 (ja) | 2018-08-23 |
JP6706255B2 JP6706255B2 (ja) | 2020-06-03 |
Family
ID=55079076
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017523191A Active JP6706255B2 (ja) | 2014-07-17 | 2015-07-17 | 放射線、酸化セリウムナノ粒子、及び化学療法剤の併用によるがんの治療 |
JP2020086617A Pending JP2020158507A (ja) | 2014-07-17 | 2020-05-18 | 放射線、酸化セリウムナノ粒子、及び化学療法剤の併用によるがんの治療 |
Family Applications After (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020086617A Pending JP2020158507A (ja) | 2014-07-17 | 2020-05-18 | 放射線、酸化セリウムナノ粒子、及び化学療法剤の併用によるがんの治療 |
Country Status (9)
Country | Link |
---|---|
EP (2) | EP3169312B1 (ja) |
JP (2) | JP6706255B2 (ja) |
CN (2) | CN111184733A (ja) |
AU (1) | AU2015289504B2 (ja) |
BR (1) | BR112017000800A8 (ja) |
CA (1) | CA2955384C (ja) |
MX (1) | MX2017000578A (ja) |
RU (2) | RU2019133284A (ja) |
WO (1) | WO2016011328A1 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019124603A1 (ko) * | 2017-12-22 | 2019-06-27 | 경상대학교병원 | Iwr-1을 유효성분으로 함유하는 켈로이드 예방 또는 치료용 조성물 |
JP2020158507A (ja) * | 2014-07-17 | 2020-10-01 | バイオキュリティー ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド | 放射線、酸化セリウムナノ粒子、及び化学療法剤の併用によるがんの治療 |
JP2022507837A (ja) * | 2018-07-26 | 2022-01-18 | ソウル大学校産学協力団 | 放射線保護ナノ粒子 |
Families Citing this family (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10512761B2 (en) | 2009-12-02 | 2019-12-24 | Renovorx, Inc. | Methods for delivery of therapeutic materials to treat pancreatic cancer |
WO2014197362A1 (en) | 2013-06-03 | 2014-12-11 | Ramtin Agah | Devices, methods and kits for delivery of therapeutic materials to a pancreas |
WO2017174437A1 (en) * | 2016-04-05 | 2017-10-12 | Hospital Clínic De Barcelona | Ceria nanoparticles for use in the treatment of hepatocellular carcinoma |
JP7300394B2 (ja) | 2017-01-17 | 2023-06-29 | ヘパリジェニックス ゲーエムベーハー | 肝再生の促進又は肝細胞死の低減もしくは予防のためのプロテインキナーゼ阻害 |
EP3609329A4 (en) * | 2017-04-12 | 2021-03-17 | Bhagwandin, Vikash J. | COMPOSITIONS, PACKAGED MEDICINAL PRODUCTS AND METHODS OF USE OF POSACONAZOLE FOR RESISTANT TUMORS Awareness |
US11052224B2 (en) | 2017-05-18 | 2021-07-06 | Renovorx, Inc. | Methods for treating cancerous tumors |
US10695543B2 (en) | 2017-05-18 | 2020-06-30 | Renovorx, Inc. | Methods for treating cancerous tumors |
MX2021003710A (es) * | 2018-09-28 | 2021-08-19 | Univ Colorado Regents | Metodos para prevenir y tratar inflamacion y fibrosis pulmonar. |
RU2699670C1 (ru) * | 2018-11-16 | 2019-09-09 | Объединенный Институт Ядерных Исследований (Оияи) | Способ повышения частоты образования двунитевых разрывов днк в клетках человека при действии ионизирующих излучений в условиях влияния радиомодификаторов |
CA3181177A1 (en) * | 2020-04-30 | 2021-10-04 | University Of Central Florida Research Foundation, Inc. | Dispensable nanoparticle based composition for disinfection |
WO2023025312A1 (zh) | 2021-08-27 | 2023-03-02 | 深圳艾欣达伟医药科技有限公司 | 使用th-302治疗parp抑制剂耐药的患者 |
CN117651548A (zh) | 2021-08-27 | 2024-03-05 | 深圳艾欣达伟医药科技有限公司 | 冻干制剂溶液及冻干制剂、方法和用途 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008546842A (ja) * | 2005-06-27 | 2008-12-25 | エドワード ヴィア バージニア カレッジ オブ オステオパシック メディスン | 酸化セリウムナノ粒子の抗炎症性、放射線防護性および寿命促進能 |
WO2013151698A1 (en) * | 2012-04-04 | 2013-10-10 | Duke University | Methods for using cerium oxide nanoparticles to mitigate or protect against radiation injury |
Family Cites Families (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6099798A (en) | 1997-10-31 | 2000-08-08 | Nanogram Corp. | Ultraviolet light block and photocatalytic materials |
TWI323662B (en) * | 2002-11-15 | 2010-04-21 | Telik Inc | Combination cancer therapy with a gst-activated anticancer compound and another anticancer therapy |
JP2011522773A (ja) * | 2007-12-27 | 2011-08-04 | インフィニティ ファーマスーティカルズ、インク. | 治療剤での癌の処置方法 |
WO2009132277A1 (en) * | 2008-04-25 | 2009-10-29 | The Board Of Regents Of The University Of Oklahoma | Inhibition of neovascularization by cerium oxide nanoparticles |
US20100015042A1 (en) * | 2008-07-03 | 2010-01-21 | Ramot At Tel Aviv University Ltd. | Combine radiation therapy and chemotherapy for treating cancer |
GB0921596D0 (en) * | 2009-12-09 | 2010-01-27 | Isis Innovation | Particles for the treatment of cancer in combination with radiotherapy |
EP2542307A4 (en) * | 2010-03-01 | 2013-10-09 | Intraop Medical Corp | COMBINED RADIOTHERAPY WITH HYPOXIC CELL SENSITILIZERS |
US20120251496A1 (en) * | 2011-03-31 | 2012-10-04 | Telik, Inc. | Ezatiostat for treating multiple myeloma |
JP6174692B2 (ja) * | 2012-06-13 | 2017-08-02 | セリオン エンタープライジズ リミテッド ライアビリティ カンパニー | 酸化ストレスの処置のためのナノセリア |
KR20150090917A (ko) * | 2012-12-06 | 2015-08-06 | 머크 샤프 앤드 돔 코포레이션 | 디술피드-차폐 전구약물 조성물 및 방법 |
WO2015164780A1 (en) * | 2014-04-25 | 2015-10-29 | The Regents Of The University Of Michigan | Nanoparticle therapy in cancer |
RU2019133284A (ru) * | 2014-07-17 | 2019-12-05 | БайоКьюрити Фармасьютикалз Инк. | Лечение рака комбинацией лучевой терапии, наночастиц оксида церия и химиотерапевтического средства |
GB201506381D0 (en) * | 2015-04-15 | 2015-05-27 | Isis Innovation | Embolization particle |
-
2015
- 2015-07-17 RU RU2019133284A patent/RU2019133284A/ru unknown
- 2015-07-17 RU RU2017104909A patent/RU2704811C2/ru active
- 2015-07-17 CA CA2955384A patent/CA2955384C/en active Active
- 2015-07-17 AU AU2015289504A patent/AU2015289504B2/en active Active
- 2015-07-17 BR BR112017000800A patent/BR112017000800A8/pt not_active Application Discontinuation
- 2015-07-17 WO PCT/US2015/040869 patent/WO2016011328A1/en active Application Filing
- 2015-07-17 EP EP15822181.2A patent/EP3169312B1/en active Active
- 2015-07-17 CN CN201911066034.XA patent/CN111184733A/zh not_active Withdrawn
- 2015-07-17 EP EP19207165.2A patent/EP3628308A1/en not_active Withdrawn
- 2015-07-17 JP JP2017523191A patent/JP6706255B2/ja active Active
- 2015-07-17 CN CN201580038961.4A patent/CN106604719B/zh active Active
- 2015-07-17 MX MX2017000578A patent/MX2017000578A/es unknown
-
2020
- 2020-05-18 JP JP2020086617A patent/JP2020158507A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008546842A (ja) * | 2005-06-27 | 2008-12-25 | エドワード ヴィア バージニア カレッジ オブ オステオパシック メディスン | 酸化セリウムナノ粒子の抗炎症性、放射線防護性および寿命促進能 |
WO2013151698A1 (en) * | 2012-04-04 | 2013-10-10 | Duke University | Methods for using cerium oxide nanoparticles to mitigate or protect against radiation injury |
Non-Patent Citations (6)
Title |
---|
MOKECULAR CANCER THERAPEUTICS, 2014/5(ONLINE), VOL.13(7), P.1740-1749, JPN6019010374, ISSN: 0004175405 * |
NANO LETTERS, 2005, VOL.5(12), P.2573-2577, JPN6019010373, ISSN: 0004175410 * |
NANOMEDICINE, 2013, VOL.9(4), P.558-569, JPN6019010371, ISSN: 0004175408 * |
NANOMEDICINE: NANOTECHNOLOGY, BIOLOGY, AND MEDICINE, 2012, VOL.8, P.1223-1231, JPN6019010372, ISSN: 0004175409 * |
ONCO TARGETS AND THERAPY, 2014/5, VOL.7, P.835-840, JPN6019010370, ISSN: 0004175407 * |
メルクマニュアル 第18版 日本語版,2006, P.1228, JPN6019049321, ISSN: 0004175406 * |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020158507A (ja) * | 2014-07-17 | 2020-10-01 | バイオキュリティー ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド | 放射線、酸化セリウムナノ粒子、及び化学療法剤の併用によるがんの治療 |
WO2019124603A1 (ko) * | 2017-12-22 | 2019-06-27 | 경상대학교병원 | Iwr-1을 유효성분으로 함유하는 켈로이드 예방 또는 치료용 조성물 |
JP2022507837A (ja) * | 2018-07-26 | 2022-01-18 | ソウル大学校産学協力団 | 放射線保護ナノ粒子 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
RU2017104909A (ru) | 2018-08-17 |
EP3169312A4 (en) | 2017-12-27 |
EP3628308A1 (en) | 2020-04-01 |
EP3169312B1 (en) | 2020-09-02 |
JP6706255B2 (ja) | 2020-06-03 |
CA2955384A1 (en) | 2016-01-21 |
RU2019133284A (ru) | 2019-12-05 |
AU2015289504B2 (en) | 2020-12-17 |
BR112017000800A8 (pt) | 2023-04-25 |
CN106604719A (zh) | 2017-04-26 |
CN111184733A (zh) | 2020-05-22 |
RU2704811C2 (ru) | 2019-10-31 |
EP3169312A1 (en) | 2017-05-24 |
CN106604719B (zh) | 2019-11-26 |
CA2955384C (en) | 2024-03-12 |
BR112017000800A2 (pt) | 2018-07-03 |
RU2017104909A3 (ja) | 2019-01-28 |
JP2020158507A (ja) | 2020-10-01 |
MX2017000578A (es) | 2017-07-20 |
WO2016011328A1 (en) | 2016-01-21 |
AU2015289504A1 (en) | 2017-02-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6706255B2 (ja) | 放射線、酸化セリウムナノ粒子、及び化学療法剤の併用によるがんの治療 | |
JP2020158507A6 (ja) | 放射線、酸化セリウムナノ粒子、及び化学療法剤の併用によるがんの治療 | |
Linch et al. | Systemic treatment of soft-tissue sarcoma—gold standard and novel therapies | |
JP6911047B2 (ja) | がんの処置のための、Notch阻害剤およびCDK4/6阻害剤の併用療法 | |
Zebisch et al. | Signaling through RAS-RAF-MEK-ERK: from basics to bedside | |
Chandra et al. | Autophagy as a mechanism for anti-angiogenic therapy resistance | |
JP2018515618A (ja) | がん治療 | |
JP2019521971A (ja) | がんの処置 | |
Ding et al. | SAHA triggered MET activation contributes to SAHA tolerance in solid cancer cells | |
US11389536B2 (en) | Treatment of cancer with a combination of radiation, cerium oxide nanoparticles, and a chemotherapeutic agent | |
Qi et al. | Evaluation of an EZH2 inhibitor in patient-derived orthotopic xenograft models of pediatric brain tumors alone and in combination with chemo-and radiation therapies | |
KR20240096444A (ko) | Erk1/2 및 shp2 억제제 조합 요법 | |
Shen et al. | Bruton’s tyrosine kinase inhibitors in the treatment of primary central nervous system lymphoma: A mini-review | |
A Sznol et al. | Studies of NVP-BEZ235 in melanoma | |
CN108495633A (zh) | 使用阿吡莫德治疗癌症的生物标记 | |
Dcruz et al. | BRAF gene as a potential target to attenuate drug resistance and treat cancer | |
WO2024088193A1 (en) | Combination of aurora a and parp inhibitors for treatment of cancers | |
Auricchio et al. | VAL 201–An Inhibitor of Androgen Receptor-associated Src and a Potential Treatment of Castration-resistant Prostate Cancer | |
KR20220140723A (ko) | 암의 치료를 위한 약제학적 조합 | |
김유석 | Anti-tumor Effects of the Tyrosine Kinase Inhibitor Rivoceranib in Canine Melanoma and Mammary Gland Tumor | |
Sahu et al. | Multidrug resistance, a major obstacle in hepatocellular carcinoma treatment: challenges and future perspectives | |
JP2024526155A (ja) | Erk1/2およびshp2阻害剤の併用療法 | |
Chatterjee et al. | An Insight into Targeted Therapy for Ovarian Cancer | |
Martín Liberal | Combination of cytotoxic agents and targeted therapy for the treatment of advanced sarcomas: preclinical background and early clinical development | |
Domingues | Possible therapies to overcome resistance to MAPK inhibitors in mutant BRAF melanoma |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180710 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180710 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190320 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190326 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20190625 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190820 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20191217 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200422 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200515 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6706255 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |