JP2017508473A - ホルムアルデヒドからのアセチルリン酸の酵素的産生 - Google Patents

ホルムアルデヒドからのアセチルリン酸の酵素的産生 Download PDF

Info

Publication number
JP2017508473A
JP2017508473A JP2016558804A JP2016558804A JP2017508473A JP 2017508473 A JP2017508473 A JP 2017508473A JP 2016558804 A JP2016558804 A JP 2016558804A JP 2016558804 A JP2016558804 A JP 2016558804A JP 2017508473 A JP2017508473 A JP 2017508473A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phosphoketolase
phosphate
formaldehyde
enzyme
microorganism
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016558804A
Other languages
English (en)
Inventor
マーリーレ,フィリップ
Original Assignee
サイエンティスト・オブ・フォーチュン・ソシエテ・アノニム
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by サイエンティスト・オブ・フォーチュン・ソシエテ・アノニム filed Critical サイエンティスト・オブ・フォーチュン・ソシエテ・アノニム
Publication of JP2017508473A publication Critical patent/JP2017508473A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P9/00Preparation of organic compounds containing a metal or atom other than H, N, C, O, S or halogen
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12YENZYMES
    • C12Y203/00Acyltransferases (2.3)
    • C12Y203/03Acyl groups converted into alkyl on transfer (2.3.3)
    • C12Y203/03015Sulfoacetaldehyde acetyltransferase (2.3.3.15)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12YENZYMES
    • C12Y401/00Carbon-carbon lyases (4.1)
    • C12Y401/02Aldehyde-lyases (4.1.2)
    • C12Y401/02009Phosphoketolase (4.1.2.9)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12YENZYMES
    • C12Y401/00Carbon-carbon lyases (4.1)
    • C12Y401/02Aldehyde-lyases (4.1.2)
    • C12Y401/02022Fructose-6-phosphate phosphoketolase (4.1.2.22)

Landscapes

  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

ホスホケトラーゼまたはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼを使用してホルムアルデヒドからアセチルリン酸を酵素的に産生する方法を記述する。

Description

本発明は、ホスホケトラーゼまたはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼを利用する、ホルムアルデヒドからアセチルリン酸を酵素的に産生する方法、およびホルムアルデヒドからアセチルリン酸を産生するための、ホスホケトラーゼもしくはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼの使用、またはホスホケトラーゼもしくはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼを発現する微生物の使用に関する。
過去数十年にわたって、代謝工学の実務者は、化学物質を産生するための生物学的解決策を探索する努力を行い、これにより、従来の化学プロセスに代わる代替策を提供してきた。一般的に、生物学的解決策は、再生可能な原料(例えば、糖)の利用を可能にし、既存の石油化学に基づくプロセスと競合する。化学物質を産生するためのマルチステップの生物学的解決策は、典型的に、原料を標的分子に変換するための触媒として微生物を含む。特定の標的分子を産生するための酵素反応一式は、中心炭素経路に属するものと、産物特異的経路に属するものとに分類することができる。中心炭素経路に属する反応と産物特異的経路に属する反応は、プロセスの競合性に寄与するあらゆる酵素反応の酸化還元(典型的にNAD(P)H)およびエネルギー(典型的にATP)の拘束を全体的なバランスで説明しなければならないという点において関連している。歴史的に、糖に基づいて生育する従属栄養生物の中心炭素経路は、Embden−Meyerhoff−Parnas経路(EMPP、すなわち「解糖」)、ペントースリン酸経路(PPP)、Entner−Doudoroff経路(EDP)、およびホスホケトラーゼ経路(PKP)(Gottschalk (1986), Bacterial Metabolism, 2nd Edition, Springer-Verlag, New Yorkを参照されたい)として記述されている。それぞれの中心経路または中心経路の組み合わせは、特異的標的分子に関して長所と短所をもたらす。競合的バイオプロセスを提供するために、EMPP、PPPおよびEDPを伴う改変を有する組み換え型微生物が記述されている(M. Emmerling et al., Metab. Eng. 1:117 (1999); L. O. Ingram et al., Appl. Environ. Microbiol. 53: 2420 (1987); C. T. Trinh et al., Appl. Environ. Microbiol. 74:3634 (2008))。つい最近では、PKPを伴う改変を有する組み換え型微生物が記述されている(Sonderegger et al. Appl. Environ. Microbiol. 70 (2004), 2892-2897、米国特許第7,253,001号明細書、Chinen et al. J. Biosci. Bioeng. 103 (2007), 262-269、米国特許第7,785,858号明細書;Fleige et al., Appl. Microbiol. Cell Physiol. 91 (2011), 769-776を参照されたい)。
EMPP(解糖)は、グルコース1モルをピルビン酸塩(PYR)2モルに変換する。アセチル−CoAが望ましい場合、PYR1モルを、アセチル−CoA(AcCoA)1モルに変換することができ、それと同時にCO1モルおよびNADH1モルが生成される。反応全体は等式1で示される。
グルコース+2ADP+2HPO+2CoA+4NAD
2アセチル−CoA+2CO+2ATP+2HO+4NADH+4H
(等式1)
PPPは、グルコース1モルをCO1モルおよびNADPH2モルに変換して、同時にフルクトース−6−リン酸(F6P)0.67モルおよびグリセルアルデヒド−3−リン酸(GAP)0.33モルを生成する手段を提供する。このように形成されたF6PおよびGAPは、他の反応経路によって、例えばEMPPによって代謝されなければならない。EDPはグルコース1モルをGAP1モルおよびPYR1モルに変換して、同時にNADPH1モルを生成する。PPPに関して、このように形成されたGAPは、他の反応経路によって代謝されなければならない。PKPは、グルコース1モルをGAP1モルおよびアセチルリン酸(AcP)1.5モルに変換する手段を提供する。アセチル−CoAが望ましい場合、AcP1当量プラス補酵素A(CoA)1当量を、ホスホトランスアセチラーゼの作用によってアセチル−CoA1当量および無機リン酸塩(Pi)1当量に変換することができる。
液状コーンフラワー、グリセロール、もしくは合成ガス(水素と一酸化炭素の混合物)などの様々な原料、またはメタンなどの化合物を、液体燃料またはブタノールなどの所望の化合物に変換することができるように、微生物を遺伝子改変するための様々なアプローチが当技術分野において記述されている(例えば、国際公開第2012/053905号パンフレットおよびPeralta-Yahya et al., Nature 488 (2012), 320-328を参照されたい)。Conrado and Gonzalez(Science 343 (2014), 621-623)は、例えばメタンを液体燃料に変換するための可能性がある選択肢を考察しており、この文脈において、メタン資化生物が、ホルムアルデヒドを直接使用するリブロース一リン酸(RuMP)サイクルを通して、または完全に酸化されたホルムアルデヒドからCalvin−Benson−Bassham−(CBB)CO−固定サイクルを通してホルムアルデヒドをピルビン酸塩に変換できることについて言及している。しかし、そのようなプロセスの効率は低いと言われており、プロセスは、高い代謝エネルギーの損失を伴うと言われている。
あらゆる種類の化合物を産生するための再生可能な資源を利用するプロセスの需要が高まっていることを考慮すると、アセチル−CoAまたはその前駆体などの中心代謝物の効率的な産生を可能にする手段および方法を提供して、それによってこれらの代謝物を有用な化合物へと変換するさらなるプロセスを開発するためのプラットフォームを構築することが望ましい。
このため、酵素反応の酸化還元およびエネルギー拘束を最善に適合させて、それによって多くの生物、特に再生可能な資源から多数の工業的に重要な化合物を産生するために使用することができる微生物の異化における最も中心の代謝物の1つであるアセチル−CoAの前駆体のエネルギー的に効率的な産生を可能にすることによって、原料の産物への変換を最大限にする、中心炭素経路および産物特異的経路を含む方法を提供する必要がある。本出願人は、特許請求の範囲に定義される実施形態を提供することによって、この必要性に取り組んでいる。
多くの生物、特に再生可能な資源から多数の工業的に重要な化合物を産生するために使用することができる微生物の異化における最も中心の代謝物の1つであるアセチル−CoAの前駆体のエネルギー的に効率的な産生を可能にする方法を提供する必要がある。本発明は、特許請求の範囲に定義される実施形態を提供することによって、この必要性に取り組む。
このように、本発明は、ホスホケトラーゼまたはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼを利用することによって、ホルムアルデヒドからアセチルリン酸を産生する方法に関する。
本発明者らは、ホスホケトラーゼとして分類される酵素が、以下の反応スキームに従ってホルムアルデヒドおよびリン酸塩からアセチルリン酸の形成を触媒することができることを意外にも見出した。
2CHO+リン酸塩 → アセチルリン酸+H
この反応は、強い発エルゴン反応であり、生理的条件下ではATPの加水分解より多くのエネルギーを放出する。
種々のタイプのホスホケトラーゼが公知であり、それらのすべてを本発明に従う方法において使用することができる。一般的に、ホスホケトラーゼは、それが本来触媒する反応に関する基質選択性に基づいて2つのタイプに分類される:キシルロース−5−リン酸(X5P)ホスホケトラーゼは、EC4.1.2.9に分類され、基質として本来X5Pおよびフルクトース−6−リン酸(F6P)を使用するが、X5Pを好み、X5P/フルクトース−6−リン酸(F6P)ホスホケトラーゼは、4.1.2.22に分類され、X5PとF6Pの両方を基質として同等の活性で使用することができる(Suzuki et al., J. Biol. Chem. 44 (2010), 34279-34287)。以下において、用語「ホスホケトラーゼ」は、常に両方のタイプを指す。
このため、X5Pホスホケトラーゼは、EC4.1.2.9に分類され、以下の反応を触媒することができる酵素である:
D−キシルロース−5−リン酸+リン酸塩 → D−グリセルアルデヒド−3−リン酸+アセチルリン酸+H
EC4.1.2.22に分類される他のタイプのホスホケトラーゼは、一般的にフルクトース−6−リン酸ホスホケトラーゼと呼ばれ、以下の反応を本来触媒することができる:
D−フルクトース−6−リン酸+リン酸塩 → アセチルリン酸+D−エリスロース4−リン酸+H
同様に、ホスホケトラーゼが、例えばニトロランセツスホランディクスLb(Nitrolancetus hollandicus Lb)のホスホケトラーゼの場合のように両方のタイプのホスホケトラーゼに割付されている場合、または同定されたホスホケトラーゼが2つのタイプのいずれにもまだ割付されていないが、単に一般的にホスホケトラーゼとして分類されている場合もある。本明細書において使用される用語「ホスホケトラーゼ」は、これらのすべてのホスホケトラーゼも指す。
このように、本発明に従う方法の1つの実施形態において、上記に示す反応スキームに従う、ホルムアルデヒドおよびリン酸塩のアセチルリン酸への酵素的変換は、EC4.1.2.9のホスホケトラーゼとして分類されるホスホケトラーゼを利用することによって行われる。この酵素は、多様な生物、特に細菌および真菌などの微生物において同定されている。1つの好ましい実施形態において、ホスホケトラーゼ(EC4.1.2.9)は、原核生物、好ましくは細菌に由来する。酵素は例えば、ラクトコッカスラクチス(Lactococcus lactis)、ラクトバチルスプランタルム(Lactobacillus plantarum (Uniprot受託番号:Q88S87;Q88U67)、ラクトバチルスペントサス(Lactobacillus pentosus)(Uniprot受託番号:Q937F6)、ラクトバチルスロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ビフィドバクテリウムアニマリス(Bifidobacterium animalis)(Uniprot受託番号:A0PAD9)、ビフィドバクテリウムアニマリス亜種ラクチス(Bifidobacterium animalis subsp. Lactis)(Uniprot受託番号:Q9AEM9)、ブチロビブリオフィブリソルベンス(Butyrovibrio fibrisolvens)、フィブロバクターインテスチナリス(Fibrobacter intestinalis)、フィブロバクタースクシノゲネス(Fibrobacter succinogenes)、ロイコノストックメセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)、オエノコッカスオエニ(Oenococcus oeni)、スターケヤノベラ(Starkeya novella)、チオバチルス種(Thiobacillus sp.)、サーモビスポラビスポラ(Thermobispora bispora)(株ATCC19993/DSM43833/CBS139.67/JCM10125/NBRC14880/R51;Uniprot受託番号:D6YAD9)、サーモバキュルムテレヌム(Thermobaculum terrenum)(株ATCCBAA−798/YNP1;Uniprot受託番号:D1CI63)、およびニトロランセツスホランディクスLb(Nitrolancetus hollandicus Lb)(Uniprot受託番号:I4EJ52)に存在すると記述されている。
もう一つの好ましい実施形態において、ホスホケトラーゼ(EC4.1.2.9)は、真核生物、好ましくは真菌、例えば出芽酵母(S. cerevisiae)などの酵母に由来する。酵素は例えば、エメリセラニデュランス(Emericella nidulans)(Uniprot受託番号:Q5B3G7)、メタリジウムアニソプリアエ(Metarhizium anisopliae)(Uniprot受託番号:C1K2N2)、カンジダボイディニイ(Candida boidinii)、色素分解酵母(Candida curvata)、カンジダファマタ(Candida famata)、カンジダフミコーラ(Candida humicola)、カンジダパラプシロシス(Candida parapsilosis)、カンジダパラプシロシス(Candida parapsilosis)NCYC 926、カンジダトロピカリス(Candida tropicalis)、シバーリンドネラジャディニイ(Cyberlindnera jadinii)、シバーリンドネラサターヌス(Cyberlindnera saturnus)、デバロマイセスロベルトシアエ(Debaromyces robertsiae)、フザリウムオキシスポルム(Fusarium oxysporum)、クルイベロマイセスマルキシアヌス(Kluyveromyces marxianus)、クルイベロマイセスファセオロスポルス(Kluyveromyces phaseolosporus)、リポマイセススターケイ(Lipomyces starkeyi)、オガタエアアングスタ(Ogataea angusta)、パチソレンタノフィルス(Pachysolen tannophilus)、プリセオマイセスメディウス(Priceomyces medius)、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)、ロドスポリジウムトルロイデス(Rhodospiridium toruloides)、ロドトルラグルチニス(Rhodotorula glutinis)、ロドトルラグラミニス(Rhodotorula graminis)、ペニシリウムクリソゲヌム(Penicillium chrysogenum)、トリコスポロンクタネウム(Trichosporon cutaneum)、およびヤロウィアリポリチカ(Yarrowia lipolytica)に存在することが記述されている。
ホスホケトラーゼ(EC4.1.2.9)の酵素活性は、当業者に公知の方法によって評価することができる。そのような方法は、例えばMeileら(J. Bacteriol. 183 (2001), 2929-2936)およびSuzukiら(Acta Cryst. F66 (2010), 941-943)に記述されている。
ホスホケトラーゼ(EC4.1.2.9)は、構造および機能に関して十分に定義されている。例えば、Petrareanuら(Acta Crystallographica F66 (2010), 805-807)は、ラクトコッカスラクチス(Lactococcus lactis)からのキシルロース−5−リン酸ホスホケトラーゼのX線結晶学分析を記述している。
本発明に従う方法のもう一つの実施形態において、上記で示される反応スキームに従う、ホルムアルデヒドおよびリン酸塩のアセチルリン酸への酵素的変換は、EC4.1.2.22におけるフルクトース−6−リン酸ホスホケトラーゼとして分類されるホスホケトラーゼを利用することによって行われる。この酵素は、多様な生物、特に細菌および真菌などの微生物において同定されている。1つの好ましい実施形態において、フルクトース−6−リン酸ホスホケトラーゼ(EC4.1.2.22)は、原核生物、好ましくは細菌に由来する。酵素は、例えばビフィドバクテリウムアドレッセンティス(Bifidobacterium adolescentis)、ビフィドバクテリウムアニマリス亜種ラクチス(Bifidobacterium animalis subsp. lactis)(Uniprot受託番号:Q9AEM9)、ビフィドバクテリウムロングム(Bifidobacterium longum)、ビフィドバクテリウムシュードロングム(Bifidobacterium pseudolongum)、特にビフィドバクテリウムシュードロングム亜種グロボスム(Bifidobacterium pseudolongum subsp. globosum)、ビフィドバクテリウムビフィドゥム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウムブレーベ(Bifidobacterium breve)、ビフィドバクテリウムデンチウム(Bifidobacterium dentium)、ビフィドバクテリウムモンゴリエンス(Bifidobacterium mongoliense)、ビフィドバクテリウムボンビ(Bifidobacterium bombi)、カプリアビダスネカトール(Cupriavidus necator)、ガルドネレラバジナリス(Gardnerella vaginalis)、グルコナセトバクターキシリヌス(Gluconacetobacter xylinus)、ラクトバチルスパラプランタルム(Lactobacillus paraplantarum)、ロイコノストックメセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)およびニトロランセツスホランディクスLb(Nitrolancetus hollandicus Lb)(Uniprot受託番号:I4EJ52)に存在すると記述されている。
もう一つの好ましい実施形態において、フルクトース−6−リン酸ホスホケトラーゼ(EC4.1.2.22)は、真核生物、好ましくは真菌、例えばS.パストリアヌス(S. pastorianus)などの酵母に由来する。酵素は例えば、カンジダ種(Candida sp.)、カンジダ種(Candida sp.)107、カンジダトロピカリス(Candida tropicalis)、ロドトルラグルチニス(Rhodotorula glutinis)、ロドトルラグラミニス(Rhodotorula graminis)およびサッカロミセスパストリアヌス(Saccharomyces pastorianus)に存在することが記述されている。
酵素は構造および機能に関して十分に定義されている。例えば、Suzukiら(Acta Crystallographica F66 (2010), 941-943; J. Biol. Chem. 285 (2010), 34279-34287)は、ビフィドバクテリウムブレーベ(Bifidobacterium breve)由来のホスホケトラーゼの過剰発現、結晶化、およびX線分析を記述している。ビフィドバクテリウムラクチス(Bidifobacterium lactis)由来のキシルロース−5−リン酸/フルクトース−6−リン酸ホスホケトラーゼをコードする遺伝子は、例えばMeileら(J. Bacteriol. 183 (2001), 2929-2936)に記述されている。
フルクトース−6−リン酸ホスホケトラーゼ(EC4.1.2.22)の酵素活性は、当業者に公知の方法によって評価することができる。そのような方法は、例えば、Meileら(J. Bacteriol. 183 (2001), 2929-2936)およびSuzukiら(Acta Cryst. F66 (2010), 941-943)に記述されている。
EC4.2.1.9またはEC4.2.1.22に未だ分類されていないが本発明に従う方法において使用することができる他のホスホケトラーゼは、例えばサーモシネココッカスエロンガタス(Thermosynechococcus elongatus)(株BP−1;Uniprot受託番号:Q8DJN6)のホスホケトラーゼ、バチルスコアグランス(Bacillus coagulans)36D1(Uniprot受託番号:G2TIL0)のホスホケトラーゼ、ラクトコッカスラクチス亜種ラクチス(Lactococcus lactis亜種lactis(株KF147:Uniprot受託番号:A9QST6)のホスホケトラーゼ、ビフィドバクテリウムシュードロングム亜種グロボスム(Bifidobacterium pseudolongum subsp. globosum)(Uniprot受託番号:Q6R2Q6)のホスホケトラーゼ、およびクロストリジウムアセトブチリクム(Clostridium acetobutylicum)(株ATCC 824;Uniprot受託番号:Q97JE3;Serviskyら(J. Ind. Microbiol. Biotechnol. 39 (2012), 1859-1867);配列番号:2)のホスホケトラーゼである。
添付の実施例において、ビフィドバクテリウムシュードロングム亜種グロボスム(Bifidobacterium pseudolongum subsp. globosum)(Uniprot受託番号:Q6R2Q6;配列番号:1)、クロストリジウムアセトブチリクム(Clostridium acetobutylicum)(株ATCC824;Uniprot受託番号:Q97JE3;配列番号:2)、およびラクトコッカスラクチス亜種ラクチス(Lactococcus lactis subsp. lactis)(株KF147;Uniprot受託番号:A9QST6;配列番号:3)のホスホケトラーゼは、ホルムアルデヒドおよびリン酸塩をアセチルリン酸およびHOに変換することができることが示される。
好ましい実施形態において、本発明の方法において使用されるホスホケトラーゼは、配列番号:1から3のいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有するか、または配列番号:1から3のいずれか1つと少なくともX%相同であるアミノ酸配列を示し、かつホスホケトラーゼの活性を有し、ここでXは30から100のあいだの整数、好ましくは、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99であり、そのような酵素は、本明細書において上記で説明されるようにホルムアルデヒドおよびリン酸塩をアセチルリン酸に変換することができる。好ましくは、同一性の程度は、それぞれの配列を、上記の配列番号のいずれか1つのアミノ酸配列と比較することによって決定される。比較される配列が同じ長さを有しない場合、同一性の程度は、好ましくは、より長い配列におけるアミノ酸残基と同一であるより短い配列におけるアミノ酸残基の百分率を指すか、またはより短い配列におけるアミノ酸残基と同一であるより長い配列におけるアミノ酸残基の百分率を指す。配列同一性の程度は、好ましくはCLUSTALなどの適したコンピューターアルゴリズムを使用して当技術分野において周知の方法に従って決定することができる。
特定の配列が、例として参照配列と80%同一であるか否かを決定するためにClustal分析法を使用する場合、配列のデフォルト設定を使用してもよく、または設定は好ましくは以下のとおりである:アミノ酸配列の比較に関して、行列:blosum 30;オープンギャップペナルティ:10.0;伸長ギャップペナルティ:0.05;ディレイダイバージェント(Delay divergent):40;ギャップ分離距離:8。ヌクレオチド配列の比較に関して、伸長ギャップペナルティは好ましくは5.0に設定される。
好ましくは、同一性の程度は、配列の全長にわたって計算される。
ホスホケトラーゼ配列の多重アライメントから、いくつかの高度保存領域が示され、これらの領域の2つはホスホケトラーゼのシグネチャーパターンとして使用されることが記述されている(http://prosite.expasy.org/PDOC60002)。第1のシグナチャーパターンは、E−G−G−E−L−G−Yであり、第2のシグナチャーパターンは、G−x(3)−[DN]−x−P−x(2)−[LIVFT]−x(3)−[LIVM]−x−G−D−G−Eである。第1のシグナチャーパターンの機能は、まだわかっていないが、第2のシグナチャーパターンは、チアミンピロリン酸の結合部位に対応する。このため、好ましい実施形態において、本明細書において上記に定義されるホスホケトラーゼは、上記で言及された2つのシグナチャーパターンの少なくとも1つ、好ましくは、少なくとも第2のシグナチャーパターン、より一層好ましくは両方のシグナチャーパターンを含有するアミノ酸配列を有する。
配列比較から、異なる起源に由来するホスホケトラーゼのあいだの全配列同一性が、約26%もの低さでありうることが示されている。例えば、Meileら(J. Biol. Chem. 183 (2001), 2929-2936)は、ビフィドバクテリウムラクチス(Bifidobacterium lactis)のD−キシルロース5−リン酸/D−フルクトース6−リン酸ホスホケトラーゼ遺伝子(xfp)が、他の生物のゲノムにおける配列と26%から55%の同一性を有することが判明したことを報告している。
選択したホスホケトラーゼが、ホルムアルデヒドおよびリン酸塩のアセチルリン酸およびHOへの変換を触媒することができるか否かは、例えば添付の実施例に説明されるアッセイによって評価することができる。
本発明の方法に関連して使用される用語「リン酸塩」は、ホルムアルデヒドおよびリン酸塩をアセチルリン酸およびHOに変換する方法において使用される酵素に関するリン酸塩の供給源として許容可能な化合物を指す。1つの可能性は、リン酸の形態、すなわちHPOでのリン酸塩の提供である。しかし、同様に他の形態、特に水素原子の1個、2個、または3個が他のイオン、例えばナトリウムイオンに置き換えられているリン酸(HPO)の塩も考えられる。ホスホケトラーゼは、チアミン二リン酸依存的酵素であり、すなわちそれらは補因子としてチアミン二リン酸(ThDPまたはTPPとも呼ばれる)を必要とする。それゆえ、本発明に従う方法において、TPPは反応のあいだに提供されることが有利である。その上、いくつかのホスホケトラーゼは、補因子としてMg2+またはCa2+などのイオンを必要とする。そのような場合、本発明に従う方法はまた、上記の変換の際にそのようなイオンが存在することも含む。
上記に示される反応スキームに従うホルムアルデヒドおよびリン酸塩のアセチルリン酸への酵素的変換はまた、スルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼ(EC2.3.3.15)を利用することによっても行うことができる。スルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼ(EC2.3.3.15)は、以下の反応を触媒することができる酵素である:
2−スルホアセトアルデヒド+リン酸塩 → アセチルリン酸+亜硫酸塩
この酵素は、多様な生物、特に細菌において同定されている。1つの好ましい実施形態において、スルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼ(EC2.3.3.15)は、原核生物、好ましくは細菌に由来する。酵素は、例えばカステラニエラデフラグランス(Castellaniella defragans)(Uniprot受託番号:Q84H44;以前の名称アルカリゲネスデフラグランス(Alcaligenes defragans)(Ruff et al., Biochem. J. 369 (2003), 275-285))、アルカリゲネスキシロソキシダンスキシロソキシダンス(Alcaligenes xylosoxydans xylosoxydans)(Uniprot受託番号:Q84H41)、デスルフォニスポラチオスルファチゲネス(Desulfonispora thiosulfatigenes)(Uniprot受託番号:Q93PS3)、リゾビウムメリロチ(Rhizobium meliloti)(株1021)(Uniprot受託番号:Q92UW6)、ルエゲリアポメロイ(Ruegeria pomeroyi)(Uniprot受託番号:Q5LMK2)、カプリアビダスネカトール(Cupriavidus necator)(Uniprot受託番号:Q0K022)、ロゼオバリウスヌビンヒベンス(Roseovarius nubinhibens)(Uniprot受託番号:A3SR25)、アシネトバクター種(Acinetobacter sp.)および緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)に存在することが記述されている。
原則的に、いかなるスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼ(EC2.3.3.15)も、本発明の方法に従う、ホルムアルデヒドおよびリン酸塩のアセチルリン酸への変換に使用することができる。
スルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼは、ホスホケトラーゼと同様に、チアミンピロリン酸(TPP)依存的酵素であり、それゆえTPP結合ドメインを含有することを特徴とする。公知のスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼの中で、TPP結合ドメインは高度に保存されている(例えば、Ruff et al., Biochem. J. 369 (2003), 275-285を参照されたい)。全体として、公知のスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼは、TPP結合ドメインを含むN−末端近傍で高度の配列保存を示す(Ruff et al.、前出を参照されたい)。配列分岐は、酵素そのもののN−末端およびC.デフラグランス(C. defragans)酵素の400番目のアミノ酸近傍の領域で観察することができる。Ruffら(前出)は、スルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼが3つの亜群を形成することを記述している(当該文献の図4を参照されたい)。亜群2および3は、PROSITEコンセンサス配列(L/I/V/M/F)(G/S/A)X5PX4(L/I/V/M/F/Y/W)X(L/I/V/M/F)XGD(G/S/A)(G/S/A/C)と一致するTPP結合ドメインを示すと言われているが、亜群は、コンセンサス配列(L/I/V/M/F)(G/S/A)X5PX4(L/I/V/M/F/Y/W)X(L/I/V/M/F/Y)XGD(G/S/A)(G/S/A/C)からわずかに逸脱している。これらの領域を除けば、異なるスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼのあいだの配列同一性は、かなり低くなりうる(約44%まで低下)。
好ましい実施形態において、本発明に従う方法において使用されるスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼは、配列番号:4に示されるアミノ酸配列を示すC.デフラグランス(C. defragans)のスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼであるか、または配列番号:5に示すアミノ酸配列を示すアルカリゲネスキシロソキシダンスキシロソキシダンス(Alcaligenes xylosoxydans xylosoxydans)のスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼであるか、または配列番号:6に示すアミノ酸配列を示すデスルフォニスポラチオスルファチゲネス(Desulfonispora thiosulfatigenes)のスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼであるか、または配列番号:7に示すアミノ酸配列を示すリゾビウムメリロティ(Rhizobium meliloti)(株1021)のスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼであるか、または配列番号:8に示すアミノ酸配列を示すもしくは関連するアミノ酸配列を示すロゼオバリウスヌビンヒベンス(Roseovarius nubinhibens)のスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼである。
このように、好ましい実施形態において、本発明の方法において使用されるスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼは、配列番号:4〜8のいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有するか、または配列番号:4〜8のいずれか1つと少なくともX%相同であるアミノ酸配列を示し、かつスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼの活性を有し、Xは30〜100のあいだの整数であり、好ましくは35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99であり、そのような酵素は、本明細書において上記で説明されるように、ホルムアルデヒドおよびリン酸塩をアセチルリン酸に変換することができる。好ましくは、同一性の程度は上記のように決定される。
スルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼ(EC2.3.3.15)の酵素活性は、当業者に公知の方法によって評価することができる。そのような方法は、例えばRuffら(Biochem. J. 369 (2003), 275-285)に記述されている。
本発明の方法に従って産生されるアセチルリン酸は、ほとんどの生物における中心代謝物である酢酸塩またはアセチル補酵素A(アセチル−CoAとも呼ばれる)などの所望の分子へとさらに変換することができる。
インビトロでのアセチルリン酸の酢酸塩への加水分解は、アセチルリン酸がかなり不安定であることから自然に起こる。
アセチルリン酸はまた、例えば酢酸キナーゼ(EC2.7.2.1)、プロピオン酸キナーゼ(EC2.7.2.15)、酪酸キナーゼ(EC2.7.2.7)、または酢酸キナーゼ(二リン酸)(EC2.7.2.12)を利用することによって、インビトロまたはインビボで酵素的に酢酸塩に変換することができる。
酢酸キナーゼは、以下の反応を触媒する酵素である:
Figure 2017508473
この反応は可逆的であることから、アセチルリン酸を酢酸塩に変換するために酵素を使用することができる。反応を、例えばさらなる酵素的変換によって反応からATPを連続的に除去することによって、または当業者に公知の手段および方法によって反応から除去することによって、酢酸塩の方向に進めてもよい。この酵素は、多様な生物、特に原核生物、真核生物、および古細菌に存在する。これは解糖において重要な酵素であり、酵素レベルは通常、過剰量のグルコースの存在下で増加する。原則的に、本発明に従う方法においてアセチルリン酸を酢酸塩に変換するために、任意の酢酸キナーゼ(EC2.7.2.1)を使用することができる。
同様に、プロピオン酸キナーゼ(EC2.7.2.15)もまた、反応スキームに従って、アセチルリン酸を酢酸塩に変換することができることが記述されている:
Figure 2017508473
この酵素は、大腸菌(E. coli)またはネズミチフス菌(Salmonella enteric subsp. enterica serovar. thyphimurium)などの腸内細菌(Enterobacteriaceae)に見出される。
アセチルリン酸の酢酸塩への変換はまた、酪酸キナーゼ(EC2.7.2.7)を利用することによっても行うことができる。酪酸キナーゼは以下の反応を触媒する酵素である:
Figure 2017508473
しかし、いくつかの酪酸キナーゼ、例えばクロストリジウムブチリクム(Clostridium butyricum)およびクロストリジウムアセトブチリクム(Clostridium acetobutylicum)に由来するキナーゼも同様に、以下の反応を触媒することができることが示されている:
Figure 2017508473
このため、ATP+酢酸塩のADP+アセチルリン酸への可逆的変換を同様に触媒することができるいかなる酪酸キナーゼも、アセチルリン酸を酢酸塩に変換するための本発明の方法において使用することができる。
その上、アセチルリン酸の酢酸塩への変換はまた、酢酸キナーゼ(二リン酸)(EC2.7.2.12)を利用することによっても行うことができる。酢酸キナーゼ(二リン酸)(EC2.7.2.12)は、以下の反応を触媒する酵素である:
Figure 2017508473
この酵素は、エントアメーバヒストリティカ(Entamoeba histolytica)に存在することが記述されている。
アセチルリン酸の酢酸塩およびHPOへの酵素的加水分解はまた、アシルホスファターゼ(EC3.6.1.7)を利用することによっても行うことができる。アシルホスファターゼ(AcP;EC3.6.1.7)は、真核生物および原核生物(中温性生物および極限環境生物の両方)において広く発現されるサイトゾル酵素である(分子量は約10kDa)。AcPは、脊椎動物種の多くの組織、骨格筋および心臓において筋型AcP(MT−AcP)として、ならびに赤血球、脳、および精巣において(臓器)共通型AcP(CT−AcP)として見出されうる(Zuccotti et al., Acta Cryst. 61 (2005), 144-146)。アシルホスファターゼは以下の反応を触媒する:
アセチルリン酸+HO → 酢酸塩+HPO
この酵素は、多様な生物において記述されている。好ましくは、本発明に従う方法において使用されるアシルホスファターゼは、セキショクヤケイ(Gallus gallus)、モルモット(Cavia porcellus)(Liguri et al., Biochem. J. 217 (1984), 499-505)、ヒト(Homo sapiens)、イノシシ(Sus scrofa)、ウシ(Bos taurus)、アナウサギ(Oryctolagus cuniculus)、ウマ(Equus acallus)、またはピュロコックスヒロコシイ(Pyrococcus hirokoshii)(Miyazoo et al., Acta Crystallographica D60 (2004), 1135-1136)に由来する。
これらの酵素の構造的および機能的特徴は、すでに詳細に研究され、例えばLiguriら(Biochem. J. 217 (1984), 499-505)、Miyazooら(Acta Crystallographica D60 (2004), 1135-1136)、およびTaddeiら(FEBS Letters 362 (1995), 175-179)に記述されている。
アセチルリン酸のアセチル−CoAへの変換(インビトロまたはインビボ)は、例えばリン酸アセチルトランスフェラーゼ(EC2.3.1.8)を使用することによって酵素的に行うことができる。この酵素は本来以下の反応を触媒する:
Figure 2017508473
酵素は、多数の生物、すなわち原核生物、真核生物、および古細菌に存在する。原則的に、いかなる公知のリン酸アセチルトランスフェラーゼ(EC2.3.1.8)もこの変換のために使用することができる。
本発明の方法に従ってアセチルリン酸に変換されるホルムアルデヒドは、外から反応に提供することができ、または別の化学反応もしくは酵素反応によって提供することができる。
ホルムアルデヒドを化学的に産生することは、以前から知られており、一般的にホルムアルデヒドはメタノールの触媒的酸化によって工業的に産生されている。この状況で最も一般的な触媒は、金属銀または鉄とモリブデンもしくは酸化バナジウムの混合物である。一般的に使用されるFormoxプロセスにおいて、メタノールと酸素は、モリブデンおよび/またはバナジウムと共に酸化鉄の存在下でおよそ250〜400℃で反応して、以下の化学式に従ってホルムアルデヒドを産生する:
2CHOH+O → 2CHO+2H
銀触媒は通常、高温、約650℃で作用する。銀触媒上での2つの化学反応、すなわち上記の化学反応と脱水素反応は、同時にホルムアルデヒドを産生する:
CHOH → HCO+H
ホルムアルデヒドはまた、メタンの酸化によっても生成することができる。その上、ホルムアルデヒド(およびメタノール)は一酸化炭素と水素とを気相で中性のFe2S2クラスター上で反応させることによって産生することができることが記述されている(Yin et al., Phys. Chem. Chem. Phys. 15 (2013), 4699-4706を参照されたい)。
好ましい実施形態において、本発明の方法はメタノールの酵素的変換によって変換されるホルムアルデヒドを提供するステップをさらに含む。メタノールのホルムアルデヒドへの変換を触媒する酵素は公知であり、例えばメタノールデヒドロゲナーゼ(EC1.1.1.244)を含む。メタノールデヒドロゲナーゼ(EC1.1.1.244)は以下の反応を触媒する:
Figure 2017508473
この酵素は、メチル栄養性のバチルス(Bacillus)種であるバチルスメタノリクス(Bacillus methanolicus)(Arfman et al., Arch. Microbiol. 152 (1989), 280-288)において同定されている。メタノールのホルムアルデヒドへの変換を同様に触媒することができる酵素は、EC1.1.2.7(メタノールデヒドロゲナーゼ(チトクロームc))として分類される酵素である。これらの酵素は、II型PQQ含有アルコールデヒドロゲナーゼ、すなわちNAD(P)非依存的メタノールデヒドロゲナーゼである。そのような酵素は、例えばメチロバクテリウムエクストルケンス(Methylobacterium extorquens)、メチロフィルスメチロトロフス(Methylophilus methylotrophus)またはハイフォミクロビウムデニトリフィカンス(Hyphomicrobium denitrificans)などのいくつかのプロテオバクテリア由来のものが知られている。その上、メタノールをホルムアルデヒドに変換するために、アルコールオキシダーゼ(EC1.1.3.13)も同様に使用することができる。アルコールオキシダーゼ(EC1.1.3.13)は、以下の反応を触媒する酵素である:
一級アルコール+O → アルデヒド+H
これらの酵素は、多様な生物、例えばピチア(Pichia)、カンジダ(Candida)、およびハンゼヌラ(Hansenula)などの、唯一の炭素およびエネルギー源としてメタノールを使用するメチル栄養性酵母(Hartner and Glieder, Microbial Cell Factories 5 (2006), 39)、およびいくつかの真菌、例えばアスペルギルス(Aspergillus(Kumar and Goswami, Appl. Microbiol. Biotechnol. 72 (2006), 906-911)において同定されている。Arnaudら(FEBS 296 (1992), 259-262)は、シュードモナスナウチカ(Pseudomonas nautica)株617の精製ターミナルオキシダーゼがCOをホルムアルデヒドに還元することを記述している。
ホルムアルデヒドに変換することができるメタノールは、それ自身、メタンから酵素反応によって提供することができる。特に、メタンのメタノールへの変換は、例えばメタンモノオキシゲナーゼ(MMO)によって触媒される。この酵素の2つのタイプ、すなわちEC1.14.13.25メタンモノオキシゲナーゼ(可溶性)とEC1.14.18.3メタンモノオキシゲナーゼ(微粒子)が記述されている。触媒される反応は:
CH+NADH+H+O → CHOH+NAD+HO(補因子としてNADHを含む)
CH+NADPH+H+O → CHOH+NADP+HO(補因子としてNADPHを含む)である。
対応する酵素は、例えばメチロコッカスカプスラツス(Methylococcus capsulatus)(Pilkington and Dalton, Methods Enzymology 188 (1990),181-190)およびメチロシヌストリコスポリウム(Methylosinus trichosporium)(Fox et al., J. Biol. Chem. 266 (1991), 540-550)などのメタン資化性細菌において同定されている。これらの酵素は、結晶構造分析(Sazinsky et al., Biochemistry 43 (2004), 16263-16276)を含むインビトロ試験によって特徴付けられている。
本発明に従う方法は、インビトロまたはインビボで行われうる。インビトロ反応は、細胞を使用しない反応、すなわち無細胞反応であると理解される。このため、インビトロは好ましくは無細胞系を意味する。1つの実施形態における用語「インビトロ」は、単離された酵素(または任意でおそらく必要な補因子を含む酵素系)が存在することを意味する。1つの実施形態において、方法において使用される酵素は精製された形態で使用される。
方法をインビトロで行うために、反応の基質と酵素とを、酵素が活性となり酵素的変換が起こる条件(緩衝液、温度、補基質、補因子等)でインキュベートする。反応をそれぞれの産物を産生するために十分な時間、進行させる。それぞれの産物の産生は、質量分析による検出と連結されている場合もある液体クロマトグラフィー(HPLC)などの当技術分野で公知の方法によって測定することができる。
酵素は、酵素反応を起こす任意の適した形態でありうる。酵素は精製もしくは部分精製されてもよく、または粗細胞抽出物もしくは部分精製抽出物の形態であってもよい。酵素を適した担体に固定することも可能である。
実施例は、異なる起源に由来するホスホケトラーゼを使用する本発明に従うインビトロ反応を説明する。
もう一つの実施形態において、本発明に従う方法は、少なくともホスホケトラーゼまたはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼを産生し、任意でホルムアルデヒドを提供するために必要な、または産生されたアセチルリン酸を本明細書において上記の酢酸塩もしくはアセチル−CoAなどの他の化合物にさらに変換するために必要な酵素を産生する生物、好ましくは微生物の存在下で培養して行われる。本発明に従う方法を行うために微生物を使用する方法は、「インビボ」法と呼ばれる。ホルムアルデヒドは、外から提供されてもよく、またはホスホケトラーゼもしくはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼそのものを発現する使用微生物によって産生されてもよい。そのような微生物は、本明細書において上記のホルムアルデヒドの酵素的産生に必要な少なくとも1つの酵素を発現する。同様に、ホルムアルデヒドを産生することができる微生物と、第一の微生物によって産生されたホルムアルデヒドを変換するためにホスホケトラーゼおよび/またはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼを発現する微生物を同時培養することも可能である。
このため、本発明のそのような実施形態において、上記のように少なくともホスホケトラーゼまたはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼを産生する微生物を使用する。ホスホケトラーゼもしくはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼを本来産生する微生物、またはホスホケトラーゼおよび/もしくはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼを発現する(または過剰発現する)ように遺伝子改変されている微生物を使用することが可能である。このように、微生物は、ホスホケトラーゼおよび/またはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼを本来発現する、すなわちホスホケトラーゼまたはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列を本来そのゲノムに有する、およびそれ/それらを発現する微生物でありうる。発現は、構成的であってもよく、または誘導型もしくは調節型であってもよい。ホスホケトラーゼ活性またはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼ活性を固有に、すなわち本来有する微生物は、当技術分野において公知であり、それらのいずれも、本発明の文脈において使用することができる。
もう一つの実施形態において、微生物は、ホスホケトラーゼまたはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列を含有する核酸分子の導入によって遺伝子改変されている微生物でありうる。核酸分子は、微生物のゲノムに安定に組み入れることができ、または染色体外に、例えばプラスミドに存在してもよい。
そのような遺伝子改変微生物は、例えばホスホケトラーゼ活性もしくはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼ活性を本来有しないが、ホスホケトラーゼもしくはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼを発現するように遺伝子改変されている微生物、またはホスホケトラーゼ活性もしくはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼ活性を本来有し、前記微生物におけるホスホケトラーゼ活性もしくはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼ活性を増加させるために、例えばホスホケトラーゼもしくはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼをコードする核酸、例えばベクターによる形質転換によって、および/もしくは前記微生物におけるそれぞれの活性を増加させるために酵素をコードする内因性のヌクレオチド配列の前にプロモーターを挿入することによって、遺伝子改変されている微生物でありうる。
しかし、本発明は、好ましくは、上記の酵素をそれらが天然に存在するレベルで発現する、天然において見出される天然起源の微生物を除外する。その代わりに、本発明の微生物および本発明の方法において使用される微生物は、好ましくは、そのゲノムに通常は存在しない本発明の外因性の酵素を発現する(過剰発現を含む)ように遺伝子改変されているか、または外因性の酵素を過剰発現するように設計されているかによらず、非天然起源の微生物である。
このため、本発明に関連して使用される酵素および(微)生物は、好ましくは非天然起源の酵素または(微生物)であり、すなわち、それらは天然起源の酵素または微生物とは顕著に異なり、天然に存在しない酵素または(微)生物である。酵素に関して、酵素は、好ましくは天然起源の酵素の変種であり、そのため決して天然に存在しない。そのような変種は、例えば変異体、特により高い酵素活性、より高い基質特異性、より高い温度抵抗性等などの改善された特性を示す、分子生物学的方法によって調製された変異体を含む。(微)生物に関して、微生物は、好ましくは、遺伝子改変により天然起源の生物とは異なる、本明細書において上記の遺伝子改変生物である。遺伝子改変生物は、天然に存在しない、すなわち天然において見出すことができず、かつ異物核酸分子の導入により天然起源の生物とは実質的に異なる生物である。
本明細書において上記の外因性または内因性の酵素を過剰発現させることにより、酵素の濃度は天然において見出されるよりも実質的に高くなり、それによってそれぞれの酵素に関して非天然物を使用する本発明の反応を予想外に推進することができる。好ましくは、過剰発現された酵素の濃度は、宿主細胞の総タンパク質の少なくとも5%、10%、20%、30%、または40%である。
「非天然の」基質は、たとえ実際に内因性の酵素と共に微生物において同時に存在していても、天然においてそれぞれの酵素による作用を受けない分子であると理解される。この「非天然の」基質は、他の基質(例えば「天然の基質」)のほうが好ましいことから、天然において微生物によって変換されない。このため、本発明は、天然において見出されない環境で上記の酵素と共に非天然の基質を利用することを企図する。
このため、本発明の文脈において、微生物は、ホスホケトラーゼ活性またはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼ活性を本来有しないが、ホスホケトラーゼまたはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼの発現を可能にするヌクレオチド配列を含むように遺伝子改変されている微生物であることも可能である。同様に、微生物はまた、ホスホケトラーゼ活性またはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼ活性を本来有するが、例えばホスホケトラーゼもしくはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼをコードする外因性のヌクレオチド配列を導入することによって、または内因性の産生を過剰発現(非天然)レベルまで増加させるために酵素をコードする内因性の遺伝子に関するプロモーターを導入することによって、ホスホケトラーゼ活性またはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼ活性を増強するように遺伝子改変されている微生物でありうる。
ホスホケトラーゼまたはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼを本来発現する微生物を使用する場合、それぞれの活性が微生物において過剰発現されるようにそのような微生物を改変することが可能である。これは、例えば、遺伝子のより高い発現を確実にするプロモーターが得られるように、対応する遺伝子のプロモーター領域に変異をもたらすことによって、または高発現性のプロモーターを導入することによって行うことができる。あるいは、より高い活性を示す酵素が得られるように、遺伝子を変異させることも可能である。
ホスホケトラーゼまたはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼを発現する微生物を使用することによって、酵素を分離または精製する必要なく、培養培地において本発明に従う方法を直接行うことが可能である。
1つの実施形態において、本発明に従う方法において使用される生物は、ホスホケトラーゼまたはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼをコードする異物核酸分子を含有するように遺伝子改変されている微生物である。この文脈における用語「異物」または「外因性」は、核酸分子が前記微生物に本来存在しないことを意味する。このことは、核酸分子が微生物において同じ構造でまたは同じ位置に存在しないことを意味する。1つの好ましい実施形態において、異物核酸分子は、コード配列の発現を促進するプロモーターがコード配列に関して異種である、プロモーターとそれぞれの酵素をコードするコード配列とを含む組み換え型分子である。この文脈における「異種」とは、プロモーターが、前記コード配列の発現を本来促進するプロモーターではないが、異なるコード配列の発現を本来促進するプロモーターである、すなわちプロモーターが別の遺伝子に由来する、または合成プロモーターもしくはキメラプロモーターであることを意味する。好ましくは、プロモーターは、微生物に対して異種のプロモーター、すなわちそれぞれの微生物に本来存在しないプロモーターである。より一層好ましくは、プロモーターは、誘導型プロモーターである。異なるタイプの生物、特に微生物において発現を促進するプロモーターは、当業者に周知である。
さらなる実施形態において、核酸分子は、コードされる酵素が微生物に対して内因性でない、すなわち遺伝子改変されていない微生物によって本来発現されないという点において微生物に対して異物である。言い換えれば、コードされる酵素は、微生物に対して異種である。異物核酸分子は、微生物において染色体外に、例えばプラスミドとして存在しうるか、または染色体に安定に組み込まれうる。安定な組み込みが好ましい。このため、遺伝子改変は、例えば酵素をコードする対応する遺伝子を染色体に組み入れること、またはプロモーターとコード配列が好ましくは異なる生物に由来する、酵素コード配列の上流にプロモーターを含むプラスミドから酵素を発現させること、または当業者に公知の他の任意の方法からなることができる。
本発明の文脈における用語「微生物」は、細菌ならびに酵母などの真菌、同様に藻類および古細菌を指す。1つの好ましい実施形態において、微生物は細菌である。原則的に、任意の細菌を使用することができる。本発明に従うプロセスにおいて使用することが好ましい細菌は、バチルス(Bacillus)、クロストリジウム(Clostridium)、コリネバクテリウム(Corynebacterium)、シュードモナス(Pseudomonas)、ザイモモナス(Zymomonas)、またはエスケリキア(Escherichia)属の細菌である。特に好ましい実施形態において、細菌はエスケリキア(Escherichia)属に属し、より一層好ましくは大腸菌(Escherichia coli)種に属する。別の好ましい実施形態において、細菌はシュードモナスプチダ(Pseudomonas putida)種または ザイモモナスモビリス(Zymomonas mobilis)種またはコリネバクテリウムグルタミクム(Corynebacterium glutamicum)種または枯草菌(Bacillus subtilis)種に属する。
同様に、サームスサーモフィルス(Thermus thermophilus)などの極限環境細菌またはクロストリジウム(Clostridiae)科の嫌気性細菌を使用することも可能である。
別の好ましい実施形態において、微生物は真菌、より好ましくはサッカロミセス(Saccharomyces)、シゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)、アスペルギルス(Aspergillus)、トリコデルマ(Trichoderma)、クルイベロミセス(Kluyveromyces)、またはピチア(Pichia)属の真菌であり、より一層好ましくは出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロミセスポンべ(Schizosaccharomyces pombe)、アスペルギルスニゲル(Aspergillus niger)、トリコデルマリーセイ(Trichoderma reesei)、クルイベロミセスマルキシアヌス(Kluyveromyces marxianus)、クルイベロミセスラクチス(Kluyveromyces lactis)、ピチアパストリス(Pichia pastoris)、ピチアトルラ(Pichia torula)、またはピチアウチリス(Pichia utilis)種の真菌である。
もう一つの実施形態において、本発明に従う方法は、少なくともホスホケトラーゼおよび/またはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼを発現する光合成微生物を利用する。好ましくは、微生物は、光合成細菌または微細藻類である。さらなる実施形態において、微生物は、藻類、より好ましくはディアトマ(diatomeae)に属する藻類である。
本発明に従う方法において、異なる微生物が上記のように異なる酵素を発現する微生物の組み合わせを使用することも考えられる。
特に好ましい実施形態において、本発明に従う方法において使用される微生物は、メタン資化性もしくはメチル栄養性細菌またはメタン資化性もしくはメチル栄養性酵母である。そのような微生物は、本明細書において上記の酵素反応を介してホルムアルデヒドを産生するためにメタノールおよび/またはメタンを代謝する能力を本来有することから、好ましくは本発明に従う方法において使用される。メタン資化性細菌およびその可能性がある用途は、例えば、Jiangら(Biochemical Engineering J. 49 (2010), 277-288)、Schraderら(Trends in Biotechnology 27 (2008), 107-115)、Chistoserdovaら(Anu. Rev. Microbiol. 63 (2009), 477-499)、およびKalyuzhnayaら(Nature Commun. 4 (2013))に記述されている。これらの細菌の多様性は例えば、Chistoserdovaら(前出)およびJiangら(前出)に記述されている。Schraderら(前出)およびKalyuzhnayaら(前出)は、メタン変換のための触媒としてのそのような微生物の使用を記述している。最後に、Schraderら(前出)はまた、所望の生成物を形成するために、メチル栄養性細菌(メチロバクテリウムエクストルケンス(Methylobacterium extorquens)など)の代謝を操作することができる遺伝子ツールを記述している。メタン資化性またはメチル栄養性細菌の例には、メチロフィルス(Methylophilaceae)科の細菌、ならびにメチロバクター(Methylobacter)、メチロバクテリウム(Methylobacterium)(例えば、メチロバクテリウムエクストルケンス(Methylobacterium extorquens)、メチロバクテリウムオルガノフィルム(Methylobacterium organophilum)、およびメチロバクテリウムロデシアヌム(Methylobacterium rhodesianum)、メチロバチルス(Methylobacillus)(例えば、メチロバチルスフラゲラツス(Methylobacillus flagellatus)およびメチロバチルスグリコゲネス(Methylobacillus glycogenes)、メチロモナス(Methylomonas)(例えば、メチロモナスメタニカ(Methylomonas methanica))、メチロソマ(Methylosoma)、メチロミクロビウム(Methylomicrobium)(例えば、メチロミクロビウムアルカリフィルム(Methylomicrobium alcaliphilum))、メチロサームス(Methylothermus)、メチロハロビウス(Methylohalobius)、メチロサルシナ(Methylosarcina)、メチロスフェラ(Methylosphaera)、メチロシスチス(Methylocystis)、メチロシヌス(Methylosinus)(例えば、メチロシヌストリコスポリウム(Methylosinus trichosporium))、メチロカプサ(Methylocapsa)、メチロセラ(Methylocella)、メチロコッカス(Methylococcus)(例えば、メチロコッカスカプスラツス(Methylococcus capsulatus)、メチロカルドゥム(Methylocaldum)、メチロフィルス(Methylophilus)(例えば、メチロフィルスメチロトロフス(Methylophilus methylotrophus))、メチルアシジフィルム(Methylacidiphilum)、ハイフォミクロビウム(Hyphomicrobium)(例えば、ハイフォミクロビウムメチロボルム(Hyphomicrobium methylovorum)またはハイフォミクロビウムザバルジニイ(Hyphomicrobium zavarzinii)、バチルス(Bacillus)(例えば、バチルスメタノリクス(Bacillus methanolicus))、シュードモナス(Pseudomonas)、パラコッカス(Paracoccus)(例えば、パラコッカスデニトリフィカンス(Paracoccus denitrificans))、シリシバクター(Silicibacter(例えば、シリシバクターポメロイ(Silicibacter pomeroyi))、またはグラヌリバクター(Granulibacter)(例えば、グラヌリバクターベセスデンシス(Granulibacter bethesdensis)属の細菌が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。
好ましい実施形態において、本発明に従う方法において使用される微生物は、メタノールデヒドロゲナーゼ(MDH)、特にメタノールのホルムアルデヒドへの酸化を触媒するピロロキノリン−キノン(PQQ)含有酵素(キノプロテイン)を発現する微生物である(Anthony, Adv. Microbila Physiol. 27 (1986), 113-120; Duine and Frank, Methanol dehydrogenase: A quinoprotein; In: Microbial Growth on C1Compounds; Ed. Dalton, H., Heyden & Son Ltd., London (1981), 31-41; Duine et al., Eur. J. Biochem. 108 (1980), 187-192)。
特に好ましい実施形態において、本発明に従う方法において使用される微生物は、アシドモナス(Acidomonas)属、好ましくはアシドモナスメタノリカ(Acidomonas methanolica)種(以前の名称:アセトバクターメタノリクス(Acetobacter methanolicus)である。アシドモナスメタノリカ(Acidomonas methanolica)は、唯一の炭素源としてメタノールに基づいて生育することができる独自の酢酸細菌である。この細菌は、メタノールを効率よく取り込むことから、本発明に従う方法において特に有用である。メタノールは、メタノールデヒドロゲナーゼ(MxaF遺伝子によってコードされる;例えばSuzuki et al., J. Gen. Appl. Microbiol. 55 (2009), 101-110を参照されたい)の発現により、そのような細菌によってホルムアルデヒドに変換される。この生物のドラフトゲノムDNA配列が、Higashiuraら(FEMS Microbiol. Lett. 351 (2014), 9-13)によって報告されている。アシドモナスメタノリカ(Acidomonas methanolica)のメタノールデヒドロゲナーゼは、キノプロテインであり、その特性は詳細に記述されている(Frebortova et al., Biochim. Biophys. Acta 1363 (1998), 24-34)。
他の例は、ベルコミクロビア(Verrucomicrobia)門に属する細菌、またはバークホルデリア(Burkholderiales)群、特にコマモナス(Comamonadaceae)科またはロドシクルス(Rhodocyclaceae)科、例えばメチリビウム(Methylibium)(例えば、メチリビウムペトロレイフィルム(Methylibium petroleiphilum)およびバークホルデリア(Burkholderia)属(例えば、バークホルデリアフィマツム(Burkholderia phymatum)の細菌である。さらなる例は、糸状菌、例えばクレノスリックス(Crenothrix)属(例えば、クレノスリックスポリスポラ(Crenothrix polyspora)、クロノスリックス(Clonothrix)属(例えば、クロノスリックスフスカ(Clonothrix fusca))、またはベギアトア(Beggiatoa)属(例えば、ベギアトアアルバ(Beggiatoa alba))の細菌である。
メタン資化性またはメチル栄養性酵母には、例えばピチア(Pichia)属、好ましくはピチアパストリス(Pichia pastoris)、カンジダ(Candida)属(例えば、カンジダボイディニイ( Candida boidinii))、オガタエア(Ogataea)属、クライシア(Kuraishia)属、コマガテアラ(Komagatealla)属(例えば、Yurimoto et al., Intern. J. Microbiol. 2011 (2011), ID 101298を参照されたい)、スポロボロミセス(Sporobolomyces)属(例えば、スポロボロミセスロゼウス(Sporobolomyces roseus)株Y)、またはロドトルラ(Rhodotorula)属(例えば、ロドトルラグルチニス(Rhodotorula glutinis)株CY)、またはハンゼヌラ(Hansenula)属(例えば、ハンゼヌラポリモルファ(Hansenula polymorpha))の酵母が挙げられる。
対象の酵素を発現するための微生物の遺伝子改変をまた、以下にさらに詳細に説明する。
本発明に従う方法において使用されるホスホケトラーゼおよび/またはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼは、天然起源のホスホケトラーゼもしくはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼでありうるか、または例えば酵素活性、安定性等を変化させるもしくは改善する変異もしくは他の変化を例えば導入することにより、天然起源のホスホケトラーゼ/スルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼから誘導されるホスホケトラーゼ/スルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼでありうる。
タンパク質の所望の酵素活性を修飾および/または改善する方法は、当業者に周知であり、例えば、ランダム変異誘発または部位特異的変異誘発、および所望の特性を有する酵素のその後の選択またはいわゆる「指向性進化」のアプローチを含む。
例えば、原核細胞における遺伝子改変に関して、ホスホケトラーゼまたはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼをコードする核酸分子を、変異誘発またはDNA配列の組み換えによる配列改変を許容にするプラスミドに導入することができる。標準的な方法(Sambrook and Russell (2001), Molecular Cloning: A Laboratory Manual, CSH Press, Cold Spring Harbor, NY, USAを参照されたい)により、塩基の交換を行うことができ、または天然もしくは合成の配列を付加することができる。DNA断片を、断片と相補的なアダプターおよびリンカーを使用してライゲートすることができる。その上、適した制限部位を提供する、または余剰なDNAもしくは制限部位を除去する工学手法を使用することができる。挿入、欠失、または置換が可能であるそれらの場合、インビトロ変異誘発、「プライマー修復」、制限、またはライゲーションを使用することができる。一般的に、配列分析、制限分析、ならびに他の生化学および分子生物学の方法が、分析方法として行われる。次に、得られたホスホケトラーゼ/スルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼ変種を、上記のアッセイによって、所望の活性、例えば酵素活性、特に増加した酵素活性に関して試験する。
上記のように、本発明の方法において使用されるまたは本発明の組成物に含まれる微生物は、ホスホケトラーゼおよび/またはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼをコードする核酸分子の導入によって遺伝子改変されている微生物でありうる。このため、好ましい実施形態において、微生物は、増加したホスホケトラーゼ活性および/または増加したスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼ活性を有するように遺伝子改変されている組み換え型微生物である。これは、例えば、ホスホケトラーゼおよび/またはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼをコードする核酸によって微生物を形質転換することによって行うことができる。微生物の遺伝子改変の詳細な説明をさらに以下に示す。好ましくは、微生物に導入される核酸分子は、微生物に関して異種である、すなわち当該微生物に本来存在しない核酸分子である。
本発明の文脈において、「増加した活性」は、遺伝子改変微生物における酵素、特にホスホケトラーゼまたはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼの発現および/または活性が、対応する非改変微生物における活性より少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも30%または50%、より一層好ましくは少なくとも70%または80%、特に好ましくは少なくとも90%または100%高いことを意味する。さらにより好ましい実施形態において、発現および/または活性の増加は、少なくとも150%、少なくとも200%、または少なくとも500%でありうる。特に好ましい実施形態において、発現は、対応する非改変微生物より少なくとも10倍、より好ましくは少なくとも100倍、より一層好ましくは少なくとも1000倍高い。
用語「増加した」発現/活性はまた、対応する非改変微生物が、対応する酵素、例えばホスホケトラーゼまたはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼを発現せず、そのため非改変微生物における対応する発現/活性がゼロである状況も含む。好ましくは、過剰発現された酵素の濃度は宿主細胞の総タンパク質の少なくとも5%、10%、20%、30%、または40%である。
細胞における所定のタンパク質の発現レベルを測定する方法は、当業者に周知である。1つの実施形態において、発現レベルの測定は、対応するタンパク質の量を測定することによって行われる。対応する方法は、当業者に周知であり、ウェスタンブロット、ELISA等を含む。別の実施形態において、発現レベルの測定は、対応するRNAの量を測定することによって行われる。対応する方法は、当業者に周知であり、例えばノザンブロットを含む。
ホスホケトラーゼまたはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼの酵素活性を測定する方法は当技術分野において公知であり、すでに上記で説明されている。
本発明の文脈において、用語「組み換え型」は、野生型または非改変微生物と比較して上記で定義された酵素をコードする核酸分子を含むように微生物が遺伝子改変されていることを意味する。上記で定義される酵素をコードする核酸分子は単独でまたはベクターの一部として使用することができる。
核酸分子はさらに、核酸分子に含まれるポリヌクレオチドに機能的に連結した発現制御配列を含むことができる。本明細書の記述を通して使用される用語「機能するように連結した」または「機能的に連結した」は、発現制御配列と適合性の条件で発現が得られるように、1つまたは複数の発現制御配列と、発現されるポリヌクレオチドのコード領域とが連結していることを指す。
発現は、異種DNA配列の、好ましくは翻訳可能なmRNAへの転写を含む。真菌ならびに細菌における発現を確実にする調節エレメントは当業者に周知である。それらは、プロモーター、エンハンサー、終止シグナル、標的化シグナル等を包含する。ベクターに関する説明に関連して、例を以下にさらに述べる。
核酸分子に関連して使用するためのプロモーターは、その起源および/または発現される遺伝子に関して同種または異種であってもよい。適したプロモーターは、例として、それらを構成的に発現させるプロモーターである。しかし、外部の影響に左右される時点に限って活性化されるプロモーターもまた使用することができる。人工的および/または化学的に誘導されるプロモーターが、この文脈において使用されうる。
ベクターは、さらに、ベクターに含まれる前記ポリヌクレオチドに機能的に連結した発現制御配列を含むことができる。これらの発現制御配列は、細菌または真菌において翻訳可能なRNAの転写および合成を確実にするために適切でありうる。
加えて、分子生物学において通常の方法によって、異なる変異をポリヌクレオチドに挿入することが可能であり(例として、Sambrook and Russell (2001), Molecular Cloning: A Laboratory Manual, CSH Press, Cold Spring Harbor, NY, USAを参照されたい)、それによって改変された生物学的特性をおそらく有するポリペプチドが合成される。点突然変異の導入は、例としてアミノ酸配列の改変がポリペプチドの生物活性または調節に影響を及ぼす位置で考えられる。
その上、改変された基質または産物特異性を有する変異体を調製することができる。好ましくは、そのような変異体は、増加した活性を示す。あるいは、基質結合活性を失うことなくその触媒活性が失われた変異体を調製することができる。
さらに、上記で定義される酵素をコードするポリヌクレオチドに変異を導入することにより、前記ポリヌクレオチドによってコードされる酵素の遺伝子発現速度および/または活性を低減または増加させることができる。
細菌または真菌を遺伝子改変するために、上記で定義される酵素をコードするポリヌクレオチドまたはこれらの分子の一部を、変異誘発またはDNA配列の組み換えによる配列改変を許容するプラスミドに導入することができる。標準的な方法(Sambrook and Russell (2001), Molecular Cloning: A Laboratory Manual, CSH Press, Cold Spring Harbor, NY, USAを参照されたい)によって、塩基の交換を行うことができ、または天然もしくは合成の配列を付加することができる。アダプターおよびリンカーを断片に適用することによって、DNA断片を互いに接続することができる。その上、適した制限部位を提供する、または余剰なDNAもしくは制限部位を除去する工学手法を使用することができる。挿入、欠失、または置換が可能であるそれらの場合、インビトロ変異誘発、「プライマー修復」、制限またはライゲーションを使用することができる。一般的に、配列分析、制限分析、ならびに生化学および分子生物学の他の方法が分析法として行われる。
このため、本発明に従って、上記のポリヌクレオチド、核酸分子、またはベクターを真菌または細菌に導入することを含む、真菌または細菌を遺伝子改変することによって、組み換え型微生物を産生することができる。
それぞれの酵素、特にホスホケトラーゼまたはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼをコードするポリヌクレオチドを、上記の活性、例えばホスホケトラーゼ活性またはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドが産生されるように、発現させる。異なる発現システムの総説は、例としてMethods in Enzymology 153 (1987), 385-516、Bitterら(Methods in Enzymology 153 (1987), 516-544)、およびSawersら(Applied Microbiology and Biotechnology 46 (1996), 1-9)、Billman-Jacobe(Current Opinion in Biotechnology 7 (1996), 500-4)、Hockney(Trends in Biotechnology 12 (1994), 456-463)、Griffithsら(Methods in Molecular Biology 75 (1997), 427-440)に含まれる。酵母発現系の総説は、例としてHensingら(Antonie van Leuwenhoek 67 (1995), 261-279)、Bussineauら(Developments in Biological Standardization 83 (1994), 13-19)、Gellissenら(Antonie van Leuwenhoek 62 (1992), 79-93)、Fleer(Current Opinion in Biotechnology 3 (1992), 486-496)、Vedvick(Current Opinion in Biotechnology 2 (1991), 742-745)、およびBuckholz(Bio/Technology 9 (1991), 1067-1072)によって示される。
発現ベクターは、文献において広く記述されている。原則として、発現ベクターは、選択マーカー遺伝子および選択された宿主における複製を確実にする複製開始点のみならず、細菌またはウイルスプロモーター、およびほとんどの場合転写終止シグナルを含有する。プロモーターと終止シグナルのあいだに、一般的に、コードするDNA配列を挿入することができる少なくとも1つの制限部位またはポリリンカーが存在する。対応する遺伝子の転写を本来制御するDNA配列が、選択された宿主生物において活性である場合、そのDNA配列をプロモーター配列として使用することができる。しかし、この配列を、他のプロモーター配列と交換することもできる。遺伝子の構成的発現を確実にするプロモーターおよび遺伝子の発現の意図的な制御を可能にする誘導型プロモーターを使用することが可能である。これらの特性を保有する細菌およびウイルスプロモーター配列は、文献において詳細に記述されている。微生物(例として大腸菌(E. coli)、出芽酵母(S. cerevisiae))における発現のための調節配列は、文献において十分に記述されている。下流の配列の特に高い発現を許容するプロモーターは、例としてT7プロモーター(Studier et al., Methods in Enzymology 185 (1990), 60-89)、lacUV5、trp、trp−lacUV5(DeBoer et al., in Rodriguez and Chamberlin (Eds), Promoters, Structure and Function; Praeger, New York, (1982), 462-481; DeBoer et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1983), 21-25)、lp1、rac(Boros et al., Gene 42 (1986), 97-100)である。ポリペプチドを合成するためには、誘導型プロモーターが好ましくは使用される。これらのプロモーターは、構成的プロモーターより高いポリペプチド収率が得られることが多い。最適な量のポリペプチドを得るために、2段階プロセスがしばしば使用される。第1に、宿主細胞を、最適な条件で比較的高い細胞密度まで培養する。第2のステップにおいて、使用されるプロモーターのタイプに応じて転写を誘導する。この点において、ラクトースまたはIPTG(イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド)によって誘導することができるtacプロモーターは、特に適している(deBoer et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80 (1983), 21-25)。転写終止シグナルもまた、文献に記述されている。
上記のポリヌクレオチドまたはベクターによる宿主細胞の形質転換は、例としてSambrook and Russell (2001), Molecular Cloning: A Laboratory Manual, CSH Press, Cold Spring Harbor, NY, USA; Methods in Yeast Genetics, A Laboratory Course Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1990に記述される標準的な方法によって行うことができる。宿主細胞を、使用される特定の宿主細胞の必要条件、特にpH値、温度、塩濃度、通気、抗生物質、ビタミン、微量元素等に関する必要条件を満たす栄養培地で培養する。
本発明に従う方法を、それぞれの酵素活性を提供する生物/微生物を使用することによってインビボで行う場合、生物、好ましくは微生物を、酵素反応を発生させる適した培養条件で培養する。特定の培養条件は、使用される特定の生物/微生物に依存するが、当業者に周知である。培養条件は一般的に、それぞれの反応の酵素をコードする遺伝子を発現させるように選択される。化学誘発物質または温度のシフトによる遺伝子発現の誘導などの、培養の特定の段階で特定の遺伝子の発現を改善および微調整するために、様々な方法が当業者に公知である。
別の実施形態において、本発明の方法は、生物、好ましくはそれぞれの酵素活性を有する微生物を、(細胞)培養の形態、好ましくは液体細胞培養の形態で提供するステップと、その後に生物、好ましくは微生物を発酵装置(しばしばバイオリアクターとも呼ばれる)においてそれぞれの酵素を発現させる適した条件で培養するステップとを含み、さらに本明細書において上記の本発明の方法の酵素的変換を行うステップを含む。適した発酵装置またはバイオリアクター装置および発酵条件は、当業者に公知である。バイオリアクターまたは発酵装置は、生物学的に活性な環境を支持する当技術分野で公知の任意の製造または工学用の装置またはシステムを指す。このため、バイオリアクターまたは発酵装置は、本発明の方法のような、生物、好ましくは微生物、および/または生化学的活性物質、すなわち当該生物または上記の酵素を有する生物に由来する上記の酵素、を伴う化学/生化学プロセスが行われる容器でありうる。バイオリアクターまたは発酵装置において、このプロセスは好気性または嫌気性でありうる。これらのバイオリアクターは一般的に円柱形であり、リットルサイズから立方メートルサイズまでの範囲でありえて、しばしばステンレス鋼製である。この点に関して、理論に拘束されることなく、発酵装置またはバイオリアクターは、生物、好ましくは微生物を、例えばそのすべてが当技術分野で一般的に公知であるバッチ培養、流加培養、還流培養または連続培養で培養するために適した様式で設計されうる。
培養培地は、それぞれの生物または微生物を培養するために適した任意の培養培地でありうる。
本発明はまた、以下を含有する組成物にも関する:
(a) ホルムアルデヒドとホスホケトラーゼ、または
(b) ホルムアルデヒドとスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼ、または
(c) ホルムアルデヒドと、ホスホケトラーゼおよびスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼ、または
(d) ホルムアルデヒドと、ホスホケトラーゼを発現する微生物、または
(e) ホルムアルデヒドと、スルホアセトアルデヒドアセチルトランストランスフェラーゼを発現する微生物、または
(f) ホルムアルデヒドと、ホスホケトラーゼおよびスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼを発現する微生物。
ホスホケトラーゼ/スルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼは、本発明に従う方法に関連して上記で定義したホスホケトラーゼ/スルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼでありうる。組成物に含まれる微生物は、ホスホケトラーゼおよび/またはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼを発現する任意の適した微生物、特に本発明に従う方法に関連して本明細書において上記の微生物でありうる。
本発明はさらに、ホルムアルデヒドからアセチルリン酸を産生するための、ホスホケトラーゼもしくはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼの使用、またはホスホケトラーゼおよび/もしくはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼを発現する微生物の使用に関する。ホスホケトラーゼ/スルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼおよび微生物に関して、本発明に従う方法に関連して上記で説明した内容と同じ内容が適用される。
L.ラクチス(L. lactis)からのホスホケトラーゼを使用してホルムアルデヒドからアセチルリン酸を産生するための酵素反応の質量分析(A)、および酵素を含まない対照反応の質量分析(B)を示す図である。 リン酸塩の存在下でホスホケトラーゼによるホルムアルデヒドの形質転換によって形成された酢酸塩のピーク強度を示す図である。
本明細書において、特許出願を含む多数の文書が引用される。これらの文書の開示は、本発明の特許性に関連すると考えられないが、その全内容が参照により本明細書に組み入れられる。より具体的には、すべての参考文書は、それぞれの個々の文書が具体的かつ個別に参照により組み入れられることが示されているのと同じ程度に参照により組み入れられる。
本発明を、以下の実施例を参照してさらに説明するが、これらの実施例は、単なる説明であり、本発明の範囲の制限として解釈してはならない。
実施例1:ホスホケトラーゼのクローニング、発現、および精製
組み換え型酵素の遺伝子合成、クローニング、および発現
原核生物のゲノムから推定されるホスホケトラーゼの配列を、大腸菌(E. coli)のコドン使用に適合するようにオリゴヌクレオチドを連結することにより作製した(遺伝子は、GeneArt(登録商標)が商業的に合成した)。精製のためのアフィニティタグを提供するために、一続きのヒスチジン6個のコドンをメチオニン開始コドンの後に挿入した。このようにして合成された遺伝子を、改変されたマルチクローニングサイト(MCS)を含む改変pUC18発現ベクター(New England Biolabs)においてクローニングした。対象の遺伝子をPacIおよびNotI制限部位でクローニングした。
コンピテントMG1655大腸菌(E. coli)細胞を、標準的な熱ショック技法を使用してこれらのベクターによって形質転換した。形質転換された細胞をLB−アンピシリン培地において、160rpmで振とうさせながら30℃で24時間生育させた。
細胞を、4℃、10,000rpmで20分間の遠心分離により回収して、沈降物を−80℃で保存した。
タンパク質の精製および濃縮
培養細胞200mlからの沈降物を氷中で融解して、300mM NaCl、5mM MgCl、1mM DTT、および10mMイミダゾールを含有する50mMトリス−HCl pH7.5 3mlに再懸濁させた。リゾナーゼ(Merck)10μlを添加した。細胞を室温で10分間インキュベートした後、氷中に20分間戻した。2×30秒間の超音波処理によって細胞の溶解が完了した。次に、細菌抽出物を4℃、10,000rpmで20分間の遠心分離により透明にした。透明にした細菌溶解物をPROTINO−1000 Ni−TEDカラム(Macherey−Nagel)にロードして、6−Hisタグタンパク質を吸着させた。カラムを洗浄して、対象の酵素を、300mM NaCl、5mM MgCl、1mM DTT、250mMイミダゾールを含有する50mMトリス−HCl pH7.5 4mlによって溶離させた。次に、溶離液を、Amicon Ultra−4 10kDaフィルターユニット(Millipore)で濃縮して脱塩し、酵素を50mMトリス−HCl pH7.5に再懸濁させた。酵素調製物に10%グリセロールを補充した後、長期間保存した。タンパク質濃度は、NanoDrop 1000分光光度計(Thermo Scientific)でUV280nmの直接測定によって定量した。このように精製されたタンパク質の純度は、70%〜90%まで変化した。
実施例2:ホルムアルデヒドからのアセチルリン酸の酵素触媒産生の試験
アセチルリン酸は加水分解に対して特に不安定であり、酢酸塩を放出する。それゆえ、ホルムアルデヒドからの酢酸塩の酵素触媒産生を、質量分析(MS)およびHPLC分析を使用してモニターした。
質量分析(MS)
酵素反応を以下の条件下で行った:
50mMリン酸ナトリウムpH7.5
1mMチアミンピロリン酸(TPP)
10mM MgCl
50mMホルムアルデヒド(Sigma)
pHを7.5に調節した
ホスホケトラーゼ(PKT)濃度は10mg/mlであった。
酵素を添加しないか、またはホルムアルデヒドを添加しない対照アッセイを行った。酵素反応は、37℃で振とうさせながら全量0.2mlで40時間実施した。典型的に、200μlの反応のアリコートを採取して、遠心分離し、上清をきれいなバイアルに移した。MSスペクトルは、イオントラップ質量分析計(Esquire 3000,Bruker)において、流速2ml/hで作動させるシリンジポンプを使用して試料を直接注入することによりネガティブイオンモードで得た。酢酸塩の存在を評価した。MS分析は、m/z59.4で[M−H]イオンの存在を示しており、これは酵素試料からの酢酸塩に対応するが、対照からは示されなかった(図1AおよびB、図2)。
HPLCに基づく分析
酵素反応を以下の条件下で行った:
50mMリン酸ナトリウムpH7.5
5mMチアミンピロリン酸(TPP)
5mM MgCl
1.9mM L−システイン塩酸塩
23mMフッ化ナトリウム
50mMホルムアルデヒド(Sigma)
pHを7.5に調節した
ホスホケトラーゼ(PKT)を5mg/mlの濃度で添加した。
(a)酵素の非存在下でのホルムアルデヒドおよびリン酸塩、(b)リン酸塩の非存在下でのホルムアルデヒドおよび酵素、からなる対照反応を並行して実施した。
酵素反応を、37℃で振とうさせながら全量0.3mlで48時間行い、80℃で5分間インキュベートすることにより停止させた。アッセイ試験管を遠心分離して、透明な上清100μlをきれいなバイアルに移した。市販の酢酸ナトリウム(Sigma−Aldrich)を参照として使用した。HPLC分析は、屈折計検出器およびカラム加熱モジュールを備えた1260インフィニティLCシステム(Agilent)を使用して行った。試料10μlをPL Hi−Plex Hガードカラム(50×7.7mm)を備えたHi−Plex Hカラム(300×7.7mm、粒子径8μm、カラム温度65°C)で分離した。移動相は、硫酸水溶液(5.5mM)からなり、流速0.6ml/分で移動させた。これらの条件下での酢酸塩の保持時間は18.4分であった。
HPLC分析の結果を表1に示す。
Figure 2017508473
これらのデータは、ホルムアルデヒドからの酢酸塩の産生が、リン酸塩とホスホケトラーゼの存在下で起こり、アセチルリン酸の形成を通して進行することを示している。
実施例3:スルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼによって触媒される、ホルムアルデヒドからのアセチルリン酸の産生の試験
アセチルリン酸は、加水分解に対して特に不安定であり、酢酸塩を放出する。それゆえ、ホルムアルデヒドからの酢酸塩の酵素触媒産生を、HPLC分析を使用してモニターする。
HPLCに基づく分析
酵素反応を以下の条件で行う:
50mMリン酸ナトリウムpH7.5
5mMチアミンピロリン酸(TPP)
5mM MgCl
1.9mM L−システイン塩酸塩
23mMフッ化ナトリウム
50mMホルムアルデヒド(Sigma−Aldrich)
1〜10mg/mlの酵素
本試験には以下の酵素を使用する:
アルカリゲネスキシロソキシダンスキシロソキシダンス(Alcaligenes xylosoxydans xylosoxydans)由来のスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼ(Uniprot受託番号:Q84H41)
ロセオバリウスヌビンヒベンス(Roseovarius nubinhibens)由来のスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼISM(Uniprot受託番号:A3SR25)
カステラニエラデフラグランス(Castellaniella defragans)由来のスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼ(Uniprot受託番号:Q84H44)
デスルフォニスポラチオスルファチゲネス(Desulfonispora thiosulfatigenes)由来のスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼ(Uniprot受託番号:Q93PS3)
(a)酵素の非存在下でのホルムアルデヒドおよびリン酸塩、(b)リン酸塩の非存在下でのホルムアルデヒドおよび酵素、からなる対照反応を並行して実施する。
酵素反応を、37℃で振とうさせながら全量0.3mlで48時間行い、80℃で5分間インキュベートすることにより停止させた。アッセイ試験管を遠心分離して、透明な上清100μlをきれいなバイアルに移した。市販の酢酸ナトリウム(Sigma−Aldrich)を参照として使用した。HPLC分析は、屈折計検出器およびカラム加熱モジュールを備えた1260インフィニティLCシステム(Agilent)を使用して行った。試料10μlを、PL Hi−Plex Hガードカラム(50×7.7mm)を備えたHi−Plex Hカラム(300×7.7mm、粒子径8μm、カラム温度65°C)で分離した。硫酸水溶液(5.5mM)からなる移動相を、流速0.6ml/分で移動させた。これらの条件下での酢酸塩の保持時間は18.4分であった。

Claims (11)

  1. ホルムアルデヒドおよびリン酸塩からのアセチルリン酸への変換が、以下の反応スキームに従ってホスホケトラーゼまたはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼ(EC2.3.3.15)の使用によって行われる、ホルムアルデヒドおよびリン酸塩からアセチルリン酸を酵素的に産生する方法。
    2CHO+リン酸塩 → アセチルリン酸+H
  2. 前記ホスホケトラーゼが、
    (a)ホスホケトラーゼ(EC4.1.2.9)または
    (b)フルクトース−6−リン酸ホスホケトラーゼ(EC4.1.2.22)
    である、請求項1に記載の方法。
  3. 産生された前記アセチルリン酸を酢酸塩に変換するステップをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. アセチルリン酸の酢酸塩への変換が、酢酸キナーゼ(EC2.7.2.1)または酪酸キナーゼ(EC2.7.2.7)または酢酸キナーゼ(二リン酸)(EC2.7.2.12)またはプロピオン酸キナーゼ(EC2.7.2.15)またはアシルホスファターゼ(EC3.6.1.7)を利用することによって行われる、請求項3に記載の方法。
  5. 産生された前記アセチルリン酸をアセチル−補酵素Aに酵素的に変換するステップをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
  6. アセチルリン酸のアセチル−補酵素Aへの変換が、リン酸アセチルトランスフェラーゼ(EC2.3.1.8)を利用することによって行われる、請求項5に記載の方法。
  7. メタノールをホルムアルデヒドに酵素的に変換することによって、アセチルリン酸に変換されるホルムアルデヒドを提供するステップをさらに含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
  8. メタノールのホルムアルデヒドへの酵素的変換が、メタノールデヒドロゲナーゼ(EC1.1.1.244)またはメタノールデヒドロゲナーゼ(チトクロームc)(EC1.1.2.7)またはアルコールオキシダーゼ(EC1.1.3.13)を利用することによって行われる、請求項7に記載の方法。
  9. (a)ホルムアルデヒドと、ホスホケトラーゼおよび/またはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼと;または
    (b)ホルムアルデヒドと、ホスホケトラーゼおよび/またはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼを発現する微生物と
    を含む組成物。
  10. ホルムアルデヒドからアセチルリン酸を産生するための、ホスホケトラーゼまたはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼの使用。
  11. ホルムアルデヒドからアセチルリン酸を産生するための、ホスホケトラーゼおよび/またはスルホアセトアルデヒドアセチルトランスフェラーゼを発現する微生物の使用。
JP2016558804A 2014-03-26 2015-03-13 ホルムアルデヒドからのアセチルリン酸の酵素的産生 Pending JP2017508473A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP14161723.3 2014-03-26
EP14161723 2014-03-26
EP14176885 2014-07-14
EP14176885.3 2014-07-14
PCT/EP2015/055254 WO2015144447A1 (en) 2014-03-26 2015-03-13 Enzymatic production of acetyl phosphate from formaldehyde

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017508473A true JP2017508473A (ja) 2017-03-30

Family

ID=52737078

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016558804A Pending JP2017508473A (ja) 2014-03-26 2015-03-13 ホルムアルデヒドからのアセチルリン酸の酵素的産生

Country Status (5)

Country Link
US (1) US10920253B2 (ja)
EP (1) EP3122886B1 (ja)
JP (1) JP2017508473A (ja)
CN (1) CN106255759B (ja)
WO (1) WO2015144447A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3347479B1 (en) * 2015-09-10 2019-11-06 Scientist of Fortune S.A. Enzymatic production of an acyl phosphate from a 2-hydroxyaldehyde
CN106755172B (zh) * 2016-12-16 2020-07-28 中国科学院天津工业生物技术研究所 利用乙醇醛合成乙酰辅酶a及其衍生产品的新途径
CN106916794B (zh) * 2017-02-22 2019-10-11 中国科学院天津工业生物技术研究所 催化甲醛合成羟基乙醛的酶及其应用

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008509661A (ja) * 2004-08-10 2008-04-03 味の素株式会社 有用な代謝産物を製造するためのホスホケトラーゼの使用
WO2012098662A1 (ja) * 2011-01-20 2012-07-26 トヨタ自動車株式会社 組換え酵母及びこれを用いた物質生産方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7253001B2 (en) * 2002-03-19 2007-08-07 Forskarpatent I Syd Ab Metabolic engineering for improved xylose utilisation of Saccharomyces cerevisiae
RU2004124226A (ru) 2004-08-10 2006-01-27 Закрытое акционерное общество "Научно-исследовательский институт Аджиномото-Генетика" (ЗАО АГРИ) (RU) Использование фосфокетолазы для продукции полезных метаболитов
WO2011053764A2 (en) * 2009-11-02 2011-05-05 Plant Sensory Systems, Llc Method for the biosynthesis of taurine or hypotaurine in cells
US20110236941A1 (en) 2010-10-22 2011-09-29 Lanzatech New Zealand Limited Recombinant microorganism and methods of production thereof

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008509661A (ja) * 2004-08-10 2008-04-03 味の素株式会社 有用な代謝産物を製造するためのホスホケトラーゼの使用
WO2012098662A1 (ja) * 2011-01-20 2012-07-26 トヨタ自動車株式会社 組換え酵母及びこれを用いた物質生産方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
CHINEN; KOZLOV A; HARA Y I; ET AL: "INNOVATIVE METABOLIC PATHWAY DESIGN FOR EFFICIENT L-GLUTAMATE PRODUCTION BY SUPPRESSING CO2 EMISSION", JOURNAL OF BIOSCIENCE AND BIOENGINEERING, vol. VOL:103, NR:3, JPN5017002144, 1 March 2007 (2007-03-01), NL, pages PAGE(S):262 - 269 *

Also Published As

Publication number Publication date
EP3122886A1 (en) 2017-02-01
CN106255759A (zh) 2016-12-21
US20170107546A1 (en) 2017-04-20
WO2015144447A1 (en) 2015-10-01
EP3122886B1 (en) 2020-11-11
CN106255759B (zh) 2023-12-01
US10920253B2 (en) 2021-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3149180B1 (en) Method for the enzymatic production of d-erythrose and acetyl phosphate by using a phosphoketolase
KR101989637B1 (ko) 유용한 대사산물의 생산을 위한 재조합 미생물
WO2012109534A2 (en) Cells and methods for producing isobutyric acid
Chang et al. Enhanced 3-hydroxypropionic acid production from acetate via the malonyl-CoA pathway in Corynebacterium glutamicum
CN113614240A (zh) 用于从乙酰-CoA生产异丁烯的改进手段和方法
JP2023514301A (ja) ホルムアルデヒドのバイオマスへの取り込みのための方法
Yamamoto et al. Synthesis of ethyl (S)-4-chloro-3-hydroxybutanoate using fabG-homologues
US10920253B2 (en) Enzymatic production of acetyl phosphate from formaldehyde
US20140134690A1 (en) Microbes and methods for producing 1-propanol
CN108026549B (zh) 从2-羟基醛经酶促产生酰基磷酸
US20220112532A1 (en) Method for producing fructose-6-phosphate from dihydroxyacetone phosphate and glyceraldehyde-3-phosphate
Han et al. Cloning and functional characterization of xylitol dehydrogenase genes from Issatchenkia orientalis and Torulaspora delbrueckii
Jakoblinnert Reaction and protein engineering employing a carbonyl reductase from candida parapsilosis

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180227

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190108

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190730