JP2017511318A - 動物糞便から精製されたコクシジウムオーシストを胞子形成させるための方法、この方法により得られる胞子形成オーシストおよびこれらの胞子形成オーシストを含有するワクチン - Google Patents

動物糞便から精製されたコクシジウムオーシストを胞子形成させるための方法、この方法により得られる胞子形成オーシストおよびこれらの胞子形成オーシストを含有するワクチン Download PDF

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Abstract

本発明は、動物糞便(5)から精製されたコクシジウムオーシストを胞子形成させるための方法であって、精製された該オーシストを支持表面(22)上に層(40)として供給し、少なくとも15%の相対湿度を有する酸素含有気体環境(60)中で少なくとも断続的に該層を維持し、該オーシストの温度を19〜37℃で維持することを含む、方法に関する。本発明はまた、この方法により得られる胞子形成オーシスト、およびそのような胞子形成オーシストを含有するワクチンに関する。【選択図】図5

Description

本発明は、動物糞便から精製されたコクシジウムオーシストを胞子形成させるための方法に関する。本発明はまた、この方法により得られる胞子形成オーシスト、およびそのような胞子形成オーシストを含有するワクチンに関する。
コクシジウム症は、腸粘膜が亜綱コクシジウムの原虫により侵入され破壊される、種々の動物の疾患である。コクシジウム症の経済的影響は、鳥類の集中的な収容が該疾患の蔓延を促進する養鶏業において特に深刻でありうる。コクシジウム原虫による感染は大部分が種特異的である。しかし、多数の種が単一宿主に感染しうる。例えば、ニワトリに感染するコクシジウム原虫の幾つかの種が存在し、そのうちの6種は中等度ないし重度に病原性であるとみなされている。
コクシジウム寄生虫の生活環は複雑である。例えば、エイメリア(Eimeria)、イソスポラ(Isospora)、シストイソスポラ(Cystoisospora)またはクリプトスポリジウム(Cryptosporidium)属は、典型的には、それらの生活環を完了するために単一宿主を要するに過ぎないが、シストイソスポラ(Cystoisospora)は中間宿主を利用しうる。天然条件下、この生活環は環境からの胞子形成オーシストの摂取により開始する。オーシストは、一般に、長さ10〜48μm、幅10〜30μmの卵形ないし楕円体の形状であり、極帽、卵門、残体および結晶体のような特殊な構造体を含有しうる。胞子形成オーシストが感受性動物により摂取されると、胞子形成オーシストの壁が破壊されて、内部のスポロシストが放出される。家禽においては、スポロシストの放出は砂嚢内の胞子形成オーシストの機械的破壊の結果である。スポロシスト内には、該生物の感染段階であるスポロゾイトが存在する。家禽においては、スポロシスト被膜の破壊およびスポロゾイトの放出は小腸におけるキモトリプシンおよび胆汁酸塩の作用により生化学的に達成される。一旦放出されると、スポロゾイトは腸粘膜または他の位置の上皮細胞に侵入する。感染部位は、関与する種に特徴的である。例えば、エイメリア属においては、エイメリア・テネラ(E.tenella)は盲腸に局在し、エイメリア・ネカトリクス(E.necatrix)は小腸の前部および中央部で見出され、エイメリア・アセルブリナ(E.acervulina)およびエイメリア・プレコクス(E.praecox)は小腸の上半分で見出され、エイメリア・ブルネッティ(E.brunetti)は下部小腸、直腸、盲腸および総排泄腔で見出され、エイメリア・ミティス(E.mitis)は下部小腸で見出され、一方、エイメリア・マクシマ(E.maxima)はこれらの生理的位置のいずれにおいても見出されうる。
宿主動物の細胞内に一旦侵入すると、スポロゾイトは、シゾントとも称される多核性メロントへと成長する。メロントの各核は、メロゾイトと称される感染体へと成長し、これは新たな細胞に侵入し、該過程を反復する。様々な数の無性世代の後、メロゾイトは雄性生殖母体または雌性生殖体のいずれかへと成長する。雄性生殖母体は多数の雄性生殖体へと成長し、そしてこれは雌性生殖体を受精させる。ついで、生じた接合体の周囲に抵抗性被膜が形成する。該被包接合体はオーシストと称され、胞子未形成状態で糞便中に放出される。感染したトリは数日間または数週間にわたって糞便内にオーシストを放出しうる。温度および湿度の適切な条件下、胞子形成の過程によりオーシストは感染性となる。ついで感受性のトリは通常の突き行動または地面/くずをあさることにより胞子形成オーシストを摂取し、該周期を自ら繰返す。生存可能な胞子形成オーシストの摂取は唯一の天然の感染手段である。コクシジウム原虫による感染は免疫をもたらして、群れのメンバーが免疫状態になるにつれて疾患の頻度は経時的に減少する。コクシジウム感染のこの自己制限性はニワトリおよび他の家禽において広く公知である。しかし、付与される免疫は種特異的であり、したがって、コクシジウム原虫の別の種の導入は新たな疾患の大発生を招く。
コクシジウム原虫のオーシスト壁はオーシストの生存のための非常に有効なバリヤとなる。オーシストは宿主の外部で何週間も生存しうる。研究室においては、無傷オーシストはpH、洗剤、タンパク質分解酵素、糖分解酵素、脂肪分解酵素、機械的破壊ならびに化学物質、例えば次亜塩素酸ナトリウムおよび重クロム酸塩の極端な状態に対して抵抗性である。
家禽におけるコクシジウム症を防除するためには2つの方法が現在用いられている。第1の方法は化学療法による防除を含む。家禽におけるコクシジウム症の防除のために多数の薬物が利用可能である。該疾患を引き起こす種が多数存在するため、全ての種に対して有効な薬物は非常に少数であるが、幾つかの種に対しては単一薬物が有効でありうる。例えば、現在のブロイラー鶏生産においては、コクシジウム症を防除するための薬物の投与が一般的である。コクシジウム症に対する予防薬のための費用が相当な生産コストに相当する。コクシジウム症に対するトリへのワクチン接種は、化学療法に代わる手段である。ワクチン接種の利点は、それが、抗コクシジウム薬を投与する必要性を著しく低減または排除して、養鶏業者の薬物コストを減少させ、薬物耐性株の発生を防ぎ、残留薬物に関する消費者の懸念を低減しうることである。コクシジウム原虫に対して家禽を免疫化するための多数の方法が開発されている。成功した方法は全て、完全毒性株または弱毒化株のいずれかの生きた原虫の投与に基づいている。最も一般的な投与経路は経口経路であるが、他の経路も用いられている。典型的には、ニワトリは、生存可能な胞子形成オーシストを口内に直接的に又は食餌もしくは水を介して経口投与によりワクチン接種される。
投与経路に無関係に、コクシジウムワクチンの製造方法は非常に類似している。簡潔に説明すると、コクシジウム原虫は、コクシジウム原虫の単一種を宿主動物に感染させることにより得られる。これらの「種ストック」は、関心のある種のみの存在が保証されるように、しばしば、本質的にクローン性である、すなわち、単一生物に由来する。種ストックは野生型でありうる、すなわち、野外から単離されうる。あるいは、それらは早熟性または弱毒化株でありうる。ついで該原虫を宿主内で複製させ、ついで原虫を該動物から、通常は排泄物から集める。弱毒化株の使用は、典型的には、宿主動物からの、より少数の放出オーシストを与える。精製プロセスの第1工程においては、必要に応じて、巨視的粒子状物質を含む粗画分を希釈排泄物から分離する。ついで、よく知られた技術、例えば塩浮上分離および遠心分離(オーシストの密度とは10%以上異なる密度を有する粒子状物質が該オーシストと共に精製されることを保障するためのもの)により、原虫を希釈排泄物から分離する。収集時に、原虫は非感染性オーシスト段階の生活環にある。感染性になる、したがってワクチンに有用となるためには、オーシストは、胞子形成が生じるように誘導される必要がある。エイメリア(Eimeria)属のメンバーにおいては、胞子形成は、典型的には、重クロム酸カリウムの1%〜4%の水溶液中、19℃〜37℃、好ましくは約28℃(すなわち、27.5〜28.5℃)で、一定の通気下でオーシストをインキュベートすることを含む。胞子形成は、通常、用いる温度に応じて12〜48時間以内に完了し、典型的な収率は40〜60%である(元々存在した生存可能オーシストの40〜60%が胞子形成することを意味する)。胞子形成プロセスのモニタリングは原虫の顕微鏡検査により達成される。先行技術において見出される保存用組成物は典型的には重クロム酸カリウムの水溶液を含む。細菌増殖を防ぐために、胞子形成オーシストは、通常、重クロム酸カリウムの1〜4%水溶液中で保存されるが、他の保存用媒体も使用されている。
コクシジウム症の予防のために利用可能な現在のワクチンは典型的には2.5%(重量/容量)溶液を含有し、1用量当たり約1,600個のオーシスト(400個の胞子形成オーシストは4個の異なる種を代表している)を含有する。現在の商業的に入手可能なワクチンはオーシスト1個当たり約0.016μg〜約0.16μgの重クロム酸カリウムを含有する。重クロム酸カリウムは胞子形成および保存のために広く使用されているが、生物学的製剤からのその排除を非常に望ましいものにする幾つかの特性を有する。重クロム酸カリウムは強力な酸化剤であり、呼吸系、肝臓、腎臓、眼、皮膚および血液に影響を及ぼすことが報告されている。それは公知発癌物質であり、処分に際しては有害廃棄物とみなされる。重クロム酸カリウムを含有する化合物は、その高い毒性ゆえに、非経口投与には特に不適当である。したがって、動物、特に食用動物に投与される物質の製造および保存から重クロム酸カリウムを排除することが非常に有利であろう。
公知先行技術方法の欠点を少なくとも緩和する、コクシジウムオーシストを胞子形成させるための方法を案出すること、特に、重クロム酸カリウムの存在に依存することなく、胞子形成における高い収率、好ましくは60%以上、より好ましくは80%以上さえも達成しうる方法を提供することが、本発明の目的である。胞子形成オーシストを含有し、重クロム酸カリウムを含有しないワクチンを提供することも本発明の目的である。
本発明の目的を達成するために、「発明の一般的分野」の節に従う方法を案出した。該方法においては、該方法は、支持表面上の層として精製オーシストを供給し、少なくとも15%の相対湿度を有する酸素含有気体環境中で少なくとも断続的に該層を維持し、該オーシストの温度を19℃〜37℃に維持することを更に含む。
図1は、胞子形成のためにオーシストを収集するためのシステムを図示する。 図2は本発明のシステムの実施形態の1つを図示する。 図3は、本発明の方法またはシステムにおける使用のための篩デッキの実施形態の1つを図示する。 図4は本発明のシステムのもう1つの実施形態を図示する。 図5は、精製されたオーシストを胞子形成させるための補助手段として使用される篩デッキを図示する。
先行技術方法においては、胞子形成は、重クロム酸カリウムの水溶液中、一定通気下でオーシストをインキュベートすることを含む。これは、胞子形成が生じるのに必要とされる水、酸素および適度な温度を供給する。しかし、本出願人は、先行技術において教示されている水性環境中ではなく気体環境中で少なくとも断続的にオーシストを維持することがより良好であることを見出した。このように、十分に湿潤な状態(Waldenstedtら,2001 Poultry science 80:1412−1415から公知のとおり、15%超)でオーシストが維持され、温度が適度なレベルで維持されれば、重クロム酸カリウムが不要であることが判明した。また、胞子形成の収率は80〜100%までのレベルまで有意に増加しうる。この理由は完全には明らかでないが、フラスコ内の水性環境中では、連続的に通気されたとしても、十分な通気が生じない有意量の「死(dead)」空間が尚も存在することと部分的に関連している可能性がある。また、連続的通気はフラスコ内のオーシストの連続的な有意なタンブリング(転回)につながり、これはオーシストに連続的な機械負荷をもたらす。これは、生存可能なオーシストの一部が失われる原因であるかもしれない。また、通気水性溶液中では、利用可能な酸素のレベルが尚も低すぎて、オーシストの大部分の胞子形成を促進させることができないのかもしれない。
いずれにせよ、本出願人は、オーシストが十分に湿潤状態にあり、オーシストの温度が19℃〜37℃に維持されれば、支持表面上の層の形態で存在するオーシストを気体環境にさらすことにより、重クロム酸カリウムを要することなく非常に良好な胞子形成が達成されうることを見出した。該温度は19〜37℃の任意の値、すなわち、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35もしくは36℃またはこれらの温度の間の任意の値を有しうる。湿度に関しては、胞子形成を促すには相対湿度15%のレベルで十分でありうるが、より高いレベルが好ましい。なぜなら、そのほうが、層内のオーシストが乾燥し過ぎるリスクが低減されるからである。したがって、気体環境の相対湿度のレベルは以下の値(%相対湿度)から100%まで(100%を含む)ののいずれかを有しうる:16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99。100%の相対湿度では、オーシストの層上に薄い水膜が形成する。本出願人は、拡散による気体輸送(例えば、オーシストにより消費される酸素、およびオーシストにより産生される発生気体の輸送)がオーシストによる気体の使用および/または産生に追随しうる限り、そのような薄膜が胞子形成過程に有害な影響を及ぼさないことを見出した。したがって、水のそのような薄層は、オーシストの層が本発明の意味における気体環境中に存在すると実際にみなされうることを尚も意味する。
本発明によれば、胞子形成オーシストが適度な収率で入手可能であり、この場合、胞子形成オーシストは重クロム酸カリウムの残渣を含有せず、したがって、そのようなオーシストに基づくワクチンもこの塩を含有しない。
本発明はまた、前記の二重篩分け法で入手可能な胞子形成コクシジウムオーシストを含有する組成物に関するものであり、ここで、該コクシジウムオーシストはDmin〜Dmaxの寸法を有し、該組成物は、Dmin〜Dmaxの寸法を有する粒子を含有し、該粒子は該オーシストの密度とは異なる密度を有する。
定義
糞便から精製されたオーシスト組成物は、非オーシスト物質の少なくとも90%、特に91、92、93、94、95%またはそれ以上が、オーシストが排泄された糞便から除去されていることを意味する。
巨視的物体は、ヒトの肉眼で見られうる物体である。典型的には、これは、該物体が少なくとも約0.1mmの寸法を有することを意味する。
粒子は、体積および質量のような物理的特性が起因しうる局在化顕微鏡的または巨視的物体である。動物の糞便中に存在する典型的な粒子としては、砂粒、スリット粒子、粘度粒子、植物の残骸(消化されたもの及び消化されていないもの)、油滴、細菌、ウイルス、粗粒、小石などが挙げられる。
篩デッキのメッシュ開口は、該デッキ内の実際の開口にフィットする仮想円の直径に等しい。メッシュ開口は本質的に「およそ」所定のサイズである。なぜなら、複数のメッシュ開口を有する表面は全開口に関して厳密に同じ寸法では作製できず、また、機械負荷(篩デッキ上の質量、振動など)下の変動にさらされるからである。メッシュ開口は、典型的には、およそ所定のサイズの有効平均である。これに関して、メッシュサイズについての「およそ値X(約値X)」は、実際には、開口の実際のサイズがXの0.9〜1.1倍、特に0.95〜1.05倍、好ましくは0.98〜1.02倍で変動することを意味する。
ある物質に関して、ある方向に伸長することは、該物体が少なくとも部分的にその方向に伸長すること、好ましくは、実質的にその方向に伸長すること、すなわち、該物体が、その方向に、いずれかの他の方向より大きく伸長することを意味する。
実施形態
本発明の方法の第1の実施形態においては、該層の厚さは10mm未満である。本出願人は、該層の厚さが通常の鶏糞の通常の最大断面寸法(これは約10mmである)とせいぜい等しい場合、オーシストのほとんど全てではなくとも相当部分が胞子形成しうることを見出した。通常の鶏糞の寸法は、糞の底のオーシストでさえも、それらが存在する気体環境(すなわち、通常のニワトリハウジング)中で胞子形成しうるようなものであるというのが本出願人の認識であった。換言すれば、厚さ約10mmの層は、オーシストの相当部分が胞子形成しうるように酸素の拡散を可能にしうる。該厚さは9mm、8mm、7mm、6mm、5mm、4mm、3mm、2mmまたは1mm未満であることさえ可能である。典型的には、該層の厚さは0.5〜5mmである。
次の実施形態においては、支持表面は、水を通過させうる有孔デッキである。この実施形態においては、水を(例えば、ミスト、シャワー、スプレー、水流の形態で)該層に供給することにより、オーシストの層は湿潤状態で維持されうるが、水は有孔デッキを介して該層を通過しうるため、該層は本質的には本発明における気体環境中に尚も維持されうる。もう1つの実施形態においては、支持表面はオーシストのおよそ最小寸法(Dmin)のメッシュ開口を有する。メッシュ開口がおよそDminである場合には、Dminの最小寸法を有するいずれのオーシストも、有孔デッキを通過することが妨げられ、一方、細菌、ウイルス、タンパク質塊およびDminより小さな典型的寸法を有する他の粒子は水と共に該デッキを通過しうることが判明した。これは、胞子形成させながら行われる、オーシストの追加的洗浄工程となる。先行技術方法においては、いずれの細菌およびウイルスもオーシストと共にフラスコ内に残存した。しかし、原則として、濾過されるべき水性画分が、Dminより僅かに小さい寸法を有する非オーシスト粒子を余りにも多数含有する場合には、臨界的状況に達しうるであろう。なぜなら、そのような粒子は典型的には若干妨害され、したがってオーシスト層内の汚染物として残存しうるからである。しかし、そのような臨界的粒子は動物糞便中に(合理的に顕著には)存在しないようであり、したがって、およそDminのメッシュサイズを使用することは、より小さな汚染粒子がこの有孔表面を通過する一方で支持表面上にオーシストを維持するのに完全に適しているようである。更にもう1つの実施形態においては、支持表面はおよそ10μmのメッシュ開口を有する。例えば、精製されるオーシストが長さ20〜35μmおよび幅20〜30μmのサイズ範囲であったとしても、このサイズのメッシュ開口は、任意のサイズのオーシストの層を支持するのに理想的に適しているようである。開口のサイズ、すなわち、10μmは、種々のサイズのオーシストを支持表面上に維持するのに適しているようであり、それでも、10μm未満のあらゆる「微粒子」(典型的には細菌、ウイルスまたは他の微生物)が、該層を洗浄するために水を使用することにより洗い落とされうる。
1つの実施形態においては、支持表面は無端(endless)有孔デッキの形態である。この実施形態においては、該層は該デッキの内側または外側に供給されうる。これは、占有面積(フットプリント)が尚も比較的小さい一方で、該層を支持するために比較的大きな表面が利用可能となることを可能にする。もう1つの実施形態においては、有孔デッキはドラム型である。このようにして、層全体にわたって同等の状況を確保するために、層内のオーシストの一様な分布が容易にもたらされうる。更にもう1つの実施形態においては、該無端デッキは、一部分は水の体積内に、そして一部分は気体環境中に配置され、水のこの体積の表面と平行に伸長するその縦軸で取り付けられており、酸素含有気体環境中に少なくとも断続的に該層を維持するために、該デッキを回転させる。このようにして、該気体環境が比較的乾燥していたとしても、該層内のオーシストは100%までの高湿潤レベルで維持されうる。これは単に、オーシストが断続的に水中を移動するからである。これは非常に単純であるようであるが、本発明のための2つの主要件、すなわち、気体環境中で少なくとも断続的にオーシストを維持すること、およびそれを乾燥から防ぐことを達成するための適切な方法である。ドラムを回転させることにより、該層内のオーシストは、気体環境中にあるドラムの上部で部分的に回転し、水性環境中にあるドラムの下部で部分的に回転する。水中の無端デッキの配置は、典型的には、無端デッキの内部空間の多くとも半分、または更には5〜30%もしくは5〜20%のみが水に浸される。好ましくは、ドラムの周速である10メートル/分(m/分)〜40m/分の速度で該層が移動するrpmで、ドラムを回転させる。この速度未満では、気体環境の、低い相対湿度では、該層内のオーシストが乾燥しすぎる可能性があり、一方、40m/分を超えると、オーシストは大きすぎる機械的な力にさらされ、損傷する可能性がある。80cmの直径を有するドラムでは、対応するrpmレベルは5〜20rpmである。対応する周速は、5〜30%(前記のとおり)の水浸レベルと組合された場合には特に、気体環境中の該層の適度な持続をもたらすと同時に、気体環境の許容相対湿度の範囲の全体にわたって該層が乾燥しすぎるのを防ぐのに、理想的に適している。
1つの実施形態においては、オーシストの層を無端デッキの内部表面上に供給する。この実施形態は、支持表面上でオーシストを維持することをより容易にする。該層は水中で回転するため、該層内のオーシストの少なくとも一部は該層を離れ、しばらくは水中に留まるが、最終的には、それらは回転デッキにより再び拾い上げられる。
もう1つの実施形態においては、水は19℃〜37℃の温度で維持される。この実施形態においては、胞子形成を促すのに適当なレベルにオーシストの温度を維持するために水を使用する。好ましくは、水は約28℃の温度で維持され、これは、胞子形成を促すための理想的な温度である。
更にもう1つの実施形態においては、オーシストの胞子形成の後、抗感染物質を含有する別の水性媒体を該層に供給し、ついで該層を洗浄して該抗感染物質を除去する。この実施形態においては、該層が尚も無傷なままで残留汚染物が除去されうる。先行技術においても、胞子形成オーシストを抗感染物質で洗浄することが記載されているが、この場合、オーシストをその胞子形成フラスコから取り出し、別の洗浄プロセスにおいて処理することが必要であった。
支持表面が、オーシストのおよその最小寸法(Dmin)の有効メッシュ開口を有する篩デッキである更にもう1つの実施形態においては、コクシジウムオーシストを含有する糞便を宿主動物から収集し、水性媒体中で糞便を希釈し、巨視的粒子状物質を含む粗画分を希釈糞便から分離し、オーシストを含有する水性画分を収集し、該支持表面以外の第1篩デッキ(第1篩デッキは、オーシストを通過させるメッシュ開口を有する)上で該水性画分を篩分けして、オーシストを含む水性濾液と、オーシストより大きな粒子を含む第1篩デッキ上の残渣とを得、ついで該水性濾液を該支持表面上で篩分けすることにより、薄層を供給する。本出願人は、簡便な2工程篩分けプロセスを適用することにより、糞便の水性画分からオーシストが適度なレベルまで精製されうることを見出した。第1篩分け工程においては、オーシストより粗い粒子(典型的には砂粒、粗粒および植物の残骸)が除去可能であり、第2篩分け工程においては、オーシストより小さな粒子(典型的には細菌、ウイルス、植物の消化残骸、タンパク質塊、油滴など)が除去可能である。篩分けは(半)連続的に適用可能であり、オーシストの量に対する水性画分中に存在する水の量はいずれの経済的最大量にも限定されず、水は最終的には第2篩デッキを通過するが、精製されたオーシストはこのデッキ上に薄層残渣として残存する。このように、水は、良好な篩分けおよび洗浄作用を得るために有効に使用されうる。
先行技術においては、篩分けは、コクシジウムオーシストを糞便から精製するための方法として使用されたこともなければ、示唆されたことさえもない。篩分けは、粗画分を糞便から除去するためには使用されているが、精製されたオーシストを得るためにそれが使用されたことはない。理論に束縛されるものではないが、これには幾つかの理由があるようである。第1に、オーシストを精製するために用いられる一般的方法は全て、オーシストの特定の密度を用いることに基づいている。なぜなら、糞便においては、オーシストと同じ密度を有する(すなわち、オーシストの密度と多くとも10%または更には多くとも9、8、7、6、5、4、3もしくは更には1%しか違わない密度範囲内の密度を有する)他の主要画分は存在しない、と理解されているからである。したがって、そのような方法は、適度に純粋なオーシストを含有する組成物を与えうる。篩分けでは、異なる密度を有する粒子を識別することはできず、異なるサイズを有する粒子を識別するに過ぎない。これは、篩分けでは、オーシストと同じサイズ範囲内にあるが異なる密度を有する他の粒子がオーシスト画分中に追加的汚染物として取り込まれることに本質的につながる。したがって、篩分けでは、オーシストは適度なレベルまでは精製され得ない、と一般に予想される。また、オーシストは完全には球状ではなく、一般には卵形ないし楕円体の形状を有する。非球状粒子の篩分けは、粒子が篩デッキに対して取る配向に篩分け作用が左右されるという本質的問題を有する。この配向は制御不能であるため、篩分けは、非球状粒子を正確に分画するための実施可能な選択肢とはみなされないことが多い。最後に、篩分けは、しばしば、篩分けされる粒子に対する高い機械負荷をもたらし、特に、メッシュサイズが粒子サイズと同じ範囲である場合にそうである。生物学的物質の場合、そのような高い機械負荷は、しばしば、それらの生存性にとって有害である(細菌を殺すために一般に用いられるフレンチプレス法を参照されたい)。出願人が驚いたことに、コクシジウムオーシストを糞便から精製し、有効なワクチンにおいてオーシストを使用するのに適した純度を得るための良好な方法に篩分けがなることを、この全てのいずれもが妨げない。
次に、以下の図面および実施例に基づいて、本発明をより詳しく説明することとする。
実施例
実施例1は本発明の方法に関するプロセスデータを記載する。
図1
図1は、コクシジウムオーシストを含有する動物糞便を宿主動物から収集し、巨視的粒子状物質を含む粗画分を該糞便から分離し、該オーシストを含有する画分を更なる精製のために収集するためのシステムを図示する。一般に、更なる精製のためにオーシストを調製する多数の異なる方法が当技術分野で公知である。そのような方法のいずれか1つ又は組合せが更なる精製の前に用いられうる。好ましい方法を以下に記載する。
最初に、宿主動物(典型的にはニワトリ)が該生物の放出を開始したら、オーシストを収集することが可能である。最も一般的には、ニワトリを籠(1)内に維持し、固体飼料(2)および水(3)を供給する。籠から糞便5を集め、他の物質(羽毛、藁など)を含有する廃棄流を廃棄する。糞便を集めたら、それをスラリータンク6に送り、添加水(7)と混合する。生じた希釈糞便物を、糞便中の粗物質、例えば石、木くず、格子の残骸、動物飼料の残骸などの除去のために、篩9に供給する。このために、篩は2つの連続的板篩を含み、上流篩は2mmのメッシュ開口を有し、下流篩は125μmのメッシュ開口を有する。生じた残渣(11)を廃棄し、オーシストを含有する水性画分10として濾液を集める。
図2
図2は本発明のシステム20の実施形態の1つを図示する。この実施形態においては、該システムは、2つの内部篩デッキ、すなわち、上流篩デッキ21および下流篩デッキ22を有する縦方向のチューブ状ハウジング23を含む。この実施形態においては、該篩デッキは平織パターンによるステンレス鋼金網から構成される。水性画分10(図1を参照されたい)を、この画分を篩分けするために、篩デッキ21の上部に供給する。このデッキはメッシュ開口を有していてオーシストを通過させて、オーシストを含む水性濾液32、およびオーシストより大きな粒子を含む第1残渣31を与える。水性濾液32を第2篩デッキ22の上部に供給し、該篩デッキは、この篩デッキを通るオーシストの通過を妨げるメッシュ開口を有する。このようにして、精製されたオーシストを含む第2残渣40、およびオーシストより小さな粒子を含む廃棄濾液42を得る。
メッシュ開口のサイズは、所望の形状のオーシストが有効に収集されるように選択されるべきである。例えば、15〜25μmのサイズ範囲のオーシストを収集するためには、第1篩デッキは25μmのメッシュ開口を有することが可能であり、第2篩デッキは約14μmのメッシュ開口を有することが可能である。この場合、メッシュ開口はオーシストのサイズとほぼ厳密に一致するため、オーシストを第1篩デッキに実際に通過させるためには、多くの追加的な水(篩デッキ21の上部に別供給物として供給される)が必要とされうる。もう1つの設定においては、例えば、20〜30μmのサイズ範囲のオーシストを収集するためには、第1篩デッキは40μmのメッシュ開口を有することが可能であり、第2篩デッキは約15μmのメッシュ開口を有することが可能である。更にもう1つの設定においては、例えば、10〜40μmのサイズ範囲のオーシストを収集するためには、第1篩デッキは42μmのメッシュ開口を有することが可能であり、第2篩デッキは約10μmのメッシュ開口を有することが可能である。更にもう1つの設定においては、例えば、12〜48μmのサイズ範囲のオーシストを収集するためには、第1篩デッキは50μmのメッシュ開口を有することが可能であり、第2篩デッキは約10μmのメッシュ開口を有することが可能である。
図3
図3は、本発明の方法またはシステムにおいて使用される篩デッキ21(メッシュ開口50μm)の実施形態の1つを図示する。この実施形態においては、篩デッキはドラム形態の無端デッキである。該ドラムは回転可能様態で軸25上に支持されており、内部に定置容器26が設けられている。使用においては、このドラムの内部の容器26の下方に水性画分をローディングし、ドラムを回転させながら水性画分を篩分けする。また、この篩分け操作中に、約28℃の温度を有する追加的な水性媒体をドラム21の内部に加える。該水性濾液を容器27内に収集する。ドラムの上方にはスプレーヘッド28の列が配置されている。これらのヘッドは、ドラムに水を加えるために使用可能であり、この水は篩分け中に潤滑剤として働き、あるいは篩分けが終了した後、残渣をドラムから放出させ、それを容器26内に収集するために使用される。この容器は、それを軸25上でスライドさせることにより取り外されうる。
図4
図4は本発明のシステム20のもう1つの実施形態を図示する。この実施形態においては、本発明の方法を適用するための半連続的プロセスが実施されうる。このシステムは回転篩91(150μmのメッシュ開口を有する)を含み、これはハウジング9により包囲されている。この篩およびハウジングは図1における物品9に対応する。この篩91に、希釈ニワトリ糞便を含む水性画分8(図1を参照されたい;ただし、この画分は、所望により、2mmの篩で前篩分けされる)を供給して、巨視的粒子状物質を含む粗画分を該希釈糞便から分離する。オーシストを含有する水性画分10を収集し、ハウジング23’内に存在するドラム型回転篩21’(図3も参照されたい)に供給する。図3に関して記載されているとおり、この篩デッキは50μmのメッシュ開口を有し、オーシストを含む水性濾液11中の水性画分、およびオーシストより大きな粒子を含む第1残渣(示されていない)を分離する。この残渣は前記のとおりに除去されうる。水性濾液11を回転篩22’に供給する。該篩はハウジング23’’内に収容されている。この篩22’は、この篩デッキを通るオーシストの通過を妨げるための10μmのメッシュ開口を有していて、精製されたオーシストを含む残渣がこのドラム型篩デッキ22’の内側に生じる。廃棄濾液12は、オーシストより小さな粒子、例えば任意の細菌を含む。
図5
図5は、精製されたオーシストを胞子形成させるための補助手段として使用される篩デッキを図示する。この実施形態においては、残渣40は篩デッキ22(10μmのメッシュ開口を有する)の内側に2.5〜3.5mmの層として生じる。ドラム型篩デッキ22は、その一部は或る体積の水(50;28℃の温度に維持される)中に浸かるように、そして一部は気体環境60中に配置され、ドラムの全周囲の約20%が水位より下となるようにされている。ドラムは、この水の表面に平行に伸長するその縦軸25で取り付けられている。胞子形成中は、酸素含有気体環境60内に断続的に層40を維持するために、ドラムを回転させる。ドラムは水50’を通って10〜12rpmで回転される。ドラム内の気体環境の相対湿度は100%である。このようにして、オーシストは48時間以内に(ほぼ全てが)胞子形成しうることが判明した。
実施例1
実施例1は、図4のシステムを使用する本発明の方法に関するプロセスデータを記載する。このシステムにおいては、40cmの長さおよび80cmのドラム直径を有する小さなドラム型デッキを使用する(2.80メートルまでの長さおよび2.0メートルまでの直径を有するドラムが図4の設定において有利に使用されうる)。該デッキは、平織によって織られたステンレス鋼針金のメッシュを有し、メッシュ開口は図4に関して記載されているとおりである。ドラムは毎分10〜12回転で回転する。26〜31日齢の60羽の白色レグホンニワトリ(エイメリアに感染している)の糞便を収集し(1日当たりニワトリ1羽当たり糞便約25グラム)、200リットルの水と混合し、2mmの篩を使用して粗画分を分離した。約50リットルのこの混合物(約2,25kgの糞便を含有する)を該システム内にローディングし、この場合、篩分け中に、毎分約5〜10リットルの水を篩デッキ21および22に加えた。これは、35分間の篩分けの後、エイメリア・アセルブリナ(Eimeria acervulina)に関しては約81%、そしてエイメリア・マクシマ(Eimeria maxima)に関しては約100%の計算収率で、約120グラムの精製オーシスト(約85グラムの推定量の非オーシスト糞便粒子、典型的には砂細粒、シルトおよび粘土粒子と約35グラムのオーシストとを含有する組成物)を篩デッキ22上に与えた。通常の浮上分離および遠心分離の方法を用いた場合には、これは約6時間を要し、典型的な収率はどちらの種に関しても約50〜60%である。
所望により、尚も存在する汚染物の量に応じて、6% 次亜塩素酸塩(抗感染)溶液中で残渣を混合し、それをドラム22内にローディングすることにより、追加的な洗浄工程が行われうる。次亜塩素酸塩を除去するために約5〜10リットル/分で水を連続的に加え、15分後、残渣は更なる加工にそのまま使用されうる。
図5に関して記載されている胞子形成の後、典型的な胞子形成率はエイメリア・アセルブリナ(Eimeria acervulina)に関しては85%、そしてエイメリア・マクシマ(Eimeria maxima)に関しては90%である(重クロム酸カリウムを使用する通常方法では典型値40%〜最大80%であることと比較されたい)。これらの胞子形成オーシストは、先行技術において公知のとおり、コクシジウム症ワクチンにおける抗原として働きうる。

Claims (17)

  1. 動物糞便(5)から精製されたコクシジウムオーシストを胞子形成させるための方法であって、精製された該オーシストを支持表面(22)上に層(40)として供給し、少なくとも15%の相対湿度を有する酸素含有気体環境(60)中で少なくとも断続的に該層を維持し、該オーシストの温度を19〜37℃で維持することを含む、方法。
  2. 層の厚さが10mm未満である、請求項1記載の方法。
  3. 支持表面が、水を通過させうる有孔デッキである、前記請求項のいずれか1項記載の方法。
  4. 支持表面が該オーシストのおよそ最小寸法のメッシュ開口を有する、請求項3記載の方法。
  5. 支持表面がおよそ10μmのメッシュ開口を有する、請求項3および4のいずれか1項記載の方法。
  6. 支持表面が無端有孔デッキの形態である、前記請求項のいずれか1項記載の方法。
  7. 有孔デッキがドラム型である、請求項6記載の方法。
  8. 該無端デッキが、一部分は水(50)の体積中に、そして一部分は気体環境中に配置され、水のこの体積の表面と平行に伸長するその縦軸で取り付けられており、酸素含有気体環境中に少なくとも断続的に該層を維持するために、該デッキを回転させる、請求項6または7記載の方法。
  9. 該ドラムを10〜40m/分の周速で回転させる、請求項8記載の方法。
  10. オーシストの層を該無端デッキの内部表面上に供給する、請求項6〜9のいずれか1項記載の方法。
  11. 水を19℃〜37℃の温度で維持する、請求項8〜10のいずれか1項記載の方法。
  12. 水を約28℃の温度で維持する、請求項8〜11のいずれか1項記載の方法。
  13. オーシストの胞子形成の後、抗感染物質を含有する別の水性媒体を該層に供給し、ついで該層を洗浄して該抗感染物質を除去する、前記請求項のいずれか1項記載の方法。
  14. 支持表面が、オーシストのおよその最小寸法の有効メッシュ開口を有する篩デッキ(22)である場合において、コクシジウムオーシストを含有する動物の糞便を収集し、水性媒体(7)中で糞便を希釈し、所望により、巨視的粒子状物質を含む粗画分(11)を希釈糞便から分離し、オーシストを含有する水性画分(10)を収集し、該支持表面以外の第1篩デッキ(21)(第1篩デッキは、オーシストを通過させるメッシュ開口を有する)上で該水性画分を篩分けして、オーシストを含む水性濾液(11,32)と、オーシストより大きな粒子を含む第1篩デッキ上の残渣(31)とを得、ついで該水性濾液を該支持表面上で篩分けすることにより、薄層を供給することを特徴とする、前記請求項のいずれか1項記載の方法。
  15. 請求項14記載の方法により入手可能な胞子形成コクシジウムオーシストを含有する組成物であって、該コクシジウムオーシストがDmin〜Dmaxの寸法を有し、該組成物が、Dmin〜Dmaxの寸法を有する粒子を含有し、該粒子が、該オーシストの密度とは異なる密度を有する、組成物。
  16. 請求項1〜14のいずれか1項記載の方法により得られる胞子形成コクシジウムオーシスト。
  17. 請求項16記載の胞子形成オーシストまたは請求項15記載の組成物を含有するワクチン。
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