JP2017508757A - スルホン基を含有する5−フルオロ−n−(ピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン誘導体 - Google Patents

スルホン基を含有する5−フルオロ−n−(ピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン誘導体 Download PDF

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Abstract

本発明は、本明細書中に記載され定義される一般式(I)のスルホン基を含有する5−フルオロ−N−(ピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン誘導体、ならびにそれらの調製方法、障害の、とりわけ過剰増殖性障害および/またはウイルス誘発性感染症および/または心血管疾患の処置および/または予防のためのそれらの使用に関する。本発明はさらに、一般式(I)の前記化合物の調製において有用な中間体化合物に関する。

Description

本発明は、本明細書中に記載され定義される一般式(I)のスルホン基を含有する5−フルオロ−N−(ピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン誘導体、ならびにそれらの調製方法、障害の、とりわけ過剰増殖性障害および/またはウイルス誘発性感染症および/または心血管疾患の処置および/または予防のためのそれらの使用に関する。本発明はさらに、一般式(I)の前記化合物の調製において有用な中間体化合物に関する。
サイクリン依存性キナーゼ(CDK)タンパク質のファミリーは、細胞分裂周期の重要な調節因子であるメンバー(細胞周期CDK)、遺伝子転写の調節に関与するメンバー(転写CDK)、および他の機能を有するメンバーからなる。CDKは、制御性サイクリンサブユニットとの会合の活性化を必要とする。細胞周期CDKであるCDK1/サイクリンB、CDK2/サイクリンA、CDK2/サイクリンE、CDK4/サイクリンDおよびCDK6/サイクリンDは順番に活性化されることで、細胞を細胞分裂周期の中に入れて細胞分裂周期を繰り返させる。転写CDKであるCDK9/サイクリンTおよびCDK7/サイクリンHは、カルボキシ末端ドメイン(CTD)のリン酸化を介してRNAポリメラーゼIIの活性を調節する。正の転写因子b(positive transcription factor b、P−TEFb)は、CDK9と4つのサイクリンパートナーであるサイクリンT1、サイクリンK、サイクリンT2aまたはT2bのうちの1つとのヘテロダイマーである。
CDK9(NCBI GenBank Gene ID 1025)はもっぱら転写調節のみに関与する一方、CDK7は加えてCDK活性化キナーゼ(CAK)として細胞周期調節に加わっている。
RNAポリメラーゼIIによる遺伝子の転写は、プロモーター領域における開始前複合体のアセンブリならびにCDK7/サイクリンHによるCTDのSer5およびSer7のリン酸化によって開始される。大部分の遺伝子について、RNAポリメラーゼIIは、20〜40個のヌクレオチドをDNA鋳型に沿って移動した後、mRNA転写を停止する。RNAポリメラーゼIIのこのプロモーター近位での休止は、負の伸長因子により媒介されるものであり、種々の刺激に応答して迅速に誘導される遺伝子の発現を調節するための主要な制御メカニズムとして認識されている(Cho et al.,Cell Cycle 9,1697,2010)。P−TEFbは、RNAポリメラーゼIIのプロモーター近位での休止の克服に、ならびにCTDのSer2のリン酸化による、同様に負の伸長因子のリン酸化および不活化による生産的伸長状態への遷移に決定的に関与する。
P−TEFbの活性それ自体は、いくつかのメカニズムにより調節される。細胞のP−TEFbの約半分は、7SK核内低分子RNA(7SK snRNA)、La関連タンパク質7(LARP7/PIP7S)およびヘキサメチレンビス−アセトアミド誘導性タンパク質1/2(HEXIM1/2、He et al.,Mol Cell 29,588,2008)との不活性複合体内に存在する。P−TEFbの残り半分は、ブロモドメインタンパク質Brd4を含有する活性複合体内に存在する(Yang et al.,Mol Cell 19,535,2005)。Brd4は、遺伝子転写に備えて、アセチル化ヒストンとの相互作用を介してクロマチン領域にP−TEFbをリクルートする。その正の調節因子および負の調節因子との相互作用を交互に介して、P−TEFbは、機能的平衡状態を維持する:7SK snRNA複合体に結合したP−TEFbは、活性のあるP−TEFbを細胞転写および細胞増殖の需要に応じて放出することができるリザーバーの意味を持つ(Zhou & Yik,Microbiol Mol Biol Rev 70,646,2006)。さらには、P−TEFbの活性は、リン酸化/脱リン酸化、ユビキチン化およびアクテイル化(acteylation)といった翻訳後修飾により調節される(Cho et al.,Cell Cycle 9,1697,2010中でレビューされている)。
P−TEFbヘテロダイマーが持つCDK9キナーゼ活性の調節されない活性は、種々のヒトの病的状況、例えば過剰増殖性疾患(例としてがん)、ウイルス誘発性感染症または心血管疾患などに関連している:
がんは、増殖と細胞死(アポトーシス)との不均衡により媒介される過剰増殖性障害として考えられる。高レベルの抗アポトーシス性Bcl−2−ファミリータンパク質が様々なヒト腫瘍内で見出されており、腫瘍細胞の長期生存および治療抵抗性の原因となっている。P−TEFbキナーゼ活性の阻害はRNAポリメラーゼIIの転写活性を低減させることが示されており、このことは寿命の短い抗アポトーシス性タンパク質、特にMcl−1およびXIAPの減退を導き、腫瘍細胞のアポトーシスを受ける能力を再度導入する。形質転換された腫瘍表現型(例えばMyc、NF−kB応答性遺伝子転写産物、有糸分裂キナーゼなど)に関連する多数の他のタンパク質は、寿命の短いタンパク質であるか、またはP−TEFb阻害により媒介されるRNAポリメラーゼII活性の低減に感受性である寿命の短い転写産物によりコードされたものである(Wang & Fischer,Trends Pharmacol Sci 29,302,2008中でレビューされている)。
多くのウイルスは、それら自身のゲノムの転写について宿主細胞の転写機構に依存する。HIV−1の場合、RNAポリメラーゼIIは、ウイルスLTR内のプロモーター領域にリクルートされる。ウイルスの転写活性化因子(Tat)タンパク質は、新生のウイルス転写産物に結合し、P−TEFbのリクルートによりRNAポリメラーゼIIのプロモーター近位での休止を克服し、これが今度は転写伸長を促す。さらには、Tatタンパク質は、7SK snRNA複合体内のP−TEFb抑制性タンパク質HEXIM1/2の置き換えにより活性P−TEFb画分を増加させる。近年のデータは、P−TEFbのキナーゼ活性の阻害は、宿主細胞に対して細胞傷害性でないキナーゼ阻害剤濃度においてHIV−1複製をブロックするのに十分であることを示している(Wang & Fischer,Trends Pharmacol Sci 29,302,2008中でレビューされている)。同様に、ウイルスタンパク質によるP−TEFbのリクルートは、他のウイルスについて報告されており、例えばB細胞がんに関連するエプスタイン・バーウイルスでは、核抗原EBNA2タンパク質がP−TEFbと相互作用し(Bark−Jones et al.,Oncogene,25,1775,2006)、ヒトTリンパ好性ウイルスタイプ1(HTLV−1)では、転写活性化因子TaxがP−TEFbをリクルートする(Zhou et al.,J Virol.80,4781,2006)。
心肥大は、機械的な過負荷および圧力(血行力学的ストレス、例として高血圧、心筋梗塞)に対する心臓の適応応答であり、これは長期的には心不全および死につながることがある。心肥大は、心筋細胞における転写活性およびRNAポリメラーゼII CTDのリン酸化の増加に関連することが示された。P−TEFbは、不活性な7SK snRNA/HEXIM1/2複合体からの解離により活性化されることが見出された。これらの知見は、心肥大を治療するための治療的アプローチとしてのP−TEFbキナーゼ活性の薬理学的阻害を示唆する(Dey et al.,Cell Cycle 6,1856,2007中でレビューされている)。
まとめると、複数の系列の証拠が、P−TEFbヘテロダイマー(=CDK9、および4つのサイクリンパートナーであるサイクリンT1、サイクリンK、サイクリンT2aまたはT2bのうちの1つ)の持つCDK9キナーゼ活性の選択的阻害は疾患、例えばがん、ウイルス性疾患および/または心臓の疾患などの処置のための革新的なアプローチを表すことを示唆する。CDK9は、少なくとも13の近縁のキナーゼを持つファミリーに属し、このうち細胞周期CDKのサブグループは細胞増殖の調節において複数の役割を果たす。それゆえに、細胞周期CDK(例としてCDK1/サイクリンB、CDK2/サイクリンA、CDK2/サイクリンE、CDK4/サイクリンD、CDK6/サイクリンD)およびCDK9の共阻害は、正常な増殖性組織、例えば腸管粘膜、リンパ器官および造血器官、ならびに生殖器官などに影響を与えることが予想される。CDK9キナーゼ阻害剤の治療マージンを最大化するため、CDK9に対する高い選択性を有する分子が必要とされる。
一般的なCDK阻害剤、同様にCDK9阻害剤は、多数の異なる刊行物中に記載されている:
WO2008129070およびWO2008129071はいずれも、一般的なCDK阻害剤としての2,4 二置換アミノピリミジンを記載している。これらの化合物のうちのいくつかは、それぞれ選択的CDK9阻害剤(WO2008129070)としておよびCDK5阻害剤(WO2008129071)として作用し得ることも主張されているが、具体的なCDK9 IC50(WO2008129070)またはCDK5 IC50(WO2008129071)のデータは提示されていない。これらの化合物は、ピリミジン核の5位にフッ素原子を含有しない。
WO2008129080は、4,6 二置換アミノピリミジンを開示しており、これらの化合物が様々なタンパク質キナーゼ、例えばCDK1、CDK2、CDK4、CDK5、CDK6およびCDK9などのタンパク質キナーゼ活性に対して抑制効果を示すこと、好ましくはCDK9阻害(例80)を実証している。
WO2005026129は、4,6 二置換アミノピリミジンを開示しており、これらの化合物が様々なタンパク質キナーゼ、とりわけCDK2、CDK4およびCDK9のタンパク質キナーゼ活性に対して抑制効果を示すことを実証している。
WO2009118567は、タンパク質キナーゼ阻害剤、とりわけCDK2、CDK7およびCDK9の阻害剤としてのピリミジン誘導体および[1,3,5]トリアジン誘導体を開示している。
WO2011116951は、選択的CDK9阻害剤としての置換トリアジン誘導体を開示している。
WO2012117048は、選択的CDK9阻害剤としての二置換トリアジン誘導体を開示している。
WO2012117059は、選択的CDK9阻害剤としての二置換ピリジン誘導体を開示している。
WO2012143399は、選択的CDK9阻害剤としての置換4−アリール−N−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−アミンを開示している。
EP1218360B1は、US2004116388A1、US7074789B2およびWO2001025220A1に対応しており、キナーゼ阻害剤としてのトリアジン誘導体を記載しているが、強力なまたは選択的なCDK9阻害剤を開示していない。
WO2008079933は、CDK1、CDK2、CDK3、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7、CDK8またはCDK9の阻害剤としての、アミノピリジン誘導体およびアミノピリミジン誘導体ならびにそれらの使用を開示している。
WO2011012661は、CDK阻害剤として有用なアミノピリジン誘導体を記載している。
WO2011026917は、CDK9の阻害剤としての、置換4−フェニルピリジン−2−アミン由来のカルボキサミドを開示している。
WO2012066065は、CDK9の阻害剤としてのフェニル−ヘテロアリールアミンを開示している。他のCDKアイソフォームを上回るCDK9に対する選択性は好ましいが、CDK阻害データの開示はCDK9に限られている。ピリミジン核のC4位に付着した二環式環系は開示されていない。ピリミジン核のC4に付着した基のなかに、アルコキシフェニルが包含されると考えることができるが、ピリミジン環のC5に付着したフッ素原子およびピリミジンのC2におけるアニリンを特徴とする具体的な置換パターンについての示唆はなく、メタ位における置換スルホニル−メチレン基を特色とする。例中で示されている化合物は、典型的に、Rとしての置換シクロアルキル基を特色とするがフェニルはない。
WO2012066070は、CDK9の阻害剤としての3−(アミノアリール)−ピリジン化合物を開示している。ビアリール核は必ず2つの芳香族複素環からなる。
WO2012101062は、CDK9の阻害剤としての、2−アミノピリジン核を特色とする置換ビ−ヘテロアリール化合物を開示している。ビアリール核は必ず2つの芳香族複素環からなる。
WO2012101063は、CDK9の阻害剤としての置換4−(ヘテロアリール)−ピリジン−2−アミン由来のカルボキサミドを開示している。
WO2012101064は、CDK9の阻害剤としてのN−アシルピリミジンビアリール化合物を開示している。
WO2012101065は、CDK9の阻害剤としてのピリミジンビアリール化合物を開示している。ビアリール核は必ず2つの芳香族複素環からなる。
WO2012101066は、CDK9の阻害剤としてのピリミジンビアリール化合物を開示している。複素芳香環核に付着したアミノ基の置換基Rは非芳香族基に限られるが、置換フェニルをカバーしていない。さらには、ビアリール核は必ず2つの芳香族複素環からなる。
WO2011077171は、CDK9の阻害剤としての4,6−二置換アミノピリミジン誘導体を開示している。
WO2014031937は、CDK9の阻害剤としての4,6−二置換アミノピリミジン誘導体を開示している。
WO2013037896は、CDK9の選択的阻害剤としての二置換5−フルオロピリミジンを開示している。
WO2013037894は、CDK9の選択的阻害剤としての、スルホキシイミン基を含有する二置換5−フルオロピロミジン(fluoropyromidine)誘導体を開示している。
Wang et al.(Chemistry & Biology 17,1111−1121,2010)は、2−アニリノ−4−(チアゾール−5−イル)ピリミジン転写CDK阻害剤を記載しており、これは動物モデルにおいて抗がん活性を示す。
WO2014060376は、CDK9の選択的阻害剤としての、スルホン基を含有する置換4−(オルト)−フルオロフェニル−5−フルオロピリミジン−2−イルアミン誘導体を開示している。
WO2014060375は、CDK9の選択的阻害剤としての、スルホン基を含有する置換5−フルオロ−N−(ピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン誘導体を開示している。
WO2014060493は、CDK9の選択的阻害剤としての、スルホン基を含有する置換N−(ピリジン−2−イル)ピリミジン−4−アミン誘導体を開示している。
WO2014076028は、CDK9の選択的阻害剤としての、スルホキシイミン基を含有する置換4−(オルト)−フルオロフェニル−5−フルオロピリミジン−2−イルアミン誘導体を開示している。
WO2014076091は、CDK9の選択的阻害剤としての、スルホキシイミン基を含有する置換5−フルオロ−N−(ピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン誘導体を開示している。
WO2014076111は、CDK9の選択的阻害剤としての、スルホキシイミン基を含有する置換N−(ピリジン−2−イル)ピリミジン−4−アミン誘導体を開示している。
WO2015001021は、CDK9の選択的阻害剤としての、スルホキシイミン基を含有する5−フルオロ−N−(ピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン誘導体を開示している。
WO2004009562は、置換トリアジンキナーゼ阻害剤を開示している。選択された化合物についてCDK1およびCDK4の試験データは提示されているが、CDK9のデータはない。
WO2004072063は、タンパク質キナーゼ、例えばERK2、GSK3、PKAまたはCDK2などの阻害剤としてのヘテロアリール(ピリミジン、トリアジン)置換ピロールを記載している。
WO2010009155は、ヒストンデアセチラーゼおよび/またはサイクリン依存的キナーゼ(CDK)の阻害剤としての、トリアジン誘導体およびピリミジン誘導体を開示している。選択された化合物についてCDK2の試験データが記載されている。
WO2003037346(US7618968B2、US7291616B2、US2008064700A1、US2003153570A1に対応する)は、アリールトリアジンおよびその使用に関し、これは、細胞、例えば腫瘍細胞などのリゾホスファチジン酸アシルトランスフェラーゼ ベータ(LPAAT−ベータ)活性および/または増殖を阻害するための使用を包含する。
WO2005037800は、VEGFRキナーゼおよびCDKキナーゼの阻害剤、とりわけVEGFR2、CDK1およびCDK2の阻害剤としてのスルホキシイミン置換アニリノ−ピリミジンを開示しており、これは、ピリミジン環に直接結合した芳香環を持たず、アニリン基に直接結合したスルホキシイミン基を持つ。CDK9のデータは開示されていない。
WO2008025556は、ピリミジン核を持つカルバモイルスルホキシミドを記載しており、これは、キナーゼ阻害剤として有用である。CDK9のデータは提示されていない。フルオロピリミジン核を保有する分子は例示されていない。
WO2002066481は、サイクリン依存的キナーゼ阻害剤としてのピリミジン誘導体を記載している。CDK9は言及されておらず、CDK9のデータは提示されていない。
WO2008109943は、フェニルアミノピリ(ミ)ジン化合物およびキナーゼ阻害剤としての、とりわけJAK2キナーゼ阻害剤としてのそれらの使用に関する。具体例は、ピリミジン核を持つ化合物に主に集中している。
WO2009032861は、JNKキナーゼ阻害剤としての置換ピリミジニルアミンを記載している。具体例は、ピリミジン核を持つ化合物に主に集中している。
WO2011046970は、TBKLおよび/またはIKKイプシロンの阻害剤としてのアミノ−ピリミジン化合物に関する。具体例は、ピリミジン核を持つ化合物に主に集中している。
WO2012142329は、TBKLおよび/またはIKKイプシロンの阻害剤としてのアミノ−ピリミジン化合物に関する。
WO2012139499は、様々なタンパク質キナーゼの阻害剤としての尿素置換アニリノ−ピリミジンを開示している。
WO2014106762は、ポロ様キナーゼ−1の阻害剤としての、4−ピリミジニルアミノ−ベンゼンスルホンアミド誘導体を開示している。
様々なCDK阻害剤が公知であるという事実にもかかわらず、従来技術から公知の化合物に対する1または複数の利点、例えば:
・ 改良された活性および/または有効性
・ それぞれの治療ニーズに応じた有利なキナーゼ選択性プロファイル
・ 改良された副作用プロファイル、例えばより少ない望まれない副作用、より低い強度の副作用、または低減された(細胞)毒性低減など
・ 改良された物理化学的性質、例えば水および体液中での溶解性など
・ 例として用量低減またはより容易な投薬スキームを可能にする、改良された薬物動態学的性質
・ 例としてより短い合成経路またはより容易な精製による、より容易な原薬製造
などを提供する選択的CDK9阻害剤を、疾患、例えば過剰増殖性疾患、ウイルス性疾患および/または心臓の疾患などの処置のために用いることへのニーズが依然としてある。
WO2008129070 WO2008129071 WO2008129080 WO2005026129 WO2009118567 WO2011116951 WO2012117048 WO2012117059 WO2012143399 EP1218360B1 US2004116388A1 US7074789B2 WO2001025220A1 WO2008079933 WO2011012661 WO2011026917 WO2012066065 WO2012066070 WO2012101062 WO2012101063 WO2012101064 WO2012101065 WO2012101066 WO2011077171 WO2014031937 WO2013037896 WO2013037894 WO2014060376 WO2014060375 WO2014060493 WO2014076028 WO2014076091 WO2014076111 WO2015001021 WO2004009562 WO2004072063 WO2010009155 WO2003037346 US7618968B2 US7291616B2 US2008064700A1 US2003153570A1 WO2005037800 WO2008025556 WO2002066481 WO2008109943 WO2009032861 WO2011046970 WO2012142329 WO2012139499 WO2014106762
Cho et al.,Cell Cycle 9,1697,2010 He et al.,Mol Cell 29,588,2008 Yang et al.,Mol Cell 19,535,2005 Zhou & Yik,Microbiol Mol Biol Rev 70,646,2006 Wang & Fischer,Trends Pharmacol Sci 29,302,2008 Bark−Jones et al.,Oncogene,25,1775,2006 Zhou et al.,J Virol.80,4781,2006 Dey et al.,Cell Cycle 6,1856,2007 Wang et al.(Chemistry & Biology 17,1111−1121,2010)
本発明の特定の目的は、従来技術から公知の化合物と比べて、CDK2/サイクリンEと対比してCDK9/サイクリンT1への選択性の向上を示すCDK9キナーゼ阻害剤を提供することである。
本発明の別の目的は、従来技術から公知の化合物と比べて、CDK9活性を阻害する効力の向上(CDK9/サイクリンT1についてのより低いIC50値により実証される)を示すCDK9キナーゼ阻害剤を提供することである。
本発明の別の目的は、従来技術から公知の化合物と比べて、高いATP濃度においてCDK9活性を阻害する効力の向上を示すCDK9キナーゼ阻害剤を提供することである。
本発明の別の目的は、従来技術から公知の化合物と比べて、腫瘍細胞株、例えばHeLa、HeLa−MaTu−ADR、NCI−H460、DU145、Caco−2、B16F10またはA2780などにおいて改良された抗増殖活性を示すCDK9キナーゼ阻害剤を提供することである。
さらに、従来技術から公知の化合物と比べて、CDK2/サイクリンEと対比してCDK9/サイクリンT1に高度に選択的である、および/またはCDK9活性を阻害する効力の向上を示す、および/または腫瘍細胞株、例えばHeLa、HeLa−MaTu−ADR、NCI−H460、DU145、Caco−2、B16F10もしくはA2780などにおいて改良された抗増殖活性を示す、および/または高いATP濃度においてCDK9活性を阻害する効力の向上を示すCDK9キナーゼ阻害剤を提供することもまた本発明の目的である。
本発明は、一般式(I)
Figure 2017508757
の化合物であって、式中、
は、C−C−アルキル−、C−C−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ヘテロアリール、フェニル−C−C−アルキル−もしくはヘテロアリール−C−C−アルキル−から選択される基を表し、
ここで前記基は、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、C−C−アルキル−、ハロ−C−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−、C−C−フルオロアルコキシ−、−NH、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、−OP(O)(OH)、−C(O)OH、−C(O)NHの群から選択される1もしくは2もしくは3の置換基で同じくもしくは異なって置換されていてもよく;
は、基
Figure 2017508757
を表し;
、Rは、互いに独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、C−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−、ハロ−C−C−アルキル−、C−C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表し;
5a、R5bは、互いに独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、C−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−、ハロ−C−C−アルキル−、C−C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表し;
、Rは、互いに独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、C−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−、ハロ−C−C−アルキル−、C−C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す化合物、
またはそれらの塩、溶媒和物もしくは溶媒和物の塩に関する。
本発明による化合物は、式(I)により包含され以下に言及されている化合物が既に塩、溶媒和物および塩の溶媒和物でない場合に、式(I)の化合物ならびにその塩、溶媒和物および塩の溶媒和物、式(I)により包含される以下に列挙されている式の化合物ならびにその塩、溶媒和物および塩の溶媒和物、ならびに式(I)により包含され以下に例示的実施形態として言及されている化合物ならびにその塩、溶媒和物および塩の溶媒和物である。
本発明による化合物は、それらの構造に応じて、立体異性形態(エナンチオマー、ジアステレオマー)で存在し得る。本発明は、それゆえ、エナンチオマーまたはジアステレオマーおよびそのそれぞれの混合物に関する。立体異性的に純粋な構成成分は、エナンチオマーおよび/またはジアステレオマーのかかる混合物から公知の方法で単離することができる。
本発明による化合物が互変異性形態であることができる場合、本発明は、全ての互変異性形態を包含する。
さらに、本発明の化合物は、遊離形態で、例として遊離塩基として、もしくは遊離酸として、もしくは両性イオンとして存在することができ、または塩の形態で存在することができる。前記塩は、調剤において慣例的に用いられる任意の塩であり得るものであって、有機の付加塩であっても無機の付加塩であってもよく、とりわけ任意の生理学的に許容される有機または無機の付加塩であり得る。
本発明の目的のために好ましい塩は、本発明による化合物の生理学的に許容される塩である。しかしながら、それ自体は医薬用途に不適であるが、例えば、本発明による化合物の単離または精製のために用いることができる塩もまた包含される。
用語「生理学的に許容される塩」とは、本発明の化合物の比較的非毒性な無機または有機の酸付加塩をいい、例えば、S.M.Berge,et al.“Pharmaceutical Salts,”J.Pharm.Sci.1977,66,1−19を参照されたい。
本発明による化合物の生理学的に許容される塩は、鉱酸、カルボン酸およびスルホン酸の酸付加塩、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、重硫酸(bisulfuric acid)、リン酸、硝酸の塩、または有機酸との塩、例えばギ酸、酢酸、アセト酢酸、ピルビン酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、安息香酸、サリチル酸、2−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、カンフル酸、ケイ皮酸、シクロペンタンプロピオン酸、ジグルコン酸(digluconic acid)、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、パモ酸、ペクチニン酸、過硫酸、3−フェニルプロピオン酸、ピクリン酸、ピバル酸、2−ヒドロキシエタンスルホネート、イタコン酸、スルファミン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ドデシル硫酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラ−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、ナフタリンジスルホン酸(naphthalinedisulfonic acid)、カンファースルホン酸、クエン酸、酒石酸、ステアリン酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、アジピン酸、アルギン酸、マレイン酸、フマル酸、D−グルコン酸、マンデル酸、アスコルビン酸、グルコヘプタン酸(glucoheptanoic acid)、グリセロリン酸、アスパラギン酸、スルホサリチル酸、ヘミ硫酸(hemisulfuric acid)もしくはチオシアン酸などとの塩を包含する。
本発明による化合物の生理学的に許容される塩はまた、慣用的な塩基の塩、例としておよび好ましくは、アルカリ金属塩(例えばナトリウム塩およびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウム塩およびマグネシウム塩)、およびアンモニアに由来するアンモニウム塩または1から16個のC原子を有する有機アミン、例としておよび好ましくは、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、プロカイン、ジベンジルアミン、N−メチルモルフォリン、アルギニン、リジン、エチレンジアミン、N−メチルピペリジン、N−メチルグルカミン、ジメチルグルカミン、エチルグルカミン、1,6−ヘキサジアミン、グルコサミン、サルコシン、セリノール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、アミノプロパンジオール、Sovak塩基および1−アミノ−2,3,4−ブタントリオールなどを含む。加えて、本発明による化合物は、第四級アンモニウムイオンとの塩を形成し得るものであり、これは、例として、例えばメチル−、エチル−、プロピル−およびブチル−クロリド、−ブロミドおよび−ヨージドなどの低級アルキルハライド;ジメチル−、ジエチル−、ジブチル−およびジアミル−スルフェートなどのジアルキルスルフェート、例えばデシル−、ラウリル−、ミリスチル−およびステアリル−クロリド、−ブロミドおよび−ヨージドなどの長鎖ハライド、ベンジル−およびフェネチル−ブロミドなどのアラルキルハライドなどの剤を使用した塩基性窒素含有基の四級化(quarternisation)により得ることができる。好適な第四級アンモニウムイオンの例は、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラ(n−プロピル)アンモニウム、テトラ(n−ブチル)アンモニウムまたはN−ベンジル−N,N,N−トリメチルアンモニウムである。
本発明は、本発明の化合物の全ての可能な塩を、単一の塩として、または前記塩の任意の比率の任意の混合物として包含する。
溶媒和物は、固体または液体状態の配位による溶媒分子との錯体を形成している本発明による化合物の形態について、本発明の目的のために用いられる用語である。水和物は、配位が水を使用して起こる溶媒和物の特別の形態である。水和物は、本発明の範囲内で溶媒和物として好ましい。
本発明はまた、本発明の化合物の全ての好適な同位体異型を包含する。本発明の化合物の同位体異型は、少なくとも1の原子が、原子番号は同じだが天然において通常または主に見出される原子質量と異なる原子質量を持つ原子により置き換えられたものとして定義される。本発明の化合物中に組み込むことができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素の同位体、例えばそれぞれH(重水素)、H(トリチウム)、13C、14C、15N、17O、18O、32P、33P、33S、34S、35S、36S、18F、36Cl、82Br、123I、124I、129Iおよび131Iなどが挙げられる。本発明の化合物のある種の同位体異型、例えば1または複数の放射性同位体、例えばHまたは14Cなどが組み込まれたものは、薬物および/または基質の組織分布研究において有用である。トリチウム標識体および炭素14、すなわち14C同位体は、それらの調製の容易さおよび検出性のためにとりわけ好ましい。さらに、同位体、例えば重水素などでの置換は、より優れた代謝安定性から生じるある種の治療的利点、例えばインビボでの半減期増加または必要用量の低減を与え得るものであるから、いくつかの環境において好ましいものであり得る。本発明の化合物の同位体異型は、一般に、当業者に公知の慣用的手法により、例えば好適な試薬の適切な同位体異型を用いた以下の例中に記載されている例証的方法または調製法などにより調製することができる。
加えて、本発明はまた、本発明による化合物のプロドラッグを包含する。用語「プロドラッグ」は、それ自体は生物学的に活性であっても不活性であってもよいが、その体内滞留時間のうちに(例えば代謝または加水分解により)本発明による化合物へと変換される化合物を包含する。
さらには、本発明は、本発明の化合物の全ての可能な結晶型、つまり多形を、単一の多形として、または1より多い多形の任意の比率の混合物として包含する。
したがって、本発明は、全ての可能なその塩、多形、代謝物、水和物、溶媒和物、プロドラッグ(例:エステル)、および本発明の化合物のジアステレオ異性体形態を、その単一の塩、多形、代謝物、水和物、溶媒和物、プロドラッグ(例:エステル)、もしくはジアステレオ異性体形態として、または1より多いその塩、多形、代謝物、水和物、溶媒和物、プロドラッグ(例:エステル)もしくはジアステレオ異性体形態の任意の比率の混合物として包含する。
本発明の目的のため、特に指定がないかぎり、置換基は次の意味を持つ:
用語「ハロゲン」、「ハロゲン原子」または「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を、とりわけ臭素、塩素またはフッ素を、好ましくは塩素またはフッ素を、より好ましくはフッ素を表す。
用語「アルキル」は、具体的に指示された数の炭素原子を持つ、例としてC−C10、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖のアルキルラジカルを表し、例としてメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル−、デシル−、2−メチルブチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、neo−ペンチル、1,1−ジメチルプロピル、4−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−メチルペンチル、2−エチルブチル、1−エチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチルまたは1,2−ジメチルブチルである。炭素原子の数が具体的に指示されない場合、用語「アルキル」は、概して、1から9個の、とりわけ1から6個の、好ましくは1から4個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖のアルキルラジカルを表す。とりわけ、アルキル基は1、2、3、4、5または6個の炭素原子を持ち(「C−C−アルキル」)、例としてメチル、エチル、n−プロピル−、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、2−メチルブチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、neo−ペンチル、1,1−ジメチルプロピル、4−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−メチルペンチル、2−エチルブチル、1−エチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチルまたは1,2−ジメチルブチルである。好ましくは、アルキル基は1、2または3個の炭素原子を持ち(「C−C−アルキル」)、メチル、エチル、n−プロピルまたはイソプロピルである。
用語「C−C−シクロアルキル」は、好ましくは3、4、5、6または7個の炭素原子を含有する飽和または部分不飽和の一価単環式炭化水素環を意味すると理解されるものである。前記C−C−シクロアルキル基は、例えば、単環式炭化水素環、例としてシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基またはシクロヘプチル基である。前記シクロアルキル環は、1または複数の二重結合を含有してもよく、例としてシクロアルケニル、例えばシクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基またはシクロヘプテニル基などであって、ここで前記環と分子の残部との間の結合は前記環の任意の炭素原子に対するものであることができ、飽和であっても不飽和であってもよい。とりわけ、前記シクロアルキル基は、C−C−シクロアルキル基、C−C−シクロアルキル基またはシクロヘキシル基である。
用語「C−C−シクロアルキル」は、好ましくは、3、4または5個の炭素原子を含有する飽和の一価単環式炭化水素環を意味すると理解されるものである。とりわけ前記C−C−シクロアルキル基は、単環式炭化水素環、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基またはシクロペンチル基である。好ましくは、前記「C−C−シクロアルキル」基は、シクロプロピル基である。
用語「C−C−シクロアルキル」は、好ましくは3、4、5または6個の炭素原子を含有する飽和の一価単環式炭化水素環を意味すると理解されるものである。とりわけ、前記C−C−シクロアルキル基は、単環式炭化水素環、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基またはシクロヘキシル基である。
用語「ヘテロシクリル」は、3、4、5、6、7、8または9個の炭素原子を含有し、さらに酸素、硫黄、窒素から選択される1、2または3個のヘテロ原子含有基を含有する、飽和または部分不飽和の一価の単環式または二環式炭化水素環を意味すると理解されるものである。とりわけ、用語「ヘテロシクリル」は、「4員から10員の複素環式環」を意味すると理解されるものである。
用語「4員から10員の複素環式環」は、3、4、5、6、7、8または9個の炭素原子を含有し、さらに酸素、硫黄、窒素から選択される1、2または3個のヘテロ原子含有基を含有する、飽和または部分不飽和の一価の単環式または二環式炭化水素環を意味すると理解されるものである。
−C−ヘテロシクリルは、少なくとも3、4、5、6、7、8または9個の炭素原子を、加えて少なくとも1個のヘテロ原子を環原子として含有するヘテロシクリルを意味すると理解されるものである。したがって、1個のヘテロ原子の場合、環は4員から10員であり、2個のヘテロ原子の場合、環は5員から11員であり、3個のヘテロ原子の場合、環は6員から12員である。
前記複素環式環は、例えば、単環式の複素環式環、例えばオキセタニル基、アゼチジニル基、テトラヒドロフラニル基、ピロリジニル基、1,3−ジオキソラニル基、イミダゾリジニル基、ピラゾリジニル基、オキサゾリジニル基、イソオキサゾリジニル基、1,4−ジオキサニル基、ピロリニル基、テトラヒドロピラニル基、ピペリジニル基、モルフォリニル基、1,3−ジチアニル基、チオモルフォリニル基、ピペラジニル基またはチヌクリジニル(chinuclidinyl)基などである。前記複素環式環(heterocyclclic ring)は1または複数の二重結合を含有してもよく、例として4H−ピラニル基、2H−ピラニル基、2,5−ジヒドロ−1H−ピロリル基、1,3−ジオキソリル基、4H−1,3,4−チアジアジニル基、2,5−ジヒドロフラニル基、2,3−ジヒドロフラニル基、2,5−ジヒドロチエニル基、2,3−ジヒドロチエニル基、4,5−ジヒドロオキサゾリル基、4,5−ジヒドロイソオキサゾリル基または4H−1,4−チアジニル基であり、またはこれはベンゾ縮合であってもよい。
とりわけ、C−C−ヘテロシクリルは、少なくとも3、4、5、6または7個の炭素原子を、加えて少なくとも1個のヘテロ原子を環原子として含有するヘテロシクリルを意味すると理解されるものである。したがって、1個のヘテロ原子の場合、環は4員から8員であり、2個のヘテロ原子の場合、環は5員から9員であり、3個のヘテロ原子の場合、環は6員から10員である。
とりわけ、C−C−ヘテロシクリルは、少なくとも3、4、5または6個の炭素原子を、加えて少なくとも1個のヘテロ原子を環原子として含有するヘテロシクリルを意味すると理解されるものである。したがって、1個のヘテロ原子の場合、環は4員から7員であり、2個のヘテロ原子の場合、環は5員から8員であり、3個のヘテロ原子の場合、環は6員から9員である。
とりわけ、用語「ヘテロシクリル」は、3、4または5個の炭素原子、および1、2または3個の上述のヘテロ原子含有基を含有する複素環式環(「4員から7員の複素環式環」)であると理解されるものであり、よりとりわけには前記環は4または5個の炭素原子、および1、2または3個の上述のヘテロ原子含有基を含有することができ(「5員から7員の複素環式環」)、よりとりわけには前記複素環式環は「6員の複素環式環」であり、これは4個の炭素原子および2個の上述のヘテロ原子含有基または5個の炭素原子および1個の上述のヘテロ原子含有基を、好ましくは4個の炭素原子および2個の上述のヘテロ原子含有基を含有すると理解されるものである。
用語「C−C−アルコキシ−」は、好ましくは、式−O−アルキルである直鎖または分岐鎖の飽和一価炭化水素基であって、ここで用語「アルキル」は上に定義されている基を意味すると理解されるものであり、例としてメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソ−プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソ−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソ−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基またはそれらの異性体である。とりわけ、「C−C−アルコキシ−」基は、「C−C−アルコキシ−」基、「C−C−アルコキシ−」基、メトキシ基、エトキシ基またはプロポキシ基であり、好ましくはメトキシ基、エトキシ基またはプロポキシ基である。さらに好ましいのは、「C−C−アルコキシ−」基、とりわけメトキシ基またはエトキシ基である。
用語「C−C−フルオロアルコキシ−」は、好ましくは、上に定義されている直鎖または分岐鎖の飽和一価C−C−アルコキシ−基であって、1または複数の水素原子が1または複数のフッ素原子により同じくまたは異なって置き換えられている基を意味すると理解されるものである。前記C−C−フルオロアルコキシ−基は、例えば、1,1−ジフルオロメトキシ−基、1,1,1−トリフルオロメトキシ−基、2−フルオロエトキシ−基、3−フルオロプロポキシ−基、2,2,2−トリフルオロエトキシ−基、3,3,3−トリフルオロプロポキシ−基、とりわけ「C−C−フルオロアルコキシ−」基である。
用語「アルキルアミノ−」は、好ましくは、上に定義されている1個の直鎖または分岐鎖のアルキル基を有するアルキルアミノ基を意味すると理解されるものである。(C−C)−アルキルアミノ−は、例えば、1、2または(oder)3個の炭素原子を有するモノアルキルアミノ基を意味し、(C−C)−アルキルアミノ−は1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するものを意味する。用語「アルキルアミノ−」は、例えばメチルアミノ−、エチルアミノ−、n−プロピルアミノ−、イソプロピルアミノ−、tert−ブチルアミノ−、n−ペンチルアミノ−またはn−ヘキシルアミノ−を含む。
用語「ジアルキルアミノ−」は、好ましくは、上に定義されている2個の直鎖または分岐鎖のアルキル基であって、互いに独立しているアルキル基を持つアルキルアミノ基を意味すると理解されるものである。(C−C)−ジアルキルアミノ−は、例えば、2個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表し、アルキル基の各々は、アルキル基あたり1から3個の炭素原子を持つ。用語「ジアルキルアミノ−」は、例えば:N,N−ジメチルアミノ−、N,N−ジエチルアミノ−、N−エチル−N−メチルアミノ−、N−メチル−N−n−プロピルアミノ−、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノ−、N−t−ブチル−N−メチルアミノ−、N−エチル−N−n−ペンチルアミノ−および(und)N−n−ヘキシル−N−メチルアミノ−を含む。
用語「環状アミン」は、好ましくは、環状のアミン基を意味すると理解されるものである。好ましくは、環状アミンは、4から10個の、好ましくは4から7個の環原子を有する飽和の単環式基であって、そのうち少なくとも1個の環原子は窒素原子である基を意味する。好適な環状アミンは、特にアゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、1−メチルピペラジン、モルフォリン、チオモルフォリンであり、これらは1または2個のメチル基により置換されていてもよい。
用語「ハロ−C−C−アルキル−」は、好ましくは、直鎖または分岐鎖の飽和一価炭化水素基であって、ここで用語「C−C−アルキル」は上に定義されており、1または複数の水素原子がハロゲン原子により同じくまたは異なって置き換えられている、すなわち1個のハロゲン原子が別のハロゲン原子から独立している基を意味すると理解されるものである。とりわけ、前記ハロゲン原子はフッ素である。好ましくは、ハロ−C−C−アルキル−基は、フルオロ−C−C−アルキル−基またはフルオロ−C−C−アルキル−基、例えば−CF、−CHF、−CHF、−CFCFまたは−CHCFなどであり、より好ましくはこれは−CFである。
用語「フェニル−C−C−アルキル−」は、好ましくは、1個の水素原子が上に定義されているC−C−アルキル基により置き換えられているフェニル基であって、このC−C−アルキル基がフェニル−C−C−アルキル−基を分子に連結するフェニル基を意味すると理解されるものである。とりわけ、「フェニル−C−C−アルキル−」は、フェニル−C−C−アルキル−基であり、好ましくはこれはベンジル−基である。
用語「ヘテロアリール」は、好ましくは、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14個の環原子を持つ一価の芳香環系(「5員から14員のヘテロアリール」基)、とりわけ5個(「5員のヘテロアリール」)または6個(「6員のヘテロアリール」)または9個(「9員のヘテロアリール」)または10個の環原子(「10員のヘテロアリール」)を持つ一価の芳香環系であって、同一であっても異なってもよい少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、前記ヘテロ原子は例えば酸素、窒素または硫黄などである芳香環系を意味すると理解されるものであり、これは単環式、二環式または三環式であることができ、加えて各々の場合にベンゾ縮合されていてもよい。とりわけ、ヘテロアリールは、チエニル、フラニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリルなど、およびそのベンゾ誘導体、例えばベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、インダゾリル、インドリル、イソインドリルなど;またはピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニルなど、およびそのベンゾ誘導体、例えばキノリニル、キナゾリニル、イソキノリニルなど;またはアゾシニル、インドリジニル、プリニルなど、およびそのベンゾ誘導体;またはシンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、キサンテニルもしくはオキセピニルなどから選択される。好ましくは、ヘテロアリールは、単環式ヘテロアリール、5員のヘテロアリールまたは6員のヘテロアリールから選択される。
用語「5員のヘテロアリール」は、好ましくは、5個の環原子を持つ一価の芳香環系であって、同一であっても異なってもよい少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、前記ヘテロ原子は例えば酸素、窒素または硫黄などである芳香環系を意味すると理解される。とりわけ、「5員のヘテロアリール」は、チエニル、フラニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリルから選択される。
用語「6員のヘテロアリール」は、好ましくは、6個の環原子を持つ一価の芳香環系であって、同一であっても異なってもよい少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、前記ヘテロ原子は例えば酸素、窒素または硫黄などである芳香環系を意味すると理解される。とりわけ、「6員のヘテロアリール」は、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニルから選択される。
用語「ヘテロアリール−C−C−アルキル−」は、好ましくは、1個の水素原子が上に定義されているC−C−アルキル基により置き換えられている、各々上に定義されているヘテロアリール基、5員のヘテロアリール基または6員のヘテロアリール基であって、このC−C−アルキル基がヘテロアリール−C−C−アルキル−基を分子に連結する基を意味すると理解されるものである。とりわけ、「ヘテロアリール−C−C−アルキル−」は、ヘテロアリール−C−C−アルキル−基、ピリジニル−C−C−アルキル−基、ピリジニルメチル−基、ピリジニルエチル−基、ピリジニルプロピル−基、ピリミジニル−C−C−アルキル−基、ピリミジニルメチル−基、ピリミジニルエチル−基、ピリミジニルプロピル−基であり、好ましくはピリジニルメチル−基またはピリジニルエチル−基またはピリミジニルエチル−基またはピリミジニルプロピル−基である。
本明細書中で用いられる用語「脱離基」とは、化学反応において、それと共に結合性電子を取る安定種として置き換えられる原子または原子の群をいう。好ましくは、脱離基は:ハロ、とりわけクロロ、ブロモまたはヨード、メタンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、ノナフルオロブタンスルホニルオキシ、(4−ブロモ−ベンゼン)スルホニルオキシ、(4−ニトロ−ベンゼン)スルホニルオキシ、(2−ニトロ−ベンゼン)−スルホニルオキシ、(4−イソプロピル−ベンゼン)スルホニルオキシ、(2,4,6−トリ−イソプロピル−ベンゼン)−スルホニルオキシ、(2,4,6−トリメチル−ベンゼン)スルホニルオキシ、(4−tertブチル−ベンゼン)スルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシおよび(4−メトキシ−ベンゼン)スルホニルオキシを含む群から選択される。
本文全体にわたって用いられる用語「C−C10」は、例として「C−C10−アルキル」の定義との関連で、1から10の有限数の炭素原子、すなわち1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子を持つアルキル基を意味すると理解されるものである。さらに、前記用語「C−C10」は、その中に含まれる任意の部分範囲、例としてC−C10、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C10、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C10、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C10、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C10、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C10、C−C、C−C、C−C、C−C10、C−C、C−C、C−C10、C−C、C−C10として解釈されるものであることが理解されるものである。
同様に、本明細書中で用いられる用語「C−C」は、本文全体にわたって用いられるように、例として「C−C−アルキル」、「C−C−アルコキシ」の定義との関連で、1から6の有限数の炭素原子、すなわち1、2、3、4、5または6個の炭素原子を持つアルキル基を意味すると理解されるものである。さらに、前記用語「C−C」は、その中に含まれる任意の部分範囲、例としてC−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−Cとして解釈されるものであることが理解されるものである。
同様に、本明細書中で用いられる用語「C−C」は、本文全体にわたって用いられるように、例として「C−C−アルキル」、「C−C−アルコキシ」または「C−C−フルオロアルコキシ」の定義との関連で、1から3の有限数の炭素原子、すなわち1、2または3個の炭素原子を持つアルキル基を意味すると理解されるものである。さらに、前記用語「C−C」は、その中に含まれる任意の部分範囲、例としてC−C、C−C、C−Cとして解釈されるものであることが理解されるものである。
さらに、本明細書中で用いられる用語「C−C」は、本文全体にわたって用いられるように、例として「C−C−シクロアルキル」の定義との関連で、3から6の有限数の炭素原子、すなわち3、4、5または6個の炭素原子を持つシクロアルキル基を意味すると理解されるものである。さらに、前記用語「C−C」は、その中に含まれる任意の部分範囲、例としてC−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−Cとして解釈されるものであることが理解されるものである。
さらに、本明細書中で用いられる用語「C−C」は、本文全体にわたって用いられるように、例として「C−C−シクロアルキル」の定義との関連で、3から7の有限数の炭素原子、すなわち3、4、5、6または7個の炭素原子、とりわけ3、4、5または6個の炭素原子を持つシクロアルキル基を意味すると理解されるものである。さらに、前記用語「C−C」は、その中に含まれる任意の部分範囲、例としてC−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−Cとして解釈されるものであることが理解されるものである。
結合における記号
Figure 2017508757
は、分子内での連結部位を示す。
本明細書中で用いられる、例として本発明の一般式の化合物の置換基の定義における用語「1または複数回」は、1、2、3、4または5回、とりわけ1、2、3または4回、よりとりわけには1、2または3回、なおよりとりわけには1または2回を意味するものと理解される。
化合物、塩、水和物、溶媒和物などの言葉の複数形が本明細書中で用いられる場合、これは、単一の化合物、塩、異性体、水和物、溶媒和物などをも意味すると取られる。
別の実施形態において、本発明は、一般式(I)の化合物であって、式中、
は、C−C−アルキル−基もしくはC−C−シクロアルキル基を表し、
ここで前記基は、ヒドロキシ、C−C−アルキル−、フルオロ−C−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−、C−C−フルオロアルコキシ−、−NH、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン、−OP(O)(OH)、−C(O)OH、−C(O)NHの群から選択される1の置換基で置換されていてもよく;
は、基
Figure 2017508757
を表し;
は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、C−C−アルキル基もしくはフルオロ−C−C−アルキル−基を表し;
は、水素原子もしくはフッ素原子を表し;
5a、R5bは、互いに独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、C−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−、フルオロ−C−C−アルキル−、C−C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表し;
、Rは、互いに独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、C−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−、フルオロ−C−C−アルキル−、C−C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す化合物、
またはそれらの塩、溶媒和物もしくは溶媒和物の塩に関する。
好ましい実施形態において、本発明は、一般式(I)の化合物であって、式中、
は、C−C−アルキル−基もしくはC−C−シクロアルキル基を表し、
ここで前記基は、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ−、−NH、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン、−OP(O)(OH)の群から選択される1の置換基で置換されていてもよく;
は、基
Figure 2017508757
を表し;
は、水素原子、フッ素原子もしくは塩素原子、C−C−アルキル基もしくはフルオロ−C−C−アルキル基を表し;
は、水素原子もしくはフッ素原子を表し;
5a、R5bは、互いに独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、メチル−、メトキシ−、ジフルオロメチル−、トリフルオロメチル−、ジフルオロメトキシ−、トリフルオロメトキシ−から選択される基を表し;
、Rは、互いに独立して、水素原子、フッ素原子および塩素原子から選択される基を表す化合物、
またはそれらの塩、溶媒和物もしくは溶媒和物の塩に関する。
別の好ましい実施形態において、本発明は、一般式(I)の化合物であって、式中、
は、C−C−アルキル基を表し、
ここで前記基は、C−C−アルコキシ、−NH、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−および環状アミンの群から選択される1の置換基で置換されていてもよく;
は、基
Figure 2017508757
を表し;
は、水素原子、フッ素原子もしくはメチル−基もしくはトリフルオロメチル−基を表し;
は、水素原子もしくはフッ素原子を表し;
、Rは、互いに独立して、水素原子、フッ素原子および塩素原子から選択される基を表す化合物、
またはそれらの塩、溶媒和物もしくは溶媒和物の塩に関する。
とりわけ好ましい実施形態において、本発明は、一般式(I)の化合物であって、式中、
は、C−C−アルキル基を表し;
は、基
Figure 2017508757
を表し;
は、水素原子、フッ素原子もしくはメチル−基もしくはトリフルオロメチル−基を表し;
は、水素原子を表し;
は、水素、フッ素原子および塩素原子から選択される基を表し;
は、水素を表す化合物、
またはそれらの塩、溶媒和物もしくは溶媒和物の塩に関する。
別のとりわけ好ましい実施形態において、本発明は、一般式(I)の化合物であって、式中、
は、メチル基を表し;
は、基
Figure 2017508757
を表し;
は、水素原子、フッ素原子もしくはメチル−基もしくはトリフルオロメチル−基を表し;
は、水素原子を表し;
は、水素およびフッ素原子から選択される基を表し、
は、水素を表す化合物、
またはそれらの塩、溶媒和物もしくは溶媒和物の塩に関する。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、C−C−アルキル−、C−C−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ヘテロアリール、フェニル−C−C−アルキル−またはヘテロアリール−C−C−アルキル−から選択される基を表し、
ここで前記基は、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、C−C−アルキル−、ハロ−C−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−、C−C−フルオロアルコキシ−、−NH、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、−OP(O)(OH)、−C(O)OH、−C(O)NHの群から選択される1または2または3の置換基で同じくまたは異なって置換されていてもよい。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、C−C−アルキル−、C−C−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ヘテロアリール、フェニル−C−C−アルキル−またはヘテロアリール−C−C−アルキル−から選択される基を表し、
ここで前記基は、ヒドロキシ、C−C−アルキル−、フルオロ−C−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−、C−C−フルオロアルコキシ−、−NH、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン、−OP(O)(OH)、−C(O)OH、−C(O)NHの群から選択される1または2または3の置換基で同じくまたは異なって置換されていてもよい。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、C−C−アルキル−、C−C−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ヘテロアリール、フェニル−C−C−アルキル−またはヘテロアリール−C−C−アルキル−から選択される基を表し、
ここで前記基は、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ−、−NH、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン、−OP(O)(OH)の群から選択される1または2または3の置換基で同じくまたは異なって置換されていてもよい。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、C−C−アルキル−基またはC−C−シクロアルキル基を表し、
ここで前記基は、ヒドロキシ、C−C−アルキル−、フルオロ−C−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−、C−C−フルオロアルコキシ−、−NH、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン、−OP(O)(OH)、−C(O)OH、−C(O)NHの群から選択される1または2または3の置換基で同じくまたは異なって置換されていてもよい。
好ましい実施形態において、本発明は、一般式(I)の化合物に関し、式中、Rは、C−C−アルキル−基またはC−C−シクロアルキル基を表し、
ここで前記基は、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ−、−NH、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン、−OP(O)(OH)の群から選択される1の置換基で置換されていてもよい。
別の好ましい実施形態において、本発明は、一般式(I)の化合物に関し、式中、Rは、C−C−アルキル−基またはC−C−シクロアルキル基を表し、
ここで前記基は、C−C−アルコキシ、−NH、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−および環状アミンの群から選択される1の置換基で置換されていてもよい。
別の好ましい実施形態において、本発明は、一般式(I)の化合物に関し、式中、Rは、C−C−アルキル−基を表し、
ここで前記基は、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ−、−NH、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン、−OP(O)(OH)の群から選択される1の置換基で置換されていてもよい。
別の好ましい実施形態において、本発明は、一般式(I)の化合物に関し、式中、Rは、C−C−アルキル−基を表し、
ここで前記基は、C−C−アルコキシ、−NH、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−および環状アミンの群から選択される1の置換基で置換されていてもよい。
とりわけ好ましい実施形態において、本発明は、一般式(I)の化合物に関し、式中、Rは、C−C−アルキル−基を表す。
別のとりわけ好ましい実施形態において、本発明は、一般式(I)の化合物に関し、式中、Rは、イソ−プロピル基を表す。
別のとりわけ好ましい実施形態において、本発明は、一般式(I)の化合物に関し、式中、Rは、n−プロピル基を表す。
別のとりわけ好ましい実施形態において、本発明は、一般式(I)の化合物に関し、式中、Rは、エチル基を表す。
別のとりわけ好ましい実施形態において、本発明は、一般式(I)の化合物に関し、式中、Rは、メチル基を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、基
Figure 2017508757
を表す。
好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、基
Figure 2017508757
を表す。
とりわけ好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、基
Figure 2017508757
を表す。
別のとりわけ好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル−または1−ベンゾフラン−7−イル−から選択される基を表す。
別のとりわけ好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル−基を表す。
別のとりわけ好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、1−ベンゾフラン−7−イル−基を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、RおよびRは、互いに独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、C−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−、ハロ−C−C−アルキル−、C−C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、RおよびRは、互いに独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、C−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−、フルオロ−C−C−アルキル−、C−C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、RおよびRは、互いに独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、C−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−、フルオロ−C−C−アルキル−、C−C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、RおよびRは、互いに独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、メチル−、メトキシ−、ジフルオロメチル−、トリフルオロメチル−、ジフルオロメトキシ−、トリフルオロメトキシ−から選択される基を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、RおよびRは、互いに独立して、水素原子、フッ素原子または塩素原子、C−C−アルキル基またはフルオロ−C−C−アルキル基から選択される基を表す。
好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、RおよびRは、互いに独立して、水素原子、フッ素原子またはメチル−基またはトリフルオロメチル−基から選択される基を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、C−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−、ハロ−C−C−アルキル−、C−C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表し、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはシアノを表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、C−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−、ハロ−C−C−アルキル−、C−C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表し、Rは、水素原子、フッ素原子または塩素原子を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、C−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−、ハロ−C−C−アルキル−、C−C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表し、Rは、水素原子またはフッ素原子を表す。
好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子、フッ素原子または塩素原子、C−C−アルキル基またはフルオロ−C−C−アルキル基から選択される基を表し、Rは、水素原子またはフッ素原子を表す。
別の好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子、フッ素原子または塩素原子、C−C−アルキル基またはフルオロ−C−C−アルキル基から選択される基を表し、Rは、水素原子を表す。
別の好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、メチル−、メトキシ−、ジフルオロメチル−、トリフルオロメチル−、ジフルオロメトキシ−、トリフルオロメトキシ−から選択される基を表し、Rは、水素原子またはフッ素原子を表す。
別の好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、メチル−、メトキシ−、ジフルオロメチル−、トリフルオロメチル−、ジフルオロメトキシ−、トリフルオロメトキシ−から選択される基を表し、Rは、水素原子を表す。
とりわけ好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子、フッ素原子またはメチル−基またはトリフルオロメチル−基から選択される基を表し、Rは、水素原子またはフッ素原子を表す。
とりわけ好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子、フッ素原子またはメチル−基またはトリフルオロメチル−基から選択される基を表し、Rは、水素原子を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、C−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−、ハロ−C−C−アルキル−、C−C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、C−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−、フルオロ−C−C−アルキル−、C−C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、C−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−、フルオロ−C−C−アルキル−、C−C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す。
好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、メチル−、メトキシ−、ジフルオロメチル−、トリフルオロメチル−、ジフルオロメトキシ−、トリフルオロメトキシ−から選択される基を表す。
別の好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子、フッ素原子または塩素原子、C−C−アルキル基またはフルオロ−C−C−アルキル基から選択される基を表す。
別の好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子、フッ素原子または塩素原子から選択される基を表す。
別の好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、フッ素原子または塩素原子を表す。
別の好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、塩素原子を表す。
別の好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、C−C−アルキル基またはフルオロ−C−C−アルキル基を表す。
別の好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、C−C−アルキル基を表す。
別の好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、フルオロ−C−C−アルキル基を表す。
とりわけ好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子、フッ素原子またはメチル−基またはトリフルオロメチル−基を表す。
とりわけ好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子またはフッ素原子を表す。
とりわけ好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、メチル−基またはトリフルオロメチル−基を表す。
別のとりわけ好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子を表す。
別のとりわけ好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、フッ素原子を表す。
別のとりわけ好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、メチル基を表す。
別のとりわけ好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、トリフルオロメチル−基を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、C−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−、ハロ−C−C−アルキル−、C−C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、メチル−、メトキシ−、ジフルオロメチル−、トリフルオロメチル−、ジフルオロメトキシ−、トリフルオロメトキシ−から選択される基を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはシアノを表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子または臭素原子を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子、フッ素原子または塩素原子を表す。
好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子またはフッ素原子を表す。
別の好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子を表す。
別の好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、フッ素原子を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、R5aおよびR5bは、互いに独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、C−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−、ハロ−C−C−アルキル−、C−C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、R5aおよびR5bは、互いに独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、C−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−、フルオロ−C−C−アルキル−、C−C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、R5aおよびR5bは、互いに独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、メチル−、メトキシ−、ジフルオロメチル−、トリフルオロメチル−、ジフルオロメトキシ−、トリフルオロメトキシ−を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、R5aは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、メチル−、メトキシ−、ジフルオロメチル−、トリフルオロメチル−、ジフルオロメトキシ−、トリフルオロメトキシ−を表し、R5bは、水素原子またはフッ素原子を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、R5aは、水素原子またはフッ素原子を表し、R5bは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、メチル−、メトキシ−、ジフルオロメチル−、トリフルオロメチル−、ジフルオロメトキシ−、トリフルオロメトキシ−を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、R5aは、水素原子またはフッ素原子を表し、R5bは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル−、メトキシまたはトリフルオロメチル−を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、R5aは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル−、メトキシまたはトリフルオロメチル−を表し、R5bは、水素原子またはフッ素原子を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、R5aは、水素原子を表し、R5bは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル−、メトキシまたはトリフルオロメチル−を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、R5aは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル−、メトキシまたはトリフルオロメチル−を表し、R5bは、水素原子を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、R5aは、水素原子を表し、R5bは、水素原子、フッ素原子またはメチル−を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、R5aは、水素原子、フッ素原子またはメチル−を表し、R5bは、水素原子を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、R5aは、水素原子を表し、R5bは、水素原子またはフッ素原子を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、R5aは、水素原子またはフッ素原子を表し、R5bは、水素原子を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、R5aおよびR5bは、水素原子を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、RおよびRは、互いに独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、C−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−、ハロ−C−C−アルキル−、C−C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、RおよびRは、互いに独立して、水素、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、C−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−、フルオロ−C−C−アルキル−、C−C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、RおよびRは、互いに独立して、水素、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、C−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−、フルオロ−C−C−アルキル−、C−C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、RおよびRは、互いに独立して、水素、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、メチル−、メトキシ−、ジフルオロメチル−、トリフルオロメチル−、ジフルオロメトキシ−、トリフルオロメトキシ−を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、RおよびRは、互いに独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノまたはメチル−を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、RおよびRは、互いに独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはシアノを表す。
好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、RおよびRは、互いに独立して、水素原子、フッ素原子または塩素原子を表す。
別の好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、RおよびRは、互いに独立して、水素原子またはフッ素原子を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、C−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−、フルオロ−C−C−アルキル−、C−C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表し、Rは、水素原子、フッ素原子または塩素原子を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子、フッ素原子または塩素原子を表し、Rは、水素原子、フッ素原子または塩素原子、臭素原子、シアノ、C−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−、フルオロ−C−C−アルキル−、C−C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、メチル−、メトキシ−、ジフルオロメチル−、トリフルオロメチル−、ジフルオロメトキシ−、トリフルオロメトキシ−を表し、Rは、水素原子、フッ素原子または塩素原子を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子、フッ素原子または塩素原子を表し、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、メチル−、メトキシ−、ジフルオロメチル−、トリフルオロメチル−、ジフルオロメトキシ−、トリフルオロメトキシ−を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノまたはメチル−を表し、Rは、水素原子またはフッ素原子を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子またはフッ素原子、塩素原子を表し、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノまたはメチル−を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはシアノを表し、Rは、水素原子またはフッ素原子を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子またはフッ素原子を表し、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはシアノを表す。
好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子、フッ素原子または塩素原子を表し、Rは、水素原子またはフッ素原子を表す。
別の好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子またはフッ素原子を表し、Rは、水素原子、フッ素原子または塩素原子を表す。
別の好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子またはフッ素原子を表し、Rは、水素原子を表す。
別の好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子を表し、Rは、水素原子またはフッ素原子を表す。
別の好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素、パラ−フルオロまたはパラ−クロロを表し、ここでパラとは分子の残部へのRの付着点をいい、Rは、水素原子を表す。
別の好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、パラ−フルオロを表し、ここでパラとは分子の残部へのRの付着点をいい、Rは、水素原子を表す。
別の好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、パラ−フルオロを表し、ここでパラとは分子の残部へのRの付着点をいう。
別の好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、RおよびRは、水素原子を表す。
別の好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、RおよびRは、フッ素原子を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、メチル−、メトキシ−、ジフルオロメチル−、トリフルオロメチル−、ジフルオロメトキシ−、トリフルオロメトキシ−から選択される基を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはシアノを表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子または臭素原子を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子、フッ素原子または塩素原子を表す。
好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子またはフッ素原子を表す。
別の好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子を表す。
別の好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、フッ素原子を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、メチル−、メトキシ−、ジフルオロメチル−、トリフルオロメチル−、ジフルオロメトキシ−、トリフルオロメトキシ−から選択される基を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはシアノを表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子または臭素原子を表す。
別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子、フッ素原子または塩素原子を表す。
好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子またはフッ素原子を表す。
別の好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、水素原子を表す。
別の好ましい実施形態において、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Rは、フッ素原子を表す。
本発明は、上記の式(I)の化合物についての本発明の任意の実施形態内にある任意の部分的組み合わせ(sub−combination)に関することが理解されるものである。
なおよりとりわけには、本発明は、下にある本文の実施例の部の中で開示されている式(I)の化合物に及ぶ。
大いに特に好ましいのは、上述の好ましい実施形態のうちの2またはそれより多くの組み合わせである。
とりわけ、本発明の好ましい主題は、化合物:
・ 5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{4−[(メチルスルホニル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン、
・ 5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{6−フルオロ−4−[(メチルスルホニル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン、
・ 5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{6−メチル−4−[(メチルスルホニル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン、
・ 5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{4−[(メチルスルホニル)メチル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン、
・ 4−(1−ベンゾフラン−7−イル)−5−フルオロ−N−{4−[(メチルスルホニル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン、
またはその塩、溶媒和物もしくは溶媒和物の塩である。
一般的な用語でまたは好ましい範囲内で詳述されている上述のラジカルの定義は、式(I)の最終生成物にも、同様に調製のために各々の場合に必要とされる出発物質または中間体にもあてはまる。
本発明はさらには、本発明による式(I)の化合物の調製方法であって、式(3)
Figure 2017508757
の化合物であり、式中、Rは一般式(I)の化合物について定義されている通りである化合物を、式(9)
Figure 2017508757
の化合物であり、式中、R、RおよびRは、一般式(I)の化合物について定義されている通りである化合物と、
パラジウム触媒C−Nクロスカップリング反応中で反応させることで、本発明による一般式(I)の化合物を提供し、
ならびに、結果として得られた式(I)の化合物を、適切な場合、対応する(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸と反応させて、式(I)の化合物の溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物にしてもよい、前記方法に関する。
本発明による化合物は、予測できなかった有益な薬理学的および薬物動態学的作用スペクトルを示す。
これらは、それゆえ、ヒトおよび動物における障害の処置および/または予防のための薬剤としての使用に適している。
本発明の範囲内で、用語「処置」は、予防を包含する。
本発明による化合物の医薬活性は、CDK9の阻害剤としてのそれらの作用により説明することができる。それゆえに、一般式(I)による化合物、同様に薬学的に許容されるその塩は、CDK9の阻害剤として用いられる。
さらには、本発明による化合物は、CDK9活性を阻害することについて、とりわけ高い効力を示す(CDK9/CycT1アッセイにおいて低いIC50値により実証されている)。
本発明との関連で、CDK9に関するIC50値は、下の方法の部の中に記載されている方法により決定することができる。好ましくは、これは、下の材料および方法の部の中に記載されている方法1a.(「CDK9/CycT1キナーゼアッセイ」)に従って決定される。
驚くべきことに、一般式(I)による化合物、同様に薬学的に許容されるその塩は、他のサイクリン依存的タンパク質キナーゼと比較して、好ましくはCDK2と比較して、CDK9を選択的に阻害することがわかった。それゆえに、一般式(I)による化合物、同様に薬学的に許容されるその塩は、好ましくは、CDK9の選択的阻害剤として用いられる。
一般式(I)による本発明の化合物は、CDK2阻害よりも著しく強いCDK9阻害を示す。
本発明との関連で、CDK2に関するIC50値は、下の方法の部の中に記載されている方法により決定することができる。好ましくは、これは、下の材料および方法の部の中に記載されている方法2.(「CDK2/CycEキナーゼアッセイ」)に従って決定される。
さらに、従来技術中に記載されているCDK9阻害剤と比べ、一般式(I)による本発明の好ましい化合物は、驚くべきことに、高いATP濃度においてCDK9活性を阻害することについて高い効力を示し、このことはCDK9/CycT1高ATPキナーゼアッセイにおけるそれらの低いIC50値により実証される。それゆえに、これらの化合物は、高い細胞内ATP濃度に起因してCDK9/CycT1キナーゼのATP結合ポケットから競合して外れる可能性が低い(R.Copeland et al.,Nature Reviews Drug Discovery 2006,5,730−739)。この性質によると、本発明の化合物は、とりわけ、古典的なATP競合的キナーゼ阻害剤と比べてより長い期間、細胞内でCDK9/CycT1を阻害することが可能である。このことは、患者または動物の投薬後の薬物動態学的クリアランスが媒介して下降していく阻害剤血清濃度において、抗腫瘍細胞有効性を向上させる。
本発明との関連で、高いATP濃度におけるCDK9に関するIC50値は、下の方法の部の中に記載されている方法により決定することができる。好ましくは、これは、下の材料および方法の部の中に記載されている方法1b.(「CDK9/CycT1高ATPキナーゼアッセイ」)に従って決定される。
さらに、式(I)による本発明の好ましい化合物は、従来技術中に記載されているCDK9阻害剤と比べて、腫瘍細胞株、例えばHeLa、HeLa−MaTu−ADR、NCI−H460、DU145、Caco−2、B16F10またはA2780などにおいて改良された抗増殖活性を示す。本発明との関連で、腫瘍細胞株、例えばHeLa、HeLa−MaTu−ADR、NCI−H460、DU145、Caco−2、B16F10またはA2780などにおける抗増殖活性は、好ましくは、下の材料および方法の部の中に記載されている方法3.(「増殖アッセイ」)に従って決定される。
本発明のさらなる主題は、障害、好ましくはCDK9活性に関係するまたはこれにより媒介される障害の、とりわけ過剰増殖性障害、ウイルス誘発性感染症および/または心血管疾患の、より好ましくは過剰増殖性障害の処置および/または予防のための、本発明による一般式(I)の化合物の使用である。
本発明の化合物は、CDK9の活性または発現を阻害するために用いられ得る。それゆえ、式(I)の化合物は、治療薬として有益であると予想される。したがって、別の実施形態において、本発明は、かかる処置の必要がある患者においてCDK9活性に関係するまたはこれにより媒介される障害を処置する方法であって、患者に有効量の上に定義されている式(I)の化合物を投与することを含む方法を提供する。ある実施形態において、CDK9活性に関係する障害は、過剰増殖性障害、ウイルス誘発性感染症および/または心血管疾患であり、より好ましくは過剰増殖性障害、とりわけがんである。
本文書の全体にわたって述べられている用語「処置すること」または「処置」は、慣用的に用いられ、例として、疾患または障害、例えば癌腫などの症状を根絶する、緩和する、低減させる、軽減する、改善する目的のための対象の管理またはケアである。
用語「対象」または「患者」は、細胞増殖性障害もしくは低減されたもしくは不十分なプログラムされた細胞死(アポトーシス)に関連した障害を患うことが可能である生物、またはそうでなければ本発明の化合物の投与から利益を得ることができる生物を包含し、例えばヒトおよび非ヒト動物などである。好ましいヒトとしては、本明細書中に記載されている細胞増殖性障害または関連した状態を患っているまたは患いやすいヒト患者が挙げられる。用語「非ヒト動物」は、脊椎動物、例として哺乳類、例えば非ヒト霊長類、ヒツジ、ウシ、イヌ、ネコおよび齧歯類、例としてマウスなど、および非哺乳類、例えばニワトリ、両生類、爬虫類などを包含する。
用語「CDK9に関係するまたはこれにより媒介される障害」は、CDK9活性、例えばCDK9の活性亢進に関連したまたはこれが関与する疾患、およびこれらの疾患に付随する症状を包含するものである。「CDK9に関係するまたはこれにより媒介される障害」の例としては、CDK9活性を調節する遺伝子、例えばLARP7、HEXIM1/2もしくは7sk snRNAなどの変異に起因したCDK9活性の向上から生じる障害、またはウイルスタンパク質、例えばHIV−TATもしくはHTLV−TAXなどによるCDK9/サイクリンT/RNAポリメラーゼII複合体の活性化に起因したCDK9活性の向上から生じる障害、または分裂促進シグナル伝達経路の活性化に起因したCDK9活性の向上から生じる障害が挙げられる。
用語「CDK9の活性亢進」とは、正常な非疾患細胞と比べたCDK9酵素活性の向上をいい、または望まれない細胞増殖もしくは低減されたもしくは不十分なプログラムされた細胞死(アポトーシス)を導くCDK9活性の向上、もしくはCDK9の構成的活性化を導く変異をいう。
用語「過剰増殖性障害」は、望まれないまたは制御されない細胞増殖を伴う障害を包含し、低減されたまたは不十分なプログラムされた細胞死(アポトーシス)を伴う障害を包含する。本発明の化合物は、細胞増殖および/もしくは細胞分裂を防ぐ、阻害する、遮断する、低減させる、減少させる、制御するなどのために、ならびに/またはアポトーシスを生み出すために利用することができる。この方法は、その必要がある、ヒトを包含する哺乳類を包含する対象に、障害を処置するまたは防ぐのに有効である量の本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物もしくは溶媒和物を投与することを含む。
本発明との関連での過剰増殖性障害としては、限定されるものではないが、例として乾癬、ケロイドおよび皮膚に影響を与える他の過形成、子宮内膜症、骨格障害、血管新生つまり血管増殖性障害、肺高血圧、線維性障害、メサンギウム細胞増殖性障害、結腸ポリープ、多嚢胞腎疾患、良性前立腺過形成(BPH)、ならびに固形腫瘍、例えば乳房、呼吸器、脳、生殖器、消化管、尿路、眼、肝臓、皮膚、頭頸部、甲状腺、副甲状腺のがんおよびそれらの遠位転移などが挙げられる。それらの障害としてはまた、リンパ腫、肉腫および白血病が挙げられる。
乳がんの例としては、限定されるものではないが、侵襲性腺管癌、侵襲性小葉癌、非浸潤性腺管癌および非浸潤性小葉癌、およびイヌまたはネコの乳癌が挙げられる。
呼吸器のがんの例としては、限定されるものではないが、小細胞および非小細胞肺癌、同様に気管支腺腫、胸膜肺芽腫および中皮腫が挙げられる。
脳のがんの例としては、限定されるものではないが、脳幹および視床下部の(hypophtalmic)神経膠腫、小脳および大脳の星状細胞腫、神経膠芽腫、髄芽腫、上衣腫、同様に神経外胚葉および松果体の腫瘍が挙げられる。
男性生殖器の腫瘍としては、限定されるものではないが、前立腺および精巣がんが挙げられる。女性生殖器の腫瘍としては、限定されるものではないが、子宮内膜、子宮頚部、卵巣、膣および外陰部がん、同様に子宮の肉腫が挙げられる。
消化管の腫瘍としては、限定されるものではないが、肛門、結腸、結腸直腸、食道、胆嚢、胃、膵臓、直腸、小腸および唾液腺がん、肛門腺癌、マスト細胞腫瘍が挙げられる。
尿路の腫瘍としては、限定されるものではないが、膀胱、陰茎、腎臓、腎盂、輸尿管、尿道ならびに遺伝性および孤発性の乳頭状腎がんが挙げられる。
眼のがんとしては、限定されるものではないが、眼球内黒色腫および網膜芽細胞腫が挙げられる。
肝臓がんの例としては、限定されるものではないが、肝細胞癌(線維層板型変異を伴うまたは伴わない肝細胞癌)、胆管癌(肝内胆管癌)および混合型肝細胞胆管癌が挙げられる。
皮膚がんとしては、限定されるものではないが、扁平上皮細胞癌、カポジ肉腫、悪性黒色腫、メルケル細胞皮膚がんおよび非黒色腫皮膚がん、マスト細胞腫瘍が挙げられる。
頭頸部がんとしては、限定されるものではないが、喉頭、下咽頭、鼻咽頭、中咽頭がん、口唇および口腔がんならびに扁平細胞がん、口腔黒色腫が挙げられる。
リンパ腫としては、限定されるものではないが、AIDS関連リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、ホジキン病および中枢神経系のリンパ腫が挙げられる。
肉腫としては、限定されるものではないが、軟組織の肉腫、骨肉腫、悪性線維性組織球腫、リンパ肉腫および横紋筋肉腫、悪性組織球症、線維肉腫、血管肉腫、血管外皮細胞腫、平滑筋肉腫が挙げられる。
白血病としては、限定されるものではないが、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病およびヘアリー細胞白血病が挙げられる。
本発明の化合物および方法で処置され得る線維性増殖性障害、すなわち細胞外マトリックスの異常形成としては、肺線維症、アテローム性動脈硬化、再狭窄、肝硬変、ならびに例えば糸球体腎炎、糖尿病性腎症、悪性腎硬化症、血栓性細小血管症症候群、移植拒絶反応および糸球体症などの腎疾患を包含するメサンギウム細胞増殖性障害が挙げられる。
本発明の化合物を投与することにより処置され得るヒトまたは他の哺乳類における他の症状としては、腫瘍成長、網膜症(糖尿病性網膜症、虚血性網膜静脈閉塞症、未熟児の網膜症および加齢性黄斑変性といったもの)、関節リウマチ、乾癬、および表皮下水疱形成に関連した水疱性障害(水疱性類天疱瘡、多形性紅斑および疱疹状皮膚炎といったもの)が挙げられる。
本発明の化合物はまた、気道および肺の疾患、消化管の疾患、同様に膀胱および胆道の疾患を防ぐおよび処置するために用いられ得る。
上で言及されている障害は、ヒトにおいて良く性質決定されているが、哺乳類を包含する他の動物においても類似の病因を伴って存在し、本発明の医薬組成物を投与することにより処置することができる。
本発明のさらなる態様において、本発明による化合物は、感染症、とりわけウイルス誘発性感染症を防ぐおよび/または処置するための方法において用いられる。日和見性疾患を包含するウイルス誘発性感染症は、レトロウイルス、ヘパドナウイルス、ヘルペスウイルス、フラビウイルス科および/またはアデノウイルスにより引き起こされる。この方法のさらに好ましい実施形態において、レトロウイルスは、レンチウイルスまたはオンコレトロウイルスから選択され、ここでレンチウイルスはHIV−1、HIV−2、FIV、BIV、SIVs、SHIV、CAEV、VMVまたはEIAVを含む群から選択され、好ましくはHIV−1またはHIV−2であり、およびここでオンコレトロウイルスはHTLV−I、HTLV−IIまたはBLVの群から選択される。この方法のさらに好ましい実施形態において、ヘパドナウイルスは、HBV、GSHVまたはWHVから選択され、好ましくはHBVであり、ヘルペスウイルス(herpesivirus)はHSV I、HSV II、EBV、VZV、HCMVまたはHHV 8を含む群から選択され、好ましくはHCMVであり、およびフラビウイルス科はHCV、ウエストナイルまたは黄熱病から選択される。
一般式(I)による化合物はまた、心血管疾患、例えば心肥大、成人先天性心疾患、動脈瘤、安定狭心症(stable angina)、不安定狭心症(unstable angina)、狭心症(angina pectoris)、血管神経性浮腫、大動脈弁狭窄、大動脈瘤、不整脈、不整脈源性右室異形成、動脈硬化症、動静脈奇形、心房細動、ベーチェット症候群、徐脈、心臓タンポナーデ、心肥大、うっ血性心筋症、肥大性心筋症、拘束性心筋症、心血管疾患防止、頸動脈狭窄、脳出血、チャーグ・ストラウス症候群、糖尿病、エブスタイン奇形、アイゼンメンゲル症候群、コレステロール塞栓症、細菌性心内膜炎、線維筋性異形成、先天性心臓欠陥、心疾患、うっ血性心不全、心臓弁膜症、心臓発作、硬膜外血腫、硬膜下血腫(hematoma,subdural)、ヒッペル・リンダウ病、充血、高血圧、肺高血圧、肥大性成長、左室肥大、右室肥大、左心低形成症候群、低血圧、間欠性跛行、虚血性心疾患、クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群、外側髄症候群、QT延長症候群、僧帽弁逸脱、モヤモヤ病、皮膚粘膜リンパ節症候群、心筋梗塞、心筋虚血、心筋炎、心膜炎、末梢血管疾患、静脈炎、結節性多発動脈炎、肺動脈閉鎖、レイノー病、再狭窄、スネドン症候群、狭窄、上大静脈症候群、シンドロームX、頻脈、高安動脈炎、遺伝性出血性毛細血管拡張症、毛細血管拡張症、側頭動脈炎、ファロー四徴症、閉塞性血栓性血管炎、血栓症、血栓塞栓症、三尖弁閉鎖、静脈瘤、血管疾患、血管炎、血管攣縮、心室細動、ウイリアムス症候群、末梢血管疾患、静脈瘤および下腿潰瘍、深部静脈血栓症、ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群などの予防および/または処置のために有用である。
好ましいのは、心肥大、成人先天性心疾患、動脈瘤、狭心症(angina)、狭心症(angina pectoris)、不整脈、心血管疾患防止、心筋症、うっ血性心不全、心筋梗塞、肺高血圧、肥大性成長、再狭窄、狭窄、血栓症および動脈硬化症である。
本発明のさらなる主題は、薬剤としての、本発明による一般式(I)の化合物の使用である。
本発明のさらなる主題は、障害、とりわけ上で言及されている障害の処置および/または予防のための、本発明による一般式(I)の化合物の使用である。
本発明の好ましい主題は、肺癌、特に非小細胞肺癌、前立腺癌、特にホルモン依存性ヒト前立腺癌、多剤耐性ヒト子宮頸癌を包含する子宮頸癌、結腸直腸癌、黒色腫または卵巣癌の処置および/または予防のための、本発明による一般式(I)の化合物の使用である。
本発明のさらなる主題は、薬剤としての使用のための、本発明による化合物である。
本発明のさらなる主題は、上で言及されている障害の処置および/または予防のための、本発明による化合物である。
本発明の好ましい主題は、肺癌、特に非小細胞肺癌、前立腺癌、特にホルモン依存性ヒト前立腺癌、多剤耐性ヒト子宮頸癌を包含する子宮頸癌、結腸直腸癌、黒色腫または卵巣癌の処置および/または予防のための、本発明による化合物である。
本発明のさらなる主題は、上で言及されている障害の処置および/または予防のための方法における使用のための、本発明による化合物である。
本発明の好ましい主題は、肺癌、特に非小細胞肺癌、前立腺癌、特にホルモン依存性ヒト前立腺癌、多剤耐性ヒト子宮頸癌を包含する子宮頸癌、結腸直腸癌、黒色腫または卵巣癌の処置および/または予防の方法における使用のための、本発明による化合物である。
本発明のさらなる主題は、障害、とりわけ上で言及されている障害の処置および/または予防のための薬剤の製造における、本発明による化合物の使用である。
本発明の好ましい主題は、肺癌、特に非小細胞肺癌、前立腺癌、特にホルモン依存性ヒト前立腺癌、多剤耐性ヒト子宮頸癌を包含する子宮頸癌、結腸直腸癌、黒色腫または卵巣癌の処置および/または予防のための薬剤の製造における、本発明による化合物の使用である。
本発明のさらなる主題は、有効量の本発明による化合物を用いた、障害、とりわけ上で言及されている障害の処置および/または予防のための方法である。
本発明の好ましい主題は、有効量の本発明による化合物を用いた、肺癌、特に非小細胞肺癌、前立腺癌、特にホルモン依存性ヒト前立腺癌、多剤耐性ヒト子宮頸癌を包含する子宮頸癌、結腸直腸癌、黒色腫または卵巣癌の処置および/または予防のための方法である。
本発明の別の態様は、本発明による一般式(I)の化合物を少なくとも1またはそれより多くのさらなる活性成分と組み合わせて含む医薬組み合わせに関する。
本明細書中で用いられる用語「医薬組み合わせ」とは、活性成分としての少なくとも1の本発明による一般式(I)の化合物と少なくとも1の他の活性成分との組み合わせであって、さらなる成分、担体、希釈剤および/または溶媒を含むまたは含まない組み合わせをいう。
本発明の別の態様は、本発明による一般式(I)の化合物を不活性、非毒性の薬学的に好適なアジュバントと組み合わせて含む医薬組成物に関する。
本明細書中で用いられる用語「医薬組成物」とは、少なくとも1の薬学的に活性のある剤と少なくとも1のさらなる成分、担体、希釈剤および/または溶媒とのガレヌス製剤をいう。
本発明の別の態様は、障害、とりわけ上で言及されている障害の処置および/または予防のための、本発明による医薬組み合わせおよび/または医薬組成物の使用に関する。
本発明の別の態様は、肺癌、特に非小細胞肺癌、前立腺癌、特にホルモン依存性ヒト前立腺癌、多剤耐性ヒト子宮頸癌を包含する子宮頸癌、結腸直腸癌、黒色腫または卵巣癌の処置および/または予防のための、本発明による医薬組み合わせおよび/または医薬組成物の使用に関する。
本発明の別の態様は、障害、とりわけ上で言及されている障害の処置および/または予防のための、本発明による医薬組み合わせおよび/または医薬組成物に関する。
本発明の別の態様は、肺癌、特に非小細胞肺癌、前立腺癌、特にホルモン依存性ヒト前立腺癌、多剤耐性ヒト子宮頸癌を包含する子宮頸癌、結腸直腸癌、黒色腫または卵巣癌の処置および/または予防のための、本発明による医薬組み合わせおよび/または医薬組成物に関する。
式(I)の化合物は、単独の医薬として、または組み合わせが許容されない有害作用を引き起こさない場合に1もしくは複数の追加の治療薬と組み合わせて投与され得る。この医薬組み合わせは、式(I)の化合物および1または複数の追加の治療薬を含有する単独の医薬投与製剤の投与を、同様に式(I)の化合物およびそれ自体の別々の医薬投与製剤での各々の追加の治療薬の投与を包含する。例えば、式(I)の化合物および治療薬は単一の経口投薬組成物、例えば錠剤またはカプセルなどで一緒に患者に投与されてもよく、または各々の剤は別々の投与製剤で投与されてもよい。
別々の投与製剤が用いられる場合、式(I)の化合物および1または複数の追加の治療薬は、本質的に同じ時に(例として同時に)または別々に互い違いの時に(例として逐次的に)投与され得る。
とりわけ、本発明の化合物は、他の抗腫瘍剤、例えばアルキル化剤、代謝拮抗剤、植物由来抗腫瘍剤、ホルモン治療剤、トポイソメラーゼ阻害剤、カンプトテシン誘導体、キナーゼ阻害剤、標的化薬物、抗体、インターフェロンおよび/または生物学的応答改変物質、抗血管新生化合物ならびに他の抗腫瘍薬物などとの固定または別々の組み合わせで用いられ得る。この点において、以下は、本発明の化合物との組み合わせにおいて用いられ得る第二の剤の例の限定されないリストである:
・ アルキル化剤、限定されるものではないが、ナイトロジェンマスタード N−オキシド、シクロホスファミド、イホスファミド、チオテパ、ラニムスチン、ニムスチン、テモゾロミド、アルトレタミン、アパジコン、ブロスタリシン、ベンダムスチン、カルムスチン、エストラムスチン、フォテムスチン、グルホスファミド、マホスファミド、ベンダムスチンおよびミトラクトールといったもの;白金配位アルキル化化合物、限定されるものではないが、シスプラチン、カルボプラチン、エプタプラチン、ロバプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチンおよびサトラプラチンといったもの;
・ 代謝拮抗剤、限定されるものではないが、メトトレキセート、6−メルカプトプリンリボシド、メルカプトプリン、単独のまたはロイコボリンと組み合わせた5−フルオロウラシル、テガフール、ドキシフルリジン、カルモフール、シタラビン、シタラビンオクホスフェート、エノシタビン、ゲムシタビン、フルダラビン、5−アザシチジン、カペシタビン、クラドリビン、クロファラビン、デシタビン、エフロルニチン、エチニルシチジン、シトシンアラビノシド、ヒドロキシウレア、メルファラン、ネララビン、ノラトレキセド、オクホスファイト(ocfosfite)、プレメトレキセド二ナトリウム(disodium premetrexed)、ペントスタチン、ペリトレキソール、ラルチトレキセド、トリアピン、トリメトレキセート、ビダラビン、ビンクリスチンおよびビノレルビンといったもの;
・ ホルモン治療剤、限定されるものではないが、エキセメスタン、Lupron、アナストロゾール、ドキセルカルシフェロール、ファドロゾール、フォルメスタン、11−ベータ ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1阻害剤、17−アルファ ヒドロキシラーゼ/17,20リアーゼ阻害剤、例えば酢酸アビラテロンなど、5−アルファ レダクターゼ阻害剤、例えばフィナステリドおよびエプリステリドなど、抗エストロゲン剤、例えばクエン酸タモキシフェンおよびフルベストラント、Trelstar、トレミフェン、ラロキシフェン、ラソフォキシフェン、レトロゾールなど、抗アンドロゲン剤、例えばビカルタミド、フルタミド、ミフェプリストン、ニルタミド、Casodexなど、ならびに抗プロゲステロン剤ならびにそれらの組み合わせといったもの;
・ 植物由来抗腫瘍物質、例として、有糸分裂阻害剤から選択されるもの、例えばエポチロン、例えばサゴピロン、イキサベピロンおよびエポチロンBなど、ビンブラスチン、ビンフルニン、ドセタキセルおよびパクリタキセルといったもの;
・ 細胞傷害性トポイソメラーゼ阻害剤、限定されるものではないが、アクラルビシン、ドキソルビシン、アモナファイド、ベロテカン、カンプトテシン、10−ヒドロキシカンプトテシン、9−アミノカンプトテシン、ジフロモテカン、イリノテカン、トポテカン、エドテカリン、エピンビシン(epimbicin)、エトポシド、エキサテカン、ジャイマテカン、ラルトテカン、ミトキサントロン、ピランビシン(pirambicin)、ピクサントロン、ルビテカン、ソブゾキサン、タフルポシドおよびそれらの組み合わせといったもの;
・ 免疫学的物質、インターフェロン、例えばインターフェロンアルファ、インターフェロンアルファ−2a、インターフェロンアルファ−2b、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ−1aおよびインターフェロンガンマ−n1など、ならびに他の免疫増強剤、例えばL19−IL2および他のIL2誘導体、フィルグラスチム、レンチナン、シゾフィラン、TheraCys、ウベニメクス、アルデスロイキン、アレムツズマブ、BAM−002、ダカルバジン、ダクリズマブ、デニロイキン、ゲムツズマブ、オゾガマイシン、イブリツモマブ、イミキモド、レノグラスチム、レンチナン、黒色腫ワクチン(Corixa)、モルグラモスチム、サルグラモスチム、タソネルミン、テクロイキン(tecleukin)、チマラシン(thymalasin)、トシツモマブ、Vimlizin、エプラツズマブ、ミツモマブ、オレゴボマブ、ペムツモマブおよびProvenge;Merial黒色腫ワクチンなどといったもの
・ 生物学的応答改変物質は、生体の防御メカニズムまたは生物学的応答、例えば組織細胞の生存、成長もしくは分化などを修飾することで、それらが抗腫瘍活性を持つように仕向ける剤である;かかる剤としては、例としてクレスチン、レンチナン、シゾフィラン、ピシバニール、ProMuneおよびウベニメクスが挙げられる;
・ 抗血管新生化合物、限定されるものではないが、アシトレチン、アフリバーセプト、アンジオスタチン、アプリジン、アセンタール(asentar)、アキシチニブ、レセンチン、ベバシズマブ、ブリバニブアラニナト、シレングタイド(cilengtide)、コンブレタスタチン、DAST、エンドスタチン、フェンレチニド、ハロフジノン、パゾパニブ、ラニビズマブ、レビマスタト、レモバブ、レブリミド、ソラフェニブ、バタラニブ、スクワラミン、スニチニブ、テラチニブ、サリドマイド、ウクラインおよびビタキシンといったもの;
・ 抗体、限定されるものではないが、トラスツズマブ、セツキシマブ、ベバシズマブ、リツキシマブ、チシリムマブ、イピリムマブ、ルミリキシマブ、カツマキソマブ、アタシセプト、オレゴボマブおよびアレムツズマブといったもの;
・ VEGF阻害剤、例としてソラフェニブ、DAST、ベバシズマブ、スニチニブ、レセンチン、アキシチニブ、アフリバーセプト、テラチニブ、ブリバニブアラニネート、バタラニブ、パゾパニブおよびラニビズマブ;Palladiaなど
・ EGFR(HER1)阻害剤、例としてセツキシマブ、パニツムマブ、ベクティビックス、ゲフィチニブ、エルロチニブおよびZactimaなど;
・ HER2阻害剤、例としてラパチニブ、トラツズマブ(tratuzumab)およびペルツズマブなど;
・ mTOR阻害剤、例としてテムシロリムス、シロリムス/Rapamycinおよびエベロリムスなど;
・ c−Met阻害剤;
・ PI3KおよびAKT阻害剤;
・ CDK阻害剤、例えばロスコビチンおよびフラボピリドールなど;
・ 紡錘体形成チェックポイント阻害剤および標的化抗有糸分裂剤、例えばPLK阻害剤、オーロラ阻害剤(例としてHesperadin)、チェックポイントキナーゼ阻害剤およびKSP阻害剤など;
・ HDAC阻害剤、例としてパノビノスタット、ボリノスタット、MS275、ベリノスタットおよびLBH589など;
・ HSP90およびHSP70阻害剤;
・ プロテアソーム阻害剤、例えばボルテゾミブおよびカルフィルゾミブなど;
・ セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤、MEK阻害剤(例としてRDEA 119など)およびRaf阻害剤、例えばソラフェニブなどといったもの;
・ ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、例としてチピファルニブなど;
・ チロシンキナーゼ阻害剤、例としてダサチニブ、ニロチビブ(nilotibib)、DAST、ボスチニブ、ソラフェニブ、ベバシズマブ、スニチニブ、AZD2171、アキシチニブ、アフリバーセプト、テラチニブ、メシル酸イマチニブ、ブリバニブアラニネート、パゾパニブ、ラニビズマブ、バタラニブ、セツキシマブ、パニツムマブ、ベクティビックス、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、トラツズマブ(tratuzumab)、ペルツズマブおよびc−キット阻害剤;Palladia、マシチニブといったもの
・ ビタミンD受容体アゴニスト;
・ Bcl−2タンパク質阻害剤、例えばオバトクラックス、オブリメルセンナトリウムおよびゴシポールなど;
・ 表面抗原分類20受容体アンタゴニスト、例えばリツキシマブなど;
・ リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤、例としてゲムシタビンなど;
・ 腫瘍壊死アポトーシス誘導リガンド受容体1アゴニスト、例としてマパツムマブなど;
・ 5−ヒドロキシトリプタミン受容体アンタゴニスト、例としてrEV598、キサリプロード(xaliprode)、塩酸パロノセトロン、グラニセトロン、ZindolおよびAB−1001など;
・ インテグリン阻害剤、アルファ5−ベータ1 インテグリン阻害剤、例としてE7820、JSM 6425、ボロシキシマブおよびエンドスタチンなどといったもの;
・ アンドロゲン受容体アンタゴニスト、例としてデカン酸ナンドロロン、フルオキシメステロン、Android、Prost−aid、アンドロムスチン(andromustine)、ビカルタミド、フルタミド、アポ−シプロテロン、アポ−フルタミド、酢酸クロルマジノン、Androcur、Tabi、酢酸シプロテロンおよびニルタミドといったもの;
・ アロマターゼ阻害剤、例としてアナストロゾール、レトロゾール、テストラクトン、エキセメスタン、アミノグルテチミドおよびフォルメスタンなど;
・ マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤;
・ 他の抗がん剤、例としてアリトレチノイン、アンプリジェン、アトラセンタン ベキサロテン、ボルテゾミブ、ボセンタン、カルシトリオール、エクシスリンド、フォテムスチン、イバンドロン酸、ミルテホシン、ミトキサントロン、I−アスパラギナーゼ、プロカルバジン、ダカルバジン、ヒドロキシカルバミド、ペグアスパルガーゼ、ペントスタチン、タザロテン、ベルケイド、硝酸ガリウム、カンホスファミド、ダリナパルシンおよびトレチノインといったもの。
本発明の化合物はまた、がん処置において放射線療法および/または外科的介入と一緒に使用され得る。
一般に、細胞傷害性および/または細胞増殖抑制性の剤を本発明の化合物または組成物と組み合わせて使用することは、以下に役立つ:
(1) いずれかの剤単独の投与と比べて、腫瘍の成長を低減させる、もしくは腫瘍を取り除きさえすることにおいてより良好な有効性をもたらすこと、
(2) 投与される化学療法剤の量をより少なくした投与を提供すること、
(3) 有害な薬理学的併発症が単剤化学療法およびある種の他の併用療法で観察されるよりも少なく、患者において良好に耐容される化学療法処置を提供すること、
(4) 哺乳類、特にヒトにおいてより幅広いスペクトルの異なるがん種の処置を提供すること
(5) 処置された患者の間でより高い応答率を提供すること、
(6) 標準的化学療法処置と比べ、処置された患者の間でより長い生存期間を提供すること、
(7) より長時間の腫瘍進行を提供すること、ならびに/または
(8) 他のがん剤(cancer agent)の組み合わせがアンタゴニスト効果を生み出す公知の場合と比べて、単独で用いられる剤のそれと少なくとも同等に良好な有効性および耐容性の結果をもたらすこと。
さらには、式(I)の化合物は、それ自体でまたは組成物として、研究および診断において、または当該技術分野で周知の分析標準品などとして利用され得る。
本発明による化合物は、全身的におよび/または局所的に作用することができる。この目的のため、これらは、好適な方法で、例えば経口、非経口、肺、鼻、舌下、舌、頬側、直腸、皮膚、経皮、結膜もしくは耳の経路により、またはインプラントもしくはステントとして投与することができる。
これらの投与経路のため、本発明による化合物を好適な適用形態で投与することが可能である。
経口投与に適しているのは、従来技術中に記載されているように働いて本発明による化合物を迅速におよび/または改変された形で送達する投与形態であって、これは、本発明による化合物を結晶形態および/または非晶質形態および/または溶解形態で含み、例えば錠剤(コーティング錠または非コーティング錠、例えば腸溶コーティング、または遅延溶解性もしくは不溶性であって、本発明による化合物の放出を制御するコーティングを備えた錠剤)、口腔内で迅速に崩壊する錠剤またはフィルム/オブラート、フィルム/凍結乾燥剤、カプセル(例えばハードまたはソフトゼラチンカプセル)、糖衣錠剤、粒剤、ペレット、散剤、エマルション、懸濁剤、エアロゾルまたは溶液である。
非経口投与は、吸収ステップを回避して(例えば静脈内、動脈内、心臓内、脊髄内にまたは腰椎内に)または吸収を含めて(例えば筋肉内、皮下、皮内、経皮または腹腔内に)行うことができる。非経口投与に適した投与形態は、なかでも、溶液、懸濁液、エマルション、凍結乾燥物または滅菌粉末の形態である注射および注入のための調合剤である。
他の投与経路に適した例は、吸入のための医薬形態(なかでも散剤吸入器、噴霧器)、点鼻薬/溶液/スプレー;舌、舌下または頬側投与のための錠剤、フィルム/オブラートまたはカプセル、坐剤、眼または耳のための調合剤、膣カプセル、水性懸濁剤(ローション、振とう混合剤(shaking mixture))、親油性懸濁剤、軟膏、クリーム、経皮的治療システム(例えば膏薬など)、ミルク、ペースト、フォーム、散粉剤、インプラントまたはステントである。
本発明による化合物は、述べられた投与形態に変換することができる。これは、それ自体公知の方法で、不活性、非毒性の、薬学的に好適なアジュバントと混合することにより行うことができる。これらのアジュバントとしては、なかでも、担体(例えば微結晶性セルロース、乳糖、マンニトール)、溶媒(例として液体ポリエチレングリコール)、乳化剤および分散剤または湿潤剤(例えばドデシル硫酸ナトリウム、ポリオキシソルビタンオレエート)、バインダー(例えばポリビニルピロリドン)、合成および天然のポリマー(例えばアルブミン)、安定剤(例えば抗酸化剤、例えばアスコルビン酸など)、着色料(例として無機顔料、例えば酸化鉄など)ならびに香味および/または臭気の矯正剤が挙げられる。
本発明はさらには、本発明による少なくとも1の化合物を通常は1または複数の不活性、非毒性の薬学的に好適なアジュバントと共に含む薬剤、および上で言及されている目的のためのそれらの使用を提供する。
本発明の化合物が医薬としてヒトまたは動物に投与されるとき、これらをそれ自体で、または例えば0.1%から99.5%(より好ましくは0.5%から90%)の活性成分を1または複数の不活性、非毒性の薬学的に好適なアジュバントと共に含有する医薬組成物として与えることができる。
選択される投与経路にかかわらず、一般式(I)の本発明の化合物および/または本発明の医薬組成物は、当業者に公知の慣用的方法により、薬学的に許容される剤形へと製剤化される。
本発明の医薬組成物中の活性成分の実際の投薬量レベルおよび投与のタイムコースは、患者への毒性を伴わずに各別の患者について所望の治療的応答を達成するのに有効な活性成分の量を得るように変動し得る。
[実施例]
材料と方法:
次の試験および例の中のパーセンテージのデータは、特に指示がない限り重量パーセンテージであり;部は重量部である。液体/溶液の溶媒の比率、希釈比率および濃度のデータは、各々の場合、容量に基づく。
例は、選択された生物学的アッセイにおいて1または複数回、試験された。1回より多く試験されたとき、データは平均値または中央値として報告され、ここで
・平均値は、算術平均値とも呼ばれ、得られた値の合計を試験回数により除算したものを表し、および
・中央値は、昇順または降順でランク付けしたときの値の群の中央数を表す。データセット中の値の数が奇数の場合、中央値は中央の値である。データセット中の値の数が偶数の場合、中央値は2つの中央の値の算術平均値である。
例は、1または複数回、合成された。1回より多く合成されたとき、生物学的アッセイからのデータは、1または複数の合成バッチの試験から得られたデータセットを利用して計算された平均値または中央値を表す。
化合物のインビトロでの薬理学的性質は、次のアッセイおよび方法に従って決定することができる。
1a.CDK9/CycT1キナーゼアッセイ:
本発明の化合物のCDK9/CycT1抑制活性は、次の段落中に記載されているCDK9/CycT1 TR−FRETアッセイを使用して定量した:
昆虫細胞内で発現させてNi−NTAアフィニティークロマトグラフィーにより精製した組換え型完全長Hisタグ付加ヒトCDK9およびCycT1は、Invitrogen(Cat.No PV4131)から購入した。キナーゼ反応の基質として、例としてJERINI Peptide Technologies社(Berlin、ドイツ)から購入することができるビオチン化ペプチドであるビオチン−Ttds−YISPLKSPYKISEG(アミド型のC末端)を用いた。
アッセイのため、50nlのDMSO中試験化合物の100倍濃縮溶液を黒色低容積384ウェルマイクロタイタープレート(Greiner Bio−One、Frickenhausen、ドイツ)内にピペットで入れ、2μlの水性アッセイバッファー[50mM Tris/HCl pH8.0、10mM MgCl、1.0mMジチオスレイトール、0.1mMオルト−バナジン酸ナトリウム、0.01%(v/v) Nonidet−P40(Sigma)]中のCDK9/CycT1溶液を加え、混合物を22℃で15分間インキュベートすることで、キナーゼ反応開始前に試験化合物を酵素に予め結合させた。次いで、3μlのアッセイバッファー中のアデノシン三リン酸(ATP、16.7μM→5μlのアッセイ容量中の終濃度は10μMである)および基質(1.67μM→5μlのアッセイ容量中の終濃度は1μMである)の溶液の添加によりキナーゼ反応を開始し、結果として得られた混合物を22℃において25分間の反応時間インキュベートした。CDK9/CycT1の濃度を酵素ロットの活性に応じて調整し、アッセイを直線的範囲内にするのに適するものを選び、典型的濃度は1μg/mLの範囲内であった。5μlのEDTA水溶液(100mM HEPES/NaOH pH7.0中100mM EDTA、0.2%(w/v)ウシ血清アルブミン)中のTR−FRET検出試薬(0.2μMストレプトアビジン−XL665[Cisbio Bioassays、Codolet、フランス]および1nM抗RB(pSer807/pSer811)抗体(BD Pharmingenからのもの[#558389])および1.2nM LANCE EU−W1024標識抗マウスIgG抗体[Perkin−Elmer、製品no.AD0077])の溶液の添加により反応を停止した。
結果として得られた混合物を22℃で1時間インキュベートすることで、リン酸化されたビオチン化ペプチドと検出試薬との間に複合体を形成させた。続いて、Eu−キレートからストレプトアビジン−XLへの共鳴エネルギー移動の測定によりリン酸化基質の量を評価した。それゆえ、350nmでの励起後の620nmおよび665nmでの蛍光発光をHTRFリーダー、例としてRubystar(BMG Labtechnologies、Offenburg、ドイツ)またはViewlux(Perkin−Elmer)内で測定した。665nmおよび622nmでの発光の比を、リン酸化基質の量についての測定値として取得した。データを正規化した(阻害剤なしの酵素反応=0%阻害、他の全てのアッセイ成分はあるが酵素がない=100%阻害)。通常、試験化合物を、同じマイクロタイタープレート上で、20μMから0.1nMの範囲内にある11の異なる濃度(20μM、5.9μM、1.7μM、0.51μM、0.15μM、44nM、13nM、3.8nM、1.1nM、0.33nMおよび0.1nM、段階的な1:3.4希釈によりDMSO中100倍濃縮溶液のレベルでアッセイ前に別々に調製された希釈系列)で、各濃度について2連の値で試験し、インハウスのソフトウェアを用いて4パラメータフィットによりIC50値を計算した。
1b.CDK9/CycT1高ATPキナーゼアッセイ
酵素および試験化合物のプレインキュベーション後の高ATP濃度での本発明の化合物のCDK9/CycT1抑制活性は、次の段落中に記載されているCDK9/CycT1 TR−FRETアッセイを使用して定量した:
昆虫細胞内で発現させてNi−NTAアフィニティークロマトグラフィーにより精製した組換え型完全長Hisタグ付加ヒトCDK9およびCycT1は、Invitrogen(Cat.No PV4131)から購入した。キナーゼ反応の基質として、例としてJERINI peptide technologies社(Berlin、ドイツ)から購入することができるビオチン化ペプチドであるビオチン−Ttds−YISPLKSPYKISEG(アミド型のC末端)を用いた。
アッセイのため、50nlのDMSO中試験化合物の100倍濃縮溶液を黒色低容積384ウェルマイクロタイタープレート(Greiner Bio−One、Frickenhausen、ドイツ)内にピペットで入れ、2μlの水性アッセイバッファー[50mM Tris/HCl pH8.0、10mM MgCl、1.0mMジチオスレイトール、0.1mMオルト−バナジン酸ナトリウム、0.01%(v/v) Nonidet−P40(Sigma)]中のCDK9/CycT1溶液を加え、混合物を22℃で15分間インキュベートすることで、キナーゼ反応開始前に試験化合物を酵素に予め結合させた。次いで、3μlのアッセイバッファー中のアデノシン三リン酸(ATP、3.3mM→5μlのアッセイ容量中の終濃度は2mMである)および基質(1.67μM→5μlのアッセイ容量中の終濃度は1μMである)の溶液の添加によりキナーゼ反応を開始し、結果として得られた混合物を22℃において25分間の反応時間インキュベートした。CDK9/CycT1の濃度を酵素ロットの活性に応じて調整し、アッセイを直線的範囲内にするのに適するものを選び、典型的濃度は0.5μg/mLの範囲内であった。5μlのEDTA水溶液(100mM HEPES/NaOH pH7.0中100mM EDTA、0.2%(w/v)ウシ血清アルブミン)中のTR−FRET検出試薬(0.2μMストレプトアビジン−XL665[Cisbio Bioassays、Codolet、フランス]および1nM抗RB(pSer807/pSer811)抗体(BD Pharmingenからのもの[#558389])および1.2nM LANCE EU−W1024標識抗マウスIgG抗体[Perkin−Elmer、製品no.AD0077])の溶液の添加により反応を停止した。
結果として得られた混合物を22℃で1時間インキュベートすることで、リン酸化されたビオチン化ペプチドと検出試薬との間に複合体を形成させた。続いて、Eu−キレートからストレプトアビジン−XLへの共鳴エネルギー移動の測定によりリン酸化基質の量を評価した。それゆえ、350nmでの励起後の620nmおよび665nmでの蛍光発光をHTRFリーダー、例としてRubystar(BMG Labtechnologies、Offenburg、ドイツ)またはViewlux(Perkin−Elmer)内で測定した。665nmおよび622nmでの発光の比を、リン酸化基質の量についての測定値として取得した。データを正規化した(阻害剤なしの酵素反応=0%阻害、他の全てのアッセイ成分はあるが酵素がない=100%阻害)。通常、試験化合物を、同じマイクロタイタープレート上で、20μMから0.1nMの範囲内にある11の異なる濃度(20μM、5.9μM、1.7μM、0.51μM、0.15μM、44nM、13nM、3.8nM、1.1nM、0.33nMおよび0.1nM、段階的な1:3.4希釈によりDMSO中100倍濃縮溶液のレベルでアッセイ前に別々に調製された希釈系列)で、各濃度について2連の値で試験し、インハウスのソフトウェアを用いて4パラメータフィットによりIC50値を計算した。
2a.CDK2/CycEキナーゼアッセイ:
本発明の化合物のCDK2/CycE抑制活性は、次の段落中に記載されているCDK2/CycE TR−FRETアッセイを使用して定量した:
昆虫細胞(Sf9)内で発現させてグルタチオン−セファロースアフィニティークロマトグラフィーにより精製した、GSTとヒトCDK2との、およびGSTとCycEとの組換え型融合タンパク質は、ProQinase GmbH(Freiburg、ドイツ)から購入した。キナーゼ反応の基質として、例としてJERINI Peptide Technologies社(Berlin、ドイツ)から購入することができるビオチン化ペプチドであるビオチン−Ttds−YISPLKSPYKISEG(アミド型のC末端)を用いた。
アッセイのため、50nlのDMSO中試験化合物の100倍濃縮溶液を黒色低容積384ウェルマイクロタイタープレート(Greiner Bio−One、Frickenhausen、ドイツ)内にピペットで入れ、2μlの水性アッセイバッファー[50mM Tris/HCl pH8.0、10mM MgCl、1.0mMジチオスレイトール、0.1mMオルト−バナジン酸ナトリウム、0.01%(v/v) Nonidet−P40(Sigma)]中のCDK2/CycE溶液を加え、混合物を22℃で15分間インキュベートすることで、キナーゼ反応開始前に試験化合物を酵素に予め結合させた。次いで、3μlのアッセイバッファー中のアデノシン三リン酸(ATP、16.7μM→5μlのアッセイ容量中の終濃度は10μMである)および基質(1.25μM→5μlのアッセイ容量中の終濃度は0.75μMである)の溶液の添加によりキナーゼ反応を開始し、結果として得られた混合物を22℃において25分間の反応時間インキュベートした。CDK2/CycEの濃度を酵素ロットの活性に応じて調整し、アッセイを直線的範囲内にするのに適するものを選び、典型的濃度は130ng/mLの範囲内であった。5μlのEDTA水溶液(100mM HEPES/NaOH pH7.0中100mM EDTA、0.2%(w/v)ウシ血清アルブミン)中のTR−FRET検出試薬(0.2μMストレプトアビジン−XL665[Cisbio Bioassays、Codolet、フランス]および1nM抗RB(pSer807/pSer811)抗体(BD Pharmingenからのもの[#558389])および1.2nM LANCE EU−W1024標識抗マウスIgG抗体[Perkin−Elmer、製品no.AD0077])の溶液の添加により反応を停止した。
結果として得られた混合物を22℃で1時間インキュベートすることで、リン酸化されたビオチン化ペプチドと検出試薬との間に複合体を形成させた。続いて、Eu−キレートからストレプトアビジン−XLへの共鳴エネルギー移動の測定によりリン酸化基質の量を評価した。それゆえ、350nmでの励起後の620nmおよび665nmでの蛍光発光をTR−FRETリーダー、例としてRubystar(BMG Labtechnologies、Offenburg、ドイツ)またはViewlux(Perkin−Elmer)内で測定した。665nmおよび622nmでの発光の比を、リン酸化基質の量についての測定値として取得した。データを正規化した(阻害剤なしの酵素反応=0%阻害、他の全てのアッセイ成分はあるが酵素がない=100%阻害)。通常、試験化合物を、同じマイクロタイタープレート上で、20μMから0.1nMの範囲内にある11の異なる濃度(20μM、5.9μM、1.7μM、0.51μM、0.15μM、44nM、13nM、3.8nM、1.1nM、0.33nMおよび0.1nM、段階的な1:3.4希釈によりDMSO中100倍濃縮溶液のレベルでアッセイ前に別々に調製された希釈系列)で、各濃度について2連の値で試験し、インハウスのソフトウェアを用いて4パラメータフィットによりIC50値を計算した。
2b.CDK2/CycE高ATPキナーゼアッセイ
2mMのアデノシン三リン酸(ATP)における本発明の化合物のCDK2/CycE抑制活性は、次の段落中に記載されているCDK2/CycE TR−FRET(TR−FRET=時間分解蛍光エネルギー移動(Time Resolved Fluorescence Energy Transfer))アッセイを使用して定量した:
昆虫細胞(Sf9)内で発現させてグルタチオン−セファロースアフィニティークロマトグラフィーにより精製した、GSTとヒトCDK2との、およびGSTとCycEとの組換え型融合タンパク質は、ProQinase GmbH(Freiburg、ドイツ)から購入した。キナーゼ反応の基質として、例としてJERINI peptide technologies社(Berlin、ドイツ)から購入することができるビオチン化ペプチドであるビオチン−Ttds−YISPLKSPYKISEG(アミド型のC末端)を用いた。
アッセイのため、50nlのDMSO中試験化合物の100倍濃縮溶液を黒色低容積384ウェルマイクロタイタープレート(Greiner Bio−One、Frickenhausen、ドイツ)内にピペットで入れ、2μlの水性アッセイバッファー[50mM Tris/HCl pH8.0、10mM MgCl2、1.0mMジチオスレイトール、0.1mMオルト−バナジン酸ナトリウム、0.01%(v/v) Nonidet−P40(Sigma)]中のCDK2/CycE溶液を加え、混合物を22℃で15分間インキュベートすることで、キナーゼ反応開始前に試験化合物を酵素に予め結合させた。次いで、3μlのアッセイバッファー中のATP(3.33mM→5μlのアッセイ容量中の終濃度は2mMである)および基質(1.25μM→5μlのアッセイ容量中の終濃度は0.75μMである)の溶液の添加によりキナーゼ反応を開始し、結果として得られた混合物を22℃において25分間の反応時間インキュベートした。CDK2/CycEの濃度を酵素ロットの活性に応じて調整し、アッセイを直線的範囲内にするのに適するものを選び、典型的濃度は15ng/mlの範囲内であった。5μlのEDTA水溶液(100mM HEPES/NaOH pH7.0中100mM EDTA、0.2%(w/v)ウシ血清アルブミン)中のTR−FRET検出試薬(0.2μMストレプトアビジン−XL665[Cisbio Bioassays、Codolet、フランス]および1nM抗RB(pSer807/pSer811)抗体(BD Pharmingenからのもの[#558389])および1.2nM LANCE EU−W1024標識抗マウスIgG抗体[Perkin−Elmer、製品no.AD0077、代替としてCisbio Bioassaysからのテルビウム−クリプテート標識抗マウスIgG抗体を用いることができる])の溶液の添加により反応を停止した。
結果として得られた混合物を22℃で1時間インキュベートすることで、リン酸化されたビオチン化ペプチドと検出試薬との間に複合体を形成させた。続いて、Eu−キレートからストレプトアビジン−XLへの共鳴エネルギー移動の測定によりリン酸化基質の量を評価した。それゆえ、350nmでの励起後の620nmおよび665nmでの蛍光発光をTR−FRETリーダー、例としてRubystar(BMG Labtechnologies、Offenburg、ドイツ)またはViewlux(Perkin−Elmer)内で測定した。665nmおよび622nmでの発光の比を、リン酸化基質の量についての測定値として取得した。データを正規化した(阻害剤なしの酵素反応=0%阻害、他の全てのアッセイ成分はあるが酵素がない=100%阻害)。通常、試験化合物を、同じマイクロタイタープレート上で、20μMから0.1nMの範囲内にある11の異なる濃度(20μM、5.9μM、1.7μM、0.51μM、0.15μM、44nM、13nM、3.8nM、1.1nM、0.33nMおよび0.1nM、段階的な1:3.4希釈によりDMSO中100倍濃縮溶液のレベルでアッセイ前に別々に調製された希釈系列)で、各濃度について2連の値で試験し、インハウスのソフトウェアを用いて4パラメータフィットによりIC50値を計算した。
3.増殖アッセイ:
培養腫瘍細胞(HeLa、ヒト子宮頸部腫瘍細胞、ATCC CCL−2;NCI−H460、ヒト非小細胞肺癌細胞、ATCC HTB−177;A2780、ヒト卵巣癌細胞、ECACC #93112519;DU 145、ホルモン依存性ヒト前立腺癌細胞、ATCC HTB−81;HeLa−MaTu−ADR、多剤耐性ヒト子宮頸癌細胞、EPO−GmbH Berlin;Caco−2、ヒト結腸直腸癌細胞、ATCC HTB−37;B16F10、マウス黒色腫細胞、ATCC CRL−6475)を、5,000細胞/ウェル(DU145、HeLa−MaTu−ADR)、3,000細胞/ウェル(NCI−H460、HeLa)、2,500細胞/ウェル(A2780)、1,500細胞/ウェル(Caco−2)または1,000細胞/ウェル(B16F10)の密度で、96ウェルマルチタイタープレート内で、10%ウシ胎児血清を補った200μLのそれらそれぞれの増殖培地中に蒔いた。24時間後、1つのプレート(0点プレート)の細胞をクリスタルバイオレットで染色した(下を参照されたい)一方で、その他のプレートの培地を新しい培養培地(200μl)により置き換え、これに試験物質を様々な濃度(0μM、同様に0.001〜10μMの範囲内;溶媒ジメチルスルホキシドの終濃度は0.5%であった)で加えた。細胞を4日間、試験物質の存在下でインキュベートした。クリスタルバイオレットで細胞を染色することにより細胞増殖を決定し:20μl/測定点の11%グルタルアルデヒド溶液を加えることにより、細胞を室温で15分間固定した。固定された細胞の水での3回の洗浄サイクルの後、プレートを室温で乾燥させた。100μl/測定点の0.1%クリスタルバイオレット溶液(pH3.0)を加えることにより、細胞を染色した。染色された細胞の水での3回の洗浄サイクルの後、プレートを室温で乾燥させた。100μl/測定点の10%酢酸溶液を加えることにより、色素を溶解した。595nmの波長での測光により、消光を決定した。パーセントでの細胞数の変化を、0点プレートの消光値(=0%)および処理されていない(0μm)細胞の消光(=100%)に対する測定値の正規化により計算した。4パラメータフィットを使ってIC50値(最大効果の50%での抑制濃度)を決定した。
非付着性のMOLM−13ヒト急性骨髄性白血病細胞(DSMZ ACC 554)を、5,000細胞/ウェルの密度で、96ウェルマルチタイタープレート内で、10%ウシ胎児血清を補った100μLの増殖培地中に播種した。24時間後、1つのプレート(0点プレート)の細胞生存率をCell Titre−Glo Luminescent Cell Viability Assay(Promega)で決定した一方で、培地を含有する50μLの試験化合物を他のプレートのウェルに加えた(0.001〜10μMの範囲内の終濃度およびDMSO対照;溶媒ジメチルスルホキシドの終濃度は0.5%であった)。72時間の曝露後、細胞生存率をCell Titre−Glo Luminescent Cell Viability Assay(Promega)で査定した。媒体(DMSO)処理細胞(=100%)および化合物曝露の直前に取られた測定読取値(=0%)に対して正規化した測定データへの4パラメータフィットを使ってIC50値(最大効果の50%での抑制濃度)を決定した。
4.Caco−2透過アッセイ:
Caco−2細胞(DSMZ Braunschweig、ドイツより購入)を4.5×10細胞/ウェルの密度で24ウェルインサートプレート(0.4μm孔径)上に播種し、10%ウシ胎仔血清、1% GlutaMAX(100×、GIBCO)、100U/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシン(GIBCO)および1%非必須アミノ酸(100×)を補ったDMEM培地中で15日間成長させた。細胞を加湿5% CO2雰囲気中で維持した。培地は2〜3日毎に換えた。透過アッセイを行う前に、培養培地を、FCSを含まないhepes−炭酸塩輸送バッファー(pH7.2)により置き換えた。単層の完全性の評価のため、経上皮電気抵抗(TEER)を測定した。試験化合物をDMSO中に予め溶解し、輸送バッファー中2μMの終濃度で頂端側または基底側の区画に加えた。37℃で2時間のインキュベーションの前後に、試料を両区画から採取した。メタノールでの沈殿後、化合物含量の分析をLC/MS/MS分析により行った。透過性(Papp)を、頂端側から基底側(A→B)の方向および基底側から頂端側(B→A)の方向において計算した。見かけの透過性を次の式を用いて計算した:
Papp=(Vr/Po)(1/S)(P2/t)
式中、Vrはレシーバーチャンバー内の培地容量、Poはt=oにおけるドナーチャンバー内試験薬物の測定されたピーク面積または高さ、Sは単層の表面積、P2は2時間のインキュベーション後のアクセプターチャンバー内試験薬物の測定されたピーク面積、tはインキュベーション時間である。基底側(B)から頂端側(A)への流出比率を、Papp B−AをPapp A−Bにより除算することによって計算した。加えて、化合物収率を計算した。次の参照化合物を透過性クラスの分類のために用いた:アンチピリン、ピラゾシン(Pyrazosin)、ベラパミル、フルバスタチン、シメチジン、ラニチジン、アテノロール、スルファサラジン。
5.炭酸脱水酵素アッセイ
アッセイの原理は、炭酸脱水酵素による4−ニトロフェニルアセテートの加水分解に基づいており(Pocker & Stone,Biochemistry,1967,6,668)、その後に続いて色素生成物4−ニトロフェノレートを96チャネルスペクトル光度計を使って400nmにおいて測光的に決定するものである。
DMSO中に溶解した(100倍の終濃度)、0.03〜10μmol/L(終濃度)の濃度範囲内にある2μLの試験化合物を、4連で、96穴マイクロタイタープレートのウェル内にピペットで入れた。試験化合物を伴わずに溶媒を含有したウェルを参照値として用いた(1.基質の非酵素的加水分解の校正のための炭酸脱水酵素を含まないウェル、および2.阻害されていない酵素の活性を決定するための炭酸脱水酵素を含むウェル)。
炭酸脱水酵素−1阻害を決定するための3ユニット/ウェルの炭酸脱水酵素−1[=ヒト炭酸脱水酵素−1(Sigma、#C4396)]または炭酸脱水酵素−2阻害の測定のための3ユニット/ウェルの炭酸脱水酵素−2[=ヒト炭酸脱水酵素−2(Sigma、#C6165)]を含むまたは含まない188μLのアッセイバッファー(10mmol/LのTris/HCl、pH7.4、80mmol/LのNaCl)を、マイクロタイタープレートのウェル内にピペットで入れた。10マイクロLの基質溶液(無水アセトニトリル中に溶解した1mmol/Lの4−ニトロフェニルアセテート(Fluka #4602)(基質の終濃度:50μmol/L))の添加により酵素反応を開始した。プレートを室温で15分間インキュベートした。400nmの波長における測光により吸収を測定した。酵素を含まないウェル内での反応の吸収(=100%阻害)に対して、および阻害されていない酵素を含むウェル内での反応の吸収(=0%阻害)に対して測定値を正規化した後、酵素阻害を計算した。会社自身のソフトウェアを用いた4パラメーターフィットを使って、IC50値を決定した。
調製例
化合物の合成
本発明による5−フルオロ−N−(ピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン誘導体の合成は、好ましくは、スキーム1、2および3中に示される一般的な合成順序に従って行うことができる。
スキーム1は、式(3)の初期中間体の合成を図示している。2−クロロ−5−フルオロ−4−ヨードピリジン(CAS No.:884494−49−9;1)を、式(2)のボロン酸誘導体R−B(OR)(式中、Rは一般式(I)の化合物について定義されている通りである)と反応させることで、式(3)の化合物を与える。ボロン酸誘導体(2)は、ボロン酸(R=−H)であってもボロン酸のエステルであってもよく、このエステルは例としてそのイソプロピルエステル(R=−CH(CH)であり、好ましくはピナコール由来のエステルであって、この場合ボロン酸中間体は2−アリール−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(R−R=−C(CH−C(CH−)を形成する。
カップリング反応は、パラジウム触媒、例としてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)[Pd(PPh]、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジ−パラジウム(0)[Pd(dba)]などのPd(0)触媒により、またはジクロロビス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(II)[Pd(PPhCl]、パラジウム(II)アセテートおよびトリフェニルホスフィンなどのPd(II)触媒により、または1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)により触媒される。
反応は、好ましくは、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、DMF、DME、THFまたはイソプロパノールなどの溶媒と水との混合物中、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムまたはリン酸カリウムなどの塩基の存在下で行われる(総説:D.G.Hall,Boronic Acids,2005 WILEY−VCH Verlag GmbH & Co.KGaA,Weinheim,ISBN 3−527−30991−8およびその中で引用されている参考文献)。
反応は、室温(=20℃)からそれぞれの溶媒の沸点までの範囲にある温度で実施される。さらに、反応は、沸点を上回る温度で、圧力チューブおよびマイクロ波オーブンを用いて実施することができる。反応は、好ましくは、1から36時間の反応時間の後に完了する。
Figure 2017508757
スキーム2は、式(9)の置換スルホニルメチルピリジン中間体(式中、R、RおよびRは一般式(I)の化合物について定義されている通りである)の合成を示す。式(4)の2−ハロゲン化ピリジン−4−カルボン酸(式中、RおよびRは一般式(I)の化合物について定義されている通りであり、Xはハロゲン原子、例としてフルオロ、クロロまたはブロモを表す)から出発して、カルボキシ官能基を好適な還元剤、例としてボラン−THF錯体で還元することで、式(5)のピリジンメタノール誘導体が導かれる。
式(4)の出発物質は、市販されているか、または例として2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボン酸(例えば:a)WO2007/077005またはb)Dulla et al.,Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters,2012,22,4629−35を参照されたい)から入手可能である。
次のステップにおいて、式(5)の前記ピリジンメタノール誘導体は、アンモニアと(例えば:WO2006/76131を参照されたい)、あるいは、好適なアンモニア等価物、例えばビス−(トリメチルシリル)−リチウムアミドまたはリチウムアミドなどと反応させることで(例えば:Huang et al.,Organic Letters 2001,3,3417−9を参照されたい)、式(6)の2−アミノ置換ピリジンメタノール誘導体を与えることができる。式(5)のピリジンメタノール誘導体中に存在するハロゲンXの反応性に応じて、これは、非触媒性の芳香族求核置換により、または金属触媒、例えばパラジウム触媒など、例としてトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)を、ホスフィンリガンド、例えば2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニルなどの存在下で用いることにより達成することができる(例えば:Huang et al.,Organic Letters 2001,3,3417−9をまた参照されたい)。
好適な脱離基(LG)、好ましくはクロロまたはブロモの式(6)の化合物への導入を続いて達成することで、式(7)の中間体をもたらすことができる。好ましいのは、本明細書中に記載されている、クロロメチルピリジン誘導体(LG=Cl)の形成のためのNMPまたはDMFおよびDCM中の塩化チオニルの使用である。ブロモメチルピリジン誘導体(LG=Br)の形成が起こり得るのは、DCM中のテトラブロモメタンおよびトリフェニルホスファンの使用である(例えば:Polla et al.,Bioorganic and Medicinal Chemistry,2004,12,1151を参照されたい)。
式(7)の前記中間体は、式(8)のスルフィン酸塩(式中、Rは一般式(I)の化合物について定義されている通りであり、Mはアルカリ金属、例えばナトリウム、カリウムまたはセシウムなどのカチオンを表す)と反応させることにより、式(9)の置換スルホニルメチルピリジン中間体(式中、R、RおよびRは一般式(I)の化合物について定義されている通りである)へと変換される(例えば:Castanedo et al.,Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters,2010,20,6748−53を参照されたい)。
Figure 2017508757
スキーム3は、式(3)の中間体(式中、Rは一般式(I)の化合物について定義されている通りである)および式(9)の中間体(式中、R、RおよびRは一般式(I)の化合物について定義されている通りである)からの一般式(I)の化合物のアセンブリを描写している。これは、パラジウム触媒性C−Nクロスカップリング反応により達成することができる(C−Nクロスカップリング反応への総説については、例えば:a)´Metal−Catalyzed Cross−Coulping Reactions´,2nd ed.中のL.Jiang,S.L.Buchwald:A.de Meijere,F.Diederich,Eds.:Wiley−VCH:Weinheim,Germany,2004を参照されたい)。
好ましいのは、本明細書中に記載されている、t−BuXPhos由来のプレ触媒、好ましくは触媒/リガンド系としてのクロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリ−イソ−プロピル−1,1’−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物および2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル、カルボン酸またはリン酸のアルカリ塩、好ましくはリン酸カリウムの、芳香族炭化水素または部分的芳香族炭化水素、好ましくはトルエン、ならびにN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリジノンから選択されるアミド、好ましくはN−メチルピロリジノンを溶媒として含む混合物中での、50℃から180℃の間、好ましくは80℃から160℃の間、より好ましくは120℃から150℃との間の温度での使用である。
あるいは、前記パラジウム触媒性C−Nクロスカップリング反応は、ジオキサン中のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスファン)および炭酸セシウムを用いて、アルゴン雰囲気下、マイクロ波オーブンまたは油浴内での100℃で3〜48時間の反応を実施することにより達成することができる。
Figure 2017508757
スキーム4は、本発明による5−フルオロ−N−(ピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン誘導体への代替的アプローチを図示している。
ここで、式(3)の化合物(式中、Rは一般式(I)の化合物について定義されている通りである)を、式(10)の好適なピリジン−2−アミン(式中、R、RおよびRは一般式(I)の化合物について定義されている通りである)を反応させることで、式(11)の化合物を与えることができる。このカップリング反応は、パラジウム触媒性C−Nクロスカップリング反応(C−Nクロスカップリング反応への総説については、例えば:a)´Metal−Catalyzed Cross−Coulping Reactions´,2nd ed.中のL.Jiang,S.L.Buchwald:A.de Meijere,F.Diederich,Eds.:Wiley−VCH:Weinheim,Germany,2004を参照されたい)により、好適な触媒系、例えば上に記載されているトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスファン)またはt−BuXPhos由来プレ触媒などを、好適な無機塩基、例えば炭酸セシウムまたはリン酸カリウムなどの存在下で用いて(例としてLee et al.,Tetrahedron Letters 2009,50,3672−4を参照されたい)、および前記反応をアルゴン雰囲気下、マイクロ波オーブンまたは油浴内で100℃で3〜48時間実施して、行うことができる。
式(10)のピリジン−2−アミンは、市販されている場合もあり、または当業者に公知の方法により、例として式(6)の対応する4−ヒドロキシメチルピリジン−2−アミン(式中、RおよびRは一般式(I)の化合物について定義されている通りである)から、その中に含有されているヒドロキシ基の、好適な脱離基、例えばクロロまたはブロモなどへの変換を介し、その後の一般式(14)のチオール(式中、Rは一般式(I)の化合物について定義されている通りである)での求核置換により調製することができる(スキーム5を参照されたい)。必要な場合、前記4−ヒドロキシメチルピリジン−2−アミン中に存在するアミノ基を、好適な保護基により保護することができる。アナログ中に存在するアミノ基のための保護基ならびにそれらの導入および除去のための方法は、当業者に周知であり、例としてProtective Groups in Organic Synthesis,3rd edition,Wiley(1999)中のT.W.Greene and P.G.M.Wutsを参照されたい。
続いて、式(5)の化合物(式中、R、R、RおよびRは一般式(I)の化合物について定義されている通りである)を、好ましくはアセトン中の過マンガン酸カリウムを40℃から70℃の間の温度で用いて、式(I)の対応するスルホンへと酸化させることができる。
Figure 2017508757
本発明による5−フルオロ−N−(ピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン誘導体へのさらなる代替的合成アプローチがスキーム5中に記載されている。
Figure 2017508757
ここで、式(3)の化合物(式中、Rは一般式(I)の化合物について定義されている通りである)を、式(6)の好適なピリジン−2−アミン(式中、RおよびRは一般式(I)の化合物について定義されている通りである)を反応させることで、式(12)の化合物を与えることができる。このカップリング反応は、パラジウム触媒性C−Nクロスカップリング反応(C−Nクロスカップリング反応への総説については、例えば:a)´Metal−Catalyzed Cross−Coulping Reactions´,2nd ed.中のL.Jiang,S.L.Buchwald:A.de Meijere,F.Diederich,Eds.:Wiley−VCH:Weinheim,Germany,2004を参照されたい)により、好適な触媒系、例えばトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスファン)またはt−BuXPhos由来プレ触媒などを、好適な無機塩基、例えば炭酸セシウムまたはリン酸カリウム(potassium phosphate phosphate)などの存在下で用いて(例としてLee et al.,Tetrahedron Letters 2009,50,3672−4を参照されたい)、および前記反応をアルゴン雰囲気下、マイクロ波オーブンまたは油浴内で100℃で3〜48時間実施して、行うことができる。
式(6)のピリジン−2−アミンは、市販されている場合もあり、または当業者に公知の方法により、例として対応するカルボン酸またはそのエステルの還元により調製することができる。
第二ステップにおいて、式(12)の化合物(式中、R、RおよびRは式(I)の化合物について定義されている通りである)を、式(13)の化合物(式中、R、RおよびRは式(I)の化合物について定義されている通りであり、LGは脱離基、好ましくはクロロまたはブロモを表す)へと変換することができる。好ましいのは、それぞれのクロロメチルピリジン(LG=Cl)の形成のためのNMPまたはDMFおよびDCM中の塩化チオニルの使用である。それぞれのブロモメチルピリジン(LG=Br)の形成が起こり得るのは、DCM中のテトラブロモメタンおよびトリフェニルホスファンの使用である(例えば:Polla et al.,Bioorganic and Medicinal Chemistry,2004,12,1151を参照されたい)。
第三ステップにおいて、式(13)の化合物を、式(14)の好適なチオール(式中、Rは式(I)の化合物について定義されている通りである)との塩基性条件下での反応により、式(11)の対応するチオエーテル(式中、R、R、RおよびRは一般式(I)の化合物について定義されている通りである)へと変換することができる(例えば:Sammond et al,Bioorg.Med.Chem.Lett.2005,15,3519を参照されたい)。式(14)のチオールは、当業者に公知であり、かなりのバラエティーが市販されている。
最終ステップにおいて、式(11)のチオエーテルを、スキーム4中に記載されている式(I)の対応するスルホンへと酸化させる。
化合物の調製:
次の化学反応の説明および実施例中で用いられる略語は以下である:
br(ブロード);CDCl(重水素化クロロホルム);cHex(シクロヘキサン);d(ダブレット);DCM(ジクロロメタン);DIPEA(ジ−イソ−プロピルエチルアミン);DME(1,2−ジメトキシエタン)、DMF(ジメチルホルムアミド);DMSO(ジメチルスルホキシド);eq(当量);ES(エレクトロスプレー);EtOAc(酢酸エチル);EtOH(エタノール);iPrOH(イソ−プロパノール);mCPBA(メタ−クロロペルオキシ安息香酸)、MeCN(アセトニトリル)、MeOH(メタノール);MS(質量分析);NBS(N−ブロモスクシンイミド)、NMP(N−メチルピロリジン−2−オン)、NMR(核磁気共鳴);p(ペンテット(pentet));Pd(dppf)Cl(ジクロロメタンとの[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)錯体);iPrOH(イソ−プロパノール);q(カルテット);RT(室温);s(シングレット);sat.aq.(飽和水溶液);SiO(シリカゲル);TFA(トリフルオロ酢酸);TFAA(トリフルオロ酢酸無水物)、THF(テトラヒドロフラン);tr(トリプレット)。
化学的命名:
例のIUPAC名は、ACD LABSからのプログラム「ACD/Nameバッチバージョン12.01」を用いて作成した。
塩の化学量論:
本文の中で、とりわけ中間体および本発明の例の合成のための実験の部の中で、化合物が対応する塩基または酸との塩形態として言及されるとき、それぞれの調製および/または精製プロセスにより得られる前記塩形態の正確な化学量論的組成は、大半の場合は不明である。
特に指定がないかぎり、化学名または構造式の後ろに付けた語、例えば「塩酸塩」、「トリフルオロアセテート」、「ナトリウム塩」または「x HCl」、「x CFCOOH」、「x Na」は、化学量論的な特定としてではなく、単に塩形態として理解されるものである。
分取HPLC:方法1
Figure 2017508757
実施例1
5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{4−[(メチルスルホニル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン
Figure 2017508757
中間体1.1の調製
2−クロロ−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン
Figure 2017508757
アルゴン雰囲気下、2Mの炭酸カリウム(24.4mL)および1,2−ジメトキシエタン(84.6mL)水溶液中の2−クロロ−5−フルオロ−4−ヨードピリジン(4.32g;16.29mmol;Manchester Organics,CAS # 884494−49−9)、(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ボロン酸(3.08g;16.29mmol;ABCR,CAS # 1204580−77−7)および[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体(1.33g;1.63mmol;Aldrich Chemical Company Inc.)の混合物を、外界温度で48時間撹拌した。バッチを水の中に注ぎ、酢酸エチルで希釈した。相分離後、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を希塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。蒸発後、残渣をシリカゲルに対するカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/DCM)により精製することで、標題の化合物(2.93g;11.03mmol)がもたらされた。
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ[ppm]=8.63(d,1H),8.17(d,1H),7.90(d,1H),7.61(dd,1H),7.31(dd,1H),7.22(d,1H).
中間体1.2の調製
4−(クロロメチル)ピリジン−2−アミン塩酸塩
Figure 2017508757
DCM(150ml)中の2−アミノピリジン−4−メタノール(2.5g;19.5mmol,CAS # 105250−17−7,ABCR GmbH & CO.KG,ドイツ)の撹拌した溶液に、0℃で、塩化チオニル(14.25mL;19.5mmol)を滴下して加えた。混合物を室温で3時間反応させた。バッチを蒸発させ、トルエンを加え、続いてバッチを2回蒸発させることで、所望の生成物(3.58g;18.19mmol)がもたらされた。
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ[ppm]=14.03(br.s.,1H),8.29(br.s.,2H),7.95(d,1H),7.06(d,1H),6.84(dd,1H),4.81(s,2H).
中間体1.3の調製
4−[(メチルスルホニル)メチル]ピリジン−2−アミン
Figure 2017508757
DMF(40ml)中の4−(クロロメチル)ピリジン−2−アミン塩酸塩(1g;5mmol;中間体1.2)の溶液に、メタンスルフィン酸ナトリウム(2.73g;25.4mmol;ABCR GmbH & CO.KG,ドイツ)を加えた。バッチを60℃で8時間撹拌した。大半のDMFを蒸留して除き、残渣をDCM(250ml)と2M炭酸カリウム水溶液(250ml)との間で分画した。相分離後、水相をDCMで抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(硫酸ナトリウム)、ろ過し、濃縮することで、粗精製の生成物を与えた。シリカゲルに対するカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)による精製は、標題の化合物(525mg;2.79mmol)をもたらした。
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ[ppm]=7.89(d,1H),6.50(dd,1H),6.45(s,1H),6.02(s,2H),4.34(s,2H),2.93(s,3H).
最終生成物の調製
トルエン(4.5ml)およびNMP(0.5mL)中の4−[(メチルスルホニル)メチル]ピリジン−2−アミン(60mg;0.319mmol;中間体1.3)、2−クロロ−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン(70.6mg;0.266mmol;中間体1.1)、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリ−イソ−プロピル−1,1’−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(21.9mg;0.027mmol;ABCR GmbH & Co.KG)および2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(12.6mg;0.027mmol;Aldrich Chemical Company Inc.)およびリン酸カリウム(282mg;1.33mmol)の混合物を、アルゴン雰囲気下、130℃で3時間撹拌した。冷却後、バッチを酢酸エチルで希釈し、塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。Whatmanフィルターを用いて有機相をろ過し、濃縮した。残渣を分取HPLC(方法1)により精製することで、標題の化合物(45.5mg;0.1mmol)がもたらされた。
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ[ppm]=9.98(s,1H),8.37(d,1H),8.20(d,1H),8.16(d,1H),8.13(d,1H),7.64(s,1H),7.53(dd,1H),7.29(t,1H),7.21(d,1H),6.91(dd,1H),4.52(s,2H),3.01(s,3H).
実施例2
5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{6−フルオロ−4−[(メチルスルホニル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン
Figure 2017508757
中間体2.1の調製
(2,6−ジフルオロピリジン−4−イル)メタノール
Figure 2017508757
THF(85mL)中の2,6−ジフルオロピリジン−4−カルボン酸(5.32g;32.8mmol;Matrix Scientific,CAS # 88912−23−6)の撹拌した溶液に、0℃で、THF中1Mボラン−テトラヒドロフラン錯体溶液(13.2mL;131.2mmol)を加えた。混合物を室温で一晩反応させた。次いで、撹拌した混合物に氷浴で冷却しながらMeOH(15.9mL)を慎重に加えた。バッチを酢酸エチルで希釈し、水酸化ナトリウム水溶液(1N)および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。Whatmanフィルターを用いて有機相をろ過し、濃縮することで、標題の化合物(4.85g)がもたらされた。
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ[ppm]=7.06(s,2H),5.68(t,1H),4.62(d,2H).
中間体2.2の調製
(2−アミノ−6−フルオロピリジン−4−イル)メタノール
Figure 2017508757
(2,6−ジフルオロピリジン−4−イル)メタノール(330mg;2.27mmol、中間体2.1)および33% w/w アンモニア水溶液(19.8ml)の混合物をマイクロ波チューブ内に入れた。混合物を、110℃で6時間、密封したチューブ内で、マイクロ波照射下で反応させた。次いで、混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。蒸発後、残渣をシリカゲルに対するカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)により精製することで、標題の化合物(209mg、1.41mmol)がもたらされた。
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ[ppm]=6.28(dd,1H),6.22(s,2H),5.99(s,1H),5.28(t,1H),4.37(d,2H).
中間体2.3の調製
4−(クロロメチル)−6−フルオロピリジン−2−アミン
Figure 2017508757
DCM(6.6ml)およびNMP(0.44ml)中の(2−アミノ−6−フルオロピリジン−4−イル)メタノール(194mg;1.36mmol、中間体2.2)の撹拌した溶液に、0℃で、塩化チオニル(0.25mL;3.41mmol)を滴下して加えた。混合物を室温で一晩反応させた。バッチを炭酸水素ナトリウム水溶液および塩化ナトリウム水溶液で希釈し、DCMで3回抽出した。合わせた有機相をろ過し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗精製の材料をシリカゲルに対するカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)により精製することで、所望の生成物(161mg;0.94mmol)がもたらされた。
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ[ppm]=6.45(s,1H),6.34(d,1H),6.13(s,1H),4.61(s,2H).
中間体2.4の調製
6−フルオロ−4−[(メチルスルホニル)メチル]ピリジン−2−アミン
Figure 2017508757
DMF(2.5ml)中の4−(クロロメチル)−6−フルオロピリジン−2−アミン(50mg;0.311mmol;中間体2.3)の溶液に、メタンスルフィン酸ナトリウム(167mg;1.55mmol;ABCR GmbH & CO.KG,ドイツ)を加えた。バッチを60℃で8時間撹拌した。大半のDMFを蒸留して除き、残渣をDCM(250ml)と2M炭酸カリウム水溶液(250ml)との間で分画した。相分離後、水相をDCMで抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(硫酸ナトリウム)、ろ過し、濃縮することで、粗精製の生成物を与えた。シリカゲルに対するカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)による精製は、標題の化合物(48.8mg;0.23mmol)をもたらした。
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ[ppm]=6.47(s,1H),6.33(d,1H),6.13(s,1H),4.40(s,2H),2.95(s,3H).
最終生成物(end produdct)の調製
トルエン(4.3ml)およびNMP(0.33mL)中の6−フルオロ−4−[(メチルスルホニル)メチル]ピリジン−2−アミン(48.8mg;0.23mmol;中間体2.4)、2−クロロ−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン(50.5mg;0.19mmol;中間体1.1)、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリ−イソ−プロピル−1,1’−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(15.7mg;0.019mmol;ABCR GmbH & Co.KG)および2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(9.1mg;0.019mmol;Aldrich Chemical Company Inc.)およびリン酸カリウム(202mg;1.33mmol)の混合物を、アルゴン雰囲気下、130℃で3時間撹拌した。冷却後、バッチを酢酸エチルで希釈し、塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。Whatmanフィルターを用いて有機相をろ過し、濃縮した。残渣を分取HPLC(方法1)により精製することで、標題の化合物(16.8mg;0.04mmol)がもたらされた。
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ[ppm]=10.27(s,1H),8.41(d,1H),8.15(d,1H),7.93(d,1H),7.66(s,1H),7.54(dd,1H),7.30(t,1H),7.21(d,1H),6.61(s,1H),4.60(s,2H),3.03(s,3H).
実施例3
5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{6−メチル−4−[(メチルスルホニル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン
Figure 2017508757
中間体3.1の調製
(2−クロロ−6−メチルピリジン−4−イル)メタノール
Figure 2017508757
THF(29mL)中の2−クロロ−6−メチルイソニコチン酸(2g;11.1mmol;ACROS Organics,CAS # 25462−85−5)の撹拌した溶液に、0℃で、THF中1Mボラン−テトラヒドロフラン錯体溶液(33.2mL;33.2mmol)を加えた。混合物を室温で一晩反応させた。次いで、バッチをEtOAc(350mL)で希釈し、水酸化ナトリウム水溶液(1N;330ml)を加えた。相分離後、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濃縮することで、標題の化合物(1.67g)がもたらされた。
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ[ppm]=7.19(d,1H),5.48(t,1H),4.51(d,2H),2.43(s,3H).
中間体3.2の調製
(2−アミノ−6−メチルピリジン−4−イル)メタノール
Figure 2017508757
THF中のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドの溶液(1M;12.69mL;12.69mmol;Aldrich Chemical Company Inc.)を、THF(12.5mL)中の(2−クロロ−6−メチルピリジン−4−イル)メタノール(1g;6.34mmol、中間体3.1)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(116.6mg;0.127mmol;Aldrich Chemical Company Inc.)および2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(120.9mg;0.254mmol;Aldrich Chemical Company Inc.)の混合物に、アルゴン雰囲気下、室温で加えた。混合物を60℃で3時間撹拌した。混合物を−20℃まで冷却し、pH値が4から6の間に達するまで1M塩酸を加えた。撹拌下、混合物を室温まで徐々に温め、水酸化ナトリウム水溶液(5N)を加えることで、p値を10から11の間で調整した。ブライン(150ml)の添加後、混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(硫酸ナトリウム)、ろ過し、濃縮した。残渣をシリカゲルに対するカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール)により精製することで、標題の化合物(600mg;4.34mmol)がもたらされた。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ[ppm]=11.08−11.05(m,1H),6.26(s,1H),6.22(s,1H),5.69(s,2H),5.12(t,1H),4.31(d,2H),2.19(s,3H).
中間体3.3の調製
4−(クロロメチル)−6−メチルピリジン−2−アミン
Figure 2017508757
DCM(10.8ml)およびNMP(0.72ml)中の(2−アミノ−6−メチルピリジン−4−イル)メタノール(306mg;2.22mmol、中間体3.2)の撹拌した溶液に、0℃で、塩化チオニル(0.4mL;5.54mmol)を滴下して加えた。混合物を室温で一晩反応させた。バッチを炭酸水素ナトリウム水溶液および塩化ナトリウム水溶液で希釈し、DCMで3回抽出した。合わせた有機相をろ過し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗精製の材料をシリカゲルに対するカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)により精製することで、所望の生成物(360mg;1.77mmol)がもたらされた。
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ[ppm]=6.36(s,1H),6.27(s,1H),5.94(br.s.,2H),4.53(s,2H),2.24−2.20(m,3H).
中間体3.4の調製
6−メチル−4−[(メチルスルホニル)メチル]ピリジン−2−アミン
Figure 2017508757
DMF(2.5ml)中の4−(クロロメチル)−6−メチルピリジン−2−アミン(100mg;0.619mmol;中間体3.3)の溶液に、メタンスルフィン酸ナトリウム(332mg;3.09mmol;ABCR GmbH & CO.KG,ドイツ)を加えた。バッチを60℃で3時間撹拌した。DMFを蒸留して除き、結果として得られた残渣をシリカゲルに対するカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル/メタノール)により精製することで、標題の化合物(82.8mg;0.41mmol)がもたらされた。
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ[ppm]=6.36(s,1H),6.26(s,1H),5.93(s,2H),4.28(s,2H),2.92(s,3H),2.22(s,3H).
最終生成物(end produdct)の調製
トルエン(3.8ml)およびNMP(0.28mL)中の6−メチル−4−[(メチルスルホニル)メチル]ピリジン−2−アミン(40mg;0.198mmol;中間体3.4)、2−クロロ−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン(43.7mg;0.165mmol;中間体1.1)、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリ−イソ−プロピル−1,1’−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(13.6mg;0.016mmol;ABCR GmbH & Co.KG)および2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(7.8mg;0.016mmol;Aldrich Chemical Company Inc.)およびリン酸カリウム(175mg;0.824mmol)の混合物を、アルゴン雰囲気下、130℃で3時間撹拌した。冷却後、バッチを酢酸エチルで希釈し、塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。Whatmanフィルターを用いて有機相をろ過し、濃縮した。残渣を分取HPLC(方法1)により精製することで、標題の化合物(39.7mg;0.09mmol)がもたらされた。
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ[ppm]=9.92(s,1H),8.35(d,1H),8.20(d,1H),8.17(d,1H),7.58−7.49(m,2H),7.29(dd,1H),7.21(d,1H),6.78(s,1H),4.46(s,2H),3.01(s,3H),2.37(s,3H).
実施例4
5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{4−[(メチルスルホニル)メチル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン
Figure 2017508757
中間体4.1の調製
[2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]メタノール
Figure 2017508757
THF中のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドの溶液(1M;44.9mL;44.9mmol;Aldrich Chemical Company Inc.)を、THF(44.2mL)中の[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]メタノール(5g;22.45mmol;Anichem Inc.,North Brunswick,NJ;CAS # 1196157−41−1.)、トリス(ジベンジリデンアセトン)−ジパラジウム(0)(411mg;0.449mmol;Aldrich Chemical Company Inc.,)および2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(428mg;0.898mmol;Aldrich Chemical Company Inc.)の混合物に、アルゴン雰囲気下、室温で加えた。混合物を60℃で1時間撹拌した。混合物を−20℃まで冷却し、p値が4から6の間に達するまで1M塩酸を加えた。撹拌下、混合物を室温まで徐々に温め、水酸化ナトリウム水溶液(5N)を加えることで、pH値を10から11の間で調整した。ブライン(150ml)の添加後、混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(硫酸ナトリウム)、ろ過し、濃縮した。残渣をシリカゲルに対するカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール)により精製することで、標題の化合物(3.62g;18.85mmol)がもたらされた。
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ[ppm]=6.81(s,1H),6.65(s,1H),6.46(s,2H),5.38(t,1H),4.44(d,2H).
中間体4.2の調製
4−(クロロメチル)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン塩酸塩
Figure 2017508757
DCM(100ml)中の[2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]メタノール(3.62g;18.84mmol、中間体4.1)の撹拌した溶液に、0℃で、塩化チオニル(13.74mL;188.4mmol)を滴下して加えた。混合物を室温で3時間反応させた。溶媒を次いで蒸発させ、結果として得られたスラリーをろ過した。得られた固形物を洗浄し、乾燥させることで、所望の生成物(2.14g)を与えた。
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ[ppm]=6.93(d,1H),6.73(s,1H),6.28−5.54(br),4.70(s,2H).
中間体4.3の調製
4−[(メチルスルホニル)メチル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2017508757
DMF(19.8ml)中の4−(クロロメチル)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン塩酸塩(650mg;中間体4.3)の溶液に、メタンスルフィン酸ナトリウム(1.4g;13.7mmol;ABCR GmbH & CO.KG,ドイツ)を加えた。バッチを60℃で2時間撹拌した。DMFを蒸留して除き、結果として得られた残渣をシリカゲルに対するカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製することで、標題の化合物(592mg;2.32mmol)がもたらされた。
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ[ppm]=6.93(d,1H),6.70(s,3H),4.50(s,2H),2.98(s,3H).
最終生成物(end produdct)の調製
トルエン(3.4ml)およびNMP(0.26mL)中の4−[(メチルスルホニル)メチル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(46.7mg;0.184mmol;中間体4.3)、2−クロロ−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン(40mg;0.151mmol;中間体1.1)、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリ−イソ−プロピル−1,1’−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(12.4mg;0.015mmol;ABCR GmbH & Co.KG)および2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(7.2mg;0.015mmol;Aldrich Chemical Company Inc.)およびリン酸カリウム(160mg;0.753mmol)の混合物を、アルゴン雰囲気下、130℃で3時間撹拌した。冷却後、バッチを酢酸エチルで希釈し、塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。Whatmanフィルターを用いて有機相をろ過し、濃縮した。残渣を分取HPLC(方法1)により精製することで、標題の化合物(38.8mg;0.08mmol)がもたらされた。
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ[ppm]=10.49(s,1H),8.43(d,1H),8.24(d,1H),8.13(d,1H),7.91(s,1H),7.54(dd,1H),7.37(s,1H),7.31(dd,1H),7.21(d,1H),4.69(s,2H),3.05(s,3H).
実施例5
4−(1−ベンゾフラン−7−イル)−5−フルオロ−N−{4−[(メチルスルホニル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン
Figure 2017508757
中間体5.1の調製
4−(1−ベンゾフラン−7−イル)−2−クロロ−5−フルオロピリジン
Figure 2017508757
アルゴン雰囲気下、2Mの炭酸カリウム(11.9mL)および1,2−ジメトキシエタン(20.6mL)水溶液中の2−クロロ−5−フルオロ−4−ヨードピリジン(1.29g;4.77mmol;Manchester Organics,CAS # 884494−49−9)、7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1−ベンゾフラン(1g;3.97mmol;Maybridge,CAS # 1192755−14−8)および[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体(325mg;0.397mmol;Aldrich Chemical Company Inc.)の混合物を、外界温度で17時間撹拌した。バッチを水の中に注ぎ、酢酸エチルで希釈した。相分離後、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を希塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。蒸発後、残渣をシリカゲルに対するカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/ジクロロメタン)により精製することで、標題の化合物(930mg;3.76mmol)がもたらされた。
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ[ppm]=8.63(d,1H),8.10(d,1H),7.90(d,1H),7.85(dd,1H),7.56−7.52(m,1H),7.46−7.39(m,1H),7.10(d,1H).
最終生成物(end produdct)の調製
トルエン(5.6ml)およびNMP(0.62mL)中の4−[(メチルスルホニル)メチル]ピリジン−2−アミン(75mg;0.399mmol;中間体1.3)、4−(1−ベンゾフラン−7−イル)−2−クロロ−5−フルオロピリジン(82.3mg;0.332mmol;中間体5.1)、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリ−イソ−プロピル−1,1’−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(27.4mg;0.033mmol;ABCR GmbH & Co.KG)および2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(15.9mg;0.033mmol;Aldrich Chemical Company Inc.)およびリン酸カリウム(353mg;1.66mmol)の混合物を、アルゴン雰囲気下、130℃で3時間撹拌した。冷却後、バッチを酢酸エチルで希釈し、塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。Whatmanフィルターを用いて有機相をろ過し、濃縮した。残渣を分取HPLC(方法1)により精製することで、標題の化合物(42.8mg;0.11mmol)がもたらされた。
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ[ppm]=9.97(s,1H),8.36(d,1H),8.20(d,1H),8.13(d,1H),8.08(d,1H),7.82(dd,1H),7.65(s,1H),7.50−7.38(m,2H),7.09(d,1H),6.91(dd,1H),4.52(s,2H),3.01(s,3H).
次の表1は、例の部の中に記載されている化合物の概要を提供する:
表1
Figure 2017508757
結果:
表2:本発明による化合物のCDK9およびCDK2阻害
IC50(最大効果の50%での抑制濃度)値はnMで示され、「n.t.」は化合物がこのアッセイ中で試験されていないことを意味する。
1:実施例番号
2:CDK9:材料と方法の方法1a.の下に記載されているCDK9/CycT1キナーゼアッセイ
3:CDK2:材料と方法の方法2a.の下に記載されているCDK2/CycEキナーゼアッセイ
4:材料と方法の方法1a.および2a.に従った選択性CDK9/CDK2
5:高ATP CDK9:材料と方法の方法1b.の下に記載されているCDK9/CycT1キナーゼアッセイ
6:高ATP CDK2:材料と方法の方法2b.の下に記載されているCDK2/CycEキナーゼアッセイ
7:材料と方法の方法1b.および2b.に従った選択性 高ATP CDK9/高ATP CDK2
表2
Figure 2017508757
表3aおよび3b:材料と方法の方法3.の下に記載されている通りに決定された、本発明による化合物によったHeLa細胞、HeLa−MaTu−ADR細胞、NCI−H460細胞、DU145細胞、Caco−2細胞、B16F10細胞およびA2780細胞の増殖の阻害(対応する適応症については、表3aを参照されたい)。全てのIC50(最大効果の50%での抑制濃度)値はnMで示され、「n.t.」は化合物がこのアッセイ中で試験されていないことを意味する。
1:実施例番号
2:Hela細胞増殖の阻害
3:HeLa−MaTu−ADR細胞増殖の阻害
4:NCI−H460細胞増殖の阻害
5:DU145細胞増殖の阻害
6:Caco−2細胞増殖の阻害
7:B16F10細胞増殖の阻害
8:A2780細胞増殖の阻害
前記細胞株は、表3a中に示される次の適応症を代表する:
表3a:
Figure 2017508757
表3b:細胞増殖の阻害
Figure 2017508757

Claims (24)

  1. 一般式(I)
    Figure 2017508757
    の化合物であって、式中、
    は、C−C−アルキル−、C−C−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ヘテロアリール、フェニル−C−C−アルキル−もしくはヘテロアリール−C−C−アルキル−から選択される基を表し、
    ここで前記基は、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、C−C−アルキル−、ハロ−C−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−、C−C−フルオロアルコキシ−、−NH、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、−OP(O)(OH)、−C(O)OH、−C(O)NHの群から選択される1もしくは2もしくは3の置換基で同じくもしくは異なって置換されていてもよく;
    は、基
    Figure 2017508757
    を表し;
    、Rは、互いに独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、C−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−、ハロ−C−C−アルキル−、C−C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表し;
    5a、R5bは、互いに独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、C−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−、ハロ−C−C−アルキル−、C−C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表し;
    、Rは、互いに独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、C−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−、ハロ−C−C−アルキル−、C−C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す化合物、
    またはその塩、溶媒和物もしくは溶媒和物の塩。
  2. 式中、
    が、C−C−アルキル−基もしくはC−C−シクロアルキル基を表し、
    ここで前記基は、ヒドロキシ、C−C−アルキル−、フルオロ−C−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−、C−C−フルオロアルコキシ−、−NH、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン、−OP(O)(OH)、−C(O)OH、−C(O)NHの群から選択される1の置換基で置換されていてもよく;
    が、基
    Figure 2017508757
    を表し;
    が、水素原子、フッ素原子、塩素原子、C−C−アルキル基もしくはフルオロ−C−C−アルキル−基を表し;
    が、水素原子もしくはフッ素原子を表し;
    5a、R5bは、互いに独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、C−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−、フルオロ−C−C−アルキル−、C−C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表し;
    、Rは、互いに独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、C−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−、フルオロ−C−C−アルキル−、C−C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す、請求項1に記載の一般式(I)の化合物、
    またはその塩、溶媒和物もしくは溶媒和物の塩。
  3. 式中、
    が、C−C−アルキル−基もしくはC−C−シクロアルキル基を表し、
    ここで前記基は、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ−、−NH、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン、−OP(O)(OH)の群から選択される1の置換基で置換されていてもよく;
    が、基
    Figure 2017508757
    を表し;
    が、水素原子、フッ素原子もしくは塩素原子、C−C−アルキル基もしくはフルオロ−C−C−アルキル基を表し;
    が、水素原子もしくはフッ素原子を表し;
    5a、R5bは、互いに独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、メチル−、メトキシ−、ジフルオロメチル−、トリフルオロメチル−、ジフルオロメトキシ−、トリフルオロメトキシ−から選択される基を表し;
    、Rは、互いに独立して、水素原子、フッ素原子および塩素原子から選択される基を表す、請求項1に記載の一般式(I)の化合物、
    またはその塩、溶媒和物もしくは溶媒和物の塩。
  4. 式中、
    5aおよびR5bが水素原子を表す、請求項1、2または3のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物、
    またはその塩、溶媒和物もしくは溶媒和物の塩。
  5. 式中、
    が、C−C−アルキル基を表し、
    ここで前記基は、C−C−アルコキシ、−NH、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−および環状アミンの群から選択される1の置換基で置換されていてもよく;
    が、基
    Figure 2017508757
    を表し;
    が、水素原子、フッ素原子もしくはメチル−基もしくはトリフルオロメチル−基を表し;
    が、水素原子もしくはフッ素原子を表し;
    、Rは、互いに独立して、水素原子、フッ素原子および塩素原子から選択される基を表す、請求項1に記載の一般式(I)の化合物、
    またはその塩、溶媒和物もしくは溶媒和物の塩。
  6. 式中、
    が、水素原子およびフッ素原子から選択される基を表す、請求項1から5のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物、
    またはその塩、溶媒和物もしくは溶媒和物の塩。
  7. 式中、
    が水素原子を表す、請求項1から6のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物、
    またはその塩、溶媒和物もしくは溶媒和物の塩。
  8. 式中、
    が、C−C−アルキル基を表し;
    が、基
    Figure 2017508757
    を表し;
    が、水素原子、フッ素原子もしくはメチル−基もしくはトリフルオロメチル−基を表し;
    が、水素原子を表し;
    は、水素、フッ素原子および塩素原子から選択される基を表し;
    は、水素を表す、請求項1に記載の一般式(I)の化合物、
    またはその塩、溶媒和物もしくは溶媒和物の塩。
  9. 式中、
    が、メチル基を表し;
    が、基
    Figure 2017508757
    を表し;
    が、水素原子、フッ素原子もしくはメチル−基もしくはトリフルオロメチル−基を表し;
    が、水素原子を表し;
    は、水素およびフッ素原子から選択される基を表し、
    は、水素を表す、請求項1に記載の一般式(I)の化合物、
    またはその塩、溶媒和物もしくは溶媒和物の塩。
  10. 式中、
    が、フッ素原子またはメチル−基またはトリフルオロメチル−基を表す、請求項1から9のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物、
    またはその塩、溶媒和物もしくは溶媒和物の塩。
  11. ・ 5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{4−[(メチルスルホニル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン、
    ・ 5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{6−フルオロ−4−[(メチルスルホニル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン、
    ・ 5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{6−メチル−4−[(メチルスルホニル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン、
    ・ 5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{4−[(メチルスルホニル)メチル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン、
    ・ 4−(1−ベンゾフラン−7−イル)−5−フルオロ−N−{4−[(メチルスルホニル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン
    である、請求項1に記載の一般式(I)の化合物、
    またはその塩、溶媒和物もしくは溶媒和物の塩。
  12. 薬剤としての使用のための、請求項1から11のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物。
  13. 過剰増殖性障害、ウイルス誘発性感染症および/または心血管疾患の処置および/または予防のための、請求項1から11のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物。
  14. 肺癌、前立腺癌、子宮頸癌、結腸直腸癌、黒色腫または卵巣癌の処置および/または予防のための、請求項1から11のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物。
  15. 過剰増殖性障害、ウイルス誘発性感染症および/または心血管疾患の処置および/または予防のための薬剤の製造における、請求項1から11のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物の使用。
  16. 肺癌、前立腺癌、子宮頸癌、結腸直腸癌、黒色腫または卵巣癌の処置および/または予防のための薬剤の製造における、請求項1から11のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物の使用。
  17. 非小細胞肺癌、ホルモン依存性ヒト前立腺癌または多剤耐性ヒト子宮頸癌の処置および/または予防のための薬剤の製造における、請求項1から16のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物の使用。
  18. 請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物を少なくとも1またはそれより多くのさらなる活性成分と組み合わせて含む、医薬組み合わせ。
  19. 過剰増殖性障害、ウイルス誘発性感染症および/または心血管疾患の処置および/または予防のための、請求項18に記載の医薬組み合わせ。
  20. 肺癌、前立腺癌、子宮頸癌、結腸直腸癌、黒色腫または卵巣癌の処置および/または予防のための、請求項19に記載の医薬組み合わせ。
  21. 請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物を不活性、非毒性の薬学的に好適なアジュバントと組み合わせて含む、医薬組成物。
  22. 過剰増殖性障害、ウイルス誘発性感染症および/または心血管疾患の処置および/または予防のための、請求項21に記載の医薬組成物。
  23. 肺癌、前立腺癌、子宮頸癌、結腸直腸癌、黒色腫または卵巣癌の処置および/または予防のための、請求項22に記載の医薬組成物。
  24. 請求項1から11のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の調製方法であって、式(3)
    Figure 2017508757
    の化合物であり、式中、RならびにRの置換基であるR5a、R5b、RおよびRは、請求項1から9のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物について定義されている通りである化合物を、式(9)
    Figure 2017508757
    の化合物であり、式中、R、RおよびRは、請求項1、2、3、5、8、9および10のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物について定義されている通りである化合物と、
    パラジウム触媒C−Nクロスカップリング反応中で反応させることで、本発明による一般式(I)の化合物を提供し、
    ならびに、結果として得られた式(I)の化合物を、適切な場合、対応する(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸と反応させて、式(I)の化合物の溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物にしてもよい、前記方法。
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