JP2017520233A - コーヒー豆の炒り工程の制御 - Google Patents

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Abstract

本発明は、コーヒー豆の炒り工程を制御するための方法であって、炒りの間に前記コーヒー豆から第1の群のコーヒー豆及び第2の群のコーヒー豆をサンプリングするステップS12;S14と、該第1の群のコーヒー豆の表面の色を検出するステップS14;S44と、該第2の群のコーヒー豆を挽き、挽いた後に該第2の群のコーヒー豆の粉の色を検出するステップS16;S46と、該第1の群のコーヒー豆の検出された表面の色、及び該第2の群のコーヒー豆の検出された粉の色に、少なくとも部分的に基づいて、炒り工程を制御するステップS18;S48と、を有する方法を提案する。本発明はまた、以上に説明された方法を用いる装置を提供する。

Description

本発明は、コーヒー豆の炒り管理に関し、特にコーヒー豆の炒り工程を制御するための方法及び装置に関する。
コーヒー豆の炒りレベルは、コーヒーを炒る間に決定され、更に炒り工程を決定するために用いられることは、理解されるであろう。
従来、コーヒー豆は手動で炒られる。加熱パワー及び時間が、常に予め決定されている。時には、専門家が、炒り工程の間にコーヒー豆の表面の色の変化を監視し、専門家の経験に基づいて、該変化に応じてコーヒー炒りプロファイル(例えば加熱パワー、加熱時間等)を制御又は調節する。しかしながら、特に通常の消費者のような多くの人々は、炒りプロファイルを正確に且つ定量的に決定することは常に可能ではない。斯かる人々は、どのように炒り度合いを判定するか、及び実際の状態に応じてどのように炒りプロファイルを調節するかが分からない。斯くして、炒り工程は人為的なエラーを伴うこととなる(例えばコーヒー豆の焼き過ぎ)。
独国特許出願公開DE19645306A1は、特に炒り器に置かれたコーヒー豆の色値を測定するための、自動的にコーヒーを炒るための炒り工程を制御するための装置を開示している。該装置は、除き窓による炒り器への光学的なアクセス、及び炒られたコーヒーの測定された色値に基づいてコーヒーの炒りを制御し、予め選択されたコーヒーの炒り度合いに到達したときに炒り工程を自動的に終了させる、評価装置を有する。
専門家にとっても、又は炒られたコーヒー豆の色値を測定するための光学的アクセスを備えた装置についても、炒り工程の間に適切な炒りプロファイルを決定することは容易ではない。コーヒー豆の表面の色は、炒りの間に表面の色が濃くなるため、コーヒー豆の炒りレベルを決定するための重要な指標であることは知られているが、表面の色自体のみでは、炒り度合いを決定するには不十分である。同じ表面の色を持つコーヒー豆が、異なる豆タイプ又は炒りプロファイルのために、内側部分の異なる色を持ち得るため、同じ表面の色を持つコーヒー豆でも、異なる最終的な味を消費者に与え得る。
以上に鑑み、コーヒー豆の炒り工程を制御するための、より正確な且つ自動的な方法を提供するニーズが存在する。
以上の及びその他の潜在的な問題に対処するため、本発明の実施例は、コーヒー豆の炒り工程を制御するための方法、装置及びコーヒーマシンを提案する。
一態様においては、コーヒー豆の炒り工程を制御するための方法は、炒りの間に前記コーヒー豆から第1の群のコーヒー豆及び第2の群のコーヒー豆をサンプリングするステップと、前記第1の群のコーヒー豆の表面の色を検出するステップと、前記第2の群のコーヒー豆を挽き、挽いた後に前記第2の群のコーヒー豆の粉の色を検出するステップと、前記第1の群のコーヒー豆の検出された表面の色、及び前記第2の群のコーヒー豆検出された粉の色に、少なくとも部分的に基づいて、炒り工程を制御するステップと、を有する。本発明の実施例によれば、炒りプロファイルは、炒り工程の間にコーヒー豆の状態に基づいて自動的に調節されることができ、これによりいずれの破壊をも回避する。更に、炒り工程は、高い精度で、且つ限られたユーザの労力しか伴わずに、制御される。
有利にも、前記制御するステップは更に、前記第1の群のコーヒー豆の検出された表面の色、及び前記第2の群のコーヒー豆の検出された粉の色に、少なくとも部分的に基づいて、炒り度合いを決定するステップと、コーヒー豆の前記決定された炒り度合いに少なくとも部分的に基づいて、炒り工程を制御するステップと、を有する。コーヒー豆の炒り度合いを決定することにより、炒り工程が好適に制御されることができる。
有利にも、前記制御するステップは更に、前記決定されたコーヒー豆の炒り度合いと、所定の最終的なコーヒー豆の炒り度合いと、に基づいて、炒り工程を制御するステップを有する。このことは、消費者が、炒り工程の前に好ましいコーヒー豆の炒り度合いを予め設定することを可能とする。更に提供されるパーソナライズされた炒り度合いの選択肢を用いれば、消費者は手動制御なしで望ましいコーヒーの味及び香りを得ることができる。
有利にも、前記決定するステップは更に、前記第1の群のコーヒー豆の前記検出された表面の色と、前記第2の群のコーヒー豆の前記検出された粉の色と、予め定義された予測モデルと、に基づいて、コーヒー豆の炒り度合いを決定するステップを有し、前記予め定義された予測モデルは、較正アルゴリズムに基づくものである。コーヒー豆の色度合いを決定する際の較正により、炒り工程の間に、より正確な制御が実現され得る。
有利にも、以上に示した方法は更に、所定の最終的な炒り度合いが得られるまで、前記サンプリングするステップ、前記検出するステップ、前記挽くステップ及び前記制御するステップを繰り返すステップを有し、前記サンプリングするステップは、炒り工程全体の間に所定の頻度で実行され、異なる炒りフェーズにおいては前記所定の頻度は変わる。制御の間にサンプリングするステップを繰り返すことにより、及び所定の頻度でサンプリングすることにより、炒り工程の間に、より正確な制御が実現され得る。
有利にも、前記サンプリングするステップは、コーヒー豆の第1の破裂の開始の前は第1の所定の頻度で実行され、コーヒー豆の第1の破裂の終了の後は第2の所定の頻度で実行され、前記第2の所定の頻度は前記第1の所定の頻度よりも高い。コーヒー豆の炒り度合いは、第1の破裂の後により急速に変化することとなる。第1の破裂の後の大きなサンプルサイズにより、炒り工程はより適時に及び正確に制御されることができる。
有利にも、前記第1の群のコーヒー豆は、前記第2の群のコーヒー豆の少なくとも一部を有する。即ち、表面の色の検出のためのコーヒー豆と、粉の色の検出のためのコーヒー豆とが、同じ群のコーヒー豆サンプルから取られ得る。例えば、最初にコーヒー豆が表面の色を検出するために用いられても良い。しかる後に、同じ群のコーヒー豆が挽かれ、これら挽かれたコーヒーが粉の色を検出するために用いられても良い。このことはサンプリングの工程を簡略化し、殆どのコーヒー豆の炒りの中断を低減させる。
有利にも、前記サンプリングするステップは、前記コーヒー豆から第1の群のコーヒー豆と第2の群のコーヒー豆とを同時にサンプリングするステップと、前記第1の群のコーヒー豆及び前記第2の群のコーヒー豆の加熱を停止するステップと、を有する。該実施例によれば、表面の色の検出のためにサンプリングされたコーヒー豆と粉の色の検出のためにサンプリングされたコーヒー豆との炒り度合いは同じである。斯くして、時間差によるサンプル間の相違は取り除かれ、制御をより正確なものとする。
有利にも、前記コーヒー豆は、生のコーヒー豆又は部分的に炒られた豆である。
他の態様によれば、本発明の実施例は、コーヒー豆の炒り工程を制御するための装置を提供する。該装置は、炒りの間に前記コーヒー豆から第1の群のコーヒー豆及び第2の群のコーヒー豆をサンプリングするよう構成されたサンプリングユニットと、第2の群のコーヒー豆を挽くよう構成された挽きユニットと、前記第1の群のコーヒー豆の表面の色を検出し、挽きの後に前記第2の群のコーヒー豆の粉の色を検出するよう構成された検出ユニットと、前記第1の群のコーヒー豆の検出された表面の色、及び前記第2の群のコーヒー豆の検出された粉の色に、少なくとも部分的に基づいて、炒り工程を制御するよう構成された制御ユニットと、を有する。本発明においては、リアルタイムに検出されたコーヒー豆の表面の色及び粉の色を用いた斯かる炒り管理が、コーヒー豆の炒りレベルが正確に制御されるようにし、所望のコーヒーの味及び香りを得るために有用となり得る。
別の態様においては、本発明の実施例は、コーヒーマシンを提供する。該コーヒーマシンは、前記コーヒーマシンの炒り室に収容されたコーヒー豆を加熱するよう構成された炒りユニットと、炒りの間に前記コーヒー豆から第1の群のコーヒー豆及び第2の群のコーヒー豆をサンプリングするよう構成されたサンプリングユニットと、前記第2の群のコーヒー豆を挽くよう構成された挽きユニットと、前記第1の群のコーヒー豆の表面の色を検出し、挽きの後に前記第2の群のコーヒー豆の粉の色を検出するよう構成された検出ユニットと、前記検出ユニット及び前記炒りユニットに電気的に結合され、前記第1の群のコーヒー豆の検出された表面の色、及び前記第2の群のコーヒー豆の検出された粉の色に、少なくとも部分的に基づいて、炒り工程を制御するよう構成された制御ユニットと、を有する。本発明においては、リアルタイムに検出されたコーヒー豆の表面の色及び粉の色を用いた斯かる炒り管理が、コーヒー豆の炒りレベルが正確に制御されるようにし、所望のコーヒーの味及び香りを得るために有用となり得る。
本発明の実施例の他の特徴及び利点は、本発明の精神及び原理を例として示した添付図面と共に読まれたときに、以下の実施例の説明からも理解されるであろう。
本発明の以上の及びその他の目的及び特徴は、添付図面と関連して考察される以下の詳細な説明から、より明らかとなるであろう。
本発明の一実施例によるコーヒー豆の炒り工程を制御するための方法のフロー図である。 本発明の一実施例によるコーヒー豆の炒り工程を制御するための装置のブロック図を示す。 本発明の一実施例によるコーヒーマシンのブロック図を示す。 本発明の他の実施例によるコーヒー豆の炒り工程を制御するための方法のフロー図を示す。 本発明の他の実施例によるコーヒー豆の炒り工程を制御するための装置のブロック図を示す。
以下、本発明の実施例が参照され、これら実施例の1つ以上の例が図面に示される。これら実施例は本発明の説明のために示されるものであり、本発明の限定を意図したものではない。例えば、一実施例の一部として示される又は説明される特徴が、他の実施例と共に利用され、更なる実施例をもたらしても良い。本発明は、これらの及びその他の変更及び変形を、本発明の範囲及び精神内のものとして包含することが意図されている。
本開示において、「第1の破裂」なる語は、コーヒー豆内に生成される気体のより多くの量に帰着する、集中的な化学反応が起こる、コーヒーの炒りの間の重要なフェーズを意味する。圧力のため、コーヒー豆が膨張し、気体の脱出及び可聴の音を伴って開き、破裂が生じる。異なるコーヒー豆は異なる時点において破裂するため、第1の破裂フェーズは通常、一群のコーヒー豆について数分継続する。最初は、数個のコーヒー豆のみが破裂及び膨張し、従って破裂の音は小さくまばらである。その後、集中的な第1の破裂があり、第1の破裂の終了に向かって弱まっていく。通常、第1の破裂の終了の後に、コーヒー豆は飲用可能となる。炒り工程をいつ止めるべきかは、予期される炒り度合い又は好まれるコーヒーの味に依存する。
図1は、本発明の一実施例によるコーヒー豆の炒り工程を制御するための方法のフロー図である。図2は、図1に示された方法を実行するよう構成された、コーヒー豆の炒り工程を制御するための装置100を示す。
図1を参照すると、該方法は、炒りの間に前記コーヒー豆から第1の群のコーヒー豆及び第2の群のコーヒー豆をサンプリングするステップS12と、第1の群のコーヒー豆の表面の色を検出するステップS14と、第2の群のコーヒー豆を挽き、挽いた後に前記第2の群のコーヒー豆の粉の色を検出するステップS16と、第1の群のコーヒー豆の検出された表面の色、及び第2の群のコーヒー豆の検出された粉の色に、少なくとも部分的に基づいて、炒り工程を制御するステップS18と、を有し、該第1の群と第2の群とは同時に又は連続的にサンプリングされる。例えば、粉の色の検出のために挽かれるべき第2の群が最初にサンプリングされ、第2の群のコーヒー豆が挽かれ検出された後に第1の群がサンプリングされ、これにより検出の偏差を低減する。代替の実施例においては、挽きの間に、第1の群のコーヒー豆と第2の群のコーヒー豆とが同時にサンプリングされる。これらコーヒー豆は共にサンプリングされ、次いで2つの群へと分けられる。本実施例の利点は、これらコーヒー豆の挽き時間が同じとなるため、2つの群のコーヒー豆の挽き度合いが正確に同じとなることである。斯くして、当該制御方法の精度は改善される。
制御するステップS18は更に、第1の群のコーヒー豆の検出された表面の色、及び第2の群のコーヒー豆検出された粉の色に、少なくとも部分的に基づいて、炒り度合いを決定するステップと、コーヒー豆の該決定された炒り度合いに少なくとも部分的に基づいて、炒り工程を制御するステップと、を有しても良い。更に、ステップS18において、コーヒー豆の炒り度合いを決定するために、コーヒー豆のタイプ、コーヒー豆の重量といった他のパラメータもが用いられても良い。有利にも、制御するステップS18は更に、該決定されたコーヒー豆の炒り度合いと、所定の最終的なコーヒー豆の炒り度合いと、に基づいて、炒り工程を制御するステップを有する。炒り度合いは、コーヒー豆によりつくられる飲料の最終的な味及び香りに密接に関連するため、コーヒー豆の炒りのための重要なパラメータである。該決定された炒り度合いを用い、加熱パワー、加熱時間の少なくとも1つを含む炒りプロファイルが、コーヒー豆の実際の状態に応じて調節されることができる。このことは、より好適な最終的な炒り度合いを持つコーヒー豆をもたらすことを支援する。
決定するサブステップは更に、第1の群のコーヒー豆の前記検出された表面の色と、第2の群のコーヒー豆の前記検出された粉の色と、予め定義された予測モデルと、に基づいて、コーヒー豆の炒り度合いを決定するステップを有し、該予め定義された予測モデルは、較正アルゴリズムに基づくものである。即ち、本ステップにおいて、検出されたコーヒー豆の表面の色及び粉の色に対して、偏差アルゴリズムが適用される。例えば、第1の破裂の開始の前は、コーヒー豆の表面の色の値は、検出による遅延を反映するため0.2だけ加算されるが、粉の色は同じに保たれ、第1の破裂の間は、コーヒー豆の粉の色は0.2だけ加算され、豆の表面の色も0.2だけ加算され、第1の破裂の終了の後は、表面の色及び粉の色の両方が0.3だけ加算される。コーヒー豆の色度合いを決定する際の較正により、炒り工程の間に、より正確な制御が実現され得る。
以上に示した方法は更に、所定の最終的な炒り度合いが得られるまで、前記サンプリングするステップ、前記検出するステップ、前記挽くステップ及び前記制御するステップを繰り返すステップを有しても良く、サンプリングするステップS12は、炒り工程全体の間に所定の頻度で実行され、異なる炒りフェーズにおいては前記所定の頻度は変わる。例えば、サンプリングするステップS12は、コーヒー豆の第1の破裂の開始の前は第1の所定の頻度で実行され、コーヒー豆の第1の破裂の終了の後は第2の所定の頻度で実行され、前記第2の所定の頻度は前記第1の所定の頻度よりも高い。コーヒー豆の炒り度合いは、第1の破裂の後にかなり急速に変化する。炒り度合いの急速な変化に鑑みると、高いサンプリング頻度が、適時のデータ収集及び工程制御を確実にする。他方、低いサンプリング頻度は、エネルギーを節約することを支援し、主なコーヒー豆炒り工程の影響を低減させる。
有利にも、前記第1の群のコーヒー豆は、前記第2の群のコーヒー豆の少なくとも一部を有する。即ち、表面の色の検出のためのコーヒー豆と、粉の色の検出のためのコーヒー豆とが、同じ群のコーヒー豆サンプルから取られ得る。例えば、最初にコーヒー豆が表面の色を検出するために用いられても良い。しかる後に、同じ群のコーヒー豆が挽かれ、これら挽かれたコーヒーが粉の色を検出するために用いられても良い。本方法を実装することにより、色の検出のために、少ないコーヒー豆サンプルしか必要とされなくなる。斯くして、このことは、コーヒー豆に対するコストを節約し、浪費を回避する。
他の例においては、サンプリングするステップS12は、前記コーヒー豆から第1の群のコーヒー豆と第2の群のコーヒー豆とを同時にサンプリングするステップと、前記第1の群のコーヒー豆及び前記第2の群のコーヒー豆の加熱を停止するステップと、を有する。
有利にも、該コーヒー豆は、生のコーヒー豆又は部分的に炒られた豆である。
図2を参照すると、装置100は、装置100の容器に装着され、炒りの間にコーヒー豆から第1の群のコーヒー豆及び第2の群のコーヒー豆をサンプリングするよう構成されたサンプリングユニット102を有し、ここで、該第1の群と第2の群とは同時に又は連続的にサンプリングされ、例えば、粉の色の検出のために挽かれるべき第2の群が最初にサンプリングされ、第2の群のコーヒー豆が挽かれ検出された後に第1の群がサンプリングされ、これにより検出の偏差を低減する。
装置100は更に、サンプリングユニット102及び挽きユニット103に力学的に接続された検出ユニット104を有し、挽きユニット103は、サンプリングユニット102に接続され、第2の群のコーヒー豆を挽くよう構成され、検出ユニット104は、第1の群のコーヒー豆の表面の色を検出し、挽きの後に前記第2の群のコーヒー豆の粉の色を検出するよう構成される。
装置100は更に、検出ユニット104に電気的に接続され、前記第1の群のコーヒー豆の検出された表面の色、及び前記第2の群のコーヒー豆の検出された粉の色に、少なくとも部分的に基づいて、炒り工程を制御するよう構成された、制御ユニット105を有する。有利にも、制御ユニット105は、検出ユニット104に電気的に接続され、前記第1の群のコーヒー豆の検出された表面の色、及び前記第2の群のコーヒー豆の検出された粉の色に、少なくとも部分的に基づいて、コーヒー豆の炒り度合いを決定するように構成された解析ユニット106と、解析ユニット106に電気的に接続され、該決定されたコーヒー豆の炒り度合いに少なくとも部分的に基づいて、装置100の炒り工程を制御するよう構成されたコントローラ108と、を有する。
一実施例においては、解析ユニット106は、コーヒー豆の表面の色及び粉の色の両方の値に関連付けられた、又は、表面の色若しくは粉の色のいずれかの値及び2つの色の差分に関連付けられた、味及び香りの好みのデータベース107と結合される。例えば、表1に示されるように、炒り目標は、中くらいの炒り(約38の色)のコーヒー豆の表面の色を持ち、これに対する粉の色の値の差は、0、+1、+2、>+2、−1、−2、<−2のうちの1つとなる。表面の色が選択されたとき、コーヒーの味及び香りは選択された差に依存することに留意されたい。本実施例においては、色の測定は、HunterLab社の色検出機器により実行されることに留意されたい。
Figure 2017520233
他の実施例においては、コントローラ108もデータベース107に結合され、コントローラ108により実行される前記の制御動作は、該決定されたコーヒー豆の炒り度合い及び所定の最終的なコーヒー豆の炒り度合いに基づいて炒り工程を制御し、該所定の最終的なコーヒー豆の炒り度合いは、消費者により最初に設定された最終的な目標の味及び香りの好みと関連付けられた、コーヒー豆の最終的な表面の色及び最終的な粉の色に対応するものである。このことは、よりパーソナライズされた炒り度合いを提供し、所望のコーヒーの味及び香りにより消費者を満足させることを可能とする。
有利にも、完璧に炒られた(専門家向けの炒り器等により炒られたものであっても良い)炒られたコーヒー豆が、炒り目標として選択される。斯かるコーヒー豆の表面の色及び粉の色が、将来の目標とされる表面の色及び粉の色として用いられる。
一実施例においては、該サンプリングユニット102は、炒り工程全体の間に、第1の群のコーヒー豆及び第2の群のコーヒー豆を所定の頻度で反復的にサンプリングするよう構成され、該所定の頻度は、異なる炒りフェーズにおいては異なる。例えば炒りフェーズは、コーヒー豆の第1の破裂の開始の前、第1の破裂の間、及び第1の破裂の終了の後のような、3つのフェーズを有する。サンプリング頻度は、炒りフェーズに基づくものであっても良く、例えば、第1の破裂の開始の前は、2分毎に1回のサンプリングで、第1の破裂に入ると、1分毎に1回のサンプリングで、第1の破裂の終了の後には、20秒毎に1回のサンプリングとしても良い。好適には、第1の破裂の終了の後のサンプリング頻度は、その前のサンプリング頻度よりも高く、これによって炒り工程の間のコーヒー豆の過度の炒りが好適に回避される。サンプリングは何回か実行されても良いため、それに応じて、所定の最終的な炒り度合いが得られるまで、検出、挽き、決定及び制御が何回か実行されても良いことに留意されたい。
有利にも、解析ユニット106は、第1の群のコーヒー豆の検出された表面の色、第2の群のコーヒー豆の検出された粉の色、及び予め定義された予測モデルに基づいて、コーヒー豆の炒り度合いを決定するよう構成され、該予め定義された予測モデルは、較正アルゴリズムに基づくものである。
図3は、本発明の一実施例によるコーヒーマシン300を示す。コーヒーマシン300は、該コーヒーマシンの炒り室に収容されたコーヒー豆を加熱するよう構成された炒りユニット301と、炒りの間に前記コーヒー豆から第1の群のコーヒー豆及び第2の群のコーヒー豆をサンプリングするよう構成されたサンプリングユニット302と、第2の群のコーヒー豆を挽くよう構成された挽きユニット303と、第1の群のコーヒー豆の表面の色を検出し、挽きの後に第2の群のコーヒー豆の粉の色を検出するよう構成された検出ユニット304と、検出ユニット304及び炒りユニット301にそれぞれ電気的に結合され、第1の群のコーヒー豆の検出された表面の色、及び第2の群のコーヒー豆の検出された粉の色に、少なくとも部分的に基づいて、炒り工程を制御するよう構成された制御ユニット306、308と、を有する。
有利にも、制御ユニット306及び308は、検出ユニット304に電気的に結合され、第1の群のコーヒー豆の検出された表面の色、及び第2の群のコーヒー豆の検出された粉の色に、少なくとも部分的に基づいて、コーヒー豆の炒り度合いを決定するように構成された解析ユニット306と、解析ユニット306に電気的に接続され、該決定されたコーヒー豆の炒り度合いに少なくとも部分的に基づいて、炒り工程を制御するよう構成されたコントローラ308と、を有する。
炒りユニット301による炒りは、熱変換過程であることに留意されたい。従って、コーヒー豆の内側部分をより軽くし、高温で豆の表面を迅速に加熱し、次いで換気又はその他の冷却により熱を低下させるため、豆の内側部分は、多くの熱は含まず、それ故表面よりかなり遅く色が濃くなり、又はその逆である等する。
一実施例においては、コントローラ308は、所望の目標のためのより正確な炒りプロファイルを得るため、加熱温度、時間、冷却又は換気を制御するよう構成される。
他の実施例においては、サンプリングユニット302は、コーヒーマシン300の炒り室311に装着されたシャッタ313を有するよう構成される。サンプリングユニット302がサンプリング動作を実行するとき、第1の群のコーヒー豆及び第2の群のコーヒー豆は、サンプリングユニット302の豆室に入る。
更に他の実施例においては、該コーヒーマシンは更に、コーヒー粒子室305、水タンク、及びコーヒー粒子室305と連通し煎出されたコーヒーを供給するよう構成された煎出ユニット309を有する。
図4は、本発明の他の実施例によるコーヒー豆の炒り工程を制御するための方法のフロー図である。図5は、図4に示された方法を実行するよう構成されたコーヒー豆の炒り工程を制御するための装置400を示す。
図4を参照すると、本実施例における方法は、炒りの間に前記コーヒー豆から第1の群のコーヒー豆及び第2の群のコーヒー豆をサンプリングするステップS42と、第1の群のコーヒー豆の表面の色を検出するステップS44と、第2の群のコーヒー豆を挽き、挽いた後に前記第2の群のコーヒー豆の粉の色を検出するステップS46と、第1の群のコーヒー豆の検出された表面の色、及び第2の群のコーヒー豆の検出された粉の色に、少なくとも部分的に基づいて、炒り工程を制御するステップS48と、を有し、本実施例においては、第1の群のコーヒー豆は、第2の群のコーヒー豆の少なくとも一部を有し、即ち、該第2の群は該第1の群から取られるか、又は該第1の群と該第2の群とは同一である。
図5を参照すると、本実施例における装置400は、装置400の容器に装着され、炒りの間に前記コーヒー豆から第1の群のコーヒー豆及び第2の群のコーヒー豆をサンプリングするよう構成されたサンプリングユニット402を有し、第1の群のコーヒー豆は、第2の群のコーヒー豆の少なくとも一部を有する。即ち該第2の群は該第1の群から取られるか、又は該第1の群と該第2の群とは同一である。
装置400は更に、サンプリングユニット402及び挽きユニット403にそれぞれ力学的に接続された検出ユニット404を有し、挽きユニット403は、サンプリングユニット402に接続され、第2の群のコーヒー豆を挽くよう構成され、検出ユニット404は、第1の群のコーヒー豆の表面の色、及び挽きの後の第2の群のコーヒー豆の粉の色を検出するよう構成される。
装置400は更に、検出ユニット104に電気的に接続され、第1の群のコーヒー豆の検出された表面の色、及び第2の群のコーヒー豆の検出された粉の色に、少なくとも部分的に基づいて、炒り工程を制御するよう構成された、制御ユニット405を有する。有利にも、制御ユニット405は、検出ユニット404に電気的に接続され、第1の群のコーヒー豆の検出された表面の色、及び第2の群のコーヒー豆の検出された粉の色に、少なくとも部分的に基づいて、コーヒー豆の炒り度合いを決定するよう構成された解析ユニット406と、解析ユニット406に電気的に接続され、該決定されたコーヒー豆の炒り度合いに少なくとも部分的に基づいて、装置400の炒り工程を制御するよう構成されたコントローラ408を有する。
一実施例においては、解析ユニット406は、コーヒー豆の表面の色及び粉の色の両方の値に関連付けられた、又は、表面の色若しくは粉の色のいずれかの値及び2つの色の差分に関連付けられた、味及び香りの好みのデータベース407と結合される。
他の実施例においては、コントローラ408もデータベース407と結合され、コントローラ408により実行される該制御動作は、該決定されたコーヒー豆の炒り度合い及び所定の最終的なコーヒー豆の炒り度合いに基づいて炒り工程を制御し、該所定の最終的なコーヒー豆の炒り度合いは、消費者により最初に設定された最終的な目標の味及び香りの好みと関連付けられた、コーヒー豆の最終的な表面の色及び最終的な粉の色に対応するものである。
本発明の種々の実施例において、コーヒー豆は生のコーヒー豆又は部分的に炒られた豆である。このことは、消費者にコーヒー豆の種々の選択肢を提供する。確実に、該豆が部分的に炒られた豆(例えば粗く挽かれたもの)である場合、該部分的に炒られた豆の表面の色、及び該豆の粉の色もまた、最終的な炒り戦略作成のための初期データとして便利で有用である。例えば、制御ユニットが、該部分的に炒られた豆の初期の表面の色及び粉の色に少なくとも基づいて、炒りを開始する前に、炒り戦略を作成する。
本発明の種々の実施例においては、挽きユニットは、非常に細かくなる必要のない数個の粒子へとコーヒー豆を単に潰すよう構成され、検出ユニットは、色センサとして構成される。
本発明の種々の実施例においては、制御ユニットは、コーヒー豆の表面の色及び粉の色を検出する検出ユニットにより、該コーヒーマシンの挽き及び煎出工程を制御し、挽き粒子サイズ、水/コーヒー分量比、時間に対する水温、水の流量、煎出継続時間、事前煎出か否か、を考慮に入れて、適切な煎出方法を調節するよう構成される。
本発明の種々の実施例においては、制御ユニットは、コーヒー豆の表面の色及び粉の色を、次回の炒りのための基準として考慮するよう構成される。
本発明の種々の実施例においては、前記炒りユニットにより利用される加熱機構は、誘導加熱、光波加熱、加熱板/コイル、又はその他とり得るコーヒー材料の温度を上昇させるよう構成され得る手段であっても良い。
種々の実施例においては、本発明におけるコーヒーマシンは更に、コーヒー豆の加熱温度を測定するよう構成された温度計(図示されていない)を有しても良い。
以上に説明された実施例は、本発明を限定するためではなく説明するために示されたものであり、当業者は容易に理解するように、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく変更及び変形が求められ得ることは理解されるべきである。斯かる変更及び変形は、本発明及び添付される請求項の範囲内であるとみなされる。本発明の保護範囲は、添付される請求項により定義される。更に、請求項におけるいずれの参照番号も、請求の範囲に対する制限と解釈されるべきではない。動詞「有する(comprise)」及びその語形変化の使用は、請求項に記載されたもの以外の要素又はステップの存在を除外するものではない。要素に先行する冠詞「1つの(a又はan)」は、複数の斯かる要素又はステップの存在を除外するものではない。

Claims (15)

  1. コーヒー豆の炒り工程を制御するための方法であって、
    炒りの間に前記コーヒー豆から第1の群のコーヒー豆及び第2の群のコーヒー豆をサンプリングするステップと、
    前記第1の群のコーヒー豆の表面の色を検出するステップと、
    前記第2の群のコーヒー豆を挽き、挽いた後に前記第2の群のコーヒー豆の粉の色を検出するステップと、
    前記第1の群のコーヒー豆の前記検出された表面の色、及び前記第2の群のコーヒー豆の前記検出された粉の色に、少なくとも部分的に基づいて、炒り工程を制御するステップと、
    を有する方法。
  2. 前記制御するステップは更に、前記第1の群のコーヒー豆の検出された表面の色、及び前記第2の群のコーヒー豆検出された粉の色に、少なくとも部分的に基づいて、炒り度合いを決定するステップと、
    コーヒー豆の前記決定された炒り度合いに少なくとも部分的に基づいて、炒り工程を制御するステップと、
    を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記制御するステップは更に、
    前記決定されたコーヒー豆の炒り度合いと、所定の最終的なコーヒー豆の炒り度合いと、に基づいて、炒り工程を制御するステップ
    を有する、請求項2に記載の方法。
  4. 前記決定するステップは更に、
    前記第1の群のコーヒー豆の前記検出された表面の色と、前記第2の群のコーヒー豆の前記検出された粉の色と、予め定義された予測モデルと、に基づいて、コーヒー豆の炒り度合いを決定するステップを有し、前記予め定義された予測モデルは、較正アルゴリズムに基づくものである、
    請求項2に記載の方法。
  5. 所定の最終的な炒り度合いが得られるまで、前記サンプリングするステップ、前記検出するステップ、前記挽くステップ及び前記制御するステップを繰り返すステップを更に有し、
    前記サンプリングするステップは、炒り工程全体の間に所定の頻度で実行され、異なる炒りフェーズにおいては前記所定の頻度は変わる、
    請求項1に記載の方法。
  6. 前記サンプリングするステップは、コーヒー豆の第1の破裂の開始の前は第1の所定の頻度で実行され、コーヒー豆の第1の破裂の終了の後は第2の所定の頻度で実行され、前記第2の所定の頻度は前記第1の所定の頻度よりも高い、請求項5に記載の方法。
  7. 前記第1の群のコーヒー豆は、前記第2の群のコーヒー豆の少なくとも一部を有する、請求項1に記載の方法。
  8. 前記サンプリングするステップは、
    前記コーヒー豆から第1の群のコーヒー豆と第2の群のコーヒー豆とを同時にサンプリングするステップと、
    前記第1の群のコーヒー豆及び前記第2の群のコーヒー豆の加熱を停止するステップと、
    を有する、請求項1に記載の方法。
  9. 前記コーヒー豆は、生のコーヒー豆又は部分的に炒られた豆である、請求項1に記載の方法。
  10. コーヒー豆の炒り工程を制御するための装置であって、
    炒りの間に前記コーヒー豆から第1の群のコーヒー豆及び第2の群のコーヒー豆をサンプリングするよう構成されたサンプリングユニットと、
    前記第2の群のコーヒー豆を挽くよう構成された挽きユニットと、
    前記第1の群のコーヒー豆の表面の色を検出し、挽きの後に前記第2の群のコーヒー豆の粉の色を検出するよう構成された検出ユニットと、
    前記第1の群のコーヒー豆の前記検出された表面の色、及び前記第2の群のコーヒー豆の前記検出された粉の色に、少なくとも部分的に基づいて、炒り工程を制御するよう構成された制御ユニットと、
    を有する装置。
  11. 前記サンプリングユニットは、炒り工程全体の間に所定の頻度で、前記コーヒー豆から第1の群のコーヒー豆及び第2の群のコーヒー豆を反復的にサンプリングするよう構成され、前記所定の頻度は、異なる炒りフェーズにおいては異なる、請求項10に記載の装置。
  12. 前記サンプリングユニットは、コーヒー豆の第1の破裂の開始の前は第1の所定の頻度で、コーヒー豆の第1の破裂の終了の後は第2の所定の頻度で、前記コーヒー豆から第1の群のコーヒー豆及び第2の群のコーヒー豆をサンプリングするよう構成され、前記第2の所定の頻度は前記第1の所定の頻度よりも高い、請求項11に記載の装置。
  13. 前記制御ユニットは、前記第1の群のコーヒー豆の前記検出された表面の色、及び前記第2の群のコーヒー豆の前記検出された粉の色に、少なくとも部分的に基づいて、前記コーヒー豆の炒り度合いを決定するように構成された解析ユニットと、前記決定された前記コーヒー豆の炒り度合いに少なくとも部分的に基づいて、炒り工程を制御するよう構成されたコントローラと、を有する、請求項10に記載の装置。
  14. 前記第1の群のコーヒー豆は、前記第2の群のコーヒー豆の少なくとも一部を有する、請求項10に記載の装置。
  15. 請求項10乃至14のいずれか一項に記載の装置を有する、煎出されたコーヒーを供給するためのコーヒーマシン。
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