JP2017521229A - 高電圧放電とオゾンによる水システムの処理システム及び方法 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】流水システムをプラズマ放電で処理して微生物種の除去又は増殖を制御するシステム及び方法である。水システムの構成部品は、電気流体力学的処理での過剰エネルギーによって損傷を受けないように保護される。プラズマ放電に電力を供給する高電圧発生器によって生成されたオゾンガスは、水をさらに処理するためにリサイクルされる。特に水の伝導度が高いときに、プラズマ発生を補助するためにガス注入システムが用いられ、処理される水の中に、オゾン、空気又は他のガスの微細なバブルが作られる。電極マウント用アッセンブリは、プラズマ発生を最適化するために、高電圧電極と接地電極とを所定距離あけた状態に維持する。高電圧発生器又は回路の開放支持構造はスパークギャップ電極を物理的に分離し、プラズマを生成するための高電圧パルスの放電を妨げる金属堆積物を堆積し難くする。【選択図】 図6

Description

<関連出願の相互参照>
本出願は、2014年4月24日に出願された米国特許仮出願第61/983678号及び第61/983685号並びに2015年4月24日に出願された米国特許出願第14/695519号の利益を主張する。
<発明の分野>
本発明は、プラズマを発生させる高電圧放電及び水処理を向上させるための高電圧発生の副生成物であるオゾンを用いて流水システムを処理するシステム及び方法に関するもので、冷却塔や、他の再循環システム又は閉ループシステムの処理に特に有用である。
<関連技術の記載>
人工の水システムは、世界のエネルギー生産施設、産業関連の製造プラント、病院、並びに他の複合施設及び建築物の多くで一般的に見られる重要な構成要素である。これらシステムは、年間およそ7000億ガロンの水を消費し、補給水及び汚水処理のコストだけで18億ドルものコストを伴う。これら人工の水システムは全て、システムを効率的に作動させるために重要な熱伝達表面におけるスケール、バイオフィルム及び他の腐食性副生成物の蓄積を制御するための処理を、化学的又は非化学的な態様で行う必要がある。
冷却塔やボイラー等のように熱交換を伴う水システムの場合、これらの汚染物質を除去し、システムが再び汚染されるまでの時間を長くするために有効な処理を行うことにより、相当量の金額を節約することができる。効果的かつ徹底した処理は、定期的処理の頻度を少なくし、日常のメンテナンス及び/又は定期的処理に必要な化学剤の量を少なくすることができるので、労働及び処理用化学剤のコストを節約することができる。また、清浄な熱交換表面によって操業することにより、エネルギーコストの節約にもなる。米国産業界では、熱交換表面の汚染によって生じる費用が毎年何億ドルにも及んでおり、年間約3千兆Btus(quads)ものエネルギー消費の増大に直接関係している。
水の利用を最大にすると共に浪費を最小にするために、これらシステムの多くは、スケーリング、バイオフィルム形成及び腐食から保護する一連の化学的処理(chemical treatments)を採用する。これらの化学的処理により、水の排出と新鮮な水との交換が必要となる前に、水の再使用と再循環が何度も可能となる。水の循環時間を増大させることにより、下水システムに放出される水の量は有意に低減され、流出(bleed off)分の代替に必要な補給水の量を最小にすることができる。しかしながら、化学的処理用組成物及び方法の多くは、使用される化学剤の腐食性が強いので、処理される水システムの構成要素を損傷する虞れがある。また、過酷な化学的処理に対する環境へのマイナス面があり、環境中に放出される排水の中に、トリハロメタン、ハロアセトニトリル、ハロフェノール等の有毒な殺菌副生成物が生成される問題がある。冷却塔の処理の場合、年間に放出される水処理用化学剤は5360億ポンドと推定されており、放出される地域及び水路の中又はその近傍に生存する様々な種に対して、また、放出される下水処理プラントの細菌成分に対して影響を及ぼす。
化学的処理に関連する環境への影響を最小にするために、多くの水処理企業、さらに重要なそれらの顧客は、それらシステムの性能を維持するために、非化学ベースの水処理技術の使用に注目している。業務用及び住居用の水システムの両方で用いられる市販の非化学処理装置又は水質調整技術は現在約30存在する。これらのシステムは、次の3つのカテゴリーに分類される:(1)殺生物剤を製造するのに空気又は塩等の無害又は安全な化学添加剤を用いる間接的化学剤製造システムである。これらのシステムとして、オゾン発生器、電気化学的ハイポクロライト発生器及び混合オキシダント発生器が挙げられる。(2)水における直接相互作用によって活性化学種を発生させる直接化学剤製造システムである。これらデバイスは、流体力学的キャビテーション又は超音波キャビテーションを用いて、ヒドロキシルラジカルと高温及び高圧の局部的領域を水中に生じさせるものである。このカテゴリーに適合する他の種類のデバイスとして、紫外線光システムがある。(3)プラズマ発生を含む電気磁気的デバイスであり、誘導された電磁場を用いてイオンの移動及び運動を誘導し、エレクトロポーレーション又は細胞壁内のイオンサイクロトロン共鳴によって細胞死に至らしめるものである。これらの技術の中で、電気磁気的デバイスが最も一般的であるが、これは、厳密な科学的サポートが最も少ない技術である。化学的アプローチは、直接的及び間接的の両方とも、科学的信頼性はより大きい。しかしながら、このような理解が、電気磁気的デバイスの潜在的用途を制限することになったかもしれず、それゆえ、市場シェアの多くを獲得することができずにいる。
水中で高電圧放電及びプラズマ発生を用いることは、先行技術において知られている。例えば、B.R.Lockeらによって発表された文献[Ind Eng.Chem Res 2006,45,882-905]には、電極の構成及び形状、パルスアークとパルスコロナの関係、水排出プロセスにおける電気流体力学的放電及び非熱性プラズマ放出中に生成される化学種について記載されている。この文献は、この技術を水処理に用いることに関連する多くの基本的問題を取り扱うものであるが、産業的環境、商業的環境又は住居環境における水処理に関連する実際の適用、特に、水及び周囲雰囲気中に放出される電磁放射の影響を最小にするための複数の接地点(ground points)の必要性に関する実際の適用については記載されていない。
より最近の文献では、Bruggemanらが、Lockeの文献の中で示された電極形状の多くを含む14種類の異なるリアクタ構造が入れられた液体の中で又は該液体と接触する非熱プラズマについて広範な研究を発表している[P. Bruggeman, and C.leys, J.Phys. D.Appl. Phys, 2009, 1-28]。これらリアクタの多くは、プラズマ放電によって処理される流体が、流れの無いバルク放電システム(例えば、気泡コロナ放電リアクタ、液体に浸漬されたジェットを有する放電リアクタ、電解質放電リアクタ又は毛細管ニードル放電リアクタシステム)である。しかしながら、誘電体バリア放電(DBD)については、気泡放電リアクタのバリアのどちらの側にも流体及び空気流れが導入されるという記載がある。文献には、気泡が電極に接触していないときでも、気泡内にプラズマ発生の可能性があり、気泡量の増加により、システムのスパーク電圧が低下することが記載されている。気泡サイズがスパーク電圧に及ぼす影響については記載されていない。気泡が絶縁体の表面に沿って存在すると、流れは気泡表面に沿う流れとなり、放電は、常に、電極、気泡壁及び絶縁体の3つのジャンクションで生ずる。
水処理を行なうのに、オゾンガスを用いることも知られている。例えば、Guptaらによる文献[S.B.Gupta,IEEE Transactions on Plasma Science,2008,36,40,1612-163]には、水中でのパルス放電によって生じる酸化プロセスの進化した使用について記載されている。Guptaらによるプロセスでは、独立した二次源から(高電圧発生器からではない)放電反応器の中に供給された酸素ガス又はオゾンガスを用いる。Guptaらはまた、システムの出力及び性能が溶液伝導度に大きく依存することを報告している。例えば冷却塔や閉ループにおけるシステムのように水の伝導度が高くなり得る用途では高電圧放電が必要とされるが、これは、電磁放射が増大する問題を生じる。
高電圧電極と、水中、特に水化学(導電性、化学組成、溶解固形分、プランクトン細菌数、pH等)が時間の経過で変化する水系中の接地電極との間でプラズマを発生させるか又は電気流体力学的放電を発生させるために、2つの電極間で200kVを超える電位差を発生させることができる高電圧電源を必要とする。プラズマを発生させるか又は水中で電気流体力学的放電を発生させるのに十分な電圧を生成するシステムの1つとして、マルクス発生器又はマルクスラダーが知られている。マルクス発生器は、一組の並列キャパシタを変化させ、次にスパークギャップトリガを用いて、直列キャパシタを突然放電することにより、高電圧パルスを発生させる回路を使用する。一般的に、構成部品は、加圧ガスが入ったハウジング内のフレームによって支持される。これら高電圧発生器の多くは、最大エネルギー密度を得ることを最終目標として設計され、また、SFのようなガスを使用し、スパークギャップチャンバー内の圧力を高めることでより高い降伏電圧が得られるように設計されている。これらの高降伏電圧の結果として、スパークギャップが作動するとスパークギャップ電極の一部分が蒸発するため、スパークギャップが作動する毎に一部の金属が損失する。蒸発した金属は高電圧発生器の部品に堆積し、ある堆積量に達すると、スパークギャップ放電のタイミングを損なうことになる。これは、例えば静水処理システムとして用いられる短時間稼働の高電圧システムでは問題ではないが、例えば流水処理システムのように1回の使用が数か月乃至数年に及ぶシステムでは大きな問題である。
水の処理又は浄化を含む様々な目的のためにプラズマを発生させる特許又は特許出願公開がこれまでに幾つかある。例えば、米国特許出願公開第2009/0297409号(大気圧又はそれより高圧での流通放電プラズマの発生)、米国特許出願公開第2006/0060464号(流体中におけるプラズマの発生、特に水媒体の中に含まれるか又は生成したバブルの中に形成されるプラズマの発生に関するもので、気泡を取り込み、これを誘電体バリアとして作用させて電極間の電圧を増大させる構造を含む複数の電極構造について記載されている)、米国特許第6558638号(放電ゾーンにバブルを発生させるために組み込まれたガス供給手段を使用し、高電圧放電を利用して液体を処理する)、及び米国特許出願公開第2010/0219136号(パルス化されたプラズマ放電により、5gpmの流量、 120〜150ワット電力の僅かな消費量にて水等の流体を処理する)等である。
マルクス発生器の構造を開示した数多くの特許がある。例えば、米国特許第3505533号は、ブルムライン伝送ライン(電圧倍圧ライン)と結合されたマルクス発生器を開示している。マルクス発生器のスパークギャップは、加圧された不活性ガス(CO及びアルゴン)で満たされた密封ハウジングの中にあり、デバイス全体がオイルの中に浸漬されている。米国特許第7498697号は、機械的保持のための絶縁層に取り付けられた導電性プラスチック接続構造を有するマルクス発生器を開示している。導電性プラスチックが、結合抵抗器及び充電抵抗器に代わり、高電圧に対する長期間の抵抗を有する。
先行技術には、高電圧放電によってプラズマを生成して化学的に活性な種を発生させて、物理的効果をもたらし、水化学を制御できるシステム及び方法が開示されている。しかしながら、長い期間に亘って大量の流水を産業的、商業的或いは住居的規模で処理するに際しては、スケールや腐食の制御、ブローダウン、水保護対策等に必要なコントローラ及びモニターを含む水システムの他の構成要素を損傷させることなく、プラズマ放電を用いたこの技術をどのように水システムに適用するかについては開示がない。さらに、開示された技術は、時間の経過によって導電性が変動する水システムを再循環することを扱っていない。最後に、先行技術には、追加の水処理としてマルクスにより生成されたオゾンの捕獲及び使用について開示がない。
本発明は、非化学的技術を用いて、冷却塔や、閉ループシステム又は再循環水システム等の流水システムを処理するための処理システム及び方法に関する。この処理システム及び方法は、処理される水の中に浸漬された2つの電極の間に高周波で高電圧の放電を発生させることを含む。電極間で放電が行われる毎に、寿命の長い酸化化学物質(オゾン、過酸化水素)と寿命の短い酸化化学物質(スーパーオキシド、ヒドロキシルラジカル及び水素ラジカル)が発生する。また、音響衝撃波(sonic shockwaves)と共にUV放射が発生する。これらの効果は、従来から広く知られており、静水システムの定期的処理に用いられているが、流動又は再循環する水システムを効果的に処理するために用いられていない。本発明の一実施形態において、流動又は再循環する水システムにおける水を処理するためのプラズマを発生させる処理システム及び方法を提供する。処理システム及び方法は、長い操業時間の間、所定の時間間隔でプラズマが繰り返して発生する反応チャンバーの中を流れる水の効果的に略連続的な処理を水システムの構成要素を損傷することなく行なうことができる。
本発明の好ましい一実施形態において、処理システム及び方法は、流動する水の伝導度(conductivity)、温度及び溶解固形分が変化する水の中で長期間のプラズマ放電又は電気的流体力学放電を行なうことができるプラズマ反応チャンバー又はリアクタユニットを利用する。本発明に係る好ましい一実施形態のリアクタユニットは、本体の両端が、水及び選択的にガスを導入及び除去することができる接続具でキャッピングされており、高電圧電極及び接地電極と電気的接続されることができる。本発明の好ましい他の実施形態において、リアクタユニットの内部は、電極マウントアッセンブリが配備されている。電極マウントアッセンブリは、好ましくは、リアクタ又はプラズマ放電ゾーンでチョークポイントを低下させ、水の伝導度が上昇したとき、プラズマ発生を促進するためのバブルをプラズマ放電ゾーンに流し込むことができる構成を具える。
本発明の処理システム及び方法の他の実施形態において、高電圧発生の副生成物として生成されるオゾンガスが捕獲され、このオゾンガスは水処理を向上させるために用いられる。流動又は再循環する水システムに見られる高導電性水における高電圧放電のための反応面積を最大にするには、200kVを超える電圧を発生できる能力のある電源が好ましい。これらの電源の稼働中に副生成物としてオゾンの発生があるが、これを除去しないと、高電圧発生器システムの構成要素(例えば、支持構造)を損傷する可能性がある。この実施形態では、そのオゾンが捕獲され、水処理向上のために、処理される水の中、好ましくはプラズマ反応チャンバーの中に導入される。
本発明のさらに他の実施形態において、ガス注入システムが配備され、該ガス注入システムにより、オゾン副生物、又は空気若しくは反応性ガス等の他のガスを、処理のさらなる向上のために、処理される水に導入される。これらのガスは、好ましくは、プラズマが発生する反応チャンバーに入る前に水に加えられるか、又は現場(in-situ)にて反応チャンバー内で生成される。ガス注入システムの好ましい実施形態は、マイクロバブラー(微細バブル発生器)、ベンチュリインプット又はベンチュリインジェクタ、流体力学キャビテーションシステム、超音波プローブ、又はこれらの組合せを含む。ガス注入システムは、好ましくは、微細に分散したバブルを、処理される水に導入する。その理由は、空気/ガスの絶縁破壊強度が水より小さいため、プラズマ発生を補助するからである。空気又はガス分子中でプラズマの破壊が開始すると、空気又はガス分子からのイオン化電子がキャリーオーバーして、水分子中での電子イオン化を開始する。
本発明に係る処理システム及び方法の好ましい他の実施形態において、連続稼働する高電圧発生器が配備される。好ましい高電圧発生器は、マルクス発生器又はマルクスラダー構造を有する。従来のマルクス発生器の問題は、スパークギャップ電極からの金属が、マルクスラダーで閉じられた支持構造の側壁、及び高電圧発生器の他の構成要素に堆積されて、スパークギャップ放電のタイミングを乱し、これがプラズマ形成を妨げるか又は干渉することである。本発明に係るマルクス発生器支持構造の好ましい実施形態は、スパークギャップ電極間の距離を増加させるために高さと幅が大きくした開放フレームを含む。スパークギャップ電極間の間隔が大きくなると、金属堆積物が、間隔の小さい密閉型支持構造のようにギャップを素早く埋めることはない。マルクス発生器の支持構造の別の好ましい実施形態において、フレームの底部接続部は、油槽内に沈められ、キャパシタバンクから電気的に絶縁される。別の好ましい実施形態では、支持構造表面の表面上に鉱油で被覆された支持構造を含み、前記被覆により、支持構造表面に金属堆積物が形成されるのを防止または抑制すると共に、表面上に堆積物が形成されても、堆積物の除去を容易に行なうことができる。別の好ましい実施形態において、支持構造は耐オゾン材料から作られる。その理由は、オゾンにより強度低下を招く材料があり、支持構造の機械的故障を引き起こす可能性があるからである。別の好ましい実施形態においてハウジング又はカバーがマルクス発生器に配備され、水処理向上のために用いられるオゾンを捕獲し、マルクス発生器の稼働を低圧又は負圧で行なうことができる。
本発明の別の好ましい実施形態において、水を処理するシステム及び方法は、1又は複数の構成要素に接続された1又は複数の制御システムを含む。好ましい実施形態において、制御システムは、処理システム及び水システムの水、配線又は他の重要な電源部品の過熱を防止するために、パルス化された高電圧放電を特定の時間増分または間隔で行なうことができるように調節する。さらに別の実施形態において、制御システムは、水が水系及び処理システムを通って流れるとき、再循環のサイクルと共に増加する水の伝導度を記録するフィードバックループを含む。伝導度が増加するにつれて、コントローラは、プラズマ放電を補助するために、反応チャンバー内への空気又は他のガス(ガス注入システムによるもの等)の流れを増加させる。
本発明の好ましい他の実施形態において、処理システム及び/又は水システムには、過剰電圧から水システムの構成要素を保護するために絶縁電源回路、接地金属部品及び電磁干渉デバイス等の様々な保護装置が用いられる。本発明の好ましい他の実施形態において、高電圧放電によって生じた過剰エネルギー(通常は廃棄される)は、水をさらに調整及び処理するために捕獲される。電流は、水システム用配管を地面に接続するワイヤループの中を流れて、水中に磁場を発生させる。この磁場は、水処理に有益な効果をもたらす。水システムでは、伝導度、pH、生物活性を測定するために、また、高電圧放電を水供給部に直接発生させるシステムで一般的に用いられる重要なシステム構成要素を制御するために、電子制御システムが用いられるが、水システム全体に対する大量の電磁放射による電子制御システムへの損傷は回避される。既存の技術では、高電圧放電を水中で用いる場合、水中に複数の接置点又は保護デバイスが無い場合、又は高電圧構成要素の周りに適当な遮蔽が無い場合は、その適用性が著しく制限される。
本発明に係る処理システム及び方法は、強力な化学物質(harsh chemicals)を使用せず、また、水系の構成要素を損傷することなく、バイオフィルム及び藻類を他の堆積物と共に水系の水から効果的に除去する。本発明の処理システム及び方法はまた、水系を通って流れる水が清浄であると考えられる場合(従来の化学処理に基づく場合で、都市水道水で供給される水の主成分でもある)でも、実質的な堆積物及び藻類が、本発明に従って処理される水系から放出されることが観察されるので、従来の処理技術よりも効果的である。本発明による処理を使用すると、銅腐食率の増加も観察される。これは、熱交換器チューブにおけるバイオフィルムの成長および他の堆積物が効果的に除去されていることを示し、熱交換効率が向上する。
本発明の装置について、以下の図面に関してさらに記載し、説明する。
図1は、本発明に係るシステムの好ましい一実施形態の概略図である。 図2Aは、本発明の実施形態が適用されなかった一実験において測定された電磁場を示すグラフである。 図2Bは、本発明の実施形態が適用されなかった一実験において測定された電磁場を示すグラフである。 図3は、本発明の好ましい実施形態を用いた別の実験において測定された電磁場を示すグラフである。 図4は、本発明に係る別の好ましい実施形態の概略図である。 図5は、本発明に係る別の好ましい実施形態の概略図である。 図6は、本発明に係る反応チャンバー及び電極マウントアッセンブリの好ましい実施形態の正面図である。 図7は、図6の電極マウントアッセンブリ及び接地電極の別の好ましい実施形態の正面図である。 図8は、本発明に係る高電圧取付ベースの好ましい実施形態を底部から見た斜視図である。 図9Aは、本発明に係る高電圧取付ベースの他の好ましい実施形態を底部から見た斜視図である。 図9Bは、図9Aの高電圧取付ベースの平面図である。 図10は、本発明に係る接地電極取付ベースの好ましい実施形態を上から見た斜視図である。 図11は、図9の接地電極取付ベースを底部から見た斜視図である。 図12は、図9の接地電極取付ベースの正面図である。 図13は、図9の接地電極取付ベースの底面図である。 図10は、本発明に係る接地電極取付ベースの別の好ましい実施形態を底部から見た斜視図である。 図15は、本発明に係るマルクスラダー支持構造の好ましい実施形態の斜視図である。 図16は、図15のマルクスラダー支持構造の平面図である。 図17は、図15のマルクスラダー支持構造の側面図である。 図18は、図15のマルクスラダー支持構造の別の斜視図である。 図19は、高電圧発生器システムの好ましい実施形態の断面正面図であって、外側ハウジング、スパークギャップチャンバー及びマルクスラダー支持構造を示している。 図20は、図19の高電圧発生器システムの一部分の平面図である。 図21は、図19の高電圧発生器システムの一部分の斜視図である。 図22は、図15のマルクスラダーの回路図である。
本発明に係る処理システムの好ましい実施形態が、図1に示されている。処理システム10は、好ましくは、ガス注入システム28、プラズマ反応チャンバー36、高電圧発生器システム40、電力システム46及び様々な構成要素の保護デバイスを具える。処理システム10は、既存の水システム(water system)12に容易に付加される。水システム12は、業務用、住居用又は産業用のあらゆる水システム、特に、冷却塔のような冷却及び再循環用水システムに用いられる水システムであってよい。図1に示される水システム12は、周知の構成要素で図示されていないものがある。水システム12で処理される水の流れ14は、水システムの監視用として一般的に用いられるpHセンサー、温度センサー及び伝導度センサー等の様々なセンサー16を通過する。システム内の水は、水システム12の規模や水システム12の中を流れる水量に応じて、全部が処理システム10を通過してもよいし、一部の流れ又は副流のみが処理システム10を通過してもよい。最も好ましくは、処理システム10は遮断弁又は切替器を具えており、前記遮断弁又は切替器は、例えば、処理システムがメンテナンスのために停止したときに、処理システムを迂回させることにより、水システムを通る水の流れを停止又は減少させないようにするためである。
水の流れ18は好ましくは、ガス注入システム28を通って流れ、空気及び/又はガスの微細バブルが水の流れ18に注入される。好ましくは、ガス注入システム28は、1又は2以上の微細バブル発生器(micro-bubbler devices)20を具えており、空気又はガス22、反応性ガス26及び/又はオゾン30が、プラズマ反応チャンバー36の上流にて微細バブルとして水の流れに導入される。水システム12から微生物種をできるだけ多く除去することができるように反応性ガスを用いることができる。反応性ガスとして、例えば、オゾン、単原子酸素、準安定一重項デルタ酸素、蒸気相の二酸化水素、塩素ガス、二酸化塩素ガス等がある。そのようなガスの使用及び選択は、水システム12内の水条件に応じて決められる。水の流れ18に対して、空気、オゾン、その他のガスの流れを付加する必要はなく、微細バブルとして付加する必要もない。微細バブルは、プラズマ発生を補助し、オゾンガス等の反応性ガスも水システムの水の処理に寄与する。バブルが付加される場合、バブル注入された流れ24がプラズマ反応チャンバー36に供給され、そうでない場合は、流れ18からプラズマ反応チャンバー36に供給される。
好ましい別の実施形態において、ガス注入システム28は、ベンチュリシステムを具え、該システムにより、空気/ガス、反応性ガス及び/又はオゾンの微細バブル分散物が水の流れ18に注入され、水の流れ24が生成される。ベンチュリシステムの入口は、高電圧反応チャンバー36の上流に配置され、1又は2種以上のこれらガスの微細バブルが、反応チャンバー36内の高電圧放電領域に取り込まれる。別の好ましい実施形態において、微細バブルは、組み込まれた流体力学キャビテーションシステムによって発生し、流体力学キャビテーションプロセスによって生じた微細バブルの高分散懸濁液が、反応チャンバー36内の反応ゾーンに導入される。第4の好ましい実施形態において、ベンチュリシステムと流体力学キャビテーションシステムは一緒に用いられる。両システムを用いると、最適化された反応動力学と活性種を発生させるための相乗作用的環境がもたらされる利点がある。第5の好ましい実施形態において、高電圧反応チャンバー36が複数の超音波プローブ(sonicating probes)に連結されることにより、チャンバー36内の高電圧放電ゾーン内のその場で微細バブルを発生させることができ、相乗作用による反応効果が得られる。さらに、第6の好ましい実施形態において、1又は2種以上のこれらガスは、超音波プローブによって発生される微細バブルと共に、ベンチュリを通して高電圧反応ゾーン中に導入される。微細バブルの導入は、当該分野でその構成要素及び用途が広く知られているこれらのシステム若しくはデバイスの任意のもの又はこれらシステム及びデバイスの組合せを用いて行うことができる。空気又はガスの絶縁破壊強度(dielectric breakdown strength)は水よりも小さいため、微細バブルの導入は、プラズマ発生を補助する。プラズマ崩壊は空気又は他のガス分子中で開始されるので、空気又は他のガスからのイオン化電子はキャリーオーバーとなり、水分子中で電子イオン化を開始する。
本発明の好ましい他の実施形態において、ガス注入システム28の1又は複数の構成要素は、コントローラ(水システム用コントローラ又は処理システム用の別個のコントローラであってよい)に接続される。水中での伝導度測定値(一般的には、水システム制御機能の一部として測定される)が増加すると、これに応答してコントローラが作動し、空気又は他のガスの反応チャンバー36への流れが増加する。水の伝導度が高いときでも、増加した空気の流れにより、プラズマ放電を確実に生じさせることができる。
反応チャンバー36は、好ましくは密封された水密ハウジング35を有し、前記ハウジングは、内側絶縁バリア層34aと外側接地シールド(outer ground shield)34bとによって取り囲まれ、遮蔽される。絶縁バリア34aは、非導電性層であり、地面に繋がれた導電性外側層であるグラウンド層34bへのアーク発生を防止するものである。絶縁バリア34aと接地シールド34bは、反応チャンバー36から放射される電磁干渉を低減する。反応チャンバー36がシールドされていないと、チャンバー36内で発生するプラズマにより、高感度電子装置が損傷を受ける虞れがある。高電圧発生器40内で発生した電圧がチャンバー36内の高電圧電極に送られると、反応チャンバー36内に配備された高電圧電極と接地電極がチャンバー36内でプラズマ放電を発生する。プラズマ放電を発生させるこれら構成要素は、当業者に広く知られている。反応チャンバー36、ハウジング35、さらには反応チャンバー36内の高電圧電極及び接地電極の形状及び構成は重要ではなく、既知のあらゆる形状及び構成を用いられることができるが、図6及び図7に示され、以下で説明する電極マウントアッセンブリ及び反応チャンバーの好ましい実施形態を用いることが最も好ましい。また、反応チャンバー36内でプラズマ放電を発生させるために必要な別のアース(ground)48を、ハウジング35を取り囲む接地層34bと接触した状態で配備されることができる。アース48は、接地電極として作用することができるし、或いはまた、より厚いロッド又は他の導体に接続されることで、接地電極として作用することもできる。高絶縁性高電圧ワイヤ38は、高電圧発生器システム40と反応チャンバー36内の高電圧電極とを接続する。ワイヤ38は、他の電子デバイス、金属構造又は人/操作者へのアーク放電を防止するために、高強度絶縁体で絶縁されることが好ましい。ワイヤ38は、高電圧電極として作用することもできるし、或いはまた、より厚いロッド又は他の導体に接続され、接地電極として作用することもできる。処理された水の流れ50は、反応チャンバー36を出て、サンプ54に戻されるか(特に、水システム12が冷却塔である場合)、又は水システム12の中を通って再循環される他の構成要素又は配管に戻される。チャンバー36に入る水流れ24の入口カップリングと、チャンバー36から出る水流れ50の出口カップリングは、接地されるべきである。
高電圧発生器システム40は、放電ステップ毎に、200kVを超える高周波高電圧パルスを発生することができる。高電圧発生器システム40は、好ましくは、外側ハウジング43内のスパークギャップチャンバー41内に配備されたマルクスラダー(Marx ladder)又はマルクス発生器42を含み(例えば、図19に示される好ましい実施形態に示される)、マルクスラダー42を周囲環境と絶縁すると共に、内部の構成要素から、近傍の金属構造、電気出口及び他の監視制御システムへのアーク放電を防止する絶縁バリアを含む。導電性の水の処理において従来の冷却塔又は閉ループシステムにおける場合と同様な効果を発揮するために、高電圧発生器システム40は、反応チャンバー36内の高電圧放電電極と接地電極との間の約5mmの電極ギャップに対して、200kVの電圧を出力できることが好ましい。当業者であれば理解されるように、他の電極ギャップを用いられることもできるが、約5mmのギャップ距離が好ましい。ギャップ距離が大きくなると、出力電圧を増大させる必要があり、高電圧発生器システム40における構成要素に故障等の付加的問題を引き起こす虞れがあるためであり、一方、ギャップ距離が小さくなると、プラズマ放電に曝される水量が減少するためである。
好ましい一実施形態において、高電圧発生器システム40は、一般的な壁コンセントから110Vの出力を得て、40kVのDC信号を発生させるステージ1の低電圧構成要素(図19及び22に示されるようにドライバ回路39)を具える。これは、フライバックトランスからの入力をパルス化するゼロボルトスイッチング回路によって達成される。トランスの巻き数を増加又は減少させることにより、フライバックトランスの出力電圧を変化させることができる。ゼロボルトスイッチングドライバ回路を用いる利点は、ノイズ耐性(noise immunity)が高いという特徴があり、パルス電力系において生じる電磁干渉に影響され難いことである。デジタル回路又は他の回路を用いることはできるが、これら回路は、ゼロボルトスイッチングドライバよりも、プラズマ反応チャンバー36によって発生する外部干渉に対する感受性が強い。電子部品を高電圧出力から保護するために、これは、別個のシールド体として構成される。ステージ1低電圧構成要素(ドライバ回路39)からの信号は、並列に組み立てられたキャパシタを有するマルクス発生器42内のキャパシタバンクを充電するのに用いられる。キャパシタバンクが放電限界に達すると、マルクスラダー内のスパークギャップ間に連鎖放電イベント(cascading discharge event)がトリガされ、放電電極と接地電極との間の端子電圧が200kVを超えることができる。
空気を加圧又はブローする空気ポンプ44又は他のデバイスは、高電圧発生器システム40の中に組み込まれることが好ましいが、発生器40の外部に配備して、発生器40の中へ空気が流れるように適当な配管で接続することもできる。空気ポンプ44で空気をブローし、空気を高電圧発生器システム40の中を通過させて、マルクスラダー42の電極を急冷することにより、電極寿命を向上させる効果がある。空気ポンプ44により、空気は勢いよく電極を通過し、スパークギャップチャンバー41から出て行く。スパークギャップチャンバー41で発生したオゾンガス30は、高電圧発生器システム40から取り出され、好ましくは再循環されて、水の流れ18の中へ噴射又は注入され、更なる水処理が行われる。マルクスラダーで発生したオゾンガスは、一般的には廃棄物として扱われるが、本発明では、水処理源として有益に用いられる。最も好ましくは、オゾンガス30は、ベンチュリを通り、反応チャンバー36への入口又はその近傍にて水の流れ18に導入される。これにより、水供給部へオゾン(及び、窒素等の空気の他の構成要素)を導入することが可能となり、また、水の流れ18は微細バブルによって曝気され、フィード流れ24が形成される。高電圧発生器システム40のオゾン副産物をプラズマ放電と組み合わせて用いると、相乗効果により、処理される水の中のプランクトン状細菌を減少させるのに特に有効であることがわかった。
処理システム10はまた、電力システム46と、水システムの構成要素を過剰な発生電圧から保護するための様々な保護デバイスとを具える。電力システム46は好ましくは、無停電電力供給源又は絶縁トランスを具え、水システム12が設置されている建築物の電力供給源への一過性電圧スパイクの進入が低減される。これはまた、高電圧発生器システム40を、建築物及び水システム12の他の電子構成要素(例えば、別個の無停電電力供給源又は絶縁トランス60を有するセンサー16)と絶縁する。接地された金属構成部品56は、好ましくは、水システム12の水リザーバ(例えば、冷却塔の場合はサンプ54)の中に配置される。接地された金属構成要素56は、表面積が大きな金属片又はメッシュ片が望ましいが、他の形状及び構成が用いられてもよい。この接地された構成要素は、水を通しての電磁干渉を低減又は解消する。好ましくは、電磁干渉サプレッサ58が、水システム12の電子構成要素、特に、伝導度、温度及びpH等の水質を監視するのに用いられるあらゆるセンサー(例えば、センサー16)に接続されるか又はクランプされる。必要に応じて、例えば符号52で示される他の接地デバイスが、水システム12内の他のリザーバ又は配管に付加されることができるし、水システム12を処理システム10と接続することもできる。好ましい一実施形態において、接地デバイス52は、水システム内の水が流れるパイプの壁にネジが挿入され、前記ネジの頭部に、長いワイヤの一方の端部が接続されて前記パイプに数回巻き付けられ、他方の端部が地面に接続されている。当業者であれば、他の接地デバイス又は接地構造も同様に用いられることは理解されるであろう。一般的に、これらの接地デバイスは、例えばコーレータ(corrater)(腐食監視システム)、化学コントローラ、流れコントローラ、伝導度プローブ等の特定の種類の機器に配置されるか又はその近傍に配置される。大規模の水システムでは、2〜4個のデバイスを用いて水システム全体に亘って間隔をあけて配置されることが多い。これらの接地デバイスは、水システム12の構成要素を保護すると共に、エネルギーが複数の接地点から獲得され、キャパシタ又はインダクタに保存されることができる。このエネルギーは、水処理プロセスに更なる利益をもたらす低レベルエネルギーフィールド(電磁的又は電気化学的)を発生させるのに用いられることができる。電磁場は、化学物質スケールの形成防止に用いられ、また、エレクトロポーレーション及びイオンサイクロトロン発振を誘導するのに用いられており、これらは抗菌特性を有することが示されている。電気化学反応は、局部的に高pHの領域と低pHの領域を発生させることができ、エレクトロポーレーションを誘導することもできる。これらはまた、エネルギーを保存することなく、水システム内の一部箇所に低レベル電磁場を発生させることもできる。例えば、上記した水システム内のパイプの周りに巻き付けられたワイヤデバイスの場合、パルス(プラズマから)が地面に送られる毎に、電流がパイプの周囲のワイヤループの中を流れる。このとき、その位置で、パイプを通って流れる水の中に磁場が発生する。
処理システム10はまた、好ましくは、処理システム10を所定間隔で稼働させるためのコントローラ又はタイマーを具える。コントローラ又はタイマーは、高電圧発生器システム40を充電するための電源システム46、空気ポンプ44及びガス注入システム28の構成部品(例えば、微細バブル発生器20)を含む様々な構成部品を定期的に作動させる。高電圧が高電圧発生器システム40から反応チャンバー36に放電され、プラズマ放電がリアクタハウジング35内で発生すると、処理システムの構成部品は次のサイクルの時間まで遮断される。この作動/作動停止は、周期的間隔、好ましくは約15分間隔で繰り返され、水システム及び処理システムで数週間乃至数か月続く通常運転の略連続的処理サイクルの間、周期的間隔、好ましくは約15分間隔で繰り返される。周期的間隔で作動/作動停止を行うことにより、システム全体の昇温を低減し、効率を向上させることができる。システムの温度が上昇すると、より多くのエネルギーがマルクス発生器40内で費されるため、充電ロス(charging losses)が多くなり、リアクタハウジング35内でプラズマ発生に利用可能なエネルギーが減少する。システムの定期的停止中にシステムを冷却させることにより、充電ロスを減少させ、効率を向上させることができる。システムを周期的に作動/作動停止を行なうことにより、オゾンは一定間隔でスパークギャップチャンバーから送り出され(及び好ましくは、水処理を向上させるためにリアクタハウジング内に供給され)、高電圧電極とリアクタハウジング内の接地電極との間の電極ギャップが5mmを超える場合でもパルス化されたアーク放電が維持される。システムを安全に作動させるには、接地事故回路遮断を特徴づけるスイッチボックス45を通してシステムに電力を供給することが好ましい。デバイスから流れる電流が、デバイスに入る電流と一致しない場合、この非常停止システムが始動する。
以下の実施例は、本発明の様々な実施形態に係る処理システム10を試験したものである。
<実施例1A:保護されていないシステムへの直接放電>
第1の実験セットでは、試験用の冷却塔を用いた。この実験システムは図1に示されるシステムに相当するもので、構成要素の符号は、図1の参照符号を用いた。冷却塔(総容量100L)の水システム12に水を供給し、システムは水が循環するように設定した。水化学のモニタリングを優位制御システム(Advantage Control System)を用いて行ない、生物モニタリングを、2つのインハウス生物監視システムとChemTrak生物モニターとを用いて行なった。これらのシステムは、大規模の業務用又は産業用冷却塔の運転において一般的に用いられるシステムであるか、又はそれに類似したシステムである。高電圧発生器システムを冷却塔中に組み込むために、熱交換器ラックから、機械式ボールバルブと12フィート長さで直径0.75インチの透明可撓性PVCチューブとを経て、副流の流れ(流れ18)を引き出した。システムは、このバルブにより、処理される水の具体的組成に基づいて流れ力学を変化させることができる。例えば、ベンチュリを通る流速を変えると、ガスバブルの水中への分布が変化し、高電圧放電電極で発生するプラズマの形態を変化させることができる。指向性高電圧放電を用いて生物学的制御を行うためのシステム全体の水処理に関しては、水量と流速が重要であるが、その理由は、処理の成功は、送達されるエネルギー量だけでなく、処理時間にも依存するからである。一般的なシステムでは、細菌は大量の水の中で絶えず増殖しているので、反応チャンバー36を通る流れを高流速にすることが重要であり、システムの水の全量が高電圧放電ゾーンを通って繰り返し処理又は循環されるようにすることで、全処理時間(生物成分を含む水のカラムが高電圧放電と接触している全処理時間)が増加する。
この実験セットを試験用冷却塔に使用することで、最大2gpmの副流の流れを得ることができる。この配管は、ポリエチレン製のネジ付きバーブ取付具を介して、プラズマチャンバー36に接続される。反応チャンバーの出口に5フィート長さの透明PVCチューブが取り付けられ、反応チャンバー(流れ50)を出た水がサンプ54の中に排出される。なお、前記好ましい実施形態において記載した接地点(例えば接地52及び56)は何れも配置されていない。反応チャンバー36は、高電圧発生器システム40に接続される。ユニットが作動すると、電気伝導度が1500μmhosの水中でパルス化されたスパーク放電が1cmの電極ギャップに観察された。高電圧発生器システム40が作動すると直ちに、水システム12の流れ制御リレーがオフとオンを開始し、水システム12への電力が遮断される。優位制御器内の電子機器が過負荷となってシステムが停止し、また、バイオモニター(高電圧発生器システム40の場所とは他方側に配置されている)の出力が過負荷となって遮断した。図2A及び図2Bは、この実施形態の試験においてプラズマユニットがオンの状態で、水の流れがある場合と水の流れが無い場合について、水中で測定された電磁場を示しており、電磁場は両方の場合とも水の中を進む。水の流れがある場合(図2A)、高い共振電磁パルスが、システムを循環する水に入り込んでいることが認められる。水の流れがない場合(図2B)にも、高電圧放電に起因する測定可能な電磁場がまだ存在することが認められる。
<実施例1B:保護されたシステムへの直接放電>
複数の接地保護システムを適所に配備して実施例1Aと同じ実験を繰り返し行なった。接地は、システム全体の中で、サンプ54の中と配管の部分に配置した(前述したネジとワイヤの巻付けを使用した)。図3は、水中の電磁場に有意な低下があることを示している。複数の接地システムを用いると、水システム12の一部に用いられた電子制御及び監視装置に問題を生じることなく、高電圧放電システムを数時間に亘って連続運転することが可能である。
<実施例2:微生物除去のためのベンチ試験>
水中での非熱プラズマ放電について、微生物の不活性化に対する有効性を調べるために、ベンチレベルで4つの研究を行なった。水中でのプラズマ放電により、活性酸素種、UV放射及び圧力場衝撃波を発生するが、これらは全て、微生物を不活性化し得ることが知られている。プラズマ放電は、溶液中の電場を、その降伏電圧よりも増大させることによって達成されることができる。降伏電圧は、溶液の伝導度及び誘電特性に依存する。システム中に入力エネルギーと微生物の対数減少との関係が存在することが観察された。大腸菌の1対数減少(D値として知られている)を達成するのに必要な入力エネルギーは、14J/Lから366J/Lを超えるまで変化し得ることも実証された。シュードモナス属の幾つかの種に関する実験については、1対数減少を達成するのに必要な平均入力エネルギーは85kJ/Lであることが報告されている。
第1の実験セットにおいて、ロッド乃至シリンダー形状の電極を、1600mLの水(水道水800mLと蒸留水800mL)が入れられたビーカーの中に配置した。マルクス発生器から(非熱プラズマの電圧増幅器から)発生したオゾンを、1600mLの水(これも水道水800mLと蒸留水800mL)(ビーカー#2)が入れられた第2のビーカーの中に曝気した。これらの試験で大腸菌(E.coli)を用いたのは、大腸菌が指向性エネルギー法による不活性化に対する感受性が高いためである。水1600mLが入れられた前記各ビーカーについて、懸濁大腸菌の濃度が既知であるTSBストック溶液2mLを用いて、水が充填された前記各ビーカーに接種し、最終大腸菌濃度を4.65×10cfu/mL(試験#1)と4.50×10cfu/mLにした。プラズマのみのビーカー試験(ビーカー#1)については、シリンダー状電極の直径を、1/4インチ(アーク放電を発生させた)から1インチのサイズにまで増大させて、パルスコロナを放電中に発生させた。この試験の目的は、アーク放電(より多くのエネルギーをシステム中に放出するので、好ましい)とパルスコロナのどちらが最も大きな生物学的不活性化をもたらすかを決めることである。
オゾン処理のみのビーカーに関しては、オゾンをマルクス発生器チャンバーから押し出して、エアストーンを用いてビーカー中にバブリングした。実験中、サンプル25mLを、0分、2分、4分、10分、20分及び30分後に各ビーカーから独立して採取し、バイオアッセイにてcfu/mLを求めた。パルスコロナ放電プラズマのみの試験結果を、表1に試験#1として示す。
第2の実験は、曝気したオゾンと共にロッド乃至シリンダー形状の電極を組み合わせたもので、電極は1600mLの水(水道水800mLと蒸留水800mL)が入れられた1個のビーカーの中に配置した(試験#2)。この試験2では、懸濁大腸菌の濃度が既知であるTSBストック溶液2mLを用いて、水が充填された前記ビーカーに接種し、最終大腸菌濃度を6.10×10cfu/mLにした。シリンダー状電極直径は1/4インチであり、放電中の溶液にパルススパーク(パルスアーク放電)が発生し、マルクス発生器によって発生したオゾンは電極の下のビーカー中にバブリングした。実験中、サンプル25mLを、0分、10分、30分、45分及び60分後に各ビーカーから採取し、バイオアッセイにてcfu/mLを求めた。試験結果を、表1に試験#2として示す。
第3の実験は、ロッド乃至シリンダー形状の電極を、1600mLの水(水道水800mLと蒸留水800mL)が入れられたビーカーの中に配置した(試験#3)。マルクス発生器から(非熱プラズマの電圧増幅器から)発生したオゾンを、1600mLの水(これも水道水800mLと蒸留水800mL)が入れられた第2のビーカーの中に曝気した。この研究で大腸菌(E.coli)を用いたのは、大腸菌が指向性エネルギー法による不活性化に対する感受性が高いためである。水1600mLが入れられた前記各ビーカーについて、懸濁大腸菌の濃度が既知であるTSBスストック溶液2mLを用いて、水が充填された前記各ビーカーに接種し、最終大腸菌濃度を3.05×10cfu/mL(試験#1)と3.40×10cfu/mLにした。第2の実験と同様、放電中の溶液にパルススパーク(パルスアーク放電)が発生するように、シリンダー状電極の直径を縮径した。オゾン処理のみのビーカーに関して、オゾンをマルクス発生器チャンバーから押し出して、エアストーンを用いてビーカー中にバブリングした。実験中、サンプル25mLを、0分、10分、15分、30分及び45分後に各ビーカーから独立して採取し、バイオアッセイにてcfu/mLを求めた。試験結果を、表1に試験#3として示す。
第4の実験は、曝気したオゾンとロッド乃至シリンダー形状の電極を組み合わせたもので、2000mLの水(水道水1000mLと蒸留水1000mL)が入れられた1個のビーカーの中に電極を配置した(試験#4)。この試験では、懸濁シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)の濃度が既知であるTSBストック溶液2mLを用いて、水が充填された前記ビーカーに接種し、最終シュードモナス・プチダ濃度を7.00×10cfu/mLにした。第1の実験と異なり、放電中の溶液にパルススパーク(パルスアーク放電)が発生するようにシリンダー状電極直径を小さくし、マルクス発生器によって発生したオゾンは電極の下のビーカー中にバブリングした。実験中、サンプル25mLを、0分、15分、30分、45分及び60分後に採取し、バイオアッセイにてcfu/mLを求めた。試験結果を、表1及び表2に示す。
Figure 2017521229
Figure 2017521229
図4に示される本発明のシステム及び方法の好ましい実施形態を用いて、実地試験(field test)を行なった。この実地試験の目的は、プラズマ水処理システム110を冷却塔水システム112内に設置し、酸化性殺生物剤を用いて水中の微生物群を制御することである。冷却塔水システム112は、全容量が1400ガロンであり、地方大学の管理棟外部の道路に設置された。水の流れと伝導度を監視する制御ユニット115を用いて、水システムのブローダウン及び化学剤のサンプ154への供給を制御した。このユニットは、水の伝導度を900μmhos〜1500μmhosの範囲に維持した。プラズマ処理システム110は、高電圧発生器140とプラズマ反応チャンバー136を具える。高電圧発生器は、マルクスラダー又はマルクス発生器42を具え、絶縁バリアを含む外側ハウジング143内のスパークギャップチャンバー41内に配備される。オゾンガス流れ130は、スパークギャップチャンバー141から引き出され、ベンチュリ121を介して水流れ114の入口に注入される。この試験で最初に用いられなかった空気122及び/又は反応性ガス126は、微細バブル発生器又は同様なデバイス120を通じて水流れに注入されることができる。ティー、混合器又は同様な接続具129は、微細バブル発生器120からの空気及び/又は反応性ガスの微細バブルを、流れ124(オゾンを含有する)に注入するために用いられ、反応チャンバー136への入口となる。反応チャンバー136は、密封された水密ハウジング135を具え、前記ハウジングは、内側絶縁バリア層134aによって取り囲まれ、外側接地シールド134bによってシールドされている。絶縁バリア34aは、非導電性層であり、地面に繋がれた導電性外側層であるグラウンド層34bへのアーク発生を防止するものである。高電圧発生器140内で発生した電圧がワイヤ138を通じてチャンバー136内の高電圧電極に送られると、反応チャンバー136内に配備された高電圧電極と接地電極がチャンバー136内にプラズマ放電を発生する。ワイヤ138は、高電圧電極として作用することができるし、又は、電極として作用するために、より厚いロッド又は他の導電体に接続されることもできる。別のアース148を、ハウジング135を取り囲む接地層134bと接触した状態で配備されることができる。アース148は、接地電極として作用することができるし、又は、電極として作用するために、より厚いロッド又は他の導電体に接続されることもできる。この実地試験での反応チャンバー136は、直径約4インチである。この実地試験では、反応チャンバー136は、水システム112の既存の水ラインに直接配管される。反応器入口129は、冷却塔サンプ154から水を引き出すポンプ113の高圧力側から水ライン114に接続される。ポンプ113と反応器136の間のラインに挿入されたベンチュリ121を用いて、マルクスラダー142によって発生したオゾンガス130が、処理される水の中に導入される。反応チャンバー136から出た処理済みの水150は、冷却装置(chiller)の出力側に戻され、冷却塔の中で循環される。
システム110が最初に設置されたとき、図1及び処理システム10に関連して記載した推奨される予防措置又は保護手段はいずれも配置されていない。システム110は水システムの主制御システムに接近して設置され、接地されておらず、制御ユニットのシールドは無く、センサーリードの周りにEMI抑制のためのフェライトビーズも無い。高電圧発生器140のプラグは、壁の主電気コンセントの中に直接差し込まれている。
プロセスの開始に際しては、水の流れ114が反応チャンバー136に導入され、高電圧システム140を作動させる。水を通して電磁フィードバックが行われると直ちに、水システム112の伝導度メータは6000μmhosに急上昇し、水システム112は即座にブローダウンモードとなり、水はドレン(drain)に放出される。図1のシステム10に示された1又は2以上の保護手段がなければ、冷却水システム内で高電圧放電処理システムを有効に作動させることはできないであろう。
システム110及び112の構成は、水制御ユニット170(水システム112の様々な構成要素を制御するのに用いられる)がハウジング172内で分離され、フェライトビーズ158を伝導度センサー116に繋がるワイヤの周囲でクランプすることによって再構成した。ハウジング172は、システム110の作動中、水システム制御ユニット170を取り囲むが、保守のために内部にアクセスできるように、開閉可能なドア又は取外し可能なカバーを具えることができる。ハウジング172は好ましくは金属製のボックスであるが、例えばプラスチック、コンクリート、金属プラスチック複合体等のような他のシールド材料を用いることもできる。高電圧発生器140を、制御器とは反対側の場所に移動させ(約12フィート、好ましくは少なくとも6フィート離間させる)、電力供給源146をメインとの直接接続から、UPS経由に切り替えた。冷却塔のサンプ154も、戻り(処理済み)水ライン150が151により接地されたと同じように、接地156された。所望により、フェライトビーズ153も、処理された水ライン150の周りで包まれてもよい。システム110が作動したとき、制御システム170又はセンサー116には悪影響はなく、冷却塔システム112を正常に作動させることができる。
この構成を使用し、殺生物剤を添加することなく水処理システム110を6か月間作動させた。プロセス中、マルクスラダー142内で発生したオゾンガス130を、反応チャンバー136に入る水の中へ導入した。これにより、高電圧電極表面に、微細バブルの流れが生成された。水の伝導度が約900μmhosと低い場合、プラズマ放電を発生させるのに十分であるが、濃度サイクル数の増加と共に伝導度も上昇するので、反応チャンバーにプラズマ放電を発生させるのに適当でなかった。水の伝導度が増大するにつれて、寄生電気化学反応が電極の放電に好都合のメカニズムとなり、プラズマを発生させる能力が低下する。追加の空気122が反応チャンバーに導入されると、接地電極と高電圧放電電極との間により強固なエアカーテンが形成され、伝導度が1500μmhosを超えるプラズマを水中に発生させることができる。伝導度が予め設定された閾値(通常は約1500μmhos)に達すると、冷却塔又は他の水システムはブローダウンモードに入り、高伝導度の水はドレンに排出され、新しい水(通常は水道水の新鮮な水であるが、伝導度が低い他の水源を用いることもできる)と交換される。
図5に示されるプラズマ処理システム210の他の好ましい実施形態について、第2の実地試験を行なった。システム210を設置して、2200ガロンのステンレス鋼/亜鉛めっき冷却塔水システム212を処理した。このシステムを設置している間、高電圧発生器240とプラズマ反応器チャンバー236は、ハウジング260内でシールドされ、水システム212の水制御ユニット270及びセンサー216から離れた外壁上に配置されている。ハウジング260は、好ましくは、水制御ユニット270及びセンサー216から少なくとも6フィート離間している。ハウジング260は、好ましくは金属製であるが、例えばプラスチック、金属プラスチック複合体等のような他の材料を用いることもできる。運転中、ハウジング260はシステム210を被包しているが、保守を行なうために内部にアクセスできるように、開閉可能なドア又は取外し可能なカバーを具えることができる。ハウジング260が用いられる場合、制御ユニット170をハウジング(例えば、システム110で用いられたハウジング172)で取り囲む必要はないが、そのようなハウジングは制御ユニットのさらなる保護のために用いられることができる。接地256されているサンプ254の中にポンプ213が直接入れられており、該ポンプ213を用いて、サンプ254から水214がプラズマ反応器の中を循環される。高電圧発生器240は、電力供給源246としての主電気コンセントに直接接続されるが、コンセントは独自のブレーカー回路上にある。この構成では、システム210は、水システム212の作動を妨げるいかなる電気的又はEMI問題もなく6か月間連続して作動することができた(なお、この時は冬期にために、冷却システムを停止したが、冷却が必要とされた場合は、本発明のこの実施形態を用いてさらに長期間作動することができたものと考えられる)。
保護手段として、例えば、サンプ内に配置された大表面積の金属又はメッシュの接地片(56と同様なもの)、電磁干渉サプレッサ(例えば58)、接地されたワイヤが巻き付けられたパイプセグメント又はフェライトビーズ(例えば52又は158又は258)、高電圧発生器及びプラズマ反応チャンバーの周りにある保護ハウジング(例えば260)、水制御ユニット(例えば172)の周りにて、高電圧供給源及び反応チャンバーを水制御ユニット及びセンサーから十分な距離を離間させて配置する保護ハウジング、高電圧発生器専用の電力供給源(例えば、そのブレーカー回路のコンセント又はUPS又は絶縁トランス等)、水制御ユニット又はセンサー専用の電力供給源(例えば、別個のUPS又は絶縁トランス等)等の任意の組合せを、本発明に係るあらゆる処理システムに用いることにより、水システム構成要素をあらゆる干渉又は損傷から保護すると共に、処理システムを長期間に亘って連続稼働させることができる。接地デバイスの任意の組合せもまた、本発明に係るあらゆる処理システムに用いられることができ、処理システムが発生する過剰エネルギーを獲得し(及びキャパシタ又はインダクタを用いて保存し)、低レベルのエネルギー場(電磁気的又は電気化学的)を発生させることにより、水処理プロセスに更なる利益がもたらされる。
プラズマ放電が起こるリアクタハウジングの圧力低下を制御する能力は、特に、オゾン、空気又は他のガスが、高電圧放電電極の誘電体バリアを補助するために入口の水システムに加えられるとき、十分な放電を確保するために重要である。パッシェンの法則は、2つの電極間の放電を開始するのに必要な降伏電圧を、圧力とギャップ長さ(高電圧電極と接地電極との間の距離)の関数として記載した方程式である。プラズマ放電の開始時、電子の第1イオン化エネルギーは電子の移動及び解放を生じさせるレベルまで達しなければならない。電子が加速されると、遊離電子が原子と衝突し、連鎖反応によって電子なだれを生ずる。放電媒体の圧力が高くなるほど、電子が放電電極から接地に移動するときに起こる衝突が多くなり、これが電子の方向をランダム化し、電子が減速して電極間に放電不足が生じる。水は高度に濃縮されたガスとしてみなされるから、電極間の圧力低下は、リアクタハウジング内の電気流体力学放電をうまく行なうことができるようにするための主要な寄与因子となる。
また、リアクタハウジングを流れる流速が増すにつれて、リアクタハウジングを通る流れのある領域ではチョーク点(choke points)が発展し、これらチョーク点が圧力を上昇させて、リアクタハウジングの圧力低下に影響を与える。リアクタハウジング内でプラズマをうまく放電させるために、これらの潜在的チョーク点を最小にすることが好ましい。それゆえ、本発明に係る処理システム(例えば、システム10、110又は210)は、リアクタハウジングの出口端部での処理水の流れが、次式に基づいて、できるだけ高い流れ係数(flow coefficient)を有するようにする。
Figure 2017521229
上記式において、
Cv=バルブの流れ係数又は流れ容量係数(流れの水の量gpm)
F=流量(USガロン/分)
SG=流体の比重(水=1)
ΔP=本体の圧力低下(psi)
本体の圧力低下及びリアクタを通る流体の流量を最適化する幾つかのファクターがありは、これらファクターは個々に又は一緒に操作されることができる。流量が低下すると、流れ係数が低下するので好ましくなく、放電側端部の流れ係数はできるだけ高いことが望ましい。流量が低下することはまた、接触時間が短くなり、効率が低下するので好ましくない。また、流れ係数を増大するには、リアクタハウジング135の圧力低下をできるだけ少なくすることが好ましい。本発明に係る処理システムを用いて行なった実験では、反応チャンバーの放電側端部における圧力を最小にすると、降伏電圧が低下して、プラズマの生成を補助することがわかった。伝導度が高い水、例えば再循環水システムの中でしばしば現れる水の場合、降伏電圧が低下して、寄生電流損失(V=iR)が少なくなり、より多くのエネルギーが、プラズマを通じて処理される水の中に供給される。
放電側端部の圧力をできるだけ小さくすることに加えて、処理される水の導電性上昇に関連してプラズマ発生が減少するが、これは、(1)高電圧電極と接地電極を互いに接近する方向に移動させること(しかし、これは、プラズマ放電に暴露される水の量を少なくする欠点がある)、(2)接地電極と高電圧電極との間の電圧を上昇させること(しかし、これは、高電圧発生器の構成部品に故障を生じる可能性がある)、又は(3)高電圧電極の周りのガス相誘電体バリアを増加すること、によって対処することができる。本発明に係る処理システム及び方法は、最も好ましくは、ガス注入システムを用いることにより、ガス相誘電体バリアを増加させて、処理される水にバブルを追加するもので、高伝導度の水中でプラズマ生成を補助する最も好適な方法である。
図6及び7を参照すると、反応チャンバー136及び電極マウントアッセンブリ80の好ましい実施形態が示されている。反応チャンバー136は、図4に示されるものと同様であり、処理システム10、110又は210で用いられることができる。反応チャンバー136は、両端部137、139がキャッピングされて密封された水密ハウジング135を具え、該ハウジングは取付具129、133を有しており、該取付具により、水及びガスのハウジング135への導入及び除去が行われることができ、高電圧電極138と接地電極148との電気的接続が行われることができる。この実施形態において、水114の連続流れは、処理される水システムの水源からリアクタハウジング135の中へポンプで供給され、次に、処理された水150として天面部から送り出される。水がリアクタハウジング135の中へ流入すると、オゾンガス130(好ましくは、高電圧電源140(図6では示されない)で発生)が、ベンチュリ121又は他の種類のガスインジェクタ/ディフューザを用いて水の中に導入される。水/オゾン混合物124は、次に、入口ポート129に入り、ここで、リアクタハウジング135に入る前に、圧縮空気122又は他のガスと選択的に混合される(120等のマイクロバブラーを通じてバブルが形成される)。リアクタハウジング135内に配備された電極マウントアッセンブリ80は、一方の端部が高電圧電極138に接続され、他方の端部が接地電極148に接続される。高電圧電極と接地電極との電位差により、この明細書では高電圧放電領域若しくはゾーン又はプラズマ放電領域若しくはゾーン(図6に101として示される)と称される領域において、高電圧ベース82と接地ベース92との間の水にプラズマ放電される。
図6〜14を参照すると、リアクタハウジング135内に、電極マウントアッセンブリ80が配備されている。電極マウントアッセンブリ80は、好ましくは、高電圧ベース82、接地ベース92及び接地電極チューブ147を具える。高電圧ベース82及び接地ベース92は、高電圧電極と接地電極を互いに一定距離を隔てて保持できるように構成されており、電極ギャップは約1〜10mmであり、最も好ましくは約5mmである。この距離により、十分な水量がプラズマに暴露されることができる。特に、以下に説明する好ましい接地電極の構成が用いられる場合、高電圧発生器から出力電圧の増加を必要としない。高電圧ベース82は、好ましくは、中央ハブ88と、該ハブから径方向外向きに延びて外側リング又はリム84で終端する複数のスポーク86とを含むホイール形状の構造を有する。ハブ88は、好ましくは、僅かにテーパ状又は円錐台形状(図8に示される)であるが、ほぼ円筒形であってもよい。ハブ88を通る開口90が開設され、高電圧ワイヤ138(又はワイヤ138に接続された厚いロッド又は導電性材料)が開口90内に挿入され、高電圧電極として作用する。最も好ましくは、高電圧ワイヤ138は、寄生電気化学反応をできるだけ少なくするために、その全長に誘電体コーティングを有する。
スポーク86は、好ましくは、ハブ88及びリム84に関してある角度が形成され(図6及び7に示される)、高電圧ワイヤ電極に対する接触面積が最小となるようにする。これにより、ハブのプラスチック材料の導電性が低下して電極の電荷密度が増加する。リム84は、好ましくは、リアクタハウジング135(又は35又は235)の形状及びサイズと整合する形状及びサイズを有する。リアクタハウジングは、最も好ましくは円筒形であり、リム84もまた、好ましくは円筒形であり、直径はリアクタハウジング135の内径よりも僅かに小さい。それゆえ、高電圧ベース82は、リアクタハウジング135の中に挿入されることができ、ハウジング135の内壁にぴったりと嵌められる。高電圧ベース82のホイール状開口構造は、プラズマ生成を妨げるあらゆる圧力チョーク点を排除するのを補助する。
電極マウントアッセンブリ80と共に用いられる高電圧ベース182の他の実施形態が図9A及び9Bに示される。高電圧ベース182は、好ましくは、中央ハブ188と、該ハブから径方向外向きに延びてリム184で終端する複数のスポーク186とを含む。高電圧ベース182は、ベース82と同様であるが、この実施形態のハブ188は、好ましくは略円筒形であり、スポーク186がハブ188及びリム184に関して角度が形成されていない点が異なる。略円筒形のハブは、高電圧ワイヤ/電極と接地電極との間のギャップ距離の精度を向上させる。略円筒形のハブ188も、図6及び7と同様、角度が形成されたスポークを用いられることができる。
図7及び10〜13を参照すると、接地ベース92は、好ましくは、リム94と、該リムから延びる本体96と、該本体から延びるカラー98とを含む。カラー98を通る開口100が開設される。リム94は、好ましくは、リアクタハウジング135(又は35又は235)の形状及びサイズと整合する形状及びサイズを有する。リアクタハウジングは、最も好ましくは円筒形であり、リム94もまた、好ましくは円筒形であり、直径はリアクタハウジング135の内径よりも僅かに小さい。それゆえ、接地ベース92は、リアクタハウジング135の中に挿入されることができ、ハウジング135の内壁にぴったりと嵌められる。本体96は、好ましくは、閉じた円錐台又はドーム状の形状であり、追加されるあらゆるガスバブルを、プラズマ放電ゾーン101の中へ及び高電圧電極138の方へ供給するのを補助する。
接地ベース192の他の好ましい実施形態が図14に示されている。接地ベース192は、好ましくは、リム194と、該リムから延びる本体196と、該本体から延びるカラー198とを含み、これら全ては接地ベース92と同様である。カラー198を通る開口200が開設される。接地ベース192は、接地ベース92とは異なり、追加のホイール状構造(高電圧ベース182と同様)を有する。接地ベース192は、中央ハブ204と、該ハブから径方向外向きに延びてリム194で終端する複数のスポーク202を含み、ハブ204を通る開口206が形成されている。
接地ワイヤ148が開口100に挿通され、接地電極チューブ147に接続される。接地ワイヤ148への接続を容易にするため、接地電極チューブ147の端部に、孔を有するタブが配備されることができる。最も好ましくは、接地電極チューブ147(図6及び7に示される)はほぼ円筒形の本体(又はカラー98に挿入されることができる他の形状)又は前記本体の側壁を通るように開設された複数の開口149を有する中空チューブを具える。接地電極チューブ147は、好ましくは、チタンから形成されるが、ステンレス鋼又は銅等の他の導電性材料から形成されることもできる。開口149は、好ましくは、直径が約4〜8mmの円形であるが、他の形状を用いることもできる。開口149のサイズは、過剰ガスは脱出することができ、プラズマ放電ゾーン101内の圧力チョーク点を防止するのに十分な大きさである。開口149は、開口のエッジ部周囲の電場増強(field enhancement)を大きくする利点があり、定形のない力線を生成し、これが電場の効果を高める。リアクタハウジング135が透明であるか又は観察窓を有するとき、開口149は、プラズマ放電を(明るい光として)観察することができる利点がある。接地電極チューブ147の外部側壁は、接地電極チューブ147の外表面での寄生電気化学反応を低減し、プラズマ放電ゾーン101においてプラズマを生成するための電位を最大化するために、非導電性のセラミック又はガラス等の誘電体バリアコーティングを有することが好ましい。
接地電極チューブ147は、高電圧ベース82及び接地ベース92に接続するために、最も好ましくは、カラー98内及びハブ88内(図7に示されるように)で嵌まるように構成される。接地電極チューブ147は、例えばネジ等により、カラー98及び/又はハブ88に着脱可能に取り付けられる。或いはまた、接地電極チューブ147は、ハブ88までずっと延びなくてもよい(図6に示されるように)。その構成では、高電圧ベース80と接地ベース92は、リアクタ本体135内における相対的位置によって離間しており、摩擦により、又は接地電極ベースから高電圧ベースに延びる他の構造により、又は高電圧電極138を接地電極チューブ147に関して配置するためにリアクタ本体135内でリム94及び84に適合するよう構成されたリップ若しくは他の突起により、所定位置に保持される。高電圧電極138の下端部は、ハブ88を通り、接地電極チューブ147の中に配置される。高電圧電極138は、接地電極ベース92までずっと延びてもよいし、又は接地電極チューブ147の長さ全体を通る(図6に示されるように)ようにしてもよいが、高電圧電極がリアクタ本体135を通る水の流れと干渉するのを回避するために、チューブ147の中へ約4〜30mm(図7に示されるように)程度の短い距離だけ進入することが最も好ましい。高電圧電極138と接地電極チューブ147は、2つの電極間に、好ましくは約1〜10mm、最も好ましくは約5mmのギャップが形成されるように構成することが望ましい。図6及び7に示される態様では、高電圧電極138が接地電極チューブ147の内部に略同心に部分的に配置されたロッドであり、この場合、ギャップは、高電圧電極の外壁と接地電極チューブ147の内壁との径方向距離である。接地電極チューブ147の長さは、最も好ましくは、2〜4インチである。電極長さが比較的短いと、より大きな電荷濃度が許容され、これは放電を補助する。
高電圧ワイヤ138と接地ワイヤ148は、好ましくは、編みワイヤではなく、固体金属から作られる。固体ワイヤは、端部取付具137、139又はポート129、133を封じ込めるのが容易であるため、接続が容易である。固体ワイヤはまた、リアクタハウジング135から内側ワイヤコアへ水を吸い上げる(wicking)という危険な問題を回避することができる。
電極マウントアッセンブリ80及び該電極マウントアッセンブリ80のあらゆる変形例についても、本発明に係るあらゆる処理システム及び方法におけるあらゆる反応チャンバー/ハウジング(反応ハウジング35、135、235を含む)と共に用いられることができる。図6及び7に示される望ましい電極マウント及び接地電極形態により、プラズマは、様々な水化学条件の下で生成されることができる。例えば、水の伝導度が再循環の繰返しで上昇すると、プラズマ放電ゾーン101に供給されることができる空気/ガス/オゾンの量は、単にガス流量を変えるだけで増加されることができる。増加したガス流量は、ガス相誘電体バリアの増加に対応し、電極間の距離を変化させなくても、又は接地電極及び高電圧電極間の電圧を上昇させなくても、高伝導度条件下でより大きなプラズマ放電を達成することができる。
図6に示されたものと同様なガス注入システム、反応チャンバー及び電極マウントアッセンブリを用いて、一連の試験を行なった。使用した水システムは、地方大学に設置されている冷却タワーであり、水の伝導度は、980mmhos〜1900mmhosであった。処理システムは、4か月間に亘って連続稼働した。放電電圧は240kVに設定され、高電圧電極と接地電極との電極ギャップは5mmであった。リアクタハウジングは透明材料から作られているので、ハウジングの内部が目で見える。稼働中の観察は、接地電極及び高電圧電極間のプラズマ放電と、接地電極及び高電圧電極の空間に強制挿入されるバブルについて行われた。伝導度が上昇して1000mmhosを超えると、ベンチュリだけを介して導入されたバブルを使用したものは、プラズマ放電が観察されなかった。しかし、接地電極と高電圧電極との間の空間に追加の圧縮空気が導入されると、プラズマ放電が再び観察された。
本発明に係るあらゆる高電圧発生器(高電圧発生器システム40、140又は240等)に用いられるマルクス発生器の支持構造62の望ましい実施形態が図15〜18に示されている。支持構造62は、好ましくは、上側支持アーム66Tと、下側支持アーム66Bと、下側支持アーム66B及び上側支持アーム66Tの間を延びる1又は2以上の端部支持アーム66Eとを具える。上側支持アーム66Tは、好ましくは、開口した中央部を有する略矩形形状を形成する。同じように、下側支持アーム66Bは、好ましくは、開口した中央部を有する略矩形形状を形成する。垂直な端部支持アーム66Eは、支持構造62の一端部にて、上側支持アーム66Tと下側支持アーム66Bとを接続し、略U字形状のフレームを形成する。支持構造62の他端部は、好ましくは、実質的に開口しており、アーム66Tと66Bを接合するための垂直コネクタは無い。取付用タブ64が、好ましくは、支持構造62の一端部に配備され、上側支持アーム66T及び下側支持アーム66Bの各々から外向きに延在する。タブ64を通る孔65が形成される。タブ64と孔65は、スパークギャップチャンバー41及び外側ハウジング43の形態に応じて、支持構造62を、チャンバー41又はハウジング43の底面に取り付けるか、又はスパークギャップチャンバー41又は外側ハウジング43内に配備されたキャパシタバンクハウジング77に取り付けるのを容易にする。支持構造62はまた、単一部品から、スパークギャップチャンバー41又は外側ハウジング43と一体に形成されることもできる。
下側支持アーム66Bからは、複数対の柱状体70A〜71A、70B〜71B及び70C〜71Cが上向きに突出している。複数の第1の柱状体70A、70B及び70Cは、下側支持アーム66Bの第1の側部(前方側)から突出し、複数の第2の柱状体71A、71B及び71Cは、下側支持アーム66Bの第2の側部(後方側)から突出する。図20及び21(キャパシタバンクハウジング77上のマルクスラダー支持構造62を示しており、2つの間に接続部がある)並びに図22の回路図(支持構造62に接続されるマルクス発生器又はマルクスラダーの典型的回路を示す)を参照すると、離間して配備された2つの電極を有するスパークギャップスイッチ(S1、S2等)が、各対の柱状体の間に配備される。S1は70Aと71Aの間にあり、S2は70Bと71Bの間にある。各柱状体を通る孔72が形成され、該孔を通してスパークギャップ電極マウント73が配備される。スパークギャップ電極76は、支持構造62の内部に配備されたスパークギャップ電極マウント73の端部に取り付けられる。これは、各対の柱状体70A−71A、70B−71B等の間に、複数のスパークギャップ電極を形成する。電極76及びマウント73は、電極がマウントに沿って横方向に移動して、各対のスパークギャップ電極間のギャップ距離を選択的に調節できるように構成されることが好ましい。最も好ましくは、スパークギャップ電極マウント73は、ネジ部を含み、該ネジ部により、各電極76は、マルクスラダー支持構造62内に配備されたマウント73の端部にて螺合して取り付けられる。この好ましい形態により、電極76の各対の相対位置は選択的に調節されることができ、電極76をマウント73の長さに沿って回転させるだけで、マルクスラダー構造62内で接近又は離間させてスパークギャップ距離を増加又は減少させることができる。最も好ましくは、電極76の各対間のスパークギャップ距離は約15〜40mmである。或いはまた、各々のスパークギャップ電極76は構造62内の各マウント73の端部に固定されることができ、マウント73は柱状体70、71に関して横方向に移動できるように構成され、ギャップ距離が選択的に調節される。調節可能な電極と調節可能なマウントの組合せを用いることもできる。
最も好ましくは、マルクスラダー構造62は、キャパシタバンクハウジング77に載置される。キャパシタバンクハウジング77内では、複数のキャパシタとレジスタが周知のマルクスラダー回路に基づいて接続される。ハウジング77の上端部又は着脱可能カバーを貫通して複数の孔が開設され、配線75が前記孔を通り、キャパシタをスパークギャップスイッチに接続する。マルクスラダー構造62の外側に配備された各マウント75の端部は、配線75により、キャパシタバンクハウジング77内のキャパシタに接続され、キャパシタC1は、対の柱状体70A−71Aのマウント73に接続され、キャパシタC2は、対の柱状体70B−71Bのマウント73に接続される、等である。最も好ましくは、構造62に3〜6対の柱状体が設けられるが、当業者であれば、必要に応じて、十分な電圧を発生させるために、追加の対の柱状体を設けてもよいことは理解されるであろう。例えば、図22に示される回路では、柱状体は5対であり、スパークギャップS1〜S5の各々に1対ずつ設けられる。なお、これらの構成に変更を加えることは、当業者であれば理解し得るであろう。
構造62の寸法は、長さ14インチに対して、幅約2インチ×高さ2インチ及び幅3インチ×高さ3インチである。この明細書に記載されるように、幅は、実質的に一対の柱状体70−71間の寸法であり、高さは、下側支持アーム66Bから上側支持アーム66Tに向かう方向の垂直支持アーム66Eの寸法であり、長さは、垂直支持アーム66Eからタブ64に向かう方向の支持アーム66T、66Bの長い方の寸法である。これらの寸法は、スパークギャップ電極を物理的に分離し、スパークギャップが金属堆積物によって埋まるのを防止する。この金属堆積物は、マルクスラダーにおける高電圧パルスの生成を妨げるので好ましくない。最も好ましくは、スパークギャップ電極76間のギャップ距離(図20のGに示されるように、各対の柱状体70−71上の一対の電極間の距離)は、約15mm〜40mmであり、最も好ましくは約27mmである。ギャップ距離は、電極マウント73の電極76を移動させることにより選択的に増減することができ、高電圧発生器が発生した電圧を変化させる。さらに、支持構造62のサイズは、特に、マウント73上での寸法変化によって得られるギャップよりも大きなギャップが所望されるとき、スパークギャップの寸法を拡大縮小するために他のサイズを用いることができる。また、さらに大きな幅と高さを用いることができるが、3×3よりも大きくしても、チャンネル内の金属堆積がシステム故障の要因とはならないので、全体システムの稼働に有意な利点をもたらさない。
支持アーム66T、66B及び66Eは、実質的に開口した支持構造フレームを形成する。従来のマルクスラダーの多くは、密閉構造であるため、マトリックスチャンバー又は支持構造の壁に金属堆積して寄生放電の如き問題を生ずる。支持フレーム62に対して実質的な開構造とすることにより、これらの問題は回避される。例えば、密封された支持構造から離れる方向に移動し、開口した支持システムに移動することにより、スパークギャップ電極は互いに離間する。好ましい寸法を含む好ましい支持構造62の形態の場合、スパークギャップ放電により生ずる金属堆積は、電極間にブリッジを形成することができないから、放電時に干渉することにならない。
支持構造62は、テフロン(登録商標)、ABS又はファイバーグラス等のオゾン抵抗性材料から作られる。オゾンは、マルクスラダーによって生成されるので、支持構造の損傷を回避するために、支持構造62の構成材料としてオゾン抵抗性材料を用いることが好ましい。オゾンによる攻撃を受け易い材料を使用すると、スパークギャップ電極の支持構造が弱体化するので、本発明に係る流水システムを処理するのにファイア(fire)の使用を略連続的に繰り返す必要があり、弱体化された構造が機械的な損傷及び破損を受けることになる。また、支持構造62の表面をミネラルオイル又はシリコンオイル等のオイルでコートすることが好ましい。オイルは、スパークギャップ電極からあらゆる金属が支持構造62の表面に堆積するのを防止する作用がある。堆積が観察されると、オイル層をぬぐい取ることによって簡単に除去することができ、新たなコーティングを施すことができる。また、下側支持アーム66B、柱状体70、71の下部、及び垂直端部支持アーム66Eの下部は、図19に示されるように、オイル槽74に浸漬されることが好ましい。
図19〜21を参照すると、高電圧発生器システム40の好ましいハウジング形態が示されている。高電圧発生器システム40は、好ましくは、外側ハウジング43、スパークギャップチャンバー41及びマルクスラダー42を具える。マルクスラダー42は、好ましくは、支持構造62、キャパシタバンクハウジング77、低電圧ドライバ回路39、複数のキャパシタC、レジスタR、及びスパークギャップ電極76を具える。外側ハウジング43の接続は、外部電源(壁コンセント等)をドライバ回路39に接続し、空気ポンプ44をスパークギャップチャンバー41に接続して行われ、オゾン(及び空気の他の成分)をスパークギャップチャンバー41内部から取り出すために行われる。
外側ハウジング43は、好ましくは、スパークギャップチャンバー41及びマルクスラダー42を取り囲むように構成された構造である。外側ハウジング43は、好ましくは、ハウジング43の内部及びスパークギャップチャンバー41にアクセスできるように、着脱可能なカバー若しくは蓋又は開閉可能なドアを有する。外側ハウジング43は、ポリカーボネート、レキサン(登録商標)又は他の剛性ポリマーから作られることが好ましいが、他の材料から作られることもできる。外側ハウジング43はまた、マルクスラダー42を周囲環境から隔離し、内部構成部品が、近くの金属構造、電気コンセント、他のモニタリング及び制御システムにアーク放電するのを防止するために、誘電体バリアを含むことが好ましい。そのような誘電体バリアは、ハウジング43の内部又は外部に設けられる材料又はコーティングの分離層であってよい。
キャパシタバンクハウジング77は、好ましくは、ハウジング内部のキャパシタC及びレジスタRにアクセスできるように、着脱可能な上カバー又は開閉可能なドアを有する。ハウジング77の上カバーには孔が設けられ、ワイヤは、前記孔を通り、キャパシタをスパークギャップマウント73を通じてスパークギャップ電極76へ接続することができる。ハウジングには、キャパシタバンクを低電圧ドライバ回路39に接続するために、他の孔が設けられる。ハウジング77は、好ましくは、キャパシタの少なくとも一部分を浸漬するのに十分な容積を有するオイル槽74を含むように構成される。オイル槽74には、ミネラルオイル又はシリコンオイルを用いられることができる。キャパシタバンクハウジング77は、スパークギャップチャンバー41内に配備されてもよいし、スパークギャップチャンバー41の外部に配備されてもよい。
スパークギャップチャンバー41は、少なくともマルクスラダー支持構造62を取り囲むための他の構造を含むことができるし、マルクスラダー42の他の構成部品を取り囲むこともできる。スパークギャップチャンバー41は、好ましくは、支持構造62(又はスパークギャップ41内のマルクスラダー42の他の構成部品)にアクセスできるように、着脱可能な蓋若しくはカバー又は開閉可能なドアを有する。この形態では、マルクスラダー構造62の下側支持アーム66Bは、スパークギャップチャンバー41の底面に載置される。或いはまた、スパークギャップチャンバーは、支持構造62の上にぴったり合う(及びマルクスラダー42の他の部品にぴったり合うことができる)着脱可能なカバーであってよいが、底部構造を有しない。この形態では、高電圧発生器42における支持構造62の下側支持アーム66Bは、キャパシタバンクハウジング77の上表面(又は外側ハウジング43の底面)に載置する。着脱可能なカバーが用いられる場合、オゾンがスパークギャップチャンバー41から吸引されるように、好ましくはシールが配備される。スパークギャップチャンバー41の内面、及び高電圧発生器が発生したオゾンを反応チャンバー36へ移送するのに用いられるあらゆる配管又は導管は、好ましくは、例えばテフロン(登録商標)、ABS又はファイバーグラス等のオゾン抵抗性材料から作られる。これら部品を作製するためにこのようなオゾン抵抗性材料を用いることは、オゾンへの曝露による構成部品の損傷を回避するために望ましい。第2のオイル槽74は、スパークギャップチャンバー41又は外側ハウジング43の底部に随意的に配備されるが、マルクスラダー支持構造62用の別個のトレイ又は他の容器(図示せず)に配備されることもできる。オイル槽74は、好ましくは、下側支持アーム66B、柱状体70、71の下部、及び垂直端部支持アーム66Eの下部がオイル槽74に浸漬されるように十分な容積を有する。オイル槽74には、ミネラルオイル又はシリコンオイルを用いられることができる。支持構造62は、好ましくは、オイルの中でコートされる。外側ハウジング43は、高電圧発生器システム40及びスパークギャップチャンバーのハウジングとして機能するように構成されることにより、別個のスパークギャップチャンバー41に変更を加える必要がないことは当該分野の専門家であれば理解されるであろう。別個にスパークギャップチャンバーを設けない態様は、高電圧発生器システムと反応チャンバーの両方(例えば、高電圧発生器システム240と反応チャンバー236を収容するハウジング260)を収容するために主要外側ハウジングが設けられるときに、特に有用である。
外側ハウジング43、スパークギャップチャンバー41及びキャパシタバンクハウジング77の側壁を貫通する様々な孔又はポートが設けられ、これらの孔又はポートにより、電力が電力システム46からマルクスラダー42へ供給され、電圧がマルクスラダー42から反応チャンバー46へ供給され、空気が空気ポンプ/コンプレッサ44から導管47を通ってスパークギャップチャンバー41の中へ送り込まれ、オゾン30を除去されることができる。高電圧発生器42を冷却し、スパークギャップチャンバー41を加圧し、及び/又はオゾンを導管又は配管を通して除去(スパークギャップ又は外側ハウジングからオゾンを強制的に排出)するために、空気ポンプ44が用いられることができる。ベンチュリ又は真空ポンプが、スパークギャップチャンバーから吸引することによってオゾンを除去し、及びスパークギャップチャンバーを加圧するために用いられることもできる。
最も好ましくは、スパークギャップチャンバー41(別個のスパークギャップチャンバーが用いられない場合は外側ハウジング43)が減圧又は負圧下にて1気圧未満に維持され、スパークギャップの断続的ファイヤリング(firing)を維持して、高電圧パルスを周期的に発生させる。一般的なマルクスラダー発生器は、1気圧より大きな圧力で運転される。本発明に係る処理システム及び方法は、流水又は再循環水システムを処理するために、高電圧が略連続的に発生する必要がある(荷電と放電のサイクルの繰返しであって、好ましくは、各繰返しサイクル間に冷却のための休止時間がある)。このような略連続的な運転モードにおいて、42、142又は242等の本発明に係るマルクスラダーを運転するために、圧力を下げるか、又は真空中で稼働することが好ましく、これにより、システムの低電圧化を拡大し、マルクスラダーの寿命を延ばすことができる。
この明細書に記載される発明に係る処理システムの構成要素であって、様々なガス注入システム部品、電極マウントアッセンブリ80及びマルクスラダー支持構造62を含むあらゆる構成部品は、本発明の範囲内の他の部品又は他の実施形態とのあらゆる組合せにおいて一緒に用いられることができる。処理システム10、110及び210等の具体的なあらゆる処理システムは、当該実施形態に関して具体的に記載されたそれらの部品及び構成のみに限定されない。
流水システム又は再循環水システムにおいて水を処理する好ましい方法は、好ましくはマルクスラダーを具える高電圧発生器内で高電圧パルスを発生すること、水の流れが接地電極と高電圧電極との間を通って処理されることができるように、接地電極の近傍に配置された高電圧電極に高電圧パルスを送ること、及び高電圧電極と接地電極との間又は周囲に配置されたプラズマ放電ゾーン内の流水中でプラズマ放電を発生することを含む。最も好ましくは、水の流れは、放電ゾーンを通って連続的に流れ、プラズマは、マルクスラダーの周期的運転に基づいて周期的(約15分毎)に生成される。他の好ましい実施形態では、水を処理する方法は、空気又は他のガスをプラズマ放電ゾーンに注入することをさらに含む。さらに他の好ましい実施形態では、方法は、マルクスラダー内で高電圧パルスを発生する際に副生成物として生成されるオゾンガスを捕獲すること、及びそのオゾンをプラズマ放電ゾーンに注入することを含む。再循環サイクルの繰返しによって水中の伝導度レベルが上昇するにつれて、空気又はガスの注入量を増加させることが最も好ましい。好ましい方法は、マルクスラダーの構成部品の冷却を補助するために、マルクスラダーに空気を送り込むこと又はマルクスラダーのハウジングを通じて空気を吸引すること、ハウジング内部からオゾンを勢いよく流すこと、及びハウジングを加圧することを含み、マルクスラダーは、減圧又は真空条件下で稼働させることが好ましい。好ましい方法は、水システムの様々な構成部品を、高電圧パルス発生又はプラズマ放電によって生ずる干渉又は損傷から保護することをさらに含む。また、高電圧放電によって生じる過剰のエネルギーが捕獲され、水システムにおける水のさらなる調整のために用いられる。最も好ましくは、本発明に係る水処理方法は、この明細書に記載される水処理システムの構成部品を用いる。
他の好ましい方法では、水の伝導度は、周期的に測定され(その測定は、処理システムに組み込まれた水システム又は装置に既存のシステムによって行うことができる)、伝導度レベルが所定の閾値に達すると、処理の1又は2以上のパラメータが修正又は調節される。これらの動作パラメータの調節は、(1)高電圧電極と接地電極とを互いに接近する方向に移動させることにより、(2)高電圧電極に供給される高電圧パルスの電圧を上昇させることにより、(3)バブルを流水流れの中に追加することにより、又は(4)反応チャンバーの出口における流水流れの圧力を低下させることにより、行うことができる。水の伝導度が高い条件下でプラズマを発生させるのを補助するために、これらステップの任意の組合せを用いられることができる。
この明細書における水システムという用語は、産業用、商業用及び家庭用のあらゆる種類の流水システムであって、微生物学種の増殖を制御又は削減するために定期的処理を必要とする流水システムを含む。この明細書における連続又は略連続等の用語は、本発明に係る処理システムの長期間に亘る稼働であって、前記稼働は、水システム及び処理システムが通常の稼働期間中に起こる処理システムの作動/停止のサイクルの繰返しであって、操業停止(shut-down)(水システムの季節毎の操業停止又は水システム若しくは処理システムのメンテナンスのための操業停止)中の期間は含まない。図面に示された構成要素は、縮尺とおりではなく、本発明に係る処理システム及びそれら処理システムが用いられる水システムの好ましい実施形態において用いられる様々な構成部品の単なる表示である。また、図面に示された水システムの幾つかの構成部品は、図面に示された水システム及び処理システムの構成部品とは異なる位置にあってもよい。当業者であれば、この明細書を読めば、プラズマ放電とオゾンにより流水を処理するシステム及び方法について、水システムの構成部品を保護しつつ、発明の範囲内で変形及び変更をなし得るであろう。それゆえ、この明細書に開示された発明の範囲は、発明者らが法的権利を有する添付の特許請求の範囲の最も広い解釈によってのみ制限される。

Claims (32)

  1. プラズマ放電とオゾンを用いて流水システム中の水を処理する処理システムであって、
    マルクスラダー回路に組み込まれた複数のキャパシタ、レジスタ及びスパークギャップ電極と、スパークギャップ電極の支持構造と、ハウジングとを有する高電圧発生器と、
    水システムを流れる水の少なくとも一部を処理される水として受けることができるように構成された入口と、プラズマ放電とオゾンで処理された後、水の前記一部を水システムに戻すことができるように構成された出口と、リアクタ本体とを有する反応チャンバーと;
    前記入口の上流又は前記反応チャンバーの内部に配置され、1又は2種以上のガスのバブルを、処理される水に加えるためのガス注入システムと;
    少なくとも一部分が反応チャンバーに配置され、高電圧パルスが高電圧発生器によって生成されるとリアクタ本体内にプラズマ放電を発生させることができるように構成された高電圧電極及び接地電極と、
    高電圧発生器の中で生成されたオゾンガスを、ハウジングからガス注入システムへ移送させるための導管と、を具える処理システム。
  2. 反応チャンバー内に配備され、高電圧電極に接続された高電圧取付ベースと、接地電極に接続された接地取付ベースとを有する電極マウントアッセンブリをさらに具える、請求項1の処理システム。
  3. 高電圧取付ベースはホイール状本体を含む、請求項2の処理システム。
  4. 接地電極取付ベースはじょうご形状又はドーム形状の本体を含む、請求項3の処理システム。
  5. 高電圧取付ベース及び接地取付ベースは、高電圧電極を、接地電極から約1〜10mmの固定ギャップ距離を保持できるように構成されている、請求項2の処理システム。
  6. 接地電極は、略円筒形の導電性チューブを含み、前記チューブの側壁に複数の孔が開設され、前記チューブが、接地電極取付ベースと高電圧取付ベースとの間に配備される、請求項5の処理システム。
  7. 高電圧電極は、少なくとも一部分が接地電極チューブ内にて前記接地電極チューブと略同心に配備されたロッドを含み、前記ギャップ距離が、ロッドの外表面と接地電極チューブの内表面との間の径方向距離である、請求項6の処理システム。
  8. ロッドの約4〜30mmが、接地電極チューブの内部に配備される、請求項7の処理システム。
  9. 前記チューブの外表面は、誘電体バリア材料でコートされる、請求項6の処理システム。
  10. スパークギャップ電極の支持構造は、
    中央部が開口した略矩形形状の上側支持アームと、
    中央部が開口した略矩形形状の下側支持アームと、
    上側支持アームを下側支持アームに所定間隔を存して接続する1又は2以上の垂直支持アームと、
    複数の離間してなる柱状体対であって、各柱状体対が、下側支持アームの第1の側部から垂直方向に延びる第1の柱状体と、前記第1の側部と実質的に反対側の下側支持アームの第2の側部から垂直方向に延びる第2の柱状体とを含む柱状体対とを具える、請求項1の処理システム。
  11. 上側支持アーム、下側支持アーム及び垂直システムは、開口した略U字形状のフレームを形成する、請求項10の処理システム。
  12. 支持構造の寸法は、幅約2インチ×高さ2インチ乃至幅3インチ×高さ3インチである、請求項10の処理システム。
  13. 支持構造は、複数の電極マウントをさらに含み、各マウントが、離間してなる柱状体対のうちの第1の各柱状体及び第2の各柱状体から内向きに延在し、
    各電極マウントがスパークギャップ電極の1つに取り付けられ、離間する各柱状体間に複数の電極対を形成し、
    各電極対におけるスパークギャップ電極間のギャップ距離は約15mm〜40mmである、請求項10の処理システム。
  14. スパークギャップ電極は、ギャップ距離を選択的に調節するために、電極マウントに沿って横方向に移動するように構成される、請求項13の処理システム。
  15. 電極マウントは、スパークギャップ電極上のネジと螺合するように構成されたネジ部を含み、スパークギャップ電極が回転されることで、電極マウントに沿って横方向の移動が達成される、請求項14の処理システム。
  16. 電極マウントは、ギャップ距離を選択的に調節するために、柱状体に関して横方向に移動するように構成される、請求項13の処理システム。
  17. ハウジング内にオイル槽をさらに具える、請求項1の処理システム。
  18. 支持構造は、スパークギャップ電極の下に配備された下側支持アームを具え、前記下側支持アームはオイル槽に浸漬されている、請求項17の処理システム。
  19. キャパシタは、少なくとも一部分がオイル槽に浸漬されている、請求項17の処理システム。
  20. 支持構造の表面はオイルでコートされる、請求項1の処理システム。
  21. 高電圧発生器の中で生成されたオゾンを導管の中に引き出して、ガス注入システムに送給するためのベンチュリ又は真空ポンプをさらに具える、請求項1の処理システム。
  22. 高電圧発生器を通して空気を送給するための空気ポンプをさらに具える、請求項1の処理システム。
  23. 流水の流れを処理する方法であって、
    複数のキャパシタ、レジスタ及び開放支持構造によって支持されたスパークギャップスイッチを含むマルクスラダー回路を用いて、高電圧パルス及びオゾンを発生させること、
    マルクスラダー回路を、減圧下又は負圧下にて作動させること、
    支持構造の少なくとも一部をオイルと接触させて、支持構造上の金属堆積物を減少させること、及び
    オゾンを次の水の流れに供給すること、を含む方法。
  24. 支持構造を定期的に清浄化してオイルを除去し、新たなオイルを供給して、支持構造の少なくとも一部と接触させるステップをさらに含む、請求項23の方法。
  25. 各スパークギャップスイッチは、ギャップ距離によって分離された一対の電極を含み、開放支持構造は、複数のスパークギャップスイッチを支持するように構成され、ギャップ距離は約15mm〜40mmである、請求項23の方法。
  26. 高電圧パルスを、水の流れが流れる入口と出口とを有する反応チャンバーに少なくとも一部が配備された高電圧電極に供給すること、
    高電圧電極と反応チャンバーに少なくとも一部が配備された接地電極との間の流水流れの中でプラズマ放電を発生させることをさらに含む、請求項23の方法。
  27. 1又は2種以上のガスのバブルを、プラズマ放電が起こる領域の流水流れに加えることをさらに含む、請求項26の方法。
  28. 流水の流れの伝導度を周期的に測定すること、及び伝導度が所定の閾値を超えると1又は2以上の動作パラメータを調節することをさらに含む、請求項27の方法。
  29. 1又は2以上の動作パラメータは、
    高電圧電極と接地電極を互いに接近する方向に移動させるステップ、
    高電圧電極に供給された高電圧パルスの電圧を増加させるステップ、
    流水の流れにバブルを加える速度を上昇させるステップ、
    流水の流れの圧力を反応チャンバーの出口で低下させるステップ、
    の1又は2以上のステップによって調節される、請求項28の方法。
  30. 高電圧柱状体の電圧を、ギャップ距離を増加又は減少させることによって調節することをさらに含む、請求項25の方法。
  31. 開放支持構造は、フレームと、前記フレームによって支持された複数の柱状体と、前記柱状体によって支持された複数の電極マウントとを含み、各電極マウントは、スパークギャップ電極の1つを支持する、請求項30の方法。
  32. 流水の流れの伝導度を周期的に測定すること、及び、伝導度が所定の閾値を超えると、1又は2以上の動作パラメータを調節することをさらに含む、請求項23の方法。
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