本開示は、発酵または蒸留プロセスを実用する施設における汚染を最小化するか、または低減させる方法、アプローチ、装置、設備、および系を対象とする。実施形態において、施設は、発酵産物、例えば、燃料において使用される産物アルコール、例えば、ブタノールを産生するバイオ燃料プラントである。一部の実施形態において、方法、アプローチ、装置、設備、および系は、産物アルコールの産生において使用される材料と接触する設備の表面を含む設備を除染するための定置滅菌(SIP)手順を含み得る定置清浄汚染(CIP)軽減技術を実用するように作動可能である。他の清浄および汚染最小化技術も記載される。本明細書に記載の除染、清浄、および滅菌技術を使用して種々の汚染物質、例として、発酵固体、不純物などを除染することができるが、実施形態において、これらの技術を実用して発酵産物(例えば、産物アルコール)を産生する微生物と競合する汚染物質および/または汚染物質を産生し、もしくはその微生物を阻害する汚染物質、例えば、不純物を産生し、もしくはそれと関連する微生物を除染する。例えば、一部の細菌は、ブタノロジェン(butanologen)(ブタノール産生微生物)を阻害する乳酸を産生する。乳酸を産生する細菌は、そうでなければブタノール産生のためのブタノルゲンが利用可能な発酵性炭素基質について競合する。さらに、不純物、例えば、乳酸は、ブタノロジェンのブタノール産生を緩慢にすることによりブタノール産生を阻害し得、またはそれはブタノロジェンを生物学的に不活性にするために十分に毒性であり得る。
本開示は、蒸留プロセスもしくは蒸留プロセスと関連する発酵プロセスの少なくとも1つからの汚染に供され得る蒸留産物流から規格外産物もしくは軽質分パージ材料(例えば、発酵の副生物)の少なくとも1つを分離することにより;または蒸留プロセスもしくは発酵プロセスから少なくとも1つのプロセス溶媒流を分離し;および規格外産物もしくは軽質分パージ材料の少なくとも1つを含む溶液により設備を清浄して蒸留産物と関連する汚染を最小化することにより、発酵または蒸留プロセスの少なくとも1つにおいて使用される設備を除染する方法を対象とする。一部の実施形態において、溶液は、蒸留産物流から得る。
実施形態において、方法は、設備が清浄の許容可能なレベルに到達するまで清浄を反復することをさらに含み、例えば、清浄の許容可能なレベルは、発酵副産物の比を実質的に維持する。実施形態において、汚染は、副産物を産生する微生物を含み、微量副産物の産生を実質的にその比またはその比未満において維持するように実用する。一部の実施形態において、方法は、蒸留プロセスと関連する蒸留塔が規格を満たす蒸留産物の定常状態産生を達成するまで、溶液の少なくとも一部に発酵プロセスから生じる発酵産物を取り込むことを含む。
一部の実施形態において、設備を除染するために有効であるが、発酵プロセスにおいて使用されるブタノロジェンをかなり阻害するために不十分な濃度において溶液を実用する。一部の実施形態において、溶液は、エタノール、ブタノール、酢酸、イソ酪酸、イソアミルアルコールの1つ以上を含む。一部の実施形態において、溶液は、蒸留産物を含む。実施形態において、汚染物質は、酢酸または乳酸の少なくとも1つの産生と関連する。
一部の実施形態において、溶液は、ブタノールを含む。一部の実施形態において、溶液中のブタノール濃度は、発酵産物中のブタノール濃度よりも大きいが、規格を満たすブタノールの濃度よりも小さい。一部の実施形態において、溶液は、最大約50パーセント(50%)のブタノール(重量基準)、最大約30パーセント(30%)のエタノール(重量基準)、最大約20パーセント(20%)のイソ酪酸(重量基準)、最大約20パーセント(20%)の酢酸(重量基準)の少なくとも1つ、またはそれらの任意の組合せを含む。一部の実施形態において、溶液は、約10パーセント(10%)(重量基準)のブタノールおよび約7パーセント(7%)のエタノールを含む。一部の実施形態において、溶液を最終滅菌プロセスにおいて実用する。
一部の実施形態において、清浄は、スプレーボール洗浄、衝突洗浄、または容器浸漬の少なくとも1つを実用する。一部の実施形態において、方法は、蒸留のために清浄に使用された溶液の少なくとも一部を蒸留産物中に再循環させることを含む。一部の実施形態において、設備が後続の産生に使用されるまで、溶液の少なくとも一部が設備上に残留することを可能とする。
一部の実施形態において、設備は、発酵設備を含む。一部の実施形態において、発酵設備は、発酵槽を含む。一部の実施形態において、設備の清浄は、定置清浄(CIP)手順または定置滅菌(SIP)手順の少なくとも1つを含む。一部の実施形態において、溶液を最終滅菌プロセスにおいて実用する。実施形態において、CIPおよびSIP手順は、溶液および異なる濃度の規格外産物、重質分パージ材料、または軽質分パージ材料の少なくとも1つを含む別の溶液を実用する。一部の実施形態において、溶液は、設備を除染するために十分な濃度の規格外産物、重質分パージ材料、軽質分パージ材料、またはそれらの組合せを含有するが、溶液の可燃性を蒸留産物の可燃性未満に最小化するために十分に低い濃度である。
一部の実施形態において、清浄は、(A)スプレーボール洗浄、衝突洗浄、もしくは容器浸漬の少なくとも1つを含む定置清浄(CIP)手順を実施し、続いて定置滅菌(SIP)手順を実施すること;(B)SIP手順を実施せずにCIP手順を実施すること;(C)洗浄を水により実施し、続いてSIP手順を実施すること;(D)洗浄を水により実施し、SIP手順の一部として設備の少なくとも一部を浸漬することの1つ以上;または設備が清浄の許容可能なレベルに到達するまでA、B、C、またはDの少なくとも1つを繰り返すことを含むそれらの組合せを含む。一部の実施形態において、溶液は、共通のパージ流中の蒸留産物流から分離された蒸留副産物の混合物を含む。実施形態において、方法は、清浄に使用される溶液の少なくとも一部を燃焼に送出して発酵または蒸留プロセスの少なくとも1つのためのエネルギーを産生することをさらに含む。
本開示はまた、ブタノールを産生するために使用される設備を除染する方法であって、規格外ブタノールまたは発酵により産生されたブタノールの蒸留から生じる軽質分パージ材料の少なくとも1つからブタノールを産生するために使用される設備を清浄するための溶液を生成すること(溶液は、汚染を最小化または排除するために十分に高い濃度におけるブタノールまたは軽質分パージ材料を含むが、発酵において使用される組換え微生物(例えば、ブタノロジェン)をかなり阻害するために不十分である);および設備の少なくとも一部をその溶液により清浄してブタノールの産生から生じる汚染を最小化することを含む方法を対象とする。一部の実施形態において、ブタノールの産生は、発酵プロセスまたは蒸留プロセスの少なくとも1つを含む。一部の実施形態において、汚染は、微生物汚染を含む。
一部の実施形態において、規格外ブタノール、および軽質分パージ材料または重質分パージ材料の1つ以上は、共通のパージ流から得る。
一部の実施形態において、設備は、蒸留設備を含む。一部の実施形態において、蒸留設備は、蒸留塔を含む。
一部の実施形態において、溶液中のブタノールの濃度は、発酵ブロス中のブタノールの濃度よりも大きい。一部の実施形態において、ブタノールの濃度は、溶液であり、規格外ブタノールの濃度よりも小さい。一部の実施形態において、ブタノールはイソブタノールを含む。一部の実施形態において、溶液はエタノールを含む。一部の実施形態において、溶液は、発酵ブロスのものよりも高い濃度における1つ以上の有機酸を含む。有機酸の例としては、限定されるものではないが、イソ酪酸または酢酸が挙げられる。
一部の実施形態において、溶液は、最大約50パーセント(50%)のブタノール(重量基準)、最大約30パーセント(30%)のエタノール(重量基準)、最大約20パーセント(20%)のイソ酪酸(重量基準)、最大約20パーセント(20%)の酢酸(重量基準)の少なくとも1つ、またはそれらの任意の組合せを含む。一部の実施形態において、溶液は、約10パーセント(10%)(重量基準)のブタノールおよび約7パーセント(7%)のエタノールを含む。
一部の実施形態において、方法は、清浄において使用されるブタノールを、規格を満たすブタノール中に再循環させることをさらに含む。一部の実施形態において、方法は、清浄に使用される溶液を燃焼させてブタノールの産生のためのエネルギーを提供することをさらに含む。
一部の実施形態において、方法は、蒸留塔が規格を満たすブタノールの定常状態産生に到達するまで、発酵ブロスから抽出されるブタノールに溶液を取り込むことをさらに含む。
一部の実施形態において、設備の清浄は、定置清浄(CIP)手順または定置滅菌(SIP)手順の少なくとも1つを含む。一部の実施形態において、設備は、ブタノールを産生するために使用される全ての設備を含むわけではない。
本開示はまた、ブタノールを産生するための発酵系であって、ブタノールを発酵するように構成される1つ以上の容器;ならびに発酵系と関連する蒸留系から得られる規格外産物(例えば、ブタノール)または軽質分パージ材料の少なくとも1つまたは発酵系もしくは蒸留系からのプロセス溶媒流を含む溶液を、発酵系または蒸留系の少なくとも一部の清浄に提供するように構成される清浄系とを含む発酵系を対象とする。一部の実施形態において、発酵系は、実質的にブタノールを連続的に産生するように構成される。
一部の実施形態において、規格外産物は、ブタノールを含む。一部の実施形態において、ブタノールは、イソブタノールである。
実施形態において、清浄系は、発酵系に連結しており、清浄系により利用される溶液からのブタノールを、蒸留系により蒸留すべき発酵系により産生されるブタノールと再循環させる。一部の実施形態において、規格外産物(例えば、ブタノール)または軽質分パージ材料の少なくとも1つを発酵系により産生する。一部の実施形態において、清浄系は、スプレーボール洗浄、衝突洗浄、または容器浸漬の1つ以上を実用して1つ以上の容器を清浄するように構成される。
実施形態において、清浄系は、ブタノールの発酵の一部として生成される発酵ブロス中で含まれるものよりも大きい毒性を有する溶液(例えば、より高い濃度のブタノールおよび/またはイソ酪酸)を利用するように構成される。一部の実施形態において、溶液は、最大約50パーセント(50%)(重量基準)のブタノール、最大約30パーセント(30%)(重量基準)のエタノール、最大約20パーセント(20%)(重量基準)のイソ酪酸、または最大約20パーセント(20%)(重量基準)の酢酸の少なくとも1つを含む。
一部の実施形態において、清浄系は、1つ以上の容器の定置清浄(CIP)手順または定置滅菌(SIP)手順を実施するように構成される。一部の実施形態において、清浄系は、1つ以上の容器が清浄の許容可能なレベルに到達するようにCIPおよびSIP手順を繰り返すことを含むCIPおよびSIP手順の異なる組合せを実施するように構成される。一部の実施形態において、発酵系は、1つ以上の容器を清浄するために使用されるブタノールを燃焼に方向付けて発酵または蒸留系の1つ以上のためのエネルギーを産生するようにさらに構成される。
一部の実施形態において、清浄系は、繁殖容器、産物容器、または送り先容器の1つ以上と流体接続するように構成される溶液のための貯蔵容器を含む。一部の実施形態において、貯蔵容器は、蒸留系中に含まれる軽質分塔と流体接続するようにさらに構成される。一部の実施形態において、貯蔵容器は、規格外であるブタノールのパージ流と流体接続するようにさらに構成される。
一部の実施形態において、清浄系は、発酵に利用されるまで1つ以上の容器の表面上に溶液を残すように構成される。一部の実施形態において、発酵系は、後続の発酵における使用のためにリーン発酵ブロスを再循環させるようにさらに構成される。一部の実施形態において、清浄系は、ブタノールを産生するために発酵系により利用される組換え微生物をかなり阻害するために不十分な濃度におけるエタノールまたはブタノールの1つ以上を含む溶液を提供するように構成される。
一部の実施形態において、溶液の組成は、発酵系により産生される副産物の比を維持するように選択される。一部の実施形態において、清浄系は、発酵系がブタノールおよびエタノールを実質的に所定の比において産生するように発酵系中のエタノロジェンを最小化するように構成される。一部の実施形態において、清浄系は、発酵系中の酢酸産生と関連する微生物を最小化するように構成される。一部の実施形態において、清浄系は、発酵系から微生物を実質的に排除するようにさらに構成される。
本開示はまた、組換え微生物の使用を通して産物アルコールを連続的に産生するための施設についての使用のために構成される清浄系であって、パージ流と流体接続して配置されて産物アルコール中に含まれるべきでない材料を除去するように構成される容器を含み、容器は、施設中に含まれる設備と流体接続して配置され、設備を清浄して実質的に所定の温度において材料による汚染を最小化するように作動可能であるようにさらに構成される清浄系を対象とする。一部の実施形態において、清浄系は、材料を実質的に所定の温度に加熱するように構成される加熱器をさらに含む。実施形態において、設備は、再生可能な原料からアルコールを産生するために使用される全ての設備を含むわけではない。一部の実施形態において、組換え微生物は、ブタノロジェンである。一部の実施形態において、設備は、イソブタノールを産生するように構成される。
実施形態において、清浄系は、設備と関連する因子に基づき1つ以上の清浄手順を実施するように構成される。一部の実施形態において、1つ以上の清浄手順は、(A)スプレーボール洗浄、衝突洗浄、または容器浸漬の少なくとも1つを含む定置清浄(CIP)手順を実施し、続いて定置滅菌(SIP)手順を実施すること;(B)SIP手順を実施せずにCIP手順を実施すること;(C)洗浄を水により実施し、続いてSIP手順を実施すること;(D)洗浄を水により実施し、SIP手順の一部として設備の少なくとも一部を浸漬することの少なくとも1つ;および設備の少なくとも一部が清浄の許容可能なレベルに到達するまでA、B、C、またはDの少なくとも1つを繰り返すことを含むそれらの組合せを含む。実施形態において、因子は、産生されるエタノールの比、不合格バッチの発生率、酢酸産生、または産物アルコール産生の低減の少なくとも1つを含む。
一部の実施形態において、パージ流は、設備と関連する微生物増殖を最小化するために十分な濃度の材料を含む。一部の実施形態において、材料は、組換え微生物のアルコール産生を阻害するために不十分である。一部の実施形態において、設備または清浄系の1つ以上は、設備の表面上に材料の残留物を残すように構成される。
一部の実施形態において、系は、材料の効力を増加させて設備を清浄するために材料を加熱するための加熱器をさらに含む。一部の実施形態において、清浄系または設備の少なくとも1つは、設備を清浄するために使用される材料を燃焼に方向付けて施設のためのエネルギーを産生するようにさらに構成される。
一部の実施形態において、清浄系は、産物アルコールを生成するために使用される発酵ブロス中の材料の濃度よりも高い濃度の材料を提供するように構成される。一部の実施形態において、材料は、アルコールまたは産物アルコールの副産物の1つ以上を含む。一部の実施形態において、産物アルコールは、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、またはイソブタノールの少なくとも1つを含む。一部の実施形態において、清浄系は、産物アルコールの定常状態産生が達成されるまで産物アルコールを生成するために使用される発酵産物に材料の少なくとも一部を取り込むようにさらに構成される。
本開示はまた、実質的に連続的な発酵を実施するように構成される発酵系を部分的に除染する方法であって、原材料から発酵産物を生成するために使用される設備から発酵系の現場産物回収(in situ product recovery)(ISPR)部分を離隔すること;ISPRに使用される抽出剤が導入される地点から上流に苛性溶液を導入し、続いてISPR部分を水によりリンスすること;および抽出剤が導入される地点から下流に酸性溶液を導入することであって、酸性溶液の導入は、酸性溶液の少なくとも一部がISPR部分中に含まれる設備の表面上に残留するように実施することを含む方法を対象とする。一部の実施形態において、リンスを実施する。一部の実施形態において、苛性溶液、酸性溶液の少なくとも一部、およびリンスのために使用される任意の水を、発酵産物を生成するために使用される設備にリーン発酵ブロスを再循環させるように構成される設備の使用なしでISPR部分から排出させる。一部の実施形態において、ISPR部分中に含まれる設備の表面上に残留する酸性溶液の少なくとも一部は、発酵産物を生成するために使用される設備にリーン発酵ブロスと再循環することを可能とされる。一部の実施形態において、方法は、苛性溶液および酸性溶液を導入する間にISPR部分中の設備を水によりリンスすることをさらに含む。一部の実施形態において、抽出剤は、トウモロコシ油脂肪酸(COFA)を含む。
実施形態において、酸性溶液は、約2パーセント(2%)のスルファミン酸(重量基準)を含む。他の実施形態において、酸性溶液は、約2パーセント(2%)の硫酸または約2パーセント(2%)のリン酸(重量基準)を含む。実施形態において、苛性溶液は、約2パーセント(2%)の水酸化ナトリウム(重量基準)を含む。
一部の実施形態において、苛性溶液の導入は、ISPR部分中の設備の表面を苛性溶液によりリンスすることを含む。実施形態において、酸性溶液の導入は、ISPR部分中の設備の表面を酸性溶液によりリンスすることを含む。一部の実施形態において、苛性溶液は、発酵産物の発酵における再使用のためにリーン発酵ブロスをポンプ輸送するように構成されるポンプの使用なしでISPR部分中に含まれる設備から排出させる。一部の実施形態において、発酵産物は、イソブタノールを含む。
本開示はまた、発酵プロセスのための現場産物回収(ISPR)系を除染する方法であって、ISPR系の第1の部分中で清浄溶液を混合することにより清浄溶液を調製すること;清浄溶液の少なくとも一部を、発酵系の第2の部分に移送して第2の部分を、発酵プロセスから生じる発酵産物の産生を阻害するか、またはそれと競合する微生物による汚染を最小化するために好適な除染のレベルに除染することを含む方法を対象とする。一部の実施形態において、第1の部分は、セトラーを含む。一部の実施形態において、方法は、追加の発酵産物の産生における使用のために発酵産物がセトラー中に取り出されたブロスの再循環を通して発酵ブロス中への抽出剤の導入を最小化する様式で実施する。一部の実施形態において、発酵産物は、ブタノールを含む。
一部の実施形態において、発酵プロセスは、脂肪酸抽出剤の使用を含む。一部の実施形態において、抽出剤は、トウモロコシ油脂肪酸(COFA)を含む。
一部の実施形態において、方法は、発酵系または発酵系と関連する系を除染する少なくとも1つの他の方法と同時に実用し、抽出剤を、ISPR系中に存在しない発酵系の他の部分から実質的に離隔する。一部の実施形態において、移送は、清浄溶液を第1のセトラーから第2のセトラーに移送することを含む。
一部の実施形態において、清浄溶液は、抽出剤が鹸化反応を受けることを実質的に引き起こさず、または方法は、酸性リンスを実施してISPR系の少なくとも一部から鹸化材料を除去することをさらに含む。一部の実施形態において、方法は、発酵系中のミキサーまたはセトラーの少なくとも1つをデインベントリー(deinventory)することをさらに含み、移送は、少なくとも1つのミキサーまたはセトラーを水によりリンスすること(水の少なくとも一部を、抽出剤がISPR系に添加される地点の上流に導入する);少なくとも1つのミキサーまたはセトラーを苛性溶液により清浄して発酵産物を産生しない微生物による汚染を最小化すること;および少なくとも1つのミキサーまたはセトラーを酸性溶液により清浄して苛性溶液による清浄から生じる任意の鹸化材料を実質的に除去することを含む。
一部の実施形態において、苛性溶液は、アルカリ溶液を含む。一部の実施形態において、苛性溶液は、水酸化ナトリウム溶液を含む。一部の実施形態において、酸性溶液は、スルファミン酸溶液を含む。一部の実施形態において、リンスは、苛性溶液による清浄と、酸性溶液による清浄との間に行う。一部の実施形態において、リンスは、2回以上繰り返す。
本開示はまた、発酵産物を産生するように構成される発酵系中に含まれる現場産物取出(ISPR)系を除染する方法であって、除染手順の一部として抽出剤をISPR系に導入すること(抽出剤を、抽出剤がISPR系により実用される温度よりも高い温度においてISPR系の少なくとも一部中で維持してISPR系の使用の間に発酵ブロスから発酵産物を取り出す);使用の間に発酵ブロスに接触する設備の表面が実質的に、発酵産物を産生する組換え微生物と競合するか、またはそれを阻害する微生物を有さないことを確保するために十分に高い温度において抽出剤を維持することによりISPR系中に含まれる設備を滅菌することを含む方法を対象とする。一部の実施形態において、抽出剤は、抽出剤が、発酵産物を産生する組換え微生物と競合するか、またはそれを阻害する微生物から滅菌されることを確保するために十分に高い温度において維持する。一部の実施形態において、方法は、ISPR系中に含まれる冷却器をバイパスさせるか、またはその作動を停止して抽出剤の温度を上昇させることをさらに含む。一部の実施形態において、抽出剤の導入は、十分に高い温度において表面を維持するための速度において抽出剤をポンプ輸送することを含む。一部の実施形態において、十分に高い温度は、摂氏75度(75℃)と同等であるか、またはそれよりも大きい。
一部の実施形態において、十分に高い温度は、抽出剤のかなりの熱分解を引き起こすために不十分である。一部の実施形態において、抽出剤は、トウモロコシ油脂肪酸(COFA)を含む。
一部の実施形態において、方法は、発酵産物が再生可能資源から産生される発酵系中に含まれる容器にリーン発酵ブロスを戻すために使用されないポートを使用して任意の発酵ブロスおよび/または抽出剤を設備から排出させることにより設備をデインベントリーすることをさらに含む。一部の実施形態において、設備は、セトラーまたはミキサーを含む。一部の実施形態において、発酵産物を産生する組換え微生物と競合するか、またはそれを阻害する微生物は、細菌または野生型酵母を含む。一部の実施形態において、方法は2回以上の発酵プロセスを実用して連続的な発酵産物産生を提供する。
一部の実施形態において、発酵プロセスのための現場産物回収(ISPR)系を除染する方法は、発酵系中に含まれるミキサーまたはセトラーをデインベントリーすること;ISPR材料をミキサーまたはセトラー中に導入して所定の温度を実質的に維持すること;ミキサーまたはセトラーを、その中に含まれる低点ドレンを通してデインベントリーして発酵ブロスからの発酵産物の回収における使用のためにミキサーまたはセトラーの起動を可能とすることを含む。一部の実施形態において、低点ドレンは、ブロスからの発酵産物の抽出から生じるリーン発酵ブロスを、少なくとも1つのミキサーまたはセトラーから取り出すために構成されない。一部の実施形態において、ISPR材料の導入は、ISPR材料のフィード速度を、ミキサーまたはセトラーにISPR材料を提供するポンプについてのポンプ速度に実質的に合致させることを含む。一部の実施形態において、方法は、ISPR材料がISPR系に添加される地点の上流に提供される水により、ミキサーまたはセトラーをリンスすることをさらに含む。
一部の実施形態において、所定の温度は、摂氏約75度(75℃)である。一部の実施形態において、ISPR材料は、ミキサーまたはセトラーへの導入前、発酵産物の産生と競合する微生物の増殖に望ましくないほど十分に高い温度において維持する。一部の実施形態において、方法は、ISPR系の使用の間にISPR材料を冷却するように作動可能な冷却器の使用を低減または終了させることの少なくとも1つをさらに含む。
一部の実施形態において、ISPR材料の導入は、ISPR系の非除染使用の間に発酵ブロスから発酵産物を分離するためにISPR系の使用の間にISPR材料を少なくとも1つのミキサーまたはセトラーに導入するために使用されるインレットに通してISPR材料をフィードすることにより行う。一部の実施形態において、抽出剤は、リーン抽出剤を含む。
本開示はまた、実質的に連続的な発酵系からの発酵産物の現場産物取出(ISPR)であって、ISPRがブロスから抽出し、発酵ブロスよりも低い濃度の発酵産物を有するリーンブロスを発酵ブロスの資源に戻して再循環させるように構成される発酵産物を含む発酵ブロスの資源から清浄手順の間に離隔されるように構成されるISPR系を含む系を対象とする。実施形態において、ISPR系は、リーン発酵ブロスを発酵資源に再循環させるように構成されるポンプの使用なしでISPR部分中に含まれる設備から清浄溶液を排出させるようにさらに構成される。一部の実施形態において、ISPR系は、抽出剤がISPR系に導入される地点からの上流に清浄溶液を導入するようにさらに構成される。一部の実施形態において、ISPR系は、ISPR系のある部分からの清浄溶液を、清浄手順の一部としてISPR系の別の部分に移送ようにさらに構成される。一部の実施形態において、ISPR系は、抽出剤がISPR系に導入されるように構成される地点から上流に水を導入することによりISPR部分中に含まれる設備をリンスするように構成される。一部の実施形態において、ISPR系は、清浄手順の間に清浄溶液を撹拌するように構成される撹拌器を含む。一部の実施形態において、ISPR系は、容器および管を含む設備を含む。
一部の実施形態において、清浄溶液は、苛性溶液または酸性溶液の1つ以上を含む。一部の実施形態において、系は、アルカリ清浄溶液を実用するように構成される。一部の実施形態において、苛性溶液は水酸化ナトリウム溶液を含み、酸性溶液はスルファミン酸溶液を含む。一部の実施形態において、水酸化ナトリウム溶液は、約2パーセント(2%)の水酸化ナトリウム(重量基準)であり、スルファミン酸溶液は、約2パーセント(2%)のスルファミン酸(重量基準)である。一部の実施形態において、苛性溶液は、約2パーセント(2%)の苛性材料(重量基準)であり、酸性溶液は、約2パーセント(2%)の酸材料(重量基準)である。
本開示はさらに、発酵産物を生成するための発酵系であって、産物アルコールを形成するための蒸留のために発酵ブロスから発酵産物を抽出し、追加の発酵産物の生成における使用のためにリーン発酵ブロスを戻すように構成される現場産物取出(ISPR系)を含み、ISPRは、発酵ブロス中の発酵産物の産生と競合するか、またはそれを阻害する汚染物質の清浄の許容可能なレベルに清浄するために十分に高い温度において抽出剤を設備に導入することにより、ISPR系中の設備を離隔して設備を除染するようにさらに構成される系を対象とする。一部の実施形態において、抽出剤は、発酵ブロスから産物アルコールを抽出し得るリーン抽出剤を含む。
一部の実施形態において、系は、発酵ブロスから産物アルコールを抽出するためにISPR系の使用の間に抽出剤温度を低減させるように構成される冷却器をさらに含む。一部の実施形態において、ISPR系は、除染の間に冷却器の作動を停止して抽出剤の温度を十分に高い温度に増加させるように構成される。一部の実施形態において、高い温度は、発酵産物の産生と競合する微生物汚染物質を最小化するために十分である。一部の実施形態において、ISPR系は、微生物汚染物質を清浄の許容可能なレベルに効率的に最小化するために十分に長い滞留時間、抽出剤を設備と接触させて維持するように構成される。一部の実施形態において、十分に高い温度は、抽出剤のかなりの熱分解を引き起こす温度未満である。
一部の実施形態において、抽出剤は、トウモロコシ油脂肪酸(COFA)を含む。一部の実施形態において、発酵産物は、ブタノールを含む。一部の実施形態において、発酵産物は、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、またはイソブタノールの1つ以上を含む。一部の実施形態において、汚染物質は、細菌または野生型酵母を含む。実施形態において、汚染物質は、発酵産物の副産物と関連する。一部の実施形態において、副産物は、発酵産物の産生よりも顕著に低い速度において産生される副産物を含む。一部の実施形態において、清浄の許容可能なレベルは、設備から全ての汚染物質を実質的に効率的に排除することを含む。
一部の実施形態において、系は、設備中で抽出剤を循環させるように構成される抽出剤ポンプをさらに含み、抽出剤ポンプは、設備中で十分に高い温度を効率的に維持するために十分な速度において設備に通して抽出剤をポンプ輸送するようにさらに構成される。一部の実施形態において、除染の間の系は、設備の温度を十分に高い温度に上昇させるために不十分であるが、抽出剤と接触し得る設備の表面を十分に高い温度に効率的に上昇させるために十分である。一部の実施形態において、十分に高い温度は、摂氏75度(75℃)とほぼ同等であるか、またはそれよりも大きい。一部の実施形態において、十分に高い温度は、摂氏約80度(80℃)である。一部の実施形態において、ISPR系は、設備の除染に使用されない場合、摂氏約80度(80℃)において抽出剤を実質的に維持するようにさらに構成される。
一部の実施形態において、ISPR系または発酵系の少なくとも1つは、追加の発酵産物の生成における使用のためにリーン発酵ブロスを戻すために使用されないポートの外への、除染に使用される抽出剤の排出を可能とするように構成される。一部の実施形態において、ISPR系または発酵系の少なくとも1つは、発酵系中に含まれるセトラーまたはミキサーの少なくとも1つに含まれるポートの外への、除染に使用される抽出剤の排出を可能とするように構成される。
本開示は、発酵原料中の汚染を低減させる方法であって、十分に長い滞留時間、バイオマスから形成される希薄マッシュを十分に高い温度において加熱して希薄マッシュ中の汚染物質微生物の許容可能なレベルに最小化すること(汚染物質微生物は、最小化されない場合、バイオマスから得られる発酵性炭素基質を発酵により産物アルコールに転化するように構成される微生物とかなり競合する);および希薄マッシュに、発酵性炭素基質を産物アルコールに転化するように構成される微生物を取り込むことを含む方法をさらに対象とする。一部の実施形態において、汚染物質微生物は、野生型酵母または細菌の少なくとも1つを含む。
一部の実施形態において、方法は、バイオマスの残部から油を分離して希薄マッシュを形成することをさらに含む。一部の実施形態において、分離は、マッシュからバイオマス固体を分離して希薄マッシュを形成することをさらに含む。一部の実施形態において、バイオマスは、トウモロコシの穀粒、トウモロコシ穂軸、作物残渣、トウモロコシの皮、トウモロコシ茎葉、草、コムギ、ライムギ、コムギのわら、オオムギ、オオムギのわら、干し草、稲わら、スイッチグラス、古紙、サトウキビの絞りかす、ソルガム、サトウキビ、ダイズ、穀類、セルロース系材料、リグノセルロース系材料、樹木、枝、根、葉、木質チップ、おがくず、潅木および低木、野菜、果物、花、動物肥料の少なくとも1つ、またはそれらの組合せを含む。
一部の実施形態において、加熱を連続プロセスの一部として実施する。一部の実施形態において、滞留時間および十分に高い温度は、希薄マッシュを効率的に滅菌するように選択される。一部の実施形態において、汚染物質微生物は、希薄マッシュから副産物を生成し得、滅菌は、汚染物質微生物を組換え微生物の発酵における副産物産生の許容可能なレベルに排除する。一部の実施形態において、副産物の許容可能なレベルは、発酵における些少量の副産物の産生をもたらす。
一部の実施形態において、加熱を繁殖手順の一部として実施する。一部の実施形態において、加熱は、実質的に摂氏121度(121℃)において希薄マッシュを加熱することを含む。一部の実施形態において、加熱は、バイオマスから油を分離して希薄マッシュを形成した後に実施する。一部の実施形態において、加熱は、実質的に摂氏121度(121℃)において希薄マッシュの温度を約15分間維持することを含む。一部の実施形態において、加熱は、バイオマスの残部から油を分離して希薄マッシュを形成した後に実施する。一部の実施形態において、方法は、約摂氏105度から摂氏126度(105°〜126℃)の間の温度において希薄マッシュおよびバイオマス固体を含むマッシュを加熱することをさらに含む。一部の実施形態において、マッシュの加熱は、約摂氏105度から摂氏126度(105°〜126℃)の温度を、約5から10分間の間維持することを含む。一部の実施形態において、マッシュの加熱は、マッシュの温度を約摂氏105度から摂氏126度(105°〜126℃)の間に上昇させるために不十分である。一部の実施形態において、マッシュの加熱は、マッシュから汚染物質微生物をかなり低減させるために不十分である。
一部の実施形態において、発酵性炭素基質は、単糖、オリゴ糖、多糖、グルコース、スクロース、フルクトースの少なくとも1つ、またはそれらの組合せを含む。一部の実施形態において、発酵性炭素基質を産物アルコールに転化するように構成される組換え微生物は、ブタノールを産生するように構成される組換え微生物を含む。一部の実施形態において、ブタノールはイソブタノールを含む。一部の実施形態において、ブタノールは、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、イソブタノール、またはそれらの組合せを含む。一部の実施形態において、汚染物質微生物は、細菌汚染物質または野生型酵母を含む。
一部の実施形態において、汚染物質微生物の許容可能なレベルは、バイオマスを産物アルコールに転化するように構成される微生物と比較して汚染物質微生物の些少レベルである。一部の実施形態において、汚染物質微生物の許容可能なレベルは、汚染物質微生物を80パーセント(80%)以上有さない;90パーセント(90%)以上有さない、95パーセント(95%)以上有さない、または汚染物質微生物を有さず、もしくは実質的に有さないことの少なくとも1つを含む。
一部の実施形態において、方法は、発酵性炭素基質へのバイオマスの転化を支援し得る酵素によりバイオマスを処理することをさらに含む。実施形態において、処理は、加熱前のリパーゼによる処理を含む。一部の実施形態において、処理は、バイオマスを加熱してバイオマスを処理するために使用される酵素を脱活性化させることをさらに含む。一部の実施形態において、バイオマスの加熱は、摂氏約85度(85℃)に加熱して酵素を脱活性化させることを含む。一部の実施形態において、方法は、発酵前に、産物アルコールに発酵性炭素基質を転化するように構成される組換え微生物の繁殖の一部として実施する。
本開示は、発酵プロセスにおける副産物産生を制御する方法であって、原料を含むバイオマスから油または固体の少なくとも1つを分離すること(発酵産物を産生するための組換え微生物による消費のための発酵性炭素基質へのバイオマスの転化の一部としてバイオマスを加熱する);ならびに希薄マッシュを十分に高い温度に、および汚染を許容可能なレベルに最小化するために十分な持続時間加熱すること(希薄マッシュは、バイオマスから油および固体が除去された発酵性炭素基質を含む)を含む方法をさらに対象とする。一部の実施形態において、方法は、希薄マッシュに微生物を取り込むことをさらに含む。
一部の実施形態において、分離は、遠心分離機を利用して油およびバイオマス固体から希薄マッシュを分離することを含む。一部の実施形態において、バイオマスは、トウモロコシ穀粒、トウモロコシ穂軸、作物残渣、トウモロコシの皮、トウモロコシ茎葉、草、コムギ、ライムギ、コムギのわら、オオムギ、オオムギのわら、干し草、稲わら、スイッチグラス、古紙、サトウキビの絞りかす、ソルガム、サトウキビ、ダイズ、穀類、セルロース系材料、リグノセルロース系材料、樹木、枝、根、葉、木質チップ、おがくず、潅木および低木、野菜、果物、花、動物肥料の少なくとも1つ、またはそれらの組合せを含む。一部の実施形態において、発酵性炭素基質は、単糖、オリゴ糖、多糖、グルコース、スクロース、フルクトースの少なくとも1つ、またはそれらの組合せを含む。
一部の実施形態において、発酵性炭素基質へのバイオマスの転化の一部としての加熱は、約摂氏105度から摂氏126度(105°〜126℃)の間の温度において加熱することを含む。一部の実施形態において、発酵性炭素基質へのバイオマスの転化の一部としての加熱は、約摂氏105度から摂氏126度(105°〜126℃)の間を約5から10分間維持することを含む。一部の実施形態において、発酵性炭素基質へのバイオマスの転化の一部としての加熱は、バイオマスの温度を摂氏約121度(121℃)に上昇させるために不十分である。一部の実施形態において、発酵性炭素基質へのバイオマスの転化の一部としての加熱は、摂氏約85度(85℃)に加熱して転化において使用される酵素を脱活性化させることを含む。一部の実施形態において、希薄マッシュの加熱は、希薄マッシュを摂氏121度(121℃)において加熱することを含む。一部の実施形態において希薄マッシュの加熱は、希薄マッシュの温度を実質的に摂氏121度(121℃)の温度において約15分間維持することを含む。
一部の実施形態において、汚染は、発酵性炭素基質を消費するための微生物と競合し得る。一部の実施形態において、汚染は、酢酸または乳酸の少なくとも1つの産生と関連する。一部の実施形態において、汚染の許容可能なレベルは、発酵性炭素基質からの発酵副産物の産生が所定の比を満たすか、またはそれ未満のレベルを含む。一部の実施形態において、許容可能なレベルは、希薄マッシュから汚染物質を実質的に排除することを含む。
本開示はまた、発酵原料中の汚染を最小化する方法であって、バイオマスおよび水を含むマッシュを加熱してバイオマスを、発酵プロセスにおいて産物アルコールを産生するための微生物による消費に好適な発酵性炭素基質に転化すること;マッシュを加熱して発酵性炭素基質へのバイオマスの転化を支援するためにマッシュに添加される酵素を脱活性化させること;ならびにバイオマスからバイオマス固体および油が除去された発酵性炭素基質を含む希薄マッシュを十分に高い温度に、発酵性炭素基質を消費し、または微生物の産物アルコール産生を阻害し得る汚染物質微生物を最小化するために十分な持続時間加熱することを含み、マッシュの加熱および酵素を脱活性化させるためのマッシュの加熱は、マッシュから汚染物質微生物を効率的に最小化するために不十分な温度および/または時間である方法を対象とする。一部の実施形態において、マッシュの加熱は、約摂氏105度から摂氏126度(105°〜126℃)の間の温度において加熱することを含む。一部の実施形態において、マッシュの加熱は、約摂氏105度から摂氏126度(105°〜126℃)の間の温度を約5から10分間維持することを含む。一部の実施形態において、希薄マッシュの加熱は、希薄マッシュの温度を実質的に摂氏121度(121℃において約15分間維持することを含む。一部の実施形態において、脱活性化させるためのマッシュの加熱は、マッシュを摂氏約85度(85℃)に加熱することを含む。
一部の実施形態において、組換え微生物は、ブタノロジェンを含む。一部の実施形態において、ブタノロジェンは、イソブタノールを産生するように構成される。一部の実施形態において、汚染物質微生物は、エタノロジェンを含む。一部の実施形態において、汚染物質微生物は、酢酸または乳酸の発酵と関連する生物を含む。実施形態において、汚染物質微生物の最小化は、汚染物質微生物を汚染の許容可能なレベルに排除することを含む。一部の実施形態において、汚染の許容可能なレベルは、希薄マッシュ中の実質的に全ての汚染物質微生物を排除することを含む。一部の実施形態において、希薄マッシュの加熱は、希薄マッシュを十分な温度に加熱することを含む。
本開示はまた、現場産物回収(ISPR)系中の静的ミキサーを除染する方法であって、使用後にミキサー中に残留する発酵ブロスおよび抽出剤の1つ以上を除去することにより使用からミキサーをデインベントリーすること;冷凍抽出剤またはバイオマスから生成された抽出剤を含むスラッシュの少なくとも1つを生成すること;場合により、ミキサーの内部を水リンスによりリンスすること;ならびに冷凍抽出剤またはスラッシュの少なくとも1つをミキサーに通して流動させ、汚染物質を含有するミキサーの内表面に接触する冷凍抽出剤またはスラッシュの少なくとも1つの相互作用に起因して汚染物質を除去することを含む方法を対象とする。一部の実施形態において、流動は、冷凍抽出剤またはスラッシュの少なくとも1つを、液体が静的ミキサーの通常作動において流動する方向と逆方向に流動させることを含む。一部の実施形態において、方法は、抽出剤またはスラッシュを溶融させることにより、冷凍抽出剤またはスラッシュの少なくとも1つを除去することをさらに含む。実施形態において、方法は、冷凍COFAまたはスラッシュの少なくとも1つを流動させた後に静的ミキサーの内表面を水によりリンスすることをさらに含む。一部の実施形態において、方法は、冷凍COFAまたはスラッシュの少なくとも1つを塊状物として静的ミキサーに導入することをさらに含む。
本開示はまた、トウモロコシ油のトウモロコシ油脂肪酸(COFA)への転化における汚染を最小化する方法であって、(A)トウモロコシ油のCOFAへの転化前に酸化防止剤または抗菌剤の少なくとも1つをトウモロコシ油に導入すること;(B)酸化防止剤または抗菌剤の少なくとも1つの存在下でトウモロコシ油のCOFAへの転化を触媒し得る酵素をトウモロコシ油に導入すること;および(C)酵素および酸化防止剤または抗菌剤の少なくとも1つの存在下でトウモロコシ油をCOFAに転化することを含む方法を対象とする。一部の実施形態において、ステップAおよびBを同時に実施する。一部の実施形態において、酵素は、リパーゼを含む。
一部の実施形態において、方法は、COFA、酵素、および酸化防止剤または抗菌剤の少なくとも1つの混合物を加熱して酵素を脱活性化させることをさらに含む。一部の実施形態において、方法は、COFAを利用してCOFAから酸化防止剤または抗菌剤の少なくとも1つを除去せずに発酵ブロスから発酵産物を抽出することをさらに含む。
一部の実施形態において、発酵産物は、産物アルコールを含む。一部の実施形態において、産物アルコールは、ブタノールを含む。一部の実施形態において、ブタノールは、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、イソブタノールの少なくとも1つ、またはそれらの組合せを含む。
一部の実施形態において、抗菌剤は、生じるCOFAが汚染の許容可能なレベルを維持するためであるように十分な濃度でトウモロコシ油に導入する。一部の実施形態において、抗菌剤は、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含む。一部の実施形態において、抗菌剤は、グラム陽性およびグラム陰性細菌に対する抗菌活性を示すが、酵母をそれほど阻害しない。一部の実施形態において、抗菌剤は、ラクトバシラス属(Lactobacillus)に対する抗菌活性を示すが、サッカロマイセス属(Saccharomyces)をそれほど阻害しない。一部の実施形態において、抗菌剤は、トコフェロール、トコトリエノール、酸化防止活性を有するアミノ酸、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、他のアルキル化フェノール、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、エピガロカテキン(EGC)、没食子酸エピカテキン(ECG)、没食子酸、没食子酸エステル(例えば、没食子酸プロピル)、カルノソール、カルノシン酸、ウルソル酸、タンシェン(tanshen)I、ジヒドロタンシノン、タンシノンIIA、タンシノンIIB、ダンシェンキシンクンB、ペルオキシダーゼ酵素、固定化ボロヒドリド、ラスコルビン酸(Lascorbic acid)6−パルミテート、アントシアニジン、アントシアニン、エトキシキン、ターシャリーブチルヒドロキノン(TBHQ)の少なくとも1つ、またはそれらの組合せを含む。
本開示による別の方法において、方法は、発酵系の表面に付着する抽出剤を表面から除去するために十分な濃度のインターファクタント(interfactant)を含む溶液を生成すること;および溶液中の抽出剤の分散液を形成するために溶液を表面に施与してインターファクタントの相互作用に起因して表面から抽出剤を放出させること、および分散液を脱安定化させて抽出剤を別個の相として回収することを含む発酵ブロスから産物を回収するための抽出剤を実用する発酵系を除染するために使用可能である。一部の実施形態において、抽出剤は、酸化防止剤である。一実施形態において、十分な濃度は、不均一分散液を形成するために有効であるが、脱安定化後にブタノロジェンとの抽出剤の生物不適合を引き起こすために有効な濃度で含まれない。
さらなる実施形態において、脱安定化は、分散液の加熱、分散液のpHの調整、試薬の添加、抽出剤と溶液との間の界面張力を少なくとも施与前のものに実質的に回復させるための別のインターファクタントの添加、分散液の機械的脱安定化、遠心分離、合一、脱乳化、冷却の少なくとも1つ、またはそれらの組合せを含む。
実施形態において、インターファクタントは、水相中で混和性であり、抽出剤が溶液と分散液を形成するために十分に親油性である。一部の実施形態において、インターファクタントは、インターファクタントが脱安定化において第2の濃度において抽出剤中に存在するように抽出剤中に分配する。別の実施形態において、第2の濃度における抽出剤中のインターファクタントは、発酵ブロス中の組換え微生物と生物適合性である。例において、第2の濃度におけるインターファクタントは、インターファクタントなしの抽出剤と比較して抽出剤のブタノールについての親和性(例えば、Kd)を改善するために有効である。さらなる実施形態において、十分な濃度は、溶液中に含まれる抽出剤と水との間の界面に隣接して存在するために十分であるが、分散液が形成される場合にかなりの量で水中に取り込まれるインターファクタントをもたらさないインターファクタントの量である。実施形態において、その濃度におけるインターファクタントは、表面上の汚染物質微生物を生物学的に脱活性化させるために有効である。
一部の実施形態において、インターファクタントは、コリン塩を含む。例において、コリン塩は、クエン酸コリン、クエン酸コリン、水酸化コリン、ホスファチジルコリン、酒石酸塩、塩化コリン、酢酸コリン、コリン脂肪酸塩、オレイン酸コリン、ステアリン酸コリン、硫酸コリン、リン酸コリン、リノール酸コリン、イソ酪酸コリンの少なくとも1つ、またはそれらの組合せを含む。
実施形態において、分散液は、脱安定化において9以下のpHを有する。一部の実施形態において、溶液は、施与において約9以上のpHを有する。
実施形態において、施与は、脱安定化を行う第2の温度よりも低い第1の温度において実施する。一部の実施形態において、第1および第2の温度は、摂氏30度から摂氏100度(30°〜100℃)の範囲内である。一部の例において、第1および第2の温度は、少なくとも5度だけ異なる。
実施形態において、抽出剤は、トウモロコシ油脂肪酸(COFA)を含む。一部の実施形態において、施与は、溶液を表面上に噴霧することを含む。実施形態において、方法は、表面の苛性物質または酸洗浄の少なくとも1つを実施することをさらに含む。一部の実施形態において、施与における溶液のpHは、COFAについての約pKa以上である。
追加の実施形態において、インターファクタントは、尿素、アルキル尿素、第4級アンモニウム塩、ポリエーテルグリコール、Tergitol(商標)(Dow Chemical Company,Midland MI)、エトキシレート、トリアルキルホスフェート、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、短鎖ホスフェート、アルキルホスフェート、イソブチレート、架橋化合物、モノアルキルホスフェート、ジアルキルホスフェートの少なくとも1つ、またはそれらの組合せを含む。
実施形態において、設備の表面からトウモロコシ抽出剤を回収する方法は、第1の条件において、設備の表面に付着したトウモロコシ抽出剤との分散液を形成するために有効な濃度におけるインターファクタントを含む溶液を施与すること(濃度は、インターファクタントが水相中に存在し、トウモロコシ抽出剤と水相との間の界面に集団化するが、分散液が形成される場合、水相全体にそれほど存在しないように十分に高い);および分散液を脱安定化させて分散液を第1の条件と異なる第2の条件に調整することによりトウモロコシ抽出剤の分離可能な相の形成を引き起こすことを含む。
実施形態において、第1および第2の条件は、異なる温度、異なるpH;異なる濃度の別のインターファクタントの少なくとも1つ、またはそれらの組合せである。例において、第2の条件は、第1の条件における分散液の機械的脱安定化バージョン、第1の条件における分散剤の合一バージョン、第1の条件における分散液の脱乳化バージョンの少なくとも1つ、またはそれらの組合せに対応する。実施形態において、濃度は、分散液が均一溶液を含むように効率的に高い。一部の実施形態において、濃度は、不均一分散液を形成するために有効であるが、分散液が均一溶液を含むために十分に高い濃度でない。実用において、第2の条件は、分散液の加熱、分散液のpHの調整、試薬の添加、溶液の界面張力を実質的に回復させるための別のインターファクタントの添加、分散液の機械的脱安定化、遠心分離、合一、脱乳化、冷却の少なくとも1つ、またはそれらの組合せに対応する。
一部の実施形態において、インターファクタントは、親水性であり、トウモロコシ抽出剤が施与における溶液との分散液を形成するために十分に親油性である。例において、インターファクタントは、したがって、インターファクタントが脱安定化において第2の条件においてトウモロコシ抽出剤中に存在するようにトウモロコシ抽出剤中に分配する。一部の実施形態において、第2の相は、発酵ブロス中に存在する組換え微生物(例えば、ブタノロジェン)と生物適合性であり、第2の相は、トウモロコシ抽出剤および第2の濃度におけるインターファクタントを含む。実施形態において、第2の相中のトウモロコシ抽出剤およびインターファクタントは、トウモロコシ抽出剤よりも大きいブタノール分配係数(Kd)を有する。例において、施与における溶液のpHは、約9以上のpHである。
実施形態において、インターファクタントは、尿素、アルキル尿素、第4級アンモニウム塩、コリン塩、ポリエーテルグリコール、Tergitol(商標)(Dow Chemical Co.,Midland MI)、エトキシレート、トリエチルホスフェート、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、短鎖ホスフェート、アルキルホスフェート、架橋化合物の少なくとも1つ、またはそれらの組合せを含む。一部の実施形態において、短鎖は、2つ以下の炭素の鎖を含む。
一部の例において、トウモロコシ抽出剤を使用してトウモロコシに由来する発酵性炭素基質を含む発酵ブロスから発酵産物を回収した。さらなる実施形態において、分離は、溶液を加熱してトウモロコシ抽出剤を溶液中で不溶性にし、溶液からトウモロコシ抽出剤をデカントすることを含む。さらなる例において、第1の条件は、摂氏30度から摂氏100度(30〜100℃)の間の温度であり、第2の条件は、第1の温度よりも高く、摂氏30度から摂氏100度(30〜100℃)の間の範囲内の第2の温度である。
実施形態において、施与における溶液は、表面上に存在する微生物を生物学的に脱活性化させるために有効である。一部の実施形態において、方法は、溶液を再循環させて追加のトウモロコシ抽出剤を回収することを含む。一例において、トウモロコシ抽出剤は、トウモロコシ油脂肪酸(COFA)である。
本開示による実施形態において、抽出剤を実用して発酵ブロスから産物を回収する発酵系を除染する方法は、発酵系の表面に付着する抽出剤を表面から除去するために十分な濃度で可溶化剤を含む溶液を生成すること;抽出剤が溶液中に流入するように溶液を表面に施与して可溶化剤との相互作用に起因して抽出剤を表面から放出させること;および溶液を分離して抽出剤を回収することを含む。一部の実施形態において、十分な濃度は、抽出剤を含む溶液が均一溶液を含むように十分に高い。実施形態において、分離は、蒸留、蒸発の少なくとも1つ、またはそれらの組合せを含む。
例において、可溶化剤は、水相中で混和性であり、抽出剤を溶液に流入させるために十分に親油性である。一部の実施形態において、溶液は、施与において約9以上のpHを有する。例において、抽出剤は、トウモロコシ油脂肪酸(COFA)を含む。一部の実施形態において、施与における溶液のpHは、COFAについての約pKa以上である。
実施形態において、溶液は、酪酸、酢酸、イソ酪酸、イソアミルアルコール、ブタンジオール、サリチル酸、サリチル酸エステル、パラヒドロキシ安息香酸、パラヒドロキシ安息香酸エステルの少なくとも1つ、およびそれらの組合せを含む。
本発明の種々の実施形態を本明細書に記載してきた一方、それらは例としてのみ提示されるにすぎず、限定されるものではないことを理解すべきである。本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく形態および詳細の種々の変更をその中でなすことができることは、関連分野の当業者には明らかである。したがって、本発明の幅および範囲は、上記の例示的な実施形態のいずれによっても限定すべきでないが、特許請求の範囲およびその均等物によってのみ定義すべきである。
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付の図面は、本発明を説明し、詳細な説明と一緒に、本発明の原理を説明し、当業者が本発明を作製および使用することができるようにさらに機能する。
概要
発酵および蒸留プロセスは、種々の資源からの汚染に供される。汚染の資源の例としては、限定されるものではないが、バイオマス中の汚染物質、環境汚染物質(例えば、野生型微生物)、設備汚染、発酵材料汚染物質(例えば、酵母または細菌汚染物質)などが挙げられる。一部の例において、汚染は、意図される発酵産物の産生を阻害し、および/または発酵性炭素基質について意図される発酵産物を産生する微生物と競合する。例えば、ラクトバシラス属(lactobacillus)汚染物質から産生される乳酸は、そうでなければ微生物が利用可能な炭素基質を消費することによりブタノール産生を低減させ、ブタノロジェン微生物を阻害するか、または全滅させる、例えば、それらを生物学的に不活性にする乳酸を産生し得る。汚染を最小化するために顕著な試みが費やされることもあるが、プロセスおよびそのプロセスを実用する施設の効率全体を縮小させる汚染が生じ得ることがあり、および/または産物の汚染もしくは意図されない副産物の産生がもたられる。汚染は、収量損失、産物損失、発酵バッチの停止などをもたらす。
さらに、一部の汚染は、容認可能であり得る。それというのも、それは、意図されないかまたは少量で意図される一方、産生を最小化するよりも排除することが困難な副産物と関連するためである。例えば、エタノールを産生し得る微生物のエタノロジェンは、遺伝子組換え微生物によるブタノール産生を汚染し得、エタノール産生は意図されない一方、エタノロジェンを完全に除去する問題になり得る。例えば、この状況において、エタノール産生は、特定のレベル、例えば、費用対効果分析と関連するレベルに許容または容認され得るが、この量を超えると、それは排除すべき汚染物質であり得る。
発酵および蒸留設備の除染は問題である。典型的には、発酵および蒸留設備は、汚染され得る多数の管、容器(タンク)、複合機構(例えば、遠心分離機、蒸留塔、ブレンダー、ミキサー、加熱器、チラー、抽出設備)などを含む。汚染は、原料汚染などから連続発酵にわたり発酵設備中で蓄積し得る。発酵産物の発酵および分離は、複数の考慮事項および競合的優先度を有する複数ステップを有する。
連続発酵系(例えば、連続または準連続的に産物を発酵する発酵系)は、発酵ブロスが後続の発酵に再循環されるため、汚染に供され得る。汚染を最小化するための蒸留および/また発酵設備の分解は、中断時間を増加させ、非効率性をもたらすため、現実的ではない。
発酵設備の清浄は、困難であり得る。それというのも、清浄技術が意図されるプロセスに影響し、発酵産物(例えば、意図される発酵産物)を生成する微生物を阻害し、設備時間を消費し、強力な清浄溶液/材料を実用し、複数の問題(例えば、粒子状物質、有機物質、清浄配管、容器、複合機構の清浄)を含み、廃棄問題を生み、中断時間を増加させ、効率を減少させ得るなどのためである。例えば、化学物質、例えば、苛性物質は、汚染の排除には有利である一方、意図される発酵産物を産生する微生物を殺滅するか、または追加の清浄ステップなどを要求し得る。これらの問題は、連続または実質的に連続的に作動する発酵および蒸留設備について悪化し得る。それというのも、実施すべき清浄のための中断時間がほとんどないためである。例えば、燃料および特殊化学物質のためのアルコールの産生における使用のための発酵設備は、連続的にアルコールを産生するか、または複数のバッチを実用して実質的に連続的な産生を提供し得る。
蒸留設備は、除染するためには複雑または困難すぎることがある。例えば、蒸留塔は、成分がオンラインまたはオフラインで置かれるため、性能の縮小を示し、使用の間に規格外蒸留物産生を増加させ得る。他の問題としては、発酵または発酵産物流中への発酵産物の分離からの汚染物質の蒸留設備への導入が挙げられる。他の問題および考慮事項も存在する。衛生産生および効率的産生を維持しながら産生全体を平衡化することは、困難な作業である。
エタノール以外のアルコールの産生は、追加の汚染問題を有する。ブタノール発酵は、エタノール産生において顕著な問題を示さない微生物により汚染され得、例えば、エタノロジェンにより汚染される。エタノロジェンは、環境、例えば、隣接するエタノール発酵などに由来し得る。これらの汚染物質(例えば、エタノール産生酵母)は、ブタノールの発酵と競合するか、またはそれを阻害する。
ブタノールは、慣用のABEブタノール産生と比較して上昇した速度および高い濃度においてブタノールを産生するようにエンジニアリングされた遺伝子組換え微生物を使用して産生することができる。意図されない副産物であるか、または微量レベルにおいて許容可能な副産物であり得るエタノールの産生は、発酵性炭素基質材料についてブタノロジェンと競合し得る。他の汚染物質微生物、例えば、発酵において産生される酢酸または乳酸は、ブタノロジェンを阻害するか、またはさらには全滅させ得る。汚染は、ブタノール産生を縮小させ、副産物(例えば、好ましくない産物と比較した意図される副産物)の好ましくない比をもたらし得る。
ブタノロジェンおよび経路の例は、全て参照により全体として本明細書に組み込まれる米国特許第7,851,188号明細書;同第7,993,889号明細書;同第8,178,328号明細書;同第8,273,558号明細書;および同第8,283,144号明細書に記載されている。ブタノロジェンは、種々の経路を使用してブタノールを産生し得る。
したがって、発酵および蒸留プロセスおよび系における汚染を軽減し、最小化するか、または排除する方法、技術、アプローチ、系、および機器が記載される。これらの技術、アプローチ、設備などを使用し、定置清浄(CIP)清浄および/または定置滅菌(SIP)技術を使用し、蒸留および/または発酵設備の分解も再構成もなしで除染することができる。これらの技術は、単独で、または本明細書に記載の他のプロセス、アプローチ、技術など、または他の除染プロセスとの組合せで実用することができる。
本開示の主題をさらに理解するため、一般に実用される用語が以下の本明細書に記載される。以下の説明は、参照のために提供される。明らかであるべきとおり、その文書中のそれらの用語の1つ以上の使用またはコンテクストが、以降に記載されるものと異なる場合、その具体例の使用、理解、および/またはコンテクストが優先される。特に使用されない限り、用語は、当業者により理解されるその一般的な意味を実用する。
反する記載がない限り、「または」は、両立的な「または」を表し、排他的な「または」を表すものではない。例えば、以下のいずれか1つにより、条件A「または」Bが満足される:Aは真(または存在する)かつBは偽(または存在しない)、Aは偽(または存在しない)かつBは真(または存在する)、ならびにAおよびBの両方が真(または存在する)。
さらに、本発明の要素または成分の前の不定冠詞「a」および「an」は、要素または成分の例の数、例えば、出現に関して非制限的であることが意図される。したがって、「a」または「an」は、1つまたは少なくとも1つを含むとして読まれるべきであり、要素または成分の単数の語形は、数が単数であることを明確に意味しない限り、複数も含む。
用いられる本発明の成分、温度または反応物質の量を修飾する用語「約」は、例えば、標準的な産業的手法と一致する濃縮物または溶液を作製するために使用される典型的な計測および液体取扱手順を通して;それらの手順における偶発的な誤差を通して;組成物を作製するために、または方法を実施するために用いられる成分の製造または制御、資源、または純度の差異などを通して生じ得る数値的量の変動を指す。用語「約」は、特定の初期混合物から生じる組成物についての異なる平衡条件に起因して異なる量を包含し得る。用語「約」により修飾されようがされまいが、特許請求の範囲は、その量と均等なものを含む。一実施形態において、用語「約」は、報告される数値の10%以内、あるいは報告される数値の5%以内を意味する。
バイオマスは、発酵性糖を提供する加水分解可能な多糖、例として、天然資源、例えば、トウモロコシ、サトウキビ、コムギ、セルロースまたはリグノセルロース系材料、およびセルロース、ヘミセルロース、リグニン、デンプン、オリゴ糖、二糖、単糖を含む材料、ならびにそれらの混合物に由来する任意の糖およびデンプンを含む天然産物を指す。バイオマスは、追加の成分、例えば、タンパク質および/または脂質も含み得る。バイオマスは、単一資源に由来するか、または2つ以上の資源に由来する混合物を含み得、例えば、バイオマスは、トウモロコシ穂軸およびトウモロコシ茎葉の混合物、または草および葉の混合物を含み得る。バイオマスとしては、限定されるものではないが、バイオエネルギー作物、農業残渣、都市固形廃棄物、産業固形廃棄物、製紙からのスラッジ、庭ごみ、廃糖物、木材および森林廃棄物が挙げられる。バイオマスの例としては、限定されるものではないが、トウモロコシの穀粒、トウモロコシ穂軸、作物残渣、トウモロコシの皮、トウモロコシ茎葉、草、コムギ、ライムギ、コムギのわら、オオムギ、オオムギのわら、干し草、稲わら、スイッチグラス、古紙、サトウキビの絞りかす、ソルガム、ダイズ、ホエー、ホエー透過物、穀類の粉砕から得られる成分、セルロース系材料、リグノセルロース系材料、樹木、枝、根、葉、木質チップ、おがくず、潅木および低木、野菜、果物、花、動物肥料、およびそれらの混合物が挙げられる。例えば、マッシュ、絞り汁、糖蜜、または加水分解物を、発酵の目的のためのバイオマス加工の分野において公知の任意の加工、例えば、粉砕、処理、および/または液化によりによりバイオマスから形成することができる。例えば、トウモロコシは、湿式粉砕または乾式粉砕により加工し、続いて液化してマッシュを産生することができる。セルロースおよび/またはリグノセルロース系バイオマスを当分野において公知の任意の方法により加工して発酵性糖を含有する加水分解物を得ることができる(例えば、米国特許出願公開第2007/0031918号明細書参照;この内容全体は参照により本明細書に組み込まれる)。セルロースおよび/またはリグノセルロース系バイオマスの酵素的糖化は、セルロースおよびヘミセルロースを分解するための酵素共同体(例えば、セルラーゼ、キシラナーゼ、グルコシダーゼ、グルカナーゼ、リアーゼ)を使用して糖、例として、グルコース、キシロース、およびアラビノースを含有する加水分解物を産生する。セルロースおよび/またはリグノセルロース系バイオマスに好適な糖化酵素は、Lynd,et al.,(Microbiol.Mol.Biol.Rev.66:506−577,2002)に概説される。
ブタノールは、ブタノール異性体1−ブタノール(1−BuOH)、2−ブタノール(2−BuOH)、tert−ブタノール(t−BuOH)、および/またはイソブタノール(iBuOHまたはi−BuOH、2−メチル−1−プロパノールとしても公知)(個々に、またはそれらの組合せのいずれか)を指す。
発酵産物は、意図されないかまたは完全に意図される一方、発酵についての種々の因子、条件を考慮して一般に許容可能な微生物、例えば、細菌または酵母を使用する発酵プロセスにより生成される意図される産物および/または副産物を指す。発酵産物は、粗製油に由来する化学物質と構造的に同一であるが、例えば、汚染物質、例えば、硫黄または窒素化合物の存在または不存在に起因して同一構造を有する粗製油産物から区別可能であり得る。発酵産物の例としては、限定されるものではないが、アルコールまたは産物アルコール、例えば、ブタノールが挙げられる。実施形態において、再生可能資源から「生物産生」される発酵産物(例えば、ブタノール)は、14C/12Cの同位体比に基づき粗製油産生産物から区別することができる。1:0から0:1超の範囲内の14C/12Cの同位体比は、発酵プロセスから産生される生物産生分子を示す一方、0:1の比は、分子が化石由来であることを示す。
蒸留産物は、蒸留プロセスの産物を指す。例えば、発酵産物を蒸留して意図される材料をそれが混合される副産物または他の材料から分離または排除する。現場産物取出(ISPR)を使用して発酵ブロスから抽出されたブタノールの蒸留を使用して他の副産物、例えば、エタノールからブタノールを分離することができる。したがって、蒸留産物は、蒸留によりさらに加工された発酵産物を指し得る。
アルコールおよび/または産物アルコールは、発酵性炭素基質の資源としてバイオマスを利用する発酵プロセスにおいて微生物により産生することができるアルコールを指す。産物アルコールとしては、限定されるものではないが、C1からC8アルキルアルコールが挙げられる。一部の実施形態において、産物アルコールは、C2からC8アルキルアルコールである。他の実施形態において、産物アルコールは、C2からC5アルキルアルコールである。C1からC8アルキルアルコールとしては、限定されるものではないが、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、およびペンタノールが挙げられることが認識される。同様に、C2からC8アルキルアルコールとしては、限定されるものではないが、エタノール、プロパノール、ブタノール、およびペンタノールが挙げられる。一部の実施形態において、産物アルコールとしては、フーゼルアルコール(またはフーゼル油)を挙げることもできる。
現場産物取出(ISPR)は、発酵産物を取り出すための生物学的プロセス、例えば、水を含むブロス中で生じる発酵からの発酵産物の取出を指す。ISPRを使用して産物が産生される生物学的プロセス中の発酵産物濃度を制御し、例えば、発酵ブロスから発酵産物を取り出してブロス中のその濃度を低減させることができる。ISPRを使用してさらなる濃縮および/または精製のために発酵産物を取り出すことができる。
発酵性炭素基質は、発酵産物、例えば、アルコールの産生のための微生物により代謝可能な炭素源を指す。好適な発酵性炭素源としては、限定されるものではないが、単糖、例えば、グルコースまたはフルクトース;二糖、例えば、ラクトースまたはスクロース;オリゴ糖;多糖、例えば、デンプンまたはセルロース;C5糖、例えば、キシロースおよびアラビノース;1炭素基質、例として、メタン;アミノ酸、およびそれらの混合物が挙げられる。
原料は、発酵プロセス中のフィードを指し、フィードは、未溶解固体を有するか、または有さない発酵性炭素源を含有し、適用可能である場合、フィードは、さらなる加工により、例えば、液化、糖化、または他のプロセスにより発酵性炭素源がデンプンから遊離され、または複合糖の加水分解から得られる前または後の発酵性炭素基質を含有する。原料は、バイオマスを含み、またはそれに由来する。好適な原料としては、限定されるものではないが、ライムギ、コムギ、トウモロコシ、トウモロコシマッシュ、キビ、キビマッシュ、オオムギ、セルロース系材料、リグノセルロース系材料、またはそれらの混合物が挙げられる。
最小化は、不所望な発酵産物を産生する、または容認可能もしくは許容可能なレベルを超える程度にそれを行う材料または汚染物質、例えば、生物学的に活性な汚染物質、例えば、微生物、例えば、細菌の量の低減を指す。例えば、発酵ブロス中のエタノールの産生は所定レベルまで許容される一方、エタノロジェンを排除するか、または全滅させて産生されるエタノールの量を低減させて所定レベルを達成するか、またはその達成を試みることができる。一部の例において、最小化は、わずかな天然の、多量であるには不十分、などのレベルへの材料または汚染物質の排除、実質的排除をもたらす。
許容可能なレベルは、特定の状況または一定の環境、例えば、条件を考慮して許容可能な閾値などのレベルを指す。一部の例において、許容可能なレベルは、低減される物または状態の排除または実質的な排除をもたらす。例えば、エタノロジェンによる汚染の許容可能なレベルは、一定の条件下でブタノールの発酵に有害な生物による汚染の許容可能なレベルよりも高いことがある。何が許容可能なレベルであるか、どのレベルが物または状態の排除または実質的な排除と関連するのかの決定において種々の因子を考慮することができる。
糖は、オリゴ糖、二糖、単糖、および/またはそれらの混合物を指す。糖類としては、限定されるものではないが、炭水化物、例として、デンプン、デキストラン、グリコーゲン、セルロース、ペントサン、および糖が挙げられる。
発酵ブロスは、水、糖、固体(溶解または未溶解を問わない)、発酵産物(例えば、産物アルコール)を産生し得る微生物、および他の構成要素の1つ以上の混合物を指す。実施形態において、発酵ブロスは、存在する微生物による糖のアルコール、水、および二酸化炭素(CO2)への反応により産物アルコールが作製されている発酵槽中に保持され、および/または発酵槽を通り循環される材料を指す。
抽出剤は、発酵産物(例えば、産物アルコール、例えば、ブタノール)を抽出、例えば、分離するために使用される溶媒を指す。一部の実用における抽出剤は、再生可能資源、例えば、バイオマスから生成される有機溶媒である。例えば、トウモロコシ油脂肪酸(COFA)を、発酵ブロスからブタノールを取り出すための抽出剤として使用することができる。当業者は、COFAは、他の生物由来脂肪酸と同様、種々の量の追加の成分、例えば、未転化トウモロコシ油、脂肪酸ブチルエステル(FABE)などを含み得ることを認識すべきである。実施形態において、抽出剤は、水非混和性抽出剤である。
脂肪酸は、飽和または不飽和のいずれかであるC4からC28炭素原子(一般に、C12からC24炭素原子)を有するカルボン酸(例えば、脂肪族モノカルボン酸)を指す。脂肪酸は、分枝鎖であっても非分枝鎖であってもよい。脂肪酸は、動物または植物性脂肪、油、またはワックスに由来するか、またはそれにエステル化形態で含有され得る。脂肪酸は、脂肪および脂肪油中のグリセリドの形態で天然に生じ得、または脂肪の加水分解により、もしくは合成により得ることができる。脂肪酸という用語は、脂肪酸の単一化学種または組合せを説明し得る。
プロセス溶媒流は、溶媒を含む発酵系内の任意の流を指す。一例として、プロセス溶媒流は、抽出剤、例えば、COFAを含む流であり得る。別の例として、プロセス溶媒流は、産物アルコール、例えば、ブタノールを含み得る発酵槽からの流であり得る。プロセス溶媒流は、それが発酵および/または蒸留系中に局在する場所に起因して加熱することができる(例えば、抽出剤蒸留塔の塔底から戻るリーン抽出剤流は、蒸留プロセスに起因して加熱することができる)。
したがって、定置清浄(CIP)および/または定置滅菌(SIP)除染の1つ以上を実施するための技術、プロセス、アプローチ、系、設備、および装置が目下より詳細に記載される。特定の技術、プロセス、アプローチ、系、設備、または装置が、本開示の一態様に関して記載されるが、その原理は本明細書に開示の別のCIPまたはSIP技術に適用可能である。例えば、溶液の加熱がISPR系の現場清浄に関して記載されるが、清浄溶液の加熱を他のCIPまたはSIPプロセスにおいて使用して溶解度を増加させ、CIPまたはSIP技術の効力を増加させることなどができる。
見出しは、読者の便宜のためにのみ提供され、本開示を限定するものとしても、部分に分割するものとしても解釈すべきでない。除染方法、装置、系、および機器は、発酵および/または蒸留設備および手順の概説の提供とともに記載される。ブタノール産生が記載されるが、他の発酵および蒸留プロセスおよび系構成が本明細書に記載の原理から利益を受け得ることが認識されるべきである。したがって、本開示の原理は、他の系、例えば、他の発酵系、蒸留系により実用することができる。系、装置、機器、および設備の例が記載および説明される一方(例えば、図1の発酵および蒸留系)、それらは、例の目的のためにのみ含まれる。本開示の範囲から逸脱せずに改変、追加、排除を行うことができることは明らかである。明らかなとおり、種々の因子が本明細書に記載の原理の実用に影響し得る。
本開示は、単独で、または一般的な施設との組合せで実用することができる発酵および/または蒸留系および下位系の実施形態を指すことがある。施設は、専用の場所におけるアルコール産生施設であり得、またはそれは、別の系、例えば、別の発酵/蒸留プロセス、精錬、燃料貯蔵庫、協同組合(例えば、農業協同組合)、食料産生施設などと場所を共有し得る。これらの他の発酵/蒸留系は、同一のタイプ(例えば、同一または類似のタイプの発酵産物を産生する別の産生ライン)または異なる発酵産物を産生する別の産生ラインのもの、例えば、エタノールおよびブタノールを産生する施設であり得る。上記の例において、ブタノール産生ラインは、例えば、ブタノールを産生するように発酵または蒸留系を改変することにより組み込まれたエタノール産生ラインであり得る。
図1は、発酵によりブタノールを産生するように構成されるブタノール産生施設100の一例を説明する。説明されるとおり、施設は、発酵系102および蒸留系104を含む。実施形態において、発酵系および蒸留系102、104を含む施設100は、発酵性炭素基質をブタノールに転化することによりブタノールを生成するためにブタノロジェンを使用してブタノールを産生するように構成される。
ブタノロジェンの例としては、限定されるものではないが、ブタノールを産生するように遺伝子組換えされた微生物が挙げられる。好適な微生物としては、限定されるものではないが、クロストリジウム属(Clostridium)、ザイモモナス属(Zymomonas)、エシェリキア属(Escherichia)、サルモネラ属(Salmonella)、セラチア属(Serratia)、エルウイニア属(Erwinia)、クレブシエラ属(Klebsiella)、赤痢菌属(Shigella)、ロドコッカス属(Rhodococcus)、シュードモナス属(Pseudomonas)、バシラス属(Bacillus)、ラクトバシラス属(Lactobacillus)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、アルカリゲネス属(Alcaligenes)、クレブシエラ属(Klebsiella)、パエニバシラス属(Paenibacillus)、アルスロバクター属(Arthrobacter)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、ブレビバクテリウム属(Brevibacterium)、シゾサッカロマイセス属(Schizosaccharomyces)、クルイベロマイセス属(Kluyveromyces)、ヤロウイア属(Yarrowia)、ピヒア属(Pichia)、ジゴサッカロマイセス属(Zygosaccharomyces)、デバリオマイセス属(Debaryomyces)カンジダ属(Candida)、ブレタノマイセス属(Brettanomyces)、パキソレン属(Pachysolen)、ハンゼヌラ属(Hansenula)、イッサトケンキア属(Issatchenkia)、トリコスポロン属(Trichosporon)、ヤマダジマ属(Yamadazyma)、またはサッカロマイセス属(Saccharomyces)のメンバーが挙げられる。実施形態において、組換え微生物は、大腸菌(Escherichia coli)、アルカリジェンス・ユートロフス(Alcaligenes eutrophus)、バシラス・リケニフォニス(Bacillus lichenifonnis)、ペニバシラス・マセランス(Paenibacillus macerans)、ロドコッカス・エリスロポリス(Rhodococcus erythropolis)、シュードモナス・プティダ( Pseudomonas putida)、ラクトバシラス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、エンテロコッカス・ガリナリウム(Enterococcus gallinarium)、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、バシラス・スブチリス(Bacillus subtilis)、カンジダ・ソノレンシス(Candida sonorensis)、カンジダ・メタノソルボサ(Candida methanosorbosa)、クルイベロマイセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)、クルイベロマイセス・マルキシアヌス(Kluyveromyces marxianus)、クルイベロマイセス・サーモトベランス(Kluyveromyces thermotolerans)、イッサトケンキア・オリエンタリス(Issatchenkia orientalis)、デバリオマイセス・ハンセニイ(Debaryomyces hansenii)、および出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)からなる群から選択される。実施形態において、組換え微生物は、酵母である。実施形態において、組換え微生物は、サッカロマイセス属(Saccharomyces)、ジゴサッカロマイセス属(Zygosaccharomyces)、シゾサッカロマイセス属(Schizosaccharomyces)、デッケラ属(Dekkera)、トルロプシス属(Torulopsis)、ブレタノマイセス属(Brettanomyces)、およびカンジダ属(Candida)の一部の種から選択されるクラブトリー陽性酵母である。クラブトリー陽性酵母の種としては、限定されるものではないが、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロマイセス・クルイベリ(Saccharomyces kluyveri)、シゾサッカロマイセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、サッカロマイセス・バイアヌス(Saccharomyces bayanus)、サッカロマイセス・ミキタエ(Saccharomyces mikitae)、サッカロマイセス・パラドキスス(Saccharomyces paradoxus)、サッカロマイセス・ウバルム(Saccharomyces uvarum)、サッカロマイセス・カステリ(Saccharomyces castelli)、サッカロマイセス・クルイベリ(Saccharomyces kluyveri)、ジゴサッカロマイセス・ルーキシィ(Zygosaccharomyces rouxii)、ジゴサッカロマイセス・バイリ(Zygosaccharomyces bailli)およびカンジダ・グラブラタ(Candida glabrata)が挙げられる。微生物の組合せを使用することもできる。
図1、2Aおよび2Bを参照すると、実施形態において、発酵産物の産生は、バイオマスを加工してそれを発酵性炭素基質に転化することから開始する。バイオマスは、液化および/または糖化の一部として粉砕または粉末化して微生物により発酵可能なマッシュ(例えば、濃厚マッシュ)を形成する。液化ユニット106は、バイオマススラリーを作出し得、それに水を添加するか、または液化の一部として水を添加する。実施形態において、液化は、スラリーまたはマッシュを摂氏約85から95度(85°〜95℃)に約2時間加熱することを含む。例えば、液化ユニット106または液化ユニット106と関連する容器中で、例えば、液化タンクは、1つ以上の加熱器108を含む。加熱器108は、液化を支援し、スラリーを加熱して汚染を最小化または排除などするように構成することができる。マッシュは、未溶解バイオマス固体を、溶解部分、例えば、糖、デンプンとともに水溶液中に含み得る。添加剤(例えば、酵素、酸化防止剤、抗菌剤、抗生物質、pH調整用の酸/塩基)などを粉砕バイオマス/マッシュに添加してその発酵性炭素基質への転化を支援する。
発酵系102は、酵素、他の添加剤などを取り込むために適切な設備を含み得る。例えば、発酵系102は、例えば、液化タンク中で水、酵素を有するマッシュにトウモロコシを粉末化し、マッシュを加熱してバイオマスを種々のデンプンおよび/または糖に転化するように構成される。他の液化プロセスは、バイオマス処理のための酸プロセス、酵素プロセス(例えば、アルファ−アミラーゼ)、または酸−酵素プロセスなどを含む。発酵系102は、1つ以上の液化プロセスを実施するために適切な設備を含み得る。追加のプロセスを実用してマッシュを発酵に好適にすることができる。実施形態において、液化ユニットは、バイオマスを同時糖化発酵(SSF)に供するように構成される。
分離器110を発酵系102中に含めて互いからマッシュの一部を分離することができる。実施形態において、異なる比重を有する2つの液体を固体から分離するように構成される装置の3相分離器(例えば、Flottweg SE(Vilsbiburg,Germany)により製造されるTricanter)は、マッシュを有機相、水相(溶解有機物を含み得る)、および固体に分離するように構成される。油および固体は、希薄マッシュから異なる流に分離することができる。一部の実施形態において、発酵系は、分離前にマッシュを処理するように構成される。例えば、液化タンク中で、例えば、酵素、他の添加剤などをマッシュに添加して分離前に成分に化学変換を受けさせる。例えば、リパーゼをマッシュに添加してトウモロコシ油をトウモロコシ油脂肪酸(COFA、カルボン酸の混合物であり得る)に転化することができる。他の実施形態において、発酵系は、マッシュからトウモロコシ油を分離し、リパーゼを取り込んで油をCOFAに転化するように構成される。
実施形態において、分離器110、例えば、Tricanterは、摂氏約85度(85℃)において加熱しながら約2から3時間作動する。トウモロコシがバイオマスとして使用される実施形態において、トウモロコシ油は、原料の調製の間に産生することもできる。トウモロコシ油は、トリグリセリド、遊離脂肪酸、ジグリセリド、モノグリセリド、およびリン脂質を含有し得、それらは、発酵プロセスの副産物または副生物(例えば、動物飼料)に添加し、発酵ブロスから発酵産物を抽出するための抽出剤として使用し、生じる副産物中のそれらの成分の量を変動させる能力を作出することができる。例えば、固体副産物の脂肪含有量の制御は、高脂肪産物と比較して乳牛の飼料必要性により良好に適する低脂肪、高タンパク質の動物飼料を生じさせ得る。
他の分離技術としては、限定されるものではないが、マッシュの成分を分離するためのデカンティング、遠心分離、濾過、膜濾過などが挙げられる。追加の分離技術としては、限定されるものではないが、デカンターボウル遠心分離、3相遠心分離、ディスクスタック遠心分離、濾過遠心分離、デカンター遠心分離、濾過、真空濾過、ベルトフィルター、加圧濾過、スクリーンを使用する濾過、スクリーン分離、グレーティング、多孔グレーティング、フローテーション、液体遠心分離、フィルタープレス、スクリュープレス、重力セトラー、ボルテックス分離器、またはそれらの組合せが挙げられる。固体または固体の少なくとも一部は、設計の優先性に基づき先行または後続のステップにおいて濾過または篩分けすることができる。例えば、大きい固体は、遠心分離機の実用前に最初に篩分けまたは沈降させてマッシュから油を分離する遠心分離機の能力を増加させる。実施形態において、それらの分離プロセスの1つ以上を実施するように構成される装置、例えば、分離器110は、発酵槽112と液化ユニット106との間に含める。発酵系は、個々の分離器が維持、除染のためにオフラインにして区別されるステップにおける分離を可能とし得るように複数の分離器(例えば、並列または直列に配置)を含み得ることなどが明らかであるべきである。
実施形態において、ユニット(例えば、分離器)の数および/または作動は、十分な発酵/蒸留産物産生を確保する一方、設備投資を最小化するように構成される。実施形態において、発酵または蒸留系中の1つ以上のユニットは、清浄機能と比較した作動産生の特定の比を維持するように構成される。実施形態において、清浄作動は、清浄と関連する作動の75パーセント(75%)未満に維持する。
発酵系102は、さらなる加工のために固体、希薄ブロス、およびバイオマスからの任意の油を移送するための配管および設備を含み得る。これは、設備、例えば、分離器110に入り、および/またはそれから出る配管中に弁および/またはブラインドを設置することにより達成することができる。追加の弁を含めて設備をバイパスさせ、固体を除去し、油を除去し、溶液(例えば、清浄溶液)を添加/除去し、副生物を除去することなどができる。
希薄マッシュは、水中で溶解するバイオマスからの糖および/またはデンプンを含み得る。希薄マッシュは、バイオマスからの油または固体の1つ以上が除去されたマッシュと称することもできる。希薄マッシュは、例えば、発酵のために発酵槽112(例えば、撹拌器、加熱器などを含み得る発酵容器)に移送する。実施形態において、分離器110は、希薄マッシュを発酵槽112に移送するために十分である一方、他の実施形態においてはポンプを含めて希薄マッシュを発酵槽に移送する。
図2Bを参照すると、実施形態において、発酵系102は、発酵産物を産生する微生物を繁殖または増殖させるために使用される繁殖容器またはタンク214(例えば、プロップタンク(prop tank))を含む。プロップタンクおよび関連する繁殖プロセスは、微生物(例えば、酵母)の再水和、発酵のための微生物の条件設定、微生物のサイズおよび/または数の増加、ならびにそうでなければ発酵のための微生物の調製の1つ以上を行うために実用することができる。例えば、この実施形態において、発酵系102は、希薄マッシュの少なくとも一部をプロップタンク214に移送して発酵槽112への希薄マッシュおよび微生物の混合物の添加前に微生物を増殖させるように構成される。希薄マッシュの残りの部分は、発酵槽112に移送することができる。他の実施形態において、希薄マッシュまたは残りの希薄マッシュの一部は、例えば、プロップタンク214からの微生物をリンスするためにプロップタンク214に通して移動させる。希薄マッシュは、実用において発酵槽112に直接移送することができることが明らかであるべきである。
発酵系102は、発酵プロセスにおける1つ以上のステップをモニタリングして産生全体をモニタリングするための1つ以上のモニタリング系を含み得る。例えば、希薄マッシュを3相分離器から発酵槽112に移送するように構成される配管とインラインで位置するモニタリング装置を使用して希薄マッシュが固体を含むか否かをモニタリングする。モニタリング装置は、モニタリングされている材料の物理的特性または化学的特性を検出し得る。例えば、ビデオカメラを含めて希薄マッシュ中の固体粒子を検出する。
他の実施形態において、モニタリング装置は、汚染物質または汚染物質の存在と関連する材料(例えば、汚染物質の推定検出)の存在をモニタリングする。例えば、これらの実施形態において、1つ以上の除染手順は、汚染物質の存在、汚染物質と関連するかしないかを問わない不純物の存在、所定の閾値を満たすか、または超過する1つ以上の汚染物質、不純物の少なくとも1つの検出に基づく決定に応答して開始することができる。1つ以上の除染手順は、例えば、1つ以上の汚染物質が所定閾値未満である検出または汚染物質の非検出に応答して、例えば、所定の清浄閾値が達成されたという決定がなされるまで実施することができる。他の実施形態において、1つ以上の除染手順は、決定に応答して所定の回数実施する。認識されるべきとおり、汚染のモニタリングおよび/または除染の開始のために実用される方法および系は、部分的には、コンピュータシステムに1つ以上のステップを実施させるように作動可能なコンピュータ実行可能命令により使用可能となるコンピュータシステムおよび/またはコンピュータにより実行される方法を実用することができる。本開示によるコンピュータ実行可能命令は、種々の形態、例として、限定されるものではないが、ソフトウェア、ファームウェア、特定用途向け集積回路(ASIC)、一時的でない有形の媒体、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、ハードドライブ、光学ドライブ、磁気媒体などで具体化することができる。
装置をモニタリングする別の例としては、流動を計測するために使用される密度計が挙げられる。後者の一例は、ブタノール発酵系中のエタノールの存在を探索する赤外線モニターである。化学的検出アプローチの他の例としては、系性能、産物品質、不純物などをモニタリングするためのガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、質量分析などが挙げられる。モニタリング装置は、系の種々の地点、例えば、発酵系または蒸留系102、104において含めることができる。
分離器110により除去される固相は、「ウェットケーキ」と称されることもある。ウェットケーキをさらに加工して残留糖、水、または他の材料を除去することができる。一例として、ウェットケーキを水により洗浄してウェットケーキ中に存在する追加の糖(例えば、オリゴ糖)または油を回収する。回収される糖およびこれを取り出すために使用される水は、例えば、追加の糖資源として液化ユニット102に再循環させてスラリーまたはマッシュなどを生成することができる。ウェットケーキは、動物飼料、抽出油、または他の好適な副生物にさらに加工することができる。実施形態において、原料スラリーの分離は、油流も産生し得る。ウェットケーキ加工を記載する例は、内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2012/0164302号明細書およびPCT国際公開2012/173660号パンフレットに見い出すことができる。簡易性のため、ウェットケーキを加工するために好適な設備を、固相加工系116として説明する。本開示による固相加工系116は、ウェットケーキを加工して有用な材料を得、固体を有用な産物、例えば、動物飼料または飼料サプリメントに変換するための種々の施設、下位系などを含み得る。明らかなとおり、発酵系および蒸留系102、104の他の部分は、固相加工系116中にフィードすることができる。例えば、サイドストリッパー142は、ルッター水(lutter water)/サイドストリッパー塔底流を加工系にフィードしてウェットケーキの加工を容易にし得る。
マッシュまたはマッシュからのスラリーからの固体の除去は、いくつかの利益を有し得る。例えば、固体の除去は、固体が抽出剤、発酵産物(例えば、産物アルコール)または発酵において使用される微生物により汚染されるのを防止する。これは、動物飼料などのためのそれらの固体の加工を簡易化し得る。固体の除去は、後続の加工ステップ、例えば、発酵/蒸留についての利益も受け得る。例えば、固体の除去は、現場産物取出(ISPR)を通した発酵産物、例えば、産物アルコールの取出を容易にし得、微生物の再循環も可能とし得る。バイオマスの初期加工を記載してきたが、マッシュ(例えば、希薄マッシュ)中の汚染を最小化するためのアプローチが目下記載される。
マッシュの熱処理
上記のとおり、バイオマス、初期加工ステップ、または設備の1つ以上は、意図される発酵産物、例えば、ブタノールを産生する微生物を阻害するか、またはそれと競合し得る汚染物質を導入し得る。例えば、バイオマスは、エタノールを産生し得る酵母と接触し得る。これらのエタノロジェンは、主原因でないとしても、ブタノール発酵の間に発酵性炭素基質についてブタノロジェンと競合し得る。汚染物質は、そうでなければ発酵産物の産生に利用可能な発酵性炭素基質を消費することにより意図される発酵産物(例えば、ブタノール)を低減させ得る。例えば、汚染、例えば、エタノロジェン汚染を許容可能なレベルを超えることを許容すると、許容可能なレベルを超える副産物産生(例えば、エタノール産生)が生じ得、それがブタノール産生と比較してより多くのエタノール産生をもたらす。エタノールは、一部の例において、許容可能な副産物であり得るが、他の例において、許容可能なレベルは些少レベルまたは量、エタノールなし、または実質的にエタノールなしに対応する。
一部の例において、汚染物質は、意図される発酵産物産生を阻害し得る意図されない発酵産物(例えば、酢酸、乳酸)を産生する。意図される発酵産物を生成する微生物がpH感受性であり、汚染物質が酸性材料を産生し、汚染物質が例えば、産物アルコールと反応する不純物を産生して副生物などを産生するため、阻害が生じ得る。この阻害傾向は、そうでなければ産物アルコールの発酵に利用可能な発酵性炭素基質の消費に追加され得るものである。
実施形態において、汚染物質は、目的のために含まれたが、もはや後続の加工に関連しない材料を含む。例えば、バイオマスを発酵性炭素基質に転化するために使用される酵素は、その酵素が活性であるか脱活性化されたかを問わず、後の発酵プロセスを汚染し得る。
認識されるとおり、生物学的に活性な汚染物質が導入されたら、それは初期加工の間に繁殖し得る。例えば、汚染物質は、液化ユニット106、分離器110、他の機械、容器、配管などの中で集団で増殖および/または増加し得る。
マッシュ(希薄か否かを問わない)の温度を上昇させるが、汚染物質を低減または排除するためには不十分に上昇させる例は、設備またはマッシュ自体中の汚染物質濃度を増加させ得る。例えば、スラリーまたはマッシュの加熱は、加熱前のその温度と比較して汚染物質微生物増殖に好ましい環境を作出し得る。上記の例において、加熱器、例えば、ジェットクッカーは、マッシュまたはスラリーを摂氏85度からまたは摂氏約105度(85〜105℃)の間の温度において5から10分間の間加熱し得る一方、この温度における加熱は、汚染物質を最小化するか、排除するか、または実質的に排除するために不十分である。この加熱は、種々の理由、例として、限定されるものではないが、その温度を汚染物質を全滅するために十分な温度に上昇し得ない、またはそれが有効な温度を十分な時間維持し得ないことのため、汚染物質をかなり最小化するか、または排除するために不十分であり得る。
対照的に、マッシュを十分な温度に十分な時間(121℃で15分間)加熱することは、汚染物質の数をブタノール産生についての許容可能なレベルに効率的に低減させ得る。例えば、トウモロコシ油から転化されたCOFAを含むマッシュを121℃または約121℃において15分間加熱することは、トウモロコシ油をCOFAに転化するために使用される酵素、例えば、リパーゼを脱活性化し、および/またはマッシュ(希薄か否かを問わない)中に存在し得るエタノロジェンを排除するために十分であり得る。さらに、マッシュを121℃において15分間加熱することは、存在し得る他の微生物の数をブタノール発酵のために十分に少ない数に低減させるために十分であり得る。
エタノール発酵とは対照的に、ブタノール発酵は、エタノール発酵においては問題でない汚染がブタノール産生について問題、例えば、エタノロジェンを有するため、より高い衛生基準を実用する。例えば、華氏160度(160°Fまたは約71.1℃)の温度の維持がエタノール産生について清浄とみなされる一方、ブタノール発酵、例えば、マッシュおよび/またはブロスについては十分に衛生的でないことがある。
マッシュ汚染を含むブタノールの発酵産生は、実施形態において、1グラムまたはミリリットル当たり1×102から1×104の範囲の生物学的に活性な汚染物質のオーダーの汚染カウントの範囲内で実施する。例えば、希薄マッシュは、マッシュ/ブロスの1グラムまたはミリリットル当たり1×103個の微生物の汚染物質微生物カウントを有する(ブロスが1ミリリットル当たり約1グラムの密度を有することを想定)。これと比較して、エタノール清浄は、1ミリリットル当たり1×105個の微生物汚染物質カウントのオーダーであり得る。したがって、ブタノールマッシュおよび/または発酵ブロスは、エタノール産生に典型的には許容可能なものよりも1グラム当たり10から1000個少ない微生物を有し得る。実施形態において、希薄マッシュまたは発酵ブロス(発酵の開始時)の1つ以上は、エタノール産生のためのものよりも100倍少ない汚染物質微生物を有する。
明らかであるべきとおり、微生物(例えば、ブタノロジェン)は、他のものよりも一部の生物学的に活性な汚染物質(およびそれらの関連不純物)に感受性であり得る。例えば、一部の微生物は、他の生物学的に活性な汚染物質よりも一部の汚染物質(およびそれらの関連不純物)に感受性である。例えば、ラクトバシラス属(lactobacillus)により産生される乳酸は、他の不純物/汚染物質よりも毒性であり得る。したがって、ある微生物汚染物質(例えば、ラクトバシラス属(lactobacillus)、コリフォーム細菌)についての衛生レベルは、他のもの(エタノロジェン)よりも高い。結果として、ラクトバシラス属(lactobacillus)による汚染の許容可能なレベルは、他の汚染物質、例えば、エタノロジェン(例えば、1グラム当たり1×104)などよりも低く、または顕著に低いことがある(例えば、1グラム当たり1×103または1×102のカウント)。
ブタノール発酵手順は、生物学的に活性な汚染物質により感受性であり得る(およびしたがって、より高い衛生閾値を有する)。それというのも、より多い潜在的な汚染物質(例えば、ほとんどの環境中で見出される微生物)は、エタノロジェンであり、それは、それらがエタノール産生を増加させる傾向を示すためにエタノール産生において問題ではないためである。これらの同一のエタノロジェン汚染物質は、ブタノール発酵ブロス中に含まれる場合、エタノール産生を優先してブタノール産生を低減させる傾向を示す。対照的に、マッシュを時間または温度(例えば、121℃超で15分間)の1つ以上で集中的に加熱することは、デンプン老化をもたらし得、それは糖への転化に利用可能なデンプンの全体量を低減させる。それというのも、デンプンは、発酵性炭素基質に転化可能でない形態に老化されたためである。
許容可能なレベルの例としては、限定されるものではないが、汚染物質を80パーセント(80%)超有さない;90パーセント(90%)以上有さない、95パーセント(95%)以上有さない、99パーセント(99%)以上有さない、99.9パーセント(99.9%)以上有さない、または汚染物質を有さず、もしくは実質的に有さないことが挙げられる。実施形態において、汚染の許容可能なレベルは、発酵による副産物産生が所定の比を満たし、もしくはそれ未満であり、および/または汚染物質により消費される基質の量が所定の値未満になるように選択される。許容可能なレベルの追加の例は、除染手順に起因して不活性になる生物学的に活性な汚染物質の数をそれぞれ示す殺滅対数レベルとして表現される。許容可能な殺滅対数レベルとしては、限定されるものではないが、4の殺滅対数、5の殺滅対数、6の殺滅対数、7の殺滅対数、8の殺滅対数、9の殺滅対数、または10の殺滅対数が挙げられる。実施形態において、汚染の許容可能なレベルは、約7の殺滅対数、7の殺滅対数、または7以上の殺滅対数に対応する。約7以上の範囲内の殺滅対数は、汚染レベルを低減させる一方、他の因子、例として、限定されるものではないが、エネルギー消費、コスト、プロセス時間、デンプン老化、熱分解などを平衡化するために十分であり得る。
一部の例において、抗菌剤または抗生物質を使用して汚染を最小化する。抗菌剤および抗生物質は有用であるが、コストを要し、ヒトの介入を含み、不利な供給問題を受けやすく、汚染を許容可能なレベルに最小化するために不十分などであり得る。例えば、抗菌剤および抗生物質の使用は、汚染物質の濃度をブタノール発酵についての許容可能なレベルに低減させるために不十分であり得る。抗菌剤および抗生物質の単独使用はブタノール産生における汚染を低下させるために不十分または非現実的であり得る一方、実施形態において、ブタノール産生は、混合型汚染軽減アプローチを実用し得る。例えば、発酵系は、抗生物質および/または抗菌剤を実用することがある一方、他の時間において、または抗生物質および/もしくは抗菌剤の使用とともに加熱処理除染を実用するように構築される。一例において、マッシュを摂氏121度(121℃)に15分間加熱することができる。抗生物質は、上記加熱処理に加えて使用することができ、例えば、抗生物質を発酵槽112中でマッシュに添加する。抗菌剤の例としては、限定されるものではないが、Phibro Animal Health Corporation(Teaneck,NJ)からの抗菌剤Lactrol(商標)が挙げられる。一部の例において、燃料アルコール産生者は、衛生を支援するために低用量0.5〜1ppmのLactrolを好む。さらに、2ppmのペニシリンGを使用することができる。
実施形態において、発酵系102は、マッシュ、例えば、希薄マッシュを十分に高い温度に十分に長い滞留時間加熱して汚染を許容可能なレベルに最小化するように構築される加熱器を含む。明らかであるべきとおり、許容可能なレベルは、特定のステップもしくはプロセスについての許容可能なレベルであり得、またはそれはプロセス全体、例えば、発酵または蒸留についての許容可能なレベルに関連し得る。加熱器は、具体的には、マッシュを加熱するため、または追加の目的を果たすために含めることができる。
例えば、加熱器は、発酵槽112のための加熱器218または発酵のために微生物を繁殖させるための繁殖タンク214中に含まれる加熱器220を含む。したがって、希薄マッシュの加熱処理は、繁殖または発酵手順の一部として実施することができる。加熱器218は、発酵産物、例えば、ブタノールを産生するための微生物の添加前に発酵槽112中の希薄マッシュを加熱するように構成することができる。例えば、発酵系102は、発酵槽中の希薄マッシュを加熱して希薄マッシュ中の生物学的に活性な汚染物質の数を許容可能なレベルに低減させるように構成される。実施形態において、許容可能なレベルは、全てまたは実質的に全ての生物学的に活性な汚染物質が滅菌され、またはそうでなければ生物学的に不活性になったレベルであり、例えば、十分に高い温度は十分に高く、希薄マッシュは無菌または効率的に無菌であるように滞留時間は十分に長い。汚染物質の例としては、限定されるものではないが、野生型酵母または細菌が挙げられる。他の例において、加熱器は、熱交換器を含み、それは他の材料を冷却する一方、廃熱により希薄マッシュを加熱するために含まれる。他の加熱器構成も考えられる。複数の加熱器を含めることができ、個々の加熱器は、特定の設備、例えば、分離器、管、容器、液化ユニットなどと関連し得る。
認識されるとおり、および本開示全体にわたり適用可能であるとおり、汚染は、単一タイプまたは複数タイプの汚染物質、例えば、異なる微生物による汚染を含み得る。実施形態において、十分に高い温度は、種々の因子に基づき予測または予定される汚染物質について所定の温度である。例えば、十分に高い温度は、原料タイプ、環境条件、作動パラメータなどに起因して変動し得る。一部の例において、十分に高い温度は、マッシュ、希薄マッシュ、発酵ブロス、抽出剤、蒸留原料などの1つ以上のモニタリングに応答して決定される。
認識されるべきとおり、マッシュを加熱してそれを汚染から低減または滅菌することは、断続的に、例えば、設定スケジュールで、および/または1つ以上の因子に基づく決定に応答して実施することができる。例えば、希薄マッシュを加熱して添加される発酵ブロス中の汚染を低減させることに加え、加熱された希薄マッシュを使用して希薄マッシュが接触する設備を除染することができる。例えば、希薄マッシュは、十分に高い温度に、管表面を除染するために希薄マッシュがポンプ輸送される管の表面の温度を上昇させるために十分な期間加熱することができる。マッシュまたは希薄マッシュと接触する他の設備は、類似の利益を受け得る。例えば、マッシュを、それを希薄マッシュ、油、および固体に分離する前に加熱してマッシュ自体の汚染を低減させるだけでなく、希薄マッシュ、油および固体を分離する設備、例えば、遠心分離機も除染することができる。一部の例において、マッシュ(希薄か否かを問わない)が加熱される程度は、変動する。例えば、発酵系102中に含まれる加熱器は、マッシュの温度を十分に高い温度(典型的な作動の間に実用されるものを超える)に増加させて希薄マッシュを滅菌し、および/またはマッシュ、例えば、希薄マッシュが通過し、もしくは接触する設備を清浄し得る。
実施形態において、十分に高い温度の決定は、1つ以上の決定または因子に応答して十分に高い温度が上昇するか、または低下する反復プロセスを実用し得る。例えば、希薄マッシュが発酵系112中で無菌であるという決定に応答して、十分に高い温度を低減させてエネルギーを保存する一方、規格を満たす希薄マッシュを生じさせる。
実施形態において、希薄マッシュは、摂氏121度(121℃)または実質的に摂氏121度(121℃)に約15分間加熱する。例えば、希薄マッシュを、それが約121℃の温度を得、15分間維持するように加熱する。実施形態において、この加熱は、意図される発酵産物、例えば、産物アルコールを産生し得る微生物を取り込む前に発酵容器(撹拌ありまたはなし)中で実施する。追加の実施形態において、連続または準連続滅菌器は、より高温(例えば、141℃)においてより短い曝露時間(例えば、1分間)で稼働する。マッシュ加熱プロセスおよび関連設備は、連続発酵プロセスまたは回分プロセスの一部として使用することができる。発酵系は、プロセス全体が連続または実質的に連続的であるように複数の回分プロセスを実用するように構成される。加熱器または加熱器の組合せは、本開示の範囲から逸脱せずに異なる設備構成を含む種々の発酵系または下位系により実用することができることが明らかであるべきである。
さらに、マッシュの加熱処理を使用して追加の機能を実施することができる。例えば、脱活性化酵素、例えば、リパーゼに代えて、別個のステップにおいて、酵素を脱活性化させ、希薄マッシュを滅菌するためのマッシュの加熱処理を利用して酵素を脱活性化させるように発酵系を構成することができる。結果として、酵素の脱活性化は、酵素を脱活性化させるために要求される温度(例えば、摂氏85度、85℃)よりも顕著に高い温度(摂氏121度、121℃)において実施することができる。単一ステップにおける除染および酵素の脱活性化の実施は、エネルギーを保存し、発酵時間全体を短縮し、発酵系を低減させ、設備投資を最小化し、および系の複雑性を制御などし得る。希薄マッシュの加熱処理を記載してきたが、発酵/蒸留プロセスにおける汚染を最小化または排除するための追加の除染技術が記載される。
油から脂肪酸への転化における汚染の最小化および抽出効率の増加
上記のとおり、実施形態において、抗菌剤を本明細書に記載の他のアプローチおよび技術とともに使用することができる。例えば、発酵系は、抗菌剤を実用して1つ以上のプロセスにおける汚染物質増殖を最小化する一方、他方で加熱処理を実用して汚染を最小化するように構成される。
抗菌剤アプローチから利益を受け得るあるプロセスは、他の使用のうち、発酵ブロスから発酵産物を抽出するために使用することができる脂肪酸(例えば、カルボン酸)へのバイオマスからの油の転化である。上記の一例は、トウモロコシ油から得られるCOFAの使用である。COFAは、ブロスから発酵産物、例えば、ブタノール、または他の産物アルコールを抽出するために使用することができる。本詳細な説明は、トウモロコシ油のCOFAへの転化に言及するが、当業者は、類似の様式で他の油を転化し、実用することができることを認識する。
トウモロコシ油のCOFAへの転化は、この転化を、典型的には、発酵性炭素基質の存在下で行うため、汚染に供され得る。トウモロコシ油のCOFAへの転化はまた、それを摂氏約30から60度(約30°〜60℃)の間において実施し、典型的には、約4から8の間のpHにおいて行うため、汚染を受けやすい。転化の間に汚染を最小化するためのトウモロコシ油および/またはCOFAの加熱処理は、問題であり得る。それというのも、両方とも、空気の存在下で熱分解および/または酸化に供され得るためである。
したがって、抗菌剤を含めて油および転化を触媒するために使用される酵素とともに汚染を最小化することができる。トウモロコシ油のCOFAへの転化のための酵素の一例は、リパーゼである。実施形態において、抗菌剤、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)をトウモロコシ油またはマッシュに添加してトウモロコシ油のCOFAへの転化の間の汚染物質増殖を最小化するか、または実質的に排除する。BHTは、グラム陽性およびグラム陰性細菌(例えば、ラクトバシラス属(lactobacillus))に対する抗菌剤活性を示すが、同等の濃度において酵母(例えば、サッカロマイセス属(Saccharomyces))に影響を与えないことを示す。BHTのこの特性により、サッカロマイセス属(Saccharomyces)を実用して意図される発酵産物、例えば、ブタノールを産生する例においてラクトバシラス属(lactobacillus)汚染物質による汚染を最小化するために十分に好適になる。BHTは、トウモロコシ油のCOFAへの転化の間の酸化を防止する酸化防止剤特性も示す。抗菌能力を示す化合物の例としては、限定されるものではないが、トコフェロール、トコトリエノール、酸化防止剤活性を有するアミノ酸、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、他のアルキル化フェノール、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、エピガロカテキン(EGC)、没食子酸エピカテキン(ECG)、没食子酸、没食子酸エステル(例えば、没食子酸プロピル)、カルノソール、カルノシン酸、ウルソル酸、タンシェンI、ジヒドロタンシノン、タンシノンIIA、タンシノンIIB、ダンシェキシンクンB、ペルオキシダーゼ酵素、固定化ボロヒドリド、ラスコルビン酸6−パルミテート、アントシアニジン、アントシアニン、エトキシキン、ターシャリーブチルヒドロキノン(TBHQ)、それらの組合せおよび全て参照により本明細書に組み込まれるFung et al,CRC Critical Reviews Microbiol.12(2):153−83(1985);Sankaran,J.Food Science Technol.13:203−4(1976);およびYankah et al.,Lipids AOC Press 33(11):1139−1145(1998)に記載のものが挙げられる。酸化防止剤および抗菌活性を有する化合物の例としては、限定されるものではないが、ブチル化ヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ブチル化ヒドロキシアニソール、およびターシャリーブチルヒドロキノンが挙げられる。
実施し得るこれらの基準にフィット(例えば、抽出効率を促進)する酸化防止剤のクラスは、ラクトバシラス属(lactobacillus)が、ブタノールを産生するサッカロマイセス属(sacchromyces)に対する潜在的な汚染物質であるプロセスにおいて十分に機能し得る。BHTは、特に、フェノール化合物として、例外的に高程度のブタノール親和性も提供する。芳香族ヒドロキシル基とともに分子上に存在する第3級ブチル基は、水相からのイソブタノールの好ましい吸収を支援し得る。BHTは、生物適合性を選択的に向上させ、ブタノール抽出を向上させるように機能し得る。
トウモロコシ油のCOFAへの転化における汚染物質の最小化は、COFAを精製するために使用されるステップ/設備を最小化または排除し得る。これは考慮事項である。それというのも、COFAは、発酵ブロスに再導入して発酵産物、例えば、産物アルコールを抽出することができるためである。抽出剤精製系、例えば、汚染物質および不純物からCOFAを精製し得る系は、発酵系、例として、系中に含めることができるが、例えば、これが発酵系全体のコストおよび複雑性を増加させ得る。トウモロコシ油のCOFAへの転化に抗菌剤を導入するための抗菌剤の実用/発酵系の構成は、COFA汚染を最小化し、抽出剤としての使用前のCOFAの精製を簡易化または排除し得る。一部の実施形態において、抗菌剤および/または酸化防止剤は、抽出剤中に残留し得る。例えば、COFAへの転化前にトウモロコシ油に取り込まれるBHTは、COFA中に残留して抽出剤としての使用の間の汚染および/または酸化を最小化する。酸化防止剤および/または抗菌剤の使用は、参照により全体として本明細書に組み込まれる2013年9月20日に出願された米国特許出願第14/032,328号明細書、標題Recyclable Extractant Compositionsに記載されている。
実験例において、細胞接種材料は、30g/Lの合成培地を有する72時間シードフラスコから生じた。培養物を合成培地中で40g/Lのグルコース中に接種した。粗製COFA試料をBHTと60時間インキュベートし;5パーセント(5%)(重量/容量基準)(w/v)のBHT試料は、未溶解試料を最初にフラスコに添加したため完全に溶解するまで(撹拌なし)3から5日の間を要した。BHTを有するか、または有さない50パーセント(50%)容量/容量(v/v)の粗製COFAを、それぞれの振盪フラスコ培養物に使用した。フラスコは、摂氏30度(30℃)、毎分260回転(rpm)のシェーカー中でインキュベートした。1から1.5ミリリットル(1〜1.5)mLの試料を時間内の時点において採取した。試料は、毎分14,000回転(14,000rpm)において4分間遠心分離し、COFA上層を除去し、ペレット/細胞をボルテックスにかけて再懸濁させ、適切な量を細胞カウントのために取り出し、試料を再度遠心分離し、上清をYSIグルコース計測のために取り出した。グルコース消費の差は、0パーセント(重量基準)(0wt%)(対照)から5パーセント(重量基準)(5wt%)の範囲のBHTレベルについて観察されなかった。
酸化防止剤の使用は、抽出剤分解速度を低減させ得る。さらに、一部の酸化防止剤は、ブタノールを産生するために使用される主要微生物以外の微生物に対する抗菌剤として作用し得る。したがって、酸化防止剤のあるクラスの妥当な使用は、ブタノールの産生に酸化防止剤および抗菌利益を提供し得る。さらに、酸化防止剤のあるクラスは、ブタノールについての抽出効率を向上させ得、COFAへの過剰の酸化防止剤の意図的な添加は、抽出、酸化安定性および生物適合性を同時に改善し得る。例えば、BHTは、そうでなければCOFAの一部の成分に悪影響を及ぼす基の有効なスカベンジャーであり、同時に、BHTは、他の候補抽出剤と比較してブタノールについて極めて高い親和性を有する。それというのも、主としてそれはブチル化フェノール化合物であるためである。
AspenフローシートシミュレーションソフトウェアとともにUNIFAC混合物特性推定方法を使用して以下に示されるCOFAおよびBHTの種々のブレンドによる水からのイソブタノールの抽出を予測した。
例えば、蒸留すべきリッチCOFA中の一定の1リットル当たり32グラム(gpl)タイターのイソブタノールを維持するプロセスのため、単に5%のBHTの添加により水性タイターを10gplから9gplに低減させることができる。合計10%のBHTのためのさらなる5%のBHTの添加は、プロセスへのより多くのエネルギー消費の添加なしで水性タイターを8gplに低減させ得る。これは、より低い産物阻害に起因してより高い産生の利益を有し得る。
発酵および現場産物取出
図1および3A〜3Cを参照すると、追加の発酵関連プロセスが、以下のものを記載してさらに詳細に記載される:初回バイオマス加工、発酵性炭素基質へのバイオマスの転化、希薄マッシュからの油および固体の分離、発酵産物の抽出に好適な脂肪酸への油の転化、ならびにマッシュ(例えば、希薄マッシュ)の加熱処理。本明細書における発酵プロセスは、上記のプロセスの1つ以上とともに、またはこの文書にさらに記載され、もしくは一般に公知の他の発酵および/もしくは蒸留関連プロセスとともに使用することができる。
例のみの目的のため、以下の記載は、希薄マッシュが発酵槽112中に存在することを想定する。希薄マッシュは、上記のアプローチの1つ以上により処理されていてよい。以下の詳細な説明は、希薄マッシュまたは希薄マッシュを含有する発酵槽が、許容可能なレベルを超える汚染を含む例を提供し、それらの例において、希薄マッシュは、上記のとおり処理されていてはならず、または汚染物質が種々の資源、例えば、汚染発酵槽もしくは繁殖タンク、汚染発酵ブロス材料(例えば、水中の汚染、発酵産物を産生する酵母または細菌中の汚染、水汚染)などから導入されていてよい。
抽出剤を実用して発酵産物、例えば、産物アルコールを発酵の間または発酵と同時に取り出すアプローチが参照されることがある。発酵ブロスから発酵産物を取り出すための他のアプローチが利用可能であり、それを本明細書に記載の発酵プロセスおよび系について使用することができることが認識される。液体抽出技術に関して記載される基本的な発酵プロセスおよびそれらのプロセス、アプローチ、技術は、液体抽出剤の使用に縛られず、制限もされないことが理解されるべきである。
希薄マッシュおよび意図される発酵産物を産生するように構成される微生物を、発酵槽108に添加する。追加の材料、例えば、添加剤、酵素、再循環される発酵ブロス(例えば、再循環されるリーン発酵ブロス)、追加の水、抽出剤(再循環か否かを問わない)などを、図3Aに一般に説明されるとおり含めることもできる。
実施形態において、希薄マッシュを発酵槽112に所定レベルに添加する。例えば、酵母または細菌を発酵槽112中の希薄マッシュに直接添加することができる。他の実施形態において、微生物および希薄マッシュを繁殖タンク中に添加し、初回繁殖を実施し、次いで微生物を含む希薄マッシュを発酵槽112に移送する。さらなる例において、追加の微生物を発酵槽112に直接添加することができる。換言すると、微生物を繁殖タンク中の希薄マッシュに添加し、追加の微生物を発酵槽112中の希薄マッシュに添加する。明らかであるべきとおり、複数の発酵槽を並列または実質的に並列に作動させて実質的に連続的な発酵産物産生を提供することができ、ある発酵槽は、別の発酵槽のためのプロップタンクなどとして作用させる。
発酵槽112中に含まれる撹拌器は、微生物の添加後に作動させることができる。実施形態において、撹拌器は、プロップタンクの内容物、例えば、微生物を添加し、存在させた希薄マッシュの添加後に作動させる。実施形態において、希薄マッシュ、希薄発酵ブロス(再循環されているブロス)、または水の1つ以上を、定常状態発酵に到達するまで発酵槽112にフィードすることができる。例えば、発酵性炭素基質を微生物により発酵させてブタノールを産生する。
発酵プロセス、アプローチ、技術および付属の装置を記載してきたが、産物取出および特に現場産物取出が目下さらに詳細に記載される。明らかであるべきとおり、抽出剤を使用する発酵および発酵産物取出に関する以下の考察に記載の原理および上記考察中の原理は、互いに、ならびに他のアプローチ、技術、系、および装置とともに実用することができる。
現場産物取出
図3Aから3Cは、本開示の実施形態による発酵系302の一部を説明する。一部の実施形態において、発酵ブロスを希薄マッシュから生成し、微生物を冷却ループ320に通して循環させて例えば、摂氏35度(35℃)未満の温度または別の制御点を維持する。例えば、熱交換器を使用して発酵ブロス/抽出剤をブロスとの2相混合物中で冷却することができる。このプロセスからの廃熱を他の目的に使用することができる。発酵の間に生成されたガス320(例えば、二酸化炭素)を、バイオマスの液化に再循環させることができる水および塔底流と接触させてそれを配置させるスクラバー122(例えば、図1に122として説明される)に通気させることができる。
これらの実施形態において、発酵産物、例えば、ブタノールの抽出は、発酵槽112の下流で、例えば、冷却ループ320中で行う。図3Aは、ブタノールが発酵槽112から下流で連続的または実質的に連続的に抽出される発酵系302を説明する。これらの実施形態において、発酵ブロスは、それを熱交換器、例えば、冷却塔324と接触する外部冷却ループ320に通して循環させることにより冷却する。
次いで、冷却されたブロスを、発酵産物リッチ流328、例えば、ブタノールリッチ流、例えば、有機相(例えば、ブタノール含有相)およびリーンブロス流330、例えば、水相または発酵槽中の発酵ブロスと比較してブタノールが枯渇した流を形成する分離ユニット326に移送することができる。ブタノール含有有機相328は、ブタノール、水、抽出剤、非凝縮性ガスおよび抽出剤中に分配するために十分な溶解度を有する発酵プロセスの副生物を含み得る。実施形態において、有機相328は、ブタノール含有有機相328の重量に基づき約0.1重量パーセント(wt%)から約50wt%および、約0.5wt%から約40wt%、約1wt%から約35wt%、約2wt%から約30wt%、約3wt%から約25wt%、約5wt%から約20wt%のブタノール濃度を有する。
実施形態において、分離ユニット326は、液体遠心分離機、遠心分離機、インラインボルテックス分離器、デカンター(例えば、抽出剤デカンター)、またはフィルターの1つ以上を含む。例えば、一連の遠心分離機を使用してブロスから抽出剤を分離する。他の例において、分離ユニット326は、1つ以上のインラインボルテックス分離器を含み、または発酵槽112のサイズに基づく十分な容量および/もしくは発酵系302中で使用すべき発酵ブロスの量を有する単一インラインボルテックス分離器を含み得る。実施形態において、分離ユニット326は、並列および/または直列に配置される1つ以上の遠心分離機を含む。
目下、図3Bを参照すると、実施形態において、発酵系302は、発酵槽112の外部での発酵産物、例えば、ブタノールの連続的な抽出に構成される。例えば、この実施形態において、抽出剤、例えば、溶媒を発酵槽112の外部で発酵ブロスと接触させてブロスから発酵産物を取り出す。さらに、発酵産物の抽出から生じるブロスまたはリーンブロスを冷却して発酵槽中の発酵ブロスの温度の維持を支援することができる。例えば、COFA(抽出剤332)は、外部ループ320中のブロスと混合して2相混合物を形成してブロス流から産物アルコールを取り出し、次いで、発酵槽112に再循環させ、例えば、図1に説明されるビール塔134に移送することができるリーンブロスから目下のリッチ抽出剤を分離する分離ユニット326に送出してリーンブロスから追加の発酵産物を取り出すことができる。
目下、図3Cを参照すると、さらなる実施形態において、抽出剤332を発酵槽112中に含める。抽出剤332を含めて発酵の間にブロスから発酵産物を取り出すことができる。発酵槽112中に抽出剤を含めることにより、ブタノールの取出を可能として発酵ブロス中のブタノロジェンに対するブタノールの毒性効果などを最小化する。実施形態において、少なくとも1つの流動循環を、発酵の間に発酵槽112の外側で維持して発酵ブロスを冷却し、抽出剤への物質移動(例えば、ブロスからのブタノールの取出)を可能とする。ブタノールは、種々の方法、例えば、とりわけ低温フラッシング、液液抽出、およびガスストリッピングを使用して外部循環される発酵ブロスから発酵産物、例えば、ブタノールを取り出すことができる。このアプローチを採用してブロス中の発酵産物(例えば、ブタノール)の濃度を低減させて、その濃度がさらなる産生を阻害するレベルに増加するか、または微生物に毒性であるレベルに到達するのを防止することができる。
例えば、抽出剤332を、発酵槽112に直接添加して発酵プロセスの間に発酵産物を回収する。例えば、産物アルコールが高濃度において、例えば、微生物に容認可能なレベルを超えると微生物に毒性である場合、このアプローチを使用してブロス中の発酵産物のレベルを低減させることができる。このように、発酵産物は、取出のための抽出剤332に流入する。抽出剤中への発酵産物の物質移動は、条件、例えば、温度、撹拌などを考慮して抽出剤の分配係数により管理することができる。
例えば、この例において、発酵ブロスを混合により抽出剤と接触させて2相流を形成する。接触させる、または接触する、は、例えば、発酵の間にブロスおよび抽出剤を物理的に接触させることを指す。一部の例において、発酵ブロスを、発酵槽112から取り出してから抽出剤と接触させる。すなわち、ブタノールの抽出は、発酵槽112の下流で行う。
例えば、これらの実施形態において、リッチ抽出剤は、発酵槽から、図3Aおよび3Bに説明される実施形態におけるものと一般に類似する分離ユニット326に移送する。分離ユニット326は、ブロスから産生される発酵産物/副産物産物を含む抽出剤を分離する。例えば、主として発酵産物を含有する流336を、ビール塔134に移送し、対照的に、主として抽出剤を含有する流をさらなる加工のために抽出剤塔338に送出することができる。実施形態において、抽出剤塔338により回収される抽出剤は、再使用のために再循環させるか、または産物流中に分離させるか、または廃棄することができる。抽出剤塔338により回収される発酵産物は、さらなる加工、例えば、蒸留、および蒸留産物中の包含のために移送することができる。蒸留塔104中に含まれるビール塔134を使用して発酵産物リッチ流336を蒸留して蒸留系104により蒸留産物を形成することができる。
回分発酵が実用される実施形態において、イベント(例えば、二酸化炭素の応答縮小または発酵産物産生、特定の濃度を得る発酵性炭素基質)などの発生に基づき所定の期間であり得る時間、発酵を継続させる。ブタノールの回分産生は、抽出剤を用いてまたは用いずに実施することができる。
産業において利用される確立された糖化プロセス、例として、限定されるものではないが、酸プロセス、酵素プロセス、または酸−酵素プロセスを実用することができる。実施形態において、酵素、例えば、グルコアミラーゼを発酵槽112に導入して原料または液相中に存在する糖(例えば、オリゴ糖)を単糖に加水分解する。糖化は、別個の糖化ユニット中で行うことができる。実施形態において、糖化は、希薄マッシュの分離前または希薄マッシュの分離後に行う。発酵のためにバイオマスを加工する方法および系の記載については、例えば、内容全体が参照により全体として本明細書に組み込まれるPCT国際公開第2011/160030号パンフレットを参照。
実施形態において、発酵ブロスを発酵槽112から連続的に取り出すか、またはそれをバッチ中で取り出すことができる。発酵ブロスからの発酵産物の抽出は、発酵ブロスからの微生物の取出ありまたはなしで実施することができる。例えば、ブタノールは、微生物の取出なしでブロスから抽出することができる。
他の実施形態において、微生物は、種々のアプローチ、例として、限定されるものではないが、濾過または遠心分離を使用して発酵ブロスから取り出す。取り出された微生物は、後続の発酵に再使用することができる。例えば、発酵ブロスからのブタノールの抽出は、発酵ブロスからの微生物の取出ありまたはなしで実施することができる。微生物は、アプローチ、例として、限定されるものではないが、濾過または遠心分離により発酵ブロスから取り出すことができ、得られた微生物を再使用のために発酵槽112および/またはプロップタンク114に戻すことができる。ブタノールの抽出は、発酵ブロスからの未溶解固体の取出ありまたはなしで実施することができる。未溶解固体は、種々の技術、例として、限定されるものではないが、濾過または遠心分離により発酵ブロスから取り出すことができる。固体は、発酵槽112に再循環させるか、またはフィード材料などとしての使用のために分離することができる。実施形態において、自動自浄水フィルターを使用して固体を捕捉する。
実施形態において、抽出剤は、水非混和性であり、1つ以上の有機溶媒を含み得る。実施形態において、抽出剤は、したがって、それが発酵ブロスと同伴される場合に微生物をそれほど害さないように微生物に非毒性である。一部の実施形態において、抽出剤は、発酵産物(例えば、ブタノール)についてのその高い分配係数に起因して選択する。好適な抽出剤としては、限定されるものではないが、以下の1つ以上が挙げられる:脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪族アルデヒド、脂肪族アミド、トリグリセリド、モノアルキルホスフェート、ジアルキルホスフェート、トリアルキルホスフェートまたはそれらの混合物。抽出発酵を使用して発酵ブロスからブタノールを産生および回収する方法は、それぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2009/0305370号明細書;米国特許出願公開第2010/0221802号明細書;米国特許出願公開第2011/0097773号明細書;米国特許出願公開第2011/0312044号明細書;ならびに米国特許出願公開第2011/0312043号明細書に記載されている。実施形態において、抽出剤は、1つ以上のイオン液体である(例えば、米国特許出願公開第2010/0143992号明細書;米国特許出願公開第2010/0143993号明細書;米国特許出願公開第2010/0143994号明細書;および米国特許出願公開第2010/0143995号明細書参照;それぞれの内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる)。
抽出剤選択に影響を及ぼす因子としては、限定されるものではないが、(i)発酵産物を産生する微生物に対する毒性(非毒性抽出剤または高濃度においてのみ毒性である抽出剤が好ましいことがある)(ii)発酵ブロスと実質的に非混和性であること、(iii)意図される発酵産物(例えば、産物アルコール、例えば、ブタノール)の抽出についての高い分配係数を有すること、(iv)ブロス中の栄養素の抽出についての低い分配係数を有すること、(v)発酵培地とエマルジョンを形成する傾向が低いこと、ならびに(vi)低コストおよび無害であることの1つ以上が挙げられる。本明細書に開示の方法における使用に好適な有機抽出剤は、C12からC22脂肪族アルコール、C12からC22脂肪酸、C12からC22脂肪酸のエステル、C12からC22脂肪族アルデヒドおよびそれらの組合せからなる群から選択することができる。この例において使用される用語「それらの組合せ」は、それらの群メンバー内の組合せおよびそれらの間の混合物、例えば、C12からC22脂肪族アルコール内の混合物、およびさらには例えば、C12からC22脂肪族アルコールおよびC12からC22脂肪酸の間の混合物を包含する。好適な有機抽出剤は、オレイルアルコール(CAS番号143−28−2)、ベヘニルアルコール(CAS番号661−19−8)、セチルアルコール(CAS番号36653−82−4)、ラウリルアルコール(1−ドデカノールとも称される)(CAS番号112−53−8)、ミリスチルアルコール(112−72−1)、ステアリルアルコール(CAS番号112−92−5)、1−ウンデカノール(CAS番号112−42−5)、オレイン酸(CAS番号112−80−1)、ラウリン酸(CAS番号143−07−7)、ミリスチン酸(CAS番号544−63−8)、ステアリン酸(CAS番号57−11−4)、ミリスチン酸メチルCAS番号124−10−7)、オレイン酸メチル(CAS番号112−62−9)、ウンデカナール(CAS番号112−44−7)、ラウリンアルデヒド(CAS番号112−54−9)、20−メチルウンデカナール(CAS番号110−41−8)、およびそれらの混合物からなる群からさらに選択することができる。これらの有機抽出剤は、市販されている。
実施形態において、抽出剤は、以下の脂肪酸の1つ以上である:アザレイン酸(azaleic)、カプリン酸、カプリル酸、ヒマシ油、ヤシ油(すなわち、脂肪酸、例として、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、カプリル酸、カプリン酸、ステアリン酸、カプロン酸、アラキジン酸、オレイン酸、およびリノール酸の天然存在の組合せとして)、ダイマー酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、アマニ油、ミリスチン酸、オレイン酸、オリーブ油、パーム油、パルミチン酸、パーム核油、ピーナツ油、ペラルゴン酸、リシノール酸、セバシン酸、ダイズ油、ステアリン酸、トール油、獣脂、12ヒドロキシステアリン酸、または任意の種油。一部の実施形態において、抽出剤は、二酸、アゼライン酸、ダイマー酸およびセバシン酸の1つ以上である。したがって、抽出剤は、2つ以上の異なる脂肪酸の混合物であり得る。実施形態において、抽出剤は、天然油に由来するグリセリドの化学または酵素的加水分解に由来する脂肪酸である。例えば、抽出剤は、天然油、例えば、バイオマス脂質の酵素的加水分解により得られる遊離脂肪酸である。実施形態において、抽出剤は、米国特許出願公開第2011/0312044号明細書に記載の天然油、例えば、バイオマス脂質の化学転化から得られる脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪族アミド、脂肪酸メチルエステル、脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸グリコールエステル、ヒドロキシル化トリグリセリド、およびそれらの組合せからなる群から選択される脂肪酸抽出剤である。これらの実施形態において、抽出剤の産生のためのバイオマス脂質は、発酵性炭素基質のものと同一または異なるバイオマス資源からのものであり得る。例えば、抽出剤の産生のための脂質は、ダイズに由来し得る一方、バイオマスはトウモロコシ由来である。異なるバイオマス資源の抽出剤とバイオマス原料の組合せを使用することができる。実施形態において、抽出剤はCOFAである。
実施形態において、第2の溶媒は、オレイルアルコール、2−ブチル−1−オクタノール、2−ヘキシル−1−デカノール、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ダイズ油脂肪酸(SOFA)、アジピン酸ビス−(2−エチルヘキシル)、石油エーテル、トウモロコシ油、トウモロコシ油脂肪酸(COFA)、またはそれらの組合せである。
認識することができるとおり、溶媒の組合せを使用して産物の分配係数を増加させることができる。さらに、溶媒組合せを使用して溶媒の物理的特徴、例えば、密度、沸点、および粘度を調整および最適化することができる。
上記の図1〜3Cに説明される実施形態において、非凝縮性である発酵の間に産生されるガス、例えば、二酸化炭素を通気/回収のためにスクラバーに通気させることができる。スクラブ流140は、サイドストリッパー塔142に移送して追加の発酵産物および他の揮発性成分をさらなる発酵産物/副産物回収のために蒸気オーバーヘッド流144中に回収して液体塔底流146を形成することができ、それはルッター水またはサイドストリッパー塔底物と称されることがある。ルッター水/サイドストリッパー塔底物を、固体の洗浄のために再循環させ、水を添加して発酵ブロスまたはマッシュなどを形成することができる。
追加の装置、設備などを本開示による発酵系中に含めることができる。例えば、ミキサーを含めて抽出剤およびブロス(水相)を、分離ユニット326による分離前に撹拌して密接に接触させる。上記の実施形態において、他の追加の成分としては、限定されるものではないが、ポンプ、フィルター、膜、分離器、ミキサーなどが挙げられる。
発酵ブロスから発酵産物、例えば、産物アルコールを産生/回収し得る種々の技術、アプローチ、装置、および設備を記載してきたが、発酵および蒸留プロセス、装置、設備などを除染するためのアプローチが目下、さらに詳細に記載される。当業者に明らかであるべきとおり、以下の技術、アプローチ、装置、設備などを、図1〜3Cに関して上記のものとともに、およびこの文書中にさらに記載のものとともに使用することができる。
軽質分/重質分/規格外蒸留産物を使用する汚染軽減
目下、図4を参照すると、軽質分(例えば、軽質蒸留物、例えば、副生物)、重質分、規格外(オフスペック)蒸留産物、例えば、イソブタノール、およびそれらの組合せを使用する発酵および蒸留プロセス、装置、系、および設備を除染するためのアプローチが、目下さらに詳細に記載される。軽質分の例としては、限定されるものではないが、蒸留プロセス、例えば、ブタノール産生において産生されるエタノール、ブタノール、他の低炭素含有アルコール、およびそれらの組合せが挙げられる。重質分パージ材料の例として、限定されるものではないが、酢酸、イソ酪酸、イソアミルアルコールおよびブタンジオールが挙げられる。一部の実施形態において、重質分パージを使用する。それというのも、重質分パージ中の1つ以上の化合物は低い揮発性、高い抗菌活性、および/または低い引火点を示すためである。軽質分/オフスペック材料は、汚染物質の細胞膜を効率的に破壊するその能力に起因して選択することができる。オフスペック材料は、一般に、蒸留産物、例えば、規格も基準もいくつかの点で満たさない産物アルコールを指す。オフスペック材料の例としては、限定されるものではないが、不純物により汚染されたブタノールまたは規格を満たすものよりも低い濃度のブタノールが挙げられる。汚染に供され得る装置および設備の例としては、限定されるものではないが、繁殖容器、発酵容器、蒸留塔、ビール塔、凝縮器、配管、発酵/蒸留機構などが挙げられる。
実施形態において、軽質分および/またはオフスペック材料および/またはプロセス溶媒流を含む溶液は、SIPプロセスにおける最終滅菌剤としての使用に好適である。実施形態において、本開示による方法を使用して発酵または蒸留系の一部のみを除染し、例えば、この方法は、再生可能原料から産物アルコールを産生するために使用される全ての設備を清浄するためには実用しない。すなわち、発酵または蒸留系の設備の一部のみを、軽質分/オフスペック材料を使用して清浄する。軽質分は、発酵により生成される副産物または副生物(例えば、意図されない副産物、系を考慮すると使用がほとんど許容可能でない)であり得る。軽質分は、発酵ブロス中に存在する1つ以上の汚染物質に毒性でない濃度において発酵ブロス中に含めることができる。一部の実施形態において、発酵プロセスは、軽質分および/またはオフスペック材料および/またはプロセス溶媒流を、例えば、設備が別の手順を使用して清浄された後に最終滅菌剤としてSIP手順において使用される滅菌溶液として施与する除染手順を含む。
実施形態において、軽質分またはオフスペック材料は、発酵/蒸留プロセスを使用して生成する。一部の実施形態において、軽質分およびオフスペック材料は、除染すべき発酵または蒸留プロセスの1つ以上から産生する。例えば、軽質分および/またはオフスペック材料は、微生物、例えば、ブタノロジェン、および/または汚染物質をかなり阻害するために不十分な濃度において発酵ブロス中に含める。さらなる実施形態において、軽質分は、最小化または排除すべき汚染物質(例えば、微生物汚染物質)に対応する不純物または副産物である。例えば、エタノロジェン汚染物質により産生されるエタノールは、それを使用して発酵および/または蒸留系中に含まれる設備を除染することができるように、蒸留系404中に含まれる軽質分塔446中で蒸留してその濃度をエタノロジェンに毒性であるレベルに増加させることができる。例えば、これらの実施形態において、軽質分/重質分/オフスペック材料は、溶液タンク448中で回収し、清浄または滅菌プロセスにおいて使用して例えば、プロップタンク214、産物タンク450、蒸留塔、産物タンク452、送り先容器454など(設備の組合せを含む)を除染することができる。
実施形態において、溶液は、設備を除染するために有効である濃度であるが、発酵産物、例えば、ブタノールを産生する微生物を阻害またはかなり阻害するために不十分である濃度において実用する。汚染物質を最小化するために十分であるが、ブタノロジェンを阻害またはかなり阻害するために不十分である濃度のブタノールを使用して設備を除染することができる。
オフスペックアルコールは、その関連発酵または蒸留プロセスが許容可能な閾値を超えて汚染されるが、使用に好適であり得る。それというのも、それは汚染物質を最小化する(汚染物質を全滅させる)ために有効な温度において蒸留され、またはそれは軽質分および/またはオフスペック材料を発酵系中に存在する1つ以上の汚染物質または潜在的な汚染物質に毒性である濃度において含有するためである。軽質分、重質分および/またはオフスペック材料は汚染されたプロセスまたは続いて汚染されるものから生じ得るが、追加の実施形態において、軽質分、重質分、および/またはオフスペック材料、例えば、オフスペックブタノールは、別の産生ラインから生じる。別の例において、軽質分、重質分、またはオフスペック材料は、同一の施設または場所における別の産生ラインから生じ得る。
認識することができるとおり、オフスペック材料は、除染されている発酵/蒸留プロセスもしくは設備についてオフスペックである産物を指し得、またはそれは別の発酵/蒸留プロセスについてオフスペックである材料、例えば、その他のプロセスについての規格を満たさない異なる発酵/蒸留産物を指し得る。上記のものを、他のプロセスから産生される軽質分に適用可能であることが明らかである。
発酵または蒸留系中に含まれる1つ以上のプロセスまたは設備は、発酵産物の産生を阻害するか、または発酵性炭素基質について微生物と競合する汚染物質により汚染され得ることがある。例えば、繁殖タンクは、不純物、例えば、乳酸を生成する細菌により汚染され得る。一部の汚染は、容認可能であり得る一方、汚染は、産生に影響を及ぼすレベルに蓄積し得る。汚染物質は、複数の発酵にわたり再循環される発酵ブロス中で、産物アルコールの産生について容認可能でないレベルに蓄積し得る。一部の実施形態において、汚染物質により産生される不純物は、特定のレベルを超えて微生物に毒性である。例えば、乳酸は、ブタノロジェンに毒性であり得る。
汚染物質の蓄積は、産物アルコールの産生を縮小させ、所定の比を超えて副産物産生(意図されるものまたは意図されないもの)を増加などさせ得る。例えば、ブタノール発酵におけるエタノロジェンは、そうでなければブタノロジェンが利用可能な発酵性炭素基質を消費し、所定の比を超えてエタノールを生成する。実施形態において、清浄または滅菌は、設備が清浄の許容可能なレベルに到達するまで反復する。例えば、方法は、設備が清浄の許容可能なレベルに到達するまで清浄を反復することを含み得る。上記の実施形態において、汚染の許容可能なレベルは、微量の副産物を産生する微生物による汚染が、ある比、実質的にある比、またはある比未満においてその副産物の産生を維持するレベルに対応し得る。
軽質分および/またはオフスペック材料は、広範な汚染物質に毒性であり得る。特に、軽質分および規格外産物は、汚染物質に対する毒性を示し得る。それというのも、それらは発酵ブロス、マッシュ、液液抽出剤(例えば、COFA)、または蒸留のための原料(蒸留原料)である発酵産物中のそれらのそれぞれの濃度の1つ以上よりも大きい濃度において含まれるためである。軽質分、重質分、および/またはオフスペック材料および/またはプロセス溶媒流の温度は、清浄を支援し、軽質分/オフスペック材料および/またはプロセス溶媒流の効力を増加などさせるように選択することができる。例えば、1つ以上の加熱器(あるものは、456として参照される)を含めて軽質分、重質分、オフスペック材料および/またはプロセス溶媒流を、汚染物質を最小化/排除するように作動可能な温度に加熱する。さらに、一部の例において、軽質分またはオフスペック材料の濃度は、それが微生物、例えば、ブタノロジェンに非毒性であるか、またはそれほど毒性でないように調整する。他の例において、軽質分/オフスペック材料の濃度は、それが一部の汚染物質に毒性であるが、副産物を産生する微生物に毒性でないように選択する。したがって、例えば、軽質分、重質分、オフスペック材料またはそれらの組合せを含む溶液は、汚染物質に毒性であるが、発酵産物および/または副産物を生成する微生物には実質的に無害である軽質分、重質分、および/またはオフスペック材料を含み得、例えば、それは、発酵ブロス中の意図される微生物の集団をそれほど低減させない。
引き続き図4を参照すると、実施形態において、施設、例えば、発酵系102および蒸留系104を含む、図1に説明される施設100は、発酵または蒸留系またはその一部の除染のための溶液を提供するように構成される清浄系458を含む。
説明されるとおり、清浄系458は、使用される溶液を貯蔵するように構成される溶液タンク448を含む。実施形態において、溶液タンク448は、蒸留系、例えば、系104中に含まれる軽質分塔446に連結している。このように、軽質分、重質分および/またはオフスペック材料は、蒸留産物、例えば、規格を満たす(オンスペック)ブタノールの流から分離し、後続の使用のための溶液を貯蔵するように構成される貯蔵タンク448に移送することができる。例えば、軽質分およびオフスペックは、軽質分塔446からの共通パージ流から得る。実施形態において、分離は、蒸留を含むが、他の分離技術を追加の実施形態において実用することができる。
図4に説明されるとおり、溶液容器を含む清浄系458は、貯蔵のための軽質分の移送のための配管、ポンプなどを使用して軽質分塔に流体連結している。実施形態において、溶液タンクは、繁殖タンク、産物タンク、発酵槽、送り先容器、発酵系または蒸留系(例えば、蒸留塔)の別の部分の1つ以上に連結している。1つ以上の加熱器を実施形態において清浄系中に含めてCIPまたはSIP用途における溶液の効力を増加させる。
清浄系は、溶液を混合するための混合タンクを含み得る。実施形態において、清浄系、例えば、混合タンクは、添加剤、清浄剤、脱泡剤、界面活性剤、湿潤剤、抗菌剤、抗生物質などの1つ以上を溶液に取り込むように構成される。一例において、混合タンクは、軽質分またはオフスペック材料を使用前に希釈するように構成される。例えば、混合容器は、清浄剤を軽質分、重質分、オフスペック材料およびそれらの組合せと混合して除染を促進するように構成される。
実施形態において、溶液は、最大50パーセント(50%)または最大約50パーセント(50%)のブタノール(重量基準)、最大30パーセント(30%)または最大約30パーセント(30%)(重量基準)のエタノールを含む。追加の実施形態において、溶液は、最大10パーセント(10%)もしくは最大10パーセント(10%)のブタノール(重量基準);または最大7パーセント(7%)もしくは最大約7パーセント(7%)のエタノール(重量基準);およびそれらの組合せを含む。溶液は、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%のブタノール、または1〜50%の間の任意数のブタノールを含み得る。溶液は、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%のエタノール、または1〜30%の間の任意数のエタノールを含み得る。溶液の例としては、限定されるものではないが、副産物、オフスペックブタノール、例として、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、およびそれらの組合せを含有する溶液が挙げられる。
清浄系は、種々のアプローチを使用して溶液を実用するように構成され得る。清浄アプローチおよび装置の例としては、限定されるものではないが、スプレーボール洗浄、衝突洗浄、容器浸漬、SIP、およびそれらの組合せが挙げられる。実施形態において、清浄系は、種々の除染アプローチを実用するように構成される。例えば、清浄系は、条件の決定などに応答して定期的に除染手順を変動させるように構成される。例えば、清浄系は、不純物が閾値を超えて増加したという決定に応答してより堅牢な清浄または滅菌手順を実用するように構成される。一実施形態において、清浄は、A)スプレーボール洗浄、衝突洗浄、もしくは容器浸漬の少なくとも1つを含むCIP手順の1つ以上を実施し、続いてSIP手順を実施すること;(B)SIP手順を実施せずにCIP手順を実施すること;C)洗浄を水により実施し、続いてSIP手順を実施すること;D)洗浄を水により実施し、SIP手順の一部として設備の少なくとも一部を浸漬すること;または設備が清浄の許容可能なレベルに到達するまでA、B、C、もしくはDの少なくとも1つを繰り返すことを含むそれらの組合せを含む。一部の実施形態において、溶液の少なくとも一部は、除染される表面上に残留して発酵/蒸留のための後続の使用まで、清浄または滅菌の終了から生じ得る潜在的な汚染を最小化する。例えば、苛性溶液または酸性溶液を、除染される表面上に残留させて潜在的な汚染を最小化する。
一部の実施形態において、清浄系458は、設備を除染するために使用された溶液を再循環させるように構成される。清浄系は、所定の回数または条件の存在に基づく回数、溶液を再循環させるように構成することができる。後者の状況の一例は、清浄系が、それが不純物により汚染され、その効力が降下し、、溶液中の軽質分/オフスペック材料の濃度が閾値未満に降下するなどまで溶液を再循環させるように構成されるものである。例えば、赤外線検出器または他のモニタリング装置を使用して溶液が、それが使用に好適である閾値未満であるか否かを決定する。
実施形態において、使用される溶液を燃焼させて発酵もしくは蒸留プロセスまたは系を含有する施設のためのエネルギーを産生することができる。例えば、溶液は、それが燃焼のために移送される除染における使用にそれがもはや好適でなくなるまで再使用することができる。他の例において、溶液を単回使用し、次いで系を含む施設によりエネルギーのために燃焼させる。
実施形態において、使用される溶液は、蒸留産物、例えば、オンスペック産物中に蒸留のために再循環させる。例えば、蒸留塔、例えば、軽質分塔を除染するために使用される溶液をオンスペック産物アルコールに加工することができる。一部の実施形態において、溶液に、蒸留塔が定常状態を達成するまで蒸留塔にフィードされる発酵産物を取り込む。例えば、オフスペック材料は、塔が規格を満たす蒸留産物の定常状態産生を達成するまで蒸留系または塔のための原料である発酵産物と混合することができる。再循環される溶液は、発酵産物と混合して塔がオンラインである場合に原料として機能させることができることが明らかであるべきである。
一般に上記のとおり、清浄系458は、軽質分/オフスペック材料および/またはプロセス溶媒流を、一部の実施形態において汚染を最小化するために有効である実質的に所定の温度に加熱するように構成される。所定の温度は、汚染物質と接触する設備を清浄するために十分に高いことがある。例えば、清浄系458は、バイオマス、マッシュ、発酵ブロス、抽出剤、発酵産物、蒸留物、およびそれらの組合せの1つ以上と接触する設備の表面上の微生物汚染物質を効率的に排除するか、または全滅させるために溶液の温度を上昇させるための1つ以上の加熱器456を含む。さらに、パージ流は、微生物増殖を最小化するために十分な濃度の軽質分/オフスペック材料を含み得る。例えば、溶液は、所定の温度において清浄すべき設備の表面に施与される場合、微生物汚染物質を最小化するために有効であるような十分な濃度においてブタノールを含有し得る。
清浄系の作動パラメータは、設備中に含まれる種々の表面が、汚染を最小化するために十分に高い温度に到達することを確保するように選択または事前決定することができる。設備表面を除染する清浄系の能力に影響を及ぼす因子の例としては、限定されるものではないが、所定の温度、溶液組成、使用される溶液の量、設備の表面の多孔度、溶液中の添加剤の存在(例えば、洗剤、湿潤剤、分散剤など)、設備表面積、撹拌を使用すべきか否か、施与速度、噴霧圧力、清浄技術(例えば、スプレーボール洗浄、浸漬)、それらの組合せなどが挙げられる。
実施形態において、清浄系458により実用される手順、アプローチ、または技術は、清浄される設備と関連する因子に応じて変動する。例えば、高濃度の不純物(許容可能なレベルを超える)は、高濃度よりも許容可能なレベルに近い不純物または副産物の存在と比較して集中的な清浄手順を誘発する因子であり得る。他の因子としては、ブタノールまたは他の発酵産物と比較した産生エタノールの比、不合格バッチの発生率、酢酸の産生、産物アルコール産生の低減、およびそれらの組合せが挙げられる。除染アプローチの例としては、種々の清浄または滅菌技術が挙げられる。例えば、清浄系458は、A)スプレーボール洗浄、衝突洗浄、もしくは容器浸漬の少なくとも1つを含むCIP手順の1つ以上を実施し、続いてSIP手順を実施すること;B)SIP手順を実施せずにCIP手順を実施すること;C)洗浄を水により実施し、続いてSIP手順を実施すること;D)洗浄を水により実施することおよびSIP手順の一部として設備の少なくとも一部を浸漬すること;または設備が清浄の許容可能なレベルに到達するまでA、B、C、もしくはDの少なくとも1つを繰り返すことを含むそれらの組合せを実施するように構成することができる。当業者は、所定の温度に上昇させる溶液の使用を、他の除染技術、例として、限定されるものではないが、上記の軽質分/規格外蒸留産物を使用する汚染軽減とともに使用することができることを認識する。
実施形態において、溶液の少なくとも一部は、除染される設備の表面上に残留物として残す。例えば、発酵槽が後続のプロセスにおいて使用されるまでスプレーボールを使用して溶液を発酵槽の内表面上に噴霧して汚染の見込みを最小化することができる。実施形態において、苛性または酸性溶液を1つ以上の表面上に残留させることを可能として潜在的な汚染を防止または最小化する。
軽質分/オフスペック材料を実用する発酵、発酵産物の抽出および除染技術を記載してきたが、抽出剤を含有する(リッチ抽出剤)発酵産物の水相からの分離をさらに詳細に試験する。分離技術の例としては、限定されるものではないが、サイホン処理、デカンテーション、重力セトラーを使用する遠心分離、および膜支援相分離が挙げられる。抽出剤有機相からの発酵産物の回収は、種々の方法、例として、限定されるものではないが、蒸留、樹脂による吸着、分子シーブによる分離、およびパーベイパレイションを使用して行うことができる。具体的には、蒸留を使用してブタノール含有有機相からブタノールを回収することができる。
ISPR系除染
目下、図5Aを参照し、図1に一般に説明されるとおり、実施形態において、発酵系、例えば、系104は、抽出剤、例えば、上記の有機溶媒の使用を通してブロスから発酵産物を回収することにより発酵産物を産生するISPR系560を含む。説明のとおり、ISPR系560は、COFAを使用して発酵ブロス562からイソブタノールを回収するように構築される。
ISPR系560の除染は、問題であり得る。それというのも、COFAおよび他の抽出剤は、一部の清浄材料と反応し得るためである。ISPR系は、実施形態において、ブロス560から発酵産物を抽出し、抽出剤からそれを分離するための種々の管および設備を含む。ISPR系560は、例えば、発酵固体、抽出剤残留物、不純物などにより汚染され得る多数の表面を有する設備を含む。例えば、ISPR系560中に含まれるミキサー564およびセトラー566は、汚染され得る内表面を有する。抽出剤の一例のCOFAは、苛性材料の存在下で鹸化してミキサー564およびセトラー566の表面上で粗製石鹸を形成し得る。これらの粗製石鹸は、ISPR系560中に含まれる内部ミキサー、セトラーなどから除去することが困難であり得る。苛性物質は、他の下位系に有効な清浄剤であるが、脂肪酸と粗製石鹸を形成するこの傾向は、脂肪酸抽出剤を実用する系におけるその使用を除外し得る。
図3A〜Cに関して上記のとおり、ISPR系は、種々の手法で構成することができる。例において、抽出剤を発酵槽112に直接添加する。他の例において、発酵系は、抽出剤をブロスに接触させて発酵産物を回収するように構成される外部ループ(例えば、発酵槽の外部に存在するループ)を含む。例えば、この例において、希薄ブロスを再循環させることができ、抽出剤を加工して発酵産物を取り出すことができるように、抽出剤およびブロスを発酵槽の下流で混合し、得られるリッチ抽出剤をブロスから分離する。抽出剤からのブロスの分離について効率的である一方、遠心分離機および他の分離ユニットは、除染することが困難であり得る。したがって、ISPR系を除染する方法、技術、アプローチ、系および装置が目下、さらに詳細に考察される。
実施形態において、ISPR系560の除染は、発酵系102の他の部分からISPR系を離隔することを含む。例えば、ISPR部分は、原材料、例えば、バイオマスから発酵産物を生成するために使用される発酵系102の他の部分、例えば、発酵槽から離隔することができる。ISPR系560は、蒸留設備から離隔することもでき、または発酵系104の他の部分と流体接続させながら独立して蒸留系102から離隔することができる。これらの実施形態において、ISPR部分は、異なる除染手順、例えば、不適合な清浄手順を使用することができるように発酵系104の他の部分から離隔する。実施形態において、ISPR系560の離隔は、流体がISPR系560と発酵系の別の部分、例えば、発酵槽112との間を通過するのを遮断する1つ以上の弁(1つの弁566が参照される)を閉鎖することを含む。他の実施形態において、ISPRは、逆止弁を使用を通して、または例えば、装置、例えば、ブロスを発酵槽112から冷却ループに通して移送するように作動可能なポンプ568の作動を停止することにより離隔することができる。上記の例において、非作動ポンプはがISPRを発酵槽112から離隔し、発酵槽112中の圧力は、ポンプを通過するために十分でない。流体が通過し得ないように発酵槽112からISPR系560を離隔することにより、苛性溶液を使用して発酵槽112を清浄することができるが、それは、そうでなければ苛性溶液の存在下で鹸化するISPR系560中の抽出剤との接触を防止される。発酵系102の他の一部からISPR系560を離隔することにより、発酵系の一部に有効である除染技術を、たとえ、その技術が発酵系102の別の部分の除染、または他の部分、すなわち、非ISPR系部分を清浄するために使用される除染技術に不適合でも使用することができる。
一部の実施形態において、ISPR系560は、ISPR系の一部(例えば、ミキサー564、セトラー566)またはISPR系全体を水によりリンスするように構築される。例えば、ISPR系460中のミキサーまたはセトラーは、ISPR設備の表面上に存在し得る残留物、固体などを除去するためのスプレーボールワッシャーを含む。スプレーボールワッシャーを使用してブロスと混合されたリッチ抽出剤(産物アルコールを含む抽出剤)を合一するように構成されるセトラー566の内表面を噴霧することができる。浸漬および他の施与技術およびそれらの組合せを使用してISPR系を除染することもできる。撹拌を実用してリンス/清浄溶液の効率を増加させることも明らかであるべきである。例えば、セトラー中の撹拌器を使用して除染サイクルの間に苛性溶液を混合する。
ISPR系560を離隔した後の水リンスの使用は、ISPR系560中に含まれるセトラー、ミキサーまたは他の設備の1つ以上の表面上の抽出剤残留物を除去し得る。リンス水、および任意の除去材料は、廃棄、再循環、または施設の別の部分における使用のための精製のために低点ドレン570からフラッシュアウトすることができる。リンス水をISPR系560中の種々の位置に導入することができる一方、実施形態において、リンス水を抽出剤が導入される地点、例えば、地点572の上流で導入する。抽出剤が導入される地点の上流への水および/または清浄溶液の導入は、導入点に隣接して集合し得る抽出剤、ブロス、発酵固体などの除去を可能として除染手順の有効性を改善する。
ISPR系560は、抽出剤および/または汚染物質を除去するための効力を増加させるためにリンス水の温度を上昇させるための加熱器(例えば、加熱器574)を含み得る。実施形態において、リンス水は、その清浄効率を増加させるための添加剤、例えば、界面活性剤、湿潤剤、洗剤、分散剤などを含む。
実施形態において、苛性溶液をISPR系に導入してそれが接触するISPR系の表面を除染する。例えば、苛性溶液を水リンスの後に導入して設備、例えば、使用の間に抽出剤/ブロスと接触する設備表面を除染する。リンス後の苛性溶液の導入は、存在し得る抽出剤(COFA)の鹸化を最小化または排除し得る。例えば、リンスは、使用後にISPR設備の表面に固着する抽出剤または実質的に全ての抽出剤残留物を除去するために有効であり得る。苛性溶液は、そうでなければ発酵性炭素基質について発酵産物を産生する微生物と競合するか、またはそうでなければ微生物を阻害する汚染物質の設備の表面を除染するために十分に強力であり得る。ISPR設備の除染は重要である。それというのも、一部の例において、リーンブロスおよび/またはリーン抽出剤が発酵系を通り再循環され、潜在的な汚染源を表し得るためである。実施形態において、2パーセント(2%)(重量基準)の苛性溶液を使用して発酵系のISPR部分を除染する。実施形態において、苛性溶液は、2パーセント(2%)(重量基準)のアルカリ溶液を含む。苛性溶液は、本開示による例における2パーセント(2%)(重量基準)の水酸化ナトリウム溶液または約2パーセント(2%)(重量基準)の水酸化ナトリウム溶液である溶液を含む。ISPR系560は、種々の技術、例として、限定されるものではないが、スプレーボール施与、浸漬などにより苛性溶液を導入するように構成することができる。
実施形態において、方法は、酸性溶液を導入して汚染物質からISPRを除染し、および/または任意の苛性溶液もしくは設備の表面上に残留し得るリンス水により希釈される苛性溶液を中和することを含む。一部の実施形態において、酸性溶液を苛性溶液後に導入する。例えば、スルファミン酸を使用してISPR設備上の任意の残留物を除染および/または中和する。使用に好適な酸の他の例としては、限定されるものではないが、リン酸、クエン酸、スルファミン酸、酪酸などが挙げられる。スルファミン酸は、例えば、ISPR系またはその一部、例えば、セトラー、ミキサー、遠心分離機、ポンプなどのデインベントリーの一部として定期的に施与することができる。スルファミン酸溶液は、より大きい除染プロセスの一部として苛性清浄溶液とともに使用することができ、その2つを種々の因子、例として、限定されるものではないが、存在する汚染物質の量、汚染のタイプ、不合格発酵バッチの存在、産物アルコール産生の減少、抽出剤効率の低減、検出基準などの存在に基づき異なる時間において使用することができる。さらに明らかであるべきとおり、清浄手順は、最初に酸性洗浄またはリンスにより開始して追加の清浄ステップ、例えば、リンス、洗剤洗浄またはリンス、洗浄、苛性物質洗浄などの前にISPR設備の内表面から抽出剤を清浄/除去し得る。
一部の例において、2パーセント(2%)(重量基準)の酸性溶液を使用する。例えば、2パーセント(2%)(重量基準)のスルファミン酸溶液をスプレーボールにより噴霧として導入する。他の実施形態において、酸性溶液は、約2パーセント(2%)の硫酸または約2パーセント(2%)のリン酸(重量基準)を含む。他の清浄技術を使用することもできる。このおよび他の実施形態において、酸性溶液を抽出剤がISPR系中に導入される地点の下流で導入する。
ISPR系560は、ISPR系を水によりリンスし、苛性溶液を導入し、ISPR系を水によりリンスし、次いで酸性酸溶液を施与した後に酸性溶液リンスを実施するように構成することができる。清浄手順の一例は、任意のミキサー/セトラーを含むISPR系をデインベントリーすることができる。この清浄手順は、例えば、以下のものを含み得る:a)水をリーン抽出剤導入地点、例えば、COFAがISPR系に導入される地点の上流で導入することによりリンス水がミキサーを通りセトラーを通過するように設備、例えば、ミキサー564を水リンスすること;b)ISPR設備を、撹拌ありまたはなしで2パーセント(2%)の水酸化ナトリウム溶液(重量基準)溶液によりそれを洗浄することにより清浄すること。清浄は、浸漬洗浄または他の清浄技術により実施することができる;c)設備を水リンスすること:この水リンスを使用して設備から任意の水酸化ナトリウム残留物、汚染物質、固体粒子などを低減させることができる;d)ISPR設備を、撹拌ありまたはなしで2パーセント(2%)(重量基準)のスルファミン酸溶液によりそれをリンスすることにより清浄すること。実施形態において、スルファミン酸溶液の少なくとも一部は、設備の表面を被覆する一方、過剰のスルファミン酸を設備、例えば、セトラー上の低点ドレンに通して排出させる。他の実施形態において、例えば、スルファミン酸洗浄が利用される場合、最終苛性物質洗浄またはリンスを使用し、苛性溶液が設備の表面上に残留することを可能とする。
苛性および酸性溶液の導入間の水リンスは、苛性および酸性溶液が反応するのを防止し、汚染物質除去(苛性溶液によりほぐれた固体、鹸化した抽出剤の除去)を支援などし得る。実施形態において、酸性溶液または溶液の一部は、残留物として表面上に残留して設備が再使用されるまで汚染、例えば、表面上で増殖する汚染物質を最小化する。例えば、酸性溶液は、低点ドレン、例えば、ドレン570を介して除去することができる一方、設備の表面に固着する酸性溶液は残留させることができ、例えば、使用されるまで酸性溶液残留物を水によりリンスしない。このように、酸性溶液は、バッチ間の最終滅菌剤として機能し得る。他の実施形態において、苛性および酸性溶液処理の順序を逆にし、例えば、酸性溶液を苛性溶液前に実用する。
リーンブロスを移送するように構成されるポンプの使用なしで低点ドレンを介する溶液除去を可能とするための発酵およびISPRの構成は、清浄溶液が再循環発酵ブロスを汚染するのも防止または最小化する。このように構成されるISPR系は、再循環ブロス中で残留する抽出剤が、苛性溶液と接触するときにポンプ中で鹸化する見込み、清浄溶液(酸溶液)、リンス水、リンス水添加剤などによるブロスの汚染を最小化し得る。清浄溶液、リンス水などをISPR系から排出するが、それを別のプロセスにおいて精製または利用して廃水を最小化することができる。
除染手順は、所定のスケジュールに基づき繰り返すことができる。他の例において、水リンスおよびまたは清浄溶液(苛性/酸性溶液)の1つ以上ならびにそれらの組合せの導入は、イベントの発生に基づき繰り返すことができる。例えば、ISPR系560が清浄の許容可能なレベルを達成したとモニタリング系が決定するまで水リンス、苛性溶液導入とそれに続く水洗浄、および酸性リンスの1つ以上を繰り返す。
例において、ISPR系は、種々のリンス、溶液(苛性および酸性)の調製;貯蔵;精製などのための清浄系を含む。他の例において、清浄溶液を現場で調製する。例えば、苛性溶液を、除染すべきセトラーまたはセトラー中で調製する。さらに、清浄溶液およびリンス水を所定の回数で再使用するか、またはそれが所定の基準を満たし得なくなる(例えば、超過し、および固体の許容可能なレベル、苛性度または酸性度の減少など)まで再使用することができる。例えば、苛性溶液を再使用してISPR系中に含まれる4つのセトラーを清浄する。その地点において、溶液を別のプロセスのために精製し、活性化させ、再使用するか、または廃棄することができる。
目下、図5Bを参照すると、図5Bは、図5AのISPR系560に実質的に類似するISPR系560を説明する。図5Bに説明される実施形態において、ISPR系は、加熱された抽出剤を清浄剤として使用するように構成される。例えば、これらの実施形態において、ISPR系560は、COFAを、ISPR系の少なくとも一部を除染するために十分に高い温度に加熱し、例えば、ミキサー564およびセトラー566を、野生型酵母、例えば、エタノロジェンを殺滅するために十分な温度に加熱する。ISPR系は、アクティブ加熱を実用してCOFAの温度を上昇させることができる一方、一部の実施形態において、例えば、COFAが系を通過するときにCOFAを冷却しない(COFAをその典型的な使用温度において維持するための冷却器576を使用しない)ことにより、加熱を受動加熱により達成する。このように、COFA温度は、発酵産物を抽出するためにそれが実用される温度を超えて上昇する(例えば、ISPR系560の非除染使用)。上記の例において、除染の間のCOFAの温度は、摂氏75度(75℃)を超えて上昇して任意の生物学的に活性な汚染物質、例えば、乳酸産生微生物を全滅させることにより任意の汚染物質を最小化または排除することができる。追加の例において、貯蔵容器またはタンク中のCOFAの温度を、汚染を最小化し、抽出剤の無菌を保持するために十分な温度(例えば、COFAについて80℃)、またはそれがISPR系中で実用される温度、例えば、COFAがISPR系560の通常作動において実用される温度を超えて維持する。十分に高い温度は、抽出剤がかなりの熱分解に供される温度未満を保ちながら除染を促進するように選択することができる。
追加の例において、ISPR系560中に含まれる1つ以上のポンプのポンプ速度は、フィード/除去速度の合致を達成するように設定する。上記の一例はミキサー/セトラーを通る加熱されたCOFAの実質的に連続的な流動をもたらす速度において作動してそれが接触する設備の表面を加熱するようにリッチCOFAポンプ580およびCOFAフィードポンプ582を設定することである。このように作動するためのポンプ580、582の構成は、急速加熱を促進し、十分に高い温度未満のCOFA冷却の見込みを最小化し、抽出剤が十分に高い温度において、またはその温度を超えて存在することを確保する速度において設備を通り循環などし得る。
一実施形態において、ISPR系は、以下のステップを使用することによりISPR設備、例えば、ミキサー/セトラー系をデインベントリーすることを含む除染手順を実施するように構成される:a)使用される冷却器(例えば、COFA冷却器576)を運転停止させて通常作動の間に抽出剤温度を低減させること;b)ミキサー/セトラーに、抽出剤フィード地点を通り加熱され/冷却されないCOFAをフィードすること;c)設備の温度を、設備、例えば、COFAと接触する設備の表面を除染するために十分な温度に上昇させるように抽出剤の流入/流出速度に合致させること。場合により、設備上の低点ドレン、例えば、清浄すべきセトラーまたは最後の容器/設備部品上のドレンを通して除染の完了時に設備をデインベントリーすること。場合により、設備を水によりリンスして設備の表面上に存在する任意のCOFAを最小化または低減させること。例えば、水リンスを使用して設備の内表面上に残留する任意の残留物、粒子などを排除する。スプレーボールまたは他の技術を使用してリンスを施与することができる。一部の例において、リンス水を加熱して上記のとおりその溶解度などを増加させることができる。
認識すべきとおり、図5Bに併せて記載される技術、アプローチ、装置、系などは、図5Aまたは図1〜4に参照されるものとともに考察されるものと実用することができる。例えば、高温抽出剤(COFA)を使用する除染を、あるスケジュール(バッチごと、1つごとのバッチ、4つごとのバッチなど)で実施する一方、苛性物質/酸洗浄除染をより長いサイクル(例えば、10ごとのバッチ)で、または所定の基準に応答して実施し、例えば、ISPR系は、許容可能な清浄レベル未満に降下する。
さらに、種々の手順または手順のステップは、所定のスケジュールに基づき、またはイベントの発生、例えば、所定の基準の充足、例えば、清浄の特定レベルの達成まで複数回繰り返し、または反復することができる。追加のISPR除染または清浄技術は、さらに以下に目下詳細に記載されるとおり、図5Aおよび5Bに記載のものとともに実用することができる。アプローチ、技術、系、溶液などを、この文書全体にわたり記載のもの、例として、限定されるものではないが、図5Aおよび5Bに併せて記載のものにより実用することができることが明らかであるべきである。
産物回収除染/抽出剤回収
図6を参照すると、発酵系、産物回収清浄系、方法、アプローチなどの実施形態がさらに詳細に記載される。さらに、抽出剤を回収するためのアプローチ、技術、方法なども記載される。例えば、本開示による方法は、出費および廃棄物処理を低減させる抽出剤回収の増加を可能とする。産物回収、例えば、上記に詳述の液液抽出技術を使用する現場産物回収(ISPR)は、除染問題を有する抽出剤を実用し得る。ブロスおよび/または抽出剤と接触する設備、例えば、表面からの抽出剤の回収も考察される。再使用または産物流中の包含のための抽出剤の回収は、廃棄物問題を縮小させ、副産物産生を増加などさせ得る。
種々の抽出剤、例えば、COFAを使用して発酵ブロスからイソブタノールを回収することができる。抽出剤として有用であるが、設備からのCOFAの化学清浄は困難である。COFA、および他の抽出剤は、それら自体だけでなく、固体および/または微生物汚染物質との組合せで除染問題を有し得る。それというのも、それは設備の表面に固着し、設備表面に付着する油状またはワックスタイプ残留物または被膜を形成し得るためである。例えば、COFAと水系清浄溶液との間の界面張力は、水中COFAの分散を防止する障壁を形成し得る。さらに、抽出剤、例えば、COFAは、設備を清浄するために使用される一部の溶液、例えば、苛性物質または酸清浄溶液に十分には対応しない。機械的および加熱清浄手順は、コスト、汚染の複雑性、中断問題、複雑な内表面(例えば、静的ミキサー表面)、出費などに起因して非現実的であり得る。
例において、設備の内表面に付着する抽出剤、例えば、COFAは、回収されるとそれを再使用のために加工するか、または副産物として供給することができる場合であっても汚染物質とみなす。COFAは、それ自体を除去することが困難なことに加え、他の汚染物質を被覆し得る。COFA残留物は、清浄溶液が他の汚染物質に到達するのを防止し得、またはCOFAは、例えば、設備が排出されている場合に汚染物質を表面に固着させ得る。例えば、COFAは、一部の除染溶液が汚染物質微生物に接触するのを防止してそれらを生物学的に脱活性化させ、例えば、それらを殺滅する。廃棄物としてCOFAの廃棄は、出費を増加させ、そうでなければ有用な材料を廃棄し得る。さらに、不適合性の清浄溶液が使用される場合、COFAは、反応して有用でない産物を形成し、例えば、粗製石鹸にエステル化得る。
目下、図6を参照すると、タンク600または容器が、抽出剤、例えば、COFAによりもたらされる種々の除染問題の一例として説明される。タンクが説明されるが、発酵系中に含まれる他の成分、設備、装置は、類似の汚染および清浄問題を受ける。産物回収系中に含まれる静的ミキサーおよびセトラーは、COFAにより汚染され得る。例えば、静的ミキサーは、清浄の問題がある。それというのも、それらは複雑な形状を有する複雑な内部バッフルを有するためである。
説明されるとおり、汚染物質(例えば、固体602、微生物汚染物質604、COFA606)は、発酵ブロス/抽出剤に接触する設備の表面、例えば、タンクの金属壁608に固着または付着し得る。実施形態において、表面は、金属表面、例えば、ステンレス鋼表面、または発酵系における使用に好適な他の金属表面である。例えば、例えば、バイオマスからの固体粒子状物質、発酵固体、微生物(例えば、酵母)がタンクの表面608に固着し得る。他の汚染物質も、タンク600の表面上で蓄積し得る。例えば、COFAは、設備が清浄または維持のためにデインベントリーされる場合、設備の表面に付着し得る。微生物汚染物質(例えば、環境細菌)も、タンクに、またはタンクの表面上の固体およびタンクの表面上の他の材料に付着し得る。これらの汚染物質を被覆するCOFAは、適切な清浄を妨げ得る。それというのも、一部の清浄溶液は、抽出剤に起因してそれらの汚染物質に接触し得ないためである。区別される固体/汚染物質微生物/COFA層が説明されるが、複数の層を形成することができ、層を複数の成分(例えば、固体、汚染物質微生物、他の汚染物質)などから形成することが理解されるべきである。例えば、COFAは、清浄困難である「油状」残留物を形成し得る。
したがって、設備、発酵系、産物回収系を含む発酵系などを除染する方法、技術、アプローチ、系、原理、および装置が記載される。実施形態において、本明細書に記載の技術、アプローチ、方法、原理は、図3A〜5Bに参照されるものに関して記載のものとともに、またはそれに代えて使用することができる。例えば、本明細書に記載の溶液は、図4を参照して記載される設備を使用して生成または調製することができる。
一実施形態において、発酵系を除染する方法は、溶液を生成することを含む。溶液は、例えば、除染設備における使用のための水溶液中で有効量のインターファクタントまたは可溶化剤を混合することにより生成する。インターファクタントは、COFAと水との間の有効な界面張力を変更し得、親水性および親油性部分を含むことに起因して、それは抽出剤と水との間で架橋し得る。実施形態において、十分な濃度および/または有効量のインターファクタントは、抽出剤に関して溶液の表面張力/界面張力を調整するための量または濃度である。例えば、インターファクタントは、少なくとも部分的には、それが気泡の封じ込めを引き起こさない表面張力を示すため、それが抽出剤との分散液を形成するために有効であるなどのため、選択される。一部の実施形態において、インターファクタントは、少なくとも部分的には、その脱泡特性に基づき選択される。インターファクタントは、本明細書に考察されるが、可溶化剤の考慮および特性は、当業者により理解されるとおりインターファクタントのものと類似することが明らかであるべきである。一例において、インターファクタントは、分散液、例えば、不均一分散液を抽出剤と形成するために溶液中で十分な量で含まれるコリン塩である。例えば、溶液は、設備部品の表面から除去される抽出剤と、溶液からの水およびインターファクタントを含む分散液を形成する。溶液は、例えば、溶液タンク448または送り先容器454中で混合することができる。
コリン塩の例としては、限定されるものではないが、クエン酸コリン、水酸化コリン、ホスファチジルコリン、酒石酸塩、塩化コリン、酢酸コリン、コリン脂肪酸塩、オレイン酸コリン、ステアリン酸コリン、硫酸コリン、リノール酸コリン、イソ酪酸コリン、またはそれらの組合せが挙げられる。他のインターファクタントを使用することもでき、例としては、限定されるものではないが、尿素、アルキル尿素、第4級アンモニウム塩、ポリエーテルグリコール、非イオン性界面活性剤、例えば、Tergitol(商標)(Dow Chemical Company,Midland MI)、エトキシレート、トリアルキルホスフェート、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、短鎖ホスフェート、アルキルホスフェート、イソブチレート、架橋化合物、モノアルキルホスフェート、ジアルキルホスフェート、またはそれらの組合せが挙げられる。これらのインターファクタントは、コリン塩とも組み合わせることができ、その逆も可能である。
インターファクタント中のアルキル置換基の数および/または長さは、その親水性/親油性特性に影響を及ぼし得る。より多いまたは長いアルキル基は、リン酸エステルの親油性を増加させ得る。トリオルガノホスフェートの溶解度は、基の分子量の増加とともに減少する。トリメチル−およびトリエチルホスフェートは、水混和性である。トリプロピルホスフェートの溶解度は、摂氏25度(25℃)において1リットル当たり6450ミリグラム(6450mg/L)である一方、トリブチルホスフェートの溶解度は、摂氏4度(4℃)において1リットル当たり約1000ミリグラム(1000mg/L)であり、温度とともに減少し、摂氏50度(50℃)において2.85×10−4mg/Lを達成する。
一部の実施形態において、短鎖は、2つ以下の炭素の鎖を含む。一部の実施形態において、他のリン酸エステルと比較してより好熱性であるリン酸エステルは、微生物、例えば、ブタノロジェンとより生物適合性である。
溶液は、追加の化学物質、添加剤などを含み得ることも認識されるべきである。添加剤の例としては、分散剤、酸、塩基、抗菌剤、酸化防止剤、抗真菌剤、湿潤剤、消泡剤、色素、界面活性剤(例えば、非イオン性界面活性剤)、表面張力改変剤などが挙げられる。例えば、溶液は、発酵ブロスおよび/または抽出剤と接触する設備上の1つ以上の内表面から抽出剤を回収および/または清浄するためのインターファクタントおよび可溶化剤を含み得る。
インターファクタントは、種々の因子に基づき選択することができる。例えば、親水性であるが、親油性部分を含むインターファクタントを選択することができる。インターファクタント選択は、インターファクタントが主として水相中に残留するが、抽出剤を除去し、抽出剤を適切に分散させるなどのために十分に親油性であるように調整することができる。インターファクタントが、主として、水を含む極性水相と、非極性/炭化水素特性を有する抽出剤、例えば、COFAとの間で架橋し得るように、上記の一例は1つ以上の親水性「末端」および1つ以上の親油性「末端」を有する分子である。当業者は、インターファクタント上の異なる部分、例えば、親水性部分、親油性部分の存在および程度が、分散液を形成し、特定の構成に有益な特性を示すためのインターファクタントまたはインターファクタントの組合せの有効性を決定し得ることを認識する。上記の一例は、インターファクタントが有機相、例えば、抽出剤中に分配する程度である。
可溶化剤は、インターファクタントと類似の根拠に基づき選択することができ、可溶化剤は、抽出剤回収および/または設備の適切な清浄を可能とする溶液を形成するように選択される。可溶化剤は、インターファクタントと同様、抽出剤の有効な回収を可能とするように選択することができる。可溶化剤は、適切な清浄を確保するように、抽出剤が完全に溶媒和されることを確保するように、効率的な抽出/溶液分離を可能とするようになど、清浄すべき抽出剤の化学構造、設備の複雑性、設備作動パラメータに基づき選択することができる。
関連の他のインターファクタント特性としては、限定されるものではないが、インターファクタントの生物適合性/殺生物剤、酸化防止剤として作用する傾向、抽出剤中に分配する能力、pH、抽出剤産物回収効率を改善するその能力、抽出剤と水との間の界面に存在するその能力、親水性、親油性、発酵産物に対する親和性などが挙げられる。例えば、インターファクタントは、それが抽出剤、汚染物質微生物の1つ以上の設備の除染に有効であるため、そのブタノール抽出係数(Kd)、抽出剤と水との間で分配するその能力などのために選択される。
別の例において、十分量で、例えば、特定の濃度において溶液中に含まれる場合、溶液がそれが施与される表面上に存在する微生物を生物学的に脱活性化させ得るインターファクタントが選択され、例えば、能力は十分な濃度で含まれる場合に微生物を殺滅する。インターファクタントは、それがある程度、抽出剤中に分配し得るために選択することができる。例えば、一部のインターファクタントは、水相中に含められる一方、水相と有機相、例えば、抽出剤を含む相との間の界面に隣接して集団化する。インターファクタントは、それが抽出剤と分散液を形成するために十分に親油性であるが、インターファクタントがかなりの量(例えば、抽出剤を有益な微生物、例えば、ブタノール産生ラインにおいて使用されるブタノロジェンと生物非適合性とする量)で有機相に流入するほど十分に親油性でないために選択することができることが明らかであるべきである。
上記の例において、選択されるインターファクタントを水および追加の添加剤と混合することによりインターファクタントを生成する一方、インターファクタントを、溶液が抽出剤残留物と相互作用する場合、水、例えば、バルクまたは水全体中でそれほど残留せずに有機または抽出剤相に隣接する水相に存在することを可能とする量で添加することができる。言い換えると、インターファクタントの量は、それが水中に残留しながら水/抽出剤間の界面に隣接する水中で移動し得るように、十分なインターファクタントが溶液、例えば、水相中に存在するように選択することができる。上記の例において、インターファクタントの一部は、抽出剤の特性、インターファクタントの特性(例えば、親水性/親油性特性)、水中の任意の添加剤の特性などに基づき抽出剤中に分配し得る。
一部の例において、溶液中のインターファクタントの濃度は、インターファクタントが分散液形成についての制限因子でないがように十分に高いが、その濃度は、インターファクタントが、抽出剤(別のまたは第2の濃度におけるインターファクタントを含有)が発酵ブロス中に存在する微生物、例えば、ブタノール、例えば、イソブタノールを産生するように構成される遺伝子組換え微生物と生物非適合性となる量で抽出剤に分配またはそうでなければ流入するのを防止するために十分に低い。
上記の例において、インターファクタントの一部は、抽出剤または有機相に流入し得る。例えば、分散液の形成の一部として、水相中に最初に含まれる一部のインターファクタントは分配し、またはそうでなければ抽出剤に流入する。実施形態において、抽出剤中のインターファクタントの濃度は、抽出剤を種々の特性を示すようにするために有効である。例えば、インターファクタントは、水(例えば、発酵ブロス)からブタノールをより効率的に抽出する抽出剤の能力を増加させるために抽出剤中に十分な濃度または量で存在する。例えば、この状況において、抽出剤/インターファクタントのブタノール分配係数(Kd)は、インターファクタントを有さない抽出剤よりも大きく、または高い。
実施形態において、溶液の生成は、溶液のpHを調整することを含む。例えば、苛性物質を添加して溶液のpHを9以上、約9、約9以上、12超、約12、12のpHに上昇させることができる。実施形態において、溶液のpHは、抽出剤のpKaであるように、約pKaであるように、またはそれよりも高いように選択される。例えば、COFAは、約5(いくぶん酸性)のpKaを有し得る。したがって、溶液は、したがって、溶液は、約5、5、または5超のpHを有し得る。
抽出剤、特にバイオマスに由来する抽出剤、例えば、COFA、他のトウモロコシ由来抽出剤、他のバイオマスに由来する脂肪酸などは、種々の因子に基づき異なるpKa値を有し得ることが認識されるべきである。因子の例としては、限定されるものではないが、脂肪酸の化学構造、いかに脂肪酸が産生されたか、存在する他の構成要素(例えば、未転化バイオマス油の存在)、抽出剤中の添加剤(酸化防止剤、抗菌剤)の存在などが挙げられる。
さらに詳細に以下に説明されるとおり、抽出剤のpKaと比較した溶液のpHは、種々の根拠のため調整することができる。例えば、溶液のpHは、それが生成されたとき、抽出剤中に分配する一部のインターファクタント、または可溶化剤を構成するほど十分高い。すなわち、そのpH、および他の因子は、使用中に有機相中に分配する一部の抽出剤を構成するように調整することができる。したがって、溶液の種々の特性は、溶液が抽出剤を含有する表面に施与される場合、例えば、分散液が抽出剤と形成されるために変化し得る。
一部の例において、インターファクタントが抽出剤中に分配することの許容は、有益であり得る。例えば、一部のインターファクタントは、酸化防止特性を示し、酸化防止剤として機能し、消毒剤として機能し、滅菌剤として機能し、抽出剤の親和性を増加などさせる。これらの例において、抽出剤中のインターファクタントの存在は、酸化に起因する分解を防止するか、または回収すべき産物に対する抽出剤の親和性を増加させ得る。例えば、一部のインターファクタントは、抽出剤ブタノール親和性(Kdとして表現され、抽出剤ブタノール分配係数とも称されることがある)を増加させる。これは、インターファクタントが抽出剤により汚染された表面の効率的な清浄を促進するだけでなく、発酵ブロスからブタノールを回収する抽出剤の効率を増加させ得るため、有益であり得る。インターファクタントの例としては、サリチル酸、サリチル酸エステル、パラヒドロキシ安息香酸およびエステルが挙げられる。
インターファクタントは、他の根拠に基づき選択することができる。以下にさらに詳細に記載されるとおり。一例として、インターファクタントは、それが抽出剤の効率的な回収を可能とするために選択される。例えば、発酵設備の表面に付着する抽出剤を汚染物質とみなすことができる一方、それは追加の発酵産物の回収における使用に、または副産物として販売するために有用である。さらに、抽出剤の回収は、典型的には、廃棄コストと関連する廃棄物の量全体を最小化する。
溶液は、種々の手法で表面に施与することができる。施与手順の例としては、限定されるものではないが、発酵および/または産物回収設備、例えば、ISPR系中に含まれる設備の浸漬、スプレーボール洗浄、リンス、フラッシングなどが挙げられる。実施形態において、溶液を、抽出剤が表面から除去されるように抽出剤を含む表面に施与する。一部の例において、抽出剤は、インターファクタントと抽出剤との間の相互作用に起因するか、または少なくとも部分的に起因して表面から分離する。実施形態において、分散液を脱安定化させて抽出剤を回収することができるように抽出剤とインターファクタントとの間の相互作用は可逆性であり、例えば、抽出剤および水溶液相が分離するように分散液を脱安定化させる。
上記のとおり、施与される溶液は、生じる分散液または溶液と比較して異なる特性を有するか、または異なる程度に特性を示し得る。例えば、表面から回収された抽出剤、水、およびインターファクタントの分散液中の水相中のインターファクタントの濃度は、抽出剤を除去するために施与された溶液のものと異なり得る。それというのも、インターファクタントの一部は抽出剤中に分配し得るためである。一部の実施形態において、溶液は、溶液が微生物の最小化または排除に有効であるように十分な濃度でインターファクタントを含む。この例において、溶液は、表面からの抽出剤の除去に加え、それが接触する表面から生物学的に活性な汚染物質を減少させるか、または排除し得る殺生物剤として作用する。
実施形態において、分散液を回収する。例えば、回収された抽出剤、水、インターファクタントを含有する分散液を、溶液および/または抽出剤の回収のために設備上の低点ドレンの外に排出させる。種々のアプローチ、装置、および設備を使用して清浄サイクルの間に分散液を回収することができる。例えば、分散液を、1つ以上の清浄サイクルの過程にわたり容器中に回収してからそれを再循環させ、例えば、バッチ再循環させる。他の例において、抽出剤および/または溶液をその使用と同時に再循環させる。
抽出剤および水溶液相が分離するように分散液を脱安定化させることができる。例えば、抽出剤が有機層を形成し、水が別の層中に分離するように分散液を加熱する。脱安定化技術の例としては、分散液の加熱、分散液のpHの調整、試薬の添加、抽出剤と溶液との界面張力を少なくとも施与前のものに実質的に回復させるための別のインターファクタントの添加、分散液の機械的脱安定化、遠心分離、合一、脱乳化、冷却の少なくとも1つ、またはそれらの組合せが挙げられる。例えば、抽出剤および水が互いに分離するように別のインターファクタントを分散液に添加することができる。認識されるべきとおり、上記のとおり第1のインターファクタントは主として水相中に存在し得る一方、微量部分は有機/抽出剤相中に存在する。
実施形態において、分散液相は、分離する。それというのも、抽出剤を含有する表面に溶液を施与することにより分散液を生成した場合と、およびそれを抽出剤/溶液回収のために脱安定化させた場合との間で1つ以上の条件が変化したためである。例えば、分散液は、溶液を抽出剤に施与する場合に第1の条件(例えば、温度)において生成する一方、分散液は、条件を変化させること、例えば、第2の条件を得ること、例えば、分散液を第1の温度と異なる第2の温度に加熱することにより脱安定化させる。第2の条件は、第1の条件における分散液の機械的脱安定化バージョン、第1の条件における分散剤の合一バージョン、第1の条件における分散液の脱乳化バージョンの少なくとも1つ、またはそれらの組合せと関連し得る。
一部の実施形態において、水中のインターファクタントの溶解度は、温度とともに変動し得る。例えば、トリブチルホスフェートの溶解度は、4℃において約1000mg/Lであり、摂氏50度(50℃)において0.003mg/Lに減少する。温度の増加は、溶液中のCOFAの分散性も減少させ得る。この特性を利用してCOFA相の回収および清浄溶液中のリン酸エステルの保持を操作することができる。例えば、リン酸エステルを含む溶液を周囲温度において使用して発酵設備からCOFAを取り出し、それを溶液中に分散させることができる。続いて、溶液を、分離可能なCOFA相の形成を可能とするより高い温度に加熱することができる。このCOFA相を取り出し、周囲温度において水により洗浄してインターファクタント、例えば、リン酸エステルを回収することができる。
上記の追加の例は、摂氏30度から摂氏100度の間(30〜100℃)の第1の温度において抽出剤を含有する表面に溶液を施与し、次いで分散液を、第1の温度よりも高いが、摂氏30度から摂氏100度の間(30〜100℃)の範囲内でもある第2の温度に加熱することである。実施形態において、摂氏30から100度の範囲内で抽出剤を除去し、相分離し得るインターファクタントの実用は、溶液中に存在する水を構成するように実用する。一部の実施形態において、第1および第2の温度間の差は、5度または約5度である。5度の分離は、加熱/冷却などに起因してエネルギー消費を最小化しながら正確な相分離を可能とし得る。
分離相は、再使用のため、および/または副産物流における包含のために再循環させることができる。例えば、使用の間に回収された汚染物質を除去することにより溶液を精製することができる一方、回収された抽出剤を精製して汚染物質などを除去する。精製技術の例としては、濾過、機械的分離、蒸留、蒸発、真空支援蒸留/蒸発、pH調整、滅菌、試薬の添加などが挙げられる。用いられる程度および精製技術は、種々の因子に、例として、限定されるものではないが、抽出剤または溶液が再使用されるか否か、どのタイプおよびまたは量の汚染物質が溶液/抽出剤中に存在するか、抽出剤/溶液の化学的分解の発生率などに基づき変動し得る。一部の実施形態において、抽出剤/溶液の再循環は、抽出剤および/または溶液に、清浄の間に損失した添加剤を置き換えるための追加の添加剤;新たな抽出剤/溶液;追加のインターファクタントまたは可溶化剤などの1つ以上を再装入することを含む。例えば、追加のインターファクタントは、溶液が十分な濃度のインターファクタントを含むように、使用される溶液中に取り込む。
一部の実施形態において、発酵系を除染する方法は、可溶化剤を含む溶液を実用する。さらに、可溶化剤を含む溶液の使用を通して抽出剤、例えば、発酵系中に含まれる表面に付着する抽出剤を回収するための実施形態が開示される。回収された抽出剤は、再使用のために抽出剤としておよび/またはアルコール産生、例えば、フーゼル産生のための副産物流中の包含のために再循環させることができる。可溶化剤は、可溶化が発酵から生じる副産物としてもたらされるため、インターファクタントの使用に関して選択することができる。例えば、可溶化は、それが抽出剤の除去に有効な比較的低コスト/低需要の発酵副産物であるために選択する。
実施形態において、これらの実施形態によれば、可溶化剤を含有する溶液は、十分量の可溶化剤を水、および場合により、添加剤と混合することにより生成する。可溶化剤の例としては、限定されるものではないが、酪酸、イソブタノール、イソアミルアルコール、イソ酪酸、サリチル酸およびエステル、パラベン酸およびエステル、ジメチルアセトアミド、アセトアミド、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド(DMAC)、およびそれらの組合せが挙げられる。溶液中に含まれる可溶化剤の量は、例えば、発酵系中に含まれる設備の部品または装置の表面からの抽出剤の除去を確保するために有効であり得る。溶液に添加される可溶化剤の量は、溶液中に存在する水および表面から除去された抽出剤が均一溶液を形成するようにも有効であり得る。すなわち、溶液が表面に固着する抽出剤を除去するために有効である一方、実質的に均一な溶液を形成するようにその十分な可溶化剤を水に添加する。他の考慮点としては、例として、可溶化剤が抽出剤中に分配するか否か、可溶化剤の毒性または殺生物活性、抗菌活性、消毒能力、滅菌能、酸化防止能などを考慮することができる。
一部の実施形態において、発酵の間にブタノールと同時産生される代謝物を溶液中に含める。例えば、より高い沸点の発酵副産物、例として、酢酸、イソ酪酸、イソアミルアルコールおよびブタンジオールを、とりわけ、溶液中に含めることができる。他の好適な添加剤としては、サリチル酸、サリチル酸エステル、パラヒドロキシ安息香酸、パラヒドロキシ安息香酸エステル、およびそれらの組合せが挙げられる。上記の化合物は、他の添加剤、インターファクタント、可溶化剤などとの組合せで使用することができる。水性清浄溶液中の十分な濃度のこれらの化合物は、COFAを可溶化し得る一方、それらは、一部の例において水相中でより低い濃度で含まれる場合にCOFAを分散させ得る。
可溶化剤を含有する清浄溶液を使用して抽出剤が表面から除去されることを確保することができる。抽出剤/溶液の蒸留、蒸発分離を実施すべき場合、可溶化溶液を使用する。種々の他の考慮は、溶液中に含めるための可溶化剤および/またはどのくらいの量の可溶化剤を選択する場合に実用することができる。可溶化剤選択は、インターファクタント選択と同様、他の考慮を実用し得る。考慮することができる因子の例としては、表面張力、除去すべき抽出剤、可溶化剤のブタノール親和性、微生物への可溶化剤毒性、抽出中に分別する可溶化剤の能力(例えば、可溶化剤の親水性/親油性特性)などが挙げられる。考慮することができる他の因子としては、設備充填/排出速度、施与技術(例えば、清浄、スプレーボール洗浄、リンス、浸漬洗浄)、表面の組成(例えば、金属タイプ、平滑性、スケールの存在)、実用すべき他の清浄技術などが挙げられる。
一部の例において、これらの可溶化剤のlogPは、温度の増加とともに増加する。したがって、加熱/冷却を使用して抽出剤が溶液中で可溶性であるか否か、またはそれが溶液から流出するか否かを決定することができる。logPは、オクタノールおよび水との混合物中の化合物の分配係数である。
可溶化剤を含有する溶液は、種々の技術を使用して施与することができる。技術の例としては、限定されるものではないが、洗浄、リンス、スプレーボール洗浄、噴霧施与、逆流洗浄、およびそれらの組合せが挙げられる。実用される施与技術は、清浄すべき系、設備、または装置に依存し得る。例えば、逆流洗浄を使用して静的ミキサーまたはセトラーを清浄する一方、スプレーボール洗浄を使用して抽出剤および他の汚染物質、例えば、固体、微生物汚染物質などの容器を除染する。
目下、表面から除去された抽出剤を含有する溶液は、抽出剤および/または溶液の分離および再循環のために回収することができる。種々の分離技術を使用することができるが、技術の例としては、蒸留、蒸発、真空支援分離、およびそれら組合せが挙げられる。したがって、分離された溶液および抽出剤は、再使用のために再循環させ、および/または例えば、抽出剤の場合、副産物流中に含めることができる。例えば、回収された抽出剤は、精製したら、動物飼料のための添加剤として使用することができる。
実施形態において、再循環は、使用される溶液が、生成におけるまたは施与前の溶液と類似するように溶液中に追加の可溶化剤および/または添加剤を取り込むことを含む。例えば、追加の可溶化剤を、それが効率的な抽出剤除去を促進し、均一溶液を形成などするために十分な濃度で溶液中に含まれるように添加する。
記載の溶液を使用して除去することができる抽出剤の他の例としては、限定されるものではないが、以下の脂肪酸の1つ以上が挙げられる:アザレイン酸、カプリン酸、カプリル酸、ヒマシ油、ヤシ油(すなわち、脂肪酸、例として、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、カプリル酸、カプリン酸、ステアリン酸、カプロン酸、アラキジン酸、オレイン酸、およびリノール酸の天然存在の組合せとして)、ダイマー酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、アマニ油、ミリスチン酸、オレイン酸、オリーブ油、パーム油、パルミチン酸、パーム核油、ピーナツ油、ペラルゴン酸、リシノール酸、セバシン酸、ダイズ油、ステアリン酸、トール油、獣脂、12ヒドロキシステアリン酸、または任意の種油。一部の実施形態において、抽出剤は、二酸、アゼライン酸、ダイマー酸およびセバシン酸の1つ以上である。したがって、抽出剤は、2つ以上の異なる脂肪酸の混合物であり得る。実施形態において、抽出剤は、天然油に由来するグリセリドの化学または酵素的加水分解に由来する脂肪酸である。例えば、抽出剤は、天然油、例えば、バイオマス脂質の酵素的加水分解により得られる遊離脂肪酸である。実施形態において、抽出剤は、米国特許出願公開第2011/0312044号明細書に記載の天然油、例えば、バイオマス脂質の化学的転化から得られる脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪族アミド、脂肪酸メチルエステル、脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸グリコールエステル、ヒドロキシル化トリグリセリド、およびそれらの組合せからなる群から選択される脂肪酸抽出剤である。
一部の実施形態において、本明細書に記載の清浄および/または抽出剤回収手順は、追加の除染手順とともに使用することができる。例えば、上記の手順を、発酵系および/または蒸留系中に含まれる設備を清浄または滅菌するための酸洗浄、酸リンス、水リンス、苛性物質洗浄、苛性物質リンス、スチーム処理、洗剤洗浄などの1つ以上とともに使用することができる。
静的ミキサーの使用および除染
目下、図7を参照すると、実施形態において、発酵系102は、1つ以上の静的ミキサー(1つのミキサー700が説明される)を含む。静的ミキサーは、それを通り流動する流体を混合するように構築される。図5Aおよび5Bに説明されるミキサー564は、発酵ブロスおよび抽出剤として混合するように構成される静的ミキサーであり得る。さらに、静的ミキサーは、ブロス中に含まれる固体または粒子、例えば、発酵固体も混合し得る。
図7に説明されるとおり、静的ミキサー700は、液体中で乱流を引き起こしてそれを混合するように成形される1つ以上のバッフル680(1つが参照される)を含む。バッフルは、混合すべき液体に基づき種々の形状および構成を有し得る。結果として、種々の因子が、ミキサー700の性能に影響を及ぼし得る。因子の例としては、限定されるものではないが、流速、液滴サイズ、非混和性(液体の混合物中)、固体の存在/不存在、1つ以上の液体の比重などが挙げられる。現行の実施形態において、静的ミキサー700は、ミキサー600を通り流動する抽出剤および発酵ブロスを混合してブロスからのブタノール抽出を促進するように構成される。ミキサー700は、適切な混合を確保するように、例えば、特定のサイズの抽出剤またはブロス液滴を形成し、ブロス中に液滴を分布などさせて効率的な物質移動を促進するように設計し、作動させることができる。静的ミキサーの効率は、種々の因子、例として、流速、圧力降下、流体の比重値、例えば、ミキサー700を通る粒子の存在または不存在などにより影響され得る。
実施形態において、ミキサー700は、脂肪酸抽出剤、例えば、COFAを、水または発酵ブロスと混合するように選択/設計する。抽出剤は、水中で非混和性、実質的に非混和性、または部分的に非混和性であり得る。COFAは、例えば、一般に、水性液体と非混和性である。上記の例において、ミキサー700は、COFAおよび発酵ブロス(発酵産物を含有するリッチブロス)をブレンドして調整されたサイズの非混和性COFA液滴と、発酵ブロスとが混合された2相混合物を形成し得る。液滴を形成するためのCOFAおよびブロスの混合は、例えば、イソブタノールおよび他の産物の効率的な物質移動を促進し得る。それというのも、液滴が抽出剤へのブタノールの物質移動のための大きい表面積を提供するためである。
静的ミキサーは、液体の混合に効率的であるが、その内表面の形状および複雑性に起因して清浄困難な汚染に供され得る。例えば、一部の静的ミキサーは、より広いまたは制限されない形状と比較して汚染の見込みを増加させる制限形状を含む。発酵固体および他の汚染物質は、バッフルまたは静的ミキサーの他の部分の表面上に留まり得る。他の例において、粗製石鹸は、脂肪酸抽出剤の苛性清浄溶液との接触が起こる場合、バッフル表面上で形成し得る。結果として、静的ミキサーの除染は、困難であり得る。それというのも、一部のミキサーは、材料を捕捉するデッドゾーンを含み、機械的清浄を受けにくい複雑な表面を有するか、または溶液、例えば、上記の苛性/酸性溶液もしくは水リンスによる清浄が非現実的な表面を含むためである。
したがって、静的ミキサーの除染のための技術が、目下より詳細に記載される。下記のこれらの技術、装置、アプローチ、および系は、種々の静的ミキサー、例として、以下の考察において何度も参照されるミキサー700を用いて実用することができる。
実施形態において、凍結抽出剤をミキサー700に導入して1つ以上の内表面から汚染物質を除去することができる。例えば、冷凍COFAのスラッシュをミキサーに通してフィードして汚染物質を除去し、この汚染物質は、バッフルの表面またはミキサーの他の内表面を被覆するか、またはその上に捕捉されるものである。追加の実施形態において、スラッシュは、COFAおよび水、例えば、氷のスラッシュを含む。
ミキサーの内表面上の冷凍COFAの機械的相互作用は、汚染物質を除去するために十分であり得る。例えば、ミキサーの内表面に対して擦れる冷凍COFAにおり生成される摩擦は、液体CIP手順により容易に除去されない汚染物質を除去するために十分である。容易に除去されない汚染物質としては、粒子状物質、粗製石鹸、デッドゾーン中に捕捉される汚染物質などが挙げられる。
実施形態において、COFAスラッシュを、ミキサーの通常の作動圧力/圧力範囲と比較して高い圧力においてミキサー700に強制的に通されるスラッシュまたは冷凍COFAの栓状物または塊状物として導入する。他の実施形態において、スラッシュの流動を静的ミキサーに通して逆にすることができ、例えば、逆流を使用する。例えば、静的ミキサーを含む系は、スラッシュをミキサーに通して流動させてから、流動を逆にし、スラッシュを逆方向でミキサーに通して移送して戻すように構成される。他の例において、除染手順は、典型的な作動において流体がミキサーを通り流動するのと逆方向にスラッシュをミキサーに通して流動させる(例えば、向流)ことを含む。向流の方向は、一般に、矢印782により説明される。
冷凍COFAまたはCOFAスラッシュを用いることは、清浄を改善し得る。それというのも、スラッシュ/冷凍COFAは、手作業の清浄(機械的清浄)が困難なデッドゾーンに到達し得るためである。冷凍またはスラッシュ清浄アプローチは、図5Aおよび5Bに併せて記載されるCIP技術とともに使用することができることが認識されるべきである。冷凍またはスラッシュCOFA清浄は、所定の回数、繰り返すことができ、または所定の条件が満たされるまで繰り返すことができる。例えば、発酵系は、ミキサーが所定の清浄閾値を達成するまでスラッシュ清浄を繰り返すように構成される。インラインチラー/冷却器を使用してCOFAをその凝固点に冷凍/冷蔵することができるが、実施形態において、冷凍COFAおよび/またはCOFAのスラッシュは、系、例えば、発酵系の外部で生成し、手作業でミキサー700に導入することができる。使用される冷凍COFAまたはCOFAのスラッシュは、系から分岐させるか、または溶融を可能とし、水リンスもしくは他の液体ベース清浄技術を介して除去することができる。さらに、冷凍/スラッシュCOFAのための添加剤としては、清浄剤、固体材料(例えば、トウモロコシマッシュ)、分散剤、湿潤剤、抗菌剤、洗浄剤などが挙げられる。
本開示のさらなる改変および代替的実施形態は、本詳細な説明に照らして当業者には明らかである。したがって、本発明は、それらの配置の例により限定されないことが認識される。したがって、本詳細な説明は、説明としてのみ解釈すべきであり、当業者に方法、アプローチ、装置、設備、系などを実施する様式を教示する目的のためのものである。本明細書に示され、記載される本発明の形態を目下好ましい実施形態として採用すべきことを理解すべきである。部品の形状、サイズおよび配置の種々の変更を行うことができる。例えば、均等要素を、本明細書に説明および記載されるものに代用することができ、本発明のある特徴部は、他の特徴部の使用から独立して利用することができ、それらは本詳細な説明の利益を有した後の当業者に全て明らかである。