JP2017519521A - 新規分子バイオマーカーを使用して慢性閉塞性肺疾患(copd)を診断する方法 - Google Patents
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Abstract
Description
− 対象から得たサンプルにおける遺伝子TMSB15Aの発現レベルを判定するステップと、
− 対象からのサンプルにおけるTMSB15Aの発現レベルを、健常対象におけるTMSB15Aの対照発現レベルと比較するステップと、
− 対象が、不可逆的肺損傷の出現が関与する進行期COPDを発生させ易いか否かを判定するステップと
を含む方法を提供し、この場合、TMSB15Aの対照発現レベルと比較して対象からのサンプルにおけるTMSB15Aの発現レベルの減少は、進行期COPDの易発性を示す。
− 対象から得たサンプルにおけるDMBT1、KIAA1199、DPP6、SLC51B、NUDT11、ELF5、AZGP1、PRRX1、AQP3、SFN、GPR110、GDF15、RASGRF2、RND1、PLA1A、FGG、CEACAM5、HYAL2、AHRR、CXCL3、CYP1A1、CYP1B1、CYP1A2、CST6、NTRK2、COMP、ITGA10、CTHRC1、TAL1、FIBIN、BEX5、BEX1、ESM1およびGHRLから選択される1つまたは複数のさらなる遺伝子の発現レベルを判定するステップと、
− 1つまたは複数のさらなる遺伝子の発現レベルを、健常対象における対応する遺伝子の対照発現レベルと比較するステップと、
− 対象が、不可逆的肺損傷の出現が関与する進行期COPDを発生させ易いか否かを判定するステップと
をさらに含むことが好ましく、この場合、
対応する遺伝子の対照発現レベルと比較して対象からのサンプルにおけるDMBT1、KIAA1199、ELF5、AZGP1、PRRX1、AQP3、SFN、GPR110、GDF15、RASGRF2、RND1、FGG、CEACAM5、AHRR、CXCL3、CYP1A1、CYP1B1、CYP1A2、NTRK2および/またはCOMPの発現レベルの増加は、進行期COPDの易発性を示し、
対応する遺伝子の対照発現レベルと比較して対象からのサンプルにおけるTMSB15A、DPP6、SLC51B、NUDT11、PLA1A、HYAL2、CST6、ITGA10、CTHRC1、TAL1、FIBIN、BEX5、BEX1、ESM1および/またはGHRLの発現レベルの減少は、進行期COPDの易発性を示す。
− 対象から得たサンプルにおける遺伝子TMSB15Aの発現レベルを判定するステップと、
− 対象からのサンプルにおけるTMSB15Aの発現レベルを、健常対象におけるTMSB15Aの対照発現レベルと比較するステップと、
− 対象が、安定期COPDに罹患しているか否か、または安定期COPDに罹患し易いか否かを判定するステップと
を含む方法を提供し、この場合、TMSB15Aの対照発現レベルと比較して対象からのサンプルにおけるTMSB15Aの発現レベルの減少は、安定期COPDまたは安定期COPDの易罹患性を示す。
− 対象から得たサンプルにおけるDMBT1、KIAA1199、DPP6、SLC51B、NUDT11、ELF5、AZGP1、PRRX1、AQP3、SFN、GPR110、GDF15、RASGRF2、RND1、PLA1A、FGG、CEACAM5、HYAL2、AHRR、CXCL3、CYP1A1、CYP1B1、CYP1A2、CST6、NTRK2、COMP、ITGA10、CTHRC1、TAL1、FIBIN、BEX5、BEX1、ESM1およびGHRLから選択される1つまたは複数のさらなる遺伝子の発現レベルを判定するステップと、
− 1つまたは複数のさらなる遺伝子の発現レベルを、健常対象における対応する遺伝子の対照発現レベルと比較するステップと、
− 対象が安定期COPDに罹患しているか否か、または安定期COPDに罹患し易いか否かを判定するステップと
をさらに含み、この場合、
対応する遺伝子の対照発現レベルと比較して対象からのサンプルにおけるDMBT1、ELF5、AZGP1、PRRX1、AQP3、SFN、GPR110、GDF15、RASGRF2、RND1、FGG、CEACAM5、AHRR、CXCL3、CYP1A1、CYP1B1、CYP1A2、NTRK2および/またはCOMPの発現レベルの増加は、安定期COPDまたは安定期COPDの易罹患性を示し、
対応する遺伝子の対照発現レベルと比較して対象からのサンプルにおけるKIAA1199、TMSB15A、DPP6、SLC51B、NUDT11、PLA1A、HYAL2、CST6、ITGA10、CTHRC1、TAL1、FIBIN、BEX5、BEX1、ESM1および/またはGHRLの発現レベルの減少は、安定期COPDまたは安定期COPDの易罹患性を示す。
− 対象から得た第1のサンプルにおけるNTRK2およびRASGRF2から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルを判定するステップと、
− 第1のサンプルより後の時点で対象から得た第2のサンプルにおける1つまたは複数の遺伝子の発現レベルを判定するステップと、
− 第2のサンプルにおける1つまたは複数の遺伝子の発現レベルを、第1のサンプルにおける対応する遺伝子の発現レベルと比較するステップと、
−対象のCOPDの進行を評価するステップと
を含む方法を提供し、この場合、
第1のサンプルにおける対応する遺伝子の発現レベルと比較して第2のサンプルにおけるNTRK2および/またはRASGRF2の発現レベルの減少は、対象のCOPDの寛解を示し、
第1のサンプルにおける対応する遺伝子の発現レベルと比較して第2のサンプルにおけるNTRK2および/またはRASGRF2の発現レベルの増加は、対象のCOPDの悪化を示す。
− 対象から得た第1のサンプルにおけるNTRK2およびRASGRF2から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルを判定するステップと、
− 第1のサンプルより後の時点で対象から得た第2のサンプルにおける1つまたは複数の遺伝子の発現レベルを判定するステップと、
− 第2のサンプルにおける1つまたは複数の遺伝子の発現レベルを、第1のサンプルにおける対応する遺伝子の発現レベルと比較するステップと、
− 対象のCOPDの進行を評価する(または判定する)ステップと
を含み、
第1のサンプルにおける対応する遺伝子の発現レベルと比較して第2のサンプルにおけるNTRK2および/またはRASGRF2の発現レベルの減少が対象のCOPDの寛解(すなわち改善)を示し、
第1のサンプルにおける対応する遺伝子の発現レベルと比較して第2のサンプルにおけるNTRK2および/またはRASGRF2の発現レベルの増加が対象のCOPDの悪化を示す、方法を提供する。
[実施例]
序論
本発明に関連して、進行期COPDの症状に基づく分子代謝マーカーの同定を目的とした前向き比較対照パイロット試験を2007年〜2012年の間にVienna Medical Universityで行った。Vienna COPD−AUVA研究は、COPDの進行および変動性に取り組む最も大きな最も精緻な研究である、ECLIPSE試験(Vestbo et al., 2011)の全戦略に一部準じる、COPDについての検証済み臨床的尺度の評価を併用した。
この研究プロトコルは、Medical University of Viennaの倫理委員会(ClinicalTrials.gov識別子NCT00618137)によって承認された。スクリーニング中、インフォームドコンセント後、個人を来院1(第0日)に、彼らが以下の基準を満たす場合、層別化した。
RNAlater(Ambion、lifetechnologies)を組織アーサベーション(asservation)に使用した。Fastprep 24システム(MP Biomedical、Eschwege)のLysing Matrix Dセラミックボールを使用して、肺生検材料を破壊した。カオトロピック溶解緩衝液(RLT、Rneasy Kit、Qiagen、Hilden)を使用し、その後、クロマトグラフィーマトリックスでのDNアーゼI消化を含む、RNeasy Mini Kit(Qiagen、Hilden)のスピンカラムアプローチをその製造業者のマニュアルに従って使用してフェノール/クロロホルム抽出およびその後の清浄化を行った。NanoDrop 1000デバイス(Thermo Scientific)を使用して分光光度法でRNA定量を行い、Agilent 2100バイオアナライザーで品質管理を行った。1マイクログラムの量のカットオフ、および7.0のRNA完全性番号を選択した。
上皮修復メカニズムの活性化
COPD発生中の遺伝子発現の有意な変化の系統的解析は、差異が認められる像を明らかにした。図6A〜6Dに示すように、末梢気管支樹内で慢性炎症プロセスが確立され次第、再生および修飾メカニズムが開始する。これは、既に、持続性のまたは繰り返し顕性化する気管支炎(COPD「リスクがある」)の場合である。まだ潜在的COPDに過ぎない存在論的期間での、正常な平衡状態からのこの種の逸脱に関連する機能は、胎児表皮および肺成長の調節に関与する媒介因子、例えば上皮構造の空間的に制御された成長をもたらすELF5(E74様因子5;ETSドメイン転写因子)(Metzger et al., 2008、Yaniw et al., 2005)、ならびに肺の粘膜免疫の調節に関与する媒介因子(Lei et al., 2007)を含む。当然のことながら、ELF5の発現は、上皮再生および分化(Medina et al., 2007)の増加をもたらす、しかしコラーゲンIを含む基質タンパク質沈着の低減(Chavez-Munoz et al., 2012)および非特異的表面免疫機能の低減(Butt et al., 2012)ももたらす、ストラテフィン(SFN)の有意なアップレギュレーションによって果たされる。修復のこの再生相には、Gタンパク質共役型オーファン受容体GPR110および煙誘導性増殖分化因子15(GDF15)(Wu et al., 2012)(骨形成タンパク質トランスフォーミング増殖因子−ベータスーパーファミリ−のメンバー)が関与するばかりでなく、分化上皮修復を指示する媒介因子、例えば亜鉛結合アルファ−2−糖タンパク質1(AZGP1)、および虫垂炎中に腸内上皮の急性だが消散性の細菌性炎症中に強くアップレギュレートされるDMBT1遺伝子(悪性脳腫瘍で欠失する遺伝子1)も関与し(Kaemmerer et al., 2012)、したがって、粘膜防御の機能的関連性を示唆している(Diegelmann et al., 2012)。腫瘍細胞において強い上皮分化転換を誘導できる媒介因子(Kong et al., 2010)、DMBT1およびAZGP1の最も一致している発現プロファイルは、上皮再生中の細胞分化に対する両方の媒介因子のいまだ不明確な組合せ効果を示唆している。顕著なこととして、これらの遺伝子発現は、図6Aにも示すように、COPD GOLD Iを有する個人では強く増加し、COPDの進行とともに有意に減少する。この観察と一致して、上皮再生および分化を伝達するすべての媒介因子は、COPDステージIIIからCOPDステージIVへの移行中に有意にダウンレギュレートされることが判明した。
COPDのより後のステージ中に間葉性修復を優先する媒介因子の発現がますます顕著になった。これは、COMP遺伝子の発現増加(図8Aおよび8Cを参照されたい)に関係するばかりでなく、セブンレスの息子ホモログ1(SOS1)遺伝子(肝細胞増殖因子の同族受容体として作用するRASタンパク質のグアニンヌクレオチド交換因子)などの間葉幹細胞の強力な活性化因子の発現にも、および対関連ホメオボックス1遺伝子(PRRX1)[肝硬変の際に間葉増殖を誘導することができ(Jiang et al., 2008)、癌発生中に上皮間葉転換(EMT)(Ocana et al., 2012)を誘導することもできる初期分化因子のHOXファミリーに属するRAS転写因子の転写共役因子]にも関係する。それらの発現パターンは、COMP遺伝子とPRRX1遺伝子両方がGOLDステージIおよびIIの特徴をなす創傷治癒の再生相にも関与することを示しており、GOLDステージIIIからIVへの移行中のより後のそれらの増加は、気道の漸進的瘢痕化へのさらなる関与を示唆している。線維化促進因子の発現増加は、神経栄養チロシンキナーゼ受容体2型(またはトロポミオシン受容体キナーゼB受容体;TrkB)(NTRK2)発現の顕著な増加によってさらに実証される。神経発生中に様々な神経栄養成長因子の高親和性受容体として作用することがこれまでに公知であるNTRK2/TrkBは、アポトーシスおよびアノイキスに対する間葉細胞の抵抗性を促進することもできる(Frisch et al., 2013)。線維化促進媒介因子の複合的増加は、線維性器官ジストロフィーをもたらす能力があるコラーゲントリプルヘリックスリピート含有1遺伝子(CTHRC1)の発現も含む(Spector et al., 2013)。特に、CTHRC1の発現増加はGOLDステージIIでしか開始しないが、NTRK2/TrkBの累積活性化は一般にCOPDの進行を通して顕著な特徴であり、これは、COPDの進展中の末梢気道における異所修復応答に対するNTRK2/TrkBシグナル伝達の永続的寄与を示唆している。この見解は、TrkB軸障害が実験的肺線維症の一因になることがあるという観察(Avcuoglu et al., 2011)によってさらに裏付けされる。
期せずして、本解析によって、細胞の細胞骨格の運動、分布および活性化を誘導する、および結果として粘膜表面の構造完全性およびバリア機能に多大な影響を及ぼす可能性が高い遺伝子の1群の発現の非常に有意なダウンレギュレーションが明らかになった。これらの遺伝子のダウンレギュレーションは、図4Aにも示したように、GOLDによる気管支閉塞の確定のかなり前、慢性気管支炎の確定中に既に起こる。この発生に密接に関連している遺伝子が、チモシンベータ15A(TMSB15A)、ジペプチジル−ペプチダーゼ6(DPP6)、nudix(ヌクレオシド二リン酸結合部分X)型モチーフ11(NUDT11)、インテグリンアルファ10(ITGA10)、システインE/M(CST6)およびチモシンPRICKLE2である(データを示さない)。特に、COPDの進行中に最も有意に減少する2つの遺伝子、TMSB15AおよびDPP6は、気管支炎症亢進の症状と相関して有意にダウンレギュレートされもする(図4Bも参照されたい)。ベータチモシンは、膜構造、表面安定性および細胞表現型に影響を及ぼす(Husson et al., 2010)ことによる、アクチン細胞骨格の構成と分離両方の制御因子(Hannappel, 2007、Huff et al., 2001、Malinda et al., 1999)である。創傷治癒中のベータチモシンのレベル上昇の結果の1つは、修復の線維性異常からの保護であるようであり(De Santis et al., 2011)、この保護は、1つには、線維性組織発生の最も大きな特徴である筋繊維芽細胞へのそれらの分化転換を妨げるアルファ平滑筋ストレスファイバーの発現を防止することによるものである。現在、再生創傷治癒におけるDPP6の機能についてほとんど分かっていない。しかし、検出可能なプロテアーゼ活性が一切ない膜結合型セリンプロテアーゼのS9BファミリーのメンバーであるDPP6は、膜安定性と、細胞接着および運動性の綿密な制御を含む神経発生中の細胞の増殖制御とをもたらすことが最近実証された(Lin et al., 2013)。さらに、膜結合イオンチャネルの、特に電位開口型カリウムチャネルの、発現および活性化とのその関連性ならびにそのような発現および活性化のその制御が証明されていること(Jerng et al., 2012)を考えると、DPP6の発現は、静止膜電位を制御することもでき(Nadin et al., 2013)、それによってアクチン細胞骨格の活性と細胞内分布の両方を制御することもできる(Mazzochi et al., 2006、Chifflet et al., 2003)。
有効な器官修復は、上皮、間葉および内皮増殖の空間的制御を同時に指示するメカニズムを必要とする。しかし、上皮および間葉性修復に寄与する遺伝子機能とは対照的に、血管新生および血管分化を促進する遺伝子発現は、慢性気管支炎が存在し次第、減少することが判明した。図8Dにも示すように、COPDの発生(GOLDステージIおよびII)中にこの遺伝子発現パターンは有意に進行した。GOLDステージIで起こるBex1およびグレリン(GHRL)遺伝子位発現の増加でさえ、DMBT1およびAZGP1などの上皮増殖の再生を目的とした遺伝子機能と比較してかなり小さく、ほんのわずかである。FIBIN(鰭芽開始因子ホモログ)、ESM1(内皮細胞特異的分子1)およびグレリン(GHRL)などの機能の一部が、ある程度、初期器官発生相で媒介因子として作用することは公知である。例えば、FIBINは、初期脈管形成に極めて重要である(Paffett-Lugassy et al., 2013)中胚葉側板発生に関与し(Wakahara et al., 2007)、ESM1は、VEGF−A依存性シグナル伝達を媒介し(Zhang et al., 2012)、概して、腫瘍血管新生(Zhang et al., 2012、Roudnicky et al., 2013、Chen et al., 2010)および再生創傷治癒(Bechard et al., 2001)を含む血管組織増殖中に発現される。
COPD進行中に測定された遺伝子発現の有意な変化に基づいて、4つの連続する遺伝子発現相を区別した:第1相は、図5A〜5Eにも示すように、急性免疫応答に関与する遺伝子、例えばフィブリノーゲン(FGG)(Duvoix et al., 2013、Cockayne et al., 2012)、ならびにアリール炭水化物受容体(AHR)シグナル伝達の産物、例えばCYP1A1(チトクロムP450、ファミリー1、サブファミリーA、ポリペプチド1)およびCYP1B1(チトクロムP450、ファミリー1、サブファミリーB、ポリペプチド1)発現の急速な増加を特徴とする。これは、癌胎児抗原(CEA)関連細胞接着分子(CEACAM)の、特に、CEACAM5遺伝子の発現増加も含む(図5Aおよび5Dを参照されたい)。慢性気管支炎を依然として提示するが肺機能の有意な変化のないこの初期ステージ(COPD「リスクがある」)で、主に適応免疫の機能を媒介する遺伝子、例えば、RASGRF2(Rasタンパク質特異的グアニンヌクレオチド放出因子2)、KIAA1199またはCXCL3の発現は有意には変化されなかった(図5Hおよび5Fも参照されたい)。第2相(GOLDステージIを表す)では、これらの遺伝子の発現は安定したままであるか、ある程度減少さえした(図4Aおよび5Aを参照されたい)。これは、GOLDステージIで最も力を入れた再生修復努力の安定化結果をおそらく反映している(図6Aも参照されたい)。しかし、GOLDステージIIおよびIIIを含む第3相は、CYP1A1、CYP1A2およびCYP1B1などのAHRシグナル伝達増加を示す遺伝子を含む、免疫に関連するすべての遺伝子の発現の有意な増加を特徴とした(図5A、5Eおよび5Fも参照されたい)。後述のもの(複数)は、タバコ喫煙の影響を反映する可能性が最も高い。参加者の4分の3がこのステージではまだ能動喫煙者であったのでなおさらである(図3Cを参照されたい)。特にGOLDステージIIおよびIII中に、AHRシグナル伝達事象を阻害することが公知のアリール炭水化物受容体リプレッサー(AHRR)遺伝子のレベル上昇にもかかわらず、AHRシグナル伝達増強を示す遺伝子発現増加を実証することができた。
2007年〜2012年の間、前向き比較対照パイロット試験を最終的に志願者120名で行って、COPDの進行を示す代謝マーカーを同定した。COPDの進行と変動性の両方を説明する臨床マーカーを同定するためにこれまでに行われた最も大きな最も精緻な研究であるECLIPSE試験デザイン(Vestbo et al., 2011)の一部を採用することによって、Vienna COPD研究は、検証済み臨床的尺度の比較対照評価と、COPD病態の病巣を代表する肺組織におけるゲノムワイドな遺伝子転写の教師なしの評価(unsupervised assessment)(Hogg HC, 2004 (b))を併用した。遺伝子発現と臨床的発生の相関関係は、a)来院1における(閉塞性肺疾患のためのグローバルイニシアティブ;GOLDによる)不可逆的肺閉塞の程度に、b)来院1〜3の間(3年の期間を対象に含める)のGOLDによる不可逆的閉塞の悪化に、およびc)来院1および3における構造化された病歴の中で記録された気管支炎の強度増加を示す症状に基づく。
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Claims (77)
- 対象から得たサンプルにおける遺伝子TMSB15Aの発現レベルを判定するステップを含む、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の診断のためのインビトロ方法。
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)のインビトロ診断用のマーカーとしてのTMSB15Aの使用。
- 不可逆的肺損傷の出現が関与する進行期慢性閉塞性肺疾患(COPD)の発生に対する対象の感受性を評価するインビトロ診断方法であって、
− 前記対象から得たサンプルにおける遺伝子TMSB15Aの発現レベルを判定するステップと、
− 前記対象からのサンプルにおけるTMSB15Aの発現レベルを、健常対象におけるTMSB15Aの対照発現レベルと比較するステップと、
− 前記対象が、不可逆的肺損傷の出現が関与する進行期COPDを発生させ易いか否かを判定するステップと
を含み、TMSB15Aの前記対照発現レベルと比較して前記対象からのサンプルにおけるTMSB15Aの発現レベルの減少が進行期COPDの易発性を示す、方法。 - − 前記対象から得たサンプルにおけるDMBT1、KIAA1199、DPP6、SLC51B、NUDT11、ELF5、AZGP1、PRRX1、AQP3、SFN、GPR110、GDF15、RASGRF2、RND1、PLA1A、FGG、CEACAM5、HYAL2、AHRR、CXCL3、CYP1A1、CYP1B1、CYP1A2、CST6、NTRK2、COMP、ITGA10、CTHRC1、TAL1、FIBIN、BEX5、BEX1、ESM1およびGHRLから選択される1つまたは複数のさらなる遺伝子の発現レベルを判定するステップと、
− 前記1つまたは複数のさらなる遺伝子の発現レベルを、健常対象における対応する遺伝子の対照発現レベルと比較するステップと、
− 前記対象が、不可逆的肺損傷の出現が関与する進行期COPDを発生させ易いか否かを判定するステップと
をさらに含み、
前記対応する遺伝子の対照発現レベルと比較して前記対象からのサンプルにおけるDMBT1、KIAA1199、ELF5、AZGP1、PRRX1、AQP3、SFN、GPR110、GDF15、RASGRF2、RND1、FGG、CEACAM5、AHRR、CXCL3、CYP1A1、CYP1B1、CYP1A2、NTRK2および/またはCOMPの発現レベルの増加が進行期COPDの易発性を示し、
前記対応する遺伝子の対照発現レベルと比較して前記対象からのサンプルにおけるTMSB15A、DPP6、SLC51B、NUDT11、PLA1A、HYAL2、CST6、ITGA10、CTHRC1、TAL1、FIBIN、BEX5、BEX1、ESM1および/またはGHRLの発現レベルの減少が進行期COPDの易発性を示す、
請求項3に記載の方法。 - FGG、CYP1A1、CEACAM5、CTHRC1、NTRK2およびRASGRF2から選択される少なくとも1つのさらなる遺伝子の発現レベルが判定される、請求項4に記載の方法。
- ELF5、AZGP1、PRRX1、AQP3、SFN、GPR110、GDF15、RASGRF2およびRND1から選択される少なくとも1つのさらなる遺伝子の発現レベルが判定される、請求項4または5に記載の方法。
- DMBT1、KIAA1199、DPP6、SLC51BおよびNUDT11から選択される少なくとも1つのさらなる遺伝子の発現レベルが判定される、請求項4〜6のいずれか一項に記載の方法。
- DMBT1の発現レベルが判定される、請求項4〜7のいずれか一項に記載の方法。
- KIAA1199の発現レベルが判定される、請求項4〜7のいずれか一項に記載の方法。
- DMBT1およびKIAA1199の発現レベルが判定される、請求項4〜7のいずれか一項に記載の方法。
- DMBT1の発現レベルと、KIAA1199の発現レベルと、FGG、CYP1A1、CEACAM5、CTHRC1、NTRK2、RASGRF2、ELF5、AZGP1、PRRX1、AQP3、SFN、GPR110、GDF15、RASGRF2、RND1、DPP6、SLC51BおよびNUDT11から選択される少なくとも1つのさらなる遺伝子の発現レベルとが判定される、請求項4に記載の方法。
- 試験される遺伝子の数の大多数の発現レベルが、(i)前記対象からのサンプルにおけるDMBT1、KIAA1199、ELF5、AZGP1、PRRX1、AQP3、SFN、GPR110、GDF15、RASGRF2、RND1、FGG、CEACAM5、AHRR、CXCL3、CYP1A1、CYP1B1、CYP1A2、NTRK2および/またはCOMPの発現レベルが前記対応する遺伝子の対照発現レベルと比較して増加さし、(ii)前記対象からのサンプルにおけるTMSB15A、DPP6、SLC51B、NUDT11、PLA1A、HYAL2、CST6、ITGA10、CTHRC1、TAL1、FIBIN、BEX5、BEX1、ESM1および/またはGHRLの発現レベルが前記対応する遺伝子の対照発現レベルと比較して減少するという意味で改変される場合、前記対象が、不可逆的肺損傷の出現が関与する進行期COPDを発生させ易いと判定される、請求項3〜11のいずれか一項に記載の方法。
- 試験される遺伝子の数の大多数の発現レベルが、(i)前記対象からのサンプルにおけるDMBT1、KIAA1199、ELF5、AZGP1、PRRX1、AQP3、SFN、GPR110、GDF15、RASGRF2、RND1、FGG、CEACAM5、AHRR、CXCL3、CYP1A1、CYP1B1、CYP1A2、NTRK2および/またはCOMPの発現レベルが前記対応する遺伝子の対照発現レベルと比較して少なくとも3倍に増加し、(ii)前記対象からのサンプルにおけるTMSB15A、DPP6、SLC51B、NUDT11、PLA1A、HYAL2、CST6、ITGA10、CTHRC1、TAL1、FIBIN、BEX5、BEX1、ESM1および/またはGHRLの発現レベルが前記対応する遺伝子の対照発現レベルと比較して3分の1以下に減少するという意味で改変される場合、前記対象が、不可逆的肺損傷の出現が関与する進行期COPDを発生させ易いと判定される、請求項3〜11のいずれか一項に記載の方法。
- 試験される遺伝子の数の少なくとも70%の発現レベルが、(i)前記対象からのサンプルにおけるDMBT1、KIAA1199、ELF5、AZGP1、PRRX1、AQP3、SFN、GPR110、GDF15、RASGRF2、RND1、FGG、CEACAM5、AHRR、CXCL3、CYP1A1、CYP1B1、CYP1A2、NTRK2および/またはCOMPの発現レベルが前記対応する遺伝子の対照発現レベルと比較して増加し、(ii)前記対象からのサンプルにおけるTMSB15A、DPP6、SLC51B、NUDT11、PLA1A、HYAL2、CST6、ITGA10、CTHRC1、TAL1、FIBIN、BEX5、BEX1、ESM1および/またはGHRLの発現レベルが前記対応する遺伝子の対照発現レベルと比較して減少するという意味で改変される場合、前記対象が、不可逆的肺損傷の出現が関与する進行期COPDを発生させ易いと判定される、請求項3〜11のいずれか一項に記載の方法。
- 試験される遺伝子の数の少なくとも70%の発現レベルが、(i)前記対象からのサンプルにおけるDMBT1、KIAA1199、ELF5、AZGP1、PRRX1、AQP3、SFN、GPR110、GDF15、RASGRF2、RND1、FGG、CEACAM5、AHRR、CXCL3、CYP1A1、CYP1B1、CYP1A2、NTRK2および/またはCOMPの発現レベルが前記対応する遺伝子の対照発現レベルと比較して少なくとも3倍に増加し、(ii)前記対象からのサンプルにおけるTMSB15A、DPP6、SLC51B、NUDT11、PLA1A、HYAL2、CST6、ITGA10、CTHRC1、TAL1、FIBIN、BEX5、BEX1、ESM1および/またはGHRLの発現レベルが前記対応する遺伝子の対照発現レベルと比較して3分の1以下に減少するという意味で改変される場合、前記対象が、不可逆的肺損傷の出現が関与する進行期COPDを発生させ易いと判定される、請求項3〜11のいずれか一項に記載の方法。
- 前記対象が哺乳動物である、請求項3〜15のいずれか一項に記載の方法。
- 前記対象がヒトである、請求項3〜16のいずれか一項に記載の方法。
- 前記対象が、安定期COPDに罹患していると診断されている、または安定期COPDに罹患していることが疑われる、請求項3〜17のいずれか一項に記載の方法。
- 前記対象から得たサンプルが、肺組織サンプルである、請求項3〜18のいずれか一項に記載の方法。
- 前記対象から得たサンプルが、経気管支肺生検サンプルまたは気管支肺胞洗浄サンプルである、請求項3〜18のいずれか一項に記載の方法。
- 前記対象からのサンプルにおけるTMSB15Aおよび該当する場合には前記1つまたは複数のさらなる遺伝子の発現レベルが、前記対応する遺伝子の転写レベルを判定することによって判定される、請求項3〜20のいずれか一項に記載の方法。
- 前記転写レベルが、定量的逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応を使用して判定される、請求項21に記載の方法。
- 前記転写レベルが、マイクロアレイを使用して判定される、請求項21に記載の方法。
- 前記対象からのサンプルにおけるTMSB15Aおよび該当する場合には前記1つまたは複数のさらなる遺伝子の発現レベルが、前記対応する遺伝子の翻訳レベルを判定することによって判定される、請求項3〜20のいずれか一項に記載の方法。
- 前記対照発現レベルが、健常対象から得たサンプルにおける前記対応する遺伝子の発現レベルを判定することによって確証される、請求項3〜24のいずれか一項に記載の方法。
- 対象の安定期慢性閉塞性肺疾患(COPD)を診断するまたは安定期COPDの発生に対する対象の感受性を評価するインビトロ方法であって、
− 前記対象から得たサンプルにおける遺伝子TMSB15Aの発現レベルを判定するステップと、
− 前記対象からのサンプルにおけるTMSB15Aの発現レベルを、健常対象におけるTMSB15Aの対照発現レベルと比較するステップと、
− 前記対象が、安定期COPDに罹患しているか否か、または安定期COPDに罹患し易いか否かを判定するステップと
を含み、TMSB15Aの前記対照発現レベルと比較して前記対象からのサンプルにおけるTMSB15Aの発現レベルの減少が安定期COPDまたは安定期COPDの易罹患性を示す、方法。 - − 前記対象から得たサンプルにおけるDMBT1、KIAA1199、DPP6、SLC51B、NUDT11、ELF5、AZGP1、PRRX1、AQP3、SFN、GPR110、GDF15、RASGRF2、RND1、PLA1A、FGG、CEACAM5、HYAL2、AHRR、CXCL3、CYP1A1、CYP1B1、CYP1A2、CST6、NTRK2、COMP、ITGA10、CTHRC1、TAL1、FIBIN、BEX5、BEX1、ESM1およびGHRLから選択される1つまたは複数のさらなる遺伝子の発現レベルを判定するステップと、
− 前記1つまたは複数のさらなる遺伝子の発現レベルを、健常対象における前記対応する遺伝子の対照発現レベルと比較するステップと、
− 前記対象が安定期COPDに罹患しているか否か、または安定期COPDに罹患し易いか否かを判定するステップと
をさらに含み、
前記対応する遺伝子の対照発現レベルと比較して前記対象からのサンプルにおけるDMBT1、ELF5、AZGP1、PRRX1、AQP3、SFN、GPR110、GDF15、RASGRF2、RND1、FGG、CEACAM5、AHRR、CXCL3、CYP1A1、CYP1B1、CYP1A2、NTRK2および/またはCOMPの発現レベルの増加が安定期COPDまたは安定期COPDの易罹患性を示し、
前記対応する遺伝子の対照発現レベルと比較して前記対象からのサンプルにおけるTMSB15A、KIAA1199、DPP6、SLC51B、NUDT11、PLA1A、HYAL2、CST6、ITGA10、CTHRC1、TAL1、FIBIN、BEX5、BEX1、ESM1および/またはGHRLの発現レベルの減少が安定期COPDまたは安定期COPDの易罹患性を示す、
請求項26に記載の方法。 - FGG、CYP1A1、CEACAM5、CTHRC1、NTRK2およびRASGRF2から選択される少なくとも1つのさらなる遺伝子の発現レベルが判定される、請求項27に記載の方法。
- ELF5、AZGP1、PRRX1、AQP3、SFN、GPR110、GDF15、RASGRF2およびRND1から選択される少なくとも1つのさらなる遺伝子の発現レベルが判定される、請求項27または28に記載の方法。
- DMBT1、KIAA1199、DPP6、SLC51BおよびNUDT11から選択される少なくとも1つのさらなる遺伝子の発現レベルが判定される、請求項27〜29のいずれか一項に記載の方法。
- DMBT1の発現レベルが判定される、請求項27〜30のいずれか一項に記載の方法。
- KIAA1199の発現レベルが判定される、請求項27〜30のいずれか一項に記載の方法。
- DMBT1およびKIAA1199の発現レベルが判定される、請求項27〜30のいずれか一項に記載の方法。
- 試験される遺伝子の数の大多数の発現レベルが、(i)前記対象からのサンプルにおけるDMBT1、ELF5、AZGP1、PRRX1、AQP3、SFN、GPR110、GDF15、RASGRF2、RND1、FGG、CEACAM5、AHRR、CXCL3、CYP1A1、CYP1B1、CYP1A2、NTRK2および/またはCOMPの発現レベルが前記対応する遺伝子の対照発現レベルと比較して増加し、(ii)前記対象からのサンプルにおけるKIAA1199、TMSB15A、DPP6、SLC51B、NUDT11、PLA1A、HYAL2、CST6、ITGA10、CTHRC1、TAL1、FIBIN、BEX5、BEX1、ESM1および/またはGHRLの発現レベルが前記対応する遺伝子の対照発現レベルと比較して減少するという意味で改変される場合、前記対象が、安定期COPDに罹患しているまたは安定期COPDに罹患し易いと判定される、請求項27〜33のいずれか一項に記載の方法。
- 試験される遺伝子の数の大多数の発現レベルが、(i)前記対象からのサンプルにおけるDMBT1、ELF5、AZGP1、PRRX1、AQP3、SFN、GPR110、GDF15、RASGRF2、RND1、FGG、CEACAM5、AHRR、CXCL3、CYP1A1、CYP1B1、CYP1A2、NTRK2および/またはCOMPの発現レベルが前記対応する遺伝子の対照発現レベルと比較して少なくとも3倍に増加し、(ii)前記対象からのサンプルにおけるKIAA1199、TMSB15A、DPP6、SLC51B、NUDT11、PLA1A、HYAL2、CST6、ITGA10、CTHRC1、TAL1、FIBIN、BEX5、BEX1、ESM1および/またはGHRLの発現レベルが前記対応する遺伝子の対照発現レベルと比較して3分の1以下に減少するという意味で改変される場合、前記対象が、安定期COPDに罹患しているまたは安定期COPDに罹患し易いと判定される、請求項27〜33のいずれか一項に記載の方法。
- 試験される遺伝子の数の少なくとも70%の発現レベルが、(i)前記対象からのサンプルにおけるDMBT1、ELF5、AZGP1、PRRX1、AQP3、SFN、GPR110、GDF15、RASGRF2、RND1、FGG、CEACAM5、AHRR、CXCL3、CYP1A1、CYP1B1、CYP1A2、NTRK2および/またはCOMPの発現レベルが前記対応する遺伝子の対照発現レベルと比較して増加し、(ii)前記対象からのサンプルにおけるKIAA1199、TMSB15A、DPP6、SLC51B、NUDT11、PLA1A、HYAL2、CST6、ITGA10、CTHRC1、TAL1、FIBIN、BEX5、BEX1、ESM1および/またはGHRLの発現レベルが前記対応する遺伝子の対照発現レベルと比較して減少するという意味で改変される場合、前記対象が、安定期COPDに罹患しているまたは安定期COPDに罹患し易いと判定される、請求項27〜33のいずれか一項に記載の方法。
- 試験される遺伝子の数の少なくとも70%の発現レベルが、(i)前記対象からのサンプルにおけるDMBT1、ELF5、AZGP1、PRRX1、AQP3、SFN、GPR110、GDF15、RASGRF2、RND1、FGG、CEACAM5、AHRR、CXCL3、CYP1A1、CYP1B1、CYP1A2、NTRK2および/またはCOMPの発現レベルが前記対応する遺伝子の対照発現レベルと比較して少なくとも3倍に増加し、(ii)前記対象からのサンプルにおけるKIAA1199、TMSB15A、DPP6、SLC51B、NUDT11、PLA1A、HYAL2、CST6、ITGA10、CTHRC1、TAL1、FIBIN、BEX5、BEX1、ESM1および/またはGHRLの発現レベルが前記対応する遺伝子の対照発現レベルと比較して3分の1以下に減少するという意味で改変される場合、前記対象が、安定期COPDに罹患しているまたは安定期COPDに罹患し易いと判定される、請求項27〜33のいずれか一項に記載の方法。
- 前記対象が哺乳動物である、請求項26〜37のいずれか一項に記載の方法。
- 前記対象がヒトである、請求項26〜38のいずれか一項に記載の方法。
- 前記対象が、安定期COPDに罹患していることが疑われる、または安定期COPDに罹患し易いことが疑われる、請求項26〜39のいずれか一項に記載の方法。
- 前記対象から得たサンプルが、肺組織サンプルである、請求項26〜40のいずれか一項に記載の方法。
- 前記対象から得たサンプルが、経気管支肺生検サンプルまたは気管支肺胞洗浄サンプルである、請求項26〜40のいずれか一項に記載の方法。
- 前記対象からのサンプルにおけるTMSB15Aおよび該当する場合には前記1つまたは複数のさらなる遺伝子の発現レベルが、前記対応する遺伝子の転写レベルを判定することによって判定される、請求項26〜42のいずれか一項に記載の方法。
- 前記転写レベルが、定量的逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応を使用して判定される、請求項43に記載の方法。
- 前記転写レベルが、マイクロアレイを使用して判定される、請求項43に記載の方法。
- 前記対象からのサンプルにおけるTMSB15Aおよび該当する場合には前記1つまたは複数のさらなる遺伝子の発現レベルが、前記対応する遺伝子の翻訳レベルを判定することによって判定される、請求項26〜42のいずれか一項に記載の方法。
- 前記対照発現レベルが、健常対象から得たサンプルにおける前記対応する遺伝子の発現レベルを判定することによって確証される、請求項26〜46のいずれか一項に記載の方法。
- 不可逆的肺損傷の出現が関与する進行期慢性閉塞性肺疾患の発生に対する対象の感受性を評価するインビトロ診断方法における遺伝子TMSB15Aの転写産物のためのプライマー対の使用。
- 不可逆的肺損傷の出現が関与する進行期慢性閉塞性肺疾患の発生に対する対象の感受性を評価するインビトロ診断方法における遺伝子TMSB15Aの転写産物に対する核酸プローブの使用。
- 不可逆的肺損傷の出現が関与する進行期慢性閉塞性肺疾患の発生に対する対象の感受性を評価するインビトロ診断方法における、TMSB15Aの転写産物に対する核酸プローブを含み、DMBT1、KIAA1199、DPP6、SLC51B、NUDT11、ELF5、AZGP1、PRRX1、AQP3、SFN、GPR110、GDF15、RASGRF2、RND1、PLA1A、FGG、CEACAM5、HYAL2、AHRR、CXCL3、CYP1A1、CYP1B1、CYP1A2、CST6、NTRK2、COMP、ITGA10、CTHRC1、TAL1、FIBIN、BEX5、BEX1、ESM1およびGHRLから選択される1つもしくは複数のさらなる遺伝子の転写産物に対する核酸プローブを場合により含むマイクロアレイの使用。
- 不可逆的肺損傷の出現が関与する進行期慢性閉塞性肺疾患の発生に対する対象の感受性を評価するインビトロ診断方法におけるタンパク質TMSB15Aに対する抗体の使用。
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)を治療する方法であって、請求項3〜25のいずれか一項に記載の方法で不可逆的肺損傷の出現が関与する進行期COPDを発生させ易いと同定された対象にCOPDに対する薬物を投与することを含む方法。
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対する薬物であって、請求項3〜25のいずれか一項に記載の方法で不可逆的肺損傷の出現が関与する進行期COPDを発生させ易いと同定された対象のCOPDの治療における使用のための薬物。
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対する薬物の使用であって、請求項3〜25のいずれか一項に記載の方法で不可逆的肺損傷の出現が関与する進行期COPDを発生させ易いと同定された対象のCOPDを治療するための医薬組成物の調製における使用。
- COPDに対する前記薬物が、ビトルテロール、カルブテロール、フェノテロール、ピルブテロール、プロカテロール、レプロテロール、リミテロール、サルブタモール、レボサルブタモール、テルブタリン、ツロブテロール、アルホルモテロール、バンブテロール、クレンブテロール、ホルモテロール、オロダテロール、サルメテロール、インダカテロール、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、シクロソニド、フルニソリド、フルチカゾン、モメンタゾン、トリアムシノロン、アクリジニウム臭化物、グリコピロニウム臭化物、イプラトロピウム臭化物、オキシトロピウム臭化物、チオトロピウム臭化物、クロモグリク酸塩、ネドクロミル、アセフィリン、アンブフィリン、バミフィリン、ドキソフィリン、エンプロフィリン、エタミフィリン、プロキシフィリン、テオブロミン、テオフィリン、アミノフィリン、コリンテオフィリン、モンテルカスト、プランルカスト、ザフィルルカスト、ジロートン、ラマトロバン、セラトロダスト、イブジラスト、ロフルミラスト、アンレキサノクス、エプロジノール、フェンスピリド、オマリズマブ、エピネフリン、ヘキソプレナリン、イソプレナリン、イソプロテレノール、オルシプレナリン、メタプロテレノール、アトロピン、または前述の薬剤のいずれかの医薬的に許容される塩、またはそれらの任意の組合せである、請求項52に記載の方法または請求項53に記載の使用のための薬物または請求項54に記載の使用。
- COPDに対する前記薬物がロフルミラストである、請求項55に記載の方法または請求項55に記載の使用のための薬物または請求項55に記載の使用。
- 対象の安定期慢性閉塞性肺疾患(COPD)を診断するまたは安定期COPDの発生に対する対象の感受性を評価するインビトロ方法における遺伝子TMSB15Aの転写産物のためのプライマー対の使用。
- 対象の安定期慢性閉塞性肺疾患(COPD)を診断するまたは安定期COPDの発生に対する対象の感受性を評価するインビトロ方法における遺伝子TMSB15Aの転写産物に対する核酸プローブの使用。
- 対象の安定期慢性閉塞性肺疾患(COPD)を診断するまたは安定期COPDの発生に対する対象の感受性を評価するインビトロ方法における、TMSB15Aの転写産物に対する核酸プローブを含み、DMBT1、KIAA1199、DPP6、SLC51B、NUDT11、ELF5、AZGP1、PRRX1、AQP3、SFN、GPR110、GDF15、RASGRF2、RND1、PLA1A、FGG、CEACAM5、HYAL2、AHRR、CXCL3、CYP1A1、CYP1B1、CYP1A2、CST6、NTRK2、COMP、ITGA10、CTHRC1、TAL1、FIBIN、BEX5、BEX1、ESM1およびGHRLから選択される1つもしくは複数のさらなる遺伝子の転写産物に対する核酸プローブを場合により含むマイクロアレイの使用。
- 対象の安定期慢性閉塞性肺疾患(COPD)を診断するまたは安定期COPDの発生に対する対象の感受性を評価するインビトロ方法におけるタンパク質TMSB15Aの転写産物に対する抗体の使用。
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)を治療または予防する方法であって、請求項26〜47のいずれか一項に記載の方法で安定期COPDに罹患しているとまたは安定期COPDに罹患し易いと同定された対象にCOPDに対する薬物を投与することを含む方法。
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対する薬物であって、請求項26〜47のいずれか一項に記載の方法で安定期COPDに罹患しているとまたは安定期COPDに罹患し易いと同定された対象のCOPDの治療または予防における使用のための薬物。
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対する薬物の使用であって、請求項26〜47のいずれか一項に記載の方法で安定期COPDに罹患しているとまたは安定期COPDに罹患し易いと同定された対象のCOPDを治療または予防するための医薬組成物の調製における使用。
- COPDに対する前記薬物が、ビトルテロール、カルブテロール、フェノテロール、ピルブテロール、プロカテロール、レプロテロール、リミテロール、サルブタモール、レボサルブタモール、テルブタリン、ツロブテロール、アルホルモテロール、バンブテロール、クレンブテロール、ホルモテロール、オロダテロール、サルメテロール、インダカテロール、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、シクロソニド、フルニソリド、フルチカゾン、モメンタゾン、トリアムシノロン、アクリジニウム臭化物、グリコピロニウム臭化物、イプラトロピウム臭化物、オキシトロピウム臭化物、チオトロピウム臭化物、クロモグリク酸塩、ネドクロミル、アセフィリン、アンブフィリン、バミフィリン、ドキソフィリン、エンプロフィリン、エタミフィリン、プロキシフィリン、テオブロミン、テオフィリン、アミノフィリン、コリンテオフィリン、モンテルカスト、プランルカスト、ザフィルルカスト、ジロートン、ラマトロバン、セラトロダスト、イブジラスト、ロフルミラスト、アンレキサノクス、エプロジノール、フェンスピリド、オマリズマブ、エピネフリン、ヘキソプレナリン、イソプレナリン、イソプロテレノール、オルシプレナリン、メタプロテレノール、アトロピン、または前述の薬剤のいずれかの医薬的に許容される塩、またはそれらの任意の組合せである、請求項61に記載の方法または請求項62に記載の使用のための薬物または請求項63に記載の使用。
- COPDに対する前記薬物がロフルミラストである、請求項64に記載の方法または請求項64に記載の使用のための薬物または請求項64に記載の使用。
- 対象の慢性閉塞性肺疾患(COPD)の進行をモニタリングするインビトロ方法であって、
− 前記対象から得た第1のサンプルにおけるNTRK2およびRASGRF2から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルを判定するステップと、
− 前記第1のサンプルより後の時点で前記対象から得た第2のサンプルにおける前記1つまたは複数の遺伝子の発現レベルを判定するステップと、
− 前記第2のサンプルにおける前記1つまたは複数の遺伝子の発現レベルを、前記第1のサンプルにおける前記対応する遺伝子の発現レベルと比較するステップと、
− 前記対象のCOPDの進行を評価するステップと
を含み、
前記第1のサンプルにおける前記対応する遺伝子の発現レベルと比較して前記第2のサンプルにおけるNTRK2および/またはRASGRF2の発現レベルの減少が前記対象のCOPDの寛解を示し、
前記第1のサンプルにおける前記対応する遺伝子の発現レベルと比較して前記第2のサンプルにおけるNTRK2および/またはRASGRF2の発現レベルの増加が前記対象のCOPDの悪化を示す、方法。 - 前記遺伝子NTRK2のおよび場合により前記遺伝子RASGRF2の発現レベルが判定される、請求項66に記載の方法。
- 前記遺伝子NTRK2およびRASGRF2の発現レベルが判定される、請求項66または67に記載の方法。
- 前記対象が哺乳動物である、請求項66〜68のいずれか一項に記載の方法。
- 前記対象がヒトである、請求項66〜69のいずれか一項に記載の方法。
- 前記対象が、COPDに罹患していると診断されている、請求項66〜70のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第1のサンプルおよび前記第2のサンプルが、肺組織サンプルである、請求項66〜71のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第1のサンプルおよび前記第2のサンプルが、経気管支肺生検サンプルであり、または前記第1のサンプルおよび前記第2のサンプルが、気管支肺胞洗浄サンプルである、請求項66〜71のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第1のサンプルにおけるまたは前記第2のサンプルにおける前記1つまたは複数の遺伝子の発現レベルが、前記対応する遺伝子の転写レベルを判定することによって判定される、請求項66〜73のいずれか一項に記載の方法。
- 前記転写レベルが、定量的逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応を使用して判定される、請求項74に記載の方法。
- 前記転写レベルが、マイクロアレイを使用して判定される、請求項74に記載の方法。
- 前記第1のサンプルにおけるまたは前記第2のサンプルにおける前記1つまたは複数の遺伝子の発現レベルが、前記対応する遺伝子の翻訳レベルを判定することによって判定される、請求項66〜73のいずれか一項に記載の方法。
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